小説「リビルドワールド III〈上〉 埋もれた遺跡(5)」感想・ネタバレ

小説「リビルドワールド III〈上〉 埋もれた遺跡(5)」感想・ネタバレ

どんな本?

リビルドワールドは、ナフセ氏によるライトノベルで、2017年2月から日本の小説投稿サイト「カクヨム」や「小説家になろう」での連載が開始されている。
2023年7月の時点で、累計発行部数は75万部を超えている。

物語は、高度な科学文明の旧世界が滅んでから長い時間が流れた時代が舞台。
その旧世界の遺跡には現在では再現不可能な先進技術の遺物があり、これらのアイテムは高価で取引されている。
しかし、その遺跡には旧世界からの危険な自律兵器、モンスターが徘徊しており、遺物を回収しに来る者たち、ハンターと呼ばれる人々は、命をかけてこれらの遺物を求めている。

物語の中心には、クガマヤマのスラム地区で生きる若いハンター、アキラがおり。
彼は装備が不十分な中、危険な遺跡での探索を始めるが、途中で諦めかけていた時、突如として現れた美しい女性、アルファと出会う。

彼女はアキラに、彼女の目的を果たす手助けをする代わりに、一流のハンターへと育て上げるという取引を提案。
アキラは彼女の提案を受け入れ、アルファが持つ先進技術の知識やサポートを受け取りながら、数々の危険を乗り越えて成長していく。

この物語は、綾村切人による漫画版として『電撃マオウ』 (KADOKAWA) で2019年9月から連載が始まり。
そして、2023年7月にはテレビアニメ化の発表もあった。

最初にこの本と出会ったのは、Amazonの日替わりセールで1巻が販売されており興味を引かれて購入。
読んでみるとマッドマックスのような世界観での遺跡探索の物語。
設定やキャラクターたちが魅力的で面白く。
続きのこの巻も購入して読む。

KADOKAWAオフィシャルチャンネル
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読んだ本のタイトル

リビルドワールド III〈上〉 埋もれた遺跡(5)
著者:#ナフセ 氏
イラスト:#わいっしゅ  氏

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あらすじ・内容

WEB版より全面改稿! 著者渾身の書籍版オリジナル・エピソード!!

 シズカの店で新装備と荒野仕様の車両を手に入れ、ハンター稼業を再開したアキラ。
 次なる目的は、地下に眠る未発見の遺跡の探索。埋もれた遺跡に大量の遺物が残っていれば一攫千金も夢ではない。
 シェリル達を巻き込んだ遺物収集や、手つかずの遺跡を狙うハンター達が引き起こす騒動。そして、カツヤ達との邂逅――。
 地の底に眠っているのは目が眩むお宝か、それとも……?
 ハンター稼業に戻ったアキラとアルファを新たな困難が待ち受ける!

リビルドワールドIII〈上〉 埋もれた遺跡

感想

アキラは、自身を暗殺しに来たハンターを返り討ちにして、その装備を売り払い。
それを原資にして、シズカの店で新しい装備と荒野仕様の車を手に入れてハンターとしての活動を再開。

彼の当初の目的は、地下に眠る未発見の遺跡を探索し、その中の遺物を手に入れること。

結果。
誰も発見していない手付かずの遺跡。
地下鉄駅跡地、ヨノズカ駅遺跡を発見する。

最初の探索では単独で遺跡に足を踏み入れ、遺物をリュックに詰めて持ち帰る。

その後、経験豊かな先輩ハンターエレナとサラと共に遺跡を再探索し、大量の遺物を持ち帰ることに成功。
その後、シェリルの徒党達を使ってトラック一杯の遺物を搬入してる最中に他のハンター、ギューバの目を引き興味を持たれてしまう。

その背後に、享楽的な情報屋ヴィオラと建国主義のテロリスト、ネルゴ(ケイン)の暗躍があり。

ギューバを警戒してアキラは遺跡の入り口を破壊して遺跡を隠蔽。

それに腹を立てたギューバは遺跡の位置を知るであろうスラムの徒党のリーダー、シェリルがギューバに誘拐される事件が発生。

シェリルの護衛をしていたスラム孤児のエリオから緊急連絡を受けたアキラは、誘拐され拷問を受けていたシェリルを救出し、誘拐者ギューバと協力者2人を殺害。

その騒動の数日後。
ヨノズカ駅遺跡の情報が広がり、情報屋のヴィオラなら情報を仕入れたドランカムのカツヤを中心とした若手ハンターの一派がヨノズカ駅遺跡の出入り口を占拠。

それを面白く思わない複数の個人ハンター達が、モンスターを誘引するアイテムを使用してドランカムが陣取る遺跡への出入り口を襲わせようとしたのだが、、

多くのハンターが同じ事をしていたせいで、ヨノズカ駅遺跡近くに数多く集まり、大きな混乱が生じる。

この混乱の中で、カツヤは味方を助けるために奮戦したが多くの仲間を失う。
それを奮起の材料にしてカツヤの能力は飛躍するが、そうなればなるほどカツヤは仲間との連携がしづらくなってしまう。

そんなカツヤをフォローしようと偵察していたユミナだったが、休止していた遺跡の機能が起動して侵入して来たモンスターとハンターに、警備ロボットが襲撃して来た。
そのせいで、ユミナはダンジョン内で孤立してしまうが、、
エレナ、サラ、アキラのチームと合流してカツヤ達を助けて欲しいとお願いする。

