第四部 貴族院の自称図書委員5レビュー
第四部 貴族院の自称図書委員
本好きの下剋上 全巻まとめ
第四部 貴族院の自称図書委員7レビュー
読んだ本のタイトル
本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第四部「貴族院の自称図書委員Ⅵ」
著者:香月美夜 氏
イラスト:椎名優 氏
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これまでのあらすじ
注意:前の巻のをお読みの方は感想からお読み下さい。
中世ヨーロッパ風の世界が舞台。
異世界なのでファンタジー要素もある。
日本で本の虫だった女子大生が、地震で本の下敷きになって死亡。
次に目覚めたらファンタジー世界の門番兵の娘として目覚める。
貧しく、衛生面も最悪。
身体は魔力が大きいせいで貧弱。
さらに彼女の必須アイテム本が高価で手が出ない。
なら創れば良いじゃないかと、、
そんな彼女は幼馴染のルッツと共に紙作りを始める。
でも子供2人ではほとんど何もできない。
そこで、マインが開発した髪を綺麗にするリンシャン。
姉のトゥーリーの為に作った髪飾りの製法を父親の部下のツテから紹介されたべノン商会に売り、それを資金に紙作りの支援を受けて紙の量産体制に入ろうととしたら。
マインの魔力が身体を蝕み瀕死になってしまう。
生き残るためには貴族に隷属するしかない。
それを良しとせず大好きな家族と過ごす事を優先する決意したが、、
初めて神殿に行き、図書館を見付けた瞬間決意を覆して神殿の巫女見習になる事を決意。
でも平民である事がアダとなり、孤児と変わらない灰色巫女見習になる処だったが余りにも高圧的に言う貴族の神殿長にブチギレ、魔力で威圧して昏倒させ灰色巫女見習案は却下。
交代で出て来た神官長と交渉の末、貴族と同じ青色巫女見習として、通いで神殿に入る事が決まる。
第二部「神殿の巫女見習いI 神殿の巫女見習いⅡ 神殿の巫女見習いⅢ 神殿の巫女見習いⅣ」
神官長直属の神殿の青色巫女見習として神殿に通う事になったが、下町との常識が違い過ぎた。
神官長、神殿長から付けられた側仕えとの常識の擦り合わせに苦労する。
さらに神殿に着替える部屋が無いので欲しいと神官長に言ったら、孤児院の院長室を与えられたのだが、、
その孤児院の過酷な飢餓状況を知り、孤児たちに食べ物を自己の力で獲得する事を教え、さらに自身でお金を稼ぐ方法、紙作りを教える。
何気に孤児院の孤児達を本作りに巻き込み、絵を描くのが上手い灰色巫女を側仕えに追加して、遂に絵本を完成させる。
順風満帆と思ったのは束の間、神官長と共に騎士団の要請で赴いたトロンベ討伐の際に、貴族の目の前で貴族達を遥かに超える魔力を持ってる事を知られてしまい、拉致られそうになる。
それを恐れて神殿に籠っていたが、他領の貴族が神殿にまで押し入って来た。
その貴族を手引きしたのは、マインに威圧されて気絶させられた事を恨んでいる神殿長だった。
何とか撃退したのだが、、
平民が貴族を攻撃したと言われて問答無用で拘束されそうになったのだが、、
以前お忍びで来た領主に渡された、養女になる契約の印に印を付けた事によりマインは貴族になっていた。
その結果、実は領主の一族だった神殿長は公文書偽装で極刑。
マインはローゼマインとなり下町の家族と別れて領主の養女となり空席の神殿長に就任する。
第三部「領主の養女I 領主の養女Ⅱ 領主の養女Ⅲ 領主の養女Ⅳ 領主の養女Ⅴ」
貴族令嬢ローゼマインとなったが、いきなり領主の養女にはなれなかった。
上級貴族のカルステッドの第三夫人(故人)の娘という事にして、神殿で密かに育てられていた事にした。
そんな経歴を携えてローゼマインは領主の養女になった。
でも、貴族の世間は神殿とも下町とも違っており特に貴族のご婦人方と上手くやって行けるかは不安材料だったが、、
神官長フェルディナンドをダシにして、お茶会を開催してフェルディナンドの演奏リサイタルを開催。
さらに、フェルディナンドの肖像画を印刷してパンフレットを作成。
結果、貴族のご婦人方の心をガッチリ掴んで貴族社会で確固たる地盤を得る。
そして、貴族として初めての冬。
冬籠りの部屋で一緒になった子供達にマイン工房作の絵本とカルタを与えて無自覚に勉強をさせる。
それは歳上の学院生達よりも神の名前限定だが詳しくさせた、、
さらに、紙でハリセン製造、水汲みポンプ作成、アンゲリカの説教剣(cvフェルディナンド)を作成して領地への貢献も増大して行く。
そんな中、元領主候補で跡目争いの火種になるとして隣の領地に嫁いでいたゲオルギーネが、政変を利用してのし上がり暗躍し始める。
その一手が領地の発展に寄与してるローゼマイン暗殺。
暗殺は未遂に終わったが、ローゼマインは毒を盛られて、たまたま作っていた治療薬を使って治療したが2年間意識不明となってしまう。
そして目覚めたら、、
学院に行く年齢になっていた!
第四部「貴族院の自称図書委員I 貴族院の自称図書委員Ⅱ 貴族院の自称図書委員Ⅲ貴族院の自称図書委員Ⅳ 貴族院の自称図書委員Ⅴ 貴族院の自称図書委員Ⅵ 貴族院の自称図書委員Ⅶ 貴族院の自称図書委員Ⅷ 貴族院の自称図書委員Ⅸ」
学院への入学式、、
見た目が学院に入る前の子供にしか見えないローゼマインは悪目立ちした。
さらに初日で全試験合格と言う快挙を挙げ、その成果でローゼマインの図書館への情熱が暴走して、ウサギ型魔法具が再起動。
その所有権を巡って第一位の領地と模擬戦で争う事になるが罠に嵌めて撃退・・
さらに次期王位を絡めた恋愛話もあり。
ローゼマインは首を突っ込んで王位継承権問題に巻き込まれるが。。。
本人はホクホク顔w
魔道具問題で争った他領の領主候補のハンネローレを本好き友達とロックオン!
でも、年齢が大きくなった事で、ルッツたち下町の連中とは素の状態で会えなくなってしまった。
それに動揺するローゼマイン、彼女からしたら3年と思ってたのが1年で終わってしまった心境だった。
それはルッツ達も同じだった。。
でも、他の家族との温度差に悩むルッツ。
それに同調したのはギルだった。
貴族院1年生終了。
領主会議で注目が集り順位も13位→10位になる。
これから発展する下町に下水道を整備する大型魔術エントヴィッケルンの発動。
歌って踊って大恋愛をした王子の後釜に学園に入ってきた王子は8歳。
そんな彼に学院を任せないといけないほど、人材不足な王族。
そんな彼はローゼマインをシャルロッテと間違えて無邪気に近付いてしまう。
感想
2学年。
図書委員にヒルデブラント王子を巻き込んだ!
それまで閑職だった図書館に王族の後ろ盾を得たようなもの!
そんな図書館での本好き同士のお茶会で、中央の図書館を覗けるかもと王子の側近から聞かされて喜びすぎて王族と領主候補の目の前で失神。
主催してた貴族令嬢が突然の失神。
それを目の前でやられた王子の衝撃はトラウ級ww
そして目覚めたらケロッとしてるのがローゼマインクオリティー。
そんな大注目な中で、採取場を荒らすマターニスベファレン討伐で判るローゼマインの異常さ。
その時に活躍しなかった水鉄砲だったが、、
他の神具の方が注目されてしまう。
普通の貴族は神具を顕現出来ないのにサラッとやってしまう。。
ローゼマイン安定のやらかし具合ww
エピローグでそれぞれの報告書で報告者の個性的な文書とそれを読む保護者3名が頭を抱えるシーンに爆笑。
その結果、2年連続の緊急強制送還ww
3年生の時も同じなんだろうか?w
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第四部 貴族院の自称図書委員
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第四部 貴族院の自称図書委員7レビュー
考察・解説
貴族院の講義
物語における貴族院の講義について解説する。ローゼマインたち二年生の講義を中心に、座学での全員初日合格の達成や、実技における彼女の規格外の活躍が描かれている。
事前準備と座学での圧倒的な成績
エーレンフェストの二年生は、去年の講義後に昔と今の講義内容を比較し、両方を網羅できる新しい参考書を作成して一年間予習を行っていた。
- 歴史、法律、算術、神学、魔術、文学などの座学を次々と一番乗りで全員合格していく
- 特に社会学では、フラウレルムがエーレンフェストの初日合格を阻むため、昔の講義内容を出題した
- しかし、エーレンフェストはそれも勉強範囲に入れていたため見事に全員合格を果たし、彼女を酷く悔しがらせることとなった
音楽とシュタープ変形の実技
音楽の実技では、ローゼマインがいち早く課題曲を合格したが、パウリーネ先生から新曲を期待されてお茶会に招かれることになった。
- シュタープ変形の講義では、盾と武器の作成が行われた
- ローゼマインは指定された長方形の盾ではなく神具である円形のシュツェーリアの盾を作り出し、武器としてもライデンシャフトの槍を出現させて教師のルーフェンを驚愕させた
- その後、自身に合う遠距離武器として玩具の水鉄砲を作り出し、それを魔力の矢を撃ち出して分裂させる武器へと改良した
調合の実技とフェルディナンドの教育の成果
調合の実技では、回復薬、オルドナンツ、求婚用の魔石の作製が行われた。フェルディナンドからすでに高度な調合を教え込まれていたローゼマインにとって、講義内容は容易であった。
- 回復薬の調合では時間短縮の魔法陣を使用し、オルドナンツ作りでは教師の代わりにお手本を披露して見事に合格した
- 求婚用の魔石では、ヒルシュールから相手の心を打つ求愛の言葉を入れるよう要求されて苦戦するものの、無事に魔石を完成させて初日で図書館へ行く権利を得た
まとめ
貴族院の講義は、ローゼマインたちエーレンフェストの学生が事前の周到な準備によって他領を圧倒する場となっている。同時に、ローゼマインの神殿での経験やフェルディナンドからの厳しい教育の成果がいかんなく発揮され、教師や他領の学生を驚かせる舞台として機能しているのである。
シャルロッテの入学
物語におけるシャルロッテの入学について解説する。次期領主の座からは退いたものの、ローゼマインへの恩返しと兄姉の補佐という新たな役割を胸に、貴族院での一年生としての生活をスタートさせるシャルロッテの葛藤と成長が描かれている。
貴族院へ向かう決意と課された役割
シャルロッテは、貴族院へ出発する際、両親から様々な視点での情報収集と報告、そしてヴィルフリートとローゼマインの補佐に徹するよう命じられた。
- 兄姉の婚約により次期領主への道が閉ざされ、将来的にはエーレンフェストに残らない者として扱われているようで少し寂しさを感じていた
- しかし、洗礼式直後に自分を救ってくれたローゼマインへの恩返しのため、精一杯補佐を務める決意を固めて貴族院へ向かった
初めての親睦会と兄姉との実力差の痛感
初めて参加した親睦会では、ローゼマインの言葉のおかげで緊張を乗り越えることができた。
- 親睦会で出された中央の料理よりもエーレンフェストの料理の方が美味しいと感じたことで、自分が恵まれた環境にいることを実感した
- 会場では他領からの注目がリンシャンや髪飾りを発信したローゼマインに集中しており、その影響力の大きさを改めて認識した
- ハルトムートの作成した報告書を見て、上位領地や王族との交流を通じて得られる情報量の差に驚愕し、ローゼマインの実績と自らの実力差を痛感することになった
報告書作成と独自の社交の模索
兄姉との実力差を自覚しつつも、シャルロッテは自分なりに情報を集めようと努めた。
- 報告書には自分だけが知っている情報が見当たらなかったため、学年の違いを活かし、第三王子ヒルデブラントに関する情報を報告することにした
- また、祖母ヴェローニカを彷彿とさせるアーレンスバッハのディートリンデに対してどうしても苦手意識を抱いてしまうため、母フロレンツィアに対処法を相談する質問状を送ることにした
一年生の指導と座学への取り組み
講義が始まると、シャルロッテは一年生を率いて奮闘した。
- 上級生に倣って初日全員合格を目指したものの、歴史と地理で下級貴族が不合格となり、目標を逃してしまった
- しかし彼女は落ち込む一年生を励まし、今年はじっくり取り組んで高得点を目指す方針に切り替え、全員初日合格は来年の目標にするという確かなリーダーシップを発揮した
- また、ドレヴァンヒェルから初めてのお茶会に誘われて不安を抱いた際には、ローゼマインからお姉様として一緒に立ち向かうと励まされ、気丈に努力する決意を見せた
まとめ
シャルロッテの入学と貴族院での生活は、優秀な兄姉の背中を追いかけ、自身の役割と実力差に悩みながらも成長していく過程として描かれている。次期領主という目標を失いながらも、兄姉を支え、一年生のまとめ役として奮闘する彼女の健気な姿が印象的なエピソードである。
座学の全員合格
物語における「座学の全員合格」について解説する。ローゼマインたちエーレンフェストの学生が事前の周到な準備によって、他領を圧倒する成績を収める様子が描かれている。
二年生の圧倒的な成績と事前準備
エーレンフェストの二年生は、去年の講義後に昔と今の講義内容を比較し、両方を網羅できる新しい参考書を作成して一年間予習を行っていた。
- 歴史、法律、算術、神学、魔術、文学などの座学を次々と一番乗りで全員合格していく
- ドレヴァンヒェルのオルトヴィーンもエーレンフェストの連続合格に驚き、成績向上の秘密を探ろうと関心を寄せた
フラウレルムの妨害と社会学での勝利
社会学の試験では、フラウレルムがエーレンフェストの全員初日合格を阻むため、近年は行われていない昔の講義内容を出題した。
- 突然の出題範囲の変更に他領の学生はほとんど白紙で提出せざるを得なかった
- しかし、エーレンフェストは教育レベルの低下を防ぐため、昔の講義内容も勉強範囲に含めていたため、見事に全員合格を果たした
- この結果はフラウレルムを酷く悔しがらせ、オルトヴィーンにもエーレンフェストの勉強方法を参考にさせたいと言わしめた
一年生の苦戦とシャルロッテの指導
一方、シャルロッテが率いる一年生は、歴史と地理で下級貴族3人が不合格となり、初日の全員合格を逃してしまった。
- シャルロッテは、ローゼマインが行ったような睡眠時間を削る無理な詰め込み教育を避け、落ち込む一年生を励ました
- 今年はじっくりと取り組んで高得点を目指し、初日全員合格は来年の目標にするという確かなリーダーシップを発揮して一年生を導いた
まとめ
