とある魔術の禁書目録(13)レビュー
【とある魔術の禁書目録】あらすじ・ネタバレ・まとめ
とある魔術の禁書目録(14)レビュー
物語の概要
■ 作品概要
『とある魔術の禁書目録SS』は、超能力を育成する科学の街・学園都市と、魔術を操る宗教勢力との間で世界規模の戦争の気運が高まる中での出来事を描いた、本編を補完するショートストーリー集(SFファンタジー・バトルアクション)である。
物語は複数の視点からなる群像劇として展開される。学園都市内部では、上条当麻たちがクラス全員ですき焼き鍋を囲む平穏な日常が描かれる一方で、学園都市の暗部組織『グループ』に組み込まれた第一位の超能力者・一方通行(アクセラレータ)は、無能力者武装集団『スキルアウト』の蜂起を鎮圧する過酷な任務に就く。さらに、学園都市を訪れていた御坂美琴の母・御坂美鈴がスキルアウトに狙われる事件が発生し、一方通行と上条当麻がそれぞれ彼女を救うために奔走する。また、イギリスのロンドンでは、神裂火織たちイギリス清教の魔術師たちが、迫り来る戦争において自分たちがどちらの陣営につくべきか、苦悩と選択を迫られる。科学と魔術、日常と非日常それぞれの世界で迫り来る戦争の影と、それに抗う者たちの姿が描かれている。
■ 主要キャラクター
- 上条当麻(かみじょうとうま):右手に異能の力を打ち消す「幻想殺し(イマジンブレイカー)」を宿す高校生。酔っ払って学園都市を訪れていた御坂美鈴と遭遇し、彼女がスキルアウトに襲撃された際には、単身で敵地に乗り込み救出に向かう。無能力者としての現実を言い訳にして他者を傷つける浜面仕上に対し、怒りの拳を振るう。
- 一方通行(アクセラレータ):学園都市最強の超能力者。暗部組織『グループ』の一員として、スキルアウトのリーダー・駒場利徳を討伐する任務を遂行する。上層部から御坂美鈴の暗殺を打診されるが、それに反発し、自らの意思で上層部を出し抜いて彼女を救おうと動く。
- 御坂美鈴(みさかみすず):御坂美琴の母親。戦争の危険が迫る学園都市から娘を連れ戻すためにやって来たが、上層部の思惑により「回収運動」の中心人物とみなされ、スキルアウトの襲撃対象となる。上条に助けられたことで、娘を連れ帰るよりも彼の傍にいる方が安全だと考えるようになる。
- 駒場利徳(こまばりとく):武装無能力者集団『スキルアウト』のリーダー。能力者による無能力者への理不尽な暴力に対抗するため、強靭な脚力を生み出す『発条包帯』を駆使し、学園都市の警備網を麻痺させる計画を立てるが、一方通行との死闘の末に敗れ去る。
- 浜面仕上(はまづらしあげ):駒場の死後、スキルアウトのリーダー的存在となる少年。美鈴を暗殺しようとするが上条当麻に阻止される。力のない無能力者が生き残るためには他人を食い物にするしかないと主張するが、上条にその弱さを完全に否定され、打ち倒される。
- 結標淡希(むすじめあわき):『グループ』に所属する座標移動(ムーブポイント)の能力者。スキルアウトの資金源を次々と破壊し、駒場利徳と交戦する。トラウマから能力使用に制限があるものの、低周波振動治療器の補助を受けて任務をこなす。
- 土御門元春(つちみかどもとはる):『グループ』の一員である魔術師にして能力者。一方通行に対し、上層部の思惑を出し抜くための共闘を持ちかける。
- 神裂火織(かんざきかおり):イギリス清教に所属する「聖人」。ロンドンの女子寮で全自動洗濯機のトラブルに悩まされながらも、迫り来る戦争において自分たちがどちらの陣営につくべきか、その圧倒的な力ゆえの決断に苦悩する。
- サーシャ=クロイツェフ:ロシア成教の魔術戦闘特化部隊『殲滅白書』のメンバー。イギリス清教の動向を探るため、非公式の使者としてロンドンの女子寮を訪れ、神裂たちに戦争への立場を問いただす。
- オルソラ=アクィナス:元ローマ正教の修道女。戦争が起きようとも「救いを求める人に手を差し伸べる」という自分たちのやるべきことは変わらないと主張し、神裂たちに争いを避ける「第三の選択肢」を見出させるきっかけを与える。
■ 物語の特徴
本作は、本編の隙間を埋めるショートストーリー(SS)シリーズと銘打たれていながら、世界規模の戦争の始まりや学園都市の暗部の実態、さらに浜面仕上の登場など、今後の物語に直結する極めて重要な伏線が数多く描かれている点が大きな特徴である。
上条当麻たちの平和でコミカルな日常風景(すき焼き鍋の騒動など)と、一方通行が身を投じる暗部組織での血みどろの抗争が対比的に描かれることで、これから失われようとしている日常の尊さと、迫り来る戦争の不気味さが際立ち、世界観の奥行きを深く表現している。 また、迫害される無能力者集団「スキルアウト」の苦悩や、イギリス清教の魔術師たちが戦争に対して抱く葛藤など、様々なキャラクターの視点から群像劇として物語が進行する点が魅力的である。特に、異なる視点で別々に行動していた上条当麻と一方通行が、御坂美鈴の救出という一つの事件において、直接顔を合わせることなくすれ違いながらも同じ事態を解決へと導く展開は、読者にとって非常に興味深く、スリリングなポイントとなっている。
書籍情報
とある魔術の禁書目録 SS
(A Certain Magical Index)
著者:鎌池 和馬 氏
イラスト:はいむらきよたか 氏
出版社:株式会社KADOKAWA(電撃文庫)
発売日:2007年7月10日
ISBN:9784048666350
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あらすじ・内容
科学と魔術が交差するとき、ショートストーリーが描かれる!?
上条当麻と吹寄制理の世間話を発端に、クラス全員で鍋パーティ!小萌先生は大困惑!?──『鍋と肉と食欲の大戦術』。舞台はロンドン。魔術師の少女たちが寮で織りなす、乱れた(?)一日とは……。──『イギリス清教の女子寮』。学園都市の暗部へと堕ちていった一方通行(アクセラレータ)。そこで彼を待っていたものは?──『灰色の無味乾燥な路地』。ビリビリ中学生に瓜二つなその容姿。彼女が学園都市にやって来た理由は?──『酔っ払った母親の事情』。『禁書目録』本編を補完するSSシリーズが登場!
感想
『とある魔術の禁書目録SS』というタイトルから、本編の合間の穏やかな日常を描いた短編集を想像していたが、良い意味でその予想は大きく裏切られた。学園都市とローマ正教の間に戦争の気配が迫る中、物語は急展開を見せる。読み終えてまず感じたのは、「あれ?この巻、実は今後の物語を左右する最大のキーポイントではないか?」という驚きである。
物語の序盤、上条当麻がクラスメイトたちと束の間の日常を過ごし、すき焼き鍋を囲んで騒ぐ姿はとても微笑ましい。しかし、平和な日常が丁寧に描かれているからこそ、その裏で静かに足音を立てて近づく「戦争」の不気味さが際立っていた。また、イギリス清教の女子寮で神裂火織たちが織りなすコミカルな生活も楽しいが、そこにロシア成教のサーシャが訪れ、戦争における立場を問う場面は非常にスリリングだった。その緊迫した空気の中、誰も犠牲にしない「第三の道」を選ぶと高らかに宣言したオルソラの真っ直ぐな強さには、深く胸を打たれる。
一方で、ひときわ印象に残ったのは、学園都市の暗部組織『グループ』に組み込まれた一方通行(アクセラレータ)の過酷な戦いだ。武装無能力者集団「スキルアウト」の指導者である駒場利徳の暗殺任務を冷徹に完遂する姿には、裏の世界の残酷さが滲み出ている。 しかし、打ち止め(ラストオーダー)の面影を重ねた泥酔中の御坂美鈴が、学生回収運動の中心人物として上層部から命を狙われていると知った時、彼の態度は一変する。暗殺任務をきっぱりと拒絶し、上層部の遠隔操作で能力を封じられてもなお、彼女を守るために動き出す一方通行の不器用な優しさがたまらなく格好良いのだ。
そして、この美鈴襲撃事件には上条も巻き込まれていく。美鈴から窮地を知らされた彼が現場へ急行し、駒場亡き後に新たなリーダーとして立ちはだかった浜面仕上と激突する展開は熱い。無能力者としての絶望を盾にする浜面に対し、理不尽に立ち向かう上条の死闘は、派手な異能のぶつかり合いがなくとも確かな説得力と迫力に満ちていた。後に重要な役割を担う浜面が、ここで襲撃者として登場している点も非常に興味深い。
命懸けで他者を守ろうとする上条の姿を見た美鈴は、最終的に娘を学園都市に残すことを決意して街を去っていく。親としての葛藤と安堵が入り交じるその決断には、確かな温かさがあった。 事件の幕引きにおいて、一方通行が『グループ』の仲間たちと結託し、それぞれの大切な存在を守るために上層部への反撃を決意するラストシーンは圧巻の一言に尽きる。日常と非日常、そして科学と魔術の陣営が複雑に絡み合う群像劇として、次巻への期待がこれ以上ないほど高まる、極めて満足度の高い一冊であった。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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とある魔術の禁書目録(13)レビュー
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考察・解説
上条当麻の日常
とある魔術の禁書目録SSにおける上条当麻の日常について、インデックスたちと過ごす騒がしい朝、昼休みの弁当交換と絶えない不幸、クラスメイトとのすき焼きパーティー、そして平和な日常の裏で抱く戦争への決意という観点から解説する。
1. インデックスと三毛猫に振り回される朝
ある日の朝、上条は賞味期限が迫った一本のちくわの処理に悩み、こっそりと三毛猫に与える。
- しかし、三毛猫がちくわを咥えているのを目撃したインデックスは、自分には許されないつまみ食いに対して強い嫉妬と食欲を爆発させた。
- 結果として彼女は台所にある料理を猛烈な勢いで食べ尽くしてしまい、上条は自分の朝食まで失うという騒がしい一日をスタートさせたのである。
2. 昼休みの弁当交換と絶えない不幸
朝食を抜いた上条は、午前中の授業を耐え抜き、昼休みに残り物を詰めた自作の弁当を取り出す。
- 同じく手作り弁当を持参した姫神秋沙とおかずの交換を楽しむが、姫神が上条の作った里芋を喉に詰まらせてしまう。
- 上条は彼女を助けようと背中をさするが、誤ってブラジャーのホックを外してしまい、無言のまま強烈な一撃を腹部に受けて床に倒れ込むという不幸に見舞われたのである。
3. クラスメイトとのすき焼きパーティー
昼休みに吹寄制理らと戦争による食料価格高騰の噂話をしたことから、話題は価格が上がる前に鍋を食べようという方向へ進み、クラス全体を巻き込んだ夕食の計画へと発展する。
- 吹寄の仕切りによってすき焼きを食べに行くことが決まり、夜には小萌先生やインデックスも交えて賑やかな食事会が開かれた。
- しかし、上条は不幸を警戒するクラスメイトに取り押さえられたり、鍋の中から肉ではなくしらたきばかりを掴んでしまったりと、不遇な扱いを受けたのである。
まとめ
仲間たちが平和に鍋をつつく中、上条は先日学園都市を襲撃した前方のヴェントの言葉を思い出し、世界規模で迫り来る戦争の気配に一人危機感を募らせていた。店を抜け出して土御門元春と対話した上条は、これまで知らない世界のことを他人任せにしていた自身の甘えを認め、新しい世界に足を踏み入れる強い決意を語る。しかし、そのための具体的な備えとして彼が取り出したのは、携帯電話のアプリで英語を勉強することであった。ローマ正教ら世界の敵と対話するためとはいえ、あまりにも的外れな結論に呆れた土御門から鉄拳を食らい、上条は追加された肉にもありつけずに終わったのである。
学園都市と戦争
とある魔術の禁書目録SSにおける学園都市と戦争について、迫り来る戦争の気配と市民の認識、学生回収運動と学園都市上層部の暗躍、そして世界規模での影響と第三勢力の動向という観点から解説する。
1. 迫り来る戦争の気配と市民の認識
学園都市とローマ正教の間に大規模な戦争が起こる可能性がニュースで報じられるようになるが、生徒たちの危機感は薄い。
- 社会見学の中止や身体検査の有無、食料価格の高騰など、身近な日常への影響としてしか事態を捉えていないのである。
- 上条当麻は、生徒たちが血みどろの戦いを想像せずに済んでいる現状を肯定した。
