とある魔術の禁書目録(12)レビュー
【とある魔術の禁書目録】あらすじ・ネタバレ・まとめ
とある魔術の禁書目録SSレビュー
物語の概要
■ 作品概要
『とある魔術の禁書目録(13)』は、超能力が開発される科学の街・学園都市と、魔術を操る巨大宗教勢力・ローマ正教との対立を描いたSFファンタジー・バトルアクション作品である。
九月三〇日、ローマ正教の暗部『神の右席』の一人である前方のヴェントが学園都市に侵入し、特定の感情を抱いた者を無力化する「天罰術式」によって都市機能の大半を麻痺させる。これに対抗するため、学園都市統括理事長のアレイスターは木原数多率いる暗部組織『猟犬部隊』を動かし、「打ち止め(ラストオーダー)」の脳にウィルスを打ち込んで人工天使「ヒューズ=カザキリ」を出現させる計画を始動する。 上条当麻はヴェントの暴挙を止め、理不尽に天使へと変貌させられた風斬氷華を救うために過酷な戦いに身を投じる。同時に、一方通行(アクセラレータ)は、木原に奪われた打ち止めを救出するため、能力の使用時間が制限されるという絶望的な状況下で血みどろの死闘を繰り広げる。科学と魔術の脅威が同時に襲いかかる中、それぞれの「守りたいもの」のための戦いが描かれる。
■ 主要キャラクター
- 上条当麻(かみじょうとうま): 右手に異能の力を打ち消す「幻想殺し(イマジンブレイカー)」を宿す高校生。学園都市を襲撃したヴェントに真っ向から立ち向かい、天使へと変貌させられた友達である風斬氷華を救うために奔走する。
- 一方通行(アクセラレータ): 学園都市第一位の超能力者。打ち止めを救い出すため、自身を開発した木原数多や『猟犬部隊』と激突する。バッテリー切れで能力を失う絶望的な状況に陥りながらも、打ち止めを守り抜くために黒い翼を覚醒させる。
- 前方のヴェント: ローマ正教『神の右席』の一人。弟を事故で失った過去から科学を激しく憎んでおり、自分に敵意を向けた者を無力化する「天罰術式」と空気を操る巨大なハンマーによる攻撃で、学園都市を壊滅状態に追い込む。
- 木原数多(きはらあまた): 学園都市の暗部組織『猟犬部隊』を率いる冷酷な研究者。アレイスターの命で打ち止めを確保し、学習装置を用いてウィルスを打ち込む。かつて一方通行を開発した経験から彼の能力の仕組みを熟知しており、専用の体術で一方通行を徹底的に追い詰める。
- 打ち止め(ラストオーダー): 『妹達(シスターズ)』のネットワークを束ねる上位個体。木原数多に捕らえられ、頭の中にウィルスを打ち込まれて、人工天使「ヒューズ=カザキリ」を出現させるための核として利用される。
- 風斬氷華(かざきりひょうか): 学園都市のAIM拡散力場の集合体。アレイスターの計画により、巨大な翼を持つ人工天使「ヒューズ=カザキリ」へと強制的に変貌させられる。天使の輪に自我を奪われながらも、自らの意思で生み出した光の鱗粉で街の人々をヴェントの攻撃から守り続ける。
- インデックス: 10万3000冊の魔道書を記憶する少女。偶然出会った一方通行の窮地を救った後、上条と合流する。天使となった風斬を助けるため、御坂美琴の科学的な知識を借りながら、祈りの歌を用いて打ち止めに打ち込まれたウィルスの解除を試みる。
- 御坂美琴(みさかみこと): 学園都市第三位の超能力者。上条とインデックスが風斬を救うための時間を稼ぐため、黒ずくめの男たちを相手に単身で足止めを引き受ける。
■ 物語の特徴
本作の最大の特徴は、科学サイド(猟犬部隊や木原数多、人工天使)と魔術サイド(前方のヴェントの天罰術式)という二つの強大な脅威が、同時に学園都市を襲うという息もつかせぬスリリングな展開にある。
物語は、上条当麻と一方通行という二人の主人公の視点から描かれる。彼らは直接顔を合わせることはないが、学園都市の崩壊という同じ危機的状況の中で、それぞれの大切な者を守るために死闘を繰り広げていく。特に、圧倒的に不利な状況に追い込まれながらも、全身全霊で木原に立ち向かう一方通行の姿と、彼が打ち止めを守るため最終的に選ぶ「再び闇へ落ちる」という悲壮な決断は、読者の胸を強く打つ。
また、科学を憎むヴェントの悲痛な過去と、それに対する上条の真っ直ぐな魂の救済も大きな魅力である。そして、この未曾有の襲撃を契機に、学園都市とローマ正教の全面対立が決定的となり、物語が世界規模の戦争へと突入していく、シリーズ全体における極めて重要なターニングポイントとなっている点が非常に興味深い。
書籍情報
とある魔術の禁書目録 13
(A Certain Magical Index)
著者:鎌池 和馬 氏
イラスト:はいむらきよたか 氏
出版社:株式会社KADOKAWA(電撃文庫)
発売日:2007年4月10日
ISBN:9784048666343
(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。
あらすじ・内容
恐るべき魔術師と科学者――2つの惨事が学園都市を襲う!
上条当麻を狙い、学園都市にローマ正教の刺客「前方のヴェント」が侵入した。彼女が操る謎の魔術により都市機能は完全に麻痺、大部分の人間は意識を失っていく……。同時に科学者・木原数多率いる武装集団も出現!魔術と科学、2つの惨事に襲われた当麻の運命は……!?
感想
9月30日を舞台に科学と魔術が同時に襲いかかる、息もつかせぬ展開の連続であった。ローマ正教「神の右席」の前方のヴェントが学園都市に侵入し、都市機能の大半が麻痺状態に陥るという未曾有の危機には、非常に強い緊迫感を覚えた。さらに、統括理事長アレイスターがこれに対抗すべく、打ち止めを利用して人工天使「ヒューズ=カザキリ」を出現させる計画を始動させたことで、事態は一層複雑さを増していく。
この巻の魅力は、何といっても多角的に展開される人間関係と激しい戦いの描写にある。木原数多率いる暗部組織「猟犬部隊」を追う美琴やシスターズ、風斬を救おうとする上条、打ち止めに対応するインデックスと、それぞれのキャラクターが見事に連携し、役割を果たしている姿が印象深かった。
特に胸を熱くさせられたのは、打ち止めから助けを求められた上条当麻の戦いぶりである。圧倒的な力で街を破壊し、天使へと変貌してしまった風斬氷華の存在を容赦なく否定するヴェントに対し、上条が真っ向から激突する姿には強い信念を感じた。最終的にインデックスの協力を得て風斬を救い出しつつ、激闘の末にヴェントを打ち破った展開は、まさに王道と言える爽快感に満ちていた。
一方で、一方通行の辿る過酷な運命には言葉を失ってしまう。ようやく打ち止めと共に表舞台に出たというのに、自身を開発した木原に打ち止めを攫われ、彼女の頭にウィルスを注入されてしまう展開はあまりにも残酷だ。能力を大きく制限された絶望的な状況下で救出へ向かい、木原に徹底的にボコボコにされながらも死闘を制する姿からは、彼がいかに打ち止めを大切に想っているかが痛いほど伝わってきた。
しかし、木原を倒して打ち止めを奪還したものの、結末は何とも悲しいものであった。大切な者を守るため、一方通行が打ち止めを置いて自ら学園都市の深い闇に落ちる道を選ぶシーンは、彼の不器用な愛情が滲み出ており、深い切なさがこみ上げてくる。
そして、この凄惨な襲撃を契機に、学園都市とローマ正教の全面対立が決定的となったことで、物語はさらに壮大なスケールへと突入していく。次巻以降、世界がどのように動いていくのか、期待と緊張が最高潮に達する、ターニングポイントと呼ぶにふさわしい一冊であった。
最後までお読み頂きありがとうございます。
(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。
とある魔術の禁書目録(12)レビュー
【とある魔術の禁書目録】あらすじ・ネタバレ・まとめ
とある魔術の禁書目録SSレビュー
考察・解説
学園都市の侵攻
『とある魔術の禁書目録』における学園都市の侵攻(0930事件)について、前方のヴェントの襲来による都市機能の麻痺、アレイスターの反撃とヒューズ=カザキリの展開、猟犬部隊の暗躍と一方通行の激闘、そして上条当麻の抗戦とローマ正教との全面対立という観点から解説する。
1. ヴェントの襲来と都市機能の麻痺
9月30日、ローマ正教の暗部組織である神の右席の一員である前方のヴェントが単騎で学園都市へ侵攻する。
- 彼女は自身に敵意や悪意を向けた者を距離や場所を問わずに無力化する天罰術式を使用した。
- 治安維持を担う警備員(アンチスキル)や風紀委員(ジャッジメント)たちを次々と昏倒させたのである。
- その結果、学園都市の都市機能の大半が麻痺するという未曾有の危機に陥った。
2. アレイスターの反撃とヒューズ=カザキリの展開
学園都市統括理事長であるアレイスター=クロウリーは、この事態に対し、未完成であった虚数学区・五行機関の使用を決断する。
- 彼は妹達(シスターズ)の管理者である打ち止め(ラストオーダー)の脳内にウィルスを打ち込んでミサカネットワークを強制操作した。
- 学園都市全域のAIM拡散力場を誘導してヒューズ=カザキリ(人工天使)を出現させたのである。
- これは、魔術師が学園都市内で魔術を行使した際に暴走や自滅を引き起こす新たな環境(人工の界)を作り出し、敵を潰すための計画であった。
3. 猟犬部隊の暗躍と一方通行の激闘
アレイスターの命を受けた暗部組織である猟犬部隊(ハウンドドッグ)のリーダーである木原数多は、計画の要となる打ち止めを拉致すべく動き出す。
- 木原は障害となる一方通行の能力の弱点を突いて彼を無力化し、打ち止めにウィルスを打ち込んだ。
- しかし、一方通行は能力の制限時間が切れた満身創痍の状態であっても決して諦めず、執念で立ち上がったのである。
- 彼は最終的に未知の力である黒い翼を覚醒させて木原を撃破し、打ち止めを奪還することに成功した。
まとめ
一方、ヴェントの真の標的であった上条当麻は、彼女と正面から激突する。ヴェントはヒューズ=カザキリ出現の影響で魔力循環不全に陥り、魔術を使うたびに大量の血を吐きながらも猛攻を仕掛ける。しかし上条は、弟を失った悲しみから科学に対する復讐に囚われていた彼女の生き方を真っ向から否定し、その右拳で彼女を打ち倒したのである。その後、同じ神の右席である後方のアックアが現れてヴェントを回収し、撤退していく。しかし、この事件を契機に学園都市とローマ正教は互いの主張を真っ向から非難し合うようになり、一切の譲歩や妥協のない、世界を巻き込む全面対立へと突入していくことになるのである。
前方のヴェント
『とある魔術の禁書目録』(第13巻)における前方のヴェントについて、異様な容姿と正体、恐るべき天罰術式と戦闘スタイル、科学を憎む悲痛な過去、そして上条当麻との決戦という観点から解説する。
1. 異様な容姿と神の右席としての正体
15世紀のフランス市民のような黄色い衣装をまとい、耳や鼻、唇、まぶたなど顔中に無数のピアスを施した女性である。
- 舌先のピアスからは、十字架のアクセサリーが繋がれた細い鎖が腰の辺りまで伸びている。
- 彼女の正体は、ローマ正教の最深部に位置する組織である神の右席の一員である。
- 自らを二〇億の中の最終兵器、前方のヴェントと名乗り、単騎で学園都市を襲撃したのである。
2. 恐るべき天罰術式とトリッキーな戦闘スタイル
彼女の最大の武器は、自身に敵意や悪意を向けた者を距離や場所を問わずに意識不明にさせる天罰術式である。
- この術式により、学園都市の警備員や風紀委員などの大半を昏倒させ、都市機能を麻痺させた。
- 直接的な戦闘では、有刺鉄線を巻いた巨大なハンマーを振り回し、空気の鈍器を放つのである。
- ハンマーの動きと舌の鎖の軌道を意図的にずらすことで相手の視覚を騙し、回避困難な攻撃を繰り出すトリッキーな戦法を用いる。
3. 科学を憎む悲痛な過去と復讐の動機
彼女が学園都市(科学サイド)を激しく憎む理由は、過去に起きた遊園地のアトラクション事故にある。
- 事故で重傷を負った彼女と弟に対し、希少な血液型であったため病院には一人分の輸血しか用意できなかったのである。
- その際、弟がお姉ちゃんを助けてくださいと願ったため、彼女だけが生き残り、弟は見殺しにされてしまった。
- この絶望的な経験から、安全を謳いながら弟を救えなかった科学を深く憎悪し、科学を滅ぼすことを自らの使命として生きてきたのである。
まとめ
学園都市に天使(ヒューズ=カザキリ)が出現した影響で魔力循環不全に陥り、魔術を使うたびに大量の血を吐きながらも、彼女は上条当麻と激闘を繰り広げる。上条は、弟の尊い決断を踏みにじって復讐に走る彼女の生き方を真っ向から否定した。最後は、彼女が複数の空気の鈍器を合わせた巨大な杭を放つものの、上条の幻想殺しで打ち砕かれ、強烈な拳を顔面に受けて敗北する。その後、同じ神の右席である後方のアックアによって回収され、天罰術式の要であった十字架のアクセサリーを破壊された状態で学園都市から撤退したのである。
天罰術式
とある魔術の禁書目録における天罰術式について、術式の概要と発動条件、段階的な効果と解除不能性、術者であるヴェントの孤独な生き方、そして術式の崩壊という観点から解説する。
1. 術式の概要と発動条件
天罰術式は、ローマ正教の神の右席の一員である前方のヴェントが操る魔術である。
