第四部 貴族院の自称図書委員6レビュー
第四部 貴族院の自称図書委員
本好きの下剋上 全巻まとめ
第四部 貴族院の自称図書委員8レビュー
読んだ本のタイトル
本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第四部「貴族院の自称図書委員Ⅶ」
著者:香月美夜 氏
イラスト:椎名優 氏
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これまでのあらすじ
注意:前の巻のをお読みの方は感想からお読み下さい。
中世ヨーロッパ風の世界が舞台。
異世界なのでファンタジー要素もある。
日本で本の虫だった女子大生が、地震で本の下敷きになって死亡。
次に目覚めたらファンタジー世界の門番兵の娘として目覚める。
貧しく、衛生面も最悪。
身体は魔力が大きいせいで貧弱。
さらに彼女の必須アイテム本が高価で手が出ない。
なら創れば良いじゃないかと、、
そんな彼女は幼馴染のルッツと共に紙作りを始める。
でも子供2人ではほとんど何もできない。
そこで、マインが開発した髪を綺麗にするリンシャン。
姉のトゥーリーの為に作った髪飾りの製法を父親の部下のツテから紹介されたべノン商会に売り、それを資金に紙作りの支援を受けて紙の量産体制に入ろうととしたら。
マインの魔力が身体を蝕み瀕死になってしまう。
生き残るためには貴族に隷属するしかない。
それを良しとせず大好きな家族と過ごす事を優先する決意したが、、
初めて神殿に行き、図書館を見付けた瞬間決意を覆して神殿の巫女見習になる事を決意。
でも平民である事がアダとなり、孤児と変わらない灰色巫女見習になる処だったが余りにも高圧的に言う貴族の神殿長にブチギレ、魔力で威圧して昏倒させ灰色巫女見習案は却下。
交代で出て来た神官長と交渉の末、貴族と同じ青色巫女見習として、通いで神殿に入る事が決まる。
第二部「神殿の巫女見習いI 神殿の巫女見習いⅡ 神殿の巫女見習いⅢ 神殿の巫女見習いⅣ」
神官長直属の神殿の青色巫女見習として神殿に通う事になったが、下町との常識が違い過ぎた。
神官長、神殿長から付けられた側仕えとの常識の擦り合わせに苦労する。
さらに神殿に着替える部屋が無いので欲しいと神官長に言ったら、孤児院の院長室を与えられたのだが、、
その孤児院の過酷な飢餓状況を知り、孤児たちに食べ物を自己の力で獲得する事を教え、さらに自身でお金を稼ぐ方法、紙作りを教える。
何気に孤児院の孤児達を本作りに巻き込み、絵を描くのが上手い灰色巫女を側仕えに追加して、遂に絵本を完成させる。
順風満帆と思ったのは束の間、神官長と共に騎士団の要請で赴いたトロンベ討伐の際に、貴族の目の前で貴族達を遥かに超える魔力を持ってる事を知られてしまい、拉致られそうになる。
それを恐れて神殿に籠っていたが、他領の貴族が神殿にまで押し入って来た。
その貴族を手引きしたのは、マインに威圧されて気絶させられた事を恨んでいる神殿長だった。
何とか撃退したのだが、、
平民が貴族を攻撃したと言われて問答無用で拘束されそうになったのだが、、
以前お忍びで来た領主に渡された、養女になる契約の印に印を付けた事によりマインは貴族になっていた。
その結果、実は領主の一族だった神殿長は公文書偽装で極刑。
マインはローゼマインとなり下町の家族と別れて領主の養女となり空席の神殿長に就任する。
第三部「領主の養女I 領主の養女Ⅱ 領主の養女Ⅲ 領主の養女Ⅳ 領主の養女Ⅴ」
貴族令嬢ローゼマインとなったが、いきなり領主の養女にはなれなかった。
上級貴族のカルステッドの第三夫人(故人)の娘という事にして、神殿で密かに育てられていた事にした。
そんな経歴を携えてローゼマインは領主の養女になった。
でも、貴族の世間は神殿とも下町とも違っており特に貴族のご婦人方と上手くやって行けるかは不安材料だったが、、
神官長フェルディナンドをダシにして、お茶会を開催してフェルディナンドの演奏リサイタルを開催。
さらに、フェルディナンドの肖像画を印刷してパンフレットを作成。
結果、貴族のご婦人方の心をガッチリ掴んで貴族社会で確固たる地盤を得る。
そして、貴族として初めての冬。
冬籠りの部屋で一緒になった子供達にマイン工房作の絵本とカルタを与えて無自覚に勉強をさせる。
それは歳上の学院生達よりも神の名前限定だが詳しくさせた、、
さらに、紙でハリセン製造、水汲みポンプ作成、アンゲリカの説教剣(cvフェルディナンド)を作成して領地への貢献も増大して行く。
そんな中、元領主候補で跡目争いの火種になるとして隣の領地に嫁いでいたゲオルギーネが、政変を利用してのし上がり暗躍し始める。
その一手が領地の発展に寄与してるローゼマイン暗殺。
暗殺は未遂に終わったが、ローゼマインは毒を盛られて、たまたま作っていた治療薬を使って治療したが2年間意識不明となってしまう。
そして目覚めたら、、
学院に行く年齢になっていた!
第四部「貴族院の自称図書委員I 貴族院の自称図書委員Ⅱ 貴族院の自称図書委員Ⅲ貴族院の自称図書委員Ⅳ 貴族院の自称図書委員Ⅴ 貴族院の自称図書委員Ⅵ 貴族院の自称図書委員Ⅶ 貴族院の自称図書委員Ⅷ 貴族院の自称図書委員Ⅸ」
学院への入学式、、
見た目が学院に入る前の子供にしか見えないローゼマインは悪目立ちした。
さらに初日で全試験合格と言う快挙を挙げ、その成果でローゼマインの図書館への情熱が暴走して、ウサギ型魔法具が再起動。
その所有権を巡って第一位の領地と模擬戦で争う事になるが罠に嵌めて撃退・・
さらに次期王位を絡めた恋愛話もあり。
ローゼマインは首を突っ込んで王位継承権問題に巻き込まれるが。。。
本人はホクホク顔w
魔道具問題で争った他領の領主候補のハンネローレを本好き友達とロックオン!
貴族院1年生終了。
領主会議で注目が集り順位も13位→10位になる。
これから発展する下町に下水道を整備する大型魔術エントヴィッケルンの発動。
歌って踊って大恋愛をした王子の後釜に学園に入ってきた王子は8歳。
そんな彼に学院を任せないといけないほど、人材不足な王族。
そんな彼はローゼマインをシャルロッテと間違えて無邪気に近付いてしまう。
その王子とハンネローレをお茶会を開いたら目の前で気絶して、王子にトラウマを植え付けて、2年連続で自領に強制送還されてしまう。
2学年終了。
感想
フェルディナンド無双。
マターニスベファレン討伐はローゼマインの自作自演ではないかとの容疑の事情聴取で弁護人として無双。
自作自演と騒いでいるのはあーレンズバッハの教員のみで他の教員は、ローゼマインの神器の再現の方にご執心だったのも一助になっている。
ディッターでは10年来のライバルを相手に魔王の如く無双。
第一位の領地の騎士を相手に無双。
ローゼマインをフェルディナンドの弟子だと言って警戒するのは頷ける。
そして、魔力が増えた事で新たに聖典の謎が勃発、、
読むと、王へと至る??
それが読めるローゼマインとフェルディナンドって・・
その聖典を巡る王家と中央神殿との軋轢が判明。
そして現国王が正規の手続きで国王になってないことも判明。
それを認めない政変負け組の貴族たちが国王を襲撃するテロを学院で起こる。。
それを鎮圧するのもフェルディナンドが無双する。。
もうこの巻はフェルディナンドが主役だ。
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第四部 貴族院の自称図書委員8レビュー
考察・解説
ローゼマインの昏倒
物語におけるローゼマインの昏倒について解説する。図書館でのお茶会の最中に起きた彼女の突然の失神と、それが周囲に与えた影響、そしてその後の対策について描かれている。
王宮図書館への招待と突然の昏倒
図書館でのお茶会の最中、ヒルデブラントの側近であるアルトゥールから王宮図書館への招待の許可を得る方が喜ばれるのではと提案された。
- 新しい本との出会いを渇望していたローゼマインは、喜びと感激のあまり魔力を暴走させ、何の前触れもなく意識を失って倒れてしまった
- 主催者の失神によりお茶会は強制終了となり、リヒャルダの迅速な指示によってヴィルフリートとシャルロッテが呼び出され、ローゼマインは護衛と共に寮へと運ばれていった
王族と他領の学生に与えた衝撃
目の前でローゼマインが倒れたことに、ヒルデブラントとその側近は蒼白になって混乱した。
- ヴィルフリート達が虚弱でよくあることと説明して慰めたものの、ヒルデブラントは虚弱でか弱いローゼマインに何ということをと怒りを露わにした
- 去年のお茶会でもローゼマインの昏倒を目の当たりにしていたハンネローレは、強い衝撃を受けて動揺し、背中に冷たい汗を滲ませていた
- しかし、側仕えのコルドゥラから王族を招くお茶会なので、本調子ではない中、無理を押してお茶会を開催したのでしょうと指摘され、ようやく冷静さを取り戻した
- 報告を受けたダンケルフェルガーのレスティラウトは、そのような虚弱さで、よく領主候補生が務まるなと呆れ、面倒臭そうに頭を掻く反応を見せている
保護者達の危惧と王宮図書館の禁止
貴族院からの報告を受けたフェルディナンドやジルヴェスターら保護者達は、王宮図書館の話題が出ただけで倒れるローゼマインに頭を抱えた。
- 実際に行けば、入る前に倒れたり派手な祝福をしたりと思わぬ厄介事が起きると判断し、ジルヴェスターは彼女が自重を覚えるまでは王宮図書館に行く許可を出さないことを決定した
- ローゼマインはそんな殺生なと嘆いたが、今回の件でヒルデブラント王子達に多大な心労を与え、周囲が後始末に奔走している事実をカルステッドに突きつけられ、項垂れるしかなかった
今後のお茶会対策と魔石のネックレス
これ以上お茶会での昏倒を防ぐため、フェルディナンドはローゼマインに魔石が連なったネックレスを渡し、感情が高ぶって魔石が半分以上染まった時点で気分が悪くて意識を失いそうだと言って途中退席するよう命じた。
- さらに、途中退席後の面倒を見るため、シャルロッテが同席できるお茶会以外は参加しないという条件も付けられた
- ローゼマインは部屋で読書をしていたいと渋ったが、将来の第一夫人として社交経験を積むためにも、この対策を用いてお茶会へ参加し続けることになった
まとめ
ローゼマインの昏倒は、彼女の異常な本への執着と虚弱な体質が引き起こした大惨事である。王族を巻き込む事態となったことで保護者たちを大いに悩ませたが、同時に魔石を用いた退席基準が設けられるなど、彼女が貴族社会で生き抜くための新たな対策が講じられる契機となったエピソードとして描かれている。
図書委員の活動
物語における図書委員の活動について解説する。ローゼマインが集めた仲間たちによる魔力供給の定着や、昔の司書の日誌を通じた図書館業務の把握、そして図書館を支える魔術具の改良など、図書委員としての活動がさらに発展していく様子が描かれている。
図書委員仲間の定着と腕章の受け渡し
図書委員の腕章を付けた者が特別であることが周知され、ハンネローレがシュバルツ達に魔力供給を行う姿が他の学生たちにも問題なく受け入れられた。
- 第三王子のヒルデブラントは、強襲騒ぎによる警戒のため部屋から出られなくなったものの、側近を通じて図書委員の腕章を受け取った
- 彼からは来年の貴族院の始まりを楽しみにしていますと、共に活動することを心待ちにする喜びのオルドナンツが送られてきている
昔の司書の日誌と魔術具の発見
ローゼマインはソランジュから借りた数代前の司書の日誌を読み、昔の図書館業務について学んだ。
- 日誌には、時間を示して光る魔術具、館内を掃除する魔術具、閲覧室内の大きな声を抑える魔術具、古い資料を保存する時を止める魔術具、日光で本が傷まないようにする魔術具など、様々な魔術具の存在が記されていた
- ローゼマインはこれらの魔術具を自身の図書館作りの参考にするとともに、図書館の運営を助けるために魔力消費を抑える改良を思いつく
魔術具の改良とライムントへの課題
ローゼマインは、アーレンスバッハの文官見習いライムントの課題として、図書館の魔術具の省エネ化をフェルディナンドに提案した。
- フェルディナンド、ライムントと共に図書館を訪れ、ソランジュの案内で実際に動きを止めた魔術具を見学した
- ソランジュから日常業務に支障がない重要度の低い魔術具を研究用に借り受け、ライムントが少ない魔力で動かせるように改良を進めることとなった
- また、自ら課題を求めたクラリッサにも無断持ち出し者を捕まえる魔術具の考案が課題として出された
督促業務の現状
返却期限を過ぎた本を回収する督促オルドナンツについて、ヒルデブラントが手伝う予定であったが、彼自身は部屋から出ることを禁じられていた。
- しかし、去年フェルディナンドが協力して送った督促の効果が大きかったため、今年は返本率が非常に良く、新たに督促を送る必要がないほど図書館の運営がスムーズに進んでいることがソランジュから報告された
まとめ
図書委員の活動は、魔力供給という基本的な役割が仲間たちによって定着しただけでなく、図書館を便利にするための魔術具の研究・改良へと広がっている。ローゼマインの本と図書館への情熱が他領の学生や大人たちを巻き込み、図書館の運営をより良くするための具体的な成果を生み出しているのである。
歴史書の現代語訳
物語における「歴史書の現代語訳」について解説する。ローゼマインがダンケルフェルガーから借りた歴史書を翻訳し、エーレンフェストで本にする許可を得ようとしたことで、大領地を巻き込むディッター勝負へと発展する過程が描かれている。
現代語訳の確認依頼とダンケルフェルガーの反応
ローゼマインはハンネローレとのお茶会で、ダンケルフェルガーの歴史書の現代語訳を渡し、内容に間違いがないかの精査と、エーレンフェストで本にする許可をアウブに求めるよう依頼した。
- 報告を受けたレスティラウトが自分が精査すると言い出し、それに反発するクラリッサとの間で対立が起きた
- 側近のケントリプスの提案やコルドゥラの調整により、原稿を半分に分けて前半をアウブへ送り、後半をレスティラウトとハンネローレが寮で確認することになった
アウブ・ダンケルフェルガーの強襲とディッターの申し込み
領地対抗戦の最中、アウブ・ダンケルフェルガーが騎士たちを引き連れてローゼマイン達の席に現れ、突然ディッター勝負を申し込んだ。
- エーレンフェストが勝てば本にすることを許し、ダンケルフェルガーが勝てば原稿をもらって自領で本にするという要求であった
- 原稿を手放すよう促すジルヴェスターに対し、ローゼマインは現代語訳の作成に紙やインク代、側近への手数料を含めて大金貨十八枚ほどの莫大な費用と労力がかかっていることを主張し、大領地を相手に堂々と交渉を行った
販売権を懸けた勝負とその結果
ローゼマインはアウブ・ダンケルフェルガーから写本の販売権を懸けて勝負するという言質を引き出した。
- エーレンフェストが勝てば、今後ダンケルフェルガーから借りた本の写本すべてに関して販売権が適用されることとなり、代わりに印税の一部を支払うという約束を取り付けた
- ダンケルフェルガー側はフェルディナンドとの勝負を望み、ハイスヒッツェが貴重な素材を賭けて挑発したことで、お互いの領主候補生であるローゼマインとハンネローレを宝とするディッター勝負が行われることになった
- 激しい攻防の末、フェルディナンドの知略と実力によってエーレンフェストが勝利を収め、ダンケルフェルガーの歴史書をはじめとする販売の権利を見事に獲得した
まとめ
歴史書の現代語訳は、単なる翻訳作業にとどまらず、エーレンフェストの新しい主要産業である印刷業や出版業を他領へと広げるための重要な布石となっている。ローゼマインの本に対する執念が、大領地のアウブをも動かし、フェルディナンドをディッター勝負に引っ張り出すという波乱万丈なエピソードとして描かれているのである。
魔獣の事情聴取
物語における魔獣の事情聴取について解説する。ターニスベファレンの討伐に関する疑問を解消するため、ローゼマインが中央の騎士団長や神殿長をはじめとする大人たちの尋問を受け、最終的に予期せぬ事態へと発展していく過程が描かれている。
事情聴取の場と出席者
ターニスベファレンの事情聴取のため、ローゼマインは側近を待機させ、一人で中央棟の小広間へと入った。
- 正面には審判役のルーフェン、見届け役のヒルデブラント王子、中央騎士団長ラオブルート、中央神殿の神官長イマヌエルが並んで座っていた
- 左右にはグンドルフやフラウレルムなど、貴族院の教師陣が取り囲むように配置されており、まるで裁判の被告人のような厳しい状況であった
黒の武器と祝詞に関する追及
ルーフェンは、許可された騎士しか使えない黒の武器と同様の効果をもたらす闇の神の祝福を学生に与えた理由を問いただした。
- ローゼマインは、神殿長としてトロンベ討伐に同行した経験から魔力を奪う魔物には闇の神の祝福が必要だと知っていたと説明した
- さらに、フェルディナンドから黒の武器の呪文と闇の神の祝詞は別物だと聞いていると主張し、追及を躱そうとした
- しかし、イマヌエルが中央神殿の聖典にそのような祝詞はないと反論したため、ローゼマインは中央の聖典が欠損しているのではないかと指摘し、場の空気を険悪にさせてしまった
