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とある魔術の禁書目録フィクション(Novel)読書感想

小説「とある魔術の禁書目録(20)」感想・ネタバレ

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とある魔術の禁書目録 20の表紙画像(レビュー記事導入用) とある魔術の禁書目録

とある魔術の禁書目録(19)レビュー
【とある魔術の禁書目録】あらすじ・ネタバレ・まとめ
とある魔術の禁書目録(21)レビュー

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  1. 物語の概要
    1. ■ 作品概要
    2. ■ 主要キャラクター
    3. ■物語の特徴
  2. 書籍情報
  3. あらすじ・内容
  4. 感想
  5. 考察・解説
    1. 第三次世界大戦
    2. 学園都市の技術
    3. フィアンマの計画
    4. ロシアの雪原
    5. 上条と一方通行
    6. 打ち止めの救済
  6. 登場キャラクター
    1. 学園都市
      1. 上条当麻
      2. 一方通行(アクセラレータ)
      3. 打ち止め(ラストオーダー)
      4. 浜面仕上
      5. 滝壺理后
      6. 番外個体(ミサカワースト)
      7. 御坂美琴
      8. 麦野沈利
      9. 亀山琉太
      10. 爆撃機のパイロット
      11. 白い駆動鎧をまとった兵士たち
      12. 黒ずくめの男達
    2. イギリス陣営
      1. レッサー
      2. 第二王女キャーリサ
      3. 騎士団長
      4. 神裂火織
      5. アニェーゼ=サンクティス
      6. アガター
      7. ステイル=マグヌス
      8. ローラ=スチュアート
      9. インデックス
      10. イギリスの魔術師たち
      11. 新生天草式十字凄教の魔術師達
      12. 元アニェーゼ部隊のシスター達
      13. 騎士派
    3. フランス陣営
      1. 『傾国の女』
      2. フランスの魔術師たち
    4. ローマ正教
      1. 右方のフィアンマ
      2. 前方のヴェント
      3. 後方のアックア
    5. ロシア成教
      1. サーシャ=クロイツェフ
      2. ヴォジャノーイ
      3. ワシリーサ
      4. ニコライ=トルストイ
      5. ロシア成教の魔術師たち
      6. 修道服の集団
    6. ロシア軍
      1. エカリエーリャ=A=プロンスカヤ
      2. ロシア空軍のパイロットたち
      3. ロシア兵たち
    7. プライベーティア
      1. プライベーティアの傭兵達
    8. エリザリーナ独立国同盟
      1. エリザリーナ
      2. エリザリーナ独立国同盟の国境警備隊
    9. その他の民間人・集団
      1. ディグルヴ
      2. 集落の人々
      3. 少女
      4. 赤ん坊を抱えている女性
    10. 人智を超えた存在
      1. エイワス
      2. 風斬氷華(ヒューズ=カザキリ)
  7. 展開まとめ
    1. 宣戦布告
    2. 序 章 火薬が鼻につく天空 Shooting_Game.
    3. 第一章 善と悪、各々の入国 World_War_III.
    4. 行間一
    5. 第二章 侵攻と逆襲の幕開け Angel_Stalker.
    6. 行間 二
    7. 第三章 疑念の壁と対峙せよ Great_Complex.
    8. 行間 三
    9. 第四章 ここからが反撃の時 Heroes_Congregate.
    10. 戦況報告
  8. 同シリーズ
    1. とある魔術の禁書目録
    2. 外伝
    3. とある暗部の少女共棲
    4. 同著者シリーズ
    5. ヘヴィーオブジェクトシリーズ
  9. その他フィクション

物語の概要

■ 作品概要

『とある魔術の禁書目録(20)』は、超常現象を操る「魔術」と、科学技術によって超能力を開発された「科学」の勢力が激突する、SFファンタジーおよび学園異能バトルアクション作品である。

物語は、10月18日にロシアから第三次世界大戦の宣戦が布告されるところから始まる。この全世界を巻き込む大戦の背景には、ローマ正教の秘密組織『神の右席』の最後の一人、右方のフィアンマの政治的暗躍が存在していた。 戦火が広がる過酷なロシアの雪原へ、学園都市から三人の少年が向かう。上条当麻はフィアンマの霊装奪取により昏睡状態となったインデックスを救うため、一方通行は謎の存在『エイワス』の出現による高負荷で衰弱した打ち止めを救うため、そして浜面仕上は能力促進剤の副作用に苦しむ滝壺理后を治療するためである。彼らは三者三様の想いを胸に抱き、世界大戦の中心地であるロシアへと身を投じていく。

■ 主要キャラクター

上条当麻:学園都市の高校生であり、あらゆる異能の力を打ち消す「幻想殺し(イマジンブレイカー)」を右手に宿す少年。昏睡状態に陥ったインデックスを救い、フィアンマが引き起こした理不尽な戦争を止めるためにロシアへ乗り込む。

一方通行(アクセラレータ):学園都市第一位の超能力者。命の危機に瀕している打ち止めを救う手がかりを求めてロシアを奔走する。学園都市からの新たな刺客「番外個体」との凄惨な戦闘で精神を破壊され暴走するが、絶望の淵で上条当麻と激突し、己の進むべき道を突きつけられる。

浜面仕上:元・暗部組織『アイテム』の小間使いであり、特別な力を持たない無能力者の少年。衰弱した滝壺理后の治療法と学園都市との交渉材料を求めてロシアを逃亡する。理不尽な暴虐から集落の人々を守るため、高射砲を駆使して最新鋭の攻撃ヘリと死闘を繰り広げる。

右方のフィアンマ:ローマ正教『神の右席』のリーダーであり、第三次世界大戦を引き起こした真の黒幕。自身の計画「プロジェクト=ベツレヘム」を完遂するため、インデックスの持つ10万3000冊の魔道書の知識、上条当麻の右腕、そして天使の媒体となるサーシャ=クロイツェフを狙い、圧倒的な力で蹂躙する。

番外個体(ミサカワースト):学園都市の第三次製造計画によって生み出された「妹達(シスターズ)」の新たな個体。一方通行のトラウマを刺激し、精神を破壊して自滅に追い込むためだけに送り込まれた悪意の刺客である。

レッサー:イギリスの結社予備軍『新たなる光』に所属する魔術師の少女。上条当麻が死ねばイギリスの不利益になると考え、案内役や共闘相手として彼をサポートする。

■物語の特徴

本作の最大の特徴は、世界規模の「第三次世界大戦」へと物語のスケールが一気に拡大し、魔術サイド(ローマ正教・ロシア成教)と科学サイド(学園都市)による全面的な直接戦闘が描かれている点である。学園都市の常識外れな超音速爆撃機や急速要塞構築技術と、魔術師たちの異能が正面から激突する戦場の描写は圧巻のスケールを誇る。

また、これまで異なる視点や状況で別々に描かれてきた三人の主人公、「上条当麻」「一方通行」「浜面仕上」が、それぞれ愛する少女を救うという共通の目的を持って同じロシアの地に集結し、ついに物語が本格的に「交差」する点も大きな魅力である。 最強の能力を持ちながら守るべき存在のために苦悩し暴走する一方通行と、無能力の弱者でありながら知恵と度胸だけで強大な軍器に立ち向かう浜面仕上、そしてどんな相手にも屈せず理不尽な悪意に真っ向から拳を振り上げる上条当麻。三者三様の生き様と、それぞれの泥臭い戦いを通じて「ヒーロー」とは何かが問われる展開は、読者に強い感情移入と熱いカタルシスをもたらしている。

書籍情報

とある魔術の禁書目録 20
(A Certain Magical Index)
著者:鎌池 和馬 氏
イラスト:はいむらきよたか 氏
出版社:株式会社KADOKAWA電撃文庫
発売日:2010年3月10日
ISBN:9784048683937

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あらすじ・内容

科学と魔術が交差するとき、物語は始まる──!
10月18日。ロシアより、第三次世界大戦の宣戦が布告された。学園都市とロシアの激突は全世界を巻き込む大規模なものとなる。この背景には『神の右席』最後の一人、フィアンマの政治的暗躍があった。そんな世界大戦戦火の渦中で、奔走する者達がいた。学園都市の高校生・上条当麻は、フィアンマによる霊装奪取の影響で昏睡状態になったインデックスを解き放つため。最強の超能力者・一方通行は、謎の存在『エイワス』出現による高負荷が掛かった打ち止めを救うため。元・暗部組織『アイテム』小間使い・浜面仕上は、能力促進剤『体晶』の乱用によって衰弱した滝壺理后を治療するため。彼らは三者三様の想いを抱き、緊迫のロシアへと向かう! そこで待ち受けていたものとは……。

とある魔術の禁書目録(20)

感想

読んでまず感じたのは、物語のスケールが一気に世界規模へと広がったことである。

ついに第三次世界大戦が勃発し、これまで学園都市やイギリスを中心に描かれていた物語が、ロシア全土を巻き込む大戦へと発展していく。その壮大さには圧倒されるばかりだった。

特に印象に残ったのは、学園都市の常識外れな技術力である。

大国ロシアを相手にしながら、わずかな戦力で防衛網を構築してしまう様子には驚かされた。これまでも学園都市の技術力は描かれてきたが、戦争という舞台で改めて見ると、その異常さがより際立って見える。

そんな戦火の広がるロシアへ、上条当麻、一方通行、浜面仕上の三人が集結する。

立場も価値観も異なる三人だが、行動原理は驚くほど単純だ。

上条はインデックスのために、一方通行は打ち止めのために、浜面は滝壺のために戦っている。

世界の命運が懸かった戦争でありながら、その根底にあるのは大切な人を守りたいという個人的な願いである。その泥臭さが本作らしい魅力だと感じた。

中でも印象的だったのは浜面の活躍である。

無能力者でありながら、滝壺を守るために命を懸けて戦う姿には何度も心を動かされた。

特に、立ち寄った集落を襲撃する傭兵部隊から村人たちを守ろうとする場面は非常に熱い。

特別な力を持たない彼だからこそ、その覚悟や行動力がより際立って見える。読んでいて思わず応援したくなる主人公だった。

そして本巻で最も印象に残ったのは、上条と一方通行の激突である。

番外個体との戦いによって精神的に追い詰められた一方通行が、黒い翼を出して暴走する展開には衝撃を受けた。

これまで打ち止めを守るために必死に戦い続けてきた彼だからこそ、その苦しみが伝わってきて胸が痛くなる。

そんな一方通行を止めたのが上条だった。

力でねじ伏せるだけではなく、真正面からぶつかり合うことで彼の迷いを断ち切ろうとする姿は非常に印象深い。

読んでいて感じたのは、この戦いは敵味方の戦闘というよりも、一方通行が再び立ち上がるための戦いだったということである。

激しい衝突を経て、一方通行が前を向く場面には大きなカタルシスがあった。

また、戦いの後に上条が打ち止めへ手を差し伸べる場面も印象に残っている。

多くを語らずに彼女を助け、再びインデックスを救うために歩き出す姿には、上条らしい優しさが感じられた。

終盤ではフィアンマとの戦いがさらに激しさを増し、人工天使カザキリまでが戦場へ現れる。

状況はますます混迷を深め、どこへ向かうのか全く予想できない。

読んでいて感じたのは、本巻は第三次世界大戦そのものよりも、それぞれが守りたいもののために戦う物語だったということである。

上条、一方通行、浜面。

三人の主人公たちがそれぞれの信念を胸に戦い続ける姿が非常に印象的だった。

戦いはまだ終わらず、世界の危機も続いている。

この先、彼らがどのような結末へ辿り着くのか。続きが気になって仕方がない一冊だった。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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とある魔術の禁書目録(19)レビュー
【とある魔術の禁書目録】あらすじ・ネタバレ・まとめ
とある魔術の禁書目録(21)レビュー

考察・解説

第三次世界大戦

『とある魔術の禁書目録』の第20巻以降において、物語の大きな節目として描かれるのが第三次世界大戦である。科学サイドの最高峰である学園都市と、魔術サイドの巨大勢力が激突するこの戦争について、開戦の背景から戦場に集う主人公たちの動向までを詳しく解説する。

開戦の背景と表向きの理由

10月18日、ロシア連邦大統領ソールジエ=クライニコフが学園都市に対して宣戦布告を行ったことで、世界を巻き込む大戦の火ぶたが切って落とされた。

ロシア側が掲げた表向きの理由は以下の通りである。
・地球温暖化や海面上昇といった環境破壊の元凶が、学園都市の持つ特異な科学技術にあるという主張。
・学園都市が進めている各種プロジェクトの全面凍結要請。
・問題解決に向けた最先端科学技術の全面開示要求。

学園都市がこの要求を拒否したため、ロシア軍による侵攻作戦が開始された。さらに、学園都市と強い友好関係にあるイギリスも同罪であると見なされ、結果として世界規模の戦争へと発展することとなった。

真の黒幕とプロジェクト=ベツレヘム

この世界規模の戦争を裏で引き起こした真の黒幕は、ローマ正教の暗部である神の右席最後の一人、右方のフィアンマである。彼はローマ正教とロシア成教の双方を裏から操ることでイギリスと学園都市の陣営を孤立させ、意図的にこの大戦を誘発した。

彼の真の狙いは、自らが神よりも上位の存在へと至るための計画であるプロジェクト=ベツレヘムの成就にあった。フィアンマはその計画を完遂するために必要な要素として、以下の対象を確保すべく戦火のロシアで暗躍する。
・あらゆる異能を打ち消す上条当麻の右腕。
・インデックスの脳内に保管されている10万3000冊の魔道書の知識。
・大天使ガブリエルを現界させるための媒体となる修道女サーシャ=クロイツェフ。

学園都市の圧倒的な軍事力と裏の思惑

世界三大軍事勢力の一つである大国ロシアに対し、人口230万人の学園都市は数において圧倒的な劣勢にあると思われた。しかし、蓋を開けてみれば学園都市が保有する数十年先を行く最先端テクノロジーがロシア軍を蹂躙することとなる。

学園都市の軍事的な特徴として、以下の要素が挙げられる。
・最大速度マッハ2.5に達し、多方向からの同時攻撃が可能なレーザーユニットを搭載した超音速戦闘機。
・広範囲に攻撃用微粒子を散布して敵の退路を断つ無人兵器や駆動鎧部隊。
・肉体をマイナス70度で凍結させ、脳の電気信号のみで操縦することで人体の限界を超えた超機動を実現したパイロット。

さらに、学園都市統括理事長のアレイスター=クロウリーは、この大戦の混乱に乗じて全世界の魔術活動を停止させる計画を進行させていた。彼はミサカネットワークを介して学園都市中のAIM拡散力場を誘導し、人工の天使であるヒューズ=カザキリをロシアへ投入するなど、独自の思惑で事態をコントロールしようと目論んでいた。

戦場に集う三人の主人公

この極限状態の戦場へ、三人の少年たちがそれぞれの守るべき少女を救うという切実な目的を胸に集結する。

・上条当麻
フィアンマによる遠隔制御霊装の負荷で苦しむインデックスを救うため、イギリスの魔術結社予備軍である新たなる光のレッサーを伴ってフィアンマを追跡する。彼は、ロシア軍の裏に隠された秘密のルートへ侵入して元凶の元へと急ぐ。

