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フィクション(Novel)読書感想魔法科高校の劣等生

小説【魔法科】「魔法科高校の劣等生 (32)サクリファイス・卒業編 」感想・ネタバレ

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魔法科高校の劣等生 (32)の表紙画像(レビュー記事導入用) フィクション(Novel)

魔法科 (31) 未来編レビュー
魔法科 まとめ(3年生)
魔法科シリーズ まとめ
続・魔法科 (1)レビュー

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  1. どんな本?
  2. 読んだ本のタイトル
  3. あらすじ・内容
  4. 感想
  5. 卒業後の進路
  6. 考察・解説
    1. 巳焼島事変の終結
      1. 巳焼島事変の概要とUSNAの対応
      2. 達也とUSNAの極秘会談と協力関係の構築
      3. 国内世論と友人たちによるテレビ証言
      4. 臨時師族会議における糾弾と逆転
      5. 政府と魔法協会の対応
      6. まとめ
    2. 達也と米政府の和解
      1. 秘密特使の派遣と大統領親書
      2. 和解と協力関係の条件
      3. ジェフリー・ジェームズとの極秘会談
      4. 達也の立場の確立
      5. まとめ
    3. 臨時師族会議の招集
      1. 招集の背景と追及の始まり
      2. 魔法師の権利と政府管理を巡る対立
      3. 達也の反論と当主たちの同調
      4. USNAとの交渉報告と攻守の逆転
      5. まとめ
    4. 九島光宣との決着
      1. 東富士演習場での最終決戦
      2. 達也の真の狙いと光宣の拒絶
      3. 水波の決断と人工冬眠
      4. まとめ
    5. 水波のパラサイト化
      1. パラサイト化の背景と光宣の自己犠牲
      2. 水波の決断と志願
      3. 巳焼島での儀式と人工冬眠
      4. まとめ
    6. 魔法科高校の卒業
      1. 異例の卒業式と規格外への到達
      2. 合同パーティーと将輝との殴り合い
      3. 愛の宣言と桜の下の門出
      4. 卒業後の主要メンバーの進路
      5. まとめ
    7. 宇宙居住計画の始動
      1. 計画の背景と達也の真意
      2. 宇宙船「高千穂」の全貌
      3. 魔法による打ち上げと軌道上での組み立て
      4. まとめ
  7. 登場キャラクター
    1. 第一高校
      1. 司波達也
      2. 司波深雪
      3. アンジェリーナ・クドウ・シールズ
      4. 光井ほのか
      5. 北山雫
      6. 七草泉美
      7. 七草香澄
      8. 西城レオンハルト
      9. 吉田幹比古
      10. 千葉エリカ
      11. 五十嵐鷹輔
      12. 三矢詩奈
      13. 森崎俊
      14. 相津
      15. 隅守健人
      16. 柴田美月
      17. 明智英美
      18. 里美スバル
      19. 百山東
    2. 四葉家
      1. 桜井水波
      2. 葉山
      3. 花菱兵庫
      4. 四葉真夜
      5. ピクシー
    3. 十師族・師族会議・関連組織
      1. 一条剛毅
      2. 二木舞衣
      3. 三矢元
      4. 五輪勇海
      5. 六塚温子
      6. 七草弘一
      7. 七宝拓巳
      8. 八代雷蔵
      9. 十文字克人
    4. 第三高校
      1. 一条将輝
    5. 魔法協会
      1. 百目鬼
      2. 十三束翡翠
    6. USNA
      1. ジェフリー・ジェームズ
      2. アビゲイル・ステューアット
    7. パラサイト・古式魔法師
      1. 九島光宣
      2. レイモンド・クラーク
      3. 九重八雲
    8. 大亜連合
      1. 劉麗蕾
  8. 展開まとめ
    1. サクリファイス編 [1]
    2. [2]
    3. [3]
    4. [4]
    5. [5]
    6. [6]
    7. [7]
    8. [8]
    9. [9]
    10. 卒業編[1]
    11. [2]
    12. [エピローグ/プロローグ]
  9. 魔法科高校の劣等生 シリーズ 一覧
    1. 【魔法科高校の劣等生】1年生編
    2. 【魔法科高校の劣等生】2年生編
    3. 【魔法科高校の劣等生】3年生編
    4. 続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー
    5. 新魔法科高校の劣等生  キグナスの乙女たち
    6. 魔法科高校の劣等生 夜の帳に闇は閃く
    7. 漫画版
    8. 四葉継承編
    9. 師族会議編
    10. エスケープ編
  10. その他フィクション
  11. アニメ
    1. PV
    2. OP
    3. ED

どんな本?

魔法科高校の劣等生』は、佐島勤 氏による日本のライトノベル。
略称は「魔法科」。

物語は西暦2097年、3月。
魔法が現実の技術として確立し、魔法師の育成が国策となった時代を舞台にしている。

主人公は、国立魔法大学付属第一高校(通称「魔法科高校」)に通う兄妹、司波達也と司波深雪。

この作品は、原作小説の累計が1,400万部、シリーズ累計が2,500万部を突破し、大人気のスクールマギクスとなっている。
また、2024年には3期目のTVアニメが放送されることが決定している。

さらに、この作品は様々なメディアで展開されており、ライトノベルだけでなく、漫画やアニメでも楽しむことができる。

読んだ本のタイトル

魔法科高校の劣等生(32) サクリファイス編/卒業編(The Irregular at Magic High School)
著者:佐島勤 氏
イラスト: 石田可奈 氏

BOOK☆WALKERで購入

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あらすじ・内容

劣等生の兄と優等生の妹の波乱に満ちた『高校生編』堂々完結!

 達也の元に届いた九島光宜からの挑戦状。パラサイトを制御下に置くだけにとどまらず、かつて達也を苦しめた周公瑾の知識も獲得した光宜は、病身という唯一の欠点すら克服し、日本へ戻ってきた。
 彼の狙いはただ一つ。愛する少女・水波の救済。
 一方、水波を救いたいと願う達也と深雪の気持ちもまた光宜と同じだった。しかし、両者の信念の違いから、激突は避けられそうになかった。
 名実ともに『最強の魔法師』となった達也と、人外と亡霊の力を宿した『最強の敵』となった光宜。
 二人は、決戦の地、東富士演習場で激突する!
 魔法科高校入学から三年。達也と深雪が過ごした波乱の高校生活に、ついに幕が下りる。
 そして、二人の恋の行方は――。

魔法科高校の劣等生(32) サクリファイス編/卒業編

感想

当初は「小説家になろう」で読んでました。
横浜編まで読んだら、、
書籍化により消された苦い経験があり。
文庫化されてましたが、電子化するまで我慢して一冊目を手に入れた時の喜びは今でも思い出せる。

そこまで思い込んでたこの作品が遂に完結。

よくレビューで見かける「説明が長い」。
いや、説明してもらわないと判らないじゃん。
そもそも、説明の要らないストーリーって何よ?
「説明要らないの読みたいならコレを読むなよww」と内心で思っていた「魔法科高校の劣等生」。

サクリファイス編はあらすじの通り。
ただ水波はパラサイトにならないと近いうちに確実に死ぬ状態だったらしい。
それの原因は、アメリカからの襲撃に光宜を庇っての事だった。

卒業編は普通に卒業式をして、その打ち上げパーティーで達也と将輝が拳で語るのは、、、
達也らしく無い。
熱いぞ?

そして、ラストエピソード。。
あれから2年後という話。
そして、続編の発表。

まだまだ続くぞ!!

良かった。

卒業後の進路

司波達也

第一高校卒業後、魔法大学に入学したがほとんど出席せず巳焼島にて研究に明け暮れる。

司波 深雪

第一高校卒業後、魔法大学に入学。リーナとキャンパスライフを満喫するも兄が居ないことに不満。


桜井 水波

光宣により自我を保ったままパラサイトとなり、光宣と共に巳焼島の地下監獄で精神の時間を止めて死ぬまで眠りにつく。


九島 光宣

水波と共に巳焼島の地下監獄で精神の時間を止めて死ぬまで眠りにつく。


西城 レオンハルト

第一高校卒業後、克災救難大学校に入学。レスキュー隊になるための訓練に明け暮れてるため高校の同級生とは疎遠になる。


千葉 エリカ

第一高校卒業後、魔法大学に入学。長期休暇を利用して日本各地を武者修行中?


吉田 幹比古

第一高校卒業後、魔法大学に入学。大学生活の傍ら実家にて古式魔法師としての訓練も行う。


柴田 美月

第一高校卒業後、デザインの専門学校(CG専攻)に入学。さらに、吉田家に住み込みとなって吉田家の手伝いをするが、そのうち住み込んでしまう。美月の両親からは「責任さえ取ってもらえれば」と公認状態。


光井 ほのか

第一高校卒業後、魔法大学に入学。北山家がスポンサーを務める恒星炉プロジェクトのお手伝いとして巳焼島に積極的に行く。

北山 雫

第一高校卒業後、魔法大学に入学。北山家がスポンサーを務める恒星炉プロジェクトの責任者の代理として参加中。

一条 将輝

第三高校卒業後、魔法大学に入学。達也が巳焼島に引きこもっているのを好機と見て深雪にアタックを仕掛けてはリーナに冷たく追い払われている。さらに家には妹の茜と劉麗蕾の訪問を受けており国防軍からはほぼ公認状態。

吉祥寺 真紅郎

第三高校卒業後、魔法大学に入学。彼の能力を大学で遊ばせるのは国難だとして引き続き金沢の研究所にて研究を続けさせるべきだという声が挙がったが一条が大学に行くと決めたら付いて行った。

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考察・解説

巳焼島事変の終結

西暦2097年8月に発生した巳焼島事変は、達也の圧倒的な武力行使によって軍事的には鎮圧された。しかし、その事後処理と終結までのプロセスは、政治、外交、情報戦が複雑に絡み合うものであった。本事変が終結に至るまでの重要なポイントを以下の通り解説する。

巳焼島事変の概要とUSNAの対応

8月4日、巳焼島が新ソ連エージェントに騙されたUSNA海軍部隊と、破壊工作員の混成部隊に襲撃された。
・この事件によりUSNA軍が日本の領土を攻撃したという事実が残り、USNAの国際的信用の失墜は避けられない状況となった。
・事態を収拾するため、USNAは国防長官リアム・スペンサーを日本へ派遣し、表向きは日本政府との関係修復を図った。

