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とある魔術の禁書目録フィクション(Novel)読書感想

小説「とある魔術の禁書目録15」感想・ネタバレ

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とある魔術の禁書目録 15の表紙画像(レビュー記事導入用) とある魔術の禁書目録

とある魔術の禁書目録(14)レビュー
とある魔術の禁書目録(16)レビュー

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  1. 物語の概要
    1. ■ 作品概要
    2. ■ 主要キャラクター
    3. ■ 物語の特徴
  2. 書籍情報
  3. あらすじ・内容
  4. 感想
  5. 考察・解説
    1. 学園都市の暗部組織
    2. 組織間の対立と抗争
    3. 親船最中暗殺未遂事件
    4. 衛星ひこぼし二号
    5. 外部接続ターミナルの攻防
    6. 垣根帝督の反乱
    7. 一方通行の覚醒
    8. 浜面仕上の奮闘
    9. 滞空回線とドラゴン
  6. 登場キャラクター
    1. 学園都市
      1. アレイスター
      2. 親船最中
      3. カエル顔の医者
      4. 打ち止め
      5. 初春飾利
      6. 黄泉川愛穂
      7. 才郷
      8. 半蔵
      9. 人材派遣
    2. グループ
      1. 一方通行
      2. 土御門元春
      3. 海原光貴
      4. 結標淡希
    3. アイテム
      1. 麦野沈利
      2. フレンダ
      3. 絹旗最愛
      4. 滝壺理后
      5. 浜面仕上
    4. スクール
      1. 垣根帝督
      2. 砂皿緻密
      3. 心理定規
    5. ブロック
      1. 佐久辰彦
      2. 手塩恵未
      3. 鉄網
      4. 山手
    6. メンバー
      1. 博士
      2. 馬場芳郎
      3. 査楽
      4. ショチトル
    7. 集団
      1. グループの下部組織
      2. アイテムの下部組織
      3. スクールの下部組織
      4. ブロックの下部組織
      5. 警備員
      6. 風紀委員
      7. 消防隊
      8. 傭兵達
      9. スキルアウト
  7. 展開まとめ
    1. 序章 愛しい貴方へ極上の鉛弾を Management
    2. 第一章 誰にも聞こえぬ確かな号砲 Compass.
    3. 行間 一
    4. 第二章 ゆっくりと動き出した者達 Hikoboshi_II.
    5. 行間 二
    6. 第三章 超能力を封じられた土地で Reformatory.
    7. 行間 三
    8. 第四章 自嘲と誇りの紙一重の違い Enemy_Level5.
    9. 行間 四
    10. 第五章 最強の黒い翼に打ち勝つ者 Dark_Matter.
    11. 終章 生き残った者が得る戦利品 Nano_Size_Data.
  8. 同シリーズ
    1. とある魔術の禁書目録
    2. 外伝
    3. とある暗部の少女共棲
    4. 同著者シリーズ
    5. ヘヴィーオブジェクトシリーズ
  9. その他フィクション

物語の概要

■ 作品概要

『とある魔術の禁書目録(15)』は、超能力が開発される科学の街・学園都市の裏側で暗躍する非公式組織(暗部)同士の壮絶な抗争を描いたSFファンタジー・バトルアクション作品である。

アビニョン侵攻作戦によって治安部隊が不在となり、無法地帯と化した学園都市。
その裏側で、統括理事長アレイスターが支配する街の暗部組織『グループ』『スクール』『アイテム』『メンバー』『ブロック』の5つが同時多発的に動き出す。
統括理事長との直接交渉権を狙う垣根帝督率いる『スクール』や、外部の傭兵を招き入れて学園都市への反逆を企てる『ブロック』など、各組織の目的と思惑が複雑に絡み合い、街の各所で血みどろの抗争が繰り広げられる。
本作では本編の主人公である上条当麻は一切登場せず、暗部組織『グループ』に組み込まれた第一位の超能力者・一方通行(アクセラレータ)と、『アイテム』の下働きに身をやつした無能力者の少年・浜面仕上を中心とした、闇の世界で足掻く者たちの死闘と覚悟が描かれている。

■ 主要キャラクター

  • 一方通行(アクセラレータ): 学園都市第一位の超能力者。暗部組織『グループ』の一員として、学園都市の脅威となる他組織の鎮圧に動く。悪党としての生き様を貫き、打ち止めや黄泉川愛穂ら守るべき者のために、第二位の垣根帝督との頂上決戦に挑み、極限の怒りから「黒い翼」を覚醒させる。
  • 垣根帝督(かきねていとく): 学園都市第二位の超能力者であり、暗部組織『スクール』のリーダー。この世に存在しない新物質を生み出す「未元物質(ダークマター)」を操る。アレイスターとの直接交渉権を得て計画の中心に君臨するため、第一位の一方通行の殺害を企てる。
  • 浜面仕上(はまづらしあげ): かつて武装無能力者集団『スキルアウト』のリーダーだった少年。現在は『アイテム』の下働きとして雑用や運転手をこなす。無能力者が使い捨てられる暗部の現実に葛藤しつつも、自分のために命を張った滝壺理后を守るため、単身で学園都市第四位の麦野沈利との絶望的な死闘に挑む。
  • 麦野沈利(むぎのしずり): 学園都市第四位の超能力者であり、『アイテム』のリーダー。特殊な電子線を放つ「原子崩し(メルトダウナー)」を操る。『スクール』の垣根に敗北した後、限界を迎えた滝壺を無理に酷使しようとし、反発して滝壺を逃がした浜面を激しい怒りと共に追いつめる。
  • 土御門元春(つちみかどもとはる): 『グループ』の一員。暗部の事情に通じ、情報収集やハッキング、戦闘において柔軟に立ち回り、一方通行たちと共に任務を遂行する。
  • 海原光貴(うなばらみつき): 『グループ』の一員であるアステカの魔術師。他人に変装する能力を用いて『ブロック』に潜入するが、かつての仲間であり『メンバー』の刺客として立ちはだかったショチトルと交戦し、自らの身を呈して彼女を救おうとする。
  • 結標淡希(むすじめあわき): 『グループ』に所属する「座標移動(ムーブポイント)」の能力者。『ブロック』に人質にされたかつての仲間を救うため、自らのトラウマを乗り越えて強敵の手塩恵未に立ち向かう。
  • 滝壺理后(たきつぼりこう): 『アイテム』のメンバー。特定のAIM拡散力場を探知・追跡する「能力追跡(AIMストーカー)」の大能力者。無能力者の浜面を気遣い、彼を守るために自らの命を削る『体晶』を使用して垣根と対峙する。
  • 打ち止め(ラストオーダー): 『妹達(シスターズ)』の上位個体。垣根との激戦の末に黒い翼を暴走させる一方通行の前に現れ、恐怖することなく手を差し伸べて彼を深い闇から救い出す。
  • 黄泉川愛穂(よみかわあいほ): 学園都市の警備員。一方通行を暗い世界から連れ戻すために丸腰で立ち塞がるが、垣根によって重傷を負わされる。また、麦野から逃れる浜面から、限界を迎えた滝壺を託される。

■ 物語の特徴

本作の最大の特徴は、本編の主人公である「幻想殺しの少年」上条当麻が一切登場せず、学園都市の「暗部」に生きる者たちに焦点が当てられている点である。
登場人物のほとんどが悪党であり、自身の目的や保身のために容赦なく他者を殺傷する殺伐とした展開が続く。

その暗黒の群像劇の中で、読者の心を強く惹きつけるのは「第一位の超能力者」と「ただの無能力者」という、対極の立場にある二人の主人公の姿である。
一方通行が第一位と第二位という規格外の力同士による壮絶な頂上決戦を繰り広げ、圧倒的な「悪」として大切なものを守り抜く姿を見せる一方で、力を持たない無能力者の浜面仕上が、自らをかばってくれた少女を救うために知恵と覚悟を振り絞り、絶対的な格上である第四位の超能力者を打ち倒すという「下剋上」の構図が並行して描かれている。
誰もが腹に一物を持つ絶望的な状況下において、それぞれの「守りたいもの」のために絶望的な戦いに挑み、泥臭く足掻くキャラクターたちの生き様が、本作の最も興味深く熱い魅力となっている。

書籍情報

とある魔術の禁書目録 15
(A Certain Magical Index)
著者:鎌池 和馬 氏
イラスト:はいむらきよたか 氏
出版社:株式会社KADOKAWA電撃文庫
発売日:2008年1月10日
ISBN:9784048664349

(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。

あらすじ・内容

この物語に、幻想殺しの少年は登場しない――。
アビニョン侵攻作戦で治安部隊が不在の学園都市。無法地帯となったそこでは、闇の組織らが暗躍していた。己のために動く者。闇を好み、殺しを楽しむ者。他者の希望を打ち砕こうとする者。大切な人のために立ち向かう者。上層部へ戦いを挑む者。反乱分子を仕留める者。暴走を暴力によって食い止める者。科学が全てを支配するこの街で、生き残るのは……。

とある魔術の禁書目録(15)

感想

開いてまず目を引くのは、いつもは白いページが真っ黒に染められているという異色の装丁である。本編の主人公である上条当麻が一切登場せず、学園都市の暗部を描くという特異な展開に、以前読んだ時はこの辺りで脱落してしまった記憶がある。当時は悪役だと思っていた一方通行や浜面仕上が、何か良い側へと変わっていく展開に凄まじい違和感を覚えていたからだ。しかし、今回改めて読み返してみると、「あの当時の自分は一体何に違和感を抱いていたのだろうか」と不思議に思えるほど、彼らの葛藤や生き様がすんなりと胸に落ちてきた。

本作の大きな魅力は、学園都市の裏側で活動する「グループ」「スクール」「アイテム」「ブロック」「メンバー」という五つの非公式組織が、それぞれの目的のために激しい抗争を繰り広げる群像劇の面白さにある。例えば、「ブロック」は外部から傭兵を引き入れて統括理事長アレイスターの暗殺を企て、結標淡希の仲間が収容されている少年院を襲撃する。それを一方通行たち「グループ」が介入して阻止する流れは非常にスリリングだ。それにしても、あちこちで暗躍し事態の収拾に奔走するこの時期の土御門元春は、明らかに働き過ぎではないかと思わず同情してしまった。

また、この物語を語る上で欠かせないのが、絶望的な状況下で泥臭く足掻くキャラクターたちの死闘である。「スクール」を率いる第二位の超能力者・垣根帝督は、アレイスターとの直接交渉権を得るために機密情報を読み取る「ピンセット」を強奪する。彼らの暴走を止めようとした「アイテム」は圧倒的な力の前に敗北を喫してしまうが、そこで立ち上がったのが無能力者の浜面であった。瀕死の仲間である滝壺理后を救うべく、自らのボスである第四位の麦野沈利に立ち向かい、死闘の末に見事打ち倒す下剋上の展開は、何度読んでも手に汗を握らされる。

そして物語のハイライトとなる、第一位の一方通行と第二位の垣根帝督による頂上決戦は圧巻の一言に尽きる。激戦の末に黒い翼を現出させて垣根を粉砕し、極限の怒りのままに暴走を始める一方通行の姿には、底知れない恐ろしさを感じた。だが、そんな彼を打ち止めが懸命な呼びかけによって正気を取り戻させるシーンは、殺伐とした物語の中に差した一筋の光のようで深く心に響いた。

事態の終息後、「グループ」の面々が「ピンセット」のデータから「ドラゴン」という新たな謎の暗号を手に入れる結末も秀逸だ。血みどろの戦いの中に不器用ながらも確かな絆が見え隠れし、次なる展開への期待がこれ以上ないほど高まる、極めて満足度の高い一冊であった。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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とある魔術の禁書目録(14)レビュー
とある魔術の禁書目録(16)レビュー

考察・解説

学園都市の暗部組織

とある魔術の禁書目録15における学園都市の暗部組織について、表舞台を守るグループ、下克上を狙うスクール、暴走を阻止するアイテム、反逆を企てるブロック、そしてアレイスターの直轄部隊であるメンバーという観点から解説する。

1. 表舞台を守るグループ
一方通行、土御門元春、結標淡希、海原光貴の四人で構成されるグループは、社会の裏にいながら表舞台を守るために活動している小組織である。

  • 彼らは電話の男と呼ばれる人物からの指示で汚れ仕事をこなしている。
  • 本巻では他の暗部組織が引き起こすテロや暴動を阻止するために各所を奔走することになるのである。

2. 下克上を狙うスクール
第二位の超能力者である垣根帝督が率いるスクールは、統括理事長アレイスターとの直接交渉権を得ることを目的としている。

  • アレイスターの予備プランを潰し、自らが本命の核となることで学園都市の中枢に食い込もうと企てる。
  • そのために親船最中を狙撃して警備を手薄にする。
  • そして、素粒子工学研究所からピンセットと呼ばれる装置を強奪し、学園都市の極秘情報網である滞空回線(アンダーライン)にアクセスしようと動いたのである。

3. 暴走を阻止するアイテム
第四位の超能力者である麦野沈利をはじめ、絹旗最愛、フレンダ、滝壺理后の四人で構成され、下部組織の雑用係として無能力者の浜面仕上が同行しているのがアイテムである。

  • 彼らの主な業務は、統括理事会を含む上層部の暴走阻止や、学園都市内の不穏分子の削除・抹消である。
  • スクールの企みを阻止するために交戦するが、圧倒的な力を持つ垣根の前に甚大な被害を受ける。
  • さらには麦野の暴走による仲間割れで組織は崩壊の危機に陥るのであった。

4. 反逆を企てるブロック
佐久辰彦をリーダーとするブロックは、アレイスターの支配から逃れるために統括理事長の暗殺を企てる組織である。

  • 彼らは学園都市の監視網(衛星)を麻痺させた隙を突き、外部から5000人の傭兵を引き入れる。
  • そして、第一〇学区の少年院を襲撃し、そこに収容されている結標淡希の仲間を人質にとる。
  • そうすることで窓のないビルへの物資搬入路を聞き出し、多層同期爆弾でビルを内部から破壊しようと計画したのである。

5. アレイスターの直轄部隊メンバー
博士、馬場芳郎、査楽(死角移動)、ショチトルなどが所属するメンバーは、アレイスターの直轄部隊であり、善悪関係なく彼の手足として動くことを期待された小組織である。

