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フィクション(Novel)本好きの下剋上読書感想

小説「本好きの下剋上 第四部 貴族院の自称図書委員 8巻」感想・ネタバレ

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フィクション(Novel)

第四部 貴族院の自称図書委員7レビュー
第四部 貴族院の自称図書委員
本好きの下剋上 全巻まとめ
第四部 貴族院の自称図書委員9レビュー

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  1. 読んだ本のタイトル
  2. これまでのあらすじ
  3. 感想
  4. 考察・解説
    1. メルヒオールの洗礼式
      1. 洗礼式に向けた準備と指輪の授与
      2. 洗礼式前のお茶会と姉への憧れ
      3. 春を寿ぐ宴と洗礼式の流れ
      4. 多すぎる祝福と祝福返し
      5. まとめ
    2. アーレンスバッハの魚料理
      1. 魚料理の催促とアウレーリアへの配慮
      2. ツァンベルズッペとフィッケンの評価
      3. 塩焼きへの執着と神殿での料理研究
      4. まとめ
    3. 領地内の印刷業拡大
      1. 各地への印刷工房の広がりと役割
      2. プランタン商会との委託販売と輸送費問題
      3. 領主一族の関与と次年度への布石
      4. まとめ
    4. 貴族院からの帰還
      1. 帰還の出迎えと新たな側近
      2. 兄妹とのお茶会とメルヒオールの洗礼式
      3. 夕食会での報告と来年の領地対抗戦
      4. 祈念式の準備と情報販売の体制
      5. 側近の力量差と仕事の共有
      6. まとめ
    5. 次期領主の教育
      1. 神事を通じた領主の自覚の芽生え
      2. 領主候補生コースの予習と実践的な魔術
      3. 執務の手伝いと側近の育成
      4. ライゼガングとの対峙と次期領主の試練
      5. まとめ
    6. ハルトムートの神官長就任
      1. 神官長への立候補と結婚問題
      2. 引き継ぎと勤務体制
      3. 誓いの儀式と神事への期待
      4. 恐怖の就任式と決意表明
      5. まとめ
    7. フェルディナンドの婚約
      1. 神官長への立候補と結婚問題
      2. 引き継ぎと勤務体制
      3. 誓いの儀式と神事への期待
      4. 恐怖の就任式と決意表明
      5. まとめ
    8. アーレンスバッハの来訪
      1. 歓迎の宴と求婚の魔石
      2. フェルディナンドの館での交流と髪飾りの注文
      3. 急な帰還とグラオザムの館への滞在
      4. まとめ
  5. 登場キャラクター
    1. エーレンフェスト領主一族
      1. ボニファティウス
      2. ジルヴェスター
      3. フロレンツィア
      4. フェルディナンド
      5. ヴィルフリート
      6. ローゼマイン
      7. シャルロッテ
      8. メルヒオール
    2. エーレンフェストの貴族・側近・騎士
      1. ノルベルト
      2. ザルクレヒト
      3. ギード
      4. カルステッド
      5. エルヴィーラ
      6. エックハルト
      7. ランプレヒト
      8. ユストクス
      9. リヒャルダ
      10. ブリュンヒルデ
      11. ベルティルデ
      12. ユーディット
      13. テオドール
      14. ハルトムート
      15. オティーリエ
      16. コルネリウス
      17. レオノーレ
      18. マティアス
      19. トラウゴット
      20. ニコラウス
      21. ローデリヒ
      22. フィリーネ
      23. ダームエル
      24. アンゲリカ
      25. イグナーツ
      26. モーリッツ
      27. ラザファム
    3. エーレンフェストのギーベ
      1. ギーベ・ハルデンツェル
      2. ギーベ・グレッシェル
      3. ギーベ・ライゼガング
      4. 前ギーベ・ライゼガング
      5. グラオザム
      6. ジョイソターク子爵
    4. 神殿・下町関係者(エーレンフェスト)
      1. フラン
      2. ザーム
      3. モニカ
      4. ニコラ
      5. ギル
      6. フリッツ
      7. ヴィルマ
      8. カンフェル
      9. フリターク
      10. ディルク
      11. コンラート
      12. エラ
      13. フーゴ
      14. ベンノ
      15. マルク
      16. ダミアン
      17. ルッツ
      18. オットー
      19. コリンナ
      20. トゥーリ
      21. ギュンター
      22. エーファ
      23. カミル
      24. ヨハン
      25. ザック
      26. ダニロ
      27. インゴ
      28. ヨゼフ
      29. ハイディ
      30. リヒト
      31. グスタフ
      32. フリーダ
      33. イルゼ
    5. 王族・中央関係者
      1. トラオクヴァール
      2. ジギスヴァルト
      3. アナスタージウス
      4. エグランティーヌ
      5. ヒルデブラント
      6. マグダレーナ
    6. ダンケルフェルガー関係者
      1. アウブ・ダンケルフェルガー
      2. ジークリンデ
      3. ハイスヒッツェ
      4. レッドモンド
      5. クラリッサ
    7. アーレンスバッハ関係者
      1. アウブ・アーレンスバッハ
      2. ゲオルギーネ
      3. ディートリンデ
      4. レティーツィア
      5. ライムント
      6. アウレーリア
      7. マルティナ
      8. ゼルティエ
    8. フレーベルターク関係者
      1. リュディガー
    9. クラッセンブルク関係者
      1. カーリン
    10. 過去の人物
      1. ヴェローニカ
      2. ガブリエーレ
      3. 先代アウブ・エーレンフェスト
      4. ハイデマリー
  6. 展開まとめ
    1. プロローグ
    2. 帰還後の夕食会
    3. 子供部屋とユーディットの弟
    4. プランタン商会とのお話し合い
    5. メルヒオールの洗礼式
    6. アーレンスバッハのお魚料理
    7. 神殿への帰還とグーテンベルクとの会合
    8. お魚解体
    9. 祈念式とライゼガングへの出発
    10. ギーベ・ライゼガング
    11. 曾祖父様のお見舞い
    12. 領主会議のお留守番
    13. 領主会議の報告会(二年)
    14. 私的な報告会(二年)
    15. 選択
    16. 引き継ぎ
    17. 話し合いと回復薬の作り方
    18. ユレーヴェとハルトムートの成人式
    19. 来訪者と対策
    20. 歓迎の宴
    21. フェルディナンドの館
    22. エピローグ
    23. 十年前の無念を晴らせ
    24. 十年間の変化
  7. 本好きの下剋上 シリーズ 一覧
      1. 兵士の娘
      2. 神殿の巫女見習い
      3. 領主の養女
      4. 貴族院の自称図書委
      5. 女神の化身
    1. ハンネローレの貴族院五年生
  8. その他フィクション

読んだ本のタイトル

本好きの下剋上   ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第四部「貴族院の自称図書委員Ⅷ
著者:香月美夜
イラスト:椎名優

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これまでのあらすじ

注意:前の巻のをお読みの方は感想からお読み下さい。

中世ヨーロッパ風の世界が舞台。
異世界なのでファンタジー要素もある。

第一部兵士の娘I 兵士の娘Ⅱ 兵士の娘Ⅲ

日本で本の虫だった女子大生が、地震で本の下敷きになって死亡。

次に目覚めたらファンタジー世界の門番兵の娘として目覚める。

貧しく、衛生面も最悪。

身体は魔力が大きいせいで貧弱。

さらに彼女の必須アイテム本が高価で手が出ない。
なら創れば良いじゃないかと、、

そんな彼女は幼馴染のルッツと共に紙作りを始める。
でも子供2人ではほとんど何もできない。

そこで、マインが開発した髪を綺麗にするリンシャン。
姉のトゥーリーの為に作った髪飾りの製法を父親の部下のツテから紹介されたべノン商会に売り、それを資金に紙作りの支援を受けて紙の量産体制に入ろうととしたら。

マインの魔力が身体を蝕み瀕死になってしまう。

生き残るためには貴族に隷属するしかない。

それを良しとせず大好きな家族と過ごす事を優先する決意したが、、

初めて神殿に行き、図書館を見付けた瞬間決意を覆して神殿の巫女見習になる事を決意。

でも平民である事がアダとなり、孤児と変わらない灰色巫女見習になる処だったが余りにも高圧的に言う貴族の神殿長にブチギレ、魔力で威圧して昏倒させ灰色巫女見習案は却下。

交代で出て来た神官長と交渉の末、貴族と同じ青色巫女見習として、通いで神殿に入る事が決まる。

第二部神殿の巫女見習いI 神殿の巫女見習いⅡ 神殿の巫女見習いⅢ 神殿の巫女見習いⅣ

神官長直属の神殿の青色巫女見習として神殿に通う事になったが、下町との常識が違い過ぎた。

神官長、神殿長から付けられた側仕えとの常識の擦り合わせに苦労する。

さらに神殿に着替える部屋が無いので欲しいと神官長に言ったら、孤児院の院長室を与えられたのだが、、

その孤児院の過酷な飢餓状況を知り、孤児たちに食べ物を自己の力で獲得する事を教え、さらに自身でお金を稼ぐ方法、紙作りを教える。

何気に孤児院の孤児達を本作りに巻き込み、絵を描くのが上手い灰色巫女を側仕えに追加して、遂に絵本を完成させる。

順風満帆と思ったのは束の間、神官長と共に騎士団の要請で赴いたトロンベ討伐の際に、貴族の目の前で貴族達を遥かに超える魔力を持ってる事を知られてしまい、拉致られそうになる。

それを恐れて神殿に籠っていたが、他領の貴族が神殿にまで押し入って来た。

その貴族を手引きしたのは、マインに威圧されて気絶させられた事を恨んでいる神殿長だった。

何とか撃退したのだが、、
平民が貴族を攻撃したと言われて問答無用で拘束されそうになったのだが、、

以前お忍びで来た領主に渡された、養女になる契約の印に印を付けた事によりマインは貴族になっていた。

その結果、実は領主の一族だった神殿長は公文書偽装で極刑。

マインはローゼマインとなり下町の家族と別れて領主の養女となり空席の神殿長に就任する。

第三部領主の養女I 領主の養女Ⅱ 領主の養女Ⅲ 領主の養女Ⅳ 領主の養女Ⅴ

貴族令嬢ローゼマインとなったが、いきなり領主の養女にはなれなかった。

上級貴族のカルステッドの第三夫人(故人)の娘という事にして、神殿で密かに育てられていた事にした。

そんな経歴を携えてローゼマインは領主の養女になった。

でも、貴族の世間は神殿とも下町とも違っており特に貴族のご婦人方と上手くやって行けるかは不安材料だったが、、

神官長フェルディナンドをダシにして、お茶会を開催してフェルディナンドの演奏リサイタルを開催。

さらに、フェルディナンドの肖像画を印刷してパンフレットを作成。

結果、貴族のご婦人方の心をガッチリ掴んで貴族社会で確固たる地盤を得る。

そして、貴族として初めての冬。
冬籠りの部屋で一緒になった子供達にマイン工房作の絵本とカルタを与えて無自覚に勉強をさせる。

それは歳上の学院生達よりも神の名前限定だが詳しくさせた、、

さらに、紙でハリセン製造、水汲みポンプ作成、アンゲリカの説教剣(cvフェルディナンド)を作成して領地への貢献も増大して行く。

そんな中、元領主候補で跡目争いの火種になるとして隣の領地に嫁いでいたゲオルギーネが、政変を利用してのし上がり暗躍し始める。

その一手が領地の発展に寄与してるローゼマイン暗殺。
暗殺は未遂に終わったが、ローゼマインは毒を盛られて、たまたま作っていた治療薬を使って治療したが2年間意識不明となってしまう。

そして目覚めたら、、
学院に行く年齢になっていた!

第四部貴族院の自称図書委員I 貴族院の自称図書委員Ⅱ 貴族院の自称図書委員Ⅲ貴族院の自称図書委員Ⅳ 貴族院の自称図書委員Ⅴ 貴族院の自称図書委員Ⅵ 貴族院の自称図書委員Ⅶ 貴族院の自称図書委員Ⅷ 貴族院の自称図書委員Ⅸ

学院への入学式、、
見た目が学院に入る前の子供にしか見えないローゼマインは悪目立ちした。

さらに初日で全試験合格と言う快挙を挙げ、その成果でローゼマインの図書館への情熱が暴走して、ウサギ型魔法具が再起動。

その所有権を巡って第一位の領地と模擬戦で争う事になるが罠に嵌めて撃退・・

さらに次期王位を絡めた恋愛話もあり。

ローゼマインは首を突っ込んで王位継承権問題に巻き込まれるが。。。
本人はホクホク顔w

魔道具問題で争った他領の領主候補のハンネローレを本好き友達とロックオン!


貴族院1年生終了。

領主会議で注目が集り順位も13位→10位になる。

これから発展する下町に下水道を整備する大型魔術エントヴィッケルンの発動。

歌って踊って大恋愛をした王子の後釜に学園に入ってきた王子は8歳。

そんな彼に学院を任せないといけないほど、人材不足な王族。

そんな彼はローゼマインをシャルロッテと間違えて無邪気に近付いてしまう。

その王子とハンネローレをお茶会を開いたら目の前で気絶して、王子にトラウマを植え付けて、2年連続で自領に強制送還されてしまう。

2学年終了。

強制送還されたが、マターニスベファレン討伐はローゼマインの自作自演ではないかとの容疑で事情聴取されたが同行したフェルディナンドが、、

ディッターでは10年来のライバルを相手にフェルディナンドが魔王の如く、、、

政変負け組の貴族たちが国王へのテロリストにフェルディナンドが。。

無双!

感想

フェルディナンドがアーレンスバッハへ婿入りするよう王命が来た。

相手はいつも意地悪をして来るアーレンスバッハの領主候補生のディートリンデ。

どんだけ凄い策略を組んでるのかと思ったら、巻末のSSでディートリンデはかなり残念な娘だと判明。

でも、ゲオルギーネはかなり根深い、、

こっちは油断できないな。。

しかも何かやらかしてそう。

毒とか。。

そんな処に行かないといけないフェルディナンドが不憫なのと、フェルディナンドの後ろ盾を無くしたローゼマインは大丈夫なんだろうか??

その不安は的中するんだろうな、、

別方向だと良いな。。

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考察・解説

メルヒオールの洗礼式

物語におけるメルヒオールの洗礼式について解説する。ジルヴェスターとフロレンツィアの息子であり、ローゼマインの弟にあたるメルヒオールが、洗礼式に向けて準備を進め、無事に貴族の一員として認められるまでの過程が描かれている。

洗礼式に向けた準備と指輪の授与

洗礼式を控えたメルヒオールは、貴族院から帰還したジルヴェスターから、誕生季節の貴色である緑の魔石がはまった指輪を与えられた。

  • これは洗礼式の儀式で必要となる祝福返しの練習のためである
  • 彼は母親のフロレンツィアから魔力の扱いを教わり、大量の祝福を与えたというローゼマインを目標にしようとするが、彼女は特別であるため無理をしないよう諭される
  • それでもメルヒオールは、将来領主夫妻を補佐する立場として強くなりたいと願い、神殿への出入りも条件付きで許可された

洗礼式前のお茶会と姉への憧れ

洗礼式の数日前、ローゼマインはヴィルフリートとシャルロッテに招かれ、メルヒオールと初めてお茶会で対面した。

  • メルヒオールは緊張しつつも教えられた通りの挨拶をこなし、ローゼマインが作った本や玩具、特に神様のお話が大好きだと語った
  • この言葉にローゼマインは本好きの可愛い弟ができたと大感激し、全力で可愛がることを決意した

春を寿ぐ宴と洗礼式の流れ

メルヒオールの洗礼式は、貴族院の優秀者などが発表される春を寿ぐ宴の直後に城の大広間で行われた。

  • 神殿長のローゼマインと神官長のフェルディナンドが待つ壇上へ、メルヒオールは一人で堂々と歩みを進めた
  • 魔力検査の魔術具を光らせて五神(闇、水、火、風、土)の御加護があることが示され、白いメダルへの魔力登録を終えた後、ジルヴェスターから正式に緑の魔石の指輪を贈られた

多すぎる祝福と祝福返し

儀式の最後、ローゼマインはメルヒオールへ水の女神フリュートレーネの祝福を与えた。

  • しかし、本好きの可愛い弟への思いが溢れた結果、予定よりも少し多めの緑の光を放ってしまい、フェルディナンドから冷たい視線を浴びることになった
  • それでもメルヒオールは、ぽわんとした緑の光を飛ばして無事に祝福返しを成功させた
  • こうして洗礼式は無事に終わり、メルヒオールは正式に北の離れの住人となった

まとめ

メルヒオールの洗礼式は、彼が領主一族としての自覚を持ち、貴族の社会へ足を踏み出す重要な儀式である。同時に、ローゼマインにとって本好きの弟というかけがえのない存在ができる喜びの瞬間でもあり、姉弟の心温まる交流と、少し規格外な祝福が微笑ましく描かれたエピソードとなっている。

アーレンスバッハの魚料理

物語におけるアーレンスバッハの魚料理について解説する。ローゼマインが念願の海魚を味わうまでの経緯や、ユルゲンシュミットの調理法による料理の評価、そして彼女の魚料理への情熱が描かれている。

魚料理の催促とアウレーリアへの配慮

ローゼマインは貴族院から戻ると、ジルヴェスターに約束していたアーレンスバッハの伝統的な魚料理を要求した。

  • 魚はアウレーリアが嫁入り時に故郷を偲ぶために持ち込んだ食材であったため、ローゼマインは彼女にも食べさせたいと考えた
  • しかし、アウレーリアは悪阻で体調が悪く、城の食事会に参加することは困難であった
  • そこでローゼマインはランプレヒトと相談し、時を止める魔術具を利用して熱々の料理を彼女の元へ運ぶ手段を手配した

ツァンベルズッペとフィッケンの評価

夕食会では、宮廷料理人によって調理されたアーレンスバッハの魚料理が振る舞われた。

  • 最初に出されたツァンベルズッペは魚をポメと薬草で煮込んだスープであったが、食材を煮た後の煮汁を全て捨てるというユルゲンシュミットの伝統的な調理法で作られていたため、魚のうまみが完全に失われており、ローゼマインを深く落胆させた
  • 次に出されたフィッケンは白身魚をバターで焼いたムニエルのような料理であり、バターの風味と魚の味がしっかり残っていたため、久しぶりの海の魚の味にローゼマインは感激した
  • 故郷の味に飢えていたアウレーリアにはうまみの逃げたツァンベルズッペが喜ばれた一方で、バターたっぷりのフィッケンは体調に合わず食べられなかったことが後から報告された

