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フィクション(Novel)本好きの下剋上読書感想

小説「本好きの下剋上 第四部 貴族院の自称図書委員 5巻」感想・ネタバレ

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フィクション(Novel)

第四部 貴族院の自称図書委員4レビュー
第四部 貴族院の自称図書委員
本好きの下剋上 全巻まとめ
第四部 貴族院の自称図書委員6レビュー

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  1. 読んだ本のタイトル
  2. これまでのあらすじ
  3. 感想
  4. 考察・解説
    1. 異領地間の婚姻
      1. アーレンスバッハからの花嫁受け入れと政治的思惑
      2. 過去の婚姻が残した禍根
      3. 境界門での異例の星結びの儀式
      4. 花嫁アウレーリアの苦悩と決断
      5. まとめ
    2. エーレンフェストの流行
      1. 貴族院を通じた他領への流行発信と経済効果
      2. 新しい流行の創出と染色コンペ
      3. ブリュンヒルデの活躍と貴族院でのアピール
      4. 流行を支える貴族と平民の連携
      5. まとめ
    3. 印刷業の拡大
      1. グレッシェルへの展開と直面した課題
      2. 貴族と平民の意識の差とギーベの決断
      3. 物語の収集とグリム計画への一歩
      4. ロウィンワルトへの拡大と図書館建設計画
      5. まとめ
    4. 神殿の貴族側近
      1. 神殿同行の許可と側近達の反応
      2. 神殿での業務と食事への驚き
      3. 孤児院の充実とハルトムートの聖女伝説への傾倒
      4. 商人との会合における貴族と平民の意識差
      5. まとめ
    5. 下町との連携
      1. 新産業と流行を支える手足としての平民
      2. 他領商人受け入れと街の維持
      3. グレッシェルにおける貴族と平民の意識差の克服
      4. 染色コンペを通じた職人たちの育成
      5. まとめ
    6. 染色コンペ開催
      1. 開催の目的とルネッサンスの称号
      2. 展示方法の工夫とブリュンヒルデの活躍
      3. 公平な審査とエーファの決意
      4. アウレーリアの参加とヴェール作り
      5. まとめ
    7. 貴族と平民の連携
      1. 平民を手足とする基本理念
      2. グレッシェルで浮き彫りになった意識の壁
      3. 連携に向けた貴族側の歩み寄り
      4. 街の維持と商人受け入れにおける協力体制
      5. まとめ
    8. 領内派閥の動揺
      1. アーレンスバッハの介入と大人たちの思惑
      2. 子供たちによる襲撃計画の通報と親への反発
      3. 名を捧げる条件と突きつけられた過酷な現実
      4. アウレーリアの決断
      5. まとめ
    9. 貴族院二年生の開始
      1. 出発前の準備と成績向上への取り組み
      2. 入寮と調合素材の採集
      3. 旧ヴェローニカ派の子供達との対話と名捧げ
      4. ヒルデブラント王子の登場と親睦会
      5. まとめ
  5. 登場キャラクター
    1. エーレンフェスト領主一族
      1. ジルヴェスター(アウブ・エーレンフェスト)
      2. フロレンツィア
      3. フェルディナンド
      4. ヴィルフリート
      5. ローゼマイン
      6. シャルロッテ
      7. ボニファティウス
    2. エーレンフェストの貴族・側近・騎士
      1. カルステッド
      2. エルヴィーラ
      3. ランプレヒト
      4. エックハルト
      5. コルネリウス
      6. アンゲリカ
      7. ダームエル
      8. ユストクス
      9. リヒャルダ
      10. オティーリエ
      11. ブリュンヒルデ
      12. リーゼレータ
      13. ハルトムート
      14. フィリーネ
      15. レオノーレ
      16. ユーディット
      17. イグナーツ
      18. トラウゴット
      19. ローデリヒ
      20. ヘンリック
      21. カントーナ
      22. シドニウス(ギーベ・ヴィルトル)
      23. グラオザム(ギーベ・ゲルラッハ)
      24. ゲルラッハ子爵夫人
      25. ヤンリック
      26. マティアス
      27. ラウレンツ
      28. フロイデン
      29. ギーベ・イルクナー
      30. イルクナー子爵夫人
      31. ブリギッテ
      32. ヴィクトア
      33. ギーベ・ハルデンツェル(ハルデンツェル伯爵)
      34. ハルデンツェル伯爵夫人
      35. ギーベ・グレッシェル(グレッシェル伯爵)
      36. グレッシェル伯爵夫人
      37. ライゼガング伯爵
      38. アウレーリア
      39. リアディナ
      40. モーリッツ
    3. 神殿・孤児院関係者
      1. フラン
      2. ザーム
      3. モニカ
      4. ニコラ
      5. ギル
      6. フリッツ
      7. ロジーナ
      8. ヴィルマ
      9. ディルク
      10. コンラート
      11. トール
      12. リック
      13. ノーラ
    4. プランタン商会・ギルベルタ商会・グーテンベルク・下町関係者
      1. ベンノ
      2. マルク
      3. ルッツ
      4. ダミアン
      5. オットー
      6. コリンナ
      7. トゥーリ
      8. テオ
      9. グスタフ
      10. フリーダ
      11. イルゼ
      12. ヨハン
      13. ザック
      14. インゴ
      15. ハイディ
      16. ヨゼフ
      17. ダニロ
      18. エラ
      19. フーゴ
      20. ギュンター
      21. エーファ
      22. カミル
      23. リヒト
      24. ヨルク
      25. バルノ
      26. ディラ
      27. ホイス工房の親方
    5. 王族・中央関係者
      1. ヒルデブラント
      2. アルトゥール
      3. ダンクマール
    6. アーレンスバッハ関係者
      1. アウブ・アーレンスバッハ
      2. ゲオルギーネ
      3. ディートリンデ
      4. ベティーナ
      5. マルティナ
    7. クラッセンブルク関係者
      1. ヘンスフェン
    8. ダンケルフェルガー関係者
      1. レスティラウト
      2. ハンネローレ
    9. ドレヴァンヒェル関係者
      1. アドルフィーネ
      2. オルトヴィーン
    10. フレーベルターク関係者
      1. リュディガー
    11. 貴族院関係者
      1. ヒルシュール
    12. 魔術具
      1. シュバルツ
      2. ヴァイス
  6. 展開まとめ
    1. プロローグ
    2. 見習い達と神殿
    3. 下町との話し合い
    4. イタリアンレストランへ行こう
    5. 進化した料理
    6. グレッシェルへの来訪と星結びの儀式
    7. ランプレヒト兄様の結婚
    8. 境界線上の結婚式
    9. 染色コンペの打ち合わせ
    10. 染色コンペ
    11. 染色コンペの後と収穫祭
    12. 収穫祭とグレッシェル
    13. グレッシェルの貴族と印刷業
    14. 図書館計画と衣装の完成
    15. 冬の社交界の始まり(二年生)
    16. 貴族院へ出発
    17. 入寮と忠誠
    18. ヒルシュールの来訪と進級式
    19. 親睦会(二年生)
    20. エピローグ
    21. 城でのお留守番
    22. 分かれ道
    23. 専属への道
  7. 本好きの下剋上 シリーズ 一覧
      1. 兵士の娘
      2. 神殿の巫女見習い
      3. 領主の養女
      4. 貴族院の自称図書委
      5. 女神の化身
    1. ハンネローレの貴族院五年生
  8. その他フィクション

読んだ本のタイトル

本好きの下剋上  ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第四部「貴族院の自称図書委員Ⅴ
著者:香月美夜
イラスト:椎名優

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これまでのあらすじ

中世ヨーロッパ風の世界が舞台。
異世界なのでファンタジー要素もある。

第一部兵士の娘I 兵士の娘Ⅱ 兵士の娘Ⅲ

日本で本の虫だった女子大生が、地震で本の下敷きになって死亡(多分)

次に目覚めたらファンタジー世界の門番兵の娘として目覚める。

貧しく、衛生面も最悪。

身体は魔力が大きいせいで貧弱。

さらに彼女に必須アイテム本が高価で手が出ない。
なら創れば良いじゃないかと、、

そんな彼女は幼馴染のルッツと共に紙作りを始める。
でも子供2人ではほとんど何もできない。

そこで、マインが開発した髪を綺麗にするリンシャン。
姉のトゥーリーの為に作った髪飾りの製法を父親の部下のツテから紹介されたべノン商会に売り、それを資金に紙作りの支援を受けて紙の量産体制に入ろうととしたら。

マインの魔力が身体を蝕み瀕死になってしまう。

生き残るためには貴族に隷属するしかない。

それを良しとせず大好きな家族と過ごす事を優先する決意したが、、

初めて神殿に行き、図書館を見付けた瞬間決意を覆して神殿の巫女見習になる事を決意。

でも平民である事がアダとなり、孤児と変わらない灰色巫女見習になる処だったが余りにも高圧的に言う貴族の神殿長にブチギレ、魔力で威圧して昏倒させ灰色巫女見習案は却下。

交代で出て来た神官長と交渉の末、貴族と同じ青色巫女見習として、通いで神殿に入る事が決まる。

第二部神殿の巫女見習いI 神殿の巫女見習いⅡ 神殿の巫女見習いⅢ 神殿の巫女見習いⅣ

神官長直属の神殿の青色巫女見習として神殿に通う事になったが、下町との常識が違い過ぎた。

神官長、神殿長から付けられた側仕えとの常識の擦り合わせに苦労する。

さらに神殿に着替える部屋が無いので欲しいと神官長に言ったら、孤児院の院長室を与えられたのだが、、

その孤児院の過酷な飢餓状況を知り、孤児たちに食べ物を自己の力で獲得する事を教え、さらに自身でお金を稼ぐ方法、紙作りを教える。

何気に孤児院の孤児達を本作りに巻き込み、絵を描くのが上手い灰色巫女を側仕えに追加して、遂に絵本を完成させる。

順風満帆と思ったのは束の間、神官長と共に騎士団の要請で赴いたトロンベ討伐の際に、貴族の目の前で貴族達を遥かに超える魔力を持ってる事を知られてしまい、拉致られそうになる。

それを恐れて神殿に籠っていたが、他領の貴族が神殿にまで押し入って来た。

その貴族を手引きしたのは、マインに威圧されて気絶させられた事を恨んでいる神殿長だった。

何とか撃退したのだが、、
平民が貴族を攻撃したと言われて問答無用で拘束されそうになったのだが、、

以前お忍びで来た領主に渡された、養女になる契約の印に印を付けた事によりマインは貴族になっていた。

その結果、実は領主の一族だった神殿長は公文書偽装で極刑。

マインはローゼマインとなり下町の家族と別れて領主の養女となり空席の神殿長に就任する。

第三部領主の養女I 領主の養女Ⅱ 領主の養女Ⅲ 領主の養女Ⅳ 領主の養女Ⅴ

貴族令嬢ローゼマインとなったが、いきなり領主の養女にはなれなかった。

上級貴族のカルステッドの第三夫人(故人)の娘という事にして、神殿で密かに育てられていた事にした。

そんな経歴を携えてローゼマインは領主の養女になった。

でも、貴族の世間は神殿とも下町とも違っており特に貴族のご婦人方と上手くやって行けるかは不安材料だったが、、

フェルディナンドをダシにして、お茶会を開催してフェルディナンドの演奏リサイタルを開催。

さらに、フェルディナンドの肖像画を印刷してパンフレットを作成。

結果、貴族のご婦人方の心をガッチリ掴んで貴族社会で確固たる地盤を得る。

そして、貴族として初めての冬。
冬籠りの部屋で一緒になった子供達にマイン工房作の絵本とカルタを与えて無自覚に勉強をさせる。

それは歳上の学院生達よりも神の名前限定だが詳しくさせた、、

さらに、紙でハリセン製造、水汲みポンプ作成、アンゲリカの説教剣(cvフェルディナンド)を作成して領地への貢献も増大して行く。

そんな中、元領主候補で跡目争いの火種になるとして隣の領地に嫁いでいたゲオルギーネが、政変を利用してのし上がり暗躍し始める。

その一手が領地の発展に寄与してるローゼマイン暗殺。
暗殺は未遂に終わったが、ローゼマインは毒を盛られて、たまたま作っていた治療薬を使って治療したが2年間意識不明となってしまう。

そして目覚めたら、、
学院に行く年齢になっていた!

第四部貴族院の自称図書委員I 貴族院の自称図書委員Ⅱ 貴族院の自称図書委員Ⅲ貴族院の自称図書委員Ⅳ 貴族院の自称図書委員Ⅴ 貴族院の自称図書委員Ⅵ 貴族院の自称図書委員Ⅶ 貴族院の自称図書委員Ⅷ 貴族院の自称図書委員Ⅸ

学院への入学式、、
見た目が学院に入る前の子供にしか見えないローゼマインは悪目立ちした。

さらに初日で全試験合格と言う快挙を挙げ、その成果でローゼマインの図書館への情熱が暴走して、ウサギ型魔法具が再起動。

その所有権を巡って第一位の領地と模擬戦で争う事になるが罠に嵌めて撃退・・

さらに次期王位を絡めた恋愛話もあり。

ローゼマインは首を突っ込んで王位継承権問題に巻き込まれるが。。。
本人はホクホク顔w

魔道具問題で争った他領の領主候補のハンネローレを本好き友達とロックオン!

でも、年齢が大きくなった事で、ルッツたち下町の連中とは素の状態で会えなくなってしまった。

それに動揺するローゼマイン、彼女からしたら3年と思ってたのが1年で終わってしまった心境だった。

それはルッツ達も同じだった。。

でも、他の家族との温度差に悩むルッツ。

それに同調したのはギルだった。

貴族院1年生終了。

領主会議で注目が集り順位も13位→10位になる。

これから発展する下町に下水道を整備する大型魔術エントヴィッケルンの発動。

感想

敵対勢力のアーレンスバッハ領地から側近へ嫁いで来たベールで顔を隠している女性アウレーリア。

アーレンスバッハからはエーレンフェストの情報収集を裏の使命に送られて来たが、その彼女の本質は重度の引きこもり。

嫁いだ瞬間にやる気を失くしてしまった。

そんなアウレーリアは、ローゼマインと相性も良いみたいで、ローゼマインと話をした後にエーレンフェストの女として生きることを決意したようだ。

そのローゼマインはアウレーリアが嫁入り道具としてアーレンスバッハから持って来たお魚(海魚)に興味津々w

フェルディナンドから近付くなと言われていた事をすっかり忘れて、、

学生2年目が始まり、歌って踊って大恋愛をして卒業した王子の代わりに学院に来た、新たな王族はまだ8歳。

その8歳児と変わらない外見のローゼマイン13歳?←多分?

 父王、兄から要注意人物と言われているが王子はローゼマインの妹、シャルロッテと勘違いして懐くw

巻末のマインの母親視点の短編。

ルネッサンス選定はオットーの思惑と思われていが母親発案と判明した。

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考察・解説

異領地間の婚姻

物語における異領地間の婚姻について解説する。他領との婚姻は個人の結びつきにとどまらず、領地間の政治的力関係や領内の派閥に多大な影響を及ぼす出来事として描かれている。特にアーレンスバッハとエーレンフェストの間の婚姻は、過去の因縁も絡み、非常に緊迫したものとなっている。

アーレンスバッハからの花嫁受け入れと政治的思惑

春の領主会議において、アーレンスバッハから二人の花嫁がエーレンフェストへ輿入れすることが決定した。

  • カルステッドの息子であり領主一族の護衛騎士を務めるランプレヒトには、アウブ・アーレンスバッハの姪であるアウレーリアが嫁ぐことになった
  • かつて却下されていたヴィルトル子爵の長男フロイデンとアーレンスバッハのベティーナの婚姻も許可された
  • 中級貴族の婚姻にまで大領地が口出ししてきたことについて、マティアスらはアーレンスバッハがエーレンフェストの中枢に食い込もうとしているのではないかと強い警戒を抱いている

過去の婚姻が残した禍根

エーレンフェストの貴族たちがアーレンスバッハからの花嫁を強く警戒する背景には、過去の歴史がある。

  • かつてアーレンスバッハから嫁いできた姫君ガブリエーレは、夫から愛されなかったため、アーレンスバッハから連れてきた側近をエーレンフェストの貴族と婚姻させることで自身の派閥を作ろうとした
  • 上級貴族が応じなかったため、彼女は魔力の高い中級貴族を取り込んで勢力を築き、それが後の旧ヴェローニカ派の基盤となった
  • この歴史的経緯から、新たな花嫁の到来はせっかく沈静化しつつあった派閥対立を再燃させる火種になると危惧されている

境界門での異例の星結びの儀式

通常、貴族の他領からの輿入れは親族だけで境界門へ出迎えに行き、その後の夏に星結びの儀式を行うのが一般的である。

  • しかし今回は、境界門での儀式に双方の領主一族が揃って参列するという、異例の大規模なものとなった
  • フェルディナンドはこれを、エーレンフェストが中央やクラッセンブルクとの取引を増やして距離を取り始めたことに対するアーレンスバッハからの牽制であり、同時にローゼマインを観察する目的があると考えている

花嫁アウレーリアの苦悩と決断

アーレンスバッハから嫁いできたアウレーリアは、自身の素顔がエーレンフェストで忌み嫌われるガブリエーレに似ていることを深く気に病み、反発を恐れて頑なにヴェールで顔を隠していた。

  • 姑であるエルヴィーラは、アウレーリアを旧ヴェローニカ派に近づけず、フロレンツィア派に取り込めるかどうかという厳しい課題を与えた
  • 染色のお披露目会において、ローゼマインからエーレンフェストの染め布でヴェールを作れば周囲に馴染もうとしていることが伝わると提案されたことで、アウレーリアは安心しそれを受け入れた
  • 最終的にアウレーリアは、アーレンスバッハの血を引く者として旧ヴェローニカ派を頼るのではなく、エーレンフェストの女性として生きることを選び、エルヴィーラらの派閥に入る決断を下した

まとめ

異領地間の婚姻は、過去の歴史や現在の派閥抗争と密接に結びついており、領主一族にとっては領地の安全と安定を脅かしかねない重大な政治課題である。エーレンフェストは他領からの干渉を警戒しつつも、花嫁個人と向き合い、彼女らを自領の派閥に取り込むことで内部の分裂を防ごうと苦心しているのである。

エーレンフェストの流行

物語におけるエーレンフェストの流行について解説する。ローゼマインが生み出す数々の新しい流行は、単なる目新しさにとどまらず、領地の順位向上や経済発展、そして他領との関係に多大な影響を与える重要な戦略となっている。

貴族院を通じた他領への流行発信と経済効果

エーレンフェストから他領へ流行を広げる動きは、貴族院の学生たちが団結して進められている。

  • リンシャンや髪飾り、植物紙、カトルカールといった商品が貴族院を通じて他領の貴族たちに知れ渡り、大きな注目を集めた
  • 流行を求めて中央やクラッセンブルクなど他領からの商人が多く訪れるようになり、その対応のために下町の大規模な整備や、イタリアンレストランでの歓待体制が整えられた
  • 学生たちが努力して成績を上げ、流行を広げて他領との取引が増えた結果、領地全体の予算が増加し、貴族院へ割り当てられる予算も増えるという好循環を生み出している

