魔法科 (14)(15) 古都内乱編レビュー
魔法科 まとめ(2年生)
魔法科シリーズ まとめ
魔法科 (17) 師族会議編<上>レビュー
読んだ本のタイトル
(The Irregular at Magic High School)
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あらすじ・内容
司波兄妹の血縁に驚愕の秘密……ついに達也と深雪の関係に急展開が!?
司波深雪の許へ、四葉本家から一族の有力者が顔を揃える新年の集い『慶春会』の招待状が届く。それが意味するものは、四葉家次期当主の指名。
魔法科高校の劣等生(16) 四葉継承編
――自分が後継者に選ばれれば、兄も日陰者に甘んじなくて済む。
――次期当主の地位にはきっと、それに相応しい『婚約者』が付いてくる。
深雪の心は千々に乱れる。
そして『慶春会』前夜。四葉本家へ出頭した達也たちは、現当主・四葉真夜の口から「深雪は達也の妹ではない」という衝撃的な『嘘』を告げられる。
それは、兄を恋愛対象として意識してもよいという意味であった。はたして深雪は――!
感想
四葉家では、そろそろ候補達から次期四葉家当主を決めるだろうと噂が流れていた。
その次期当主候補、筆頭の深雪は深刻に思い悩む事があった。
次期当主と決定したら直ぐにでも婚約者を決められる。
現在の当主の真夜は、14歳の時に大亜連合の前身の大漢に拉致され。
色々な人体実験の被験者にされた結果。
彼女は生殖能力を無くしてしまっていた。
そんな理由で彼女は現在も独身だった。
そのせいで、次期四葉家当主には早期に結婚して子を成さないといけないと言われている。
だが深雪は、達也以外の男性とそういう関係になる事に嫌悪感を持っていた。
兄妹なのに、兄に恋愛感情を持っている。
それに戸惑い、立場的に別の男性と結婚し子供を作らないといけない。
そんな己の立場に苦しむ深雪だった。
そして年末。
四葉家当主の真夜から慶春の会に呼ばれた深雪。
遂に次期当主候補の中から次期当主を決める時が来た。
招待状が届いた直後に、黒羽貢が達也を呼び出して慶春の会に出るなと言って来た。
だが達也は自身は呼ばれないから行かないと貢の曖昧な言葉に嫌味を言う。
確かに達也の名前は無かったので嘘では無いが、貢の要望の答えにはなってない。
それにイラつきながら貢は深雪に慶春の会に出るなとハッキリと言って来た。
達也が何故と問うても本家に来れたら話してやると言って貢は退散。
現在、四葉の分家当主達が深雪が次期当主と決まると、表舞台に出て欲しくない。
ずっと四葉の暗部として封印していたい達也の立場が強化されるからだった。
分家当主達は、自身達を守護してくれる存在を深夜の子に切望し深夜には彼等の願望を叶える力を有していた。
そしていざ待望していた子が生まれ。
達也の能力を調べたら、世界を滅ぼせる力を持っている事が判明した。
そんな羞恥と恐怖の対象の達也を四葉の奥に封印して世間の目から隠したい。
それが身勝手だと分家当主達は分かってはいるが羞恥心と恐怖心は止められない。
そんな思惑を抱えて分家当主達は深雪が慶春の会に出れないように、色々な工作をするのだが、、
それを側から見ている真夜からしたら無駄な努力以外の何者でもない。
そして達也達は、四葉家からの出向かいの車で四葉本家に行こうとすると、近隣で軟禁されていた前の大戦で改造された人造サイキッカー達が襲って来た。
それを全て撃退して仕切りなおしに家に戻る達也達。
本家の執事達は戸惑ったが、情報が漏れてる事は充分わかっている。
そして、翌日に再度行くとやっぱり襲われた。
ソイツ等を撃退したまでは良かっが、、
車の電子機を破壊されて立ち往生してしまう。
正当防衛とは言え、魔法を使っての戦闘をしたので警察に捕まるのは面白く無い。
そしたら四葉家当主候補の1人、津久葉夕歌が回収して津久葉家の別荘に匿ってくれた。
そこで深雪に明かされる分家当主達の達也への恐れ。
それを承知の上で本家に行こうとする達也達。
いよいよ後が無くなった分家当主達は最大戦力をぶつけて来た。
次期四葉家当主候補の新発田勝成と彼のガーディアン、堤琴鳴と堤奏太が立ち塞がる。
勝成は今すぐ引き返せと言うが、四葉家当主からの呼び出しに応じないわけにはいかないと達也は反論。
それを妨害して立場が悪くなるのは其方だと指摘しても、そんな事は分かっているらしい。
そこで達也はガーディアンのみの対戦にしないかと勝成に提案。
子供の頃から実戦をさせられてた達也の事を知ってる勝成は拒否したが、ガーディアン2人は達也の強さは知識のみで知ってるだけでヤル気充分。
深雪が達也が負けたら帰ると宣言した事で双方納得の上で対戦が始まる。
結果は達也が圧勝。
勝成が途中から横槍を入れて来たが、それすらも跳ね返して達也は勝利する。
遂に全ての妨害を突破して四葉本家へ到着する。
そして、黒羽貢に何故こんな事をしたのかと聞き。
本人から初めて達也の出生の時のゴタゴタを聞くのだが、、
次期当主として深雪が正式に指名された。
さらに婚約者は達也だと真夜は言う。
兄妹なのに婚約者、、
それに動揺する達也と分家当主達。
そして真夜は達也は深夜の息子では無く。
真夜の冷凍保存をした卵子を深夜に代理出産してもらった子だと発表した。
つまり、達也と深雪は従兄妹だと言う。
父親も違う人物であると言うので結婚は可能。
分家当主達からしたら、想定の最悪より悪い状態になった。
そうして大波乱の慶春の会は終わったが、、
達也は真夜に事実を聞く。
魔法師として分解と構成に特化している達也は深雪と達也が兄妹であると分かっていた。
何故に嘘をついてまで真夜は兄妹を夫婦にしたいのだろうか?
