小説【魔法科】魔法科高校の劣等生(12) ダブルセブン編 感想・ネタバレ

小説【魔法科】魔法科高校の劣等生(12) ダブルセブン編 感想・ネタバレ

どんな本?

魔法科高校の劣等生』は、佐島勤 氏による日本のライトノベル。
略称は「魔法科」。

物語は西暦2097年、3月。
魔法が現実の技術として確立し、魔法師の育成が国策となった時代を舞台にしている。

主人公は、国立魔法大学付属第一高校(通称「魔法科高校」)に通う兄妹、司波達也と司波深雪。

この作品は、原作小説の累計が1,400万部、シリーズ累計が2,500万部を突破し、大人気のスクールマギクスとなっている。
また、2024年には3期目のTVアニメが放送されることが決定している。

さらに、この作品は様々なメディアで展開されており、ライトノベルだけでなく、漫画やアニメでも楽しむことができる。

読んだ本のタイトル

魔法科高校の劣等生 (12) ダブルセブン編
著者:佐島勤 氏
イラスト: 石田可奈 氏

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あらすじ・内容

生徒会メンバーとなった達也と深雪の前に、ユニークな『新入生』が現れる。

 二〇九六年、四月。司波達也と深雪は二年生に進級した。
 今までの目覚ましい活躍と実績が考慮され、今年度から新設された魔法工学科コースの生徒となった達也は、深雪の意向で彼女と同じく生徒会副会長にも抜擢される。
 今年こそ、深雪と共に平穏な学校生活を……と考えていた達也だったが、新入生たちはそれを許さなかった。
 七宝琢磨。入試成績トップとして、今年度の新入生総代を務めたエリートで、十師族の脇を固める師補十八家の一つ『七宝家』の長男。
 七草香澄、七草泉美。十師族のひとつ『七草家』の長女・七草真由美の双子の妹たち。
 同じの数字を持つ『ナンバーズ』の三人が、魔法科高校で波乱を巻き起こし――。新展開突入!

魔法科高校の劣等生(12) ダブルセブン編

感想

新学科コースの創設

魔法工学科コース

突然出来た魔法工学科。
それは司波達也の為に創設した学科だった。

去年一年で対内的にも対外的にも無視することなどできない派手な実績を積み上げてきた達也をこれ以上「補欠」扱いしておくことは、学校の体面にとって不利益だと判断されたのだ。その結果新設されたのが魔法工学科、通称魔工科。

(本文より引用)

ただ入学は今まで通り1科生、2科生で入る。
そして、2年生になる時に試験を受けて合格した者が魔法工学科になれる。

E組の魔法工学科に入ったのは達也と美月。

そして、幹比古は1科に入る事になった。

レオとエリカは変わらず2科のまま。

魔法工学科の教師はジェニファー・スミス。
元は大学の先生だったが何かあって高校に来たらしい。。

更に意外にも1科生から魔法工学科に来た生徒も多く、その代表格がレンジゼロと異名を持つ十三束だったりする。

生徒会

そして、生徒会では生徒会長あーちゃん

因みに達也は風紀員から生徒会にプレゼントされたそうなw

それに喜ぶ会長と妹、書記。
会長はイージスの盾を得たようなモノ。

新入生

新入生ではタイトルの「ダブルセブン」の元になってる。
七草家
七草香澄、七草泉美の双子。
香澄は達也に、敵愾心を持っており、、
と言っても、姉にチョッカイを出すゲス野郎と勘違いして攻撃したら、軽く回避されたのが面白く無いだけ。
泉美は深雪に一目惚れしてしまい、崇拝してしまう。
個性的過ぎるわ、、

そして、七宝家の七宝琢磨。
新秩序を創ると1人で息巻いてる厨二病な子とも取れるけど、優秀な実力と血筋があるから質が悪い。

七宝と七草

一条、一之倉、一色、二木、二階堂、二瓶、三矢、三日月、四葉、五輪、五頭、五味、六塚、六角、六郷、六本木、七草、七宝、七夕、七瀬、八代、八朔、八幡、九島、九鬼、九頭見、十文字、十山

上記の二十八家から四年に一度行われる「十師族選定会議」にて十師族を選定される。
太字の家名が現在の十師族。

今回の揉め事は七宝家の長男(?)琢磨が七草家の次女、香澄に噛み付いたのがキッカケだったが、、、

どうも家としての動きでは無く、小和村真紀に唆された琢磨の独自の動きだった。


そういう意味では、七宝琢磨は唯の躾の出来てない犬の状態。

結局は、琢磨と香澄&泉美の決闘にまで行くのだが、、

お互いに殺傷能力の高い魔法をぶっ放して達也に術式解体されて、双方失格の没収試合。
達也が1番美味しい。

それを不服と言って、達也に噛み付く琢磨を十三束が、、

エイミーが気に入る訳だw

そして何故か琢磨と十三束が試合する事になる。。

その結果はまぁ、当たり前だけど琢磨の惨敗。
その試合の直後に十三束は達也に試合を頼んで、それを見た琢磨は、あまりのレベルの違いに愕然とする。

居た堪れなくなってその場から逃げ出し、香澄から意見を言われて腑に落ちたらしい。。

その後の話では、琢磨は殆ど出てこない。
悪目立ちせず普通の高校生に戻ったんだと思う。

番外編
そんな、ギスギスしてる新入生達の中、唯一の癒し枠。
魔法工学科の教師になったジェニファー・スミスの息子、ケント・スミスも入学してる。
そのケントは達也をリスペクトしており。
まるで仔犬のように達也に懐いている。
本当に癒し枠の子だ。

その他

七宝琢磨を唆している女優の小和村真紀
この人って何がしたかったのだろうか?
新秩序を創るにしてはやってる事が小さいと言うか、、

小和村真紀の狙い

小和村の父親が報道関係者でかなりの力を持ってるらしい。
でも、今迄は反魔法師主義をメインにしていたらしく、女優として活躍し始めた娘を使って魔法側へシフトしようとしているらしい、、

つまり、小和村家は本流の上流階級に行きたいって事なのかな?

