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アラフォー賢者の異世界生活日記フィクション(Novel)読書感想

小説「アラフォー賢者の異世界生活日記 10」感想文・ネタバレ

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アラフォー賢者の異世界生活日記

アラフォー賢者9巻レビュー
アラフォー賢者まとめ
アラフォー賢者11巻レビュー

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  1. どんな本?
    1. ■物語の概要
    2. ■主要キャラクター
    3. ■物語の特徴
  2. 読んだ本のタイトル
  3. あらすじ・内容
  4. 感想
  5. 考察・解説
    1. 魔導式モートルキャリッジ
    2. 異世界料理の再現
    3. 地下都市の探索
    4. 邪神の命名
    5. 勇者の怨念と魔物
    6. 観測者との契約
  6. 登場キャラクター
    1. 転生者・地球の人物
      1. ゼロス(聡)
      2. アド
      3. ユイ
      4. リサ
      5. シャクティ
      6. エロムラ
      7. アンズ
      8. シャランラ(シャーラ)
      9. ガンテツ
      10. テッド
      11. カノン
      12. ブロス
      13. 殲滅者
      14. 影六人
    2. ソリステア魔法王国・イストール魔法学院
      1. デルサシス・ヴァン・ソリステア公爵
      2. クレストン
      3. セレスティーナ
      4. キャロスティー
      5. ツヴェイト
      6. ディーオ
    3. イサラス王国
      1. 国王
      2. 軍閥の将軍達
      3. 戦争推進派
    4. メーティス聖法神国
      1. 勇者達
    5. サントールの街・教会
      1. ルーセリス
      2. カイ
      3. イリス
      4. ジャーネ
      5. ジョニー
      6. アンジェ
      7. ラディ
      8. レナ
      9. メイア
      10. ルセイ
      11. メルラーサ司祭長
      12. ベラドンナ
      13. クーティー
      14. ザボン
    6. 傭兵ギルド
      1. ギルドマスター
      2. 受付嬢
      3. モンブラン
      4. シャギー
      5. 森の鷹
    7. 神・観測者・使徒
      1. アルフィア・メーガス(邪神)
      2. ルシフェル
      3. ソウラス
      4. ヴェルサシス
      5. プロトゼロ
      6. 観測者『ケモさん』
      7. ロキ
      8. アレス
      9. トール
      10. スサノオ
      11. ポセイドン
      12. ウィンディア
      13. フレイレス
      14. アクイラータ
      15. ガイラネス
      16. アルケミア神
      17. 創世神
    8. 使い魔・魔物
      1. ウーケイ
      2. コッコ達
      3. ジャバウォック
      4. ボアヘッド・バタフリーベアー
      5. ジャイアントロドリゲス・グレートムッハーパンダ
      6. ボマーゴロン
      7. ハイ・オークロード
      8. ハイ・オークジェネラル
      9. ハイ・オークナイト
      10. ハイ・オーク
      11. グレーター・コボルト
      12. ハイ・コボルト
      13. コボルト達
      14. ロック・ボア
      15. ギヴリーズ
      16. 不気味生物
  7. 展開まとめ
    1. プロローグ おっさん、ゆっくりサントールを目指す 
    2. 第一話 探索の結果、地上は危険地帯だった 
    3. 第二話 アンズとエロムラの防衛戦? 
    4. 第三話 そして、都市伝説へ ~エロムラ、お仕置きされ る~ 
    5. 第四話 おっさん、アドパーティーを連れてサントールの 街へ到着す 
    6. 第五話 おっさん、アド達と共に帰宅する ~邪神ちゃ ん、名前が決まる~ 
    7. 第六話 後始末は関係ない者がやらされる 
    8. 第七話 事態はゆっくりと確実に動いている 
    9. 第八話 邪神ちゃんは、暇を持て余していました 
    10. 第九話 アド君、傭兵ギルドに登録す 
    11. 第十話 最強コンビ、雪山へ行く 
    12. 第十一話 伝説は、こうして作られる 
    13. 第十二話 動き出すのは、おっさん達だけではない 
    14. 第十三話 この人達が原因です 
    15. 第十四話 おっさん、神からの指令を受ける 
  8. 同シリーズ
    1. アラフォー賢者の異世界生活日記シリーズ
    2. 小説
  9. その他フィクション

どんな本?

■物語の概要

本作は、地球から剣と魔法の世界へ転生したアラフォーのおっさん・ゼロスが、規格外の能力を持ちながらものんびりとした生活を目指す異世界ファンタジーである。 第10巻では、ハサム村を出発しサントールへ向かうゼロスとアド一行の姿が描かれる。アドは身重の妻ユイを守るため、ソリステア魔法王国の重鎮・デルサシス公爵と「魔導式モートルキャリッジ(車)」の生産を交渉材料にした三国間の経済取引に挑む。一方、地下遺跡都市イーサ・ランテでは、調査団の学生と護衛のアンズ・エロムラが、侵入してきた魔物との過酷な防衛戦を展開する。さらに、かつて召喚され使い捨てられた勇者たちの怨念がバグとなって世界のシステムを侵食している事実が判明する。次世代の観測者である邪神・アルフィアを完全復活させるため、ゼロスとアドは上位観測者の分体・ソウラスと聖約を結び、雪山で異常進化したレイドボスクラスのドラゴン討伐という神の指令に挑むこととなる。

■主要キャラクター

ゼロス:【大賢者】の職業を持つ転生者のアラフォー。圧倒的な魔法力と生産技術を持ち、「魔導式モートルキャリッジ」を開発する。神からの指令により、異常進化種の討伐へ向かう。 アド:ゼロスと同郷の転生者で【賢者】。身重の妻ユイの安全と自らの立場を確保するため、デルサシス公爵との交渉に臨む。ゼロスと共に過酷なドラゴン討伐に巻き込まれる。 アンズ:転生者の忍者少女。【殲滅者】に匹敵する圧倒的な強さを持ち、イーサ・ランテで魔物の侵攻を単独で防ぐ活躍を見せる。 エロムラ:転生者の青年で【ブレイブ・ナイト】。アンズと共に防衛戦を行うが、彼女に頭が上がらず、常に怯える立場にある。 ユイ:アドの幼馴染であり妻。妊娠しており、安全な生活基盤を求めてアドたちと共にサントールへ向かう。 アルフィア・メーガス:次世代の観測者(邪神)。ゼロスに名を与えられたことで存在が確立し、完全復活に向けたシステムのプロテクトが解除され始める。 ソウラス:上位観測者の分体。世界の異常を正すため、ゼロス達に異常種討伐とアルフィア復活の契約を持ちかける。 デルサシス公爵:ソリステア魔法王国の重鎮。ゼロスたちの持ち込んだ車の商業的価値と、背後にある政治的思惑を瞬時に見抜く辣腕の切れ者。

■物語の特徴

本作の魅力は、主人公たちが規格外のチート能力を持ちながらもそれをひた隠しにし、結果的に周囲を巻き込んで規格外の騒動や環境破壊を起こしてしまうギャップにある。また、単なる剣と魔法のファンタジーにとどまらず、神々や観測者が管理する「システム」というSF的・メタ的な世界観が根底に存在している点も特徴である。身勝手な勇者召喚がもたらした世界のバグ(怨念)や、現代知識(車など)の導入が引き起こす急激な技術発展と軍事転用の危険性について深く現実的に考察されており、他のスローライフ作品とは一線を画す重厚な背景設定が読者にとって興味深いポイントとなっている。

読んだ本のタイトル

アラフォー賢者の異世界生活日記 10
著者:寿安清 氏
イラスト:ジョンディー  氏
出版社:KADOKAWAMFブックス
発売日:2019年8月24日
ISBN:9784040640563

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あらすじ・内容

二人の美少女魔導士、おっさん顔負けの大冒険をする!
【グレート・ギヴリオン】との戦闘中、思いがけず四神と遭遇したゼロスとアド。彼らは諸悪の根源である四神の殲滅を試みるものの、結果的に取り逃がしてしまう。
それでも当初の目的である魔物暴走の鎮圧は完了しており、アドはようやく妻であるユイとの再会を果たす……のだが、超が付くほど嫉妬深いユイは、アドの連れであるリサとシャクティを見た途端、敵意むき出し! 壮絶な修羅場へと発展するのだった。
一方、イストール魔法学院の成績優秀者で構成された調査団は、地下遺跡都市【イーサ・ランテ】の調査を開始していた。その一員であるセレスティーナとキャロスティーは、護衛として調査団に同行していたアンズとエロムラが怪しい隠し扉を通過するのを偶然目撃する。
「行くしかないですわ……いえ、行くべきです!」
冒険心に火がついたセレスティーナとキャロスティーは、早速追跡を開始し……!?

アラフォー賢者の異世界生活日記 10

感想

規格外の強さを持つ転生者たちが繰り広げるドタバタ劇と、世界の根幹に関わる壮大な設定が見事に融合した一冊だった。コミカルなやり取りで笑わせながらも、物語全体は少しずつ核心へと近づいており、シリーズが新たな段階へ進んだことを感じさせてくれる。

まず印象に残ったのは、地下遺跡都市での探索である。

セレスティーナたちを護衛するはずだったエロムラは、結果的に護衛される側となり、一番幼いアンズが圧倒的な戦闘力で無双していく展開には思わず笑ってしまった。彼女が「殲滅者」に次ぐ実力者である「影六人」の一員という設定も納得できるほど、その強さは別格だった。

さらに面白かったのは、護衛に失敗したエロムラへの罰ゲームである。アンズが兄にも行った制裁と同じように「男性の象徴」を狙って追い回す姿は完全にギャグとなっており、ダンジョン攻略以上に必死で逃げ回るエロムラには同情しつつも笑わずにはいられなかった。何とか大事なものだけは守り切ったようで安心した。

一方で、アドたちは妊娠中の妻・ユイと合流し、サントールで新たな生活を始める。

傭兵ギルドへの登録や生活基盤づくりが進む中、デルサシス公爵へ魔導式モートルキャリッジを納品する交渉も描かれる。この場面では、公爵から「転生者の目的は何だ」と問いかけられたゼロスが、「四神から世界のシステムを取り返し、本来の管理者へ返すことだ」とあっさり真相を語ってしまう展開に驚かされた。

これまで何となく進んでいた物語の目的がここではっきり示され、「そういう話だったのか」と思わず納得してしまう重要なシーンだった。

その裏では、神界から派遣された使徒ルシフェルも世界の管理を維持するために奔走している。

さらに地下で眠る邪神ちゃんへ「アルフィア・メーガス」という名前が与えられたことで、世界の調整が少しずつ進み始める展開にはワクワクさせられた。コミカルな雰囲気の裏側で、世界規模の問題が着実に動き出していることが伝わってくる。

その力を取り戻すため、ゼロスとアドは辺境の雪山へ向かい、魔獣の討伐に挑む。

神にも匹敵する実力を持つ二人ですら、大自然の猛威には精神的に追い詰められてしまう描写が印象的だった。圧倒的な力があっても自然だけは簡単には攻略できないという描写には説得力がある。

しかも管理者からは「ついでにドラゴンも倒してきて」と軽く追加注文される始末で、その容赦のなさには思わず苦笑してしまった。

本巻では、周囲のキャラクターたちの個性も相変わらず強烈である。

雪山で力尽き、三途の川を渡りかけたアドの前へ、幻影となったユイが現れて無理やり引き戻す場面は、恐ろしいのに笑えてしまう名シーンだった。三途の川すら渡らせないヤンデレぶりには、「奥さんは本当に何者なんだ」と思わずツッコミを入れたくなる。

一方、教会では孤児院の子供たちが「ニャンパラリン」と叫びながらキャット空中三回転を披露しており、日常のカオスさも健在だった。誰がそんな技を教えたのかは明言されていないが、コッコたちの仕業だと考えると妙に納得してしまう。

本作は、規格外のバトルだけでなく、笑いに満ちた日常や、世界の真実へ迫る壮大なストーリーが絶妙なバランスで描かれている。

シリーズの根幹に関わる設定が少しずつ明かされながらも、最後まで肩の力を抜いて楽しめる『アラフォー賢者』らしい魅力が詰まった、大満足の一冊だった。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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アラフォー賢者9巻レビュー
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考察・解説

魔導式モートルキャリッジ

『アラフォー賢者の異世界生活日記 10』に登場する「魔導式モートルキャリッジ」および「魔導車両の開発」は、ゼロスとアドがソリステア魔法王国のデルサシス公爵との交渉を有利に進めるために、徹夜の魔導錬成によって製作した魔導車両のエピソードである。

身重の妻であるユイの安全確保を目的としつつ、国家間の政治、経済的な思惑や異世界の急激な技術発展への配慮が絡み合う、画期的な開発プロジェクトの全容は以下の通りである。

開発の背景と安全確保の目的

アドの妻であるユイは身重であり、政情が不安定で強硬な戦争推進派が存在するイサラス王国に留まることは、彼女が人質にされる危険を伴った。

・そこでゼロスは、信用できるデルサシス公爵と取引をしてユイの安全な生活基盤をソリステア魔法王国に確保することを画策する。
・客将であるアドの立場を守り、お世話になったイサラス王国にも利益をもたらすための切り札として、魔導車両の生産を提案した。

概要と車体の構造

完成した車両は、アドが以前製作した軽ワゴンのような高性能なものではなく、意図的に簡素なダイムラー・モトキャリッジをベースに設計されている。

・外観は馬のない馬車であり、かつて馬の蹴り上げる泥を防ぐためだったダッシュボードを大型化し、そこに車輪を操作するハンドルと始動用のキーが取り付けられている。
・夜間走行用の魔導式ランプも標準装備されているが、オープンカー仕様であるため、後部座席に日よけのフードはあるものの運転席は雨ざらしになるという欠点がある。

動力源と走行スペック

動力源には全属性の魔力に対応した魔導モーターが採用されている。

・燃費は非常に悪く、ゴブリンの魔石10個で約30分しか走行できない仕様となっている。
・しかし、一般的な馬車よりも速い最高時速30キロ程度を出すことが可能である。

情報漏洩対策とブラックボックス化

心臓部である魔導モーターと魔石庫には、魔法式消滅魔法陣という特殊な術式が組み込まれている。

・これは、分解しようとすると術式が自動的に消滅する仕組みである。
・魔導士を迫害しつつも便利な魔導具を利用しようとする敵国・メーティス聖法神国へ技術が盗まれるのを防ぐための強力なセキュリティ対策として機能する。
・メーティス聖法神国とは技術提携を結ばず、完成品を高値で売りつけることで経済的な優位に立つ計画を立てている。