座学の全員合格は、エーレンフェストの学生たちが事前の入念な準備と領地一丸となった努力によって成し遂げた成果である。二年生が他領の嫌がらせを跳ね除けて圧倒的な成績を見せつける一方で、一年生もシャルロッテの堅実な指導のもとで着実に力をつけており、領地全体の学力底上げが証明された出来事として描かれている。
図書委員の活動
物語における図書委員の活動について解説する。ローゼマインが念願の図書委員仲間を増やし、魔力供給や図書館業務の補佐、さらには図書館運営を改善するための新たな提案など、多岐にわたる活動を展開していく様子が描かれている。
図書委員仲間の勧誘と結成
ローゼマインは、自分一人だけでなく、本やシュミルを愛する仲間を図書委員として引き入れていく。
- 音楽の実技で言葉を交わしたダンケルフェルガーの領主候補生ハンネローレが、シュバルツとヴァイスの主になりたがっていたことを知り、図書委員として勧誘し快諾を得た
- 図書館を訪れた第三王子のヒルデブラントがシュバルツ達に触れたがったため、男性でもひめさまと呼ばれる主ではなく、魔力供給の協力者としての図書委員に登録した
- 彼らにはローゼマインの側仕えが用意したお揃いの腕章が配られ、身分を超えた図書委員としての連帯感が生まれている
シュバルツ達への魔力供給と着替え
図書委員の最も重要な活動の一つが、図書館の管理を担う魔術具であるシュバルツとヴァイスへの魔力供給である。
- ローゼマインは講義を終えると図書館へ通い、彼らの額の魔石に触れて魔力を供給している
- 新たに協力者となったハンネローレやヒルデブラントも、シュバルツ達を愛でながら魔力を与える役割を担うことになった
- 図書館の執務室の奥では、ローゼマインの側仕え達が刺繍を施した新しい衣装への着替えも行われ、魔術具の維持と保護を支援している
図書館業務の補佐と新たな提案
図書委員の活動は、ソランジュの手伝いや図書館運営の改善にも及んでいる。
- 貸し出しやキャレルの管理は主にシュバルツ達が行っているが、忙しい時期には図書委員が直接返却作業などを手伝う
- 人手不足と魔力不足で動かなくなった魔術具が多い図書館の現状を知り、ローゼマインは返却期限を過ぎた本を自動で戻す魔法陣や、督促用の録音魔術具の導入を検討している
- また、借りた本を返さない下位領地の上級貴族への対策として、ヒルデブラント王子に王族の権威を利用した督促オルドナンツを送ってもらう活動も提案された
本好きのお茶会を通じた交流
図書委員の活動の一環として、図書館の執務室で本好きのお茶会が開催されている。
- ソランジュ、ハンネローレ、ヒルデブラントという図書委員仲間が集まり、貴族院の不思議話や本の話題で交流を深めている
- エーレンフェストの印刷本とダンケルフェルガーの歴史書、中央の騎士物語など、お互いの本を貸し借りすることで、読書の輪を広げる活動となっている
まとめ
図書委員の活動は、単なる図書館の手伝いや魔力供給にとどまらず、身分や領地の壁を越えた本好きたちの交流の場となっている。ローゼマインの行動によって集まった仲間たちが、それぞれの立場で図書館を支え、本を読む環境を整えていく過程が描かれているのである。
シュタープの変形
物語におけるシュタープの変形について解説する。貴族院二年生の実技講義において、自らの身を守るための盾と武器を作り出す課題が出され、ローゼマインが神具を模した変形や独自の武器を生み出す過程が描かれている。
盾の変形と神具の再現
シュタープを変形させる実技において、ルーフェンは風の魔法陣が刻まれた長方形の盾を作り出すよう指導した。
- 神殿育ちのローゼマインにとって風の盾は円形の神具であるというイメージが強かったため、四角い盾を思い浮かべることに苦戦した
- 最終的に彼女は神具そのものを模したシュツェーリアの盾を作り出すことに成功した
- フェルディナンドのお守りによる反撃と相まって教師のルーフェンを驚愕させたが、神具を再現できているとしてプリムヴェールから合格を与えられた
武器の変形とライデンシャフトの槍
武器の変形では、剣や槍、鎌、斧といった近接武器を出現させることが求められた。
- ローゼマインはハンネローレの期待に応える形で、神殿での討伐経験をもとに神具であるライデンシャフトの槍を出現させた
- 膨大な魔力を放つ青く光る槍を見たルーフェンは血相を変え、威力を試すことなく即座に合格を出して変形を解除させた
独自の武器である水鉄砲の誕生
ローゼマインは自身が近接戦闘に向かないことを自覚しており、騎獣に乗ったまま片手で遠距離攻撃ができる武器を模索した。
- 麗乃時代の記憶を頼りに日本語で水鉄砲と唱えることで、半透明で安っぽい玩具の水鉄砲を出現させることに成功した
- 新しい武器だと期待して注目したルーフェンたちの前で試射を行ったが、魔力の水が落ちて消えるだけの玩具であったため、周囲を大きく落胆させる結果となった
水鉄砲の強化と実戦への応用
ローゼマインは水鉄砲をさらに実用的な武器へと改良するための検証を行った。
- 水鉄砲の中身が水ではなく魔力であることに着目し、撃ち出した魔力が矢となって分裂するイメージを強く持った
- その結果、放たれた魔力が矢となって降り注ぐ強力な遠距離武器へと進化したが、威力が強すぎて寝台の天蓋に穴を開けてしまい、リヒャルダからひどく叱られることになった
- この強化された水鉄砲は、採集場所で威力を確認された後、ターニスベファレンの討伐において上空からの有効な攻撃手段として実戦で活躍した
紋章付きシュタープの流行
男子学生の間では、タクト状のシュタープに実家の紋章を張り付けたり立体化させたりする変形が流行していた。
- これはヴィルフリートが一年生の時に考案して広めたものであり、シュタープの変形に学生たちが独自の工夫を凝らしている様子が見て取れる
- ただし、他領へ嫁ぐ可能性のある女子生徒の間では、実家の紋章を付けることは敬遠されていた
まとめ
シュタープの変形は、教えられた基本の形を模倣するだけでなく、術者の明確なイメージと魔力によって多様な姿をとる。ローゼマインが神具の知識や別世界の記憶を組み合わせて独自の武器を生み出したことは、彼女の柔軟な発想力と魔力操作の特異さを象徴する出来事として描かれているのである。
ターニスベファレンの討伐
物語におけるターニスベファレンの討伐について解説する。ローデリヒ達の素材採集中に現れた未知の魔獣に対し、エーレンフェストの学生達が連携して立ち向かう緊迫した戦闘が描かれている。
巨大化した魔獣と救援
ローデリヒと旧ヴェローニカ派の騎士見習い達が採集場所で素材を集めていると、黒い大きな犬のような魔獣ターニスベファレンが出現した。
- 魔力を吸収して成長する特性を知らないトラウゴットが全力で攻撃した結果、魔獣は巨大化してしまった
- マティアス達が魔獣を森へ誘導して時間を稼ぐ中、知らせを受けたヴィルフリート達が救援に駆けつけた
ローゼマインの到着と闇の祝福
ターニスベファレンを倒すには闇の祝福を得た黒の武器が必要であるため、ローゼマインは祝詞を教えるべく現地へ急行した。
- ローゼマインは負傷者にルングシュメールの癒しを与えた後、騎士見習い達に闇の神の祝詞を復唱させた
- これにより全ての武器が黒く染まり、ターニスベファレンから魔力を奪いながら攻撃することが可能となった
視界封じと連携攻撃による討伐
レオノーレの指示のもと、ローゼマインは上空から水鉄砲で攻撃を試みるが、警戒する魔獣に全て避けられてしまう。
- そこでローゼマインはシュタープを闇の神のマントへと変形させ、魔獣の頭に被せて視界を塞ぎ足止めした
- その隙を突いてヴィルフリートとコルネリウスの斬撃が右後ろ足を切断した
- さらにトラウゴットとコルネリウスの連携攻撃で致命傷を与え、見事に討伐を果たした
採集場所の癒しと事後処理
討伐後、ローゼマインはフリュートレーネの杖を作り出し、魔獣に荒らされて黒い汚泥に覆われた採集場所を癒す儀式を行った。
- 魔力を注ぎ続けることで魔法陣が発動し、採集場所は草木が成長して完全に再生した
- 無理をしたローゼマインが体調を崩して帰還する直前、ルーフェンや中央騎士団が到着した
- すでに討伐と癒しが終わっていたため、中央の教師達はエーレンフェストの学生が持つ想定外の力に驚愕することとなった
まとめ
ターニスベファレンの討伐は、トラウゴットの失敗による危機的状況から始まったが、マティアスの冷静な判断やヴィルフリートの指揮、そしてローゼマインの神具を用いた支援によって見事に乗り切ることができた。エーレンフェストの学生達の連携と、ローゼマインの聖女としての規格外の力が遺憾なく発揮された重要なエピソードである。
王族との接触
物語における第三王子ヒルデブラントとの「王族との接触」について解説する。ローゼマインが意図せず王族との距離を縮め、予期せぬトラブルを引き起こして大人たちを大いに悩ませる過程が描かれている。
図書館での遭遇と協力者登録
ローゼマインたちが図書館の執務室でシュバルツとヴァイスの着替えを行っている最中、人目を避けて図書館を訪れた第三王子ヒルデブラントが偶然その場に現れた。
- 王族の遺物である魔術具はヒルデブラントが管理すべきだという側近の提案を受け、ローゼマインは主の座を譲ることにあっさりと同意する
- しかし、主になると男性であってもひめさまと呼ばれることをローゼマインが指摘すると、ヒルデブラントはこれを強く拒否した
- その結果、主の交代ではなく、名前で呼ばれつつシュバルツ達に触れることができる魔力供給の協力者(図書委員)として彼を登録することになった
本好きのお茶会と督促の依頼
ローゼマインはソランジュやハンネローレとの本好きのお茶会にヒルデブラントも招待し、図書委員の活動について話し合った。
- その中で、本を返却しない下位領地の上級貴族対策として、ローゼマインは王族であるヒルデブラントに督促のオルドナンツを飛ばしてもらうという大胆な提案を行う
- この提案に周囲は呆然としたが、当のヒルデブラントは王族らしく役に立てると嬉々として賛同した
- また、お茶会の中でローゼマインは彼にエーレンフェストの騎士物語を貸し出し、彼も頑張って読みますと喜んで受け取っている
王宮図書館への招待と昏倒
本の返礼を考えていたヒルデブラントに対し、彼の側近であるアルトゥールが王宮図書館への招待の許可を得る方が喜ばれるのではと提案した。
- その瞬間、新しい本との出会いを渇望していたローゼマインは喜びと感激のあまり魔力を暴走させ、王族の目の前で意識を失って昏倒してしまった
- 主催者であるローゼマインが突然倒れたことでお茶会は中断され、ヒルデブラントは涙ぐんで狼狽し、側近たちも混乱するという大惨事となった
大人たちの危惧と帰還命令
貴族院から届くこれらの一連の報告書を読んだジルヴェスターやフェルディナンドは、頭を抱えて唸り声を上げた。
- 王族を協力者に引き入れ、王族に督促の仕事を振り、あまつさえその目の前で失神するというローゼマインの破天荒な行動は、彼らの理解の範疇を超えていた
- 王族との接触が深まることを危険視したフェルディナンドとジルヴェスターは、これ以上の問題を防ぐため、体調不良を理由にローゼマインを直ちにエーレンフェストへ強制帰還させ、奉納式が終わるまで滞在させることを決定した
まとめ
王族との接触は、ローゼマインの図書館と本に対する情熱が、結果的に最高権力者である王族との接点を生み出してしまう皮肉な展開として描かれている。彼女の無自覚な巻き込み力と、それに翻弄される周囲の学生や大人たちの苦悩が浮き彫りとなった重要なエピソードである。
土地の癒し儀式
物語における土地の癒し儀式について解説する。ターニスベファレンの討伐によって荒れ果てた採集場所を、ローゼマインが神殿長としての力を用いて完全に再生させる過程と、それが周囲に与えた影響が描かれている。
荒廃した採集場所とフリュートレーネの杖
ターニスベファレンが暴れた採集場所は、草木が朽ち果てて黒い汚泥の池ができ、四分の一ほどが荒れ果てていた。
- 講義に差し支えないよう自ら癒しを行うことを決意したローゼマインは、シュタープを水の女神の神具であるフリュートレーネの杖へと変形させた
- そして、土地を癒すための祝詞を唱えながら両手でしっかりと杖を握り、魔力を流し込んだ
魔法陣の出現と急速な植物の成長
杖から魔力が流れ込むと、地面には採集場所全体を覆う巨大な緑色の魔法陣が浮かび上がった。
- 魔法陣の光によって黒い汚泥は蒸発するように消え去り、浄化された土から小さな芽が顔を出し始めた
- ローゼマインは講義で使える状態まで薬草を成長させるため、激しく消耗する魔力を非常に不味い回復薬で補いながら、さらに祈りと魔力を注ぎ続けた
- 地面から浮き上がった魔法陣が上昇していくのに合わせて草木は急速に伸び、採集場所は花を付ける木まで現れるほど完全に再生を果たした
限界を超えた消耗と中央の驚愕
この儀式はローゼマインにとって予想外に大量の魔力と体力を消耗するものであり、彼女は終了後に激しい体調不良に陥り、レオノーレに抱えられて寮へ帰還することになった。
- その後、現場に到着したルーフェンや中央の教師たちは、ターニスベファレンが入り込んだにもかかわらず採集場所に全く被害がないことに驚愕した
- 中央神殿の神官でも草木を完全に元通りに成長させることはできないため、ローゼマインが自ら神具を作り出して土地を癒した事実は、教師たちに規格外の力として受け止められた
疑念の種となった癒しの結果
この癒しの儀式が完璧すぎたことは、後に予期せぬ疑念を生むことになった。
- ターニスベファレンが出現したにもかかわらずエーレンフェストが全く被害を受けておらず、むしろ採集場所が豊かになっているという結果から、グンドルフらはエーレンフェストがターニスベファレンを用いて何らかの実験を行っていたのではないかという疑いを抱くに至ったのである
まとめ
土地の癒し儀式は、ローゼマインの神殿長としての豊富な魔力と知識がいかんなく発揮された奇跡の体現である。しかし、その常識外れな再生能力は周囲の大人たちを驚愕させるにとどまらず、新たな疑念や波紋を呼ぶ引き金にもなっており、彼女の抱える力が常に諸刃の剣であることを示すエピソードとなっている。
第四部 貴族院の自称図書委員5レビュー
第四部 貴族院の自称図書委員
本好きの下剋上 全巻まとめ
第四部 貴族院の自称図書委員7レビュー
登場キャラクター
エーレンフェスト領主一族
ジルヴェスター
エーレンフェストの領主である。ローゼマインの行動に悩まされている。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェスト領主一族。アウブ・エーレンフェスト。
