小説「薬屋のひとりごと 3 巻 」毛毛登場!ネタバレあり

小説「薬屋のひとりごと 3 巻 」毛毛登場!ネタバレあり

どんな本?

薬屋のひとりごと』は、日向夏 氏による日本のライトノベル作品。
中世の後宮を舞台に、薬学の専門知識で事件の謎を解く少女・猫猫(マオマオ)の物語。
小説家になろうで連載されているほか、ヒーロー文庫からライトノベル版が刊行されている。
また、月刊ビッグガンガン月刊サンデーGXでコミカライズ版が連載されており、2023年にはテレビアニメ化も決定している。

月刊サンデーGXの方が、中華の雰囲気が強く、文化の小さい部分にも気をつけているように感じている。

玉葉妃、壬氏と後ろ盾を得たからか、猫猫が後宮でフリーダムだ。
高級妃に性教育、さらにエロ本輸入、、
それを説教する壬氏が何気に気の毒と思ったら、、
ただでは転ばないなww

読んだ本のタイトル

薬屋のひとりごと 3
(英語: The Apothecary Diaries、中国語: 药屋少女的呢喃)
著者: #日向夏 氏 
イラスト: #しのとうこ

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あらすじ・内容

中世の東洋を舞台に「毒味役」の少女が大活躍する人気シリーズ第3弾。後宮で起きた死亡事件から見えてくる新たな真実。そして壬氏が命の危機に!?

玉葉妃の妊娠により、再び後宮に戻ってきた猫猫(マオマオ)。
皇帝の寵妃ということもあって、それは秘密厳守。
しかし、女たちの腹の探り合いは日常茶飯事で、しかも、後宮内だけでなく外部からも怪しげな動きが見え隠れする。
それとともに、後宮外では壬氏たちが隣国の特使の要求に頭を悩ませていた。
特使たちは、数十年前にいたという妓女、それが見たいと無理難題を言ってきたのである。花街の事情に詳しい猫猫に相談を持ちかけてくるが、それは意外な人物であり――。
猫猫はその美女にかわる絶世の美人を用意することとなる。
茸中毒で死んだ妃、後宮内の廟の秘密、先帝がかかった呪い、その謎を解くにつれ、壬氏が宦官の枠を超えて扱われていることに猫猫は気が付く。
そして、猫猫はその壬氏の願いで、後宮を出て北の避暑地へと同行することになる。そこで待っていたのは、腹に一物持った高官たちと再び壬氏の命を狙う者たちだった。
猫猫たちは、無事、宮中に戻ることはできるのか!?

薬屋のひとりごと3
イマジカインフォス
イマジカインフォス

アニメ化のお知らせ(2023年10月から放送)

TOHO animation チャンネル
TOHO animation チャンネル

感想

3巻の主な出来事は以下の通り。

回廊での出会いと壬氏の家族の真実
壬氏は新入り侍女と共に歩いている中、老人と老婆に出会う。後に老人が父、老婆が祖母であり、自分が兄と思っていた人物が父であったことを知る。
猫猫と香油作りの観察
壬氏は医局で猫猫の香油作りを観察し、香油の有害性や宮廷での使用における注意点について話し合った。
猫猫の教育的活動
猫猫は後宮内で流行する小説本を活用し、小蘭に文字の練習を勧め、識字率向上に寄与した。
鈴麗公主と「毛毛」
公主の散歩中に見つけた子猫が「毛毛」と名付けられ、医局で鼠取りとしての役割を担うことになった。
後宮の日常と隊商の訪問
異国からの隊商の訪問が後宮で話題となり、猫猫は女官たちとともに新しい商品を楽しんだ。
香油による問題と毒の疑惑
後宮で流行した香油が妊婦に悪影響を与える可能性が浮上し、猫猫は壬氏と共に毒が意図的に持ち込まれた可能性を調査した。
失踪した女官の噂と教育プログラム
結納金を貯めた女官が失踪し、後宮の暗部が囁かれる中、壬氏は後宮内に学校を設立する計画を進めた。
静妃の死と毒茸の調査
静妃の遺体が発見され、毒茸の使用が明らかになる。侍女たちによる死の隠蔽工作が発覚した。
玻璃の鏡と妊娠事件の謎
異国からの鏡を用いたトリックで妊娠事件が引き起こされた可能性を猫猫が推理する。
「真珠の涙」の伝説の再現
猫猫は壬氏の協力の下、伝説の美女を再現する計画を立て、外交特使を満足させることに成功した。
診療所での医療体制の発見
猫猫は後宮北部の診療所を訪れ、女官たちが医療に従事している現場を観察し、医療体制への洞察を得た。
「呪い」の真実
猫猫は先帝の死因が呪いではなく砒素を含む絵の具によるものであることを突き止めた。
怪談話と過去の継承
後宮での怪談話を通じて、人々が過去をどう受け止め伝統を継続するかが描かれた。
子昌との狩りと壬氏の秘密(カエル事件)
壬氏と猫猫は狩りに参加し、壬氏が「香泉」と名乗る中で、飛発を使った危険な事件に巻き込まれる。
滝の洞窟での脱出
滝へ飛び込んだ壬氏と猫猫は、洞窟内で協力して生存し、飛発の匂いを手がかりに犯人を特定した。
飛発の危険性と壬氏の思惑
飛発が戦争の引き金になる可能性が示される中、壬氏は猫猫に牛黄を贈り、彼女との関係を模索した。