  • 他の暗部組織の動きに対して介入を行うが、博士は垣根に返り討ちにされる。
  • 査楽は一方通行に倒され、ショチトルは裏切り者である海原の始末に失敗する。
  • その結果、各所で敗北を喫してしまうのである。

まとめ
学園都市の暗部では、これら5つの組織が同時多発的に動き出し、互いの目的や上層部の思惑が複雑に絡み合いながら激しい抗争を繰り広げた。最終的にブロックの計画は阻止され、スクールの垣根も一方通行によって打倒される。そして事態の収束後、グループは回収したピンセットのデータから、ドラゴンという学園都市のさらなる深い闇へと繋がる謎の暗号を手に入れることになるのである。

組織間の対立と抗争

とある魔術の禁書目録15における組織間の対立と抗争について、スクールとアイテムの激突と崩壊、ブロックの反逆とグループの阻止、直轄部隊メンバーの暗躍と各個撃破、そして第一位の一方通行と第二位の垣根帝督による頂上決戦という観点から解説する。

1. スクールとアイテムの激突と崩壊
第二位の超能力者である垣根帝督が率いるスクールは、統括理事長アレイスターとの直接交渉権を得るため、機密情報を読み取る装置であるピンセットを素粒子工学研究所から強奪した。

  • 学園都市の不穏分子を排除する役割を持つアイテムはこれを阻止すべく交戦するが、垣根の圧倒的な力の前に甚大な被害を受ける。
  • さらに、暴走したリーダーの麦野沈利が仲間であるフレンダを裏切り者として粛清し、限界を迎えていた滝壺理后を無理に酷使しようとした。
  • その結果、下働きの無能力者である浜面仕上が滝壺を守るために反旗を翻す。
  • 浜面は知恵と覚悟をもって超能力者の麦野を打ち倒し、これによってアイテムは事実上崩壊したのである。

2. ブロックの反逆とグループの阻止
統括理事長の暗殺を企てるブロックは、学園都市の監視衛星を麻痺させた隙を突き、外部から5000人の傭兵を引き入れて第一〇学区の少年院を襲撃した。

  • 彼らの目的は、そこに収容されている結標淡希の仲間を人質にとり、窓のないビルへの物資搬入路を聞き出すことであった。
  • しかし、この企みは一方通行たちグループの介入によって阻まれる。
  • 結標は、自身のトラウマを乗り越えてブロックの実行犯である手塩恵未を真っ向から制圧し、仲間たちを守り抜いたのである。

3. 直轄部隊メンバーの暗躍と各個撃破
アレイスターの直轄部隊として動くメンバーは、反乱分子を排除するために各所で暗躍したが、結果として他組織に各個撃破されてしまう。

  • 博士は垣根帝督を専用の兵器で追い詰めたものの、覚醒した垣根に返り討ちに遭った。
  • 死角移動の査楽は衛星アンテナを破壊しようとする一方通行を止めようとして敗北する。
  • また、アステカの魔術師ショチトルは、裏切り者である海原光貴を処分するため少年院で彼を襲撃するが、彼女自身が魔道書の原典に肉体を蝕まれていた。
  • 最終的に海原が自らの命を懸けて原典を引き継ぐ形で戦闘は終結したのである。

まとめ
抗争の最終局面で、スクールの垣根帝督は、学園都市の第一位を殺害して自らが代替不可能な本命の核となるため、一方通行に決戦を挑む。垣根は一般人や初春飾利、さらには打ち止めをも巻き込みながら、この世に存在しない新物質を生み出す未元物質(ダークマター)の力で一方通行を追い詰める。しかし、打ち止めや周囲の一般人を守りながら戦う一方通行の悪党としての覚悟と、彼が激しい怒りによって現出させた黒い翼の圧倒的な力の前に、垣根は完全に粉砕され、学園都市の暗部を巻き込んだ抗争は幕を閉じたのである。

親船最中暗殺未遂事件

とある魔術の禁書目録15における親船最中暗殺未遂事件について、狙撃計画の発覚とスナイパー、妨害気流の破壊と介入、偶然の爆発による暗殺の失敗、そして事件の裏に隠されたスクールの真の狙いという観点から解説する。

1. 狙撃計画の発覚とスナイパー砂皿緻密
第七学区のコンサートホール前広場で野外講演を行う統括理事会の一員である親船最中を標的とした暗殺計画である。

  • グループの土御門元春たちが、人材派遣の隠していた紙幣のデータを解析したことで発覚した。
  • 実行犯として雇われたのはスナイパーの砂皿緻密である。
  • 彼は発射音や反動のない学園都市製の磁力狙撃砲(MSR-001)を使用し、約700メートル離れたホテルの一室から親船を狙っていた。
  • この依頼を下したのは、暗部組織のスクールである。

2. 妨害気流の破壊と一方通行たちの介入
計画を知った一方通行と土御門は、親船を守るべく講演会場である広場へ急行する。

  • しかし、会場に配置されていたVIP警護用の妨害気流(ウインドディフェンス)を発生させる特殊車両は、砂皿によって次々と撃ち抜かれ、機能を停止させられていた。
  • 火薬を使わない磁力狙撃砲による攻撃だったため、周囲の誰も装置が狙撃されていることに気づかなかった。
  • その結果、親船は無防備な状態へと追い込まれてしまったのである。

3. 偶然の爆発による暗殺の失敗
すべての妨害気流が消滅し、砂皿が親船に向けて引き金を引いたまさにその瞬間、広場の一角の特殊車両で突如として爆発が発生する。

  • 爆風の煽りを受けた親船が偶然身を屈めたことで、第一射は彼女を外れた。
  • 続く射撃も盾となった護衛に命中し、親船が屈強な護衛たちの陰に完全に隠された。
  • そのため、砂皿はこれ以上の長距離狙撃は困難と判断し、撤退を余儀なくされる。
  • こうして親船の暗殺計画は未遂に終わったのである。

まとめ
親船最中の暗殺は、実はスクールにとって本命の作戦ではなかった。暗部組織アイテムの麦野沈利は、親船に暗殺されるほどの価値はなく、単に最も警備が手薄なVIPとして選ばれたに過ぎないと推測する。VIPが襲撃されれば、学園都市の警備人員や医療機関がその対応に追われ、他の施設の警備が手薄になる。スクールの真の目的は、この混乱に乗じて第一八学区の素粒子工学研究所の警備を手薄にし、そこから機密装置であるピンセットを強奪することだったのである。

衛星ひこぼし二号

とある魔術の禁書目録15における衛星ひこぼし二号について、その本来の役割と搭載兵器、暗部組織ブロックによる乗っ取り計画、そして事件の裏に隠された真の目的という観点から解説する。

1. スパイ衛星と搭載された光学爆撃兵器
ひこぼし二号は、学園都市が打ち上げた気象衛星という建前のスパイ衛星であり、学園都市や周辺地域を逐一監視している。

  • 衛星には実験用であるものの、地上攻撃用大口径レーザーである白色光波を利用した光学爆撃兵器が搭載されている。
  • 対象を四〇〇〇度程度の高温で焼き、細胞核を破壊して急速なガン化を促す力も有する。
  • 照射範囲は最大で半径三キロに達するが、連射性能は低く一時間に一発程度である。

2. ブロックによる乗っ取り計画
統括理事長の暗殺を企てるブロックは、このひこぼし二号の乗っ取りを計画した。

  • 彼らは第五学区のウィルス保管センターへのクラッキング攻撃を囮として使い、対策チームの目を逸らしたのである。
  • その隙に、第二三学区の航空宇宙工学研究所付属の衛星管制センターへ電子攻撃を仕掛けたのである。

3. 恐るべき攻撃目標と真の目的
ブロックが衛星の光学兵器で狙っているとされたのは、幼稚園や小学校が最も集中している第一三学区であった。

  • 学園都市の最年少の住人たちを虐殺することで、新たな親が子供を預けなくなり、長期的に学園都市を機能不全に陥らせるためだと海原光貴は推測したのである。
  • しかし、ブロックの真の狙いは兵器としての利用ではなかった。
  • 衛星からの攻撃を阻止しようとする一方通行を第二三学区へ誘導し、彼の手で地上アンテナを破壊させることこそが真の目的だったのである。

まとめ
一方通行によって地上アンテナが破壊された結果、ひこぼし二号を含む衛星群はコントロールを失い、学園都市は上空からの監視網を完全に喪失したのである。ブロックは監視が麻痺したこの空白の時間を突いて、外部から五〇〇〇人もの傭兵を第一一学区から侵入させる作戦を実行に移したのである。また、後にグループがピンセットを用いて読み取った滞空回線の機密データの中にも、ひこぼし二号に関する情報が含まれていたのである。

外部接続ターミナルの攻防

とある魔術の禁書目録15における外部接続ターミナルの攻防について、ウィルス保管センターへの攻撃と西部ターミナルの異常、グループの出動と囮作戦の判明、一方通行の単独行動、そして土御門と結標による中枢爆破という観点から解説する。

1. ウィルス保管センターへの攻撃と西部ターミナルの異常
第五学区のウィルス保管センターがクラッキング攻撃を受けたことから事態は始まる。

  • 学園都市から外部のインターネットへ繋がるラインは、東西南北に4つある外部接続ターミナルを通る仕組みになっていた。
  • 事態を受けた対策チームは全ターミナルの緊急遮断を試みるが、第一三学区の西部ターミナルだけが応答しなかった。
  • そのため、そこが攻撃の拠点である可能性が浮上したのである。

2. グループの出動と囮作戦の判明
グループの土御門元春、結標淡希、一方通行はキャンピングカーで第一三学区へ急行し、大容量ケーブルを直接切断することで物理的にアクセスを封鎖しようとする。

  • しかし移動中、今度は第二三学区の衛星管制センターが電子攻撃を受けているという新たな警報が鳴り響く。
  • このことから、ウィルス保管センターへの攻撃は、本命である人工衛星の乗っ取りから対策チームの目を逸らすための囮であったことが判明したのである。

3. 一方通行の単独行動
敵の囮に付き合わされることを嫌った一方通行は、キャンピングカーのドアを能力で蹴り飛ばし、単独で離脱する。

  • 彼は残る土御門たちにターミナルへの対処を雑用として任せる。
  • そして、衛星へのクラッキングを根本から止めるべく、走っているオープンカーを強引にジャックして第二三学区の地上アンテナ破壊へと向かったのである。

まとめ
一方通行と別れ、残された土御門と結標の二人は、そのまま第一三学区の西部ターミナルへと向かい事件を処理する。彼らは現地で正規の手続きを踏んでアクセスを遮断するのを面倒に感じ、ターミナルの中枢を直接爆破するという強硬手段で事態を解決した。学園都市には他にも3つのターミナルが残っているため、1つを完全に破壊してもアクセス環境そのものに致命的な問題は出ないという判断の下で行われた荒業であった。

垣根帝督の反乱

とある魔術の禁書目録15における垣根帝督の反乱について、アレイスターへの下克上と真の目的、ピンセットの強奪とアイテムの蹂躙、未元物質(ダークマター)の脅威、そして第一位の一方通行との頂上決戦と敗北という観点から解説する。

1. アレイスターへの下克上と真の目的
学園都市第二位の超能力者である垣根帝督は、暗部組織スクールを率いて、統括理事長アレイスターとの直接交渉権を得るために反乱を起こした。

  • 彼は、アレイスターが同時並行で進めている複数の予備プラン(スペアプラン)を全て潰すことで、別の計画へ逃げるという妥協を許さない状況を作り出そうと企てる。
  • そして、自分自身が代替不可能な本命の核(第一候補)として学園都市の中枢に君臨することを真の目的にしていたのである。

2. ピンセットの強奪とアイテムの蹂躙
目的達成の足がかりとして、垣根は親船最中の暗殺未遂騒動を起こして警備の目を逸らし、素粒子工学研究所から機密装置であるピンセットを強奪する。

  • これを用いて、アレイスターの極秘情報収集デバイスである滞空回線(アンダーライン)から情報を引き出そうとした。
  • また、これらを妨害してくる暗部組織アイテムと激突し、大能力者の絹旗最愛を壁へ吹き飛ばして一蹴する。
  • さらに、サーチ能力を持つ滝壺理后や無能力者の浜面仕上を限界まで追い詰めるなど、他組織を徹底的に蹂躙したのである。

3. 圧倒的な能力未元物質(ダークマター)の脅威
垣根帝督の能力未元物質(ダークマター)は、この世界には存在しない新しい物質を生み出すという規格外の力である。

  • 既存の物理法則が全く通用しないこの物質は、触れた太陽光や風の性質を独自の法則に従う殺人光線や烈風へと書き換えることができる。
  • 垣根は背中に神や天使のような六枚の白い翼を現出させ、圧倒的な攻撃力と防御力を誇り、学園都市の街並みを破壊しながら突き進んだのである。

まとめ
自らが本命の核となるための最終段階として、垣根は学園都市第一位の一方通行(アクセラレータ)の殺害に乗り出す。打ち止めの行方を追って初春飾利を無残に痛めつけ、現れた一方通行とスクランブル交差点で激突する。未元物質の特性で一方通行の反射のフィルタをすり抜けて一時的に追い詰めるが、激しい戦闘の最中でも一般人を無傷で守り抜いていた一方通行の姿を見て逆上する。最後は、激しい怒りによって黒い翼を現出させた一方通行の、人の領域を超えた圧倒的な力の前に右腕を引き千切られ、地面の奥深くへと叩き潰されて完膚なきまでに粉砕されたのである。

一方通行の覚醒

とある魔術の禁書目録15における一方通行の覚醒について、垣根帝督との激突と悪党の美学、黄泉川愛穂の介入とためらい、垣根の凶行と黒い翼の現出、そして打ち止めによる暴走の終息という観点から解説する。

1. 垣根帝督との激突と悪党の美学
スクランブル交差点で第二位の垣根帝督と激突した一方通行であるが、彼は激しい殺し合いの最中であっても、周囲の通行人や野次馬が巻き込まれないよう、見えない力で密かに彼らを守り続けていた。