三国間ビジネスモデルの構築と狙い

ゼロスはこの車両を用いた、国家規模の経済活性化計画をデルサシス公爵に提示した。

・鉱物資源が豊富で人件費の安いイサラス王国で部品を製造し、魔法技術に優れるソリステア魔法王国で心臓部を作り、アルトム皇国で最終組み立てを行うという、三国による生産工程の分業体制である。
・あえて最初から完璧な技術を与えず手本を示すにとどめることで、異世界の職人や錬金術師たち自身に試行錯誤させ、段階的な技術の向上と雇用の創出、経済の活性化を狙っている。

もたらす影響と今後の懸念

ゼロスとアドはより高性能な車を作る技術力を持っているが、文明を一気に進めてしまう危険性を強く危惧している。

・道路交通法やインフラが存在しない世界に高速な乗り物が普及することによる事故のリスクや、兵力、物資の大量輸送といった軍事利用への転用リスクである。
・さらに、技術的探求心が異常に高く、過酷な労働環境で働き続けるドワーフたちがこの技術に関わることで、自分たちの予想を遥かに超える速度で技術が暴走、発展していくのではないかという不安を抱いている。

まとめ

魔導式モートルキャリッジの開発は、個人の安全保障という私的な目的から始まり、最終的に国家間の分業による大規模な経済・政治戦略へと昇華された一大プロジェクトである。転生者としての高度な知識をあえて制限し、現地の人々に試行錯誤の余地を残すという配慮は、異世界の自立的な発展を促す優れた知恵と言える。一方で、法なき世界への高速移動体の投入や軍事転用のリスク、仕事中毒のドワーフによる技術の暴走といったゼロスの懸念は、急進的な文明開化がもたらす歪みを鋭く予見しており、今後の世界情勢を左右する重要な伏線となっている。

異世界料理の再現

『アラフォー賢者の異世界生活日記 10』における「異世界料理の再現」は、主人公のゼロスによる凄まじい執念と、地球の味に飢えた転生者たちの食に対する強い渇望として描かれている。

日本の家庭的な味を再現するための飽くなき探求や、現地料理との味覚のギャップ、そして魔法を活用した独自の調理環境にいたる全容は以下の通りである。

ゼロスのこだわりとカレーの再現

サントールへ向かう道中の野営で、ゼロスはアドやユイたちにカレーを振る舞った。

・地球の香辛料が存在しない異世界において、ゼロスはアヴェーラーフなどの香草を独自に配合し、日本の家庭料理に近い味を見事に再現している。
・しかし、ゼロス本人はその出来栄えである辛みや風味にまだ不満を抱いていた。
・彼は究極の味を求めた結果、一舐めで死に至る危険性があり、各国で劇物指定されている超激辛薬草デッドペーニョやデモンペッパーをスパイスとして投入しようと考えるなど、食に対して異常なまでの執念を見せている。

日本食に飢えた転生者たちの暴食

異世界の食事情に苦しんでいたアドたちは、久しぶりのカレーの味に感動した。

・過去にゼロスから魔物素材の天丼を食わされたトラウマから最初は警戒していたものの、郷愁と空腹には勝てなかった。
・特にユイ、リサ、シャクティの女性陣は、行儀や遠慮を一切忘れ、会話すらなく無言でスプーンを動かし続けるという暴食ぶりを見せた。
・多めに作られていた鍋のカレーをあっという間に食い尽くし、恥じらいながらもおかわりを要求したため、ゼロスは二度目のカレーを作らされることになった。

異世界料理の味覚とのギャップ

ゼロスの作る日本風の食事に安堵する一方で、女性陣は異世界の料理に対する不満を語り合っている。

・ユイはハサム村で保護されていた際、スッパラコッテリステーンウという奇妙な名前の煮込み料理を食べさせられていた。
・それは、どろっとした舌触りで、凄く酸っぱい味がした後に、なんともいえない甘みが押し寄せて気分を不愉快にさせる、という日本人の味覚には到底合わない代物であった。
・地方によって食文化が大きく異なる異世界の厳しさが改めて浮き彫りになっている。

豚肉料理への渇望とロック・ボア狩り

食への執着はアドも例外ではない。

・雪山で薬草採取をしている最中、巨大な猪の魔物ロック・ボアに遭遇したアドの脳裏には、とんかつ、豚モツ鍋、生姜焼き、ソーセージ、ベーコンといった懐かしい豚肉料理が次々と駆け巡った。
・魔物の素材には目もくれず、食欲のみに突き動かされたアドは、獰猛な肉食獣のような勢いで巨大な魔物へと襲いかかっている。

魔法とアイテムボックスを活用した調理環境

ゼロスはいつでも快適な食事ができるよう、インベントリー(アイテムボックス)の内部にパン生地などの食料を常備している。

・食事の際には魔法を用いて即席のオーブンを作り出し、どこにいても焼きたてのパンや温かいスープを用意できる環境を整えている。
・現代知識と魔法を掛け合わせた豊かな食生活を実現している。

まとめ

本作における料理再現のエピソードは、過酷な異世界サバイバルにおいて食が持つ精神的な救済としての側面をユーモラスに描いている。ゼロスの徹底的な調合によるカレーの再現や、アドの肉料理への野生的な渇望は、転生者たちの故郷への強い愛着の表れである。また、現地特有の口に合わない奇妙な料理との対比により、現代の調理知識や保存魔法がどれほど贅沢なアドバンテージであるかが際立っており、彼らの旅を支える大きな娯楽にして活力の源として機能している。

地下都市の探索

『アラフォー賢者の異世界生活日記 10』における「地下都市の探索」は、地下遺跡都市イーサ・ランテの未踏エリアである柱の内部と地上を舞台に、転生者と魔導士の少女たちが過酷な防衛戦を繰り広げるエピソードである。

隠された領域への潜入から突発的な魔物との防衛戦、そして地上での想定外の魔法行使がもたらした新たな噂にいたる全容は以下の通りである。

探索の開始と柱の複雑な内部構造

ソリステア魔法王国の調査団としてイーサ・ランテに滞在していたセレスティーナとキャロスティーは、護衛として同行していたアンズとエロムラが怪しい隠し扉へ入っていくのを目撃し、冒険心から彼らを尾行し始めた。

・彼らが踏み込んだ柱の内部は、天井の岩盤を支えると同時に換気口と魔力伝達回路を兼ねた巨大な構造物であり、整備用の通路や階段が迷路のように入り組んでいた。
・アンズとエロムラはゲーム時代の知識から、イーサ・ランテが滅んだ理由をシステムダウンで暴徒化した住民から逃れるため、関係者がこの整備用通路から脱出し、内側からロックして封鎖したと推測しながら迷いなく進んでいく。
・途中で尾行に気づいたアンズたちは、足手まといになるセレスティーナたちと合流し、瀕死回復用のアイテムである身代わり人形を渡して先へ進んだ。

地上の光景と突発的な防衛戦の発生

四人が地上へ続く資材搬入口に到達すると、そこは深い雪に覆われた廃墟と森が広がっており、窓の外ではハイ・オークやグレーター・コボルトなどの強力な魔物が縄張り争いを繰り広げていた。

・さらに、搬入口のシャッターが壊されており、そこからコボルトたちが柱の内部へ侵入してきていることが判明する。
・イーサ・ランテへの魔物の侵入を防ぐため、アンズたちは緊急用の防衛隔壁を閉める作戦に出た。
・アンズが忍者の結界で気配を隠してレバーを操作するが、発報された警報音によって魔物が殺到してしまう。
・エロムラは聖剣カリバーンの力を解放してハイ・コボルトを斬り伏せ、アンズも圧倒的な力で雑魚を一掃していった。

強敵である猪熊蝶の乱入と討伐

そこへ、即死レベルの悪臭を放つ危険なキメラ種である猪熊蝶(ボアヘッド・バタフリーベアー)が乱入してくる。

・アンズはコボルトを囮にして時間を稼ぎつつ、魔物が放った可燃性の放屁ガスに炎を投げ込んで爆発させた。
・さらに、耐性スキルで鱗粉を無効化し、空中からの剣技紫電一閃と奥義影葬連撃三の型 斬影烈閃を叩き込んで強敵を討伐した。
・一方、エロムラもセレスティーナたちと協力し、遅延術式の罠を駆使して残るハイ・コボルトを撃破した。

無事の帰還と都市伝説マダム・メイカーの誕生

無事にイーサ・ランテへと帰還した四人であったが、格上の敵と戦わせて少女たちを危険に晒したとして、エロムラはアンズから物理的なお仕置きを受けることになった。

・これは大事なものを失うマダム化の危機を伴うものであった。
・その後、イーサ・ランテでは素行の悪い傭兵が次々と強制的に性転換させられる事件が頻発する。
・犯人は捕まらないままマダム・メイカーという都市伝説として語られるようになった。

調査団本隊の直面した状況と姿なき巨人の誤認

一方、イーサ・ランテ調査団の本隊は、通気口内部が金属加工技術を持つ強力なゴブリンやオークの巣となっているため、地上遺跡の調査に進めず頭を悩ませていた。

・そんな中、地上で魔物狩りをしていたゼロスとアドが広範囲殲滅魔法(地より吹き出す、零度の息吹、や、輝光閃滅陣、コロナ・ノヴァ、など)を連発して遺跡ごと魔物を吹き飛ばす。
・調査団の隊長たちは、水蒸気越しに映ったゼロスの巨大な影と凶悪な魔法の威力を見た。
・それを姿なき巨人による攻撃だと誤認し、新たな民間伝承が生まれる結果となった。

まとめ

地下都市の探索を巡る一連のエピソードは、未踏エリアの隠された歴史を紐解くスリリングな展開と、転生者たちの規格外の戦闘力がもたらすコミカルな勘違いが融合したものとして描かれている。アンズたちの活躍によってイーサ・ランテへの魔物侵入は防がれたものの、その後の罰ゲームに起因するマダム・メイカーの都市伝説や、ゼロスたちの超魔法を姿なき巨人の仕業と怯える調査団の誤認など、周囲に奇妙な影響を残す結果となった。これらの出来事は、遺跡の持つ厳粛な謎に対して転生者たちが引き起こす規格外の日常が、新たな歴史や伝承として刻まれていく様子をユーモラスに象徴している。

邪神の命名

『アラフォー賢者の異世界生活日記 10』における「邪神の命名」および「邪神アルフィアの命名」は、ゼロスが何気なく行った行動でありながら、邪神が世界の管理者としての権限を取り戻すための重要な転機となるエピソードである。

深夜の面会からゼロスの中二病的なネーミングセンスによる命名、そして名を得たことで発生した世界規模のシステム権限解除にいたる全容は以下の通りである。

深夜の面会と味覚の獲得

サントールへ帰宅した夜半過ぎ、ゼロスは自宅の地下倉庫に設置した培養槽を訪れ、幼女の姿で再生中の邪神と面会した。

・ゼロスは差し入れとして、筒から培養液の中へ飴玉を落とし入れた。
・本来、神(次元管理生命体)は無機質な存在であり味覚を持ち合わせていなかったが、邪神は飴玉を味わい、初めて美味いという感覚を知って大いに喜んだ。

中二病全開のネーミングの決定

いつまでも邪神ちゃんと呼ぶのはおかしいと考えたゼロスは、彼女に名前があるか尋ねたが、彼女は名前を与えられる前に封印されたため名を持っていなかった。

・そこでゼロスは管理者に相応しい名を付けようと必死に考えるが、年甲斐もなく中二病を発症してしまう。
・神、個にして全、アルファにしてオメガ、アルフィア、アルフィア・オメガ、メーガ、メーガス、という連想を経て、最終的にアルフィア・メーガスという名を与えた。
・邪神は響きの良さに納得しつつも、ゼロスの無意識の中二病センスに何か引っかかるものを感じながら、便宜上の名としてそれを受け入れた。

存在の確立と管理権限の解除

この命名は、単なる呼び名の決定にとどまらない世界規模の重大な変化をもたらした。

・ゼロスが去った後、アルフィアは名を与えられたことで自身に組み込まれていたプロテクトが一部解除され、限定的ながらアカシックレコードの閲覧権限や神域へのアクセス権限を得たことに気づく。
・彼女は、名を与えられ他者から認識されることで存在が確立し、管理権限や行使できる力が変化するのだと理解した。

次世代観測者としてのシステム登録と完全復活への道

この影響は、世界の外側にある神域のシステムにも直ちに波及した。

・次世代観測者の個体識別名がアルフィア・メーガスとして固定、記録されたことで、これまでルシフェルたち使徒がまったく干渉できなかった中枢システムのロックが3パーセント解除された。
・これにより現在の管理者権限がアルフィアへと移譲され始め、いまだ力が弱く封印も残っている彼女が正当な管理者として完全復活するための明確な道筋が開かれることとなった。

まとめ

ゼロスによる邪神への命名は、本人の気まぐれな思いつきと中二病的なこだわりから生じたものであったが、世界の根幹を揺るがす極めて重大な神理的意味を持つこととなった。名を持たぬ無機質な神が飴玉を通じて味覚を知り、他者から名前を与えられて存在を確立されたことで、世界のシステムは彼女を次世代観測者アルフィア・メーガスとして正しく認識した。この結果もたらされた3パーセントの権限移譲と中枢ロックの解除は、使徒たちすら干渉できなかった領域を動かす初動となり、彼女が真の管理者へと至るための大いなる第一歩となっている。

勇者の怨念と魔物

『アラフォー賢者の異世界生活日記 10』において、勇者の怨念が魔物へと変貌する過程は、四神の杜撰な世界管理と無責任な行動が生み出した新たな災厄として描かれている。

召喚され利用された末に抹殺された勇者たちの怨念が、風の女神の身勝手な振る舞いによって結晶化され、地上で強大な復讐の魔物へと変貌を遂げるにいたる全容は以下の通りである。

勇者たちの怨念と世界を歪める黒い霧

メーティス聖法神国と四神によって一方的に召喚され、利用された末に抹殺された勇者たちの魂は、輪廻の輪から外れてしまった。

・故郷へ帰れなかった深い悲しみと、四神や聖法神国に対する激しい憎悪を抱えた彼らの魂は、黒い霧(怨念)となって世界を覆い尽くしていた。
・この怨念は、妖精や精霊に悪影響を与え、土を腐らせ、水を燃やし、瘴気の風を吹かせるなど、世界の自然体系や森羅万象を歪めるほどの驚異的な力を撒き散らしていた。

風の女神ウィンディアの無責任な行動と不法投棄

四神の一柱である風の女神ウィンディアは、山脈の上空でこの黒い霧に遭遇する。

・しかし彼女は、それが自分たちが使い捨てた勇者たちの成れの果てであることにも、世界を侵食する危険な存在であることにも気づかなかった。
・ただ単に、鬱陶しい、邪魔、だと感じた彼女は、風の力で黒い霧を一つの黒い結晶に収束させた。
・そして、いらない、と言ってそのまま地上へと投げ捨ててしまった。