総括

毒好きの猫猫なみに個性的な侍女が出てきた。
虫好きの小翠。
好きな物を見つけた時の反応が猫猫ソックリw

その彼女の正体が四巻では重要になって来る。

小蘭を中心に猫猫と子翠って、ホントに仲が良かったんだよな、、

話は、猫猫が花街からエロ本を持ち込んだら壬氏に見付かって正座させられる。

表情をキリッ(`・ω・´)とさせながら力説してもエロ本販売は壬氏的にはアウトw
それを見た壬氏は後宮内に小説を流行らせて、下女達の識字率を上げようとする。

その次は、葉玉妃の娘(公主)が見つけた猫を猫猫が世話をしてたが、ヤブ医者と高順が猫に陥落してしまうw
猫の名前は毛毛(マオマオ)と呼ばれるw

癒し枠だわ。

ある日、中級妃が亡くなり、下女が1人消えた。
その話から、毒キノコの話になり猫猫の手首のアザについての話が出て来る。
他の傷は趣味だと曰くw

皇太后の依頼で、亡くなった先帝の遺骸が劣化しなかった理由を探ると、、
先帝の趣味が発覚する。
そして、先帝がなぜ幼女趣味だったのかも判る。

小蘭も文字を覚えようと必死で、その講師をしている老宦官が初代の女帝が作った選帝の廟を管理しており、皇帝が挑戦するが失敗。
壬氏が挑戦する際に猫猫が意見したら突破してしまう。
コレは色盲だな、、

避暑地の狩では壬氏が暗殺されそうになる。
転んだ際に、猫猫が布越しとは言え壬氏のアレをムンズと鷲掴みしてしまった。
宦官の壬氏にあるはずの無いモノが股間に付いている事が発覚。
猫猫はカエルだと言い張って逃げてしまう。コレがファンの間でカエル事件と呼ばれたりしている。

アニメ2期のオープニングでカエルを見るたびに笑ってしまう。

そして、この時の主賓は皇帝の弟だったそうな。。
もうここら辺で壬氏の正体はハッキリして来たな。

その人を直属の上司とはいえ蛾まみれにしてしまうとは、、
猫猫恐ろしい娘!!w

そして、前代の月の女神はアノやり手婆、、、
変態軍師こと羅漢箒で叩いてを血まみれにしたり、猫猫をボディーブローで嘔吐させたりする。
あの婆様が、、、

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備忘録

序話

老人の出現と緊張の回廊
回廊に響く足音が静寂を破る中、老人が現れた。老人は疲弊した様子で猫背になりながら近づき、その異様な姿にお目付け役と母が警戒の構えを見せた。老人の手には何かが握られていたが、老婆が現れると場の空気が一変した。老婆は圧倒的な威厳を持ち、老人をなだめるように接したが、老人は怯えながらその場を後にした。老人が握り締めていたのは鮮やかな石であったが、それが何であるかはわからなかった。やがて、老人が父、老婆が祖母であること、そして自分が兄と思っていた人物が父であったことが明かされた。

壬氏の夜の苦悩と剣舞
壬氏は悪夢にうなされ、汗だくの状態で目を覚ました。月明かりを眺めつつ不快感を解消するため、修練用の模擬刀を手に取り、部屋の中で剣舞に励んだ。夜明けが近づく頃、身体を冷ますために床に横たわり、湯浴みを考えたが、女官の不機嫌そうな顔を思い浮かべて苦笑した。完全無欠の宦官を演じるための身だしなみを整える必要性を感じつつも、彼の内心は複雑であった。

眠れぬ夜と壬氏の葛藤
剣舞を終えた壬氏は寝台に倒れ込み、少しの間でも眠ろうとした。侍女の水蓮が起こしに来るまでの短い時間、彼は自らの役割と日々の疲れの狭間で揺れ動いていた。

一話  書(アニメ 25話 2期1話)

蒸留装置と香油作り
医局の竈で猫猫は蒸留装置を使い、薔薇から香油を抽出していた。香りが強い中、壬氏が現れ、蒸留装置に興味を示した。猫猫は香油の用途について説明し、濃度が高い場合の影響にも触れた。また、隣にはやぶ医者が手伝いをしながらも、その作業に対する猫猫の厳しい視線が続いていた。

書物の荷物と壬氏の反応
医局に届いた荷物の中には、猫猫が手配した書物が含まれていた。壬氏はそれを興味深げに手に取るが、中身が後宮の妃たちの教育や娯楽用の小説であると知り、呆れつつも納得した様子を見せた。高順も書物の品質や技術に感心し、猫猫は一連のやり取りを冷静に見守った。

後宮での小説の流行
後宮内では小説が妃や侍女たちの間で人気となり、猫猫の手配した書物が話題を呼んでいた。侍女たちは次々と内容を共有しようとし、物語が後宮全体に広がっていった。猫猫は識字率の向上に繋がるとして、書物を共有する方法を提案し、その影響を観察した。

小蘭の字の練習
猫猫は侍女の小蘭に字を教えることとなった。小蘭は自身の名前から学び始め、後宮での将来に備えて字を覚えることの重要性を理解した。猫猫は地面に文字を書きながら指導を行い、小蘭は次第に成長を見せた。その一方で、普段使わない難解な言葉を教える猫猫に小蘭が反発する場面も見られたが、実用的な学習を進めることで両者の関係はより深まった。

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二話  猫(アニメ 25話 2期1話)

鈴麗公主の散歩計画と外出
鈴麗公主は歩き始め、元気いっぱいで宮内を動き回っていた。玉葉妃は、公主が宮内では飽きてしまうのではと考え、外出を提案した。猫猫の意見を受けて、公主の散歩が許可され、紅娘や護衛たちとともに宮の外へ出た。公主は外の景色に興奮し、初めての体験に夢中になっていた。

猫との出会いと保護
公主が物置の隙間に興味を示し、中から汚れた子猫を発見した。猫猫が保護しようとしたが逃げられそうになり、偶然現れた女官の助けで捕まえた。子猫は痩せており、猫猫は医局で手当てを始めた。

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子猫の世話と後宮での生活
猫猫とやぶ医者は、山羊の乳を与え、体力を回復させるために子猫を介抱した。後宮では愛玩動物が珍しく、子猫の存在は注目を集めた。猫猫は衛生面に配慮しながら世話を続け、子猫は少しずつ元気を取り戻していった。

