どんな本?
■ 作品概要
本作は、おっさん転生作品のパイオニア『アラフォー賢者の異世界生活日記』の主人公・ゼロスの、異世界転生前のエピソードを描いたスピンオフ作品である。リストラされ田舎暮らしを送るアラフォーのおっさん・大迫聡は、VRRPG【ソード・アンド・ソーサリス】で大賢者・ゼロスとして気ままな冒険を楽しんでいた。彼は【殲滅者】の異名を持つ最強で最凶のパーティー【趣味を貫き深みに嵌まる】に所属しており、一癖も二癖もある廃プレイヤーの仲間たちと共に、ハチャメチャでぶっ飛んだゲームライフを繰り広げる。しかし、この精巧なゲーム世界は単なる娯楽ではなく、次元崩壊の危機を防ぐために神々が異世界へ送り込む「使徒候補者」を選定するために創造された箱庭であるという、重大な秘密が隠されていた。
■ 主要キャラクター
- 大迫聡(ゼロス・マーリン):リストラされたアラフォーのおっさんで、ゲーム内では【大賢者】を極めた魔導士。強力な広範囲殲滅魔法を使いこなし、地形や都市ごと敵を吹き飛ばす規格外の力を持つ。
- ケモ・ラビューン(ケモさん):パーティー【趣味を貫き深みに嵌まる】のリーダー。少年獣人のアバターを使う大賢者で、獣人族をこよなく愛するケモミミ伝道師。
- カノン・カノン:パーティーメンバーのハイ・エルフ。魔法薬の調合を極めた大賢者であり、過激な副作用を持つ薬で人体実験を好むケミカルテロリストである。
- テッド・デッド:パーティーメンバーの死霊術師。【地獄の傀儡師】の異名を持ち、リア充やカップルに強い憎しみを抱いてPK(プレイヤーキル)を繰り返す問題児である。
- ガンテツ:パーティーメンバーのドワーフ。鍛冶職人を極めた大賢者で、自爆に強いロマンを抱く自爆マニアであり、凄まじい威力の自爆武器を製作する。
- ハイスピード・ジョナサン:異常なハイテンションで馬車を爆走させ、乗客を地獄の恐怖に陥れる暴走テイマーである。
- マスクド・ルネッサンス:筋肉至上主義を掲げる超脳筋の上位プレイヤー。圧倒的なパワーで敵をねじ伏せるプレイスタイルを貫いている。
■ 物語の特徴
本作の最大の魅力は、最強クラスの廃プレイヤーたちによる常識外れなプレイスタイルと、彼らが巻き起こす理不尽で爽快な大騒動である。プレイヤーから恨みを買う悪辣なNPC国家を、突発的なレイド戦に乗じて巨大モンスターごと殲滅魔法で吹き飛ばすなど、倫理観を無視した破天荒な展開がコメディタッチで描かれる。その一方で、このゲーム世界が「神々による宇宙の次元崩壊を防ぐための実験場」であり、知らず知らずのうちにプレイヤーたちが過酷な選定を受けているという壮大な裏設定が並行して描かれており、単なるVRRPGものにとどまらない奥深い世界観が読者を引きつける要素となっている。
読んだ本のタイトル
アラフォー賢者の異世界生活日記 ZERO -ソード・アンド・ソーサリス・ワールド- 1
著者:寿安清 氏
イラスト:ジョンディー 氏
出版社:KADOKAWA(MFブックス)
発売日:2023年8月25日
ISBN:9784046827630
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あらすじ・内容
アラフォーおっさん、VRRPG【ソード・アンド・ソーサリス】で大冒険!
リストラに遭って以来、毎日畑の世話をしながら気楽な田舎暮らしを送っていたアラフォーのおっさん【大迫聡】。そんな彼の楽しみはVRRPG【ソード・アンド・ソーサリス】で、大賢者【ゼロス・マーリン】として気ままな冒険を楽しむこと。しかしこのゲームには、プレイヤー達には絶対に明かされることのない重大な秘密が隠されていて……。
アラフォー賢者の異世界生活日記 ZERO -ソード・アンド・ソーサリス・ワールド- 1
おっさん転生作品のパイオニア『アラフォー賢者の異世界生活日記』から、主人公・ゼロスの異世界転生前のエピソードを描いたスピンオフ作品が登場! 【殲滅者】の異名を持つ廃プレイヤーで構成された最強で最凶のパーティー【趣味を貫き深みに嵌まる】。そのメンバーであるゼロスを含めた一癖も二癖もあるプレイヤー達の、ハチャメチャでぶっ飛んだゲームライフを堪能せよ!
アラフォー賢者の異世界生活日記 ZERO -ソード・アンド・ソーサリス・ワールド- 1
感想
「アラフォー賢者の異世界生活日記 ZERO -ソード・アンド・ソーサリス・ワールド- 1」は、アラフォーのオッサン、大迫聡が主人公です。
彼は姉のせいでリストラに遭った後、田舎で畑の世話をして金とは無縁の暮らしていました。
彼の唯一の楽しみは、VRRPG【ソード・アンド・ソーサリス】での冒険。
彼はこのゲームの中で、大賢者【ゼロス・マーリン】として活動しています。
このゲームの中には、プレイヤーたちが知らない大きな秘密がありました。
オッサンは、ゲームの中で【殲滅者】と呼ばれる廃プレイヤーたちのグループに所属しています。
このグループは、ゼロスを含め、非常に個性的なプレイヤーたちで構成されています。
ハイ・エルフのカノンは、騎士をサブの道へと導く薬等、様々な薬を作り様々なプレイヤーに投与して実験を繰り返します。
人族のテッドは、アドの嫁さんにフラれたせいでリア充に対する嫉妬をアンデットを使って解消してます。
ドワーフのガンテツは、自爆武器を作るのが好きな鍛治師。
普通に武器を作る事が出来るのに、自爆装置を付けたがる。
そして、ケモ・ラビューンは、獣人族を愛でるために喫茶店を経営しています。
物語のクライマックスは、ゼロスたちがレイドボスを討伐する場面です。しかし、そのレイドボスをフィールドに出したのが、ゼロスとテッドでした。
その結果、二つの宗教、”フンモモ教”と”コケモモ教”の信者とプレイヤーたちが、大混乱に巻き込まれます。
異教徒に傲慢なフンモモ教とコケモモ教に色々と鬱憤が溜まっていたプレイヤーたちは、その騒ぎを楽しむかのように、レイドボスを両宗教の街にトレインして、レイドボスを攻撃するフリをして街を破壊していきます。
ある程度、両宗教の街を破壊した後に本格的にレイドボスを倒そうと動くのですが、、
レイドボスの殻が強固で倒せません。
最終的に、ゼロスたちは、自分たちの力でレイドボスを倒そうとしますが、、
それもなかなか上手くいきませんが、殲滅者達総出で高火力の攻撃を連発し、前衛組は何回か死に戻りしては攻撃を当てて何とか討伐します。
チョット、プレイヤー達を巻き込んで攻撃してしまうのはご愛嬌w
毎回、こんな感じだと殲滅者と言われて恐れられるのも判る気がします。
この物語は、ゲームの世界での騒動を中心に、ゼロスたちの冒険を描いています。
彼らの行動は、時には他のプレイヤーたちを巻き込んで大混乱を引き起こしますが、それがまた面白いと感じました。
最後に、この物語の中での秘密が、本編をより楽しむためのヒントになっているのも良かったです。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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考察・解説
田舎での自給自足生活
『アラフォー賢者の異世界生活日記 ZERO -ソード・アンド・ソーサリス・ワールド- 1』において、主人公の大迫聡(アバター名:ゼロス)が現実世界で送っている田舎での自給自足生活は、都会の喧騒から離れた安らぎと、自給自足ならではのリアルな苦労、そして田舎特有の人間関係が混在する日常として描かれている。
プログラマーを辞めて隠遁生活に入った背景、適度な距離感を保つ近所づきあいの処世術、大量の夏野菜消費に苦心する食卓の現実、天然の善意が引き起こした物騒な泥棒撃退騒動、そして誰にも邪魔されない趣味の満喫にいたる全容は以下の通りである。
過酷な中間管理職からの脱却と浪費癖のある実姉のたかりを防ぐ防貧対策
聡は元々都会でプログラマーとして働いていたが、現場の状況を無視した無茶な仕事を押しつけられる日々に疲弊していた。
・金目当てで近づいてくる浪費癖のある実姉の問題行動が重なり、ついに退職を余儀なくされた。
・亡き両親が残した不動産収入があるため、本来は働かなくても豊かに暮らせる余裕がある。
・しかし、姉に頼られるのを防ぐため、あえて不自由な自給自足の田舎暮らしを偽装している。
近所農家の中村さんとの農作業協力とおおらかな厚意に甘えすぎない節度
早朝から近所の農家である中村さんの除草作業などを手伝い、そのお礼として山盛りの夏野菜をおすそ分けしてもらっている。
・聡は、田舎の人々の素朴でおおらかな優しさに、サラリーマン時代には得られなかった安らぎを感じている。
・しかし一方で、厚意に甘えすぎると図々しく催促する関係になりかねないとも考えている。
・円滑な人間関係を保つために朝食の誘いを丁重に断るなど、適度な距離感を引く処世術も身につけている。
家庭菜園の過剰収穫に伴う保存食作りと連日のトマトメニューに滲む虚しさ
自宅の庭先でも家庭菜園を行い、季節の野菜を育てたりニワトリを飼ったりして気ままに暮らしている。
・一人暮らしには野菜の収穫量が多すぎることがあり、無駄にしないようピクルスや自家製ケチャップなどの保存食作りに日々苦心している。
・手作りのものは消費期限が短いため、使い切るまで連日「冷製トマトパスタ風の素麺」などトマト尽くしのメニューを強いられる。
・気ままな生活の反面、ふと虚しさを感じる孤独なグルメのような状態に陥ることもある。
無断侵入した土呂家の若奥さんと中村さんの奥さんが譲った超激辛ソースの惨劇
田舎ののんびりした生活の中にも、物騒でシュールな事件が起きている。
・最近引っ越してきた土呂家の若奥さんが、中村さんの家の台所に無断侵入して調味料を物色するという事件が発生する。
・しかし、激辛党で天然気味の中村さんの奥さんは、若奥さんを辛いもの好きだと勘違いする。
・死亡事例すらある超激辛のサドンデスソースを善意で譲ってしまった。
・結果として、ジャムと勘違いしてソースを口にした泥棒の若奥さんが救急車で病院送りになるという、おおらかさと天然が奇跡的に悪党を撃退する騒動も起きている。
仮想空間での気ままな冒険と現実世界での機動兵器プラモデル製作の没頭
畑仕事や生活の合間には、充実したプライベートの時間を過ごしている。
・VRRPGであるソード・アンド・ソーサリスにログインして気ままな冒険を楽しんでいる。
・現実世界では機動兵器や戦隊もののプラモデルを作ったりしている。
・こうした趣味に没頭している時間が何よりも好きであり、誰にも煩わされることのない日々をまったりと満喫している。
まとめ
大迫聡の田舎での自給自足生活は、単なる理想郷としてのスローライフではなく、過去の血縁トラブルから身を隠すための計算と、地方社会における高度な対人距離感が合致した極めて現実的な生活様式である。大量の収穫物に追われる食卓の孤独な苦悩や、隣人の天然な悪意なき行動が泥棒を病院送りにするシュールなトラブルを抱えつつも、VRRPGへのログインやプラモデル製作といった趣味の領域を完全に確保している。誰にも邪魔されない防衛線を張りながらまったりとした時間を謳歌するその暮らしぶりは、現代社会のストレスから離脱した大人が獲得した、一つの幸福な隠遁の形を厳密に証明している。
VRRPGの世界
『アラフォー賢者の異世界生活日記 ZERO -ソード・アンド・ソーサリス・ワールド- 1』の舞台となるVRRPG「ソード・アンド・ソーサリス」は、単なる娯楽ゲームの枠を超えた異常なほどのリアリティと自由度、過酷なサバイバル環境、そして壮大な裏設定を秘めた世界として描かれている。
五感を刺激する圧倒的な没入感と規制解除に伴うスプラッタ表現の現実、自由な生産活動の裏で発生する産業廃棄物処理問題、重いデスペナルティと厳格な税制システム、高度なAIを持つNPCとの対立が引き起こす国家滅亡の復讐劇、そして全宇宙の次元崩壊を防ぐために神々が創造した実験領域の真実にいたる全容は以下の通りである。
コントローラー操作の不自然さとデススメルヘドロゼリーの強烈な悪臭を再現する五感刺激
フランリーデ界と呼ばれる広大なファンタジー世界を舞台にしており、五感を通じて現実と間違うほどリアルに電脳空間を感じることができる。
・ただし、なぜかキャラクターの操作はコントローラーで行うという不自然な仕様がある。
・料理の複雑な食感や、特定のモンスターであるデススメルヘドロゼリーなどが放つ死ぬほど強烈な悪臭までもがリアルに再現されている。
・年齢による「R18表現規制」が存在し、任意で解除することが可能である。
・解除すると、風俗店を利用できるようになる代わりに性病にかかるリアルなリスクが生じる。
・さらにモンスターに捕食されて内臓が溶かされる様子などの凄惨でグロテスクなスプラッタ光景をモザイクなしで直視する羽目になり、プレイヤーがトラウマを抱えたり具合を悪くしたりする原因となっている。
メリットとデメリットを併せ持つ魔法薬精製と公害を発生させる失敗作の処理問題
ゲーム内の自由度は極めて高く、生産職プレイヤーは独自のアイテムや武器、魔法を研究、開発できる。
・極端なメリットとデメリットを持つ魔法薬や、凄まじい威力の自爆武器などが日々生み出されている。
・しかし自由度が高い反面、生産活動で生じた失敗作の処分方法を誤ると有毒ガスや鉱毒被害などの公害が発生する。
・そのため、その産廃処理に苦心するという妙に現実味のある問題も起きている。
数週間に及ぶ大幅なステータス低下と脱税による衛兵のアイテム押収措置
社会システムやペナルティも現実に即しており、非常にシビアに構築されている。
・街に拠点を構えれば家賃や税金の支払い義務が生じる。
・脱税すれば衛兵に捕らえられて活動を停止させられたり、アイテムを押収されたりするリスクがある。
