- 序話
- 一話 書(アニメ 25話 2期1話)
- 二話 猫(アニメ 25話 2期1話)
- 三話 隊商(アニメ 26話 2期2話)
- 四話 香油(アニメ 26話 2期2話)
- 五話 冬人夏草 前編(アニメ 27話 2期3話)
- 六話 冬人夏草 後編(アニメ 27話 2期3話)
- 七話 鏡(アニメ 28話 2期4話)
- 八話 月精(アニメ 28話 2期4話 5話)
- 九話 診療所(アニメ 28話 2期 5話)
- 十話 みたび、水晶宮 前編(アニメ 28話 2期 6話)
- 十一話 みたび、水晶宮 後編(アニメ 28話 2期 6話)
- 十二話 選択の廟(アニメ 29話 2期 7話)
- 十三話 皇太后(アニメ 30話 2期 8話)
- 十四話 先帝(アニメ 30&31話 2期 8&9話)
- 十五話 怪談(アニメ 34話 2期 10話)
- 十六話 避暑地(アニメ 35話 2期 11話)
- 十七話 狩り 前編(アニメ 35話 2期 11話)
- 十八話 狩り 中編(アニメ 36話 2期 12話)
- 十九話 狩り 後編(アニメ 35話36話 2期 11話12話)
- 終 話
どんな本?
『薬屋のひとりごと』は、日向夏 氏による日本のライトノベル作品。
中世の後宮を舞台に、薬学の専門知識で事件の謎を解く少女・猫猫(マオマオ)の物語。
小説家になろうで連載されているほか、ヒーロー文庫からライトノベル版が刊行されている。
また、月刊ビッグガンガンと月刊サンデーGXでコミカライズ版が連載されており、2023年にはテレビアニメ化も決定している。
月刊サンデーGXの方が、中華の雰囲気が強く、文化の小さい部分にも気をつけているように感じている。
玉葉妃、壬氏と後ろ盾を得たからか、猫猫が後宮でフリーダムだ。
高級妃に性教育、さらにエロ本輸入、、
それを説教する壬氏が何気に気の毒と思ったら、、
ただでは転ばないなww
概要
翡翠宮の毒見役である猫猫が、後宮内で発生する様々な怪異や事件を、その薬学的知見と洞察力で解決していく過程が描かれる。
後宮に流行する香油の危険性の指摘や、毒茸を巡る凄惨な身代わり事件の解明、異国の特使を迎えるための伝説の再現など、日常の謎解きから次第に国家的な背景を持つ事案へと拡大していく。
中盤以降は、先帝の死に纏わる呪いの真相解明や、王母の血筋を証明する「選択の廟」での試練など、後宮の歴史と血統に深く関わる謎に猫猫が踏み込む。
物語の終盤では、避暑地での狩りに随行した際、火薬武器(飛発)を用いた壬氏暗殺未遂事件が発生。
猫猫は壬氏と共に滝壺へ逃れ、その過程で彼の身体的な秘密に触れることになる。
最終的に事件を解決し後宮に戻るが、解決した問題の一方で、壬氏の正体や宮廷内の権力争いといった、より大きな火種を抱えた状態で次なる展開へと繋がっていく。
主要登場人物
猫猫(マオマオ)
- 立場・所属:後宮の女官(翡翠宮所属の毒見役・侍女)
- 本巻での主な役割:薬草や毒物に関する知識を駆使し、後宮内の事件を解決する。壬氏の依頼を受けて特使の接待や先帝の死の調査も行う。
- 変化や行動:避暑地での襲撃から壬氏を連れて脱出する際、壬氏が宦官ではない可能性に気づくが、その事実を拒絶しようとする。
壬氏(ジンシ)
- 立場・所属:後宮を管理する宦官(正体は皇帝の弟「皇弟」)
- 主人公との関係:猫猫の能力を高く評価し、難題を依頼する。
- 本巻での主な役割:特使の接待や後宮改革(教育施設の設置)を主導する。狩場での襲撃では、猫猫を抱えて滝壺に飛び込むなど果敢な行動を見せる。
- 変化や行動:自身の正体や役割に苦悩する場面が見られ、物語終盤では猫猫に秘薬「牛黄」を贈る。
高順(ガオシュン)
- 立場・所属:壬氏の従者(お目付け役)
- 本巻での主な役割:壬氏のサポート及び、猫猫への相談窓口。
- 変化や行動:猫猫の奇抜な行動に苦労しつつも、彼女の能力を信頼し、情報の提供や護衛の選定を行う。
玉葉妃(ギョクヨウヒ)
- 立場・所属:皇帝の貴妃(翡翠宮の主)
- 本巻での主な役割:妊娠中であり、後宮内での立ち回りに注意を払っている。
- 変化や行動:壬氏に猫猫を貸し出すなど、猫猫の行動を容認・支援する。
子翠(シスイ)
- 立場・所属:尚服の女官
- 主人公との関係:趣味(虫)を通じて猫猫と意気投合する。
- 本巻での主な役割:猫猫に虫の知識を提供し、「月女神」の演出に必要な蛾の収集に協力する。
- 変化や行動:神出鬼没で、猫猫が調査する現場に度々現れる。
皇太后(安氏)
- 立場・所属:現皇帝の母、先帝の妃
- 本巻での主な役割:先帝にかけた「呪い」の正体を調査するよう猫猫に依頼する。
- 変化や行動:壬氏に対し、後宮の現実に基づいた厳しい忠告を与える。
読んだ本のタイトル
薬屋のひとりごと 3
(英語: The Apothecary Diaries、中国語: 药屋少女的呢喃)
著者: #日向夏 氏
イラスト: #しのとうこ 氏
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あらすじ・内容
中世の東洋を舞台に「毒味役」の少女が大活躍する人気シリーズ第3弾。後宮で起きた死亡事件から見えてくる新たな真実。そして壬氏が命の危機に!?
玉葉妃の妊娠により、再び後宮に戻ってきた猫猫(マオマオ)。
薬屋のひとりごと3
皇帝の寵妃ということもあって、それは秘密厳守。
しかし、女たちの腹の探り合いは日常茶飯事で、しかも、後宮内だけでなく外部からも怪しげな動きが見え隠れする。
それとともに、後宮外では壬氏たちが隣国の特使の要求に頭を悩ませていた。
特使たちは、数十年前にいたという妓女、それが見たいと無理難題を言ってきたのである。花街の事情に詳しい猫猫に相談を持ちかけてくるが、それは意外な人物であり――。
猫猫はその美女にかわる絶世の美人を用意することとなる。
茸中毒で死んだ妃、後宮内の廟の秘密、先帝がかかった呪い、その謎を解くにつれ、壬氏が宦官の枠を超えて扱われていることに猫猫は気が付く。
そして、猫猫はその壬氏の願いで、後宮を出て北の避暑地へと同行することになる。そこで待っていたのは、腹に一物持った高官たちと再び壬氏の命を狙う者たちだった。
猫猫たちは、無事、宮中に戻ることはできるのか!?
アニメ化のお知らせ(2023年10月から放送)
感想
玉葉妃の懐妊に伴い、猫猫は再び翡翠宮の毒見役として後宮へ戻る。
ただし妊娠はまだ秘密。
妊婦に良くない香油や香辛料が大量に後宮へ入り込んだり、中級妃の死亡事件が起きたりと、戻って早々に猫猫の周囲では面倒事が続く。
さらに皇太后から、
先帝に自分が呪いをかけて殺したのではないか。
という、とんでもない相談までされる。
でも今回、一番印象に残ったのはやっぱり後半だった。
壬氏と避暑地へ行ったら暗殺未遂。
二人で滝壺へ飛び込む。
逃げ込んだ先で事故が起こり、
猫猫が壬氏の身体に触れてしまう。
そして気づく。
……ある。
いやいやいや。
壬氏さま。
宦官じゃないじゃん。
これまで猫猫も薄々おかしいとは思っていただろうけれど、とうとう物理的に確認してしまった。
それでも、
知りたくありません。
みたいな態度で全力回避する猫猫。
面倒事に巻き込まれたくない気持ちは分かる。
でももう遅くないか?
玉葉妃の妊娠を隠しているのに、妊婦に良くない物ばかり後宮へ入ってくる
今回、最初に不穏だったのが隊商である。
後宮へ珍しい衣装や香油、茶葉、香辛料が大量に持ち込まれる。
普通なら、
買い物できて楽しい。
で終わるイベント。
でも猫猫は、玉葉妃へ持ち込まれた衣装を見て違和感を持つ。
妊婦でも着やすい服ばかり。
さらに後宮では香油が大流行。
猫猫が調べると、その中には妊婦へ悪影響を与える可能性があるものが複数含まれていた。
茶葉や香辛料にも同様のものがある。
単体では普通の商品。
少量なら問題にならない。
だから検査にも引っかからない。
でも、
誰か妊娠していないか探る。
あるいは妊婦が使ってしまう可能性を作る。
そう考えると嫌な感じがする。
猫猫も以前の「毒おしろい」を思い出している。
偶然なのか。
誰かが意図しているのか。
まだ断定はできない。
前巻で翠苓が消えたこともあるだけに、
また裏で何か動いてないか?
と思ってしまう。
その一方で、小蘭が字を覚え始めたり、子猫の毛毛が後宮へ住み着いたりと日常部分も楽しい。
小説を流行らせて識字率を上げようとする壬氏も、何気にかなり真面目に後宮改革をしている。
猫猫に褒めるような目で見られただけで落ち着かなくなるのはどうかと思うけど。
いつもの虫を見るような目じゃないと駄目なのか。
中級妃の死から先帝の死まで。猫猫、とうとう皇太后からまで依頼される
中盤では、中級妃の死からかなり嫌な事件へ発展する。
亡くなった妃。
行方不明になった女官。
毒茸。
埋められていた遺体。
調べてみると、
葬儀で眠っていた人物と、本当に死んでいた人物が違う可能性が出てくる。
後宮怖いな。
二千人近い女性が閉じ込められた場所なのだから、表に出ない事件も相当あるんだろう。
そして今度は皇太后から先帝について相談される。
先帝といえば、これまで幼い女性を好んでいた人物という印象が強かった。
でも過去を追っていくと、それだけでは片付けられない。
先帝自身もまた、女帝によって皇帝という立場へ押し込められた人間だったことが見えてくる。
そして猫猫が見つけたのが、先帝の部屋に残されていた絵。
使われていた黄色い顔料には毒性のある雄黄が含まれていた。
長期間触れ続けていたことが、先帝の身体を蝕んだ可能性がある。
皇太后が、
自分が呪い殺したのではないか。
と思っていたことにも、一応の答えが出る。
ただ、この話は犯人を見つけて終わりという感じではなかった。
先帝。
皇太后。
女帝。
それぞれが当時の後宮と皇族という立場に縛られている。
誰か一人だけが悪いとも言い切れない。
普段の事件とは少し違って、
猫猫が過去を掘り返したことで、今まで見えていなかった人物像が出てくる話だった。
避暑地で壬氏が狙撃される。そこまでして狙う相手って誰なんだ?