達也とUSNAの極秘会談と協力関係の構築

事件から5日後の8月9日、両国首脳の会談の裏で、真の主役である司波達也とUSNA国防長官付き秘書官ジェフリー・ジェームズによる極秘会談が行われた。
・達也は、今回の事件はエドワード・クラーク個人の責任であり、USNAと敵対するつもりはないことを明言した。
・USNA側は達也を自陣営に取り込むべくアメリカへの移住を提案したが、達也はこれを拒否した。
・代案として、以下の条件で協力関係を結ぶことに合意した。

  1. 達也からUSNAへの恒星炉技術の提供と、技術者派遣団の受け入れ。
  2. USNAから達也への資金協力と、国家公認戦略級魔法師アンジー・シリウス(リーナ)の無償無期限貸与(日本での一高通学)。

国内世論と友人たちによるテレビ証言

事件後、一部のメディアは達也に関する事実を歪曲するシナリオをでっち上げようとしていた。
・これを阻止するため、8月11日、偶然巳焼島に居合わせたエリカ、レオ、幹比古の3人が生放送のニュース番組に出演した。
・魔法科高校生であり達也の友人である彼らが直接事実を証言したことで、悪意あるフェイクニュースや情報操作は防がれ、世間の好意的な反応を引き出すことに成功した。

臨時師族会議における糾弾と逆転

同日、金沢で開催された臨時師族会議において、達也は厳しい追及を受けた。
・一部の当主は、達也が自衛を正当化するメッセージを世界へ発信したことや、強大な軍事力を見せつけたことで魔法師への迫害が強まると非難した。
・これに対し達也は、ベゾブラゾフの奇襲を事前に把握しながら警告しなかった国防軍との信頼関係の崩壊を指摘し、政府への全面依存の危険性を説いて一部の支持を得た。
・さらにUSNAとの交渉により、シリウス中佐を自らの保護下で預かることになったと報告し、攻守を完全に逆転させた。達也が十師族当主たちに対して情報管理を徹底するよう釘を刺す形で会議は終了した。

政府と魔法協会の対応

この事態に反発した日本魔法協会関東支部長の百目鬼は、協会本部で達也に対する懲罰決議を強行しようとした。
・しかし採決の直前、防衛大臣から協会へ、今回の達也の行動には何の問題も無かったと認識しているという緊急連絡が入った。
・政府は、USNA政府と対等に直接交渉し、事実上の不戦条約を結べる達也の実力と影響力を無視できず、彼との関係悪化を避けたのである。
・政府の意向に逆らえない魔法協会は懲罰会議を即座に中止し、達也への追及は完全に消滅した。

まとめ

巳焼島事変は、軍事的な勝利だけに留まらなかった。達也が国内外の政治的干渉を完全に退け、国家や十師族からも独立した強大な存在としての立場を確立する形で幕を下ろしたのである。これ以降、彼は一魔法師という枠を超え、世界情勢を左右する独自の極として機能していくこととなった。

達也と米政府の和解

司波達也とUSNA(北アメリカ大陸合衆国)政府の和解は、巳焼島での激しい戦闘(巳焼島事変)の直後に、USNA側からの歩み寄りによって成立した。達也が世界に向けて発信した声明により、彼が一個人で大国に匹敵する抑止力であることが証明されたため、USNAは彼を敵に回すのではなく、協力関係を築く方針へと転換した。和解の経緯と内容は以下の通りである。

秘密特使の派遣と大統領親書

巳焼島事変から数日後、USNA国防長官リアム・スペンサーが事態収拾のために緊急来日し、世間の耳目を集めた。
・その裏で、マスコミが去った巳焼島に、アンジェリーナ・シールズ(リーナ)がUSNAの秘密特使として訪れた。
・彼女はホワイトハウスから達也宛ての大統領親書を届けており、その内容は太平洋地域の安定を目的とした協力関係の構築、すなわち事実上の和解提案であった。

和解と協力関係の条件

大統領親書には、和解の証として以下の条件が提示されていた。
・恒星炉計画への資金提供:達也が進めている魔法恒星炉を用いたエネルギープラント計画に対し、USNA政府が資金協力を行う。
・リーナの無償無期限貸与:国家公認戦略級魔法師アンジー・シリウスであるリーナを、無期限かつ無償で達也の協力者として貸与する。
これは、軍を離れる決意をしていた彼女の亡命という体裁を避け、レンタルという名目で日本滞在を公認するUSNA側の面子を保つための措置でもあった。達也はこの提案を受け入れ、即座に返書を作成した。

ジェフリー・ジェームズとの極秘会談

和解の書簡を交わした後、達也はUSNA国防長官付き秘書官であるジェフリー・ジェームズと東京都内のホテルで極秘に面会した。
・この会談で達也は、今回の巳焼島への奇襲はエドワード・クラーク個人の責任であるとし、USNAと敵対するつもりはないと明言した。
・ジェームズは達也に対し、アメリカへの移住と最高の研究環境の提供を提案したが、達也は巳焼島のプロジェクトを理由にこれを拒否した。
・その代案として、達也からの恒星炉技術の提供と引き換えに、USNAからの技術者派遣団(アビゲイル・ステューアット博士ら)を受け入れることで合意した。

達也の立場の確立

後日開催された臨時師族会議において、達也はこれらの交渉結果を報告し、USNA政府と対等な取引を成立させたことを明らかにした。
・この和解により、達也はUSNAという超大国と事実上の不戦条約を結び、国家や十師族の思惑からも独立した、世界的な影響力を持つ存在としての地位を確固たるものにした。

まとめ

司波達也とUSNA政府の和解は、単なる軍事的衝突の回避に留まらず、魔法師個人が国家と対等な外交を展開するという歴史的な転換点となった。彼は自らの力を背景に、資金援助や技術協力、そしてリーナという大切な仲間の安全を確保することに成功したのである。この出来事は、彼が世界のパワーバランスを左右する独自の極として確立されたことを象徴している。

臨時師族会議の招集

臨時師族会議(金沢開催)は、西暦2097年8月11日、石川県金沢市の加賀大門ホテルにおいて、十師族の全当主が勢揃いする形で緊急に開かれた。この会議は、司波達也という一個人が国家の枠組みを超えた強大な武力を行使したことに対し、十師族としての危機感を共有し、今後の対応方針を決定することを目的としたものである。

招集の背景と追及の始まり

会議の主な議題は、数日前に発生した巳焼島事変に関する達也の行動である。
・達也はUSNAの侵攻部隊を退け、新ソ連のミサイル基地を破壊した直後、自らの武力行使を正当化するメッセージを世界へ向けて発信した。
・会議の序盤、一条剛毅はこの独断専行を激しく詰問し、達也は被告人のような立場で厳しい追及を受けることとなった。

魔法師の権利と政府管理を巡る対立

議論の中心は、強大すぎる力を持つ戦略級魔法師の管理のあり方であった。
・三矢元は、民間の魔法師が国家に匹敵する軍事力を世界に示したことで、社会の恐怖を煽り、魔法師への迫害が強まることを危惧した。
・十師族が掲げる魔法師の人として生きる権利を守るためにも、戦略級魔法師は政府の管理下にあるべきだと主張し、達也の行動を非難した。

達也の反論と当主たちの同調

これに対し達也は、政府に全面依存することの危険性を指摘して真っ向から反論した。
・過去に新ソ連による奇襲を国防軍が事前に把握していながら警告しなかった事実を挙げ、国防軍との信頼関係は壊れていると断定した。
・政府に絶対服従しても、政治的判断で排除される可能性がある以上、自らの身を守るためには政府に対する有効な交渉材料を持つべきだと主張した。
・この意見に対し、自身の娘を軍に利用された経験を持つ五輪勇海や七宝拓巳らが支持に回り、無条件で軍の管理に甘んじるべきではないと反発した。

USNAとの交渉報告と攻守の逆転

四葉真夜の介入により、本題であるUSNAとの交渉結果の報告へ移ると、場の空気は一変した。
・達也はUSNA側と極秘会談を行い、恒星炉技術の提供と引き換えに、資金協力と戦略級魔法師アンジー・シリウスの無償無期限貸与を取り付けたと報告した。
・他国の戦略級魔法師を一個人が保護下に置くという異常事態に当主たちは動揺した。
・達也は、彼女の正体が露見すれば日米関係が悪化すると警告し、逆に十師族の当主たちに対して情報管理の徹底を求めるよう釘を刺した。

まとめ

達也を糾弾するために招集された臨時師族会議であったが、最終的には達也が十師族の当主たちを圧倒する結果となった。彼はこの場で、自らの独立した立場と、国家を介さずとも大国と渡り合える強大な影響力を明確に見せつけたのである。

九島光宣との決着

九島光宣との決着は、単なる武力による討伐ではなかった。それは光宣、達也、そして水波のそれぞれの想いが交錯する形で結末を迎え、2年半の時を経て「新たな選択肢」へと繋がっていくこととなった。

東富士演習場での最終決戦

USNA西海岸に潜伏していた光宣は、達也による捜索の手が及んだこと、そして水波の容態を案じたことから日本への帰国を決意した。
・光宣は達也に対し、東富士演習場での決闘を申し入れた。
・高度な偽装魔法である鬼門遁甲や仮装行列に加え、強力な雷撃や青天霹靂などの魔法を駆使して達也を追い詰めようとした。
・対する達也は、全身に高密度の想子層を纏う接触型術式解体で直接干渉魔法を防ぎつつ、過去の位置情報から光宣の実体を追跡した。
・遂に達也は光宣の胸を貫き、その心臓を破壊するに至った。

達也の真の狙いと光宣の拒絶

心臓を破壊した達也の真の狙いは、光宣を殺害することではなかった。
・心臓死に追い込むことで肉体からパラサイトを追い出し、それをアストラル・ディスパージョンで滅ぼす計画であった。
・その後、自身の魔法である再成で肉体を復元し、光宣を人間の姿に戻して救うことが真の目的であった。
・しかし、光宣はその意図を見抜きながらも、自らパラサイトを引き戻して心臓を再生させ、人間に戻ることを拒絶した。
・光宣が拒絶した理由は、水波への深い贖罪と愛情であった。以前、水波が光宣を庇って魔法を過剰行使したことで彼女の症状は悪化しており、自分がパラサイトとして水波の精神の奥底に沈み、安全装置になることが唯一の治療法だと考えていたのである。