- そして、彼らの平和な環境を守るために、自ら戦争という新しい世界へ踏み込んでいく決意を固めるのである。
2. 学生回収運動と学園都市上層部の暗躍
開戦の噂を受け、保護者たちの間では子供を学園都市から連れ戻して安全な場所へ移そうとする学生回収運動が高まりを見せる。
- 御坂美琴の母である御坂美鈴もその一人として街を訪れたが、学園都市の上層部は、多くの学生が流出すると自身の深い計画に支障が生じると考えたのである。
- そのため、スキルアウトを利用して美鈴を暗殺しようと企てた。
- しかし、上条の身を挺した行動によって救出された美鈴は、どこへ逃げても本当の安全地帯はないと悟り、娘を学園都市に残すことを選択したのである。
まとめ
これからの戦争は国境を持たない思想のぶつかり合いであり、世界中どこでも突発的に戦場になり得る危険性を孕んでいる。現にロシア国内では、暴動を恐れて昼間でも店がシャッターを下ろすなど緊迫した状況にある。ローマ正教と学園都市の戦力が拮抗する中、ロシア成教のサーシャは、勝者側に付くためにイギリス清教がどちらの陣営に付くのかを探りに来る。神裂火織はどちらが勝っても自分たちの組織が損害を受けると苦悩するが、オルソラは戦争が起きても救いを求める人に手を差し伸べるという姿勢は変わらないと主張し、誰も倒れない第三の選択肢を目指すと堂々と宣言したのである。
一方通行とグループ
とある魔術の禁書目録SSにおける一方通行とグループについて、暗部組織への編入と上層部への不信感、一癖あるメンバーたちとの関係、それぞれが抱える守るべきもの、そして共闘と上層部への反撃の決意という観点から解説する。
1. 暗部組織グループへの編入と上層部への不信感
一方通行は木原数多との激闘後、学園都市の暗部組織グループに組み込まれる。
- 長点上機学園への転入処理や専用の装備開発など、彼一人のために膨大な人員と資金が割かれていることから、彼は上層部の深い目的と強大な権力を察知し、強い胡散臭さを感じていた。
- さらに、バッテリー時間が延長された新しいチョーカー型電極には遠隔操作による安全装置(セイフティ)が仕込まれている。
- 上層部の意に沿わない行動を取れば即座に能力を封じられてしまうという首輪をつけられた状態にあったのである。
2. 一癖あるメンバーたちと同床異夢
グループは一方通行、土御門元春、結標淡希、海原光貴の4人で構成されている。
- 彼らは互いに腹の内を見せない曲者揃いであり、一方通行も馴れ合いを嫌っていた。
- 特に結標淡希とは過去の因縁もあり、任務先で一触即発の事態に陥るなど、決して一枚岩ではなかった。
- 土御門からも俺達の事を信じるな、統括理事会が決めたルールに従っているだけでは出し抜けないと忠告されるなど、組織内は張り詰めた空気に包まれていたのである。
3. 各々が抱える守るべきもの(ウィークポイント)
彼らが上層部の言いなりになって汚れ仕事を引き受けている理由は、それぞれが絶対に捨てられない守るべきものを抱えているためであった。
- 土御門には義妹、海原には想い人、結標にはかつて自分に協力してくれた仲間たちがいる。
- そして一方通行には打ち止め(ラストオーダー)をはじめとする量産型能力者(シスターズ)が存在するのである。
- 上層部は彼らのその弱みを握り、盤上から逃げられない手駒として利用していた。
まとめ
御坂美琴の母である美鈴の暗殺任務において、一方通行は理不尽に命を狙われる彼女を見過ごせず、上層部の命令に反逆する。能力を遠隔で封じられながらも戦い抜いた彼は、事件終了後に土御門から大切なものを守るために手を結ぼうと共闘を持ちかけられる。一方通行は打ち止めを守るためなら彼らを手駒として利用してやると考え、裏切れば切り捨てるという条件付きでこの提案を承諾した。そして、最大の枷である電極の遠隔操作を無効化すべく、カエル顔の医者から設計図を手に入れて上層部へ反撃する計画を立て、あらゆる不幸の元凶となっている黒幕を打倒する強い決意を固めるのである。
スキルアウトの蜂起
とある魔術の禁書目録SSにおけるスキルアウトの蜂起について、蜂起の計画と通信網の麻痺工作、計画の要と暗部組織グループの標的、資金源の破壊と一方通行の制圧、そして駒場利徳の敗死と残党の暴走という観点から解説する。
1. 蜂起の計画と通信網の麻痺工作
リーダーの駒場利徳を中心に再編成された無能力者集団スキルアウトは、学園都市が対ローマ正教への備えで手薄になっている隙を突き、能力者に対する大規模な反逆を企てた。
- 彼らは樫の木と手製爆薬によるロケット兵器(棒火矢)を用意した上で、街の各所にゴミを詰めたり自転車を放置したりといった小規模な妨害工作を数日間で2万件以上も仕掛けた。
- これらは平時では見過ごされるものだが、ロケット兵器を用いて第二級警報を誘発させることで一斉にエラーとして検出させる。
- そして、通信網の中継局をダウンさせて警備員(アンチスキル)の動きを封じるという周到な計画であった。
2. 計画の要と暗部組織グループの標的
この計画を暴走させずに正確に実行するため、エラーを広範囲へ拡大させる起点となる第一爆破地点の情報は駒場利徳だけが握っていた。
- 学園都市の上層部は、通信網が切断されて都市機能に打撃が及ぶ事態を未然に防ぐため、暗部組織グループに対して指令を下した。
- その内容は、スキルアウトの物理的な停止とリーダーである駒場の暗殺を命じるものであった。
3. 資金源の破壊と一方通行の制圧
グループの結標淡希は、座標移動の能力を用いてスキルアウトの活動資金が隠された金庫や保管場所を次々と爆破し、彼らの資金源を直接断った。
- 同時に、一方通行は自身の電極のバッテリーを節約するため能力を最小限に抑える。
- そして、突風で敵の体勢を崩してから銃撃を叩き込むという戦術を用い、武装したスキルアウトの集団をわずか10分で無力化したのである。
まとめ
資金源の破壊を行っていた結標淡希を退けた駒場利徳であったが、続いて現れた一方通行との死闘の末、放った弾丸を反射されて顔面を吹き飛ばされ死亡する。絶対的なリーダーと第一爆破地点の情報を失ったことで蜂起の計画は頓挫した。その後、新たなリーダーとなった浜面仕上ら残党は、上層部の依頼を受けて御坂美鈴の暗殺を断崖大学データベースセンターで企てるが、駆けつけた上条当麻との激闘の末に打ち倒され、スキルアウトの目論見は完全に失敗に終わったのである。
第三の選択肢
とある魔術の禁書目録SSにおける第三の選択肢について、サーシャからの問いと神裂の苦悩、オルソラの揺るがない信念、あの少年からの影響、そして誰も倒れないハッピーエンドへの決意という観点から解説する。
1. サーシャからの問いと神裂の苦悩
ローマ正教と学園都市の大規模な戦争が迫る中、ロシア成教のサーシャ=クロイツェフが非公式にイギリス清教の女子寮を訪れる。
- 彼女は、勝者側に協力して優位な位置を確保するために、イギリス清教がどちらの陣営に付くつもりなのかという二元論的な問いを投げかけた。
- 神裂火織は、ローマ正教が勝利すれば旧敵である天草式やアニェーゼ部隊が潰され、逆に学園都市が勝利すれば科学サイドによって魔術勢力全体が殲滅される可能性があると考えた。
- そして、どちらに転んでも自分たちの組織が甚大な被害を受ける状況に深く苦悩するのである。
2. オルソラの揺るがない信念
重苦しい空気が漂う中、オルソラ=アクィナスはどのような情勢下であれ、私達のやるべき事は変わらないと断言する。
- 彼女は、戦争が起きたからといって救いを求める人を拒む理由にはならないとした。
- 痛みを訴える者を癒やし、争いを望まぬ者を仲裁するという本来の使命を貫くべきだと主張したのである。
3. あの少年からの影響
さらにオルソラは、かつて自分たちを救ってくれた一人の少年である上条当麻の存在を引き合いに出す。
- 威光も背景も持たない彼が、決して折れずに前へ進むだけで絶対不可避と思われた諍いを解決した。
- そして、敵の未来すら奪わずに多くの救いをもたらした小さな力の持つ意味を説いたのである。
- 彼一人でそれだけの救いをもたらせたのだから、自分たちが力を合わせればどれほどの救いをもたらせるかと問いかけ、諦めないことの重要性を周囲の修道女たちに訴えかけた。
まとめ
そして最後に、オルソラは勝ち負けの二元論をまっぴらだと否定し、そこに存在しない第三の選択肢を堂々と宣言する。それは、そもそも誰も倒れないというぐらいのハッピーエンドを用意することであった。開戦直前の緊迫した世界情勢において、彼女は自分たちを助けてくれた少年に報いるためにも、世界で最も輝いている綺麗事を目指すべきだと主張したのである。
親子と守るべき者
とある魔術の禁書目録SSにおける親子と守るべき者について、御坂美鈴の親心と学生回収運動、暗部組織グループが抱える守るべき者、上層部の陰謀に対する一方通行の反逆、そして美鈴から上条当麻への想いの託付という観点から解説する。
1. 御坂美鈴の親心と学生回収運動
ローマ正教との戦争の危機が迫る中、保護者たちの間では子供を学園都市から連れ戻して安全な場所へ移そうとする学生回収運動が高まっていた。
- 御坂美琴の母である御坂美鈴もまた、娘を安全な海外などの避難先へ連れ出すために学園都市を訪れた。
- これは純粋に娘を心配する親心からの行動であったが、学園都市の上層部は多くの学生が流出すると自身の深い計画に支障が生じると考えた。
- その結果、美鈴は回収運動の代表的立場と見なされ、上層部から危険視されて暗殺の標的となってしまったのである。
2. 暗部組織グループが抱える守るべき者
一方通行が所属させられた暗部組織グループのメンバーは、それぞれが絶対に捨てられない守るべき存在を抱えていた。
- 土御門元春には義妹、海原光貴には想い人、結標淡希にはかつての仲間たちがいる。
- そして一方通行には、打ち止め(ラストオーダー)をはじめとする量産型能力者(シスターズ)が存在するのである。
- 彼らはその大切な存在を弱みとして握られているため、上層部の理不尽な命令や汚れ仕事に従い続けるしかなかった。
3. 上層部の陰謀に対する一方通行の反逆
学園都市の上層部は、美鈴を暗殺するためにスキルアウトを利用し、一方通行にもその襲撃への協力を求めた。
- しかし一方通行は、理不尽な大きな力によってちっぽけな命が脅かされる状況に対し、強い嫌悪感を抱いた。
- それはかつて、彼自身が打ち止めを守るために木原数多と戦った時と同じ感情であった。
- 彼は借金返済や組織への忠誠のためではなく、自らの意思で上層部の命令を拒絶し、能力を遠隔操作で封じられながらも美鈴を救うための行動を起こしたのである。
まとめ
一方、スキルアウトに襲撃されて孤立した美鈴は、娘の美琴を危険に巻き込まないためにあえて連絡を避け、上条当麻に助けを求めた。上条は身を挺して施設へ突入し、命がけの戦いの末にスキルアウトの新たなリーダーである浜面仕上を打ち倒して美鈴を救出した。この出来事を経て、美鈴はどこへ逃げても人間の気持ち一つで状況は変わり、絶対に安全な場所など存在しないと悟ったのである。そして、無理に居場所を変えるよりも、美琴を守ってくれる上条たちのような存在がそばにいる方がかえって安全だと判断し、娘を学園都市に残して一人で街を去っていくのである。親として娘を守るための最善の選択が、信頼できる者への託付という形で結実したのである。
上層部への反逆決意
『とある魔術の禁書目録SS』における上層部への反逆決意について、御坂美鈴の暗殺指令と理不尽への嫌悪、安全装置による能力の封印、土御門からの共闘の提案、そして最大の枷の解除と黒幕打倒の決意という観点から解説する。
1. 御坂美鈴の暗殺指令と理不尽への嫌悪
学園都市の上層部は、学生回収運動の中心人物とみなした御坂美鈴を排除するため、スキルアウトを利用して暗殺を企て、一方通行にもそのアシストを求めた。
- しかし一方通行は、理不尽な大きな力によってちっぽけな命が脅かされる状況に対し、かつて打ち止め(ラストオーダー)を守るために戦った時と同じような強い嫌悪感を抱いた。
- そして、組織の思惑や借金返済のためではなく、自らの意思で上層部の命令を明確に拒絶したのである。
2. 安全装置(セイフティ)による能力の封印
一方通行が命令を拒絶すると、電話越しの上の人間は遠隔操作によって彼のチョーカー型電極に仕込まれた安全装置(セイフティ)を作動させる。