それを真夜は達也が世界を破壊する能力を暴走させないためだと言う。
さらに同じ夫婦の卵子と精子から産まれた兄妹だが、妹の深雪は達也の伴侶となるべく遺伝子調整された調整体だと真夜は言う。
そうまでして達也に執着する真夜は大亜連合の前身の大漢に拉致されて身体を壊され、深夜に精神を殺された事に対する負の感情の結晶が達也だと言う。
だが真夜には深夜のように精神干渉魔法は使えない。
だから真夜は自身の願望が双子の深夜を通して達也を形成したと言う。
そんな達也に執着している真夜は達也のために、深雪を超整体にして彼を暴走させないために。
達也を1人にしないために深雪を四葉家当主として、達也を組織的にバックアップさせるようにしたらしいのだが、、
何処までが本当なのか不明。
説明されてる段階でも達也は矛盾点に気が付いており。
今後どう変わって行くのかは不明。
でも、達也周辺の環境は劇的に変わって行く。
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魔法科 まとめ(2年生)
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解説
四葉家次期当主指名
四葉家の次期当主指名については、主に新年の集まりである「慶春会」を舞台に、一族内の様々な思惑と事件が交錯する形で描かれている。以下にその経緯と詳細を解説する。
深雪の葛藤と分家による妨害工作
四葉本家で開かれる元旦の「慶春会」への出席を命じられた司波深雪は、そこで自身が次期当主に指名されることを予感していた。しかし彼女は、当主の座に就くこと自体よりも、当主として義務付けられる「兄の達也以外の男性との結婚」を強く恐れ、深く思い悩んでいた。
一方で、四葉家の分家(黒羽家、津久葉家、新発田家など)は、深雪の次期当主指名を時期尚早であるとし、指名を遅らせるための工作を図る。彼らの真の目的と行動は以下の通りである。
・強大すぎる力を持つ達也を危険視し、彼を四葉家の中枢から遠ざけて隔離するための時間稼ぎをすること
・分家の関係者たちが、深雪が本家に到着するのを阻もうと様々な襲撃や妨害を仕掛けること
しかし、達也はこれらをことごとく退け、無事に深雪を本家へと送り届けた。
次期当主の正式指名と衝撃の発表
本家に到着した後の夕食の席で、現当主の四葉真夜は次期当主の指名に言及する。分家の次期当主候補である黒羽文弥や津久葉夕歌、そして新発田勝成も最終的に深雪の支持を表明したことで、真夜は深雪を次期当主に正式指名した。
さらにその後、真夜は達也と深雪だけを同席させた場で、以下の驚くべき事実を告げる。
・達也は真夜自身の卵子を用いて人工授精で生まれた実の息子であること
・深雪は達也のために作られた「完全調整体」であること
・深雪の次期当主就任に伴う婚約者として達也を指名すること
兄以外の男性との結婚に絶望していた深雪は、この決定を聞いて歓喜の涙を流した。
一族への発表と対外的な公表
2097年の元旦、慶春会の場で、深雪が次期当主であること、達也が真夜の息子であり深雪の婚約者であることが一族に向けて大々的に発表された。この予期せぬ発表は、集まった一族の間に大きなどよめきと混乱をもたらすことになる。
翌日、四葉家は日本魔法協会を通じ、深雪の次期当主指名、達也の真夜の息子としての認知、そして二人の婚約を社会に向けて正式に公表した。
まとめ
四葉家からの公表に対し、多くの有力な魔法師家族から祝電が寄せられた。しかし同時に、十師族の一つである一条家の現当主・一条剛毅が二人の婚約に異議を申し立てる事態となり、次期当主指名を巡る出来事は新たな波乱を含んで幕を閉じることとなる。
分家による妨害工作
四葉家の次期当主指名の場となる「慶春会」へ向かう司波深雪と達也に対して行われた、四葉家分家による妨害工作について解説する。
妨害工作の目的と背景
分家(特に新発田家など)が深雪の慶春会出席を妨害した主な理由は、深雪の次期当主指名を遅らせるためであった。彼らは、深雪が次期当主に指名されるのは時期尚早であると考えており、その背景には達也の存在に対する危機感があった。分家は達也を問題視しており、深雪の保護と四葉家の将来のために、達也を四葉家の中枢から遠ざけ隔離する時間が必要だと判断して一連の足止めを画策した。
妨害工作の具体的な手段
分家は自ら直接手を下すのではなく、言葉巧みに外部の勢力(対大亜連合強硬派の残党など)を誘導し、彼らを鉄砲玉として利用した。
・12月29日の襲撃:謎の「声」によって誘導された松本基地の矢口中尉や強化サイキックが、小淵沢駅付近で達也たちを襲撃した。達也は襲撃者が身体強化併用型の人造サイキックであることを見抜き、銃器を使わない格闘戦でこれを撃退した。
・12月30日の襲撃:同様に誘導された波多江大尉らによって、EMP爆弾を用いた攻撃が行われ、達也たちの乗る車が使用不能にされた。達也たちは津久葉夕歌の助けを借りて脱出し、彼女の案内で津久葉家の別荘へと避難した。
・12月31日の襲撃と決闘:四葉本家のある村へ通じるトンネルの入り口手前で雪崩を起こされたが、これも達也の指示によって無事に回避された。その後、他の足止め作戦が失敗した際の「最後の砦」として配置されていた新発田勝成たちと遭遇し、達也と新発田家のガーディアンたちとの間で決闘が行われる事態に発展した。
真夜の反応
こうした分家の動きに対し、四葉家現当主の四葉真夜は、分家が達也の力を過小評価しているとし、深雪の足を引っ張る妨害行為は無駄であると冷観していた。真夜は、達也が本気になれば四葉家の結界など簡単に分解してしまうと語っており、またこの一件を通じて、国内の不穏分子である対大亜連合強硬派残党などの戦力が大きく削がれたことを、年末の「大掃除」が済んだかのように評価していた。
まとめ
最終的に分家による妨害工作はすべて達也によって退けられ、深雪たちは無事に本家へと到着し、予定通り深雪が次期当主に指名されることとなった。
司波兄妹の婚約
西暦2097年元旦、四葉本家で開かれた「慶春会」において、司波深雪が四葉家の次期当主に指名され、同時に司波達也が彼女の婚約者であることが発表された。この婚約の背景には、兄妹の出生の秘密と四葉家内部の複雑な事情が深く関わっている。