ついでに娘の方は直接な力としての魔法も求めている?

それも七草弘一の掌の上で踊らされてる感じで、、、
更に、周公瑾には裏切り者として報復を受けそうになるが、、

あまりにやり過ぎたので、達也に強襲され恐怖によって釘を刺されて、、

その帰りに、周公瑾から放たれた刺客にと鉢合わせした達也が撃破して彼女は殺されずに済む。
なんか運が良いな、、

そして、ラスボス感のある周公瑾

一応、表向きは人気中華料理店の青年オーナー。

その裏では、大亜連合の圧政から逃れて日本に漂着する亡命希望者を第三国へ送り出す亡命ブローカー。
さらに、亡命先で反大亜連合活動を行う資金の提供も行っている。
それとバランスを取るように、大亜連合のスパイのような役目も担っているスパイの現地協力者でもある。

七草弘一

元々は周公瑾経由で反魔法主義者達が活発に動き、日本国内の世論を誘導しようとしたのだが、、
色々な思惑が絡んでしまう。

その一つが今回の七草弘一の謀略と、小和村家の反魔法主義からの離反。

そして、彼等に踊らされた野党議員の第一高校への突然の訪問になるのだが、、

四葉家から警告を受けていた達也はカウンターで恒星炉の実験を行う。

反魔法主義者を利用して、ガス抜きだと嘯いて謀略を巡らせていた七草も十文字から正式に抗議をされて沈静化する。
まぁ、やり過ぎたよな、、

そんな感じで、反魔法主義者達を利用した周公瑾の計画を七草弘一、小和村真紀が引っ掻き回して、それに巻き込まれた達也に思いっきり反撃をくらって計画は頓挫させられた。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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備忘録

現代魔法の発展は、異能の発現から約97年、人間の改造に舵を切ってから80年の歴史を持つ。特に、最後の50年間で「魔法師の名門」と称される血筋が形成されたのは、科学技術と経済資源を大量に投入した結果である。エネルギー資源の枯渇、地球の寒冷化による食料不足、そして第三次世界大戦が魔法師開発を加速させた。この時期、人間の品種改良や交配実験が行われ、魔法師という新たな「種族」が生み出された。先進国では人工子宮の開発や人工授精により、遺伝子操作を伴わない「試験管ベビー」が大量に生産されたが、これらの子供たちは短命であった。彼らの犠牲を通じて、適切な卵子と精子の組み合わせが判明し、正しい組み合わせでの婚姻が奨励された。この過程で形成されたのが、十師族を含む現代魔法の名門家系である。このような技術開発の背景には、文化的要因が大きく影響しているが、その結果が「人間性」の喪失につながったかどうかは、歴史が判断することになるだろう。

0(アニメ2期 11話)

山梨県と長野県の境近くにある名前のない村で、一人のセーラー服を着た少女が武装集団と対峙する。この少女は魔法師であり、彼女が通う学校に武装集団が迫ってくる。集団は校舎に擲弾を発射するが、少女の魔法によって防がれる。彼女は魔法を用いて敵の攻撃を跳ね返し、侵入を試みる武装集団を退ける。敵は屋上からザイルで降りてきて窓を突破しようとするが、少女は彼らの攻撃を魔法で防ぎ、反撃する。しかし、最終的には学校のスピーカーから演習終了のアナウンスがあり、少女は戦闘を止め、奥様からの直接の言葉を聞くために屋敷へ戻るよう指示される。この出来事は、実際には演習であり、少女はその演習で戦うことになっていたことが明らかになる。

この村は表向きは普通の山村に見えるが、実は「死(四)の魔法師工場」と呼ばれる魔法技能師開発第四研究所の跡地であり、現在も魔法師の改良と淘汰が行われている四葉家の本拠地である。中学卒業を控えた桜井水波は、遺伝子操作によって生まれた強力な魔法師で、四葉家で住み込みメイドとして働き、将来のガーディアンとして教育されてきた。水波は四葉真夜の前で、演習で十人の武装集団を無力化したことを評価され、合格点を得る。しかし、真夜からの新たな命令は、東京に移り、国立魔法大学付属第一高校に進学することだった。試験の準備として、直接脳に必要な知識を書き込む方法が使われるが、これは神経を酷く消耗するため、試験後は一週間ほどの休養が必要となる。水波はこの新たな命令を受け入れ、春からは深雪の元で働くことになる。

1

西暦2096年4月のある日、司波兄弟の自宅では、達也が新しい制服に困惑していた。隣には妹の深雪がおり、新しい同居人である桜井水波もいた。水波は四葉真夜の元から家政婦兼護衛見習いとして送り込まれた。達也は新設された魔法工学科の制服を着用しており、これは彼のために設立されたものだった。新しい制度では、一般魔法科と魔法工学科のコース選択が可能になり、達也の友人の一部は一科への移動が認められた。

その夜、達也と深雪は北山家のホームパーティーに招かれていた。当初、水波は付き添いとしてのみの参加が予定されていたが、達也は彼女の参加を望んだ。水波は従うことを表明したが、本心では気乗りしない様子だった。達也は水波を強制することを好まないが、母方の従妹という設定を補強するためには彼女の参加が必要だと判断した。深雪は水波のドレス選びを手伝うことを提案し、水波は動揺しながらもそれに応じた。

2(アニメ2期 12話?)