・一方通行(アクセラレータ)
科学天使であるエイワスの出現に伴い、脳へ多大な負荷を受けて命の危機に瀕している打ち止め(ラストオーダー)を救うため、ロシアへと渡る。精神を安定させる手がかりとなる謎の羊皮紙を巡り、ロシア軍や学園都市の暗部、そして新たなる刺客として送り込まれた番外個体(ミサカワースト)と凄惨な死闘を繰り広げる。

・浜面仕上
能力促進剤である体晶の乱用によって心身ともに衰弱した滝壺理后を治療するため、学園都市の追っ手から逃れてロシアの雪原へと辿り着く。学園都市と交渉するための材料を模索する中、容赦なく現地の集落を襲撃するロシアの特殊傭兵部隊(プライベーティア)から人々を守るために、無能力者の身でありながら銃を手にして立ち上がる。

まとめ

『とある魔術の禁書目録』における第三次世界大戦は、環境問題や国家間の対立という表向きの戦争でありながら、その実態は魔術師の歪んだ野望や学園都市トップの思惑が絡み合う複雑な異能決戦である。全く異なる背景と目的を持った三人の主人公たちの泥臭い戦いが極寒のロシアの地で交錯するとき、世界の運命は大きく塗り替えられることとなる。

学園都市の技術

『とある魔術の禁書目録』の舞台となる「学園都市」の極めて高度な科学技術について解説する。

学園都市は東京西部に位置し、東京都の3分の1の面積と230万人の人口を擁する巨大都市である。その人口の8割を学生が占めている。最大の特色は、外部の世界に比べて2、30年ほど科学技術が進んでいる点にある。

1. 超能力開発技術

学園都市では、超能力の開発が学校のカリキュラムとして組み込まれている。

・薬物や電気刺激、催眠暗示などを併用して脳に刺激を与え、脳のシナプス(配線図)を変化させることで能力を発現させる。
・生徒の能力は、無能力者(レベル0)から超能力者(レベル5)までの6段階で厳密に評価される。
・能力を開発された者は、無意識のうちに「AIM拡散力場」という微弱な力を全方位へ発するようになる。

2. 圧倒的な軍事・航空兵器

学園都市は外部の軍事勢力を圧倒する、常識外れの兵器群を保有している。

・超音速爆撃機 HsB-02:最高時速7000キロ以上で飛行する巨大なステルス爆撃機である。機体下部から散布した微量の砂鉄と空気摩擦熱により、摂氏8000度を超える気体状の刃を生み出す「地殻破断(アースブレード)」という機能を持ち、大地を溶かして切断・隔離することができる。
・超音速戦闘機 HsF-00:HsB-02のフレームを応用した全長80メートル近い戦闘機である。パイロットの肉体をマイナス70度で凍結させ、脳の電気信号のみで操縦させることで、人間の肉体では耐えられない強烈な慣性Gを無視した異常な機動を可能としている。機体表面の摩擦熱をエネルギーとして利用するほか、空中での補給ネットワークにより長大な航続距離を実現している。
・無人攻撃ヘリ HsAFH-11「六枚羽」:補助用のロケットエンジンを搭載し、最大マッハ2.5に達する無人ヘリコプターである。機体左右の翼が人間の腕のような6つの関節アームに分かれ、多方向へ同時に武装の矛先を向けることができる。
・駆動鎧(パワードスーツ):全身を特殊な装甲で覆い、関節を電力駆動させることで人間の数倍から数十倍の運動能力を引き出す兵器である。戦車の装甲をこじ開ける対隔壁用ショットガンなどを装備している。周囲の環境を自動で走査して最適なパフォーマンスに調整する機能を持つが、相反する条件を与えられるとエラーを起こすという弱点も抱えている。

3. 超高度な情報・ネットワーク技術

・滞空回線(アンダーライン):学園都市の統括理事長が街中に5000万個もばら撒いている、電子顕微鏡サイズの極小機械(ナノデバイス)である。空気の対流を受けて自家発電し、量子信号を用いてネットワークを形成する究極の監視・情報収集網となっている。
・樹形図の設計者(ツリーダイアグラム):人工衛星に搭載されていた究極のスーパーコンピュータである。地球上のあらゆる空気分子の動きを正確に予測演算できるスペックを誇り、天気予報から能力開発の研究予測までを一手に担っていた。

まとめ

学園都市が保有する科学技術は、個人の能力開発から軍事、情報網に至るまで、いずれも外部の世界の常識を遥かに凌駕している。これらの方程式や人智を超えた最先端テクノロジーの数々が、魔術サイドと対立する科学サイドの強大さの根幹を成している。

フィアンマの計画

『とある魔術の禁書目録』において、世界規模の大乱「第三次世界大戦」を引き起こした真の黒幕である右方のフィアンマの計画について解説する。

ローマ正教の暗部「神の右席」の実質的リーダーであるフィアンマの計画は、単なる組織の利益や宗教的な対立を超えた、世界全体を巻き込む極めて独善的かつ壮大なものであった。

1. 計画の最終目標「プロジェクト=ベツレヘム」

フィアンマの最終目標は、自らが神よりも上位の存在(神上)へと至るための計画「プロジェクト=ベツレヘム」を成就させることであった。

・「神の右席」という組織自体が、原罪を克服して天使へと進化し、さらにその上位である神上へと至ることを最終目標として設立されたものである。
・フィアンマはその目的を達成し、自らの手で「絶対的な善」をもたらそうとしていた。

2. 計画完遂に必要な「3つの要素」

フィアンマの右肩には「第三の腕」と呼ばれる、あらゆる奇跡の象徴たる莫大な力の塊が宿っていた。しかし、フィアンマ自身の肉体はただの人間であるため、その力を完全に出力・制御するための端子が欠けている不完全な状態であった。この力を完璧に引き出し、計画を完遂するために、彼は以下の3つの要素を標的とした。

・上条当麻の右腕:フィアンマの莫大な力を出力するための端子として、あらゆる異能を打ち消す特異な力を持つ上条の右腕を狙った。
・インデックスの知識:圧倒的な力を制御・操作するため、人の領域を超えた圧倒的な知識が必要であり、インデックスの脳内にある10万3000冊の魔道書の知識を必要とした。
・サーシャ=クロイツェフ:かつて大天使ガブリエルをその身に宿した彼女を、大天使を現界させるための媒体として確保しようとした。

3. 世界の裏で糸を引く暗躍と大戦の勃発

フィアンマは上記の3要素を手に入れるため、各国の対立を煽り、世界規模の混乱を意図的に引き起こした。

・イギリスの孤立と霊装の奪取:ローマ正教経由でフランス政府を焚きつけ、イギリス国内のクーデターを誘発した。そしてイギリスが内戦状態になり手薄になった隙を突き、イギリス清教の最暗部に保管されていたインデックスの「遠隔制御霊装(自動書記の外部制御霊装)」を奪い取ることに成功した。
・ロシア成教との結託と第三次世界大戦:「C文書」を使った混乱などを利用して、ロシア成教をローマ正教側の陣営に引き込んだ。そしてロシアと学園都市の間で「第三次世界大戦」を勃発させ、その戦争の裏でロシア軍を動かし、サーシャの捜索や自身の計画に必要な拠点の構築を秘密裏に進めた。

4. 圧倒的な力と教皇の粛清

フィアンマの行動は、信徒や民間人の犠牲を全く意に介さないものであった。

・ローマ教皇は、フィアンマが戦争を拡大させ、イギリスを孤立させてヨーロッパ全土を火の海にしようとしていることに気づき、彼を止めようと立ち塞がった。
・しかしフィアンマは、教皇の攻撃を意に介さず、圧倒的な力で聖ピエトロ大聖堂の三分の一を吹き飛ばし、ローマ教皇に重傷を負わせて退けた。

まとめ

このように、フィアンマは世界を二分する戦争を「自らの目的を達成するための隠れ蓑」として利用した。己の力だけを信じてあらゆる勢力を利用・蹂躙しながら、自らの絶対的な計画「プロジェクト=ベツレヘム」を強行していったのである。

ロシアの雪原

『とある魔術の禁書目録』の第三次世界大戦編において、苛烈な戦場となったロシアの雪原について解説する。

マイナス20度から50度にも達する極寒の環境であり、アスファルトと土の区別もつかない「白い砂漠」のようなこの地は、学園都市の最新鋭兵器とロシア軍、そして魔術勢力が入り乱れる大戦の舞台となった。全く異なる目的を持った三人の主人公たちが、それぞれの「守るべき少女」のためにこの雪原へと足を踏み入れ、物語が大きく交差していった。

1. 上条当麻:機転を利かせた住民救出と潜入

インデックスを救うために右方のフィアンマを追う上条当麻は、同行するレッサーと共に雪原を進んだ。

・道中、彼らはロシア軍の基地建設予定地から強制収容所へと移送される住民たちを乗せた、ロシア成教の装甲馬車の車列を発見した。
・上条は真っ向から魔術師の集団と戦うのではなく、レッサーの霊装「鋼の手袋」を利用して上空を飛ぶ学園都市の超音速爆撃機を遠隔で掴ませ、凄まじい空気摩擦による破壊の跡を作って「学園都市の空爆」に偽装するという機転を見せた。
・これによって魔術師たちを退避させ、無事に住民たちを解放した上条たちは、奪った装甲馬車を利用してフィアンマのいる秘密の要塞へと潜入していった。

2. 浜面仕上:無能力者の決死の防衛戦

学園都市の追手から逃れ、超音速旅客機からパラシュートでロシアの雪原に不時着した浜面仕上は、衰弱していく滝壺理后を救うための交渉材料を探していた。

・現地のロシア人ディグルヴに助けられ集落に身を寄せた浜面であったが、そこへロシア軍の特殊傭兵部隊「プライベーティア」が容赦ない襲撃を仕掛けてきた。
・浜面は滝壺と集落の人々を守るため、対戦車地雷を抱えて敵の高射砲に肉薄し、無力化させるという命懸けの行動に出た。
・さらに、鹵獲した高射砲を使って大型攻撃ヘリの編隊を迎え撃つ死闘を繰り広げ、絶体絶命の窮地に陥ったところを、「後方のアックア」の加勢によって救われた。

3. 一方通行(アクセラレータ):絶望と暴走、そして激突

命の危機にある打ち止め(ラストオーダー)を抱え、治療の手がかりとなる「羊皮紙」を求めて雪原をさまよう一方通行の前に、学園都市が彼を精神的に追い詰めるためだけに送り込んだ第三次製造計画の刺客「番外個体(ミサカワースト)」が立ち塞がった。

・打ち止めや妹達をもう傷つけないと誓っていた一方通行は、そのルールの狭間で苦悩し、最終的に番外個体を惨殺しかけて精神を完全に破壊されてしまった。
・絶望のあまり黒い翼を広げて暴走した一方通行は、偶然通りかかった上条当麻の姿を見つけ、激しい怒りと共に彼に襲いかかった。
・しかし、激闘の末に上条の「善人や悪人という立場に囚われず、自分がどうしたいかで選べ」という拳と説得を受け、一方通行は己の迷いを断ち切ることになった。

4. 占星施術旅団の過去の逃避行

第三次世界大戦よりも前の過去の出来事として、十字教系の魔術結社「占星施術旅団」がロシアの雪原を逃避行したエピソードも語られている。

・ロシア成教の精鋭部隊に追われ、マイナス50度という過酷な環境の中で彼らは絶望しかけていた。
・そこにウィリアム=オルウェル(後の後方のアックア)が単身で現れ、彼らの窮地を救った。

まとめ

極寒のロシアの雪原は、三人の主人公たちにとってそれぞれの譲れない戦いを繰り広げる運命の地となった。科学と魔術の軍勢が衝突する混沌とした状況下で、彼らが示した選択と死闘は、第三次世界大戦の行く末を左右する大きなうねりへと繋がっていったのである。

上条と一方通行

『とある魔術の禁書目録』において、上条当麻と一方通行(アクセラレータ)は、物語の根幹を成す極めて対照的で重要な二人の主人公である。

無能力者(レベル0)と学園都市最強の超能力者(レベル5)という対極の立場にある彼らの関係性は、単なる敵対関係にとどまらない。互いの生き方や「ヒーロー像」に多大な影響を与え合っている。

1. 最初の激突と一方通行の運命の変化

二人の最初の接点は、学園都市で行われていた「絶対能力進化(レベル6シフト)計画」である。

・一方通行は「誰にも傷つけられず、誰も傷つけない無敵の存在」になるため、1万人以上の「妹達(シスターズ)」を殺害するという残酷な実験に手を染めていた。
・そこに何の力も持たない上条当麻が乱入し、一方通行のあらゆるベクトルを反射する絶対の防御を自らの右手の「幻想殺し(イマジンブレイカー)」で打ち破った。
・上条は最強の超能力者を殴り倒し、この敗北によって一方通行は最強の座から引きずり下ろされた。
・同時に一方通行の中にあった狂気や絶望に歯止めがかけられ、「打ち止め(ラストオーダー)」という一人の少女を守るための戦いへと生き方を大きく変えることになった。

2. 光と闇の対極のヒーロー

二人はどちらも「大切な少女を守る」という目的を持っているが、そのスタンスは対極にある。

・上条当麻(光のヒーロー):自分の記憶を失ってでも、周囲の人々の笑顔を守り抜こうとする真っ直ぐな存在である。彼には善人や悪人、味方や敵といった肩書きは関係なく、目の前で困っている人がいれば理由などなくても立ち上がる。
・一方通行(闇のダークヒーロー):凄惨な過去を持つ彼は、自分には誰かを救う資格などないと自嘲し、自らを悪党と称している。彼は光の世界には戻れないと自覚しながらも、血みどろの闇の中から打ち止めたちを守るため、あえて残酷な手段も辞さない戦いに身を投じている。

一方通行は、どんな絶望的な状況でも立ち上がり悲劇を食い止める上条のことを、自分には決してなれない本物のヒーローとして強く意識していた。だからこそ光の世界の住人である彼が、自分たちのような闇の世界に関わるべきではないとも考えていた。

3. ロシアの雪原での再激突と迷いの断ち切り

「第三次世界大戦」が勃発した極寒のロシアで、二人は偶然の再会と二度目の激突を果たした。

・学園都市からの刺客「番外個体(ミサカワースト)」の悪意ある襲撃によって精神を破壊され、自暴自棄になって暴走した一方通行は、偶然見かけた上条に対して理不尽な八つ当たりの怒りを向けた。
・なぜお前のようなヒーローがすぐ近くで苦しんでいる打ち止めを助けてくれないんだと叫び、黒い翼を広げて襲いかかった。
・上条は、圧倒的な破壊力を持つ黒い翼の連撃を耐え抜きながら、一方通行の懐に飛び込んで拳を叩き込んだ。
・上条は一方通行に対し、誰かに任せれば良いという問題ではない、大して知りもしない他人に一番大切なものを預けて満足できるのかと怒鳴りつけた。
・さらに、善悪や立場なんて関係ない、お前がその子を守りたかったのなら胸を張って自分の手で守れ、自分の人生はお前自身で決めろと真っ向から説教した。