  • どんな大義名分があろうと無関係な一般人を巻き込むことを良しとしない。
  • 彼なりの超一流の悪党としての美学を見せつけたのである。

2. 黄泉川愛穂の介入とためらい
一方通行が垣根を打ち倒し、拳銃でとどめを刺そうとした時、警備員の黄泉川愛穂が丸腰で立ち塞がる。

  • 彼女は一方通行を暗い世界から連れ戻すために銃を捨てるよう説得した。
  • 一方通行は彼女を敵と認識しつつも、守るべき者である彼女を撃つことはできず、拳銃を奪われるのを呆然と受け入れてしまうのである。

3. 垣根の凶行と黒い翼の現出
しかし、気絶していた垣根が再び起き上がり、一方通行の戦意を削いだ黄泉川を白い翼で貫き、容赦なく踏みにじる。

  • 一瞬でも光の世界へ手を伸ばそうとした自分の甘さが悲劇を生んだと痛感した一方通行は、今度こそ徹底した悪になることを決意する。
  • 極限の怒りと絶望の中、自我すらも叩き潰すほどの黒い翼を背中から噴出させ、理性を失った暴走状態へと突入したのである。

まとめ
真に覚醒した一方通行は、同じく覚醒して圧倒的な力を得たはずの垣根を全く寄せ付けず、地面の奥深くへと叩き潰して完膚なきまでに粉砕する。垣根を倒した後も黒い翼による暴走は止まらず、周囲に絶望を与えるが、そこに打ち止め(ラストオーダー)が駆けつける。恐怖することなく彼に手を差し伸べる打ち止めに対し、一方通行の心は全てを破壊したい衝動と彼女を守りたい想いの間で激しく葛藤し、最終的に彼自身の意志で黒い翼を消滅させた。そして、打ち止めの腕の中に倒れ込む形で暴走は終息したのである。

浜面仕上の奮闘

とある魔術の禁書目録15における浜面仕上の奮闘について、無能力者の葛藤と滝壺理后の想い、垣根帝督との対峙と戦場への帰還、黄泉川への滝壺の託しと麦野の追撃、そして第四位である麦野沈利との死闘と勝利という観点から解説する。

1. 無能力者の葛藤と滝壺理后の想い
かつて武装無能力者集団スキルアウトのリーダーだった浜面仕上は、組織の壊滅後、暗部組織アイテムの下働きとして雑用や運転手をこなす日々を送っていた。

  • 彼は抗争の裏で正体不明の死体の焼却処分などを命じられる。
  • そして、無能力者の命がいとも簡単に消されていく現実に深い絶望と葛藤を抱くのである。
  • そんな彼に対し、アイテムの正規メンバーである大能力者の滝壺理后は、無能力者の彼を気遣うような態度を見せていた。

2. 垣根帝督との対峙と戦場への帰還
スクールのリーダーである第二位の超能力者である垣根帝督がアイテムの隠れ家を襲撃した際、浜面は滝壺をエレベーターに乗せて逃がそうとする。

  • しかし、滝壺は逆に浜面をエレベーター内へ押し込み、私は大能力者だから。無能力者のはまづらを、きっと守ってみせると告げて自ら垣根の前に残った。
  • 能力者は無能力者を使い捨ての道具としか思っていないと考えていた浜面は、自分のために命を張る滝壺の想いに打たれる。
  • そして、彼女を救うために自らエレベーターを止めて戦場へと引き返したのである。

3. 黄泉川への滝壺の託しと麦野の追撃
垣根に見逃された後、浜面は能力を暴走させる体晶の使いすぎで限界に達した滝壺を連れて逃走する。

  • このままアイテムに戻せば滝壺が使い潰されると考えた浜面は、偶然遭遇した警備員の黄泉川愛穂に滝壺を託し、安全な場所へ逃がすよう懇願した。
  • そこへ裏切り者のフレンダを粛清した麦野沈利が現れる。
  • 浜面は滝壺の能力発動に必要な体晶のケースを囮にして自ら橋から飛び降り、麦野の標的を自分へ向けさせたのである。

まとめ
麦野の執拗な追跡を受けた浜面は、植物性エタノール燃料の製造工場へと逃げ込む。圧倒的な威力を持つ麦野の原子崩し(メルトダウナー)によって工場内は瓦礫の山へと変えられ、絶体絶命の窮地に陥るが、浜面は決して諦めなかった。彼は、旧友の半蔵から貰ったレディース用の小型拳銃を袖に隠し持ち、自分が武器を持っていないと麦野に思い込ませる。そして麦野が勝利を確信して至近距離まで接近した決定的な隙を突き、銃弾と渾身の拳を叩き込んで、見事学園都市第四位の超能力者を打ち倒したのである。

滞空回線とドラゴン

とある魔術の禁書目録15における滞空回線とドラゴンについて、アレイスターの極秘情報網である滞空回線、情報を抜き取る装置であるピンセット、垣根帝督による解析とその限界、そしてグループが発見した謎の暗号であるドラゴンという観点から解説する。

1. アレイスターの極秘情報網滞空回線(アンダーライン)
統括理事長アレイスターが、学園都市の隅々まで情報を収集するために街中にばら撒いた監視デバイスである。

  • 五〇〇〇万個ものナノサイズの機械が空気中を漂いながら情報を集める。
  • そして、量子信号による巨大な情報網を形成している。
  • これが窓のないビルと直結するアレイスターの直通情報網の中核であり、内部には世界を揺るがすほどの最暗部の機密情報が隠されているのである。

2. 情報を抜き取る装置ピンセット
滞空回線は電子顕微鏡レベルの極小の機械であるため、捕まえて情報を引き出すことは通常不可能である。

  • しかし、素粒子工学研究所で開発されたピンセット(超微粒物体干渉用吸着式マニピュレータ)を使えば、原子よりも小さな素粒子を掴むことができるため、滞空回線の内部情報にアクセスすることが可能になる。
  • スクールのリーダーである垣根帝督は、アレイスターとの直接交渉権を得るための突破口としてこの装置を強奪したのである。

3. 垣根帝督による解析とその限界
垣根帝督は強奪したピンセットを自らの右手に装着できるグローブ状に再構築し、大気中の滞空回線からデータを引き出すことに成功する。

  • しかし、得られた情報だけではアレイスターと対等に渡り合うには不十分であると判断した。
  • そのため垣根は、アレイスターの計画において代替不可能な第一候補の核となるべく、第一位の超能力者である一方通行の殺害に踏み切ったのである。

まとめ
垣根が一方通行に敗れて事態が収束した後、土御門元春たちグループは垣根が持っていたピンセットを野次馬に紛れて回収する。彼らが滞空回線のデータを解析すると、グループやスクールといった暗部組織のコード名や、ひこぼし二号のデータ、少年院の見取り図などの機密情報が表示された。そして最後に、ドラゴンという謎の機密コードが現れる。これこそが学園都市のさらなる深い闇へと繋がる突破口であり、グループの四人はこの手掛かりを元に再び動き出すことになるのである。

とある魔術の禁書目録(14)レビュー
とある魔術の禁書目録(16)レビュー

登場キャラクター

学園都市

アレイスター

学園都市の統括理事長である。窓のないビルの中で生命維持装置に浸かって生きている。

・所属組織、地位や役職
 学園都市統括理事長。

・物語内での具体的な行動や成果
 暗部組織を直轄部隊として動かす。滞空回線を用いて都市内の情報を収集する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 学園都市の全権を握り、多くの組織の行動を影で操る存在として描かれる。

親船最中

統括理事会の一員である。

・所属組織、地位や役職
 学園都市統括理事会。

・物語内での具体的な行動や成果
 第七学区コンサートホール前広場で野外講演を行う。その最中にスクールのスナイパーから狙撃される。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 グループによる事前の警備計画修正により、狙撃による暗殺を免れる。

カエル顔の医者

第七学区の病院に勤務する医師である。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の病院の医師。

・物語内での具体的な行動や成果
 打ち止めの脳からウィルスを除去し、彼女の退院を見送る。一方通行へチョーカー型電極の設計図を提供する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 学園都市の暗部の事情にも精通しており、患者の治療と安全を最優先に行う。

打ち止め

妹達の上位個体である少女である。

・所属組織、地位や役職
 妹達の上位個体。検体番号20001号。

・物語内での具体的な行動や成果
 病院を退院した後、タクシーを途中で降りて迷子になる。初春飾利に保護されて行動を共にした。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 一方通行を慕っており、彼との再会を望んでいる。

初春飾利

風紀委員を務める少女である。頭に大量の造花をつけている。

・所属組織、地位や役職
 風紀委員。

・物語内での具体的な行動や成果
 タクシー運転手からの依頼で迷子の打ち止めを捜索し、彼女を保護する。垣根帝督に遭遇し、襲撃を受ける。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項は記載されていない。

黄泉川愛穂

学園都市の警備員を務める女性教師である。

・所属組織、地位や役職
 警備員。教師。

・物語内での具体的な行動や成果
 素粒子工学研究所の異変に対応するため出動する。路上で浜面仕上と遭遇し、その後、彼から意識を失った滝壺理后を託される。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 常に緑色のジャージを着用している。

才郷

警備員第八四支部に所属する人物である。

・所属組織、地位や役職
 警備員第八四支部、鈴山高等学校所属。

・物語内での具体的な行動や成果
 第五学区内の事件現場での証言をもとに、一方通行を殺人未遂事件の重要参考人として手配する報告を上げた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項は記載されていない。

半蔵

第七学区を拠点とする不良グループのメンバーである。

・所属組織、地位や役職
 スキルアウト。

・物語内での具体的な行動や成果
 第三学区の植物性エタノール工場から出てきた浜面仕上へ声をかける。護身用として彼に小型拳銃を手渡す。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 浜面に対し、用事が済んだらスキルアウトへ戻ってくるよう促した。

人材派遣

暗部組織の依頼を受けて人員や物資を手配する男である。

・所属組織、地位や役職
 人材派遣業者。

・物語内での具体的な行動や成果
 スクールの依頼でスナイパーの砂皿緻密を手配する。グループの下部組織に護送されている途中で襲撃を受け、結標淡希に倒される。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項は記載されていない。

グループ

一方通行

学園都市第一位の超能力者である。

・所属組織、地位や役職
 グループ。学園都市第一位の超能力者。

・物語内での具体的な行動や成果
 スクールのリーダーである垣根帝督と激突し、彼を撃破する。暗部の抗争に巻き込まれた一般人を戦闘の余波から守り抜く。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 首のチョーカー型電極で能力を制御している。

土御門元春

魔術と科学の双方に精通するスパイである。

・所属組織、地位や役職
 グループ。スパイ。

・物語内での具体的な行動や成果
 人材派遣を銃撃し、彼が残した紙幣のデータを解析する。結標淡希と共に少年院へ潜入し、ブロックの計画を阻止した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 常にサングラスを着用している。

海原光貴

アステカの魔術師である青年である。

・所属組織、地位や役職
 グループ。アステカの魔術師。

・物語内での具体的な行動や成果
 山手に変装してブロックの集会へ潜入する。かつての仲間であるショチトルと交戦し、彼女を救うために魔道書の原典を受け入れる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 黒曜石のナイフを用いて魔術を行使する。

結標淡希

座標移動の能力を持つ大能力者である。

・所属組織、地位や役職
 グループ。霧ヶ丘女学院の生徒。大能力者。

・物語内での具体的な行動や成果
 護送車を襲撃した人材派遣を倒す。少年院にいるかつての仲間を救うため、土御門と共に潜入してブロックのメンバーと対峙する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項は記載されていない。

アイテム

麦野沈利

学園都市第四位の超能力者である。原子崩しと呼ばれる能力を操る。

・所属組織、地位や役職
 アイテムのリーダー。学園都市第四位の超能力者。

・物語内での具体的な行動や成果
 スクールに奪われたピンセットを奪還するため、垣根帝督と交戦して敗北する。逃亡しようとしたフレンダを粛清し、浜面仕上と死闘を繰り広げた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 浜面仕上との戦闘の末に敗北を喫する。

フレンダ

金髪碧眼の女子高生である。爆薬を用いた戦闘を得意とする。

・所属組織、地位や役職
 アイテムのメンバー。

・物語内での具体的な行動や成果
 スクールとの抗争において、組織を裏切って逃亡を図る。その結果、麦野沈利によって粛清される。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 麦野に上半身だけを切断され、死亡した。

絹旗最愛

窒素装甲を操る少女である。映画のパンフレットを好んで読んでいる。

・所属組織、地位や役職
 アイテムのメンバー。

・物語内での具体的な行動や成果
 アイテムの隠れ家を襲撃してきた垣根帝督に対し、巨大なテーブルを投げつけて交戦する。敗北して倒れた後、浜面に下部組織への連絡を指示する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項は記載されていない。

滝壺理后

他者のAIM拡散力場を記憶し追跡する能力追跡の大能力者である。

・所属組織、地位や役職
 アイテムのメンバー。大能力者。

・物語内での具体的な行動や成果
 体晶を使用して能力を発動し、垣根帝督の位置を特定する。垣根からの攻撃を受けて倒れるが、浜面仕上に背負われて逃走した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 体晶の副作用により、肉体が崩壊する危険性を抱えている。

浜面仕上

かつて武装無能力者集団スキルアウトのリーダーを務めていた少年である。

・所属組織、地位や役職
 アイテムの下働き。無能力者。

・物語内での具体的な行動や成果
 アイテムの移動用車両を運転する。滝壺理后を守るため、第四位の超能力者である麦野沈利と交戦し、彼女を打ち倒す。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 無能力者でありながら超能力者を単独で撃破するという成果を上げる。

スクール

垣根帝督

学園都市第二位の超能力者である。未元物質と呼ばれる能力を操る。

・所属組織、地位や役職
 スクールのリーダー。学園都市第二位の超能力者。

・物語内での具体的な行動や成果
 素粒子工学研究所からピンセットを強奪する。メンバーの博士やアイテムの麦野沈利を撃破するが、一方通行との戦闘で敗北した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 アレイスターとの直接交渉権を得るために第一位を狙う。

砂皿緻密

スクールに雇われたスナイパーである。

・所属組織、地位や役職
 スクールに雇われたスナイパー。

・物語内での具体的な行動や成果
 磁力狙撃砲を用いて親船最中の暗殺を試みるが、失敗に終わる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項は記載されていない。

