第四部 貴族院の自称図書委員8レビュー
第四部 貴族院の自称図書委員
本好きの下剋上 全巻まとめ
第四部 女神の化身1レビュー
読んだ本のタイトル
本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第四部「貴族院の自称図書委員Ⅸ」
著者:香月美夜 氏
イラスト:椎名優 氏
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これまでのあらすじ
注意:前の巻のをお読みの方は感想からお読み下さい。
中世ヨーロッパ風の世界が舞台。
異世界なのでファンタジー要素もある。
日本で本の虫だった女子大生が、地震で本の下敷きになって死亡。
次に目覚めたらファンタジー世界の門番兵の娘として目覚める。
貧しく、衛生面も最悪。
身体は魔力が大きいせいで貧弱。
さらに彼女の必須アイテム本が高価で手が出ない。
なら創れば良いじゃないかと、、
そんな彼女は幼馴染のルッツと共に紙作りを始める。
でも子供2人ではほとんど何もできない。
そこで、マインが開発した髪を綺麗にするリンシャン。
姉のトゥーリーの為に作った髪飾りの製法を父親の部下のツテから紹介されたべノン商会に売り、それを資金に紙作りの支援を受けて紙の量産体制に入ろうととしたら。
マインの魔力が身体を蝕み瀕死になってしまう。
生き残るためには貴族に隷属するしかない。
それを良しとせず大好きな家族と過ごす事を優先する決意したが、、
初めて神殿に行き、図書館を見付けた瞬間決意を覆して神殿の巫女見習になる事を決意。
でも平民である事がアダとなり、孤児と変わらない灰色巫女見習になる処だったが余りにも高圧的に言う貴族の神殿長にブチギレ、魔力で威圧して昏倒させ灰色巫女見習案は却下。
交代で出て来た神官長と交渉の末、貴族と同じ青色巫女見習として、通いで神殿に入る事が決まる。
第二部「神殿の巫女見習いI 神殿の巫女見習いⅡ 神殿の巫女見習いⅢ 神殿の巫女見習いⅣ」
神官長直属の神殿の青色巫女見習として神殿に通う事になったが、下町との常識が違い過ぎた。
神官長、神殿長から付けられた側仕えとの常識の擦り合わせに苦労する。
さらに神殿に着替える部屋が無いので欲しいと神官長に言ったら、孤児院の院長室を与えられたのだが、、
その孤児院の過酷な飢餓状況を知り、孤児たちに食べ物を自己の力で獲得する事を教え、さらに自身でお金を稼ぐ方法、紙作りを教える。
何気に孤児院の孤児達を本作りに巻き込み、絵を描くのが上手い灰色巫女を側仕えに追加して、遂に絵本を完成させる。
順風満帆と思ったのは束の間、神官長と共に騎士団の要請で赴いたトロンベ討伐の際に、貴族の目の前で貴族達を遥かに超える魔力を持ってる事を知られてしまい、拉致られそうになる。
それを恐れて神殿に籠っていたが、他領の貴族が神殿にまで押し入って来た。
その貴族を手引きしたのは、マインに威圧されて気絶させられた事を恨んでいる神殿長だった。
何とか撃退したのだが、、
平民が貴族を攻撃したと言われて問答無用で拘束されそうになったのだが、、
以前お忍びで来た領主に渡された、養女になる契約の印に印を付けた事によりマインは貴族になっていた。
その結果、実は領主の一族だった神殿長は公文書偽装で極刑。
マインはローゼマインとなり下町の家族と別れて領主の養女となり空席の神殿長に就任する。
第三部「領主の養女I 領主の養女Ⅱ 領主の養女Ⅲ 領主の養女Ⅳ 領主の養女Ⅴ」
貴族令嬢ローゼマインとなったが、いきなり領主の養女にはなれなかった。
上級貴族のカルステッドの第三夫人(故人)の娘という事にして、神殿で密かに育てられていた事にした。
そんな経歴を携えてローゼマインは領主の養女になった。
でも、貴族の世間は神殿とも下町とも違っており特に貴族のご婦人方と上手くやって行けるかは不安材料だったが、、
神官長フェルディナンドをダシにして、お茶会を開催してフェルディナンドの演奏リサイタルを開催。
さらに、フェルディナンドの肖像画を印刷してパンフレットを作成。
結果、貴族のご婦人方の心をガッチリ掴んで貴族社会で確固たる地盤を得る。
そして、貴族として初めての冬。
冬籠りの部屋で一緒になった子供達にマイン工房作の絵本とカルタを与えて無自覚に勉強をさせる。
それは歳上の学院生達よりも神の名前限定だが詳しくさせた、、
さらに、紙でハリセン製造、水汲みポンプ作成、アンゲリカの説教剣(cvフェルディナンド)を作成して領地への貢献も増大して行く。
そんな中、元領主候補で跡目争いの火種になるとして隣の領地に嫁いでいたゲオルギーネが、政変を利用してのし上がり暗躍し始める。
その一手が領地の発展に寄与してるローゼマイン暗殺。
暗殺は未遂に終わったが、ローゼマインは毒を盛られて、たまたま作っていた治療薬を使って治療したが2年間意識不明となってしまう。
そして目覚めたら、、
学院に行く年齢になっていた!
第四部「貴族院の自称図書委員I 貴族院の自称図書委員Ⅱ 貴族院の自称図書委員Ⅲ貴族院の自称図書委員Ⅳ 貴族院の自称図書委員Ⅴ 貴族院の自称図書委員Ⅵ 貴族院の自称図書委員Ⅶ 貴族院の自称図書委員Ⅷ 貴族院の自称図書委員Ⅸ」
学院への入学式、、
見た目が学院に入る前の子供にしか見えないローゼマインは悪目立ちした。
さらに初日で全試験合格と言う快挙を挙げ、その成果でローゼマインの図書館への情熱が暴走して、ウサギ型魔法具が再起動。
その所有権を巡って第一位の領地と模擬戦で争う事になるが罠に嵌めて撃退・・
さらに次期王位を絡めた恋愛話もあり。
ローゼマインは首を突っ込んで王位継承権問題に巻き込まれるが。。。
本人はホクホク顔w
魔道具問題で争った他領の領主候補のハンネローレを本好き友達とロックオン!
貴族院1年生終了。
領主会議で注目が集り順位も13位→10位になる。
これから発展する下町に下水道を整備する大型魔術エントヴィッケルンの発動。
歌って踊って大恋愛をした王子の後釜に学園に入ってきた王子は8歳。
そんな彼に学院を任せないといけないほど、人材不足な王族。
そんな彼はローゼマインをシャルロッテと間違えて無邪気に近付いてしまう。
その王子とハンネローレをお茶会を開いたら目の前で気絶して、王子にトラウマを植え付けて、2年連続で自領に強制送還されてしまう。
2学年終了。
強制送還されたが、マターニスベファレン討伐はローゼマインの自作自演ではないかとの容疑で事情聴取されたが同行したフェルディナンドが、、
ディッターでは10年来のライバルを相手にフェルディナンドが魔王の如く、、、
政変負け組の貴族たちが国王へのテロリストにフェルディナンドが。。
無双!
そんなフェルディナンドにアーレンスバッハへ婿入りするよう王命が来た。
五
対立する領地アーレンスバッハのディートリンデに婿入りせよとの王命を受けたフェルディナンドの旅立ちが近づいているさなかでまたもやローゼマイン暗殺事件が起こる。
エーレンフェストの神殿から、トロンべ討伐で青色巫女見習だったローゼマイン(当時はマイン)を護衛するはずが、怪我をさせ処刑されたシキコーザの母親が聖典が盗み出し、その代わりに呪いの付いた聖典モドキとすり替えてしまう。
ちょっとした違和感で聖典が盗難されたと気が付て対応したら、、
呪い付きの聖書だった。
逮捕しに行ったら、シキコーザの母親が自爆。
それで犯人死亡で事件は有耶無耶になってしまう。
そして、フェルディナンドはアーレンスバッハへ旅立つ。
それを家族として見送るローゼマイン。
何とも切ない。。
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第四部 貴族院の自称図書委員8レビュー
第四部 貴族院の自称図書委員
本好きの下剋上 全巻まとめ
第四部 女神の化身1レビュー
考察・解説
ゲオルギーネの不穏な動向
物語におけるゲオルギーネの不穏な動向について解説する。彼女はアーレンスバッハの第一夫人でありながら、故郷であるエーレンフェストの領主の座に強い執着を抱き、旧ヴェローニカ派の貴族たちを裏で操りながら様々な計略を巡らせている様子が描かれている。
エーレンフェスト訪問時の不気味な振る舞い
- 夏の終わりにエーレンフェストを訪問した際、ゲオルギーネは表面的には当たり障りのない浅い社交を行っていたが、フロレンツィアはその態度に警戒感を抱いていた
- 帰り際に見せた笑みは、かつて白の塔に幽閉されたヴェローニカを振り返った時のものに似ており、フロレンツィアに強い不安と寒気を感じさせた
- 裏では旧ヴェローニカ派の茶会を通じて、ジルヴェスターやフェルディナンドの評判、流行の仕掛け人や印刷に関する情報を熱心に収集していた
ギーベ・ゲルラッハとの密会と礎の魔術への野望
- アーレンスバッハへ急ぎ帰還する途中、ゲオルギーネはこっそりとギーベ・ゲルラッハ(グラオザム)の館に立ち寄り、自身に名を捧げた者たちだけを集めて秘密の会食を行っていた
- その場で彼女は、アウブ・アーレンスバッハの死後、エーレンフェストに戻り礎の魔術を手に入れるつもりであると宣言し、グラオザムに準備を命じた
- グラオザムは彼女を領主にするために水面下で暗躍しており、謎の小包を転移陣でアーレンスバッハへ送るなど、着々と計画を進めている様子を息子のマティアスが目撃している
聖典盗難事件の背後にある思惑
- 秋に発生した、ダールドルフ子爵夫人によるエーレンフェストの聖典すり替えおよびローゼマイン暗殺未遂事件の背後にも、ゲオルギーネがいると上層部は推測している
- この事件は、計画の邪魔になるフェルディナンドを早期にアーレンスバッハへ移動させる状況を作り出すための罠であったと考えられている
アーレンスバッハにおける勢力拡大
- アーレンスバッハ領内において、ゲオルギーネは第二夫人系や旧ベルケシュトック領の住民から強い支持を集めている
- かつて前神殿長がエーレンフェストから横流ししていた小聖杯の魔力を利用して旧ベルケシュトックを潤したことで、自身の基盤を固めたとみられている
- 次期領主と定められているレティーツィアを戴く第一夫人派とは対立しており、娘であるディートリンデを次期アウブに据えるべきだという世論を煽っている
まとめ
ゲオルギーネの動向は、単なる嫌がらせにとどまらず、エーレンフェストの乗っ取りを視野に入れた極めて危険なものである。彼女に名を捧げた旧ヴェローニカ派の狂信的な忠誠心を利用し、フェルディナンドという最大の障壁を排除しながら着々と足場を固める底知れぬ恐ろしさが描かれている。
フェルディナンドのアーレンスバッハ婿入り
物語におけるフェルディナンドのアーレンスバッハ婿入りについて解説する。アウブ・アーレンスバッハの危篤による急な出発の前倒しから、エーレンフェストでの家族との別れ、そして敵地とも言えるアーレンスバッハでの生活の始まりが描かれている。
出発の前倒しと準備
冬の粛清に向けた会議の最中、アウブ・アーレンスバッハからフェルディナンドに早急に来てほしいという緊急の書状が届いた。
- アウブの容体が危険な状態にあり、彼が生きている冬の間にアーレンスバッハの貴族との繋がりを作らせたいという意図であった
- フェルディナンドは、エーレンフェストで防戦に徹するよりもアーレンスバッハへ向かい、ゲオルギーネの動きを探り牽制すべきだと判断し、出発の前倒しを決意した
- 出発までの期間が数日に縮まったため、ローゼマインは彼が食事を後回しにしないよう、時を止める魔術具に大量の料理や菓子を詰めて手配した
- また、フェルディナンドは神殿の自身の工房を片付け、魔力登録を解除して神殿を去る準備を進めた
エーレンフェストでの別れと館の譲渡
出発当日、境界門で見送りが行われた。
- ジルヴェスターは事前に酒を酌み交わした際、エーレンフェストに固執せずアーレンスバッハで自身の幸せを最優先にしてほしいと兄としての本音を伝えていた
- 境界門でフェルディナンドはローゼマインに対し、エーレンフェストの聖女として領地を守ってほしいと頼んだ
- そして、本や図書館の誘惑に釣られやすい彼女をエーレンフェストに繋ぎ止めるための報酬として、自身の館を図書館として譲り渡す鍵を預けた
- これに対しローゼマインは、神殿長だけが知る魔法陣を用いて全属性の神々に祈りを捧げ、旅立つフェルディナンド達に虹色の祝福を与えた
- その成長と覚悟を見たフェルディナンドは、彼女にエーレンフェストを任せて境界門を越えた
アーレンスバッハへの到着と現状
フェルディナンドがアーレンスバッハに到着する直前、アウブ・アーレンスバッハは亡くなってしまった。
- そのため、彼が目的としていたアウブの主導で貴族との繋がりを作ることは困難となった
- さらに、ゲオルギーネは夫の死を嘆いて体調を崩したという名目で出迎えに現れず、急遽次期領主候補のレティーツィアが代理を務めるなど、到着早々から不穏な空気が漂っていた
- フェルディナンドの側近として同行したユストクスは、下働きに変装して城内へ潜入し情報収集を行った
- その結果、ゲオルギーネが第二夫人系や旧ベルケシュトックの住民から強い支持を集めている実態を掴んだ
味方作りと始まりの宴
敵地に等しいアーレンスバッハで味方を作るため、フェルディナンドはローゼマインの助言を取り入れ、始まりの宴で歓迎への礼としてフェシュピールを演奏した。
- 彼の見事な演奏と、かつて貴族院のディッターで名を馳せた実力に関する話題が広がったことで、彼を下位領地出身だと見下していたアーレンスバッハの貴族たちも徐々に評価を改め始めた
まとめ
フェルディナンドのアーレンスバッハ婿入りは、彼自身の幸せを犠牲にしてエーレンフェストを守るための過酷な旅立ちであった。到着直後に後ろ盾となるアウブを失うという逆境からのスタートとなったが、持ち前の警戒心や情報収集能力、そしてローゼマインの助言を活かしながら、アーレンスバッハでの基盤作りに奮闘する姿が描かれている。
エーレンフェストの次期領主教育
物語におけるエーレンフェストの次期領主教育について解説する。フェルディナンドの婿入りが決まり、ヴィルフリートやローゼマインに対する教育方針が見直される過程や、次期領主を支える体制づくりの課題が描かれている。
ヴィルフリートの次期領主教育の本格化
フェルディナンドの婿入りに伴い、彼が担っていた執務の穴を埋めるためにも、ヴィルフリートの次期領主としての教育が本格的に始まった。
- ライゼガング派との会見において、ヴィルフリートは支持を得たと楽観視しているが、シャルロッテからはローゼマインの次期領主辞退を受け入れただけと厳しい見方をされており、彼自身の現状認識の甘さが課題となっている
- また、婚約者であるローゼマインとは今後支え合う関係を築く必要があるが、お互いに相手の存在に対する意識が希薄であり、まずは意思疎通から始める必要性が指摘されている
ローゼマインの第一夫人教育と神殿業務
フロレンツィアはローゼマインに対し、神事や神殿業務よりも将来の第一夫人として領内社交の経験を積んでほしいと考えている。
- しかし、シャルロッテは、フェルディナンドが不在となる中で神殿業務や印刷業、貴族院での最優秀まで期待されているローゼマインに領内の社交までこなすよう求めるのは無理だと反論している
- シャルロッテは、ローゼマインの教育よりもヴィルフリートの教育と側近の見直しを優先すべきだと主張した
ヴィルフリートの側近問題と見直し
ヴィルフリートの次期領主内定後、筆頭側仕えのオズヴァルトをはじめとする側近たちが増長し、手柄を立てるためにシャルロッテに様々なことを譲らせるなどの問題が起きていた。
- ヴィルフリート本人が側近の暴走に気づいていないことを知ったフロレンツィアは、現状を把握させるためにオズヴァルト達を外すことを決意する
- ライゼガング派からも側近を入れるなどの大幅な見直しを行い、ヴィルフリートにエーレンフェストの情勢を理解させる方針が固められた
ジルヴェスターによる実務教育
ジルヴェスターは、フェルディナンドが抜けた領主業務の穴を埋め、自身にもしものことがあった場合に備えるため、ヴィルフリートに領主の仕事を教え始めている。
- ギーベからの陳述書の処理などを任せ、飽きっぽいヴィルフリートに次々と新しい仕事を与えて一通りの実務を学ばせようとしている
- また、一度引退したボニファティウスも、領主一族の仕事や次期領主の教育を手伝う形でサポートに入ることになっている
まとめ
エーレンフェストの次期領主教育は、フェルディナンドという大きな支えを失うことで急務となっている。ヴィルフリートの現状認識の甘さや側近問題の解決、ローゼマインの多すぎる負担といった課題を抱えながらも、領主夫妻が中心となって次世代を担う子供たちの育成と実務の引き継ぎに奔走する姿が描かれている。
聖典の盗難事件
物語における聖典の盗難事件について解説する。フェルディナンドのアーレンスバッハへの旅立ちが迫る中、神殿に侵入した貴族によって聖典がすり替えられ、ローゼマインの命や立場が狙われた一連の騒動とその解決までの過程が描かれている。
事件の発覚と偽聖典の罠
- イタリアンレストランでの食事会から神殿に戻ったローゼマイン達は、自室に漂う女性の香料の甘い匂いや微妙な違和感、そして門番の灰色神官四人が失踪したという報告から異常を察知した
- 魔力による入念な調査の結果、祭壇の聖典と鍵の保管箱の鍵が偽物とすり替えられていることが判明した
- 偽聖典は本物そっくりな魔術具で中身がなく、さらに触れると手から浸透する遅効性の毒が塗られており、儀式での醜態の露見だけでなくローゼマインや側近達の暗殺をも狙った悪質な罠であった
実行犯と手引きをした青色神官
- 孤児院のコンラートによる目撃証言や下町の門からの情報を手がかりに捜査が進められ、手引きをしたのは青色神官のエグモントであることが判明した
- 実行犯は、かつて処刑されたシキコーザの母であるダールドルフ子爵夫人であり、息子を失った恨みからローゼマインへの復讐と神殿長からの失脚を企てていた
- エグモントは次期神殿長の座を餌に従属契約を結ばされ、身食い兵の指輪を渡された上で、神殿長室を無人にするよう協力していた
灰色神官の救出と証拠の確保
- 拉致された門番の灰色神官達は、護衛騎士達の迅速な追跡によって街の外の荷馬車から無事に救出された
- フェルディナンドはエグモントの指輪から素性を突き止めて腕を斬り落とし、その記憶を探ることでダールドルフ子爵夫人およびギーベ・ゲルラッハが関与しているという確たる証拠を手に入れた
- しかし、ダールドルフ子爵の冬の館に突入した時には、子爵夫人は記憶を読まれないよう側仕えと共に自害しており、聖典の行方はわからなくなってしまった
聖典の奪還と事後処理
- 聖典の行方を追う中、子爵夫人の使いがギルベルタ商会で新しい染め布を購入していたという情報から、フェルディナンドへの結婚祝いに偽装して城へ送られた可能性が浮上した
- 城の贈り物保管室を捜索した結果、布の芯として使われていた木箱の中から無事に本物の聖典が発見された
- 聖典を取り戻したことで事件は公にされず失点を防ぐことができ、ダールドルフの一族には連座処分の代わりにシュツェーリアの盾による確認と名捧げを条件とした救済の道が示されることとなった
まとめ
聖典の盗難事件は、ローゼマインのわずかな違和感から発覚し、フェルディナンドの冷徹で迅速な判断によって最悪の事態を防いだエピソードである。旧ヴェローニカ派の執念深さと残忍さが浮き彫りになる一方で、下町からの情報網や側近達の連携が事件解決に大きく貢献し、その後の冬の粛清へ向けた重要な転換点となっている。
旧ヴェローニカ派の粛清計画
旧ヴェローニカ派の粛清計画は、ゲオルギーネと通じてエーレンフェストに危害を加える危険な貴族を排除するため、冬の間に極秘で行われる計画である。本来は旧ヴェローニカ派と最も距離があるフェルディナンドが情報統制を含めて指揮を執る予定だったが、彼のアーレンスバッハ出発が前倒しになったため、カルステッドや一度引退したボニファティウスらがその穴を埋めて対応することになった。
決行のタイミング
- 戦力が減少するリスクを避けるため、冬の主の討伐が完了した直後に一気に粛清を行う段取りとなっている
名捧げをした大人の扱い
- ヴェローニカに名を捧げた者:ヴェローニカは白の塔に名捧げ石を持ち込んでおらず新たな命令を下せないため、直接的な不正に関わっていない限りは特に追加の処分は行われない
- ゲオルギーネに名を捧げた者:アーレンスバッハの第一夫人であるゲオルギーネの命令に逆らえない者は、エーレンフェストにとって危険な存在とみなされ、容赦なく処分される。聖典盗難事件を起こしたダールドルフ子爵夫人や、暗躍を続けるギーベ・ゲルラッハなどがこの対象である
子供たちへの救済措置
アウブ・エーレンフェストは、これまでの慣例である連座によって命を失う子供をできるだけ減らすため、年齢に応じた救済措置を用意した。
- 貴族院の学生達:派閥に関係なく協力し合っていた実績から、領主一族の誰かに名を捧げることを条件に連座を免れる道が示された。これを受け、マティアスやラウレンツなどは親と道を違え、ローゼマインへ名を捧げる決断を下している
- 洗礼式を終えた子供達(貴族院入学前):フロレンツィアが保護して城の騎士寮で生活させる。その中で親の罪と危険性を説明し、連座で処分を受け入れるか、寮で生活していくかを自ら選択させる
- 洗礼式前の子供達:ローゼマインの提案により、神殿の孤児院で引き取られる。魔力のある子供は神具に魔力を注ぐ仕事を与えられて生活を保障され、中級貴族程度の教養を身につけて優秀だと認められた者は、アウブの後見で貴族として洗礼式を受けられる可能性も残された
まとめ
旧ヴェローニカ派の粛清計画は、エーレンフェストの安全を確保するための不可避の措置である。一方で、過去の慣例にとらわれず、連座によって失われる命を最小限に抑えるための救済措置が年齢別に細かく定められているのが特徴である。フェルディナンド不在という非常事態の中、領主一族と側近たちが一丸となってこの難局を乗り越えようとする重要な転換点となっている。
ローゼマインの魔力祝福
