アラフォー賢者8巻レビュー
アラフォー賢者まとめ
アラフォー賢者10巻レビュー
どんな本?
■ 作品概要
『アラフォー賢者の異世界生活日記 9』は、オンラインゲームの能力を持ったまま異世界へ転移した主人公の成り上がりファンタジーおよびスローライフを描いたライトノベルである。 本作の世界は、剣と魔法が存在するだけでなく、古代の高度な魔導科学文明の遺跡や、ゲームのシステム(レベルやスキル)が現実の物理法則と入り交じった過酷な環境となっている。 第9巻では、ソリステア魔法王国の城塞都市スライストへ迫る巨大昆虫型魔物【グレート・ギヴリオン】の大群によるスタンピード(暴走)に、主人公のゼロスと、偶然再会したアドが立ち向かう。二人は規格外の力で魔物を殲滅していくが、そこに無責任な世界の管理者である「四神」が現れる。さらに、魔物の残骸の中から特撮ヒーローのような姿と振る舞いをする謎の生命体【漆黒流星ギヴリオン】が誕生し、事態は三つ巴のカオスな乱戦へと発展する。後半では、ハサム村でアドの妻ユイと合流するものの、ユイの異常な嫉妬による暴走や、彼女に恋する村の青年ウルからの決闘騒ぎに巻き込まれるドタバタ劇が描かれている。
■ 主要キャラクター
・ゼロス・マーリン:最強クラスの力を持つ【大賢者】であり、元営業職のアラフォー男。平穏なスローライフを望んでいるが、ゲーム時代の「殲滅者モード」に入ると容赦なく敵を消し飛ばす。本巻ではアドと共にスライスト防衛戦に参戦し、広範囲殲滅魔法などで魔物の大群を蹂躙する。
・アド(安藤俊之):ゼロスのゲーム時代の知人である青年で、職業は【賢者】。妻であるユイとの再会を条件に、ゼロスに丸め込まれて防衛戦に強制参加させられる。圧倒的な実力を持つが、ユイの重すぎる愛情と嫉妬に振り回される不憫な立ち位置である。
・ユイ(船橋唯香):アドの妻であり、妊娠中の身で異世界に転移してきた女性。アドに対して異常なまでの独占欲と愛情を抱いており、彼に近づく女性には殺意を向け、呪われた妖刀を持ち出して暴走するほどのストーカー気質の持ち主である。
・ウル:ハサム村の村長の孫で、イストール魔法学院を卒業した薬師。ユイに一方的な恋心を抱き、身の程知らずにもアドに決闘を申し込むが、圧倒的な実力差の前に惨敗して初恋を散らすことになる。
・漆黒流星ギヴリオン(ルシフェル):グレート・ギヴリオンの残骸から誕生した、正義の味方のような姿をした謎の生命体。その正体は別世界の観測者(ケモさん)が送り込んだ使徒ルシフェルであり、特撮ヒーローのような熱いポーズや言動は、悪ふざけを好む上司の仕込みであった。
・四神(アクイラータ、ウィンディア、フレイレス):世界を管理する代行神だが、非常に無責任で利己的な性格をしている。転生者を始末しようと現れるが、ゼロス達や漆黒流星ギヴリオンから容赦なくボコボコにされる。
■ 物語の特徴
本作の魅力は、広域殲滅魔法が飛び交う凄惨な防衛戦や、世界の理に関わるシリアスな設定の裏で、特撮ヒーローのパロディや理不尽なラブコメディといったギャグ要素が激しく入り混じるカオスな落差にある。 特に、強大な魔物であるはずのグレート・ギヴリオンの残骸から、流暢に喋りポーズを決める「正義の味方」が爆誕し、創造主の代理であるはずの四神を大自然の敵として追い回す展開は、王道ファンタジーの枠を大きく逸脱した本作ならではの差別化要素である。また、圧倒的な力を持つ主人公たちが、神を相手に「酒を失った恨み」などで容赦なく魔法を撃ち込む大人げない姿や、無自覚なリア充であるアドが妻の暴走や恋する青年の思い込みに理不尽に巻き込まれる人間模様も、読者の笑いを誘う興味深いポイントとなっている。
読んだ本のタイトル
アラフォー賢者の異世界生活日記 9
著者:寿安清 氏
イラスト:ジョンディー 氏
出版社:KADOKAWA(MFブックス)
発売日:2019年4月25日
ISBN:9784040656830
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あらすじ・内容
おっさん、巨大G生物とバトルす!
アラフォー賢者の異世界生活日記 9
さすが大賢者というべきか、イルマナス地下街道の工事や外交官の護衛、そしてルーセリスの出生に関する一件と、雪崩式に舞い込む依頼を次々に解決へと導いたゼロス。
これでようやくまったりできると思いきや、ゼロスはソリステア魔法王国元公爵・クレストンから、辺境で発生している原因不明の魔物暴走についての調査を依頼されてしまう。
おっさんとしては嫌とも言えず現地へ急行すると、そこでは巨大な昆虫型の魔物【グレート・ギヴリオン】が魔王クラスへ進化しようとしており、予想以上に最悪な事態となっていた。
一刻も早くこの状況を知らせるべく辺境にある城塞都市スライストを訪れたゼロスだったが、そこで自身の弟子ともいうべき生産系魔道士・アドと再会し……。
ゼロス×アドという不安しかない大賢者&賢者コンビと、見るもおぞましい巨大G生物【グレート・ギヴリオン】との壮絶バトル! その結末は超意外な方向へ!?
感想
読んでまず感じたのは、戦闘のスケールがとんでもない方向へ広がった巻だったということである。
巨大な魔物との防衛戦、女神たちとの遭遇、さらには世界の調整者のような存在まで登場し、話の規模が一気に大きくなっていた。それでいて、最後はどこかグダグダな笑いに着地するところが本作らしい。
特に印象に残ったのは、ゼロスとアドの師弟コンビである。
防衛戦への参加を渋るアドに対して、ゼロスがエアバイク【サイドワインダー号】を餌にして巻き込む流れには思わず笑ってしまった。
大人げないと言えば大人げないのだが、アドの性格をよく分かったうえで釣っているあたりが実にゼロスらしい。
そして二人が戦うことになる相手が、巨大化したG系の魔物というのがまた強烈だった。
ただでさえ嫌悪感のある存在なのに、巨大で素早く、さらに大群で襲ってくる。
読んでいて本気で気持ち悪さと恐ろしさを感じた。
もしゼロスたちがいなければ、城塞都市スライストはとんでもない被害を受けていたのではないかと思う。
しかし、規格外の二人が本気で魔法を放つと、今度は別の意味で大惨事になる。
大地が削れ、地形が変わるほどの破壊が起きる展開には、もはや笑うしかなかった。
この作品では強い人物が強すぎるせいで、問題を解決しているのか新たな問題を作っているのか分からなくなる場面がある。
本巻はまさにその面白さが全開だった。
さらに印象深かったのは、四神との遭遇である。
大規模魔法の余波を察知して文句を言いに来た女神たちに対し、ゼロスとアドが一切会話をせずに殺しにかかる流れには驚かされた。
ただ、彼らにとっては人生を狂わされた相手でもある。
怒りが爆発するのも当然であり、読んでいて妙に納得してしまった。
そして、その流れをさらにめちゃくちゃにしたのが「漆黒流星ギヴリオン」の登場である。
巨大Gの残骸から生まれた存在でありながら、見た目は妙に格好良い。
しかも女神たちへ襲いかかる展開には思わず吹き出してしまった。
ゼロスとアドが少年のような目で観戦しているのも面白い。
あれだけ危険な状況なのに、どこか特撮ヒーローショーを眺めているような空気になっているのが本作らしかった。
後から明かされるギヴリオンの正体も印象的である。
世界のバランスを調整するために派遣された存在が、魔素と肉体の都合でGの残骸を使って受肉してしまう。
しかも目の前に諸悪の根源である女神たちがいたため、そのまま攻撃を始めたという流れには笑ってしまった。
壮大な設定のはずなのに、結果的には八つ当たりのように見えるところが面白い。
戦闘後のアドとユイの再会も印象に残った。
念願の再会であるはずなのに、女性たちと行動していたことでユイから折檻を受ける流れには苦笑してしまう。
愛が重いというより、もはや狂気に近い。
それでもアドにとっては大切な相手であり、二人の関係性には独特の濃さがあった。
読んでいて感じたのは、本巻はゼロスとアドという転生者二人の因縁と、世界そのものの異常さが強く描かれた巻だったということである。
女神たちへの怒り、世界を調整しようとする存在、そして転生者たちの再集結。
ギャグの勢いで押し切っているように見えて、物語の根幹に関わる要素もかなり動いていた。
終盤では、アドたちがサントールへ向かう一方で、学園側でも新たな騒動の気配が描かれる。
アンズとエロムラを追ったセレスティーナたちが、イーサ・ランテの柱の中のダンジョンへ足を踏み入れる展開には、新たな冒険の予感があった。
スケールの大きな戦闘、理不尽なギャグ、そして世界の謎。
そのすべてが勢いよく詰め込まれた、非常に楽しい一冊だった。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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アラフォー賢者10巻レビュー
考察・解説
転移者の食文化
『アラフォー賢者の異世界生活日記』シリーズにおいて、地球からやってきた転生者たちにとって「食」は大きな課題であり、彼らの行動や感情に多大な影響を与えている。
現代日本の豊かな食生活に馴染んできた転生者たちが、異世界の未発達な食文化に不満を抱きながらも、現代知識やチート能力を駆使して故郷の味を追求し、現地の食糧事情を劇的に改善していく動向の全容は以下の通りである。
異世界の食事情に対する不満とストレス
現代日本から異世界へ転生したアド、リサ、シャクティらは、現地の劣悪な食文化に強い不満とストレスを抱えていた。
・現地のパンは硬く、干し肉は味が濃すぎるうえに噛み切れず、田舎の肉は血抜きが甘いため生臭いという有様であった。
・肉を熟成させて旨味を引き出すという概念がなく、衛生管理も杜撰で食中毒が頻繁に発生する環境であった。
・アドたちは山岳の小国イサラス王国において、塩すら不純物が多いため満足に手に入らず、飢えをしのぐ過酷な生活を強いられていた。
ゼロスの異常な環境適応力と魔物調理
他の転生者たちが異世界の食に苦しむ中、主人公のゼロス(大迫聡)だけは異常なまでの環境適応力を見せている。
・彼は地球にいた頃から農村で自給自足の生活を送り、ジビエの狩猟や自家製の生ハム、ソーセージ作りに携わっていた。
・過去の海外出張でタランチュラの素揚げや子牛の脳みそなどを食した経験から、ゲテモノに対する耐性が極めて高かった。
・異世界でもワイヴァーンをはじめ、デス・マンティス(巨大カマキリ)やビッグ・スパイダー(巨大蜘蛛)などの魔物を、毒がなければ美味しい、と平然と調理して食し、周囲を驚愕させている。
故郷の味(日本食)再現への執念と魔導具開発
ゼロスは平穏なスローライフと並行して、日本食の再現や食環境の改善に並々ならぬ情熱を注いでいる。
・米の発見と栽培:この世界でライスウィードの名で雑草扱いされていた植物が米(稲)であることを見抜き、自ら畑を区分けして栽培を開始した。さらに収穫効率を上げるため、足踏み式脱穀機や唐箕(とうみ)、乾燥機付きサイロなどの農機具を魔導錬成で自作した。
・魔導具冷蔵庫による革命:生ぬるいエール酒に不満を持ったゼロスは、氷結系の魔法式を刻んだ魔石で冷気を発生させる冷蔵庫を開発した。この技術はソリステア商会で商品化され、飲食店の食材保存や港の大規模冷凍貯蔵庫の建設へと繋がり、世界の物流に革命をもたらした。
・究極の卵かけご飯(TKG)の追求:獰猛な魔物ワイルド・コッコを調教して濃厚な卵を入手した。なお、醤油や味噌については、デルサシス公爵が東方の職人を雇ってソリステア商会で製造・販売していたものを購入して使用している。
転生者たちを襲う美食の罠
ゼロスは時折、アドたち他の転生者に自分の手料理を振る舞い、彼らを涙して喜ばせているが、そこには過酷な食材の秘密が潜んでいる。
・ゼロスが振る舞った天丼の食材は、カニに似たダニの魔物(デミ・マーダータランチュラ)や、三日間苦しみ抜いて死ぬ猛毒を持つ三日ムカデ、そして猛毒植物の毒をポーションで完全に抜いたものであった。
・食べた後に真実を知らされたリサはショックで気絶し、アドも激しく後悔したが、シャクティは、ミミズを食べるよりマシ、と割り切るなど、価値観の差が浮き彫りとなった。
・その後の野営でも、ゼロスが作ったカレー風味の唐揚げの正体が魔物であることを聞かされ、三人は再び悲鳴を上げることとなった。
転生者の知識による食料事情の改善と自給自足
転生者たちは自身の持つ現代知識を活かし、現地の食糧事情や経済を劇的に改善する貢献も行っている。
・ポルトによる飢餓救済:アドたちは山林に自生していたジャガイモのような植物ポルタが食用になることを発見し、イサラス王国に普及させて国を飢餓から救った。ポルタは煮込めば柔らかくなり、剥いた皮は固形燃料となる。さらにゼロスの知識により、茎から砂糖が採れ、葉は魔法紙の素材になるという有用性も判明した。
・古ワインの有効活用:古いワインは飲めないと捨てられていたが、アドの助言で百年もののワインとして他国へ輸出したところ、魔力で熟成された神酒として高値で取引され、王国の財政を潤した。
・孤児院での自給自足:サントールの街の養護院では、魔法を使って荒れ地を開墾して畑を作り、孤児たちに野菜や成長の早い薬草(マンドラゴラなど)を育てさせることで、食糧の自給自足と資金稼ぎを両立させる教育を展開した。
まとめ
『アラフォー賢者の異世界生活日記』における食のテーマは、転生者たちの生活の質を左右する死活問題であると同時に、世界に変革をもたらす重要な要素として描かれている。異世界の劣悪な食環境に対し、ゼロスは規格外の適応力で魔物を食材に変え、米の栽培や冷蔵庫の開発を通じて日本食の再現と保存技術の発展に寄与した。アドたちもまた、ポルタの発見やワインの付加価値化によって国家レベルの飢餓と財政難を救うなど、転生者たちの食に対する執念と知識は、異世界の文化と経済の基盤を底上げする大きな原動力となっている。
城塞都市の防衛戦
