小説「本好きの下剋上 ハンネローレの貴族院五年生 2」感想・ネタバレ

小説「本好きの下剋上 ハンネローレの貴族院五年生 2」感想・ネタバレ

Table of Contents

物語の概要

ジャンル
異世界ファンタジー・恋愛&バトルである。『本好きの下剋上』シリーズのスピンオフとして、主人公ハンネローレが「女神の化身」としての役割を担いながら、自らの未来を巡る政略と愛情に向き合う群像劇である。

内容紹介
意識を失ったハンネローレが目を覚ますと、神の力を帯びた特異な存在「第二の女神の化身」として扱われ、各領地から婚姻の申し込みが相次いでいる。ジギスヴァルトの暗躍とツェントの介入により騒動が拡大する中、領主候補生オルトヴィーンやラオフェレーグ、婚約者候補ラザンタルクからそれぞれ想いを告げられる。幼き姫が自領に留まるか嫁ぐかの決断を迫られる、第2幕の恋愛バトルファンタジーである。

主要キャラクター

  • ハンネローレ:シリーズの主人公であり、「女神の化身」としての立場を背負う少女。泣き虫でありながら、誰に対しても誠実な心を持つ人物である。
  • オルトヴィーン:ダンケルフェルガー領の領主候補生。ハンネローレの婚姻を真剣に考え、自らの立場を懸けて彼女に想いを伝える重要な人物である。
  • ラオフェレーグ:別の領地の有力な後継者として登場し、政略絡みの婚約申し込みを通じて物語に緊張をもたらすキャラクターである。
  • ラザンタルク:婚約者候補の一人。ハンネローレに対して真摯な想いを抱き、彼女の選択に影響を与える存在である。

物語の特徴

本作の魅力は、幼き「女神の化身」が政略と愛情に翻弄されつつ、自己の意思を確立していく成長物語である。複数の婚約候補による三角(あるいは四角)関係という恋愛バトル要素に加え、神の力を巡る陰謀や各地の政治的思惑が絡む構造は、他の異世界恋愛譚とは異なる深みを持つ。ハンネローレが自らの立場と感情の狭間で揺れる心理描写が、読者の共感を強く誘う。

書籍情報

本好きの下剋上 ハンネローレの貴族院五年生
著者:香月美夜 氏
イラスト:椎名優  氏
発売日:2025年8月10日
ISBN:9784867946510

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あらすじ・内容

時の女神の降臨により、意識を失っていたハンネローレが目覚めた。
 その10日間にユルゲンシュミット全土を揺るがす事態が勃発! 第二の女神の化身となった彼女を狙い、各領地から嫁盗りディッターの申し込みが次々と殺到していたのだ。ジギスヴァルトの暗躍、ツェントの介入と騒動は広がっていく。
 政略と陰謀が渦巻く中、領主候補生のオルトヴィーンやラオフェレーグ、婚約者候補のラザンタルクからはそれぞれの想いが告げられる。
 ダンケルフェルガーの領主候補として他領に嫁ぐのか、自領に留まるのか。口説き文句に照れてばかりの泣き虫姫が選ぶ未来とは?
『女神の化身』の親友が婚約者を決めるために奔走する、恋愛バトルファンタジー第二幕!
 書き下ろし短編×2本、椎名優描き下ろし「四コマ漫画」収録!

本好きの下剋上 ハンネローレの貴族院五年生2

感想

読み終えて、まず感じたのは、嫁盗りディッターというものが、それぞれの領地で全く違う意味を持っているという点である。ある領地では、ディッターの承諾がそのまま婚約に繋がると考えているとは、驚きを禁じ得ない。本来、命を懸けるほどの過酷な勝負であるはずなのに、他領の者たちの認識がお花畑であることに、思わず脱帽してしまった。

その原因が、ローゼマインの治癒魔法にあるというのも、何とも業が深い。彼女の魔法がなければ、ディッターはもっと危険なものとして認識されていたはずだ。ローゼマインの存在が、結果的に嫁盗りディッターを軽く見させてしまっているのだから、皮肉なものである。

そして、ローゼマインが時間遡行をして、フェルディナンドの跡を辿り、様々な問題を修復しているという展開には、胸が熱くなった。彼女が過去に戻って何をしているのか、物語が進むにつれて明らかになっていく過程は、非常に興味深い。

ハンネローレ自身は、相変わらず口説き文句に照れてばかりの泣き虫姫だけれど、彼女がどのような未来を選ぶのか、目が離せない。政略と陰謀が渦巻く中で、彼女がどのように成長していくのか、今後の展開が楽しみである。この物語は、戦いだけでなく、登場人物たちの日常や人間関係も丁寧に描かれている。それぞれのキャラクターが抱える想いや葛藤が、物語に深みを与えていると感じた。特に、領主候補生のオルトヴィーンやラオフェレーグ、婚約者候補のラザンタルクからの想いが告げられる場面は、それぞれのキャラクターの個性が際立っていて、印象に残った。

『本好きの下剋上』シリーズは、ファンタジーでありながら、人間ドラマとしても非常に魅力的である。今後の展開にも、期待せずにはいられない。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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登場キャラクター

ハンネローレ

ダンケルフェルガーの領主候補生であり、物語の中心的存在である。女神降臨の場に立ち会い、長期の意識不明から目覚めた後、寮内統一と他領との政治的駆け引きに臨んだ。複数の求婚者からの申し出を受けつつも、領地に残る意思を固めた。

・所属組織、地位や役職
 ダンケルフェルガー領主候補生。第二の女神の化身と称される立場。

・物語内での具体的な行動や成果
 求婚騒動への対応、ラオフェレーグとの対立と訓練指導、ツェントとの会談、アレキサンドリアとの情報交換を実施した。寮内ディッターを指揮し、ラザンタルク陣営の勝利を導いた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 女神の化身として各領から注目を集め、他領の政治的思惑の中心に立った。領地残留を宣言し、寮内統一を進める指導的立場を確立した。

ケントリプス

ハンネローレの婚約者候補の一人であり、寮内の政治と護衛を担う騎士である。彼女の成長を認めつつ、保護と支援を惜しまなかった。

・所属組織、地位や役職
 ダンケルフェルガー領主一族の騎士。婚約者候補。

・物語内での具体的な行動や成果
 ハンネローレの部屋を訪れ、女神降臨からの経緯説明を行った。寮内ディッターや護衛計画に参画し、政治判断を支援した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ハンネローレから強い信頼を受け、重要な意思決定に関与する立場を保った。

ラザンタルク

ハンネローレの婚約者候補であり、幼少期からの交流を通じて彼女に想いを寄せる騎士である。ディッターでの連携経験が豊富である。

・所属組織、地位や役職
 ダンケルフェルガー領主一族の騎士。婚約者候補。

・物語内での具体的な行動や成果
 寮内ディッターでラオフェレーグを撃破し、勝利を収めた。幼少期からの共闘経験を語り、ハンネローレの指揮力を評価した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ディッターでの活躍により、護衛としての信頼と影響力を強めた。