だが、エレナ達は既に別のハンターから護衛依頼を受けており、ユミナには別チーム扱いのアキラが付き添ってカツヤの下に行くのだが、、
カツヤはアルファみたいな存在に思考を誘導されてモンスターと警備ロボが交戦している箇所に行ったが、、
カツヤの作戦はアルファが側にいたせいか失敗。
それをユミナとアキラがフォローしてカツヤを回収して脱出して事なきを得る。
そして、ひと段落と思ったら、、、
陥没事故に巻き込まれてモンスターの巣窟に放り出されるユミナとカツヤ。
彼等を助けるためにエレナ達とアキラが救援に駆けつけてカツヤ達を崩落現場から救出して騒動は終わる。

特に心に残ったのは、アキラがシェリルを救う場面。
人質のいる車に正面衝突させるとは、相変わらず無理無茶無謀。
その後の戦闘で、彼の能力がアルファのサポート無しでどれだけ進化しているかが感じられるシーンだった。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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備忘録

第70話 埋もれた遺跡

アキラはハンターとなり、アルファと出会い、数々の危険を乗り越えて成長し、スラム街で夢見た安全で快適な生活を実現する。しかし、スラム街の過酷な精神は彼に残り、ハンターとしての経験を通じて他者の命を尊重する心をわずかに持ち始める。特定の言葉がアキラに大きな影響を与え、心の成長を促す。クズスハラ街遺跡での功績から大金を得るが、そのほとんどを装備や治療費に使い、金銭感覚が変化する。新装備一式をシズカから受け取り、装備によりハンターとしてさらに成長する機会を得る。シズカとの関係も深まり、彼女はアキラに特別な感情を抱くようになる。アキラはハンターとしての道を歩み続ける決意を固め、新たな装備とともに未来に向かって進んでいく。

シズカから新装備一式を受け取ったアキラは、自前の車で荒野を進み、未発見の遺跡探索を再開する。以前、リオンズテイル社の端末設置場所を調べていた際に示された矢印が地下を指していた場所に向かう。その地点は瓦礫が散乱するだけの場所だが、地下に遺跡が存在する可能性があると考えられる。アキラはアルファと共に地上から地下に続く階段を発見し、探索を開始する。アキラは遺跡の危険性とアルファとの通信が切れる可能性に不安を感じながらも、覚悟を決めて遺跡へと進む。しかし、地下に下りる前に武装を強化し、改めて階段を下りていった。

第71話 遺物売却のノウハウ

未発見の遺跡の出入口を発見したアキラは、アルファのサポートのもと地下へと進んでいく。階段を下り、照明を使いながら進むと、非常に綺麗な状態の通路に出る。アルファの指示で照明を消し、拡張現実を使った視界で周囲を確認する。遺跡内を探索し、遺物が多く置かれている無人の店舗を見つける。店内から様々な旧世界製の品を発見し、大量に回収することに成功する。しかし、最初に発見した遺物が現実の物ではなく、壁一面に貼られたポスターであることが判明し、一時はぬか喜びする。その後、実際の遺物を含むさまざまな品をリュックサックに詰め込み、満足して遺跡からの帰還を開始する。遺跡の出入口を再び埋め、他者に見つからないことを願いながら都市へ戻る。

アキラは自宅の風呂で一日の疲れを取りながら、その日の大成果について考えていた。アルファと共に湯船に浸かり、手に入れた遺物がどれほどの価値があるかについて話す。アルファは過度な期待をしないように忠告し、カツラギに遺物を売る際は小出しにするように助言する。カツラギはアキラから遺物を220万オーラムで買い取り、遺物売却に関するノウハウを教える。カツラギは、適した物を適した者に売れば高値で売れること、遺物には需要と供給の概念があることを説明する。カツラギはアキラに対し、今回持ち込んだ遺物の中から特に買い取りたいものを選び、残りの遺物は将来的に高く売れる可能性があるため、売らずに保持することを勧める。

アキラは売らずに残った遺物の扱いについて考え、カツラギの話についてアルファに意見を求める。アルファはカツラギが噓はついていないと答える。アキラはカツラギとの取引後、残った遺物をシェリルの拠点に持っていくことを決め、シェリルからの招待を受けて拠点へ向かう準備をする。シェリルはアキラの新装備を拠点に見せに来てほしいと頼む。アキラはシェリルの徒党がより安全を確保できるよう、強力な新装備で拠点に現れることを承諾し、拠点へ向かう。

第72話 遺跡探索のお土産

スラム街の外れで、ルシアとナーシャは死体を運びながら進んでいた。エリオも一緒にいたが、手を貸してはいなかった。死体はシェリルの徒党の縄張りに放置されていたもので、縄張りの清掃の一環として荒野まで捨てに行く途中であった。ルシアはスリとしての過去があり、不運にもアキラの財布を盗んでしまったことが原因でシェリルの徒党に加入し、新入りとして働いていた。ナーシャはルシアを庇って徒党内での地位を落とし、ルシアと共に死体運びをしていた。

エリオはルシアたちにアキラとの過去のやり取りを話し、自身もアキラにやらかした過去があることを明かした。これによりルシアは気持ちが楽になり、エリオはルシアの経験を他の新入りに伝えて、アキラの実力を見誤らないようにするつもりであることを伝えた。エリオ、ルシア、ナーシャはアキラの財布を盗むなどの失敗を通じて学び、共に成長する機会を持った。

ナーシャはエリオにルシアの安全を気にかけるよう頼み、エリオはナーシャたちの見張り役でありながらも彼女たちのことを考えていることを示した。アキラが現れたとき、ルシアは恐れを感じ隠れたが、エリオとナーシャは対応を考えていた。この出来事は、スラム街で生きる者たちが互いに支え合いながら生活している様子を映し出している。

シェリルは、アキラがスラム街の拠点を訪れる際、徒党の武力要員たちに新しい装備を身に着けさせ、示威行動としてアキラを大げさに迎え入れた。これはシェリル自身のアキラに会いたいという欲望だけでなく、徒党内外に対する威嚇を目的としていた。アキラの到着には多くの者が注目し、彼の装備と強化服が周囲に威圧感を与えた。アキラの車にはルシアたちも同乗していたが、シェリルは彼らの扱いに悩んでおり、この状況でのアキラの行動がさらに事態を複雑にした。