『アラフォー賢者の異世界生活日記』シリーズにおいて描かれる、ソリステア魔法王国の国境付近にある城塞都市スライストを舞台にした魔物の大暴走(スタンピード)に対する大規模な迎撃戦について解説する。
メーティス聖法神国のシュトーマル要塞を壊滅させた巨大昆虫型魔物グレート・ギヴリオンと、その眷属である数万のG型魔物の大群ヘルズ・レギオンが迫る中、国家の存亡を懸けて展開された防衛戦の全容は以下の通りである。
迫り来る危機と防衛会議
この魔物の大暴走は、メーティス聖法神国の異端審問官たちが自国の被害を減らすため、邪香水や魔避香を用いて意図的にソリステア魔法王国へ誘導したテロ行為である可能性が高かった。さらに元凶であるグレート・ギヴリオンは、単体で国を滅ぼしかねない魔王クラスへの進化を目前にしていた。
・スライストの傭兵ギルドに設置された臨時対策本部では、特務遊撃騎士隊のアーレフ大隊長、ギルドマスターのドンサーク、執政官ノーホン男爵が対応にあたっていた。
・Sランク魔導士のゼロスは、スライストの騎士団や魔導士、傭兵たちには暴走する魔物の迎撃に専念してもらい、魔王級の本体討伐は自分たち少数精鋭で請け負うと提案した。
・ゼロスは、偶然スライストで再会した同郷の転生者・アドを、彼の妻であるユイの居場所を交渉材料(弱み)にして脅し、半ば強制的に防衛戦に巻き込んだ。
スライスト防壁での迎撃戦と魔導士たちのトラブル
防壁での戦闘では、イストール魔法学院の生徒が考案した「先頭の飢えた魔物を範囲魔法で倒し、その死骸を餌にして後続を足止めする」という戦術が採用され、実際に高い効果を上げていた。しかし、前線では深刻なトラブルが続出することとなる。
・大量の魔物を倒したことで魔導士たちが急激な格上げ(レベルアップ)を起こし、肉体への負荷による気絶や体調不良で戦線離脱する者が相次いだ。
・配給された使用期限間近のマナ・リキュールポーションを大量に飲んだ魔導士たちが泥酔し、防壁の上で男女に分かれて壮絶な殴り合いの喧嘩を始める事態に陥った。
・戦線の崩壊を防ぐため、ゼロスとアドが参戦し、泥酔した魔導士たちに代わって氷結魔法コキュートスを放ち、大地を凍土に変えて地上の魔物を一掃した。
・空から飛来したGの軍団に対しても、フレア・マインやバースト・マインを空中で起爆させ、無数の追尾魔法や爆裂魔法の乱射で完全に殲滅し、周囲の魔導士たちを驚愕させた。
騎士団と傭兵の出撃
地上の魔物が減ったタイミングを見計らい、アーレフ大隊長は騎士団と傭兵たちに城外への出撃を命じた。
・ファーフラン大深緑地帯で過酷なサバイバル訓練を積んだ精鋭騎士たちは、鋒矢陣形を組み、風系統の身体強化魔法ソニック・ブーストによる超加速突撃(ランサー・チャージ)を敢行し、残存する魔物を一方的に蹂躙した。
・傭兵の中には、呪い効果が付与された巨大なパイルバンカーであるバスター・グングニルを装備した巨漢の戦士・ボンバー内藤(元プレイヤー名:マスクド・ルネッサンス)も参戦していた。
・彼は装備の狂戦士化スキルの影響もあり、狂戦士ベルセルクと化して動く敵がいなくなるまで魔物を粉砕し続け、戦場にその名を轟かせた。
グレート・ギヴリオン討伐と空中戦の結末
防衛戦の翌日、魔物の勢いが弱まったのを見計らい、ゼロスとアドは暴走の元凶であるグレート・ギヴリオン本体の討伐へと出撃した。
・二人はゼロス自作の飛行用魔導具エア・ライダー(サイドワインダー号)に乗り込み出撃したが、進化直前の王を守るGの群れはゲーム時代にない高度な防衛陣形と学習能力を見せた。
・竜巻魔法ブラスト・タイフーンでの突破口を阻まれ、魔法を弾き飛ばす強襲突進攻撃スパイラル・ダイブを仕掛ける角付きの特殊個体や、防御に特化したデブGの壁に苦戦を強いられた。
・二人は防御を捨てて攻撃主体に切り替え、魔法を強化するスキルオーバーシュートを用いてフレア・ランサーなどをミサイルのように乱射し、強引に中央突破を図った。
・最後はゼロスが光属性魔法シャイニング・レイで前方の壁を焼き払い、その隙にアドがスロットルを全開にしてグレート・ギヴリオンの真上へ到達した。
・ゼロスが広範囲殲滅魔法闇の裁きを投下し、アドがブースターを作動させて急速離脱した。
・闇の裁きが発動すると、巨大な超重力球がグレート・ギヴリオンと周囲のGたちを呑み込み、連鎖爆縮によって大地ごと完全に消滅させた。
まとめ
スライスト城塞都市の防衛戦は、メーティス聖法神国による陰湿な魔物誘導テロという危機から始まったが、ソリステア魔法王国の精鋭騎士団や傭兵たちの奮戦、そして規格外の力を持つ転生者ゼロスとアドの介入によって見事な勝利を収めた。防壁の上で魔導士たちが泥酔するなどの混乱はあったものの、空中戦において学習・進化したGの防衛網を突破し、広範囲の連鎖爆縮魔法によって元凶ごと大地を消滅させたことで暴走は終息した。環境破壊への罪悪感を残すほどの圧倒的な殲滅力により、スライストの街は守られ、大暴走の脅威は完全に去ることとなった。
殲滅魔法の威力
『アラフォー賢者の異世界生活日記』シリーズに登場する「殲滅魔法」の威力は、単なる魔法の枠を大きく超え、地形を書き換え生態系を破壊する戦略兵器(核弾頭級)として描かれている。その異常な威力と特徴の全容は以下の通りである。
1. 殲滅魔法の仕組みと圧倒的な完成度
殲滅魔法は、ゼロス達トッププレイヤーである殲滅者が、ゲームであるソード・アンド・ソーサリス時代に面白半分で開発した広範囲破壊魔法である。
・0と1の機械言語を用いて構築された超高密度の魔法式は、人間の脳では処理しきれない。
・そのため、魔法式の処理プログラム自体を砲弾として撃ち込み、目標地点で展開して周囲の魔力を吸収・物理現象に転換するという特殊な仕組みを持っている。
・この世界の魔導士達(ウィースラー派など)も遺跡のデータを元に広範囲殲滅魔法を研究しているが、複数人の精神同調を必要とし、魔力も到底足りないなど理論が破綻した欠陥品であり、実用化には至っていない。
・ゼロス達の魔法はこれらとは次元が異なる完成度を誇っている。
2. 現実世界における威力の異常な増大
ゼロス達にとって最大の誤算は、ゲーム世界で使っていた殲滅魔法を現実の異世界で使用した際、威力が想像を絶する規模に跳ね上がったことである。
・ゲーム内では被害は数値上の処理で済んでいたが、現実では物理法則が適用される。
・発生した莫大な熱量や衝撃波がそのまま甚大な環境破壊を引き起こしてしまう。
・ゼロス自身も、威力を過小評価していた、禁呪扱い確定、と冷や汗を流すほどであった。
3. 代表的な殲滅魔法とその被害
作中で使用された代表的な殲滅魔法は、いずれも地形を永久的に変貌させるほどの爪痕を残している。
・闇の裁き:臨界寸前のブラックホールを生成し、範囲内の敵を量子単位まで圧縮して火薬代わりに連鎖爆縮を起こす超重力魔法である。ゴブリンの集落や、魔王進化寸前のグレート・ギヴリオンを大地ごと完全に消滅させ、月面のような巨大なクレーター群を生み出した。
・暴食なる深淵:闇の裁きの試作版である。妖精の集落と魔力溜まりを吹き飛ばすために使用されたが、発生した巨大な衝撃波が山間部の谷を広範囲に抉り取り、後にマーリンの湖と呼ばれる巨大なクレーターを作って豊かな森を消滅させた。
・煉獄炎焦滅陣:瞬間的に一万度に達する熱量と爆風を発生させる。アーハンの廃鉱山(地下都市)でサンド・ワームの群れに対して使用された結果、岩肌を溶解させて周囲を溶岩地帯に変え、熱膨張によって天井の岩盤を砂粒単位で粉砕し大穴を開けた。
・ガンマ・レイ:魔力をガンマ線に変質させ、物質を透過して魔力体(妖精など)に直接大ダメージを与える。放射線被曝は魔法式で無効化されているが、妖精の集落を周囲の森ごと焼き払う威力を持つ。
4. 威力の強大さゆえの危険性と責任
殲滅魔法は、一人の人間が持つには危険すぎる兵器であり、他国に漏れれば戦争の引き金となり甚大な血が流れる可能性を秘めている。
・生態系を破壊するほどの一方的な虐殺行為となるため、使用したゼロスやアド自身も、その暴虐的な光景を前に激しい罪悪感や命に対する重い十字架を背負うことになっている。
・そのためゼロスは、行き過ぎた好奇心は危険なものを生み出す、として、弟子のセレスティーナらにも破壊魔法の危険性を説き、自身の魔法を他人に伝授することを固く禁じている。
まとめ
異世界において現実の物理法則と噛み合った殲滅魔法は、ゲーム時代の想定を遥かに凌駕する環境破壊兵器と化してしまった。その圧倒的な完成度と破壊力は、現地の魔導士たちの研究水準とは一線を画しており、ブラックホールの生成や一万度の熱量によって地形そのものを消滅・変貌させる。この強大すぎる力は世界を揺るがしかねない危険を孕んでいるため、ゼロスはその暴虐性を深く自戒し、他者への技術伝授を厳しく制限しながら、秘匿すべき禁忌として扱っている。
四神と邪神の因縁
『アラフォー賢者の異世界生活日記』における四神と邪神の因縁は、創造主の無責任な行動によって生み出された「正当な管理者」と「不完全な代行者」による、世界の管理権限(マトリクス)を巡る対立である。その深い因縁と双方の思惑の全容は以下の通りである。
1. 創造主の失敗と理不尽な封印
邪神の正体は、創造主が作り出した次元管理生命体であり、本来はこの世界を管理する正当な神である。
・しかし、創造主が自分好みのグラマラスな女神を作ろうとして失敗し、醜悪な肉塊のような姿になってしまった。
・そのため、邪神は理不尽にも地中深くに封印されてしまった。
・その後、創造主は別次元へ去る時間が迫っていたため、急遽、妖精王をベースにして四神を生み出し、管理権限を四つに分割して与えた。
2. 邪神の目覚めと管理権限の奪還
封印から千年ほど経って自我が形成され目覚めた邪神は、自分の代わりである四神の存在を察知した。
・邪神は、本来自分が持つべき管理権限(マトリクス)を取り戻すため、四神を取り込もうと活動を開始する。
・一方の四神は享楽的な妖精をベースにしているためまともに世界を管理しておらず、創造主と同質の絶対者である邪神には到底太刀打ちできなかった。
・圧倒的な力を持つ邪神に捕まれば、内部に吸収されて管理権限を残らず奪われてしまうため、四神は怯えながら逃げ回ることとなった。
3. 邪神戦争と不法投棄
四神は自身で邪神を倒すことができず、当時の高度魔法文明の人類に召喚魔法陣と神器を与え、異世界から抗体である勇者を大量に召喚させて邪神を封印させた。
・しかし近年、邪神の封印が弱まり復活の兆しが見えたため、四神はあろうことか地球のVRゲーム『ソード・アンド・ソーサリス』の世界へ邪神を不法投棄(再封印)して逃げ出すという暴挙に出る。
・結果として、ゲーム内で邪神を倒した主人公のゼロス達が自爆テロに巻き込まれ、異世界へ転生することになった。
4. 互いの認識と天敵関係
二つの存在は、その役割と本質の違いから明確な天敵関係にある。
・邪神から見た四神:自分の管理権限を不当に持っているにもかかわらず、世界をまともに管理する気がない無責任で怠惰な代行者。
・四神から見た邪神:自分達の神の座を脅かし、全てを奪い尽くす絶対に勝てない恐怖の天敵。
まとめ
このように、四神と邪神の因縁はどちらが神の座に就くかという生存競争であり、その根本的な原因は全てを適当に済ませて去っていった創造主の杜撰な管理にある。正当な権限を持ちながら容姿ゆえに封印された邪神と、享楽的で管理能力を持たない四神の対立は、異世界における神々の欺瞞を象徴するシステムとして物語の根底に横たわっている。
漆黒流星ギヴリオン
『アラフォー賢者の異世界生活日記』に登場する漆黒流星ギヴリオンの概要と、その正体や誕生の経緯、世界の根幹に関わる裏事情について解説する。
王道ファンタジーの世界観を大きく逸脱した特撮ヒーローのような外見と振る舞いを持つこの存在は、他世界のシステムや観測者の思惑が絡み合った特異なキャラクターである。その全容は以下の通りである。
1. 誕生の経緯とキャストオフ
ゼロスとアドが放った広範囲殲滅魔法「闇の裁き」によって、魔王進化寸前のグレート・ギヴリオンは完全に消滅したかに見えたが、その骸の中から突如として誕生した。
・出現当初は、分厚い甲殻に覆われたサナギのような姿であった。
・四神(フレイレス)の炎攻撃を受けた際、炎の中でキャストオフ(装甲パージ)を敢行する。
・これにより、磨き抜かれた黒曜石のように美しく輝く洗練された第二形態へと変身を遂げた。
2. 特撮ヒーローばりの言動とオタク心への影響
ゴキブリ系統の魔物から生まれた存在でありながら、漆・黒・流・星、ギヴリオンと名乗り、流暢な言葉と香ばしいポージング、背後の爆発エフェクトを伴って登場する。
・大自然に代わり、この私が制裁してやる、と高らかに宣言する。
・その姿にゼロスとアドは童心に返ってしまい、すっかりオタク心を直撃されてヒーロー談義の観戦モードに入ることとなった。
3. 四神との激闘と圧倒的な力
ギヴリオンは、自分たちの欲望のために無断で異界召喚を繰り返し世界を滅ぼそうとした大罪人として、四神を標的に定める。
・ギヴリオン・ソードやギヴリオン・スマッシャーといった必殺技で四神を圧倒する。
・最後は太陽光を収束させた最大攻撃ギヴリオン・ノヴァを放った。
・この一撃は「闇の裁き」に匹敵する威力を持ち、四神を吹き飛ばして地上に巨大なクレーターを穿った。
4. 真の正体である使徒ルシフェル
四神との戦闘後、衛星軌道上へと移動したギヴリオンは偽装装甲を解除し、本来の姿へと変化した。
・その正体は、六対十二枚の翼を持つ少女の姿をした使徒ルシフェルであった。
・彼女は別世界から送り込まれたシステムである。
・四神が無断で勇者召喚(異界召喚)を繰り返したことで次元崩壊の危機が生じていたため、他世界の観測者たちがこの世界へ正当に干渉する理由を作るべく送り込まれたのが真相である。
5. 特撮ヒーローとなった理由と観測者の仕込み
ルシフェルを送り込んだ上司は、ゼロスのかつてのゲーム仲間であるケモ・ラビューン(ケモさん)であった。彼は強大な観測者でありながら、時間軸を超えてオーパーツを残すようなタチの悪い愉快犯でもある。