心理定規

人の心の距離を自在に調節する能力を持つドレスの少女である。名前は心理定規(メジャーハート)と表記される。

・所属組織、地位や役職
 スクールのメンバー。

・物語内での具体的な行動や成果
 ホテルの一室で客の相手をした後、スクールの隠れ家に戻る。逃走する浜面仕上の前に現れ、能力を使って彼の行動を制限した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項は記載されていない。

ブロック

佐久辰彦

熊のような巨体を持つ男である。

・所属組織、地位や役職
 ブロックのリーダー。

・物語内での具体的な行動や成果
 外部の傭兵5000人を引き入れて少年院の襲撃を企てる。結標淡希たちと対峙した際、結標の能力の暴走に巻き込まれる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項は記載されていない。

手塩恵未

筋肉質の体格を持つ女性である。

・所属組織、地位や役職
 ブロックの正規要員。元警備員。

・物語内での具体的な行動や成果
 佐久辰彦と行動を共にし、少年院の襲撃計画に参加した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項は記載されていない。

鉄網

人の心を読む意見解析の能力を持つ少女である。

・所属組織、地位や役職
 ブロックのメンバー。

・物語内での具体的な行動や成果
 組織内の裏切り者を特定するため、メンバー一人一人と握手をして思考を読み取る検査を行う。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 海原光貴が誤って落としたボトルの影響で、下部組織の青年と共に検査を中断される。

山手

ブロックに所属する男である。

・所属組織、地位や役職
 ブロックのメンバー。

・物語内での具体的な行動や成果
 海原光貴に変装のモデルとして利用された。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 本人の直接的な行動は作中で描かれていない。

メンバー

博士

白衣を着用した男である。機械でできた四足歩行の獣を連れている。

・所属組織、地位や役職
 メンバーのリーダー。

・物語内での具体的な行動や成果
 垣根帝督を排除するため、オジギソウと呼ばれる兵器を用いて攻撃を仕掛けるが敗北する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項は記載されていない。

馬場芳郎

メンバーに所属するハッカーである。

・所属組織、地位や役職
 メンバーに所属。

・物語内での具体的な行動や成果
 VIP用の核シェルターである避暑地からロボットを遠隔操作して博士を支援する。シェルターに大量の水を流し込まれ、内部に閉じ込められた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項は記載されていない。

査楽

死角移動と呼ばれる能力を持つ男である。

・所属組織、地位や役職
 メンバーに所属。能力者。

・物語内での具体的な行動や成果
 第二三学区のターミナル駅近辺で一方通行の背後に回り込み、攻撃を仕掛けようとするが返り討ちに遭う。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項は記載されていない。

ショチトル

アステカの魔術師である褐色の少女である。

・所属組織、地位や役職
 メンバーに所属。アステカの魔術師。

・物語内での具体的な行動や成果
 組織を裏切った海原光貴を処分するため、赤いセーラー服の少女に変装して学園都市へ潜入する。海原と交戦し、魔道書の原典の力を行使した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 原典の力による肉体の崩壊を海原に救われる。

集団

グループの下部組織

グループの任務を支援する人員の集まりである。

・所属組織、地位や役職
 グループの支援組織。

・物語内での具体的な行動や成果
 人材派遣を護送車で移送している最中に襲撃を受ける。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項は記載されていない。

アイテムの下部組織

アイテムの活動を裏で支える人員の集まりである。

・所属組織、地位や役職
 アイテムの支援組織。

・物語内での具体的な行動や成果
 第三学区の植物性エタノール工場周辺で証拠隠滅の作業を行う。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項は記載されていない。

スクールの下部組織

スクールの作戦行動を補佐する人員の集まりである。

・所属組織、地位や役職
 スクールの支援組織。

・物語内での具体的な行動や成果
 特筆すべき行動は文書内に記載されていない。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項は記載されていない。

ブロックの下部組織

ブロックの作戦行動を補佐する人員の集まりである。

・所属組織、地位や役職
 ブロックの支援組織。

・物語内での具体的な行動や成果
 第一〇学区の雑居ビルに集まり、作戦の準備を行う。電気自動車の確保などを命じられる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項は記載されていない。

警備員

教師がボランティアで務める治安維持部隊である。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の治安維持機関。

・物語内での具体的な行動や成果
 素粒子工学研究所での襲撃事件などに対応するため現場へ急行する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 最新の装備で武装し、都市内の治安維持を担う。

風紀委員

学生によって構成される治安維持部隊である。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の治安維持機関。

・物語内での具体的な行動や成果
 迷子の捜索から都市内のトラブル対応まで幅広い任務を行う。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 能力を使用することが許可されている。

消防隊

火災の消火などを担う部隊である。

・所属組織、地位や役職
 消防隊。

・物語内での具体的な行動や成果
 特筆すべき行動は文書内に記載されていない。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項は記載されていない。

傭兵達

ブロックによって外部から招き入れられた戦闘員たちである。

・所属組織、地位や役職
 ブロックに雇われた傭兵部隊。総勢5000人。

・物語内での具体的な行動や成果
 学園都市の外壁を越えて侵入を果たす。その後、ショチトルの攻撃を受けて全滅した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項は記載されていない。

スキルアウト

路地裏で活動する無能力者の武装集団である。

・所属組織、地位や役職
 無能力者の集団。

・物語内での具体的な行動や成果
 能力者に対抗するため、銃器や刃物で武装して集団で行動する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 半蔵などが所属し、独自のネットワークを形成している。

とある魔術の禁書目録(14)レビュー
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展開まとめ

序章 愛しい貴方へ極上の鉛弾を Management

土御門の潜入

土御門元春は、誰の目にも留まらないデパートの清掃室へ向かった。そこは表向きには使われていないように見える場所だったが、内部にはバーのような設備が整えられていた。

そこで土御門を迎えたのは、人材派遣と呼ばれる男だった。彼は犯罪者たちへ不足した人員を紹介する仲介役であり、土御門を客だと思い込み、仕事の内容を尋ねた。

正体を明かした土御門

人材派遣は土御門へ酒を勧めたり雑談を交えたりしていたが、土御門は自分が客ではなく捕まえる側だと告げた。

その直後、土御門は拳銃を抜いて発砲した。銃弾は棚に並んでいたシンナー缶を撃ち抜き、室内へ可燃性の液体と臭気が広がった。

シンナーへの着火と制圧

人材派遣はカウンターの陰へ隠れ、防弾ジャケットとサブマシンガンを取り出して反撃の準備を進めた。

しかし土御門はオイルライターへ火をつけ、そのままシンナーの溜まった場所へ投げ込んだ。爆発的に炎が広がり、人材派遣は武器も防具も捨てて逃げ出した。

炎から逃れた人材派遣は降伏を宣言したが、土御門は容赦なく発砲した。銃弾は脇腹に命中し、人材派遣は倒れ込んだ。

グループへの連絡

土御門は人材派遣が生存していることだけを確認すると、携帯電話で仲間へ連絡を入れた。

人材派遣の持つ情報網やアドレスを調査するため回収を指示し、一方通行の所在を確認した。しかし一方通行は別行動中で不在だったため、代わりに海原光貴を動かし、結標淡希を支援役へ回すよう命令した。

グループの存在

通話を終えた土御門の背後には、学園都市の裏側で活動する組織の存在があった。

土御門元春、一方通行、海原光貴、結標淡希の四人は『グループ』と呼ばれる小組織に所属しており、社会の裏側に身を置きながら表の世界を守るために活動していたのである。

第一章 誰にも聞こえぬ確かな号砲 Compass.

第七学区の退院と打ち止めの出発

学園都市の独立記念日である一〇月九日、第七学区の病院では退院する打ち止めをカエル顔の医者が見送っていた。

打ち止めは木原数多率いる猟犬部隊によって脳内へ特殊なデータを入力されていたが、その除去作業が完了したため退院となった。迎えは来ていなかったものの、医者はタクシーを手配し、黄泉川のマンションへ向かうよう念を押した。しかし打ち止めは遊園地へ行こうとし、医者が行き先を訂正して送り出した。

一方通行による設計図の要求

打ち止めを見送った後、カエル顔の医者は病院内の談話スペースでコーヒーを買いながら、妹達の調整について考えていた。

その時、突然背中へ拳銃を突き付けられた。現れたのは一方通行だった。一方通行は自身のチョーカー用電極の設計図を要求し、医者は理由を尋ねながらも用意していたUSBメモリを渡した。

医者は打ち止めが会いたがっていたことを伝えたが、一方通行は不機嫌に応じた後、設計図を受け取ると能力を使ってその場を去った。

海原による人材派遣の捜索

海原光貴は『ファミリーサイド』二号棟の部屋で、人材派遣に関する情報収集を行っていた。

土御門元春と連絡を取りながら、パソコンやレコーダーなどの記録媒体を調査対象として確認していく。土御門は、少し前に人材派遣が不足人員を補う形で犯罪集団を組織しており、その集団が近いうちに事件を起こすと考えていた。そのため、事前に情報を集めて阻止することが目的だった。

海原は部屋の棚に置かれた数枚の紙幣に違和感を覚えた。紙幣に内蔵されたICチップの解析を提案し、土御門もその準備を進めようとした。

突然の襲撃と海原の潜伏

しかし会話の途中、窓を突き破って飛来したロケット弾が部屋の中央で爆発した。

海原は即座にキッチンへ身を隠し、侵入してきた装甲服姿の武装集団を観察した。彼らは事前にセキュリティを無効化しており、組織的に部屋を制圧していた。

海原は自らの分解魔術では多数の敵を同時に相手取れないことを理解し、建物の外にも大勢の包囲要員がいることから、自分が極めて不利な状況に置かれていると判断した。

通信センターの異変

一方、緊急通信センターでは火災通報を受けたオペレーターが消防隊や警備員への出動要請を進めていた。

しかしマニュアルを取るために一瞬目を離した直後、通信は終了しており、必要な指示が全て完了した状態になっていた。オペレーターは不自然さに首を傾げた。

グループによる現場調査

爆発から十五分後、土御門元春と結標淡希、一方通行は爆破された部屋を調査していた。

室内からはパソコンやレコーダー、AI搭載家電などが持ち去られており、情報隠滅の痕跡が残されていた。一方通行が壊れた電子レンジを蹴飛ばすと、中から五枚の紙幣が出てきた。結標は、電子レンジによって電波を遮断し、ICチップ入り紙幣を隠していた可能性を指摘した。

さらに土御門はクローゼットの中から男の死体を発見した。死体の足の皮膚が剥がされていることから、海原が魔術を使ってその人物へ成り代わったと判断した。海原は襲撃者たちの中へ潜り込み、機会を窺っていると推測された。

初春と打ち止めの遭遇

その頃、初春飾利は街中でタクシー運転手と口論している打ち止めを目撃した。

打ち止めは途中下車を強行し、路地裏へ逃げ込んでいた。運転手は事前に支払われた料金のお釣りを返したいと考えており、初春へ捜索を依頼した。

初春は運転手からお釣りとレシートを預かり、路地裏へ入って打ち止めへ声を掛けた。打ち止めの返事を確認すると、そのまま無事に捕まえたのであった。

グループによる紙幣データの解析

海原の行方について、『グループ』の三人はひとまず保留という結論を下していた。そこへ、人材派遣を乗せた護送車が襲撃されたとの報告が入る。襲撃者は人材派遣だけを連れ去り、他の者は気絶で済ませていたため、直接事情を聞く手段も失われた。

三人は隠れ家である地下街の空き店舗へ移動し、『ファミリーサイド』で発見した紙幣のICチップを解析することにした。土御門は簡易的な読み取り装置を用いて紙幣の情報を確認し、一枚目から人材派遣の商品リストを発見した。

狙撃手と磁力狙撃砲の情報

続く紙幣からは、雇われた狙撃手の名前が砂皿緻密であることと、その武器が学園都市製の磁力狙撃砲MSR-001であることが判明した。

磁力狙撃砲は火薬を使わないため反動や発射音がほとんどなく、精密な狙撃に向いた兵器だった。さらに最後の紙幣からは、第七学区コンサートホール前広場で行われる統括理事会の親船最中の講演会場を示した狙撃計画書が発見された。

親船が狙撃対象であると判明したため、一方通行と土御門は現場へ向かうことを決めた。

親船最中の講演会場

結標が解析を続行する一方、一方通行と土御門はコンサートホール前広場へ到着した。

会場では親船最中が壇上で講演を行っており、多くの学生たちが集まっていた。一方通行は親船の警備体制の甘さを指摘したが、土御門は親船を守る価値がある人物だと語った。

親船は学園都市の子供たちへ選挙権を与えることを主張しており、子供たち自身が社会を変える力を持つべきだと考えていた。土御門はその思想を評価し、だからこそ命を懸けて守るのだと説明した。

打ち止めと初春の出現

二人が狙撃手の位置を探る中、広場には打ち止めと初春飾利の姿もあった。

迷子を探していると言う打ち止めと、それに付き添う初春を見て、一方通行は頭を抱えた。土御門も状況の悪さを理解し、流れ弾が向かわないことを願いながら警戒を続けた。

妨害気流装置の破壊

会場には狙撃対策として妨害気流を発生させる特殊車両が配備されていた。

しかし一方通行は装置が停止していることに気づく。直後、別の装置にも弾痕が見つかり、砂皿緻密が磁力狙撃砲で妨害気流装置を順番に破壊していたことが判明した。

人工的な風による防御が失われたことで、親船は無防備な状態に晒されてしまった。

砂皿緻密の狙撃

砂皿緻密はホテルの一室から約七〇〇メートル先の親船を狙っていた。

全ての妨害気流装置を破壊した後、狙撃を実行しようとしたその瞬間、会場の一角で爆発が発生した。突然の爆発に驚いた親船が身を屈めたため、最初の弾丸は外れた。

続く射撃では護衛の一人に命中したものの、親船は護衛たちによって守られ、完全に姿を隠された。長距離狙撃の条件が悪化したことで、砂皿は撤退を決断した。

その際、炎上する特殊車両の近くに立つ白髪の人物を発見し、その顔を記憶に刻んだ。

狙撃失敗後の新たな敵

土御門は砂皿が潜んでいたホテルの部屋へ突入したが、すでに狙撃手は逃走した後だった。

その後、一方通行から連絡を受ける。結標が解析不能だった四枚目の紙幣のICチップから追加情報を引き出しており、そこには砂皿緻密を雇った者たちの名簿が記録されていた。

