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とある魔術の禁書目録フィクション(Novel)読書感想

小説「とある魔術の禁書目録(22)」感想・ネタバレ

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とある魔術の禁書目録 22の表紙画像(レビュー記事導入用) とある魔術の禁書目録

とある魔術の禁書目録(21)レビュー
【とある魔術の禁書目録】あらすじ・ネタバレ・まとめ
新約 とある魔術の禁書目録(1)レビュー

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  1. 物語の概要
    1. ■ 作品概要
    2. ■ 主要キャラクター
    3. ■物語の特徴
  2. 書籍情報
  3. あらすじ・内容
  4. 感想
  5. 考察・解説
    1. 右方のフィアンマ
    2. 上条当麻の右腕
    3. 打ち止めの救出
    4. 学園都市の闇
    5. 第三次世界大戦
  6. 登場キャラクター
    1. 学園都市
      1. 上条当麻
      2. 浜面仕上
      3. 滝壺理后
      4. 一方通行(アクセラレータ)
      5. 打ち止め(ラストオーダー)
      6. 番外個体(ミサカワースト)
      7. 麦野沈利
      8. 御坂美琴
      9. 妹達(シスターズ)
      10. 風斬氷華
      11. アレイスター=クロウリー
      12. ヘルメットのスーツ女
      13. 学園都市の暗殺部隊
      14. 学園都市の男
      15. 駆動鎧を操っていた人間
      16. 学園都市の回収部隊
    2. ローマ正教
      1. 右方のフィアンマ
      2. 後方のアックア(ウィリアム=オルウェル)
      3. マタイ=リース
      4. ペテロ=ヨグディス
      5. 若い神父
    3. ロシア成教
      1. ニコライ=トルストイ
      2. ワシリーサ
      3. サーシャ=クロイツェフ
      4. クランス=R=ツァールスキー(総大主教)
      5. ロシア成教の魔術師
      6. 魔術師の女
      7. 刺客
    4. イギリス清教
      1. インデックス
      2. ステイル=マグヌス
      3. ローラ=スチュアート
      4. イギリス清教のシスター
    5. イギリス
      1. キャーリサ
      2. 騎士派の男達
    6. フランス
      1. 傾国の女
      2. フランスの魔術師達
    7. エリザリーナ独立国同盟
      1. エリザリーナ
    8. 新たなる光
      1. レッサー
    9. 明け色の陽射し
      1. 金髪の少女
      2. マーク
      3. 礼服の男達
    10. 元アニェーゼ部隊
      1. 元アニェーゼ部隊のシスター達
    11. 元占星施術旅団
      1. 老人
      2. 青年
      3. 女性
    12. ロシア
      1. ディグルヴ
      2. グリッキン
      3. ロシア軍の女性兵士
      4. 独立部隊の将校クラス
      5. 集落の人々
    13. 天使・超常的存在
      1. ミーシャ=クロイツェフ(ガブリエル / 神の力)
      2. エイワス
    14. その他
      1. オッレルス
      2. 金髪の女
  7. 展開まとめ
    1. 戦況報告
    2. 第九章 巨大な歪みを正す時 Broken_Right_Hand.
    3. 行間 六
    4. 第一〇章 最終術式下準備完了 Rebirth_the…
    5. 行間 七
    6. 第一一章 黄金に輝く天空にて Star_of_Bethlehem.
    7. 行間 八
    8. 第一二章 北極海の最後の決着 Last_Fight.
    9. 終章静寂と少年の終わり Silent_to_Small_Fire.
    10. 終戦宣言
  8. 同シリーズ
    1. とある魔術の禁書目録
    2. 外伝
    3. とある暗部の少女共棲
    4. 同著者シリーズ
    5. ヘヴィーオブジェクトシリーズ
  9. その他フィクション

物語の概要

■ 作品概要

『とある魔術の禁書目録(22)』は、科学技術が極度に発達した「学園都市」と宗教を背景とする「魔術サイド」が交差する世界を描いたライトノベルである。本作は、両陣営が激突した第三次世界大戦の完結編にあたる。 ロシア上空に巨大要塞『ベツレヘムの星』が浮遊し、ローマ正教の暗部である右方のフィアンマが人類救済と称する計画を発動する。しかしそれは、人類史上でも未曾有の大災害を意味していた。上条当麻はインデックスを解放し、フィアンマの計画を食い止めるために単身で立ち向かう。一方通行は大天使を退け、打ち止めを救済するための禁断の解法へ辿り着く。浜面仕上は滝壺理后を守るため、宿敵である麦野沈利や学園都市の暗殺部隊と死闘を繰り広げる。三人の少年たちがそれぞれの想いを胸に過酷な戦場を駆け抜け、ついに世界規模の戦争が終結を迎える物語となっている。

■ 主要キャラクター

  • 上条当麻:あらゆる異能を打ち消す「幻想殺し」を右手に宿す学園都市の高校生である。フィアンマの野望を阻止し、インデックスを救うため、天空の要塞『ベツレヘムの星』で彼と直接対峙する。
  • 一方通行(アクセラレータ):学園都市第一位の超能力者である。瀕死の打ち止めを救うため、能力者には禁忌である魔術を行使し、身体への甚大なダメージに耐えながら祈るように戦い抜く。
  • 浜面仕上:学園都市の無能力者の少年である。滝壺理后の身の安全を確保するため、暴走した麦野沈利を説得し、学園都市の闇である「素養格付」の事実に直面しながらも決して諦めずに抗う。
  • 右方のフィアンマ:ローマ正教の暗部『神の右席』の最後の一人であり、第三次世界大戦を引き起こした黒幕である。巨大要塞『ベツレヘムの星』と大天使を操り、歪んだ世界を自らの手で正すという独善的な目的のために行動する。
  • 麦野沈利:学園都市第四位の超能力者である。能力を強制的に暴走させる「体晶」を用いて怪物と化し浜面を襲うが、彼の言葉によってかつての仲間の絆を思い出し、共に新たな敵を迎え撃つ。
  • 御坂美琴:学園都市第三位の超能力者である。ロシアへ駆けつけ、圧倒的な戦闘力で独立部隊による核ミサイル発射を阻止する。その後も上条を救出するために戦闘機に乗って『ベツレヘムの星』へ接近を試みる。
  • インデックス:一〇万三〇〇〇冊の魔道書の知識を記憶する少女である。フィアンマの遠隔制御霊装によって操られていたが、上条の活躍によって解放され、意識を取り戻す。

■物語の特徴

本作の特徴は、科学陣営と魔術陣営が激突する「第三次世界大戦」編の堂々たる完結というスケール感にある。『ベツレヘムの星』の浮上や大天使ミーシャの降臨といった超常的な脅威に対し、国家や宗派の枠を超えて人々が共闘する展開は非常に迫力がある。 他作品と明確に異なる魅力は、世界を救うという大義名分ではなく、「目の前のたった一人の少女を救う」という三人の主人公たちの純粋な動機である。第一位の超能力者が己の身を削って禁断の魔術に手を伸ばし、無能力者が学園都市の残酷な才能評価システムに直面しても立ち上がり、上条当麻が右腕を切断されながらも強敵の幻想を打ち砕く。彼らの泥臭くも決して諦めない信念が戦場で交差し、最終的に世界を滅亡の危機から救い出すという群像劇の極致が、読者の心を強く揺さぶるポイントとなっている。

書籍情報

とある魔術の禁書目録 22
(A Certain Magical Index)
著者:鎌池 和馬 氏
イラスト:はいむらきよたか 氏
出版社:株式会社KADOKAWA電撃文庫
発売日:2010年10月10日
ISBN:9784048689724

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あらすじ・内容

ローマ正教の暗部『神の右席』最後の一人、右方のフィアンマ。彼の企てる『計画』が、ついに発動する。第三次世界大戦下のロシア上空に浮遊した巨大要塞『ベツレヘムの星』。十字教信者だけでなく、全世界の人間を「救う」と言われるそれは、しかし人類史上でも未曾有の大災害が発生することを意味していた。フィアンマが『浄化』と呼ぶその謀略が蠢く中、三人の少年は自らの想いを胸に戦い続ける。浜面仕上は、滝壺理后(たきつぼりこう)の治療を終え、クレムリン・レポートを未然に防ごうと動いた直後、宿敵・麦野沈利と相まみえた。一方通行(アクセラレータ)は、大天使ミーシャをかろうじて退け、ついに打ち止め(ラストオーダー)を救う『とある解法』に行き当たる。しかしそれはまさに禁断の一手だった。そして上条当麻は、『ベツレヘムの星』計画を食い止めるため、インデックスを解き放つため、単身フィアンマに挑む……!

とある魔術の禁書目録(22)

感想

読んでまず感じたのは、長く続いた第三次世界大戦編の集大成にふさわしい一冊だったということである。

上条当麻、一方通行、浜面仕上という三人の主人公が、それぞれ大切な人を守るために戦い続けてきた物語がついに一つの決着を迎える。最後まで緊張感のある展開が続き、非常に読み応えがあった。

特に印象に残ったのは浜面の活躍である。

滝壺を守るために戦い続けてきた彼だが、本巻ではついに麦野との因縁にも決着がつく。

これまで執念深く追い続けてきた麦野と和解へ至る展開には驚かされたが、同時にどこか安心する気持ちにもなった。

さらにロシア市民たちと協力しながら学園都市の暗殺部隊へ立ち向かう姿も印象的だった。

超能力も特別な力も持たない浜面だからこそ、その行動力や覚悟がより格好良く見える。

読んでいて改めて感じたのは、浜面の魅力は普通の人間だからこその強さにあるということだった。

一方通行の物語も非常に熱かった。

打ち止めを救うために、自らが忌避してきた魔術へ手を伸ばす姿には強く心を動かされた。

科学側の象徴とも言える彼が、自分の常識や信念を超えてでも大切な人を助けようとする。

その姿からは、かつての冷酷な一方通行とは違う成長を感じることができた。

激痛や負傷に耐えながらも術式を完成させ、打ち止めを救い出す場面は本巻でも特に印象深いシーンだった。

そして本巻最大の見どころは、やはり上条当麻とフィアンマの最終決戦である。

「ベツレヘムの星」を舞台に繰り広げられる戦いは、まさにシリーズ最大級のスケールだった。

特に上条の右腕が切断された場面では本気でどうなるのかと思った。

しかし、その後に起きた予想外の展開には思わず驚かされる。

正直なところ、「何が起きているんだこれ」と思いながら読んでいたが、それも含めて禁書目録らしい盛り上がりだったように感じる。

また印象的だったのは、フィアンマとの戦いが単純な力比べでは終わらなかったことである。

世界を救うためという大義名分を掲げながらも、他者の意思を無視して支配しようとするフィアンマ。

それに対して上条たちは、人々が自ら選ぶ意思の尊さを示していく。

読んでいて感じたのは、この戦いは善と悪の対決というよりも、人を信じる物語だったということである。

世界中の人々の想いが繋がり、フィアンマの野望が打ち砕かれる展開には大きなカタルシスがあった。

しかし、物語は完全なハッピーエンドでは終わらない。

落下する要塞を止めるため、上条は最後までその場に残ることを選ぶ。

ようやく追いついた御坂美琴との別れの場面も切なく、読んでいて胸が締め付けられた。

そして戦いが終わった後、目を覚ましたインデックスが上条の不在を知る場面は非常に印象に残っている。

長い戦いの末に訪れた結末だからこそ、その喪失感は大きかった。

読んでいて感じたのは、本巻は第三次世界大戦編の完結であると同時に、新たな物語の始まりでもあるということである。

上条当麻の行方、学園都市の今後、一方通行や浜面の未来。

まだ多くの謎や問題が残されている。

だからこそ、このまま終わるはずがないとも感じた。

旧約シリーズの締めくくりとして非常に満足感がありながらも、続きが気になって仕方がない一冊だった。次は『新約』へ進みたいと思う。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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とある魔術の禁書目録(21)レビュー
【とある魔術の禁書目録】あらすじ・ネタバレ・まとめ
新約 とある魔術の禁書目録(1)レビュー

考察・解説

右方のフィアンマ

以前の解説に続き、第三次世界大戦の完結編となる第22巻における右方のフィアンマの動向と、彼の迎えた結末について解説する。

世界規模の儀式を強行し、人類の救済という名の再構築を目論んだフィアンマであったが、上条当麻との決戦、そしてその後に待ち受けていた過酷な現実によって、彼の運命は激変することとなった。

1. プロジェクト=ベツレヘムの真の目的

フィアンマが世界規模の戦争を引き起こし、巨大要塞ベツレヘムの星を浮上させた真の目的は、単なる破壊や支配ではなく、彼なりの世界の救済であった。

・彼は、現在の世界は四大属性のズレや人々の悪意によって歯車が限界に達し歪んでいると考えており、それを自分の手で修復しようとしていた。
・戦争によって人々の悪意を極限まで引き出し、自らの第三の腕の出力を最大化させる。
・これによって、世界全体を強制的に正しい姿へと作り変えようと目論んでいた。