物語におけるローゼマインの魔力祝福について解説する。特に、アーレンスバッハへ旅立つフェルディナンド達に贈られた「虹色の祝福」は、彼女の成長と強大な魔力を象徴する重要な出来事として描かれている。
祝福の背景と溢れる感情
- フェルディナンドがエーレンフェストを旅立つ日、境界門で見送りが行われた
- フェルディナンドはローゼマインに対し、エーレンフェストを守るよう約束させ、彼女を領地に繋ぎ止めるための重しとして自身の館の鍵を譲り渡した
- ローゼマインは、理不尽な王命への怒り、フェルディナンドがいなくなる寂しさ、相変わらず自分が信用されていない悔しさ、そして自分の図書館を得た喜びなど、混ざり合った複雑な感情を涙ではなく魔力へと変えた
神殿長のみが知る魔法陣
- ローゼマインは右手に現れたシュタープをペンの形(スティロ)に変え、空中に光で魔法陣を描き始めた
- これは貴族院で習うような自分の望みを叶えるための魔法陣や、王を目指すためのものではなく、聖典の最後のページに記されている「神殿長だけが知ることのできる魔法陣」であった
- かつて感情だけで祝福を暴発させていた頃とは異なり、神殿長となった者がただひたすらに神へ祈りを捧げるための正しい作法を用いたものであった
祈りの言葉と虹色の光
- ローゼマインが最高神と五柱の大神の名を唱えるごとに、シュタープから魔力が流れ、神々を表す記号がそれぞれの貴色で光り始めた
- 魔法陣は眩く金色に光り、その縁からは様々な色の光が溢れ出した
- そして、穢れを清める水、何者にも切れぬ火、災いを寄せぬ風、全てを受け入れる土、決して諦めぬ命の力として、全ての貴色が入り混じる「虹色の祝福」がフェルディナンド、エックハルト、ユストクスに降り注いだ
周囲への影響と波紋
- 本来、命の属性が邪魔をするため全属性の祝福を成功させるのは非常に難しいとされており、この奇跡的な光景を見た周囲の者達は一様に驚愕し、感嘆の息を漏らした
- フェルディナンド自身も、その無駄のない美しい魔法陣を研究してみたいと思うほどであった
- また、ハルトムートはこの時の神々しい姿に深く感動し、後に孤児院の子供達に熱弁を振るっている
- 一方で、これほど強大な祝福を与えられる「エーレンフェストの聖女」を欲しがらない領地はないだろうと側近達は考え、今後の貴族院生活における警戒をさらに強める要因ともなった
まとめ
ローゼマインの虹色の祝福は、感情の暴走を抑え、神殿長としての正しい祈りと魔法陣によって生み出された彼女の成長の証である。全てを与えてくれた師であるフェルディナンドに対する最高の餞別となったと同時に、その規格外の力が周囲に深い感銘を与え、今後の波乱を予感させる出来事となっている。
孤児院の体制変化
物語における孤児院の体制変化について解説する。旧ヴェローニカ派の粛清に伴い、連座を免れた洗礼前の貴族の子供たちが孤児院に保護されることになり、孤児院の役割や内部の生活が大きく変化していく過程が描かれている。
粛清による貴族の子供たちの受け入れ
冬の粛清で連座処分を受ける子供たちを救うため、洗礼式前の幼い子供たちは神殿の孤児院で引き取られることになった。
- ローゼマインの提案により、魔力のある子供は神具に魔力を注ぐ仕事を与えられて生活を保障されることになった
- 孤児院で中級貴族程度の教養を身につけ、優秀だと認められた者は、アウブの後見を得て貴族として洗礼式を受けられるという救済の道が示された
- 新しく神官長に就任したハルトムートの指示により、ヴィルマ達が受け入れの準備を進めた
17名の子供たちの到着と葛藤
冬の社交界が始まって間もなく、孤児院に17名の子供たちが連れてこられた。
- 突然家族を失い、孤児院へ連れてこられた子供たちは、怯えや警戒心を露わにし、自分の魔術具を抱え込んで手放そうとしなかった
- 元貴族であるコンラートやディルクが孤児院での生活の仕方を教えようとするが、貴族としての矜持を持つ年長の子供たちは「お手伝い」をすることに反発した
- しかし、ヴィルマが努力して教養を身につければ貴族社会へ戻れると説明したことで、年長の子供たちは明確な目標を見出し、孤児院のルールに従って勉強や手仕事に励むようになった
孤児院内の良い影響と人手不足の解消
- 貴族社会へ戻るという目標を持って努力する子供たちの姿は、ディルクやコンラートにも良い刺激を与え、彼らもフェシュピールなどの練習に熱を入れるようになった
- 一方で、幼い子供たちは夜ごと家族を求めて泣き出すため、ヴィルマやリリーは慰めるのに手一杯で寝不足になっていた
- そこでハルトムートは、実家が犯罪で捕らえられた青色神官たちの側仕え(灰色神官や灰色巫女)を孤児院に戻し、人手不足を補わせた
ハルトムートによるローゼマイン信仰の教育
- 新しい子供たちにローゼマインがいかに美しく慈悲深いかを教えるため、ハルトムートはヴィルマに描かせたローゼマインの姿絵を子供たちに見せた
- フェルディナンドの旅立ちの日にローゼマインが行った「虹色の祝福」について熱弁を振るい、彼女を聖女ではなく女神であると称賛した
- 最後に、神々と共にローゼマインへ祈りと感謝を捧げるよう促し、孤児院の者たちが一斉に祈りを捧げた。新しい子供たちはその光景に戸惑い、ヴィルマは神殿生活に馴染ませるために、まずお祈りの作法から教えなければならないと考えた
まとめ
孤児院は単なる身寄りのない子供の保護施設から、罪に問われた貴族の子供たちに教養を与え、再び貴族社会へ復帰させるための教育機関としての役割を担うようになった。ハルトムートという新しい神官長のもとで、ローゼマインへの感謝と信仰を軸とした新たな体制が築かれていることが描かれている。
第四部 貴族院の自称図書委員8レビュー
第四部 貴族院の自称図書委員
本好きの下剋上 全巻まとめ
第四部 女神の化身1レビュー
登場キャラクター
エーレンフェスト領主一族
ジルヴェスター
エーレンフェストの領主であり、フロレンツィアの夫である。フェルディナンドの異母兄として彼を頼りにしている。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェスト・アウブ(領主)。
・物語内での具体的な行動や成果
フェルディナンドのアーレンスバッハ行きに関する書状を受け取り、最終的な判断を彼に委ねた。旧ヴェローニカ派の粛清に向けて会議を開き、処分や救済の道を示している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
フェルディナンドの不在により執務量が増加し、その穴を埋めるために奮闘する姿が描かれている。
フロレンツィア
ジルヴェスターの第一夫人である。夫を支え、領内の情報収集や子供たちの教育に心を砕いている。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェスト・第一夫人。
・物語内での具体的な行動や成果
ゲオルギーネの来訪時に彼女の動向へ警戒感を抱き、女性貴族を通じて情報を集めた。冬の粛清では、連座を免れる子供達を城の騎士寮で保護する役割を担う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
領内社交の重要性を重んじており、ローゼマインにも第一夫人としての教育を優先させたいと考えている。
ローゼマイン
エーレンフェストの領主の養女であり、神殿長を務める少女である。本や図書館に強い執着を持っている。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェスト・領主候補生。神殿長。孤児院長。
・物語内での具体的な行動や成果
自身の聖典が盗まれたことにいち早く気付き、フェルディナンド達と共に奪還へ向かった。旅立つフェルディナンドへ神殿長のみが知る全属性の虹色の祝福を贈っている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
フェルディナンドから館を図書館として譲り受け、エーレンフェストを守るよう託された。
フェルディナンド
ジルヴェスターの異母弟であり、ローゼマインの後見人である。感情を隠すことに長け、合理的な判断を下す。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェスト・領主候補生。神官長(退任)。
・物語内での具体的な行動や成果
ローゼマインの聖典が偽物とすり替えられた事件を解決し、関係者を捕らえた。アウブ・アーレンスバッハの危篤を受け、予定を前倒ししてアーレンスバッハへ旅立っている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
神官長を退任し、王命によってディートリンデの婿としてアーレンスバッハへ向かった。
ヴィルフリート
ジルヴェスターの息子であり、次期領主に内定している少年である。楽観的な性格が目立つ。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェスト・領主候補生。次期領主。
・物語内での具体的な行動や成果
フェルディナンドが抜けた穴を埋めるため、ジルヴェスターから領主の仕事を教わり始めた。貴族院ではローゼマインと共に寮内の警戒に当たっている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
周囲の状況認識に甘さが見られ、側近達の増長に気付いていない点を妹のシャルロッテから危惧されている。
シャルロッテ
ジルヴェスターの娘である。周囲をよく観察しており、冷静な判断力を持つ。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェスト・領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
ディートリンデとの交流でローゼマインを読書へ向かわせ、不要な確執を避けるよう配慮した。ヴィルフリートの側近が増長している問題をフロレンツィアに報告している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
母親との情報交換において、言葉の裏を読む成長した姿を見せた。
メルヒオール
ジルヴェスターの息子である。洗礼式を終えたばかりの幼い少年として描かれている。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェスト・領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
冬の社交界の始まりの宴にてお披露目に参加した。ローゼマインが作曲した曲の演奏を披露している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
まだ領主候補生としての意識は薄いが、貴族院へ向かう兄姉を見送った。
ボニファティウス
ジルヴェスターの伯父である。一度は引退したが、エーレンフェストのために力を尽くしている。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェスト・領主一族。
・物語内での具体的な行動や成果
冬の主の討伐と粛清に参加するため、騎士見習い達の訓練を行っている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
フェルディナンドの不在を補うため、領主一族としての仕事や次期領主の教育を手伝う予定となっている。
エーレンフェストの貴族・側近・騎士
エルヴィーラ
カルステッドの第一夫人であり、ローゼマインの洗礼式上の母親である。情報網を駆使して活動する。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェストの上級貴族。カルステッドの第一夫人。
・物語内での具体的な行動や成果
ゲオルギーネの滞在中、女性貴族が参加するお茶会などで率先して情報収集を行った。フェルディナンドがアーレンスバッハへ持っていく贈り物の選別を手伝っている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
流行の仕掛け人がフェルディナンドであるという噂が旧ヴェローニカ派に広がっていることを報告した。
カルステッド
エーレンフェストの騎士団長である。ジルヴェスターを支え、フェルディナンドとも気安い関係にある。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェスト・騎士団長。
・物語内での具体的な行動や成果
聖典盗難事件の際、エグモントの側仕え達や証拠品を扱う場所でローゼマインを労った。冬の粛清計画の会議に参加している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
フェルディナンドとエックハルトが抜けた穴を埋めるため、騎士団内で奮闘している。
エックハルト
フェルディナンドの護衛騎士である。主に対して絶対の忠誠を誓っている。
・所属組織、地位や役職
フェルディナンドの護衛騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
偽聖典に塗られた毒を素早く看破し、ローゼマインの側近達へ危機感の不足を指摘した。フェルディナンドに従い、アーレンスバッハへ同行している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
アーレンスバッハへ向かうにあたり、自身の館を弟のコルネリウスに譲った。
ユストクス
フェルディナンドに名を捧げた側仕えである。情報収集を得意とし、主のために暗躍する。
・所属組織、地位や役職
フェルディナンドの側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
アーレンスバッハへ到着後、下働きに変装して城内へ潜入し、ゲオルギーネの勢力に関する情報を集めた。母親のリヒャルダを呼び出し、荷造りを手伝わせている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
フェルディナンドと共にアーレンスバッハへ移住し、現地の状況を探る役割を担う。
コルネリウス
ローゼマインの護衛騎士である。妹を大切に思っているが、護衛としての力不足に悩むこともある。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの護衛騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
灰色神官の救出作戦において、馬車を止めるための魔力攻撃を行った。エックハルトから護衛としての甘さを指摘され、実力を高める決意をした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
レオノーレとの結婚を視野に入れており、エックハルトから譲り受けた館に彼女を迎える予定を立てている。
レオノーレ
ローゼマインの護衛騎士である。冷静な判断力と戦術知識を持つ。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの護衛騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
灰色神官の救出作戦では神殿長室に残り、情報伝達や防衛を担った。コルネリウスを支え、彼の強みを評価して慰めている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
コルネリウスとの仲が深まっており、彼からの館への誘いを心待ちにしている。
ハルトムート
ローゼマインの側近であり、新しく神官長に就任した青年である。主を熱狂的に崇拝している。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの文官。神官長。
・物語内での具体的な行動や成果
ローゼマインへの暴言を聞いて青色神官を尋問したほか、孤児院に引き取られた新しい子供達へ主の言葉を伝えた。奉納式の準備を主導している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
神官長に就任したことで、神殿内での影響力を強めている。
オティーリエ
ローゼマインの側仕えである。エルヴィーラと親しく、情報交換を行っている。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
文書内での直接的な台詞や行動は描かれていない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ハルトムートが忙しくしていることをリヒャルダへ伝えていたと言及されている。
ブリュンヒルデ
ローゼマインの側仕えである。流行や装飾に関する知識が豊富に描かれている。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
ディートリンデから注文された髪飾りを確認し、王族への配慮として複数の飾りを使う案を出した。フェルディナンドが贈った虹色魔石の簪をローゼマインの髪に挿している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
イタリアンレストランでの食事会へ同行し、下町についての知識を得ようと意欲を見せた。
リーゼレータ
ローゼマインの側仕えである。静かで控えめな性格だが、仕事には誠実に取り組む。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
イタリアンレストランでの食事会に参加し、ラッフェルパイを非常に気に入っておかわりをしていた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
姉のアンゲリカが生活能力に欠けることを心配されている。
アンゲリカ
ローゼマインの護衛騎士である。考えることは苦手だが、主を守るための行動は素早い。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの護衛騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
灰色神官の救出作戦において、身食い兵が乗る馬車の手綱と轅を一瞬で切断した。エックハルトとお互いの健闘を祈り合う仕草を交わしている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
自ら考えるよりも、与えられた指示に忠実に動く役割に特化している。
ユーディット
ローゼマインの護衛騎士である。遠距離攻撃を得意としている。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの護衛騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
灰色神官の救出作戦で先陣を任され、魔術具を用いて馬車の御者を狙撃し動きを止めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
未成年ながらも神殿の外での戦闘任務に参加し、活躍を見せた。
ダームエル
ローゼマインの護衛騎士である。魔力は少ないが、緻密な魔力操作と感知能力に優れる。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの護衛騎士。下級貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
微弱な魔力を感知して身食い兵が乗る馬車を見極めた。灰色神官に変装した身食い兵を躊躇いなく討ち取っている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
自身の結婚を半ば諦めており、フィリーネに関するローゼマインの提案も辞退した。
フィリーネ
ローゼマインの文官見習いである。弟思いの優しい少女として描かれている。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの文官見習い。下級貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
聖典盗難事件の際、孤児院へ向かい子供達から情報を集めた。弟のコンラートを抱きしめて安心させている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ローデリヒに好意を抱いているとダームエルから推測されている。
ローデリヒ
ローゼマインの文官見習いである。旧ヴェローニカ派出身だが、主に名を捧げている。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの文官見習い。中級貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
フェルディナンドから旧ヴェローニカ派の子供達を取り込むよう期待を寄せられ、頷いて応じた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
マティアスから、ローゼマインに名を捧げて大事にされていると評価されている。
リヒャルダ
ローゼマインの筆頭側仕えであり、ユストクスの母親である。厳格で責任感が強い。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの筆頭側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
ユストクスからの緊急の呼び出しを受け、彼のアーレンスバッハ行きに向けた荷造りを手伝った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