婚約を可能にした出生の秘密
深雪は次期当主になること自体よりも、当主の義務として「兄以外の男性と結婚すること」に強い恐れと拒絶感を抱いていた。しかし、四葉家現当主の四葉真夜から衝撃的な真実が明かされる。
- 達也は真夜の卵子と別の父親から人工授精によって生まれ、深雪の母が代理母となって産まれた真夜の実の息子である。
- 深雪は達也のために作られた「完全調整体」である。 これにより、二人は実の兄妹ではなく「従兄妹」にあたることになり、婚約が可能とされた。この事実と婚約の決定を知り、深雪は涙を流して歓喜した。
当事者二人の心情
深雪は達也に対して深い愛情を表明するが、達也は真夜からの結婚の勧めに対して困惑する。深雪に対しても「妹としてしか見られない」と告げるが、それでも、達也は深雪の側にずっといることを約束し、深雪もそれを受け入れている。
婚約に至るまでの分家の妨害
慶春会を前に、四葉家の一部分家は深雪の次期当主指名を遅らせようと画策していた。これは、強大すぎる力を持つ達也を四葉家の中枢から遠ざけ、隔離するための時間稼ぎが目的であった。彼らは達也たちが本家へ向かう道中で以下のような妨害を行った。
- EMP爆弾による襲撃で車を使えなくした。
- 本家へ向かう道中で新発田家のガーディアンによる決闘を仕掛けた。 達也はこれらを退けて無事に本家へ到着し、婚約発表に至った。
発表後の波乱
慶春会の翌日、四葉家は魔法協会を通じて、深雪の次期当主指名、達也が真夜の息子であること、そして二人の婚約を公表した。多くの有力魔法師家族から祝電が送られたものの、公表から一日後、十師族の一つである一条家の現当主・一条剛毅から、二人の婚約に対する異議申立てが日本魔法協会に寄せられるという波乱が起きている。
まとめ
四葉家の次期当主指名と婚約発表は、一族の根幹に関わる出生の秘密を明らかにし、分家の妨害を乗り越えて行われた。しかし、他家からの異議申立てという新たな問題を生む結果となり、四葉家と司波兄妹を取り巻く状況はさらなる複雑さを増している。
達也の出生の秘密
達也の出生とそれに伴う秘密については、彼が抱える魔法の欠陥と、それを補うために施された非人道的な手術が深く関わっている。
魔法師としての決定的な欠陥
達也は生まれつき、情報体を「分解」することと「再構成」することの2種類の力しか持っていなかった。
・事象の情報を一時的に書き換えて別のものに変化させるという、本当の意味での「魔法」を使う才能を持たずに生まれた。
・そのため、四葉家においては「魔法師としての欠陥品」と見なされていた。
魔法が使えなければ四葉の人間として生きていくことはできず、彼は誕生の瞬間から過酷な運命を背負うこととなった。
人造魔法師計画と精神改造手術
魔法師としての欠陥を補うため、四葉家は「人造魔法師計画」を実行に移す。
・達也が6歳の時、実母である司波深夜が、自身の固有魔法である禁忌の系統外魔法「精神構造干渉」を用い、達也の精神構造を改変した。
・これは、魔法師ではない人間の意識領域に、人工の魔法演算領域を植え付けて魔法師の能力を与えるという精神改造手術であった。
失われた感情と唯一残されたもの
この精神改造手術の代償として、達也の意識領域における「強い情動を司る部分」は白紙化されてしまった。これにより、以下のような変化が生じている。
・強い怒り、深い悲しみ、激しい嫉妬、怨恨、憎悪、過剰な食欲や性欲、盲目の恋愛感情といった「我を忘れる」ような強い感情や衝動のすべてを失った。
・達也自身も「魔法が使えないのに魔法師にされた」と感じており、魔法を「誕生の瞬間にかけられた呪い」と捉えている。
まとめ
すべての感情を失った達也の心には、たった一つだけ意図的に残された本物の感情があった。それは、「妹である深雪を愛し、護ろうとする感情(兄妹愛)」である。
四葉家はこの感情を彼に縛りをかけるための枷として利用し、達也を深雪の「ガーディアン(守護者)」として任命した。人工魔法演算領域の性能は先天的なものに劣るため、達也は四葉家において「ガーディアンとしてしか使い物にならない」と評価され、現在に至るまで深雪の盾として生きることを義務付けられている。
新魔法バリオン・ランス
新魔法「バリオン・ランス」は、司波達也が九重寺で開発に取り組んでいる新しい攻撃魔法である。この魔法はUSNA軍の戦術魔法兵器「ブリオネイク」に類似するコンセプトを持っており、特定の相手の魔法を無効化する能力があることが示唆されている。
開発の目的と周囲の反応
達也自身は「バリオン・ランス」について、自身の強力な魔法である「分解」が効かない相手を退けるために作った魔法であると説明している。この新魔法の開発には、以下のような反応があった。
・四葉家当主である四葉真夜も強い好奇心を抱いていた。
・葉山執事とその性質について推理するなど、四葉家の魔法研究の観点からも高い関心を集めていた。
慶春会でのデモンストレーション
達也は四葉家の慶春会において、葉山の敬意に応える形で「バリオン・ランス」のデモンストレーションを披露した。その際の様子は以下の通りである。
・新発田勝成がその詳細に強い興味を示したが、達也の説明を聞いて理解し、引き下がった。
・達也はこの披露の際に「中性子バリア」について問題提起されることを懸念していたが、会食の席の雰囲気によってその事態は防がれた。
まとめ
新魔法「バリオン・ランス」は、自身の魔法が通用しない相手を想定して開発されたものであり、四葉家内部でも高い関心を集めている。慶春会での披露も無事に終了し、達也の新たな力として認識されることとなった。
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キャラクター紹介
司波家・第一高校関係者
司波達也
四葉真夜の息子として認知された少年である。深雪の婚約者であり、彼女を護衛するガーディアンの役割を担っている。
・所属組織、地位や役職
第一高校(風紀委員、生徒会書記長)。国防陸軍第一〇一旅団独立魔装大隊・特尉。
・物語内での具体的な行動や成果
四葉本家へ向かう途中で遭遇した襲撃者を格闘戦で撃退した。慶春会にて新魔法である「バリオン・ランス」を披露し、周囲に実力を示した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