2. 上条当麻の右腕の切断と吸収

フィアンマの持つ第三の腕は絶大な力を持つものの、出力が不安定で空中分解を起こしかけていた。

・その力を完全に定着させるための器として、彼はあらゆる異能を打ち消す上条当麻の右腕(幻想殺し)を狙う。
・激闘の末、フィアンマは上条の右腕を肩から切断し、自らの第三の腕へと取り込むことに成功した。
・これによってフィアンマは本来の力を完全に発揮できるようになり、世界を黄金の光で満たす救済計画を最終段階へと進めた。

3. 第三の腕の崩壊と上条との決着

右腕を奪われた上条であるが、その肩口にはフィアンマの力を凌駕するほどの得体の知れない莫大な力が集束し始めた。しかし上条は自らその見えない力を握り潰し、失われたはずの右腕を再生させた。

・上条は、フィアンマが大仰な計画に頼ったのは自分に本当に世界を救う力があるのか確信が持てず怯えていたからだ、と本質を突く。
・国家や宗教の枠を超えて黄金の災厄に立ち向かう世界中の人々の善意が広がった。
・これにより、人間の悪意を力の源泉としていたフィアンマの第三の腕は急速に弱体化していく。
・最後は、世界を救ってやると思っている奴にこの世界は守れない、と断言する上条の拳を顔面に受け、フィアンマは敗北した。

4. 崩壊する要塞からの脱出と上条の救済

力を失ったことでベツレヘムの星は崩壊と降下を始めた。

・要塞には一人乗りの脱出用コンテナが一つしか残されておらず、フィアンマは自分が要塞と運命を共にすると諦めかけた。
・しかし、上条は血まみれの体でフィアンマを強引に引きずり、彼をただ一つのコンテナに押し込む。
・フィアンマが見殺しにせず自分を助けた理由を問うと、上条は、俺様は世界中なんていうのがどれだけ広い場所なのかも分からん人間だ、と語ったフィアンマに対し、ならこれからたくさん確かめてみろよ、と言い残して彼を逃がした。

5. アレイスターおよびオッレルスとの遭遇

地上へ生還したフィアンマは、全てを失い世界中から追われる身となることを自覚しながらも、上条の示した可能性を確かめるために自らの足で歩き出そうとした。

・直後、学園都市の統括理事長であるアレイスター=クロウリーが突然現れ、魔術によってフィアンマの右腕を容赦なく切断する flaps。
・アレイスターは、フィアンマが上条の右手の奥にあるものに近づきすぎたことを危険視し、また彼の目指した術式のフォーマットが古すぎたと指摘して彼を圧倒した。
・瀕死の重傷を負い雪原に倒れ伏すフィアンマであったが、そこに金髪の男女が現れる。
・男はフィアンマの身の安全を保障する代わりに情報を提供するよう取引を持ちかけ、自らをかつて魔神になるはずだった惨めな魔術師オッレルスと名乗った。

まとめ

右方のフィアンマの野望は、上条当麻という一人の少年の拳と、世界に満ちた名もなき人々の善意によって打ち砕かれた。自らの過ちと世界の広さを知ったフィアンマは、上条によって命を救われたものの、直後に現れた学園都市の統括理事長アレイスターによって右腕を奪われ、世界のさらなる深淵へと引きずり込まれる。魔神のなり損ないであるオッレルスに回収された彼の結末は、大戦の終わりであると同時に、新たなる世界の命運を巡る戦いの幕開けを象徴している。

上条当麻の右腕

『とある魔術の禁書目録』の主人公である上条当麻の右腕に宿る力「幻想殺し(イマジンブレイカー)」と、その奥底に潜む謎について解説する。

あらゆる超常現象を無に帰すその右手は、物語の根幹を揺るがす最大の謎を秘めており、第三次世界大戦の最終盤においてその一端が垣間見えることとなった。

1. 幻想殺し(イマジンブレイカー)の基本性質

上条当麻の右手に宿る力は、魔術や超能力、さらには神の奇跡に至るまで、いかなる異能の力であっても触れただけで打ち消すことができる能力である。

・効果範囲は右手の手首から先に限定されており、異能の攻撃によって生じた物理的な破片などを防ぐことはできない。
・神の加護や幸運といった見えない力までも無差別に打ち消してしまうため、彼が日常的に不幸に見舞われる原因にもなっている。
・戦いの中では、敵の強大な攻撃を完全に打ち消しきれない場合でも、力を掴んで軌道を逸らしたり、安全地帯を作り出したりといった応用を見せるようになる。

2. 幻想殺しの正体を巡る謎

この幻想殺しの正体や仕組みについては、上条自身も詳しいことを知っていない。

・この力は、学園都市の超能力(科学)でも魔術でもない、別種の力である可能性が示唆されている。
・もし学園都市の能力によるものであれば、AIM拡散力場の集合体である風斬氷華に触れた際に彼女を分解してしまうはずであり、またインデックスの持つ10万3000冊の魔道書の知識にも該当しないためである。
・神の右席の一人である左方のテッラは、幻想殺しがなぜ右手に宿っているのかについて何かを知っている素振りを見せ、その力の正体こそ大きな答えに繋がる、と意味深な言葉を残している。

3. 右方のフィアンマによる右腕の切断

第三次世界大戦の黒幕である右方のフィアンマは、自身の持つ「第三の腕」を完全なものにするための器(媒体)として、上条の右腕を狙った。

・フィアンマは巨大な剣の攻撃で上条の右腕を肩口から切断し、宙を舞った右腕を回収して自身の体内に取り込んだ。
・これによりフィアンマは世界を救済する計画を完成させようとしたが、事態は思わぬ方向へ進む。

4. 切断された肩口から現れた見えない力と右腕の再生

右腕を切断された上条の肩口には、得体の知れない莫大な力が集束し始めた。その力は、フィアンマが奪った幻想殺しすら霞んで見えるほどのすさまじい脅威を放っていた。

・上条はその得体の知れない力に対して、テメェがどこの誰かなんて知らねえ、ここでは黙ってろ。こいつは俺が片付ける、と言い放つ。
・自らの力でその見えない力を巨大な口のように開いて丸ごと呑み込み(握り潰し)た。
・その直後、莫大な力を食い潰すようにして上条の肩口から再び右腕が生み出され、再生する。
・フィアンマの中に取り込まれていた幻想殺しの力は急速に失われ、再生した上条の右腕に本来の力が戻った。

まとめ

上条当麻の右腕は、単なる異能を打ち消す力に留まらず、その奥底に計り知れない強大な何かを潜ませていることがフィアンマとの決戦において明確に示された。切り離されてもなお上条の元へと回帰し、異形の力を従えるその右腕の真の正体は、科学と魔術が交差する世界の謎を解き明かすための、最も重要な鍵として存在し続けている。

打ち止めの救出

『とある魔術の禁書目録』第22巻における、一方通行(アクセラレータ)による「打ち止め(ラストオーダー)の救出」の最終的な結末について解説する。

一人の少女の命を救うため、学園都市最強の超能力者が自らの命を懸けて禁忌の領域へと足を踏み入れ、真の守護者へと至る最終局面の軌跡を追う。

1. 絶望的な状況と科学の天使からのヒント

水の天使を打ち倒した一方通行であったが、戦闘の余波によって打ち止めの乗っていた車が大破し、彼女はさらに深刻なダメージを負ってしまった。

・絶望する一方通行の前に、消耗して半透明になった科学の天使である風斬氷華が現れる。
・風斬は、かつてインデックスが打ち止めのウイルスを除去した歌のデータが、治療を受けた打ち止め自身の頭の中にも残されていることを伝える。
・有力な手がかりを残し、風斬は消滅した。

2. データの抽出と羊皮紙の解読

・一方通行は、番外個体(ミサカワースト)の協力を得て、ミサカネットワークを介して打ち止めの記憶領域から歌のデータを抽出することに成功する。
・しかし、その歌をそのまま使うことはできず、謎の羊皮紙に記されたパラメータを用いて置き換える必要があった。
・一方通行は数学的アプローチで解読を試みるが誤差が生じてしまう。
・そこで彼は、かつてエイワスから受けた不可思議な法則(ベクトル)の経験を計算式に組み込むことで、ついに羊皮紙の解読に成功した。
・打ち止めを救うために必要なパラメータを完全に導き出した。

3. 禁忌の魔術行使と決死の祈り

必要なデータは揃ったが、科学サイドの能力者である一方通行が魔術を行使すれば、身体に甚大な拒絶反応を引き起こすことになる。

・彼は迷うことなく、自らの身を滅ぼしかねない魔術の行使(歌の術式を紡ぐこと)を決意した。
・全身の血管が膨張し、皮膚が裂けて血を噴き出すほどの筆舌に尽くしがたい激痛に苛まれる。
・しかし、彼は己の痛みすら気に留めず、打ち止めという小さな命を救うためだけに、血まみれになりながらひたすらに歌を捧げ続けた。

4. 打ち止めの生還と白き翼への覚醒

術式が完了し、雪原に倒れ伏した一方通行の耳に、打ち止めの「大丈夫」という声が届く。

・彼女の意識が安定し、完全に救済されたことを確信した一方通行は、涙混じりに彼女を強く抱きしめた。
・しかしその直後、ベツレヘムの星から莫大な力が地上へ投下されようとする。
・打ち止めたちをその脅威から守り抜くため、一方通行は彼女を番外個体に託した。
・すると、彼の背中から生えていた怒りの象徴である黒い翼が純白へと変化し、頭上には天使のような光の輪が顕現する。
・一方通行は白き翼をはばたかせ、守るべき者のために単身で天空の要塞へと飛翔していった。

まとめ

一方通行による打ち止めの救済は、己の肉体を破壊する拒絶反応を受け入れ、科学の計算能力と魔術の術式を融合させるという奇跡によって成し遂げられた。少女の生還を見届けた瞬間、彼の内なる怒りと独善の象徴であった黒い翼は、大切なものを守るための純白の翼へと昇華した。頭上に光の輪を戴き、白き天使へと覚醒した一方通行は、人類の脅威たる要塞を阻止するため、愛する者を地上に残して最後の戦いへと飛び立ったのである。

学園都市の闇

『とある魔術の禁書目録』における「学園都市の闇」について解説する。

科学技術の最先端を誇るクリーンな学生の街という表の顔の裏には、非人道的な実験や権力闘争、非合法な暴力が渦巻く裏社会が存在している。

1. 非公式の暗部組織

学園都市には、表の警察機関である警備員(アンチスキル)や風紀委員(ジャッジメント)では対応できない、あるいは表沙汰にできない汚れ仕事(暗殺、テロ鎮圧、証拠隠滅など)を請け負う非公式の暗部組織が存在する。

・「グループ」「アイテム」「スクール」「ブロック」「メンバー」といった複数の組織が、統括理事会などの上層部の思惑によって動かされている。
・時には暗部組織同士で凄惨な殺し合いを繰り広げる。
・彼らの多くは弱みや目的を握られて首輪を繋がれた学生や能力者であり、都合が悪くなれば上層部から容赦なく使い捨てられる存在である。

2. 非人道的な研究と置き去り(チャイルドエラー)の犠牲

学園都市の能力開発の裏側には、倫理観が完全に欠如した非人道的な実験が数多く隠されている。

・一方通行(アクセラレータ)を絶対能力者(レベル6)へと進化させるために、2万体のクローン「妹達(シスターズ)」を無慈悲に殺害し続ける「絶対能力進化計画」はその最たる例である。
・「特例能力者多重調整技術研究所(特力研)」などの闇深い施設では、親に見捨てられた孤児である「置き去り(チャイルドエラー)」が生きたまま処分される実験動物のように扱われ、無数の命が使い潰されてきた。

3. 残酷な真実である素養格付(パラメータリスト)

学園都市では「努力すれば誰でも能力が伸びる」と教えられているが、その背後には「素養格付(パラメータリスト)」という冷酷な機密情報が存在する。

・実際には、能力の成長限界や才能は受講前からあらかじめ決められており、上層部は誰が超能力者(レベル5)になるかを最初から知っていた。
・努力による成長という希望は、才能を持たない者たちを都合よく管理し、過酷な研究へ従事させるための残酷な嘘に過ぎなかったのである。

4. 能力格差とスキルアウトの悲劇

この絶対的な能力の格差社会は、無能力者(レベル0)たちの心に強い劣等感や社会への不満を植え付けた。

・その結果、武装無能力者集団「スキルアウト」が結成され、能力者や街に対する暴動を起こす。
・しかし、彼らの不満や暴走すらも上層部にとっては盤上の駒に過ぎない。
・用済みになれば一方通行などの強力な暗部の手によって、リーダーの駒場利徳もろとも無慈悲に粛清されるという悲劇を生んでいる。

5. 冷酷な絶対支配者と統括理事会

これらの闇を形作っているのは、学園都市の最高権力機関である統括理事会と、統括理事長アレイスター=クロウリーである。

・統括理事会のメンバーは、自らの保身や利益のために民間人や子供の命を平気で切り捨て、軍事兵器の投入や暗殺を躊躇なく実行する。
・さらにアレイスターは、学園都市に住む230万人の学生が放つ「AIM拡散力場」を利用して巨大な「虚数学区・五行機関」を構築するなど、学生全員を自らの壮大な計画のための手段としか見ていない。