採集場所の再生と魔力や回復薬の差
続いてグンドルフから、通常は青色神官が何人も何日もかけて行う採集場所の再生儀式を、なぜ短時間で完了できたのかという疑問が呈された。
- ローゼマインは、貴族院で最優秀を取った領主候補生である自分の魔力量は、シュタープを持たない青色神官と同列に語れないと説明した
- また、神官たちと違って貴族は回復薬を持っているため、魔力の自然回復を待つ必要がないことを指摘し、教師たちを完全に納得させた
神具の実演と聖典比較への発展
ヒルデブラントから神具を見たいと要望され、ローゼマインはシュタープをフリュートレーネの杖に変形させて見せた。
- その神々しい美しさに教師たちは驚愕し、イマヌエルは強い陶酔を示してローゼマインの神殿育ちという主張の正当性が裏付けられた
- ところが、イマヌエルがなおも中央神殿の聖典の正当性を主張したため、ラオブルートの挑発も相まって、双方の聖典を持ち寄って比較する検証会議を行う案が浮上してしまった
- 事態を穏便に収めようとしたローゼマインの思惑は外れ、エーレンフェストの聖典を確認するために保護者としてフェルディナンドが呼び出されるという、前代未聞の事態へと発展してしまったのである
まとめ
魔獣の事情聴取は、ローゼマインが自身の豊富な知識と機転で大人たちの尋問を乗り切ろうと奮闘する場面である。彼女の非常識とも言える力の一端が論理的に説明されたものの、聖典の記述という新たな火種を生み出し、フェルディナンドを巻き込む検証会議へと繋がる重要な転換点として描かれている。
聖典の魔法陣
物語における聖典の魔法陣について解説する。ローゼマインが神殿長の聖典に浮かび上がった未知の魔法陣を発見し、それがユルゲンシュミットの王位に関わる重大な秘密であると判明する過程が描かれている。
魔法陣の発見と閲覧条件
ローゼマインはアウブの命令で聖典を調べるために神殿へ戻った際、聖典の表紙を開いたところに全属性が関わる複雑な魔法陣と文字が魔力で浮かび上がっているのを発見した。
- この魔法陣はアンゲリカやダームエルには見えず、神殿長の閲覧許可を与えても見えなかった
- 後にフェルディナンドには見えたことから、魔力適性や加護を得た属性、魔力量などに加え、何らかの特別な条件を満たした者にしか見えないことが推測された
王に至る道とグルトリスハイト
魔法陣と共に浮かび上がっていたのは「汝、王となるを望む者」から始まる文章であり、神に祈って魔力を増やし、神々の元に至る道を開くといった、王になるための条件が記されていた。
- フェルディナンドは、この魔法陣と文字が失われた王の証であるグルトリスハイトに至る道を示すものだと推測した
- 初代王は正しい王を選ぶために、自らの血を引く領主達が管理する各地の神殿に、この仕掛けを施した聖典を配ったのだと考えられた
フェルディナンドの危惧と隠蔽
現在の王は政変によって即位したためグルトリスハイトを持っておらず、聖典に書かれた王の条件を満たしていない。
- ローゼマインは平民出身で王の血を引いていないため王族専用の書庫には入れず、王にはなれないとフェルディナンドは断言した
- しかし、真の王となる情報を持つ神殿長が存在することは、現在の王派や聖典原理主義者を刺激し、新たな争乱の種になりかねない
- そのためフェルディナンドは、ローゼマインが簒奪者と見なされて粛清されるのを防ぐべく、魔法陣の存在を他言無用とし、完全に忘れるよう厳命した
聖典検証会議と奉納舞での再出現
その後の聖典検証会議において、中央神殿の聖典とエーレンフェストの聖典が比較されたが、中央の聖典には魔法陣は浮かんでいなかった。
- ラオブルートやヒルデブラントにも魔法陣は見えておらず、フェルディナンドの目論見通り秘密は守られた
- しかし、貴族院の卒業式で行われた奉納舞の際、領主候補生達が祈りを捧げると、舞台に聖典と同じ全属性の魔法陣が浮かび上がった
- ローゼマインはそれに気付いたが、フェルディナンドの指示通り、何も知らないふりをして沈黙を貫いた
まとめ
聖典の魔法陣は、国の根幹を揺るがすグルトリスハイトへの道標である。ローゼマインが意図せず王の条件を満たし魔法陣を発見してしまったことで、フェルディナンドが彼女を政争から守るために事実を隠蔽する緊迫したやり取りが描かれている。同時に、奉納舞で同じ魔法陣が出現するなど、王位を巡る謎がさらに深まる重要なエピソードとなっている。
領地対抗戦
物語における領地対抗戦について解説する。将来の領主会議の予行演習ともなるこの大舞台において、エーレンフェストの学生達の成長と活躍、そして予期せぬ強襲事件に至るまでの激動の展開が描かれている。
領地対抗戦の準備と社交体制
エーレンフェストは領主候補生三人でコース毎の担当を分担し、円滑に準備を進めた。
- 騎士をヴィルフリート、側仕えをシャルロッテ、文官をローゼマインが担当した
- 領地対抗戦における領主候補生の仕事は社交であるため、ヴィルフリートとシャルロッテ、ローゼマインと後見人のフェルディナンドという組み合わせで他領の客に対応することとなった
出版権を懸けたディッター勝負
領地対抗戦の開始直後、アウブ・ダンケルフェルガーが歴史書の現代語訳を賭けて突然ディッター勝負を申し込んできた。
- ローゼマインは原稿作成にかかった莫大な費用を主張し、エーレンフェストが勝てばダンケルフェルガーの本の販売権を得るという条件を引き出した
- ハイスヒッツェの挑発によりフェルディナンドが参戦し、お互いの領主候補生を宝とするディッター勝負が行われた
- フェルディナンドは戦利品のマントを利用した罠や、新武器である水鉄砲を駆使してハイスヒッツェを打ち破り、見事に勝利を収めた
エーレンフェストのディッターと連携の成果
エーレンフェストのディッターでは、フラウレルムが分裂を繰り返す厄介な魔獣フンデルトタイレンを出現させる嫌がらせを行った。
- しかし、レオノーレが即座に対処法を判断し、トラウゴットやコルネリウスに全力攻撃を指示して魔獣を完全に分裂させた
- その後、マティアスの空間把握による的確な指示のもと、ユーディットの正確なナイフ攻撃やレオノーレの網の魔術具を用いて魔獣を迅速に消滅させた
- 初見の魔物にも冷静に対応し、連携や技量が確実に向上している姿は、ジルヴェスターやカルステッドから高く評価された
表彰式の強襲と自爆テロ
全てのディッターが終了し表彰式が始まった直後、観覧席と競技場内で爆発が起こり、ターニスベファレンが出現する強襲事件が発生した。
- 混乱する学生達をローゼマインがシュツェーリアの盾で守り、負傷者に癒しを施して安全を確保した
- フェルディナンドやカルステッド、ダンケルフェルガーの騎士達の参戦により魔獣は討伐された
- その混乱に乗じて、政変で敗れた廃領地の生き残り達が、グルトリスハイトを持たない王を偽者と呼び、自爆テロを仕掛けたが中央騎士団によって阻止された
まとめ
領地対抗戦は、エーレンフェストの学生達が日々の訓練や学習の成果を存分に発揮し、他領からの評価を大きく高めた舞台である。同時に、ダンケルフェルガーとのディッター勝負による出版権の獲得や、王族を狙った大規模なテロ事件への遭遇など、ユルゲンシュミット全体を巻き込む重要な転換点となるエピソードとして描かれている。
貴族院の恋物語
物語における貴族院の恋物語について解説する。エルヴィーラが執筆し、エーレンフェストのハルデンツェルで印刷されているこの本が、他領の女生徒たちを巻き込んで大流行していく様子や、現実の恋愛に与える影響が描かれている。
貴族院での流行と他領の反応
- シャルロッテが主催するお茶会などを通じて、上位領地の女生徒たちの間で貴族院の恋物語の回し読みがかなり流行し始めている
- ダンケルフェルガーのハンネローレやギレッセンマイアーのルーツィンデ、ドレヴァンヒェルのアドルフィーネなど、多くの領主候補生がこの本を楽しんでおり、お茶会での重要な話題となっている
- 読者の好みは様々で、ハンネローレは自領よりも上位の年上女性に振り向いてもらおうと努力を重ねる殿方の話(ジルヴェスターとフロレンツィアの馴れ初めがモデル)を好み、シャルロッテは敗れても諦めずに力を尽くす騎士見習いの話を気に入っている
- 一方で、ドレヴァンヒェルのオルトヴィーンのような男性陣にとっては、恋物語ばかりで読みにくいという評価も受けている
ハルデンツェルの主力産業と情報収集
- 貴族院の恋物語はハルデンツェルの印刷物の中で一番の売り上げを誇っており、同地は恋物語専門の印刷所のようになっている
- 著者のエルヴィーラは他領の恋物語を集めることに非常に熱心であり、さまざまな年代の話を集めて匿名性を増すことで、さらに新しいお話を手に入れやすくしようと目論んでいる
- ローゼマインの側近であるフィリーネ達も、他領の文官見習いからお話を集め、新作のための情報収集と本作りに貢献している
恋物語が与える影響と憧れ
- エルヴィーラは、卒業式のエスコートにおいて他領の殿方を待つ際の不安や心の揺れといった恋愛の機微こそが、物語を楽しくする要素だと語っている
- レオノーレとコルネリウスが時の女神の東屋で逢瀬を重ねる場面でも、貴族院の恋物語が二人の距離を縮めるきっかけとして用いられた
- 作中の遠見の神から隠れたくなった春の女神や闇の神がマントを大きく広げ、光の女神を包み隠すといった表現、そして魔力を重ね合わせる描写に対し、女性たちは現実的ではないと思いつつも強い憧れを抱いており、現実の恋愛模様にも影響を与えている
まとめ
貴族院の恋物語は、エーレンフェストの印刷業における重要な主力商品であると同時に、他領の貴族女性たちとの交流を深めるための強力な社交ツールとして機能している。エルヴィーラの情熱によって作られた物語が少女たちの憧れを掻き立て、貴族院の学生たちの日常に彩りを添えている様子が魅力的に描かれたエピソードである。
第四部 貴族院の自称図書委員6レビュー
第四部 貴族院の自称図書委員
本好きの下剋上 全巻まとめ
第四部 貴族院の自称図書委員8レビュー
登場キャラクター
エーレンフェスト領主一族
ボニファティウス
ローゼマインの祖父である。ローゼマインを溺愛している。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェスト領主一族。
・物語内での具体的な行動や成果
ターニスベファレン討伐におけるローゼマインの貢献を高く評価した。騎士見習いたちの特訓を行っている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ジルヴェスター
エーレンフェストの領主である。ローゼマインの養父である。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェスト領主一族。アウブ・エーレンフェスト。
・物語内での具体的な行動や成果
ローゼマインに聖典を調べるよう命じ、神殿での読書時間を確保させた。アウブ・ダンケルフェルガーとの交渉を牽制した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
フロレンツィア
ジルヴェスターの第一夫人である。ローゼマインの養母である。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェスト領主一族。第一夫人。
・物語内での具体的な行動や成果
ローゼマインの社交上の問題を指摘しつつも、努力と功績を認めて擁護した。領地対抗戦での社交体制を整えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
フェルディナンド
ローゼマインの後見人である。主治医や教育係の役割も担っている。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェスト領主一族。神官長。
・物語内での具体的な行動や成果
聖典検証会議でエーレンフェストの無実を証明した。ハイスヒッツェとのディッター勝負を受け、罠と新しい武器を用いて勝利を収めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ヴィルフリート
ローゼマインの婚約者である。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェスト領主一族。領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
ヒルデブラントが混乱した際に慰めようと努めた。領地対抗戦の準備で騎士見習いたちの最終確認を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ローゼマイン
本を愛する主人公である。図書委員として活動している。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェスト領主一族。領主候補生。神殿長。
・物語内での具体的な行動や成果
ターニスベファレンの討伐でシュツェーリアの盾や癒しを用いた。聖典に浮かび上がった魔法陣と文字を発見した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
聖典原理主義者から中央神殿長にふさわしいと目をつけられている。
シャルロッテ
ローゼマインの妹である。姉を慕っている。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェスト領主一族。領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
ローゼマインが倒れた後の茶会の片付けを指示した。ドレヴァンヒェルとのお茶会でディートリンデの要求を穏便に収めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
メルヒオール
ローゼマインの弟である。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェスト領主一族。
・物語内での具体的な行動や成果
就寝の挨拶に訪れた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
春に洗礼式を控えている。
エーレンフェストの貴族・側近・騎士
カルステッド
エーレンフェストの騎士団長である。ローゼマインの父である。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェストの貴族。騎士団長。
・物語内での具体的な行動や成果
ターニスベファレン討伐でフェルディナンドとともに戦った。騎士見習いたちの戦いぶりを高く評価した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
エルヴィーラ
カルステッドの第一夫人である。恋物語の執筆に熱心である。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェストの貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
他領の恋物語を集めることに意欲を見せた。ハルトムートとクラリッサの馴れ初めを熱心に聞き出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
エックハルト
フェルディナンドの側近である。アンゲリカの婚約者である。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェストの騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
聖典検証会議でフェルディナンドに同行した。ターニスベファレン討伐に参加した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ランプレヒト
ヴィルフリートの護衛騎士である。アウレーリアの夫である。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェストの護衛騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
卒業式でローゼマインの護衛を務めた。過去に母親を貴族院へ呼ばなかったことを後悔した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ユストクス
フェルディナンドの側近である。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェストの側近。
・物語内での具体的な行動や成果
領地対抗戦の準備状況を把握した。ローデリヒの家庭事情について調査し、報告した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
リヒャルダ