真夜の息子として公表され、深雪の婚約者として正式に発表された。
司波深雪
四葉真夜の姪として完全調整体で生まれた少女である。達也に対して深い愛情を抱いている。
・所属組織、地位や役職
第一高校・生徒会長。四葉家次期当主。
・物語内での具体的な行動や成果
慶春会に出席し、四葉家の分家から支持表明を受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
四葉家の次期当主に正式に指名され、達也との婚約が発表された。
水波
桜井穂波の遺伝子上の姪にあたる少女である。達也と深雪の家政婦兼護衛見習いとして四葉家から派遣された。
・所属組織、地位や役職
四葉家・メイド。第一高校・生徒会書記。
・物語内での具体的な行動や成果
達也や深雪と共に四葉本家へ向かう途中で襲撃に巻き込まれた。慶春会の後、真夜から深雪の世話を命じられた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
東京へ移住し、第一高校に進学することになった。
エリカ
千葉家の娘として優れた剣術の腕を持つ少女である。明るく物怖じしない性格をしている。
・所属組織、地位や役職
第一高校。
・物語内での具体的な行動や成果
テロ組織や吸血鬼事件などの戦闘に参加し、達也たちをサポートした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項はない。
レオ
達也のクラスメイトであり、将来は警察の機動隊などを志望する少年である。
・所属組織、地位や役職
第一高校。
・物語内での具体的な行動や成果
達也たちと行動を共にし、戦闘時には前線で活躍した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項はない。
美月
霊子放射光過敏症という特異体質を持つ少女である。おとなしく控えめな性格をしている。
・所属組織、地位や役職
第一高校。
・物語内での具体的な行動や成果
自身の特異体質を活かして、敵の魔法や隠れた存在を探知した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項はない。
幹比古
古式魔法の名門である吉田家の出身である。達也の友人として行動を共にする。
・所属組織、地位や役職
第一高校・風紀委員長。
・物語内での具体的な行動や成果
古式魔法を用いて索敵や戦闘を行い、達也たちを支援した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
新風紀委員長に就任し、校内の治安維持に努めている。
ほのか
雫と常に行動を共にする少女である。達也に対して好意を寄せている。
・所属組織、地位や役職
第一高校・生徒会会計。
・物語内での具体的な行動や成果
九校戦の選手として出場した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
新生徒会の会計に任命された。
雫
大富豪である北山潮の娘である。口数は少ないが、冷静な判断力を持つ少女である。
・所属組織、地位や役職
第一高校。
・物語内での具体的な行動や成果
九校戦に出場し、達也の調整したデバイスを用いて活躍した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
USNAへの短期留学を経験した。
四葉家(本家・分家・関係者)
四葉真夜
四葉家の現当主であり、世界最強の魔法師の一人である。達也の遺伝上の母親として振る舞う。
・所属組織、地位や役職
四葉家・当主。
・物語内での具体的な行動や成果
慶春会にて深雪を次期当主に指名した。達也を自身の息子として公表し、二人の婚約を発表した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
四葉家当主としての絶大な権力を維持し、方針を決定づけた。
黒羽貢
四葉家の分家である黒羽家の当主である。一族の諜報活動を担う人物である。
・所属組織、地位や役職
黒羽家・当主。
・物語内での具体的な行動や成果
達也に対し、深雪の慶春会出席を思い止まらせるよう要求した。達也を四葉の中枢から隔離する提案を行ったが、拒否された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項はない。
津久葉夕歌
四葉家の分家である津久葉家の長女である。次期当主候補の一人として名を連ねている。
・所属組織、地位や役職
津久葉家。魔法大学。
・物語内での具体的な行動や成果
深雪の家を訪れ、慶春会への同行を提案した。襲撃で足止めされた達也たちを別荘へ案内し、分家の策略について説明した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
慶春会にて深雪の次期当主指名を支持した。
新発田勝成
四葉家の分家である新発田家の関係者である。
・所属組織、地位や役職
防衛省。新発田家。
・物語内での具体的な行動や成果
深雪を慶春会に出席させない計画を父親から聞かされた。被害を食い止めるための最後の砦としての役割を決意した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
深雪の指名を支持し、自身の結婚について真夜の支援を取り付けた。
理
新発田勝成の父親である。
・所属組織、地位や役職
新発田家。
・物語内での具体的な行動や成果
深雪の次期当主指名が早すぎると考えた。達也を中枢から遠ざける計画を勝成に伝えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項はない。
琴鳴
新発田勝成の結婚相手である。
・所属組織、地位や役職
不明。
・物語内での具体的な行動や成果
勝成の結婚相手として言及された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
勝成との結婚について、真夜から承認の支援を得ることになった。
津久葉冬歌
津久葉家の関係者である。