ラオフェレーグ

ダンケルフェルガーの領主候補生であり、ハンネローレへの求婚者の一人。行動の軽率さと政治的配慮の欠如が指摘された。

・所属組織、地位や役職
 ダンケルフェルガー領主候補生。

・物語内での具体的な行動や成果
 ハンネローレに求婚し、寮内ディッターに臨むも敗北した。領地報告書を独占して処理を遅らせた事実が発覚した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 寮内ディッター敗北により、領主候補生の地位剥奪と側近全員解任の危機に直面した。

オルトヴィーン

ドレヴァンヒェルの領主候補生であり、ハンネローレへの求婚者の一人。政治的計算と同盟構築に長けた人物である。

・所属組織、地位や役職
 ドレヴァンヒェル領主候補生。

・物語内での具体的な行動や成果
 ダンケルフェルガーと密約を結び、コリンツダウム排除で共闘した。ハンネローレに求愛の魔術具を差し出すが、返答は保留された。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 政治的駆け引きで影響力を発揮し、嫁盗りディッター継続を宣言した。

コルドゥラ

ハンネローレの筆頭側仕えであり、冷静な助言者として行動する文官である。

・所属組織、地位や役職
 ダンケルフェルガー領主一族の側仕え筆頭。

・物語内での具体的な行動や成果
 求婚騒動や寮内統一の計画を支援し、情報交換や作戦立案を補佐した。女神の化身としての過剰な期待を訂正する場面を整えた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 全体戦略の立案と調整で重要な役割を担った。

レティーツィア

アレキサンドリアに所属する領主候補生であり、旧アーレンスバッハ勢力の動向に関心を持つ。情報交換の場でハンネローレと協力した。

・所属組織、地位や役職
 アレキサンドリア領主候補生。

・物語内での具体的な行動や成果
 お茶会でハンネローレと同席し、旧アーレンスバッハ勢力や神々に関する情報を共有した。ローゼマイン不在時の立場を考慮し、協力的な姿勢を示した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 領主候補生としての信頼を得て、他領との橋渡し役を担った。

リーゼレータ

アレキサンドリアの筆頭側仕えであり、情報管理と助言に優れる。ローゼマインの側近としても知られる。

・所属組織、地位や役職
 アレキサンドリア領主一族の筆頭側仕え。

・物語内での具体的な行動や成果
 お茶会でハンネローレに神々の御力やローゼマインの過去の事例を説明した。フェルディナンドの異常事態に関して背景情報を提供した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ローゼマイン不在時にも領地運営の一端を支え、信頼を維持した。

ツェント・エグランティーヌ

ユルゲンシュミットのツェントであり、全領地を統べる立場から嫁盗りディッターの調整と制限を行った。

・所属組織、地位や役職
 ユルゲンシュミット全土のツェント。

・物語内での具体的な行動や成果
 嫁盗りディッターの危険性を全領地に周知し、貴族院内での実施と参加者制限を決定した。他領の後援禁止や違反時の制裁条件を設定した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ツェントとしての権限を行使し、領地間の対立緩和と秩序維持を図った。

ヴィルフリート

エーレンフェストの領主候補生であり、ハンネローレの過去の接触相手。軽率な発言で領地間の誤解を招いた。

・所属組織、地位や役職
 エーレンフェスト領主候補生。

・物語内での具体的な行動や成果
 講義中に「オルトヴィーンに全面協力する」と発言し、ハンネローレに警戒される。シャルロッテの説得で誤解を解かれ、発言の影響を理解した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 不用意な発言により外交的緊張を生じさせたが、謝罪を通じて関係修復に至った。

シャルロッテ

エーレンフェストの領主候補生であり、ヴィルフリートの妹。領地間の誤解解消に尽力した。

・所属組織、地位や役職
 エーレンフェスト領主候補生。

・物語内での具体的な行動や成果
 兄ヴィルフリートの発言を確認し、領地としてドレヴァンヒェルに協力する意思がないことをハンネローレへ伝えた。アウブへの報告と謝罪文作成を行った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 迅速な対応でエーレンフェストとダンケルフェルガーの対立回避に貢献した。

ルングターゼ

ラオフェレーグの妹であり、第二夫人派閥に属する。兄や母の命令によって不本意ながら行動を強いられた。

・所属組織、地位や役職
 ダンケルフェルガー領主一族。

・物語内での具体的な行動や成果
 兄の命令で護衛騎士見習いをディッターに参加させられ、母の命で全力協力を強いられた。ハンネローレに庇護を求め、側近采配を委ねた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 庇護を受けたことで、第二夫人派閥の冷遇回避と派閥間の距離調整に繋がった。

フェシュテルト

ダンケルフェルガーの騎士であり、領主候補生ハンネローレの護衛を務める。戦場での実務経験を持ち、戦力評価や戦略立案に関与する。

・所属組織、地位や役職
 ダンケルフェルガー所属騎士。護衛騎士。

・物語内での具体的な行動や成果
 寮内ディッター前に、一部騎士の不信感を代弁し、ハンネローレの領地残留の意思を確認した。作戦行動において、ルングターゼ庇護の指揮に関与した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 信頼できる護衛として、騎士団内の意見を調整する役割を果たした。

ルイポルト

ダンケルフェルガーの文官であり、ハンネローレの書類業務を補佐する。実務処理能力に優れる。

・所属組織、地位や役職
 ダンケルフェルガー所属文官。

・物語内での具体的な行動や成果
 ディッター関連の報告書や申請書の作成をハンネローレと共に行った。提出期限の管理や業務効率化に尽力した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 確実な事務処理で領主候補生の活動を支え、政治・軍事行動の円滑化に貢献した。

ヒルデブラント

王族出身の学生であり、奉納舞の稽古に参加する立場にある。若い領主候補生との交流に積極的である。

・所属組織、地位や役職
 ユルゲンシュミット王族。

・物語内での具体的な行動や成果
 奉納舞稽古の場でハンネローレやレティーツィアと交流した。奉納舞本番での立ち位置や役割について調整を行った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 他領候補生との関係構築において、将来の政治的な架け橋となる可能性を持つ。

ジャンシアーヌ

クラッセンブルクの領主候補生であり、中央の政変や過去の出来事に関する情報に関心を持つ。

・所属組織、地位や役職
 クラッセンブルク領主候補生。

・物語内での具体的な行動や成果
 奉納舞稽古中にハンネローレへ接触し、政変前に中央で目撃された女性がローゼマインである可能性について言及した。情報交換を通じ、クラッセンブルクとダンケルフェルガー間の情報共有を促した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 情報収集力と政治的関心の高さから、今後の動向に影響を与える立場となる。

アドルフィーネ

ドレヴァンヒェルの人物で、オルトヴィーンの行動に関与する立場にある。政治的意図を含む書簡を送付した。

・所属組織、地位や役職
 ドレヴァンヒェル領関係者。

・物語内での具体的な行動や成果
 オルトヴィーンへ協力要請と共に皮肉を込めた暗号文入りの木札を送った。領地間の駆け引きにおいて心理的圧力をかける役割を担った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 文面で相手の感情を刺激し、政治交渉の一要素として行動した。

アインリーベ

ダンケルフェルガー第一夫人であり、領主候補生や派閥間の統合に影響力を持つ。

・所属組織、地位や役職
 ダンケルフェルガー領第一夫人。

・物語内での具体的な行動や成果
 旧ベルケシュトック派閥の統合を進める立場にあり、ルングターゼと距離を保つ政治的判断に関与した。側近引き継ぎについて事前相談を受け、了承した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 派閥統合における重要な調整役として影響力を発揮した。

