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マジエク 9巻レビュー
物語の概要
■ 作品概要
本作は、エロゲの世界に転生した主人公がゲーム知識を駆使して活躍する学園ファンタジーライトノベルの第8巻である。学園を裏から牛耳る「三会」が隠す秘密を探ろうと、新聞部部長の兎娘アイヴィが暗躍を開始する。しかし、副部長であり邪神教の信者であったラウレッタの裏切りにより、邪神復活の鍵となるアイテム「八咫鏡(やたのかがみ)」の封印が解かれてしまう。主人公の瀧音幸助は、式部会の仲間たちやアイヴィと共に、八咫鏡を求めてダンジョンへ突入する。アイヴィの悲しき過去との決別や、エロゲ特有の過酷で理不尽なダンジョントラップに立ち向かう波乱に満ちた物語である。
■ 主要キャラクター
- 瀧音幸助:ゲーム知識を持つ転生者の主人公である。仲間を守るためなら自らを犠牲にすることもいとわず、強大な敵や理不尽な罠に立ち向かう。その漢気と優しさでトラウマに苦しむアイヴィを救い、最強になることを誓う。
- アイヴィ:新聞部部長で兎族の獣人である。情報収集と忍術に長けている。信頼していたラウレッタに裏切られて過去のトラウマをえぐられるが、幸助に救われて立ち直る。事件後、幸助を生涯の主と定め、彼の忍びとして仕えることを決意する。
- ラウレッタ:新聞部副部長であり、邪神教の信者である。過去の恨みから復讐を企てていたが、学園生活の中で心境が変化しており、完全な悪にはなりきれなかった。事件後はアイヴィたちの友情と幸助の尽力によって救済される。
- ベニート卿:式部会の式部卿である。幸助の実力を高く評価し、三会の秘密を一年生にも開示すべきだと主張する。巨大なゴーレムを生み出すなど、戦闘でも圧倒的な実力を見せる。
- モニカ・メルツェーデス・フォン・メビウス:生徒会長である。三会の秘密を明かすことに慎重であったが、最終的にはツクヨミダンジョン六十層攻略を条件に開示を認める。
- 聖結花:初代聖女の血縁者である。幸助と共に隠しフロアのお化け屋敷に転移してしまい、理不尽で羞恥心を煽る極悪な罠に激しい怒りと絶望を覚える。
- 紫苑:式部会に所属する三年生である。闇魔法と扇子を駆使して戦う実力者だが、隠しフロアの痴女のような巫女服や罠には激しく動揺する。
■ 物語の特徴
本作の最大の特徴は、世界を揺るがす邪神復活というシリアスな本筋と、エロゲ特有の過激で理不尽なコメディ要素の強烈なギャップである。中盤までは、裏切りによる絶望や悲しい過去を乗り越えるアイヴィの熱いドラマや、画獣(麒麟、玄武、朱雀など)との大迫力の戦闘が描かれる。しかし終盤の隠しダンジョンでは一転し、「痴女のような巫女服の着用」「放屁とアヘ顔を誘発する罠」「座薬による回復」といった、乙女の尊厳を破壊する極悪仕様の罠が登場する。このような理不尽な状況下でも仲間を守ろうとする主人公の姿と、事件解決後に結ばれるキャラクター同士の固い絆が、読者に深い感動と笑いをもたらす一冊となっている。
書籍情報
マジカル★エクスプローラー エロゲの友人キャラに転生したけど、ゲーム知識使って自由に生きる8
(英語名:Magical Explorer)
著者:#入栖 氏
イラスト:#神奈月昇 氏
出版社/レーベル:KADOKAWA/角川スニーカー文庫
発売日:2023年4月28日
ISBN:9784041126684
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あらすじ・内容
三会の秘密をすっぱ抜く――新聞部の暗躍で未知なる展開へ!?
「たっきーはぁ会長達からアレの話は聞いたかな?」
“三会は何かを隠している”そう確信する新聞部部長のアイヴィ。瀧音への探りを軽く流された彼女は真相を確かめるべく暗躍するが……瀧音も予想外の邪神復活ルートが始まってしまい!?
実は学園に潜む邪信教徒に騙され、余計な事をしたアイヴィへのお仕置きは早々に、邪神封印の解除アイテム『八咫鏡』争奪のためダンジョンへ挑む瀧音達。攻略のカギはアイヴィの“悲しき過去との決別”だと知る瀧音のとった行動とは──。
「三会の皆はアイヴィさんの味方ですよ。皆は信じられる」
過去に縛られる少女を救い、未知のルートを捻じ曲げろ!
マジカル★エクスプローラー エロゲの友人キャラに転生したけど、ゲーム知識使って自由に生きる8
感想
世界の命運に関わるシリアスな展開と、エロゲらしい突き抜けたギャグが目まぐるしく入れ替わり、最後まで飽きることなく楽しめた一冊である。
まず印象に残ったのは、ツクヨミ魔法学園の裏に隠されていた秘密である。
これまで学園生活を中心に描かれてきた物語だったが、その裏では三会や邪神教が水面下で動き続けていたことが明らかになり、一気に世界の広がりを感じた。
特に胸を締め付けられたのは、新聞部のアイヴィとラウレッタの関係である。
信頼していた相手に裏切られる展開は王道ではあるが、それだけに読んでいて辛い。ラウレッタも最初から悪人だったわけではなく、復讐心に飲み込まれた末に邪神教へ手を染めてしまったことが伝わり、単純に責め切れない複雑さがあった。
そんな彼女を救おうとするアイヴィの姿も印象深い。
復讐ではなく友人を助けたいという思いを選び、幸助の言葉を受けて再び立ち上がる場面には素直に胸が熱くなった。二人の友情が、この巻の大きな見どころだったように思う。
幸助たちが挑むダンジョン攻略も見応えがあった。
朱雀との戦闘は迫力があり、仲間たちが力を合わせて強敵へ挑む流れには王道らしい面白さがある。一人で無双するのではなく、それぞれが役割を果たしながら勝利へ近づいていく展開は読んでいて気持ちが良かった。
しかし、本作で一番笑ったのは、その後の隠しダンジョンである。
転移した先で待っていたのは、かなり際どい巫女服への強制着替えや、罠に掛かるたびにオナラをしてしまうという、とんでもない羞恥トラップだった。
さらにアヘ顔ダブルピースまでセットになっているのだから、「ゲームを作った人は何を考えていたんだ」と思わず笑ってしまう。
そんな理不尽な罠の中でも、幸助は女性陣を守るため、自ら先頭に立って罠を受け続ける。
やっていることは完全にギャグなのに、仲間を守るためなら自分の尊厳まで投げ出す姿には、不思議と格好良さまで感じてしまった。この作品らしい笑いと熱さが同居した場面だったと思う。
そして、ダンジョン攻略の報酬が「相手に強制的にオナラをさせる魔法」という最後までブレない内容だったことにも笑わされた。
ここまで徹底してエロゲらしいネタへ振り切っていると、むしろ清々しさすら感じる。
事件解決後には、幸助がラウレッタを救い、半魔族化の治療まで引き受ける。
敵だった相手まで見捨てない姿勢は、幸助という主人公の大きな魅力である。だからこそ、彼の覚悟や人柄に惹かれたアイヴィが仕えることを決意するラストにも納得できた。
笑える場面では遠慮なく笑わせ、シリアスな場面ではしっかり感情を動かしてくれる。本作らしい魅力が最後まで詰まった、満足度の高い一冊であった。
最後までお読み頂きありがとうございます。
マジエク 7巻レビュー
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考察・解説
三会の真の役割
『マジカル★エクスプローラー』第8巻において明かされる「三会の真の役割」は、ツクヨミ魔法学園における生徒間の対立構造の裏に隠された、学園最大の秘密に関わる重要な要素である。
学園の裏に隠された真実であると同時に、物語を大きく動かし、新たな試練をもたらす引き金となる三会(生徒会・風紀会・式部会)の動向や展開の全容は以下の通りである。
生徒を団結させ実力を底上げする表向きの役割
一般の生徒たちから見ると、三会はそれぞれ独立し対立しているように見えるが、実際には裏で深く結託している。
・とくに式部会は、あえて態度や性格の悪い一般生徒の宿敵を演じ、全校生徒からの悪意や反発心を一身に集める役割を担っている。
・式部会を共通の敵として負の感情を向けさせることで一般生徒を一致団結させ、こいつらには負けないように頑張ろうと努力を促す。
・このように生徒たちの闘争心やモチベーションを煽り、学園全体の実力を底上げすることが彼らの演じている表向きの役割である。
学園が抱える強大な脅威への対処という隠された真の役割
三会が本当に隠している真の役割は、学園が抱える極めて危険な問題(人知を超えた存在や強大な脅威)に対処することである。
・この問題に対応するためには圧倒的な実力者が必要不可欠となる。
・そのため、三会の二、三年生を中心とした一部の強者のみが秘密を共有し、密かに対策を進めていた。
幸助の可能性を巡るベニートとモニカの激しい対立
この秘密を一年生にも明かすかどうかで、式部卿のベニートと生徒会長のモニカは激しく対立し、連携が取りづらくなるほどの喧嘩状態に陥っていた。
・ベニートの主張:規格外の実力を持ち、周囲の生徒たちの力をも引き上げる稀有な力(可能性)を持つ瀧音幸助の存在を理由に、今年だけは一年生にも秘密を共有すべきだと強く主張した。
・モニカの主張:この秘密に関わる事態は過去に大怪我や死傷者を出したほど危険なものであり、まだ実力が伴わない一年生を巻き込むべきではないと猛反対していた。
アイヴィの暗躍と御札の破損が引き起こした八咫鏡事件
三会が重大なことを隠していると確信した新聞部部長のアイヴィは、真実を暴くため、生徒集会で無人となった月宮殿の生徒会室に単独で侵入する。
・彼女は秘密を探る途中で神棚に置かれていた黄金の招き猫の強烈な魅力に抗えず、それに触れたことで誤って封印の御札を破ってしまう。
・この行動が致命的な引き金となり、彼女を裏で利用していた副部長のラウレッタ(邪神教信者)が、神棚に隠されていた巻物を発見した。
・結果として、ラウレッタは邪神復活の鍵となるアイテムである八咫鏡を求めてダンジョンへ侵入し、強力なガーディアンが出現するという未曾有の事態が引き起こされた。
秘密開示のために提示されたツクヨミダンジョン六十層攻略の条件
ダンジョンでの激闘の末に事件が解決した後、モニカはアイヴィやハンゾウの前で、ついに三会の秘密を明かす決断を下す。
・しかし、その条件として提示されたのは、過去に大怪我や死傷者を出したほど危険なツクヨミダンジョン六十層の攻略であった。
・モニカは、この過酷な条件を達成できるだけの実力を持った者にしか、一年生であっても秘密は教えられないという厳格な姿勢を崩さなかった。