・所属組織、地位や役職
津久葉家。
・物語内での具体的な行動や成果
慶春会にて、達也の出自について真夜に質問した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項はない。
文弥
黒羽貢の息子であり、四葉家の次期当主候補である。亜夜子の弟として行動を共にする。
・所属組織、地位や役職
第一高校。黒羽家。
・物語内での具体的な行動や成果
慶春会で深雪の次期当主指名を支持した。達也と深雪の婚約発表にショックを受けた亜夜子を慰めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項はない。
亜夜子
黒羽貢の娘であり、文弥の姉である。達也に対して密かに思いを寄せている。
・所属組織、地位や役職
第一高校。黒羽家。
・物語内での具体的な行動や成果
達也と深雪の婚約発表にショックを受け、慶春会の途中で別室へ退出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項はない。
葉山
四葉本家に仕える初老の執事である。真夜の腹心として動いている。
・所属組織、地位や役職
四葉家・執事。
・物語内での具体的な行動や成果
真夜の指示を受け、様々な報告や連絡手配を行った。達也に対して敬意を示した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項はない。
小原
四葉本家に仕える執事である。
・所属組織、地位や役職
四葉家・執事。
・物語内での具体的な行動や成果
深雪の依頼を受け、小淵沢駅への迎えの手配や予定変更の指示を担当した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項はない。
国防陸軍
矢口中尉
対大亜連合強硬派に属する士官である。尊敬する上官の失脚により無気力になっていた。
・所属組織、地位や役職
国防陸軍松本基地・中尉。
・物語内での具体的な行動や成果
謎の声の提案に乗り、四葉家の重要人物を人質にとる非合法な計画に関与した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
暴力事件に巻き込まれて死亡したと報道された。
酒井大佐
対大亜連合強硬派の中心人物である。
・所属組織、地位や役職
国防陸軍・大佐。
・物語内での具体的な行動や成果
パラサイドール実験を推進したことの告白と懺悔の音声データを残した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
事件により失脚し、軍事刑務所に収監された。
波多江大尉
対大亜連合宥和派のリーダーである。精神干渉系魔法の被害者として立場を悪化させていた。
・所属組織、地位や役職
国防陸軍宇治第二補給基地・大尉。
・物語内での具体的な行動や成果
謎の影から情報提供を受け、四葉家の魔法師暗殺を示唆された。周公瑾を基地内に匿っていた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
減俸処分を受けていた。
幹部たち
対大亜連合強硬派に属する人々である。
・所属組織、地位や役職
国防陸軍。
・物語内での具体的な行動や成果
軍事刑務所に収監されている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
失脚し、粛清の対象となった。
松本基地所属の国防陸軍若手士官
矢口中尉などを指す士官たちである。
・所属組織、地位や役職
国防陸軍松本基地。
・物語内での具体的な行動や成果
小淵沢にて暴力事件に巻き込まれた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
命を落とした。
対大亜連合強硬派
大亜連合の脅威に対して妥協しない立場を貫く派閥である。
・所属組織、地位や役職
国防陸軍。
・物語内での具体的な行動や成果
酒井大佐を中心とし、四葉家との対立や自律魔法兵器の実験を推進した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
粛清された。
対大亜連合強硬派残党
酒井大佐の失脚後に残された強硬派のメンバーである。
・所属組織、地位や役職
国防陸軍。
・物語内での具体的な行動や成果
上官を救出するため、四葉家の重要人物を人質にとる非合法な計画に加担した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項はない。
対大亜連合宥和派
波多江大尉がリーダーを務める派閥である。
・所属組織、地位や役職
国防陸軍。
・物語内での具体的な行動や成果
波多江大尉を中心に、四葉家の魔法師の暗殺などを示唆された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項はない。
一条家
一条剛毅
十師族の一つである一条家の現当主である。
・所属組織、地位や役職
一条家・当主。
・物語内での具体的な行動や成果
司波達也と司波深雪の婚約に対し、日本魔法協会へ異議申し立てを行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項はない。
その他
声(影)
矢口中尉や波多江大尉の前に現れた謎の存在である。
・所属組織、地位や役職
不明。
・物語内での具体的な行動や成果
矢口中尉には人質計画を提案し、波多江大尉には四葉家の魔法師暗殺を教唆した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項はない。
強化サイキック
矢口中尉の計画に関与した存在である。
・所属組織、地位や役職
不明。
・物語内での具体的な行動や成果
松本基地近くで矢口中尉の非合法な手段に協力することになった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項はない。
襲撃者(身体強化併用型の人造サイキック)
小淵沢駅付近で達也たちを襲撃した者たちである。
・所属組織、地位や役職
不明。
・物語内での具体的な行動や成果