復讐の魔物ジャバウォックの誕生

地上に落ちた黒い結晶は、過酷な自然界で捕食されるだけの弱く小さな魔物の前に転がった。

・魔物が結晶を餌と認識して食らいついた瞬間、結晶に宿る膨大な魔力と、勇者たちの抱えるすさまじい憎悪や悲哀、郷愁の念が魔物の体内へと流れ込んだ。
・小さな肉体は急激に肥大化し、勇者たちの怨念は受肉と同時に一つの明確な意識として統合された。
・こうして、四神とメーティス聖法神国に対する破壊と復讐の意思のみを持つ強大な魔物ジャバウォックが誕生したのである。

まとめ

勇者の怨念から魔物ジャバウォックが誕生した一連の出来事は、自らの行いが生み出した負の遺産すら認識できず、ただのゴミとして地上に不法投棄した女神の無責任さが、世界に新たな脅威を生み出してしまった皮肉な連鎖を示している。使い捨てにされた異世界転生者たちの悲痛な郷愁と強烈な憎悪は、神の傲慢な一振りによって皮肉にも最強の復讐者として受肉した。この神々がもたらす歪みと不条理な因果応報は、今後の世界の運命を大きく揺るがす深刻な火種となっている。

観測者との契約

『アラフォー賢者の異世界生活日記 10』における「観測者との契約(聖約)」は、世界の崩壊を防ぐために次世代の観測者であるアルフィア・メーガス(邪神)を完全復活させることを目的として、ゼロスたちと神々との間で結ばれた重要な取り決めである。

勇者召喚がもたらした世界のバグの背景、上位観測者ソウラスとの聖約締結、そして魂の直結にいたる過酷なプロセスの全容は以下の通りである。

契約の背景とシステム正常化の目的

この世界では、無断で繰り返された勇者召喚によって帰還できなかった異世界人の魂が、世界の事象システムに食い込んでバグと化していた。

・この影響でレベルアップシステムが暴走し、生物の限界を超える限界突破や極限突破などの異常な摂理が定着した。
・結果として、異常進化を遂げた凶悪な魔物が大量発生していた。
・事態を収拾して世界のシステムを正常化するには正当な管理者である観測者が必要であるが、次世代の観測者であるアルフィアはまだ未熟であった。
・彼女を完全体に成長させるためには、膨大な存在力(経験値)を吸収させる必要があった。

ソウラスの訪問と聖約の締結

深夜、ゼロスの家のリビングに、上位観測者の分体である少年少女のような存在ソウラスが突然現れる。

・彼はゼロスとアドに対し、アルフィアと契約してほしいと依頼した。
・その内容は、神殺し(イレイザー)の役割を持つゼロスたちが、異常進化した魔物や魔物に憑依して暴れている勇者の魂を討伐することであった。
・そこで得られた存在力をアルフィアへ譲渡(転送)するためのラインを繋ぐという契約である。
・ゼロスとアドは、被害者を救う意味もありリスクがないと判断して、この契約に合意した。

一気の上昇を狙うドラゴン討伐の指令

アルフィアを一気に復活させるための贄として、ソウラスとアルフィアは二人に、北の雪山にいるレイドボスクラスの異常進化種ブリザード・カイザードラゴンの討伐を依頼した。

・ゼロスたちはこの無茶ぶりに反発したものの結局押し切られることとなった。
・この強大な龍王を狩りに行くため、準備を余儀なくされた。

契約の不具合と魂の直結による激痛の発生

その後、ソウラスの調査によって契約のラインに不具合があることが判明する。

・ゼロスたちが得た存在力をアルフィアに譲渡する際、システムに食い込んだ異世界の魂へ力が一部流出してしまっていた。
・これを修正するため、ソウラスはアルフィアのコードとゼロスたちの魂のバイパスを直結する荒療治を行った。
・直結された瞬間、ゼロスとアドの全身には気絶するほどの凄まじい激痛が走った。
・しかし、彼らの肉体は使徒に近い頑丈な造りであったため、死には至らなかった。
・この強引な調整によって聖約のラインは完全に繋がり、ゼロスたちが魔物を狩るたびにその存在力が直接アルフィアへと流れ込むようになった。
・これにより、アルフィアの肉体再構築と完全復活への道が大きく前進することになった。

まとめ

観測者との契約(聖約)を巡る一連のエピソードは、世界のシステムバグを修正するためにゼロスたちが不条理な神の都合に巻き込まれていく過程を如実に示している。システムダウンの回避という大義名分のもと、ブリザード・カイザードラゴンの討伐といった無茶ぶりが下され、さらには魂の直結による凄まじい激痛を伴うなど、契約のプロセスは過酷を極めた。しかし、この聖約によってゼロスたちとアルフィアの間に強固なパスが構築されたことは、世界の正当な管理体制を取り戻し、暴走する世界の摂理を修正するための確かな基盤となっている。

アラフォー賢者9巻レビュー
アラフォー賢者まとめ
アラフォー賢者11巻レビュー

登場キャラクター

転生者・地球の人物

ゼロス(聡)

大賢者の職業を持つ転生者であり、平穏なスローライフを望んでいる。アドやイリスなど他の転生者と同郷である。シャランラは実の姉である。

・所属組織、地位や役職
 無職。傭兵(Sランク)。大賢者。

・物語内での具体的な行動や成果
 スライスト城塞都市の防衛戦に参加し、アドと共にグレート・ギヴリオンを討伐した。四神に対して広範囲殲滅魔法を放った。魔導式モートルキャリッジを開発した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 圧倒的な魔法力と生産技術を持ち、各国の権力者から注目されている。

アド

方向音痴の転生者であり、ユイの幼馴染で婚約者である。ゼロスに丸め込まれて防衛戦に参加させられた。

・所属組織、地位や役職
 イサラス王国の王室顧問魔導士。賢者。

・物語内での具体的な行動や成果
 ハサム村でユイと再会を果たした。スライスト城塞都市の防衛戦でゼロスと共闘した。デルサシス公爵との交渉に臨んだ。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 イサラス王国の食糧事情を改善し、国賓待遇を受けている。サントールへ移住した。

ユイ

アドの幼馴染であり婚約者である。アドのことしか頭になく、非常に嫉妬深い。

・所属組織、地位や役職
 不明。

・物語内での具体的な行動や成果
 妊娠した状態で異世界に転移した。ハサム村で保護されていた。アドと再会した際、彼が別の女性を連れていたことに激しい嫉妬を覚え、妖刀を用いてアドを追い回した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 アドと共にサントールへ向かった。

リサ

アドと行動を共にする転生者の魔導士である。常識的な思考を持つ。

・所属組織、地位や役職
 イサラス王国の王室顧問魔導士。

・物語内での具体的な行動や成果
 アドと共にイサラス王国を出発し、スライスト城塞都市の防衛戦を経験した。ハサム村でアドとユイの修羅場に巻き込まれた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 イサラス王国で氷室の作成など生活向上に貢献している。

シャクティ

弁護士を目指していた転生者である。アドと行動を共にしている。

・所属組織、地位や役職
 イサラス王国の王室顧問魔導士。

・物語内での具体的な行動や成果
 スライスト城塞都市の防衛戦を経験した。ハサム村でウルのアドへの片思いを冷静に分析した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 歴史資料を精査し、都合のよい歴史や虚偽を見抜く洞察力を持つ。

エロムラ

ツヴェイトと行動を共にする転生者の少年である。エロ好きである。

・所属組織、地位や役職
 ツヴェイトの護衛。ブレイブ・ナイト。

・物語内での具体的な行動や成果
 奴隷の身分から解放され、ツヴェイトの護衛として雇われた。イーサ・ランテでアンズと共に防衛戦を行った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 護衛をしくじった罰としてアンズから制裁を受けた。

アンズ

忍び装束を着た転生者の少女である。感情をあまり表に出さない。

・所属組織、地位や役職
 暗殺者パーティー【影六人】の一人。ツヴェイトの護衛。

・物語内での具体的な行動や成果
 イーサ・ランテの柱の内部で魔物の侵攻を単独で防いだ。エロムラに物理的なお仕置きをした。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 女子生徒たちから神出鬼没の商人として重宝されている。

シャランラ(シャーラ)

ゼロスの実の姉である転生者である。自己中心的な性格を持つ。

・所属組織、地位や役職
 暗殺者。

・物語内での具体的な行動や成果
 若返りの薬の副作用で寿命が縮んでおり、ゼロスを逆恨みして復讐を企てた。ゼロスによってバイクで轢き飛ばされた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 公爵家の血縁者を暗殺しようとした罪で指名手配されている。

ガンテツ

武器製作を得意とする転生者である。自爆機能を好む。

・所属組織、地位や役職
 【青の殲滅者】。鍛冶師。

・物語内での具体的な行動や成果
 ボンバー内藤が使用する装備【バスター・グングニル】を製作した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 作中ではゼロスやアドの回想に登場する。

テッド

アドの後輩の転生者である。ユイに告白して振られ、引きこもりになった。

・所属組織、地位や役職
 【緑の殲滅者】。死霊術師。

・物語内での具体的な行動や成果
 呪いのアイテム【利亜獣滅術死】七点セットをアドに送りつけた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 作中ではゼロスやアドの回想に登場する。

カノン

薬物専門の調合師である転生者である。

・所属組織、地位や役職
 【白の殲滅者】。調合師。

・物語内での具体的な行動や成果
 魔法薬を大量に製作して他のプレイヤーに売りつけ、実験を繰り返していた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 作中ではアドの回想に登場する。

ブロス

獣人族の女性をこよなく愛する転生者である。ケモ・ラビューンの弟子である。

・所属組織、地位や役職
 【野蛮人】。獣人族を束ねる英雄。

・物語内での具体的な行動や成果
 ヤーバン城を築き、メーティス聖法神国の砦を落とした。アドと相互不干渉の同盟を結んだ。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 17人の獣人族の妻を持つ。

殲滅者

ゼロスを含む5人のトッププレイヤーのパーティーである。独自の理念に基づいて行動する愉快犯である。

・所属組織、地位や役職
 なし。全員が大賢者。

・物語内での具体的な行動や成果
 数々の高難易度クエストを攻略し、悪質なプレイヤーギルドを壊滅させた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 作中では回想として登場する。

影六人

アンズが所属する暗殺者パーティーである。殲滅者に近い危険性を持つ。

・所属組織、地位や役職
 高レベル忍者パーティー。

・物語内での具体的な行動や成果
 様々な敵を瞬殺してきた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 作中では回想や説明として登場する。

ソリステア魔法王国・イストール魔法学院

デルサシス・ヴァン・ソリステア公爵

ソリステア公爵領の現領主であり、辣腕の政治家である。

・所属組織、地位や役職
 ソリステア公爵領領主。ソリステア商会会長。

・物語内での具体的な行動や成果
 アドと魔導式モートルキャリッジの生産を交渉材料にした取引を行った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 裏社会の組織を壊滅させ、自らの傘下に取り込んでいる。

クレストン

ソリステア公爵家の前当主である。セレスティーナを溺愛している。

・所属組織、地位や役職
 元ソリステア公爵。

・物語内での具体的な行動や成果
 イーサ・ランテの調査を指揮し、地下街道工事の査察を行った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ゼロスを家庭教師として雇い入れた。

セレスティーナ

ソリステア公爵家の娘であり、ゼロスの弟子である。

・所属組織、地位や役職
 イストール魔法学院の学院生。

・物語内での具体的な行動や成果
 イーサ・ランテの調査に参加し、アンズたちを尾行して魔物との戦闘に巻き込まれた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 魔導天使と呼ばれ、裏でファンクラブが結成されている。

キャロスティー

サンジェルマン侯爵の娘である。セレスティーナの友人である。

・所属組織、地位や役職
 イストール魔法学院の学院生。

・物語内での具体的な行動や成果
 イーサ・ランテの調査に参加し、セレスティーナと共に魔物との戦闘に巻き込まれた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 古き時代の賢者に強い憧れを抱いている。

ツヴェイト

ソリステア公爵家の長男である。ゼロスの弟子である。

・所属組織、地位や役職
 イストール魔法学院の学院生。

・物語内での具体的な行動や成果
 イーサ・ランテの調査に参加し、都市の防衛構造の検証を行った。エロムラを護衛として雇った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 魔導士団の改革案を提出し、採用された。

ディーオ

ツヴェイトの友人である。セレスティーナに想いを寄せている。

・所属組織、地位や役職
 イストール魔法学院の学院生。ウィースラー派。

・物語内での具体的な行動や成果
 ツヴェイトと共にイーサ・ランテの調査に参加し、戦術の検証を行った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

イサラス王国

国王

イサラス王国の国王である。小心者である。

・所属組織、地位や役職
 イサラス王国国王。

・物語内での具体的な行動や成果
 アドに内政の相談事を持ち込み、依存していた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 アドたちを国賓として迎え入れた。

軍閥の将軍達

戦争を推進する強硬派である。

・所属組織、地位や役職
 イサラス王国の将軍。

・物語内での具体的な行動や成果
 作中に具体的な行動の描写は少ないが、戦争を企てている。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

戦争推進派

イサラス王国で他国への戦争を企てる派閥である。

・所属組織、地位や役職
 イサラス王国の派閥。

・物語内での具体的な行動や成果
 アドたちの知識や力を利用し、人質を取る可能性が危惧されていた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

メーティス聖法神国

勇者達

メーティス聖法神国によって異世界から召喚された若者たちである。

・所属組織、地位や役職
 メーティス聖法神国の勇者。

・物語内での具体的な行動や成果
 魔族の国への侵攻に参加したが、敗北して逃走した。一部の者はゼロスから真実を知らされ、聖法神国を裏切った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 神国からの優遇を受けていたが、真実を知り離反する者が現れた。

サントールの街・教会

ルーセリス

サントールの教会で養護院を運営する見習い神官である。ゼロスに惹かれている。

・所属組織、地位や役職
 四神教の見習い神官。

・物語内での具体的な行動や成果
 子供たちの世話をし、ゼロスから食材などの援助を受けている。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

カイ

養護院で暮らす孤児の少年である。肉への執着が強い。

・所属組織、地位や役職
 養護院の子供。

・物語内での具体的な行動や成果
 ゼロスからの差し入れの肉に飛びつき、ルーセリスに叱られた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