この言葉と拳を受けた一方通行は、自分が善や悪という既存の枠組みに勝手に囚われ、言い訳をしていただけの自分に気づいた。そして上条の諦めない想いに打ちのめされ、自らの迷いを完全に断ち切った。

まとめ

上条と一方通行は、言葉を交わす機会こそ少ないものの、本気の拳をぶつけ合うことで互いの信念を問い直してきた。光と闇という異なる道を歩みながらも、二人はそれぞれが胸を張れる道へと進むための重要な指標となっているのである。

打ち止めの救済

『とある魔術の禁書目録』における、一方通行(アクセラレータ)の最大の行動理念である「打ち止め(ラストオーダー)の救済」について解説する。

かつて実験のために1万人以上の「妹達(シスターズ)」を殺害してきた一方通行が、残された一人の少女の命を救うために歩んだ過酷な道のりは、物語の非常に重要な軸となっている。

1. 最初の救済:天井亜雄のウイルスと脳の損傷

8月31日、一方通行は「妹達」の管理者として生み出された未完成の少女、打ち止めと出会った。しかし、彼女の脳内には研究者である天井亜雄によって、世界中の「妹達」を暴走させるウイルスコードが仕込まれていた。

・一方通行は彼女を救うため、自らのベクトル変換能力を用いて打ち止めの脳内の生体電流を直接操作し、ウイルスコードを一つ一つ上書き修正する決死の作業に挑んだ。
・その最中に天井から頭部を銃撃され致命傷を負ったが、彼は撃たれながらも最後まで打ち止めから手を離さず、ウイルスの除去を完了させた。
・この代償として彼は言語機能と計算能力を失い、以降はチョーカー型電極を介して「妹達」の演算能力を借りなければ生きていけない体となった。

2. 第二の救済:木原数多の襲撃とインデックスの歌

9月30日、学園都市の暗部組織「猟犬部隊」を率いる木原数多によって、打ち止めが連れ去られ、新たなウイルスを打ち込まれてしまった。

・能力使用時間に制限がある中、満身創痍となった一方通行は木原に追い詰められたが、打ち止めを救うために「黒い翼」を覚醒させ、木原を上空へ吹き飛ばして撃破した。
・同じ頃、現場に居合わせたインデックスが打ち止めの精神を縛るウイルスの結び目を解くため、魔術ではなく祈りを込めた歌を彼女に届けた。
・一方通行はこの温かい歌声を聞き、自身が悪党であっても彼女を守り抜く決意を新たにした。

3. 第三の救済へ:エイワスによる負荷とロシアへの旅立ち

その後、学園都市の最高機密である科学天使「エイワス」が出現した影響により、ミサカネットワークの中枢である打ち止めは多大な負荷を受け、命の危機に瀕するほど衰弱してしまった。

・圧倒的な力を持つエイワスに敗北した一方通行であったが、エイワスからロシアにあるエリザリーナ独立国同盟へ行け、禁書目録という言葉を覚えておけという助言を受けた。
・学園都市の技術では彼女を救えないと悟った彼は、意識を失った打ち止めを抱え、特効薬を求めて世界規模の大戦が勃発しているロシアへと足を踏み入れた。

4. ロシアでの絶望と上条当麻による救いの糸口

極寒のロシア雪原で、一方通行は打ち止めを精神的に追い詰めるために学園都市が送り込んだ「番外個体(ミサカワースト)」の襲撃を受けた。

・自らの手で「妹達」と同じ顔を持つ彼女を傷つけてしまったことで、一方通行の心は完全に砕け、黒い翼を広げて暴走してしまった。
・しかし、偶然そこに居合わせた上条当麻との激しい死闘の末、上条の説得と拳によって一方通行は自らの迷いを断ち切られた。
・気を失った彼が目覚めると、上条の右手が打ち止めに触れたことで彼女の容体は一時的に安定しており、傍らには「禁書目録の索引」と記されたメモが残されていた。
・この上条が残したメモと一時的な救済が決定的な手がかりとなり、一方通行は打ち止めの完全な救済へ向けて、さらなる戦いへと進んでいくことになった。

まとめ

一方通行にとって打ち止めは、自らの過去の罪と向き合い、他者を守るために生きる契機となった唯一無二の存在である。脳の損傷や暴走、世界の終わりを予感させる大戦といった幾多の苦難に直面しながらも、彼は彼女の命を繋ぎ止めるためにあらゆる手段を尽くし、救済への道を切り拓いていったのである。

とある魔術の禁書目録(19)レビュー
【とある魔術の禁書目録】あらすじ・ネタバレ・まとめ
とある魔術の禁書目録(21)レビュー

登場キャラクター

学園都市

上条当麻

学園都市に住む高校生である。インデックスを救うため、ロシアの雪原を奔走する。理屈よりも目の前の少女を助けたいという想いを原動力としている。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の高校生。
・物語内での具体的な行動や成果
 レッサーと共に貨物列車に潜入し、要塞でフィアンマと遭遇する。一方通行と交戦し、拳で彼を打ち倒した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 右手に異能を打ち消す「幻想殺し」を宿している。

一方通行(アクセラレータ)

学園都市で第一位の能力を持つ超能力者である。打ち止めを救うため、自らの悪意や迷いと向き合いながら過酷な戦いへ身を投じる。

・所属組織、地位や役職
 学園都市第一位の超能力者。
・物語内での具体的な行動や成果
 ロシア兵や白い駆動鎧、修道服の集団と戦闘を繰り広げる。上条当麻との戦いを経て自らの幻想を打ち砕かれ、進むべき道を見出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 上条当麻との戦いを通じて、善悪の枠に囚われていた自身の迷いを払拭した。

打ち止め(ラストオーダー)

御坂妹たちの統括個体である幼い少女である。エイワス出現の影響により脳へ多大な負荷を受け、意識不明の状態に陥っている。

・所属組織、地位や役職
 検体番号二〇〇〇一号。
・物語内での具体的な行動や成果
 貨物列車やトラックの荷台で一方通行の腕の中に抱えられながら移動する。上条当麻の右手が額に触れたことで一時的に容体が安定した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼女を救うことが一方通行の行動のすべてを決定づけている。

浜面仕上

特別な能力を持たない無能力者の少年である。衰弱した滝壺理后を治療するため、学園都市から逃亡を図る。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の少年。
・物語内での具体的な行動や成果
 ロシア西部の雪原で車を走らせ、追手から逃亡する。集落を襲撃するプライベーティアの傭兵たちから人々を守るために立ち上がった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 無能力者でありながら、強大な武装勢力に立ち向かう意思を持つ。

滝壺理后

浜面仕上と共に行動する少女である。能力促進剤の副作用によって心身が衰弱している。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の少女。
・物語内での具体的な行動や成果
 浜面と共にロシアの雪原を移動し、診療所の地下室へ避難する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼女の治療法を探すことが浜面の行動原理となっている。

番外個体(ミサカワースト)

第三次製造計画によって生み出された新たな個体である。戦争には興味を持たず、一方通行の抹殺のみを目的としている。

・所属組織、地位や役職
 第三次製造計画のミサカ。
・物語内での具体的な行動や成果
 超音速爆撃機からパラシュートなしで降下し、一方通行の前に現れる。第一位の抹殺を宣言し、彼と交戦した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 一方通行を精神的に追い詰めるための新たな刺客として機能する。

御坂美琴

学園都市第三位の超能力者である。上条当麻の欠席を知り、彼の行方を追って独自の調査を開始する。

・所属組織、地位や役職
 常盤台中学の生徒。第三位の超能力者。
・物語内での具体的な行動や成果
 ニュース映像から上条がロシアにいることを特定する。特殊部隊が乗る超音速爆撃機を制圧し、パイロットを脅してロシアへ向かわせた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 戦争の最中でありながら単独で軍用機を制圧する実力を持つ。

麦野沈利

学園都市第四位の超能力者である。過去の戦いで左腕と右目を失っており、復讐の機会を窺っている。

・所属組織、地位や役職
 学園都市第四位の超能力者。
・物語内での具体的な行動や成果
 超音速爆撃機内で出撃を待ちながら、浜面への復讐を口にして楽しげに笑う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 失った腕を青白い閃光のアームで補っている。

亀山琉太

学園都市のパイロットである。ロシア空軍を相手に、最新鋭の機体と技術を駆使して戦闘を行う。

・所属組織、地位や役職
 学園都市のパイロット。
・物語内での具体的な行動や成果
 エカリエーリャに対してクレムリン・レポートや肉体凍結技術の事実を通信で伝える。多数のレーザーユニットを展開して攻撃を仕掛けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 肉体をマイナス七〇度で凍結させ、脳の電気信号のみで機体を操縦している。

爆撃機のパイロット

学園都市の航空機を操縦する人物である。上条当麻を襲撃する予定の特殊部隊を輸送する任務を負っていた。

・所属組織、地位や役職
 学園都市のパイロット。
・物語内での具体的な行動や成果
 御坂美琴の襲撃を受け、機外へ逃れようとしたが高圧電流を流されて拘束された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

白い駆動鎧をまとった兵士たち

学園都市がロシアへ投入した特殊部隊である。高速移動と衝撃緩和に優れた特異な形態の装甲を装備している。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の兵士。
・物語内での具体的な行動や成果
 貨物列車を襲撃し、ロシア兵から羊皮紙入りのトランクを強奪しようとする。一方通行によって一撃で粉砕された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

黒ずくめの男達

爆撃機に乗り込んでいた特殊部隊である。上条当麻を監視し、状況に応じて襲撃する任務を帯びていた。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の特殊部隊。
・物語内での具体的な行動や成果
 御坂美琴の電撃によって機内で全員が気を失った状態で発見される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

イギリス陣営

レッサー

イギリスの結社予備軍に所属する少女である。自身の目的や利益を優先する思考を持つが、戦力としての能力は高い。

・所属組織、地位や役職
 新たなる光の一員。
・物語内での具体的な行動や成果
 上条当麻のサポート役としてロシアの雪原を同行し、貨物列車へ潜入する。ロシア成教の魔術師を無力化し、要塞内部へ侵入した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 尻尾のような霊装を所持している。

第二王女キャーリサ

イギリス王室の第二王女である。自国の利益と民を守るため、他国への強硬な手段も辞さない果断な性格である。

・所属組織、地位や役職
 イギリス王室の第二王女。
・物語内での具体的な行動や成果
 フランスの傾国の女に対してクレムリン・レポートの危険性を訴える。カーテナ=セカンドの欠片が生み出す光の剣を用いて戦闘を繰り広げた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

騎士団長

イギリス騎士派を束ねる男である。キャーリサの傍らで彼女の護衛や補佐を務める。

・所属組織、地位や役職
 騎士派のリーダー。
・物語内での具体的な行動や成果
 ドーヴァー海峡の戦闘において、キャーリサの傍らで敵の攻撃を受ける。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

神裂火織

世界でも数少ない聖人の一人である。仲間や一般人を守るため、自らの力を振るって最前線で戦う。

・所属組織、地位や役職
 イギリス清教の魔術師。元天草式の女教皇。
・物語内での具体的な行動や成果
 ドーヴァー海峡において、フランス陣営の魔術師たちを単身で薙ぎ払う。刀の鞘で海面を破壊し、味方に奇襲の機会を作った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

アニェーゼ=サンクティス

元ローマ正教のシスターであり、現在はイギリス清教の傘下にある。部隊を率いて戦場での指揮や連携を行う。

・所属組織、地位や役職
 元アニェーゼ部隊のリーダー。
・物語内での具体的な行動や成果
 ドーヴァー海峡の戦闘中、部下のアガターからフランス勢力の接近を知らせる通信を受ける。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

アガター

アニェーゼの部下である修道女である。戦況の変化を速やかに上官へ報告する役割を担う。

・所属組織、地位や役職
 元アニェーゼ部隊のシスター。
・物語内での具体的な行動や成果
 フランス側からの干渉を察知し、アニェーゼへ警戒を呼びかける通信を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ステイル=マグヌス

ルーン魔術を操る魔術師である。インデックスの安全を最優先に考え、彼女を利用しようとする上層部へ激しい怒りを抱く。

・所属組織、地位や役職
 必要悪の教会に所属する魔術師。
・物語内での具体的な行動や成果
 聖ジョージ大聖堂でインデックスの護衛を続ける。ローラ=スチュアートの計画に反発し、彼女に掴みかかって激昂した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ローラ=スチュアート

イギリス清教の最大主教である。自らの目的を達成するためには、手段を選ばず冷徹な判断を下す。

・所属組織、地位や役職
 イギリス清教最大主教。
・物語内での具体的な行動や成果
 清教派の遠隔制御霊装を利用してインデックスの知識へ干渉しようと試みる。ステイルの怒りを受け流し、彼へ対処を命じた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

インデックス

一〇万三〇〇〇冊の魔道書を記憶する少女である。フィアンマの計画に利用され、生命の危機に瀕している。

・所属組織、地位や役職
 必要悪の教会の魔道書図書館。
・物語内での具体的な行動や成果
 遠隔制御霊装の負荷によって意識を失って倒れる。その後、自動防衛システムが起動し、周囲の敵対因子を排除する行動を開始した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 知識への強制アクセスによって身体に多大な負荷がかかっている。

イギリスの魔術師たち

イギリス清教に所属する戦闘員たちである。ドーヴァー海峡にて敵陣営と激しい交戦を繰り広げる。

・所属組織、地位や役職
 イギリス陣営の魔術師。
・物語内での具体的な行動や成果
 固化した海面上でフランス側の魔術師たちと大規模な戦闘を行う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

新生天草式十字凄教の魔術師達

神裂火織を支援する魔術師の集団である。神裂との連携により、戦闘において本来以上の力を発揮する。

・所属組織、地位や役職
 イギリス清教傘下の魔術師集団。
・物語内での具体的な行動や成果
 ドーヴァー海峡の戦闘で神裂をサポートし、フランス陣営の魔術師たちを迎撃する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

元アニェーゼ部隊のシスター達

アニェーゼに従うシスターの集団である。ローマ正教の戦術を熟知しており、それを活かして戦う。

・所属組織、地位や役職
 イギリス清教傘下の部隊。
・物語内での具体的な行動や成果
 神裂が作り出した足場を利用して上空へ飛び上がり、フランス側の魔術師たちへ奇襲を仕掛けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

騎士派

イギリスの騎士たちで構成された集団である。移動要塞を利用して最前線に展開する。

・所属組織、地位や役職
 イギリス陣営の部隊。
・物語内での具体的な行動や成果
 ドーヴァー海峡の戦闘において、フランス陣営と交戦して戦線を押し返した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

フランス陣営

『傾国の女』

フランス政府の裏で指揮を執る軍師である。敵国を混乱させるため、長距離からの砲撃や奇襲を行う。

・所属組織、地位や役職
 フランス陣営の首脳。
・物語内での具体的な行動や成果
 ヴェルサイユの地下から指示を出し、ドーヴァー海峡の戦闘へ介入する。キャーリサの前に飛来し、剣を押し付け合って交戦した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

