どんな本?
ダンまち。
元々は小説の投稿サイトArcadiaで読んでいた小説だった。
大賞を取れたと書かれた後に消されて、書籍化されたら買おうと思い出版されたのが10年前。
もう10年経つんだ、、
その後、コミック化され遂にアニメ化された。
この作品への感情移入感はハンパない。
3巻まで紙の本、Kindle、BOOK⭐︎WALKERでそれぞれ買って保存してる。
それ以降は電子書籍のみのだがKindle、BOOK⭐︎WALKERで購入している。
もちろん、外伝の方も買って読んでいる。
読んだ本のタイトル
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか18 小冊子付き特装版著者:#大森藤ノ 氏
イラスト:#ヤスダスズヒト 氏
あらすじ・内容
白妖精は誓う。女神に捧げる忠義を。
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか18 小冊子付き特装版
黒妖精は刻む。ただそれだけの想いを。
小人は哭く。四つの後悔を力に変え。
戦車は進む。女神以外全てを切り捨て。
そして、猛者(おうじゃ)は問う。
夢想でも詭弁でもなく『力』の証明を。
「この身を超えられぬ者に、『女神』を救う価値などなし」
誰も、何も間違っていない。
ただ女神を想い、己(エゴ)を貫いて、かつてない『大戦』を駆け抜ける。
だから、誰よりも傷付き果てる少年は――黄昏の空に、『偽善』を告げた。
「あの人を助けるって、約束したんだ」
これは少年が歩み、女神が記す、
──【眷族の物語(ファミリア・ミィス)】──
前巻からのあらすじ
いきなりフレイヤファミリアに制圧されてしまうヘスティアファミリア。
目的はベルくんをフレイヤファミリアに入れるため。
あまりにも強引。
でもルールでは、1年間所属してないと別のファミリアに移籍出来ないルールがあった。
ベルくんはヘスティアファミリアに所属してからまだ半年。。
半年、、
まだ
半年しか経ってないのか。。
それではヘスティアファミリアからフレイヤファミリアへの移籍はルール違反になってしまう。
それならと、フレイヤは。。
都市の人達の記憶を改竄して最初からフレイヤファミリアに居た事にした。
その記憶改竄の影響に入らなかったのが、ベルくん、ヘスティア、そしてフレイヤファミリアのみ。
後はダンジョンに潜ってた冒険者と、都市の外に居た連中だが、そこはフレイヤファミリア。
ダンジョンと都市のの出入り口を漏れなく抑えて、記憶改竄を行なってしまう。
そして、ヘスティアファミリアを制圧した事実も無くなり。
ヘスティアファミリアのメンバーが目を覚ました時には、、
ベルくんがフレイヤファミリア所属になってしまった。
しかも、幹部候補の新人として。。
でも、ベルくんの記憶はヘスティアファミリア所属のベルくんなのに、周りはフレイヤファミリア所属のベルくんとして扱う。
そんなベルくんに、フレイヤファミリアの連中は「呪いを受けて記憶が混乱してる」と言う。
周りと自身の記憶の齟齬に苦しむベルくん。
そんなベルくんを救出するため、女神ヘスティアはフレイヤの魅了の影響下にある中。
神ヘルメスの助力を得ながら街中の炉に火を入れて、ヘスティアの神域を造りフレイヤの魅了を打破する。
そして、女神フレイヤはベルくんを賭けて戦争遊戯をヘスティアに申し込んだ。
感想
雑感
今巻で16巻から始まったフレイヤ(シル)の騒動が決着した。
17巻から1年半も待って記憶を戻すのに結構かかったわ、、
17巻は2回読み返した。
そして、18巻を読み終わった瞬間思ったのは、、
ベルくん、罪な男になったのぅ、、
ヘルメスも早くゼウスにベルくんのジゴロ具合をお知らせしないと!!
ベルくん、恐ろしい子になってるぞ!!!
いつでに約一年でレベル5まで一気に駆け上がってる。
アイズですらレベル2になるのに1年以上かかったのにベルくんはレベル5になった。
あと、アストレア・レコード読んでいて良かった。
繋がってたわ。。
女神アストレアも本編に出て来たし。
侮れん。
あとがきでは次の章は短いらしい。
その次は最終章なのか?
まだまだ続いてほしいな、、
フレイヤに圧倒的有利な戦争遊戯
話は、ベルくんの所有を賭け。
フレイヤ・ファミリアがヘスティア・ファミリアに戦争遊戯を申し込む。
神会の協議で種目は、ヘスティア・ファミリアには援軍はいくら参加しても良い。
でも本気で勝ちに来ているフレイヤは色々と有利な状況を作っていた。
まずオラリオのギルドから、ロキ・ファリミアは参加不可と通達が来る。
黒龍討伐を主目的のオラリオのギルドは今回の騒動での戦力低下は承諾出来ない。
以上の理由で、参加したら確実にお互いを潰し合うロキ・ファミリアの参戦は認めないと言って来た。
それにキレる女神ロキだったがギルドからの通達は絶対。
さらに、ベルくんの憧憬一途の対策として、フレイヤはオッタルを通してアイズにベルくんへの接触を禁じる。修行ですら彼女と接触するとベルくんの能力は凄まじく伸びてしまう。その対策にベルくんとの接触を禁じてしまう。さらに不承不承ながら従うアイズ。
さらに、フレイヤに元から魅入られてる男神達の妨害もあり。
始まる前から戦争遊戯の勝敗は決まっている状態。
賭けを開催しても100vs0で賭けが成立しない。
派閥連合の悪あがき
戦争遊戯に参加出来ないロキ・ファミリアのフィンは個人的に対フレイヤ・ファミリアの秘策をリリに伝授し。
アイズがベルくんと接触出来ないので、ティオナがベルくんの修練相手に協力。
ヴェルフは魔法剣を出来る限り大量に作り。
春姫は魔法をさらに磨く、、
戦争遊戯開始
オラリオ最大派のフレイヤ・ファミリアはの力は強大だった。
ちょっと予定外だったが、フレイヤの命令で攻勢に出ただけで多くのヘスティア側のオグマ、セルケト、ソーマ、、ソーマ???、デリング、ラートリー・ファミリアが脱落。
そして、タケミカヅチ、へファイストも脱落してしまった。
ほぼ情勢は決した状態。
でも、ヘスティア・ファミリアの司令官リリからしたらこの状況は想定内だった。
現れる助っ人たち(ヘルメスの尽力)
そんな圧倒的に不利な状況に、リューが助っ人に現れる。
リューは主神のアストレアにステータスを更新してもらいレベル4から6へ昇華していた。
その力で助っ人として介入する。
さらに豊穣の女主人の店員達が、ニョルズ、デメテルに改宗してまで助っ人として介入する。
店員シルを助けるため、、
仮死状態になっているヘルンの言葉を聞いて、ミア、アーニャ、クロエ、ルノアがフレイヤ・ファミリアにカチコミを駆ける。
泣いてる家族を助けるために。
アストレアまで新しい眷属達を連れてオラリオに来てる、、
今後、本編に絡んで来るのか?
そんな助っ人の介入があっても、届かないフレイヤファミリアの強さ。
ガリバー四兄弟、アレン、ヘディン、ヘグニ、オッタルが立ち塞がり彼女達を跳ね返す。
もうダメかと思った時、、、
変わる戦況
ベルの師匠ヘディンが内心苦しんでいるフレイヤのためにフレイヤを裏切ってフレイヤ・ファミリアの主力組に魔法を撃ちまくる。
さらにヘディンの説得で、ヘグニも裏切ってガリバー四兄弟は無力化され。
残ったオッタルとアレンに襲い掛かる。
情勢的に互角になるが、、
最後に残ったオッタルが強かった。
レベル7のオッタルが獣化してレベル8となり立ち塞がる。
それに挑むのはレベル5のベルくん。
レベル6のリューとヘディン、ミアだったが、、
そこに春姫がウチデノコズチで階位昇華をして、さらにベルくんの英雄願望まで出してギリギリの闘いを何回もしてやっとオッタルを倒してフレイヤの持つ花を散らして勝利する。
その結果、、
フレイヤ・ファミリアは解散。
女神フレイヤはオラリオから追放になるのだが、、
街娘なら良いとヘスティアが言うが、それでも去ろうとするフレイヤに豊穣の女主人の店員達とベルくんが説得。
フレイヤは、豊穣の女主人の店員シルとしてオラリオに残る事になる。
めでたしめでたし?