- 術者に対して敵意や悪意といった特定の感情を抱いた者を、距離や場所を問わずに叩き潰すという神の天罰に等しい性質を持つ。
- ヴェントがわざと反発心を煽るような化粧やピアスを施し、民間人を巻き込むような理不尽な攻撃を行うのは、周囲の人間から自分に対する敵意や悪意を誘導して術式のキーにするためであった。
- 純白のシスターであるインデックスの持つ一〇万三〇〇〇冊の魔道書にすら記述がないほど、常識外れの力なのである。
2. 段階的な効果と解除不能性
この術式は、相手が抱いた敵意の強さに応じて、対象に段階的なペナルティを与える。
- 意識を奪う、肉体を縛る、外部からの干渉を封じるなど、様々な形で対象を無力化する。
- どの段階であっても喰らえば自力での回復は不可能であり、術者であるヴェント自身が天罰は必要ないと判断するまで絶対に治らないとされている。
- この力により、学園都市の警備員や風紀委員などの大半が昏倒し、都市機能は麻痺状態に陥ったのである。
3. 天罰術式を扱うヴェントの孤独な生き方
上条当麻は、この術式が強力である反面、常に多くの人々から敵意を浴び続ける環境でなければ全く役に立たない力であると見抜いた。
- 他人から敵意を受けなければ結果を出せないため、ヴェントは世界の闇に身を潜め、全世界の人間から恨まれる人生を選ばざるを得なかった。
- 他者から好意を受ける可能性すら自ら捨て去るような彼女の生き方は、上条にとても真似できないと思わせるほど悲痛なものだったのである。
まとめ
この強力な天罰術式も、上条当麻との戦いの果てに崩壊を迎える。ヴェントが敗北した後、同じ神の右席である後方のアックアが現れ、ヴェントの舌についていた鎖と十字架のアクセサリを上条に投げ渡した。アックアは、そのアクセサリが上条の右手(幻想殺し)によってすでに破壊されたことでヴェントはもう天罰術式を使えなくなり、術式によって制圧されていた人々もすぐに回復すると告げたのである。
猟犬部隊の追跡
『とある魔術の禁書目録』シリーズにおける猟犬部隊の追跡について、嗅覚センサーを用いた施設の包囲、暗闇と無線の攪乱による一方通行の心理戦、猟犬部隊の壊滅と絶望、そして病院への潜入と別班の全滅という観点から解説する。
1. 嗅覚センサーを用いた施設の包囲
木原数多率いる猟犬部隊は、一方通行たちが乗り捨てた車から嗅覚センサーを用いて匂いを追尾し、第五学区の第三資源再生処理施設へとたどり着いた。
- 隊員のナンシーは、一方通行が施設内の薬品を利用して匂いを消し、追跡を妨害しようとしていると推測した。
- 彼らは施設の見取り図を確認し、陽動によって標的を奥へ誘導する。
- そして別働隊による待ち伏せで仕留める作戦を展開して施設を包囲したのである。
2. 暗闇と無線の攪乱による心理戦
しかし、一方通行は能力が制限された状況下でも、武器や地形、そして恐怖を利用して反撃に転じる。
- 彼は施設の照明を一斉に落として暗闇を作り出し、蒸気の排気音や投げ込んだ工具で部隊の恐怖心を煽った。
- さらに、奪った無線機を使って味方を装いながら偽情報を流し、敵の連携を崩壊させたのである。
- 暗闇の中で暗視装備を持たない隊員たちは、同士討ちを恐れて互いを疑い始め、組織的な強みを失っていった。
3. 猟犬部隊の壊滅とヴェーラの絶望
分断され孤立した隊員たちを、一方通行はショットガンを使って次々と仕留めていく。
- 残虐な手段で狩られていく中、隊員の一人であるヴェーラは、プレス機に潰された同僚の姿や沈黙した無線機を前にして部隊の壊滅を悟った。
- 彼女は、一方通行が単純な殺戮ではなく、相手の精神を破壊する手段まで選ぶ誰も制御できない怪物へ成長していることに恐怖を超えた絶望を感じ、崩れ落ちたのである。
まとめ
一方、猟犬部隊の別班であるデニスやマイクたちは、逃亡した元隊員の処分と目撃者であるインデックスの口封じのために病院へ潜入していた。しかし、彼らのもとへ冥土帰し(ヘヴンキャンセラー)から一方通行に会ってはならないとの警告の電話が入る。その直後、病院全体に絶叫と銃声が響き渡り、彼らの班も一方通行の襲撃を受けてわずか10分ほどで壊滅させられる結果となったのである。
打ち止めの救出
『とある魔術の禁書目録 13』における打ち止めの救出について、猟犬部隊(木原数多)による拉致と一方通行の敗北、ウィルス注入とオリジナルスクリプトの破壊、インデックスの介入と祈りの歌、そして一方通行の黒い翼の覚醒と決着という観点から解説する。
1. 猟犬部隊(木原数多)による拉致と一方通行の敗北
アレイスターの命を受けた木原数多率いる猟犬部隊は、打ち止めの回収(拉致)に動く。
- 木原は、かつて一方通行を開発した知識を利用し、彼の反射能力に触れる直前に拳の向きを逆にするという特殊な体術で彼を追い詰めた。
- 死闘の最中、一方通行はチョーカー型電極の制限時間(六〇秒)が過ぎてバッテリー切れとなる。
- そして、能力や計算能力を失って木原の前に崩れ落ちてしまったのである。
2. ウィルス注入とオリジナルスクリプトの破壊
木原は拉致した打ち止めに学習装置を用いてANGELという名のウィルスを打ち込む。
- これは学園都市全域のAIM拡散力場を誘導し、人工天使ヒューズ=カザキリを出現させるためのものであった。
- さらに木原は、倒れた一方通行の希望を完全に奪って絶望させるため、彼の目の前でウィルスのオリジナルスクリプトが入ったチップを握り潰す。
- そして、打ち止めを治療する手段を破壊して嘲笑したのである。
3. インデックスの介入と祈りの歌
そんな絶望的な状況の中、廃棄オフィスにインデックスが駆けつける。
- 彼女は魔術的な視点で打ち止めが天使構築の核であると見抜き、御坂美琴から科学的な知識の助言を得ながら解決策を模索した。
- そして、打ち止めの精神を縛る結び目を解くため、機械や魔術ではなく、祈りを込めた優しい歌を打ち止めに聞かせ始めたのである。
まとめ
インデックスの温かい歌声を聞いた一方通行は、自分が悪党や闇の存在であっても彼女を守りたいという強い思いを肯定し、既存の限界やルールを捨て去って自らの足で立ち上がる。木原は手榴弾で一方通行に止めを刺そうとするが、爆風の中から一方通行は光すら飲み込む黒い翼を噴出させて復活する。計算能力を持たないはずの彼が放った説明不能の力は、木原数多を夜空の彼方へ吹き飛ばし、死闘は一方通行の勝利で決着したのである。
一方通行と木原
『とある魔術の禁書目録』シリーズにおける一方通行と木原数多の対立について、木原の正体と二人の因縁、反射を打ち破る特殊な体術と戦術、能力喪失による前提の崩壊、そして黒い翼の覚醒と決着という観点から解説する。
1. 木原数多の正体と二人の因縁
木原数多は、学園都市の暗部組織である猟犬部隊(ハウンドドッグ)のリーダーを務める白衣の研究者である。
- かつて一方通行の能力開発を直接担当した人物であり、学園都市でも最も優秀な能力開発研究者の一人である。
- 一方通行の能力特性や性格、運動面などのあらゆるデータを熟知しており、一方通行にとって天敵とも言える存在となっている。
2. 反射を打ち破る特殊な体術と戦術
木原は、一方通行の絶対防御である反射を突破するための特殊な体術を身につけていた。
- 拳が一方通行の反射の保護膜に触れる直前に引き戻す(寸止めする)ことで、反射のベクトルを逆利用したのである。
- そうして一方通行自身が前へ向かって殴られにいく状態を作り出し、確実に打撃を与えていた。
- また、風を操るような複雑なベクトル制御に対しては、計算式の死角に潜り込む特殊な音波を放つことで、能力を妨害し無効化する戦術も用いた。
3. 能力喪失による前提の崩壊
死闘の最中、チョーカー型電極の制限時間を過ぎた一方通行はバッテリー切れとなり、能力や計算能力を完全に失ってしまった。
- まともに立つこともできない無能力者となった一方通行だったが、木原の手首を掴んで顔面を殴り、側頭部の髪を地肌ごと引き剥がすなど、本能のみで泥臭く反撃を行ったのである。
- 木原が圧倒的優位に立てていたのは一方通行の行動パターンを予測できたからであり、思考能力を失った一方通行が従来の戦術を捨てたことで、木原の対抗策は意味をなくした。
- その結果、木原の優位性は揺らぎ始めたのである。
まとめ
焦りを感じた木原は、一方通行を絶望させるために打ち止めの治療に必要なウイルスのオリジナルスクリプトを握り潰し、さらに手榴弾を投げつけてトドメを刺そうとする。しかし、粉塵の中から立ち上がった一方通行の背中には、光すら飲み込む真っ黒な翼が出現していた。物理法則を超えた説明不能の不可視の力によって、木原数多は廃棄オフィスを突き抜けて音速の数十倍の速度で夜空の彼方へ吹き飛ばされ、戦いは一方通行の勝利で決着したのである。
天使と虚数学区
『とある魔術の禁書目録』シリーズにおける天使と虚数学区について、虚数学区の正体と鍵となる風斬氷華、人工天使の顕現プロセス、人工天界の構築と魔術への脅威、そして全世界への拡大計画という観点から解説する。
1. 虚数学区・五行機関の正体と鍵となる風斬氷華
学園都市の暗部とされる虚数学区・五行機関の正体は、学園都市に住む二三〇万人もの能力者が無意識に発するAIM拡散力場の集合体である。
- この力場は気圧の低い水のように不安定な存在であり、一定の衝撃を加えることで爆発的に力が増す性質を持っている。
- そして、この虚数学区を制御するための鍵として、AIM拡散力場に実体と自我を与えられて生み出されたのが風斬氷華である。
- 統括理事長アレイスターは、制御不能な無自我状態を防ぐため、彼女に幻想殺しという死の概念(脅威)を教え込むことで本能や自我を芽生えさせ、コントロール可能な状態に置いたのである。
2. 人工天使ヒューズ=カザキリの顕現プロセス
ローマ正教の前方のヴェントが学園都市に侵攻した際、アレイスターは計画を前倒しし、未完成であった虚数学区の部分的な展開を決断する。
- 彼は木原数多率いる猟犬部隊に命じて、妹達(シスターズ)の管理者である打ち止め(ラストオーダー)の脳にANGELというウィルスを打ち込ませ、ミサカネットワークを強制操作した。
- これにより学園都市全域のAIM拡散力場の方向性が人為的に誘導され、理論モデルである風斬氷華に追加モジュールが上書きされる。
- その結果、彼女は数十本もの巨大な翼を持つ人工の天使ヒューズ=カザキリへと強制的に変貌させられたのである。
3. 人工天界(界)の構築と魔術世界への脅威
虚数学区の真の恐ろしさは、単に天使という兵器を呼び出すことではない。
- AIM拡散力場を利用して、既存の宗教や魔術のルールとは全く異なる新しい環境(人工の界=天界)を作り出すことにある。
- この新たな界が展開された空間では魔術環境が激変するため、魔術師が魔術を行使しようとすれば力の暴走や自爆を引き起こしてしまう。
- 実際に、学園都市内で術式を振るっていたヴェントもこの影響を受け、魔力循環不全に陥り魔術を使うたびに大量の血を吐く状態に追い込まれたのである。
まとめ
さらに、アレイスターの計画はこの新しい界を学園都市内だけに留めておくものではない。かつて一方通行が参加した絶対能力進化(レベル6シフト)計画の真の目的は、一万弱の妹達を治療名目で世界各地の学園都市協力機関へ点在させることにあった。世界中に配置された彼女たちはAIM拡散力場を拡散するためのアンテナとして機能し、いずれは虚数学区(人工の界)を全世界へと広げる準備が進められているのである。これが実現すれば、世界中の魔術活動が完全に停止し、魔術世界そのものが壊滅することになるのである。
とある魔術の禁書目録(12)レビュー
【とある魔術の禁書目録】あらすじ・ネタバレ・まとめ
とある魔術の禁書目録SSレビュー
登場キャラクター
学園都市
上条当麻
学園都市に住む男子高校生である。インデックスや風斬氷華を友人と見なし、彼女らを守るために行動を起こす。
・所属組織、地位や役職
学園都市の高校生。無能力者。
・物語内での具体的な行動や成果
ヴェントの襲撃から打ち止めを逃がし、自らはヴェントと交戦する。風斬氷華が天使に変貌した際には、彼女を救うためヴェントへ立ち向かう。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
右手に異能の力を打ち消す幻想殺しを持つ。ヴェントの天罰術式を無効化し、後方のアックアとも遭遇する。
インデックス
イギリス清教に所属する銀髪碧眼の少女である。上条当麻と行動を共にし、魔術の知識を用いて彼をサポートする。
・所属組織、地位や役職
イギリス清教・必要悪の教会。
・物語内での具体的な行動や成果
風斬氷華を救うため、上条当麻と分担して行動する。打ち止めの脳内に仕込まれたウィルスを解除すべく、歌を用いて精神に干渉し彼女を救出する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
10万3000冊の魔道書を記憶している。魔術は使えないが、魔道書の知識を用いて事態を解決に導く役割を担う。
御坂美琴
学園都市の常盤台中学に通う女子生徒である。上条当麻を気にかけており、彼を支援する立場にある。
・所属組織、地位や役職
常盤台中学。学園都市第三位の超能力者。
