フィクション(Novel)読書感想魔法科高校の劣等生

小説【魔法科】「魔法科高校の劣等生 (27) 急転編」感想・ネタバレ

魔法科高校の劣等生 (27)の表紙画像(レビュー記事導入用) フィクション(Novel)

魔法科 (26) インベージョン編レビュー
魔法科 まとめ(3年生)
魔法科シリーズ まとめ
魔法科 (28)(29) 追跡編レビュー

  1. どんな本?
  2. 読んだ本のタイトル
  3. あらすじ・内容
  4. 感想
    1. 十師族四葉家(司波達也)
    2. 九島家(九島光宣)
    3. 一条家
    4. 三矢家
    5. 国防軍
    6. 国外USNA
    7. 新ソ連
    8. 大亜連合
  5. キャラクター紹介
    1. 四葉家・分家
      1. 司波達也
      2. 司波深雪
      3. 桜井水波
      4. 津久葉夕歌
      5. 桜崎千穂
      6. 花菱兵庫
      7. 黒羽亜夜子
      8. 黒羽文弥
    2. USNA・スターズ
      1. アンジェリーナ・クドウ・シールズ
      2. ノア・カペラ
      3. ポール・ウォーカー
      4. エドワード・クラーク
      5. レイモンド・クラーク
      6. ジェイコブ・レグルス
      7. シャルロット・ベガ
      8. レイラ・デネブ
      9. ゾーイ・スピカ
      10. アレクサンダー・アークトゥルス
    3. 九島家・関連施設
      1. 九島光宣
      2. 九島真言
      3. 九島玄明
      4. 九島蒼司
      5. 九島白華
      6. 九島朱夏
      7. 九島紫乃
      8. パラサイドール
    4. 十文字家
      1. 十文字克人
      2. 十文字家の魔法師
    5. 七草家
      1. 七草真由美
    6. 一条家
      1. 一条剛毅
      2. 一条将輝
      3. 一条茜
    7. 三矢家
      1. 三矢元
      2. 三矢元治
      3. 三矢詩奈
    8. 大亜連合
      1. 劉麗蕾
      2. 護衛部隊
    9. 新ソ連
      1. イーゴリ・アンドレイビッチ・ベゾブラゾフ
    10. 国防軍・警察
      1. 千葉修次
      2. 渡辺摩利
      3. 風間
    11. 魔法科高校の生徒・教職員
      1. 千葉エリカ
      2. 吉田幹比古
      3. 吉祥寺真紅郎
  6. 考察・解説
    1. 九島光宣の襲撃
      1. 陽動作戦と戦力準備
      2. 十文字克人との対峙と病院外の混乱
      3. 司波深雪との対峙と計算違い
      4. まとめ
    2. 桜井水波の葛藤
      1. 光宣に対する秘めた想いと身分差による自己評価の低さ
      2. 周囲の犠牲を恐れ自らの本心を押し殺す苦悩
      3. 人として生きるか魔法を捨てるかの選択による揺らぎ
      4. ガーディアンとしての理屈を超えた使命感
      5. まとめ
    3. 戦略級魔法『海爆』
      1. 開発の経緯
      2. 原理と仕組み
      3. 佐渡島沖での初実戦と戦果
      4. まとめ
    4. パラサイトの封印
      1. 封印の必要性
      2. 達也と幹比古の連携による封印
      3. 達也の無系統魔法「封玉」
      4. 四葉家(津久葉家・黒羽家)の封印術
      5. まとめ
    5. USNA軍の破壊工作計画
      1. 計画の背景と目的
      2. 部隊内での反対と裏命令
      3. 新ソ連との結託による作戦再始動
      4. まとめ
  7. 展開まとめ
    1. [1]
    2. [2]
    3. [3]
    4. [4]
    5. [5]
    6. [6]
  8. 魔法科高校の劣等生 シリーズ 一覧
    1. 魔法科高校の劣等生
    2. 続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー
    3. 新魔法科高校の劣等生  キグナスの乙女たち
    4. 魔法科高校の劣等生 夜の帳に闇は閃く
    5. 漫画版
    6. 四葉継承編
    7. 師族会議編
    8. エスケープ編
  9. その他フィクション
  10. アニメ
    1. PV
    2. OP
    3. ED
  11. アニメ
    1. PV
    2. OP
    3. ED

どんな本?

魔法科高校の劣等生』は、佐島勤 氏による日本のライトノベル。
略称は「魔法科」。

物語は西暦2097年、3月。
魔法が現実の技術として確立し、魔法師の育成が国策となった時代を舞台にしている。

主人公は、国立魔法大学付属第一高校(通称「魔法科高校」)に通う兄妹、司波達也と司波深雪。

この作品は、原作小説の累計が1,400万部、シリーズ累計が2,500万部を突破し、大人気のスクールマギクスとなっている。
また、2024年には3期目のTVアニメが放送されることが決定している。

さらに、この作品は様々なメディアで展開されており、ライトノベルだけでなく、漫画やアニメでも楽しむことができる。

読んだ本のタイトル

魔法科高校の劣等生 (27) 急転編(The Irregular at Magic High School)
著者:佐島勤 氏
イラスト: 石田可奈 氏

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あらすじ・内容

14人目の戦略級魔法師誕生! その正体は? 最大のマギクスバトル開戦!

 二〇九七年、七月。激化するパラサイトと光宣との戦いに備え、達也は新魔法『封玉』の完成を目指し鍛錬を続ける。
 同じ頃、世界規模の魔法師の衝突もある転機を迎えつつあった。
 南下を開始する新ソ連艦隊が日本に迫る。そして、これを迎え撃つため、一条将輝と吉祥寺真紅郎が行動を開始。果たして因縁の敵を退けられるのか――!? 
 一方、リーナが潜伏する巳焼島に、パラサイトと同化したかつての同胞、スターズが上陸。ついに激突の火蓋が切られるのであった。
 戦略級魔法師が日本に集結!! 物語はクライマックスへと加速していく――。

魔法科高校の劣等生(27) 急転編

感想

達也を搦め手で地球から追い出そうと動く勢力。
パラサイトがそれに便乗しながらも、光宣がパラサイトに影響されながらも独自路線で達也達を引っ掻き回す。

日本周辺では、新ソ連に侵攻して撃退された大亜連合。
戦略級魔法師、劉麗蕾を引き渡すように要求され、劉麗蕾は日本に亡命する。一条将暉が新たな戦略級魔法師になる。パラサイトになった九島光宣は桜井水波をパラサイトにするため彼女を攫おうと裏で動き、パラサイトに侵されてるUSNAのスターズを使って己焼島を襲わせ、そのスキに水波を攫う。

それにしても、日本に戦略級が集まり過ぎじゃね?世界に12人しか居なかったのに。既存1名だったのが。非公式1名、亡命2人、新星爆誕1名。計5名?世界の軍事バランスが崩れるかも?

十師族四葉家(司波達也)

達也は幹比古の協力で封玉を習得する。
新ソ連の日本海侵攻を想定して「トゥマーン・ボンバ」の根幹となる「チェイン・キャスト」を利用した戦略魔法の基本設計を吉祥寺に送る。

リーナからの要望でカノープス少佐の救出をするため、三矢家からミッドウェー島の情報を得る。

己焼島に攻撃をしてきたUSNAの奇襲部隊を迎撃するが苦戦。
東京から援軍に駆けつけた達也が参戦してやっと撃退したが、水波の居る病院を光宣に襲われる。
深雪が精神氷結魔法で光宣を殺害しようとしたら水波が庇い、そのまま攫われてしまう。

九島家(九島光宣)

祖父を殺してしまったショックで3日間動けず。
七草、十文字の守備を突破するために九島家に協力を要請。
九島家はそれを受け入れる。
己焼島に奇襲するスターズ達に光学迷彩の術式をスターズ隊員の魔法演算領域を使って使用させる事が出来るようになる。
パラサイの中で光宣が親、スターズ達が子という関係になってしまっている。
そして、子のスターズに己焼島に奇襲させ、難敵の司波達也を援軍に向かわせ、親である光宣は水波を攫うために病院を襲う。
十文字、四葉はパラサイトドールを自爆させ、パラサイトが新たな宿主を得るために一般市民を襲うのを防ぐために奔走させ、光宣は病院へ侵入。
司波深雪の精神氷結魔法コキュートスで危機に陥るも水波が庇って来たので、そのまま攫う。

一条家

吉祥寺に達也からチェーン・キャストの基礎設計を送られる。
それを一条将輝の爆裂と組み合わせるように構築する。
7月8日、佐渡島にて一条将暉、吉祥寺が新ソ連極東艦隊の奇襲に対し戦略級魔法「海爆」を撃ち新ソ連極東艦隊の分艦隊を全滅させた。
そして、一条将暉は新たな戦略級魔法師になった。

国防軍からの要望で、神経パルスに干渉して語感を狂わせる「神経攪乱」を使える茜へと劉麗蕾の側に居ることになる。
その茜の護衛に将暉が付く事となる。

三矢家

司波達也にミッドウェー島の情報を教える。
その情報を国防軍の101旅団の佐伯少将に報告する。

国防軍

九島烈の信奉者が多く所属する「抜刀隊」が仇討ちをするため動き出す。
小松基地に劉麗蕾が亡命して来たが彼女の戦略級魔法を封じる魔法を司波達也に依頼するが、パラサイトの警戒のため動けないと断られ、一条家に依頼が行く。

新ソ連極東艦隊の侵攻に対し、迎撃に出た小型艦八隻が「トゥマーン・ボンバ」で撃沈される。

国外USNA

スターズ基地司令ウォーカー大佐は、暗殺専門部隊イリーガルMAPを司波達也に仕向ける。

リーナが達也にミッドウェー島に監禁されているカノープス少佐の救出を依頼。

ディオーネー計画
司波達也を地球から追放する計画が頓挫したため、エドワード・クラークの手を離れ科学局の学者達の手に渡った。

新ソ連の日本海侵攻の裏で太平洋の己焼島の恒星炉プラントの破壊工作を企画実行する。
その破壊工作が成功すれば、司波達也のディオーネー計画に参加させれると希望に縋る。

スターズは己焼島を襲撃するため空母インディペンデンスにて出撃する。
随行していた高速ステルス艦「ミッドウェイ」にて己焼島へ急襲するが、援軍に駆け付けた司波達也に撃退される。

新ソ連

ベゾブラゾフが「トゥマーン・ボンバ」を使用できるようになり大亜連合を撃退。
大亜連合から休戦の提案があり、その条件に戦争犯罪人として戦略級魔法師の劉麗蕾を引き渡すように大亜連合に要求する。

劉麗蕾を日本に逃がし、その身柄引渡しを日本に求めてながらも艦隊を南下させる準備をする。

その裏でUSNAが己焼島の恒星炉プラントを破壊するようにベゾブラゾフがエドワード・クラークに提案する。

7月8日、新ソ連極東艦隊がウラジオストクを出港。

ベゾブラゾフの「トゥマーン・ボンバ」で迎撃に出た日本艦隊を攻撃し八隻を撃沈するが、一条将暉の「海爆」で分艦隊12隻が撃沈される。

大亜連合

新ソ連に侵攻するも
ベゾブラゾフの「トゥマーン・ボンバ」を使われて侵攻部隊は壊滅、休戦を提案し新ソ連は大亜連合の戦略級魔法師、劉麗蕾の身柄引き渡しを要求される。
その情報を知った劉麗蕾は、新ソ連の工作員林少尉に説得され日本へ亡命してしまう。
旧石川県の小松基地に保護される。

魔法科 (26) インベージョン編レビュー
魔法科 まとめ(3年生)
魔法科シリーズ まとめ
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キャラクター紹介

四葉家・分家

司波達也

四葉家の次期当主の婚約者であり、魔法師を兵器の宿命から解放する計画を推進する。
・所属組織、地位や役職
 第一高校の生徒。四葉家次期当主の婚約者。トーラス・シルバー。
・物語内での具体的な行動や成果
 ESCAPES計画を発表し、ディオーネー計画への参加を拒否した。新ソ連の戦略級魔法攻撃を無効化し、パラサイト化した光宣と交戦する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 トーラス・シルバーの正体であることがレイモンドによって暴露された。

司波深雪

達也の妹であり、四葉家の次期当主である。兄と共に行動し、彼を支援する。
・所属組織、地位や役職
 第一高校の生徒。四葉家次期当主。
・物語内での具体的な行動や成果
 達也と共に日焼島や病院を訪れた。病院に侵入した敵を魔法で撃退する構えを見せる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 次期当主として指名され、達也との婚約が発表されている。

桜井水波

深雪の護衛役を務める少女である。調整体魔法師「桜」シリーズの第二世代にあたる。
・所属組織、地位や役職
 四葉家メイド兼護衛。第一高校の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
 新ソ連の戦略級魔法から主人たちを守るため、多重障壁を展開した。その結果、魔法演算領域にダメージを負って入院する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 光宣からパラサイト化を提案され、彼の標的となっている。

津久葉夕歌

四葉分家である津久葉家の次期当主である。精神干渉系魔法に優れる。
・所属組織、地位や役職
 津久葉家次期当主。魔法大学の院生。
・物語内での具体的な行動や成果
 水波が入院する病院の警備を担当した。深雪の要請を受けてパラサイトの本体を封印に向かう。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化は記載されていない。

桜崎千穂

調整体「桜」シリーズの第二世代である。夕歌のガーディアンを務める。
・所属組織、地位や役職
 津久葉家。夕歌のガーディアン。
・物語内での具体的な行動や成果
 夕歌の運転手や護衛を務めた。水波が防いだ戦略級魔法の威力を評価する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化は記載されていない。

花菱兵庫

四葉家の使用人であり、護衛や案内役を担う。
・所属組織、地位や役職
 四葉家使用人。
・物語内での具体的な行動や成果
 達也や深雪を乗せたVTOLや車の運転手を務めた。リーナの日焼島視察に同行し、施設の案内を行う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化は記載されていない。

黒羽亜夜子

黒羽家の長女であり、四葉家のエージェントとして活動する。
・所属組織、地位や役職
 黒羽家。第四高校の生徒。四葉家のエージェント。
・物語内での具体的な行動や成果
 日本に脱出してきたリーナを保護した。旧第九研で九島烈と対峙し、パラサイト封印体の交渉を行う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化は記載されていない。

黒羽文弥

黒羽家の長男であり、亜夜子の双子の弟である。
・所属組織、地位や役職
 黒羽家。第四高校の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
 密入国したパラサイトの捜索を行った。巫女の姿に変装し、日焼島でパラサイトの封印術式を実行する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化は記載されていない。

USNA・スターズ

アンジェリーナ・クドウ・シールズ

USNA軍の戦略級魔法師である。軍内部の陰謀から逃れる。
・所属組織、地位や役職
 USNA軍統合参謀本部直属魔法師部隊「スターズ」総隊長。少佐。
・物語内での具体的な行動や成果
 軍の叛乱から逃れ、日本へ脱出して四葉家の保護を受けた。日焼島へ潜伏し、追撃してきたスターズの隊員と交戦する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 達也が戦略級魔法師であることを知り、彼への認識を改めている。

ノア・カペラ

スターズの隊長であり、軍人としての規律を重んじる。
・所属組織、地位や役職
 スターズ第五隊隊長。少佐。
・物語内での具体的な行動や成果
 スターズの叛乱において中立的な姿勢を保った。ウォーカー司令に任務の真の目的を問い質す。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化は記載されていない。

ポール・ウォーカー

スターズ本部基地の司令である。非魔法師として部隊を管理する。
・所属組織、地位や役職
 スターズ本部基地司令。大佐。
・物語内での具体的な行動や成果
 リーナにディオーネー計画に関する会談への同行を命じた。達也の暗殺任務をアークトゥルスたちに指示する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 パラサイトの弱い意識誘導を受けている。

エドワード・クラーク

ディオーネー計画の発案者であり、USNAの技術者である。
・所属組織、地位や役職
 USNA国家科学局の技術者。
・物語内での具体的な行動や成果
 ディオーネー計画を発表し、トーラス・シルバーの参加を呼び掛けた。日本を訪れ、魔法協会で達也と対面する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 達也を地球から追放しようと目論んでいる。

レイモンド・クラーク

エドワード・クラークの息子であり、七賢人の一人である。
・所属組織、地位や役職
 七賢人。カリフォルニア州のハイスクール生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
 第一賢人を名乗り、トーラス・シルバーの正体が司波達也であることを暴露した。日本へ密入国して光宣と合流する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 パラサイトと同化している。

ジェイコブ・レグルス

スターズの隊員であり、光宣の力に疑問を抱く。
・所属組織、地位や役職
 スターズ第三隊隊員。一等星級。中尉。
・物語内での具体的な行動や成果
 リーナへの襲撃に参加した。レイモンドと共に日本へ密入国し、日焼島でリーナと交戦する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 パラサイトと同化している。

シャルロット・ベガ

スターズの隊長であり、リーナに対して敵意を抱く。
・所属組織、地位や役職
 スターズ第四隊隊長。大尉。
・物語内での具体的な行動や成果
 リーナを裏切り者と断定し、基地の格納庫で彼女を襲撃した。達也の暗殺任務を受け、日本でリーナと交戦する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 リーナの出国後にパラサイト化している。