皇帝の関心と「毛毛」の命名
皇帝が翡翠宮を訪れた際、公主が子猫に執心していることを知り、子猫は正式に宮内で飼われることとなった。名前は「毛毛」とされ、皇帝から「盗賊改」の官職を与えられた。猫猫はその名に納得がいかず不満げだったが、後宮での新しい生活が始まった。

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三話  隊商(アニメ 26話 2期2話)

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翡翠宮の衣裳整理と侍女たちの日常
翡翠宮では季節の変わり目を迎え、紅娘の指示で侍女たちが衣裳部屋の整理を行った。愛藍が高い棚の荷物を取る一方、桜花は流行遅れの衣装を仕分けていた。古い衣装は改修されて侍女たちの実家へ送られることが決まったが、愛藍の話では新たな侍女が配属される予定であると告げられた。玉葉妃の懐妊に備えた措置であり、侍女たちもその動きを歓迎した。

隊商の訪問と翡翠宮の活気
後宮に隊商が訪れ、異国の品々がもたらされた。特に上級妃たちが直接買い付ける機会となり、侍女たちはそれぞれ楽しみにしていた。紅娘は予算内での買い物を指示し、玉葉妃が新調した衣装の中には妃の体型を考慮したものも多く含まれていた。猫猫は商人たちの意図を感じ取り、妃と紅娘に服選びの助言をした。

侍女たちの買い物と後宮の商習慣
後宮の生活では自由な買い物がほとんど許されず、商人が来る機会は貴重であった。猫猫は最終日を狙って値引き品を購入し、茶葉や香辛料など日用品を入手した。また、小蘭や子翠とともに市場を訪れ、それぞれに小さな贈り物をして喜ばせた。

医局での談笑と新たな発見
医局ではやぶ医者が子猫の世話をしながら来客を迎えた。子翠が見せた精密な虫の絵に猫猫は興味を示し、薬の材料としての価値を語った。北側の廃墟に多くの虫がいると聞き、猫猫と子翠は探索を計画した。周囲が呆れる中、二人の好奇心はさらに広がりを見せていた。

四話  香油

香油の流行と洗濯場の混乱
後宮内では香油が大流行し、多種多様な香りが漂っていた。香りの強さに鼻のいい猫猫は辟易していた。洗濯場では香油の染み込んだ衣服が大量に持ち込まれ、宦官たちも困り果てていた。そんな中、猫猫は洗濯物から異常な匂いを感じ取り、調査を始めた。

水晶宮の騒動と猫猫の疑念
香油の匂いを確かめるため、水晶宮を訪れた猫猫は侍女たちに混乱をもたらした。その結果、抗議文を持った壬氏が翡翠宮に現れた。猫猫は香油や香辛料の中に妊婦に悪影響を与える成分が含まれていることを指摘し、その危険性を説明した。

妃たちの安全を守るための提言
猫猫は香油や香辛料が妊婦に及ぼす影響を詳述し、他の妃たちにも注意を促すべきだと提言した。その過程で、過去の「毒おしろい」事件を思い起こし、後宮に潜む危険性について壬氏と議論を交わした。

夜の厨房でのやりとり
猫猫は厨房で茉莉花茶を楽しんでいたところ、壬氏が現れた。彼に茶をすすめる際、猫猫の軽口が壬氏を不機嫌にさせた。壬氏が立ち去った後、猫猫は彼の残した茶を見て自分の言動を反省した。

五話  冬人夏草  前編

洗濯場での日課と女官の失踪
猫猫は洗濯場で小蘭に字を教えるのを日課としていた。そこには他の女官も集まり、文字の真似をする者も増えていたが、噂話を楽しむ者も多かった。そんな中、猫猫はやぶ医者から女官の行方不明について聞かされた。その女官は結婚を控え、退職間近であったが突然消息を絶ったという話であった。猫猫はその背景に後宮の闇を感じ取った。

玉葉妃のお茶会と猫猫への召喚
翡翠宮に戻った猫猫は、玉葉妃が中庭で上品にお茶会をしている場面に遭遇した。妃は猫猫に気づくと、その場を離れて応接間へ移動した。そこには壬氏が待っており、彼が提案する「後宮内の教育施設」について猫猫の意見を求めた。猫猫は施設の設置場所や形式に関して提言し、壬氏も納得していた。

毒茸の調査依頼
壬氏はさらに猫猫に毒茸の調査を依頼した。毎年この時期、女官が誤って毒茸を食べて中毒を起こす事例があり、その防止が目的であった。猫猫はこの依頼を快諾し、早速後宮内で茸の調査を開始した。収穫した茸をやぶ医者のもとに預け、その日を充実したものとして終えた。

中級妃の葬儀と不穏な空気
その夜、猫猫は紅娘に連れられ葬儀に出席した。亡くなったのは中級妃であり、彼女はかつて玉葉妃に害を及ぼそうとした人物であったらしい。紅娘はそのことに複雑な感情を抱きながらも参列していた。猫猫は妃の死因が「食あたり」とされている点に疑念を抱いた。

祭壇の乱れと謎の女
葬儀の最中、包帯を巻いた女が祭壇を荒らし、棺を暴いた。そこに横たわっていた遺体は無惨な姿で、女は高笑いしながら「自業自得」と叫んだ。その女は宦官に取り押さえられたが、その火傷のような痕跡に猫猫は見覚えがあった。

六話  冬人夏草  後編

静妃の病と毒茸の謎
静妃は一昨年から顔がただれ、髪が抜ける謎の病に苦しんでいた。その原因は毒茸であり、それが中級妃によって引き起こされたと考えられていた。猫猫は北側の雑木林でその毒茸を発見し、壬氏に報告した。毒茸は猛毒で、触れるだけで皮膚がただれる危険なものであった。