・ルシフェルがグレート・ギヴリオンを媒体に受肉した際、頭にはゴキブリの触覚が残ってしまっていた。
・熱い台詞で正義を執行していたあの疑似人格は、すべてケモさん監修による仕込み(嫌がらせ)であった。
・自分が目覚める前に疑似人格が勝手に恥ずかしい振る舞いをしていた事実に気づき、ルシフェルは宇宙空間で一人さめざめと泣くこととなった。
まとめ
漆黒流星ギヴリオンは、魔王進化寸前の魔物の残骸から特撮ヒーローとして現れ四神を圧倒したが、その実態は次元崩壊を防ぐために別世界から派遣された使徒ルシフェルであった。世界の危機を救うための正当な干渉という大義名分のもとにあったが、上司である観測者ケモさんの悪趣味な演出と嫌がらせにより、ゴキブリの意匠と恥ずかしい疑似人格を植え付けられるという悲劇的な側面を持っている。四神の身勝手な召喚への制裁という世界の根幹に関わる戦いでありながら、仕掛け人の悪ノリによってカオスな展開へと昇華されたエピソードである。
ハサム村の再会
『アラフォー賢者の異世界生活日記』における「ハサム村の再会」は、離れ離れになっていたアド(安藤俊之)と身重の妻ユイ(船橋唯香)がようやく合流を果たす重要なエピソードである。感動的な展開から一転して凄惨な修羅場へと発展する、本作ならではの展開の全容は以下の通りである。
1. ゼロスとユイの出会いと同郷の確認
妖精の被害に悩むハサム村を訪れていたゼロスは、村長宅で保護されていた身重の女性ユイと出会う。
・ゼロスは彼女がソード・アンド・ソーサリスの初心者用神官服に似た服を着ていたことから転生者であると疑った。
・サ○ヤ人といえば、というオタク知識の質問を投げかけ、ユイが、ナッ○でしょうか、と答えたことで同郷であることが確定した。
・ユイは幼馴染で婚約者のアドと共にゲームをプレイ中、妊娠した状態のまま異世界へ飛ばされ、アドとはぐれてしまっていた。
・ゼロスはアドらしき人物に心当たりがあったものの確証がなかったためその場では伏せ、彼に会ったら居場所を伝える、と約束して村を後にした。
2. アドとユイの再会と呪いの包丁による修羅場
その後、スライスト城塞都市の防衛戦でアドと合流したゼロスは、彼をハサム村へと案内する。
・村長宅で編み物をしていたユイは、ついに夫であるアドと感動の再会を果たす。
・しかし、アドの後ろにリサとシャクティという二人の女性が同行していたのを見た瞬間、ユイは激しい嫉妬と独占欲を爆発させ、アドに向けて刺身包丁を投げつけた。
・この包丁は、現実世界でユイに振られた腹いせに知人がゲーム内でアドに送りつけた呪いの妖刀であり、周囲のカップルを刺したくなる大嫉妬や狂戦士化の呪いがかけられた危険物であった。
・さらにリサがアドの温泉でのラッキースケベなどをうっかり暴露してしまったことで、ユイの怒りは頂点に達する。
・面白がったゼロスが物騒なナイフを手渡したこともあり、身重のユイがアドを追い回す修羅場へと発展した。
・アドは7時間近くも全力で逃げ回り、必死に甘い言葉を並べてユイを宥めることでなんとか生き延びることとなった。
3. 村長の孫ウルの横恋慕と決闘
この再会劇の裏で、村長の孫であり優秀な薬師であるウルがユイに一方的な恋心を抱いていた。
・ウルはアドを、身重の妻を置き去りにした不誠実な男、と誤解しており、ユイを村から連れ出すことに強く反対してアドに決闘を申し込む。
・アドがレベル1000を超える賢者であることを知らないウルの挑戦に対し、ゼロスはアドに魔法使用禁止のハンデを与え、陣地の柱を倒し合う棒倒し形式の変則的な決闘を仕立て上げた。
・落とし穴での泥仕合の末、アドが剣技でウルの柱を粉砕して勝利する。
・敗北を受け入れられないウルは自暴自棄になってユイに向かっていったが、ユイから、俊君のことしか考えられないから他の男性は全員案山子に見える、と容赦なく振られ、彼の初恋は完全に終わりを告げた。
・その後、アド達一行はユイを連れて、デルサシス公爵との交渉や安全な生活基盤を求めてサントールの街へ向けて出発し、ハサム村を後にした。
まとめ
ハサム村におけるアドとユイの再会は、異世界で生き別れになっていた夫婦の合流という感動の節目であったが、同行する女性の存在や呪いのアイテム、さらにはゼロスの悪ノリが重なったことで凄惨なコメディ修羅場へと変貌した。また、現地の青年ウルの誤解に基づく横恋慕も、賢者であるアドの技量とユイの一途な拒絶の前に完膚なきまでに打ち砕かれた。数々のトラブルを経て、一行はサントールの街へと生活の拠点を移すこととなり、転生者たちの新たな共同生活と四神への対抗に向けた基盤が整う結果となった。
イーサ・ランテ調査
『アラフォー賢者の異世界生活日記』における古代の地下都市イーサ・ランテの遺跡調査について解説する。
本調査は、イルマナス地下大遺跡のトンネル工事中に発見された古代の地下都市イーサ・ランテを舞台に、ソリステア魔法王国が国家規模で実施した一大プロジェクトである。国の研究機関に所属する魔導士のほか、イストール魔法学院の成績優秀者たちも実地研修として強制参加させられており、それぞれの専門分野に基づいた調査が展開された。その全容と各キャラクターの動向は以下の通りである。
1. 調査の背景と目的
イーサ・ランテは邪神戦争期に築かれたのち、外部から隔絶されて滅んだ生きた古代都市である。
・ゼロスによって街の管理システムと照光結晶が再起動されたのち、ソリステア魔法王国の調査団が派遣された。
・危険な古代兵器や都市の管理システムはゼロスとクレストンによって完全に封鎖されたが、残された都市構造や魔導具は軍事的、技術的に極めて価値が高く、大規模な調査が進められた。
・護衛としてBランク以上の傭兵も雇われたが、旧時代の遺物を着服しようとする者も多いため、現地では厳重な監視が敷かれていた。
2. クロイサス達(サンジェルマン派)の魔導具解析
魔法研究を専門とするサンジェルマン派のクロイサス達は、倉庫で発見された膨大な魔導具の識別と魔法式の解読作業に当たっていた。
・旧時代の魔導具には極小の魔法陣が刻まれており、さらに各種族に分かれる前の統一言語の解読が必要であった。
・そのため、鑑定スキルを持つ者でさえ音を上げるほどの過酷な作業環境となっていた。
・しかし、重度の研究者であるクロイサスだけは、まさにここは天国です、知識の宝庫ですよ、と歓喜し、周囲が疲弊する中で一人ハイテンションで解析に没頭していた。
3. ツヴェイト達(ウィースラー派)の防衛構造検証
戦術研究を主とするウィースラー派のツヴェイトやディーオ達は、イーサ・ランテの防衛構造や戦術の検証を行っていた。
・街の門が西門と北門の二ヶ所しか存在しないことを確認する。
・兵士の宿舎や衛兵の待機所、監視用の見張り小屋などが機能的に配置された構造を検証した。
・これらの結果から、外からの正攻法では落とすことができない難攻不落の地下要塞であると結論づけている。
4. エロムラとアンズの隠し扉探索
護衛の傭兵として参加していた転生者のエロムラとアンズは、ゲーム時代の知識を頼りに、天井を支える巨大な魔力伝導柱の探索を行っていた。
・彼らは柱の壁に隠し扉を発見する。
・特定の解除コードを唱えて扉を開き、階段やエレベーターが設置されている柱の内部空間へ侵入した。
5. セレスティーナ探検隊の追跡
調査の休憩中に街を散策していたセレスティーナとキャロスティーは、偶然にもエロムラ達が隠し扉を開けて中に入るのを目撃した。
・二人の装備は学院の制服とローブ、申し訳程度の杖という戦闘に不向きなものであったが、研究者としての知的好奇心を抑えきれなかった。
・世紀の大発見を見逃すわけにはいかない、と覚悟を決めた二人は、エロムラ達の後を追って柱の中へと足を踏み入れていくこととなった。
・なお、この調査団のキャラバンには、ミスカとウルナも休暇を利用した温泉旅行という名目で勝手に便乗し、イーサ・ランテを訪れていた。
まとめ
イーサ・ランテの調査は、ソリステア魔法王国にとって旧時代の高度な技術や頑強な防衛構造を解明するための極めて重要な足がかりとなった。過酷な解読作業に歓喜するクロイサスのような研究者がいる一方で、ツヴェイトらは都市の軍事的な有用性を実証し、さらにエロムラやセレスティーナらの行動によって都市のさらなる深部への道が開かれるなど、多くの発見と個々の思惑が交錯する調査となった。この遺跡からもたらされる知識と遺物は、今後の王国の技術発展や世界情勢に大きな変革を促す原動力と言える。
アラフォー賢者8巻レビュー
アラフォー賢者まとめ
アラフォー賢者10巻レビュー
登場キャラクター
転生者・地球の人物
ゼロス(聡)
大賢者の職業を持つ転生者であり、平穏なスローライフを望んでいる。アドやイリスなど他の転生者と同郷であり、大迫麗美(シャランラ)は実の姉である。
・所属組織、地位や役職
無職。傭兵(Sランク)。大賢者。
・物語内での具体的な行動や成果
スライスト城塞都市の防衛戦に参加し、アドと共にグレート・ギヴリオンを討伐した。四神に対して広範囲殲滅魔法を放ち、圧倒した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
圧倒的な魔法力と生産技術を持ち、各国の権力者から注目されている。
アド
方向音痴の転生者であり、イサラス王国で活動している。ユイの婚約者であり、ゼロスに丸め込まれて防衛戦に参加させられた。
・所属組織、地位や役職
イサラス王国の王室顧問魔導士。賢者。
・物語内での具体的な行動や成果
ハサム村でユイと再会を果たしたが、他の女性と同行していたことでユイの嫉妬を買い、追い回された。ウルの決闘の申し込みを受け、剣術のみで彼を圧倒した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
イサラス王国の食糧事情を改善し、国賓待遇を受けている。
リサ
アドと行動を共にする転生者の魔導士である。常識的な思考を持つ。
・所属組織、地位や役職
イサラス王国の王室顧問魔導士。
・物語内での具体的な行動や成果
アドと共にイサラス王国を出発し、スライスト城塞都市の防衛戦を経験した。ハサム村でアドとユイの修羅場に巻き込まれた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
イサラス王国で氷室の作成など生活向上に貢献している。
シャクティ
弁護士を目指していた転生者である。アドと行動を共にしている。
・所属組織、地位や役職
イサラス王国の王室顧問魔導士。
・物語内での具体的な行動や成果
スライスト城塞都市の防衛戦を経験した後、ハサム村でウルのアドへの片思いを冷静に分析した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
イサラス王国の研究部署に所属している。
ユイ(唯香)
アドの幼馴染であり婚約者である。妊娠した状態で異世界に転移した。
・所属組織、地位や役職
なし。
・物語内での具体的な行動や成果
ハサム村の村長宅で保護されていた。アドと再会した際、彼が別の女性を連れていたことに激しい嫉妬を覚え、妖刀を用いて暴走した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
アドのことしか頭になく、ウルからの好意を一蹴した。
エロフスキート・ムラムラス(榎村樹)
ツヴェイトと行動を共にする転生者の少年である。エロムラ君と呼ばれる。
・所属組織、地位や役職
ツヴェイトの護衛。
・物語内での具体的な行動や成果
奴隷の身分から解放され、ツヴェイトの護衛として雇われた。ツヴェイトの部屋に居座るアンズの存在に嫉妬した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
奴隷から自由の身となった。
アンズ
忍び装束を着た転生者の少女である。感情をあまり表に出さない。
・所属組織、地位や役職
暗殺者パーティー【影六人】の一人。ツヴェイトの護衛。商人。
・物語内での具体的な行動や成果
ツヴェイトの部屋に居座りつつ、下着などを販売する商人として活動している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
女子生徒たちから神出鬼没の商人として重宝されている。
大迫麗美(シャランラ)
ゼロスの実の姉である転生者である。自己中心的な性格で、他人に寄生して生きる。
・所属組織、地位や役職
異端審問官。暗殺者。
・物語内での具体的な行動や成果
ウーケイと交戦し、影化連撃などで追い詰めたが、本気を出したウーケイの攻撃を受けて敗走した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ゼロスによってバイクで轢き飛ばされた。
テッド・デッド
アドの後輩の転生者である。ユイに告白して振られ、引きこもりになった過去を持つ。
・所属組織、地位や役職
【緑の殲滅者】。死霊術師。
・物語内での具体的な行動や成果
作中ではアドの回想に登場し、呪いのアイテム【利亜獣滅術死】七点セットをアドに送りつけた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
呪いのアイテムを製作するのが趣味である。
ボンバー内藤(マスクド・ルネッサンス)
巨漢の戦士である転生者である。狂戦士のスキルを持つ装備を使用する。
・所属組織、地位や役職
傭兵。
・物語内での具体的な行動や成果
スライスト城塞都市の防衛戦に参戦し、動く敵がいなくなるまで戦い続けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
【ベルセルク】として戦場にその名を轟かせた。
ガンテツ
武器製作を得意とする転生者である。
・所属組織、地位や役職
【青の殲滅者】。鍛冶師。
・物語内での具体的な行動や成果
ボンバー内藤が使用する装備【バスター・グングニル】を製作した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