水波の決断と人工冬眠

このやり取りを聞いていた水波は、光宣の犠牲の上に自分が生きながらえることを望まなかった。
・水波は「私をパラサイトにしてください」と告げ、人として長く生きられないことを悟った上で、光宣と共に生きる道を選んだ。
・光宣はこの願いを受け入れ、二人でパラサイトとして人工冬眠につき、命が尽きるまで夢の世界を共有することを提案した。
・これは精神の時間を極限まで減速させる魔法であり、達也と深雪もこの決断を受け入れた。
・二人は巳焼島の地下深くにある特殊監獄において、永遠に等しい深い眠りにつくこととなった。

まとめ

光宣との決着は地下牢獄での冬眠という形をとったが、約2年半の時を経て新たな展開を迎えた。達也はこの間、光宣の冬眠魔法の原理を解明し続けており、ついに深雪の魔法で二人を目覚めさせることに成功した。

達也は地上に居場所がない二人のために、新ソ連の潜水艦を改造した宇宙船「高千穂」を衛星軌道上に用意した。この宇宙船は恒星炉を動力源とし、100年は快適に暮らせる設計となっている。光宣と水波はこの提案を感謝と共に受け入れ、宇宙空間で組み立てられた「高千穂」に乗り込み、二人での新しい生活をスタートさせたのである。

水波のパラサイト化

桜井水波のパラサイト化は、彼女自身が抱える致命的な病状と、彼女を救おうとする九島光宣の自己犠牲、そしてそれに報いようとした水波の決断によって引き起こされた。その背景から結末までの経緯を以下に整理する。

パラサイト化の背景と光宣の自己犠牲

水波は、魔法演算領域のオーバーヒートという致命的な症状を抱えており、魔法師として、あるいは人としての命が長くない状態にあった。
・光宣に連れ去られた逃亡中に米軍から襲撃を受けた際、光宣を庇って高出力の魔法を使ったことで、その症状は決定的に悪化した。
・光宣は水波を救うため、水波の中にパラサイトを埋め込んで無害化し、それを魔法演算領域の活動を抑える蓋として機能させた。
・しかし、それでは根本的な治療にならないため、光宣は達也に自分を殺させることで、自らの霊体ごとパラサイトを水波の精神の奥底に沈め、魔法演算領域の安全装置になろうと提案した。

水波の決断と志願

水波は、光宣が自分のために命を捨てることを望まなかった。
・彼女は深雪に対し、人として長くない自分は本日ただ今を以てお暇を頂戴したいと告げ、人であることを捨てる決意を明かした。
・水波は自らの意思で光宣に、私をパラサイトにしてくださいと懇願した。
・彼女は光宣を新たな主とし、パラサイトが許されないこの世界で、二人で同じ夢を見ながら命が尽きるまで微睡みの檻で眠りにつくことを望んだのである。

巳焼島での儀式と人工冬眠

水波と光宣の願いを受け入れた達也は、二人を巳焼島の地下深くにある特殊牢獄へ案内した。
・決戦から3日後の8月28日、光宣の導きによって水波をパラサイト化する儀式が行われた。
・目覚めた水波はパラサイトへと変貌していたが、自我は全く損なわれておらず、光宣の思考や声とも明確に区別がついていた。
・儀式の成功を確認した後、二人は光宣の人工冬眠魔法によって、仮死状態に近い深い眠りについた。

まとめ

達也は二人をただ眠らせておくだけでなく、彼らが平和に暮らせる場所を用意するために2年半の歳月を費やした。
・西暦2200年の春、達也が解析した解除魔法を深雪が発動し、光宣と水波は眠りから目を覚ました。
・達也は地上に居場所のない二人のために、新ソ連の大型潜水艦を改造し恒星炉を搭載した宇宙船高千穂を用意していた。
・光宣と水波はこの提案を感謝と共に受け入れ、達也たちの魔法によって高千穂ごと高度6,400キロメートルの衛星軌道上へと打ち上げられ、宇宙という新たな居場所へ旅立っていったのである。

魔法科高校の卒業

西暦2098年3月15日、第一高校は後に語り継がれる特別な卒業式を迎えた。司波達也や深雪をはじめとするこの年の三年生は、過去の三巨頭をも凌ぐ傑出した実力者揃いであり、彼らが在籍した三年間は一高の本当の黄金期と称されるほどであった。本稿では、魔法科高校の卒業にまつわる重要な出来事と、主要メンバーのその後の進路について解説する。

異例の卒業式と規格外への到達

卒業生170名の中で、最優秀生として最初に名前を呼ばれたのは順当に深雪であったが、最後に名前を呼ばれたのは達也であった。
・壇上に上がった達也に対し、百山校長は通常の卒業証書に加え、在学中の多大な貢献と学校の名誉を高めたことへの感謝を全校生徒の前で述べた。
・一人の卒業生が校長から個別に感謝の言葉を贈られるのは前代未聞の出来事である。
・入学時には劣等生(二科生)とされた達也が、優劣の枠を超えた規格外の存在として卒業を迎えた瞬間であった。

合同パーティーと将輝との殴り合い

式後の卒業パーティーは、一科生、二科生、魔工科生の区別をなくした合同のガーデンパーティーとして中庭で開催された。
・パーティーの最中、三高の一条将輝が達也を空き地へ呼び出した。
・将輝は達也に対し、深雪への想いをぶつけるとともに、お前は彼女を女性としてではなく、妹として愛しているだけなのではないかと痛烈に問い詰めた。
・この言葉は達也自身の心の奥底にあった疑念を突くものであり、激昂した二人は魔法を一切使わず、己の感情と素の拳だけをぶつけ合う泥臭い殴り合いに発展した。

愛の宣言と桜の下の門出

体力と耐久力で勝る達也が最終的に将輝を打ち負かし、深雪は渡さない、誰にもだ、と勝利の叫びを上げた。
・周囲を取り囲んでいた大勢の生徒たちから万雷の拍手が湧き起こる中、赤面し涙ぐむ深雪もまた、わたしも達也様を誰にも渡さないと宣言し、二人の関係は公のものとなった。
・達也は深雪の手を取り、友人たちの温かい笑顔と拍手で作られた人垣を抜け、舞い散る桜の下を力強く駆け抜けていった。
・二人は兄妹としてではなく、婚約者同士として一高を巣立っていったのである。

卒業後の主要メンバーの進路

高校卒業後、主要なメンバーはそれぞれの道へと進むこととなった。進路の詳細は以下の通りである。
・達也、深雪、リーナ:魔法大学へ進学した。達也は巳焼島の研究室に引きこもりがちで大学の成績面では劣等生となるが、深雪は優等生を続け、リーナは彼女の護衛として常に行動を共にし、白百合と金の百合と呼ばれた。
・エリカ:警察や一般大学からも勧誘を受けていたが、最終的に魔法大学へ進学した。長期休暇には日本各地を巡る武者修行に出ている。
・レオ:魔法に頼らない救助技術を学ぶため、防衛大ではなく克災救難大学校(レスキュー大)へ進学し、過酷な訓練に励んでいる。
・美月と幹比古:幹比古は魔法大学へ進学し、美月はデザインの専門学校(CG専攻)へ進んだ。美月は幹比古の実家に泊まり込んで古式魔法の体系化や吉田家の仕事を手伝うようになり、二人の関係は急激に進展した。
・ほのかと雫:魔法大学へ進学した。雫は北山家の代理としてプラント関係の打ち合わせに出席し、ほのかは彼女の護衛兼世話役として行動を共にしている。

まとめ

司波達也たちが駆け抜けた第一高校の三年間は、制度や身分の壁を崩し、魔法師の在り方を問い直す日々であった。彼らが卒業式で見せた愛の宣言と、その後の多様な進路は、後輩たちにとっても大きな希望と指針となった。一高の本当の黄金期を築いた彼らは、学び舎を離れた後もそれぞれのフィールドで魔法界の歴史を塗り替え続けていくのである。

宇宙居住計画の始動

宇宙居住計画の始動は、物語の終盤に明かされた司波達也らによる壮大なプロジェクトである。地上に居場所を失い、パラサイトとなった九島光宣と桜井水波に安住の地を提供することを目的としている。

計画の背景と達也の真意

光宣と水波は、巳焼島の地下深くで人工冬眠についていた。達也はこの2年半の間、彼らを救済するための新たな選択肢として宇宙への移住を準備していた。
・当時、USNA政府は自国のパラサイトを火星探査船に乗せ、帰還手段を与えずに宇宙へ追放していた。
・これに対し、達也は光宣たちを追放するのではなく、迫害の危険がない宇宙空間に平和に暮らせる隠れ家を用意することを目指した。

宇宙船「高千穂」の全貌

達也が用意した宇宙船「高千穂」は、かつて巳焼島へ侵攻した新ソ連の大型潜水艦「クトゥーゾフ」を改造したものである。
・規模と内装:全長約170メートル、最大幅約20メートルの巨大な船体であり、内装のデザインは深雪が担当した。
・居住環境:達也が開発した恒星炉をメイン動力とし、補助の太陽光発電システムを搭載している。また、人造レリックを利用した人工重力システムにより、地上と同様の環境で100年間は快適に暮らせる設計となっている。
・地上とのアクセス:達也が開発した魔法「仮想衛星エレベーター」により、物資の送受や地上との行き来が1日に5回ほど可能である。

魔法による打ち上げと軌道上での組み立て

西暦2200年4月1日、巨大な宇宙船を高度6,400キロメートルの衛星軌道へ打ち上げるための大規模魔法が実行された。
・分解:達也が魔法によって高千穂を最大10メートル四方のパーツ群に分解する。
・転送:深雪とリーナが巨大な刻印魔法陣を発動し、パーツと二人が乗る気密室を衛星軌道上へ一気に転送する。
・組み立て:最後に達也が自身の固有魔法「再成」を発動し、宇宙空間へ送られたパーツ群を瞬時に元の形へ復元した。

まとめ

転送から1分後、光宣と水波から各システムが正常に稼働したとの通信が届き、移住計画は無事に成功を収めた。この出来事は、単に特定の個人を救済したというだけでなく、魔法師がその力をもって世界と宇宙を舞台に活躍する新しい時代の幕開けを象徴するものとなったのである。