まとめ

学園都市は、最先端の科学と明るい学生街という虚飾の裏で、数々の非道な実験や残酷な格差社会を内包している。子供たちを実験動物や兵器として消費し、大人たちの欲望と絶対支配者の計画という巨大な闇の上に成り立つその構造は、華やかな表舞台の裏に潜む逃れられない真実として街を支配し続けているのである。

第三次世界大戦

『とある魔術の禁書目録22』で描かれた、全世界を巻き込んだ「第三次世界大戦」のクライマックスから終結までの展開について解説する。

天空の要塞が崩壊へと向かう中、世界を襲う超自然災害に対し、全人類が科学と魔術、国境の枠組みを超えて手を取り合い、絶望的な大戦の終止符を打つまでの軌跡を追う。

1. 世界規模の超自然災害である黄金の腕の出現

右方のフィアンマの計画が最終段階に入り、天空のベツレヘムの星から莫大な天使の力が地上に向けて投下されようとする。それと同時に、世界規模の異変が発生した。

・世界各地の地中や海中から100メートルを超える巨大な黄金の腕が次々と出現し始めた。
・日本海では黄金の腕が破裂して巨大な高波を引き起こし、東欧では強大な雷雲を発生させる。
・人類全体を飲み込むほどの大災害が世界中を襲った。

2. 敵味方を超えた人類の結束と善意の広がり

フィアンマは、この圧倒的な破壊と絶望によって人々の間に悪意が増幅し、自らの力がさらに強大になると目論んでいた。しかし、現実には彼の予想とは正反対の事態が起こる。

・世界規模の危機を前に、学園都市の兵士とロシア軍の兵士たちは互いへの攻撃をやめ、協力して黄金の腕の破壊や人命救助に乗り出した。
・イギリス清教、ローマ正教、ロシア成教の十字教三大宗派も歴史的な結束を見せ、互いの知識を共有してベツレヘムの星のジョイント用術式を解除するために動き出す。
・明け色の陽射しなどの魔術結社や後方のアックア、元アニェーゼ部隊のシスターたちなども一丸となって災厄に立ち向かった。

3. 戦略核弾頭の阻止

戦争の裏側で、ロシア軍の独立部隊は旧ソ連製の戦略核弾頭「Nu-AD1967」を搭載したミサイルの発射準備を進めていた。

・学園都市の戦車を奪取した御坂美琴が、大量の砂鉄の津波を用いて敵陣を突破する。
・美琴は核物質の漏出を防ぐため、雷撃による直接破壊ではなく、電子制御系統(赤外線通信の受光部やコネクタ)を精密に破壊した。
・これにより核ミサイルを完全に無力化し、地球規模の放射能汚染を防いだ。

4. フィアンマの敗北とベツレヘムの星の墜落

世界中で人々が手を差し伸べ合ったことで善意が広がり、人々の悪意を力の源泉としていたフィアンマの第三の腕は急速に弱体化する。上条当麻はフィアンマの顔面に拳を叩き込み、彼を打ち倒した。

・その後、上条は巨大なベツレヘムの星が地上に自由落下して地球環境へ甚大なダメージを与えるのを防ぐため、自ら要塞に残る。
・ステイル=マグヌスの指示に従って大型上昇用霊装を破壊した。
・降下軌道を北極海へと捻じ曲げられた要塞は、北極の氷を溶かして暴走しようとしていた大天使ミーシャへと激突し、北極海へ着水して完全に崩壊した。

5. 終戦宣言

・10月30日、ロシア成教総大主教クランス=R=ツァールスキーは、あらゆる戦闘行為の終息と、学園都市との会談に応じる旨を宣言した。
・彼は声明の中で、超自然災害下において敵味方の区別なく手を差し伸べ合った兵士たちの行動を称える。
・この選択がのちの平和な世から正しかったと歴史に記されることを願うと語り、ここに第三次世界大戦は正式な終結を迎えた。

まとめ

第三次世界大戦の終結は、絶対的な力による支配ではなく、危機に瀕した人々の間に生まれた善意の連鎖によってもたらされた。フィアンマの目論見は人類の結束によって瓦解し、上条当麻の捨て身の行動によって最悪のクレーター形成は免れた。多くの犠牲と傷跡を残しながらも、十字教三大宗派の和解や科学と魔術の協力という新たな時代の礎を築き、世界は平穏を取り戻す一歩を踏み出したのである。

とある魔術の禁書目録(21)レビュー
【とある魔術の禁書目録】あらすじ・ネタバレ・まとめ
新約 とある魔術の禁書目録(1)レビュー

登場キャラクター

指定された文書から登場人物を抽出し、以下の通り紹介する。

学園都市

上条当麻

インデックスを救うため、右方のフィアンマと対峙する高校生である。あらゆる異能を打ち消す「幻想殺し」の右腕を持つ。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の高校生。
・物語内での具体的な行動や成果
 『ベツレヘムの星』でフィアンマと激突し、右腕を切断されながらも未知の力で再生して勝利した。インデックスの遠隔制御霊装を破壊し、彼女を解放する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 落下する要塞を北極海へ着水させ、その後行方不明となる。

浜面仕上

滝壺理后を救うための交渉材料を求めて戦場を奔走する無能力者である。かつての仲間である麦野沈利と対峙し、和解の道を探る。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の無能力者。
・物語内での具体的な行動や成果
 暴走する麦野沈利へ対話による説得を試み、暗殺部隊の襲撃に対して彼女と滝壺と共闘して敵を撃退した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 学園都市の闇である「素養格付」の存在を知り、それを交渉材料にしようと行動を始める。

滝壺理后

浜面仕上と行動を共にする能力者である。体晶による副作用から徐々に回復しつつある。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の能力者。
・物語内での具体的な行動や成果
 浜面たちと共に暗殺部隊の襲撃を受け、能力を使って麦野の照準を補正するなどの支援を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 学園都市上層部から、能力者全体を支配できる「八人目」になり得る稀な素養を持つと評価されている。

一方通行(アクセラレータ)

打ち止めを救うため、ロシアで戦い続ける第一位の超能力者である。番外個体と行動を共にしている。

・所属組織、地位や役職
 学園都市第一位の超能力者。
・物語内での具体的な行動や成果
 自らの身体に甚大なダメージを受けながらも魔術を行使し、打ち止めの救済に成功した。要塞から投下された黄金の力を白い翼で阻止する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 戦いの果てに黒い翼が純白へと変化し、学園都市の回収部隊に対して反抗の意志を示す。

打ち止め(ラストオーダー)

一方通行に保護されている少女である。エイワスの影響による負荷で衰弱している。

・所属組織、地位や役職
 妹達の統括個体。
・物語内での具体的な行動や成果
 エリザリーナ独立国同盟の野戦病院に預けられていたが、一方通行の魔術行使によって意識を取り戻した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 一方通行が戦う最大の理由であり、彼と共にいることを望んでいる。

番外個体(ミサカワースト)

一方通行と行動を共にする第三次製造計画のクローンである。一方通行のサポートを行う。

・所属組織、地位や役職
 学園都市のクローン。
・物語内での具体的な行動や成果
 打ち止めの記憶領域から歌のデータを抽出し、一方通行へ提供した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 一方通行が天空の要塞へ向かう際、打ち止めの保護を託された。

麦野沈利

浜面仕上へ復讐するために追跡してきた超能力者である。体晶を使用して暴走状態に陥る。

・所属組織、地位や役職
 学園都市第四位の超能力者。
・物語内での具体的な行動や成果
 体晶の負荷で雪原に倒れ込むが、浜面の説得を受けて立ち上がり、学園都市の暗殺部隊を迎撃した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 素養格付の存在を知り、学園都市に対する怒りを露わにする。

御坂美琴

上条当麻を追ってロシアへやってきた超能力者である。核ミサイルの発射を阻止するために行動する。

・所属組織、地位や役職
 学園都市第三位の超能力者。
・物語内での具体的な行動や成果
 砂鉄を利用して敵陣を突破し、弾道ミサイルの受光部とコネクタを破壊して核爆発を防いだ。VTOL機で要塞へ接近を試みる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 上条を救出しようとするが彼に拒まれ、海で彼のストラップを発見する。

妹達(シスターズ)

御坂美琴のサポートを行うクローンたちである。ミサカネットワークを通じて情報収集を担当する。

・所属組織、地位や役職
 ミサカネットワークを構築する個体群。
・物語内での具体的な行動や成果
 戦車の操縦や通信の傍受を行い、美琴へ核ミサイル部隊の動向を伝えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 一方通行の要求により、第三次製造計画の凍結対象として言及される。

風斬氷華

AIM拡散力場によって生み出された科学の天使である。友達を守るために戦地に現れた。

・所属組織、地位や役職
 科学側の天使。
・物語内での具体的な行動や成果
 水の天使と戦い、消耗した状態で一方通行の前に現れて打ち止めを救うためのヒントを与えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 エイワスとの会話の中で、人間の可能性を軽視しないよう忠告する。

アレイスター=クロウリー

学園都市の統括理事長であり、魔術史上最悪と称される魔術師である。自らの計画のために暗躍する。

・所属組織、地位や役職
 学園都市・統括理事長。
・物語内での具体的な行動や成果
 フィアンマの前に現れ、彼の右腕を切断した。フィアンマの計画の基盤が古すぎたと指摘する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 死亡したとされていたが、イギリス清教の探査によって生存が確認された。

ヘルメットのスーツ女

学園都市の暗部組織に所属する人物である。麦野や滝壺の回収と浜面の処分を目論む。

・所属組織、地位や役職
 学園都市暗部の関係者。
・物語内での具体的な行動や成果
 滝壺の潜在的な価値や、能力者の素養格付に関する事実を浜面たちに語った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 浜面によって銃撃され、交渉材料を得るための尋問対象として連行される。

学園都市の暗殺部隊

浜面たちを抹殺するために送り込まれた部隊である。黒い戦闘服と白い翼を生み出す異様な仮面を装備している。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の暗部部隊。
・物語内での具体的な行動や成果
 新物質を利用して浜面を追い詰めるが、彼の罠と麦野の反撃によって撃破された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 能力者ではなく、超能力によって生み出された新物質を兵器として運用している。

学園都市の男

ロシアで戦闘に参加している兵士である。黄金の腕が引き起こした災害に巻き込まれる。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の兵士。
・物語内での具体的な行動や成果
 雷雲の被害を避けるため、敵であるロシア軍の女性兵士と協力して災害へ立ち向かった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 所属勢力の枠を超え、眼前の危機に対処するための共闘を選択する。

駆動鎧を操っていた人間

戦闘で負傷した学園都市の搭乗員である。元アニェーゼ部隊の修道女による治療を受ける。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の兵士。
・物語内での具体的な行動や成果
 修道女の目的が戦争の被害軽減であることを知り、黄金の腕に対抗するために出撃準備を整えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 敵対していた宗教勢力からの救護を受け入れ、共に脅威へ立ち向かう。

学園都市の回収部隊

一方通行を回収するために派遣された部隊である。防護スーツを着用している。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の部隊。
・物語内での具体的な行動や成果
 雪原で倒れていた一方通行を輸送ヘリへ収容し、学園都市へ連行しようとした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 一方通行の反抗に遭い、輸送ヘリの内部を破壊されて制圧される。

ローマ正教

右方のフィアンマ

第三次世界大戦を引き起こした黒幕である。独自の十字教規範によって世界を救済しようと目論む。

・所属組織、地位や役職
 ローマ正教・神の右席の最後の一人。
・物語内での具体的な行動や成果
 『ベツレヘムの星』を浮上させ、上条の右腕を切断して『第三の腕』へ取り込んだ。しかし上条に敗北し、要塞から脱出する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 地上へ生還した直後にアレイスターによって右腕を切断され、その後オッレルスと遭遇する。

後方のアックア(ウィリアム=オルウェル)

元神の右席の傭兵である。人々のために力を振るう道を選ぶ。

・所属組織、地位や役職
 元神の右席。
・物語内での具体的な行動や成果
 大天使の力を自らの体内へ吸収して敵の戦力を弱体化させた。地上で発生する黄金の腕を破壊するために行動する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 英雄ではなく一人の人間として、世界を守るための戦いに参加する。

マタイ=リース

ローマ教皇の座を退いた老人である。平和のために自らを犠牲にする覚悟を持つ。

・所属組織、地位や役職
 前ローマ教皇。
・物語内での具体的な行動や成果
 バチカン大聖堂の地下で膨大な資料を調査し、フィアンマの計画を阻止するための術式解析を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ローマ正教の権威が失われる可能性を承知の上で、ローラやロシア成教と協力体制を築く。

ペテロ=ヨグディス

ローマ正教の枢機卿である。バチカンでマタイ=リースと対峙する。

・所属組織、地位や役職
 ローマ正教の枢機卿。
・物語内での具体的な行動や成果
 教皇としての立場を捨てて戦うマタイ=リースの前に立ち塞がった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 マタイ=リースの行動によって自らの過ちを悟る。