・死亡時のデスペナルティは重く、ゲーム内で数日から数週間にわたって大幅にステータスがダウンする。
・野外でログアウトすると一定確率で所持品や装備を失うアイテムロストの仕様もあるため、プレイヤーは宿屋などの安全な場所でログアウトすることが推奨されている。
目撃者なきPKの容認と不満を溜めた異邦人によるレイドボスの街への意図的誘導
この世界でプレイヤーは「異邦人」「渡界人」「稀人」と呼ばれ、超常的な力を持つ存在として扱われる。
・プレイヤー間のPK(プレイヤーキル)も容認されており、目撃者を残さなければ指名手配されることもない。
・NPCは人間と同じように自由意思を持つ高度なAIを備えており、プレイヤーの拠点に泥棒や強盗に入ることすらある。
・特定の転移ゲートや施設を利用するためにはNPCからの好感度を上げる必要があり、不毛な部族間の宗教戦争に嫌々参加させられるなど、プレイヤーは理不尽で詐欺まがいな要求をしてくるNPCの部族に嫌々従わされることがある。
・NPCへの不満が限界に達すると、プレイヤー達は突発的に現れたレイドボスを意図的にNPCの街へ誘導する。
・あえて防衛を放棄して住民ごと国を滅ぼして復讐を果たすといった、倫理観を捨て去った非道極まりない集団虐殺も平然と行われる。
神々が送り込む使徒候補者の選定育成と大量虐殺に伴う冥界霊魂管理部の過労構造
プレイヤーたちは全く気付いていないが、このゲームは単なる娯楽用に作られたものではない。
・実は、全宇宙の次元崩壊を防ぐため、神々が別の異世界へ送り込む「使徒候補者(刺客)」を選定し、育成するために創造された箱庭のような実験領域である。
・プレイヤーたちはこの世界が現実の異世界をベースに構築された空間であることに気づかないよう、精神や認識を操作(洗脳)されている。
・ゲーム内でプレイヤーがNPCを大量虐殺すると、その魂は神々のいる「冥界霊魂管理部」へと送られる。
・これによって、担当する神々が過労(残業)に追い込まれるというメタ的な構造も描かれている。
・神々自身もアバターを作成してこの世界に降り立ち、管理業務の息抜きとしてプレイヤーたちに混ざって遊んでいる。
まとめ
「ソード・アンド・ソーサリス」は、圧倒的な自由度と倫理観の崩壊したプレイスタイル、そして神々の思惑が重なり合う極めて特異な仮想現実世界である。リアルな五感再現や産廃処理といった生々しいシステムがプレイヤーを魅了する一方で、理不尽なNPCへの復讐として国家滅亡を画策するバイオレンスな実態が描かれている。その本質が、神々によって洗脳された使徒候補者を育成するための実験場であり、大量虐殺が神々の残業を引き起こすというメタ構造を内包しているプロセスは、このゲームが単なる娯楽の域を超えた深遠な謎と生存競争の舞台であることを厳密に証明している。
趣味を貫く仲間達
『アラフォー賢者の異世界生活日記 ZERO -ソード・アンド・ソーサリス・ワールド- 1』において、主人公ゼロスが所属するパーティー「趣味を貫き深みに嵌まる」の仲間たちは、全員がレベル1000を超える大賢者でありながら、己の趣味と欲望にのみ忠実な廃プレイヤー集団として描かれている。
勧誘の煩わしさから結成されたシンパシーで繋がる距離感、他プレイヤーから殲滅者と呼ばれ恐れられる5人の規格外かつ非常識な能力、そしてレイド戦などで集結した際に周囲や都市ごと巻き込んでトラウマを植え付ける圧倒的な悪名にいたる全容は以下の通りである。
他クランからの勧誘を回避する目的と邪魔をしない共感による単独行動スタンス
彼らは元々、ひっきりなしに来る他のパーティーやクランからの勧誘を煩わしく思っており、偶然5人が揃った際にケモさんの提案で結成された。
・全員が己の趣味に全力で挑む自由人であり、仲間意識というよりも共感(シンパシー)で繋がっている。
・そのため、必要なら手を貸すけどメンバーの邪魔はしないというスタンスをとっている。
・普段は一緒にいることは少なく、単独で好き勝手に行動している。
地形を吹き飛ばす広範囲魔法からアンデッド軍団の使役や自爆兵器開発にいたる5人の殲滅者
彼らは戦闘職、魔法職、生産職を極めた凄腕であるが、その常識外れな暴れっぷりから他のプレイヤーに「殲滅者」と呼ばれ恐れられている。
・黒の殲滅者 ゼロス・マーリン:サイレントデストロイヤー。広範囲殲滅魔法を使いこなし、地形や都市ごと敵を吹き飛ばす規格外の力を持っている。普段はボロボロの装備で怪しい行商人として活動している。
・赤の殲滅者 ケモ・ラビューン:パーティーリーダーで「ケモミミ・モフモフの伝道師」。獣人族をこよなく愛し、拠点の一階で獣人NPCを集めた喫茶店「けものの尻尾」を経営している。その正体は誰も攻略できない凶悪なダンジョンのマスターでもある。
・白の殲滅者 カノン・カノン:ケミカルテロリスト。魔法薬の調合を極めたハイ・エルフであるが、極端なメリットと致命的な副作用を持つ失敗作を多数生み出し、時には周囲に公害や甚大な被害をもたらす。
・緑 of 殲滅者 テッド・デッド:地獄の傀儡師。死霊術師であり、名のあるNPCの墓を暴いて強力なアンデッド軍団を作っている。リア充やカップルプレイヤーに強い憎しみを抱いており、レイド戦などで事故に見せかけたPK(プレイヤーキル)を繰り返す問題児である。
・青の殲滅者 ガンテツ:自爆マニア。ドワーフの優秀な鍛冶師であるが、死ぬときはやっぱり自爆だという狂った美学を持ち、凄まじい威力の自爆兵器を開発してはレイドボスや味方を巻き込んで爆発させる。
周囲のプレイヤーや街を巻き込む蹂躙劇とイベント難易度を最難関へ引き上げる悪名
彼らは普段別々に行動しているが、レイド戦や突発イベントなどで偶然集結すると、周囲の迷惑を一切顧みない行動で大騒動を引き起こし、何の責任も取らずに撤退する。
・圧倒的な殲滅魔法やデバフ薬、自爆攻撃などでレイドボスを蹂躙するだけでなく、周囲のプレイヤーや街をも平然と巻き込む。
・その結果、単純なイベントの難易度を最難関にまで引き上げる。
・多くの者にトラウマを植え付けて去っていくため、一般プレイヤーからは憧れであると同時に恐怖の代名詞として悪名を轟かせている。
まとめ
パーティー「趣味を貫き深みに嵌まる」は、協調性や効率を重視する一般的なゲームコミュニティとは一線を画し、各自の狂信的な趣味を極限まで突き詰めた結果として最強に至った異質な集団である。都市を消滅させる広範囲魔法、深刻な公害を撒き散らす失敗薬、自爆美学に基づく広域爆破といった傍迷惑な能力は、ひとたび戦場に揃えば味方や環境すら容易に壊滅させる恐怖の象徴と化す。イベントを混沌に陥れ、他プレイヤーに多大な損害を与えながらも一切の責任を負わずに霧散する彼らの活動実態は、仮想世界における絶対的な自由の謳歌と、最悪の災害としての悪名を厳密に証明している。
南大陸の宗教戦争
『アラフォー賢者の異世界生活日記 ZERO -ソード・アンド・ソーサリス・ワールド- 1』における南大陸の宗教戦争とプレイヤー・NPC間の対立は、単なるゲームシステム上の敵対を超え、神々の悪ふざけによって生まれた理不尽な世界観、NPCの悪辣な性質、そしてそれに巻き込まれ不満を募らせたプレイヤー達の憎悪が引き起こした凄惨な復讐劇として描かれている。
鶏頭と牛頭を掲げる二大部族の不毛な宗教対立、転移ゲート利用のために強制される奴隷同然のイベント、国家ぐるみの詐欺や恐喝を平然と行う傲慢なNPCへのヘイト、ダンスを強制する王の敗死による別都市の荒廃、そして突発的なレイドボスを街へ誘導し住民ごと国家を滅亡させた凄惨な復讐の結末にいたる全容は以下の通りである。
鶏頭コケモモ教と牛頭フンモモ教のフンドシ全裸部族による不倶戴天の小競り合い
南大陸のルルカ・モ・ツァーレ平原に点在する城塞都市国家群では、ウコッケ族とモーカウ族という二つの部族が長年にわたり争っている。
・ウコッケ族は鶏頭の神を信仰する「コケモモ教」、モーカウ族は牛頭の神を信仰する「フンモモ教」を奉じている。
・どちらもフンドシ一丁の全裸が基本という似たような文化を持ちながら、お互いが相手の聖獣(牛と鶏)を食べる習慣があるため、終わりのない小競り合いを繰り返している。
・これらの宗教は、上位の神々が悪ノリで興したものであり、本来の歴史には存在しないクレイジーな宗教国家である。
転移ゲート利用のための好感度稼ぎと恥ずかしい被り物衣装を強いる勇者罰ゲーム
この平原の転移ゲートを利用して他の大陸へ向かうためには、システム上、NPCの好感度を一定以上に保つ必要がある。
・プレイヤー達は嫌々ながらもどちらかの陣営に傭兵として参加し、彼らのくだらない口喧嘩や手抜きの戦闘に付き合わされていた。
・戦争に貢献したプレイヤーは「勇者」に選ばれるが、その扱いは悲惨である。
・勇者は強制的に「葉っぱ一枚に牛または鶏の被り物、股間には角ケース」という酷く原始的で恥ずかしい衣装を着せられ、戦場で見世物にされるという罰ゲームのような仕打ちを受ける。
異邦人を奴隷と見下す傲慢な態度と馬糞撤去の失敗による違約金恐喝
ウコッケ族やモーカウ族は高度なAIと自由意思を持ちながら、極めて閉鎖的かつ自己中心的である。
・彼らはプレイヤーを「自分達に仕えるために神から与えられた奴隷」「戦うことしか能のないケダモノ」と激しく見下している。
・悪臭を放つスライムの討伐や馬糞の撤去などの不当な依頼を押し付け、失敗すれば違約金を請求し、成功しても難癖をつけて報酬を値切るという国家ぐるみの詐欺や恐喝を行っていた。
・プレイヤーの多くは、彼らが「自分たち以上にクズで最悪」だと認識しており、強いヘイトを抱いていた。
仕事中のダンスを強要するチェケラ・チヨ教の王の敗死と水源枯渇による都市荒廃
コケモモ教やフンモモ教以外にも、南大陸には奇妙な宗教対立が存在する。
・ゼロスが訪れた「チェンダ・ムーマの街」は、ダンスで世界を救うと称して仕事中もダンスを強要する「チェケラ・チヨ教」の無能な王が治めていた。
・しかし、「仕事中のダンス禁止」を掲げる「シェギナ教」の襲撃を受けて王が討ち取られる。
・その後、水源の枯渇も重なり、街は完全に荒廃して滅亡状態に陥っていた。
カイザー・アイランドシェル侵攻に伴う退路封鎖とアモン・コッケ等への意図的火災誘導
突発的なレイドボス「カイザー・アイランドシェル(のちにグレート・アイランドシェルへ進化)」が出現し、アモン・コッケやカウーカ・ウルカへ侵攻を開始した際、ついにプレイヤー側の不満が爆発する。
・プレイヤーたちは街の防衛を放棄するどころか、魔法で退路を塞ぎ、住民であるNPCたちを街に閉じ込めた。
・さらに魔法で意図的に火災を引き起こすなどして、レイドボスを利用して国家ごと住民を殲滅させるという非道な復讐(集団虐殺)を敢行した。
・土壇場になってようやく、NPCたちはプレイヤーが便利な道具などではなく、自分たちの命など塵芥程度の価値しか見出していない「不死の化け物」であることに気づき、激しく後悔することになる。
・アモン・コッケとカウーカ・ウルカの両都市は、跡形もなく消し飛び完全に滅亡した。
まとめ
南大陸の宗教戦争とプレイヤーによる復讐劇は、不条理なシステムと倫理観の欠如したNPCに対し、耐えかねたプレイヤーが「圧倒的な武力による国家壊滅」という最悪の形でケリをつけた混沌たる事件である。異邦人を奴隷と見下し、恐喝と詐欺を繰り返した部族に対し、プレイヤーが施した退路封鎖とレイドボス誘導による集団虐殺は、仮想世界の因果応報を冷酷に示している。原始的な文化に固執し、他者を利用し続けたNPCが、自らを不死の化け物の手で自業自得の滅びへと追い込んだプロセスは、埋められない種族間の溝と、仮想現実におけるバイオレンスなプレイスタイルの極致を厳密に証明している。
巨大レイドボス討伐
『アラフォー賢者の異世界生活日記 ZERO -ソード・アンド・ソーサリス- 1』における「巨大レイドボス討伐」は、純粋な巨大モンスターとの死闘というだけでなく、プレイヤー達による悪質なNPC国家への復讐劇や、「殲滅者」と呼ばれる規格外のプレイヤー達による常識外れな戦闘、常軌を逸した戦術が入り乱れる、非常にカオスな大惨事イベントとして描かれている。
地底湖での急激な水温低下をきっかけとする超巨大な巻貝の覚醒と地上への逃走、プレイヤーへの詐欺を繰り返した部族への報復としての街へのボス誘導、進化した個体の圧倒的な防御力と捕食による無限回復の絶望、爆魔石の連臣起爆とパイルバンカーによる殻の破壊、そして殲滅者の集結に伴う試作魔法薬の特攻や超重力崩壊魔法による地形改変の結末にいたる全容は以下の通りである。
地底湖一掃に伴う大型タンカー級巻貝の覚醒と天井岩盤を粉砕する異次元の跳躍逃走
水枯渇クエストのためチェンダ・ムーマの地下にある地底湖を訪れたゼロスは、周囲に大量繁殖していた通常種の「スポンジシェル」を氷結魔法で一掃する。
・その急激な水温低下に危機感を抱いたのか、地底湖の中央に陣取っていた超巨大なレイドボス「カイザー・アイランドシェル」が覚醒した。
・大型タンカーの船首ほどの大きさがあるにもかかわらず、その巨体を砲弾やミサイルのように跳躍させる。
・天井の岩盤を抉り取り、粉砕しながら地上へと逃走した。
・コケモモ教とフンモモ教が宗教戦争を繰り広げている平原のど真ん中へと落下し、突発レイド戦が開始される。
防衛放棄と退路封鎖によるアモン・コッケの火の海化と熱量吸収に伴う進化
通常、レイド戦は街を守るために戦うものであるが、今回の舞台となったアモン・コッケやカウーカ・ウルカの街のNPC達は、プレイヤーを騙し、理不尽に扱き使ってきたため、非常に強い恨みを買っていた。
・そのためプレイヤー達は街の防衛を放棄する。
・魔法で退路を塞いだり火災を起こしたりしてレイドボスを誘導し、国ごとNPCを食わせて滅ぼすという非道な復讐を遂行した。