- これにより能力使用モードへの切り替えが封じられてしまった。
- その結果、一方通行は自分がただの手駒として管理され、首輪をつけられている状態であることを改めて思い知らされることとなったのである。
3. 土御門からの忠告とグループの共闘
事件後、合流した土御門元春は、グループのメンバーがそれぞれ絶対に捨てられない守るべき存在を弱みとして握られていることを語る。
- そして、上層部が決めたルールに従っているだけでは彼らを出し抜くことはできないと忠告し、大切なものを守るために手を結ぼうと共闘を持ちかけた。
- 一方通行は馴れ合いを否定しつつも、打ち止めを守るためなら彼らを手駒として利用すると考え、裏切れば切り捨てるという条件付きでこの提案を承諾したのである。
まとめ
上層部へ反撃するためには、最大の枷である電極の遠隔操作を無効化する必要がある。一方通行は、カエル顔の医者から設計図を手に入れて安全装置の仕組みを逆算する計画を立てた。そして、自分を操ろうとした電話の向こうの人物や、あらゆる不幸の元凶となっている黒幕に辿り着き、これを打倒するという新たな目的を見出し、暗い高揚感とともに強い決意を固めるのである。
とある魔術の禁書目録(13)レビュー
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とある魔術の禁書目録(14)レビュー
登場キャラクター
学園都市
上条当麻
学園都市の高校生であり、インデックスの同居人である。事件の中心よりも目の前で困っている人を助けるために行動を起こす。
・所属組織、地位や役職
学園都市の高校生。無能力者。
・物語内での具体的な行動や成果
クラスメイトたちとすき焼き鍋の準備を進める。御坂美鈴から窮地を知らせる電話を受け、浜面仕上と戦って彼女を救出する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
右手に異能の力を打ち消す幻想殺しを持つ。
インデックス
イギリス清教のシスターであり、上条当麻の家に居候している。上条に対して頻繁に噛み付く行動を見せる。
・所属組織、地位や役職
イギリス清教。
・物語内での具体的な行動や成果
上条たちが鍋の準備をする中、自分だけ鮭のおにぎりを食べていることに不満を漏らす。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
10万3000冊の魔道書を記憶している。
吹寄制理
上条当麻のクラスメイトである。面倒見が良く、友人を気遣う性格を持つ。
・所属組織、地位や役職
学園都市の女子高生。大覇星祭の運営委員。
・物語内での具体的な行動や成果
病室を訪れて上条に頭突きを見舞う。姫神秋沙のために見舞いの品を選ぶなど、世話焼きな一面をのぞかせる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
クラス内で強い発言力を有する。
姫神秋沙
上条当麻のクラスメイトであり、小萌先生の家に同居している少女である。物静かな性格を持つ。
・所属組織、地位や役職
学園都市の女子高生。
・物語内での具体的な行動や成果
教室で吹寄たちと鍋パーティーの話題について会話を展開する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項は記載されていない。
御坂美琴
学園都市の常盤台中学に通う女子生徒である。母親である美鈴の自由奔放な振る舞いに振り回される。
・所属組織、地位や役職
常盤台中学。学園都市第三位の超能力者。
・物語内での具体的な行動や成果
学園都市を訪れた母の美鈴と会い、学生寮へ案内する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
電撃を操る能力を有する。
月詠小萌
上条当麻たちのクラスの担任教師である。見た目が非常に幼く、生徒思いの性格を持つ。
・所属組織、地位や役職
学園都市の教師。
・物語内での具体的な行動や成果
吹寄が教室で着替えているところに遭遇し、驚きのあまり倒れ込む。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
生徒たちから親しまれている。
黄泉川愛穂
学園都市の警備員を務める女性教師である。子供には武器を向けないという信条を抱いている。
・所属組織、地位や役職
学園都市の警備員。教師。
・物語内での具体的な行動や成果
芳川桔梗とともに一方通行と打ち止めの面倒を見る。マンションを彼らの新しい生活拠点として提供する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
常にジャージ姿で行動している。
御坂美鈴
御坂美琴の母親である。自由奔放な性格で、泥酔して上条に絡むこともある。
・所属組織、地位や役職
御坂美琴の母。
・物語内での具体的な行動や成果
娘を戦争の危険から連れ戻すために学園都市を訪れる。スキルアウトに命を狙われ、上条当麻に助けられる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
上層部から回収運動の中心人物とみなされていた。
青髪ピアス
上条当麻のクラスメイトである。エセ関西弁を話し、場の空気を盛り上げる。
・所属組織、地位や役職
学園都市の男子高校生。
・物語内での具体的な行動や成果
教室で土御門とフィクションについて馬鹿話を展開する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項は記載されていない。
打ち止め
妹達の上位個体である少女である。一方通行に好意を向けており、彼に付きまとう。
・所属組織、地位や役職
妹達の上位個体。検体番号20001号。
・物語内での具体的な行動や成果
病院から退院し、一方通行と黄泉川のマンションへ向かう。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項は記載されていない。
カエル顔の医者
学園都市で働く医師である。患者に必要なものは何でも揃えるという信念を持つ。
・所属組織、地位や役職
学園都市の医師。
・物語内での具体的な行動や成果
一方通行や妹達の治療と調整を担当する。同じ遺伝子でも生活習慣で個性が生まれると妹達に説明を行う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項は記載されていない。
グループ
一方通行
学園都市最強の超能力者である。悪党としての美学を持ちつつも、打ち止めを守るために行動する。
・所属組織、地位や役職
グループ。学園都市第一位の超能力者。
・物語内での具体的な行動や成果
スキルアウトのリーダーである駒場利徳を討伐する。上層部からの美鈴暗殺の打診を拒否し、彼女を救うために動く。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
脳の損傷により演算補助装置を使用しており、能力使用時間に制限がある。
土御門元春
上条当麻のクラスメイトであり、裏の世界でスパイとして活動する少年である。
・所属組織、地位や役職
グループ。学園都市とイギリス清教のスパイ。
・物語内での具体的な行動や成果
一方通行に対してグループ上層部の意図やルールの抜け穴について忠告する。上層部を出し抜くための共闘を持ちかける。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
義妹を非常に大切にしている。
結標淡希
霧ヶ丘女学院の生徒である。過去のトラウマから能力使用に制限を抱えている。
・所属組織、地位や役職
グループ。霧ヶ丘女学院の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
スキルアウトの資金源を次々と破壊する。駒場利徳と交戦するが、彼の圧倒的な速度の前に敗北を喫する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
座標移動の能力を持ち、低周波振動治療器で補助を受けている。
海原光貴
グループに所属する青年である。表面上は穏やかだが、裏の世界の仕事に従事している。
・所属組織、地位や役職
グループ。
・物語内での具体的な行動や成果
一方通行に武器の選定を促す。スキルアウト討伐の任務を伝達する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
自身の想い人を守るために行動する。
スキルアウト
駒場利徳
武装無能力者集団スキルアウトのリーダーである。無能力者が生き残るために強者へ反抗する。
・所属組織、地位や役職
スキルアウトのリーダー。
・物語内での具体的な行動や成果
学園都市の通信網を麻痺させる計画を立てる。結標淡希を撃破するが、一方通行との死闘の末に死亡する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
発条包帯を使用して超人的な運動能力を得ている。
浜面仕上
駒場利徳の死後、スキルアウトの指揮を執る少年である。無能力者の過酷な現実に対する強い劣等感を抱える。
・所属組織、地位や役職
スキルアウト。
・物語内での具体的な行動や成果
御坂美鈴を殺害しようとする。救出に来た上条当麻と交戦し、敗北を喫する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項は記載されていない。
イギリス清教
神裂火織
イギリス清教の魔術師である。世界に20人もいない聖人の一人としての強大な力を持つ。
・所属組織、地位や役職
イギリス清教・必要悪の教会。聖人。
・物語内での具体的な行動や成果
ロンドンの女子寮で全自動洗濯機のトラブルに巻き込まれる。サーシャから戦争への立場を問われ、自身の進むべき道に苦悩する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
かつて天草式十字凄教の女教皇を務めていた。
オルソラ=アクィナス
元ローマ正教の修道女である。争いを好まず、平和的な解決を望む性格を持つ。
・所属組織、地位や役職
イギリス清教。元ローマ正教の修道女。
・物語内での具体的な行動や成果
全自動洗濯機の機能に感心する。戦争への立場を問われた際、誰も犠牲にしない第三の選択肢を選ぶと宣言する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項は記載されていない。
アニェーゼ=サンクティス
元ローマ正教のシスターである。厚底サンダルを愛用している。
・所属組織、地位や役職
イギリス清教。元ローマ正教のシスター。
・物語内での具体的な行動や成果
女子寮の洗濯機に布団を入れ、大きなトラブルを引き起こす。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項は記載されていない。
ルチア
元ローマ正教のシスターである。規律に厳しく、他のシスターたちを注意することが多い。
・所属組織、地位や役職
イギリス清教。元ローマ正教のシスター。
・物語内での具体的な行動や成果
食堂でアンジェレネと口論を展開する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項は記載されていない。
アンジェレネ
元ローマ正教のシスターである。甘いものが好きで、小柄な体格をしている。
・所属組織、地位や役職
イギリス清教。元ローマ正教のシスター。
・物語内での具体的な行動や成果
神裂製の梅干しを食べてショックを受ける。サーシャの女子寮訪問を神裂に伝える。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項は記載されていない。
シェリー=クロムウェル
イギリス清教の魔術師である。ゴスロリ衣装を好むが、女子寮ではネグリジェ姿で過ごす。
・所属組織、地位や役職
イギリス清教・必要悪の教会。
・物語内での具体的な行動や成果
女子寮でチェスの駒を削る作業を行う。サーシャの服装について指摘し、彼女を怒らせる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項は記載されていない。