・物語内での具体的な行動や成果
貴族院から毎日届く報告書をカルステッドやフェルディナンドと読んだ。ローゼマインが問題を起こすたびに頭を抱えている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ローゼマインに王族を招いたお茶会が終わったらすぐに帰還するよう命じた。
フロレンツィア
ジルヴェスターの第一夫人である。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェスト領主一族。
・物語内での具体的な行動や成果
お茶会や社交に関する質問書を受け取り、回答を返した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
フェルディナンド
ローゼマインの後見人である。ヒルシュールの弟子であった。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェスト領主一族。
・物語内での具体的な行動や成果
魔術具の処理を名目に貴族院へ向かい、ヒルシュールと話し合った。アーレンスバッハの情報を得るため、ライムントに課題を与えて指導することにした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ローゼマインが騎士団の呪文ではなく聖典の祝詞で闇の祝福を与えた可能性を重く見た。
ヴィルフリート
ローゼマインの婚約者である。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェスト領主一族。領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
ターニスベファレン討伐で指示を出し、敵の後ろ足を切断する貢献を果たした。ローゼマインが倒れた後は後始末に奔走している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ドレヴァンヒェルのオルトヴィーンと成績を競い合っている。
ローゼマイン
本と図書館を愛する少女である。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェスト領主一族。領主候補生。図書委員。
・物語内での具体的な行動や成果
ハンネローレやヒルデブラントを図書委員に誘った。ターニスベファレン討伐において闇の祝福を騎士たちに与え、魔獣の視界を塞ぐ役割を果たしている。荒らされた採集場所を癒す儀式を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
王宮図書館への招待案を聞いて意識を失った。
シャルロッテ
一年生であり、兄姉の補佐を務めている。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェスト領主一族。領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
一年生たちをまとめ、来年の初日全員合格を目指す目標を立てた。ローゼマインが倒れた際に後始末の指示を出している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
エーレンフェストの貴族・側近・騎士
カルステッド
ジルヴェスターの側近である。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェストの貴族。騎士団長。
・物語内での具体的な行動や成果
ジルヴェスターやフェルディナンドと共に貴族院からの報告書を読んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
エックハルト
フェルディナンドの側近である。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェストの側近。
・物語内での具体的な行動や成果
フェルディナンドに同行して貴族院へ向かった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
亡くなった第一夫人ハイデマリーがいたことが語られている。
ユストクス
フェルディナンドの側近である。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェストの側近。
・物語内での具体的な行動や成果
フェルディナンドに同行して貴族院へ向かう。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
リヒャルダ
ローゼマインの身の回りの世話や注意を行っている。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェストの側近。筆頭側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
ソランジュに面会依頼を提出した。ローゼマインが倒れた際に彼女を抱え上げて寮へ連れ帰っている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ヴァネッサ
シャルロッテの筆頭側仕えである。
・所属組織、地位や役職
シャルロッテの側近。筆頭側仕え。
・物語内での具体的な行動や成果
貴族院へ向かうシャルロッテに同行した。親睦会を終えたシャルロッテに報告書の作成を促している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
エルネスタ
シャルロッテの側近である。
・所属組織、地位や役職
シャルロッテの側近。
・物語内での具体的な行動や成果
貴族院へ向かうシャルロッテを見送った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
マリアンネ
シャルロッテの側近である。
・所属組織、地位や役職
シャルロッテの側近。文官見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
シャルロッテと共に親睦会の報告書を作成した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
カトライン
シャルロッテの側近である。
・所属組織、地位や役職
シャルロッテの側近。側仕え見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
シャルロッテの話題を親睦会の様子へ軌道修正した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ブリュンヒルデ
お茶会の準備や社交の対応に意欲を見せている。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの側近。側仕え見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
図書館でのお茶会の準備を進めた。ヒルデブラントの側近へ向かい、茶会の詳細を取り決めている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
リーゼレータ
シュミルを好んでいる。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの側近。側仕え見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
シュバルツとヴァイスの衣装に魔法陣や花、葉の刺繍を施した。ローゼマインの衣装にもお揃いの刺繍を行っている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ヒルシュールの研究室で魔術具を使って床の掃除を行った。
ハルトムート
情報収集や報告書の作成を担う側近である。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの側近。上級文官見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
フェルディナンドの本をローゼマインに渡した。ライムントとやり取りし、課題や情報を交換する役割を担っている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ローゼマインの行動を聖女の奇跡として報告書にまとめた。
フィリーネ
物語を集めている側近である。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの側近。下級文官見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
座学の試験に合格した。ローデリヒの素材採集の際、レッサーバスに同乗して監視役を務めている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
コルネリウス
ローゼマインを護衛している。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの側近。護衛騎士見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
ターニスベファレン討伐でヴィルフリートと連携し、魔獣の右後ろ足を切断した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
討伐で最も高い貢献を果たしている。
レオノーレ
魔獣の知識を持つ護衛である。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの側近。護衛騎士見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
知識を活かし、ターニスベファレン討伐の作戦を立てて騎士見習い達に指示を出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ユーディット
遠距離射撃が得意な護衛である。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの側近。護衛騎士見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
遠距離射撃でターニスベファレンに攻撃を当てた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
イグナーツ
ヴィルフリートの側近である。
・所属組織、地位や役職
ヴィルフリートの側近。文官見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
報告書を作成した。ヒルシュールから情報が流出する危険性を懸念する報告書を提出している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
トラウゴット
エーレンフェストの騎士見習いである。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェストの騎士見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
ターニスベファレンに全力攻撃を行い、魔獣を巨大化させてしまった。その後、討伐で魔獣の腹に剣を振り抜き失態を補っている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ローデリヒ
ローゼマインに名を捧げる決意を固めた学生である。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェストの中級文官見習い。旧ヴェローニカ派。
・物語内での具体的な行動や成果
ローゼマインに物語を作って捧げると誓った。名捧げの石を作るため、騎士見習い達と素材採集へ向かっている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
マティアス
冷静に状況を判断する騎士見習いである。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェストの騎士見習い。旧ヴェローニカ派。
・物語内での具体的な行動や成果
ターニスベファレン出現時、他の見習いに攻撃しないよう指示を出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ラウレンツ
ローデリヒの決意を認める騎士見習いである。
・所属組織、地位や役職
エーレンフェストの騎士見習い。旧ヴェローニカ派。
・物語内での具体的な行動や成果
ローデリヒの素材採集へ同行することを承諾した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
神殿関係者
ロジーナ
ローゼマインの専属楽師である。
・所属組織、地位や役職
ローゼマインの専属楽師。
・物語内での具体的な行動や成果
音楽の教師たちとのお茶会で、水の女神に捧げる新曲を演奏した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
王族・中央関係者
ヒルデブラント
洗礼式を終えたばかりの少年である。
・所属組織、地位や役職
王族。第三王子。
・物語内での具体的な行動や成果
図書館でローゼマインと出会い、魔力供給の協力者として登録された。本好きのお茶会に参加している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
アルトゥール
ヒルデブラントの側仕えである。
・所属組織、地位や役職
王族の側近。
・物語内での具体的な行動や成果
お茶会で王宮図書館への招待を提案した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ローゼマインが昏倒したことに狼狽した。
貴族院関係者
ソランジュ
図書館の司書である。
・所属組織、地位や役職
貴族院図書館。司書。
・物語内での具体的な行動や成果