塩焼きへの執着と神殿での料理研究

ローゼマインはシンプルな塩焼きを最も楽しみにしていたが、料理人に塩焼きを注文したところ、出てきたのは柑橘系の果汁が効いたレモン風味のムニエルであった。

  • 宮廷料理人に文句を言うこともできず、人を介した指示出しの限界を痛感したローゼマインは、城よりも自由に指示が出せる神殿で魚料理の研究をすることを決意した
  • 彼女は魚の出汁をきちんと取ればスープもおいしくなると主張し、残った魚の切り身だけでなく、出汁に必要なアラも時を止める魔術具に入れて神殿へ持ち帰るようリーゼレータに命じた

まとめ

アーレンスバッハの魚料理は、ローゼマインの食に対する貪欲さと執念を浮き彫りにするエピソードである。ユルゲンシュミットの伝統的な調理法によるうまみの喪失に嘆きながらも、おいしい魚料理を追求して神殿での独自の料理研究へと繋げていく彼女の逞しい行動力がユーモラスに描かれている。

領地内の印刷業拡大

物語における領地内の印刷業拡大について解説する。ローゼマインの主導のもと、ハルデンツェルやグレッシェル、さらにはライゼガングへと印刷工房が広がり、次年度の貴族院での本格的な販売に向けた準備が進められる過程が描かれている。

各地への印刷工房の広がりと役割

  • ハルデンツェルではエルヴィーラ達が執筆する恋物語の印刷が行われ、圧倒的な人気と売り上げを誇っている
  • 新たに印刷業を始めるグレッシェルはまだ独自の原稿を持つ者がいないため、ローゼマインが集めた他領の物語や騎士物語などを印刷することになった
  • ライゼガングでもプランタン商会と印刷協会や植物紙協会の契約が結ばれたが、エーレンフェストの食糧庫として農業が最優先されるため、冬の手仕事という副業の扱いに留まっている

プランタン商会との委託販売と輸送費問題

  • ローゼマイン工房以外の本が増えるため、他領への販売窓口となるプランタン商会と各ギーベ達の間で委託販売の条件交渉が行われた
  • 荷物を運ぶ際の輸送費や損傷の可能性について議論され、転移陣を使える貴族と馬車等を使う平民とではコストが異なり、距離によっても委託料が変わることが確認された
  • 輸送コストの削減を見据え、ローゼマインは少ない魔力で使える省エネモードの転移陣の改良研究をアーレンスバッハの文官見習いライムントに進めさせており、下級貴族でも問題なく本を送れることが実験で証明された

領主一族の関与と次年度への布石

  • 印刷業や情報収集が領地全体の事業となったため、ローゼマイン一人で抱え込まず、ヴィルフリートやシャルロッテの文官達も仕事に加わるようになった
  • 次年度の貴族院での販売に向けて、成績に直結する聖典絵本はまだ広めず、他領の興味を引く騎士物語や恋物語を中心に売り出す方針が固められた
  • 領主会議に向けて、ディッター勝負で得たダンケルフェルガーの歴史本を出版する権利について協議が行われ、これを元に他領との契約の叩き台を作ることが決められた

まとめ

領地内の印刷業拡大は、ローゼマイン個人の事業からエーレンフェスト全体を巻き込む重要な領地産業へと発展している。各地の特色を活かした工房の展開や、輸送コスト削減に向けた魔術具の研究、そして領主一族の側近を挙げた体制づくりなど、他領への本格的な販路拡大を見据えた着実な歩みが描かれている。

貴族院からの帰還

物語における貴族院からの帰還について解説する。ローゼマインが貴族院からエーレンフェストへ戻った直後の出来事や、夕食会での領地対抗戦の報告、そして来年に向けた祈念式や情報販売の準備を進める過程が描かれている。

帰還の出迎えと新たな側近

  • ローゼマインが転移陣でエーレンフェストへ帰還すると、祖父のボニファティウスが興奮して出迎えたが、カルステッド達に制止されたため、彼女は安全を考慮して彼の指だけを握って移動した
  • 自室に戻ったローゼマインは、新たに名を受けた文官見習いのローデリヒを城で留守番をしていた側近達に紹介し、彼が騎士寮で暮らすことや文官仕事を学ぶことを伝えた

兄妹とのお茶会とメルヒオールの洗礼式

  • ローゼマインはヴィルフリートとシャルロッテとお茶会を行い、メルヒオールの部屋が北の離れに準備されていることを知らされた
  • メルヒオールの洗礼式が春を寿ぐ宴で行われることが確認され、ローゼマインが神殿長として祝福を行うことになった

夕食会での報告と来年の領地対抗戦

  • 夕食会にはボニファティウスやフェルディナンドも同席し、領地対抗戦や表彰式での襲撃、騎士見習い達の活躍について語られた
  • ボニファティウスは来年の領地対抗戦には自分が同行し、フェルディナンドを留守番にすべきだと主張した
  • しかし、常識がずれていて何をするかわからないローゼマインの体調管理にはフェルディナンドが不可欠であるため、ヴィルフリートやジルヴェスターはボニファティウスの提案に難色を示した

祈念式の準備と情報販売の体制

  • 間近に迫る祈念式に向けての準備が話し合われ、洗礼式を終えたばかりのメルヒオールは魔力を扱った経験がないため、今年の参加は見送られることになった
  • 貴族院で集めた情報の販売について、フェルディナンドは次期領主であるヴィルフリートやシャルロッテも参加させるよう指示した
  • 情報販売や印刷業が領地事業となった以上、ローゼマイン一人で抱え込むのではなく、他の領主候補生やその側近にも仕事を割り振るべきだと注意されたためである

側近の力量差と仕事の共有

  • 翌日、ヴィルフリートとシャルロッテの文官達も交えて情報の仕分け作業が行われた
  • ハルトムートなら一人で終わる作業を、ヴィルフリート達は確認しながら時間をかけて進めており、側近の力量差が明確になった
  • ローゼマインが多くの仕事を抱えていることを知ったヴィルフリートとシャルロッテは、今後は自分達をもっと頼るよう彼女に求めた

まとめ

貴族院からの帰還は、エーレンフェストに戻ったローゼマインが家族との再会を喜びつつ、次なる領地事業や神事に向けて動き出す場面である。領地対抗戦の振り返りを通じて保護者達の過保護ぶりが描かれる一方で、情報販売や印刷業を領主候補生全体で共有する体制へ移行するなど、次期領主を支えるための新たな関係構築が始まる重要なエピソードとなっている。

次期領主の教育

物語における次期領主の教育について解説する。ヴィルフリートをはじめとする領主候補生たちが、神事や執務の手伝い、そして貴族院の予習を通じて、次期領主としての自覚と能力を養っていく過程が描かれている。

神事を通じた領主の自覚の芽生え

  • ヴィルフリートやシャルロッテは祈念式や収穫祭といった神事に参加し、領主一族として平民の村を回っている
  • 魔力を注いで民に感謝される経験を通じて、民を守り共に生きるという領主としての自覚と、良き領主にならねばならないという引き締まった思いを得ている
  • 一度失脚したヴィルフリートが地道な努力を重ねる姿は、ギーベ・ハルデンツェルからも評価されている

領主候補生コースの予習と実践的な魔術

  • 奉納式で貴族院を不在にするローゼマインのため、フェルディナンドによる三年生の領主候補生コースの予習が行われ、ヴィルフリートやシャルロッテも一緒に教えてほしいと参加した
  • 混ざり合っている自分の魔力から属性ごとに魔力を分ける訓練や、礎の魔術に使われる魔石と同じ箱庭の中でエントヴィッケルンの設計図を描き町を作る練習など、領主に不可欠な魔術の基礎を学んだ
  • 洗礼式を終えたばかりのメルヒオールも、邪魔をしないことを条件に見学を許可され、兄姉の姿から学ぼうとする姿勢を見せた

執務の手伝いと側近の育成

  • フェルディナンドが領主会議で呼び出され不在となった際、人手不足を補うために領主候補生とその側近たちがボニファティウスの執務を手伝うことになった
  • ボニファティウスは、次期領主となるヴィルフリートが早く仕事を覚えるための機会として活かし、各領主候補生の文官たちにも実務を経験させた
  • 次の領主会議に成人の側近を送り込めるよう、ヴィルフリートたちはエルヴィーラから印刷業の仕事を回してもらうなど、側近の育成も並行して進めている

ライゼガングとの対峙と次期領主の試練

  • 曾祖父である前ギーベ・ライゼガングをはじめ、ライゼガング系の貴族たちはアーレンスバッハの血を引くヴィルフリートを嫌い、ローゼマインを次期領主にしたいと強く望んでいる
  • ライゼガングの夏の館を訪れた際、ギーベ・ライゼガングとの話し合いで、ヴィルフリートは本を最優先するローゼマインに好きなことをさせつつ、いかにエーレンフェストの利益とするかが自分の試練だと語った
  • ヴィルフリートは前ギーベ・ライゼガングと直接対峙し、過去の歴史を繰り返すつもりはないという決意を示し、ローゼマインを第一夫人としてライゼガングの苦悩を終わらせると約束した

まとめ

次期領主の教育は、単なる座学や魔術の訓練にとどまらず、神事を通じた精神的な成長や実務経験、さらには複雑な派閥問題という現実の政治的課題への対処など、非常に実践的なものとなっている。保護者たちやローゼマインのサポートを受けながら、次世代の領主候補生たちが着実に成長していく姿が描かれたエピソードである。

ハルトムートの神官長就任

物語におけるハルトムートの神官長就任について解説する。フェルディナンドのアーレンスバッハへの婿入り決定に伴い、ハルトムートが自ら後任に立候補し、神官長としての第一歩を踏み出すまでの過程や、神殿内での強烈な決意表明の様子が描かれている。

神官長への立候補と結婚問題

領主会議の報告会においてフェルディナンドの婿入りが発表され、新たな神官長が必要となった。

  • 貴族の間で神殿への忌避感がまだ強い中、すでにローゼマインの側近として神殿に出入りし、仕事を手伝っているハルトムートが自ら立候補した
  • フェルディナンドは彼が数年後にクラリッサと結婚する予定であることを指摘したが、ハルトムートはローゼマインが成人して神殿長を退くまでの期間限定の役目であると主張した
  • ジルヴェスターは他に立候補者がいないこともあり、ハルトムートを新たな神官長に任命した

引き継ぎと勤務体制

神殿へ戻ったフェルディナンドから側仕え達へハルトムートの就任が伝えられ、神官長業務の引き継ぎが始まった。

  • ハルトムートは城での文官業務と神殿での神官長を兼任するため、基本的には貴族街から通うことになった
  • フェルディナンドが使っていた神官長室の家具や、優秀な側仕え達をそのまま引き継ぐことで、スムーズに業務を行える環境を整えた

誓いの儀式と神事への期待

神殿長室に祭壇が準備され、ハルトムートの誓いの儀式が行われた。

  • ハルトムートはローゼマインが読み上げる誓いの言葉を復唱し、青の衣と金色の帯を身にまとって祈りを捧げた
  • 神事に参加してローゼマインに同行できることを喜んだが、祈念式や収穫祭では行き先が別になると知って落胆した
  • それでも、奉納式や洗礼式では彼女の儀式中の姿を目に焼き付けられると考え直し、すぐにやる気を取り戻した

恐怖の就任式と決意表明

礼拝室に神殿関係者を全て集め、ハルトムートの就任式とお披露目が行われた。

  • ハルトムートは、ローゼマインの手を煩わせないために「全ての神官及び巫女には全力で働いてもらい、お役に立たない無駄はどんどん削ぎ落とす」と宣言した
  • この容赦のない決意表明によって前神殿長派の青色神官達は恐怖で真っ青になった
  • 一方、孤児院での挨拶では同じような言葉が好意的に受け入れられ、ハルトムート自身も満足そうな顔を見せた

まとめ

ハルトムートの神官長就任は、フェルディナンドという大きな支えを失うローゼマインにとって、実務面での穴を埋める重要な出来事である。自身の結婚を先送りにしてまで主の補佐を最優先する彼の狂信的な忠誠心と、神殿内に恐怖を敷く容赦のなさが遺憾なく発揮されたエピソードとなっている。

フェルディナンドの婚約

物語におけるハルトムートの神官長就任について解説する。フェルディナンドのアーレンスバッハへの婿入り決定に伴い、ハルトムートが自ら後任に立候補し、神官長としての第一歩を踏み出すまでの過程や、神殿内での強烈な決意表明の様子が描かれている。

神官長への立候補と結婚問題

領主会議の報告会においてフェルディナンドの婿入りが発表され、新たな神官長が必要となった。

  • 貴族の間で神殿への忌避感がまだ強い中、すでにローゼマインの側近として神殿に出入りし、仕事を手伝っているハルトムートが自ら立候補した
  • フェルディナンドは彼が数年後にクラリッサと結婚する予定であることを指摘したが、ハルトムートはローゼマインが成人して神殿長を退くまでの期間限定の役目であると主張した
  • ジルヴェスターは他に立候補者がいないこともあり、ハルトムートを新たな神官長に任命した

引き継ぎと勤務体制

神殿へ戻ったフェルディナンドから側仕え達へハルトムートの就任が伝えられ、神官長業務の引き継ぎが始まった。

  • ハルトムートは城での文官業務と神殿での神官長を兼任するため、基本的には貴族街から通うことになった
  • フェルディナンドが使っていた神官長室の家具や、優秀な側仕え達をそのまま引き継ぐことで、スムーズに業務を行える環境を整えた

誓いの儀式と神事への期待

神殿長室に祭壇が準備され、ハルトムートの誓いの儀式が行われた。

  • ハルトムートはローゼマインが読み上げる誓いの言葉を復唱し、青の衣と金色の帯を身にまとって祈りを捧げた
  • 神事に参加してローゼマインに同行できることを喜んだが、祈念式や収穫祭では行き先が別になると知って落胆した
  • それでも、奉納式や洗礼式では彼女の儀式中の姿を目に焼き付けられると考え直し、すぐにやる気を取り戻した

恐怖の就任式と決意表明

礼拝室に神殿関係者を全て集め、ハルトムートの就任式とお披露目が行われた。

  • ハルトムートは、ローゼマインの手を煩わせないために「全ての神官及び巫女には全力で働いてもらい、お役に立たない無駄はどんどん削ぎ落とす」と宣言した
  • この容赦のない決意表明によって前神殿長派の青色神官達は恐怖で真っ青になった
  • 一方、孤児院での挨拶では同じような言葉が好意的に受け入れられ、ハルトムート自身も満足そうな顔を見せた

まとめ

ハルトムートの神官長就任は、フェルディナンドという大きな支えを失うローゼマインにとって、実務面での穴を埋める重要な出来事である。自身の結婚を先送りにしてまで主の補佐を最優先する彼の狂信的な忠誠心と、神殿内に恐怖を敷く容赦のなさが遺憾なく発揮されたエピソードとなっている。

アーレンスバッハの来訪

物語におけるアーレンスバッハの来訪について解説する。フェルディナンドの婚約者であるディートリンデと、その母ゲオルギーネが結婚前の交流を名目にエーレンフェストを訪れた際の出来事や、両領地の思惑、そして予期せぬ急な帰還までの展開が描かれている。

歓迎の宴と求婚の魔石

  • 夏の盛りをやや過ぎた頃、ゲオルギーネとディートリンデの一行がエーレンフェストに到着し、歓迎の宴が開かれた
  • 宴ではディートリンデから求婚の魔石が捧げられ、フェルディナンドは貴族院時代に作っていた全属性の魔石を返礼として差し出した
  • フェルディナンドが聖典を引用した詩的な甘い言葉で誠意を装ったため、ディートリンデや周囲の女性たちは彼が多大な苦労をして準備したのだと完全に騙された
  • 一方、フェルディナンドが相手の属性すら調べずに既存の魔石を使い回したという不誠実な本音を知るローゼマインは、完全に騙されているディートリンデを見て複雑な思いを抱いていた

フェルディナンドの館での交流と髪飾りの注文

  • フェルディナンドはディートリンデを自身の館に招き、外聞を考慮してローゼマインやヴィルフリート、シャルロッテ、メルヒオールたちも同席させた
  • お茶会の中で、ディートリンデの側仕えであるマルティナが姉のアウレーリアとの面会を望んだが、ヴィルフリートは機密上の理由からきっぱりと断った
  • ギルベルタ商会が到着すると、ディートリンデは念願だった自身の好みに合わせた髪飾りを注文し、大いに満足した
  • その間、フェルディナンドは婚約者との交流を避け、ライムントたちを連れて図書室へ引きこもり、魔術具の研究談義を行っていた

急な帰還とグラオザムの館への滞在

  • 滞在の途中でアウブ・アーレンスバッハが倒れたという火急の知らせが届き、ゲオルギーネとディートリンデは予定を早めて急遽アーレンスバッハへ帰還することになった
  • 帰路の馬車移動の疲れからディートリンデが体調不良を訴えたため、ゲオルギーネの判断により、側近と護衛を一人ずつに絞ってグラオザムの館に立ち寄り、休息を取ることになった
  • 館ではグラオザムがゲオルギーネを主と仰ぐような恭しい態度で迎え入れており、二人の間に不穏な繋がりがあることが示唆された

まとめ

アーレンスバッハの来訪は、婚約を周囲に印象付ける表向きの華やかな社交の裏で、両領地の警戒と駆け引きが交錯するエピソードである。フェルディナンドの完璧な作り笑いによる対応や、ゲオルギーネと旧ヴェローニカ派であるグラオザムとの結びつきが浮き彫りになり、今後の波乱を予感させる展開となっている。

第四部 貴族院の自称図書委員7レビュー
第四部 貴族院の自称図書委員
本好きの下剋上 全巻まとめ
第四部 貴族院の自称図書委員9レビュー

登場キャラクター

エーレンフェスト領主一族

ボニファティウス

ジルヴェスターの伯父であり、元騎士団長である。ローゼマインを溺愛している。

・所属組織、地位や役職
 エーレンフェスト領主一族。
・物語内での具体的な行動や成果
 領主会議の期間中に領主代行として執務を行った。騎士見習い達の指導にあたっている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 引退しているため公式の場には出ないが、護衛としてアーレンスバッハの歓迎の宴に同席した。

ジルヴェスター

エーレンフェストの領主である。ローゼマインの養父である。

・所属組織、地位や役職
 エーレンフェスト領主一族。アウブ・エーレンフェスト。
・物語内での具体的な行動や成果
 領主会議でフェルディナンドの婿入りを拒否した。しかし王命により承諾せざるを得なくなった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 フェルディナンドの結婚が王命で決まったことに激怒し、彼から事情を聞き出した。