・物語内での具体的な行動や成果
上条当麻とインデックスが風斬氷華を救うために向かう際、追手である猟犬部隊を足止めするため単身で戦いへ臨む。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
電撃を操る能力を有する。インデックスから携帯電話越しに科学的な知識を求められて協力する。
打ち止め
御坂妹たちのネットワークを管理する少女である。一方通行や上条当麻と遭遇し、彼らに助けを求める。
・所属組織、地位や役職
妹達の上位個体。検体番号20001号。
・物語内での具体的な行動や成果
木原数多に捕らえられ、脳にウィルスを打ち込まれる。その後、一方通行やインデックスの尽力によってウィルスから救済される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
彼女に打ち込まれたウィルスが、人工天使を出現させるための引き金として作用する。
御坂妹
御坂美琴の体細胞クローンである。感情の読めない瞳の裏に、確かな意思を隠し持っている。
・所属組織、地位や役職
妹達の個体。検体番号10032号など。
・物語内での具体的な行動や成果
打ち止めから発信された緊急コードにより思考能力を奪われる。しかし、抵抗に使っていた演算領域を別用途へ回し、状況の打開を図る。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ミサカネットワークを介して他の個体と情報を共有する。上条当麻に助けを求める判断を下す。
風斬氷華
学園都市のAIM拡散力場の集合体から生まれた存在である。インデックスにとって初めての友達となる。
・所属組織、地位や役職
学園都市のAIM拡散力場の集合体。
・物語内での具体的な行動や成果
アレイスターの計画によって人工天使に変貌させられる。自我を失いかけるものの、自らの意思で光の鱗粉を生み出し、ヴェントの攻撃から人々を守り抜く。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
頭上に天使の輪を持ち、背中に数十本の翼を展開する姿へ変わる。
冥土帰し
カエルに似た顔を持つ医師である。一方通行の治療を担当し、彼に現実的な助言を与える。
・所属組織、地位や役職
学園都市の医師。
・物語内での具体的な行動や成果
電話越しに一方通行に対し、打ち止めの命を助けることだけを優先するよう諭す。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
どんな患者でも治すという強い信念を抱いている。
白井黒子
御坂美琴の後輩であり、風紀委員を務める少女である。
・所属組織、地位や役職
常盤台中学。風紀委員。
・物語内での具体的な行動や成果
美琴からの電話に応答しない状態に陥る。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
空間移動能力を持つ。
初春飾利
白井黒子の同僚である風紀委員の少女である。
・所属組織、地位や役職
風紀委員。
・物語内での具体的な行動や成果
美琴と電話をしている白井黒子の近くで、声をかける様子が描写される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項は記載されていない。
芳川桔梗
元研究員であり、一方通行と打ち止めの保護者のような立場に立つ。
・所属組織、地位や役職
元研究員。
・物語内での具体的な行動や成果
雨の中で意識を失った黄泉川愛穂を発見する。車内で才郷良太からの報告メモを読み、一方通行の手配を知る。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
一方通行を心配し、彼が再び闇に落ちることを危惧している。
一方通行
学園都市最強の能力者である。打ち止めを大切に思っており、彼女を救うために行動を起こす。
・所属組織、地位や役職
学園都市第一位の超能力者。
・物語内での具体的な行動や成果
木原数多率いる猟犬部隊と交戦する。能力の使用に時間制限がある中で、打ち止めを救うために木原に挑み、重傷を負う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
戦いの末に特殊部隊と精神感応系能力者たちから学園都市への協力を提案され、それを受け入れる。
アレイスター
学園都市の統括理事長である。生命維持装置の中で生きている。
・所属組織、地位や役職
学園都市統括理事長。
・物語内での具体的な行動や成果
ヴェントの襲撃を止めるため、虚数学区・五行機関の使用を決定する。風斬氷華を人工天使にする計画を発動させる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ヴェントからの通信を受け、冷徹に対応する姿勢を見せる。
トマス=プラチナバーグ
統括理事会の一人である。
・所属組織、地位や役職
学園都市統括理事会。
・物語内での具体的な行動や成果
一方通行に屋敷へ乗り込まれ、ショットガンで撃たれる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
屋敷に残された機密データから、一方通行が猟犬部隊の目的やウィルスの情報を知る。
土御門元春
上条当麻のクラスメイトであり、学園都市の裏側で暗躍するスパイである。
・所属組織、地位や役職
学園都市とイギリス清教のマルチスパイ。
・物語内での具体的な行動や成果
学園都市外部へ続くゲートを目指し、外部からの魔術勢力の侵入を警戒して防衛を図る。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
風斬氷華が虚数学区・五行機関の鍵として作られた存在であることを指摘し、アレイスターの計画の全貌を推測する。
警備員・風紀委員
黄泉川愛穂
学園都市の警備員であり、一方通行たちの面倒を見る人物である。
・所属組織、地位や役職
警備員。
・物語内での具体的な行動や成果
雨の中で意識を失い、車の中で倒れているところを芳川桔梗に発見される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ヴェントの攻撃または別の要因によって意識を失っている状態にある。
才郷良太
警備員第八四支部の所属である。
・所属組織、地位や役職
警備員第八四支部、鈴山高等学校。
・物語内での具体的な行動や成果
一方通行を殺人未遂事件の重要参考人として手配する報告を出す。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
芳川が車内で見つけた紙切れに名前が記載されている。
猟犬部隊
木原数多
猟犬部隊を率いる研究者である。一方通行の能力開発に関わっており、彼の能力の仕組みを熟知している。
・所属組織、地位や役職
猟犬部隊のリーダー。研究者。
・物語内での具体的な行動や成果
打ち止めを捕獲し、彼女の脳にウィルスを打ち込む。一方通行の反射を突破する体術を用いて彼を圧倒する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ウィルスのオリジナルスクリプトを握り潰し、一方通行に絶望を与えようとする。
ナンシー
猟犬部隊の女性メンバーである。黒ずくめの装甲服を着用している。
・所属組織、地位や役職
猟犬部隊。
・物語内での具体的な行動や成果
嗅覚センサーを用いて一方通行の匂いを追跡する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
施設内で一方通行を待ち伏せしようとする様子が描かれる。
ローマ正教(神の右席)
前方のヴェント
ローマ正教の暗部組織の一員である。科学に対する強い憎悪を抱いている。
・所属組織、地位や役職
ローマ正教・神の右席。
・物語内での具体的な行動や成果
学園都市を襲撃し、天罰術式によって多くの警備員や住人を昏倒させる。風斬氷華を怪物と見なし、彼女を破壊しようとする。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
巨大なハンマーを武器とし、上条当麻と激しい戦闘を繰り広げる。
後方のアックア
神の右席の一員である。傭兵崩れを自称し、正面からの戦いを好む。
・所属組織、地位や役職
ローマ正教・神の右席。
・物語内での具体的な行動や成果
気絶したヴェントを回収し、学園都市から撤退する。上条当麻の前に現れ、今回は戦わない意志を示す。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
巨大な風力発電用プロペラを吹き飛ばすほどの腕力を持つ。
左方のテッラ
神の右席の一員である。学園都市の状況を冷静に分析する。
・所属組織、地位や役職
ローマ正教・神の右席。
・物語内での具体的な行動や成果
電話越しにアックアと会話を行い、学園都市や天使の利用価値について言及する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
アックアに対して慎重な対応を求める姿勢を見せる。
集団
猟犬部隊
木原数多が率いる非公式の工作組織である。
・所属組織、地位や役職
学園都市の暗部組織。
・物語内での具体的な行動や成果
打ち止めの回収を目的として行動し、一方通行と戦闘を行う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
黒ずくめの装甲服を着用し、嗅覚センサーや銃器を用いて標的を追跡する。
警備員
学園都市の治安維持を担当する大人たちである。教師がボランティアで務めている。
・所属組織、地位や役職
学園都市。
・物語内での具体的な行動や成果
ヴェントの天罰術式によって多くが意識を失う。一部の動ける者は、負傷しながらも民間人を守るために戦う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
最新の兵器で武装しているが、魔術師の攻撃には苦戦を強いられる。
風紀委員
学園都市の治安維持を担う学生の能力者たちである。
・所属組織、地位や役職
学園都市。
・物語内での具体的な行動や成果
ヴェントの攻撃により、警備員と同様に甚大な被害を受ける。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
都市機能の麻痺の影響を受け、行動が制限される。
妹達
御坂美琴のクローンたちである。ミサカネットワークを介して情報を共有している。
・所属組織、地位や役職
学園都市のクローン群。
・物語内での具体的な行動や成果
打ち止めから発信された緊急コードにより思考を制限される。しかし、抵抗に使用する領域を別用途に回すことで対処を試みる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
一部の個体はカエル顔の医者や上条当麻に協力を求める判断を下す。
不良少年達
学園都市の路地裏にたむろする者たちである。
・所属組織、地位や役職
学園都市の不良。
・物語内での具体的な行動や成果
雨の降る路地で行動している様子が描写される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
黄泉川の乗る車付近の路地にいることが言及されている。
作業員達
第三資源再生処理施設で働く一般人である。
・所属組織、地位や役職
第三資源再生処理施設。
・物語内での具体的な行動や成果
施設内に猟犬部隊が侵入した際、恐怖で身をすくめて震えている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
一方通行によって避難を指示される。
特殊部隊
学園都市の暗部に属する部隊である。
・所属組織、地位や役職
学園都市の暗部組織。
・物語内での具体的な行動や成果
戦闘終了後の廃棄オフィスに現れ、一方通行と対話を行う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
駆動鎧を着用しており、精神感応系能力者を介して一方通行と意思疎通を図る。
とある魔術の禁書目録(12)レビュー
【とある魔術の禁書目録】あらすじ・ネタバレ・まとめ
とある魔術の禁書目録SSレビュー
展開まとめ
第六章 冷たい雨に打たれた街 Battle_Preparation.
九月三〇日、午後六時三三分
ヴェント侵入と猟犬部隊の行動開始
九月三〇日午後六時三三分、前方のヴェントが学園都市の第三ゲートを物理的に突破した。同時に正体不明の攻撃が発動し、警備員と風紀委員に甚大な被害が出た。警備が手薄になった結果、統括理事会の三名がヴェントに殺害された。
アレイスターの判断と打ち止め回収命令
午後七時二分、アレイスターはヴェントを止めるため、未完成の虚数学区・五行機関の使用を決めた。雨の夜の街では、木原数多率いる猟犬部隊が行動を開始し、検体番号二〇〇〇一号である打ち止めの回収へ動いた。
一方通行の無力化とインデックスの出現