ローゼマインの筆頭側仕えである。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの側近。筆頭側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
ローゼマインが倒れた際に迅速に指示を出した。ローデリヒの名捧げに立会人として同席した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ブリュンヒルデ
ローゼマインの側仕え見習いである。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの側近。側仕え見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
ドレヴァンヒェルへのお茶会の打診を行った。ヒルデブラントに腕章を届けるやり取りを担当した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
リーゼレータ
ローゼマインの側仕え見習いである。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの側近。側仕え見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
お茶会でミルクレープに砂糖を振る作業を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ハルトムート
ローゼマインの上級文官見習いである。クラリッサと結婚を約束している。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの側近。上級文官見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
ローデリヒに名捧げの石の作り方を指導した。領地対抗戦に向けて文官見習いたちの責任者を務めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
オティーリエ
ハルトムートの母である。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
城でローゼマインに給仕を行った。ハルトムートの結婚相手について語った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
コルネリウス
ローゼマインの護衛騎士見習いである。レオノーレと恋人関係にある。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの側近。護衛騎士見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
フンデルトタイレン討伐で主力として戦った。卒業式で剣舞を披露した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
レオノーレ
ローゼマインの護衛騎士見習いである。コルネリウスと恋人関係にある。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの側近。護衛騎士見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
フンデルトタイレン討伐でコルネリウスを盾で守りながら戦った。網の魔術具で魔物を消滅させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ユーディット
ローゼマインの護衛騎士見習いである。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの側近。護衛騎士見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
フンデルトタイレン討伐でナイフを投げ、魔物の頭を的確に潰した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
マティアス
エーレンフェストの中級騎士見習いである。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェストの騎士見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
フンデルトタイレン討伐で空間を数字で把握し、的確な指示を出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
トラウゴット
エーレンフェストの騎士見習いである。過去にローゼマインの護衛騎士を辞任している。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェストの騎士見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
フンデルトタイレン討伐でコルネリウスとともに全力攻撃を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ルードルフ
エーレンフェストの騎士見習いである。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェストの騎士見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
フンデルトタイレン討伐でマティアスの指示に従って動いた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ナターリエ
エーレンフェストの騎士見習いである。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェストの騎士見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
フンデルトタイレン討伐でマティアスの指示に従って動いた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ローデリヒ
エーレンフェストの中級文官見習いである。新しい物語を書く能力を持つ。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェストの文官見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
ローゼマインに新しい物語と名捧げの石を捧げた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ローゼマインの側近に召し上げられた。
フィリーネ
ローゼマインの下級文官見習いである。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの側近。下級文官見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
他領から集めた恋物語をローゼマインに提出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
マリアンネ
シャルロッテの文官見習いである。
・所属組織、地位や役職
シャルロッテの側近。文官見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
ドレヴァンヒェルとのお茶会でルーツィンデから本を受け取った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ニコラウス
ローゼマインの異母弟である。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェストの子供。
・物語内での具体的な行動や成果
子供部屋でローゼマインと視線を交わした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
母親の派閥が違うため、側近にしないよう周囲から止められている。
ダームエル
ローゼマインの護衛騎士である。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの側近。下級護衛騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
神殿に戻るローゼマインを騎獣で先導した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
アンゲリカ
ローゼマインの護衛騎士である。エックハルトと婚約している。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの側近。中級護衛騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
神殿に戻るローゼマインを騎獣で先導した。卒業式で護衛を務めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
神殿・下町関係者(エーレンフェスト)
フラン
ローゼマインの神殿における側仕えである。
・所属組織、地位や役職
神殿の側仕え。灰色神官。
・物語内での具体的な行動や成果
神殿でローゼマインを出迎えた。聖典の準備を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ザーム
ローゼマインの神殿における側仕えである。
・所属組織、地位や役職
神殿の側仕え。灰色神官。
・物語内での具体的な行動や成果
神殿でローゼマインを出迎え、フェルディナンドの不在を尋ねた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
モニカ
ローゼマインの神殿における側仕えである。
・所属組織、地位や役職
神殿の側仕え。灰色巫女。
・物語内での具体的な行動や成果
神殿に到着したローゼマインの外套から雪を払った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ニコラ
ローゼマインの神殿における側仕えである。
・所属組織、地位や役職
神殿の側仕え。灰色巫女。
・物語内での具体的な行動や成果
ローゼマインにお茶を淹れた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ギル
ローゼマインの神殿における側仕えである。
・所属組織、地位や役職
神殿の側仕え。灰色神官。
・物語内での具体的な行動や成果
プランタン商会に新しいダルアが入ったことを報告した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
エラ
ローゼマインの専属料理人である。
・所属組織、地位や役職
専属料理人。平民。
・物語内での具体的な行動や成果
ドレヴァンヒェルとのお茶会に向けてミルクレープを作った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
オットー
ギルベルタ商会の関係者である。
・所属組織、地位や役職
ギルベルタ商会。商人。
・物語内での具体的な行動や成果
プランタン商会に入ったクラッセンブルクの娘カーリンの事情を説明した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
コリンナ
ギルベルタ商会の関係者である。
・所属組織、地位や役職
ギルベルタ商会。職人。
・物語内での具体的な行動や成果
春の衣装に使う布を複数用意した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
トゥーリ
ローゼマインの専属の髪飾り職人である。
・所属組織、地位や役職
専属職人。平民。
・物語内での具体的な行動や成果
王族や上位領地からの注文を見越して追加の腕章や春の髪飾りを準備していた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
レオン
ギルベルタ商会の関係者である。
・所属組織、地位や役職
ギルベルタ商会。商人。
・物語内での具体的な行動や成果
春の衣装のための布をテーブルの上に広げた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
テオ
ギルベルタ商会の関係者である。
・所属組織、地位や役職
ギルベルタ商会。商人。
・物語内での具体的な行動や成果
孤児院長室を訪れた商会の一員として名前が挙げられた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
王族・中央関係者
王
現在のユルゲンシュミットを治める王である。
・所属組織、地位や役職
王族。王。
・物語内での具体的な行動や成果
表彰式で挨拶を行った。ターニスベファレン討伐のため黒の武器の使用を許可した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
グルトリスハイトを持たないまま即位したため、一部から偽りの王と呼ばれている。
王の第一夫人
ギレッセンマイアー出身である。
・所属組織、地位や役職
王族。第一夫人。
・物語内での具体的な行動や成果
表彰式で壇上に上がった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ジギスヴァルト
第一王子である。アドルフィーネと結婚を予定している。
・所属組織、地位や役職
王族。第一王子。
・物語内での具体的な行動や成果
アドルフィーネに贈るための髪飾りを注文した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
次期王と定められている。
アナスタージウス
第二王子である。エグランティーヌの婚約者である。
・所属組織、地位や役職
王族。第二王子。
・物語内での具体的な行動や成果
領地対抗戦の襲撃についてエグランティーヌに報告した。彼女を争いに巻き込まないと約束した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
エグランティーヌ
アナスタージウスの婚約者である。平穏を強く望んでいる。
・所属組織、地位や役職
王族。
・物語内での具体的な行動や成果
領地対抗戦での襲撃に恐怖を感じた。政変の完全な終わりと正当な王の誕生を願っている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
オスヴィン
アナスタージウスの筆頭側仕えである。
・所属組織、地位や役職
王族の側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
エグランティーヌとアナスタージウスの語らいの場で咳払いをして牽制した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ヒルデブラント
第三王子である。図書委員の腕章を受け取って喜んでいる。
・所属組織、地位や役職
王族。第三王子。
・物語内での具体的な行動や成果
事情聴取でローゼマインが作り出した神具を見て感嘆した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
アルトゥール
ヒルデブラントの側仕えである。
・所属組織、地位や役職
王族の側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
ローゼマインが倒れた際に混乱するヒルデブラントを落ち着かせた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ラオブルート
中央の騎士団長である。
・所属組織、地位や役職
中央騎士団。騎士団長。
・物語内での具体的な行動や成果
聖典検証会議で中央神殿の聖典の正当性に疑問を投げかけた。開かずの書庫についてソランジュに尋ねた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
イマヌエル
中央神殿の神官長である。
・所属組織、地位や役職
中央神殿。神官長。
・物語内での具体的な行動や成果
事情聴取でローゼマインが作り出したフリュートレーネの杖を見て陶酔した。彼女を中央神殿へ移動させるべきだと主張した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
レリギオン
中央神殿の神殿長である。
・所属組織、地位や役職
中央神殿。神殿長。
・物語内での具体的な行動や成果
聖典検証会議に中央神殿の聖典を持参した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
