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フィクション(Novel)マジカル★エクスプローラー読書感想

小説【マジエク】「マジカル★エクスプローラー 1 」感想・ネタバレ

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マジカル★エクスプローラー 1の表紙画像(レビュー記事導入用) フィクション(Novel)

マジエク まとめ
マジエク 2巻レビュー

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物語の概要

■ 作品概要

『マジカル★エクスプローラー  エロゲの友人キャラに転生したけど、ゲーム知識使って自由に生きる1』は、魔法と機械技術が融合したファンタジー世界を舞台とする転生魔術学園譚(ライトノベル)である。 物語は、伝説の美少女ゲーム『マジカル★エクスプローラー』の世界において、モテモテな主人公の横で笑うだけの不遇な友人キャラ「瀧音幸助」に転生してしまった元プレイヤーの視点で描かれる。エルフや獣人が存在し、世界各地に多数のダンジョンが存在する世界観の中で、幸助は自身が持つ「世界最高の魔力量」と、布を自在に操る唯一無二の特殊能力、そしてゲームをやり込んだ「原作知識」を駆使することを決意する。友人キャラとしての役割を放棄し、大好きなヒロインたちが迎えるかもしれない悲劇を未然に防ぎ、全員をハッピーエンドに導くため、ダンジョン攻略や過酷な修行を通じて「最強」へと成り上がっていく姿が描かれている。

■ 主要キャラクター

  • 瀧音幸助:本作の主人公。エロゲの不遇な友人キャラに転生した元ゲーマー。放出系魔法は苦手だが、世界最高の魔力量と、自身のストールに魔力を付与して自在に操る「第三の手」「第四の手」といったエンチャント能力に長けている。ヒロインたちを全員救うために最強を目指す。
  • 聖伊織:原作ゲームの本来の主人公であり、ツクヨミ魔法学園で幸助の同級生となる平凡な顔立ちの少年。圧倒的な才能を持ち、魔王すら倒し得る存在である。
  • 花邑毬乃:ツクヨミ魔法学園の学園長にして「ツクヨミの魔女」と呼ばれる実力者。幸助の母の従姉妹にあたり、両親を亡くした幸助の親権を引き受けて後見人となる。成人した娘がいるとは思えないほど若々しい美貌を持つ。
  • 花邑はつみ:毬乃の娘であり、若くして学園の教授を務める。無口で無表情だが、幸助に料理を振る舞ったり、魔法の指導を請け負ったりと家族として接する。
  • リュディヴィーヌ・マリー=アンジュ・ド・ラ・トレーフル(リュディ):トレーフル皇国皇帝の次女であるエルフの少女。風魔法の使い手。原作では裏切りに遭いひどい男性不信になる悲惨な過去を持つ設定だったが、幸助に窮地を救われたことで彼に強く惹かれていく。
  • 水守雪音:ツクヨミ魔法学園の風紀会副会長(副隊長)。「水龍姫」の異名を持ち、薙刀と水魔法を操る凛々しく美しい女性。幸助が女神のように憧れる存在であり、彼の滝行や修行に付き合う。
  • クラリス:リュディに仕えるメイド兼護衛の女性。エルフでありながら剣と盾を用いた近接戦闘もこなし、幸助の組み手の修行相手も務める。

■物語の特徴

本作の最大の特徴は、王道の主人公ではなく「不遇な友人キャラ」という立ち位置から物語がスタートする点である。主人公が持つ原作ゲームの圧倒的な知識を活かし、本来のシナリオに介入して悲劇のフラグをへし折り、隠し要素を活用して運命を改変していくカタルシスがある。 また、エロゲ特有の超展開や理不尽な設定(エロトラップなど)に対する主人公のメタ的なツッコミがコメディ要素として機能する一方で、愛するヒロインたちを救うために命を懸けて格上の強敵(ダンジョンボスなど)に挑むという、熱い王道バトル展開が同居している点が、読者にとって非常に興味深い魅力となっている。

書籍情報

マジカル★エクスプローラー  エロゲの友人キャラに転生したけど、ゲーム知識使って自由に生きる1
(英語名:Magical Explorer
著者:#入栖
イラスト:#神奈月昇
出版社/レーベル:KADOKAWA/角川スニーカー文庫
発売日:2019年11月1日
ISBN:9784041083710

(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。

あらすじ・内容

ヒロイン攻略×魔術無双――憧れのゲーム世界で誰よりも自由に!
  ”伝説の美少女ゲーム”『マジカル★エクスプローラー』。 俺はこのゲームでチートなスキルを持つモテモテの主人公!……の横でへらへらと笑う不遇な友人キャラに転生していた。
 だけど俺にはこのゲームをやり込んだ知識があるから、完璧な立ち回りをすればヒロイン達の好感度をMAXにすることだって出来る筈! 
更にこのキャラには”世界最高の魔力量”という隠れチート性能や唯一無二の特殊能力も備えていて――。
「それなら友人キャラなんて役割放棄して、好き勝手に生きてやるか!」
 前世のゲーム知識使って、新たな人生を完全攻略!  エロゲ世界を自由気ままに謳歌する転生魔術学園譚!!

マジカル★エクスプローラー  エロゲの友人キャラに転生したけど、ゲーム知識使って自由に生きる1

感想

読んでまず驚かされたのは、主人公である瀧音幸助の境遇である。

エロゲーの友人キャラに転生するという設定だけを見ると、明るく賑やかな脇役として気楽に生きる物語なのかと思っていた。しかし実際には、その裏に想像以上に重い過去が隠されていた。

両親を魔族に殺され、唯一の家族だった祖母とも離れ離れになってしまう。

ゲームの中では陽気に振る舞っていた幸助だが、その姿は決して能天気なものではなく、過酷な現実から目を逸らすための必死な生き方だったのかもしれない。

その事実を知った時、ゲームでは見えていなかった彼の人物像が一気に立体的になったように感じた。

しかし、そんな不遇な立場に置かれても幸助は立ち止まらない。

むしろ魔法という存在に心を奪われ、誰よりも熱心に修行へ打ち込んでいく。

読んでいて印象的だったのは、彼が最強を目指す理由である。

単純に力を誇示したいわけではなく、自分自身の運命を変えるために努力している。その姿勢には好感が持てた。

ゲーム知識を活用するだけではなく、自らの努力によって実力を積み重ねていくため、成長にも納得感がある。

また、本作の魅力は人間関係の変化にもある。

花邑毬乃に引き取られ、はつみとの共同生活が始まる展開は非常に温かかった。

さらにリュディやクラリスとの交流も加わり、少しずつ賑やかな日常が形作られていく。

本来であれば悲劇に巻き込まれていたはずのヒロインたちを救い出し、運命そのものを書き換えていく流れには大きな爽快感があった。

特に印象に残ったのはリュディとの関係である。

何度も危機から救い出しながら信頼を積み重ねていく過程は王道ながら非常に楽しめた。

一方で、憧れの存在である水守雪音から指導を受ける場面には、成長物語としての面白さも感じる。

ただ強くなるだけではなく、師弟関係や仲間との交流を通して世界が広がっていくところも魅力的だった。

また、邪神教との戦いやダンジョン暴走事件も見応えがある。

日常パートとシリアスな戦闘がうまく切り替わるため、最後まで飽きることなく読み進めることができた。

そして何より印象的だったのは、本来の主人公である聖伊織の登場である。

普通なら物語の中心人物として最初から登場していてもおかしくない存在なのに、本巻ではまさかの終盤まで姿を見せない。

ここまで幸助の物語を積み重ねてきた後だからこそ、ようやく現れた伊織に対して不思議な感慨を覚えた。

読んでいて感じたのは、本作は単なる転生作品ではなく、「脇役だったはずの人物が自ら主人公になる物語」だということである。

ゲームでは目立たなかった幸助が、自分の知識と努力で未来を切り開いていく姿には大きな魅力があった。

ヒロインたちの悲劇を回避しながら、自分自身の人生も変えていく。

そんな彼の姿を見ていると、自然と続きを読みたくなってしまう。

学園生活が本格的に始まる次巻では、幸助がどのような活躍を見せてくれるのか。期待が大きく膨らむ一冊だった。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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マジエク まとめ
マジエク 2巻レビュー

考察・解説

エロゲ世界への転生

『マジカル★エクスプローラー』における「エロゲ世界への転生」について解説する。

本作におけるエロゲ世界への転生は、単なる異世界転生にとどまらず、主人公が不遇な友人キャラクターとしての役割を投げ捨て、自らの持つゲーム知識と特殊能力を駆使して世界の頂点を目指すという、物語の根幹をなす重要な要素である。

1. 不遇な友人キャラへの転生

物語は、月に2本のペースでエロゲーをプレイするゲーマーだった主人公が、鏡に映る自分を見て、伝説の美少女ゲーム『マジカル★エクスプローラー(通称マジエク)』の世界に転生したことに気づくところから始まる。

・転生先は、モテモテの主人公の横で騒ぐだけの引き立て役であった。
・ヒロインから嫌われることもある不遇な友人キャラである瀧音幸助としての生活が始まる。

2. 魔法世界(現実)としての実感

最初は戸惑っていた主人公であるが、この世界が魔法と機械技術が融合し、エルフや獣人が存在するファンタジー世界であることを認識する。

・初歩の灯りの魔法であるライトを自らの手で発動させたとき、ゲームの画面越しではない本物の魔法に心を打たれ、強い感動を覚えた。
・この体験が、彼にダンジョンが存在するこのファンタジー世界を満喫したいという強い思いを抱かせることとなる。

3. ゲーム知識という最大のチートと秘められたポテンシャル

瀧音幸助はゲーム内では扱いが難しいキャラクターであったが、主人公は彼が世界最高の魔力量を持つことを熟知していた。

・布に魔力を付与して自在に操る「第三の手」「第四の手」といったエンチャントの特殊能力に長けている点も見抜いている。
・さらに彼には、強力な装備や魔法具、チートスキルがどこで入手できるかを完全に把握しているゲーム知識という、この世界における最大のチート能力があった。

4. 運命への反逆と最強への決意

ゲームのシナリオ通りに進めば、愛するヒロインたちが悲惨な過去や呪い、生贄といった過酷な運命(バッドエンド)に見舞われる可能性がある。

・彼女たちを確実に救い、全員をハッピーエンドに導くためには、本来の主人公の行動に頼るのではなく、自らの手で運命を切り開く必要がある。
・そのため彼は友人キャラという脇役の役割を放棄した。
・圧倒的な才能を持つゲームの主人公やチート能力を持つヒロインたちをも超える最強を目指すことを固く決意する。