フロレンツィア

ジルヴェスターの第一夫人である。ローゼマインの養母である。

・所属組織、地位や役職
 エーレンフェスト領主一族。第一夫人。
・物語内での具体的な行動や成果
 メルヒオールに魔力の扱いを教えた。ゲオルギーネ達の来訪に備えて情報収集の要請を受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 メルヒオールの神殿出入りに条件を出して段階的な許可を与えた。

フェルディナンド

ローゼマインの後見人である。神官長を務めている。

・所属組織、地位や役職
 エーレンフェスト領主一族。神官長。
・物語内での具体的な行動や成果
 王命によりアーレンスバッハのディートリンデと婚約した。ローゼマインに領主候補生コースの予習を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 アダルジーザの実と呼ばれる出生の秘密を持つ。ディートリンデの卒業後にアーレンスバッハへ婿入りすることが決まった。

ヴィルフリート

ローゼマインの婚約者である。次期領主として育てられている。

・所属組織、地位や役職
 エーレンフェスト領主一族。領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
 ライゼガングの夏の館を訪問し、前ギーベと対峙した。領主会議中は留守番をして魔力供給を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 過去の白の塔の事件により、一部のライゼガング系貴族から反発を受けている。

ローゼマイン

本を愛する主人公である。神殿長を務めている。

・所属組織、地位や役職
 エーレンフェスト領主一族。領主候補生。神殿長。
・物語内での具体的な行動や成果
 魔力の塊を溶かすためユレーヴェに浸かった。フェルディナンドの婿入りを聞き、彼を助けに行くと宣言した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 春を寿ぐ宴で最優秀者として表彰された。多くの流行や事業を主導し、領地内外で影響力を強めている。

シャルロッテ

ローゼマインの妹である。姉を慕っている。

・所属組織、地位や役職
 エーレンフェスト領主一族。領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
 直轄地の祈念式へ出発した。フェルディナンドの館で図書室と応接間の扉を開放する案を出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 他領から多数の縁談の申し込みがあった。

メルヒオール

ローゼマインの弟である。洗礼式を終えたばかりである。

・所属組織、地位や役職
 エーレンフェスト領主一族。領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
 春を寿ぐ宴で洗礼式を行い、五神の御加護を得た。ローゼマインの祝福を受けて北の離れに移った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 将来はメルヒオールが神殿長を引き継ぐ予定である。

エーレンフェストの貴族・側近・騎士

ノルベルト

ジルヴェスターの筆頭側仕えである。

・所属組織、地位や役職
 ジルヴェスターの側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
 領主夫妻が帰還したことをメルヒオールに報告した。領主会議中は貴族院に滞在した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ザルクレヒト

メルヒオールの教育係である。フレーベルターク出身である。

・所属組織、地位や役職
 フロレンツィアの側近。メルヒオールの筆頭側仕え予定。
・物語内での具体的な行動や成果
 メルヒオールに社交の作法を指導した。フレーベルタークの様子についてジルヴェスターに尋ねた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 政変の際にエーレンフェストへ逃れてきた。

ギード

フェルディナンドの側仕えである。

・所属組織、地位や役職
 フェルディナンドの側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
 フェルディナンドの指示を受けて長椅子の注文準備に向かった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

カルステッド

エーレンフェストの騎士団長である。ローゼマインの実父である。

・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの貴族。騎士団長。
・物語内での具体的な行動や成果
 ライゼガングへ向かうローゼマイン達の護衛として同行した。フェルディナンドが王命を受けた際に事情を聞き出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

エルヴィーラ

カルステッドの第一夫人である。印刷業の責任者である。

・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
 ライゼガングの夏の館で印刷業に関する最終確認を行った。ハルトムートを補佐として領主会議に出席した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

エックハルト

フェルディナンドの護衛騎士である。アンゲリカの元婚約者である。

・所属組織、地位や役職
 フェルディナンドの側近。護衛騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
 主の命令に従い、アーレンスバッハへの同行を決意した。それに伴いアンゲリカとの婚約を解消した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ランプレヒト

ヴィルフリートの護衛騎士である。アウレーリアの夫である。

・所属組織、地位や役職
 ヴィルフリートの側近。護衛騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
 妊娠中の妻アウレーリアのため、時を止める魔術具で料理を運ぶ手はずを整えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ユストクス

フェルディナンドの側仕えである。情報収集に長けている。

・所属組織、地位や役職
 フェルディナンドの側近。側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
 アウブ・アーレンスバッハの体調に関する情報を集めてきた。主の命令に従いアーレンスバッハへの同行を決意した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

リヒャルダ

ローゼマインの筆頭側仕えである。

・所属組織、地位や役職
 ローゼマインの側近。筆頭側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
 ローゼマインの期間限定側近の提案を咎め、保護者達と話し合うよう指示した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ブリュンヒルデ

ローゼマインの上級側仕え見習いである。

・所属組織、地位や役職
 ローゼマインの側近。上級側仕え見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
 妹のベルティルデを側近候補としてローゼマインに紹介した。ディートリンデの髪飾りの注文を取り仕切った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ベルティルデ

ブリュンヒルデの妹である。

・所属組織、地位や役職
 エルヴィーラの下で訓練中。
・物語内での具体的な行動や成果
 子供部屋でローゼマインに挨拶し、将来仕えることを望んでいると伝えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ローゼマインの側近候補として教育されている。

ユーディット

ローゼマインの護衛騎士見習いである。

・所属組織、地位や役職
 ローゼマインの側近。中級護衛騎士見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
 弟のテオドールを側近候補として紹介したが、根回し不足をリヒャルダに叱られた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

テオドール

ユーディットの弟である。

・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの子供。
・物語内での具体的な行動や成果
 ギーベ・キルンベルガに仕えたいという夢を語った。貴族院期間中のみの護衛騎士としてローゼマインに勧誘された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ハルトムート

ローゼマインの上級文官見習いである。

・所属組織、地位や役職
 ローゼマインの側近。上級文官見習い。神官長。
・物語内での具体的な行動や成果
 フェルディナンドの後任として神官長に立候補した。就任式で無駄を削ぎ落とす宣言を行い、青色神官たちを震え上がらせた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 領主会議後に新しい神官長に就任した。

オティーリエ

ローゼマインの側仕えである。ハルトムートの母である。

・所属組織、地位や役職
 ローゼマインの側近。側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
 お茶会の準備を行った。前ギーベ・ライゼガングが倒れた際にお茶を淹れ直した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

コルネリウス

ローゼマインの護衛騎士である。レオノーレと婚約している。

・所属組織、地位や役職
 ローゼマインの側近。上級護衛騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
 春を寿ぐ宴で優秀者として表彰された。ユレーヴェ作成の際に手順確認の助手を務めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 成人したため見習いではなく一人前の騎士として扱われる。

レオノーレ

ローゼマインの護衛騎士見習いである。コルネリウスと婚約している。

・所属組織、地位や役職
 ローゼマインの側近。上級護衛騎士見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
 春を寿ぐ宴で優秀者として表彰された。ライゼガングの夏の館へ護衛として同行した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

マティアス

旧ヴェローニカ派の騎士見習いである。

・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの騎士見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
 春を寿ぐ宴で優秀者として表彰された。独自で必死に魔力を圧縮し、成績を伸ばしている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

トラウゴット

ボニファティウスの孫である。

・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの騎士見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
 アンゲリカの条件を満たすためにボニファティウスに鍛えられることになった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 過去にローゼマインの護衛騎士を辞任している。

ニコラウス

ボニファティウスの孫である。

・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの子供。
・物語内での具体的な行動や成果
 アンゲリカの婚約者候補として名が挙がったが、年が離れすぎていると却下された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ローデリヒ

ローゼマインの中級文官見習いである。

・所属組織、地位や役職
 ローゼマインの側近。中級文官見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
 ローゼマインの側近として騎士寮へ入り、仕事を学び始めた。ライゼガングへ同行した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

フィリーネ

ローゼマインの下級文官見習いである。

・所属組織、地位や役職
 ローゼマインの側近。下級文官見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
 転移陣の実験で下級貴族でも使えるかどうかを確認した。ライゼガングへ同行した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ダームエル

ローゼマインの下級護衛騎士である。

・所属組織、地位や役職
 ローゼマインの側近。下級護衛騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
 シャルロッテが子供部屋を運営した際に的確な指示で助けた。執務手伝い中に横領らしき金の流れを発見した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 魔力の成長は止まったが、今後もローゼマインの護衛騎士として重用される。

アンゲリカ

ローゼマインの中級護衛騎士である。

・所属組織、地位や役職
 ローゼマインの側近。中級護衛騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
 エックハルトのアーレンスバッハ同行に伴い、彼との婚約を解消した。魔剣シュティンルークを用いて魚を見事に解体した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 次の婚約者を探すことになった。

イグナーツ

ヴィルフリートの側近である。

・所属組織、地位や役職
 ヴィルフリートの側近。中級文官見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
 ヴィルフリートと共にライゼガングについて色々と調査を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

モーリッツ

子供部屋の教育に関わる者である。

・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
 本の販売日についてプランタン商会と連絡を取り合うよう指示された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ラザファム

フェルディナンドの側仕えである。

・所属組織、地位や役職
 フェルディナンドの側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
 アーレンスバッハへ向かうフェルディナンドから、貴族街の館と残す荷物の管理を命じられた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 かつてヴェローニカから嫌がらせの一環として付けられたが、名を捧げて信用を得た。

エーレンフェストのギーベ

ギーベ・ハルデンツェル

ハルデンツェルの領主である。エルヴィーラの兄である。

・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストのギーベ。
・物語内での具体的な行動や成果
 城での販売会に関する打ち合わせに参加した。ヴィルフリートの領主としての心構えを評価した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ギーベ・グレッシェル

グレッシェルの領主である。

・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストのギーベ。
・物語内での具体的な行動や成果
 城での販売会に関する打ち合わせに参加した。ローゼマインから物語の印刷を提案されて快諾した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ギーベ・ライゼガング

ライゼガングの領主である。

・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストのギーベ。
・物語内での具体的な行動や成果
 プランタン商会と印刷業に関する契約を結んだ。ローゼマインに次期領主になる意思がないか確認した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

前ギーベ・ライゼガング

ギーベ・ライゼガングの祖父である。ヴェローニカを深く憎んでいる。

・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
 ローゼマインを次期領主にしようと目論んでいる。彼女から次期領主を辞退する宣言を受けて倒れた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

グラオザム

旧ヴェローニカ派の貴族である。

・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストのギーベ。
・物語内での具体的な行動や成果
 体調不良のディートリンデとゲオルギーネを自らの館に迎え入れた。ゲオルギーネを主と仰ぐような態度を見せた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ジョイソターク子爵

過去に魔石を大口で購入していた貴族である。故人である。

・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
 商業ギルド長の調査により、過去に下町で魔石を購入していたことが判明した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

神殿・下町関係者(エーレンフェスト)

フラン

ローゼマインの神殿における筆頭側仕えである。

・所属組織、地位や役職
 神殿の側仕え。灰色神官。
・物語内での具体的な行動や成果
 ライゼガングの祈念式に同行した。フェルディナンドの館での客人対応を手伝った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ザーム

ローゼマインの神殿における側仕えである。

・所属組織、地位や役職
 神殿の側仕え。灰色神官。
・物語内での具体的な行動や成果
 フェルディナンドの館での客人対応を手伝った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

モニカ

ローゼマインの神殿における側仕えである。

・所属組織、地位や役職
 神殿の側仕え。灰色巫女。
・物語内での具体的な行動や成果
 リーゼレータから貴族らしい髪のまとめ方を教わった。ユレーヴェに浸かるローゼマインの着替えを手伝った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ニコラ

ローゼマインの神殿における側仕えである。

・所属組織、地位や役職
 神殿の側仕え。灰色巫女。
・物語内での具体的な行動や成果
 アーレンスバッハの魚料理のレシピを受け取り、理解するよう指示された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ギル

ローゼマインの神殿における側仕えである。

・所属組織、地位や役職
 神殿の側仕え。灰色神官。
・物語内での具体的な行動や成果
 ライゼガングのフルースの町でグーテンベルク達の滞在準備を指揮した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

フリッツ

ローゼマインの神殿における側仕えである。

・所属組織、地位や役職
 神殿の側仕え。灰色神官。
・物語内での具体的な行動や成果
 ハルトムートの誓いの儀式に向けて祭壇の準備を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ヴィルマ

孤児院の灰色巫女である。

・所属組織、地位や役職
 孤児院の責任者。灰色巫女。
・物語内での具体的な行動や成果
 ハルトムートの就任挨拶の日程調整を行った。コンラートの成長について報告した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

カンフェル

神殿の青色神官である。

・所属組織、地位や役職
 神殿の青色神官。
・物語内での具体的な行動や成果
 フェルディナンドから仕事を振り分けられていると言及された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

フリターク

神殿の青色神官である。

・所属組織、地位や役職
 神殿の青色神官。
・物語内での具体的な行動や成果
 フェルディナンドから仕事を振り分けられていると言及された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ディルク

孤児院の子供である。

・所属組織、地位や役職
 孤児院の子供。
・物語内での具体的な行動や成果
 ルッツを通じて下町の子供達と交流を始めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

コンラート

孤児院の子供である。

・所属組織、地位や役職
 孤児院の子供。
・物語内での具体的な行動や成果
 冬の間に文字と簡単な計算を覚えた。下町の子供から良い影響を受けている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

エラ

ローゼマインの専属料理人である。

・所属組織、地位や役職
 専属料理人。平民。
・物語内での具体的な行動や成果
 アーレンスバッハの魚を下処理し、様々な料理に仕上げた。フェルディナンドの館へ貸し出された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

フーゴ

ローゼマインの専属料理人である。

・所属組織、地位や役職
 専属料理人。平民。
・物語内での具体的な行動や成果
 アーレンスバッハの危険な食材の解体に苦戦した。フェルディナンドの館へ貸し出された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ベンノ

プランタン商会の関係者である。

・所属組織、地位や役職
 プランタン商会。商人。
・物語内での具体的な行動や成果
 ライゼガングで印刷協会や植物紙協会に関する契約を結んだ。クラッセンブルクの商人を受け入れ枠から減らすよう提案した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

マルク

プランタン商会の関係者である。

・所属組織、地位や役職
 プランタン商会。商人。
・物語内での具体的な行動や成果
 グーテンベルクとの会合に同席した。フェルディナンドから警戒の要請を受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ダミアン

プランタン商会の関係者である。

・所属組織、地位や役職
 プランタン商会。商人。
・物語内での具体的な行動や成果
 ライゼガングで印刷業の契約書を準備し、手続きを手早く終えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ルッツ

プランタン商会の関係者である。

・所属組織、地位や役職
 プランタン商会。ダルア。
・物語内での具体的な行動や成果
 下町の魔石の買取先についてフェルディナンドに説明した。フルースの町で滞在準備を指揮した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

オットー

ギルベルタ商会の関係者である。

・所属組織、地位や役職
 ギルベルタ商会。商人。
・物語内での具体的な行動や成果
 ディートリンデの髪飾りの注文を取り仕切った。トゥーリをフェルディナンドの館に同行させることを断った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

コリンナ

ギルベルタ商会の関係者である。

・所属組織、地位や役職
 ギルベルタ商会。職人。
・物語内での具体的な行動や成果
 ディートリンデの髪飾りの注文のため、フェルディナンドの館を訪問した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

トゥーリ

ローゼマインの専属の髪飾り職人である。

・所属組織、地位や役職
 専属職人。平民。
・物語内での具体的な行動や成果
 ローゼマインに普段使いと儀式用の髪飾りを納品した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 王族からの依頼をこなせるほどの腕前になっている。

ギュンター

士長である。ローゼマインの父親である。

・所属組織、地位や役職
 門番の士長。平民。
・物語内での具体的な行動や成果
 妻エーファがルネッサンスに選ばれたことを兵士達に自慢した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

エーファ

ローゼマインの母親である。

・所属組織、地位や役職
 染色職人。ルネッサンス。平民。
・物語内での具体的な行動や成果
 ローゼマインの衣装のための布を染めた。成人式で娘の姿を見守った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 努力の末にルネッサンスの称号を得た。

カミル

ローゼマインの弟である。

・所属組織、地位や役職
 平民の子供。
・物語内での具体的な行動や成果
 森で採集を始め、ルッツを通じて孤児院の子供達と交流している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ヨハン

鍛冶職人である。グーテンベルクの一員である。

・所属組織、地位や役職
 鍛冶職人。平民。
・物語内での具体的な行動や成果
 下町の井戸にポンプを設置した。ダニロの腕が上がっていることを報告した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ザック

鍛冶職人である。グーテンベルクの一員である。

・所属組織、地位や役職
 鍛冶職人。平民。
・物語内での具体的な行動や成果
 マットレスと椅子を開発し、フェルディナンドから長椅子の注文を受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ダニロ

ヨハンの弟子である。

・所属組織、地位や役職
 鍛冶見習い。平民。
・物語内での具体的な行動や成果
 グレッシェルの職人に刺激を受け、気を引き締めて仕事に取り組むようになった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

インゴ

木工職人である。グーテンベルクの一員である。

・所属組織、地位や役職
 木工職人。平民。
・物語内での具体的な行動や成果
 マットレスの椅子の木の部分を作成した。本棚用の滑車の見本を完成させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ヨゼフ

インク工房の職人である。グーテンベルクの一員である。

・所属組織、地位や役職
 インク職人。平民。
・物語内での具体的な行動や成果
 ライゼガングでの滞在場所を下町にしてほしいとローゼマインに願い出た。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ハイディ

インク工房の職人である。

・所属組織、地位や役職
 インク職人。平民。
・物語内での具体的な行動や成果
 グレッシェルの素材から新しいインクを作成した。新しい素材を求めて長期出張を楽しみにしている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

リヒト

ハッセの町長である。

・所属組織、地位や役職
 ハッセの町長。平民。
・物語内での具体的な行動や成果
 町民が冬の手仕事として印刷を手伝いたがっていることをローゼマインに報告した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

グスタフ

商業ギルド長である。

・所属組織、地位や役職
 商業ギルド長。平民。
・物語内での具体的な行動や成果
 下町の魔石の売り先について調べ、フェルディナンドに報告した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

フリーダ

オトマール商会の関係者である。

・所属組織、地位や役職
 オトマール商会。商人。
・物語内での具体的な行動や成果
 領主会議へ料理人を派遣した。新しいレシピの交換で店が活気づいていることを報告した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

イルゼ

オトマール商会の料理人である。

・所属組織、地位や役職
 料理人。平民。
・物語内での具体的な行動や成果
 ローゼマインの料理人と新しいレシピの交換を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