毒茸の調査と静妃の死因
猫猫は壬氏と高順に毒茸の特性を説明した。毒茸が静妃の死因に関連していることが明らかになったが、妃の顔がただれていた理由については疑問が残った。毒茸を食べただけで顔に炎症が広がるとは考えにくく、猫猫はさらなる調査を提案した。

死体の発見と静妃の秘密
猫猫は静妃の住んでいた場所を中心に探索し、北側の林で死体を発見した。遺体は静妃のものであることが装飾品から判明し、彼女はすでに一年以上前に死亡していた。葬儀で棺に収められていたのは、失踪した女官の遺体である可能性が高まった。

毒茸と侍女たちの共謀
静妃の侍女たちは、彼女の死を隠すために毒茸を利用し、代わりに失踪した女官を静妃として偽装していたと推測された。これにより、静妃の死亡と侍女たちの行動が後宮の闇を浮き彫りにした。

猫猫の観察と真相の究明
猫猫は毒茸の分布から遺体の埋められた場所を特定し、その上で育つ毒茸の性質を利用して調査を進めた。最終的に静妃の死の真相が明らかになり、毒茸に関わる後宮の闇が解明された。

七話  鏡

異国の鏡と珍品の来訪

玉葉妃の広間には異国から届いた大きな玻璃製の鏡があった。この鏡は銅鏡とは異なり、透明で精巧な映像を映し出す珍品であった。玉葉妃と侍女たちはその鏡を楽しみ、猫猫は商売の可能性を感じた。鏡は特使から贈られた品で、猫猫はその背景に特使の重要な目的を推測した。

高順の相談と良家の奇妙な妊娠事件

高順は猫猫に、良家の娘が男に触れずに妊娠したという奇妙な話を相談した。娘たちは厳重に監視されており、その中で妊娠の事実が判明した。監視の隙間や家の構造を確認した猫猫は、鏡を用いた巧妙な手段で監視を欺いた可能性を考えた。

鏡を用いた偽装の発見

猫猫は鏡の位置と監視の視線を利用しただまし絵の手法を提案した。双子の姉妹が似た刺繍をすることで監視の目を欺き、一方が外出する計画が可能であったと推測した。西方の文化を反映した刺繍や鏡の使用は、異国からの影響を感じさせた。

特使の意図と猫猫の沈黙

猫猫はこの事件の背景に異国の特使の影響を見たが、その詳細には踏み込まなかった。高順から贈られた熊胆を手にした猫猫は、それが口止め料の可能性もあると察しつつ、自分の知識を活かして次の行動を考えていた。

八話  月精

真珠の涙と絶世の美女の噂

壬氏が翡翠宮を訪れ、猫猫に「真珠の涙を持つ絶世の美女」の話を尋ねた。その話は異国の特使が追い求める過去の伝説に基づいていた。猫猫はその美女を知っていると即答し、壬氏らを驚かせた。その美女とは、猫猫の実家で見たことがあるやり手婆であった。

伝説の美女やり手婆の過去

やり手婆は五十年以上前、異国の特使を接待するために妓女として選ばれた過去を語った。当時の宴は遺跡を舞台に行われ、月夜の美しい光景を背景にやり手婆が舞った。その姿は「月女神」と称され、特使に絶賛されたという。

再現への試みと蛾の発見

やり手婆の話を元に、猫猫は伝説の再現を模索する。宴が行われた場所を訪れた際、子翠が珍しい蛾を見せた。この蛾の特性と光に映える美しさが、かつての「月女神」の演出に繋がる鍵だと気づいた猫猫は、再現のための計画を立て始めた。

計画への布石と猫猫の決意

猫猫は蛾を使った演出を思いつき、子翠に協力を求めた。その顔には悪戯心と確信が混じっていた。やり手婆がかつて成し遂げた伝説の宴を再現するため、猫猫は行動を開始した。

特使を迎える宴の準備

宴は後宮の北側で行われることに決まり、急きょ準備が進められた。男子禁制の後宮ではあったが、北側だけ一時的に解放された。特使の希望を最優先するためであったが、毒見や準備の詳細まで徹底された。

特使たちの登場

特使として現れたのは金髪の美女二人であった。彼女たちは従姉妹であり、異国特有の透き通った瞳と豪華な衣装で場を圧倒した。宴席は馬車を改造したものが使われ、特使たちが注目の的となったが、その自信に満ちた態度が一部の者を苛立たせた。

月夜の演出と特使の挑発

宴が進む中、特使の一人が主上の馬車に近づき、不敬とも取れる行動を取った。しかし、もう一人の特使がそれを抑え、場の混乱を最小限に抑えた。猫猫はその場面を観察し、特使たちがこの宴に込めた政治的意図を感じ取った。

伝説を再現する計画

猫猫は過去の「月の美女」の伝説を再現するために行動を開始した。やり手婆の過去の話や、子翠の協力で集めた蛾を使い、伝説を具現化するための演出が準備された。

満月の夜に現れた「天女」

宴が終わるころ、猫猫は計画通りに動き出した。黒布をまとった美人が現れ、淡い蛾の光とともに月下に立つその姿はまるで天女そのものであった。特使たちはその光景に息をのみ、計画は成功を収めた。

壬氏の奮闘とその後

この演出には壬氏も協力しており、濡れた衣装と髪で疲労困憊していた。猫猫は彼の髪を拭きながら、計画が無事に終わったことを実感した。特使たちへの印象操作も成功し、後宮内は一時的な平穏を取り戻した。

九話  診療所

翡翠宮での静かな時間

猫猫は翡翠宮で小蘭がいない隙に静かな時間を過ごしていた。手習い所に通う小蘭が忙しくなり、猫猫は医局へ行くことも考えたが、やぶ医者の多忙さを思い出して断念した。先日の香油問題や特使の動向に思いを巡らせながら、香油の危険性や毒物混入の可能性について考えを整理した。

