魔法科 (24)(25)エスケープ編レビュー
魔法科 まとめ(3年生)
魔法科シリーズ まとめ
魔法科 (27) 急転編レビュー
どんな本?
『魔法科高校の劣等生』は、佐島勤 氏による日本のライトノベル。
略称は「魔法科」。
物語は西暦2097年、3月。
魔法が現実の技術として確立し、魔法師の育成が国策となった時代を舞台にしている。
主人公は、国立魔法大学付属第一高校(通称「魔法科高校」)に通う兄妹、司波達也と司波深雪。
この作品は、原作小説の累計が1,400万部、シリーズ累計が2,500万部を突破し、大人気のスクールマギクスとなっている。
また、2024年には3期目のTVアニメが放送されることが決定している。
さらに、この作品は様々なメディアで展開されており、ライトノベルだけでなく、漫画やアニメでも楽しむことができる。
読んだ本のタイトル
魔法科高校の劣等生 (26)インベージョン編(The Irregular at Magic High School)
著者:佐島勤 氏
イラスト: 石田可奈 氏
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あらすじ・内容
再び侵攻を開始するパラサイト。 全世界を巻き込むマギクスバトル勃発!?
リーナが達也の許にたどり着く七十一時間前。ニューメキシコ州スターズ本部基地で起きた叛乱により、同隊ナンバー2のカノープスは窮地に追い込まれる。
魔法科高校の劣等生(26) インベージョン編
一方、リーナは達也と深雪の手引きにより、四葉家が実質的に支配する三宅島の東約五十キロの海上に浮かぶ『巳焼島』へと潜伏先を移す。
そして、再度、水波を連れ出すために病院襲撃を開始する光宣。それに対峙する七草三姉妹は彼を阻止できるのか!?
侵攻する脅威――、侵入する悪意――。
全世界の魔法師たちがぶつかり合おうとする時、達也の力が試される!!
感想
話のわりに明るい表紙。
invasion(侵入)という意味だと考えると、、
光宣が病院へ侵入。
USNAのパラサイ達が日本へ侵入。
光宣の旧第九研への侵入。
パラサイ達が暗躍してより一層混迷を深める。
リーナを保護した四葉家は軍から引渡しを要求されるが断る。
そのリーナにパラサイ化したスターズの処刑チームが派遣されるが、座間基地に着陸した途端に達也、幹比古、レオに強襲されて4体とも封印されてしまう。
その裏で横須賀基地にパラサイ化した3名の士官が日本に潜入する。
光宣は水波を攫おうと病院に向かうが七草家に発見され十文字にボコられて撤退。
助っ人にUSNAから来たパラサイ達に協力させ、さらにパラサイドールも旧第九研から強奪する。
その時に九島烈を殺害してしまう。
今回も各組織ごとの動きを列挙してみる。
十師族四葉家(司波達也)の動き
九島光宣から桜井水波を護衛するため身辺警護をする。
101旅団の風間からリーナを引き渡すように要望されたが断る。
さらに達也は、パラサイトを封印する術を模索するが、イメージが出来ず九重八雲に相談しに行き、いきなり風精を仕掛けられ、それを撃退した魔法が「封玉」という術だと教えてもらい。
幹比古に修行を手伝ってもらったら良いとアドバイスを受けて実行する。
さらに、「トゥーマン・ボンバ」を2回も仕掛けられた事で解析をしたデータを流用して新しい戦略魔法作り、他の魔法師に覚えさせて戦略魔法師としての注目を減らす事を狙っている。(次巻の布石)
リーナの処刑チームが日本に派遣された事をUSNAの協力者から情報提供される。
その対処を達也に任される。
四葉家としては処分したかったが、政府の要望により生捕をする事にする。
座間基地に増援が来る事を知り幹比古とレオを助っ人にして、着陸したばかりの輸送機に達也が突入してパラサイトに封印用の護符(ナイフ)を刺して4体のパラサイトを幹比古が封印。
最後のパラサイトから幹比古に攻撃が来たがレオが防御して終わる。
七草家
光宣探索に水波の同級生の双子達を派遣してくる。
さらに長女も配置し、光宣を発見、拘束を試みるも撃退される。
光宣に殺意が無かった事で死者は出ていない。
九島家
光宣
水波に接触するため病院に向かうが、七草家に発見され捕縛されそうになるが反撃して撃退。
撃退した直後、十文字克人が現れ重傷を負い離脱。
その後、占いで示された関西空港へ赴きリーナ処刑チームの先遣隊、パラサイトになったレイモンド達と合流して水波を攫う手助けを依頼する。
レイモンドとの意識の共有争いで司波達也抹殺に協力的になる。
更なる戦力増強のため旧第九研に侵入してパラサイトドール15体を獲得する。
その際、防衛に出て来た九島烈を殺害。
世間での発表は九島烈は病死にされた。
十文字家
七草が病院で撃退され、それを引き継ぐように光宣の前に十文字克人が立ちはだかり傷を負わせるも逃亡される。
国内省庁外務省
USNAからリーナを引き渡すように要請される。
秘密裏にUSNAの高級軍人を入国させた事に抗議する。
防衛省
同盟国USNAから戦略級魔法師、アンジー・シリウスを引き渡すように要請される。
その対応を第101旅団に丸投げ。
第101旅団の風間は国家公認戦略魔法師が脱走するハメになった事に疑問に思いつつ。
リーナを保護している達也を特尉としではなく、四葉家の達也として扱い、佐伯は部下の大黒特尉として扱う事で両者の達也に対する温度差が出てくる。
軍部からしたら民間組織が外国の軍人を保護する事は認められないので、リーナを引き渡すように風間から達也に要望されるが、達也は「本家に言って欲しい」と答えて突っぱねてしまう。
大黒特尉として命令しても契約外だと突っぱねる始末。
風間と達也は決定的な決裂を避けて、そこで交渉を中断する。
その後発生した、大亜連合と新ソ連の戦争で情報共有のため達也と話し合いを設ける。
そこで前回のベゾブラゾフとの対戦でCADとの接続を強制的に切断されたので復帰には1週間〜2週間は動けないだろうと予測。
さらにパラサイトがUSNAから侵入している事を伝える。
国外USNA
スターズ
基地司令がパラサイトに憑依された状態暴で暴走状態になっている。
その流れで日本にリーナの処刑チームの先遣隊を派遣。
そこにパラサイトになったレイモンド・クラークが参加し主導していた。
ペンタゴンはそれを黙認。
関西空港から侵入するも、迂闊な行動で日本の警察にマークされてしまう。
そこを光宣が救出され水波を攫う手伝いをする。
ただレイモンドは光宣と自分達の判断基準が違う事に不信感を募らせ、意識の共有をした際に変異する。
リーナ処刑チーム本隊は7月1日に座間基地に到着。
着陸した直後、達也に襲撃されて4体のパラサイを封印される。
その同時刻、横須賀基地にパラサイ化した3名の女性士官が潜入に成功した。
カノープス
6月18日の早朝にリーナの逃亡を手助けする。
その後、アルゴル少尉やシャウラ少尉と共に捕らえられる。そして、基地司令のウォーカー(パラサイト)の略式裁判の時に司法取引をして、3人共にミッドウェー島の魔法師用軍事刑務所に送られることになった。
リーナ
四葉家に保護され、己焼島で厚遇を受け当初は戸惑っていた。
遂にCADも達也から支給された。
スターズから処刑チームを派遣される。
新ソ連
6月28日、大亜連合と戦争状態に突入。
ベゾブラゾフがCADとの接続を強制的に切断され復帰には1週間〜2週間は動けな状況。
現状、「トゥーマン・ボンバ」が使えないため大亜連合に苦戦中。
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キャラクター紹介
【四葉家】
司波達也
四葉家の次期当主の婚約者であり、彼女の護衛役を務める。感情の大部分を失っているが、妹への強い愛情のみを残している。
・所属組織、地位や役職
第一高校生徒会書記長。四葉家次期当主の婚約者。特務士官(大黒竜也特尉)。トーラス・シルバー。
・物語内での具体的な行動や成果
新ソ連の戦略級魔法攻撃を無効化し、水波を救出する。パラサイトと同化した光宣と交戦し、これを退けた。トーラス・シルバーであることを公表して、ESCAPES計画を発表する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
四葉真夜の息子として公表され、妹との婚約が発表された。
司波深雪
達也の妹であり、四葉家の次期当主の座にある。兄に対して深い愛情と絶対的な信頼を寄せている。
・所属組織、地位や役職
第一高校生徒会長。四葉家次期当主。
・物語内での具体的な行動や成果
兄の魔法の封印を解除する。パラサイトの攻撃から身を守るため、領域干渉を展開した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
慶春会で四葉家の次期当主に正式指名され、兄との婚約が公表されている。
桜井水波
四葉家のメイドであり、深雪の護衛役を担う。調整体魔法師「桜」シリーズの第二世代にあたる。
・所属組織、地位や役職
第一高校生徒会書記。メイド兼護衛。
・物語内での具体的な行動や成果
新ソ連の戦略級魔法から主人たちを守るため、多重障壁を展開した。その結果、魔法演算領域に深刻なダメージを負う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
魔法の過剰行使により倒れ、入院生活を送ることとなった。
花菱兵庫
四葉家の使用人であり、花菱執事の息子である。
・所属組織、地位や役職
四葉家使用人。
・物語内での具体的な行動や成果
達也や深雪を乗せたVTOLや車の運転手を務める。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
イギリスのPMSCでの武者修行から帰国している。
四葉真夜
四葉家の現当主として、一族の影響力を高める戦略を立てる。
・所属組織、地位や役職
四葉家当主。
・物語内での具体的な行動や成果
慶春会で姪を次期当主に指名し、甥を自身の息子として公表する。その後、甥に米軍工作員の救出を依頼した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
かつて大漢に誘拐され、実験の対象にされた過去を持つ。
葉山
四葉家の筆頭執事であり、当主の腹心を務める。
・所属組織、地位や役職
四葉家筆頭執事。
・物語内での具体的な行動や成果
本家で達也と深雪を出迎える。当主にフリズスキャルヴの利用について忠言した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
当主に対して意見を述べることができる数少ない人物となっている。
黒羽亜夜子
黒羽貢の娘であり、文弥の双子の姉として諜報活動を担う。
・所属組織、地位や役職
黒羽家。第四高校の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
バランス大佐と交渉し、日本の非公開戦略級魔法師に対する干渉の中止を求める。旧第九研で方術士の集団と交戦した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
逃亡してきたリーナを保護し、達也のもとへ案内している。
黒羽文弥
黒羽貢の息子であり、四葉家の次期当主候補の一人であった。従兄の達也を慕っている。
・所属組織、地位や役職
黒羽家。第四高校の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
旧第九研で光宣およびパラサイドールと交戦し、劣勢に陥って撤退する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
女装して行動をすることがある。
黒川白羽
黒羽家の黒服で、文弥の側近を務める。
・所属組織、地位や役職
黒羽家使用人。
・物語内での具体的な行動や成果
主人の指示に従い、本家への連絡と退路の確保を行う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化は記載されていない。
【USNA軍・スターズ】
アンジェリーナ・クドウ・シールズ
USNA軍の国家公認戦略級魔法師であり、日本での潜入捜査を担当する。
・所属組織、地位や役職
USNA軍統合参謀本部直属魔法師部隊「スターズ」総隊長。アンジー・シリウス少佐。
・物語内での具体的な行動や成果
部下の反乱に直面し、バランス大佐の手引きで日本へ逃亡する。その後、四葉家に保護された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
日本の日焼島で潜伏生活を送ることとなった。
アレクサンダー・アークトゥルス
スターズの隊長であり、軍内で反乱を起こす。
・所属組織、地位や役職
スターズ第三隊隊長。大尉。
・物語内での具体的な行動や成果
リーナへの襲撃に参加する。その後、日本へ向かう輸送機内で達也たちに封印された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
パラサイトと同化している。
ジェイコブ・レグルス
スターズの隊員であり、反乱の首謀者の一人である。
・所属組織、地位や役職
スターズ第三隊一等星級隊員。中尉。
・物語内での具体的な行動や成果
リーナ襲撃に参加する。レイモンドと共に日本へ密入国し、光宣と合流した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
パラサイトと同化している。
シャルロット・ベガ
スターズの隊長であり、上官を裏切り者と誤解している。
・所属組織、地位や役職
スターズ第四隊隊長。大尉。
・物語内での具体的な行動や成果
基地の格納庫でリーナを襲撃する。後に横須賀基地へ潜入した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
リーナの出国後にパラサイト化している。
レイラ・デネブ
スターズの隊員として、上官の襲撃に加担する。
・所属組織、地位や役職
スターズ第四隊一等星級隊員。少尉。
・物語内での具体的な行動や成果
格納庫でリーナを強襲する。その後、横須賀基地に潜入した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
リーナの出国後にパラサイト化している。
ゾーイ・スピカ
スターズの女性士官である。
・所属組織、地位や役職
スターズの士官。
・物語内での具体的な行動や成果
ベガやデネブと共に横須賀基地へ潜入する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
リーナの出国後にパラサイト化している。
ベンジャミン・カノープス
スターズの隊長であり、上官を補佐する常識人である。
・所属組織、地位や役職
スターズ第一隊隊長。少佐。
・物語内での具体的な行動や成果
叛乱部隊からリーナを逃がすため、単独で足止めを行う。その後、投降して司法取引に応じた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