シュバルツたちの着替え場所として執務室を提供した。本好きのお茶会に参加している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ヒルシュール
研究に没頭している教師である。
・所属組織、地位や役職
中央の教師。エーレンフェストの寮監。
・物語内での具体的な行動や成果
アーレンスバッハのライムントを弟子にした。旧ベルケシュトック寮の探索に参加している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
フラウレルム
エーレンフェストに敵意を抱いている教師である。
・所属組織、地位や役職
貴族院の教師。
・物語内での具体的な行動や成果
座学の試験で昔の講義内容を出題した。旧ベルケシュトック寮の探索でヴァッシェンを行い、痕跡を消してしまっている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
プリムヴェール
女性にも自衛の力が必要であると説く教師である。
・所属組織、地位や役職
貴族院の教師。
・物語内での具体的な行動や成果
シュタープ変形の講義で、生徒たちに自衛の重要性を説明した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ローゼマインが作ったシュツェーリアの盾を合格とした。
ルーフェン
シュタープ変形の講義を担当する教師である。
・所属組織、地位や役職
貴族院の教師。ダンケルフェルガー出身。
・物語内での具体的な行動や成果
ターニスベファレン出現の報告を受け、中央騎士団と共に採集場所へ到着した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
パウリーネ
音楽の教師である。
・所属組織、地位や役職
貴族院の教師。
・物語内での具体的な行動や成果
ローゼマインを音楽のお茶会に招き、新曲を聴いた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
グンドルフ
ドレヴァンヒェルの寮監である。
・所属組織、地位や役職
貴族院の教師。
・物語内での具体的な行動や成果
旧ベルケシュトック寮の探索に参加した。転移陣に使用された痕跡を発見している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ローゼマインの尋問会に王の側近を出席させるよう提案した。
ダンケルフェルガー関係者
ハンネローレ
シュミルを好む少女である。
・所属組織、地位や役職
ダンケルフェルガーの領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
ローゼマインに誘われて図書委員になった。エーレンフェストの本を読みやすいと称賛している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
レスティラウト
ハンネローレの兄である。
・所属組織、地位や役職
ダンケルフェルガーの領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
奉納舞の稽古に参加していた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
クラリッサ
ハンネローレの文官見習いである。
・所属組織、地位や役職
ハンネローレの側近。文官見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
現代語訳されたダンケルフェルガーの歴史書の原稿を受け取った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ドレヴァンヒェル関係者
アドルフィーネ
ドレヴァンヒェルの領主候補生である。
・所属組織、地位や役職
ドレヴァンヒェルの領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
ローゼマインとシャルロッテをお茶会に誘った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
第一夫人の座に就くことが決まった。
オルトヴィーン
ヴィルフリートと成績を競い合っている。
・所属組織、地位や役職
ドレヴァンヒェルの領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
ヴィルフリートと互いの健闘を称え合った。姉アドルフィーネからの伝言をローゼマインに伝えている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
アーレンスバッハ関係者
ディートリンデ
アーレンスバッハの領主候補生である。
・所属組織、地位や役職
アーレンスバッハの領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
奉納舞の稽古に参加していた。従姉弟同士のお茶会を提案している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ライムント
魔術具の改良に長けた学生である。
・所属組織、地位や役職
アーレンスバッハの中級文官見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
ローゼマインが作成した魔法陣を改良した。フェルディナンドから与えられた課題を解き、ハルトムートとやり取りをしている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ヒルシュールの弟子となった。
フレーベルターク関係者
リュディガー
フレーベルタークの領主候補生である。
・所属組織、地位や役職
フレーベルタークの領主候補生。
・物語内での具体的な行動や成果
奉納舞の稽古で命の神の位置で舞っていた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
魔術具
シュバルツ
図書館の魔術具である。
・所属組織、地位や役職
貴族院図書館。魔術具。
・物語内での具体的な行動や成果
刺繍が施された新しい衣装に着替えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ヴァイス
図書館の魔術具である。
・所属組織、地位や役職
貴族院図書館。魔術具。
・物語内での具体的な行動や成果
刺繍が施された新しい衣装に着替えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
第四部 貴族院の自称図書委員5レビュー
第四部 貴族院の自称図書委員
本好きの下剋上 全巻まとめ
第四部 貴族院の自称図書委員7レビュー
展開まとめ
プロローグ
転移前の見送りと課された役割
シャルロッテはヴァネッサと共に転移陣に立ち、初めて貴族院へ向かった。周囲の側近達が温かく見送る中、両親は情報収集と報告の義務、そして兄ヴィルフリートと姉ローゼマインの補佐を求めた。婚約により次期領主の道が閉ざされた現状を理解しつつも、シャルロッテは自らの役割に物足りなさを感じていた。しかし、過去に自身を救ってくれたローゼマインへの恩を思い出し、その支えとなる決意を固めた。
親睦会後の報告書作成と初体験の振り返り
親睦会を終えたシャルロッテは、緊張を乗り越えられた理由をローゼマインの言葉に求めつつ、報告書作成に取り掛かった。中央の料理よりもエーレンフェストの料理が優れていると感じたことから、自身が恵まれた環境にいることを自覚した。さらに、他領の領主候補生の関心がローゼマインに集中していることを確認し、その影響力の大きさを改めて認識した。
流行と実績を巡る葛藤
ローゼマインが主導した髪飾りの流行に対し、側近が不満を漏らしたことで、シャルロッテはそれを戒めた。過去に実績を譲るよう求められた経験から、同様の行為をローゼマインに求めるべきではないと判断したのである。一方で、父ジルヴェスターがヴィルフリートを優先している現状に対し、自身が軽視されているような寂しさも抱いていた。
報告内容の選定と第三王子の情報
報告書の内容として、シャルロッテは第三王子に関する情報を選択した。他の内容は既に共有されていると判断し、限られた中で有益な情報を選び取ろうとしたためである。また、母フロレンツィアへ社交対応についての相談を行う意向も示し、自身の課題を明確にした。
ディートリンデへの苦手意識と対処の模索
親睦会において、祖母ヴェローニカを想起させるディートリンデに対し苦手意識を抱いたシャルロッテは、その感情を克服できずにいた。周囲の助言を受け、母へ相談することで対処法を探る決意を固めた。
報告書の比較から見える実力差の認識
兄や姉の側近が作成した報告書を確認したシャルロッテは、特にハルトムートの情報量と精度に驚かされた。上位領地や王族との交流を通じて得られる情報の差を痛感し、ローゼマインの実績と自らの差を明確に認識した。
今後への決意と学業への意識
シャルロッテは、兄姉が築いた基盤の上に立っている自覚を持ちつつ、驕らず努力する必要性を理解した。王族との交流のような成果は現時点では不可能と認識しながらも、領主候補生として恥じない行動を目指す決意を新たにした。まずは試験初日合格を目標とし、ローゼマインから与えられた膨大な参考書に向き合い、学業に励む姿勢を固めた。
講義の始まり
成績向上委員会の方針と講義前の緊張
親睦会の翌日から講義が始まり、エーレンフェスト寮では全員が朝食後から勉強に励んでいた。勝利条件は去年と同じく最速合格、または優秀者多数であったため、上級生の熱気に新入生も慌てて参考書を開いた。ローゼマインは一年生の図書館登録を見据え、リヒャルダにソランジュへの面会依頼を託した。
ハンネローレとの再会と期待
二年生は午前の座学へ向かい、講堂でダンケルフェルガーのハンネローレと再会した。ローゼマインは去年の反省を踏まえ、高得点での全員初日合格を目指すと告げた。ハンネローレから期待を寄せられたことで、ローゼマインは図書委員にふさわしい成績を取ろうと意欲を高めた。
歴史の試験と全員合格
最初の歴史の試験では、エーレンフェストの生徒達が落ち着いて解答し、フィリーネの終了を合図に全員が提出した。去年は合格点ぎりぎりだったフィリーネやローデリヒも、今年は事前準備の成果を示していた。採点の結果、エーレンフェストは一番乗りで全員合格を果たした。
法律の試験とフラウレルムの疑念
次の法律は、ローゼマインにとって理解しにくい内容であったが、大まかな分類を押さえることで対応できた。試験後、フラウレルムはエーレンフェストの解答速度と高得点を不審がったが、不正はなかった。採点に時間はかかったものの、最終的にエーレンフェストは法律でも全員合格を達成した。
ドレヴァンヒェルとの競争意識
講堂を出る前、ヴィルフリートはドレヴァンヒェルのオルトヴィーンと互いの健闘を称え合った。ドレヴァンヒェルは長年にわたり座学首位を守ってきた領地であり、エーレンフェストの成績向上にも簡単には負けない姿勢を示した。ヴィルフリートは競い合える相手の存在を前向きに受け止めた。
図書館登録の予定と午後の実技
昼食時、リヒャルダはソランジュへ面会依頼を提出したことを報告した。一年生の図書館登録は明後日の昼休みに決まり、シュバルツとヴァイスの着替えは時間の都合から後回しとなった。午後は一年生を送り出した後、二年生が実技の教室へ向かった。
騎獣とシュタープの復習
実技では一年生の復習として、騎獣の作成、シュタープの変形、救援信号ロートの確認が行われた。ローゼマインはハンネローレのシュミル型騎獣や、男子学生の間で流行している紋章付きシュタープに注目した。ヴィルフリートは自分がその流行を広めたと得意げに語った。
調合実習への準備
復習後、ヒルシュールは次回以降の実技で回復薬、オルドナンツ、求婚用の魔石を作ると説明した。回復薬は今後の実技に必要であり、オルドナンツは貴族間の連絡に欠かせない物であった。求婚用の魔石については恋愛に関わる説明もあり、女子生徒達の関心を集めた。ローゼマインは母の恋物語が女子学生に受け入れられそうだと感じ、潜在的な読者層を見出した。
図書委員GET!
二日目の座学と神殿経験の成果
翌日の座学は算術、神学、魔術であった。エーレンフェストの二年生は十分に予習していたため、明るい表情で講義に臨んだ。算術ではフィリーネが神殿でフェルディナンドの手伝いをして鍛えられた成果を発揮し、ローデリヒは彼女が神殿に出入りしていることに驚いた。ローゼマインは、自分の側近になるなら神殿との関わりも避けられないと伝えた。
神学と魔術の順調な合格
神学では生まれ季節の大神と眷属に加え、別の大神と眷属を選んで覚える必要があった。エーレンフェストでは聖典絵本やカルタによって神々の知識が浸透していたため、試験は問題なく終わった。続く魔術も、魔法陣の基礎をフェルディナンドから学んでいたローゼマインにとって難しいものではなく、座学は順調に合格した。
音楽実技と一人での最速合格
午後の音楽実技では課題曲と自由曲が出された。ローゼマインは友人達と練習するよりも早く合格して図書館へ行くことを優先し、一人で練習してパウリーネに試験を申し出た。演奏は問題なく合格したが、パウリーネからは新しい曲を期待していたと言われ、後日のお茶会に招かれることになった。
ハンネローレの謝罪と事情説明
合格後、一人で時間を持て余していたローゼマインのもとへハンネローレが近付いてきた。ハンネローレは、去年レスティラウトがシュバルツとヴァイスの主の権利を求めた件について、自分が可愛い魔術具の主になりたいと呟いたことが発端だったと謝罪した。ローゼマインは彼女を責めるどころか、同じくシュバルツ達を好む相手として親近感を強めた。
ハンネローレの図書委員勧誘
ローゼマインは、シュバルツ達に関心を持つハンネローレに図書委員になることを提案した。図書委員とは、シュバルツとヴァイスへの魔力供給やソランジュの手伝いを行う活動であった。ハンネローレは図書館で過ごすことに魅力を感じ、誘いを受け入れた。ローゼマインは念願の図書委員仲間を得たのである。
本と音楽を通じた交流の約束
ハンネローレはさらに、ローゼマインが作った曲を自分の楽師に弾かせたいと頼んだ。ローゼマインはそれを仲の良い証として快く受け入れ、本の貸し借りをするお茶会で楽師を連れてくるよう提案した。これにより、二人は図書委員活動だけでなく、茶会と本を通じた交流も約束した。