木原数多は、打ち止め回収の障害になると判断した一方通行を強襲し、ほぼ完全に無力化した。しかし猟犬部隊は打ち止めを取り逃がし、その助けを求める声が上条当麻へ届いた。一方、倒れた一方通行の前には、白い修道服のインデックスが現れた。
一方通行の逃走判断
木原はインデックスを口封じのために消すよう命じた。一方通行は、自分が殺されることに変わりはないなら木原に一泡吹かせようと考え、能力を発動した。そして黒いワンボックスへ突っ込み、運転手を脅して車を発進させ、さらにインデックスを車内へ引き上げて包囲を突破した。
木原とヴェントの遭遇
木原は逃走するワンボックスを対戦車ミサイルで狙ったが、その前に黄色い服の女が現れた。木原はためらわずミサイルを撃ち込んだが、女は無傷で立っていた。女は自分の標的が逃げた車内に含まれていると語り、木原の部下たちを抵抗させる間もなく倒した。
木原の撤退と囮の配置
木原は女の正体に深入りせず、部隊を二つに分けた。使えない者を足止めに残し、自分は別荘へ移動すると命じた。女は情報収集に向いていないとぼやきながら、残された猟犬部隊の者たちへ向き直った。
上条当麻と打ち止めの現場到着
上条当麻と打ち止めは、雨の中で黒ずくめの男たちが倒れている現場へ来た。そこにはひしゃげたワンボックスと燃え残る車体があり、男たちは警備員とは違う装備をまとっていた。打ち止めは、この者たちに襲われたと説明した。
異常な静けさへの気づき
上条は通報しようとしたが、炎上する車や倒れた男たちがいるにもかかわらず、誰も通報せず、野次馬も集まっていないことに気づいた。街そのものが機能を失いつつある可能性を考え、学園都市で何が起きているのか分からないまま危機感を強めた。
猟犬部隊の再接近
打ち止めは倒れた男たちの装備を調べていたが、何かに気づき、上条を路上駐車の車陰へ引っ張った。そこへヘッドライトを消した黒いワンボックスが到着し、同じ装備の男たちが現れた。彼らは倒れた仲間を回収し、酸性浄化で証拠を消そうとしていた。
潜伏の失敗
上条と打ち止めは車の陰に隠れて息を潜めた。しかし足元の水溜りに上条の震えが波紋を作り、その揺れが車の下を抜けて向こう側へ広がった。次の瞬間、黒ずくめの男たちが一斉にこちらを見た。
逃走を続ける一方通行
一方通行はワンボックスで約一〇分走り続けていた。猟犬部隊に追跡される危険を考えながらも、運転手を脅して車を走らせ続けた。警備員の姿もなく異様な静けさが広がる街を見て、木原数多の仕業ではないかと疑いながら周囲を警戒していた。
インデックスとの会話
車内でインデックスは絵本を見つけて読み始め、借りていたポケットティッシュを返そうとしていた。一方通行は呆れながらもそれを受け取り、二人は絵本や迷子について会話を交わした。その中で一方通行は、自分が捜している少女を見つけなければならないと語った。
インデックスへの依頼
一方通行は車を停車させると、近くの病院へ向かい、カエル顔の医者にミサカネットワーク接続用電極のバッテリーを持って来るよう伝えてほしいとインデックスへ頼んだ。インデックスはすぐに了承し、戻ることを約束して雨の中を走り去った。
インデックスを遠ざけた理由
インデックスが去った後、一方通行はその依頼の大半が嘘だったと明かした。打ち止めを巡る争奪戦に巻き込まれる中で、インデックスを危険から遠ざけ、人の多い場所へ向かわせることが目的だったのである。
戦闘準備と武器の確保
一方通行はさらに移動した後、公園近くで車を停めた。猟犬部隊の装備品が入ったバッグを調べ、杖代わりとしてショットガンを確保した。能力使用モード以外では身体を支える必要があり、そのための代用品を求めていたのである。
運転手との対話
運転手は木原数多への恐怖を訴え、自分は助からないと絶望していた。一方通行は容赦なく脅しながらも病院へ行けと告げ、生き延びる道を選ばせた。運転手はなお木原への恐怖を捨てられなかったが、一方通行は木原を潰し、打ち止めを助ける意思を曲げなかった。
嗅覚センサーの情報収集
バッグの中から嗅覚センサーを見つけた一方通行は、その使い方を運転手から聞き出した。猟犬部隊は匂いを追跡する装備を持ち、さらにそれを無効化する洗浄剤も使用していることが判明した。一方通行はその情報を得ると、木原と打ち止めの問題へ向かう決意を固めた。
上条当麻と打ち止めの逃走
一方その頃、上条当麻と打ち止めは黒ずくめの男たちに発見された。上条は打ち止めを抱えて路地裏へ飛び込み、銃撃を間一髪でかわしながら逃走した。二人は追跡を振り切るため、建物内への侵入を試みることにした。
電子ロックの解除
打ち止めは能力を使い、路地裏にあった建物の電子ロックを解除した。二人はファミリーレストランの厨房へ入り込み、一時的に追跡者から身を隠すことに成功した。
無人化した店内の異常
上条と打ち止めがメインフロアへ出ると、店内の客や店員が全員倒れていた。外傷はなく、地下街付近で倒れていた警備員たちと同じような状態だった。上条は、学園都市全体で異常事態が進行していることを改めて実感した。
追跡者との再遭遇
状況を確認していた上条たちに向けて、突然店の窓ガラスを突き破る銃撃が放たれた。黒ずくめの男たちが店内へ侵入し、さらに裏口からも増援が現れた。上条と打ち止めはフロア中央の柱を盾に追い詰められ、包囲網は少しずつ狭められていった。
公衆電話からの連絡
一方通行は追跡を警戒し、携帯電話ではなく公衆電話を利用した。まず救急車を呼び、続いて打ち止めの携帯電話へ連絡したが繋がらなかった。その後、カエル顔の医者へ電話をかけ、現在の状況について情報交換を行った。
打ち止めの現状確認
カエル顔の医者は、御坂妹たちのネットワークを通じて情報を得ていた。打ち止めは一般人と共に猟犬部隊の別働隊から逃走中だったが、依然として危険な状況に置かれていた。一方通行は居場所の特定を試みたものの、ファミリーレストランにいるらしいという情報しか得られなかった。
インデックスの保護依頼
一方通行は、病院へ向かった白い修道服の少女について確認した。カエル顔の医者はすでにインデックスを保護しており、一方通行は彼女の身辺警護を依頼した。学園都市の警備体制では対処できない相手が動いているため、決して目を離さないよう念を押した。
病院防衛の相談
一方通行は病院も襲撃対象になる可能性があると判断し、防衛戦力について尋ねた。カエル顔の医者は調整中の御坂妹たちや実験当時の武器が存在すると説明したが、一方通行はそれだけでは不十分だと断じた。そして患者や職員の避難を提案した。
患者避難の決断
病院には多数の患者がおり、移動が危険な重症者も存在していた。しかしカエル顔の医者は、それでも患者の命を守るため避難を実行すると決断した。火災やテロを口実にして全員を退避させる計画を立て、一方通行の要請を受け入れた。
打ち止め救出を巡る対立
一方通行は木原数多と猟犬部隊を潰し、さらに打ち止めを無傷で助け出すと宣言した。しかしカエル顔の医者は、それは不可能だと断言した。現在の状況では勝利すら難しく、打ち止めが傷を負わずに済む可能性はないと現実を突きつけた。
医者としての信念
カエル顔の医者は、打ち止めが傷つくことは避けられなくても、生きて病院へ連れて来れば必ず治すと語った。そして一方通行に対し、木原や猟犬部隊への報復ではなく、打ち止めの命を守ることだけを最優先に考えるべきだと説いた。
覚悟を固める一方通行
通話を終えた一方通行は、公衆電話の中で医者の言葉を反芻した。打ち止めが無傷では助からないという現実を受け止めながらも、救い出す決意をさらに強めた。そして、打ち止めを救うためなら善人であろうと悪人であろうと排除する覚悟を固めた。
猟犬部隊迎撃の決意
猟犬部隊は嗅覚センサーによって自分たちの居場所を追跡していると判断し、一方通行は近いうちに襲撃が来ると確信した。そのため、まずは彼らを迎え撃つための戦場を用意しなければならないと考え、行動を開始しようとしていた。
行間 六
学園都市の危機を認識する土御門元春
土御門元春は学園都市外部へ続くゲートを目指して走っていた。激しい雨によって視界や索敵能力が大きく制限される中、彼は都市機能の大半が停止している現状を分析していた。警備員や風紀委員は壊滅状態に近く、本来なら暴動や略奪が起きてもおかしくない状況だったが、多くの住民が異変に気づく前に意識を失っていたため、辛うじて秩序が保たれていた。
神の右席の脅威への警戒
土御門は今回の攻撃が魔術サイドによるものであり、その中心に神の右席が存在すると考えていた。優れた魔術師である彼ですら術式の正体を見抜けず、その規模と完成度に驚かされていた。一方で、神の右席だけで作戦が完結するとは考えておらず、都市機能の麻痺に乗じて別の侵攻部隊が学園都市へ攻め込む可能性を警戒していた。
侵攻部隊の存在を推測
土御門は、神の右席による先制攻撃が学園都市の戦力を削ぎ、その後に本隊が侵入する作戦ではないかと推測した。しかし現時点で侵攻が始まっていないことから、大規模軍勢ではなく、後始末を担当する程度の兵力しか待機していない可能性も考えていた。敵の規模も配置も不明なままだったが、学園都市外周に何らかの戦力が控えていることは確信していた。
自ら定めた勝利条件
土御門が目指していたのは敵の殲滅ではなかった。学園都市の機能が回復するまでの間、外部で待機する侵攻部隊を都市内部へ侵入させないことが彼自身の定めた勝利条件だった。ヴェントへの対応は他者に任せ、自らは外周防衛に徹する決意を固めていた。しかし協力者も切り札となる兵器や魔術もなく、その任務はほとんど自殺行為に等しかった。
舞夏への想いと決意
土御門は家政婦を目指している妹の舞夏を思い浮かべた。魔術とは無縁の彼女を守りたいという気持ちが、戦う覚悟を支えていた。全てを裏切ることになっても舞夏だけは裏切らないと心に誓い、その決意を胸に学園都市第三ゲートを越えて外へ出た。
学園都市を守るための出撃
土御門は陰陽道を極めた魔術師として、そして役に立たない能力者として、学園都市の外へ踏み出した。大切な者たちが暮らす世界を守るため、ただ一人で外周防衛の任務に向かっていったのである。
第七章 雨粒を血の色に変える Revival_of_Destruction.
学園都市全域へ広がる異変
黄泉川愛穂は打ち止めを捜すため車を走らせていたが、学園都市にしても異常なほど道路が空いている状況に違和感を覚えていた。そんな中、車内無線から司令本部経由の写真データが送られてくる。そこには倒れている警備員たちと、その中央に立つ黄色い服の女が写っていたが、事件内容を示す情報は一切なかった。
黄泉川は本部へ詳細確認を求めたものの返答はなく、不審に思いながら写真を見つめた。その直後、突如として全身から力が抜け、何が起きたかも分からないまま意識を失った。応答しない無線や静まり返った街の異常は、学園都市全体に及ぶ大規模な事態の進行を示していた。
猟犬部隊の追跡開始
一方通行たちが乗り捨てた車を発見した猟犬部隊は、第五学区の第三資源再生処理施設へとたどり着いていた。隊員のナンシーは嗅覚センサーを用いて匂いを追跡し、一方通行が施設内へ逃げ込んだことを突き止める。
巨大な資源再生施設を前に、猟犬部隊は標的の意図を分析した。ナンシーは、一方通行が施設内の薬品を利用して匂いを消し、嗅覚センサーによる追跡を妨害しようとしているのではないかと推測した。その上で施設の見取り図や人員配置を確認し、少数の戦力でも標的を誘導しながら追い詰める作戦を立てた。
一方通行の迎撃準備
第三資源再生処理施設のコントロールルームにいた一方通行は、匂いを別の物質へ変化させる洗浄剤の存在を発見し、猟犬部隊の嗅覚センサー対策に利用できることを確認した。
しかしその直後、施設内の監視モニタが次々とノイズに覆われ、セキュリティ映像には黒ずくめの男が映し出された。一方通行は猟犬部隊が既に施設を包囲したことを悟る。洗浄剤で追跡を振り切るつもりだったが、侵入してくる敵との戦闘は避けられない状況になった。
一方通行は作業員たちへ避難を指示し、自身はショットガン一本で迎撃方法を考え始めた。施設内では能力の使用も不安定になるため、戦力は大きく制限されていた。それでも彼は見取り図を広げ、敵の誘導に乗るかどうかを検討しながら戦いに備えた。
御坂美琴の日常と電話騒動
御坂美琴は雨の中、上条当麻を捜してコンビニに立ち寄っていた。罰ゲームの続きを実行するためだったが、雨でお気に入りのストラップを濡らしたくないことに悩んでいた。
そこへ白井黒子から電話が入り、寮の門限や仕事の話から、いつの間にか上条との夜のデート疑惑へ発展した。黒子は激しく取り乱したが、初春飾利に徹夜仕事を命じられて外出を阻止される。美琴は必死に否定したものの話は通じず、騒がしいまま通話は終了した。
ファミレスでの異変
上条当麻と打ち止めは、暗闇に包まれたファミレスで柱の陰に身を潜めていた。黒ずくめたちに包囲されたはずだったが、予想に反して襲撃は行われず、不自然な静寂が続いていた。
やがて聞こえてきたのは、それまでの無機質な黒ずくめたちとは全く異なる女の声だった。警戒する上条に対し、女は軽薄な口調で話しかけた直後、見えない攻撃で巨大な柱を粉砕した。
前方のヴェントの出現
柱の崩壊を避けた上条が見たのは、巨大なハンマーを手にした異様な女だった。口や鼻、まぶたにまでピアスを施したその女の周囲には、黒ずくめの男たちが無力化された状態で倒れていた。