略式裁判によりミッドウェー刑務所へ収監されることとなった。
ラルフ・ハーディ・ミルファク
スターズの隊員であり、上官の逃走を支援する。
・所属組織、地位や役職
スターズ第一隊二等星級隊員。少尉。
・物語内での具体的な行動や成果
車両を運転してリーナを基地から脱出させる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
基地に戻らず西海岸方面へ逃走している。
ラルフ・アルゴル
スターズの隊員である。
・所属組織、地位や役職
スターズ第一隊二等星級隊員。少尉。
・物語内での具体的な行動や成果
リーナの逃走を支援するが、反乱部隊の人質にされる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ミッドウェー刑務所へ収監されることとなった。
アリアナ・リー・シャウラ
精神干渉系魔法の防御に長けた隊員である。
・所属組織、地位や役職
スターズ第十一隊隊員。少尉。
・物語内での具体的な行動や成果
部隊内の異常を察知して第一隊隊長に報告する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ミッドウェー刑務所へ収監されることとなった。
イアン・ベラトリックス
スターズの隊員である。
・所属組織、地位や役職
スターズ第六隊隊員。少尉。
・物語内での具体的な行動や成果
リーナへの襲撃に加担する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
パラサイトと同化している。
サミュエル・アルニラム
スターズの隊員である。
・所属組織、地位や役職
スターズ第六隊隊員。少尉。
・物語内での具体的な行動や成果
リーナへの襲撃に加担する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
パラサイトと同化している。
カペラ
スターズの隊員である。
・所属組織、地位や役職
スターズ隊員。
・物語内での具体的な行動や成果
反乱部隊の隊長の発言に対して顔をしかめる様子を見せる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化は記載されていない。
ウォーカー
スターズ本部基地の司令を務める。
・所属組織、地位や役職
スターズ本部基地司令。大佐。
・物語内での具体的な行動や成果
達也の抹殺を主張し、カノープスに対して司法取引を持ちかける。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
パラサイトの思考誘導を受けている。
レイモンド・クラーク
エドワード・クラークの息子であり、達也をライバル視する。
・所属組織、地位や役職
七賢人の一人。カリフォルニア州のハイスクール生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
達也がトーラス・シルバーであることを暴露する。その後、パラサイトと同化して日本に密入国し、光宣と接触した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
パラサイト化し、達也の排除を目論む存在となっている。
処刑部隊
スターズの総隊長を標的として動く部隊である。
・所属組織、地位や役職
USNA軍の部隊。
・物語内での具体的な行動や成果
標的を処刑するために日本へ派遣されるが、達也たちに迎撃される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
構成員はパラサイト化している。
【九島家・旧第九研】
九島光宣
九島烈の孫であり、意中の少女を救うために人であることを捨てる決意を固める。
・所属組織、地位や役職
第二高校生徒会副会長。
・物語内での具体的な行動や成果
水波の治療法を得るため、自らパラサイトとなる。達也や十師族と交戦し、旧第九研を襲撃してパラサイドールを奪取した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
パラサイトと同化し、周公瑾の亡霊を取り込んでいる。
九島烈
九島家の前当主であり、孫のパラサイト化を許容できず対峙する。
・所属組織、地位や役職
九島家前当主。退役少将。
・物語内での具体的な行動や成果
旧第九研で孫を待ち受け、彼を葬ろうとする。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
パラサイトの生存本能による反撃を受け、命を落とすこととなった。
パラサイドール
パラサイトをガイノイドに封入した人型兵器である。
・所属組織、地位や役職
旧第九研保管兵器。
・物語内での具体的な行動や成果
光宣によって封印を解かれ、彼の命令で文弥らと交戦する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
光宣の手足として研究所から持ち去られている。
【七草家】
七草真由美
七草家の長女であり、達也に対して好意を抱いている。
・所属組織、地位や役職
第一高校の前生徒会長。
・物語内での具体的な行動や成果
病院の屋上で光宣を待ち伏せし、彼と交戦して幻影を破る。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化は記載されていない。
七草香澄
真由美の妹であり、水波のクラスメイトとして彼女を気遣う。
・所属組織、地位や役職
第一高校の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
病院で水波の見舞いに訪れる。その後、光宣と交戦した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
双子の妹との乗積魔法で光宣を追い詰める。
七草泉美
真由美の妹であり、深雪に対して強い憧れを抱いている。
・所属組織、地位や役職
第一高校生徒会副会長。
・物語内での具体的な行動や成果
水波を見舞い、光宣の襲撃に対して姉と共に迎え撃つ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
双子の姉との乗積魔法で光宣と戦う。
【十文字家】
十文字克人
十文字家の当主であり、責任感が強く達也を高く評価する。
・所属組織、地位や役職
十文字家当主。第一高校の前部活連会頭。
・物語内での具体的な行動や成果
光宣の襲撃を病院で防ぎ、圧倒的な防御力で彼を退ける。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
師族会議で光宣対策の指揮を執ることとなった。
【第一高校の生徒・関係者】
千葉エリカ
達也の同級生であり、千葉家の娘として剣術に優れる。
・所属組織、地位や役職
第一高校の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
水波の事情を知り、達也に協力する意思を示す。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化は記載されていない。
西城レオンハルト
達也の同級生であり、水波と同じ山岳部に所属する。
・所属組織、地位や役職
第一高校の生徒。山岳部。
・物語内での具体的な行動や成果
光宣が水波を狙っていると知り、達也に協力する。その後、座間基地付近での作戦に参加した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化は記載されていない。
吉田幹比古
達也の同級生であり、古式魔法の使い手として妖魔対策を担う。
・所属組織、地位や役職
第一高校風紀委員長。
・物語内での具体的な行動や成果
達也の要請でパラサイト封印の修行を手伝う。座間基地付近の作戦でパラサイトを封印した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化は記載されていない。
光井ほのか
深雪のクラスメイトであり、達也に好意を寄せている。
・所属組織、地位や役職
第一高校生徒会会計。
・物語内での具体的な行動や成果
達也が学校に復帰した際に駆け寄り、言葉を交わす。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化は記載されていない。
北山雫
ほのかの親友であり、無口だが観察眼が鋭い。
・所属組織、地位や役職
第一高校の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
ほのかと共に達也を迎え入れる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化は記載されていない。
柴田美月
達也の同級生であり、霊子放射光過敏症の持ち主である。
・所属組織、地位や役職
第一高校の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
達也から光宣の件を聞き、状況を共有する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化は記載されていない。
マスター
達也たちが通う喫茶店の店主である。
・所属組織、地位や役職
喫茶店「アイネ・ブリーゼ」店主。
・物語内での具体的な行動や成果
達也たちのために店を貸切にし、飲み物を提供する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化は記載されていない。
【国防軍・警察】
佐伯
国防陸軍の将官であり、達也の力を利用しようと画策する。
・所属組織、地位や役職
国防陸軍第一〇一旅団長。少将。
・物語内での具体的な行動や成果
達也へリーナの引き渡しを命じるよう風間に指示する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化は記載されていない。
風間
独立魔装大隊の隊長であり、達也の上官にあたる。
・所属組織、地位や役職
第一〇一旅団独立魔装大隊隊長。中佐。
・物語内での具体的な行動や成果
達也にリーナの引き渡しを求めるが、拒否される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化は記載されていない。
藤林
風間の部下であり、電子戦のスペシャリストを務める。
・所属組織、地位や役職
独立魔装大隊。中尉。
・物語内での具体的な行動や成果
座間基地に向かう米軍輸送機の情報を確認する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
九島烈の孫にあたる。
空澤
警察官であり、亜夜子と過去に面識がある。
・所属組織、地位や役職
巡査。
・物語内での具体的な行動や成果
関西国際空港で密入国者を発見する。その後、亜夜子と文弥に当時の状況を説明した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化は記載されていない。
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考察・解説
スターズ隊員の叛乱
USNA軍統合参謀本部直属魔法師部隊「スターズ」の本部基地で発生した、恒星級隊員たちによる大規模な叛乱の経緯とその結末は以下の通りである。
叛乱の発生と参加者
2097年6月18日の早朝、ニューメキシコ州ロズウェル郊外のスターズ本部基地において、第三隊、第四隊、第六隊、第十一隊の一部隊員による叛乱が発生した。
首謀者と加担者は以下の通りであり、スターズの総隊長であるアンジー・シリウス少佐(リーナ)を標的として襲撃を行った。
・首謀者:第三隊隊長のアレクサンダー・アークトゥルス大尉とジェイコブ・レグルス中尉。
・加担者:第四隊隊長のシャルロット・ベガ大尉、レイラ・デネブ少尉、第六隊の隊員たち(リゲル、ベラトリックス、アルニラム)、第十一隊のアンタレス少佐やサルガス中尉など。
パラサイトの暗躍とベガたちの誤解
この叛乱の根本的な原因は、アークトゥルスやレグルスをはじめとする多くの参加者がパラサイトに憑依(同化)されていたことにあった。
一方、第四隊のベガやデネブはパラサイト化していなかったが、パラサイト側が流した以下の偽情報を信じ込まされていた。
・リーナが日本の工作員(司波達也)に籠絡されたこと。
・第六隊のメンバーを人体実験の犠牲にしてパラサイト化させた裏切り者であること。
嫉妬や義憤に駆られた彼女たちは、この大義名分に乗せられる形で叛乱に加担してしまった。
リーナへの襲撃とカノープスたちの支援
叛乱部隊はリーナを包囲し、レグルスのレーザー狙撃「レーザースナイピング」やアークトゥルスの投擲攻撃、ベガの重力魔法などで一斉に攻撃を仕掛けた。
孤立無援となったリーナであったが、以下の第一隊のメンバーの支援によって窮地を脱する。
・第一隊隊長のベンジャミン・カノープス少佐。
・その部下であるラルフ・ハーディ・ミルファク少尉、ラルフ・アルゴル少尉。
カノープスはベガやレグルス、アークトゥルスを相手に単独で足止めを行い、その間にリーナはミルファクの運転する車両で基地から脱出した。なお、この叛乱とパラサイトの暗躍をいち早く察知してカノープスに報告したのは、精神干渉系魔法の防御に長けた第十一隊のアリアナ・リー・シャウラ少尉であった。
まとめ
カノープスは一対三の不利な状況でも善戦していたが、アークトゥルスがアルゴルとシャウラを人質に取ったため、これ以上の戦闘を無意味と判断して投降した。
その後、カノープスは基地司令のウォーカー大佐の前に引き出された。ウォーカー大佐も既にパラサイトの思考誘導を受けており、軍内部の対立激化を避ける名目でカノープスに司法取引を持ちかけた。カノープスは、以下の条件でこの取引に応じる。
・ミルファクの脱走を不問にすること。
・自分を含めた三人(カノープス、アルゴル、シャウラ)がスターズ本部から離れたミッドウェー刑務所へ収監されること。
こうして反対派が排除された結果、スターズ本部は実質的にパラサイトによって占拠される事態となった。
リーナの日焼島潜伏
USNA軍統合参謀本部直属魔法師部隊「スターズ」の総隊長であるアンジェリーナ・クドウ・シールズ(リーナ)が、軍内部の叛乱から逃れて日本の日焼島(巳焼島)に潜伏することになった経緯と、彼女を標的とする処刑部隊の来日、そして達也たちによる迎撃の詳細は以下の通りである。
日本への脱出と日焼島での潜伏生活
スターズ内部でパラサイトと同化した隊員たちによる大規模な叛乱が発生し、暗殺されかけたリーナは、内部監察局のバランス大佐の手引きによって日本へ脱出した。日本に到着後、四葉分家である黒羽家に保護され、達也と深雪の自宅マンションに一泊した後、四葉家が用意した新たな潜伏先である日焼島へ移動した。達也が案内兼監視役に選ばれたのは、リーナの逃亡が偽装であり四葉家内部での破壊工作を企てている可能性に対するポーズとして、同じ戦略級魔法師が適任だと判断されたためであった。