コードハンツ

ダンケルフェルガーの騎士であり、現場での連絡や情報伝達を担う。状況判断と機動力を活かし、緊急時の橋渡し役となる。

・所属組織、地位や役職
 ダンケルフェルガー所属騎士。

・物語内での具体的な行動や成果
 ルングターゼが庇護を求めていることをハンネローレへ報告し、木札を届けた。寮内ディッター前の作戦調整にも関与した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 迅速な情報伝達で、領主候補生の判断を支える役割を果たした。

レスティラウト

ダンケルフェルガーの領主候補生であり、ハンネローレの兄。幼少期から妹の武芸や訓練に影響を与えてきた。

・所属組織、地位や役職
 ダンケルフェルガー領主候補生。

・物語内での具体的な行動や成果
 幼少期にハンネローレやラザンタルクと模擬戦を行い、二人の連携や戦術向上に影響を与えた。婚約者選びの場で妹に意見を求めた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 領主候補生としての地位を保ちながら、家族内での発言力を持つ。

ライヒレーヌ

ダンケルフェルガー第二夫人であり、ルングターゼの母。旧ベルケシュトック派閥の出身で、派閥統合に複雑な立場を持つ。

・所属組織、地位や役職
 ダンケルフェルガー領第二夫人。

・物語内での具体的な行動や成果
 ルングターゼに対し、ラオフェレーグへの全力協力を命じた。派閥維持のための政治的判断を下した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 派閥統合の過程で、距離感の調整や立場維持を試みる影響力を持つ。

ジークリンデ

ダンケルフェルガーのアウブ夫人であり、ハンネローレの母。家庭内の調和を保つ役割を果たす。

・所属組織、地位や役職
 ダンケルフェルガー領アウブ夫人。

・物語内での具体的な行動や成果
 家族会議に同席し、婚約者選びの口論を制止した。家庭内の話し合いを和やかな雰囲気に戻した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 家族間の調整役として信頼を得ている。

アウブ・ダンケルフェルガー

ダンケルフェルガーの領主であり、ハンネローレの父。領内外の政治と軍事に強い影響力を持つ。

・所属組織、地位や役職
 ダンケルフェルガー領主(アウブ)。

・物語内での具体的な行動や成果
 ハンネローレに寮内統一を命じ、ラオフェレーグ降格を含む厳しい条件でディッターを指示した。婚約者候補の選定方針を提示した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 領地防衛と政治戦略の両面で指導的立場を維持する。

エルーシア

エーレンフェスト所属の人物であり、シャルロッテとハンネローレ間の連絡に関与した。中継役として信頼されている。

・所属組織、地位や役職
 エーレンフェスト所属貴族。

・物語内での具体的な行動や成果
 ハンネローレからの急ぎの手紙をシャルロッテへ届ける経路として利用された。連絡手段の一部を担った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 重要連絡の中継役を務め、領地間の情報伝達に貢献した。

マリアンネ

エーレンフェストの側仕えであり、シャルロッテの指示で文書作成を行った。事務処理能力が高い。

・所属組織、地位や役職
 エーレンフェスト所属側仕え。

・物語内での具体的な行動や成果
 ハンネローレから届いた手紙の内容を複写し、原本をアウブに送るための準備を行った。文書管理と情報保全に寄与した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 正確な事務作業で主の信頼を得ている。

ヴァネッサ

エーレンフェストの護衛騎士であり、重要書類の運搬を任される信頼の厚い人物。

・所属組織、地位や役職
 エーレンフェスト所属護衛騎士。

・物語内での具体的な行動や成果
 シャルロッテの指示で複製文書を領地へ運び、騎士や他者に情報が漏れないよう即座に行動した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 迅速かつ秘匿性の高い任務を遂行できる信頼を持つ。

ヒルシュール

貴族院の教師であり、ツェントからの通達を領主候補生に伝達する役目を担った。

・所属組織、地位や役職
 貴族院教師。

・物語内での具体的な行動や成果
 ツェントの命令で、全領地の領主候補生と上級貴族を講堂に集めるよう通知した。翌日の混乱が予想される場面で重要な役割を果たした。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 公式連絡の伝達役として、貴族院内での情報流通を担った。

ジギスヴァルト

元王族であり、コリンツダウムのために他領を扇動したとされる。嫁盗りディッターの拡大に影響を与えた。

・所属組織、地位や役職
 元ユルゲンシュミット王族。

・物語内での具体的な行動や成果
 コリンツダウムのために各領地を動かし、嫁盗りディッターへの参加申し込みを急増させた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 元王族としての影響力を背景に、政治的圧力を行使した。

コンラーディン

ガウスビュッテル出身の人物であり、低学年との交流に参加した。奉納舞稽古後の退出準備中、周囲との雑談を行った。

・所属組織、地位や役職
 ガウスビュッテル所属貴族。

・物語内での具体的な行動や成果
 オルトヴィーンと共に低学年との交流や今年のゲヴィンネンについて会話した。退出時には周囲の関心を受け流す場面が見られた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 公式な政治的役割は描写されていないが、社交の場での立ち回りを見せた。

フリーデリーケ

ダンケルフェルガー所属の学生で、奉納舞の本参加者として選ばれた。

・所属組織、地位や役職
 ダンケルフェルガー所属学生。

・物語内での具体的な行動や成果
 五年生から最終学年の奉納舞参加者選定において、本参加者に決定した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 奉納舞参加によって、領地を代表する役割を担った。

マルガレーテ

ダンケルフェルガー所属の学生で、奉納舞の補として選ばれた。

・所属組織、地位や役職
 ダンケルフェルガー所属学生。

・物語内での具体的な行動や成果
 奉納舞の選定で補欠参加者となり、必要時には本参加者の代わりを務める立場を得た。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 補欠ながらも奉納舞に関わる名誉ある役を与えられた。

アナスタージウス

ユルゲンシュミットの王族であり、エグランティーヌと共に過去の記録を確認した。

・所属組織、地位や役職
 ユルゲンシュミット王族。

・物語内での具体的な行動や成果
 ツェント専用書庫で、時の女神のお導きによって現れた女性に関する記録をエグランティーヌと共に調査した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 中央の歴史や政変に関わる知識を共有し、ツェントの判断材料を補強した。

フェルディナンド

アレキサンドリア所属の人物であり、女神降臨時に危機的状況に陥った。

・所属組織、地位や役職
 アレキサンドリア所属貴族。

・物語内での具体的な行動や成果
 存在が半透明となり、意識を失う異常事態に見舞われた。ローゼマインが救うため神々の世界へ向かう要因となった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 危機的状況が各領地の政治と行動を動かすきっかけとなった。

ローゼマイン

アレキサンドリアの領主候補生であり、女神降臨によって神々の世界へ召喚された。多くの出来事で重要な役割を果たしてきた人物である。

・所属組織、地位や役職
 アレキサンドリア領主候補生。

・物語内での具体的な行動や成果
 フェルディナンド救済のため、時の女神に導かれ神々の世界へ赴いた。過去には貴族院でのターニスベファレン討伐に参加した経歴がある。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 各領地から強い注目を集める存在であり、神々との関わりが公私に影響を及ぼしている。