まとめ

このように、エロゲの深い知識を持った主人公が、不遇な立ち位置から最強へと成り上がり、愛するキャラクターたちの運命を変えていく熱い展開が、本作の最大の魅力となっている。脇役という与えられた運命を拒絶し、ゲーム知識という武器を頼りに自らの力でハッピーエンドを掴み取ろうとするリオンの挑戦は、世界の常識を覆す壮大な英雄譚への一歩である。

花邑家での生活

『マジカル★エクスプローラー』において、主人公である瀧音幸助がツクヨミ魔法学園に入学するまでの間、物語の主な舞台となる「花邑家」での同居生活について解説する。

両親を亡くした幸助は、母の従姉妹にあたる学園長・花邑毬乃に引き取られ、彼女とその娘である若き教授・花邑はつみと共に暮らし始める。さらに、テロ事件をきっかけに皇族のエルフであるリュディと、そのメイド兼護衛のクラリスも安全のために居候することになり、賑やかな共同生活がスタートした。その特徴や主なエピソードは以下の通りである。

1. 魔法使いにとっての最高環境

花邑家には、魔法界の重鎮である毬乃と教授であるはつみの研究施設やエンチャント施設、そして大量の魔法書が並ぶ書庫が備わっている。

・寮生活にある門限の煩わしさがない。
・幸助はこれらの施設を自由に利用できる。
・毬乃やはつみ、そしてクラリスから直接魔法の指導や組み手の稽古をつけてもらうなど、魔法使いとして成長するための最高の環境を手に入れている。

2. はつみとの関係構築と殺人料理

無口で無表情なはつみに対し、幸助は当初どう接していいか戸惑っていたが、彼女からの提案で「はつみ姉さん」と呼ぶようになり、距離を縮めていく。

・花邑家での生活において特に強烈なのが、はつみの殺人料理である。
・毬乃が不在の際、はつみが夕食に「蛍光色を放つカラフルな料理」や「洗剤で洗った白米」を作り、食卓がパニックに陥った。
・これを食べて精神的に追い詰められたリュディに幸助がカップラーメンを作って慰め、一緒に号泣しながら食べるという過酷な共通体験を通じて、家族のような絆が生まれる。

3. エロゲならではのハプニング

エロゲ世界への転生ということもあり、共同生活ではお約束のトラブルが頻発する。

・幸助が何も考えずに脱衣所に入ってしまい、湯上がりのはつみと鉢合わせて魔法を放たれ、土下座をして謝罪する。
・クラリスの引っ越し荷物を手伝っている最中、階段で足を踏み外した彼女を支えた拍子に、彼女の黒いショーツを掴んでしまい、リュディたちから変態と誤解されて殴られる。

まとめ

このように、花邑家での生活は、幸助が最強に至るための過酷な修行環境であると同時に、ヒロインたちとの距離を縮めるためのコメディやハプニングに満ちた重要な日常パートとして描かれている。最高峰の設備と指導者に囲まれた環境で実力を蓄えつつ、殺人料理の被害や数々のアクシデントを共有することで、幸助とヒロインたちの間には一介の友人枠を超えた強固な信頼関係が構築されていく。

魔法とスキルの習得

『マジカル★エクスプローラー』における魔法とスキルの習得や成長について解説する。

本作における魔法やスキルの習得は、書物などからの基礎知識の理解、地道な反復練習、そして強い渇望などの要素によって成り立っている。作中で描かれている具体的な仕組みや習得の流れは以下の通りである。

1. 魔法の基礎と魔力量の向上

魔法とは、生物に備わっている魔力と大気中の魔力を利用して奇跡を起こす仕組みであり、起こす奇跡に比例して魔力を消費する。

・魔力量を強化(レベル上げ)するには、魔物を倒して魔素を回収するか、魔法を限界まで使い切ることが有効とされる。
・主人公の瀧音幸助は、自身の長所である「世界最高の魔力量」と「エンチャント(付与魔法)」の適性を活かし、常にストールに魔力を込め続けることで魔力量を限界突破させている。
・一方で、放出系の魔法(ウォーターガンなど)には適性がなく、練習しても威力が伴わないといった個人の向き不向きも明確に存在する。

2. スキルの発現条件

魔法だけでなく特殊なスキルを得るための一般的なアプローチとして、クラリスは「人が非常に欲したときに発現しやすい」という仮説を語っている。

・彼女自身も幼少期に魔法が苦手だったため剣や弓を習い、強く求めたことでスキルが発現した経験を持つ。

3. 具体的なスキルや魔法の習得事例

作中では、キャラクターたちが己の弱点を補い長所を伸ばすために様々な方法で魔法やスキルを習得している。

・第三の手・第四の手:幸助の専用スキルである。長大なストールに魔力を循環させ、走りながら布を自在に動かして攻撃や防御を同時に行うというマルチタスクの訓練をひたすら繰り返すことで、実戦レベルまで練度を上げている。
・心眼(しんがん):命中率や回避率を上げ、視界不良でも対象を感知できる強力なスキルである。幸助は水守雪音から「滝に打たれて雑念を消し、第七感で魔力を感じ取る」という滝行の指導を受けるが、当初はうまくいかなかった。しかし後日、脱衣所で偶然リュディの入浴に鉢合わせた際、「湯気の向こう側を見たい」という強烈な欲望を抱いたことで突如「心眼」が発現し、結果的にクラリスの説を身をもって証明することになった。
・その他の魔法:幸助は自らの異常な魔力量を活かすため、他者に魔力を分け与える「贈与魔法」をクラリスからの直接指導で習得している。また、魔法を連続で放つ遠距離特化のリュディは、必須となる「詠唱短縮」を覚えるため、花邑はつみから魔力が空になるまでの過酷な指導を受ける形で習得を目指している。

まとめ

本作における異能の成長は、個人の適性に応じた地道な訓練がベースとなる一方で、個人の内面にある「強い渇望」が限界を突破する鍵として描かれている。瀧音幸助が規格外の魔力量をストールへの付与という反復練習で磨き上げ、コミカルながらも強烈な執着によって心眼を開花させたように、能力の開花には理論と情熱の双方が不可欠である。これらの設定が、登場人物たちの泥臭い努力と成長のドラマをより魅力的なものにしている。

ヒロインとの共同生活

『マジカル★エクスプローラー』において、主人公である瀧音幸助とヒロインたちとの「共同生活」について解説する。

本作における共同生活は、物語の主要な舞台であるツクヨミ魔法学園に入学する前の重要な日常パートであり、美少女ゲームの世界ならではのハプニングやコメディ要素が詰まった展開となっている。その全容は以下の通りである。

1. 花邑家での同居の始まり

物語の序盤、両親を亡くし天涯孤独となった幸助は、母の従姉妹でありツクヨミ魔法学園の学園長である花邑毬乃に引き取られる。

・これにより、毬乃と、その娘で若くして学園の教授を務める花邑はつみという、二人のヒロインとの同居生活がスタートした。

2. リュディとクラリスの居候

その後、花邑ホテルで発生したテロ事件をきっかけに、皇族であるリュディヴィーヌ(リュディ)と護衛のメイドであるクラリスが邪神教から狙われる可能性が高まる。

・トレーフル皇国皇帝からの提案により、実力者である毬乃とはつみがいる安全な花邑家に、彼女たちも居候することとなった。
・幸助は、一つ屋根の下に親戚ではない年頃の男女がいるというエロゲの王道展開に対し、肉体的な危険性や世間的なまずさを理由に反対しようとする。
・しかし、毬乃とはつみは歓迎会の準備やケーキの美味しいお店の話で盛り上がり、結局なし崩し的に共同生活が始まった。

3. エロゲ的なハプニングの連続

ヒロインたちとの共同生活では、ゲームの世界ならではのお約束のトラブルが頻発する。

・脱衣所での鉢合わせ:幸助が何も考えずに脱衣所に入ってしまい、湯上がりのはつみと鉢合わせて魔法を放たれ、土下座をして謝罪する羽目になった。また、後日にはリュディの入浴中にも鉢合わせてしまい、再び激しい魔法攻撃と土下座を経験している。
・荷物運びでの事故:クラリスの引っ越し荷物を手伝っている最中、階段で足を踏み外した彼女を支えた拍子にショーツを掴んでしまい、リュディとクラリスから変態と誤解されて殴られるという事件も起きた。

4. 殺人料理とカップラーメンによる絆

共同生活の中で特に印象的な出来事が、はつみの手料理による惨劇である。

・はつみが夕食に用意したのは、テーマパークの夜景を彷彿とさせるカラフルに発光する謎の料理や、洗剤で洗った白米であった。
・この殺人級の料理を口にして死にかけたリュディは精神的に追い詰められ、幸助の部屋で、生きるって何かしら、と病んでしまう。
・そんな彼女に幸助がコンビニのカップラーメンを作ってあげると、リュディはおいしいと号泣しながらそれを食べた。
・この過酷な共通体験などを経て、幸助とリュディの間には遠慮がなくなり、まるで本当の家族のような関係性へと変化していった。

まとめ

瀧音幸助とヒロインたちによる花邑家での共同生活は、エロゲ的なハプニングに満ちた賑やかな日常であると同時に、登場人物たちの距離を急速に縮める重要な期間となった。はつみの殺人料理の被害や脱衣所での騒動といったコメディ描写の裏で、カップラーメンを分け合うような素の交流が描かれたことで、彼らは固い信頼と家族のような絆を結ぶに至った。この日常で培われた関係性が、後に学園で待ち受ける過酷な戦いを共に乗り越えるための確固たる土台となっている。

ダンジョンでの実戦

『マジカル★エクスプローラー』第1巻において、主人公の瀧音幸助が初めて本格的な実戦を経験する「諸行無常の御館(しょぎょうむじょうのみたち)」でのリュディ救出戦について解説する。

この実戦では、幸助の最大の武器であるゲーム知識と圧倒的な魔力量がいかんなく発揮されることとなった。その戦闘の全容と逆転のプロセスの詳細は以下の通りである。

1. ダンジョンへの突入と道中の戦闘

本来は学園入学後に発生するはずの邪神教によるダンジョン復活イベントが前倒しで発生し、幸助はそれに巻き込まれたリュディを救うため、水守雪音と共にダンジョンへ突入する。