王族・中央関係者

トラオクヴァール

王である。マグダレーナの夫である。

・所属組織、地位や役職
 王族。王。
・物語内での具体的な行動や成果
 フェルディナンドのアーレンスバッハへの婿入りを命じた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ジギスヴァルト

第一王子である。次期王と定められている。

・所属組織、地位や役職
 王族。第一王子。
・物語内での具体的な行動や成果
 次期王に決定したことが領主会議で公表された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

アナスタージウス

第二王子である。エグランティーヌの夫である。

・所属組織、地位や役職
 王族。第二王子。
・物語内での具体的な行動や成果
 エグランティーヌと星結びの儀式を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

エグランティーヌ

アナスタージウスの妻である。

・所属組織、地位や役職
 王族。
・物語内での具体的な行動や成果
 星結びの儀式でエーレンフェストの髪飾りを使用し、注目を集めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ヒルデブラント

第三王子である。レティーツィアの婚約者である。

・所属組織、地位や役職
 王族。第三王子。
・物語内での具体的な行動や成果
 領主会議で正式にお披露目された。成人後にアーレンスバッハへ婿入りすることが決まった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 臣下として育てられている。

マグダレーナ

トラオクヴァールの第三夫人である。ヒルデブラントの母である。

・所属組織、地位や役職
 王族。第三夫人。
・物語内での具体的な行動や成果
 過去にフェルディナンドの婿入りを拒否し、現在の王に求婚したことが語られた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ダンケルフェルガー関係者

アウブ・ダンケルフェルガー

ダンケルフェルガーの領主である。

・所属組織、地位や役職
 ダンケルフェルガー領主一族。アウブ。
・物語内での具体的な行動や成果
 領主会議でアーレンスバッハと共に旧ベルケシュトックに関する話し合いを行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ジークリンデ

ダンケルフェルガーの第一夫人である。

・所属組織、地位や役職
 ダンケルフェルガー領主一族。第一夫人。
・物語内での具体的な行動や成果
 フェルディナンドの婿入りに協力するよう求めたハイスヒッツェを叱責した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ハイスヒッツェ

ダンケルフェルガーの騎士である。

・所属組織、地位や役職
 ダンケルフェルガーの騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
 フェルディナンドをエーレンフェストから救い出すため、他領にも働きかけて王に願い出た。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

レッドモンド

ダンケルフェルガーの上級貴族である。クラリッサの父である。

・所属組織、地位や役職
 ダンケルフェルガーの上級貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
 エーレンフェストに周囲との交流を持ってほしいと考えていると語られた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

クラリッサ

ダンケルフェルガーの上級貴族である。ハルトムートの婚約者である。

・所属組織、地位や役職
 ダンケルフェルガーの上級貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
 エーレンフェストに嫁ぐ予定であることが言及された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

アーレンスバッハ関係者

アウブ・アーレンスバッハ

アーレンスバッハの領主である。ゲオルギーネの夫である。

・所属組織、地位や役職
 アーレンスバッハ領主一族。アウブ。
・物語内での具体的な行動や成果
 体調不良の中、ディートリンデの婿としてフェルディナンドを強く望んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ゲオルギーネ

アーレンスバッハの第一夫人である。

・所属組織、地位や役職
 アーレンスバッハ領主一族。第一夫人。
・物語内での具体的な行動や成果
 ディートリンデと共にエーレンフェストを訪れた。帰還の途中でグラオザムの館に滞在した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ディートリンデ

アーレンスバッハの領主候補生である。

・所属組織、地位や役職
 アーレンスバッハ領主一族。領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
 王命によりフェルディナンドと婚約した。歓迎の宴で彼から魔石を受け取り喜んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

レティーツィア

アーレンスバッハの領主候補生である。ヒルデブラントの婚約者である。

・所属組織、地位や役職
 アーレンスバッハ領主一族。領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
 次期領主にするためドレヴァンヒェルから移動してきたことが語られた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ライムント

フェルディナンドの弟子である。

・所属組織、地位や役職
 アーレンスバッハの文官見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
 省エネモードの転移陣の試作品を持参した。フェルディナンドの側近に召し上げられる予定である。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

アウレーリア

ランプレヒトの妻である。

・所属組織、地位や役職
 エーレンフェストの貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
 悪阻に苦しんでおり、時を止める魔術具で運ばれたアーレンスバッハの料理を喜んで食べた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

マルティナ

ディートリンデの側仕え見習いである。アウレーリアの妹である。

・所属組織、地位や役職
 ディートリンデの側近。側仕え見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
 姉アウレーリアとの面会を望んだが、機密上の理由で断られた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ゼルティエ

ゲオルギーネの側仕えである。

・所属組織、地位や役職
 ゲオルギーネの側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
 父親が倒れたのに情が薄いとディートリンデを叱責した。実家であるグラオザムの館へ滞在するよう提案した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

フレーベルターク関係者

リュディガー

フレーベルタークの領主候補生である。メルヒオールの従兄である。

・所属組織、地位や役職
 フレーベルターク領主一族。領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
 領地を巡って神事を行い、収穫量を増やしたことが報告された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 貴族院を卒業した。

クラッセンブルク関係者

カーリン

クラッセンブルクの商人の娘である。

・所属組織、地位や役職
 プランタン商会。ダルア。
・物語内での具体的な行動や成果
 プランタン商会のダルアとして優秀な働きを見せていることが報告された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

過去の人物

ヴェローニカ

先代アウブ・エーレンフェストの第一夫人である。

・所属組織、地位や役職
 元第一夫人。
・物語内での具体的な行動や成果
 ライゼガング系の貴族やフェルディナンドを冷遇していたことが語られた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 白の塔に囚われている。

ガブリエーレ

アーレンスバッハからエーレンフェストへ輿入れした人物である。

・所属組織、地位や役職
 元領主一族。
・物語内での具体的な行動や成果
 彼女の輿入れによってライゼガングが冷遇されるきっかけとなったことが語られた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

先代アウブ・エーレンフェスト

フェルディナンドとジルヴェスターの父である。

・所属組織、地位や役職
 元アウブ・エーレンフェスト。
・物語内での具体的な行動や成果
 フェルディナンドを引き取り、ジルヴェスターを領主として支えるよう約束した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ハイデマリー

エックハルトの元妻である。

・所属組織、地位や役職
 元フェルディナンドの側近。
・物語内での具体的な行動や成果
 過去にエックハルトと結婚し、館を構えたことが言及された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

第四部 貴族院の自称図書委員7レビュー
第四部 貴族院の自称図書委員
本好きの下剋上 全巻まとめ
第四部 貴族院の自称図書委員9レビュー

展開まとめ

プロローグ

領主夫妻の帰還とメルヒオールの期待
ジルヴェスターの側仕えノルベルトの報告により領主夫妻の帰還が知らされると、メルヒオールは喜びを隠せなかった。冬の間は家族と会う機会が少なく孤独を感じていたためである。側仕えザルクレヒトの指導のもと、これを社交の練習の機会と捉え、学んだ作法を実践する決意を固めた。

両親への応対と成長の確認
メルヒオールは両親を出迎え、席へ案内し、会話を切り出すなど教えられた通りの振る舞いを実行した。ザルクレヒトの補助もあり、質問の仕方の重要性を理解する契機となった。両親はその様子に成長を感じ取り、穏やかな態度で応じた。

貴族院での出来事の共有
ジルヴェスターとフロレンツィアは、領地対抗戦や卒業式での出来事を語った。他領との交流、騎士たちの活躍、ディッターの勝負などが語られ、メルヒオールは未知の貴族院に思いを馳せた。また、他領にいる親族の存在を知り、自身の世界の狭さを自覚するに至った。

洗礼式に向けた成長と指輪の授与
自身の学習状況を報告したメルヒオールに対し、ジルヴェスターは洗礼式に向けた指輪を与えた。指輪は貴族の証であり、祝福返しの練習が課題として示された。フロレンツィアの指導により魔力の動きを体感するが、思うように扱えず不安を覚えた。

魔力操作の難しさと現実的な目標設定
ローゼマインの圧倒的な魔力の話を聞いたメルヒオールは憧れを抱くが、ジルヴェスターは特別な存在であると諭した。フロレンツィアも無理を避け段階的に習得する重要性を説き、兄姉の失敗談を交えて現実的な成長を促した。

将来の役割意識と志向
メルヒオールは将来、領主夫妻を補佐する立場になることを理解し、多くの者を守れる存在を目指すと語った。ジルヴェスターはその志を評価しつつ、表彰式での襲撃においてローゼマインのシュツェーリアの盾が学生を守った事例を挙げ、守る力の在り方を示した。

神殿への興味と出入り許可の議論
神具に興味を抱いたメルヒオールは神殿への出入りを希望し、ジルヴェスターは許可を出した。しかしフロレンツィアは未熟な段階での出入りを制限し、魔力操作や祝詞の習得を条件とした。これにより段階的な成長を前提とした許可が与えられた。

神殿観の変化とローゼマインへの憧れ
フロレンツィアは神殿に対する貴族の認識が変化していることを説明し、側近達にも受け入れを求めた。その変化の中心にローゼマインがいることを感じ取ったメルヒオールは、彼女への憧れをさらに強め、将来の対面を願いながら兄姉の帰還を待つことにした。

帰還後の夕食会

帰還直後の出迎えとボニファティウスの喜び
ローゼマインは貴族院から転移陣でエーレンフェストへ戻った。到着直後、ボニファティウスは最優秀を二年連続で取った孫娘を全力で褒めようとしたが、カルステッドとアンゲリカに制止された。ローゼマインは昨年の危険な歓迎を思い出し、身の安全を守るため、ボニファティウスの指だけを握って北の離れまで歩いた。

ローデリヒの側近入りと城での合流
自室に戻ったローゼマインは、城で留守番をしていた側近達に、新たに名を受けた文官見習いローデリヒを紹介した。ローデリヒは今後、ローゼマインの側近として騎士寮で暮らすことになり、文官の仕事はハルトムートとフィリーネから学ぶことになった。

兄妹とのお茶会とメルヒオールの話題
ローゼマインはヴィルフリート、シャルロッテとお茶会の部屋で合流した。貴族院へ行っている間にメルヒオールの部屋が北の離れに準備されていたことを聞き、彼の洗礼式が春を寿ぐ宴で行われることも確認した。ローゼマインは神殿長として祝福を行う予定であり、シャルロッテは自分の洗礼式で受けた祝福を思い出して喜んだ。

夕食会で語られた領地対抗戦の出来事
夕食会にはボニファティウスやフェルディナンドも同席した。ローゼマインは領地対抗戦、ダンケルフェルガーとのディッター、表彰式での襲撃、コルネリウスの剣舞について語った。ボニファティウスは、黒の武器が禁止されている中で騎士見習い達がローゼマインに祝福を願ったことに憤慨し、騎士としての心構えが足りないと叱責した。

来年の領地対抗戦を巡る意見の対立
ボニファティウスは来年の領地対抗戦には自分が同行し、フェルディナンドを留守番にすべきだと主張した。フェルディナンドは荒事は自分向きではないと受け流したが、ローゼマインは彼が荒事に強いことを知っており内心で反発した。ヴィルフリートやジルヴェスターは、ローゼマインの体調管理にはフェルディナンドが必要だと考え、ボニファティウス案には不安を示した。

祈念式の準備とメルヒオールの不参加
ローゼマインは来年の話を避け、目前に迫る祈念式の準備へ話題を移した。祈念式ではグーテンベルクの移動や印刷業の展開も考慮し、誰がどこへ向かうかを決める必要があった。洗礼式を終えたメルヒオールについては、まだ魔力を扱った経験がないため、祈念式への参加は翌年からと決まった。

神殿の荷物と下町関連の予定調整
ローゼマインは洗礼式用の衣装や小物を取りに神殿へ戻る必要があると考えたが、ジルヴェスターから側仕えに任せるよう指摘された。フェルディナンドもユストクスを神殿へ向かわせる予定だったため、ローゼマインの側仕えも同行することになった。さらに、プランタン商会の本の販売、魔力圧縮講義、貴族院で集めた情報の販売予定も調整された。

情報販売へのヴィルフリートとシャルロッテの参加
フェルディナンドは、貴族院で集めた情報の販売にヴィルフリートとシャルロッテも参加させるよう指示した。情報販売や印刷業が領地事業となった以上、次期領主であるヴィルフリートを外して進めるべきではなかったためである。ローゼマインは自分の趣味の延長だと考えていたが、領主夫人となる立場を踏まえ、仕事を抱え込みすぎないよう注意された。

側近達の力量差と仕事の共有
翌日、ローゼマインはヴィルフリートとシャルロッテの文官達も呼び、貴族院で集めた情報の仕分けを行った。ハルトムートなら一人で終える仕事にも、二人の側近達は確認しながら時間をかけて取り組んでおり、側近の力量差が明確になった。ローゼマインはその差をどう埋めるべきか悩みながら、各部署との情報販売にも二人を同席させた。

ローゼマインの仕事量への指摘とローデリヒの変化
情報販売の様子を見たヴィルフリートとシャルロッテは、ローゼマインが多くの仕事を抱えていたことに驚き、今後は自分達も頼るよう求めた。ローゼマインはそれを受け入れた。その後、魔力圧縮講義を受けたローデリヒは魔力酔いに苦しみながらも訓練を始め、彼がローゼマインの側近になったことは社交界にも知られるようになった。ローデリヒの父親は面会を求めたが、ジルヴェスターが対応したため、ローゼマインが直接会うことはなかった。

子供部屋とユーディットの弟

子供部屋訪問と側近候補探し
ローゼマインはプランタン商会の宣伝と、下級生から側近候補を探すために子供部屋へ向かった。ブリュンヒルデは、自分が卒業した後の上級側仕え見習い候補として妹ベルティルデを紹介したいと申し出た。

ベルティルデの紹介
ベルティルデはブリュンヒルデによく似た雰囲気を持つ少女であった。彼女は姉からローゼマインの話を聞き、将来仕えることを望んでいた。現在はエルヴィーラの下で訓練を受けており、ローゼマインの側近候補として育てられていることが示された。

テオドールの紹介と意外な辞退
ユーディットは弟テオドールを紹介した。テオドールは騎士見習いとして筋が良いとコルネリウスやアンゲリカに評価されたが、ローゼマインの側近になることは断った。彼は父と同じようにギーベ・キルンベルガに仕える騎士になりたいという夢を持っていたためである。

期間限定側近という提案
ローゼマインはテオドールの夢に強く共感し、将来を潰さない形として、貴族院にいる間だけ自分の護衛騎士を務める案を出した。テオドールはすぐには承諾しなかったが、考えてみると答えた。

リヒャルダの叱責
自室に戻ると、リヒャルダはユーディットとローゼマインを叱った。ユーディットは事前の根回しをせず弟を紹介した点を注意され、ローゼマインは思いつきで期間限定の側近という案を公言した点を叱られた。

保護者達との協議
ローゼマインは領主執務室に呼び出され、フェルディナンドから厳しく問われた。彼女は、必要な時だけ人を使うフェルディナンドのやり方を参考にしたと説明したが、フェルディナンドは自分とローゼマインの立場は違うと反論した。

側近不足とローゼマインの主張
ローゼマインは、ヴィルフリート、シャルロッテ、メルヒオールと候補が重ならず、派閥にも問題がない側近候補は少ないと訴えた。その上で、テオドールの夢を尊重したいので、ずっと仕えさせる条件なら側近にはしないと主張した。

ジルヴェスターの判断
ジルヴェスターは、貴族院期間だけの側近という案には問題もあるが、メルヒオールと側近を共有するよりは許容できると判断した。ギーベ・キルンベルガにとっても、ローゼマインの下で鍛えられた騎士見習いを後に得られる利点があると考えたためである。

今後の側近体制への懸念
フェルディナンドは、女性側近の結婚や復帰時期も考慮して側近を選ぶ必要があると忠告した。ローゼマインは将来的には考えるつもりだが、今必要なのは貴族院で動ける側近であると答えた。

テオドール側近化の条件成立
ジルヴェスターとギーベ・キルンベルガの話し合いにより、テオドールを貴族院時代だけローゼマインの側近にすることは了承された。その条件として、翌年グーテンベルクをキルンベルガへ派遣することが決まった。

プランタン商会とのお話し合い

子供部屋での本の宣伝
ローゼマインは城での販売日を控え、子供部屋でプランタン商会の本を宣伝していた。今年の目玉はアウレーリアの話をもとにしたアーレンスバッハの騎士物語であり、来年以降は貴族院で集めた他領の物語も増える見込みであった。子供達は他領の物語や貴族院の話に興味を示し、本への期待を高めていた。

プランタン商会との事前打ち合わせの必要性
ローゼマインはハルトムートに、プランタン商会との販売前の打ち合わせを文官経由で加えるよう指示した。今回の打ち合わせでは、ハルデンツェルやグレッシェルで印刷された本をプランタン商会が委託販売するための条件を整える必要があった。また、領主会議でダンケルフェルガーと印刷について話す前に、今後の方針を共有しておく必要もあった。

シャルロッテの参加とダームエルの働き
打ち合わせにはローゼマインだけでなく、ヴィルフリートとシャルロッテも参加した。シャルロッテは、ローゼマインがユレーヴェに浸かっていた間、子供部屋の運営でダームエル達が的確に分業して助けてくれたことを語った。ローゼマインはダームエルが文官仕事もできる護衛騎士であると誇り、シャルロッテもその働きに感心していた。

委託販売の条件交渉
ギーベ達とプランタン商会の話し合いでは、ローゼマイン工房以外で作られた本を売る際の委託料が議題となった。ベンノは、本を持ち込む場合、プランタン商会が取りに行く場合、城で売る場合、店で保管する場合などを想定して条件を説明した。ローゼマインは輸送費や損傷の危険を説明し、ギーベ達は料金差の理由に納得した。

今後の輸送と印刷拡大の見通し
ローゼマインは、今後印刷工房が増えた時に備え、少ない魔力で輸送できる転移陣の改良研究を進めていると説明した。ギーベ達やヴィルフリート達はその先を見据えた準備に驚いたが、ローゼマインは研究目的の本音を伏せたまま、フェルディナンドも認める弟子に任せていると述べた。これにより委託料の契約は無事にまとまった。

他領への本の展開方針
委託販売の話し合い後、ローゼマインはプランタン商会に、来年の貴族院以降に他領へ本を広げる予定を伝えた。聖典絵本は成績に直結するため広げず、騎士物語や恋物語を中心に準備する方針であった。ダンケルフェルガーの本を印刷する権利も得ているため、領主会議前に契約条件の叩き台を作る必要があった。