展開まとめ

プロローグ

三階への潜入と再会
ケントリプスは女性専用の三階にあるハンネローレの部屋へ、コルドゥラの案内で下働き用通路を通って向かった。女神降臨後に意識を失っていたハンネローレは、十日ぶりに目覚め、赤い瞳に戻っていた。ケントリプスは彼女に東屋での女神降臨から意識喪失までの経緯を説明した。

求婚騒動と候補者の動向
説明の中でオルトヴィーンの求婚発言や他領からの嫁盗りディッター申し込みが明らかになった。コリンツダウムは権力目的で警戒が必要とされ、ドレヴァンヒェルはオルトヴィーンが正式に申し込みを行った。クラッセンブルクは条件付きで第一夫人とする意向を示した。その他の領地は戦力的に脅威ではないが、寮内はラオフェレーグの影響で二分されていた。

エーレンフェスト不参加と変化の理由
エーレンフェストからの参加表明はなく、ハンネローレは冷静にその理由を述べた。彼女は時の女神の許しで一年前の世界を訪れ、ヴィルフリートに再度接触したが失敗した経験を語った。その過程で多くの気付きと成長を得て戻ってきたことを明かした。

ケントリプスの動揺と支援の意思
ケントリプスはハンネローレの成長と変化に戸惑いながらも、彼女の望みを叶えるため全力を尽くすと述べた。ハンネローレは結婚相手の決定を保留し、まず寮内統一を優先すると決めた。ケントリプスはラオフェレーグ排除を提案し、場合によっては全求婚者を排除する意向を示した。

決意と揺れる感情
ハンネローレは過激な提案に動揺したが、ケントリプスは優しく応じ、自ら責任を取ると伝えた。その言葉にハンネローレは顔を赤らめ、ケントリプスは彼女の反応を新たな魅力として受け止めた。

側近達の説得

ケントリプスの言葉への動揺とコルドゥラの助言
ケントリプスの発言に動揺して魔力を抑えられないハンネローレは、コルドゥラから婚約者候補の言葉として受け止めるべきかを問われた。彼女は彼の真意が命令か本心か測りかね、相談を持ち掛けたが、コルドゥラは早急に慣れる必要があるとして、日常的に口説き文句を聞く訓練を提案した。

意識喪失後の経過とアレキサンドリアへの連絡
女神降臨から十日間意識を失っていたことを知ったハンネローレは、講義遅れや女神の残滓による影響を懸念された。コルドゥラは、ローゼマインの側近と面会して情報交換を行い、その後に講義へ出ることを提案し、寮内統一のため夕食後に全員へ意思を伝える場を設けることを決定した。

側近達の歓迎とラオフェレーグ支持の理由
女性側近達は女神の化身となった主を誇り、ラオフェレーグを推す理由として、次期アウブ就任による地位向上や恋愛成就の可能性を挙げた。彼女らは複数配偶によるヴィルフリートとの婚姻維持を提案するが、ハンネローレは非常識とし、三度の拒絶経験と悪縁の可能性から次期アウブの道を拒否した。

派閥構造と婚約者候補の意向
彼女はラオフェレーグ推進派を傀儡を求める勢力と分析し、領主教育経験の欠如からも次期領主適性を否定した。ダンケルフェルガーに留める手段として、ケントリプスやラザンタルクとの婚姻を挙げ、ラオフェレーグとの結婚意思はないと明言した。

女神の化身に対する誤解の訂正と方針表明
女神降臨はローゼマイン召喚のためであり、自身には神々との繋がりも権能もないと説明した。女神の化身としての過剰な期待を否定し、次期アウブ就任も望まず、他領とのディッターに備えて寮内統一を目指す方針を示した。側近達はこれを了承し、協力を約した。

ハンネローレの特別指導

寮内統一への決意と食堂での再会
ハンネローレは寮内統一のため、次期領主を目指さない意志を明確にし、ラオフェレーグの求婚を公開の場で断ることを決意した。食堂に向かう途中、ラザンタルクからディッターの準備を一任されたと告げられ、仲間との協調の重要性を諭した。ケントリプスとも再会し、動揺を抑えて振る舞おうと心掛けた。

ラオフェレーグとの食事中の衝突
食事中、ラオフェレーグが女神の化身と称して接近した際、ハンネローレの意思とは無関係に女神の御力が軽い威圧となって発動し、彼を退けた。この事態を受け、アレキサンドリアとの連絡を進めることが決まった。

寮生への宣言と求婚拒否
夕食後、全学生の前でディッター勝利を目標とし、次期領主就任の意思がないことを宣言。ラオフェレーグ支持派からの問いに対し、彼の求婚を明確に拒絶し、年齢差や責任回避の姿勢を理由に配偶者・領主候補としての不適格さを指摘した。

訓練場での特別指導
コルドゥラの指示でハンネローレ自らラオフェレーグを指導。戦闘では魔術具と長杖を駆使し、力量不足やディッターへの理解不足を厳しく諭した。守りの重要性や領主の役割を説き、回復を許さず戦意を削ぎ、最終的に光の帯で拘束した。

予想外の結果と困惑
敗北を突き付けられたラオフェレーグは逆に興奮し、次期領主ではなくハンネローレ本人を得る決意を表明。ラザンタルクとケントリプスは、指導が彼を本気にさせたと指摘し、しつこく迫る可能性を警告した。ハンネローレは予期せぬ展開に困惑し、縁結びの女神の思惑を感じ取った。

アレキサンドリアとの情報交換

お茶会の約定とレティーツィアの同席
アレキサンドリアから急遽、翌日の午後にお茶会での情報交換を提案され、ハンネローレは了承した。ローゼマイン不在で唯一の領主候補生となったレティーツィアも同席希望と伝えられ、彼女の立場を尊重しつつ、旧アーレンスバッハ勢力の動向を懸念して同意した。

ラオフェレーグによる報告書隠匿
コルドゥラから、ラオフェレーグが十日分の領地報告書を独占・未処理にしていたと知らされ、会議室で処理を開始。招待状の仕分けや嫁盗りディッター申し込みの拒否文作成を進める中、ダンケルフェルガー騎士達の記憶が蘇り、過去の貴族院でローゼマインが降臨した記録が発見された。

記憶復活の経緯と情報の価値
十数年前、フェルディナンドと共に素材採集中だった騎士達が三日間の記憶を失い、その記憶が復活したという報告で、そこにローゼマインが登場していた。ハンネローレはアレキサンドリアが既に把握していると推測しつつも、情報交換前に知れたことを喜び、ラオフェレーグへの接近を控えるよう指示を受けた。

アレキサンドリアでの面会と御力の差異
お茶会でリーゼレータとレティーツィアに迎えられ、ハンネローレは女神の御力が急速に薄れていると説明。リーゼレータはローゼマインが長期間御力を保ち、生活に支障をきたした事例を語り、薄れれば日常に戻れると助言した。

フェルディナンド異常事態の共有
リーゼレータは、フェルディナンドが存在ごと消えかける異常事態が神々の呼び出しの引き金と推測。ハンネローレは時の女神から聞いた、彼の「糸」が切られ歴史が崩れかけたため修復が必要になったと説明し、神々の課題達成が目的でローゼマインが召喚されたと伝えた。