レイラ・デネブ

スターズの隊員であり、上官の襲撃に加担する。
・所属組織、地位や役職
 スターズ第四隊隊員。一等星級。少尉。
・物語内での具体的な行動や成果
 格納庫でリーナを強襲した。日本でリーナを襲撃し、交戦する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 リーナの出国後にパラサイト化している。

ゾーイ・スピカ

スターズの女性士官である。
・所属組織、地位や役職
 スターズの士官。中尉。
・物語内での具体的な行動や成果
 ベガやデネブと共に日本へ潜入した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 リーナの出国後にパラサイト化している。

アレクサンダー・アークトゥルス

スターズの隊長であり、精神干渉系魔法に優れる。
・所属組織、地位や役職
 スターズ第三隊隊長。大尉。
・物語内での具体的な行動や成果
 リーナへの襲撃に参加した。ウォーカーから達也の暗殺任務を受ける。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 パラサイトと同化している。

九島家・関連施設

九島光宣

九島家の少年であり、水波を救うため人間であることを捨てる。
・所属組織、地位や役職
 九島家。第二高校の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
 水波を救うために自らパラサイトとなった。家族を魔法で眠らせて支配し、パラサイドールを奪取して病院を襲撃する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 周公瑾の知識と魔法技能を取り込んでいる。

九島真言

九島家の現当主であり、光宣の父親である。
・所属組織、地位や役職
 九島家当主。
・物語内での具体的な行動や成果
 工場視察で不在にしている間に光宣の反逆を受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化は記載されていない。

九島玄明

九島家の長男であり、次期当主の意地を持つ。
・所属組織、地位や役職
 九島家。
・物語内での具体的な行動や成果
 光宣に反発し魔法を放とうとするが、光宣の魔法によって無力化された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 魔法を発動する前に強制的に眠らされている。

九島蒼司

九島家の次男であり、光宣の行動に反発する。
・所属組織、地位や役職
 九島家。
・物語内での具体的な行動や成果
 光宣に十師族を裏切るのかと声を荒げて抗議した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 光宣の魔法によって眠らされている。

九島白華

九島家の長女である。
・所属組織、地位や役職
 九島家。
・物語内での具体的な行動や成果
 玄明の魔法がキャンセルされたことに驚愕した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 光宣の魔法によって眠らされている。

九島朱夏

九島家の次女であり、光宣に言葉を返す。
・所属組織、地位や役職
 九島家。
・物語内での具体的な行動や成果
 光宣の要求に対して不安を抱きながらも反論した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 光宣の魔法によって眠らされている。

九島紫乃

九島家の戸籍上の母親である。
・所属組織、地位や役職
 九島家。
・物語内での具体的な行動や成果
 光宣に真言の居場所を教え、彼を叱りつけた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 光宣の魔法によって眠らされている。

パラサイドール

自律行動を行う兵器であり、命令に従う。
・所属組織、地位や役職
 旧第九研保管兵器。
・物語内での具体的な行動や成果
 光宣に奪取され、病院襲撃の戦力として投入された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 パラサイトをガイノイドに封入した人型兵器である。

十文字家

十文字克人

十文字家の当主であり、魔法師の社会的地位を重んじる。
・所属組織、地位や役職
 十文字家当主。
・物語内での具体的な行動や成果
 達也にディオーネー計画への参加を説得しようとし、決裂して戦闘になった。病院の前で光宣の侵入を阻止する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化は記載されていない。

十文字家の魔法師

十文字家の命令に忠実に従う。
・所属組織、地位や役職
 十文字家配下の魔法師。
・物語内での具体的な行動や成果
 病院の裏口前で光宣の侵入を防ぐ任務に就き、戦闘で負傷した。真由美に光宣の逃走経路を伝える。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化は記載されていない。

七草家

七草真由美

七草家の長女であり、周囲の人間を思いやる優しさを持つ。
・所属組織、地位や役職
 七草家。魔法大学の学生。
・物語内での具体的な行動や成果
 達也と克人の衝突を止めようと説得に同行した。病院周辺で光宣の追跡を行い、負傷者を救護する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化は記載されていない。

一条家

一条剛毅

一条家の当主であり、家族や配下を重んじる。
・所属組織、地位や役職
 一条家当主。
・物語内での具体的な行動や成果
 大亜連合の劉麗蕾の亡命に対し、彼女を一条家で保護する意向を示した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化は記載されていない。

一条将輝

一条家の長男であり、青臭い正義感と理想論を持つ。
・所属組織、地位や役職
 一条家。第三高校の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
 小松基地で劉麗蕾と面会し、彼女を軍ではなく一条家で保護すべきだと主張して林隊長と口論になった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化は記載されていない。

一条茜

将輝の妹であり、兄の態度に指摘を入れる。
・所属組織、地位や役職
 一条家。中学生。
・物語内での具体的な行動や成果
 小松基地に同行し、将輝と林隊長の口論を仲裁した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 神経攪乱の魔法に適性がある。

三矢家

三矢元

三矢家の当主であり、魔法師の社会的な立ち位置を見極める。
・所属組織、地位や役職
 三矢家当主。
・物語内での具体的な行動や成果
 達也にミッドウェー監獄の軍事情報を無償で提供した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 四葉家を過度に刺激しないよう配慮している。

三矢元治

三矢家の次期当主であり、父親を補佐して実務をこなす。
・所属組織、地位や役職
 三矢家次期当主。
・物語内での具体的な行動や成果
 達也にミッドウェー監獄の兵力や武装の詳細なデータを提供した。四葉家の動向を佐伯少将にリークすることを提案する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化は記載されていない。

三矢詩奈

三矢家の末娘であり、達也たちの案内役を務める。
・所属組織、地位や役職
 三矢家。第一高校の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
 達也と深雪を自宅の応接室へ案内した。父と兄の密談を立ち聞きしてしまう。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 鋭敏すぎる聴覚の持ち主である。

大亜連合

劉麗蕾

大亜連合の戦略級魔法師であり、十四歳の少女である。
・所属組織、地位や役職
 大亜連合。国家公認戦略級魔法師。
・物語内での具体的な行動や成果
 林隊長の説得を受けて日本への亡命を決意し、小松基地に保護された。一条将輝と面会する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 「霹靂塔」という戦略級魔法の使い手である。

大亜連合の軍人であり、劉麗蕾を妹のように気遣う。
・所属組織、地位や役職
 大亜連合軍。劉麗蕾の護衛部隊隊長。
・物語内での具体的な行動や成果
 劉麗蕾に亡命するよう説得し、彼女を小松基地まで護衛した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 劉麗蕾の安全を最優先に考えている。

護衛部隊

大亜連合の軍人たちである。
・所属組織、地位や役職
 大亜連合軍。
・物語内での具体的な行動や成果
 劉麗蕾を護衛し、新ソ連軍の進軍を避けながら日本の小松基地へ到達した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化は記載されていない。

新ソ連

イーゴリ・アンドレイビッチ・ベゾブラゾフ

新ソ連の戦略級魔法師であり、達也に対する雪辱に執念を燃やす。
・所属組織、地位や役職
 新ソ連科学アカデミー。国家公認戦略級魔法師。
・物語内での具体的な行動や成果
 ディオーネー計画への参加を表明した。大型CAD「アルガン」を用いて日本を攻撃するが達也に阻止される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 イグロークを利用して戦略級魔法を発動している。

国防軍・警察

千葉修次

千葉家の次男であり、防衛大の学生である。
・所属組織、地位や役職
 防衛大学校特殊戦技研究科。予備役少尉。
・物語内での具体的な行動や成果
 遊撃歩兵小隊に同行し、九島光宣の捜索任務に就いた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 光宣の捕縛だけでなく、新ソ連の侵攻を想定した戦力配置を認識している。

渡辺摩利

防衛大学校の学生であり、達也たちを気に掛ける。
・所属組織、地位や役職
 防衛大学校特殊戦技研究科。
・物語内での具体的な行動や成果
 遊撃歩兵小隊の一員として光宣の追跡作戦に加わった。真由美の屋敷を訪れ、軍の動向を伝える。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化は記載されていない。

風間

独立魔装大隊の隊長であり、軍人としての立場を崩さない。
・所属組織、地位や役職
 国防陸軍第一〇一旅団独立魔装大隊隊長。中佐。
・物語内での具体的な行動や成果
 達也からベゾブラゾフの安否や大亜連合との戦況について意見を求めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 佐伯少将の命令で達也にリーナの引き渡しを要求する立場にある。

魔法科高校の生徒・教職員

千葉エリカ

千葉家の娘であり、達也の友人として彼を支援する。
・所属組織、地位や役職
 第一高校の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
 達也が孤立するのを防ぐため、レオや幹比古たちと共に十文字克人の前に姿を現し、達也を支持した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化は記載されていない。

吉田幹比古

古式魔法の使い手であり、達也に対して強い恩義を感じている。
・所属組織、地位や役職
 第一高校の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
 達也が犯罪者になったとしても見捨てないと克人の前で宣言した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化は記載されていない。

吉祥寺真紅郎

頭脳を持つ魔法研究者である。
・所属組織、地位や役職
 金沢魔法理学研究所。第三高校の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
 試験期間中も研究所で生活し、基本コード理論の研究を進めた。トーラス・シルバーの正体が高校生である可能性を雫たちに示唆する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化は記載されていない。

魔法科 (26) インベージョン編レビュー
魔法科 まとめ(3年生)
魔法科シリーズ まとめ
魔法科 (28)(29) 追跡編レビュー

考察・解説

九島光宣の襲撃

九島光宣の襲撃(桜井水波の奪取を目的とした調布碧葉医院への襲撃)について解説する。

陽動作戦と戦力準備

光宣は、想いを寄せる水波を救出(パラサイト化)するため、彼女が入院している病院を襲撃する計画を立てた。その際、以下の方法で陽動作戦と戦力の準備を行った。
・USNA軍「スターズ」のパラサイト(ベガ、デネブ、レグルスら)が日焼島の恒星炉プラントを襲撃する計画を利用し、レグルスの光学迷彩魔法を密かに制御・サポートして作戦を助けた。
・この襲撃を司波達也を病院から引き離すための「陽動」として機能させた。
・自身の手足となる戦力として、旧第九研から奪取したものと工場で新たに製造した計36体の人型兵器「パラサイドール」を用意し、6台のドライバンに分散させて病院へと接近した。

十文字克人との対峙と病院外の混乱

病院の前に到着した光宣の前に、十文字克人や警察が立ち塞がった。光宣は周囲に一般の通行人がいる状況を利用し、「仮装行列」の魔法を用いてパラサイドールと自身の存在感を入れ替える奇襲を仕掛けた。
戦闘の末に十文字家の魔法師がパラサイドールを破壊すると、以下の事態が発生した。
・機体が自爆して内部のパラサイト本体が解放され、周囲の市民らに襲い掛かろうとした。
・克人たちは市民の保護を優先せざるを得なくなった。
・四葉分家の津久葉夕歌たちもパラサイト本体の封印(八卦法と呪符を使用)に追われた。
これらの混乱により、光宣は手薄になった病院内への侵入に成功する。

司波深雪との対峙と計算違い

光宣は4体のパラサイドールと共に、水波の病室がある4階へ到達した。しかし、病室に突入させたパラサイドールは、中で待機していた深雪の精神凍結魔法「コキュートス」によってパラサイト本体の活動を完全に凍結され、全滅してしまう。
光宣は「最大の脅威である達也を引き離せばよい」と考えていたが、パラサイトなどの精神生命体を完全に停止・消滅させることができる深雪こそが、パラサイトにとっての真の天敵であるという計算違いに気づかされた。

まとめ

圧倒的な力を持つ深雪は光宣に逃亡を勧めるが、光宣は水波を救うためにこれを拒否して立ち向かおうとする。深雪が光宣に「コキュートス」を放とうとしたその瞬間、驚くべきことに水波自身が光宣を庇って深雪の前に立ちはだかった。
水波が全力で防御魔法を使えば、既にダメージを負っている彼女の魔法演算領域が焼き切れ、命に関わる恐れがあった。水波を傷つけることを恐れた深雪が魔法を放つことを躊躇した隙を突き、光宣は背後から水波を抱え上げて窓から逃走することに成功する。
この緊急事態を受け、深雪は達也に悲痛な連絡を入れた。事態を重く見た達也は、日焼島の防衛をリーナや黒羽姉弟たちに託し、水波奪還のために急遽東京へと引き返すこととなった。

桜井水波の葛藤

四葉家のメイドであり司波深雪のガーディアン候補である桜井水波は、自身の生い立ちや立場、そして九島光宣から向けられる激しい想いとの間で、深い葛藤を抱えている。彼女の葛藤は、主に以下の要素から描かれている。

光宣に対する秘めた想いと身分差による自己評価の低さ

水波は、かつて光宣と共に過ごした数日間の記憶を鮮明に覚えており、知らず知らずのうちに彼に自分と同じもの(親近感)を感じ、惹かれていた。しかし、絶世の美貌と超一流の魔法力を併せ持つ光宣に対し、自分は地味なメイドに過ぎないという自己評価の低さから、自分が光宣にとっての特別になれるとは思えないと自戒していた。そのため、以下の点に対して答えの出ない疑問と戸惑いに苛まれ続けている。
・光宣が人であることを捨てて(パラサイト化して)まで自分を救おうとしてくれている事実。
・自分の為に、何故そこまでしてくれるのかが理解できないこと。

周囲の犠牲を恐れ自らの本心を押し殺す苦悩

水波の葛藤が最も残酷な形で表れたのは、達也と深雪から「光宣のことが好きなのか?」と問われた場面である。その際の状況は以下の通りである。
・達也は、光宣を殺さずに捕らえることは困難だが、もし水波が光宣を慕っているなら殺さずに済ませる方法を考えると告げた。
・水波は、達也がその困難な道を選べば周囲の犠牲が増える可能性が高いことを瞬時に悟った。
結果として水波は、達也たちにこれ以上の迷惑や危険を掛けることを恐れ、自分の本心を押し殺して「私は光宣さまに、特別な感情は懐いておりません」と嘘をついてしまった。

人として生きるか魔法を捨てるかの選択による揺らぎ

新ソ連の戦略級魔法から深雪を守った代償として、水波は魔法演算領域に致命的なダメージを負った。これに対する周囲の対応と彼女の揺らぎは以下の通りである。
・達也は水波の命を救うため、魔法演算領域を封印して魔法を取り上げ、普通の女の子として平和に生きる道を選択する。
・一方で光宣は、水波から魔法師としての存在意義を奪うことに激しく反発し、彼女に自分と同じ(パラサイト)になってくれと懇願する。
水波自身はパラサイトになって人を捨てる決心などしていなかったが、光宣の必死な想いに触れ、その心は激しく揺さぶられた。深雪もまた、水波の本音は魔法を失うよりパラサイトになることを選ぶのではないかと彼女の心中を深く案じている。

ガーディアンとしての理屈を超えた使命感

そもそも水波が倒れた原因は、深雪を守るために限界を超えて魔法シールドを維持し続けたことである。彼女の行動の根底には、以下のような複雑な内面が垣間見える。
・達也のように深雪に対して血縁の愛があるわけでもなく、共に過ごした期間もわずか1年余りであった。
・奴隷のように隷属させられている調整体としての恐怖や義務感といった薄っぺらい動機による行動ではない。
・水波自身にも何故そこまでして守るのか明確な理由はわからず、理屈を必要とせずに命を削って深雪の盾となった。

まとめ

このように、水波は「深雪への絶対的な忠誠心」「光宣への惹かれる思い」「周囲に迷惑をかけまいとする自己犠牲の精神」の間で板挟みになり、若き少女として過酷な精神的葛藤を強いられているのである。

戦略級魔法『海爆』

新戦略級魔法「海爆(オーシャン・ブラスト)」について解説する。

開発の経緯

「海爆」は、司波達也が提供した基本設計をもとに、吉祥寺真紅郎がシステムを完成させ、一条将輝が実戦で使用した新しい戦略級魔法である。開発の経緯や背景は以下の通りである。
・達也は新ソ連の戦略級魔法「トゥマーン・ボンバ」の構造を視認した際、その基幹技術である魔法式複写展開技術「チェイン・キャスト」を応用した海上用超広域「爆裂」の基本設計を構築し、金沢魔法理学研究所の吉祥寺へ送信した。
・吉祥寺はこの技術の演算負荷が極めて高く自身には扱いきれないと判断したものの、親友である将輝の適性に合わせて起動式を整理し、中型コンピュータと連動した専用CADを完成させた。
・達也がこの魔法を自ら使わず将輝に提供したのは、日本に新たな戦略級魔法師を誕生させることで、自分に向けられるしがらみや負担を減らす(新たな抑止力とする)という政治的な思惑があったためである。

原理と仕組み

一条家の代名詞である、対象内部の液体を気化させる魔法「爆裂」を、チェイン・キャストを用いて超広域に展開する魔法である。
・広大な海面(実戦では水深3メートルまで)の海水を一斉に気化させ、さらに生み出された水蒸気分子を加速させることで、破壊的な威力を持つ大規模な水蒸気爆発を引き起こす。
・専用の照準器型CADには感応石と中型コンピュータが組み込まれており、ターゲットの座標サイズとタイムラグを計算して起動式を再構成することで、将輝の魔法演算領域への負担を軽減しつつ広範囲への魔法展開を可能にしている。