魔法科 (31) 未来編レビュー
魔法科 まとめ(3年生)
魔法科シリーズ まとめ
続・魔法科 (1)レビュー

登場キャラクター

第一高校

司波達也

深雪の婚約者であり、四葉家直系に連なる。魔法科高校の生徒でありながら、世界的な影響力を持つ魔法師として知られている。「トーラス・シルバー」の正体でもある。

・所属組織、地位や役職
 第一高校・生徒(E組)。四葉家直系。
・物語内での具体的な行動や成果
 USNA国防長官付き秘書官と面会し、恒星炉技術の提供等に関する協力関係を築いた。光宣との戦いでは心臓を破壊しパラサイトを分離しようと試みる。最終的に光宣と水波を宇宙船「高千穂」で宇宙へ送り出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 卒業式で校長から異例の感謝状を授与される。卒業後は魔法大学へ進学する。

司波深雪

達也の婚約者であり、四葉家次期当主の立場にある。一高の生徒会長を務める。

・所属組織、地位や役職
 第一高校・生徒(A組)。生徒会長。四葉家次期当主。
・物語内での具体的な行動や成果
 水波の体調不良にいち早く気付き、看病にあたった。卒業式において卒業生代表として謝辞を述べる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 卒業後は魔法大学へ進学する。

アンジェリーナ・クドウ・シールズ

USNAの国家公認戦略級魔法師「アンジー・シリウス」の正体である。達也と深雪の保護下にあり、深雪の護衛を務めている。

・所属組織、地位や役職
 第一高校・生徒(A組)。USNA軍中佐。
・物語内での具体的な行動や成果
 USNA当局に対して光宣の捜索を依頼した。卒業パーティーでは深雪たちの護衛を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 日本に留まり、魔法大学へ進学する。

光井ほのか

深雪の友人として行動を共にする。達也に好意を寄せている。

・所属組織、地位や役職
 第一高校・生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
 交流戦の準備において雫や深雪と情報共有を行った。卒業パーティーの余興では深雪の背中を押す役割を果たす。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 魔法大学へ進学する。

北山雫

ほのかの親友として描かれる。モノリス・コードの愛好家の一面を持つ。

・所属組織、地位や役職
 第一高校・生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
 交流戦の準備に積極的に関わった。卒業パーティーではほのかに付き添う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 魔法大学へ進学する。北山家がスポンサーを務める恒星炉プラント関係の打ち合わせに、父親の代理で出席するようになる。

七草泉美

深雪に強い憧れを抱く。深雪の後任として生徒会長に就いた。

・所属組織、地位や役職
 第一高校・生徒会長。
・物語内での具体的な行動や成果
 登校した深雪に対して熱烈な挨拶をした。卒業パーティーに一条将輝を招待する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

七草香澄

泉美の双子の姉にあたる。妹の行動をたしなめる場面が多い。

・所属組織、地位や役職
 第一高校・生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
 深雪に抱きつく泉美を引き剥がした。卒業パーティーで達也たちを見送る。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

西城レオンハルト

達也の友人として交流を持つ。硬化魔法を得意とする。

・所属組織、地位や役職
 第一高校・生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
 テレビ番組に出演し、巳焼島での戦闘について証言した。モノリス・コード交流戦の選手候補に推されたものの、辞退してエリカを推薦する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 克災救難大学校へ進学する。

吉田幹比古

達也の友人であり、古式魔法の術者として知られる。

・所属組織、地位や役職
 第一高校・生徒。前風紀委員長。
・物語内での具体的な行動や成果
 テレビ番組に出演し、巳焼島の戦闘について証言を行った。交流戦の選手選考会議で女子の参加機会を確保する発言をする。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 魔法大学へ進学する。

千葉エリカ

達也の友人の一人である。剣術と魔法を組み合わせた白兵戦を得意としている。

・所属組織、地位や役職
 第一高校・生徒(F組)。
・物語内での具体的な行動や成果
 テレビ番組で巳焼島の戦闘について証言し、達也への情報操作を防いだ。モノリス・コード交流戦の選手に選ばれ、達也から「魔法式斬壊」の技術を教わる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 警察などから勧誘を受けたが、魔法大学への進学を決める。

五十嵐鷹輔

部活連の会頭を務める。気弱な性格だが実力は認められている。

・所属組織、地位や役職
 第一高校・部活連会頭。
・物語内での具体的な行動や成果
 交流戦の選手選考会議で進行役を担った。女子選手出場のルール整備について他校と協議する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

三矢詩奈

一高の生徒会で書記を務めている。

・所属組織、地位や役職
 第一高校・生徒会書記。
・物語内での具体的な行動や成果
 交流戦の選手選考会議において記録係を担当した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

森崎俊

技巧派魔法師として校内で評価されている。

・所属組織、地位や役職
 第一高校・生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
 交流戦の選手候補に推薦されたが、自身は力不足として辞退の意を示した。代わりに西城レオンハルトを推薦する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

相津

剣術部の部長として活動している。

・所属組織、地位や役職
 第一高校・剣術部部長。
・物語内での具体的な行動や成果
 交流戦の選手選考会議において、西城レオンハルトの出場に賛成の意を表した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

隅守健人

達也のアシスタントを務めた経験を持つ。

・所属組織、地位や役職
 第一高校・二年生。
・物語内での具体的な行動や成果
 エリカが交流戦で使用するデバイスの調整を請け負った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

柴田美月

達也の友人である。霊子放射光過敏症を抱える。

・所属組織、地位や役職
 第一高校・生徒(E組)。美術部員。
・物語内での具体的な行動や成果
 卒業間近までクラブ活動のために登校を続けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 デザインの専門学校へ進学し、吉田幹比古の古式魔法研究を手伝うことになる。

明智英美

一高の生徒として登場する。

・所属組織、地位や役職
 第一高校・生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
 卒業パーティーの場でほのかと雫を呼び寄せた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

里美スバル

一高の生徒として登場する。

・所属組織、地位や役職
 第一高校・生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
 卒業パーティーの場でほのかと雫を呼び寄せる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

百山東

一高の校長を務めている。

・所属組織、地位や役職
 第一高校・校長。
・物語内での具体的な行動や成果
 卒業式において達也に対し、学校の名誉を高めたことへの感謝状を授与した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

四葉家

桜井水波

深雪のメイドとして仕える。調整体魔法師の第二世代にあたる。

・所属組織、地位や役職
 四葉家・メイド。
・物語内での具体的な行動や成果
 魔法演算領域のオーバーヒートを防ぐため、光宣によって不活性のパラサイトを埋め込まれた。光宣を主として生きる道を選び、自らパラサイト化する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 光宣と共に宇宙船「高千穂」に乗り、宇宙へ旅立つ。

葉山

四葉家当主の真夜に仕える執事である。元老院のエージェントという裏の顔も持つ。

・所属組織、地位や役職
 四葉家・筆頭執事。
・物語内での具体的な行動や成果
 魔法協会からの出頭命令について達也へ連絡を入れた。真夜の命を受け、達也と光宣の戦いに備えた包囲の手配を行う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

花菱兵庫

達也の専属執事として活動する。

・所属組織、地位や役職
 四葉家・執事。
・物語内での具体的な行動や成果
 達也を金沢の師族会議会場へヘリコプターで送迎した。深雪たちを調布の自宅や一高へ送り届ける。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

四葉真夜

四葉家の現当主として君臨する。

・所属組織、地位や役職
 四葉家・当主。
・物語内での具体的な行動や成果
 臨時師族会議に出席し、達也にUSNAとの交渉結果を説明させた。達也に対して光宣の処理を一任する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ピクシー

パラサイトを宿したホームヘルパーロボットである。達也に対して絶対の忠誠を誓う。

・所属組織、地位や役職
 3H(ヒューマノイド・ホーム・ヘルパー)。
・物語内での具体的な行動や成果
 達也から家事と国外からのパラサイト侵入感知を命じられた。志摩半島沖でのパラサイト波動を感知し、達也へ報告する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 達也から直接、想子の供給を受けるようになった。

十師族・師族会議・関連組織

一条剛毅

一条家の当主として一族を束ねる。

・所属組織、地位や役職
 十師族・一条家当主。
・物語内での具体的な行動や成果
 臨時師族会議の場で、巳焼島での戦闘後に達也が発信したメッセージの真意を詰問した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

二木舞衣

二木家の当主を務めている。

・所属組織、地位や役職
 十師族・二木家当主。
・物語内での具体的な行動や成果
 金沢で開催された臨時師族会議に出席した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

三矢元

三矢家の当主として一族を率いる。

・所属組織、地位や役職
 十師族・三矢家当主。
・物語内での具体的な行動や成果
 臨時師族会議において、戦略級魔法師は政府の管理下にあるべきだと主張し、達也と対立した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

五輪勇海

五輪家の当主を務める。

・所属組織、地位や役職
 十師族・五輪家当主。
・物語内での具体的な行動や成果
 臨時師族会議の場で、国防軍に民間魔法師の管理を委ねることの危険性を指摘し、達也の意見に賛同する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

六塚温子

六塚家の当主として一族を束ねる。

・所属組織、地位や役職
 十師族・六塚家当主。
・物語内での具体的な行動や成果
 金沢で開催された臨時師族会議に出席した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

七草弘一

七草家の当主として影響力を持つ。

・所属組織、地位や役職
 十師族・七草家当主。
・物語内での具体的な行動や成果
 臨時師族会議において、達也の行動を批判する意見に同調した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

七宝拓巳

七宝家の当主を務めている。

・所属組織、地位や役職
 十師族・七宝家当主。
・物語内での具体的な行動や成果
 臨時師族会議の場で、達也の意見を支持する立場をとった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

八代雷蔵

八代家の当主として一族を率いる。

・所属組織、地位や役職
 十師族・八代家当主。
・物語内での具体的な行動や成果
 臨時師族会議において、達也を追及する一条剛毅を制止した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

十文字克人

十文字家の当主として影響力を持つ。

・所属組織、地位や役職
 十師族・十文字家当主。
・物語内での具体的な行動や成果
 臨時師族会議の場で、達也を被告扱いする一条剛毅を制止し、達也に着席を促す。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

第三高校

一条将輝

一条家の長男である。達也にライバル心を抱き、深雪に対して好意を寄せる。

・所属組織、地位や役職
 第三高校・三年生。
・物語内での具体的な行動や成果
 劉麗蕾を伴って臨時師族会議の会場を訪れた。卒業パーティーの場で達也と殴り合いの喧嘩をする。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 魔法大学へ進学する。

魔法協会

百目鬼

魔法協会関東支部長を務める。権威主義的な態度を取ることが多い。

・所属組織、地位や役職
 魔法協会・関東支部長。
・物語内での具体的な行動や成果
 達也に支部への出頭を命じたが拒否された。臨時会議の場で達也への懲罰決議を求める。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