かつてゲオルギーネに仕えていた過去があり、当時の対応について後悔を滲ませている。
オズヴァルト
ヴィルフリートの筆頭側仕えである。主の功績を立てるために暗躍する。
・所属組織、地位や役職
ヴィルフリートの筆頭側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
ヴィルフリートに手柄を立てさせるため、シャルロッテに様々なことを譲らせるよう要求した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
その増長した振る舞いが問題視され、フロレンツィアから側近を外される可能性が浮上している。
ランプレヒト
ヴィルフリートの護衛騎士である。アウレーリアの夫として言及されている。
・所属組織、地位や役職
ヴィルフリートの護衛騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
妻へ布を贈る際のマナーについて、過去にブリュンヒルデから教えを受けていたことが回想された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
コルネリウスに対して、家具は女性に選んでもらった方が良いと助言している。
マティアス
ギーベ・ゲルラッハの息子である。冷静に情勢を分析し、自分の生き方を模索する。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェストの騎士見習い。旧ヴェローニカ派。
・物語内での具体的な行動や成果
父の不審な行動を目撃し、ゲオルギーネと決別してローゼマインに名を捧げる決断を下した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
旧ヴェローニカ派の子供達の未来を背負い、領主一族へ重要な情報を告発した。
ラウレンツ
マティアスの友人で、同じく旧ヴェローニカ派の騎士見習いである。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェストの騎士見習い。旧ヴェローニカ派。
・物語内での具体的な行動や成果
マティアスと共に素材採集へ赴き、魔獣から彼を助けた。家族を切り捨てる決断に迷いを見せている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
マティアスと行動を共にし、ローゼマインを中心とした貴族院の雰囲気を気に入っている。
ニコラウス
コルネリウスらの異母弟である。旧ヴェローニカ派の母を持つ。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェストの貴族の子供。
・物語内での具体的な行動や成果
洗礼式を終えて子供部屋に通っており、コルネリウスから警戒の目を向けられている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
母親が粛清の対象となる予定であり、その後の処遇が懸念されている。
トルデリーデ
ニコラウスの母親である。ゲオルギーネ寄りの思想を持つ。
・所属組織、地位や役職
旧ヴェローニカ派の女性貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
実家の情報をゲオルギーネ派に流していたため、処分されることが決まっている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
処刑は免れるものの、幽閉されて魔力を奪われる罰を受ける予定である。
ラザファム
フェルディナンドの貴族街の館を管理する側仕えである。
・所属組織、地位や役職
フェルディナンドの側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
文書内での直接的な台詞や行動は描かれていない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ユストクスが彼を手伝うために動いていたと言及されている。
エーレンフェストのギーベ・その関係者
ギーベ・ライゼガング
ライゼガングの領主である。穀倉地帯を治めている。
・所属組織、地位や役職
ライゼガングのギーベ。
・物語内での具体的な行動や成果
ローゼマインに小聖杯を受け取る際のお茶会で、祖父から聞いたゲオルギーネの不審な動向について伝えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
富に執着せず、己の役目を全うする土地柄を体現している。
前ギーベ・ライゼガング
ギーベ・ライゼガングの祖父であり、ローゼマインの曾祖父である。
・所属組織、地位や役職
前ギーベ・ライゼガング。
・物語内での具体的な行動や成果
ゲオルギーネがゲルラッハに立ち寄り、怪しい集まりがあったと主張している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
証拠はないものの、その推測がローゼマインを通じてジルヴェスターへ伝えられた。
グラオザム(ギーベ・ゲルラッハ)
ギーベ・ゲルラッハである。マティアスの父親であり、ゲオルギーネに心酔している。
・所属組織、地位や役職
ゲルラッハのギーベ。旧ヴェローニカ派。
・物語内での具体的な行動や成果
ゲオルギーネをアウブにするため、謎の包みを転移陣で送るなどの暗躍を行っている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
マティアスから見限られ、その行動が領主一族へ告発されることになった。
フロイデン
ラウレンツの兄であり、ベティーナの夫である。
・所属組織、地位や役職
旧ヴェローニカ派の貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
文書内での直接的な台詞や行動は描かれていない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
結婚して家が分かれていると言及されている。
ベティーナ
フロイデンの妻である。実家へ冬支度の品を送る準備をしていた。
・所属組織、地位や役職
旧ヴェローニカ派の女性貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
グラオザムから転移陣で小さな包みを受け取り、確認の連絡を返した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
アーレンスバッハへその包みを送った可能性がマティアスから疑われている。
ダールドルフ子爵
ダールドルフの領主である。妻の行動に頭を抱える。
・所属組織、地位や役職
ダールドルフのギーベ。旧ヴェローニカ派。
・物語内での具体的な行動や成果
ジルヴェスターから妻の罪を告げられ、連座を免れるために聖典の捜索を約束した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
すでにヴェローニカへ名を捧げていたため、アウブへの名捧げによる救済を受けられなかった。
ダールドルフ子爵夫人
シキコーザの母親である。息子を失った恨みから復讐を企てる。
・所属組織、地位や役職
ダールドルフ子爵夫人。旧ヴェローニカ派。
・物語内での具体的な行動や成果
エグモントを手引きして神殿へ侵入し、聖典を毒付きの偽物とすり替えた。その後、記憶を読まれないよう側仕えと共に自害している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
彼女の行動がエーレンフェスト上層部に旧ヴェローニカ派の脅威を再認識させた。
イェレミアス
ダールドルフ子爵の息子であり、次期ギーベである。
・所属組織、地位や役職
ダールドルフの次期ギーベ。
・物語内での具体的な行動や成果
母親の暴走を以前から非難しており、一族を救うためにアウブへ名を捧げる決意を示した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
聖典が城の贈り物保管室にある可能性に気付き、捜索に大きく貢献した。
神殿・下町関係者(エーレンフェスト)
フラン
ローゼマインの筆頭側仕えである。フェルディナンドの元側仕えでもある。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの筆頭側仕え(神殿)。灰色神官。
・物語内での具体的な行動や成果
自室の鍵の保管箱から聖典の鍵が狙われたことに気付き、捜索を補助した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
フェルディナンドが去ったことに喪失感を覚え、彼と共に新しい世界へ行きたいと密かに願っている。
ザーム
ローゼマインの側仕えである。フェルディナンドの元側仕えとしての過去を持つ。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの側仕え(神殿)。灰色神官。
・物語内での具体的な行動や成果
フランの部屋で鍵の保管箱が狙われた可能性を指摘し、犯人の目的に気付くきっかけを作った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
フェルディナンドが持ち込んだ本をフランと共に図書室から運び出した。
モニカ
ローゼマインの側仕えである。控えめだが気が利く。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの側仕え(神殿)。灰色巫女。
・物語内での具体的な行動や成果
神殿のあちこちに神々の彫刻が隠されていることをローゼマインに教えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
孤児院の冬支度や新しい子供達の受け入れ準備に奔走している。
ニコラ
ローゼマインの側仕えである。明るく食事の準備を担う。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの側仕え(神殿)。灰色巫女。
・物語内での具体的な行動や成果
ローゼマインの留守中に孤児院へ食事を運び、エグモントの側仕えが来たことを報告した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
フェルディナンドの出立に向けて大量の料理やお菓子の手配を任された。
ギル
ローゼマインの側仕えである。工房の仕事に情熱を燃やす。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの側仕え(神殿)。灰色神官。
・物語内での具体的な行動や成果
商業ギルドなどに不審な馬車の目撃情報がないか聞き込みへ向かった。パルゥ採りでは子供達を引率している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
新しい神官長の体制下でも、工房の責任者として忙しく働いている。
フリッツ
ローゼマインの側仕えである。孤児院や工房のまとめ役を担う。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの側仕え(神殿)。灰色神官。
・物語内での具体的な行動や成果
門番がシキコーザの元側仕えであったという情報を引き出し、犯人特定に貢献した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
レティーツィアに贈るための教材や本を準備する役割を果たした。
ヴィルマ
孤児院の灰色巫女である。絵を描くのが得意で、子供達の面倒を見る。
・所属組織、地位や役職
孤児院の灰色巫女。
・物語内での具体的な行動や成果
門番の灰色神官達が消えたことをいち早くローゼマインに報告した。新しい子供達へ貴族社会へ戻る道を説明している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ハルトムートの依頼でローゼマインの姿絵を描き上げ、高い評価を受けた。
デリア
孤児院の灰色巫女である。ディルクの面倒をよく見ている。
・所属組織、地位や役職
孤児院の灰色巫女。
・物語内での具体的な行動や成果
新しい子供達に布団の準備などの仕事を振り分け、孤児院の生活に馴染ませようと努力した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ローゼマインへの感謝を口にしつつも、からかわれると感情を剥き出しにする一面を見せた。
リリー
孤児院の灰色巫女である。幼い子供達の世話を担当する。
・所属組織、地位や役職
孤児院の灰色巫女。
・物語内での具体的な行動や成果
夜ごと家族を求めて泣く新しい子供達を抱きしめて慰め、寝不足になりながらも世話を続けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
デリアがからかわれて怒る様子を微笑ましく見守っている。
ロジーナ
ローゼマインの側仕えである。音楽に秀でている。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの側仕え(神殿)。灰色巫女。
・物語内での具体的な行動や成果
イタリアンレストランでの食事会で音楽を奏でた。フェルディナンドへ贈るための楽譜を書き写している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
新しい曲の主旋律だけを完成させ、残りの編曲はフェルディナンドに委ねた。
ロータル
ハルトムートの側仕えである。フェルディナンドの元側仕えとしての過去を持つ。
・所属組織、地位や役職
ハルトムートの側仕え(神殿)。灰色神官。
・物語内での具体的な行動や成果
ハルトムートの青色神官への尋問に同行した。奉納式に向けた儀式服の選定を事務的に進めている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
新しい主であるハルトムートのやり方に少し苦労しつつも、適応しようとしている。
イミル
ハルトムートの側仕えである。フェルディナンドの元側仕えとしての一面もある。
・所属組織、地位や役職
ハルトムートの側仕え(神殿)。灰色神官。
・物語内での具体的な行動や成果
護衛騎士達の青色の儀式服を準備するよう命じられ、フラン達と共に保管室で衣装を探した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
カンフェルを気遣っており、護衛騎士が奉納式に参加することへ戸惑いを見せた。
エグモント
青色神官である。素行が悪く、旧ヴェローニカ派と繋がりがある。
・所属組織、地位や役職
青色神官。
・物語内での具体的な行動や成果
次期神殿長の座を餌にされ、ダールドルフ子爵夫人の神殿侵入を手引きした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
フェルディナンドによって腕を切り落とされ、記憶を探られて動かしようのない証拠となった。
カンフェル
青色神官である。真面目に仕事をするが、実家から搾取されている。
・所属組織、地位や役職
青色神官。
・物語内での具体的な行動や成果
文書内での直接的な台詞や行動は描かれていない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
イミルからその不遇な境遇を心配されている。
ディルク
孤児院の子供である。身食いであり、魔力を持つ。
・所属組織、地位や役職
孤児院の子供。
・物語内での具体的な行動や成果
新しく入った子供達に孤児院での生活の仕方を教え、率先してお手本を示した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
年長の子供達と競い合うことで、良い刺激を受けている。
コンラート
孤児院の子供である。元貴族であり、フィリーネの弟にあたる。
・所属組織、地位や役職
孤児院の子供。
・物語内での具体的な行動や成果
門番が光の帯で拉致される現場を目撃し、ローゼマイン達にその情報を伝えて救出のきっかけを作った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
新しく入った子供達に貴族ではない現実を教え、孤児院のルールに従うよう促した。
ベルトラム
孤児院に新しく保護された子供である。元貴族としての矜持を持つ。
・所属組織、地位や役職
孤児院の子供(元貴族)。
・物語内での具体的な行動や成果
最初は反発していたが、努力次第で貴族社会へ戻れると知り、ディルクと競うようになった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
誰よりも優秀だと認められるために孤児院での生活を受け入れた。
エラ
ローゼマインの専属料理人である。
・所属組織、地位や役職
専属料理人。
・物語内での具体的な行動や成果
フェルディナンドがアーレンスバッハへ持っていくための料理を大量に作成した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ニコラからの依頼を受け、厨房で奮闘している。
フーゴ
ローゼマインの専属料理人である。
・所属組織、地位や役職
専属料理人。
・物語内での具体的な行動や成果
エラと共にフェルディナンドの出立に向けた料理作りに取り組んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
料理の準備に追われ、イタリアンレストランでの食事会当日は休みを与えられていた。
イルゼ
イタリアンレストランの料理人である。研究熱心な性格を持つ。
・所属組織、地位や役職
イタリアンレストランの料理人。
・物語内での具体的な行動や成果
ローゼマイン達の食事会で、ツェルベのカルパッチョや仔牛のカツレツなど手間のかかった料理を振る舞った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
その料理の腕前はフェルディナンドからも高く評価されている。
ギュンター
ローゼマイン(マイン)の父親である。下町の門を守る兵士として描かれる。
・所属組織、地位や役職
北門の兵士(士長)。
・物語内での具体的な行動や成果
ダームエルからの要請を受け、不審な馬車の出入りに関する情報を集めて提供した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
パルゥ採りの際、採れた実をローゼマインへ献上するようギルに託した。
エーファ
ローゼマイン(マイン)の母親である。カミルを優しく見守る。
・所属組織、地位や役職
平民の女性。
・物語内での具体的な行動や成果
カミルがプランタン商会で働きたいと告げた際、涙ぐみながらもその決意を応援した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
新しい染め布を作成していることが言及されている。
トゥーリ
ローゼマイン(マイン)の姉である。ギルベルタ商会で働く髪飾り職人として成長している。
・所属組織、地位や役職
ギルベルタ商会のダプラ見習い(髪飾り職人)。
・物語内での具体的な行動や成果
ディートリンデや他領からの髪飾りの注文に応じ、工夫を凝らして作成した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
カミルに職業選択の重要性を説き、自分で決断するよう優しく諭した。
カミル
ローゼマイン(マイン)の弟である。ルッツに憧れている。
・所属組織、地位や役職
平民の子供。
・物語内での具体的な行動や成果
ギルベルタ商会とプランタン商会の両方から勧誘され、最終的に本を作るためにプランタン商会へ入る決意をした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
孤児院の子供達とカルタで遊ぶなど、ディルクやコンラートと交流を持っている。
ルッツ
プランタン商会で働く少年である。カミルにとって憧れの存在として描かれる。
・所属組織、地位や役職
プランタン商会のダプラ。
・物語内での具体的な行動や成果
ライゼガングでの印刷業の報告を行い、商売っ気のない土地柄に頭を抱えていた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
パルゥ採りでカミルを励まし、ローゼマイン工房への見学申請を約束した。
ベンノ
プランタン商会の旦那様である。商売に対して貪欲である。
・所属組織、地位や役職
プランタン商会の旦那様。
・物語内での具体的な行動や成果
クラッセンブルクの商人の娘カーリンを追い返し、ローゼマインの専属としての立場を守った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
カミルをプランタン商会へ引き入れようとオットーと口論を繰り広げた。
マルク
プランタン商会の店代である。ベンノを補佐する。
・所属組織、地位や役職
プランタン商会の店代。
・物語内での具体的な行動や成果
ギルベルタ商会を訪れた際、カミルやレナーテ達と一緒にカルタやトランプで遊んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
文書内での大きな立場の変化は描かれていない。
ダミアン
プランタン商会の関係者である。ルッツと共に商いを行う。
・所属組織、地位や役職
プランタン商会の関係者。
・物語内での具体的な行動や成果
ライゼガングでの商売において、稼ぐ機会を逃す姿勢に思わず叫んでしまった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