日焼島での生活環境と達也の対応は以下の通りである。
・刑務所の管理スタッフ用だった居住棟に案内され、住居、日用品店舗、訓練室などが備わっていた。
・冷蔵庫やストッカーには食材も用意されており、スターズの宿舎よりも快適な環境であった。
・島内の全施設を自由に利用でき、決済も可能な金色のICカードが達也から渡された。
・丸腰でいることを不安がるリーナに対し、達也は未知のギミックを警戒してUSNA軍のCADの使用を許可せず、代わりに自身が用意したチョーカー型とブレスレット型のデバイスからなる「完全思考操作型CAD」を提供し、精密な調整を行った。
処刑部隊派遣の判明と先遣隊の動向
リーナが日本へ脱走した後、四葉真夜からの情報により、スターズが彼女を捕縛ではなく「処刑」するための部隊を出動させたことが判明した。達也は政府の意向を汲んで可能な限り捕縛するという方針の下、迎撃任務を引き受けた。
最初に日本に到着したのは以下の先遣隊であった。
・関西国際空港に到着したロサンゼルスからの直行便に、ジェイコブ・レグルス中尉とレイモンド・クラーク(共にパラサイト化済み)が搭乗していた。
・彼らは警察の尾行に気づいて強行突破を図り、包囲されかけたところで九島光宣の運転する車に救出され、彼と合流を果たした。
座間基地での強襲とパラサイト封印
その後、ハワイ発の米軍輸送機が座間基地に到着するという正式な通告が入った。達也はパラサイトを完全に無力化するため、吉田幹比古と西城レオンハルトに協力を要請し、以下の連携で迎撃を行った。
・達也は四葉家製の飛行バイク「ウイングレス」を用いて輸送機に空中から接近し、壁面を分解して機内へ強襲をかけた。
・機内で達也が「徹甲想子弾」を打ち込んで、アークトゥルスを含む4体のパラサイトの抵抗力を奪った。
・あらかじめ打ち合わせた幹比古が遠隔から封印術式を発動し、4体全員を完全に封印することに成功した。
まとめ
座間基地でのパラサイト一派は無力化されたが、同じ日の夜、横須賀基地に寄港した米軍の空母から新たな脅威が迫っていた。超大型潜水艦から密かに移乗していたスターズの女性士官、シャルロット・ベガ、ゾーイ・スピカ、レイラ・デネブの3名(いずれもリーナ出国後にパラサイト化済み)が日本の監視網をすり抜けて潜入を果たしており、事態はなおも予断を許さない状況となっている。
司波達也の新魔法研究
司波達也は、自身が持つ「分解」と「再成」という強力な異能にとどまらず、常に高度な知識と技術を駆使して新たな魔法や術式の研究・開発を行っている。作中で言及されている主な新魔法の研究は以下の通りである。
新たな戦略級魔法の開発
新ソ連の戦略級魔法「トゥマーン・ボンバ」の構造を視たことをヒントに、それを応用した新しい戦略級魔法をコンピューター上で一から構築していた。達也はこの魔法を自分で使うつもりはなく、以下の目的を目論んでいる。
・別の魔法師に使わせて新たな「十三使徒(国家公認戦略級魔法師)」として仕立て上げる。
・自分へのしがらみや負担を減らす。
飛行魔法と恒星炉(ESCAPES計画)
現代魔法学で不可能とされていた「常駐型重力制御魔法」を用いた飛行術式を完成させ、歴史的な快挙を成し遂げた。そして達也は、この重力制御魔法のノウハウを発展させ、以下の計画に取り組んでいる。
・魔法師を兵器の宿命から解放するための真の目標である「重力制御魔法式熱核融合炉(魔法恒星炉)」の開発。
・これが後に太平洋沿岸の資源抽出プラント「ESCAPES計画」へと繋がっていく。
特定魔法のジャミング
軍事物資であるアンティナイトを使用せず、以下の手法を用いた「キャスト・ジャミング」の応用技術も偶然から発見・構築している。
・2つのCADから発せられるサイオン干渉波を意図的に利用する。
・相手の魔法発動を妨害する。
まとめ
このように達也は、立ち塞がる困難や未知の脅威(十師族の鉄壁、パラサイト、ディオーネー計画による宇宙追放など)を打破するために、既存の魔法学の常識を次々と覆す新魔法を開発し続けている。
パラサイト化した九島光宣
九島光宣のパラサイト化について、その動機や実行のプロセス、その後の行動や他者との衝突について解説する。
パラサイト化の動機と目的
光宣が自らをパラサイト化するという極端な決断を下した最大の理由は、想いを寄せる桜井水波を救うためであった。以下の理由から、彼は自身を実験体とする決意を固める。
・限界を超えた魔法の行使により魔法演算領域に深刻なダメージを負った水波を完治させるには、パラサイトと融合させるしか方法がないと結論付けた。
・人を捨てるこの方法を彼女に勧める前に、まずは自分が実験体となり、パラサイトとなっても人間の自我や心を失わずにいられることを証明しようとした。
この「自分のためではなく、彼女のため」という強い意志が、パラサイトに飲み込まれずに自己を保つ最大の武器となった。
パラサイトとの融合プロセス
6月16日の未明、光宣は家族に内緒で旧第九研(現在の第九種魔法開発研究所)の保管倉庫へ侵入した。彼は、取り込んでいた周公瑾の知識である「電子金蚕」などの術式を利用して厳重な封印を解き、パラサイトの死体を休眠状態から目覚めさせた。
パラサイトを自らの身体に招き入れる際、光宣は以下の手段を用いた。
・冷却魔法を使って肉体を仮死状態に近づけ、生物としての拒否反応を抑え込む。
・自我を奪われまいとする強い意志と、パラサイトを隷属させる忠誠術式を行使する。
これにより、パラサイトに侵食されることなく完全に支配することに成功した。彼は「九島光宣」としての自我を保ったまま、肉体の脆弱性を克服し、パラサイト特有の強力な治癒再生能力を獲得した。
達也・十師族との激突
パラサイト化した同日の夕方、光宣は水波の病室を訪れてパラサイト化を提案するが、水波から「人であること」を奪うこの提案は、達也によって断固として拒絶された。光宣は達也と激突し、パラサイトの治癒能力や向上した発動速度、さらに周公瑾から得た「鬼門遁甲」などの古式魔法やエレメンタル・サイトを駆使して互角の戦いを繰り広げたが、決着はつかず一時撤退した。
その後、水波を連れ去るために再度病院への侵入を試みたが、以下の経緯をたどることとなる。
・警戒に当たっていた七草姉妹(真由美、香澄、泉美)と交戦になり、彼女たちを無力化した。
・続いて立ち塞がった十文字克人の「ファランクス」による圧倒的な防御と攻撃の前に為す術がなく、重傷を負って逃走を余儀なくされた。
USNAのパラサイトとの合流
十文字・七草連合の追撃を振り切った光宣は、関西国際空港で密入国してきたUSNA軍のパラサイト、レイモンド・クラークおよびジェイコブ・レグルスと合流し、周公瑾の隠れ家で協力関係を結んだ。
彼らは同じパラサイトとして深い意識の底でテレパシーを通じ合わせていたが、以下の点で意見が対立した。
・レイモンドたちは達也の抹殺を最優先とした。
・光宣は水波の救済を最優先とした。
レイモンドたちの背後にいる多数のパラサイトの思念が光宣を呑み込もうとするが、光宣は「水波を救う」という強い願いでこれに打ち勝ち、レイモンドたちを自らの意思に従わせることに成功した。
パラサイドール奪取と祖父の死
十師族との戦いで単独行動の限界を感じた光宣は、新たな手足となる戦力を得るため、旧第九研に保管されている人型兵器「パラサイドール」15体の奪取を計画した。
激しい警備や黒羽文弥・亜夜子の迎撃を突破してパラサイドールを起動させた光宣であったが、逃走しようとした矢先、祖父である九島烈が立ち塞がった。
まとめ
烈は、人でなくなった光宣を認めることができず、実験動物のような境遇にされる前にせめて自分の手で葬ろうと致死性の魔法を放った。光宣の人間としての心はそれを受け入れようとしたが、パラサイトとしての生存本能が反撃を引き起こしてしまった。
結果として、光宣は自らの手で最も自分を愛してくれていた祖父の命を奪うことになり、絶叫を上げて激しい絶望と喪失感に苛まれながら、パラサイドールと共に研究所を去ることとなった。
達也と光宣の対立
司波達也と九島光宣の対立は、桜井水波の深刻なダメージ(魔法演算領域の損傷)をどのように治療し、彼女をどう生かすかという価値観の決定的な相違から生じた。その対立の経緯と戦闘、そしてその後の展開は以下の通りである。
水波の治療法を巡る価値観の衝突
光宣は水波の命を救い、かつ「魔法師としての存在」を保つためには、自身と同じくパラサイトと融合するしかないと結論付け、彼女にそれを提案した。しかし達也は、水波から「人であること」を奪うとしてこれを断固拒絶する。両者の主張は以下のように対立した。
・達也:命を救うためならば、魔法演算領域を外側から封印し、魔法を取り上げてでも普通の女の子として平和な人生を歩ませるべきだと主張した。
・光宣:魔法師としての存在意義を何より重んじて生きてきたため、達也の「魔法を取り上げる」という提案は決して許容できるものではなかった。
結果として、激昂した光宣と達也はそのまま戦闘に突入することとなる。
調布の病院での激突
病室から中庭へと場所を移した戦闘で、光宣は以下の能力を駆使して達也を激しく翻弄した。
・パラサイト化による驚異的な治癒再生能力や向上した魔法発動速度。
・九島家の「仮装行列」。
・周公瑾の亡霊を取り込んだことで得た大陸古式魔法「鬼門遁甲」。
一方の達也も、光宣の動機が純粋に水波を救うことである点や、貴重な戦力を失うことへの懸念から、致命傷を与える(殺す)ことを躊躇っていた。光宣もまた達也を殺す以外の手段で突破できないと悟り、互いに決定打を欠く中、光宣は一時撤退を選択した。
十師族の包囲網と再戦の阻止
光宣が再び水波を攫いに来ることを確信した達也は、臨時師族会議で光宣のパラサイト化を報告し、四葉家、十文字家、七草家による強固な包囲網を構築した。
後日、光宣は再び病院の襲撃を試みたが、以下の防衛網に阻まれ、達也と再戦する前に重傷を負って逃走を余儀なくされた。
・警戒に当たっていた七草姉妹(真由美、香澄、泉美)。
・十文字克人の「ファランクス」による圧倒的な防御。
まとめ
達也は光宣を単なるパラサイト以上の複合的な脅威として深く警戒している。その理由は以下の通りである。
・光宣が達也と同じく「エレメンタル・サイト」の持ち主であること。
・周公瑾の亡霊を取り込み、旧第九研の技術・大陸古式魔法・パラサイトの異能を併せ持っていることを看破したため。
・光宣がUSNA(アメリカ)から密入国してきたスターズのパラサイト(レイモンド・クラークら)と結託し、更なる脅威となる可能性も強く懸念されているため。
大亜連合と新ソ連の開戦
2097年6月28日未明、大亜連合軍がハンカ湖西の国境を突破して南下を開始し、新ソビエト連邦との間で戦争が勃発した。両軍はウスリースク北方30キロの地点で激しく衝突した。
大亜連合の狙いと侵攻ルート
大亜連合の最大の狙いは、高麗自治区を支配する彼らにとって「喉元に突きつけられたナイフ」とも言える地政学的脅威、沿海地方南部(ウラジオストク周辺)の奪取である。高麗自治区からのルートを使わなかった理由は以下の通りと分析されている。
・横浜事変などで海軍戦力を大量に損耗しているため。
・海からの連携が不可欠な南ルートを断念せざるを得なかったため。
侵攻の決定打と新ソ連の状況
この時期に侵攻に踏み切った決定打は、新ソ連の戦略級魔法師ベゾブラゾフが「死亡、または人事不省に陥っている」という噂が流れたことにある。
・実際には達也による反撃でベゾブラゾフがダメージを負い、一時的に消息を絶っていたことが原因である。
・新ソ連最大の脅威が機能しないのであれば勝算があると大亜連合側が計算した結果であった。
両軍の戦況と魔法の運用
大亜連合は、新ソ連のシベリア軍本隊が到着する前に、新たな国家公認戦略級魔法師・劉麗蕾(リウ・リーレイ)の『霹靂塔』を投入しての短期決戦を狙った。
・しかし、戦略級魔法は敵味方が入り乱れる陸戦では使い所が難しい。
・そのため、戦況は一進一退の攻防となっている。
まとめ
この戦局に対し、達也は「大亜連合の侵攻はベゾブラゾフ不在という不確かな前提に基づくものであり、彼が戦列に復帰した瞬間に大亜連合軍の士気は瓦解する」として、最終的には新ソ連が勝利すると予測している。
魔法科 (24)(25)エスケープ編レビュー
魔法科 まとめ(3年生)
魔法科シリーズ まとめ
魔法科 (27) 急転編レビュー
展開まとめ
[1]
恒星級隊員による叛乱の勃発
西暦二〇九七年六月十八日早朝、北アメリカ大陸合衆国ニューメキシコ州ロズウェル郊外にあるUSNA軍統合参謀本部直属の魔法師部隊スターズ本部基地において、恒星級隊員による叛乱が発生した。それは通常では考えられない異常事態であった。
三部隊による組織的反逆
この叛乱は一個人の反逆ではなく、スターズを構成する十二部隊のうち三部隊が、各隊長に率いられて蜂起したものであった。各部隊の隊長は一等星級であり、その指揮のもとでの反乱は極めて重大な意味を持っていた。
少数幹部による反乱の重大性
叛乱に加わったのは少数の幹部に限られていたが、それによって事態が軽視されることはなかった。むしろ高位の魔法師による行動であるがゆえに、状況は重大な危機として認識されていた。
恒星級同士の戦闘継続
リーナが達也と深雪のもとへ到達する七十一時間前、スターズ本部基地では恒星級隊員同士による実戦が続いていた。最上位に位置する恒星級同士が訓練ではなく本気で魔法をぶつけ合う状況であり、基地内は異常な戦闘状態にあった。
暗殺側と脱出支援側の対立構造
リーナを暗殺しようとする第三隊・第四隊の隊員と、脱出を支援する第一隊の隊員が対立していた。ミルファクはリーナを乗せた実験車両を運転して基地から脱出し、カノープスは複数の敵を単独で引き受けていた。また、デネブはリーナを追撃したが、アルゴルに阻まれて戦闘に入っていた。
ベガの主張とカノープスの判断
ベガはシリウス少佐の裏切りを理由に行動していたが、カノープスはそれが誤った認識である可能性を考えていた。シャウラの分析により一部隊員がパラサイト化していると判断され、ベガたちは誤情報に基づき行動していると推測されていた。そのためカノープスは説得を試みたが、効果は期待できないと認識していた。
カノープスとベガの魔法戦
ベガは加重系魔法を用いて攻撃したが、カノープスは同種魔法で相殺し無効化した。さらに反撃の機会を得て接近を試みたが、レグルスの狙撃によって動きを制限された。カノープスは即座に防御を展開し、レーザー攻撃を反射して対処していた。
レグルスの狙撃と精神的消耗
レグルスは狙撃を繰り返しながら位置を変えていたが、カノープスの反射防御によって自身の攻撃が跳ね返される状況に置かれていた。反射された光弾が自身をかすめる危険が続き、その恐怖が精神を徐々に追い詰めていた。
デネブとアルゴルの近接戦闘