人知を超えた真の脅威と最強になるという幸助の覚悟
ゲームの知識を持つ瀧音幸助は、三会が隠している学園の問題の先にあるものをすでに完全に把握していた。
・それは、邪神教や魔族といった世界規模の脅威すらも超える、強力で人知を超えた存在との戦いである。
・幸助は、すべてを捧げて仕えたいと願うアイヴィを自身の忍び(配下)として迎え入れる。
・その際、この強大な存在と戦ってでもヒロインたちを最高のハッピーエンドへ導くために、最強を目指すのではなく最強になるという揺るぎない覚悟を語った。
まとめ
ツクヨミ魔法学園の三会が秘匿してきた真の役割は、生徒の競争心を煽る育成システムを超えた、人知を超えた強大な脅威から世界を守るための防衛線の構築であった。瀧音幸助という規格外の存在の扱いを巡るベニートとモニカの対立や、アイヴィの暗躍から発展した邪神教による八咫鏡事件は、学園の裏に潜む危うさを浮き彫りにした。しかし、過去に死傷者を出したツクヨミダンジョン六十層の攻略という過酷な条件を突きつけられても、ゲーム知識を持つ幸助の決意は揺るがない。アイヴィを配下に加え、最強になるという絶対的な覚悟を抱く幸助の存在こそが、過酷な運命を書き換えてすべてのヒロインを救う真のハッピーエンドをたぐり寄せる鍵となっている。
ななみレンジャー結成
『マジカル★エクスプローラー』第8巻における「ななみレンジャー結成」のエピソードは、主人公・瀧音幸助の専属メイドであるななみが主導する、非常にコミカルでカオスな部隊設立イベントである。
ダークヒーロー部隊を目指した結成の経緯や、面接に集まった強烈な個性を持つ変人たちの詳細、そして困惑の結末にいたる全容は以下の通りである。
メイド部隊に対抗するダークヒーロー部隊の結成とネーミング
ななみは突如、幸助に対して新しく部隊を作ろうと提案した。
・すでに商店街などで活躍しているメイド部隊に対抗するため、縁の下の準最強であるダークヒーロー部隊を作ることが目的であった。
・チーム名は、幸助の名前を加味したと言いながら彼の要素が全く入っていない、ななみレンジャー、に決定される。
・すにななみチャンネルなどを通じてメンバー募集や拠点の準備まで勝手に進められていた。
面接に集結した強烈な個性を持つ応募者たちの詳細
花邑系列のビルで行われた面接には、ななみの厳しい条件をくぐり抜けたとされる、強烈な個性を持つ変人たちが集まった。
・マイケル・ブラウン(デブ):ふくよかな体格の男性で、強力な身体強化と包容力を武器に仲間の盾になると宣言する。幸助の存在しない世界平和論に心打たれて応募してきたと語った。
・童艇寺誠(ハゲ):三十三歳の男性で、強力な中長距離魔法の使い手であるが、魔法を使うごとに髪の毛が抜けてしまうため、なるべく魔法を使いたくないという致命的な悩みを持つ。幸助の世界平和論とされる言葉に救われ、幸助のためならすべての毛を失ってもいいと忠誠を誓う。
・たまちゃん(ロリ):千歳を超える狐耳の獣人である。外見は幼いが、水守雪音が自分でも勝てないかもしれないと評するほどの実力者であり、大天使である桜瑠依の推薦も受けていた。ななみから大絶賛され、即採用となった。
・ロゼッタ(ギャル):盗賊系スキルを一通り扱えるギャルであるが、幸助に対しては敵対的で、ななみと一緒に働きたいという理由だけで応募してきた。結花とも軽く衝突するが、ななみからは好意的に受け入れられる。
・朝山栞(ピザ配達員):面接予定者が来られなくなったため、メイド部隊が勝手にピザを注文し、その配達員を代役として面接会場に通したという、完全な一般人の女子大生である。魔法使いですらないが、料理が得意でスクール水着を持っているという理由でななみから合格をもらう。
あまりのカオスさに頭を抱える幸助たちの疲労と面接の結末
面接を終えたななみは、彼らを素晴らしい人材だと評価し、全員を採用する流れでまとめようとした。
・しかし、幸助と結花は個性が強すぎる面々に強い疲労と不安を抱いた。
・最終的に、幸助がせめて巻き込まれただけの一般人であるピザの人は外してあげて、と切実に懇願する結末を迎えた。
まとめ
ななみレンジャーの結成エピソードは、ななみの突飛な思い付きと行動力が引き起こした、本作の日常パートを象徴するカオスなイベントである。ダークヒーロー部隊という名目のもとに集まったメンバーは、戦闘能力の高さよりも強烈なビジュアルや設定のインパクトが勝る変人ばかりであり、幸助のあずかり知らぬ世界平和論を盾に忠誠を誓う一幕はシュールそのものである。無関係のピザ配達員まで勢いで採用しようとするななみの暴走と、それに振り回されながらも一般人を救おうと常識的なツッコミを入れる幸助の苦労は、メインストーリーのシリアスな戦いとは対照的な、心地よい笑いをもたらしている。
新聞部と邪神教
『マジカル★エクスプローラー』第8巻において描かれる「ラウレッタの裏切りと新聞部を巡る事件」は、学園の裏で暗躍する邪神教の陰謀と、生徒たちの間に芽生えた友情、そして悲痛な葛藤が絡み合う物語の重要な転換点である。
新聞部副部長という立場を利用した予期せぬ裏切りの発端から、復讐心と友情の間で揺れ動いた葛藤の真意、ダンジョン内での悲しき対峙、そして友情による救済にいたる全容は以下の通りである。
生徒会室での封印解除と新聞部副部長ラウレッタの裏切り
新聞部部長であり兎族の獣人であるアイヴィは、三会が重大な秘密を隠していると確信し、生徒集会の隙を突いて月宮殿の生徒会室へ単独で侵入した。
・アイヴィはそこで神棚に置かれていた激レアアイテム、黄金の招き猫(通称:ピカ彦)、の強烈な魅力に抗えずに触れてしまい、誤って神棚の封印の御札を破ってしまう。
・アイヴィから助けを求められて生徒会室に駆けつけた副部長のラウレッタは、神棚から一つの巻物を発見した。
・その巻物は、邪神復活の鍵となる三つの神器の一つ、八咫鏡、を入手するために必要なものであった。
・学園の情報網を握る新聞部副部長のラウレッタの正体は、学園内に潜伏する邪神教の信者であり、彼女はこれを千載一遇の好機と判断する。
・ラウレッタは魔法でアイヴィを眠らせて簀巻きに拘束して生徒会室に置き去りにし、別の計画のために集めていた信者たちを引き連れてツクヨミ学園ダンジョンへと侵入した。
復讐心から始まった邪神教への加担と誰も殺したくないという葛藤
ラウレッタが邪神教に加担していた発端は、かつて自身の家族を破滅させた貴族(カノッサ家や、ベニートの実家であるエヴァンジェリスタ家)への強い復讐心であった。
・しかし、学園でアイヴィやベニートたちと過ごすうちに彼女は毒気を抜かれ、本心では彼らを傷つけたくないと思うようになっていた。
・実際、ラウレッタは邪神教の指示でリュディヴィーヌの誘拐や殺害を命じられていたが、彼女には直接人を殺すことはできなかった。
・アイヴィを裏切って八咫鏡を取りに向かった背景には、八咫鏡さえ手に入ればリュディヴィーヌを狙う任務を無視でき、誰も殺さずに済むかもしれないという、彼女なりの苦しい葛藤と逃避が存在した。
寿命を削る半魔族化と過去のトラウマをえぐる精神攻撃
ダンジョン内で瀧音幸助やアイヴィたちに追いつかれたラウレッタと邪神教徒たちは、自らの寿命を代償にして半魔族化し、襲いかかった。
・ラウレッタは闇魔法を用いて、アイヴィの過去である母の死や裏切られたトラウマをえぐり、強力な精神攻撃を仕掛ける。
・しかし、幸助が、絶対に裏切らない、誰も死なせない、と力強くアイヴィの手を握り支えたことで、アイヴィは精神攻撃を克服する。
・精神的支柱を得て立ち直ったアイヴィは、自力でラウレッタを真っ向から打ち破った。
一人で死ぬという絶望の拒絶と特効薬による半魔族化の解除
敗北したラウレッタは、自らが多くの罪を犯し、半魔族になりかけた手を見て、一人で惨めに死ぬしかない、と絶望して涙を流した。
・しかし、裏切られたはずのアイヴィは、自分は友達だからどんな手でも掴む、と宣言し、彼女を見捨てることなく救済を誓い合う。
・事件解決後、幸助が桜瑠依や聖結花の協力を得て作成した特効薬をラウレッタに与えたことで、彼女の半魔族化の進行は解除され、最悪の事態は回避された。
・その後、施設に軟禁されたラウレッタはアイヴィに迷惑をかけたくないと距離を置こうとするが、アイヴィは、友達だから会いに行く、と決意を新たにし、二人の絆は裏切りを乗り越えて続いていくこととなった。
まとめ
新聞部副部長ラウレッタの裏切りと八咫鏡を巡る事件は、過去の復讐に囚われた少女の悲痛な葛藤と、それを包み込む友情の強さを描いた重要なエピソードである。家族の仇である貴族への憎しみから邪神教に手を染めながらも、学園で得た絆ゆえに誰も殺したくないと願い、八咫鏡の強奪という逃避行に走ったラウレッタの心中は痛切であった。しかし、その裏切りと過酷な精神攻撃を仕掛けられたにもかかわらず、幸助の支えによってトラウマを克服したアイヴィが、どんな手でも掴むと彼女を友達として全肯定したことで、ラウレッタの魂は救われた。幸助らの尽力で半魔族化という最悪の結末を回避し、過酷な現実を乗り越えてなお続いていく二人の絆は、物語に深い感動をもたらしている。
瀧音幸助の活躍
『マジカル★エクスプローラー』第8巻における瀧音幸助の活躍は、強力なモンスターとの戦闘にとどまらず、邪神教の陰謀を阻止するための的確な指揮、そして仲間の心を救う精神的支柱としての役割が際立っている。
ラウレッタの裏切りに伴う危機対応から、アイヴィのトラウマ克服への寄与、水墨獣との激闘、理不尽な隠しフロアでの自己犠牲、そしてラウレッタの救済にいたる全容は以下の通りである。
邪神教の動向察知と迅速な事態収拾を導いた的確な指揮
新聞部副部長のラウレッタが邪神教の信者であり、神棚の封印を解いて八咫鏡を求めてダンジョンへ向かったことを、幸助はいち早く察知した。
・彼は直ちに各組織の特性を活かした配置を考案する。
・式部会がラウレッタを追跡し、生徒会と風紀会がダンジョン内に出現したガーディアンを討伐するという的確な役割分担を提案した。
・この迅速な指示により、学園の危機に対して遅滞のない事態収拾へと導くことに成功した。
闇魔法の精神攻撃に直面したアイヴィへの励ましとトラウマの克服
信頼していたラウレッタに裏切られ、過去のトラウマをえぐられる闇魔法(精神攻撃)を受けたアイヴィに対し、幸助は精神的支柱として彼女を支えた。
・絶対に裏切らない、あるいは、誰も死なせない、と力強く断言し、彼女の手を握って鼓舞した。
・この揺るぎない励ましにより、アイヴィは精神攻撃を自力で打ち破る。