フレイヤ・ファミリアの眷属の所属先は?
ロキ・ファミリアには行かないだろうな、、、
ベルくんの師匠のヘディンくらいはヘスティア・ファミリアにいて欲しいかな?
ベルくん的には地獄か?
最後までお読み頂きありがとうございます。
アニメ
PV
5期制作決定
ダンまち5期やります!!!
— 大森藤ノ (@fujinoomori) November 4, 2023
皆さん、本当にありがとうございます✨✨✨#ダンまち#ダンまち10周年#danmachi pic.twitter.com/DSMAotRoQq
同シリーズ
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア
アストレア・レコード
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか オラリオ・ストーリーズ
その他フィクション
備忘録
Double Role Ⅱ
ある女神が語る自身の経験が描かれている。
天界での彼女の地位は「美の神」として特別であり、その魅力は強大であるが、同時に大きな制約と監視の対象となっている。
多くの神々は彼女の力を恐れ、一部は彼女を制御しようとしたが、彼女の魅力はそれらを超えていた。
彼女は自由な存在ではなく、高い地位と引き換えに厳格な管理と制限の下に置かれていた。
その存在は楽園のようでありながら、実質的には彼女を閉じ込める牢獄であったと彼女は感じている。
彼女は自身の状況に対する不満や苛立ちを抱えつつも、自己の立場を受け入れていた。
彼女が最終的に到達したのは、誰もが彼女の「愛」を求めるが、それが彼女にとっては空虚で満たされないものであるという認識である。
その認識により、彼女は自らを解放しようと決意し、束縛から逃れようと試みる。
彼女は天界を離れ、新たな何かを求めて旅を続けるが、伴侶を見つけることはできず、再び絶望感に襲われる。
彼女の物語は、極めて強大な力を持つがゆえに生じる孤独と束縛、そしてその中での自己の探求と解放の試みに焦点を当てている。
彼女は自らの役割と運命に疑問を持ちながらも、真実の愛や自由を求めて奮闘しているが、最終的にはそれが達成できないという現実に直面している。
六章 女神転征 ~オラリオ黙示録 ~
その人物はかつて親しい人物に髪を切ってもらったが、今はその人物との関係が断たれている。
彼?彼女?はその人物の真意や過去の行動が自分にとって何を意味していたのか、また彼女の行動が真実からの逸脱だったかどうかについて考え込んでいる。
彼女が彼の髪を褒めたり、世話をしたりしたことが、すべて演技だったのか、それとも真実の愛情に基づいたものだったのか、彼は確信が持てずにいる。
彼女は自由気ままな存在であり、自分の都合で彼との縁を切ろうとしている。
彼?彼女?はその全てを受け入れることに苦しんでおり、彼女との真実を見極めるために再び彼女に迫る決意を固める。
その決意のもと、彼は新たな旅に出ることを決め、遠く離れた場所へと向かう準備を整えている。
オラリオにおいて前代未聞の『戦争遊戯』が開始されることが決定した。
フレイヤ・ファミリアと派閥連合の間で予定されているこの戦争遊戯は、迷宮都市の市民に混乱をもたらし、都市全体がその影響を受けている。
特に商人たちはこの事態に商機を見出すどころか都市の均衡の崩壊を恐れている。
神々の間でも、普段は軽薄な態度を取る者たちが真剣に身の振り方を検討しており、冒険者たちも参戦に興味を示しているが、その制止に神々は苦労している。
しかし、フレイヤ・ファミリアの行動を支持する声はほとんどなく、彼女は孤立無援の状態にある。
神々の会議では、ヘスティアとロキが激しい口論を繰り広げる。
ロキ・ファミリアが戦争遊戯に参加しないという事実が明らかになり、それが他の神々の戦意を低下させていることが示された。
ロキは、もし彼女たちが真剣に参戦すれば、それがロキとフレイヤの個人的な争いと見なされる恐れがあると説明する。
このため、フレイヤとの戦いはヘスティアとフレイヤの争いとして位置づけられるべきだと彼女は主張する。
ヘスティアはフレイヤとの戦いを他の神々に依存せず自らの力で戦おうとするが、その提案は受け入れられない。
最終的にヘスティアはフレイヤに立ち向かう力を求め、ロキに助力を要請するが、ロキはこの提案も拒否する。
ロキはアイズが契約によって動けない状況にあると説明し、ヘスティアの要請に応じることができないことを明かす。
このため、ヘスティアはフレイヤとの戦争遊戯に向けて他の手段を探さなければならなくなる。
朝霧が立ち込める冷たい秋の早朝に、アイズは原野で猪人の男と向き合っていた。
アイズに対して、「女神の言葉を伝える」と述べ、「ベル・クラネルに関わる事柄の一切に関与しないこと」を条件に、沈黙を代償として借りを返すよう求められた。
期限は決戦が終わるまでであり、これが契約違反となった場合、アイズの剣が腐り落ちると警告された。
オッタルは何も言わずに霧の中へと姿を消し、アイズは一人残され、「ごめん」という言葉を絞り出すのが精一杯であった。
ロイマン・マルディールとフィン・ディムナは密会を行い、ロキ・ファミリアの戦争遊戯参加を禁止することを話し合った。
ロイマンは、ロキとフレイヤの双方がオラリオに君臨し続けるためには、潰し合うことを避ける必要があると主張した。
この禁止命令は彼の独断に近い形で決定されたため、ギルド内部でも反発がある模様である。
フィンは、戦争遊戯の目的や規則について問いただし、戦争遊戯が犠牲者を防ぐための形式であると指摘したが、ロイマンは冒険者の危険性を理由に、その参加を許可しなかった。
フィンはロイマンの決定に納得しておらず、情報が公平に扱われることを求めた。
ロイマンは、冒険者同士の激しい争いが無駄な犠牲を招くと強調し、フィンに対し、戦争遊戯に参加しないよう警告した。
フィンは喫茶店でヘディン・セルランドと会話を交わし、フレイヤ・ファミリアの戦略について話し合った。
フレイヤ・ファミリアはオラリオの総軍を叩き潰すことを目的に戦争を要求し、ヘディンはその計画を認めた。
フィンは、フレイヤ・ファミリアが強大であるため、【ロキ・ファミリア】が介入しなければ【ヘスティア・ファミリア】は厳しい戦いを強いられると考えていた。
しかし、ギルドからの制限により、ロキ・ファミリアの介入は禁じられ、フィンは協力の可能性を探るつもりである。
ヘディンとフィンは、ロイマンの決定について異なる見解を持ちつつ、その場の会話を通じて相互の立場を確認することになる。
ベルはリリルカ・アーデと他の仲間たちに囲まれて、彼らの深い謝罪を受ける立場にあった。
リリは特に自己嫌悪に陥り、激しく涙を流しながら謝罪を繰り返していた。
エイナや春姫もベルに対して深く謝罪し、彼らの心中は重苦しい空気に満ちていた。
しかしベルは、彼らに罰を求めるよりも協力を求めることを選び、一緒に次の戦いに立ち向かうよう呼びかけた。
リリはベルに再び支援を誓い、他の仲間たちもベルを支えることを誓った。
この経験を通じて、彼らはベルに対する罪悪感を克服し、集団としての一致団結を取り戻した。
夜は暗い運河に似ており、揺れる水面のような星々と、ゴンドラのような欠けた月が薄い雲の隙間を渡り儚く輝いていた。
月明かりは離れ離れになった誰かを探しているように嘆いているが、それを誰も見つけられないと感じていた。
そうした感傷の中で、女神は自らの感傷を抑え、ただ少年の名、「ベル」と呟いた。
七章 ボク達、この戦いが終わったら結婚するんだ