十三束翡翠

魔法協会の会長として組織をまとめる。

・所属組織、地位や役職
 魔法協会・会長。
・物語内での具体的な行動や成果
 百目鬼が求めた達也への懲罰決議を進行しようとした。防衛大臣からの連絡を受け、会議の中止と閉会を宣言する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

USNA

ジェフリー・ジェームズ

USNA国防長官付きの秘書官として活動する。

・所属組織、地位や役職
 USNA国防長官付き秘書官。
・物語内での具体的な行動や成果
 ホテルで達也と会談し、恒星炉技術の提供と引き換えに技術者派遣を受け入れさせた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

アビゲイル・ステューアット

FAE理論を実用化した天才科学者である。リーナと個人的な付き合いがある。

・所属組織、地位や役職
 USNA・スターズ技術顧問。
・物語内での具体的な行動や成果
 恒星炉プロジェクトの技術者派遣団の一員として来日した。達也に対して光宣の足取りに関する情報を提供する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

パラサイト・古式魔法師

九島光宣

パラサイトと化した魔法師である。水波を救うことを第一の目的としている。

・所属組織、地位や役職
 パラサイト。
・物語内での具体的な行動や成果
 水波を救うため、自らの精神を水波の中のパラサイトと同化させる計画を立てた。達也との戦いの後、自ら人工冬眠の魔法を掛ける。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 宇宙船「高千穂」に乗り、水波と共に宇宙へ旅立った。

レイモンド・クラーク

USNA出身のパラサイトである。光宣と行動を共にしている。

・所属組織、地位や役職
 パラサイト。
・物語内での具体的な行動や成果
 光宣とともに日本へ密入国した。達也の選択に応じ、USNA当局へ引き渡される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 火星探査船に乗せられ、宇宙へ追放された。

九重八雲

九重寺の住職であり、達也に武術を教える師匠である。凄腕の古式魔法師として知られる。

・所属組織、地位や役職
 九重寺・住職。
・物語内での具体的な行動や成果
 水波の中のパラサイトの状態を確認した。達也からの要請に従い、光宣との戦いに干渉しないことを約束する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

大亜連合

劉麗蕾

大亜連合から日本に亡命した元国家公認戦略級魔法師である。

・所属組織、地位や役職
 大亜連合・元国家公認戦略級魔法師。
・物語内での具体的な行動や成果
 一条将輝に伴われて臨時師族会議の会場に姿を見せた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 一条家に身を寄せ、国防軍の監視下で中学校に通っている。

魔法科 (31) 未来編レビュー
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展開まとめ

サクリファイス編 [1]

巳焼島襲撃とUSNAの接触

西暦二〇九七年八月四日、巳焼島は外国の武装集団に襲撃された。表向きには新ソ連の工作によって動かされたUSNA部隊と破壊工作員の混成部隊による事件とされたが、USNA軍が日本領を攻撃した事実は変わらず、国際問題へ発展していた。その収拾のため、USNAは国防長官リアム・スペンサーを日本へ派遣したが、真の目的は達也との接触であった。

達也とジェフリー・ジェームズの会談

八月九日、達也は巳焼島から東京へ戻り、USNA国防長官付き秘書官ジェフリー・ジェームズと会談した。達也はUSNAからの親書を受け取り、和解と協力関係の構築を受け入れていた。会談では、達也がUSNAそのものに敵意を持たず、エドワード・クラーク個人に責任があると考えていることが確認された。

アメリカ移住の打診と技術者派遣の受け入れ

ジェフリーは達也にアメリカ移住を提案したが、達也は巳焼島のプロジェクトを理由に辞退した。続いてジェフリーは恒星炉技術の実地研修を目的とした技術者派遣を求め、達也は工作員潜入の可能性を考慮しつつも、受け入れに向けて調整する姿勢を示した。

八雲による水波の診断

会談後、達也は深雪、水波、リーナと共に九重寺を訪れた。八雲は特殊な結界を張った僧坊で水波を検分し、当面の心配はないと判断した。水波の魔法演算領域を封じているのは無害化されたパラサイトであり、封印されたまま意識の奥底に沈められていると説明された。

パラサイト除去の困難と光宣捜索の方針

八雲は、水波の中からパラサイトを強制的に取り除くには封印を解除する必要があり、その時点で侵食や精神損傷の危険があると語った。必要なのは退魔ではなく従魔の術であり、八雲には対応できなかった。達也は光宣を探し出し、術を解除させるしかないと判断した。

逃亡先の推測とレイモンドの存在

達也は光宣の逃亡先を、周公瑾の知識と関係のある地域に絞った。極東アジアのルートは壊滅状態であるため、候補は北アメリカ、特にUSNA西海岸となった。水波の証言により、光宣にレイモンドというアメリカ出身のパラサイトが同行していたことも判明し、達也の推測は強まった。

USNAへの捜索依頼と光宣の帰国決断

達也はリーナを通じてUSNA連邦政府に光宣の捜索を依頼した。ロサンゼルスで潜伏していた光宣とレイモンドは、連邦政府が動き出すことを知り、発見されるのは時間の問題だと悟った。光宣は危険を承知で日本へ戻ると決め、レイモンドも水波の治療を見届けるため同行を申し出た。

[2]

水波の問題と達也の研究作業

八月十日、達也は四葉家東京本部の地下研究室で、魔法式保存用レリックの工業的製法の確立に取り組んでいた。水波の件はUSNA当局に光宣捜索を依頼したため、当面は結果を待つしかなかった。巳焼島へ戻るには慌ただしいと判断し、達也は研究作業に集中していた。

国防軍の協力と深雪の登校

深雪から、国防軍がモノリス・コード交流戦に協力するという報せが入った。達也はUSNA政府との接触を日本側が警戒した結果だと推測し、不快感を抱いたが表には出さなかった。深雪は交流戦準備のため登校を希望し、達也も同行しようとしたが、報道関係者に付きまとわれる危険を考慮して、深雪はリーナと車で登校することにした。

九校戦中止と交流戦の背景

一高へ向かう車中で、深雪はリーナに九校戦中止の事情を説明した。大亜連合軍基地襲撃に、達也が開発した能動空中機雷が使われたことで、九校戦が危険な魔法技術の拡散源だと批判され、中止に追い込まれていた。その代替として、九校間のモノリス・コード交流戦が企画されていた。

国防軍の態度変化と校内の活気

前日まで難航していた国防軍への協力要請は、急に積極的な支援へと変わった。深雪とリーナは、この変化が達也とジェフリー・ジェームズの会談に起因すると推測していた。交流戦開催の報せにより、夏休みの一高は多くの生徒で賑わっていた。

部活連本部と食堂での情報共有

深雪とリーナは泉美や香澄と合流し、部活連本部でほのかや雫から交流戦開催の急展開を聞いた。その後、食堂で昼食を取りながら準備会議や選手選考について話し合った。達也の出場も話題に上ったが、深雪は多忙と実力の突出を理由に参加は不可能だと述べ、周囲もそれを受け入れた。

選手選考会議と十師族血縁者の辞退

部活連本部では、五十嵐鷹輔を進行役として選手選考会議が始まった。まず、他校代表との協議により、十師族血縁者は出場を辞退することが報告された。参加者たちは一時ざわめいたが、事情を理解して受け入れた。

森崎の辞退とレオの推薦

候補には幹比古、五十嵐、森崎が挙がった。森崎は技巧派魔法師として評価されていたが、自分は代表に相応しくないとして辞退し、代わりに西城レオンハルトを推薦した。レオは自分の魔法適性を理由に辞退しようとしたが、周囲は彼の出場に前向きだった。

エリカ推薦と女子出場の議論

レオは、自分よりも千葉エリカの方が実戦慣れしており戦力になると主張した。女子出場への懸念も出たが、モノリス・コードが直接接触禁止の競技であること、大学やアメリカに女子戦・男女混合戦の例があることから、議論は前向きに進んだ。

交代制とエリカの出場方針

幹比古は、九校戦の代替行事である以上、女子の参加機会を確保すべきだと発言した。深雪は三人固定ではなく、試合ごとに入れ替え可能な方式を提案し、全会一致で承認された。エリカは交代要員を含めた出場を条件に受け入れた。

デバイス準備と技術班の対応

エリカは出場に際し、使用する道具には妥協しないと宣言した。これに対し、隅守健人がデバイスの仕上げを責任を持って行うと申し出た。エリカはその言葉に満足し、交流戦へ向けた準備が本格的に進むことになった。

[3]

魔法協会からの出頭命令と達也の拒否

一高で交流戦の選手選考が進む頃、達也のもとに魔法協会関東支部長の百目鬼から電話が入った。百目鬼は支部長の権威を盾に出頭を命じたが、達也は協会に無条件で魔法師を呼び出す権限はないと指摘し、正式手続きを踏むよう求めて要求を退けた。

四葉家からの連絡と師族会議出席決定

通話中に葉山から連絡が入り、達也は百目鬼との通話を打ち切った。葉山は魔法協会の態度に不快感を示しつつ、臨時師族会議への出席意向を確認した。達也は四葉真夜の判断に従う意思を示し、翌日金沢での会議出席を決めた。

交流戦選考結果と一高の変化の実感

夕食時、達也は深雪とリーナから交流戦の選手選考結果を聞いた。エリカの選出を興味深く受け止めると同時に、かつての一高では考えられなかった変化として校風の変容を実感した。

競技ルールとエリカの不利

達也はエリカの実力を評価しつつも、モノリス・コードのルールが白兵戦を封じているため不利になると判断した。リーナはUSNAとの競技差を説明し、達也は日本では純粋な競技として扱われている点を指摘した。

金沢出発と深雪の同行回避

翌朝、達也は師族会議出席のため金沢へ向かった。深雪は同行せず、冷静に見送った。達也はその態度に違和感を覚えたが表には出さなかった。出発前には、政府対応は受ける一方で魔法協会や報道は無視するよう指示し、リーナと水波に深雪の護衛を任せた。

深雪が同行しなかった理由

見送り後、リーナは深雪に同行しなかった理由を問い、深雪は一条家当主との過去の対立を避けるためだと明かした。この問題は未解決のままであり、再燃の可能性を懸念していた。

師族会議と達也への追及

金沢の会場には十師族当主が集結し、達也に対する追及が始まった。已焼島戦後の発言について問われた達也は、自衛と責任転嫁のための行動だったと説明し、自らが責任を負う形を取った意図を明かした。