文書内での大きな立場の変化は描かれていない。
オットー
ギルベルタ商会の旦那様である。カミルを自商会へ誘う。
・所属組織、地位や役職
ギルベルタ商会の旦那様。
・物語内での具体的な行動や成果
ディートリンデから注文された髪飾りを納品し、その豪華さについての顛末を報告した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
カミルをダルアとして引き抜こうとし、ベンノと口論になった。
テオ
ギルベルタ商会の関係者である。
・所属組織、地位や役職
ギルベルタ商会の関係者。
・物語内での具体的な行動や成果
髪飾りの納品のためにオットーらと共に会合へ出席した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
文書内での大きな立場の変化は描かれていない。
レナーテ
ギルベルタ商会の娘である。負けず嫌いな性格を持つ。
・所属組織、地位や役職
ギルベルタ商会の娘。
・物語内での具体的な行動や成果
カミルとカルタなどで勝負し、彼にギルベルタ商会へ入るよう勧誘した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
文書内での大きな立場の変化は描かれていない。
クヌート
ギルベルタ商会に関わる子供である。
・所属組織、地位や役職
ギルベルタ商会に関わる子供。
・物語内での具体的な行動や成果
カミル達と一緒にカルタやトランプで遊んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
文書内での大きな立場の変化は描かれていない。
グスタフ
オトマール商会の旦那様である。長期的な視野で商売を行う。
・所属組織、地位や役職
オトマール商会の旦那様。
・物語内での具体的な行動や成果
ライゼガングが富に執着しない理由を説明し、大店として目先の利益にこだわらない姿勢を示した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
クラッセンブルクとの繋がりを失ったことを残念に思っている。
フリーダ
グスタフの孫娘である。イタリアンレストランに関わっている。
・所属組織、地位や役職
オトマール商会の関係者。
・物語内での具体的な行動や成果
ローゼマインから領地対抗戦用のカトルカールや食事会の予約を受け、店を貸し切りにして歓迎した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
料理人の引き抜きをローゼマインの名で防ぎ、安定した経営を維持している。
コージモ
オトマール商会の側仕えである。
・所属組織、地位や役職
オトマール商会の側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
ローゼマインが注文したロウレの袋をテーブルに置いた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
文書内での大きな立場の変化は描かれていない。
ユッテ
オトマール商会の関係者である。
・所属組織、地位や役職
オトマール商会の関係者。
・物語内での具体的な行動や成果
神殿の門番が不在だった時間帯について、御者達が菓子を買いに来たという情報を提供した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
文書内での大きな立場の変化は描かれていない。
ハイディ
インク職人である。新しい素材に目がない。
・所属組織、地位や役職
インク職人。
・物語内での具体的な行動や成果
ライゼガングで新しい素材を多数発見し、大喜びしていたと報告された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
文書内での大きな立場の変化は描かれていない。
ザック
鍛冶職人である。ローゼマインの要望に応える。
・所属組織、地位や役職
鍛冶職人。
・物語内での具体的な行動や成果
フェルディナンド用に注文された長椅子の製作を進めているが、布の到着待ちで冬の完成予定となっている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
文書内での大きな立場の変化は描かれていない。
ディード
建築や木工に関わる職人である。
・所属組織、地位や役職
職人。
・物語内での具体的な行動や成果
領主の魔術で街の塗料が消えた際、塗り直しの仕事が多すぎると怒っていたことが回想された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
文書内での大きな立場の変化は描かれていない。
アーレンスバッハ関係者
アウブ・アーレンスバッハ
アーレンスバッハの領主である。フェルディナンドを呼び寄せた。
・所属組織、地位や役職
アーレンスバッハ・アウブ(領主)。
・物語内での具体的な行動や成果
危篤状態に陥り、フェルディナンドへ緊急の書状を送った。フェルディナンドの到着直前に死亡している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
彼の死により、アーレンスバッハの権力構造が大きく揺れ動くことになった。
ゲオルギーネ
アーレンスバッハの第一夫人である。エーレンフェストに強い執着を持つ。
・所属組織、地位や役職
アーレンスバッハ・第一夫人。
・物語内での具体的な行動や成果
エーレンフェスト訪問の帰路にゲルラッハへ立ち寄り、礎の魔術を手に入れる野望を語った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
第二夫人系や旧ベルケシュトックの住民から強い支持を集め、次期領主の座を狙っている。
ディートリンデ
アウブ・アーレンスバッハの娘であり、フェルディナンドの婚約者である。
・所属組織、地位や役職
アーレンスバッハ・次期領主候補。
・物語内での具体的な行動や成果
アウブの死により中継ぎの領主となるための教育を詰め込まれており、フェルディナンドの出迎えには現れなかった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
自己中心的な言動が目立ち、フェルディナンドからは御すべき相手として見られている。
レティーツィア
アーレンスバッハの領主候補生である。次期領主に定められている。
・所属組織、地位や役職
アーレンスバッハ・領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
体調不良のゲオルギーネの代理として、境界門でフェルディナンド達を出迎えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
フェルディナンドが教育係となり、将来的には彼を養父としてアウブを継ぐ予定である。
アウレーリア
アーレンスバッハから嫁いできたランプレヒトの妻である。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェストの女性貴族(アーレンスバッハ出身)。
・物語内での具体的な行動や成果
文書内での直接的な台詞や行動は描かれていない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
フェルディナンドがアーレンスバッハへ向かう際の荷物の運搬において、彼女の嫁入りの前例が引き合いに出された。
ライムント
フェルディナンドの弟子である。アーレンスバッハの学生として描かれる。
・所属組織、地位や役職
アーレンスバッハの貴族院学生。
・物語内での具体的な行動や成果
ローゼマインとフェルディナンドの手紙のやり取りを仲介する役割を担うことになった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
アーレンスバッハにおいて、フェルディナンドの数少ない味方と見なされている。
ゼルギウス
フェルディナンドに付けられたアーレンスバッハの側仕えである。
・所属組織、地位や役職
フェルディナンドの側仕え(アーレンスバッハ)。
・物語内での具体的な行動や成果
フェルディナンドを客室から厨房へ案内し、始まりの宴でのフェシュピール演奏を勧めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
フェルディナンドを尊敬しているが、ユストクスからは監視役として警戒されている。
グードルーン
ゲオルギーネの側仕えであり、ユストクスの姉である。
・所属組織、地位や役職
ゲオルギーネの側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
文書内での直接的な台詞や行動は描かれていない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ゲオルギーネから、ユストクスが同行していないことを寂しがる言葉の中で言及された。
他領・中央関係者
コンスタンツェ
ジルヴェスターの姉である。フレーベルタークへ嫁いでいる。
・所属組織、地位や役職
フレーベルタークの領主一族。
・物語内での具体的な行動や成果
文書内での直接的な台詞や行動は描かれていない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ジルヴェスターの彼女に対する態度が、ゲオルギーネへの態度とは異なることがフロレンツィアから言及された。
アドルフィーネ
第一王子へ嫁ぐ予定の女性である。
・所属組織、地位や役職
第一王子の婚約者。
・物語内での具体的な行動や成果
文書内での直接的な台詞や行動は描かれていない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ディートリンデが彼女に対抗心を抱き、同じ種類の花を用いた髪飾りを注文した。
エグランティーヌ
第二王子アナスタージウスへ嫁ぐ予定の女性である。
・所属組織、地位や役職
王族関係者。
・物語内での具体的な行動や成果
文書内での直接的な台詞や行動は描かれていない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
アナスタージウスから彼女のために新しい髪飾りが注文された。
アナスタージウス
第二王子である。エグランティーヌを深く愛している。
・所属組織、地位や役職
中央・第二王子。
・物語内での具体的な行動や成果
エグランティーヌのために白のファランゼを用いた新しい髪飾りを注文した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
独占欲の強い花を選んだことがローゼマインから指摘されている。
ヒルデブラント
中央の王子である。
・所属組織、地位や役職
中央・王子。
・物語内での具体的な行動や成果
文書内での直接的な台詞や行動は描かれていない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ジルヴェスターから、彼との接触を避けるためにローゼマインへ図書館通いを控えるよう指示が出された。
レスティラウト
ダンケルフェルガーの領主候補生である。
・所属組織、地位や役職
ダンケルフェルガー・領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
エスコート相手に贈るため、自らデザインした花の組み合わせで髪飾りを注文した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
そのセンスの良さはローゼマインやトゥーリから高く評価された。
ハイスヒッツェ
ダンケルフェルガーの騎士である。フェルディナンドの好敵手として言及される。
・所属組織、地位や役職
ダンケルフェルガーの現役騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
ディッター勝負でフェルディナンドから青いマントを奪っており、ローゼマインを通じて返却される予定となっている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
フェルディナンドの腕が落ちたとはいえ、彼と辛勝の戦いを繰り広げるほどの実力を持つ。
クラリッサ
ハルトムートの婚約者である。ダンケルフェルガー出身として描かれる。
・所属組織、地位や役職
ダンケルフェルガーの上級貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
ハルトムートから秋の貴色を用いた髪飾りを注文された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ハルトムートが神殿に入ったことを気にせず、エーレンフェストへやって来ると予想されている。
カーリン
クラッセンブルクの商人の娘である。
・所属組織、地位や役職
クラッセンブルクの商人関係者。
・物語内での具体的な行動や成果
前年にエーレンフェストへ置き去りにされ、今年やってきた商人に押し付けられて帰還した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
取引枠を減らされたことで、彼女の父親が厳しい立場に立たされた。
過去の人物
先代アウブ・エーレンフェスト
ジルヴェスターやフェルディナンドの父親である。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェストの前領主。
・物語内での具体的な行動や成果
フェルディナンドをジルヴェスターの支えとして紹介し、彼をエーレンフェストに残すよう頼んだことが回想された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ヴェローニカの反対を押し切り、フェルディナンドを貴族院へ通わせた。
ヴェローニカ
ジルヴェスターの母親である。現在は白の塔に幽閉されている。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェストの前第一夫人。
・物語内での具体的な行動や成果
フェルディナンドを排除しようと執拗な嫌がらせを行い、結果的に彼を神殿へ追いやった過去が語られた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
白の塔に名捧げ石を持ち込んでいないため、彼女に名を捧げた者達は新たな命令を受けられない状態にある。
ガブリエーレ
ヴェローニカの母親であり、アーレンスバッハ出身である。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェストの過去の領主一族。
・物語内での具体的な行動や成果
自分の子供を守るため、忠臣達に名捧げを強要したことがダールドルフ子爵から語られた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
彼女の行いが、旧ヴェローニカ派に名捧げの風習を根付かせる原因となった。
ハイデマリー
エックハルトの亡き妻である。
・所属組織、地位や役職
過去の女性貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
文書内での直接的な台詞や行動は描かれていない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
エックハルトが彼女との思い出の品を館の一室に保管している。
マルグリット
かつての孤児院長であり、フランが仕えていた女性である。
・所属組織、地位や役職
過去の孤児院長。中級貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
文書内での直接的な台詞や行動は描かれていない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
彼女の儀式服を見たフランが、過去の息苦しい記憶を蘇らせた。
シキコーザ
処刑された青色神官である。ダールドルフ子爵夫人の息子にあたる。
・所属組織、地位や役職
過去の青色神官。
・物語内での具体的な行動や成果
文書内での直接的な台詞や行動は描かれていない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
彼の処刑が、母親であるダールドルフ子爵夫人にローゼマインへの復讐を決意させた。
ヨナサーラ
コンラートを虐げていた過去の女性貴族である。
・所属組織、地位や役職
過去の女性貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
文書内での直接的な台詞や行動は描かれていない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
コンラートが誘拐犯の貴族女性を見た際、彼女のような怖い人だと表現した。
マイン
ローゼマインの平民時代の名前である。カミルの死んだ姉として扱われている。
・所属組織、地位や役職
平民の少女。
・物語内での具体的な行動や成果
文書内での直接的な台詞や行動は描かれていない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
カミルは彼女を知らないが、家族がその名を出さなくなったことを不思議に思っている。
第四部 貴族院の自称図書委員8レビュー
第四部 貴族院の自称図書委員
本好きの下剋上 全巻まとめ
第四部 女神の化身1レビュー
展開まとめ
プロローグ
ゲオルギーネの退去と残された不穏
ゲオルギーネは時の女神ドレッファングーアへの祈りを交わし、アーレンスバッハへ向けて出発した。フロレンツィアは、去り際の笑みと近いうちに会うことになるという挨拶に強い不安を覚えた。その笑みは、かつて白の塔に幽閉されたヴェローニカを振り返った時のものに似ており、ヴィルフリートが白の塔へ誘導された一件を思い出させるものだった。
アーレンスバッハからの火急の知らせ
ローゼマインが火急の知らせについて尋ねると、ジルヴェスターは境界門から戻るようにという連絡が来ただけだと答えた。フロレンツィアは、通常ならば領主だけが使える水鏡で連絡するはずだと考え、アウブ・アーレンスバッハが水鏡を使えない状態にある可能性を察した。以前フェルディナンドが、婚約期間中にアウブ・アーレンスバッハが倒れる可能性を口にしていたことも思い出し、不安を深めた。
会議で共有されたゲオルギーネの情報収集
ゲオルギーネ達の出発後、エーレンフェストの首脳陣は会議室へ移動し、滞在中に得た情報を共有した。エルヴィーラは、ゲオルギーネが旧ヴェローニカ派との茶会や会食で、ジルヴェスターの評判やフェルディナンドの評価、本や印刷に関する情報を集めていたと報告した。旧ヴェローニカ派の多くは、流行の仕掛け人をローゼマインではなくフェルディナンドだと考えており、ゲオルギーネも同じ認識を持った可能性が高かった。
フェルディナンドの婿入りと専属職人の扱い
ディートリンデはフェルディナンドに、アーレンスバッハへ向かう際に専属をどれほど連れて行くのか尋ねていた。フェルディナンドは、大領地アーレンスバッハに合わせて考えると答えたが、その真意は必要最低限に抑えるというものだった。エルヴィーラは手札を増やすために職人を連れて行くことを勧めたが、フェルディナンドは平民の職人がアーレンスバッハでどう扱われるかわからない以上、重荷にしかならないとして拒否した。
フェルディナンド帰還計画への疑念
フロレンツィアは、旧ヴェローニカ派の下級貴族から、アーレンスバッハの情勢が安定した後にフェルディナンドをエーレンフェストへ戻す計画があると聞いたことを報告した。情報の信憑性は低かったが、会議室の面々は一斉に警戒を強めた。フェルディナンドは、戻される時に生きているかどうかも怪しいと述べ、場の空気を凍らせた。
ゲオルギーネの浅い交流と深まる違和感
フロレンツィアは、ゲオルギーネが旧ヴェローニカ派と以前ほど深く交流していないように見えたと述べた。表面的な社交は多かったものの、会話は当たり障りのないものばかりであり、アーレンスバッハに近いギーベ達も一定の交流を終えると自領へ戻っていた。フロレンツィアは、ゲオルギーネがこちらを警戒して接触を控えていたのではないかと考え、子供達からも話を聞くことにした。
シャルロッテから見たライゼガング訪問
フロレンツィアはシャルロッテを茶会に招き、フェルディナンドの館での出来事を聞く前に、ライゼガング訪問について確認した。ヴィルフリートは支持を得たと報告していたが、シャルロッテは、ライゼガングがローゼマインの次期領主辞退を受け入れただけであり、ヴィルフリートを積極的に支持したわけではないと見ていた。フロレンツィアは、反対しないことと支持することの差を考え、ヴィルフリートの楽観を危ぶんだ。
ディートリンデへの評価とローゼマインの退避
フロレンツィアがディートリンデについて尋ねると、シャルロッテはヴェローニカによく似ていると答えた。その意味は、ヴィルフリートが感じた優しさではなく、気に入らない者へ冷たく接し、自分の我儘が叶えられて当然と考える傲慢さであった。さらにシャルロッテは、ディートリンデがフェルディナンドやエーレンフェストを軽んじる言動を見せたため、ローゼマインとの確執を避けるために読書へ向かわせたと説明した。
フェルディナンドとローゼマインの深い繋がり
シャルロッテは、フェルディナンドの館で神殿の側仕えが使われ、ローゼマインの側近もそこにいたことを語った。神殿ではフェルディナンドが側仕えを教育し、優秀な者をローゼマインの指導係として付けていた。フロレンツィアは、フェルディナンドが神殿で洗礼式前のローゼマインを育てた存在であり、想像以上に深い繋がりを持っていたことを理解した。