過去の降臨とターニスベファレン討伐
ハンネローレは、記憶復活で判明した貴族院時代の出来事を報告。ローゼマインが降臨し、フェルディナンドと共にターニスベファレンを黒の武器で討伐、治療を施した後に神々の世界へ戻ったことを語った。これを聞いた二人は安堵し、領地や寮内も落ち着くと確信した。

情報交換の締めくくり
互いに感謝を述べ、アレキサンドリアとの情報交換は終了。コルドゥラは女神の光が消え次第講義復帰に向けた学習を促した。

ツェントからの呼び出し

ツェントからの面会要請と準備
アレキサンドリアとの情報交換翌日、講義を欠席して自室で過ごしていたハンネローレに、ツェント・エグランティーヌから面会要請のオルドナンツが届いた。目的は女神降臨とローゼマインに関する極秘の事情聴取であり、講義時間を避けた他者不在の場が指定された。コルドゥラは神々の件に加え、前例のない規模の嫁盗りディッターについても協議すべきと進言した。

女神の御力と神々の事情の説明
謁見でエグランティーヌは、女神の御力が既に消えていることに安堵し、フェルディナンド救済の経緯を確認した。ハンネローレは、時の女神が動いたのは機織りの女神の嘆きによる偶然であり、複数の条件と偶然が重なって修復が実現したと説明した。また、メスティオノーラの書や星結びの事実は秘匿していると伝え、情報公表はローゼマイン帰還後に当人達で決定すべきとした。

政変観と歴史修復への意見交換
エグランティーヌは二十年分の歴史織り直しで政変回避を望む意図を示したが、ハンネローレはフェルディナンド不在ではランツェナーヴェ侵攻阻止が困難になると指摘し、現状のユルゲンシュミットを支持した。議論の末、エグランティーヌは過去より現在の家族と平和を選び、歴史のやり直しを望まないと明言した。

嫁盗りディッターの認識差と介入提案
話題は嫁盗りディッターに移り、ダンケルフェルガーと他領の間に重大な認識差があることが判明した。特に死者発生の可能性や競技と真剣勝負の意識差が明らかになり、エグランティーヌは被害軽減のためツェント介入を決意。条件設定や監視による抑止策、求婚者側への説明で辞退を促す方針を共有した。

寮への帰還と側近達への説明
寮に戻ったハンネローレは、ツェント介入の意義を側近や婚約者候補に説明し、他領の辞退を促して防御負担を減らす戦略であると述べた。騎士達は歓声を上げ、ケントリプスは成長を認めつつ無理をしないよう諭した。食事中、ハンネローレは「第二の女神の化身」としての発言の影響力に留意するよう促されたが、自身には特定の肩入れ先はないと考えた。

日常が非日常

講義復帰と周囲の警戒
二週間ぶりに講義に復帰するハンネローレは、婚約者候補や側近達の心配に迎えられる。進度よりも他領からの接触が懸念され、特に嫁盗りディッター申請者による接近を警戒されていた。コリンツダウムは「申請=婚約者候補」と誤解しており、その影響が他領にも波及している。厳戒態勢の中、護衛に囲まれて寮を出ると、外では注目と噂の視線が集中していた。

初日の教室での駆け引き
講義開始前、リンデンタールのダーヴィットが「求婚を受け入れた」と誤解して接触するが、ハンネローレは嫁盗りディッターが無礼な宣戦布告であり、死人も出る戦いだと説明し、申請撤回を勧める。動揺した彼は距離を取り、他の一部学生も退いた。その後、ドレヴァンヒェルのオルトヴィーンが挨拶に現れるが、情報戦で優位を取るため会話を回避。講義中は接触を避け、回復薬のタイミングもずらした。

ヴィルフリートの提案と衝撃
回復中、ヴィルフリートが盗聴防止具を差し出し、オルトヴィーンとの結婚を勧める発言をする。女神の化身には権力と立場で守れる力が必要で、オルトヴィーンならそれを備えると主張。さらに嫁盗りディッターでオルトヴィーンに全面協力すると明言し、ドレヴァンヒェルとエーレンフェストの連合の可能性を示唆した。

意識の転換と警戒拡大
この発言により、ハンネローレは協力勢力の存在を認識し、求婚者以外の領地にも警戒が必要だと痛感。シャルロッテらへの探りを含め、広範な情報収集と戦略構築の必要性を決意した。ヴィルフリートへの複雑な感情を抱えつつも、有益な情報提供に礼を述べ、魔術具を返して席を立った。

ヴィルフリートの言葉の波紋

講義後の帰還と警戒強化
講義を終えたハンネローレは、迎えに来たケントリプスとラザンタルクと共に、朝と同様の厳重な護衛の中で寮へ戻る。道中、ラザンタルクの甘い言葉やコルドゥラの口説き慣れ指導に動揺するも、昼食後に緊急会議を開く決意を固める。議題は、ヴィルフリートの発言で明らかになった「嫁盗りディッターへの他領協力・乱入の危険性」だった。

会議での危機共有と対応策
会議室に集まった側近や兄レスティラウトの側近らに、ヴィルフリートがオルトヴィーンへの全面協力を示唆した件を報告。これがドレヴァンヒェルとエーレンフェストの連携を意味する可能性を全員が認識し、従来の「求婚者領地のみ警戒」という常識が通用しないと結論づける。シャルロッテへの意向確認書簡の送付、ツェントへの他領後援排除条件の明文化依頼を決定した。

アウブからの書簡とラオフェレーグ懸念
会議中にアウブからの手紙が届き、複数領地連携の危険性とその際の制裁条件がすでに想定されていると判明。一方でラオフェレーグへの警戒は言及されておらず、ハンネローレは彼が他領と独断で結びつくリスクを指摘。ケントリプスとラザンタルクはこれを機にラオフェレーグ排除を画策し、今後の憂いを断つ方針を固める。

シャルロッテからの返答と安堵
午後の講義後、シャルロッテからオルドナンツが届き、エーレンフェストとしてドレヴァンヒェルへの協力意思はなく、ヴィルフリートの発言は領地の意向ではないと謝罪と共に伝えられる。これによりエーレンフェストとの対立回避が確定し、ハンネローレは安堵する。

新たな疑念とツェントからの召集
ヴィルフリートの真意に疑問を残しつつ夕食を取っていると、寮監ルーフェンがツェントからの手紙を受け取る。翌日の三と半の鐘に上級貴族以上を講堂に集めるとの緊急連絡で、内容は嫁盗りディッター関連と推測される。ルーフェンは護衛強化を指示し、緊張が一層高まった。

ツェントのお知らせ

講堂への入場と謝罪の受領
ツェント・エグランティーヌの呼びかけにより上級貴族以上が講堂に集められた。ハンネローレは注目を避けるため側近や婚約者候補に囲まれ、やや遅れて入場。道中でエーレンフェストのシャルロッテから正式な謝罪とアウブの書面を受け取り、両領地の関係修復を確認した。

ツェントによる嫁盗りディッターの説明と制限
壇上のエグランティーヌは、時の女神ドレッファングーア降臨からの経緯を述べ、嫁盗りディッターの本来の意味を全領地に周知した。これは婚約者候補への異議申し立てに等しい無礼な真剣勝負であり、死者も出うる危険な戦いであると強調。今回に限り貴族院内で行い、領主一族と護衛騎士に参加を限定し、無関係な領地の後援や協力を禁止した。違反時は攻撃魔術具の威力制限解除を認め、ツェントへの敵対と見なすと宣言した。