ベルは自身のステータスがレベル4からレベル5に更新されたことを神様と共に確認していた。
この更新は、ベルがフレイヤのところで過酷な戦いを経験した結果だった。
神様はベルを慰め、彼の苦労を讃えながらも、自分が彼を守れなかったことを詫びた。
ベルは、神様が最終的に彼を助けるために尽力したことを感謝していた。
そして、ベルのステータスが著しく向上したが、それはフレイヤによって彼がいかに厳しく扱われたかを示していた。
最終的に、ベルの新たなランクと能力を反映したステータスが更新され、彼は第一級冒険者として新たな地位を得たが、フレイヤ・ファミリアの強敵たちとの戦いに対する不安も残った。
リリは、床と机が羊皮紙で覆われた書庫で呻いていた。
これらの紙には【フレイヤ・ファミリア】に関する派閥情報が記されていた。
各メンバーが戦争遊戯に向けて準備を進める中、リリも敵の情報を集めていた。
しかし、情報を読み進めるほどに、彼女は戦力の差に絶望を感じていた。
それは犬と獅子どころではなく、蟻と竜のような差だった。
ヘスティアは突然訪れたフィンを連れてきた。
フィンはリリに【フレイヤ・ファミリア】の詳細な戦術やスキルに関する情報を提供し、彼女を優れた指揮官に変えると提案した。
彼の提案にリリは当初戸惑いながらも、彼の提案を受け入れることを決意した。フィンの助けにより、リリは【フレイヤ・ファミリア】への対策を練ることができるようになった。
ティオナが【ロキ・ファミリア】の本拠地で大声を上げている。
彼女は【フレイヤ・ファミリア】との戦争遊戯に参加することを望んでいたが、ギルドからの勅令により参加が禁止されていた。
ガレスは彼女を何度も落ち着かせようと試みたが、ティオナは納得せず、感情的になっていた。
彼女は自身の感情を表現し、アルゴノゥトたちを助けたいと繰り返していた。
ガレスは彼女に、ギルドの規則に従わなければならないと説明し、規則を無視すると【ヘスティア・ファミリア】の反則負けになると警告した。
ティオネも同様の感情を抱いていたが、リヴェリアは彼女たちを静め、派閥の副団長として責任を感じていた。
最終的に、ティオナはリヴェリアの問いに「アルゴノゥト君のところ!」と答え、姉と一緒に館を出ていった。
彼女たちは戦争遊戯に参加できなくても、アルゴノゥトの味方をする決心を固めていた。
椿・コルブランドはヘファイストスに全面的な支援を確認している。
ヘファイストス・ファミリアは、ロキの不参戦が確定した中でヘスティア・ファミリアへの支援を決めた。
椿は最上級鍛冶師として、【フレイヤ・ファミリア】の強靭な勇士への対策について熱意を持って取り組んでいる。
一方、ガネーシャ・ファミリアは不参戦が決定しており、イルタ・ファーナはそれに反発し、シャクティと議論しているが、シャクティは都市の秩序を保つためには彼らが戦争遊戯の周囲を監視する必要があると説得している。
最後に、戦争遊戯への参加を強く望むモルド・ラトローが、仲間と共に【ヘスティア・ファミリア】に加わることを決め、ヘファイストス・ファミリア、モージ・ファミリア、マグニ・ファミリアも参戦を宣言している。
黒いローブを纏った神々が集まり、女神同盟を形成することを決定した。デメテルはフレイヤとの良好な関係が理由で仲間外れとされ、代わりにハトホルが旗頭に推された。ハトホルは消極的であったが、女神たちの強い要求に押され、結局参戦することになった。一方で、神会は毎日夜毎に開かれ、議論が続いているが、具体的な決定は進んでいない。その間にも参戦を決める神々が増え、ギルド職員は期待を寄せていた。
しかし、ヘルメスはヘスティアとベルが負けることを確信しており、アスフィには参戦を控えるよう助言している。
アスフィは参戦を望んでいるが、神会で彼女が参加禁止とされてしまったため、その想いを受け入れることになる。
ヴェルフは精神的、肉体的に疲労困憊しており、多くの「魔剣」を鍛造していることに自己嫌悪を覚えていた。
ベルとリリも、それぞれの方法で戦争遊戯への準備に追われ、精神的な疲弊が見られた。
その中で、ヘスティア・ファミリア全員が身体的な疲労や精神的な不安を抱えつつも、それぞれが必要な準備と対策に励んでいた。
ベルは仲間たちを支えつつ、自身も多くの「儀式」や「代償」を経て心身の調整を行っている。
彼らの努力と連携は、ただひたすらに戦争遊戯に向けたものであった。
そんな中、戦争遊戯の詳細が決定し、「神探し」という勝負の方法が発表された。
この発表により、彼らの戦略や準備が新たな局面を迎えることとなる。
フレイヤは戦争遊戯の詳細を聞いた後、ロキ・ファミリアの不参戦も確認し、その情報に特に動揺することなく冷静に受け止めた。
彼女の目的はオラリオの総軍を打ち破り、欲するものを手に入れることにある。
彼女はアレンに対して、ベルの成長を恐れ、アイズとの接触を避けさせるよう命じたが、それが彼女の「矛盾」として指摘された。
フレイヤはその行動を「確実に手に入れるため」と説明し、ベルへの独占欲を露わにした。
アレンはフレイヤの言葉を受け入れ、それ以上の追及を避けた。
一方で、フレイヤ・ファミリアの団員たちは、フレイヤの命令に忠実に従いつつも、彼女の決定に対する疑問を抱いている。
特にアイズを遠ざける理由については、団員たちの間で議論が交わされたが、最終的には女神の意志に従うことになる。
ヘグニはベルとの関わりを個人的に感慨深く語り、その複雑な感情を露にするが、他の団員からはそれに対する批判も受ける。
フレイヤの指示に従い、彼らは戦場で戦うことを誓う。
Monologue Ⅵ
ある女神が自身の記憶を追体験している。彼女は孤独であり、愛に満ちているにも関わらず、満たされずにいた。
彼女は愛を知るがゆえに、その空虚を感じており、愛に飢えることができるが、同時に愛に囚われ続ける存在である。
そのため、愛が永遠の地獄にもなり得ると気づいていた。
彼女はある日、花畑で泣いており、自分を見つけられずにいた。
そこに現れたドワーフの女性と出会い、彼女に昇拳を食らわされる。
その出来事が彼女にとって初めての体験であり、これを契機に彼女はドワーフに興味を持つようになる。
ドワーフは食料を重視し、神よりも食事を価値あるものと見なしていた。
この出会いにより、女神は下界の真実と未知について新たな見方を開発し、ドワーフを眷族として迎え入れる。
女神はドワーフと共に旅を続け、彼女を大切にし、彼女の生き方に敬意を表していた。
しかし、女神の伴侶を見つけることはできず、孤独は解消されなかった。
ドワーフは女神のもとを離れ、女神は再び孤独に陥る。
その後、女神は様々な場所で眷族を増やすものの、根本的な孤独は変わらず、彼女は再び孤独な花畑に辿り着き、過去を悔やみながら泣いている。
八章 派閥大戦
アーニャは長時間寝台の上で塞ぎ込んでおり、ルノアやクロエが彼女を励まそうとしていたが、アーニャは動けない状態にあった。
ルノアは怒りながらもフレイヤ様がシルであると気づき、アーニャに行動を促したが、アーニャは自信がなく、動くことができなかった。
結局、ルノアはアーニャを置いて他の店員とともに戦争遊戯に参加することを決めた。
部屋にはアーニャ一人が残され、彼女は深い自己嫌悪と共に佇んでいた。
そんな時、乱暴に誰かが部屋に入り、アーニャはその人物が兄であることに気づいた。
オラリオの北西に位置する『ベオル山地』の窪地湖には、『オルザの都市遺跡』と呼ばれる広大な遺跡が存在する。
かつて要塞都市として栄えたこの地は、自然に覆われつつあり、古代の建造物が荒廃している。