乳母
エグランティーヌの乳母である。
・所属組織、地位や役職
王族の側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
過去の夜襲の際、エグランティーヌを隠して助けを呼びに行き、命を落とした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
貴族院関係者
ソランジュ
図書館の司書である。
・所属組織、地位や役職
貴族院図書館。司書。
・物語内での具体的な行動や成果
ローゼマインに古い資料を貸し出した。開かずの書庫についてラオブルートに説明した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ソランジュの側仕え
ソランジュに仕える側仕えである。
・所属組織、地位や役職
司書寮の側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
来客のベルの音に応えて執務室の扉を開けに向かった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ルーフェン
ダンケルフェルガー出身の教師である。
・所属組織、地位や役職
貴族院の教師。
・物語内での具体的な行動や成果
ターニスベファレンの事情聴取を取り仕切った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ヒルシュール
エーレンフェストの寮監である。フェルディナンドの師匠にあたる。
・所属組織、地位や役職
貴族院の教師。
・物語内での具体的な行動や成果
事情聴取でローゼマインの隣に立ち、助言を与えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
フラウレルム
アーレンスバッハの寮監である。
・所属組織、地位や役職
貴族院の教師。
・物語内での具体的な行動や成果
事情聴取でローゼマインを非常識だと非難した。ディッターでフンデルトタイレンを出現させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
グンドルフ
ドレヴァンヒェルの寮監である。
・所属組織、地位や役職
貴族院の教師。
・物語内での具体的な行動や成果
ターニスベファレンの被害がエーレンフェストにないことを疑問視した。聖典検証会議を提案した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ダンケルフェルガー関係者
アウブ・ダンケルフェルガー
ダンケルフェルガーの領主である。
・所属組織、地位や役職
ダンケルフェルガー領主一族。アウブ。
・物語内での具体的な行動や成果
歴史書の現代語訳の販売権を賭けてディッター勝負を提案した。ターニスベファレンの襲撃時に中央騎士団への助力を申し出た。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
レスティラウト
ダンケルフェルガーの領主候補生である。ハンネローレの兄である。
・所属組織、地位や役職
ダンケルフェルガー領主一族。領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
お茶会から戻ったハンネローレに報告を求め、歴史書の現代語訳を精査すると述べた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ハンネローレ
ダンケルフェルガーの領主候補生である。
・所属組織、地位や役職
ダンケルフェルガー領主一族。領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
ローゼマインとお茶会で恋物語の感想を語り合った。ディッター勝負に巻き込まれて陣外へ出された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ケントリプス
レスティラウトの側近である。
・所属組織、地位や役職
レスティラウトの文官見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
現代語訳の精査について三日で目を通す妥協案を提案した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
コルドゥラ
ハンネローレの筆頭側仕えである。
・所属組織、地位や役職
ハンネローレの筆頭側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
ローゼマインが倒れた際に冷静な推測を述べた。歴史書の扱いについて調整を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ハイスヒッツェ
ダンケルフェルガーの騎士である。
・所属組織、地位や役職
ダンケルフェルガーの騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
フェルディナンドにディッター勝負を挑んだ。戦闘で猛攻を仕掛けたが、水鉄砲と魔術具によって敗北した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
クラリッサ
ダンケルフェルガーの上級文官見習いである。
・所属組織、地位や役職
ダンケルフェルガーの文官見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
ハルトムートの求婚の課題を達成し、彼と交際を始めた。ローゼマインの側近になるための面接を受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ドレヴァンヒェル関係者
アドルフィーネ
ドレヴァンヒェルの領主候補生である。ジギスヴァルトと結婚予定である。
・所属組織、地位や役職
ドレヴァンヒェル領主一族。領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
お茶会を主催し、ジギスヴァルトから贈られた髪飾りをお披露目した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
オルトヴィーン
ドレヴァンヒェルの領主候補生である。
・所属組織、地位や役職
ドレヴァンヒェル領主一族。領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
ヴィルフリートと実技の成績を競い合った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
クラッセンブルク関係者
アウブ・クラッセンブルク
クラッセンブルクの領主である。
・所属組織、地位や役職
クラッセンブルク領主一族。アウブ。
・物語内での具体的な行動や成果
過去に暗殺の連絡を受けて貴族院の寮まで駆けつけ、エグランティーヌを救った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ギレッセンマイアー関係者
ルーツィンデ
ギレッセンマイアーの領主候補生である。
・所属組織、地位や役職
ギレッセンマイアー領主一族。領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
ドレヴァンヒェルとのお茶会でシュタープに付けた女紋を披露した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ギレッセンマイアーの文官見習い
ギレッセンマイアーの文官見習いである。
・所属組織、地位や役職
ギレッセンマイアーの文官見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
ドレヴァンヒェルとのお茶会でエーレンフェストに本を貸し出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
インメルディンク関係者
インメルディンクの上級貴族
インメルディンクの上級貴族である。
・所属組織、地位や役職
インメルディンクの上級貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
領地の順位変動への妬みからハルトムートを狙って魔石を投げ、ローゼマインのお守りの反撃を受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
アーレンスバッハ関係者
ディートリンデ
アーレンスバッハの領主候補生である。
・所属組織、地位や役職
アーレンスバッハ領主一族。領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
ドレヴァンヒェルとのお茶会で同じような髪飾りが欲しいとローゼマインに要求した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ライムント
アーレンスバッハの中級文官見習いである。フェルディナンドの弟子である。
・所属組織、地位や役職
アーレンスバッハの文官見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
転移陣を省エネ化する課題をフェルディナンドに提出し、添削を受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
魔術具
シュバルツ
貴族院図書館の魔術具である。
・所属組織、地位や役職
貴族院図書館。魔術具。
・物語内での具体的な行動や成果
ローゼマインやハンネローレから魔力供給を受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ヴァイス
貴族院図書館の魔術具である。
・所属組織、地位や役職
貴族院図書館。魔術具。
・物語内での具体的な行動や成果
ローゼマインやハンネローレから魔力供給を受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
第四部 貴族院の自称図書委員6レビュー
第四部 貴族院の自称図書委員
本好きの下剋上 全巻まとめ
第四部 貴族院の自称図書委員8レビュー
展開まとめ
プロローグ
ローゼマインの突然の昏倒とお茶会の中断
図書館でのお茶会の最中、ローゼマインが何の前触れもなく意識を失って倒れたことで、会は強制的に終了となった。主催者の失神により場は騒然となり、リヒャルダは迅速にヴィルフリートとシャルロッテを呼び出して後始末を指示し、自らは護衛と共にローゼマインを寮へ運んだ。
ヒルデブラントの動揺と周囲の対応
ヒルデブラントは突然の事態に強い衝撃を受け、側仕えアルトゥールに状況を問うも、明確な説明は得られなかった。ヴィルフリートとシャルロッテはローゼマインの虚弱体質によるものだと説明して慰めようとしたが、それは逆に王子の怒りを招いた。アルトゥールは場を収めるため退室を促し、王族としての対応を優先させた。
ハンネローレの動揺と冷静化
ハンネローレは過去にも同様の場面を経験しており、今回も強い衝撃で動揺していたが、側仕えコルドゥラの指摘により徐々に冷静さを取り戻した。ローゼマインが体調不良のまま無理をしていた可能性に気付き、周囲の片付けの様子を見て退室を決断した。
寮での報告と疲労の表面化
寮へ戻ったハンネローレは、ヴィルフリートから正式な説明を受けた後、緊張の反動で強い疲労を感じた。しかしすぐに兄レスティラウトから報告を求められ、休息の暇もなく会議室へ向かうこととなった。
お茶会の内容報告と判断の選択
ハンネローレは文官見習いの記録を基に、お茶会での経緯を説明した。図書委員としての役割や魔術具への魔力供給、歴史書の現代語訳の受領などを報告する中で、ヒルデブラントへの依頼に関する件は意図的に伏せた。ローゼマインの昏倒は記録上も極めて唐突であり、原因は不明とされた。
歴史書を巡る対立と調整
預かった歴史書の扱いを巡り、レスティラウトとクラリッサが対立した。ケントリプスの提案により一部を領地へ送り、残りを確認する方針が示され、コルドゥラの調整によって事態は収束した。さらにクラリッサには別の形で貢献する道が示され、場の混乱は収まった。
ローゼマインの体調への認識と評価
報告を受けたレスティラウトはローゼマインの虚弱さに疑問を呈したが、ハンネローレは体調不良の中で無理をしていた可能性を説明した。最終的に報告は受理され、一同は解散となった。
その後の経過と安堵
寮に戻ったハンネローレは側近達から後日談を聞き、王族命令による無理な拘束が回避されたことに安堵した。数日後、ローゼマインの意識回復と帰還の報告が届き、事態は一応の収束を見た。
帰還後のお話し合い
ローゼマインの帰還とコルネリウスの逃走
ローゼマインは貴族院からエーレンフェストへ帰還し、アンゲリカとダームエルに迎えられた。護衛を引き継いだコルネリウスはすぐ貴族院へ戻ろうとしたが、エルヴィーラに大事な話を促され、婚約相手に関する追及から逃げるように転移陣へ戻った。
保護者達の出迎えと執務室への呼び出し
ローゼマインはボニファティウスから講義を早く終えたことを褒められ、ターニスベファレン討伐の話を夕食で聞かせるよう求められた。その後、疲れた様子のジルヴェスターから着替え後に執務室へ来るよう命じられ、ローゼマインは領主執務室へ向かった。
報告書の認識違いと指導
執務室では、ジルヴェスター、カルステッド、フェルディナンドが待っていた。フェルディナンドは、ローゼマインの貴族院報告書が日記のようになっていることを問題視し、今後は成績向上、流行発信、図書委員活動を重要事業として扱い、印刷業と同じように報告書を書くよう指導した。
王族への接し方を巡る叱責
ローゼマインは、ヒルデブラントに腕章を贈る約束をしたこと、図書委員の協力者として登録したこと、督促の仕事を振ったことを指摘された。本人は図書委員仲間として自然に仕事を分担したつもりだったが、保護者達は王族との立場の違いを理解していない点を問題視した。
ローゼマインの美点と危うさ
フェルディナンドは、ローゼマインが相手の欲するものを的確に読み取る点は美点であると認めた。しかし周囲の立場や政治的影響を考慮しないため、王族や上位領地を巻き込むとエーレンフェストの立場が不安定になると指摘した。
王宮図書館への執着と禁止
ローゼマインは、ヒルデブラントと親しくなって王宮図書館へ行く許可を得るつもりであるため、王族と関わらない約束はできないと告げた。ジルヴェスター達は、倒れる危険や厄介事を理由に、ローゼマインが自重を覚えるまでは王宮図書館への立ち入りを許可しないと断じた。
ターニスベファレン討伐の再確認
保護者達は、ヴィルフリート、シャルロッテ、ハルトムートの報告内容が食い違っていたため、ローゼマイン本人に討伐の経緯を説明させた。ローゼマインは闇の神の祝福を与えるために戦地へ向かったこと、攻撃が当たらず神具のマントを使ったこと、採集場所を再生したことを報告した。
黒の武器と祝詞の違い
ルーフェンからの事情聴取について話す中で、フェルディナンドは黒の武器の呪文とローゼマインの祝詞は別物だと説明した。黒の武器の呪文は過去に他領侵攻へ悪用されたため貴族院で教えられなくなり、現在は騎士団で認められた騎士にのみ教えられるものになっていた。
採集場所の再生と魔法陣の発見
ローゼマインは、ハルトムートが描き写した採集場所再生時の魔法陣をフェルディナンドに渡した。フェルディナンドはそれが採集場所を成立させるための複雑な魔法陣であると見抜き、ローゼマインの魔力で育った素材を研究するため、採集場所の素材を送るよう指示した。
帰還後の方針決定
保護者達は大きく怒るよりも疲弊しており、ローゼマインへの説教は比較的控えめに終わった。最終的に、王族との接触を減らすため、奉納式が終わった頃に貴族院へ戻す方針が示された。ローゼマインは社交ばかりで図書館に行けないなら戻る意味が薄いと感じ、思うようにいかない状況に溜息を吐いた。
夕食とお茶会
ハルトムートへの手紙とオティーリエの心配
ローゼマインは、再生した採集場所の素材採集を依頼するため、ハルトムート宛の手紙をオティーリエに託した。オティーリエは貴族院での息子の様子を心配したが、ローゼマインはハルトムートが情報収集や根回し、報告書作成に励み、楽しく過ごしていると伝えて安心させた。
夕食で語られたターニスベファレン討伐
夕食の席で、ローゼマインはボニファティウスにターニスベファレン討伐の経緯を語った。ローデリヒの報告からレオノーレが魔獣の正体に気付き、ローゼマインは闇の神の祝福を与えるために出発した。現場ではマティアス達やヴィルフリート達が時間稼ぎをしており、トラウゴットの攻撃によって魔獣が巨大化していたことも説明された。
トラウゴットへの評価と視野の狭さ