上条は地下街や路上で起きていた不可解な昏倒事件との共通点を感じ取った。そして女は自らを神の右席の一人、前方のヴェントと名乗る。
ヴェントは目標を発見したと告げると、上条当麻を殺すために来たことを宣言した。彼女の舌から垂れ下がる小さな十字架が揺れる中、上条とヴェントはついに対峙したのである。
第三資源再生処理施設への侵入
一方通行が潜む第三資源再生処理施設へ、猟犬部隊は静かに侵入した。ナンシーたちは陽動役として大人数に見せかけながら標的を奥へ誘導し、別働隊による待ち伏せで仕留める作戦を進めていた。
ナンシーは一方通行が銃を所持している可能性を警戒しながらも、能力に頼ってきた相手に本格的な射撃技術はないと判断していた。しかし能力を使えない状況でも、一方通行が追い詰められれば暴発覚悟で能力を発動する危険性は残っており、部隊には緊張が広がっていた。
一方通行による心理戦
施設内を進む猟犬部隊は、不自然な金属音を耳にして警戒を強めた。しかし周囲に敵の姿はなく、音の正体も分からないまま緊張だけが高まっていく。
その直後、施設内の照明が一斉に消え、周囲は暗闇に包まれた。暗視装備を持たない猟犬部隊は視界を奪われ、味方同士の誤射を恐れて身動きが取れなくなる。
さらに蒸気の排気音や投げ込まれた工具によって恐怖心を煽られ、冷静さを失っていった。仲間の一人が倒れる音や血の匂いが広がる中、ナンシー自身も飛来した工具に驚き、限界まで張り詰めた神経が反応して引き金を引いてしまった。暗闇の中で複数の銃声が響き、猟犬部隊は一方通行の心理戦に翻弄されていった。
ヴェントとの戦闘開始
一方、ファミレスでは上条当麻が前方のヴェントと対峙していた。黒ずくめたちを一瞬で無力化し、学園都市全域の異変とも関係していると思われるヴェントの存在に、上条は強い警戒心を抱いていた。
ヴェントは巨大なハンマーを振るい、圧縮された空気の塊を飛ばして攻撃を仕掛けた。上条は幻想殺しでそれらを打ち消したが、ヴェントの攻撃は壁や床を破壊しながら広範囲へ及び、周囲に倒れている一般人すら巻き込む危険なものだった。
攻撃の正体の看破
激しい攻防の中で、上条はヴェントの攻撃がハンマーの軌道と一致していないことに気づいた。観察を続けた結果、攻撃の実際の軌道はヴェントの舌に繋がれた十字架付きの鎖によって決まっていると見抜く。
ヴェントはそれを認めつつ、幻想殺しの性能を調べるために一般客を攻撃対象に選び、上条の反応を試した。上条は怒りながらも攻撃を打ち消したが、その隙を突かれて床を破壊され、大量の破片によって全身へ衝撃を受けた。
打ち止めの避難
吹き飛ばされた上条の近くには打ち止めがおり、ヴェントの攻撃が迫っていた。上条は打ち止めを突き飛ばして守り、さらに逃げるよう叫んだ。
打ち止めは上条を置いて行くことをためらったが、上条は助けを呼んできてほしいと告げて避難を促した。打ち止めはようやく走り出し、割れた窓から外へ脱出した。
ヴェントは打ち止めを狙おうとしたが、上条が間に割って入り攻撃を防いだ。その間にも建物は崩壊を始め、打ち止めが逃げた窓も落下した天井によって塞がれた。
上条の決意と戦闘継続
ヴェントは暗闇の中へ逃げた打ち止めの恐怖を嘲笑し、一緒に殺してやった方が幸せではないかと挑発した。
しかし上条はそれを否定し、自分が必ず迎えに行くから問題はない、自分は死なないと宣言した。
ヴェントは楽しそうに笑いながら標的を上条へ絞り込み、再び風の鈍器による猛攻を開始した。ファミレスの店内は次々と破壊され、上条とヴェントの戦いはさらに激しさを増していった。
一方通行による無線攪乱作戦
照明の消えた工場内で、一方通行は奪った無線機を利用して猟犬部隊の通信網へ介入していた。暗闇の中で味方を装いながら偽情報を流し、敵同士の連携を崩壊させていった。
猟犬部隊は同士討ちを恐れて互いを疑い始め、無線の情報すら信用できなくなった。一方通行は人影を見れば敵と判断できる一方、猟犬部隊は敵味方の識別が困難になり、組織的な強みを失っていった。
孤立した隊員への襲撃
無線と恐怖によって敵が分断されたことを確認した一方通行は、孤立した隊員を狙った。ショットガンを発砲すると散弾は壁や金属に反射し、様々な方向から標的へ命中した。
負傷した黒ずくめの女は武器を失い抵抗できなくなったが、一方通行は接近して至近距離から再びショットガンを撃ち込んだ。顎を吹き飛ばされた女は激しく苦しんだが、一方通行はその姿を見て笑みを浮かべた。
残虐な処刑
本来なら銃声を聞きつけた敵が集まる前に立ち去るべき状況だったが、一方通行は高揚感を抑えられなかった。
彼は重傷を負った女を執拗に蹴り続け、最終的に金属加工用のプレス機投入口へ落下させた。そして助命を懇願する声を無視し、手動スイッチを押してプレス機を作動させた。
一方通行は結果を見届けることなく、その場を離れて次の獲物を探し始めた。
上条当麻の劣勢
ファミレスではヴェントの攻撃によって店内の破壊が進み、上条当麻は徐々に追い詰められていた。
幻想殺しによって直接的な攻撃は防げるものの、飛散する破片や崩壊する建物までは防げず、さらに倒れている客たちを巻き込まないよう配慮しなければならなかった。そのため上条は防戦一方となっていた。
一般客を利用した消耗戦
ヴェントは上条ではなく周囲の一般客を狙って攻撃を放ち続けた。上条は客を守るために走り回り、攻撃を打ち消さなければならず、体力を激しく消耗していった。
ヴェントは学園都市全体を襲った自分の行動を気にする様子もなく、上条の怒りを嘲笑しながら攻撃を続けた。
ローマ正教の目的の告白
ヴェントは、自分たちの目的が上条当麻の抹殺であると明かした。禁書目録すら上条より重要ではなく、ローマ正教は上条を殺すためなら日本という国家を消滅させることすら厭わないと語った。
さらにローマ教皇の署名入り命令書を見せ、上条は二十億人規模の敵意を向けられている存在だと告げた。上条は、自分自身が事件の中心として狙われている事実に衝撃を受けた。
皆殺し宣言
ヴェントは上条に現実を理解させるためとして、店内にいる人間を全員殺すと宣言した。
上条はそれを止めようとヴェントへ向かって走り出したが、ヴェントは後退しながら鎖を螺旋状に操り、広範囲へ破壊をもたらす攻撃を放とうとした。轟音と共に店内へ破壊の力が広がろうとしていた。
ヴェーラの絶望
工場内では、猟犬部隊のヴェーラが孤立していた。無線から流れる悲鳴や救援要請を信用できず、仲間への信頼も崩壊していた。
彼女は施設外への脱出を考えながら移動していたが、やがてプレス機の中から聞こえるナンシーの呻き声に気づいた。慌てて機械を停止させたものの、救助用のボタンには血肉がこびりついていた。
その光景によって精神の均衡を失ったヴェーラは、さらに切断された顎や蒸気で茹で上がった同僚の姿を目にし、完全に錯乱した。
怪物への認識
沈黙した無線機と惨状を前に、ヴェーラは猟犬部隊がほぼ壊滅したことを悟った。
これまでの一方通行は能力だけに頼る存在だったが、今は武器や地形、心理戦まで利用して敵を追い詰めていた。単純な殺戮ではなく、相手の精神を破壊する手段まで選ぶようになったことに、ヴェーラは恐怖を超えた絶望を感じた。
誰にも制御できない怪物が誕生しつつあることを悟った彼女は、全てを諦めたように膝をついた。その背後で、小さな足音が静かに響いていた。
ファミレスでの異変
突然、ヴェントが大量の血を吐き出した。これまで余裕を見せていた様子は消え失せ、苦しそうに咳き込みながら後退していった。
上条当麻は異変を好機と判断し、犠牲を増やさせないためにも攻撃を決意した。しかしヴェントは乱暴にハンマーを振り回して壁を破壊し、牽制攻撃を放ちながらファミレスの外へ逃走した。
上条当麻の整理と困惑
ヴェントが去った後、上条は彼女の身に何が起きたのか理解できずにいた。
店内の客ごと建物を破壊しなかったことから、ヴェントは自らの異変への対処で手一杯だったと考えた上条は、神の右席やローマ正教について改めて考え始めた。
風紀委員第177支部の日常
風紀委員第177支部では、白井黒子と初春飾利が残業を続けていた。
白井は御坂美琴と上条当麻が一緒にいることを想像して取り乱し、初春は夕食やテレビ番組の話をしていた。二人はいつものようなやり取りを続けていた。
侵入者報道の放送
初春がテレビをつけると、全国放送のニュース番組で学園都市の侵入者騒動が報じられていた。
画面には雨の中を歩くヴェントの姿が映し出されていたが、直後に映像が乱れ、現場からの中継は途絶えた。スタジオでは侵入者によるテロや技術強奪の可能性が語られた。
原因不明の昏倒
ニュース番組の最中、出演していたコメンテーターが突然倒れ込んだ。番組は急遽中断され、放送はCMへ切り替わった。
異変について話していた初春もまた、何の前触れもなく床へ倒れ込んだ。白井は慌てて駆け寄ったが、呼びかけにも反応はなく意識を失っていた。
一方通行の次の行動
一方通行は猟犬部隊の大半を排除したと判断していた。
恐怖を利用した心理操作によって敵を戦闘不能に追い込み、今後は木原数多を動かすことに意識を向けていた。打ち止めを救うためには、自らが木原たちの注意を引きつけ続ける必要があると考えていた。
血痕の発見
施設から脱出しようとした一方通行は、床に続く血痕を発見した。
自分が追い込んだ相手ではないことから、生き残りの存在を察知した一方通行は、その痕跡を追跡した。血痕は非常口へ続いており、誰かが外へ脱出したことを確認した。
逃亡者の発見
非常口の先では、猟犬部隊の隊員が金網フェンスをよじ登っていた。
その近くには警備員の巡回車が停車しており、隊員は保護を求めて警備員へ助けを求めていた。自分は助かったと叫びながら、一方通行を嘲笑し、打ち止めとの日々も終わると罵倒した。
激昂した一方通行
隊員の言葉を聞いた一方通行は激しい怒りに支配された。
能力の温存や木原との戦いといった計算は消え去り、首元の電極スイッチへ迷いなく手を伸ばした。彼の思考には、その隊員を自らの手で始末するという考えしか残っていなかった。
警備員たちの遭遇
警備員の才郷良太と杉山枝雄は、偶然昏睡被害を免れて巡回を続けていた。
二人が血まみれの隊員を保護しようと近づいた瞬間、凄まじい雄叫びが響き渡った。続いて巨大な鉄扉が高速で飛来し、巡回車を真っ二つに破壊した。
巡回車の爆発
鉄扉によって大破した巡回車は、そのまま爆発した。
炎と煙が周囲を覆い尽くし、警備員たちは何が起きたのか把握できないまま混乱した。煙の向こうからは猟犬部隊の隊員の悲鳴だけが響いていた。
煙の向こうの惨劇
才郷は拳銃を構えたが、煙で何も見えず発砲できなかった。
煙の中からは笑い声のようなものと鈍い音が続き、やがて悲鳴は途絶えた。才郷は本能的に見てはいけないものが起きていると悟り、その場から動けなかった。
惨劇の痕跡
雨によって煙が晴れると、そこに保護対象の男の姿はなかった。
尻餅をついた杉山が震えながら地面を指差しており、その先には血痕と、もぎ取られた人間の足の親指が二本だけ残されていた。
行間 七
土御門元春と魔術の罠
学園都市外周部の廃工場地帯を走っていた土御門元春は、廃バス整備場のような建物へ辿り着いた。
そこで彼は、床から突き出た巨大な木の杭を発見した。杭は魔術によるものであり、土御門が反応した直後、側面や周囲の床、通路、機材の山から無数の杭が生み出され、彼を串刺しにしようと襲いかかった。
杭の術式の分析
土御門は迫る杭や爆発による破片攻撃を回避しながら、術式の正体を分析した。
棕櫚を素材とした杭には防御をすり抜ける性質が与えられており、防御魔術では防げない構造になっていた。また、実際には膨大な数の杭が存在するのではなく、特定の数に意味を持たせることで莫大な数を演出していると見抜いた。
術者との対峙
土御門が術式の仕組みを指摘すると、攻撃が止まり、暗闇の中から白い人影が現れた。
その人物の周囲には十二の影が配置されており、影そのものが術式の一部として機能していた。土御門が近づこうとしても距離は縮まらず、さらに建物の内外には同様の気配が多数存在していることを察知した。
術式の弱点を見抜く
土御門は、この魔術が十字教ではなく古代ギリシアのピュタゴラス教団の理論を応用したものだと看破した。
その指摘に反応するように術者は激しく攻撃を再開し、爆発した杭の破片や新たな杭が四方八方から襲いかかった。しかし土御門はすでに上部通路へ移動しており、攻撃を回避し続けた。
能力者としての代償
三階通路を駆けながら、土御門は口元から血を流していた。
それは敵の攻撃による負傷ではなく、能力者でありながら魔術を使用したことで発生した拒絶反応だった。長期戦は不利だと判断した土御門は、術者そのものを追うのではなく、術式の中枢を破壊する方針を選んだ。
弱点への突撃
土御門は、距離感を狂わせる術者を直接攻撃するよりも、杭を制御している中核を破壊する方が効率的だと考えた。
崩壊する錆びた通路を駆け抜けながら、彼は無数の杭の中に埋もれるように存在する一本の杭へ向かった。それは七本存在する中核の一本であり、全ての杭を統括する術式の弱点だった。
土御門は精巧な術式に感心しつつも、それを破壊するために一直線に突き進んだ。
第八章 神の右席と虚数学区と Fuse=KAZAKIRI.