後半は一気に雰囲気が変わる。
壬氏に連れられて北の避暑地へ。
狩猟に同行。
ここまでは、
また猫猫が毒見役として便利使いされてるな。
くらいだった。
ところが壬氏が覆面姿で宴席へ出ると、明らかに様子がおかしくなる。
暑い。
顔を隠さなければならない。
食事もまともにできない。
最終的に猫猫と森へ抜け出したところで、
飛発による襲撃。
いきなり殺しに来た。
しかも狩猟事故に見せかけるような形ではなく、かなり本気で壬氏を狙っている。
壬氏は猫猫を抱えて滝壺へ飛び込む。
ここ、
猫猫より壬氏の方がよほど身体能力高いな。
その後も犯人側は血の付いた布や矢を使って別人へ疑いを向けようとする。
かなり計画的である。
最終的には李白と猟犬が活躍。
火薬の匂いを追い、隠してあった飛発を発見して犯人を捕まえる。
犬、有能。
李白もちゃんと仕事している。
ただ、この時点でも、
誰がどこまで関わっているのか。
なぜ壬氏が狙われたのか。
という大元までは完全に片付いていない。
そもそも壬氏は表向き、
美しい宦官。
のはず。
それをわざわざ最新式の武器まで使って暗殺しようとする。
……絶対、正体を知っている奴がいるだろ。
壬氏、宦官じゃなかった。猫猫は気づいたのに全力で知らないふり
そして逃亡中。
滝の裏にある洞窟から出ようとする二人。
猫猫が壬氏の身体を足場にして登ろうとする。
そこで蛙に驚いて落下。
身体が密着する。
そして猫猫が触ってしまう。
……。
ある。
原作でも猫猫はここで決定的に「壬氏は宦官ではない」と分かる状況になり、壬氏自身も説明しようとする。しかし猫猫は、それ以上知ることを拒否する。
いや、
気持ちは分かる。
知ったら絶対面倒くさい。
宦官として後宮を管理している人間が、実は宦官ではない。
それだけでも国家級の秘密である。
さらに以前から壬氏については、
扱いがおかしい。
高順の態度も普通ではない。
帝との距離も近すぎる。
色々と怪しい部分があった。
だから猫猫としては、
知らない。
私は何も知らない。
で逃げたい。
でも、
もう触っちゃったからな。
無理じゃないか?
しかも最後には、壬氏からようやく牛黄を貰う。
猫猫、大喜び。
一方の壬氏は何か重要なことを話そうとする。
猫猫、
戸を閉める。
聞けよ。
壬氏からすれば、
そろそろ正体を話したい。
猫猫からすれば、
絶対聞きたくない。
このすれ違いが面白い。
そして今回の暗殺未遂によって、壬氏の正体そのものが今後の物語に大きく関わってきそうになった。
後宮へ持ち込まれた不自然な品々。
まだ捕まっていない翠苓。
楼蘭妃周辺の動き。
最新式の飛発。
そして壬氏を殺そうとした者。
一つ一つはまだ完全につながっていない。
でも、どう考えても裏で何か進んでいる。
猫猫としては薬と毒だけ触っていたいのだろうけれど、
もう完全に宮廷の中心部へ入り込んでしまっている。
そして何より、
壬氏が男だと知ってしまった。
これから猫猫がどこまで「知らないふり」を続けられるのか。
そこが一番気になる3巻だった。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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考察
ストーリー・プロット
第1幕:後宮の日常と忍び寄る危険
物語は、猫猫が医局で香油や酒精を蒸留する日常から始まる。
壬氏が持ち込んだ官能的な書物が妃たちの間で教育用として広まり、後宮全体の識字率向上に繋がる一方、隊商の訪問が契機となり、香油が後宮で大流行する。
猫猫は、流行している香油の成分(薔薇、安息香、桂皮など)に妊婦への悪影響があることを見抜き、水晶宮での騒動を経て、これらの成分がかつての「毒おしろい」事件のように、意図的に持ち込まれた可能性を壬氏に示唆する。
また、散歩中に出会った子猫(毛毛)が、皇帝の命により「盗賊改」として医局で飼われることになる。
第2幕:冬虫夏草と凄惨な身代わり事件
壬氏から「毒茸」の調査を依頼された猫猫は、後宮北側の荒れた区画を探索する。
その最中、死因が「食あたり」とされる中級妃(静妃)の葬儀に参列し、遺体の異常な姿(顔のただれ、脱毛)を目撃する。
猫猫は、北側の林で発見した猛毒の茸が皮膚をただれさせる性質を持つこと、そして林に埋められていた本物の静妃の遺体を発見したことから、真相を究明する。
一年以上前に死亡した静妃の身代わりとして、結婚を控えて失踪した女官が立てられていたことが判明し、後宮の深い闇が露呈する。
第3幕:異国の特使と「月女神」の再現
西方の特使が訪れ、鏡や刺繍といった異国の文化がもたらされる。
特使は、かつて自身の曾祖父が魅了された「真珠の涙を持つ絶世の美女」との再会を望んでいた。
その美女の正体が緑青館のやり手婆であることを知った猫猫は、婆の過去の話から、当時の「天女」の正体が、嫌がらせで衣装に塗られた蛾の雌の匂いに引き寄せられた雄の蛾の群れによる演出であったと見抜く。
猫猫は子翠の協力を得て蛾を集め、壬氏を天女役に立てて伝説の光景を再現し、特使の接待を成功させる。
第4幕:先帝の呪いと王母の血筋
皇太后から「先帝にかけた呪い」の調査を依頼された猫猫は、先帝の時代に使用されていた秘められた部屋を調査する。
壁紙の裏に隠された、毒性のある「雄黄」を多用した絵画を発見し、先帝が幼女趣味を満たすために描いていた絵が、皮肉にも自身の身体を蝕む原因(砒素中毒)であったことを突き止める。
また、皇帝と共に訪れた「選択の廟」では、廟の扉の仕掛けが、赤と緑を識別できない特定の血筋(王母の血筋)を選別するための試練であることを解き明かし、その聡明さを賞賛される。
第5幕:避暑地の子北州と暗殺の危機
壬氏の要請で、猫猫は北方の子北州にある避暑地へ毒見役として同行する。壬氏は素顔を隠して狩りに参加するが、宴の席で異常な体調不良(過呼吸等)を見せ、森へと逃げ出す。
そこへ火薬を用いた武器「飛発」による襲撃が発生する。壬氏は猫猫を抱えて滝壺へと飛び込み、滝裏の洞窟へと逃れる。
そこで猫猫は、濡れた壬氏の身体に触れることで、彼が通常の宦官ではないという事実に直面する。猫猫は動揺しつつも、この事実を「聞かなかったこと」にして処理しようとする。
第6幕:真相究明と帰還
洞窟から脱出した猫猫と壬氏は、李白や猟犬の助力を得て、火薬の匂いを追跡する。犯人は最新型の異国製飛発を隠し持っていた男であり、特定の高官が関与している可能性が浮上する。
事件の背後にある政治的な陰謀を感じつつも、一行は後宮へと帰還する。
夜、壬氏は猫猫を訪ね、狩場での行動を謝罪すると共に、貴重な秘薬「牛黄」を贈る。猫猫は狂喜してそれを受け取るが、壬氏が語ろうとした言葉を聞く前に戸を閉ざし、日常へと戻る。
主人公を中心とした人物関係の変化
猫猫 ⇔ 壬氏
- 開始時:不本意ながらも能力を頼られ、難題を押し付けられる関係。
- 主な出来事:特使の接待での協力、狩場での襲撃時、滝壺へのダイブと洞窟での密着。
- 巻末時:猫猫は壬氏が「宦官ではない」という重大な秘密を確信するが、それを拒絶し、あくまで「宦官の壬氏」として接し続けようとする。壬氏は猫猫に牛黄を贈るなど、信頼以上の感情を見せる。
猫猫 ⇔ 子翠
- 開始時:洗濯場等で見かける、趣味の合う女官。
- 主な出来事:蛾の収集や、北側の林での探索協力。
- 巻末時:特定の分野(虫や茸)で協力し合える「友人」に近い関係となる。
猫猫 ⇔ 皇太后
- 開始時:雲上の存在であり、直接の関わりはない。
- 主な出来事:先帝の呪いに関する調査依頼と報告。
- 巻末時:猫猫の能力が認められ、国家的な機密に関わる調査を任される信頼を得る。
主人公の認識と周囲の評価
主人公自身の認識
自分は単なる薬好きの偏屈な下っ端女官であり、毒見や調薬の機会が得られれば満足だと考えている。壬氏からの依頼には面倒さを感じつつも、知的好奇心や報酬(薬草)のために応じている。自身を「使い捨ての駒」と冷淡に捉える一方で、薬学的・衛生的な観点から人命が失われること(香油の危険性や下女の病)には敏感に反応する。
周囲からの評価
- 壬氏・高順: どんな難題も解き明かす、非常に聡明で稀有な存在。ただし、その毒物への執着や奇行には呆れている。
- 玉葉妃: 翡翠宮に欠かせない有能な侍女。その知恵を高く評価し、全幅の信頼を置いている。
- 後宮の女官たち: 水晶宮での「匂い嗅ぎ」などの奇行により、以前の「妖怪扱い」からさらに奇妙な人物としての認識が強まっているが、一方で字を教えてくれる頼れる存在としても一部で認識されている。
認識の差が現れた場面
「月女神」の演出を考案した際、壬氏は政治的成功を優先したが、猫猫は純粋に「蛾の習性」と「婆の過去の再現」にのみ注力していた。また、狩場で壬氏の身体的秘密に気づいた際、壬氏は事実を明かそうとしたが、猫猫は自らの立場を守るために(あるいは面倒を避けるために)「何も気づいていない」という認識を突き通した。
後宮の深層と避暑地における事件解決の全貌
玉葉妃の懐妊に伴い後宮へ復帰した猫猫は、毒見役を務めながら香油の危険性や中級妃の死体偽装、先帝の崩御にまつわる謎を薬理の知識によって次々と解明していった。さらに避暑地への同行を機に壬氏の暗殺未遂事件に巻き込まれ、彼の身体に隠された重大な秘密に直面することとなった。主要な転換点、人物関係の推移、自己認識と周囲の評価、クライマックスの狙撃事件、そして巻末における状況に至るまでの全容について解説する。
物語を動かした主要な転換点
後宮内の制度改革の萌芽から後宮に潜む数々の陰謀の摘発、そして壬氏の正体に触れるまでの重要局面が展開された。
・小説の配布と識字への関心:手配した市井の小説が後宮内に広まり、小蘭ら下女たちの間で写本や文字学習への関心が高まった。これが壬氏による後宮内手習所の建設や制度改革へと繋がる契機となった。
・水晶宮の物置での香油発見:洗濯物の匂いから妊婦への毒性を指摘し、水晶宮の物置に隠されていた堕胎用の香油を看破した。これにより侍女頭・杏の企てが露見し、彼女の追放と水晶宮の権力構造刷新がもたらされた。
・おしろい花の群生と死体偽装の看破:死体に好んで生える茸とおしろい花の群生から本物の静妃の埋葬遺体を発見し、葬儀に安置されていた遺体が別人の身代わりであることを暴いて侍女たちによる隠蔽工作を白日の下に晒した。
・滝裏の洞窟での接触:避暑地での狙撃から逃れる最中、足元を滑らせた猫猫が壬氏の股間に触れたことで彼が去勢されていない本物の男性である事実を知り、その秘密をカエルと呼んで意図的に認識を拒絶する関係が始まった。
主人公を中心とした人物関係の推移