佐渡島沖での初実戦と戦果

2097年7月8日、新ソ連海軍の別働隊が佐渡島への強襲作戦を企てた際、「海爆」は初めて実戦投入された。
・佐渡島の灯台で待ち構えていた将輝と吉祥寺は、新ソ連のウェーブ・ピアサー型双胴高速艦12隻が接近してくるのを捕捉した。
・国防軍からの攻撃許可が下りた直後、吉祥寺の精密な照準アシストとタイムラグ予測を受けた将輝がトリガーを引き、「海爆」を発動させた。
・放たれた無数の魔法式は、秒速60メートルで疾走する敵艦列をすっぽりと呑み込む領域の海水を瞬時に気化させ、大爆発を巻き起こした。

まとめ

この一撃によって新ソ連の高速艦12隻は全滅し、佐渡島強襲作戦は完全に粉砕された。そしてこの圧倒的な戦果により、一条将輝は新たな「国家公認戦略級魔法師(十三使徒)」として世界に名を轟かせることとなった。

パラサイトの封印

「パラサイトの封印」について、その必要性と様々な封印手法・エピソードを解説する。

封印の必要性

パラサイト(非物質的な精神情報生命体)は、宿主となっている人間の肉体を破壊したり殺害したりしても、本体である霊子情報体が抜け出して別の宿主に移動してしまうため、単に殺すだけでは根本的な解決にならない。そのため、パラサイトを無力化し被害の拡大を防ぐには、精神体そのものを呪具などに縛り付ける「封印」の術式が不可欠となる。

達也と幹比古の連携による封印

妖魔(パラサイト)を封じるのは、吉田幹比古ら古式魔法師の本来の専門分野である。彼らが連携して封印を行う場合、以下の手順を踏む。
・まず達也が「徹甲想子弾」や「術式解体」といった強力な無系統魔法の想子流を打ち込む。
・パラサイトが纏う想子の衣を剥ぎ取ったり、肉体と精神のリンクを揺さぶったりして抵抗力を奪う。
・弱体化して仮死状態のようになったパラサイトに対し、幹比古が呪符や法具を用いて封印術式を発動し、完全に封じ込める。
座間基地での米軍パラサイト迎撃の際も、達也が機内でパラサイトに法具の短剣を突き刺し、離れた公園から幹比古が遠隔で封印を完成させるという見事な連携を見せた。

達也の無系統魔法「封玉」

達也はパラサイト対策として、古式魔法師に頼らず自力でパラサイトを捕獲するため、九重八雲からの助言をヒントに新たな無系統魔法「封玉」を開発した。その特徴は以下の通りである。
・肉体から追い出されたパラサイトの霊子情報体に対し、前後左右上下の全方位から強烈な想子流の圧力をかける。
・想子ごと圧縮して直径3センチほどの球体(疑似固体化された想子の塊)に固定・幽閉する。
・ただし「封玉」の効果は約半日(12時間程度)で消滅してしまうため、その間に専門の魔法師に引き継ぎ、物理的な呪物に封印し直す必要がある。

四葉家(津久葉家・黒羽家)の封印術

四葉家にもパラサイトを封印する術式が伝わっているが、これには精神干渉系魔法に対する高い適性が必要となるため、達也や黒羽亜夜子には使用できない。作中では以下のエピソードが描かれている。
・調布の病院前で解放されたパラサイトに対しては、津久葉夕歌が配下の魔法師8人と共に「八角陣」の精神干渉結界を展開し、紙人形の呪符に魔法式を投射してパラサイトを吸い込み封印した。
・達也が日焼島で「封玉」に閉じ込めたパラサイトを本封印するためには、黒羽文弥が派遣された。本来なら5人以上の術者が必要な封印術式を単独で行うため、古式魔法の威力を高める効果がある「異性装(巫女の姿)」で魔法力を補強し、木箱に用意した「こけし人形」を媒体として封印を完了させている。

まとめ

パラサイトを封印・使役する技術は、九島家(旧第九研)においても確立されている。修験道や陰陽術、西洋魔術をミックスした強固な封印術式を保有しており、この技術を用いてパラサイトをガイノイドに定着させたのが人型兵器「パラサイドール」である。光宣は、かつて達也たちが演習林で封印し、その後九島家が保管・利用していたパラサイトの封印を自ら解き、自身に取り込むことでパラサイト化を果たした。
このように、パラサイトという特殊な脅威に対抗するため、各勢力はそれぞれの特性を活かした独自の封印手法を確立し、状況に応じて運用している。

USNA軍の破壊工作計画

USNA軍による司波達也の魔法恒星炉プラント(ESCAPES計画)に対する破壊工作計画は、達也の脅威排除とUSNAのエネルギー産業の利益保護を目的として企てられた。その発案から実行に至るまでの経緯は以下の通りである。

計画の背景と目的

USNA国家科学局のエドワード・クラークが主導する「ディオーネー計画」は、表向きは金星の環境開発を掲げていたが、真の目的は戦略級魔法師である司波達也を地球から追放することであった。しかし達也が対抗策として恒星炉プラント計画を発表したことで、ディオーネー計画への参加を拒む大義名分を与えてしまい、クラークの目論見は頓挫しかけていた。
さらに、プラントの実現によって以下の懸念が生じたため、USNA軍の参謀本部内でプラントの破壊と達也の暗殺をセットにした計画が浮上した。
・海水から安価な水素燃料を生成するプラントが実現すれば、化石燃料などに依存するUSNAの既存エネルギー産業に大打撃を与える恐れがある。

部隊内での反対と裏命令

USNA軍魔法師部隊「スターズ」の本部基地司令ウォーカー大佐は、この破壊工作を総隊長のリーナ(アンジェリーナ・クドウ・シールズ)やカノープス少佐に打診した。しかし、リーナたちは以下の理由から猛反対した。
・潜在的脅威や特定企業の利益のために同盟国で暗殺や破壊活動を行うのはマフィアのやり口である。
・特定企業のための軍事行動は世論の反発を招く。
・建設中の施設破壊を完全に隠蔽することは不可能である。
これらの指摘もあり、ウォーカーは表向き作戦の中止を決定する。しかしその後、リーナを敵視するベガ大尉とアークトゥルス大尉を密かに呼び出し、リーナに秘匿したままプラント破壊工作と達也暗殺を命じた。

新ソ連との結託による作戦再始動

その後、スターズ内部でのパラサイト叛乱などで作戦は一時棚上げとなっていたが、新ソ連の戦略級魔法師ベゾブラゾフからの提案で作戦は再始動する。その計画は以下のようなものであった。
・大亜連合との戦争を利用して新ソ連艦隊が日本海を南下し、陽動を行う。
・その隙に、USNAが日焼島(巳焼島)のプラントを国籍不明のテロリストの仕業に見せかけて破壊する。
手詰まりを感じていたクラークはこれに乗り、ペンタゴンの参謀本部からウォーカーへ正式に作戦再開の指令が下された。

まとめ

作戦の実行部隊には、パラサイト化して日本に潜入していたスターズの女性士官(ベガ、デネブ、スピカ)とレグルス、民間人のレイモンド・クラークに加え、追加投入された20名の強化兵士「スターダスト」(全員パラサイト化済み)が充てられた。彼らはUSNA海軍の高速輸送艦「ミッドウェイ」に乗り込み、九島光宣から提供された強力な光学迷彩魔法で姿を隠しながら日焼島へ接近した。
日焼島沖に到達した部隊は、移動魔法を用いた小型爆弾の雨を降らせ、上陸用ボートで海岸へ強襲をかけた。島の守備隊である四葉分家・真柴家配下の魔法師たちは防衛網を敷いて応戦するが、パラサイトの高い戦闘力と銃火器の前に苦戦を強いられることとなる。
この危機的状況を受け、四葉本家からの緊急通信で事態を知った達也は日焼島へと急行する。また、島内の研究施設に潜伏していたリーナも、同胞の過ちを看過できないとして、USNA軍人としての矜持を胸に迎撃への参戦を決意した。

魔法科 (26) インベージョン編レビュー
魔法科 まとめ(3年生)
魔法科シリーズ まとめ
魔法科 (28)(29) 追跡編レビュー

展開まとめ

[1]

見舞いと現状への複雑な感情

水波は夜の病室で星空を眺めながら、自身の入院生活と周囲の状況について思い巡らせていた。深雪は毎日欠かさず見舞いに訪れており、その厚意に対して水波は恐縮しつつも嬉しさを感じていた。一方で、普段接点の少ないエリカが同行していたことに戸惑いを覚え、その理由を達也不在の補助であると推測した。

達也が来られない状況についても、水波は責めることなく、自身が守られる立場ではないという認識から納得していた。しかし同時に、病院が襲撃された場合の不安も意識していた。

期末試験への憂鬱と将来観

期末試験が迫る中、水波は追試を受ける予定であることに憂鬱さを感じていた。成績や進学に対する執着は薄く、最悪退学でも構わないと考えていたが、「追試」という言葉自体が心理的な負担となっていた。

光宣の言葉の反芻と疑問

思考を切り替えようとした水波は、光宣の「自分と同じになってほしい」という必死の言葉を思い出した。光宣が自分を救うために行動した事実を理解しながらも、なぜそこまでしてくれるのかという疑問を抱き続けていた。短期間の関わりにもかかわらず、自身に向けられた強い想いに対し、答えを見出せずにいた。

光宣との記憶と感情の整理

水波は光宣との出会いからの記憶を辿った。初対面時の強烈な衝撃や、その後の行動を共にした日々を鮮明に覚えており、彼の存在が強く印象に残っていた。奈良や京都での行動では任務の一環でありながらも、観光のような側面もあり、自身がほとんど役に立てなかったことを自覚していた。

また、光宣が体調を崩した際には看病に努めたが、その中で自身が彼に対して特別な感情を抱いていたことに気付いた。それは親近感から始まり、やがて惹かれる感情へと変化していた。

自己評価と再びの疑問への回帰

水波は自分が光宣にとって特別な存在であるとは考えられず、自身の容姿や立場から釣り合わないと認識していた。それでも光宣が人であることを捨ててまで自分を救おうとした理由は理解できず、思考は再び同じ疑問へと戻った。最終的にその答えを見出すことはできず、疑問は解消されないままであった。

深雪の帰路と配慮

深雪は面会時間を過ぎた後も病室に残り、二十一時過ぎにようやく病院を後にした。達也から迎えの申し出を受けていたが、任務後で疲れているであろう兄に負担をかけまいと考え、自ら引き上げる決断をしていた。帰路は津久葉夕歌の車に同乗し、夜道を安全に帰宅した。

四葉家拠点への帰還

深雪は四葉家の東京本部として建てられたマンションへ戻り、夕歌と別れて最上階へ向かった。玄関では達也が出迎えており、その対応に恐縮しつつも安堵の表情を見せた。帰宅後、深雪は休む間もなく達也のためにコーヒーを淹れ、いつもどおりの献身的な振る舞いを見せた。

兄妹の安らぎの時間

達也は普段と異なり深雪の隣に移動し、二人は穏やかな時間を共有した。深雪は任務の成否を問うことなく、ただ労いの言葉をかけた。達也もまた深雪の気遣いに応じ、水波の容体を確認するなど、互いに相手を思いやる姿勢を見せた。

光宣の不在と状況整理

水波の回復が順調である一方、光宣が姿を見せなかったことについて深雪は不安を抱いていた。達也は、直前の戦闘による疲労や九島烈の死によって、光宣が身動きを取りづらくなっていると分析した。今後は十師族だけでなく国防軍も動く可能性が高く、状況はより厳しくなると判断していた。

軍の動向とパラサイト問題

達也は、九島烈を支持する勢力が国防軍内に一定数存在すると見ていた。事情を知らない者にとっては、九島烈は失脚した人物ではなく、権力闘争の被害者と捉えられている可能性があるためである。また、パラサイドールと人間寄生型パラサイトは別問題として扱われるべきであり、後者の危険性から光宣は依然として脅威であると認識していた。

再侵入の可能性と警戒点

深雪の問いに対し、達也は通常であれば光宣の首都圏再侵入は困難としつつも、戦況次第では状況が変わると指摘した。特に大亜連合と新ソ連の軍事衝突において大きな変化が生じた場合、国防軍の注意が北方へ向き、その隙を突いて光宣が侵入する可能性が高いと予測した。

深雪はその説明を受け、今後の脅威が依然として続くことを理解し、警戒を強める必要性を認識した。

朝霞基地での会議招集

防衛大学校の特殊戦技研究科に所属する千葉修次と渡辺摩利は、通常の寮生活を免除されていたが、この夜は自宅やアパートではなく朝霞基地の作戦会議室に集められていた。室内には約四十名が集まり、その大半は遊撃歩兵小隊『抜刀隊』の隊員であり、他に各小隊の下士官も参加していた。二人は仮配属の立場でこの会議に臨んでいた。

九島烈殺害と光宣への疑念

会議の冒頭で小隊長は、九島烈が他殺であり、その犯人が孫の九島光宣であると告げた。この事実に動揺が広がる中、小隊長は抜刀隊が光宣の捕縛任務に出動すると宣言した。

軍出動の大義名分

本来、犯罪者の捜索と逮捕は警察の職務であるが、光宣が外国工作員と関係している可能性があるため、本件は破壊工作への予防措置として軍の任務に位置付けられたと説明された。さらに、九島烈を殺害した身内であるという事実も強調され、感情的な動機も隊内に共有された。

パラサイト化の脅威と決意

光宣がパラサイト化しているという情報が伝えられると、隊員たちは強い緊張を見せた。過去にパラサイト捕獲任務を経験していることもあり、その危険性は周知されていた。小隊長は光宣を「人に仇なす魔物」と位置付け、討伐の必要性を訴え、隊員たちは一斉に賛同した。

出動計画の提示

捜索には近畿・中部方面の部隊や公安の協力も得られることが示され、抜刀隊は東富士演習場で待機し、潜伏場所特定後に出動する方針が伝えられた。出発は七月三日〇九〇〇と決定され、修次と摩利も隊員たちと共に敬礼で応じ、任務への参加を示した。

兄妹関係と抑制された感情

達也と深雪は二人きりで生活しており、婚約者という関係にありながらも寝室は別であった。深雪は達也を異性として愛していたが、その感情を抑えていた。水波が自分を守るために重傷を負い入院している現状を思い、自身だけが幸福に浸ることへの後ろめたさが、強い歯止めとなっていた。

光宣の想いへの考察

深雪は、光宣が水波を愛していると考えていた。短期間の関係であっても愛は成立し得ると、自身の経験から理解していた。しかし、水波と光宣の間には決定的な出来事があったとは思えず、その感情の成立理由を理解できずにいた。

記憶から導く可能性の推測

光宣が体調を崩した際、水波は傍に寄り添うことしかできなかったが、その行為が光宣にとって特別な意味を持った可能性を深雪は考えた。他者にとっては些細な出来事でも、本人にとっては忘れ難い経験となり得るという認識からであった。

パラサイト化への強い拒絶

光宣の目的が水波の治療にあるとしても、その手段が人間であることを失わせるものである以上、深雪は断固として受け入れられなかった。たとえ命が保たれても、人としての存在が失われるならば、それは死と同義であると考えていた。

水波の本心への疑念

水波は魔法を失う治療方針に同意しているが、内心ではそれを望んでいない可能性もあると深雪は考えた。魔法は魔法師にとって重要な存在であり、それを失う選択は容易ではない。光宣の言葉に一瞬共感した経験もあり、水波が別の選択を望む可能性を否定しきれなかった。

自己への置き換えと結論

深雪は、水波と光宣の関係を自分と達也に置き換えて考えた。その場合、自分は人であることを捨ててでも達也を選ぶと即座に結論づけた。この思考により、水波が同様の選択をする可能性を完全には否定できないと理解した。

不確かな未来への不安

水波が光宣に対して恋愛感情を抱いていた兆候はこれまで見られなかったが、無自覚の感情が後に顕在化する可能性もあると深雪は考えた。その結果、水波が光宣を選ぶ未来の可能性に思い至り、強い不安を抱いたまま眠りについた。

[2]

カペラ少佐の帰投と問題提起

USNAのスターズ本部基地に帰還したノア・カペラ少佐は、任務完了の報告後もその場に留まり、「イリーガルMAP」の自由行動に反対する意見を表明した。彼は過去に同部隊が引き起こした暴走や損失を問題視し、その危険性を強く訴えた。

イリーガルMAPの危険性

イリーガルMAPは非合法任務を担う暗殺部隊であり、高い戦闘能力を持つ一方で、命令統制の外にあるため暴走を繰り返してきた経緯があった。その結果、スターズは過去に多大な損害を受けており、先代シリウスを含む多くの戦力を失った経験もあった。このため、かつて全員が収監される措置が取られていた。

ウォーカーの判断と対立

基地司令ウォーカーは、その危険性を認識しつつも、彼らの能力を評価し今回の任務での使用を決定していた。カペラは過剰な殺戮を問題視し反発したが、ウォーカーは任務達成のためには必要であると考え、両者の間には意見の対立が生じていた。

パラサイトの影響と軍内部の分裂

スターズ内部では一部の隊員がパラサイト化しており、また多くの者が意識誘導を受けていた。さらにUSNA軍全体でも、司波達也を排除する派と利用する派に分裂しており、組織としての統一性が揺らいでいた。この混乱が、危険な部隊の再投入を許す背景となっていた。

標的の明示と作戦の偽装

ウォーカーは最終的に、イリーガルMAPの投入先が司波達也であることを明かした。作戦はチャイニーズ・マフィアの依頼を装う形で行われ、スターズとの関係は完全に隠蔽される予定であった。