北方潮が主催するホームパーティーは盛況だった。このパーティーは、USNAからの短期留学を終えた雫の帰国祝い兼進級祝いが目的である。北方潮は経済界の大立て者であり、その家族構成は雫を含む5人だが、潮には5人の兄弟がおり、多くが既婚者であるため、パーティーは大規模なものとなった。達也はパーティーで北山紅音と長く会話することになり、紅音は達也に対し毒舌を吐くが、同時に達也の才能を認めている。

紅音は達也にほのかへの関心を尋ねるが、達也は距離を置く態度をとる。紅音は達也が不幸を招く可能性を懸念し、その力によって雫が巻き込まれることを恐れている。しかし、潮はそのような未来を避けるために家族を守ると紅音を安心させる。

その後、達也は雫の弟、航と会話し、魔工技師についての質問に答える。達也は魔法が使えなくても魔法工学を学ぶことが可能であると説明する。

パーティーで、女優の小和村真紀が達也と深雪に接近する。真紀は二人を自身のサロンに招待するが、達也と深雪はそれを断る。達也たちは真紀に対して警戒心を抱き、彼女の提案を丁寧に拒絶する。小和村真紀の行動は、彼女が何かを企んでいるかのように見えたが、達也と深雪はその誘いに乗らない。

結局、パーティーは様々な人間関係と感情が交錯する場となり、達也と深雪はそれぞれの立場と感情を確かめながら行動する。北方潮の家族としての結束と責任感、達也の警戒心と自己認識、そして紅音の潮への信頼と不安が浮かび上がる。

3

高層マンションの前で、クラシックな見た目の電気自走車から降りた女優の小和村真紀は、エレカーが去ると笑顔を消し、マンションへ向かった。彼女の部屋は高級マンションの最上階にあり、彼女の父親は複数のメディア企業を持つ持株会社の社長である。帰宅後、真紀はリラックスし、ワインを楽しむ。その後、ボディガードが七宝琢磨の訪問を知らせ、真紀は彼を迎え入れる。

琢磨と真紀は、一高内で派閥を作り、新しい秩序を作ることを目的として同盟を結んでいた。二人は北山雫やその友人の光井ほのかを派閥に引き入れようと計画している。真紀は雫と接触し、ほのかには関心を持ってもらえたと報告する。七宝家との関係を利用し、校内での影響力を高めようとしている。

真紀は琢磨に、北山雫とその兄が校内で特別な関係にあると伝え、彼らを味方にすることの難しさを説明する。琢磨は七草家に取り込まれている可能性を懸念し、衝突を避けられないと強気に述べる。真紀は琢磨を激励し、北山兄妹との対立を避けるための戦略を提案する。

4(アニメ3期 1話 末)

TVアニメ「魔法科高校の劣等生」第3シーズン

東京、大阪、名古屋は21世紀末の現在も日本の三大都市とされている。大阪は地盤沈下を乗り越え、商都としての地位を回復。しかし、事件が起こるのは名古屋である。深夜、熱田公園の遊歩道には、派手な格好の少女と、黒いミニ丈のジャンパースカートを着た少女がいた。この二人は、ターゲットとされる屋形船の到着を待っていた。船には記者を装った元傭兵と他の男性が乗り込んでいる。少女たちはこのグループを追っていた。

少女たちには任務が与えられており、そのために動きやすい服装を選んでいた。姉妹は屋形船に近づき、船内にいた男たちを迅速に制圧した。男たちはUSNAで活動する人間主義団体のメンバーであり、元傭兵の記者は魔法師嫌いで有名な野党議員との通信記録を持っていた。任務完了後、姉妹は黒服のグループによって移送の準備が整えられ、現場から撤退した。

TVアニメ「魔法科高校の劣等生」第3シーズン

表向きは人気中華料理店のオーナーである周公瑾は、複数の顔を持つ人物である。彼は亡命希望者を第三国へ送り出すブローカーとして、また大亜連合に反対する活動の資金提供者として活動している。さらに、大亜連合のスパイとしても機能し、横浜事変や吸血鬼事件に関与している。周の行動は、彼の政治思想と、ある人物の意向によるものであり、日本と大亜連合双方に影響を与える目的がある。

周公瑾は自身の店の地下にある秘密の部屋で、呪法具と化した人形に跪いていた。この人形は人の死体を基に作られた通信機であり、周はこの人形を介して「大師ヘイグ」と呼ばれる人物と通信している。大師ヘイグは、マスメディアへの工作活動の進捗を周に確認し、映像媒体に対する工作率が50%に達した際に大規模な仕掛けを指示する。

周はこの会話を終え、部屋から退室する際、死体との会話が心地良いものではないと感じながらも、その任務を遂行している。彼の複雑な役割と内心の葛藤は、彼の表情には現れない。