達也たちを襲撃したが、銃器を使わない格闘戦に持ち込まれ撃退された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
警察に引き渡された。
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魔法科 まとめ(2年生)
魔法科シリーズ まとめ
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備忘録
1
授業終了の鐘が鳴り、二〇九六年十二月二十五日の午前中、二学期最後の日が迎えられた。オンライン化された授業では、成績については完全な自己責任であり、進級・卒業が危ぶまれる生徒にのみ保護者に連絡がいく。この日、生徒たちは成績を確認し、様々な反応を見せていた。特に魔法工学科の二年E組の生徒たちも例外ではなく、達也も自身の成績に関心があったが、満足できる結果を確認する。その後、達也は美月と会話を交わし、彼女は達也に成績を尋ねたがったが、自身も答えなければならないと思い、聞くことを避けた。
その日の午後五時半、達也たちはアイネブリーゼという喫茶店で集まり、クリスマスパーティーを開催した。参加者は達也、深雪、エリカ、レオ、美月、幹比古、ほのか、雫の二年生のみで、水波は別のパーティーに参加していた。パーティーは和やかに進み、お喋りが途切れることはなかった。
パーティーが終わりに近づき、ほのかが達也に初詣に行かないかと誘うが、達也は深雪とともに他の用事があるため断る。深雪はそのやり取りを見て、明らかに落ち込んでいた。しかし、エリカは深雪に気を使い、用事が済んだら改めてみんなで出かけようと提案する。深雪はこれに頷き、少し元気づくが、依然として顔色は悪いままだった。
深雪の青ざめた顔色は精神的なショックによるものであり、家に着く頃には回復していた。彼女は達也に休息を勧められ、最初は反発しつつも最終的に受け入れる。彼女が青ざめていたのは、「正月の予定」というキーワードが引き起こした精神的なショックによる。深雪は四葉本家で開かれる元旦の集まり「慶春会」への出席を命じられており、これが大きなプレッシャーとなっていた。彼女は自身が次期当主に指名されることを予感していたが、当主になること自体よりも、当主として求められる結婚が憂鬱だった。深雪は魔法師としての義務を果たすための結婚は受け入れていたが、兄以外の男性との結婚、特に兄に女として愛されないことへの恐れと拒絶感が強かった。部屋で一人、彼女はこの葛藤に苦しみ、兄への禁断の愛を自覚しながらも、それを世間や兄に受け入れられないという現実に絶望していた。
2
冬休み初日、達也はFLT開発第三課へ仕事のために出かけ、深雪は家で留守番をしている。達也が取り組んでいるのは、大規模エネルギー・資源・環境プラントの設計であり、このプロジェクトは「ESCAPES」と名付けられている。彼がこのプロジェクトを始めたのは、沖縄での出来事から一年後の2093年のことである。
仕事中に達也は黒羽貢からの訪問を受け、応接室で面会する。貢は達也に対して、深雪が慶春会への出席を思い止まるよう説得すること、または出席命令の撤回を真夜に進言することを要求する。達也は、深雪の出席が真夜の決定であることを理由にこれを拒否する。
貢は達也に、慶春会で深雪が次期当主として指名される予定であることを伝え、その指名を延期すべきだと考えていることを明かす。その延期の理由として、達也の処遇が挙げられる。貢は達也に対して、彼がFLTの最大株主になることや、特務士官の地位から解放されることなどを提案するが、達也はこれに興味を示さない。
達也は、貢が深雪から彼を遠ざけたい理由を尋ねるが、貢は直接的な回答を避ける。貢は達也が本家へたどり着けたら理由を話すと言い残して去る。
冬休みの初日、深雪は宿題に取り組んでいた時、津久葉夕歌が訪ねてきた。夕歌は四葉の分家である津久葉家の長女で、次期当主候補の一人であり、魔法大学の四年生である。深雪と夕歌の関係は中立的であり、相互不干渉である。
夕歌は、今度の慶春会に深雪と共に行くことを提案する。夕歌の護衛が亡くなったため、護衛がいなくなり、深雪との同行を望む。しかし、夕歌はその理由を明確に説明できないでいる。深雪は夕歌の提案に対して警戒感を抱き、その理由を問いただすが、夕歌は詳細を話せないと答える。
夕歌は、慶春会への同行に何らかのメリットがあることを示唆するが、具体的な内容を明かさない。深雪は夕歌の申し出について兄と相談することを決める。夕歌は深雪の家を去った後、深雪は夕歌の提案の真意を探ろうとするが、夕歌を白状させる手段がないことを悟る。夕歌の訪問は、深雪にとって多くの疑問を残すものだった。
帰宅した達也は、深雪から津久葉夕歌の訪問とその申し出について聞かされ、深く考え込む。夕歌が「言えない」とした理由については、慶春会へ向かう途中で何かが起こることを示唆していると達也は推測する。達也は、この事態が自分たちへの襲撃を意図している可能性が高いと考え、襲撃の目的や標的について考察する。夕歌の提案を受け入れるべきかどうか悩んだ末、達也はその申し出を断ることを決める。夕歌の提案を受け入れることによるデメリットの方が大きいと判断したためだ。
一方、夕歌は達也たちからの返答を受け、一人でその結果について考える。夕歌は、達也が四葉家にとって重要な戦力であるにもかかわらず、なぜ四葉家やその使用人によって低く評価されているのか疑問を抱いている。夕歌は、慶春会で深雪が次期当主に指名されることで、達也が不当に低く評価されている理由が明らかになることを期待している。
深雪は夕歌との電話後、本家に連絡し、12月29日に駅まで迎えを依頼する。これは、慶春会への出席にあたり、予期せぬアクシデントに備えるための措置である。迎えの手配を執事の小原が行い、本家の使用人全員に通達された。一方、新発田勝成は防衛省の職員として働き、父から慶春会に関する重要な話を聞かされる。その内容は、深雪を慶春会に出席させてはならないというものだった。父は、深雪が次期当主に指名されることが早すぎると考えており、その背後には達也の存在が問題であると指摘する。深雪の保護と四葉家の将来を考慮し、達也を中枢から遠ざけるために時間が必要であると理は語る。勝成はこの計画に疑問を感じつつも、被害を最小限に食い止めるための行動を決意する。勝成の役割は、他の分家の足止め作戦が失敗した場合に最後の砦となることである。