一方通行への指名手配
土砂降りの雨の中、芳川桔梗は意識を失った黄泉川愛穂を発見した。
黄泉川に外傷はなく、生存も確認できたが、呼びかけても目を覚まさなかった。原因が分からないまま病院へ運ぼうとした芳川は、車内無線の小型プリンターから出力された報告書を目にした。
そこには、警備員の才郷良太の証言をもとに、一方通行を殺人未遂事件の重要参考人として手配するという内容と、一方通行の顔写真が記載されていた。
一方通行の葛藤と決意
一方通行は第七学区の路地裏へ戻り、『猟犬部隊』の負傷者をダストボックスへ押し込んでいた。
人を傷つけたことによる高揚感と虚無感を同時に抱えながら、打ち止めとの出会いによって自分が変化していたことを改めて自覚した。しかし、救うべき存在を脅かす者に対しては、その抑制が外れてしまうことも理解した。
警備員からも追われる身となり、打ち止めと同じ世界へ戻れない現実を受け入れた一方通行は、それでも彼女だけは守ると決意した。木原数多や『猟犬部隊』、自身の未来さえ切り捨て、打ち止めの救出だけを目的として再び歩き出した。
病院捜索任務
一方、『猟犬部隊』のデニスたちは病院へ潜入していた。
彼らの任務は、逃亡した元隊員オーソンの処分と、目撃者である白衣のシスターの口封じであった。しかし病院内には誰もおらず、発煙筒の痕跡だけが残されていた。
マイクは病院関係者が組織的に避難したと判断し、一方通行討伐組との連絡が途絶えていることから、捜索を打ち切って追撃へ向かう方針を示した。
冥土帰しからの警告
その時、受付カウンターの電話が鳴り響いた。
応答したマイクの相手は冥土帰しだった。冥土帰しは木原の下を離れて逃げるよう忠告し、一方通行に会ってはならないと警告した。
彼は、一方通行は善人ではないが、わずかな光を得て変化していた存在であり、その光を奪ったのが『猟犬部隊』だと語った。そして今の一方通行は、その光を守るためなら全てを血に染めることも厭わないと告げた。
マイクは警告を一蹴したが、冥土帰しは最後に、病院へ危険を知らせた人物の存在を示唆した。
病院で始まった虐殺
冥土帰しとの通話直後、病院全体に絶叫が響き渡った。
続いて敷地内の各所で銃声が鳴り始めたが、それらは次々と沈黙していった。マイクとデニスは武器を構えて警戒したものの、迫り来る存在を前にすることとなった。
その後、『猟犬部隊』の一班は、デニスやマイクを含めて約十分で壊滅したのであった。
ヴェントの苦境と街への影響
ヴェントは雨の街を歩いていたが、体内からの激しい苦痛に苦しめられていた。口から血を吐き続けながらも、あと少しで標的を殺せたことへの悔しさを抱いていた。
街頭の大型モニターでは、世界各地で人々が突然意識を失う異常事態が報道されていた。ヴェントはそれを自らの攻撃が学園都市の外へも広がった結果だと認識し、バチカンへの影響を気にしながら街を進んだ。その後、経済ニュースへ切り替わった大型モニターをハンマーで破壊し、再び歩き出した。
上条当麻による打ち止め捜索
上条当麻は崩壊寸前のファミレスから客や店員を避難させ、負傷者の応急処置を行った。その後、打ち止めの行方を追うため警備員の詰所を回ったが、どこでも警備員たちは意識を失っていた。
手がかりを探していた上条は、打ち止めが落としていった携帯電話に気付いた。登録されていた連絡先へ順番に電話をかけたが、前三件は応答がなかった。
病院で思案する一方通行
一方通行は病院内で壊滅させた『猟犬部隊』を見渡しながら、木原数多の注意を自分へ向けることで打ち止めへの追跡を弱めようとしていた。
しかし、打ち止めがすでに捕まっている可能性もあり、自身の行動が無意味になる危険も理解していた。また、木原が打ち止めを狙う本当の理由について考え、『妹達』や絶対能力進化実験との関連を疑い始めた。
上条との電話連絡
その時、一方通行の携帯電話に着信が入った。発信元は打ち止めの携帯電話であり、電話をかけてきたのは上条当麻だった。
上条は、打ち止めから助けを求められて現場へ向かったこと、黒ずくめの集団と遭遇したこと、打ち止めを先に逃がしたこと、現在の居場所は不明であることを説明した。
一方通行は打ち止めがまだ遠くまで移動していない可能性を考え、情報を聞き出した上で捜索を引き継ぐと告げた。上条は協力を申し出たが、一方通行は適当な合流場所を伝えて話を打ち切った。
通話の終盤、上条は学園都市で侵入者が暴れていることや、人々が突然倒れる異常事態が発生していることを伝えた。一方通行はその情報に違和感を覚えながらも、打ち止めの救出を最優先事項として病院を後にした。
木原数多による異常現象の分析
木原数多は廃オフィスで部下たちから報告を受けていた。『猟犬部隊』の複数班が連絡を絶ち、一方通行による反撃と、正体不明の女による異常現象の影響が広がっていた。
部下の調査によれば、倒れた者たちは眠るように意識を失う者や身体が硬直する者など症状が異なっており、共通して体内の酸素量が極端に低下していた。しかし酸素を補給しても回復せず、未知の力が作用していると考えられた。
報告中にも部下の一人が突然倒れたため、木原は現象の性質について考察した。超能力や科学技術だけでは説明できず、非科学的な力の可能性にまで思考を巡らせた。
学習装置の準備と木原の疑問
木原は思考を切り替え、打ち止め捕獲のための準備を進めた。
部下たちは携帯可能な学習装置を組み立て始めた。被験者の安全性を犠牲にしながらも、必要最低限の機能だけを残した装置であった。
その様子を見ながら木原は、一方通行の持つ全てのベクトルを操る能力と、今回現れた正体不明の力との関係について疑問を口にした。しかしすぐにその考えを打ち切り、自分の任務を進めることを優先したのであった。
打ち止めの痕跡を追う一方通行
一方通行は木の葉通りに到着し、破壊されたファミレスと倒れた『猟犬部隊』の隊員たちを確認した。現場の状況から、『電話の男』が打ち止めを逃がしたという話は事実だった可能性が高いと考えた。
一方通行は、打ち止めが『妹達』の証拠隠滅マニュアルに従って行動していると推測し、警備員の詰所ではなく裏路地や建物の裏口を調べ始めた。しかし有力な手掛かりは見つからず、捜索は難航した。
発見された布切れと木原からの電話
打ち止めの名前を呼んで探すことまで考えた一方通行だったが、その直前に水溜まりへ落ちた布切れを発見した。それは打ち止めが着ていたワイシャツの袖の一部だった。
不吉な予感に襲われた直後、一方通行の携帯電話に着信が入った。電話の相手は木原数多であり、打ち止めを捕らえたことを告げた。
木原による挑発と一方通行の分析
木原は打ち止めへ学習装置を使用していることを語り、一方通行を挑発した。打ち止めが苦しむ様子まで伝えながら精神的に追い詰めようとしたが、一方通行は冷静に状況を分析した。
木原が本当に打ち止めを自由に扱える立場なら、わざわざ洗脳などせず殺害して見せつけるはずだと判断した。一方通行は木原の背後にさらに上位の命令者が存在すると見抜き、挑発によって木原から情報を引き出そうとした。
やがて木原は怒りを露わにして通話を切ったが、一方通行は会話の内容から、木原が統括理事会の命令で動いている可能性へたどり着いた。
統括理事会への怒りと攻撃
打ち止めの拉致が学園都市そのものに関わる問題だと考えた一方通行は、怒りを爆発させた。
首のチョーカー型電極を起動した一方通行は、学園都市統括理事長アレイスターのいる窓のないビルへ向けて攻撃を放った。地球の自転エネルギーすら利用した凄まじい一撃は周囲の建物を破壊しながら突き進んだが、窓のないビルにはまったく通用しなかった。
攻撃が失敗したことで、一方通行は打ち止めを奪われた現実を改めて突きつけられた。
木原への殺意の決意
一方通行は水溜まりへ拳を叩きつけながら、木原数多への殺意を固めた。
黄泉川や芳川へ連絡を取る考えも捨て去り、木原を必ず殺すことだけを目的として行動することを決意した。そして木原の番号を手掛かりに、統括理事会や『書庫』へ強引にでも辿り着こうと考えながら、再び路地裏を歩き始めた。
アレイスターによる状況監視
一方、窓のないビル内部ではアレイスターが平然と状況を観察していた。先ほどの攻撃による影響はほとんどなく、彼は生命維持装置の中から複数の情報を監視していた。
そこには『妹達』の脳波データや学園都市内部で発生している現象の情報、さらに血を吐きながら苦しむヴェントの映像も映し出されていた。
アレイスターは、最終信号の回収とAIM拡散力場を利用した虚数学区・五行機関の展開が完了したことを確認していた。そして学園都市内で魔術を使用した魔術師は暴走や自滅へ追い込まれると考え、計画の進行を見守っていた。
ヴェントを襲う異変
鉄橋へ移動していたヴェントは、激しい吐血と体調不良に苦しんでいた。原因は分からず、魔術攻撃の痕跡も見当たらなかったため困惑していた。
そんな中、彼女は学園都市全体を覆うような巨大な気配を感じ取った。その圧力は魔術的法則すら吹き飛ばしかねない規模であり、十字教の聖人を超えるほどの異常な存在感だった。
ヴェントはそれをアレイスターが隠していた切り札だと判断したが、学園都市の都市機能の大半を麻痺させた現状は変わらないと考え、自分の優勢を信じ続けた。
上条当麻抹殺への再決意
弟のことを思い浮かべたヴェントは冷静さを取り戻した。科学への憎しみを胸に抱きながら、自分の目的である上条当麻の殺害を改めて決意した。
その直後、遠方で凄まじい轟音が発生し、ビル群を破壊するほどの攻撃が放たれたことを察知した。しかしそれが自分たちとは無関係の出来事だと判断したヴェントは深追いせず、有刺鉄線の巻かれたハンマーを手に戦闘態勢へ移行した。
そして近づいてくる足音を聞き取り、新たな敵との遭遇に備えたのであった。
鉄橋での遭遇
上条当麻は『電話の声』の指示に従って鉄橋へ向かったが、そこにいたのは打ち止めではなく前方のヴェントだった。
上条は打ち止めの居場所を問い質したが、ヴェントは知らないと答えた。互いに激しく言葉をぶつけ合ったものの、戦闘が始まる前に突如として凄まじい閃光と衝撃が発生した。橋全体が大きく揺れ、上条は地面へ転がされた。
ヴェントが見た異変
体勢を立て直した上条が周囲を確認すると、ヴェントは上条ではなく遠方を睨みつけていた。
ヴェントはアレイスターの名を叫び、虚数学区・五行機関の全貌を理解したと怒りを露わにした。そして上条を後回しにすると宣言し、足元へハンマーを叩きつけた直後、その場から姿を消した。
上条は川や周囲を確認したが、ヴェントの行方は分からなかった。
ヒューズ=カザキリ出現の進行
その頃、学園都市では虚数学区・五行機関の部分展開が始まっていた。
風斬氷華を基礎モデルとし、最終信号へ追加命令文が認証されたことで、ミサカネットワークを介して学園都市全体のAIM拡散力場が誘導された。第一段階が完了し、物理法則の変化が確認された後、『ヒューズ=カザキリ』の出現が告げられた。
天使の出現
夜の学園都市に莫大な閃光が発生した。
光の中心からは無数の巨大な翼が広がり、その翼は周囲のビル群を容易く破壊しながら空へ伸びていった。その姿を見た上条は、かつてミーシャ=クロイツェフと対峙した際に感じたものと同じ気配を察知し、その正体を天使だと理解した。
しかし、学園都市に天使が出現した理由は理解できず、上条は混乱した。
天使による外周部への攻撃
天使の翼が動いた直後、翼の間に放電のような光が発生した。
そこから放たれた強烈な雷光は学園都市の外周へ向かって飛び、着弾地点では森や土砂、人々を巻き込みながら大規模な破壊を引き起こした。その衝撃波は遠く離れた鉄橋まで届き、橋全体を大きく揺らした。
上条は、この存在を放置すれば学園都市そのものが崩壊しかねないと感じた。
一方通行との通話
上条は打ち止めの行方を確認するため、携帯電話の登録番号へ連絡した。
応答した一方通行は、鉄橋で打ち止めを待つこと自体が無意味だと告げ、自分の方で居場所を突き止めると説明した。そして上条には手を引いて帰るよう求めた。
上条は天使の存在について伝えると、一方通行もその異常な現象を把握していた。
それぞれの役割
上条は、一方通行と協力したい気持ちを抱きながらも、天使を止めなければならないと判断した。
一方通行はそれを受け入れ、互いに死ぬなと短く言葉を交わした。
通話を終えた上条は携帯電話をしまい、学園都市を見下ろす巨大な天使の姿を見据えながら、その脅威へ立ち向かう決意を固めた。
行間 八
学園都市を襲った一撃の余波
土御門元春は血まみれになりながら泥の上を転がっていた。
先ほどまでいたバス整備場は跡形もなく消え去り、周囲一帯は掘り返されて吹き飛ばされた地形へ変貌していた。敵の姿も消えており、泥の中へ埋もれたか、あるいは攻撃によって粉砕されたかのどちらかだった。
土御門は雨の日だったことに救われていた。水を利用する『黒ノ式』による防御術式を全力で展開したことで、かろうじて生き延びていたのである。
防御を貫いた正体不明の攻撃
しかし、生還できたとはいえ土御門の体は深刻な損傷を受けていた。
魔術使用による反動だけではなく、防御術式を突破した外部からの衝撃によって体を傷つけられていた。本来狙っていた杭の術式を破壊したのではなく、周囲の地形そのものをまとめて消し飛ばすような攻撃だった。
土御門は遠距離から放たれた攻撃だと推測したが、その正体は全く分からなかった。そして、その攻撃が学園都市の方向から飛来した事実に困惑した。
人工の天使との遭遇
土御門は学園都市の方角へ目を向け、遠方に展開された無数の翼を目撃した。
それは天使を思わせる姿だったが、かつてのミーシャ=クロイツェフとは異なる不快な気配を放っていた。蒸し暑い空間に接着剤の匂いが充満しているような人工的な違和感があり、学園都市と敵対する魔術師へ向けて放たれた存在であることを理解した。
そこで土御門は、アレイスターが虚数学区・五行機関を発動させたのだと悟った。
虚数学区・五行機関の不完全な発動
土御門は、世界中の妹達によるAIM拡散力場を統御して作られる人工の『界』がついに使われたのだと判断した。
本来であれば、その完成によってあらゆるオカルトが消滅し、魔術師や魔術施設も排除されるはずだった。しかし土御門自身が生存しており、術式にも異常がないことから、現在の虚数学区・五行機関は未完成の状態だと結論づけた。
それでもアレイスターが切り札を持ち出したという事実から、『神の右席』との戦いが学園都市を追い詰めている可能性を感じ取った。
迫る二度目の攻撃と生への執念
土御門は一刻も早くその場から離れようとしたが、衝撃波による損傷が深く、思うように体を動かせなかった。
ようやく立ち上がろうとした時、学園都市の天使が再び不穏な光を放ち始めた。二度目の攻撃が来ることを理解しながらも、足は言うことを聞かなかった。
それでも土御門は諦めなかった。このまま死ぬわけにはいかないという強い意志を胸に、必死に立ち上がろうとし続けたのである。
第九章 立ち塞がる障害の違い Two_Kinds_of_Enemies.