後宮の妃たちと階層構造

猫猫は地面に絵を描きながら、後宮の妃たちの力関係を整理した。玉葉妃を中心とする妃たちはそれぞれ異なる背景を持ち、権力や立場によって微妙なバランスを保っていることが分かった。また、過去の毒殺未遂事件や翠苓の逃亡を思い出しながら、毒や陰謀の影に思いを馳せた。

診療所への訪問

桜花に頼まれ、風邪を引いた愛藍を診療所に連れて行った猫猫は、洗濯場の裏にある診療所を初めて訪れた。そこで中年の女官が手際よく診療を行う姿に感心した。診療所は清潔で合理的な作りだったが、薬の匂いがしないことに猫猫は疑問を抱いた。

壬氏との偶然の会話

診療所から戻る途中、猫猫は壬氏と高順に遭遇した。猫猫は診療所の印象や薬の取り扱いについて感想を述べたが、壬氏は医官が男性のみである制度の限界について語った。猫猫は壬氏の表情や背景に思いを巡らせながらも、つい不謹慎な発想をしてしまい、自らの考えに苦笑した。

後宮の仕組みと課題

壬氏との会話を通じ、後宮の制度的な問題や医療体制の改善の必要性を感じた猫猫であったが、深く考えることを避け、翡翠宮へと戻っていった。その途中で商売の可能性を思い付き、相変わらずの軽妙さを見せながら新たな一日を迎える心構えを整えた。

十話  みたび、水晶宮  前編

診療所からの呼び出し

翡翠宮で静かに過ごしていた猫猫は、中年の女官・深緑からの呼び出しを受けた。玉葉妃からの許可を得た猫猫は、愛藍の代わりに桜花をお目付け役として診療所へ向かうことになった。道中、桜花との軽妙な会話が交わされたが、診療所での話が核心に迫る内容であることが明らかになった。

診療所での依頼

深緑は猫猫に、梨花妃の下女が重い病にかかっているとの情報を伝え、助けを求めた。下女の症状は倦怠感、微熱、そして異様な咳といったもので、診療所に来ることすら許されなかった経緯が語られた。猫猫はその話に不安を覚え、病の詳細を確かめる必要性を強く感じた。

未知の病への疑念

梨花妃の下女の症状を整理した猫猫は、それが後宮全体に影響を及ぼしかねない問題であると判断した。しかし、水晶宮への立ち入りには慎重な手続きが必要であり、壬氏を通じた許可が欠かせない状況であった。桜花は焦る猫猫を諭しつつも、猫猫の行動を注意深く見守った。

蜥蜴の尻尾と未知の薬

深緑との話を終えた帰り道、猫猫は偶然蜥蜴の尻尾を見つけ、それを捕まえた。蜥蜴の再生能力に着目した猫猫は、生やす薬を作るという研究に活用する意図を抱いていた。しかし、尻尾を見た桜花は驚愕し、気絶してしまった。猫猫は尻尾を大事に保管しつつ、桜花の介抱に追われることとなった。

十一話  みたび、水晶宮  後編

医官の訪問と異変

後宮の玄関口に現れた医官とその女官付きの姿に女官たちはざわめいていた。杏が事情を尋ねると、医官は梨花妃に会うためだと書状を見せた。書状には壬氏の名が記されており、やむなく杏は医官を宮の奥へ案内した。

物置小屋の発見と病人

宮の奥へ向かう途中、医官が物置小屋に興味を示し、扉を開けた。中には病に伏す下女が隔離されており、独特な病人の臭いが漂っていた。女官として変装していた猫猫は迅速に病人を診察し、感染症の可能性を指摘した。

香油の謎と侍女頭・杏の疑念

猫猫は物置から見つかった香油や香辛料を調べ、杏がそれらを隠し持ち堕胎剤を調合しようとしていた疑惑を指摘した。壬氏と猫猫が問い詰める中、杏は動揺しながらも罪を否定し、侍女頭としての誇りを盾に応じた。

梨花妃の決断

梨花妃は毅然とした態度で杏の行動を責め、侍女頭の解任を決断した。杏は激しく反発し、梨花妃に向かって暴言を吐くが、妃の強い意志により退けられた。侍女頭としての権威は完全に失墜し、杏は後宮を追放されることとなった。

病人の処遇と小さな希望

病に伏せていた下女は後宮を去り、より良い治療環境を得ることが約束された。猫猫は、病人の世話をしていた下女の一人から感謝の言葉を受け取り、白い花を手渡された。その場には、静かに咲く白い花だけが残っていた。

十二話  選択の廟

建国の物語と手習所

後宮内の手習所では、老宦官が建国の物語を語っていた。王母と呼ばれる女性が初代皇帝を産み、この地を治めたという物語である。生徒たちは熱心に聞く者もいれば眠気と戦う者もいた。猫猫はその様子を観察し、壬氏が興味深げに手習所を見守る中、小蘭を含む生徒たちが学んでいる姿に注目していた。

廟の歴史と役割

猫猫は手習所の近くにある古い廟に興味を持った。老宦官によると、この廟は王母が信仰を利用して民を治めた際に重要な役割を果たしたものであり、王母の子孫が地位を継ぐ際に試練として通る場所であるという。猫猫は廟の複雑な構造やその歴史に関心を抱き、老宦官との会話からさらに興味を深めた。

皇帝の廟訪問と試練

ある日、皇帝は突如廟に入ると宣言し、猫猫と壬氏を伴って廟の中を進んだ。廟内には色とりどりの扉と指示があり、選択を誤れば先へ進めない仕組みとなっていた。猫猫は色識別の困難さが鍵であると見抜き、正しい道を選び続けた結果、屋上にたどり着いた。

王母の血筋と扉の秘密

猫猫は廟の試練が、赤と緑を識別できない性質を持つ者を選ぶものであると説明した。この性質は王母の血筋を示す可能性があり、建国の物語や王母の特性に通じていた。猫猫の分析に皇帝や壬氏は驚嘆し、老宦官もその聡明さを称賛した。