カテリナ
元ローマ正教の修道女である。
・所属組織、地位や役職
イギリス清教。元ローマ正教の修道女。
・物語内での具体的な行動や成果
食堂でアニェーゼたちと同席し、トランプの最中に涙目になっている描写がある。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項は記載されていない。
アガター
元ローマ正教の修道女である。
・所属組織、地位や役職
イギリス清教。元ローマ正教の修道女。
・物語内での具体的な行動や成果
食堂でアニェーゼたちと同席し、自分のトランプのカードを睨みつけている描写がある。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項は記載されていない。
ロシア成教
サーシャ=クロイツェフ
ロシア成教の特殊部隊に所属する少女である。上司であるワシリーサの行動に頻繁に不満を抱く。
・所属組織、地位や役職
ロシア成教・殲滅白書。
・物語内での具体的な行動や成果
非公式の使者としてイギリス清教の女子寮を訪問する。迫り来る戦争に対する立場を神裂たちに問いただす。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
独特な拘束服のような衣装を身にまとっている。
集団
クラスメイト達
上条当麻のクラスに所属する生徒たちである。
・所属組織、地位や役職
学園都市の高校生。
・物語内での具体的な行動や成果
教室で鍋パーティーの話題について盛り上がる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項は記載されていない。
運動部の生徒達
学園都市の学校に所属する生徒たちである。
・所属組織、地位や役職
学園都市の高校生。
・物語内での具体的な行動や成果
具体的な行動に関する情報は記載されていない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項は記載されていない。
警備員
学園都市の治安維持を担当する大人たちである。
・所属組織、地位や役職
学園都市。
・物語内での具体的な行動や成果
スキルアウトの鎮圧に向かうが、返り討ちに遭って逃げ帰る。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項は記載されていない。
風紀委員
学園都市の治安維持を担う学生の能力者たちである。
・所属組織、地位や役職
学園都市。
・物語内での具体的な行動や成果
具体的な行動に関する情報は記載されていない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項は記載されていない。
野次馬
事件の周囲に集まる一般人たちである。
・所属組織、地位や役職
特になし。
・物語内での具体的な行動や成果
具体的な行動に関する情報は記載されていない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項は記載されていない。
救急隊員
急患の搬送や処置を担当する職員たちである。
・所属組織、地位や役職
学園都市の医療関係者。
・物語内での具体的な行動や成果
病院で怪我人の報告や対応を行う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項は記載されていない。
スキルアウト
学園都市の無能力者たちで構成された武装集団である。
・所属組織、地位や役職
学園都市の武装集団。
・物語内での具体的な行動や成果
学園都市の通信網を麻痺させるための妨害工作を各所に仕掛ける。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
能力者への反抗を目的に活動する。
猟犬部隊
木原数多が率いていた非公式の工作組織である。
・所属組織、地位や役職
学園都市の暗部組織。
・物語内での具体的な行動や成果
過去の出来事として言及される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項は記載されていない。
妹達
御坂美琴のDNA情報から作られたクローンたちである。
・所属組織、地位や役職
学園都市のクローン群。
・物語内での具体的な行動や成果
病院で退院後の服装や体型の変化について話し合う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ミサカネットワークという独自の通信網を構築している。
天草式十字凄教
日本に伝わる十字教の宗派である。
・所属組織、地位や役職
日本の魔術勢力。
・物語内での具体的な行動や成果
具体的な行動に関する情報は記載されていない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
神裂火織がかつて所属していた。
元アニェーゼ部隊
ローマ正教からイギリス清教へ身を寄せたシスターたちの集団である。
・所属組織、地位や役職
イギリス清教。
・物語内での具体的な行動や成果
イギリス清教の女子寮で共同生活を送る。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ロンドンに新しい分派を作ろうとしている。
とある魔術の禁書目録(13)レビュー
【とある魔術の禁書目録】あらすじ・ネタバレ・まとめ
とある魔術の禁書目録(14)レビュー
展開まとめ
序章 開戦前の穏やかな一 BReakfast.
ちくわを巡る朝の騒動
上条当麻は、賞味期限が迫った一本のちくわの処理に悩んでいた。サラダへ入れるには量が多く、このまま放置するわけにもいかず、朝の貴重な時間を使って考え込んでいた。
そこへ三毛猫が現れたため、上条は余ったちくわを与えた。三毛猫は喜んでちくわを咥えると、どこかへ隠れて食べようと台所から走り去っていった。
インデックスのちくわ争奪戦
三毛猫が去った直後、今まで朝の祈りを捧げていたインデックスが台所へ突撃してきた。三毛猫がちくわを食べているのを見たらしく、自分にも食べさせろと強く主張した。
上条は朝食の準備が終わるまで待つよう説得したが、インデックスは聞き入れず、台所の食べ物へ手を伸ばした。好き嫌いのない彼女を止めなければ冷蔵庫の中身まで消えかねないと上条は慌てたが、制止は間に合わなかった。
朝食の結末
インデックスは台所で次々と料理を食べ始めた。上条は必死に止めようとしたものの効果はなく、自分の分の料理まで食べ尽くされてしまった。
十月三日午前七時二分、上条は菜箸を手にしたまま、呆然と立ち尽くしていた。
第一章 鍋と肉と食欲の大戦術 A_Required_Thing.
昼休みの弁当とメール
昼休みになると、生徒たちは学食や購買へ向かって一斉に教室を飛び出していった。朝食を食べ損ねていた上条当麻は、午前中の授業を何とか乗り切り、自作の弁当を取り出した。
食べようとしたところで御坂美琴からメールが届いたが、データ破損により内容を確認できなかったため、上条は送り直すよう返信した。
姫神との弁当交換
そこへ姫神秋沙が弁当を持って現れた。二人は向かい合って食事を始め、上条は毎日弁当を用意する姫神に感心した。
姫神の弁当は手間をかけて作られており、残り物を詰めただけの上条の弁当との差は明らかだった。二人はおかずを交換し、上条は姫神の天ぷらの美味しさに驚いた。
一方、姫神は上条の里芋を食べた際に喉へ詰まらせてしまった。上条は助けようとして背中をさすったが、誤ってブラジャーのホックを外してしまい、その直後に姫神から強烈な一撃を受けて床へ倒れ込んだ。
吹寄との会話
化粧室へ向かった姫神と入れ替わるように吹寄制理が現れた。吹寄は能力上昇パンを昼食にしており、上条と軽口を交わした。
その後、話題は世界情勢へ移った。学園都市と大規模宗教勢力の対立が戦争へ発展するかもしれないというニュースについて、吹寄は食料や石油価格の高騰を心配していた。
周囲の生徒たちも、社会見学の中止や学校行事への影響、中間テストの扱いなど、自分たちの日常への影響という視点で戦争を語っていた。上条はその様子を見ながら、戦争の現実を深く知らずに済んでいる現状を良いことだと考えていた。
鍋の話題から食事会へ発展
上条が食料価格の話から鍋料理について口にすると、その会話を聞いていた土御門元春や青髪ピアスたちが反応した。
やがて周囲の生徒たちも加わり、鍋や焼肉、おでんなどの話題で盛り上がり始めた。当初の話題から離れ、いつの間にかクラス全員で夕食を食べに行く計画へと変化していった。
多数決を巡る騒ぎはさらに拡大し、店選びや理想の店員像まで議論が飛躍して教室全体が大騒ぎとなった。
吹寄による多数決の仕切り
混乱する教室を見た吹寄は本気で仕切ることを決意した。髪型を整え直した後、教壇へ上がり、生徒たちに投票を呼びかけた。
その結果、クラスでは今夜の夕食をすき焼きにすることが決定し、教室は大歓声に包まれた。
教師たちの昼休み終盤
昼休みの終わり頃、小萌先生と黄泉川愛穂は廊下を歩きながら能力開発や保護している生徒たちの話をしていた。
やがてそれぞれの担当教室前へ到着したが、黄泉川のクラスが落ち着いて次の授業の準備を進めている一方で、小萌先生のクラスからはすき焼き決定の歓声が響き渡った。
慌てて教室へ駆け込む小萌先生の姿を見送りながら、黄泉川は馬鹿騒ぎばかりしている生徒たちの様子を羨ましく思っていた。
すき焼き店への移動
その日の夜、上条当麻たちはクラスメイト全員と小萌先生、インデックス、三毛猫を連れて、土御門元春が知るすき焼き店へ向かった。
店は地下街の一角にあり、外観はかなり古びていたが、大人数の来店に店員たちは大喜びしていた。小萌先生は地ビールが大量に揃う店を知っている土御門を怪しんだが、クラスメイトたちは鍋を優先して強引に店内へ連れて行った。
鍋を待ちながら語られる戦争の影響
複数のテーブルに分かれて鍋を待つ中、生徒たちは学園都市の外で進行する混乱について話していた。
姫神秋沙や吹寄制理は能力者への対応について語り、青髪ピアスや土御門は常盤台中学に関する噂話を交わした。また、小萌先生は保護者から子供を学園都市の外へ戻したいという問い合わせが増えていることを明かした。
上条はそれらの話を聞きながらも、学園都市より安全な場所が本当に存在するのか疑問を抱いていた。
すき焼きの開始と賑やかな食事
やがて鍋が運ばれてくると、クラスメイトたちは上条が不幸を呼び込むことを警戒し、鍋へ近づこうとする彼を取り押さえた。
食事が始まると、肉の奪い合いや卵の溶き方を巡る吹寄の指導などで大いに盛り上がった。上条は肉を取ろうとしてもしらたきばかり掴み、さらに鍋をかき回したことで吹寄から拳骨を受けた。
それでも皆で鍋を囲む時間は楽しく、上条は久しぶりの平穏な時間を味わっていた。
地下街での思索
追加注文を待つ間、上条は一人で地下街へ出た。
周囲には平和な日常が広がっていたが、先日の騒動による被害は各地に残されていた。学園都市とローマ正教、そして神の右席との対立が本格的な戦争へ発展する可能性を考え、上条は何とかしなければならないと決意を新たにした。
また、自分が大きな流れの中心にいる以上、少しでもその方向を変えられるかもしれないと考えていた。
土御門との対話
そこへ土御門が現れた。土御門は、これから起こる戦争を上条自身の責任だと考える必要はないと告げた。
上条は、これまで自分が知らない世界のことを他人任せにしてきたと認め、これからは自分自身で学び、新たな世界へ踏み込まなければならないと語った。
戦いの規模が変わる中で、自分に不足しているものを補いながら前へ進むしかないという覚悟を固めていた。
上条の新たな決意
強い決意を語る上条に対し、土御門は戦いへの備えを想像していた。
しかし上条が口にしたのは、英語を勉強するという決意だった。ローマ正教や神の右席の人間たちと対話するためには、自分も相手の言葉を学ぶべきだと考えていたのである。
あまりにも予想外の結論に呆れた土御門は反射的に拳を放ち、そのまま店へ戻っていった。
その後、上条当麻は追加された肉をほとんど食べられないまま、すき焼きの時間を終えることになった。
第二章 灰色の無味乾燥な路地 Skill_Out.