・諸行無常の御館は、雑魚モンスターが徘徊せず決まったフロアに待機しているという特殊な仕様である。
・幸助はゲーム知識を活かして無駄な戦闘を回避しつつ、最短ルートを進んだ。
・道中で避けられないバフォムスやヘルハウンド、猿型魔物などのモンスターに対しては、クラリスとの訓練で編み出した技を駆使する。
・第三の手と第四の手を重ね、遠心力を利用してハンマーのように叩きつける技を使い、雪音の強力な魔法援護も受けながら強行突破していった。

2. 無情のオーガとの遭遇と絶望的な状況

ヘルハウンドに襲われていたリュディを無事に救出したものの、直後にダンジョン内を徘徊するボスモンスターである無情のオーガと遭遇してしまう。

・無情のオーガは、自滅覚悟でリミッターを外した恐るべき筋力で攻撃してくる。
・さらに、受けた傷を即座に治す高い回復能力を持っていた。
・レベルの低い現状の幸助やリュディでは、まともに戦って勝てる相手ではなかった。

3. ゲーム知識と魔力量を活かした逆転の戦術

絶体絶命の状況下で、幸助はリュディを先へ逃がし、自らはオーガを誘い込んでフロア中央にある罠の宝箱を蹴り飛ばす。

・これは本来、開けた者を「発情スライム」のいる魔力吸収フロアに落とすという厄介なエロトラップであるが、幸助はこれを逆利用した。
・オーガの異常な回復力や身体強化の源が魔力であることに目をつけ、ゲーム内でも最強クラスの魔力量を誇る自身の特性を活かした「魔力の我慢比べ」に持ち込む。
・魔力を吸い取られる空間で、幸助はスライムを投げつけてオーガの目を逸らした。
・恐るべき棍棒の攻撃をストール(第三の手)で楕円形に受け流し続けることで、オーガの魔力と体力を削っていく。

4. 決着

やがて魔力が尽きかけ、回復も追いつかなくなったオーガの動きは目に見えて遅くなる。

・反対に、極限の集中状態に入った幸助は思考が加速し、余裕を持って相手の攻撃を受け流せるようになった。
・最後は遠心力をつけた第三の手をオーガの頭に叩き込み、見事に単独でボスを撃破した。

まとめ

この実戦は、まともに戦えば絶対に勝てない格上の強敵に対し、幸助が自身の特異な能力であるストールのエンチャントや魔力量と、トラップを逆利用するゲーム知識をフル活用して勝利を掴み取った、本作における象徴的で熱いバトルとなっている。脇役の立場でありながら、知識と工夫、そして泥臭い防戦の末に格上を打ち破ったこの一戦は、彼が最強への道を歩み出す確かな一歩となった。

世界最強への決意

『マジカル★エクスプローラー』において、主人公である瀧音幸助が「世界最強」を目指すことを固く決意した経緯と、そのロードマップについて解説する。

イレギュラーに発生した邪神教のダンジョンから、メインヒロインであるリュディを命がけで救出したことをきっかけに、彼は自身の進むべき道を明確に定めた。その決意の背景や具体的な目標は以下の通りである。

1. 決意の理由と強い動機

幸助は前世のゲーム知識により、ヒロインたちが将来直面する悲惨な過去、呪い、生贄といった過酷な運命と、そこから分岐するハッピーエンドもバッドエンドもすべて把握している。

・リュディが想定外のタイミングで死の危機に瀕した経験を経て、ゲームの主人公の行動に頼っているだけでは愛するヒロインたちを確実に救うことはできない、と痛感した。
・大好きな彼女たちを不幸な結末から救い出し、全員が笑顔になれるハッピーエンドへ自らの手で導くことを誓う。
・そのために魔王を倒すほどの圧倒的な力が必要になるのならば、俺は世界最強になってやる、と滝に打たれながら強く決意を固めた。

2. 最強へ至るための具体的な目標(ロードマップ)

幸助は、友人キャラとしての立ち位置を完全に放棄し、最強へ至るための段階的な打倒目標を明確に定める。

・第一段階:学園のトップ層である「生徒会」「風紀会」「式部会」の三会メンバー、およびアペンドディスクで追加・強化されたヒロインたちである「アペンド四天王」を超えること。
・第二段階:学園の「三強」と呼ばれる最高峰の実力者たち(水守雪音、生徒会長のモニカ、初代聖女)と肩を並べ、その力を超えること。
・最終段階:魔王すら単独で倒すことができる圧倒的な才能を持った、ゲーム本来の主人公をも超え、真の最強になること。

3. 入学式での最強宣言

この熱い決意を胸に秘めた幸助は、ツクヨミ魔法学園の入学式の日、遅刻して閉ざされた門の前にいた本来の主人公である聖伊織と運命的な出会いを果たす。

・幸助は、ヒロイン全員を救うという自身の目標を必ず達成するという誓いを込めて行動する。
・伊織に向かって、俺の名は瀧音幸助!このツクヨミ魔法学園で最強になる男だ!、と高らかに名乗りを上げた。
・これにより、波乱に満ちた学園生活の幕を開けることとなった。

まとめ

瀧音幸助の世界最強への決意は、大切なヒロインたちを理不尽なバッドエンドから救い出すという切実な願いから生まれたものである。脇役という本来の役割を捨て去り、三会やアペンド四天王、さらにはゲームの主人公すら超えるという明確なロードマップを据えた。入学式における伊織への最強宣言は、彼が与えられたシナリオへの反逆を開始し、自らの手で至高のハッピーエンドを掴み取るための記念碑的な一歩となっている。

エロハプニング

『マジカル★エクスプローラー』において、美少女ゲームの世界に転生したという設定上、ヒロインたちとの間で頻発するお約束の「エロハプニング」について解説する。

主人公がモテない不遇な友人キャラの役割を放棄し、ゲームの主人公にしか許されないような展開に巻き込まれていく、本作の魅力的なコメディ要素の全容は以下の通りである。

1. 共同生活でのハプニング

花邑家での同居生活が始まると、一つ屋根の下ならではのアクシデントが次々と発生する。

・脱衣所での鉢合わせ:幸助が確認せずに脱衣所に入ってしまい、湯上がりの花邑はつみと鉢合わせて強力な魔法を放たれ、土下座で謝罪する羽目になる。また後日、魔力贈与の訓練後には風呂場から出てきたリュディとも鉢合わせた。この時、幸助は開花した「心眼」スキルによってタオル越しに彼女の姿を透視しかけるが、直後に魔法を浴びて気絶し、再び土下座することになる。

・階段での下着事故:花邑家に居候することになったクラリスの引っ越し荷物(着替え)を運んでいた際、階段で足を踏み外した彼女を支えようとする。しかしその拍子に箱から飛び出したクラリスの黒いショーツを顔面に被ってしまい、変態と誤解されてリュディとクラリスの二人から殴られてしまう。

2. 戦闘・ダンジョン攻略でのハプニング

命がけの戦いやダンジョンの探索中であっても、ゲームの仕様や不慮の事故によるハプニングは避けられない。

・救出劇直後の事故:花邑ホテルでテロ事件に巻き込まれたリュディとクラリスを命懸けで救出した直後、幸助は床に落ちていた皿を踏んで盛大に転倒する。その際、偶然にもリュディの胸とクラリスの尻を両手で同時に揉んでしまい、女性陣から悲鳴を上げられながら一目散に逃げ出すという事故を起こす。

・エロトラップの逆利用:ダンジョンで格上のボス「無情のオーガ」と遭遇した際、幸助はあえて罠の宝箱を起動して自ら落とし穴に落ちる。落ちた先は魔力を強制吸収されるうえに、女性をエッチな気分にさせる「発情スライム」が蠢くフロアであった。男性にはスライムの催淫効果がないことを利用し、幸助はこの空間を丸ごと逆利用して、オーガとの魔力我慢比べに持ち込んで勝利した。

・機能停止イベントの工炉:ダンジョン「諸行無常の御館」の機能を停止させるエネルギー炉(通称:工炉)を止める条件が、「露出度の高い水着に着替え、指定されたエッチなポーズをとる」というものであった。さらに、時間経過で「エッチな気分になるガス」が噴射されるという設定があり、同行していたリュディと水守雪音が水着姿で過激なポーズを取らされるという大ハプニングへと発展した。

まとめ

本作における数々のエロハプニングは、シリアスな世界観や激しい戦闘描写の合間に絶妙な緩急をつける重要な要素となっている。脱衣所でのアクシデントやダンジョン固有の理不尽なトラップは、幸助とヒロインたちの距離を縮める潤滑油であると同時に、彼が本来の友人キャラという枠組みを超えて物語の中心へと引きずり込まれていく様をコミカルに描き出している。

マジエク まとめ
マジエク 2巻レビュー

登場キャラクター

ツクヨミ魔法学園

瀧音幸助

エロゲの不遇な友人キャラクターに転生した少年である。両親を亡くして天涯孤独となり、花邑毬乃の後見を受けて花邑家に同居する。ゲームの知識を活用し、ヒロインたちをハッピーエンドへ導くために世界最強を目指す。

・所属組織、地位や役職
 ツクヨミ魔法学園の新入生。

・物語内での具体的な行動や成果
 花邑ホテルで裏切りに遭ったリュディヴィーヌとクラリスを救出した。ダンジョン「諸行無常の御館」に突入し、無情のオーガを倒して生還する。水守雪音の指導を受け、心眼スキルを習得した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 世界最高の魔力量と、布を操るエンチャントの適性を持つ。放出系の魔法は苦手としている。

聖伊織

ゲーム「マジカル★エクスプローラー」の本来の主人公に位置づけられる少年である。真面目な性格で、制服を正しく着こなす平凡な外見を持つ。

・所属組織、地位や役職
 ツクヨミ魔法学園の新入生。

・物語内での具体的な行動や成果
 入学式の日に遅刻し、閉ざされた門の前で途方に暮れていた。そこで瀧音幸助と初めて対面する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 魔王を単独で倒すことができる才能を持つ設定とされている。

花邑毬乃

ツクヨミ魔法学園の学園長であり、瀧音幸助の母の従姉妹にあたる女性である。魔法界の重鎮であり、膨大な資産を持つ。

・所属組織、地位や役職
 ツクヨミ魔法学園の学園長。

・物語内での具体的な行動や成果
 両親を亡くした瀧音幸助を引き取り、生活費や住居を提供した。トレーフル皇国皇帝の提案を受け、リュディヴィーヌとクラリスを花邑家に居候させる手配を行う。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 Sランクモンスターを単独で倒した噂があり、「ツクヨミの魔女」と呼ばれる。年齢を感じさせない外見を保っている。