・結果としてアモン・コッケの街は火の海となり、その熱量を吸収したカイザー・アイランドシェルは「グレート・アイランドシェル」へと進化して耐性を獲得した。
・次の標的であるカウーカ・ウルカへ侵攻を開始する。
超重力殲滅魔法を弾く異常な硬度と超高圧空気弾および強酸性液による無限回復
カウーカ・ウルカでの防衛戦では、進化したグレート・アイランドシェルがその凶悪な能力でプレイヤー達を絶望させる。
・圧倒的な防御力:ゼロス、アド、テッドの3人がかりで超重力殲滅魔法「暴食なる深淵」を直撃させても、巨大な殻に亀裂が入る程度という異常な硬さを誇る。殻の内側の本体も柔らかい肉質でダメージを吸収してしまうため、通常の攻撃がほとんど通用しない。
・遠距離攻撃と産卵:超圧縮した空気の塊を放つ「デザスターウィンドブレス」で街門を粉砕し、捕食した骨を固めた弾丸を全方位に乱射してプレイヤーを蹂躙する。さらに、大量の「リトル・アイランドシェル」を産み落として街を侵略させた。
・ホバー移動による高速疾走:従来の鈍重な巻貝のイメージを覆す凶悪な機動力で平原を駆け巡る。
・捕食による無限回復:周囲のNPCやプレイヤーを無差別に捕食し、体内の強酸で消化することでHPを回復するため、プレイヤーが何度攻撃してもすぐに回復されてしまうという悪循環に陥った。
巨大殻を登る危険な高所作業と爆魔石の連鎖起爆による弱点内臓の露出
まともな攻撃が通用しない巨大モンスターに対し、プレイヤーたちも破天荒な戦術で対抗する。
・膠着状態を打破するため、ゼロスたちは激しく動く巨大な貝殻をロッククライミングのようによじ登る。
・ツルハシで開けた亀裂に、エクスプロードの3倍の威力を持つ危険な「爆魔石」を直接仕掛ける高所作業を敢行した。
・そこへ、上位プレイヤーの「マスクド・ルネッサンス」がシールドガントレットのパイルバンカーを殻に撃ち込む。
・これにより爆魔石が連鎖起爆し、強固な殻が半分吹き飛んで弱点(内臓)が露出した。
・この殻の破壊を契機に、ゼロス、テッド、アドに加え、遅れて到着したケモさん、ガンテツ、カノンといった「趣味を貫き深みに嵌まる」(通称・殲滅者)の全メンバーが戦場に集結する。
副作用のある試作魔法薬の囮突撃と最大出力多重展開による周囲一帯のクレーター化
殲滅者が揃ったことで、戦闘は一気に終局へと向かう。
・白の殲滅者カノンが、死に戻りしたプレイヤー達に強烈な副作用(精神暴走など)のある試作魔法薬を投げて強引に戦線復帰させ、囮として突撃させる。
・その隙に、ガンテツが大剣による自爆前提の特攻攻撃を仕掛け、マスクド・ルネッサンスがゼロ距離からの全魔力を解放する大技「マスクド・フィーバー」を叩き込んでHPを残りわずかまで削り取った。
・最後は、ゼロス、ケモさん、テッドの3人が超重力崩壊魔法「暴食なる深淵」を最大出力で多重展開する。
・グレート・アイランドシェルを周囲のプレイヤーや街ごと根こそぎ消し飛ばし、討伐を完了した。
・この前代未聞のレイド戦の結果、二つの城塞都市国家は跡形もなく消滅して広大なクレーターと化し、地形そのものが不可逆的に作り変えられた。
まとめ
巨大レイドボス「グレート・アイランドシェル」との激闘は、物理法則を逸脱した天災級のモンスターに対し、プレイヤーが積年の怨嗟を晴らすための誘導兵器として利用し、最終的に「殲滅者」たちの過激な武力によって地形ごと消滅させた未曾有の大惨事である。タンカー級の巨体で跳躍し無限回復を繰り返す貝に対し、殻に登り爆薬を埋め込む破天荒な特攻戦術と、カノンによる精神暴走薬の投入、そして周囲の味方ごと巻き込む「暴食なる深淵」の多重展開が勝利を手繰り寄せた。戦闘の終わりに残された巨大なクレーターと二大宗教国家の完全なる消滅は、このレイド戦が単なるゲーム内のイベントを超え、地形改変を引き起こすほどの凄まじい災害であったことを厳密に証明している。
神々による異世界計画
『アラフォー賢者の異世界生活日記 ZERO -ソード・アンド・ソーサリス・ワールド- 1』の根幹をなす「神々による異世界計画」は、単なるVRRPGと思われていたゲーム世界が、実は全宇宙の危機を救うための壮大なプロジェクトであったという裏設定として描かれている。
次元崩壊の危機と観測者不在の背景、使徒候補者を育成するために創造された実験領域「箱庭」の真実、強力だが人格に問題のある上位プレイヤーを巡る選定のジレンマとダミー計画、主人公の大迫聡(ゼロス)が持つ魂の特異性、そしてNPCの大量虐殺に伴う冥界の過労構造と神々のアバターによる息抜きにいたる全容は以下の通りである。
亜神の無差別召喚による次元の歪みと封印核に不法投棄された本来の観測者
別の次元世界において、能力の低い亜神が無差別な異世界召喚を繰り返しているため、次元障壁に深刻な歪みが生じている。
・この歪みが連鎖的に拡大すると、隣接する世界同士が衝突し、ディメンション・カタストロフィ(次元崩壊現象)を引き起こして数千の世界が消滅してしまうという全宇宙規模の危機に陥っている。
・しかも、その世界を本来管理すべき観測者は封印核に閉じ込められ、神々が管理する別領域に不法投棄されてしまっている。
・このため、神々が直接手出しできない状態にある。
現実の異世界をベースにした空間隠蔽と娯楽ゲームと思い込ませる認識操作
この事態を重く見た神々は、危機を回避するために異世界へ送り込む使徒候補者(刺客)を選定し、育成するための実験領域として「箱庭(ソード・アンド・ソーサリス・ワールド)」を創造した。
・プレイヤーたちは、ここが現実の異世界をベースに構築された空間であることに気づかないよう認識や精神を操作(洗脳)されている。
・単なる娯楽ゲームだと思い込まされている。
倫理観の欠如した廃ゲーマーの暴走懸念と犠牲を厭わない引きこもりダミーの先行投入
神々は、強力な魂を持つ地球人を疑似使徒の肉体と融合させて送り込む計画を立てている。
・しかし、リストアップされた上位プレイヤーたちは戦闘能力こそ高いものの、倫理観が欠如した廃ゲーマーや人格破綻者、脳筋ばかりであった。
・彼らに強大なチート能力を与えれば、欲望のままに暴れて逆に世界を壊しかねないという強い懸念があった。
・そこで創造主は、本命のプレイヤーたちを送り込む前に、社会に貢献していない引きこもり連中をダミーとして送り込む計画を決定する。
・彼らなら犠牲になっても良心が痛まず、事象操作で死を無かったことにできるという神々の冷徹な判断によるものであった。
精神操作に抗う魂の輝きと天使たちに惜しまれる神聖領域への昇華寸前の特異性
使徒候補者の中でも、主人公である大迫聡(ゼロス)は特異な存在であった。
・彼は神々による大規模な精神操作から逃れようとしており、その魂はあと数回転生すれば神々(天使)の領域へと昇華しかけるほど非常に良質なものであった。
・天使たちは、彼のような貴重で覚醒前の魂を過酷な刺客として使い潰すことを「本当にもったいない」と惜しんでいる。
・しかし、全宇宙の崩壊を防ぐため、創造主らの決定により彼を本命の候補者として送り込む準備が進められている。
冥界霊魂管理部へ殺到する穢れた魂の処理激務と創造主のアバターによるお忍び参加
この計画の裏では、神々自身も過酷な労働を強いられている。
・プレイヤーたちがゲーム内で悪ノリしてNPCを大量虐殺すると、その魂が「冥界霊魂管理部」に殺到する。
・担当の神々(ハデスやイザナミなど)が激務と残業に追われるというブラック企業のような事態が発生している。
・処理しきれない穢れた魂は、時間短縮のためにダンジョンモンスターとして蘇生させられた。
・その一方で、創造主をはじめとする神々は宇宙管理業務の息抜きとして、自分たちの分身体(アバター)を作り、正体を隠してプレイヤーに混ざって箱庭で遊ぶことを楽しんでいる。
・世界の危機と神々のメタ的な娯楽が入り混じった構造が描かれている。
まとめ
神々による異世界計画は、全宇宙規模の次元崩壊を阻止するという大義名分のもと、人間の認識操作や効率的な魂の選別を行う冷徹な実験システムの全貌である。戦闘力のみに特化した人格破綻者の暴走を懸念し、引きこもりをダミーとして先行消費させる神々の打算や、大量虐殺による冥界の残業問題といったメタ的かつブラックな実態が描かれている。その中で精神操作を拒絶し、神聖な領域へと至りかけている大迫聡の魂が本命の刺客として選定されたプロセスは、この箱庭世界が単なる遊び場ではなく、世界の存続を賭けた過酷なゆりかごであることを厳密に証明している。
登場キャラクター
地球の人物
大迫聡
田舎で自給自足の生活を送るアラフォー男性である。亡き両親が残した不動産収入があるが、姉に頼られないよう不自由な暮らしを装っている。
・所属組織、地位や役職
無職。
・物語内での具体的な行動や成果
VRRPG「ソード・アンド・ソーサリス」をプレイしている。農家の手伝いをして野菜をもらった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ゲーム内ではゼロス・マーリンとして活動している。
中村さん
聡の近所に住む農家の男性である。聡の働きぶりを評価し、親切に接している。
・所属組織、地位や役職
農家。
・物語内での具体的な行動や成果
畑仕事を手伝ってくれた聡に山盛りの夏野菜を譲った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
中村さんの奥さん
中村さんの妻であり、激辛党の女性である。天然気質で善意から恐ろしい行動を起こす。
・所属組織、地位や役職
主婦。
・物語内での具体的な行動や成果
土呂家の若奥さんに死亡事例のある激辛ソースを譲った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
過去に夫をキムチで病院送りにしたことがある。
土呂家の若奥さん
最近引っ越してきた女性である。常識に欠け、他人の家に無断侵入する。
・所属組織、地位や役職
主婦。
・物語内での具体的な行動や成果
中村家の台所に侵入して調味料を物色した。激辛ソースをジャムと勘違いして口にし、救急車で運ばれた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
パーティー【趣味を貫き深みに嵌まる】(殲滅者)
ゼロス・マーリン
大迫聡のアバターであり、魔法を独自に改造する魔導士である。怪しい行商人の姿で活動している。
・所属組織、地位や役職
パーティー【趣味を貫き深みに嵌まる】のメンバー。大賢者。
・物語内での具体的な行動や成果
地底湖で巨大モンスターを目覚めさせた。レイド戦では殲滅魔法を使用して怪物を攻撃した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
規格外の力から殲滅者と呼ばれている。
ケモ・ラビューン
犬耳美少年の姿をした錬金術師である。獣人族を深く愛し、自身の嗜好を他人に押し付ける。
・所属組織、地位や役職
パーティー【趣味を貫き深みに嵌まる】のリーダー。大賢者。
・物語内での具体的な行動や成果
喫茶店「けものの尻尾」を経営している。レイド戦に参加し、ゼロスたちと殲滅魔法を放った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
他人に人工ダンジョンコアを渡し、街中にダンジョンを作らせた。
カノン・カノン
ハイ・エルフの女性の姿をした調合師である。魔法薬の研究に没頭し、過激な副作用を持つ薬を作り出す。
・所属組織、地位や役職
パーティー【趣味を貫き深みに嵌まる】のメンバー。大賢者。
・物語内での具体的な行動や成果
馬車を魔法薬で加速させ、レイド戦の戦場に到着した。死に戻りしたプレイヤーに試作の魔法薬を投げて人体実験を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
彼女の作った回春の秘薬がNPCに回収される事態が発生した。
テッド・デッド
目元に隈のある青年姿の死霊術師である。リア充やカップルに強い憎しみを抱いている。
・所属組織、地位や役職
パーティー【趣味を貫き深みに嵌まる】のメンバー。大賢者。
・物語内での具体的な行動や成果
地下遺跡でアンデッドの軍団を召喚して迷子になった。レイド戦ではゼロスたちと殲滅魔法を放った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
巨大モンスターにアンデッド軍団を壊滅させられた。
ガンテツ
ドワーフの姿をした鍛冶師である。自爆に強いロマンを抱き、常に自爆武器を製作している。
・所属組織、地位や役職
パーティー【趣味を貫き深みに嵌まる】のメンバー。大賢者。
・物語内での具体的な行動や成果
巨大な剣を用いてプレイヤーごと触手を切断し、自爆攻撃を仕掛けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
自爆攻撃で味方の戦力まで低下させた。
パーティー【豚骨チャーシュー大盛り】
メンマ・マシマシ
赤髪のイケメン聖騎士である。安定したパーティー運営でイベントを攻略している。
・所属組織、地位や役職
パーティー【豚骨チャーシュー大盛り】のリーダー。
・物語内での具体的な行動や成果
クラーケン退治の帰りにカウーカウルカのレイド戦へ参加した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
上位職への転職を目指してNPCの好感度を上げている。
ADO
魔導士の男性プレイヤーである。テッドと仲が悪く、顔を合わせるたびに口論になる。
・所属組織、地位や役職
