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三嶋与夢俺は星間国家の悪徳領主!読書感想

小説「俺は星間国家の悪徳領主!12」感想・ネタバレ

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俺は星間国家の悪徳領主!12の表紙画像(レビュー記事導入用) 三嶋与夢

星間国家11巻レビュー
最新刊までのあらすじ(ネタバレ含む)
星間国家13巻レビュー

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  1. 物語の概要
    1. ■ 作品概要
    2. ■ 主要キャラクター
    3. ■ 物語の特徴
  2. 書籍情報
  3. あらすじ・内容
  4. 感想
  5. 考察・解説
    1. 領地拡大と統治
    2. 安幸の騎士修行
    3. 覇王国との戦争
    4. クラウスの過大評価
    5. 後継者エドワード誕生
    6. ナンバーズ
  6. 登場キャラクター
    1. バンフィールド家
      1. リアム・セラ・バンフィールド
      2. ロゼッタ・セレ・バンフィールド
      3. エドワード
      4. 天城
      5. ブライアン・ボーモント
      6. セリーナ
      7. クラウス・セラ・モント
      8. ティア(クリスティアナ・セラ・ローズプレイア)
      9. マリー(マリー・セラ・マリアン)
      10. エレン・セラ・タイラー
      11. エマ・ロッドマン
      12. クローディア・セラ・ベルトラン
      13. エセル・セラ・グレンジャー
      14. チェンシー・セラ・トウレイ
      15. アデルバート・セラ・ファーニヴァル
      16. ヘイディ
      17. フェリックス・キーン
      18. コーデリア・シーガー
      19. ククリ
      20. クナイ
      21. 塩見
      22. 白根
      23. 荒島
      24. メイドロボたち
      25. ククリの部下たち
      26. ロイヤルガード
      27. 犬の霊
    2. 一閃流(安士の家族・弟子)
      1. 安士
      2. ニナ
      3. 安幸
      4. 皐月凜鳳
      5. 獅子神風華
    3. アルグランド帝国
      1. バグラーダ・ノーア・アルバレイト
      2. クレオ・ノーア・アルバレイト
      3. ウォーレス・ノーア・アルバレイト
      4. リシテア
      5. セシリア
      6. カルヴァン
      7. ライナス
      8. 宰相
      9. グスタフ・セラ・アイゼン
      10. キャス・ハリントン
      11. クルト
      12. エクスナー男爵
      13. 子爵
      14. リーリエ
      15. 案内人
    4. 覇王国
      1. ドロス・パランディン
      2. アリューナ・バランディン
      3. イゼル
      4. ダット・ウィンスプ
      5. 覇王国の戦士たち
    5. 惑星アウグル
      1. マリオン・セラ・オルグレン
    6. 商会・兵器工場
      1. パトリス・ニューランズ
      2. エリオット・クラーベ
      3. トーマス
      4. ニアス・カーリン
      5. ユリーシア・モリシル
      6. メイスン
    7. その他集団
      1. 海賊たち
      2. 脱走した艦隊
  7. 展開まとめ
    1. プロローグ 
    2. 第一話 駆け抜けろ平穏な時よ! 
    3. 第二話 再びの覇王国 
    4. 第三話 いざ覇王国へ 
    5. 第四話 懐かしき惑星アウグル 
    6. 第五話 攻撃は最大の防御なり 
    7. 第六話 帝国最強の騎士の名はクラウス・セラ・モント! 
    8. 第七話 競争 
    9. 第八話 強者の資格 
    10. 第九話 帝国一のヤベェ奴らとヤベェ星間国家 
    11. 第十話 脱走 
    12. 第十一話 激突 
    13. 第十二話 アラクネ 
    14. 第十三話 向き合えないもの 
    15. 第十四話 再び覇王国へ 
    16. 第十五話 覇王国との戦いの代償 
    17. 特別編 赤ん坊 
  8. 同シリーズ
    1. 俺は星間国家の悪徳領主! シリーズ
  9. 外伝
    1. あたしは星間国家の英雄騎士!
  10. 同著者の作品
    1. 乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です シリーズ
    2. セブンスシリーズ
  11. その他フィクション