5(アニメ3期 1話)

西暦2096年4月6日、新学期の始まりに、司波達也と司波深雪は兄妹で登校する。彼らはすでに学校で有名人となっており、その親密な関係は周囲の注目を集めていた。達也は深雪の護衛役として、彼女に向けられる悪意を警戒しているが、深雪自身は他人の視線を気にしていない。

学校では、新しいクラスメートとして十三束鋼が加わる。彼は優秀な成績を持つが、遠距離の魔法が苦手という弱点がある。エリカは十三束の加入に驚くが、十三束は自分の専門分野に合った魔法工学科を選んだのだと説明する。

教室での他の生徒たちとの交流も描かれ、新たなクラスメート間の関係が築かれ始めている。特に英美という元気で明るい女生徒が登場し、彼女の活発な性格がクラスの雰囲気を和やかにする。一方、達也に対する悪意のある視線を投げる平河千秋の存在も描かれ、達也と彼女との間の緊張が示唆されている。

学期が始まったばかりのこの日、新しい友情や競争、そして可能性が生まれつつある。達也と深雪、そして彼らのクラスメートたちは新たな学年での挑戦に直面している。

二年E組の実技指導担当教師として現れたのは、推定四十代の女性で、北方系白色人種の特徴を持つジェニファー・スミス氏だった。彼女はUSNAのボストン出身で、18年前に日本に帰化したと説明し、昨年度まで魔法大学で講師を務めていた。彼女の登場は達也を含む生徒たちにとって予想外であったが、彼女の経歴と帰化した背景は疑問を氷解させた。

昼休みには、達也が生徒会副会長として生徒会室におり、新たな役員歓迎会的な昼食会が和やかに進んだ。ピクシーというロボットが給仕を務めた。達也と深雪はまだ新入生総代に直接会っておらず、新入生の準備は学校側の主導で行われているため、在校生と新入生の準備は別々に進められている。

入学式の準備と昨年の体験を振り返りながら、達也たちは新入生総代について話し合った。あずさは新入生総代の七宝について、やる気がある子に見えたと評価したが、花音は「野心家」と表現し、あずさもそれに曖昧な苦笑いを浮かべた。

TVアニメ「魔法科高校の劣等生」第3シーズン

夕食後、達也と深雪はリビングでコーヒーを飲みながら、新入生総代の七宝琢磨について話し合っていた。達也は琢磨の野心的な性格を理解しようとするが、深雪は彼との初対面が友好的でなかったことに不満を示す。琢磨の態度は礼儀正しくはなく、達也に対する敵意を隠さなかった。達也は琢磨が魔法工学技術を軽視する傾向がある七宝家出身であるため、その態度をある程度理解しているが、深雪はそれを受け入れられない。

深雪は琢磨が達也と自分に敵意を持っていると感じ、達也はその原因を琢磨の自己顕示欲と見なしている。琢磨は深雪をライバル視しており、自分が十師族に相応しい力を持っていることを示したいと考えているようだ。達也と深雪は、琢磨が自分たちを十師族の関係者だと知っている可能性も考えるが、それが誤解であることには気づいていない。二人は七宝家との関係に注意する必要があると感じているが、七草家との関係を疑われているとは想像もしていなかった。

6(アニメ3期 1話 2話)

国立魔法大学付属第一高校の入学式当日の朝、達也、深雪、水波は式の準備のため早く学校に到着した。準備室で他の生徒会メンバーや新入生総代の七宝琢磨と合流し、最終の打ち合わせを行った。式直前のリハーサルが無事終わり、達也は新入生の誘導に向かった。その途中、真由美と偶然出会い、会話を交わすが、真由美の妹、香澄が誤解から達也に攻撃を仕掛ける。達也はそれを巧みに避け、事態は収束する。

TVアニメ「魔法科高校の劣等生」第3シーズン
TVアニメ「魔法科高校の劣等生」第3シーズン

この一連の出来事は、達也の冷静な対応と、彼の魔法技術の高さを示している。また、真由美の妹たちの性格や達也との関係性にも光を当てている。達也はピクシーを使って監視システムに介入し、事件の記録を抹消することで、香澄の魔法不正使用を隠蔽した。達也の行動は、彼の責任感と、問題を解決するための能力を強調している。

新入生の案内をしていた達也は、講堂とは逆側で迷っている新入生の男子生徒、隅守賢人(ケント)に声をかける。彼はプラチナの髪とシルバーの瞳を持ち、外見からは日本人らしさが感じられない少年だった。達也はケントを講堂へ案内し、彼が持っていた古い型の情報端末にGPSを使用した校内地図をインストールしてあげた。ケントは達也が去年の九校戦で活躍したことを知っており、その技術に感銘を受けて第一高校を選んだと語った。達也はケントの熱意を評価し、工学科に進むことを勧める。

香澄と泉美は入学式の席で司波達也先輩について話をする。泉美は達也先輩が去年の九校戦でエンジニアとして大活躍し、担当した選手がほぼ無敗だったことを香澄に教える。香澄は驚きつつも、達也先輩のことを知らなかったことにショックを受ける。一方、泉美は達也先輩に対してある種の不安を感じている。

入学式が無事に終わり、生徒会の勧誘が行われる中、琢磨は生徒会への参加を辞退し、自分を鍛えるため部活に専念したいと説明する。この意外な答えに、あずさと五十里は驚き、あずさは特にショックを受けるが、琢磨の決断を尊重する。