新しい流行の創出と染色コンペ

すでに広まっている商品に加え、エーレンフェスト内では常に新しい流行の創出が図られている。

  • 古い染色技術の復活と新しい染め方を広めるため、ローゼマインやフロレンツィアらが主催して染色コンペ(お披露目会)が開催された
  • 貴婦人たちが自分の専属商会を通して好みの布や職人に注文を出すことで、新しい染色技術がエーレンフェストに根付くことになった
  • 衣装の形についても、ローゼマインはバルーン状のスカートを新しい流行として定着させようとしており、妹のシャルロッテもそれに倣っている

ブリュンヒルデの活躍と貴族院でのアピール

流行の発信において、ローゼマインの上級側仕え見習いであるブリュンヒルデが中核的な役割を担っている。

  • 染色コンペでは、布の柄が最も映えるような展示方法をギルベルタ商会に細かく指示するなど、上級貴族ならではの優れた審美眼を発揮した
  • 貴族院の進級式に向けて、女子生徒全員にそれぞれの髪色に合わせた新しい染めの髪飾りを見繕って配った
  • 男子生徒にもヴィルフリートを通じて香りを抑えたリンシャンが配られ、エーレンフェストの学生全員が揃って流行をアピールする体制が整えられた

流行を支える貴族と平民の連携

流行は貴族社会で消費されるが、ローゼマインは流行を作り出すのは貴族でもその商品を作り出すのは平民であると明言している。

  • せっかく作った流行を他領に広げていくためには、手足となって働くグーテンベルクや商人などの平民との連携が必要不可欠であるとローゼマインは考えている
  • 一般的な貴族(特にグレッシェルの貴族など)は平民を下に見る意識が根強く、現場の状況を知ろうとせずに無理な仕事を押し付けがちである
  • この意識の差が新しい産業や流行を定着させる上での大きな課題となっている

まとめ

エーレンフェストの流行は、下位領地だったエーレンフェストの地位を根本から引き上げる強力な武器である。その流行を継続的に発信し定着させるためには、貴族院の学生たちの協力はもちろんのこと、アイデアを形にする平民の職人たちを適切に導き、守り育てるという、貴族社会の常識を変えるような新たな連携が求められているのである。

印刷業の拡大

物語における印刷業の拡大について解説する。ハルデンツェルで始まった印刷業と製紙業は、ローゼマインの主導のもとで領内の他の地域へも急速に展開を見せている。それに伴い、新たな課題の発生や、貴族と平民の連携のあり方が問われるようになっている。

グレッシェルへの展開と直面した課題

ハルデンツェルに続き、グレッシェルでも印刷業と製紙業の立ち上げが行われることになった。ローゼマインはプランタン商会やグーテンベルク、神殿の灰色神官たちを自身の騎獣で現地へ運び、指導を開始した。しかし、現場ではいくつかの問題が浮き彫りとなった。

  • 鍛冶職人がヨハンの求める金属活字の基準を満たせず、合格が出なかった
  • 色インクを作るための周辺素材の研究が必要となった
  • 水質が悪い影響で、作られた紙の品質が藁半紙のように低くなってしまった

貴族と平民の意識の差とギーベの決断

グレッシェルの担当文官は、現場の状況を把握しようとせず、問題の責任をすべて平民の職人に押し付けていた。

  • ローゼマインは、紙やインク、活字を作り印刷を行うのはすべて平民であり、貴族が下町の実態を知ろうとせずに責任だけを押し付けていては事業は成功しないと、ブリュンヒルデやギーベ・グレッシェルに厳しく指摘した
  • イルクナーやハルデンツェルとは異なり、民と共に生きる意識が薄かったグレッシェルの貴族たちにとって、この指摘は意識改革を迫るものであった
  • 印刷業を失敗させるわけにいかないと決意したギーベ・グレッシェルは、鍛冶職人を冬の間にエーレンフェストへ送って鍛えることを願い出た
  • また、水質改善と他領商人の受け入れのため、下町の大規模改造(エントヴィッケルン)の実施も検討し始めた

物語の収集とグリム計画への一歩

印刷の指導過程で、ルッツとギルは現地の職人たちから下町に伝わる物語を聞き取り、それをまとめた薄い本を作ってローゼマインに献上した。

  • これは貴族向けの売り物にはならない内容であったが、ローゼマインにとっては大喜びの成果であった
  • 印刷業を広げた先々で現地の物語を収集するという手法は、将来的に平民でも自由に本が読める環境を作るためのグリム計画の実現に向けた大きな一歩となった

ロウィンワルトへの拡大と図書館建設計画

グレッシェルに続き、ロウィンワルトにも製紙工房が設立され、灰色神官やプランタン商会の人員が派遣された。多くのギーベが興味を示しており、領内全体へ広がっていくのは時間の問題となっていた。

  • 印刷業の拡大により本が加速度的に増えることを見越したローゼマインは、次の段階として図書館の建設を構想した
  • 創造魔術を用いて本棚や階層が増築される成長する有機体のようなユルゲンシュミット一の図書館を作り、シュミル型の司書魔術具を導入するという壮大な野望を抱いた
  • しかし、フェルディナンドからは、魔力による維持の問題や子孫への負担を理由に現実味がないと一蹴され、計画はあえなく却下されてしまった

まとめ

印刷業の拡大は、単なる技術の伝播にとどまらず、貴族に対して平民と協力し環境を整備するという新たな意識を求めている。同時に、各地からの物語収集や、水質改善を目的とした街のインフラ整備など、エーレンフェスト全体を巻き込みながら、本と文化を豊かにする一大プロジェクトとして着実に進展しているのである。

神殿の貴族側近

物語における神殿の貴族側近について解説する。アウブの許可が下りたことにより、ローゼマインの貴族の側近たちが見習いも含めて神殿へ出入りするようになり、彼らが神殿の環境や下町との関わりにおいてカルチャーショックを受け、意識を変化させていく様子が描かれている。

神殿同行の許可と側近達の反応

領主会議後の話し合いの結果、神殿は貴族街と同等の扱いとなり、成人した護衛騎士以外は宿泊できないものの、見習い側近達も通いで神殿へ同行できることになった。

  • ユーディットは以前アンゲリカから聞いていた神殿のおいしいご飯を食べたいと同行に乗り気であり、フィリーネは孤児院にいる弟のコンラートに会えることを喜んだ
  • レオノーレは神殿へ行くことを悩んでいたが、コルネリウスの一度自分の目で見てから判断してはという助言に従って同行を決意した
  • 一方、側仕え見習いのリーゼレータとブリュンヒルデは、神殿には神殿の側仕えがいるため、城での衣装作りなどの仕事を優先して城に残る判断をした

神殿での業務と食事への驚き

神殿に到着した側近達は、貴族社会から蔑視されている神殿の実態が自分たちの想像と大きく異なることに驚愕することになる。

  • 護衛騎士見習い達は、神官長室でダームエルやエックハルトが当たり前のように事務仕事をこなしているのを見て、神殿の護衛任務には雑務が伴うことを知り呆然とした
  • 昼食時、神殿の料理のあまりのおいしさにユーディットやフィリーネは感動し、コルネリウスも喜んだ
  • しかしレオノーレは、このような食事を日常的に食べているローゼマインやエルヴィーラを、自分の家で歓待する難しさを考えて浮かない顔をしていた

孤児院の充実とハルトムートの聖女伝説への傾倒

ローゼマインは側近達を孤児院にも案内したが、そこでも彼らは大きな衝撃を受けた。

  • 孤児院には本やカルタ、トランプ、乳児用の玩具などが揃っており、子供たちは教育が行き届いて字が読め、計算もできる状態であった
  • 食堂なども非常に清潔に保たれており、コルネリウスやレオノーレは感嘆の声を上げた
  • 孤児院をまとめるヴィルマが、今の生活はローゼマインが与えてくれたものだと感謝を述べると、ハルトムートが激しく食いついた
  • ローゼマインは男性が苦手なヴィルマを庇ったが、ヴィルマはハルトムートの熱意を受け入れ、後日ローゼマインの聖女伝説をまとめて教える約束をして意気投合してしまった

商人との会合における貴族と平民の意識差

神殿では下町の商人たちとの会合も行われ、文官見習いとしてハルトムートとフィリーネが同席した。そこでは貴族と平民の立場の違いから生じる意識の差が浮き彫りになった。

  • ハルトムートは、会合で使われる孤児院長室の家具が中級貴族向けであり、領主の養女の格に合っていないと苦言を呈した
  • ローゼマインは、あまり使わない部屋の家具にお金をかけるより、図書館の建設や研究費などに使いたいと話を煙に巻いた
  • 会合中、商人のフリーダがローゼマインに直接要望を出した際、ハルトムートは領主の養女に対して不敬だと厳しく咎めた
  • しかしローゼマインは、下町の者から直接要望を聞くための会合であり、趣旨を理解せずに邪魔をする文官は同席させないとハルトムートを強く叱責し、ハルトムートは即座に謝罪した
  • その後ローゼマインはハルトムートに対し、貴族が流行を生み出しても実際に商品を作るのは平民であり、手足となって働く彼らとの連携がなければ事業は成功しないと諭した
  • ハルトムートはその意図を深く理解し、他の文官達がローゼマインの手足を潰さないよう見張ることを約束した

まとめ

アウブの許可により神殿へ出入りするようになった貴族の側近たちは、神殿の清潔な環境や質の高い食事、教育の行き届いた孤児院の様子に驚愕し、これまでの偏見を改めることになった。また、平民の商人との会合を通じて、貴族と平民の連携が事業の成功に不可欠であるというローゼマインの理念を学び、彼らの意識は大きく変化し成長していくのである。

下町との連携

物語における下町との連携について解説する。ローゼマインが推進する新産業や流行の発信、そして他領との取引拡大において、貴族と下町に住む商人や職人、兵士たちがどのように連携しているかが重要なテーマとして描かれている。

新産業と流行を支える手足としての平民

ローゼマインは、流行を考え出すのは貴族であっても、紙やインク、活字を作り印刷を行うのも、料理やお菓子を作るのも、全て平民であると明言している。

  • 平民は実際に事業を行う手足のような存在であり、彼らとの連携が必要不可欠であると考えている
  • 側近のハルトムートに対しても、下町の商人から直接要望を聞くための会合の趣旨を説き、文官たちが平民を潰さないように見張ることを約束させている

他領商人受け入れと街の維持

エーレンフェストに他領から多くの商人が訪れるようになり、その対応のために下町との強力な連携が求められた。

  • 商業ギルドや大店の主たちを集めた会合では、不足する宿の確保や、商人たちからの他領の情報収集を依頼した
  • イタリアンレストランでは、専属料理人に敗北して奮起した料理人のイルゼが新しいメニューを開発し、他領の商人を歓待する場として機能するようになった
  • エントヴィッケルンや広域ヴァッシェンで綺麗になった下町の美観を維持するため、ギュンターら兵士たちが巡回や指導を徹底し、街を清潔に保つ連携が機能している

グレッシェルにおける貴族と平民の意識差の克服

グレッシェルでの印刷業や製紙業の立ち上げでは、貴族と平民の連携における課題が浮き彫りになった。

  • グレッシェルの担当文官は現場の状況を把握しようとせず、金属活字の不合格や水質問題などの責任をすべて平民の職人に押し付けていた
  • ローゼマインは、下町の実態を知ろうとせずに責任だけを押し付けていては事業は成功しないと、ブリュンヒルデやギーベ・グレッシェルに厳しく指摘した
  • その結果、平民相手にも居丈高にならずに会話ができる下級文官のヘンリックが重宝されるなど、貴族側にも平民の意見を聞き、共に事業を進める意識改革が促された

染色コンペを通じた職人たちの育成

新しい流行を生み出すため、ギルベルタ商会と協力して染色コンペが開催された。

  • 貴婦人たちが自分の専属商会を通して工房や職人に注文を出す仕組みを作ることで、職人たちが新しい技術の習得や古い技術の復活に励む環境が整えられた
  • 下町の職人たちも、領主一族の専属やルネッサンスという称号を目指して奮闘し、エーレンフェスト全体の技術力向上に繋がっている

まとめ

下町との連携は、エーレンフェストの発展に欠かせない要素となっている。ローゼマインの平民は手足であるという考えのもと、商人や職人、兵士たちがそれぞれの役割を全うし、貴族側も現場を理解して環境を整えることで、身分を超えた協力体制が築かれつつあるのである。

染色コンペ開催

物語における染色コンペ開催について解説する。ローゼマインの冬の衣装を仕立てることをきっかけに、古い染色技術の復活と新しい染め方を広めるために開催されたこの催しは、エーレンフェストの流行と産業に大きな影響を与えた。

開催の目的とルネッサンスの称号

染色コンペは、フロレンツィアやエルヴィーラといった領主夫人や上級貴族が主催し、貴婦人たちが好みの布を選んで専属職人を決めるための品評会として企画された。

  • 優秀な職人には、ローゼマインが咄嗟に口走ってしまったルネッサンスという称号が与えられることになった
  • 下町の職人たちはこれを目指して色めき立った

展示方法の工夫とブリュンヒルデの活躍

多くの貴族に全ての布を公平に見てもらうため、オットーの提案で壁際に衣桁のような木枠を並べ、布を大きく広げて飾る形式が取られた。

  • 展示の際には、ブリュンヒルデが上級貴族の審美眼を活かした
  • 布の柄や色が最も映えるように木枠の間隔や布の掛け方を細かく指導して会場を作り上げた

公平な審査とエーファの決意

職人に対して公平を期すため、会場の布には工房名や職人名を記さず、番号のみが振られて展示された。

  • この方法はローゼマインの母であるエーファの提案でもあった
  • 彼女は娘が髪飾り職人だから有利だという周囲の声を跳ね除け、自らの実力でローゼマインの専属に選ばれることを望んだ
  • これにより、ローゼマインは家族贔屓ができなくなり、自力で母の布を探さなければならなくなった

アウレーリアの参加とヴェール作り

アーレンスバッハから嫁いできたアウレーリアも会場を訪れたが、素顔を見せることを恐れて頑なにヴェールを外そうとしなかった。

  • ローゼマインはエーレンフェストの新しい染め布でヴェールを作れば周囲に馴染もうとしていることが伝わると提案した
  • アウレーリアはこの提案に安堵し、エーレンフェストの布を選ぶことで、周囲にもエーレンフェストの女として生きる決意を示すきっかけとなった

まとめ

貴婦人たちがそれぞれの専属商会を通して注文を出したことで、ギルベルタ商会の独占を防ぎつつ新しい染色技術が領地に根付く大成功を収めた。ローゼマインの冬の衣装には、最終的にエーファが染めた深い赤から朱色へのグラデーションと花柄の布が採用された。しかし、ローゼマインはそれが母の布だと気づけず、専属の決定を次の季節へ先送りにしてしまったため、エーファは次こそ専属の座を勝ち取ろうと決意を新たにした。

貴族と平民の連携

物語における貴族と平民の連携について解説する。ローゼマインが推進する新産業の展開や他領との取引拡大において、貴族と平民がどのように身分の壁を越えて協力し合っているかが重要なテーマとして描かれている。

平民を手足とする基本理念

ローゼマインは、流行を考え出すのが貴族であっても、紙やインクを作り、印刷を行い、料理やお菓子を作るのは全て平民であると明言している。

  • 事業を実際に動かす手足としての平民との連携は不可欠であり、彼女は側近のハルトムートに対してもその重要性を説いている
  • 商人から直接要望を聞く会合において、ハルトムートが商人を不敬だと咎めた際、ローゼマインは会合の趣旨を説明して彼を厳しく叱責した
  • 文官達が平民を潰さないように見張ることを約束させた

グレッシェルで浮き彫りになった意識の壁

グレッシェルでの印刷業や製紙業の立ち上げにおいては、貴族と平民の連携における課題が明確になった。

  • グレッシェルの担当文官は下町の現場の状況を把握しようとせず、金属活字の不合格や水質悪化による紙の品質低下などの責任をすべて平民の職人に押し付けていた
  • これに対しローゼマインは、下町に目を向けず平民に責任を負わせて潰しているようでは事業は決して成功しないと、ブリュンヒルデやギーベ・グレッシェルに厳しく指摘し、貴族側の意識改革を迫った

連携に向けた貴族側の歩み寄り

ローゼマインの指摘を受け、貴族側にも変化が見られるようになった。

  • 現場では、平民相手にも居丈高にならずに会話ができる下級文官のヘンリックが重宝され、他の文官達も平民の意見を聞く姿勢を学び始めた
  • 印刷業を失敗させるわけにいかないと決断したギーベ・グレッシェルは、自らの非を認めるように鍛冶職人を冬の間にエーレンフェストで鍛えてもらうよう願い出た
  • さらに、製紙業の水質改善や他領商人を受け入れるため、下町を綺麗にする大規模改造(エントヴィッケルン)の実施も検討し始めている

街の維持と商人受け入れにおける協力体制

エーレンフェストにおいては、魔術によって白く綺麗になった下町を維持するため、強力な連携が機能している。

  • ギュンターら兵士達が巡回や住民への指導を徹底し、街を清潔に保っている
  • ローゼマインは兵士達の奮闘に直接感謝を伝え、この協力体制を高く評価している
  • 他領から多くの商人が訪れることに対応するため、ローゼマインは商業ギルドや大店の主達に対し、不足する高級な宿の確保や商人達からの情報収集を依頼し、貴族と商人が一丸となって難局を乗り切ろうとしている

まとめ

貴族と平民の連携は、貴族がただ命令を下すだけの関係から、平民を事業の重要な手足として尊重し、共に発展を目指す関係への転換を意味している。貴族が現場の実態を理解して環境を整備し、平民の努力を引き出すことで、エーレンフェスト全体を底上げする強力な協力体制が築かれつつあるのである。

領内派閥の動揺

物語における領内派閥の動揺について解説する。アーレンスバッハからの花嫁受け入れを機に旧ヴェローニカ派が再び勢いづく一方で、その子供たちの世代では親の姿勢に反発し、自らの意思で未来を切り開こうとする大きな動揺と変化が描かれている。

アーレンスバッハの介入と大人たちの思惑

春の領主会議において、アーレンスバッハからの二人の花嫁受け入れが決定し、同時に一度は却下されていたフロイデンとベティーナの結婚も許可された。

  • ゲルラッハ子爵ら旧ヴェローニカ派の大人たちは、この決定をアーレンスバッハのおかげだと喜んでおり、再び勢いづいている
  • 一方で、ゲルラッハ子爵の末息子であるマティアスらは、エーレンフェストの順位が上がり、これからはローゼマイン達を中心に領地が発展していくと考えている
  • そのため、大領地とはいえ魔力不足に陥り後継者争いをしているアーレンスバッハに親たちが依然として傾倒していることに対し、マティアスは強い違和感と危機感を抱いている

子供たちによる襲撃計画の通報と親への反発

境界門で行われる星結びの儀式において、旧ヴェローニカ派の大人たちによる神殿組への襲撃計画が企てられていた。

  • 親たちの不穏な思惑のままに動かされては自分たちも破滅すると考えたマティアスやローデリヒらは、親の計画を看過できずに行動を起こした
  • ローデリヒが文官見習いの講義でフィリーネに手紙を渡し、襲撃計画を事前に知らせたことで、ボニファティウスや騎士団が警戒を強め、襲撃は未然に防がれた
  • 貴族院で派閥を越えて協力し合った子供たちが、親と対立してでも領主一族への忠誠を示したこの出来事は、領内派閥の動向における大きな変化の兆しとなった

名を捧げる条件と突きつけられた過酷な現実

襲撃を未然に防いだ彼らの功績に対し、ローゼマインは報酬として魔力圧縮方法を教えたいと望んだが、領主ジルヴェスターは領主一族に名を捧げられるならばという厳しい条件を提示した。