同日、一〇月三日早朝
一方通行の射撃訓練
一方通行は地下の射撃演習場で、杖をつきながら左手のみで拳銃の訓練を続けていた。高速で移動する標的を次々と正確に撃ち抜き、装填も片手だけで素早くこなしていたが、自身では満足していなかった。能力に頼らず戦うための武器を探していたものの、決定的にしっくりくる銃は見つかっていなかった。
海原光貴の来訪
訓練中の一方通行のもとへ海原光貴が現れた。一方通行は海原が近づくたびに指先の震えや胸への圧迫感を覚えており、その感覚から木原数多との戦いや黒い翼の記憶を思い出していた。しかし、その異変を海原に打ち明けることはなかった。
海原は武器選定の進捗を尋ねたが、一方通行は電極に依存した戦い方へ不信感を抱いており、能力使用時間が延長されても根本的な解決にはならないと考えていた。
『グループ』への不信感
一方通行は、自身が所属させられた『グループ』について考えていた。長点上機学園への転入手続きや各種支援体制などから、『グループ』を統括する上層部が大きな権力と目的を持っていることを察していたが、その全貌は把握できていなかった。
また、自分が利用されている立場であることも理解しており、その状況を胡散臭いものとして受け止めていた。
新たな任務の通達
海原は統括理事会から新たな任務が下ったことを伝えた。学園都市が対ローマ正教への備えに集中している隙を突き、内部から都市機能へ打撃を与えようとする勢力を排除するという内容だった。
その話を聞いた一方通行は、自分が木原数多の代わりとして汚れ仕事を押し付けられている状況を皮肉りながら笑った。
スキルアウトの計画
海原は標的がスキルアウトであると説明した。スキルアウトは現在再編成が進められており、樫材と爆薬を用いた簡易ロケット兵器を準備していた。
さらに彼らは数日かけて学園都市各所に小規模な妨害工作を二万件以上仕掛けていた。第二級警報以上が発令されると、それらの妨害が一斉にエラーとして検出され、通信網を支える中継局へ膨大な負荷がかかる仕組みだった。通信網が麻痺すれば、スキルアウトは自由に暴れ回れる状況を作り出せるのである。
計画への評価と懸念
一方通行は、スキルアウトの計画そのものは不完全であり、超能力者を倒せるほどの力はないと分析した。しかし実際には、超能力者ではなく低能力者や異能力者が被害を受けるだろうと考えた。
さらに危険なのはスキルアウトではなく、その混乱に乗じて攻撃してくる外部勢力だと判断した。統括理事会も路地裏の人間の被害には関心がなく、問題視しているのは都市全体への影響だと見抜いていた。
駒場利徳暗殺任務
海原は、現在のスキルアウトを束ねるリーダーである駒場利徳を排除することが今回の任務だと告げた。
スキルアウトの計画は、駒場だけが知る第一爆破地点を起点として成立するものであり、その情報を持つ者は他にいなかった。そのため駒場を排除すれば計画全体を未然に阻止できる可能性が高いと説明した。
そして海原は、駒場から情報を聞き出すよりも、速やかに潰してしまった方が手っ取り早いと語った。
一方通行の潜入開始
一方通行は『グループ』が用意した特殊なゴミ収集車で現場へ向かった。運転手は死体処理も想定した車両であることを説明し、自らの仕事に疑問を抱いていることも打ち明けた。一方通行はその考えを善人の甘さだと受け止めながらも、軽く応じた。
目的地へ到着した一方通行は車を降り、スキルアウトの支配する区域へ足を踏み入れた。そこには警備ロボットの侵入を妨げる鉄杭や人工衛星の監視を妨害するビニールシートが設置されており、スキルアウトが学園都市の監視網といたちごっこを続けている様子が見て取れた。
土御門からの忠告
路地へ入ろうとした一方通行の携帯電話に土御門元春から連絡が入った。土御門は『グループ』の仲間を信用するなと忠告し、統括理事会の作った仕組みに従うだけでは上層部を出し抜けないと語った。
さらに、自分たちには守るべきものがあるのだから、そのことを忘れるなと伝えた。一方通行は病院にいる少女の存在を思い出しかけたが、その感情を押し殺した。
結標淡希の作戦開始
通話中、遠方で爆発音が響いた。土御門は、それが結標淡希による作戦だと説明した。結標はスキルアウトの活動資金を保管する隠し場所を次々に破壊しており、資金源そのものを叩いていた。
一方通行は結標が再び能力を使えていることを知り、技術的な補強を受けているのだろうと理解した。土御門は最優先目標である駒場利徳を逃がすなと告げ、一方通行は通話を終えた。
スキルアウトとの対峙
通話を終えた一方通行は首元の電極に触れながら作戦開始を宣言した。すると路地の奥や建物の窓、物陰などから二十以上の照準が一斉に彼へ向けられた。
それを前にしても一方通行は動じることなく、自らがかつて生きていた無法地帯へ戻ってきたことを実感しながら、不敵な笑みを浮かべていた。
結標淡希による資金源破壊
一方その頃、結標淡希はスキルアウトの拠点地域を進みながら、隠された資金を次々と破壊していた。襲撃してくる構成員たちを座標移動で排除し、隠された金庫や資金保管場所を爆破して回っていた。
結標は九月十四日の事件以降、精神的な後遺症によって能力を失っていたが、低周波振動治療器による補助を受けることで復帰していた。そして捕らえられた仲間たちを救うためにも、この任務を遂行しようとしていた。
駒場利徳との遭遇
資金源の破壊を続けていた結標の前に、スキルアウトのリーダーである駒場利徳が現れた。結標は携帯電話で顔写真を確認し、目の前の男が任務対象であることを認識した。
駒場は結標が資金源を破壊していることを非難したが、結標は意に介さず戦闘態勢に入った。周囲のスキルアウト構成員たちは駒場の指示によって退避しており、二人だけの戦いとなった。
駒場利徳の反撃
結標は座標移動によってコルク抜きを駒場の額へ転移させようとしたが、駒場は驚異的な速度でその場から移動し攻撃を回避した。さらに背後へ回り込み、一撃を叩き込んで結標を動揺させた。
その後も駒場は常人離れした脚力で跳躍し、鉄棒やコルク抜きを武器として利用しながら攻撃を続けた。結標は廃自動車や各種障害物を盾にして防ごうとしたが、駒場の攻撃力はそれらを容易に貫通した。
発条包帯の正体
結標は駒場の異常な運動能力の原因が『発条包帯』であることを見抜いた。駆動鎧の運動性能を人間に応用した技術であり、全身へ施された特殊な補強によって超人的な脚力を実現していたのである。
しかし、その技術には安全装置がなく、駒場自身の肉体にも大きな負荷がかかっていた。結標はその欠点を指摘したが、駒場は能力者と戦うために必要な覚悟だとして受け入れていた。
結標の敗北
決着を急いだ駒場は全力で突撃した。結標は座標移動による反撃を試みたものの、駒場の速度が速すぎて正確な座標指定が間に合わなかった。
追い詰められた結標は巨大な金属製ダストボックスを盾として呼び出したが、駒場は発条包帯で強化された脚による蹴りでそれを正面から破壊した。
轟音と共に金属箱は吹き飛び、周囲へ残骸が飛散した。そこには血痕の付着した軍用懐中電灯だけが残されていた。
駒場はそれを見下ろしながら、本命を出す前に終わってしまったと淡々と呟いた。
スキルアウト制圧と駒場の捜索
一方通行は宣言通り、わずか一〇分でスキルアウトの集団を制圧した。能力を常時使用するのではなく、突風で敵を無力化した後に銃撃を加える方法を繰り返し、能力使用時間そのものは三〇秒にも満たなかった。
木原数多との戦いで電極の弱点を痛感していたため、一方通行は能力使用を最小限に抑えていた。制圧後は駒場利徳を探して路地裏を進み、結標淡希の爆破が止まったことから、向こうの任務が終わったと考えていた。
駒場利徳との対面
路地の先にある建設途中のビルで、一方通行は駒場利徳と対峙した。駒場は一方通行が統括理事会の側に立っていることを皮肉り、一方通行はスキルアウトの計画を立てた理由を問い質した。
駒場は計画の標的が無差別ではないと答えたうえで、血まみれの軍用懐中電灯を投げ捨て、自分が結標を殺したと告げた。その言葉を聞いた一方通行は静かに怒りを滲ませ、電極を起動して戦闘を開始した。
攪乱の羽による能力封殺
一方通行は能力を使って駒場へ飛び掛かったが、駒場は特殊な装置を破壊して無数の金属膜を空中へ散布した。それは『攪乱の羽』と呼ばれる電波攪乱兵器であり、一方通行の電極との通信を妨害する役割を持っていた。
その結果、一方通行の能力は停止し、反射も失われた。駒場はその状況を利用して猛攻を仕掛け、一方通行を鉄骨から転落させながら追い詰めていった。
能力を失った一方通行の苦戦
能力を封じられた一方通行は拳銃だけで応戦したが、駒場は驚異的な身体能力で攻撃を回避し続けた。さらに強化された脚力で鉄骨を破壊しながら迫り、一方通行の拳銃を弾き飛ばした。
駒場は演算銃器を用いて攻撃し、その弾丸は鉄骨すら内側から破壊する威力を見せた。一方通行は地面を転がりながら回避を続けたものの、脇腹を撃ち抜かれて負傷した。
反射能力の復活
駒場は勝利を確信していたが、一方通行の反射能力は突如として復活した。一方通行は先ほど放った弾丸によって空を覆うビニールシートを破壊し、風の流れを生み出していた。
その風によって『攪乱の羽』の配置が乱れ、電波妨害に穴が生じた結果、電極との通信が回復したのである。一方通行はその事実を説明しながら立ち上がった。
圧倒的な反撃
能力を取り戻した一方通行は圧倒的な反撃に転じた。駒場が新たな『攪乱の羽』を取り出そうとすると、小石を蹴っただけでその手を撃ち抜き、容器を落とさせた。
さらに転落する駒場へ高速で接近し、その腹を掴んで鉄骨へ叩きつけた。駒場の体は大きな損傷を受け、下半身の感覚を失うほどの重傷を負った。