ローゼマインは情報不足だったトラウゴットを庇おうとしたが、カルステッドはそれを否定した。マティアス達が攻撃せず時間稼ぎをしていた状況を見抜けなかった点が問題であり、死人が出ていても同じことを言えるのかと指摘した。ローゼマインは反論できず、周囲の対応がうまくいっただけだったと受け止めた。
ローゼマインの攻撃と貢献の認識違い
ローゼマインは水鉄砲の攻撃が当たらなかったことを失敗として語ったが、フェルディナンドは、魔力を撃ち出す武器である以上、ターニスベファレンが最も警戒して当然だと説明した。ボニファティウスも、注意を引きつけて他の者の攻撃機会を作ったなら十分な貢献であると褒めた。
闇の神のマントと神具の扱い
ローゼマインは水鉄砲を闇の神のマントに変えて魔獣の視界を覆ったことを話した。カルステッドは黒の武器は一度変化させると形を変えられないと驚き、フェルディナンドは呪文と祝福の違いかもしれないと考えた。一方で、闇の神のマントは最後の手段であり、目隠しのために使うものではないとローゼマインは叱られた。
貢献度の考え方と騎士見習いへの課題
ローゼマインは貢献度をダメージ量で決めるものだと思っていたが、ボニファティウスはその考えを否定した。魔獣の正体を判断したレオノーレと、戦う手段を与えたローゼマインこそ大きく貢献していたとされた。攻撃だけを評価する考え方はトラウゴットのような功を焦る者を生むため、騎士見習い達には改めて教育が必要だと判断された。
フロレンツィアの擁護と社交への期待
数日後、ローゼマインはフロレンツィアとエルヴィーラとのお茶会に臨んだ。フロレンツィアは、ローゼマインには学ぶべき社交上の問題がある一方で、成績向上や流行発信、上位領地との交流といった功績も認めるべきだと語った。さらに、貴族院で友人を作ることの大切さを説き、ローゼマインに努力を促した。
エルヴィーラの嫁問題とアウレーリアの懐妊
エルヴィーラは、アンゲリカが結婚や社交に関心を持たないこと、アウレーリアも社交の場に出すのが難しいことを愚痴った。その流れで、アウレーリアが懐妊したことが明かされた。ローゼマインは祝福の準備を考えて喜んだが、貴族の妊娠には魔力供給や流産の危険が伴うと聞き、貴族社会の厳しさに衝撃を受けた。
コルネリウスとレオノーレの関係
フロレンツィアは、コルネリウスの相手がレオノーレであると明かした。ローゼマインは全く気付いておらず、二人が周囲に伏せていたことを知った。コルネリウスは、ローゼマインに知られると冷やかされたり任務で一緒にされたりすると警戒しており、レオノーレの居心地を守るためにも卒業間際まで隠すつもりであった。
恋物語と他領の話集め
ローゼマインは、ハンネローレに恋愛重視の騎士物語が好評だったことや、ダンケルフェルガーの恋物語を買い取る話をした。エルヴィーラは他領の物語が集まることを喜び、匿名性が高まればさらに多くの話を集めやすくなると考えた。貴族院の恋物語はハルデンツェルの印刷物の中で最も売れていた。
ハルデンツェルの奇跡と面会依頼
冬の社交界では、ハルデンツェルの奇跡が話題になっていた。ローゼマインが聖典の記述から歌い手の性別を指摘し、ギーベ・ハルデンツェルが儀式を改めた結果、雪解けが早まり収穫量が大きく増えたためであった。だがローゼマインは、自分が奇跡を起こしたのではなく、ハルデンツェルの人々が古い儀式を守っていた成果だとして、面会依頼を断るよう求めた。
儀式の歌詞の印刷と新作恋物語
ローゼマインは、ハルデンツェルが儀式に使う歌詞を印刷して他のギーベに売ればよいと提案した。長く守られてきた貴重な情報には相応の価値があると考えたためである。その後、エルヴィーラから新作恋物語を受け取り、部屋で読んだローゼマインは、その中にダームエルとブリギッテを思わせる悲恋物語を見つけた。
養父様の命令
城での単調な生活と側近選びの必要性
ローゼマインは城での生活を送り、午前中は子供部屋へ通いながら読書や執筆、フェシュピールの練習、軽い運動をしていた。周囲の子供達とは勉強面でも体力面でも差が大きく、一人で過ごすことが多かったが、リヒャルダは側近候補を見極めるためにも子供部屋で交流する必要があると説いた。
側近候補不足と兼用案の却下
ローゼマインは卒業する側近が多いことを受け、メルヒオールの側近候補を貴族院にいる間だけ兼用する案をジルヴェスターに提案した。しかし、ジルヴェスターはローゼマインが将来エーレンフェストに残り、領主の第一夫人となる立場であるため、自分を支える側近を選んで育てる必要があるとして、その案を却下した。
貴族院からの報告と新たな恋物語
午後は領主執務室で報告書の確認や返事を書き、ジルヴェスターの仕事を手伝う日々が続いた。ハルトムートの報告書にはダンケルフェルガーの恋愛話が添えられており、ローゼマインはその早さと有能さに喜んだ。シャルロッテの報告には、一年生の座学終了や実技での苦戦が書かれており、ローゼマインは女紋を広める提案を返した。
シャルロッテへの王族注文とギルベルタ商会への連絡
シャルロッテの報告書には、第一王子ジギスヴァルトがアドルフィーネに贈る髪飾りを注文する予定であることが記されていた。ローゼマインはブリュンヒルデを同行させ、衣装の色や好みの花を確認するよう助言したうえで、ギルベルタ商会へ魔術具の手紙を送り、王族注文への準備を急がせた。
王族注文への不満と専属職人への信頼
ローゼマインは、王族からの注文がまた急に入ったことを職人に申し訳なく思った。ジルヴェスターは、第二王子がクラッセンブルクへ髪飾りを贈った時点で予測できたはずだと指摘したが、ローゼマインにはそこまで見通せていなかった。最終的に、ローゼマインは自分の専属であるトゥーリならば大丈夫だと信じることにした。
ギーベ達の面会依頼と神事の舞台問題
ジルヴェスターは人払いをしたうえで、ハルデンツェルの奇跡に関連して、どうしてもローゼマインに面会したいギーベがいると明かした。その中には、古い神事の舞台を壊してしまった土地もあり、舞台を作り直せないか神殿長に相談したいという要望があった。ローゼマインは、神事の舞台を壊したことに呆れ、自業自得だと考えた。
聖典研究という建前と読書時間の確保
ローゼマインは、聖典に舞台の作り方や魔法陣は載っておらず、自分に答えられることはないと説明した。ジルヴェスターはそれを承知したうえで、ギーベからの要請とアウブの命令により、ローゼマインが神殿で聖典を調べるという建前を与えた。これにより、ローゼマインは静養名目で神殿へ戻り、読書時間を確保できることになった。
聖典を調べる
神殿への帰還と読書時間の確保
ローゼマインはジルヴェスターの命令により、ハルデンツェルの奇跡に関する聖典調査を名目として神殿へ戻った。実際には静養と読書時間の確保が目的であり、ローゼマインはダンケルフェルガーの本やソランジュから借りた資料を抱えて喜んでいた。
神殿での出迎えとプランタン商会の報告
神殿ではフラン達がローゼマインを出迎えた。神殿長室で報告を受ける中、ギルはプランタン商会にクラッセンブルクの商人の娘がダルアとして入ったため、しばらく店に立ち入らないよう言われていると伝えた。ローゼマインはその事情に不安を覚えた。
聖典に現れた異変
ローゼマインが神殿長の聖典を開くと、これまで見えなかった魔法陣と魔力で書かれた文字が浮かび上がっていた。アンゲリカやダームエルに閲覧許可を出しても、二人には通常の文字しか見えず、魔法陣は見えなかった。ローゼマインは原因がわからず、フェルディナンドに相談すべきだと判断した。
王に至る道の記述
浮かび上がった文字には、王となることを望む者が神に祈り、魔力を高め、神々に至る道を開き、王として必要な力と知識を得る流れが記されていた。ローゼマインは自分には王になる気がないため深く考えず、ハルデンツェルの儀式に関係する部分を確認したが、舞台の作り方は載っていなかった。
司書資料への没頭とフェルディナンドの呼び出し
ローゼマインは午後からソランジュに借りた古い司書の報告書を読み、貴族院図書館の魔術具や司書の仕事に夢中になった。その最中、フェルディナンドから、ジルヴェスターの監視役であるはずのローゼマインがどこにいるのか問うオルドナンツが届いた。ローゼマインはジルヴェスターに神殿へ戻されたことがフェルディナンドの怒りを招くと悟り、聖典の異変を口実にフェルディナンドを神殿へ呼び戻した。
フェルディナンドの確認と隠し部屋への移動
神殿に到着したフェルディナンドは聖典を確認し、ユストクスには見えない魔法陣と文字が自分には見えていることを察した。彼はこの件が大っぴらに話すべきものではないと判断し、ローゼマインを隠し部屋の工房へ連れて入った。
王を望むかという問い
フェルディナンドは、聖典に浮かぶ汝、王となるを望む者という文言を踏まえ、ローゼマインが王になることを望むのかと厳しく問うた。ローゼマインは、自分が望むのは本を読むことだけであり、王など望まないと答えた。フェルディナンドはその答えを聞き、聖典の異変を見なかったことにするよう命じた。
グルトリスハイトと現王の正当性
フェルディナンドは、現在の王が聖典に書かれた条件を満たしていないことを説明した。政変により前王のグルトリスハイトの写本が失われ、初代のグルトリスハイトの所在も不明となっていたため、現王は本来の王の証を持たずに即位していた。この情報を公にすれば中央神殿の聖典原理主義者を刺激し、ローゼマイン自身も危険に晒されるとされた。
ローゼマインに王資格がない理由
ローゼマインは、自分が王となる条件を満たしているのかと尋ねた。フェルディナンドは、全属性で魔力量も多く、よく祈っているため素質はあるかもしれないが、元平民で王の血を引いていないため王にはなれないと説明した。ローゼマインは王族しか入れない書庫に入れず、グルトリスハイトを読めないことに強く落胆した。
聖典の存在意義と初代王の意図
フェルディナンドは、神殿長が王の子であった時代ならば、聖典がグルトリスハイトに至る道を示す役割を果たしたのではないかと推測した。各地の領主家も王族と婚姻関係を結んでいたため、王の血を引く者の中から強い王を選ぶために聖典が配られた可能性があると考えられた。
秘密の封印と争乱の危険
フェルディナンドは、神に選ばれた真の王に関わる情報を持つ領主候補生であり聖女と呼ばれるローゼマインは、周囲から簒奪者に見える危険があると警告した。第一王子が次期王と定められた今、この情報は争乱の種にしかならないため、聖典に浮かんだ魔法陣と文字のことは決して漏らしてはならないと念を押した。
余計な一言による説教
フェルディナンドは、ローゼマインに新しい本でも読んで聖典のことを忘れるよう促した。ローゼマインは緊急事態として呼んだのは怒られたくなかったためで、本当は読書後に報告するつもりだったと口を滑らせた。その結果、フェルディナンドの怒りを買い、結局ローゼマインだけが長々と説教を受けることになった。
ジルヴェスターの本当の行動
フェルディナンドにサボりだと思われていたジルヴェスターは、実際には領主しか入れない書庫で儀式の舞台に関する資料を探していた。ローゼマインは、それを知っていれば神殿へ戻らずジルヴェスターに張り付いていたのにと悔しがった。
冬の神殿生活
神殿での読書生活とダンケルフェルガーの本
ローゼマインは領主命令で聖典を調べているという体裁のまま神殿に残り、読書に精を出していた。ハンネローレから借りた本には、ダンケルフェルガーの魔物討伐が神々を称える詩と共に壮大に記されており、ローゼマインはその土地柄がディッター好きであることを実感した。
クラリッサの恋愛話とダンケルフェルガー男子
ハルトムートが預かってきたクラリッサの恋愛話も読んだ。そこには、女性に課題を出された騎士が勝つまで戦い、魔獣の魔石を捧げるという、ダンケルフェルガーらしい愛情表現が描かれていた。ローゼマインは、策士の女性に振り回されながらも想いを貫く騎士の健気さを感じ取った。
フェルディナンドの帰還とシャルロッテへの返事
社交を終えたフェルディナンドが神殿に戻り、貴族院から届いたギルベルタ商会への注文書とシャルロッテの質問書をローゼマインに渡した。シャルロッテはハンネローレから貴族院の恋物語を友人に貸してよいか尋ねられており、ローゼマインは貸し出しを許可し、さらに恋物語の聞き取りも依頼した。
ギルベルタ商会への注文準備
ブリュンヒルデがまとめた髪飾りの注文書は詳細であり、ローゼマインはギルベルタ商会が準備しやすいよう、早めに渡すことにした。春の衣装も注文する予定であり、ローゼマインは久しぶりにトゥーリと会えることを楽しみにしていた。
昼食での研究談義と転移陣の提案
フェルディナンドが工房に籠もり、ローゼマインも本から離れないため、側仕え達の要請で二人は昼食を共にすることになった。昼食では、ライムントの研究や魔力を節約した小型転移陣の話題が出た。ローゼマインは将来的な納本制度や本の流通、魔力を持つ灰色神官の職づくりを見据え、本を数冊運べる転移陣を作れないか提案した。
ギルベルタ商会との面会
吹雪が少し収まった午後、オットー、コリンナ、テオ、レオン、トゥーリが孤児院長室を訪れた。王族からの髪飾り注文については、ローゼマインが先に知らせたことで準備が進んでいた。さらにトゥーリは追加の腕章を三つも作っており、王族や上位領地からの注文を見越して髪飾りの案も準備していた。
春の髪飾りとエーファの布の選定
トゥーリはローゼマインのために、若葉を思わせる春の髪飾りも作っていた。コリンナはそれに合う布を複数用意し、ローゼマインはトゥーリの反応を見ながらエーファが染めた布を選び出した。その布を春の衣装に使うことを決め、染めた職人にルネッサンスの称号を与えると告げた。
クラッセンブルクのダルア、カーリンの事情
ローゼマインは、プランタン商会に入ったクラッセンブルクの商人の娘カーリンについて尋ねた。クラッセンブルクの商人はエーレンフェストの商機を見込み、プランタン商会との繋がりを得るため、ベンノとの結婚話を持ちかけた。しかしベンノが断ると、父親はカーリンを宿に置き去りにして帰った。
ベンノとカーリンの攻防
カーリンは父を追って戻ろうとしたが、オットーやベンノ、ギルド長の話し合いにより、来年の夏までプランタン商会のダルアとして住み込むことになった。ベンノは情報を守るために警戒し、カーリンはベンノの嫁を目指して情報を得ようとしていた。コリンナは、二人のやり取りから気が合っているようにも見えると語った。
情報流出への警戒とベンノの覚悟
ローゼマインは、大領地クラッセンブルクの商人であるカーリンが自然に情報を得ることを心配した。オットーは、最悪の場合はカーリンを消してでも情報を守る覚悟でベンノが引き受けていると伝えた。ローゼマインはベンノの覚悟を理解し、カーリンの件はベンノに任せることにした。
城でのあれこれ
奉納式後の城への帰還
ローゼマインは奉納式を終え、神殿での読書生活を切り上げて城へ戻った。すぐに貴族院へ戻り、ハンネローレと本の感想を語り合いたいと望んだが、フェルディナンドから確認事項が多いとして止められた。
コルネリウスとレオノーレの関係確認
城ではコルネリウスとレオノーレが出迎え、ローゼマインは二人の関係を改めて確認した。コルネリウスは淡々と挨拶が終わったことを告げ、ローゼマインは自分だけ知らされていなかったことに不満を覚えたが、ダームエルの引きつった笑顔を見て気持ちを落ち着かせた。
貴族院の近況報告と恋物語の流行
コルネリウスとレオノーレは、シャルロッテを中心にお茶会が開かれ、貴族院の恋物語が上位領地の女生徒の間で流行し始めていると報告した。ローゼマインはすぐに戻って語り合いたがったが、また倒れると側近に迷惑がかかるとして止められた。
メルヒオールの洗礼式と舞台資料
夕食では、メルヒオールの洗礼式について話し合われた。ローゼマインは、ジルヴェスターが調べていた祈念式の舞台資料について尋ねたが、見つかったのは魔法陣の記述だけで、舞台そのものの資料はまだ不明だった。領主しか入れない資料室に興味を示したローゼマインは、領主になろうと考えたことをフェルディナンドに見抜かれた。
水鉄砲の威力確認
翌日、ローゼマインは騎士団の訓練場で水鉄砲の威力を披露した。玩具として撃つだけなら弱いが、武器として意識すると魔力の矢を撃ち出せることを示した。ボニファティウス達は感嘆し、フェルディナンドは構造を研究対象として観察した。
水鉄砲の再現と見た目問題
フェルディナンドは水鉄砲を再現し、ローゼマインよりも強力な魔力の矢を撃ち出した。しかし、半透明の玩具のような見た目がフェルディナンドに似合わないため、ローゼマインは使わないでほしいと訴えた。その後、フェルディナンドは黒く大きい銃らしい形へ改良したが、ローゼマイン自身は元の半透明の形から変えられなかった。
シュタープ変形の限界
水鉄砲の由来を問われたローゼマインは、日本語で呟いたら変化したこと、コピー機や印刷機やはさみは変化しなかったことを説明した。フェルディナンドは、既存の物には別の呪文があり、存在しない物を再現するには構造や働きを明確に思い浮かべる必要があると説明した。ローゼマインはコピー機を再現できないと知り落胆した。
ローデリヒの住まいと家族問題
城での生活の中、ローデリヒが名を捧げた後の扱いについても話し合われた。ユストクスの調査により、ローデリヒは白い塔の一件以降、親との関係が悪化しているとわかった。ローゼマインは詳しい事情を聞き出すことを避け、名を捧げられた後は騎士寮の一室を与えて親と距離を置かせることにした。