  • 名を捧げるとは、自らの命を預け忠誠を誓う重い行為であり、彼らにとっては親と完全に決別し、後ろ盾を失うことを意味する
  • 魔力圧縮を強く望むローデリヒは即座に名を捧げようとしたが、マティアスは未成年の領主候補生に親を捨てて将来を懸けることの危険性を説き、勢いで決断しないよう強く制止した
  • 旧ヴェローニカ派の子供たちは、派閥を自分で選べないまま魔力を伸ばす機会を失うか、親を捨てて名を捧げるかという過酷な選択を迫られている

アウレーリアの決断

アーレンスバッハからランプレヒトに嫁いできたアウレーリアの動向も、派閥に影響を与える重要な要素であった。

  • 彼女は素顔が忌み嫌われるガブリエーレに似ていることから反発を恐れていたが、染色コンペにおいてローゼマインやエルヴィーラの配慮と優しさに触れ、彼女たちへの誤解を解いた
  • 最終的にアウレーリアはアーレンスバッハに近い旧ヴェローニカ派を頼るのではなく、エルヴィーラやローゼマインの派閥に入り、エーレンフェストの女性として生きる道を選んだ

まとめ

領内派閥の動揺は、単なる大人たちの権力闘争にとどまらず、親の世代の因縁に翻弄される子供たちの苦悩と成長の物語でもある。アーレンスバッハの干渉によって再燃しつつある派閥対立の中で、自らの意志で主を選び、親と決別してでも未来を切り開こうとする若い世代の動きが、今後のエーレンフェストを大きく変えていく原動力となっているのである。

貴族院二年生の開始

物語における貴族院二年生の開始について解説する。エーレンフェストの順位が10位へと躍進し、他領からの注目や警戒が高まる中、ローゼマイン達の二年生の生活が始まる様子が描かれている。

出発前の準備と成績向上への取り組み

貴族院へ出発する前の冬の子供部屋では、新一年生に対しても参考書を用いた予習が行われ、成績向上に向けた準備が進められた。

  • ローゼマインの提案により、増えた貴族院の予算を使って下級貴族へ紙やインクを支給することが決まり、講義内容を記録しやすくすることで領地全体の成績底上げが図られた
  • 寮にはローゼマインの要望通り図書コーナー(本棚)が設置され、参考書やエーレンフェストで印刷された本が置かれることになった
  • 流行の発信のため、女子生徒にはそれぞれの髪色に合わせた新しい染めの髪飾りが、男子生徒には香りを抑えたリンシャンが配られ、エーレンフェストの学生全員で流行をアピールする体制が整えられた

入寮と調合素材の採集

転移陣を通ってエーレンフェスト寮に到着した二年生は、すぐに調合実技で使用する素材の採集へ向かうことになった。

  • 採集場所は宝盗りディッター時代の名残で雪が積もらない特別な円形の土地であり、そこで必要な薬草や木の実を集める
  • 採集はただ素材を集めるだけでなく、魔獣を狩る騎士見習い達が守りながら戦う訓練を兼ねており、学生同士が連携して行われた

旧ヴェローニカ派の子供達との対話と名捧げ

ローゼマインは、夏の星結びの儀式における襲撃計画を事前に知らせてくれた旧ヴェローニカ派の子供達を会議室に集め、その勇気と行動を労った。

  • 報酬として魔力圧縮を教える条件が領主一族へ名を捧げることであると確認され、ローデリヒがその場でローゼマインに名を捧げようと申し出た
  • しかし、マティアスが名を捧げることは親と決別し、命と未来を主に預ける重大な行為であると制止し、未成年の領主候補生に将来を懸ける危険性を説いて慎重な判断を促した

ヒルデブラント王子の登場と親睦会

順位が10位に上がったことで、進級式や親睦会では抜かれた下位領地から笑顔に敵意を潜ませた嫌味や牽制を受けたが、ローゼマイン達はこれを毅然と受け流した。

  • 領主候補生の親睦会には、アナスタージウスに代わり、洗礼式を終えたばかりの第三王子ヒルデブラントが王族の代表として滞在しており、初対面の挨拶を交わした
  • ダンケルフェルガーのハンネローレへ本の返礼を約束したり、ドレヴァンヒェルのアドルフィーネからエーレンフェストの技術に対する強い関心を向けられたりと、上位領地との複雑な外交が繰り広げられた
  • また、フレーベルタークのリュディガーからは、神事への参加によって収穫量が伸びたことへの感謝が伝えられ、従兄妹同士として良好な関係を築いていくことが確認された

まとめ

貴族院二年生の開始は、事前の周到な準備や成績向上への意気込みだけでなく、領地の順位上昇に伴う他領からの警戒や、旧ヴェローニカ派の子供達の扱いといった領地内の派閥問題など、ローゼマイン達が多くの複雑な政治的課題と向き合っていく重要な局面として描かれている。

第四部 貴族院の自称図書委員4レビュー
第四部 貴族院の自称図書委員
本好きの下剋上 全巻まとめ
第四部 貴族院の自称図書委員6レビュー

登場キャラクター

エーレンフェスト領主一族

ジルヴェスター(アウブ・エーレンフェスト)

エーレンフェストの領主である。領地の発展と他領との取引拡大を目指し、貴族院の予算を増加させる決定を下した。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェスト領主一族。アウブ・エーレンフェスト。
・物語内での具体的な行動や成果
 領主会議で他領との取引をまとめ、エーレンフェストの予算を増加させた。旧ヴェローニカ派の子供たちに魔力圧縮を教える条件として、名を捧げることを提示した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 過去に母親のヴェローニカを断罪したことで自らの派閥を削いだため、上級貴族の味方を増やす必要に迫られている。

フロレンツィア

ジルヴェスターの第一夫人である。ローゼマイン達の養母として、彼女の行動や流行の発信を見守っている。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェスト領主一族。第一夫人。
・物語内での具体的な行動や成果
 エルヴィーラと共に染め物のお茶会を主催し、新しい染めの布を評価した。ローゼマインの冬の衣装選びに意見を出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

フェルディナンド

ローゼマインの保護者であり教育係である。非常に警戒心が強く、感情で動きがちなローゼマインを厳しく指導している。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェスト領主一族。神官長。
・物語内での具体的な行動や成果
 境界門での星結びの儀式を取り仕切り、不意の襲撃に備えて防衛策を講じた。ローゼマインが提案した非現実的な図書館建設計画を却下した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 エックハルトとユストクスの二人から名を捧げられている。

ヴィルフリート

ジルヴェスターの息子である。ローゼマインの婚約者として、彼女と共にエーレンフェストの学生たちをまとめている。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェスト領主一族。領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
 グレッシェルの印刷業準備の最終確認を行った。貴族院では男子学生にリンシャンを配り、流行の周知に努めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ローゼマインとの婚約により次期領主が内定しており、旧ヴェローニカ派をまとめることが期待されている。

ローゼマイン

本を何よりも愛する領主の養女である。エーレンフェストの聖女と呼ばれ、印刷業や製紙業の拡大、新しい流行の創出に全力を注いでいる。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェスト領主一族。領主候補生。神殿長。孤児院長。
・物語内での具体的な行動や成果
 グレッシェルへ赴き、印刷業の立ち上げにおいて平民の職人を擁護した。境界門での星結びの儀式で神殿長として祝福を与えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 貴族院での影響力が大きく、彼女の行動がエーレンフェストの順位上昇や他領との取引増加に直結している。

シャルロッテ

ジルヴェスターの娘である。ローゼマインを慕い、領主候補生として共にエーレンフェストの発展に貢献しようとしている。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェスト領主一族。領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
 貴族院の一年生として入学し、新入生を集めて学習計画を立てた。親睦会ではリュディガーやアドルフィーネと挨拶を交わした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ボニファティウス

ローゼマインの祖父である。見習い騎士たちの特訓を熱心に行い、城の防衛を担っている。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェスト領主一族。
・物語内での具体的な行動や成果
 境界門での星結びの儀式の際、城で留守番をして防衛を担った。星結びの儀式に向かう神殿組への襲撃計画の連絡を受け、迅速に対応して未然に防いだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

エーレンフェストの貴族・側近・騎士

カルステッド

エーレンフェストの騎士団長である。エルヴィーラの夫であり、ランプレヒト達の父親である。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの貴族。騎士団長。
・物語内での具体的な行動や成果
 ランプレヒトの星結びの儀式において、騎士団長としてではなく新郎の父親として参列した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

エルヴィーラ

カルステッドの第一夫人である。印刷業の責任者を務め、派閥の拡張や婚姻の準備に奔走している。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの貴族。印刷業の統括役。
・物語内での具体的な行動や成果
 アーレンスバッハから嫁いできたアウレーリアを保護し、エーレンフェストに馴染むよう導いた。染め物のお披露目会を主催した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 アウレーリアを自身の派閥に迎え入れた。

ランプレヒト

カルステッドの息子である。ヴィルフリートの護衛騎士を務めている。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの側近。ヴィルフリートの護衛騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
 アーレンスバッハのアウレーリアと境界門で星結びの儀式を行った。アウレーリアに対して、自由に派閥を選んでよいと告げた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 アウレーリアを妻に迎えた。

エックハルト

カルステッドの息子である。フェルディナンドの護衛騎士を務めている。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの側近。フェルディナンドの護衛騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
 フェルディナンドの工房で魔法陣の検証作業を手伝った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 フェルディナンドに名を捧げている。アンゲリカの婚約者である。

コルネリウス

カルステッドの息子である。ローゼマインの護衛騎士を務めている。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの側近。ローゼマインの護衛騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
 神殿での護衛任務をこなし、孤児院の充実ぶりに驚きを見せた。貴族院での採集において騎士見習い達を指揮した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 意中の女性がいることをローゼマインに見抜かれた。

アンゲリカ

ローゼマインの護衛騎士である。考えることを避け、戦闘能力の向上に特化している。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの側近。ローゼマインの護衛騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
 貴族院を卒業し、城に残ってボニファティウスの特訓を受けることを選んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 エックハルトの婚約者であるが、結婚を急いでいない。

ダームエル

ローゼマインの護衛騎士である。下級騎士でありながら彼女の信頼を得ている。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの側近。ローゼマインの下級護衛騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
 城で留守番中にローデリヒから襲撃計画の手紙を受け取り、迅速にボニファティウスへ連絡した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 フィリーネから密かに想いを寄せられている。結婚相手が見つからず苦労している。

ユストクス

フェルディナンドの側近である。情報収集に長けている。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの側近。文官。
・物語内での具体的な行動や成果
 イタリアンレストランでの会食にフェルディナンドの護衛代わりとして同行した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 フェルディナンドに名を捧げている。

リヒャルダ

ローゼマインの筆頭側仕えである。彼女の身の回りの世話や側近たちの統率を的確に行っている。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの側近。ローゼマインの筆頭側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
 ローゼマインが自ら衣装を誂えようとしたことを喜んだ。襲撃計画の知らせを受けた際、迅速に対応した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

オティーリエ

ローゼマインの側仕えである。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの側近。ローゼマインの側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
 境界門への星結びの儀式に同行した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ブリュンヒルデ

ローゼマインの側仕え見習いである。グレッシェル伯爵令嬢であり、流行の発信に強い意欲を持っている。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの側近。ローゼマインの上級側仕え見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
 染色コンペにおいて布の展示方法を厳しく指導した。ローゼマインから平民の職人を擁護する理由を説かれ、認識を改めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

リーゼレータ

ローゼマインの側仕え見習いである。シュミルを愛好し、裁縫や刺繍を得意としている。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの側近。ローゼマインの側仕え見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
 シュバルツとヴァイスの衣装に複雑な魔法陣を隠す美しい刺繍を施し、完璧に仕上げた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 仕事中とプライベートでの感情の切り替えがはっきりしている。

ハルトムート

ローゼマインの文官見習いである。ローゼマインを聖女として深く崇拝している。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの側近。ローゼマインの上級文官見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
 グレッシェルでの収穫祭に同行し、メダルの登録作業を手伝った。ヴィルマから聖女伝説を聞き出し、熱心に記録した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

フィリーネ

ローゼマインの文官見習いである。下級貴族として努力を重ね、ダンケルフェルガーの本の写本を担当している。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの側近。ローゼマインの下級文官見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
 神殿の孤児院で弟のコンラートと再会し、彼の無事を確認した。ダームエルが自分の想いに気づかないことに痺れを切らし、彼に結婚できなければいいと言い放った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

レオノーレ

ローゼマインの護衛騎士見習いである。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの側近。ローゼマインの上級護衛騎士見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
 貴族院での採集において、視力を強化して魔獣を警戒し、周囲に的確な指示を出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ユーディット

ローゼマインの護衛騎士見習いである。アンゲリカに強い憧れを抱いている。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの側近。ローゼマインの中級護衛騎士見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
 神殿の食事のおいしさに感動し、護衛任務を楽しみにするようになった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

イグナーツ

ヴィルフリートの側近である。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの側近。ヴィルフリートの文官見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
 ヒルシュールへの連絡不手際をヴィルフリートに指摘され、困ったように笑った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

トラウゴット

騎士見習いである。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの貴族。騎士見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
 貴族院での採集において、魔獣狩りに参加した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ローデリヒ

旧ヴェローニカ派の文官見習いである。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの貴族。中級文官見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
 星結びの儀式への襲撃計画を知らせる手紙をフィリーネに渡した。ローゼマインに名を捧げようとしたが止められた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ヘンリック

ダームエルの兄である。文官として印刷業に関わっている。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの貴族。下級文官。
・物語内での具体的な行動や成果
 グレッシェルでの印刷業の視察に同行し、平民の職人たちとの会話に慣れていった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

カントーナ

文官である。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの貴族。文官。
・物語内での具体的な行動や成果
 城の仕事の基本を教える講義で、文官見習いたちに本館の説明を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

シドニウス(ギーベ・ヴィルトル)

ヴィルトルを治める領主である。旧ヴェローニカ派に属している。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの貴族。ギーベ・ヴィルトル。
・物語内での具体的な行動や成果
 長男フロイデンの結婚許可が下りたことを喜び、グラオザムへ知らせた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

グラオザム(ギーベ・ゲルラッハ)

ゲルラッハを治める領主である。旧ヴェローニカ派の中心人物である。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの貴族。ギーベ・ゲルラッハ。
・物語内での具体的な行動や成果
 フロイデンの結婚許可をアーレンスバッハのおかげだと喜んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ゲルラッハ子爵夫人

グラオザムの妻である。マティアスの母である。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
 フロイデンの結婚を喜び、お祝いの品を持参してヴィルトルへ赴く計画を立てた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ヤンリック

グラオザムの長男である。マティアスの兄である。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
 マティアスたちと護衛騎士たちの実力差を指摘した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

マティアス

グラオザムの末息子である。中級騎士見習いである。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの貴族。中級騎士見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
 アーレンスバッハとの関係強化を喜ぶ家族に違和感を抱いた。襲撃計画の情報を事前に伝え、ローデリヒが名を捧げるのを引き留めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 親と決別してでもローゼマイン側に協力する決意を固めた。

ラウレンツ

シドニウスの二番目の息子である。騎士見習いである。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの貴族。騎士見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
 マティアスとともに合同訓練に参加し、アーレンスバッハからの干渉について語り合った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

フロイデン

シドニウスの長男である。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの貴族。中級貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
 アーレンスバッハのベティーナとの結婚が許可され、境界門で星結びの儀式を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 アーレンスバッハから妻を迎えた。

ギーベ・イルクナー

イルクナーを治める領主である。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの貴族。ギーベ・イルクナー。
・物語内での具体的な行動や成果
 冬の社交界でローゼマインに挨拶をした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

イルクナー子爵夫人

ギーベ・イルクナーの妻である。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
 冬の社交界でローゼマインに挨拶をした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ブリギッテ

イルクナー出身の元護衛騎士である。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
 イルクナーでの製紙業の発展状況をローゼマインに報告した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ヴィクトア

イルクナーの貴族である。ブリギッテの夫である。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
 ブリギッテとともにイルクナーの製紙業の様子を報告した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ギーベ・ハルデンツェル(ハルデンツェル伯爵)

ハルデンツェルを治める領主である。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの貴族。ギーベ・ハルデンツェル。
・物語内での具体的な行動や成果
 春を呼ぶ儀式によって収穫量が倍増したことを深く感謝し、ローゼマインの手の甲に額を押し当てて礼を述べた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ハルデンツェル伯爵夫人

ギーベ・ハルデンツェルの妻である。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
 冬の社交界でローゼマインに挨拶をした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ギーベ・グレッシェル(グレッシェル伯爵)

グレッシェルを治める領主である。ブリュンヒルデの父親である。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの貴族。ギーベ・グレッシェル。
・物語内での具体的な行動や成果
 印刷業と製紙業の立ち上げに際し、平民の職人たちに責任を押し付けようとしたが、ローゼマインに諭されて考えを改めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

グレッシェル伯爵夫人

ギーベ・グレッシェルの妻である。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
 冬の社交界でローゼマインに挨拶をした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ライゼガング伯爵

ライゼガング地方を治める貴族である。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
 境界門での星結びの儀式に際し、ローゼマイン達を夏の館に宿泊させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

アウレーリア

アウブ・アーレンスバッハの姪である。ランプレヒトの妻となる。
・所属組織、地位や役職
 アーレンスバッハの貴族。後にエーレンフェストの貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
 顔がガブリエーレに似ているとされ、アーレンスバッハのヴェールを頑なに被っていた。ローゼマインの提案でエーレンフェストの染め布のヴェールを作り、エルヴィーラの派閥に入った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ランプレヒトと結婚し、エーレンフェストの女として生きていく決意を固めた。

リアディナ

アウレーリアの側仕えである。
・所属組織、地位や役職
 アウレーリアの側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
 アウレーリアが自分の望みを素直にランプレヒトに告げるよう助言した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

モーリッツ

子供部屋の教師である。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの貴族。教師。
・物語内での具体的な行動や成果
 貴族院出発前の新一年生に対して、地理と歴史の勉強を教えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

神殿・孤児院関係者

フラン

神殿におけるローゼマインの筆頭側仕えである。
・所属組織、地位や役職
 神殿。筆頭側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
 貴族の側近達が出入りするようになった神殿で、滞りなく業務やもてなしを行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ザーム

ローゼマインの側仕えである。
・所属組織、地位や役職
 神殿。側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
 神殿に出入りするようになった貴族の側近達を受け入れ、神殿長室での業務を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

モニカ

ローゼマインの側仕えである。
・所属組織、地位や役職
 神殿。側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
 貴族の側近が出入りすることに緊張していたが、ローゼマインの気遣いに安心した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ニコラ

ローゼマインの側仕えである。料理人の助手も務める。
・所属組織、地位や役職
 神殿。側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
 エラとフーゴの星結びの儀式の日に、一人で厨房を任されて奮闘した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ギル

ローゼマインの側仕えである。印刷業の拡大に伴い各地へ出張している。
・所属組織、地位や役職
 神殿。側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
 グレッシェルの職人たちから物語を集め、ローゼマインに本として献上した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 下町で過ごすことが多く、言葉遣いが少し荒くなっている。

フリッツ

ローゼマインの側仕えである。
・所属組織、地位や役職
 神殿。側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
 ギルが不在の間、孤児院の子供達を森へ引率する役割を担った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ロジーナ

ローゼマインの専属楽師である。
・所属組織、地位や役職
 神殿。側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
 イタリアンレストランでの会食においてフェシュピールを演奏した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ヴィルマ