パーティー【豚骨チャーシュー大盛り】のサブリーダー。賢者。
・物語内での具体的な行動や成果
レイド戦に備えてカウーカウルカの街で待機していた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
カイト・ゲイラー
双剣使いの男性プレイヤーである。
・所属組織、地位や役職
パーティー【豚骨チャーシュー大盛り】の斬り込み隊長。
・物語内での具体的な行動や成果
巨大な貝殻に爆発物を仕掛けるため、鉤爪を使って取りついた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
ティアマト
司祭の女性プレイヤーである。
・所属組織、地位や役職
パーティー【豚骨チャーシュー大盛り】の回復役。
・物語内での具体的な行動や成果
レイド戦で他のプレイヤーの回復に専念するよう指示された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
モヤシ
暗殺者の女性プレイヤーである。
・所属組織、地位や役職
パーティー【豚骨チャーシュー大盛り】の斥候役。
・物語内での具体的な行動や成果
船上での戦闘中に海に落ちてモンスターに食べられた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
ショウユ・ベース
重騎士の男性プレイヤーである。
・所属組織、地位や役職
パーティー【豚骨チャーシュー大盛り】の壁役。
・物語内での具体的な行動や成果
機動力がないため、瓦礫に埋もれたプレイヤーの救助とティアマトの護衛を任された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
その他のプレイヤー
プレイヤーパーティーの先客
ゼロスと同じ馬車に乗っていた男性プレイヤーの集団である。見た目と会話の内容に大きな差がある。
・所属組織、地位や役職
プレイヤーのパーティーである。
・物語内での具体的な行動や成果
馬車の中で好みの女性について語り合った。暴走する馬車で壮絶な馬車酔いに苦しんだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
エロフスキート氏
馬車の先客の一人である。合法ロリコンと呼ばれている。
・所属組織、地位や役職
プレイヤーである。
・物語内での具体的な行動や成果
ドワーフの女の子が好みだと語り、仲間に突っ込まれた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
ハイスピード・ジョナサン
異常なハイテンションで馬車を暴走させるテイマーである。乗客の悲鳴を楽しむ危険な人物として知られている。
・所属組織、地位や役職
テイマー職のプレイヤーである。
・物語内での具体的な行動や成果
ベビーベヒモスに荷馬車を牽かせ、道なき道を猛スピードで突き進んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
多くのプレイヤーにトラウマを与え続けている。
PK達
他のプレイヤーを襲撃してアイテムを奪う犯罪者プレイを行っている集団である。
・所属組織、地位や役職
PK(プレイヤーキラー)である。
・物語内での具体的な行動や成果
邪香水でモンスターを集め、デバフアイテムを使って標的のパーティーを全滅させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
シャランラ
黒いドレスを着た女魔導士である。猟奇的なプレイを好まないと言いつつ残酷な行動をとる。
・所属組織、地位や役職
PKである。
・物語内での具体的な行動や成果
麻痺した魔導士の女性プレイヤーの首を掻き切った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
標的のパーティー
盾持ちや魔導士などで構成された6人組のプレイヤーである。
・所属組織、地位や役職
プレイヤーのパーティーである。
・物語内での具体的な行動や成果
PK達の罠にかかり、全員が倒されてアイテムを奪われた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
狩人の女性プレイヤー
標的のパーティーに所属するプレイヤーである。
・所属組織、地位や役職
狩人である。
・物語内での具体的な行動や成果
PKの襲撃を受け、真っ先に倒された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
僧侶の女性プレイヤー
標的のパーティーに所属するプレイヤーである。
・所属組織、地位や役職
僧侶である。
・物語内での具体的な行動や成果
PKの襲撃を受け、狩人と共に倒された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
魔導士の女性プレイヤー
標的のパーティーに所属するプレイヤーである。
・所属組織、地位や役職
魔導士である。
・物語内での具体的な行動や成果
PKのシャランラに首を斬られて倒された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
戦士プレイヤー
標的のパーティーに所属する盾持ちのプレイヤーである。
・所属組織、地位や役職
戦士である。
・物語内での具体的な行動や成果
最後まで生き残ったが、最期にネタに走って叫びながら倒された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
その芸人根性でPK達から敬意を集めた。
勇者
戦争イベントで功績を上げたプレイヤーである。不本意ながら晒し者にされている。
・所属組織、地位や役職
部族の勇者である。
・物語内での具体的な行動や成果
葉っぱ一枚に牛や鶏のかぶり物という恥ずかしい姿で戦場に立たされた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
他のプレイヤーから哀れまれている。
プレイヤー傭兵部隊
宗教戦争に参加したプレイヤーたちの集団である。NPCの横暴に限界を感じている。
・所属組織、地位や役職
傭兵である。
・物語内での具体的な行動や成果
巨大モンスターの出現に乗じて防衛を放棄し、アモン・コッケの街へ逃亡した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
死に戻りしたプレイヤー達
巨大モンスターに倒されて街の拠点に復活したプレイヤーである。NPCへの復讐を企てる。
・所属組織、地位や役職
プレイヤーである。
・物語内での具体的な行動や成果
魔法で街の退路を塞ぎ、住民を巨大モンスターごと焼き払おうとした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
マスクド・ルネッサンス
筋肉至上主義を掲げる超脳筋プレイヤーである。筋肉で全てを解決しようとする。
・所属組織、地位や役職
クランのリーダーである。
・物語内での具体的な行動や成果
シールドガントレットのパイルバンカーを巨大モンスターに撃ち込み、自爆兵器の連鎖爆発を引き起こした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
フンモモ教の勇者として過去に名を残している。
東大陸のNPC
不憫な客の男
喫茶店「けものの尻尾」を風俗店と勘違いして来店した客である。
・所属組織、地位や役職
NPCである。
・物語内での具体的な行動や成果
ケモさんに店から叩き出された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
ケモミミ獣人族のウェイトレス達
喫茶店「けものの尻尾」で働く獣人の女性たちである。ケモさんの趣味に巻き込まれて苦労している。
・所属組織、地位や役職
ウェイトレスである。
・物語内での具体的な行動や成果
露出の多い衣装や戦闘技術の要求に対して文句を言った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
ササナ
黒い毛並みの狐の獣人である。洗練された立ち居振る舞いを見せる。
・所属組織、地位や役職
ウェイトレスである。
・物語内での具体的な行動や成果
暴走するケモさんを一言で黙らせ、立地の悪さを冷静に指摘した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
徴税官
拠点の税金を徴収しに来る役人である。
・所属組織、地位や役職
役人である。
・物語内での具体的な行動や成果
けものの尻尾を訪れ、注射器を持ってケモさんに迫った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
南大陸のNPC
商人達
ルルカ・モ・ツァーレ平原で商売をしている者たちである。利益を優先する冷酷さを持つ。
・所属組織、地位や役職
商人である。
・物語内での具体的な行動や成果
荒廃した街で水を求める住民達を足蹴にし、金を要求した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
護衛の冒険者達
商人たちを警護しているNPCである。
・所属組織、地位や役職
冒険者である。
・物語内での具体的な行動や成果
転移ゲートの周辺で商人たちの周囲を固めていた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
チェンダ・ムーマの住民達
水枯渇と度重なる襲撃で疲弊しきった人々である。
・所属組織、地位や役職
住民である。
・物語内での具体的な行動や成果
壊れた家屋を修理し、僅かな食料や水を奪い合って生活している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
挙動不審な男
家族を養うために食料を盗んでいる父親である。
・所属組織、地位や役職
住民である。
・物語内での具体的な行動や成果
ゼロスに脅されて街の状況や水枯渇の謎について話した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ゼロスから食料と水を受け取って涙を流した。
子供達
挙動不審な男の二人の兄妹である。
・所属組織、地位や役職
子供である。
・物語内での具体的な行動や成果
地下の物置に隠れ、父親が持ち帰った食料に無心で齧りついた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
警護兵
チェンダ・ムーマで僅かに水が出る井戸を独占している兵士である。
・所属組織、地位や役職
兵士である。
・物語内での具体的な行動や成果
ゼロスの投げたデバフアイテムの影響で同性同士で惹かれ合い、夜の街へ消えていった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
ウコッケ族
コケモモ教を信仰する部族である。傲慢で閉鎖的な性格を持つ。
・所属組織、地位や役職
部族である。
・物語内での具体的な行動や成果
プレイヤーを騙して不当な依頼を押し付け、巨大モンスターの襲撃を受けて国ごと滅ぼされた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
モーカウ族
フンモモ教を信仰する部族である。ウコッケ族と長年争っている。
・所属組織、地位や役職
部族である。
・物語内での具体的な行動や成果
ウコッケ族と同様にプレイヤーを見下し、最後は国ごと壊滅した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
指揮官
アモン・コッケの防衛を担う人物である。
・所属組織、地位や役職
指揮官である。
・物語内での具体的な行動や成果
巨大な巻貝モンスターが迫っているとの報告を受けて驚愕した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
衛兵
アモン・コッケで街を守る兵士である。
・所属組織、地位や役職
衛兵である。
・物語内での具体的な行動や成果
プレイヤーたちが退路を塞ぎ、街を滅ぼそうとしていることに気づいて激しく後悔した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
モーカウ族の王
筋肉と神の力を過信する支配者である。
・所属組織、地位や役職
王である。
・物語内での具体的な行動や成果
プレイヤーに手出し無用を命じ、戦士たちを巨大モンスターの迎撃に向かわせた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
神族・天使
創造主
宇宙の中心で次元世界を管理する主神である。世界崩壊の危機を防ぐために奔走している。
・所属組織、地位や役職
神である。
・物語内での具体的な行動や成果
ソード・アンド・ソーサリス・ワールドを創造し、異世界へ送り込む使徒候補者の選定を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
正体を隠すために機械骨格フレームのアバターを使用している。
天使達
神々の指示に従って世界を管理する存在である。
・所属組織、地位や役職
管理業務の担当者である。
・物語内での具体的な行動や成果
魂の回収プログラムの修正や候補者のデータ収集を行っている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