中でも「神の家」と称される神殿は、古代の人々が架空の神々を崇めた場所とされている。
この遺跡は、今回の戦争遊戯の舞台となり、『フレイヤ・ファミリア』と『ヘスティア・ファミリア』率いる連合軍が対決する。
戦争遊戯のルールは、敵陣営の主神を見つけ出す「神探し」であり、激しい戦闘が予想されている。
この大戦はオラリオ市内で『神の鏡』を通じて実況されており、市民は緊張感を持ってそれを見守っている。
遺跡群を前に立つ上級冒険者たちは、その広大さに感嘆している。
『オルザの都市遺跡』の一望できる外輪山からの景色は壮大であり、遺跡は窪地湖の美しい緑玉明色の水に浮かんでいる。
遺跡の西側には【フレイヤ・ファミリア】が、東側には連合軍が陣を構えている。
この広大な遺跡での戦争遊戯は、50近い【ファミリア】が参加する大規模なものである。
戦争遊戯のルールは「神探し」で、各ファミリアは自陣営内のどこかに主神を隠し、相手の主神を見つけ出すことが目標だ。
戦場の視察を終えた冒険者たちは、野営地へと戻る。
この野営地は戦争遊戯開始後、脱落した怪我人を治療する救急拠点になる予定である。
『オルザの都市遺跡』は窪地湖に築かれ、その広さはオラリオの一区画を覆うほどである。
この遺跡は【ヘルメス・ファミリア】によって「派閥大戦」の戦場に推された。
遺跡には破損した石柱や壁、半壊した神像、長い年月を経て泉と化した大浴場跡などがあり、文化的価値を持つ宝の石や副葬品は盗賊によって奪われていた。
冒険者たちは、そうした遺跡の光景を一瞥し、すぐに視線を断ち切り、再び激戦の地に変貌した都を戦場として用いた。
派閥連合に属する冒険者たちは敵の影が見えないため、本陣に報告し、位置を移動する。
斥候部隊は都市遺跡に放たれ、敵の発見を優先し、戦闘は回避されるべきであるとされる。しかし、リリは多面的な指揮を担い、情報の収集を最優先する。
敵陣への進行を指示しつつ、敵の出方や配置、数などを逆算してフレイヤ様の潜伏場所を突き止めようとする。
しかし、情報が捌ける許容量を超え、リリは情報戦に全力を注ぐ。
情報戦と局地戦の重要性を理解し、敵の陣形を確認次第、砲撃部隊と支援を動員してフレイヤの潜伏場所を攻め込む戦略を立てる。
しかし、敵陣内の半分に侵入しても敵影が確認できず、リリは戦略の見直しを迫られる。
モルド、ヴェルフ、ドルムル、ボールスは、フレイヤ・ファミリアが島の西端に全軍を布陣させていることに驚愕した。
彼らは戦況を何十通りも予測していたが、実際の敵の配置を目の当たりにして困惑する。
フレイヤ・ファミリアの本陣は都市遺跡の最西端に築かれ、150の兵士が無数の神殿跡に配備されていた。
これらの兵士は動かず、呪文を唱えることもなかった。
一方、リリは敵の陣地内に女神フレイヤが本当にいるかを確認し、ルヴィスが島で最も高い塔跡から女神がいることを確認した。
フレイヤ・ファミリアは退路を断ち、真正面からの戦いを選んだことが明らかになった。
ヘルメスはこれが派閥連合では真似できない戦術だと説明した。
敵陣を目にしたリリは、敵指揮官の非効率を嫌う性格と彼の冷酷さに驚いた。
敵は『神探し』という種目を完全に無視し、総力戦に持ち込む戦術を採用していた。
リリとその護衛は、敵の陣形を視認した瞬間に戦況の厳しさを痛感した。
リリは派閥連合の指揮官としての重圧を感じながらも、戦力を集め、部隊を再編し、敵との決戦に臨む準備を指示した。
ヘディンはリリの行動を認め、「貴様となら、予定通り斬り合える」と評価した。
彼は攻め尽くす戦術を採用し、部隊に突撃の準備を命じた。
ナーザとガイルはフレイヤ・ファミリアとの戦いに恐れを感じながらも、戦闘に参加することを決意する。
リリは部隊の再編を行い、中央部隊は防御重視で編成され、両翼は機動力を重視して配置される。
派閥連合とフレイヤ・ファミリアが対峙する状況の中、戦場は静かだが、やがてリリが進軍を命じ、戦いが始まる。
フレイヤ・ファミリアは動かず、リリは再度進軍を促す。
戦場は緊張感に包まれ、両陣営の間には激しい戦闘が展開される。
リリの指示により、派閥連合は戦力を結集し、フレイヤ・ファミリアに圧倒的な火力で応戦する。
しかし、フレイヤ・ファミリアの強靭な勇士たちは容易には倒れず、リリは戦況を悪化させないために全力を尽くす。
最終的に、派閥連合はフレイミア・ファミリアに大打撃を与えるが、敵の回復魔法により戦況は一変する。
敵の再生能力によって、派閥連合は逆襲を受け、混乱に陥る。
リリと他の指揮官たちは戦況を再び掌握しようと奮闘するが、敵の執拗な攻撃に苦戦を強いられる。
ヘイズ・ベルベットはLv.4の治療師で、フレイヤ・ファミリアに所属している。
彼女は非常に高い治療能力と戦闘能力を持ち、単独で上級冒険者を倒すことができる。
ヘイズは過去に戦士としての限界を経験し、治療師へと転身した。現在は「女神の黄金」という二つ名を持ち、その異質な能力で派閥連合に対抗している。
一方で、派閥連合の治療師たちは彼女の存在に大きな脅威を感じている。
特にダフネは、戦線の維持が困難であり、ヘイズとその他の治療師の高い回復能力に苦しんでいる。
彼女たちは敵の治療師との戦いで勝ち目がなく、フレイヤ・ファミリアの魔道士たちが前線に迫っている中で、戦況は絶望的である。
敵陣からの強力な雷弾が派閥連合を襲い、ダフネとその部隊は必死に防御を試みるが、敵の精密な射撃と高い戦力に圧倒されている。
戦場はさらに悲惨な状況へと進行し、敵の獣が戦闘に参加することで、「真の蹂躙」が始まる予感が強まる。
オラリオの中でも最高峰の魔法射程を持つヘディン・セルランドは、超遠距離からの攻撃においてリヴェリア・リヨス・アールヴを凌ぐ。彼は白兵戦技術と超短文詠唱の速射性により、上級中衛職の理想を具現化している。一方でリヴェリアは魔法の出力と多岐にわたる属性魔法で優れており、後衛魔導士としての能力は比類ない。しかし、ヘディンの持つ総合的な戦闘能力と精神力の持続はリヴェリアを上回っている。
その後、派閥連合の一角では椿・コルブランドが敵を勇猛に斬り倒していたが、ヘディンの強力な砲撃によって味方の士気は著しく下がっている。砂塵に視界を遮られ、再びヘディンの攻撃が恐れられている中、椿は玉砕覚悟で敵を討つ決断をしようとしていた。
その瞬間、ヘグニ・ラグナールが現れ、彼の強力な魔法「ダインスレイヴ」が発動する。この魔法は彼の人格を戦士向けに変更し、戦闘能力を飛躍的に向上させる。変身後のヘグニは圧倒的な力で敵を屠り、彼の周囲は血の海と化す。彼の冷酷な振る舞いは、まさに戦士の化身となっていた。
椿はこの事態に対応すべく、階位昇華を使って自身の能力をLv.6へと引き上げるが、それでも状況は絶望的である。ヘグニと椿の最終的な対決が始まり、二人の戦いが激化する中で、一瞬にして戦況が変わる可能性が示唆される。
ヴェルフはLv.2であり、Lv.6同士の戦闘を目にして息を呑んだ。彼はリリからヘグニの魔法についての情報を得ており、その魔法に対抗する手段を持っていると考えていた。しかし、彼の魔法発動寸前にアレン・フローメルが現れ、ヴェルフの攻撃を遮断した。アレンは非常に速く、ヴェルフの右肩を大きく損傷する攻撃を加えた。その後、激しい銀槍の攻撃により、ヴェルフは圧倒され、身動きが取れなくなった。
ヴェルフが製作した魔剣は、彼の不屈の意志を代弁する強度を持ち、アレンの攻撃に耐えた。アレンは最終的にヴェルフを認めたが、それはヴェルフの鍛冶の技術に対する認識だけだった。アレンの速攻により、ヴェルフは敗北し、最終的には戦場から消え去ることを余儀なくされた。