イリス

ゼロスと同郷の転生者である。好奇心が強い少女である。

・所属組織、地位や役職
 傭兵。魔導士。

・物語内での具体的な行動や成果
 ゼロスと行動を共にし、大図書館での調査や妖精討伐に同行した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ジャーネ

イリスと行動を共にする女性傭兵である。

・所属組織、地位や役職
 傭兵。剣士。

・物語内での具体的な行動や成果
 イリスと共に養護院に居候し、ポーション作りを手伝った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ジョニー

養護院で暮らす孤児の少年である。

・所属組織、地位や役職
 養護院の子供。

・物語内での具体的な行動や成果
 傭兵ギルドで情報収集を行った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

アンジェ

養護院で暮らす孤児の少女である。

・所属組織、地位や役職
 養護院の子供。

・物語内での具体的な行動や成果
 カエデと共にオークやロック・シェルを討伐した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 赤毛のアンジェと呼ばれるようになった。

ラディ

養護院で暮らす孤児の少年である。

・所属組織、地位や役職
 養護院の子供。

・物語内での具体的な行動や成果
 狩りに失敗した傭兵から話を聞き出し、反省点を学んだ。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

レナ

イリスと行動を共にする女性傭兵である。少年好きである。

・所属組織、地位や役職
 傭兵。

・物語内での具体的な行動や成果
 イリスと共に養護院に居候した。通りすがりの少年に目移りしてウーケイ達に連行された。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

メイア

ルーセリスの母親である。

・所属組織、地位や役職
 元アルトム皇国の皇族。

・物語内での具体的な行動や成果
 浮気を疑われて国を追放され、魔物に襲われて重傷を負い、メルラーサに助けられた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 作中では回想や説明として登場する。

ルセイ

アルトム皇国の将軍である。ルーセリスと瓜二つの容姿を持つ。

・所属組織、地位や役職
 アルトム皇国特務戦士団の将。【黒天将軍】。

・物語内での具体的な行動や成果
 ソリステア魔法王国の使節団を出迎えた。ゼロスに護衛され皇都へ向かった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

メルラーサ司祭長

孤児や路上生活者のために養護院を運営する豪快な司祭である。

・所属組織、地位や役職
 四神教の司祭長。

・物語内での具体的な行動や成果
 魔物に襲われたメイアを助け、ルーセリスを育てた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 放蕩司祭と呼ばれ、裏社会からも一目置かれている。

ベラドンナ

娼館の女店長である。

・所属組織、地位や役職
 娼館の店長。

・物語内での具体的な行動や成果
 クーティーをクビにしようとした。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

クーティー

娼館で働く女性である。推理小説に影響されやすい。

・所属組織、地位や役職
 娼館の従業員。元傭兵。

・物語内での具体的な行動や成果
 ゼロスを盗人扱いして咎められた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ザボン

オーラス大河で働く漁師である。

・所属組織、地位や役職
 漁師。

・物語内での具体的な行動や成果
 川で助けたシャランラに恋をしたが、金品を盗まれて逃げられた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

傭兵ギルド

ギルドマスター

傭兵ギルドを運営する責任者である。

・所属組織、地位や役職
 傭兵ギルドのギルドマスター。

・物語内での具体的な行動や成果
 スライストでグレート・ギヴリオン襲来に対する対策本部を運営した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

受付嬢

傭兵ギルドの窓口を担当する職員である。会話にラップ調を挟む癖がある。

・所属組織、地位や役職
 傭兵ギルド受付嬢。

・物語内での具体的な行動や成果
 アドに傭兵規約の講習をラップやデスメタルで説明した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

モンブラン

巨漢の大剣使いである。自分の名前にコンプレックスがある。

・所属組織、地位や役職
 クラン【森の鷹】。Bランク傭兵。

・物語内での具体的な行動や成果
 アドの最初の対戦相手として挑んだが、一瞬で倒された。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

シャギー

モヒカン頭の傭兵である。

・所属組織、地位や役職
 クラン【森の鷹】。

・物語内での具体的な行動や成果
 モンブランに続いてアドに挑んだが、あっさりと倒された。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

森の鷹

モンブランやシャギーが所属する傭兵のクランである。

・所属組織、地位や役職
 傭兵クラン。

・物語内での具体的な行動や成果
 アドに手合わせを挑んだが、実力差を見せつけられた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

神・観測者・使徒

アルフィア・メーガス(邪神)

創世神が作り出した次元管理生命体である。ゼロスに名を与えられた。

・所属組織、地位や役職
 次世代の観測者。次元管理生命体。

・物語内での具体的な行動や成果
 ゼロスの地下倉庫の培養槽で再生中である。勇者の魂を取り込み、肉体の再構築を進めている。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 名を得たことでシステムのロックが一部解除され、管理権限が移譲され始めている。

ルシフェル

他世界の観測者から送り込まれた使徒である。ケモさんに翻弄されている。

・所属組織、地位や役職
 使徒。

・物語内での具体的な行動や成果
 漆黒流星ギヴリオンの偽装を解除し、本来の姿に戻った。神域の管理システム掌握を試みている。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ソウラス

上位観測者の分体である。少年のような姿をしている。

・所属組織、地位や役職
 次元管理神。

・物語内での具体的な行動や成果
 ゼロス達に接触し、アルフィア復活のための契約を結んだ。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ヴェルサシス

一級次元管理神である。漆黒の魔神の姿をしている。

・所属組織、地位や役職
 一級次元管理神。

・物語内での具体的な行動や成果
 ルシフェルの応援として神域に現れ、システム掌握を援護した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

プロトゼロ

白銀のドラゴンの姿をしたガーディアンである。

・所属組織、地位や役職
 観測者直轄のガーディアン。

・物語内での具体的な行動や成果
 ルシフェルの応援として現れ、アルフィアの覚醒状況を報告した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

観測者『ケモさん』

ルシフェルの上司である上位観測者である。タチの悪い愉快犯である。

・所属組織、地位や役職
 観測者。

・物語内での具体的な行動や成果
 ゼロスやルシフェルを異世界へ送り込み、様々な悪戯を仕掛けている。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ロキ

暴れることに向いた神である。

・所属組織、地位や役職
 悪神。

・物語内での具体的な行動や成果
 助っとして神域に現れたが、システム掌握には役立たないとして追い返された。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

アレス

暴れることに向いた神である。

・所属組織、地位や役職
 神。

・物語内での具体的な行動や成果
 助っとして神域に現れたが、追い返された。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

トール

暴れることに向いた神である。

・所属組織、地位や役職
 雷神。

・物語内での具体的な行動や成果
 助っとして神域に現れたが、追い返された。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

スサノオ

暴れることに向いた神である。

・所属組織、地位や役職
 神。

・物語内での具体的な行動や成果
 助っとして神域に現れたが、追い返された。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ポセイドン

暴れることに向いた神である。

・所属組織、地位や役職
 神。

・物語内での具体的な行動や成果
 助っとして神域に現れたが、追い返された。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ウィンディア

四神の一柱である。風の女神である。

・所属組織、地位や役職
 四神。風の女神。

・物語内での具体的な行動や成果
 勇者の怨念である黒い霧を不法投棄し、ジャバウォックを生み出した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

フレイレス

四神の一柱である。火の女神である。

・所属組織、地位や役職
 四神。火の女神。

・物語内での具体的な行動や成果
 漆黒流星ギヴリオンの怪光線を受けてアフロヘアーになった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

アクイラータ

四神の一柱である。水の女神である。

・所属組織、地位や役職
 四神。水の女神。

・物語内での具体的な行動や成果
 ゼロス達に攻撃を受けて逃亡した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ガイラネス

四神の一柱である。大地の女神であり、引きこもりである。

・所属組織、地位や役職
 四神。大地の女神。

・物語内での具体的な行動や成果
 神域で眠り続けている。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

アルケミア神

生産職の隠しイベントに登場する神である。

・所属組織、地位や役職
 神。

・物語内での具体的な行動や成果
 作中ではシャクティの回想に登場し、魔導錬成のスキルを与えた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

創世神

世界を創造した存在である。

・所属組織、地位や役職
 創造主。

・物語内での具体的な行動や成果
 邪神を封印し、四神に管理権限を分割して与えた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 作中では回想や説明として登場する。

使い魔・魔物

ウーケイ

ゼロスの使い魔である。武闘派のコッコである。

・所属組織、地位や役職
 使い魔。グラップルマスター・コッコ。

・物語内での具体的な行動や成果
 レナを連行したり、盗賊を討伐したりした。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 村人から聖獣として崇められるようになった。

コッコ達

ゼロスの使い魔である変異種のワイルド・コッコ達である。

・所属組織、地位や役職
 使い魔。

・物語内での具体的な行動や成果
 傭兵ギルドで暴れた傭兵を成敗し、子供達の狩りに同行した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 三武鶏として伝説を作った。

ジャバウォック

四神に使い捨てられた勇者達の怨念が受肉した魔物である。

・所属組織、地位や役職
 魔物。

・物語内での具体的な行動や成果
 ウィンディアが地上に捨てた黒い結晶を魔物が取り込んだことで誕生した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ボアヘッド・バタフリーベアー

猪の頭、熊の体、蝶の翅を持つ危険なキメラ種の魔物である。

・所属組織、地位や役職
 キメラ種の魔物。

・物語内での具体的な行動や成果
 イーサ・ランテの搬入口に乱入し、悪臭ガスを放ってアンズ達を襲撃した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 アンズの奥義によって討伐された。

ジャイアントロドリゲス・グレートムッハーパンダ

タチの悪い魔物として知られる存在である。

・所属組織、地位や役職
 魔物。

・物語内での具体的な行動や成果
 作中では猪熊蝶の次に警戒される魔物として名前のみ登場する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ボマーゴロン

ガンテツが自爆武器を作るきっかけとなった魔物である。

・所属組織、地位や役職
 魔物。

・物語内での具体的な行動や成果
 作中ではゼロスの回想に登場する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ハイ・オークロード

オークの上位種である。

・所属組織、地位や役職
 魔物。

・物語内での具体的な行動や成果
 作中ではイーサ・ランテの地上でオークが組織的な動きをしている理由として名前のみ登場する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ハイ・オークジェネラル

オークの上位種である。

・所属組織、地位や役職
 魔物。

・物語内での具体的な行動や成果
 作中ではイーサ・ランテの地上でオークが組織的な動きをしている理由として名前のみ登場する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ハイ・オークナイト

ハイ・オークの上位種である。

・所属組織、地位や役職
 魔物。

・物語内での具体的な行動や成果
 イーサ・ランテの地上でコボルト達と縄張り争いを繰り広げていた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ハイ・オーク

オークの上位種である。

・所属組織、地位や役職
 魔物。

・物語内での具体的な行動や成果
 イーサ・ランテの地上でコボルト達と縄張り争いを繰り広げていた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

グレーター・コボルト

ハイ・コボルトが進化した大型の魔物である。

・所属組織、地位や役職
 魔物。

・物語内での具体的な行動や成果
 イーサ・ランテの地上でオークに襲いかかっていた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ハイ・コボルト

コボルトの上位種である。

・所属組織、地位や役職
 魔物。

・物語内での具体的な行動や成果
 イーサ・ランテの内部へ侵入し、エロムラやアンズと交戦した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

コボルト達

集団で行動する犬の頭部を持つ人型の魔物である。

・所属組織、地位や役職
 魔物。

・物語内での具体的な行動や成果
 イーサ・ランテの搬入口から侵入し、防衛隔壁が閉まるのを阻もうとした。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ロック・ボア

岩のような外皮を持つ巨大な猪の魔物である。

・所属組織、地位や役職
 魔物。

・物語内での具体的な行動や成果
 雪山で雪咲草の根を狙って現れ、豚肉料理に飢えたアドに狩られた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ギヴリーズ

G系統の魔物の総称である。

・所属組織、地位や役職
 魔物の群れ。

・物語内での具体的な行動や成果
 防衛陣形を組み、ゼロス達の行く手を阻んだ。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

不気味生物

ダンジョンで魔物達が栽培していた謎の生物である。

・所属組織、地位や役職
 生物。

・物語内での具体的な行動や成果
 ゼロスとアドに恐怖を与え、彼らが現実逃避で魔物を殺戮する原因となった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

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アラフォー賢者9巻レビュー
アラフォー賢者まとめ
アラフォー賢者11巻レビュー

展開まとめ

プロローグ おっさん、ゆっくりサントールを目指す 

サントールへの道と魔導式モートルキャリッジ計画

ゆっくり進む一行

ハサム村を出たゼロス達は、サントールへ向かっていた。本来なら二日で着く距離だったが、妊婦であるユイへの負担を考え、三日かけて進むことにした。アドの【軽ワゴン】は座席こそ柔らかいものの振動が強く、街道の凹凸も多かったため、安全を優先して速度を落としていた。

野営地のカレー

一行はサントール手前の野営地で、二度目の野営を行った。ゼロスが作ったカレーは、アドやユイ達にとって久しぶりの懐かしい味だった。ゲテモノ料理の記憶から具材への不安はあったが、空腹と日本食への郷愁には勝てず、彼らはカレーを美味しく食べていた。

カレー粉へのこだわり

ゼロスは、自分の作ったカレー粉の配合にまだ不満を抱いていた。地球のカレーに似た香草や香辛料を使い、かなり近い味を再現していたが、本人は辛みや風味が足りないと考えていた。アドは十分カレーだと評価したが、ゼロスは危険な辛味植物の使用まで考え始めた。

危険すぎる香辛料

ゼロスが候補に挙げた【デッドペーニョ】や【デモンペッパー】は、薬草の実でありながら劇物扱いされるほど危険な刺激物だった。乾燥や粉末化で凶悪な刺激成分を発生させ、周囲を地獄に変えるほどの効果を持っていた。アドは、料理に使うには危険すぎると止めようとした。

車の設計図

アドは、ゼロスが描いている写生板の図面に気づいた。それは公爵との取引に使う車の設計図であり、ダイムラー・モトキャリッジを元にした簡素な構造だった。ゼロスは、いきなり軽ワゴンのような高性能品を作るのではなく、技術水準に合わせた魔導式モートルキャリッジを提案しようとしていた。

公爵との交渉不安

アドは、デルサシス公爵との交渉に強い不安を感じていた。公爵は商才と武闘派の顔を併せ持つ切れ者であり、アドには対等に交渉できる自信がなかった。さらに、ユイを人質として利用される可能性も恐れていたが、ゼロスは公爵が国益と利益を重んじる紳士でもあるため、敵対しない限り信用できると見ていた。

ユイを守る後ろ盾

ゼロスは、ユイをイサラス王国へ連れて行くのは危険だと考えていた。高地で環境も悪く、戦争推進派にユイの存在を知られれば人質にされる恐れもあった。だからこそ、信用できるデルサシス公爵と取引し、アドの立場を安定させながら、イサラス王国にも利益を与える道を探るべきだと説明した。