アキラはシェリルにヨノズカ駅遺跡からの土産として旧世界製の衣服とアクセサリーを贈った。シェリルは、アキラが以前購入した回復薬の金額や彼が容易に大金を使う様子に驚いた。また、アキラからの土産が高価なものであるかと心配しつつも、彼から贈られた旧世界製の衣服を着用し、その品質の高さに感心する一方で、デザインが現代のものと異なることに気付いた。シェリルはエリオからもアキラの贈り物についての意見を求め、彼がアキラの名前を聞いて急に肯定的な反応をする様子を見て、アキラに対する周囲の尊敬や恐れを改めて認識した。

エレナたちはシズカの店で長話に興じていた際、アキラが来店し、彼女たちにヨノズカ駅遺跡からの土産としてアクセサリーや衣類の遺物を贈った。シズカはその遺物の価値を高く評価し、本当に受け取っても良いのか確認したが、アキラはお世話になっていることから無料で贈ると述べた。その後、アキラは衣類の遺物の袋を開けたところ、女性用の下着が出てきてしまい、場の空気が一変した。サラはそれを自分たちで使うと申し出、アキラから受け取った。エレナたちはアキラが言及した遺跡の名前について興味を示し、詳細を聞き出そうとしたが、店内で話すことには慎重で、話の続きはエレナたちの家で話すことにした。

第73話 再探索の成果

エレナたちの自宅に連れてこられたアキラは、彼女たちの生活水準の差に改めて気づき、自分との違いを実感する。サラはリラックスした格好で登場し、エレナから服装について苦言を呈されるが、サラは気にせずリラックスを優先する姿勢を見せる。アキラは彼女たちの格好に対して気にしない態度を取る。

エレナたちは、アキラがシズカの店で話した未発見の遺跡「ヨノズカ駅遺跡」について、情報の扱い方について注意を促す。アキラはその価値を理解しており、エレナたちに情報を共有することを慎重に選んだことを明かす。

会話が進む中で、サラがアキラから贈られた旧世界製の下着について言及し、その価値について話し合う。サラは旧世界製の下着を求める理由を説明し、アキラはまだ家にある旧世界製の衣類を提供することを提案する。エレナは、まずは一緒に遺跡を探索することでサラが自分で見つけることを勧める。

この過程で、エレナとサラは互いの服装について考え直し、次回はもう少し考慮することを心に決める。アキラは二人の雰囲気の変化に気付くも、その理由を理解することはない。夜まで続けられた作戦会議は、服装についての疑問を抱えながらも、遺跡探索の準備に集中する。

アキラはエレナたちとヨノズカ駅遺跡の出入口で集まり、アルファのサポートなしで未調査の遺跡を探索することに少し緊張していた。エレナは遺跡の情報収集のため、補助端末を発射して周囲の状況を調べ、アキラたちはモンスターの気配がないことを確認して遺跡内へ進んだ。遺跡の探索は順調に進み、アキラ達は遺物を多量に運び出した。

エレナは遺跡が大当たりすぎることについて話し、遺跡の存在がバレた場合には大きな騒ぎが起こる可能性があるとアキラに伝えた。アキラはそのことを心配するが、サラはアキラが気にする必要はないと慰めた。エレナはヨノズカ駅遺跡から棚だけを意図的に持ち帰った理由をアキラに説明し、それが遺跡の発見者としてアキラに与えられた役得だと言う。

アキラ達は遺物を運び出した後、エレナたちは大回りで都市に向かい、遺物の売却を行う予定だった。アキラはエレナ達を信頼しており、売却までの責任を彼らに委ねた。エレナたちとの別れ後、アキラはアルファを呼び出し、運転席で寂しさを感じる自分に気付き、アルファとの再会に安堵する。

第74話 シェリルの買い物

アキラはヨノズカ駅遺跡での遺物収集後、汎用討伐依頼を受けて荒野を回る日々を送り、その際に偽装行動を取った。彼は遺物をあたかも他の遺跡から持ち帰ったかのように装って都市に戻り、モンスターとの戦いで大量の弾丸を消費することで、激戦を繰り広げたという印象を演出した。ある日、シェリルから買い物に付き合ってほしいと頼まれ、アキラはそれを受け入れた。

クガマヤマ都市では、都市の中心に近いほど治安が良く、経済的にも発展している。シェリルはアキラに贈られた旧世界製の服を着て、エリオとアリシアと共にクガマビルでアキラを待っていた。彼らは衣料品店ラファントーラで買い物をすることにした。店内で、シェリルは靴の購入について真剣に悩んでいた。高額な価格にも関わらず、旧世界製の服に合う靴を探すため、彼女は予算の一部を使うことを決めた。シェリルにはアキラに恩返しをするため、またスラム街の子供たちに食事や教育を提供するために金が必要であったが、彼女は目の前の靴がその貴重な予算を使う価値があるかどうかを真剣に考えていた。

アキラは高級店での買い物中、店内のマネキンやアルファが着る服に大きな感動を覚えなかった。彼は自分のファッションセンスや高級服への感覚が鈍っているのではないかと考えた。その理由は、アルファが見せる旧世界製の高級服に慣れてしまったからである。アキラは現代のファッションに対して感覚が鈍くなってしまっていた。

シェリルは店内で靴の選択に悩んでいたが、アキラが提案した予算「100万オーラムを超えそうなら一声掛けてください」という言葉により、カシェアは高級品を勧め始めた。カシェアはアキラがシェリルのために支払うと勘違いしており、アキラもその誤解を解かずに対応した。アキラはシェリルのために費用を立て替えることを申し出て、シェリルはそれを受け入れる決断をした。シェリルはこの出来事を徒党の運営に対するアキラの投資と前向きに捉え、アキラとの関係が強固になることを期待した。