自爆機能を好んで取り付ける。
ケモ・ラビューン
重度のケモナーである転生者である。ケモ・ブロスの師匠である。
・所属組織、地位や役職
【赤の殲滅者】。錬金術師。観測者。
・物語内での具体的な行動や成果
ルシフェルをこの世界に送り込み、疑似人格を仕込んで正義の味方として振る舞わせた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
強大な力を持つ観測者でありながら、愉快犯として時間軸を超えた悪戯を行う。
ケモ・ブロス
獣人族の女性をこよなく愛する転生者である。ケモ・ラビューンの弟子である。
・所属組織、地位や役職
【野蛮人】。
・物語内での具体的な行動や成果
アドと相互不干渉の同盟を結んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
獣人族を束ねる英雄となった。
ソリステア魔法王国・イストール魔法学院
デルサシス公爵
ソリステア公爵領の現領主であり、辣腕の政治家である。
・所属組織、地位や役職
ソリステア公爵領領主。ソリステア商会会長。
・物語内での具体的な行動や成果
小国家の大使たちと会合を持ち、メーティス聖法神国を追い落とすための情報を提供した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
裏社会の組織を壊滅させ、自らの傘下に取り込んでいる。
クレストン
ソリステア公爵家の前当主である。セレスティーナを溺愛している。
・所属組織、地位や役職
元ソリステア公爵。
・物語内での具体的な行動や成果
イーサ・ランテの調査を指揮し、地下街道工事の査察を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ノーホン男爵
スライスト城塞都市の執政官である。
・所属組織、地位や役職
スライスト城塞都市執政官。
・物語内での具体的な行動や成果
魔物の大暴走に対する臨時対策本部で対応にあたった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ツヴェイト
ソリステア公爵家の長男である。ゼロスの弟子である。
・所属組織、地位や役職
イストール魔法学院の学院生。
・物語内での具体的な行動や成果
イーサ・ランテの調査に参加し、都市の防衛構造の検証を行った。エロムラ君からリア充だと嫉妬された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
魔導士団の改革案を提出し、幹部候補としての将来が約束された。
セレスティーナ
ソリステア公爵家の娘であり、ゼロスの弟子である。
・所属組織、地位や役職
イストール魔法学院の学院生。
・物語内での具体的な行動や成果
イーサ・ランテの調査に参加した。下級生たちに魔法を教え、慕われている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
魔導天使と呼ばれ、ファンクラブが結成されている。
クロイサス
ソリステア公爵家の次男である。魔法研究に没頭する研究者である。
・所属組織、地位や役職
イストール魔法学院の学院生。サンジェルマン派。
・物語内での具体的な行動や成果
イーサ・ランテで魔導具の解析に没頭した。ゼロスから受け取った魔導具について詳細なレポートを作成した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
魔法式の解読方法を公表し、サンジェルマン派の権威向上に貢献した。
キャロスティー
サンジェルマン侯爵の娘である。セレスティーナの友人である。
・所属組織、地位や役職
イストール魔法学院の学院生。
・物語内での具体的な行動や成果
イーサ・ランテの調査に参加し、魔導具の解析を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ミスカ
セレスティーナの専属使用人である。クールなメイドである。
・所属組織、地位や役職
ソリステア公爵家のメイド長。
・物語内での具体的な行動や成果
休暇を利用してイーサ・ランテの調査団に便乗した。セレスティーナの妄想を本にして出版した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
かつては氷結の女王と呼ばれた超越魔導士であった。
ウルナ
獣人寄りの混血種の少女である。セレスティーナの友人である。
・所属組織、地位や役職
イストール魔法学院の学院生。
・物語内での具体的な行動や成果
ミスカに連れられてイーサ・ランテの調査団に便乗した。アンズから指導を受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ディーオ
ツヴェイトの友人である。
・所属組織、地位や役職
イストール魔法学院の学院生。ウィースラー派。
・物語内での具体的な行動や成果
ツヴェイトと共にイーサ・ランテの調査に参加し、戦術の検証を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
マカロフ
クロイサスの友人である。
・所属組織、地位や役職
イストール魔法学院の学院生。サンジェルマン派。
・物語内での具体的な行動や成果
クロイサスと共にイーサ・ランテの調査に参加し、魔導具の解析を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
イー・リン
クロイサスの研究を手伝う少女である。
・所属組織、地位や役職
イストール魔法学院の学院生。サンジェルマン派。
・物語内での具体的な行動や成果
クロイサスの研究を手伝っている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
学院の保育士さんと呼ばれている。
セリナ
クロイサスの友人である。
・所属組織、地位や役職
イストール魔法学院の学院生。サンジェルマン派。
・物語内での具体的な行動や成果
クロイサスと兄妹の関係について噂を流した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
アーレフ
特務遊撃騎士隊の大隊長である。
・所属組織、地位や役職
ソリステア魔法王国特務遊撃騎士隊大隊長。
・物語内での具体的な行動や成果
スライスト城塞都市の防衛戦において、騎士団と傭兵たちを指揮して魔物を討伐した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
スライスト城塞都市・傭兵ギルド
ドンサーク
スライストの傭兵ギルドマスターである。メーティス聖法神国を恨んでいる。
・所属組織、地位や役職
スライスト傭兵ギルドマスター。
・物語内での具体的な行動や成果
グレート・ギヴリオン襲来に対する対策会議に参加した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
料理人のドワーフ
少風亭の厨房で働くドワーフである。
・所属組織、地位や役職
少風亭の料理人。
・物語内での具体的な行動や成果
マスターが勝手に料理にプロテインを混ぜたことを怒り、殴り合いの喧嘩をした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ハサム村
ウル
村長の孫であり、優秀な薬師である。ユイに一方的な恋心を抱いている。
・所属組織、地位や役職
薬師。
・物語内での具体的な行動や成果
ユイを村から連れ出そうとするアドに決闘を申し込んだが、手も足も出ずに敗北した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
初恋が終わり、失恋した。
村長
ハサム村の村長である。ウルの祖父である。
・所属組織、地位や役職
ハサム村村長。
・物語内での具体的な行動や成果
行き倒れていたユイを保護し、世話をした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
持病のギックリ腰で湯治に向かった。
イサラス王国
ザザ
イサラス王国の諜報部所属の騎士である。リサに恋心を抱いている。
・所属組織、地位や役職
イサラス王国諜報部騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
アドたちを獣人族の元へ案内する道中、監視役として同行した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
メーティス聖法神国・四神教
ジョスフォーク
異端審問官を束ねる人物である。快楽殺人者である。
・所属組織、地位や役職
四神教異端審問神官長。
・物語内での具体的な行動や成果
ヘルズ・レギオンを他国に押し付ける作戦に難航していた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
コッコ達によって成敗され、衛兵に連行される運命を辿った。
神官達
四神教の教えを広める者たちである。
・所属組織、地位や役職
四神教神官。
・物語内での具体的な行動や成果
回復魔法の流通により、その権威を失いつつある。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
異端審問官達
四神教の裏組織である。快楽殺人者の集まりである。
・所属組織、地位や役職
四神教異端審問官。
・物語内での具体的な行動や成果
村を占拠して村人を殺害していたが、コッコ達に成敗された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
司祭達
四神教の幹部である。
・所属組織、地位や役職
四神教司祭。
・物語内での具体的な行動や成果
異端審問官に拷問部屋でヘルズ・レギオンの対策を話し合っていた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
神・使徒
アクイラータ
四神の一柱である。水の女神である。
・所属組織、地位や役職
四神。水の女神。
・物語内での具体的な行動や成果
漆黒流星ギヴリオンとゼロス達から攻撃を受け、逃亡した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ウィンディア
四神の一柱である。風の女神である。
・所属組織、地位や役職
四神。風の女神。
・物語内での具体的な行動や成果
ゼロス達の背後から攻撃を仕掛けたが、漆黒流星ギヴリオンに殴り飛ばされ、いつの間にか逃亡した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
フレイレス
四神の一柱である。火の女神である。
・所属組織、地位や役職
四神。火の女神。
・物語内での具体的な行動や成果
漆黒流星ギヴリオンの怪光線を浴びてアフロヘアーになった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ガイラネス
四神の一柱である。大地の女神であり、引きこもりである。
・所属組織、地位や役職
四神。大地の女神。
・物語内での具体的な行動や成果
邪神のような重力波を感知したが、二度寝した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ルシフェル
他世界の観測者達から送り込まれた使徒である。
・所属組織、地位や役職
使徒。
・物語内での具体的な行動や成果
グレート・ギヴリオンの残骸から受肉し、漆黒流星ギヴリオンとして活動した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
疑似人格が勝手な行動をとっていたことに気付き、涙した。
邪神
創世神が作り出した次元管理生命体である。
・所属組織、地位や役職
次元管理生命体。神。
・物語内での具体的な行動や成果
ゼロスの培養槽で幼子の姿で再生中である。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
創世神
世界を創造した存在である。
・所属組織、地位や役職
創造主。
・物語内での具体的な行動や成果
自分好みの女神の創造に失敗し、邪神を封印して別次元へ去った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
魔物・使い魔
ウーケイ
ゼロスの使い魔である。武闘派のコッコである。
・所属組織、地位や役職
使い魔。グラップラー・コッコ。
・物語内での具体的な行動や成果
シャランラや異端審問官を圧倒し、成敗した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
村人から神獣として崇められるようになった。
ザンケイ
ゼロスの使い魔である。武闘派のコッコである。
・所属組織、地位や役職
使い魔。スラッシュ・コッコ。
・物語内での具体的な行動や成果
異端審問官を成敗し、村人を救った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
村人から神獣として崇められるようになった。
センケイ
ゼロスの使い魔である。武闘派のコッコである。
・所属組織、地位や役職
使い魔。スナイパー・コッコ。
・物語内での具体的な行動や成果
異端審問官を成敗した。アンズにモフられて悶絶した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
村人から神獣として崇められるようになった。
グレート・ギヴリオン
巨大な昆虫型の魔物である。魔王進化を目前にしていた。
・所属組織、地位や役職
魔物。
・物語内での具体的な行動や成果