一方でデネブとアルゴルは接近戦を開始した。両者は高速移動魔法を用いる戦闘スタイルであり、デネブは回避よりも迎撃を選択して戦闘を継続した。デネブはリーナの裏切りを信じ義憤に駆られていたため、戦闘は激しさを増していた。
アルゴルの戦闘技術と優勢
アルゴルは特殊なナイフでデネブの銃を絡め取り、武装を無力化した。さらに高速移動からの連続攻撃で主導権を握り、鍔迫り合いの状態からデネブの隙を突いて致命的な位置へ刃を向けたことで、デネブは追い詰められていた。
カノープスの三対一の劣勢戦闘
カノープスは部下の戦況を確認する余裕もなく、ベガ、レグルス、アークトゥルスの三名を相手に戦っていた。数的不利の中でも魔法を使い分けて応戦していたが、さすがに厳しい戦闘であった。特にアークトゥルスは強敵であり、戦局を左右する存在となっていた。
アークトゥルスの多彩な攻撃と対応
アークトゥルスは風や投擲武器を操る魔法で連続攻撃を仕掛け、カノープスはその位置を特定できずにいた。羽状の攻撃に対しては爆風で対抗し、さらにベガへの接近を試みるなど攻勢に転じたが、攻撃は断続的に妨害され続けていた。
レグルスの狙撃失敗と戦線離脱
ベガに意識を向けた隙を突こうとしたレグルスは狙撃を試みたが、カノープスはそれを見抜いていた。反射されたレーザー光弾がレグルスに直撃し、武装デバイスの破壊と右目の損傷を招いたことで、レグルスは戦闘不能となった。
アルゴルとデネブの相打ち状態
その直後、アルゴルがデネブの脇腹を刺し倒したが、同時に自身も攻撃を受けて倒れた。新たな攻撃者の存在が明らかとなり、戦場はさらに混乱した状況へと移行した。
スピカの参戦と連携攻撃
新たにスピカが戦闘に加わり、分子ディバイダーの変形魔法でカノープスを攻撃した。さらにベガやアークトゥルスとの連携により、カノープスは一時的に防戦を強いられたが、魔法の相殺と回避で持ちこたえた。
ベガの無力化と形勢の変化
カノープスは虚を突く形でプラズマ弾を放ち、ベガを麻痺させて戦闘不能に追い込んだ。これにより戦況は一対二に変化し、優位に立つ可能性が生まれた。
増援の到着と人質による制圧
しかし直後にパラサイト化した第六隊の隊員が現れ、負傷したアルゴルを人質として提示した。さらにシャウラも拘束されたことが明かされ、戦闘継続の意味が失われた状況となった。
カノープスの投降決断
カノープスはこれ以上の被害拡大を避けるため武装を手放し、投降を選択した。アークトゥルスは身の安全のみを保証すると告げ、戦闘は一旦終結へと向かった。
拘束後の待遇と行動
カノープスは拘束されたが、独房ではなく高級士官用の個室に収容されていた。武器は没収されていたものの、魔法の使用自体は完全には封じられていなかった。しかしカノープスは脱出を試みず、用意された水だけで時間を過ごし、夜に呼び出しを受けた。
司令官室での対面と容疑提示
カノープスは司令官室へ連行され、ウォーカー基地司令の前に出頭した。そこにはアークトゥルスやベガ、カペラも同席していた。カノープスにはミルファクの脱走幇助と傷害の容疑が告げられたが、リーナの行動については正式な命令が整っていたため罪には問われなかった。
達也を巡る方針対立
ウォーカーは司波達也の扱いについて、抹殺すべきとする立場を明言した。軍上層部では達也を脅威として排除するか、戦略に組み込むかで意見が分かれていたが、ウォーカーとアークトゥルス、ベガは抹殺派であった。カノープスは暗殺という手段に反対し、軍の倫理と自制の必要性を示した。
パラサイトによる思考誘導の確信
カノープスはウォーカーの言動から、パラサイトによる思考誘導が行われていると確信した。それは理性を奪うものではなく、本人の欲求や危機感を増幅して操るものであり、外見上は自然に見える支配であった。
司法取引の提示と受諾
ウォーカーは軍内部の対立激化を避けるため、司法取引を提案した。カノープスがレグルスへの傷害を認める代わりに、ミルファクは任務中行方不明とされ、アルゴルとシャウラの刑も軽減される条件であった。カノープスは状況を受け入れ、禁固刑一年を了承した。
条件提示と収監先の指定
カノープスは条件として、自身の収監先をミッドウェー刑務所に指定し、さらにアルゴルとシャウラにも同様の措置を求めた。ウォーカーはこれを受け入れ、取引は成立した。
迅速な刑罰決定と周囲の反応
カノープスらに対する禁固刑は翌日には正式決定された。その異例の速さに疑念を抱く者もいたが、決定に反対する者は現れなかった。
[2]
リーナの移動と潜伏先の概要
二〇九七年六月二十三日、アンジェリーナ・クドウ・シールズは小型VTOLで新たな潜伏先へ移動していた。彼女は本部基地で反逆者とされ暗殺されかけた後、日本へ逃れており、今は房総半島南方海上に位置する日焼島へ向かっていた。この島は四葉家が実質的に支配する土地であり、かつては魔法師専用の秘密刑務所として利用されていた場所であった。
日焼島の開発と施設の変化
日焼島はかつて溶岩原が広がる荒地であったが、現在は飛行場や淡水化施設、地熱発電所、複数の建築物が整備されていた。刑務所機能はすでに移転しており、島は新たな開発段階に入っていた。四葉家はここに新たな拠点と研究施設を構築し、ESCAPES計画に基づく施設も建設しようとしていた。
達也と深雪の同行目的
達也と深雪も同乗しており、リーナの案内と監視に加え、建設予定地の視察を目的としていた。達也は島の設備や研究施設の存在から、四葉家が研究者を取り込む意図を持っていることを理解していた。
居住施設の確認と生活環境
島の西側にある居住施設へ移動した一行は、生活設備が整った環境を確認した。食料や日用品も備えられており、リーナはその環境が想像していた逃亡生活とは大きく異なることに驚いていた。
施設見学と研究設備の提示
リーナは刑務所施設だけでなく、建設中の研究施設や感応石の精製工場にも案内された。感応石はCADの中核部品であり、その製造技術は重要な機密であるため、外部者に公開されることは通常あり得ないものであった。
達也の意図とリーナの認識
達也は重要施設を見せることで、その価値と危険性を理解させる意図を持っていた。リーナは当初自分に選択権が無いと考えていたが、実際には潜伏先の選択は可能であった。しかし彼女はその誤解のまま受け入れる姿勢を示していた。
生活の受け入れと別れの挨拶
達也はリーナに施設利用が可能なカードを渡し、必要時の連絡手段も伝えた。リーナは環境を受け入れ、感謝の意を示した後、達也と深雪を見送り、新たな生活を開始することとなった。
兵庫による新型車両の案内
達也が駐車場へ向かう途中、兵庫がもう一つ見せたいものがあると申し出た。達也は了承し、兵庫に案内されて滑走路脇のガレージへ向かった。そこには特徴的な形状の四輪車が一台置かれていた。
エアカーの正体と開発経緯
その車両は電動駆動の構造を持ちながら、飛行能力を備えたエアカーであった。開発は二年前から進められていたが、達也が提示した飛行魔法の新スキームによって完成に至ったものであった。達也は自身の提案が形になっていたことに驚きを見せていた。
実用性と運用範囲の説明
エアカーは公道用自走車として登録されており、日常的に使用できるだけでなく、島への往来にも利用可能な機能を持っていた。兵庫は必要であれば自ら運用することも可能であると述べた。
試乗の提案と達也の判断
深雪は試乗を勧めたが、達也はその場での試運転を見送った。興味は示しつつも、後日に改めてテストすることを決めた。
テスト延期の理由
達也はテスト中に深雪を放置する状況を避けるため、彼女が学校にいる時間に試験を行うことを選択した。これにより、エアカーの評価は後日に持ち越された。
USNAからの捜索要請と日本の対応
達也たちが日焼島を訪れていた頃、日本の外務省と防衛省はUSNAからの内密な要求に対応していた。内容はアンジー・シリウスの捜索と保護を行い、大使館へ引き渡すよう求めるものであった。日本政府は事前通告のない入国に抗議したが、軍事目的ではないとされ、それ以上の追及はできなかった。その結果、日本は捜索と保護を約束した。
四葉家による保護の把握
佐伯と風間は、シリウスが四葉家に保護されていることを認識していた。四葉家からの連絡は報告というより警告であり、国防軍に干渉しないよう求める意図があったと理解されていた。両者はその背景に達也の関与があると推測していた。
シリウスの扱いに関する意図
佐伯は最終的にシリウスをUSNAへ引き渡す考えを示したが、即時ではなく交渉材料として利用する意図を持っていた。戦略級魔法師であるシリウスの価値を踏まえ、譲歩を引き出す可能性を見込んでいた。
脱走理由の不明と情報不足
風間はシリウスの脱走理由に疑問を抱いたが、詳細な情報は得られていなかった。国家公認戦略級魔法師に関する情報は厳重に管理されており、同盟国であっても容易に把握できるものではなかった。
達也への命令と対応方針
佐伯は風間に対し、達也へシリウスの引き渡しを命じるよう指示した。達也が拒否した場合でも強硬手段は取らないが、国防軍として国内に留めておく意思はないことを明確に伝える方針であった。
風間の違和感
風間は命令を受け入れつつも、その対応が適切であるかに疑問を抱いていた。しかし軍人として命令に従い、達也への伝達を決意した。
病室訪問と双子の来訪
達也と深雪は日焼島から戻ると、水波の病室を訪れた。そこには七草家の双子である香澄と泉美が見舞いに来ており、和やかなやり取りが交わされた。二人は本来の任務とは別に同級生として訪れており、その善意に対して達也と深雪は感謝の念を抱いていた。
水波の回復状況の確認
達也と深雪は水波の体調を確認し、回復が進んでいることを知った。外見上は改善が見られるものの、感覚障害は残っている可能性があり、無理をしないよう助言がなされた。退院の目安は二週間程度とされていた。
リハビリ提案と泉美の申し出
深雪は退院後の支援を申し出たが、水波は遠慮を見せた。そこへ泉美がリハビリの手伝いを申し出たが、その動機に対して香澄が疑念を呈し、軽い騒動となった。その後、双子は病室を後にした。
光宣に関する警戒と対策
達也は光宣の動向について問い、水波は異常が無いと答えたが、光宣が何らかの準備を進めている可能性が示された。達也はパラサイトの増加や協力者の存在を警戒し、関係者への注意喚起の必要性を認識した。
仲間への警告と対応方針
達也はエリカたちに直接警告を行うことを決め、情報共有の場としてアイネ・ブリーゼを指定した。深雪も同席者を増やす提案を行い、達也はそれを了承した。
水波への問いと内心の動揺
深雪は水波に対し、光宣への感情を問い掛けた。水波は動揺しつつも特別な感情は無いと否定したが、その答えは即断によるものであり、内心の整理がついていない様子が見られた。
覚悟の要求と選択の重さ
達也は水波に対し、光宣が殺される可能性を受け入れる覚悟を求めた。水波が光宣に特別な感情を持つ場合は別の対応も検討するとしたが、その場合は犠牲が増える可能性が示された。水波は葛藤を抱えながらも、特別な感情は無いと改めて表明し、達也はそれを受け入れた。
[3]
エアカー試験の実施と性能確認
六月二十四日、達也は日焼島でエアカーの試験を行った。試験結果は全て計画通りであり、特筆すべき問題は発生しなかった。車両は空中飛行だけでなく水上走行や潜水も可能であり、高い気密性を備えていたが、実運用は陸上や低空での使用が前提とされていた。
運用方法と移動手段の検討
兵庫は島との往来には水上走行モードの使用を勧め、達也もそれを受け入れた。達也は船舶免許を所持しており、その運用は法的にも問題がないと説明された。
リーナの不安と機密に関する疑問
見学していたリーナは、自身がこのような高度な技術を見たうえで帰国できるのか不安を抱いた。達也は四葉家が軍事組織ではなく研究組織であると説明し、機密扱いではないと答えたが、リーナはその認識に強い違和感を示した。
達也の認識とリーナの動揺
達也は強大な破壊力についても個人の力であると断言し、その責任を受け入れている様子を見せた。その姿勢にリーナは衝撃を受けたが、それ以上の追及は避けて話題を切り上げた。
CAD返却の要求と理由
リーナは自身が捕虜ではないことを確認したうえで、預けていたCADの返却を求めた。丸腰でいることへの不安が理由であり、率直な本音として伝えられた。
達也の拒否と代替案の提示
達也はUSNA製CADの使用を認めず、代わりに別のCADを用意していると説明した。これは安全面への配慮によるものであり、リーナもその理由に納得した。
CAD調整と次の行動
達也は用意したCADの調整を行うと告げ、リーナもそれに従った。達也が技術者としての能力を持つことを改めて認識したリーナは、そのまま彼に続いて調整施設へ向かった。
研究施設への移動と装備提示
達也とリーナは格納庫から研究施設へ移動し、そこで新たなCADを提示された。達也が用意したのはチョーカー型とブレスレット型の二つの装置であり、完全思考操作型CADであった。リーナはその形式を即座に見抜き、関心を示した。
完全思考操作型CADの仕組み説明
達也はこのCADの仕組みを説明した。チョーカー型は想子を用いて特定の起動式を出力し、ブレスレット型がそれを受けて魔法を発動する構造であった。使用者は思考によって魔法番号を選択するだけで起動式を呼び出すことができ、従来の手動操作による隙を解消する仕組みとなっていた。
性能への理解と評価
リーナはこの仕組みが戦闘において大きな利点となることを理解した。CAD操作による時間的な制約を解消しつつ、汎用性を保てる点に価値を見出し、その装備を受け入れた。
調整作業の準備と測定方法
達也は精密な調整を行うため、寝台型の測定装置を使用することを決めた。リーナは準備室で着替えを行い、測定用の装いで調整室に入った。
調整中のやり取りと作業の完了
調整作業は特に問題なく進行した。達也は作業に集中し、余計な混乱を避けるよう配慮しながら調整を終えた。リーナは新たなCADを装着し、その外観も含めて受け入れていた。
装備導入後の確認と出発
達也は不具合があれば報告するよう伝え、リーナも了承した。その後、達也はエアカーで島を離れ、水上走行モードで帰路についた。
貸切の喫茶店での情報共有
達也が第一高校の通学路にある喫茶店アイネ・ブリーゼに入った時には、深雪と友人たちが既にそろっていた。店内は貸切にされ、幹比古の音声結界も張られていたため、達也は重要な話を始めるための場が整っていることを確認した。
光宣のパラサイト化の告知
達也は九島光宣がパラサイトになったと告げた。その事実に、光宣と面識のある幹比古、エリカ、レオは強い衝撃を受け、美月も確認の言葉を返した。達也は、自分が知る限りの事情として、光宣が自らの意思で人間を捨てたことと、その目的を説明し始めた。
水波の病状と光宣の目的
達也は、水波が入院している理由が単なる怪我ではなく、魔法演算領域への大きな損傷であり、完全な回復は望めないと明かした。さらに、光宣は水波を治療する方法を試すため、自らパラサイトになったと説明した。これにより、光宣が水波を連れ去ろうとして既に一度行動を起こしていたことも共有された。
光宣の脅威と達也の懸念