ヘディンは自陣の神殿屋上から戦況を観察していた。彼は軍師として第一級冒険者たちの陥落の重大さを認識しており、それがもたらす士気の低下を恐れていた。そのため、彼は最大限の用心をして、不安要素を排除し、第一級冒険者たちを戦場に投入した。リリやダフネから見れば、その冷酷さは絶望的だろう。敵の主要戦力は動員されているが、ベルの姿は見えなかった。ヘディンは、Lv.5の戦士を投入することがどれだけ効果がないかを知っており、現状では派閥連合に勝機はないと考えていた。彼は連合の戦略を先読みして、勝利の可能性を南西か北西に見出していると示唆した。
ベルは派閥連合の指示に従い、敵の本陣に向かっていた。彼はリリの指示で敵陣を迂回し、北西部に潜入していたが、自分が調教された白髪の少年が姿を現していないことを敵に察知されていた。敵陣には強力な存在が残っており、都市最強の冒険者を倒さない限り勝利はありえないとリリは断言していた。ベルはその通り行動し、最大の速度で敵陣に近づいていた。しかし、その途中で敵に発見され、計画は失敗に終わった。敵陣に侵入するより先に強靭な勇士に迎撃され、僅かな隙も見せずに行動を続けなければならない状況にあった。
激しい剣戟戦を繰り広げるヘグニと椿が、互いに獰猛な攻撃を交わしていた。戦いの中で、椿はヘグニの得物、《ヴィクティム・アビス》による攻撃を受け、深刻な傷を負う。この剣はその持ち主に『斬撃範囲の拡張』という能力を付与し、個人戦でも集団戦でも敵を圧倒する。最終的に椿は倒れ、派閥連合の士気は大きく低下した。次の標的としてヘグニが定めたのはダフネたちで、彼女たちも絶体絶命の状況に立たされる。ダフネは絶望的な状況の中、リリの勇敢な姿を思い出し、最後の抵抗を試みる決断を下した。
ナァーザがアイシャとその部隊の生存を延ばすために、『クロッゾの魔剣』を用いた長距離射撃を行っていた。ガリバー四兄弟はこの戦術を軽く称賛しつつも、ナァーザの機転が彼らの計画に僅かな齟齬を生じさせていた。アイシャとその部隊はこの戦術で僅かに生き延びていたが、ナァーザはこの戦いがただの悪あがきであると認識しており、最終的には全ての『魔剣』を使い果たした後にガリバー四兄弟に容易に反撃されるだろうと考えていた。そして、この戦闘が終わるまでにはまだ時間がかかるだろう。
九章 花言葉を君に
フレイヤとヘルンは「変神魔法」によって五感を共有しており、ヘルンが見る「夢」をフレイヤも感じることができる。フレイヤは自分が殺したはずの娘の「夢」を感じ、これに不快感を示している。ある時、フレイヤはヘディンに指示を出し、戦争遊戯の速やかな終結を命じる。これにより、アレンを含む部隊が迅速に敵を撃破し、多くの神々が脱落する。派閥連合のほとんどの部隊が壊滅し、フレイヤ・ファミリアの勝利が確定する。
ベル・クラネルは絶望的な戦いの中で、かつての自分を乗り越えようとしている。体の至る所から痛みが訴えており、心も苦しんでいるが、ベルは負けることを認めない。異端児たちとの出会い以降、強がりを続けてきた彼は、美神の箱庭での経験を乗り越え、今も立ち上がろうとしている。目の前の武人、オッタルはその強大な力でベルを苦しめているが、ベルは彼を倒すことで、フレイヤのもとへ進むことができると信じている。戦意を失わずに、恐怖を乗り越えることを決意し、立ち上がり戦う覚悟を新たにする。
リリは、ベルが苦戦している様子を水晶を通じて見て、彼を支えようと決意する。ベルは再び立ち上がり、絶望的な状況にも屈せず戦い続ける。リリは指揮官として、一人でも第一級冒険者を倒せば戦況を変えられると信じ、絶望的な戦況の中でも諦めずに続けている。リリはヘディンを利用することに決め、戦場での彼の戦術や戦略を理解しようとする。彼女は指揮官として、自分とヘディンとの読み合いに勝つことではなく、彼の戦術を利用することで勝機を見出そうと考えている。
冒険者たちの悲鳴と神々の絶望の声が戦場に響く中、ヘグニはダフネとカサンドラだけが戦っている。ダフネは自らのスキル【月桂輪廻】を使い、耐久力を極限まで上げてヘグニの攻撃を耐える。しかし、そのスキルの副作用でダフネの体は次第に木膚に変貌していく。カサンドラはダフネの治療を試みるが、ヘグニによって止められる。カサンドラは最終的に降伏し、ダフネの命を救うために戦闘の権利を放棄する。戦場の残る勢力は僅かで、【フレイヤ・ファミリア】の圧倒的な勝利が見える。しかし、カサンドラは風を感じ、絶望的な状況に一筋の希望を見出す可能性を感じる。
戦場に疾風の如く現れた一人のエルフが、ヘグニと対峙する。このエルフは深緑色のロングケープを身に纏い、漆黒の剣を持つヘグニに対して、木製の剣で立ち向かう。エルフはリューと呼ばれ、戦意を示しながら対戦を開始する。ヘグニとの間で激しい剣戟が繰り広げられ、周囲の観戦者は驚きと混乱に包まれる。リューの登場によって場の雰囲気は一変し、オラリオの民衆や神々からは激しい反応が起こる。リューはかつて【疾風】として知られ、多くの戦いを経てLv. 6に昇格していた。その事実はヘグニを含む周囲を驚愕させる。リューの戦闘の歴史と経験は、彼女が連続してランクアップすることを可能にした。
リューはかつて敗北し、強くなるためにオラリオを去り、剣製都市『ゾーリンゲン』で訓練し、新たな武器を手に入れた。彼女は戦闘中にヘグニとの対決を繰り広げるが、周囲からの干渉を受ける。ヘイズが指示を出し、リューを取り囲む強靭な勇士たちを集結させる。しかし、リューは自身の新たな力を信じて、星屑の剣を用いた魔法を発動しようとする。その瞬間、彼女は女神アストレアの力を呼び覚まし、戦況を一変させる可能性を秘めていた。
彼女は敵の攻撃を防ぐ強力な魔法『アストレア・レコード』を発動し、周囲の攻撃を無効化する結界を展開した。ヘグニが直接攻撃を試みるが、リューは詠唱を完了させ、攻撃を防ぎつつ反撃する。リューは新たな力として、アリーゼ・ローヴェルの魔法『紅の正花』を使い、炎属性の攻撃で敵を圧倒した。周囲の強靭な勇士たちは彼女の力に圧倒され、連携を欠いたために次々と倒される。リューは、過去の旅で得た力と、アストレアとの再会、アリーゼの意志を受け継いだことで、この強大な力を手に入れたのである。
リューはアリーゼ・ローヴェルの強力な炎の付与魔法を行使し、その驚異的な力に周囲は驚きの声を上げた。ヘルメスは、この力が『継承』であると説明し、アストレア・ファミリアの意志がリューの中で生き続けていると述べる。リューはその場にいた全員を圧倒し、特に彼女の『並行詠唱』の技術と敵の攻撃にも動じない胆力で注目を集める。その結果、リューは一人の冒険者の意図せぬ援助を受けつつ、敵に致命的な攻撃を加えることに成功した。
リューがヘグニを撃破した瞬間、オラリオ全土がその衝撃に震え上がった。これは想定外の出来事であり、多くの神々や市民がその勝利に興奮し、声を失うほどだった。ヘグニの敗北は、連合軍にとって大きな勝利であり、フレイヤ・ファミリアにとっては重大な敗北となった。これにより、連合軍の士気は大いに高まり、戦況が一変する可能性が生まれた。しかし、治療師のヘイズは、まだ戦いは続くと考え、治療師としての役割を果たそうとする。同時に、ヘディンは後方から意外な行動を取り、戦況はさらに混迷を極めることとなる。この出来事は、戦術的な驚異として、長い間忘れられないものとなるだろう。