スライスト城塞都市に迫ったが、ゼロスとアドの闇の裁きによって消滅した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
残骸からルシフェルが受肉した。
漆黒流星ギヴリオン
グレート・ギヴリオンの残骸から誕生した正義の味方である。ルシフェルの仮の姿である。
・所属組織、地位や役職
正義の味方。
・物語内での具体的な行動や成果
特撮ヒーローのような言動で四神を圧倒し、ギヴリオン・ノヴァを放った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
衛星軌道上で偽装を解除した。
チャバネコックローチ
グレート・ギヴリオンの眷属である。
・所属組織、地位や役職
魔物。兵隊。
・物語内での具体的な行動や成果
空からゼロス達に襲い掛かった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ヤマトギヴリ
グレート・ギヴリオンの眷属である。
・所属組織、地位や役職
魔物。兵隊。
・物語内での具体的な行動や成果
ゼロス達の乗るエア・ライダーを下から襲撃した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
デブG
グレート・ギヴリオンの眷属である。防御に特化した太った個体である。
・所属組織、地位や役職
魔物。
・物語内での具体的な行動や成果
ゼロス達の行く手を塞ぐ壁となったが、焼き払われた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
角付き
グレート・ギヴリオンの眷属である。背中に角を持つ特殊個体である。
・所属組織、地位や役職
魔物。
・物語内での具体的な行動や成果
高速回転しながら突撃し、ゼロス達を苦しめた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ヨツウデグリズリー
腕が四本ある熊の魔物である。
・所属組織、地位や役職
魔物。
・物語内での具体的な行動や成果
ゼロス達が野営する周辺にいたことが確認された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ギヴリーズ
グレート・ギヴリオンに従うG型魔物の総称である。
・所属組織、地位や役職
魔物の群れ。
・物語内での具体的な行動や成果
防衛陣形を組み、ゼロス達の行く手を阻んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
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アラフォー賢者8巻レビュー
アラフォー賢者まとめ
アラフォー賢者10巻レビュー
展開まとめ
プロローグ おっさん、アドと語り合う
少風亭の夜と転生者同士の情報交換
異世界転移の愚痴
スライストの宿に入ったゼロスとアドは、一階の酒場で酒を飲みながら互いの近況を語り合った。話題は、異世界に来た直後の過酷さへ移り、ゼロスはファーフラン大深緑地帯でのサバイバル生活を語り、アドはイサラス王国近くの貧しい集落で食料問題に苦労したことを話した。二人は肉と芋、孤独と仲間、危険と飢えを比べ合い、次第に不公平感をにじませていった。
筋肉マスターの仲裁
険悪になりかけた二人を見て、宿のマスターは筋肉を見せつけながら仲裁に入った。彼は特製料理としてプロテインをかけた豆料理を出したが、ゼロスとアドは酒の席でプロテインを摂ることに困惑した。さらに厨房からドワーフの料理人が現れ、マスターが勝手に料理へプロテインを混ぜたことを激しく責めた。
少風亭の衛生不安
マスターと料理人は、厨房での筋トレや料理へのプロテイン混入をめぐって口論し、そのまま外へ出て殴り合いを始めた。ゼロスとアドは、厨房で筋トレをしているという発言から衛生面に不安を覚え、宿の料理を避けることにした。ゼロスはインベントリーからワイヴァーンのベーコンを取り出し、それをつまみにすることにした。
伏せられた秘密
二人は再び情報交換を始めたが、アドは危険なアミュレットの話を伏せ、ゼロスもエア・ライダーを入手した経緯を隠した。どちらも後ろめたい事情があるため、表向きは冷静に情報を交換しながらも、都合の悪い部分は語らなかった。話題はファーフラン大深緑地帯、イーサ・ランテ、そしてこの世界と【ソード・アンド・ソーサリス】の関係へ移った。
転移者の可能性
ゼロスとアドは、自分達が転生者ではなく転移者である可能性について話し合った。ユイが子供を身ごもったままこの世界へ来た事実から、四神が語った転生とは違う形で地球側の神々が関与した可能性が浮かんだ。ゼロスは、勇者召喚が他世界への無断干渉であり、地球側の神々が四神へ何らかの意趣返しをしたのではないかと考えていた。
邪神復活への探り
アドは、四神を追い落とすには邪神の存在が必要ではないかと考え、ゼロスに手掛かりを尋ねた。ゼロスは邪神に関する素材を持っていることは認めたが、危険すぎる代物だとして詳細をぼかした。実際には邪神の復活に関わる重要な情報を隠しており、アドにも今は明かすべきではないと判断していた。
四神への不信
ゼロスとアドは、四神が人間の被害を顧みない無責任な存在だという点で意見を一致させた。ゼロスは、邪神の存在を切り札として伏せながらも、真実を交えた説明で話を曖昧に流した。アドもまた、メーティス聖法神国と四神に対する不信を強めていた。
ワイヴァーンの生ハム
アドはゼロスのベーコンを食べ、その美味さに涙を流した。イサラス王国では肉が貴重で、まともな肉料理を食べる機会が少なかったためである。ゼロスはその切実さを理解し、ワイヴァーンの生ハムまで分け与えた。アドは大きな生ハムを抱えて喜び、ゼロスへの感謝を隠せなかった。
翌朝の食事
翌朝、ゼロスは携帯コンロで生ハム、スクランブルエッグ、パンを用意した。アド、リサ、シャクティは久しぶりのまともな食事に涙を流しながら食べた。彼らの反応から、これまでの食生活がどれほど厳しかったかが伝わり、異世界の食文化が現代日本人にとって過酷であることが浮き彫りになった。
第一話防衛戦の参戦前話
スライスト防衛戦前夜と殲滅者モード
食文化への不満
翌朝、アド、リサ、シャクティは、ゼロスが用意した食事に満足しながら、異世界の食文化への不満を語った。田舎の肉は処理が甘く、パンは硬く、干し肉は噛み切れず、味付けも単調だった。ゼロスは、サントール周辺の食生活が比較的豊かなのは、デルサシス公爵が小さな事業の積み重ねで領地を発展させてきたためだと説明した。
移住への誘惑
アド達は、食事と統治の安定したソリステア魔法王国への移住を考え始めた。しかしゼロスは、彼らがイサラス王国で王室顧問や研究者として重要な立場にあるため、簡単には手放されないと指摘した。アド達は、自分達が知らないうちに国家に深く関わっていたことを思い出し、移住の難しさを悟った。
ゼロスの自由な立場
ゼロスは、最初から国家権力に仕えるつもりはないと明言していたため、基本的には自由な立場にあった。彼はデルサシス公爵とは互いの利益のために協力する関係であり、強制される立場ではないと説明した。アド達は、その距離感の取り方をずるいと感じた。
地球時代の仕事
ゼロスは、地球では契約関連の仕事で海外を飛び回り、納期前には過酷な修羅場を経験していたと語った。リサ達は、社会人として働いていたゼロスの過酷な職場環境に驚いた。ゼロスは今の異世界での農作業や傭兵まがいの生活との落差を振り返った。
傭兵ギルドの対策本部
四人はスライストの状況を知るため、傭兵ギルドへ向かった。そこにはアーレフ、ギルドマスターのドンサーク、執政官のノーホン男爵がいた。アーレフは、北門ではすでに戦闘が始まっており、魔物の数も増え続けていると報告した。
学院生の防衛戦術
アーレフ達は、イストール魔法学院の生徒が出した防衛戦術案を実行していた。それは、飢えた魔物の先頭集団を範囲魔法で倒し、その死骸に後続の魔物を食いつかせて足止めする方法だった。作戦は効果を上げていたが、G系の魔物が想像以上に多く、魔導士達は休みなく戦い続けていた。
魔導士達の限界
戦術は有効だったが、範囲魔法で大量の魔物を倒したことで魔導士達の格が急激に上がり、体への負荷で戦線離脱する者が出始めていた。魔導士の数が不足すれば防衛線の維持が難しくなるため、状況はなお厳しかった。ゼロスはクレストンからの紹介状を出し、Sランク魔導士として参戦することを決めた。
戦争の時間
ゼロスはアドに声をかけ、北門の戦線へ向かうことにした。彼は魔物の先頭集団を根こそぎ殲滅するつもりであり、地形への影響を気にする様子もなかった。アドは、ゼロスが【ソード・アンド・ソーサリス】時代の殲滅者としての気配に戻っていることを感じ、薄ら寒さを覚えた。
殲滅者モード
ゼロスは本来、被害を抑えながら慎重に動くつもりだった。しかしアドと再会したことで、ゲーム時代の感覚がよみがえり、魔物を徹底的に潰す殲滅者モードに入ってしまった。こうして、暴走する魔物達にとっての悲劇が幕を開けることになった。
第二話 おっさん、気軽に防衛戦に参加す
スライスト防衛戦とベルセルクの参戦
異世界の食事情
ゼロス達は朝食を取りながら、異世界の食文化の粗さについて語った。アド達は、田舎の肉の生臭さや硬いパン、噛み切れない干し肉に苦しんでおり、ゼロスはサントール周辺が比較的豊かな食生活を送れる理由を説明した。デルサシス公爵の事業によって、スライストのような城塞都市も発展していた。
移住できない立場
アド達はソリステアへの移住を考えたが、ゼロスは彼らがイサラス王国に深く関わりすぎていると指摘した。アドは軍事や王室顧問、リサとシャクティは魔法薬や生活改善に関与しており、簡単に手放される人材ではなかった。一方のゼロスは、最初から国家に仕える気はないと明言していたため、比較的自由な立場にあった。
ゼロスの社会人時代
ゼロスは、地球では海外を飛び回る契約関連の仕事をしており、納期前には過酷な修羅場も経験していたと語った。リサ達は、社会人としての過酷な職場環境に驚いた。ゼロス自身も、かつての忙しい日々と現在の異世界生活との落差を振り返っていた。
北門の戦況
四人が傭兵ギルドへ向かうと、臨時対策本部にはアーレフ、ドンサーク、ノーホン男爵がいた。北門ではすでに戦闘が始まっており、魔物の数も増えていた。アーレフは、イストール魔法学院の生徒が作った戦術案を利用し、先頭の魔物を倒して餌とし、後続を足止めする作戦を実行していた。
魔導士達の問題
作戦自体は効果を上げていたが、魔導士達は大量の魔物を倒したことで急激に格が上がり、体調不良で戦線離脱する者が出始めていた。ゼロスはクレストンからの紹介状を示し、Sランク魔導士として北門へ向かうことを決めた。ノーホン男爵は、強力な援軍が来たことに深く感謝した。
殲滅者モード
ゼロスはアドに、魔物を根こそぎ殲滅すると告げた。アドは、ゼロスが【ソード・アンド・ソーサリス】時代の殲滅者らしい雰囲気に戻っていることを感じ取った。アドとの再会によって、ゼロスは慎重な現実感覚よりも、ゲーム時代の殲滅思考に傾いていた。
防壁上の惨状
外壁上では、濃密な血臭と大量の魔物の死骸が広がっていた。現実の戦場はゲームと違い、倒した魔物が消えることはなく、リサとシャクティはその凄惨さに耐えきれなくなっていた。さらに、魔導士団の魔導士達はマナ・リキュールポーションを大量に飲み、酔っぱらった状態で戦っていた。
氷結の一撃
ゼロスとアドは、酔った魔導士達に代わるように氷結魔法【コキュートス】を放った。規格外の二人が使ったことで、広範囲の大地が一瞬で凍土と化し、魔物達は凍結して砕け散った。リサとシャクティも魔法で加勢し、戦況は一気に有利になった。
空からのG軍団
やがて、空を飛ぶG型魔物の群れがスライストへ迫った。ゼロスとアドは【フレア・マイン】や【バースト・マイン】を仕掛け、空中で爆発させて迎撃した。さらに二人はストックしていた追尾魔法や爆裂魔法を解放し、連携して空飛ぶGの軍団をまとめて殲滅した。
魔導士団の自信喪失
ゼロスとアドの圧倒的な魔法を目の当たりにした魔導士団の魔導士達は、酔いが覚めるほどの衝撃を受けた。貴族や裕福な家柄に支えられ、特権意識を持っていた彼らは、自分達よりはるかに強い無名の魔導士がいる現実に打ちのめされた。彼らの面目は完全に潰れた。
騎士団の出撃
地上の魔物が減り始めると、アーレフは騎士団と傭兵達に出撃を命じた。ランス隊が陣形を組み、魔法による加速を用いて魔物へ突撃した。ファーフラン大深緑地帯で鍛えられた騎士達は、統率の取れた動きで魔物を蹂躙していった。
ベルセルクの登場
戦場では、巨大なパイルバンカーを装備した巨漢の戦士が魔物を蹴散らしていた。アド達は、その人物が元プレイヤーのボンバー内藤であり、プレイヤー名【マスクド・ルネッサンス】だったことに気づいた。彼の装備【バスター・グングニル】はガンテツが製作したもので、狂戦士化など危険な効果が付与されていた。
狂戦士の戦場
ボンバー内藤は、呪いじみた装備の影響もあって、動く敵がいなくなるまで戦い続けた。ゼロス達は止めようとしても危険だと判断し、手出しを避けた。こうしてスライスト城塞都市の戦場に、【ベルセルク】の名が轟くことになった。
第三話 おっさんは、阿漕なことをやっていた
グレート・ギヴリオン討伐前の取引と空の暴走
飢えるギヴリオンの群れ
ギヴリオンの眷属達は餌を求めて移動しながら、多くが飢え死にしていた。生き残った個体は仲間の骸を食らってしのいでいたが、群れの規模は次第に縮小していた。その一方で、グレート・ギヴリオンは同胞を食らいながら急速に力を増し、別の存在へ変化する直前にあった。
防衛戦の翌朝
スライスト城塞都市では、防衛戦の翌朝も戦闘が続いていた。前日より魔物の勢いは弱まっていたが、魔導士団は大規模戦闘への不慣れとマナ・リキュールポーションの影響で消耗していた。長期の籠城は物資不足を招くため、暴走の原因であるグレート・ギヴリオンを倒す必要があった。
アドへの誘導