式後、深雪は上野議員との会話で苦労しており、政治家としての上野の立場と、魔法師への利用価値を考慮した行動が描かれる。真由美が登場し、上野議員を巧みに場から遠ざける。その後、深雀に対する泉美の過度な憧れが描かれ、泉美は深雪を「お姉さま」と呼びたいとまで言うが、この状況は水波の介入でさらに複雑化する。最終的に、達也と深雪が妹たちの振る舞いに寛大な態度を見せる一方で、真由美は恥ずかしさのあまり、急いで場を去る。

校門から「第一高校前」駅へ続く通学路の途中にある喫茶店「アイネブリーゼ」で、達也たちは入学式からの帰りにコーヒーを飲みながら雑談に興じていた。あずさと合流後、彼女に促されて先に帰ることにした達也たちは、琢磨の生徒会勧誘の結果について話題にした。琢磨は部活に専念したいという理由で生徒会入りを断った。達也たちは代わりに生徒会に勧誘する新入生を考えることにし、入試次席の七草泉美が候補として挙がった。

一方、あずさは生徒会室で一人、新入生の勧誘について考えていた。来訪者の服部との会話で、部活連も新入生から幹部候補を育成することが決定し、琢磨がその候補になったことが明らかになる。あずさと服部は、琢磨の代わりに生徒会に勧誘する新入生について話し合い、次席の七草泉美が適切な候補であると結論づけるが、服部は何かを懸念している様子を見せる。

西暦2096年4月10日、新入生である香澄と泉美は、生徒会室で達也と対面していた。この場面は達也にとって去年の春に自身が経験したシチュエーションを思い起こさせるものだった。当時、彼は風紀委員の役職を押し付けられ、その経験が彼の高校生活を大きく変えた。今回、彼は生徒会の一員として真由美の妹たちと向き合っている。

泉美は生徒会役員になることに興味を示し、うっとりとした様子で深雪と一緒に仕事ができることを夢見ていた。一方、香澄は達也に対して敵意を剥き出しにしており、生徒会入りを断固拒否した。深雪はこの状況に対して、香澄の反応を理解し、同情的であった。最終的に、泉美が生徒会に入ることになり、香澄は生徒会入りを断った。

放課後、香澄は一人でカフェにいて、学校のカウンセラーである小野遥と出会う。遥は香澄に風紀委員を勧め、彼女が達也と同じくらい活躍できると確信していた。遥の言葉に触発された香澄は、達也に負けない活躍をするために風紀委員を引き受けることを決意した。

TVアニメ「魔法科高校の劣等生」第3シーズン

7(アニメ3期 2話)

新入生総代に生徒会入りを断られたというアクシデントがありつつも、第一高校は比較的平和な新入部員勧誘週間を迎えていた。しかし、新勧週間二日目に予想通りトラブルが発生し、達也と深雪は部活連本部に待機していた。その日、彼らはロボット研究部(ロボ研)と自走二輪部の間で起きた争いを仲裁することになった。争いの原因は、両クラブが注目する新入生、隅守賢人を巡るものだった。

ロボ研と自走二輪部は、隅守を部員にしようと争っていたが、この場には生徒会役員でも風紀委員でもない、部活連の執行部員が最初に駆けつけた。執行部員の一人である七宝琢磨は、新入生の仲裁にあたっていたが、彼の介入は新たな口論を引き起こし、風紀委員として現れた香澄との間で緊張が高まった。

TVアニメ「魔法科高校の劣等生」第3シーズン

結局、達也と深雪が到着し、事態は収束に向かう。彼らはロボ研と自走二輪部に対して、この件を問題にしないと宣言し、両クラブはそれぞれの場所に戻っていった。一方で、琢磨と香澄の間の緊張は解消されず、周囲の注目を集めていたが、最終的には達也の介入により、場は収まった。

TVアニメ「魔法科高校の劣等生」第3シーズン

8(アニメ3期 2話)

西暦2096年4月13日の夜、香澄は泉美の部屋で放課後の出来事を愚痴っていた。香澄は部活連執行部員としての七宝琢磨の態度に不満を感じており、その態度は非友好的で喧嘩腰だったと語る。泉美はその態度に私的な敵意が感じられると指摘する。

TVアニメ「魔法科高校の劣等生」第3シーズン

一方、七草家では当主の弘一が来客の小和村真紀を迎えていた。真紀は女優であり、十師族の力を求めていると考えられていたが、実際には魔法師をスカウトし、映画や報道などの分野で彼らの才能を活かすことを提案していた。彼女は魔法師を見世物にするつもりはなく、危険な撮影やリアリティの欠如に直面する映画製作の現場で魔法師の力を活用したいと考えていた。

弘一と真紀の会談では、反魔法主義者の謀略を阻止する真紀の意志が語られ、彼女は魔法師の活躍の場を広げるために、自身が関わるプロジェクトに魔法師をスカウトすることを弘一に黙認してもらうことを望んだ。弘一は、七草家に所縁の魔法師に手を出さない限り、彼女の活動を妨害しないことを約束する。