若い神父

マタイ=リースに付き従う神父である。彼の行動を心配し、サポートを行う。

・所属組織、地位や役職
 ローマ正教の神父。
・物語内での具体的な行動や成果
 マタイ=リースが術式解析によって身体に悪影響を受ける様子を見て、介抱しようとした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 マタイ=リースの強い決意に触れ、彼と共に戦う覚悟を持つ。

ロシア成教

ニコライ=トルストイ

ロシア成教の司教である。ロシア軍と協力し、自身の利益のために暗躍する。

・所属組織、地位や役職
 ロシア成教の司教。
・物語内での具体的な行動や成果
 ワシリーサを人喰い魔女の魔術で攻撃し、死の水を用いて彼女を消滅させようとした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ワシリーサの不死性によって反撃を受け、自身の計画が破綻する。

ワシリーサ

ロシア成教の特殊部隊を率いる女性である。総大主教を救出するために行動する。

・所属組織、地位や役職
 ロシア成教特殊部隊『殲滅白書』リーダー。
・物語内での具体的な行動や成果
 モスクワの宮殿へ突入し、ニコライの攻撃を受けて身体を欠損しながらも再生して彼を追い詰めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 軟禁されていた総大主教を救出し、『ベツレヘムの星』の術式解析を提案する。

サーシャ=クロイツェフ

フィアンマに大天使の媒体として利用された修道女である。プロの魔術師としての誇りを持つ。

・所属組織、地位や役職
 ロシア成教の修道女。
・物語内での具体的な行動や成果
 『ベツレヘムの星』の内部で脱出用のコンテナへ向かわず、魔法陣を描いてフィアンマの計画を妨害しようとした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 レッサーや他の魔術師たちと協力し、要塞の崩壊を促進させる。

クランス=R=ツァールスキー(総大主教)

ロシア成教のトップである少年である。ニコライによって宮殿に軟禁されていた。

・所属組織、地位や役職
 ロシア成教・総大主教。
・物語内での具体的な行動や成果
 ワシリーサに救出され、施設を利用して『ベツレヘムの星』のジョイント術式を解析した。大戦終結の声明を発表する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 全戦闘行為の終息を宣言し、平和を取り戻すための指導者としての役割を果たす。

ロシア成教の魔術師

フィアンマに使い捨てられた術者たちである。要塞に取り残されている。

・所属組織、地位や役職
 ロシア成教の魔術師。
・物語内での具体的な行動や成果
 脱出装置へ向かっていたが、サーシャの行動に賛同して魔法陣の構築に協力した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 自らの安全よりも、フィアンマの計画を阻止することを優先する。

魔術師の女

ワシリーサの元部下である。総大主教の軟禁に関与していた。

・所属組織、地位や役職
 ロシア成教の構成員。
・物語内での具体的な行動や成果
 宮殿の扉の前でワシリーサに蹴り飛ばされ、扉ごと破壊された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ワシリーサの圧倒的な力の前に無力化される。

刺客

モスクワの宮殿を警備する者たちである。ワシリーサの侵入を防ごうとした。

・所属組織、地位や役職
 ロシア成教の警備兵。
・物語内での具体的な行動や成果
 宮殿へ侵入したワシリーサへ襲いかかるが、人喰い魔女の力によって薙ぎ払われた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ワシリーサの進行を止めることができず全滅する。

イギリス清教

インデックス

魔道書の知識を記憶する少女である。遠隔制御霊装によって操られている。

・所属組織、地位や役職
 イギリス清教の魔道書図書館。
・物語内での具体的な行動や成果
 自動書記モードでステイルへ激しい攻撃を加えた。霊装が破壊されたことで意識を取り戻す。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 上条が要塞に残ることを知り、彼の帰還を待つこととなる。

ステイル=マグヌス

インデックスを止めるため、限界を超えた魔術で戦う魔術師である。彼女を救うために力を尽くす。

・所属組織、地位や役職
 イギリス清教の魔術師。
・物語内での具体的な行動や成果
 ルーンカードや炎剣を用いてインデックスの猛攻を凌ぎ、上条へ要塞の軌道変更に関する情報を伝達した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 上条と情報を共有し、要塞の落下による被害を防ぐための共闘を果たす。

ローラ=スチュアート

イギリス清教の最大主教である。冷徹な判断力で組織を動かす。

・所属組織、地位や役職
 イギリス清教・最大主教。
・物語内での具体的な行動や成果
 ローマ正教やロシア成教の指導者と連絡を取り合い、要塞を崩壊させるための協力を取り付けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 アレイスターの生存を確認し、学園都市を掌握するための布石とみなす。

イギリス清教のシスター

聖ジョージ大聖堂で状況の監視を行う人員である。ステイルやローラのサポートを行う。

・所属組織、地位や役職
 イギリス清教の構成員。
・物語内での具体的な行動や成果
 ロシアの魔術的な力の流れをモニターし、大天使ミーシャの移動を報告した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 アレイスター=クロウリーの波長を検知し、ローラへ報告する役割を果たす。

イギリス

キャーリサ

イギリスの第二王女である。自国の戦力を率いて大天使と戦う。

・所属組織、地位や役職
 イギリス王室・第二王女。
・物語内での具体的な行動や成果
 カーテナ=セカンドの破片から光の剣を伸ばし、傾国の女と協力して黄金の腕を切断した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 移動要塞グラストンベリの配置変更を指示し、地上の被害を防ぐために行動する。

騎士派の男達

イギリスのために戦う騎士たちである。キャーリサの指示に従って行動する。

・所属組織、地位や役職
 イギリスの騎士派。
・物語内での具体的な行動や成果
 キャーリサや傾国の女と共に侵攻を開始し、黄金の腕を破壊して回る作戦に参加した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 国家の危機に対して一丸となり、前線で戦闘を展開する。

フランス

傾国の女

フランスの国益を守るために戦う聖女である。キャーリサと協力関係にある。

・所属組織、地位や役職
 フランスの聖女。
・物語内での具体的な行動や成果
 聖剣デュランダルを用いて黄金の腕を切断し、地上での破壊活動を阻止した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 エリザリーナ独立国同盟に対する恩を売ることで、フランスの国益に繋げようと目論む。

フランスの魔術師達

傾国の女と共に戦う術者たちである。自国の利益と防衛のために動く。

・所属組織、地位や役職
 フランスの魔術師。
・物語内での具体的な行動や成果
 地上に出現する黄金の腕を破壊する作戦に加わり、キャーリサ達に続いて侵攻を開始した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 イギリス側の勢力と歩調を合わせ、共通の敵に対処する。

エリザリーナ独立国同盟

エリザリーナ

独立国同盟の代表である魔術師である。傷ついた人々を保護する。

・所属組織、地位や役職
 エリザリーナ独立国同盟の代表。
・物語内での具体的な行動や成果
 滝壺理后の治療を行い、一方通行へ羊皮紙を狙う敵の存在を警告した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 自国を対フィアンマ用の戦場と想定し、侵攻に対して防衛の準備を行っていた。

新たなる光

レッサー

上条当麻を支援する魔術結社予備軍の少女である。要塞内部の技術を調査する。

・所属組織、地位や役職
 魔術結社予備軍『新たなる光』。
・物語内での具体的な行動や成果
 脱出用コンテナの準備を進めていたが、サーシャの妨害行動に賛同して要塞の崩壊を後押しした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 イギリスの利益のために行動し、サーシャに恩を売る。

明け色の陽射し

金髪の少女

魔術結社『明け色の陽射し』を率いるボスである。世界規模の災害を阻止するために動く。

・所属組織、地位や役職
 魔術結社『明け色の陽射し』のボス。
・物語内での具体的な行動や成果
 ドーバー海峡で黄金の腕を破壊し、各国の軍へ支援攻撃を行うよう指示を出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 フィアンマの計画を慈善事業と見なし、それを妨害することで結社の目的を果たそうとする。

マーク

金髪の少女の傍にいる部下である。象徴武器の整備を担当する。

・所属組織、地位や役職
 魔術結社『明け色の陽射し』の構成員。
・物語内での具体的な行動や成果
 少女から武器の出力不足を指摘され、フィアンマの地上浄化策について考察を述べた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 結社のボスをサポートし、戦術的な分析を行う。

礼服の男達

金髪の少女に付き従う構成員である。彼女の指示を戦場へ伝達する。

・所属組織、地位や役職
 魔術結社『明け色の陽射し』の構成員。
・物語内での具体的な行動や成果
 少女へ拡声器を手渡し、彼女の宣言をサポートした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 結社の戦力として少女と共に前線へ赴く。

元アニェーゼ部隊

元アニェーゼ部隊のシスター達

戦場で負傷兵の救助を行う修道女の集団である。所属を超えて人命を救う。

・所属組織、地位や役職
 元アニェーゼ部隊。
・物語内での具体的な行動や成果
 簡易シェルターを建設し、学園都市やロシア軍の兵士を治療した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼女たちの行動が、対立していた兵士たちを協力させる契機となる。

元占星施術旅団

老人

元占星施術旅団のメンバーである老人である。独自のネットワークを持つ。

・所属組織、地位や役職
 元占星施術旅団。
・物語内での具体的な行動や成果
 ロシアへ向かったアックアの後を追い、彼を支援するために多くの仲間を集結させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 『雷切』という量産型霊装を振るい、自由人として戦いに参加する。

青年

老人に同行する若者である。剣を手にして戦場へ赴く。

・所属組織、地位や役職
 元占星施術旅団。
・物語内での具体的な行動や成果
 フランスの剣コリシュマルドを手にし、守るべき者のために戦う意志を示した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 老人と共に、世界規模の危機に対して立ち上がる。

女性

青年と共にいる術者である。『ダルクの神託』という術式の素質を持つ。

・所属組織、地位や役職
 元占星施術旅団。
・物語内での具体的な行動や成果
 老人の呼びかけに応じ、アックアを支援するためにロシアの戦場へ現れた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 独自の術式を用いて部隊の戦闘力を支える。

ロシア

ディグルヴ

集落の住民である。浜面に恩を感じ、彼を助けるために行動する。

・所属組織、地位や役職
 ロシアの集落の住民。
・物語内での具体的な行動や成果
 学園都市の暗殺部隊に包囲された浜面たちを救うため、ライフルを手にして援護射撃を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 浜面を見捨てず、民間人でありながら戦闘に参加する。

グリッキン

集落の住民である。ディグルヴと共に浜面を支援する。

・所属組織、地位や役職
 ロシアの集落の住民。
・物語内での具体的な行動や成果
 浜面の逃走勧告を無視し、暗殺部隊を包囲して彼の命を救った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 浜面からの指示を受け、捕らえた暗殺部隊の見張りを担当する。

ロシア軍の女性兵士

ロシア軍に所属する兵士である。クレムリン・レポートを阻止するために戦う。

・所属組織、地位や役職
 ロシア軍の兵士。
・物語内での具体的な行動や成果
 雷雲の直撃を避けるため、学園都市の男を装甲車の下へ引きずり込んで助けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 家族を守るために戦う意思を示し、敵対組織の兵士と共闘する。

独立部隊の将校クラス

核弾頭の発射を目論むロシア軍の部隊である。

・所属組織、地位や役職
 ロシア軍独立部隊の将校。
・物語内での具体的な行動や成果
 遠隔地から核弾頭の発射命令を下そうとしたが、美琴による破壊工作で阻止された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ロシア軍の別派閥によって包囲され、制圧される運命をたどる。

集落の人々

ディグルヴやグリッキンが住む村の住民である。

・所属組織、地位や役職
 ロシアの集落の住民。
・物語内での具体的な行動や成果
 ロシア軍の細菌兵器による作戦の標的となっていた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 浜面たちの活躍によって細菌兵器の散布を免れる。

天使・超常的存在

ミーシャ=クロイツェフ(ガブリエル / 神の力)

フィアンマによって召喚された大天使である。世界を崩壊させかねない力を持つ。

・所属組織、地位や役職
 大天使。
・物語内での具体的な行動や成果
 北極の氷を融解させながら莫大な力を集束させたが、落下してきた『ベツレヘムの星』に直撃されて消滅した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 本来の座へ帰る目的だけで行動し、人類の存亡を脅かす存在として描かれた。

エイワス

物理法則を超越した謎の存在である。一方通行に不可思議な法則を体験させた。

・所属組織、地位や役職
 謎の存在。
・物語内での具体的な行動や成果
 学園都市のビルの屋上で風斬氷華と会話し、表面から離脱することを宣言した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 人間の可能性を興味深い事例として観察し、状況を楽しむ姿勢を見せる。

その他

オッレルス

かつて魔神になるはずだった魔術師である。フィアンマの前に現れる。

・所属組織、地位や役職
 魔術師。
・物語内での具体的な行動や成果
 右腕を失い倒れていたフィアンマに、身の安全と引き換えに情報提供を求めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 隻眼のオティヌスに魔神の座を奪われた事実を自ら語る。

金髪の女

オッレルスと共に行動する女性である。実用的な作業服を着ている。

・所属組織、地位や役職
 オッレルスの同行者。
・物語内での具体的な行動や成果
 瀕死のフィアンマの生存を確認し、オッレルスと短い会話を交わした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 極寒の地でも平然と活動し、オッレルスのサポートを行う。