各地の物語と印刷工房の活用
ローゼマインは、他領に本を売るならその領地に関係する物語を入れる方が興味を引けると説明した。ハルデンツェルにはエルヴィーラ達の恋物語があり、グレッシェルにはまだ原稿が少ないため、ローゼマイン側で集めた物語を印刷してはどうかと提案した。ギーベ・グレッシェルはその提案に強く関心を示した。

グーテンベルクとカーリンの報告
ベンノは、グレッシェルの鍛冶職人が育っており、春には帰せる見込みであることを報告した。また、ザックがローゼマインの注文品を完成させたことも伝えた。さらに、クラッセンブルクの商人カーリンについて、ダルアとしての働きが優秀であり、道中の話から他領の情報も得られたと報告した。

平民から得る情報の価値
ベンノから渡された資料には、プランタン商会だけでなく、ギルド長や大店の店主達から集めた情報も整理されていた。ギーベ・グレッシェルは、ローゼマインが平民からも情報を得ていることに驚いた。ローゼマインは、商人は多方面と繋がりがあり、貴族街では得られない情報を持つことがあると説明した。

領主候補生としてのヴィルフリートの成長
平民や神事の話題から、ヴィルフリートは祈念式や収穫祭を通じて、民に感謝されることで領主としての自覚が強まると語った。ギーベ・ハルデンツェルはその言葉を聞き、民と貴族の相互依存を理解して努力すれば良き領主になれると認めた。ヴィルフリートはその評価を誇らしく受け止めた。

本の販売とアウレーリアへの贈り物
午後の本の販売では、エルヴィーラ達の恋物語が圧倒的な人気を示し、次いでアーレンスバッハの騎士物語が売れた。旧ヴェローニカ派の者達もその本を買い求めた。ローゼマインはアウレーリアへの礼として一冊購入し、ランプレヒトに贈るよう託した。ランプレヒトは妻がローゼマインの本を好んでいるため喜ぶだろうと笑い、ダームエルは妻という言葉に反応して視線を逸らした。

メルヒオールの洗礼式

神殿から届いた儀式服と孤児院の贈り物
ローゼマインはメルヒオールの洗礼式に備え、リーゼレータとブリュンヒルデに神殿から儀式服や小物を運ばせた。フランとモニカは必要な品を整え、孤児院の子供達からはパルゥの果汁が贈られた。ダームエルは、フラン達がローゼマインの体調を気にしていたことを伝えた。

洗礼式前のお茶会への招待
ローゼマインはヴィルフリートとシャルロッテから、洗礼式前にメルヒオールを紹介するためのお茶会へ招待された。シャルロッテにとって洗礼式前のお茶会は嬉しい思い出であり、ローゼマインも良い姉になるために気合を入れた。

メルヒオールとの初対面
お茶会で紹介されたメルヒオールは、青紫の髪と青い瞳を持つ穏やかな少年であった。ローゼマインは自分の方が少しだけ背が高いことに安心し、姉として振る舞えることに喜んだ。メルヒオールは教えられた通りに挨拶を行い、ヴィルフリートとシャルロッテに褒められて嬉しそうにした。

弟への親近感と下町の記憶
ヴィルフリートは、メルヒオールとローゼマインの髪色が似ていて本当の姉弟のように見えると語った。その言葉により、ローゼマインは下町にいる弟カミルを思い出した。叶わない姉弟としての交流を想像し、メルヒオールの姿にカミルを重ねた。

新しい菓子と洗礼式への不安
お茶会では、ローゼマインが持ち込んだパルゥのババロアが出された。シャルロッテには好評だったが、ヴィルフリートとメルヒオールの反応はやや控えめであり、貴族院で出すには改良が必要だと判断された。その後、洗礼式の話題となり、メルヒオールは一人で大広間を歩くことへの緊張を語った。

本好きの弟への感激
メルヒオールは、ローゼマインが作った玩具や本が好きであり、特に本が大好きだと笑顔で語った。ローゼマインは本好きの弟ができたことに激しく感動し、さらに神様の話が好きだと聞いて、神殿長の聖典まで見せようとした。リヒャルダに制止されたため、絵本にはない神様の話を語って聞かせた。

兄妹間の甘さを巡る会話
お茶会後、シャルロッテはメルヒオールにローゼマインを取られたようだと拗ねた。ヴィルフリートも自分への態度が甘くないと不満を見せたが、ローゼマインは彼への対応はむしろ甘すぎるとフェルディナンドに言われていたと返した。次期領主で婚約者でもあるヴィルフリートには、弟妹とは違う厳しさが必要だと説明した。

春を寿ぐ宴と優秀者の発表
洗礼式当日、ローゼマインは神殿長としてフェルディナンドと共に大広間へ入場した。春を寿ぐ宴では、貴族院で優秀な成績を収めた学生達が発表され、ローゼマインは最優秀者として記念品を受け取った。エーレンフェストの騎士見習い、文官見習い、側仕え見習いの成長や、他領との交流の成果も報告された。

本の販売拡大と成人の配属
ジルヴェスターは、貴族院でエーレンフェストの本に良い反応があったため、来年から本の売り出しを始めると告げた。印刷や製紙に関わるギーベ達は、その言葉に反応し、準備の重要性を意識した。続いて卒業生の披露と配属発表が行われ、コルネリウスとハルトムートは成人としてローゼマインの側近を続けることになった。

メルヒオールの洗礼式と祝福
春を寿ぐ宴の後、メルヒオールの洗礼式が始まった。ローゼマインは神殿長として魔力検査と魔力登録を行い、メルヒオールには五神の御加護があると告げた。その後、ジルヴェスターが貴族の証である指輪を贈った。

祝福返しと北の離れの新しい住人
ローゼマインはメルヒオールへ水の女神フリュートレーネの祝福を与えたが、本好きの弟への思いから少し多めの祝福になってしまった。フェルディナンドから冷たい視線を向けられたものの、メルヒオールは指輪に魔力を込めて祝福返しを成功させた。こうしてメルヒオールは洗礼式を終え、北の離れの住人となった。

アーレンスバッハのお魚料理

魚料理の約束とアウレーリアへの配慮
春を寿ぐ宴が終わり、ローゼマインは神殿へ戻る前に魚料理の約束を果たすようジルヴェスターに求めた。魚はアウレーリアが故郷を偲ぶために持ち込んだ食材であったため、ローゼマインは彼女にも食べさせたいと考えた。しかしアウレーリアは体調が悪く城へ招くのが難しかったため、時を止める魔術具で料理を届けることにした。

ランプレヒトとの相談
ローゼマインはランプレヒトにアウレーリアの体調を確認した。アウレーリアは食事も難しいほどで、正式な招待は負担になる状態であった。また、城での食事ではヴェールを外したがらない可能性も高かった。そこでローゼマインは、料理を魔術具で運ぶ方法を提案し、ランプレヒトは感謝した。

魚料理への期待とフェルディナンドの対応
ローゼマインはフェルディナンドに魚を持ってくるよう依頼した。翌朝には魚が城へ運び込まれており、ローゼマインは彼も魚料理を楽しみにしているのだと受け取った。フェルディナンドは魔力の都合とローゼマインを早く神殿へ戻すためだと否定したが、その日は城に残ることになった。

魚料理への想像と塩焼きへの憧れ
ローゼマインは魚を直接見ることはできなかったが、神殿へ持ち帰る分を残すよう頼み、自分の知る魚料理のレシピを書き出した。マリネ、ムニエル、スープ、フライなどを思い浮かべたが、最も食べたかったのはシンプルな塩焼きであった。麗乃時代の魚料理を思い出し、夕食への期待を膨らませた。

ツァンベルズッペへの落胆
夕食で最初に出された魚のスープ、ツァンベルズッペは、ユルゲンシュミット式に煮汁を捨てて作られていたため、魚の旨味もポメの味も失われていた。期待が大きかった分、ローゼマインは深く落胆した。周囲の者達も普段のスープの方がおいしいと感じており、反応は微妙であった。

フィッケンへの感動
次に出されたフィッケンは、白身魚をバターで焼いたムニエルのような料理であった。こちらは魚の味が残っており、ローゼマインは久しぶりに海の魚を味わえたことに感激した。普通においしい魚料理であること自体が貴重であり、アウレーリアへの感謝を強く抱いた。

塩焼きの失敗と料理研究への決意
ローゼマインは塩焼きを頼んだが、出てきたのは柑橘風味のムニエルであった。料理としてはおいしかったが、彼女が望んだ単純な塩焼きではなかった。城では細かな指示が伝わりにくいと考え、神殿で魚料理を研究するために、残った魚を時を止める魔術具に入れて持ち帰ることを決めた。

魚の出汁への執着
ローゼマインは、魚もきちんと出汁を取ればおいしいスープになるとフェルディナンドに訴えた。彼はローゼマインの貪欲さに呆れつつも、持ち帰ることを止めなかった。ローゼマインは魚の切り身だけでなく、出汁に必要なアラも忘れずに入れるようリーゼレータに伝えた。

アウレーリアの反応
ローゼマイン達には物足りなかったツァンベルズッペだったが、故郷の味に飢えていたアウレーリアには喜ばれた。一方で、バターたっぷりのフィッケンは体調のため食べられなかった。ローゼマインは魚料理への研究意欲をさらに強めた。

神殿への帰還とグーテンベルクとの会合

魚入り魔術具を運んで神殿へ戻ること
ローゼマインはフェルディナンドの指示により、魚の入った時を止める魔術具をレッサーバスで神殿へ運ぶことになった。魔術具は想像以上に大きく、ローゼマインはレッサーバスを大型化して神殿へ向かった。初めて神殿へ向かうローデリヒは緊張していた。

神殿への帰還と料理人への確認
神殿ではフラン達が出迎え、魚の入った魔術具は厨房へ運ばれた。ローゼマインはフーゴとエラを自室へ呼び、新しい食材について聞いた。ローデリヒは料理人を自室へ呼ぶことに驚いたが、フィリーネはローゼマインのやり方に早く慣れるよう促した。

アーレンスバッハ食材の危険性
フーゴとエラは、アーレンスバッハの食材の下処理が非常に難しかったと報告した。小魚が空を飛んで攻撃したり、石を吐き出す魚がいたり、処理方法不明の食材もあった。ローゼマインは普通の魚ではなかったことを理解しつつ、捨てずにフェルディナンドへ解体方法を尋ねることにした。

神殿の報告とグーテンベルク会合の準備
ローゼマインは留守中の報告を受け、孤児院の子供達やコンラートが順調に成長していることを知った。その後、グーテンベルクとの会合日程を決めようとしたが、フェルディナンドも同席することが判明したため、神殿側の空気が一変した。貴族区域の会議室を使い、準備も整えることになった。

マットレス搬入の調整
プランタン商会からは、完成したマットレスを運び込む日について相談があった。春は神事も多く、グーテンベルクの出発準備も必要であるため、会合と同日に搬入することになった。ローゼマインが会議室にいる間に作業を終える方が護衛上も安全だと判断された。

マットレス椅子の紹介と購入
会合当日、ベンノは寝台用マットレスに加えて、マットレスを使った椅子を紹介した。木工、鍛冶、染色、染料作りなど、グーテンベルク達が協力して作ったものであった。ローゼマインは座り心地を気に入り、寝台用マットレスと合わせて購入した。

フェルディナンドの関心と魚解体の約束
フェルディナンドはマットレスについて報告を受けていないと問いただした。ローゼマインは寝台や椅子、馬車の乗り心地改善に使えると説明した。フェルディナンドも座り心地を試して気に入り、長椅子を注文することにした。ローゼマインはその代わりに魚の解体方法を教えるよう求め、フェルディナンドは了承した。

冬の報告と文具の発展
ベンノは城での売り上げについて報告し、エーレンフェスト内では購入層が限られるため売り上げが落ちていると説明した。一方で、来年の貴族院での販路拡大に期待していた。さらに、ローゼマインが教えた文具も揃いつつあり、ローゼマインは穴あけや裁断の道具も必要だと考えた。

ポンプとインクの報告
ヨハンは下町の北から中央にかけてポンプの普及が進んでいることを報告した。ザックの工房ではマットレスのコイル作りも進み、追加注文に対応できる状態になっていた。ヨゼフはグレッシェル素材を使ったインク研究の成果を報告し、ハイディが新素材を求めて長期出張を楽しみにしていると伝えた。

ライゼガング行きの準備
ローゼマインは、春に向かう先がライゼガングであることを発表した。ヨゼフはハイディを貴族の館ではなく下町に滞在させてほしいと願い出た。ローゼマインはその方が動きやすいならば、ギーベ・ライゼガングに交渉すると答えた。

魔石を扱う店への質問
フェルディナンドは下町に魔石を扱う店があるかを尋ねた。答えに迷う職人達の中で、ルッツが発言を求め、西門近くに森で解体に失敗した魔獣の魔石を買い取る石屋があると説明した。シュミルやアイフィント、ザンツェなどの魔石が扱われると聞き、フェルディナンドは買い取られた魔石の流通先を気にした。

カーリンの様子とベンノの覚悟
ローゼマインはベンノに、クラッセンブルクの商人カーリンの様子を尋ねた。ベンノは、カーリンはダルアとして優秀だが、エーレンフェストに残されることを知らされていなかったようで、不安を見せる時があると答えた。彼女の父親が来る春の終わりから夏が正念場であり、商人の問題は商人の間で解決すると述べた。

ローゼマインの信頼
ローゼマインは、ベンノの判断と覚悟を信頼していると伝えた。その上で、自分の力が必要になれば知らせるように言った。ベンノは礼を述べたが、その態度には自分に任せておけという挑戦的な自負が見えていた。

お魚解体

魚解体への催促と準備
平民の成人式が終わると、ローゼマインは魚の解体日をフェルディナンドに毎日尋ねた。彼は鬱陶しそうにしながらも、午前中に工房で行うことを認めた。準備として護衛騎士を全員揃え、騎獣服に着替え、髪をまとめるよう命じた。

工房での解体準備
解体当日、ローゼマインは張り切って準備を整えた。工房には時を止める魔術具や頑丈な鍋が運び込まれ、護衛騎士達も集められた。レオノーレはアーレンスバッハの食用魔物について予想し、ローゼマインは塩焼きにできる魚がいるかを気にしていた。

タウナーデルの毒針処理
フェルディナンドはまず厄介なタウナーデルを取り出し、護衛騎士達に風の盾で囲ませた。タウナーデルは毒針を飛ばしたが、盾に阻まれて自分に返った。ローゼマインは毒が肉に回るのではないかと落胆し、食材ではなく素材として処理されることに不満を抱いた。

レーギッシュの解体と魔石の鱗
次に出されたレーギッシュは毒がなく、食べられる魚であった。ローゼマインが魔力を流し込むと、鱗が虹色の魔石へ変化した。彼女は装飾品に使えそうだと考えたが、フェルディナンドに貴重な全属性の魔石だと叱られた。鱗は討伐や護衛に関わった者達へ報酬として配られた。

アンゲリカの見事な切り分け
レーギッシュは死ぬと魔石になってしまうため、身を素早く切り出す必要があった。ローゼマインは三枚おろしの要領で頭を落とそうとして止められたが、アンゲリカがシュティンルークで見事に身だけを切り取った。その姿にローゼマインは強く感動した。

変わった魚達の処理
その後も、目の多い海蛇のようなメーアシュランや、ヒラメに似た魚など、奇妙な食材が次々と解体された。フェルディナンドはメーアシュランを見事に捌き、ローゼマインはその腕前にも感心した。シュプレッシュは鍋の中で爆発し、結果として魚のすり身になった。

魚料理への期待と夕食
解体した魚は、アラで出汁を取り、すり身を団子にしてスープに入れることになった。夕食では、香草焼き、フライ、塩焼きなど多くの魚料理が並び、解体に協力した騎士達にも振る舞われた。ローゼマインは、魚の出汁を使えばツァンベルズッペもおいしくなるとフェルディナンドに示した。

アーレンスバッハへの失言
魚料理に満足したローゼマインは、アーレンスバッハが欲しくなったと発言して周囲を驚かせた。本人は、いつでも魚が食べられるアーレンスバッハは良いと言いたかっただけであったが、言葉の意味が大きく違って聞こえてしまった。ハルトムートだけは肯定的に受け止めた。

念願の塩焼きとフェルディナンドへの分け前
ローゼマインは念願の塩焼きを食べ、懐かしく幸せな味を堪能した。フェルディナンドが良い匂いがすると言ったため、彼女は半分だけなら分けると応じた。フェルディナンドはそれを神殿長から神官長への下げ渡しだと受け取り、ローゼマインは複雑な気分になった。

祈念式への警告
食後、フェルディナンドはローゼマインと側近達に、次の祈念式でライゼガングに向かう際の注意を告げた。ライゼガングはローゼマインを歓迎する一方、ヴィルフリートを同じように受け入れるとは限らなかった。ローゼマインはヴィルフリートを立て、側近達もライゼガングの甘言に乗らないよう警戒することになった。

祈念式とライゼガングへの出発

ヴィルフリートの祈念式出発
ヴィルフリートは、ローゼマインより先に聖杯と魔石を持って祈念式へ出発した。騎獣で移動し、午前と午後に祈念式を行う予定であったため、ローゼマインは回復薬を準備しているか確認した。彼女は念のためランプレヒトにフェルディナンドの回復薬も持たせ、無理をさせないよう送り出した。

直轄地の祈念式同行者の選定
ローゼマインは直轄地の祈念式へ向かうにあたり、同行者を絞った。ハルトムートとコルネリウスは同行を望んだが、神事に文官は不要であり、平民の冬の館には貴族を多く受け入れる部屋がないため留守番となった。ハルトムートは代わりに徴税官の仕事を学び、収穫祭への同行を目指すことにした。

ハッセでの祈念式と小神殿の報告
ローゼマインはハッセで祈念式を行い、小神殿の運営に問題がないことを確認した。灰色神官達からは、ハッセの町民が冬の手仕事として印刷を手伝いたがっているとの報告があった。ローゼマインは、食糧備蓄や冬の閉鎖状況を考慮する必要があるため、すぐには返答できないと判断した。

神殿教室への思案
印刷を広げるなら識字率を上げる必要があると考えたローゼマインは、神殿教室の開催を本格的に検討し始めた。ハッセよりも先に、領主のお膝元であるエーレンフェストの神殿で始めるべきだと考えたが、そのための建前をどう整えるか悩んだ。

兵士達との交流と家族の話
夕食後、ローゼマインは兵士達の席へ向かい、下町の様子を尋ねた。兵士達は、ギュンターの妻エーファがローゼマインのルネッサンスに選ばれたことや、トゥーリが髪飾りを作っていることを話した。ローゼマインはエーファの布で作った服とトゥーリの髪飾りを身に着けていることを示し、兵士達を驚かせた。