孤児院の統括を行う側仕えである。
・所属組織、地位や役職
 神殿。側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
 ローゼマインの功績をハルトムートに語り、大きく盛られた聖女伝説を作り上げた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ディルク

孤児院の子供である。
・所属組織、地位や役職
 神殿。孤児院の住人。
・物語内での具体的な行動や成果
 コンラートと共に孤児院で過ごしている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

コンラート

フィリーネの弟である。孤児院で暮らしている。
・所属組織、地位や役職
 神殿。孤児院の住人。
・物語内での具体的な行動や成果
 神殿を訪れたフィリーネと再会し、孤児院での生活が充実していることを伝えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

トール

ハッセの小神殿で暮らす灰色神官である。農作業に励んでいる。
・所属組織、地位や役職
 神殿。灰色神官。
・物語内での具体的な行動や成果
 ハッセの小神殿の畑で野菜を育て、収穫した野菜をローゼマインに見せて喜んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

リック

ハッセの小神殿で暮らす灰色神官である。
・所属組織、地位や役職
 神殿。灰色神官。
・物語内での具体的な行動や成果
 トールと共に野菜を収穫し、神殿への荷物として準備した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ノーラ

ハッセの小神殿で暮らす灰色巫女である。
・所属組織、地位や役職
 神殿。灰色巫女。
・物語内での具体的な行動や成果
 ハッセの住人と協力して冬支度を進められるようになったと報告した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

プランタン商会・ギルベルタ商会・グーテンベルク・下町関係者

ベンノ

プランタン商会の代表である。ローゼマインの提案に振り回されつつも利益を追求する。
・所属組織、地位や役職
 プランタン商会。代表。
・物語内での具体的な行動や成果
 グレッシェルへの印刷業展開のため出張し、新しい紙製品や文具の権利を得た。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

マルク

プランタン商会の店代である。
・所属組織、地位や役職
 プランタン商会。店代。
・物語内での具体的な行動や成果
 書式の定まった用紙を取り入れたことで仕事が楽になったと報告した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ルッツ

プランタン商会のダプラ見習いである。ローゼマインの幼馴染である。
・所属組織、地位や役職
 プランタン商会。ダプラ見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
 グレッシェルの職人たちから物語を集め、本としてローゼマインに献上した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ダミアン

プランタン商会の店員である。
・所属組織、地位や役職
 プランタン商会。店員。
・物語内での具体的な行動や成果
 グレッシェルへの出張に同行し、印刷業の準備を進めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

オットー

ギルベルタ商会の代表である。
・所属組織、地位や役職
 ギルベルタ商会。代表。
・物語内での具体的な行動や成果
 染色コンペにおいて布の展示方法を工夫し、貴族たちが選びやすいように配慮した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

コリンナ

ギルベルタ商会の針子である。オットーの妻である。
・所属組織、地位や役職
 ギルベルタ商会。針子。
・物語内での具体的な行動や成果
 ローゼマインの冬の衣装の採寸と発注を取りまとめ、新しい染めの布を用いた衣装を仕立てた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

トゥーリ

エーファの娘である。ローゼマインの髪飾りを作り、衣装をデザインする。
・所属組織、地位や役職
 ギルベルタ商会。職人。
・物語内での具体的な行動や成果
 ローゼマインの夏と冬の衣装をデザインし、それに合わせた髪飾りを制作した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 絵の練習を重ね、デザイン画を描けるまでに成長した。

テオ

ギルベルタ商会の店員である。オットーの補佐を務めている。
・所属組織、地位や役職
 ギルベルタ商会。店員。
・物語内での具体的な行動や成果
 染色コンペの打ち合わせに同席し、記録を取った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

グスタフ

商業ギルドのギルド長である。
・所属組織、地位や役職
 商業ギルド。ギルド長。
・物語内での具体的な行動や成果
 他領商人を識別する勘合紙を受け取り、商人たちの歓待準備を取り仕切った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

フリーダ

グスタフの孫娘である。イタリアンレストランの経営に携わっている。
・所属組織、地位や役職
 オトマール商会。イタリアンレストランの経営者。
・物語内での具体的な行動や成果
 イタリアンレストランでローゼマイン達をもてなし、料理の研究に多額の投資を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 料理の発展に貢献した褒美として、ゼラチンの製法を得た。

イルゼ

グスタフの料理人である。イタリアンレストランで料理の研究を行っている。
・所属組織、地位や役職
 オトマール商会。専属料理人。
・物語内での具体的な行動や成果
 フーゴに敗北した経験を糧に研究を重ね、ダブルコンソメやオーソ・ブッコなどの新しい料理を完成させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 フェルディナンドから引き抜きを検討されるほどの腕前となった。

ヨハン

グーテンベルクの鍛冶職人である。
・所属組織、地位や役職
 鍛冶工房。職人。
・物語内での具体的な行動や成果
 グレッシェルの鍛冶職人たちに金属活字の作り方を教え、エーレンフェストに連れ帰って教育を続けることになった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ザック

グーテンベルクの鍛冶職人である。
・所属組織、地位や役職
 鍛冶工房。職人。
・物語内での具体的な行動や成果
 揺れの少ない新しい馬車を設計し、ローゼマインに感心された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

インゴ

グーテンベルクの木工職人である。
・所属組織、地位や役職
 木工工房。職人。
・物語内での具体的な行動や成果
 グレッシェルで印刷機の作り方を教え、二台の印刷機を完成させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ハイディ

グーテンベルクのインク職人である。
・所属組織、地位や役職
 インク工房。職人。
・物語内での具体的な行動や成果
 グレッシェルへの出張で大型のレッサーバスに大興奮し、素材を探して色の研究を始めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ヨゼフ

ハイディの夫である。インク工房の職人である。
・所属組織、地位や役職
 インク工房。職人。
・物語内での具体的な行動や成果
 暴走しがちなハイディを制御し、グレッシェルでのインク開発の状況を冷静に報告した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ダニロ

ヨハンの弟子である。
・所属組織、地位や役職
 鍛冶工房。職人。
・物語内での具体的な行動や成果
 安全ピンの試作品を完璧に作り上げ、本数を揃える注文を受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 グーテンベルクの称号獲得を目指している。

エラ

ローゼマインの専属料理人である。
・所属組織、地位や役職
 専属料理人。
・物語内での具体的な行動や成果
 フーゴと結婚し、ローゼマインから最高神の祝福を受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

フーゴ

ローゼマインの専属料理人である。
・所属組織、地位や役職
 専属料理人。
・物語内での具体的な行動や成果
 エラと結婚し、星結びの儀式でタウの実から彼女を守り抜く決意を見せた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ギュンター

エーレンフェストの兵士である。ローゼマインの実父である。
・所属組織、地位や役職
 兵士。士長。
・物語内での具体的な行動や成果
 エントヴィッケルン後の下町を見回り、街を清潔に保つために奔走した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

エーファ

トゥーリとカミルの母親である。ホイス工房で働く染色職人である。
・所属組織、地位や役職
 ホイス工房。染色職人。
・物語内での具体的な行動や成果
 ローゼマインの専属を目指して新しい染めに挑戦し、リューツィの花をあしらった布を染め上げた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 専属には選ばれなかったが、彼女の染めた布はローゼマインの冬の衣装として採用された。

カミル

エーファの息子である。ローゼマインの実弟である。
・所属組織、地位や役職
 平民の子供。
・物語内での具体的な行動や成果
 ローゼマインの工房で作られた絵本を与えられ、夢中になって読んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

リヒト

ハッセの町長である。
・所属組織、地位や役職
 ハッセの町長。
・物語内での具体的な行動や成果
 小神殿の灰色神官たちと協力し、良好な関係を築いて冬支度を進めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ヨルク

ホイス工房で働く染色職人である。
・所属組織、地位や役職
 ホイス工房。染色職人。
・物語内での具体的な行動や成果
 父親から教わった古い技術を復活させ、染色コンペに出品した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ベルーフの資格を得た。

バルノ

ホイス工房で働く染色職人である。
・所属組織、地位や役職
 ホイス工房。染色職人。
・物語内での具体的な行動や成果
 ヨルクが父親の古い技術を利用することを狡いと批判した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ディラ

ホイス工房で働く染色職人である。
・所属組織、地位や役職
 ホイス工房。染色職人。
・物語内での具体的な行動や成果
 新しい染めに挑戦するエーファに驚きつつも、ヨルクを追い払って彼女を援護した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ホイス工房の親方

エーファやヨルクが所属する染色工房の親方である。
・所属組織、地位や役職
 ホイス工房。親方。
・物語内での具体的な行動や成果
 ローゼマインが主催する染色コンペの知らせを工房の職人たちに伝えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

王族・中央関係者

ヒルデブラント

ユルゲンシュミットの第三王子である。洗礼式を終えたばかりの幼い少年である。
・所属組織、地位や役職
 王族。第三王子。
・物語内での具体的な行動や成果
 王族が貴族院に在籍する慣例を満たすため、入学前でありながら貴族院に滞在し、親睦会で各領地の挨拶を受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ローゼマインとシャルロッテを誤って認識している。

アルトゥール

ヒルデブラントの筆頭側仕えである。
・所属組織、地位や役職
 王族の側近。筆頭側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
 ヒルデブラントの初めての公務を支え、王族としての振る舞いを厳しく指導した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ダンクマール

ヒルデブラントの文官である。教育係を務めている。
・所属組織、地位や役職
 王族の側近。文官。
・物語内での具体的な行動や成果
 親睦会の際、テーブルの下に隠れてヒルデブラントに各領地の情報や挨拶の助言を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

アーレンスバッハ関係者

アウブ・アーレンスバッハ

アーレンスバッハの領主である。
・所属組織、地位や役職
 アーレンスバッハ領主一族。アウブ・アーレンスバッハ。
・物語内での具体的な行動や成果
 境界門での星結びの儀式に参列し、ローゼマインの祝福を称賛しつつフェルディナンドに強い関心を示した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 政変後の粛清や領主候補生の減少により、領地の魔力不足と後継者問題に直面している。

ゲオルギーネ

アウブ・アーレンスバッハの第一夫人である。エーレンフェスト出身である。
・所属組織、地位や役職
 アーレンスバッハ領主一族。第一夫人。
・物語内での具体的な行動や成果
 境界門での星結びの儀式に参列し、エーレンフェストで見た時とは異なる控えめな微笑みを浮かべていた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ディートリンデ

アーレンスバッハの領主候補生である。ゲオルギーネの娘である。
・所属組織、地位や役職
 アーレンスバッハ領主一族。領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
 貴族院の親睦会でローゼマインたちに友好的な態度を見せ、アウレーリアの近況を尋ねた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ベティーナ

アーレンスバッハからエーレンフェストへ輿入れした花嫁である。
・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
 フロイデンと結婚し、旧ヴェローニカ派の貴族と親密に付き合っている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

マルティナ

ディートリンデの側仕えである。アウレーリアの妹である。
・所属組織、地位や役職
 アーレンスバッハの側近。
・物語内での具体的な行動や成果
 貴族院の親睦会で、アウレーリアから連絡がないことを心配していた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

クラッセンブルク関係者

ヘンスフェン

クラッセンブルクの領主候補生である。現アウブの第二夫人の息子である。
・所属組織、地位や役職
 クラッセンブルク領主一族。領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
 貴族院の親睦会で、クラッセンブルクの代表としてヒルデブラントに挨拶をした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ダンケルフェルガー関係者

レスティラウト

ダンケルフェルガーの領主候補生である。ハンネローレの兄である。
・所属組織、地位や役職
 ダンケルフェルガー領主一族。領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
 貴族院の親睦会で、ダンケルフェルガーの歴史の長さを誇り、エーレンフェストを見下す発言をした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ハンネローレ

ダンケルフェルガーの領主候補生である。レスティラウトの妹である。
・所属組織、地位や役職
 ダンケルフェルガー領主一族。領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
 ローゼマインに領地の歴史書を貸し出し、親睦会でお茶会の約束を交わした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ドレヴァンヒェル関係者

アドルフィーネ

ドレヴァンヒェルの領主候補生である。第一王子ジギスヴァルトの婚約者である。
・所属組織、地位や役職
 ドレヴァンヒェル領主一族。領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
 貴族院の親睦会でエーレンフェストのリンシャンや紙の技術に強い関心を示し、情報を得ようと接触を図った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

オルトヴィーン

ドレヴァンヒェルの領主候補生である。
・所属組織、地位や役職
 ドレヴァンヒェル領主一族。領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
 貴族院の親睦会でヴィルフリートとゲヴィンネンの練習成果について楽しげに語り合った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

フレーベルターク関係者

リュディガー

フレーベルタークの領主候補生である。ジルヴェスターの甥にあたる。
・所属組織、地位や役職
 フレーベルターク領主一族。領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
 貴族院の親睦会で、エーレンフェストの助言によって収穫量が伸びたことを感謝し、良好な関係の継続を望んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

貴族院関係者

ヒルシュール

貴族院の寮監であり、エーレンフェスト出身の教師である。研究に没頭している。
・所属組織、地位や役職
 貴族院。教師・寮監。
・物語内での具体的な行動や成果
 寮を訪れて進級式の連絡を行ったが、真の目的はシュバルツたちの衣装の魔法陣やフェルディナンドの研究資料の確認であった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

魔術具

シュバルツ

貴族院の図書館で働く魔術具である。黒い姿をしている。
・所属組織、地位や役職
 貴族院図書館。魔術具。
・物語内での具体的な行動や成果
 リーゼレータによって複雑な魔法陣が刺繍された新しい衣装を着せられることになった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ヴァイス

貴族院の図書館で働く魔術具である。白い姿をしている。
・所属組織、地位や役職
 貴族院図書館。魔術具。
・物語内での具体的な行動や成果
 リーゼレータによって複雑な魔法陣が刺繍された新しい衣装を着せられることになった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

第四部 貴族院の自称図書委員4レビュー
第四部 貴族院の自称図書委員
本好きの下剋上 全巻まとめ
第四部 貴族院の自称図書委員6レビュー

展開まとめ

プロローグ

領主会議後の決定と波紋

領主会議の終了後、その決定事項は速やかに領内の上層へ伝達された。中でも、アーレンスバッハから二人の花嫁を迎える件は極めて重要なものであり、その一環として、これまで却下されていたフロイデンとベティーナの婚姻が正式に許可された。この報に接したヴィルトル子爵シドニウスは歓喜し、即座にゲルラッハのグラオザムへ知らせを送った。

ゲルラッハへの伝達とマティアスの疑念

オルドナンツによって届けられた知らせは、ゲルラッハ子爵家の食卓に波紋を広げた。末息子マティアスはその内容に強い違和感を抱いた。過去に却下された婚姻が覆されたこと、そしてアーレンスバッハとの関係強化が進められている点に疑念を持ち、政治的意図を推測し始めた。

アーレンスバッハ情勢と父の思惑への考察

マティアスは貴族院で得た情報を基に、アーレンスバッハが魔力不足や後継争いといった問題を抱えていることを認識していた。そのため、今回の婚姻が単なる祝い事ではなく、両領の利害調整や勢力拡大の一環ではないかと考察した。しかし、父グラオザムの意図については確証を得られず、不信感を抱いたままであった。

合同訓練と魔力圧縮を巡る対立

祝賀訪問と共に行われた騎士団の合同訓練において、マティアスは自身と他領の騎士見習いとの実力差を痛感した。その要因としてローゼマインによる魔力圧縮法の存在が挙げられるが、旧ヴェローニカ派である彼にはその情報が共有されていない。父グラオザムが「元平民」として軽視する一方で対抗手段を示せない姿勢に対し、マティアスは反発心を強めた。

「あの方」の存在と不透明な後ろ盾

グラオザムが言及した「あの方」の存在は、マティアスに新たな疑念を抱かせた。過去の記憶や周囲の言動から、その正体がゲオルギーネである可能性を推測するものの確証はなく、背後関係は依然として不明であった。この不透明さが、父の行動への不信をさらに強める要因となった。

婚姻儀式の異常性と不安の拡大

星結びの儀式が境界門で行われ、両領の領主一族が参列する大規模なものとなること、さらにはランプレヒトの婚姻も同時に実施される計画が明らかとなった。これにより、アーレンスバッハがエーレンフェストの中枢へ強く関与しようとしている構図が浮かび上がる。マティアスはこれを危険視し、領主への進言を検討するが、立場上の制約により行動は困難であった。

主体的判断への決意

過去の襲撃事件への父の関与を疑うマティアスは、今後の事態に備えて主体的に行動する必要性を認識した。親の意向に従うだけでは破滅を招く可能性があると考え、自らの意思で動く決意を固める。そして、将来的に領地の中心となる存在としてローゼマインを見据え、彼女への接触と情報伝達の可能性を模索し始めたのである。

見習い達と神殿

領主会議後の解放と読書

ローゼマインは、保護者達による領主会議の報告と星結びの儀式に関する話し合いを終え、自室でハンネローレからの手紙を読んだ。手紙には、エーレンフェストの本が薄く持ちやすく、現代語で読みやすかったことや、騎士の恋物語に強く心を動かされたことが書かれていた。ローゼマインはエルヴィーラ達に恋愛小説を増やしてもらおうと考えた。

ダンケルフェルガーの本と写本計画

ハンネローレから借りた本は重く、装飾も大きな古い書物であった。内容はダンケルフェルガーに伝わる古い物語で、聖典に通じる要素や歴史書としての側面も持っていた。武を尊ぶ領地らしく、戦い続けて勝利を掴む騎士の話が多く、ローゼマインは他領の本を読む面白さを実感し、写本を側近達に手伝わせることにした。

神殿同行の許可と側近達の反応

ジルヴェスターとの話し合いにより、神殿までは貴族街と同等の扱いとなり、見習い側近達も通いで神殿へ同行できることになった。ただし、神殿に泊まれるのは成人した護衛騎士のみである。ユーディットは神殿の食事を楽しみにし、フィリーネは弟コンラートに会えるかを気にした。レオノーレは迷ったものの、一度自分の目で神殿を見ることを決めた。

側仕え見習い達の判断と印刷業の進展

側仕え見習いのリーゼレータは、シュバルツ達の衣装作りを優先することにした。ブリュンヒルデも、神殿には神殿の側仕えがいるため、城での仕事に専念すると判断した。一方で、グレッシェルでは印刷業の準備が整ったと報告され、ローゼマインは予想より早い進展に驚いた。今後、ヴィルフリートの最終確認後にグーテンベルクを伴ってグレッシェルへ向かう見通しとなった。

神殿への移動と灰色神官達の紹介

翌朝、ローゼマインは見習い側近達を連れて神殿へ戻った。フェルディナンドは人数の多さに眉をひそめたが、ローゼマインは神殿見学会であると説明した。神殿ではフランやモニカが出迎え、ローゼマインは彼らを神殿における自分の側仕えとして紹介した。アンゲリカがフランの有能さを得意げに語ったことで、側近達の緊張は少し和らいだ。

神殿側仕えへの配慮

ローゼマインは神殿長室で、フラン、モニカ、ザームに今後は貴族の側近達が出入りすることを伝えた。さらにモニカには、貴族から嫌なことを言われたり危険を感じたりした場合、些細なことでも報告するよう命じた。神殿の者達を自分の知らないところで傷つけたくないという配慮であった。