弘一は真紀を送り出した後、自室で厳重に鍵をかけ、九島烈に電話をかけた。九島は弘一の師匠であり、彼から極めて重要な相談を受けた。弘一は、USNAの人間主義者(反魔法主義者)が国内のマスコミを操り、魔法師に対するネガティブキャンペーンを企てていると説明し、この動きが進展していることを懸念していると伝えた。九島は弘一の計画をすでに察していたが、弘一は四葉の力が国家のバランスを崩すほど強大であることを問題視し、反魔法主義者を利用してその力を抑える計画を持ちかけた。

弘一は第一高校に101旅団と縁の深い生徒がおり、この事実をマスコミや政治家が好む題材として使えると考え、限定的なネガティブキャンペーンで反魔法主義の風潮を和らげ、同時に十師族に利益をもたらす計画を提案した。九島は自らが計画を認可する立場にないとしながらも、弘一の計画に反対しないことを示し、弘一は九島の返答に満足して電話を切った。この会話は、弘一が四葉の力のバランスを懸念し、それを調整しようとする陰謀に九島が暗黙の了解を示したことを示している。

9

西暦2096年4月14日の夜、達也たち兄妹の家には黒羽文弥と亜夜子が訪れた。彼らは達也たちの家が平凡すぎると感じていたが、実際には彼らが住んでいることを確認し、達也一人に迎えられた。達也と深雪は、黒羽姉弟が第四高校に合格したことを祝福した。黒羽姉弟は、一高に進学することを考えていたが、家族からの意向で別の高校に進学することになったと語った。

黒羽文弥は、国外の反魔法師勢力によるマスコミ工作について達也と深雪に伝えた。その工作は、USNAの人間主義者によって進められており、魔法師の人権を大義名分として、魔法の軍事利用や魔法教育機関の軍との癒着を非難し、最終的には第一高校を標的にする計画だった。達也は、この情報を持っていたが、黒羽家からの具体的な情報提供に感謝し、今後の対策について考えた。

文弥と亜夜子は、その後、都心のホテルに向かった。達也は、第一高校が反魔法勢力による直接的な攻撃を受ける可能性があることを知り、対応策を練ることになった。

TVアニメ「魔法科高校の劣等生」第3シーズン

10

国立魔法大学は国防陸軍旧練馬基地跡に建設され、大学と軍の関係は密接である。魔法大学では学生の自由が尊重され、服装などについても自由度が高い。真由美は、学内のカフェで十文字克人と会う。彼らの周囲の人々は二人の関係に注目しているが、真由美はそのことに特に意識を向けていない。

克人は、最近マスコミによる反魔法師報道が増えていることを真由美に伝える。その報道は、一部が魔法師の権利を代弁するように見せかけつつ、実際には魔法師の社会からの排斥を目指している。克人は、このような報道の背後に二つの勢力がいる可能性があると指摘し、その一方が七草家である可能性が高いと述べる。この情報に真由美は強く反発し、七草家が日本魔法界に不利益をもたらすような行為をするはずがないと主張する。

真由美は克人に、彼の疑念について彼女の父、七草家当主に直接確認するため、克人を自宅に招く。克人はこれに同意し、真由美と共に真実を探求することになる。

十文字克人は、十文字家当主代理として、七草家当主・七草弘一に会うために七草家を訪れる。克人の訪問目的は、最近の反魔法師報道に七草家が関与しているのかを確認することであった。弘一はこの関与を認め、この行動が十師族や日本魔法界への裏切りではなく、外国の反魔法師勢力に対抗する措置だと説明する。弘一は、資金援助を受けたマスコミを通じたキャンペーンが外国の反魔法師勢力によって始められたものであり、自らもそれに対抗するために介入したことを明かす。

弘一は、世論に対抗する効果的な手段として、早い者勝ちの原則と世論の分断の重要性を説く。彼は、反魔法主義者が既に世論を形成しているため、これに対抗するには世論を分断するしかないと主張する。この戦略は、一旦分断された世論は勢いを失い、忘れ去られる傾向があるため、有効だと弘一は説明する。

討論の結果、十文字家は七草家の行動に遺憾の意を表明し、反魔法師キャンペーンへの関与を直ちに止めるよう求める。七草家は正式な抗議状を求め、その上で回答することになる。この一連のやり取りは、十師族間の対立と、それに伴う魔法界内の緊張を浮き彫りにする。

真由美は父の説明にも関わらず、この行動が魔法師の人生を不当に引っ掻き回すものであると反論し、ペンが剣よりも強いことが善良な力としてだけではないことを指摘する。弘一の問いに対し、真由美は自分が誰のために怒っているのかと問われ、動揺を隠せない。

11(アニメ3期 3話?)

TVアニメ「魔法科高校の劣等生」第3シーズン

魔法師に対する風当たりが強まる中、一高の校内はまだ平穏を保っていた。しかし、達也は嵐が近づいていることを感じており、亜夜子からの情報で、国会議員の視察が予定されていることを知る。この視察は、魔法師を国防軍から排除しようとする動きの一環であると達也は解釈する。達也は、魔法教育の平和的な利用を示すデモンストレーションを計画し、生徒会メンバーと協力して準備を進める。

このデモンストレーションは、常駐型重力制御魔法式熱核融合炉(恒星炉)の実現を目指すもので、達也の長期的な目標の一つでもある。達也は、この実験を通じて、魔法が軍事目的以外にも大きな貢献をすることができることを示したいと考えている。生徒会のメンバーは、それぞれが特定の魔法を担当し、実験の成功に向けて協力する。