カミルと孤児院の繋がり
ギュンターは、カミルが森で採集を始め、ルッツを通じて孤児院の子供達と交流していることを語った。ローゼマインは、カミルが孤児院の子供達と繋がっていると知り、喜びを感じた。コンラートやディルクの話とも結びつき、さらに詳しく聞きたいと思った。

シャルロッテへの交代と騎獣の話
直轄地の祈念式を終えた後、ローゼマインはシャルロッテと交代した。シャルロッテの騎獣は白いシュミル型で、ヴァイスに似ていた。ローゼマインは、大きさを変える練習には慣れが必要であり、回復薬を忘れないよう助言した。

ライゼガング行きの文官選び
ライゼガング行きでは、印刷関係のため文官も連れて行く必要があった。ローゼマインは、下級貴族のフィリーネや旧ヴェローニカ派のローデリヒにとって不快な場面があるかもしれないと伝えたが、二人は側近として印刷の仕事を学ぶため同行を希望した。

グーテンベルクの出発準備
ライゼガングへの出発日には、グーテンベルク達が仕事道具を持ち寄り、レッサーバスへ積み込んだ。ザックはマットレスの評判や工房の盛り上がりを報告し、ヨハンは弟子ダニロの成長や本棚用の滑車について話した。長期出張によって後続の職人達も育っていることが示された。

城での集合とライゼガングへの警戒
城にはハルデンツェルへ向かうフェルディナンド達と、ライゼガングへ向かう印刷関係者達が集まっていた。ジルヴェスターは、ライゼガングがアーレンスバッハの血を引くヴィルフリートとシャルロッテにとって油断できない土地であると語り、ローゼマインに二人の矢面に立つよう頼んだ。

ヴィルフリートへの厳しい忠告
フェルディナンドは、ライゼガングはローゼマインを次期領主に望む者が多い土地であり、ヴィルフリートにとって敵地に近いと警告した。最終確認が順調だったことを楽観するヴィルフリートに対し、彼等が失点を見せるはずがないと厳しく諭した。

ローゼマインの励まし
落ち込むヴィルフリートに、ローゼマインはフェルディナンドの言葉は心配しているからこそだと伝えた。自分がライゼガングで矢面に立つよう言われていることも明かし、ヴィルフリートを安心させようとした。彼女が自分に任せるよう胸を叩くと、ヴィルフリートは少し不安そうにしながらも笑顔を取り戻した。

ギーベ・ライゼガング

ライゼガングへの到着
ローゼマイン達はレッサーバスでライゼガングへ向かった。直轄地の祈念式から続けて護衛に入ったアンゲリカは、休暇中もボニファティウスに稽古をつけてもらっていた。道中では騎士達の話を聞きながら進み、季節の違いで緑の少ないライゼガングの景色を見下ろした。

小聖杯の受け渡し
夏の館に到着したローゼマインは、ギーベ・ライゼガングに小聖杯を渡した。神殿長としての役目を終えた後、フラン達には離れの準備を命じ、ブリュンヒルデにはグレッシェル以外の土地を見るため同行させた。

フルースの町の視察
ローゼマイン達は、グーテンベルクが滞在するフルースの町へ案内された。フルースは農業中心の町であり、グレッシェルの下町とは違って汚れや臭いが目立たなかった。ブリュンヒルデは土地ごとの違いを実感し、グレッシェルに活かす必要を感じた。

印刷業の位置付け
ライゼガングでは、印刷業は農業の副業として行われる予定であった。ヴィルフリートは事前にライゼガングについて調べており、農業を最優先する土地柄を説明した。ローゼマインはその準備ぶりを評価した。

グーテンベルクの滞在準備
グーテンベルク達は冬の館に荷物を運び込み、ルッツとギルの指示で掃除と準備を始めた。ローゼマインは、滞在中の食事はフーゴが用意すると伝えた。その後、契約に必要なベンノとダミアンだけを連れて夏の館へ戻った。

印刷協会と植物紙協会の契約
夏の館では、ギーベ・ライゼガングとエルヴィーラを中心に印刷業の最終確認が行われた。ベンノは、印刷業を冬の手仕事程度にするなら投資と利益が釣り合わないのではないかと確認した。ギーベは金銭だけが投資判断の基準ではないと答え、契約は予定通り結ばれた。

ギーベの問いかけ
平民が退出した後、ギーベ・ライゼガングはローゼマイン本人の考えを聞きたいと申し出た。彼は、領主の地位を望める位置にありながら、なぜ手を伸ばさないのかを遠回しに問いかけた。ローゼマインは、自分は領主の地位を必要としていないと答えた。

ヴィルフリートを領主に相応しいとする理由
ギーベは、ローゼマインこそ領主に相応しいと考えていたが、ローゼマインはヴィルフリートの方が相応しいと明言した。ヴィルフリートは一度失敗を経験し、努力して這い上がることを知っており、神事を通じて民を守る領主としての意識を得たためであった。

本のために生きるローゼマイン
ローゼマインは、自分が本のために生きており、紙作りも印刷も領地のためではなく本を増やすために始めたものだと説明した。ヴィルフリートは、そのローゼマインの望みを領地の利益へ変えることこそ次期領主の試練だと述べ、ライゼガングにも協力を求めた。

ライゼガングの歴史と曾祖父の執念
ギーベは、ライゼガングが長く冷遇されてきた歴史と、曾祖父がヴェローニカやアーレンスバッハへの憎しみに囚われている事情を語った。ローゼマインの登場はライゼガングの復権と受け止められたが、ヴィルフリートとの婚約により、曾祖父は過去の再現を恐れているのだった。

ヴィルフリートの姿勢
ギーベは、曾祖父の憎しみを取り払えるかとヴィルフリートに問うた。ヴィルフリートは、できるかどうかはわからないが、会って話すしかないと答えた。彼は過去のような歴史を繰り返すつもりはないと示した。

舞台を失ったライゼガング
ローゼマインは、ライゼガングでハルデンツェルのような祈念式を行わないのか尋ねた。ギーベは、長い歴史の中で本拠地を移してきたため、舞台を失っていると説明した。ただし南に位置するライゼガングでは、春を呼ぶ魔法陣がなくても農業への影響は小さく、小聖杯があれば食糧庫としての役目を果たせると述べた。

曾祖父様のお見舞い

曾祖父様を訪ねる前の確認
ローゼマインは、コルネリウス、レオノーレ、ブリュンヒルデ、ハルトムートが同じ曾祖父の血を引いていることに気付いた。側近達は、ローゼマインが次期領主を目指さないことに不満はなく、彼女が望む道を進めるよう補佐する姿勢を示した。

ヴィルフリート達との合流
ローゼマインはヴィルフリートとシャルロッテに合流した。二人は、前ギーベ・ライゼガングの怒りをどう解くべきか悩んでいた。ローゼマインは、自分には良案などなく、次期領主になるつもりはないと自分の言葉で伝えるしかないと考えていた。

曾祖父様との対面
曾祖父様は寝込んでいると思われたが、きちんと着替えて椅子に座っていた。彼はローゼマインの来訪を大袈裟に喜んだが、ヴィルフリートとシャルロッテは視界に入っていないかのように扱った。ローゼマインが指摘すると、目が見えにくいと述べて挨拶した。

和やかなお茶会と無視されるヴィルフリート
お茶会では、ローゼマインのレシピやフーゴの料理によってライゼガングの食事が向上したことが語られた。シャルロッテも季節の果汁を使ったカトルカールを提案し、和やかな空気が生まれた。しかしヴィルフリートが話し始めると、曾祖父様は聞こえないかのように反応しなかった。

次期領主辞退の宣言と卒倒
ローゼマインは曾祖父様に、自分は次期領主にならず、なりたくもないと明言した。すると曾祖父様は奇声を上げてテーブルに伏せた。側仕えはいつものことだと落ち着いており、ローゼマイン達は狼狽したが、曾祖父様はしばらくして意識を戻した。

倒れながら続く説得
曾祖父様は話が進むたびに何度も倒れたが、側仕え達は止めなかったため、ローゼマイン達は細切れに話を続けた。ローゼマインは、ヴィルフリートとの婚約は王の許可を得たものであり、曾祖父様が王の決定に異論を唱えるのかと確認した。曾祖父様は異論ではなく、ローゼマインの身を案じているだけだと答えた。

ヴィルフリートの約束
ヴィルフリートは、ローゼマインを第一夫人とし、ライゼガングの苦悩を終わらせると約束した。曾祖父様は初めて彼を正面から見据え、過去の憎悪を滲ませた。ヴィルフリートは気圧されながらも、ライゼガングと上手く付き合いたい気持ちは偽りではないと述べた。

大領地の姫への対策
曾祖父様は、大領地の姫が嫁いできた場合を問うた。ヴィルフリートは、初代ギーベ・グレッシェルと同じ立場になった場合、大領地の姫を迎える前に子供をジルヴェスターと養子縁組させ、領主候補生の身分を保証すると答えた。さらに、ジルヴェスターもそれを引き受ける覚悟があると伝えた。

静かな終わり
曾祖父様は、ジルヴェスターにも覚悟があることを知り、静かに考え込んだ。側仕えに促され、ローゼマイン達は退室した。最後に見た曾祖父様は一点を見つめたまま動かず、静かに泣いているように見えた。

領主会議のお留守番

領主会議前の準備と交渉方針
祈念式後、ローゼマインは下町の商人達やジルヴェスターと領主会議に向けた打ち合わせを重ねた。ダンケルフェルガーとの印刷交渉では、資料使用料、印刷、販売、翻訳の印税などについて、エーレンフェストが譲れない条件と交渉可能な範囲を整理した。

他領商人の受け入れ枠の調整
エーレンフェストの下町では受け入れられる商人の数に限界があり、二十商会が上限とされた。ベンノは、クラッセンブルクの商人がカーリンを置き去りにした件を踏まえ、クラッセンブルクの枠を減らしてダンケルフェルガーの枠を確保する案を出した。ローゼマインはそれをジルヴェスターに報告した。

リンシャン製法と料理人派遣の検討
ローゼマインは、取引枠を増やせない領地には、リンシャンの製法を高値で売る案を提案した。印刷と出版をエーレンフェストの主軸にするため、リンシャンは早めに手放してもよいと考えたのである。また、領主会議のもてなし用に、イタリアンレストランから料理人を派遣できることも報告した。

領主会議への出発と留守中の魔力供給
領主会議へは側仕え、騎士、文官、領主夫妻の順に出発した。ハルトムートはエルヴィーラの補佐として印刷関係の文官に加わり、ローゼマインは期待して送り出した。ジルヴェスターは出発前、ヴィルフリート達に留守中の魔力供給を任せ、メルヒオールにはやりすぎないよう注意した。

領主候補生コースの予習開始
領主夫妻が出発した後、フェルディナンドはローゼマインに三年生の領主候補生コースを先取りさせることにした。ヴィルフリートとシャルロッテも予習を希望し、メルヒオールも見学を申し出た。フェルディナンドは邪魔をすれば摘まみ出す条件で見学を許可した。

属性分離の実技
最初の課題は、混ざり合った自分の魔力から属性ごとの魔力を分けることだった。シャルロッテとヴィルフリートは魔力消耗で脱落したが、ローゼマインは指ごとに属性を分けるイメージで成功した。フェルディナンドには美しくないと評されたが、課題自体は達成した。

エントヴィッケルンの設計図課題
次の課題は、創造魔術に必要な設計図を描く練習だった。理想の部屋を設計するよう命じられ、ヴィルフリートやシャルロッテは自室をもとに描き始めた。ローゼマインは本に囲まれた書庫を思い浮かべたが、麗乃時代に本に埋もれて死んだ記憶まで思い出して悩んだ。

フェルディナンドの緊急呼び出し
昼食中、フェルディナンドは領主会議へ緊急に呼び出された。戻った後も機嫌が悪く、ボニファティウスに問われて、アーレンスバッハからディートリンデの婿に来るよう要請されたことを明かした。ジルヴェスター達はすでに断っており、フェルディナンドも神官長を続ける意志を示した。

再度の王命による呼び出しと城の負担
数日後、フェルディナンドは王に呼び出され、二日経っても戻らなかった。そのため予習は休みとなり、ローゼマインは刺繍をさせられた。彼女は本や予習を望んだが、リヒャルダに逃げ道を塞がれた。

ボニファティウスの執務手伝い
フェルディナンド不在で執務が重くなったため、ローゼマインとヴィルフリートはボニファティウスを手伝うことになった。メルヒオールも一緒にいたがったため、シャルロッテは彼に勉強をさせる形で同席させた。ローゼマインは仕事を領主候補生や側近ごとに仕分けし、護衛騎士にも文官仕事を割り振った。

側近達の仕事ぶりと横領疑惑
ローゼマインの側近達は神殿での経験により、文官だけでなく護衛騎士も書類仕事をこなした。ダームエルは書類の中に横領らしい金の流れを発見したが、証拠固めはジルヴェスター達の帰還後に行うことになった。ボニファティウス達は、ローゼマインの側近の仕事ぶりに驚いた。

ヴィルフリート側近の育成方針
ヴィルフリートは自分の側近も領主会議へ出せるように育てる必要を感じた。ローゼマインは、印刷業に関わる文官が不足しているため、エルヴィーラに鍛えてもらえばよいと提案した。これにより、来年の領主会議に向けた人材育成の方向が見えた。

ダームエルの魔力と護衛騎士としての価値
ボニファティウスは、ダームエルの魔力は中級貴族の中から下程度で頭打ちだと述べた。しかしローゼマインは、ダームエルの強さは魔力だけではなく、側近達をまとめる力にあるとして、護衛騎士から外すつもりはないと明言した。ボニファティウスは今後も鍛えると告げた。

騎士教育と貴族院の昔話
ローゼマインは、騎士見習い達が貢献度を正しく理解していないことを伝え、ボニファティウスは教育課程の見直しを考えた。その後、貴族院時代の思い出話となり、ボニファティウスは宝盗りディッターや祠を壊した話を語った。リヒャルダに昔の誤魔化しを暴露され、場は和やかな笑いに包まれた。

領主会議の報告会(二年)

領主夫妻とフェルディナンドの帰還
領主会議が終わり、ローゼマイン達は領主夫妻を転移の間で出迎えた。ジルヴェスターは無表情に近く、苛立ちを隠しきれていなかった。続いて戻ったフェルディナンドは、見事な作り笑いを浮かべており、ローゼマインは強い不安を覚えた。

ダンケルフェルガーとの交渉結果
ハルトムートは、ダンケルフェルガーとの印刷交渉について報告した。印税や翻訳の取り決めはおおむね想定内に収まり、ダンケルフェルガーの文官達は理解が早かった。一方で、第一夫人は本の筆跡やインクの付き方から印刷技術の存在に気付きかけており、ローゼマインは大領地の鋭さを恐れた。

領地順位と今後の課題
報告会で、エーレンフェストの順位は八位になったと発表された。魔力圧縮や子供達の努力により貴族院の成績は上がったが、これ以上の上昇には中央への影響力や人材育成が必要であった。ローゼマインは、優秀な人材を中央へ出すには時間がかかると見ていた。

他領との取引とリンシャン製法
今年の取引相手は中央、クラッセンブルク、ダンケルフェルガーとなった。クラッセンブルクは下町で騒動を起こしたため商会枠が減らされ、ダンケルフェルガーの枠が設けられた。また、取引できなかった領地にはリンシャンの製法や菓子のレシピが売られた。

シャルロッテとジルヴェスターへの縁談
シャルロッテには、大領地の第二夫人や第三夫人、上位中領地の第一夫人としての縁談が多数寄せられた。ジルヴェスターにも第二、第三夫人の申し込みがあり、どちらも保留となった。領地の順位上昇により、婚姻による他領との繋がりが現実的な課題になっていた。

王族関連の報告
ヒルデブラント王子のお披露目が行われ、彼は臣下として育てられていると報告された。また、アナスタージウス王子とエグランティーヌの星結びの儀式では、エーレンフェストの髪飾りが使われ、強い注目を集めた。

フェルディナンドの婚約決定
最後に、王命によりフェルディナンドとアーレンスバッハのディートリンデの婚約が決まったと発表された。ディートリンデ卒業後、フェルディナンドはアーレンスバッハへ移動し、次の領主会議で星結びを行う予定となった。ローゼマインは、以前断ったはずの話が王命で決まったことに衝撃を受けた。

神官長交代の必要性
フェルディナンドがアーレンスバッハへ移るため、神官長を退任する必要が生じた。神殿への忌避感から周囲がざわめく中、ハルトムートが神官長への就任を申し出た。彼は神殿に出入りし、神官長室の仕事にも慣れているため、自分が最適だと主張した。

ハルトムートの神官長就任
フェルディナンドは、ハルトムートが結婚予定であることを理由に懸念を示した。しかしハルトムートは、ローゼマインの補佐を最優先し、成人後にローゼマインが神殿長を退けば自分も辞任すると述べた。ジルヴェスターは他に立候補者がいないため、ハルトムートを神官長に任じた。

領主執務室への呼び出し
報告会後、ヴィルフリートとシャルロッテは印刷業の仕事を受けるためエルヴィーラのもとへ向かった。ローゼマインはフェルディナンドに事情を聞こうとしたが、同時にジルヴェスターも近付いてきた。怒りを含んだ声で、二人まとめて領主執務室へ来るよう命じられた。

私的な報告会(二年)

領主執務室での追及
ジルヴェスターは人払いをした後、フェルディナンドが自分に相談せず結婚を承諾したことを激しく問い詰めた。フェルディナンドは、王命に逆らえばエーレンフェスト全体を危険に晒すことになると述べ、ジルヴェスターの身内への甘さを批判した。

王命を受け入れた理由
フェルディナンドは、政変後のユルゲンシュミットにおいて、エーレンフェストが中央への忠誠を疑われていることを説明した。また、神殿にいる自分やローゼマインが冷遇されていると他領に見られていることも、王命を断りにくくした要因であった。

アーレンスバッハの危機
フェルディナンドは、アウブ・アーレンスバッハが長くない可能性を明かした。アーレンスバッハには成人した未婚の領主候補生が必要であり、魔力と執務経験を持つフェルディナンドが最も適任であった。旧ベルケシュトック領の問題も含め、王が早急な対応を求めた事情が示された。

ゲオルギーネへの警戒
フェルディナンドが最も重視していたのは、アウブ・アーレンスバッハ亡き後に権力を握るゲオルギーネであった。彼女の動きを抑え、エーレンフェストへ害が及ばないようにするには、アーレンスバッハ内部の情報を得られる立場が必要だった。フェルディナンドは、それが自分の役目だと判断していた。