イブリの絶叫が止まず、戦場は混乱の極みに達した。さらに、ヘディンが派閥連合への裏切りを示唆する行動をとったことで、市民や神々は動揺を隠せなかった。この事態に、多くの者がヘディンの忠誠を疑い始め、「裏切り」の言葉がささやかれた。しかし、ベルは以前からヘディンの行動に何か意味があると感じており、その予感が現実のものとなった。リリはベルの予感が的中したことに驚きながらも、ヘディンの真意が何であれ、現実として受け入れざるを得なくなった。
ヘイズは雷弾による一斉射撃を受けながら、ヘディンに怒りを表明するが、ヘディンは自分の行動が正気のものであると断言し、意図的にヘイズたちを攻撃していることを明かす。ヘディンはフレイヤへの裏切りを否定し、自らの行動を「忠義」のためだと説明する。戦いの中でヘイズは自身の治癒能力を使い果たし、ついに力尽きる。ヘディンの持つ圧倒的な精神力による連続攻撃が、ヘイズの回復能力を上回り、彼女は撃破される。ヘディンはヘイズの行動や存在を蔑み、彼女の敗北を確定させる。
リューはヘディン・セルランドの意外な行動に驚愕し、その指示に従うべきか疑問を抱く。ヘディンは自分が離反した事実を認め、リューにオッタルと戦っている【白兎の脚】を助けるよう命じる。ヘディンは、【フレイヤ・ファミリア】の本陣に対しても砲撃を開始し、自身がフレイヤに対して忠実であることを否定し、自らの行動を「主のため」と説明する。彼の攻撃は組織の最弱点を突くもので、彼が倒れたり裏切った場合には最も効率が悪い布陣となることを明かす。ヘディンはこの戦いで、敵味方を問わず、最大の魔法火力を発揮しており、戦場の混乱をさらに深める戦略を進める。
フィンとヘルメスは、ヘディンの予期せぬ行動に驚愕し、戦況が【フレイヤ・ファミリア】の不利に傾いたことを認識する。イブリはその変化を大声で宣言し、ヘディンの砲火が主戦場を覆い尽くしている様子を描写する。この事態は神々にとっても予想外であり、フレイヤ自身もこの展開を疑っていなかった。
ヘルメスは残された戦力を確認し、まだ戦闘を継続できるだけの眷族がいると確信。派閥連合の中では【ヘスティア・ファミリア】を含む四派閥のみが健在であり、主要戦力は大幅に減少しているが、まだ勝機はあると判断する。
一方、ヘディンはリリの作戦を利用し、独自の戦術を展開していることが明かされる。リリの知恵と戦術が評価され、ヘディンはその価値を認めつつ、彼女の計画を「乗っ取った」と表現する。これにより、敵である【フレイヤ・ファミリア】に大打撃を与え、リリはその成功に驚きつつも複雑な感情を抱く。
ヘディンの離反が戦況に与えた影響は計り知れず、一人の行動が全体の戦況を左右することが描かれている。彼は自らの行動を「主のため」と正当化し、最終的には派閥連合と【フレイヤ・ファミリア】の両方に混乱をもたらすが、彼の真意は依然として謎に包まれている。
ヘディンの裏切りによって【フレイヤ・ファミリア】が圧倒的な不利に立たされる中、ガリバー四兄弟は憤怒する。ヘディンの行動に怒り、彼の粛清を誓う。一方、リューはヘディンからの指示を受けてオッタルと戦うために動き出すが、その裏切り行為に疑問を抱く。
戦場には意外な援軍も現れる。酒場「豊穣の女主人」の店員たちが戦闘装束で参戦し、アーニャ・フローメルとして知られる【戦車の片割れ】も戦場に帰還する。これには【フレイヤ・ファミリア】の残された戦力も驚愕し、アレンはさらに怒りを露わにする。
アーニャは過去に折れた心を乗り越え、シルを助けるために戦いに参加する決意を固める。彼女の決意は戦場に新たな希望をもたらし、かつての自分を乗り越えて前に進む強さを示す。
ロキとミアが酒場で会話しているシーンが描かれている。ロキは戦争遊戯への不参加に関するミアの姿勢を試みつつ、フレイヤを負かすために暗躍することを明かす。しかしミアは戦争遊戯に参加しないことを選び、自分の行動をフレイヤとの間の契約に基づくものと説明する。彼女はフレイヤとの深い繋がりと過去の経験を語り、その経緯から現在も行動を自制している。ロキはミアにフレイヤの状況を変える機会があると持ちかけるが、ミアはフレイヤ自身からの直接の要請がない限り動かないと断言する。会話はミアのフレイヤに対する深い思いやりと葛藤が透けて見える内容である。
アーニャがフレイヤの命令を無視し、シルを助けるために『神の家』へ向かうことを決心する。彼女は槍を振り、敵に立ち向かう決意を示す。これに対し、敵方の勇士たちも戦いを挑む。戦闘が激化する中、フレイヤは怒りを露わにし、自身が邪魔されていると感じる。彼女は周囲を責め、娘であるシルに向けた怒りを表現する。しかし、アーニャ達はフレイヤの怒りをものともせず、戦いを続ける。フレイヤは、自分を取り巻く状況に苛立ちながらも、自身の感情を抑えきれずに激昂する。この状況は、フレイヤが抱える内面の葛藤と孤独を浮き彫りにする。
アーニャがフレイヤの命令を無視し、シルを助けるために「神の家」に向かうことを宣言します。彼女は、立ちはだかる敵に対して槍を振り、戦いを勝ち抜くことを誓います。これに対して敵の勇士たちも戦いを挑みます。一方でフレイヤは、娘であるシルに対する怒りを表し、自身の邪魔をする者たちに対して怒りをぶつけます。しかし、アーニャたちはその怒りを無視し、シルを救うために戦い続けます。フレイヤはこの状況に激昂し、制御できない感情に苦しみます。
神々が戦争遊戯の規則の抜け穴に悲鳴を上げる中、アストレアたちの参戦が許されていることになり、彼らの参戦により勝負の行方が不確かになる。ロキとヘルメスは、派閥連合の勝利を確実にするために影から支援し続けたが、最終的には戦場に立つ冒険者たちと神々が勝利を決定づけることになる。神々の間では、規則についての後悔と計画の調整が行われるが、戦いの最前線では冒険者たちが勝利を目指して戦っている。
ベルとリューは、猛烈な戦いに直面している。戦場ではミアとオッタルが、壊滅的なダメージを周囲に与えながら戦っている。ミアはオッタルの強固な防御を破ることができず、戦いの結果が見え始めている。一方、リューはベルに、シルをどう扱うかを問い、ベルはリューに対して自らの感情を語る。リューはベルの自己犠牲的な態度を咎めるが、ベルはその「偽善」を貫くことを宣言する。この深刻な会話の中、リューは突然ベルに愛情を表明し、これが戦いの決意に影響を与える。最終的に、二人は戦場に向かい、激しい戦いに挑む決意を固める。
円形劇場から遠雷のような轟音が響き、アレンが速さを生かして敵を追っている。戦場ではアルフリッグ達と豊穣の女主人が激しく戦っており、アーニャが感知して対応を急ぐ。クロエとルノアは敵を一掃するために全力を尽くし、ルノアは力強い一撃で敵を倒し、クロエは毒を用いて敵を倒している。戦場はさらに緊迫し、アーニャの強敵が接近していることが明らかになる。
敵のアルフリッグ達は連携しており、攻撃を回避しながら戦う豊穣の女主人たちも苦戦している。しかし、戦局はアーニャが突如詠唱を開始したことで一変する。彼女の魔法が発動し、周囲の敵味方含めて能力が大幅に低下する。この隙をついて、ルノア達は反撃を開始し、アレンは怒りを露わにしながらも姉妹の戦いが始まる。
アレンとアーニャは遂に直接対決することになり、戦闘はクライマックスへと移行する。戦況は一進一退の攻防が続き、アーニャとアレンの戦いが焦点となる。アーニャは家族を守るために戦う決意を新たにし、アレンは妹に対する憤激をぶつける。そして、アーニャの突如の行動が戦場の均衡を大きく変える展開となる。
アルフリッグは戦場で戦術的な指示を出し、敵の予備隊を攻撃させる。一方、春姫は戦況が悪化し、自ら詠唱を始めることを決意する。彼女の透明化が解け、戦闘娼婦と勇士たちが彼女を守ろうとするも、春姫は自分の命を賭けて戦うことを選ぶ。彼女は階位昇華の秘密を守るためにも、自身の魔法を用いて戦い続けると決断する。