花邑はつみ

花邑毬乃の娘であり、ツクヨミ魔法学園の教授を務める女性である。瀧音幸助の又従姉にあたり、彼から「はつみ姉さん」と呼ばれる。無口で表情の乏しい性格である。

・所属組織、地位や役職
 ツクヨミ魔法学園の教授。

・物語内での具体的な行動や成果
 瀧音幸助に花邑家の書庫を案内し、空間魔法に関する本を貸した。リュディヴィーヌに詠唱短縮の訓練をつける。洗剤で米を洗うなど、特殊な料理を作って周囲を混乱させる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 亡くなった父親の研究を引き継いでいる。味覚が子供っぽい一面を持つ。

水守雪音

ツクヨミ魔法学園の上級生であり、「三強」の一人に数えられる実力者である。面倒見の良い性格を持つ。

・所属組織、地位や役職
 ツクヨミ魔法学園の風紀会副隊長(副会長職)。

・物語内での具体的な行動や成果
 滝の下で薙刀の修行を行い、瀧音幸助に心眼スキルの習得を指導した。瀧音幸助とともにダンジョン「諸行無常の御館」へ突入する。機能を停止させるため、水着を着て指定のポーズを取る試練に協力した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ゲーム開始時から心眼スキルを保持している。水魔法の使い手ゆえ「水龍姫」と呼ばれる。

モニカ・メルツェーデス・フォン・メビウス

ツクヨミ魔法学園の生徒会長であり、「三強」の一人である。

・所属組織、地位や役職
 ツクヨミ魔法学園の生徒会長。

・物語内での具体的な行動や成果
 イレギュラーで出現したダンジョンの入り口前で、溢れ出るモンスターの対処にあたる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 学園最強クラスの実力者であり、瀧音幸助が越えるべき壁の一つとして認識されている。

姫宮紫苑

ツクヨミ魔法学園の式部会に所属する生徒である。

・所属組織、地位や役職
 ツクヨミ魔法学園の式部大輔。

・物語内での具体的な行動や成果
 モニカとともに、ダンジョンから溢れるモンスターの討伐を行う。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 和服を着て扇子を武器に戦うスタイルを持つ。

三強

ツクヨミ魔法学園の頂点に立つ最高峰の実力者たちである。水守雪音、モニカ、初代聖女の三名を指す。

・所属組織、地位や役職
 ツクヨミ魔法学園の実力者トップ3。

・物語内での具体的な行動や成果
 本編内で集団としての直接的な行動は描かれない。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 瀧音幸助が最強に至るために超えるべき目標として定められている。

生徒会

ツクヨミ魔法学園の最高権力組織「三会」の一つである。

・所属組織、地位や役職
 ツクヨミ魔法学園の生徒組織。

・物語内での具体的な行動や成果
 本編内で組織としての具体的な活動は描かれていない。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 学園の権力を握るエリート集団である。

風紀会

ツクヨミ魔法学園の最高権力組織「三会」の一つである。

・所属組織、地位や役職
 ツクヨミ魔法学園の生徒組織。

・物語内での具体的な行動や成果
 入学式当日に新入生の案内を担当する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 水守雪音が副会長職(副隊長)を務めている。

式部会

ツクヨミ魔法学園の最高権力組織「三会」の一つである。

・所属組織、地位や役職
 ツクヨミ魔法学園の生徒組織。

・物語内での具体的な行動や成果
 本編内で組織としての具体的な活動は描かれない。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 姫宮紫苑が所属している。

MMM(モニカ様マジモニカ)

ツクヨミ魔法学園の生徒会長であるモニカ・メルツェーデス・フォン・メビウスを支持する親衛隊である。彼女を熱狂的に応援する生徒たちによって構成される。

・所属組織、地位や役職  ツクヨミ魔法学園の生徒たちによるファンクラブ。

・物語内での具体的な行動や成果  組織としての具体的な個別行動は明記されていない。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  学園内で巨大な派閥を形成し、生徒間の世論に大きな影響力を持つ。

SSS(ステファーニア様すごくステファーニア)

風紀会長であり現聖女でもあるステファーニア・スカリオーネを支持する聖騎士隊だ。生徒会支持層に並ぶ大規模な集団として活動を行う。

・所属組織、地位や役職  ツクヨミ魔法学園の生徒たちによるファンクラブ組織。

・物語内での具体的な行動や成果  本編内で集団としての直接的な活動は描かれていない。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  学園内で確固たる勢力を築き、権力層を支持する代表的な派閥の一つとして機能している。

LLL

エルフの皇女であるリュディヴィーヌ・マリー=アンジュ・ド・ラ・トレーフルを支持する近衛騎士隊である。彼女の美貌や風属性の魔法を称賛する者たちで結成された。

・所属組織、地位や役職  ツクヨミ魔法学園の新興ファンクラブ。

・物語内での具体的な行動や成果  リュディヴィーヌと親しく接する瀧音幸助へ嫉妬の目を向けた。風紀を乱す存在として、彼を学園から追い出すべきだと主張する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  新勢力でありながら破竹の勢いで規模を拡大させた。生徒間の派閥争いや対立を生む新たな火種となっている。

トレーフル皇国

リュディヴィーヌ・マリー=アンジュ・ド・ラ・トレーフル

トレーフル皇国皇帝の次女であり、メインヒロインの一人に数えられる少女である。花邑毬乃を崇拝している。

・所属組織、地位や役職
 トレーフル皇国の皇族。ツクヨミ魔法学園の新入生。

・物語内での具体的な行動や成果
 花邑ホテルで裏切りに遭い、瀧音幸助に救助される。ダンジョン「諸行無常の御館」に巻き込まれ、瀧音幸助とともに無情のオーガと戦った。機能を停止させるため、水着を着て指定のポーズを取る試練に協力する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 遠距離火力に特化した魔法使いである。花邑家にクラリスとともに居候することになる。

クラリス

リュディヴィーヌに仕えるエルフのメイドであり、彼女の護衛を務める。

・所属組織、地位や役職
 トレーフル皇国のメイド。

・物語内での具体的な行動や成果
 花邑ホテルでオーレリアンに裏切られ暴行を受けるが、瀧音幸助に救出される。瀧音幸助に組み手や隠密スキルの指導を行った。花邑はつみの料理を食べて倒れる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 剣と弓を習い、魔法剣と盾魔法を使う戦闘スタイルを持つ。

トレーフル皇国皇帝

リュディヴィーヌの父親であり、トレーフル皇国を治める君主である。

・所属組織、地位や役職
 トレーフル皇国の皇帝。

・物語内での具体的な行動や成果
 花邑毬乃宛に手紙を送り、瀧音幸助への感謝や学園内のスパイの存在を伝えた。リュディヴィーヌとクラリスを花邑家に居候させる提案を行う。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 政治に敏腕でありながら、末娘のリュディヴィーヌを深く溺愛している。

邪神教・敵対組織

オーレリアン

リュディヴィーヌの側近であったが、敵側に寝返ったエルフの男性である。

・所属組織、地位や役職
 リュディヴィーヌの元護衛。邪神教側の内通者。

・物語内での具体的な行動や成果
 花邑ホテルでリュディヴィーヌを裏切り、クラリスを踏みつける暴行を加える。瀧音幸助の第四の手で顔を殴られ、吹き飛ばされた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 リュディヴィーヌに長年仕えていたが、初めから裏切るつもりであった。

スキンヘッドの男

オーレリアンらとともにリュディヴィーヌを追い詰めたテロの実行犯である。

・所属組織、地位や役職
 邪神教と関連する組織の構成員。

・物語内での具体的な行動や成果
 リュディヴィーヌたちに異形の銃を突きつけ、降伏を迫った。瀧音幸助にテーブルを投げつけられ、攻撃を受ける。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 リュディヴィーヌたちを殺害する前に弄ぼうとする残忍な性格を見せる。

邪神教信者

ダンジョンの復活を企む狂信的な集団である。

・所属組織、地位や役職
 邪神教の信者。

・物語内での具体的な行動や成果
 町に魔法陣を発生させ、ダンジョン「諸行無常の御館」を出現させた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 邪神召喚の魔法と勘違いして、ダンジョン復活の魔法を使用した。

マジエク まとめ
マジエク 2巻レビュー

展開まとめ

一章 プロローグ

親のいない家庭と異常な日常

エロゲでは、中心となる少年の親が家にいないことが多かった。海外出張、一人暮らし、寮生活、死亡など理由はさまざまだが、親が不在の家に世話焼きな美少女の妹がいることも珍しくなかった。女装して女子校に通っても正体がばれず、水泳の授業すら幽霊の代理出席で乗り切るような展開もあった。一方で、体育では外れなかったウィッグが、ヒロインとの小競り合いでは簡単に外れるなど、都合のよい場面で露見することもあった。

常識を外れた美少女たち

中心となる少年の周囲には、美人の妹や義妹、朝起こしに来る幼なじみ、才色兼備の生徒会長、幼く見える教師などが集まっていた。彼女たちは、少し優しいだけの少年へ好意を向けていた。ヒロイン側にも、現実なら引かれる口癖、格闘家並みの戦闘力、年齢に見合わない外見など、常識外れの要素が多かった。それでもゲーム開始時に登場人物は全員十八歳以上と表示されるため、プレイヤーは安心できるとされていた。

息子と娘の交換

あるゲームでは、男だけの家の父親が娘を欲しがり、女だけの家の母親が息子を欲しがっていた。親たちは考え抜いた末、息子と娘を交換するという案にたどり着いた。その結果、交換された少年はいきなりハーレム状態になった。一般人には理解しがたい展開でも、エロゲでは成立するものとして扱われていた。

鏡に映った瀧音幸助

語り手は鏡に映る自分を見て、見た目が自分ではないことに気づいた。その顔は中心となる少年ではなく、横で騒ぐモテない友人役の瀧音幸助だった。エロゲの友人役は不遇であり、奇行を繰り返してヒロインから嫌われたり、恋愛の仲を取り持つために奔走したりすることが多かった。語り手は、自分がその立場になったことを悟り、その場で膝をついた。