駒場の信念と携帯電話の写真
追い詰められた駒場は、それでも無能力者が能力者から受ける暴力について語った。能力者の中には力を振りかざして弱者を襲う者が存在し、その脅威から身を守るためにスキルアウトが生まれたのだと訴えた。
その最中、一方通行は地面に落ちた駒場の携帯電話を目にした。待ち受け画面には小さな少女と駒場が写っており、路地裏の人間とは思えない穏やかな光景が映されていた。
一方通行は駒場の行動や背負っているものについて考えさせられたが、駒場は自らの結末を受け入れるように語った。
駒場利徳の最期
駒場は一方通行の眉間へ演算銃器を突き付け、自分たちは似た境遇にいるのかもしれないと告げた。そして、この光景を忘れるなと言い残し、引き金を引いた。
しかし反射能力が復活した一方通行には通用しなかった。弾丸は跳ね返され、演算銃器を内側から破壊し、そのまま駒場の顔面を吹き飛ばした。
駒場利徳は即死し、完全に動きを止めた。一方通行はその死を至近距離で見届けることとなった。
任務の完了
駒場の死によって抵抗は完全に終わった。一方通行は手を離し、崩れ落ちた駒場の亡骸を見下ろした。
こうして『グループ』の一員としての初任務は、滞りなく完了したのであった。
結標淡希の生存と再会
駒場利徳を倒した後、一方通行は海原光貴から連絡を受けた。海原は死体の回収や証拠隠滅はこちらで行うため、収集車で帰還するよう指示したが、一方通行はそれを断った。
その後、一方通行は駒場利徳の死体を見下ろしながら結標淡希へ声をかけた。すると路地裏の奥から結標が姿を現した。一方通行は、自分が鉄骨から落下した後に拾った拳銃の位置が不自然だったことから、結標が座標移動で事前に手元へ移動させていたと見抜いていた。
一方通行と結標の応酬
結標は命の恩人への態度ではないと皮肉を述べ、一方通行に以前の件への恨みを語った。自分の計画を妨害されたため仲間を救う機会を失ったと主張し、今後は自分に協力するなら許すが、足を引っ張るなら殺すと警告した。
これに対して一方通行も容赦なく言い返し、自分の邪魔をするなら路地裏の染みにしてやると脅した。二人はしばらく睨み合ったが、収集車のクラクションによって緊張は途切れ、互いに力を抜いた。
結標による偽装工作の種明かし
一方通行が駒場をどう騙したのか尋ねると、結標は自らの生存方法を説明した。
駒場の攻撃で死体が判別できなくなることを利用し、料理店の裏にあった豚の骨や内臓が入ったダストボックスを盾として使用したのである。さらに座標移動で自身を退避させたうえ、懐中電灯に自分の髪の毛を付着させるなどして死んだように見せかけていた。
結標は座標移動で自分自身を移動させたため途中で吐いたことも明かし、一方通行は偶然利用できるゴミ箱があったことを運が良かったと評した。
帰還方法の相談
結標は壊れた軍用懐中電灯を拾い上げながら、海原からの連絡内容を確認した。一方通行は収集車が迎えに来ることを伝えたが、自分は乗らずに帰るつもりだと話した。
結標は寄り道でもするのかと尋ねたが、一方通行は大したことではないと答えた。
一方通行の残業
一方通行の手には、駒場利徳が持っていた携帯電話があった。その待ち受け画面には幼い少女の写真が映っていた。
さらに携帯電話の中には『無能力者襲撃・要注意人物』という分類で登録された電話番号が残されていた。一方通行はその情報に目を通しながら、自分にはまだやるべきことが残っていると考えた。
そしてそれをサービス残業だと表現し、その場を後にしようとしていた。
第三章 イギリス清教の女子寮 Russian_Roulette.
ロンドンの朝と洗濯機のトラブル
ロンドンの朝、神裂火織は女子寮の脱衣所で故障寸前の全自動洗濯機を前に呆然としていた。洗濯当番だった神裂のもとで、アニェーゼ=サンクティスが掛け布団を無理やり洗濯機へ入れた結果、洗濯機は不穏な音を立てながら激しく揺れていた。
アニェーゼは責任を感じて怯えながら洗濯機から距離を取っていた。そこへオルソラ=アクィナスが現れ、朝食の時間を告げると、アニェーゼはその隙に脱衣所から逃げ出した。神裂はため息をつきながら食堂へ向かった。
土御門からの荷物への動揺
食堂へ向かう途中、オルソラは土御門元春から神裂宛に届いた荷物について尋ねた。荷札には堕天使メイド一式と書かれていたため、周囲は不気味がっていたという。
神裂は激しく動揺しながらも大した物ではないと否定し、話題を変えようとした。続いて七天七刀について質問されると、日本神話や神道の八百万の考え方、そして天草式十字凄教の術式との関係について説明した。しかしオルソラは眠気に負けてほとんど聞いておらず、神裂は肩を落とした。
賑やかな朝食風景
食堂には大勢の修道女たちが集まっていた。オルソラが料理担当の日だったため、普段よりも多くの者が席についていた。
ルチアとアンジェレネは胸の大きさを巡って言い争いを続けており、神裂が食前の祈りを優先するよう注意しても騒ぎは収まらなかった。朝食が始まると、神裂は和食、アニェーゼやルチアはパスタ、アンジェレネはフランス料理を食べ、それぞれ異なる食文化を楽しんでいた。
梅干しを巡る文化交流
神裂は自家製の梅干しを食べていたが、ルチアとアンジェレネはそれを神秘的な日本文化の一部だと勘違いして興味を示した。
まずアニェーゼがクリームソースのパスタへ梅干しを混ぜて食べると、意外にも好感触を示した。それを見たアンジェレネも食べたいと希望したため、神裂は内心喜びながら梅干しを分け与えた。
しかしアンジェレネは梅干しを甘い果物のようなものだと思い込み、そのまま口へ放り込んだ。直後に強烈な酸味に驚いて食堂から逃げ出してしまい、神裂は複雑な気持ちになった。
洗濯機との再戦準備
朝食後、神裂は再び洗濯機の修理へ向かうことにした。説明書や工具を揃えながら覚悟を決めていたが、保証窓口が日本にあることを知り、さらに頭を悩ませていた。
シェリーとの会話
廊下を歩いている途中、神裂はシェリー=クロムウェルと出会った。シェリーは石像作りに熱中するあまり朝食を逃しており、彫刻道具を手にしたままだった。
神裂はシェリーの作業部屋を目にした。部屋には砕かれた石像の残骸が積まれていたが、中央にはエリスと刻まれた少年像だけが残されていた。シェリーはそれも失敗作だと語ったが、なぜか壊す気になれなかったと打ち明けた。
さらに、その名は自分を守るための人形に付けた名前であり、最初に思い浮かんだ大切な人物の名前だったと語った。神裂は事情を深く尋ねず、そっと見送った。
サーシャからの呼び出し
その後、アンジェレネが神裂のもとへやって来た。梅干しへの不満をぶつけながらも、本題として寮の代表を呼んでほしいと伝えた。
神裂が誰からの呼び出しか尋ねると、アンジェレネは少し考えた末、訪問者の名前を口にした。
その人物はサーシャ=クロイツェフであった。
サーシャ=クロイツェフの来訪
神裂火織は、ロシア成教の魔術戦闘特化部隊『殲滅白書』に所属するサーシャ=クロイツェフについて思い返していた。人外の存在の殲滅を専門とする彼女は、必要とあれば禁忌の魔術すら行使する危険な実力者であった。
そんなサーシャがロンドンの女子寮を訪れた理由を警戒していた神裂だったが、サーシャは冗談交じりに迷子になったと語った後、自身がロシア成教の使者として来たことを明かした。ただし今回の訪問は公式会談ではなく、個人的な思惑を含んだ非公式の対話であると説明した。
女子寮への違和感と会談への案内
神裂が寮内へ案内しようとした際、サーシャは施設内に魔術的な防衛策や特殊な術式が存在するかを確認した。神裂は防衛策は設けていないと答えたが、霊装保管用の術式程度は存在すると説明した。
サーシャはその回答に納得した様子を見せ、会話のできる場所への案内を求めた。移動しながら神裂は来訪の目的を尋ねると、サーシャは本来の会談は別の上司が担当しており、自分は補佐役としてイギリスへ来たと説明した。その上で、自身にとってはこちらの用件の方が重要であると語った。
服装を巡る騒動
食堂へ向かう途中、アンジェレネはサーシャの独特な服装に驚き、神裂へ知り合いなのかと尋ねた。神裂は文化の違いとして説明したが、サーシャはその会話を聞いて複雑な反応を示した。
食堂へ到着すると、今度はシェリーがサーシャの格好について率直な感想を漏らしたため、サーシャはさらに不満を募らせた。神裂は慌てて話題を打ち切り、非公式会談のための来訪であることを皆へ説明した。
戦争への立場を問う質問
席に着いたサーシャは、本題としてローマ正教と学園都市の間で起ころうとしている戦争について切り出した。そして、この戦争で彼女たちはどちらの側につくつもりなのかと問いかけた。
サーシャは、ロシア国内ではすでに緊張が高まり暴動を警戒する状況になっていると語った。その上で、ロシア成教は戦争そのものには大きな関心を持っておらず、勝利する側へ協力して有利な立場を確保したいと考えていると説明した。そのため、イギリス清教がどのように動くのかを知りたいのだと明かした。
神裂の葛藤
サーシャの問いを受け、神裂は戦争がもたらす結果について考えた。
現天草式十字凄教や元アニェーゼ部隊はローマ正教と敵対しており、ローマ正教が勝利すれば存続が危うくなる可能性があった。一方で学園都市が勝利した場合も、科学サイドが魔術勢力全体を排除しようとする危険性があった。
どちらが勝利しても大きな損失を受ける可能性があり、神裂はどちらを選ぶべきか答えを見出せず苦悩した。そして、場合によっては大切な人々の平穏を壊す戦いに加わらなければならない現実に胸を痛めた。
オルソラの答え
重苦しい空気の中、それまで静かだったオルソラ=アクィナスが口を開いた。