物語の概要

■ 作品概要

善良さゆえに虐げられた前世の反省から「悪徳領主」を目指す主人公リアムが、星間国家を舞台に繰り広げる勘違い領地経営譚の第12巻である 。本作では、将来の帝国との全面対決を見据えて領地拡大と軍拡を進めるリアムに対し、警戒を強める帝国上層部が覇王国との国境防衛をバンフィールド家単独で押し付ける展開が描かれる 。支援も援軍もない状況の中、リアムが強敵・覇王国との大決戦に挑み、自軍の再編と領地統治を加速させていく痛快なストーリーが展開される 。

■ 主要キャラクター

リアム・ローデル・バンフィールド:バンフィールド公爵家の当主 。悪徳領主を目指して行動するが、徹底した合理主義と判断力により、結果として民衆を救済し最強の軍隊を築き上げていく 。

ロゼッタ・セレス・マイヤン:リアムの正妻 。本作ではリアムとの間に待望の第一子(長男)エドワードを出産する 。

クラウス・セラ・モント:バンフィールド家の筆頭騎士 。リアムからの絶大な信頼と部下たちの独断専行により過大評価が膨らみ続け、重圧と胃痛に苦しみながらも卓越した戦果を挙げ続ける 。

アリューナ:覇王国の王太子 。圧倒的な戦闘力を誇り、戦いへの渇望からリアムを強敵として認め、彼の最強の遺伝子を獲得することを狙って帝国へ宣戦布告する 。

安幸:剣神・安士の息子 。リアムの配慮によりクラウスの弟子となり、隠れた才能と努力によって名門騎士学校を首席で卒業するまでに成長する 。

■ 物語の特徴

本作の魅力は、主人公が「私利私欲の悪徳領主」として行動しているにもかかわらず、周囲の勘違いや徹底した合理性によって「最高の善政」や「完璧な戦術」へと変換されていくギャップにある 。第12巻では、急激な領地拡大に伴って肥大化した「自軍の不純物(日和見な軍人)」が敵の手によって大掃除され、過酷な戦争を通じて真に忠誠心の高い精鋭組織へと純化していく爽快なプロセスが描かれる 。また、主人公を取り巻く勘違い要素や配下のコメディカルな人間模様と、星間国家規模のスケール感あふれる艦隊戦や機動騎士同士の激しいバトルアクションが絶妙なバランスで融合している点も大きな特徴である 。

書籍情報

俺は星間国家の悪徳領主!
著者:三嶋与夢 氏
イラスト:高峰ナダレ  氏
出版社:オーバーラップ
発売日:2026年7月20日
ISBN:978-4-8240-1733-8

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あらすじ・内容

生死を賭けた大激戦!?
善良さ故に奪われ続けた前世の反省から「悪徳領主」を目指すリアム。彼は帝国との敵対を決め、そのためにバンフィールド家の勢力拡大を進めていた。そんなリアムへの警戒を強める帝国は、再び帝国へ宣戦布告してきた覇王国の対処をバンフィールド家へ押し付ける。その決定は覇王国にとっても望むところで――
「必ずリアムの最強の遺伝子を手に入れて孕む!」
覇王国軍を率いる王太子アリューナの狙いもリアムだった! 帝国からの妨害を受けながら強敵である覇王国との戦いを余儀なくされるリアムだが……!?
悪徳領主が目標なのに子種を狙われちゃう勘違い領地経営譚、第12幕!!