不遇な友人役の性能

瀧音幸助が登場する『マジカル★エクスプローラー』は、学園生活を送りながらダンジョンで戦い、自分や仲間を強化する戦闘シミュレーションゲームであった。武器防具や魔道具の製作、商店経営、恋愛要素も存在したが、美人で実力のあるヒロインたちは中心となる少年にばかり絡んでいた。瀧音幸助は女性を紹介するだけの三枚目であり、恋愛相手も用意されず、むしろ嫌われる立場であった。戦闘能力も悪くはなかったが、扱いが難しく専用武器もないため、終盤では多くのプレイヤーが外す存在であった。

魔法世界での目覚め

語り手はマフラーを外して確認し、自分が瀧音幸助であると認めざるを得なかった。理由も戻る方法も分からなかったため、まず今後の生活を考えることにした。そこは魔法と機械技術が融合した『マジカル★エクスプローラー』の世界であり、エルフ、獣人、ドワーフも存在していた。瀧音幸助にはツクヨミ魔法学園への入学案内が届いており、語り手は自分も魔法を使えるのではないかと考えた。

初めてのライト

語り手は教科書やノートを調べ、瀧音幸助の学力が高くないことを知った。しかし一年ほど前から落書きが消え、魔法式や魔法陣の書き込みが増えていた。さらに『サルでもわかる魔法』を読み、生物や大気中に魔力が存在し、それを使って魔法を起こす仕組みを知った。語り手が灯りの魔法ライトを唱えると、目の前に光源が浮かんだ。熱もひももない光は、魔力の供給を止めると消えた。語り手は初歩の魔法であっても、魔法のない世界から来た者として強く感動した。

広がる冒険への欲求

ライトを使えたことで、語り手は攻撃魔法、防御魔法、回復魔法、補助魔法なども使ってみたいと考えた。さらに、この世界には洞窟、島、湖、水晶、遺跡、忍者屋敷、草原、渓谷、火山、雪原など数多くのダンジョンがあった。魔力や魔石で動く道具、人類未到達の大陸中心部、天空城、地底の大迷宮、海底の宮殿、巨大な世界樹、異種族との交流にも興味が広がっていった。

最強への決意

語り手は、自由に冒険するためには強くならなければならないと考えた。瀧音幸助には弱点がある一方で、使いこなせば強くなれる特殊なスキルがあり、語り手にはゲームの知識もあった。必要な装備、魔法具、財宝、スキルの入手先も知っていたため、最強を目指す材料はそろっていた。語り手は、ここで生きるなら自分を鍛え、強者たちを超え、行きたい場所へ自由に行ってこの世界を満喫しようと決意した。

二章 友人キャラのピーキー能力

さて、世界を楽しもう

瀧音幸助の過酷な現実

瀧音幸助は、両親を一年前に亡くし、父方の祖父もすでに他界していた。母方の親戚とは縁が切れ、唯一頼れそうな血縁も認知症によって保護者の責任を負えない状態であった。瀧音幸助の身体に入った男は、あまりに重い境遇と、ゲーム内のお調子者の姿が結びつかず困惑していた。

玄関先の花邑毬乃

途方に暮れる瀧音幸助のもとへ、ツクヨミ魔法学園の学園長である花邑毬乃が訪ねてきた。毬乃は高級店で食事をしながら、魔法使い保護法によって自分に親権が移ったと告げた。瀧音幸助は、毬乃が母の従姉妹であり、学費や生活費も負担してくれる後見人になったことを知った。

花邑家への誘い

毬乃は瀧音幸助を学園寮ではなく、自分の持ち家に住まわせたいと考えていた。瀧音幸助は、ゲーム内では寮に住んでいたことや、毬乃の娘である花邑はつみへの影響を気にした。しかし毬乃は娘の了承も得ていると話し、寮に入るか花邑家に住むかを二週間以内に選んでほしいと伝えた。

スマホと魔族の記憶

瀧音幸助は連絡手段を持っていなかったため、毬乃に連れられてスマホを買うことになった。毬乃は、瀧音幸助の両親が魔族に殺される直前に電話が来ており、それが彼のトラウマになっていると察していた。瀧音幸助の身体に入った男は、その不幸の重さに驚きながらも、スマホを持つことを受け入れた。

一週間分の生活費

毬乃は仕事へ向かう前に、瀧音幸助へ一週間分の生活費として大金を残していった。その額は普通の生活では使い切れないほどであり、瀧音幸助は毬乃の金銭感覚に驚いた。一方で、その金と毬乃の後ろ盾が自分を強化する追い風になると考え、現状確認と計画作りを始めた。

魔法の検証

瀧音幸助は『サルでもわかる魔法』を読み、魔力を増やす方法や魔法の常識を確認した。庭でいくつかの魔法を試すと、放出系魔法への適性が低いことが分かった。ウォーターガンは速度も威力も乏しく、瀧音幸助は身体強化や付与魔法を伸ばすべきだと考えた。

マフラーとエンチャント

瀧音幸助は、自分の長所を生かす装備としてマフラーに注目した。身体強化を使って走りながらマフラーへ魔力を流すと、マフラーは硬化し、第三の手と第四の手のように扱える可能性を示した。瀧音幸助は、この力が接近戦を支える必須の能力になると考え、ランニングと魔力付与の練習を続けた。

赤いアラクネの布

瀧音幸助は魔法具総合商店で長いストールを探したが、四メートルの品は見つからなかった。代わりに、魔物の糸を使った赤い生地を購入し、首に巻いて魔力を通した。アラクネの糸は魔力の通りが良かったが、長さと面積のせいで扱いは難しく、瀧音幸助は訓練の必要を感じた。

第三の手と第四の手の訓練

瀧音幸助は赤い布を首に巻き、走りながら魔力を循環させて動かす練習を重ねた。右側と左側の布を別々に動かし、両手両足と合わせて攻撃できるようにすることを目標にした。入学前、できれば花邑家へ移る前に、この能力に慣れておく必要があった。

毬乃の助言

数日後、仕事を終えた毬乃が瀧音幸助を訪ねてきた。彼女は布に込められた魔力と付与の力を見て、瀧音幸助の魔力量とエンチャントの適性を異常だと評した。瀧音幸助が布を盾のように広げると、毬乃は衝撃を受け流すために円形にした方がよいと助言した。

魔動車の講義

花邑家へ向かう道中、瀧音幸助は毬乃から魔法について教わった。常時魔力付与は魔力量を増やす効果があるが、普通の魔法使いではすぐに魔力切れを起こす方法であった。毬乃は瀧音幸助を努力家だと心配したが、瀧音幸助は魔法が楽しいだけだと答えた。

魔法具店の瀧音幸助

毬乃の用事で五時間待つことになった瀧音幸助は、多民族が行き交う町を歩いた。魔法発動媒体専門店で杖や本型媒体、腕輪や指輪などを眺めながら、瀧音幸助に合う装備を考えた。彼は接近戦型であり、防御特化にすれば強い一方、ゲームでは可愛い防御役に役割を奪われ、魔法具開発に回されがちな不遇さもあった。

花邑ホテル前の爆発

瀧音幸助は毬乃との集合場所である花邑ホテルへ向かい、花邑家の資産と影響力の大きさを実感した。時間をつぶそうとした瞬間、近くの飲食店が爆発し、周囲は黒煙と悲鳴で混乱した。瀧音幸助は逃げる人々の中で、無表情の男がホテルへ入っていくのを見つけ、後を追った。

裏切られたリュディ

ホテル内の大部屋では、リュディヴィーヌ・マリー=アンジュ・ド・ラ・トレーフルが、部下だった者たちに囲まれていた。リュディはクラリスとオーレリアンに守られているように見えたが、オーレリアンも裏切り者であり、クラリスを踏みつけてリュディを絶望させた。瀧音幸助は、この場面がリュディの男性嫌悪につながる過去なのだと理解した。

飛び出した瀧音幸助

瀧音幸助は、助ければ展開が変わることも、自分に実戦経験がないことも理解していた。しかし、リュディが涙を流す姿を見て、見捨てる選択肢を失った。顔をマフラーで隠し、身体強化とエンチャントを施すと、テーブルを投げつけて敵を吹き飛ばし、クラリスとリュディを救い出した。

ストールの盾

瀧音幸助はストールを広げて硬化させ、リュディとクラリスを銃弾から守った。ストールは防御力を発揮したが、覆うように広げると前が見えない欠点があった。防御を続けるだけでは魔力が尽きるため、瀧音幸助はクラリスに防御魔法を頼み、リュディには目くらましの魔法を使わせる策を立てた。

閃光の反撃

瀧音幸助はリュディに盾魔法を使うふりをさせ、実際には閃光で隙を作らせた。敵がリュディを狙うと読んだ通りに動いたため、瀧音幸助は第三の手と第四の手で敵を殴り飛ばし、銃弾を防ぎながら制圧した。最後はテーブルクロスに魔力を込め、敵たちをまとめて固定した。

逃げ出した瀧音幸助

戦いの後、瀧音幸助はスカートを破られたリュディに気づき、ストールを渡そうとした。しかし足元の皿で滑り、倒れ込んだ拍子にリュディの胸とクラリスの尻を掴んでしまった。瀧音幸助は二人の悲鳴を聞くと、慌てて謝罪し、その場から一目散に逃げ出した。

三章 こんにちは花邑家

トイレでの混乱

瀧音幸助は、リュディ達を助けた後の記憶が抜け落ち、気づけばトイレの便座に座っていた。彼は逃げ際にリュディの胸とクラリスの尻を触ってしまったことを思い返し、助けたことに後悔はなかったものの、ゲームの流れを大きく変えた可能性に不安を抱いた。

変わり始めたシナリオ

瀧音幸助は、リュディを本来助けるはずだった花邑毬乃の役割を自分が奪ったことで、彼女の入学や今後の展開に影響が出るかもしれないと考えた。しかし過ぎたことは戻せないため、彼は今回の戦闘で見えた弱点への対策を優先した。特に、ストールで守ると視界が塞がることと、遠距離攻撃への弱さを課題として意識した。

壊れたスマホ

瀧音幸助は毬乃との集合時間を確認しようとしたが、買ってもらったばかりのスマホは画面にひびが入り、反応しなくなっていた。その後、ホテルスタッフの助けで毬乃と合流した彼は、爆発現場の近くにいたことだけを話し、ホテル内での戦闘については詳しく話さなかった。