妹達によるネットワークへの抵抗
第七学区の立体駐車場では、病院車の陰に隠れた妹達が『猟犬部隊』への警戒を続けていた。一方で、修道服姿の少女はミサカネットワーク接続用バッテリーを求めて外へ出ようとするが、看護師達に止められていた。
その頃、妹達のミサカネットワークには打ち止めからの緊急コードが流れ込み、世界中の個体へ広がっていた。下位個体である妹達は命令に逆らえず思考能力の大半を奪われたが、御坂妹は命令に直接抗うのではなく、抵抗に使っていた演算領域を別用途へ回す方法を提案した。妹達は得られたわずかな思考能力を集約し、より有効に活用できる人物へ託そうとした。
一方通行による統括理事会への侵入
一方通行は統括理事会の一人であるトマス=プラチナバーグの屋敷へ乗り込み、玄関に現れた本人をショットガンで吹き飛ばした。
打ち止めを救う以外の全てを切り捨てる覚悟を固めた一方通行は、屋敷の執務室で機密データを調査した。そこで『猟犬部隊』が打ち止めを回収しようとしていること、その目的が学園都市を脅かす存在への対抗であることを知った。
さらに、打ち止めへ書き込まれたウィルスを利用して脅威へ対処しようとしている事実も判明した。これにより、打ち止めはまだ生存しており、取り戻せる可能性が残されていると理解した一方通行は希望を見出した。
木原数多の居場所を特定
調査を進めた一方通行は、作戦資料の中にANGELというコード名を発見した。巨大な翼を持つ存在との関連を感じながらも、今は打ち止めの救出を優先すると決めた。
過去に打ち止めのウィルス除去を行った経験から、木原数多が使用した学習装置とオリジナルデータを確保すれば治療できる可能性があると考えた。そして『猟犬部隊』の待機地点を突き止めた一方通行は、木原を倒して打ち止めを奪還する決意を固め、武器を補充して屋敷を後にした。
インデックスの決意と異変への気付き
病院車から飛び出したインデックスは、学園都市に出現した巨大な翼を目指して走り始めた。
彼女はその存在が自らの知識にも存在しない異常事態であり、放置すれば大惨事になると判断していた。遠方の『天使』が発する咆哮を聞きながら観察を続ける中で、その翼の揺らぎに見覚えがあることへ気付く。
そして九月一日に病院で見た人物の特徴と重なり、その正体が風斬氷華ではないかと思い至った。
御坂美琴とインデックスの遭遇
御坂美琴は街の中心で巨大な翼を目撃し、その規模と破壊力に衝撃を受けていた。
白井黒子や各機関とも連絡が取れず、治安維持機能が停止している状況に不安を抱く中、雨の中を走るインデックスを発見する。危険を訴えて呼び止めたが、インデックスは風斬氷華を助けなければならないと叫び続けた。
その直後、二人の前に上条当麻が姿を現した。
上条当麻とインデックスの対立
上条は黒ずくめの集団から追われながら逃走していた。
ようやくインデックス達と合流したものの、インデックスは上条へ風斬氷華を殺してはいけないと必死に訴えた。風斬が『天使』の正体であり、上条の右手が触れれば消滅してしまうと考えていたのである。
しかし上条は、風斬は本来あのような存在ではなく、何者かによって変えられてしまっただけだと断言した。そして殺すためではなく助けるために向かうのだと告げ、インデックスの協力を求めた。
その言葉を受け、インデックスは風斬を救うため共に行動することを決意した。
御坂美琴の援護
黒ずくめの集団が路地へ突入してきたことで、上条達に逃げる猶予はなくなった。
そこで美琴は二人へ友達を助けに行くよう告げ、自ら足止めを引き受けた。超電磁砲を放って敵の進行を阻止し、上条へ必ず友達を助けて戻ってくるよう約束させた。
上条はその言葉に応え、インデックスの手を引いて風斬氷華の元へ向かった。一方、美琴は単身で黒ずくめ達と対峙し、磁力で作った盾と雷撃によって迎撃を開始した。友達を救うための戦いを支えるため、彼女はその場に立ち続けたのである。
上条とインデックスによる情報整理
上条当麻とインデックスは土砂降りの街を走りながら、学園都市で起きている異変について話し合った。上条は街の住民が倒れている状況や魔術師による襲撃について説明し、インデックスはその現象が天罰と呼ばれる魔術ではないかと推測した。
インデックスによれば、その術式は特定の感情を抱いた者を距離や場所に関係なく攻撃するものであり、敵意や悪意が発動条件になっている可能性があった。ヴェントの挑発的な言動や行動も、その感情を誘導するためだったのではないかと二人は考えた。
天罰術式の危険性
インデックスは、天罰術式には段階があり、意識喪失や肉体拘束など様々な形で対象を追い詰めると説明した。一度発動すれば、術者が不要と判断するまで解除されないとも語った。
さらに、この術式は通常の魔術では説明できない規模で発動しており、学園都市だけでなく外部へも被害が広がっている可能性があった。インデックス自身も防御能力を失った状態では危険に晒されるため、ヴェントに関する詳細を聞かないよう上条へ求めた。
風斬氷華の正体を巡る行き詰まり
上条は巨大な『天使』となった風斬氷華について尋ねたが、インデックスもその正体を完全には理解できなかった。
外見や構造は天使に酷似しているものの、その内部には未知の要素が含まれており、魔道書の知識だけでは解明できなかったのである。ただし、巨大な『天使』とそれを統御する『核』が別の場所に存在していることだけは見抜いていた。
小萌先生への連絡失敗
風斬の異変を解明するため、上条はAIM拡散力場に詳しい人物として月詠小萌を思い出した。以前、風斬の正体を見抜いていたことから協力を求めようと電話をかけたが、応答はなかった。
状況が行き詰まる中、上条は最後の手段として御坂美琴へ連絡を取った。
御坂美琴への協力要請
黒ずくめの集団と戦いながら応答した御坂美琴に対し、上条はAIM拡散力場に関する知識が必要だと説明した。
常盤台中学で高度な教育を受けている美琴なら協力できると考えた上条は、自身の携帯電話をインデックスへ預け、美琴と連携しながら『核』の正体を探るよう指示した。
役割分担による救出作戦
上条はインデックスへ、『核』を探して問題を解決する役目を託した。一方、自身は風斬を狙うヴェントを食い止めるため、『天使』の元へ向かうと決意した。
インデックスは風斬を守ってほしいと願い、上条は必ず守ると応じた。二人は同じ目的を胸に、それぞれ別の道へ走り出した。
木原数多の歓喜
一方、木原数多は打ち止めへウィルスを書き込み再起動させた直後に出現した巨大な『天使』を目撃していた。
上層部から渡されたウィルスの名称がANGELであったことから、木原は両者の関係を察し、科学によって天使が顕現した状況へ興奮していた。周囲の部下達が困惑する中、木原だけはその異常事態を歓喜しながら眺めていた。
一方通行の襲撃
その直後、一方通行が窓を蹴破って突入した。能力使用モードを解放した状態で『猟犬部隊』へ襲いかかり、最初の一人を蹴り飛ばして戦闘不能にした。
木原は部下を盾にして散弾を防ぎ、挑発を続けたが、一方通行は意に介さなかった。『猟犬部隊』の装備を利用して手榴弾を起爆させ、次々と部下達を倒していった。
打ち止めの奪還
最後の部下は意識を失った打ち止めを人質に取ろうとした。しかし一方通行は躊躇せず超高速で接近し、ショットガンを振り下ろして男を叩き潰した。
その後、空中へ投げ出された打ち止めを優しく受け止め、机の上へ寝かせた。そして護衛を全て失った木原数多へ視線を向けた。
木原数多との決戦開始
護衛部隊が壊滅したにもかかわらず、木原は笑いながら一方通行を挑発した。
一方通行も怒りを露わにし、木原を完全に殺す覚悟を示した。木原は舌なめずりしながら突撃し、一方通行も迎え撃つために走り出した。
能力使用モードの残り時間が六十秒となる中、二人の決戦が始まったのである。
破壊された街並み
上条当麻は『天使』が出現した爆心地へたどり着いた。そこはかつてデパートや企業ビルが立ち並ぶ第七学区の高級感ある街並みだったが、今では無残な廃墟と化していた。
半径百メートルほどの範囲にある建物は徹底的に破壊され、倒壊した建物や瓦礫が生々しく残されていた。上条は、その下にどれだけの人々が埋まっているのか想像もできず、言葉を失っていた。
変貌した風斬氷華
爆心地の中心には巨大な翼を持つ『天使』が立っていた。その本体は上条の知る風斬氷華その人だった。
長い髪や眼鏡、青いブレザー姿は以前と変わらなかったが、その様子は異常だった。感情のない表情で視線は不規則に揺れ、雨と涎で制服を濡らしながらも反応を見せなかった。
背中には何十本もの巨大な翼が生え、頭上には奇妙な輪が浮かんでいた。その輪は高速で回転しながら棒状の部品を出し入れし、風斬の行動を制御しているように見えた。
意思を奪われた風斬
上条が風斬の名を叫ぶと、風斬は一度だけ反応し、首をこちらへ向けようとした。
しかし頭上の輪が激しく作動し、悲鳴のような音と共にその動きを強制的に止めた。風斬は再び元の方向へ向き直され、意志とは無関係に歩き続けた。
さらに周囲に現れる光に誘導されるように体を動かされており、上条には風斬が精神的な拘束を受けているように見えた。人としての心を無視され、無理やり操られている状態だった。
ヴェントによる風斬への否定
そこへ前方のヴェントが現れた。ヴェントは風斬を怪物と呼び、その存在自体を冒涜の象徴だと断じた。
上条が反発すると、ヴェントは学園都市の支配者が無意味な存在を作るはずがないと語り、上条が知っていた風斬こそ未完成な状態だったのではないかと指摘した。
さらに『神の右席』の一員として、この存在を見過ごすことはできないと宣言した。
天使と堕天使の理論
ヴェントは天使とは本来、自我を持たず神の意思だけに従う存在だと説明した。
その命令系統が乱れれば堕天使となると語り、目の前の風斬は人間が作り出した不完全な存在がさらに暴走した堕天使であると断定した。
そして自らの術式によって風斬を自滅させるつもりであることを明かし、その存在を完全に否定した。
風斬を守る決意
ヴェントの言葉を聞いた上条は、風斬を怪物として扱う考えを受け入れなかった。
学園都市によって利用され、意思も自由も奪われ、助けを求めることすらできない状態に追い込まれている風斬をさらに殺そうとするヴェントへ怒りを向けた。
どれほど不利な状況であっても、上条は風斬氷華を守るために戦うと決意した。そして巨大な『天使』を背に、ヴェントの前へ立ちはだかったのである。
第十章 彼らのそれぞれの戦場 The_Way_of_Light_and_Darkness.
木原数多との激闘
一方通行は残された六十秒の間に木原数多を倒し、打ち止めを救うための時間を確保しようとしていた。打ち止めの治療環境は整っており、木原を倒せば全てが終わると考えた一方通行は、木原へ突撃した。
しかし木原は一方通行の攻撃を容易に回避し、『反射』を突破する技術で反撃を続けた。木原は一方通行の能力の仕組みを熟知しており、拳の軌道を調整することで『反射』を逆利用し、一方通行へ確実に打撃を与えていた。
追い詰められる一方通行
木原の連続攻撃によって、一方通行は徐々に消耗していった。木原は挑発を繰り返しながら、一方通行の焦りを誘い、さらに優位に立った。
一方通行は打ち止めを救うためにも時間を失えないと焦ったが、その焦燥がさらに隙を生み出していた。ついには床へ膝をつくほど追い込まれながらも、打ち止めだけは巻き込みたくないという思いで立ち上がろうとした。
能力使用時間の終了
その時、首元のチョーカー型電極から警告音が鳴った。能力使用モードの制限時間である六十秒が経過し、バッテリーが切れたのである。
全ての能力を失った一方通行は床へ崩れ落ちた。言語理解や計算能力すら失われ、自分が何をするべきだったのかも整理できない状態に陥った。
それでも打ち止めを救わなければならないという意識だけは残っていた。しかし具体的な方法を考えることはできず、その場で動きを止めた。
立ち上がる意志
木原はその姿を見て嘲笑した。しかし一方通行は再び机にしがみつきながら立ち上がった。
まともに立つことすら困難で、焦点の定まらない目を揺らしながらも木原と向き合った。勝算も敗北も計算できない状態だったが、それゆえに恐れることもなく、最後まで戦う意志だけを持ち続けていた。
ヴェントとの戦闘
一方その頃、上条当麻はヴェントとの戦いを続けていた。
ヴェントは空気を操る魔術で上条の攻撃を回避し、飛び蹴りや巨大なハンマーによる猛攻を仕掛けた。上条は幻想殺しで迎撃しながら必死に耐えたが、攻撃の勢いに押され続けた。
ヴェントは科学への憎悪を叫びながら攻撃を繰り返し、自身をこうした境遇へ追い込んだ科学を許せないと語った。
風斬氷華の攻撃と苦悩
戦闘の最中、風斬氷華の巨大な翼から再び放電のような攻撃が放たれた。その一撃は学園都市の外まで届くほどの威力を持ち、上条は風斬を止めなければならないと焦った。
しかし風斬はただ破壊を行っていたわけではなかった。
ヴェントの攻撃によって巻き込まれたはずの一般人が無傷で生き残っていたのである。
鱗粉による守護
上条とヴェントが確認すると、一般人の周囲には淡く光る鱗粉が漂っていた。それは衝撃を防ぎ、人々を守る力として機能していた。
その鱗粉は風斬の翼から放たれていた。瓦礫の中に埋もれていた多くの人々も同じように守られており、誰一人傷ついていなかった。
上条は、この守護の力が誰かの命令ではなく、風斬自身の意思による抵抗だと悟った。
風斬の抵抗と上条の確信
風斬は天使の輪によって強制的に行動を制御されていた。それでも守護の鱗粉を放ち続け、破壊の力と守護の力を同時に発現させていた。
輪は風斬の抵抗を止めようと激しく作動し、彼女の身体は悲鳴を上げていた。それでも風斬は人々を守ることをやめなかった。
上条はその姿を見て、風斬を守ろうとした自分の判断が正しかったと確信した。
風斬を信じる決意
ヴェントが怒りを露わにする中、上条は笑みを浮かべた。
風斬が今も自分の意思で人々を守ろうとしていることを知ったからである。上条はインデックスが風斬を救うために動いていると伝え、それまで自分がこの場を守り抜くと決意した。
そして風斬へ安心するよう呼びかけながら、ヴェントとの戦いに向けて拳を固く握り締めたのである。
能力を失った一方通行の反撃
木原数多は能力を失った一方通行を全力で殴り飛ばした。しかし一方通行は殴られる直前に木原の手首を掴み、その勢いを利用して動きを止めた。
さらに一方通行は木原の側頭部の髪を掴み、地肌ごと引き剥がした。木原は絶叫しながら後退しようとしたが、一方通行は執拗に食らいつき、耳を引き千切ろうとするなど本能的な攻撃を繰り返した。