戦略級魔法師管理を巡る対立

一部当主は戦略級魔法師を政府管理下に置くべきだと主張したが、達也はその矛盾に内心で反発した。五輪勇海や七宝拓巳が達也を支持し、議論は単純な統制問題ではなく、魔法師の立場を巡る対立へと発展した。

国防軍との決別宣言

達也は自身が非公式の軍人として活動していた過去を認めた上で、今後は命令には従わないと明言した。ベゾブラゾフの奇襲に関する情報未共有を理由に、国防軍との信頼関係が破綻したと断じた。

USNAとの協力関係の説明

達也はUSNAとの交渉内容を説明し、恒星炉技術提供と引き換えに資金協力とリーナの貸与を受けたことを明かした。さらに、リーナの正体が露見すれば国際問題になるとして、情報管理の徹底を求めた。

将輝との再会と亡命魔法師の存在

会議後、達也は将輝と再会し、大亜連合の戦略級魔法師である劉麗蕾が一条家に保護されている事実を知った。彼女は敗戦責任を問われ亡命していたが、達也は深入りせず話を本題へ戻した。

戦略級魔法師管理条約の危険性

将輝から条約案の説明を受けた達也は、魔法協会の査察権が十師族の上位に立つ口実となる危険性を見抜いた。これは単なる管理ではなく、権力構造の変化を意味していた。

将輝への助言と進路問題

達也は将輝に対し、戦略級魔法師という肩書きは政府の都合に過ぎず、自分の魔法は自ら管理すべきだと告げた。進路についても軍に縛られる必要はないと示し、将輝は完全には納得できないままも、その考えを受け止めた。

リーナへの連絡とUSNAの本気度

一方その頃、リーナのもとにアビゲイルから連絡が入り、日本への来訪が告げられた。彼女は恒星炉プロジェクトの技術者として派遣される予定であり、その事実はUSNAがこの技術を極めて重視していることを示していた。

[4]

テレビ証言による世論への影響

八月十一日の夕方、巳焼島事変に関する証言として、エリカ、レオ、幹比古がケーブルテレビに出演した。三人は達也の友人であることを明かし、現地での体験を語った。地上波取材で意図的な誘導を受けたことから、事実の歪曲を防ぐために生放送での証言を選択したのである。この放送は大きな反響を呼び、達也に不利な情報操作を抑える効果を持った。

達也の登校とエリカへの労い

翌八月十二日、達也は深雪とリーナを伴い第一高校へ登校した。目的はテレビ出演で尽力した友人たちへの感謝を伝えることであった。校内でエリカと再会した達也は労いの言葉を掛けたが、彼女は精神的な疲労を抱えていた。それでも交流戦の準備を優先し、休まず練習へ向かう姿勢を崩さなかった。

魔法協会の懲罰会議と崩壊

同時期、京都の魔法協会本部では臨時会議が開かれ、達也への懲罰が議題となった。百目鬼は強硬に処分を主張したが、四葉家に属する達也に対する懲罰は実効性が低いとの認識が共有されていた。採決直前、防衛大臣からの連絡により政府は達也の行動を問題視しないと通達され、会議は中止された。これにより懲罰の試みは完全に頓挫した。

政府評価の伝達と情勢の整理

真夜は政府の意向が魔法協会に伝達されたことを確認し、達也との関係悪化を避ける姿勢が明確になった。USNAとの接触も把握されており、各勢力は達也の動向に強い関心を寄せていた。

交流戦ルール整備の提案

一方、一高では深雪が女子選手出場に伴うルール整備の必要性を指摘した。大学競技の例を踏まえ、防御装備の調整などの配慮が求められると提案した。五十嵐はこれを受け、他校との協議を開始することを決定した。

演習林でのエリカの成長

達也は演習林でエリカの訓練を観察した。彼女は高速移動によって魔法攻撃を回避し続け、極めて高い機動力を示した。達也はその能力を評価しつつ、直接作用型魔法への対処が不十分であると分析した。

負傷と再成による治療

模擬戦の結果、エリカは相討ちとなり負傷した。達也は即座に「再成」を発動し、損傷を完全に修復した。エリカはその負担を理解しており、感謝と同時に申し訳なさを示した。

魔法式斬壊の提案と理解

達也は対抗策として、魔法式そのものを斬る発想を提示した。魔法は情報次元の構造であるため、それを認識し破壊すれば無効化できると説明した。この考えにより、エリカは新たな戦闘手段の概念を理解した。

専用CADの開発と技術習得

達也はその場で対抗魔法用のCADを開発し、想子の刃を常時発動する装置を完成させた。エリカはこれを用いて実体の刀と併用する戦法を取り、短時間で魔法式斬壊を実用レベルにまで習得した。これにより彼女の戦闘能力は大きく向上し、交流戦への適応力を高めた。

[5]

巳焼島への帰還と技術者団の準備

八月十四日、達也たちはUSNA技術者団の来訪に備えて巳焼島へ戻った。達也は名簿の中にアビゲイル・ステューアットの名を見つけ、彼女の来日が事実であると確認した。

アビゲイルの人物像と来日への疑念

リーナは、アビゲイルがスターズの技術顧問であり、戦略級魔法や魔法兵器の開発に関わった人物であると説明した。深雪はその重要性から来日の意図を疑ったが、達也は彼女ほどの大物を工作に使うとは考えにくく、純粋な知的好奇心による来日である可能性が高いと見た。

達也とアビゲイルの対面

八月十五日、達也は巳焼島でアビゲイルと対面した。達也はFAE理論を実用化した彼女に敬意を抱き、アビゲイルも加重系魔法の難題を解決した達也を高く評価した。二人の出会いは、魔法工学上の重要な邂逅であった。

恒星炉プラントの視察と歓迎

達也はアビゲイルの希望を汲み、形式的な手順を省いて恒星炉プラントへ案内した。その後、訪日技術者団の歓迎の場が設けられた。アビゲイルは技術者団の中では浮いた存在であったが、リーナとの再会や達也・深雪の配慮により、落ち着いた会話の場が生まれた。

光宣の所在情報

歓迎の場で、アビゲイルは達也に探し人の情報を伝えた。光宣はロサンゼルスにいたが、既にロングビーチから小型クルーザーで出国していた。行き先までは不明であったが、日本へ戻る可能性を示す重要な手掛かりとなった。

光宣捜索作戦の確認

別宅へ戻った達也は、リーナと今後の方針を確認した。達也の指示により、リーナは解読されることを承知で暗号通信を行い、光宣側に捜索開始を知らせていた。その狙いどおり光宣は隠れ家を離れたが、その後の足取りは掴めていなかった。

光宣帰国への確信

深雪は、光宣が危険を承知で日本へ戻るかどうかに不安を抱いた。だが達也は、光宣が水波を見捨てることはないと断言した。深雪もその見方を受け入れたが、その言葉は水波の胸に深く突き刺さっていた。

若さゆえの無自覚

達也、深雪、リーナは、水波が受けた精神的な衝撃に気付かなかった。強大な力と判断力を持っていても、他者の心情への配慮には未熟さが残っていたのである。

[6]

光宣の帰国航行と戦闘準備

光宣とレイモンドは小型クルーザーで太平洋を西進し、日本への帰国を目指していた。船内で光宣は古式魔法の媒体である令牌の作成を進め、達也との再戦に備えていた。航行自体は自動操縦に任されており、自然条件も脅威とは見なされていなかったが、水波の治療が間に合うかという懸念が光宣の焦燥を生んでいた。

通信制約と帰国決意の強化

国外ではパラサイト同士の精神感応が機能しないため、水波の状態を把握できない状況にあった。この制約により光宣は状況を誤認し、帰国を急ぐ決意を固めていた。空路が使えないため海路を選択し、限られた時間の中で冷静さを保ちながら航行を続けていた。

達也と深雪の別行動

八月十六日、達也は巳焼島に残り、深雪・リーナ・水波は東京へ向かった。深雪の安全確保のため兵庫が護衛を担当し、移動は厳重に管理された。達也は恒星炉関連の業務に拘束され、やむなく別行動を選択していた。

ピクシーの再配置と任務強化

達也は帰還した兵庫を通じてピクシーを呼び戻し、新たな任務を与えた。家事業務に加え、国外から侵入するパラサイトの感知という監視任務を命じ、想子供給も行うことで活動基盤を強化した。これにより達也の周囲には監視体制が整えられた。

領海突入と水波の状態確認

八月十九日、光宣たちは日本領海に接近した。光宣はリスクを承知でパラサイト通信を解放し、水波の状態を確認した。その結果、封印が維持されていることを把握し、急激な悪化は無いと判断した。

存在隠蔽と行動継続

確認後、光宣は即座に隠蔽魔法「仮装行列」を発動し、自身の存在を遮断した。これにより追跡を回避しつつ、日本国内での行動を当初の計画どおり進める方針を維持した。

ピクシーによる侵入検知

同時期、達也はピクシーから西方海上におけるパラサイト波動の感知報告を受けた。位置は志摩半島南東沖であり、光宣たちの侵入を示唆するものであった。

追跡回避と受動的監視方針

達也は侵入経路や協力勢力の可能性を検討したが、過度な介入は光宣に警戒されると判断した。光宣はいずれ自ら接触してくると見込み、ピクシーに監視継続のみを命じ、積極的な追跡は行わなかった。

神戸上陸と隠れ家利用

八月二十日、光宣とレイモンドは神戸に上陸し、以前使用した南京町の屋敷へ向かった。既知の場所であることに不安もあったが、光宣は逆に安全であると判断し、裏口から侵入した。

短期拠点としての利用

屋敷では使用人に迎え入れられ、光宣は一時的な拠点として利用する方針を示した。長期滞在は避ける考えを明確にし、すでに次の行動へ意識を向けていた。

[7]

水波の不調と深雪の即応

八月二十三日の朝、深雪はダイニングで呆然と座る水波を見つけた。水波は立ち上がろうとして力を失い、再び椅子に崩れ落ちた。深雪は即座に駆け寄り、彼女をソファへ移動させ、医療スタッフを呼び出した。

診断結果と達也の帰還

巳焼島にいた達也は、深雪から水波が軽い貧血と診断されたことを知らされた。原因は夏バテと見られ、入院は不要だったが、達也は心身の負担が蓄積していたと判断した。深雪が看病のため登校を控えると知り、達也も調布へ戻ることを決めた。