後宮の深層に関わるにつれ、周囲の要人や新たな仲間との間に強固かつ特異な関係が築かれた。
・壬氏:当初は厄介な雇用主として冷ややかに接していたが、手習所設立や月精伝説の再現で協力し合った。重大な秘密を知った後は距離を置こうとしつつも、命がけの救出を経て牛黄を贈られたことで深い感謝を抱くようになった。
・子翠:写実的な虫の絵や毒茸の調査を通じて意気投合した風変わりな下級女官であり、月精再現のための蛾の採集などを共に楽しむ数少ない心許せる友人となった。
・皇太后:雲の上の最高権力者であったが、直々に先帝の死の真相究明を依頼された。死因が絵の具の雄黄毒であることを解明し、長年の罪悪感を解消させたことで一目置かれる存在となった。
主人公の認識と周囲の評価
自身の知的好奇心を優先する猫猫の自己認識と、彼女を不可欠な頭脳と見なす周囲の評価との間には明確な落差が存在した。
・主人公自身の認識:薬や毒の好奇心を満たしたいだけの平凡な毒見役に過ぎないと自認し、宮廷の政治闘争を強く忌避していた。壬氏の秘密を知った際もしがらみを避けるため何事もなかったかのように拒絶する姿勢を貫いた。
・周囲からの評価:玉葉妃や紅娘からは卓越した実務能力を持つ頼れる存在として、壬氏や高順からは難事件を解決する唯一無二の頭脳として絶大な信頼を寄せられた。一方で敵対者からは秘密を暴く危険な女官として強く警戒された。
・認識の差が現れた場面:特使を迎える宴で月精を再現するため壬氏の衣装に蛾の匂いを染み込ませた際、猫猫自身は花街での知識を再現したに過ぎないと考えていたが、周囲からは蛾を操る神秘的な秘術を披露したと受け取られ畏敬の念を集めた。
クライマックスにおける狙撃事件と救出劇
避暑地への行幸中、最新式の火器を用いた皇弟暗殺計画が実行に移された。
・狙撃の発生と滝への転落:体調不良で席を立った壬氏を追った猫猫は、物陰からの飛発による狙撃を察知した。足場の崩落に伴い、猫猫は落下する壬氏を抱き寄せて共に眼下の滝へと身を投げた。
・洞窟内での救護と情報伝達:極度の脱水と冷水で体温を奪われ意識を失った壬氏を滝裏の洞窟へ運び込み、持参していた点心で塩分と水分を補給させて意識を回復させた。合流した護衛たちへ犯人の火薬の匂いを的確に伝達した。
・犯人の捕縛と証拠回収:李白率いる護衛隊と猟犬が森に潜伏していた犯人を特定して拘束し、木の葉に隠されていた最新式の飛発を証拠として押収した。
・宮中への帰還と牛黄の授与:暗殺を阻止して無事に宮中へ帰還した猫猫に対し、壬氏は最大級の感謝の証として極めて高価な生薬である牛黄を授与した。
巻末時点の状況と今後の展望
後宮での立場を確固たるものにしつつ、背後に潜む巨大な政治的暗雲が浮き彫りとなった。
・解決した問題:香油による堕胎未遂事件の首謀者追放、静妃の死体偽装事件の解明、先帝崩御の真相解明による皇太后の罪悪感の解消、および避暑地での壬氏暗殺未遂犯の捕縛が完了した。
・継続している問題:最新式の火器が西方から密売されている背景や子の一族をはじめとする高官たちの不穏な動き、そして壬氏の本来の身分である皇弟・華瑞月を巡る帝位継承の火種が残されている。
・今後につながる要素:物置小屋を作業場として獲得した猫猫が、壬氏の真の身分と運命に今後どのように巻き込まれていくかが示唆されている。
まとめ
後宮の深層と避暑地における一連の事件解決は、文字の普及と教育改革の端緒から始まり、香油や死体偽装に隠された後宮の闇の摘発、先帝崩御の真相解明、避暑地での飛発狙撃からの決死の救出、そして壬氏の男性としての正体の露見と牛黄の授与に至るまで、その歩みを明瞭に示している。卓越した薬理の知識で幾多の危機を乗り越えながら、皇弟の真実という国家最高峰の秘密に直面していく猫猫の足跡を記録した重要な局面である。
後宮の毒と薬
物語における「後宮の毒と薬」について解説する。後宮において毒と薬は表裏一体の存在であり、権力闘争や陰謀のための暗殺の道具として用いられる一方で、猫猫(マオマオ)の豊富な薬学知識によって事件の真相を解き明かす最大の鍵となっている。
無知や迷信からくる毒
後宮では、知識の欠如によって無自覚に毒が蔓延したり、化学現象が呪いとして恐れられたりする事件が起きている。
・毒おしろい(鉛毒):乳幼児の連続死や衰弱の原因は、妃たちが美を求めて使用していた白いおしろいに含まれる毒であった。猫猫がこれを看破し、梨花妃の看病の際には侍女を平手打ちにしてまで使用を止めさせている。
・呪いの炎の色:ある宦官が炎の色が変わる現象を呪いだと恐れたが、猫猫は特定の粉末が火に反応して色を変えるという物理的・化学的な反応であることを実験で証明した。
陰謀や暗殺に用いられる多様な毒
悪意を持って使用される毒は、単なる毒薬にとどまらず、身近な食品や植物が凶器として利用される。
・食物アレルギーの利用(蜂蜜):園遊会での毒殺未遂事件の裏で、里樹妃が幼い頃に大病を患った原因である蜂蜜が、彼女を狙う(あるいは脅す)意図で用いられていた。
・堕胎剤(香油・香辛料):後宮で香油が大流行した際、猫猫は香油や香辛料に妊婦に悪影響を及ぼす成分が含まれていることに気づく。水晶宮では、侍女頭の杏がこれらの成分を隠し持ち、玉葉妃などの妊婦を狙った堕胎剤を調合しようとしていたことが暴かれた。
・塩の過剰摂取:酒の飲み過ぎで死亡したとされた官僚の死因について、猫猫は彼が味覚障害(甘いものしか食べられなくなっていた)を患っていたことに目をつけ、酒に大量の塩を混入させて致死量に達しさせた暗殺であると推測した。
・麦稈(ばっかん / ストロー)を利用した毒殺:娼館で男女が心中を図ったように見えた事件では、妓女が麦稈を使って自分だけ毒を避け、客の男にだけ毒を摂取させるという巧妙な偽装が行われていた。
・毒茸を用いた死の偽装:顔がただれて死亡したとされる静妃の事件では、触れるだけで皮膚がただれる猛毒の茸が使われていた。猫猫は毒茸の分布から、侍女たちが静妃の死を隠蔽し、失踪した別の女官の死体を偽装していたことを突き止める。
・雄黄(絵の具の毒):先帝の死因にも毒が関わっていた。先帝が趣味で描いていた幼い娘たちの絵に使われていた黄色い絵の具(雄黄)には毒性があり、長年それに触れていたことで身体を蝕まれたことが猫猫の調査で判明する。
・蘇りの薬(仮死薬):官女の翠苓は、曼荼羅華(まんだらげ)と河豚毒を用いた蘇りの薬を使用し、自らの死を偽装して逃亡を図った。
猫猫の薬への執着と応用
毒と薬を知り尽くす猫猫は、自身の知識を事件解決や特異な任務に応用している。
・媚薬の調合:壬氏からの依頼で、猫猫は可可阿(カカオ)を主成分とした粉末を用いて、食欲を刺激し気分を高揚させる媚薬(点心)を作成した。これを誤食した侍女たちが桃色の空間をさまよう騒動になり、効果の強さが実証されている。
・牛黄(ごおう)への強い執着:猫猫は高価な生薬である牛黄に目がなく、壬氏からの依頼で事件の調査(中祀の暗殺計画阻止など)に協力する際の報酬として、事あるごとに牛黄を要求している。物語の終盤では、壬氏からついに夢にまで見た牛黄を手渡され、感激している。
まとめ
このように、後宮における毒は単なる殺人手段ではなく、女性たちの嫉妬、権力争い、過去の罪の隠蔽、あるいは無知から生じる悲劇の象徴として描かれている。そして、それらを薬学という科学的かつ論理的な視点から解き明かしていく猫猫の存在が、物語の大きな魅力となっているのである。
壬氏の正体と葛藤
壬氏(ジンシ)の正体と、彼が抱える深い葛藤について解説する。
壬氏の正体
物語の表向きにおいて、壬氏は後宮を管理する完全無欠の美貌の宦官として振る舞っている。しかし、その正体と背景には以下のような重大な秘密が隠されている。
・真の身分は現在の皇帝の弟(皇弟)である
・実は現帝と阿多妃(元淑妃)の間に生まれた実の息子であり、赤子の頃に本来の皇弟とすり替えられた可能性が強く示唆されている
・本物の宦官(去勢された男性)ではなく、避暑地での狩りの際、襲撃から逃れて身を隠した滝裏の洞窟で、バランスを崩した猫猫が彼の体に触れたことで男性であることが発覚してしまう
壬氏の抱える葛藤
壬氏は、自身の高貴な身分と宦官という偽りの役割、そして自身の本当の望みとの間で常に深く葛藤している。その具体的な要因は以下の通りである。
・偽りの役割と重圧:完全無欠の宦官を演じ続けるために、常に自分を偽らなければならない。夜中に悪夢にうなされて目を覚まし、不快感を紛らわせるために木刀で剣舞に励むなど、自らの役割と日々の疲労の狭間で精神的に揺れ動く姿が描かれている。また、外出時には化粧で平民に変装したり、避暑地での狩りでは香泉と名乗って覆面で素顔を隠し通したりと、本来の自分を隠し続ける生活を強いられている。
・早熟を強いられた幼少期:皇太后(安氏)は、過去に幼い壬氏から玩具を取り上げたことで彼を早熟にし、大人にならざるを得ない環境を作ってしまったと強く後悔している。お気に入りは隠しておかないと誰かに隠されてしまうという忠告は、彼が大切なものを守るために権力や策謀の中で生きねばならない現実を突きつけている。
・猫猫との関係:滝裏の洞窟で猫猫に自分が宦官ではないと気付かれた際、壬氏はついに自らの口でその事実を明かそうと試みた。しかし、宮廷の厄介事に巻き込まれることを極端に嫌う猫猫は、その事実を拒絶し、意図的に話をうやむやにしてしまう。自分の本当の姿を受け入れてほしいと願いながらも、立場上それを強要できず、猫猫の拒絶に直面するという不器用な関係性が彼の苦悩をさらに深くしている。
まとめ
このように、壬氏は生まれながらに背負わされた皇弟という重すぎる身分と、後宮を管理する宦官という仮面の下で、一人の人間としての疲弊や、大切な人との距離感に深く葛藤し続ける人物として描かれているのである。
異国の特使と伝説
異国からの特使の来訪と、彼らが探し求めていた伝説に関するエピソードは、後宮を揺るがす政治的な駆け引きと猫猫(マオマオ)の機転が交差する見せ場となっている。
特使の来訪と彼らの思惑
後宮にやってきた異国の特使は、金髪と透き通った瞳を持つ二人の美女(従姉妹同士)であった。特使の来訪に伴う状況は以下の通りである。
・彼女たちは豪華な衣装をまとい、非常に自信に満ちた態度で皇帝の馬車に近づくなど、不敬とも取れる挑発的な行動をとり、宴の場に政治的な緊張感をもたらしていた
・特使からは非常に精巧で透明な玻璃(ガラス)製の鏡が贈られていた
・猫猫は、この鏡の特性を利用した巧妙なだまし絵の手法(良家の娘が監視の目を欺いて密会し妊娠した事件)を見抜き、一連の出来事から特使たちの背後にある影響力や意図を察知していた
特使が求める伝説の美女の正体
特使たちがこの国で追い求めていたのは、過去の特使が絶賛した真珠の涙を持つ絶世の美女の伝説であった。その伝説の真相は以下のように判明する。