老宦官の警告と結末

老宦官は猫猫と壬氏に対して警戒を促し、特に後宮内の複雑な人間関係に注意するよう示唆した。猫猫はその助言を軽く受け流すが、後にその重要性を理解することになる。この出来事を経て、猫猫は改めて廟と王母の物語の深さを実感しつつ、静かにその場を後にした。

十三話  皇太后

猫猫の部屋への異動

紅娘の指示により、猫猫は物置小屋を新たな部屋として割り当てられた。紅娘の意図は反省を促すことにあったが、猫猫はむしろ喜びを見せた。桜花と貴園は、猫猫の虫収集や薬草探しの行動に困惑しつつも、彼女の行動に理解を示す場面があった。

子翠との出会い

猫猫は、後宮内で神出鬼没の子翠を探していた。女官たちからの情報を元に北側の雑木林へ向かい、そこで子翠が虫を捕まえている姿を目撃した。子翠の熱意は非常に高く、猫猫は彼女の独特な性格と行動に感嘆しつつも距離を保とうとした。

後宮の改革と皇太后の訪問

皇太后が翡翠宮を訪れた際、猫猫は彼女の存在と行動に疑問を抱いた。皇太后は奴隷制度の廃止や宦官の減少など、多くの改革を推進してきた人物であった。その一環として診療所の訪問が示唆されたが、具体的な目的は明かされなかった。

皇太后との対話

猫猫は皇太后との個別の対話で、後宮内の問題解決への助言を求められた。皇太后は、先の帝に呪いをかけたのではないかという疑念を口にし、猫猫に調査を依頼した。猫猫は、自身の知識を活かして真相を解明する意志を示しつつ、その発言に対して複雑な感情を抱いていた。

十四話  先帝

先帝の評判と皇太后の苦悩

先帝については愚帝や昏君といった悪評が多く、その中で幼女への異常な執着が後宮内で最も知られていた事実であった。皇太后は現帝を産む際、大きな犠牲を払ったが、その苦悩が先帝への呪いと認識されるほど深い感情を持っていた。

皇太后と猫猫の茶会への招待

皇太后は猫猫を連れ、後宮の茶会へ向かった。茶会には上級妃たちが集まり、それぞれの立場や見栄が交錯していた。玉葉妃の妊娠が公然の秘密とされる中、妃たちの関係性や性格が垣間見えた。猫猫は妃たちを観察しつつ、茶会の意図を探っていた。

謎めいた部屋への訪問

皇太后の依頼で猫猫は先帝の時代に使用されていたという部屋を訪れた。その部屋は埃に覆われ、かつての居住者の痕跡が色濃く残っていた。猫猫は壁紙の裏に隠された絵に気付き、それが先帝の趣味であり秘密であったと推測した。絵の具には砒毒性のある雄黄が使われており、それが先帝の死因に繋がった可能性を指摘した。

女帝の影と先帝の真実

女帝は、先帝が皇帝としての器に欠けることを悟りつつも、彼を守るために権力を集中させた。部屋に残された絵や画材は、先帝の内面を象徴するものであった。猫猫はそれを口にせず、静かに部屋を出た。彼女は女帝の意図と先帝の苦悩を感じ取ったが、それを言葉にすることはなかった。

猫猫の報告と結論

猫猫は皇太后に対し、先帝の死因とその背景にある事実を伝えた。毒性のある絵の具が使用されていた可能性を示し、それが先帝の身体を蝕んでいたことを指摘した。皇太后は猫猫の言葉を受け入れつつ、自身の過去と先帝への思いを胸に秘めたまま、蒼穹を仰いで祈るような姿を見せた。

先帝との出会いと安氏の野心

安氏は妾腹の娘として幼い頃から後宮に送り込まれる運命を背負っていた。異母姉が中級妃となり、安氏も侍女として後宮に入った。ある日、先帝が異母姉のもとを訪れるが、その際、異母姉を押しのけ恐怖に震える先帝を目にした安氏は、野心を抱き近づいていった。後に先帝の寵愛を得た安氏であったが、その関係が変わるのは時間の問題であった。

安氏の苦悩と後宮での試練

安氏は男子を産むことで国母の地位を得たが、それまで幾度も命の危険にさらされた。女帝の庇護を受けたことで安定したものの、先帝の性癖や後宮の拡張により、多くの幼い娘が後宮に送られた。異母姉は嫉妬の果てに狂乱し、後宮を追われる。安氏もまた、先帝の恐怖の対象となり、その存在に苦悩しながら生きていた。

先帝の絵と毒の真相

先帝が残した絵には、幼い娘たちが描かれ、その中心には女帝らしき女性の姿があった。絵に使われた黄色い絵の具は、雄黄という毒性のある物質で作られていた。長年、この毒に触れていた先帝は身体を蝕まれ、死後も腐らず遺体が保存された。安氏はその絵を捨てたはずであったが、侍女が密かに隠していたと推測された。

壬氏との会話と過去の反省

壬氏が雄黄の石を見せたことで、安氏は幼い頃に壬氏の玩具を取り上げた記憶を思い出した。その行為が壬氏を早熟にし、大人にならざるを得ない環境を作ったことを悔やむ。壬氏は絵に描かれた女性が女帝であるか尋ねたが、安氏はそれに対し「知らない」と答え、過去に触れようとしなかった。

忠告と後宮の現実

最後に安氏は壬氏に忠告を与えた。「お気に入りは隠しておかないと、誰かに隠されてしまう」との言葉は、安氏自身の後宮での経験と苦悩から来るものであった。その一言を残し、安氏は自室に戻り、過去と向き合いながらも前を向こうとしていた。

十五話  怪談

新しい侍女たちの到着

翡翠宮には新たに三人の侍女が加わった。猫猫は彼女たちに興味を持たず、顔と名前が一致しないと言った。桜花は猫猫が彼女たちと打ち解けるよう促したが、猫猫は庭の物置小屋を自分の部屋にしようとし、紅娘に咎められる。最終的に玉葉妃の許可を得て小屋を作業場として使うことになった。