フランスの魔術師たち

フランス陣営の主力となる魔術師たちである。イギリス陣営を数で圧倒しようとする。

・所属組織、地位や役職
 フランス陣営の魔術師。
・物語内での具体的な行動や成果
 固化した海面を一直線に走り、神裂火織たちに向けて突撃を仕掛けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ローマ正教

右方のフィアンマ

神の右席の最後の一人であり、第三次世界大戦の真の黒幕である。自らの野望を果たすため、世界中を巻き込む戦争を引き起こした。

・所属組織、地位や役職
 神の右席の一員。
・物語内での具体的な行動や成果
 インデックスの知識を利用する霊装を起動し、ロシア軍の基地内で暗躍する。ニコライと会談してプロジェクト=ベツレヘムの開始を宣言した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

前方のヴェント

多数のピアスと黄色い服が特徴的な魔術師である。フィアンマのやり方に反発し、彼を止めるために行動を起こす。

・所属組織、地位や役職
 神の右席の一員。
・物語内での具体的な行動や成果
 フィアンマに対して奇襲を仕掛け、彼に回避行動を取らせる。その後、上条当麻の手によって傷の手当てを受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

後方のアックア

神の右席の一員であり、聖人の力を持つ男である。戦場において弱者を助けるため、自ら前線に立つ。

・所属組織、地位や役職
 神の右席の一員。
・物語内での具体的な行動や成果
 浜面仕上たちの前に現れ、プライベーティアの攻撃ヘリを大剣で撃墜する。浜面たちに対して助力を申し出た。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ロシア成教

サーシャ=クロイツェフ

ロシア成教の戦闘修道女である。かつて大天使の媒体となった経験があり、そのために狙われている。

・所属組織、地位や役職
 殲滅白書のメンバー。
・物語内での具体的な行動や成果
 フィアンマの襲撃を受け、大天使を下ろすための素材として連れ去られる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ヴォジャノーイ

ロシアの修道服を着た集団の一人である。自然環境を利用した攻撃を得意とする。

・所属組織、地位や役職
 ロシア成教の魔術師。
・物語内での具体的な行動や成果
 空軍基地跡において、周囲の雪を水の槍に変化させて一方通行へ攻撃を仕掛けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ワシリーサ

サーシャの上司にあたる人物である。部下に対して個性的な衣装を用意するなどの奇抜な行動をとる。

・所属組織、地位や役職
 ロシア成教の魔術師。
・物語内での具体的な行動や成果
 サーシャに超機動少女カナミンのドレススーツを渡し、彼女を困惑させる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ニコライ=トルストイ

ロシア成教の司教クラスの幹部である。フィアンマと結託し、自国の利益を追求しようとする。

・所属組織、地位や役職
 ロシア成教の幹部。
・物語内での具体的な行動や成果
 ロシア軍の要塞でフィアンマと会談し、戦況について議論を交わす。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ロシア成教の魔術師たち

ロシア陣営の実働部隊である。武器や魔術を用いて戦闘や物資の輸送を行う。

・所属組織、地位や役職
 ロシア成教の戦闘員。
・物語内での具体的な行動や成果
 雪原の秘密ルートで貨物列車を運行し、空軍基地跡では一方通行を包囲して交戦した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

修道服の集団

ロシアの空軍基地跡に現れた謎の集団である。特殊な武器を手にして一方通行を取り囲む。

・所属組織、地位や役職
 ロシア陣営の魔術師。
・物語内での具体的な行動や成果
 一方通行を襲撃するが、彼の能力によってまとめて気絶させられる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ロシア軍

エカリエーリャ=A=プロンスカヤ

ロシア空軍の女性パイロットである。学園都市の圧倒的な軍事力を前に恐怖を抱く。

・所属組織、地位や役職
 ロシア空軍のパイロット。
・物語内での具体的な行動や成果
 日本海上空で学園都市の戦闘機と交戦し、亀山琉太からクレムリン・レポートの情報を告げられる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ロシア空軍のパイロットたち

エカリエーリャの同僚たちである。未知の敵機に対して強い恐怖を感じている。

・所属組織、地位や役職
 ロシア空軍のパイロット。
・物語内での具体的な行動や成果
 学園都市の戦闘機との性能差を前に、通信越しに怯える声を上げる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ロシア兵たち

ロシア軍の地上部隊である。想定外の事態に翻弄され、恐怖や絶望を味わう。

・所属組織、地位や役職
 ロシア軍の兵士。
・物語内での具体的な行動や成果
 貨物列車で羊皮紙を輸送中に襲撃を受け、その後診療所の地下室へ避難して寒さを凌ぐ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

プライベーティア

プライベーティアの傭兵達

戦争に乗じて略奪や虐殺を行う部隊である。一般人を容赦なく標的とする。

・所属組織、地位や役職
 ロシアの外国人傭兵部隊。
・物語内での具体的な行動や成果
 ロシア西部の集落を襲撃し、人々を恐怖に陥れる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

エリザリーナ独立国同盟

エリザリーナ

複数の国家を独立させた聖女と呼ばれる女性である。不法入国者に対しても冷静に応対する。

・所属組織、地位や役職
 エリザリーナ独立国同盟の指導者。
・物語内での具体的な行動や成果
 上条当麻とレッサーに対して、右方のフィアンマが向かってきている事実を告げる。戦闘で負傷し、上条の手当てを受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

エリザリーナ独立国同盟の国境警備隊

独立国の治安を守る男たちである。不審者に対して厳しい警戒の目を向ける。

・所属組織、地位や役職
 エリザリーナ独立国同盟の警備隊。
・物語内での具体的な行動や成果
 広場で上条当麻とレッサーを包囲し、連行してエリザリーナのもとへ案内する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

その他の民間人・集団

ディグルヴ

ロシア西部の集落に住む人物である。避難してきた者たちを安全な場所へ導く。

・所属組織、地位や役職
 集落の住人。
・物語内での具体的な行動や成果
 浜面仕上たちを診療所の地下室へ案内し、プライベーティアの危険性を警告した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

集落の人々

戦争に巻き込まれた一般市民である。身を守るために地下室へ隠れている。

・所属組織、地位や役職
 ロシア西部の住民。
・物語内での具体的な行動や成果
 プライベーティアの襲撃から逃れ、診療所の地下室へ避難して息を潜める。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

少女

上条当麻に興味を示した幼い子供である。言葉が通じない相手にも物怖じしない。

・所属組織、地位や役職
 一般の少女。
・物語内での具体的な行動や成果
 広場で上条当麻の服を引っ張り、彼に声をかけようとする。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

赤ん坊を抱えている女性

少女の母親である。見知らぬ外国人に対して強い警戒心と恐怖を抱いている。

・所属組織、地位や役職
 一般の女性。
・物語内での具体的な行動や成果
 上条当麻に近づいた少女の腕を掴み、慌てて彼から引き離した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

人智を超えた存在

エイワス

アレイスターに必要な知識を授けたとされる存在である。人間の争いには興味を示さず、気まぐれに行動する。

・所属組織、地位や役職
 天使に相当する存在。
・物語内での具体的な行動や成果
 風斬氷華に対して大天使ガブリエルの存在を伝え、彼女の決断を促す。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

風斬氷華(ヒューズ=カザキリ)

AIM拡散力場の集合体である。大切な友達を守るため、自らの意志で戦場へ向かう決意を固める。

・所属組織、地位や役職
 人工の天使。
・物語内での具体的な行動や成果
 エイワスとの対峙を経て出撃を決め、ロシアの日本海上空を巨大な姿で飛来する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

とある魔術の禁書目録(19)レビュー
【とある魔術の禁書目録】あらすじ・ネタバレ・まとめ
とある魔術の禁書目録(21)レビュー

展開まとめ

宣戦布告

ロシア連邦大統領の声明

学園都市への告発

ロシア連邦大統領ソールジエ=クライニコフは、温暖化や海面上昇、化石燃料不足などの問題は学園都市の特異な科学技術が原因であると主張していた。そして、このまま科学技術の氾濫を放置すれば地球上のあらゆる生命体が絶滅すると警告していた。

技術開示と計画凍結の要求

ソールジエ=クライニコフは、全生命体の未来を守るため、学園都市が進めている各種プロジェクトを全面的に凍結し、問題解決のために最先端技術を開示するよう要求していた。

侵攻作戦の通告

学園都市が要求を拒否した場合は、世界との融和を望まず自らの利権を優先する危険な存在であると判断すると宣言していた。また、モスクワ標準時間一〇月一九日午前〇時までに返答がなければ、戦意ありと見なし、大陸間弾道ミサイルの使用も含めた侵攻作戦を開始すると通告していた。

イギリスへの警告

ソールジエ=クライニコフは、学園都市と強い友好関係にあるグレートブリテン及び北部アイルランド連合王国についても同様の判断を行うと述べていた。そして、学園都市の利益を優先する存在であるならば、未来の子孫のために敵国として戦う必要があると主張していた。

序 章 火薬が鼻につく天空 Shooting_Game.

第三次世界大戦の開戦

第三次世界大戦の勃発

一〇月一九日、第三次世界大戦が始まった。どれほど大義名分が掲げられようと、また背後で神の右席が暗躍していようと、一度始まった戦争は容易には終わらない状況となっていた。

日本海上空の最終防衛ライン

日本海上空は学園都市側の最終防衛ラインとなっていた。ロシア軍の強襲揚陸艦や戦略爆撃機が突破すれば、日本は壊滅的な被害を受けると考えられていた。

本来なら軍事大国ロシアが圧倒的優位に立つはずだったが、一〇月三〇日の時点では状況は全く異なっていた。

エカリエーリャの恐怖

ロシア空軍の女性パイロット、エカリエーリャ=A=プロンスカヤは、最新鋭戦闘機と多数の僚機を率いていたにもかかわらず、冷や汗を流していた。

彼女が恐れていたのは戦争の大義や政治的事情ではなく、自らが死ぬかもしれないという現実だった。同僚たちも、目の前にいる敵が本当に戦闘機なのか疑うほど怯えていた。

学園都市の超音速戦闘機

彼女たちの前に立ちはだかっていたのは、学園都市製超音速戦闘機HsF-00であった。

全長八〇メートル近い巨体でありながら時速七〇〇〇キロを超える速度で飛行し、日本海全域にはわずか一〇機しか配備されていなかった。それでも周囲の小型機と連携することで、ロシア空軍を圧倒していた。

エカリエーリャは、その性能が科学技術の域を超えているように感じ、強い苛立ちを抱いていた。

圧倒的な補給能力

エカリエーリャは長期戦に持ち込めば勝機があると考えたが、敵機から通信が入った。

HsF-00は機体表面の摩擦熱をエネルギーとして利用し、速度が上がるほど燃費効率が向上すると説明された。さらに小型機同士が空中でミサイルや弾薬を受け渡し、給油まで行うことで、巨大な補給ネットワークを形成していた。

そのため、基地へ帰還することなく長時間の作戦行動が可能となっていた。

常識を超えた飛行性能

HsF-00は通常の航空機では考えられない飛行を行っていた。

機首を前に向けずに飛行したり、高速回転しながら機動したりと、機体や搭乗者が無事でいること自体が信じられない挙動を見せていた。

それにもかかわらず攻撃精度は極めて高く、ミサイルや機銃、さらにはレーザーのような兵器によってロシア軍機は次々と撃墜されていった。

亀山琉太との通信

学園都市側のパイロットである亀山琉太は、自身が警備員であり学校の教師でもあると名乗った。そしてミサイルの威力を調整し、敵兵が脱出できるよう配慮していると語った。

激昂するエカリエーリャに対し、亀山は女性パイロットであることを知り、ますます殺したくなくなったと述べた。その言葉は、自分たちがいつでも撃墜できるという余裕の表れでもあった。

凍結されたパイロットたち

エカリエーリャが、なぜ搭乗員が過酷な機動に耐えられるのか疑問を口にすると、亀山はその理由を明かした。

学園都市のパイロットは肉体をマイナス七〇度で凍結し、生命維持装置によって機能を代行させていた。脳だけを活動させ、頭皮から読み取った電気信号で機体を操縦しているため、従来の人体の限界を超えた機動が可能になっていた。

その説明を聞いたエカリエーリャは、学園都市との根本的な違いを突きつけられたような感覚を覚えた。

レーザーユニットの展開

亀山は説明を終えると、本格的な攻撃に移った。

HsF-00の主翼上部が左右合わせて一〇基ほど分離し、ワイヤーで接続されたまま独立して飛行を始めた。それらは多方向から同時攻撃を行うためのレーザーユニットだった。

亀山は余裕と侮蔑を滲ませながら、光の速度からは逃げられないと告げ、エカリエーリャへ覚悟を求めた。

第一章 善と悪、各々の入国 World_War_III.

一〇月三〇日 ロシア西部

雪原を進む浜面と滝壺

一〇月三〇日、浜面仕上はロシア西部の雪原で、ボロボロの乗用車を走らせていた。彼と滝壺理后は学園都市の追っ手から逃れるため、超音速旅客機の無人操縦機能を使ってロシアまで来ていたが、逃走資金はほとんどなかった。

滝壺を救うための交渉材料

滝壺は体晶の副作用で衰弱しており、浜面はすぐにでも医者に見せたいと考えていた。しかし体晶は学園都市の機密であるため、外部の医者では治療できないと分かっていた。

浜面は滝壺を救うには学園都市へ戻る必要があると考え、そのためにロシアで何らかの交渉材料を手に入れ、できるだけ有利な条件で学園都市と交渉しようとしていた。

商店を襲う決意

浜面は逃走資金と物資を得るため、ガソリンスタンドを併設した小さな商店を襲う決意をした。ただし、店員を傷つけないことだけは強く心に決めていた。

彼は拳銃を威嚇に使うだけにしようと考え、フードを深く被って店へ入った。

強盗犯との遭遇

店内に入った浜面は、すでに女店員が縛られ、三人の覆面男に襲われている場面を目撃した。覆面男たちは浜面にロシア語で誰だと問いかけたが、浜面は意味を理解できず、用意していた日本語で強盗だ、両手を上げろと返した。

その後、店内では立て続けに銃声が鳴った。

思わぬ成果

滝壺が車内で待っていると、浜面は大きな紙袋をいくつも抱えて戻ってきた。袋には食料品や防寒具が入っており、浜面は店員に感謝され、土産と燃料までもらったと説明した。

滝壺は首を傾げたが、二人は再び盗難車で移動を始めた。

貨物列車に潜む一方通行

一方通行は打ち止めを連れ、ロシアを走る貨物列車に潜んでいた。第三次世界大戦の開戦により、軍用物資を運ぶ列車は通常の安全規定を無視し、時速五〇〇キロを超える速度で走っていた。

一方通行は戦争そのものには関心を持たず、ただ打ち止めを救うためにロシアへ来ていた。

衰弱する打ち止め

打ち止めはエイワス出現の影響で脳に大きな負荷を受け、自分の手足もまともに動かせない状態だった。それでも彼女は黄泉川や芳川のことを尋ね、また皆で食事をしたいと話した。