とある魔術の禁書目録(21)レビュー
【とある魔術の禁書目録】あらすじ・ネタバレ・まとめ
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展開まとめ

戦況報告

フィアンマの計画始動

右方のフィアンマが進めていた計画は、全世界のローマ正教系教会や聖堂から必要な部材を集め、『ベツレヘムの星』を建造したことで本格的に始動した。

浮上した要塞へ取り込まれた上条当麻はフィアンマと対峙し、さらにフィアンマは大天使『神の力』ことミーシャ=クロイツェフを召喚して戦場へ投入した。

浜面と滝壺の新たな戦い

エリザリーナ独立国同盟の野戦病院へ辿り着いた浜面仕上は、魔術師エリザリーナの協力によって滝壺理后を蝕んでいた体晶の悪影響を可能な限り取り除くことに成功した。

しかし二人はクレムリン・レポートから、ディグルヴたちの集落付近でロシア軍が細菌兵器を用いた特殊作戦を実行しようとしている事実を知った。滝壺は世話になった集落の人々を救うため、自らも戦う決意を固めた。

一方通行への警告

一方通行は打ち止めを救う手掛かりを求めていたが、エリザリーナの解毒技術でも解決には至らなかった。

打ち止めを救うには羊皮紙の解読が必要であると考えていたところ、エリザリーナから羊皮紙を狙う存在が迫っていると警告を受けた。

各地で広がる戦い

ミーシャ=クロイツェフの猛威がロシア各地を襲う中、風斬氷華はAIM拡散力場によって生み出された科学の天使として水の天使に立ち向かった。

同時にバチカンではマタイ=リースが枢機卿ペテロ=ヨグディスと対峙し、ロシアでは計画から切り捨てられたニコライ=トルストイ司教が怒りのまま要塞破壊を命じた。

さらにロシアへ到着した御坂美琴は、妹達から独立部隊による戦略核弾頭発射計画について報告を受けた。

大天使への総攻撃

各地で起きた戦いは結果としてミーシャ=クロイツェフ打倒へと収束していった。

一方通行はミーシャと風斬氷華の戦いへ割って入り、後方のアックアは『水』を司る共通性を利用してミーシャの『天使の力』を自らの体内へ吸収し、その力を削ぎ落とそうとした。

さらに上条当麻は『ベツレヘムの星』の儀式場を破壊し、大天使を支える基盤へ直接打撃を与えた。

大天使撃破とフィアンマの宣言

多方面からの攻撃によってミーシャ=クロイツェフは撃破された。

上条当麻は人間が大天使に勝利したと確信し、戦局はこちらへ傾いたと告げた。しかしフィアンマは動揺を見せず、ミーシャの役割は夜空を書き換えた時点で終わっていたと語った。

フィアンマは大天使の消滅すら計画の第一段階に過ぎないと断言し、正しい力とは正しい世界でこそ万全に振るえるものだと告げながら、上条当麻との決戦へ臨んだ。

第九章 巨大な歪みを正す時 Broken_Right_Hand.

フィアンマと麦野の脅威

麦野沈利の再来

浜面仕上の前に現れたのは、かつて二度打ち破った因縁の相手である麦野沈利だった。片腕を失っていたはずの麦野は不気味な笑みを浮かべながら現れ、浜面を追い詰めた。

さらに麦野は、滝壺理后を苦しめ続けてきた体晶を取り出した。浜面が怒りを露わにする中、麦野は体晶のケースごと噛み砕いて飲み込み、自らの能力を暴走させようとした。

暴走する原子崩し

麦野は体晶によって能力者を暴走させる力について語り、自身の超能力を限界まで解放しようとした。

直後、麦野の全身から数え切れないほどの白い光が噴き出し、周囲一帯を覆い尽くした。第四位の超能力者としての力が異常な規模で暴走を始めたのである。

フィアンマの計画の真意

『ベツレヘムの星』では、上条当麻と右方のフィアンマが対峙していた。

フィアンマは大天使の役割も天体制御も完了したと語り、上条の右腕を用いてプロジェクト=ベツレヘムを完成させるつもりだと明かした。そしてローマ正教の勝利が目的ではなく、自身のために行動していると告げた。

さらに第三次世界大戦には、計画に必要な物資や資料を集めることと、自分が倒すべき敵を表舞台へ引きずり出すことという二つの目的があったと説明した。

圧倒的な力による攻撃

フィアンマは巨大な斬撃を放ち、『ベツレヘムの星』そのものを削り取るほどの破壊を見せた。

上条は攻撃を完全に消すのではなく軌道を逸らして回避し、フィアンマから成長を認められた。しかしその直後、天空から学園都市の光学兵器による攻撃が降り注いだ。

それでもフィアンマは『第三の腕』だけで攻撃を防ぎ、そのまま衛星を撃墜してみせた。上条は、相手が常識を超えた万能性を持つ存在であることを改めて実感した。

魔道書の知識を用いた連続攻撃

フィアンマは『第三の腕』だけに頼らず、インデックスの遠隔制御霊装を利用して魔道書由来の術式を次々と発動した。

赤い光線や巨大な剣による攻撃を組み合わせ、上条の幻想殺しの弱点である同時攻撃を突いた。上条は光線の軌道を逸らして反撃を試みたが、フィアンマは自らの術式すら打ち消しながら攻撃を継続した。

さらに床を通じて激痛を送り込む術式や大量の灼熱の矢を放ち、上条を休む間もなく追い詰めていった。

世界改変の思想

戦いの最中、フィアンマは世界そのものが歪んでいると語った。

世界を構成する歯車が限界を迎えているため、それを修復し、新たな仕組みを加える必要があると考えていた。そして第三次世界大戦も、その歪みを表面化させるための過程に過ぎないと説明した。

最終的には十字教規範によって世界を正しい形へ導き、人類全体を救済するつもりだと語ったが、その方法は圧倒的な力で人々を従わせるものだった。

上条当麻の右腕切断

上条はフィアンマの思想に疑問を投げかけたが、フィアンマは世界を救った後に考えれば良いと取り合わなかった。

その直後、真下から振り上げられた巨大な剣が上条を襲った。回避する時間も受け流す余裕もなく、軽い音と共に上条当麻の右腕は肩口から切断された。

一方通行と科学の天使

水の天使撃破と打ち止めの危機

一方通行は水の天使を打ち倒し、ロシアの大地と人々を守ることに成功した。しかし戦いの余波によって、打ち止めと番外個体を乗せた車が大破していることを知った。

打ち止めは元々エイワスの影響で危険な状態にあり、さらに衝撃を受けたことで容体の悪化が懸念された。一方通行は、自らの戦いが何のためだったのか分からなくなるほどの絶望を感じていた。

科学の天使が示した希望

消耗して半透明になった科学の天使が一方通行の前に現れた。

科学の天使は、インデックスがかつて特定の歌を用いてウイルスを除去したことを語り、その歌に関する情報が自分の中にも残されていると伝えた。そして治療を受けた打ち止めの頭の中に、その歌の情報が保存されていることを告げた後、力を使い果たして消滅した。

打ち止め救出への手掛かり

科学の天使が消えた後、一方通行は番外個体と協力して打ち止めの記憶から歌の情報を取り出す方法を考えた。

打ち止めはミサカネットワークへ記憶を共有しているため、他の妹達を経由して歌のデータへ到達できる可能性があった。一方通行はさらに羊皮紙にも着目し、学園都市の技術と科学の外側にある技術を組み合わせれば、打ち止めを救う道が開けるかもしれないと考えた。

暴走する麦野沈利

一方その頃、麦野沈利は体晶の影響によって能力を暴走させていた。

全身から放たれた膨大な光は夜空の異変すら押し流し、やがて巨大な腕となって浜面仕上へ襲いかかった。浜面は辛うじて直撃を免れたものの、圧倒的な破壊力の前に反撃の糸口を見出せなかった。

麦野は全方向へ死の光を放ちながら浜面へ迫り、自らの全てを犠牲にしてでも浜面を殺そうとしていた。

体晶の限界と麦野の崩壊

麦野は浜面へ止めの一撃を放とうとしたが、その直前に全ての光が消失した。

体晶による暴走の負荷に耐え切れなくなった麦野は雪の中へ崩れ落ちた。浜面は滝壺理后が体晶の副作用に苦しんでいた姿を思い出し、適性のない麦野がそれを使用した結果であることを悟った。

麦野は自らの肉体を犠牲にしてまで浜面を殺そうとしていたのである。

浜面の決断

倒れた麦野を前に、浜面は引き金を引く機会を得た。

しかし彼は、かつての仲間であった麦野の姿と、学園都市の闇によって壊されていった現実を見つめ直した。そして殺すのではなく、雪の中へ駆け寄って麦野を抱き起こした。

浜面は、アイテムとスクールの戦いも、自分達の殺し合いも、学園都市の上層部によって仕組まれていたのではないかと語り、自分達が本当に戦うべき相手は別にいるのだと訴えた。

アイテム再生への願い

浜面は麦野に対し、もう殺し合いをやめようと告げた。

滝壺を選んだ事実は変わらないと認めながらも、麦野、滝壺、絹旗、そしてフレンダのいた頃のアイテムを取り戻したいと願った。そして麦野が謝罪すべき相手へ謝り、自分達が再びアイテムとしてやり直せるはずだと語った。

最初は拒絶していた麦野だったが、浜面の言葉を受けて少しずつ心を動かされていった。

新たな脅威の接近

やがて麦野は立ち上がり、夜空を指し示した。

そこには学園都市製の超音速爆撃機と、それに続いて降下してくる新たな戦力の姿があった。無線機には妨害が入り、これから行われる作戦を外部へ漏らさないようにしていた。

麦野は自分が使い捨てと判断され、代替の第二プランが投入されたのだと語った。浜面は再びアサルトライフルを手に取り、全員でアイテムへ戻るために戦う決意を示した。

こうして浜面と麦野は、学園都市が送り込んだ新たな脅威を迎え撃つため動き始めたのである。

聖ジョージ大聖堂、地下

インデックスによる猛攻とステイルの苦戦

インデックスは、ステイルが三体の『魔女狩りの王』によって三位一体の構造を作り出していることを即座に見抜き、その均衡を崩すため一体へ攻撃を集中させた。

その結果、『魔女狩りの王』は二体に減少し、安定を失った負荷が直接ステイルへと返ってきた。しかしインデックスの攻撃は止まらず、ステイルに休む暇を与えなかった。

自動書記モードの圧倒的攻撃

インデックスは感情のない瞳に魔法陣を浮かべ、背中には赤い翼を生やし、周囲には光の粒子で形成された複数の剣を漂わせていた。

それらはすべてステイルを殲滅するために機能しており、赤い翼から放たれる攻撃や自律的に襲いかかる剣によって、多方向から激しい猛攻を加えていた。

ステイルはその剣を北欧神話の豊穣神フレイの自動戦闘する剣になぞらえ、その圧倒的な脅威を認識していた。

炎の巨神を守るための奮闘

ステイルは『魔女狩りの王』だけでは攻撃を支えきれないと判断し、自ら炎剣を生み出してインデックスと巨神の間へ割って入った。

しかし巨神が二体しか残っていないため回復の時間を確保できず、インデックスの猛攻によって次第に削られていった。

それでもステイルは炎剣と残る巨神を駆使し、回復のための時間を稼ぎながら戦闘を継続した。血の翼や光の剣との激しい応酬によって身体への負担は増し続けたが、辛うじて戦線を維持していた。

インデックスの不調を見抜く

一〇万三〇〇〇冊の魔道書を守るために作られた自動書記モードのインデックスを、ステイル一人で相手にできていること自体が異常な状況であった。

ステイルは自らの実力を過信せず、その理由を遠隔制御霊装の弊害にあると判断した。

インデックスは余計な意識の割り込みを受けており、本来の精度や速度を発揮できていなかったのである。ステイルは、かつて上条当麻と共に戦った際の万全な状態であれば、この程度の策では通用しなかっただろうと考えた。

しかし同時に、その遠隔制御霊装こそがインデックスを苦しめている原因であるため、感謝する気にはなれなかったのである。

行間 六

戦車の奪取と核弾頭部隊への接近

御坂美琴は電気を操る能力を利用し、学園都市製の戦車を容易に奪取した。無線通信やレーダー、UAVにも干渉したため、敵は異常を察知できず、戦車部隊は気づかれないまま戦線を離脱した。

妹達が操縦する戦車は雪道でも高速で走行し、美琴は核弾頭Nu-AD1967の準備を進める独立部隊へ向けて接近を続けた。

地対地ミサイルの迎撃

接近する戦車隊は敵に発見され、三〇から四〇発ほどの地対地ミサイルが発射された。

美琴は戦車のハッチから身を乗り出し、大規模な電磁波を放射してミサイルのレーダーへ干渉した。その結果、ミサイルは目標を見失い、別方向へ落下して爆発した。

しかし高出力のジャミングによって妹達のネットワークにも障害が発生したため、美琴は照射を中断し、敵陣への突撃を優先した。

砂鉄の津波による敵陣突破

敵は爆撃を断念し、代わりに戦車部隊を前進させて迎撃しようとした。

それに対し美琴は周囲二〇〇メートルほどから大量の砂鉄を集め、巨大な壁のような渦を形成した。砂鉄は津波のような勢いで敵陣へ押し寄せ、砲撃を受けても止まることなく拠点を蹂躙した。