・壬氏からこの話を聞かされた猫猫は、その美女の正体が自分の実家(緑青館)にいるやり手婆であることに即座に気づき、壬氏らを驚かせる
・実は五十年以上前、やり手婆は特使を接待するための妓女として選ばれていた
・月夜の遺跡を背景に舞を披露した彼女の姿があまりにも幻想的であったため、当時の特使から月女神と称賛され、それが伝説として異国に語り継がれていたのである
伝説の再現と猫猫の策略
特使たちの態度を制し、後宮の平穏を保つため、猫猫はこの伝説の美女を物理的に再現する計画を立てた。その具体的な策は以下の通りである。
・宴は男子禁制の後宮北側を一時的に解放して行われた
・猫猫は、知人の子翠(シスイ)が見つけた光に映える美しい珍しい蛾を大量に集め、光の演出として利用するという大胆な策に出る
・満月の夜、黒布をまとった美人が淡い蛾の光をまとって月下に現れると、その姿はまさに伝説の天女そのものであった
まとめ
この幻想的で圧倒的な光景に特使たちは息をのみ、猫猫の計画は見事に成功を収めた。伝説を目の当たりにさせたことで特使たちの印象操作に成功し、彼女らの挑発的な振る舞いを封じる結果となったのである。
なお、この大規模な演出を成功させる裏では壬氏も多大な協力をしており、水を使った演出のせいか濡れた衣装と髪で疲労困憊になるほど奮闘していた。すべてが終わった後、猫猫が疲弊した壬氏の髪を拭いて労うという、二人の信頼関係が垣間見える場面でこの騒動は締めくくられている。
後宮内の事件調査
猫猫(マオマオ)は後宮において、表向きは下女や玉葉妃の毒見役、あるいは医官手伝いの官女として働いているが、その豊富な薬学・毒物に関する知識と鋭い観察眼、そして特異な好奇心から、後宮内で起こる数々の不可解な事件の調査を行い、真相を解き明かしてきた。彼女が手掛けた主な後宮内の事件調査には、以下のようなものがある。
毒おしろいによる乳幼児連続死と衰弱事件
後宮で玉葉妃と梨花妃の子供たちが次々と体調を崩し、下女たちが不吉な呪いと噂する中、猫猫はそれが呪いではなく、梨花妃や侍女たちが使用していたおしろいに含まれる毒が原因であることを見抜いた。
・匿名で警告文を送ったことが彼女自身の運命を大きく変える
・この出来事が壬氏の目に留まるきっかけとなった
芙蓉姫の幽霊騒動
後宮で宙を舞う白い女という怪奇現象が噂された際、猫猫は高順と共に城壁に向かい、その正体が武官に下賜される予定の中級妃である芙蓉姫であることを突き止める。
・夢遊病の話などを交えながら事件の背景を分析する
・姫の行動の背後には幼馴染である武官への深い愛があることを推測する
・皇帝の御手付きにならないための意図的な行動であったと結論づけた
園遊会での毒殺未遂と蜂蜜の因縁
園遊会の宴席で、猫猫は提供された料理に毒が混入していることを迅速に見抜く。その後の調査と推理の過程は以下の通りである。
・器に残された指紋などから、徳妃(里樹妃)の毒見役が食事を入れ替えた内部犯行によるいじめであると推理する
・里樹妃が蜂蜜に対してアレルギーを持つことを突き止める
・過去の記録から、阿多妃の侍女頭である風明が16年前に蜂蜜で乳児を死なせてしまった事実を突き止める
・その事件の隠蔽のための陰謀であったという悲しい真相を解き明かした
香油と香辛料を利用した堕胎の陰謀
後宮で香油が大流行した際、匂いに敏感な猫猫は、香油や香辛料の中に妊婦に悪影響を及ぼす成分が含まれていることに気付く。
・調査のために水晶宮へ赴き、隔離された病人の下女を発見する
・侍女頭の杏がこれらの成分を隠し持ち、妊娠中の妃を狙った堕胎剤を調合しようとしていたことを暴く
・悪意ある陰謀を未然に防ぐことに成功した
毒茸を用いた静妃の死の偽装事件
顔がただれ髪が抜ける病で亡くなったとされる静妃の事件では、猫猫は触れるだけで皮膚がただれる猛毒の茸を発見する。
・毒茸の分布や性質を調査する
・静妃は一年以上前にすでに死亡していたという事実を導き出す
・侍女たちが失踪した別の女官の遺体と毒茸を使って、静妃が生きているかのように死を偽装していた恐ろしい真相を暴いた
先帝の死の真相と絵の具の毒
皇太后からの依頼で、猫猫は愚帝と評された先帝が遺した埃まみれの部屋を調査した。
・壁紙の裏に隠された幼い娘たちの絵を発見する
・その絵に使われていた黄色い絵の具である雄黄に毒性があることを指摘する
・長年この毒に触れ続けたことが先帝の身体を蝕み、死に至らしめた原因であることを解明した
まとめ
猫猫の事件調査は、呪いや怪談といった迷信で片付けられがちな事象に対し、物理的な証拠や薬学・医学の知識を用いて論理的にアプローチするのが特徴である。彼女の調査は単なる犯人探しにとどまらず、後宮という閉ざされた空間で生きる女性たちの愛憎、権力闘争、そして悲哀を浮き彫りにする重要な役割を果たしているのである。
皇太后と先帝の過去
皇太后(安氏)と先帝の過去は、後宮の闇と権力、そして孤独に満ちた悲劇的なものであった。本記事では、彼らの関係と先帝の死の真相について紐解いていく。
安氏(皇太后)の野心と後宮での台頭
安氏はもともと妾腹の娘として生まれ、中級妃となった異母姉の侍女として後宮に送り込まれた。彼女が国母の地位に上り詰めるまでの経緯は以下の通りである。
・ある日、先帝が異母姉のもとを訪れた際、異母姉に押しのけられて恐怖に震える先帝の姿を見る
・自らの野心を抱いて彼に近づき、寵愛を得ることに成功する
・その後、男子(現在の皇帝)を産んだことで国母の地位に上り詰めるが、そこに至るまでには幾度も命の危険にさらされる過酷な経験をしていた
先帝の異常な性癖と安氏の苦悩
先帝は生前、愚帝や昏君と悪評が絶えない人物であったが、後宮内で最も知られていた事実は幼女への異常な執着であった。この特異な性癖がもたらした影響と安氏の苦悩は以下の通りである。
・女帝の庇護によって安氏の立場は安定したものの、先帝の特異な性癖や後宮の拡張により、多くの幼い娘たちが後宮へと送り込まれることになる
・これに嫉妬した異母姉は狂乱して後宮を追放される
・安氏自身もまた先帝から恐怖の対象とされるようになり、深い苦悩の中で生きることを強いられた
・安氏が現帝を出産した際の多大な苦労や恨みは、先帝への呪いと認識されるほど強い感情であった
先帝の死の真相
皇太后は自分が先帝を呪い殺したのではないかという疑念を抱えており、猫猫に先帝が使っていた部屋の調査を依頼する。調査によって判明した事件の真相は以下の通りである。
・猫猫が埃まみれの部屋を調べると、壁紙の裏から先帝が密かに描いていた幼い娘たちの絵が発見され、その中心には女帝らしき女性の姿も描かれていた
・猫猫は、この絵に使われている黄色い絵の具が雄黄(ゆうおう)という強い毒性を持つ物質であることを見抜く
・先帝は自身の趣味として長年この毒を含む絵の具に触れ続けた結果、身体を蝕まれて命を落とした
・さらにその毒の作用によって死後も遺体が腐らずに保存されていたという真相が明らかになった
まとめ
先帝の死因が呪いではなく、自らの趣味による中毒死であったという報告を受けた皇太后は、猫猫の言葉を受け入れる。彼女は先帝への思いや自身の複雑な過去を胸に秘めたまま、ただ蒼穹を仰いで祈るような姿を見せたのである。
登場キャラクター
猫猫
鋭い観察力と薬学知識を活かし、後宮内外で数々の事件を解決する毒見役である。壬氏からの信頼も厚く、妃や侍女に教育を施すなど、後宮改革にも関与している。
・所属組織、地位や役職
壬氏直属の毒見役。翡翠宮・玉葉妃付き。
・物語内での具体的な行動や成果
香油の蒸留実験を行い、その流行と危険性を分析した。字を知らない侍女たちへの識字教育を進め、診療所の不審点や毒茸による被害を調査した。静妃の死の真相を暴き、異国特使を迎える演出を成功に導いた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
後宮内で特異な存在として認知され、皇太后からも依頼を受けるほどの信頼を得ている。教育や医療、外交的演出にも関与し、後宮の構造改革に貢献している。
壬氏
外廷と後宮をつなぐ高位宦官であり、猫猫の後見人でもある。冷静な判断力と広い裁量を持つが、時に感情を露わにする場面もある。
・所属組織、地位や役職
皇帝直属の高位宦官。後宮・外廷を統括。
・物語内での具体的な行動や成果
香油事件、毒茸事件、異国特使との交渉、避暑地での狩猟会など多くの場に関与し、猫猫を動かして真相を探らせた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
後宮内外で強い発言力を有し、皇太后や皇帝からも重用されている。個人的な葛藤を抱えつつも、宦官としての役割を全うしている。
高順
壬氏の補佐役であり、実務に長けた冷静な人物。猫猫にも穏やかに接する。
・所属組織、地位や役職
後宮・外廷に所属する宦官。壬氏の補佐。
・物語内での具体的な行動や成果
書物の管理や香油問題での現地調査に協力した。奇妙な妊娠事件について猫猫に相談した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
壬氏の信任が厚く、実子・馬閃との関係も仄めかされている。
馬閃
誠実で行動力のある若手武官であり、壬氏や猫猫を警護する役目を担う。
・所属組織、地位や役職
軍部・武官。
・物語内での具体的な行動や成果
避暑地での護衛任務に従事し、宴会中に異常を察知して行動した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
身体を張って仲間を守る姿勢が評価され、信頼を高めている。
玉葉妃
穏やかな性格を持つ上級妃であり、猫猫を信頼して重用している。妊娠中であることから、宮内では特別な配慮を受けている。
・所属組織、地位や役職
翡翠宮・上級妃。
・物語内での具体的な行動や成果
小蘭の教育や衣装選びに関与し、公主の外出を許可した。香油の影響を受けた妃たちの健康を守るため猫猫を支援した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
懐妊により地位が強化され、妃たちの中でも中心的存在として扱われている。
紅娘
翡翠宮に仕える侍女長であり、玉葉妃の信頼厚い側近として采配を振るう存在である。猫猫に対しても実務面で支援を行いながら、時に戒める役を担っている。
・所属組織、地位や役職
翡翠宮・侍女長。
・物語内での具体的な行動や成果
衣装整理、妃の買い物指示、香油混入問題での対応にあたった。公主の散歩にも同行し、物資購入の采配も行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