毬乃の叱責と称賛

毬乃は、ホテルでテロがあり、実行犯の一人がまだ見つかっていないと告げた。瀧音幸助が現場にいたことも把握しており、危険に首を突っ込んだことを叱りながらも、リュディを助けた行動を立派だったと褒めた。さらに毬乃は、リュディがトレーフル皇国皇帝の次女であり、瀧音幸助に礼を言いたがっていると伝えた。

近づくリュディとの再会

瀧音幸助は、リュディが同じ学園へ入学する予定だと聞かされ、事故とはいえ彼女の下着を見て体に触れてしまったことを思い返して動揺した。さらに毬乃から、近いうちにリュディ達が家へ来ると知らされ、彼は対応策を考えなければならなくなった。

花邑はつみとの対面

瀧音幸助は花邑家で、毬乃の娘である花邑はつみと二人きりになった。無口で表情の乏しいはつみとの距離感に戸惑いながらも、彼は花邑家の環境を利用すべきだと考え、空間魔法に関する本を貸してほしいと頼んだ。はつみは彼を書庫へ案内し、重要な研究資料は別にあると告げた。

書庫の時間

瀧音幸助は書庫で魔法書を読みながら、第三の手と第四の手でページをめくる練習をした。はつみは途中で荷物を持ち込み、コーヒーを淹れてくれたうえ、その場で仕事を始めた。瀧音幸助は彼女の行動の意図を測りかねながらも、コーヒーを味わい、読書と魔力操作を続けた。

はつみとの昼食

昼過ぎ、はつみは瀧音幸助を近くのカフェへ連れていった。彼は学園の雰囲気や授業について尋ね、順位や習得度によって追加授業を受けられる仕組みを知った。ただし、瀧音幸助は自分が多くの魔法をうまく扱えない体質だと説明し、代わりにその体質について相談したいと頼んだ。はつみはそれを受け入れ、瀧音幸助は彼女が悪い人ではないと感じた。

滝へのランニング

瀧音幸助は、花邑家に住む利点として、毬乃の所有地にある滝へ行けることを知った。毬乃に許可を取り、はつみに外出を告げると、彼はランニングを兼ねて滝へ向かった。林を抜けた先にあった滝は美しく、滝の裏から見える水の幕と緑の景色に、瀧音幸助は言葉を失った。

水守雪音の薙刀

滝の裏には、水守雪音が薙刀を振るっていた。瀧音幸助は、彼女が自分が最も会いたかった人物であり、マジエク三強の一人であることを理解していた。雪音の動きは目で追えないほど速く、美しく鋭い薙刀の型は、瀧音幸助に憧れと嫉妬を抱かせた。

燃え上がる鍛錬欲

瀧音幸助は雪音の強さに触発され、滝の裏を離れて山を駆け上がった。彼は、あれほど美しく武器を振るいたい、あれ以上に強くなりたいという衝動に突き動かされ、魔力を循環させながら走り続けた。日が沈みかける頃、彼は雪音の速さに対抗するため、目や反射神経を鍛える必要があると考えながら花邑家へ戻った。

脱衣場の鉢合わせ

瀧音幸助は汗を流すため風呂へ向かったが、考え事をしたまま脱衣場へ入り、湯上がりのはつみと鉢合わせた。慌てて扉を閉めたものの、自分も裸であることに気づき、さらに帰宅していた毬乃にも見られてしまった。直後、下着姿で出てきたはつみに魔法を放たれ、瀧音幸助は初めて土下座することになった。

花邑家の夕食

はつみに謝罪した瀧音幸助は、許された後に三人で夕食を取った。毬乃の料理は想像以上に美味しく、ハンバーグやスープなど、はつみの好物が並んでいた。瀧音幸助は、はつみが子供っぽい味覚を持っていることを知り、彼女におすすめの店へ連れて行ってほしいと頼んだ。

明日の来客

夕食中、毬乃は翌日にリュディが家へ来ると軽く告げた。瀧音幸助は、まだ謝罪の方法も考えていなかったため、部屋で一人頭を抱えた。相手が皇帝の次女であることを踏まえ、彼はまず土下座して非礼を詫びるしかないと考えた。

はつみ姉さん

対応策を考えていた瀧音幸助の部屋に、はつみが訪ねてきた。彼女は瀧音幸助が毬乃と親しげにしていることから、熟女が好きなのか、新しい父になるつもりなのかと尋ねた。瀧音幸助は否定し、毬乃から敬語を禁じられているだけだと説明した。はつみは自分にも敬語はいらないと言い、瀧音幸助は彼女をはつみ姉さんと呼ぶことになった。

四章 エルフの国からごきげんよう

リュディ来訪と花邑家の歓迎会

晴天の朝

瀧音幸助は、リュディが来ない理由を期待していたが、空は晴れていた。彼は窓を開けて春風を入れ、着替えてランニングへ向かった。町中ではなく滝近くの林を走ることにし、途中で薙刀を振るう水守雪音を見かけた。瀧音幸助は彼女の凛々しい姿にやる気を刺激され、目的地へ向かって走り続けた。

はつみ姉さんの寝起き

ランニングを終えて帰宅した瀧音幸助は、浴室へ向かう前に忘れずノックをした。その後、朝食を作る花邑毬乃から、花邑はつみを起こすよう頼まれた。瀧音幸助は部屋に入り、眠っているはつみを起こしたが、寝ぼけた彼女が服を脱ぎかけたため、慌てて背を向けて部屋を出た。

リュディヴィーヌの来訪

瀧音幸助が対策を考える間もなく、リュディヴィーヌ・マリー=アンジュ・ド・ラ・トレーフルとクラリスが花邑家を訪れた。リュディは瀧音幸助に礼を述べ、クラリスも頭を下げた。瀧音幸助は事故の件を謝ろうとしたが、リュディは謝罪を受け入れ、その話を終わらせた。

邪神教と花邑家

リュディは、自分を狙った事件にトレーフル皇国の一部と邪神教が関わっていると報告した。クラリスは、花邑一族も以前から邪神教に目を付けられており、リュディを助けた瀧音幸助も排除対象になった可能性が高いと説明した。瀧音幸助は、自分まで狙われる立場になったことを知って動揺した。

皇帝からの手紙

クラリスは、トレーフル皇国皇帝からの封筒を花邑毬乃へ渡した。封筒から出てきた手紙には、リュディを助けた瀧音幸助への感謝と、学園内にスパイがいる可能性への警告が書かれていた。一方で、末娘への溺愛も長々と綴られており、瀧音幸助は皇帝の文章に呆れつつ、国の行く末まで心配した。

学園内のスパイ

花邑毬乃は、学園内にスパイがいる可能性を重く受け止めた。瀧音幸助も、花邑家のホテルでテロを起こす相手であれば警戒すべきだと考えた。クラリスは、今後とくに狙われる人物としてリュディと瀧音幸助の名を挙げ、二人を守る必要があると説明した。

居候の提案

リュディとクラリスを花邑家に住まわせる案が出され、瀧音幸助は驚いた。邪神教から守るためには合理的だったが、年頃の女性と同居する展開に強い抵抗を覚えた。はつみは知らない人物の長期滞在に反対したが、面識のあるクラリスだけが常駐する案なら受け入れた。

ずれた歓迎会

瀧音幸助は、同居の危うさや世間体を毬乃が理解してくれると期待した。しかし毬乃は歓迎会の準備だと受け取り、はつみもケーキの美味しい店を知っていると言い出した。瀧音幸助は、自分の懸念が二人にまったく伝わっていないことに愕然とした。

五章 水守雪音は女神である

水守雪音との並走と心眼修行

水守雪音との朝のランニング

瀧音幸助は、リュディ達の居候という信じがたい状況に続き、水守雪音が隣を走っている現実にも困惑していた。彼はここ数日、雪音の修行風景を見てやる気を得ていたが、その結果として彼女と並走することになった理由は分からなかった。ランニング後、瀧音幸助は第三の手と第四の手を使った攻撃練習や防御練習を行い、雪音も薙刀を振るっていた。

ストールの椅子

訓練を終えた瀧音幸助は、疲労に耐えながらストールを椅子のように変形させて座った。雪音はそのストールに興味を示し、瀧音幸助はもう一人分の座面を作った。雪音はストールの感触や魔力量に驚き、瀧音幸助が学園の新入生であることを知ると、自分も水守雪音と名乗り、風紀会副会長職の副隊長であると告げた。

放出系魔法の弱点

瀧音幸助は、自分が特殊体質で放出系魔法をうまく扱えないことを雪音に説明した。彼は火の玉を飛ばして威力の低さを見せ、代わりにエンチャントへ特化していると語った。雪音はその体質が魔法使いとして大きなハンデになり得ると察したが、瀧音幸助はその不利さを燃える要素として受け止め、応用の広い力で強敵を攻略したいと考えていた。

学園の頂点

瀧音幸助は、いずれ学園の頂点に立ちたいと雪音に話した。強大な壁があることは理解していたが、自分にはまだ試していない可能性が残っていた。雪音はその目標を良いものだと認めた。瀧音幸助は、雪音が抱える悩みや覚醒に関わる出来事を知っていたため、彼女にも本来の力を発揮してほしいと考えていた。

私有地の修行場所

雪音は、滝周辺が私有地であるため利用許可を取ろうとした。瀧音幸助は、母の従姉妹が花邑毬乃であり、自分が世話になっていると説明した。雪音は驚きながらも納得し、改めて同じ場所を使ってもよいか瀧音幸助に尋ねた。瀧音幸助は、雪音の修行姿は景観を損なうどころか美しさを増しているとして、使用を歓迎した。

心眼修行の頼み

雪音が帰ろうとしたところで、瀧音幸助は稽古をつけてほしいと頼んだ。目的は、心眼スキルを覚えることだった。瀧音幸助は、ストールで防御すると視界が塞がる弱点を心眼で補えると考えていた。雪音は頼みを聞き入れ、瀧音幸助は彼女の面倒見の良さに感謝した。

滝行の稽古

雪音の指導は、滝に打たれながら座禅を組み、魔力を活性化させて周囲へ広げるものだった。瀧音幸助は冷たい水に震えながら言われた通りに試したが、うまく感知することはできなかった。雪音は、慣れれば目を閉じたまま相手の位置や魔力の動きまで分かるようになり、極めれば透視や未来視に近いこともできると説明した。