その依頼主は、グループと同じく学園都市の裏側で活動する組織「スクール」であることが判明したのであった。

行間 一

オープンカフェでの情報分析

昼時のオープンカフェで、白衣の男は大量のコピー用紙を広げて眺めていた。そこに記されていたのは、能力者たちのAIM拡散力場のデータであった。

男は、AIM拡散力場を解析することで能力者の人格や行動傾向を把握できると説明した。それは能力者の持つ「自分だけの現実」の輪郭を浮かび上がらせるものであり、心理学的な分析よりも直接的な情報になると語った。

グループとスクールの動向

男の傍らには銀色の機械獣が控えていた。その獣を通じて別の人物から連絡が入り、「グループ」と「スクール」に動きがあったことが報告された。

しかし両組織はまだ接触には至っておらず、「グループ」は「スクール」の正体を掴み切れていなかった。報告を受けた男は、やがて他の組織も動き出すだろうと予測した。

学園都市の裏組織と情勢の変化

男は、自分たちのような組織が学園都市統括理事長アレイスターの直属部隊であり、その意向に従って活動していると語った。

さらに、「〇九三〇事件」を契機とした暴動への対応で駆動鎧部隊がアビニョンへ投入された結果、従来の抑制力が弱まり、各組織にとって行動しやすい状況が生まれたと説明した。そして、今が動き出す好機であるとの認識を示した。

少年の出現と監視体制への言及

その場には突然、ダウンジャケットを着た少年が姿を現した。少年は頃合いではないかと問いかけ、男もそれに同意した。

赤いセーラー服の少女が、なぜ組織の動きを正確に把握できるのか疑問を呈すると、男は上層部がそれを可能にする技術を持っているのだと答えた。

清掃ロボットに乗るメイド服の少女

会話の最中、男は道路の向こう側を通るメイド服の少女へ目を向けた。しかし実際に興味を示していたのは、その少女ではなく、少女が正座して乗っている清掃用ロボットだった。

男はその発想に素直に感心し、自分には思いつかなかったと評価した。それを聞いた機械獣の向こう側にいる人物は、妙なことを考えるのはやめてほしいと注意した。

第二章 ゆっくりと動き出した者達 Hikoboshi_II.

暗部組織の調査

キャンピングカーの中で、一方通行、土御門元春、結標淡希は昼食を取りながら情報整理を進めていた。結標は『書庫』を調査した結果、『グループ』や『スクール』以外にも『アイテム』『メンバー』『ブロック』という同種の非公式組織が存在することを突き止めた。

三人は『スクール』が親船最中の暗殺を企てた理由について議論したが、明確な答えは得られなかった。また、海原光貴が『スクール』内部に潜入している可能性にも言及された。

アイテムによる事件分析

一方、第七学区のファミレスでは『アイテム』のメンバーたちが親船最中狙撃未遂事件について話し合っていた。

浜面仕上の送信ミスによる騒動を挟みながらも、麦野沈利たちは事件の分析を進めた。絹旗最愛は、『スクール』が以前始末された狙撃手を補充してまで計画を続行した事実を指摘した。

親船最中が狙われた理由の推測

麦野は、親船最中そのものに価値があったのではなく、最も警備が手薄な統括理事会の人間だったために標的として選ばれたのではないかと推測した。

さらに、親船の暗殺そのものが目的ではなく、VIP襲撃によって学園都市全体の警備体制や人員配置を混乱させることが本当の狙いだった可能性を示した。

スクールの真の目的への考察

麦野たちは、親船暗殺の成否に関係なく、『スクール』が別の本命目標を襲撃するための準備として今回の事件を利用したのではないかと結論付けた。

そのため、『スクール』が次に現れる可能性の高い場所を特定するため、親船襲撃によって警備が手薄になる施設を調査する方針を決定した。麦野は即座に行動を開始し、浜面に車の手配を命じた。

ブロック内部への潜入

その頃、海原光貴は『ブロック』の構成員に変装し、第一〇学区の雑居ビルへ潜入していた。

当初は末端構成員に成り済まして脱出するつもりだったが、倒した相手が組織中枢の人物だったため、かえって組織の中心部に取り込まれてしまっていた。

海原は会話から、『ブロック』が『スクール』の行動による混乱を受けながらも独自の計画を進めようとしていることを把握した。また、『電話の声』と呼ばれる指示役の存在や、学園都市上層部の統制が弱まっている状況も知ることになった。

裏切り者捜索と海原の工作

『ブロック』のリーダー佐久辰彦は、作戦開始前に裏切り者の有無を確認するため、『意見解析』の能力を持つ鉄網による検査を行わせた。

海原は正体が露見する危険を察し、事前に液化爆薬を混ぜたハンドクリームを利用して細工を施した。その結果、検査を受けた下部組織の青年と鉄網の手が爆発し、鉄網は重傷を負って倒れた。

作戦開始への移行

佐久は爆発を裏切り者による工作と判断し、青年を即座に射殺した。その後、鉄網による検査の継続を断念し、後で別の確認手段を用意すると決定した。

海原は正体を悟られないまま危機を切り抜けた。そして『ブロック』の面々は改めて計画実行へ向けて動き出し、佐久はノートパソコンを前に作戦開始を宣言した。

ウィルス保管センターへの攻撃

『グループ』の三人がキャンピングカー内で今後の方針を話し合っている最中、緊急警報が鳴り響いた。送られてきた情報によれば、第五学区のウィルス保管センターがクラッキング攻撃を受けていた。

土御門元春は、この施設には未解析のウィルスや実験用ウィルスが多数保管されており、外部へ流出すれば大規模な混乱を招くと説明した。さらに学園都市の外部接続ターミナルの緊急遮断が実施されたものの、西部ターミナルだけが応答せず、そこが攻撃の中心である可能性が浮上した。

西部ターミナルへの出動決定

『グループ』は第一三学区の西部ターミナルへ向かうことを決定した。土御門は親船最中暗殺未遂事件や海原光貴の件を後回しにし、まずはウィルス流出阻止を優先すると判断した。

一方通行も、この状況が敵による挑発であると理解しながらも、それに応じる形で現場へ向かうことになった。

アイテムへの緊急指令

その頃、浜面仕上たちは路地裏で移動手段を確保していた。そこへ『アイテム』の指示役から緊急連絡が入り、第五学区のウィルス保管センターで発生した事件への対応を命じられた。

しかし麦野沈利はそれを後回しにし、『スクール』への対応を優先すると宣言した。指示役も最終的には『スクール』への敵意を露わにし、親船最中狙撃未遂事件の報告を要求した。

スクールの次の標的の推測

麦野たちは独自の調査結果から、親船最中襲撃によって警備体制が変化した施設を洗い出していた。その結果、第一八学区の霧ヶ丘女学院近くにある素粒子工学研究所が最も有力な標的として浮上した。

親船暗殺未遂による混乱を利用し、警備が薄くなった研究施設を狙うのが『スクール』の本当の目的ではないかと判断し、『アイテム』は現地へ向かうことを決定した。

浜面による車両調達

浜面は路上駐車中の乗用車を特殊な技術で解錠し、移動手段を確保した。五人はその車に乗り込み、素粒子工学研究所方面へ向けて出発した。

移動中も麦野たちは、『スクール』の真の狙いが何であるかを探りながら行動を開始した。

第二のクラッキング事件

一方、『グループ』が西部ターミナルへ向かう途中、新たな警報が届いた。今度は第二三学区の航空宇宙工学研究所付属衛星管制センターが電子攻撃を受けていた。

学園都市の衛星には地上攻撃用レーザーが搭載されているものもあり、結標淡希は事態の深刻さを指摘した。土御門も、ウィルス保管センターへの攻撃が対策部隊を分散させるための囮である可能性を認めた。

一方通行の単独行動

攻撃が囮である可能性を察した一方通行は、敵の思惑に振り回されることを嫌い、自ら第二三学区へ向かう決断を下した。

彼はキャンピングカーの側面ドアを蹴り飛ばして車外へ飛び出し、反対車線を走るオープンカーへ強引に乗り込んだ。そして運転手に拳銃を突き付けながら第二三学区への移動を命じ、衛星通信施設の破壊によってクラッキングを阻止しようと動き始めた。

研究所襲撃後の浜面の待機

浜面仕上は霧ヶ丘女学院近くに停めた盗難車の中で待機していた。少し離れた素粒子工学研究所では『アイテム』と『スクール』が激突しており、建物は半壊し、麦野沈利の攻撃によるものと思われる破壊が続いていた。

その光景を見ながら、浜面はかつてスキルアウトを率いていた頃や能力者との力の差について考え、自身の立場に苛立ちを覚えていた。

黄泉川との遭遇

気分転換のため車を降りた浜面は、高級スポーツカーを見つけて盗難を考える。しかしその直後、警備員の黄泉川愛穂に声を掛けられた。

黄泉川は研究所の異変への対応で現場に来ており、浜面を更生させたいと語った。浜面は車の解錠行為をごまかそうとしたが、不自然な言い訳によって車の警報装置を作動させてしまった。

アイテムの撤退と追跡開始

その最中、研究所から一台のステーションワゴンが飛び出し、続いて麦野と滝壺理后が現れた。麦野は浜面に追跡を命じ、三人は急いで車で後を追った。

移動中、麦野は『スクール』との戦闘で第二位の超能力者・垣根帝督と交戦したこと、『スクール』の構成員を一人倒したことを明かした。また、『スクール』が研究所から持ち出した『ピンセット』を回収する必要があると説明した。

滝壺は能力追跡によって標的を捕捉できると告げ、追跡は継続された。

クレーン車による襲撃

しかし追跡中、横道から飛び出した大型クレーン車が浜面たちの車へ激突した。車はガードレールを突き破ってビルへ叩き付けられ、完全に行動不能となった。

クレーン車を操っていたのは、『スクール』の一員と思われる小柄な少女だった。少女は巨大な鉄球を用いて車を破壊しようとし、浜面たちは辛うじてフロントガラスから脱出した直後に車が爆発した。

麦野は時間稼ぎに付き合うつもりはないとして三方向へ分散し、自身はステーションワゴンの追跡を優先した。

浜面への執拗な追撃

浜面は路地や学生寮へ逃げ込んだが、少女は執拗に追跡してきた。浜面は能力者対策用の鋼鉄製シャッターを下ろして足止めを図ることに成功する。

一時は安全を確信して少女を挑発したものの、少女は小型グレネード砲を取り出し、シャッターを爆破した。浜面は衝撃で吹き飛ばされながらも逃走を続け、追い詰められた末に三階のテラスから飛び降りる決断を下した。

着地時に負傷しながらも、乳母車を押していた女性を巻き込まずに済み、そのまま路地へ逃走した。少女は見失った標的の行方を仲間へ報告した後、追跡を断念した。

一方通行と電話の男の接触

その頃、一方通行は第二三学区へ向かう車内で警備員への通報を装い、『グループ』に指示を出している電話の男と接触した。

一方通行は衛星『ひこぼし二号』について情報を求めた。電話の男は、衛星に搭載された白色光波兵器が高熱と細胞破壊能力を持ち、最大半径三キロを攻撃できることを説明した。

海原から明かされる真相

続いて海原光貴から連絡が入り、衛星へのクラッキングを行っているのは『スクール』ではなく『ブロック』であると知らされた。

海原は、あと二十分ほどで衛星『ひこぼし二号』が『ブロック』に掌握されると警告した。さらに『ブロック』の目的は第一三学区への衛星攻撃であり、幼稚園や小学校が集中する地域を壊滅させることで、長期的に学園都市そのものを衰退させることだと説明した。

第一三学区を守る決意

海原から避難や阻止が困難である現状を聞かされた一方通行は、最終的に衛星通信アンテナを破壊してクラッキングを止めるしかないと判断した。

通話を終えた一方通行は、残された時間が二十分程度しかないことを確認し、第二三学区へ向かう車の速度をさらに上げさせた。

初春と打ち止めの迷子探し

初春飾利と打ち止めは第七学区の駅のホームで迷子探しを続けていた。打ち止めは何らかの能力を使って対象を探していたが、精度には自信が持てず、不安そうな様子を見せていた。

初春は打ち止めを励ましながら冗談を交えたやり取りを続けたが、その最中に遠くから激しいエンジン音が響いた。初春は暴走車両に呆れていた一方、打ち止めは何かを感じ取ったように考え込み始めた。

浜面への新たな仕事

一方、『スクール』の少女から逃げ切った浜面仕上は、自動販売機で飲み物を買い、一息ついていた。しかし麦野沈利から電話が入り、無事を確認された後、新たな仕事を命じられた。

その内容は死者の処分であり、浜面は嫌悪感を抱きながらも従うことになった。

一方通行への襲撃

第二三学区へ到着した一方通行は、衛星通信用地上アンテナの破壊を目指して移動を開始した。残り時間を計算しながら能力使用の準備を進めていたが、その直後に正体不明の男から襲撃を受けた。

男は『メンバー』に所属する能力者であり、一方通行の弱点である電極のスイッチを封じた上で攻撃を加えた。しかし一方通行は反撃し、発砲によって相手に傷を負わせた。

死角移動との対決

襲撃者は他人の死角へ移動する能力を持つ男だった。男は鉄道員を人質に取り、一方通行の行動を制限しようとした。

しかし一方通行は脅迫に屈せず、自らの頭へ拳銃を向けて発砲した。その弾丸を能力で操作し、死角移動の肩へ命中させることで人質を傷つけずに反撃した。

さらに鉄道員を退避させた後、一方通行は圧倒的な実力差を見せつけながら死角移動を追い詰めた。そして悪党としての格の違いを語り、そのまま銃撃によって死角移動を倒した。

浜面による死体処分

浜面は廃墟ビル内に設置された実験動物廃棄用の巨大電子炉へ向かった。そこには黒い寝袋に包まれた死体があり、彼はその中身を考えないようにしながら焼却処分を進めた。

三五〇〇度の高熱によって死体は灰となり、DNA情報すら失われることになる。処分作業を終えた浜面は、人の命の価値について思い悩み、自分たち無能力者の命があまりにも軽く扱われている現実に苦しんだ。