宮内の侍女たちを束ねる実務の中心として活動し、妃・猫猫の橋渡し役を務めている。
桜花
翡翠宮の侍女であり、猫猫と行動を共にする場面が多い。柔らかな性格で周囲との調和を重視する。
・所属組織、地位や役職
翡翠宮・侍女。
・物語内での具体的な行動や成果
衣装整理、肝試しの主催協力、診療所への付き添いを務めた。猫猫の観察対象としてその感情や反応の描写も多い。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
猫猫に対する理解と協力を深め、後宮の日常描写において重要な役割を担っている。
梨花妃
過去に毒おしろいの影響を受けた妃であり、回復後は落ち着いた態度で振る舞っている。侍女頭の問題に毅然と対処した。
・所属組織、地位や役職
水晶宮・上級妃。
・物語内での具体的な行動や成果
侍女頭・杏の不正を認識し、解任を決断。病に倒れた侍女の保護と治療を猫猫に依頼した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
信頼を取り戻しつつあり、後宮の秩序維持に貢献する姿が描かれた。
杏
水晶宮の侍女頭であり、規律に厳しい態度を見せる一方で、堕胎薬の調合を画策した疑惑で追及された。
・所属組織、地位や役職
水晶宮・侍女頭(解任済)。
・物語内での具体的な行動や成果
香油や香辛料を隠匿し、妃の妊娠に関与する行為を行っていた疑いで猫猫に追及された。最終的に梨花妃により解任され、後宮を追放された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
侍女頭としての権威を失い、後宮から退場する形で処分された。
子翠
後宮内の虫好きな女官であり、猫猫とは興味を共有する間柄である。観察力に優れ、実地調査でも活躍する。
・所属組織、地位や役職
後宮女官。
・物語内での具体的な行動や成果
虫の絵や標本を猫猫に見せ、毒茸調査に協力した。月光演出では蛾の利用に関与した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
知識と情熱を活かして猫猫に信頼され、特使対応の演出成功に貢献した。
小蘭
若い下女であり、猫猫に識字教育を受けている。好奇心旺盛で素直な性格を持つ。
・所属組織、地位や役職
下女。
・物語内での具体的な行動や成果
手習い所に通いながら猫猫の補佐を受け、読み書きを学習した。後宮生活の一端を象徴する存在。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
識字能力の向上とともに資質を高めている。
やぶ医者
後宮医局に勤務する薬師であり、猫猫の調査や治療に協力する立場にある。
・所属組織、地位や役職
後宮医局・薬師。
・物語内での具体的な行動や成果
香油事件や毒茸の分析に協力し、病人の治療にも従事した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
医局内での信頼は一定あり、猫猫との連携で後宮の医療体制を支えている。
皇太后
現皇帝の母であり、後宮改革の推進者として政治的にも影響力を持つ人物である。
・所属組織、地位や役職
皇太后。後宮の最上位者。
・物語内での具体的な行動や成果
猫猫に過去の事件の調査を依頼し、毒に関する知識を求めた。診療所訪問や妃たちとの茶会を通して、後宮改革を進めている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
制度改革を推進し、宦官制度や医療体制の見直しに強い関心を示している。
皇帝
登場頻度は限定的だが、後宮の秩序と人事に影響力を持つ存在である。
・所属組織、地位や役職
現帝・国家元首。
・物語内での具体的な行動や成果
公主の外出や子猫の飼育を許可し、壬氏や猫猫の報告を受けて行動する場面が見られた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
玉葉妃の懐妊により、皇帝としての地位の安定が図られつつある。
老宦官)
王母の廟にまつわる伝承を語る語り部的存在である。
・所属組織、地位や役職
後宮・皇帝付き宦官。
・物語内での具体的な行動や成果
建国神話と王母の血筋に関する知識を授け、猫猫と壬氏の廟探索を見守った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
後宮の古参として、皇帝の信任を得る語り部的存在として描かれている。
特使(異国の金髪姉妹)
異国より訪れた外交使節団の中心人物であり、月精の伝説を追って来訪した。
・所属組織、地位や役職
異国の使節団・貴族階級の女性二人。
・物語内での具体的な行動や成果
宴会での挑発的態度や政治的意図のある発言を通じて、後宮に緊張をもたらした。猫猫の演出により、伝説の再現を目の当たりにして驚愕した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
後宮と外交の関係を象徴する存在として描かれ、演出成功後は態度を軟化させた。
子昌
避暑地での狩猟会に参加した高官の一人であり、宴席で壬氏に接触した人物である。
・所属組織、地位や役職
中央官僚。詳細な役職は不明。
・物語内での具体的な行動や成果
狩猟宴で壬氏に声をかけ、彼の不調に間接的な影響を与えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
壬氏との関係性は限定的であるが、政治的な場に居合わせたことから一定の地位を持つと推察される。
李白
軍部に属する若手武官であり、緑青館の妓女・白鈴に想いを寄せている。
・所属組織、地位や役職
軍部・武官。
・物語内での具体的な行動や成果
避暑地での狩猟会に護衛として参加し、猟犬の世話を担当した。猫猫との会話で、犬の役割や訓練について説明した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
妓女との交際を通じて内面の成長が見られ、軍部内でも一定の信頼を得ている。
深緑
後宮診療所で働く中年の女官であり、穏やかかつ冷静な態度で病人の対応を行う。
・所属組織、地位や役職
後宮診療所・中堅女官。
・物語内での具体的な行動や成果
梨花妃付きの侍女の異常を察知し、猫猫に密かに協力を依頼した。診療所での衛生管理と患者対応にも関与している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
猫猫との連携により後宮内の感染症への対策に貢献した。
静妃
物語中盤にて病死したとされる中級妃であり、実際には早期に死亡していたことが後に判明した。
・所属組織、地位や役職
中級妃(故人)。
・物語内での具体的な行動や成果
毒茸による病に苦しみ、実際には一年以上前に死亡していた。侍女たちによって死が偽装されていた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
死後も後宮の闇を象徴する存在として描かれ、その死をめぐる隠蔽が猫猫によって暴かれた。
子猫(毛毛)
翡翠宮に住みついた捨て猫であり、公主の愛玩動物として正式に飼われることとなった。
・所属組織、地位や役職
翡翠宮・愛玩動物。「盗賊改」の称号を皇帝より与えられる。
・物語内での具体的な行動や成果
猫猫によって保護され、後宮内の話題となった。衛生問題にも配慮されつつ育てられている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
皇帝からの称号授与により、象徴的な存在として扱われるようになった。
備忘録
序話
老人の出現と緊張の回廊
回廊に響く足音が静寂を破る中、老人が現れた。老人は疲弊した様子で猫背になりながら近づき、その異様な姿にお目付け役と母が警戒の構えを見せた。老人の手には何かが握られていたが、老婆が現れると場の空気が一変した。老婆は圧倒的な威厳を持ち、老人をなだめるように接したが、老人は怯えながらその場を後にした。老人が握り締めていたのは鮮やかな石であったが、それが何であるかはわからなかった。やがて、老人が父、老婆が祖母であること、そして自分が兄と思っていた人物が父であったことが明かされた。
壬氏の夜の苦悩と剣舞
壬氏は悪夢にうなされ、汗だくの状態で目を覚ました。月明かりを眺めつつ不快感を解消するため、修練用の模擬刀を手に取り、部屋の中で剣舞に励んだ。夜明けが近づく頃、身体を冷ますために床に横たわり、湯浴みを考えたが、女官の不機嫌そうな顔を思い浮かべて苦笑した。完全無欠の宦官を演じるための身だしなみを整える必要性を感じつつも、彼の内心は複雑であった。
眠れぬ夜と壬氏の葛藤
剣舞を終えた壬氏は寝台に倒れ込み、少しの間でも眠ろうとした。侍女の水蓮が起こしに来るまでの短い時間、彼は自らの役割と日々の疲れの狭間で揺れ動いていた。
一話 書(アニメ 25話 2期1話)
蒸留装置と香油作り
医局の竈で猫猫は蒸留装置を使い、薔薇から香油を抽出していた。香りが強い中、壬氏が現れ、蒸留装置に興味を示した。猫猫は香油の用途について説明し、濃度が高い場合の影響にも触れた。また、隣にはやぶ医者が手伝いをしながらも、その作業に対する猫猫の厳しい視線が続いていた。
書物の荷物と壬氏の反応
医局に届いた荷物の中には、猫猫が手配した書物が含まれていた。壬氏はそれを興味深げに手に取るが、中身が後宮の妃たちの教育や娯楽用の小説であると知り、呆れつつも納得した様子を見せた。高順も書物の品質や技術に感心し、猫猫は一連のやり取りを冷静に見守った。
後宮での小説の流行
後宮内では小説が妃や侍女たちの間で人気となり、猫猫の手配した書物が話題を呼んでいた。侍女たちは次々と内容を共有しようとし、物語が後宮全体に広がっていった。猫猫は識字率の向上に繋がるとして、書物を共有する方法を提案し、その影響を観察した。
小蘭の字の練習
猫猫は侍女の小蘭に字を教えることとなった。小蘭は自身の名前から学び始め、後宮での将来に備えて字を覚えることの重要性を理解した。猫猫は地面に文字を書きながら指導を行い、小蘭は次第に成長を見せた。その一方で、普段使わない難解な言葉を教える猫猫に小蘭が反発する場面も見られたが、実用的な学習を進めることで両者の関係はより深まった。
二話 猫(アニメ 25話 2期1話)
鈴麗公主の散歩計画と外出