達也は、自分がやられることはないが、水波を守り切れない可能性はあると認めた。そして、友人たちに本当に注意してほしいのは、光宣が水波を連れ去るための策として、エリカ、レオ、幹比古に接触してくる可能性であると伝えた。三人は、事情を知らなければ光宣に協力していたかもしれないと認めた。
幹比古への警戒喚起
幹比古は、人間とパラサイトの見分けが付かないと思われることに不満を示したが、達也は自分も光宣が正体を明かすまで気付けなかったと返した。さらに、九島家には情報体を偽装する魔法があり、光宣はパラサイト化しても九の魔法を失っていないと説明したことで、幹比古も警戒の必要を受け入れた。
パラサイトの出所とリーナ来日の開示
幹比古が光宣に取り憑いたパラサイトの出所を尋ねると、達也はそれが以前封印されたパラサイトの一体であり、九島家が所持していたものだと答えた。さらに達也は逡巡の末、リーナが日本に来ていることも打ち明けた。その事実と、USNAで再びパラサイトが発生したことが関係していると明かされたため、一同の動揺はさらに大きくなった。
USNAの新たな脅威と封印術式への備え
達也は、光宣に取り憑いているパラサイト自体はUSNAでの新たな発生とは無関係だが、新たなパラサイトが日本に侵入すれば、光宣と共闘する可能性があると述べた。幹比古が対抗手段を尋ねると、達也は九島烈からパラサイト封印の魔法が提供される予定だと説明した。ただし、それがうまくいかなかった場合には幹比古の力を借りる可能性があるとも告げた。
幹比古の協力表明
達也の言葉を受けて、幹比古は必要な時にはぜひ力になりたいと力強く答えた。その返答には、妖魔対策は古式魔法師の使命であるという彼の信念が表れていた。
帰路での沈黙と緊張の余韻
達也と深雪はエアカーを使わず公共交通機関で帰宅した。車内では会話が少なく、アイネ・ブリーゼでの重い話の余韻が残っていた。帰宅後は日常的な会話で落ち着きを取り戻したが、その時間は長く続かなかった。
風間からの連絡と要求の提示
電話越しに風間から連絡が入り、アンジー・シリウスが保護を求めてきた場合は国防軍に引き渡すよう要求された。これは民間組織による外国軍人の保護を認めないという立場に基づくものであった。
達也の応答と責任の所在の転換
達也はその要求に対し、四葉家が保護しているのであれば本家に要求するべきだと応じた。自身が直接対応する立場ではないとし、要求の対象をずらすことで明確な受諾を避けた。
契約解釈を巡る対立
風間は四葉家と国防軍の契約を根拠に、達也に命令への従属を求めた。しかし達也は契約内容を否定し、優先命令権が認められているのは四葉家側であり、自分に従属義務は無いと反論した。
立場の確認と反発の表明
達也は自身の軍階級は形式的なものであり、過去の宣誓も限定的なものであったと主張した。これにより、国防軍への全面的な従属を拒否する立場を明確にした。
決裂回避と関係維持
最終的に両者は決定的な対立を避けた。達也は保護の事実を否定せずに責任を回避し、風間も強硬な対応には踏み込まなかった。互いに相手の価値を認識したうえで、関係は維持された。
訓練室の使用と目的
達也と深雪の新居である四葉家東京本部の地下訓練室にて、達也は深雪と水波と共にパラサイト封印の魔法を学ぶ準備を進めていた。訓練室は達也の判断で貸し切られており、外部の干渉を避けた環境が整えられていた。
達也の魔法適性と限界認識
達也は真夜から術式を教わる予定であったが、自身には通常の魔法を使いこなす能力が乏しいことを自覚していた。しかし想子操作に関しては高い能力を持っており、その分野での可能性には見切りをつけていなかった。
想子とパラサイトの関係の理解
達也はパラサイトが霊子情報体であり、その周囲を想子が覆っている性質に着目していた。想子を操作すれば精神体にも干渉できると考え、無系統魔法による封印や拘束の可能性を探っていた。
試行錯誤と術式の不成立
達也は鎖や網などのイメージを用いて想子操作を試みたが、いずれも有効な術式には至らなかった。徹甲想子弾など既存の手段でもパラサイトを弱らせることはできたが、完全な無力化には至らないことが確認されていた。
実物による検証の必要性
達也は本物のパラサイトを用いた検証の必要性を感じていた。四葉家や九島家に存在する個体を利用すれば精度の高い研究が可能だと考えたが、現状では基礎的な方針が定まっていないため、すぐに行動には移らなかった。
八雲への相談決意
現状の手詰まりを受け、達也は九重寺の八雲に助言を求めることを決めた。借りを作ることへの抵抗はあったが、状況を優先し翌朝に訪問する方針を固めた。
八雲の寺での不意打ち
六月二十五日早朝、達也は事前連絡なしで八雲の寺を訪れた。飛行バイクと飛行戦闘服を用いて到着したが、境内には門弟の姿もなく、人の気配も無かった。そこへ実体の無い敵意を持つ存在が襲来し、達也は正体を見極める前に想子流で迎撃した。
風の独立情報体との交戦
達也は襲ってきた存在を独立情報体と判断し、さらにそれが風の精霊であり、人の意思で制御されていることを見抜いた。術式解散で消し去ることも考えたが、途中でそれをやめ、想子で網のような膜を作って拘束を試みた。しかし拘束は破られ、風の刃による反撃を受けて左腕を裂かれた。
再成による回復と拘束の再挑戦
達也は受けた傷とスーツの損傷を再成で即座に復元した。その後も攻撃が止まらない中で、想子の盾で風の精霊の進行を止め、さらに想子を集中させて独立情報体ごと圧縮した。風の精霊は掌に収まるほどの想子球の中に閉じ込められ、達也はひとまず拘束に成功した。
封印未完成と八雲の登場
しかし想子球は内側からの膨張圧力を受けて破裂し、風の精霊は自爆のような形で脱出を図った。達也はこれに術式解体をぶつけて対処した。その直後、無人だった境内に八雲が姿を現し、あと少し工夫すれば封玉は完成していたと評した。
封印術の助言と封玉の正体
達也が封玉について尋ねると、八雲はそれが達也自身が今作ろうとしたものだと説明した。達也がパラサイト封印の方法を求めて来たことも、光宣やアメリカでの再発生の件も既に把握していた。術式そのものを教えることは拒んだが、達也が作った封玉は徹甲想子弾の技術を応用したものであり、パラサイトにも十分通用する可能性があると認めた。
未完成の理由と今後の方針
八雲は、先ほどの封玉でも長時間念を込め続ければ破られなかっただろうと述べたうえで、必要なのは時間ではなく念圧の掛け方の工夫だと示唆した。しかしそれ以上の具体的な方法は教えなかった。達也はその意図を理解し、自分で工夫すると答えた。さらに八雲からは、吉田家の次男を相手に練習すると良いという助言も与えられ、達也にとって十分以上の収穫となった。
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病院近くの待機と双子の会話
香澄と泉美は、水波が入院している病院の近くにある七草家の待機拠点で光宣を待っていた。泉美は深雪に会いたいとこぼし、香澄は会長の家には達也がいると嫌がるなど、二人のやり取りはいつもの調子で続いていた。しかしその一方で、二人は師族会議で割り当てられた役目として、パラサイトと化した光宣を捕らえるか、必要なら誅殺することも受け入れていた。
光宣来訪の可能性を巡る見解
香澄は、待ち伏せを警戒して光宣は現れないのではないかと考えていた。これに対し泉美は、光宣は子供の頃から物事に執着しない性格だったが、その光宣が人であることを捨ててまで桜井を望んだ以上、今度ばかりは決して諦めないだろうと推測した。泉美にはその激しい想い自体は理解できなかったが、だからこそ逆に、その執着の強さだけは確信していた。
待ち伏せを恐れない理由の推測
香澄は、四葉家、十文字家、七草家が水波の周囲を固めている状況で、本当に光宣が突っ込んでくるのかと疑問を口にした。泉美は、光宣が冷静さを失っているから来るのではなく、三家を恐れていないから来るのだと考えていた。さらに光宣はパラサイトの力を得て以前より強くなっており、その実力を踏まえれば、三家を相手取ることに過剰な自信を抱いているわけではないと見ていた。
真由美の報告と現場の急変
二人の議論は、真由美が現れたことで中断された。香澄は真っ先に水波の無事を確認し、真由美は病院内に侵入される前に捕捉したため無事だと答えた。最初に接触したのは七草家の部下だったが、彼らは一分も持たずに蹴散らされ、現在は十文字家の人間が駆けつけて食い止めている最中であった。
出撃準備と現場への移動
真由美は、七草弘一や十文字家の主力が到着するまで、自分たちで光宣を足止めしなければならないと告げた。香澄と泉美は話を聞きながら既にCADや通信機付きゴーグル、防護ベストを装着しており、準備は整っていた。真由美の合図で三人は拠点を出て、現場へ向かった。
戦闘直後の状況確認
真由美たちが現場に到着した時、戦闘は一時的に終わっていた。道路には七草家の魔法師が倒れており、香澄と泉美が脈と呼吸を確認した結果、全員生存しており大きな外傷も見られなかった。
光宣の逃走経路の把握
真由美は立っている十文字家の魔法師に光宣の行方を尋ねた。光宣は右手の路地へ姿を消しており、その方向には迎撃の指示が既に出されていた。病院内部への侵入経路として窓や屋上が想定され、真由美は光宣が逃走ではなく侵入を継続していると判断した。
役割分担と追跡決断
真由美は光宣を追跡することを決め、十文字家の魔法師には持ち場である病院裏口の防衛に戻るよう指示した。彼らは本来の任務に戻るべくその場を離れた。
姉妹の制止と判断理由
香澄と泉美は真由美の単独行動を危険視して止めようとしたが、真由美は負傷者の保護と再侵入の可能性を理由にその場に残る必要性を説明した。別方向に移動したと見せかけて戻る可能性を考慮し、現場の維持を優先した判断であった。
行動開始と分離
香澄と泉美は真由美の判断を受け入れ、負傷者の対応に回ることを了承した。真由美は二人に注意を促した後、ゴーグルを装着して単独で光宣の追跡へ向かった。
雷撃魔法の観測と特性の把握
真由美は高まった魔法の気配を追って側道へ駆け込み、空中から放たれる雷撃を目撃した。標的となっていた十文字家の魔法師は防御障壁で攻撃を受け止めていたが、その雷撃は蛇のように動き、障壁の周囲を回り込んで拘束する形へと変化した。これは古式魔法の技術により現象へ形を与え、持続的に制御することで足止めを目的とした術式であった。
拘束状況の悪化と攻撃の連続
さらに雷撃が連続して放たれ、魔法障壁は複数の円環によって完全に拘束された状態となった。シールドを解除すれば内部の魔法師が雷撃を受ける状況に追い込まれており、脱出は困難であった。
魔法砲台の破壊
真由美は攻撃の発生源を特定し、想子弾で遠隔発動されている魔法砲台を正確に撃ち抜いた。これにより雷撃の供給源となっていた想子情報体は破壊され、拘束の維持が断たれた。
異能による探索の開始
真由美は先天的な遠隔視能力マルチスコープを最大出力で使用し、周囲に潜む光宣の位置を探し始めた。この能力は多方向からの視覚情報を同時に取得するものであり、大きな精神負荷を伴うが、真由美はそれを承知で探索を続けた。
光宣の発見と攻撃
真由美は近距離に潜んでいた光宣の姿を捉え、魔弾の射手を発動して攻撃を仕掛けた。砲台から放たれた弾丸は光宣を捉えたが、彼は空中へ移動し、多くの弾丸を回避した。
屋上への移動と追撃継続
光宣は病院の屋上へと着地した。真由美はマルチスコープの使用範囲を絞りつつ、捕縛のための魔法を準備し、跳躍魔法で屋上へと移動した。味方が拘束された状況のまま、真由美は単独で追撃を継続した。
負傷者対応中の奇襲
香澄と泉美が負傷者の様子を見守っている最中、病院裏口を守る魔法師に向けて突如『スパーク』が放たれた。注意を逸らされた隙を突かれた二人の魔法師は感電し、その場に崩れ落ちた。
光宣との交戦開始
香澄は光宣の出現を確信し、閃光魔法で姿を照らしたうえで攻撃を開始した。凍気弾による攻撃と泉美の領域干渉による防御を組み合わせたが、光宣の魔法障壁は強固であり、攻撃は通じなかった。さらに反撃として放たれた魔法は泉美の防御を突破し、二人は劣勢に立たされた。
乗積魔法による反撃
単独では勝てないと判断した泉美は、香澄に協力を求めた。二人は手を取り合い、想子を循環させることで乗積魔法を発動した。強化された領域干渉により光宣の魔法を未然に防ぎ、続けて冷気嵐流を放って反撃した。
攻撃の無効化と形勢逆転
冷気による攻撃は一時的に光宣を覆ったが、彼は即座にそれを解除し無傷で立ち続けた。続く窒息乱流も魔法障壁によって防がれ、双子の攻撃は決定打に至らなかった。
光宣の反撃と無力化
光宣は魔法を発動し、香澄と泉美の防御をすり抜ける形で酸素濃度を低下させた。二人は抵抗する間もなく意識を失い倒れたが、光宣は落下を防ぎ安全に横たえたうえで呼吸を回復させ、さらに幻術で眠らせた。
光宣の目的と葛藤
光宣は二人を傷つけることを望んでおらず、苦悩しながらも無力化を選択していた。彼の目的は水波を救うことであり、説得の余地が無いと判断して強制的に連れ去る決意を固めていた。
真由美との再接触
病院裏口へ侵入しようとした光宣は、ドライアイス弾による攻撃で足を止められた。上空から現れた真由美が投降を求め、光宣は幻術が見破られたことを悟った。
屋上での対峙と投降勧告
真由美は光宣を追って屋上に到達し、背を向けたまま動かない光宣に投降を求めた。無抵抗の様子に一瞬ためらいを覚えたが、パラサイト化した危険性を踏まえ攻撃を決断した。
幻影による攻撃無効化
真由美は『魔弾の射手』で集中攻撃を行ったが、弾丸は光宣の身体をすり抜けた。九島家の魔法『仮装行列』による幻影であり、本体の位置が掴めない状況に陥った。
広域攻撃と索敵の試み
真由美は範囲攻撃『ドライ・ブリザード』と高濃度二酸化炭素の檻を展開し、内部の魔法反応を探知することで本体の位置特定を試みた。しかし光宣の気配は掴めず、裏口で発生した双子の乗積魔法の波動から、囮に誘導されていたことに気付いた。
裏口での再交戦と幻影突破
真由美は急行し、再び光宣へ攻撃を仕掛けた。幻影に翻弄されながらも、気流の変化から本体の位置を見抜き、『仮装行列』を破って光宣を露出させた。
影獣による反撃と真由美の落下
追い詰められた光宣は影の獣を生み出し、雷撃で真由美を無力化した。真由美は屋上から落下し、光宣は救助を試みたが、その前に十文字克人が現れ彼女を受け止めた。
克人との戦闘開始
克人は真由美を安全に下ろした後、光宣に対して攻撃型の障壁魔法を展開した。光宣は回避と幻影で対抗したが、全方位を覆う障壁によって動きを封じられ、力比べで大きく消耗した。
総力戦と力の差
光宣は『青天霹靂』や『影獣』など多彩な魔法を連続して放ち、さらに分身や多様な術式で攻め続けた。しかし克人の障壁魔法はすべてを防ぎ、攻撃型ファランクスによって光宣を追い詰めた。
重傷を負いながらの撤退
光宣は直撃を受けて重傷を負いながらも、加速と反重力の魔法で上空へ離脱した。身体に深刻な損傷を抱えつつも、雲を突き抜けて逃走することに成功した。
七草姉妹の搬送と容態確認
真由美と香澄、泉美は戦闘後に水波の入院する病院へ運び込まれた。達也と深雪が到着した時、香澄と泉美はまだ意識を取り戻していなかったが、真由美は既に起き上がり会話できる状態にあった。達也は重傷が無かったことを安堵し、真由美は光宣が加減した可能性を口にした。