ローゼマインの今後を巡る母娘の認識差
フロレンツィアは、フェルディナンドの庇護からローゼマインが巣立ち、今後は婚約者であるヴィルフリートが支えればよいと考えた。だが、シャルロッテはヴィルフリートがローゼマインを支えられるか不安を示した。フロレンツィアは、二人が婚約者として互いを意識し、意思疎通を始める必要があると考えた。
神殿業務と第一夫人教育を巡る対立
フロレンツィアは、ローゼマインには神殿より第一夫人としての教育が重要であり、神殿長の務めは他の青色神官に任せればよいと考えていた。だが、シャルロッテは、フェルディナンドがいなくなればローゼマインは神殿を一人で回さなければならず、印刷業や貴族院での成果まで期待されている以上、領内社交まで求めるのは無理だと反論した。フロレンツィアは、娘がローゼマインを強く庇う姿に、二人の間の信頼を感じた。
ヴィルフリートの側近への不満
シャルロッテは、婚約決定以来ヴィルフリートの側近達が増長していると訴えた。オズヴァルト達はヴィルフリートに功績を挙げさせるため、シャルロッテに様々なことを譲らせており、要求は次第に増えていた。ヴィルフリート本人は側近の動きに気付かず、遠回しに伝えても理解しなかったため、シャルロッテはもう兄に協力したくないと語った。
山積する問題とフロレンツィアの決意
フロレンツィアは、シャルロッテの言葉が正しければオズヴァルト達を外すと決めた。ヴィルフリートが次期領主に内定した今なら、側近の入れ替えも可能であり、ライゼガング派からも側近を入れるよう指示すれば現状を少しは理解できるかもしれないと考えた。フェルディナンドの婿入り、ゲオルギーネの不穏な動き、ジルヴェスターの不満、ヴィルフリートの未熟さ、ローゼマインの神殿偏重、シャルロッテの不満が重なり、フロレンツィアは問題の多さに深く息を吐いた。
ハルトムートの努力とご褒美
神官長職の引き継ぎと収穫祭の準備
アーレンスバッハの客人が帰った後、ローゼマインはフェルディナンドによる領主候補生の予習に追われた。夏の成人式では、神官長職の引き継ぎの一環としてハルトムートに世話をされながら神事を終えた。その後、秋の洗礼式と収穫祭の打ち合わせが始まり、ローゼマインとハルトムートは青色神官の派遣先を決めることになった。
収穫祭同行を諦めきれないハルトムート
ハルトムートは、収穫祭でローゼマインの神事を間近で見たいと強く訴えた。祈念式への同行を諦め、徴税官の仕事を覚えたにもかかわらず、神官長就任によって収穫祭にも同行できなくなったためである。ローゼマインはその不満を理解しつつも、熱弁が長くなりそうだと判断し、フラン達と青色神官の派遣先候補をまとめ始めた。
青色神官の派遣先決定
ローゼマインは、フラン達の意見を参考にしながら、収穫量が多く寄付も多い場所には真面目に仕事をしている青色神官を向かわせる方針を取った。この基準を明確にしていたため、旧ヴェローニカ派出身の青色神官達も少しずつ仕事に取り組むようになっていた。ハルトムートも真面目な話になると熱弁を止め、話し合いに参加していた。
ハルトムートへのご褒美探し
ローゼマインは、神官長就任によって収穫祭同行を諦めたハルトムートに、努力へのご褒美を与えたいと考えた。しかし、ハルトムートが喜ぶものを思い返すと、ほとんどがローゼマインに関わるものばかりであった。そこで、コルネリウス、フィリーネ、ローデリヒ、ダームエルに相談し、魔術具や魔法陣、神具や神事に関する研究資料が候補として挙がった。
神具作成の方法というご褒美
ローゼマインは、ハルトムートに神具を作ってみたいかと尋ねた。ハルトムートは神具を与えられると誤解して感激したが、ローゼマインは神具に魔力を奉納し続ければ魔法陣が浮かび、扱えるようになる方法を教えるだけだと訂正した。それでもハルトムートは何よりのご褒美だと喜び、研究が進むと跪いて感謝を示した。
側近達の神具挑戦
神具への奉納方法を聞いたコルネリウスも命の剣に挑戦したいと言い出した。ハルトムートは自分へのご褒美だと反発したが、ローゼマインは、仕事を疎かにしない範囲なら神具に奉納される魔力が増えることは歓迎すべきだと判断した。その結果、側近達も神具への奉納に参加することになり、神具には豊富な魔力が蓄えられることになった。
ハルトムートの本当の望み
神具挑戦が皆に開かれたことで、ローゼマインはハルトムートに別のご褒美を尋ねた。ハルトムートは、筆頭文官として自分をもっと頼ってほしいと真面目に願った。これまで調合の準備や素材管理、専門的な補助はフェルディナンドとその側近が担っており、ハルトムートは筆頭文官として十分に働けていないと感じていた。
フェルディナンドへのお守り作り
ローゼマインは、ハルトムートにフェルディナンドへ贈るお守り作りの相談をした。フェルディナンドがアーレンスバッハへ向かう以上、敵地へ赴くようなものだと考え、攻撃に反応して身を守る餞別を作りたかったのである。ローゼマインが複数の魔法陣を詰め込みたいと案を示すと、ハルトムートは腕が鳴ると楽しそうに応じ、全力で補佐することになった。
収穫祭と報告会
ライゼガングで聞いたゲオルギーネの不穏な動き
ローゼマインは収穫祭で直轄地を回った後、グーテンベルク達を回収するためにライゼガングへ向かった。そこでギーベ・ライゼガングから、ゲオルギーネがアーレンスバッハへ戻る途中でゲルラッハに立ち寄り、怪しい集まりがあったらしいと聞いた。根拠は薄かったが、ゲオルギーネ本人が立ち寄った可能性があるため、ローゼマインは養父ジルヴェスターへ報告することにした。
ライゼガングの印刷準備
ローゼマインは、フルースの町で紙作りと印刷環境の整備が進んでいることも聞いた。ライゼガングでは冬の間に皆で印刷を行う予定であり、平民達はそれを娯楽のように楽しみにしていた。ローゼマインはフルースで神事を行い、グーテンベルク達を回収してエーレンフェストへ戻った。
フェルディナンドへの報告と揺さぶりの準備
ローゼマインは、ギーベ・ライゼガングから聞いた情報をすぐにフェルディナンドへ伝え、ジルヴェスターには魔術具の手紙で知らせた。フェルディナンドはゲルラッハに揺さぶりをかけることを考え、ユストクスを呼んだ。真偽は不明だったが、ゲオルギーネの動向を探る材料にはなった。
商会との報告会
収穫祭後、ローゼマインはギルベルタ商会、プランタン商会、オトマール商会を呼び、ライゼガングでの活動や他領商人への対応について報告を受けた。ライゼガングは穀倉地帯で商売っ気が薄く、印刷業も冬の娯楽や小遣い稼ぎのように受け止められていた。新しい素材は多かったが、職人達は研究や製作に積極的ではなく、活字は買い取る方針となった。
ライゼガングの土地柄と商人達の反応
ルッツやダミアンは、稼げる機会を逃しているように見えるライゼガングの姿勢に頭を抱えていた。だが、グスタフは、富に執着せず己の役目を全うするのがライゼガングであり、だからこそエーレンフェストの食糧庫であり続けられるのだと説明した。ローゼマインは、土地ごとの価値観の違いを聞くことになった。
他領商人への対応とカーリンの帰還
グスタフは、ダンケルフェルガーとの取引増加やリンシャン製法の販売による影響を報告した。ベンノは、去年エーレンフェストに置き去りにされたクラッセンブルク商人の娘カーリンを、今年来た商人に押し付けて戻らせたと説明した。最初が肝心であり、ローゼマインの専属商会が他領商人に軽んじられるわけにはいかないという判断だった。
ディートリンデの髪飾り
ギルベルタ商会は、ディートリンデから注文された髪飾りを持参した。ディートリンデは去年のアドルフィーネより豪華な物を望んだが、王族への配慮から一つ一つの格を少し落とし、複数の髪飾りで華やかに見せる形になった。ブリュンヒルデの提案により、王族を尊重しつつディートリンデの希望も満たす形に収まった。
他領からの髪飾り注文
第二王子からはエグランティーヌ用の髪飾り、ダンケルフェルガーからはレスティラウトがエスコート相手に贈る髪飾りが注文されていた。どちらもエーレンフェストにはない花や色の組み合わせであり、トゥーリ達は工夫を重ねて仕上げていた。ローゼマインは、他領の感性を取り入れた髪飾りの出来に感心した。
ハルトムートとローゼマインの髪飾り
続いて、ハルトムートがクラリッサのために注文した髪飾りと、ローゼマイン用の髪飾りが出された。クラリッサの髪飾りは意外にも秋の色合いであり、ローゼマインは驚いた。ローゼマインの髪飾りは冬の貴色に合わせ、赤い花を白い花が取り巻く可愛らしい仕上がりだった。
ダンケルフェルガーの歴史書と領地対抗戦の準備
プランタン商会からは、ダンケルフェルガーの歴史書の一冊目が納められた。歴史書は長大で、一冊では収まらず何冊にも分けて印刷する必要があった。ローゼマインは献本分と納本分をローデリヒに渡し、フリーダには領地対抗戦用のカトルカールを依頼した。
イタリアンレストランの状況とロウレ
フリーダは、ローゼマインが個人的に注文していたロウレを持参した。イタリアンレストランは他領商人から高く評価され、夏場は非常に忙しかったが、料理人の引き抜きや強引な誘いはローゼマインの名を出して断っていた。クラッセンブルク商人への対応が抑止力となり、髪飾り職人の誘拐や商人の置き去りといった被害は出ていなかった。
フェルディナンドへの餞別としての食事
ローゼマインは、フェルディナンドがアーレンスバッハへ向かう前に、イタリアンレストランでもてなしたいと考えた。会合後に誘うと、フェルディナンドは忙しい時に何を言うのかと冷たく返したが、ローゼマインが餞別の一つだと説明すると考えを改めた。最終的にフェルディナンドは十日後を指定し、食事に行くことを受け入れた。
餞別の食事会
同行者を巡る側近達の争い
ローゼマインがイタリアンレストランへ向かう日をフリーダに伝えると、側近達の間で同行者を巡る静かな争いが始まった。ローゼマインは、下町へ仕事で行けるのは成人だけであり、神殿までしか同行許可を得ていない未成年は行けないと指摘した。当初は護衛二人と給仕役のフランだけを連れて行くつもりだったが、側近達は客として行く方法を次々と考え始めた。
全員参加へ広がる食事会
コルネリウスは客としてレオノーレを誘い、ブリュンヒルデやリーゼレータも親の許可を得る口実を考えた。フィリーネとローデリヒは、保護者がローゼマインであることを理由に同行許可を求めた。ユーディットだけを留守番にするのは可哀想だったため、ローゼマインは両親に連絡して許可を得ることにした。こうして、餞別の食事会は側近達への褒美も兼ねた大人数の会になった。
神殿の側仕え達の同行
フィリーネとローデリヒには給仕役が必要だったため、ローゼマインはフラン、ザーム、モニカに同行を頼んだ。さらにロジーナには音楽を頼み、神殿の側仕え達も喜んで同行することになった。準備のために彼等は先に出発し、ローゼマインは神官長室でフェルディナンドと護衛騎士達と待機した。
フェルディナンドへの餞別としての招待
フェルディナンドは、側近達が客として同行する意味を尋ねた。ローゼマインは、頑張っている側近達へのご褒美であり、貴族客を増やすことは店の宣伝にもなると説明した。さらに、この日はフェルディナンドへの餞別であるため、食事代は全員分ローゼマインが払うつもりだった。フェルディナンドは幼い女性に払わせることに難色を示したが、ローゼマインは主役が彼であると押し切った。
イタリアンレストランへの到着
ローゼマイン達が店に到着すると、フリーダと給仕達が跪いて迎えた。店内には濃厚なコンソメの香りが満ち、食堂からはロジーナの演奏が聞こえていた。フリーダは、これほど多くの貴族を迎えるのは初めてで店の者が緊張していると語った。ローゼマインは、貴族が個別に来るより、貸し切りでまとめて迎えた方が平民客の負担も少ないと考えていた。
前菜とイルゼの工夫
最初に出されたのは、ツェルベと生ハムのカルパッチョだった。薄く切られた根菜と生ハムが花のように盛られ、ラニーエやハーブを加えたソースがかけられていた。ローゼマインは毒見を兼ねて口にし、塩気、酸味、歯応えの調和を楽しんだ。フェルディナンドも、ソースに手間がかかっていることに気付き、イルゼの研究熱心さに感心した。
ダブルコンソメの堪能
続いて、フェルディナンドのお気に入りであるダブルコンソメが運ばれた。フェルディナンドはその美しさと味わいを堪能し、初めて食べた時の衝撃を思い出すと述べた。ブリュンヒルデやレオノーレも、透明に見えるのに深い味があることへ驚いた。ハルトムートはその素晴らしさをローゼマインに結び付けて称え、ローゼマインを困惑させた。
ラザニアと賑やかな食卓
次に、焼き立てのラザニアが運ばれた。ホワイトソースとミートソース、糸を引くチーズが食欲を誘い、側近達は熱さに苦戦しながら楽しんだ。ローデリヒやユーディットが火傷しかける様子に笑いが起こり、食卓は賑やかになった。ローゼマインは、食事は賑やかな方がおいしいと語った。
フェルディナンドの過去と食事への認識
フェルディナンドは、食事を生きるために必要な煩わしいものと考えていたと語った。幼い頃、ヴェローニカと食事をする際には毒や異なる食材を警戒しなければならず、城での食事は緊張の連続だったためである。ローゼマインはその境遇に憤ったが、フェルディナンドは当時のヴェローニカに手を出せば無事では済まなかったと冷静に諭した。
コルネリウスに託される難題
ローゼマインとエックハルトが似た危険志向を見せると、フェルディナンドは溜息を吐いた。コルネリウスが同情すると、フェルディナンドは自分がいなくなった後、ローゼマイン、ハルトムート、さらにダンケルフェルガーから来るクラリッサを抑えるのはコルネリウスの役目だと告げた。コルネリウスは、それは無理難題だと頭を抱えた。
仔牛のカツレツと護衛交代
メイン料理には仔牛のカツレツが出された。チーズ入りの衣がバターで香ばしく焼かれ、ツィーネの酸味や特製ソースと共に味わう料理だった。フェルディナンドはツィーネをかけたさっぱりした味を気に入り、側近達は濃厚なソースに関心を示した。メイン後には護衛が交代し、アンゲリカとユストクスが戻り、エックハルトとダームエルが食事に向かった。
タニエのモンブランとコルネリウスの好み
デザートには、タニエのクリームを使ったモンブランが出された。タニエを好むコルネリウスは喜び、以前この菓子を連日頼んでエルヴィーラに叱られたことを語った。ローゼマインは、コルネリウスが気に入った物を毎日でも食べたい性格だと初めて知った。
ラッフェルパイと食事会の満足
甘さ控えめのタニエのクリームでは物足りなそうな者達のために、もう一つのデザートとしてラッフェルパイが出された。バターと砂糖で炒め煮されたラッフェルは甘く、フェルディナンドには一口で十分な味だった。一方でリーゼレータは特に気に入ったらしく、静かに二回もおかわりしていた。こうして食事会は、フェルディナンドへの餞別であると同時に、側近達が料理を楽しむ時間となった。
餞別の贈り物
ローゼマインからのお守り
食事の後、ローゼマインはフェルディナンドへ餞別の贈り物を渡した。リボン付きの布袋という包装にフェルディナンドは困惑したが、中にはレーギッシュの鱗で作った虹色魔石のお守りが入っていた。ローゼマインはハルトムートに教わりながら作ったことを説明し、肌身離さず持っていれば守ってくれると胸を張った。
フェルディナンドからの簪
フェルディナンドもローゼマインへ贈り物を用意していた。木箱の中には、五つの虹色魔石が鎖で揺れる簪が入っていた。虹色魔石にはお守りの魔法陣が刻まれており、ただの装飾品ではなかった。ローゼマインは自分が裸石のお守りを贈った直後に、装飾品として整えられた五倍のお守りを返された形になり、驚きと敗北感を覚えた。
毎日使える守りの髪飾り
フェルディナンドは、ローゼマインが虹色魔石を装飾品にしたいと言っていたことを覚えており、花の髪飾りに添えられる形に仕立てていた。ブリュンヒルデは簪をローゼマインの髪に挿し、毎日使える形だと評価した。ただし、虹色魔石を五つも使っている時点でかなり目立つとも指摘した。
褒め下手なフェルディナンド
ローゼマインが似合うか尋ねると、フェルディナンドは悪くはないと答えた。ローゼマインは褒め方が足りないと不満を示し、ハルトムートが過剰な賛辞を並べた。フェルディナンドは、自分が作った物がローゼマインに似合わないはずがないと言い切ったが、それは褒め言葉というより自信の表明であった。
お守りに込められた過保護
コルネリウスが、フェルディナンドはローゼマインに対して過保護だと述べると、ハルトムートは当然だと返した。ローゼマインは洗礼式前からアーレンスバッハの貴族に狙われ、毒で二年眠り、貴族院でも王族や上位貴族と接触してきたため、薬やお守りを常備しても不安は尽きないという理由である。ローゼマインは、自分のお守りが毎年増えていたのは、これまでの騒動に比例していたのだと理解した。
貴族院での危険への問い
レオノーレは、これほどのお守りを渡す以上、今年の貴族院にどのような危険があるのかとフェルディナンドに尋ねた。フェルディナンドは、今年は奉納式でローゼマインをエーレンフェストへ呼び戻さず、普通に貴族院生活を送らせる予定だと明かした。魔力供給は神殿側で足りるため、ローゼマインに一度くらいは他の者と同じように貴族院生活を楽しませたいという判断だった。
感動を打ち消すフェルディナンドの一言
ローゼマインは、フェルディナンドが自分のために考えてくれたことに感動しかけた。だが、フェルディナンドは、長期間ローゼマインに付き合う側近達の負担を減らすためにお守りを贈ったと続け、感動を打ち消した。ローゼマインは、最後の一言がなければ泣いていたと抗議したが、フェルディナンドは隠し部屋もなく慰める手間が減って良かったと返した。
中央と他領への警戒
フェルディナンドは、インメルディンクをはじめ、急成長したエーレンフェストを妬む領地への警戒を促した。さらに、アーレンスバッハとの関係も変わるため、油断してはならないと述べた。ローゼマインは今年こそ何事もなく終えるつもりだと主張したが、フェルディナンドと側近達は揃って無理だと判断した。
ローゼマインへの釘刺し
フェルディナンドは、ローゼマインに最優秀を取ることと、中央と対立しないことを求めた。ローゼマインはこれまで中央と対立していないと反論したが、フェルディナンドは相手の主観が大事だと指摘した。王宮図書館やフェルディナンドに関することで突かれれば、ローゼマインが冷静でいられる保証はなく、彼は自分のためにおとなしくしてほしいと告げた。
側近達への秘密保持の誓い
フェルディナンドは、ローゼマインの側近達が信頼できるか確認したうえで、貴族院へ赴くまで他言しないことをシュタープに誓わせた。側近達が誓った後、フェルディナンドは今年の貴族院で最も警戒すべき相手が旧ヴェローニカ派の子供達であると明かした。
旧ヴェローニカ派の子供達への対応
旧ヴェローニカ派の排除が貴族院滞在中に行われるため、連座に問われる子供達が出ることになっていた。ジルヴェスターは、貴族院で派閥を越えて協力していた子供達を見て、領主一族に名を捧げる者は保護すると決めていた。ただし、今回だけ連座を免れさせるには周囲の反発を避けるため、名捧げが必要であった。
ローデリヒへの期待
フェルディナンドは、旧ヴェローニカ派の子供達を少しでも多く取り込むことをローデリヒに期待していると告げた。さらにローゼマインには、優秀な人材がいるならどのような手を使っても確保しておくよう命じた。旧ヴェローニカ派を自分の側近にできるのは今だけであり、ローゼマインはそれを受け入れた。
ハルトムートへの別任務
ハルトムートは、貴族院に同行できないことを深く嘆き、側仕えコースを選んでいればローデリヒの側仕えとして同行できたのにとまで言い出した。フェルディナンドは、成人したからこそできる仕事もあると述べ、ハルトムート向きの仕事を準備すると告げた。ローゼマインが内容を尋ねると、フェルディナンドは心の平穏を望むなら知らない方がよいと答え、不穏な企みを感じさせた。
盗られた聖典
食事会後の帰還と移動手段の確認
食事会を終えたローゼマイン達は神殿へ戻った。道中、ローゼマインは冬の終わりにアーレンスバッハへ向かうフェルディナンドの荷物運搬を心配した。フェルディナンドは、必要最低限の荷物は先に送り、貴重品は雪解け後に送らせ、自身は貴族院の卒業式後に身軽に向かう予定だと説明した。
門番の声から生じた違和感
神殿の正門で、門番の灰色神官が神殿長と神官長の帰還を待っていたと声をかけた。普段にはない反応だったため、ローゼマインは神殿で何か起こったのではないかと胸騒ぎを覚えた。フェルディナンドは、灰色神官達が知っていることなら側仕えから報告があるはずだとして、馬車から直接問いかけないようローゼマインに釘を刺した。
ニコラからの留守中の報告
神殿長室へ戻る途中、ローゼマインはニコラから留守中の様子を聞いた。ニコラは孤児院へ食事を運び、ギルやフリッツの助けも借りていた。また、エグモントの側仕えが孤児院を訪れ、新しい側仕えについてヴィルマに相談していたことも報告した。ローゼマインは当初エグモントへの悪印象から疑ったが、書類仕事ができる神官を入れたいという話だと知り、少し安堵した。
部屋に漂った甘い香りと違和感
ローゼマインは自室へ入った瞬間、甘い香りを感じた。部屋に明確な変化は見えなかったが、どこかが以前とわずかに違うような不気味な違和感があった。さらに、フランも自室に女性の香料のような匂いを感じたため、ローゼマインは留守中に誰かが入った可能性を疑った。
侵入疑惑と緊急招集
ローゼマインはフランに鍵を確認させ、ザームにはフェルディナンドへ連絡させた。ダームエルは城へ戻った護衛騎士達にオルドナンツで招集をかけた。フェルディナンドが到着し、ローゼマインは違和感はあるが何がなくなったのか明確にはわからないと説明した。
ヴィルマによる門番失踪の報告
そこへヴィルマが至急面会を求めてやって来た。ヴィルマは、昼に門番をしていた灰色神官達が全員姿を消したと報告した。交代の者が門へ行った時には誰もおらず、正門もいつもと違う閉め方をされていた。これにより、ローゼマイン達の留守中に馬車で来た何者かが秘密裏に神殿へ入った可能性が高まった。