混乱に陥った敵陣の中央へ、妹達の戦車はそのまま突入した。

核ミサイルへの攻撃

敵陣中央には、Nu-AD1967を搭載した巨大なミサイル運搬車両が存在していた。

状況に追い立てられるようにミサイルは発射準備へ移行し、後部から爆炎が噴き出した。美琴は戦車から飛び出し、超電磁砲ではなく電子制御系統の破壊を選択した。核物質の漏出を防ぎながら確実に無力化するためであった。

ミサイル固定用アームが切り離されようとする中、美琴は前髪へ力を集中させ、全力の電撃を放とうとした。

第一〇章 最終術式下準備完了 Rebirth_the…

ベツレヘムの星内部の探索

サーシャ=クロイツェフは『ベツレヘムの星』内部を走っていた。神殿内部には僧兵の姿すらなく、その異様な静けさから、右方のフィアンマが仲間を信じていない人物であることを感じ取っていた。

上条当麻とはフィアンマの攻撃で分断されていたが、正面から戦っても勝ち目がないと理解していたため、神殿そのものを経由した間接的な攻撃を狙うことにした。サーシャはプロジェクト=ベツレヘムの根幹が『ベツレヘムの星』と夜空にあると推測し、その制御装置を探し始めた。

黒髪の少女との遭遇

探索中のサーシャは、柱の陰から現れた黒髪の少女と遭遇した。少女は『鋼の手袋』を用いて要塞に取り付き、内部の技術を調査している最中であった。

少女は神殿下部に設置された脱出装置を案内し、戦線離脱する者はそこから脱出できると説明した。しかしサーシャはフィアンマへ一矢報いるため残ることを選択した。

少女は恩を売る代わりに将来イギリスへ協力する約束を求めたが、サーシャは深く取り合わず探索を続けた。

神殿の構造解析と上条の危機

サーシャは『ベツレヘムの星』が巨大であっても魔術的構造自体は通常の神殿と同じであると考え、知識を頼りに重要箇所を探していた。

その途中、窓の外に見える別棟で戦うフィアンマと上条の姿を目撃した。そしてフィアンマの長大な剣によって、上条の右腕が肩口から切断される瞬間を目の当たりにした。

ワシリーサの宮殿突入

一方、ロシア成教の特殊部隊『殲滅白書』のリーダーであるワシリーサはモスクワの宮殿へ到着した。

襲いかかる刺客達を意に介さず、人喰い魔女の力を用いて次々と撃破しながら宮殿奥へ進んだ。そこでニコライ=トルストイ司教と対峙した。

ニコライの反撃と死の水

ニコライはワシリーサを人喰い魔女に見初められた存在だと嘲ったうえで、『死の水』を用いて反撃した。

透明な液体は人喰い魔女を消滅させ、そのままワシリーサを飲み込んだ。ワシリーサの左半身は大きく損壊し、全身が分解され続ける状態となった。

ニコライは戦争が国家とロシア成教による正式な国策であり、それを止めようとしたワシリーサの行動を非難した。

不死性による復活と真相の暴露

しかしワシリーサは苦痛を見せず、失われた肉体を再生させ始めた。

彼女は総大主教の署名が不正に利用されていた可能性を指摘し、ロシア成教と軍部の橋渡し役だったニコライこそが最も疑わしい人物だったと語った。

さらに、人喰い魔女は『命の水』と『死の水』の両方を管理する存在であり、『死の水』だけでは自分を完全に殺せないことを明かした。

追い詰められるニコライ

ニコライは自ら用意した『死の水』が通用しなかったことに動揺した。

一方のワシリーサは再生した若々しい肉体を見せながら、人喰い魔女の力の本質は命を司る側にあると説明した。そしてニコライにはもはや有効な対抗手段がないことを示した。

笑みを浮かべたワシリーサは、人喰い魔女の力を借りて不実な大人を打ち倒し、物語を終わらせると宣言しながらニコライへ迫った。

右腕の奪取とフィアンマの完成

上条当麻の右腕は切断され、宙を舞った末に右方のフィアンマへ回収された。フィアンマは右腕を分解し、自らの『第三の腕』へ取り込んだ。

彼は『ベツレヘムの星』によって世界環境を整え、媒体となる右腕も手に入れたことで、自らの内にある本来の力を完全に発揮できるようになったと語った。取り込まれた『幻想殺し』はフィアンマの力を削りながらも消滅させるには至らず、莫大な力が『第三の腕』へ集中していった。

世界の変貌と救済計画の発動

フィアンマの力が高まると、変化は彼自身ではなく世界に現れた。

夜空には巨大な亀裂が走り、その向こうから黄金の光が降り注いだ。それは天使の力そのものであり、世界そのものがフィアンマに相応しい形へ変貌し始めていた。

フィアンマは天を整え終えたと確信し、次は地上を組み替えることで世界を正しく回転させる救済を完成させようとした。そして右腕を失った上条はもはや不要だと判断し、『第三の腕』による攻撃を放った。

見えない力の出現

フィアンマの攻撃は惑星を破壊できるほどの威力を持っていたが、上条当麻には傷一つ付かなかった。

莫大な光は上条の肩口から伸びた見えない何かによって真っ二つに裂かれていた。右腕を取り込んだはずなのに上条がなお力を持つことに、フィアンマは強い困惑を覚えた。

上条の肩口には巨大な力が集束し始め、フィアンマは自分が得た『幻想殺し』すら霞んで見えるほどの脅威を感じ取った。

力の消失と右腕の再生

上条は肩口へ集まった莫大な力を、自ら現れた別の力によって握り潰した。

集束していた力は巨大な口に呑み込まれるように消滅し、直後に上条の右腕が再生した。フィアンマの体内へ取り込まれていた『幻想殺し』の輝きは急速に失われ、本来の力が上条の右腕へ戻ったことが示された。

フィアンマは右腕を器として利用する計画に支障が生じることを恐れ始めた。

フィアンマの計画への疑問

上条はフィアンマへ問いかけた。

なぜ『ベツレヘムの星』ほど巨大な儀式場が必要だったのか、なぜ第三次世界大戦を引き起こしたのか、なぜローマ正教だけでなくロシア成教まで巻き込んだのかを指摘した。

そして、それら全てはフィアンマが自分の力を信じ切れず、より強い敵を用意して無理やり力を引き出そうとしていた証拠ではないかと追及した。

世界を救う力への恐れの指摘

上条は、世界が滅亡したことがない以上、本当に世界を救える力があるかどうかを証明する機会など存在しないと語った。

そのためフィアンマは、自分に本当に世界を救う力があるのか確信できず、巨大な計画や戦争によって確認しようとしていたのだと結論づけた。

フィアンマは反発し、自分だけでなく誰も世界を救う力を実感したことはないはずだと反論した。

上条の答えと価値観の違い

しかし上条は、自分は世界を救う力を実感したことがあると断言した。

それは全人類ではなく、一人分の世界を救った瞬間を何度も見てきたからであった。数多くの事件に巻き込まれ、傷つきながらも誰かを助けてきた経験が、その実感を与えていた。

上条は、もしフィアンマが世界という大きな枠組みではなく目の前の人へ手を差し伸べていたなら、自分の力に怯える必要はなかったはずだと語った。

世界を救おうとする者への否定

上条は、世界を救ってやるという考え方そのものが誤りだと断言した。

人々を救う対象としてしか見ていない者には世界を守れないと告げ、自分たちの世界は誰かに救われなければならないほど弱くはないとフィアンマへ言い放った。

行間 七

核ミサイル発射阻止

御坂美琴は黄金色に染まる異様な夜空を気にする余裕もなく、Nu-AD1967を搭載した弾道ミサイルへ意識を集中していた。

発射準備中だったミサイルは噴射を停止し、不安定な状態を維持できなくなったことでゆっくりと傾き、最後には地面へ倒れ込んだ。これによってミサイルの発射は不可能となった。

独立部隊の壊滅確認

美琴は周囲を見回し、独立部隊の戦車や装甲車が黒煙を上げていることを確認した。

高速振動する砂鉄によって兵器や武器類は切断されていたが、この状況にもかかわらず死者が出ていないことに驚きを覚えた。妹達は美琴の圧倒的な戦果に複雑な感情を抱いていたが、美琴は妹達全体の戦力が極めて強大であることを指摘した。

敵部隊の混乱

通信を傍受していた妹達は、首謀者と思われるニコライ=トルストイとの連絡が途絶えたことで敵部隊が混乱していると報告した。

美琴は敵が自滅したのではないかと考えたが、部隊内での議論の末、作戦続行が決定されたことを知る。さらに確認した結果、残っているのは将校級の人員のみであり、新たなミサイル発射に必要な技術者や運用要員はすでに戦闘不能になっていることが判明した。

新たな核爆発の危機

美琴はミサイルが倒れた以上、発射は不可能だと考えた。しかし妹達は、将校達がその事実を知らず遠隔地から発射命令を出そうとしていると伝えた。

その命令によってミサイルは飛ばないものの、弾頭そのものが現地で起爆する可能性があると予測されたため、美琴は激しく動揺した。

通信妨害への試行錯誤

美琴は遠隔命令を妨害するためジャミングを検討したが、通信方式が赤外線による光学通信であるため、自身の電磁波による妨害は通用しないと妹達から指摘された。

さらにミサイルは高圧電流への耐性を備えており、先ほどの攻撃でも本体の通信機能は無事である可能性が高かった。そこで美琴は受光部を物理的に塞いで通信を遮断しようと考え、急いでミサイルの周囲を調べ始めた。

第一一章 黄金に輝く天空にて Star_of_Bethlehem.

一方通行の決意

一方通行は、夜空を覆う黄金の光と世界そのものが変貌しつつある光景を目の当たりにした。しかし彼はその異変を切り捨て、打ち止めの命を救うことだけを最優先に考えた。

世界の行く末よりも、理不尽に苦しめられている打ち止めを救い出すことこそが自らの使命であると再確認し、そのために必要な行動へ移った。

『歌』のデータ回収

一方通行は番外個体に対し、木原数多のウイルスを駆除した『歌』のデータの入手状況を確認した。

番外個体は、ミサカネットワーク全体が以前から解析を続けていた結果、そのデータの取得に成功したと説明した。さらに携帯端末を通じて、楽譜や疑似音声データなど必要な情報を一方通行へ渡した。

羊皮紙の謎と法則の発見

番外個体から、学園都市の問題解決法がなぜロシアの羊皮紙に記されているのか疑問を投げかけられた一方通行は、自身が解析を続けた経緯を語った。

数学的手法で暗号を解読しようとしても決定的な誤差が生じ続けたため、通常とは異なる法則の存在に気づいたのである。そして自らの記憶を徹底的に探った結果、かつてエイワスから受けた理解不能な攻撃の中に、その法則の手掛かりが存在していたことを発見した。

彼はその未知の法則を組み込むことで羊皮紙の内容を解読し、打ち止めを救うために必要なパラメータを手に入れた。

打ち止め救出への覚悟

一方通行は、これまで裏社会で戦い続けてきた自分の歩みを振り返った。

かつては『悪党』として闇の中で戦っていたが、今は違う。一つの命を守るために戦うことの意味を理解し、そのために進む覚悟を固めていた。

ロシアをさまよっていた頃の迷いは消え去り、打ち止めを救うという明確な意志だけが残されていた。

禁忌の術式発動

一方通行は目を閉じ、手に入れた答えを歌として紡ぎ始めた。

その歌は単なる音ではなく、莫大な数式と術式を現実へ出力するものであった。しかし黄金の空から降り注ぐ不可思議な法則の影響を受けたことで、彼はさらに深い領域へ踏み込むことになる。

その過程で、自らが行っている行為が正真正銘の魔術であることに気づかぬまま、一方通行は未知の法則を受け入れていった。

魔術の反動と祈り

能力者である一方通行が魔術を行使したことで、凄まじい拒絶反応が発生した。

血管が膨張し、皮膚が裂け、全身から血と汗が噴き出した。それでも彼は歌を止めなかった。激痛に苛まれながらも音程や術式に乱れはなく、打ち止めを救いたいという一心だけで歌い続けた。

その姿は、自らの痛みを顧みず祈り続ける信徒のようであり、一方通行はただ一人の少女を救うため、己の全てを賭けて術式を紡ぎ続けたのである。

自らの道を突き進む一方通行

善人か悪人か、人間か怪物か、科学か魔術かという区分に意味はなかった。

一方通行は自分は自分でしかないと受け入れ、過去から自分を縛っていたあらゆる鎖を断ち切った。

そして血まみれになりながらも、打ち止めという小さな命を救うため、自らの信じる道をただひたすらに進み続けたのである。

浜面たちの再集結

浜面仕上は、麦野沈利との戦いの後にはぐれた滝壺理后を捜していた。雪崩の起きた山の麓を掘り返しながら必死に名前を呼び続けるが、反応はなかった。

一方、麦野は離れた場所からその様子を眺めていた。浜面に頼まれても協力する気はなく、体晶の影響を理由にしながら原子崩しを放ち、周囲の雪を吹き飛ばした。浜面は激怒したが、その直後、滝壺が背後に現れたことで三人は再び合流した。