・そうして、ラウレッタと正面から向き合うための気力を完全に取り戻した。
水墨獣の猛攻回避と極限の集中から放たれた朱雀の一刀両断
八咫鏡を求めた先で待ち受けていたのは、墨で描かれた強力な画獣たちであった。
・幸助は墨武者を第三の手と抜刀術で容易に退け、さらに麒麟・玄武・朱雀と形態を変化させる、水墨獣―幻獣、との死闘に臨む。
・玄武形態の猛攻に対しては、紫苑を抱えて素早く回避した。
・終盤の朱雀形態との戦いでは、魔力が尽きかけたアイヴィを背後に庇い、防御ではなく斬ることを選択する。
・極限の集中から放たれた抜刀で見事に朱雀を一刀両断し、討伐を果たした。
尊厳を破壊する隠しフロアでの囮作戦とアヘ顔ダブルピースの受難
八咫鏡を発見した直後、罠にかかり過酷な隠しフロア(お化け屋敷)に転移してしまうトラブルが発生した。
・そこは、音を立てたり罠にかかったりすると、放屁、および、アヘ顔ダブルピース、を強制される、乙女の尊厳を破壊する極悪な罰ゲーム空間であった。
・幸助は、限界に達した結花や紫苑、アイヴィを救うため、自ら囮となって幽霊を引きつけローションの池に飛び込んだ。
・自身は究極の羞恥を晒すことになったが、仲間を無事にクリアへと導く圧倒的な漢気を見せた。
寿命を削ったラウレッタの救済と最強になるという絶対的な決意
事件解決後、幸助は半魔族化して寿命を削ってしまったラウレッタを見捨てず、桜瑠依と結花の協力を得て特効薬を作成した。
・これにより、彼女の体を無事に元に戻すという救済を成し遂げる。
・ヒロインたち全員を救い幸せな結末を迎えるため、幸助は、最強を目指すのではなく、最強になる、と揺るぎない決意を語った。
・その言葉と生き様に深く感銘を受けたアイヴィは、彼を生涯の主と定め、忍びとしてすべてを捧げることを誓うにいたった。
まとめ
第8巻における瀧音幸助の活躍は、戦闘面での圧倒的な強さにとどまらず、三会を動かす指揮官としての器量や、ヒロインたちの心を救い上げる包容力が凝縮された一幕である。アイヴィのトラウマを正面から受け止めて立ち直らせ、水墨獣を驚異的な一閃で切り伏せた熱い展開の直後に、エロゲ的な罰ゲーム空間で自ら犠牲となってアヘ顔ダブルピースを晒すギャグパートの落差は、彼の魅力をより一層際立たせている。敵側であったラウレッタの命を救い、最強になるという決意を示したことで、アイヴィとの絶対的な主従関係を築き上げた結末は、彼が目指すハッピーエンドへ向けた確実な足がかりとなっている。
アイヴィの忠誠
『マジカル★エクスプローラー』第8巻におけるアイヴィの「忠誠」は、彼女が抱える悲しい過去のトラウマと、主人公・瀧音幸助の揺るぎない覚悟が交差して結ばれる、物語の大きなハイライトである。
和国の里で育まれた忍びの教えから、ラウレッタの裏切りと幸助による励まし、朱雀戦での庇い、すべてを捧げる誓い、そして最強になる男への絶対的な信頼にいたる全容は以下の通りである。
和国の里で受けた教えと幼少期の悲しいトラウマ
法国のスラムで育った兎族のアイヴィは、幼い頃に母を信じていた知人に騙された結果、過労で亡くすという悲しい過去を持っていた。
・その後、恩人に引き取られて和国の里で忍びとして育つこととなる。
・学園へ向かう際、恩人から、計略が苦手だから、信じられると思った人がいるならば仕えるといい。忍びとは仕える者がいる方が強くなれる、と助言を受けていた。
親友の裏切りによる絶望と幸助が差し伸べた救いの手
学園で新聞部部長となった彼女は、親友だと思っていた副部長のラウレッタ(邪神教信者)に裏切られてしまう。
・これにより、母を失った過去のトラウマをえぐられる精神攻撃を受ける。
・絶望しかけた彼女を救ったのは幸助であった。
・幸助はアイヴィの手を力強く握り、俺は絶対に裏切りません。見捨てません、あるいは、アイヴィさんの近くで誰かが死ぬなんてことはさせません、と断言した。
・この言葉が、彼女がトラウマを克服する決定的な支えとなった。
朱雀の猛攻からの保護と最強になるという信念への傾倒
その後の水墨獣・朱雀との死闘において、大技を使って魔力が尽き衰弱したアイヴィを、朱雀が標的にして襲いかかった。
・アイヴィは自分を置いて逃げるよう懇願するが、幸助は、俺が幸せになってもらいたい人の一人は、アイヴィさんですからね、と告げて決して逃げなかった。
・幸助は正面から朱雀を一刀両断にし、彼女を守り抜いた。
・さらに、幸助がすべてのヒロインたちを救い、幸せにするために、最強を目指すのではなく、最強になる、と語った強欲なまでの信念と生き様に、アイヴィは深く惹きつけられることとなる。
一切の隠し事を排した生まれたままの姿での主従の誓い
事件解決後、アイヴィは新聞部の部室で幸助と二人きりになると、クナイや手裏剣などの武器をすべて机に並べた。
・身に着けていた服を下着にいたるまで脱ぎ捨て、生まれたままの姿で幸助の前に跪いた。
・これは、これが私のすべてです、という、一切の隠し事なくすべてを捧げるという彼女なりの強烈な意思表示であった。
・私を貴方様の忍びにしてください、と願い出る彼女に対し、幸助はこれからの戦いが法国や邪神教、人知を超えた存在を相手にする過酷なものになると伝える。
・しかしアイヴィは、命に代えてもお守りします、と揺るがなかった。
・幸助も、俺もアイヴィに幸せになってもらいたいから、命をかけて守る、と返し、二人の間に強固な主従関係が結ばれた。
勇往邁進する主への臣従と狂気にも似た深い覚悟
幸助の忍びとなったアイヴィは、もはや彼のことをこれまでの愛称ではなく幸助様と呼ぶようになる。
・生徒会長のモニカから三会の秘密について話をされた際、アイヴィは幸助を勇往邁進と評した。
・彼に仕えることが自分の幸せであると周囲へ堂々と宣言する。
・学園最強であるモニカに対しても、幸助様は最強になる男だよ、と断言した。
・もし彼が最強になれないのなら、どんな手を使ってでも自分が彼をそこまで連れて行くという、狂気にも似た深い忠誠心と覚悟を固めるにいたった。
まとめ
アイヴィが瀧音幸助に対して誓った絶対的な忠誠は、裏切りによって生じた絶望を、幸助の圧倒的な抱擁力と漢気が救い上げたことで誕生した至高の主従絆である。朱雀の猛攻から身を挺して守られ、最強になるという不退転の決意に触れた彼女が、部室で自らのすべてをさらけ出して臣従を乞う場面は、彼女の覚悟の重さを厳かに証明している。かつての愛称を捨てて幸助様と呼び、学園最強のモニカを前にしてもなお主の勝利を一点の曇りもなく確信するその姿は、ハッピーエンドを義務付ける幸助にとって、これ以上ないほどに強固で心強い影の盾となったと言える。
マジエク 7巻レビュー
マジエク まとめ
マジエク 9巻レビュー
登場キャラクター
ツクヨミ魔法学園 生徒会
モニカ・メルツェーデス・フォン・メビウス
ツクヨミ魔法学園の生徒会長を務める人物である。同年代において圧倒的な強さを誇る。火属性の魔法を扱う。
・所属組織、地位や役職
ツクヨミ魔法学園生徒会、生徒会長。親衛隊「MMM」を持つ。
・物語内での具体的な行動や成果
図書館での戦闘では炎をまとった剣と魔法で堕天使や獣を焼き尽くした。ラジエルの書が生み出した分身体を撃破した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
学園生の中で最も強いとされ三強の「魔」と呼ばれている。圧倒的なカリスマ性を持つ。
フランツィスカ
生徒会副会長である。眼鏡をかけている。モニカの補佐を行う。
・所属組織、地位や役職
ツクヨミ魔法学園生徒会、副会長。
・物語内での具体的な行動や成果
三会会議にて瀧音幸助の情報を記した資料を配布した。図書館での戦闘では尖った岩を射出する魔法や補助魔法で仲間を支援した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
真面目な性格であり生徒会業務をこなしている。水守雪音や姫宮紫苑を目標としつつ彼女らを超えて最強になることを目指している。
ハンゾウ
ツクヨミ魔法学園の三年生である。忍者であり諜報能力や罠探知能力に優れている。
・所属組織、地位や役職
ツクヨミ魔法学園生徒会所属。
・物語内での具体的な行動や成果
図書館での戦闘ではクナイを用いて敵を切り刻んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
アイヴィと同じ里の出身であり天才忍者と評されている。
聖伊織
ゲームにおける本来の主人公である。魔法剣士である。
・所属組織、地位や役職
ツクヨミ魔法学園一年生。生徒会の下部組織に所属。
・物語内での具体的な行動や成果
アマテラス女学園の事件では天使の秘術により女性の姿となって潜入した。図書館の戦いではラジエルの書が生み出した分身体を撃破した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
瀧音幸助を目標とし生徒会に入会する決意を固めた。
ガブリエッラ・エヴァンジェリスタ(ギャビー)
ベニートの妹である。法国の貴族である。光魔法を得意とする。
・所属組織、地位や役職
ツクヨミ魔法学園一年生。のちに生徒会に入会する。
・物語内での具体的な行動や成果
黄昏の道で聖結花たちと隠し階層に落ちてヘルハウンドと戦った。図書館の戦いでは回復魔法で聖伊織を支援した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
当初は式部会を目指していたが考えを改め生徒会に入会した。
ツクヨミ魔法学園 風紀会
ステファーニア
風紀会の隊長である。当代の聖女である。回復魔法を得意とする。
・所属組織、地位や役職
ツクヨミ魔法学園風紀会、隊長。聖女。ファンクラブ「SSS」を持つ。
・物語内での具体的な行動や成果
図書館での戦闘では負傷した仲間たちを回復魔法で支援した。桜瑠依が自らを殺すよう頼んだ際には自らが手を下すことを申し出た。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
人間至上主義の代表に近い立場とされる。
水守雪音
風紀会の副会長である。薙刀を武器とする。水魔法の使い手である。
・所属組織、地位や役職
ツクヨミ魔法学園風紀会、副会長(副隊長)。
・物語内での具体的な行動や成果
暁の迷宮で姉である水守鈴音の影と戦い勝利した。図書館での戦闘ではラジエルの書からの攻撃を一人で防いだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