鈴麗公主は歩き始め、元気いっぱいで宮内を動き回っていた。玉葉妃は、公主が宮内では飽きてしまうのではと考え、外出を提案した。猫猫の意見を受けて、公主の散歩が許可され、紅娘や護衛たちとともに宮の外へ出た。公主は外の景色に興奮し、初めての体験に夢中になっていた。
猫との出会いと保護
公主が物置の隙間に興味を示し、中から汚れた子猫を発見した。猫猫が保護しようとしたが逃げられそうになり、偶然現れた女官の助けで捕まえた。子猫は痩せており、猫猫は医局で手当てを始めた。
子猫の世話と後宮での生活
猫猫とやぶ医者は、山羊の乳を与え、体力を回復させるために子猫を介抱した。後宮では愛玩動物が珍しく、子猫の存在は注目を集めた。猫猫は衛生面に配慮しながら世話を続け、子猫は少しずつ元気を取り戻していった。
皇帝の関心と「毛毛」の命名
皇帝が翡翠宮を訪れた際、公主が子猫に執心していることを知り、子猫は正式に宮内で飼われることとなった。名前は「毛毛」とされ、皇帝から「盗賊改」の官職を与えられた。猫猫はその名に納得がいかず不満げだったが、後宮での新しい生活が始まった。
三話 隊商(アニメ 26話 2期2話)
翡翠宮の衣裳整理と侍女たちの日常
翡翠宮では季節の変わり目を迎え、紅娘の指示で侍女たちが衣裳部屋の整理を行った。愛藍が高い棚の荷物を取る一方、桜花は流行遅れの衣装を仕分けていた。古い衣装は改修されて侍女たちの実家へ送られることが決まったが、愛藍の話では新たな侍女が配属される予定であると告げられた。玉葉妃の懐妊に備えた措置であり、侍女たちもその動きを歓迎した。
隊商の訪問と翡翠宮の活気
後宮に隊商が訪れ、異国の品々がもたらされた。特に上級妃たちが直接買い付ける機会となり、侍女たちはそれぞれ楽しみにしていた。紅娘は予算内での買い物を指示し、玉葉妃が新調した衣装の中には妃の体型を考慮したものも多く含まれていた。猫猫は商人たちの意図を感じ取り、妃と紅娘に服選びの助言をした。
侍女たちの買い物と後宮の商習慣
後宮の生活では自由な買い物がほとんど許されず、商人が来る機会は貴重であった。猫猫は最終日を狙って値引き品を購入し、茶葉や香辛料など日用品を入手した。また、小蘭や子翠とともに市場を訪れ、それぞれに小さな贈り物をして喜ばせた。
医局での談笑と新たな発見
医局ではやぶ医者が子猫の世話をしながら来客を迎えた。子翠が見せた精密な虫の絵に猫猫は興味を示し、薬の材料としての価値を語った。北側の廃墟に多くの虫がいると聞き、猫猫と子翠は探索を計画した。周囲が呆れる中、二人の好奇心はさらに広がりを見せていた。
四話 香油(アニメ 26話 2期2話)
香油の流行と洗濯場の混乱
後宮内では香油が大流行し、多種多様な香りが漂っていた。香りの強さに鼻のいい猫猫は辟易していた。洗濯場では香油の染み込んだ衣服が大量に持ち込まれ、宦官たちも困り果てていた。そんな中、猫猫は洗濯物から異常な匂いを感じ取り、調査を始めた。
水晶宮の騒動と猫猫の疑念
香油の匂いを確かめるため、水晶宮を訪れた猫猫は侍女たちに混乱をもたらした。その結果、抗議文を持った壬氏が翡翠宮に現れた。猫猫は香油や香辛料の中に妊婦に悪影響を与える成分が含まれていることを指摘し、その危険性を説明した。
妃たちの安全を守るための提言
猫猫は香油や香辛料が妊婦に及ぼす影響を詳述し、他の妃たちにも注意を促すべきだと提言した。その過程で、過去の「毒おしろい」事件を思い起こし、後宮に潜む危険性について壬氏と議論を交わした。
夜の厨房でのやりとり
猫猫は厨房で茉莉花茶を楽しんでいたところ、壬氏が現れた。彼に茶をすすめる際、猫猫の軽口が壬氏を不機嫌にさせた。壬氏が立ち去った後、猫猫は彼の残した茶を見て自分の言動を反省した。
五話 冬人夏草 前編(アニメ 27話 2期3話)
洗濯場での日課と女官の失踪
猫猫は洗濯場で小蘭に字を教えるのを日課としていた。そこには他の女官も集まり、文字の真似をする者も増えていたが、噂話を楽しむ者も多かった。そんな中、猫猫はやぶ医者から女官の行方不明について聞かされた。その女官は結婚を控え、退職間近であったが突然消息を絶ったという話であった。猫猫はその背景に後宮の闇を感じ取った。
玉葉妃のお茶会と猫猫への召喚
翡翠宮に戻った猫猫は、玉葉妃が中庭で上品にお茶会をしている場面に遭遇した。妃は猫猫に気づくと、その場を離れて応接間へ移動した。そこには壬氏が待っており、彼が提案する「後宮内の教育施設」について猫猫の意見を求めた。猫猫は施設の設置場所や形式に関して提言し、壬氏も納得していた。
毒茸の調査依頼
壬氏はさらに猫猫に毒茸の調査を依頼した。毎年この時期、女官が誤って毒茸を食べて中毒を起こす事例があり、その防止が目的であった。猫猫はこの依頼を快諾し、早速後宮内で茸の調査を開始した。収穫した茸をやぶ医者のもとに預け、その日を充実したものとして終えた。
中級妃の葬儀と不穏な空気
その夜、猫猫は紅娘に連れられ葬儀に出席した。亡くなったのは中級妃であり、彼女はかつて玉葉妃に害を及ぼそうとした人物であったらしい。紅娘はそのことに複雑な感情を抱きながらも参列していた。猫猫は妃の死因が「食あたり」とされている点に疑念を抱いた。
祭壇の乱れと謎の女
葬儀の最中、包帯を巻いた女が祭壇を荒らし、棺を暴いた。そこに横たわっていた遺体は無惨な姿で、女は高笑いしながら「自業自得」と叫んだ。その女は宦官に取り押さえられたが、その火傷のような痕跡に猫猫は見覚えがあった。
六話 冬人夏草 後編(アニメ 27話 2期3話)
静妃の病と毒茸の謎
静妃は一昨年から顔がただれ、髪が抜ける謎の病に苦しんでいた。その原因は毒茸であり、それが中級妃によって引き起こされたと考えられていた。猫猫は北側の雑木林でその毒茸を発見し、壬氏に報告した。毒茸は猛毒で、触れるだけで皮膚がただれる危険なものであった。
毒茸の調査と静妃の死因
猫猫は壬氏と高順に毒茸の特性を説明した。毒茸が静妃の死因に関連していることが明らかになったが、妃の顔がただれていた理由については疑問が残った。毒茸を食べただけで顔に炎症が広がるとは考えにくく、猫猫はさらなる調査を提案した。
死体の発見と静妃の秘密
猫猫は静妃の住んでいた場所を中心に探索し、北側の林で死体を発見した。遺体は静妃のものであることが装飾品から判明し、彼女はすでに一年以上前に死亡していた。葬儀で棺に収められていたのは、失踪した女官の遺体である可能性が高まった。
毒茸と侍女たちの共謀
静妃の侍女たちは、彼女の死を隠すために毒茸を利用し、代わりに失踪した女官を静妃として偽装していたと推測された。これにより、静妃の死亡と侍女たちの行動が後宮の闇を浮き彫りにした。
猫猫の観察と真相の究明
猫猫は毒茸の分布から遺体の埋められた場所を特定し、その上で育つ毒茸の性質を利用して調査を進めた。最終的に静妃の死の真相が明らかになり、毒茸に関わる後宮の闇が解明された。
七話 鏡(アニメ 28話 2期4話)
異国の鏡と珍品の来訪
玉葉妃の広間には異国から届いた大きな玻璃製の鏡があった。この鏡は銅鏡とは異なり、透明で精巧な映像を映し出す珍品であった。玉葉妃と侍女たちはその鏡を楽しみ、猫猫は商売の可能性を感じた。鏡は特使から贈られた品で、猫猫はその背景に特使の重要な目的を推測した。
高順の相談と良家の奇妙な妊娠事件
高順は猫猫に、良家の娘が男に触れずに妊娠したという奇妙な話を相談した。娘たちは厳重に監視されており、その中で妊娠の事実が判明した。監視の隙間や家の構造を確認した猫猫は、鏡を用いた巧妙な手段で監視を欺いた可能性を考えた。
鏡を用いた偽装の発見
猫猫は鏡の位置と監視の視線を利用しただまし絵の手法を提案した。双子の姉妹が似た刺繍をすることで監視の目を欺き、一方が外出する計画が可能であったと推測した。西方の文化を反映した刺繍や鏡の使用は、異国からの影響を感じさせた。
特使の意図と猫猫の沈黙
猫猫はこの事件の背景に異国の特使の影響を見たが、その詳細には踏み込まなかった。高順から贈られた熊胆を手にした猫猫は、それが口止め料の可能性もあると察しつつ、自分の知識を活かして次の行動を考えていた。
八話 月精(アニメ 28話 2期4話 5話)
真珠の涙と絶世の美女の噂
壬氏が翡翠宮を訪れ、猫猫に「真珠の涙を持つ絶世の美女」の話を尋ねた。その話は異国の特使が追い求める過去の伝説に基づいていた。猫猫はその美女を知っていると即答し、壬氏らを驚かせた。その美女とは、猫猫の実家で見たことがあるやり手婆であった。
伝説の美女やり手婆の過去
やり手婆は五十年以上前、異国の特使を接待するために妓女として選ばれた過去を語った。当時の宴は遺跡を舞台に行われ、月夜の美しい光景を背景にやり手婆が舞った。その姿は「月女神」と称され、特使に絶賛されたという。
再現への試みと蛾の発見
やり手婆の話を元に、猫猫は伝説の再現を模索する。宴が行われた場所を訪れた際、子翠が珍しい蛾を見せた。この蛾の特性と光に映える美しさが、かつての「月女神」の演出に繋がる鍵だと気づいた猫猫は、再現のための計画を立て始めた。
計画への布石と猫猫の決意
猫猫は蛾を使った演出を思いつき、子翠に協力を求めた。その顔には悪戯心と確信が混じっていた。やり手婆がかつて成し遂げた伝説の宴を再現するため、猫猫は行動を開始した。
特使を迎える宴の準備
宴は後宮の北側で行われることに決まり、急きょ準備が進められた。男子禁制の後宮ではあったが、北側だけ一時的に解放された。特使の希望を最優先するためであったが、毒見や準備の詳細まで徹底された。
特使たちの登場
特使として現れたのは金髪の美女二人であった。彼女たちは従姉妹であり、異国特有の透き通った瞳と豪華な衣装で場を圧倒した。宴席は馬車を改造したものが使われ、特使たちが注目の的となったが、その自信に満ちた態度が一部の者を苛立たせた。
月夜の演出と特使の挑発
宴が進む中、特使の一人が主上の馬車に近づき、不敬とも取れる行動を取った。しかし、もう一人の特使がそれを抑え、場の混乱を最小限に抑えた。猫猫はその場面を観察し、特使たちがこの宴に込めた政治的意図を感じ取った。
伝説を再現する計画
猫猫は過去の「月の美女」の伝説を再現するために行動を開始した。やり手婆の過去の話や、子翠の協力で集めた蛾を使い、伝説を具現化するための演出が準備された。
満月の夜に現れた「天女」
宴が終わるころ、猫猫は計画通りに動き出した。黒布をまとった美人が現れ、淡い蛾の光とともに月下に立つその姿はまるで天女そのものであった。特使たちはその光景に息をのみ、計画は成功を収めた。
壬氏の奮闘とその後
この演出には壬氏も協力しており、濡れた衣装と髪で疲労困憊していた。猫猫は彼の髪を拭きながら、計画が無事に終わったことを実感した。特使たちへの印象操作も成功し、後宮内は一時的な平穏を取り戻した。