セレンはカシェアと共に高価格帯の商品をシェリルたちに勧めていたが、自身の姉であるカシェアの態度がハンターであるアキラに対してやや露骨だと感じた。ハンター相手の商売はその場限りで利益を追求する傾向があるが、セレンはこれを不自然とは思わず、店の経営方針を姉に任せていた。シェリルの服が旧世界製であることに気づき、サイズの調整を提案するも、カシェアはその価値が下がる可能性を指摘した。

一方、シェリルはアキラの反応を重視しながら服を選んでいた。カシェアはアキラに代わりに服を選ぶよう提案し、アキラはアルファの助けを借りて服を選んだ。選ばれた服を着たシェリルはアキラから良い反応を得て、選んだ服を購入することにした。セレンは仕立て直しの作業に取りかかりながら、遺物としての価値を考慮し、慎重に作業の方向性を検討した。

シェリルが試着した服は、アキラや他の人々から良い反応を得られ、最終的には購入に至った。この一連の出来事を通じて、シェリルは満足し、アキラも自分のファッションセンスに少し自信を持った。セレンとカシェアの間では、仕立て直しに関する懸念が交換され、店側もシェリルの要望に対応しようと努力した。

カシェアがセレンの作業場に戻ると、セレンは仕立ての準備は終えていたが、実際の作業には手をつけておらず、経営側の決断を待っていた。サイズ調整だけでも30万オーラム、仕立て直しだと150万オーラムかかるとセレンは説明した。この高額な費用に対し、カシェアはショックを受けるが、シェリルの服をどう扱うべきか慎重に検討する。

サイズ調整だけではデザインが破綻し、仕立て直しには元の布地の質に見合う素材と技術が必要なため、費用が高くなる。セレンは仕立て直しを推奨するが、その高額な費用を客が払うかどうかは確かではなかったため、カシェアに相談する。

カシェアはアキラに150万オーラムの追加費用を払うことを承諾してもらう。アキラは装備の整備や修理と同様に、専門家の判断を尊重し、提示された料金で受けることを選んだ。アキラが自身の装備一式に8000万オーラムを支払ったことをカシェアに話し、この金額に比べれば150万オーラムは誤差であるという見方を共有する。

セレンはカシェアの報告に驚きつつも、大仕事に意気込む。二人はこの大きな挑戦に対する興奮を共有し、セレンは仕立て直しの作業に全力を尽くすことを約束する。

第75話 カツヤとシェリル

シェリル達が衣料品店ラファントーラでの買い物をしている中、エリオはアリシアのために服を選んでいた。徒党の幹部としての立ち振る舞いに気を配り、特にアリシアに合う服を選ぶことに熱心だった。一方、アキラはアルファの提案に従い、弾薬の補給や遺物の買取について考えていたが、すぐに行動することはなかった。その後、アルファから衣類系の遺物の買取先を増やすための提案を受け、カシェアに尋ねると、遺物ではなく旧世界製の衣料品としての取り扱いであれば買取可能であるという回答を得た。

カツヤはユミナ達と買い物を続けていたが、荒野用の強化服の重さに疲労を感じていた。そのため、少し休憩を取ろうとした際、ユミナ達から感謝の言葉をもらい、照れくさい気持ちになった。

ラファントーラの店内でカツヤはシェリルと共にテーブルに着く。シェリルの魅力に見惚れるカツヤは、彼女からの会話の誘いに応じ、自身のハンターとしての経験を語り始める。一方、シェリルはカツヤの反応を楽しみつつ、彼の話に共感を示す。しかし、シェリルは自分の行動に違和感を感じていた。その違和感は、カツヤへの直感的な評価が理性的な評価よりも高すぎることから生じていた。カツヤの有望な若手ハンターとしての魅力に思わず惹かれ、想像の中でアキラに縁を切られるという恐怖体験を思い描くが、それはあくまで想像に過ぎなかった。そんな中、ユミナがカツヤを「ナンパしている」と非難する声が聞こえてくる。

ラファントーラの近くのレストランでカツヤはユミナ達に謝罪していた。ユミナはカツヤがシェリルと話していたことをナンパと誤解し、店を出てしまったが、カツヤは自身の非を認め謝り続けた。ユミナは自分のいら立ちの原因が嫉妬であることに気づき、気持ちを切り替えてカツヤに反省を求める。カツヤは真剣に反省し、ユミナもそれを受け入れた。また、アイリにも謝り、三人の関係は元に戻った。その後、ユミナとカツヤはシェリルが着ていたような服を求めて再びラファントーラに向かうことにした。

第76話 衝突回避

アキラはアルファの指示で遠回りをしてラファントーラに戻り、店内で何事もなかったようにシェリルに迎えられる。アルファはアキラに冷静に対応するよう忠告し、その後カツヤ達が来店する。アキラはアルファが起こるかもしれない騒ぎを避けるために遠回りさせていたことを理解し、アルファの指示に従ってシェリルとの会話を続ける。しかし、カツヤ達の登場により緊張感が生じるが、アキラは騒ぎを起こさず、シェリルと遺物の取引を装った小芝居を演じる。その後、アキラはカツヤ達を無視して別のテーブルに移動し、ユミナと対面する。ユミナはアキラとの過去の問題を謝罪し、二人は互いの誤解を解き、関係を修復する。ユミナはカツヤの心配をしながらも、スリをする人々に対しての考えをアキラと共有し、二人はその考えに同意する。