一方通行は、何も悪いことをしていない打ち止めが苦しめられている現実に憤り、彼女を救うために学園都市以外の方法を探すと決意していた。

学園都市の追跡部隊

貨物列車の各所から金属がへこむような音が響き、銃声と悲鳴が聞こえた。一方通行は、学園都市の追跡部隊が列車へ飛び移ってきたと判断した。

彼は打ち止めに血みどろの光景を見せないよう、彼女のハンカチで両目を覆い、ケンカはしないと嘘をついた。

駆動鎧の撃破

一方通行は電極のスイッチを入れ、貨物列車の天井を突き破って屋根へ出た。そこには白い駆動鎧をまとった兵士たちがいた。

彼は怒りを露わにし、襲撃者たちを次々と粉砕した。ロシア兵は、駆動鎧と一方通行の戦いを目の当たりにし、どちらも常識外れの存在だと恐怖した。

羊皮紙の発見

一方通行は、駆動鎧が奪おうとしていたジュラルミン製のトランクを見つけた。中には、古いインクで呪文や魔法陣のようなものが記された羊皮紙が数十枚入っていた。

ロシア兵は、その羊皮紙にどれほどの価値があるのか理解できなかったが、学園都市の特殊部隊が全力で奪いに来た事実から、重大な意味を持つものだと感じた。

もう一つの法則への手がかり

一方通行は羊皮紙を見て、学園都市最強の超能力者の回収任務と同レベルの作戦だと判断した。そして、それがエイワスの語ったもう一つの法則へ繋がるかもしれないと考え、不敵な笑みを浮かべた。

上条当麻とレッサーの合流

上条当麻はインデックスを救うため、右方のフィアンマを追ってロシアへ来ていた。フィアンマはインデックスの知識を遠隔利用する霊装を起動させ、その負荷によって彼女を意識不明にしていたためである。

そんな上条の前に、イギリスの結社予備軍『新たなる光』の一員であるレッサーが現れた。レッサーは上条が死ねばイギリスに不利益が生じるため支援すると説明し、自らの戦力や通訳能力を売り込んだ。

フィアンマの居場所を推測する上条

レッサーは広大なロシアでどうやってフィアンマを探すのかと尋ねた。これに対し上条は、フィアンマがロシア軍を利用しながらも、自らの計画の核心は隠そうとすると考えていた。

ロシア軍の行動の中にある違和感を追えばフィアンマへ辿り着けると判断し、サーシャ=クロイツェフ捜索以外にも、フィアンマ自身が直接関わらなければならない何かが存在すると推測していた。

ドーヴァー海峡の戦い

一方、ドーヴァー海峡では神裂火織率いるイギリス側の魔術師たちが防衛態勢を整えていた。巨大な帆船群が海上を埋め尽くし、フランス勢力との戦いに備えていた。

やがてフランス側の魔術師たちが海水を塩で固化させて進軍を開始した。神裂たちは迎撃に向かおうとしたが、足場そのものが攻撃手段となり苦戦を強いられた。

しかし、第二王女キャーリサが介入し、海全体へ新たな足場を広げたことでイギリス側は反撃を開始した。

ロシア軍基地への疑念

雪原を進みながら、上条はフィアンマがロシア軍を利用していると考えていた。レッサーから、ロシア軍がエリザリーナ独立国同盟近辺に基地を建設しようとしている情報を聞く。

しかし上条は、本格的な爆撃を行うなら航空戦力を使うはずであり、その基地は本来必要のない施設だと指摘した。さらに、重要な軍事拠点であるはずなのに周辺地図の規制が緩いことから、誰かが意図的に重要性を隠そうとしていると見抜いた。

奇妙な車列の発見

上条とレッサーは、軍用トラックの車列を発見した。その先頭と最後尾には、金属製の馬が牽引するロシア成教製のスレイプニルの馬車が配置されていた。

レッサーは、基地建設予定地周辺の住民たちが強制退去させられ、政治犯強制収容所へ送られている可能性を指摘した。さらに、複数の集落の住民が車列によって運ばれていると説明した。

住民救出を決意する上条

住民が強制連行されていると知った上条は、近くのログハウスに置かれていたロシア軍の四輪駆動車へ向かった。そして窓を割って工具箱を取り出し、雪原にバールや杭を打ち込みながら糸を張り始めた。

レッサーは測量でもしているのかと疑問を抱いたが、上条は真正面から魔術師集団と戦うつもりはないと答えた。その上で、ロシア成教が住民の命を重視していないと確認すると、使えるものは何でも使うだけだと告げた。

飛行機雲に着目する上条

準備を終えた上条は頭上を指差した。レッサーが見上げると、そこには長く伸びる飛行機雲があった。

上条は、その空にあるものを利用しようとしていた。

ロシア成教の囚人護送

ブラッシャ=P=マールハイスクは、ロシア成教の囚人護送任務としてスレイプニルが牽引する装甲馬車を操っていた。雪原では道路を外れる危険が大きく、埋もれた障害物による霊装の損傷を避けるため慎重に進んでいた。

車列では強制収容所へ送られる住民たちがトラックに詰め込まれており、同行する魔術師たちは退屈そうに収容所までの距離を話していた。その最中、学園都市製の超音速爆撃機が頭上を通過し、ブラッシャは圧倒的な科学兵器への警戒と屈辱を感じていた。

偽装空爆による攪乱

突然、車列の進行方向で大規模な爆発が発生した。ログハウスや周辺の地面が吹き飛び、大地が引き裂かれたかのような破壊が続いた。

ブラッシャたちは学園都市の超音速爆撃機による空爆だと判断した。逃げ場のない雪原で車列は格好の標的になるため、ブラッシャは車両を放棄して雪原へ散開するよう指示した。住民たちについても見捨てる判断を下し、自らも脱出を始めた。

上条とレッサーの作戦

この破壊は上条当麻とレッサーによる偽装工作だった。上条はレッサーの霊装『鋼の手袋』を利用し、高空を飛行する学園都市の超音速爆撃機を遠隔で掴ませた。

その結果、『鋼の手袋』は爆撃機に引きずられながら地表を走り、超高速による空気摩擦によって巨大な破壊の跡を生み出した。これによりロシア成教の魔術師たちは本物の空爆だと誤認し、車列を放棄して退避した。

住民たちの解放

魔術師たちが去った後、上条とレッサーはトラックへ向かい、閉じ込められていた住民たちを解放した。

上条はレッサーに通訳を頼み、住民たちへ脱出の協力を呼びかけた。そして運転できる者にトラックを使わせ、近くの街へ逃げるよう促した。住民たちは怯えと戸惑いを見せていたが、上条は助ける意思を示した。

装甲馬車の確保

上条とレッサーは、今後の潜入に利用するため先頭の装甲馬車を奪った。顔を隠しやすく、ロシア成教の車両であるため警戒を緩められると考えたためである。

住民の少女が上条へ近づいたが、母親は学園都市側の人間である上条を警戒して引き離した。上条はその反応を受け止めつつも、いつか同じような状況になった時に助けを返してくれれば良いと心の中で願い、装甲馬車へ乗り込んだ。

装甲馬車での移動

装甲馬車の内部は密閉されており、暑さや閉塞感が漂っていた。レッサーは運転を担当し、上条と軽口を交わしながら進んだ。

やがて二人は要塞周辺の防衛線へ到達した。周囲には監視塔が配置され、侵入者を発見すればミサイルや榴弾砲で攻撃できる体制が整えられていた。

フィアンマの秘密ルートを探る決意

レッサーは、このまま進めば砲撃の標的になると警告した。しかし上条は、フィアンマがロシア軍を利用しながら計画の詳細を隠している以上、魔術的な物資を運び込むための秘密ルートが存在するはずだと考えていた。

通常の軍事施設ではないこの要塞には、フィアンマの計画へ繋がる何かが隠されていると確信した上条は、『幻想殺し』を頼りに内部への侵入を決意した。そして要塞の彼方にいるフィアンマへ向けて、今から会いに行くと静かに告げた。

ロシア軍上層部の会議

その頃、モスクワの軍事施設では高官たちが会議を開いていた。彼らは第三次世界大戦の拡大や学園都市の圧倒的な軍事力に危機感を抱いていた。

学園都市の真意や戦略を分析する中で、彼らは重要施設やサイロの防衛について議論を重ねた。そして、ある計画の発動について検討する流れとなり、その名としてクレムリン・レポートが挙げられた。

行間一

学園都市への戦争の影響

御坂美琴は女子寮の自室で一人、ベッドに腰掛けていた。ルームメイトの白井黒子は風紀委員の仕事で不在だった。

学園都市は休校となっていた。ロシア軍の弾道ミサイルや爆撃機が飛来する可能性があるためであり、学園都市全体が戦争への対応に追われていた。

学園都市による日本政府への圧力

日本政府は戦争への参加に消極的であり、学園都市に対してロシアの要求を受け入れ、戦争を回避するよう求めていた。

しかし学園都市は、大量の弾道ミサイルを迎撃する映像を公開し、自らの防衛能力を示したうえで、日本国民に自分で正しい選択をするよう呼びかけた。表向きは中立的な発言だったが、実際には学園都市の防空網から外れる危険を暗示する内容であり、日本国内に大きな影響を与えていた。

その結果、多くの市民が政治家へ圧力をかけ、学園都市を刺激しないよう求めたため、政治家たちは身動きが取りにくくなっていた。

美琴が抱く違和感

美琴は公開された宣戦布告の内容を確認していたが、それが学園都市に受け入れられるものではないと理解していた。

一方で、市民を守る立場を強調しながら恐怖を利用して世論を動かす学園都市のやり方に、不気味な違和感を覚えていた。その清廉潔白な姿勢の裏側に、何か別の意図が隠されているのではないかと感じていた。

上条当麻への不安

美琴はゲコ太のストラップが付いた携帯電話を見つめていた。何度も上条当麻へ連絡を試みていたが、まったく繋がらなかった。

以前、上条はクーデター下のロンドンにいると話していた。当初は冗談だと思っていたが、現在の状況を考えると、本当に学園都市へ戻っていない可能性があると美琴は考え始めた。

上条の行方を調べる決意

宣戦布告後、第二三学区の空港では民間利用が制限されており、ロンドンから学園都市へ戻ることは容易ではない状況になっていた。

戦争の混乱から切り離されているように見える学園都市の外に上条がいるなら、その危険は格段に高まっているはずである。そう考えた美琴は、上条の行方を調べる必要があると決意した。

第二章 侵攻と逆襲の幕開け Angel_Stalker.

雪中の秘密ルート発見

レッサーは壊れた『鋼の手袋』の修復を試みながら雪原を進み、やがて雪の下に隠された巨大な空洞を発見した。

その空洞は自然のものではなく、魔術によって強化された雪に覆われていた。内部には線路と貨物列車が存在しており、上条当麻はこれが要塞へ物資を秘密裏に運び込むための搬入ルートだと判断した。

貨物列車への潜入

上条とレッサーは貨物列車のコンテナへ潜り込み、列車が動き出すのを待った。

コンテナ内には多数の十字教系の霊装が積まれており、列車を運行しているのはロシア成教の魔術師たちである可能性が高いとレッサーは推測した。二人は身を潜めながら、要塞中心部へ向かった。

要塞内部への侵入

要塞に到着した二人は、荷物の積み下ろしが始まる前にコンテナから脱出した。

木箱の陰を利用して移動する途中、ロシア成教の魔術師と遭遇したが、レッサーが素早く制圧し、拘束霊装で無力化した。二人はさらに基地の内部へ進み、巨大な段差の内部に築かれた石造りの施設へ侵入した。

フィアンマとの遭遇

施設内部を進んだ上条とレッサーは、扉の隙間から右方のフィアンマの姿を発見した。

フィアンマは通信中であり、自分にとってモスクワ以上に重要な場所で計画を進めていることや、『プロジェクト=ベツレヘム』について語っていた。また、ロシア成教と協力しながら、サーシャ=クロイツェフの捜索を進めていることも明らかになった。

遠隔制御霊装の発見

上条はフィアンマの近くに、インデックスを意識不明にしている遠隔制御霊装が置かれているのを発見した。

霊装を破壊しようと飛び出しかけたが、レッサーに制止された。彼女は室内に二〇〇人以上の魔術師が潜んでいることを見抜いており、ここで行動してもフィアンマには届かず逃げられるだけだと判断していた。

サーシャ捜索への方針転換

通信を終えたフィアンマは遠隔制御霊装を持って去っていった。

上条は悔しさを抱えながらも、レッサーの助言を受け入れた。フィアンマがサーシャ=クロイツェフを追っている以上、自分たちが先にサーシャを見つければ、フィアンマへの対抗策を準備できると考えたためである。

上条はインデックスを救うためにも、まずサーシャを捜し出す決意を固めた。

浜面と滝壷の情報収集計画

一方、浜面仕上は滝壷理后と共に車で移動しながら、学園都市と取引するための材料を探していた。

滝壷は、学園都市がロシア国内へ侵攻している以上、防衛以外の目的を持っているはずだと指摘した。そして、その目的の中心に近づけば学園都市と交渉できる立場になれると説明した。

二人はエリザリーナ独立国同盟周辺を調べる方針を立てた。

滝壷の体調悪化とロシア人の提案

しかし移動中、滝壷の体調は著しく悪化していた。浜面は『体晶』の影響を疑いながらも、有効な治療法を持たず苦悩していた。

その時、一人の大柄なロシア人男性が車に近づいた。男は日本語で話しかけ、燃料を分けてくれるなら、自分たちの集落にいる医者のもとへ滝壷を案内すると提案した。

ロシア軍戦車部隊の苦境

ロシア中央部で戦車を指揮していたアンツェカ=S=クファルクは、学園都市軍の侵攻に苛立ちを募らせていた。

学園都市は超音速爆撃機で大量の資材を投下し、駆動鎧によって短時間で基地や要塞を建設していた。その結果、ロシア軍は前後を基地に挟まれ、補給路や退路を断たれていた。従来の砲撃戦や戦車戦に持ち込むこともできず、燃料や砲弾も尽きかけていたため、兵士たちは追い詰められていた。

学園都市の戦術への憤り

アンツェカたちは、学園都市の戦術が常識外れであることに戸惑っていた。

通常なら不可能な規模と速度で基地を構築し続ける学園都市は、圧倒的な技術力によって軍事常識を覆していた。さらに、本来なら爆撃によって部隊を壊滅させられるはずでありながら、あえて補給や包囲による戦術を選んでいることに対し、アンツェカは人道的な兵器運用だと皮肉を述べ、侮辱されたような感情を抱いていた。

エリザリーナ独立国同盟への到着

上条当麻とレッサーはエリザリーナ独立国同盟へ到着した。

国境は予想外に緩く、二人はほとんど抵抗なく入国できた。レッサーは、同盟が複数の小国によって構成され、ロシアからの影響を避けるために東ヨーロッパとの独自ルートを確保していると説明した。

二人はフィアンマより先にサーシャ=クロイツェフを見つける必要があったが、広大な領域の中で手掛かりはなかった。

国境警備隊への接触案

サーシャの捜索方法を考えていた上条に対し、レッサーは国境警備隊を利用する案を示した。

フィアンマがロシア軍を使ってサーシャを追跡していた以上、その動きはエリザリーナ側も把握している可能性が高いと考えたのである。また、フィアンマが同盟へ侵入しようとしている事実そのものが、交渉材料になると説明した。