ミカエル
天使の一人である。
・所属組織、地位や役職
天使である。
・物語内での具体的な行動や成果
すでにアバターを使ってソード・アンド・ソーサリス・ワールドで遊んでいる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
アフラ
商人の姿をした神族の協力者である。
・所属組織、地位や役職
神族である。
・物語内での具体的な行動や成果
大神の封印石に結界を張り、ケモさんに状況を報告した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
ハデス
冥界霊魂管理部の神である。
・所属組織、地位や役職
神である。
・物語内での具体的な行動や成果
急増する死者の魂の処理に追われ、一部の魂をダンジョンモンスターとして蘇生させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
イザナミ
冥界霊魂管理部の神である。
・所属組織、地位や役職
神である。
・物語内での具体的な行動や成果
ハデスと共に魂の処理を行い、時間短縮のためにダンジョン送りの案に同意した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
モンスター
NPC泥棒のゴースト
拠点に侵入して罠で命を落としたNPCの霊である。
・所属組織、地位や役職
モンスターである。
・物語内での具体的な行動や成果
ゼロスを恨めしそうに見ていたが、対アンデッドの浄化トラップに引っかかって消滅した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
アンデッド軍団
テッドが各地で集めた強力なゾンビたちである。
・所属組織、地位や役職
モンスターである。
・物語内での具体的な行動や成果
地下遺跡でミイラを蹂躙したが、レイドボスの突入と遺跡の崩落に巻き込まれて全滅した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
ミイラの軍勢
地下遺跡を徘徊するモンスターである。
・所属組織、地位や役職
モンスターである。
・物語内での具体的な行動や成果
テッドのアンデッド軍団に一方的に蹂躙された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
スポンジシェル
水を吸収して巨大化する巻貝型のモンスターである。
・所属組織、地位や役職
モンスターである。
・物語内での具体的な行動や成果
地底湖で大量繁殖し、水不足の原因となっていたが、ゼロスの氷結魔法で一掃された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
カイザー・アイランドシェル
巨大なスポンジシェルのレイドボスである。街を破壊し、プレイヤーやNPCを捕食する。
・所属組織、地位や役職
レイドボスである。
・物語内での具体的な行動や成果
地底湖から地上へ逃走し、アモン・コッケを壊滅させてグレート・アイランドシェルへと進化した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
リトル・アイランドシェル
カイザー・アイランドシェルが産み落とした子貝のモンスターである。
・所属組織、地位や役職
モンスターである。
・物語内での具体的な行動や成果
街へ侵入し、高速回転する殻や捕食行動で住民やプレイヤーを蹂躙した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき事項はない。
展開まとめ
プロローグ おっさんの日常風景
早朝の畑仕事と激辛ソース騒動
善意の畑仕事
薄霧の立ち込める早朝、大迫聡は近所の農家を手伝い、涼しいうちに除草作業を終えていた。農家の人々は厚意で山盛りの夏野菜を渡し、聡はありがたく受け取った。彼は都会で会社勤めをしていた頃の余裕のなさを思い返し、田舎の素朴な優しさに安らぎを感じていた。
退職後の田舎暮らし
聡はプログラマーとして働いていたが、気づけば中間管理職となり、無茶な仕事を押しつけられていた。給料は良かったものの、浪費癖のある姉の問題行動によって退社することになった。現在は不動産収入がありながらも、それを隠すため不自由な暮らしを装い、自給自足に近い田舎暮らしを続けていた。
朝食の誘い
農家の中村夫妻は聡に朝食を勧めたが、聡は炊飯器を予約していたため丁寧に断った。人情の厚さはありがたかったが、世話を受けすぎると関係が崩れる可能性もあると考えていたためである。すると中村の妻は、代わりに自作のキムチを持っていくよう勧めた。
激辛好きの奥さん
中村の妻はハバネロやブートジョロキアを育てるほどの激辛党だった。以前作ったキムチはデスソース並みの辛さで、中村を病院送りにしたことがあった。さらに彼女はデスソースすら蜂蜜のようなものだと言い、聡と中村を呆れさせた。
土呂家の若奥さん
中村の妻は、最近引っ越してきた土呂家の若奥さんに、未開封の激辛ソースを一本譲ったと語った。若奥さんは中村家の台所に入り込み、調味料を物色していたようだったが、中村夫妻はそれを泥棒と認識していなかった。聡は、無断侵入と物色は明らかに通報案件だと指摘した。
善意の病院送り
中村の妻は、若奥さんを辛いもの好きだと勘違いし、とっておきの激辛ソースを善意で渡していた。ほどなくして救急車のサイレンが聞こえ、聡は手遅れだったと察した。若奥さんはおそらくソースをジャムのように勘違いして口にしたのだろうと考えられた。
天然の悪党撲滅
泥棒奥さんは無断で家へ入り、物をねだるような行動をしていたが、中村の妻は悪意なく激辛ソースを渡しただけだった。その結果、勘違い同士が重なり、悪党を病院送りにする形になった。聡と中村は、天然気質と偶然が重なる恐ろしさを実感した。
帰宅する聡
聡は話し込んだあと、中村夫妻に礼を言って自転車で帰宅した。途中、泥棒奥さんを乗せた救急車が横を通り過ぎていった。数日後には警察が土呂家へ捜査に入ることになるが、聡にとってはどうでもいい話であった。
第一話 おっさんのゲーム三昧生活
ソード・アンド・ソーサリスと回春の秘薬
VRRPGへのログイン
四半世紀ほど前は家庭用ゲーム機がスタンドアロン中心だったが、ネット回線とVR技術の発展により、五感で体感できるVRRPGが普及していた。大迫聡はゼロス・マーリンとして、ソード・アンド・ソーサリスにログインした。彼は五感で電脳世界を感じられる一方、操作がコントローラーであることに違和感を覚えながらも、今日のゲームを始めた。
ケモさんのケモミミ布教
ログイン先では、パーティー趣味を貫き深みに嵌まるのリーダー、ケモ・ラビューンがカノン・カノンにキツネ耳と尻尾を装着させようとしていた。ケモさんは犬耳美少年獣人の姿をしているが、公の場では外骨格フレームと仮面で正体を隠していた。彼は自分の嗜好のためなら仲間も巻き込む人物であり、カノンに冷たく拒まれていた。
カノンの研究生活
カノンは調合師から大賢者に至ったハイ・エルフの女性アバターで、徹夜で老化トラップへの対策薬を研究していた。老化トラップはアバターを老化させ、永続的なステータス低下を与える悪質な罠であり、現段階では確実な解除手段がなかった。カノンは研究に熱中していたが、現実の仕事や生活にはかなり無頓着な様子だった。
現実の職場問題
ゼロスが仕事の心配をすると、カノンは新薬研究のレポートを上司に握り潰され、研究費も削られていると語った。さらに開発部長の横領やセクハラ、不倫を疑わせる話まで出てきたため、ゼロスとケモさんは現実の生々しい問題に引いていた。ゼロスはファンタジー世界に現実のしがらみを持ち込まれたくないと感じた。
駄目な私生活
カノンはログアウトして寝るつもりだと言い、朝食は栄養食品で済ませるつもりだった。洗濯や食事もできる人がやればいいと語り、部屋も散らかっていそうな雰囲気を見せた。ゼロスとケモさんは、彼女が現実でも女性なら将来が心配だと感じた。
仲間達の拠点事情
ゼロスは、テッドやガンテツがまだログインしていないことを尋ねた。ケモさんは、テッドは墓場で死体漁り、ガンテツは秘密工房で爆発物を試作しているだろうと答えた。パーティーは複数の拠点を持っていたが、個人で借りた工房や倉庫は家賃を払わないと追い出され、置いていた品も処分される仕組みだった。
消えた回春の秘薬
カノンは、処分予定だった失敗作の回春の秘薬を置いていた貸倉庫の延長料金を払っていなかったことを思い出した。その秘薬は老化を一時的に戻すものの、後で倍の年を取る危険な失敗作だった。倉庫の管理権限が失われたことで、NPCに回収され、再び市場に出回る可能性が出てきた。
禁制品の再流通
回春の秘薬は多くの被害者を出し、ゲーム内では禁制品扱いになっていた。ゼロス達も過去に処分目的で売り捌き、フラーファン王国で賞金首になっていた。カノンは国が回収してくれるだろうと軽く流してログアウトし、残されたゼロスとケモさんは頭を抱えた。
失敗作の産廃問題
ゼロスとケモさんは、失敗作を最初から処分しておけばよかったと後悔した。しかしカノンの薬は処分方法を誤ると有毒ガスや公害を引き起こしかねず、簡単には扱えなかった。ゲーム内の生産活動では失敗作の処理まで問題になり、妙に現実味のある面倒事が発生していた。
カノンの将来
ゼロスとケモさんは、カノンが失敗作をきちんと分解処分できる性格ではないと考えた。以前、彼女の工房を片付けに行った際、足の踏み場もない汚部屋だったためである。二人は本人のいないところで言いたい放題しながら、カノンが現実で結婚できるのか本気で心配した。
第二話 おっさんは電脳世界で旅に出る
けものの尻尾と転移ゲート
裏路地のパーティー拠点
趣味を貫き深みに嵌まるの拠点は、裏路地の大型アパートを改装した三階建ての建物だった。一階ではケモさんが喫茶店けものの尻尾を経営し、二階以上は個人部屋や倉庫、地下は工房や実験室になっていた。自由度の高いゲーム内ではNPC泥棒まで侵入するため、拠点には殺意の高い防犯トラップが多数仕掛けられていた。
事故物件のゴースト
ゼロスが拠点内で準備していると、鏡越しに泥棒NPCのなれの果てらしきゴーストが現れた。ゴーストはゼロスに気づいて笑ったが、すぐに対アンデッド用の浄化トラップに引っかかり、魔石だけを残して消滅した。ゼロスは少し同情しながらも、街へ出る準備を進めた。
ファンタンの港街
拠点があるのは、東大陸のローウラン国最東端の港街ファンタンだった。港には貿易船が停泊し、空には飛空船が行き交うなど、現実と見間違うほど精巧な景色が広がっていた。一方で裏路地には怪しい店や風俗店、違法酒場まであり、その中で健全な喫茶店けものの尻尾は場違いに浮いていた。
けものの尻尾の苦情
けものの尻尾では、勘違いして来店する客がたびたび現れ、ケモさんが叩き出していた。獣人族のウェイトレス達は、立地の悪さや露出の多い衣装に不満をぶつけた。ケモさんは自分の趣味を込めた衣装や戦闘技能を求めたが、店員達には受け入れられていなかった。
ササナの叱責
黒い狐獣人のササナは、護身程度なら必要でも、ケモさんが求める戦闘技能は過剰だと冷静に指摘した。さらに、集客の悪さや客層の問題は立地が悪いせいであり、合宿よりも物件探しを優先すべきだと告げた。獣人族愛を語り出したケモさんも、ササナの一言で黙り、土下座するほど落ち込んだ。
筋肉乙女亭の土産
ゼロスが出かけようとすると、ケモさんは筋肉乙女亭のパーフェクトガチケーキを土産に頼んだ。だが、その店はゼロスの知らない場所にあり、ケモさんは話すうちに挙動不審になった。ゼロスが問い詰めると、ケモさんは人工ダンジョンコアを他人に渡し、街中に料理人達のダンジョンが作られたことを明かした。
ダンジョンクリエイト
ケモさんは、もっちり瓦煎餅に釣られて人工ダンジョンコアを渡しただけだと弁明した。ゼロスは、中立地区の街中にダンジョンを作らせたことに呆れた。ソード・アンド・ソーサリスでは、生産職が自由度の高さから奇妙な商品を作ることが多く、ケモさんの交友関係にも危険な人物が含まれているようだった。
納税問題
ゼロスは、拠点の納税を済ませたのかケモさんに確認した。ケモさんは先月分しか払っておらず、今月分を忘れていた。拠点を持つと税金が発生し、滞納すれば衛兵に捕らえられたり、素材やアイテムを押収されたりするため、ゼロスは余計なことをしないよう釘を刺した。
喫茶店の責任
ケモさんは税金を割り勘にしたがったが、ゼロスは拠点を主に使っているのはケモさんとカノンだと反論した。喫茶店への改装も相談なしに行われたものであり、ゼロスは納税資金の準備をケモさんに押しつけた。ケモさんは嘆いたが、ゼロスはそのまま外へ出た。
ファンタンの大通り
ファンタンの街は商人やプレイヤーで賑わい、異国情緒に満ちていた。ゼロスは唐風の街並みを抜け、中央にある巨大なストーンヘンジ状の転移ゲートへ向かった。各大陸と接続するこのゲートは、一時間ごとに行き先が切り替わる装置だった。
転移ゲートの発動
ゼロスは時刻表も持たず、その時の気分で行き先を選ぶつもりだった。ゲートの内側にはNPCやプレイヤーが集まり、古代魔法文字が輝くと魔法障壁が展開した。乗り遅れたプレイヤーが障壁に激突する中、ゼロス達を含む転移対象は別の風景へと移動した。
徴税官の来店
その頃、けものの尻尾には徴税官が来ていた。ケモさんは値引きや賄賂めいた提案をしようとしたが、徴税官は取り合わなかった。さらにササナが、今月分の納税用に渡した売り上げ金の行方を尋ね、ケモさんは別の意味でも追い詰められた。
第三話 おっさんの電脳世界ぶらり旅・気まぐれ編