神殿での仕事と側近達の驚き

茶菓子を振る舞った後、ダームエルが神殿での護衛任務を説明し、文官見習い達はモニカから執務机周辺の配置を教わった。三の鐘の後には一行で神官長室へ向かい、フェルディナンドの仕事を手伝うことになった。エックハルトやダームエルが当然のように事務仕事をしている姿を見て、護衛騎士見習い達は神殿の護衛任務が想像以上に雑務を伴うことを知った。

商会からの連絡と面会予定

ローゼマインは不在中に届いた手紙や木札を確認した。ギルベルタ商会からは夏用の髪飾りとエラ用の髪飾りの完成、ギルド長からはヴァッシェンと染色コンペに関する質問、プランタン商会からはヨハン作の安全ピン完成とグーテンベルクの次の行き先確認が届いていた。ローゼマインは三日後に各商会の代表と会うことを決め、フランに招待状を出させた。

神殿の食事と側近達の評価

昼食では、フィリーネとユーディットが神殿の料理のおいしさに感動した。コルネリウスも家では食べない料理を喜んだが、レオノーレは浮かない顔をしていた。料理が口に合わなかったのではなく、このような食事を日常的に食べているローゼマインやエルヴィーラを自家で歓待する難しさを考えていたためであった。

フィリーネとコンラートの再会

昼食後、ローゼマインは側近達を連れて孤児院へ向かった。緊張していたフィリーネは、弟コンラートと再会し、神殿での暮らしを尋ねた。コンラートは皆が優しく、食事もおいしく、ディルクもいるので大丈夫だと答えた。二人は互いの生活を気遣い、離れて暮らす寂しさを抱えながらも無事を確認し合った。

孤児院の教育と側近達の衝撃

ローゼマインは側近達に孤児院の遊び場を案内した。そこには本、カルタ、トランプ、乳児用の玩具が置かれており、コルネリウスは孤児院にこれほどの本と玩具があることに驚いた。ローゼマインは、孤児院で子供達に使わせ、喜ばれた物を商品として城で売っていると説明した。また、乳児以外は全員が字を読め、計算もできることを誇らしく語った。

ヴィルマとハルトムートの接触

ヴィルマは、現在の生活はローゼマインが与えてくれたものだと感謝を述べた。その言葉に反応したハルトムートは、ローゼマインが神殿で行ったことを詳しく聞きたがった。男性が苦手なヴィルマを守るため、ローゼマインはすぐに間へ入り、無体な真似は許さないと釘を刺した。しかしヴィルマは、ローゼマインの素晴らしさについて今度まとめておくと申し出て、ハルトムートと妙に意気投合してしまった。

神殿への印象と新たな不安

見習い側近達は、神殿の清潔さ、食事の良さ、孤児院の教育水準に触れ、概ね良い印象を抱いた。ローゼマインはその点に安心した一方で、ハルトムートとヴィルマが「聖女伝説」を語り合おうとしている状況に、新たな不安を覚えたのである。

下町との話し合い

商人達との会合準備

ローゼマインは、ギルベルタ商会、プランタン商会、商業ギルドとの会合を神殿で行った。目的は、エントヴィッケルン後の下町の様子確認、注文品の受け取り、グーテンベルクの次の派遣先、他領商人の受け入れ体制について話し合うことであった。文官見習いのハルトムートとフィリーネも同席し、下町との会合を学ぶ機会となった。

孤児院長室と貴族の価値観

会合前、ハルトムートは孤児院長室の家具が領主の養女であるローゼマインの格に合っていないと指摘した。ローゼマインは、下町の者と話すためだけの部屋に費用をかけるより、印刷機、図書館、本棚、研究費などに使う方が有意義だと考えていた。貴族にとって相応しい環境を整えることは重要だが、ローゼマインは図書館建設こそ自分に相応しい環境であると主張し、話を煙に巻いた。

他領商人への勘合紙の説明

会合では、中央とクラッセンブルクとの取引開始に備え、商業ギルドへ勘合紙が渡された。中央は黒、クラッセンブルクは赤の紙であり、小片が元の紙へ集まる性質を利用して、正規の商人かどうかを確認する仕組みであった。紙片の大きさによって商人の数も制限できるため、グスタフは平民にも使える魔術具として有用性を認めた。

下町の美化と維持状況

エントヴィッケルンと広域ヴァッシェンの後、下町は貴族街のように白く美しくなっていた。グスタフは、突然の水と街の変化に大きな衝撃を受けたと語った。実際にはジルヴェスターのエントヴィッケルンより、フェルディナンドの広域ヴァッシェンの印象が強かったが、事故は起きていなかった。兵士達の巡回により、街並みは北から南まで綺麗に保たれていた。

他領商人の受け入れ体制

他領商人を迎えるにあたり、格の高い宿が不足していることが課題となった。商業ギルドでは、大店の主達に商人を泊める準備をさせ、宿屋と協力して対応する方針を取っていた。また、食事処としてイタリアンレストランを活用する予定であり、フリーダはローゼマインに事前確認と大店の主達への協力要請を求めた。

ハルトムートへの叱責

フリーダの直接的な要望に対し、ハルトムートは領主の養女に対して不敬ではないかと咎めた。しかしローゼマインは、下町の者から直接要望を聞くために会合を開いていると明言し、会合の趣旨を理解しない文官は同席させないと叱責した。ハルトムートは即座に謝罪し、ローゼマインはフリーダの依頼を受け入れた。

料理人育成の依頼

ローゼマインは、イタリアンレストランの確認に行く予定を立てるとともに、フリーダに料理人の育成を依頼した。領主会議で新しい料理が他領へ広がったことで、次の冬までに宮廷料理人を増やす必要が生じていた。ローゼマインのレシピを作れる料理人が引き抜かれる可能性が高いため、フリーダはすぐに後継育成へ動くことを決めた。

グレッシェルへの印刷業展開

プランタン商会には、グレッシェルで印刷業と製紙工房の準備が進んでいることが伝えられた。ハルデンツェルの協力によって準備が早まっており、印刷協会だけでなく植物紙協会の設立準備も必要となった。ギルはローゼマイン工房から出す人員を既に班分けしており、グーテンベルクの移動に備えていた。

グーテンベルクの移動と安全ピン

グレッシェルへの移動はローゼマインの騎獣で行う予定となり、ベンノは安堵した。続いて、ヨハンの弟子ダニロが作った安全ピンの試作品が提出された。ローゼマインは出来を確認し、注文本数を揃えるよう依頼した。ダニロにグーテンベルクの称号を与える可能性も考えたが、ヨハンは金属活字を作れなければ話にならないと厳しい基準を示していた。

書式統一と製紙工房の必要性

プランタン商会では、書式の定まった用紙を試験的に使用しており、仕事が大きく楽になっていた。ローゼマインは、商業ギルドや城でも使えるように交渉することを考えた。一方で、紙の価格を下げるためには製紙工房を増やす必要があるが、紙作りを教えられる職人の数には限りがあり、急速な拡大は難しいと確認された。

トゥーリの髪飾りと衣装案

ギルベルタ商会からは、夏用の髪飾りが届けられた。青を基調に白へ変化する花と葉を組み合わせた髪飾りは、ローゼマインの髪色にも合う美しい仕上がりであり、フィリーネも称賛した。さらにトゥーリが原案を考え、コリンナが手直しした衣装案も示され、ローゼマインは強く気に入った。正式な注文にはフロレンツィア、エルヴィーラ、側仕え達の意見も必要であった。

エラの髪飾りと染色の進展

エラのための髪飾りとして、白と黄色の候補が示された。ローゼマインはエラの髪に似合う黄色を選び、自分のギルドカードで支払いを済ませた。染色工房では新しい染色技術への関心が高まり、若い職人達を中心に研究が活発化していた。

染め物の催しと商業ギルドの懸念

グスタフは、ローゼマインの提案による大規模な染め物の催しについて確認した。ローゼマインは、専属を選ぶために布を見たいだけでなく、廃れた技術を見直し、染め方を書き留めて技術を保存することにも意義があると語った。しかし領主夫人や上級貴族達も興味を示しているため、催しは当初の想定より大規模化していた。グスタフやベンノは負担の大きさに頭を抱えた。

催しの分担と会合の終了

ローゼマインは、催しの運営は染織協会に任せ、グスタフには他領商人への対応に集中するよう促した。日程は夏の終わりではなく秋の初めに調整し、詳細はギルベルタ商会を通して商業ギルドと染織協会へ伝える方針となった。こうして、下町との会合は一通り終了した。

書字板と下賜の認識

会合後、ハルトムートは参加者全員が書字板を持っていたことに注目した。ローゼマインは、紙を気軽に使えない平民にとって書字板が便利であり、神殿やグーテンベルクを通じて自然に広がったのだと説明した。ハルトムートはそれをローゼマインからの信頼の証と見なし、自分も下賜されたいと望んだ。

貴族側近への褒賞の難しさ

ローゼマインは、貴族側近達に何を与えれば褒められたと感じるのか悩んだ。アンゲリカは魔力を望んだが、シュティンルークの件を知るダームエルとコルネリウスに即座に却下された。フィリーネはローゼマインからもらえるものなら何でも嬉しいと答え、ローゼマインは感情のままに与えると叱られると考え、フェルディナンドに相談することにした。

写本とハルトムートの研究

その後、ローゼマインとフィリーネはハンネローレから借りた本の写本を始めた。古い言い回しに苦戦するフィリーネに対し、ローゼマインは聖典や神殿の古い本で慣れているため、自然に読み進めることができた。一方で、ハルトムートは会合で得た新事実を基に、自分の研究を進めていた。

平民との連携の重要性

ハルトムートは、ローゼマインが平民と意見を交わしながら会合を進めることに驚いていた。ローゼマインは、貴族が流行を生み出しても、実際に商品を作るのは平民であり、平民との連携を軽視すれば発展は望めないと説明した。グーテンベルクや下町の商人達は自分の手足のような存在であり、彼らを潰されることは自分の手足を潰されるに等しいと語った。ハルトムートはその意図を理解し、他の文官達がローゼマインの手足を潰さないよう見張ると応じた。

イタリアンレストランへ行こう

神殿での普段と少し違う時間

ローゼマインは神殿で過ごし、エラに結婚祝いとして髪飾りを贈った。エラは感激して涙を流した。ロジーナとのフェシュピール練習をフィリーネに感心され、奉納舞の稽古ではハルトムートから祝福が出ないのかと問われるなど、普段通りでありながら少し違う一日となった。

フェルディナンドへの報告と同行決定

三の鐘の後、ローゼマインは神官長室で手伝いを行った。フェルディナンドはフランから下町との会合報告を受け、ローゼマインが城で衣装を仕立てることや、染め物の催しについて話し合う予定を確認した。また、イタリアンレストランにはフェルディナンドも同行すると決めた。理由は、ローゼマインを野放しにしないためであり、エントヴィッケルン後の下町の様子を確認するためでもあった。

孤児院長室の家具と側近への褒美

孤児院長室の家具について、フェルディナンドはそのままでよいと判断した。城の文官を呼ぶ場合は貴族区域の部屋を使うため、孤児院長室を改装する必要はないという理由であった。ただし、ローゼマインには領主の養女として自分の格に合った家具をいずれ準備する必要があると釘を刺した。また、側近への褒美については、通常は報酬分を働いているため不要であり、大きな功績がある場合は紋章入りの物を与えるのが一般的だと説明した。

フリーダへの手紙と城への帰還

ローゼマインは、イタリアンレストランへ向かう日程調整のため、フリーダへ手紙を書いた。フェルディナンドが同行すること、護衛騎士と側仕えを伴うこと、同席する客の情報が必要であることを伝えた。その後、側近達を連れて城へ戻り、新しい衣装を誂える準備に入った。

夏衣装の注文とトゥーリのデザイン

リヒャルダは、ローゼマインが自分から衣装を誂えようとしたことを喜んだ。二日後、フロレンツィア、エルヴィーラ、シャルロッテ、ギルベルタ商会の針子達が集まり、夏衣装の注文が始まった。ローゼマインはトゥーリが原案を考えた衣装を希望し、フロレンツィア達の修正を受けつつも基本デザインは採用された。涼しげな水色の衣装として仕立てられることになった。

染め物の催しの開催方法

染め物の催しは、城でお茶会形式で行うことに決まった。染色職人を城へ入れることはできないため、染められた布はギルベルタ商会が預かり、工房名とともに壁際へ展示する形式となった。貴族達は布を品評し、気に入った工房や職人を専属に指名する予定であった。

平民への細かな連絡

ローゼマインは、染色コンペの決定事項をギルド長、ギルベルタ商会、染織協会へ知らせる手紙を書いた。ハルトムートは、ローゼマインが平民相手に細かく連絡することを不思議がった。ローゼマインは、貴族側の望みをわかりやすく説明することで行き違いを減らし、平民達が上手く立ち回れるようにするためだと説明した。

フリーダからの返事と料理の準備

フリーダから届いた返事には、同席する客の名前、所属する店、扱う商品、利用頻度、収益などの細かな情報が記されていた。また、フェルディナンドとローゼマインの苦手な食材や好みについても質問があった。ローゼマインは、フェルディナンドがイタリアンレストランのスープを好んでいることを知り、パンナコッタのレシピとゼラチンを同封して返事を送った。

イタリアンレストランへの出発

当日、フリーダから馬車が二台送られた。灰色神官の側仕えとロジーナは先に古い馬車で向かい、ローゼマイン、アンゲリカ、フェルディナンド、ユストクスは新しい馬車に同乗した。ダームエルとエックハルトが周囲を護衛した。ユストクスは護衛代わりとして同行していたが、実際には一見客お断りの高級食事処に興味を持っていた。

新しい馬車と下町の変化

フェルディナンドは馬車の揺れが少ないことに気付き、ローゼマインはザックが設計した新しい馬車であると説明した。下町に入ると、エントヴィッケルンとヴァッシェンによって白く美しく整えられた街並みが広がっていた。フェルディナンドも、これなら他領の商人に見せても見苦しくないと評価した。

大店の主達への依頼

イタリアンレストランには、二十名を超える大店の主達が集まっていた。ローゼマインは、日頃から店を利用している者や紹介客の多い者に感謝を述べた上で、エーレンフェストが大きな転換期を迎えていると語った。他領の商人を受け入れるためには、大店の協力が不可欠であり、商人達から他領の情報を集め、商業ギルドへ伝えてほしいと依頼した。

花嫁の到来と新たな催し

ローゼマインは、夏の終わりにアーレンスバッハから二人の花嫁が来ることを伝えた。これにより、家具、食材、衣装、装飾品などの需要が増える見込みである。また、秋の初めには領主夫人や上級貴族も関わる染め物の催しが予定され、服飾関係の店には協力を求めた。新たな称号を与える予定があると聞き、店内にはざわめきが広がった。

食事の開始

ローゼマインの説明が一段落すると、フリーダが食事の開始を確認した。前菜には、ポメとチーズとハーブを使ったカプレーゼ風の料理や、コンソメで煮込んで焼き上げた花野菜が出された。全員に食事が行き渡ると、フェルディナンドが立ち上がり、神々への祈りを捧げて食事が始まった。

進化した料理

料理人達の工夫と成長

イタリアンレストランの料理は、ローゼマインが眠っていた二年間で大きく進化していた。ポメとチーズの前菜は、教えた形とは違い、くり抜いたポメにハーブ入りのクリーム状チーズを詰める工夫がされていた。食べにくさはあったものの、甘み、塩気、香り、食感の調和が良く、料理人達の探究心が表れていた。

花野菜の焼き物とイルゼの努力

花野菜の焼き物は、コンソメで煮込んでから焼き上げた料理であった。表面は香ばしく、中は柔らかく、噛むとスープの旨味が広がる仕上がりだった。フェルディナンドも気に入った様子を見せた。この料理はグスタフ家の料理人イルゼが考案したものであり、フーゴに敗北した経験を糧に、研究を重ねてきた成果であった。

ゼラチン製法を巡る褒美の話

ローゼマインは、パンナコッタに使うゼラチンの製法をフリーダに売るつもりだと話した。イタリアンレストランを二年間守り、料理を発展させてきた褒美としてである。これに対し、ベンノは不満げな反応を示したが、フェルディナンドは、ギルベルタ商会やオトマール商会だけでなく、印刷業を広げたプランタン商会にも相応の褒美を与えるべきだと指摘した。

プランタン商会への新たな権利

ローゼマインは、紙製品や文具に関する新しい製法や権利をプランタン商会へ売ることも可能だと述べた。ただし、それによって仕事の範囲がさらに広がり、負担が増えることも確認した。ベンノは、それでもローゼマインから得られる製法や権利は全て受け取ると答えた。これにより、プランタン商会にも後日褒美が与えられる流れとなった。

フェルディナンドの要求

フェルディナンドは、ローゼマインが眠っていた二年間に尽くした者達へ褒美を与える流れを見て、自分にもレシピを求めた。ローゼマインは、フーゴが知っているレシピを渡すことを了承した。ただし、後にレシピ集として売る予定があるため、他者には内密にするよう伝えた。

美しいダブルコンソメ

続いて出されたダブルコンソメは、イルゼがフェルディナンドを意識して作った渾身の一品であった。卵白を使わずに澄んだスープを作る工夫がされ、琥珀色の美しい仕上がりとなっていた。フェルディナンドは、味の複雑さとまとまりを高く評価し、回復薬作りに例えて工程の見直しの重要性を語った。フリーダも、わずかな違いを見抜いたフェルディナンドに驚いた。

カルボナーラと料理人引き抜きの危機

カルボナーラも、ローゼマインが教えたものより格段に旨味が増していた。フェルディナンドはイルゼの腕を高く評価し、彼女を自分の料理人に欲しいと呟いた。グスタフとフリーダは不安を見せ、ローゼマインはイルゼを引き抜かないようフェルディナンドを制止した。

料理人を育てるという考え

ローゼマインは、フェルディナンドの料理人が新しい料理を生み出さなかったのは、同じ味を求め続けたフェルディナンド自身の怠慢だと指摘した。料理人は、食べる者から感想や課題を与えられることで育つものだと説明し、イルゼを奪うのではなく、自分の専属料理人を育てるべきだと説いた。フェルディナンドはその考えを受け入れた。

オーソ・ブッコと料理研究の成果

主菜のオーソ・ブッコは、子牛のすね肉をダンケルフェルガー産の酒とポメソースで煮込んだ料理であった。肉は骨から簡単に外れるほど柔らかく、ソースには複数の野菜の甘みと旨味が溶け込んでいた。イルゼの研究熱心さだけでなく、素材や研究費を惜しまないオトマール商会の支援も、この料理の完成度を支えていた。

デザートと新たな発想

デザートにはブラーレのショートケーキが出された。スポンジは柔らかく、生クリームと酒漬けのブラーレで飾られていた。ローゼマインはさらに華やかな装飾を思いつき、絞り出し用の口金を作らせようと考えたが、ベンノにヨハン達の仕事量を心配される。鍛冶職人のグーテンベルクを増やす案も浮かんだが、染織協会の催し後にした方が良いと止められた。

イルゼへの称賛

会食の帰り際、ローゼマインは料理人達と対面した。イルゼに対し、二年間の探究心と努力を称賛し、フェルディナンドも自分も満足したと伝えた。イルゼは感極まった様子を見せた後、誇らしげに笑い、再来店を願った。イタリアンレストランの料理は、他領商人の接待を任せられる水準へ達していたのである。

グレッシェルへの来訪と星結びの儀式

二年間の働きへの褒美

イタリアンレストランでの会食後、ローゼマインはフリーダにゼラチンの製法を、プランタン商会に紙を整理する文房具のアイデアを譲った。フリーダはゼラチン工房の準備を考え、ベンノは紙の収納文具に強い関心を示した。