学園で三強の一人とされている。モニカを超えて学園最強になることを目標としている。
リュディヴィーヌ・マリー=アンジュ・ド・ラ・トレーフル
トレーフル皇国の次女である。エルフである。風魔法を得意とする。
・所属組織、地位や役職
ツクヨミ魔法学園一年生。風紀会所属。
・物語内での具体的な行動や成果
花邑家に居候しアマテラス女学園の潜入調査に同行した。図書館での戦闘では堕天使や蛇頭の天使を抑え込んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
学園内に近衛騎士隊「LLL」というファンクラブが存在する。
カトリナ
盗賊型の近距離ファイターである。ダガーを扱う。本名は加藤里菜である。
・所属組織、地位や役職
ツクヨミ魔法学園一年生。風紀会に推薦されている。
・物語内での具体的な行動や成果
からくりの城や図書館ダンジョンの攻略に参加した。図書館ではラジエルの書の攻撃を避けて戦った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
魔族の血を引いている。瀧音幸助をライバルと認め修行に励んでいる。
エスメラルダ
風紀会に所属する女性である。大きな盾を背負っている。
・所属組織、地位や役職
ツクヨミ魔法学園風紀会所属。
・物語内での具体的な行動や成果
水晶の洞窟での戦闘に参加しクリスタルゴーレムの攻撃を防いだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
守りに関して三強クラスの壁役である。ベニートを尊敬している。
ツクヨミ魔法学園 式部会
ベニート
式部卿である。法国の貴族である。ガブリエッラの兄である。
・所属組織、地位や役職
ツクヨミ魔法学園式部会、式部卿。
・物語内での具体的な行動や成果
三会の真の役割を一年生に伝えるべきだと主張した。約束の書庫ではタイタンの攻撃を一人で受け止めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
式部会の代表として学園生から敵視される役割を演じている。
アネモーヌ
第一研究室にいるダークエルフである。様々なアイテムを開発する。
・所属組織、地位や役職
ツクヨミ魔法学園式部会、大丞。
・物語内での具体的な行動や成果
瀧音幸助の依頼で天使の動きを封じるアイテムを作成した。図書館での戦闘では爆発を起こす三角フラスコを投げて敵を攻撃した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
古代語の解読や魔法具の鑑定など知識や技術の面で式部会に貢献している。
姫宮紫苑
式部会の大輔である。純和風の服を着ている。闇魔法と扇子を駆使して戦う。
・所属組織、地位や役職
ツクヨミ魔法学園式部会、大輔(副会長職)。
・物語内での具体的な行動や成果
約束の書庫で闇魔法の曼珠沙華を放ち魔物を切り裂いた。図書館での戦闘ではラジエルの書が生み出した分身体を魔法で押し潰した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
最強になるのは自分であると宣言している。
グレーテル
ゲームに夢中な少女である。人形を操る無属性魔法を使う。
・所属組織、地位や役職
ツクヨミ魔法学園二年生。式部会所属。
・物語内での具体的な行動や成果
画獣との戦いでは人形を操り墨武者を倒した。邪神教信者のラウレッタをダンジョン入り口まで帰還させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
他人に興味を示さないが面倒見が良い一面もある。
ツクヨミ魔法学園 新聞部
アイヴィ
新聞部の部長である。兎族の獣人である。情報収集と忍術に長けている。
・所属組織、地位や役職
ツクヨミ魔法学園新聞部、部長。式部会の非公式な補佐。
・物語内での具体的な行動や成果
三会の秘密を探るため生徒会室へ侵入した。ダンジョンでラウレッタの闇魔法による精神攻撃を打ち破った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
事件後瀧音幸助を生涯の主と定め忍びとして仕えることを決意した。
ラウレッタ
新聞部の副部長である。邪神教の信者である。
・所属組織、地位や役職
ツクヨミ魔法学園新聞部、副部長。
・物語内での具体的な行動や成果
アイヴィを裏切って神棚の封印を解き八咫鏡を求めてダンジョンへ侵入した。戦闘で半魔族化してアイヴィに精神攻撃を仕掛けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
事件後に瀧音幸助が用意した薬で半魔族化から回復し施設に軟禁された。
ツクヨミ魔法学園 教職員
花邑毬乃
ツクヨミ魔法学園の学園長である。瀧音幸助の母親の従姉妹にあたる。
・所属組織、地位や役職
ツクヨミ魔法学園、学園長および理事長。
・物語内での具体的な行動や成果
瀧音幸助を自宅に住まわせ資金面や学園での手続きを支援した。アマテラス女学園の事件では瀧音幸助たちを潜入させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
魔法界と政財界の重鎮である花邑家の一員である。「ツクヨミの魔女」と呼ばれる。
花邑はつみ
空間魔法の研究を行っている。花邑毬乃の娘である。
・所属組織、地位や役職
ツクヨミ魔法学園、教授。
・物語内での具体的な行動や成果
花邑家で瀧音幸助と同居しリュディの詠唱短縮の訓練を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
非常に高い魔法の実力を持っている。
ルイージャ
ピンク色の髪を持つ女性である。借金を抱えている。
・所属組織、地位や役職
ツクヨミ魔法学園、教師。
・物語内での具体的な行動や成果
瀧音幸助の体質について調査を行った。学園の作業員名簿に違和感を覚え瀧音幸助とななみに相談した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
瀧音幸助の管理下に置かれ花邑家管轄のマンションに住んでいる。
桜瑠依
図書館司書である。正体は知の天使ラジエルである。
・所属組織、地位や役職
ツクヨミ魔法学園、図書館司書。
・物語内での具体的な行動や成果
ラジエルの書が暴走したためそれを封印していた。ラジエルの書を消滅させるために自らを殺すよう聖伊織たちに頼んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
事件解決後は力を失ったが引き続き学園の司書として残った。
花邑家および使用人
ななみ
瀧音幸助に仕えるメイドである。A&A商会製のMKS733である。天使である。
・所属組織、地位や役職
花邑家、瀧音幸助の専属メイド。
・物語内での具体的な行動や成果
ダンジョンで罠の探知や弓での遠距離攻撃を行った。アマテラス女学園の事件では天使の秘術を使用して瀧音幸助と合体した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
下級天使でありながら上級天使を超えるほどの存在力を持っているとされる。
新部隊(ななみレンジャー)応募者
マイケル・ブラウン
ふくよかな体格の男性である。
・所属組織、地位や役職
ななみレンジャー応募者。
・物語内での具体的な行動や成果
強力な身体強化を武器に仲間の盾になると面接で宣言した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
彼女が勝手に履歴書を送ったことが応募のきっかけである。
童艇寺誠
落ち武者ヘアーの男性である。三十三歳である。
・所属組織、地位や役職
ななみレンジャー応募者。
・物語内での具体的な行動や成果
強力な中長距離魔法の使い手であるが魔法を使うごとに髪の毛が抜けると面接で語った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
瀧音幸助のためならすべての毛を失ってもいいと忠誠を誓っている。
たまちゃん
幼い外見の女性である。千歳を超える狐耳の獣人である。
・所属組織、地位や役職
ななみレンジャー応募者。
・物語内での具体的な行動や成果
ななみの面接を受け即採用扱いとなった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
水守雪音が自分でも勝てないかもしれないと評するほどの実力者である。
ロゼッタ
ギャル風の女性である。盗賊系スキルを扱う。
・所属組織、地位や役職
ななみレンジャー応募者。
・物語内での具体的な行動や成果
ななみと一緒に働きたいという理由で面接に応募した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
瀧音幸助に対しては敵対的である。
朝山栞
ピザ配達員の女性である。コノハナ大学の学生である。
・所属組織、地位や役職
ななみレンジャー応募者(代役)。
・物語内での具体的な行動や成果
面接予定者の代役としてピザ配達のついでに面接を受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
料理が得意である。
ツクヨミ魔法学園 生徒
瀧音幸助
本作の主人公である。エロゲの友人キャラクターの体に入った転生者である。
・所属組織、地位や役職
ツクヨミ魔法学園一年生。式部会副会長職、式部少輔。
・物語内での具体的な行動や成果
ツクヨミ学園ダンジョン四十層を一週間でソロ攻略した。アマテラスダンジョンでは女性化して潜入調査を行った。図書館の戦いではラジエルの書を撃破した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
劣等生として扱われていたが四十層攻略後に式部少輔に任命され周囲から畏怖される存在となった。
聖結花
聖伊織の義妹である。接近戦を得意とする。
・所属組織、地位や役職
ツクヨミ魔法学園一年生。のちに式部会に入会する。
・物語内での具体的な行動や成果
からくりの城や黄昏の道などのダンジョン攻略に参加した。ストーカー被害に遭いツクヨミ魔法学園に編入した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