冬の主と北の離れでの滞在
貴族院へ戻る前日に冬の主が現れ、ローゼマインは騎士団へ武勇の神アングリーフの祝福を与えた後、北の離れに籠もった。そこでオティーリエから、ハルトムートが複数の女性と浅く広く付き合って情報を集めているらしいと聞き、ローゼマインは刃傷沙汰にならないか心配した。
貴族院への渋々の帰還
冬の主の討伐後、ローゼマインは貴族院へ戻る日を迎えた。図書館にも行きづらく、ハンネローレとのお茶会も禁止され、ターニスベファレンの尋問会やドレヴァンヒェルとのお茶会が待っているため、戻る気力は低かった。フェルディナンドに促され、ローゼマインは仕方なく転移陣に乗って貴族院へ戻った。
ターニスベファレンの事情聴取
貴族院への帰還と側近達からの報告
ローゼマインは貴族院へ戻り、側近達から留守中の報告を受けた。シャルロッテが複数のお茶会に出席し、エーレンフェストの菓子や髪飾りに加え、貴族院の恋物語も上位領地の女生徒達の間で話題になっていた。フィリーネ達は他領から恋物語を集めており、ローゼマインは自室で査定と本作りに励む建前を得た。
シャルロッテの社交成果と本の貸し借り
シャルロッテは、ハンネローレやアドルフィーネの紹介により、いくつかの領地との繋がりを築いていた。ローゼマインはハルデンツェルの本を貸す代わりに、相手領地からも本を借りるべきだと助言した。ギレッセンマイアーに本を無担保で貸していたことも判明し、シャルロッテは慌てて連絡を取ることになった。
読書生活と事情聴取の通知
ローゼマインは部屋に籠もり、集められたお話の査定や原稿化、借りた本や資料の読書に没頭した。お茶会の招待はシャルロッテに回し、自分は本作りに専念する建前を押し出したが、リヒャルダから外に出るよう苦言を受けた。やがてヒルシュールから、ターニスベファレンの事情聴取の日取りが決まったという連絡が届いた。
事情聴取の場と出席者
事情聴取は中央棟の小広間で行われた。ローゼマインは側近を待機させ、一人で中に入り、ヒルシュールの隣で説明を受けた。正面にはルーフェン、ヒルデブラント、中央騎士団長ラオブルート、中央神殿の神官長イマヌエルが並び、周囲には貴族院の教師達が座っていた。
黒の武器と祝詞を巡る説明
ルーフェンは、黒の武器が限られた領地の騎士にしか許されていないにもかかわらず、ローゼマインが学生達に闇の神の祝福を与えた点を問うた。ローゼマインは、神殿長としてトロンベ討伐に同行しており、魔力を奪う魔物には闇の神の祝福が必要だと知っていたと説明した。さらに、フェルディナンドから黒の武器の呪文と祝詞は別物だと聞いていると述べた。
中央神殿の聖典への疑義
イマヌエルは、中央神殿の聖典には黒の武器を作るような祝詞は載っていないと主張した。ローゼマインは、自分の聖典には載っているため、中央神殿の聖典が欠損しているのではないかと返した。これにより、中央神殿の聖典の正当性を巡る空気が一気に険しくなった。
採集場所再生の理由と魔力量の差
グンドルフは、ターニスベファレンに荒らされた採集場所を短時間で再生した方法を問うた。ローゼマインは、青色神官や青色巫女と、貴族院で最優秀を取った領主候補生である自分の魔力量は同列に語れないと説明した。さらに、貴族は回復薬を持っているため、神官達のように自然回復を待つ必要がないと述べ、教師達を納得させた。
神具の実演とイマヌエルの反応
ヒルデブラントが神具を見たいと望んだため、ローゼマインはフリュートレーネの杖をシュタープで作り出して見せた。教師達は驚き、中央神殿の神官長イマヌエルは強い陶酔を示した。神具の再現により、ローゼマインが神殿育ちとして神具を身近に扱っているという説明の正当性は認められた。
聖典比較の流れと危険な展開
イマヌエルはなおも、中央神殿の聖典に欠損があるはずがないと主張した。ローゼマインは、適当な加筆で闇の神の祝福が得られるのかと反論し、ラオブルートは中央神殿よりエーレンフェスト神殿の方が優秀なのではないかと挑発した。その結果、グンドルフが中央神殿とエーレンフェストの聖典を持ち寄って比較する案を出し、教師達も乗り気になった。
フェルディナンド呼び出しの決定
ローゼマインは聖典の魔法陣と文字の件を隠すため、比較会議を避けようとしたが、流れを止められなかった。最終的に、エーレンフェストの聖典を確認するため、貴族と神殿の両方に詳しいフェルディナンドを呼ぶことになった。ルーフェンは黒の呪文と祝詞の違いについても聞きたいとし、招待状をローゼマインに渡した。
保護者呼び出しへの衝撃
寮へ戻ったローゼマインは、事情聴取の経緯をヴィルフリート達に報告した。フェルディナンドが呼び出されると知ったヴィルフリートは、保護者呼び出し自体が珍事であると驚いた。ローゼマインは報告書と招待状をエーレンフェストへ送り、読書時間が失われることを嘆きながら、保護者呼び出しを受けた領主候補生となった。
聖典検証会議
フェルディナンドの来訪と寮内の指示
会議前日、フェルディナンドはユストクスやエックハルトを伴って貴族院の寮へ来た。彼はヴィルフリートとシャルロッテに、今回の呼び出しはターニスベファレン関連であり、後始末は自分が引き受けるため、二人は寮の取りまとめと社交に専念するよう指示した。
側近を退けた内密の打ち合わせ
フェルディナンドはローゼマインと聖典に関する話をするため、側近達を部屋から出そうとした。リヒャルダは二人きりを避けるべきだと反対したため、最終的にエックハルトとコルネリウスだけが同席を許された。フェルディナンドは盗聴防止の魔術具を使い、聖典の魔法陣について口を滑らせないようローゼマインに注意した。
会議への方針確認
フェルディナンドは、今回の目的は中央神殿の聖典を検証することではなく、エーレンフェストの学生達が王の定めを破っていないことを証明することだと整理した。ローゼマインには余計なことを言わず、自分に任せるよう言い含めた。
会議開始と目的の修正
翌日、中央神殿の神殿長レリギオンも参加して聖典検証会議が始まった。ラオブルートは中央神殿の聖典に欠損がないか確認すると述べたが、フェルディナンドは招待状の目的と違うと異議を唱えた。その結果、会議の目的はエーレンフェストが王の定めを破っていないことの証明へ戻された。
神殿長の聖典の閲覧制限
フェルディナンドはエーレンフェストの聖典を開かせたが、許可がない者には白紙に見えた。彼は、神殿長の聖典は神殿長の許可なく読めない魔術具であり、神殿関係者や関係する見届け役以外に閲覧許可は出せないと説明した。そのうえで、ヒルデブラント、ラオブルート、レリギオン、イマヌエル、自身に閲覧許可を与えさせた。
聖典の比較と見える範囲の違い
中央神殿の聖典も開かれ、ローゼマインにも閲覧許可が与えられた。二つの聖典の内容は基本的に同じだったが、読める範囲は閲覧者や管理者の魔力、属性によって変わる可能性が示された。中央神殿の聖典に闇の神の祝詞が見えないのは欠損ではなく、管理者の条件によるものだとフェルディナンドは整理した。
祝詞と黒の呪文の違いの確認
ラオブルートは、古い言葉で書かれた祝詞が黒の武器の呪文と本当に別物なのか確認を求めた。フェルディナンドは盗聴防止の魔術具を使い、ラオブルートと直接確認した。結果として、闇の神の祝詞と黒の武器の呪文は別物であると認められ、エーレンフェストの学生達に咎めはないとされた。
イマヌエルの執着とフェルディナンドの遮断
会議が終わりかけた時、イマヌエルはローゼマインこそ中央神殿の神殿長にふさわしいと発言した。彼の異様な視線に恐怖を覚えたローゼマインはフェルディナンドの後ろに隠れた。フェルディナンドは、ローゼマインは領主候補生であり中央神殿には移れないと一蹴し、イマヌエルを退けた。
騎士コース勧誘の完全な却下
会議後、ルーフェンは改めてローゼマインの騎士コース受講を願い出たが、フェルディナンドは即座に却下した。ローゼマインが補助の魔術具なしに日常生活を送れず、お守りを外せないことを伝え、実技で周囲に危険が及ぶ可能性を示した。その後、ルーフェンは騎士コースへの勧誘を行わなくなった。
お茶会対策
フェルディナンドによる領地対抗戦の準備指示
聖典検証会議の後、フェルディナンドはすぐに帰還せず、ユストクスと共に領地対抗戦の準備状況を確認した。彼はヒルシュールから再び聖典について追及されることを見越し、ハルトムートの研究発表として祝詞に関する簡単な研究を追加するよう指示した。
ハルトムートの信奉者としての立場
研究成果はローゼマインの覚書を基にしていたが、神殿に出入りしているハルトムートの研究として発表することになった。ハルトムートはすでにローゼマインの信奉者として名高いと語り、眠っていた頃から聖女伝説を広めていたことを明かした。ローゼマインは、初対面のアナスタージウスに胡散臭がられた理由を悟った。
お茶会参加の対策会議
フェルディナンドは、ローゼマインが今後お茶会に参加するための対策を話し合った。彼は魔石のネックレスを渡し、魔力が溢れて魔石の色が半分以上染まった時点で退席するよう命じた。さらに、途中退席後の対応が必要なため、シャルロッテが同席できるお茶会だけに参加するよう条件を付けた。
ヴィルフリートへの叱責とシャルロッテへの依頼
ヴィルフリートはシャルロッテの負担を心配してローゼマインの参加を控えるべきだと述べたが、フェルディナンドは将来の領主会議を見据え、今のうちにローゼマインに社交経験を積ませる必要があると叱責した。シャルロッテは負担を承知で、ローゼマインのお茶会に同行すると引き受けた。
リヒャルダの苦言と側仕えの決意
リヒャルダは、フェルディナンドやヴィルフリートの言葉がローゼマインに厳しすぎると指摘した。ローゼマインが本の話題で感情を昂らせるのは当然であり、側仕えも経験を積んで対応方法を学ぶべきだと語った。ローゼマインはシャルロッテの可愛い誘いも受け、次のお茶会に出席することを決めた。
ダンケルフェルガーのお茶会決定
フェルディナンドは、最初のお茶会相手としてダンケルフェルガーを勧めた。ハンネローレはローゼマインに慣れており、本の貸し借りもあるため、多少の失敗があっても問題が少ないと判断したためである。ローゼマインは歴史書の現代語訳や貸し出し延長のため、気合を入れて臨むことにした。
ハンネローレとのお茶会
ローゼマインはシャルロッテと共にダンケルフェルガーのお茶会室へ向かった。部屋は白と青を基調とした質実剛健な雰囲気で、ローゼマインはダンケルフェルガーらしさを評価した。ハンネローレは干したロウレを使った菓子を出し、ローゼマインとシャルロッテはそれをカトルカールに入れる案を出した。
歴史書の現代語訳と写本の相談
ハンネローレは、ローゼマインが作ったダンケルフェルガーの歴史書の現代語訳が非常に良い出来だったと伝えた。レスティラウトも何度も目を通しており、ダンケルフェルガー側でも写本したいという申し出があると話した。シャルロッテは安請け合いを避け、詳しくはアウブ同士の話にするとまとめた。
恋物語の感想と本の貸し出し延長
話題は貴族院の恋物語へ移り、ハンネローレはジルヴェスターとフロレンツィアを思わせる話を気に入ったと語った。ローゼマインはアーレンスバッハの騎士物語を手土産に差し出し、借りている本の貸し出し延長を願った。ハンネローレは快く受け取り、延長も認めた。
魔石ネックレスによる退席判断
お茶会が盛り上がる中、ローゼマインのネックレスの魔石が半分近く染まった。リヒャルダとシャルロッテがそれに気付き、ローゼマインは倒れる前に退席を申し出た。ハンネローレは心配しながら見送り、ローゼマインは後をシャルロッテに任せて寮へ戻った。
倒れずに終えた成功体験
ローゼマインは途中で倒れることなく自室へ戻り、側近達も安堵した。リーゼレータやリヒャルダは、本の話をしても倒れずにお茶会を終えられたことを喜んだ。ローゼマインも一番親しい友人とのお茶会を無事に終えられたが、次のドレヴァンヒェルとのお茶会には別の重さを感じていた。
ドレヴァンヒェルとのお茶会
アドルフィーネへの髪飾り
エーレンフェストから、ジギスヴァルトがアドルフィーネへ贈る髪飾りが届いた。純白の大輪の花と柔らかな緑の葉で作られた髪飾りは非常に見事で、ローゼマインはトゥーリの技術の向上を誇らしく思った。
上位領地のお茶会への参加
ドレヴァンヒェルから届いた正式な招待状により、ローゼマインとシャルロッテは上位領地だけが集まるお茶会に参加することになった。場違いさに戸惑いながらも、ローゼマインは大人数の場なら深い要求を避けやすいと考え、新しい菓子としてミルクレープを持参することにした。
ミルクレープと領地特有の菓子
お茶会でローゼマインはミルクレープを紹介した。層の美しさや甘さを調整できる点が好評で、上位領地の参加者達から称賛された。そこから各領地特有の菓子や果物の話題へ広がり、ローゼマインは新しい味や素材への興味を深めた。
アドルフィーネとの取引探り合い
アドルフィーネはリンシャンや商人識別用の紙など、エーレンフェストの商品に強い関心を示した。ローゼマインは、エーレンフェストが急に多くの商人を受け入れられないため、取引枠の拡大はゆっくり進むだろうと慎重に答えた。
髪飾りのお披露目
ローゼマインは、ジギスヴァルトからの贈り物として髪飾りをアドルフィーネに渡した。純白の花はワインレッドの髪によく映え、周囲の女性達は羨望の溜息を漏らした。アドルフィーネはエグランティーヌと比べられる不安を見せたが、ローゼマインは二人の美点は異なると伝え、彼女を安心させた。
ディートリンデの要求とシャルロッテの収拾
ディートリンデは自分も卒業式に同じような髪飾りを付けたいと望んだが、ローゼマインは領主間の協定があるため、アーレンスバッハだけを特別扱いできないと断った。アドルフィーネは相手に贈ってもらえばよいと鋭く返し、場が張り詰めたが、シャルロッテが来年の領主会議で状況が変わる可能性を示して穏やかに収めた。
本の広がりと恋物語への温度差
お茶会では、エーレンフェストの本が上位領地に広がっていることも話題になった。アドルフィーネは男性向けの本を尋ね、ローゼマインは騎士物語を貸すと答えた。参加者達は恋物語の感想で盛り上がり、文官見習い達が熱心に記録したが、ローゼマインは恋愛描写への共感が薄かったため、魔石の色も少し変わるだけで済み、倒れずにお茶会を終えた。
ローデリヒの名捧げ
報告書作成と領地対抗戦の準備
ローゼマインはドレヴァンヒェルとのお茶会について、仕事用の書式で詳細な報告書を作成した。その後、領地対抗戦の準備状況を確認するため多目的ホールへ向かい、ヴィルフリート、シャルロッテと共に各コースの担当を決めた。騎士はヴィルフリート、側仕えはシャルロッテ、文官はローゼマインが担当することになった。
本の貸し借りとヒルデブラントへの腕章
ローゼマインはヴィルフリートに、オルトヴィーンへ騎士物語を貸し、代わりにドレヴァンヒェルの本を借りるよう頼んだ。さらに、ブリュンヒルデを通じてヒルデブラントへ図書委員の腕章を届けた。ヒルデブラントからは、来年の貴族院で一緒に図書委員活動をすることを楽しみにしているという礼のオルドナンツが届いた。
ローデリヒの物語完成
ローデリヒは、名を捧げる条件としていた新しい物語を完成させた。ハルトムートは物語作りだけでなく、名捧げの石の作り方や側近業務の引き継ぎも指導しており、ローゼマインは二人の努力を労った。
名捧げの立会人選び
ローゼマインは名捧げの手順を知らなかったため、リヒャルダから説明を受けた。名捧げは大々的な儀式ではなく、主と臣下の間で密かに行われるものであり、騙し討ちや名の横取りを防ぐため立会人が必要だった。ローゼマインはリヒャルダを選び、強い希望を見せたハルトムートも立会人に加えることにした。
旧ヴェローニカ派への視線
準備の間、コルネリウスはローデリヒの名捧げが旧ヴェローニカ派の子供達に注目されていると語った。エーレンフェストの貴族院での立場は大きく変化しており、旧ヴェローニカ派の子供達も今後の身の振り方を考えていた。コルネリウスは、親世代とは別に、子供達には明るい未来があってもよいと考えるようになっていた。
ローデリヒの誓い
準備が整うと、ローデリヒはローゼマインの前に跪き、物語を書く文官として一生尽くすことを誓った。そして、新しい物語と共に、自らの名が刻まれた石を捧げた。
名捧げの石の登録
ローゼマインは箱の中の石にローデリヒの名が刻まれていることを確認し、蓋の上の白い魔石に魔力を流した。ローデリヒは強い苦痛を受けたが、リヒャルダに促され、ローゼマインは一気に魔力を流し込んだ。箱は白い網目に覆われて小さくなり、名捧げの石を包む繭のような形へ変化した。
新しい物語の受領
ローゼマインは、ローデリヒの名捧げの石を自分の籠に収めた後、彼が書いた物語を受け取った。それは文官見習いと騎士見習いが協力して宝盗りディッターに挑む物語だった。ローゼマインはローデリヒの名と物語を確かに受け取り、自分も良き主であれるよう努力すると誓った。
領地対抗戦の始まり(二年)
文官コースの準備と側近達の成長