ドーヴァー海峡の大規模戦闘

一方、ドーヴァー海峡ではイギリス軍とフランス軍による大規模な戦争が続いていた。

神裂火織は聖人として圧倒的な力を発揮し、新生天草式十字凄教の面々と連携してフランス側の魔術師たちを撃退していた。さらにアニェーゼ=サンクティス率いる元アニェーゼ部隊も活躍し、戦場で大きな戦果を挙げていた。

キャーリサとフランス首脳の応酬

戦場では第二王女キャーリサが騎士団長と共に戦況を見守っていた。

そこへフランス側の首脳から通信が入り、キャーリサの戦力不足を指摘した。しかしキャーリサは、その指摘を一蹴した。

移動要塞グラストンベリの投入

キャーリサは後方に展開された巨大構造物を示し、それが移動要塞グラストンベリであると明かした。

この要塞は周辺地域を強制的にイギリス領として扱うことで、カーテナの効力範囲を大幅に拡張するための大規模霊装だった。これによって騎士たちは再び強大な力を得た。

反攻開始の宣言

移動要塞の効果によって騎士たちの戦力が増強されると、キャーリサは戦いの目的が防衛ではないと宣言した。

彼女はこれは防衛のための消耗戦ではなく、敵を排除するための掃討戦であると告げ、イギリス側の反攻開始を示した。

フィアンマ襲来への対応

上条当麻とレッサーは、国境警備隊の大男たちに囲まれながら広場を移動していた。

レッサーはフィアンマの情報を持つ自分たちが重要視されると説明したが、上条は不安を拭えなかった。移動中、兵士の一人が上条に対し、以前ロシア国内で助けた母娘について言及した。その母娘は兵士の姉と娘たちであり、上条たちはその縁によって敵視されずに済んでいた可能性が示された。

エリザリーナとの会談

二人は軍事施設へ案内され、エリザリーナ独立国同盟の象徴的存在であるエリザリーナと面会した。

エリザリーナは魔術師でもあり、フィアンマが同盟へ向かっていることを把握していた。レッサーは彼女が独立運動の裏でロシア成教の魔術師たちを退けてきた実力者であると説明した。

フィアンマ対策の方針

エリザリーナはフィアンマの危険性を認めながらも、同盟の全戦力を投入しても勝利は不可能だと語った。

彼女にとって最優先事項は国民の命であり、不用意な交戦は避けるべきだと判断していた。そのためサーシャ=クロイツェフの所在を把握していることを明かし、上条たちとサーシャを同盟の外へ送り出した上で、フィアンマ迎撃作戦を行う方針を示した。

上条はその判断を理解し、自分たちもサーシャ捜索のために同盟を利用しようとしていたことを認めた。

フィアンマの急襲

作戦の説明が始まろうとした瞬間、フィアンマの声が窓の外から響いた。

レッサーとエリザリーナは即席の霊装で攻撃を放ったが、それは窓の外に浮かぶ小さな人形に向けられた挨拶に過ぎなかった。直後、巨大な瓦礫が建物を破壊し、さらに天を貫くほど巨大なオレンジ色の大剣が街へ振り下ろされた。

幻想殺しによる防御

街を切り裂く大剣に対し、上条は右手を掲げて攻撃を受け止めた。

幻想殺しによって大剣は阻止されたが、その直後にフィアンマ本人が接近した。エリザリーナが防御術式で割って入ったものの、二人はまとめて吹き飛ばされた。

しかしエリザリーナの術式によってフィアンマの異形の右腕の動きが一時的に阻害され、致命傷は免れた。

仲間たちの奮戦

エリザリーナの護衛であるベラッギとロンギエが飛び出したが、フィアンマの一撃によって建物の外へ吹き飛ばされた。

続いてレッサーも鋼の手袋を使って攻撃したが、武器ごと破壊されて弾き飛ばされた。それでも仲間たちは命懸けで時間を稼ぎ、エリザリーナは再び術式を組み立てようとした。

だがフィアンマは圧倒的な力でそれを押し潰そうとした。

上条とフィアンマの激突

フィアンマが放った閃光を、上条は幻想殺しで受け止めた。

攻撃そのものは防いだものの、余波だけで周囲の建物が破壊された。上条はフィアンマへ戦いを挑み、フィアンマもまた上条の右腕を重要な標的として認識していた。

レッサーの援護によって致命的な一撃を回避した上条は、広場へと吹き飛ばされた。

フィアンマの狙いとサーシャの出現

フィアンマは魔術師が他人の危機を前に隠れてはいられないと語った。

その言葉通り、人混みの中からサーシャ=クロイツェフが姿を現した。しかしフィアンマは指を弾くだけで彼女を一撃で吹き飛ばし、行動不能にした。

これにより、フィアンマは上条の右腕とサーシャという二つの目的を同時に手中へ収めたと語った。

前方のヴェントの介入

フィアンマが優位に立つ中、突然正体不明の攻撃が放たれた。

フィアンマはその攻撃を回避し、攻撃主へ懐かしい顔だと声をかけた。現れたのは前方のヴェントだった。

ヴェントはフィアンマがローマ正教を混乱させ続けることに我慢できなくなったと告げた。フィアンマが彼女の天罰の術式が使えないことを指摘しても、ヴェントは動じなかった。

こうして同じ神の右席に属する二人の魔術師が、正面から激突することになった。

羊皮紙の手掛かりを追う一方通行

一方通行は貨物列車で発見した羊皮紙の束について考えていた。学園都市暗部が自らの追跡と同等の権限で回収作戦を行っていたことから、単なる迷信ではなく重要な価値を持つ情報だと推測していた。

羊皮紙そのものの内容は理解できなかったため、運搬先で受け取る予定だった人物から情報を得ようと考えていた。打ち止めを救う手掛かりになる可能性がある以上、そのためなら軍事施設への襲撃も辞さない覚悟だった。

壊滅した空軍基地

羊皮紙の運搬先だった空軍基地に到着した一方通行だったが、そこはすでに何者かの襲撃によって壊滅していた。

基地は徹底的に破壊されており、学園都市の技術流出を防ぐためと思われる痕跡隠滅も行われていた。羊皮紙について知る者たちは殺害されたか連行された可能性が高く、基地から情報を得ることはできなかった。

一方通行は、この羊皮紙が学園都市にとってそれほど重要な価値を持つ理由と、それが打ち止めの治療に繋がるのかについて疑問を抱いた。

暗部組織への追跡決意

ロシア側から情報を辿る手段を失った一方通行は、次に学園都市の暗部組織を追うことを決めた。

打ち止めを救うためなら長期戦も厭わず、必要なら雪原を這い回ってでも標的を追い続ける覚悟を固めた。しかし、その好戦的な考え方に自ら気付き、打ち止めの存在によって抑えられていた歯止めが失われつつあることにも不安を覚えていた。

修道服の集団との遭遇

基地を去ろうとした一方通行の前に、修道服をまとった二十代前後の男女の集団が現れた。

彼らからは海原光貴や羊皮紙と同じ圧迫感が感じられた。相手は学園都市の関係者かと問いかけ、一方通行も基地襲撃犯ではないかと応じたことで互いに敵対姿勢を明確にした。

時間がない一方通行は電極のスイッチへ手を伸ばし、戦闘態勢に入った。

フィアンマとヴェントの対峙

一方その頃、フィアンマとヴェントは広場の中央へ移動しながら向かい合っていた。

大規模な衝突こそ起きていなかったが、その場にいる人々は二人から発せられる圧力によって自然と距離を取っていった。ヴェントは有刺鉄線の巻かれた巨大なハンマーを出現させ、失われたはずの天罰術式以外の魔術を行使していた。

上条当麻はその光景を見て、ヴェントが再び魔術を扱えるようになっていることに驚いた。

フィアンマの弱点を指摘するヴェント

ヴェントはフィアンマの右腕には使用制限があり、すでに空中分解が始まっていると指摘した。

神の右席は自分専用に調整された術式しか扱えず、右腕の蓄積が尽きればフィアンマも普通の人間になると語った。しかしフィアンマは動じることなく、その程度では自分との差は埋まらないと返した。

氷の艦隊による猛攻

ヴェントは巨大な氷の帆船を地中から出現させた。

それはかつてビアージオが率いた女王艦隊の一部を再現したものであり、ヴェントは風と水の属性を組み合わせて制御していた。巨大な錨が砲撃として放たれ、フィアンマを数キロ先まで吹き飛ばした。

さらに氷の爆発によって数え切れないほどの氷の杭が発生し、大地を抉るほどの破壊を引き起こした。

第三の腕による逆転

しかしフィアンマは生きていた。

第三の腕を維持したままインデックスの遠隔制御霊装を手にしていた彼は、自らの制限がなくなったと宣言した。そして砲撃を容易く破壊し、破壊力も速度も不要であると語りながら圧倒的な力を見せつけた。

瞬く間にヴェントへ接近したフィアンマは彼女を吹き飛ばし、氷の帆船を真っ二つに破壊した。

神の右席の秘密

フィアンマは、自分が保有しているのは右腕そのものではなく、右腕に宿る十字教的な力そのものであると説明した。

さらに大天使の名前や神の右席に割り当てられた属性が本来の対応関係と食い違っていることを指摘し、世界そのものが不完全な状態へ移行していると語った。

ヴェントはその説明を聞いて強い衝撃を受けていた。

上条への問い掛け

ヴェントを圧倒したフィアンマは、今度は上条へ語りかけた。

上条がこれまで数多くの事件を解決してきた行為も、自分が目的のために右腕を振るう行為と本質的には変わらないと主張した。そして自らは絶対的な善のために行動していると断言した。

しかし上条は、インデックスや多くの人々を苦しめる行為を善とは認めず、苦しむ人のために立ち上がることは間違いではないと反論した。

インデックスを巡る心理戦

フィアンマは遠隔制御霊装を掲げ、インデックスの意識が自分と繋がることがあると明かした。

そして上条がインデックスへ隠し事を続けていることを指摘し、その行為が本当に彼女の救いになっているのかは本人にしか判断できないと告げた。

その言葉は上条を大きく動揺させた。

サーシャの拉致とフィアンマの撤退

動揺した上条を尻目に、フィアンマは第三の腕を伸ばしてサーシャ=クロイツェフを捕らえた。

天使の媒体であるサーシャは必要だが、幻想殺しとの相性の問題から上条まで同時に連れ去ることは難しいと判断していた。

フィアンマは上条へ簡単に死ぬなと言い残し、そのまま姿を消した。上条は追撃を試みたものの間に合わず、広場には混乱だけが残された。

そして上条の胸には、フィアンマが残した言葉だけが重く響き続けていた。

ロシアの集落

滝壺の容体への不安

浜面仕上は落ち着かず、雪の上を歩き回っていた。滝壺理后を診ていたディグルヴからは、学園都市製薬品の影響が大きく、この集落の診療所では根本的な治療は不可能だと告げられた。

浜面は少しでも容体が安定してほしいと願ったが、最終的には自らが学園都市と交渉できる立場になるしかないと考えていた。滝壺が倒れる前に、戦争の中心へ向かう必要性を感じていた。

集落と独立国同盟の事情

話題を変えた浜面は、集落周辺の状況について尋ねた。

ディグルヴは、この集落が第三次世界大戦以前からロシア軍に狙われていたと説明した。エリザリーナ独立国同盟への侵攻拠点に適した土地であり、ロシア軍は地雷をばら撒くなどして住民を追い出そうとしていたのである。

しかしディグルヴは、独立国同盟がロシアの軍事的脅威になるとは思えず、ロシア政府は国土の分断を恐れているだけかもしれないと語った。

凍傷のロシア兵の保護

会話の最中、ディグルヴは侵入したロシア兵を発見し、浜面を建物の陰へ引き込んだ。

だが兵士は突然雪上に倒れ込んだ。近付いて確認すると重度の凍傷を負っており、空軍基地で荷物を待っていたところを学園都市に襲撃され、逃げ延びてきたことが判明した。

ディグルヴは敵兵であっても見捨てず、診療所へ運ぶことを決めた。浜面も協力しながら、その兵士が語った荷物の存在に興味を抱いた。

荷物への期待と葛藤

浜面は、学園都市が空軍基地を襲った理由がその荷物にあるのではないかと考えた。

もし荷物を確保できれば、滝壺を救うための交渉材料になるかもしれないと期待した。しかし弱った兵士から情報を引き出そうと考えた自分に嫌悪感を覚え、他人の不幸を利用する方法は取れないと自らを戒めた。

プライベーティア襲来の報せ

診療所へ入ろうとした浜面たちは、避難民の少女から緊急の報告を受けた。

ディグルヴはプライベーティアの接近を知らされる。プライベーティアとはロシア軍が運用する特殊部隊であり、敵勢力を襲撃して利益を得る私掠船制度を現代化した存在だった。

軍経験者を世界中から集め、ロシア軍の装備を与えて汚れ仕事を任せる部隊であり、問題が起これば記録上だけ処理される仕組みになっていた。

集落の危機

ディグルヴは、これまでにもプライベーティアの襲撃はあったが、その都度住民は逃げ延びることができていたと説明した。

しかし戦争によって相手の装備は強化され、住民の足では逃げ切れなくなっていた。さらに見張り用の鉄塔も破壊されており、敵はすでに間近まで迫っていた。

プライベーティアは戦争条約など考慮せず、踏み込めば住民を皆殺しにするとディグルヴは警告した。浜面は診療所に置かれた銃器を見ても勝ち目を見いだせず、逃げ場のない状況に追い詰められていた。

空軍基地での遭遇

一方通行は、学園都市暗部に襲撃された空軍基地跡で修道服姿の集団に包囲されていた。

彼らは海原光貴と同じ種類の圧迫感を放っており、剣や槍、杖などの武器を携えていた。一方通行は打ち止めを抱えたまま戦う必要があり、防御能力の使用にも制限があった。

水の槍との戦闘

一方通行は先制攻撃を仕掛け、一人を吹き飛ばした。

するとヴォジャノーイと呼ばれた女が雪を水の槍へ変え、一方通行へ攻撃した。しかし右手で受けた槍は七色の光へと分解され、逆に仲間たちを巻き込んだ。

不可解な現象に疑問を抱きながらも、一方通行は大量の雪を津波のように叩きつけ、襲撃者たちをまとめて気絶させた。

羊皮紙との関連への着目

戦闘後、一方通行は彼らが学園都市側ではなくロシア側の人間であると判断した。

羊皮紙や海原と同じ感覚を持つ相手である以上、羊皮紙の正体や使い方を知っている可能性があると考えた。そして打ち止めを救う手掛かりを得るため、気絶した襲撃者たちから話を聞こうと決めた。

新たな来訪者

その時、学園都市製の超音速爆撃機が上空を通過し、人型の何かを投下した。

一方通行は小石を蹴り飛ばして迎撃したが、その人物は電撃を利用して落下を制御し、無傷で着地した。

姿を現したのは白い戦闘服と特殊な仮面を身に着けた人物だった。その雰囲気は、腕の中の打ち止めによく似ていた。

第三次製造計画の宣告

一方通行が正体を問うと、その人物は第三次製造計画のミサカだと名乗った。

そして戦争には興味がなく、自分の目的は第一位である一方通行の抹殺だけだと告げた。

培養器から出された理由もそのためだけだと宣言し、一方通行の前に新たな敵として立ちはだかったのであった。

行間 二

御坂美琴の調査

上条当麻の行方を追う

御坂美琴はPDAを使って情報を調べていたが、戦争の影響で機密情報へのセキュリティが大幅に強化されており、思うように情報を得られなかった。

それでも上条当麻の学校名を手掛かりに席簿のデータを参照し、戦争に直接関係しない範囲の情報を入手した。

上条当麻の異常な欠席

美琴が確認したところ、ロンドンから電話があった日以降、上条当麻は一度も登校していなかった。

出席日数はすでに最低限の基準を下回っており、補習が確定する状態だった。しかし学校側が慌てた形跡もなく、データ上には何の異常も残されていなかった。

そのため美琴は、上条が学園都市にいない可能性や、日本国内にすらいない可能性を考えた。

戦争下の不安

美琴は上条の情報を得るため、さらに深い情報へアクセスするべきか考えた。

しかし自分が冷静さを欠いていることを自覚し、無理に調査を進めれば失敗すると判断したため、一度休憩することにした。

ニュース映像での発見

気分転換のためテレビを視聴した美琴だったが、放送内容の多くは戦争関連のニュースで占められていた。

画面にはロシアの雪景色が映し出されており、美琴は何気なくその映像を眺めていた。

すると映像の端に、ズボンのポケットへゲコ太のストラップを付けたツンツン頭の少年の姿を発見した。

その姿を見た美琴は、それが上条当麻であることに気付いたのであった。

第三章 疑念の壁と対峙せよ Great_Complex.