光宣に伝わった水波の異変

水波の不調は、彼女に取り憑いているパラサイトを通じて神戸の光宣にも伝わった。しかし伝わるのは想子活性の変化だけであり、詳しい症状は分からなかった。光宣は水波の容態を確認したい焦りに苦しみ、夕刻には憔悴しきっていた。

光宣の決断と挑戦状

光宣はその日のうちに拠点を移すとレイモンドに告げた。そして翌日、達也へ挑戦状を送ると決めた。水波のために逃げ続けるのではなく、達也との対決へ向かう覚悟を固めたのである。

水波の回復と家庭内の安堵

達也が調布へ戻った時、水波は自室で眠っていた。午後五時過ぎに起きてきた水波は、リーナ、深雪、達也へ謝意と謝罪を示した。達也は仕事への支障はないと答え、リーナの軽口も加わって、重苦しかった空気は少しずつ和らいだ。

光宣から届いた果たし状

翌日の夕方、家庭用アドレスに達也宛てのメールが届いた。暗号が解かれると、差出人は九島光宣であり、八月二十五日二十二時、東富士演習場で待つという短い文面と地図が表示された。深雪と水波は衝撃を受けたが、達也は予想していたように冷静に受け止めた。

東富士演習場内での潜伏

八月二十四日の夜、光宣とレイモンドは東富士演習場内のホテルに宿泊していた。光宣は偽装魔法で別人になりすまし、厳重な対策を越えて正規の客として入り込んでいた。彼がそこを選んだのは、九校戦の選手宿泊施設に一度泊まってみたかったからであり、二度とない機会への思いが込められていた。

真夜と八雲への報告

達也は光宣からの呼び出しを真夜へ報告し、手出し無用を求めた。真夜は九島光宣の処理を達也に一任し、今回で確実に終わらせるよう命じた。続いて達也は八雲にも連絡し、光宣とレイモンドの密入国と挑戦状の内容を伝えた。八雲は干渉しないと了承した。

水波同行と決着への覚悟

達也は深雪、水波、リーナを連れていく方針を示した。水波を同行させることで、光宣との問題に直接けりを付けるつもりだった。光宣をどう処理するかは明言しなかったが、八雲に対しても自分に任せてほしいと求めた。

四葉家の支援体制

真夜は葉山と対応を協議し、達也が勝つこと自体は疑わなかったが、光宣に逃げられる可能性を懸念した。元老院の心証も考慮し、達也の邪魔をしない形で遠巻きに包囲する方針を決めた。動かす分家は最小限に抑え、津久葉夕歌にのみ声を掛けることとなった。

[8]

処置方針の決定と承認

達也は光宣と水波の処遇について真夜と東道に相談し、その内容を隠さず提示した。両者は反対せず、二人を巳焼島の地下牢獄で眠らせる方針が正式に承認された。

地下牢獄という新たな居場所

光宣、水波、達也は巳焼島の地下深くに設けられた牢獄にいた。そこは多重の防護構造と隔壁に守られた厳重な空間であり、外界から完全に隔離された場所であった。この場所が二人の新たな居場所として選ばれた。

水波のパラサイト化と決意

決戦から三日後、光宣は水波をパラサイト化する儀式を開始した。水波は迷いなくそれを受け入れ、意識を深く沈めた末にパラサイトとして目覚めた。

自我維持の確認と儀式の成功

目覚めた水波は自我を保っており、光宣の意識との区別も明確にできていた。光宣はその結果を達也に伝え、儀式が成功したことを確認した。

達也の退場と二人の選択

達也は二人の決意が揺らがないことを理解し、最後まで見届けることなくその場を離れた。光宣と水波は自らの居場所として地下牢獄を選び、眠りにつく準備を整えていた。

人工冬眠の発動

達也が地上へ戻った直後、二人は人工冬眠の魔法を発動し、仮死に近い状態で安定した。達也はその魔法の発動を感知し、光宣の術であると判断した。

レイモンドの処遇

レイモンドは前日のうちにUSNA軍へ引き渡されていた。達也はその処遇に関与せず、判断をアメリカ側へ委ねた。

一件の収束と今後の課題

達也は今回の件について一応の決着と認識した。ただし水波の完全な救済にはさらなる準備が必要であり、その実現には少なくとも二年を要すると見積もっていた。

深雪への報告と幕引き

達也は結果を深雪へ伝えるため東京へ向かった。こうして光宣と水波の選択をもって、一連の出来事は静かに終結した。

[9]

処置方針の承認
光宣と水波の処置について、達也は真夜と東道に隠さず相談した。二人は反対せず、光宣と水波を巳焼島の地下牢獄で眠らせる方針が認められた。
地下牢獄の環境
光宣、水波、達也は、巳焼島の地下深くに造られた牢獄にいた。そこは厚い複合構造材に囲まれ、地上へ出るまで何重もの扉を通らなければならない厳重な空間であった。この場所が、光宣と水波の寝所として用意された。
水波のパラサイト化
決戦から三日後、準備を終えた光宣は、水波をパラサイト化する儀式を始めた。水波は迷いなく同意し、ベッドに横たわって目を閉じた。そのまま意識は深く沈み、目覚めた時にはパラサイトとなっていた。
自我の維持と成功確認
水波は目覚めた直後、自分がパラサイトになったことを理解した。意識の奥から光宣の声が聞こえたが、自分の思考との区別は明確についていた。光宣は、水波の自我が損なわれていないと達也に報告し、儀式の成功を確認した。

卒業編[1]

三年生の卓越と学園の動揺

二〇九八年三月八日、卒業式を目前に控えた第一高校には落ち着かない空気が広がっていた。司波達也や司波深雪をはじめとする三年生は、過去の三巨頭を上回るとも評される実力者揃いであり、その存在の大きさゆえに卒業後の学校運営を危ぶむ声が上がっていた。惜別と不安が交錯し、学内には特有の緊張感が漂っていた。

通学路での再会と進路決定

久しぶりに登校した達也は、深雪やリーナと共に通学路で千葉エリカと再会した。進路に迷っていたエリカは最終的に魔法大学への進学を決断しており、交流戦での活躍によって得た評価と自身の葛藤を経て、仲間と同じ進路を選択したのであった。

それぞれの進学と選択

リーナは日本に残って魔法大学へ進学する意思を改めて示した。達也も同様に進学方針を維持しつつ、研究活動を優先する考えを明らかにしていた。一方、西城レオンハルトは克災救難大学校への進学を選び、魔法に依存しない救助の道へ進む決意を固めていた。それぞれが自身の適性に基づいて進路を定めていた。

自由登校期に残る日常

三年生は既に自由登校の期間に入っていたが、多くの生徒が登校を続けていた。校内は魔法の実技練習が許可される貴重な環境であり、その利点を活かすためであった。達也はその事実から、学校という場の役割を改めて認識していた。

美月の進路と新たな関わり

柴田美月は魔法大学へは進学せず、デザイン系専門学校へ進む道を選んでいた。霊子放射光過敏症を克服しつつある彼女は、魔法師としての道に固執せず、吉田幹比古と共に古式魔法の研究へ関与する決意を固めていた。その姿に達也は静かな感慨を抱いていた。

穏やかな昼休みの光景

生徒会や風紀委員は既に代替わりしており、達也たちは昼休みに業務から解放されていた。食堂での昼食を通じて、ほのかや雫、幹比古らとともに卒業後の生活を見据えた穏やかな時間を過ごしていた。

他校の卒業式延期と情勢の影響

三高と六高では卒業式が延期されていた。新ソ連軍がウラジオストク周辺に集結し、日本海沿岸が厳戒態勢に入ったことが原因であり、両校は三月二十四日への延期を余儀なくされていた。

新ソ連軍の動向に対する認識

達也は新ソ連軍の動きを把握していたが、現時点では威嚇行動に過ぎないと判断していた。ただし現場の兵士による暴発の可能性には警戒を続けており、状況次第では介入も辞さない構えであった。

将輝と吉祥寺の進路への影響

三高の状況から達也は一条将輝と吉祥寺真紅郎の進路を思い浮かべた。将輝は最終的に魔法大学進学を選び、吉祥寺もその決断に影響を受けて研究所残留の圧力を退け、同じく進学を選択していた。

新生活準備への影響と見通し

卒業式の延期により、三高や六高の生徒は新生活の準備期間が制限されることとなった。深雪は彼らが卒業前に東京へ移動する可能性を示し、達也もそれを認めた。周囲の友人たちもその見通しに同意していた。

[2]

卒業式の開催と情勢の影響

二〇九八年三月十五日、第一高校は卒業式当日を迎えた。他校も同日に式を実施したが、新ソ連軍の影響により三高と六高のみ延期されていた。情勢は沈静化に向かいつつあったものの、日本海沿岸の警戒は継続されていた。

卒業生の進路と傾向

卒業生は百七十名であり、入学時から三十名が退学していた。進路は魔法大学進学が多数を占め、防衛大進学者がこれに続いていた。新設された魔法工学科は初の卒業生を輩出し、高い成果を示していた。

卒業証書授与の変則運用

例年とは異なり、最初に名前を呼ばれたのは深雪であった。一方、最後に呼ばれたのは達也であり、従来の慣例を外れた特別な順序が採られていた。

達也への特別評価と喝采

壇上に立った達也に対し、校長は卒業証書に加えて在学中の功績への感謝を述べた。このような個別評価は前例のないものであり、会場は大きな拍手に包まれた。達也は優劣の枠を超えた存在として認められていた。

合同パーティーの開催

卒業式後のパーティーは、学科の区別を廃した合同形式で実施された。中庭でのガーデンパーティーとして行われ、別れを惜しむ声と歓声が交錯する場となっていた。

達也評価を巡る会話

会場へ向かう途中、達也への特別な扱いが話題となった。達也は形式的な理由と捉えていたが、周囲は実際の功績に基づく評価であると強く認識していた。

会場での分散行動

パーティー開始後、仲間たちはそれぞれの関係者の元へ分かれていった。達也、深雪、リーナはその場に残り、周囲の流れを見守っていた。

一条将輝との再会

そこへ泉美に伴われて一条将輝が現れた。卒業式が延期されている中での来訪であり、将輝は状況に戸惑いながらも深雪と再会した。

リーナの紹介と背景の察知

深雪はリーナを正式に紹介し、その家系に触れたことで将輝は背景の深さを理解した。事情を察した将輝はそれ以上踏み込むことを控えた。

将輝の劣等感と決意

達也の持つ影響力に触れた将輝は、自身との格差を実感し焦燥を覚えた。その結果、達也に時間を求める行動へと至った。

告白と問いかけ

余興の最中、将輝は達也を呼び出し、深雪への想いを告白した。そして達也に対し、その愛の本質を問いただした。達也は深雪を愛していると答えたが、その意味を問われ一瞬言葉に詰まった。