俺は星間国家の悪徳領主!⑫

感想

リアムの常識外れな行動が結果的に最善手となり、周囲の思惑をことごとく覆していく爽快感が詰まった一冊だった。

今回も皇太子クレオたちは、バンフィールド家を消耗させようと覇王国との戦いを押し付けてくる。

普通なら国境を固め、防衛に徹するところだろう。

しかし、リアムはそんな命令をあっさり無視し、自ら敵国へ攻め込んでしまう。

この「守るくらいなら先に叩く」という発想が、いかにもリアムらしい。

結果として敵軍へ大打撃を与え、皇太子たちの思惑まで崩してしまう展開には思わず笑ってしまった。

さらに面白かったのは、この戦争によって軍そのものが強くなったことである。

急激な軍拡によって能力不足だった中途採用組は自然と淘汰され、代わりに忠誠心の高い若い世代が頭角を現してくる。

意図したわけではないのだろうが、結果だけ見れば組織改革としても大成功である。

リアムはいつも「悪徳領主」を目指して行動しているはずなのに、気づけば優秀な組織を作り上げてしまう。

この勘違いの積み重ねが、本作ならではの面白さだと改めて感じた。

覇王国との決着も印象深い。

首都星へ一気に攻め込み、王太子アリューナを捕らえ、ついには覇王ドロスまで追い詰める。

武力では完全にリアムが上回っていた。

ところが、降伏交渉で飛び出した条件があまりにも予想外だった。

その場面では思わず吹き出してしまった。

力では勝っているのに、精神的な意味で追い詰められてしまうリアムの反応が実に面白い。

最終的に覇王国を滅ぼすのではなく従属国として収める形になったのも、この作品らしいオチだった。

戦争の結末なのに重苦しさがなく、最後まで笑わせてくれる。

そこが『俺は星間国家の悪徳領主!』らしい魅力である。

勢力拡大に伴う人事も見逃せなかった。

新たなナンバーズが正式に発表され、暗部のククリ、エレン、そして外伝主人公でもあるエマが選ばれる展開には思わず嬉しくなった。

長く読んできたキャラクターが評価される瞬間は、やはり胸が熱くなる。

その一方で、実力は十分なはずのティアとマリーが、相変わらず問題行動によって選ばれないところは実に彼女たちらしい。

強いのに評価されない。

その残念さも含めて、この二人の魅力なのだろう。

日常パートでは、ロゼッタとの間に第一子エドワードが誕生する。

戦争が続く巻だからこそ、この穏やかな出来事には自然と頬が緩んだ。

特に、メイドロボたちが赤ちゃんを見ようとして騒ぎになり、それを天城が冷静にまとめる場面は微笑ましい。

普段は完璧な彼女たちも、赤ちゃんを前にすると落ち着きを失ってしまう。

そんな賑やかなバンフィールド家の日常を見ると、戦争の緊張感が少し和らぐようだった。

今巻を読んで改めて感じたのは、リアムは「悪徳領主」を目指しているのに、結果として人も国も豊かにしてしまう主人公なのだということである。

敵を圧倒しながらも笑いを忘れず、戦争の裏では新しい命が生まれ、組織も成長していく。

シリアスな戦いと勘違いコメディのバランスが絶妙で、最後まで飽きることなく楽しめた。

次はいよいよ帝国との決戦が待っている。

リアムがまたどのような「悪徳領主」らしい行動で周囲を驚かせてくれるのか、続きがますます楽しみになる一冊だった。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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星間国家11巻レビュー
最新刊までのあらすじ(ネタバレ含む)
星間国家13巻レビュー

考察・解説

領地拡大と統治

『俺は星間国家の悪徳領主!』における主人公リアムの「領地拡大」と「統治」は、将来の帝国への反役に備えた戦力増強や、悪徳領主としての利己的な野心に基づくものである。しかし、その徹底した合理主義と行動が、結果的に「民衆の救済」と「自軍の弱点の浄化」を同時にもたらすという、本作ならではの皮肉で痛快な展開の引き金となっている。リアムの領地拡大の手法や統治方針、そしてそれがもたらした影響について解説する。

「お買い物」感覚の領地拡大と予期せぬ救済

リアムは未開の惑星を一から開拓するよりも、他家の領地を買い取る方が手間が少なくリターンが大きいと考え、領地拡大を進めている。しかし、買い取った領地の多くは前領主の悪政や過酷な搾取によって悲惨な状況に陥っていた。