新たな襲撃者の出現

三人は黄金色に染まった空を見上げ、新たな襲撃者が降下してくる様子を確認した。

しかし麦野は体晶の影響で戦力として期待できず、滝壺も戦闘向きではなかった。そこで浜面は二人を洞窟へ避難させ、自ら囮となって襲撃者を迎え撃つことを決意した。

襲撃者は黒い戦闘服と異様な仮面を身につけており、浜面はアサルトライフルを構えて先制攻撃を仕掛けた。

白い翼を持つ仮面の敵

ライフル弾は襲撃者を貫かなかった。仮面から生えた白い翼が盾となり、弾丸を防いだからである。

さらに仮面にはEqu.DarkMatterという文字が浮かび上がった。浜面は学園都市第二位の超能力者である垣根帝督の未元物質を連想したが、目の前の力はそれとも異なる違和感を放っていた。

襲撃者は白い翼を武器として使用し、圧倒的な速度と威力で浜面を吹き飛ばした。木々を切り裂きながら攻撃を続ける襲撃者に対し、浜面は劣勢へ追い込まれていった。

襲撃者の正体と目的

やがて浜面は、襲撃者たちが超能力そのものではなく、超能力によって生み出された新物質を兵器化しているのだと理解した。

襲撃者は麦野沈利を回収することを目的としており、体晶によって弱った第四位の能力を利用しようとしていた。浜面はその意図を見抜きながらも、三人の襲撃者に包囲される状況へ追い込まれた。

細菌兵器のハッタリによる反撃

追い詰められた浜面は、足元に散らばったガラス片を利用して学園都市との交渉材料だった細菌の壁の容器が割れたと告げた。

細菌の壁は高い致死率を持つ危険な兵器であり、その話を聞いた襲撃者たちは動揺した。感染を恐れて距離を取ろうとした瞬間、浜面はそれが炭酸水の瓶だったと明かした。

その隙を突いて白い翼の防御の届かない部分へライフル弾を撃ち込み、一人目の襲撃者を倒した。

白い翼を利用した連携攻撃

残る襲撃者たちは反撃を開始したが、浜面は倒した敵の死体から伸びる白い翼を盾として利用した。

同じ材質の翼同士がぶつかり合うことで攻撃を防ぎ、その隙に銃撃を加えて二人目の襲撃者も倒した。

しかし最後の一人は生き残り、浜面の首を掴んで木へ叩きつけた。浜面は絶体絶命の状況へ追い込まれた。

麦野と滝壺による決着

襲撃者は麦野がもはや脅威ではないと判断していた。しかし浜面は、麦野にはまだ二、三発撃つ力が残っていると告げた。

襲撃者がそれをハッタリと断じた直後、遠方から原子崩しの光線が放たれた。光線は襲撃者の右半身を大きく吹き飛ばした。

その先には、滝壺理后に支えられながら立つ麦野沈利の姿があった。滝壺が照準を補正したことで、体晶の影響で狙いを定められない麦野でも正確な攻撃が可能になっていたのである。

浜面は細菌の壁の嘘や自らの戦闘によって襲撃者たちの注意を引きつけ、麦野が確実に命中させられる状況を作り出していた。

アイテムの勝利

瀕死となった襲撃者は、自分たちが浜面仕上と滝壺理后を侮り、正しい戦力評価を怠ったことを後悔した。

最後に浜面はアサルトライフルを向けながら、それは浜面仕上一人の力ではないと否定した。

そして、自分たちを倒したのはアイテムだと告げ、地獄へ落ちても忘れるなと言い放った。

理由なき戦いと上条の反論

上条当麻は、危機を前にして行動することに特別な理由は不要だと考えていた。核ミサイルの発射を止められる状況で何もしない方が不自然であり、人は理由がなくとも戦うべき時には戦うものだと認識していた。

一方、右方のフィアンマもまた、自らの右腕の力を疑うことなく使い続けてきた。しかし両者の戦いでは、上条がフィアンマの第三の腕による攻撃を受け流し続け、フィアンマは理解できない違和感を抱いていた。

人間の悪意と善意を巡る対立

フィアンマは、人類の悪意こそが世界を歪ませている原因であり、第三次世界大戦によってその本性が露わになったと主張した。

それに対し上条は、人間の心に悪意が存在することを認めながらも、それだけが本質ではないと反論した。人類が滅びずに歴史を積み重ねてきた事実こそが、人を傷つける心よりも繋がろうとする心の方が強かった証拠であると語った。

そして、人は特別な力や理由がなくとも、大切なものを守るために戦えるのだとフィアンマへ告げた。

世界各地で発生する黄金の災厄

その頃、世界各地では黄金の巨大な腕が地中や海中から出現し始めていた。

日本海では黄金の腕が破裂し、巨大な高波が発生して学園都市やロシア軍の艦隊を飲み込もうとした。東欧では黄金の腕の破裂によって巨大な雷雲が発生し、戦場全体を破壊し尽くそうとしていた。

各地の人々は戦争どころではなくなり、学園都市側とロシア軍側の兵士たちは敵味方の立場を超えて災害への対処を始めた。

明け色の陽射しの参戦

ドーバー海峡では金髪の少女と礼服の男たちから成る魔術結社「明け色の陽射し」が行動を開始した。

少女は黄金の腕がフィアンマによる地上浄化計画の一環であると分析し、人類を救うために各国の兵士へ協力を呼びかけた。イギリス軍、フランス軍、学園都市、ロシア軍を問わず支援攻撃を行うよう指示し、黄金の腕への反撃を開始した。

世界中で広がる共闘

後方のアックアは、人々が所属や立場を超えて黄金の腕へ立ち向かう様子を見て、世界を救うのは特定の英雄ではなく世界に生きる人々自身であると実感した。

さらに、かつて傭兵に助けられた者たちや占星施術旅団の関係者たちも集結し、それぞれが守りたいもののために武器を取った。

世界各地で人々は敵味方の区別を超え、災厄を止めるために動き始めた。

ロシア成教とローマ正教の協力

ワシリーサは軟禁されていたロシア成教の総大主教を救出した。

フィアンマが建造したベツレヘムの星にはロシア成教とローマ正教の秘術が利用されていることから、両宗派の知識を用いて要塞の構造を解析し、弱体化させる計画が立てられた。

同じ頃、ローマ教皇の座を退いたマタイ=リースも地下書庫で術式解析を進めていた。彼はローマ正教の利益を失う可能性を承知の上で、人々を救うためにフィアンマを止める決意を固めていた。

サーシャとレッサーの抵抗

ベツレヘムの星内部では、サーシャ=クロイツェフが魔法陣の構築を始めた。

フィアンマに利用された自らの存在を逆に利用し、計画へ楔を打ち込もうと考えたのである。レッサーもその意図に賛同し、脱出計画を一時中断して協力した。

さらにロシア成教の魔術師たちも加わり、フィアンマの計画妨害に向けて行動を開始した。

救助活動と各国の反撃

元アニェーゼ部隊の修道女たちは、戦場各地で負傷兵の救助とシェルター建設を行っていた。

学園都市兵やロシア兵は、自分たちを救う修道女たちの行動を目の当たりにしながら、今度の敵は互いではなく世界を脅かす災厄そのものであると認識していた。

またキャーリサや傾国の女も黄金の腕を破壊し続け、各国の戦力はフィアンマの計画阻止へ向けて統合されていった。

三大宗派の結束

ステイル=マグヌスはインデックスを足止めしながら時間を稼いでいた。

その裏ではローラ=スチュアートがローマ正教とロシア成教の指導者たちと連絡を取り合い、ベツレヘムの星を崩壊させるための協力体制を築いていた。

こうしてイギリス清教、ローマ正教、ロシア成教の三大宗派は手を取り合い、フィアンマの暴走を止めるために動き出した。

フィアンマの力の衰退

ベツレヘムの星の各所で障害が発生したことで、フィアンマを支えていた力は急速に失われ始めた。

上条との戦闘でも第三の腕の出力は徐々に低下し、本来の万能性を失っていった。さらに世界各地で人々が協力し合い、フィアンマの計画を妨害し続けたことで、彼の構想は崩れ始めていた。

上条は、人々の善意が悪意に勝った現状こそがフィアンマの敗北を示していると告げた。

最後の逆転策

しかしフィアンマは敗北を認めなかった。

人々の善意によって地上の変質が妨げられた結果、天空と地上の間に莫大な力が蓄積され続けていたと説明した。そして蓄積された天使の力が限界を超えれば、天空から地上へ一気に流れ込み、ユーラシア大陸全土を飲み込む大災害になると語った。

その破壊によって再び絶望と悪意が生まれれば、自分はさらに強大な力を得て世界を支配できると主張した。

フィアンマは莫大な力がベツレヘムの星へ流れ込む様子を見ながら、これで自分の勝ちだと上条へ宣言した。

行間 八

核弾頭の無力化

御坂美琴はNu-AD1967の弾頭側面にある窪みへ布を詰め込み、ようやく弾頭の無力化が完了したと判断した。

妹達は通信内容を傍受し、敵側は弾頭が機能しないことに焦りながらも、実行部隊を失ったため逃走へ移ろうとしていると報告した。また、核兵器は放棄する方針であることも伝えた。

敵勢力の包囲と後処理

美琴は敵を放置すると後々問題になると考えたが、妹達はロシア軍の別派閥がすでに将校クラスの人物を特殊部隊で包囲していると説明した。

建物へ直接突入しないのは、追い詰められた相手に核爆弾を起爆する時間を与えないためだと美琴は推測した。

その後、美琴はスコップを利用して弾頭の受光部を破壊し、さらにコンピュータ接続用の箇所も潰したことで、弾頭を完全に使用不能な状態へ追い込んだ。

核兵器問題の解決

美琴は弾頭が別の外殻へ移されれば話は変わるとしながらも、現状では使用不可能になったと判断した。

妹達も、重量が二トンある弾頭をクレーンなしで運搬するのは困難であると述べた。

美琴は念のためロシア当局か学園都市へ場所を報告するよう指示し、核兵器を巡る問題はひとまず解決した。

上条を追う決意

核兵器問題を解決した美琴は、自分がロシアへ来た本来の目的を思い出した。

彼女は核兵器対策のためではなく、上条当麻と会い、一発殴るためにここまで来たのだと再確認した。

妹達が追加情報の取得や報酬について話し合う中、美琴はそれを気に留めず次の行動を考えていた。

天空の要塞への移動手段の発見

美琴は妹達へ兵器の取り扱い知識について確認した後、近くにあるVTOL機を指差した。

そして、その機体を利用すれば天空の要塞まで飛んで行けるのではないかと考え、次の目的地へ向かう手段として注目した。

第一二章 北極海の最後の決着 Last_Fight.

白い雪原

一方通行の歌は止み、全身を血に染めたまま雪原に膝をついていた。喉も体も限界に達していたが、彼はもはや歌い続ける必要がないと理解していた。

その時、打ち止めが大丈夫かと声をかけた。一方通行はその声から、打ち止めの意識と存在が安定したことを確信した。

打ち止めとの再会

一方通行は震える腕で打ち止めを強く抱き締めた。理不尽な苦しみから彼女を救えたことを実感し、本当に良かったと涙混じりに喜びを漏らした。

打ち止めもまた彼の背中に手を回し、静かに撫でながらその想いを受け止めた。一方通行は、この世界には確かに悪意が存在する一方で、自ら手を伸ばし続ければ救いも存在することを改めて感じていた。

天空の要塞から迫る脅威

感動の再会の最中、番外個体は戦争がまだ終わっていないと警告した。

一方通行が空を見上げると、黄金の光を吸収する巨大な要塞が浮かんでいた。その内部に集束する莫大な力は地上へ向けられており、発射されれば甚大な被害が出ることを直感した。

怒りを覚えた一方通行の背中からは黒い翼が噴き出した。彼は番外個体に打ち止めを託し、自ら要塞を止めに向かう決意を固めた。

打ち止めとの別れ

打ち止めは一方通行へどこにも行かないでほしいと訴え、一緒にいたいと願った。

一方通行も同じ想いを認めながら、彼女の手を優しく離した。その直後、黒い翼は純白へと変化し、頭上には光の輪が現れた。

一方通行は白い翼で宙へ舞い上がり、一瞬で数千メートル上空へ到達した。そして天空の要塞から投下された黄金の力へ向かって一直線に飛翔した。

黄金の力の阻止

要塞から放たれた莫大な天使の力と、一方通行の力が上空で激突した。

その結果、地上を覆うはずだった黄金の力は阻止され、人々を巻き込む大災害は発生しなかった。悲劇によって増幅されるはずだった悪意も抑えられ、人々の間には自分たちの力で世界を守れるという想いが広がっていった。