桜花の誘いと夜の冒険

猫猫は桜花に誘われ、夜に後宮北側の古びた棟を訪れた。紅娘の許可を得て、不安を抱きつつ同行する猫猫。古びた棟では、他の侍女たちが円陣を組み怪談話を楽しむ準備をしていた。参加者たちは小さな火を持ち、怪談が進むごとに火を消していく形式で始められた。

怪談話と猫猫の観察

一人目と二人目の話は平凡であったが、話す者の表現によって盛り上がりに差が見られた。隣に座る子翠は猫猫にするめを差し出し、猫猫はそれを音を立てないよう噛みながら話を聞いていた。桜花は怖がりながらも猫猫にしがみつき、首を絞めるほどの力強さを見せた。猫猫はこの場の娯楽性を認めつつも、自分には退屈だと感じていた。

中盤の語り手と雰囲気の変化

怪談が進むにつれ、語り手の表情や語り口が次第に緊張感を増していった。七人目の語り手が登場する頃には、部屋の光源は半分に減り、青白い顔が炎に照らされる光景が不気味さを一層引き立てていた。猫猫はするめを噛みながら、その光景をぼんやりと見つめていた。

禁忌の森と母子の悲劇

村には禁忌の森があり、呪われた地として恐れられていた。ある飢饉の年、幼い子どもが森に入り食料を持ち帰ったが、村の掟を破ったことで母子は孤立した。その夜、人魂が家に現れ、翌朝母子は死んでいた。村人たちは恐れ、その森をさらに禁忌の地とした。

肝試しの夜

桜花に連れられた猫猫は後宮の古びた棟で肝試しに参加した。参加者たちは各自怪談を披露し、話が終わるたびに火を消していった。雰囲気に引き込まれた他の侍女たちとは対照的に、猫猫は冷静であった。

子翠の語りと猫猫の推理

子翠は僧侶が怪異に巻き込まれる話を語り、会場を震え上がらせた。猫猫は、禁忌の森にまつわる話を基に、実際には毒茸が原因だったのではないかと推測した。母子が光る茸を収穫し、それを食べて命を落とした可能性を示唆した。

火鉢の異変と未解決の謎

肝試しの場では火鉢の不完全燃焼が起こり、参加者たちは体調を崩した。猫猫の迅速な行動で事態は収拾されたが、主催者の女官は忽然と姿を消していた。その女官が昨年亡くなった人物の怪談と似た話を語っていたことが判明し、桜花はさらに怯えた。

紅娘の告白と後宮の余韻

紅娘は、肝試しを企画した女官が先帝の御手付きであったことを語った。その話を聞いた猫猫と桜花は、女官が亡くなった後もこの催しが続いていることに違和感を抱いた。桜花はその夜、恐怖から猫猫と同じ寝床で眠り、猫猫は寝苦しい夜を過ごした。

十六話  避暑地

広間での会話と猫猫の借用

玉葉妃の広間で猫猫は宦官の壬氏と対面した。壬氏は「数日間、猫猫を返してほしい」と依頼し、玉葉妃と軽妙なやり取りを交わした。猫猫は毒見役として重宝されており、壬氏は代わりの侍女を提案したが、妃は興味深げに猫猫にこだわる理由を問い続けた。最終的に猫猫を借りることが決まった。

移動中の馬車と子北州への道

猫猫は壬氏や護衛たちとともに北方の子北州へ向かう馬車に揺られていた。長時間の移動で尻が痛む猫猫は、移動の理由や歴史的背景を馬閃から聞かされた。子北州は避暑地として有名で、建国時代から続く高官の領地であるが、猫猫にとっては関心の薄い話題であった。

避暑地の到着と豪奢な屋敷

一行は避暑地の立派な屋敷に到着した。建物は美しい装飾と広大な庭を持ち、壬氏は最上級の部屋に宿泊した。猫猫は部屋の暑さに気づき、壬氏が暑さを避けるために窓を閉め切る理由を尋ねたが、詳細は壬氏から明かされなかった。

夕餉とすっぽん料理の余波

夕餉に用意されたすっぽん料理に猫猫は興味を示したが、壬氏や高順たちは毒ではなくとも体に負担のかかる料理として避けた。猫猫が平然と食べる様子に壬氏は驚いたが、馬閃は料理を試して鼻血を出し、倒れてしまった。猫猫は馬閃の介抱を手伝いながら状況を見守った。

宿泊の手配と静かな夜

馬閃の体調不良により壬氏は部屋を譲り、猫猫は一人で広い部屋を使わせてもらった。部屋には風呂も用意されており、猫猫は湯浴みを楽しんで移動の疲れを癒やした。静かな夜が訪れ、翌日の狩りに備えて一行は休息を取った。

十七話  狩り  前編

狩場への到着と山荘での準備

壬氏たちは狩りのため山荘へ向かった。壬氏は覆面をつけ「香泉」と名乗り、素顔を隠し通していた。猫猫は馬車で後を追い、使用人たちが準備する山荘に到着した。滝の音が響く涼しげな場所で、使用人たちは食事の準備に忙しく立ち回っていた。

李白との再会と猟犬の話

猫猫は偶然、護衛として参加していた李白と出会った。李白は猟犬の訓練に勤しみながら、猫猫と軽い会話を交わした。狩りでは鷹が使用され、猟犬の出番はなかったため、李白は犬と留守番をしていた。猫猫は周囲の森に興味を示したが、軽率な行動は控えた。

宴会の光景と壬氏の異変

山荘では宴会が始まり、貴人たちは料理と酒を楽しんでいた。壬氏は覆面をつけたまま席につき、食事にも酒にも手をつけず不自然な様子を見せた。隣に座る子昌が壬氏に話しかけると、壬氏の手が震え始め、馬閃や猫猫はその異常に気付いた。