制御不能の懸念と不透明な対応

カペラは、部隊が再び暴走した場合の対処について懸念を示したが、ウォーカーは明確な回答を避けた。その対応から、作戦の危うさと統制の不備が浮き彫りとなった。カペラは不満を抱えつつも命令に従い退室し、基地内部には緊張と不安が残された。

試験日と達也の研究生活

第一高校が定期試験期間に入る中、達也は試験を免除されていたため登校後すぐに離れ、日焼島の研究棟で魔法開発に従事していた。彼は新魔法の開発とパラサイト対策の修行に時間を費やしており、同時にリーナの動向にも注意を払っていた。

リーナの接触と相談の開始

昼食時、リーナは達也に同行を求め、本題としてスターズ内部の叛乱後の状況を語り始めた。彼女は自身の脱出を助けたカノープス少佐に恩義を感じており、その後の動向について強い関心を抱いていた。

カノープスの現状推測

リーナは、カノープスが投降しミッドウェー刑務所に収監されている可能性が高いと説明した。この施設は魔法師同士の接触を遮断する構造となっており、脱走や暗殺の難易度が高い場所であるとされていた。

救出要請と達也の拒否

リーナはカノープス救出を依頼したが、達也はリスクに見合う利益がないとして拒否した。代替として、必要であれば刑務所ごと破壊するという極端な手段すら提示し、その合理性を優先する姿勢を示した。

リーナの覚悟と条件提示

達也の判断を受け、リーナは自らが達也の味方となり、スターズの対立行動を抑止することを約束した。さらにそれが叶わなければ軍を離脱し、日本へ帰化する覚悟まで示し、自身の立場を賭けた提案を行った。

取引の成立と今後の展開

リーナの条件提示により、達也はカノープス救出を検討する意向を示した。これにより両者の間に利害に基づく協力関係が成立し、今後の行動に新たな選択肢が生まれることとなった。

再登校と詩奈への接触

試験期間により早い時間に放課後となる中、達也は午後に再登校し、生徒会室を訪れた。そこで試験勉強をしていた三矢詩奈に声を掛け、彼女の父である三矢元、あるいは兄の元治と面会したい旨を伝えた。

米軍情報収集の意図

泉美の問いに対し、達也は米軍の動向について知りたいと明言した。三矢家が国外軍事情報に精通していることから、この依頼は合理的なものであり、周囲もその意図を理解した。

詩奈の対応と場の収束

突然の依頼に戸惑いながらも、詩奈は父に予定を確認すると応じた。泉美の不用意な発言による気まずさを和らげる形となり、場の空気は収まった。

深雪のフォロー

その後、深雪は泉美に対して実技試験の指導を申し出て場を離れた。この行動により空気は円滑に整えられ、達也は状況が適切に収束したと認識した。

演習林での修行再開

深雪と別れた後、達也は演習林に赴き、幹比古と合流した。試験期間中であることを詫びる達也に対し、幹比古は修行の方が重要であると応じ、協力を惜しまない姿勢を示した。

想子操作による封印技術の追求

達也は暴走した独立情報体を捕縛するため、六方向から想子流をぶつけて封じ込める技術の改良を進めていた。試行錯誤の末、四方向で圧力をかけつつ上下で封じる方法が有効であると判明し、最終段階である圧縮・固定へと到達していた。

封玉の生成成功

達也は想子を球体として圧縮し、疑似的な固体として安定させることに成功した。その球体は実体のない想子でありながら、確かな手応えを持つ状態となり、「封玉」と呼ばれる新たな無系統魔法として成立した。

技術の有効性と限界

封玉は暴走精霊を内部に閉じ込め、活動を停止させる効果を示したが、維持時間は約七分であり完全ではなかった。その後の反復で成功と失敗を繰り返しつつも、最終的には連続成功を達成し、実用化への目処が立った。

協力関係と今後の課題

達也は幹比古の協力に感謝しつつも、実戦投入には成功率の完全化が必要であると認識していた。幹比古も疲労の限界に達しながらなお協力を申し出ており、二人は翌日以降も修行を継続することを決めた。

演習林での修行再開

深雪と別れた後、達也は演習林に赴き、幹比古と合流した。試験期間中であることを詫びる達也に対し、幹比古は修行の方が重要であると応じ、協力を惜しまない姿勢を示した。

想子操作による封印技術の追求

達也は暴走した独立情報体を捕縛するため、六方向から想子流をぶつけて封じ込める技術の改良を進めていた。試行錯誤の末、四方向で圧力をかけつつ上下で封じる方法が有効であると判明し、最終段階である圧縮・固定へと到達していた。

封玉の生成成功

達也は想子を球体として圧縮し、疑似的な固体として安定させることに成功した。その球体は実体のない想子でありながら、確かな手応えを持つ状態となり、「封玉」と呼ばれる新たな無系統魔法として成立した。

技術の有効性と限界

封玉は暴走精霊を内部に閉じ込め、活動を停止させる効果を示したが、維持時間は約七分であり完全ではなかった。その後の反復で成功と失敗を繰り返しつつも、最終的には連続成功を達成し、実用化への目処が立った。

協力関係と今後の課題

達也は幹比古の協力に感謝しつつも、実戦投入には成功率の完全化が必要であると認識していた。幹比古も疲労の限界に達しながらなお協力を申し出ており、二人は翌日以降も修行を継続することを決めた。

[3]

表向きの計画と真の目的

ディオーネー計画は金星の環境改変を目的として進行していたが、その実態は司波達也を地球から排除することにあった。計画は順調に進んでいるように見えたものの、達也自身の恒星炉プラント計画が進展したことで、彼を参加させる大義が揺らぎつつあった。

達也の存在による計画の停滞

恒星炉プラントは将来的に大きな価値を持つ可能性があり、政治的にも妨害が困難となっていた。この状況により、ディオーネー計画の本来の目的である達也の排除は実現が難しくなり、クラークは手詰まりに近い状態へ追い込まれていた。

ベゾブラゾフとの再接触

行き詰まりの中、クラークのもとにベゾブラゾフから連絡が入った。過去の失敗を巡り両者は対立したものの、ベゾブラゾフは新たな打開策を提示した。

戦争を利用した陽動作戦

ベゾブラゾフは、大亜連合との戦闘に勝利した後、日本海へ艦隊を南下させる計画を明かした。この行動は領土獲得ではなく陽動であり、その裏で達也の恒星炉プラントを破壊することが狙いであった。

プラント破壊による目的達成案

プラントがテロによって破壊されれば、投資家の撤退を招き計画は中止に追い込まれる。結果として達也はディオーネー計画への参加を拒む理由を失い、当初の目的達成に繋がるとされた。

危険な選択と決断

この提案は国家的リスクを伴う危険なものであったが、追い詰められていたクラークにとっては魅力的な選択肢となった。最終的に彼は計画への協力を決断し、破壊工作に踏み出す道を選んだ。

新ソ連軍の戦略的再配置

戦争七日目の朝、新ソ連軍は東シベリア方面の再配置を完了し、ハバロフスク南方の機甲部隊が南下を開始した。同時に沿海地方軍は後退し、両軍による挟撃体制が整えられた。これにより大亜連合軍は進軍継続か占領維持かの選択を迫られた。

大亜連合の急進判断

大亜連合はウラジオストク攻略を狙い、後退する新ソ連軍を追撃する決断を下した。しかし判断の遅れと機動力の差により、両軍の間隔は拡大していった。

霧の発生と異変の兆候

追撃中の大亜連合軍の前方に突如として濃霧が発生し、広範囲にわたって部隊を覆い尽くした。指揮官は危機を察知し対応を命じたが、その行動は決定的に遅れていた。

トゥマーン・ボンバの発動

霧の正体はベゾブラゾフによる魔法攻撃の前段階であり、直後に広域の酸水素ガス爆発が発生した。この攻撃は通常の爆発とは異なり、広範囲で同時に高温を発生させることで対象を直接焼滅させる性質を持っていた。

壊滅的被害と戦局の決定

この一撃により大亜連合侵攻部隊の七割以上が無力化され、戦局は一瞬で決定的に傾いた。戦術的優位は完全に新ソ連側へ移り、戦争の趨勢を左右する転換点となった。

三高での朝礼と日常の開始

魔法科高校では試験期間中であっても、三高では専科の生徒に対して朝礼が行われていた。一条将輝も他の生徒と同様に着席し、指導教師の訓示を受けていた。

異常な想子波の発生

朝礼の最中、突如として強烈な魔法の波動が教室に届いた。将輝を含む複数の生徒が反射的に反応し、緊張が教室内に広がった。指導教師は異変を察知し、朝礼を中断して生徒に待機を命じた。

将輝の分析と推測

将輝は波動の方向と距離を感覚的に把握し、震源が北北西の遠方にあると推定した。その規模から新ソ連と大亜連合の戦闘と関連付け、学習端末で地図を確認しながら状況を分析した。

トゥマーン・ボンバへの認識

伝わってきた想子波の強さから、将輝はそれがトゥマーン・ボンバによる攻撃である可能性を感じ取った。実際の威力の全容を知らぬままでも、その圧倒的な規模に戦慄し、遠方で発生した戦闘の重大さを直感的に理解した。

全国に広がる余波と達也の判断

トゥマーン・ボンバの余剰想子波は日本中の魔法師に感知され、達也もその規模と性質を即座に分析した。広範囲同時爆発による殲滅戦術であると見抜き、戦局が決したことを理解した達也は、新ソ連艦隊の南下を警戒し、対抗魔法の完成を急ぐ必要性を認識した。

研究の中断と新魔法設計の進展

達也は日焼島での修行を中止し、自宅研究室に籠もって開発を進めた。その結果、チェイン・キャストを応用した新魔法の基本設計を完成させ、実装段階は専門技術者に委ねる判断を下した。

光宣の行動再開

一方、神戸に潜伏していた光宣は精神的整理を終え、レグルスとレイモンドの前に姿を現した。トゥマーン・ボンバの影響と今後の指令を見据え、三人は行動を開始することとなった。

九島家への侵入

光宣は自らの実家である九島家へ侵入し、家族と対峙した。父の所在を確認した後、兄姉に対して自身の目的達成のため協力を求めたが、拒絶されると即座に精神干渉魔法で制圧した。

家族の無力化と支配の確立

光宣は家族だけでなく屋敷内の使用人全員を眠らせ、完全に行動不能にした。負傷者には治癒を施すなど冷静な対応も見せつつ、目的達成のための支配を着実に進めた。

次なる行動への移行

再びレグルスとレイモンドと合流した光宣は、家族ではなく外部の戦力を利用する意図を明かし、父との接触に向けて行動を開始した。彼の行動はより計画的かつ冷徹な段階へと移行していた。

研究所での吉祥寺の生活

金沢魔法理学研究所に所属する吉祥寺真紅郎は、試験期間中であっても研究を優先し、日常的に研究所で生活していた。自身の基本コード理論の研究を進める一方で、他の研究業務にも従事していた。

達也からの突然の通信

その夜、吉祥寺のもとに司波達也からのメールが届いた。直接的な交流の無い相手からの連絡に戸惑いながらも、彼は内容の確認を始めた。

チェイン・キャストとの邂逅

添付されていたのは新魔法の基本設計書であり、その中には「チェイン・キャスト」と呼ばれる未知の技術が含まれていた。吉祥寺はそれがトゥマーン・ボンバの基幹技術であることを知り、その重要性に驚愕した。

技術の難度と適性の検討

しかしその技術は膨大な演算負荷を伴うものであり、吉祥寺自身の能力でも扱いきれないと判断した。魔法式の複写と展開を連鎖的に行う構造は極めて高度であり、通常の魔法師には運用困難なものであった。

一条将輝への可能性

検討の中で、吉祥寺は一条将輝であればこの技術を扱える可能性に思い至った。起動式の最適化次第では実用化の余地があると考え、その適性を見出した。

魔法の目的と意図の理解

最終的に吉祥寺は、この設計が海上で使用する超広域爆裂魔法であると理解した。そしてメールの末尾に記された言葉から、達也がこの技術を自分と一条に託した意図を読み取り、その重みを認識した。

工場への侵入と戦闘開始

光宣は義母から得た情報を頼りに目的地へ到着し、その建物がアンドロイド製造工場であることを見抜いた。電子金蚕を用いて内部へ侵入し、あえて気配を隠さず進入した結果、警備として配置された女性型ガイノイドと交戦することとなった。レイモンドとレグルスの協力により、ガイノイドは無力化された。

パラサイドール素体の存在察知

戦闘を経て、光宣はこの工場がパラサイドールの素体を製造する施設であると推測した。高性能な機体構造から、その用途と意図を見抜きつつも、疑念を表には出さず目的達成を優先した。

父・九島真言との対面

工場内部で光宣は父・九島真言と対峙した。護衛に囲まれた状況であったが、真言の命令により周囲は退き、両者は直接会話することとなった。真言は光宣を欠陥ではなく未完成品と評し、パラサイト化によって完成したと語った。

冷徹な応酬と価値観の対立

父の無情な言葉に対し、光宣は感情を見せず冷笑で応じた。人間の精神に由来する存在としてのパラサイトの特性を語り、自身の在り方を肯定する姿勢を示した。一方で真言もまた、その理論に執着を見せつつ動じることはなかった。

生産状況の把握

光宣は工場の従業員から、完成済みおよび製造中の素体数を確認した。その規模から、九島家がパラサイドールの実用化と供給を継続する意図を持っていることを理解した。

九島家の掌握

光宣は完成済み・製造中の素体を含め、九島家全体に対して自らの指揮下に入るよう命じた。真言は抵抗の無意味さを認め、あっさりとこれに従う意思を示した。光宣が九島家最強の魔法師であるという事実が、その決断を裏付けていた。

支配の成立と新たな段階

護衛の反発も真言によって抑えられ、九島家は実質的に光宣の支配下に入った。真言は光宣を完成品として受け入れ、その結果に満足すら感じている様子を見せたことで、親子の関係は完全に断絶されたまま、新たな局面へと移行した。

兄妹の食卓とささやかなやり取り

光宣が行動を進める頃、達也と深雪は自宅で遅い夕食を取っていた。達也は深雪を一人で下校させたことを詫び、深雪はそれを気にする必要はないと応じつつも、兄の気遣いに頬を染めた。

新ソ連の動向に関する分析

食後、達也は新ソ連が日本海を南下する可能性について語った。直接的な宣戦布告ではなく、大義名分を掲げた軍事行動が取られると予測し、日本が巻き込まれる危険性を指摘した。

マテリアル・バーストへの対抗策

達也は自身の戦略級魔法が万能ではないことを説明した。無防備都市の宣言や難民の利用など、国際法や人道を盾に取ることで攻撃を封じられる可能性があると分析し、単純な火力では対応できない状況を示した。

新たな迎撃手段の必要性

こうした制約から、達也は別の迎撃手段が必要であると結論づけ、そのための新魔法の開発を進めていたことを明かした。既に基本設計は完成しており、実戦運用は他者に委ねる方針であった。

秘められた選択と適性

達也は新魔法を一条将輝に使用させるため吉祥寺へ託していたが、真に適性が高いのは深雪であるという認識を持っていた。この事実は深雪には伝えられておらず、達也の内に留められていた。

異例の指令伝達

スターズの通常指揮系統では作戦命令は総隊長に直接下されるが、不在のため基地司令ウォーカーに指令が届いた。提示された内容は、棚上げされていた恒星炉プラント破壊工作の再開であった。

作戦の再評価と動揺

恒星炉プラント破壊によって司波達也の影響力を削ぎ、ディオーネー計画への参加を強制するという構想自体は既知のものであった。しかし今回の指令には、新ソ連の極東艦隊による陽動に合わせて実行せよという条件が付されており、ウォーカーは強い違和感を覚えた。

新ソ連との連携への懸念

USNAと新ソ連の協力関係自体は認識していたものの、軍事行動における直接的な連携には驚きを隠せなかった。過去に交戦経験を持つ立場から、この協力は感情的にも受け入れ難く、現場の兵士への影響を懸念した。

実行体制の制約

作戦実行は既に日本へ潜入している部隊が担うこととなっており、人選の見直し余地はなかった。支援要員の選定もウォーカーの権限外であり、彼自身が関与できる範囲は限られていた。

不安要素の顕在化

さらにウォーカーは、既に任務を受けていたアークトゥルスが負傷している状況を思い出し、作戦遂行に支障が出る可能性を懸念した。命令の再始動は決定事項である一方、現場には不確定要素と不安が残されていた。

横須賀基地での訓練風景

七月五日早朝、横須賀基地では二人の米軍女性士官が激しい訓練を行っていた。レイラ・デネブとシャルロット・ベガは、日本に潜伏しているスターズの隊員であり、周囲の兵士の中でも際立つ存在であった。

パラサイト化した兵士の現状

二人は来日前にパラサイト化しており、その影響を受けた状態で行動していた。肉体的な能力は維持されているものの、人間としての感覚や思考には微妙な変化が生じていた。

空母帰還と任務の進展期待

訓練後、二人は潜入に使用した空母の帰還を確認した。この空母は極秘指令や情報の受領を担っており、任務の進展に関わる重要な役割を持っていた。

リーナ捜索への執着

彼女たちは「裏切り者」と見なされているリーナの所在特定を最優先事項としていた。日本国内のどこかに匿われていると推測し、その発見を強く望んでいた。

過激化する思考と行動

ベガはリーナを引き渡させるために圧力を強める方針を示し、場合によっては施設破壊も辞さない考えを抱いていた。このような過激な発想は、彼女の本来の性格から逸脱したものであり、パラサイト化による精神の変質が顕著に表れていた。