・莫大な借金を抱えた子爵の領地を買い取った際、そこは前領主の趣味により文明レベルが蒸気機関時代に制限され、領民が搾取される悲惨な環境であった。

・リアムはこの状況を無駄の極みと怒り、自ら現地に滞在して直接統治に乗り出した。

・開拓よりも買い取りを優先する「お買い物」スタイルだが、結果として虐げられていた民衆を悪政から解放する救済となっている。

「太らせてから搾取する」完璧な善政

新たな領地を獲得したリアムの統治方針は、「痩せた家畜(領民)からは搾取できないため、まずは太らせる」という一貫したものである。

・本領からの入植者投入、インフラ整備、教育の推進により、新領地の生活水準を一気に帝国の標準レベルへ引き上げた。

・領地の財産を脅かす存在である宇宙海賊や汚職役人を容赦なく排除した。

・リアム本人は将来の搾取に向けた先行投資と考えているが、生活環境が一変した領民からは「天から現れた救い」「黄金の騎士様」として狂信的な崇拝を集めている。

軍の膨張と敵を利用した「大掃除」

急速な領地拡大は、バンフィールド家に軍の膨張と質の低下という副作用をもたらした。他家の私設軍をそのまま吸収した結果、艦隊は数十万隻規模へ拡大したが、軍規の緩みや意識の低さが大きな懸念となった。

・吸収された元・他家の軍人たちは厳しい訓練や規律に馴染めず、弱点となっていた。

・戦闘狂の集団である「覇王国」との戦争において、恐怖に駆られた元私設軍たちが敵前逃亡や脱走を図り、軍の大部分が離反する事態が発生した。

・リアムは逃亡者を追わずに放置し、結果として逃げた艦隊は覇王国軍によって降伏を拒絶され殲滅された。

・リアム自身が手を下すことなく足手ま制作りの有象無象が一掃され、忠誠心と実力を兼ね備えた精鋭のみが残る組織の純化が達成された。

帝国上層部からの警戒とさらなる波乱

露骨な領地拡大と急激な軍拡は、アルグランド帝国の皇帝バグラーダや皇太子クレオ、宰相ら上層部から「明確な反逆の意思あり」と強く警戒されることとなった。

・帝国側はリアムを弱体化させるため、援軍や物資支援を断ち、単独で覇王国との戦争に当たらせる策略に出た。

・リアムはこの困難な戦いすらも自軍の膿を出し切るための機会として利用した。

・実戦を通じて指揮官たちの経験を積ませ、組織の再編を完了させることで、より強固な軍隊を作り上げた。

まとめ

リアムの領地拡大と統治は、私利私欲や効率性を追求した結果でありながら、徹底した合理性と外敵への容赦のなさによって「最高の善政」へと変換されている。虐げられた民衆を救い神格化される一方で、拡大に伴う組織の腐敗すらも敵の手を利用して排除し、来るべき帝国との全面対決に向けた盤石な体制を完成させていく。この利己的な動機と裏腹な結果のギャップこそが、物語の爽快感を底上げする重要な要素となっている。