ゼロスはアドに、グレート・ギヴリオンを倒しに行くと持ちかけた。アドは【殲滅者】の手伝いが危険であることを知っていたため警戒したが、ゼロスは【エア・ライダー】に乗れると囁いた。レアアイテムに弱いアドは、その誘惑にあっさり乗ってしまった。
悪魔の交渉
リサとシャクティは、ゼロスがアドの価値観を見抜いたうえで、欲しい情報や興味のある話題を小出しにして誘導したことに気づいた。シャクティは、それが騙しではなく交渉であり、アドが自分で価値を見誤ったのだと冷静に見ていた。ゼロスは悪魔のような笑みを浮かべ、戦力確保に成功した。
北門外の平原
ゼロスとアドは北門の外に広がる平原を歩きながら、残る血臭と魔物の残骸に顔をしかめた。現実の戦場はゲームと違い、倒した魔物の痕跡が消えず、Gの姿も残っていた。二人はGへの嫌悪を語りながら、昆虫や漢方素材の話にまで脱線していった。
イサラス王国の食料事情
会話はイサラス王国の貧しさへ移り、アドはポルタがなければ国民の多くが飢えていたと語った。ゼロスは、ポルタの茎から砂糖が取れ、葉は紙や魔法紙の素材になると説明した。アドはその知識に驚き、ゼロスをイサラス王国へ呼びたがったが、ゼロスは寒く貧しい土地へ行く気を見せなかった。
イサラス王国への警戒
ゼロスは、イサラス王国の強硬派が過去にソリステアへ攻め込もうとしていた可能性を指摘した。アドはその雰囲気を認め、ゼロスがオーラス大河の流れを乱す柱を立てた本人だと知った。ゼロスは、アドが不用意に他国の内部情報を口にしたことをたしなめた。
サイドワインダー号の誘惑
ゼロスは話を切り上げ、インベントリーから【サイドワインダー号】を取り出した。幻のアイテムである【エア・ライダー】を前に、アドは子供のように目を輝かせた。ゼロスは操作方法や燃費の悪さ、緊急時には乗り手の魔力を動力にできることを説明した。
乗り物開発の夢
二人は、エア・ライダーや軽ワゴンのような乗り物が普及すれば便利だが、交通制度や保険、道路整備が整っていないこの世界では危険すぎると考えた。蒸気自動車のような低速の乗り物なら可能性があるものの、導入には段階が必要だった。ゼロスは試作品を作ったら公爵に丸投げするつもりでいた。
男同士の空旅
アドは葛藤の末、サイドワインダー号に乗り込んだ。ユイと乗りたかったとこぼしたが、ゼロスは妊娠中のユイには無理だと流し、G退治へ向かうよう促した。アドは浮かれながら機体を浮上させ、空を飛べたことに興奮した。
暴走するサイドワインダー号
アドは興奮のあまりスロットルを強く捻り、サイドワインダー号は急加速した。ゼロスとアドは体勢を崩し、空中で振り落とされかけた。こうして二人は、Gの大群へ向かう前から、男同士のタンデムで大空を蛇行する羽目になった。
第四話 G殲滅戦
グレート・ギヴリオン急襲と闇の裁き
消えたGの群れ
ゼロスとアドは【サイドワインダー号】で北へ向かったが、地上に残るGの数が前に見た時より少ないことに違和感を覚えた。大地は食い尽くされ、草も残っていなかった。二人は、ヘルズ・レギオンが移動中に仲間や植物を食らいながら進み、個体数を減らしている可能性を考えた。
白く変色した王
山間に近づくと、足や翅を失い、体の大半が白く変色したグレート・ギヴリオンが姿を現した。周囲には大きなGの軍団が護衛のように集まっており、進化直前の状態に見えた。ゼロスは放置すれば危険だと判断し、グレート・ギヴリオンの真上で【闇の裁き】を使う作戦を立てた。
Gの空中迎撃
アドはサイドワインダー号を操り、グレート・ギヴリオンの上空へ向かった。だが、チャバネコックローチやヤマトギヴリが一斉に飛び上がり、体当たりで撃墜しようとしてきた。ゼロスとアドは炎や雷、氷の魔法で迎撃したが、Gの防御力と物量に押され、思うように進めなかった。
竜巻の突破口
ゼロスは【ブラスト・タイフーン】を使い、前方に竜巻を作って突破口を開いた。二人は竜巻の内側を通って前進したが、G達は背後から回り込む動きを見せ、さらに背中に角を持つ特殊な個体が上空から急降下してきた。その個体は高速回転しながら竜巻を破り、ゼロス達を襲った。
角付きの強襲
【角付き】は、魔法攻撃を弾く突進でサイドワインダー号を追い詰めた。ゼロスは一時的に魔力を遮断して機体を急降下させ、アドとともに紙一重で攻撃を避けた。再び浮上した二人は、特殊なGがゲーム時代には見なかった能力を持つことに警戒を強めた。
誘導された進路
竜巻を抜けた先には、待ち伏せしていたようにGの防衛陣形が広がっていた。ゼロスは、G達が集団で役割分担をし、こちらの進路を誘導した可能性を考えた。アドも、ゲーム時代の知識だけでは通用しない異世界の生態に驚き、中央突破を覚悟した。
中央突破
ゼロスとアドは攻撃主体に切り替え、【フレイム・ランサー】と【プラズマ・ランサー】を【オーバーシュート】で強化して乱射した。大量の槍状魔法がGの群れを貫いたが、防御に特化した太った個体や、突撃してくる角付きがしつこく妨害した。二人は物量に押されながらも、グレート・ギヴリオンの真上を目指した。
光の一撃
ゼロスは【シャイニング・レイ】を放ち、前方に群がる太ったGの壁を焼き払った。空白ができた瞬間、アドはサイドワインダー号を加速させ、グレート・ギヴリオンの真上へ突入した。ゼロスはそこで【闇の裁き】を投げ落とし、アドはブースターを作動させて全力で離脱した。
闇の裁き
【闇の裁き】は巨大な超重力球となり、グレート・ギヴリオンと周囲のGを呑み込んだ。さらに小型の重力場が連鎖的に生まれ、逃げ惑うGを巻き込みながら爆縮していった。圧倒的な破壊は魔物だけでなく大地にも爪痕を刻み、ゼロスとアドは安全圏からその光景を呆然と見つめた。
破壊への罪悪感
ゼロスとアドは、生存のためとはいえ、環境を破壊するほどの力を使ったことに罪悪感を覚えた。二人は冗談めかして人としての良心を失ったと語りながらも、目の前の惨状に言葉を失っていた。戦いは種の存続を懸けたものだったが、その代償はあまりにも大きかった。
第五話 おっさん、四神と邂逅す(一人足りないけど)
四神の恐怖と新たな脅威
聖域の四神
聖域では、四神が退屈を持て余していた。彼女達は世界を管理する神として崇められていたが、実際には管理の意欲に乏しい俗物的な存在だった。かつて異世界へ渡航して遊んでいたものの、聖約を破って大事故を起こしたため、別世界への渡航権限を失っていた。
事故の責任転嫁
四神は、異世界の神と交わした聖約によって観光を楽しんでいたが、列車事故を引き起こし、多数の死傷者を出していた。現地の神々が歴史改編で事故をなかったことにしたものの、四神は渡航を禁じられた。彼女達は自業自得でありながら、互いに責任をなすりつけていた。
邪神への恐怖
四神は、かつて自分達を追い詰めた邪神を強く恐れていた。邪神は創世神の正統な後継者であり、四神の管理権限を奪える存在だった。彼女達は邪神を別世界へ捨てて一時的に逃れたが、その結果として最後の渡航権限も失っていた。
重力波の感知
眠っていたガイラネスは、強力な重力波振動を感じ取り、邪神の可能性を口にした。アクイラータ達は慌てたが、ウィンディアが調べると邪神ではなく転生者の可能性が高いと分かった。三柱の神は、今のうちに強い転生者を始末しようと現地へ転移した。
闇の裁きの後悔
一方、ゼロスとアドは【闇の裁き】による破壊を安全圏から見つめていた。二人は必要な攻撃だったと理解しながらも、その圧倒的な破壊力に罪悪感を覚えていた。魔法が武力であり兵器と同じ責任を伴うことを、改めて思い知らされていた。
規格外の力
ゼロスとアドは、自分達の力が国に利用されれば戦争の引き金になりかねないと考えた。強大な破壊魔法を持つ魔導士は、権力者にとって禁断の果実のような存在だった。二人は冗談を交わして気を紛らわせながらも、自分達が背負う危険性を実感していた。
四神の襲来
そこへアクイラータ達三柱の神が現れた。ゼロスは敵意を感じ取ると、会話を待たずに強力な爆裂魔法を叩き込んだ。アドも続けて重力崩壊魔法を放ち、四神に問答無用の攻撃を加えた。
神への怒り
ゼロスとアドは、四神を命の恩人とは認めなかった。彼女達が後始末を別世界の神々に押しつけ、転生者達を適当な場所に放り出したことを知っていたからである。アドは家族計画を壊された怒りを、ゼロスは酒を失った恨みをぶつけ、二人は四神を徹底的に攻撃した。
逃げ足だけの神
三柱は神として抗議したが、ゼロスとアドはまったく取り合わなかった。二人の魔力量は四神を上回り、放たれる魔法は確実に彼女達へ損耗を与えていた。四神は、邪神だけが脅威だと思っていた自分達の認識が甘かったことを悟った。
断罪の直前
ゼロスとアドは、四神を始末しようとさらに魔力を高めた。だが、とどめを刺そうとした瞬間、グレート・ギヴリオンがいた方角から桁外れの魔力反応が発生した。破壊された巨体の中から、まったく別の存在が目覚めようとしていた。
目覚めた存在
グレート・ギヴリオンの残骸の中で、深紅の光を放つ存在が動き出した。膨大な魔力をまとい、不要になった器を吹き飛ばすと、二対の翅で飛び上がった。それは本能に刻まれた敵を察知し、凄まじい速度で飛行を開始した。
第六話 おっさん、やっぱりグダグダに
漆黒流星ギヴリオンと四神の敗走
桁外れの魔力反応
ゼロス達が四神へとどめを刺そうとした瞬間、グレート・ギヴリオンの方角から膨大な魔力反応が発生した。ゼロスは、その反応が邪神に近いほど強大であり、自分達だけでは勝てる気がしないと判断した。さらに、勇者召喚によって世界の魔力濃度が偏り、ファーフラン大深緑地帯のような異常な環境が生まれた可能性を指摘し、四神達の無知を浮き彫りにした。
謎のG生命体
空から現れた存在は、ゴキブリ系統の面影を残しつつも、厚い甲殻と二対の翅を備えた異様な魔物だった。ゼロスとアドは、昔の変身ヒーローのような姿に戸惑いながらも、その知性と怪光線に驚いた。放たれた光線はフレイレスに直撃し、ゼロス達は助けるどころか、そのまま死ねばよいと冷たく見ていた。
敵だらけの乱戦
ゼロス達は四神と共闘する気がなく、すぐにアクイラータ達へ攻撃を再開した。四神はゼロス達へG生命体を押しつけて逃げようとしたが、その目論見は通じなかった。さらにG生命体も四神とゼロス達の双方を攻撃し、戦場は三つ巴の混戦となった。
アフロ女神
G生命体の怪光線をゼロス達が反射したことで、フレイレスはまたも攻撃を浴び、アフロ姿になった。その姿にゼロス達や四神、G生命体までも笑いをこらえきれなくなった。怒ったフレイレスは、同類を増やそうと炎を放ち、場は殺意よりも笑いが支配する奇妙な空気に包まれた。
キャストオフ
炎の中にいたG生命体は無事であり、装甲を爆発させるように脱ぎ捨てた。飛び散った破片は凄まじい威力を持ち、ゼロス達と四神は慌てて回避した。砂煙の中から現れた第二形態は、黒曜石のような装甲と洗練された姿を持つ、まさに正義の味方のような存在だった。
漆黒流星ギヴリオン
G生命体は【漆黒流星ギヴリオン】と名乗り、自然を破壊する邪神と人間を断罪すると宣言した。ゼロスとアドは、その姿に少年時代の憧れを呼び覚まされ、戦う気を失いかけた。一方でギヴリオンは、四神を世界を滅ぼしかけた大罪人と見なし、彼女達を主敵として定めた。
正義の味方と女神
ギヴリオンはアクイラータの水球を斬り捨て、回し蹴りで吹き飛ばした。続いてフレイレスの火炎と胸部からの高熱量攻撃をぶつけ合い、周囲に凄まじい衝撃波を広げた。ゼロスは氷結系の防御魔法で余波を防ぎ、アドとともに戦闘を観戦する側へ回った。
ヒーロー談義
ゼロスとアドは、ギヴリオンが自分達を主敵にしていないと見るや、戦いを眺めながらヒーロー談義を始めた。巨大ロボや秘密兵器、孤高のヒーロー像について語り合い、四神が追い回される様子を半ば楽しんでいた。二人は、四神が酷い目に遭うなら自分達が手を下さなくてもよいと考えていた。
ギヴリオン・ノヴァ
ウィンディアがいつの間にか逃げたことで、アクイラータとフレイレスは焦り始めた。その隙を逃さず、ギヴリオンは太陽光を収束させ、【ギヴリオン・ノヴァ】を放った。光は二柱の女神を呑み込み、地上に巨大なクレーターを作るほどの爆発を引き起こした。
生き残った二人
爆風で吹き飛ばされたゼロスとアドは、普通なら死んでいる威力を受けても生きていた。二人は自分達の頑丈さと魔力の異常さを改めて感じ、極限突破した存在が人間の枠から外れていることを実感した。魔法やステータス、世界の物理法則について語りながら、自分達の力が兵器級であることを認めざるを得なかった。
帰還の判断
ゼロスとアドは、ギヴリオンも四神も姿を消したことで、依頼は有耶無耶ながら達成されたと判断した。アドはユイの居場所を教える約束を確認し、ゼロスもそれを守ると答えた。二人は大量の魔石を回収し、スライスト城塞都市へ戻ることにした。
小さくなった女神達
クレーターの底では、フレイレスとアクイラータが小さな姿で復活した。二柱は大幅に力を消耗し、転生者や漆黒流星ギヴリオンに勝てないことを認めざるを得なかった。彼女達はウィンディアを責めながら聖域へ逃げ帰ることにしたが、自分達の見た目がひどい状態になっていることには気づいていなかった。
第七話 おっさん、訝しむ ~グダグダの裏側~
漆黒流星ギヴリオンの正体と酒場の考察
衛星軌道の偽装解除
【漆黒流星ギヴリオン】は衛星軌道上へ移動し、正義の味方としての外殻を捨てた。その正体は別世界から送り込まれたシステムであり、セラフィム・コアを中心に新たな身体を形成した。やがて六対十二枚の翼を持つ少女型の使徒【ルシフェル】が目覚めた。
ルシフェルの解析
ルシフェルは、この世界の管理システムが高度である一方、管理者達があまりに自由で杜撰であることを把握した。勇者召喚は他世界への無断干渉であり、魂の移動が積み重なれば次元崩壊を招きかねない危険な行為だった。彼女は、他世界の観測者達が正当な干渉理由を作るため、自分のような使徒を送り込んだのだと理解した。
観測者ケモさん
ルシフェルは元の世界の観測者であるケモさんへ連絡した。ケモさんは強大な観測者でありながら、過去にオーパーツを残したり、時間軸を荒らしたりする愉快犯でもあった。ルシフェルは、彼の奇行に振り回されてきた過去を思い出しながら、神域へ入るために複数の観測者コードが必要だと報告した。