スターズ指令の伝達

神戸の隠れ家に戻っていたレグルスは、スターズ本部からの指令を受け取った。その情報はパラサイトのテレパシーネットワークを通じて共有され、レイモンドと光宣にも同時に伝達された。

指令内容と光宣の一致した思惑

指令は恒星炉プラントへの破壊工作を軸としたものであり、光宣が自ら構想していた陽動作戦と一致していた。光宣はこの機会を利用し、レグルスに破壊工作への参加を求めた。

役割分担の決定

レグルスは作戦に従う意向を示し、レイモンドはその支援に回ることを選択した。一方、光宣は別行動を取り、水波を奪取する計画を明確にした。

アークトゥルス救出の提案

レグルスは作戦に先立ち、封印されているアークトゥルスの状況確認と解放を提案した。光宣はこれを即座に受け入れ、優先事項として行動に移すことを決めた。

行動時期の判断

レイモンドが新ソ連艦隊の南下後の行動を想定したのに対し、光宣はそれ以前の移動を選択した。大規模な軍事行動が始まれば監視が緩むと見込み、その混乱を利用する意図を示した。

主導権を握る光宣

光宣は状況全体を俯瞰し、スターズの作戦すら利用する形で自身の目的達成へと動いていた。その判断には強い自信が伴っており、行動はより積極的かつ主導的なものへと変化していた。

[4]

休戦条件と戦争犯罪人指定

日本時間七月五日午前九時、大亜細亜連合政府は新ソビエト連邦政府に休戦を呼び掛けたが、その一時間後に返された条件には戦争犯罪人の引き渡しが含まれていた。ヴォズドヴィデンカに潜伏していた劉麗蕾は、その対象の上位に自分の名があると知らされ、自らが敗戦国の戦略級魔法師として処刑の危険に晒されている現実を突きつけられた。

林隊長による説得

護衛部隊の林隊長は、劉麗蕾に対し勝者の裁きに身を委ねる必要はないとして逃亡を勧めた。劉麗蕾は、自分が逃げれば休戦が成立しないのではないかと祖国への責任を口にしたが、林隊長はそれは劉麗蕾が背負うべき問題ではないと退けたうえで、彼女が生き延びることこそ将来の祖国の利益になると説いた。その言葉により、劉麗蕾は名誉を失っても祖国に尽くすという形で自らを納得させ、逃亡を決意した。

親密さの形成と依存の芽生え

林隊長は上官への形式的な態度を崩し、劉麗蕾を小劉と親しげに呼んだ。劉麗蕾もまた、自身をそう呼ぶよう求め、亡命を前提とした新たな関係を受け入れた。林隊長が自分以上に逃亡成功を喜ぶ姿を見たことで、劉麗蕾の中には彼女への共感と依存が芽生えていった。

脱出準備の進行

護衛部隊は二千キロを超える航続距離を持つビジネスジェットを用意し、燃料補給や機体整備、滑走路確認を進めていた。準備は前夜から始まっており、彼女たちが当初から長距離脱出を想定していたことが明らかになった。劉麗蕾の逃亡は突発的な判断ではなく、周到に計画された行動であった。

林隊長の正体

管制塔に入った林隊長は、ロシア語で外部と連絡を取り、劉麗蕾の説得成功と日本への移送を報告した。この通信によって、林隊長が新ソ連側に寝返っていた工作員であることが判明した。彼女は劉麗蕾を守ろうとしていたのではなく、新ソ連の計画どおりに日本へ送り込む役割を担っていたのである。

日本への移送完了

現地時間正午前、ビジネスジェットはヴォズドヴィデンカを離陸し、日本へ向かった。新ソ連軍は公海に出るまで追跡の姿勢を見せたが、それ以上は深入りせず、日本軍もこの動きを戦争終結までの牽制を避けるためのものと判断した。機体はそのまま日本海を横断し、日本の迎撃機の誘導に従って小松基地へ着陸した。劉麗蕾はこうして、大亜連合から離脱し日本へ渡ることになった。

暗号メールによる報告受信

カリフォルニア支局に籠もるエドワード・クラークのもとに、深夜、暗号メールが届いた。その内容は劉麗蕾の日本亡命と、それを口実に新ソ連艦隊を南下させる計画の進行を伝えるものであった。

強引な戦略への動揺

劉麗蕾の亡命を利用する手法は強引なものであったが、クラークはそれが意図的なものであり、もはや体裁や穏当さを重視していない作戦であると理解した。その進行はベゾブラゾフの予測どおりであり、計画は寸分の狂いもなく進展していた。

ベゾブラゾフへの評価と疑念

大亜連合を翻弄し戦局を掌握するベゾブラゾフの知略と魔法能力に、クラークは畏怖を覚えた。同時に、それほどの力を持ちながら司波達也を排除できなかった事実に疑問を抱き、その原因が達也の実力にある可能性に思い至った。

作戦進行の伝達準備

思考を切り替えたクラークは、ベゾブラゾフから得た情報を関係各所へ伝達する必要性を認識した。時差を考慮し、直接の通話ではなくメールでの連絡を選択し、作戦が次段階へ進んだことを広く共有しようと動き出した。

風間からの緊急連絡

達也が帰宅後に受けた連絡は、風間からの緊急通話であった。内容は、大亜連合の戦略級魔法師である劉麗蕾が日本へ亡命してきたという報告であった。

亡命の背景と疑念

亡命の理由は、新ソ連が提示した休戦条件の一つである戦争犯罪人の引き渡しに、劉麗蕾の名が含まれていたためであった。しかし達也は、護衛部隊を伴った亡命という点に不自然さを感じ、工作の可能性を疑った。

尋問支援の依頼と問題点

国防軍は劉麗蕾の扱いに苦慮しており、彼女の魔法を封じるため達也に協力を求めた。劉麗蕾はCADを使わずに「霹靂塔」と電磁場遮断を発動できる特殊な魔法師であり、通常の手段では無力化が困難であった。

達也の協力拒否と理由

達也は国内に潜伏するパラサイトの脅威を理由に、東京を離れられないとして協力を断った。代替案として、小松基地に近い一条家への協力依頼を提案した。

一条家への対応提案

達也は、一条家の戦闘能力に加え、一色家由来の神経電流干渉魔法の可能性を挙げ、殺さずに無力化できる手段として適切であると判断した。これにより、風間は一条家への協力要請を検討することとなった。

情勢悪化と役割分担

新ソ連への対応により国防軍は手一杯となり、パラサイト対策は達也に委ねられる形となった。達也はその現状を受け入れつつ、与えられた役割を継続することとなった。

東富士演習場での待機生活

七月五日夜、東富士演習場の士官用宿舎において、千葉修次の部屋を渡辺摩利が訪れていた。出動中のため簡素な環境での生活であり、二人は自販機で調達した飲料を分け合いながら会話を交わした。

日報作成と任務停滞

修次は日報作成に苦戦していた。今回の任務は捜索情報が得られるまでの待機が基本方針であり、記録すべき出来事がほとんど無かったためである。摩利も情報不足の状況から、国防軍の関心が新ソ連の動向に集中している可能性を指摘した。

光宣追跡方針への疑問

摩利は、九島光宣の目的が桜井水波の確保であるならば、東京へ戻るべきではないかと提案した。これに対し修次も同意を示しつつ、部隊が現地に留まるのは別の理由があると考えていた。

新ソ連侵攻への備え

修次は、部隊が東富士に留め置かれている理由として新ソ連の侵攻を想定した戦力配置を挙げた。すなわち、上陸してくる敵部隊に対する奇襲要員として待機している可能性である。

任務の本質の変化

この推測により、光宣の捕縛という当初の任務とは別に、国家防衛の観点からの戦闘準備が優先されつつあることが示唆された。修次と摩利は、事態がより大規模な軍事衝突へと発展する可能性を認識した。

劉麗蕾対応の依頼

試験最終日を終えて帰宅した一条将輝は、父の剛毅に書斎へ呼び出された。そこには妹の茜も同席しており、剛毅は昼食前に手短に済ませるとして本題を切り出した。内容は、大亜連合の国家公認戦略級魔法師である劉麗蕾が日本へ亡命してきており、国防軍から一条家に協力要請が来ているというものであった。

求められたのは茜の魔法

国防軍が必要としていたのは将輝ではなく、神経攪乱を使える一条家の魔法師だった。将輝たちの母の血筋に由来するこの魔法に適性を持つのは茜であり、そのため要請の対象が彼女になっていた。茜は突然自分の名が挙がったことに強く動揺したが、剛毅は劉麗蕾の亡命には不審な点があり、偽装亡命の可能性を考慮していると説明した。

神経攪乱が必要とされた理由

劉麗蕾の霹靂塔は電子機器に致命的な被害を与える恐れがあり、基地設備に対して使われれば防空網が麻痺しかねなかった。しかも彼女はCADを必要とせず魔法を発動できるため、発動を確認してからでは対処が遅れる可能性が高かった。そのため、疑わしい動きの段階で致死性のない方法で無力化できる神経攪乱が必要とされていた。

一色家ではなく一条家が選ばれた事情

将輝は神経攪乱を用いるなら本家である一色家に依頼すべきではないかと疑問を呈し、茜も自分がまだ中学生であることを理由に抗議した。これに対し剛毅は、一色家の魔法は至近距離でなければ十分に機能せず、相手が本気で敵対した場合には対応しきれないと説明した。つまり茜の神経攪乱だけでは不十分であり、万一の際に戦略級魔法師を討てる戦力が同伴していなければならなかった。

将輝への同行命令

そのため剛毅は、茜に同行し彼女を守る役として将輝も呼んでいた。必要になれば将輝が劉麗蕾を討つよう命じられ、将輝はまず茜の意思を確認した。すると茜は、自分でやると覚悟を示したうえで、もしもの時は兄の手で決着をつけてほしいと告げた。その言葉に将輝は妹の決意を思い知らされ、自分も当然引き受けると即答した。

将輝の提案

話がまとまった後、将輝は小松基地へ出向くよりも、劉麗蕾を一条家で預かった方が良いのではないかと提案した。基地から離せば施設攻撃の危険を減らせるうえ、同行してきた軍人たちと分断できるからである。さらに、同じ十四歳の茜と近い立場に置くことで、劉麗蕾が大人の意向に引きずられず自爆的な破壊工作を思いとどまる可能性もあると考えられた。剛毅はその意見にも理があると認め、国防軍へ伝えることにした。

座間基地への潜入

七月六日夕刻、近畿方面の輸送車に紛れた光宣たちは座間基地へ侵入した。車両も人員も正規のものであったため検問は形式的なものに留まり、基地内への進入は容易であった。警備の手薄さは、国防軍の関心が北方戦線に集中している状況を反映していた。

基地内部の状況と偽装工作

座間基地は日米共同利用施設であり、USNA軍人の出入りも不自然ではなかった。さらに、過去の襲撃による損傷は事故として処理され、パラサイトの存在も含め一連の出来事は隠蔽されていた。このため光宣たちは疑われることなく輸送機へと到達した。

アークトゥルスの封印状態

輸送機内には、封印されたアークトゥルスが冷凍コンテナに保管されていた。封印は達也と幹比古によるものであり、呪具を抜かれてもなお強固に維持されていた。外見は遺体のようであったが、実際には厳重な封術によって拘束されている状態であった。

封印解除の可能性

光宣は封印の構造を解析し、その強固さを認識したうえで、肉体を破壊すればパラサイト本体の抽出は可能であると判断した。しかしそれではアークトゥルス本人を救えないため、レグルスは封印を維持したままの救出を望んだ。

光宣の決断

要求に応えられなければ協力関係に支障が出る可能性を察した光宣は、完全な成功を保証できないとしながらも、封印解除に挑戦することを受け入れた。これにより、彼らの作戦は次の段階へ進むこととなった。

三矢家訪問の目的

試験最終日、達也は深雪と共に三矢詩奈の案内で三矢家の屋敷を訪れた。目的は、USNA軍の動向、とりわけミッドウェー島および北西ハワイ諸島周辺の軍事情報を得ることであった。

面会と本題の提示

応接室で当主の三矢元と長男の元治と対面した達也は、求めている情報を率直に伝えた。その意図は新ソ連との戦争対応ではなく、ミッドウェー監獄に収容されている魔法師の脱出可能性を判断するためであると明かした。

依頼の背景と三矢家の反応

達也は、この行動が四葉家の了承を得たものであり、依頼は自家で保護している亡命者からのものであると説明した。三矢家はその危険性を指摘しつつも、情報提供には応じる姿勢を示したが、実行支援は行わないと明言した。

ミッドウェー周辺戦力の詳細

三矢家の情報によれば、ミッドウェー島自体には大規模な海上・航空戦力は配備されておらず、囚人に奪われることを警戒した構成となっていた。代わりに、約二百五十キロ離れたパールアンドハーミーズ環礁付近の人工島に主力が集結しており、空母一隻、護衛艦や駆逐艦、潜水艦などが配備されていた。

監獄側戦力の規模

ミッドウェー島の駐留兵力は約二百から二百五十名で、その一部に魔法師部隊が含まれていた。重装備は限定的であり、主に対人装備と監視用の兵器が配置されている程度であった。

情報収集の成果

達也は三矢家から詳細な軍事情報を得ることに成功し、目的であった判断材料を十分に確保した。一方で三矢家は見返りを求めず、情報提供のみに留める姿勢を貫いた。

深雪の不安と問い掛け

帰宅後、深雪はミッドウェー作戦について改めて達也に問い掛けた。外では話せない内容であるため、自宅で真意を確認しようとしたのである。彼女は作戦決行の意思を知り、不安を強めていた。

達也の決意の表明

達也は時期は未定ながらも、近いうちに実行に移す意志を明確にした。深雪の心配を理解しつつも、この件を放置することはできないと判断していた。

作戦の本質的な目的

深雪はリーナの依頼が理由なのかと問い質したが、達也はそれはきっかけに過ぎないと否定した。彼の真の目的は、カノープスがパラサイト化して敵に回る危険を未然に防ぐことであり、そのために脱獄を試みると説明した。

危険性への認識と代替手段

ミッドウェー潜入の危険性を危惧する深雪に対し、達也は無理はしないと前置きした上で、脱獄が困難な場合は監獄ごと破壊する選択肢も保持していると述べた。この方針は単なる慰めではなく、現実的な選択肢として維持されていた。

流動的な情勢と今後の不確実性

達也は現状が極めて流動的であり、基本方針そのものが変更される可能性にも言及した。深雪はその説明に完全には納得していなかったが、強く否定することもできず、不安を抱えたまま受け入れるしかなかった。

当主と次期当主の協議

達也と深雪を送り出した後、三矢元と元治はそのまま今後の対応について話し合いに入った。元治は四葉家によるミッドウェー監獄襲撃計画を国防軍へ報告すべきだと進言し、さらにアメリカ軍への情報提供も検討すべきだと主張した。

これに対し元は、同じ十師族を外部に売る行為は信義に反するとして、アメリカへのリークを否定した。しかしその口調には迷いが滲んでおり、内心の葛藤が表れていた。

責任回避と現実的判断

元治は、このまま黙っていれば三矢家が共犯と見なされる危険を指摘した。元は見返りを要求しなかったことで疑念を回避できると考えていたが、それでは不十分であることを認めざるを得なかった。

最終的に元は、アメリカへの情報提供は避けつつも、国防軍へ警告として伝える必要性を受け入れた。ただし、情報の扱いを誤れば反魔法主義闘争に利用される危険があるため、伝達先は慎重に選ぶべきだと念を押した。

佐伯少将への連絡決定

元治は、達也と関係の深い第一〇一旅団の佐伯少将に連絡する方針を提案した。元もこれに同意し、三矢家として軍への通報を行う決断が下された。元治はすぐに手配に動いた。

詩奈の盗聴と葛藤

一方、詩奈は応接室の外で会話の一部を聞いてしまっていた。彼女は生まれつき極めて鋭敏な聴覚を持ち、ヘッドホンで音量調整を行っているものの、微細な音まで拾ってしまう体質であった。

そのため、扉越しの会話であっても内容を把握できてしまい、父と兄が達也に不利な行動を取ろうとしていると理解した。

価値観による内的対立

詩奈は家族を優先すべきだと理解しながらも、裏切りや告げ口を悪とする自身の価値観との間で強く揺れ動いた。達也に知らせるべきか、それとも黙っているべきかという選択に苦しみ、自縄自縛の状態に陥っていた。

[5]

試験後の休日と静かな一日

七月七日、七夕であり日曜日でもあるこの日は、定期試験を終えたばかりの国立魔法大学付属高校の生徒たちにとって束の間の休息日であった。本来であれば九校戦の準備に追われる時期であったが、今年は大会が中止されているため、一高の生徒会も休みとなり、深雪にとっても久々に予定の無い一日となっていた。

深雪の同行希望

朝食の席で、深雪は達也に対し、日焼島へ向かう際に自分も同行させてほしいと控えめに願い出た。達也がリーナの様子を確認しに行く予定であることを踏まえ、同行の必要性を感じていたためである。