サミラとレナは春姫を支持し、彼女が歌うことを許可する。春姫は自らの魔法で味方を強化し、敵に立ち向かう。その結果、敵の強靭な勇士たちは春姫を標的にするが、彼女は勇敢に抗戦する。
最終的に春姫は自分を守るためだけでなく、味方を救うために自己犠牲の精神を見せる。戦場では連携と勇気が試され、春姫はその中心で戦争の流れを変える重要な役割を果たす。
ドヴァリンは敵の奇襲に対応し、幻影を用いた攻撃に挑むが、クロエによる毒入りのダガーで重傷を負う。クロエは自らの武器に猛毒を用いており、ドヴァリンの耐性をも突破する。一方、リリ達は計画的に【炎金の四戦士】を各個撃破する戦略を展開し、最終的にアルフリッグもアイシャの猛攻に敗れる。アルフリッグの敗北により、【炎金の四戦士】は全滅し、戦況はリリ達の勝利に終わる。戦いの最中、ナァーザは自身の義手を犠牲にし、重要な魔法を発動させることで、勝利に貢献する。全体として、リリ達の緻密な計画と連携の力が敵を圧倒する。
敵の主力はほぼ壊滅し、残るは【猛者】と【女神の戦車】のみである。【猛者】はベルが、【女神の戦車】はリリが対処することになっている。リリは味方に向けて最後の援軍を呼びかけるが、力尽きた戦士たちは応えることができない。一方、ヘディンはベルに厳しい試練を与え続け、フレイヤを救うための行動を正当化する。彼はフレイヤの真の望みを叶えるために、ベルにフレイヤの愛を拒ませることが必要だと考え、そのために彼を鍛え上げていた。最終的にはヘディンとヘグニが協力し、彼女を真の自由に導くための行動を取る決意を新たにする。
東部の主戦場で、敵は【女神の戦車】のみとなっており、アーニャが粘り抜いていたが、次第に押されつつあった。この状況で、ルノアたちがアーニャの援護に向かおうとした際、アルフリッグが意識不明に近い状態で立ち上がり、戦いに介入する。アルフリッグは致命的な傷を負っていながらも、敵に対抗し続けた。ルノアとクロエはアルフリッグの抵抗に驚きながらも、シルのもとへと進もうとするが、アルフリッグは彼女がただの女性ではなく女神であるべきだと主張し、彼女の女神としての地位を守ることに固執していた。この強い意志と信念が、彼らの行動を突き動かしていた。
ルノア達が援軍に向かえない戦場で、アーニャとアレンの兄妹が槍で戦っていた。アレンは怒りに任せて激しい攻撃を続け、アーニャが異常魔法の影響下であるにもかかわらず生き延びていた。アーニャは、アレンに対してシルを助けたいという自身の意志を伝えたが、アレンは過去の苦い記憶を持ち出して反発する。その時、ヘグニが介入し、アーニャを救出する。ヘグニはアレンに対して謝罪し、自分もシルを救いたいと語った。アレンは激怒し、ヘグニの行動を理解できずに反発した。アレンは、女神を絶対的な存在として敬い、娘としての彼女を受け入れることを拒否し続けた。
ヘスティアが騒がしくリリたちを励ますために駆けつけるが、リリは重傷を負っていたため、助けることを優先させるべきだと主張する。ヘスティアはリリの状況に驚き、リリは自分より命達の治療が優先だと述べる。春姫も戦場に駆けつけ、ヘスティアにベルのもとへ向かうように促す。春姫はヘスティアの重さを気にせず、北西へ激走する。一方で、ヘスティアは春姫が力尽きるのではないかと心配するが、春姫はまだ力が残っていると断言し、二人は目的地へと急ぐ。
オッタルが抜群の防御力を発揮しており、ミア、ベル、リューの攻撃をすべて弾き返す。これまでの訓練と精神力の成果を示す彼の防御は、どんな攻撃も通すことができないほど強固である。また、彼はただの防御ではなく、攻撃の間隙を突く瞬発力も持ち合わせており、ミアの激しい一撃さえも容易に防ぎ、逆に強烈なカウンターを返す。全ての攻撃を無力化し、彼が立ちはだかる限り、敵に勝利の望みはない。ミアとリューは最終的に彼の圧倒的な防御力と攻撃力に翻弄され、絶望的な状況に置かれる。
オッタルが驚異的な斬撃で劇場を破壊し、その攻撃が湖まで到達する程の破壊力を示す。その間、ベルたちは絶望的な状況に直面するが、ヘディン・セルランドが雷光の大砲撃でオッタルの攻撃をかわす。ヘディンは彼らを助け、敵として立ちはだかるオッタルに対峙する。この突然の介入により、ベルたちは一時的な救済を得るも、戦いは続く。オッタルは動じることなく、ヘディンと戦意を高めながら、ベルたちも再び戦闘に加わる準備をする。ヘディンは雷の魔法で包囲網を作り、戦局に新たな展開をもたらす。
オッタルの完全防御を破るため、ヘディンは雷の魔法を操りながら、ベル、リュー、ミアと連携して攻撃を展開する。彼らの協力攻撃はオッタルを圧倒し、ついに彼の防御を突破する。この戦略的な攻撃により、オッタルは防具を破壊され、重要な防御力を失う。最終的に、ベルとヘディンは連携して、オッタルに対して最後の大規模な魔法攻撃を加える。この一斉射により、オッタルは大きなダメージを受け、戦闘の流れが変わる。
オッタルは大きなダメージを受けつつも生き残り、その姿が煙の中から現れる。ベル、リュー、ミアは彼が瀕死であることを確認し、倒すチャンスと考える。しかし、オッタルの生命力と戦意は衰えておらず、むしろ彼の獣のような目が逆に彼らに警戒を促す。ヘディンは緊急を要する声で最後の一撃を求めるが、オッタルの轟音がそれを遮る。
オッタルの強烈な怒号が周囲に衝撃を与え、その雄叫びは周囲の冒険者や神々さえも恐怖させる。彼の雄叫びは、戦士から獣への変貌を示していた。その圧倒的な声によって一時的に全員の動きが止まり、その隙にオッタルはヘディンを激しく攻撃する。その後、ベル、リュー、ミアも猛烈な攻撃に晒される。戦いはもはや技術や戦術を超えた生存闘争へと変わり、オッタルの「獣化」という極限の状態が、その力を如何なく発揮していた。最終的にオッタルは、ヘディンが発動しようとした魔法を遮断し、破壊的な一撃を加える。この一撃によって劇場は壊滅し、冒険者たちは文字通り地に伏した。最終的に「獣」だけが戦場に立っていた。
アレンとアーニャの兄妹は、壮絶な戦いを繰り広げていた。アーニャはアレンに対し、執拗に攻撃を続けているが、アレンはその攻撃に苛立ちを隠せず、最終的には激しい攻撃を仕掛けようとする。しかし、ヘグニの介入により彼の攻撃は阻まれ、さらにヘグニの挑発によってアレンは更に動揺する。ヘグニはアレンに対し、妹への攻撃が鈍っていることを指摘し、それに動揺するアレンを見て、アーニャは戸惑いを隠せない。そして、アレンはアーニャに対して最終的に強力な魔法を放とうとし、その場に緊張が走る。戦いは激化し、アーニャはアレンの攻撃を受け止めるために立ちはだかるが、アレンの感情は複雑に絡み合い、彼は自身の感情と戦いながら戦いを続ける。この戦いは、ただの兄妹の争いではなく、深い家族の絆と葛藤を映し出していた。
アレンの体は蒼銀の閃光を纏い、その速度を増すごとに破壊力も高まる魔法を発動させた。この魔法は「グラリネーゼ・フローメル」と呼ばれ、アレンの敏捷性を超高強化し、速度による威力変換を可能にする。彼の加速に伴い、その破壊力は理論上限なく高まる。その結果、アレンはヘグニを含む複数の冒険者を容易く蹴散らし、その余波でさえ他の多くを吹き飛ばし、傷つけた。アレンが駆け抜けた後には、瓦礫も遺跡もすべて消え去り、彼の通過した「轍」だけが残る。この「轍」は、障害物を無差別に破壊する恐ろしい力を持つ。