九話 診療所(アニメ 28話 2期 5話)
翡翠宮での静かな時間
猫猫は翡翠宮で小蘭がいない隙に静かな時間を過ごしていた。手習い所に通う小蘭が忙しくなり、猫猫は医局へ行くことも考えたが、やぶ医者の多忙さを思い出して断念した。先日の香油問題や特使の動向に思いを巡らせながら、香油の危険性や毒物混入の可能性について考えを整理した。
後宮の妃たちと階層構造
猫猫は地面に絵を描きながら、後宮の妃たちの力関係を整理した。玉葉妃を中心とする妃たちはそれぞれ異なる背景を持ち、権力や立場によって微妙なバランスを保っていることが分かった。また、過去の毒殺未遂事件や翠苓の逃亡を思い出しながら、毒や陰謀の影に思いを馳せた。
診療所への訪問
桜花に頼まれ、風邪を引いた愛藍を診療所に連れて行った猫猫は、洗濯場の裏にある診療所を初めて訪れた。そこで中年の女官が手際よく診療を行う姿に感心した。診療所は清潔で合理的な作りだったが、薬の匂いがしないことに猫猫は疑問を抱いた。
壬氏との偶然の会話
診療所から戻る途中、猫猫は壬氏と高順に遭遇した。猫猫は診療所の印象や薬の取り扱いについて感想を述べたが、壬氏は医官が男性のみである制度の限界について語った。猫猫は壬氏の表情や背景に思いを巡らせながらも、つい不謹慎な発想をしてしまい、自らの考えに苦笑した。
後宮の仕組みと課題
壬氏との会話を通じ、後宮の制度的な問題や医療体制の改善の必要性を感じた猫猫であったが、深く考えることを避け、翡翠宮へと戻っていった。その途中で商売の可能性を思い付き、相変わらずの軽妙さを見せながら新たな一日を迎える心構えを整えた。
十話 みたび、水晶宮 前編(アニメ 28話 2期 6話)
診療所からの呼び出し
翡翠宮で静かに過ごしていた猫猫は、中年の女官・深緑からの呼び出しを受けた。玉葉妃からの許可を得た猫猫は、愛藍の代わりに桜花をお目付け役として診療所へ向かうことになった。道中、桜花との軽妙な会話が交わされたが、診療所での話が核心に迫る内容であることが明らかになった。
診療所での依頼
深緑は猫猫に、梨花妃の下女が重い病にかかっているとの情報を伝え、助けを求めた。下女の症状は倦怠感、微熱、そして異様な咳といったもので、診療所に来ることすら許されなかった経緯が語られた。猫猫はその話に不安を覚え、病の詳細を確かめる必要性を強く感じた。
未知の病への疑念
梨花妃の下女の症状を整理した猫猫は、それが後宮全体に影響を及ぼしかねない問題であると判断した。しかし、水晶宮への立ち入りには慎重な手続きが必要であり、壬氏を通じた許可が欠かせない状況であった。桜花は焦る猫猫を諭しつつも、猫猫の行動を注意深く見守った。
蜥蜴の尻尾と未知の薬
深緑との話を終えた帰り道、猫猫は偶然蜥蜴の尻尾を見つけ、それを捕まえた。蜥蜴の再生能力に着目した猫猫は、生やす薬を作るという研究に活用する意図を抱いていた。しかし、尻尾を見た桜花は驚愕し、気絶してしまった。猫猫は尻尾を大事に保管しつつ、桜花の介抱に追われることとなった。
十一話 みたび、水晶宮 後編(アニメ 28話 2期 6話)
医官の訪問と異変
後宮の玄関口に現れた医官とその女官付きの姿に女官たちはざわめいていた。杏が事情を尋ねると、医官は梨花妃に会うためだと書状を見せた。書状には壬氏の名が記されており、やむなく杏は医官を宮の奥へ案内した。
物置小屋の発見と病人
宮の奥へ向かう途中、医官が物置小屋に興味を示し、扉を開けた。中には病に伏す下女が隔離されており、独特な病人の臭いが漂っていた。女官として変装していた猫猫は迅速に病人を診察し、感染症の可能性を指摘した。
香油の謎と侍女頭・杏の疑念
猫猫は物置から見つかった香油や香辛料を調べ、杏がそれらを隠し持ち堕胎剤を調合しようとしていた疑惑を指摘した。壬氏と猫猫が問い詰める中、杏は動揺しながらも罪を否定し、侍女頭としての誇りを盾に応じた。
梨花妃の決断
梨花妃は毅然とした態度で杏の行動を責め、侍女頭の解任を決断した。杏は激しく反発し、梨花妃に向かって暴言を吐くが、妃の強い意志により退けられた。侍女頭としての権威は完全に失墜し、杏は後宮を追放されることとなった。
病人の処遇と小さな希望
病に伏せていた下女は後宮を去り、より良い治療環境を得ることが約束された。猫猫は、病人の世話をしていた下女の一人から感謝の言葉を受け取り、白い花を手渡された。その場には、静かに咲く白い花だけが残っていた。
十二話 選択の廟(アニメ 29話 2期 7話)
建国の物語と手習所
後宮内の手習所では、老宦官が建国の物語を語っていた。王母と呼ばれる女性が初代皇帝を産み、この地を治めたという物語である。生徒たちは熱心に聞く者もいれば眠気と戦う者もいた。猫猫はその様子を観察し、壬氏が興味深げに手習所を見守る中、小蘭を含む生徒たちが学んでいる姿に注目していた。
廟の歴史と役割
猫猫は手習所の近くにある古い廟に興味を持った。老宦官によると、この廟は王母が信仰を利用して民を治めた際に重要な役割を果たしたものであり、王母の子孫が地位を継ぐ際に試練として通る場所であるという。猫猫は廟の複雑な構造やその歴史に関心を抱き、老宦官との会話からさらに興味を深めた。
皇帝の廟訪問と試練
ある日、皇帝は突如廟に入ると宣言し、猫猫と壬氏を伴って廟の中を進んだ。廟内には色とりどりの扉と指示があり、選択を誤れば先へ進めない仕組みとなっていた。
猫猫は色識別の困難さが鍵であると見抜き、正しい道を選び続けた結果、屋上にたどり着いた。
王母の血筋と扉の秘密
猫猫は廟の試練が、赤と緑を識別できない性質を持つ者を選ぶものであると説明した。この性質は王母の血筋を示す可能性があり、建国の物語や王母の特性に通じていた。猫猫の分析に皇帝や壬氏は驚嘆し、老宦官もその聡明さを称賛した。
老宦官の警告と結末
老宦官は猫猫と壬氏に対して警戒を促し、特に後宮内の複雑な人間関係に注意するよう示唆した。猫猫はその助言を軽く受け流すが、後にその重要性を理解することになる。この出来事を経て、猫猫は改めて廟と王母の物語の深さを実感しつつ、静かにその場を後にした。
十三話 皇太后(アニメ 30話 2期 8話)
猫猫の部屋への異動
紅娘の指示により、猫猫は物置小屋を新たな部屋として割り当てられた。紅娘の意図は反省を促すことにあったが、猫猫はむしろ喜びを見せた。桜花と貴園は、猫猫の虫収集や薬草探しの行動に困惑しつつも、彼女の行動に理解を示す場面があった。
子翠との出会い
猫猫は、後宮内で神出鬼没の子翠を探していた。女官たちからの情報を元に北側の雑木林へ向かい、そこで子翠が虫を捕まえている姿を目撃した。子翠の熱意は非常に高く、猫猫は彼女の独特な性格と行動に感嘆しつつも距離を保とうとした。
後宮の改革と皇太后の訪問
皇太后が翡翠宮を訪れた際、猫猫は彼女の存在と行動に疑問を抱いた。皇太后は奴隷制度の廃止や宦官の減少など、多くの改革を推進してきた人物であった。その一環として診療所の訪問が示唆されたが、具体的な目的は明かされなかった。
皇太后との対話
猫猫は皇太后との個別の対話で、後宮内の問題解決への助言を求められた。皇太后は、先の帝に呪いをかけたのではないかという疑念を口にし、猫猫に調査を依頼した。猫猫は、自身の知識を活かして真相を解明する意志を示しつつ、その発言に対して複雑な感情を抱いていた。
十四話 先帝(アニメ 30&31話 2期 8&9話)
先帝の評判と皇太后の苦悩
先帝については愚帝や昏君といった悪評が多く、その中で幼女への異常な執着が後宮内で最も知られていた事実であった。皇太后は現帝を産む際、大きな犠牲を払ったが、その苦悩が先帝への呪いと認識されるほど深い感情を持っていた。
皇太后と猫猫の茶会への招待
皇太后は猫猫を連れ、後宮の茶会へ向かった。茶会には上級妃たちが集まり、それぞれの立場や見栄が交錯していた。玉葉妃の妊娠が公然の秘密とされる中、妃たちの関係性や性格が垣間見えた。猫猫は妃たちを観察しつつ、茶会の意図を探っていた。
謎めいた部屋への訪問
皇太后の依頼で猫猫は先帝の時代に使用されていたという部屋を訪れた。その部屋は埃に覆われ、かつての居住者の痕跡が色濃く残っていた。猫猫は壁紙の裏に隠された絵に気付き、それが先帝の趣味であり秘密であったと推測した。絵の具には砒毒性のある雄黄が使われており、それが先帝の死因に繋がった可能性を指摘した。
女帝の影と先帝の真実
女帝は、先帝が皇帝としての器に欠けることを悟りつつも、彼を守るために権力を集中させた。部屋に残された絵や画材は、先帝の内面を象徴するものであった。猫猫はそれを口にせず、静かに部屋を出た。彼女は女帝の意図と先帝の苦悩を感じ取ったが、それを言葉にすることはなかった。
猫猫の報告と結論
猫猫は皇太后に対し、先帝の死因とその背景にある事実を伝えた。毒性のある絵の具が使用されていた可能性を示し、それが先帝の身体を蝕んでいたことを指摘した。皇太后は猫猫の言葉を受け入れつつ、自身の過去と先帝への思いを胸に秘めたまま、蒼穹を仰いで祈るような姿を見せた。
先帝との出会いと安氏の野心
安氏は妾腹の娘として幼い頃から後宮に送り込まれる運命を背負っていた。異母姉が中級妃となり、安氏も侍女として後宮に入った。ある日、先帝が異母姉のもとを訪れるが、その際、異母姉を押しのけ恐怖に震える先帝を目にした安氏は、野心を抱き近づいていった。後に先帝の寵愛を得た安氏であったが、その関係が変わるのは時間の問題であった。
安氏の苦悩と後宮での試練
安氏は男子を産むことで国母の地位を得たが、それまで幾度も命の危険にさらされた。女帝の庇護を受けたことで安定したものの、先帝の性癖や後宮の拡張により、多くの幼い娘が後宮に送られた。異母姉は嫉妬の果てに狂乱し、後宮を追われる。安氏もまた、先帝の恐怖の対象となり、その存在に苦悩しながら生きていた。
先帝の絵と毒の真相
先帝が残した絵には、幼い娘たちが描かれ、その中心には女帝らしき女性の姿があった。絵に使われた黄色い絵の具は、雄黄という毒性のある物質で作られていた。長年、この毒に触れていた先帝は身体を蝕まれ、死後も腐らず遺体が保存された。安氏はその絵を捨てたはずであったが、侍女が密かに隠していたと推測された。
壬氏との会話と過去の反省
壬氏が雄黄の石を見せたことで、安氏は幼い頃に壬氏の玩具を取り上げた記憶を思い出した。その行為が壬氏を早熟にし、大人にならざるを得ない環境を作ったことを悔やむ。壬氏は絵に描かれた女性が女帝であるか尋ねたが、安氏はそれに対し「知らない」と答え、過去に触れようとしなかった。
忠告と後宮の現実
最後に安氏は壬氏に忠告を与えた。「お気に入りは隠しておかないと、誰かに隠されてしまう」との言葉は、安氏自身の後宮での経験と苦悩から来るものであった。その一言を残し、安氏は自室に戻り、過去と向き合いながらも前を向こうとしていた。