地下シェルターへの避難

外国人傭兵部隊プライベーティアの侵攻が始まり、浜面仕上達はディグルヴに案内されて診療所の地下へ避難した。

地下室は食料貯蔵庫であり、攻撃を防ぐ設備ではなく身を隠すための場所であった。凍傷のロシア兵は暖を取って多少回復していたが、軍に見捨てられた現実に沈んでいた。浜面は滝壷理后を抱き寄せながら、自分達が逃げてきた先にも別の地獄が存在していたことを痛感していた。

浜面の決意

地上から戦車のような振動音が響く中、ディグルヴは敵が高射砲を搭載した装甲車両を送り込んできた可能性を語った。

浜面は滝壷を守るため、自ら戦う決意を固めた。そして以前ディグルヴから聞いていた、集落外れに保管されている対戦車地雷の存在を思い出し、それを利用する作戦を考えた。

一方通行を追い詰める第三次製造計画

一方通行は打ち止めを抱えて雪原を逃走していた。しかし背後から追撃する第三次製造計画の少女は、妹達と同じ顔を持つ存在だった。

一方通行は妹達を傷つけないという自らの誓いを守ろうとしたため、反射能力を十分に使うことができなかった。その隙を突かれ、鉄釘による攻撃で負傷し、打ち止めを雪上へ落としてしまった。

さらに襲撃者は、一方通行が妹達を守るために積み上げてきた信念そのものを否定し続けた。

襲撃者の正体と学園都市の思惑

一方通行は襲撃者が本物の妹達ではなく偽装された存在ではないかと疑った。

しかし仮面の下に現れたのは、成長した打ち止めそのもののような顔だった。襲撃者は第三次製造計画によって生み出された個体であり、ミサカネットワークの情報を利用して攻撃を先読みしていると明かした。

さらに、打ち止めの命令でも停止しないよう細工されていることを説明し、一方通行に絶望的な選択を突きつけた。

打ち止め抹殺計画の発覚

襲撃者は、打ち止め失踪後もミサカネットワークを維持するため、学園都市が新たな司令塔を作ろうとしていると語った。

そのため旧司令塔である打ち止めは不要となり、回収ではなく抹殺対象になったのだと明かした。打ち止めも襲撃対象であることを知った一方通行は、妹達と打ち止めのどちらも守れない状況へ追い込まれた。

こうして一方通行の精神を徹底的に破壊するための戦いが始まった。

学園都市潜水艦の補給作戦

一方その頃、ロシア海軍の潜水艦部隊は学園都市への補給路遮断を目的としてインドネシア近海へ展開していた。

しかし彼らが待ち構えていた海域の直下を、学園都市製の巨大潜水艦が密かに通過していた。特殊な推進機構やステルス技術によって存在を隠した潜水艦は、大量の物資を運搬しながら日本へ向かっていた。

乗員達は敵を撃沈することではなく、物資を安全に届けることこそが任務であると確認していた。

浜面の地雷作戦

浜面は集落外れの小屋へ向かい、保管されていた対戦車地雷を回収した。

高射砲が集落を破壊し続ける中、浜面は地雷を抱えて接近し、建物の陰を利用しながら敵へ近づいていった。確実に仕留めるためには、高射砲へ直接地雷を投げつけるしかなかった。

命懸けの覚悟を固めた浜面は、高射砲のわずか数メートルの位置まで接近した。

高射砲の無力化

浜面は地雷の安全装置代わりになっていた木片を抜き、高射砲へ投げつけた。

地雷は砲塔付近で爆発したものの、爆風の向きが逸れたため車両自体の破壊には失敗した。しかし爆発の衝撃で近くの教会の尖塔が崩壊し、その巨大な構造物が高射砲へ直撃した。

高射砲は破壊こそされなかったが、巨大な重量によって押し潰され、完全に身動きが取れなくなった。

浜面の反撃

身動きを封じられた高射砲を前に、浜面は破壊された民家からウォッカの瓶を持ち出した。

高射砲には歩兵対策用の武装がなく、もはや浜面を止める手段は残されていなかった。浜面は通気口へ向かって静かに言葉を投げかけた後、拳銃を構えた。

さらにウォッカの瓶を車体へ叩きつけると、慌ててプライベーティアの兵士達がハッチから飛び出してきた。

浜面は迷うことなく、その兵士達へ銃口を向けたのであった。

第三章 疑念の壁と対峙せよ Great_Complex

フィアンマ追跡への決意

上条当麻は戦闘で負傷したレッサーやエリザリーナ、前方のヴェントの手当てを行っていた。

ヴェントはフィアンマのやり方が気に入らないだけだと語ったが、その言葉によって上条はローマ正教にも反対する者がいることを改めて実感した。エリザリーナとの会話の中で、フィアンマが一〇万三〇〇〇冊の知識を利用していたことや、サーシャ=クロイツェフを国境の向こうの基地へ連れ去った可能性が語られた。

上条はフィアンマを止め、インデックスを助けるため、自ら行動する決意を固めた。

レッサーとの同行

上条が出発しようとすると、比較的軽傷だったレッサーが腕を掴み、同行の意思を示した。

レッサーはエリザリーナ独立国同盟の協力を得て車を確保し、基地付近まで接近する案を提案した。上条は協力者を危険に巻き込むことを心配したが、レッサーは命を賭けるかどうかは本人達が決めることだと告げた。

さらに、上条がこれまで多くの人々を救ってきた事実を指摘し、その歩みを肯定した。しかし上条は、自分の行動が本当にインデックスのためになっていたかどうかだけは、自分では決められないと語った。

キャーリサによる戦線維持

ドーヴァー海峡では、イギリス軍とフランス軍の魔術師達が激突していた。

キャーリサは後退しようとした騎士達を挑発し、無理やり前線へ踏み留まらせた。騎士団長はその様子に頭を抱え、女王エリザードへ助けを求めようとしたが、キャーリサに止められた。

その混乱の中でも戦闘は続き、キャーリサはフランス軍について決定打に欠けると評した。

ヴェルサイユの聖女への挑発

キャーリサは遠距離から雷撃を放つヴェルサイユの聖女の攻撃を防ぎながら、その限界を指摘した。

ヴェルサイユの聖女は宮殿の魔術環境に依存する体へ変えられており、自由に前線へ出られない状態であった。また、遠距離攻撃は射程を伸ばすほど威力が低下するため、決定打になりにくいことも語られた。

キャーリサは優位を確信し、本格的な反撃を宣言した。

番外個体の正体

雪原では、一方通行と第三次製造計画によって生み出された番外個体が対峙していた。

番外個体は自らをミサカワーストと名乗り、打ち止めや妹達とは異なる系統の存在であることを明かした。彼女は電磁力で鉄釘を射出しながら、一方通行の精神を揺さぶり続けた。

一方通行は反射能力を使うことを避けながら戦っていたが、妹達と同じ顔を持つ相手を傷つけることに強い抵抗を抱いていた。

妹達の憎悪による精神攻撃

番外個体は、自分達ミサカシリーズには本来憎悪が存在していたが、それを表現する能力が未成熟だっただけだと語った。

さらに、一方通行が過去に妹達を殺害してきた事実を突きつけ、自分達が人間らしくなるにつれて憎悪や復讐心も抱くようになると告げた。

その言葉は一方通行の心を深く傷つけ、彼は反撃も回避も十分にできないまま追い詰められていった。

打ち止めへの殺意

番外個体は打ち止めを旧世代の司令塔と呼び、不要な存在だと断じた。

倒れながらも一方通行へ手を伸ばす打ち止めを見て、番外個体は先に打ち止めを始末する方が効果的だと判断した。一方通行は、打ち止めを守るためには番外個体を殺すしかないという現実を突きつけられ、絶望へ追い込まれた。

一方通行の決断

番外個体が打ち止めへ鉄釘を向けた瞬間、一方通行はついに本気で反射能力を発動した。

番外個体の攻撃は跳ね返され、彼女自身が傷を負った。さらに一方通行は一瞬で距離を詰め、容赦なく攻撃を加え続けた。

番外個体は抵抗する暇も与えられず、一方通行の猛攻によって戦闘不能へ追い込まれた。

精神崩壊と新たな絶望

番外個体を倒した後、一方通行は自らの手で妹達と同じ顔を持つ存在を傷つけた現実に打ちのめされた。

学園都市は勝敗に関係なく一方通行の心を破壊するため、番外個体を利用していたことが明らかになった。さらに番外個体の体内に埋め込まれていた装置が作動し、彼女は致命傷を負いながら、一方通行へ全てはお前のせいだと告げた。

一方通行は世界そのものへの不信と絶望に飲み込まれ、精神的に限界へ追い込まれた。

番外個体の救出決意

しかし瀕死の番外個体を前にした一方通行は、学園都市の思惑通りになることを拒んだ。

彼は番外個体の死こそが学園都市の計画の完成であると理解し、その結末を覆すことを決意した。ベクトル操作の力を治療へ応用し、番外個体を救うため動き出した。

一方通行は激しい怒りを燃やしながら、自分には守るための力もあることを証明してやると誓った。

第三章 疑念の壁と対峙せよ Great_Complex

番外個体の生存

番外個体は、自ら起爆した体内のセレクターによって致命傷を負ったはずだった。しかし死は訪れず、むしろ生命活動は安定へ向かっていた。

第三次製造計画の使い捨てとして生み出され、生き残るはずのなかった自分が、一方通行の手によって救われた現実を前に、番外個体は戸惑いを覚えていた。

暴走する一方通行

その直後、番外個体は異様な笑い声を耳にした。

一方通行は学園都市や世界への憎悪を叫びながら暴走し、黒い翼を発現させていた。翼は互いを潰し合うように絡み合い、絶叫と共に放出される力が周囲の大地を破壊していった。

番外個体は、一方通行の中にも温かな感情があったかもしれないと考えながらも、自分がその心を砕く引き金を引いてしまったことを理解し、震え始めた。

集落側の勝利と捕虜の確保

一方その頃、集落では高射砲と装甲車を失ったプライベーティア側が動揺していた。

集落の人々は退かずに銃を構え続け、その覚悟に圧倒されたプライベーティア兵達は降伏した。ディグルヴは捕虜達を武装解除した上でシェルターへ収容した。

浜面は高射砲から出てきた兵士達を撃つことができなかった。自分に余裕が生まれたことで、相手も同じ人間だと考えてしまったためであった。

新たな脅威の接近

危機が去ったかに思われたが、集落に新たな警報が届いた。

レーダーには三つの巨大な飛行物体が映っており、ディグルヴはそれが大型の攻撃ヘリだと判断した。地上兵器とは異なり、地雷やアサルトライフルでは対抗できず、逃走も困難な相手であった。

さらに、装甲車と高射砲が帰還しないことを確認したプライベーティアが第二陣を送り込んだ可能性も高かった。

高射砲再利用作戦

ディグルヴは森へ避難する計画を説明したが、浜面は高射砲を使えば勝機があると提案した。

二人は除雪用ショベルカーを使い、瓦礫の下敷きになっていた高射砲を掘り出した。砲の片方は破損していたため弾薬を抜き取り、残る一門だけを使える状態にした。

命中率は大きく低下するものの、何もせずに殺されるのを待つよりは可能性に賭けるべきだと浜面は主張した。

協力者達の決意

高射砲の運用には複数人が必要であることが判明すると、ディグルヴは自らも戦う意思を示した。

さらに凍傷から回復したロシア兵も協力を申し出た。彼は見捨てられた自分を助けてくれた集落の人々のために戦いたいと語り、軍を捨ててでも恩を返すことを選んだ。

ディグルヴもまた、浜面だけでなく自分達もプライベーティアのやり方にうんざりしていると語った。浜面は二人の決意を受け止め、共に戦う覚悟を固めた。

上条当麻との遭遇

一方通行は暴走状態のまま雪原に立ち尽くしていた。

その時、雪の中を進む大型車の車列が視界に入った。気力を失っていた一方通行は当初気に留めなかったが、車内にいた一人の男の顔を見て心を動かされた。

それはかつて絶対能力進化計画を阻止し、多くの妹達を救った上条当麻だった。

怒りの爆発

一方通行は、なぜ上条当麻がここにいるのに打ち止めを助けてくれないのかと激しい怒りを覚えた。

彼は雪の中から岩を掴み、車列へ向かって投げつけて大型車を破壊した。そして、妹達を救った英雄なら打ち止めも救えと絶叫した。

黒い翼はさらに巨大化し、一方通行自身も止められないほどの怒りが噴き出していた。こうして、暴走した学園都市第一位と上条当麻が対峙する状況が生まれたのであった。

行間 三

御坂美琴の決意

上条当麻の足跡を追う

御坂美琴は、ロシアから送られてきたニュース映像の中に上条当麻の姿を発見したことで、彼が日本ではなく戦争の最前線にいると知った。

何か重大な出来事に関わっていると感じた美琴は、学園都市の情報網を利用して上条当麻に関する情報収集を開始した。

幻想殺しに関する機密文書

美琴はPDAの中から、幻想殺しについて記された資料を発見した。

そこには、幻想殺しが学園都市にとって極めて希少な価値を持つ存在であるため、可能な限り生きたまま回収することが基本方針として記されていた。

しかし同時に、幻想殺しが学園都市外の組織へ協力していると判断された場合には、第二位と同様の処置を施して生命維持装置内に回収することが第二目標として定められていた。

上条当麻への襲撃計画

資料には、上条当麻を襲撃するための部隊編成や装備、作戦日程まで詳細に記載されていた。

さらに、その作戦は統括理事長の承認を受けた正式な計画であることも示されていた。

美琴は内容を確認した後、しばらく沈黙した。驚きはあったものの、学園都市の暗部を知る彼女にとっては予想の範囲内でもあった。

借りを返すための行動

美琴はPDAの電源を切り、襲撃部隊が待機している第二三学区へ向かった。

走りながら彼女は、かつて絶対能力進化計画によって妹達が虐殺されようとしていた時、上条当麻が命を懸けて学園都市の闇へ立ち向かってくれたことを思い返した。

上条当麻がどれほど危険な橋を渡っていたのかを改めて考えた美琴は、自分や妹達のために戦ってくれた彼へ大きな借りがあると感じ、その恩を返すために行動する決意を固めたのであった。

第四章 ここからが反撃の時 Heroes_Congregate.