夕暮れ時、オッタルは破壊された円形劇場で立ち上がる。彼は西の『神の家』がある方向を一瞥し、彼一人だけが立っている。周りは瓦礫に埋もれ、殆ど動けない状態だ。しかし、獣のような唸り声を上げてヘディンが立ち上がる。彼の顔は傷だらけで、かつての美しさは見られないが、その目だけが光を放っている。ヘディンはオッタルに挑発的に話しかけ、オッタルは冷静に返答する。ヘディンはこの戦いが彼らしくないと指摘され、笑いながらそれが事実だと認める。ヘディンはこの戦争が無意味であり、勝利の意味を問う。
ヘディンは、フレイヤから解放されることを望み、オッタルがその意志を黙って聞く。ヘディンは彼女が真の解放を求めていると語り、その叫びは周りの者には届いたが、女神には届かなかった。オッタルは、リュー、ミア、ヘディンの意志が自分に届き、彼らが立ち上がるのを見る。彼らはオッタルを倒そうと誓い、最終的に少年も立ち上がり、シルに向かうと宣言する。この終末の戦いを通じて、彼らは女神に挑む決意を示す。
オッタルは激しい戦闘を続けている。ベル・クラネルはLv.5に昇級し、その能力値は大幅に向上しているが、最強の敵にはまだ及ばない。ベルは女神の声援を受け、力強く立ち上がる。戦闘は激化し、ベルは敵の圧倒的な力に立ち向かう。彼はエイナとイブリの悲鳴と共に戦いを続け、自分たちと敵が負った傷にもかかわらず、敗北しない。戦場の終末が近づく中、ベルはまだ短い生涯で最も深い恐怖を覚える。しかし、彼はシルを救うという意志で決死の攻撃を敢行する。《ヘスティア・ナイフ》で敵に攻撃を加え、ヘディンは致命傷を負いながらもオッタルを攻撃する。ベルは最後の力を振り絞り、敵を倒すべく全力で戦う。
ベルは雷の双剣を閃かせ、疑似Lv.7の速さでオッタルに襲いかかる。彼の攻撃は雷華と呼ばれ、一瞬で数多の斬撃を生み出す。オッタルは防御を試みるが、ベルの攻撃は通常の付与魔法とは異なる強力な貫通力を持ち、オッタルの巨軀を貫き続ける。ベルの雷光の鎧は防御するたびに損傷を重ねるオッタルにとって最悪の相性を示し、ベルの攻撃の度にビカーッと光り、ミアとリューによってその様子が正確に見抜かれる。
ベルの精神は加速を続け、彼は雷の化身と化して戦闘を優位に進める。しかし、オッタルは依然として強固な敵であり、ベルは更なる攻撃を続ける必要がある。激しい雷条を引き連れ、ベルは勝利への道を切り開くために戦う。彼の攻撃は雷の刃を帯び、敵を倒すために全力を尽くす。
蓄力した炎雷が劇場の西部に直撃し、オッタルの巨軀が吹き飛ばされた。ベルは全力を出し尽くし、オッタルが倒れた方向を見つめている。ベルと同志たちは傷だらけで、オッタルがまだ立っていた場合、彼らには戦う力が残っていない。しかし、オッタルは再び現れ、重傷を負いながらも再戦を申し出たが、最終的には敗北を認め、ベルたちに5分間の猶予を与える。この間にベルが「彼女」を救うことができるかを見届けると述べた。
ヘスティアはベルに急いで「彼女」の元へ行くよう促し、他の仲間たちは彼を支える。ベルは装備を脱ぎ捨て、軽装で走り出す。ヘスティアがベルにナイフを手渡し、彼の成功を祈った。ベルは階位昇華の力と雷の光を纏い、急ぎ足で走り出す。
東部の主戦場でアレンは空を仰ぎ、オッタルの雄叫びが止んだことに驚いていた。彼はオッタルが敗れた可能性に焦り、再戦に向けて動き出す。アレンは妹のためだけに戦い、それが彼の行動の原動力となっていた。一方、ベルは敵としてオッタルが敗北し、彼らの障害が取り除かれたことに安堵するが、新たな危機が迫っている。
その後、ベルは最後の勝負に挑む。彼はアレンの追跡を逃れながら、目的地である「神の家」に向かって必死に走っていた。しかし、アレンの速度はベルの敏捷をも上回り、彼を追い詰める。周囲の状況に動揺しながらも、ベルは神々や仲間たちの励ましを背に全力を尽くすが、逃走は困難を極めていた。この追いかけっこはベルにとって初めての経験であり、彼は極限の状況下での戦いに挑んでいる。
リリは重傷を負いながらも、ベルの援護を求める声を挙げた。彼女は『主戦場』東部で倒れており、自身が値しないと見なされたために致命傷を免れていたが、動くこともままならない状態であった。覚醒しても周囲には誰もおらず、助けを求める彼女の声は誰にも届かなかった。リリは島の西端にある『神の家』の近くで誰かに援護を求めるが、返答はない。ただの少女として涙ながらに少年の安全を案じ続け、最終的には彼女の体の痛みと熱に苛まれ、何を言っているのかも自分で理解できなくなっていた。それでも彼女は絶えず祈りと情報を口にし、力なき想いに打ち震えていた。
イブリが実況を忘れ、感情を剥き出しにして叫び続ける中、ベルはアレンとの競争で全力を尽くしていた。アレンは次第にベルに迫り、その速度を上回ろうとしていたが、ベルは異常な速さで逃げ続けた。戦車としてのアレンは銀の槍でベルを追い越そうとしたが、突如ベルの速度が増し、予想外の差が開いた。最後の瞬間、アレンが詠唱しようとするも、ベルは「女神の神意を乗せて」の魔法を使用し、最終的にアレンを引き離した。これにより、ベルが圧倒的な速度で競走を制し、アレンはその速さに絶望した。
アレンが魔法を準備する中、彼の護衛たちは外部からの干渉で魔力が暴走し、自らが爆砕する事態となった。その際、アレンは煙を吐きつつも転倒する間際、ヴェルフ・クロッゾの姿を認める。ヴェルフはリリからの通信を受け取り、彼女のスキル【指揮想呼】の助けを借りて、ベルのもとへと間に合わせることができた。ヴェルフが放った一振りの煌月によって、少年の前の障害は全て吹き飛ばされた。
ベルは仲間たちの助けを借りて、フレイヤの前にたどり着く。彼らはお互いに静かに見つめ合い、わずかな静寂の中で、彼女の「愛」を止めるために彼がここに来たことが明らかになる。フレイヤは、彼がなぜ自分の「愛」を拒むのかと感情的になり、自身が提供できるすべてを持ちながらなぜ彼が自分を選ばないのかと問う。彼女は自分がフレイヤであるにもかかわらず、ベルが彼女の「愛」を受け入れない理由が理解できない。フレイヤは自分の感情を露わにし、なぜベルが彼女のものにならないのか、その理由を切実に求める。ベルは、彼女の「愛」が自分にとって苦痛であることを明かし、彼女の求める「恋」を終わらせることしかできないと告げる。彼の行動は、フレイヤの初恋を象徴する花を舞い上がらせることで、彼女の「恋」を象徴的に終わらせる。
エピローグ Double Cast
フレイヤは自身が真に求めていたのは「愛」ではなく、「恋」であったことを認める。彼女に心を奪われる者たちは彼女に従い、何でも捧げるが、それは彼女が求める「恋」ではない。彼女の「美」は多くを魅了するが、それによる関係は「愛」に近く、「恋」ではないとフレイヤは考える。「恋」とは一瞬を鮮やかに彩るものであり、彼女はその一瞬を求めた。ベルだけが、彼女の「恋」の相手として適していたが、彼には「魅了」が効かず、それが彼女を喜ばせた。彼との「恋」を通じて新たな「愛」に至るかもしれないと思ったが、それはかなわない「初恋」で終わることを悟る。フレイヤは自身の本当の姿に気付き、女神の軛が消えていく中で、後悔しないよう自分に言い聞かせる。
『派閥大戦』に敗れ、【フレイヤ・ファミリア】は解体された。フレイヤは自らの敗北を受け入れ、かつての力と地位を失った。敗北後の市中では、ベルとフレイヤが再会し、フレイヤはベルに彼女の愛に狂わないことを願い、ベルが常に見守ることを約束する。彼女は過去の自己を捨て、新たな生活を始める決意を固めた。その後、フレイヤと彼女を見守る仲間たちの新たな関係が始まり、彼らは共に新しい人生の第一歩を踏み出す。
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