安幸の騎士修行

安幸の騎士修行における経緯と成果、および周囲に与えた影響について解説する。

騎士への志願とリアムの配慮

安幸は、家族を支援してくれたバンフィールド家とリアムへの恩返しとして、騎士になることを強く志願した。

・父である安士からは「剣の才能がない」と評価されていた。

・リアムも安幸が前線で戦う騎士には向いていないと考えていた。

・リアムは彼を安全な後方配置で優れた指揮官へ育てるため、後方指揮に長けた筆頭騎士クラウスに預ける決定を下した。

クラウスへの弟子入りと見出された才能

クラウスは「剣神の息子」を預かる重圧に悩みながらも、安幸の熱意に押されて弟子として受け入れた。

・数週間後、クラウスは安幸の素振りを見て彼がすぐれた剣才を備えていることに気づいた。

・リアムや一閃流の剣士たちの基準が異常に高かっただけであり、一般的にはクラウス自身を超える可能性すら秘めた逸材であった。

・才能に気づいたクラウスは、持ち前の真面目さから本格的な育成へ乗り出すこととなった。

修行の成果と著しい成長

クラウスの指導のもとで基礎を学んだ安幸は、名門騎士学校に入学し大きな成果を残した。

・教官たちから最高評価を得て、首席で卒業を果たした。

・一閃流の「一流の剣士」には及ばなかったものの、武術で確かな成果を出し、文武両道の立派な騎士の卵へと成長した。

成長後の周囲との関係

立派な青年に成長した安幸は、クラウスの教えを忠実に守り、真面目な性格を形成した。

・実家に帰省した際、自堕落な父・安士、家族を甘やかす母・ニナ、働こうとしない妹弟子(凜鳳・風華)の姿を客観的に分析し、優しく見守る姿勢を見せた。

・輝かしい成績を見たリアムは、すべてクラウスの育成能力のおかげだと大絶賛した。

・クラウスは本人の資質と努力によるものだと謙遜したものの、リアムから更なる報酬を提示され、重圧に怯える結果となった。

まとめ

安幸の騎士修行は、リアムの安全への配慮、クラウスの厳格かつ丁寧な指導、そして安幸本人の隠れた才能と努力が見事に噛み合い、大きな成功を収めた。リアムとクラウスの思惑が交錯しながらも、結果として理想的な育成が達成された事例と言える。

覇王国との戦争

覇王国との戦争における宣戦布告の背景と全貌

『俺は星間国家の悪徳領主!』における「覇王国との戦争」は、単なる他国との軍事衝突にとどまらず、帝国の陰謀、バンフィールド家内部の組織の純化、そしてリアムの圧倒的な規格外ぶりがすべて詰め込まれた総力戦である。覇王国が宣戦布告に至った背景、アルグランド帝国の思惑、リアムの逆侵攻と軍の純化、アリューナとの激戦、そして第二次侵攻と覇王の降伏にいたる展開についての解説は以下の通りである。

アリューナの戦闘への渇望と、リアム潰しを狙う帝国上層部の理不尽な勅命

戦争の火蓋は、かつてリアムたちに敗れ帝国と30年の停戦協定を結んでいたグドワール覇王国の内情変化によって切られた。

・王太子争いを制したアリューナが実権を握り、生粋の戦闘狂として戦いへの渇望を抑えきれず帝国へ宣戦布告を行った。

・彼女の真の狙いは帝国そのものではなく、強敵であるリアム・セラ・バンフィールドとクラウスと戦うこと、そしてリアムを倒してその最強の遺伝子を手に入れて孕むことであった。