南大陸の転移ゲートと荒廃した城塞都市
ルルカ・モ・ツァーレ平原
ゼロスは転移ゲートを使い、南大陸のルルカ・モ・ツァーレ平原へ移動した。そこは城塞都市が点在し、民族紛争や部族間戦争が続く過酷な土地だった。水は高価で、水源や水魔法を使える者を巡って争いが起こるほど、生活環境は厳しかった。
転移ゲート前の混雑
転移ゲート周辺には商人や護衛、プレイヤー達が集まり、商売や護衛依頼の交渉をしていた。水や食料の値段は高騰し、盗難やPKの騒ぎも起きていた。ゼロスは無法地帯のような混雑を眺めながらも、普段見られない光景として楽しんでいた。
宗教戦争の噂
プレイヤー達の会話から、コケモモ教とフンモモ教の部族間戦争が続いていることが分かった。街が一つ壊滅したという話もあり、宗教対立に巻き込まれた地域の荒れ方がうかがえた。ゼロスは以前この宗教戦争に参加して懲りており、今回は茶番を見物する程度にしようと考えた。
乗り合い馬車
ゼロスは街へ向かうため、乗り合い馬車に乗った。荷台には女の子の仲間探しや好みの話で盛り上がるプレイヤー達が乗っており、会話の内容と整ったアバターの見た目に大きな落差があった。御者はテイマー職のプレイヤーらしく、馬ではなくベビーベヒモスに荷馬車を牽かせていた。
ハイスピード・ジョナサン
馬車の御者は、ハイスピード・ジョナサンという暴走プレイヤーだった。彼は異常なテンションで叫びながら馬車を急加速させ、街道を外れて道なき平原を突き進んだ。乗客達は振り落とされないよう必死にしがみつき、ゼロスも地獄の爆走ツアーに巻き込まれた。
チェンダ・ムーマ
馬車は本来の目的地ではなく、チェンダ・ムーマという城塞都市へ到着した。そこは防壁や建物が荒れ、弱小の都市国家として衰退している様子だった。ゼロスは、かつて観光名所として栄えていたこの街が、コケモモ教とフンモモ教の争いに巻き込まれて荒廃したのだと考えた。
置き去りの乗客達
ハイスピード・ジョナサンは乗客を放り出すと、再び砂塵を上げて走り去った。連れてこられたプレイヤー達は目的地と違う場所に着いたことに混乱し、NPC商人達は満身創痍になっていた。ゼロスは、転移ゲートから本来なら三週間かかる距離を半日で移動したことに驚いた。
荒廃した街
チェンダ・ムーマでは、戦乱に巻き込まれた住民達が疲れ切った様子で家屋を修理していた。水を求めて商人にすがる者もいたが、商人達は容赦なく拒絶した。ゼロスは、環境が人をここまで悪辣にするのかと感じ、時折覚える頭痛と違和感に襲われた。
怪しい行商人
ゼロスの装備には人避けと認識阻害の効果があり、住民達は彼に近づかなかった。彼は情報収集のため、住民達に話を聞こうと街へ入っていった。だが、その行動が突発イベントの発動条件になる可能性までは考えていなかった。
第四話 おっさんはイベント開始のスイッチを押す
水枯渇の謎と始まった探索クエスト
PK達の襲撃
PK達は隠密スキルで六人パーティーに接近し、邪香水で魔物を集めて標的を罠にかけた。標的が魔物との戦闘で油断したところへデバフアイテムを投げ込み、麻痺した相手を次々と倒して装備やアイテムを奪った。
最後の戦士
標的の中で最後まで残った盾持ちの戦士は、死ぬ前に歌わせてくれとネタに走った。PK達は苛立って彼を斬ったが、その芸人根性には妙な敬意も抱いた。シャランラはそんな仲間達に呆れていた。
荒廃したチェンダ・ムーマ
ゼロスはチェンダ・ムーマの街に入り、破壊された家屋や放置された遺体、飢えに苦しむ住民達の姿を見た。街がここまで荒れているのは、プレイヤーの支援がなく、外部を拒絶していた可能性が高かった。彼は街を治める権力者が残っているかを確かめるため、情報収集を始めた。
裏路地の親子
ゼロスは隠密スキルを使い、怯えながら食料を抱えて移動する男を追跡した。男の家には痩せた兄妹が隠されており、父親が盗んできた食料に飛びついていた。ゼロスは窓から忍び込み、男にナイフを突きつけて街の事情を尋ねた。
枯れた井戸
男の話では、チェンダ・ムーマの井戸は突然枯れ、一部で汲める水も泥水ばかりになっていた。街を襲撃した者達も、水が使えなくなったためすぐに出ていった。資産のある者は逃げ、残されたのは逃げる余力のない貧しい住民達だった。
滅んだ悪政
街を治めていた王は、襲撃者に真っ先に殺されていた。王はチェケラ・チヨ教の信者で、聖女ミスアメリカンに入れ込み、住民に仕事中も踊ることを強要していた。税は重くなり、交易も断たれ、住民達は悪政に苦しめられていた。
シェギナ教の襲撃
チェンダ・ムーマを襲ったのは、コケモモ教でもフンモモ教でもなく、シェギナ教だった。シェギナ教は仕事中のダンスを禁じるなど、チェケラ・チヨ教よりは現実的な宗教だった。結果として無能な王は討たれたが、水源が枯れたことで街には統治者も生活基盤もなくなった。
情報料の食料
ゼロスは男から井戸や水源の構造を聞き出し、地下で何らかの異変が起きた可能性を考えた。彼は水入りの樽と一週間分ほどの食料を情報料として残し、気配を消して立ち去った。男は子供達を食べさせられることに涙を流した。
水枯渇の謎
ゼロスが親子の家を離れると、探索クエスト水枯渇の謎を追えが開始された。たった一人から情報を得ただけでクエストが発動したことにゼロスは驚いた。手掛かりは井戸しかなく、彼は夜に警備兵を眠らせて現場を調べる方針を立てた。
現実の昼食
ゼロスは宿でログアウトし、現実の聡に戻った。正午を過ぎていたため、前日の残り物を温めて昼食を取りながら海外ドラマを見た。グロい捜査シーンにも動じず、作品の出来に感心していた。
趣味の時間
昼食後、聡は食器を洗い、再ログインまでプラモデルを作ることにした。棚には機動兵器や戦隊ロボなどの塗装済みプラモが並び、ジオラマにも手を出していた。聡は誰にも煩わされない趣味の時間を静かに満喫していた。
第五話 おっさんはクエストを開始する
神々の計画と地下湖のレイドボス
神域の報告
隔絶された神域では、神々や使徒達が多次元世界の管理に追われていた。主神は、例の連中が観測者を封じた封印核をアナザーワールドへ不法投棄したという報告を受けた。封印核の解除までは一年ほど猶予があると見られたが、主神は連続召喚による次元崩壊の危険を重く見ていた。
送り込む者達
世界同士の次元障壁には歪みが生じており、放置すれば多くの世界を巻き込む次元崩壊が起こる可能性があった。神々は対抗策として、アナザーワールドへ送り込む者達の選定を始めることにした。主神は常識と無茶を併せ持ち、適応力のある人物をメインに据えようとしていた。
夜のチェンダ・ムーマ
夕食後、聡は再びソード・アンド・ソーサリスへログインした。ゼロスは無人の宿屋から出て、夜のチェンダ・ムーマで井戸を探した。街には人の気配が少なく、警備兵が守っている井戸はすぐに見つかった。
試作品のデバフアイテム
井戸を守る三人の警備兵は、水を独占して資金を得ようとしているだけの様子だった。ゼロスは彼らを排除するため、カノン製の試作品デバフアイテムを投げ込んだ。だが効果は眠りではなく、警備兵達が互いに劣情を抱いて夜闇へ消えるという危険なものだった。
井戸の横穴
ゼロスは警備兵達に心の中で謝りながら井戸へ下りた。底には水が残っていたが水位は低く、横穴が水源へ続いているようだった。彼は街中の井戸の水枯れは、この先の支流に原因があると考え、横穴の奥へ進んだ。
地下遺跡のテッド
一方、薄暗い地下遺跡では、テッド・デッドがアンデッドの軍勢を率いてミイラ達を蹂躙していた。彼は趣味を貫き深みに嵌まるの一員であり、死霊術師として強力なアンデッドを戦力に加えることを目的としていた。だが敵は弱く、ドロップ品も大したものではなかった。
リア充狩りの死霊術師
テッドは、レイド戦でカップルプレイヤー達を事故に見せかけて葬ることに執念を燃やしていた。ゼロスから現実の性別も分からない相手を狙っても意味がないと指摘されたことがあったが、内なる衝動を抑えられなかった。彼は別方向で病んだ迷惑プレイヤーだった。
迷子のテッド
テッドは強力なプレイヤーであるため油断していたが、地下遺跡の中で道に迷っていることに気づいた。食料は残っていたものの、ログアウト地点やアンデッドの扱いを考えると地上へ出る必要があった。彼は陰鬱な雰囲気を漂わせながら、屍の軍勢を引き連れて出口を探し始めた。
地底湖のスポンジシェル
ゼロスは井戸の横穴を一時間ほど進み、地底湖へ辿り着いた。そこには緑色の苔がびっしりと広がり、水を大量に吸収するスポンジシェルが繁殖していた。街の水不足は、スポンジシェルと共生する苔が水を吸い上げていたことが原因だった。
フローズン・ガーデン
地底湖には通常種のスポンジシェルが大量におり、中央には巨大な個体もいた。ゼロスはレイドボス級の巨大個体を刺激しないよう、まず範囲凍結魔法フローズン・ガーデンで通常種を間引いた。壁や天井の個体は凍って落下し、素材が次々と手に入った。
素材の山
スポンジシェルの粘液や蒼色の硬殻は、耐熱ポーションの素材として使えるものだった。ゼロスはカノンが欲しがりそうだと考えたが、あまりに大量に手に入るため、相場の値崩れも予想した。彼は素材の処分方法を考えながら、地底湖を凍らせていった。
アイスエイジ・ブリザード
水中に潜んでいたスポンジシェル達は、水温低下に危機感を抱き、湖面を突き破って飛び出してきた。ゼロスは広範囲氷結魔法アイスエイジ・ブリザードでそれらを凍らせ、天井に叩きつけて砕いた。通常種は全滅したが、レベルの高すぎるゼロスには経験値の喜びはなかった。
カイザー・アイランドシェル
地底湖中央の巨大スポンジシェルは、異変を察して動き出した。鑑定の結果、その名はカイザー・アイランドシェルで、HPバーを三本持つレイドボス級の怪物だった。巨体は水中に沈んだ直後、砲弾のように跳び出し、天井や鍾乳洞を破壊しながら極寒の湖から離脱した。ゼロスはその重量で飛ぶ姿に呆然とした。
第六話 おっさん、偶然にも仲間と合流する
巨大スポンジシェルと地下遺跡の崩壊
逃走する巨体
巨大スポンジシェルは、極寒となった地底湖から逃れるため、信じられない跳躍力と加速力で上流へ向かって逃走していた。ゼロスは追いかけたが、凍った足場や飛び散る岩、土煙に阻まれて距離を詰められなかった。やがて彼は、巨大スポンジシェルの進路に人工的な建築物があることに気づいた。
地中の古代遺跡
ゼロスの前に現れたのは、地中に埋もれた古い遺跡だった。地底湖も、この遺跡で暮らしていた人々の水源として使われていた可能性があった。ゼロスは未発見の遺跡を見つけたことに冒険心を刺激されたが、巨大スポンジシェルはその文化遺産になり得る建造物を次々と破壊して進んでいった。
迷子のテッド
テッドは遺跡内で道に迷っていた。大量のアンデッド軍団を召喚したせいで狭い通路を通れず、進める道を選んだ結果、堂々巡りになっていた。召喚したアンデッドは送還できないため、地上に出ても棺桶に封印して回収する必要があり、彼は自分の軽率な大規模召喚を後悔していた。
迫る地響き
テッドは、次第に近づいてくる地響きに嫌な予感を覚えた。彼はアンデッド達に離脱を命じたが、百体近いゾンビを完全に制御することはできなかった。そこへ巨大スポンジシェルが轟音とともに飛び込み、テッドは吹き飛ばされ、苦労して集めたアンデッド達も次々と粉砕された。
ゼロスとの合流
怒るテッドの前に、ゼロスが現れた。ゼロスは、水不足の原因を探る突発クエストの途中で巨大スポンジシェルを見つけ、通常種を排除していたら動き出したと説明した。テッドは知らないうちにレイド戦に巻き込まれており、二人とも遺跡の脱出ルートを把握していなかった。
崩れる遺跡
巨大スポンジシェルが動き出したことで天井が崩れ、テッドのアンデッド達はさらに瓦礫の下敷きになっていった。テッドはリア充狩りに使う予定だった軍団が失われていくことに嘆き、ゼロスは普段の行いの悪さが招いた不運ではないかと指摘した。二人は、瓦礫に埋まれば高レベルでも死に戻りを避けられないと理解していた。
雷撃の試し撃ち
ゼロスは、巨大スポンジシェルには雷撃系の魔法が有効だと考え、サンダー・ランスを放った。魔法は本体に命中し、高電圧が体内を駆け巡ったことで巨大スポンジシェルは激しく暴れ出した。だが、その反動で遺跡の崩落はさらに悪化し、二人は必死に逃げるしかなかった。
回転する巨貝
巨大スポンジシェルはやがて暴れるのをやめ、体内から超水流を噴き出しながら横回転を始めた。その巨体は徐々に加速し、空中に浮かび上がると、ドリルのように天井を掘削し始めた。ゼロスとテッドは、その異様な姿に驚きながらも、これで地上へ出られる可能性があると見た。
地上への突破口
巨大スポンジシェルが天井を掘り進めるにつれ、泥水と瓦礫が滝のように流れ落ちてきた。テッドは自分の軍団を壊滅させた恨みを晴らすと誓い、ゼロスは相手に後悔するほどの知能があるとは思えないと受け流した。二人は、巨大スポンジシェルが地上へ出るまで待つことにした。
第七話 おっさんの暗躍を知らず巻き込まれる不幸な者達
カイザー・アイランドシェルの地上出現
朝日の戦場
朝日が昇る頃、ルルカ・モ・ツァーレ平原では、コケモモ教を信仰するウコッケ族とフンモモ教を信仰するモーカウ族が向かい合っていた。両者は全裸に近い文化を持ちながら、鶏と牛を巡る信仰の違いで長く敵対していた。戦いの前には舌戦が延々と続き、付き合わされるプレイヤー達はうんざりしていた。
晒し者の勇者
両部族には、戦いに貢献したプレイヤーを勇者として称える風習があった。しかし、その勇者は部族衣装を強制的に着せられ、藁の腰蓑や角ケース姿で晒し者にされるため、選ばれた者達は恥辱に苦しんでいた。周囲のプレイヤー達は同情しつつも、NPCの好感度を優先して助けようとはしなかった。
手抜きの戦争