ローゼマインは文官コースを担当したが、実際の指示は最上級生のハルトムートが行っていた。ハルトムートはフェルディナンドやユストクスに影響された仕事ぶりを見せ、フィリーネも下級貴族として控えながら的確に補佐していた。ローデリヒは二人との実力差に焦りながらも、追いつこうと意欲を見せていた。
領主候補生三人による役割分担
ヴィルフリート、シャルロッテ、ローゼマインがそれぞれ担当を分けたことで、領地対抗戦の準備は順調に進んだ。ローゼマインは文官見習い達の仕事を確認し、シャルロッテは茶器や菓子の準備を進め、ヴィルフリートは騎士見習い達の最終確認を行っていた。
領地対抗戦会場とアウブ達の到着
領地対抗戦当日、ローゼマインは文官見習い達と会場設営に向かった。順位が上がったことで、エーレンフェストの観戦場所は以前より広く良い位置になっていた。その途中、アウブ・エーレンフェストが到着したとの連絡を受け、ローゼマインは寮へ戻った。
領地対抗戦での社交体制の見直し
寮ではジルヴェスター達が待っており、領地対抗戦は領主会議の予行演習であるため、領主候補生全員が社交を担う必要があると説明された。席の組み合わせは、最終的にヴィルフリートとシャルロッテ、ローゼマインとフェルディナンドになった。ローゼマインはフェルディナンドが側にいることに安心した。
報告書への評価と騎士見習いへの祝福
ローゼマインが書いたドレヴァンヒェルのお茶会報告書は、神殿での仕事用の形式に従って詳しくまとめられていた。フェルディナンドは大変結構と褒め、ジルヴェスターも城で仕事をしないかと冗談を言った。その後、ローゼマインは騎士見習い達に武勇の神アングリーフの祝福を与え、出発を見送った。
領地対抗戦の開始と来客対応
領地対抗戦はディッターの開始宣言と共に始まり、下位領地から順に競技が行われた。ローゼマインは観戦したがったが、領主候補生は席で社交を行う必要があったため、フェルディナンドに促されて席に戻った。開始直後から、カトルカール目当ての貴族達が次々に訪れ、ローゼマインは側仕え達に対応を指示した。
アナスタージウスとエグランティーヌの来訪
アナスタージウスとエグランティーヌがローゼマイン達の席を訪れた。アナスタージウスは聖典の祝詞研究について尋ね、フェルディナンドが教師達への埋め合わせだと説明した。エグランティーヌは新しい本の流行やローゼマインの噂に触れ、時の女神に翻弄されないよう気を付けてほしいと忠告した。
聖典検証後の中央神殿との溝
アナスタージウス達が去った後、フェルディナンドは聖典検証の結果、中央神殿と王族の溝が広がり、星結びにエーレンフェストの聖女を呼べという者まで現れたと説明した。ローゼマインは自分もフェルディナンドも巻き込まれるのではないかと不安を抱いたが、フェルディナンドは王の意向次第だと冷静に受け止めていた。
ダンケルフェルガー一行の来訪
続いて、アウブ・ダンケルフェルガーとハンネローレ達がローゼマインの席へやって来た。アウブ・ダンケルフェルガーは、ローゼマインが現代語訳した歴史書の原稿を巡り、ディッター勝負を申し込んだ。ハンネローレは突然の申し出に動揺し、ローゼマインも対応に困った。
ジルヴェスターへの丸投げと交渉の開始
ローゼマインは、歴史書の写本に関する話はアウブ同士で行うべきだと提案し、アウブ・エーレンフェストを呼ぼうとした。しかし、フェルディナンドが代わりにジルヴェスターを呼びに行き、ローゼマインはアウブ・ダンケルフェルガーを茶とロウレのカトルカールでもてなしながら時間を稼いだ。
原稿料と販売権を巡る交渉
ジルヴェスターは、大領地の意向で原稿を譲る形にしてはどうかと述べたが、アウブ・ダンケルフェルガーは取り上げるつもりではなく、勝負で決めたいと主張した。ローゼマインは原稿作成に大金貨十八枚ほどかかったと説明し、原稿料や販売権について交渉を始めた。これにより、勝てばダンケルフェルガーから借りた本の写本にも販売権が与えられる可能性が生まれた。
フェルディナンドの参戦交渉
ダンケルフェルガーは個人戦を望み、相手としてフェルディナンドを希望した。フェルディナンドは利益がないとして拒んだが、ハイスヒッツェが貴重な素材を賭けることで勝負に引きずり出した。フェルディナンドは勝てば提示された素材をすべて得る条件を出し、ハイスヒッツェはそれを受け入れた。
ローゼマインとハンネローレの巻き込み
勝負は、互いの領主候補生を守る形式のディッターとなり、ローゼマインとハンネローレも参加することになった。ハンネローレは涙目で戸惑ったが、ダンケルフェルガーの騎士達はフェルディナンドとの勝負に盛り上がっていた。ローゼマインは出版権のためにフェルディナンドへ頼るしかなく、ハンネローレを巻き込んだことを内心で謝り続けた。
ディッター勝負
ダンケルフェルガー寮での作戦準備
ローゼマイン達は、アウブ・ダンケルフェルガーの許可を得てダンケルフェルガー寮の訓練場へ移動した。ハンネローレは鎧で身を固め、ハイスヒッツェ達と作戦を練っていた。一方、フェルディナンドはローゼマインに宝として円の中から出ず、騎獣内で風の盾を張って待機するよう命じた。
フェルディナンドの勝算とローゼマインの役目
フェルディナンドは、ローゼマインを宝にすれば自分で身を守れるため、守りに魔力を割かずに済むと説明した。ローゼマインは卑怯ではないかと感じたが、フェルディナンドは戦場に持ち込んだものを利用するのが勝負であり、勝てる勝負しかしないと断じた。
開始直後の攻防とお守りの発動
勝負開始と同時に、ローゼマインはシュツェーリアの盾を展開した。ハイスヒッツェの攻撃は盾に弾かれ、同時にフェルディナンドへ攻撃したハンネローレには、お守りの反撃が向かった。ハンネローレは盾で防いだが、フェルディナンドは想定外の形でお守りを一つ使わされた。
ハイスヒッツェの猛攻とフェルディナンドの苦戦
ハイスヒッツェはフェルディナンドに近距離で斬りかかり、魔術具や武器の変形を使わせないように攻め続けた。十年の実戦経験を積んだハイスヒッツェは速さと剣技で優位に立ち、フェルディナンドは防戦に回った。ローゼマインは初めて見るフェルディナンドの苦戦に動揺した。
ローゼマインの祝福とフェルディナンドの叱責
ローゼマインは少しでも助けになればと、フェルディナンドにアングリーフの祝福を送った。祝福によってフェルディナンドはやや持ち直したが、なお劣勢は続いた。さらに水鉄砲を使おうとしたローゼマインは、勝手に動くなとフェルディナンドに叱られ、ただ勝利を待つよう命じられた。
青いマントを使った逆転の隙作り
追い詰められたように見えたフェルディナンドは、ハイスヒッツェの攻撃に対し、戦利品である青いマントを盾のように広げた。ハイスヒッツェは自分が取り戻したいマントを斬ることを躊躇し、その一瞬を突かれて魔術具の小爆発で吹き飛ばされた。フェルディナンドはその隙に体勢を立て直し、魔術具を手にして形勢を逆転させた。
水鉄砲による制圧
フェルディナンドはシュタープを水鉄砲に変化させ、複数の魔力の矢を撃ち出した。初見の武器にハイスヒッツェは対応しきれず、防戦に回った。さらにフェルディナンドはハンネローレにも攻撃を向け、ローゼマインは思わず心配の声を上げてしまい、再び誰の味方だと叱られた。
お守りの反撃とハイスヒッツェの負傷
ハイスヒッツェは落下しながらフェルディナンドへ魔力攻撃を放ったが、残っていたお守りが発動し、反撃が直撃した。ハイスヒッツェはローゼマインの方へ吹き飛ばされ、シュツェーリアの盾に弾かれて地面に落ちた。彼は回復薬を使ったものの、しばらく動けないほどの重傷を負った。
ハンネローレの抵抗と勝負の決着
フェルディナンドはハンネローレに敗北を認めて陣から出るよう促したが、彼女はダンケルフェルガーの領主候補生として自分から退くことを拒んだ。フェルディナンドは光の帯でハンネローレを縛り、陣外へ放り出した。ハイスヒッツェは残る力で彼女を受け止め、ハンネローレが陣から出たことでエーレンフェストの勝利が決まった。
戦後の癒しと再戦の火種
勝負後、ローゼマインはハイスヒッツェ、ハンネローレ、フェルディナンドにルングシュメールの癒しを施した。フェルディナンドも傷を負っていたが、表情に出していなかったため、ローゼマインは気付けなかった。勝利後、フェルディナンドは水鉄砲について知りたがるハイスヒッツェを挑発し、ダンケルフェルガーの騎士達は再戦を誓って盛り上がった。
領地対抗戦 ディッター
フェルディナンドの消耗と回復薬の要求
ディッター勝負を終えたフェルディナンドは、手元の回復薬を温存するため、ローゼマインに回復薬を求めた。魔術具をほぼ使い切っていたためであり、余裕に見えた勝利が実際にはかなりぎりぎりだったことをローゼマインは察した。
領地対抗戦会場への帰還
二人は急いで昼食を済ませ、騎士棟へ戻った。会場ではアーレンスバッハがディッターを行っており、エーレンフェストの出番はまだ少し先だった。ローゼマインは各領地の衣装や雰囲気の違いを眺めながら、自領の席へ急いだ。
ディッター勝負の報告と本の販売権
ジルヴェスターは戻ってきたローゼマイン達に勝敗を確認した。ローゼマインはエーレンフェストが勝利したことを報告し、フェルディナンドが戦利品のマントを盾に使って逆転したことを語った。販売権などの詳細は後で話し合うことになり、フェルディナンドは今後の交渉が領主会議の重要案件になると見通した。
エーレンフェストの出番
ルーフェンの声でエーレンフェストが呼ばれ、騎士見習い達が競技場へ降りた。ローゼマインはリヒャルダが用意した台に乗り、競技場を見下ろした。魔物を出す担当教師がフラウレルムであることに、周囲は嫌な予感を覚えた。
フンデルトタイレンの出現
フラウレルムが出現させたのは、アーレンスバッハ近海に生息するフンデルトタイレンだった。攻撃すると分裂を繰り返す厄介な魔物であり、強敵ではないが時間がかかる相手だった。フェルディナンドは、嫌がらせとして知名度の低い魔物を選んだのだろうと見ていた。
レオノーレの的確な指揮
レオノーレは即座に対処法を理解し、コルネリウスとトラウゴットに全力攻撃を指示した。二人の攻撃でフンデルトタイレンは完全に分裂し、小さな蛇の群れとなった。レオノーレはコルネリウスを盾で守りながら指揮を取り、周囲は彼女の知識と判断力を評価した。
騎士見習い達の連携
分裂したフンデルトタイレンに対し、マティアスが空間を数字で示して指示を出し、騎士見習い達が各所へ散って処理した。ユーディットは投げナイフで正確に頭を潰し、レオノーレは魔力を込めた網で広範囲を一掃した。トラウゴットも指示に従って動き、以前より成長を見せた。
エルヴィーラの創作意欲
レオノーレがコルネリウスに近付くために魔力を上げたのだろうと、エルヴィーラは恋物語の題材として感動していた。ローゼマインは、レオノーレとコルネリウスがいずれ本にされて頭を抱える未来を思い浮かべ、内心で成り行きを見守ることにした。
討伐完了と評価
最後のフンデルトタイレンをユーディットが仕留め、エーレンフェストの討伐は終了した。騎士見習い達は順位を伸ばせなかったことを謝罪したが、ジルヴェスターとカルステッドは、初見の魔物にも冷静に対応し、連携や技量が確実に向上していたことを高く評価した。
旧ヴェローニカ派への複雑な思い
騎士見習い達の成長を見たジルヴェスターは、旧ヴェローニカ派の子供達が魔力圧縮を得られない現状を可哀想に感じていた。領主候補生達が派閥争いをせず協力し、寮全体で成長している様子を見たことで、将来を担う子供達にも力を伸ばしてほしいという思いを抱いた。
ハルトムートの結婚相手
ハルトムートによる婚約相手の紹介
領地対抗戦の席で、ハルトムートはローゼマインにエスコート相手を紹介したいと申し出た。相手はダンケルフェルガーの上級文官見習いクラリッサであり、図書館のお茶会でハンネローレに同行していた人物だった。フェルディナンドは、ダンケルフェルガーの女性は計算高い者が多いと警戒した。
クラリッサの目的と求婚の経緯
クラリッサは、前年のディッターでローゼマインが奇策を用いてダンケルフェルガーを翻弄した姿に感動し、将来ローゼマインに仕えるためにエーレンフェストの男性と結婚しようと決意していた。条件に合う相手としてコルネリウスとハルトムートを選び、コルネリウスには断られたが、ハルトムートには武力で迫って課題をもぎ取り、すべて達成して交際に至った。
クラリッサの側近志望と面接
クラリッサは、ハルトムートとの結婚とは別に、ローゼマインの文官として仕えたいと申し出た。騎士見習いの選抜には落ちたものの、武寄りの文官として護衛もでき、ダンケルフェルガーとの交渉にも役立てると自己アピールした。さらに自家の本を写した紙束を差し出し、ローゼマインはその熱意と実務能力を評価した。
クラリッサの採用決定
フェルディナンドは、交渉面の不安はハルトムートが補えると判断し、ハルトムートが制御できるならば問題ないと述べた。ローゼマインも、ダンケルフェルガーとの繋がりができることや、クラリッサの写本の出来を評価し、結婚後に側近として召し上げることを決めた。クラリッサは喜んで礼を述べた。
ライムントの課題提出
ハルトムートは、ライムントがフェルディナンドに課題を直接提出したがっていると伝えた。ライムントは転移陣を小さく省エネ化する課題を提出し、フェルディナンドは魔石による補助を組み込む案を示した。クラリッサは、ダンケルフェルガーでは平民でも魔獣を倒して魔石を得ると説明し、魔石の補助を使う案に賛成した。
図書館用魔術具の課題
フェルディナンドは次の課題として、ローゼマインに欲しい魔術具を尋ねた。ローゼマインは、図書館で使われる掃除、静音、資料保存、日光対策などの魔術具を挙げ、魔力消費を抑えた改良を求めた。クラリッサも課題を求めたため、ローゼマインは図書館から本を無断で持ち出そうとする者を捕まえる魔術具を考えるよう命じた。
表彰式前の襲撃未遂
ディッター終了後、五の鐘が鳴り、学生達は表彰式のため競技場へ降りる準備を始めた。その直前、ローゼマインのお守りが反応し、青白い反撃が飛んだ。攻撃したのはインメルディンクの上級貴族であり、領地順位の変動やクラリッサと縁付くハルトムートへの嫉妬から、ハルトムートの足を狙って魔石を投げたのだった。
大人への処理の委任
ローゼマインは怪我がなく、相手も反撃で痛い目を見ていたため、自分から罰するつもりはないと述べた。処理はジルヴェスターに任せることにし、表彰式へ向かおうとした。フェルディナンドは、物理攻撃に反応するお守りを使い切ったため、護衛騎士を離さないよう警告した。
強襲
表彰式の開始と王族の登場
領地対抗戦の表彰式が始まり、競技場には各領地の学生達が集まっていた。王と王族が中央騎士団に守られて登場し、壇上へ上がった。ローゼマインは初めて見る王の姿や、エグランティーヌの髪を飾るトゥーリ作の髪飾りに見惚れていた。
爆発による混乱と防御態勢
王の挨拶中、観覧席と競技場内で爆発が起こり、火柱が上がった。学生達は悲鳴を上げ、護衛騎士達は即座にゲッティルトを出してローゼマインを守った。ローゼマインもシュツェーリアの盾を展開し、エーレンフェストの学生達を可能な限り盾の内側へ入れるよう指示した。
エーレンフェストの保護と癒し
ローゼマインは怪我人を見て助けようとしたが、レオノーレとユーディットに制止された。彼女はまず安全確保を優先し、盾の中に学生達を集めた後、軽傷者に癒しを施した。さらに騎士見習い達には、今後の事態に備えて回復薬を飲むよう命じた。
ターニスベファレンの出現
競技場内にターニスベファレンが出現し、攻撃を受けるたびに魔力を吸収して巨大化した。中央騎士は攻撃を止めるよう叫んだが、混乱した学生達には届かなかった。エーレンフェストの騎士見習い達は黒の武器を求めたが、ローゼマインは王の禁令により与えられないと拒んだ。
ダンケルフェルガーの参戦
アウブ・ダンケルフェルガーが中央騎士団への助力を申し出ると、王は黒の武器の使用を許可した。ダンケルフェルガーの騎士達は統率された動きで競技場へ降り、ターニスベファレン討伐へ向かった。ローゼマインは、その練度の高さに驚いた。
フェルディナンド達の戦闘参加
フェルディナンドはエックハルト、ユストクスと共にローゼマインのもとへ降り、状況を確認した。直後、エーレンフェストの近くにもターニスベファレンが出現したため、フェルディナンドとエックハルトは黒の武器を構え、騎獣で出撃した。さらにカルステッドも加わり、三人は大魔力を叩きつけてターニスベファレンを一撃で消滅させた。
フェルディナンドの負傷と治療
ターニスベファレンを倒したものの、フェルディナンドは背中に傷を負っていた。ローゼマインはフリュートレーネの癒しで傷を清め、ルングシュメールの癒しで傷口を塞いだ。フェルディナンドは回復薬を飲み、まだ終わっていない状況に警戒を続けた。
王族への自爆攻撃
騎獣に乗った者達が王族へ突撃し、籠からターニスベファレンを落としていった。彼らは政変で敗れた領地の生き残りであり、グルトリスハイトを持たない王を偽りの王と罵っていた。ローゼマインはエグランティーヌを守ろうと飛び出しかけたが、フェルディナンドに止められた。
フェルディナンドの配慮と表彰式からの離脱
テロリストは中央騎士団に討たれ、爆発して消えた。フェルディナンドはローゼマインとシャルロッテの視界を遮り、精神的な衝撃を避けさせた。事態収束後、怪我人は寮へ運ばれ、表彰式は続行されることになったが、ローゼマインは魔力不足を理由に寮へ戻るよう命じられた。