グレッシェル行きの決定

春の成人式後、ヴィルフリートとエルヴィーラから、グレッシェルの印刷業準備の最終確認が終わったと連絡が届いた。ローゼマインはプランタン商会、ギルベルタ商会、工房、フェルディナンドへ予定を伝え、夏の洗礼式後にグーテンベルク達を連れて向かう準備を整えた。

大型レッサーバスでの出発

グーテンベルク達と荷物が多いため、ローゼマインは大型バス仕様のレッサーバスを用意した。ハイディは真っ先に乗り込み、内部の素材や座り心地に興奮した。一方、初めて騎獣に乗る者達は緊張し、慣れている者達は淡々と荷物を積み込んだ。

グレッシェルの成り立ちと到着

グレッシェルは元々直轄地であり、アーレンスバッハの姫が嫁いできたことで領主候補生から外れた者がギーベとなった土地であった。ヴェローニカや前神殿長の実家でもあるが、現在のギーベはライゼガング系の妻の系譜に属していた。到着後、ローゼマイン達はギーベ・グレッシェルに迎えられた。

印刷工房と製紙工房の確認

ローゼマインは、グーテンベルク達をグレッシェルの印刷担当文官へ紹介した。荷物はその日のうちに印刷工房と製紙工房へ運び込まれた。下級文官達は、領主候補生であるローゼマインが平民の工房へ向かうことに驚いたが、ローゼマインは現場確認の重要性を強調し、同行を命じた。

グレッシェル文官の教育

ローゼマインは契約が整うまでの数日間、側近や下級文官達を工房へ連れて行き、平民との接し方を見せた。最初は抵抗を示したブリュンヒルデも、印刷業が次の流行になると聞いて同行した。ヘンリックをはじめとする文官達も、徐々に職人達と会話できるようになっていった。

ブリュンヒルデとヘンリックの評価

ローゼマインは、流行に対するブリュンヒルデの熱意を認め、どこまで任せられるか確認していたと伝えた。また、ヘンリックは平民相手にも居丈高にならず会話できるため、印刷業や製紙業に向いていると評価された。これにより、文官達も平民の意見を聞く姿勢を学び始めた。

星結びの儀式前日

グレッシェルから戻った後、各地の製紙工房への人員派遣が進み、日々が過ぎていった。星結びの儀式前日、フーゴとエラの結婚を控え、神殿では準備が進められた。フーゴは花嫁をタウの実から守る役目に張り切り、ダームエルは恨めしげに見ていた。

星結びの儀式

星結びの儀式当日、ローゼマインは神殿長として礼拝室へ入った。フェルディナンドが最高神である闇の神と光の女神の婚姻神話を朗々と読み上げ、ローゼマインは壇上から新郎新婦達を見下ろした。エラは春の貴色の晴れ着と贈られた髪飾りを身につけ、華やかで整った姿を見せていた。

フーゴとエラへの祝福

ローゼマインが最高神の夫婦神へ祈りを捧げると、指輪から金と黒の光が飛び散り、新郎新婦達へ降り注いだ。フーゴとエラは初めて見る本物の祝福に目を見開いた。儀式後、フーゴはローゼマインへ感謝を叫び、他の新郎新婦達も祝福への感謝を口にした。

新生活への門出

ローゼマインが皆の幸せを願うと、礼拝室は歓声に包まれた。フーゴはエラを抱え、「今日は絶対に守る」と言って神殿から駆け出した。エラは「今日だけではなく、いつも守ってくれるのでしょう」と返し、二人は新居へ向けて走り出した。

ランプレヒト兄様の結婚

アーレンスバッハの花嫁への警戒

貴族街での星結びの儀式後、ランプレヒトから花嫁について話したいという面会依頼が届いた。リヒャルダは、アーレンスバッハの姫君というだけで周囲が警戒していると説明した。過去に嫁いだガブリエーレがエーレンフェストの派閥構造を大きく変えたため、同じ事態を繰り返さないよう注意が必要だった。

ガブリエーレと旧ヴェローニカ派の由来

ガブリエーレは大領地の姫として嫁いだが、夫から愛されず、アーレンスバッハから連れてきた側近を婚姻させて派閥を築こうとした。上級貴族にはライゼガング系が多かったため、彼女は魔力の高い中級貴族を取り込んだ。その勢力を娘のヴェローニカが引き継いだことで、旧ヴェローニカ派には中級貴族が多くなったのである。

カルステッド家での家族会議

ランプレヒトの花嫁については、カルステッド家で家族会議として話し合われることになった。ローゼマインは養女になってから初めて里帰りし、エックハルト、ランプレヒト、コルネリウス、アンゲリカと共に向かった。屋敷ではエルヴィーラや側仕え達が温かく迎え、久しぶりの家族の空気が広がった。

アウレーリアの人物像

ランプレヒトの花嫁は、アウブ・アーレンスバッハの弟の娘であるアウレーリアだった。第三夫人の娘で、父の子供達の中では扱いが良くなく、母がフレーベルターク出身であることも政変後の立場を弱くしていた。外見はきつく見られがちだが、ランプレヒトは悪い娘ではないと懸命に説明した。

エルヴィーラの課題

エルヴィーラは、アウレーリアを歓迎する意志を示しつつも、その後の立ち位置は本人次第だと述べた。旧ヴェローニカ派が必ず近付くため、ランプレヒトが伝える情報を選び、彼女をどう守り導くかが重要になる。さらに、アウレーリアが旧ヴェローニカ派をまとめてフロレンツィア派へ取り込めるなら歓迎すると、非常に大きな課題を示した。

新居と婚姻準備

アウレーリアの新居は、他貴族の出入りを把握しやすいようカルステッド家の敷地内の離れに用意されることになった。家具や生活用品について、ローゼマインはランプレヒト自身がアウレーリアの好みに合わせて選ぶべきだと助言した。ランプレヒトは彼女の好みをよく覚えており、エルヴィーラも質問を重ねながら準備を進めた。

ローゼマインへの接触禁止

エルヴィーラは、アウレーリアの立ち位置がはっきりするまで、ローゼマインが接触しないよう命じた。ローゼマインには秘すべきことが多く、不用意な言動も多いためであった。コルネリウスとアンゲリカも、護衛騎士として見張るよう命じられた。

エックハルトとアンゲリカの結婚話

話題はエックハルトとアンゲリカの結婚にも及んだ。アンゲリカは、ボニファティウスに強くなったと認められることを優先したいとして、結婚を急いでいなかった。ローゼマインが成人してからでも良いと言い出したため、エルヴィーラは頭を抱えた。最終的には、アンゲリカが二十歳になるまでには結婚する方向で落ち着いた。

エルヴィーラへの癒し

会議後、ローゼマインは多忙なエルヴィーラを気遣い、癒しの女神ルングシュメールの祝福を捧げた。緑の光を受けたエルヴィーラは、疲れが取れた気がすると優しく笑った。翌日には、久しぶりにカルステッド家でお茶会をすることになった。

コルネリウスの恋心

部屋へ戻る途中、ローゼマインはコルネリウスに意中の相手がいることを察した。他領の女性ではないと口を滑らせたことで、相手がエーレンフェスト内の女性であることが判明した。しかしコルネリウスは動揺を隠し、質問には答えずにローゼマインを部屋へ押し込んだ。

ダームエルの結婚難

翌日のお茶会では、ダームエルの縁談が難しい理由も語られた。下級貴族とは魔力が釣り合わず、中級貴族から嫁を迎えるには身分や家の問題がある。さらに、領主の養女の側近を婿に迎えれば派閥が固定されるため、情勢を見極めたい家々には避けられていた。ダームエルはこの話を聞き、結婚の遠さに落ち込んだ。

境界門での儀式準備

ローゼマイン達は、アーレンスバッハとの境界門で行う星結びの儀式に備えた。礼拝室がない場所で儀式を行うため、灰色神官の選出や防御体制の確認が進められた。ローゼマインはフェルディナンドから、魔石で鎧を作る方法、捕縛用の呪文、簡易版の女神の盾などを学び、不意の襲撃に備えた。

夏の終わりの出発

城では騎士団の警護、宿泊先、宴の準備が進められていた。一方、下町には他領商人が訪れ始め、これまでにない活気が生まれていた。そうした変化の中、ローゼマイン達はランプレヒトとアウレーリアの婚姻を執り行うため、領地の境界へ向けて出発した。

境界線上の結婚式

大規模な境界門行き

境界門での星結びの儀式には、神殿組、領主一族、その側近、騎士団、新郎側の家族が同行した。通常の輿入れなら親族だけで花嫁を迎えるが、今回はアーレンスバッハが領主の姪という立場と領地間の緊張を前面に出したため、異例の大規模な儀式となった。

アーレンスバッハの牽制

ローゼマインは、アウブ・アーレンスバッハが姪を蔑ろにさせないために来るのだと推測した。しかしフェルディナンドは、中央やクラッセンブルクとの取引によって距離を取り始めたエーレンフェストへの牽制が主目的だと見ていた。また、貴族院で確認できなかったローゼマインを観察する意図もあると判断した。

境界付近の異変

ライゼガングの夏の館を経て境界門へ向かう途中、ローゼマインは上空から見える景色の変化に気付いた。エーレンフェスト側は豊かな森である一方、アーレンスバッハ側は低木の草原のようになっており、境界線がはっきり見えるほど魔力差が出ていた。フェルディナンドは、アーレンスバッハが深刻な魔力不足に陥っている可能性を示した。

境界門での準備

境界門に到着すると、ローゼマインはエーレンフェストとアーレンスバッハ双方の騎士へ挨拶し、祝い酒代として革袋を渡した。その後、フェルディナンドの指示で灰色神官達が祭壇の準備を進め、ローゼマインは待合室で待機した。儀式のための簡易祭壇だけでなく、不意の襲撃に備えた細工も施された。

アーレンスバッハ一行の観察

到着したアーレンスバッハ側には、高齢のアウブ・アーレンスバッハ、ゲオルギーネ、ディートリンデ、幼い領主候補生らしき少女がいた。ゲオルギーネは控えめな微笑を浮かべており、エーレンフェストで見た時とは違う印象だった。ローゼマインはアウレーリアやその家族、フロイデンの花嫁側の親族も観察した。

アウレーリアとの独り言

儀式前、アウレーリアはローゼマインに、幼い神殿長で本当に大丈夫なのかと声をかけた。ローゼマインは側近達に接触を止められながらも、これは独り言だと言い張り、自分は神殿長として何度も儀式を行っているため祝福を贈ると答えた。アウレーリアも独り言として、祝福してもらえるのかと不安をにじませた。

花嫁への励まし

ローゼマインは、新しい夫婦を祝福するのは当然であり、そのために自分はここにいると告げた。そして、領地の事情が複雑で互いに不安は多いが、エーレンフェストでの生活は夫婦で話し合い、支え合って作るものだと語った。このやり取りにより、待合室の緊張は少し和らいだ。

星結びの儀式

儀式では、フェルディナンドが聖典を読み上げ、二組の新郎新婦に結婚の意思を確認した。エーレンフェスト側が用意した婚姻書類に四人が署名し、金色に燃え上がる契約書類が消えることで婚姻は成立した。

神殿長の祝福

ローゼマインは、フェルディナンドから渡された魔石に込められた魔力だけを使い、最高神の夫婦神へ祈りを捧げた。金と黒の光が渦を巻いて天井へ上がり、小さな光の粒となって二組の新郎新婦に降り注いだ。控えめながらも美しい祝福に、アーレンスバッハ側からも感嘆の声が漏れた。

アウブ・アーレンスバッハの視線

アウブ・アーレンスバッハは、ローゼマインの祝福を「素晴らしい」と評した。しかし、その視線はローゼマインではなく、フェルディナンドへ向けられていた。祝福そのもの以上に、フェルディナンドの存在へ関心を示していることがうかがえた。

染色コンペの打ち合わせ

未然に防がれた襲撃

境界門での星結びの儀式後、ローゼマインは予定通り寝込んだ。回復後、フェルディナンドから、旧ヴェローニカ派の子供達が事前に情報を伝えようと奮闘した結果、襲撃が未然に防がれたと聞かされた。襲撃者は神殿組が馬車で街道を移動すると考えていたが、ローゼマインがレッサーバスで灰色神官達をまとめて運んだため、標的を見失ったのである。

旧ヴェローニカ派の子供達への評価

ローデリヒ達の行動は、親の意向に逆らって領主側へ忠誠を示すものであった。ローゼマインは、彼らの勇気に報いるためにも、ジルヴェスターがうまく庇護し、取り込むべきだと考えた。側近に召し上げたい者もいると述べたが、フェルディナンドは時期尚早であり、功績に報いる形から始めるべきだと諭した。

魔力圧縮方法という褒美案

ローゼマインは、契約魔術の内容を変えることで、旧ヴェローニカ派の子供達にも魔力圧縮方法を教えられないかと提案した。成長期の魔力差は大きく、子供達は派閥を自分で選べないまま機会を失うことに焦っていた。フェルディナンドは即答を避けたが、子供達を取り込むことは急務であり、親ごと取り込むか子供だけを確保するか、近く選択を迫られると見ていた。

染色コンペ会合の準備

日常に戻ると、ギルベルタ商会から染色コンペに関する面会依頼が入った。ローゼマインはブリュンヒルデとエルヴィーラにも連絡し、会合には護衛騎士、文官、ブリュンヒルデ、エルヴィーラが同席することになった。会場は孤児院長室ではなく、神殿の正面玄関近くに新しく整えられた応接室が使われた。

神殿応接室と貴族達の反応

応接室の家具は前神殿長が残した物を活用しており、上級貴族が使っても問題ないほど整えられていた。ブリュンヒルデは初めての神殿に戸惑いつつも、部屋の格には納得した。フィリーネは逆に、豪華な部屋に少し気後れしていた。フランの淹れた茶と新作のコルデのタルトは、ブリュンヒルデにも好評であった。

下町と商人達の現状

ギルベルタ商会のオットーは、他領商人の来訪によって下町が活気づいていると報告した。商業ギルドや大店は対応に追われつつも、リンシャン、髪飾り、イタリアンレストランなど、エーレンフェストならではの商品で商売ができていた。街の美化も兵士達の見回りと住民の慣れにより維持されていた。

染色工房の盛り上がり

染色コンペにより、染色工房と職人達は大いに盛り上がっていた。若い職人はグーテンベルクに並ぶ称号を得ようと野心を燃やし、年配の職人は昔の技術や親方から聞いた話を思い出そうと必死になっていた。ギルベルタ商会や染織協会に残る古い手記や資料を元に、廃れた染色技術の復活も進められていた。

母エーファの参加と称号決定

参加者一覧にエーファの名前を見つけ、ローゼマインは内心で大きく喜んだ。染色職人に与える称号を考えていたが、染色に関する適切な名が思いつかず、文化復興の意味から「ルネッサンス」と口にしてしまった。オットーがそれを称号案として受け取り、そのまま記録され、染色関係の称号は「ルネッサンス」に決定してしまった。

アウレーリアの近況

会合後、エルヴィーラはアウレーリアから聞いたアーレンスバッハの内情を共有するため、フェルディナンドを呼んだ。アウレーリアはランプレヒトと相談し、面会相手を厳選しており、今のところ旧ヴェローニカ派と接触していない。一方、もう一人の花嫁ベティーナは旧ヴェローニカ派の中級貴族に嫁いだため、親密な付き合いをしているようだった。

アウレーリアの招待問題

アウレーリアは常にアーレンスバッハのヴェールを被っており、顔を見せていなかった。ローゼマインは染色のお披露目会に彼女を招くべきか迷ったが、招かなければ嫁いびりと見なされかねない。エルヴィーラは、アウレーリアを招待しつつ、ローゼマインのそばに自分やブリュンヒルデを置き、発言に注意するよう命じた。

アーレンスバッハの領主候補減少

エルヴィーラは、アーレンスバッハの領主候補が激減した経緯を説明した。第一夫人はドレヴァンヒェル出身、第二夫人はベルケシュトック出身、第三夫人がエーレンフェスト出身のゲオルギーネであった。政変後、敗北側のベルケシュトック出身である第二夫人は処刑され、その息子達も領主候補から外されて上級貴族へ落とされた。

八方塞がりのアーレンスバッハ

第一夫人の娘達はすでに嫁いでおり、領主候補を増やすために孫のレティーツィアを養女にした。しかし第一夫人が亡くなり、ゲオルギーネが第一夫人となった時点で、残る領主候補はディートリンデとレティーツィアだけになっていた。さらに、アーレンスバッハでは領主が決まると同世代の領主一族を廃する習慣があり、アウレーリアの父も上級貴族に落とされていた。フェルディナンドは多くの疑問を抱えたまま、深く考え込んだ。

染色コンペ

城での準備

夏の成人式と秋の洗礼式を終え、ローゼマインは染色コンペのために城へ移った。リーゼレータ達はシュバルツ達の衣装用の刺繍を進め、女性側近達は熱心に針を動かしていた。一方、ローゼマイン、ハルトムート、フィリーネは、貴族院までにダンケルフェルガーの本の写本と現代語訳を終えるため作業を急いだ。

布の搬入と展示方法

染色コンペ当日、ギルベルタ商会は三の鐘に城へ入り、布の搬入を始めた。オットー達は壁際に木枠を並べ、染められた布を大きく広げて展示する形式を取った。フロレンツィアやエルヴィーラは最初戸惑ったが、ローゼマインが全ての布を公平に見せるためだと説明し、展示方法は認められた。

ブリュンヒルデの展示指導

ブリュンヒルデは、布の柄や色が最も映えるように、木枠の間隔や布の掛け方を細かく指示した。ギルベルタ商会の店員達は翻弄されたが、少し位置を変えるだけで印象が変わるため、ローゼマインは上級貴族の感覚を学ぶ良い機会だとして止めなかった。

公平な選定とエーファの布

展示された布には番号だけが付けられ、工房名や職人名は伏せられていた。職人への公平を期すためである。ローゼマインは参加者一覧に母エーファの名を見つけて内心で喜んでいたが、名前を見て選ぶことはできなくなった。自力で母の布を見つけようと決意した。

アウレーリアとの再会

会の前、エルヴィーラはアウレーリアを連れてきた。アウレーリアは相変わらずアーレンスバッハのヴェールを被っており、エルヴィーラは外すよう促したが、彼女は頑なに拒んだ。ローゼマインは、外せないならエーレンフェストの布で新しいヴェールを作れば印象が変わると提案した。アウレーリアはその案に安堵し、受け入れた。

アウレーリアの布選び

ローゼマインは、結婚祝いとしてアウレーリアにヴェール用の布を贈ることにした。アウレーリアは可愛らしい物は似合わないと遠慮したが、ローゼマインはヴェールなら顔立ちに左右されないと勧めた。ブリュンヒルデも布の候補を示し、アウレーリアは真剣に布を見始めた。

アーレンスバッハ情報収集任務

お披露目会では、ローゼマインはアウレーリアとエルヴィーラに挟まれて座り、アーレンスバッハの情報を聞き出す任務を受けた。しかし最初に尋ねたのは図書室の蔵書数であり、エルヴィーラ達を困らせた。続いて、アーレンスバッハの物語を尋ねると、アウレーリアは海の魔獣を倒す騎士の話を語った。

海産物への期待

アーレンスバッハには海があると聞いたローゼマインは、魚や海産物に強い関心を示した。アウレーリアは、時を止める魔術具に故郷の食材を入れて持ってきたが、料理済みではないため食べられないと明かした。捨てようとしていると聞いたローゼマインは激しく反応し、廃棄するくらいなら自分にほしいと頼んだ。