影響と寮での反応
通達により多くの領地で衝撃と辞退の空気が広がり、ハンネローレは不躾な視線が減ったことに安堵した。だが、ケントリプスとラザンタルクがエスコート継続を望んだことには動揺した。寮に戻ると、ツェント介入によって敵が減る見通しに皆が喜び、情報収集方針を確認した。

オルトヴィーンの継続宣言
午後、領主候補生コースの講義に向かったハンネローレは、教室でオルトヴィーンに呼び止められた。彼はツェントの通達後もディッター続行の意思を示し、講義後に話を聞く約束を交わした。

オルトヴィーンとの話し合い

講義後の対面準備と警戒
ハンネローレは講義中、オルトヴィーンとの話が気になって集中できず、魔力回復の休憩中にコルドゥラへ連絡を入れ、ダンケルフェルガーのお茶会室での対面を手配。ケントリプスやラザンタルクにも同席させ、一対一での会話や不利な状況を避ける態勢を整える。

予想外の議題と密約の発覚
お茶会室で始まった会談は、ヴィルフリート発言の真意ではなく、嫁盗りディッターに関するハンネローレの認識確認から始まる。話が進む中、ダンケルフェルガーとドレヴァンヒェルがコリンツダウム排除で共闘する密約を結んでいること、さらにオルトヴィーンがハンネローレを口説く権利をアウブから得ていたことが明らかになる。残る敵はコリンツダウム、ギレッセンマイアー、ハウフレッツェ、ドレヴァンヒェルの四領地に絞られていた。

共闘の背景と政治的計算
密約は、元王族ジギスヴァルトの求婚を退けつつ、協力体制で双方の次期アウブを後押しするというもの。背景には、元王族の政治的影響力、コリンツダウムの後ろ盾不足、そしてアウブ同士の利害一致があった。オルトヴィーンは共闘を最初から提案し、領地間の情報共有を進めていたことも語られる。

求愛の申し出と返答保留
会談終盤、オルトヴィーンは求愛の魔術具を差し出し、自身の思いを告白。ラザンタルクが強く反発するも、ケントリプスが仲裁。周囲の視線を受けながら、ハンネローレは「判断に必要な情報が足りない」として受領を保留し、父の意見を仰ぐための時間を求めた。オルトヴィーンは次の機会を楽しみにすると告げ、退室した。

ダンケルフェルガーへの一時帰還

返答保留と一時帰還の決意
オルトヴィーンへの返答を保留したことでラザンタルクに非難されたハンネローレは、情報不足を理由に父と直接話すための一時帰還を決意。ケントリプスの説明から、アウブの「婚約者候補として守れ」という言葉が特定の領地を指したものではなかったと判明し、双方の誤解が解けた。

領地での家族会議
帰還後、家族の前でドレヴァンヒェルとの共闘の経緯とオルトヴィーンへの口説き許可の真相を確認。許可は挑発的発言の拡大解釈であったことが明らかになる。両親はハンネローレを他領に嫁がせるかダンケルフェルガーに留めるかの選択肢を提示し、最終的に彼女は第二の女神の化身としての重責を避け、領地に留まる決断を表明した。

婚約者未決定と兄の暴露
留まる意思を示した後、兄レスティラウトから婚約者候補の選択を問われるも即答できず、幼少期の思い出話で口論となる。母ジークリンデの制止で収まり、和やかな空気が戻る。

寮内統一の命令
父アウブは、他領との嫁盗りディッターに先駆け寮内の統一を命じる。ラオフェレーグを上級貴族に降格させる可能性を伴う模擬戦をラザンタルクと行うよう指示し、その理由として彼の無思慮な行動と領地の利益軽視を挙げた。ハンネローレは指示を了承し、寮内統一への着手を決意した。

寮内ディッターに向けて

寮内ディッター開催の経緯と準備
ハンネローレはアウブからの指示を受け、領主一族と側近に多目的ホールへの集合を呼びかけた。ラオフェレーグとコリンツダウムの学生接触増加を受け、土の日一日で周知から決着まで行う必要があった。また、ラザンタルク側とラオフェレーグ側への情報公開は同時に行うよう命じられた。急ぎのため、昼食後すぐ寮に戻り準備を開始したが、道中で護衛騎士希望者に囲まれ遅延した。

側近増員の検討
嫁盗りディッターを前に護衛騎士の増員を提案される。成人護衛騎士が少ないため、戦力強化の必要性が指摘された。アインリーベとの事前相談で、引き継ぎ予定の側近はハンネローレの下に残すことが了承された。

寮内ディッターの条件と目的
アウブは嫁盗りディッターの代表は一人とし、寮内統一を優先する方針を示した。夕食後にラオフェレーグとラザンタルクを中心に寮内ディッターを実施する。敗者への処分は厳しく、ラオフェレーグ敗北時は領主候補生剥奪と側近全員解任、ラザンタルク敗北時は婚約者候補失格と側近解任が決定された。これにより両陣営とも士気を高めた。

参加者募集と戦力調整
両陣営が参加希望者を募り、ハンネローレは人数調整と戦力バランスの確認を行った。ラオフェレーグ側よりラザンタルク側の参加者が多く、領主一族の影響力が大きいと分析された。次の嫁盗りディッターに出場できるのは領主一族と護衛騎士のみであるため、両陣営の護衛騎士参加を重視した。

忠誠確認と領地残留宣言
フェシュテルトが一部騎士の不信感を代弁し、領地残留の意思を確認。ハンネローレは他領へ嫁ぐ意思がないことを明言し、ラザンタルクらの信頼を得た。

ラザンタルクの告白未遂
ラザンタルクは盗聴防止の魔術具を用い、ハンネローレへの想いを伝えようとする。しかし緊張と不器用さから、恋情が十分に伝わらず周囲も固唾をのんで見守る形となった。

想いとディッターの関わり

幼少期の出会いと印象の変化
ラザンタルクは交流会で五歳のハンネローレの訓練姿を初めて見て、その泣き虫でありながらも諦めず挑み続ける姿に心を引かれた。特に、泣いた後に顔を上げて稽古を続け、褒められて笑う表情を美しいと感じたことが印象に残っていた。この経験から彼女が特別な存在となり、その後も訓練や交流を通じて関心を深めていった。

共闘の思い出と成長
幼い頃、二人はレスティラウトに挑むため「お兄様に勝ちたい同盟」を組み、必殺技や連携を考えて訓練に励んだ。何度も返り討ちに遭いながらも、一撃を入れられた瞬間をラザンタルクは大切な思い出としており、それが初恋の自覚につながった。一方、ハンネローレにとっては恐怖と敗北感の強い記憶であったが、ラザンタルクはその経験から作戦立案や連携の重要性を学び、騎士として成長した。

女性の社交と失われる姿への懸念
洗礼式後、ハンネローレは女性の社交に移行し、活動が制限されていった。ラザンタルクは戦う姿こそ彼女の魅力と考え、他領に嫁げばその美しさが失われるのではないかと懸念した。特別な例として、嫁いでも訓練を続けたマグダレーナの存在が語られた。