十二月二十七日、矢口中尉は国防陸軍松本基地での訓練後、疲れ切ってベッドに横たわっていた。彼が無気力状態に陥ったのは、尊敬する上官が失脚した事件が原因であった。矢口は「対大亜連合強硬派」に属しており、この派閥は酒井大佐を中心に、大亜連合の脅威に対して妥協しない立場を貫いていた。しかし、ある事件で幹部たちが軍事刑務所に収監され、矢口は連座を免れたものの、やる気を失っていた。
ある晩、部屋の隅から聞こえてきた声は、酒井大佐たちを陥れたのは四葉家であると告げた。この声は、四葉家がさらなる暗殺計画を持っているとも伝えた。矢口は、この声が提案する非合法の手段によって、酒井大佐たちを救出する計画に関わることになる。声は、十二月二十九日に四葉家の重要人物が小淵沢駅に到着し、その人物を人質にとることで、酒井大佐の釈放を交渉できると説明した。矢口はこの計画に苦悩しながらも最終的に関与することを決意する。この計画には、松本基地近くの強化サイキックが関わることになり、矢口は正義を正すために非合法な手段を選ぶことになった。
松本基地の矢口中尉と同じ頃、国防軍宇治第二補給基地において、波多江大尉の前にも同じ影が現れた。波多江は対大亜連合宥和派のリーダーであり、精神干渉系魔法による意識操作の被害者として、減俸処分を受けていた。彼は自身の立場が悪化していることに焦りを感じており、影が現れた時は、その立場を悪化させることなく自分の信念を貫こうとしていた。
影は波多江に、基地襲撃の背後に四葉家がいること、そして四葉家が大亜連合と通じた人々を狙っていることを告げた。さらに、波多江自身も四葉家の標的であること、そして彼には名誉ある最期は用意されておらず、売国の徒として汚名に塗れた死が待っていることを伝えた。影は波多江に生き延びて汚名返上の機会を得るよう助言し、そのためには抗うしかないと示唆した。
影は、十二月三十日に小淵沢駅で四葉家の魔法師が新たな任務のために本家と接触する情報を波多江に提供し、その魔法師を暗殺することを示唆した。波多江には古式魔法師の知己がおり、彼らが力となってくれるだろうと伝えた後、影は消えた。
3
十二月二十九日、達也、深雪、水波の三人は本家へ向かうために正午前に自宅を出発した。小淵沢駅で迎えの車に乗り込む際、達也は彼らが見張られている可能性を警戒していた。町を出てすぐに襲撃が発生し、達也は迅速に対処し、深雪と水波を安全な場所へ避難させた。達也は襲撃者と対峙し、身体強化併用型の人造サイキックであることを見抜き、銃器を使わない格闘戦に持ち込んで対処した。襲撃者を撃退した後、警察が到着し、達也は駅へ戻って深雪たちと合流した。小原執事と通話し、深雪は本家への報告を家に帰ってから行うこと、翌日午前十時に再び迎えの車を手配することを伝えた。三人はその日は自宅に戻ることにし、深雪は小原に明日の迎えの手配を確認した後、通話を終了した。
その日の夜、松本基地所属の国防陸軍若手士官が小淵沢で暴力事件に巻き込まれ死亡した。翌朝の新聞は、暴力組織同士の抗争を止めようと介入し、不運にも命を落としたと報じた。
4
十二月三十日、達也は家を出る直前に本家に電話をかけ、迎えの予定変更を要請した。変更は深雪の意向によるものであり、達也は小原執事に迎えの場所と時間を変更させ、これを運転手のみに伝えるよう指示した。この対策は、四葉家内部からの情報漏洩を考慮したものだった。達也は、深雪を本家から引き離すために次期当主指名を遅らせようとする分家の策略を見抜いていた。しかし、その日の運転は、予期せぬ襲撃によって妨害された。達也たちは、EMP爆弾による攻撃で車が使えなくなり、津久葉夕歌の助けで脱出した。夕歌は、深雪を本家に行かせたくない意図があることを示唆し、警察が本家への道だけを封鎖している理由を説明した。
夕歌が達也たちを八ヶ岳の麓にある津久葉家の別荘に連れて行き、そこで深雪たちに本家への同行を提案した。夕歌は、別荘の使用人が持参した紅茶について、気配りの欠如を嘆きながら、深雪たちに対して申し訳なさそうな態度を示した。夕歌と深雪は、四葉家の次期当主指名について話し合い、夕歌は四葉家の一部分家が深雪の次期当主指名を遅らせようとしている理由を説明した。その理由は、達也を四葉家の中枢から引き離し、隔離したいという意図に基づいていた。深雪は、夕歌の話を聞いた後、翌日も夕歌の助けを仰ぐことを決めた。夕食後、深雪は達也の部屋を訪れ、達也に対する自分の忠誠と支持を改めて表明した。
四葉家現当主の四葉真夜は、深雪が連続して妨害を受け、現在は津久葉家の別荘に滞在していることを葉山執事から報告された。真夜は、分家が達也の力を過小評価しているとして、深雪を妨害する行為を無駄だと考え、もし達也が本気になれば、四葉家の結界を簡単に分解してしまうだろうと述べた。葉山執事は、この事態が分家による責任であることを指摘し、また、今回の一件で対大亜連合強硬派残党などの戦力が大きく削がれたと報告した。真夜はこれに対して、人造サイキックのことは最初から気にしておらず、年末の大掃除が終わったかのように発言した。葉山執事は、新発田家の計画について問いかけたが、真夜は達也が新発田勝成を止められないと断言し、達也の勝利を確信していた。
5
十二月三十一日の朝、達也たちは津久葉家の別荘から四葉本家へ向けて出発した。四葉の村へ通じるトンネル入り口手前で雪崩に見舞われたが、達也の指示で雪崩は無事回避された。しかし、達也はこのエリアでの襲撃を予期していたため、一行は警戒を怠らなかった。その後、新発田勝成たちと遭遇し、達也と新発田家のガーディアンたちとの間で決闘が行われた。達也は琴鳴と奏太を相手に優位に立ち、勝成が介入しようとするも達也の機転により阻止された。最終的に、深雪は勝成に対し、四葉家当主の命令を遂行するために本家に入る必要があると主張し、その場を兄に委ねることを提案した。勝成は深雪の提案に戸惑いながらも、最終的には達也との直接対決を避け、琴鳴が達也と戦うことになった。しかし、達也は琴鳴との戦いを避け、勝成の介入もあって、彼らを無事に治療することに注力した。夕歌が運転を再開し、達也たちは目的地へ向かった。