感情の衝突と対立

将輝は達也の愛が妹としてのものではないかと指摘し、達也の内面にある疑念を突いた。達也も将輝の想いを否定し、互いに感情をぶつけ合う激しい対立へと発展した。

殴り合いによる決着

言葉の応酬はやがて肉体的な衝突へと変わり、二人は技術を用いずに殴り合いを繰り返した。最終的に体力の差で達也が勝利し、深雪を渡さないと宣言した。

観衆と深雪の応答

周囲には多くの生徒が集まり、二人のやり取りを見守っていた。拍手の中、深雪が前に進み出て達也への想いを表明し、自らも彼を渡さないと宣言した。

二人の離脱と祝福

達也は深雪の手を取り、その場から離れることを選んだ。二人は周囲の祝福と拍手に包まれながら、人垣の中を駆け抜けていった。

桜の下での門出

人垣の先には桜並木が広がっていた。散り始めた桜の中を、達也と深雪は手を取り合いながら走り抜け、新たな未来へと踏み出した。

[エピローグ/プロローグ]

達也と深雪の卒業後

司波達也と司波深雪は、兄妹ではなく婚約者として第一高校を卒業した。達也は魔法大学へ進学したものの講義への出席は最低限に留まり、巳焼島の研究室での活動を優先していたため、成績面では劣等生であった。一方で深雪は大学でも優等生として振る舞い続けたが、達也と別行動が増えたことに不満を抱いていた。

リーナと友人たちの大学生活

リーナは深雪の護衛として常に行動を共にし、二人は周囲から注目を集める存在となっていた。ほのかと雫は目立たない学生生活を送りつつ、雫は北山家の代理として恒星炉関連の打ち合わせに参加し、ほのかも同行して補佐役を担っていた。

エリカ、レオ、美月と幹比古の進路

千葉エリカは魔法大学に通いながら各地で武者修行を続けていた。西城レオンハルトはレスキュー大での訓練に追われ、一高時代の友人たちと距離が生じていた。柴田美月は専門学校に通いながら吉田幹比古の実家で古式魔法を学び、やがて家業にも関わるようになっていた。

将輝と劉麗蕾のその後

一条将輝は魔法大学へ進学した後も深雪への想いを断ち切れず、接近を試みてはリーナに制止されていた。一方で彼の周囲には妹の一条茜と共に劉麗蕾が出入りしており、彼女は一条家の庇護と国防軍の監視下で生活していた。

軍事情勢と体制の変化

戦略級魔法師管理条約は各国の反対により廃案となり、佐伯少将は影響力を失った。独立魔装大隊は連隊へと改編され、風間は昇進して指揮官となった。藤林は退役後、四葉家に身を寄せ、情報分野の研究に従事するようになった。

二年後への移行

藤林は真夜から情報ネットワーク研究を任され、達也と協働する機会を増やしていた。表面上は平穏な日々が続き、二年間の時間を経て新たな時代へと移行していった。

巳焼島で進む大魔法の準備

西暦二二〇〇年、春休みに深雪とリーナは巳焼島を訪れた。達也は大学に在籍しながらも研究に専念し、人造レリックの量産技術や理論的成果を積み上げていた。三人は島で大規模魔法の完成に取り組んでいた。

光宣と水波の覚醒

達也たちは地下監獄を訪れ、長期間眠り続けていた九島光宣と桜井水波に対し、解析した解除魔法を用いて覚醒させた。二人は状況に戸惑いながらも、眠り続ける必要がなくなったことを告げられた。

宇宙居住という選択肢の提示

達也は二人を南岸へ案内し、改造された宇宙船「高千穂」を示した。地上に安全な居場所を持たない二人に対し、宇宙に拠点を持つという新たな選択肢を提示した。地上との往来も可能な構想が示されていた。

高千穂の性能と達也の準備

「高千穂」は恒星炉を動力とし、人工重力や発電機構を備えた長期居住型の宇宙施設として設計されていた。達也はこの計画を二人のために準備しており、その意図を受け取った光宣と水波は宇宙へ向かう決断を下した。

宇宙への移送と再構築

深雪とリーナは刻印魔法によって宇宙船の各部と搭乗者を軌道上へ送り出した。達也は固有魔法「再成」によって宇宙空間で船体を復元し、宇宙船として完成させた。

新時代の到来

通信によって全機能の正常稼働が確認され、三人は安堵した。この出来事により、魔法師が地上と宇宙を行き来する新たな時代が始まった。

魔法科 (31) 未来編レビュー
魔法科 まとめ(3年生)
魔法科シリーズ まとめ
続・魔法科 (1)レビュー

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魔法科高校の劣等生 シリーズ 一覧

【魔法科高校の劣等生】1年生編

魔法科高校の劣等生 1 入学編(上)の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生 1 入学編(上)

魔法科高校の劣等生 2 入学編(下)の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生 2 入学編(下)

魔法科高校の劣等生 3巻 九校戦編〈上〉の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生 3巻 九校戦編〈上〉

魔法科高校の劣等生 4巻 九校戦編〈下〉の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生 4巻 九校戦編〈下〉

魔法科高校の劣等生(5) 夏休み編+1の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生(5) 夏休み編+1

魔法科高校の劣等生 (6)(7) 横浜騒乱編〈上下〉の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生 (6)(7) 横浜騒乱編〈上下〉

魔法科高校の劣等生 (8) 追憶編の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生 (8) 追憶編

魔法科高校の劣等生 (9,10,11) 来訪者編の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生 (9,10,11) 来訪者編

【魔法科高校の劣等生】2年生編

魔法科高校の劣等生(13) スティープルチェース編の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生(13) スティープルチェース編

魔法科高校の劣等生(14)(15)古都内乱編の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生(14)(15)古都内乱編

魔法科高校の劣等生( 16 ) 四葉継承編の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生( 16 ) 四葉継承編

魔法科高校の劣等生(17) 師族会議編<上>の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生(17) 師族会議編<上>

魔法科高校の劣等生(18) 師族会議編<中>の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生(18) 師族会議編<中>

魔法科高校の劣等生(19) 師族会議編<下>の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生(19) 師族会議編<下>

魔法科高校の劣等生(20) 南海騒擾編の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生(20) 南海騒擾編

【魔法科高校の劣等生】3年生編

魔法科高校の劣等生(21)(22) 動乱の序章編の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生(21)(22) 動乱の序章編

魔法科高校の劣等生(23)孤立編の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生(23)孤立編

魔法科高校の劣等生 (24)(25)エスケープ編の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生 (24)(25)エスケープ編

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魔法科高校の劣等生 (26) インベージョン

魔法科高校の劣等生 (27) 急転編の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生 (27) 急転編

魔法科高校の劣等生 (28)(29) 追跡編の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生 (28)(29) 追跡編

魔法科高校の劣等生 (30) 奪還編の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生 (30) 奪還編

魔法科高校の劣等生 (31) 未来編の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生 (31) 未来編

魔法科高校の劣等生 (31) サクリファイス編/卒業編の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生 (31) サクリファイス編/卒業編

魔法科高校の劣等生 Appendix(1)の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生 Appendix(1)

魔法科高校の劣等生 Appendix(2)の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生 Appendix(2)

続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー

続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー 1巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー 1巻

続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー(2) の表紙画像(レビュー記事導入用)
続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー(2) 

続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー 3巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー 3巻

続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー 4巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー 4巻

続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー 5巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー 5巻

続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー(6)の表紙画像(レビュー記事導入用)
続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー(6)

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続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー(7)

続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー(8)の表紙画像(レビュー記事導入用)
続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー(8)

続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー(9)の表紙画像(レビュー記事導入用)
続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー(9)

続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー(10)の表紙画像(レビュー記事導入用)
続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー(10)
続・魔法科高校の劣等生  メイジアン・カンパニー11の表紙画像(レビュー記事導入用)
続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー(11)

新魔法科高校の劣等生  キグナスの乙女たち

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新・魔法科高校の劣等生 キグナスの乙女たち 1巻
新・魔法科高校の劣等生 キグナスの乙女たち 2巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
新・魔法科高校の劣等生 キグナスの乙女たち 2巻
新・魔法科高校の劣等生 キグナスの乙女たち 3巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
新・魔法科高校の劣等生 キグナスの乙女たち 3巻
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新・魔法科高校の劣等生 キグナスの乙女たち (4)
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新・魔法科高校の劣等生 キグナスの乙女たち 5巻
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新・魔法科高校の劣等生 キグナスの乙女たち 6巻
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新・魔法科高校の劣等生 キグナスの乙女たち 7巻

魔法科高校の劣等生 夜の帳に闇は閃く

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魔法科高校の劣等生 夜の帳に闇は閃く(1)
魔法科高校の劣等生 夜の帳に闇は閃く(2)の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生 夜の帳に闇は閃く(2)
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魔法科高校の劣等生 夜の帳に闇は閃く(3)

漫画版

四葉継承編

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魔法科高校の劣等生  四葉継承編 1巻
漫画 魔法科高校の劣等生  四葉継承編 2巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生  四葉継承編 2巻
漫画 魔法科高校の劣等生 四葉継承編 3巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生 四葉継承編 3巻

師族会議編

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魔法科高校の劣等生 師族会議編 1
漫画 魔法科高校の劣等生 師族会議編 2の表紙画像(レビュー記事導入用)
魔法科高校の劣等生 師族会議編 2
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魔法科高校の劣等生 師族会議編 6
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魔法科高校の劣等生 師族会議編 7

エスケープ編

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魔法科高校の劣等生 エスケープ編 1

その他フィクション

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フィクション(novel)あいうえお順

アニメ

PV

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OP

ASCA 『Howling』(TVアニメ「魔法科高校の劣等生 来訪者編」OPテーマ)
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八木海莉「Ripe Aster」(アニメ「魔法科高校の劣等生 追憶編」主題歌)
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ED

佐藤ミキ 「名もない花」「魔法科高校の劣等生」ED
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