オルソラは、どのような情勢になろうとも自分たちのやるべきことは変わらないと語った。救いを求める者には手を差し伸べ、苦しむ者を癒やし、争いを望まない者の仲裁をするだけだと断言した。
サーシャが綺麗事では済まないと反論しようとしても、オルソラは戦争が理由で人を見捨てることはできないと譲らなかった。そして、小さな力で多くの人々を救ってきた一人の少年の存在を挙げ、自分たちが力を合わせればさらに多くの救いを生み出せるはずだと語った。
第三の選択肢への決意
オルソラの言葉は食堂にいた全員の心へ届いた。アニェーゼやルチア、アンジェレネ、シェリーをはじめ、多くの修道女たちはそれぞれの思いを胸に抱いていた。
神裂もまた、かつて自分の前に立ち塞がりながら救いを求め続けた少年の姿を思い出していた。
最後にサーシャが改めてどう動くつもりなのかと尋ねると、オルソラは自分一人で皆の意思を決めることはできないと前置きした上で、自身は勝敗だけの二択を受け入れるつもりはないと答えた。
そして誰も倒れない第三の選択肢を目指すべきであり、それこそが自分たちを救ってくれた少年に報いる道であると、堂々と言い切ったのであった。
洗濯機の奮闘
サーシャ=クロイツェフは結局明確な情報を得られないまま女子寮を去った。その後も神裂火織は食堂に残り、自身の進むべき道について考え続けていた。
聖人として強大な力を持つ神裂は、戦争において実際に戦況へ影響を与えられる立場にあるからこそ苦悩していた。力があるからこそ多くの人を救おうとする自分の考え方に傲慢さを感じる一方、何の力も持たずに他者を救おうとするオルソラや少年の姿を眩しく思っていた。
オルソラとの会話
そこへオルソラが現れ、神裂へ声を掛けた。神裂は自身の未熟さを嘆いたが、オルソラもまた自分の発言が未熟だったと語った。
神裂がオルソラの考えに概ね賛同すると答えると、オルソラは学園都市に想い人がいるという噂話を持ち出した。建宮斎字が騎士団長とのやり取りの中で広めた話や、五和の反応まで語られたため、神裂は激しく動揺した。
しかしオルソラは意に介さず台所へ去り、神裂だけが困惑を残された。
再び起きた洗濯機騒動
その直後、食堂の外からアニェーゼの悲鳴が響いた。神裂は慌てて駆けつけると、脱衣所の前で座り込むアニェーゼを発見した。
原因は再び洗濯機だった。朝から問題続きだったため、神裂は学園都市製の洗濯機に強い不満を抱きながら脱衣所へ向かった。
洗濯機の偉業
脱衣所へ入った神裂が目にしたのは、異常な音を立てながらも動き続ける洗濯機だった。
布団を無理やり詰め込まれ、限界を超えた負荷を受けながらも、洗濯機は布団の丸洗いという不可能と思われた作業を成し遂げようとしていた。
神裂はその姿を見て、自分が洗濯機を責めていたことを恥じた。洗濯機は過酷な状況に置かれながらも諦めず、自らの役目を果たし続けていたのである。
神裂の感動
神裂は、自分が未熟さを反省した直後にもかかわらず、洗濯機を壊そうと考えていたことを深く恥じた。
言葉を発しないはずの洗濯機だったが、神裂には自分はちゃんとやりましたよという声が聞こえたように感じられた。
感極まった神裂は涙を浮かべ、七天七刀を放り出すと、まるで再会した家族に抱きつくかのように洗濯機へすがりついたのであった。
第四章 酔っ払った母親の事情 The_Two_Leading_Roles.
学園都市の夜と一方通行
学園都市では夜十時になると学生の多くが寮へ戻り、街には不良や問題を抱えた者たちが目立つようになっていた。
そんな夜道を、一方通行は杖をつきながら歩いていた。彼は駒場利徳の件による残業を終え、『グループ』の仮眠室へ向かっていた。組織の仲間たちとの繋がりに執着はなく、むしろ馴れ合いがなくなった方が気楽だと考えていた。
酔っ払いとの遭遇
途中でコンビニへ向かおうとした一方通行は、郵便ポストに抱きついて寝ている女性を発見した。
最初は無視しようとしたものの、その顔に見覚えを感じて近づいたところ、女性は突然目を覚まし、自分を御坂美鈴だと名乗りながら抱きついてきた。
酔った美鈴は支離滅裂な言動を繰り返し、一方通行を何度も転倒させたうえ、断崖大学のデータベースセンターの場所を尋ね続けた。一方通行は相手にするだけ無駄だと判断し、通りかかったタクシーへ押し付けてその場を離れた。
上条当麻とインデックスの帰宅
一方その頃、上条当麻とインデックスはすき焼き店での食事を終え、寮へ帰る途中だった。
二人はコロッケや料理の話をしながら歩いていたが、途中で停車しているタクシーと、その車内から半身を乗り出して運転手と口論している酔っ払いの女性を発見した。
上条は面倒事を避けようとしたが、その女性が自分を見つけて声をかけてきた。
御坂美鈴との再会
酔っ払いの正体は御坂美琴の母親である御坂美鈴だった。
美鈴は上条へ抱きつき、酒臭い息を吐きながら騒ぎ続けた。インデックスまでも強引に自己紹介させられ、場は完全に美鈴のペースとなった。
さらに美鈴は断崖大学のデータベースセンターへ行くため学園都市へ来たことや、美琴に会おうとして女子寮で断られたことを明かした。
連絡先交換と見送り
美鈴は勢いのまま上条と連絡先を交換し、自身の連絡先を登録させた。
その後も酔って騒ぎ続けたため、上条はタクシー運転手と協力して美鈴を後部座席へ押し込み、ようやく送り出した。
タクシーが去った後、上条はインデックスの機嫌を損ねたことを察しながら寮へ戻った。
帰宅後の電話
寮へ帰った上条は風呂の準備を整え、家計簿アプリで今日の出費を確認していた。
そこへ御坂美琴から電話がかかってきた。美琴はメールの返事をしない上条へ抗議したが、途中で突然通話が途切れてしまった。
上条は特に気にせず再び家計簿を確認し、インデックスや三毛猫の様子を眺めながらくつろいでいた。
新たな着信
三毛猫を風呂へ入れようと準備を進めていた上条の携帯電話が再び振動した。
今度の着信は美琴ではなく、つい先ほど登録したばかりの別の番号からのものであった。
御坂美鈴への疑念
一方通行は夜道を歩きながら、先ほど遭遇した御坂美鈴について考えていた。
御坂美琴本人ではなく、その親族と思われる美鈴が学園都市の外から来た可能性に気付く。彼女の服装や持ち物が学園都市外の製品で統一されていたことから、この時期に学園都市を訪れた理由に疑問を抱いた。
土御門への連絡と上層部の介入
一方通行は土御門元春へ連絡を取ろうとしたが、電話に出たのは『グループ』の上層部と思われる人物だった。
相手は御坂美鈴について把握しており、さらに断崖大学データベースセンターが襲撃されたことを告げた。上層部は美鈴を回収運動の中心人物とみなし、学園都市にとって不都合な存在になり得るとして排除を決定したのだった。
回収運動の脅威
上層部は、多くの保護者が子供を学園都市から連れ出そうとする回収運動が進めば、自分たちの計画に支障が生じると説明した。
美鈴自身に悪意はないものの、その活動が危険視されたため、スキルアウトを利用して襲撃を実行したと語った。
救出への決意
上層部は一方通行にも襲撃への協力を求めたが、一方通行は即座に拒否した。
借金返済や組織への忠誠のためではなく、自分の意思で行動すると宣言した一方通行は、美鈴を助けることを決意した。木原数多との戦いの時と同じように、理不尽な力によって弱い命が脅かされる状況に強い嫌悪感を抱いていたのである。
能力封印という妨害
しかし上層部は、一方通行のチョーカー型電極に仕掛けを施していた。
遠隔操作によって能力使用モードへの切り替えを封じられた一方通行は、自分たちが信用できない存在であることを改めて思い知らされた。それでも彼は諦めず、拳銃だけを頼りに現場へ向かう決意を固めた。
上条当麻とのすれ違い
断崖大学へ向かおうとした一方通行の前を、一人の少年が全力で駆け抜けていった。
それは上条当麻だった。上条もまた携帯電話で誰かと話しながら、燃え上がる襲撃現場へ向かっていた。一方通行は上条との因縁を思い出しながらも、今はスキルアウトと美鈴の問題を優先することにした。
美鈴の窮地
その少し前、御坂美鈴は断崖大学データベースセンターで調べ物をしていた。
突然の爆発によって施設は襲撃され、停電が発生した。美鈴は隣接施設へ逃げ込み身を潜めたが、外では十人から二十人ほどの少年たちが彼女を捜していた。
彼らの目的が自分であることを悟った美鈴は恐怖を募らせた。
助けの来ない絶望
美鈴は襲撃直後に警備員へ通報していたが、いつまで経っても救援は現れなかった。
応対した人物が本当に警備員だったのかという疑念が生まれ、不安と恐怖はさらに大きくなった。孤立した状況の中で精神的に追い詰められた美鈴は、誰かと繋がることで恐怖を和らげようと考えた。
上条当麻への連絡
娘の美琴へ弱みを見せることを避けた美鈴は、学園都市内で連絡可能な人物を思い浮かべた。
その結果、一人の少年の存在に辿り着く。美鈴は押し潰されそうな不安を抱えながら、上条当麻へ電話をかけたのであった。
断崖大学データベースセンター襲撃
上条当麻は御坂美鈴と通話を続けながら、断崖大学データベースセンターへ向かっていた。
美鈴から武器を持った集団がいると聞いた上条は、相手がスキルアウトだと推測した。さらに美琴へ助けを求めるよう提案したが、美鈴は自分の問題に娘を巻き込みたくないとして強く拒否した。上条はその意思を尊重し、自ら美鈴の救出へ向かうことを決めた。
警備員の混乱と施設への突入
上条が現場へ到着すると、施設周辺には野次馬が集まっていた一方で、警備員たちは少数しかおらず、互いに口論するような混乱状態に陥っていた。
上条は制止を振り切って施設へ突入した。これまでスキルアウトと戦った経験はあったものの、自ら敵地へ飛び込むのは初めてであり、不安を抱えながらも前進した。