達也の了承と配慮

達也はその申し出をすぐに受け入れ、自分が日曜日であることを失念していたと詫びた上で、最初から同行させるべきであったと述べた。そして水波の見舞いを終えた後に日焼島へ向かう予定を共有し、深雪と共に行動することを決めた。

海上ドライブへの期待

深雪はさらにエアカーでの移動を希望し、達也もそれを快く承諾した。達也は海上ドライブになることを告げ、深雪はその提案に無邪気な喜びを見せた。

ヘリ到着と部隊の分離

七月七日午前八時、座間基地にUSNA軍のヘリが到着した。目的は飛行不能となった輸送機の乗員移送であり、事前通告どおりの手続きに従って受け入れられた。これに伴い、レグルスはスターズ本部の命令に従い日焼島襲撃に参加するため空母へ移動することとなった。

一方で光宣は、封印されたアークトゥルスの解放を目的として基地に残留した。彼自身も別行動を前提としていたため、この分離は計画どおりのものであった。

別れとそれぞれの役割

レグルスとレイモンドは光宣に後事を託し、短い別れの挨拶を交わした。三者は互いの立場を理解しつつ、それぞれの任務へと向かう決意を固めた。ヘリの離陸を見届けた後、光宣はただ一人、輸送機内に残された。

封印術式の分析

光宣は貨物室に置かれたアークトゥルスの冷凍コンテナに向かい、封印術式の解析を開始した。封印は修験道を基盤としつつ、陰陽術や西洋古式魔法が複合された高度なものであり、単純な解除は困難であると判断された。

特に西洋魔術の要素については知識が限定的であり、即座の解決は難しい状況であった。

精神干渉による突破口の模索

光宣は封印の直接解除ではなく、まずアークトゥルスの意識状態を探る方針を取った。精神干渉系の想子情報体を用い、肉体を介して精神に働き掛けることで反応を探ったのである。

その結果、微弱ながらも反応が確認され、封印下でも精神が完全に消失していない可能性が示された。

解放に向けた試行錯誤

この反応を手掛かりに、光宣は精神の所在を特定し、覚醒へ導く可能性を見出した。基地の監視に察知されないよう慎重に魔法を制御しながら、アークトゥルス解放に向けた試行錯誤を継続していった。

小松基地への到着

七月七日午前九時、一条将輝と一条茜の兄妹は国防軍小松基地を訪れた。父である剛毅は同行していなかったが、将輝は堂々とした態度を崩さず、軍の要請による訪問として円滑に基地内へ通された。一方で茜は緊張を隠せず、不安げな様子を見せていた。

移動中の緊張と警戒

迎えの車内で、茜はこれから会う劉麗蕾について不安を口にした。運転手の兵士は彼女が日本語に堪能であることや、かつて対日工作員として育成されていた可能性を語り、状況の危険性を示唆した。これにより茜の緊張は和らぐどころか、むしろ一層強まる結果となった。

将輝は過度な警戒は逆効果と応じつつも、内心では慎重な対応を意識していた。

厳重な警備体制

劉麗蕾が保護されている宿泊棟はホテル同様の設備を備えていたが、周囲には多数の兵士と魔法師が配置されており、厳重な監視体制が敷かれていた。将輝はその中に十人以上の魔法師の存在を感知し、状況の重大さを再認識した。

劉麗蕾との初対面

ロビーでの対面において、劉麗蕾は通訳を介さず自然な日本語で自己紹介を行った。将輝も冷静に応じたが、茜はその容姿に思わず驚きの声を漏らしてしまう。

慌てて将輝に注意され、茜は取り繕うように自己紹介を行ったが、その動揺は隠しきれなかった。

緊張の緩和の兆し

しかし、茜の率直な反応は、張り詰めていた劉麗蕾の表情をわずかに和らげた。形式的な対面の中で生まれたこの小さな変化は、両者の距離が僅かに縮まる兆しとなっていた。

寝不足の目覚めと状況確認

七月七日午前九時二十分、吉祥寺真紅郎はわずか三時間半の睡眠で目を覚ました。強い寝不足状態でありながら、カフェイン錠剤を服用し、すぐに軍事情報のデータ放送で新ソ連艦隊の動向を確認した。艦隊がまだ南下していないことを知り、彼は安堵とともに時間的猶予を認識した。

新戦略級魔法の完成

吉祥寺は未明に完成させた新戦略級魔法の起動式を、大型CADに実装していた。この装置はコンピュータと一体化し、広範囲の対象情報を取り込みながら数千から数万の魔法式を精密に制御する機能を持つものであった。既存のハードウェアが完成していたことで、彼は起動式の開発に専念することができた。

実用化への課題と確信

起動式と装置の完成により理論的には準備が整ったが、魔法は実際に魔法師が発動できてこそ意味を持つ。吉祥寺はこの新魔法を一条将輝が使いこなせると信じていたが、その裏には拭いきれない不安も存在していた。

トラウマに基づく焦燥

吉祥寺の焦りの根底には、新ソ連に対する強いトラウマがあった。かつて故郷である佐渡島を襲撃され、両親を失った経験が彼の心に深い傷を残していた。そのため新ソ連の南下という事態に対し、強い危機感と恐怖を抱いていた。

親友への期待と行動決意

自ら戦う力は無いと自覚しつつも、親友である将輝が自分の魔法を用いて敵を打ち破る未来に希望を見出していた。その思いが吉祥寺を突き動かし、即座に実験を行う決意を固めさせた。

衝動的な行動の準備

吉祥寺は将輝の予定を確認することもなく、一条家へ直接向かおうとした。しかし出発直前になって自分がパジャマ姿のままであることに気付き、慌てて部屋へ戻るという一幕もあった。

海上ドライブと深雪の高揚

達也と深雪は午前十時前に日焼島へ到着した。エアカーによる海上走行は高速かつ開放感に満ちており、深雪は強い爽快感に包まれていた。普段とは異なる高揚した様子を見せ、軽い興奮状態にあった。

リーナとの再会と穏やかな対話

到着後、二人はリーナと再会した。リーナは生活に不自由は無いと語り、管理スタッフの対応にも問題が無いことを伝えた。三人はリビングで落ち着き、束の間の穏やかな時間を共有した。

新ソ連艦隊南下の報告

しかし達也はすぐに本題へ入り、新ソ連極東艦隊が近く日本海を南下する見込みであることを伝えた。日本側も迎撃準備を整えており、衝突は避けられない状況であると説明した。

戦争の名目と真の目的

新ソ連は戦争犯罪人として劉麗蕾の引き渡しを要求していたが、日本としてはこれを受け入れられない。達也はこの要求が開戦の口実に過ぎないと見ており、真の目的は別にあると推測した。

リーナはその目的が恒星炉プラントである可能性を指摘し、達也もそれを一つの可能性として認めた。

ミッドウェー作戦への影響

達也はさらに、この情勢がリーナにとって重大な問題を生むと指摘した。新ソ連との緊張が続く中、日本はUSNAとの関係悪化を避ける必要があり、ミッドウェー監獄襲撃の実行が困難になると説明した。

艦船や航空機の調達も制限され、作戦環境は著しく悪化する見通しであった。

リーナの受容と信頼

リーナは状況を理解し、達也を責めることなく時間をかけて準備する方針を受け入れた。達也も必ず手段を見つけると約束し、両者の間には互いを思いやる姿勢が見て取れた。

深雪の内心の揺らぎ

そのやり取りを見た深雪は、二人の信頼関係を理解しながらも、心の奥にわずかな嫉妬を感じていた。

一条家と護衛部隊の対立

一条将輝と林隊長の間で、劉麗蕾の扱いを巡る激しい口論が展開された。将輝は彼女を軍施設ではなく一条家で保護すべきだと主張し、林隊長は同胞から引き離す意図だとして強く反発した。

互いに譲らぬ姿勢を崩さず、場の空気は本来の穏やかな顔合わせから大きく逸脱して険悪なものとなっていた。

将輝の理念と主張

将輝は劉麗蕾がまだ十四歳である点を重視し、軍の枠に閉じ込めるべきではないと訴えた。彼の主張の根底には、魔法師は自らの意思で生き方を選ぶべき存在であるという信念があった。

その考えは理想論の側面を持ちながらも、将輝はそれを正義として貫こうとしていた。

劉麗蕾の決断と林隊長の動揺

対立に割って入ったのは劉麗蕾本人であった。彼女は一条家での保護を受け入れてもよいと発言し、場の流れを変えた。

この発言に林隊長は強い動揺を見せ、翻意を促そうとした。劉麗蕾の決断は彼女の思惑から外れるものであり、焦りが表面化していた。

茜による場の沈静化提案

緊張した空気を受けて、一条茜が結論を急がず一晩様子を見ることを提案した。

この提案は場の関係者に受け入れられ、軍側も含めて一時的な沈静化が図られることとなった。

茜による将輝への指摘

劉麗蕾と林隊長が私室へ戻った後、ロビーでは一条茜が将輝に対して強く諫めていた。将輝は話を急ぎすぎ、相手の感情を逆撫でしたと指摘されるが、当初はそれを認めようとしなかった。

しかし茜は、劉麗蕾の同意が場を収めるための自己犠牲であったと見抜いており、将輝も最終的には自らの対応を認めて謝罪した。

吉祥寺真紅郎の来訪

将輝に来客があると告げられ、案内された先で彼を待っていたのは吉祥寺真紅郎であった。

吉祥寺は余裕のない様子で現れ、説明する時間も惜しんで将輝に協力を求めた。その態度は、かつて大発見を成し遂げる直前と同様の緊張感を帯びていた。

新戦略級魔法の提示

吉祥寺は、自ら完成させた新たな戦略級魔法を将輝に試してほしいと強く要請した。

この魔法は将輝の適性を前提に設計されたものであり、彼自身の手で実用性を確認する必要があった。将輝もその価値を即座に理解し、試験を受け入れた。

海上での実証試験

三人は実験のため金沢基地へ移動し、海上を対象に発動前実験を行うこととなった。

将輝は専用の装置を用いて広範囲の海域を照準し、起動式を読み込み魔法式を構築した。最終的な発動直前で意図的に中断されたものの、広範囲にわたる魔法式の展開が確認された。