新しい料理への展望

ローゼマインは、アーレンスバッハの食材をエーレンフェストの料理人に調理させ、新しい料理を作ることを提案した。故郷の味を懐かしむことは自然であり、異なる調味料で新たな味を作ることも領地間交流だと説いた。アウレーリアは気迫に押され、食材を捨てないと約束した。

専属ルネッサンス選びの失敗

ローゼマインは壁際に並ぶ布から母エーファの作品を探したが、候補を三つまで絞ったところで時間切れとなった。専属の「ルネッサンス」を母にするという目論見は達成できなかった。最終的には、トゥーリのデザインを活かせる布として、深い赤から朱色へ変化するグラデーションに花が散る布をブリュンヒルデが選び、冬の衣装に使うこととなった。

染色コンペの後と収穫祭

染色コンペの成果

染色コンペの翌日、コリンナは針子達を連れて城を訪れ、ローゼマインの冬衣装の採寸と発注を行った。染色コンペは大成功であり、貴婦人達が各自の専属商会を通して工房や職人へ注文を出したことで、ギルベルタ商会による独占を避けつつ、新しい染色技術を広める形となった。

エーファの布と冬衣装

ローゼマインが選んだ布は、実はエーファが染めたものだった。本人は気付けなかったが、結果として母の布で冬衣装を作れることになった。ローゼマインは夏衣装と同じ雰囲気のバルーン型スカートを望み、さらに衣装に合わせた髪飾りをトゥーリへ依頼するようコリンナに頼んだ。

魚料理への執着と却下

神殿へ戻ったローゼマインは、アウレーリアが持ち込んだアーレンスバッハの食材で新しい料理を作りたいとフェルディナンドに訴えた。しかし、未知の食材は処理方法を知らなければ危険であり、アウレーリア本人だけでなく周囲への警戒も必要だとして却下された。ローゼマインは魚を食べたい一心で説得を試みたが、監視下に置かれることになった。

ロウィンワルトへの製紙指導

その後、ロウィンワルトに製紙工房ができたとの連絡が入り、ローゼマインは灰色神官とプランタン商会の人員をレッサーバスで送り届けた。灰色神官達を粗雑に扱わず、自分の私物だと思って扱うよう念を押し、製紙工房の立ち上げを進めた。

収穫祭前の役割分担

収穫祭では、ヴィルフリートやシャルロッテも分担するため、ローゼマインの担当範囲は狭くなった。同行するのはアンゲリカとダームエルで、未成年の見習い達は留守番となった。ローゼマインは、騎士見習いには訓練、文官見習いには写本、側仕え達には刺繍の仕上げを命じた。また、ブリュンヒルデには貴族院で女子生徒全員が付ける髪飾りの準備を任せた。

兵士達への労い

ハッセへ向かう前、ローゼマインは兵士達に、下町の美化維持に尽力してくれたことへの感謝を伝えた。商業ギルドの大店からも兵士達の奮闘を聞いており、領主も喜んでいると伝えると、兵士達は誇らしげに応じた。

ハッセの収穫祭

ハッセでは豊作を喜ぶ農村の人々に迎えられ、ローゼマインは洗礼式、成人式、星結びの儀式を行った。儀式後はボルフェ大会が始まり、例年通り賑わいを見せた。ローゼマインは途中で小神殿へ移動し、灰色神官達や兵士達と食事を共にした。

小神殿の豊作と灰色神官達の成長

小神殿の畑も豊作であり、トールやリックは神殿や孤児院へ送る野菜を準備していた。農作業に慣れた小神殿の灰色神官達は健康的になり、自分達で作った野菜を食べられる喜びを語った。かつて飢えていた孤児院とは違い、できることが増えたことに幸せを感じていた。

他領商人来訪による下町の変化

ローゼマインは兵士達から、他領商人が訪れたことで起きた変化を聞いた。物価上昇や混雑、飲食店での諍い、工房を探ろうとする商人の存在など、商人側の報告とは違う生活者視点の問題が明らかになった。ただし、兵士達の巡回と住民への指導により、大きな混乱には至らなかった。

下町を守れた実感

ローゼマインは、兵士達の働きによって下町が清潔に保たれ、他領商人の来訪にも小さな諍い程度で済んだことを感謝した。父ギュンターも、ローゼマインの助言がなければ徹底した見回りや周知はできなかったと語った。ローゼマインは、自分が下町の人々を守れたのだと実感した。

収穫祭とグレッシェル

ハッセの冬支度と収穫

ハッセの小神殿では、灰色神官達が早朝から野菜を収穫し、神殿へ送る荷物を整えた。小神殿周辺はローゼマインの魔力により土地が肥え、森の恵みも豊かになっていた。ハッセの住人と小神殿の協力体制も築かれ、冬支度は順調に進んでいた。

徴税とハッセとの関係

ローゼマインは徴税官の仕事を確認し、リヒトから小神殿とハッセが良好な関係を築いていることを聞いた。小神殿周辺の豊かな森は採集や狩りにも役立っており、ハッセ側にも利があった。互いに協力し合う形が定着しつつあった。

収穫祭中の会話とハルトムート評

収穫祭の移動中、徴税官はハルトムートについて語った。以前は冷めた子供だったが、今はローゼマインに強く傾倒しているという。優秀で柔軟に見えるのは、ローゼマインに仕えたいという意思の表れであり、しっかり手綱を握る必要があると助言された。

グレッシェル行きの準備

直轄地の収穫祭を終えたローゼマインは、グーテンベルクを回収するためにグレッシェルへ向かう準備を始めた。フェルディナンドの助言でエルヴィーラに連絡を入れ、三日後に文官達も連れて出発することになった。神殿長としての儀式と領主一族としての確認が重なるため、神殿側仕えと貴族側近の両方を同行させることになった。

グレッシェルの収穫祭

グレッシェルは貴族街と下町が明確に分かれた土地であり、直轄地やイルクナーとは様子が異なっていた。ギーベ・グレッシェル自身も儀式の場所を把握しておらず、案内役の下級文官に連れられて下町の広場へ向かった。収穫祭の参加者は少なく、街全体の祭りという雰囲気は薄かった。

ハルトムートの儀式同行

ハルトムートは、神殿では見られないローゼマインの祝福を見たいとして儀式同行を強く望んだ。フランの補助としてメダル登録や照合を手伝い、文官見習いとして問題なく作業をこなした。祝福の光を初めて見たグレッシェルの人々は大きく驚き、ギルはローゼマインが本物の祝福を行う聖女だと得意げに語った。

グーテンベルクの回収とヴァッシェン

儀式後、ローゼマインはグーテンベルク達を離れへ呼ぶことにした。下町で生活していた灰色神官達は汚れを気にして騎獣に乗るのをためらったため、ローゼマインは全員をまとめてヴァッシェンで洗い流した。手加減はできたものの、グーテンベルク達は突然の水に驚きつつ、下町を綺麗にした魔術の正体を理解した。

グレッシェルでの作業報告

グーテンベルク達によると、貴族との接点は少なく、職人達との作業はおおむね順調だった。木工工房では印刷機が二台作られ、鍛冶工房では金属活字に挑戦したものの、ヨハンの合格には届かなかった。グレッシェルの鍛冶職人を冬の間エーレンフェストで預かりたいという提案も出た。

インクと製紙の課題

インク工房では黒インクは問題なく作れたが、色インクは素材の違いから研究が必要だった。一方、製紙業は水質の悪さにより品質が低く、紙が藁半紙のようになってしまった。ローゼマインは、綺麗な水を引き込むか汚れた水を浄化する必要があり、職人だけでは解決できない問題としてギーベに話すことにした。

グレッシェルの物語本

ルッツとギルは、印刷練習として作ったグレッシェルの本をローゼマインに献上した。内容は、グレッシェルの職人達から聞き取った下町の物語であり、貴族向けの商品にはならないものだった。しかし、各地の物語を集めたいローゼマインにとっては非常に価値ある一冊であった。

グリム計画への一歩

ルッツとギルは、印刷業を広げた先々で物語を集めれば、各地の話が集まると提案した。平民も自由に本を読める未来を目指すローゼマインにとって、それは大きな喜びであった。ローゼマインは二人の心遣いに感激し、物語収集にかかった費用を払うことにも迷いはなかった。

グレッシェルの貴族と印刷業

ギーベの館での報告

ローゼマインはグレッシェル伯爵の館で夕食を摂った後、印刷業と製紙業の報告を受けた。文官は印刷業に問題はないと報告したが、グーテンベルクから聞いていた内容とは食い違っていた。実際には、金属活字、色インク、製紙用の水質に課題が残っていた。

平民への責任転嫁への違和感

グレッシェル伯爵は、問題点を聞いて平民が無能なのかと不快感を示した。ローゼマインはそれを否定し、時間が足りないだけであり、鍛冶職人は冬の間エーレンフェストで教育できると提案した。また、製紙の品質低下は水質の問題であり、職人ではなく貴族側が整備すべき課題だと説明した。

ブリュンヒルデとの対話

その夜、ブリュンヒルデは、なぜローゼマインが平民を庇うのかと尋ねた。ローゼマインは、印刷業を成功させるには現場で働くグーテンベルクの報告を重視するのが当然だと答えた。紙、インク、金属活字、印刷機、本作り、販売の全てを平民が担う以上、平民の状況を見ずに責任を押し付ければ事業は成功しないと語った。

グレッシェルの問題点

ローゼマインは、グレッシェルの貴族には土地と民を守るギーベとしての意識が薄く、貴族街の貴族に近いと感じていた。イルクナーやハルデンツェルでは、貴族と平民が土地を共に支える関係を持っていたが、グレッシェルでは平民を共に生きる者として見ていなかった。この違いが印刷業の先行きを暗くしていると説明した。

ブリュンヒルデへの願い

ローゼマインは、ブリュンヒルデが守るべきグレッシェルとは、貴族だけでなく、土地とそこに住む者全てであると受け入れてほしいと伝えた。ブリュンヒルデは衝撃を受けながらも、印刷業を失敗させたくないという思いから真剣に受け止めた。

ギーベ・グレッシェルの決断

翌日、グレッシェル伯爵はローゼマインの前に跪き、グレッシェルの鍛冶職人を鍛えてほしいと願い出た。印刷業を失敗させるわけにはいかないという決意の表れであった。ローゼマインはこれを受け入れ、金属活字を作れるようにして返すと約束した。

下町整備への提案

ローゼマインは、印刷業を成功させるためには貴族が下町へ入ることを嫌がらないよう、まず街を整えるべきだと助言した。下町が綺麗になれば、街道沿いにあるグレッシェルは交易都市としても発展できる可能性がある。ギーベ・グレッシェルの手腕が問われると示した。

鍛冶職人の同行

帰還時、ヨハンはグレッシェルの若い鍛冶職人二人を連れて戻ってきた。二人はおそるおそるレッサーバスに乗り込み、ヨハンやザックに見守られながらエーレンフェストへ向かうことになった。ローゼマインは、グーテンベルク達と新たな職人を乗せ、グレッシェルを後にした。

図書館計画と衣装の完成

神殿での多忙な日常

ローゼマインは神殿に戻ると、音楽、奉納舞、フェルディナンドの手伝い、冬支度の指示、商会との連絡、ダンケルフェルガー本の写本に追われた。印刷業が領内に広がりつつあり、本を増やすために全力を注ぐ生活が続いていた。

図書館建設計画の始動

印刷業が広がれば本が増え、本が増えれば収納場所が必要になるとして、ローゼマインは図書館建設を次の段階に定めた。創造魔術を覚えたら、ユルゲンシュミット一の図書館を作りたいと考えたのである。資料の収集、整理、保存、利用者への提供まで含めた本格的な図書館構想であった。

フェルディナンドへの露見

フィリーネ、ハルトムート、フランによって図書館計画はフェルディナンドに伝わった。ローゼマインは、計画を整えてから報告するつもりだったと弁明したが、フェルディナンドには意図的な未報告と見なされた。彼は協力する余地を示しつつも、まず内容を説明するよう求めた。

現実味のない夢の図書館

ローゼマインは、成長する図書館、シュミル型司書魔術具、自動返却、検索補助など、夢を詰め込んだ構想を語った。しかしフェルディナンドは、創造魔術による建物の維持には大量の魔力が必要であり、子孫が維持できなければ崩壊すると指摘した。資料保存という図書館の役割を果たせないため、現実的ではないと却下された。

貴族院準備への軌道修正

図書館計画に落ち込むローゼマインに、フェルディナンドはまず貴族院二年生の準備を考えるべきだと命じた。シュバルツ達の衣装確認、薬の準備、流行させる物の打ち合わせなど、やるべきことは多かった。ローゼマインはリーゼレータへ連絡し、完成した刺繍を神殿へ持ってくるよう伝えた。

リーゼレータの刺繍完成

リーゼレータは、シュバルツとヴァイスの衣装用の刺繍を仕上げて神殿へ持参した。複雑な魔法陣を隠すように、花や蔓の意匠を使った美しい刺繍が施されていた。リーゼレータは仕事中の落ち着いた態度ながら、シュミルの衣装作りを心から楽しんでいる様子を見せた。

フェルディナンドの確認

ローゼマインは刺繍された布をフェルディナンドの工房へ持ち込んだ。フェルディナンドは魔法陣の途切れや間違いを丁寧に確認し、消えるインクで描いた魔法陣との重なりも検証した。効果が強まる可能性はあるものの、威力が落ちないならば問題ないと判断された。

凶悪な防御魔法陣

シュバルツ達の衣装には、自動で攻撃を返す魔法陣が組み込まれていた。フェルディナンドは検証が危険であるため、攻撃が返ることだけ確認できれば十分だと説明した。ローゼマインも、図書館や本に攻撃する者には容赦しない姿勢を見せ、図書館防衛には「ブラッディー・カーニバル」も辞さないと語った。

改良されたお守り

フェルディナンドは、シュバルツ達の衣装研究をもとに改良したお守りをローゼマインへ渡した。誰かが引っかからないものかと呟くフェルディナンドに、ローゼマインは物騒な本音を出しすぎだと抗議した。

ローゼマインの刺繍と花嫁修業

フェルディナンドは、ローゼマインが刺繍した魔法陣が一つだけであることを知り、花嫁修業として刺繍を練習するよう命じた。ローゼマインは、刺繍より写本の方が大事であり、本が増えない刺繍に時間を使いたくないと本音を漏らした。フェルディナンドは、工房とはいえ本音が出すぎだと呆れた。

衣装の完成

刺繍の確認に合格が出てから三日後、リーゼレータはシュバルツ達の衣装を完璧に仕上げた。

冬の社交界の始まり(二年生)

冬の髪飾りと図書委員の腕章

ギルベルタ商会から、冬の髪飾りと腕章を神殿へ届ける連絡が入った。ローゼマインはトゥーリに髪飾りを付け替えてもらい、母エーファが染めた布と揃う花飾りに満足した。さらに、ハンネローレやシュバルツ達と使う「図書委員」の腕章も受け取り、喜びのあまり祝福が漏れかけたため、ハルトムートに止められた。

神殿から城への移動

神殿と孤児院の冬支度、奉納式の準備を終え、ローゼマインは城へ戻った。冬の洗礼式やお披露目で使う儀式服や飾りをレッサーバスに積み、しばらく神殿を離れることになった。アウレーリアの魚食材は、フェルディナンドが厄介事を避けるために預かることになった。

冬の社交界の開幕

冬の社交界は、洗礼式とお披露目、新一年生へのブローチとマントの授与式から始まった。今年のローゼマインは神殿長として儀式を行い、大広間では製紙業や印刷業に関わるギーベ達の顔が増えていることに気付いた。

冬衣装のお披露目

昼食前にローゼマインは、母エーファが染めた布とトゥーリのデザインを元にした冬衣装へ着替えた。朱色から深い赤へ変化する布、白い花飾り、バルーン状のスカート、トゥーリ作の髪飾りが合わさり、リヒャルダも満足する仕上がりであった。

貴族院二年生への話題

午後の社交では、ヴィルフリート、シャルロッテと共に貴族院の話題になった。新一年生も参考書で予習する予定であり、各コースの側近達は成績向上に自信を見せた。騎士見習い、文官見習い、側仕え見習いの間で、今年の講義をどれだけ早く終えられるか競争意識が高まっていた。

グレッシェルとハルデンツェルの報告

グレッシェル伯爵は、製紙業の水質問題に対処するため、下町整備やエントヴィッケルンを検討していると報告した。ローゼマインは、他領商人の受け入れという領地全体の利益を前面に出してジルヴェスターへ願い出るよう助言した。ハルデンツェル伯爵は、春を呼ぶ儀式により収穫量が大きく増えたことを感謝し、ローゼマインに最大級の礼を示した。

イルクナーとの再会

ギーベ・イルクナーやブリギッテ達も挨拶に訪れた。イルクナーでは新素材の紙作りが進み、周辺のギーベへも製紙技術を教える職人が派遣されていた。水が綺麗な土地柄もあり、製紙業は順調に広がっているようだった。

アウレーリアの新しいヴェール

エルヴィーラに伴われて、アウレーリアも挨拶に訪れた。彼女はエーレンフェストの染め布で作った新しいヴェールを身に付けており、周囲の視線が少し和らいだと語った。可愛らしい布を使えたことも嬉しく思っていた。

魚料理計画の停滞

ローゼマインは魚料理が遅れていることをアウレーリアに謝ったが、アウレーリアはエーレンフェストの料理を楽しんでいるため急がなくてよいと答えた。故郷の味を恋しがっているはずだと考えていたローゼマインの思惑は外れ、魚料理計画は遠のいた。

アウレーリアの自由

ヴィルフリートは、旧ヴェローニカ派の視線を気にして会話を切り上げつつ、アウレーリアに居心地よく過ごせるよう努めると伝えた。アウレーリアは、今のエーレンフェストでの生活を不自由とは感じておらず、アーレンスバッハにいた頃よりずっと自由だと語った。ローゼマインは、彼女が故郷でどのような生活をしていたのか疑問を抱いた。

貴族院へ出発

子供部屋での準備

冬の社交界が始まり、ローゼマイン達は貴族院出発まで子供部屋で過ごした。新入りの子供達には上級生がカルタやトランプを教え、シャルロッテ達新一年生にはモーリッツが地理と歴史を教えることになった。成績向上委員会の公平性を保つため、新一年生にも予習の機会が与えられた。

貴族院予算と下級貴族支援

夕食の場では、貴族院の予算が増えたことが伝えられた。ローゼマインは、その予算を下級貴族へ紙やインクを配るために使いたいと述べた。講義内容を記録し、後から見直せるようにすることで、エーレンフェスト全体の成績を底上げする狙いであった。

本と寮の図書コーナー

ローゼマインは、騎士物語や恋物語、楽譜などの印刷物を貴族院へ持ち込む許可を求めた。自分で紹介すると熱が入りすぎると指摘され、紹介はヴィルフリートやシャルロッテに任せることになった。一方、寮に本棚を置く要望は通り、ローゼマインは図書コーナーを将来の図書室へ発展させる野望を抱いた。

騎士見習いと魔力圧縮

ボニファティウスは、騎士見習い達の連携が去年より改善していると報告した。ローゼマインは旧ヴェローニカ派の子供達への報酬として魔力圧縮を教える件を確認したが、ジルヴェスターは領主一族へ名を捧げることを条件にしたと明かした。名を捧げるとは、命を預けて忠誠を誓う重い行為であった。