側近への報告と社交の成果
音楽の講義後、ローゼマインは側近達に合格とパウリーネからの茶会招待、ハンネローレとの約束を報告した。フィリーネも音楽の上達を褒められ、ローゼマインはその努力を称えた。側近達はローゼマインが図書館より社交を優先するのかと驚いたが、ローゼマインにとって図書委員との交流は図書委員活動の一部であった。
エーレンフェストの連続合格と秘密への関心
翌日もエーレンフェストは座学で全員合格を続けた。その様子にドレヴァンヒェルのオルトヴィーンが関心を示し、ヴィルフリートに成績向上の秘密を探ろうとした。ヴィルフリートは譲れない物があると口を滑らせたが、詳細を秘密として濁したため、ドレヴァンヒェル側はますます強い興味を抱いた。
図書館登録と魔力供給
一年生の図書館登録と写本の説明
ローゼマインは昼休みに一年生を図書館へ連れて行き、利用者登録をさせることにした。登録料を払えない者には自分が貸すと伝え、写本を通じて返すよう促した。さらに、多目的ホールに置かれた蔵書目録や写本記録を確認し、他の者と重ならないように写本するよう説明した。
図書館行きを巡る側近達の警戒
ローゼマインは図書館へ行く準備を整えたが、コルネリウスは一年生の登録に二年生の彼女が同行する必要はないと指摘した。それでもローゼマインは、シュバルツとヴァイスへの魔力供給を理由に同行を譲らなかった。側近達は多くの保護者から目を離さないよう言われており、彼女の図書館行きが要注意事項として扱われていることが示された。
図書館到着とシュバルツ達との再会
シャルロッテがソランジュから届いた木札を扉に入れると、図書館の扉が開いた。中ではソランジュとシュバルツ、ヴァイスが待っており、ローゼマインとの再会を喜んだ。一年生達は喋る大きなシュミル型の魔術具に驚き、シャルロッテもその可愛らしさに目を輝かせた。
シュバルツとヴァイスへの注意喚起
ローゼマインは一年生達に、シュバルツとヴァイスには不用意に触れてはならないと説明した。二体は王族の遺物であり、連れ去り防止のため魔法陣で守られているからであった。シャルロッテは自分も衣装の刺繍を手伝ったことから、その危険性と重要性を理解していると答えた。
二階での魔力供給と褒め言葉
ソランジュが一年生の登録を行う間、ローゼマインはシュバルツとヴァイスを連れて閲覧室の二階へ向かった。二体への魔力供給は十分に保たれていたため、ローゼマインは春からの働きを褒めることを優先した。シュバルツとヴァイスは仕事を認められて喜び、ソランジュも喜んだと返した。
メスティオノーラ像と大量の魔力吸収
シュバルツとヴァイスはローゼマインを英知の女神メスティオノーラの像へ案内し、抱えられたグルトリスハイトに触れて祈るよう促した。ローゼマインが図書館の本が増えるよう祈ると、大量の魔力が一気に吸い出された。しかし、期待したような変化は何も起こらず、二体はそれを「ひめさまのしごと」と呼び、「じじさま」が喜ぶとだけ説明した。
ソランジュとの相談と図書委員活動への期待
ローゼマインは一階へ戻り、講義が終わるまでの間、フェルディナンドから預かった魔石をソランジュに預けることを提案した。さらに、ハンネローレが図書委員になってくれる予定だと伝えた。ソランジュは驚きつつも喜び、図書館に人が増える前にハンネローレも交えたお茶会をしたいと提案した。
午後の講義へ向かう慌ただしい移動
午後の講義を知らせる光が差し込み、シュバルツとヴァイスも講義に遅れると促した。ローゼマインは「じじさま」について聞き忘れたまま、図書館を後にした。一年生は講堂へ、フィリーネは専門棟へ向かい、ローゼマインは護衛騎士達と共に午後の実技へ急いだ。
シュタープの変形
図書館茶会の約束
ローゼマインは小広間に入ると、ハンネローレにソランジュとの本好きのお茶会について話した。ハンネローレは座学が早く終わる十日ほど後なら時間が取れると答え、ローゼマインは図書館で二人を招待する準備を進めることにした。
ルーフェンの戦闘論とプリムヴェールの補足
実技ではシュタープを武器と盾に変形させる課題が出された。ルーフェンは領主一族や側近にも戦う力が必要だと熱弁したが、文官見習いや側仕え見習いの反応は薄かった。そこでプリムヴェールが、女性こそ自分の身を守る力が必要だと説き、女子生徒達の意識を引き締めた。
盾の練習とローゼマインの疑問
ルーフェンは標準の長方形の盾を示し、ゲッティルトで変形させるよう説明した。しかし、ローゼマインにとってシュツェーリアの盾は神殿で見慣れた円形の神具であり、四角い盾として思い浮かべることが難しかった。そのため、彼女は円形の盾でもよいか教師に確認することにした。
神具の盾とお守りの反撃
ローゼマインは神具そのものを模したシュツェーリアの盾を作り出した。ルーフェンが試験として魔石を投げつけると、盾はそれを弾き返し、同時にフェルディナンドの護符が反撃を発動した。ルーフェンは防御に成功したものの、その威力に驚愕した。プリムヴェールは神具を再現できているとして、ローゼマインに合格を与えた。
周囲の怯えとヴィルフリートの困惑
ローゼマインが戻ると、周囲の生徒達はフェルディナンドの物騒な護符に怯えて道を空けた。ヴィルフリートは実技中だけでも外すべきではないかと指摘したが、ローゼマインはフェルディナンドの許可がなければ外せないと答えた。ヴィルフリートはその許可を取る役目を避けた。
武器の選択とライデンシャフトの槍
次に武器の変形が行われ、剣や槍、鎌、斧などが並べられた。ローゼマインはハンネローレに求められ、神具であるライデンシャフトの槍を再現した。青く光る魔力を帯びた槍を見たルーフェンは慌て、試験をせずに合格を出して変形解除を求めた。
自分に合う武器探しと水鉄砲
ローゼマインは槍が自分向きではないと考え、遠距離から安全に攻撃できる武器を探した。接近戦を避け、レッサーバスの中から使えるものを望んだ結果、麗乃時代に見た水鉄砲を思い出した。その瞬間、手には半透明で安っぽい水鉄砲が現れた。
武器の強化
水鉄砲の試射と周囲の失望
ローゼマインは水鉄砲を武器ではなく玩具だと説明したが、ルーフェンは新しい武器ではないかと期待した。促されて試験対象に撃ってみると、魔力の水は届かずに床へ落ち、すぐに消えた。水鉄砲は人を少し驚かせる程度の玩具でしかなく、ルーフェンは大きく落胆した。
ハンネローレの謝罪と講義終了
水鉄砲を新しい武器ではないかと口にしたことで騒ぎになったため、ハンネローレは責任を感じて謝罪した。ローゼマインとヴィルフリートは、ルーフェンの早とちりであり、ハンネローレに落ち度はないと慰めた。その後、六の鐘が鳴り、シュタープ変形の講義は終了した。
実技内容の報告と側近達の反応
夕食後、ヴィルフリートはローゼマインの実技での行動を側近達へ報告した。シュツェーリアの盾、ライデンシャフトの槍、フェルディナンドのお守りの反撃、水鉄砲の件に、側近達は驚愕した。特にリヒャルダやコルネリウスは、報告せねばならない事態を起こさないでほしいと釘を刺した。
自分に合う武器への模索
ローゼマインは、槍は扱えず、お守りだけに頼るのも危険だと考えた。理想は、レッサーバスに乗ったまま片手で遠距離攻撃できる武器であった。水鉄砲が日本語の言葉と明確なイメージによって変形したことに気付き、他の道具も試したが、変形できたのは水鉄砲だけであった。
水鉄砲の矢への変化
ローゼマインは、水鉄砲の中身が水ではなく魔力であることを利用し、フェルディナンドの弓のように矢として撃てないかと考えた。すると、撃ち出した魔力が本当に矢となって分裂し、寝台の天蓋を穴だらけにした。リヒャルダは危険な武器を寝台で使ったことを厳しく叱り、ローゼマインはすぐに変形を解除して布団に潜り込んだ。
採集場所での威力確認
翌朝、側近達は改良された水鉄砲に興味を示し、寮の外の採集場所で試すことになった。ローゼマインがレッサーバスから水鉄砲を撃つと、魔力は矢となって分裂し、魔獣に突き刺さった。一撃で倒すほどではなかったが、魔獣を弱らせるには十分であり、コルネリウスが追撃して討伐した。
ローゼマイン専用武器としての可能性
ユーディットは水鉄砲の軽さと片手で扱える点を評価しつつ、大量の矢を撃ち出すには多くの魔力が必要だと判断した。そのため、この武器はローゼマイン向きであった。ローゼマインは水鉄砲を自分の武器として改良していくことを決めた。
見た目の改良と座学への切り替え
ローゼマインは水鉄砲をより格好良い黒い銃に変えようと試みたが、明確なイメージができず、半透明の黒い水鉄砲にするのが限界であった。ハードボイルドな武器を目指す野望を抱きつつも、リヒャルダに促され、座学の全員初日合格を優先して講堂へ向かった。
初日全員合格
一年生の苦戦とシャルロッテの方針転換
シャルロッテ率いる一年生は、歴史と地理で下級貴族三人が不合格となり、初日全員合格を逃していた。シャルロッテは、昨年ローゼマインが下級貴族全員を合格に導いた方法を不思議がった。ヴィルフリートは、ローゼマインが睡眠時間を削って苦手分野を潰し、重圧をかけ続けた結果だったと説明した。これを受け、シャルロッテは今年は高得点を目指し、初日全員合格は来年の目標にすると一年生を導いていた。
二年生の自信とドレヴァンヒェルの関心
二年生は一年かけて作った参考書で準備していたため、最後の座学にも自信を持って臨んだ。ドレヴァンヒェルのオルトヴィーンは、エーレンフェストが全員合格を続けていることに驚き、期待を示した。ヴィルフリートは、人数差を認めつつも、個人としてオルトヴィーンに勝ちたいと意欲を燃やした。
文学の合格と社会学の異変
文学の試験は問題なく全員合格した。続く社会学では、フラウレルムが今年これから学ぶ内容として、前年とは異なる昔の講義内容を試験に出した。周囲の領地は動揺し、オルトヴィーンも内容の不一致を指摘したが、フラウレルムは講義内容が必ずしも前年通りとは限らないと押し切った。
フラウレルムの妨害とエーレンフェストの突破
試験内容はエーレンフェストの全員初日合格を阻む意図があるものだったが、ローゼマイン達は昔と今の講義内容を比較して参考書を作っていた。そのため、半分ほどが未習内容であっても対応できた。採点の結果、フラウレルムは悔しげにエーレンフェスト全員合格を告げ、講堂には驚きが広がった。
参考書作りの成果とドレヴァンヒェルの評価
オルトヴィーンは、なぜ合格できたのかをヴィルフリートに尋ねた。ヴィルフリートは、昔の講義内容も勉強範囲に入れていただけだと説明した。エーレンフェストでは教育不足を避けるため、全コースの参考書を昔と今の内容を比較して作り直していたのである。オルトヴィーンはその方法に驚き、ドレヴァンヒェルでも参考にすると語った。
アドルフィーネからの茶会招待
オルトヴィーンは、姉アドルフィーネからローゼマインへ茶会の誘いがあると伝えた。ローゼマインは内心で恐れつつも、ドレヴァンヒェルの誘いを断ることはできず、喜んでいるように返答した。寮に戻ると、ブリュンヒルデやリーゼレータが茶会準備に意欲を見せたが、ローゼマインは図書館時間が削られることに落胆していた。
シャルロッテへの誘いと姉としての決意
シャルロッテもドレヴァンヒェルから、初めての茶会はローゼマインと一緒にどうかと誘われていた。ローゼマインは、研究熱心なドレヴァンヒェルに包囲されたように感じて逃げ出したくなったが、不安そうなシャルロッテを一人で行かせるわけにはいかないと考え直した。姉として支えるため、二人で立ち向かおうと励ました。
調合・回復薬
調合服への着替えと講義前の会話
ローゼマインは午後の調合に備え、初めて調合服に袖を通した。フィリーネも繕いや刺繍を施された調合服を喜び、城での生活を通じて裁縫の腕が上がったと語った。ローゼマインは刺繍より写本や読書を優先したいと考えながら、小広間へ向かった。
回復薬作りへの経験差
ヴィルフリートは初めての調合に期待していたが、ローゼマインは神殿でフェルディナンドから既に回復薬作りを教えられていた。彼女は四種類の回復薬を作れると明かし、周囲の騎士見習い達を驚かせた。フェルディナンドの教育により、ローゼマインは講義内容をすでに実践済みだったのである。
社交と図書館を巡る兄妹の会話
シャルロッテは貴族院での社交に責任の重さを感じていた。ヴィルフリートは他領との交流や友人作りの楽しさを語り、ローゼマインは本好きの友人や図書館の存在を挙げて貴族院の価値を語った。シャルロッテが読書を楽しめるよう手伝うと言うと、ローゼマインは姉として社交も頑張ると決意した。
調合講義の開始と手本役
小広間では、ヒルシュールが魔術具を使って回復薬の手順を布に映し出した。ローゼマインは参考書で内容を把握していたため、薬草を量り、シュタープをナイフに変えて素早く刻んだ。ヴィルフリートの危なっかしい手元を見かねて、薬草の押さえ方や刻み方を手本として示した。
時間短縮の魔法陣と合格
ローゼマインは調合鍋を洗浄し、いつもの癖で時間短縮の魔法陣を描いて回復薬を作った。ヒルシュールは、それは初心者が使うものではないと注意したが、品質と効果を確認して合格を出した。ローゼマインはその後、ヴィルフリートに調合のコツを教えながら講義時間を過ごした。
社交対策の質問状とシャルロッテへの心配
夕食後、領主候補生と側近達はドレヴァンヒェル対策を含む社交の質問状を作成した。ヴィルフリートはジルヴェスターへ、ローゼマインはフェルディナンドとエルヴィーラへ、シャルロッテはフロレンツィアへ送ることになった。翌日は一年生が神の意志を取りに行く日であり、ローゼマインはシャルロッテの体調を案じた。
防具作りの実技とヴィルフリートのこだわり
翌朝の実技では、危険時に身を守る簡易防具を魔石で作ることになった。ヴィルフリートは格好良い鎧を作ろうとしたが、普段着の下に着る物だと知って考え直した。ハンネローレは慣れているため最初に合格し、ダンケルフェルガーの上級貴族達も続いた。ローゼマインも体に沿わせて固める感覚で簡単に合格した。
ローデリヒの願い
文官コースの予習とローデリヒの申し出
ローゼマインは一年生を見送った後、フィリーネとローデリヒと共に文官コースの予習を始めた。フィリーネは講義終了後に他領から物語を集めるつもりだと語った。一方、ローデリヒはローゼマインと話す時間を求め、名捧げに関わる自分の思いを伝えたいと申し出た。
子供部屋で得た楽しさと物語への目覚め