光宣への認識と感情の揺れ
真由美は光宣の目的が水波であり、自分たちと本気で敵対する意図は無かったのではないかと語ったが、深雪は敵にならなかっただけではないかと指摘した。そのやり取りの中で真由美は感情的な反応を見せたが、自らそれを省みて謝罪した。
敗北への受け止めと共感
深雪は敗北の悔しさは当然であると述べ、真由美に共感を示した。真由美は深雪にも敗北経験があるのかと問い、会話の空気が揺らいだが、互いにそれ以上踏み込まず話題は収束した。
十文字克人の評価と戦況の整理
達也が話題を変え、十文字克人の動向を尋ねると、真由美は追跡に向かったと説明した。そして克人が無傷で光宣を退けたことに感嘆したが、深雪はその前に香澄や泉美、真由美自身との戦闘で光宣が消耗していた点を指摘した。
仲間の奮闘への再評価
深雪の指摘により、真由美は自分たちの戦いも克人の勝利に影響していた可能性を受け入れた。真由美はその考えに納得し、深雪に礼を述べて会話を終えた。
病院後の帰宅と七草家の判断
香澄と泉美が目を覚ました後に話を終え、達也たちは自宅へ戻った。水波の病室には寄らず、既に見舞いを済ませていたことと、本人が疲労で眠っているため配慮した結果であった。帰宅後、達也は七草姉妹が自宅へ戻ったことを伝え、四葉家の影響下にある病院では落ち着かない可能性について言及した。
十文字克人の追跡に対する評価
深雪が光宣の捕捉について問うと、達也は困難であるとの見解を示した。その理由として、十文字家の魔法は防衛に優れ、追跡や捕捉には適していない性質であると説明した。過去の事例も踏まえ、迎撃には強いが追跡には向かないと分析した。
戦闘時の有利条件の整理
達也は今回の戦闘では、光宣の目的が病院侵入に限定されていたため行動範囲が制約され、十文字克人にとって有利な状況であったと指摘した。侵入経路が限られる中で待ち構えることで、迎撃が成立していたと説明した。
幻惑魔法と追跡困難の理由
光宣が使用する仮装行列や鬼門遁甲のような位置を誤認させる魔法により、追跡や捕捉は極めて難しくなると述べた。迎撃とは異なり、位置が特定できない状況ではこれらの魔法を突破することが困難であると結論づけた。
対策と現実的な対応
達也は自分であっても確実な捕捉は難しいと認め、人海戦術による捜索が現実的であると判断した。そのため七草家や九島家の捜索網に期待するのが最善であると締めくくった。
逃走後の安堵と反省
光宣は十文字家の追撃を振り切り、北陸方面行きの個型電車に乗り込んだことでようやく逃走に成功したと確信した。怪我は既に治癒していたが、『仮装行列』による変装は解かず、監視の可能性を警戒し続けた。その中で、今回の行動を振り返り、自らの甘さを認めた。
単独行動の失敗と十師族の評価
光宣は単独で水波を連れ去る計画を立てていたが、病院への侵入すら果たせず失敗に終わった。七草姉妹を無力化した後も十文字克人に阻まれ、目的を達成できなかったことで、十師族の実力を過小評価していたと痛感した。
七草姉妹との戦闘の評価
香澄と泉美は単独では脅威ではなかったが、乗積魔法によって一体化したことで光宣を追い詰めた。さらに真由美はそれ以上の強さを示し、『仮装行列』を破られるなど想定外の展開となったことで、予定外の強力な魔法を使用せざるを得なかった。
十文字克人の圧倒的防御力
光宣は克人との戦闘を通じ、その防御が極めて強固であることを理解した。幻影や化成体を無効化する能力と、範囲で封じる戦術により、自身の手段では突破できないと認識した。
敗北の認識と今後の課題
光宣は連戦による消耗を考慮しても敗北の言い訳にはならないと結論づけ、克人を自分にとって達也以上の強敵である可能性すら感じた。自力では攻略不可能である現実を受け止め、無念を抱えたまま戦いを振り返った。
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真夜からの緊急招集と情報伝達
光宣の襲撃翌日、達也は真夜に呼び出され、本家へ向かった。真夜はペンタゴンの協力者から重要な情報が入ったため、直接伝える必要があったと説明した。
スターズによる処刑部隊派遣の判明
真夜は、スターズがリーナを捕縛ではなく処刑するための部隊を出動させたと告げた。この決定はペンタゴンではなくスターズ側の独断に近く、USNA内部に対立が存在している状況が示された。
対応方針の確認と達也の意思
侵入経路は不明であるものの、到着は当日夜と判明していた。達也は命令があれば始末する意思を示し、真夜も基本的には同意しつつ、政府の意向を考慮して可能な限り捕縛する方針に修正された。
警戒体制と制約の整理
首都圏の空港と基地には監視を配置しているが、地方空港や海路には対応しきれていないため、発見次第対処する方針が確認された。達也はその体制の問題点を即座に指摘しつつも、現状の対応に同意した。
任務受諾と会談の終了
最終的に達也は、状況に応じて敵対部隊を捕縛または排除する任務を引き受けた。真夜はそれを確認して席を立ち、会談は終了した。
追跡確認のための潜伏
十文字・七草連合から逃れた光宣は、富山で個型電車を降り、個室カフェに入った。追跡を完全に振り切ったかを確認するためであった。監視カメラの存在は認識していたが、『仮装行列』で外見を変えているため、警戒はしていなかった。
占術の実行と情報の取得
時間を潰す中で、光宣は周公瑾から得た知識を基に占術を試みた。遁甲盤を用いた占いにより、自身にとって有利な場所として南西、島、空、港という結果を得た。
目的地と行動時期の決定
占い結果から光宣は空港を連想し、候補として関西国際空港と神戸空港を思い浮かべた。その上で直感により関西国際空港を目的地に定めた。さらに時について占った結果、行動の時期は今日の夜と判断した。
追跡なしの確認と再出発
十分な時間をかけて追跡が無いことを確認した光宣は、個室カフェを後にした。そして再び個型電車の駅へ向かい、新たな行動に移ることを決めた。
関西国際空港への到着
関西地区は厚い雲に覆われ、夜の訪れが早まる中、USNAロサンゼルスからの直行便が関西国際空港に到着した。その機内には多数のアメリカ人に紛れて、一人の若い男性と一人の少年が搭乗していた。
来日した先遣隊の正体
来日したのは処刑チーム本隊ではなく、その先遣隊であった。若い男性はスターズ所属のジェイコブ・レグルス中尉であり、同行していた少年はレイモンド・クラークであった。レイモンドは父の指示ではなく、パラサイト同士の意思によって来日していた。
レイモンドの執念と主導権
レイモンドは達也を屈服させたいという強い執念を抱いたままパラサイトとなり、その願望によってパラサイト内で司波達也暗殺の主導権を握っていた。
テレパシー使用の危険性と制限
空港内での移動中、レグルスは無意識にテレパシーを使い、レイモンドに制止された。二人は事前にテレパシーを使わないと決めていたが、それは魔法師や異能者に察知される危険があるためであった。テレパシーは距離の制約を受けないため、盗聴よりも危険性が高いと認識されていた。
警戒の正当性
二人はテレパシーを避けて行動する方針を再確認したが、その警戒は無意味ではなく、実際に必要なものであった。
テレパシー検知による不審者の発覚
空港警備に応援として来ていた魔法師警官の空澤巡査は、レグルスのテレパシー発信を感知した。直前にロサンゼルスから到着した便の乗客と推測し、警備センターへ照会を行った。
乗客名簿との不一致の確認
警備センターは乗客名簿を確認したが、該当する魔法師は見つからず、パスポート偽造の可能性が示された。これにより、対象者は不審者として扱われることとなった。
特徴の共有と追跡指示
空澤巡査は対象を二十代の男性と十代後半の少年の二人組と報告し、灰色の髪でサングラスをかけた男性と金髪の少年であると説明した。さらに、テレパシーを使用したのは男性であり、個型電車乗り場へ向かっていると伝えた。
警備体制の強化と追跡開始
警備センターは応援の出動を指示し、対象の見失い防止と写真撮影・送信を命じた。これにより、不審者の追跡と情報収集が本格的に開始された。
尾行の発覚と原因の認識
レグルスは制服警官による尾行に気付き、レイモンドに警告した。尾行に気付いた理由は、先程のテレパシーが感知されたためであると判断していた。
状況判断と逃走方針の決定
土地勘が無い中で隠れるのは不利と判断したレグルスは、逃走を選択した。持ち物は不要と判断され、スーツケースを捨てるよう指示された。
最低限の準備確認
レグルスはパスポートの携帯を確認し、レイモンドも問題ないと応じた。二人は武器を持たず、日本国内で調達する予定であったため、荷物の放棄に支障はなかった。
逃走の開始
準備を整えた二人は、スーツケースを放棄し、その場から走って逃走を開始した。
逃走状況の報告と指示
レイモンドたちを尾行していた警官は、二人がスーツケースを捨てて逃走し、有人タクシー乗り場へ進路を変えたことを通信で報告した。指揮側は追跡継続と証拠確保を指示した。
証拠の送信と対応強化
警官は走りながら端末を操作し、撮影していたスーツケースの写真を送信した。これにより、現場と指揮側で情報共有が行われた。
魔法使用による追跡加速
警官は移動に魔法を使用する許可を求め、これが承認された。直後に警官は魔法によって空中へ跳躍し、人々の頭上から逃走者の追跡を続行した。
警官との交戦と逃走の激化
追跡してきた警官が空中から迫り、レイモンドがいち早くそれに気付いた。予想外の派手な追跡に動揺する中、レイモンドはサイコキネシスで警官を吹き飛ばした。この行為により、自分たちが魔法を使用できる偽装入国者であることが露見した。
包囲の兆しと強行突破の決断
警官が復帰し、さらに応援が集まり包囲されつつある状況を受け、レグルスは強行突破を決断した。自己加速魔法で人混みを突破し、レイモンドもそれに続いて逃走を続けた。
車両確保の試みと異変の発生
二人は逃走手段として車両を奪う方針を決め、有人タクシー乗り場へ向かった。しかしそこで目に留まったのは黒塗りの高級車であり、その直後に同胞であるパラサイトからのテレパシーが届いた。
光宣との合流と脱出
誘導に従い二人は車に乗り込み、車両は即座に発進した。車体には『仮装行列』による魔法的カモフラージュが施されていた。そこで運転していたのは九島光宣であり、三人は合流した。
相互の自己紹介と状況認識
車内でレグルスとレイモンドは自己紹介を行い、光宣も名乗った。光宣は警察の手が既にパスポート情報に及んでいると指摘し、宿泊先や新たな身分の用意を申し出た。
協力関係の提案と目的の共有
光宣は自らも同類であることを理由に協力を申し出ると同時に、自身の目的としてある少女を仲間にしたいと語った。レイモンドはそれに好意的に反応したが、レグルスは光宣の言動や意識に違和感を覚え、警戒を抱いた。
密入国者逃走の報告と情報共有
テレパシーを使用する密入国者が警察の包囲を突破して逃走した情報は、地元警察から二木家を経て十師族に共有された。達也は深夜、葉山からの連絡で関西国際空港での事案を知った。
四葉家の対応方針と達也の任務
黒羽家が捜索を担当することとなり、達也には東京と日焼島での待機と警戒が指示された。密入国者がスターズである可能性から、標的はリーナであると判断されていた。
レイモンドの正体とパラサイト化の判明
警察が撮影した写真から、密入国者の一人がレイモンド・クラークであると判明した。さらに想子波動の分析により、彼がパラサイト化している可能性が高いと推測された。
パラサイト探知技術の進展
想子レーダーによってパラサイトの識別が可能となりつつあり、九島光宣専用の探知装置も開発中であると報告された。達也はその成果に期待を寄せた。
黒羽家の任務と達也の懸念
黒羽家が密入国者の捜索を担当することから、文弥や亜夜子の関与の可能性を達也は考えた。文弥の能力には信頼を置いていたが、亜夜子にはパラサイト本体への有効打が無い点を懸念していた。
光宣との遭遇に対する不安
黒羽家の任務はスターズの密入国者の捜索であり、光宣の捜索ではないと理解しつつも、達也は光宣と遭遇した場合の危険性を思案した。しかしこの時点で、スターズの先遣隊と光宣が既に合流している事実には気付いていなかった。
光宣による協力要請
光宣はレイモンドとレグルスを神戸の中華街へ案内し、周公瑾の拠点を使って二人を受け入れた。翌二十七日、光宣は改めて二人と話し合い、レグルスの当面の目的が脱走したシリウス少佐の行方を突き止め、可能なら自ら討つことであり、難しければ仲間の到着を待って合流する方針であると確認した。
スターズ本隊到着予定の共有
レグルスは、仲間が日本時間七月一日夜に座間基地へ到着予定であること、その後は日本当局の監視が厳しいため、限られた機会で目的を達成する必要があると説明した。これを受けて光宣は、自分の配下にシリウス少佐の居場所を探らせると申し出た。
四葉家の関係者である水波の存在
光宣は、自分が仲間にしたい相手が四葉家の関係者であり、現在は東京の病院に入院していることを明かした。その人物を巡って、四葉家だけでなく七草家と十文字家も動いているが、それについては対策を考えていると述べた。
達也を最大の障害と見なす判断
光宣は、最後の関門は四葉家の守りであり、その中でも司波達也の存在が最大の障害であると語った。達也と本気で戦えば相討ちになる可能性が高く、それでは水波を救えなくなるため、直接決着をつけるのではなく引き離す必要があると考えていた。また、達也が新たな対パラサイト魔法を編み出しているかもしれないことも恐れていた。
レグルスへの陽動依頼
そのため光宣は、レグルスに達也を倒すのではなく、自分が彼女を連れ出す日に達也を別の場所へ引きつけておく役を頼んだ。レグルスはそれを陽動と理解し、光宣の目的を優先する形で協力する姿勢を示した。
レイモンドの反発と光宣の方針
これに対しレイモンドは、達也は邪魔者なのだから倒すべきであり、彼女を連れ出しても生かしておけば追ってくると強く反発した。さらに、攫うほど好きなら返すことを考えるのは中途半端だと光宣を非難した。しかし光宣は、彼女が頷いてくれればその日のうちにパラサイトの移植を終え、嫌がればすぐ四葉家へ返すつもりであると落ち着いて答えた。
協力関係の成立と条件付き容認
レグルスはレイモンドを制しつつ、自分も司波達也は倒すべき相手だと述べたうえで、まずは光宣の目的を優先すると確認した。ただし、倒せる状況なら倒してもよいかと念を押し、光宣もわずかな間を置いてそれを認めた。こうして三者の協力関係は成立した。
風紀委員会本部での再会
この日、達也は午前中を日焼島で過ごした後、午後から第一高校に登校した。授業時間は図書館で過ごし、放課後になると生徒会室ではなく風紀委員会本部を訪れた。そこでは幹比古がデスクワーク中であり、二人はその場で顔を合わせた。
香澄への声掛けと違和感
達也は、ちょうど本部を出ようとしていた香澄にも声を掛け、体調を気遣った。香澄は問題ないと答えて立ち去ったが、その様子にはよそよそしさがあった。幹比古はそのやり取りを見て事情を気にしたが、達也は香澄本人というより、その件に関連して幹比古に頼みたいことがあると伝えた。