届かない心眼

瀧音幸助は、心眼が命中率や回避に関わる重要な力であり、自分には必須のスキルだと理解していた。しかし一時間ほど瞑想しても習得の兆しはなく、自分の前提が間違っているのではないかと疑い始めた。水守雪音は、そんなに早くスキルを習得できるわけがないと指摘し、焦らず足を止めずに進めばよいと諭した。

流れ続ける川

瀧音幸助は、雪音の言葉に彼女自身の事情が重なっていると感じ、何かを言いかけたが飲み込んだ。雪音は川を見つめ、瀧音幸助も透き通った水の流れを見た。小さな葉は流れに乗って進んでいたが、大きな石に引っかかると動かなくなっていた。

六章 花邑家での大騒動

リュディとクラリスの居候生活

花邑家を埋める引っ越し荷物

花邑家には、リュディとクラリスの荷物が大量に運び込まれていた。瀧音幸助は、荷物整理をするクラリスの前で考え事をしていたが、彼女の衣類箱の近くにいたため誤解されかけた。彼は話をそらすようにスキル習得について相談し、クラリスから、強く欲したときにスキルが発現しやすいという話を聞いた。

クラリスの荷物運び

瀧音幸助はクラリスの荷物運びを手伝うことにした。だが、箱の中身は表記と違っており、着替えと書かれた箱の中には別の物が入っているらしかった。階段でクラリスが足を踏み外し、瀧音幸助は彼女を支えたが、箱から落ちた黒いショーツを手にしてしまい、リュディとクラリスに誤解されて殴られた。

クラリスの暴走

クラリスは瀧音幸助に迷惑をかけた詫びとして、何でもすると申し出た。瀧音幸助は組み手を頼んだだけだったが、クラリスは別の意味に受け取って混乱し、今すぐ走りに行こうと暴走した。瀧音幸助はリュディを呼ぼうとしたが、現れた花邑はつみは、放っておけば治るとだけ答えた。

はつみの料理

瀧音幸助はクラリスの一件をはつみとリュディに説明していたが、はつみが料理をしていたことを知る。白衣に絵の具のような汚れが付いていたため、瀧音幸助とリュディは危険を察した。はつみが味見を求めようとしたため、二人は買い物を口実にして外へ逃げ出した。

リュディとの夜の買い物

瀧音幸助とリュディは、夜道を歩いてコンビニへ向かった。リュディは庶民的な店に慣れておらず、店内の商品に興味を示した。瀧音幸助はカップラーメンを買い込み、リュディは駄菓子を選んだ。リュディは、家柄のため自由に店へ行く機会が少なかったと話し、瀧音幸助は今後面白い店に連れて行くと約束した。

ポケットの黒い布

帰り道、瀧音幸助はポケットに入っている紐状の物に気づいた。帰宅後に確認すると、それはクラリスの黒いショーツだった。彼はなぜ自分のポケットに入っているのか分からず、返すタイミングも完全に失ったことに動揺した。

花邑家の危険な夕食

夕食の席には、はつみが作った色鮮やかすぎる料理が並んでいた。毬乃もリュディも危険を察し、瀧音幸助に先に食べるよう目で訴えた。瀧音幸助は謎の料理を口にし、意識が遠のきかけたが、リュディに脚をつねられて現実へ戻された。さらに白米も洗剤で洗われており、食卓は完全に危険地帯になっていた。

リュディの逃走

リュディも料理を口にしたが、耐えきれず奇声を上げて部屋を飛び出した。はつみは悲しそうに俯き、瀧音幸助はその顔を見たくなくて、必死に料理を口へ運んだ。その後の記憶は曖昧になり、気づけば自室の机の前で、ノートに色即是空空即是色と書いていた。

カップラーメンの救い

青白い顔のリュディが瀧音幸助の部屋を訪れ、生きる意味を問い始めた。空腹の音を聞いた瀧音幸助は、コンビニで買った高めのカップラーメンを作って差し出した。リュディは作り方も知らなかったが、一口食べると涙をこぼし、美味しいと泣きながら食べた。瀧音幸助は、ゲームでは重大な場面でしか見なかった彼女の涙を、カップラーメンで見ることになった。

七章 スキル習得はエロエロに

瀧音幸助の贈与魔法とリュディの願い

水守雪音の休養勧告

瀧音幸助は、花邑はつみの料理で心を削られた翌日、水守雪音と滝の下で合流した。雪音は憔悴した瀧音幸助を見て、今日の訓練は休むよう勧めた。瀧音幸助は訓練しないことに不安を覚えたが、雪音は行き過ぎだと判断し、私服に着替えさせて商店通りへ連れ出した。

商店通りの不審者

瀧音幸助と雪音は、レストランとラーメン屋の前で怪しい変装をした金髪の女性を見つけた。声をかけると逃げようとしたため、瀧音幸助は第三の手で捕まえた。その正体はリュディであり、彼女は一人で店に入るか迷っていたようだった。

三人の甘味時間

瀧音幸助、リュディ、雪音は甘味処に入り、抹茶の菓子を楽しんだ。リュディは変装を見られたことで吹っ切れたのか、雪音にも砕けた口調で接した。三人は学園のダンジョンや入場許可、上級生との同行について話し、瀧音幸助は初回のダンジョン攻略で雪音と一緒になれれば心強いと考えた。

抹茶を分け合う三人

瀧音幸助は抹茶ティラミスや抹茶チョコフォンデュを味わい、雪音とリュディも互いの菓子を分け合った。瀧音幸助は抹茶好きであることを話し、雪音も同じく抹茶に目がないと分かった。甘味を分け合ううちに、三人の空気は自然に和らいでいった。

クラリスとの組み手

瀧音幸助はクラリスから、第三の手と第四の手を体全体で使う攻撃方法を教わった。回転しながら打ち込むことで威力は大きく上がったが、防御面の隙も生じた。クラリスとの模擬戦を通じて、瀧音幸助はまだ修行が必要だと痛感した。

リュディの詠唱短縮

瀧音幸助は、遠距離火力に優れるリュディには詠唱短縮が必要だと考えた。そこで花邑はつみに指導を頼み、リュディも頭を下げた。はつみは学園が始まる前なら教えられると承諾し、リュディは厳しい魔法訓練を受けることになった。

贈与魔法の手がかり

瀧音幸助は書庫で使えそうな魔法書を探し、贈与魔法に目を留めた。クラリスはその魔法を知っており、瀧音幸助なら異常な魔力量を生かして仲間へ魔力を渡せると理解した。瀧音幸助は、リュディのように魔力消費の激しい魔法使いを支えられる可能性を見いだした。

雨の日の魔力贈与

雨で外の訓練に行きづらくなった日、瀧音幸助は詠唱短縮の訓練で疲れ切ったリュディに贈与魔法を試した。彼女の手に触れて魔力を送り始めると、リュディはくすぐったさに耐えられず、顔を赤くしていった。瀧音幸助は出力をすぐに下げられず、手を離そうとして失敗したため、二人は密着したまま大量の魔力をやり取りすることになった。

気まずい沈黙

魔力贈与が終わると、リュディの魔力は回復していたが、二人の間には重い沈黙が残った。リュディは何も言わずに部屋を出て行き、瀧音幸助も集中できないまま魔法練習場へ向かった。彼は体の火照りを冷ますため、シャワーを浴びようと風呂場へ向かった。

風呂場の再会

瀧音幸助が脱衣場に入った瞬間、風呂場の扉が開き、湯上がりのリュディと鉢合わせた。彼女は悲鳴を上げて魔法を放とうとし、瀧音幸助は湯気の向こうの姿を見たいという欲望に駆られた。その瞬間、彼はリュディの姿をぼんやりと捉え、心眼を体得したが、直後に魔法を受けて倒れた。

リュディの条件

リュディは瀧音幸助の部屋に入り、冷たい目で彼を見下ろした。瀧音幸助は土下座して謝罪し、リュディはタオルを巻いていたこともあり、条件付きで許すと告げた。彼女は高貴な身分として人に見られてはいけない姿を見られた責任を取ってほしいと切り出し、瀧音幸助は重大な要求を想像して動揺した。

ラーメンへの欲求

リュディは恥ずかしそうに、自分は一度経験してから虜になり、毎日でも感じたいほど好きになったと語った。瀧音幸助はその言葉に身構えたが、リュディが求めた責任は恋愛でも結婚でもなく、ラーメンを食べたいというものだった。瀧音幸助は、予想外の願いに言葉を失った。

八章 異変

リュディ救出と諸行無常の御館

心眼習得の報告

瀧音幸助は、水守雪音に心眼スキルを得たことを報告した。雪音は自分のことのように喜び、習得方法を尋ねたが、瀧音幸助は美少女の裸を見たい一心で得たとは言えず、雪音のおかげだと答えた。彼は新学期の話題へ切り替え、学園での準備や風紀会の案内について聞いた。

逃げ出した瀧音幸助

雪音は改めて、心眼をどうやって得たのか尋ねた。瀧音幸助は答えに窮し、リュディとラーメンを食べる約束を思い出したと言って走り出した。雪音はすぐに追いつき、話題をそらしていると見抜いたが、その途中で町に大きな地響きが起こった。

町に広がる魔法陣

地面には巨大な魔法陣が描かれ、瀧音幸助は邪神教によるダンジョン復活イベントが起きたのだと察した。本来は学園入学後に起こるはずの出来事であり、瀧音幸助は自分が花邑ホテルで逃がした一人の影響かもしれないと考えた。彼はリュディへ連絡しようとしたが通じず、毬乃へ位置情報を尋ねた。

消えたリュディ

瀧音幸助は、毬乃がリュディの位置を答えず、自分に逃げるよう促していることから、リュディがダンジョンに巻き込まれた可能性を強く疑った。雪音は状況を慎重に見ていたが、瀧音幸助は嫌な予感を訴え、ダンジョンへ同行してほしいと頼んだ。雪音は、止めても一人で行くと判断し、同行を決めた。

諸行無常の御館

瀧音幸助と雪音は、モンスターを圧倒するモニカと姫宮紫苑の横を抜け、正解の魔法陣からダンジョンへ入った。内部は荒れ果てた洋館であり、『諸行無常の御館』と同じ構造をしていた。瀧音幸助はゲーム知識を頼りに道を選び、戦闘を避けながらリュディが転移した可能性のある地点を目指した。

焦る捜索

瀧音幸助は、リュディが現時点の実力ではモンスターや徘徊ボスに勝てないと知っていたため、焦りを募らせた。最初の候補地にも次の候補地にも彼女の姿はなく、雪音はダンジョン内にいない可能性も示した。しかし瀧音幸助は、いないなら笑い話にできるが、いるなら見捨てられないと答え、探索を続けた。