木原の優位が崩れる
木原は拳銃を手にしようとしたが、一方通行はそれを妨害した。思考能力を失ったことで一方通行は従来の行動パターンから外れ、木原の対策が通用しなくなっていた。
木原が一方通行を圧倒できたのは、彼の能力や性格を熟知していたからであり、その前提が崩れたことで優位性も揺らぎ始めていた。
風斬氷華の異変
戦いの最中、木原は窓の外にいる天使の様子に違和感を覚えた。何が変わったのかは分からなかったが、それまで感じていた禍々しさが薄れているように感じられた。
その直後、木原は一方通行の表情に言い知れない不気味さを感じ、苛立ちを募らせた。
オリジナルスクリプトの破壊
木原は一方通行を絶望させるため、白衣の中から打ち止めに打ち込まれたウィルスのオリジナルスクリプトを取り出した。
そして一方通行の目の前でそれを握り潰した。木原は打ち止めを救う手段を破壊したことに歓喜し、一方通行の希望を完全に奪ったと信じて嘲笑した。
インデックスの到着
木原が勝利を確信する中、廃棄オフィスへ新たな足音が響いた。
そこへ現れたのは、ずぶ濡れになったインデックスだった。一方通行は床に倒れたまま、その姿へ視線を向けた。
上条当麻の反撃開始
一方その頃、上条当麻はヴェントへ猛攻を仕掛けていた。
風斬氷華が人々を守っていることを知り、不安や迷いから解放された上条は全力で戦い始めた。ヴェントの攻撃をかいくぐりながら懐へ飛び込み、肘打ちで彼女を吹き飛ばした。
その戦いの中で上条は、ヴェントのハンマーが幻想殺しで破壊可能であることを見抜き、勝機を掴んだ。
ヴェントの消耗
ヴェントは連続して空気の鈍器を生み出して攻撃を続けたが、その代償として大量の血を吐いていた。
彼女は天使の出現によって魔術に負荷がかかっていることを語り、それでもなお戦いをやめようとはしなかった。
上条は命を削ってまで戦う理由を問いかけたが、ヴェントは激しく反発した。
弟を失った過去
ヴェントは、自らが科学を憎む理由を語った。
幼い頃、弟と共に遊園地のアトラクション事故に巻き込まれ、重傷を負った。希少な血液型だったため輸血は一人分しか用意できず、弟は姉である自分を助けるよう願い、そのまま命を落とした。
ヴェントはその出来事によって科学への憎悪を抱き、科学を滅ぼすことを自身の使命として生きてきたのであった。
上条の反論
上条はヴェントの言葉を否定した。
事故を起こした人々も医師たちも、本来は誰かを傷つけるためではなく、人を助けたり喜ばせたりするために行動していたと語った。
さらに、弟が最後に姉を助ける選択をしたことを無価値なものとして扱うべきではないと訴えた。
弟は死の間際に誰かを救うという偉大な決断をしたのであり、その想いを復讐によって踏みにじるべきではないと上条は叫んだ。
最後の激突
互いに譲らないまま、上条とヴェントは最後の勝負へ臨んだ。
ヴェントは残された力を振り絞り、七つの空気の鈍器を融合させた巨大な杭を放った。対する上条は一切怯まず、真正面から拳を突き出した。
轟音と共に上条の拳が空気の杭を打ち砕き、そのままヴェントの懐へ踏み込んだ。
ヴェントの敗北
上条はヴェントへ向かって、弟に比べれば大したことではないかもしれないが、自分なりに救ってやると告げた。
そして、もう一度やり直して来い、この大馬鹿野郎だと言い放ち、渾身の拳をヴェントの顔面へ叩き込んだ。
その一撃によってヴェントは数メートル吹き飛ばされ、雨の降るアスファルトの上へ倒れ込んだのである。
打ち止めの発見
インデックスは、倒れている一方通行と、その一方通行を蹴り続ける白衣の男を発見した。その光景は、かつて地下街で目撃した状況と酷似していた。
しかし今の彼女にとって最優先事項は『大天使』を止めるための鍵を確保することだった。一方通行がなおも立ち上がって木原数多を食い止める姿を確認すると、インデックスは電話機を投げつけて援護し、自身は机の上に寝かされている打ち止めへ向かった。
打ち止めの状態確認
インデックスは打ち止めを安全な場所へ運ぼうとしたが、その衰弱ぶりから移動は危険だと判断し、机の陰へ静かに寝かせた。
その後、魔術的な視点で打ち止めを観察し、『天使』を構築するための核であることを見抜いた。しかし術式全体の構造は理解できても、構成部品の詳細までは把握できず、単独で解決することは困難だった。
美琴との協力
インデックスは携帯電話越しに御坂美琴へ助けを求めた。
脳波による電子ネットワークやAIM拡散力場について次々と質問し、美琴は科学側の知識でそれに答えた。互いに科学と魔術の片方しか理解していなかったが、それでも状況を改善するために協力を続けた。
やがてインデックスは、打ち止めの精神を縛る『結び目』を解けば問題を解決できると結論づけた。
歌による介入
インデックスは機械や魔術ではなく、言葉と歌によって打ち止めへ働きかけることを決めた。
人の心は言葉や歌によって動かせると考えた彼女は、祈りを込めた歌を打ち止めへ届け始めた。人は祈りによって救われると信じるインデックスは、打ち止めも風斬氷華も学園都市も救うと決意していた。
歌を聞く一方通行
その頃、一方通行は木原数多から一方的な暴行を受け続けていた。
しかし言語を理解できない状態であっても、インデックスの歌に込められた感情だけは感じ取っていた。打ち止めを思いやる優しさと温かさに触れながら、一方通行は光の世界の人間が打ち止めを救おうとしていることを理解した。
そして打ち止めを守りたいという自身の願いに、善悪や立場は関係ないと悟った。
一方通行の決意
一方通行は、自分が悪人であろうと打ち止めを守りたいという思いを肯定した。
闇に生きる者であっても光を守ってよいと考え、既存の価値観や限界を捨て去る決意を固めた。そして言語機能を失っていたはずの口から木原の名を叫び、自らの足で立ち上がった。
打ち止めを守るため、一方通行は木原数多へ向かって走り出した。
再開した死闘
木原は立ち上がった一方通行を見て歓喜し、拳だけで叩き潰すことを宣言した。
両者は激しく殴り合い、一方通行も木原へ拳を叩き込んで鼻を砕いた。しかし木原はさらに攻撃を続け、一方通行を何度も踏みつけた。それでも一方通行の眼光は衰えず、打ち止めを守るという意志だけは揺らがなかった。
手榴弾による決着工作
業を煮やした木原は、倒れている部下の装備から手榴弾を拾い上げた。
そして一方通行へ向かって投げつけると、手榴弾は額に当たった直後に炸裂した。爆風と破片が周囲を包み込み、灰色の粉塵が広がった。
木原は一方通行の死を確信し、その死体を利用してさらなる破壊を企んだ。
黒い翼の出現
しかし粉塵の中から伸びた手が、木原の顔を正面から掴んだ。
そこに立っていたのは一方通行だった。彼の背中からは、光すら飲み込むような真っ黒な翼が噴き出していた。
木原はその異常な姿に戦慄したが、一方通行は構わず木原の頭を締め上げた。
木原数多の敗北
一方通行の背後で黒い翼が爆発的に噴射した。
直後、説明不能の力が木原数多を襲い、その身体は廃棄オフィスを突き抜けて夜空の彼方へ吹き飛ばされた。あまりの速度にオレンジ色の残光が尾を引き、生死を確認するまでもないほどの一撃となった。
こうして、一方通行と木原数多の戦いは決着したのであった。
戦いの後の静寂
土砂降りの雨の中、上条は道路に座り込み、ようやく訪れた休息に安堵していた。
先ほどまで激しく火花を散らしていた天使の羽は静まり返り、風斬氷華の翼や天使の輪も徐々に輪郭を失い始めていた。上条は、インデックスが打ち止めの救出を順調に進めているのだろうと考えた。
救助活動と周囲の状況確認
上条は打ち止めの携帯電話を使い、救急車の手配を行った。
周囲は風斬の出現によって瓦礫の山となっていたが、そこにいた人々は風斬の力によって辛うじて守られていた。上条は幻想殺しによってその保護効果を消してしまう危険を考え、救助には手を出さず状況を見守った。
ヴェントの行く末への懸念
気絶したままのヴェントを見ながら、上条は彼女の今後を案じていた。
学園都市を大混乱へ陥れた以上、学園都市もローマ正教も彼女を放置しないだろうと考えた。ヴェントの事情を知った上条は、処刑や利用といった結末に納得できず、何とか彼女を守る方法を模索していた。
風斬氷華への不安
上条は風斬の様子も見守っていた。
翼は徐々に消えつつあったが、完全に消失するまでには時間が必要だった。幻想殺しで翼を消せる可能性も考えたが、風斬自身への影響を恐れて実行できなかった。
また、学園都市上層部が風斬を生み出した目的についても疑問を抱いていた。
突然の襲撃
その時、突然コンクリートの山が爆発したように吹き飛んだ。
土砂降りの雨によって粉塵が流されると、爆心地には巨大な風力発電用プロペラが突き刺さっていた。上条はその異常な破壊力に驚愕し、同時に倒れていたはずのヴェントが消えていることに気付いた。
後方のアックアの登場
上条の前には、気を失ったヴェントを抱えた一人の男が立っていた。
男は自らを後方のアックアと名乗り、『神の右席』の一員であることを明かした。そして今回は撤退する意思を示し、風斬氷華の存在を警戒していることも語った。
ヴェントを巡る対立
上条はヴェントを引き渡すよう求めた。
しかしアックアは、科学サイドに渡ればヴェントは処刑されると指摘したうえで、『神の右席』は同情ではなく目的のために動く組織であり、ヴェントもまた自らの意思で戦い続けてきたのだと語った。
それでも上条は、言葉を伝え続けなければ何も変わらないと反論した。
天罰術式の消滅
アックアは上条へ、ヴェントの舌についていた鎖と十字架のアクセサリを投げ渡した。
それは幻想殺しによって既に破壊されており、ヴェントは今後『天罰術式』を使えないと説明した。また、その影響で術式によって倒れていた人々も回復するだろうと告げた。
アックアの撤退
納得できない上条をよそに、アックアは自分が聖人であることを明かし、軽率に敵対しないよう警告した。
そして地面を蹴る轟音と共に、ヴェントを抱えたまま瞬く間に姿を消した。その速度は上条には全く追えないものだった。
新たな戦いへの決意
戦いが終わっても問題は何一つ解決していなかった。
ローマ正教と学園都市の対立はさらに深刻化する危険を孕んでおり、上条はその流れを何としても止めなければならないと決意した。
土砂降りの雨の中、上条は黒い雲に覆われた夜空を見上げながら、その思いを胸に刻んでいた。
終章 正と負の進むべき道へ The_Branch_Road.
アックアとテッラの会話
アックアは気絶したヴェントを抱えて学園都市の外へ向かっていた。ヴェントの霊装が破壊されたことで、天罰術式によって倒れていた人々は順次回復すると考えられたが、今後はより大きな流血を伴う戦いになるだろうと憂いていた。
そこへ左方のテッラから連絡が入り、ヴェントの敗北や別働部隊の壊滅について報告した。テッラは損失を淡々と受け止め、今後の学園都市攻略について再検討する必要があると語った。アックアは力ずくで決着をつける考えも示したが、テッラは学園都市や天使に利用価値があるとして慎重な姿勢を見せた。
上条の言葉とアックアの疑問
通話を終えたアックアは、先ほど上条から向けられた言葉を思い返していた。ヴェントの科学への憎しみは勘違いであり、『神の右席』にいる限りそこから抜け出せないという上条の主張である。アックアはその言葉を胸に刻みながら、学園都市が本当に上条の考えるような脆弱な存在なのか疑問を抱いた。
風斬氷華の覚醒
一方、インデックスの処置によって風斬氷華に繋がっていた無数の翼は次々と消滅し、最後の一本も消え去った。風斬は地面へ崩れ落ちたものの無事に意識を取り戻したため、上条は安堵した。
しかし風斬は、自分が引き起こした破壊の光景を目の当たりにし、自らを化け物だと責め始めた。自分だけが無傷で生き残り、多くのものを壊してしまったことに耐えられなかったのである。
上条による励まし
風斬が自らを消してほしいと訴える中、上条はその願いを拒絶した。風斬は混乱の中でも人々を守ろうとし、実際に光の鱗粉によって多くの命を救っていたからである。上条は風斬こそ立派な人間であり、胸を張るべきだと伝えた。
さらに上条は、風斬を友達だと認め、問題が片付いたらインデックスと合流しようと語った。その言葉に風斬は涙を流し、上条の気持ちを受け止めた。
一方通行への接触
廃棄オフィスでは、一方通行が戦いの傷を負いながら打ち止めの様子を気に掛けていた。そこへ特殊部隊と精神感応系能力者たちが現れ、一方通行と対話できる環境を構築した。
彼らは打ち止めのウイルスが停止していることを説明したうえで、学園都市への協力を提案した。今回の事件による損害を理由に、一方通行を軍事戦力として利用したいと考えていたのである。
学園都市への協力決断
一方通行は学園都市側の身勝手さに激怒したが、能力者たちや打ち止めの居場所を守るためには学園都市そのものが必要であることも理解していた。そこで事件の首謀者について情報を求め、その条件で協力を受け入れる意思を示した。
契約成立後、一方通行は気絶させられ、特殊部隊によって回収された。ようやく光を知った彼は、再び学園都市の闇へと連れ戻されていった。
カエル顔の医者とアレイスターの対話
病院へ戻ったカエル顔の医者は、アレイスターへ直接連絡を取った。彼は一方通行や打ち止めを利用し続けるアレイスターのやり方に異議を唱え、自分の患者を弄ぶことをやめるよう求めた。
しかしアレイスターは、自らの目的のためには止まれないと断言した。医者はそれでも患者を守る覚悟を示し、二人はかつて命を救った者と救われた者として決別した。
通話を終えた医者は、アレイスターもまた自分の患者の一人であることを静かに思い返していた。
学園都市とローマ正教の対立激化
この日、学園都市はローマ正教の攻撃を『魔術』という名の科学的超能力開発機関によるものだと発表した。一方でローマ正教は、学園都市が天使を生み出す冒瀆的な研究を行っていると非難した。
双方は互いの主張を一切認めず、譲歩や妥協も見せなかった。その結果、学園都市とローマ正教の全面対立が現実味を帯び、世界を巻き込む大戦争の気配が濃厚になっていった。
とある魔術の禁書目録(12)レビュー
【とある魔術の禁書目録】あらすじ・ネタバレ・まとめ
とある魔術の禁書目録SSレビュー
同シリーズ
とある魔術の禁書目録
























外伝


とある暗部の少女共棲



同著者シリーズ
ヘヴィーオブジェクトシリーズ

その他フィクション

Share this content:


コメント