ディッターでの活躍と自己認識の変化
ラザンタルクは本物のディッターにおけるハンネローレの指揮力と戦術を高く評価し、それがダンケルフェルガーの領主候補生らしい姿であると断言した。彼の言葉は、彼女が抱いていた劣等感を和らげ、付加価値がなくても求められているという安心感を与えた。

未来への共闘の誘いと中断
ラザンタルクは再び共闘してレスティラウトに挑む提案をし、戦いの場で笑顔を見たいと願いを示したが、会話はケントリプスの到来で中断された。最後にラザンタルクは、自分が彼女の一番の笑顔を引き出せると主張しつつ、ディッターに関する相談のためコードハンツが登場した。

第二夫人の娘

ルングターゼからの庇護要請
ルングターゼは、兄ラオフェレーグの命令により許可なく護衛騎士見習いをディッター参加者名簿に加えられ、さらに母ライヒレーヌの命令で全力協力を強いられていた。コードハンツはこの事態をハンネローレへ報告し、庇護を求める木札を届けた。背景には、第二夫人派閥の旧ベルケシュトック貴族との関係や、第一夫人アインリーベとの距離感調整など、政治的配慮があった。

派閥事情と選択理由
旧ベルケシュトックの管理を担ってきたライヒレーヌの派閥は、境界線変更後にアインリーベの下へ統合が進められていた。ルングターゼがアインリーベに近づきすぎれば派閥統合の妨げとなるため、適度な距離を保つ必要があった。また、ラオフェレーグの求婚を拒絶したハンネローレが庇護を与えることで、第二夫人派閥冷遇の印象を和らげられると考えられていた。さらに、寮内ディッターまで時間がないため、現場で采配できるハンネローレが最適とされた。

庇護承認と作戦立案
アウブの書簡により庇護が承認され、ルングターゼの側近采配はハンネローレに委ねられた。彼女はラザンタルクとフェシュテルトに作戦を指示し、情報収集や内部攪乱の可能性も視野に入れた。ケントリプスにはラオフェレーグ筆頭側仕えへの接触を任せ、ルングターゼには直接書簡を送ることとなった。

寮内ディッター開始
今回の宝盗りディッターでは、攻撃用魔術具の使用が禁止され、宝としてゲヴィンネンの大型駒が用いられた。宝の駒はラザンタルク陣に槍、ラオフェレーグ陣に剣が配置され、ルングターゼの護衛騎士見習いが守備を担当した。両陣営は守りを最小限にして突撃し、戦闘は激化した。

ラオフェレーグの消耗と決着
ラオフェレーグは劣勢ながらも立ち上がり続け、ラザンタルクとの一騎打ちの様相を呈したが、次第に弱者を痛めつけるような展開となり観戦者からも不評を買った。引き際を誤ったラオフェレーグに対し、ハンネローレはルングターゼ側護衛に合図を送り、宝駒を陣外に出させたことでラザンタルクの勝利が宣言された。

奉納舞のお稽古

午前の書類作業と奉納舞準備
ハンネローレは午前中、ルイポルトと共にディッター関連の報告書や申請書を作成し、昼食後は奉納舞の稽古に向けて着替えた。食堂でラザンタルクやラオフェレーグにも提出期限を告げ、書類作成の重要性を指摘した。ラオフェレーグは午後に領地へ帰還予定で奉納舞は欠席となった。

小広間での交流と情報交換
稽古会場の小広間では、王族出身のヒルデブラントと挨拶を交わし、続いてクラッセンブルクのジャンシアーヌからローゼマインの所在について探りを受けた。ジャンシアーヌは政変前の中央で目撃された女性がローゼマインである可能性を示し、ハンネローレもその可能性を認めた上で、ダンケルフェルガーにも同様の記憶を持つ者がいると伝えた。

レティーツィアへの助言と橋渡し
一年生のレティーツィアが他領の上級生に囲まれているのを見て、ハンネローレは介入し、ジャンシアーヌから得た情報を伝えて励ました。また、奉納舞の時間はヒルデブラントの近くにいるよう勧め、二人を引き合わせた。

奉納舞参加者の選定
五年生から最終学年の奉納舞に加わる者を選ぶ場面で、ハンネローレは婚約者候補との同行を理由に辞退し、ローゼマインも参加しない旨を説明した。結果、フリーデリーケが本参加、マルガレーテが補として選ばれた。

オルトヴィーンからの接触
稽古の休憩時間、オルトヴィーンがハンネローレに接触し、婚約者候補のいない場で話すことを求めた。ハンネローレはお茶会室の使用を提案するも断られ、周囲の目がある場で話を聞くことを了承した。

休憩中のお話

卒業式のエスコートを巡る懸念
奉納舞の稽古中の休憩時間、オルトヴィーンは盗聴防止の魔術具を用いてハンネローレと会話を開始した。彼は、卒業式でケントリプスにエスコートされることが誤解を招き、正式な婚約と見なされる危険を指摘した。ハンネローレは嫁盗りディッター前のため誤解の影響は限定的と考えたが、オルトヴィーンは嫉妬心から反対していることを明かした。

オルトヴィーンの求愛の経緯と真意
オルトヴィーンは、自身の求愛が策略ではなく、前年からの関心と心配によるものであると説明した。彼は、嫁盗りディッター後に婚約者候補が未決定であれば、自分にも機会があると信じ、第二の女神の化身となったハンネローレを守る意思を示した。また、一年前の彼女が孤立していた頃から救いたいと考えていたことを打ち明けた。

ハンネローレの心境と断り
ハンネローレは、過去の自分であればその手を取ったと認めつつも、本物のディッター参加や時の女神降臨などの経験により状況も心境も大きく変化した今、救いを必要としていないと明言した。そして、二人の糸が結ばれる機会はすでに過ぎ去ったと告げた。

協力関係への移行
落胆を見せたオルトヴィーンは、嫁盗りディッターでの協力の可能性を確認した。ハンネローレもこれを了承し、コリンツダウム打倒に向けて共闘する意思を示したところで休憩時間が終了した。

エピローグ

稽古後の退出準備と周囲の関心
奉納舞の稽古を終えた領主候補生たちは疲労を抱えつつ退出準備をしていた。オルトヴィーンはガウスビュッテルのコンラーディンと低学年との交流や今年のゲヴィンネンについて雑談し、周囲からの視線を察しながら軽く受け流した。休憩中にハンネローレと盗聴防止の魔術具を用いて話していたため、周囲は会話内容を気にしていた。

側近への経過報告
自室に戻ったオルトヴィーンは側近たちに奉納舞休憩中のやり取りを簡潔に説明した。ハンネローレからは「糸が結ばれる機会はすでに過ぎた」と断られたものの、嫁盗りディッターでの協力関係は確約された。彼は感情的な痛みをまだ実感しておらず、領主候補生として次の一手に意識を切り替えた。

情報収集と領地情勢の確認
側近たちと共に、コリンツダウムの動向やギレッセンマイアー、ハウフレッツェとの関係を確認した。ブルーメフェルトの制限により情報収集が難しいことも共有された。

アドルフィーネからの要請と暗号文
アドルフィーネからの協力要請の木札が届き、元護衛騎士や攻撃用魔術具の活用が求められた。裏面には皮肉を込めた暗号文が記されており、これがオルトヴィーンの神経を逆撫でした。彼は文面を削り落とし、個人的感情を排して次期領主に向けた行動へと気持ちを切り替えた。