その後、滝壺理后に声を掛けられながらも、浜面は作業を続けるしかなかった。

ブロックの隠れ家での最終段階

海原光貴は『ブロック』の隠れ家に潜入していた。そこでは佐久辰彦や手塩恵未らが、衛星奪取計画の最終段階を進めていた。

佐久はウィルス保管センターへの攻撃を囮として利用し、第二三学区の防衛を手薄にしたことを明かした。そして計画成功によって学園都市の支配体制へ打撃を与えると語った。

海原は衛星奪取まで残りわずかとなる中、一方通行が地上アンテナ破壊に成功するかを気に掛けていた。

一方通行利用の真意

やがて手塩は、一方通行が地上アンテナへ向かっていることを報告した。海原は『ブロック』が一方通行を排除しようとしていると考えたが、佐久の意図は違っていた。

『ブロック』は自分たちでアンテナを破壊するのではなく、一方通行を利用して破壊させることを狙っていたのである。衛星の攻撃能力だけでなく監視機能までも失わせることが、本来の目的だった。

さらに佐久は、学園都市外で待機している五〇〇〇人の傭兵部隊の存在を明かし、計画が次の段階へ進むことを示した。

地上アンテナ破壊の成功

午後一時二九分、衛星通信用地上アンテナは破壊された。

これによって学園都市は衛星による監視網を失い、防衛機能は大幅に低下することとなった。

行間 二

ピンセットの回収と再構築

『スクール』所属の超能力者・垣根帝督は第四学区の食肉用冷凍倉庫へ身を隠していた。ステーションワゴンには素粒子工学研究所から奪った大型装置『ピンセット』が積まれており、垣根はその正体が超微粒物体干渉用吸着式マニピュレータであると説明した。

運転手が用途を尋ねると、垣根はアレイスターへの突破口になるとだけ語った。そして装置を分解し、本来の形へ再構築した。巨大な装置は右手に装着するグローブ状の小型機器へ変化し、垣根はそれを装着して性能を確認した。

メンバーの襲撃

垣根が次の行動へ移ろうとした直後、冷凍倉庫の壁が外部から切り取られたように崩れ落ちた。

さらに運転手の身体が突然分解され始め、皮膚や筋肉、脳までもが消失して骨だけとなって崩れ落ちた。そこへ現れたのは『メンバー』所属の博士だった。

博士は空気中へ散布した『オジギソウ』という微粒子群を利用して攻撃していた。『オジギソウ』は特定周波数に反応する反射合金の粒子であり、雑菌に付着させて空中へ拡散することで標的を分解していた。

博士の思想

博士は冷凍倉庫の外で『オジギソウ』を操作しながら、自らの価値観を語った。

かつてヨーロッパ建築の壮大な美に憧れたが、その複雑さに疲弊した結果、最小限の空間に美しさを凝縮した数式へ魅了されたと語った。そして世界の隅に潜む美を追求するためなら、アレイスターの配下と呼ばれることも厭わないと述べた。

博士は垣根を始末した後、『ピンセット』を回収し、『スクール』の残る正規要員も排除するつもりでいた。

垣根の反撃

しかし博士の予想は外れた。

突如として冷凍倉庫内部が大爆発を起こし、周囲のビルの窓ガラスまで吹き飛ばされた。爆発によって空中に散布されていた『オジギソウ』も一掃され、博士は制御を失った。

立ち込める粉塵の中から現れた垣根帝督には傷一つなかった。

博士が切迫した様子を見せる中、垣根は一二歳の冬に絶望したという博士の言葉を皮肉りながら、もう一度ここで絶望しろと告げた。博士による排除作戦は失敗に終わり、両者の対決は新たな局面へ入った。

第三章 超能力を封じられた土地で Reformatory.

馬場芳郎の孤立と恐慌

『メンバー』の馬場芳郎は、博士が垣根帝督との戦闘で敗れたことを知り、慌てて撤収を始めた。

馬場は第二二学区地下深くにあるVIP用核シェルター『避暑地』を拠点としていたが、超能力者の襲撃を恐れて脱出を試みた。しかしエレベーターも階段も封鎖され、シェルター全体が緊急閉鎖状態となっていた。

さらに外部から大量の水が流し込まれたことで出入口は完全に機能を失い、馬場は地下へ閉じ込められた。同じ『メンバー』の仲間へ救援を求めたものの拒絶され、通信回線までも切断された。脱出手段を失った馬場は、十分な食糧と酸素に囲まれていながらも恐怖と焦燥に飲み込まれ、精神的に追い詰められていった。

ブロックの侵入計画

第一一学区の倉庫街では、『ブロック』のメンバーが外壁突破の準備を進めていた。

衛星監視網が失われたことで外壁の警備能力は大幅に低下しており、その隙を利用して外部から五〇〇〇人の傭兵を侵入させる計画だった。佐久辰彦は警備ロボットの交代時間に生じる二〇分ほどの空白時間を利用すると説明し、下部組織の人員へ電気自動車の確保を命じた。

海原光貴は変装したまま計画を見守っていたが、傭兵の侵入を阻止しなければならないと判断していた。

海原の決断

外壁を登り始めた傭兵たちを見た海原は、自ら行動を起こすことを決意した。

トラウィスカルパンテクウトリの槍を用いて立体駐車場を破壊し、その崩落によって大規模な異常事態を発生させた。佐久たちは海原の裏切りに気付き銃撃を加えたが、崩れ落ちる建材が海原を守った。

海原は下水道へ逃れながらも攻撃を続け、結果として外壁周辺の異常を学園都市側へ通報させることに成功した。

六枚羽の出撃

第二三学区の制空権保全管制センターは緊急信号を受信し、最新鋭無人攻撃ヘリ『六枚羽』を出撃させた。

衛星監視を失った状況下だったため、通常の煩雑な手続きを省略して即座に出動命令が出された。『六枚羽』は外壁を登る五〇〇〇人規模の傭兵集団を敵と認識し、機銃やミサイルによる攻撃を開始した。

傭兵たちは次々と撃破され、外壁から転落する者も続出した。対空ミサイルによる反撃も試みられたが、『六枚羽』は電流を利用した迎撃機能で無力化した。

ブロックの壊滅

圧倒的な攻撃力の前に、『ブロック』の計画は崩壊した。

手塩恵未は傭兵を見捨てて撤退するよう佐久へ進言したが、佐久は激怒し海原への復讐を叫んだ。それでも傭兵たちは次々と排除され、侵入作戦は失敗へ向かった。

海原は瓦礫の陰で変装を解き、本来の姿へ戻った。しかし『六枚羽』は海原も敵と認識し、一機が照準を向けてきた。

一方通行の救援

海原が攻撃を受けそうになった瞬間、一方通行が現れた。

一方通行は無人攻撃ヘリの上へ飛び乗り、高速回転するローターを強引に掴んで停止させ、そのまま墜落させた。爆炎の中から現れた一方通行は、衛星通信用アンテナの破壊後に外壁周辺の騒動を知って駆け付けたことを明かした。

海原は『ブロック』が外部から傭兵を侵入させようとしていたことを説明した。一方通行は計画の意図を理解して舌打ちしつつも、すでに侵入者の大半は排除されたことを確認した。

その後、『六枚羽』は周囲の掃討を終えると第二三学区へ帰還していった。海原は二五〇億円もの価値を持つ兵器の圧倒的な戦闘力を改めて実感していた。

ブロックの目的判明

第一一学区の倉庫街で合流した土御門元春、一方通行、結標淡希、海原光貴は、事件の黒幕について情報を整理していた。

海原は『ブロック』と『スクール』が直接協力していたわけではなく、それぞれ独自の思惑で行動していたと説明した。その後、捕らえた傭兵への尋問が行われる。土御門は五〇〇〇人もの傭兵を集めた真の目的を問い詰め、傭兵は第一〇学区の少年院を襲撃する計画だったと明かした。

結標淡希の仲間が標的だった事実

傭兵は、少年院に収容されている座標移動の仲間を人質として利用する計画を語った。

『ブロック』は結標淡希がアレイスターへ通じる『案内人』であることを突き止めており、彼女の仲間を捕らえることで交渉材料にしようとしていたのである。その目的は『窓のないビル』の物資搬入路に関する情報を引き出し、多層同期爆弾によって内部からビルを破壊することだった。

結標は標的が自分の仲間だった事実に激しく動揺し、他の三人もその深刻さを理解して沈黙した。

少年院への移動と施設の調査

『グループ』の四人は救急車で第一〇学区の少年院へ向かった。

移動中、土御門は施設の情報を調査し、少年院には反逆者専用の地下房が存在する可能性を示した。一方通行は消防関連の資料から見取り図を辿る方法を提案し、その結果、地下房へ繋がる隠し階段の位置が判明した。

さらに土御門は、少年院内部には能力を完全には封じないものの、能力の使用を妨害し暴走を誘発する設備が多数設置されていると説明した。そのため、一方通行や結標のような強力な能力者ほど危険な状況になることが明らかになった。

不気味な静寂と大量の死体

少年院へ到着した四人は、施設の異様な静けさに違和感を覚えた。

ゲートを越えて内部へ進むと、そこには大量の傭兵の死体が転がっていた。拳銃やショットガン、ナイフなどによって死亡していたが、土御門は全員が自らの武器で命を絶っていることに気付いた。

その異常な光景を前にした直後、四人の前へ一人の少女が現れた。

メンバーのショチトル登場

少女は自らを『メンバー』の一員だと名乗った。

さらに海原を見るなり、本名であるエツァリと呼びかける。少女は顔を変化させ、本来の褐色の容姿を現した。その正体はショチトルだった。

ショチトルは海原が学園都市へ寝返った裏切り者であり、その処分のために全てを捨ててここへ来たと告げた。海原も彼女をかつて同じ組織に所属していたアステカの魔術師だと説明し、自分が食い止めるので先へ進んでほしいと仲間へ頼んだ。

役割分担と突入開始

その時、少年院内部から『ブロック』の傭兵たちが現れ始めた。

ショチトルは『ブロック』にも傭兵にも関心を示さず、標的である海原だけを見据えていた。一方通行は結標の能力が制限され、自身も能力を使いにくい状況を考慮し、自分が傭兵の足止めを担当すると決めた。

海原はショチトルとの戦いを引き受け、土御門と結標は少年院の奥へ進んで特別房に収容された仲間たちの救出へ向かうことになった。

四人は互いに頷き合い、それぞれの役目を果たすため行動を開始した。

特殊房への到達

土御門元春と結標淡希は、消防署の設計図から発見した隠し階段を下り、書類上は存在しない反逆者用の特殊房へ向かっていた。

途中で遭遇した傭兵たちは土御門が排除しながら進んだ。施設内ではAIMジャマーをはじめとする対能力者設備の影響が強まり、結標は能力の使用が危険な状態に置かれていた。そんな中、二人は通路の奥から金属をこじ開ける音を聞きつけ、警戒しながら現場へ踏み込んだ。

ブロックとの交渉開始

通路の先には佐久辰彦と手塩恵未がいた。

佐久は独房の扉にプラスチック爆弾を設置し、人質を盾にして結標へ交渉を持ちかけた。彼は結標が『窓のないビル』の案内人であることを見抜いており、その情報を利用してアレイスターへ到達しようとしていた。

結標は拒絶したが、能力を暴走させかねない環境下では強引な行動も取れず、佐久は優位を確信していた。

手塩の反発と佐久の失墜

しかし手塩は佐久のやり方に反対していた。

彼女は人質の役目は既に終わっていると主張し、無意味な脅迫を続ける佐久を批判した。だが佐久は人質を利用することに固執し、さらには手塩まで脅迫し始めた。

その瞬間、手塩は佐久を容赦なく殴り飛ばした。佐久は壁へ激突して戦闘不能となり、手塩は爆弾の信管を抜いて人質の危険を取り除いた。

その上で彼女は、人質を使うつもりはないが、結標本人から力ずくで情報を聞き出すと宣言した。

海原とショチトルの激突

一方、運動場では海原光貴とショチトルが対峙していた。

ショチトルは海原を裏切り者として断罪し、自らの術式を発動した。その力は相手の武器を支配し、自滅へ追い込むものだった。海原は黒曜石のナイフを逆に自分へ向けられ、やむなく手首の関節を外して危機を脱した。

さらにショチトルはアステカの剣マクアフティルを取り出して攻撃を仕掛けた。海原は彼女が本来使わないはずの戦闘的な術式や武器を扱っていることに強い違和感を覚えながらも応戦した。

海原の反撃

武器を使えない不利な状況の中で、海原はショチトルの剣の特性を見抜いた。

マクアフティルは鋭利ではあるが、骨ごと断ち切る構造ではないと理解した海原は、自らの右腕で剣を受け止めるという危険な策に出た。腕に深い傷を負いながらも刃を止め、その隙にショチトルへ蹴りを叩き込んで地面へ倒した。

海原は勝機を得たものの、かつての仲間である彼女の命を奪うことはできず、立ち去るよう告げた。

手塩の圧倒的な近接戦闘

特殊房では土御門と手塩の戦闘が始まっていた。

土御門は拳銃で応戦したが、手塩は巧みな体術で弾丸を回避しながら接近した。彼女は警備員として培った技術を独自に発展させた戦闘術を駆使し、土御門を圧倒する。

銃を弾き飛ばされた土御門は強烈なタックルを受けて戦闘不能に追い込まれた。

続いて結標も懐中電灯で攻撃を試みたが、手塩は容易く受け止め、裏拳と蹴りで独房の中へ吹き飛ばした。

アレイスター討伐の理由

独房内で対峙した結標と手塩は言葉を交わした。

手塩はアレイスターを支える生命維持装置を破壊するため、『窓のないビル』への侵入経路を求めていると説明した。対して結標は、その程度の計画でアレイスターを倒せるはずがないと断言する。