両軍がようやく戦闘を始めると、NPC達は本気で殺し合ったが、プレイヤー達はやる気なく手を抜いて戦っていた。この戦争は転移ゲート利用のために好感度を上げる必要があるだけの面倒なイベントであり、誰も積極的に関わりたくなかった。プレイヤー達は、レイドボスでも現れて戦場を蹴散らしてほしいと愚痴っていた。
地中からの異変
戦闘中、地面が突然隆起し、何かが地上にせり上がってきた。NPC達が混乱する一方で、プレイヤー達は期待を込めてその様子を見守った。大量の土砂を巻き上げて現れたのは、レイドボスのカイザー・アイランドシェルだった。
緊急ワールドアナウンス
カイザー・アイランドシェルの出現により、南大陸全体へ緊急ワールドアナウンスが流れた。被害予想都市にはチェンダ・ムーマのほか、コケモモ教とフンモモ教の総本山であるアモン・コッケとカウーカウルカも含まれていた。プレイヤー達は本音では放置したかったが、防衛戦に参加しなければ好感度が下がるため、対応を迫られた。
戦場への落下
カイザー・アイランドシェルは殻の内側に体を縮めると、凄まじい跳躍力で高く飛び上がり、NPC達の戦う中央へ急降下した。超重量の落下で戦場は砂塵に包まれ、多くのNPCが吹き飛ばされ、潰された。プレイヤー達は両部族への恨みから、その惨状を見てもむしろ喝采していた。
捕食される戦士達
怒ったNPC達はカイザー・アイランドシェルへ突撃したが、半透明の触手のような髭に絡め取られ、次々と口の中へ呑み込まれた。強酸性の体液で溶かされる様子は凄惨で、表現規制を解除していたプレイヤーの中には気分を悪くする者も出た。カイザー・アイランドシェルは人間を水分と栄養源として取り込んでいるようだった。
自爆武器の炸裂
一部のNPC戦士達は、禍々しい武器を取り出してカイザー・アイランドシェルに特攻した。中堅プレイヤー達は、それが殲滅者の作った危険な自爆武器だと気づき、慌てて逃げ出した。武器が一斉に炸裂すると、戦場は眩い光と爆風に包まれ、NPC達は無残に吹き飛び、大地は溶岩化した。
怒りのドリル突撃
自爆攻撃でもカイザー・アイランドシェルのHPは半分ほどしか削れず、殻にも目立つ損傷はなかった。やがて魔力を高めたカイザー・アイランドシェルは、超高圧水流で回転しながら殻を前にして突撃した。プレイヤー達はその質量攻撃を防ぎきれず、次々と粉砕されてポリゴン粒子となって消えた。
アモン・コッケへの誘導
プレイヤー達は撤退を決め、カイザー・アイランドシェルをアモン・コッケやカウーカウルカへ誘導する方針を立てた。防衛戦をしながら、嫌っている部族の拠点を巻き込もうと考えたのである。プレイヤー傭兵部隊は一斉に逃げ出し、その後をカイザー・アイランドシェルが追いかける形になった。
殲滅者二人の参入
その頃、ゼロスとテッドは崩落した地下遺跡からようやく地上へ戻った。二人はすでにレイド戦の参加者になっており、途中で降りられない状況だった。アンデッド軍団を壊滅させられたテッドは怒りを燃やし、ゼロスとともにカイザー・アイランドシェルとのレイド戦へ参入することになった。
第八話 おっさんは惨劇を目の当たりにする
神々の選定とグレート・アイランドシェル討伐準備
候補者の選定
神々は、実験的に創造したソード・アンド・ソーサリス・ワールドを俯瞰しながら、異常の起きている世界へ送り込む人材を選んでいた。上位プレイヤーは能力面では有望だったが、良識の壊れた者が多く、欲望のまま暴れる危険も高かった。創造主は、目的に沿って動いてくれる候補者を絞り込むことに悩んでいた。
本命とダミー
創造主は、封印された存在が目覚めるまで約一年と見て、地球人の肉体と疑似使徒の融合調整を始めることにした。本命には適応力のあるプレイヤー達を選び、ダミーには引きこもりの者達を使う方針を固めた。ダミー達は犠牲になっても魂を回収でき、事象操作で死をなかったことにできると考えられていた。
残される疑似異世界
創造主は、事が終わってもソード・アンド・ソーサリス・ワールドを消さずに残すつもりだった。観測者達は、この世界なら人間達と分身体を通して触れ合えるため、管理業務の息抜きとして遊びたいと考えていた。ミカエルもすでに参加しており、神々は危機対応の名目で作った世界を自分達の遊び場としても利用していた。
正体隠しの装備
ミカエルは、創造主がソード・アンド・ソーサリス・ワールドで使っている機械骨格フレームを指摘した。創造主は、それが正体を隠すためのダミーボディであり、運営側の特権で用意したものだと説明した。彼は数字の羅列を監視し続ける生活に飽き、変身ヒーローめいた姿で遊ぶことにも強い執着を見せていた。
双眼鏡の観察
一方、ゼロスとテッドは、グレート・アイランドシェルがNPCやプレイヤーを食い荒らす様子を少し離れた場所から双眼鏡で眺めていた。ゼロスは突発探索イベントがレイドイベントに発展しただけで、自分のせいではないと主張した。二人は、プレイヤー達がアモン・コッケの街へレイドボスを誘導し、事故に見せかけて街を滅ぼそうとしていると察した。
滅びても困らない国
アモン・コッケやカウーカウルカは、プレイヤーに嫌われているコケモモ教とフンモモ教の城塞都市だった。両部族は傲慢で契約を守らず、プレイヤーを安く使い潰してきたため、滅んでも困らないと見なされていた。ゼロスとテッドも、積極的に助ける気はなかった。
捕食する巨大貝
グレート・アイランドシェルは、触手状の口で人間を捕らえ、体内の強酸で溶かしながら捕食していた。ゼロスは、その触手や毒針めいた器官が、巨大な体を維持するために獲物を効率よく得る進化の結果だと推測した。NPCの戦士達は粘着性の体液に阻まれ、まともなダメージを与えられなかった。
ホバー移動
やがてグレート・アイランドシェルは殻の突起物から空気を吸い込み、下部から空気を噴き出して地面から浮かび上がった。ゼロスとテッドは、その巨体がホバー走行を始めたことに驚いた。二人は、餌の多いアモン・コッケの街を嗅ぎ取って移動を始めたのではないかと考えた。
骨馬の馬車
テッドは、グレート・アイランドシェルを追うため、ブルーボーンホースを二頭召喚して馬車を繋いだ。ゼロスは乗り心地を不安に思いながらも荷台へ飛び乗った。途中、テッドはアドへの敵意やアンデッド軍団を失った恨みを語り、暴走気味に馬車を走らせた。
壊滅したアモン・コッケ
アモン・コッケは、ウコッケ族が治める犯罪と詐欺の横行する城塞都市だった。グレート・アイランドシェルは城壁を破壊して侵入し、街の象徴や建物を瓦礫に変えながら住民を捕食した。プレイヤー達は街の出口を塞ぎ、建前ではレイドボスの封じ込め、本音では住民への復讐として国を滅ぼそうとしていた。
炎に包まれた街
プレイヤー達は火属性魔法や風魔法を使い、グレート・アイランドシェルごと街を焼こうとした。しかしその行動はレイドボスの進化を促し、殻の突起物は炎を吸い込み始めた。やがて膨大な炎が街を呑み込み、アモン・コッケは壊滅した。
進化したレイドボス
ワールドアナウンスにより、カイザー・アイランドシェルはグレート・アイランドシェルへ進化し、カウーカ・ウルカへ侵攻を始めたと告げられた。アモン・コッケにいたプレイヤー達は移動手段がなく、レイド戦から事実上脱落した。ゼロスとテッドも馬車の故障で遅れたため、壊滅後の街を見ることになった。
ケモさんへの連絡
ゼロスは、近くのプレイヤーを拾って肉壁にしながらカウーカ・ウルカを目指す方針を立て、ケモさんにも連絡した。テッドは面倒がったが、レイド戦には人数が必要だった。途中、グレート・アイランドシェルが休息しているのを見つけ、ゼロスは長期戦になると判断してログアウトした。
ガンテツの参戦
ケモさんはゼロスの報告を受け、ガンテツをレイド戦に誘った。最初は渋っていたガンテツだったが、グレート・アイランドシェルの硬い殻や火耐性が武器素材になると聞くと、すぐに参加を決めた。彼は自爆武器を用意すると言い、ケモさんは不安を覚えながらも頼もしい味方として受け入れた。
アフラとの密談
ケモさんは人気のない路地裏で、アフラという超常的な存在と会った。アフラは、四馬鹿が捨てた大神の封印石に結界を張り終えたと報告した。ケモさんは、封印された存在の偽物をプレイヤー達に相手させるつもりであり、困難な障害ほどゲーマーは燃えると楽しげに語った。
作られた宗教
ケモさんは、コケモモ教とフンモモ教が修正前には存在しなかったことを問題視した。アフラによれば、それらはミスラ達が悪ノリで興した宗教だった。ケモさんは、プレイヤーに恨まれる詐欺師集団のような民族を作ったことを呆れ、今回のレイド戦で彼らが滅ぼされようとしている状況を複雑に受け止めた。
カノンの行動
北大陸で素材集めをしていたカノンは、ケモさんからのメッセージでグレート・アイランドシェルの出現を知った。スポンジシェルの粘液が切れかかっていたため、彼女はレイドボス素材に興味を持った。南大陸まで間に合うかは微妙だったが、素材のために参加を決めた。
第九話 おっさんはカウーカ・ウルカの街に移動する
翌日の合流とカウーカウルカ防衛前夜
トマト尽くしの朝食
翌日、聡は家庭菜園で採れすぎた野菜の処理に悩んでいた。手作りのトマトケチャップは消費期限が短く、朝食も冷製トマトパスタ風の素麺になった。美味しくはあったが、トマト尽くしの食卓に飽きも感じていた。
テッドの食生活
聡は時間通りにログインし、テッドと合流した。テッドは朝食をカロリーバーとカップ麺、味噌汁代わりのエナジードリンクで済ませたと語り、ゼロスはその不健康さを心配した。テッド自身も腹が出てきたことを自覚しており、私生活の杜撰さを否定できなかった。
最終防衛ライン
ゼロスとテッドは、グレート・アイランドシェルの次の標的について話し合った。チェンダ・ムーマは既に壊滅状態で餌場と判断されなかった可能性があり、次に狙われるカウーカウルカが事実上の最終防衛ラインだと見られた。しかし、アモン・コッケと同じく、プレイヤー達が街の滅亡を企んでいる可能性も高かった。
ハイスピード・ジョナサン
移動手段を考えていた二人の前に、乗り合い馬車が現れた。御者はハイスピード・ジョナサンであり、乗客達はすさまじい暴走運転に巻き込まれて地平の彼方へ消えていった。ゼロスとテッドは彼の馬車を避け、ブルーボーンホースの馬車で安全にカウーカウルカへ向かった。
カウーカウルカ到着
二人はカウーカウルカへ早く到着したが、街には既に死に戻りしたプレイヤー達がいた。彼らはNPC達へ暗い闘志を向けており、防衛する気があるのか疑わしかった。両部族への恨みを晴らす好機として、プレイヤー達は不穏な空気を漂わせていた。
牛頭神の像
街の広場には、フンモモ教の神であるモーカウリ・マッカ・プロティーンの像があった。ゼロスはその名の意味や弟神の名について説明し、テッドはあまりに奇妙な神名に驚いた。さらに上位プレイヤーのマスクド・ルネッサンスがフンモモ教の勇者だったことも語られ、二人はその姿を想像して呆れた。
豚骨チャーシュー大盛り
ゼロス達は、上位パーティー豚骨チャーシュー大盛りのメンバーと合流した。彼らはクラーケン退治の帰りにレイド戦へ参加しに来ており、モヤシは船上戦で溺れて食われたと語られた。ゼロスは、彼らが参戦することを心強く思った。
テッドとアド
テッドはADOの姿を見て露骨に嫌がり、ADOも同じように不快感を示した。二人は理由もはっきりしないまま互いを嫌っており、ゼロスとメンマは本能的に気づいているのかもしれないと冗談を交わした。後にその冗談が別の世界で的中することになるが、この場では軽く流された。
国家壊滅計画
アドは、街にいるプレイヤー達の殺気がレイドボスではなくNPCへ向いていることに気づいた。ゼロスは、プレイヤー達がレイドボスを利用してカウーカウルカを滅ぼそうとしていることを説明した。アドは理解しながらも、女や子供まで巻き込むことに良心の痛みを覚えた。
民族とプレイヤーの溝
ゼロスは、プレイヤーとNPCは異なる民族のようなものであり、互いに受け入れられない溝が深まった結果だと語った。カウーカウルカの文化は詐欺や恐喝、犯罪紛いの強要まで含んでおり、多くのプレイヤーが被害に遭っていた。アドもその被害を経験しているため、街を救うために全プレイヤーを説得することはできないと悟った。
良心の痛み
アドは、泥棒が目の前で事故死したような奇妙な罪悪感を覚えていた。ゼロスも、自業自得と分かっていても良心が痛む感覚を理解していた。二人は、このゲームのNPCがあまりに人間らしいため、所詮はゲームだと割り切れない何かがあると感じていた。
活動再開の告知
ワールドアナウンスが流れ、グレート・アイランドシェルが活動を再開し、一日後にカウーカウルカへ到達すると告げられた。プレイヤー達は仲間への連絡やアイテムの準備を始め、NPC達も慌ただしく動き出した。ゼロスはケモさんへ連絡することにし、アドは仲間達に置いていかれたことに気づいた。
第十話 おっさんとレイド戦
レイド戦当日と魂管理部の混乱
転移ゲート前の焦り
ケモさんとガンテツは、グレート・アイランドシェルのレイド戦へ参加するため、転移ゲートへ急いでいた。南大陸への移動後も飛空船の定員問題があり、現場到着は時間との勝負だった。ケモさんはNPCの伝手を使うつもりだったが、間に合うかはぎりぎりの状況だった。
カウーカウルカの開戦前
グレート・アイランドシェルがカウーカウルカへ迫る中、ゼロスとテッドはケモさん達の到着が遅れそうだと話していた。ワールドアナウンスが流れ、三分後にはレイドボスが肉眼で確認できると告げられた。プレイヤー達は東側の平原を注視したが、先に動いたのはモーカウ族の戦士達だった。
葉っぱ一枚の勇者
モーカウ族の王は筋肉と神の加護を讃え、戦士達を鼓舞した。その一方で、勇者に選ばれたプレイヤーは牛頭のかぶり物に葉っぱ一枚という哀れな姿で晒されていた。プレイヤー達は不憫な勇者に涙しつつ、王の威勢だけはいい演説を冷めた目で見ていた。