灰色神官を消した者への怒り
フェルディナンドは、灰色神官の言葉が青色神官へ届かない以前の神殿ならば、門番を消すだけで秘密は守れたはずだと推測した。侵入者は、灰色神官が消えても誰も気に留めないと思い込んでおり、痕跡を消す力を持つ貴族だと考えられた。ローゼマインは灰色神官達が消された可能性に怒りを覚え、犯人を逃がさないと決意した。
下町と商会への聞き込み指示
ローゼマインはダームエルとアンゲリカに、下町の門を守る兵士達へ連絡し、今日出入りした馬車の目撃情報を集めるよう命じた。特に北門にいるギュンターへ話を通せば早く動くと判断した。また、ヴィルマにはギルを通じて商業ギルド、オトマール商会、ギルベルタ商会、プランタン商会に連絡し、貴族の馬車の目撃情報を集めるよう指示した。
孤児院での聞き込み
ローゼマインはヴィルマに、孤児院の者達にも馬車や来客連絡に向かう灰色神官を見た者がいないか尋ねるよう命じた。フィリーネは文官として聞き取りを手伝うと申し出た。ローゼマインは、孤児院に慣れているフィリーネに任せ、ディルクやコンラートが怯えていないか確認するよう頼んだ。
ローデリヒとハルトムートの役割
ローデリヒも同行を申し出たが、孤児院に慣れていないため灰色神官達を緊張させるだけだと止められた。ハルトムートは、青色神官から話を聞くには神官長という肩書きが必要だとして、自分にしかできない仕事を選んだ。ローゼマインはハルトムートを頼りにし、彼はフェルディナンドの側仕えを連れて青色神官への聞き取りへ向かった。
鍵のある場所への着目
ローゼマインは、フランの部屋にも侵入された気配があることから、何が狙われたのか徹底的に調べることにした。ザームは、フランの部屋で貴族が必要としそうな物は鍵の保管箱を開けるための鍵ではないかと指摘した。そのため、鍵をかけて保管している物が狙われた可能性が高いと考えられた。
魔力による魔術具の探索
フェルディナンドは、目に見える物の確認は側仕えに任せ、ローゼマインには目で見てもわからないものを調べるよう命じた。侵入者が貴族であれば、何かを盗んだだけでなく危険な魔術具を仕掛けた可能性があるためである。ローゼマインは、フェルディナンドの指示に従い、ごく薄く魔力を広げて自分以外の魔力の痕跡を探った。
聖典と鍵の異常
ローゼマインは部屋全体に魔力を薄く広げ、異質な反発を探った。その結果、鍵の保管箱に並ぶ鍵の一つと、祭壇に置かれている聖典に、自分の魔力とは異なる反発を感じた。見た目は完全に同じであったが、登録されている魔力が違っていた。ローゼマインは、聖典とその鍵が自分の物ではないとフェルディナンドに告げ、犯人を許さないと強く決意した。
平民の証言
聖典捜索を急ぐローゼマイン
ローゼマインは盗まれた聖典を探すため、街中を魔力で探そうとした。しかしフェルディナンドは、貴族街は他人の魔力ばかりであり、自分の魔力を探すことはできないと止めた。そして、犯人の目的を考えるべきだと諭した。
犯人の目的に関する推測
ローゼマインは、犯人は聖典を読みたかったのだと考えた。だが、フェルディナンドは読むだけなら写本で足り、魔力登録された聖典を盗む意味は薄いと否定した。そのうえで、聖典の紛失によるローゼマインとフェルディナンドへの汚点、他領の聖典盗難の濡れ衣、さらに暗殺が目的に含まれる可能性を示した。
偽聖典に仕込まれた毒
フェルディナンドの指示でエックハルトが白い実の汁を偽聖典へかけると、聖典は赤く変色した。それはアーレンスバッハとエーレンフェストの境で採れる毒であり、触れた手から浸透する危険な毒だった。偽聖典に気付かなければ、成人式で聖典を持つローゼマイン、準備するフラン、手伝うハルトムートが毒に侵されていた可能性があった。
側近達への危機感の不足の指摘
エックハルトは、ローゼマインが暗殺対象になり得る立場であるにもかかわらず、護衛騎士達に危機感が足りないと指摘した。特にコルネリウスには、フェルディナンドがこれまで取り除いてきた危険を今後は複数の護衛騎士で補わなければならないと告げた。ローゼマインの側近達は、フェルディナンド達の警戒水準を目の当たりにした。
偽聖典の正体とローゼマインの怒り
毒を取り除いた後、フェルディナンドは偽聖典を調べた。それは聖典に似せた魔術具であり、本物の聖典ではなかった。中身はなく、儀式で開こうとしても開けず、ローゼマインは人前で醜態を晒すことになっていた。大切な聖典が盗まれたと知ったローゼマインは怒りで魔力を溢れさせたが、フェルディナンドに制止された。
白の塔の一件との類似
フェルディナンドは、今回のやり口が白の塔の一件に似ていると説明した。下手に動けばローゼマイン自身だけでなく、周囲にも失点や処罰が及ぶ可能性があった。そのため、聖典を取り戻すことは必要だが、取り戻せない場合の被害を最小限にする方法も考えなければならなかった。
コンラートの異変
聖典紛失への対処を考えているところへ、孤児院で聞き取りをしていたフィリーネが駆け込んできた。コンラートが布団に潜ったまま震え、ローゼマインに助けを求めているという。ローゼマインはフェルディナンド達と孤児院へ向かったが、洗礼式前の子供部屋は女子棟にあるため、レオノーレ、ユーディット、フィリーネ、モニカだけを連れて中へ入った。
コンラートの目撃証言
コンラートは、門番の灰色神官達が生きていると証言した。昼寝のため部屋にいた彼は、窓から正門が見える位置におり、馬車が入って来た場面を見ていた。馬車から降りた怖い女性がシュタープを使い、光の帯で門番の灰色神官達を拘束し、三人の男が彼等を馬車へ運び込んだという。貴族女性だけは騎獣で貴族区域の正面玄関へ向かった。
灰色神官救出への決意
コンラートは、ヨナサーラのような怖い人が灰色神官達をひどい目に遭わせると怯え、彼等を助けてほしいと訴えた。ローゼマインは、まだ助けられる可能性があると判断し、門の情報が集まり次第救出に向かうと約束した。フィリーネは弟のそばに残るか問われたが、コンラート自身が姉にローゼマインと共に行くよう背中を押した。
孤児院で得られた追加証言
孤児院では、清めをしていた灰色巫女が、貴族区域へ連絡に向かう門番と会話していたこともわかった。門番は、来客の青色神官は灰色巫女や灰色神官に厳しい人物だと語っていた。さらにフリッツの話から、その門番がシキコーザの元側仕えであったことが判明し、怖い貴族女性はシキコーザの母であるダールドルフ子爵夫人の可能性が高まった。
下町の門から集まった情報
ダームエルとアンゲリカは、各門の士長から集めた情報を持ち帰った。その日、北方から貴族の馬車が十台入って来ており、出て行った貴族の馬車はなかった。さらに、神殿に門番がいないと文句を言いながら北門を使った馬車が四台あり、時間は昼頃に集中していた。
西門と南門を通った怪しい馬車
アンゲリカのシュティンルークは、西門から変わった馬車が入ったという情報を伝えた。その馬車は裕福な平民が使うような外見だったが、御者の言葉遣いや態度は貴族に仕える者のものだった。三の鐘前に西門から入り、南門から出て行ったことが確認されていた。怪しすぎる情報を受け、ローゼマインはすぐ確認に向かうことにし、フェルディナンドも同行を決めた。
救出
救出班と待機班の分担
ローゼマインは、フィリーネとローデリヒを神殿長室に残し、下町からの続報整理と写本を任せた。ザームとモニカには青色神官の側仕え達からの聞き取りを命じた。護衛騎士のうち、アンゲリカ、ダームエル、コルネリウス、ユーディットが同行し、レオノーレは神殿長室で連絡の受け取りと防衛を担うことになった。
騎士団を動かせない事情
レオノーレは騎士団の増援を求めたが、フェルディナンドはそれを退けた。現時点では灰色神官達が連れ去られた可能性を追っているだけであり、騎士団を動かす理由としては弱かった。さらに、聖典紛失を公表すればローゼマイン側の失点となり、旧ヴェローニカ派に情報が漏れる危険もあった。
身食い兵への対処方針
コルネリウスは、身食い兵が自爆しないようにする方法を尋ねた。フェルディナンドは、指輪へ魔力が流れ込まなければ爆発できないため、殺す、腕を切り落として癒す、時を止める魔術具に入れるといった方法を淡々と示した。ローゼマインは陰惨さに怯んだが、コンラートとの約束と神殿長としての責任から同行を決めた。
南へ向かう馬車の追跡
一行は騎獣で南門の外へ向かい、馬車が宿泊場所を必要とするはずだと考えて道をたどった。ローゼマインは、冬支度の時期に農民が空の農村近くを荷馬車で走るのは不自然だと考えた。やがて分岐点付近で、馬車と荷馬車が見つかった。
馬車への急襲
ダームエルは馬車から弱い魔力を感じ、身食い兵がいると判断した。ローゼマインは灰色神官達の救出を最優先に命じ、武勇の神アングリーフの加護を祈った。ユーディットが御者を狙撃し、ローゼマインが合図を出すと、コルネリウスの攻撃で馬車を止め、アンゲリカが手綱と轅を切断した。
偽装された灰色神官
馬車の中には、灰色神官の服を着た二人と身食い兵がいた。身食い兵は灰色神官を人質に取ったように見せたが、ダームエルは二人が孤児院の灰色神官ではないと見抜いた。彼は迷わず偽物を倒し、本物の灰色神官達がどこにいるのか身食い兵に問い詰めた。
荷馬車への違和感
ローゼマインは、本物の灰色神官達は分岐点で左へ向かった荷馬車にいると判断した。収穫祭後の農民は冬の館で冬支度をする時期であり、空の農村付近を荷馬車で通るのは不自然だったためである。フェルディナンドとエックハルトは馬車の処理と尋問に残り、ローゼマイン達は荷馬車を追った。
荷馬車の御者と契約魔術
荷馬車を止めると、御者の男はただ運ぶよう頼まれただけだと怯えた。だが、依頼主について話そうとした瞬間、契約魔術が発動し、男は金色の炎に包まれて消滅した。ローゼマインは契約違反の末路に衝撃を受けたが、ダームエルは灰色神官達の確認を優先した。
灰色神官達の救出
荷台には四人の灰色神官が全員そろっていた。彼等は服を剥ぎ取られていたため、ダームエルは布を戻して女性達を近付けないようにした。ローゼマインはオルドナンツでユストクスに服の回収を頼み、血が付いていてもヴァッシェンで綺麗にすると伝えた。
無事の連絡と隠蔽方針
灰色神官達は全員無事であり、ローゼマインはユーディットに神殿へ救出成功を知らせるオルドナンツを飛ばさせた。この件は公表しない方針であるため、ユーディットが未成年で貴族街を出たことも含め、神殿を出ていない扱いになるとローゼマインは説明した。
ハルトムートの暴走の知らせ
灰色神官達をレッサーバスに乗せ、神殿へ戻ろうとしたところで、レオノーレからオルドナンツが届いた。灰色神官達の救出が終わったなら早く戻ってほしい、レオノーレではハルトムートを止められないという内容だった。ローゼマインは、神殿で何が起こっているのか驚愕した。
証拠品
灰色神官達の帰還とヴィルマの感謝
ローゼマイン達は灰色神官達を救出し、急いで神殿へ戻った。ヴィルマは灰色神官達が全員無事だと聞き、深く安堵した。彼女は、助けられたのは四人だけではなく、自分達が見捨てられないと知った孤児達全員の心でもあると感謝を述べた。
ハルトムートの尋問騒動
レオノーレに案内されて向かった先では、ハルトムートが青色神官を縛り上げ、短剣を振りかざしていた。彼は情報漏洩を防ぐため青色神官の部屋を突撃訪問していたが、ローゼマインへの暴言を聞いて尋問に発展していた。フェルディナンドは手荒すぎると止め、青色神官達には神官長室で監視下に置かれながら執務をさせるよう命じた。
エグモントへの疑い
フェルディナンドは、シキコーザの一族と関わりが深い青色神官が三名いると告げた。ローゼマインは、神殿図書室を荒らした前科があるエグモントが犯人だと直感した。根拠は私怨に近かったが、コルネリウスが順番を変えるだけだと後押しし、エグモントの部屋へ向かうことになった。
エグモントの部屋への突入
エグモントの側仕えは約束がないとして入室を拒んだが、フェルディナンドはエックハルトに扉を斬らせた。部屋の中ではエグモントが側仕えとくつろいでおり、突然の訪問に驚いた。彼はローゼマインを卑しい生まれだと罵ったが、その左手の中指には見慣れない魔石の指輪があった。
不審な指輪と即座の対処
ローゼマインが指輪に気付いた瞬間、フェルディナンドは彼女の視界をマントで塞ぎ、エグモントの腕を斬り落とした。エグモントは絶叫し、側仕え達も悲鳴を上げた。フェルディナンドはユストクスとエックハルトに時を止める魔術具を取りに行かせ、ローゼマインを神殿長室へ退避させた。
神殿長室で集まる下町の情報
神殿長室では、フィリーネとローデリヒが下町から集まった情報を報告した。オトマール商会からは、神殿の門番がいないため待たされた御者達が菓子を買いに来ていたことがわかった。また、イタリアンレストラン周辺では貴族の使いらしき男がうろついており、ローゼマイン達の不在を見張っていた可能性があった。
ギルベルタ商会への不審な接触
ギルベルタ商会にも、貴族の使いらしき男が現れていた。その男は商人を装いながら、ローゼマインが気に入っている布を求めたという。ローゼマインは、ギルベルタ商会も何らかの陰謀に巻き込まれている可能性を考え、トゥーリが狙われている危険も意識した。
証拠品の城への移送
ユストクスは、フェルディナンドの指示として、ローゼマインに城までレッサーバスを出すよう求めた。時を止める魔術具とエグモントの側仕え達を迅速かつ人目につかず運ぶためである。ローゼマインは、聖典を取り戻すためだとして引き受け、護衛騎士達と共に城へ向かった。
カルステッドの言葉
城では、犯罪者を扱う場所へ証拠品と側仕え達が運ばれた。カルステッドはローゼマインを労い、証拠と手がかりは自分達が得るので休むよう告げた。ローゼマインは自分だけ休むことをためらったが、カルステッドは、青色神官を捕まえたところで終わりではなく、むしろこれは始まりだと諭した。
それぞれが見たもの
青色神官達の事情聴取
ローゼマインは城から神殿へ戻り、ハルトムートにエグモント以外の青色神官二人の事情聴取を頼んだ。ハルトムートが退出すると、監視下で執務していた青色神官達は一斉に力を抜いた。ローゼマインは、神官長が正式に交代すればこれが日常になると告げ、執務に励むよう促した。
ハルトムートの神殿観
ローゼマインは、ハルトムートが神殿において役に立つかどうかを重視していると考えた。青色神官を貴族と同格には見ておらず、灰色神官も含めて自分より下位の神官として扱っている節があった。旧ヴェローニカ派の排除が進めば、神殿の青色神官達にも大きな変化が及ぶことが予想された。
偽聖典と毒の報告
ハルトムートが事情聴取を終えて戻ると、ローゼマインは偽聖典に毒が塗られていたことを報告した。ハルトムートは冷たい笑みを浮かべ、ダールドルフ子爵夫人が関わっているなら許せないという反応を見せた。ローゼマインは、まだ完全に断定しないよう制止した。
毒物への備えと鍵の確認
ハルトムートはユストクスから学んだ毒物と対処方法を護衛騎士達に教え始めた。その後、聖典の鍵を調べ、偽聖典とは違って複雑な魔法陣が刻まれていることに気付いた。鍵は偽物ではなく、魔力登録だけが書き換えられた可能性もあり、聖典が戻らなければ判別できない状態だった。
灰色神官達の証言
翌日、ローゼマインは救出した灰色神官達から事情を聞いた。馬車の御者はプランタン商会を名乗ってエグモントへの取り次ぎを求めたが、門番達は馬車や御者の態度の違いから不審に思った。やがて馬車からダールドルフ子爵夫人が顔を出し、面会予約があるため早く通すよう命じた。
門番達の拉致
門番達は面会予約の確認後、馬車用の門を開けたが、その直後に捕らえられた。馬車内で普通の紐でも縛られ、街を出ると魔力の縛めが消えるという会話を聞いた。彼等は門を通る時にもがいて兵士に気付かせようとしたが、蹴られたり踏まれたりしただけで、助けを求めることはできなかった。
農民の荷馬車への乗り換え
街を出た後、灰色神官達はどこかの農村で荷馬車へ乗り換えさせられた。逃亡を防ぐために服を脱がされ、縛り直されて荷台に乗せられた。荷馬車の御者は金で雇われた農民であり、契約書に血判を押し、魔石の指輪を紐に通して服の下に隠していた。
フェルディナンドの帰還
フェルディナンドから戻るという連絡が入り、ローゼマインは護衛騎士達を集めさせた。彼女は、ギルベルタ商会から受け取った不審者に売った布の見本を確認しながら、犯人がわかっているのに聖典を取り戻しに行けない焦りを抱えていた。やがてフェルディナンドが戻り、十分な証拠が得られたと告げた。
エグモントが得た不在情報
フェルディナンドによると、事件はエグモントの実家から、神殿長と神官長が不在になる日を問われたことから始まっていた。エグモントは通常その情報を得られる立場ではなかったが、イタリアンレストランへ向かうため神殿長室が閉鎖される通達を知り、すぐに実家へ伝えた。その後、ダールドルフ子爵夫人から不在日時を指定した面会依頼が届いた。
神殿長室への侵入
当日、ダールドルフ子爵夫人はプランタン商会を名乗って神殿を訪れた。エグモントは彼女の依頼に従い、神殿長室に残っていたニコラ、ギル、フリッツを孤児院へ引き留めるよう側仕えに命じた。その隙に、別の側仕えが側仕え用の部屋から神殿長室へ忍び込み、鍵の保管箱から聖典の鍵を持ち出した。
聖典の入れ替え
ダールドルフ子爵夫人は、魔術具を使って本物そっくりの偽聖典を作り、本物と入れ替えた。彼女は、ローゼマインが儀式の場で慌てる姿を想像し、神殿長や領主の養女としての立場を失わせることを狙っていた。さらに鍵の魔力登録も自分のものに変え、聖典も鍵も偽物だと混乱させるつもりだった。
エグモントとの契約
ダールドルフ子爵夫人は、協力の見返りとしてエグモントを次期神殿長に推薦すると書かれた契約書を示した。エグモントは舞い上がり、契約書に名を記して血判を押した。しかしその契約書は二重になっており、実際には従属契約であった。彼に渡された指輪も身食い兵と同じ物で、用が済めば消すための仕掛けだった。
ゲルラッハの関与
エグモントの指輪にはゲルラッハの紋章があり、ダールドルフ子爵夫人だけでなくゲルラッハの関与も明らかになった。エグモントの記憶は動かしようのない証拠となり、ダールドルフ子爵夫人とその一族を処分できる材料になった。フェルディナンドは、旧ヴェローニカ派を捕らえるためにも有効な証拠だとして機嫌が良かった。
聖典奪還への出発
フェルディナンドは、今回の発覚はローゼマインの本への執着によるものだと認めた。ローゼマインはそれならばすぐに聖典を取り戻しに行くべきだと主張し、ダールドルフ子爵夫人がいる可能性の高い冬の館へ向かうことを決めた。フェルディナンドも同行し、歯向かう者を縛り上げる方針で、ローゼマイン達は貴族街のダールドルフ子爵の冬の館へ突撃した。
ダールドルフ子爵の館
聖典奪還への出発
ローゼマインは、ダールドルフ子爵夫人を捕らえる証拠が揃ったと知り、聖典を取り戻すために神殿長室を飛び出した。護衛騎士に加え、新しい神官長として聖典を取り戻す務めがあると主張するハルトムートも同行した。だが、勢いよく騎獣に乗ったものの、ローゼマインはダールドルフ子爵の館の場所を知らず、フェルディナンドの後に付いて行くことになった。
ダールドルフ子爵の館への突入
ダールドルフ子爵の館には子爵夫人だけがいるらしく、フェルディナンドは騎士達から報告を受けて指示を出した。ローゼマインは玄関で子爵夫人への面会を求めたが、筆頭側仕えは約束がないことを理由に拒んだ。ローゼマインは、ダールドルフ子爵夫人が神殿で行ったことに合わせているだけだと告げ、側仕えを光の帯で縛り上げた。
女主人の部屋へ向かう途中の異変
ローゼマインは子爵夫人の部屋を探すため、館の中へ入った。階段を上っている途中、女主人の部屋の方から大きな音が響いた。フェルディナンドは護衛騎士達を率いて先に駆け上がり、ローゼマインはレッサーバスで追いかけた。
血に染まった部屋
エックハルトが扉を斬って蹴破ると、部屋から生臭い臭いが流れた。中には女性三人の死体があり、頭が吹き飛ばされたような状態で血だまりが広がっていた。フェルディナンドは、こちらに気付いて記憶を読まれないように自殺したのだと判断した。
ダールドルフ子爵夫人の手紙
ハルトムートは、ダールドルフ子爵夫人が残した手紙を持って来た。そこには、一族への恨みと、記憶を渡さないため聖典の行方を探せるものなら探してみろという挑発が書かれていた。シキコーザを処刑に追い込んだローゼマインとフェルディナンドへの復讐として、聖典を隠すことが目的だった。
聖典の行方不明
ダールドルフ子爵夫人は、自分だけでなく関係した側仕えも殺し、記憶から聖典の行方を探れないようにしていた。ローゼマインは、聖典の手がかりが消えたことに焦った。フェルディナンドは、この館に残っている可能性や移動の痕跡がある可能性を考え、ローゼマインに先に城へ行ってジルヴェスターとの面会を取り付けるよう指示した。
ジルヴェスターへの報告
城ではすでに人払いがされており、ジルヴェスターは緊急事態を察していた。フェルディナンドは、ダールドルフ子爵夫人と側仕え達が死亡し、記憶を読まれないように頭を吹き飛ばしたと報告した。ジルヴェスターは、至急ギーベを呼び出して一族の関与を調べ、処分しなければならないと判断した。
連座処分への異議
ジルヴェスターは、聖典盗難と領主の養女への暗殺未遂である以上、連座は当然だと述べた。だが、ローゼマインは、敵意や悪意の有無をシュツェーリアの盾で確認し、名捧げで縛れば一族を存続させられるのではないかと提案した。罪は個人のものとしなければ、悪意や憎悪の連鎖は止まらないと考えたのである。
救済を示す理由
ローゼマインは、ダールドルフ一族を庇う理由として、聖典を探すために一族の協力が必要だからだと説明した。救済の道を示せば、ギーベは一族や土地を守るために真剣に協力するはずだった。処刑で不安の種を取り除くことはできても、貴族数の不足や反発という不利益が大きかった。
救済方針の決定
ジルヴェスターは、旧ヴェローニカ派の排除によって貴族数が減りすぎることを懸念していたため、ローゼマインの提案を受け入れた。シュツェーリアの盾で敵意の有無を篩にかけ、名捧げによる救済の道を示すことになった。聖典盗難を公にしないため、ダールドルフ子爵との話し合いは内密に行われることになった。