出発前の荷造り

貴族院へ向かう荷物には、シュバルツ達の衣装、ダンケルフェルガーの本、エーレンフェストで印刷された本などが詰め込まれた。成人側仕えは今年もリヒャルダが同行し、アンゲリカは城に残ってボニファティウスの特訓を受けることになった。

保護者達からの注意

出発前、ジルヴェスターは平穏に過ごすようローゼマインに念を押した。フェルディナンドは、ローゼマインが講義後に寮で過ごせるようハルトムートに本を預けたと告げた。ローゼマイン本人に渡せば夜通し読んでしまうためであった。

図書館禁止の脅し

フェルディナンドは、ハンネローレに迷惑をかけないこと、本で興奮しすぎないことを警告した。さらに、問題を起こせば図書館を禁止すると冷たく告げた。ローゼマインはできるだけ気を付けると答え、リヒャルダに促されて転移陣へ向かった。

貴族院への転移

シャルロッテに翌日の到着を約束され、ローゼマインは保護者達へ出発の挨拶をした。魔法陣が光を放ち、彼女は側近達と共に貴族院へ転移した。

入寮と忠誠

貴族院寮への到着

ローゼマインは転移陣でエーレンフェスト寮に到着した。側近達に迎えられ、多目的ホールへ移動すると、真新しい本棚を見つけて喜んだ。ヴィルフリートから本棚の使い方を任され、興奮しかけたが、ハルトムートに止められた。

採集と騎士見習いの訓練

二年生は調合実技に使う素材を採集するため、寮の外へ向かった。採集場所は宝盗りディッター時代の名残で雪が積もらない特別な場所だった。騎士見習い達は魔獣を狩り、二年生は薬草や木の実を集めた。ヴィルフリートは、騎士見習いに護衛費を支払う案を出した。

新入生歓迎と本棚の扱い

翌日、新一年生が寮へ到着し、上級生達がもてなした。ローゼマインは本棚の使用方法をすぐ説明しようとしたが、シャルロッテに「まず世間話から」と注意された。本や図書館の話題を挨拶の一種と考えるローゼマインは、周囲との感覚差を改めて突きつけられた。

旧ヴェローニカ派への労い

ローゼマインは、星結びの儀式での襲撃計画を知らせてくれた旧ヴェローニカ派の子供達を会議室へ呼んだ。家族との関係を考慮し、領地ではなく貴族院で労うためであった。マティアスが代表して感謝を受け、彼らが命懸けで情報を伝えたことが確認された。

魔力圧縮と名捧げの条件

ローゼマインは報酬として魔力圧縮を教えたいと望んでいたが、ジルヴェスターは領主一族に名を捧げることを条件にしていた。ローデリヒはその場でローゼマインへ名を捧げたいと申し出たが、ローゼマインは勢いで決めるべきではないと止めた。

マティアスの忠告

マティアスもローデリヒを制止した。名を捧げることは親と決別し、命と未来を主に預ける重大な行為であるためだった。ローゼマインには大きな価値があると認めつつも、未成年の領主候補生に将来を賭ける危険を語り、ローデリヒに慎重な判断を促した。

ヒルシュールの来訪と進級式

名捧げへの意見確認

ローゼマインは旧ヴェローニカ派の子供達を解散させた後、名を捧げる行為について側近達に意見を求めた。ブリュンヒルデやレオノーレ、コルネリウスは慎重な姿勢を示し、ハルトムートもローゼマインが望まない限り名捧げは不要だと述べた。一方、ヴィルフリートとシャルロッテは、主として名を捧げられれば受け入れると答えた。

成績向上委員会の再始動

夕食時、今年も成績向上委員会の班分けと賞品が発表された。賞品はレシピ集未掲載のタルトのレシピであり、学生達は今年こそ手に入れようと意気込んだ。重い空気が少し和らぎ、寮内には勉強への熱気が戻った。

ヒルシュールの来訪

翌朝、ヒルシュールが寮へ現れ、進級式や講義開始について説明した。エーレンフェストは十位となったため、今年は十番の扉や部屋を使うことになると告げられた。一方で、寮監であるヒルシュールが寮に不在がちな問題も浮き彫りになった。

研究者としての関心

ヒルシュールの本当の目的は、シュバルツ達の新しい衣装とフェルディナンドの研究資料だった。彼女は魔法陣に強い興味を示したが、ローゼマインは研究より図書館司書を目指していると説明した。ソランジュへの確認により、衣装は講義開始後に図書館へ持って行くことになった。

本棚の整理と本への興味

ヒルシュールが衣装と資料に没頭する間、ローゼマインは寮の本棚を整理した。参考書やエーレンフェストで印刷された本を分類して並べ、図書コーナーの形を整えた。ヒルシュールは恋物語の本に興味を示し、その一部が実話であるとほのめかした。

流行発信の準備

進級式に向けて、女子生徒には髪飾りが配られた。ブリュンヒルデの見立てで、それぞれの髪色や雰囲気に合う品が選ばれていた。男子にはヴィルフリートがリンシャンを用意しており、エーレンフェスト全体で流行を発信する準備が整った。

進級式と順位上昇の影響

進級式の日、エーレンフェストの学生達は黒を基調とした衣装、マント、ブローチ、髪飾りを身に付けて講堂へ向かった。扉の番号は十に変わり、順位上昇を実感する一方、周囲からの妬みや警戒の視線も感じられた。

親睦会への移動

進級式後、学生達は身分ごとの親睦会へ分かれた。ローゼマインは緊張するシャルロッテを励まし、ともに領主候補生の小広間へ向かった。そこには、去年のアナスタージウスに代わる小さな王族らしき人物が座っていた。

親睦会(二年生)

第三王子の登場

親睦会の小広間には、洗礼式を終えたばかりの第三王子ヒルデブラントが座っていた。王族が貴族院に在籍する慣例を満たすため、アナスタージウスの代わりに滞在することになったのである。ローゼマインは事前情報がなかったことに驚きつつ、王族の人手不足を察した。

王族への挨拶

エーレンフェストの番となり、ヴィルフリート、ローゼマイン、シャルロッテはヒルデブラントへ挨拶した。ヒルデブラントは幼く穏やかな雰囲気で、王族として覚えた言葉を一生懸命に述べていた。ローゼマインは過剰にならないよう祝福を抑え、無事に初対面の挨拶を終えた。

上位領地への挨拶

クラッセンブルクでは、現アウブの第二夫人の息子に挨拶した。続くダンケルフェルガーでは、ローゼマインがハンネローレに借りた本の礼を述べ、エーレンフェストの本を返礼として渡す約束をした。レスティラウトはダンケルフェルガーの歴史を誇ったが、ローゼマインはその本を高く評価した。

ドレヴァンヒェルへの警戒

ドレヴァンヒェルでは、アドルフィーネがリンシャンや大きな紙片に興味を示した。ローゼマインは、領主会議で披露された紙の技術にドレヴァンヒェルが強い関心を持っていることを察し、情報を抜かれないよう警戒した。さらにシャルロッテにも目を向けられ、不安を覚えた。

アーレンスバッハとの再会

アーレンスバッハでは、ディートリンデが友好的な態度を見せ、アウレーリアの近況を尋ねた。側仕えのマルティナはアウレーリアの妹であり、姉から連絡がないことを心配していた。ローゼマインとシャルロッテは、アウレーリアがエーレンフェストで穏やかに過ごしていると伝えた。

下位領地からの牽制

順位を抜かれた下位領地からは、笑顔に敵意を隠した嫌味や牽制が投げかけられた。ローゼマインはそれらを受け流しつつ、エーレンフェストの成果が偶然ではないことを示すように返答した。

フレーベルタークとの関係改善

フレーベルタークのリュディガーは、エーレンフェストの助言を受けて領主候補生が神事に参加し、収穫量が伸びたことを報告した。フレーベルタークの貴族達に希望が戻ったと感謝を述べ、今後も良好な関係を築きたいと伝えた。ローゼマインは従兄妹同士として、これからも仲良くしていく意思を示した。

親睦会の終わり

挨拶回りを終えた後、食事が始まった。エーレンフェストのレシピが取り入れられたためか、去年よりスープはおいしくなっていた。ただし、お菓子は相変わらず砂糖の塊のようであった。

エピローグ

初めての貴族院滞在

ヒルデブラントは、王族として初めての公務を命じられ、貴族院へ向かった。洗礼式を終えたばかりで正式なお披露目前であったが、王族が貴族院に滞在する慣例を満たすため、アナスタージウスの代わりに選ばれたのである。

静かな貴族院と緊張

転移の扉を抜けた先には、扉が並ぶ静かな廊下が広がっていた。学生達は進級式に出ており、ヒルデブラントは期待していた歓迎がないことに少し寂しさを覚えた。同時に、自分が王族として重大な役目を担っていることを改めて意識した。

親睦会への準備

小広間では、ヒルデブラントが王族用の席に案内された。文官ダンクマールは、挨拶で失敗しないようテーブルの下に隠れて助言する役を担った。ヒルデブラントは自力で公務をこなそうと決意したが、初めての場に緊張を隠せなかった。

領主候補生達との挨拶

親睦会が始まると、各領地の領主候補生が次々と挨拶に訪れた。クラッセンブルク、ダンケルフェルガー、ドレヴァンヒェルなど、王族と関わりの深い上位領地への対応は比較的順調であった。途中からはダンクマールの助言も受けつつ、王族らしく挨拶を続けた。

エーレンフェストへの警戒

十位のエーレンフェストが現れると、ヒルデブラントは要注意人物とされるローゼマインを思い出した。アナスタージウスからは危険人物として聞かされていたが、挨拶は特に問題なく終わった。ヒルデブラントは警戒していた懸念事項が無事に済んだことに安堵した。

初公務の終了

親睦会を終えたヒルデブラントは、自分の離宮へ戻った。途中で気を抜きそうになり、アルトゥールに注意されながらも、自力で離宮の扉を探し当てた。戻ってから温かい蜂蜜入りのミルクを飲み、ようやく緊張が解けた。

ローゼマインへの誤認

ヒルデブラントは、エーレンフェストに自分と同じくらい幼く見える少女がいたことを思い出した。彼はその人物をローゼマインの妹シャルロッテだと誤認し、ローゼマインとシャルロッテを取り違えたまま、親睦会を終えたのである。

城でのお留守番

城に残った側近達

ローゼマイン達が境界門での星結びの儀式へ向かうため、フィリーネ、ユーディット、リーゼレータ、ダームエルは城で留守番をすることになった。フィリーネは見送りに出て、巨大化したレッサーバスに灰色神官や荷物が積まれている様子を見て驚いた。

フィリーネの想いと城での生活

ローゼマイン不在中、フィリーネはダンケルフェルガーの本の写本を任された。神殿に通えないことを残念に思いつつも、ダームエルと会話できることに喜びを感じていた。ユーディットにはその想いを見抜かれており、フィリーネは成人するまでダームエルが待ってくれないかと密かに願っていた。

ローデリヒからの手紙

文官見習いの講義で、ローデリヒはフィリーネに手紙を渡した。ダームエルは恋文だと勘違いしたが、実際には神殿組を狙う強襲計画を知らせるものだった。手紙には、マティアスから得た情報と、旧ヴェローニカ派の子供達がローゼマインに伝えようとした経緯が記されていた。

襲撃計画への対応

フィリーネはすぐにローゼマインの部屋へ戻り、ダームエルとユーディット達に手紙を見せた。ダームエルは即座にリヒャルダとボニファティウスへ連絡を取り、ボニファティウスはライゼガング伯爵へ直接警告した。その結果、神殿組への襲撃は未然に防がれ、ローゼマイン達は無事に境界門へ到着した。

旧ヴェローニカ派の子供達の功績

リヒャルダは、旧ヴェローニカ派の子供達が勇気を出して情報を伝えたことを高く評価した。貴族院でローゼマインが派閥を越えた協力に心を砕いた成果が、確かに芽吹いていると語った。

フィリーネの本音

緊張が解けた後、ダームエルは手紙が恋文ではなかったことを「残念だったな」と言い、フィリーネを傷つけた。思いが伝わらないことに耐えきれなくなったフィリーネは、ダームエルに「自分が成人するまで恋人も結婚もできなければ良い」と告げた。だが、ダームエルには真意が伝わらず、フィリーネは半ば諦めつつも、エルヴィーラに応援を頼もうかと考えた。

分かれ道

アウレーリアの不安とヴェールの理由

アウレーリアは、素顔がガブリエーレに似ていると知らされて以来、ライゼガング系貴族に嫌悪されることを恐れていた。そのため、嫁ぎ先でも頑なにヴェールを被り続けていた。

ランプレヒトの選択肢

ランプレヒトは、エルヴィーラ派に無理に入る必要はなく、アウレーリアが望むなら旧ヴェローニカ派へ向かってもよいと告げた。彼は妻を守る覚悟を示し、父のように第一夫人を蔑ろにしたくないと考えていた。

染色のお披露目会への参加

アウレーリアは、ヴェールを外さなくてよいなら参加したいと決めた。会場でローゼマインは、エーレンフェストの染め布で新しいヴェールを作ることを提案し、アウレーリアの不安を和らげた。

ローゼマインによる受容

ローゼマインは、アウレーリアの容姿や出自ではなく、彼女の好みや故郷の食材に関心を向けた。海の魔獣退治の話や魚料理への反応を通じて、アウレーリアは自分の持つものが悪い面ばかりではないと感じた。

エルヴィーラとの誤解の解消

お茶会後、エルヴィーラはアウレーリアがエーレンフェストに馴染む気がないわけではないと理解した。アウレーリアは素顔がガブリエーレに似ていることを打ち明け、エルヴィーラはそれを確認した上で、派閥入りと冬の社交界での保護を約束した。

エーレンフェストの女として生きる決意

アウレーリアは、旧ヴェローニカ派ではなく、ローゼマインやエルヴィーラの派閥に入ることを選んだ。これにより、彼女はアーレンスバッハの血を引く花嫁ではなく、エーレンフェストで生きる女性として歩み始めた。

専属への道

染色コンペの知らせとエーファの決意

夏の始まり、染色工房にローゼマイン主導の新しい染め布の催しが知らされた。領主一族の専属職人に選ばれれば称号が与えられると聞き、エーファは自分の染めた布でマインの衣装を作れる可能性を見出した。彼女はベルーフ資格ではなく、母としてマインに近づくために専属の称号を望んだ。

布の確保と職人達の競争

エーファは真っ先に最高級の白布を確保し、練習用の布も買い集めた。独立を目指すヨルクは布を譲るよう求めたが、エーファは専属になる機会を譲るつもりはないと拒んだ。工房内では、称号を狙う職人達の競争が本格化した。

トゥーリとの協力

トゥーリはギルベルタ商会を通じて新しい染め方の情報を得ており、エーファに協力した。二人はローゼマインに似合う色や衣装の形を話し合い、リューツィの花を柄に選んだ。リューツィの花言葉である「家族への愛」に、エーファは母としての思いを込めようとした。

公平な評価へのこだわり

エーファは、トゥーリがローゼマインの髪飾り職人であるため有利だと周囲から疑われた。これに対し、名前ではなく布だけで評価してもらうよう提案した。職人名を伏せ、番号だけで選ばせる方式は、エーファ自身に不利にもなり得たが、彼女は染色職人として正当に評価されることを望んだ。

リューツィの布の完成

エーファは深い赤から温かな朱色へ変化する色合いに、濃淡の違うリューツィの花を散らした布を完成させた。その布はホイス工房の代表作に選ばれ、ローゼマインの冬の衣装用として注文を受けた。

専属には届かなかった結果

エーファの布は最終候補に残ったものの、ローゼマインは専属を決めず、次の季節へ持ち越すことにした。エーファは注文を得た喜びよりも、専属になれなかった悔しさを強く感じた。

次の季節への挑戦

ヨルクは古い技術の復活を評価され、ベルーフ資格を得た。エーファはそれを祝いつつも、自分だけが望みに届かなかったことを悔しがった。しかし専属が他者に決まったわけではなく、次の機会は残されていた。彼女は春の緑の布で、今度こそマインに選ばれると決意した。

第四部 貴族院の自称図書委員4レビュー
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本好きの下剋上 シリーズ 一覧

兵士の娘

本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第一部「兵士の娘1」の表紙画像(レビュー記事導入用)
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第一部「兵士の娘I」の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第一部「兵士の娘2」の表紙画像(レビュー記事導入用)
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第一部「兵士の娘II」の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第一部「兵士の娘3」の表紙画像(レビュー記事導入用)
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第一部「兵士の娘Ⅲ」の表紙。
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神殿の巫女見習い

本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習い1」の表紙画像(レビュー記事導入用)
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習いI」の表紙。
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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習い2」の表紙画像(レビュー記事導入用)
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習いⅡ」の表紙。
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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習い3」の表紙画像(レビュー記事導入用)
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習いⅢ」の表紙。
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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習い4」の表紙画像(レビュー記事導入用)
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領主の養女

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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女I」の表紙。
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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女2」の表紙画像(レビュー記事導入用)
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女Ⅱ」の表紙。
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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女3」の表紙画像(レビュー記事導入用)
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女Ⅲ」の表紙。
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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女4」の表紙画像(レビュー記事導入用)
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女Ⅳ」の表紙。
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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女5」の表紙画像(レビュー記事導入用)
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女Ⅴ」の表紙。
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貴族院の自称図書委

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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員Ⅱ」の表紙。
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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員3」の表紙画像(レビュー記事導入用)
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員Ⅲ」の表紙。
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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員4」の表紙画像(レビュー記事導入用)
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員Ⅳ」の表紙。
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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員5」の表紙画像(レビュー記事導入用)
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員Ⅴ」の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員6」の表紙画像(レビュー記事導入用)
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員Ⅵ」の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員7」の表紙画像(レビュー記事導入用)
「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員Ⅶ」の表紙。
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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員8」の表紙画像(レビュー記事導入用)
「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員Ⅷ」の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員9」の表紙画像(レビュー記事導入用)
「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員Ⅷ」の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。

女神の化身

本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身1」の表紙画像(レビュー記事導入用)
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身 1巻」の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身2」の表紙画像(レビュー記事導入用)
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身 2巻」の表紙。
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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身3」の表紙画像(レビュー記事導入用)
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身 3巻」の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身7」の表紙画像(レビュー記事導入用)
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身7」の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身8」の表紙画像(レビュー記事導入用)
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身8」の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。

本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身9」の表紙画像(レビュー記事導入用)
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身9」の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身10」の表紙画像(レビュー記事導入用)
本好きの下剋上 第五部「女神の化身 10巻」の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身11」の表紙画像(レビュー記事導入用)
本好きの下剋上 第五部「女神の化身 11巻 」の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身12」の表紙画像(レビュー記事導入用)
本好きの下剋上 第五部「女神の化身 12巻 」の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。

ハンネローレの貴族院五年生

本好きの下剋上 ハンネローレの貴族院五年生1の表紙画像(レビュー記事導入用)
本好きの下剋上 ハンネローレの貴族院五年生 1の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
本好きの下剋上 ハンネローレの貴族院五年生2の表紙画像(レビュー記事導入用)
本好きの下剋上 ハンネローレの貴族院五年生 2の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
本好きの下剋上 ~ハンネローレの貴族院五年生~ 3の表紙画像(レビュー記事導入用)
本好きの下剋上 ハンネローレの貴族院五年生 3の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。

その他フィクション

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フィクション(novel)あいうえお順

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