魔導式モートルキャリッジ

ゼロスとアドは、魔導式モートルキャリッジの生産について話し合った。魔導モーターやライトなどは錬金術師の分野となり、細かな部品は鍛冶師の技術に頼る必要があった。すぐに大量生産はできないが、職人や錬金術師の技術向上と雇用につながる可能性があった。

技術発展の時間

ゼロスは、自分達がすべてを教えるのではなく、手本を示した後は現地の技術者達に発展させるべきだと考えていた。賢者や大賢者が弟子を取れば注目を集めすぎ、自由に生きることが難しくなるためである。技術は経験と失敗の積み重ねで磨かれるものであり、急激な発展ではなく段階的な成長が必要だった。

止まらないおかわり

真面目な話をしている間に、ユイ、リサ、シャクティはカレーを凄まじい勢いで食べ尽くしていた。日本食に飢えていた彼女達は、行儀や遠慮を忘れて無言で匙を動かし続けた。やがて三人は恥ずかしそうに皿を差し出し、おかわりを求めたため、ゼロスは二度目のカレーを作ることになった。

第一話 探索の結果、地上は危険地帯だった 

柱内部の追跡と地上の魔物

迷路のような柱内部

セレスティーナとキャロスティーは、エロムラとアンズの後を追ってイーサ・ランテの柱内部へ入った。しかし内部は迷路のように入り組み、階層ごとに別の階段を探す必要があった。二人は何度も見失いそうになりながら、体力を削られつつ尾行を続けた。

滅亡の推測

エロムラとアンズは迷わず進みながら、イーサ・ランテが滅んだ理由を推測していた。街のシステムが止まり、住民が混乱して暴徒化し、整備関係者が工事用通路から逃げて内部を封鎖した可能性を語った。セレスティーナ達は、二人がこの遺跡の構造や過去を知っているかのように話す姿に、ゼロスと同じ謎めいた雰囲気を感じた。

生きていた通路

エロムラとアンズは、柱が換気口と魔力伝達回路を兼ねた巨大構造物であり、作業員用通路が存在すると考えて進んでいた。途中のエレベーターは壊れていたが、照明や換気システムは一部生きていた。二人はゲーム時代の記憶を頼りに、地表へ向かう経路を進んでいた。

尾行の露見

エロムラとアンズは、後ろからつけてくる気配に気づいていた。ここから先が未知の領域であるため、放置すれば危険だと判断し、追跡者に声をかけた。返事がなかったため、エロムラが【エクスプロード】を撃つふりをすると、セレスティーナとキャロスティーが慌てて姿を現した。

足手まといの同行

アンズとエロムラは、軽装で未踏区域へ入った二人を無謀だと叱った。セレスティーナ達は未発見の場所を見過ごせなかったと弁明したが、報告せずに追ってきた時点で危険を背負うことになっていた。結局、迷わせるよりは同行させるしかなく、二人には身代わり人形が渡された。

エロムラの古傷

道中、アンズはエロムラの過去の失敗や女好きな言動を遠慮なく突いた。さらに自分の兄の問題行動まで語り、エロムラを精神的に追い詰めた。セレスティーナとキャロスティーからも白い目を向けられ、エロムラは自業自得ながら深く傷ついていた。

雪に埋もれた地上

四人は迂回や瓦礫の排除を繰り返し、ついに地上の換気施設へ到達した。外には廃墟となった街並みと森が広がり、山岳地帯らしく深い雪が積もっていた。地上に出るには雪をどうにかする必要があり、外の安全も確認できない状況だった。

争う上位種

窓の外には、武器を持った【ハイ・オーク】や【ハイ・オークナイト】、さらに【グレーター・コボルト】の姿があった。魔物達は統率された動きで互いに争っており、低レベルのセレスティーナ達が踏み込める場所ではなかった。アンズは楽勝と見ていたが、エロムラは自分達には荷が重いと警戒した。

アンズの実力

エロムラは、アンズが【影六人】の一人であり、自分より遥かに強い最上位者だと説明した。アンズは【世界樹の実】でさらにレベルを上げており、【殲滅者】に次ぐほどの実力を持つ忍者だった。セレスティーナ達は、小柄な彼女がゼロスに匹敵するほどの存在だと知り、驚いた。

大賢者への憧れ

キャロスティーは、セレスティーナがゼロスに師事していたことを知り、強く羨んだ。だがアンズとエロムラは、ゼロスが一般的な賢者像とはかけ離れた自由人であり、権力で囲い込める人物ではないと語った。キャロスティーは憧れと現実の差に戸惑いながらも、ゼロスへの関心を深めた。

侵入したコボルト

寒さと危険を考え、一行は戻るべきだと判断しかけた。しかし通路の奥に、二頭の【ハイ・コボルト】が現れた。施設内に魔物が侵入していることが判明し、エロムラは足手まといを抱えたまま迎撃の体勢を取った。

第二話 アンズとエロムラの防衛戦? 

搬入口の攻防と猪熊蝶の乱入

侵入したコボルト

コボルトは集団戦に優れ、上位種がいるだけで組織的に動く厄介な魔物だった。エロムラは【鑑定】で敵を調べたが、この世界では表示にエラーが出ており、ゲーム時代の情報が当てにならないことに違和感を覚えた。アンズは鑑定に頼りすぎる危険を指摘し、仲間を呼ばれる前に始末しようとした。

疾風迅雷の失敗

逃げようとしたコボルト達に対し、アンズとエロムラは即座に攻撃を仕掛けた。アンズは冷静にハイ・コボルトを斬り捨てたが、エロムラは【疾風迅雷】でコボルトを倒した直後、減速できず壁に激突した。アンズは技の選択を誤ったと指摘し、エロムラは咄嗟だったと弁明した。

認識への違和感

エロムラは魔物を解体しながら、血や死体に嫌悪感を覚えない自分に違和感を抱いた。現代日本で生きていた頃なら耐えられなかったはずなのに、異世界では平然と素材を剥ぎ取れていた。彼は、転移の影響で認識が書き換えられたのではないかと疑い始めた。

アンズの方針

アンズは、侵入経路を塞いで逃げることを優先すべきだと判断した。セレスティーナとキャロスティーを連れて戻るには危険が大きく、エロムラには二人の護衛役を任せた。アンズは自分が戦闘を担当し、エロムラを壁役として扱った。

搬入口の異変

四人は柱の中を進み、地上と地下を結ぶ資材搬入口に到達した。そこではシャッターが壊され、コボルト達が隙間から内部へ侵入していた。イーサ・ランテに魔物が入り込めば大きな被害につながるため、エロムラ達は隔壁を閉める必要に迫られた。

消臭封音結界

コボルト達は外でオークと戦っており、仲間を呼ばれて乱戦になれば危険だった。アンズは【消臭封音結界】で気配を隠し、エロムラの【スリープミスト】で残ったコボルト達を眠らせる作戦をとった。眠らなかった個体は、アンズが三階相当の高さから飛び降りながら苦無で仕留めた。

届かないレバー

アンズは緊急用の隔壁レバーを操作しようとしたが、身長が足りずに手が届かなかった。セレスティーナ達はその姿に保護欲をかき立てられたが、アンズは飛び上がってレバーを下げた。警告音が鳴り、隔壁がゆっくりと閉まり始めた。

警報と再襲撃

警報音によって眠っていたコボルト達が目覚め、外へ出ていた個体も戻ってきた。コボルト達は壁を這い上がり、エロムラ達のいる通路まで迫った。アンズは【影分身】で次々と敵を倒し、エロムラも【カリバーン】を起動して迎撃に入った。

聖剣の力

エロムラは【カリバーン】の力と身体強化、雷属性付与を重ね、コボルト達を斬り伏せた。仕留め損ねた一体がセレスティーナ達へ向かったが、二人は魔法でわずかに足止めした。その隙にエロムラは【斬鉄剣】で敵を斬り捨て、中堅プレイヤーとしての実力を見せた。

アンズの無双

エロムラが下を確認すると、アンズはすでに大量のコボルトを倒し、血の海の中で平然としていた。セレスティーナとキャロスティーは、支援攻撃によって格が上がった感覚を覚えた。アンズの圧倒的な強さは、エロムラにも自分の存在意義を疑わせるほどだった。

猪熊蝶の乱入

隔壁が閉まりかけたところで、巨大なキメラ種【猪熊蝶】がシャッターを破って乱入した。猪の頭、熊の体、蝶の翅を持つ異様な魔物であり、悪臭による状態異常で知られる危険な存在だった。アンズは隔壁が閉じるまでの時間稼ぎを優先し、コボルトを叩き落としながら戦況を維持しようとした。

第三話 そして、都市伝説へ ~エロムラ、お仕置きされ る~ 

隔壁の攻防とマダム・メイカー

ボアヘッドの脅威

【ボアヘッド・バタフリーベアー】は、動くものを執拗に襲う獰猛な魔物だった。腕力と耐久力が高く、エロムラ単独では相手が悪かったため、彼はセレスティーナ達に奥の通路へ逃げるよう強く指示した。二人は納得しきれなかったが、アンズの足手まといになると理解し、退避を選んだ。

アンズの本気

アンズはコボルトを囮にしながら、【ボアヘッド・バタフリーベアー】の注意を引きつけた。苦無や手裏剣を消費しながらも、【陽炎幻影斬】でコボルトを次々と斬り伏せた。隔壁が閉じるまでの時間を稼ぐため、彼女は搬入口へ殺到する魔物を確実に減らしていった。

悪臭の放屁

【ボアヘッド・バタフリーベアー】は放屁攻撃を放ち、黄色いガスを周囲へまき散らした。嗅覚の鋭いコボルト達はその悪臭で悶え苦しみ、倒れていった。アンズはそのガスに炎を投げ込み、可燃性の悪臭ガスを爆発させて魔物に大きな損傷を与えた。

焼けた素材

炎に包まれた【ボアヘッド・バタフリーベアー】は、黒焦げになりながらも立ち上がった。アンズは毛皮を売るつもりだったが、火で傷めてしまったため資金面では失敗したと考えた。ゲームとは違い、現実では素材を傷めれば価値が下がることを改めて確認した。

影葬連撃

【ボアヘッド・バタフリーベアー】は翅で飛び、麻痺や幻覚を誘う鱗粉を撒いた。しかし耐性を持つアンズには通じず、彼女は【紫電一閃】で空中の魔物を斬り裂いた。さらに【影葬連撃三の型 斬影烈閃】で連続攻撃を叩き込み、魔物を仕留めた。

エロムラの罠

一方、通路側には二体のハイ・コボルトが迫っていた。エロムラはセレスティーナ達と協力して遅延術式の罠を仕掛け、【アイギス】と【ブレイブハート】を発動した。障壁と拘束魔法で敵の動きを止め、エロムラは【雷鳴剣】で一体を倒した。

三人の連携

残る一体には、エロムラが【十字煉華】を叩き込み、セレスティーナとキャロスティーが遅延術式の魔法で追撃した。三人は危ういながらもハイ・コボルトを撃破した。だが、格上の敵との戦いで二人は急激に格が上がり、強い倦怠感に襲われて座り込んだ。

アンズのお仕置き

戻ってきたアンズは、エロムラが二人を危険にさらしたと判断し、お仕置きを宣告した。エロムラは同格の敵を相手に必死だったと訴えたが、アンズは冷静さを欠いた戦い方を減点対象とした。彼女は本気で彼を追い詰め、エロムラは悲鳴を上げながら逃げ出した。

行方不明の令嬢達

翌日、セレスティーナとキャロスティーが戻らないことで、調査団では騒ぎが起きていた。ディーオはセレスティーナを心配し、ツヴェイトはエロムラとアンズも戻っていないことから一緒に行動していると考えた。二人は、エロムラ達が向かった柱を調べに行くことにした。

柱からの帰還

ツヴェイト達が柱の隠し扉を探していると、そこからセレスティーナ達が無事に現れた。彼女達は地上へ続く搬入口で魔物が侵入していたことや、アンズ達が危機を防いだことを説明した。ツヴェイト達は、知らないうちにイーサ・ランテが危険な状況にあったと知り、表情を険しくした。

怯えるエロムラ

遅れて現れたエロムラは、青い顔で股間を押さえ、怯えながら歩いてきた。アンズのお仕置きで大事なものを失いかけたらしく、精神的に大きな傷を負っていた。ツヴェイトとディーオは、アンズを怒らせてはならないと心に誓った。

マダム・メイカー

その後、セレスティーナ達は衛兵に事情を聞かれ、厳しく叱られた。アンズだけは姿を消していたが、以後イーサ・ランテでは素行の悪い傭兵達が次々とマダムに変えられる事件が起きた。犯人は捕まらず、人々から感謝される謎の存在は、やがて【マダム・メイカー】という都市伝説になった。

第四話 おっさん、アドパーティーを連れてサントールの 街へ到着す 

サントール到着前の道中

寝不足の部品作り

ゼロスとアドは、見張りの合間に魔導錬成で車の部品を作り続け、ほとんど眠れないまま朝を迎えた。事故を避けるため出発を昼前に遅らせたが、睡眠不足のまま【ハーリー・サンダース十三世】と【軽ワゴン】でサントールを目指すことになった。

軽ワゴンの女子会

軽ワゴンでは、ユイ、リサ、シャクティが前夜の作業を曲解し、アドとゼロスの関係を疑うような話で盛り上がっていた。アドは運転に集中しながらも、同性愛疑惑を押しつけられて疲弊していた。ゼロスは関わると面倒になると判断し、バイクで先導する立場を守っていた。

見捨てられたアド

休憩時、アドはゼロスが助けてくれなかったことを責めた。だがゼロスは関わりを避け、アドとの関係はギブ・アンド・テイクだと冷静にかわした。そのやり取りも女性陣に誤解され、アドはさらに疑惑を深められることになった。

やさぐれた反撃

アドは、運転で神経を削っている自分をからかい続けるリサとシャクティに不満をぶつけた。今後の計画も交渉も自分任せで好き勝手に言うなら、公爵との交渉を二人に任せると告げた。二人はすぐに謝り、アドのストレスはようやく表に出た。

リヤカーへの変更

サントールに近づいた一行は、車やバイクの存在を目立たせないため、移動手段をリヤカーに変更した。ゼロスは畑仕事用に持っていたサスペンション付きのリヤカーを出し、身重のユイを乗せることにした。アドとゼロスが前で引き、リサとシャクティが後ろから押す形になった。