カツヤがシェリルに話しかけられると、恋人関係の誤解を解こうとするも、シェリルは冗談交じりに更に突っ込んだ発言をする。カツヤはシェリルに対する怒りや恐れが薄れ、間違いを正そうとするが、シェリルはカツヤを楽しげにからかい続ける。シェリルはカツヤが女性を口説いているとの誤解を作り、その行動を見直すよう勧める。カツヤは言い返す言葉を見つけられず、シェリルはカツヤを煙に巻いて去っていく。その後、ユミナとアイリはラファントーラで服を購入し、アイリはカツヤにシェリルに好意を持たれていないことを伝える。アキラはシェリルに秘密を共有するかどうか選択を迫られ、詳しい話を後ですることに決める。シェリルはアキラの頼みを快く受け入れ、詳細を後で聞くことに同意する。

アキラたちは、ラファントーラでの仕立て服の待ち時間に雑談を交わしていた。シェリルはカツヤから聞き出したドランカム所属ハンターの遺物売却システムについてアキラに説明する。このシステムでは、ハンターは自身の稼ぎをドランカムに一任し、基本給と実績に応じた報酬が支払われる。若手ハンターには成果の比率変更が禁止されており、この仕組みが徒党内の安定と躍進を支えている一方で、組織内の権力バランスに影響を及ぼしていることが示唆される。夜遅く、アキラはシェリルとともに仕立て直しが終わるのを待ち、完成した服に感嘆する。この経験を通じて、アキラは自分のファッションセンスに疑問を持ち、今後は専門家に任せることを決意する。その後、シェリルはアキラに頼み事があることを知り、詳細を後で聞くことに同意する。アキラはシェリルを自宅に送り、そこから荒野へと向かい、未発見の遺跡からの遺物運び出しを手伝うことを依頼する。

第77話 シェリルの遺物収集

シェリルは再び利益をもたらす計画を立てている。徒党の中でこの話が出たのは3日前であり、詳細は明かされていなかったが、徒党の子供たちはボスが徒党のために良い稼ぎを計画していると楽観視していた。その計画の日、シェリル一行は深夜、スラム街の外れでアキラを待っていた。シェリルはラファントーラでアルファに選んでもらった服を着用し、荷台にはルシアとナーシャもいたが、具体的な説明はされていなかった。計画は、表向きナラハガカ都市への輸送という名目であり、アキラは護衛として雇われた形であった。シェリルはヨノズカ駅遺跡の露見を防ぐために、複雑な工作をしており、その説明を聞いたアキラはシェリルの仕事振りに感心し、自分の至らなさを感じていた。アルファは、アキラもいずれはこのような計画を自力でこなせるようになることを期待している。

アキラたちはヨノズカ駅遺跡に到着するために遠回りをし、シェリルの計画により子供たちに遺跡の位置を推察させないようにしていた。エリオはアルファによる運転補助機能でトレーラーを運転していると思い込んでいた。遺跡に着いてからは、アキラが遺跡の出入口を掘り起こし、遺物収集の準備を開始した。子供たちは遺物収集に向けて指示を受けたが、最初は誰も動かなかった。しかし、シェリルとアキラが車に戻るふりをした後、ナーシャが手を挙げてルシアと共に遺物収集に進んだ。最終的に他の子供たちも遺跡に入っていった。

アキラたちのヨノズカ駅遺跡での遺物収集は順調に進み、子供たちの努力により荷台は半分ほど遺物で埋まった。その頃、アキラは周囲の安全を確保していたが、2台の車両が接近してきたことを察知し、シェリルに警告した。デイルとギューバたちは荒野で借金返済のために遺物収集に従事しており、さらなる遺物を求めていたが、遺物を積んだトレーラーはアキラたちとの遭遇により停車を余儀なくされた。アキラは通信を通じて車両トラブルが原因で停車していると伝え、道を譲るよう要請した。

アキラは車両からギューバたちの車を観察していた。ギューバたちはアキラの車両を迂回する気配がなく、一時停止した後、コルベ、ギューバ、デイルが車から降りてアキラの方へ近づいてきた。ギューバはアキラに迂回してほしいと要求し、アキラが断ると脅迫めいた発言をしたが、デイルの介入によりギューバたちはアキラを迂回することを決め、現場を離れた。

その後、ギューバはコルベたちにアキラたちの元へ戻り、車両トラブルを装い牽引や護衛の提案をすることで金を稼ごうと提案した。コルベは最初は躊躇したが、ギューバの借金返済のためということで提案を受け入れた。バスの中ではギューバが自分の提案が通ったことに満足しており、同乗していたハンター達はその様子を不思議に思っていた。

一方、アキラから状況を聞いたシェリルは安心し、アキラと共に遺物を再度遺跡に戻していた。これはギューバたちが来た場合に備えた偽装であり、アキラとシェリルは遺物収集が出来なくなることを心配していたが、シェリルは通る場所を空箱にして対処することを提案した。

第78話 誰かの企み

アキラたちの遺物収集は大詰めに入っており、遺物の詰まった段ボール箱が山積みになっていた。シェリルからの報告を受けたアキラは成果に満足している様子で、照明はそのままにしておくことに決めた。アキラはシェリルに感謝を表し、アルファとの会話の中で、遺物の量からかなりの収益を期待していた。

その後、先に難癖をつけてきたギューバたちが再び現れる。彼らは牽引や護衛を提案し、アキラは当初は警戒していたが、デイルの誠意ある提案により、シェリルを含む話を聞くことになる。シェリルは高級そうな服を着てギューバたちを迎え、契約上の理由で彼らの提案を断る。