浜面仕上の焦り
施設内では浜面仕上が苛立ちを募らせていた。
本来は焼夷ロケットによる襲撃で終わるはずだったが、不発や自動消火設備によって計画は失敗し、標的を直接始末しなければならなくなったのである。さらに組織内での立場も不安定で、仲間たちから十分な信頼を得られていなかった浜面は、見つからない標的と統制の取れない状況に強い焦燥感を抱いていた。
美鈴の発見と新たな脅威
やがてスキルアウトたちはサブ演算装置保管庫で美鈴を発見した。
浜面は仲間へ撤収準備を指示しようとしたが、その直後に無線へ割り込んだ人物が現れた。それは一方通行だった。一方通行はスキルアウト全員へ宣戦布告するような言葉を残し、直後に施設内で激しい銃声が響き始めた。
上条による潜入
一方通行が動き始める一方で、上条も施設内部を進んでいた。
防弾ガラスを盾代わりに持ち、待ち伏せによってスキルアウトを次々と無力化していく。単独行動する相手を狙うことで、これまでに四人ほどを倒していた。
中央ドームへの到達
上条は連絡通路を使って中央ドームへ辿り着いた。
内部を覗くと、四、五人のスキルアウトが御坂美鈴を取り囲んでいた。彼らは美鈴をすぐに殺害するか、人質として利用するかで口論していた。上条は近くに置かれた拳銃入りの鞄を発見し、それを奪うことで状況を打開しようと考えた。
潜入失敗と戦闘開始
上条は暗闇に紛れて鞄へ近づこうとしたが、美鈴と目が合ったことで存在が露見した。
隠れていた上条へスキルアウトが接近してくる中、上条は先制攻撃を決断した。防弾ガラスを振り回して一人を叩き倒したものの、見回りは二人組だったため、すぐに別のスキルアウトと対峙することになった。
銃撃と窮地
その直後、美鈴を監視していたスキルアウトが上条へ向けて発砲した。
上条は防弾ガラスで銃弾を防いだが、近くにいた別のスキルアウトが流れ弾を受けて倒れた。さらに連続した銃撃によって防弾ガラスを落としてしまい、上条は二人の銃口を向けられる絶体絶命の状況へ追い込まれた。
一方通行の介入
引き金が引かれようとした瞬間、別方向から銃声が響いた。
上条へ銃を向けていたスキルアウトの一人が横から撃たれ、そのまま吹き飛ばされたのである。別の出入口から誰かが介入したことで銃撃戦が始まり、施設内はさらに混乱した。
美鈴の救出
上条はその隙を逃さなかった。
デスクの陰へ身を隠した後、呆然と座り込んでいる美鈴へ伏せるよう叫んだ。しかし美鈴は衝撃で動けなくなっていたため、上条は自ら飛び出して彼女の元へ駆け寄った。
そして美鈴を床へ押し倒して庇うと、その腕を掴み、一刻も早く中央ドームから脱出するため走り出したのであった。
断崖大学からの脱出と一方通行の追跡
一方通行はドーム状のメイン施設へ踏み込むと、まず拳銃を持つスキルアウトたちを排除し始めた。美鈴の近くにいた男を射殺し、もう一人も遮蔽物ごと撃ち抜いて黙らせた。
その後、美鈴を連れて逃走する黒い人影を発見し発砲したが、弾丸は外れた。人影は美鈴を連れて別の出入口へ逃げ込み、一方通行は相手をスキルアウトの一員だと誤解したまま追跡を続けた。しかし周囲から複数の足音が迫り、他のスキルアウトも集まり始めたため、一方通行は一度戦況を見直そうとした。
その際、倒れているスキルアウトは三人しかいないのに拳銃が四丁落ちていることに気付き、別の存在が介入していることを察した。
上条と美鈴の一時的な安全
上条当麻は美鈴を連れて施設から脱出し、裏口へ出た。
正面には野次馬や警備員がいるため、そこまで辿り着けば安全だと考えた上条は、美鈴の手を引いて移動を続けた。美鈴は助けてもらったことへの感謝を口にしつつも、恐怖からか上条の手を離そうとしなかった。
上条は危険を脱したと思っていたが、その考えはすぐに覆された。
浜面仕上との再会
二人の前に、施設内で倒したはずの男が現れた。
それは浜面仕上だった。浜面は上条を襲撃計画に関わる人間だと誤解し、自分たちが利用されたのではないかと疑っていた。しかし上条は、自分は美鈴から電話を受けて助けに来ただけだと説明した。
その言葉を聞いた浜面は、自分たちの人生が終わろうとしているのに相手には何の思惑もなかったことを知り、自嘲するように笑った。そして警棒を取り出し、上条へ襲いかかった。
無能力者同士の激突
上条は美鈴を庇いながら戦ったが、警棒による攻撃を受けて苦戦した。
浜面は無能力者として生き抜くために鍛え上げた肉体を武器に攻撃を続け、上条を圧倒した。上条も土を投げて隙を作り、体当たりや頭突き、拳による反撃を行った。
戦いの中で浜面は、スキルアウトが生まれた理由や、自分たちが追い詰められてきた現実を訴えた。そして無能力者には他人を利用する以外に生きる道がないと主張した。
上条の反論
浜面の言葉に対し、上条は強く反論した。
上条は、学園都市には無能力者が数多く存在し、その多くは普通に学校へ通い、友人を作り、生活していると語った。そして無能力者を理由に他人を食い物にする生き方を正当化するなと非難した。
さらに、スキルアウトが能力者への反抗に使った力を弱者を助けるために使っていれば、人々から認められていたはずだと指摘した。
浜面は駒場利徳の死を持ち出し、理想を掲げても無意味だったと叫んだ。しかし上条は、駒場には仲間を守ろうとする意志があり、その思いが周囲との繋がりを生んでいたはずだと語った。
決着
浜面は怒りに任せて再び突進した。
上条は、美鈴を狙うために他人の命を取引材料として扱う浜面の考えを否定し、自分から前へ踏み出した。そして警棒による一撃を受けながらも拳を振り抜き、浜面の顔面へ叩き込んだ。
互いに攻撃を受けて血を流したが、最後に立っていたのは上条だった。
救急車の中での告白
戦いの後、上条は負傷のため救急車へ運ばれることになった。
担架に乗せられた上条のもとへ美鈴がやって来て、自分が学園都市へ来た本当の理由を明かした。それは、戦争の危険から娘である御坂美琴を連れ戻すためだった。
しかし今回の事件を経験した美鈴は、どこへ逃げても絶対に安全な場所は存在しないと考えるようになった。そして居場所を変えるよりも、上条のような人間がいる場所の方が美琴にとって安全かもしれないと語った。
最後に美鈴は、美琴を守ってくれる上条たちのような存在がいるなら問題はないと告げた。その言葉の意味を上条が考え始めた時、救急車の扉は閉まり、彼はそのまま病院へ運ばれていった。
終章 一つの意志と小さな鍵 The_Present_Target.
一方通行と『グループ』の再集結
一方通行は断崖大学データベースセンターの正面ゲート付近で無事な美鈴の姿を確認すると、目的は果たされたと判断して敷地を後にした。
その途中で海原光貴に声をかけられ、さらに土御門元春と結標淡希も合流した。『グループ』の面々が揃う中、土御門は御坂美鈴の件について報告した。美鈴は娘を学園都市から連れ出す考えを改めたため、殺害計画は中止になったという。
一方通行は『上』がそのような曖昧な結論を認めるのか疑問を抱いたが、土御門は海原が独自に動いた結果だと説明した。海原は上条との約束に報いるため行動したとだけ語り、具体的な内容は明かさなかった。
土御門の忠告と共闘の提案
土御門は今回の一件を振り返りながら、『グループ』の人間たちはそれぞれ捨てられない大切な存在を抱えていると語った。
土御門には義妹、海原には想い人、結標にはかつての仲間たち、そして一方通行には量産型能力者たちがいるという。そうした存在を守るためには、表向きのルールに従うだけでは不十分であり、『上』の思惑を出し抜く必要があると説明した。
さらに土御門は、一方通行が『上』にとって重要な存在であることを指摘し、自分たちと手を組むよう提案した。一方通行は仲間意識を否定しながらも、打ち止めを守るために利用できるものは利用する考えを抱き、条件付きで共闘を受け入れた。
『上』への反撃を決意する一方通行
土御門たちと共に歩きながら、一方通行は『上』への反撃を考え始めた。
最大の障害は遠隔操作可能なチョーカー型電極の安全装置だった。しかし、その仕組みを解明できれば『上』を出し抜く糸口になる可能性もある。
一方通行はカエル顔の医者から設計図を手に入れ、安全装置の構造を調べる計画を立てた。そして、自分を操ろうとした電話の向こうの人物と、その背後にいる黒幕へ辿り着くことを目標に定めた。
新たな目的を得た一方通行は、久しぶりに高揚感を覚えていた。
打ち止めの回復と想い
その頃、病院ではカエル顔の医者が打ち止めの調整を終えていた。
木原数多によって打ち止めへ仕込まれたウイルスは完全に除去されており、後はリハビリを行うだけの状態になっていた。しかし医者は、打ち止めの特殊な体質が依然として計画に関わっている可能性を考えていた。
診察を終えた医者に対し、打ち止めは一方通行の居場所を尋ねた。誰も彼の現在地を把握していなかったが、医者はすぐ戻ってくると答えた。
打ち止めは一方通行に早く会いたいと素直な気持ちを口にし、医者はその言葉を胸に刻んだ。
上条のもとへ向かう医者
病室を後にしたカエル顔の医者は、運び込まれた上条当麻の診察へ向かった。
暗い廊下を歩きながら、医者は打ち止めの言葉を思い返していた。そして患者に必要なものなら何でも揃えるという自らの信念を胸に、上条のもとへ向かっていった。
とある魔術の禁書目録(13)レビュー
【とある魔術の禁書目録】あらすじ・ネタバレ・まとめ
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とある魔術の禁書目録
























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