上条当麻の反撃

上条当麻は前進を続け、右方のフィアンマへ迫った。

フィアンマは第三の腕で迎撃しようとしたが、地上に広がった善意の影響でその力は弱体化していた。上条の拳は第三の腕を打ち砕き、フィアンマの最大の武器を失わせた。

さらにフィアンマは遠隔制御霊装を用いて反撃を試みたが、禁書目録側で発生した障害により検索作業が妨害され、最後の手段も封じられた。

幻想の終焉

ベツレヘムの星は崩壊を始め、上条の足場も崩れ始めた。しかし上条は立ち止まらず、崩れゆく足場から跳躍してフィアンマへ向かった。

フィアンマは、自らが幸運や奇跡に頼る一方で、上条がそれらを踏み越えて進む存在であることを理解した。

上条は拳を振り抜き、まずはその幻想をぶち殺すと叫びながらフィアンマの顔面を殴り飛ばした。その一撃によって第三の腕は完全に消滅し、フィアンマは敗北した。

崩壊する要塞と脱出

第三の腕を失った影響でベツレヘムの星は急速に不安定化し、脱出が必要な状況となった。

要塞内の放送から、脱出用コンテナの大半が使用不能となり、残されたコンテナは一人用が一基だけであることが伝えられた。

フィアンマは自分がここで終わると受け入れようとしたが、上条は彼を無理やり立ち上がらせて脱出用コンテナへ連れて行った。

上条の選択

フィアンマは脱出用コンテナが一人分しかなく、自分か上条のどちらかしか助からないと告げた。

しかし上条は迷わずフィアンマをコンテナへ押し込み、自分ではなく彼を脱出させた。

なぜそんなことをするのかと問うフィアンマに対し、上条は世界がどれほど広いのか分からないのなら、これからたくさん確かめてみろと答えた。

コンテナは射出され、フィアンマは要塞から脱出した。

新たな来訪者

最後のコンテナを見送った上条には、もはや安全に脱出する手段は残されていなかった。

その時、轟音と共に一機のVTOL機が現れた。上条はコックピットに乗る人物の顔を見て、その人物に見覚えがあることに気づいた。

VTOL機による接近

御坂美琴はVTOL機の後部座席から身を乗り出し、妹達に要塞への接近を指示した。ついに上条当麻と同じ場所まで辿り着いたことに高揚しながら、降下を始めた要塞の状況を気にしていた。

妹達は周囲の環境を分析し、要塞周辺では高度一万メートルを超えているにもかかわらず地表とほぼ同じ環境が維持されていると判断した。そのため風防を開放し、美琴は直接上条へ近づこうとした。

主翼からの救出作戦

VTOL機は要塞へ慎重に接近したが、激しく揺れる要塞への着陸は危険だと妹達は判断した。

美琴は着陸を諦め、自ら主翼の上を進んで上条を引き上げる方法を選んだ。磁力で体を固定しながら主翼を進み、揺れる機体の上から必死に手を伸ばした。

やがて上条と視線が交わったが、上条は首を横に振り、救出を拒んだ。まだやるべき事があるという意思を、美琴は唇の動きから読み取った。

救出失敗と別れ

要塞の揺れはさらに激しくなり、VTOL機は安全のため離脱を開始した。

美琴は磁力で上条を引き寄せようとしたが、上条の持つ能力によってその力は無効化されてしまった。最後の手段も失われ、美琴は上条を要塞に残したまま離れることになった。

風防が閉じられ、要塞との距離が開く中、美琴は絶叫した。

上条とインデックスの再会

上条は要塞を落下させないため、そして遠隔制御霊装を破壊するために行動を続けた。

その途中、誰もいないはずの要塞内でインデックスの声を聞いた。霊装から解放されつつあった彼女の意識が現れ、上条に脱出しなかった理由を尋ねた。

上条は要塞の処理と霊装の破壊が残っていると説明し、さらに長く隠してきた記憶喪失の事実を打ち明けようとした。しかしインデックスはそれを遮り、いつもの上条が戻ってくれればそれで良いと告げた。

上条は必ず帰ると約束し、帰還後に改めて全てを話すと誓った。

遠隔制御霊装の破壊

上条は床に落ちていた遠隔制御霊装を発見した。

右手で霊装を掴むと、それは崩壊した。同時にインデックスを縛っていた力も消滅し、彼女の意識も本体へ戻っていった。

こうして上条は完全に一人となり、落下を続ける要塞の制御へ集中することになった。

ベツレヘムの星の降下作戦

ステイルの指示により、上条は要塞を安全に北極海へ着水させるため大型上昇用霊装の破壊を開始した。

施設内をモノレールや徒歩で移動しながら、三番霊装を破壊し、続いて九番霊装へ向かった。ステイルはローマ正教やロシア成教の情報をもとに進路変更計画を立案し、上条はその指示に従って行動した。

その過程でステイルは上条との共闘に言及し、上条もインデックスを苦しませたくなかったからこそ彼女に頼らなかったと答えた。

大天使ミーシャの再始動

その頃、フィアンマの敗北によって自由となった大天使ミーシャ=クロイツェフが再び活動を開始していた。

ミーシャは本来の座へ戻るため、北極の氷を取り込みながら莫大な力を集め始めた。北極の氷は急速に融解し、大規模な災害の危険が発生した。

ステイルはその動きを察知し、北半球全体を破滅させかねない事態に危機感を抱いた。

進路変更と迎撃決意

上条は要塞の進路を変更し、当初の安全降下ルートから外れた。

それは北極海へ向かうミーシャを阻止するためだった。落下速度を増したベツレヘムの星は、大天使の進路上へと向かっていった。

地上ではミーシャが雪と氷を吸収しながら進撃し、魔術師達の抵抗も意に介さず北極海へ到達した。

ベツレヘムの星と大天使の激突

北極海上空から落下したベツレヘムの星は、ミーシャへ向けてそのまま激突した。

巨大要塞が海へ沈み込む中、上条は内部をさらに下へ進み続けた。極寒の海水が流れ込む暗闇の中で、青く輝くミーシャの存在を発見する。

上条はこれまでの戦いと出会いを思い返しながら、自分が救ってきた人々のためにも前へ進み続ける決意を新たにした。そして大天使へ向かって一直線に突撃した。

第三次世界大戦の終結

上条とミーシャが激突すると同時に、ベツレヘムの星は完全に崩壊した。

その後、第三次世界大戦の終結が確認された。北極海沿岸では一部浸水被害が発生したものの死者は出ず、ミーシャ=クロイツェフの反応も消失した。北極海の氷の融解も停止し、危機は回避された。

しかし北極海で行われた捜索では生存者は発見されなかった。

上条当麻は、二度目の死を迎えたとされた。

終章静寂と少年の終わり Silent_to_Small_Fire.

第三次世界大戦後の聖ジョージ大聖堂

ステイル=マグヌスは、『ベツレヘムの星』の墜落とミーシャ=クロイツェフの消失を知らされながらも、上条当麻が最後まで戦い続けたことを思い返していた。

そこへインデックスが現れ、上条の居場所を尋ねた。しかし誰も答えることができなかった。彼女は周囲の沈痛な空気から結果を悟りながらも、再び上条の行方を問いかけた。

浜面たちの窮地

浜面仕上は、滝壺理后と麦野沈利と共に雪に埋もれた車両を掘り起こしながら脱出手段を探していた。

しかし本来の目的であった学園都市との交渉材料は見つからず、追跡から逃げ切る術もなかった。そんな中、学園都市の暗殺部隊が現れ、三人を包囲した。

さらにヘルメットを被ったスーツ姿の女が現れ、麦野と滝壺は回収対象であり、浜面には価値がないため処分される予定であると告げた。

滝壺理后の価値の発覚

スーツの女は、滝壺が能力追跡によって他者の能力へ干渉できる可能性を秘めていると説明した。

学園都市上層部は滝壺を『八人目』へ到達させようとしており、それが実現すれば他者の能力を自在に与えたり奪ったりできる存在になるという。能力者全体を支配できるほどの価値を持つため、上層部は長年研究を続けていたのだった。

さらに彼女は、能力者としての素質は努力ではなく生まれ持った資質によって大きく決定されていることを示唆した。

素養格付の真実

スーツの女は、『素養格付』と呼ばれる能力者の将来性を記録した情報の存在を明かした。

それは能力開発以前から将来の成長限界や可能性を把握するものであり、研究者達は誰が将来超能力者になるかを事前に知っていた。

浜面は、自分達が信じていた努力による成長の希望が根底から覆される事実に衝撃を受けた。麦野も激怒し、浜面が闇へ落ちた原因の一端が学園都市側の選別にあると非難した。

その話を聞いた浜面は、『素養格付』こそが学園都市と交渉するための材料になると考えた。

ロシア人達の救援

暗殺部隊が発砲しようとした瞬間、別方向から銃撃が加えられた。

倒れたのは浜面達ではなく暗殺部隊の兵士達だった。現れたのはディグルヴやグリッキンをはじめとするロシア人達であり、彼らは浜面達を救うために戻ってきていた。

浜面は彼らの援護によって窮地を脱し、追撃部隊が到着する前に情報を得るため、スーツの女を捕らえて尋問する決意を固めた。

一方通行の帰還宣言

一方通行は雪原で意識を取り戻した後、学園都市の回収部隊によって輸送ヘリへ収容された。

研究員達に対し、打ち止めや妹達を利用することをやめるよう要求したが拒絶されたため、自ら能力を再起動させた。

拘束具やヘリの内部を破壊しながら、一方通行は学園都市へ戻ることを宣言した。そして打ち止めと番外個体を救うために行動を開始しようとしていた。

フィアンマの再出発

右方のフィアンマは脱出用コンテナから這い出し、戦争の終結を知った。

全てを失い、今後は世界中から追われる立場になることを理解していたが、それでも上条当麻が示した可能性を捨て切れず、自らの足で歩き出そうとした。

しかしその直後、突如放たれた攻撃によって右腕を切断された。

アレイスターとの対面

フィアンマの前に現れたのはアレイスター=クロウリーだった。

アレイスターは、フィアンマが上条の右手の本質へ近づき過ぎたことを問題視していた。二人は世界の構造や上条の右手、そしてフィアンマの計画について語り合った。

アレイスターはフィアンマの思想が自分の計画と近い部分を持っていたと認めながらも、その方法論が古かったと指摘した。

フィアンマ最後の戦い

フィアンマは、自分には欠けていたものを上条が持っていたことを理解した。

それでも上条が命懸けで守った世界を踏みにじらせるわけにはいかないと考え、自らの残された力を振るってアレイスターへ挑んだ。

二つの影は激突したが、勝敗は明らかだった。戦いの後、アレイスターはフィアンマの敗因を語り、その場を去っていった。

ローラの確信

ロンドンでは、ローラ=スチュアートが探査霊装によってアレイスターの反応を確認した。

長年死亡したとされていたアレイスターが生存していることを確信したローラは、この事実を利用して学園都市そのものを手中に収める可能性を見出した。

彼女は第三次世界大戦の先に続く新たな争いの兆しを感じながら、その機会を歓迎していた。

エイワスと風斬の会話

学園都市では、エイワスが自らの存在がまもなく表舞台から離脱することを理解しながらも楽しげに振る舞っていた。

風斬氷華は人間の可能性を軽視しないよう忠告したが、エイワスはそれすら興味深い事例だとして受け止めた。

エイワスは、人間達が今後どのような未来を築くのかを楽しみにしていた。

御坂美琴の発見

御坂美琴は妹達と共に北極海沿岸へ辿り着いた。

要塞墜落後の痕跡を探したが、上条当麻の手掛かりは見つからなかった。諦めきれず凍った海を棒で探っていたところ、小さな合成樹脂の塊を見つけた。

それは九月三〇日に上条と共に手に入れた、紐が千切れたゲコ太のストラップだった。

終戦宣言

終戦宣言

ロシア成教総大主教クランス=R=ツァールスキーは声明を発表し、学園都市との会談に応じることと、全ての戦闘行為の終息を宣言した。

彼は過去の誤った判断によって大きな惨事を招いたことを認め、その責任を受け入れる意思を示した。そして戦いの本来の目的は大切な者を守ることであり、今こそ平和を取り戻すべき時であると訴えた。

さらに、大戦終盤の超自然災害の中で敵味方を問わず助け合った人々の行動を称え、その選択が未来において正しいものとして記録されることを願った。

瀕死のフィアンマ

右方のフィアンマは重傷を負い、右腕を失った状態で雪原に倒れていた。

冷気の中で身動きも取れず、このまま雪に埋もれることを自覚していた時、二人組の人影が現れた。一人はゴーグルを額に上げた金髪の女性であり、もう一人はベスト姿の金髪の男性だった。

二人は極寒の環境にそぐわない服装でありながら平然としており、倒れたフィアンマの様子を確認していた。

謎の男からの提案

男性は、フィアンマが見聞きした情報を教える代わりに、住む場所と身の安全を保証すると提案した。

彼はフィアンマが属していた時代から、さらに先の時代を読み解く手掛かりを得たいと考えていた。

瀕死のフィアンマは相手の正体を尋ねた。

オッレルスの名乗り

男性は自らをオッレルスと名乗った。

そして、自分はかつて魔神になるはずだったが、隻眼のオティヌスにその座を奪われた魔術師であると語った。

フィアンマは、その短い名乗りの中に相手の特異な経歴を知ることとなった。

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