攻撃ヘリの襲来

プライベーティアの攻撃開始

ロシア陸軍から提供された大型攻撃ヘリ三機が、白い大地の上空を飛行していた。

搭乗していたプライベーティアの傭兵達は、仲間の安否には興味を示さず、集落への攻撃そのものを楽しみにしていた。パイロットは試作機の性能に満足しながら、標的となる集落へ向かい、住民を殺すことを歓喜していた。

一方通行と上条当麻の激突

一方通行は、自らが破壊した大型車の前に立つ上条当麻を見つけた。

かつて妹達の実験を止めた上条当麻に対する怒りが八つ当たりであることを理解しながらも、一方通行は黒い翼を広げて攻撃を仕掛けた。

巨大な翼による攻撃は上条当麻の右手によって打ち消されたが、一方通行はさらに攻撃を重ねた。広範囲を破壊する攻撃によって圧倒しようとしたものの、上条当麻は傷を負いながらも立ち続けた。

その姿を見た一方通行は、運命を覆す象徴を見るかのように笑い、さらなる力を黒い翼へ注ぎ込んだ。一方で上条当麻も拳を握り、一方通行へ向かって走り出し、本格的な戦いが始まろうとしていた。

高射砲で迎撃を決意

一方その頃、浜面仕上達は高射砲に乗り込み、迫る攻撃ヘリへの迎撃準備を進めていた。

ディグルヴとロシア兵グリッキンは、接近する三機の大型攻撃ヘリについて説明し、その危険性を語った。しかし同時に、試作機である可能性から勝機もあると判断していた。

やがて攻撃ヘリが射程内へ入り、浜面達は戦闘を開始した。

攻撃ヘリとの死闘

高射砲の砲撃は一機に命中したが撃墜には至らず、攻撃ヘリ側は反撃としてミサイルを発射した。

しかし浜面は高射砲を針葉樹林へ退避させ、木々を盾にすることで攻撃を防いだ。さらにミサイルで開いた木々の隙間を利用し、高射砲に搭載された地対空ミサイルを発射した。

その結果、攻撃ヘリ一機を撃墜することに成功した。

残る二機は機銃掃射による攻撃へ切り替えたが、浜面達はあらかじめ林の中へ一般車両を隠しており、レーダーの金属反応を攪乱していた。その隙を突いて高射砲が反撃し、さらに一機の攻撃ヘリを撃墜した。

怒りに駆られた最後のパイロットは撤退を選ばず、高射砲へ止めを刺すため再び突撃を開始した。

イギリス軍の優勢と傾国の女の出現

ドーヴァー海峡では、キャーリサ率いるイギリス軍が『騎士派』と移動要塞グラストンベリの力によって優勢を築いていた。

しかし騎士団長は、あまりにも順調な戦況に不安を抱いていた。相手が『傾国の女』である以上、何らかの策が隠されている可能性を警戒していたのである。

キャーリサが敵軍を圧倒しようとしていたその時、『傾国の女』本人が突然戦場へ姿を現した。

傾国の女とキャーリサの剣戟

『傾国の女』は国家規模の術式が施された剣でキャーリサへ斬りかかった。

騎士団長は術式で武器の力を無効化しようとしたが、『傾国の女』の剣は王家に関係する武具として例外扱いとなり、術式は通用しなかった。

絶対に防げないはずの一撃だったが、キャーリサはカーテナ=セカンドの欠片を利用した光の剣で攻撃を受け止めた。

『傾国の女』はその事実に驚愕し、キャーリサは王族の血筋によって欠片だけでも力を発揮できると明かした。

互いに距離を取り直した両者は再び剣を構え、『傾国の女』が動けることこそフランス最大の策であったことが明らかになった。

一方通行と上条当麻の激突

土砂の津波による攻撃

一方通行は黒い翼を振り下ろし、上条当麻ではなく地面を破壊した。

その結果、高さ十五メートル以上、幅三百メートル以上にも及ぶ土砂の津波が発生し、上条当麻を飲み込もうとした。しかし上条当麻は土煙の中を突き抜け、多くの石に打たれながらも致命傷を避けて前進を続けた。

上条当麻の戦い方を見抜く一方通行

一方通行は上条当麻の行動を観察し、その戦法を分析した。

上条当麻は能力そのものだけでなく、能力発動時に生じる微細な前兆や余波を察知し、それらを利用して攻撃を回避していた。また一つの方法に頼らず、その場ごとに最適な解決策を選び続けていた。

その戦法は特殊な右手だけで成立するものではなく、観察力、判断力、度胸を組み合わせた結果であると一方通行は理解した。

拳と翼の衝突

上条当麻が拳の届く距離まで踏み込むと、一方通行は黒い翼を振るった。

しかし上条当麻の拳が先に届き、一方通行の顔面を殴り飛ばした。二人は爆風で吹き飛ばされながらも立ち上がり、再び互いへ向かって突撃した。

一方通行の本音の吐露

激突を続ける中、一方通行は打ち止めを救えなかった現実への怒りや、自身への失望を叫び続けた。

自分のような悪党が誰かを救おうとしたこと自体がおかしかったと語り、上条当麻こそが打ち止めを救うべき英雄だったと訴えた。

その言葉には上条当麻への怒りだけでなく、自分自身への葛藤と苦悩が込められていた。

上条当麻の答え

上条当麻は英雄など必要ないと返した。

目の前で苦しんでいる人を助けたいと思うだけで立ち上がる理由として十分であり、善人や悪人といった立場は関係ないと語った。

さらに、一方通行自身が何を守りたいのかを自分で決めるべきだと告げ、他人に答えを委ねるのではなく、自ら選択するよう促した。

諦めない上条当麻への恐怖

一方通行は無数に分裂した黒い翼による攻撃を放ったが、上条当麻は致命傷を避けながら前進を続けた。

その姿を見た一方通行は、本当に恐ろしいのは能力や戦術ではなく、何があっても諦めず立ち向かってくる意思そのものだと気付いた。

かつて妹達の実験を巡って戦った時と同じ恐怖を、一方通行は再び感じていた。

決断を迫る一撃

上条当麻は一方通行の懐へ踏み込み、このまま守り続けるのか、他人へ任せるのか、それとも協力を求めるのかを自分で選べと告げた。

そして胸を張れる選択を自ら決めるよう訴えながら拳を振り抜き、一方通行の顔面を打ち抜いた。

倒れ込む一方通行は、自分が善悪という枠に囚われ続けていたことに気付き、心の中で抱えていた幻想が崩れていくのを感じていた。

レッサーの観察

戦いを見ていたレッサーは、上条当麻が黒い翼の一本を掴み、捻ることで攻撃の包囲網に安全地帯を作り出していたことに気付いた。

右手による消去だけでなく、状況に応じて異能へ干渉する使い方まで身につけていることに驚き、その戦い方に疑問と恐怖を抱いていた。

打ち止めの容体変化

意識を失った一方通行は、倒れている打ち止めの額へ上条当麻が右手を当てる様子を目撃した。

その直後に何かが砕けるような音が響き、一方通行は意味を理解できないまま意識を失った。

禁書目録への手掛かり

次に目を覚ました一方通行は、トラックの荷台で打ち止めと共に横たわっていた。

打ち止めの容体は完全には回復していなかったものの安定しており、その傍らには上条当麻が残したと思われるメモが置かれていた。

そこには禁書目録と書かれており、一方通行は打ち止めを救うための手掛かりである可能性を感じた。

エリザリーナ独立国同盟への招待

そこへ金髪碧眼の大男が現れ、一方通行達をエリザリーナ独立国同盟へ招待し、打ち止めの回復方法を共に探そうと申し出た。

一方通行は答えず、手にしたメモを握り締めながら打ち止めの前で静かに項垂れていた。

エイワスの興味

遠く離れた学園都市では、エイワスが上条当麻の右手に強い興味を示していた。

エイワスは彼の力を面白いと評価し、学園都市を離れる前に会っておけば良かったかもしれないと静かに呟いていた。

攻撃ヘリとの最終決戦

追い詰められた高射砲部隊

針葉樹の林という遮蔽物を失ったことで、浜面たちは攻撃ヘリとの正面対決を強いられた。

残る攻撃ヘリをここで撃墜できなければ、逃げ惑う集落の人々や滝壺理后までもが虐殺されてしまうため、浜面たちは何としても勝たなければならなかった。しかし攻撃ヘリは圧倒的な速度を誇り、高射砲側の攻撃は当たりにくく、ミサイルによる迎撃も困難な状況だった。

絶体絶命の危機

攻撃ヘリは一直線に銃撃を浴びせながら迫ってきた。

浜面は必死にキャタピラを操作して回避を試みたが間に合わず、高射砲は撃ち抜かれる寸前まで追い込まれた。滝壺の名を叫んだその瞬間、巨大な貫通音が響き渡った。

しかし破壊されたのは高射砲ではなかった。

謎の大剣による撃墜

上空を飛行していた攻撃ヘリは、全長三・五メートルもの巨大な剣によって真横から貫かれていた。

浜面は常識外れの光景に呆然とした。さらに白い雪原から青い衣装をまとった大男が跳躍し、ヘリへ飛び移った。

大男は機体に突き刺さった大剣の柄を握ると、攻撃ヘリを玩具のように振り回した。その後、自らは雪原へ着地し、大剣を地面へ叩きつけると、攻撃ヘリは爆発して炎に包まれた。

後方のアックアの参戦

炎の中から低い男の声が響いた。

男は、人々を守ろうと戦う浜面たちの姿勢を称賛し、自らを後方のアックアと名乗った。そして事情は分からないとしながらも、助力すると告げた。

その周囲には雪を溶かして生じた水の塊が漂っており、炎は内側から吹き散らされていた。

反撃への転機

後方のアックアの出現によって、浜面たちは絶体絶命の危機を脱した。

それぞれの思惑が交差する中で新たな邂逅が生まれ、ここから反撃の時が始まった。激化する戦争の中でも、それぞれが目的を見失わず進み続ける限り、この世界は簡単には壊れないのであった。

戦況報告

ローマ教皇の目覚め

混乱するローマ正教

ローマ市内の病院では、昏睡状態のローマ教皇が静かに眠り続けていた。

若い神父は病室を訪れ、フィアンマの横暴を止められる者がおらず、多くの枢機卿が恐怖や利益のために従っている現状を報告した。さらに世界各地でフィアンマの思惑に従った戦いが起こり、イギリスとフランスの間でも大規模な魔術戦が発生していると語ったが、教皇から返答はなかった。

市民暴動の危機

そこへシスターが駆け込み、戦争への不満を募らせたローマ市民がバチカンへ向けて集結し始めていると伝えた。

若い神父は、市民の怒りは正当なものであると認めながらも、準備のない暴動ではローマ正教の戦闘部隊によって鎮圧されるだけだと判断した。そして市民たちを守るため、シスターと共に病室を後にした。

ローマ教皇の復活

病室が再び静寂に包まれた後、ローマ教皇の指先が動いた。

やがて教皇は目を覚まし、自らチューブを外して起き上がった。テレビで戦争による悲劇や人々の苦しみを目にした教皇のもとへ、ロシア成教のワシリーサから魔術通信が届いた。

教皇は失われつつある自らの権威を認めながらも、教皇としてではなく一人のローマ正教徒として為すべきことを行うと決意した。そして窓を開け、自ら戦いへ向かった。

フィアンマの新たな計画

一方、ロシアの基地へ戻ったフィアンマは、ニコライと通信を行っていた。

戦況悪化を懸念するニコライに対し、フィアンマは大天使ガブリエルの媒体となる修道女を確保していることを明かした。大天使を利用できる切り札の存在を示した後、本当の目的は別にあると内心で考えながら、プロジェクト=ベツレヘムの開始を宣言した。

クレムリン・レポートの真実

日本海上空では、学園都市のパイロットがロシア空軍のエカリエーリャへクレムリン・レポートについて語っていた。

それは核施設防衛のため、施設を守る代わりに周辺の軍人や民間人を細菌兵器で犠牲にする計画だった。エカリエーリャは動揺しながらも敵の情報を疑ったが、学園都市側は証拠を提示した。

同じ頃、イギリス第二王女キャーリサもフランスの『傾国の女』へクレムリン・レポートの危険性を訴えた。ローマ正教の命令によって無意味な戦争を続ける理由を問いかけ、ロシアで起こる最悪の事態を止めるべきだと主張した。

学園都市側の動き

学園都市第二三学区では、ロシアへの投入が決まった麦野沈利が超音速爆撃機内で出撃を待っていた。

別の爆撃機では、上条当麻を襲撃する予定だった特殊部隊を御坂美琴が制圧していた。美琴はパイロットを脅し、本来の飛行任務を続行してロシアへ向かうよう命じた。

風斬氷華の決意

エイワスは風斬氷華に対し、ロシアで活動する大天使ガブリエルの存在を説明した。

風斬は戦うことを決意する一方、自分の友達に手を出さないことを条件として提示した。エイワスは興味がなければ干渉しないと答えたが、風斬は友人に危害が及べば敵になると告げた。

ヒューズ=カザキリ出撃

その直後、日本海上空を巨大な存在が高速で通過した。

ロシア軍と学園都市軍の双方が正体を把握できない中、それはヒューズ=カザキリだった。彼女は自らの意思でロシアへ向かい、友達を守るため、大天使同士の戦いへ身を投じようとしていた。

上条当麻の覚悟

エリザリーナ独立国同盟の車列に乗る上条当麻は、一方通行との戦いを通じて自らの迷いを振り払っていた。

インデックスを助けたいという気持ちだけで十分であり、正当な理由や理屈は必要ないと再確認した上条は、自分が頭を下げるべき相手はフィアンマではないと決意を固めた。

インデックスの異変

ロンドンの聖ジョージ大聖堂では、ステイル=マグヌスが眠り続けるインデックスを守っていた。

そこへローラ=スチュアートが現れ、『清教派』の遠隔制御霊装を利用してインデックスへ干渉しようとしていることを示唆した。ステイルは激しく反発し、必要であればローラを止める覚悟を示した。

しかしその最中、インデックスが起き上がった。感情のない瞳を向けた彼女は遠隔利用者の接続を確認したと告げ、自動排除を開始すると宣言した。

強大な魔法陣が展開される中、ステイルはこれまで守り続けてきた少女を救うため行動を開始し、インデックスは敵性を確認したとして特定魔術の構築を始めるのであった。

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