ギューバたちはアキラ達を信用して、アキラの提案した武装解除に応じる。アキラは彼らを連れていくよりもシェリルを連れてくるべきだったと後悔しながら、彼らを帰路に送る。アルファは、この一件が遺跡の存在を知られるリスクがあることを忠告するが、アキラはそれを受け入れず、相手を生かして帰す決断をする。アキラとアルファの会話から、アキラが遺跡の存在を秘密に保ちつつも、人命を尊重する判断を下したことが明らかになる。

アキラとシェリルはトレーラーに遺物が詰め込まれていくのを眺め、ヨノズカ駅遺跡の存在が露見する可能性について話していた。アキラはその懸念を表明するが、シェリルは何かの不手際があったかもしれないと頭を下げた。しかし、アキラはそのようなリスクは仕方ないとして、問題ないと答える。

その後、アキラはアルファの支援を受けて、遺跡の出入口を埋めるためにビルを倒壊させた。この行動は、遺跡の存在を他者に知られないようにするためのものであった。シェリルや他の子供たちは、遠くからその様子を見ており、アキラの強化服の性能を試すための行動と誤解していた。

一方、ギューバは情報端末を通じて、アキラがスラム街の子供たちを雇って遺物収集を行っている場所についての情報を得る。彼はこの情報を元にヨノズカ駅遺跡の出入口を探しに行くが、ビルの倒壊によって出入口が完全に隠されていることに気付かず、混乱する。しかし、通話を通じてアキラの名前を思い出し、遺跡の存在に気付く。

ギューバは遺跡に残された遺物を手に入れることができれば、借金返済どころか巨額の富を手に入れられる可能性に気付き、そのための行動を開始する。同時に、通話を提供した女性はギューバの行動を他の者に確認させるよう指示を出し、彼の動向を楽しげに見守っていた。

第79話 シェリルの災難

ヨノズカ駅遺跡からの遺物収集を終えたアキラたちは、クガマヤマ都市に戻り、アキラの自宅に遺物を保管した。翌日、アキラがシェリルの拠点に向かう途中、エリオからシェリルが誘拐されたとの連絡を受ける。ギューバと名乗るハンターとその仲間がシェリルを連れ去ったのである。シェリルは抵抗するが、ギューバたちはシェリルの手を次々に折りながら遺跡の情報を求め続ける。シェリルは苦痛に耐えつつも、情報を知らないと答え続ける。

ギューバたちは、シェリルを車で荒野へ連れ去り、さらなる尋問を試みる。しかし、アキラが車で追跡し、ギューバたちの車に故意に衝突する。この衝突により、シェリルは車外に投げ出され、ギューバたちは車から飛び出して事故を免れる。アキラはこの衝突を利用してシェリルの救出を試みたのである。

アキラはギューバたちからシェリルを救出するために、彼らの車に体当たりを実行し、シェリルを空中でキャッチした。この行動はアルファのサポートと綿密な計算によって実現された。アキラとシェリルはその場を素早く離れ、アキラはシェリルの怪我を治療し、その後彼女を安全な場所に隠した。

一方、ギューバたちはアキラの攻撃をかわし、反撃を試みる。アキラは強化服をフルに活用し、自力で戦うことを余儀なくされた。戦いはアキラがギューバたちとの間で巧みに位置を調整しながら、 DVTSミニガンと CWH対物突撃銃を用いて展開された。アキラの動きは、アルファの助言とサポートによって支えられていたが、彼自身の未熟さも露呈していた。

ギューバたちも様々な戦術を用いてアキラを攻撃しようとするが、アキラはそれらを回避または無効化し続けた。戦いの中でアキラは、敵との距離を保ちながら、次第に彼らを圧倒していく様子が描かれる。

第80話 情報の価値

アキラはギューバたちからの攻撃を回避しながら、反撃の機会をうかがっていた。ベガリスに対してCWH対物突撃銃での銃撃を試みるも、徹甲弾では十分な効果が得られず、彼を一度転倒させたものの、すぐに立ち上がって反撃を再開した。アキラは自身の弱さと敵の強さに苦悩しながらも、サポートの声に従って戦いを続けた。

ケニットはアキラに気付かれずに側面からの狙撃を試みたが、照準を合わせた瞬間、アキラと目が合い、即座に反応され射殺された。その後、ベガリスもアキラによる近距離での攻撃を受け、最終的には撃ち殺された。一方でギューバは逃走を試み、車が動くかを確認したが、動かず、アキラとの直接対決を避けるため、モンスターを誘引する敵寄せ機を利用した。

アキラはシェリルの安全を優先し、彼女を抱えて戦闘を避けることを決めた。その選択にシェリルも同意し、二人は都市に戻ることを選んだ。しかし、アキラが車に戻る途中、敵寄せ機によりモンスターの群れが近付いていることが判明し、より危険な状況になった。アルファのサポートもあって、アキラはシェリルを守りながら対処することを決意した。

アキラはシェリルを抱え、ギューバのいる車両に向かっていた。アルファのサポートにより、ギューバの位置が明確に認識できていたが、ギューバは動かず、アキラは車両に近づいていく。アキラは車両を乗り越えようとするが、ギューバは加速剤を使用して時間の流れを遅くし、アキラに攻撃を仕掛けた。しかし、アルファのサポートによりアキラは迅速に武器を切り替え、ギューバを撃ち殺した。

一方で、ギューバたちが死んだ現場には、コルベが債務回収のためにハンターたちを連れて訪れていた。彼はギューバたちの死を確認し、その報告を行った後、未発見の遺跡に関する情報が流されていることを知り、興味を持つ。

その後、アキラはシェリルと共に、車でモンスターの群れから逃れる。車は動いたが、乗り心地は悪く、モンスターの群れからはDVTSMINIガンで撃退した。二人は無事にクガマヤマ都市に戻り、アキラは疲れながらもその日の出来事を振り返り、自分とシェリルの運が足りなかったと感じていた。