ローゼマインの問いかけ
ジルヴェスターは納得したが、ローゼマインは領地の利益ではなく、フェルディナンド自身の望みを問いただした。フェルディナンドは一度誤魔化そうとしたが、ローゼマインに作り笑いを見抜かれ、結婚は望んでいないが目的達成には必要だと認めた。

アーレンスバッハを取るという冗談めいた本音
フェルディナンドは、ローゼマインがアーレンスバッハを欲しがっていたではないかと返した。ローゼマインは魚や本が欲しいという意味であり、領地を欲しているわけではないと反発した。やり取りの末、フェルディナンドは情報と掌握は望んでいるが、結婚自体は望んでいないと明かした。

神殿への引き継ぎ準備
フェルディナンドは、今後は神殿で引き継ぎに入るため、ローゼマインと共にしばらく神殿に籠もるとジルヴェスターに告げた。また、ジルヴェスターにも上位領地との関係を考え、望まなくても第二夫人や第三夫人を検討すべきだと忠告した。

隠し事への追及予告
執務室を出た後、ローゼマインはフェルディナンドを引き留め、神殿で二人だけで話す時間を求めた。フェルディナンドは拒もうとしたが、ローゼマインがアダルジーザの実について他者に質問するとほのめかすと、神殿に戻ってから話すと約束した。作り笑顔が消えたことで、ローゼマインは少しだけ安堵した。

選択

神殿へ戻るまでの慌ただしさ
フェルディナンドの婚約決定後、面会依頼や茶会、印刷業に関わりたい文官達からの手紙が相次ぎ、ローゼマインはすぐに神殿へ戻れなかった。エルヴィーラ達の怒りや悔しさは原稿に昇華するよう勧め、印刷業の仕事はヴィルフリートとシャルロッテの文官達へある程度任せることにした。

隠し部屋での話し合い
神殿へ戻ったローゼマインは、フェルディナンドと二人で話すため神官長室へ押しかけた。彼女はまず、フェルディナンドが向かうアーレンスバッハの現状を詳しく知りたいと求めた。フェルディナンドは、アウブ・アーレンスバッハが長くなく、ディートリンデを中継ぎ領主にし、レティーツィアを後継者として育てるために自分が必要とされていると説明した。

王命とアダルジーザの実
フェルディナンドは、今回の婚約にはエーレンフェストや自分への忠誠確認も含まれていると語った。中央では、王族の血が濃く、ローゼマインを通じてグルトリスハイトに関わっているように見える自分が危険視されていた。ローゼマインはそこからアダルジーザの実について問い、フェルディナンドが中央の離宮で育ったことを聞き出した。

フェルディナンドの出生と先代領主との約束
フェルディナンドは、アダルジーザの実が男児であれば多くが処分される存在であり、本来は洗礼式前に死んでいたはずだったと明かした。先代アウブ・エーレンフェストが時の女神のお導きとして引き取り、洗礼式を行ったことで、彼はエーレンフェストの領主一族となった。フェルディナンドは、ジルヴェスターを領主とし、自分は補佐として尽くすという先代領主との約束を守るため、エーレンフェストの領主になる道を選ばなかった。

守りたい約束への理解
ローゼマインは、フェルディナンドが本当に守りたいものは先代領主との約束だと理解した。自分も下町の家族との約束を大切にしているため、その重みを受け止め、彼を引き留める言葉を失った。フェルディナンドは、最優秀を取れば褒めるという約束を果たすように、ローゼマインを抱きしめて落ち着かせた。

助けを求める約束の要求
落ち着いたローゼマインは、フェルディナンドに苦しい時は助けを求めるよう約束してほしいと迫った。彼は、自分がローゼマインから家族や安らげる場所を奪ったのに、なぜ助けるのかと理解できない様子を見せた。ローゼマインは、フェルディナンドが自分を誰よりも大事にしてくれた存在であり、家族同然に思っているのだと怒りながら伝えた。

暴走を前提にした脅迫
ローゼマインは、フェルディナンドを助けるためならグルトリスハイトを手に入れて王になることも考えると告げた。フェルディナンドはその発想に驚き、常識を疑ったが、ローゼマインは自分が心安らかに本を読むためにはフェルディナンドも幸せでなければならないと主張した。彼女は、定期的に連絡しなければ全力で助けに行くと脅迫した。

定期連絡の約束
フェルディナンドは、ローゼマインが身内のために暴走する姿を知っているため、その矛先が自分にも向くことを理解した。彼は最悪だとこぼしながらも、定期的に手紙を書くことを約束した。ローゼマインは、フェルディナンドが不幸になれば自分が何をするかわからないと改めて告げ、彼に幸せになるか助けを求めるかの選択を迫った。

引き継ぎ

新しい神官長への引き継ぎ開始
フェルディナンドは側仕え達へ、エーレンフェストを去ることと、ハルトムートが新しい神官長になることを説明した。側仕え達は大きく動揺せず、引き継ぎに必要な書類の整理を始めた。ローゼマインは自分の仕事を増やそうとしたが、フェルディナンドはメルヒオールへの将来的な引き継ぎを見据え、青色神官への業務分担を優先すると説明した。

ハルトムートの勤務体制
ハルトムートは文官業務と神官長を兼任するため、基本的には貴族街から通うことになった。神官長室の家具や側仕えはそのまま引き継がれ、奉納式など必要な時には神殿に泊まり込む可能性も示された。フェルディナンドは、青色神官達に仕事を割り振り、神官長と神殿長がそれを確認する体制へ移す方針を示した。

アンゲリカの婚約解消の決意
昼食時、アンゲリカはエックハルトがアーレンスバッハへ同行するため、結婚して共に行くか、婚約解消して残るかを選ぶよう言われたと話した。彼女はローゼマインの護衛騎士として残ることを選んだ。婚約解消による傷を避けるため、エルヴィーラには悲恋として伝える方針が相談された。

ハルトムートの誓いの儀式
午後、神殿長室でハルトムートの誓いの儀式が行われた。ローゼマインは神具の前で誓いの言葉を述べ、ハルトムートがそれを復唱した。彼は青の衣と金色の帯を身にまとい、祈りも問題なく捧げ、新しい神官長としての第一歩を踏み出した。

神事の引き継ぎ方針
フェルディナンドは、春の成人式と夏の洗礼式ではハルトムートが青色神官として同行し、神官長の仕事を見学すると説明した。夏の成人式と秋の洗礼式では、ハルトムートが神官長として仕事を行い、フェルディナンドが確認する予定であった。祈念式や収穫祭は側仕えを付ければ領主候補生達でも対応できるとされた。

ハルトムートの落胆と再起
ハルトムートは、神官長になればローゼマインの神事に同行できると喜んだ。しかし祈念式や収穫祭ではローゼマインと別方面へ向かうため、彼女の神事を直接見られないと知って落胆した。それでも奉納式や洗礼式では見られると考え直し、やる気を取り戻した。

神官長就任式
礼拝室で、神殿内の者達を集めたハルトムートの就任式が行われた。フェルディナンドは、自身がアーレンスバッハへ向かうため、新しい神官長としてハルトムートが選ばれたと説明した。ハルトムートは、ローゼマインが神殿長を辞めるまでの任期であり、その間に神殿業務を青色神官へ引き継ぐと述べた。

恐怖の決意表明
ハルトムートは、ローゼマインの手を煩わせないため、全ての神官と巫女に全力で働いてもらい、役に立たない無駄は削ぎ落とすと宣言した。前神殿長派の青色神官達は真っ青になった。ローゼマインは自分が言わせたわけではないと内心で焦ったが、側近であるハルトムートの発言として受け止められる状況だった。

孤児院での受け止め方
ハルトムートは孤児院でも、ローゼマインのために製紙業や印刷業へ全力を尽くすよう述べた。こちらではその言葉が当然のように受け入れられ、ハルトムートは満足そうであった。こうして、とんでもない新神官長の誕生が明確になった。

話し合いと回復薬の作り方

下町の商人達への領主会議報告
ローゼマインは貴族区域の会議室で、ギルド長、フリーダ、プランタン商会、ギルベルタ商会へ領主会議の結果を報告した。今年の取引枠は中央八、クラッセンブルク六、ダンケルフェルガー六となり、料理人派遣や髪飾り、本の販売準備についても確認した。

フェルディナンドからの警戒要請
フェルディナンドは、アーレンスバッハへ婿入りすることを商人達へ伝えた。その上で、過去にローゼマインを害したのがアーレンスバッハ系の貴族であることを示し、今後は商取引や情報収集で警戒するよう求めた。下町の者達には、貴族では得にくい情報を集め、危険があればローゼマインやハルトムートへ伝える役割が期待された。

フェルディナンド不在後の不安
ベンノは、ローゼマインの教育と後援を担ってきたフェルディナンドが離れることに心細さを示した。フェルディナンドもローゼマインの言動が予測不能であることを認め、場の空気は少し和らいだ。ローゼマインは、自分の手綱を誰が取るのかという共通認識に不本意ながら反論できなかった。

髪飾りの準備と餞別
オットーは、フェルディナンドの結婚に髪飾りが必要ではないかと尋ねたが、フェルディナンドは後回しにした。話し合い後、ローゼマインは髪飾りを贈るべきだと進言したが、フェルディナンドは彼女に見繕うよう任せた。さらに、ローゼマインの分の髪飾りも餞別として注文してよいと告げた。

餞別としての故郷の味
ローゼマインは、フェルディナンドへエーレンフェストの料理を餞別として贈ることを提案した。時を止める魔術具を使い、料理を送り、空になった魔術具に魚を詰めて返してもらう案であった。フェルディナンドは魚目当てだと呆れたが、ローゼマインは故郷の味と食事の大切さを主張した。

回復薬の調合講習
フェルディナンドは、ローゼマイン、ハルトムート、コルネリウスに回復薬の作り方を教えた。ローゼマインにとって最も大変だったのは魔力調整ではなく、混ぜ続ける体力であった。それでも身体強化と調合を同時に行うことで、激マズ回復薬を作れるようになった。

素材と薬の管理
フェルディナンドは、ローゼマインの工房に五年分ほどの素材を残すと告げた。素材採集は騎士の役目として、コルネリウスに必要な素材の質や属性を覚えさせた。また、ローゼマインは薬の扱いが大雑把なため、薬の量や使用判断はハルトムートに任せるよう指示した。

他人の魔力を抜く訓練
ローゼマインは、素材に混じった他人の魔力を抜き、魔石へ移す訓練を受けた。素材本来の魔力と雑多な魔力を感知し、自分の魔力を細く流して余計な魔力を押し出していった。時間はかかったが、雑多な魔力の除去に成功した。

ユレーヴェ素材の準備
フェルディナンドは、ディッターの戦利品である貴重な素材をローゼマインのユレーヴェ用に使うと告げた。ローゼマインは躊躇したが、フェルディナンドは時間がないと促した。彼は、アーレンスバッハで自分が動きやすくなるよう、ローゼマインに領主候補生と文官コースの両方で最優秀を取るよう求めた。

ユレーヴェ用魔石の完成
ローゼマインは覚悟を決め、素材から雑多な魔力を取り除き、翌日には自分の魔力で染めて魔石を作った。季節の貴色に合わせた魔石が完成し、フェルディナンドは問題なくユレーヴェが作れると判断した。

ユレーヴェとハルトムートの成人式

ユレーヴェ作成と素材品質の違い
ローゼマインは、完成した魔石を使ってユレーヴェを作った。護衛騎士のコルネリウス、ダームエル、アンゲリカが手順確認の助手となり、シュティンルークの指示も受けながら調合を進めた。ローゼマインは素材から雑多な魔力を抜く方法を説明したが、下級貴族には魔力量の面で難しいとダームエルに指摘された。

完成直後のユレーヴェ使用への恐怖
ユレーヴェが完成すると、フェルディナンドはすぐに浸かるよう指示した。ローゼマインは、前回のように長く眠り、周囲に取り残されることを恐れて拒んだ。特に、目覚めた時にフェルディナンドがアーレンスバッハへ去っている可能性を強く怖がった。

コルネリウスの説得と四日間の眠り
コルネリウスは、魔力の塊を溶かせば突然倒れる不安が減ると説明し、ローゼマインを心配する立場からユレーヴェ使用を勧めた。ローゼマインはフェルディナンドがいなくならないことを確認し、ユレーヴェに浸かった。結果として眠っていたのは四日間で、魔力の塊は綺麗に溶けていた。

貴族院予習の継続
目覚めたローゼマインは、劇的な体調改善こそ感じなかったが、魔力の流れは改善していた。その後はフェルディナンドの指導で、エントヴィッケルン、結界調整、境界門作成、土地の区切りなど、領主候補生として必要な予習を進めた。フェルディナンドは睡眠を削りながら準備を進めており、ユストクスやエックハルトも別件で動いていた。

ハルトムートの初神事準備
春の終わりが近付き、成人式が目前となった。ハルトムートは初めて神官長候補として神事に参加することになり、既存の青色神官の儀式服を借りて臨んだ。彼は神事を楽しみにしており、ローゼマインの祝福を見たいと強く望んでいた。

成人式と下町の家族への合図
成人式では、ローゼマインが神殿長として祝福を与え、フェルディナンドが補佐した。扉の近くにはギュンターとエーファが心配そうに見守っており、ローゼマインは儀式の一部に見えるように胸を叩く合図を送った。両親に直接手を振ることはできなかったが、視線で見送った。

神官長の役目への認識
式後、ローゼマインはハルトムートに神官長の役目を確認した。ハルトムートは壇上への補助や聖典朗読などをローゼマインの世話と捉えたが、フェルディナンドは、自分の儀式中の役目の大半はローゼマインが失敗しないよう補助することだったと説明した。ローゼマインは神官長の役目が自分の世話係のようになっていた事実に衝撃を受けた。

ハルトムートへの祝福と忠誠の強さ
ハルトムートは、平民の成人式の方がローゼマインの祝福を受けられるため羨ましいと訴えた。ローゼマインは彼の働きを認め、土の女神ゲドゥルリーヒの祝福を与えた。ハルトムートは祝福を独占できたことに深く感動し、ローゼマインへの忠誠をさらに強めた。

強力だが扱いに注意が必要な側近
ハルトムートの反応に困惑したローゼマインがフェルディナンドへ助けを求めると、彼は視線を逸らした。フェルディナンドは、ハルトムートは忠誠心だけは間違いなく、使い方を誤らなければ強力な味方だと評した。一方で、誤れば大変なことになると述べ、エックハルトで経験済みだと示した。

来訪者と対策

アーレンスバッハ母娘の来訪予定
ローゼマインは夏の洗礼式を終え、次の神事が星結びの儀式であることを確認した。その中でフェルディナンドは、ゲオルギーネとディートリンデが星結びの儀式から秋までの間にエーレンフェストへ来訪すると告げた。結婚前に交流を持ちたいという名目であったが、フェルディナンドは明らかに嫌そうな反応を示した。

アウブ・アーレンスバッハの体調情報への注意
ローゼマインは、アウブ・アーレンスバッハの体調が悪いなら長期滞在は難しいのではないかと疑問を口にした。フェルディナンドは、アウブの体調不良はユストクス経由の不確定情報であり、領主交代に関わる極秘事項であるため、決して口外してはならないと釘を刺した。体調不良だけでなく、別の形で死の危険が近付くこともあると示唆したため、ローゼマインはそれ以上踏み込むことを避けた。

婚姻常識と秘密の手紙
ローゼマインは、自分の記憶にある世界では叔父と姪の結婚が禁じられていたことを話し、ユルゲンシュミットの婚姻禁忌を尋ねた。フェルディナンドは、母親の血筋が重視され、同母か異母かが大きな判断基準になると説明した。また、ローゼマインの別世界の記憶は、聖女伝説が肥大化している今は危険なので広めない方が良いと判断し、代わりに消えるインクを使った秘密の手紙で相談するように伝えた。

来訪への前向きな考え方と対策案
フェルディナンドがゲオルギーネ達の来訪を憂鬱に感じているため、ローゼマインは本や魚、研究素材を持って来てくれるかもしれないと考えれば気分が前向きになると提案した。さらに、ライムントを同行者に加えてもらう案や、フロレンツィアとエルヴィーラに情報収集を依頼する案を出した。フェルディナンドは、ゲオルギーネの目的や旧ヴェローニカ派の動向を探る必要があると考え、最終的に周囲への協力要請とアーレンスバッハへの要望をジルヴェスターに任せることにした。

アンゲリカとエックハルトの婚約破棄
星結びの前には、エックハルトとアンゲリカの婚約破棄を巡る家族会議が開かれた。アンゲリカは、エックハルトを慕っていた傷心を理由にしばらくそっとしてほしいと訴えたが、エルヴィーラは恋物語と現実は別だとして、次の婚約者探しを進めた。アンゲリカは自分より強い相手を望み、最終的にボニファティウスがトラウゴットを鍛え、無理なら自分が責任を取るという流れになった。

星結びの儀式と旧ヴェローニカ派の反応
星結びの儀式自体は問題なく終わったが、ゲオルギーネとディートリンデの来訪が発表されると、貴族達の間に動揺が広がった。旧ヴェローニカ派は、アーレンスバッハとの交流再開やフェルディナンドの婿入りを喜び、にわかに活気付いた。その反応を、首脳陣は静かに観察していた。

女性陣による情報戦の準備
エルヴィーラは、ゲオルギーネがエーレンフェストを掻き回すことに長けていると警戒し、フロレンツィアと共に迎え撃つ姿勢を示した。一方で、ローゼマインにはフェルディナンドの近くにいるよう求めた。フェルディナンドの作り笑いがディートリンデとの心の距離を広げる恐れがあるため、彼の感情を見分けられるローゼマインが補佐する必要があった。

求婚の魔石を巡る問題
エルヴィーラの指摘で、ディートリンデが求婚の魔石を持参する可能性が話題になった。ローゼマインが確認すると、フェルディナンドは貴族院時代に作った全属性の魔石を使うつもりであり、言葉も汎用的なものだった。ローゼマインとブリュンヒルデはあまりの不誠実さに困惑し、作り直しを勧めたが、フェルディナンドは忙しさを理由に拒んだ。

ディートリンデ対応への決意
フェルディナンドの婚約者対応があまりにも杜撰であったため、ローゼマインは、彼の印象が悪化しないように全力でディートリンデに対応する必要があると判断した。ブリュンヒルデ、リーゼレータ、リヒャルダ、オティーリエに協力を求め、ヴィルフリート、シャルロッテ、メルヒオールも巻き込んで、皆で楽しく過ごす場を作ることを第一目標にした。こうして、アーレンスバッハ母娘を迎える準備が着々と進められていった。