さらに結標は、アレイスターの計画は人類の想像を超える規模で進行しており、真実を追い求めても心の救いにはならないと語った。

しかし手塩は、自身の悲劇にアレイスターが関与していたかどうかを知りたいという思いだけは捨てられないと告げた。

結標の決意と反撃

能力を封じられた環境で、自分はただの少女だと思い込んでいた結標だったが、その考えを自ら否定した。

彼女は脳波制御用の治療器を引き剥がし、能力の暴走リスクを承知で座標移動を発動した。転移の精度は乱れ、足の一部が床に埋まるという過去の恐怖を再び味わうことになる。

それでも結標は仲間を守るために恐怖を押し殺し、鉄の杭を握り締めて前へ進んだ。自らのトラウマを乗り越える決意と共に手塩へ突撃し、ついに一撃を叩き込んだ。

結標の勝利

手塩は力を失いながらも、結標の攻撃に余裕があると呟いた。

実際には結標は杭の尖った先端ではなく、平らな後端で手塩を打っていた。致命傷を避けたその行動に対し、結標はそれが自分に求められるリーダー性だと答えた。

仲間を守るためだけでなく、相手を無意味に傷つけない選択を貫いたことで、結標は過去の弱さを乗り越える一歩を踏み出したのであった。

ショチトルの崩壊

海原光貴は、倒れていたショチトルの体が突然崩れ始めた光景に衝撃を受けた。

皮膚の下には肉体が存在せず、まるで空洞が広がっているような状態だった。ショチトルは、自らの限界が訪れただけだと語り、足りない力を魔道書で補った結果だと明かした。

さらに彼女は、自分の肉体を粉末化して周囲へ散布し、それを自らの身体の一部として扱うことで武器を支配する術式を成立させていたと説明した。

原典との融合の発覚

海原はショチトルの状態を観察する中で、その異常が通常の術式では説明できないことに気付いた。

崩壊していく皮膚の内側に刻まれた文字を目にした瞬間、彼は激しい苦痛に襲われる。それは写本ではなく、本物の魔道書の原典だった。

海原は、ショチトルが原典と融合し、その一部となることで強大な力を得ていたのだと理解した。武器を持つ者を自滅させる術式も、原典が持つ防御機能の一種だったのである。

ショチトルを救う決意

ショチトルは組織から裏切り者の処分を命じられ、自らの命を削りながら任務を遂行していた。

海原は組織の変貌に怒りを覚えながらも、彼女を見捨てることができなかった。しかし原典を破壊すればショチトルも死ぬため、その方法は取れなかった。

そこで海原は、原典が知識の継承者を求める性質を利用することを思いついた。自らが新たな所有者になると原典に認識させれば、ショチトルを失うことなく原典を引き離せるかもしれないと考えたのである。

危険を承知の上で、海原はショチトルを救うため全てを受け入れる決意を固めた。

仲間たちとの再会

一方、結標淡希は血まみれになりながら独房の外へ出ていた。

根本的な問題は何も解決しておらず、仲間たちは依然として命を握られた状態にあった。しかし独房の小窓越しに聞こえた仲間たちの声は、結標を信じていて正解だったと伝えていた。

その言葉には、自分たちを助けに来てくれたことへの感謝と安堵が込められていた。結標はしばらく言葉を失ったが、長い時間をかけてわずかな言葉を返した。

グループの再集結

結標が階段を上がって外へ出ると、一方通行と海原もそこにいた。

それぞれが激しい戦いを経て傷を負っていたが、『グループ』の四人は再び合流を果たした。

何も語らない結標を見ながら、土御門元春は戻るか、闇の中へと告げた。

こうして『グループ』の四人は再び歩き出したのであった。

行間 三

制御役への連絡

彼女は護衛も付けず、一般人に紛れて街中を歩いていた。

片手には五つの風船を持ち、もう片方の手で携帯電話を使っていた。電話の相手は『ブロック』の制御役であり、自分なら再び『ブロック』を掌握して学園都市への被害を防げるため、情報や配置に関する制限を解除してほしいと訴えていた。

しかし彼女は、『グループ』によって少年院で『ブロック』が行動不能になったため、もはや問題は解決していると告げた。

制御役の排除決定

『ブロック』の脅威が消えたと聞いた電話の相手は安堵した。

だが彼女は、その脅威を制御する役目を担っていた相手も不要になったと冷静に告げた。

電話の向こうでは慌てて何かを訴えていたが、彼女は耳を貸さなかった。それは既に彼女たちの間で決定された事項だったからである。

彼女は通話を切り、人混みの中を歩き続けた。

次の標的への関心

歩きながら、彼女は持っていた風船の一つを手放した。

空へ消えていく風船には目も向けず、残った風船の紐を指先で弄びながら、次は『スクール』の制御役がどのような反応を示すのかと考えていた。

こうして彼女は、次の対象へ意識を向けていたのであった。

第四章 自嘲と誇りの紙一重の違い Enemy_Level5.

浜面への暴行と反撃

浜面仕上は、灰となった人間を生ゴミとして処分できず川へ流した後、自分の行為を自己満足だと理解しながらも複雑な思いを抱えていた。そして『アイテム』の元へ戻ろうとした途中、不良グループに襲撃された。

不良達はかつて駒場率いるスキルアウトの活動によって思うように稼げなかった恨みを語りながら浜面を集団で暴行した。しかし浜面は、灰となって消えた人間のことを思い出し、自分の命の軽さへの怒りを募らせる。そして落ちていた鉄パイプを手に取り、不良の足首を砕いて反撃した。さらに攻撃を続けたが、金槌を持った別の不良が現れ、激しい乱闘へ発展しかけた。

半蔵との再会

乱闘の最中、誰かが投げた物によって不良が倒され、浜面は腕を掴まれてその場から連れ出された。助けたのはかつて同じスキルアウトに所属していた半蔵だった。

半蔵は、生き残りたければ勝敗への執着を捨てるべきだと諭した。浜面が自分のせいでスキルアウトが崩壊したのではないかと問うと、半蔵は誰がリーダーになっていても結果は変わらなかったと答えた。二人はかつての仲間達と過ごした日々を振り返り、それが楽しかったことを認め合った。

その後、半蔵は護身用として小型拳銃を浜面へ渡した。浜面はそれを受け取り、『アイテム』の元へ向かった。

『アイテム』への帰還と新たな作戦

浜面が第三学区の高級会員制施設内にある『アイテム』の隠れ家へ戻ると、そこには麦野沈利、滝壺理后、絹旗最愛がいた。麦野はフレンダが消えたことを告げ、『アイテム』は今後三人で活動すると説明した。

さらに麦野は、『スクール』に奪われた『ピンセット』を取り返すため反撃に出ると宣言した。滝壺の能力追跡を使えば、『スクール』の指導者である未元物質の位置を特定できるからである。

垣根帝督の襲撃

滝壺が体晶を服用して能力を発動すると、未元物質がこの建物内に存在すると判明した。その直後、個室サロンの扉が蹴破られ、『スクール』を率いる垣根帝督が姿を現した。

垣根は『ピンセット』を手に現れ、麦野と応酬を交わした。その最中、絹旗は巨大なテーブルを投げつけて攻撃を開始したが、垣根には通用しなかった。

滝壺救出のための撤退

戦力差を理解した絹旗は、浜面と滝壺を連れてその場から離脱した。移動しながら、垣根の本当の狙いは能力追跡を持つ滝壺であり、彼女を失えば『アイテム』は追跡能力を失うと説明した。

絹旗は滝壺へスタンガンを渡し、二人に逃走を命じた。そして自らは垣根達を引きつけるため戦場へ戻っていった。

絹旗と垣根の対峙

絹旗は施設内で『スクール』の構成員を排除していたが、遠距離からの磁力狙撃砲による攻撃を受けた。しかし能力による防御で致命傷を避けると、携行型対戦車ミサイルの弾頭を利用して狙撃手を攻撃し、撃破した。

その後、垣根帝督が姿を現した。垣根は絹旗の能力や過去の実験について言及しながら、滝壺の居場所を尋ねた。絹旗は応じる気配を見せず、近くのベンチを投げつけて攻撃した。

しかし垣根の未元物質による攻撃によってベンチは粉砕され、絹旗自身も吹き飛ばされた。垣根は倒れた絹旗を見下ろしながら、彼女がまだ生存していることを理解し、部下に回収を命じた。

滝壺との別れ

浜面仕上と滝壺理后はエレベーターホールへ逃げ込んだが、そこで垣根帝督に追いつかれた。垣根は捕らえた絹旗最愛を投げ捨てながら、滝壺こそが『アイテム』の中核であると見抜いていた。

浜面は滝壺だけでも逃がそうと考え、エレベーターへ乗るよう指示した。しかし滝壺は逆に浜面をエレベーター内へ押し込み、自らが垣根の前に残った。そして電子炉で灰になった人間の話を聞いたことを明かし、自分が浜面を守ると告げた後、エレベーターの扉は閉じた。

浜面の決意

一人になった浜面は、滝壺が自分を助けるために残った事実を受け止めた。能力者は無能力者を軽視していると思っていたが、滝壺は違った。

浜面は断崖大学データベースセンターで聞いた無能力者の言葉を思い出し、自分にも進むべき道があると再認識した。そして再び二五階へ戻ることを決意し、自ら戦場へ引き返した。

滝壺の敗北と心理定規の介入

二五階へ戻った浜面は、絹旗最愛と滝壺理后が倒れている光景を目にした。垣根は滝壺が自分の能力へ干渉しようとしたことを認め、その潜在能力を評価した。

浜面は拳銃を向けたが、そこへドレス姿の少女が現れた。その少女は心理定規と名乗り、人との心理的距離を操作する能力によって浜面の行動を封じた。浜面は拳銃を持ちながらも彼女を撃つことができなくなり、完全に行動を制限された。

滝壺の危機と『体晶』の真実

垣根は滝壺が使用していた『体晶』について説明した。それは能力を暴走させる薬物であり、滝壺はその力によって戦っていたという。

さらに垣根は、このまま能力をあと一、二回使えば滝壺は崩壊すると告げた。心理定規も、滝壺が自らの意思で『スクール』と戦い続けた結果だと説明した。

その後、垣根と心理定規は浜面達を放置したまま立ち去った。

滝壺を守るための逃走計画

浜面は倒れた滝壺を見つめながら、『アイテム』へ戻せば危険な状態でも能力を使わされ続けると考えた。そして滝壺を組織から遠ざける決意を固めた。

絹旗もその判断を支持し、情報隠蔽部隊と救急車の手配だけを依頼した。浜面は滝壺を連れて逃げる準備を進めたが、その途中で麦野沈利から連絡を受けた。麦野は『スクール』への反撃のため、滝壺の能力を使わせるよう命じた。

しかし浜面は命令に従わず、滝壺を連れて逃亡した。

黄泉川への託しと麦野の出現

浜面は滝壺を連れて黄泉川愛穂のもとへ向かった。黄泉川は警備員として事情を問いただそうとしたが、浜面は滝壺が危険な状態にあることだけを必死に訴え、安全な場所へ連れて行くよう頼み込んだ。

その時、血まみれの麦野沈利が現れた。麦野は裏切ったフレンダを粛清したと語り、その上半身だけとなった遺体を見せつけた。

浜面は滝壺を黄泉川へ託し、自分が時間を稼ぐから逃げてくれと懇願した。黄泉川は説得を受け入れ、滝壺を乗せてその場を離れた。

麦野との対決

黄泉川を見送った直後、浜面は麦野に吹き飛ばされた。麦野は能力ではなく腕力だけで浜面を圧倒しながらも、滝壺を利用して『スクール』を追跡することを諦めていなかった。

そこで浜面は、滝壺の能力発動に必要な『体晶』を持ち出していることを明かした。そして麦野に渡さないため、自ら橋の欄干を越えて地下鉄へ飛び降りた。

地下鉄への飛び降りと麦野の追撃

浜面は走行中の地下鉄車両の屋根へ飛び移ることに成功した。体を激しく打ちつけながらも、これで『体晶』を守れると考えた。

しかし麦野も橋から飛び降り、能力で地下鉄の電線を切断して列車を緊急停止させた。列車が止まり、浜面が振り返ると、遠くの線路上には麦野沈利が立っていた。

麦野の口の動きから、浜面は自分が完全に標的とされたことを理解した。彼女は浜面へ向けて、ブチ殺し確定ねと告げていた。

麦野の追跡と工場への逃走

列車の屋根から逃れた浜面仕上は、地下鉄の線路脇から地上へ駆け上がった。しかし麦野沈利も執拗に追跡しており、人混みの中でも浜面を見失わなかった。

浜面は逃走の末、植物性エタノール燃料を製造する工場へ逃げ込んだ。だが直後に麦野が現れ、一撃で浜面を吹き飛ばしたため、彼は工場の上階へ逃げ込みながら活路を探った。

麦野の能力の分析

工場内の複雑な機材群に身を隠した浜面は、これまでの戦闘を思い返しながら麦野の能力を分析した。

麦野の攻撃は圧倒的な威力を持つ反面、精密な照準が必要であり、不意打ちには弱いのではないかと考えた。遮蔽物の多い工場なら勝機があると判断したが、その直後に麦野の『原子崩し』が放たれた。

原子崩しによる破壊

麦野は『原子崩し』を解放し、工場内の機材や壁を次々と破壊した。特殊な電子線による攻撃は遮蔽物を無意味なものに変え、工場全体を瓦礫の山へ変貌させた。

浜面は直撃こそ免れたものの、飛散した金属片によって肩を負傷した。隠れる場所を失った彼は、破壊された工場内を逃げ回るしかなかった。

滝壺を巡る対立

逃走を続ける浜面に対し、麦野は滝壺理后と『体晶』を引き渡すよう要求した。『スクール』への復讐のためには滝壺の能力が必要だと主張したのである。

しかし浜面は、滝壺が限界に達していることを理由に拒否した。そして麦野が垣根帝督に勝てないことや、自分の執着のためだけに滝壺を犠牲にしようとしていることを指摘した。