一方、都市の下位区画で、ある女性が未発見の遺跡に関する情報を複数の者に売り込んでいた。その女性は、ギューバたちに情報を流した張本人であり、彼女の計画により、未発見の遺跡の情報はさらに広まることとなった。

第81話 想定外

ヨノズカ駅遺跡での遺物収集後、アキラはエレナ達の家を訪れ、次の遺物収集について話し合う。エレナは遺跡が他のハンターに知られたことを伝え、アキラに心当たりがあるかを尋ねる。アキラは自身に原因があることを認め、エレナ達はそれを軽く受け流す。エレナ達とアキラは遺跡の現状について話し合い、互いに次の行動について協議する。その結果、様子を見ながら遺物収集に臨むことに決める。

一方、ドランカムの若手ハンター達はヨノズカ駅遺跡の出入口を探しているが、遺跡の存在を完全には確認できていない。カツヤ達は遺跡が実際に存在するかどうかについて議論し、ミズハからの指示で行動している。

オルソフは新しいリーダーとして遺物収集部隊を率いており、遺跡の情報を得たが、ドランカムに先を越されてしまう。コルベとの通話で自身の不手際を指摘され、オルソフは周辺探索を指示する。さらに、未知の情報屋ヴィオラから連絡を受け、追加情報を提供される。ヴィオラはオルソフへの情報提供を楽しんでいる様子であった。

アキラ達はヨノズカ駅遺跡へ向かい、その途中で遺跡に関する情報が錯綜していることに気づく。情報が偏っていることにエレナは違和感を覚え、ハンター達を急かす意図があるように感じていた。遺跡に到着した彼らは、過去の激戦の痕跡を目の当たりにする。以前アキラが埋めた出入口ではない新たな入口を発見し、周辺の状況を確認した後、遺跡の再探索を決断する。

探索中、アキラ達は激しい戦闘の痕跡を目にし、遺跡の機能がまだ生きていること、そして多くのモンスターが遺跡内で倒されていることを確認する。彼らは遺跡内で新たなモンスターの群れと遭遇し、これを撃退する。その過程で、商店街の跡での遺物収集を試みるが、戦闘による破壊の影響で遺物が損傷している可能性に直面する。

アキラ達の行動は、彼らが遺跡の機能やモンスターの存在に対する理解を深めると同時に、遺物収集の難しさを改めて認識することとなる。遺跡内の探索と遺物収集は、様々な困難との闘いであることが浮き彫りにされた。

第82話 遺跡の警備装置

アキラたちは商店街跡で遺物収集に励み、遺物を確保していく。サラはアキラに遺物保存袋の利用を勧める。収集後、更に進むか戻るかの決断を迫られ、アキラたちは次の商店街跡へ進むことに決める。そこでは、閉じ込められていたレビンらハンターたちと出会い、扉を蹴破って彼らを助け出す。レビンはエレナたちに同行しようとするが、エレナたちはそれを拒否する。その後、アキラたちはレーザー弾を発射する警備機械と遭遇し、戦闘を行う。その最中、ユミナが現れ、アキラたちに助けを求める。

第83話 願いの代償

ヨノズカ駅遺跡の地上部がまだ落ち着いていた際、ドランカムの若手ハンターたちは瓦礫から遺跡の出入口を掘り出し、探索を開始した。カツヤとその仲間たちは、設置済みの現代製の照明があることから、この遺跡が既に他者によって探索済みであることを知る。それでも彼らは遺物収集と遺跡内のマップ作成を進め、成果を挙げた。しかし、地上に戻ろうとした際、モンスターの群れによる危機が迫っていた。カツヤは仲間を安全な場所へ避難させるため、自らモンスターの群れを引き付けて残ることを決意する。アイリはカツヤを置き去りにし、意識を失った仲間を避難させる苦渋の選択をする。

階段の上から殺到したモンスターに呑み込まれたカツヤは、死を直視していたが、仲間を救う決意で、普段では考えられないほどの力を引き出す。カツヤは自分の未知の才能に訴えかけ、絶望的な状況を乗り越えようと奮闘する。その過程で、ある程度の成功を収めながらも、全ての仲間を救い出すことはできず、深い悲しみと自己嫌悪に苛まれる。一方、オルソフらはドランカムが遺跡を占拠するのを防ぐため、モンスターを利用した策略を実行し、結果的に膨大な数のモンスターが遺跡周辺に集結することになる。この計画は遺跡を探索しようとする多くのハンターによっても行われ、結果として遺跡周辺はモンスターで溢れかえり、ハンターたちは遺跡内部へと逃げ込むことになる。この一連の出来事は、遺跡の探索を巡る競争と危険性を示している。

仲間たちを簡易拠点に案内し安全を確保したユミナは、カツヤの援護に向かい、途中でアイリと合流する。カツヤは一人でモンスターの足止めをしており、ユミナはアイリに仲間の世話を頼んで、カツヤを助けに行く。カツヤは深い精神的苦痛に見舞われていたが、ユミナに励まされ、二人は簡易拠点に戻ることにする。しかし、簡易拠点への道が隔壁で塞がれており、ユミナは地上を目指す決断をする。その過程でユミナは手を負傷し、仲間たちはカツヤの世話を頼まれる。ユミナは救援を呼ぶために一人で地上を目指すが、遺跡内部は再び混乱に包まれる。地上から侵入したモンスターは撃退されるも、今度は地下から新たなモンスターが湧き、遺跡内部の構造が大きく変わる。ユミナは非常に大回りをして地上を目指し、その道のりは困難を極めた。