触覚の残滓
ケモさんとの会話の中で、ルシフェルは自分の頭に黒い触覚が残っていることに気づいた。それは、グレート・ギヴリオンを媒体に受肉した際の情報の残滓だった。さらに、正義の味方として熱い言動をしていた疑似人格がケモさんの仕込みだったと悟り、ルシフェルは宇宙空間で涙することになった。
少風亭への帰還
ゼロスとアドがスライストへ戻ると、少風亭では傭兵達が祝勝会で騒いでいた。二人はマスターにエールを頼んだが、相変わらずプロテインを勧められた。リサとシャクティは酒場におらず、二人は女性だけで夜の酒場に出る危険を理解していた。
正義の味方への違和感
ゼロスとアドは、漆黒流星ギヴリオンの存在について話し合った。瞬時に言語を理解し、四神を優先して攻撃したこと、ヒーローのような動きがあまりに露骨だったことから、単なる魔物の進化ではないと考えた。ゼロスは、別世界の神による嫌がらせか、何か別の目的を持つ偽装工作ではないかと見ていた。
人間を超えた力
二人は、自分達が四神とも戦えるほどの存在になっていることを改めて自覚した。レベルやスキル、魔力によって、人間が常識外の力を持つこの世界の危険性を語った。特に自分達が作る武器や魔導具は、低レベル者でも上位の魔物を倒せるほど強力になりかねず、戦争や権力争いの火種になると分かっていた。
危険な生産能力
ゼロスとアドは、生産職としても規格外であり、失敗作ですら世間に混乱を起こす危険物になると認識していた。強力な武器を作れる存在は、権力者にとって無視できない存在であり、幽閉されて利用される可能性すらあった。二人は、不用意に装備品を世に出せない立場であることを確認した。
ユイの居場所
アドは、ゼロスにユイの居場所を尋ねた。ゼロスは、サントールの南にあるハサム村の村長宅にいると伝えた。アドは以前その村を通ったことがあったが、爆走する馬車に乗っていたため素通りしていた。二人はその運送屋の話で盛り上がった。
酔っ払いの夜
共通の話題で酒が進み、ゼロスとアドは日付が変わる頃まで飲み続けた。部屋に戻ってからもさらに飲み、騒ぎでリサとシャクティを起こしてしまった。翌朝、二人にはその記憶がなく、ただリサ達から白い目で見られることになった。
第八話 おっさん、ひと仕事終える
スライストの報告とハサム村への道
収束する暴走
グレート・ギヴリオンの脅威が去ったことで、暴走していた魔物達は各地へ分散し始めた。スライスト城塞都市の被害は小さかったが、周辺集落は大きな被害を受けていた。ゼロスとアドは、メーティス聖法神国へ続く街道が寸断されたことや、漆黒流星ギヴリオンの存在をアーレフに報告した。
聖法神国の失墜
アーレフ達は、漆黒流星ギヴリオンの知性と強さに困惑した。話はメーティス聖法神国への反感にも及び、回復魔法を独占して高額な治療費を求めていた神官達の価値は、医療魔導士の登場によって下がり始めていた。薬草栽培や支援魔導士の運用も進み、ソリステア魔法王国では魔導士の役割が大きく変わりつつあった。
大深緑地帯の洗礼
ゼロスが以前行った実戦訓練は、騎士団や魔導士団の改革にまで影響していた。過酷な訓練に耐えられない魔導士達は脱落し、実戦に対応できる者だけが残されていた。アーレフはその成果を肯定したが、ゼロスとアドは、訓練が国の組織改革にまで広がっていることに驚いた。
ハサム村への出発
報告を終えたゼロス達は、ユイのいるハサム村へ向かうことにした。アドはユイの嫉妬を恐れ、リサとシャクティの身を案じていた。東門で二人と合流した一行は、街から離れた場所で【ハーリー・サンダース十三世】と【軽ワゴン】を出し、ウーケイ達を回収するため村へ向かった。
聖獣となったコッコ達
ゼロス達が立ち寄った村では、異端審問官達が村人達に捕らえられ、徹底的に痛めつけられていた。村人達は、村を救ったウーケイ達をコッコ様として崇めていた。ゼロスは異端審問官達が村を孤立させ、人々を殺していたと見抜き、村人達の怒りを止めなかった。
異世界の法と復讐
アド、リサ、シャクティは、犯罪者にも手続きや権利があるのではないかと戸惑った。だがゼロスは、この世界では法の力が弱く、辺境では現地の判断に委ねられることが多いと説明した。身を守るために人を殺す覚悟がなければ生き残れないと告げられ、三人は日本の常識だけではこの世界に対応できないことを思い知った。
転生者の危うさ
ゼロスは、勇者や転生者の中には現実をゲームのように勘違いし、各地で殺戮を行って処刑された者もいると語った。アド達も、地球の常識が抜けきらないまま異世界にいる危うさを自覚した。ゼロスはこの世界で生きるには、油断すれば死ぬ場所だと受け入れる必要があると説いた。
山間の街道
ウーケイ達を回収した一行は、ハサム村へ向かうため山間の街道を進んだ。そこは最短ルートではあるが、盗賊や魔物が潜みやすい治安の悪い道だった。ゼロスは平然としていたが、アド達は危険な野宿に不安を覚えた。
逞しいゼロス
ゼロスは地球でも狩猟や畑仕事をしており、ジビエや自家製保存食に慣れていた。アド達は、その経験が異世界への高い適応力につながっていると理解した。ゼロスは飯盒や炭を用意し、さらにコッコ達が狩ってきた獲物を使って夕食を作り始めた。
天丼の幸福
アド達は米を懐かしがり、ゼロスが天丼を食べていることに気づいて驚いた。ゼロスは三人分の天丼を作り、アド、リサ、シャクティは久しぶりの日本食に涙を流しながら食べた。白飯と甘いタレ、天ぷらの味は、三人に強い郷愁を呼び起こした。
知らなければよかった食材
シャクティが天ぷらの食材に疑問を持つと、ゼロスは毒を抜いた危険な植物や、ムカデ、タランチュラに似た魔物を使っていたことを明かした。リサはショックで気絶し、アドも聞いたことを後悔した。シャクティは抵抗を覚えつつも、食べられるなら気にしないほうが得だと受け入れた。
技術を秘匿する判断
オーラス大河へ近づき人通りが増えると、ゼロス達は軽ワゴンなどの使用を控え、徒歩で港町へ向かった。ゼロスは高度な移動手段や魔導技術が広まれば、産業や軍事、環境に大きな混乱を招くと考えていた。アドの力も権力者に狙われかねないため、信用できる後ろ盾が必要だと見ていた。
世界の理への疑念
港町へ向かう道中、ゼロスとアドはこの世界のレベル限界や魔物の進化について話し合った。人間には限界がある一方、魔物は限界を超えて進化するため、世界の理が壊れ始めている可能性があった。ゼロスは真実の一部を伏せながら、勇者召喚による異世界干渉が影響しているのではないかと話した。
妖精への憎悪
ゼロスは、ユイがいた村で妖精の集落を殲滅したことをアドに語った。妖精は残酷な悪戯を行う危険な存在であり、ユイが神官職だったため襲われずに済んだ可能性があった。アドはユイが無事だったことに安堵し、ゼロスに深く感謝した。
シャランラの逃走
一方、シャランラは異端審問官達がコッコ達に襲われる間、隠れてやり過ごしていた。弟であるゼロスの拠点を探し、周囲の人間を利用しようと企んでいたが、移動手段の差で追跡に失敗した。平原をさまよう彼女はビッグホーンの群れに遭遇し、追い回された末にオーラス大河へ突き落とされることになった。
第九話 おっさん一行、ハサムの村に到着す
ハサム村の再会とユイの嫉妬
盗賊の壊滅
ゼロス一行はオーラス大河を渡り、ハサム村へ向かう途中で盗賊に襲われた。ゼロスは盗賊達を容赦なく排除し、犯罪者が旅人を襲う以上、殺される覚悟もあるはずだと語った。アドやシャクティはその苛烈さに戸惑ったが、ゼロスはこの世界では身を守るための殺傷が避けられないと考えていた。
シャクティの推察
ゼロスは、身近に最低の女がいたため、同類を殺すことに躊躇いはないと語った。シャクティはその言葉から、相手がゼロスの姉であり、金や利益のために人を犠牲にするタイプだと見抜いた。ゼロスはそれを肯定し、次に現れた時は確実に始末すると暗い殺意をにじませた。
ハサム村への到着
夕暮れ頃、ゼロス達はハサム村へ到着した。道中で盗賊に何度も襲われたこともあり、リサは衝撃を引きずっていた。一方でウーケイ達は盗賊達の死を当然の報いと受け止め、アドはなぜかコッコ達の言葉を理解できるようになっていた。
村長宅の青年
ゼロスはアド達を村長宅へ案内したが、村長はぎっくり腰の療養で不在だった。代わりに出迎えたのは村長の孫ウルで、彼はイストール魔法学院を卒業した薬師だった。ゼロス達は家に招かれ、そこで編み物をしていたユイと再会した。
ユイとアドの再会
ユイはアドの姿を見て喜んだが、すぐにリサとシャクティの存在に気づいた。彼女は激しい嫉妬を見せ、アドへ刺身包丁を投げつけた。アドは二人が仲間だと必死に説明したが、ユイはアドの近くにいる女性を強く警戒していた。
妖刀の由来
ユイが持っていた包丁は、テッドが作った呪いの妖刀だった。テッドは現実でもアド達の知人で、かつてユイに告白して振られていた。さらにユイの妊娠を知ったことでアドへの敵意を強め、ゲーム内でも嫌がらせをするようになっていた。
テッドの失恋
ユイはテッドの告白を断った際、アド以外に興味がないことや、相手を意識していないことを率直に伝えていた。悪気はなかったが、その言葉はテッドの心を深く傷つけた。アドとゼロスは、テッドが引きこもるほど衝撃を受けた理由を理解し、少し同情した。
イサラス王国の近況
ウルがお茶を用意し、場の空気はいったん和らいだ。アド達は、イサラス王国の食料事情や薬草採取の危険さ、鉱物資源が安く買い叩かれていた状況をユイに話した。山岳地帯での生活は厳しく、アド達は生きるために危険な採取や魔物との戦いを重ねていた。
嫉妬の再燃
シャクティやリサが、アドに助けられた場面や温泉での出来事を話したことで、ユイの嫉妬は再び燃え上がった。アドは新婚旅行の話題でそらそうとしたが、リサの発言で逆に状況は悪化した。ゼロスも温泉での偶然に嫉妬し、アドを責め始めた。
愛の狩り
ユイは、アドが他の女性と親しくしていた可能性に耐えられず、危険な衝動に駆られた。ダークサイドに堕ちたゼロスは物騒なナイフまで差し出し、アドは必死に逃げることになった。ユイは身重とは思えない勢いでアドを追いかけ、嫉妬と独占欲をぶつけた。
ウルの沈黙
騒動の中、ウルは落ち着いた様子で紅茶を飲んでいた。彼は静かに疑問を口にし、その目には危険な光が宿っていた。しかし、その異変に気づく者は誰もいなかった。
第十話 アド、修羅場に
ハサム村の朝とウルの決闘宣言
ハサム村の朝
ハサム村では、村人達が早朝から家畜の世話をし、広場で体操をしてから畑へ向かっていた。ゼロスはその光景を眺めながら、サントールで始まった孤児や老人向けの仕事作りを思い返した。本人は軽い気持ちで始めたことだったが、デルサシス公爵の施策によって旧市街の治安改善や職人の再活用につながっていた。
荒れ果てた部屋
村長宅の広い部屋では、前夜のユイの暴走によって書物や壺が散乱し、棚が倒れ、壁や床に刃物が突き刺さっていた。リサとシャクティは疲れ果てて倒れており、ゼロスはユイとアドの姿がないことに気づいた。ユイがアドを連れていったのだろうと考え、夫婦間の問題には踏み込まないことにした。
呪われた包丁
ゼロスは、ユイが持っていた【利亜獣滅術死】七点セットの危険性を思い返した。包丁には魔法無効化、身体能力強化、精神汚染、狂戦士化などの効果があり、七本が連動して効果を高める厄介な装備だった。ゼロスは、それを作ったテッドのカップルへの憎しみに遠い目を向けた。
朝の組み手
ゼロスは外へ出て、ウーケイ達と朝の組み手を始めた。リサとシャクティが目を覚ますと、窓の外ではゼロスと三羽のコッコが激しい実戦さながらの攻防を繰り広げていた。低位の魔物だったはずのコッコ達は、斬撃や分身、格闘技を使いこなし、もはや普通のコッコとは呼べない存在になっていた。
女性の立場
リサとシャクティは部屋を片付けながら、この世界における女性の立場について話した。シャクティは、神官職や貴族社会でも男性中心の体制が強く、女性の自由や働く場が限られていると見ていた。特に神官社会では、女性神官の結婚や役割が男性側に管理され、信仰の名のもとに不自由を強いられていた。
思想と社会の壁
シャクティは、女性の立場を少しでも改善したいと考えていたが、今の男性中心社会で急に平等を唱えても潰されるだけだと理解していた。思想や制度は時代の中で育つものであり、外から進んだ価値観を持ち込んでも反発を招く可能性が高かった。リサは、この世界の文明が自分達から見ると大きく遅れていることを実感した。
四神への不信
二人は、アド達が四神と戦ったことにも触れた。四神は本当の神ではなく、代行神にすぎない可能性が高いと考えられた。彼女達は無責任で愉快犯のような存在であり、世界を滅ぼしかねない真似をしていたため、リサとシャクティも生活基盤を整えたうえで対処が必要だと考えた。
武闘派コッコの本能
組み手を終えたゼロスとコッコ達は、軽い体操をしながら会話した。ウーケイ達は、いずれファーフラン大深緑地帯へ向かい、さらに強い相手と戦うことを望んでいた。ゼロスは彼らの闘志に少し恐ろしさを覚えながらも、朝食の準備へ向かった。
ウルの想い
村長の孫ウルは畑仕事を終えて戻り、片付けられた部屋を見て穏やかに応対した。だが、ユイに対しては呼び捨てで声をかけ、身重の体を気遣う真剣な様子を見せた。ゼロス達は、ウルがユイに恋をしているのではないかと気づき、血を見る展開を予感した。
疲れ果てたアド
そこへアドが疲れ切った様子で現れた。ゼロスは、前夜にユイを宥めるため、アドが命懸けで甘い言葉を並べ続けたのだろうと察した。ユイは機嫌がよかったが、アドは精根尽き果てており、ウルはその様子に暗い感情をにじませた。
ウルの嫉妬
ウルは、アドがユイを置き去りにしたのだと思い込み、父親になる者としての自覚を問うた。アド達は、四神によって世界中へ飛ばされ、ユイを放り出したわけではないと説明した。ウルはその事情に驚いたが、ユイを想う時間が終わりに近づいたことで、内心の嫉妬をさらに強めていた。
ユイの今後