ローデリヒは、初めての子供部屋で新しい玩具や菓子、教材に触れたことを楽しかったと語った。最初はカルタを借りるために即興で話を作ったが、それをローゼマインが面白がったことで喜びを覚えた。その後、自分の語った話が本になっていたことを知り、物語を書くことに強く惹かれるようになった。
白の塔事件後の孤立
狩猟大会での白の塔事件以後、ローデリヒの立場は大きく変わった。ヴィルフリートに近付けることを評価していた父は、事件後に彼を責めるようになり、家でも子供部屋でも居場所を失っていった。その中で、自分の物語が本になっていたことだけが、彼にとって支えとなった。
側近への憧れと名捧げの決意
ローデリヒは、自分の作った物語をローゼマインが評価してくれたことで、彼女に仕えたいと強く思うようになった。しかし旧ヴェローニカ派である自分は信用されず、側近になれないと理解していた。そのため、名を捧げることで信頼を得られるなら、物語と共に自分の名も捧げたいと願った。
ローゼマインの受諾と条件
ローゼマインは、ローデリヒが自分の最も欲しい物である物語を捧げてくれるなら、名も受けたいと答えた。ただし、受け入れ態勢を整える必要があるため、まずは家族との関係や立場を確認するよう求めた。ローデリヒは家族と離れたいと訴えたが、ローゼマインは冬の社交界で情報を得てから判断するとした。
一年生の帰還と休日の予定
話し合いが終わる頃、一年生達が神の意志を抱えて戻ってきた。彼らは自室で神の意志が馴染むまで過ごすことになった。夕食後、翌日の休日について側近達と相談し、ブリュンヒルデとリーゼレータは社交準備、コルネリウスとレオノーレは素材採集へ向かうことになった。
フェルディナンドの本と魔法陣の研究
ローゼマインは図書館行きを望んだが、ハルトムートからフェルディナンドの本を読むよう勧められた。渡された本は魔術具作りに関するもので、返却期限を過ぎた本が自動的に戻る魔法陣の手がかりも記されていた。ローゼマインはフィリーネやユーディットと共に考えたが、二年生の知識では難しかった。
ハルトムートの外出と騎士物語
意見を聞こうとしたハルトムートが不在だったため、ローゼマインは逢瀬ではないかと疑い、玄関ホールで待ち構えた。戻ってきたハルトムートは、他領の文官からローゼマインのための騎士物語を受け取っていたと説明した。ローゼマインはすっかり機嫌を直し、騎士物語を読むため部屋へ戻った。
奉納舞とオルドナンツの調合
先生方のお茶会と社交準備
ブリュンヒルデとリーゼレータは、側仕え達の集まりから戻り、音楽の先生方からの招待状をローゼマインへ渡した。エーレンフェスト二年生の全員合格はすでに広まっており、ローゼマインの社交が増える可能性が示された。ローゼマインは、シャルロッテを支える姉として、先生方や上位領地との茶会に力を入れる決意を固めた。
フェルディナンドからの返事と不安
夕食後、エーレンフェストから返事が届いた。フェルディナンドの手紙には、水鉄砲を人目に触れさせないことや、必要な社交以外はシャルロッテに任せることなどが記されていた。だが、叱責が少なかったため、ローゼマインは見放されたのではないかと不安になった。
奉納舞の稽古と上級生の観察
翌日、ローゼマインはヴィルフリートやシャルロッテと共に奉納舞の稽古へ向かった。上級生の舞では、アドルフィーネやリュディガー、レスティラウト、ディートリンデの姿を確認した。ローゼマインは、今年はエグランティーヌほど目を引く者はいないと感じつつ、それぞれの舞を観察した。
アドルフィーネとディートリンデの誘い
休憩中、アドルフィーネはローゼマインとシャルロッテに近付き、茶会について話題にした。続いてディートリンデも、従姉弟同士の茶会を提案した。ローゼマインは奉納式で不在になるため参加できそうになく、シャルロッテだけが出席する流れになった。
奉納舞の合格
下級生の稽古では、ローゼマインは神に真剣に祈りすぎないよう注意しながら舞った。神殿で日常的に稽古していた成果もあり、妙な祝福を起こすことなく無事に合格した。教師からはよく稽古されていると褒められた。
オルドナンツ調合の手本
翌日の調合実技では、ヒルシュールがオルドナンツの作り方を示した。ローゼマインは初めての調合であるにもかかわらず、手本役を任された。彼女は魔法陣を描き、風属性の鳥の魔石を溶かし、羊皮紙の魔法陣を加え、魔力を流し続けてオルドナンツを完成させた。
完成確認とヒルシュールの誘惑
完成したオルドナンツは、白い鳥に変化してヒルシュールのもとへ飛び、問題なく伝言を三度繰り返した。ローゼマインは勝手に手本役にされたことへ不満を述べたが、ヒルシュールは新しい本を餌に助手役を求めた。ローゼマインは弟子ではないと抵抗したものの、本の誘惑に負け、その時間だけ魔法陣確認の助手を務めることになった。
音楽のお茶会と講義終了
音楽教師達との茶会準備
ローゼマインは音楽教師達との茶会に臨んだ。今回は去年のような王族の同席はなく、参加学生はローゼマインだけであった。彼女はシャルロッテから話題の振り方を教えられ、頼りになる姉として中央の音楽事情を聞き出そうと意気込んでいた。
新曲披露と中央の流行
ローゼマインは水の女神に捧げる新曲を紹介し、ロジーナが演奏した。教師達は、ローゼマインの曲がアナスタージウスとエグランティーヌを中心に中央で広まっていると語った。特に光の女神に捧げる曲は、二人の恋物語と共に人気を集めていた。
王族情勢と聖典原理主義の話題
教師達は、アナスタージウスが王位よりもエグランティーヌを選び、ジギスヴァルトを支える立場になったことで、王位争いへの不安が薄れたと話した。一方で、中央神殿の聖典原理主義者が王の在り方に声を上げていることも示された。ただし、貴族社会では神殿の言葉に大きな影響力はないと見なされていた。
茶会後の報告と評価
寮に戻ると、フィリーネや側仕え達が茶会で得た情報を報告した。ハルトムートは中央情勢を得られたことを高く評価した。ブリュンヒルデは、パウリーネがローゼマインと聖典原理主義との関係を探っていたようだと分析した。
求婚用魔石の調合開始
午後の調合では、求婚に使う魔石の作製を学んだ。ヒルシュールは、相手の属性を込めた魔石に求愛の文字を浮かべる必要があると説明した。ローゼマインは魔石をすぐに自分の魔力で染め、風属性の魔石を加える準備を整えた。
求愛の言葉を巡る苦戦
ローゼマインは無難な定型文を用意したが、ヒルシュールから相手の心を打つ言葉を考えるよう求められた。彼女は自分が嬉しい言葉として味噌汁や図書館を思い浮かべたが、ヴィルフリート向けではないと却下された。さらに、貴方の色に染めてくださいという言葉を口にし、ヒルシュールから成人後の本番に使うよう面白がられた。
求婚用魔石の完成と図書館解禁
ローゼマインは調合自体を問題なく終え、濃い青の魔石に金色の文字を浮かび上がらせて合格した。これにより講義を終え、図書館へ行ける状態になった。彼女は魔石を染めるコツをヴィルフリート達に伝え、特にハンネローレを図書委員仲間にするために熱心に助言した。
破廉恥な言葉の確認
後日、ローゼマインは貴方の色に染めてくださいの意味をフェルディナンドに質問した。返事は厳重な親展で届き、その言葉がかなり直接的な閨への誘いであることを知った。彼女は本番でも使わないと決めた。
図書委員活動をしたい
図書館行きの延期と新たな課題
ローゼマインは図書委員の腕章を付けて図書館へ向かう気でいたが、騎士見習い全員がディッター練習に参加するため、護衛が足りずに却下された。代わりに自室でフェルディナンドの本を読み、防音性の高いカーペットを作るための魔法陣の課題に取り組んだ。
図書館の混雑と理想の図書館構想
フィリーネは、試験前の図書館が混雑し、下級貴族には使いにくい場所だったと語った。ローゼマインは、保証金やキャレルの取り合いの問題を聞き、印刷を広げて誰もが本を手にできる環境を作る必要を感じた。
図書館再訪と衣装替えの予定
翌日、ローゼマインはようやく図書館へ向かい、ソランジュやシュバルツ、ヴァイスと再会した。二年生の講義を終えたことを伝え、奉納式まで図書館に通うと宣言した。さらに、シュバルツとヴァイスの新しい衣装への着替えを三日後の午後に行うことを決めた。
図書委員活動の壁と新しい役割
ローゼマインは腕章を見せて図書委員活動をする気満々だったが、利用者が少ない時期には手伝いが必要ないとソランジュにやんわり断られた。そこでハルトムートの助言を受け、図書館で使われている魔術具や、将来必要な魔術具について聞くことにした。これも図書館のためになる活動だと考えたのである。
図書館の魔術具と管理の実情
ソランジュは、図書館には退室を促す光の魔術具や、本に適した温度・湿度を保つ魔法陣などがあると説明した。シュバルツとヴァイスが貸出やキャレル管理を担っているため、司書が少なくても最低限の運営ができていた。一方で、かつて上級貴族が管理していた魔術具の多くは、引き継ぎ不足と魔力不足により動いていないことも明かされた。
督促用魔術具とじじ様の謎
ソランジュは、去年フェルディナンドの督促オルドナンツが非常に効果的だったため、その声を入れた魔術具が欲しいと語った。ローゼマインはフェルディナンドに頼むか、代案を考えることにした。また、メスティオノーラ像のグルトリスハイトに魔力供給した時にシュバルツ達が言った「じじさま」について尋ねたが、ソランジュにも正体はわからなかった。
ヒルデブラント王子との遭遇
ローゼマインが閲覧室に戻ると、そこにはヒルデブラント王子と側近達がいた。王子は人目の少ない時期を選んで図書館へ来たようだった。ローゼマインは、講義を終えたためこれから図書館に通うと説明し、王子の読書を邪魔するつもりはないと伝えた。ヒルデブラントが一度会っただけの自分を覚えていたことに、彼女は驚いた。
ヒルシュール先生の研究室
研究室訪問の予約と王族接触への反応
ローゼマインは図書館用の魔術具について相談するため、ヒルシュールの研究室を訪ねることにした。その夕食時、ヴィルフリートは彼女がヒルデブラント王子と接触したことを心配したが、ローゼマインは挨拶以外はしておらず不可抗力だったと説明した。
研究室の惨状とリーゼレータの掃除
翌日、ローゼマイン達が研究室を訪れると、室内は資料や食べかすが散乱していた。リーゼレータは主を入れられないと判断し、魔術具で床を清掃させた。ヒルシュールと助手も身支度を整え、ようやく話し合いの場が整った。
ライムントの紹介と側近達の警戒
ヒルシュールは、助手であるアーレンスバッハの中級文官見習いライムントを紹介した。彼は魔術具の改良に優れた才能を持つ弟子であった。しかし、アーレンスバッハ出身と知ったコルネリウス達は警戒を強めた。
ヒルシュールの教師としての信念
ヒルシュールは、自分は中央に籍を移した貴族院教師であり、どの領地の生徒でも才能があれば育てると断言した。フェルディナンドを例に挙げ、情勢は変わるが才能を伸ばせる時期は限られていると語った。その信念により、ローゼマインはヒルシュールが誰を弟子にするかは自由だと認めつつ、こちらが警戒する自由もあると整理した。
図書館用魔術具の相談
ローゼマインは、期限を過ぎた本を自動で図書館へ戻す魔法陣を見せた。ヒルシュールは理論以前に実用性がないと評し、領主候補生の魔力を基準にしているため、ソランジュには動かせないと指摘した。
ライムントによる改良の助言
ライムントは魔法陣を見ながら、機能を一つに詰め込みすぎていると説明した。期日超過で本を図書館に戻す機能、本棚へ戻す機能、盗難防止の機能は分けるべきであり、必要な機能だけを中級貴族や下級貴族でも動かせるようにする方がよいと助言した。
素材と魔力節約の考え方
ライムントは、魔法陣を単純にし、素材を吟味することで魔力を節約できると語った。特に、エーレンフェストで発明された動く紙を使えば、本を戻す魔法陣の魔力消費を抑えられる可能性があると示した。
勘合紙を巡るヒルシュールの要求
ライムントがグンドルフから勘合紙の話を聞いていたことがわかり、ヒルシュールもエーレンフェスト紙と勘合紙を求めた。しかしローゼマインは、中央貴族であるヒルシュールに勘合紙は売れないと拒否した。ヒルシュールが食い下がると、ローゼマインはシュバルツ達の着替えに招かないと告げ、彼女を黙らせた。
ヒルシュール先生の弟子
ライムントへの警戒と緊急報告
ローゼマイン達は、ライムントがアーレンスバッハの文官見習いであることを重く見て、早めにヒルシュールの研究室を辞した。寮へ戻ると、コルネリウスとハルトムートはフェルディナンドへ報告するよう促した。シュバルツ達の衣装の魔法陣を含め、ヒルシュール経由で情報が流れている可能性があるためであった。
フェルディナンドの来訪決定
フェルディナンドからは、翌日の午後に貴族院へ赴くという緊急の返事が届いた。自作した魔術具の処分や扱いについてヒルシュールと直接話す必要があるためである。あわせて、ライムントの派閥、能力、ビンデバルト伯爵との関係、アーレンスバッハ側の情報を集めるよう命じられた。
ライムントの立場と才能
ハルトムートの調査により、ライムントはアーレンスバッハで重用されていない中級文官見習いであり、主流から外れた家の出身だと判明した。魔力は少なめだが、魔術具の改良に強い関心と才能を持ち、フェルディナンドの研究にも強く傾倒していた。
フェルディナンドの判断
フェルディナンドは、ライムントとの交流を断つのではなく、研究資料で釣ってアーレンスバッハの情報を得る駒にすると判断した。ただし、ローゼマインが直接接触することは禁じ、必ず文官見習いを通すよう命じた。彼女が感情や勢いで情報を漏らす危険を警戒したためであった。
シュバルツ達の着替えへの対応
シュバルツ達の着替えについて、フェルディナンドはヒルシュールとライムントを招かないと決めた。魔法陣は中央にも関わるものであり、アーレンスバッハの文官見習いに見せるべきではないと判断したのである。その代わり、ヒルシュールを動かすために使える資料を選別してローゼマインへ渡した。
ヒルシュールとの話し合い
夕食時、フェルディナンドはヒルシュールとライムントの扱いや資料提供について話し合った。ライムントには危険のない資料を課題として与え、改良できればエーレンフェストの文官を通じて採点し、情報と引き換えに次の資料を渡す方針となった。
ライムントの将来と情報網
フェルディナンドは、ライムントが成人後にエーレンフェストへ来ても、アーレンスバッハで出世しても構わないと考えていた。どちらの場合でも、ライムントから有用な情報が入る可能性があるためである。ヒルシュールは、フェルディナンドが弟子を遠隔で育てることに変化を感じていた。
危険な魔術具の回収と文官不足