十五話 怪談(アニメ 34話 2期 10話)
新しい侍女たちの到着
翡翠宮には新たに三人の侍女が加わった。猫猫は彼女たちに興味を持たず、顔と名前が一致しないと言った。桜花は猫猫が彼女たちと打ち解けるよう促したが、猫猫は庭の物置小屋を自分の部屋にしようとし、紅娘に咎められる。最終的に玉葉妃の許可を得て小屋を作業場として使うことになった。
桜花の誘いと夜の冒険
猫猫は桜花に誘われ、夜に後宮北側の古びた棟を訪れた。紅娘の許可を得て、不安を抱きつつ同行する猫猫。古びた棟では、他の侍女たちが円陣を組み怪談話を楽しむ準備をしていた。参加者たちは小さな火を持ち、怪談が進むごとに火を消していく形式で始められた。
怪談話と猫猫の観察
一人目と二人目の話は平凡であったが、話す者の表現によって盛り上がりに差が見られた。隣に座る子翠は猫猫にするめを差し出し、猫猫はそれを音を立てないよう噛みながら話を聞いていた。桜花は怖がりながらも猫猫にしがみつき、首を絞めるほどの力強さを見せた。猫猫はこの場の娯楽性を認めつつも、自分には退屈だと感じていた。
中盤の語り手と雰囲気の変化
怪談が進むにつれ、語り手の表情や語り口が次第に緊張感を増していった。七人目の語り手が登場する頃には、部屋の光源は半分に減り、青白い顔が炎に照らされる光景が不気味さを一層引き立てていた。猫猫はするめを噛みながら、その光景をぼんやりと見つめていた。
禁忌の森と母子の悲劇
村には禁忌の森があり、呪われた地として恐れられていた。ある飢饉の年、幼い子どもが森に入り食料を持ち帰ったが、村の掟を破ったことで母子は孤立した。その夜、人魂が家に現れ、翌朝母子は死んでいた。村人たちは恐れ、その森をさらに禁忌の地とした。
肝試しの夜
桜花に連れられた猫猫は後宮の古びた棟で肝試しに参加した。参加者たちは各自怪談を披露し、話が終わるたびに火を消していった。雰囲気に引き込まれた他の侍女たちとは対照的に、猫猫は冷静であった。
子翠の語りと猫猫の推理
子翠は僧侶が怪異に巻き込まれる話を語り、会場を震え上がらせた。猫猫は、禁忌の森にまつわる話を基に、実際には毒茸が原因だったのではないかと推測した。母子が光る茸を収穫し、それを食べて命を落とした可能性を示唆した。
火鉢の異変と未解決の謎
肝試しの場では火鉢の不完全燃焼が起こり、参加者たちは体調を崩した。猫猫の迅速な行動で事態は収拾されたが、主催者の女官は忽然と姿を消していた。その女官が昨年亡くなった人物の怪談と似た話を語っていたことが判明し、桜花はさらに怯えた。
紅娘の告白と後宮の余韻
紅娘は、肝試しを企画した女官が先帝の御手付きであったことを語った。その話を聞いた猫猫と桜花は、女官が亡くなった後もこの催しが続いていることに違和感を抱いた。桜花はその夜、恐怖から猫猫と同じ寝床で眠り、猫猫は寝苦しい夜を過ごした。
十六話 避暑地(アニメ 35話 2期 11話)
広間での会話と猫猫の借用
玉葉妃の広間で猫猫は宦官の壬氏と対面した。壬氏は「数日間、猫猫を返してほしい」と依頼し、玉葉妃と軽妙なやり取りを交わした。猫猫は毒見役として重宝されており、壬氏は代わりの侍女を提案したが、妃は興味深げに猫猫にこだわる理由を問い続けた。最終的に猫猫を借りることが決まった。
移動中の馬車と子北州への道
猫猫は壬氏や護衛たちとともに北方の子北州へ向かう馬車に揺られていた。長時間の移動で尻が痛む猫猫は、移動の理由や歴史的背景を馬閃から聞かされた。子北州は避暑地として有名で、建国時代から続く高官の領地であるが、猫猫にとっては関心の薄い話題であった。
避暑地の到着と豪奢な屋敷
一行は避暑地の立派な屋敷に到着した。建物は美しい装飾と広大な庭を持ち、壬氏は最上級の部屋に宿泊した。猫猫は部屋の暑さに気づき、暑さを避けるために窓を閉め切る理由を尋ねたが、詳細は壬氏から明かされなかった。
夕餉とすっぽん料理の余波
夕餉に用意されたすっぽん料理に猫猫は興味を示したが、壬氏や高順たちは毒ではなくとも体に負担のかかる料理として避けた。猫猫が平然と食べる様子に壬氏は驚いたが、馬閃は料理を試して鼻血を出し、倒れてしまった。猫猫は馬閃の介抱を手伝いながら状況を見守った。
宿泊の手配と静かな夜
馬閃の体調不良により壬氏は部屋を譲り、猫猫は一人で広い部屋を使わせてもらった。部屋には風呂も用意されており、猫猫は湯浴みを楽しんで移動の疲れを癒やした。静かな夜が訪れ、翌日の狩りに備えて一行は休息を取った。
十七話 狩り 前編(アニメ 35話 2期 11話)
狩場への到着と山荘での準備
壬氏たちは狩りのため山荘へ向かった。壬氏は覆面をつけ「香泉」と名乗り、素顔を隠し通していた。猫猫は馬車で後を追い、使用人たちが準備する山荘に到着した。滝の音が響く涼しげな場所で、使用人たちは食事の準備に忙しく立ち回っていた。
李白との再会と猟犬の話
猫猫は偶然、護衛として参加していた李白と出会った。李白は猟犬の訓練に勤しみながら、猫猫と軽い会話を交わした。狩りでは鷹が使用され、猟犬の出番はなかったため、李白は犬と留守番をしていた。猫猫は周囲の森に興味を示したが、軽率な行動は控えた。
宴会の光景と壬氏の異変
山荘では宴会が始まり、貴人たちは料理と酒を楽しんでいた。壬氏は覆面をつけたまま席につき、食事にも酒にも手をつけず不自然な様子を見せた。隣に座る子昌が壬氏に話しかけると、壬氏の手が震え始め、馬閃や猫猫はその異常に気付いた。
壬氏の森への逃避と猫猫の追跡
突如の襲撃と滝への飛び込み
壬氏は席を立ち、山荘を抜け出して森へと向かった。猫猫は水入りのとっくりを持ち、壬氏を追った。森の奥で壬氏を見つけた猫猫は、覆面を外すよう促したが、壬氏は人目を避けるため拒否した。猫猫は壬氏をさらに奥へと連れ出し、大滝のそばで顔を冷やそうとした。
その時、地面がえぐれ、硫黄の匂いが漂う不審な状況が発生した。壬氏は飛発、つまり火薬を使った武器による攻撃と察し、冷静に対応した。猫猫を抱えた壬氏は、滝壺へと飛び込むという大胆な行動に出た。襲撃の危険を回避するための措置であったが、猫猫はその行動に驚きを隠せなかった。
十八話 狩り 中編(アニメ 36話 2期 12話)
宴会場の異変と主の不在
宴会場では、壬氏の長時間の不在が異様な空気を作り出していた。護衛の馬閃は主を探すべきか迷いながらも、壬氏の指示に従い動きを抑えた。官たちは、壬氏と侍女の逢引を揶揄する者と、その安否を心配する者に分かれていたが、宴会の雰囲気は次第に険悪になっていた。
血痕付きの布と矢の発見
武官が報告に駆けつけ、壬氏の衣服と思われる破れた布と血痕が発見されたと告げた。その布は川の岩場で見つかり、近くには折れた矢もあった。矢羽根には鷹の羽根が使われており、明らかに狩りに用いられるものだった。宴会場は動揺し、矢の持ち主が特定される中、財務官の魯袁が疑惑の中心となった。
矢の調査と森での発見
馬閃は矢の形状から持ち主を特定しつつ、周囲の動揺を観察していた。矢が魯袁の荷物と一致していると指摘されると、魯袁は陥れられたと弁解した。馬閃は捜索範囲を森へ広げることを提案し、それに同調するように捜索が進められた。
証拠隠滅の未遂
焦る男が森へ向かうと、そこには何事もなかったように整った地面が広がっていた。しかし、男の背後から猫猫が現れ、汚れた布包みを持っていた。その中には、飛発が隠されていた。男が手を伸ばそうとするも、武官がそれを制止し、猟犬が敵意を示して吠えた。猫猫は冷静に、飛発が使用されていた可能性を指摘した。
捜索の核心と飛発の発見
猫猫が持ってきた飛発は、狩り用の道具ではなく、明らかに事件に関連する危険物だった。馬閃と猫猫の連携によって、事件の真相に近づく手がかりが浮き彫りとなった。
十九話 狩り 後編(アニメ 35話36話 2期 11話12話)
滝壺での脱出準備
滝に飛び込んだ壬氏と猫猫は、滝裏の洞窟で一息ついていた。猫猫は濡れた衣を絞りながら、壬氏の体調を確認した。覆面を着けた状態での行動が原因で体調を崩していたことが判明し、猫猫は塩分補給として蕗の点心を差し出した。壬氏は渋々それを口にしながら、飛発による襲撃が複数犯の仕業である可能性を示唆した。
脱出経路の探索と予期せぬ出来事
洞窟の天井にある脱出経路を見つけた猫猫は、壬氏の協力を得て登ろうとした。しかし、途中で蛙に驚いた猫猫がバランスを崩し、二人は倒れ込む形になった。その際、猫猫は壬氏の体に触れ、不意に壬氏が宦官ではない可能性を示唆する事実に気付いた。壬氏はその事実を猫猫に明かそうとしたが、猫猫はそれを拒絶し、話をうやむやにしようとした。
猟犬の活躍と救出劇
猫猫が指笛を吹くと猟犬が現れ、李白が縄を使って二人を洞窟から引き上げた。李白と猟犬の協力で事なきを得たが、壬氏の存在は引き続き秘密にされることとなった。
飛発の発見と犯人の特定
洞窟から出た後、猫猫たちは飛発を使用した犯人の手がかりを探し始めた。猟犬の嗅覚を利用して火薬の匂いを追跡し、飛発を隠していた布包みを発見した。最新型の飛発は異国製であり、使用者が限定されるものであったため、犯人特定の重要な証拠となった。
捕縛とさらなる追及
猟犬の活躍により、飛発を用いた男が捕らえられた。李白はその男を拘束し、仲間や背後にいる高官の特定に向けて準備を進めた。犯人特定の際に疑われた高官たちには冤罪の謝罪が必要だったが、事件解明の進展により全体の状況が明らかとなった。猫猫と壬氏は、これ以上の危険を避けるべく静かにその場を離れた。
終 話
最新型飛発と宮廷の闇
猫猫は最新式の飛発が西方からもたらされたものと推測し、密売や政治的な陰謀の可能性を考えた。特使たちの行動や背後にある力が事件と結びついている可能性を憂慮し、平穏な生活のために早期解決を願った。
壬氏の訪問と謎の贈り物
夜風にあたる猫猫のもとへ壬氏が訪れた。壬氏は昼間の行動を謝罪し、戸越しに布包みを猫猫へ手渡した。中身は猫猫が夢にまで見た秘薬「牛黄」であり、感激した猫猫は壬氏への感謝の言葉を述べた。壬氏が何かを語ろうとするも、猫猫は戸を閉じてしまった。
湖上の夜宴と高順の立場
湖上に設けられた夜宴では、高順が護衛として参加していた。宴は主賓である壬氏の不在に関係なく進行しており、官たちは高順に帝位継承の話題を振った。高順は冷静に対応しつつ、宮廷内の複雑な勢力関係を思案していた。
壬氏の正体と今後の展開
壬氏が皇弟であることは一部の者に知られており、彼の行動や今後の動きが注目されている。主賓としての彼の存在感と、その裏に潜む秘密は宮廷の未来を大きく左右する可能性を秘めていた。
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