初代聖女の血縁者である。
オレンジ
オレンジ色の髪をした男子生徒である。
・所属組織、地位や役職
ツクヨミ魔法学園一年生。
・物語内での具体的な行動や成果
図書館ダンジョンの攻略に同行し敵の攻撃を受け止める役割を果たした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
瀧音幸助が劣等生扱いされている中でも普段通りに接する友人である。
その他
ななみレンジャー
ななみが主導して設立を提案した部隊である。
・所属組織、地位や役職
花邑家関連の非公式部隊。
・物語内での具体的な行動や成果
商店街などで活躍しているメイド部隊に対抗するため結成が計画された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
強烈な個性を持つ応募者が集まった。
邪神教
邪神を崇拝する組織である。
・所属組織、地位や役職
宗教組織。
・物語内での具体的な行動や成果
アマテラス女学園で乙女エネルギーを吸収する事件を引き起こした。八咫鏡を求めてダンジョンへ侵入した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
花邑一族やトレーフル皇国の関係者を標的としている。
魔族
邪神教と関係のある種族である。
・所属組織、地位や役職
魔族。
・物語内での具体的な行動や成果
アマテラス女学園に邪神の角のかけらが入ったアイテムを設置しエネルギーを搾取した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
世界規模の脅威として暗躍している。
画獣
墨で描かれた絵が実体化したモンスターである。
・所属組織、地位や役職
ツクヨミ学園ダンジョンのモンスター。
・物語内での具体的な行動や成果
八咫鏡を求める瀧音幸助たちの前に立ちふさがった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
墨武者や墨鷹などの種類が存在する。
墨武者
墨でできた鎧武者のモンスターである。
・所属組織、地位や役職
画獣の一種。
・物語内での具体的な行動や成果
刀や弓を用いて橋の上で瀧音幸助たちを攻撃した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
アイヴィや瀧音幸助によって倒された。
墨鷹
墨でできた鷹のモンスターである。
・所属組織、地位や役職
画獣の一種。
・物語内での具体的な行動や成果
上空からグレーテルたちを襲撃した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ななみや姫宮紫苑の遠距離攻撃で撃ち落とされた。
水墨獣―幻獣
形態を変化させる水墨獣の強力な個体である。
・所属組織、地位や役職
画獣の強力な個体。
・物語内での具体的な行動や成果
麒麟、玄武、朱雀と姿を変えながら瀧音幸助たちと死闘を繰り広げた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
弱点属性を持たない厄介な敵である。
麒麟
水墨獣―幻獣の一形態である。
・所属組織、地位や役職
水墨獣の形態。
・物語内での具体的な行動や成果
雷の魔法を放ち角を向けて瀧音幸助に突撃した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
バランスの取れた能力を持つ。
玄武
水墨獣―幻獣の一形態である。
・所属組織、地位や役職
水墨獣の形態。
・物語内での具体的な行動や成果
巨大な甲羅を持ち水面を高速で回転しながら攻撃した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
防御と攻撃に優れている。
朱雀
水墨獣―幻獣の一形態である。
・所属組織、地位や役職
水墨獣の形態。
・物語内での具体的な行動や成果
上空から漆黒の炎を降らせて瀧音幸助たちを追い詰めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
速さと攻撃に優れているが防御がもろい。瀧音幸助に一刀両断された。
青龍
水墨獣の一形態として言及される存在である。
・所属組織、地位や役職
水墨獣の形態。
・物語内での具体的な行動や成果
作中の戦闘では直接姿を見せていない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
魔法と防御のステータスが高いとされる。
ゴーレム
土や石などで作られたモンスターである。
・所属組織、地位や役職
ダンジョンのモンスター。
・物語内での具体的な行動や成果
水晶の洞窟などで瀧音幸助たちと戦闘になった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
様々な種類や強さの個体が存在する。
幽霊
ダンジョン内に出現する存在である。
・所属組織、地位や役職
隠しフロアのモンスター。
・物語内での具体的な行動や成果
隠しフロアのお化け屋敷で瀧音幸助たちを脅かした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
瀧音幸助が囮となって引きつけた。
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展開まとめ
一章 プロローグ
三会の真の役割
意見の対立
ベニートは、一年生にも三会の真の役割を今伝えるべきだと主張した。モニカは、それは自分達が解決すべき問題であり、伝えるとしても数か月先でよいと反対した。二人の意見は平行線となり、モニカはステファーニアにも意見を求めた。
ステファーニアの賛同
ステファーニアは最初、どちらでもよいと答えたが、選ぶならベニートと同じ意見だと述べた。ベニートは意外そうに反応し、モニカも驚いた。ステファーニアは不機嫌になって意見を訂正したが、モニカは多数決で押し切られることを拒み、自分の考えを変えないと告げた。
伝えるべき理由
ベニートは、今年だけは一年生にも伝えるべきだと考えていた。その理由は瀧音幸助の存在だった。幸助は妹の件、桜瑠依の件、アマテラス女学園の問題などを解決しており、周囲にも大きな影響を与えていた。
瀧音幸助の可能性
モニカは、瀧音幸助が特殊であることは認めたが、今の彼はまだ自分には勝てないと考えていた。ベニートも、今戦えば自分や姫宮紫苑が勝つと認めた。しかし彼は、幸助には自分達を超えるだけの大きな可能性があると見ていた。
周囲を引き上げる力
ベニートは、瀧音幸助には自分自身だけでなく、周囲の者達の力を引き出す力があると考えていた。新しいダンジョンの公表、有用な訓練場所の提案、常識外れの単独攻略によって、学園全体の実力は例年より高くなっていた。ベニートは、その変化は幸助なしには起こり得なかったと断言した。
三会の秘密
ベニートは、瀧音幸助なら学園が抱える大きな問題を解決できるはずだと考えていた。そのため、生徒達を三会の対立で操るという表向きの役割ではなく、三会の真の役割を一年生にも伝えるべきだと結論づけた。
二章 デブハゲロリギャルピザ
ななみレンジャーの面接
新部隊の提案
ななみは突然、瀧音幸助に新しい部隊を作るべきだと提案した。すでにメイド部隊が商店街などで活動しているらしく、はつみはその働きを知っていた。幸助や結花は詳細を知らなかったが、ななみはメイド部隊に対抗する存在として、ダークヒーロー部隊を作ると言い出した。
ななみレンジャー
瀧音幸助と水守雪音は、メイドに対抗するなら執事だと考えたが、ななみの答えはダークヒーローだった。新チーム名は、幸助の名前を加味したと言いながら、ななみレンジャーと決まっていた。ななみはすでに研究所や応募者まで準備しており、ななみチャンネルや関連事業も順調だと語った。
面接会場
瀧音幸助、ななみ、水守雪音、結花は、花邑系列のビルで応募者の面接を行うことになった。ななみは面接直前に一人分ずつ資料を送る方式にし、幸助達を困惑させた。幸助は部隊の目的もよく分からないまま、応募者と会うことになった。
マイケル・ブラウン
最初の応募者は、ふくよかな体格のマイケル・ブラウンだった。彼は力と身体強化に自信があり、仲間の盾になると語った。応募のきっかけは彼女が勝手に履歴書を送ったことだったが、瀧音幸助の世界平和論に心を打たれたと話した。幸助はそんな論を語った覚えがなく、結花とともに疲労を覚えた。
童艇寺誠
次に現れた童艇寺誠は、強力な中長距離魔法を使える実力者だった。しかし魔法を使うたびに髪が抜けるため、魔法を使いたくないと打ち明けた。彼は瀧音幸助の世界平和論にある、毛の有無は関係ないという言葉に救われたと話し、幸助のためなら髪をすべて失ってもよいと語った。
たまちゃん
三人目は、千歳を超える狐の獣人らしい幼い外見の女性だった。彼女はななみと親しく、桜瑠依の推薦も受けていた。水守雪音は、自分でも勝てないかもしれないほどの実力者だと見抜いた。ななみは、実力や癒やし要素などを理由に即採用扱いにし、幸助達は面接らしい面接もできないまま受け入れる流れになった。
ロゼッタ
四人目はギャル風のロゼッタだった。彼女は盗賊系スキルを一通り扱えるが、瀧音幸助には露骨に敵対的で、ななみには好意的だった。応募理由も、ななみと一緒に働きたいからというものだった。結花とも軽くぶつかったが、服装のセンスは認めるなど素直な面も見せたため、ななみはツンデレとして好意的に受け止めた。
朝山栞
最後に来たのは、予定していた応募者ではなくピザ配達員の朝山栞だった。面接予定者が来られなくなったため、メイド部隊がピザを注文して代役にしたらしかった。彼女はコノハナ大学の学生で、料理やオムライスが得意だと話した。ななみはなぜか彼女にも好感触を示し、スクール水着の有無まで確認した。
全員採用の流れ
面接後、ななみは応募者達を素晴らしい人材だと評価した。幸助と結花は、個性が強すぎる面々に不安を抱き、特に一般人である朝山栞の採用には強く疑問を持った。それでもななみは全員採用でまとめようとし、幸助はせめてピザ配達員だけは外してあげてほしいと頼んだ。
三章 三会の秘密
式部会の秘密
月宮殿への道