フェルディナンド達は研究室へ向かい、ライムントが改良すると危険な魔術具を回収した。大量の魔術具が運び出される中、ハルトムートは自分が卒業した後、ライムントとの間に立てる中級以上の文官が必要だと語った。そのため、ローデリヒの名を受ける時期を気にしていた。
シュバルツとヴァイスの着替え
図書館での着替え準備
ローゼマイン達は、午後の講義が始まって人目が少なくなってから図書館へ向かった。同行した女の子達は新しい衣装や小物を抱え、シュバルツとヴァイスの着替えを楽しみにしていた。ソランジュは執務室の奥を着替え場所として整えており、リーゼレータを中心に準備が進められた。
触れる許可と着替えの開始
ローゼマインは、着替えの間だけその場にいる者がシュバルツとヴァイスに触れることを許可した。女の子達は嬉しそうに服を脱がせ、新しい衣装を着せていった。ローゼマイン自身は、触れると魔法陣が光る可能性を考え、作業には加わらず見守っていた。
ヒルデブラント王子の来訪
着替えの途中、ヒルデブラント王子がシュバルツとヴァイスを見に来た。側近達は旧衣装の魔法陣に関心を示し、ローゼマインは立ち入りを拒むのが難しいと判断して受け入れた。予定外の王族との接触に場は緊張したが、ヒルデブラントは着替えを続けるよう促した。
王子との会話とシャルロッテへの関心
ヒルデブラントは、ヴァイスが可愛かったため再び見に来たと語った。ローゼマインはシュバルツ達の働きぶりや王族の魔術具としての価値を説明した。その途中、ヒルデブラントはシャルロッテに婚約者がいるのかを尋ね、年下は頼りなく思われるのかと気にしていたため、ローゼマインは彼がシャルロッテに関心を持っている可能性を察した。
新衣装の披露
着替えを終えたシュバルツとヴァイスは、黒を基調にした新しい衣装で現れた。シュバルツは刺繍入りのベストとズボン、ヴァイスは刺繍入りのワンピースとエプロンを身に着けていた。ローゼマインは二匹と衣装作りに関わった者達を褒め、ヒルデブラントも素晴らしいものを見たと喜んだ。
旧衣装と魔法陣への質問
ローゼマインは、旧衣装をヒルデブラント側近へ渡し、ボタンを留めると魔法陣が完成して守りが発動すると説明した。新衣装の魔法陣について問われると、フェルディナンドが改良したもので自分は詳しくないため、ヒルシュールに尋ねるよう答えた。これは、魔法陣関連の質問を直接受けすぎないための対応であった。
ヒルデブラントの接触と主交代の提案
ヒルデブラントがシュバルツとヴァイスに触れようとしたところ、許可がないため弾かれた。側近は王族の遺物ならヒルデブラントが管理すべきではないかと主交代を提案した。ローゼマインは王族が管理するなら望ましいと受け入れかけたが、魔力供給、衣装の新調、素材や人手の問題を挙げた。
ひめさま呼びと協力者登録
ローゼマインは、主になると男性でもひめさまと呼ばれる覚悟が必要だとヒルデブラントに伝えた。ヒルデブラントはそれを嫌がったため、ローゼマインは主ではなく魔力供給の協力者として登録する案を出した。これにより、ヒルデブラントは名前で呼ばれ、シュバルツとヴァイスに触れることができるようになった。
シャルロッテの反応と帰寮
図書館を出た後、ローゼマインはシャルロッテに年下の男性をどう思うか尋ねた。シャルロッテは相手によるとしながらも、年上の方が頼りがいがあると答えた。ローゼマインはヒルデブラントの思いが実らなそうだと感じつつ、王族との予想外の接触を終えて寮へ戻った。
魔石採集
本好きのお茶会準備と王子の招待
ローゼマインは、ソランジュとハンネローレを招く本好きのお茶会の日程を決めた。図書館で招待状を渡すと、その場にいたヒルデブラントも興味を示したため、ソランジュの提案により王子も招くことになった。ローゼマインはその場で直接誘ったが、後に側仕えを通して根回しすべきだったと教えられた。
ライムントとの再会と情報収集
図書館を出たローゼマインは、ヒルシュールの弟子ライムントと遭遇した。ライムントは、フェルディナンドの弟子見習いになれたことを喜び、研究課題と質問への回答をハルトムートへ託した。ハルトムートは、フェルディナンドが課題を餌にアーレンスバッハの情報を引き出す手腕に感心した。
ローデリヒ達の魔石採集
土の日、ローデリヒと旧ヴェローニカ派を中心とする騎士見習い達は、名捧げ用の魔石を得るために狩りへ向かった。ローデリヒは文官であるため、ローゼマインは十分に気を付けるよう声をかけた。その後、寮ではヒルデブラントを茶会に招いた件について、エーレンフェストへの回答作成が行われた。
ローデリヒの帰還と危険な魔獣の報告
途中でローデリヒが怪我をして戻り、強い魔獣が出たため救援が必要だと告げた。ローゼマインはルングシュメールの癒しでローデリヒの傷を治し、回復薬を飲ませた。ローデリヒの説明から、黒い大きな犬のような魔獣が周囲を腐らせ、攻撃を受けると目の色を変えることが判明した。
ターニスベファレンの可能性
レオノーレは、その魔獣が魔力を受けると成長するターニスベファレンではないかと気付いた。エーレンフェストのトロンベに似た性質を持ち、不用意な攻撃で活性化する危険があった。しかし、騎士見習い達は闇の祝福を武器に宿す祝詞を知らず、そのまま戦えば敵を強化する恐れがあった。
ローゼマインの出撃決断
ローゼマインは、闇の神の祝詞を教えるために自ら現地へ向かうと決断した。周囲は危険だと止めたが、彼女は神殿長として祝詞を伝えなければ皆が危ないと判断した。ハルトムートも同行を申し出、コルネリウス達護衛騎士と共に急いで出発準備を整えた。
闇の神の祝福と出発
ローゼマインは走りながら祝詞を唱え、騎士達に復唱させた。各自が武器を変形させ、祝詞によって闇の神の祝福を宿した状態となった。さらにローゼマインは、名を受けると決めた以上、ローデリヒにも魔石を得させるべきだとしてレッサーバスに乗せた。
フィリーネの同行
ローデリヒが不安そうにフィリーネを引き止めたため、ローゼマインはフィリーネを監視役として同乗させた。ただし、騎獣から出ないよう命じた。ローゼマインは水鉄砲を手に、コルネリウスの後を追って採集場所へ急行した。
ターニスベファレンの討伐
荒らされた採集場所
ローゼマイン達は採集場所へ急行したが、そこには騎士見習い達の姿がなく、植物が朽ちて黒い汚泥となった惨状だけが広がっていた。レオノーレは、騎士見習い達がターニスベファレンを別の場所へ誘導したと判断し、ローゼマイン達は採集場所の外へ出て捜索した。
巨大化したターニスベファレン
森の奥では、攻撃を受けて巨大化したターニスベファレンが暴れていた。ローデリヒの説明よりもはるかに大きくなっており、周囲を飛び回る騎士見習い達は攻撃を控えながら牽制していた。ターニスベファレンはローゼマインの魔力を餌として認識し、一直線に襲いかかった。
ローゼマインへの襲撃
ローゼマインはレオノーレの指示で上空へ逃げたが、ターニスベファレンは後ろ足で立ち上がり、レッサーバスに食らいつこうとした。ローゼマインは恐怖の中で水鉄砲を乱射しながら上昇し、寸前で噛みつきを逃れた。直後、ユーディットとコルネリウスの攻撃が当たり、ターニスベファレンは怯んだ。
騎士見習い達の状況確認
ヴィルフリート達が合流し、ローゼマインは祝詞を教えるために来たと説明した。休憩中だった騎士見習い達もロートで集められ、トラウゴットが全力攻撃でターニスベファレンを巨大化させてしまった経緯が明らかになった。マティアス達は採集場所を守るため、攻撃せずに森へ誘導していた。
闇の祝福の付与
ローゼマインは負傷した騎士見習い達にルングシュメールの癒しを与えた後、全員に闇の神の祝詞を復唱させた。武器は黒く染まり、ターニスベファレンから魔力を奪える状態となった。ローゼマインは、できればローデリヒ用の魔石を得るため、四肢を切断する方向で攻撃してほしいと伝えた。
レオノーレの作戦指示
レオノーレはターニスベファレンの特性を踏まえ、全員に指示を出した。ローゼマインには上空から水鉄砲で攻撃する役目が与えられ、ユーディットとハルトムートが護衛についた。コルネリウスとヴィルフリートは大きな攻撃を合わせ、トラウゴットにも失敗を補うための役割が求められた。
攻撃の失敗と視界封じ
ローゼマインは水鉄砲で黒い矢を降らせたが、ターニスベファレンは彼女を注視して避け続けた。ローデリヒの指摘で、敵がローゼマインの攻撃回避に集中しているとわかり、ローゼマインは闇の神のマントを作って視界を塞いだ。マントはターニスベファレンの頭を覆い、足止めに成功した。
後ろ足の破壊と討伐
視界を奪われたターニスベファレンに、騎士見習い達が一斉攻撃を仕掛けた。ヴィルフリートとコルネリウスの斬撃で右後ろ足が吹き飛び、ターニスベファレンは転倒した。それでも起き上がってヴィルフリートを狙ったが、コルネリウスとトラウゴットの連携攻撃により致命的な打撃を受け、動けなくなった。
素材分配とローデリヒの魔石
討伐後、素材は貢献度に応じて分配されることになった。ローゼマインはローデリヒの名捧げ用の魔石に使える素材を望み、レオノーレの助言で風と土の属性を持つ額の目を選んだ。ローデリヒは感激し、必ず相応しい名捧げの石を作ると誓った。
闇のマントの回収と土地の癒し
素材回収の前に闇の祝福が解除され、ローゼマインは自分が投げた闇の神のマントを回収しに向かった。マントが落ちていた場所は魔力を奪われて乾いた土になっており、ローゼマインは動揺した。だが、まずは荒らされた採集場所を癒すべきだと判断し、神殿長として土地に魔力を満たす儀式を行おうとした。
癒しと救援
採集場所の癒しへ向かう判断
ローゼマインは相談の末、ターニスベファレンに荒らされた採集場所の癒しへ向かった。採集場所では草木が残る部分と黒い汚泥に覆われた部分が分かれており、講義に支障が出るほど広範囲が傷ついていた。
フリュートレーネの杖による儀式
ローゼマインはシュタープをフリュートレーネの杖へ変形させ、土地を癒す祝詞を唱えた。杖から魔力が流れ込み、地面には採集場所全体を覆う魔法陣が浮かび上がった。黒い汚泥は消え、赤茶けた土は黒い土へ変わり、小さな芽が出始めた。
薬草と木々の再生
ローゼマインは講義で使える状態まで薬草を成長させるため、さらに魔力を注ぎ続けた。途中で魔力が大きく消耗したため、レオノーレに回復薬を取らせて飲み、魔力を補いながら儀式を続けた。魔法陣は上昇し、草木は急速に伸び、採集場所はほぼ元通りになった。
体調悪化と帰還準備
儀式を終えたローゼマインは、魔力と体力を大きく消耗して顔色を悪くした。レオノーレはすぐに寮へ戻る判断を下し、素材回収組と護衛組に騎士見習い達を分けた。ローゼマインは騎獣を維持できない可能性があったため、レオノーレに運ばれて帰還することになった。
中央騎士団と教師達の到着
帰還直前、ルーフェンと中央騎士団、ヒルシュールら教師達が採集場所へ到着した。ルーフェンはターニスベファレンの所在を尋ねたが、ローゼマインはすでに倒したと答えた。さらに、闇の神の祝詞で武器に祝福を与え、騎士見習い達が討伐したと説明した。
採集場所再生への追及
ルーフェンは、ターニスベファレンが通ったはずの採集場所に被害がないことを不審に思った。ローゼマインは神殿長として癒しの儀式を行ったと答え、神具がなければ作ればよいと説明した。さらに、神具も武器もシュタープで作る点は同じだと述べた。
騎士コースへの勧誘と拒否
ルーフェンは、ローゼマインが杖の呪文を知っていたことから、騎士コースの受講を期待した。だが、ローゼマインは体力が足りず、やる気も根気も根性もないとして即座に拒否した。レオノーレはローゼマインの体調を理由に質問を切り上げ、後始末と原因究明を教師達に任せた。
寮への帰還と報告
寮へ戻ったローゼマインは質問攻めに遭ったが、回答は同行者達に任せ、自室で休むことになった。寝込んでいる間にエーレンフェストへ報告が送られ、突発的な事態への対応は評価されたものの、王族を招いたお茶会の後に帰還するよう命じられた。
ターニスベファレンの出現原因
中央の報告では、ターニスベファレンはベルケシュトックに多い魔獣であり、大粛清後に持ち込まれた可能性があるとされた。ただし、長期間潜伏していた痕跡が乏しく、ベルケシュトック寮方面からエーレンフェスト寮へ真っ直ぐ向かったことも不審視された。
ローデリヒの素材回収
ローゼマインは、ローデリヒが名捧げの石に使う素材を無事に回収できたかを気にした。フィリーネは、ローデリヒが名捧げの石を作るために準備を進めており、魔力を多く使うため回復薬作りにも取り組む必要があると伝えた。ローゼマインは日常が戻りつつあることに安堵した。
本好きのお茶会
お茶会に向けた準備
ローゼマインは体調を回復させ、本好きのお茶会に臨んだ。リーゼレータはシュバルツとヴァイスの衣装と揃いになる刺繍をローゼマインの衣装にも施し、ブリュンヒルデ達は菓子や本、図書委員の腕章などを確認した。
図書館での会場準備
ローゼマイン達は講義開始後に図書館へ向かい、ソランジュの執務室でお茶会の準備を進めた。図書館には学生がほとんどおらず、ターニスベファレン出現後に各領地が採集場所の見張りを立てているためであった。
ハンネローレの図書委員登録
ハンネローレは王族同席に驚きつつも、ローゼマインを気遣って受け入れた。ローゼマインは先に図書委員として協力者登録を行い、ハンネローレに腕章を渡した。ハンネローレはシュバルツとヴァイスに触れ、嬉しそうに図書委員として挨拶した。
ヒルデブラントの参加と腕章の約束
ヒルデブラントもお茶会に参加し、シュバルツ達と揃いの衣装や腕章に関心を示した。ローゼマインは側近を通すべきことを思い出しつつ、新しい図書委員の腕章を作って献上することを約束した。
図書委員活動と督促の提案
ソランジュは、シュバルツ達がいなければ貸出管理や返却督促が困難になると説明した。ローゼマインは、ヒルデブラントが王族として督促オルドナンツを飛ばせば効果が大きいと提案した。だが、ヒルデブラントが表立って活動してよいかは父に確認する必要があるとされた。
貴族院の不思議話
話題転換として、ローゼマインは貴族院の二十不思議を持ち出した。ソランジュは神の祠に悪戯した学生が消えた話や、恋人同士の逢瀬に使われる東屋の話を語った。ハンネローレは、夜中にディッターを始めるゲヴィンネンの話を紹介した。
開かずの書庫への関心
ローゼマインが開かずの書庫について尋ねると、ソランジュは三人の上級司書が鍵を管理していた書庫が三カ所あると説明した。ローゼマインはさらに王族しか入れない書庫について尋ねたが、ソランジュは知らなかった。ヒルデブラントは父母に尋ねてみると楽しそうに応じた。