領主の隠密移動
ジルヴェスターとカルステッドは、使用人の近道と領主専用の脱出口を使って側近を撒き、待ち合わせの部屋に現れた。ジルヴェスターの騎獣は目立つため、ローゼマインのレッサーバスで移動することになった。ローゼマインはレッサーバスを大きくし、ジルヴェスターとカルステッドを乗せてダールドルフ子爵の館へ向かった。
聖典の行方
ダールドルフ子爵への説明
ジルヴェスターは、ダールドルフ子爵夫人が神殿へ侵入し、聖典を偽物と入れ替え、毒によってローゼマインの暗殺を謀ったと告げた。ダールドルフ子爵は顔色を失い、息子のイェレミアスは以前から子爵夫人を危険視していたと父を責めた。
名捧げによる救済条件
ジルヴェスターは、ローゼマインの嘆願により、連座を避ける道を示した。条件は、聖典を取り戻し、敵意や悪意がないことを確認した上で、アウブへ名捧げをすることだった。イェレミアスは忠誠を誓う決意を示したが、ダールドルフ子爵はすでにヴェローニカへ名を捧げていたため、新たに名捧げはできなかった。
旧ヴェローニカ派の名捧げ事情
ダールドルフ子爵は、アーレンスバッハ出身のガブリエーレの影響により、忠臣達やその子に名捧げが求められていたことを語った。彼自身も、ヴェローニカを守り立てる派閥の結束のため名を捧げていた。ジルヴェスターは、まず聖典を取り戻すことを命じ、一族の働きを見ることにした。
館内捜索と聖典の不在
ダールドルフ子爵とイェレミアスは協力し、子爵夫人の部屋や隠し部屋を開放した。館内を捜索したが、聖典は見つからなかった。フェルディナンドは転移陣の使用も疑ったが、館内にも隠し部屋にも転移陣はなかった。
ゲルラッハへの疑い
ダールドルフ子爵は、子爵夫人がゲオルギーネに名捧げした者同士であるギーベ・ゲルラッハと深く関わっていたと話した。ゲルラッハなら転移陣を作れる可能性もあったが、子爵夫人が館に戻ってから外出していないことも判明したため、別の移動手段を探る必要があった。
ギルベルタ商会の布
ローゼマインは、ダールドルフ子爵夫人の使いがギルベルタ商会で布を買っていたことを思い出した。筆頭側仕えによると、その布は子爵夫人が戻る前に届き、午後に側仕えが城へ持ち出していた。イェレミアスは、それがフェルディナンドへの結婚祝いとして城へ届けられた可能性に気付いた。
贈り物部屋の捜索
フェルディナンドは、結婚祝いの確認という名目で城の贈り物保管室へ向かった。ローゼマインも、ディートリンデやレティーツィアへの贈り物を考えるためという理由で同行した。保管室には多数の木箱があり、ローゼマインはギルベルタ商会が売った布を探した。
聖典の発見
ローゼマインは、ギルベルタ商会が売った布を見つけた。布を剥がすと芯の部分に木箱が仕込まれており、その中に聖典が入っていた。毒物検査の後、ローゼマインは聖典を抱き締め、見た目、匂い、重さから自分の聖典だと確信した。
陰謀の阻止
フェルディナンドは、聖典がアーレンスバッハで見つかれば、エーレンフェストがアーレンスバッハに盗人の汚名を着せようとしたと非難される可能性があったと説明した。ゲオルギーネに直接繋がる証拠はなかったが、聖典を取り戻したことで、ローゼマインとフェルディナンドの失点、毒殺、ギルベルタ商会の巻き込みを防ぐことができた。
聖典の帰還確認
神殿へ戻ったローゼマインは、鍵に魔力を登録し直して聖典を開いた。鍵は本物であり、聖典も問題なく開いた。表紙には魔法陣と文字が浮かび、聖典が本物であることが確認された。ローゼマインはジルヴェスターとダールドルフ子爵へ報告し、戻ってきた聖典を抱き締めた。
予定変更
成人式後の罠と返答
聖典を取り戻したことで、秋の成人式は無事に終わった。エグモント宛に、聖典を開いたか確認する手紙が届き、フェルディナンドは聖典を開かなかったと返すよう指示した。フェルディナンドとハルトムートは、冬の社交界で危険な貴族をあぶり出すつもりであった。
冬の粛清に向けた会議
冬の洗礼式後、ローゼマイン達は城へ移動し、領主一族の会議に参加した。会議では、ダールドルフ子爵から得た情報をもとに、旧ヴェローニカ派の粛清計画が話し合われた。ヴィルフリート、シャルロッテ、メルヒオールは初めて知らされ、緊張を深めた。
名捧げした貴族への対応
ジルヴェスターは、ヴェローニカに名を捧げた者については、不正に関わっていない限り処分しない方針を示した。一方、ゲオルギーネに名を捧げた者は、他領のために動く危険な存在として容赦しないと述べた。貴族院の子供達には、領主一族へ名を捧げて連座を免れる道を示すことになった。
子供達の処遇
フロレンツィアは、洗礼式後の子供達を城の騎士寮で保護し、親の罪を説明した上で今後を選ばせる予定だと語った。ローゼマインは、洗礼式前の子供達も孤児院で引き取り、魔力のある子は神殿で育てればよいと提案した。ジルヴェスターは、神殿の魔力確保にもつながることから、幼い子供達を孤児院で保護することを認めた。
アーレンスバッハからの緊急書状
会議中、アウブ・アーレンスバッハから緊急の書状が届いた。内容は、アウブ・アーレンスバッハの容体が危険であり、フェルディナンドに早急に来てほしいというものだった。ジルヴェスターは断ってほしいと思いつつも、最終判断はフェルディナンドに任せた。
フェルディナンドの決意
フェルディナンドは、冬の粛清に必要な証拠は揃っており、神殿の引き継ぎもほぼ終わったため、アーレンスバッハへ向かうべきだと判断した。ゲオルギーネは、計画を潰す危険な存在であるフェルディナンドをエーレンフェストから引き離そうとしている可能性があった。だが、彼は防戦だけでなく、アーレンスバッハで情報を得て牽制するためにも行くべきだと考えていた。
奉納式を巡る気がかり
フェルディナンドの気がかりは、彼が早く出発すると、ローゼマインを奉納式で呼び戻さなければならないことだった。しかしハルトムートは、魔力の豊富な罪人や青色神官達を使えば奉納式は乗り切れると断言した。フェルディナンドはその実行力を認め、ローゼマインは貴族院生活を続けることになった。
荷運びの依頼
フェルディナンドは、アーレンスバッハへ向かうための荷物を境界門までローゼマインの騎獣で運んでほしいと頼んだ。馬車を使わずに済めば数日分の準備時間を稼げるためである。ローゼマインは、フェルディナンドの役に立つため、その依頼を引き受けた。
出発準備の開始
フェルディナンドはすぐに自分の館へ手紙を送り、衣類や日用品の準備を命じた。ジルヴェスターにも、アーレンスバッハへの返答は三日後にするよう念押しした。さらに、リヒャルダにはアーレンスバッハへ持ち込む贈り物の選別を頼んだ。
リヒャルダとの別れの気配
リヒャルダは、フェルディナンドをこれからは坊ちゃまではなくフェルディナンド様と呼ぶべきだと口にした。彼女は、呼び方を変える時はもっと喜ばしい気持ちになれると思っていたと寂しげに語った。フェルディナンドも、坊ちゃまと呼ばれていた方がまだ救われる気分になるとは思わなかったと苦く笑い、神殿の工房を閉鎖するために動き出した。
出発準備
料理と贈り物の手配
神殿へ戻ったローゼマインは、フェルディナンドが食事を後回しにしないよう、時を止める魔術具に料理や菓子を詰める準備を始めた。ギルにはベンノ、ギルベルタ商会、オトマール商会への手紙を託し、フリッツにはレティーツィアへの教材や本、ヴィルマには孤児院の子供増加の可能性、ロジーナには新しい曲の楽譜作成を頼んだ。
フェルディナンドの工房整理
フェルディナンドは工房の片付けに追われていた。ローゼマインは手伝いを申し出ながら、長椅子の進捗や料理の準備を報告した。フェルディナンドは、長椅子はアーレンスバッハへ送らず、ローゼマインのもとに置くよう告げた。それは彼自身の代わりに、ローゼマインが寛げる場所を残すという意味でもあった。
人手を使う片付け
ローゼマインは、神官長室の側仕えだけでは片付けが間に合わないと考え、孤児院から力仕事が得意な灰色神官達を呼んだ。フェルディナンドは他人に仕事を振り分けるローゼマインの手際に感心した。ローゼマインは、何でも自分でやるのではなく、味方を作って任せることも大事だとフェルディナンドに伝えた。
アーレンスバッハでの助言
ローゼマインは、アーレンスバッハで味方を作るためにフェシュピールを弾くことや、レティーツィアの教育では叱るだけでなく褒めることを提案した。さらに菓子をご褒美に使い、側近達と教育方針を話し合うよう助言した。フェルディナンドは途中で面倒そうに止め、ローゼマインには図書室の本の回収を命じた。
神殿図書室の本の回収
ローゼマインはフラン達と神殿図書室へ向かい、フェルディナンドが持ち込んだ本を回収した。そこには、彼女が神殿で初めて読んだ本も含まれていた。フランとザームは、ローゼマインが読書を優先して倒れた頃の思い出を語り、ローゼマインは恥ずかしさを覚えた。
神殿で見つけた彫刻
本が減った図書室で、ローゼマインは本棚に彫られたメスティオノーラの彫刻に初めて気付いた。モニカは、神殿の各所には清めをしていなければ気付かない神々の彫刻があると教えた。ローゼマインは、自分がこれまで本ばかり見ていて、本棚を見ていなかったことを実感した。
神官長室の閉鎖
フェルディナンドは神殿の工房を空にし、魔力登録を解除した。ハルトムートが新たに自分の魔力を登録し、隠し部屋を作った。フェルディナンドは、もう神殿へ来ることはないだろうと告げ、青の神官服を側仕えに預けた。
神殿側仕え達の見送り
神官長室の側仕え達は、フェルディナンドへ祈りを捧げて別れを告げた。フェルディナンドは、これからはハルトムートを主として仕え、神殿長であるローゼマインを支えるよう最後の命令を下した。さらに、かつて自分の側仕えだったフランとザームには、ローゼマインを頼むと告げた。
フェルディナンドの館への荷運び
ローゼマインはレッサーバスでフェルディナンドの荷物を館へ運んだ。館では、アーレンスバッハへ持って行く物と置いていく物が分けられた。ローゼマインは荷運びには役立たず、お茶を飲みながら作業を待つしかなかった。
マントの準備
ローゼマインは、フェルディナンドがアーレンスバッハへ向かう際のマントについて尋ねた。ダンケルフェルガーのマントは使えず、エーレンフェストのマントには守りが足りないため、フェルディナンドは消えるインクで魔法陣を描くことにした。ローゼマインは工房でインクを作るよう命じられた。
ダームエルの結婚相談
インク作りの間、ダームエルはフェルディナンドまで結婚するのに自分はいつ結婚できるのかと嘆いた。ローゼマインはフィリーネを候補に挙げたが、ダームエルは、フィリーネはローデリヒに好意を持っているらしいと語った。ローゼマインは驚き、フィリーネを推薦するのはやめた方がよさそうだと考えた。
守りの魔法陣とマント返却
完成したインクで、フェルディナンドはエーレンフェストのマントに手早く魔法陣を描いた。星結びまでの短期間なら十分だと判断したのである。ダンケルフェルガーの青いマントは、貴族院でローゼマインが預かり、ハイスヒッツェへ返すことになった。
出発前の日々
その後、フェルディナンドは出発準備に追われ、ローゼマインは城で過ごした。彼女は旧ヴェローニカ派の子供達について話し合い、孤児院の予算を計算し、エックハルトやユストクスへのお守りを作り、貴族院へ向かう準備を進めた。
別離
出発当日の荷積みとお守り
フェルディナンドの出発当日、領主夫妻、ヴィルフリート、ローゼマイン、側近達、騎士団が見送りに集まった。ローゼマインはレッサー君に荷物を積ませ、エックハルトとユストクスへフェルディナンドを守るためのお守りを渡した。アンゲリカとエックハルトは互いの忠誠と強さを認め合い、ローゼマインもエーレンフェストで頑張ると告げた。
フェルディナンドとの約束
フェルディナンドはローゼマインの前に膝をつき、自分はアーレンスバッハからエーレンフェストを守るので、ローゼマインにはエーレンフェストの聖女としてここを守ってほしいと求めた。彼は本や図書館に釣られやすいローゼマインを繋ぎ止めるため、自分の館の鍵を渡した。
図書館として託された館
フェルディナンドは、自分の工房、素材、本、資料、魔術具、館、そこで働く者達を全てローゼマインに譲った。かつてローゼマインが魔力の代償に図書館を望んだ約束を覚えており、自分の館を図書館として与える代わりに、その魔力をエーレンフェストを守るために使ってほしいと願った。鍵の所有者はローゼマインへ変更された。
溢れる感情と祝福
ローゼマインは、嬉しさ、寂しさ、悔しさ、怒りが混ざった感情を涙ではなく魔力に変えた。シュタープをペンに変え、聖典の最後のページに載る神殿長だけが知る魔法陣を描いた。それは全ての神へ祈りを捧げるための魔法陣であり、旅立つフェルディナンド、エックハルト、ユストクスへ虹色の祝福を降らせた。
成長を示すローゼマイン
ローゼマインは、かつて感情だけで祝福を与えた時とは違い、神殿長として正しい祈りと魔法陣によって祝福を捧げた。フェルディナンドはその姿を見て、エーレンフェストを任せる、自分の代わりに守ってくれと告げた。ローゼマインはそれを受け入れた。
境界門での別れ
一行は境界門へ移動し、アーレンスバッハからの迎えに荷物を載せ替えた。フェルディナンドはジルヴェスターと別れの言葉を交わし、エーレンフェストのマントを翻して境界門の向こうへ旅立った。ローゼマインは精一杯の笑顔で見送り、隠し部屋に入るまで涙を堪えた。
エピローグ
境界門での迎え
フェルディナンドは、ジルヴェスター達と共に境界門へ入った。アーレンスバッハ側の代表として待っていたのは、ゲオルギーネではなくレティーツィアだった。彼女はアウブ・アーレンスバッハの体調悪化、ディートリンデの領主教育、ゲオルギーネの体調不良を理由に、急遽代理を務めることになったと説明した。
ローゼマインの騎獣と荷物の積み替え
レティーツィアは、ローゼマインの巨大な乗り込み型騎獣を見て驚いた。ジルヴェスターは、騎獣の大きさを自在に変えられるのはローゼマインだけだと説明した。フェルディナンドは、寒空の下で荷物運びを指示しようとするローゼマインを境界門の中へ入るよう命じた。
ジルヴェスターとの別れ
荷物が減っていく中、ジルヴェスターはフェルディナンドへ、婚姻後はアーレンスバッハの者として扱うことになると告げた。フェルディナンドは、最後に酒を酌み交わした夜を思い出した。ジルヴェスターは、頼られる兄になりたかったと酔いながら本音をこぼし、フェルディナンドを行かせたくないと感情を露わにしていた。
兄としての願い
ジルヴェスターは、フェルディナンドのゲドゥルリーヒはエーレンフェストだと叫んでいた。境界門ではさらに、エーレンフェストに固執せず、アーレンスバッハで自分の幸せを最優先にしてほしいと願った。フェルディナンドは、その言葉を忘れないと答え、兄上と呼んで別れを済ませた。
レティーツィアへのローゼマインの忠告
フェルディナンドは、ローゼマインがレティーツィアに対して、自分の優しさは回りくどく、教育は厳しいが成長を願ってのことだと説明している場面を見つけた。ローゼマインは悪口ではなく注意点を述べていただけだと弁解した。フェルディナンドはそれ以上追及せず、手紙はライムント経由で届けると伝えた。
エーレンフェストからの出立
フェルディナンドはヴィルフリートに後を任せ、境界門をくぐった。アーレンスバッハの馬車に乗り込むと、窓の外にエーレンフェストの騎獣が飛び立つ様子が見えた。ローゼマインの騎獣は遠目にも目立ち、その中に自分がいないことをフェルディナンドは不思議に感じた。
レティーツィアから見たローゼマイン
馬車の中で、レティーツィアはローゼマインについて尋ねた。彼女はローゼマインを、優秀な領主候補生であり、想像より親しみやすく優しい人だと感じていた。また、髪飾りが本当はローゼマインの準備した贈り物であることにも気付いていた。
レティーツィアとの距離
レティーツィアは、フェルディナンドとローゼマインが家族同然であることを羨ましがった。フェルディナンドは、彼女も家族との縁が薄い立場であることを思い出し、王命として彼女を教育し、成人後にアウブ・アーレンスバッハにする義務が自分にあると伝えた。
味方作りへの模索
フェルディナンドは、レティーツィアとの信頼を得るため、今後の教育計画について話すことにした。ローゼマインが提案していた助言が頭に浮かんだが、そのまま従うことには悔しさを感じていた。それでも、彼には積極的に味方を作る経験がなく、良い代案は浮かばなかった。
アーレンスバッハ到着
数日後、フェルディナンドはアーレンスバッハの貴族街へ到着した。城で出迎えたのはディートリンデだった。彼女はヴェローニカに似た顔立ちで、フェルディナンドに忌避感を抱かせた。彼は、ディートリンデを御し、ゲオルギーネと対峙しなければ、エーレンフェストとジルヴェスターを守れないと考えた。
父への誓い
フェルディナンドは、時の女神に導かれた其方にエーレンフェストとジルヴェスターを頼むという父の最期の言葉を思い出した。彼はその誓いを胸に、私の全力を尽くしてお守りいたしますと答えた。ディートリンデは、その言葉を自分への忠誠と受け取り、満足げに微笑んだ。
別離から始まる冬の生活
埋まらない穴
増えた執務と失われた支え
フェルディナンドがいなくなった後、ジルヴェスターは領主執務室で増えた書類に追われていた。これまでフェルディナンドが処理していたギーベからの陳述書も自分で確認する必要があり、彼が担っていた穴の大きさを実感していた。
ボニファティウス不在と粛清前の緊張
ジルヴェスターはボニファティウスに手伝いを頼もうとしたが、彼は騎士見習い達の訓練場にいた。領地対抗戦でローゼマインに褒められたい思いもあり、騎士達を鍛えていたのである。ジルヴェスターは、粛清の情報を隠す必要もあるため、無理に呼び戻さず訓練を続けさせた。
ヴィルフリートへの仕事の引き継ぎ
ジルヴェスターは、フェルディナンドが担っていた仕事の一部をヴィルフリートに任せることにした。ヴィルフリートは次期領主としての仕事を任されることを喜び、張り切って執務室を出ていった。ジルヴェスターは、自分が若くして領主になった経験を思い出し、ヴィルフリートには早めに領主の仕事を覚えさせる必要があると考えた。
幼いフェルディナンドとの出会い
ジルヴェスターは、初めてフェルディナンドを弟として紹介された時のことを思い出した。彼は緊張しているように見える幼いフェルディナンドに対し、兄として親しく接しようとし、兄上と呼ばせたり、勉強を教えようとしたりして振り回していた。
ヴェローニカの敵意と守れなかった後悔
ジルヴェスターは、ヴェローニカがフェルディナンドを憎み、見えないところで嫌がらせをしていたことを後になって知った。母も弟も失えなかった彼は、フェルディナンドに神殿入りを勧めた。だが、その選択によってフェルディナンドを守れたわけではなく、結果的に彼を孤立させてしまったという悔いが残っていた。
ローゼマインが暴いたもの
ジルヴェスターは、ローゼマインを養女にしたことを英断だったと考えた。彼女は平民の感覚でフェルディナンドの内面に踏み込み、ジルヴェスターが気付けなかった無理や苦しみ、ヴィルフリートの危うさを明らかにしていった。フェルディナンドにとって、ローゼマインの存在は神殿で得た大きな支えでもあった。
ローゼマインへの喪失感の共有
リヒャルダの報告から、ジルヴェスターはローゼマインも憔悴していることを思い出した。フェルディナンドを最も信頼し、庇護されていた彼女も、自分と同じように大きな穴を抱えているはずだと感じた。ジルヴェスターは、弟を守れず、ローゼマインも守れなかった自分の無力さを悔やんだ。
フロレンツィアの慰め
夜、ジルヴェスターはフェルディナンドがいないせいで何もかも穴だらけだと漏らし、フロレンツィアを抱きしめた。フロレンツィアは、その悔しさを魔力として蓄え、ゲオルギーネを抑えられるほど強くなるべきだと励ました。ジルヴェスターはその言葉を受け入れ、妻の温もりに縋るように眠りについた。
アーレンスバッハ生活の始まり
アウブの死と不安定な到着
フェルディナンド達がアーレンスバッハに到着すると、冬の社交界が始まろうとしていた。しかし、アウブ・アーレンスバッハは到着直前に亡くなっており、フェルディナンドが望んでいた貴族との繋がり作りは難しくなっていた。道中でレティーツィアやその側近と関係を築けたことが、数少ない救いであった。
ゲオルギーネへの警戒
ユストクスは、ゲオルギーネを信用できない人物として見ていた。彼女は次期領主となるために努力を惜しまず、敵を陥れることも厭わない人物であった。ユストクスは子供の頃、ゲオルギーネから文官コースを選ぶよう求められたが、彼女に仕える気がなかったため側仕えコースを選んでいた。その結果、ゲオルギーネから裏切り者として扱われ、厳しい目を向けられるようになった。
ユストクスが選んだ主
ユストクスが名を捧げてまで仕えたいと思ったのはフェルディナンドであった。フェルディナンドはユストクスの集める雑多な情報を活用し、適度に自由も与えてくれる主であった。ユストクスは、ヴェローニカの敵意が皮肉にもフェルディナンドの忍耐力や注意深さ、勤勉さを育てたと見ていた。
アーレンスバッハでの情報収集
ユストクスは、アーレンスバッハの側仕えゼルギウスに案内されながら厨房への道を覚え、下働き達の様子や訛りを観察した。ゲオルギーネの居室移動が行われている今は情報収集の好機であったが、下働きにもお仕着せがあるため、潜入には準備が必要であった。
下働きへの変装準備
ユストクスは、まず下働きにお茶と蜂蜜をこぼし、詫びとして新しいお仕着せを支給させる流れを確認した。その後、フェルディナンドとエックハルトの協力を得て、自分も下働きに変装し、新しいお仕着せを入手した。彼は下働きとしてゲオルギーネの離宮周辺へ潜り込み、情報を集めた。
ゲオルギーネ派の実態
ユストクスは、アーレンスバッハではエーレンフェストへの不満が広がっていると報告した。ゲオルギーネは第二夫人系や旧ベルケシュトック領の者達に支持されており、前神殿長が持ち込んでいた小聖杯も、旧ベルケシュトックへの魔力供給に関係していた可能性があった。エーレンフェストが援助を断ったことで、ゲオルギーネに同情する声も強まっていた。