表彰式に出られなかった最優秀者
フェルディナンドは、コルネリウスとレオノーレには表彰式に残るよう促した。エルヴィーラが二人の晴れ姿を楽しみにしていると聞かされ、コルネリウスは渋々残ることを受け入れた。ローゼマインは最優秀者でありながら、またしても表彰式に出られないことになった。
卒業式
表彰式後の成績報告
表彰式では、各学年で二人以上のエーレンフェスト学生が呼ばれる好成績だった。シャルロッテは兄姉が優秀すぎる重圧の中で自分も優秀者に選ばれたことに安堵し、ヴィルフリートはオルトヴィーンに少し負けたことを悔しがっていた。
成人式の祝福依頼と回避
ジルヴェスターは王族から、翌日の成人式でローゼマインに祝詞を頼めないか打診されたことを明かした。強襲による負担やインメルディンクの攻撃を理由に断り、中央神殿長の代役という前例を作らずに済んだ。
卒業式出席の条件
ローゼマインはコルネリウスの剣舞と卒業式を見たいと願い、午前だけの出席を許された。護衛騎士が不足するため、ランプレヒトとアンゲリカが親族枠で呼ばれ、カルステッドも護衛として同行することになった。
卒業生の家族との対面
翌朝、卒業生の親族が次々と貴族院へ到着した。ハルトムートの両親が挨拶に訪れ、ローゼマインはハルトムートの父が落ち着いた有能そうな人物であることに驚いた。続いてコルネリウスの親族として、カルステッド、エルヴィーラ、ランプレヒト、アンゲリカが合流した。
護衛体制と出発準備
フェルディナンドはローゼマインのお守りを調整し、午前の奉納舞と剣舞への出席を確認した。卒業生達が多目的ホールに集まり、ハルトムートはクラリッサを迎えに行く準備をした。ローゼマインはカルステッドに抱えられ、体調不良を装う形で講堂へ向かった。
講堂の変化と成人式
講堂は階段状の観覧席と中央舞台を備えた式典用の空間へ変わっていた。ローゼマインは保護者席に座り、フェルディナンドから盗聴防止の魔術具を持たされた。成人式では中央神殿長が祝詞を唱えたが、祝福の光は出なかった。
コルネリウスの剣舞
音楽奉納の後、コルネリウス達が剣舞を披露した。コルネリウスの剣舞は力強く、以前を知るランプレヒトも驚くほど成長していた。エルヴィーラは、レオノーレに良いところを見せたい思いが稽古に表れたのだと喜んでいた。
奉納舞と魔法陣の出現
奉納舞では、七人の領主候補生が神々の貴色をまとって舞台に立った。祈りの言葉と共に舞台に全属性の魔法陣が浮かび上がり、ローゼマインはそれが聖典に浮かんでいた魔法陣と同じものだと気付いた。フェルディナンドは、何も知らないことにするよう促し、ローゼマインは疑問を抱えながらも沈黙した。
図書館と帰還
卒業式の退席と寮への帰還
奉納舞の後、ローゼマインは予定通り体調不良を理由に早退した。カルステッドとエルヴィーラを講堂に残し、アンゲリカ、ランプレヒト、リヒャルダと共に寮へ戻った。
ランプレヒトの回想と悔い
ランプレヒトは、かつてヴェローニカの意向により、エルヴィーラが卒業式へ来られなかったことを語った。彼は母を守ったつもりだったが、今の母の姿を見て親不孝だったと悔いていた。ローゼマインは、今は状況が変わり、エルヴィーラとアウレーリアも良い関係を築いていると慰めた。
アウレーリアへの気遣いと魚料理
ローゼマインは妊娠中のアウレーリアの様子を尋ねた。ランプレヒトは、彼女が故郷の味を少し恋しがっていると話し、ローゼマインは貴族院から戻った後に魚料理の調理法を学ぶ予定だと伝えた。ただし、そのレシピを教えるには対価が必要だと告げ、ランプレヒトに家族のため稼ぐよう促した。
昼食と卒業式後半への送り出し
昼食では、コルネリウスの剣舞やレオノーレの来年の剣舞について語られた。レオノーレは成人式用の衣装を新調せず、ローゼマインの衣装を参考に直して使う予定だと話した。午後の卒業式には皆が向かい、ローゼマインは寮で読書をして過ごすことになった。
図書館の魔術具への関心
ローゼマインはフェルディナンドに、ソランジュから借りた資料に載る図書館の魔術具について尋ねた。フェルディナンドは、いくつかは知っているが、作製者がいなくなれば修理不能になる魔術具も多いと説明した。ローゼマインは、ライムントが省魔力化して世に役立てられればよいと考えたが、フェルディナンドは自分は世の役に立つために魔術具を作っているわけではないと答えた。
図書館訪問と魔力供給
卒業式後、ローゼマインはシュバルツ達への魔力供給と資料返却のため、フェルディナンドと共に図書館へ向かった。ソランジュは久々の来訪を喜び、ローゼマインはシュバルツとヴァイスに魔力を注いだ。図書委員の腕章が周知に役立ち、返本率も督促オルドナンツのおかげで良くなっていた。
魔術具の見学とライムントの参加
ローゼマインは図書館の動かなくなった魔術具を研究用に見せてもらいたいと頼んだ。フェルディナンドはライムントを呼び、ソランジュの案内で掃除用や静音用の魔術具を確認した。ソランジュは業務に必要な魔術具は貸せないが、重要度の低い物は研究用に渡してもよいと認めた。
ラオブルートの来訪と開かずの書庫
執務室に中央騎士団長ラオブルートが現れ、ヒルデブラントの代理として来たと告げた。彼は督促オルドナンツだけでなく、開かずの書庫についても尋ねた。ソランジュは上級司書三人が揃わなければ入れない書庫だと説明し、フェルディナンドは王族が図書館を訪れた記録のある古い日誌を示した。
アダルジーザの実という言葉
ラオブルートはフェルディナンドに、アダルジーザの実である彼なら何か知っているのではないかと尋ねた。フェルディナンドは、自分のゲドゥルリーヒはエーレンフェストであるとだけ答え、図書館を後にした。
沈黙した帰路と二年生の終わり
図書館を出たフェルディナンドは、いつもより険しい顔で足早に歩いた。ローゼマインは何があったのか尋ねたが、彼は何もないと答えるだけだった。アダルジーザの実という言葉の意味を聞けないまま、ローゼマインの貴族院二年生は終わった。
エピローグ
エグランティーヌの緊急呼び出し
貴族院の卒業式が終わり、領主や学生達が領地へ戻り始める時期、エグランティーヌはアナスタージウスから緊急の呼び出しを受けた。離宮に到着すると、王族案件であるためクラッセンブルクの側近達は待機を命じられ、エグランティーヌだけが応接室へ通された。アナスタージウスは普段の甘い雰囲気を見せず、厳重に盗聴防止の魔術具を用意していた。
領地対抗戦襲撃の記憶
アナスタージウスが先日の襲撃について話すと告げたことで、エグランティーヌは領地対抗戦の表彰式での恐怖を思い出した。王を偽者と叫び、殺意を向けて突撃してくる者達、競技場で暴れるターニスベファレン、混乱する学生達の姿が蘇った。彼女は王族の婚約者として壇上にいたため攻撃対象でもあり、恐怖と吐き気を堪えながらゲッティルトを構えることしかできなかった。
襲撃者の正体と調査状況
アナスタージウスは、襲撃者が全て捕らえられ、廃領地の出身者ばかりだったと説明した。旧ベルケシュトック、旧ザウスガース、旧トロストヴェーク、旧シャルファーなど、政変後に潰された領地の者達であり、一つの領地だけの問題ではなかった。さらに、ターニスベファレンの移動には旧ベルケシュトック寮の転移陣が使われた可能性が高く、中央騎士団は今後その調査を行うことになっていた。
警戒をすり抜けた襲撃計画
中央騎士団は旧ベルケシュトック寮を見張り、領地対抗戦や卒業式にも警戒を強めていた。しかし、ターニスベファレンは外から持ち込まれたのではなく、事前に騎士棟内部へ隠されていた可能性が高かった。幼獣の状態で魔力を通さない革袋に入れられ、薬で眠らされていたため、学生の協力者がいれば隠すことは容易だったとされた。
被害と疑念の広がり
ターニスベファレンの被害は、インメルディンクやノイエハウゼンで特に大きく、学生にも死者が出ていた。エーレンフェストでは半球状の不思議な盾によって被害がほとんどなかったが、そのために関与を疑う声も出ていた。アナスタージウスは、襲撃者にエーレンフェストの者はいなかったとだけ告げ、それ以上の詳細は語らなかった。
エグランティーヌの過去の夜襲
エグランティーヌは、今回の襲撃によって幼い頃の夜襲を思い出し、眠れなくなっていると明かした。父である第三王子が暗殺された夜、離宮も第一王子派に襲撃され、彼女は乳母に隠され、クラッセンブルクへ助けを求めることになった。クラッセンブルクの騎士達は離宮へなだれ込み、敵を討ったが、乳母はすでに命を落としていた。
終わっていなかった政変
エグランティーヌは、十年以上経っても今回のような襲撃が起きる以上、自分の中では政変がまだ終わっていないと語った。強襲者達の目は、あの夜の賊と同じであり、平穏に見える世の中にも争いの火種が残っていると感じていた。アナスタージウスは彼女の手に触れ、急かすことなくその言葉を受け止めた。
エグランティーヌが望む平穏
アナスタージウスは、エグランティーヌがどのような平穏を望むのか尋ねた。彼女は、血で血を洗う争いが二度と起こらないこと、そして政変が真に終わることを望んでいた。そのためには、グルトリスハイトを得た正当な王の誕生が必要であると考え、争いなくグルトリスハイトがもたらされることを願っていると打ち明けた。
アナスタージウスの約束
エグランティーヌの本音を聞いたアナスタージウスは、彼女を争いには巻き込まず、力の及ぶ限り守り、グルトリスハイトを探すと約束した。その言葉と眼差しに、エグランティーヌは彼の想いの深さを実感し、頬と胸が熱くなるのを覚えた。アナスタージウスは彼女を逃がさぬよう手を握り、私の光の女神と告げたが、オスヴィンの咳払いによってその場は制された。
東屋での語らい
情報交換会で注目されたローゼマインの帰還
貴族院の文官棟では、十位以上の領地の上級文官見習いによる情報交換会が行われていた。ローゼマインは新しい流行の担い手であったため、その帰還は大きな注目を集めていた。ハルトムートは、ローゼマインが短期間に二度倒れ、講義も終えていたため領主命令で帰還したと説明したが、詳細な容態については伏せようとしていた。
クラリッサの焦りと情報欲
クラリッサは、ハンネローレの供として王族とのお茶会でローゼマインが意識を失った現場を見ていたため、容態を気にしていた。しかし、ハルトムートの返答は素っ気なく、詳しい情報は得られなかった。クラリッサは、ローゼマインの側近であればこれほど悶々とせずに済んだはずだと考え、個人的にハルトムートから話を聞く必要を感じていた。
東屋での約束と牽制
情報交換会の後、ハルトムートはクラリッサに報告したいことがあると声をかけた。クラリッサは周囲にいるハルトムート狙いの女性達を牽制するため、婚約者らしく東屋で過ごそうと提案した。ハルトムートは風の日の三の鐘を指定し、二人は東屋で会う約束を交わした。
東屋で紹介されたフィリーネとローデリヒ
約束の日、クラリッサが東屋へ向かうと、そこにはハルトムートの他にフィリーネとローデリヒがいた。ハルトムートは、フィリーネがローゼマインとの約束を二年間守ってお話集めを続けた下級文官見習いであり、ローデリヒが新しい物語を書く能力を認められて側近入りを予定されている中級文官見習いだと紹介した。クラリッサは、二人がローゼマインに望まれる才能を持っていることに焦りを覚えた。
情報収集役としての依頼
ハルトムートは、来年の貴族院で自分の代わりにクラリッサへ情報収集を頼みたいと告げた。フィリーネとローデリヒは物語やお話集めには優れているが、上級文官見習い同士で交わされる情報を拾うには力不足であった。クラリッサは協力を快諾する一方、自分にとっての利を確認し、ローゼマインの側近達との友好関係を得られることを理解した。
ローゼマインの側近入りの難しさ
クラリッサは、ハルトムートの推薦があればローゼマインの側近になれると思っていたが、ハルトムートはそれが簡単ではないと説明した。ローゼマインは神殿育ちであり、縁故ではなく本人の判断や能力を重視して側近を選んでいた。さらに、神殿や平民の専属を軽んじる者は、後見人であるフェルディナンドに却下される可能性が高いと示された。
トラウゴットの件と縁故採用への警戒
フィリーネは、トラウゴットの一件によってローゼマインが側近の裏切りに傷つき、縁故採用を薦めにくい雰囲気になっていることを語った。クラリッサは、トラウゴットの自分勝手な辞任が自分の側近入りの障害になっていると知り、内心で怒りを燃やした。ローゼマインの側近になるには、まず存在を覚えてもらう必要があると理解した。
クラリッサの決意と見舞いの品
クラリッサは、困難があると知っても諦めるつもりはなかった。彼女はフィリーネとローデリヒに、来年の情報収集を任せてほしいと伝え、その代わり自分の名をローゼマインに伝えるよう頼んだ。さらに、ローゼマインへの見舞いとしてダンケルフェルガーで集めたお話の紙束をハルトムートに託し、自分の名前を強調して届けるよう求めた。
時の女神の東屋での語らい
用件が済んだ後、フィリーネは気を利かせ、ハルトムートとクラリッサに二人きりで過ごすよう提案した。クラリッサは、ローゼマインの容態や神殿事情、後見人、奇跡の数々について知りたいことが山ほどあると答えた。ハルトムートは幼い頃のローゼマインの聖女ぶりを語ることにし、クラリッサはそれを喜んで聞いた。四の鐘が鳴るまでの時間は、時の女神の悪戯のようにあっという間に過ぎた。
東屋での逢瀬
ローゼマイン帰還後の側近達
ローゼマインの帰還を見送った後、側近達はそれぞれの予定へ戻っていった。レオノーレは領地対抗戦のディッター対策として魔獣の性質や弱点をまとめるつもりであり、ハルトムートから文官仕事を振られないよう先回りして断った。
コルネリウスの早い帰還
そこへ、ローゼマインと共にエーレンフェストへ戻ったはずのコルネリウスが早く戻ってきた。ハルトムートは、エルヴィーラに問い詰められる前に逃げてきたのだろうとからかった。レオノーレも、エルヴィーラの熱量ある追及を思い出し、コルネリウスの気持ちに理解を示した。
二人で過ごす時間の約束
ハルトムートが去った後、コルネリウスはレオノーレに手を差し伸べた。レオノーレは、からかわれるのは嫌だが、コルネリウスと過ごす時間が増えることは嬉しいと伝えた。二人はローゼマイン不在の期間、講義が終わるまでできるだけ一緒に過ごそうと話し合った。
恋物語への憧れと現実的な考え
レオノーレは、二人で過ごすなら貴族院の恋物語を参考にしてみるかと提案した。コルネリウスはエルヴィーラ達の題材になることを嫌がったが、レオノーレは恋物語への憧れはあっても、本気で物語通りの恋を実現できるとは思っていないと語った。その現実的な言葉を受け、コルネリウスはそうしたところも可愛いと思うと告げ、レオノーレを赤面させた。
騎獣の相乗りと東屋への移動
コルネリウスは騎獣を出し、レオノーレを相乗りさせた。レオノーレは心の準備が足りないと動揺したが、結局コルネリウスの騎獣に乗せられた。背後に座るコルネリウスの声や温もりを近くに感じ、レオノーレは落ち着かないまま、時の女神が悪戯をする東屋へ向かった。
刺繍をめぐる過去の記憶
レオノーレは、夏の神事の時期に側近部屋でコルネリウスと二人きりになった出来事を思い出した。シュバルツとヴァイスの衣装に刺繍をしていたレオノーレに、コルネリウスは刺繍の大変さを感心して見ていた。アンゲリカの刺繍や防具強化の話題を経て、コルネリウスはレオノーレが将来に向けて刺繍を練習しているのかと尋ねた。
マントへの刺繍を許された瞬間
レオノーレは、刺繍の練習が無駄にならなければ良いと冗談めかして答えた。するとコルネリウスは、自分のマントに刺繍すれば無駄にはならないと言った。あまりに自然に告げられたため、レオノーレはすぐには意味を理解できなかったが、やがて自分がコルネリウスのマントを預かることを許されたのだと気付いた。
東屋での二人きりの時間
東屋に着いた二人は、騎獣を置いて中へ入った。レオノーレが向かいに座ると、コルネリウスは二人きりなのだから隣に座ればよいと促した。近すぎる距離に緊張したレオノーレは、普段通りの自分を取り戻そうとしてディッター訓練の話を出したが、コルネリウスは二人でなければできない話をしようと提案した。
マントに隠された告白めいた仕草
コルネリウスは、卒業式のエスコートや帰還後の婚約式の話を出した。レオノーレは何か準備に不備があったのかと不安になったが、コルネリウスはそうではないと否定した。そして貴族院の恋物語を真似るようにマントを広げ、レオノーレを自分のマントで隠してもよいかと尋ねた。レオノーレは、コルネリウスが望むならばと応じ、彼のマントに包まれるように抱き寄せられた。
初めて重ねる魔力
コルネリウスは右手に魔力を集め、レオノーレに差し出した。婚約の魔石もまだ交換していない段階で魔力を重ねることに、レオノーレは戸惑った。だが、コルネリウスに嫌かと問われると、恋物語のように魔力を重ねることを夢見ていた彼女は拒めなかった。レオノーレは息を呑み、ゆっくりと自分の手を伸ばした。
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