ゼロスの畑事情

リサとシャクティは、ゼロスが米や野菜を育てていることを知った。畑はコッコ達や教会の孤児達が世話をしており、収穫物はお裾分けされていた。ゼロスは留守が続いた畑が荒れていないかを気にしていたが、今はサントール到着を優先した。

東門への道

一行は、商人達の目をごまかすためにファーフラン街道から東街道へ入り、東門を目指した。車やバイクで走っていたことはすでに見られていたが、権力者に目をつけられる危険を少しでも減らすため、歩きで街へ向かうことにした。二時間後、ゼロス達は無事にサントールへ到着した。

第五話 おっさん、アド達と共に帰宅する ~邪神ちゃ ん、名前が決まる~ 

サントールの夜と邪神の命名

夕暮れのサントール

ゼロス達は夕暮れのサントールに到着した。街は仕事帰りの職人や商人で賑わい、酔っ払いを衛兵が取り締まる光景も見られた。犯罪や喧嘩はあるものの、衛兵が組織的に治安維持を行っており、公爵領の行政が機能していることがうかがえた。

食堂の予定変更

ゼロスは傭兵ギルドの食堂を勧めたが、ユイを乗せたリヤカーを放置できないことに気づいた。仕方なく一行は飲食店に入るのを諦め、露店で串肉や野菜を買ってゼロスの家で食事を取ることにした。予定はリヤカーという些細な問題で変更された。

教会への土産

ゼロスは帰宅途中、教会に立ち寄ってルーセリスに串肉を渡した。肉に執着するカイは早速袋に手を出し、ルーセリスに叱られていた。ゼロスはアド達を友人と妻、ハーレム要員と雑に紹介したため、ルーセリスに誤解され、アド達は慌てて否定した。

ルーセリスの憧れ

ゼロス達を見送った後、ルーセリスは妊婦であるユイを見て、結婚や子供への憧れを抱いた。だが、その様子を子供達にからかわれ、羞恥に叫ぶことになった。教会ではカイが隙を見て肉を確保しようとしており、いつもの騒がしさが続いていた。

ゼロスの家

ゼロスの家に着いたアド達は、二階建てのログハウス風の持ち家に驚いた。同じ転生者でありながら生活基盤を築いているゼロスに、アドは不公平さを感じた。シャクティ達は、ゼロスが公爵家との距離感や情報の出し方をうまく利用した結果だと分析した。

イサラス王国の危うさ

アド達は、イサラス王国での自分達の立場を振り返った。王が弱腰で、軍閥の戦争推進派が力を持つ国では、アド達の知識や力が利用され、人質を取られる可能性もあった。ユイの件がなくても、いずれ危険な方向へ進んでいたかもしれないと考えられた。

家での夕食

ゼロスは露店の串肉に加え、焼きたてのパン、サラダ、スープを用意した。ユイを除く全員が準備を手伝い、女性陣はテーブルで、ゼロスとアドは卓袱台で食事をしながら今後の交渉について話し合った。アド達が公爵家と取引すれば、イサラス王国から裏切り者扱いされる恐れもあった。

魔導具と人工触媒結晶

アドは、ゼロスがパン生地や食料をインベントリーに常備していることに驚いた。話は魔導具や魔石に移り、ゼロスは人工的に魔石や魔晶石を作れると明かした。ただし、その技術は危険な魔導具の蔓延や軍事利用につながるため、迂闊に広めるべきではないと考えていた。

技術と戦争

ゼロスとアドは、人工魔石や銃などの新技術が軍事利用される危険について話した。メーティス聖法神国は回復魔法の独占を失い、国内も混乱しているため、外へ原因を押しつける形で【聖戦】に踏み切る可能性があった。二人は宗教国家の選民思想や奴隷制度を危険視し、破れかぶれの行動を警戒した。

転生者の危険性

話題は、獣人族側にいるブロスや、【人工ダンジョンコア】を扱う転生者へ及んだ。ゼロスは、転生者の所持品やスキル次第でこの世界が危機的状況になりうると考えた。特に任意で迷宮を作れる人工ダンジョンコアは、街の中にすら危険な迷宮を生み出せる厄介な存在だった。

異世界料理の違和感

女性陣は、ゼロスの料理が日本風に感じられることや、異世界の味付けが口に合わないことを話していた。ユイはハサム村で食べた、酸っぱく甘い煮込み料理について語り、リサとシャクティを驚かせた。三人は、地方や世界が違えば味覚も大きく変わることを実感していた。

休息の夜

ゼロスは、今夜は部品作りをせず休むようアド達に告げた。しかし、アド達はゼロスがブラックではないという言葉を信じず、全員で否定した。ゼロスは煙草を吸いに外へ逃げ、アド達には二階の部屋を使わせ、早めに休ませた。

邪神との再会

夜半過ぎ、ゼロスは地下倉庫へ向かい、培養槽の中の邪神に会った。邪神は暇を持て余しながらも、翼と角を分解・再構築できるようになっていた。ゼロスは飴玉を差し入れ、邪神は初めて味覚としての美味しさを知って喜んだ。

神の性質

邪神は、自分達のような存在は人間が信仰する神ではなく、世界管理に近い存在だと説明した。本来は無機質だが、物質世界に干渉するため人格や感情を持つ端末を作るという。ゼロスは、この世界の創世神や管理体制があまりに杜撰で、邪神もまた厄介な存在だと受け止めた。

アルフィア・メーガス

ゼロスは、いつまでも邪神ちゃんと呼ぶのはおかしいと考え、彼女に【アルフィア・メーガス】という名を与えた。邪神はその名に何か引っかかりを覚えつつも受け入れた。ゼロスが去った後、アルフィアは名を得たことでアカシックレコードや神域への一部権限が解除されたことに気づいた。

存在の確立

アルフィアは、名を与えられ認識されることで管理権限や行使できる力が変化するのだと理解した。まだ四神に対抗するには弱く、封印も残っていたが、復活への道筋は見え始めていた。彼女は飴玉を味わいながら、今後の計画を練っていた。

第六話 後始末は関係ない者がやらされる 

世界管理の異常と観測者への契約

苦戦するルシフェル

世界の外側では、天使ルシフェルが神域の管理システムを解析しようとしていた。しかし、上位観測者が作ったシステムはあまりにも複雑で堅牢であり、緊急特例のアクセスすら拒絶していた。ルシフェルは、管理者不在にもかかわらず頑固すぎる仕組みに音を上げ、主であるケモさんへの恨みを募らせていた。

召喚された魂の危険

ルシフェルは、勇者召喚によって異世界の魂がこの世界に取り込まれ、輪廻転生の枠から外れて危険なバグに変質していることを確認していた。四神は召喚された者達を過酷な場所へ放置し、死んだ者の魂も回収しきれていなかった。一方で、ゼロスが勇者召喚魔法陣を破壊したことは、被害拡大を止める大きな成果だった。

ゼロスの記録

ルシフェルは、ケモさんが送り込んだ刺客の一人であるゼロスを確認した。ゼロスは未熟な観測者の核を持たされており、邪神戦争期の後継体と深く関わる存在だった。だが、記録に映った【漆黒流星ギヴリオン】の姿はルシフェルの黒歴史を刺激し、彼女を精神的に打ちのめした。

三柱の応援

ルシフェルのもとへ、ヴェルサシス、ソウラス、プロトゼロが応援に現れた。彼らは神域の掌握を支援するために来たが、すぐにこの世界のシステム異常を解析し始めた。プロトゼロは、後継個体【アルフィア・メーガス】が覚醒し、一部の権限が解除されたことを告げた。

次世代観測者

アルフィア・メーガスの名が固定されたことで、現管理者権限は彼女へ移譲され始めていた。しかし、神域や聖域の管理権限はまだ四神側に残っていた。ソウラス達は、未成熟なアルフィアを成長させることと、四神から管理権限を奪うことが今後の課題だと判断した。

勇者召喚の後遺症

ソウラス達は、勇者召喚によって異世界の魂が大量に流入し、世界の事象システムを侵食していると分析した。召喚された魂は本来送還されるべきだったが、この世界に残り続けたため、レベルや急速成長の仕組みが現実の摂理に食い込んでいた。その結果、異常進化種や常識では説明できない強者が発生する世界になっていた。

崩れ始めた摂理

この世界では、本来なら生命体の限界を超える力や、矛盾した成長が常識として受け入れられていた。レベルや【限界突破】【極限突破】のような仕組みは、生物の枠を超えた異常であり、放置すれば世界そのものを崩壊させかねなかった。神々は、異常進化種をアルフィアの成長に利用しながら、管理システムの掌握を進める方針を立てた。

ソウラスの接触

ソウラスは、自ら分体でゼロスに接触することにした。四神に知られないよう慎重に動く必要があったが、【イレイザー】であるゼロスに協力を求めるしかないと判断された。神々は本格的に動き始め、ソウラスはゼロスのもとへ向かった。

夜中の訪問者

深夜、ゼロスとアドは何者かに呼ばれるような気配を感じて目を覚ました。二人はリビングに明かりが灯っていることに気づき、警戒しながら突入した。そこには、少年とも少女ともつかない不思議な存在ソウラスが、勝手に冷蔵庫の食料を食べながら待っていた。

観測者との契約

ソウラスは、ゼロス達に次世代の観測者であるアルフィア・メーガスと契約してほしいと頼んだ。彼女が完全体になるには膨大な存在力が必要であり、魔物を倒して得る経験値を彼女へ送るラインを繋ぐ必要があった。アドは邪神復活の話を初めて聞かされ、ゼロスが情報を隠していたことを知った。

世界を侵すバグ

ソウラスは、勇者召喚によって異世界人の魂がこの世界に残り、レベルアップシステムを上書きして暴走していると説明した。邪神戦争期には五百人規模の召喚も行われ、大陸を砂漠化させるほどの負荷が世界にかかっていた。その結果、スキル制度や覚醒、異常な成長が世界の常識として定着してしまった。

転生者の身体

ソウラスは、ゼロス達の身体が高レベル化に耐えられるよう、使徒に近い劣化ボディをもとに作られていると明かした。本来の肉体なら、彼らほどの力を持った時点で肉体と魂が耐えきれず、周囲を巻き込んで崩壊していたという。ゼロス達は、自分達がすでに人の枠を外れた存在であることを改めて認識した。

書き換えられた記憶

ソウラスは、【ソード・アンド・ソーサリス】がこの世界をもとにした疑似シミュレートであり、神々が過去や記憶を修正していたことも明かした。ゼロス達のゲーム内記憶は何度も改竄されており、今覚えている楽しい世界は修正後のものだった。現実世界への影響は最小限だったが、二人は神々の力に言葉を失った。

存在力の回収

ソウラスは、異常進化した魔物や勇者の魂を倒し、存在力をアルフィアへ送ることを求めた。勇者の魂は他の生物に憑依して暴れている可能性があり、倒せばアルフィアへ送れるようにするという。ゼロスとアドは、被害者を救う意味もあると考え、リスクがないなら協力すると決めた。

信用できない神

話がまとまった直後、ソウラスはアルフィアを女の子と聞いて、衣装や下着への妙なこだわりを口にした。ゼロスとアドは、神々がやはり信用しきれない存在だと感じた。一方、培養槽の中のアルフィアは外なる高位存在の接近を察知し、朗報か不測の事態かを考えながら、まだ動けぬ身で情報収集を続けていた。

第七話 事態はゆっくりと確実に動いている 

魔導式モートルキャリッジとドラゴン討伐の準備

車作りの仕上げ

ゼロスとアドは、自宅の庭先で【魔導式モートルキャリッジ】の製作を進めていた。ゼロスは金具の固定や溶接を行い、アドは革張りの長イスを組み立てていた。二人は貴族に見せるために見栄えも整えながら、アドの立場を改善する取引材料として車を完成させようとしていた。

車が動かす時代

ゼロスは、車が単なる乗り物ではなく、兵力や物資の輸送に使える道具であることをアドに説明した。道路交通法もインフラもない世界で高速の乗り物を広めれば危険が大きく、文明そのものを動かす可能性があった。特にドワーフの技術力を考えると、予想以上に早く発展するかもしれなかった。

完成した魔導式モートルキャリッジ

教会の子供達に見守られながら、ゼロスとアドは鬼気迫る勢いで作業を進め、【魔導式モートルキャリッジ】を完成させた。車は馬のない馬車のような形で、ハンドル、キー、ライトを備えていた。速度は馬車より速いが燃費は悪く、ゴブリンの魔石十個で三十分ほど走る仕様だった。

デルサシス公爵への披露

デルサシス公爵とクレストン元公爵は、ゼロスの家を訪れて車を確認した。デルサシス公爵は仕組みや速度、魔石の属性、燃費を次々に問い、車の商業的価値を見極めようとした。ゼロスは、イサラス王国で部品を作り、ソリステア魔法王国で心臓部を作り、アルトム皇国で組み立てる構想を説明した。

三国をつなぐ商売

ゼロスの案は、三国で生産工程を分担し、メーティス聖法神国には高値で販売するものだった。魔導士を邪教徒とする聖法神国は技術提携が難しく、魔導具を買うしかない立場に追い込める。デルサシス公爵は、車が民の往来と交易を活性化させる布石であることを見抜いた。

転生者の目的

デルサシス公爵は、ゼロス達転生者が何を狙っているのかを問いただした。ゼロスは、四神から世界を正当な管理者へ返すことが目的であり、【神】の復活を目指していると説明した。勇者召喚による世界の歪みや四神の杜撰な管理、転生者達の死も語り、時間が残されていないことを強調した。

公爵の協力

アドは、自分達が自由に動けるよう力を貸してほしいと本気で頭を下げた。デルサシス公爵は、イサラス王国との交渉を引き受ける代わりに、相応の見返りを求めた。ゼロスとアドはその迫力に呑まれながらも、ユイ達の保護とアドの自由な行動を確保する方向で話を進めた。

イサラス王国への使節

後日、ユイとリサ達はソリステア家の別邸へ移り、アドはゼロスの家との間を行き来することになった。数日後にはイサラス王国へ使節団が送られ、アドはソリステア魔法王国に残って外からイサラス王国のために力を貸すと伝えられた。国王はその話に感激したが、報告を聞いたアドは心を痛めた。

生活費の問題

アドは、ソリステア魔法王国で暮らすための金がないことに気づいた。イサラス王国からの金や勲章は受け取らず、手持ちの宝石も大した額にならなかったため、生活費に困っていた。ゼロスに借金を頼もうとしたが、金の貸し借りは人間関係を壊すという理由で避けることにした。

生産職の稼ぎ

アド達は、傭兵以外の方法で稼ぐことを考えた。アドは【調合】、リサは【裁縫】、シャクティは【彫金】で小物や魔法薬を作る方向に動き出した。シャクティが隠しイベントで【魔導錬成】を使えるようになっていたことを知り、苦労して習得したゼロスとアドは納得できずに落ち込んだ。