瀧音幸助は、ベニート卿に呼ばれて結花、ななみと月宮殿へ向かっていた。結花は、自由人の集まりである式部会が全員そろうのかを疑問に思っていた。幸助も全員集合を見たことはなかったが、今回ベニート卿はなるべく全員参加を求めていた。
ななみの警戒
集合場所の前で、ななみは何かに気づき、幸助を止めた。彼女は確実ではないとしながらも、警戒すべき気配を伝えた。幸助は水守雪音の予定を確認し、ひとまずベニート卿に後で話す必要があると考えた。
揃った式部会
部屋に入ると、ベニート卿、アネモーヌ、姫宮紫苑、グレーテルら式部会の全員がそろっていた。アネモーヌは怪しい紫色の液体を茶だと言い張り、幸助達に勧めた。結花は拒否し、ななみはその液体を回収したが、いつものように場は混沌としていた。
グレーテルとの挨拶
ベニート卿は、幸助達に二年生のグレーテルを紹介した。グレーテルはゲームに夢中でそっけなかったが、幸助は桜瑠依の件で戦ってくれたことに礼を述べた。グレーテルは紫苑やベニートに呼ばれただけだと言ったが、紫苑は後輩を助けるために来たのだと補足した。
ゲームの共通点
結花は、グレーテルが遊んでいるゲームを見て、幸助も同じようなゲームをしていたことを思い出した。グレーテルは幸助がゲーム好きだと知ると少し興味を示した。幸助は、今後の関係を円滑にするためにも、彼女の趣味に合わせておいたことを思い返した。
ベニート卿の告白
ベニート卿は、今日の本題としてモニカと喧嘩したことを明かした。理由は話せない秘密を話すべきかどうかで意見が分かれたためだった。ベニート卿は、秘密を式部会や一年生にも伝えるべきだと考えており、モニカは反対していた。
話せない秘密
ベニート卿は、アネモーヌだけはその秘密を知っていると話した。紫苑は自分にも伏せられていることを確認し、アネモーヌは伝えることに賛成だと述べた。ただしハンゾウは反対するだろうとも語られ、式部会の中でも考えが分かれそうだった。
幸助への問い
ベニート卿は、なぜか幸助に意見を求めた。幸助は、ベニート卿が自分の反応から何かを探っているのかもしれないと考えつつ、ノーコメントで濁した。ベニート卿はさらに、三会に秘密があるとして、それを知らされないことを嫌だと思うかを全員に尋ねた。
式部会らしい答え
紫苑は、興味はあるが無理に知る必要はなく、話したければ話せばよいと答えた。グレーテルは興味を示さず、結花は秘密があることには気づいていたが、今は面倒なことは避けたいと話した。ななみは、幸助の意見が自分の意見だと答えた。
いつかの協力
ベニート卿は、皆の反応を見て式部会らしいと笑った。危険で個性的な者達が集まる今の式部会こそ、最も式部会らしいのかもしれないと感じていた。最後に彼は、いずれ秘密を話すことになると告げ、その時に力を貸してほしいと頼んだ。
四章 新聞部、始動
三会の秘密と新聞部の作戦
新聞部への訪問
瀧音幸助は、式部会の役割として学園新聞の記事に関わるため、ななみと共に新聞部を訪れた。式部会は学生達の宿敵として振る舞い、生徒達の反発心を利用して努力を促す役割を担っていた。新聞部長のアイヴィは明るく二人を迎え、部室には記事作成用の端末や過去の新聞が並んでいた。
瀧音ななこの写真
アイヴィは、瀧音幸助がアマテラス女学園に行っていたことを知っており、からかうように何人のお嬢様を恋に落としたのか尋ねた。さらに、アマテラス女学園で出回っていた瀧音ななこの写真を見せた。写真には瀧音ななこや聖伊織、九条華、クリスティーネ、ミレーナ、聡美らが写っており、幸助は一部を確保しようと考えた。
三会の秘密への探り
アイヴィは写真を見せながら、三会の秘密について幸助が会長達から聞いているかを探った。幸助は知らないふりをして話を逸らしたが、彼女が何かをつかみかけていることを察した。新聞部が近く行動を起こす可能性を感じ、警戒を強めた。
黄金の招き猫
アマテラス女学園で手に入れた黄金の招き猫は、アイテムのドロップ率を上げる非常に有用な品だった。幸助はすぐ自分で使うのではなく、三会の生徒達も使えるようにフランへ預けていた。強力な武器やアイテムの回収も考えていたが、今はイベントの状況を優先し、後回しにしていた。
リュディの問い
夜、パジャマ姿のリュディが幸助の隣に座り、今後の活動計画について尋ねた。彼女は幸助が休まずダンジョンや強化のことばかり考えていると指摘した。そのうえで、自分は強くなったのだから、そろそろ幸助が抱えていることを話すべきではないかと真剣に迫った。
邪神教の予兆
リュディは三会の秘密そのものには興味がないと言ったが、幸助のことには興味があると伝えた。幸助は、彼女が邪神教信者に狙われる可能性があると明かし、その候補が新聞部にいると告げた。リュディは恐怖を認めながらも、幸助が守ってくれるのだろうと笑い、自分が生徒会に入った理由は幸助を守るためでもあったと語った。
アイヴィの確認
アイヴィは副部長のラウレッタと、幸助が三会の秘密を知っているかについて話していた。花邑家関係者である幸助なら知っている可能性があると考えていたが、彼の反応から知らないか、少なくとも話すつもりがないと判断した。三会の対立が表向きであり、さらにその奥に隠された秘密があることも、新聞部はすでに見抜いていた。
作戦前夜
アイヴィは、三会長達が争っている今こそ秘密に迫る好機だと考えていた。ラウレッタは以前の失敗を引き合いに出して不安を見せたが、アイヴィは自信を見せた。彼女は、これが三会の助けになるかもしれないとも考えながら、翌日の作戦決行を決めていた。
五 章 まばゆい黄金の猫、ピカ彦
新聞部の侵入とラウレッタの行方
生徒会室への侵入
アイヴィは、生徒集会で生徒会の面々が不在になる隙を狙い、月宮殿の生徒会室へ侵入した。三会の秘密が月宮殿にあることをつかんでいた彼女は、特に生徒会が管理する部屋を怪しんでいた。ハンゾウの警戒を避けるため、盗聴や仕掛けではなく、直接調べる作戦を取っていた。
黄金の招き猫
生徒会長の机には何もなかったため、アイヴィは次の部屋へ移動しようとした。だが、その途中で神棚の上に置かれた黄金の招き猫を見つけ、強く心を奪われた。アイテムとしての効果や価値ではなく、その見た目に惚れ込み、ピカ彦と名付けて手に取った。
破れた御札
アイヴィが黄金の招き猫を動かした時、御札のようなものが破れ、神棚から不気味な気配が漏れ出した。彼女は自分では対処できないと判断し、ラウレッタを呼び出した。到着したラウレッタはアイヴィの行動を叱ったが、神棚を調べるうちに何か重大な手がかりを見つけた。
ラウレッタの変貌
ラウレッタは、神棚から見つけた巻物のようなものを読み、アマテラス女学園の件と結びつけて考え始めた。彼女は急に高揚し、別の計画で集めていた人員を利用できると判断した。そしてアイヴィに時間稼ぎを求めると、許可を待たずに眠らせ、拘束して置き去りにした。
想定外の展開
瀧音幸助は、リュディが新聞部のラウレッタ率いる邪神教信者に狙われるイベントを警戒していた。先にリュディや水守雪音へ危険を伝え、ななみにラウレッタを監視させていた。しかし実際には、三会の秘密を探るはずのアイヴィが捕獲され、イベントの流れが大きく変わっていた。
捕まったアイヴィ
生徒会室には三会の主要メンバーが集まっており、アイヴィはロープでぐるぐる巻きにされていた。黄金の招き猫を盗もうとした疑いで捕まっていたが、彼女は本当は三会の秘密を探りに来たのだと明かした。モニカは盗聴までしていたと知り、アイヴィを問い詰めた。
秘密を話す機会
ベニート卿は、アイヴィの件を機に三会の秘密を話すべきだとモニカに提案した。モニカは反対したが、ベニートは瀧音幸助や聖伊織がその鍵になると考えていた。ステファーニアも話すことに同意し、重い沈黙の中で、秘密を開示する流れが生まれつつあった。
ラウレッタの異変
アイヴィは、ラウレッタが自分を眠らせて拘束した後、どこかへ行ったと話した。幸助は、ラウレッタが神棚を見て何かを察した可能性に気づいた。神棚の情報が邪神教に知られたなら危険だと判断し、フラン副会長と確認へ向かおうとした。
ツクヨミ学園ダンジョン
その直後、ななみから瀧音幸助へ連絡が入った。ラウレッタは数名を連れてツクヨミ学園ダンジョンへ向かったという内容だった。幸助は、予定していたリュディ襲撃とは別の形で、邪神教が動き始めたことを察した。
六章 想定外の状況
八咫鏡をめぐる異変
破られた封印
瀧音幸助は、神棚の封印が解かれ、御札が破られていることを確認した。封印されていた巻物も抜き取られており、それを見た相手が新聞部副部長ラウレッタという邪神教信者だったため、最悪の事態だと判断した。フラン副会長は謝罪したが、幸助は彼女に責任はないと伝えた。
学園ダンジョンの異常
瀧音幸助が皆のいる部屋へ戻ると、モニカ会長が学園長から連絡を受けていた。ツクヨミ学園ダンジョンに、階層に合わない強力なモンスターが出現しているという内容だった。教師の一部がすでに対応に向かっていたが、三会にも出動依頼が来ていた。
結花の疑問
結花は、生徒集会中の今、そもそもダンジョンに生徒がいるのかと疑問を口にした。もし誰もいないなら、なぜ花邑毬乃が異常をすぐに把握できたのかが問題だった。幸助もその疑問を重く受け止め、直接確認するつもりだと答えた。
深淵の気配
アネモーヌは、学園にいると深淵の一端に触れているような感覚があると語った。結花もその言葉にうなずき、幸助も自分の知識だけでは学園や花邑毬乃、ななみの全てを理解できていないと感じていた。そこへななみが現れ、ラウレッタに関する調査結果を伝えた。
邪神の封印
瀧音幸助は、学園内に邪神の封印を解くためのアイテムが存在していると説明した。そのアイテムは八咫鏡であり、邪神や封印の存在は花邑家だけでなく、法国や皇国なども認めているものだった。さらに、神棚には八咫鏡を入手するために必要な巻物が封印されていたと明かした。
ラウレッタの正体
幸助は、新聞部副部長ラウレッタが邪神教信者であり、神棚にあった巻物を持ってツクヨミ学園ダンジョンへ入ったと説明した。リュディは、邪神の封印を解くアイテムを欲している時点で彼女が邪神教だと悟った。ななみの追跡によって、ラウレッタが八咫鏡のあるダンジョンへ向かったことも確認されていた。
ガーディアンの出現
八咫鏡を入手するための巻物を持ってツクヨミ学園ダンジョンへ行くと、普段その階層に出現しない強力なモンスターが現れる仕組みだった。幸助は、それが八咫鏡を守るためのガーディアンであり、巻物を持っていない者も攻撃対象になるうえ、場合によってはダンジョン外へ出る危険もあると説明した。
三会の役割分担