失言と事情聴取

緊急の手紙と動揺
自室で自習中のシャルロッテのもとへ、側仕え見習いのイディリーヌが封書を届ける。差出人はダンケルフェルガーのハンネローレで、エルーシア経由で「なるべく早く確認してほしい」とあった。内容を読むと、午前の講義中にヴィルフリートが「嫁盗りディッターではオルトヴィーンに全面的に協力する」と発言した意図を問い質すもので、領地間の姿勢を疑う内容だった。シャルロッテは、兄がドレヴァンヒェルに誘導されて無自覚に失言したと判断する。

領主への報告準備
側近たちにだけ事情を共有し、マリアンネに手紙を複写させて原本をアウブへ送る手配を行う。ヴァネッサには複製を持たせ、騎士や他者に漏らさぬよう即座に領地へ運ばせた。シャルロッテは、正式な謝罪には領主の書面が必要であり、軽率な接触を控えるよう全員に命じる。午後、アウブから「ヴィルフリートへの事情聴取とハンネローレへの一報としての謝罪オルドナンツ送付、さらに帰還命令」を受け取る。

事情聴取と説得
講義を終えたヴィルフリートを会議室に呼び出し、発言の真意を問い詰める。本人は「友人として応援しただけ」と答え、協力要請も受けていないと判明。シャルロッテは、発言が領地間の敵対と受け取られる危険性、恋愛感情の後押しが婚約者候補のいる相手への無礼に当たること、そして領主候補生の言葉が持つ影響の重さを説く。例え話を用いてようやく危機感を理解させ、「オルトヴィーンやドレヴァンヒェルとの個人的交友を控える」よう約束させた。

謝罪と受諾
事情を確認したシャルロッテは、すぐにハンネローレへ「エーレンフェストとしてドレヴァンヒェルに協力する意思はない」との謝罪オルドナンツを送付。ハンネローレから「意向を確認でき安堵した」との返答を受け取り、側近一同も緊張を解く。

帰還命令と新たな緊急事態
シャルロッテは兄を転移の間へ送り、半ば強制的に領地へ帰還させる。夕食中、ヒルシュールからツェントの命令で翌日の三と半の鐘に「全領地の領主候補生と上級貴族」が講堂に集合するよう通達が届く。ダンケルフェルガーも出席するため、アウブに急ぎ謝罪文作成とヴィルフリートの呼び戻しを依頼。翌朝は寮も領地も大騒ぎになることが予想された。

ツェント一年目の試練

女神降臨の報告と現場状況
貴族院講義後、エグランティーヌは文官から「東屋でハンネローレに時の女神ドレッファングーアが降臨し、ローゼマインを呼んでいる」との報告を受ける。降臨直後、東屋にいたヴィルフリート、ケントリプス、オルトヴィーンは弾き出され、誰も近寄れなくなった。ローゼマインは領地から急ぎ戻る途中で、到着まで待機状態となる。エグランティーヌは自ら現場に赴くのは無作法と判断し、騎士と文官を派遣して監視と報告を指示。

ローゼマインの神界行きとハンネローレの仮死状態
その後の報告で、ローゼマインは女神と共に神々の世界へ赴いたことが判明。ハンネローレは宙に浮いたまま意識を失い、落下を護衛が受け止め、現在はユレーべに浸されている。降臨のきっかけは、別れの挨拶中に持っていた時の女神の魔石が光り、祈りの形となったことだった。女神は「約二十年の歴史が崩壊する」と警告したが詳細は不明。

アレキサンドリアの危機
レティーツィアを呼び出すと、筆頭側仕えリーゼレータから、フェルディナンドが半透明となり意識を失っていること、ローゼマインが救うために神々の世界へ向かった経緯が説明される。エグランティーヌは旧アーレンスバッハ貴族の動きを警戒し、レティーツィアに側近と行動を共にするよう助言。緊急時には自ら後ろ盾になると約束する。

嫁盗りディッターを巡る動き
女神降臨直後から「第二の女神の化身」の嫁入り先を巡る噂が急速に拡大。ジギスヴァルトがコリンツダウムのために他領を扇動し、ディッター参加申し込みが急増していた。エグランティーヌはダンケルフェルガーに事情を確認、嫁盗りディッターは命懸けの戦いであり、申し込まれれば受けるしかないことを知る。ツェントの管理下で貴族院内で実施する案を提示し、了承を得る。

ダンケルフェルガーからの条件
条件として、無関係領地の後援や協力を防ぐこと、違反があれば魔術具威力制限を解除すること、辞退は許可するが結果の責任はダンケルフェルガーに負わせないことなどが示される。エグランティーヌは参加領地削減と監視強化を決定。参加するアウブには次期領主を定めてから臨ませる方針も打ち出す。

歴史資料と時の女神の導き
クラッセンブルクから「時の女神のお導き」で現れた女性に関する問い合わせが届く。エグランティーヌはツェント専用書庫で、その女性がアダルジーザの実=フェルディナンドを救った過去の記録を確認済みで、ローゼマインであると確信しているが秘匿。アナスタージウスと共に「戻れば必ず波風が立つ」と予測しつつも、今は目の前の問題解決を優先することにした。

同シリーズ

ハンネローレの貴族院五年生

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本好きの下剋上 シリーズ

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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第一部「兵士の娘I」
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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第一部「兵士の娘II」
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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第一部「兵士の娘Ⅲ」

神殿の巫女見習い

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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習いⅡ」
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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習いⅢ」
image-14 小説「本好きの下剋上 ハンネローレの貴族院五年生 2」感想・ネタバレ
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習いⅣ」

領主の養女

image-23 小説「本好きの下剋上 ハンネローレの貴族院五年生 2」感想・ネタバレ
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女I」
image-23 小説「本好きの下剋上 ハンネローレの貴族院五年生 2」感想・ネタバレ
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女Ⅱ」
image-27 小説「本好きの下剋上 ハンネローレの貴族院五年生 2」感想・ネタバレ
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女Ⅲ」
image-21 小説「本好きの下剋上 ハンネローレの貴族院五年生 2」感想・ネタバレ
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女Ⅳ」
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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女Ⅴ」

貴族院の自称図書委

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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員I」
image-20 小説「本好きの下剋上 ハンネローレの貴族院五年生 2」感想・ネタバレ
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員Ⅱ」
image-18 小説「本好きの下剋上 ハンネローレの貴族院五年生 2」感想・ネタバレ
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員Ⅲ」
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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員Ⅳ」
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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員Ⅴ」
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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員Ⅵ」
rectangle_large_type_2_6b9b64363608e036bc7ba3658c486c8c 小説「本好きの下剋上 ハンネローレの貴族院五年生 2」感想・ネタバレ
「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員Ⅶ」
image-25 小説「本好きの下剋上 ハンネローレの貴族院五年生 2」感想・ネタバレ
「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員Ⅷ」
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「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員Ⅷ」

女神の化身

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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身 1巻」
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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身 2巻」
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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身 3巻」
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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身7」
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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身8」

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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身9」
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本好きの下剋上 第五部「女神の化身 10巻」
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本好きの下剋上 第五部「女神の化身 11巻 
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本好きの下剋上 第五部「女神の化身 12巻 

その他フィクション

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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