6
達也たちは四葉本家へ到着し、適切な対応を受ける。夕歌と水波はそれぞれの部屋に案内され、達也と深雪は客間に通される。深雪には重要な家族の集まりへの出席が告げられる。達也は、黒羽貢から自身と深雪の生まれにまつわる過去と四葉家の期待を聞かされる。貢は、達也が世界を破壊し得る力を持つが、その力を正しく使うための厳しい訓練を受けてきたこと、そして四葉家内で彼の存在がどのように捉えられているかを明かす。貢は達也に深雪のガーディアンを辞めるよう求めるが、達也は拒否する。貢の話から、達也は四葉家の複雑な内情と自身に対する期待と恐れを理解する。
午後六時五十分、達也と深雪は水波に案内されて奥の食堂へ向かい、文弥、亜夜子、夕歌、そして後から新発田勝成が加わった。達也は自分の立場に疑問を持ちつつも、他の参加者は達也がこの場にいることに疑問を抱いていなかった。実際、達也は他の魔法師たちと同等、あるいはそれ以上の実力を持つと認められていた。
真夜が登場し、食事が始まった後、彼女は次期当主の指名について言及し、文弥と夕歌は深雪を支持することを表明した。勝成も最終的には深雪の支持を表明し、自分と琴鳴の結婚について真夜の支援を求めた。真夜は勝成の願いを受け入れ、深雪を次の当主として正式に指名した。食事の後、真夜は達也と深雪に留まるよう求めた。
全員が退出し、食堂が再セッティングされた後、真夜、達也、深雪の三人だけが残った。飲み物が配られ、使用人も退席した。真夜は深雪に次期当主としてのおめでとうを述べ、達也に対しても大変だったことを慰めた。深雪に次期当主としての結婚相手の自由がないことを再確認させた後、真夜は達也に衝撃的な事実を明かした。達也は真夜の息子であり、深雪は従妹にあたるという。これは達也が真夜の卵子と別の父親から人工授精によって生まれ、深雪の母が代理母となった結果である。
深雪が次期当主として、その婚約者が達也であることが発表された。この事実は深雪を歓喜させ、彼女は涙を流しながら喜びを表現した。真夜は深雪に明日の婚約発表会への準備を促し、水波に深雪の世話を命じた。最後に、真夜は達也を別の場所へと案内し、葉山は達也に対して敬意を示した。
達也が真夜の書斎に連れて行かれたのは、彼がこの部屋に入るのは初めてのことだった。書斎は完全なプライベートスペースであり、ほとんどの機器がネットワークから切り離されているが、一部は接続されていた。達也と真夜の間で、深雪の正体や達也の魔法に関する真実が話し合われる。達也は真夜に対し、深雪が実の妹ではないという以前の話が嘘ではないかと尋ねるが、真夜はそれを否定する。さらに真夜は、深雪が「完全調整体」として達也のために作られたこと、そして達也自身が真夜の願望によってこの世に生まれたという衝撃的な事実を明かす。真夜は達也に対し、深雪との結婚を強く促すが、達也はその論理に困惑する。結局、真夜は達也が深雪を大切にするようにと忠告し、二人の縁は遺伝的なもの以上に強いものだと語る。
達也が部屋に戻ると、深雪はまだ戻っていなかった。風呂から戻って布団が敷いてあるのを見て、達也は入浴後の深雪と会話することになる。深雪は達也と実の兄妹ではないという真夜の発言に動揺していたが、達也はそれを否定し、二人が結婚することについて語る。深雪は達也に対して愛情を表明し、達也も深雪の側にいることを約束する。しかし、達也は深雪を妹としてしか見られないと告げ、深雪はそれを受け入れる。二人は同じ布団で寝ることになり、深雪は達也の腕枕で眠りにつく。
7
二〇九七年元旦、達也と深雪は朝早くから忙しく、和風の着せ替え人形のように扱われることにうんざりしていた。着付けやメイクに時間がかかり、二人は家に帰りたくなるほどだった。その日は、達也、深雪、文弥、亜夜子に新年の挨拶が交わされ、深雪の引き振袖が花嫁衣装のようだと評された。慶春会では、深雪が次期当主として指名され、達也が彼女の婚約者として発表された。真夜は達也を自身の息子として迎えることも発表し、達也と深雪の婚約についても説明した。この発表には多くのどよめきがあり、津久葉冬歌が達也の出自について質問した。真夜は達也が自分の息子であると明かし、彼が深雪と同居することについても言及した。しかし、この発表が亜夜子には堪えたようで、彼女は別室で休むことになった。
亜夜子は振袖を脱ぎ、楽な服に着替えてベッドに横たわっていた。文弥が彼女の部屋を訪れ、亜夜子が病気ではないと主張するも、彼女は泣きそうな顔で笑う。文弥は深雪が達也の近くにいる人だから、達也のことは諦めるしかないと告げるが、亜夜子はそれを否定し、真夜の行動は達也のためだと主張する。文弥には亜夜子の言葉が正しいとは理解できなかった。
達也が真夜の息子であるという発表は、亜夜子の退出により混乱するが、最終的には達也の地位が確立される。達也の新魔法「バリオン・ランス」の披露は、達也が使用人を軽んじる態度を看過する者もいたが、達也はその場を上手く切り抜ける。葉山が達也に敬意を表し、達也は新魔法のデモンストレーションを行う。勝成はその魔法の詳細に興味を示すが、達也は「バリオン・ランス」が「分解」が効かない相手を退けるために作った魔法だと説明する。勝成はそれを理解し、無念を抱えながら席に戻る。
新魔法「バリオン・ランス」の披露が無事に終了した。達也は「中性子バリア」について問題提起されることを懸念していたが、会食の席の雰囲気がそれを防いだ。慶春会は大きな問題もなく終わり、達也は四葉家現当主・四葉真夜の息子としての立場と、深雪の婚約者として正式に認知された。翌日、四葉家は魔法協会を通じて、深雪を次期当主に指名し、達也を真夜の息子として認知し、二人の婚約を公表した。多くの有力魔法師家族から祝電が送られたが、全てのナンバーズから祝辞が送られたわけではなかった。一日後、司波達也と司波深雪の婚約に異議を唱える申立てが日本魔法協会に寄せられた。申立人は十師族・一条家の現当主、一条剛毅であった。
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エスケープ編

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