壬氏の森への逃避と猫猫の追跡

壬氏は席を立ち、山荘を抜け出して森へと向かった。猫猫は水入りのとっくりを持ち、壬氏を追った。森の奥で壬氏を見つけた猫猫は、覆面を外すよう促したが、壬氏は人目を避けるため拒否した。猫猫は壬氏をさらに奥へと連れ出し、大滝のそばで顔を冷やそうとした。

突如の襲撃と滝への飛び込み

その時、地面がえぐれ、硫黄の匂いが漂う不審な状況が発生した。壬氏は飛発、つまり火薬を使った武器による攻撃と察し、冷静に対応した。猫猫を抱えた壬氏は、滝壺へと飛び込むという大胆な行動に出た。襲撃の危険を回避するための措置であったが、猫猫はその行動に驚きを隠せなかった。

十八話  狩り  中編

宴会場の異変と主の不在

宴会場では、壬氏の長時間の不在が異様な空気を作り出していた。護衛の馬閃は主を探すべきか迷いながらも、壬氏の指示に従い動きを抑えた。官たちは、壬氏と侍女の逢引を揶揄する者と、その安否を心配する者に分かれていたが、宴会の雰囲気は次第に険悪になっていた。

血痕付きの布と矢の発見

武官が報告に駆けつけ、壬氏の衣服と思われる破れた布と血痕が発見されたと告げた。その布は川の岩場で見つかり、近くには折れた矢もあった。矢羽根には鷹の羽根が使われており、明らかに狩りに用いられるものだった。宴会場は動揺し、矢の持ち主が特定される中、財務官の魯袁が疑惑の中心となった。

矢の調査と森での発見

馬閃は矢の形状から持ち主を特定しつつ、周囲の動揺を観察していた。矢が魯袁の荷物と一致していると指摘されると、魯袁は陥れられたと弁解した。馬閃は捜索範囲を森へ広げることを提案し、それに同調するように捜索が進められた。

証拠隠滅の未遂

焦る男が森へ向かうと、そこには何事もなかったように整った地面が広がっていた。しかし、男の背後から猫猫が現れ、汚れた布包みを持っていた。その中には、飛発が隠されていた。男が手を伸ばそうとするも、武官がそれを制止し、猟犬が敵意を示して吠えた。猫猫は冷静に、飛発が使用されていた可能性を指摘した。

捜索の核心と飛発の発見

猫猫が持ってきた飛発は、狩り用の道具ではなく、明らかに事件に関連する危険物だった。馬閃と猫猫の連携によって、事件の真相に近づく手がかりが浮き彫りとなった。

十九話  狩り  後編

滝壺での脱出準備

滝に飛び込んだ壬氏と猫猫は、滝裏の洞窟で一息ついていた。猫猫は濡れた衣を絞りながら、壬氏の体調を確認した。覆面を着けた状態での行動が原因で体調を崩していたことが判明し、猫猫は塩分補給として蕗の点心を差し出した。壬氏は渋々それを口にしながら、飛発による襲撃が複数犯の仕業である可能性を示唆した。

脱出経路の探索と予期せぬ出来事

洞窟の天井にある脱出経路を見つけた猫猫は、壬氏の協力を得て登ろうとした。しかし、途中で蛙に驚いた猫猫がバランスを崩し、二人は倒れ込む形になった。その際、猫猫は壬氏の体に触れ、不意に壬氏が宦官ではない可能性を示唆する事実に気付いた。壬氏はその事実を猫猫に明かそうとしたが、猫猫はそれを拒絶し、話をうやむやにしようとした。

猟犬の活躍と救出劇

猫猫が指笛を吹くと猟犬が現れ、李白が縄を使って二人を洞窟から引き上げた。李白と猟犬の協力で事なきを得たが、壬氏の存在は引き続き秘密にされることとなった。

飛発の発見と犯人の特定

洞窟から出た後、猫猫たちは飛発を使用した犯人の手がかりを探し始めた。猟犬の嗅覚を利用して火薬の匂いを追跡し、飛発を隠していた布包みを発見した。最新型の飛発は異国製であり、使用者が限定されるものであったため、犯人特定の重要な証拠となった。

捕縛とさらなる追及

猟犬の活躍により、飛発を用いた男が捕らえられた。李白はその男を拘束し、仲間や背後にいる高官の特定に向けて準備を進めた。犯人特定の際に疑われた高官たちには冤罪の謝罪が必要だったが、事件解明の進展により全体の状況が明らかとなった。猫猫と壬氏は、これ以上の危険を避けるべく静かにその場を離れた。

終  話

最新型飛発と宮廷の闇

猫猫は最新式の飛発が西方からもたらされたものと推測し、密売や政治的な陰謀の可能性を考えた。特使たちの行動や背後にある力が事件と結びついている可能性を憂慮し、平穏な生活のために早期解決を願った。

壬氏の訪問と謎の贈り物

夜風にあたる猫猫のもとへ壬氏が訪れた。壬氏は昼間の行動を謝罪し、戸越しに布包みを猫猫へ手渡した。中身は猫猫が夢にまで見た秘薬「牛黄」であり、感激した猫猫は壬氏への感謝の言葉を述べた。壬氏が何かを語ろうとするも、猫猫は戸を閉じてしまった。

湖上の夜宴と高順の立場

湖上に設けられた夜宴では、高順が護衛として参加していた。宴は主賓である壬氏の不在に関係なく進行しており、官たちは高順に帝位継承の話題を振った。高順は冷静に対応しつつ、宮廷内の複雑な勢力関係を思案していた。

壬氏の正体と今後の展開

壬氏が皇弟であることは一部の者に知られており、彼の行動や今後の動きが注目されている。主賓としての彼の存在感と、その裏に潜む秘密は宮廷の未来を大きく左右する可能性を秘めていた。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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