本の返却と貸し借り
ローゼマインは帰還前に、ハンネローレへ借りていた本を返却した。ハンネローレはエーレンフェストの本が読みやすく大好きだと語り、ローゼマインは本作りに関わった者達の努力が報われたように感じた。ローゼマインは次に貴族院の恋物語を貸し、ヒルデブラントにも騎士物語を貸した。
ダンケルフェルガー本の現代語訳
ローゼマインは、借りたダンケルフェルガーの歴史書を現代語訳した原稿をハンネローレに確認してもらうよう頼んだ。さらに本にしたいと願い出たが、ハンネローレは自分だけでは決められないため、アウブに相談すると答えた。
司書の報告書と王宮図書館の誘い
ソランジュは、以前の司書が書いた仕事の報告書をローゼマインに貸した。図書館の魔術具に関する記述もあると聞き、ローゼマインは喜んだ。さらにヒルデブラントが返礼を考える中、アルトゥールが王宮図書館へ招待する許可を得る方が喜ばれるのではないかと提案し、ローゼマインは喜びのあまり昏倒した。
帰還
王宮図書館への期待による昏倒
ローゼマインは寝台で目を覚まし、王宮図書館へ行ける夢を見たと喜んだ。しかし、それは夢ではなく、王宮図書館への招待案に感激してお茶会の場で昏倒した結果であった。王族の前で二度目の失神となり、リヒャルダは呆れながらも体調を確認した。
中断されたお茶会と周囲の混乱
本好きのお茶会は、ローゼマインの昏倒によって中断された。提案したアルトゥールは固まり、ヒルデブラントは涙ながらに動揺し、ソランジュやハンネローレも狼狽していた。ヴィルフリートとシャルロッテが呼ばれ、事情説明や後始末を担った。
側近達の安堵と帰還延期
ローゼマインが目覚めると、側近達は安堵した。ブリュンヒルデは側仕えとして防げなかったことを悔やんだが、レオノーレは王族の側仕えがローゼマインの弱点を的確に突いた結果だと評した。帰還日は過ぎていたが、謝罪と挨拶を済ませるため、許可を得て貴族院に滞在していた。
ヴィルフリートとシャルロッテへの謝罪
ローゼマインは昼食の席で、ヴィルフリートとシャルロッテに迷惑をかけたことを詫びた。ヴィルフリートはヒルデブラント達への説明を担い、かつてローゼマインが弱かった頃の話をして落ち着かせようとしたが、逆にヒルデブラントから叱られていた。シャルロッテも初めて昏倒後の対応を経験し、動揺しながらもソランジュのフォローや片付けの指示を行っていた。
帰還前の挨拶と調整
ローゼマインはソランジュやヒルデブラント、ハンネローレ、アドルフィーネに回復報告と謝罪を送り、帰還の準備を進めた。ソランジュには魔力供給用の魔石を渡し、不在中のシュバルツとヴァイスの維持を頼んだ。
ヒルデブラントへの謝罪と励まし
図書館でヒルデブラントと再会したローゼマインは、突然倒れて驚かせたことを謝罪した。ヒルデブラントは今度は取り乱さず、図書委員として助けられるよう強くなると語った。ローゼマインは不在中のシュバルツ達を頼み、ヒルデブラントの決意を受け止めた。
ヒルシュールとライムントへの対応
ヒルシュールとライムントは図書館に現れ、研究成果とフェルディナンドへの課題資料を託した。ローゼマインはライムントに規則正しい生活をするよう諭し、軽食を差し入れた。ヒルシュールには講義を忘れないよう釘を刺し、ライムントには師匠を送り出す役目も言い含めた。
エーレンフェストへの帰還
ローゼマインはやることを確認し、ヴィルフリートやシャルロッテ、側近達に見送られて転移陣へ向かった。奉納式後には早く戻るようシャルロッテに言われ、ローゼマインはリヒャルダとコルネリウスと共に転移陣に乗り、エーレンフェストへ帰還した。
エピローグ
貴族院から届き続ける報告書
ジルヴェスターは領主執務室でカルステッドとフェルディナンドと共に、貴族院から毎日届く報告書を読んでいた。当初の報告は、ローゼマインが本棚に歓喜したことや、独特な挨拶でシャルロッテを困惑させたことなど、笑って流せる内容であった。旧ヴェローニカ派の学生による名捧げの申し出もあったが、ローゼマイン自身が名捧げを重く受け止めていたため、様子見となった。
平穏から外れ始めた貴族院生活
講義が始まると、報告は一気に不穏なものへ変わった。ローゼマインはハンネローレを図書委員に引き込み、図書館の魔術具に魔力供給をし、シュタープ変形で神具を作り出した。さらに、フェルディナンドのお守りが教師を攻撃し、水鉄砲で寝台の天蓋に穴を開けたため、三人は報告書を読むだけで疲弊していた。
第三王子との遭遇への危惧
ローゼマインが図書館でヒルデブラント王子と遭遇した報告に、ジルヴェスターは強い不安を覚えた。フェルディナンドは、まだ接触しただけだと落ち着いていたが、これから厄介事が増えると見越していた。ハルトムートの報告から、ヒルデブラントがローゼマインに興味を持っている様子も判明し、ジルヴェスターは王族との接触を避けたいと強く思った。
ヒルシュールの弟子とフェルディナンドの過去
ヒルシュールがアーレンスバッハの学生ライムントを弟子にしていることが報告され、エーレンフェスト側は情報流出を危惧した。カルステッドがヒルシュールに配慮を求めると、フェルディナンドは、かつてヒルシュールがヴェローニカから嫌がらせを受けながら自分を守ってくれた過去を明かした。ジルヴェスターはその事情を知らなかったことを悔やみ、フェルディナンドは魔術具の処理を名目に貴族院へ向かった。
ヒルデブラントの協力者登録
シュバルツとヴァイスの着替えでヒルデブラントが現れ、結果的に魔力供給の協力者となった報告が届いた。ジルヴェスター達は、ローゼマインが主で王族が協力者という状況に頭を抱えた。さらに、シャルロッテやハルトムートの報告から、ヒルデブラントがローゼマインに関心を持っている可能性が示され、三人は王族との距離を取らせる必要を感じた。
王族を招くお茶会への不安
ローゼマインから、図書館のお茶会にヒルデブラントを招くことになったという質問状が届いた。ジルヴェスター達は、王族を招待する重さを理解していないローゼマインに頭を抱え、側仕えとの合図や魔石の準備を指示した。フェルディナンドは、ローゼマインが本好きの友人にばかり構って王族を放置する危険を強く警戒していた。
ターニスベファレン討伐の報告
ローデリヒが負傷して戻り、ターニスベファレンが出現したという緊急報告が届いた。フェルディナンドは中央騎士団を呼ぶよう指示し、攻撃せず時間を稼ぐよう命じた。その後、ローゼマインが闇の祝福を与え、騎士見習い達がターニスベファレンを討伐した報告が届いた。ヴィルフリートは初陣での貢献を誇り、ハルトムートはローゼマインの神事を聖女の奇跡として称え、シャルロッテは中央騎士団到着時には討伐が終わっていたと事務的に報告した。
ローゼマインへの帰還命令
フェルディナンドは、ローゼマインが騎士団の呪文ではなく聖典の祝詞で闇の祝福を与えた可能性を重視し、事情聴取前に話し合う必要があると判断した。ジルヴェスターは、王族を招いたお茶会が終わり次第、ローゼマインを帰還させるよう命じた。
本好きのお茶会での失神
帰還予定の日、ローゼマインではなく報告書が届いた。図書館のお茶会で、ハンネローレやソランジュとの本のやりとりは和やかに進んでいたが、ヒルデブラントの側近が王宮図書館への招待を提案した瞬間、ローゼマインは感激のあまり意識を失った。王子や側近、ハンネローレが混乱し、ヴィルフリートとシャルロッテが救援に呼ばれて後始末に奔走した。
平穏から最も遠い存在
ジルヴェスター達は、ローゼマインが王族の前で再び倒れ、お茶会の主催者としても失態を重ねたことに頭を抱えた。フェルディナンドは、連続で倒れた体調を理由に詫びを入れさせ、奉納式が終わるまでエーレンフェストに留める方針を示した。ジルヴェスターは、なぜローゼマインがここまで問題を起こせるのかと嘆き、平穏という言葉が彼女には縁遠いものだと痛感した。
譲れない決意
ローデリヒが受け入れられた喜び
ローデリヒは、ローゼマインが物語と一緒に自分の名も受け取ると告げたことで、深い安堵と幸福を覚えた。白の塔の一件以降、孤独と暴力の中で過ごしてきた彼にとって、ローゼマインに受け入れられたことは本に救われた時以上の喜びであった。
家族から離れたいという願い
ローゼマインが家族に触れた瞬間、ローデリヒは父の命令や暴力を思い出し、恐怖に襲われた。旧ヴェローニカ派として居場所を失った父が、今度は領主一族に近付くために自分を利用する未来が見えたため、ローデリヒは名捧げと同時に家族から離れる許可を求めた。ローゼマインがそれを受け入れたことで、彼はひとまず安堵した。
側近達による確認
ローデリヒは、ローゼマインの目が届かない時間に会議室へ呼び出された。コルネリウス、ハルトムート、ブリュンヒルデ、レオノーレが並び、名捧げの決意を考え直すよう促した。ローデリヒは、ローゼマインが受け入れると言った以上、自分の決意を変えるつもりはないと答えた。
側近入りへの試練と受け入れ
ブリュンヒルデやレオノーレは、ローデリヒが諍いの種になることを懸念していたが、ハルトムートはローゼマインが受け入れると決めた以上、異を唱えないと述べた。文官見習い不足もあり、ローデリヒを育てる必要があると判断された。彼は名捧げ石に必要な素材の一覧を渡され、自力で集めるよう命じられた。
素材集めの困難
ローデリヒは文官見習いであり、素材採集には騎士見習いの護衛と討伐協力が必要だった。しかし、彼には報酬を払う金がなく、写本で稼いだ金も生活費に消えていた。名捧げの準備は進んだものの、素材集めという難題が残った。
旧ヴェローニカ派への交渉
ハルトムートは、ローデリヒに旧ヴェローニカ派の騎士見習い達を利用する術を教えた。ローデリヒはマティアスやラウレンツ達に、名捧げ石の素材採集への同行を頼み、報酬として名捧げ石の作り方とローゼマインとの仲介を約束した。さらに、彼らもいざという時のために素材を確保すべきだと告げた。
マティアスとの対話
マティアスは、ローデリヒの言葉がハルトムートの指示によるものだと見抜いたうえで、採集への同行を認めた。ただし、勢いで名捧げを決めるべきではないと忠告した。ローデリヒは一年かけてローゼマインに仕える道を探してきたのだと語り、状況が変わっても忠誠は変わらないと答えた。
家族より主を選ぶ決意
マティアスは家族について問いかけたが、ローデリヒは家族と縁を切るつもりだと明言した。自分の家族がローゼマインに不利益を運ぶことは許せないと考えていたためである。マティアスはなお言葉を重ねようとしたが、ローデリヒは自分の心の在り方をローゼマイン以外に止められたくないと告げた。
素材採集への出発
ラウレンツは、ローデリヒの決意に横槍を入れる必要はないと述べた。旧ヴェローニカ派の者達もまた、ローデリヒを通じて領主一族の姿勢を見極めようとしていた。ローデリヒは彼らに利用されることを理解しつつ、自分も素材採集のために彼らを利用すると受け止めた。土の日、ローデリヒ達は採集場所へ向かったが、外から続く黒い線に気付かないまま飛び込んだ。
旧ベルケシュトック寮の探索
ルーフェンがヒルシュールを迎えに行ったこと
ルーフェンは旧ベルケシュトック寮探索のため、ヒルシュールの研究室を訪れた。ヒルシュールは調合中であったが、約束の時間を忘れてはいなかった。ルーフェンは、ヒルシュールの少々待てという言葉を信用してはならないと弟子に忠告し、鐘が鳴ると彼女を研究室から連れ出した。
探索に向かう教師達の事情
旧ベルケシュトック寮は、ターニスベファレンが出現した原因を調べるため、王の許可と中央騎士団の立ち会いの下で探索されることになっていた。参加する教師は、ヒルシュール、フラウレルム、グンドルフ、ルーフェンであった。ルーフェンは、それぞれに癖が強く、原因究明には前途多難な面子だと感じていた。
フラウレルムによる証拠の消失
旧ベルケシュトック寮に入ると、フラウレルムが汚れを嫌ってヴァッシェンを行っていた。ルーフェン達は、足跡や侵入の痕跡を消しかねない行為に驚いたが、フラウレルムは衣装が汚れることを理由に正当化した。話が通じないため、探索は二手に分かれて行われることになった。
寮内の荒廃と過去の記憶
ルーフェンとヒルシュールは地階と地下室を調べた。寮内には壊れた家具や放置された部屋があり、廃領地となったベルケシュトックの荒れた痕跡が残っていた。ルーフェンは、かつての友人や顔を見なくなった学生達を思い出し、普段は押し込めていた感傷を覚えた。
ヒルシュールの推測
ヒルシュールは、ターニスベファレンが旧ベルケシュトック寮から迷わずエーレンフェストの採集場所へ向かったことから、エーレンフェストに恨みを持つ者の仕業ではないかと推測した。彼女は、かつてベルケシュトックの学生からターニスベファレンを買い取り、フェルディナンドにけしかけた学生がいたことも語った。
再発への警戒
ヒルシュールは、今回の件が単独犯による恨みであれば同じ手段は使われないだろうと考えていた。一方で、何らかの目的があり、エーレンフェストの一件が実験台だった場合には再発の可能性があると指摘した。ルーフェンは、騎士コースの教師が非常時に黒の武器を使えるよう、王の裁可を得る必要を考えた。
探索結果の共有
地階と地下室には、ターニスベファレンに関わる痕跡はなかった。グンドルフとフラウレルムが調べた一階以上にも、隠れていられる場所や魔獣の痕跡はないと報告された。その結果、旧ベルケシュトック寮の転移陣を使ってターニスベファレンが出入りした可能性はないと一度は結論づけられた。
グンドルフの秘された報告
ヒルシュールとフラウレルムが去った後、グンドルフは中央騎士団とルーフェンに、王へ注意を促すべきことがあると告げた。彼は、転移陣に使用された痕跡があったと明かした。元領主候補生としての知識があったために気付けたもので、同行した騎士やフラウレルムにはわからなかったと説明した。
ローゼマインへの疑念
グンドルフは、ローゼマインが黒の呪文を知り、採集場所の癒しも行えたことから、現時点では彼女が怪しく見えると述べた。エーレンフェストは被害者に見える一方、結果的には採集場所を失わず、むしろ豊かにしていたため、何らかの実験をしていた可能性も捨てきれないと考えた。
尋問会の重要性
グンドルフは、ローゼマインの尋問会が非常に重要になると判断した。寮監が普段いないエーレンフェスト寮では、領主候補生が自由に動けるため、学生達の報告だけでは真相を確認できないと見たのである。そのため、尋問会には王の側近、あるいは中央騎士団長の出席が必要だと提案され、誰も反対しなかった。
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