実験成功の確定

魔法は完全発動こそ行われなかったが、設計どおりの挙動が確認され、実験は成功と判定された。

これにより、新戦略級魔法は実戦投入可能な段階に到達したと評価され、吉祥寺はその成果を確信した。

空母インディペンデンスの出港

七月七日午後六時、横須賀軍港からUSNA海軍の大型空母インディペンデンスが出港した。房総半島沖での訓練を経て、そのままハワイへ帰投する予定であった。

公海上へ出た空母には、高速輸送艦ミッドウェイが接近し、作戦要員の移送が行われた。

パラサイト兵の合流

ミッドウェイに降り立ったのは、ベガ、スピカ、デネブ、レグルス、そしてレイモンドの五名であった。

彼らを迎えた部隊はスターダストの兵士たちであり、その全員がパラサイト化した強化兵士であった。思念波による共有意識が形成され、ベガの指揮下に統合された。

作戦会議の開始

ベガはブリーフィングルームにて即座に作戦会議を開始し、翌日の行動方針を提示した。

彼女の指揮のもと、デネブと共に前線で抵抗排除を担当し、レグルスは後方支援、スピカとレイモンドは退路確保に回る配置が決定された。

施設破壊の役割分担

作戦における施設破壊については、制圧後にレイモンドを呼び寄せ、爆弾によって実施する方針が示された。

レイモンドは形式的に了承したが、内心には不満が残っており、ベガとの間に微妙な軋轢が生じていた。

パラサイト特有の葛藤

パラサイトである彼らは意識を共有しているため、個々の不満や対立はそのまま全体に反映される構造となっていた。

その結果、他者への不快感が自己嫌悪として返ってくるという特有の葛藤を抱えながら、作戦準備を進めていた。

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新ソ連艦隊の出港と国内の動揺

七月八日午前零時、新ソ連極東艦隊がウラジオストクを出港した。この報せを受け、日本海側の各地では企業や学校が臨時休業・休校となり、避難準備が進められた。

迫り来る艦隊の存在は可視化されており、人々は前回の奇襲とは異なり、時間をかけて恐怖と緊張に晒される状況となっていた。

日本海での軍事的対峙

正午、新ソ連艦隊は能登半島沖で停止し、日本の接続水域直前に布陣した。対地攻撃艦やミサイル艦を含む強力な戦力に加え、後方には空母も控えていた。

これに対し日本側もミサイル艦や小型艇を展開し、さらに潜水艦同士の水面下での睨み合いも予想されるなど、全面衝突寸前の緊張状態が形成された。

劉麗蕾引き渡しを巡る外交対立

新ソ連は一貫して劉麗蕾の引き渡しを要求し続けたが、日本政府は国際刑事裁判所での裁きを提案し、一方的な引き渡しを拒否した。

形式的には正当な提案であったが、実際には裁判所は機能しておらず、問題解決の実効性は乏しいものだった。

世論の変化と劉麗蕾の存在

国内では当初、外国人保護によるリスクを批判する声も存在したが、劉麗蕾が十四歳の少女であることが報じられると、世論は同情的な方向へと傾いた。

彼女の存在そのものが、政治判断や世論に大きな影響を与える要素となっていた。

一条家の関与の深化

劉麗蕾は引き続き小松基地に留まり、そのもとを一条茜と一条剛毅が訪れていた。

この訪問により、一条家が事態に深く関与していく流れが明確となった。

佐渡島への移動と将輝の迷い

七月八日正午過ぎ、将輝と吉祥寺は佐渡島に滞在していた。新ソ連艦隊の動向が能登半島方面にあると報じられる中、将輝は本来の迎撃地点を離れてこの地に来ていた。

その判断は吉祥寺の主張によるものであり、将輝は疑念を抱きつつも親友の言葉を信じて行動していた。

吉祥寺の確信

灯台の回廊から海を見渡しながら、将輝は敵が本当に来るのか問い掛けた。

これに対し吉祥寺は迷いなく来ると断言し、その確信は揺るがないものであった。

佐渡島の戦略的価値

吉祥寺は、佐渡島が本州に近接しながらも海で隔てられた地形を持つことから、侵攻拠点として極めて有効であると分析していた。

十分な面積と港湾機能を備え、橋頭堡としての条件を満たしているにもかかわらず、防衛体制は脆弱である点も指摘された。

防衛の盲点と過去の教訓

過去に攻撃を受けたにも関わらず、佐渡島には十分な防衛施設が整備されていなかった。

吉祥寺はこの点を重大な欠陥と捉え、敵がこの弱点を突く可能性を強く示唆した。

奇襲への警戒

さらに吉祥寺は、日本海軍との正面衝突を避けるため、新ソ連が奇襲戦術を選択すると推測した。

その結果として、能登半島方面を陽動とし、実際の標的を佐渡島に定める可能性が高いと結論付けた。

佐渡島への移動と将輝の迷い

七月八日正午過ぎ、将輝と吉祥寺は佐渡島に滞在していた。新ソ連艦隊の動向が能登半島方面にあると報じられる中、将輝は本来の迎撃地点を離れてこの地に来ていた。

その判断は吉祥寺の主張によるものであり、将輝は疑念を抱きつつも親友の言葉を信じて行動していた。

吉祥寺の確信

灯台の回廊から海を見渡しながら、将輝は敵が本当に来るのか問い掛けた。

これに対し吉祥寺は迷いなく来ると断言し、その確信は揺るがないものであった。

佐渡島の戦略的価値

吉祥寺は、佐渡島が本州に近接しながらも海で隔てられた地形を持つことから、侵攻拠点として極めて有効であると分析していた。

十分な面積と港湾機能を備え、橋頭堡としての条件を満たしているにもかかわらず、防衛体制は脆弱である点も指摘された。

防衛の盲点と過去の教訓

過去に攻撃を受けたにも関わらず、佐渡島には十分な防衛施設が整備されていなかった。

吉祥寺はこの点を重大な欠陥と捉え、敵がこの弱点を突く可能性を強く示唆した。

奇襲への警戒

さらに吉祥寺は、日本海軍との正面衝突を避けるため、新ソ連が奇襲戦術を選択すると推測した。

その結果として、能登半島方面を陽動とし、実際の標的を佐渡島に定める可能性が高いと結論付けた。

日焼島襲撃部隊の出撃

USNAの高速輸送艦ミッドウェイは進路を変更し、房総半島南方海域を経て日焼島へ向かった。

レグルスやベガらとパラサイト化したスターダスト部隊を乗せたこの艦は、恒星炉プラント襲撃作戦を開始したのである。

光宣による封印解除の進展

座間基地に残った九島光宣は、輸送機内でアークトゥルスの封印解除を続けていた。

長時間の試行錯誤の末、精神干渉系魔法によってアークトゥルスの意識を覚醒させることに成功し、封印が内側から崩壊する段階に入ったと判断した。

ただし、呼び覚ましたのが人間としての精神である点に不安を残しつつも、最終的には再融合すると結論付け、自らを納得させた。

光宣の離脱と新たな行動

光宣は姿を消す魔法を用いて輸送機を離脱し、基地を抜け出した。

事前に用意されていた車両に乗り込み、パラサイドールを積載した状態で次の行動へ移行した。

新ソ連艦隊の奇襲行動開始

一方、佐渡島では将輝と吉祥寺が敵の動きを監視していた。

新ソ連艦隊の一部である小型高速艦が東へ向けて一斉に加速し、短時間で接近可能な速度で移動を開始したことが確認された。

日本側は正面の艦隊と対峙中で迎撃に制約があり、航空戦力も敵空母への対応に追われていたため、十分な対処が困難な状況であった。

将輝と吉祥寺の迎撃決意

この状況を受け、吉祥寺は敵の狙いを阻止する役目を自分たちが担うべきだと判断した。

将輝は新たに得た戦略級魔法を用いて迎撃する決意を固め、両者は新ソ連の介入が本格化する前に敵を撃退することを誓った。

達也の警備室移動と状況管理

達也は水波の個室に長時間滞在することで生じる気まずさを避けるため、同じ階の警備室へ移動した。

この病院は四葉家の管理下にあり、水波のいる階層は専用区画として厳重な監視体制が敷かれていた。警備室では病院全体の情報を一元的に把握できる状態となっていた。

夕歌との情報共有と警戒意識

警備室には既に夕歌が待機しており、二人は状況の分析を始めた。

現在の情勢から、防衛省関係者が動けないことを踏まえ、戦力が万全ではないことを確認しつつも、九島光宣の襲撃が起こる可能性について意見を一致させた。

光宣自身が今回の状況を作ったわけではないが、事前に把握し準備している可能性が高いと判断された。

光宣の戦力と行動予測

光宣が単独ではなく戦力を伴って行動している可能性が指摘され、パラサイドールに加え、さらなる戦力が存在するとの見方が共有された。

また、日焼島への襲撃は戦力分散を狙った陽動である可能性が高いと推測され、スターズのパラサイト化戦力の存在からも、その危険性は無視できないと判断された。

認識の限界と情報の欠落

しかし達也たちは、横須賀の空母を経由して新たなパラサイト部隊が既に補充されている事実を把握していなかった。

そのため、日焼島の防衛は現地戦力で対応可能と見積もっており、実際の脅威との間に認識の齟齬が生じていた。

不完全な情報下での対応判断

最終的に達也は、必要に応じてリーナの協力も得られると考え、対応可能と判断した。

しかしこの時点で、達也および四葉家は敵の全体戦力を把握しておらず、完全な状況認識には至っていなかった。

ミッドウェイの不可視接近

高速輸送艦ミッドウェイは低く平坦な艦体形状によりステルス性を備えていたが、本来であれば成層圏プラットフォームの監視網を完全に回避することは不可能であった。

しかし実際には、レグルスが展開した光学迷彩によって可視光のみならず電磁波観測まで遮断され、探知を免れたまま日本領域へ接近していた。

光宣による術式提供の影響

この異常な迷彩性能について、レグルスは九島光宣から術式の提供を受けた結果であると説明した。

単なる術式提供に留まらず、魔法の運用能力そのものが向上している点に疑問が呈され、パラサイトとしての特性が関与している可能性が議論された。

パラサイトの性質に関する考察

レイモンドは、パラサイトは個々の魔法師でありながら全体で一つのユニットとして機能し、役割分担を行っている存在であると指摘した。

その前提に立てば、他者の技能を共有する現象は矛盾しており、特に光宣の能力はパラサイトとして異質であると結論付けた。

光宣の異質性への警戒

この指摘に対し、ベガは光宣が他者を使役しているかのような違和感を抱き、不快感を覚えた。

しかし作戦遂行を優先する判断により、その違和感は一旦棚上げされ、光学迷彩の有用性を認めた上で日焼島への接近が継続された。

共有意識の盲点

パラサイト同士は意識を共有しているため、光宣に対する疑念も暗黙のうちに共有されていた。

しかしその思考自体が光宣にも伝わり得るという事実については、誰も認識していなかった。

光宣の暗躍と内面の変化

座間から調布へ向かう車中で、九島光宣は静かに笑みを浮かべていた。

その表情には彼自身のものに加え、周公瑾の影響が色濃く表れており、精神面での変化が進んでいることが示されていた。

レグルスの魔法の真相

輸送艦内で疑念を抱かれていた光学迷彩の正体は、光宣がレグルスの魔法演算領域を利用して遠隔操作していたものであった。

レグルスは自らの意思で魔法を行使していると認識していたが、実際には光宣が制御しており、その自覚すら持たされていなかった。

パラサイト支配の成立条件

このような操作が可能となったのは、対象が精神を共有するパラサイトであったためである。

人間相手では困難な「自発的行動の偽装」を、パラサイト特有の自我の曖昧さによって成立させていた。

光宣の価値観と立場認識

光宣はレグルスたちを同族とは見なしておらず、自身を支配者、彼らを従属する存在として位置付けていた。

彼らを救った理由も共闘ではなく、水波誘拐という目的のための利用に過ぎなかった。

ただし一方的な搾取ではなく、必要な支援を与えることで相互利用の関係を成立させていると認識していた。

誘拐計画の進行と最終段階

調布へ到達した時点で、複数のドライバンが別ルートから目的地へ接近しており、パラサイドールの配置も順調に進んでいた。

光宣は残る課題をタイミングの調整と捉え、日焼島での破壊工作が成功することを願いつつ、水波の確保に向けた最終段階へと移行していた。

水波の違和感と中断された学習

水波は退院を前に、深雪から学習指導を受けていた。

試験に向けた遅れを取り戻すため集中していたが、不意に意識が乱れ、誰かに呼ばれたような感覚に襲われた。

動揺を隠して学習を再開しようとしたものの、深雪の判断で休憩に入り、その場はいったん落ち着いた。

佐渡島での迎撃準備

一方、佐渡島では将輝と吉祥寺が新ソ連艦隊の動きを捕捉していた。

照準装置と連動したシステムを構築し、攻撃準備を整える中で、敵の小型高速艦が想定より少なく見えるなど、不自然な状況が確認された。

それでも吉祥寺は照準補正と通信を進め、国防軍へ攻撃許可を要請した。

トゥマーン・ボンバの発動

許可が下りない中、戦況は急変した。

味方の高速艦隊が接近した直後、強力な魔法反応が発生し、続いて大規模爆発が起こった。

それはかつて一条剛毅を負傷させた戦略級魔法「トゥマーン・ボンバ」であり、新潟から出撃した小型艦隊は一瞬で壊滅した。

攻撃許可と反撃開始

直後に国防軍から攻撃許可が届き、吉祥寺は即座に照準補助を再開した。

将輝は高速で移動する敵艦を予測位置で捉え、民間船への被害を避けるよう射線を調整しながら攻撃を準備した。

戦略級魔法『海爆』の発動

将輝は新魔法を発動し、広範囲に展開された魔法式によって海水を瞬時に気化させた。

さらに水蒸気分子を加速させることで爆発的威力を生み出し、敵高速艦隊を一挙に呑み込んだ。

その結果、新ソ連の別働隊であった高速艦十二隻は全滅した。

戦局の決着と新たな戦略級魔法師の誕生

佐渡島への強襲作戦はこの一撃によって失敗に終わった。

日本側も小型艦八隻を失う損害を被ったが、将輝の戦略級魔法によって戦局は決定的に覆された。

この戦闘により、一条将輝は新たな戦略級魔法師として認識されることとなった。

水波の違和感と中断された学習

水波は退院を前に、深雪から学習指導を受けていた。

試験に向けた遅れを取り戻すため集中していたが、不意に意識が乱れ、誰かに呼ばれたような感覚に襲われた。

動揺を隠して学習を再開しようとしたものの、深雪の判断で休憩に入り、その場はいったん落ち着いた。

佐渡島での迎撃準備

一方、佐渡島では将輝と吉祥寺が新ソ連艦隊の動きを捕捉していた。

照準装置と連動したシステムを構築し、攻撃準備を整える中で、敵の小型高速艦が想定より少なく見えるなど、不自然な状況が確認された。

それでも吉祥寺は照準補正と通信を進め、国防軍へ攻撃許可を要請した。

トゥマーン・ボンバの発動

許可が下りない中、戦況は急変した。

味方の高速艦隊が接近した直後、強力な魔法反応が発生し、続いて大規模爆発が起こった。

それはかつて一条剛毅を負傷させた戦略級魔法「トゥマーン・ボンバ」であり、新潟から出撃した小型艦隊は一瞬で壊滅した。

攻撃許可と反撃開始

直後に国防軍から攻撃許可が届き、吉祥寺は即座に照準補助を再開した。

将輝は高速で移動する敵艦を予測位置で捉え、民間船への被害を避けるよう射線を調整しながら攻撃を準備した。

戦略級魔法『海爆』の発動

将輝は新魔法を発動し、広範囲に展開された魔法式によって海水を瞬時に気化させた。

さらに水蒸気分子を加速させることで爆発的威力を生み出し、敵高速艦隊を一挙に呑み込んだ。

その結果、新ソ連の別働隊であった高速艦十二隻は全滅した。

戦局の決着と新たな戦略級魔法師の誕生

佐渡島への強襲作戦はこの一撃によって失敗に終わった。

日本側も小型艦八隻を失う損害を被ったが、将輝の戦略級魔法によって戦局は決定的に覆された。

この戦闘により、一条将輝は新たな戦略級魔法師として認識されることとなった。

不審船接近と攻撃開始

日焼島北東海岸に、不審な双胴高速艦が接近した。恒星炉プラントが建設中の地域であり、島のスタッフは即座に攻撃目標がそこだと判断した。

警察部隊は臨検以上の対応を控え、守備魔法師たちは防御体制を整えた。やがて不審船から移動魔法によって多数の小型爆弾が射出され、島に爆撃が開始された。

爆弾の威力自体は限定的だったが、閃光によって視界を奪う効果が大きく、防御側は障壁を維持せざるを得ない状況に追い込まれた。

上陸部隊の出現と迎撃の苦戦

爆撃の中、不審船の陰から二隻の上陸用ボートが現れた。迎撃隊は海岸へ展開し、直接干渉や海流操作などで阻止を試みたが、ボートは強力な対抗魔法と移動系魔法で守られていた。

防衛側は四葉分家・真柴家配下の熟練魔法師であったが、パラサイトの高い能力に押され、ボートの接近を止めることができなかった。

さらに銃撃や擲弾が加わり、迎撃隊は掩体から出られない状態に陥り、戦況は不利に傾いた。

本家への救援要請と状況の共有

防衛戦の限界を悟った管理棟は、本家へ状況を報告し指示を仰いだ。

島の戦闘状況は各施設でも監視されており、CAD開発棟にいたリーナもディスプレイ越しに戦闘の様子を確認していた。

リーナの参戦決意

戦況を見たリーナは、即座に戦闘参加を決意し、防爆装備と機動性の高い装甲服の用意を要求した。

彼女は敵艦がUSNAの輸送艦であり、襲撃者がパラサイトであると断定した上で、それが自分の対処すべき問題であると認識した。

亡命中であっても、USNA軍人としての責任と矜持から、同胞の行為を看過しないという意思を明確にし、戦闘への介入を選択した。

緊急通信と襲撃の報告

達也は病院の警備室にて、本家からの緊急通信を受けた。連絡してきたのは花菱但馬であり、その時点で達也は事態の重大さを察した。

報告によれば、日焼島はUSNA海軍の高速輸送艦ミッドウェイから発進した部隊による襲撃を受けており、上陸部隊はパラサイト二十二体、さらに艦内にも三体が存在していた。加えて、一部はスターズ一等星級に匹敵する戦力であり、防衛隊が苦戦している状況であった。

戦況判断と出動決意

達也は情報を受け、現地戦力では対抗困難であると即座に判断した。スターズの援軍を阻止できていたという認識が誤りであったことを悟りつつも、動揺を押さえ込んだ。

建設中の恒星炉プラントの破壊を防ぐため、達也は日焼島への急行を決断した。本家もこれを了承し、病院防衛のための追加戦力を手配することとなった。

陽動の可能性と覚悟

通信後、夕歌は今回の襲撃が陽動である可能性を指摘した。達也もそれを理解していたが、それでも出動せざるを得ない状況であると認識していた。

彼は即座に行動へ移り、戦闘準備を整えた。

出撃前の別れと警戒

達也は飛行戦闘服に身を包み、深雪と水波の前に現れた。日焼島の危機と敵戦力の規模を説明し、自身が出撃する理由を伝えた。

深雪は迷いなく達也の出撃を受け入れ、二人に病室へ戻るよう指示されたことにも従った。

一方で達也は、今回の出撃が自分を引き離すための策であり、その隙に光宣が襲来する可能性を示唆した。深雪と水波もその意図を理解していたが、動揺を見せることはなかった。

深雪は不安を見せず、全てを引き受ける覚悟を示し、達也を送り出した。

上陸部隊への迎撃開始

日焼島北東海岸では、上陸用ボートで接近するパラサイト部隊に対し、守備隊が懸命に抵抗していた。だが相手の魔法防御は強固で、ボートの前進を完全には止められず、上陸阻止は難航していた。デネブは守備隊の粘り強さを認めつつも、上陸は時間の問題だと見ていた。

リーナとデネブの再会

ボートが岸に近づいたことで、デネブは迎撃側に立つ小柄な女性魔法師の姿を認めた。そしてその相手がリーナであると気付き、シリウスを裏切った者として激しい敵意を向けた。デネブはナイフを投げて攻撃したが、遠隔攻撃は不発に終わり、なおも上陸への欲求を抑えながら接近を続けた。

荷電粒子ライフルによる反撃

リーナはボート上のベガとデネブを確認すると、彼女たちが真実を知ったはずだと感じながらも、哀しみを抱いた。しかし敵への同情で味方を危険に晒すことはなく、研究棟で渡された試作武装デバイスを用いて即座に反撃した。その武器は荷電粒子ライフルであり、魔法障壁の想定を超える速度と性質を持つ粒子線によって、デネブの乗るボートのシールドを貫通し、船体を破壊して海中へ投げ出した。

ベガとの攻防

続いてリーナはベガのボートを狙ったが、ベガは重力制御魔法で海水の盾を作り出して防御した。これに対しリーナは反重力中和魔法で水の盾を崩し、さらに荷電粒子ライフルとムスペルスヘイムを組み合わせて攻撃した。高熱のプラズマによってベガの魔法障壁は崩壊し、ベガたちはボートを捨てて海へ飛び込んだ直後、船体は爆発して消滅した。

レグルスとスピカの連携

リーナが一息つく間もなく、レグルスのレーザースナイピングが襲い掛かった。リーナはミラーシールドでこれを防ぎ、輸送艦上のレグルスとスピカの位置を確認した。さらにスピカが分子ディバイダーによって荷電粒子ライフルの粒子線を中途で拡散させていることを見抜き、敵の防御手段を理解した。

近接戦への移行

レグルスは輸送艦から飛び出し、空中や海面を蹴って不規則に接近し、リーナに正確な照準を許さなかった。リーナの手元にある武装デバイスはブリオネイクではなく、直進する粒子線しか撃てないため、こうした回避運動への対処は難しかった。やがてリーナは荷電粒子ライフルを捨て、自分が扱い慣れた拳銃一体型CADへ持ち替えた。一方で輸送艦は沖へ後退していったが、リーナにはそれを追う余裕がなく、戦いは近接戦の様相を強めていった。

光宣の作戦開始

達也が病院の駐車場からエアカーで発進すると、それを離れた場所から監視していた光宣は、静かに作戦開始を告げた。光宣の合図に従い、暗示下に置かれた運転手がドライバンを発進させ、他の車両群にも同じ命令が共有された。六台のドライバンは、それぞれにパラサイドールを積み込み、別々の経路から水波のいる病院へ向かい始めた。

達也の強行出撃

達也は交通法規や航空法を無視して公道から直接飛び立ち、当局からの制止も受けずに日焼島へ急行した。エアカーを時速九百キロまで加速させ、海上ルートを選んで最短距離で戦場へ向かった。後の責任問題よりも、今まさに起きている襲撃への対処を優先していた。

リーナとデネブの再戦

日焼島では、海中から飛び出したデネブがリーナに襲い掛かった。リーナは加重系攻撃魔法で迎え撃ち、レグルスのレーザースナイピングにはダンシング・ブレイズで対抗した。レグルスは武装デバイスを失い、近接戦用の電撃レイピアへ切り替えたが、リーナにもそれを観察する余裕はなかった。そこへベガの加重系魔法も加わり、リーナは三方向から圧力を受ける形となった。

真実を巡る応酬

劣勢の中でもリーナは、ベガとデネブに対し、自分がパラサイトを呼び寄せたわけでも日本へ内通したわけでもないと訴えた。しかしデネブは、日本へ亡命した事実そのものを裏切りとみなし、ベガもまた、今のリーナが日本側に立っている以上、USNAに敵対していると断じた。リーナは、日本はUSNAの同盟国であり、新ソ連に攻められている時に破壊工作を行う方が不誠実だと反論したが、ベガは前線兵士に決定権はなく、従うべきはペンタゴンだと言い返した。

三対一の総攻撃

言葉の応酬が終わると、ベガ、デネブ、レグルスの三人は一斉にリーナへ襲い掛かった。デネブは近接と射撃を織り交ぜ、レグルスは自己加速と電撃剣で圧力をかけ、ベガは加重系魔法で動きを封じようとした。リーナは分子ディバイダーで魔法干渉を打ち切り、ムスペルスヘイムで三人を退かせたが、その反動で自らの障壁も揺らぎ、左肩への被弾と落下を免れなかった。装甲服によって致命傷は避けたものの、リーナは溶岩原の岩場へ弾き飛ばされ、立ち上がるのも苦しい状態へ追い込まれた。