アルフィアとの聖約

ゼロスとアドは、ソウラスと共に地下のアルフィアのもとへ行った時のことを思い出した。ソウラスは、ゼロス達にアルフィアの復活に必要な存在力を集め、変質した勇者の魂を回収する聖約を結ばせようとしていた。アルフィアも四神から管理権限を取り戻すには復活が急務だと理解していた。

ドラゴン退治の依頼

ソウラスとアルフィアは、北にいる異常進化したドラゴンを倒し、その存在力をアルフィアに吸収させるようゼロスとアドに頼んだ。二人は突然の無茶ぶりに反発したが、結局押し切られた。ユイ達には心配をかけられないため、二人はドラゴン討伐を隠したまま準備を進めることになった。

生活費と討伐準備

アドは生活費の確保にも悩み、ゼロスはドラゴン素材を売ればよいと考えたが、騒ぎになる危険もあった。そこで二人は、他の珍しい魔物を狩って稼ぐことも視野に入れた。アルフィア復活のためのドラゴン討伐と、アドの生活費稼ぎという二つの課題を抱え、ゼロス達は出発準備を進めていった。

第八話 邪神ちゃんは、暇を持て余していました 

アカシックレコードと山岳採取の準備

暇を持て余すアルフィア

アルフィア・メーガスは、アカシックレコードへアクセスできるようになっていた。アカシックレコードは各次元世界の情報を集積する広大なデータベースであり、観測者である彼女は膨大な情報を閲覧できた。しかし、暇を持て余したアルフィアはその力を遊びに使い、情報処理能力をわざと落としてレトロゲームを楽しんでいた。

ソウラスからの連絡

ソウラスはアルフィアに接触し、ゼロス達との聖約に不具合があったことを伝えた。存在力の譲渡時に一部が異世界の魂へ流れていたため、ソウラスはそのバイパスを調整した。アルフィアは、復活後でなければ魂の調整は難しいと理解しつつも、異界の魂の回収が急務であることを受け入れた。

イレイザーの役割

ソウラスは、ゼロス達【イレイザー】が魔物を倒して得た存在力を、直接アルフィアへ送れるようにすると説明した。イレイザーは神殺しのために送り込まれる禁忌の切り札であり、勇者よりもはるかに危険な存在だった。四神の無責任な管理と前任観測者の放置により、その切り札が使われる事態になっていた。

直結の激痛

ソウラスがアルフィアとゼロス達の魂のバイパスを直結したことで、上にいたゼロスとアドには凄まじい激痛が走った。二人は気絶したが、イレイザーとして人間とは異なる体を持つため死には至らなかった。こうして、アルフィア復活へ向けた聖約は正式につながった。

ポルタの植え付け

激痛から回復したゼロスは、アドからもらった【ポルタ】を畑に植えていた。ポルタは寒冷地や山間部でも育ち、粉末にすれば小麦粉の代わりになり、茎や葉から砂糖も作れる有用な作物だった。ゼロスは、ユイ達をソリステア家別邸で預かってもらう見返りや、今後の食料確保のために栽培を進めていた。

雪咲草の根

ルーセリスは、薬の調合に必要な【雪咲草の根】が足りないため、ゼロスに譲ってもらえないか相談した。ゼロスは手持ちがない代わりに採取へ行くと申し出た。ルーセリスはバザーで薬を売る予定であり、質の良い薬は魔法薬とは別に重宝されていた。

バザーの金策

ルーセリスの話を聞いたゼロスは、アドにバザーへの参加を提案した。アド達は生活費が必要であり、商品を用意できれば金策につながる可能性があった。さらに、薬草採取と魔物狩り、アルフィアのための存在力回収を兼ねて、イーサ・ランテ上部の山岳地帯へ向かうことを決めた。

ついでの山越え

ゼロスは、雪咲草の採取、魔物素材の確保、ドラゴン討伐の下見をすべて一度に済ませるつもりだった。アドは準備不足を訴えたが、ゼロスは余裕がないとして即行動を選んだ。リサ達は安全を考えて留守番にし、ゼロスとアドだけで未開の山岳地帯へ向かう方針となった。

傭兵登録

魔物素材を売るには傭兵ギルドの資格が必要だったため、アドは登録することにした。傭兵登録は身分証明にもなり、今後の素材売買にも役立つ。アドは手元に大量にあるギヴリーズの魔石を売って当面の資金にすることを考えたが、値崩れしているため大きな収入は期待できなかった。

ルーセリスへの想い

傭兵ギルドへ向かう途中、アドはゼロスにルーセリスと結婚しないのかと尋ねた。ゼロスは年齢差を気にして踏み切れずにいると答えた。アドは意外な弱腰さを感じたが、今は自分とユイの生活費を稼ぐことが先決であり、二人は今後の生活計画を話し合いながら街へ向かった。

第九話 アド君、傭兵ギルドに登録す 

傭兵ギルド登録とアドの実力

傭兵ギルドの改革

傭兵ギルドは荒事を得意とする者達の集まりであり、依頼をこなす実績や信頼によってランク分けされていた。近年は新人教育や素行管理が重視され、傭兵専門学校の卒業生には仮免にあたるEランクが与えられ、実地研修後にDランクへ進む制度へ改められていた。

魔導士への視線

アドとゼロスが傭兵ギルドに入ると、周囲の傭兵達から注目を浴びた。魔導士は富裕層や学院出身者が多く、傭兵を見下す者もいたため、両者の間には隔たりがあった。さらに魔法スクロールの普及で、魔導士を不要と考える傭兵も増えていた。

魔法スクロールの管理

魔法が犯罪に使われる危険から、傭兵が魔法スクロールを購入するには審査が必要になっていた。購入者と習得魔法はギルドに記録され、事件時の捜査に役立てられる仕組みだった。ゼロスは新型スクロールの話を新聞で知ったように装ったが、アドはその裏に彼がいると察していた。

ラップ調の受付嬢

アドは傭兵登録を申し込んだが、受付嬢は会話にラップ調を挟む癖のある人物だった。魔導士への不満を勢いよく語った後、魔導士登録者の多くが口先ばかりで依頼を達成できなかったと説明した。アドはゼロスが傭兵登録をしていながら依頼を受けていないことを知り、妙な偏見の原因になると不満を抱いた。

混沌の講習

アドは奥の部屋で傭兵規約の講習を受けたが、受付嬢の説明はラップからデスメタル、童謡や演歌まで混ざる奇妙なものだった。歌唱力は高かったが、規約の内容はまったく頭に入らなかった。結局、アドは説明書を受け取り、講習の意味に疲れ果てて戻ってきた。

不用意な一言

実戦テストを前に、アドはゼロスがSランクになったなら自分も余裕だと口にした。その発言を聞いた周囲の傭兵達は、自分達の仕事を舐められたと受け取り、怒りを露わにした。ゼロスは不用意な発言だったと察しつつ、収拾のためにアドと傭兵達を正式に手合わせさせる流れへ持ち込んだ。

闘技場への移動

ゼロスは受付嬢に自分のSランクカードを見せ、アドが自分の手ほどきを受けた者だと伝えた。ギルドマスターの許可が下り、Bランク傭兵達とアドの手合わせが闘技場で行われることになった。傭兵達は怒りに燃えていたが、上位の者達はアドとゼロスの危険性を察し、手を出さずに見守っていた。

森の鷹との手合わせ

アドは訓練用の木刀を選び、最初の相手であるクラン【森の鷹】のモンブランと対峙した。巨漢の大剣使いであるモンブランは力任せに迫ったが、アドは一瞬で背後に回り、あっさり倒した。続くシャギーも同じように倒され、傭兵達はようやくアドとの力量差を理解した。

一方的な殲滅

アドは一人ずつ相手にするのが面倒だとして、全員まとめて来るよう促した。傭兵達は恐れを覚えて動けなくなったが、アドは自分から攻め込み、高速剣術で次々と倒していった。戦いは実戦テストというより、一方的な力の差を見せつける場となった。

素材取引の相談

ゼロスはギルドマスターの部屋から、アドの戦いを眺めながら未開地の魔物素材について話していた。ギルド側は素材の流通が安定しすぎて値が下がっており、未知の素材を求めていた。ゼロスはアドが公爵家のお抱えではないこともあり、未開地で得た素材をギルドに卸すことを了承した。

アドへの敬意

最後の傭兵もアドに倒され、手合わせは終わった。この日を境に、アドはサントールの傭兵達から一目置かれる存在となった。街で会うたびに頭を下げられ、中には兄貴と呼ぶ者まで現れるようになった。

第十話 最強コンビ、雪山へ行く 

卵を求める朝と怨念の結晶

ルーセリスの朝食準備

早朝、ルーセリスは礼拝を終え、朝食の支度を始めた。しかし冷蔵庫に卵がなく、スープに使えず困っていた。教会の子供達はよく食べるため食材の消費が激しく、彼女はゼロスの好意に甘えてコッコの卵を分けてもらうことにした。

ゼロスへの想い

ルーセリスは、ゼロスから受けている善意に感謝しながらも、なかなか恩返しができないことを気にしていた。彼女は神ではなく人の善意を信じており、ゼロスの優しさに惹かれていた。家事まで万能なゼロスに対し、結婚後も自分の出番がなくなるのではないかと悩みつつ、年上の彼から迫ってほしいと願っていた。

メイケイ師範の朝稽古

ゼロスの家の前では、教会の子供達とイリスがメイケイに投げ飛ばされながら鍛錬していた。子供達はすでに受け身を覚え、空中で体勢を整えて綺麗に着地できるほど成長していた。ルーセリスは、もはや鳥とは思えない武闘派コッコ達に不安を覚えながら、卵を譲り受けた。

サイドワインダー号の空旅

傭兵登録の翌日、ゼロスとアドは【サイドワインダー号】でイーサ・ランテ上空へ向かっていた。道中、二人はアルフィア復活後の方針について話し合った。四神を倒すだけでは信者の暴走を招く恐れがあり、アドの家族を守るためにも慎重に進める必要があった。

世界のレベル認識

ゼロスとアドは、この世界の平均レベルについて認識の違いに気づいた。ゼロスは資料をもとに低めに見ていたが、アドは実地調査から、戦闘経験のある農民や騎士達にはレベル二百前後の者も多いと説明した。ゼロスは、戦乱期の歴史書に含まれた誇張や虚偽に引っかかっていたと理解した。

シャクティの洞察

アドは、歴史や資料の読み解きについてシャクティから学んでいた。彼女は複数の資料を精査し、為政者に都合のよい歴史や虚偽を見抜いていた。ゼロスは、弁護士を目指していた彼女の洞察力に納得し、敵に回すと手強い人物だと感じた。

勇者達の裏切り

ゼロスは、三十年前に召喚された生き残りから聞いた話をもとに、メーティス聖法神国が勇者達を裏で抹殺していた事実を現役勇者に伝えていた。勇者達は元々疑念を抱いていたため、命の危険を知ると聖法神国を裏切った。アドは、その重要な情報を知らされていなかったことに不満を抱いた。

隠された危険情報

アドはゼロスに隠し事がないか詰め寄ったが、ゼロスは危険な情報を知ればアドも無事では済まないと返した。イーサ・ランテの兵器や勇者召喚に関わる情報は、政治や軍事に大きな影響を与えかねないものだった。ゼロスは、アドには守る家族がいるからこそ、余計な危険を背負わせるべきではないと考えていた。

イーサ・ランテ上空

二人はイーサ・ランテ上空に到着し、防寒服に着替えながら周囲を確認した。地上には廃墟となった軍事施設や格納庫、滑走路、多脚戦車らしき残骸が残っていた。ゼロスは、邪神の一撃でこの基地が吹き飛んだのではないかと推測し、かつての都市がゲームの姿とは異なる軍事防衛拠点だった可能性を見た。

風の女神ウィンディア

一方、風の女神ウィンディアは山脈の上空を漂っていた。彼女は【漆黒流星ギヴリオン】から逃げた件で他の女神達に責められ、ほとぼりが冷めるまで聖域を離れていた。気まぐれで面倒事を避ける彼女は、四神の中では比較的冷静だったが、世界を覆う黒い霧には不快感を抱いていた。

勇者達の怨念

黒い霧の正体は、召喚され利用された末に抹殺され、輪廻から外れた勇者達の怨念だった。彼らは故郷へ帰れなかった悲しみと四神への憎悪を抱え、この世界の自然や精霊に悪影響を及ぼしていた。だが、ウィンディアはそれが勇者達の成れの果てだと気づかず、弱い存在として放置していた。

投げ捨てられた結晶

ウィンディアは鬱陶しさから黒い霧を風で集め、一つの黒い結晶にした。しかし、それをどう扱うか考えず、いらないと言って投げ捨てた。彼女は空が少し綺麗になったことに満足して去り、その結晶が何を引き起こすかを知らなかった。

ジャバウォックの誕生

黒い結晶は小さな魔物の前に落ち、その魔物は餌と認識して食らいついた。結晶に宿る膨大な魔力と勇者達の憎悪が流れ込み、魔物の肉体は急速に巨大化した。怨念は一つの意識として統合され、メーティス聖法神国と四神への復讐を願う魔物【ジャバウォック】が誕生した。

第十一話 伝説は、こうして作られる 

雪山の狩りと姿なき巨人

雪に埋もれた廃墟

ゼロスとアドは、深い雪に足を取られながら旧時代の廃墟を進んでいた。かつての街並みは瓦礫と森に覆われ、滑走路には熱を放つ特殊な素材らしきものが残っていた。二人は旧時代の技術に疑問を抱きつつも、周囲にスノーウルフの群れがいることに気づいた。

素材狙いの狩り

ゼロスとアドは、アドの生活費を稼ぐため、スノーウルフの毛皮や牙をできるだけ傷つけずに仕留めようと考えた。強力な武器では素材を壊してしまうため、二人は弓を使うことにした。だが、その判断は結果的に魔物の群れを相手にした大量虐殺の始まりとなった。

ベラドンナの店

その頃、サントールの魔導具店では、店主ベラドンナが問題店員クーティーを叱っていた。クーティーは客に難癖をつけて追い返し、食堂のツケまで溜める厄介者だった。ついにベラドンナは彼女をクビにし、クーティーは金持ちの恋人を捕まえると息巻いて店を飛び出した。

クーティーの失敗

クーティーは勢いで店を出たものの、無銭飲食で捕まり、結局ベラドンナに迷惑が戻ってきた。食堂からのツケ支払いの催促が殺到し、ベラドンナは後腐れなく始末する方法を考えるほど追い詰められた。クーティーは自分の危険な立場にまったく気づいていなかった。