歓迎の宴

アーレンスバッハ一行の到着と警戒

夏の盛りを過ぎた頃、ゲオルギーネとディートリンデの一行がエーレンフェストへ到着した。ローゼマインは窓からその様子を見守り、ライムントの同行を確認した。前回の来訪後に白の塔事件や襲撃が起きたため、ローゼマインも護衛騎士達も強い警戒を抱いていた。

歓迎の宴への準備

歓迎の宴では、エーレンフェストの流行料理が用意された。アーレンスバッハに対してエーレンフェストの価値を示し、フェルディナンドの立場を高く見せる意図があった。領主候補生達はそろって入場することになり、ヴィルフリートは過去の失敗を踏まえて、メルヒオールに余計な発言をしないよう言い聞かせた。

フェルディナンドの社交用の顔

大広間では、フェルディナンドが結婚祝いを述べる貴族達に完璧な作り笑いで対応していた。ヴィルフリートとシャルロッテはその社交姿勢に感心したが、ローゼマインは普段の厳しい姿を知っているため、別人のような笑顔に複雑な思いを抱いた。

ゲオルギーネとディートリンデの入場

ゲオルギーネとディートリンデは薄いヴェールをまとって入場した。ゲオルギーネは女王のように堂々としており、ディートリンデは周囲に慕わしげな微笑みを向けていた。ボニファティウスはディートリンデが若い頃のヴェローニカに瓜二つだと評し、ローゼマインはフェルディナンドが平静を保てるのか心配した。

婚約の挨拶とゲオルギーネの言葉

初対面の挨拶が終わると、ゲオルギーネはフェルディナンドとディートリンデの婚姻について語った。彼女はフェルディナンドの優秀さを称えつつ、神殿に置いていたエーレンフェスト側をさりげなく非難した。ローゼマインは、前回よりもゲオルギーネが生き生きしているように感じた。

求婚の魔石の交換

ディートリンデはフェルディナンドへ魔石を捧げ、聖典の言葉を交えながら感謝を求めるような挨拶を行った。フェルディナンドは作り笑いを深めながら魔石を受け取り、代わりに全属性の魔石を差し出した。彼は詩的な言葉で喜びと決意を語り、周囲の女性達をうっとりさせた。

誠意に見せかけた魔石

ブリュンヒルデの解釈によれば、フェルディナンドの言葉は、短期間で希少な素材を集め、全属性をそろえるほど婚姻を喜んでいるという意味に聞こえるものだった。ディートリンデもその言葉に心を奪われたように感動していた。ローゼマインは本音を知っているため、周囲が完全に騙されている状況に複雑な気持ちを抱いた。

ライムントとの再会

社交の時間になると、ゲオルギーネとディートリンデ、フェルディナンドは旧ヴェローニカ派に囲まれた。ローゼマインは所在なげなライムントを見つけ、ハルトムートを通じて声をかけた。ライムントは急に同行者に加えられ、フェルディナンドの側近になる予定だと知らされて戸惑っていた。

録音魔術具の相談

ローゼマインはライムントに、フェルディナンドがアーレンスバッハで不摂生しないよう、小型の録音魔術具を作れないか相談した。ライムントは設計図や実物が必要だとしながらも、興味を示した。ローゼマインは、フェルディナンドの健康を見張る手段が必要だと考えていた。

フェルディナンドの館への招待

フェルディナンドはディートリンデを自分の館へ招くことになり、外聞を考えてローゼマインとヴィルフリートにも同席を求めた。ローゼマインはシャルロッテとメルヒオールも加えることを提案し、ディートリンデも歓迎されたことを喜んで了承した。さらにフェルディナンドは、ライムントにも館へ来るよう命じた。

歓迎の宴の終了と髪飾りの問題

歓迎の宴は無事に終わったように見えたが、翌日ローゼマインはフェルディナンドに呼び出された。ディートリンデが自分に相応しい髪飾りを自分で注文したいと望んだためである。フェルディナンドは館での時間を持たせるため、ギルベルタ商会を呼びたいと考えていた。

神殿の側仕えと料理人の貸し出し

フェルディナンドは、自分の館に客を迎えるには側仕えが足りないとして、フラン、ザーム、フーゴ、エラを貸してほしいと頼んだ。ローゼマインは了承し、一度神殿へ戻って準備を整えた。フランとザームは元フェルディナンドの側仕えとして快く引き受けた。

ギルベルタ商会への連絡

ローゼマインはギルベルタ商会に、アーレンスバッハの領主候補生が髪飾りを注文したいと連絡した。オットーは、フェルディナンドの館に未成年のトゥーリを同行させるのは避けたいとして、成人した髪飾り職人を連れて行くと申し出た。ローゼマインは、アーレンスバッハに対して家族を危険に晒さない方が良いという本音を汲み取り、その助言を受け入れた。

フェルディナンドの館

領主候補生達の訪問

ローゼマイン達領主候補生は、馬車でフェルディナンドの館へ向かった。館は城に隣接しており、到着までの時間は短かった。ローゼマインは、ほとんど使われていない大きな館を見上げ、勿体ないと感じた。

神殿の側仕えによる出迎え

館ではフランが出迎え、ヴィルフリート達は神殿の側仕えがいることに驚いた。ローゼマインは、フェルディナンドの館には常駐する者が少ないため、元側仕えであるフランやザームが手伝っていると説明した。神殿の者が働いていることはディートリンデには伏せることになった。

飾り気のない館と図書室の存在

フェルディナンドの館は白を基調とした実用的な造りで、華やかさに乏しかった。応接間で最終確認が行われ、フェルディナンドはギルベルタ商会が来たら男性陣と図書室へ移ると告げた。ローゼマインは図書室に強く反応し、自分も行きたいと訴えた。

図書室をめぐる対応方針

ブリュンヒルデ達は、婚約者との交流が目的である以上、男性陣が完全に別室へ引っ込むのはよくないと進言した。シャルロッテは、応接室と図書室の扉を開けて自由に出入りできる形にすればよいと提案した。結果として、ローゼマインは図書室に隔離した方が平和だと判断され、図書室行きを許されかけたが、入室は商談開始後に限られた。

ディートリンデの到着と菓子のもてなし

ディートリンデは女性側近達とライムントを伴って到着した。応接間では蜂蜜のカトルカールとアイスクリームが出され、ディートリンデは冷たい菓子を気に入った。彼女はこの料理人をアーレンスバッハへ連れて来るのかと尋ねたが、フェルディナンドは食材の違いやアウレーリアの前例を理由に否定した。

アウレーリアとの面会願い

マルティナは姉アウレーリアに会いたいと望んだが、ヴィルフリートはアウレーリア本人が望んでおらず、騎士団長の館にいるため機密上も面会を許可できないと断った。ディートリンデはフェルディナンドにも願ったが、フェルディナンドはランプレヒトの主がヴィルフリートであるため自分の手は及ばないと答えた。場の空気は一時険しくなった。

髪飾りの商談

ギルベルタ商会の到着によって空気は和らいだ。オットー、コリンナ、成人した髪飾り職人が現れ、ブリュンヒルデが中心となってディートリンデの好みや衣装の色を尋ねた。シャルロッテも髪飾りを注文したいと加わり、応接間は和やかな雰囲気になった。

図書室での研究談義

フェルディナンドはライムントを連れて図書室へ移り、ローゼマインも後から文官達と護衛を伴って向かった。ライムントは省エネ型の転移陣の試作品を示し、フェルディナンドは魔法陣の出来を評価した。ローゼマインは本の移送に使えるか試し、ダームエルやフィリーネの協力で下級貴族でも使える範囲を確認した。

転移陣と録音魔術具の課題

ローゼマインはライムントの転移陣を買い取りたいと申し出た。フェルディナンドは、作ったのはライムントであるため彼の魔術具として扱えばよいと認めた。続いて、フェルディナンドは録音魔術具の小型化を次の課題として示し、ライムントとハルトムートは魔法陣の構成について考え始めた。

読書に没頭したローゼマイン

フェルディナンドが読書を許すと、ローゼマインは本に没頭した。その間に髪飾りの注文は終わり、ギルベルタ商会もディートリンデも帰っていた。帰り際、フェルディナンドはヴィルフリート、シャルロッテ、ローゼマインの側仕え達の対応を称え、成長を見て安心したと述べた。

アーレンスバッハ一行の急な帰還

ローゼマイン達がディートリンデと直接会った茶会はこれだけで終わった。アーレンスバッハから火急の知らせが届き、ゲオルギーネとディートリンデは予定より早く帰ることになった。別れの挨拶でゲオルギーネは、近いうちに再会する意図を含む返答をし、愉しげに笑った。

エピローグ

急な帰還とディートリンデの不満

領主が倒れたという知らせを受け、ディートリンデとゲオルギーネの一行はアーレンスバッハへ戻るため、南へ向かっていた。ディートリンデはエーレンフェストでの滞在を惜しみ、帰れば仕事や勉強を押しつけられることを不満に思っていた。

父への薄い情と中央騎士団への反感

ゼルティエは父が倒れたのに情が薄いとディートリンデを叱ったが、ディートリンデには父に可愛がられた記憶がほとんどなかった。彼女は、アウブ・アーレンスバッハが倒れた原因は、旧ベルケシュトック関連の調査で何度も来訪した中央騎士団にあると考え、王や中央への不満を募らせていた。

ゲオルギーネの異なる認識

ゲオルギーネは、中央騎士団の調査は旧ベルケシュトックの魔獣が関わった以上やむを得ず、疑いが晴れたことで中央との繋がりも強化できたと語った。ディートリンデとは異なり、彼女は中央騎士団の来訪を収穫のある出来事として捉えていた。

失恋とフェルディナンドへの期待

ディートリンデは、春に中央騎士団の若い騎士と恋仲になったものの、領主会議でフェルディナンドとの婚約が決まったため、その恋が終わったことを思い返した。フェルディナンドの血筋や境遇には不満があったが、彼は優秀で物腰も柔らかく、自分を立ててくれる相手だと考えた。

流行と髪飾りへの満足

ディートリンデは、フェルディナンドが婿入りすれば、エーレンフェストの流行がアーレンスバッハのものになると期待した。さらに、念願だった髪飾りを手に入れられることにも満足し、アドルフィーネに見せつけられないことを残念に思った。

マルティナの報告とゲオルギーネの確認

ゲオルギーネは、フェルディナンドの館での様子や髪飾りの注文についてマルティナに尋ねた。マルティナは、館に女性の気配はなく、ローゼマイン達が招かれたのはディートリンデをもてなすためだったと報告した。ディートリンデは、自分の望み通りに立派な髪飾りを注文できたと語った。

宿泊地での不満と移動方針

一行は宿のある町に泊まったが、ディートリンデは料理や寝台の質に不満を抱き、エーレンフェストはやはり田舎領地だと見下した。翌日からは騎獣で移動し、荷物は馬車で戻す方針が決まった。

ディートリンデの体調悪化

翌朝、ディートリンデは不調を感じながらも、境界門を越えるまでは我慢しようと考えた。しかし、移動中に息苦しさや暑さを感じ、顔色の悪さをマルティナに指摘された。彼女は田舎の宿で休めなかっただけだと主張し、先へ進もうとした。

ゼルティエの提案とゲオルギーネの判断

ゼルティエは、自分の実家であるギーベの館が近くにあるため、そこで休むことを提案した。ゲオルギーネはディートリンデの体調を最優先すると言い、グラオザムへ連絡を取らせた。グラオザムは、来客中のため同行者全員は受け入れられないが、ゲオルギーネとディートリンデの部屋は用意できると答えた。

グラオザムの館への到着

ゲオルギーネは、側仕えと護衛騎士を一人ずつに絞り、他の同行者は予定通りアーレンスバッハ側の宿泊地へ向かわせた。ディートリンデは体調悪化により女性騎士の騎獣に同乗し、グラオザムの館へ向かった。館ではグラオザムがゲオルギーネを恭しく迎え、ディートリンデはその態度に、彼がゲオルギーネを主と仰いでいるような印象を受けた。

十年前の無念を晴らせ

領主会議中の交代と旧ベルケシュトック問題

ハイスヒッツェは待合室でフェルディナンドとのディッターを語っていたところ、騎士団長に交代を命じられた。領主会議では旧ベルケシュトックを中心とした強襲事件が重要議題となっており、ダンケルフェルガーはアーレンスバッハと共同管理する立場から、中央騎士団の調査や今後の対策に関わっていた。

ヒルデブラント王子とレティーツィアの婚約

会議ではヒルデブラント王子のお披露目と、レティーツィアとの婚約も大きな話題となっていた。ヒルデブラントはダンケルフェルガー出身の第三夫人の子であり、アーレンスバッハへ婿入りすることで、政変後に後継者を失ったアーレンスバッハを支える立場になると見られていた。

ディートリンデの婿候補として浮上したフェルディナンド

アウブ・アーレンスバッハは、ディートリンデの婿としてフェルディナンドを迎えたいと語った。ハイスヒッツェは、貴族院時代から全てに秀でていたフェルディナンドが神殿に押し込められていることを不遇と捉え、アーレンスバッハへの婿入りが彼を救う機会になると強く感じた。

アーレンスバッハ側の要望とハイスヒッツェの後悔

アウブ・アーレンスバッハとゲオルギーネは、フェルディナンド本人の意思を聞きたいと望んでいたが、エーレンフェスト側に阻まれていると語った。また、領地対抗戦でフェルディナンドと話す機会をダンケルフェルガーのディッターが奪った形になったため、ハイスヒッツェは自分が良縁を邪魔してしまったと後悔した。

マグダレーナの件をめぐる叱責

ハイスヒッツェはジークリンデに協力を願い出たが、かつてマグダレーナを巻き込んでフェルディナンドを救おうとした件を叱責された。当時、ハイスヒッツェ達はフェルディナンドをダンケルフェルガーに迎えようと動いたが、マグダレーナ本人の意思を確認しておらず、彼女の激怒を招いたのである。

再びフェルディナンドを救おうとする決意

ハイスヒッツェは、十年前にフェルディナンドを救えなかった無念を晴らすため、今度こそ神殿から解放したいと考えた。しかしジークリンデは個人的感傷だけでは領地を動かせないと退けたため、彼は騎士達を集め、ダンケルフェルガーとして協力するための利益を探し始めた。

説得材料の収集と周囲の協力

騎士達は、フェルディナンドがレティーツィアの教育係になれること、アーレンスバッハの魔獣討伐に役立つこと、ランツェナーヴェ交易やエーレンフェストの流行を得る機会になることなど、領地の利益につながる理由を挙げた。ハイスヒッツェは仲間達の意見を得て、ジークリンデを説得する材料を整えた。

王命による婿入り決定

ハイスヒッツェ達は、ダンケルフェルガーだけでなく他領にも働きかけ、王へ願い出た。その結果、領主会議の終わりには、王命によってフェルディナンドのアーレンスバッハへの婿入りが決まった。ハイスヒッツェは、十年前の無念を晴らすための努力が報われたと受け止めた。

十年間の変化

アーレンスバッハからの婿入り要請

フェルディナンドは領主会議中に急遽呼び出され、エックハルトとユストクスを伴って貴族院へ向かった。アーレンスバッハがフェルディナンドを婿に望み、神殿に押し込めていることを非道だと責めていると聞かされたが、フェルディナンドはローゼマインへの襲撃を理由に断り、会合を早々に切り上げた。

十年前なら喜べた話への拒絶

エックハルトは、十年前であればアーレンスバッハへの婿入りを喜んだだろうと考えた。かつてはヴェローニカの圧力から逃れられる道であったが、今はヴェローニカが白の塔に囚われ、神殿もローゼマインによって居心地の良い場所に変わっていた。フェルディナンドは領主一族として重用され、ようやく安息を得ていたため、アーレンスバッハへ向かう利はなかった。

王命による決定とエックハルトの怒り

フェルディナンドは再び貴族院へ呼び出され、強襲時の聞き取り調査を名目に王族と話し合った。その場に側近は同席できず、結果としてジルヴェスターの許可なく王命で婿入りが決まった。エックハルトは、複数領地の嘆願によってフェルディナンドが巻き込まれたことに激怒し、王を殺せば王命を取り消せるのではないかと口にしたが、フェルディナンドに短絡的だと却下された。

館で告げられた同行命令

フェルディナンドは夜、エックハルト、ユストクス、ラザファムを自分の館に呼び出した。白い繭のような名捧げの石を並べたため、エックハルトは神殿入りの時のように名を返されるのではないかと恐怖した。しかしフェルディナンドは、エックハルトとユストクスに自分と共にアーレンスバッハへ来るよう命じた。二人は主の手足となることを望み、即座に命令を受け入れた。

ラザファムに残された館の管理

ラザファムは自分も同行を願ったが、戦闘力がないため連れて行けないと告げられた。その代わり、フェルディナンドは婚約期間中、自分の館と残していく荷物の管理を命じた。ラザファムは名を返されるのではないかと怯えていたため、その命令に強い安堵を示した。

出立準備と残される荷物

フェルディナンドは調合素材の大半をローゼマインに残すつもりだと述べ、回復薬やユレーヴェの準備まで予定に入れた。エックハルトは、コルネリウス達に素材採集を教える役目を引き受けた。また、ユストクスはエックハルトに自分の館の片付けを促し、コルネリウスへ譲渡して一室を荷物の保管場所にする案を出した。

アンゲリカへの選択提示

エックハルトは、婚約者であるアンゲリカに、結婚して共にアーレンスバッハへ行くか、婚約を解消してエーレンフェストに残るかを選ばせた。コルネリウスとレオノーレは外聞や適齢期を心配したが、エックハルトはアンゲリカ本人の意思を重視した。アンゲリカは迷わず、ローゼマインの護衛騎士として残ると答えた。

主を選ぶ姿勢への理解

アンゲリカは、自分の主はフェルディナンドではなくローゼマインだと明言した。エックハルトはその潔さを好ましく思い、ローゼマインが良い臣下を持ったと感じた。さらに、ローゼマインがフェルディナンドを心配して動いていた姿を思い出し、フェルディナンドを支えようとする者が今は自分達だけではないことに気付いた。

変わったエーレンフェストと新たな希望

エックハルトは、神殿入りの頃とは違い、フェルディナンドを心配し支える者が増えたことを心強く思った。エーレンフェストは十年で変わり、フェルディナンドが安息を得られる場所になっていた。その地を離れることを残念に思いながらも、エックハルトは新たな土地でも主が穏やかに暮らせるように変えていけば良いと考え、障害を排して守ることこそ自分の務めだと決意した。

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神殿の巫女見習い

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領主の養女

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貴族院の自称図書委

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女神の化身

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ハンネローレの貴族院五年生

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本好きの下剋上 ハンネローレの貴族院五年生 3の表紙。
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