ジェニファー教師からの許可を得て、実験の準備が進められる。実験は、魔法技術の平和利用を示し、魔法師と軍の関係に対する世間の誤解を解くことを目的としている。達也は、この実験を通じて、魔法師の社会におけるポジティブな役割を強調し、魔法師に対する否定的なイメージを払拭しようとしている。

恒星炉実験の準備期間は4日間に限られており、その短さにもかかわらず、達也と深雪は最初から悲観していなかった。彼らは構造物を作るのではなく、その仕組みを実演するだけであるため、実験装置の組立てには至らない。準備が進むにつれ、実験メンバーの不安は手応えに変わり、全員が真剣に取り組んでいた。最終リハーサルが成功し、実験は反魔法主義者に対するデモンストレーションとして計画され、本番は翌日に控えている。

リハーサル当日、放射線実験室での最終確認が順調に終了し、実験の成功を確信する達也たちは、生徒会室での緊急連絡を待つ。その間、達也の誕生日を祝う小さな交流があり、雫は達也の誕生日パーティーを計画していることを明かす。達也の誕生日を祝う温かい雰囲気の中、実験の成功に向けた団結が深まる。

12

達也と深雪は下校中に電車に乗り、深雪が何かに悩んでいる様子が見受けられた。深雪は達也にお買い物に付き合ってほしいと頼み、最終的には喫茶店で落ち着いた。深雪は達也に何かを話そうとしているが、直接的な話題には至らなかった。後に、深雪と達也は家で深雪による達也の誕生日サプライズを迎える。深雪は達也のために手作りの食事を準備し、深雪の悩みは達也をビックリさせたいという思いからきていたことが明らかになる。深雪は達也に誕生日プレゼントとして、精緻な彫金が施されたロケットペンダントを贈る。二人は兄妹の絆を深める特別な時間を過ごす。

13

四月二十四日には、七宝琢磨が家族や使用人に迷惑をかけないように注意しながら帰宅し、父である七宝拓巳との会話を持つ。七宝家は投資顧問業を表向きの家業としており、七宝拓巳は年次気象予測の専門家として知られる。一方で、魔法師としての琢磨と拓巳の間では、家族の役割や高校生活の価値について話し合われる。琢磨は高校を楽しむ場所とは見なしておらず、拓巳は息子の強情な態度をやれやれと受け止める。七宝家は、十師族選定会議の影響を受けており、琢磨は七草家との競争を意識しているが、拓巳はそれを無意味と見なしている。拓巳からの意外な要請として、琢磨には翌日の学校を休むよう言われる。

その翌日、野党の神田議員が第一高校に訪れる。神田議員の訪問は、魔法科高校での人権問題に光を当てることを目的としているが、実際には校長の百山東がリモートで対応し、神田議員の見学を限定的に許可する。神田議員と記者団は、「恒星炉」実験の見学を許される。この実験は、重力制御魔法を核とする継続熱核融合実験であり、技術的な成功を収める。実験の成功により、生徒たちの技術的成果と社会への貢献が示され、神田議員もその価値を認めざるを得なくなる。

14

四月二十六日木曜日、通学途中の個型電車内で達也が情報端末でニュースをチェックしていた際、前日に参加した「恒星炉」実験に関する様々な記事を目にする。好意的な記事と敵対的な記事が存在しているが、達也は特に敵対的な記事を予想しており、それを利用した世論操作の準備をしていた。しかし、意外にも好意的な記事が多いことに達也は驚く。反魔法主義アジテーションとは異なる、青少年の革新的な試みを好意的に取り上げるコラムにも実験が取り上げられており、達也はその理由を推測する。また、ローゼン・マギクラフト日本支社長のエルンスト・ローゼンが日本の技術水準を絶賛するインタビューが流れる中、達也は「ローゼンは一体何を狙っているのだろう」と疑問を抱く。

恒星炉実験に対する好意的報道が一高生の心を高揚させていたが、琢磨はその雰囲気と異なり、不快感を抱いていた。彼は実験に参加した生徒を褒めるクラスメイトの話に苛立ち、教室を出ていった。その後、風紀委員の香澄と不愉快なやり取りをした結果、二人は怒りのままに魔法を使おうとするが、風紀委員に止められる。後に生徒会室で、この問題に対する処分として、達也の提案により琢磨と七草姉妹(香澄と泉美)の間で試合を行うことが決定される。琢磨は二人同時に相手することを要求し、香澄もそれを受け入れる。この試合の準備として、生徒会長の決裁印が押された許可証が発行され、第二演習室での試合が決定する。

第二演習室で行われた試合は、琢磨、香澄、泉美が参加者で、達也が審判、深雪が立会人、ほのかが鍵の管理を行った。試合のルールはノータッチルールで、色分けされたエリアの外に出たり、相手に直接触れたりすることが禁止された。戦いは魔法を使った攻撃と防御が主で、琢磨は一人で攻撃と防御を、香澄と泉美は協力して行った。試合は激しさを増し、香澄と泉美は「窒息乱流」という複合魔法を使い、琢磨は「ミリオン・エッジ」という魔法で対抗した。しかし、達也が試合を中断し、双方に重大な怪我を負わせるリスクを避けるために双方失格と判断した。