通気口の調査団

イーサ・ランテの調査団は、発見された通気口内部のルートを調べていた。地上へつながる資材搬入口や谷間へ出る通路が見つかったが、各所は魔物の巣となっていた。特に山脈側には金属加工技術を持つ強力なゴブリンやオークが多く、調査団は遺跡に手を出せず悩んでいた。

窓の外の異変

調査団の隊長と副官が外を眺めていると、突然、巨大な氷の柱が立ち上がった。続いて岩の柱が魔物を吹き飛ばし、旧時代の遺跡が次々と破壊されていった。隊長達は、とんでもない化け物同士が戦っているのではないかと恐怖した。

姿なき巨人

空中に巨大な火球が生まれ、無数の光が大地を焼き払った。衝撃波で建物が揺れ、遺跡は溶岩と爆風に飲み込まれた。さらに水蒸気の中に巨大な人影が浮かび上がり、口元の赤い光から炎が降り注いだため、調査団は姿なき巨人の存在を記録することになった。

崩れた均衡

時は少し遡り、ゼロスとアドはスノーウルフを大量に倒して素材を集めていた。しかし血の臭いが周囲の魔物を呼び寄せ、グレーター・コボルト、ハイ・コボルト、ハイ・オークなどが一斉に動き始めた。飢えた魔物達は互いを殺し合い、雪山の均衡は完全に崩れた。

殲滅魔法の連発

ゼロスとアドは、襲い来る魔物を殲滅するしかないと判断した。ゼロスは【地より吹き出す、零度の息吹】で氷の間欠泉を発生させ、アドは【罪深き咎人は、針山を登る】で氷の針山を生み出した。だが魔物の数は減るどころか増え続け、二人は遺跡の被害を気にしながらも攻撃を続けた。

輝光閃滅陣

ゼロスは、広範囲をレーザーで焼き払う【輝光閃滅陣】を発動した。空に生まれた巨大な光球から無数の光が降り注ぎ、魔物を灰に変え、雪を水蒸気にし、大地を溶岩化させた。実際には調査団のすぐ近くにも攻撃が届いていたが、二人は人がいないと思い込んでいた。

アドのコロナ・ノヴァ

飛行する【猪熊蝶】が現れると、アドは嫌悪感から【コロナ・ノヴァ】を放った。巨大な火球の光で水蒸気にゼロスの影が大きく映り、それが調査団の見た巨人の正体となった。アドの魔法は遺跡をさらに破壊し、ゼロスは彼を一人前の殲滅者だと評したが、アドは喜ばなかった。

水蒸気に紛れた逃亡

遺跡は取り返しのつかない惨状となり、二人は冷や汗を流した。目撃者はいないと思い込み、得られる素材だけ回収して、水蒸気に紛れてその場から逃げ出した。二人は、自分達の戦闘が後に【姿なき巨人】の伝説として残ることを知らなかった。

第十二話 動き出すのは、おっさん達だけではない 

雪咲草の採取とアルフィアへの力

雪咲草の採取

遺跡を焼き払った後、ゼロスとアドは森の中で【雪咲草の根】を採取していた。【雪咲草の根】は冬にしか採れない薬草で、薬や栄養ドリンクの材料として需要が高かった。二人は根を残して繁殖を妨げないようにしながら、必要な量を確保しようとしていた。

殲滅者達の昔話

採取の合間、ゼロスはガンテツやテッドとの過去をアドに語った。ガンテツは【ボマーゴロン】との戦いをきっかけに自爆武器職人となり、テッドはアドへの逆恨みから【リア充カウンター】という呪いまで作っていた。アドは、かつての仲間達の迷惑な執念に呆れていた。

ロック・ボアの肉

森の奥に【ロック・ボア】が現れると、アドは豚肉料理を思い浮かべて狩る気になった。雪咲草の根を食べる魔物でもあったため、ゼロスも邪魔される前に狩るべきだと判断した。アドは食欲に突き動かされ、巨大な猪型の魔物へ襲いかかった。

シャーラを探すザボン

ある街では、漁師のザボンが姿を消した女シャーラを捜していた。彼はオーラス大河で彼女を助け、一目惚れし、やがて深い関係になった。しかし彼女が消えた後、部屋の金目のものが盗まれており、ザボンは失意の中で情報を集めていた。

手配書の真実

ザボンの仲間が持ち込んだ手配書には、シャーラと同じ顔の女が描かれていた。彼女の本名はシャランラで、高貴な人物の暗殺未遂や商人殺害に関わる重犯罪者だった。仲間達は騙されていたと理解したが、ザボンは現実を受け入れられず、幸せだった日々にすがったまま街から姿を消した。

サントールへ向かうシャランラ

シャランラは馬車に乗り、サントール方面へ向かっていた。目的は、弟であるゼロスから【回春の秘薬】を打ち消す魔法薬を奪うことだった。彼女は自分が恨まれる原因を作ったにもかかわらず、弟が助けないことを理不尽に感じ、ザボンを利用したことにも不快感しか抱いていなかった。

下心を利用する女

シャランラは、旅費を得るために次の街で窃盗を行うつもりでいた。さらに、馬車に同乗する傭兵達が自分の容姿に見惚れていることを利用し、しばらく金に困らないと考えた。彼女は周囲の男達を都合のよいカモとして見ていた。

岩山の亀裂

雪山で採取を終えたゼロスとアドは、ゲーム知識にあったダンジョンを確かめるため、さらに奥地へ進んだ。目的地には人が通れるぎりぎりの岩山の亀裂があり、二人は固定ダンジョンかどうかを確かめるため中へ入った。過去のゲーム経験から、いきなり強敵に遭遇する危険も想定していた。

ジャイアント・コボルト

洞窟の奥で、二人は巨大な【ジャイアント・コボルト】と遭遇した。巨体に見合わぬ速度と防御力を持ち、大剣の一振りで岩壁を砕くほどの脅威だった。ゼロスとアドは速さで翻弄しようとしたが、通常攻撃では大きな効果がなく、閉鎖空間での戦闘に苦戦した。

魔法による撃破

二人は崩落の危険を考えながらも、魔法で仕留めることにした。アドの【サンダーボルト】とゼロスの【レイ】がジャイアント・コボルトに命中し、心臓を貫いて倒した。背後の岩壁も爆発したため、二人は過剰な力の扱いに改めて慎重さを意識した。

黒い霧の洞窟

奥へ進む二人は、洞窟内に黒い霧が満ちていることに気づいた。瘴気のようなそれは二人に集まり、心に干渉する意思のようなものを感じさせた。危険を感じながらも、アルフィア復活のためには異常化した魔物を倒して存在力を集める必要があり、二人は先へ進んだ。

流れ込む魂

ゼロス邸の地下では、アルフィア・メーガスが二人から存在力が流れ込むのを感じていた。その中には召喚された勇者達の魂も含まれており、彼女は五人分ほどの変質した魂を確認した。異世界の理に由来する抗体プログラムは、この世界の摂理を侵食する悪性のバグとなっていた。

抗体プログラムの利用

アルフィアは、勇者達の魂を眠らせたうえで、そこから抗体プログラムを分離し、自分の肉体再構築に利用しようと考えた。その仕組みを取り込めば、管理権限がなくても外部からシステムに干渉できる可能性があった。ゼロス達から流れ込む力は予想以上であり、アルフィアは近いうちに外へ出られるかもしれないと感じていた。

第十三話 この人達が原因です 

ルーセリスの過去と不気味なダンジョン

養護院の朝

ルーセリスは、礼拝や朝食作り、掃除、治療活動を日課として過ごしていた。その傍ら、養護院に居候しているイリスとジャーネは、生活費を節約するために【ポーション】作りに取り組んでいた。ジャーネは細かな調合作業を面倒がり、ルーセリスは幼い頃の几帳面だった彼女を思い出して嘆いた。

幼い日のジャーネ

ルーセリスは、子供の頃のジャーネがお菓子作りやぬいぐるみ作りを好む純粋な少女だったことを思い出した。だが現在のジャーネは酒癖や寝相が悪く、金にもルーズになっており、昔との変化が大きかった。ジャーネは反発しつつも、今度はルーセリスの過去を語り始めた。

狂乱の乙女

幼いルーセリスは、仲間をいじめた悪ガキを木の棒で制裁し、結果として周辺の悪ガキ達のボスになっていた。彼女は養護院を守るためにストリートギャングを叩き潰し、【ブラッド・クルセイダーズ】を率いていた。通り名は【狂乱の乙女】であり、現在の聖女のような姿からは想像しにくい過去だった。

泣き虫リーダー

ルーセリスが神官修行へ出た後、ジャーネは【ブラッド・クルセイダーズ】の二代目リーダーになった。彼女は仲間を守るために泣きながら反撃し、抗争を収めていった。通り名は【泣き虫リーダー】であり、ルーセリスが覇道を進んだなら、ジャーネは仲間を支える王道を進んでいた。

ポーション作りの再開

過去話で脱線した後、ルーセリスはジャーネ達に手を動かすよう促した。彼女自身は傭兵達によく売れる胃薬を作っていた。話題はレナの生活費に移り、ジャーネとイリスは、レナがどこで金を稼いでいるのか疑問に思った。

カジノの女帝

その頃、レナはサントールの公共カジノでカード勝負に勝っていた。彼女は裏でギャンブラーとして知られ、勝ち分の三分の二を酒代として客に振る舞うため、カジノ側からも歓迎されていた。そこへメルラーサ司祭長が現れ、二人は互いに博徒として微妙な距離感で会話を交わした。

守銭奴女教皇と女帝

メルラーサは勝てばすべて持ち帰る賭博師であり、レナは勝ち分を周囲に振る舞う賭博師だった。二人は別の賭場で名勝負を繰り広げたことがあり、裏では【守銭奴女教皇】と【女帝】と呼ばれていた。レナはこの日は再勝負を避け、ジャーネ達に知られる前にその場を離れた。

異形の畑

ゼロスとアドはダンジョン内を進み、コボルト達が管理する奇妙な畑にたどり着いた。そこには猫や犬、豚、馬、熊、鼠などの頭部を生やした植物のような生命体が並んでいた。コボルトが引き抜いて食べたものは赤い液体を流し、二人はそれが植物なのか動物なのか分からず混乱した。

喋る大根

畑の中には、人間の頭部を持つ不気味な植物まで存在していた。そのうちスキンヘッドの男の顔をした大根のような生物が、ゼロス達に話しかけた。侵入者だと叫ばれたことで、コボルト達が一斉に武器や農具を手にして襲いかかってきた。

空気爆発の惨状

ゼロスは【エア・バースト・ディストラクション】を放ち、密閉空間で増幅された衝撃波によってコボルトの集落や畑を吹き飛ばした。喋る不気味生物も根ごと掘り起こされ、肥料を味わえなかったことを悔やみながら息絶えた。アドは残った不気味生物を【ダークネス・ホール】で処分した。

異世界への不安

ゼロスは、【ダークネス・ホール】の先が異世界につながっている可能性を指摘した。もし不気味生物が異世界に送り込まれ、そこで繁殖したなら、生態系に大きな混乱を招きかねない。二人は自分達も四神を責められないのではないかと考え、深く追及せず酒を飲んで忘れることにした。

恐怖の侵入者

ゼロスとアドは、薬効成分の高い粘菌なども採取しながら、二日間にわたってダンジョン内で暴れ回った。多くの魔物が犠牲となり、コボルトの親子は隠れて恐怖が過ぎるのを待った。後に知恵ある魔物は、彼らが何かに怯れていたと記録に残した。

三百年後の記録

魔物達は、ゼロスとアドを恐ろしい外界の化け物として記録した。彼らが本当に怯えていたのは、不気味生物を異世界へ流した可能性だったが、魔物達には知る由もなかった。その記録は三百年後に発見され、魔物に知性が芽生えていたことを示す唯一の資料として世界に広まった。

第十四話 おっさん、神からの指令を受ける 

神域の停滞と龍王狩りの始まり

進む権限移譲

神域では、ルシフェル達が管理システムの掌握に苦戦していた。アルフィア・メーガスが名を得たことでプロテクトは一部解除され、管理権限も移譲され始めていた。しかし惑星管理システムの掌握には至らず、前観測者が仕込んだ複雑で無駄の多い構造が、問題解決を妨げていた。

問題児の助っ人

ルシフェル達は人員不足を感じていたが、空間を歪めて現れた助っ人はロキ、アレス、トール、スサノオ、ポセイドンだった。彼らは暴れることに向いた神々であり、システム掌握には役立たないどころか状況を悪化させかねなかった。ルシフェル達は早々に彼らを追い返し、頭の痛い思いをすることになった。

ダンジョン後の罪悪感

ゼロスとアドは、ダンジョンを制覇して外へ出たものの、戦利品を確認する余裕もないほど精神的に追い込まれていた。二人は不気味な生物への恐怖を忘れるために魔物を殺戮してしまったと自覚し、ゲーム感覚が抜けきっていない自分達の危うさに気づいた。力に慣れていくことへの恐怖が、二人を苦しめていた。

緊急指令

二人のもとに、次世代観測者の完全蘇生を進めるため、さらに異常種を討伐せよという緊急指令が届いた。ゼロスとアドは正直これ以上戦いたくなかったが、相手が神々である以上、無視することもできなかった。二人は給料の出ないブラック企業に就職したような気分で、北東へ向かうことになった。

白銀の龍王

雪原に向かった二人は、白銀の鱗を持つ【ブリザード・カイザードラゴン】と遭遇した。それは龍王と呼ばれるほど進化したドラゴンであり、冷気のブレスだけで岩場を粉砕し、巨大な氷塊を作るほどの力を持っていた。ゼロスとアドは、これが採取やついでの討伐で相手にする存在ではないと理解した。

空を支配する脅威

ドラゴンは上空から攻撃を続け、ゼロス達は岩場に隠れながら様子を見るしかなかった。巨体を飛ばす膨大な魔力、魔法耐性、長寿ゆえの知恵と慎重さを持つ龍王は、簡単に地上へ降りてくる相手ではなかった。二人は飛行魔法で挑む危険や、長期戦になる可能性を考え、慎重に戦う必要があると判断した。

始まった狩り

二時間ほどが過ぎ、ブリザード・カイザードラゴンはようやく移動を始めた。ゼロス達は、魔力を消費した今こそ追撃の機会だと考えた。周囲の魔物を一掃すれば餌不足でドラゴンが人里を襲う恐れもあり、生態系を崩さず龍王を倒すしかなかった。二人の過酷な狩りは、ここから本格的に始まった。

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