幸助は、式部会がラウレッタを追い、生徒会と風紀会がダンジョン各所のガーディアンを倒すべきだと提案した。ラウレッタが巻物をすべて持って行ったなら、追えるのは幸助達だけであり、式部会が表立って生徒を守らない方が都合もよかった。ベニート卿も、新聞部は式部会の下部組織であるため、自分達が尻拭いすべきだと同意した。
アイヴィの同行希望
モニカ会長は幸助達にラウレッタの追跡を任せることにした。出発の準備に移ろうとしたところで、アイヴィが待ってほしいと声を上げた。彼女はラウレッタの件に責任を感じ、自分も行かせてほしいと願い出た。
七章 アイヴィの過去
アイヴィの過去と同行の決意
母の笑顔
アイヴィは幼い頃、笑って過ごせば幸せが寄ってくるという母の言葉を覚えていた。法国では獣人への風当たりが強く、母は貧しい中で苦労しながら働いていた。それでも母はいつも笑顔でアイヴィに接し、その笑顔は周囲の人々にも元気を与えていた。
スラムでの生活
アイヴィは生活のために金目のものを拾い、スラムの住人からスリの技術も教わった。才能はあったが、人から盗むと母が悲しむため、ほとんど使わなくなった。ただ、貧しい暮らしの影響で金色の物には強く惹かれるようになっていた。
母の死
母は知人に騙され、仕事をきっかけに体を壊して寝たきりになった。アイヴィは母を騙した者を憎んだが、母は人を信じることの大切さを語った。母の死後、スラムの人々が涙し、母の笑顔が多くの人に支えを与えていたことをアイヴィは知った。
和国の里
母の死後、紺色のコートの男性が現れ、アイヴィを学校へ通わせたいという母の依頼を示した。アイヴィは彼について和国の里へ行き、そこで年下の子に敗れたことで、自分の弱さを知った。負けたくない思いから修行と勉強を始め、知識を得る楽しさにも目覚めた。
忍びの才能
アイヴィは修行を重ね、忍びとしての才能を伸ばしていった。彼女は笑うことで周囲も笑うことを知り、母の言葉の意味を理解した。やがて里で一番の才能と言われるほどになり、進学先として、恩人の母校でもあるツクヨミ魔法学園を選んだ。
仕える者への助言
和国の里を出る前、恩人の男性はアイヴィに、金目のものに弱いことと計略が苦手なことを指摘した。そして、信じられると思った相手に仕える道もあると助言した。忍びは仕える者がいる方が強くなれるという言葉を受け、アイヴィは学園へ向かった。
ベニート卿への信頼
ツクヨミ魔法学園で、アイヴィは最初、法国貴族であるベニート卿を警戒していた。しかし彼は獣人であるアイヴィを差別せず、むしろ他の法国貴族からかばってくれた。実力も人望もある彼は、モニカやステファーニアと並び、特別な世代の一人として注目されていた。
新聞部と式部会
アイヴィはベニート卿の勧めで新聞部に入り、情報収集が自分に合っていることを知った。ベニートが式部会に入ると、表向きは新聞部として式部会の悪事を暴く立場になったが、裏では式部会を助ける役割も担うようになった。彼女はベニート達の力になりたいと強く思うようになった。
ラウレッタの案
アイヴィは、三会が何かを隠していることを察しており、それを知って協力させてもらおうと考えた。ラウレッタは、新聞部らしく秘密を握って脅す案を出した。アイヴィは善意のつもりで行動したが、ラウレッタが自分を利用していた可能性に気づき、信頼していた相手に裏切られた痛みを感じた。
同行の願い
アイヴィは、ラウレッタへの疑問と裏切られた悲しみ、皆に迷惑をかけた罪悪感を抱えながら、瀧音幸助に同行を願い出た。ステファーニアは心配しつつも否定せず、ベニート卿は判断を幸助に委ねた。アネモーヌはアイヴィがまだ利用されている可能性を指摘したが、幸助は大丈夫だと答えた。
三会の支え
瀧音幸助は、アイヴィに問題があればベニート卿が責任を取ると話し、ベニート卿もそれを受け入れた。モニカも責任を取ると続き、周囲も和らいだ空気になった。モニカはアイヴィが努力していたことを認め、今回は大目に見ると告げた。
信じられる仲間
瀧音幸助は、アイヴィに年上でも遠慮せずこき使うと告げ、同行を認めた。出発準備に移る中、幸助はアイヴィを呼び止め、何があっても三会の皆は味方であり、信じられると伝えた。その言葉は、まるでアイヴィの過去を知っているかのように響いた。
八章 我ら、式部会
式部会の出撃と画獣の橋
別行動のリュディ
瀧音幸助達は、風紀会と生徒会が各階層のガーディアンを探し、式部会がラウレッタと八咫鏡を追う方針を決めた。幸助は邪神教がリュディを狙う可能性を考えつつも、今回はリュディと別行動を取るべきだと判断した。リュディは幸助の心配を見抜き、自分は強くなったのだから守られるだけではないと伝えた。
信頼の合図
リュディは、自分が風紀会に入った理由の一つが幸助を守るためだったと改めて示した。幸助は、彼女を庇護対象として見ていた自分に気づき、彼女の成長と実力を信じて任せるべきだと考えた。二人は手を打ち合わせ、水守雪音とも同じように手を合わせて、それぞれの役割へ向かった。
三会の出発
風紀会はステファーニア、水守雪音、リュディ、カトリナらを中心に出撃し、学園内にも警戒要員を残した。生徒会はモニカ会長の演説で士気を上げ、伊織やギャビー達と共にダンジョンへ向かった。幸助はギャビーの成長を褒め、彼女は高笑いしながら自信を見せた。
最強の式部会
式部会もベニート卿を中心に出撃した。紫苑、グレーテル、アネモーヌ、アイヴィ、幸助、結花、ななみが揃い、全員が自信を見せていた。ベニート卿は目標を八咫鏡とラウレッタに定め、式部会こそ最強だという空気の中で動き出した。
隠し通路
ツクヨミ学園ダンジョン二十三層には、巻物を持つ者だけが封印を解いて進める隠し通路があった。現地に着いた幸助は、そこがすでに開いていることを確認し、ラウレッタ達が八咫鏡を求めて進んだと確信した。隠し通路の先には五十層以上に相当する強力なモンスターが出ると説明した。
橋と湖のフロア
転移先には、月と星に照らされた長い木製の橋と、美しい湖が広がっていた。アネモーヌは自作のアイテムで橋の下を調べ、水深や毒の有無を確認した。湖面には花や葉が浮かび、色鮮やかな鯉も泳いでいたが、一行は軽口を交わしながら警戒を整えた。
墨武者の出現
橋の上には、墨のように黒い鎧武者が待ち構えていた。さらに紙から刀を持つ墨武者や弓を持つ墨武者、墨の鷹が出現し、前後から一行を挟む形になった。アイヴィは火を仕込んだクナイで墨武者を怯ませ、弓武者へ向かい、ベニート卿も別の墨武者を圧倒した。
幸助とアイヴィの戦闘
瀧音幸助は、火遁で動きの鈍った墨武者に接近し、第三の手と抜刀で仕留めた。アイヴィは弓武者の矢を見切り、ほとんど避ける動作も見せずに前進し、直刀で斬りつけた。彼女の優れた動体視力と空間把握能力が、戦闘で発揮されていた。
傀儡師グレーテル
後方では、グレーテルが人形を自在に操り、墨武者と戦っていた。人形は刀を弾き、踏み込み、敵の攻撃を足場にして首を貫くほど精密に動いた。ベニート卿は、これはゴーレムとは違い、幸助のストール操作に近い特殊な無属性魔法だと説明した。
画獣の正体
アネモーヌは、倒された敵が液体のようになってから魔素へ変わる様子を見て、闇属性ではなく墨汁でできた無属性の存在だと推測した。幸助は、それらが画獣と呼ばれるモンスターであり、墨で描かれた絵が実体化して襲ってきているものだと説明した。
追跡の手がかり
幸助は、本来ならこの場所にはもっと大量の紙があり、画獣も数で攻めてくるはずだと考えた。紙が少ないのは、先に進んだラウレッタ達が倒した直後で、まだ再出現していないからだと推測した。ベニート卿はその説明を受け、すぐ追いつける可能性があるとして、一行に先を急がせた。
九章 ラウレッタ
水墨獣―幻獣との戦い
ラウレッタとの対峙
式部会は橋を進み、ラウレッタと邪神教の生徒達、大人達に追いついた。ラウレッタは八咫鏡の存在を瀧音幸助達が知っていることに驚き、邪神教であることも見抜かれていると悟った。双方が武器を構えて戦闘寸前になったが、アイヴィは真実を確かめるため、両者の間に立った。
ラウレッタの精神攻撃
アイヴィはラウレッタに事情を尋ねたが、ラウレッタは彼女を馬鹿にし、利用していたと告げた。その言葉をきっかけに、アイヴィは母を失った記憶と裏切られた痛みを呼び起こされ、闇魔法による精神攻撃に呑まれかけた。幸助はアイヴィの手を握り、自分も仲間達も彼女を裏切らず、誰も死なせないと伝えて支えた。
邪神教徒との開戦
ラウレッタ達が攻撃を始め、幸助はアイヴィをかばって魔法を防いだ。邪神教徒達は黒い魔石から獣を呼び出し、さらに黒い刃を自分達に突き刺して半魔族のような姿へ変化した。力は増したが、式部会の面々は圧倒的に強く、幸助も結花とななみに前方の信者達を任せて戦った。
アイヴィの克服
ラウレッタは再び精神攻撃でアイヴィを苦しめようとした。幸助がもう一度、自分はアイヴィを裏切らないと告げると、アイヴィは笑顔を取り戻した。彼女は精神攻撃を振り払い、自分一人でラウレッタと向き合うことを選んだ。
ラウレッタの敗北
アイヴィは忍術でラウレッタの攻撃をかわし、変わり身の術で背後を取った。クナイを首に当てられたラウレッタは敗北を認め、自分がカノッサ家やエヴァンジェリスタ家への復讐を望んでいたことを明かした。しかし学園で過ごすうちに毒気を抜かれ、アイヴィやベニートを傷つけることは本心では難しくなっていた。
掴まれた手
ラウレッタは、自分は多くの罪を犯し、半魔族になりかけた手では一人で惨めに死ぬしかないと語った。アイヴィはそれを否定し、自分は友達だからどんな手でも掴むと笑った。ラウレッタは涙を流し、ガーディアンの後始末をアイヴィ達に託した。
最強への理由
ラウレッタ達は拘束され、グレーテルが帰還魔石で入口へ戻すことになった。幸助は、邪神教には復讐心や人質で操られている者もいるとアイヴィに伝え、救いたい人達のために戦っていると話した。そして全員を救い、幸せにするためには力が必要であり、自分は最強を目指すのではなく、最強になるのだと告げた。
水没した橋
ラウレッタ達を送った後、式部会は先へ進み、橋が水の中へ沈む場所にたどり着いた。水は浅く、足首より少し上ほどだったため、一行は水の中を進むことになった。そこへ湖面に黒い墨が広がり、やがて大きな獣の形を作り始めた。
水墨獣―幻獣
墨は麒麟の姿となって立体化した。幸助はそれが水墨獣―幻獣であり、戦闘中に形態変化を行う特殊なモンスターだと説明した。麒麟形態は高い力を持ち、弱点属性は基本的になかった。紫苑の攻撃も角で弾かれ、敵の強さが示された。
麒麟の猛攻