試合中に起こった魔法の攻防の末、琢磨、香澄、泉美の攻撃魔法が達也の対抗魔法によって無効化される。この出来事に対し、参加者たちは様々な反応を示す。特に、一年生の三人は状況を理解できずにいたが、他の参加者たちはより理解していた。達也が審判として、双方の攻撃がルール違反と判断し、両者を失格にする。その後、琢磨は達也の判定に反発し、自分の魔法の制御能力を主張するが、達也は冷静に反論し、琢磨の攻撃が過剰であったと指摘する。さらに、琢磨は自分の負けを認めず、達也に挑戦を申し出るが、十三束が介入し、彼の挑戦を受けることになる。

15

周公瑾は、非魔法師が魔法師に対して持つ印象に関する調査報告書を見ている。この報告書は、魔法師に対する否定的な印象が高まっていることを示しているが、周が期待した効果には達していない。彼は、メディア局の中に指示に従わない者がいると考え、裏切り者に対する処罰を計画する。そのために、友人のロバート=孫に接触し、処罰の実行を依頼する。ロバートは、小和村喜夫の娘を対象にすることに同意し、処罰に必要な装備を受け取る。

琢磨は学校を休んでおり、その理由は様々な憶測を呼んでいる。彼の欠席は、上級生との試合に備えるためであることが示唆されている。達也は琢磨の背後にいる者との接触を警戒しており、学校にいる間はその動向を監視することにしている。

達也は藤林からの合図を受けて、琢磨が高級マンション街に入る様子を監視するために出かけた。彼らは琢磨の動向を監視しており、彼の尾行に気付かれることはなかった。藤林と真田と共に、琢磨が入ったマンションを見守る中、達也は琢磨を独立魔装大隊にスカウトする可能性について考える。しかし、達也は琢磨を嫌っているわけではなく、彼にちょっかいを掛けられなければ問題ないと考えている。その後、盗聴器を通して、琢磨が黒幕と思われる人物との会話が聞こえてきた。

一方、琢磨は女優の小和村真紀と会っていた。彼女は琢磨を慰めようとするが、達也が突然部屋に侵入し、彼らの行為を盗聴していたことを明かす。達也は真紀に対して、琢磨との関係を断ち切るよう要求し、高校生以下に手を出さないようにという要求を追加する。真紀はこの要求に拍子抜けしつつも受け入れる。達也は真紀との合意が得られると、音声データを消去することを約束して立ち去る。真紀は達也の正体と動機に不安と疑問を抱くが、達也は何者なのかについての彼女の問いには答えなかった。

達也は真紀のマンションから不審な飛行船を発見し、それが盗撮を目的としていることに気づく。藤林と連絡を取り、飛行船がテレビ局のものであることを確認した後、達也は盗撮を防ぐために飛行船へと乗り込む。飛行船内で、達也は銃を持った男たちと遭遇し、彼らがテレビ局員ではなく、アンティナイトの指輪を使ってキャスト・ジャミングを試みる曲者であることを知る。達也は彼らを無力化し、自身も飛行船が爆発する中、飛行船の残骸を消し去る魔法を使って事態を収束させる。しかし、この一連の動きは、周公瑾による小和村真紀への襲撃計画の一部であったことが示される。周公瑾は達也の介入によって計画が失敗したことを知り、達也の正体を突き止めることの必要性を感じるとともに、マスコミ工作の方針を転換することを決意する。

16

四月二十八日、第三演習室にて、十三束と琢磨の試合が行われた。服部が審判を務め、特殊なルール「ミリオン・エッジについては使用制限なし」で試合が進行する。十三束はミリオン・エッジを完封する秘策があると見られ、琢磨は挑戦することに。試合は十三束の勝利で終わり、達也と十三束の試合が即座に始まる。達也は術式解体と高圧高硬度の遠当て「徹甲想子弾」で十三束を破り、勝利する。試合後、琢磨は逃げ出すように演習室を後にした。

ロボ研ガレージの隣の空地で、琢磨が高ぶる感情を抑えきれずに木の幹を拳で殴りつけていた。その場に偶然いた香澄が、出血する琢磨の手を手当てし、彼の心境について語り合う。琢磨は上級生たちの圧倒的な強さに対して悔しさと疑問を抱えていたが、香澄は「強さ」については努力の結果であり、才能とは別のところから生まれるものだと語る。香澄はその後、琢磨を残して去っていき、琢磨は再び木を叩くが、今度は掌で叩いた。

一方、達也は生徒会室で通信機能を使い、部屋内にいる誰かと筆談でやり取りをしていた。彼は自分の秘密を守るためにデータの改竄を行っており、その作業が無事完了したことを確認する。その後、達也は相手に休息を命じ、通信記録を抹消した。

エピローグ

達也は、ある夜遭遇した飛行船が盗まれたものであり、その背後にチャイニーズマフィアの一員が関与していることを藤林から聞かされる。飛行船を盗み出したのは、無頭竜の首領の甥の従兄弟にあたるロバート=孫であることが確認された。藤林はこの事件が小勢で行われたわけではなく、何らかの支援者や黒幕がいる可能性を示唆しているが、その正体はまだ不明である。達也はこの事態が自分や深雪に関わってこないことを願っている。

一方、名倉は夜の繁華街にある店で周という青年と会っている。周は名倉の主と友誼を結びたいと申し出ており、名倉もその提案に応じる。彼らはマスコミ工作に関する話し合いを進め、魔法師を標的にするキャンペーンを控えることなど、具体的な話を進めていく。その会話の詳細は名倉と周以外知ることはできない。

アニメ

PV

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OP

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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