光宣襲撃の説明と結界の展開
達也が一昨日、水波の入院している病院の近くに光宣が現れたと明かすと、幹比古はすぐに事態の重大さを悟った。彼は話の途中で本部の戸締まりを行い、さらに呪符で室内を結界によって閉鎖したうえで、改めて達也と向かい合って話を聞く体勢を整えた。
七草姉妹の被害確認
達也は、七草姉妹が光宣と戦ったこと、その際に外傷は無かったものの、幻術で眠らされる前に酸欠を引き起こす魔法を受けていたため後遺症を心配していたと説明した。しかし現在は特に問題が無いようであり、その点については一安心していると伝えた。
修行協力の依頼
幹比古は、光宣捕縛の手伝いであれば喜んで応じるつもりでいたが、達也が頼んだのは当面そのためではなく、自分の修行への協力であった。達也は修行内容を説明し、放課後の時間を使う都合上、幹比古にはしばらく風紀委員会の仕事を休んでもらう必要があると伝えた。
幹比古の快諾
幹比古は、風紀委員会の仕事よりも達也の修行の方が重要であると判断し、その依頼を快く引き受けた。さらに、自身も風紀委員長の引き継ぎを考え始めていた時期であり、ちょうど良い機会だとして、達也への協力を即座に決めた。
夜の訪問と疑念の提起
レグルスが就寝しようとした夜更け、レイモンドが訪ねてきた。レイモンドは光宣の様子に違和感を覚えており、彼の言動がおかしいと指摘した。
テレパシーと意思共有の前提
レイモンドは、パラサイト同士はテレパシーが通じれば意思を共有する存在であり、出自が異なっても同じ結論に至るはずだと考えていた。しかし実際には、光宣だけが自分たちと意見を異にしていることに疑問を抱いていた。
達也排除を巡る意見の食い違い
レイモンドは、パラサイトの総意として司波達也を排除することが最優先であるはずなのに、光宣がそれに積極的でないことを問題視した。これに対しレグルスは、光宣が達也排除に反対しているのではなく、別の優先事項を持っているだけだと説明した。
テレパシー制約と決定の限界
さらにレグルスは、達也排除の方針が決められたのは国外であり、テレパシーは国境を越えられないため、その意思が常に共有されているわけではないと指摘した。この説明により、レイモンドの主張の前提は揺らいだ。
光宣の最優先事項の正体
レグルスは、パラサイトは人間の強い願いに引き寄せられる存在であり、光宣の中で最も強い意志は愛する女性を救いたいという想いであると結論づけた。そのため光宣がその目的を最優先とするのは自然であると説明した。
パラサイトの二重性の示唆
このやり取りの中で、パラサイト化した存在には人間としての意思とパラサイトとしての性質が共存しているという性質が示された。光宣の行動もまた、その二重性の中で形作られているものであった。
深夜の覚醒と集合意識への接触
光宣は夜中に、生理的な理由ではなく、心の奥底でざわめく声に起こされた。呼び掛けてきたのはレイモンドであり、光宣は深い意識の中でレイモンドたちと接触した。そこで光宣は、国境を越えるとテレパシーが届かなくなるのではなく、意味ある言葉として理解できなくなるだけだと説明し、自分たちパラサイトの能力に特殊な制限があることを示した。
四葉家に封印された同胞の存在
会話の中で光宣は、日本国内には自分たち以外にも同胞が存在し、今は完全に封印されたまま実験台にされていると明かした。それは四葉家に封じられているパラサイトのことであり、光宣自身も助けようとしたが、強力な結界のため手出しできなかった。
意思統一の強要と光宣の拒絶
レイモンドたちは、個別の身体を持ちながらも全体で一つの生き物である以上、意思は統一されるべきだと主張した。そして司波達也を抹殺するという総意に、光宣も従うよう迫った。しかし光宣は、自分のままでいられなければ水波を救う意味が失われると考えており、自分を全体へ溶かし込むことを拒んだ。
水波を救いたいという願いによる抗戦
レイモンドとレグルスだけでなく、USNAにいるパラサイト全体の思念が押し寄せる中で、光宣は魔法ではなく、自分の最も強い願いでそれに抗った。光宣の願いは水波を自分のものにしたいという欲望ではなく、自分と同じ境遇にある彼女を救いたいというものであった。そのため光宣は、自分を侵食しようとする誘惑に耐え、自分自身を保ち続けた。
勝利と意識の変質
精神世界での戦いの末、最後まで立っていたのは光宣であった。レイモンドたちも最終的には光宣の意思に従い、まず彼女を連れてくることを優先する形で決着した。しかし光宣が全く無傷だったわけではなく、達也を排除せよという多数の囁きを浴び続けた結果、達也はその後で処理しようという考えが、知らぬ間に光宣の中に入り込んでいた。
国内の平穏と外交的不気味さ
その頃の日本国内は、関西国際空港で密入国騒ぎが起きた以外は概ね平和であった。反魔法主義者の活動は小康状態にあり、USNAからのシリウス少佐引き渡し要求も強まらず、大亜連合の南西諸島部への動きも見られなかった。その静けさは、外務省や国防軍にとってむしろ不気味なものであった。
戦争突入の報道
六月二十八日金曜日、その不気味さの理由が明らかになった。登校前の朝食中、達也と深雪は臨時ニュースに注意を向けた。報道では、大亜連合と新ソビエト連邦が戦争状態に突入し、大亜連合軍が深夜に国境を突破して進軍を開始したことが伝えられた。
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日本近隣での戦争勃発
関西国際空港で密入国騒ぎはあったものの、日本国内は概ね平穏を保っていた。しかし六月二十八日金曜日、その静けさを破るように、大亜連合と新ソビエト連邦が戦争状態に突入したという臨時ニュースが流れた。登校前の朝食中だった達也と深雪は、その報道に強い緊張をもって聞き入った。
国境突破と戦闘開始の報道
報道によれば、大亜連合軍は深夜にハンカ湖西の国境を突破し、ウスリースク方面への進軍を開始していた。これに対し新ソ連は極東軍を直ちに動員し、両軍はウスリースク北方三十キロ地点で衝突した。現在も激しい戦闘が続いていると伝えられ、日本への影響も避けられないと達也は受け止めた。
大亜連合の狙いと侵攻経路の理由
解説では、大亜連合の狙いは沿海地方南部、特にウラジオストク周辺の奪取にあると分析された。高麗自治区を支配下に収めた大亜連合にとって、ウラジオストクは地政学上の脅威であり、その除去を以前から狙っていたとされた。また、高麗自治区側からの侵攻では海軍との連携が必要になるが、大亜連合海軍は横浜事変などで大きく損耗していたため、ハンカ湖方面からのルートを選ばざるを得なかったと説明された。
侵攻時期の背景
大亜連合がこの時期に侵攻に踏み切った背景には、日亜講和条約以後の威信回復の必要があったと解説された。さらに決定打となったのは、新ソ連の国家公認戦略級魔法師ベゾブラゾフ博士が死亡または人事不省に陥っているという噂であった。新ソ連は兵力が広く分散しており、戦略級魔法師が機能しないなら勝算があると大亜連合が判断したのである。
ベゾブラゾフ不在説の根拠
この噂には全く根拠が無いわけではなかった。八王子上空で新ソ連の戦略級魔法と推定される兆候が観測された事件の少し前から、ベゾブラゾフ博士は消息を絶っていた。また、今月上旬に伊豆半島を襲った大規模魔法も新ソ連によるものとされており、それらの奇襲攻撃の責任を追及された可能性があると解説された。
今後の戦局予測
解説者は、大亜連合軍はシベリア軍が参戦する前に決着をつけるため、短期決戦を狙ってくると予測した。一方の新ソ連は、増援が整うまで持久戦に持ち込みたいと見られていた。また、大亜連合側が戦略級魔法師である劉麗蕾少尉を投入してくる可能性も示された。
達也の行動方針の変化
ニュースを見た後、達也は深雪を学校まで送ることになった。個型電車の中で深雪がその日の予定を尋ねると、達也は風間からの呼び出しが無ければFLTへ行くつもりだと答えた。リーナのもとへ行かないのかという問いには、やることができたとだけ返し、戦争勃発によって自分の行動方針が変わったことを示した。
風間からの呼び出し
達也の予想どおり、非常事態の発生を受けて風間から連絡が入った。最近の関係悪化を詫びつつも、緊急のため基地へ来るよう要請され、達也は自宅でその連絡を受けた。
達也の即応と判断
達也はその要請に即座に応じた。国防軍と対立しても得るものはなく、また現状は意地を張るべき状況ではないと判断したためであった。これに対し風間は簡潔に謝意を示し、事態の切迫を示していた。
戦争報道と光宣の着目
極東で発生した軍事衝突のニュースを、光宣も達也と同じ時間に見ていた。前夜に激しい戦いを終えたばかりであったが、光宣は休むことなく情報を確認していた。一方でレイモンドとレグルスはまだ起きておらず、光宣はその状況の中でこの戦争が自らに有利に働く可能性を考え始めた。
戦争がもたらす隙の推測
光宣は、戦争が長期化すれば十師族が日本海側への対応に追われ、自分への対応が手薄になると考えた。たとえ短期決戦であっても、勝者が南下すれば同様に注意が逸れるため、その間に行動できる余地が生まれると見ていた。
因果への認識と達也への影響
報道内容から、この戦争は達也がベゾブラゾフに与えた打撃が引き金となっている可能性が示されていた。光宣は、ベゾブラゾフの攻撃で水波が傷つき、その報復の結果として達也が水波を守る余裕を失うという流れを、皮肉な因果として捉えていた。
霞ヶ浦基地への移動と合流
達也は日焼島とFLTの予定を取りやめ、霞ヶ浦基地の独立魔装大隊本部へ向かった。この行動は真夜にも報告済みであり、国防軍との関係修復を重視する意向に沿ったものであった。基地では風間の出迎えを受け、敬礼で応じた。
ベゾブラゾフに関する報告
風間の要請により、達也はベゾブラゾフに関する情報を説明した。直接攻撃はしていないが、大型CADを分解したことで精神的なダメージを与えた可能性が高く、その影響によりトゥマーン・ボンバによる攻撃が途絶えたと述べた。また死亡の可能性は極めて低く、回復には早くて数日、長くて二週間程度を要すると推測した。
パラサイト脅威の共有
続いて達也は、日本国内に新たなパラサイトの脅威が存在することを報告した。スターズ本部がパラサイトによって占拠された状況や、日本に侵入した二体の存在を明かし、その一人がレイモンド・クラークであると特定されたことを伝えた。さらに、これらが九島光宣と結託する可能性を指摘した。
国防軍への協力要請
達也は四葉家の立場から、スターズの侵入阻止への協力を要請した。特に共同利用基地を経由した侵入を防ぐことを求め、これは国防軍の役割として合理的であると示した。風間はこれを了承し、上層部への働きかけを約束した。
戦争の勝敗予測
風間の問いに対し、達也は新ソ連の勝利を即答した。その根拠として、大亜連合の侵攻がベゾブラゾフ不在という不確かな前提に依存しており、彼が戦列復帰すれば士気が崩壊すると分析した。また両軍の兵力差が決定的ではないため、短期決戦での勝利は困難であると述べた。
日本防衛への関与表明
最後に風間は、新ソ連が日本へ侵攻した場合の対応を問い、達也は国防軍の期待に応える意思を明確に示した。達也は躊躇なく協力を約束し、状況に応じた行動を取る覚悟を示した。
極東戦争の長期化と戦略級魔法の限界
大亜連合による新ソ連侵攻の翌日も、沿海地方では一進一退の戦闘が続いていた。世界中がこの戦争に注目していたが、日本は戦場に隣接する立場として特に強い警戒を向けていた。大亜連合は『霹靂塔』を勝算の柱としていたが、戦略級魔法は全戦場を覆えるものではなく、敵味方が接近する陸戦では使い所も限られるため、一日で決着はつかなかった。
深雪の登校と達也の移動
土曜日であっても魔法科高校には授業があり、達也はこの日も深雪を学校まで送っていった。水波が入院中で代わりの付き添いがいないこともあり、達也は護衛を兼ねて同行していた。ただし校内で常に傍に付く必要はないと判断しており、深雪を送り届けた後はいったん自宅へ戻り、私服に着替えてエアカーで日焼島へ向かった。
退屈し始めたリーナの訪問
達也が日焼島へ向かった理由には魔法研究だけでなく、リーナの様子を見ておきたいという意図もあった。実際、リーナは早くも退屈し始めており、研究中の達也のもとへ用もなく顔を出した。そして達也がコンピューターだけで魔法を作っていることに驚きを示した。
ブリオネイク開発者への言及
達也は、リーナの側にいる『ブリオネイク』の開発者も似たようなことができるのではないかと応じた。リーナはその技術者をアビーと呼び、新しい魔法を作る際には途中で何度も実験していると説明した。達也はそれを聞きながらも表には出さず、その情報を記憶に留めていた。
トゥマーン・ボンバを応用した新魔法の研究
達也は、自分が一から新しい魔法を作っているのではなく、先日目にした『トゥマーン・ボンバ』を別の形で応用できないか考えているのだと明かした。『トゥマーン・ボンバ』自体は複雑すぎて簡単には使えないため、それを自分たちにも扱える別の魔法へ変換しようとしていたのである。
戦略級魔法を巡る達也とリーナの応酬
リーナは達也が新たに作ろうとしている魔法が戦略級魔法だと知って呆れ、既に『マテリアル・バースト』を持ちながらさらに戦略級魔法を求めるのかと問い、達也を魔王扱いした。達也はそれに応じつつも、この魔法を自分で使うつもりはないと説明した。戦略級魔法は一つあれば十分であり、持っているだけでしがらみが増えると考えていたからである。
新たな使徒の構想
達也は、完成した魔法は別の魔法師に使わせるつもりだと語った。その相手には既に心当たりがあり、その者が新たな『使徒』として名乗りを上げれば、自分にまとわりつく厄介なしがらみも多少は減るだろうと考えていた。リーナは達也のしがらみにばかり気を取られ、その発言が日本に新たな国家公認戦略級魔法師が生まれる可能性を示していることまでは意識していなかった。
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米軍輸送機到着の通告と状況判断
日曜日の午前、藤林から達也へ連絡が入り、アメリカ軍の輸送機が翌晩に座間基地へ到着するとの正式通告があった。これは共同利用協定に基づくものであり、表立った強硬手段は取りにくい状況であったが、スターズが協定を利用して増援を送り込むという予測どおりの展開でもあった。この動きから、USNA軍内部でパラサイトの勢力が拡大している可能性が示唆されていた。
達也の単独行動と戦力準備
達也は打ち合わせどおり監視を依頼し、自身は単独で現地に乗り込む意向を示した。ただし戦力は一人ではなく、パラサイト対策が未完成であるため他者の協力を得る考えであった。四葉家は光宣への対応に注力しているため、実質的に一高の仲間に頼る形となっていた。決行は輸送機到着直後の翌晩と定められ、藤林は監視体制の強化と支援を申し出たが、達也が頼らないであろうことも理解していた。
深雪への指示と役割分担