アド達は、ユイをこのままハサム村に置くのか、サントールへ連れていくのかを話し合った。イサラス王国で国賓扱いを受けているアド達の立場や、身重のユイを長旅させる危険も問題になった。ゼロスは、ソリステア側の後ろ盾やイサラス王国との共同事業を提案し、アドはユイとの生活のために技術革命も辞さない覚悟を見せた。
決闘の申し出
ユイを連れていく話が現実味を帯びると、ウルは感情を抑えきれなくなった。彼は、身重のユイを村から連れ出すことに反対し、アドへ決闘を申し込んだ。アドが【賢者】クラスであることを知らないウルの挑戦は、若さと恋ゆえの無謀な行動だった。
第十一話 アド、果たし合いを受ける
ウルの恋心と決闘の舞台
ウルの初恋
ウルは真面目に魔法や錬金術を学び、学院卒業後も薬師として地道に働いていた。そんな彼は、故郷に帰った際に身重のユイと出会い、夫が行方不明だと知って、アドを身重の妻を置き去りにした男だと一方的に決めつけた。日々ユイと話すうちに、彼は母性を感じさせる彼女へ強く惹かれていった。
終わった夢
村長が湯治に出たことで、ウルはユイと距離を縮められるかもしれないと浮かれていた。だがゼロスがアドを連れてきたことで、その夢は終わった。ウルはアドに対し、妻を置き去りにしたうえ、女性二人を連れて戻ってきた男という怒りを抱いたが、商人としての顔で表面上は堪えていた。
決闘の申し込み
ユイを連れていく話が進む中、ウルは危機感と嫉妬を抑えきれず、アドに決闘を申し込んだ。彼は自分が勝てばユイを村に残すと条件を出したが、アドには何の利益もない話だった。ゼロスも、アドとウルの実力差が大きすぎるため、決闘自体が無駄だと見ていた。
鈍感なユイ
リサとシャクティは、ウルの気持ちに区切りをつけさせるためにも戦ってやるべきではないかと考えた。しかしユイは、ウルの好意がアドに向いていると勘違いした。彼女は自分に向けられる恋心には鈍く、アドのことだけが全てだと断言した。
手加減できない相手
アドは、自分が【極限突破】した存在であり、手加減してもウルを大怪我させかねないと説明した。ゼロスは、ウルがストーカー気質であり、徹底的に恐怖を叩き込まなければ止まらないと判断した。ユイもまた自分と同類だと指摘され、前夜の暴走を思い出すことになった。
挑発に変わる忠告
ウルは、イストール魔法学院の上位卒業生として自負があり、ゼロス達が自分を相手にしていない態度に苛立った。アドやゼロスの忠告は、ウルにとっては見下しや挑発にしか聞こえなかった。彼はさらに意固地になり、決闘への意志を強めていった。
見世物になった決闘
ウルが装備を整えて決闘場所へ向かうと、村人達が大勢集まっていた。朝からの騒ぎが村中に広まり、娯楽の少ない村では決闘が完全に見世物になっていた。ウルは動揺したが、ゼロスは【黒の殲滅者】姿で拡声器を持ち、審判役として楽しげに場を仕切り始めた。
決闘ルール
ゼロスは、普通に戦えばウルに勝ち目はないと明言した。そのため、ウルには魔導具や魔法薬の使用を認め、アドには魔法を禁じて鉄の剣だけで戦わせることにした。さらに二本の岩柱を作り、互いに自陣の柱を守りながら相手の柱を倒す形式へ変更した。
棒倒しの勝負
決闘は、攻撃や妨害、罠を認めつつ、相手の殺害は禁止する変則的な棒倒しとなった。ゼロスは互いの陣地を壁で隠し、罠の準備も許可した。親切心よりも面白い勝負にしたいという意図が強く、彼は楽しげに場を整えていた。
第十二話 果たし合い、空~あるいはおっさんの暇潰し~
決闘の決着とハサム村の別れ
花嫁防衛決闘
ハサム村の草原には、アドとウルが守る二本の柱が立てられていた。勝利条件は相手の柱を倒すことであり、ウルには魔導具やアイテムの使用が認められ、アドは剣だけで戦うことになった。ゼロスは拡声器を手に、決闘を見世物のように実況しながら二人を煽っていた。
晒された恋心
ゼロスは、ウルを略奪愛に走るストーカー気質の青年、アドを無自覚に女性に好かれるリア充として紹介した。村人達も興味本位で集まり、弁当を広げながら決闘を見物していた。女性陣は、ゼロスの言葉がウルの次の行動を封じる効果を持つと見ていたが、実際のゼロスはその場の勢いで騒ぎを大きくしていただけだった。
開始の爆発
ゼロスは決闘開始の合図として、二人の陣地を隔てる壁を【エクスプロード】で吹き飛ばした。ウルはその威力から、ゼロスやアドが自分の想像を超える魔導士であることに気づき始めた。それでもアドには魔法使用禁止というハンデがあるため、自分にも勝算があると思い込んだ。
通じない魔法
ウルは【フレイム・アロー】や【ファイアーボール】、【アース・ランス】でアドを足止めしようとした。しかしアドは剣を振るうだけで魔法を斬り裂き、簡単に距離を詰めていった。ウルは魔導士としても剣士としてもアドに大きく劣っていることを思い知らされた。
圧倒的な差
アドは、この世界の魔導士が詠唱を必要とし、魔法の手数も少ないことに驚いた。ウルは上級魔導士であるはずだが、アドにとっては相手にならなかった。アドは長引かせるほどウルが惨めになると考え、早期決着をつけようと柱へ走り出した。
落とし穴の逆転
ウルは、アドを【ピット・ホール】の落とし穴へ誘導し、粘着性の【スライム・リキッド】で動きを封じた。勝機を得たと思ったウルはアドの柱へ向かったが、今度は自分も同じような落とし穴に落ちてしまった。互いに似た罠を仕掛けていたため、勝負は穴の中から柱を狙う滑稽な展開となった。
穴の中の罵り合い
アドとウルは粘液まみれの状態で互いを罵り合った。ウルはユイを自分のものにできると信じ、時間をかければ気持ちに応えてくれるはずだと叫んだ。アドは、それがユイの気持ちを無視した独りよがりだと怒り、自己中心的な想いを否定した。
戦刃轟雷
アドは剣に膨大な魔力を込め、剣技【戦刃轟雷】でウルの柱を粉砕した。ウルは魔法だと抗議したが、それは魔法式を使わない剣技であり、ルール違反ではなかった。ウルがアドの柱をほとんど壊せていなかった一方で、アドの柱破壊は圧倒的な威力を見せつけるものだった。
暴走するウル
敗北を認められないウルは自暴自棄になり、ナイフを手にユイへ向かって走った。彼は、ユイを殺して自分も死ぬことで一緒になろうとするほど追い詰められていた。だが、ユイはゼロスから受け取っていたアミュレットを発動させ、見えない壁でナイフを防いだ。
ユイの拒絶
リサとシャクティは、ウルの想いが一方的な押しつけであると告げた。ユイも、自分は俊君のことしか考えられず、他の男性は案山子に見えると率直に伝えた。ウルは完全に心を折られ、彼の初恋はそこで終わった。その後、村の男達は彼に酒を飲ませて慰めた。
サントールへの出発
翌日、ゼロス達はユイを連れてサントールへ向かうことにした。アド達はしばらくゼロスの家に滞在することになり、その後の立場はデルサシス公爵との交渉次第となった。アドはイサラス王国との関係やユイとの生活のため、国に貢献できる技術や共同事業を考える必要に迫られていた。
走り出す一行
ゼロスとアドは、互いに危険な技術や魔導具について深く詮索しないことにした。アド達を乗せた軽ワゴンと、ゼロスの【ハーリー・サンダース十三世】は、ファーフラン街道へ向けて走り出した。ファンタジー世界に不釣り合いな乗り物は、土煙を上げながらハサム村を離れていった。
第十三話 学院生、古代都市へ向かう
イーサ・ランテ到着と野営の唐揚げ
地下街道の学院生達
イストール魔法学院の生徒一行は、イーサ・ランテ地下街道を馬車で進んでいた。ツヴェイトやクロイサス、セレスティーナ達は成績優秀でありながら問題行動も多く、講師達に手を焼かれた末、学業名目でイーサ・ランテへ向かわされていた。道中、クロイサスとツヴェイトは友人達の名前をまともに覚えておらず、ディーオとマカロフを呆れさせていた。
エロムラのナンパ
護衛として同行していたエロムラは、道中で女性に声をかけていた。周囲の傭兵達は苛立っており、ツヴェイトはまた揉めるだろうと放置した。クロイサスも他人事として無関心であり、一行の旅は退屈と騒動を抱えたまま続いていた。
セレスティーナ達の女子力
女生徒達の馬車では、セレスティーナとキャロスティーが、イー・リンやセリナの女性らしさを意識していた。二人は自分達の女子力不足を感じ、美容に良いという温泉の話に強く反応した。しかし、学業の一環である以上、勝手に他国の温泉へ向かうわけにはいかず、諦めるしかなかった。
便乗するミスカ達
馬車の外では、ウルナがアンズやミスカに【瞬動】を教わっていた。セレスティーナは、調査団に参加できる成績ではないウルナと、完全に部外者であるミスカが同行していることに驚いた。ミスカは休暇と温泉を理由に調査団へ便乗し、学院側も脅迫めいた説得で黙らせていた。
黒歴史の書籍化
ミスカは、セレスティーナが封印していた妄想物語を勝手に書籍化していた。しかもその本は大図書館にも並び、キャロスティーまで読んで高評価を与えていた。セレスティーナは、自分の黒歴史が世間に広まったことと、続編まで編集されている事実に耐えきれず倒れた。
イーサ・ランテの門
学院生達のキャラバンは、イーサ・ランテの正門で検問を待っていた。地下街道の開通により、イサラス王国とソリステア魔法王国の交易が活発化し、多くの商人が列をなしていた。エロムラは、ゲームの初期拠点だったイーサ・ランテが現実に存在することに動揺し、アンズはこの世界が現実であることを忘れてはいけないと静かに示した。
古代都市への期待
ツヴェイト達は、生きている古代都市を前に研究意欲を高めていた。クロイサスは魔導具や都市機能の調査に、ツヴェイト達は防衛構造や戦術面の検証に関心を向けた。近年の魔法式解読や軍組織改革の流れもあり、彼等の研究や提案は国の仕組みにまで影響を与えつつあった。
クロイサスの魔法薬
クロイサスは、以前に偶然作った秘密を暴露させる魔法薬について責められた。ツヴェイトはその効果を諜報面で有用だと見なし、レシピを提出するよう求めた。クロイサスは研究を他人に任せることを惜しみながらも、軍事利用される可能性を理解した。
検問の渋滞
会話に夢中になっているうちに、学院生達の前の列は進んでいた。後方の商人達は早く街に入りたいと苛立ち、罵声を上げ始めた。ツヴェイト達は慌てて馬車を進め、しばらくして無事にイーサ・ランテへ入ることになった。
サントールへの野営
一方、ゼロス達はサントールへ向かう街道脇で野営していた。ユイが身重であるため、軽ワゴンやバイクでも速度を抑えて進む必要があり、日が落ちたことで安全のため平原で休むことにした。ゼロスは野菜スープ、パン、カレー風味の唐揚げを用意した。
疑惑の唐揚げ
アド、リサ、シャクティは、以前の天丼の記憶から、唐揚げの材料を疑っていた。ユイだけは事情を知らず、素直に唐揚げを食べて美味しいと喜んだ。三人も空腹に負けて食べ、味には満足したが、リサが肉の正体を尋ねたことで再び不穏な空気になった。
知らないほうが幸せな肉
ゼロスは、知らなければ幸せなこともあると含みを持たせながら、肉の正体を教えたがった。アドは知りたくないと拒んだものの、ゼロスは結局その正体を明かした。平原には三人の悲鳴が響き、何も知らずに食べたユイだけが幸せなままだった。
第十四話 エロムラとアンズ、探索す
イーサ・ランテ調査と隠し扉の発見
死者の都の遺構
イーサ・ランテは、邪神戦争期に外部との連絡を断たれて埋もれた旧時代の地下都市だった。都市は竜脈から魔力を集め、魔力伝導装置で岩盤を支えながら存続していた。危険な管理システムや古代兵器が残るため、調査員には発見物の報告義務が課されていた。
魔導具解析の修羅場
クロイサス達サンジェルマン派の学院生は、発掘された魔導具の識別作業に当たっていた。極小の魔法陣や不明な統一言語の解読は困難で、鑑定スキル保持者さえ苦しんでいた。周囲が疲弊する中、クロイサスだけは旧時代の魔導具を知識の宝庫として喜び、研究意欲を高めていた。
太古の文明への推測
学院生達は、旧時代以前の文明や邪神の正体について話し合った。クロイサスは、太古の遺跡が残らない理由を、戦争や宗教対立、種族間紛争による破壊の積み重ねだと現実的に考えた。さらに邪神は旧時代の生物兵器だったのではないかと推測し、禁忌となった生命創造との関連を示唆した。
難攻不落の地下都市
ツヴェイト達ウィースラー派は、イーサ・ランテの防衛構造を調べていた。地下都市は出入口が限られ、兵士の宿舎や衛兵の待機所、見張り小屋が整えられており、外からの正攻法では落としにくい構造だった。ツヴェイトとディーオは、攻めるなら商人を装って内部から崩すしかないと考えた。
騎士団と魔導士団の対立
調査の中で、ツヴェイト達はソリステア魔法王国における騎士団と魔導士団の対立にも思いを向けた。魔導士の待遇改善を求めた歴史や貴族同士の不和が、長く組織対立を生んでいた。現在は能力重視の改革が進み、旧来の甘い立場にいた者達が淘汰されつつあった。
エロムラとアンズの探索
ツヴェイトは、エロムラとアンズが勝手に出かけようとしているところを見つけた。二人はゲーム時代の知識から、巨大な柱の内部に外へ出る通路があるかもしれないと考えていた。ツヴェイトは二人がイーサ・ランテの構造を知りすぎていることに違和感を覚えたが、今は深く追及しないことにした。
柱の隠し扉
エロムラとアンズは、巨大な魔力伝導柱の前に到着した。アンズは記憶を頼りに隠し扉を見つけ、エロムラが解除コードを唱えると、分厚い扉が開いた。二人は軽口を交わしながら、柱の内部へと入っていった。
目撃した二人
その様子を、散策中のセレスティーナとキャロスティーが目撃していた。二人は、未発見の仕掛けと新たな発見への好奇心を抑えきれなくなった。戦闘向きの装備ではないと不安を覚えながらも、危険なら逃げると決め、エロムラ達の後を追って隠し扉へ向かった。
アラフォー賢者8巻レビュー
アラフォー賢者まとめ
アラフォー賢者10巻レビュー
同シリーズ
アラフォー賢者の異世界生活日記シリーズ
小説
























その他フィクション

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