第84話 助ける理由とその相手

ヨノズカ駅遺跡で遺物収集中のアキラたちは、警備機械に追われていたユミナを助ける。その後、ユミナはカツヤたちの救出を懇願するが、レビンは早急に都市へ戻ることを主張し、エレナは葛藤する。レビンは緊急依頼の成立として5000万オーラムを支払うことを申し出るが、エレナはその支払い能力を疑う。交渉は一進一退の状態になる。その時、アキラがカツヤたちの捜索と援護を引き受けることを提案し、エレナたちはレビンたちを都市まで護衛することになる。エレナたちはアキラたちを見送った後、地上への帰路を急ぐ。レビンは護衛代の減額を提案するが、エレナはそれを後回しにする。

ユミナはアキラに索敵を任せて、遺跡内を進んでいく。アキラの高い戦闘能力に感心しながらも、過去に彼と対立しかけたことに対して内心でほっとする。二人は遺跡内でモンスターに遭遇するが、アキラの迅速な対応で難なく撃退する。その過程でユミナは自分の右腕の負傷をアキラに気付かれ、彼から高性能の回復薬を受け取って治療する。エレナたちはレビンたちを連れて地上に戻り、遺物とレビンたちを運び屋に託して、エレナとサラは再び遺跡に戻る。アキラとユミナは遭遇したハンター、チャレスからカツヤが立体映像の幽霊に関連する情報に興味を持って別行動を取ったことを聞く。アキラはエレナたちに後で話をつけると約束し、ユミナと共にカツヤを探しに行くことにする。チャレスたちはアキラとユミナの行動を見送りつつ、カツヤの特異な魅力を語り合う。

カツヤは悪夢から覚めた後、アイリと他の仲間達と共に遺跡内の簡易拠点にいたことを認識する。しかし、ユミナが6時間前に外へ確認に出てから戻っていないことを知り、彼女を探しに単身で出発することを決意する。カツヤはアイリに仲間達の安全を託し、簡易拠点を後にする。彼は遺跡内でモンスターと遭遇しつつも、異常なほどの集中力でそれらを撃退し、ユミナを探し続ける。その過程で他のハンター達を助け、立体映像の女性がいる場所について聞き出し、そこに向かっていく。カツヤは、ユミナを助けるためだけでなく、何となくその場所に向かうことが全ての解決策であるかのように感じていた。

第85話 続く試行

ヨノズカ駅遺跡の巨大なトンネルにおいて、カツヤは激しい戦闘が行われている様子を目の当たりにする。彼は乗降場にいる立体映像の女性の元へと進む決意を固め、渡り廊下を駆け抜けるが、途中で体調の急変に見舞われる。それにもかかわらず、カツヤはなんとか目的地に到達し、立体映像の女性に対してユミナの居場所や警備機械の対処を求めるが、一切の反応を得られず、混乱する。その時、彼がモンスターに襲われそうになると、アキラによって救われ、ユミナと再会する。アキラとユミナはカツヤを助け出し、トンネルが閉じる中で脱出を試みる。カツヤは一連の出来事に混乱しつつも、ユミナに引き摺られる形で安全な場所へと逃れる。

トンネル閉鎖の少し前、アルファが立体映像の女性に何か指示をしていた。その後、トンネルは閉じ始めた。アキラがカツヤたちと合流し、安全な場所へと移動した後、カツヤは自分を助けた理由を問い、アキラはカツヤを助ける意図はなかったと答える。その場の緊張をユミナが和らげ、カツヤに回復薬を服用させるためにアキラから高価な回復薬を要求する。その後、カツヤ達は地上に戻り、遺跡からの脱出準備を進めていた。

カツヤは、アキラとの複雑な過去を抱えながらも、アキラから提供された回復薬のおかげで体調が改善される。エレナたちはアキラを迎え入れ、遺跡の体験を共有した後、家路につく計画を立てる。一方、カツヤは内心で仲間への想いや自身の不充分さに悩んでおり、ユミナからの心配の連絡を受けても、その場を離れることができない状況にいた。しかし、ユミナとアイリが地面の陥没によって落下する危機に直面し、カツヤは仲間を救うために全力で駆け寄ろうとするが、状況の厳しさを理解している自身の才能と葛藤しながらも、救出を試みる決意を固める。

アキラは地下の遺跡の一部が倒壊し、地上の一部も崩落したことを知り、ユミナたちがその崩落に巻き込まれたことをアルファから聞かされる。エレナたちは地上でその揺れを感じており、アキラからの提案で現場を確かめに行くことにする。カツヤたちは地下でモンスターの群れと戦っており、かなり厳しい状況に置かれていたが、アキラとサラが助けに来て、カツヤたちは無事地上に引き上げられる。エレナはカツヤの強さについて疑問を抱くが、ユミナは最近カツヤが一人で戦う機会が増えたことを指摘する。

戦いの中でアキラはカツヤの高度な戦闘能力に驚き、カツヤはアキラとの協力を通じてその実力を認めざるを得なくなる。エレナたちの車両で地上に戻った後、アキラとカツヤはやや気恥ずかしい様子を見せる。アキラたちが地下で遭遇した危機は、彼らの協力と互いへの理解を深めることになり、チームワークの重要性を改めて認識するきっかけとなった。

ヨノズカ駅遺跡から湧き出るモンスターは、新たに到着したハンター達によって大半が倒され、残りも対処された。エレナ達はドランカム側にカツヤ達を引き渡し、帰路に就いた。アキラはエレナの車で疲れ切って休んでいる。ヴィオラは、自分が流した情報だけでは遺跡での騒動が起こるとは思わなかったと反省しているが、次の楽しみへと意識を切り替えていた。一方で、遺跡への別の試みが失敗したと報告される一幕もあった。この試みは、ドランカムの若手ハンター達との接触を目的としていたが、計画は頓挫した。そして、未契約の個体に関するアルファと少女の対話が繰り広げられ、契約に縛られない行動の可能性とそのリスクについて議論された。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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