さらに、滝壺のような優しい人間こそ幸せになるべきだと訴え、彼女を守る決意を改めて示した。

至近距離での攻防

麦野は浜面の背後へ回り込み、ドライバーを耳に突き立てながら『体晶』を差し出すよう迫った。

激痛に耐えながらも浜面は振り返り、『体晶』のケースを使って麦野の顔を切り裂いた。その攻撃は右目を潰し、麦野に大きな損傷を与えた。

怒り狂った麦野は能力の暴走によって左腕を失いながらも攻撃を続け、浜面を押し倒して首を締め上げた。

浜面の反撃

追い詰められた浜面だったが、麦野の性格を利用していたことを明かした。

最初から拳銃を使わなかったのは、自分が武器を持っていないと思わせるためだった。麦野が勝利を誇示し、近距離まで接近したことこそが決定的な隙だったのである。

浜面は袖に隠していた小型拳銃を取り出し、至近距離から弾丸を撃ち込んだ。複数の銃弾を受けた麦野は倒れ込み、動かなくなった。

最後の決着

浜面は勝利を確信したが、麦野は再び立ち上がった。全身が傷だらけとなりながらも、なお『原子崩し』を発動しようとしたのである。

弾切れとなった拳銃を捨てた浜面は、逃げることなく麦野へ突進した。そして覚悟を決めた一撃を正面から叩き込み、ついに麦野を完全に打ち倒した。

戦いを終えた浜面は黄泉川へ連絡し、全てが終わったと報告した。

半蔵との再会

工場の外へ出た浜面の前に、半蔵が現れた。半蔵は浜面がたった一人で超能力者を倒したことを知っており、その功績を認めた。

浜面は以前渡されたレディース用拳銃のおかげで助かったと礼を述べた。半蔵はスキルアウトへ戻るよう誘ったが、浜面はやるべきことができたと答えて断った。

半蔵は無理に引き留めず、用事が終わったら戻って来いと告げた。二人は軽く拳を合わせ、それぞれの道へ歩き出した。

行間 四

アレイスターへの対抗策

ドレスの少女はホテルでの仕事を終えて『スクール』の隠れ家へ戻った。彼女は金銭で築かれる人間関係について語り、仕事中心の人間にとって金で得られる交流が精神的な救いになっていると説明した。一方、垣根帝督はその話にほとんど興味を示さなかった。

『アイテム』壊滅の報告

ドレスの少女は、『アイテム』が仲間割れによって行動不能になり、麦野沈利が倒れたことで組織の維持力を失ったと報告した。垣根は自分の攻撃で麦野が倒れたわけではないことに気付き、誰が第四位の超能力者を倒したのか考えた末、滝壺理后を守ろうとしていた無能力者の浜面仕上に思い至った。二人は浜面が麦野を倒した可能性を認識した。

『ピンセット』による解析

ドレスの少女は『ピンセット』の解析結果を尋ねた。垣根は、学園都市統括理事長アレイスターが情報を集める仕組みの正体が『滞空回線』であると明かした。

『滞空回線』は街中に無数に存在する極小の機械であり、空中を漂いながら情報を収集し、量子信号による巨大な情報網を形成していた。そして『窓のないビル』へ情報を届ける重要な役割を担っていた。

本来なら情報の抽出は困難だったが、『ピンセット』によって『滞空回線』内部の情報へアクセスできるようになっていた。しかし垣根は、得られた情報だけではアレイスターと対等に渡り合うには不足していると判断した。

一方通行抹殺計画

垣根はアレイスターとの交渉を有利に進めるためには、『第二候補』ではなく唯一無二の『第一候補』になる必要があると考えていた。そのためには学園都市第一位の超能力者である一方通行を殺すしかないと結論づけた。

ドレスの少女は、自身の能力『心理定規』によって一方通行の攻撃を躊躇させられる可能性はあるものの、一方通行の性格は予測不能であり、逆に激しい攻撃を受ける危険もあるとして協力を拒否した。垣根はその返答に特に執着を見せず、ドレスの少女は隠れ家を後にした。

垣根の決意

一人残った垣根帝督は、『ピンセット』を眺めながら静かに笑った。そして次なる標的として、一方通行の名を口にしたのであった。

第五章 最強の黒い翼に打ち勝つ者 Dark_Matter.

一方通行への接触

『ブロック』壊滅後、一方通行は第七学区へ戻り、コンビニで缶コーヒーを購入していた。その途中で土御門の携帯電話から連絡が入るが、応答した相手はアレイスターだった。

アレイスターは『ブロック』による統括理事長暗殺未遂事件の終結を労い、その報酬として打ち止めの命に関わる情報を提供すると告げた。

打ち止めと初春の捜索

その頃、初春飾利と打ち止めはオープンカフェにいた。迷子を捜していた打ち止めだったが疲れ切っており、初春は大型甘味パフェを楽しんでいた。

やがて打ち止めは喫茶店の景品に気を取られ、自分の所持金を思い出して一人で駆け出した。初春が一人になると、そこへ垣根帝督が現れ、打ち止めの居場所について尋ねた。

初春は知らないと答えたが、垣根は彼女が打ち止めと一緒にいたことを見抜いていた。

初春への拷問と抵抗

垣根は突如初春を殴り倒し、肩を踏みつけて関節を外した。周囲の人々は恐怖から距離を取るだけで、誰も助けに入ろうとはしなかった。

垣根は打ち止めの居場所を教えれば解放すると告げたが、激痛と恐怖に晒されながらも、初春は打ち止めが絶対に見つからない場所にいると答え、最後まで情報を明かさなかった。

垣根は初春を敵と見なし、殺害しようとした。

一方通行の介入

垣根が初春を踏み潰そうとした瞬間、ATMが破壊され、その破片が垣根へ激突した。

現れたのは一方通行だった。一方通行は垣根を挑発し、垣根もまた初春への追及を打ち切って、一方通行との戦いへ意識を向けた。

二人は互いに隠蔽など気にせず、学園都市第一位と第二位として真正面から激突した。

未元物質による攻略

戦闘の中で垣根は、自らの能力『未元物質』について語った。

『未元物質』はこの世界に存在しない物質であり、既存の物理法則に従わない。その性質を利用して太陽光や烈風の性質を書き換え、一方通行の反射能力を解析していった。

さらに、一方通行が無意識に許容しているベクトルを逆算し、その隙を突くことで初めて一方通行へ有効打を与えることに成功した。

アレイスターへの執着

戦いながら垣根は、自らの目的がアレイスターとの直接交渉権を手に入れることだと明かした。

そのためにアレイスターの複数の計画を潰し、自分自身が代替不可能な存在となることで学園都市の中枢に食い込もうとしていた。そして、その障害となる第一位の一方通行を排除しようとしていたのである。

悪党としての違い

垣根は、一方通行も戦闘の余波で一般人を危険に晒していると指摘した。しかし一方通行は、それを否定しなかった上で、自分は戦闘中も一般人を守り続けていたと示した。

実際には破壊された街並みに反して怪我人はおらず、ガラス片や瓦礫は見えない力によって逸らされ、人々は守られていた。

垣根はその事実に衝撃を受ける。一方通行は、自分たちの違いは単なる能力の順位ではなく、その間に絶対的な壁があるのだと告げた。

決着への激突

激昂した垣根は六枚の翼へ力を集中させ、一方通行の急所を狙った。一方通行は、未元物質すら新たな法則として再定義し、自らの演算に組み込めばよいと断言した。

互いの殺意が極限まで高まる中、二人は最後の一撃を交差させた。

そして、その一瞬の激突によって、学園都市第一位と第二位の勝負は決着したのであった。

黄泉川の制止と一方通行の葛藤

スクランブル交差点の戦いに勝利した一方通行は、倒れた垣根帝督へ拳銃を向けていた。打ち止めや一般人を利用しようとした垣根を見逃すつもりはなく、自らの悪党としての生き方を貫こうとしていた。

しかし、その場へ黄泉川愛穂が駆けつけた。黄泉川は武器を持たず、一方通行に銃を渡すよう求めた。そして善悪に関係なく、一方通行を暗い世界から連れ戻すことを諦めないと告げた。

銃を下ろした一方通行

黄泉川の言葉を聞いた一方通行は、彼女を敵と認識しながらも殺すつもりはなかった。守るべき存在の一人である黄泉川を傷つけず、自らの道を進もうとしたのである。

だが引き金を引こうとした瞬間、黄泉川は近づいて拳銃を握る手を包み込んだ。そして、お前はその程度の悪党ではないと告げながら弾を抜き取った。

一方通行は抵抗できず、その結末を呆然と受け入れた。

黄泉川への襲撃

その直後、気絶していたはずの垣根帝督が再び動き出した。彼は白い翼を操り、黄泉川の脇腹を貫いた。

垣根は、一方通行が黄泉川の言葉によって垣根を殺す理由を失おうとしたことに激しく憤っていた。自分たちが生きる闇の世界に救いなど存在しないと叫び、一方通行を非難した。

さらに垣根は黄泉川へ攻撃を加え続け、一方通行を挑発した。

悪を選ぶ決意

黄泉川が傷つけられる姿を見た一方通行は、自らの迷いが悲劇を生んだと認識した。

闇の世界に生きると決めたにもかかわらず、一瞬でも光の側へ手を伸ばそうとした結果、優先すべき垣根の排除が遅れたのである。

その後悔から、一方通行は今度こそ徹底した悪になることを決意し、垣根を粉砕すると誓った。

黒い翼の暴走

激しい怒りの中で、一方通行の背中から黒い翼が噴き出した。その力は理性すら押し流すほど強大であり、周囲の建物や道路を破壊しながら広がっていった。

垣根はその力を見て歓喜し、自らも覚醒した未元物質の翼を解放した。両者は人の領域を超えた力を振るい、再び激突した。

垣根帝督の敗北

覚醒した力によって勝利を確信した垣根だったが、一方通行は圧倒的な力でそれを上回った。

一方通行は黒い翼をほとんど動かすことなく垣根を地面へ叩き潰し、その右腕を引き千切った。垣根は何が起きているのか理解できないまま追い詰められていった。

やがて一方通行は垣根の目前まで歩み寄り、圧倒的な暴力で一方的な攻撃を加え始めた。

黄泉川と警備員たち

一方通行の暴走を前に、黄泉川は意識を取り戻した。そこへ警備員や装甲部隊、攻撃ヘリが集結し、一方通行への対処を始めようとしていた。

しかし黄泉川は、それを認めなかった。自分たちが守るべき子供へ銃を向けるべきではないと訴え、一方通行を説得しようとした。

それでも黒い翼の放つ絶望的な重圧の前に、誰も有効な手段を見いだせずにいた。

打ち止めの到着

その時、打ち止めが現場へ辿り着いた。

誰も近づけないほど危険な状況だったが、打ち止めは恐れずに一方通行へ歩み寄った。そして、見つけたよと穏やかに声を掛けた。

一方通行は振り向きざまに黒い翼で攻撃したが、その攻撃は打ち止めの直前で停止した。黄泉川は、その翼を止めているのが一方通行自身であることに気付いた。

希望による制止

警備員の発砲をきっかけに、一方通行は再び攻撃態勢へ入った。しかし打ち止めがストップと告げると、警備員たちへ向けられた黒い翼は停止した。

打ち止めはもう大丈夫だと語り、一方通行へ手を差し伸べた。一方通行は何度も黒い翼を振るったが、その攻撃はすべて打ち止めの手前で止まった。

彼の中では、全てを捨てたいという衝動と、打ち止めを守りたいという想いが激しくぶつかり合っていたのである。

暴走の終息

やがて最後の一撃も打ち止めへ届くことはなく、一方通行の動きは止まった。

黒い翼は静かに消え去り、一方通行の体から力が抜けた。打ち止めは両腕を広げて彼を受け止め、一方通行はその胸元へ倒れ込んだ。

押し潰されそうになりながらも打ち止めは抱き留め、耳元で良かったと静かに告げた。

終章 生き残った者が得る戦利品 Nano_Size_Data.

暗部戦後の一方通行

気が付くと一方通行は特殊な救急車の中にいた。その車両は通常の病院へ向かうものではなく、別の施設へ搬送するためのものだった。

そこへ電話がかかってきた。一方通行は今回の件について咎められたが、自分を止めようとした者だけが文句を言う資格を持つと返した。相手は垣根帝督に関する情報を渡したことを認めつつ、一方通行が本当に温もりのある場所へ戻るつもりなのかと問い掛けた。

一方通行は迷わず答え、学園都市や上層部を出し抜く決意を新たにした。そしてチョーカー型電極の設計図が入ったUSBメモリを手にしながら、その実現へ向けて進むことを誓った。

海原光貴と原典の継承

海原光貴は病院を後にした。

ショチトルは目的を果たせず、魔道書の原典も失ったまま生かされていた。しかし海原は彼女が生き延びたことに救いを感じていた。

一方で海原自身は原典を受け入れた代償として激しい苦痛に苦しんでいた。それでも原典は大きな力を秘めており、今の彼には必要なものであった。

海原はショチトルが属していた組織と再び向き合う必要性を感じ、その真相を探るために歩み始めた。

結標淡希の決意

結標淡希は遠くから少年院を見つめていた。

学園都市の暗部に協力する代わりに仲間の安全を保証されていたにもかかわらず、実際には少年院襲撃時に十分な支援は行われなかった。その現実から、上層部の言葉を無条件で信じることはできないと悟った。

しかし現状では反旗を翻すこともできず、仲間たちを救い出す術もなかった。

それでも結標は今回の出来事を忘れず、自らの力で仲間を守るための道を築くことを決意した。そしていつか少年院から仲間たちを救い出すと誓い、その場を後にした。

グループの再集結

その後、一方通行、土御門元春、海原光貴、結標淡希の四人は再び集結した。

土御門の手には垣根帝督が所持していた『ピンセット』があった。それは大気中に存在するナノデバイス『滞空回線』を解析するための装置だった。

『滞空回線』は学園都市の統括理事長アレイスターの情報網を形成する重要な存在であり、その内部には高機密情報が保存されていた。

滞空回線の解析結果

解析によって、『グループ』『スクール』『アイテム』『メンバー』『ブロック』といった暗部組織の情報や、『ピンセット』『ひこぼし二号』『少年院の見取り図』などの機密情報が発見された。

結標はそれらが上層部による監視記録に過ぎないと指摘したが、土御門はさらに重要な情報があると告げた。

全員が注目する中、最後に表示された機密コードの名称は『ドラゴン』だった。

戦いを終えた四人は、その新たな手掛かりを得たことで再び動き出すことになった。

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「ヘヴィーオブジェクト」

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e9ca32232aa7c4eb96b8bd1ff309e79e 小説「とある魔術の禁書目録(2)」感想・ネタバレ
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