通話後、達也の背後にいた深雪は自らの行動について指示を求めた。達也は深雪を戦闘に同行させず、水波の護衛に専念するよう命じた。これは光宣の動向が不明であるため、その間の警戒を任せる必要があるという理由であったが、同時に深雪を危険から遠ざけたいという思いも含まれていた。
深雪の理解と受諾
深雪は達也の意図を理解した上で、その命令に従うことを受け入れた。かつてのように同行を主張することはなく、自身が達也の弱点となり得る立場を自覚し、静かに命に従う姿勢を示した。
奈良への単独行動と拠点の確保
光宣はレグルスとレイモンドを神戸の隠れ家に残し、自身は単独で奈良へ向かった。奈良にも周公瑾の築いたネットワークが残っており、魔法とは無縁の一般人の間にも影響が及んでいた。その拠点を利用することで、光宣は安全に行動できていたが、同時に周公瑾の影響力の大きさを改めて実感していた。
旧第九研への侵入決意
光宣の目的地は第九種魔法開発研究所、すなわち旧第九研であった。そこは九島家の本拠とも言える場所であり、厳重な警備が敷かれていると予想されていた。光宣はその内部に侵入し、封印されているパラサイドールを奪取する決意を固めていた。
戦力不足の自覚と新たな戦力の必要性
七草家と十文字家の連合、特に克人との戦いを経て、光宣は自身一人では限界があることを痛感していた。レグルスとレイモンドの存在も補助にはなるが、それだけでは不十分であり、より多くの手足となる戦力が必要であった。
パラサイドール奪取という選択
関西の古式魔法師は第九研と対立しており頼れず、九島家の血を引く自身の立場からも協力は期待できなかった。そこで光宣は、パラサイドールを配下として利用することを考えた。開発は凍結されているものの性能は完成しており、その中核がパラサイトである以上、自分ならばより有効に扱えると判断した。
危険を承知の突入覚悟
パラサイドールは修理された状態で旧第九研の倉庫に封印されているため、再起動できれば自力で脱出も可能と見込まれていた。しかし旧第九研は九島家の管理下にあり、祖父である九島烈が待ち構えている可能性もあった。それでも光宣は、危険を承知でその拠点へ踏み込む覚悟を固めていた。
密入国者調査の任務委任
関空で発見された密入国者の調査は、四葉真夜の指示により黒羽家へ委ねられていた。黒羽家当主の黒羽貢は、子供である亜夜子と文弥を学校より優先して動かすことはせず、六月三十日の日曜日に二人は関西国際空港を訪れて調査を行った。
警官からの聞き取りと手掛かりの整理
亜夜子と文弥は第一発見者である空澤巡査と接触し、発見時の状況を詳細に聞き出した。表面的には有力な手掛かりは得られなかったように見えたが、文弥は消失の状況や監視カメラの記録から、通常では説明できない現象が起きていたことを見抜いていた。
仮装行列の可能性と光宣の関与推定
文弥は、密入国者の姿が突然消えた状況が九島家の魔法である仮装行列に類似していると指摘した。それにより、九島家でパラサイトに協力する可能性がある人物として九島光宣の存在が浮上した。二人は密入国者が光宣に匿われていると結論づけ、その仮説を本家と父に報告した。
旧第九研への訪問命令
報告の結果、父からは捜索中止の指示が出されたが、本家からは旧第九研へ赴き情報を伝えるよう命じられた。優先すべきは真夜の指示であり、二人は車で旧第九研へ向かった。移動中、九島家ではなく旧第九研へ向かう理由について、九島烈に直接伝える意図があるのではないかと推測された。
九島烈との面会と光宣の境遇
旧第九研に到着した二人は九島烈と面会した。烈は光宣を特に可愛がっていたが、家族内での扱いにより居場所を失っていることを語った。光宣は家族から十分な愛情を受けていなかった可能性が示され、烈のみが彼に強い情を向けていた様子が明らかとなった。
夕食の誘いと滞在
面会後、烈は二人に食事を勧めた。そこに打算は感じられず、亜夜子と文弥はその誘いを受け入れ、旧第九研に留まることとなった。
潜伏と作戦開始の判断
旧第九研を見下ろす里山に潜伏していた光宣は、日没の時刻を迎えたと判断した。周囲は既に暗く、魔の力が強まる時間帯に差し掛かっていたため、この時を作戦開始の機と定めた。
傀儡戦力の投入準備
光宣は事前に用意していた戦力へ思念で指示を送った。それは周公瑾が送り込んだ大陸の亡命者たちであり、傀儡術によって一時的に支配された存在であった。彼らは高い戦闘能力は持たないが、パラサイドールを起動させるまでの時間稼ぎには十分であると判断されていた。
正面突破の開始
作戦の第一手として、方術士の一人が研究所正面ゲートへ突入した。そのまま火炎の方術を用いて自爆同然の攻撃を行い、自身に致命的な損傷を負いながらも、至近距離からの魔法行使によってゲートを破壊する威力を発揮した。
警報不作動と結界の発覚
烈、亜夜子、文弥の三人は異変を察知し、研究所正面の方向へ目を向けた。警報が作動していなかったことから、烈は隠蔽結界の存在を見抜いた。それは大陸南西部の方術士による攪乱型の結界であり、光宣の関与を疑う根拠となった。
パラサイドール防衛への出動
光宣の狙いがパラサイドールであると判断した烈は、北側倉庫の防衛を亜夜子と文弥に任せた。二人は四葉家の敵による戦力増強を阻止するため、これに応じて行動を開始した。
光宣の侵入と罠の突破
光宣は短時間で倉庫に到達したが、電子錠には致死性の罠が仕掛けられていた。彼は『電子金蚕』を非接触で使用することでこれを回避し、電子回路を焼き切った上で侵入に成功した。内部では待機していた魔法師たちを短時間で制圧し、戦闘を終結させた。
黒羽姉弟の迎撃準備
一方、文弥と亜夜子は倉庫へ直行せず、車に戻って装備を整えた。文弥は専用CADを装着し、部下に連絡と退路確保を命じた上で迎撃に向かった。
倉庫内での交戦開始
倉庫では新たな魔法によって天井が破壊され、文弥が侵入した。光宣は彼を認識するが、文弥は応答せず攻撃を開始した。遠距離からの攻撃にもかかわらず光宣は激痛を受け、通常の感覚遮断では無効化できない異質な攻撃であることを理解した。
文弥の優勢と光宣の追い詰め
光宣は反撃として『プラズマ・ブリット』を放つが、文弥はこれを回避し再び攻撃を加えた。光宣は視覚にまで及ぶ激痛に襲われ、膝を突くに至った。このままでは敗北すると判断した光宣は、焦りの中で自爆的な魔法を発動した。
文弥の優勢からの危機察知
文弥の『ダイレクト・ペイン』はパラサイトにも有効であり、光宣を追い詰めていた。しかし三発目を放とうとした瞬間、倉庫内に異常な魔法の広がりを感知し、強い危機感を抱いた。光宣は『ノックス・アウト』を発動し、酸素欠乏と有毒ガスによる無差別攻撃を仕掛けていた。
光宣の強引な戦術とパラサイドール起動
文弥は倉庫から脱出して距離を取ったが、光宣は自らも倒れながら命令を発し、封印されていたパラサイドールを起動させた。さらに空気を回復させて自身の治癒を進め、戦闘を継続できる状態へ戻った。
亜夜子の単独戦闘と敵の異常性
亜夜子は方術士たちの襲撃を受けながら進行し、七人を撃破した。しかし敵は連携を欠き、単調な攻撃を繰り返していたことから、意志を奪われた傀儡である可能性に気付いた。
パラサイドールとの戦闘開始
文弥が倉庫から脱出した直後、パラサイドールが出現し二人を襲撃した。文弥は本来光宣を優先すべきと判断していたが、パラサイドールがそれを許さず交戦を余儀なくされた。
『ダイレクト・ペイン』の無効化と劣勢
文弥の攻撃はパラサイドールには効果を示さず、機械の身体と精神情報体という性質により無効化された。鋼糸や電撃槍による攻撃を受け、拘束と衝撃で追い詰められていった。
反撃と亜夜子救出
亜夜子が包囲される中、文弥は激昂し加速魔法で拘束を振り払い反撃に転じた。パラサイドールの動力を破壊して一体を無力化し、他の敵を押し退けて亜夜子の元へ到達した。
戦場離脱と光宣の異変
文弥は亜夜子を連れて撤退を決断し、『疑似瞬間移動』でその場から離脱した。その直前、光宣の絶叫のような気配が感じられた。
烈による不意打ちと対話
麻痺状態から治癒した光宣は倉庫の外へ意識を向け、まだ戦闘が続いていることを知った。そしてパラサイドールを戦わせている間に、自身は鬼門遁甲で研究所から離脱しようと決めた。だが出入り口へ向かった直後、頭部周辺だけを狙った極小規模のノックス・アウトを受け、すぐに九島烈の仕業だと悟った。光宣は下降気流で有毒ガスと酸素欠乏状態を吹き消し、倉庫内に潜んでいた烈と対峙した。
烈の悔恨と決別
烈は光宣の真価にも望みにも気付いてやれなかったと悔い、自分の愛情が光宣にとっては枷でしかなかったのではないかと語った。しかしその一方で、人でなくなった今の光宣を認めることはできず、人の世に仇なす妖魔として看過できないとも告げた。さらに十師族は光宣を殺さずに捕らえる方針だが、その先に待つ実験動物のような境遇は忍びないとして、せめて自分の手で葬ろうと決意を示した。
光宣の喪失と烈の死
烈が致死性の魔法を放つと、光宣の人間の心はそれを受け入れかけたが、パラサイトとしての精神は滅びを拒んだ。光宣は一時現実感を失った後、我に返って倉庫内を見回した。そこで床に倒れている烈を見つけ、駆け寄った末に、祖父が既に死んでおり、自分がその命を奪ったことを理解した。光宣は絶叫し、自身の心が軋む感覚を味わった。
旧第九研襲撃の結果
光宣は最終的に十五体のパラサイドールを連れて旧第九研を去った。研究所には負傷した研究員、破壊された一体のパラサイドール、捕らえられた方術士、そして九島烈の遺体が残された。
文弥からの報告と達也の受け止め
その夜遅く、達也は文弥からの電話で九島烈の死を知らされた。文弥は自責の念を口にしたが、達也は光宣に加えてパラサイドールの集団まで相手にした以上、撤退はやむを得なかったと告げて慰めた。また、烈と光宣の問題は本来九島家内部の問題であり、旧第九研で起きた出来事に四葉家が責任を感じる必要はないとも伝えた。
達也の危機認識
通話を終えた達也は、深雪への報告を翌朝に回しつつ、得た情報を整理した。光宣が十五体のパラサイドールを掌握したことは重大であり、もともと高い戦闘力を持つパラサイドールが集団となり、さらに光宣に統率される以上、極めて手強い敵になると達也は認識した。
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九島烈の死が広がる校内
月曜日の第一高校では、九島烈の死去が大きな話題となっていた。昼前に登校した達也も、友人たちとの昼食の席でその話を聞き、病死とされた発表に沿って応じた。深雪が葬儀に招かれる可能性に話が及ぶと、達也は招かれれば出席すると答え、烈との過去の縁にも触れた。
エリカの申し出と水波護衛の強化
昼休みの終わり際、エリカは達也と深雪を風紀委員会本部に呼び、今夜の件を幹比古から聞いたと切り出した。そして深雪が水波のもとに付き添うつもりであると知ると、自分もそこへ行きたいと申し出た。レオは幹比古の側につける考えも伝えられ、達也はエリカが覚悟を決めていることを確認したうえで、その同行を認めた。
座間基地近くでの作戦準備
その夜、達也は座間基地近くの公園駐車場で幹比古とレオに合流した。幹比古には基地内への意識飛行を任せ、レオにはその護衛を託した。達也自身は単独で動くため、四葉家製の飛行バイク『ウイングレス』と飛行戦闘服『フリードスーツ』を装備し、独立魔装大隊とは表向き無関係の立場で作戦に臨んだ。
輸送機到着とパラサイトの確認
USNA軍の輸送機はちょうど座間基地に到着したところであり、藤林の確認ではこの日唯一の米軍機であった。達也は走行しながら『エレメンタル・サイト』で機内を観察し、四体のパラサイトの存在を把握した。そのうち一体は突出して高い魔法力を持っていたため、達也は輸送機から降りる前に決着をつけるべく飛行機能を起動した。
アークトゥルスの異変察知
輸送機の中にはスターズ第三隊隊長アレクサンダー・アークトゥルスが乗っていた。彼は着陸直後から、どこからとも知れない視線に見られている感覚を抱いていたが、その正体を掴めずにいた。そうして警戒を続ける中、同乗者の叫びによって初めて異常接近する飛行バイクに気付いた。
達也の強襲開始
飛行バイクは輸送機の目前まで迫り、達也は立ち上がって拳銃のような武器を機体に向けた。次の瞬間、輸送機の壁に穴が穿たれた。達也はバイクから飛び降り、その穴から機内へ突入した。輸送機内では、その直後になってようやく警報が鳴り響いた。
輸送機への強襲と封印の開始
達也は飛行中のバイクから輸送機へ接近し、特化型CAD『トライデント』で機体の壁面を分解して侵入口を作った。そのまま機内へ飛び込み、直後に『再成』で穴を塞いでパラサイトの逃走路を断った。混乱する兵士たちをよそに、達也は最も近くにいたパラサイトへ突進し、『徹甲想子弾』で精神と肉体の連結を揺さぶったうえで、封印用の短剣を鎖骨下へ突き刺した。
幹比古による遠隔封印の成立
達也が突き立てた短剣は、幹比古が用意した封印用の法具であった。公園で待機していた幹比古は、その反応を感知すると対応する呪符を使って封印術式を発動した。『徹甲想子弾』で不安定になったパラサイトは対抗できず、仮死状態に追い込まれた。達也は同じ手順で二体目も処理し、機内の制圧を進めた。
兵士の武装解除とアークトゥルスの出撃
米兵たちは侵入者を排除しようと一斉に銃を向けたが、達也は二十丁以上の銃器を同時に分解して無力化した。その隙に二体目のパラサイトも封印された。これを受けて、最後の一体であるアークトゥルスがトマホークを抜き、白兵戦を仕掛けた。
アークトゥルスとの近接戦闘
アークトゥルスは狭い機内での戦闘を不得手としていたが、白兵戦の技量そのものは高かった。達也はその攻撃を見切り、武器を分解し、一般兵を利用して体勢を崩したうえで『徹甲想子弾』を打ち込んだ。さらに封印用の短剣を突き刺そうとしたが、アークトゥルスは痙攣しながらも抵抗し、右手に雷撃を集め始めた。達也はそれを許さず、再び打撃を加えて動きを止め、最終的に封印を成立させた。
トマホークの遠隔攻撃とレオの迎撃
戦闘の最中、アークトゥルスはトマホークを輸送機の外へ投げていた。公園で待機していた幹比古は危機を察知し、レオは飛来する回転トマホークの正体をいち早く見抜いた。隠れていた軍人たちが動くより早く、レオは幹比古の前に立ち、『ジークフリート』で強化した肉体でトマホークを受け止めた。アークトゥルスの切り札である『ダンシング・ブレイズ』は、こうしてレオに食い止められた。
座間基地での作戦終了
幹比古は最後まで封印に集中し続け、達也と連携してアークトゥルスを含む四体のパラサイトを封印した。こうして、座間基地から侵入を図ったパラサイト勢力の一隊は無力化された。
横須賀基地への新たな潜入
その一方で、横須賀基地には米軍空母が夜間に寄港していた。日本側には事前通告されていたものの、そこに超大型潜水艦から移乗した三人の女性士官が含まれていることは知られていなかった。シャルロット・ベガ、ゾーイ・スピカ、レイラ・デネブという、リーナ出国後にパラサイト化したスターズの女性士官たちは、七月一日夜、横須賀基地への潜入を果たした。
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