達也の到着と戦場介入

ベガ、デネブ、レグルスの三人が倒れたリーナへ止めを刺そうとしたその瞬間、空から淡いブルーのエアカーが墜落するような勢いで降下した。ベガは斥力場で迎え撃とうとしたが、その魔法は完成直前で霧散した。三人は直撃を避けて跳び退き、エアカーは道路上で急停止した。運転席から飛行装甲服フリードスーツに身を包んだ達也が降り立ち、日焼島の戦場へ直接介入した。

戦場への突入と状況把握

達也は調布から日焼島まで約二十数分で到達した。全行程を最大速度で飛行すればさらに短縮可能であったが、市街地や湾内での加速に時間を要したためである。到着前から、島のリアルタイムデータと魔法波動の観測により、戦況が極めて不利であることは把握していた。焦りを抑えつつ操縦に集中し、減速をほとんど行わず戦場の北東岸へ直接突入した。

強引な着陸と戦闘介入

達也は滑走路を使わず、戦闘中の堤防沿い道路へ強行着陸した。進路を妨害する反重力魔法は術式解散で無効化し、味方を避けつつも敵は一切考慮せず突入した。スターズ一等星級のパラサイト三体が跳躍で回避する中、達也は即座に戦闘態勢へ移行した。岩場で負傷しているリーナに対し戦闘継続の可否を問い、彼女の応答を確認すると即座に敵へ向き直った。

術式解体による先制制圧

ベガが放った攻撃魔法は、達也の放つ高圧の想子流によって発動直前に崩壊した。達也は思考操作型CADにより即時発動した『雲散霧消』でレグルスを指示し、その肉体を一瞬で霧散させた。残されたのはパラサイトの本体のみであった。続けて放たれた徹甲想子弾はベガに直撃し、彼女を戦闘不能に追い込み海へ落下させた。

デネブの無力化と戦況の一変

連続して放たれた徹甲想子弾はデネブにも命中し、彼女は堤防側へ転落した。リーナは、自身が苦戦していた相手を達也が瞬時に制圧した事実に衝撃を受け、行動を止めていた。達也はその隙を埋めるため、デネブの監視をリーナに任せ、自身はパラサイト本体への対処に集中した。

パラサイト封印の実行

達也は体内で練り上げた想子を、六方向から同時に放出してパラサイト本体を拘束した。逃走を試みたパラサイトは、全方向から均等に圧迫されることで移動を封じられ、自ら想子の殻を形成して防御を試みた。しかし達也の想子流はそれを侵食し、内部まで完全に支配した。最終的に想子は収束され、直径三センチの球体として固定された。

封玉による完全封印

こうしてパラサイトは非物質状態のまま『封玉』として閉じ込められた。空間に浮かぶ小さな球体の中に、レグルスであった存在は完全に幽閉された。戦場における主力の一体は、この時点で完全に無力化されたのである。

病室での異変察知

深雪と水波は達也の指示どおり病室に戻り、それぞれ読書と試験勉強を行っていた。穏やかな時間の中で、深雪は突如として異変を感知し、水波に来訪を告げた。インターホン越しに夕歌と通信し、六方向から接近するパラサイトの存在を把握する。さらに光宣の位置についても、偽装により明確には捉えられないものの、北東から接近する車両内にいる可能性を導き出した。

深雪は冷静に対応しつつも、達也の帰還が間に合わないと判断していた。それでも不安を見せることなく、院内での迎撃に備える姿勢を崩さなかった。

光宣の進軍と戦力展開

光宣は病院手前で車両を降り、六台のドライバンに分散させたパラサイドール部隊を展開した。総数三十六体に及ぶ戦力は、旧第九研から奪取したものと、新たに製造した個体で構成されていた。一般人に紛れる服装をさせることで違和感を消し、街中への侵入を容易にしていた。

光宣自身は変装を行わず、その異様な美貌により周囲の注意を引き寄せながら前進した。

十文字克人との対峙

病院へ向かう光宣の前に、十文字克人が立ちはだかった。克人は光宣の危険性を指摘し、拘束を宣言する。警察も介入し、パラサイドールの存在を兵器と断定して取り締まりに踏み出した。

しかし光宣は周囲に一般人がいる状況を利用し、戦闘の制約を逆手に取って挑発する。さらに『仮装行列』によって自身とパラサイドールの位置と存在感を入れ替え、奇襲を成功させた。

パラサイドールの戦闘と自爆

光宣の離脱を支援するため、パラサイドールが十文字家の魔法師に攻撃を仕掛けた。障壁特化型の個体は克人とも一時的に拮抗する力を見せたが、最終的には圧倒され機体を破壊される。

しかしここで想定外の事態が発生した。破壊されたパラサイドールは自爆し、その結果として内部のパラサイト本体が解放されたのである。

戦場の混乱と防衛の分断

自爆は連鎖的に行われ、複数のパラサイドールが次々と爆散した。解放されたパラサイトは非物質生命体として周囲に拡散し、十文字家の魔法師だけでなく一般市民にも襲い掛かろうとした。

これにより防衛側は市民保護を最優先せざるを得なくなり、光宣の追跡に割ける戦力と余裕を失った。結果として光宣は、混乱の中で病院への侵入機会を得ることに成功したのである。

デネブの封印と現場の統制

達也はレグルスに続き、同様の手順でデネブを処理し、『封玉』として封印した。封玉は外部からの魔法干渉が無ければ長時間安定して浮遊し続けるため、後処理は専門の魔法師に委ねればよい状況であった。すでに達也は日焼島への移動中に、封印処理の専門家派遣を手配しており、対応に抜かりはなかった。

リーナには封玉の監視を命じ、外部からの干渉を防ぐ役割を与えた。達也は次なる脅威の排除に向けて即座に行動を移した。

ベガ追撃と海中戦

達也が追跡したのは、海中へ逃れたベガであった。徹甲想子弾の影響により、彼女の中ではパラサイトの本性が顕在化していた。呼吸を必要とせず、海中を移動するその姿はもはや人間のものではなかった。

達也は堤防上から『雲散霧消』を照準し、ベガへ攻撃を仕掛けた。ベガは反撃を試みたものの、魔法は完成する前に崩壊し、その肉体は完全に分解され海中へと消失した。

予測外の事態とパラサイトの異変

肉体消滅後、パラサイト本体の出現までは達也の想定どおりであった。しかし本来ならば宿主を失ったパラサイトは新たな宿主を求めるはずであるにもかかわらず、ベガに宿っていた個体は海中を漂うのみであった。

この挙動は従来の仮説と一致せず、達也は一時的に違和感を覚える。恐怖による逃避行動の可能性も考えたが、戦況を優先し、この異常の追究を後回しとした。

戦況認識と帰還への焦燥

日焼島ではなお多数のパラサイトが戦闘を継続しており、侵攻は完全に収束していなかった。さらに達也は、この攻撃が自分を現場から引き離すための陽動であると確信していた。

調布に残る深雪への危機を想定し、迅速な戦闘終結と帰還の必要性を強く認識する。

パラサイトへの直接攻撃と封印

その最中、ベガに宿っていたパラサイトが海中から逃走を開始した。達也は即座に想子の塊を進行方向に投下し、指向性を持たせて爆発させることで進路を遮断した。

外皮の大半を失いながらもコアは無傷であったパラサイトを空中へ弾き出し、その状態を正確に把握した達也は、即座に『封玉』を発動した。

こうしてベガであった存在もまた、完全に封印されるに至った。

深雪の状況判断と指揮

病院内にいる深雪は、外で発生したパラサイト本体の存在を明確に知覚した。即座に夕歌へ連絡を取り、市民への被害拡大を防ぐため外部のパラサイト封印を優先するよう指示を出した。

院内の防備が手薄になるという懸念に対しても、深雪は自らが侵入者への対処を担うと断言する。市民被害が再び反魔法師感情を高めることを危惧した彼女は、全体の状況を踏まえた上で最適な判断を下した。

夕歌はその覚悟と実力を理解し、深雪に院内防衛を託して外へ向かうことを決断した。

光宣の潜伏と侵入機会の確保

一方、光宣は病院正面付近に隠蔽魔法を施して潜伏し、侵入の機会を窺っていた。残存戦力はパラサイドール四体にまで減少しており、慎重な行動を余儀なくされていた。

やがて病院内の魔法師たちが外部対応のため出動し、内部の防衛が薄くなる。光宣は受動的な探知で深雪の存在を確認し、その実力を警戒しながらも、達也ほどではないと自己を鼓舞した。

市民を盾にすることを望まないまま、外部戦闘に意識が向いた隙を突き、光宣はパラサイドールと共に病院内部への侵入を果たした。

夕歌率いる封印部隊の展開

病院外では、夕歌が津久葉家の魔法師八名を率いて迎撃に当たっていた。彼らは精神防御に特化した術者であり、八方位に配置された陣形により精神干渉結界を展開する。

この結界は防御のみならず、内部から放つ魔法の効力を増幅する機能を持つものであった。

呪符によるパラサイト封印

夕歌は呪符を用いた封印術を発動した。CADによって魔法式を付与された紙人形は自律的に飛翔し、パラサイトの霊子情報体を捕捉・吸収した。封印されたパラサイトは呪符に収められ、結界内へと落下した。

続けて封印を行おうとする夕歌に対し、パラサイトが雷撃で妨害を試みるが、その攻撃は十文字克人の魔法障壁によって防がれた。

役割分担による迎撃の安定化

克人は防御を担当し、夕歌は封印に専念するという明確な役割分担が成立した。両者は無駄なやり取りを省き、即座に次の行動へ移行する。

こうして外部ではパラサイト封印が進行しつつあったが、その裏で光宣は既に病院内部へ侵入しており、新たな戦いの局面が静かに始まっていた。

封玉の回収と戦況の安定

達也は海面近くを漂っていた封玉を回収し、リーナのもとへ戻った。守備隊とスターダストとの戦闘は依然継続していたが、戦況は拮抗しており、即座に介入を要する段階ではなかった。達也とリーナが加勢すれば短時間で決着可能な状況であった。

戦闘を一気に終わらせる判断も視野に入ったが、その矢先に増援が到着した。

花菱兵庫の到着と術者の登場

現れた装甲車から降りてきたのは花菱兵庫であり、続いて封印術者が姿を見せた。だが現れたのは予想外にも亜夜子であり、さらにその後に文弥が続いた。

精神干渉系の適性が必要とされる封印術に対し、達也と同様に適性を持たない亜夜子の登場は一見不自然であった。しかし文弥の存在により、その疑問は解消された。

文弥の参加と封印術の条件

文弥の得意魔法は精神干渉系であり、封印術の適性を備えていた。人員不足のため本来必要とされる複数術者の代替として、文弥単独での封印実行が選択されたのである。

さらに封印術の強化のため、古式魔法の補助として異性装が用いられ、文弥は巫女の装束を着用していた。この措置は魔法効果の補強を目的としたものであった。

封印準備と術式展開

文弥は木箱からこけし型の媒体を取り出し、緋毛氈の上に配置して封印の準備を整えた。封玉に封じられていた三体のパラサイトは、時間経過で解放される可能性があるため、より安定した封印へと移行する必要があった。

達也とリーナは作業の妨げにならぬよう距離を取り、封印作業の進行を見守る体勢に入った。

戦場の緊張緩和と新たな局面

一時的に現場の緊張は緩和されたが、それは束の間であった。リーナは文弥の状況を気遣いながらも、残存するパラサイトへの対応を優先する必要があると理解する。

達也も同様に、封印作業を円滑に進めるため戦闘の早期終結を決断する。だがその直後、達也の通信機に届いた緊急の報告により、戦局は再び大きく動き出すこととなった。

無抵抗の侵入と不気味な静寂

光宣は四体のパラサイドールを伴い、階段を使って水波のいる四階へ到達した。病院内には警備員や医療スタッフの姿が一切なく、妨害も存在しなかった。

この異様な状況に光宣は罠の可能性を疑うが、その内容を見抜くことはできなかった。病院内に感じられる人の気配は、水波と深雪のみであり、その不自然さがかえって彼の警戒心を強めた。

初撃による異常停止

病室前に到達した光宣は、パラサイドール一体を先行させて突入させた。その瞬間、光宣は氷原の幻影に包まれる感覚を覚えた。

突入したパラサイドールは完全に停止し、パラサイト本体の活動までも凍結していた。制御を失った機体は廊下へ弾き出され、戦闘能力を喪失した。

コキュートスの発動

時間的猶予がないと判断した光宣は、残る三体を突入させ、自身も続いた。しかし再び氷の世界が展開され、パラサイドールは全て無力化された。

病室内で光宣を待っていたのは深雪であった。彼女は精神凍結魔法コキュートスを用い、パラサイトの本体そのものを停止させていた。

精神凍結魔法の本質

深雪はコキュートスについて、精神を完全に停止させる魔法であると説明した。物理的な絶対零度を超え、精神活動そのものを消滅させる効果を持つ。

精神生命体であるパラサイトにとって、この魔法は致命的であり、抗うことはできない存在であった。光宣はここで、自身の戦略が誤りであったと認識する。

撤退勧告と光宣の決意

深雪は光宣に対し、この場から退くよう勧告した。達也の不在を利用した襲撃であったが、深雪自身が最大の脅威であると明言した上で、追撃しないことも告げた。

しかし光宣はこれを拒否する。水波を救うという目的を優先し、自身の危険を承知で行動を継続する決意を示した。

水波の介入と均衡の崩壊

深雪が再びコキュートスを発動しようとした瞬間、水波が光宣を庇い前に立ちはだかった。

深雪は水波を巻き込む危険を察し、魔法の行使を躊躇する。水波が防御のために魔法を使えば、自身の限界を超えて命に関わる可能性があったためである。

光宣の脱出と深雪の拘束

その隙を突き、光宣は水波を抱えたまま後方へ跳躍し、病室から離脱した。深雪は追撃の機会を得ながらも、水波の安全を優先して魔法を行使できなかった。

光宣は階段へ移動し、さらに窓から外へ脱出した。深雪は直ちに追いかけるが、水波の存在が心理的制約となり、攻撃を行えないまま見逃す結果となった。

達也への連絡

光宣の逃走後、深雪は即座に病室へ戻り、達也への通信を試みた。状況は急速に悪化し、戦局は新たな段階へと移行した。

深雪からの緊急連絡

深雪からの通信が達也に届き、水波に異変が起きたことが伝えられた。動揺した深雪の言葉は断片的で状況を正確に説明できていなかったが、水波が光宣に関わっていることだけは明らかであった。

達也は詳細の確認を後回しにし、即座に帰還を決断した。

達也の即時帰還の決意

達也は冷静さを保ちながら、必ず戻ると深雪に告げた。その言葉により、深雪の混乱はわずかに収まり、応答も安定したものへと変化した。

達也は通信を切り、現地での戦闘よりも深雪のもとへ戻ることを優先する判断を下した。

リーナの判断と役割引き受け

達也が指示を出す前に、リーナは自ら戦場の残存戦力の処理を引き受けると申し出た。達也に対し、深雪のもとへ急行するよう促したのである。

達也はその申し出を受け入れ、後を託した。

日焼島からの離脱

達也は亜夜子や文弥に声を掛ける余裕もなく、即座にエアカーへ乗り込んだ。発進した機体は急速に加速し、東京へ向けて飛び立った。

その姿はリーナ、亜夜子、花菱兵庫に見送られ、戦場は彼らに委ねられた。

次局面への移行

こうして戦場の主導は日焼島から調布へと移り、達也は水波奪還のための追跡行動へと移行した。状況は新たな局面へ突入していた。

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魔法科高校の劣等生 夜の帳に闇は閃く

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魔法科高校の劣等生 夜の帳に闇は閃く(2)
魔法科高校の劣等生 夜の帳に闇は閃く(3)の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生 夜の帳に闇は閃く(3)

漫画版

四葉継承編

漫画 魔法科高校の劣等生  四葉継承編 1巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生  四葉継承編 1巻
漫画 魔法科高校の劣等生  四葉継承編 2巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生  四葉継承編 2巻
漫画 魔法科高校の劣等生 四葉継承編 3巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生 四葉継承編 3巻

師族会議編

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魔法科高校の劣等生 師族会議編 1
漫画 魔法科高校の劣等生 師族会議編 2の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生 師族会議編 2
漫画 魔法科高校の劣等生 師族会議編 6の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生 師族会議編 6
漫画 魔法科高校の劣等生 師族会議編 7の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生 師族会議編 7

エスケープ編

漫画 魔法科高校の劣等生 エスケープ編 1の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生 エスケープ編 1

その他フィクション

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フィクション(novel)あいうえお順

アニメ

PV

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OP

ASCA 『Howling』(TVアニメ「魔法科高校の劣等生 来訪者編」OPテーマ)
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八木海莉「Ripe Aster」(アニメ「魔法科高校の劣等生 追憶編」主題歌)
八木海莉 より共有
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ED

佐藤ミキ 「名もない花」「魔法科高校の劣等生」ED
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アニメ

PV

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OP

ASCA 『Howling』(TVアニメ「魔法科高校の劣等生 来訪者編」OPテーマ)
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八木海莉「Ripe Aster」(アニメ「魔法科高校の劣等生 追憶編」主題歌)
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ED

佐藤ミキ 「名もない花」「魔法科高校の劣等生」ED
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