レティーツィアを巡る不穏
ユストクスは、レティーツィアが成人後にアウブとなることを問題視する声が離宮周辺で聞かれると報告した。亡きアウブの望みや王命が十分に知られていないようであり、ディートリンデを次期領主に据えるべきだという声もあった。フェルディナンドは、ゲオルギーネの勢力が予想以上に大きいことを警戒した。
フェシュピールによる社交の開始
始まりの宴で、フェルディナンドは歓迎への礼としてフェシュピールを演奏した。定番曲に加え、ローゼマインが作曲し、フェルディナンドが編曲した故郷を思う曲も披露された。その演奏は多くの女性貴族の心を掴み、フェルディナンドへの誘いが殺到した。
評価の変化とディートリンデの接近
フェルディナンドの演奏や貴族院時代のディッターでの優秀さが語られるにつれ、彼を下位領地出身の神殿入りした領主候補生として見下していた者達の評価は変わり始めた。そこへディートリンデが現れ、自分の婚約者であることを誇るように笑った。ユストクスは、フェルディナンドの笑顔が苦手な相手に向けるものへ変わったことを察し、即座に胃薬の確認をした。
忙しい冬の始まり
始まりの宴と粛清前の緊張
冬の社交界が始まり、コルネリウスはギーベ・ゲルラッハへの怒りを抑えながら宴に臨んでいた。すでに粛清の証拠は揃っていたため、今ここで感情を悟られることは避けねばならなかった。レオノーレは寄り添う形でコルネリウスを落ち着かせ、彼も殺気を抑えて周囲への警戒に徹した。
ローゼマインの変化と聖典を使わない洗礼式
始まりの宴では、ジルヴェスターが冬の到来を告げ、フェルディナンドの急なアーレンスバッハ行きと、ハルトムートが新たな神官長としてローゼマインを支えることを知らせた。洗礼式ではローゼマインが自ら神話を語り、聖典入れ替え事件を知る者を惑わせるため、聖典は閉じたまま使われなかった。コルネリウスとレオノーレは、フェルディナンドとの別れを経てローゼマインの顔つきや雰囲気が変わったことを感じ取っていた。
フェルディナンドの贈り物への複雑な思い
コルネリウスは、フェルディナンドがローゼマインへ贈った虹色魔石の簪について、婚約者へ贈る魔石よりも上質に見える点に違和感を抱いていた。レオノーレは、ヴィルフリートがまだ婚約者としての実感を持つ年齢ではないため、これまで通りのお守りとして受け止めているのではないかと考えた。二人は、いずれヴィルフリートが自分の魔石を贈る日が来るかもしれないと話した。
護衛騎士としての未熟さと課題
コルネリウスは、毒物への備えや主の危険を事前に取り除く力において、エックハルトに及ばないことを痛感していた。アンゲリカの俊敏性、ダームエルの魔力感知、ユーディットの遠距離攻撃、レオノーレの戦術知識のような特化した強みが自分にはないと感じていたが、レオノーレは苦手が少なく魔力も多いことは十分な強みだと励ました。
ローゼマインの祝福とさらなる警戒
コルネリウスは、フェルディナンドの出発時にローゼマインが全属性の魔法陣で祝福した光景を思い返した。その祝福は神殿長だけが知る魔法陣を用いたもので、幻想的で圧倒的なものだった。レオノーレは、あれほどの祝福ができるローゼマインを欲しがらない領地はないと考え、貴族院での警戒を強める必要を感じていた。
子供部屋での準備とニコラウスへの懸念
始まりの宴後、ローゼマインは貴族院へ向かうまで子供部屋に通い、子供達の教育やメルヒオールの側近への助言に力を入れていた。シャルロッテは粛清で連座処分を受ける子供達の生活場所を整えていた。コルネリウスは異母弟ニコラウスを見ながら、母トルデリーデの罪によって今後どう扱われるのか、またローゼマインに恨みを向けないかを警戒していた。
ローゼマインの貴族院出発
貴族院への出発日、ローゼマインは家族や側近達と挨拶を交わした。ジルヴェスターはヒルデブラント王子との接触を避けるため、社交シーズンまで図書館を控えるよう求めたが、ローゼマインは図書館ではなくヒルシュールの研究室へ通うつもりだと答えた。自分の図書館のために魔術具を作り、ライムント経由でフェルディナンドと手紙をやり取りするつもりだった。
残された側近達の冬の予定
ローゼマインが転移した後、側近達は冬の予定を確認した。社交界での情報収集、神殿での奉納式、冬の主の討伐、粛清、後始末、孤児院管理と、やるべきことは多かった。ローゼマインを貴族院から戻さずに済ませるため、必要なら側近達も魔力を奉納することになっていた。
ハルトムートの主への執着
コルネリウスは、なぜギーベ・ゲルラッハ達がゲオルギーネに尽くすのか疑問を口にした。ハルトムートは、それをローゼマインと自分に置き換えれば理解できると答えた。彼等はただ自分の主に喜んでほしいだけであり、その狂気じみた忠誠がローゼマインに危険をもたらすため排除が必要なのだと述べた。コルネリウスは、ハルトムート自身にもその狂気の自覚があることを知り、意外に感じていた。
選択の時
採集中に揺らいだマティアスの集中
マティアスは貴族院到着後、ラウレンツと共に素材採集へ出かけた。ローゼマインの祝福で復活した採集場所では質の高い素材が採れる一方、魔獣も以前より強くなっていた。マティアスは考え事で周囲への注意を欠き、背後から迫る魔獣に気付かず、ラウレンツに助けられた。
名捧げを巡る二人の迷い
マティアスとラウレンツは、親からゲオルギーネへの名捧げを求められていたが、魔力圧縮で成長中であることを理由に成人後まで先延ばしにしていた。二人は、今の領主一族に名を捧げて家族と決別するか、家族と同じようにゲオルギーネに名を捧げるかで揺れていた。
ゲオルギーネとの邂逅と恐怖
夏にゲオルギーネがゲルラッハを訪れた際、マティアスは父グラオザムに呼ばれて彼女と対面した。ゲオルギーネは優秀なマティアスを褒めたが、その深緑の瞳は父と同じように狂おしいほど一つの目的を見据えており、マティアスは寒気を覚えた。彼女はエーレンフェストの礎の魔術を手に入れられそうだと語り、グラオザムに準備を命じた。
成人まで引き延ばした名捧げ
グラオザムは、マティアスも成人後にゲオルギーネへ名を捧げるつもりだと告げた。マティアスは魔力が伸びているため相応しい素材がまだないと説明し、成人後まで名捧げを先延ばしにした。彼は信奉者達に囲まれた異様な空気に呑まれないよう、社交用の笑みを保ちながら耐えた。
父の企みと転移された包み
秋、マティアスは父の部屋で小さな転移陣が光り、ローゼマインが好む布に似た布で包まれた小さな物が届くのを偶然目撃した。グラオザムはそれを別の転移陣でベティーナへ送り、転移陣を燃やすよう指示した。さらに従属の指輪と対になる魔石を砕き、どこかの兵を消したらしい様子を見せた。
アーレンスバッハへ向かった可能性
マティアスは、その包みがベティーナを通じてアーレンスバッハへ送られた可能性をラウレンツに話した。グラオザムが何を企んでいるのか正確にはわからなかったが、彼がゲオルギーネをアウブにするために本気で動いていることだけは明らかだった。
ローゼマインへの懸念
マティアスは、ゲオルギーネがアウブになった場合、ヴィルフリート達は政治的に利用されても命の心配は少ないだろうと考えた。しかし、平民上がりの青色巫女見習いだとグラオザムに見なされているローゼマインだけは、良い扱いを受けるとは思えなかった。公正に評価してくれる彼女を思い浮かべ、マティアスは決断できないまま苦悩した。
貴族院で感じた危機
寮へ戻ると、先に到着したヴィルフリートは旧ヴェローニカ派へ警戒心を向けていた。続いて到着したローゼマインの側近達も同じように緊張しており、マティアスは領主一族の周辺で何かが起こったのだと察した。悠長に情勢を見ている時間はなくなり、自分の決断が旧ヴェローニカ派の子供達の未来を左右すると悟った。
自ら切り出した告白
マティアスはラウレンツと短く確認し合い、生きるために動く決意を固めた。彼はヴィルフリートとローゼマインの前で跪き、エーレンフェストに不和をもたらす混沌の女神について大事な話があると切り出した。さらに、領主一族に名捧げをすれば旧ヴェローニカ派の子供でも受け入れられるのかを確認した。
ローゼマインへ捧げる決意
ヴィルフリートは、名捧げをした者は旧ヴェローニカ派の子供であっても側近として遇すると明言した。ローゼマインも、マティアスが自分に名を捧げたいと言うなら受け入れる覚悟はあると答えた。その強い眼差しとローデリヒの誇らしげな表情を見て、マティアスは自分の選択が間違っていないと確信した。
家族と道を違える選択
マティアスは父や兄達、母の姿を思い浮かべ、家族の幸福がゲオルギーネと共にあったことを理解していた。それでも、自分が仕えたい相手はゲオルギーネではなくローゼマインであると決めた。彼は父と道を違える覚悟を固め、多目的ホールにいる者達の前で、ゲオルギーネが帰路にゲルラッハへ立ち寄ったことから語り始めた。
新しい子供達
新神官長による受け入れ確認
ヴィルマはハルトムートに呼ばれ、近いうちに新しい子供達が孤児院へ連れて来られると知らされた。部屋の準備は整っていたが、人数次第では食料、薪、布団などが不足する見込みであり、詳細はフランかザームがまとめていると報告した。
ハルトムートへの信頼
ヴィルマは、ハルトムートが孤児院に親切で、子供達にローゼマインの話を繰り返し聞かせてくれる人物だと感じていた。神官長交代に際し、灰色神官や巫女に厳しい青色神官ではなく、ローゼマインの側近であるハルトムートが就任したことを、孤児院の者達は喜んでいた。
姿絵の制作と貴族教育への備え
ヴィルマはハルトムートから、青色巫女時代と神殿長になった後のローゼマインの姿絵を依頼されていた。さらに、連れて来られる子供達が元は貴族の子であり、読み書きや計算、立ち居振る舞いだけでなく、フェシュピールなどの教養も必要になると確認した。ハルトムートは、楽器も子供達の家から持ち込むと告げた。
孤児院の変化への予感
ヴィルマはロータルと話しながら、ハルトムートがフェルディナンドとは異なり、ローゼマインの方針をそのまま押し通す人物だと知った。神殿や孤児院はさらに大きく変わる可能性があったが、ヴィルマはローゼマインが悪い方向へ変えることはないと信じていた。
新しい子供達の到着
冬の社交界が始まって間もなく、ハルトムートは十七名の子供達を孤児院へ連れて来た。子供達はよちよち歩きの幼子からディルクやコンラートほどの年齢まで様々で、仕立ての良い服を着ていたが、怯えたり泣いたり、警戒心を見せたりしていた。多くの子供は美しい魔術具を抱えていた。
貴族ではなくなった子供達への説明
ハルトムートは、孤児院へ来た以上、子供達はもう貴族ではなく、ここが新しい家になると告げた。そして、ディルクとコンラートに生活の仕方を教えるよう頼んだ。特にコンラートは元貴族として、貴族街と孤児院の違いを知る存在であり、子供達にとって手本となる役割を担うことになった。
貴族社会へ戻る可能性の提示
子供達は魔術具を手放すことにも抵抗を示したが、ヴィルマは、努力して中級貴族程度の教養を身につけ、優秀と認められればアウブの後見で貴族として洗礼式を受けられると説明した。その言葉に年長の子供達は目標を見出し、孤児院の生活に従い始めた。
ディルクとコンラートの成長
ディルクとコンラートは、新しい子供達に布団の準備や生活の仕方を教えた。ベルトラムという少年は貴族社会へ戻る意思を示し、ディルクと競うようになった。新しい子供達が勉強や手仕事、フェシュピールに励むことで、ディルクとコンラートにも良い刺激が生まれていた。
幼い子供達の不安と人手の追加
年長の子供達は目標を持って動き始めたが、幼い子供達は夜ごと家族を求めて泣き、ヴィルマとリリーは慰めに追われて寝不足になった。そこへハルトムートが、捕らえられた青色神官達の側仕えだった灰色巫女と灰色神官を孤児院へ戻し、人手不足を補わせた。
姿絵を通じたローゼマイン賛美
ヴィルマが完成したローゼマインの姿絵をハルトムートに見せると、彼は満足し、子供達にも絵を見せた。そして新しく入った子供達へ、ローゼマインがどれほど美しく慈悲深い聖女であるかを語り始めた。話はやがて、フェルディナンド達の旅立ちの日にローゼマインが虹色の祝福を与えた出来事へ及んだ。
祈りを教える必要性
ハルトムートは、ローゼマインが全ての神に祈り、虹色の祝福を生み出したことを熱心に語った。最後には神々とローゼマインへ祈りと感謝を捧げるよう促し、孤児院の者達は一斉に祈りを捧げた。新しい子供達はその光景に戸惑い、ヴィルマは神殿での生活に馴染ませるため、勉強より先に祈りを教える必要があると考えた。
ある冬の日の決意
父子で向かったパルゥ採り
カミルは寝坊したギュンターに急かされ、そりに乗せられて森へ向かった。自分でも走れると思っていたが、遅れを取り戻すために父に従った。南門では、ギュンターが孤児院の見慣れない子供達について門番から情報を得た。
孤児院の子供達との再会
森にはルッツ、ギル、ディルク、コンラートに加え、新しく孤児院へ来た子供達がいた。カミルは以前からディルクやコンラートとカルタで遊んでおり、ローゼマイン工房の玩具について話せる相手として親しみを感じていた。
ギルベルタ商会での勧誘
カミルは冬前にトゥーリに連れられてギルベルタ商会を訪れた時のことを思い出した。そこでレナーテと勝負し、オットーからギルベルタ商会へ誘われた。さらにベンノからは、絵本や玩具に関心があるならプランタン商会の方が向いていると勧誘された。
トゥーリの助言
二つの商会から誘われて困るカミルに、トゥーリは洗礼式まで時間があるため、自分でよく考えて決めるよう諭した。職業は一生を左右するものであり、人の意見を言い訳にしてはならないと教えた。
ルッツとの会話と将来への期待
パルゥ採りの合間、カミルはルッツに商会での出来事を話した。さらにトゥーリとの結婚の噂について尋ねると、ルッツはトゥーリが失恋したばかりだと漏らし、秘密にするよう言った。カミルは驚きつつも、それ以上深く聞く前に採集へ戻った。
ローゼマイン工房への憧れ
カミルはディルクに、春になればプランタン商会へ入る意思があるならローゼマイン工房の見学を申請してもらえるかもしれないと話した。ディルクは喜び、カミルも将来ディルクやコンラートと共に働けるかもしれないことに期待を抱いた。
パルゥの献上と家族の思い
採集を終えた後、ギュンターは門で孤児院の子供達が無事に戻れるよう取り計らった。さらに採れたパルゥの実を一つギルに託し、ローゼマインへ届けるよう頼んだ。カミルは、家族が皆ローゼマインを大切に思っていることを改めて感じた。
プランタン商会への決意
その夜、カミルはギュンターとエーファに、ルッツと一緒に本を作り、プランタン商会で新しい本を広げたいと告げた。二人は泣きそうな顔をしたが、エーファは反対せず、ギュンターも勉強に行くことを許した。カミルは本を作り、ルッツのようになる決意を固めた。
息子の出立準備
ユストクスからの急な呼び出し
リヒャルダは城でフロレンツィアやエルヴィーラと贈り物を整理していた時、ユストクスから自宅へ戻るよう緊急のオルドナンツを受け取った。リヒャルダは仕事を優先しようとしたが、フロレンツィアとエルヴィーラは息子と過ごす時間を大事にするよう命じたため、リヒャルダは自宅へ戻ることになった。
母を心配させた息子への説教
帰宅したユストクスは緊急事態らしい様子もなく、リヒャルダは急な呼び出しの無作法を叱った。互いに仕事を持つ身であり、館の側仕えや料理人にも負担をかけるのだから、連絡は早めにすべきだと説いたが、ユストクスは軽く受け流していた。
荷造りを頼むための呼び出し
ユストクスが母を呼んだ理由は、自分の荷造りを手伝わせるためであった。アーレンスバッハ行きの準備、フェルディナンドの引き継ぎ、神官長室の片付けなどで手が回らず、情報漏洩を避けるためにもリヒャルダの助けが必要だったのである。
隠し部屋の整理と別れの実感
ユストクスは隠し部屋の登録を消し、中の物を箱詰めしていた。それは家に戻らない覚悟を示す行動でもあり、リヒャルダは息子の出立が現実のものだと感じた。彼女は冬服や日用品、書類を整理し、出発時に持つ物、春以降に送る物、状況が落ち着いてから送る物に分けていった。
ゲオルギーネへの後悔
荷造りの最中、リヒャルダはかつて側仕えとして仕えたゲオルギーネを思い出した。ヴェローニカの命でジルヴェスターの元へ移ったことが、ゲオルギーネの心に影響したのではないかと悔いていた。しかしユストクスは、母が領主の命で主を替えざるを得なかっただけであり、責任は彼女にはないと断じた。
母子の価値観の違い
リヒャルダは、もし自分がゲオルギーネに仕え続けていれば状況が変わったかもしれないと考えた。しかしユストクスは、ゲオルギーネは今や叩き潰すべき敵であり、感傷に浸るより現在の主を優先すべきだと現実を突きつけた。リヒャルダも、自分が仕えるのはアウブ・エーレンフェストであり、ローゼマインであると改めて口にした。
ローゼマインを託す言葉
ユストクスは、フェルディナンドがエーレンフェストのためにアーレンスバッハへ向かうため、残るリヒャルダにローゼマインを頼むと告げた。リヒャルダは、ローゼマインには側近も家族も婚約者もいるため、寂しさは一時的なものだろうと返したが、ユストクスは完全には納得していなかった。
親子としての最後の言葉
荷造りを終えた後、リヒャルダはユストクスへ普通の親らしい言葉をかけようとしたが、危険を恐れず主に尽くす息子には似合わないと悟った。彼女は背筋を伸ばし、自分の誓いに悖らず、名を捧げた主の命令を全力で遂行するよう命じた。ユストクスは、我等が命は主のためにと応じ、リヒャルダは彼が間違いなく自分の育てた息子であると感じた。
思い出と別れ
神官長室での準備確認
フランはフェルディナンド達を見送った後、ザームと共に神官長室へ向かった。主が不在でも仕事は多く、ロータルから孤児院で受け入れる新しい子供達の準備状況を尋ねられた。ヴィルマとモニカが中心となって進めていたが、人数や年齢が不明なため、寝台や食器、衣服の準備には難しさがあった。
カンフェルへの懸念とハルトムートへの対応
イミルは、実家に搾取されているカンフェルを案じ、フェルディナンドがいなくなった後の扱いを心配した。フランは、必要ならローゼマインの名を通してハルトムートに伝えればよいと助言した。ハルトムートはローゼマインのためなら強く動くため、神官長室の者達はその性質を理解して対応する必要があった。
奉納式に向けた儀式服探し
ハルトムートの指示により、コルネリウス、ダームエル、アンゲリカ用の青色の儀式服を準備することになった。ロータルは、体格の近い者が実際に合わせながら探すため、フランとイミルを連れて保管室へ向かった。フェルディナンドの儀式服が手前に掛かっているのを見て、フランは彼が神殿を去った現実を改めて感じた。
フェルディナンドの昔話
衣装を探す中、ロータルはフェルディナンドが神殿に入った当初の話を語った。フェルディナンドは最初、ほとんど仕事をせず、昼食も貴族街の館へ戻っていたという。前神殿長による毒の混入を警戒していたためであり、実際に毒を仕込もうとした灰色巫女が捕らえられた後、フェルディナンドは報復として前神殿長室の食事に毒を返し、以後神殿で毒物混入事件は起こらなくなった。
マルグリットの衣装が呼び起こした記憶
アンゲリカ用の儀式服を探す中、マルグリットの華やかな儀式服が出てきた。フランはそれを見た瞬間、忘れたと思っていた記憶が鮮明に蘇り、息苦しさを覚えた。彼は平静を装い、アンゲリカには胸元が合わないと理由を付けて、その衣装が選ばれることを避けた。
護衛騎士の奉納式参加への戸惑い
儀式服が揃った後、イミルは護衛騎士達が青色神官や青色巫女の誓いをせずに奉納式へ参加することに戸惑いを示した。フランも不安を感じていたが、ロータルは小聖杯に魔力を満たすことが最優先であり、フェルディナンドも了承しているなら受け入れるべきだと述べた。
ローゼマインが変えたフェルディナンド
ロータル達は、フェルディナンドがローゼマインの影響で柔らかくなったことを語り合った。ローゼマインはフェルディナンドの冷たい視線や叱責にも怯まず、自分の要望を伝え続けた。その結果、フェルディナンドは彼女の言動を注意深く見るようになり、やがて遠慮のないやり取りを交わす関係へ変化していった。
別れがもたらした距離の変化
フランは、フェルディナンドとローゼマインの距離が急に近くなったことを思い返した。ローゼマインはフェルディナンドを下町の家族に接するように気遣い、彼もそれを拒まなかった。フランは、その温かい関係がもっと早く生まれていれば、ローゼマインが一人で泣くこともなかったのではないかと考えた。
置いていかれる者の寂しさ
保管室を出る時、フランはフェルディナンドの儀式服を見つめ、彼がいなくなったことをまだ信じられずにいた。ロータルが、ローゼマインも数年後には神殿を出ると呟くと、フランは再び置いていかれる自分を意識した。マルグリットとの別れには安堵しかなかったが、今はフェルディナンドやローゼマインと離れることに喪失感を覚えていた。
新しい世界への願い
イミルとロータルは、神殿の外へ行くよりも神殿にいる方がよいと話した。しかしフランは、フェルディナンドやローゼマインが望んでくれるなら、自分も一緒に新しい世界へ行きたいと心の中で呟いた。そして、フェルディナンドの儀式服に向かって跪いた。
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領主の養女

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貴族院の自称図書委

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女神の化身

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ハンネローレの貴族院五年生

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その他フィクション

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