異常なモンスターの群れ

最後の候補地に近づくと、本来モンスターがいないはずの場所に多数の魔物がいた。瀧音幸助は罠で呼び出されたものだと察し、嫌な予感に突き動かされて先行した。彼はクラリスとの訓練で覚えた回転攻撃を使い、バフォムスやヘルハウンドを次々に倒しながら奥へ進んだ。

追跡の足跡

瀧音幸助は壁の埃や足跡から、誰かがこの通路を通ったと判断した。リュディのものらしき足跡に別の丸い足跡が混じっていたため、彼はさらに焦った。雪音の援護を受けながら走り続けた瀧音幸助は、ついにリュディを見つけた。

ヘルハウンドとの遭遇

リュディの前には、火を吐く黒いヘルハウンドが立っていた。瀧音幸助は火炎をストールで受け、水のエンチャントを施しながら横腹を殴りつけた。ヘルハウンドはすでにリュディの攻撃で弱っていたため倒れ、瀧音幸助は傷だらけのリュディを抱きしめ、間に合ったことに安堵した。

無情のオーガ

安心する間もなく、通路の奥から巨大な無情のオーガが現れた。瀧音幸助はリュディに走る準備をさせ、二人で逃げ出した。宝箱のある部屋まで来たところでリュディの体力が限界に近づき、彼女は自分を置いて逃げるよう言ったが、瀧音幸助はそれを拒んだ。

回復する怪物

瀧音幸助はオーガの棍棒をストールで受け流し、リュディも風の刃で援護した。しかしオーガには回復能力があり、傷はすぐに塞がっていった。瀧音幸助は、オーガが自分の体を傷つけるほどの力で攻撃し、魔力で回復していることに気づいた。

エロトラップ

瀧音幸助は、オーガの力の源である魔力を削るため、罠の宝箱がある部屋へ誘導した。リュディを先へ逃がし、自分は宝箱を蹴って落とし穴を発動させた。落下先は魔力を吸収するフロアで、発情スライムがいる罠部屋だった。瀧音幸助は、この場所なら魔力量でオーガに勝てると踏んだ。

魔力の我慢比べ

オーガは魔力を奪われながらも瀧音幸助を倒そうと迫った。瀧音幸助はスライムを投げつけ、楕円形のストールで棍棒を受け流し、隙を突いて攻撃を重ねた。オーガの動きは次第に鈍り、回復も追いつかなくなった。瀧音幸助は心眼によって相手の動きを見切り、最後に頭へ第三の手を叩き込んだ。

リュディの抱擁

オーガが魔素と魔石に変わると、瀧音幸助はようやく勝利を確信した。リュディは青ざめた顔で駆け寄り、瀧音幸助に飛びついて無茶を責めた。彼女は罵りながらも涙声になり、瀧音幸助を強く抱きしめた。瀧音幸助はリュディを守れたことを実感し、彼女からありがとうと告げられ、命をかけてよかったと思った。

九章 エロゲには必ずあるもの

諸行無常の御館の停止

雪音との再会

瀧音幸助とリュディは、水守雪音と合流した。雪音はリュディの泣きはらした顔を見て誤解しかけたが、事情を知ると二人の無事を喜び、瀧音幸助を褒めた後で、自分を置いて先に進んだことを叱った。瀧音幸助は謝罪し、もし雪音が危険な立場でも同じように助けに行くと伝えた。

ダンジョン停止の方法

雪音はリュディ救出を果たしたため脱出を提案したが、瀧音幸助はダンジョンを停止させる方法を知っていると告げた。彼は花邑家の文献で見たことにして説明し、雪音とリュディを連れて奥へ進んだ。行き止まりの壁には魔法陣と黒曜石のような魔石があり、近くには宝箱、台座、幾何学模様の棒が置かれていた。

工炉の仕組み

瀧音幸助は、黒曜石の魔石がダンジョンへ魔力を供給するエネルギー炉であり、邪神教が邪神召喚と誤解して起動させたものだと理解していた。炉を止めるには、特殊な魔力を充填した棒を魔石の穴に差し込む必要があった。しかし、その特殊な魔力を充填する方法が、エッチな水着を着て、表示されるポーズを取るというものだった。

水着と困惑

宝箱には三着の露出度の高い水着が入っていた。瀧音幸助が事情を説明すると、リュディと雪音は顔を真っ赤にして反発した。さらにポーズを間違えたり十秒経過したりすると、エッチな気分になるガスが出ると知り、リュディは強く動揺した。しかし雪音は、瀧音幸助がこの状況で嘘をつくとは思えないと判断し、リュディも渋々従うことにした。

選ばれた水着

リュディと雪音は自分で水着を選べず、瀧音幸助に選ばせた。瀧音幸助は深く悩んだ末、リュディに緑の水着、雪音に白い水着を渡した。二人が着替える間、瀧音幸助は強い欲求を必死に抑え、着替え終えた二人の姿を見て圧倒された。

ポーズの試練

棒を台座に置くと、魔法陣とディスプレイが現れ、指定ポーズが表示された。最初は簡単なポーズだったが、次第に胸や脇、尻を強調するような恥ずかしいポーズへ変わっていった。リュディと雪音は必死に従ったが、時間切れでガスを浴び、顔や体を赤らめながら疲弊していった。

目隠しの心眼

瀧音幸助は、二人が本気で見られたくないと訴えたため、目を閉じてストールで目元を隠した。しかし心眼なら見えるのではないかと思いつき、集中した結果、リュディと雪音が汗だくで抱き合う姿をうっすら捉えた。やがてボーナスポーズが成功し、棒には十分な魔力が溜まった。

三人の停止作業

瀧音幸助は光る棒を回収し、満身創痍のリュディと雪音を支えた。二人は疲労と恥ずかしさで目を合わせられないまま、瀧音幸助の服をつかんでいた。瀧音幸助は三人で棒を差し込もうと提案し、第三の手と第四の手で二人を支えながら、魔石の穴へ棒を差し込んだ。

遅すぎた気づき

棒を差し込むにつれ、魔法陣の光は弱まっていった。瀧音幸助は、手紙を読める人物を連れていれば別の対応もできたことを思い出した。さらに、実は特殊魔力は満タンまで溜める必要がなく、四割ほどで十分だったことに気づいたが、今さらリュディと雪音に言えるはずもなく、その事実を墓まで持って行こうと決めた。

十章 決意

瀧音幸助の最強への決意

リュディ救出の翌日

瀧音幸助は、リュディを助けた件で花邑毬乃に注意されながらも褒められた。心配をかけたことを謝ると、毬乃に抱き寄せられ、夢見心地になった。一方、リュディは学園行きを取りやめず、皇帝からの帰国要請も拒んでいた。

リュディの信頼

リュディは、ここには瀧音幸助がいるから大丈夫だと話していた。瀧音幸助は、自分にできるのは命がけで助けに行くことくらいで、必ず助けられる保証はないと伝えた。するとリュディは赤くなりながら、それで十分だと返し、部屋を出ていった。

滝の下の思索

瀧音幸助はいつもの訓練のため滝へ向かったが、水守雪音はいなかった。滝に打たれながら、彼はリュディが本来なら物語の中で救われるヒロインであったことを考えた。しかし今回、流れが変わったことでリュディは不幸になりかけたため、他のヒロイン達にも同じ危険が及ぶ可能性を意識した。

知っている幸せと不幸

瀧音幸助は、自分がゲームの主人公ではない一方で、数多くのエンディングを知っていると自覚した。だからこそ、ヒロイン達が幸せになる道筋も、不幸になる可能性も分かっていた。彼は、過去や呪い、生贄や自己犠牲によって不幸になるヒロイン達を見過ごせないと考えた。

世界最強への道

瀧音幸助は、ヒロイン達を幸せに導くには、主人公に任せるのではなく自分が動けばよいと結論づけた。そのために魔王を倒せるほどの力が必要なら、世界最強になってやると決意した。瀧音幸助のイベントに縛られず、有益なら利用し、不要なら捨て、好きなように行動すると決めた。

ハッピーエンドの決意

瀧音幸助は、まず三会メンバーやアペンド四天王を超え、次に水守雪音、モニカ、初代聖女という三強を超える力を目標にした。さらに魔王を単独で倒せるマジカル★エクスプローラーの主人公すら超え、すべてのヒロインをハッピーエンドへ導くと、滝の下で決意した。

エピローグ

入学式と聖伊織との出会い

桜並木の入学式

瀧音幸助は、入学式と桜への思いを巡らせながらツクヨミ魔法学園へ向かっていた。数日前には蕾だった桜は満開になっており、本来なら足を止めて眺めたいほど美しかった。しかし瀧音幸助は、登校途中に足を痛めた老人を助けたため、入学式に遅れそうになっていた。

折れた遅刻回避

瀧音幸助は、学園に遅れず到着してゲーム内の初遭遇イベントを回避するつもりだった。しかし老人を見捨てることはできず、結果として入学式の開始時間を過ぎてしまった。彼は毬乃からのメッセージを確認しつつ、フラグを折るつもりだったのに運命のように流れが戻っていることを感じた。

閉ざされた学園の門

瀧音幸助が学園の門に着くと、そこには閉まった門を前に途方に暮れる男子生徒がいた。制服をきっちり着こなし、平凡で少し中性的な顔立ちをしたその生徒を、瀧音幸助はゲームの中心人物である聖伊織だと理解した。瀧音幸助は、ゲーム通りの出会いになったことに苦笑しながら声をかけた。

対照的な新入生

聖伊織は、瀧音幸助の着崩した制服や大きなストールを見て戸惑っていた。瀧音幸助は、自分も新入生だと示し、あえて軽い調子で話しかけた。真面目な聖伊織とチャラく見える瀧音幸助の姿は対照的であり、瀧音幸助はゲーム内の初対面と同じ流れに乗ることを決めた。

最強宣言

瀧音幸助は、聖伊織と出会ったこの場で、ゲームの台詞をなぞりつつ自分の目標を宣言しようとした。それは、マジカル★エクスプローラーのキャラクター達をハッピーエンドへ導くため、自分が至るべき場所でもあった。瀧音幸助は胸を張り、聖伊織へ向かって、ツクヨミ魔法学園で最強になる男だと名乗った。

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