手出し無用の王命
モーカウ族の王は、プレイヤー達を不死者と呼び、これは自分達の聖戦だから手を出すなと命じた。街門が開かれ、戦士達はグレート・アイランドシェルへ出陣した。プレイヤー達は王命に従う建前を得て、彼らの背中を冷ややかに見送った。
カノンの爆走馬車
カノンは南大陸へ到着し、カウーカウルカへ向かう馬車に乗っていた。彼女は馬に似たモンスターへ特製の魔法薬を使い、通常の輸送馬車の五倍の速度で荒野を爆走させていた。途中で同乗者が振り落とされても、彼女は重量が減ったとしか考えず、魔法薬の限界実験への誘惑に耐えていた。
産卵する巨大貝
グレート・アイランドシェルは、アモン・コッケで十分な栄養を得たことで産卵時期を早めていた。カウーカウルカを目指していたのは、子孫を育てる餌場として適していたからだった。立ちはだかったモーカウ族の戦士達は、巨大生物に気づかれることもなく轢き潰された。
リトル・アイランドシェル
グレート・アイランドシェルは産卵管から無数の卵を放出し、そこからリトル・アイランドシェルが孵化した。アドは数が増えれば厄介だと警告したが、ゼロスとメンマは街を守る気がないため、深刻には受け止めなかった。プレイヤー達はカウーカウルカを戦いやすい場所として利用しているだけだった。
遠距離の風圧攻撃
グレート・アイランドシェルは街から離れた位置で止まり、殻の突起物から空気を吸い込み始めた。プレイヤー達は水属性攻撃を警戒したが、放たれたのは超圧縮された空気の塊だった。デザスターウィンドブレスのような物理攻撃は街門を粉砕し、大通りを抉って王宮に直撃した。
街へ侵入する子貝
リトル・アイランドシェル達は街門を突破し、住民達へ襲いかかった。子供は丸呑みにされ、大人は捕食管で体内から食い尽くされ、反撃したNPCも高速回転する殻に貫かれた。助けを求める住民に対し、プレイヤー達は王命を口実に傍観し、怒るNPCを煽っていた。
反撃開始
リトル・アイランドシェルが一定数街へ侵入したところで、ゼロス達は攻撃を始めた。ゼロスのエクスプロードとテッドのヴェノム・カタストロフを皮切りに、城壁上のプレイヤー達が一斉に魔法を放った。都市内部に敵を引き込んだことで、NPCを巻き込んでも防衛行動として扱われる状況になっていた。
復讐と経験値稼ぎ
プレイヤー達は麻痺や毒の魔法で逃げようとするNPCごとリトル・アイランドシェルを足止めした。中には他のプレイヤーの悪行に引く者や、普通に経験値稼ぎをしようとする者もいた。ケモナー達は獣人を見下していたフンモモ教の信徒達に強い怒りを抱き、巻き込みを装って苛烈な攻撃を加えていた。
集団放火
リトル・アイランドシェルの数が増え、街の中に密集し始めると、プレイヤー達は範囲魔法を撃ち始めた。爆炎が街を囲むように噴き上がり、風魔法で火勢が強められ、火災はさらに広がった。ゼロスはその光景を見て、集団放火事件のようだと内心で呆れていた。
冥界霊魂管理部
同じ頃、神域の冥界霊魂管理部では、箱庭から急増する死者の魂により業務が圧迫されていた。ハデスやイザナミ達は、温泉旅行で主要な神々が不在の中、大量の魂の処理に追われていた。現地では地蔵菩薩が子供達の魂を救済し、グリムリッパー小隊やヴァルキュリア小隊にも出動要請が出された。
魂のダンジョン送り
ハデス達は、カウーカウルカで起きている惨状を確認し、プレイヤー達がゲームと思って行っている行為が実際には大量虐殺であることを認識した。悪行を重ねた魂の数が多すぎたため、処理の時間短縮として一部をダンジョンモンスターとして蘇生させることにした。こうして、穢れた魂達はプレイヤーと戦い続ける存在へ回されることになった。
第十一話 おっさん、レイド戦の最前線で戦う
カウーカウルカ壊滅後のレイド戦
滅びた筋肉国家
カウーカウルカは完全に滅び、運営アナウンスはプレイヤー達にレイドモンスター討伐を命じた。プレイヤー側は戦力不足に悩みつつも、かつてカウーカウルカで不当な依頼や詐欺まがいの商売を押しつけられた恨みを思い出していた。復讐は果たされたが、メンマ達の中には罪悪感や虚しさも残っていた。
増えすぎた子貝
グレート・アイランドシェルは、リトル・アイランドシェルを次々と産み落としていた。数が多すぎるうえ、本体もバリスタ程度では傷つかないほど頑丈だった。メンマとアドは、レイドボスを出現させた原因がゼロスとテッドにあるのではないかと疑い始めた。
殻を砕く手段
ゼロスは、通常の攻撃ではグレート・アイランドシェルの殻を破れないと見て、重力系広範囲殲滅魔法の使用を考えた。その魔法は、かつて正体不明の強大なモンスターに使われた闇の裁きを参考にしたものだった。ゼロスは、アドとテッドにも協力を求め、三人で暴食なる深淵を撃つことにした。
暴食なる深淵
ゼロス、アド、テッドの三人は、グレート・アイランドシェルの上空へ漆黒のキューブを撃ち上げ、暴食なる深淵を三重展開した。超重力の力場は空間を爆縮させ、衝撃波で城壁や街中を破壊し、リトル・アイランドシェルや周囲のプレイヤー達も吹き飛ばした。威力は想像以上で、街の防衛力は大きく低下した。
殲滅者の恐怖
吹き飛ばされたプレイヤー達は、桁外れの改造魔法を見て殲滅者が来ていることを悟った。殲滅者はイベントを引っかき回し、難易度を跳ね上げる存在として恐れられていた。メンバー全員が揃っていないだけましだと考える者もいたが、恐怖は広がっていた。
割れない巨大殻
ゼロス達は自分達の魔法に巻き込まれながらも生き残り、回復薬で立て直した。土煙が晴れると、グレート・アイランドシェルの殻には亀裂こそ入っていたが、破壊には至っていなかった。三重の殲滅魔法でも砕けない防御力に、ゼロス達は呆然とした。
怒りの突進
暴食なる深淵で怒り状態になったグレート・アイランドシェルは、ホバーを加速させ、瓦礫ごと吹き飛ばしながらカウーカウルカへ侵入した。街はさらに蹂躙され、死に戻ったプレイヤー達も潰された。ゼロス達は、近接戦で殻の内側を狙うしかないと判断した。
鉤爪とロープ
ゼロスは、貝殻によじ登るために鉤爪とロープを周囲のプレイヤーへ有料で配った。メンマ達は、ティアとショウユを支援や救助に回し、ゼロス、テッド、アド、メンマ、カイト、モヤシでグレート・アイランドシェルへ接近した。彼らは鉤爪を突起に引っかけ、ターザンのように宙を舞って貝殻に取りついた。
骨弾の全方位射撃
貝殻の突起は振動し、先端から硬質の弾丸を全方位に連射した。弾丸は建物や城壁を貫き、プレイヤー達をミンチに変えた。カウーカウルカを復帰地点にしていた者は、リスポーン直後に再び撃ち抜かれる悲惨な状態となり、テッドはその不幸を見て大笑いした。
爆魔石の設置
ゼロスは、ガンテツから預かった試作の爆魔石を使い、殻の亀裂に仕掛けて誘爆させる作戦を立てた。爆魔石は一個でエクスプロード三倍分の威力を持つ危険物で、メンマ達は不安を抱いた。ゼロスはオリハルコン製ツルハシを貸し出し、全員で亀裂に沿って爆魔石を埋め込む作業を始めた。
動く鉱山
グレート・アイランドシェルの殻には、ミスリルやテフラライト鉱石などの希少素材が含まれていた。他のプレイヤー達は討伐そっちのけで採掘に夢中になり、爆魔石を仕掛けるゼロス達を邪魔者扱いした。ゼロス達は不満の声を横目に、爆破準備を進めた。
高所作業の混乱
貝殻の上での爆魔石設置は、急勾配と激しい動きのせいで危険な作業だった。ゼロスは高所作業の注意を語りながら、テッドに安全確認の甘さを指摘した。テッドは引きこもりを舐めるなと叫び、周囲は彼が引きこもりだったことに妙に納得した。
第十二話 おっさんと突発レイド戦の終局
グレート・アイランドシェル討伐と候補者選定
爆走馬車の競走
カウーカウルカへ向かう馬車の中で、ハイスピード・ジョナサンはカノンの乗る高速馬車と並走したことに対抗心を燃やした。彼は人獣一体を発動し、ベビーベヒモスに牽かせた馬車を音速に近い速度まで加速させた。荷台のガンテツは死にそうになり、マスクド・ルネッサンスは筋肉の聖地を守るために平然と座っていた。
カノンの高速輸送
カノンは馬と荷車に魔法薬を使い、揺れを抑えながら高速で戦場へ向かっていた。彼女の目的はグレート・アイランドシェルの素材であり、最上位素材から得られる魔法薬の効果に期待していた。同乗者達は彼女の外見に見とれていたが、カノンの内心は実験への欲望で満ちていた。
苦戦するプレイヤー達
カウーカウルカでは、グレート・アイランドシェルがプレイヤー達を蹂躙していた。殻が割れた部分を狙っても本体の肉質が柔らかすぎて武器が通らず、魔法も大きな効果を出せなかった。捕食されたプレイヤーは復活後、自分のアバターが消化される姿を見ることになり、精神的に追い詰められて戦力は減り始めていた。
爆魔石の設置完了
ゼロス達はグレート・アイランドシェルの殻に爆魔石を仕掛け終えた。だが、テッドは誘爆させたい衝動と戦っており、仲間達に最低だと呆れられた。趣味を貫き深みに嵌まるの面々は仲間意識というより共感でつながった集団であり、各自が好き勝手に行動する者達だった。
回転する巨体
爆魔石の設置直後、グレート・アイランドシェルは下部から空気を噴き出し、急速に回転を始めた。命綱をつけていないプレイヤーは弾き飛ばされ、ロープで固定していた者達も回転ブランコのように振り回された。ゼロスとアドも最終的に吹き飛ばされたが、ゼロスは魔法障壁と爆風を利用して無事に着地した。
硬化する体液
グレート・アイランドシェルの突起からは半透明の液体が滴り始めた。その体液は太陽光を浴びると硬化し、周囲の生物の行動を封じた。身動きできなくなったプレイヤーやNPCは、触手に捕まるか踏み潰され、グレート・アイランドシェルは捕食するたびに触手を増やし、さらに強くなっていった。
マスクド・ルネッサンスの突撃
ゼロス達が爆魔石の起爆方法に悩んでいると、マスクド・ルネッサンスが城壁から跳躍し、グレート・アイランドシェルの殻へ突撃した。彼のシールドガントレットに内蔵されたパイルバンカーが殻を打ち抜き、他のプレイヤーが仕掛けていた炸薬や爆魔石まで連鎖的に起爆した。大爆発でグレート・アイランドシェルは動きを止めた。
殲滅者の集結
爆発後、ゼロスは最強装備に切り替え、カノン、ケモさん、ガンテツも戦場に到着した。さらにテッドも生きており、黒のゼロス、青のガンテツ、赤のケモさん、白のカノン、緑のテッドという殲滅者全員が揃った。周囲のプレイヤー達は頼もしさよりも恐怖を覚え、終わりだと慌てた。
カノンの人体実験
死に戻りによるデスペナルティで弱体化したプレイヤー達に、カノンは試作の魔法薬を投げつけた。薬はステータスを回復させるだけでなく、一時的に能力を強化したが、後続の薬は精神暴走などの副作用も伴っていた。カノンはサポートを名目に人体実験と在庫処分を進めていた。
弱点部位への総攻撃
爆発で貝殻に大穴が開き、グレート・アイランドシェルの内臓らしき弱点が露出した。ゼロス、ケモさん、テッド、カノンは城壁から魔法やデバフポーションを叩き込み、HPを大きく削った。ガンテツは実験前に攻撃されたことに怒り、ゼロス達へ高威力の矢を撃ち込んだ。
自爆武器と筋肉の一撃
ガンテツは爆魔石を組み込んだ自爆武器を、マスクド・ルネッサンスはパイルバンカーを同時に弱点へ叩き込んだ。凄まじい爆発で周囲は吹き飛び、グレート・アイランドシェルのHPは残り三分の一まで減った。ガンテツとマスクは死亡したが、ゼロス達は空中でポーションを使い、地上へ着地した。
援軍の大事故
援軍の馬車集団は、カノンのバフ馬車をまねて高速で到着しようとしたが、減速に失敗して玉突き事故を起こした。さらに回復したグレート・アイランドシェルが動き出し、事故で混乱するプレイヤー達を捕食してHPを回復した。ゼロス達は、その本体がスライムに近い軟体生物で、核を守るために殻や臓器を使っていると推測した。
終盤の総力戦
プレイヤー達はゾンビ戦法で突撃し、魔導士達が援護する形で攻撃を続けた。カノンの薬で暴走したプレイヤー達も囮になり、マスクはゼロ距離からマスクド・フィーバーを放って大ダメージを与えた。それでもHPはわずかに残ったが、ケモさんとテッドが暴食なる深淵を放ち、グレート・アイランドシェルをプレイヤーごと消し飛ばした。
水枯渇の終結
グレート・アイランドシェルの討伐により突発レイド戦は終了し、探索クエスト水枯渇の謎を追えも完了した。アモン・コッケとカウーカウルカは壊滅し、復興も難しい状態になったが、クレーターの中心からは水が湧き出していた。ゼロスは諸行無常を感じながら、次の予定を考えた。
ブルーフォレストへの誘い
ガンテツはゼロスに、世界樹の麓にあるブルーフォレストまで採掘に付き合ってほしいと頼んだ。ゼロスは疲れていたため翌日に回すことにし、ケモさんの祝勝会に巻き込まれる前にログアウトすることにした。こうして、ゼロスの突発レイド戦は終わった。
神域の観測
神域では、ソード・アンド・ソーサリス・ワールドの観測が続いていた。プレイヤーの一部は認識操作から逃れかけており、その中でも大迫聡は魂の質が神々に近づきつつある有力候補だった。天使達は、彼の魂を異世界への刺客として使うことを惜しみながらも、次元崩壊を防ぐためには仕方がないと判断していた。
崩壊を防ぐ準備
神々は、別世界で行われ続ける異世界召喚が時空の歪みを広げ、数多の世界を崩壊させかねないことを把握していた。観測者は封印され、亜神が不十分に管理している世界へ候補者を送り込む必要があった。魂回収プログラムには不具合が見つかっていたが、神々と天使達は準備を続けていた。
同シリーズ
アラフォー賢者の異世界生活日記シリーズ
小説
























その他フィクション

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