麒麟は距離が伸びるほど速度と威力を増す墨雷を放ち、ベニートやアイヴィを攻撃した。幸助は前に出て攻撃を引き受けようとしたが、麒麟の角は硬く、突撃もすさまじかった。ベニートも後ろ蹴りを受け、威力を殺しながらも大きな衝撃を受けた。
玄武形態
麒麟は湖に溶けるように液状化し、巨大な玄武へ変化した。玄武は圧倒的な巨体と硬さを持ち、ななみの雷矢もほとんど通じなかった。玄武のボディプレスに対し、幸助は紫苑を抱えて回避し、紫苑は影の円錐を残して反撃したが、傷は浅かった。
回転する甲羅
怒った玄武は甲羅にこもり、高速回転しながら水面を跳ねるように突進した。見えない壁で反射しながら襲いかかるため、幸助達は軌道を読めず苦戦した。ベニートとアネモーヌは土魔法の坂で軌道を逸らす方法を試し、一定の効果を得たが、玄武は再び液状化して次の形態へ移った。
朱雀形態
水墨獣は朱雀へ変化し、空へ舞い上がった。朱雀は防御が脆い代わりに速さと攻撃に優れ、アイヴィを捕まえようと急降下した。さらに黒い炎を弾幕のように落とし、ななみや紫苑達が遠距離攻撃で撃ち落としたが、こちらの消耗は大きかった。
水遁―昇龍
アイヴィは水面に複数のクナイを打ち込み、五芒星を作って水遁―昇龍を発動した。龍の形をした水が朱雀に直撃し、突撃の軌道を逸らした。大技で魔力を消耗したアイヴィに、幸助は魔力を送り込んで支えた。
爆発するゴーレム
再び朱雀形態になった水墨獣に対し、幸助はアネモーヌへ策を提案した。ベニートが巨大なゴーレムを作り、アネモーヌの爆発する核によって朱雀に捕まえさせた後、自爆させた。大爆発で朱雀は大きなダメージを負ったが、なお倒れずに降下してきた。
狙われたアイヴィ
朱雀は竜巻で仲間達を散らし、魔力を消耗したアイヴィを狙った。幸助は彼女の前に立ち、ストールでは防げないと分かりながら逃げなかった。アイヴィが自分を置いて逃げてほしいと願っても、幸助は彼女も幸せになってもらいたい人の一人だと告げた。
朱雀への抜刀
朱雀は満身創痍ながら最後の力を込め、翼を広げて幸助とアイヴィへ襲いかかった。幸助は防御ではなく斬ることを選び、鞘に力を溜めて極限まで集中した。斬るべき線を見定めた彼は、振り下ろされる朱雀の足に向かって刀を抜いた。
十章 エネルギー革命
隠しフロアのお化け屋敷
朱雀討伐後の安堵
瀧音幸助は朱雀を斬り倒し、魔素へ変わっていく様子を見届けた。アイヴィは涙まじりに幸助へ抱きつき、彼の無事を喜んだ。幸助は落ち着かせながら、黄金の招き猫の効果らしきドロップアイテムを見つけ、ひとまず回収した。
現れた八咫鏡
水面が割れ、石とタイルでできた橋が現れた。その先には祭壇があり、漆黒の鏡面を持つ八咫鏡が置かれていた。幸助は、生徒会や風紀会がガーディアンと戦っているため、早く回収すべきだと考えた。
色違いのタイル
ななみは、攻略後に別の特殊フロアへ飛ばされる可能性を危惧し、幸助へ確認した。幸助は、橋の色違いのタイルだけを踏み、最後に三回転して拳を突き上げると、問題のある隠しフロアへ行ってしまうと説明した。だが、アイヴィは偶然その条件を満たしつつあり、幸助達は慌てて止めようとした。
転移魔法陣
アイヴィは色違いのタイルを渡りきり、三回転して拳を突き上げたため、足元に転移魔法陣が現れた。近くにいた紫苑も巻き込まれ、止めようと飛び込んだ幸助も転移してしまった。さらに結花も、ななみとの相談とじゃんけんの結果、幸助達のフォローとして合流した。
和風屋敷の罰ゲーム
転移先は巨大な和風屋敷の前だった。幸助は、そこが隠しフロアであり、通常の戦闘とは別の罰ゲームめいた場所だと説明した。屋敷の中はお化け屋敷のような雰囲気で、古代語の案内板を日本語表示に切り替えると、静かに進み、原因の石に御札を貼ることが目的だと判明した。
過酷なルール
案内板には、物音を立てると幽霊に取りつかれ、非常に恥ずかしい状態をさらすことになると示されていた。さらに罠にかかると強い生理的窮地に追い込まれ、それが音や羞恥へつながる仕組みだった。結花は内容のひどさに強く怒り、紫苑とアイヴィも顔を赤くして動揺した。
際どい巫女服
奥の箪笥には、露出の多い巫女風の衣装が入っていた。幸助は着替えなければ先へ進めないと説明し、結花、アイヴィ、紫苑は大きな羞恥を抱えながら着替えることになった。幸助自身も同じ系統の衣装を着せられ、頼りない装いに強い困惑を覚えた。
巫女姿の三人
結花は開き直り、アイヴィは明るく振る舞い、紫苑は強い恥ずかしさで背を向けていた。幸助は三人の巫女姿が似合っていると伝えたが、直視しすぎないよう必死に自制した。その後、座薬のような回復用アイテムを各自が持ち、屋敷の攻略を始めた。
足つぼの通路
最初のフロアには足つぼマットや花粉を思わせる仕掛けがあり、音を立てさせるための悪意が込められていた。アイヴィと結花は比較的平気だったが、紫苑は激痛に苦しんだ。幸助は紫苑を背負って進み、密着による別の意味での危機を感じながらも、何とか通路を抜けた。
くすぐりローションフロア
最後のフロアには、御札を取って割れた石へ貼るというゴールがあった。しかし道中には滑る床、くすぐる幽霊、罠があり、失敗すれば連鎖的に強い羞恥へ追い込まれる構造だった。全員が慎重に進んだが、くすぐりと罠によって限界が近づいていった。
結花の救出
結花は幽霊の悪質な妨害で声を出しそうになった。幸助は彼女を抱き寄せて守り、何とか失敗を防いだ。その後、結花を抱えたまま御札へ向かい、幽霊の妨害を受けながらも彼女に御札を取らせた。
幸助の囮
アイヴィが罠を見逃したことで、全員が強い生理的窮地に追い込まれた。幸助は皆の限界を見て、自分が囮になると決め、大きな音を立てて幽霊達を引き寄せた。結花達はその隙に石へ御札を貼り、フロアのクリアに成功した。
クリア後の目覚め
幸助が目を覚ますと、濡れた巫女姿の三人が彼をのぞき込んでいた。アイヴィは幸助に抱きつき、結花も彼の無事を喜んだ。三人は幸助のおかげでクリアできたと受け止めており、奥にはクリアを示すホログラムが表示されていた。
危険な報酬魔法
クリアボーナスとして、全員に特殊な魔法が与えられることになった。表示された内容は、生理的窮地を発生させる魔法と、それを他人へ移す魔法だった。結花、紫苑、アイヴィはその内容に激しく反発したが、魔法は習得されてしまい、幸助は試しに使う流れへ巻き込まれた。
十一章 エピローグ
ラウレッタの救済とアイヴィの忠誠
帰還後の後処理
瀧音幸助達がダンジョンから戻ると、生徒会と風紀会による後処理は進んでいた。ガーディアン討伐は大きな問題なく終わり、リュディも無事だった。彼女と水守雪音は、疲れ切った幸助達を深く問い詰めず、ただ労ってくれた。
桜への相談
瀧音幸助は、ラウレッタの半魔族化を戻すため、結花とななみを連れて桜のもとへ向かった。桜は有休中で自宅マンションにいたが、幸助達を快く迎え入れた。事情を聞いた桜は、結花の力があれば薬を作れると判断した。
半魔族化の代償
桜は、ラウレッタ達が使った道具は魔族の力を引き出すものだと説明した。ただし普通の人間には扱えず、体を変化させて力を出しやすくしているだけで、不足分のエネルギーは寿命で補っていた。幸助は、その代償は戻せないと理解しながらも、体だけでも元に戻す薬を桜に頼んだ。
ラウレッタへの薬
翌日、幸助とななみは、軟禁されているラウレッタのもとを訪ねた。ラウレッタは、アイヴィの友情を嬉しく思いながらも、これ以上関われば彼女に迷惑がかかると考えていた。幸助は、アイヴィに悪意が向くなら自分が何とかすると伝え、桜と結花の協力で作った薬を渡した。
戻った身体
ラウレッタは薬を飲み、半魔族化する前の身体へ戻った。幸助は、彼女に何かあればアイヴィが悲しむため、早まったことをしないよう告げた。さらに、どこまでできるかは分からないが、できる範囲で守ると伝えて部屋を出た。
最後の神器
施設を出た幸助とななみは、邪神の封印を解く三つの神器について話した。アマテラス女学園とツクヨミ魔法学園で二つが見つかった以上、最後の天叢雲剣はスサノオ武術学園にあると幸助は考えていた。ななみも同じ推測に至り、邪神教もそこを調べる可能性が高いと見ていた。
八咫鏡の扱い
八咫鏡は、花邑毬乃が持っているという噂を流しつつ、実際には幸助が預かることになっていた。幸助が持っていれば想定外の事態に動きやすいが、邪神教に知られれば狙われる危険もあった。ななみは、何かあれば自分に任せてほしいと告げた。
アイヴィへの報告
幸助とななみは新聞部へ向かい、待っていたアイヴィにラウレッタの様子を伝えた。ラウレッタが関わってほしくないと思っていることも話したが、アイヴィは自分は友達だから会いに行くと決めた。その後、アイヴィはななみを退出させ、幸助に大切な話があると切り出した。
忍びの誓い
アイヴィは、自分の武器をすべて机に並べ、身につけていたものも外し、幸助の前に跪いた。そして、自分のすべてを差し出す形で、瀧音幸助の忍びにしてほしいと願い出た。彼女は、幸助と共に戦い、幸助のために戦うことを望んでいた。
幸助の覚悟
幸助は、自分が法国や邪神教、魔族、人知を超えた存在と戦うつもりであり、生半可な覚悟では困ると告げた。アイヴィは迷わず、命に代えても守ると答えた。幸助はそれを否定し、アイヴィにも幸せになってもらいたいから、自分も命をかけて守ると返した。
アイヴィの主
アイヴィは幸助の言葉を受け入れ、彼の忍びになることを誓った。幸助も、彼女がその覚悟で来るなら自分の忍びになってほしいと認めた。アイヴィは、幸助を主として仕える道を選んだ。
三会の秘密の条件
昼食後、アイヴィはモニカに呼ばれ、生徒会室でハンゾウとともに話を聞いた。モニカは三会の秘密を話すつもりだが、条件としてツクヨミダンジョン六十層攻略を挙げた。過去には大けがや死者も出たため、一年生にはまだ教えられないと考えていた。
幸助様
アイヴィは、幸助達なら六十層攻略をすぐ達成しそうだと話し、自然に幸助様と呼んだ。モニカとハンゾウは驚いたが、ハンゾウはアイヴィが仕えるべき人を見つけたのだと理解した。アイヴィは、幸助こそ自分が仕えるべき相手だと確信していた。
最強になる男
アイヴィは、幸助にはベニートやモニカにないものがあり、最もふさわしい言葉は勇往邁進だと語った。彼の考え方や生き様に強く惹かれ、彼といれば自分も成長できると感じていた。モニカが誰にも譲る気はないと言っても、アイヴィは幸助が必ず最強になる男だと告げた。
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