・一方、アルグランド帝国は宮廷の腐敗により国境防衛の予算が横領され、まともな備えがない危機的状況にあった。

・皇帝バグラーダと皇太子クレオは、この危機を急拡大するバンフィールド家を弱体化させる好機と捉えた。

・リアムに対し、援軍も物資支援もなしでバンフィールド家単独で防衛せよという理不尽な勅命を下した。

・さらに親しい貴族を別の国境へ引き離し、同行させる帝国軍も政敵の生き残りや旧式装備の者ばかりにするという嫌がらせを行った。

防衛を捨てた大艦隊の直接侵攻と、脱走兵の全滅による軍の膿出し完了

帝国上層部の露骨な悪意に対し、リアムは表向き命令を受け入れつつも悪徳領主としてのエゴを貫く対応を取った。

・リアムは防衛拠点を固める定石を却下し、俺は俺のために覇王国を叩き潰すとして数十万の大艦隊率いる逆侵攻に出た。

・決戦を前に、急激な領地拡大で他家から吸収していた質の低い軍人たち(約10万隻)が敵の数に恐れをなして一斉に脱走した。

・リアムは裏切り者のために貴重な弾薬を消費する必要はないとして脱走兵を放置した。

・脱走した艦隊は覇王国軍の罠にかかり、主君を捨てた臆病者として降伏を拒絶され全滅した。

・恩に報いようとする本星出身者や精鋭だけが踏みとどまり、図らずも軍の膿出し(純化)が完了して統率力が向上した。

超弩級戦艦アルゴスによる超至近距離戦と、遠隔一閃によるアラクネ撃破

両軍の決戦は、空間魔法や古代兵器が交錯する超至近距離の極限状態で行われた。

・両軍が円錐状の陣形で正面衝突する中、リアムは超弩級戦艦アルゴスを自ら最前線の盾とし、空間魔法を利用したトリッキーな砲撃で敵を混乱させた。

・覇王国側はアリューナが古代兵器アラクネで出撃し、敗北の経験を共有して成長するコピーパイロットの子機で戦場を蹂躙した。

・ティアやクラウスが的確にアラクネの弱点を見抜いて対策し、前線を支えた。

・アリューナは身軽な親機でリアムの妹弟子である凜鳳と風華の二人の一閃に見切るほど適応した。

・しかし決着の瞬間、戦場のはるか後方のアルゴスに乗るリアムが空間を超越した遠隔の斬撃(一閃)を放ち、アリューナの機体の手足を切断して撃破した。

隠しゲートを利用した首都星強襲と、覇王ドロスからの子種要求による絶望

敵本隊に大打撃を与えたリアムは一度本星へ帰還し、1年かけて財政と軍を立て直した後に第二次侵攻を開始した。

・新たに60万隻を編制したリアムは、前回の侵攻時に仕掛けていた隠しゲートを利用し、覇王国の首都星へ一直線に強襲した。

・首都星での戦闘で風華がアリューナを生け捕りにし、覇王国軍は武装解除した。

・首都星の覇王ドロスが降伏を拒んだため、リアムは単身で地上へ降りて一騎打ちを行った。

・ドロスの最強の一撃をリアムが二閃で斬り裂き、ついに覇王は敗北を認め従属を誓った。

・降伏の条件として、ドロスはアリューナではなく筋骨隆々の大男である覇王自身がこの覇王が貴殿の子を孕むのだと迫ってきた。

・性転換が可能な世界とはいえ、前世の価値観を持つリアムはこれまでにないほどの極限の恐怖を味わう結末となった。

まとめ

覇王国との戦争を巡る一連の顛末は、王太子アリューナの個人的な欲望から始まった宣戦布告を帝国上層部がリアム弱体化の罠として利用するも、リアムが防衛命令を無視して敵国へ直接乗り込む逆侵攻を敢行し、脱走兵の全滅によって軍の純化を果たしながら、超遠隔の一閃でアリューナを破り、隠しゲートを用いた首都星強襲と覇王ドロスとの一騎打ちで覇王国を従属させるに至る、帝国の陰謀を打ち砕いて圧倒的な武力で強敵を屈服させつつも、最後に筋骨隆々の覇王自身から求愛されるという狂気のオチに見舞われる、痛快なカタルシスと極限のギャグが融合した大動乱の記録である。宣戦布告の背景から、帝国の罠、逆侵攻と軍の純化、超至近距離での激戦、そして首都星強襲と衝撃の降伏条件へと繋げたプロセスは、どれほど不条理な権威の陰謀や過酷な戦況が立ちはだかろうとも、本質を突いた規格外のエゴと圧倒的な武術によって打破され、新しい勢力図を切り拓く輝かしい勝利の道が厳密に証明されている。

クラウスの過大評価

バンフィールド家筆頭騎士クラウス・セラ・モントへの過大評価と実態

『俺は星間国家の悪徳領主!』シリーズにおいて、バンフィールド家筆頭騎士であるクラウス・セラ・モントに対する「過大評価」は、主人公リアムの勘違いと並んで本作を象徴するコミカルで痛快な要素である。クラウス本人は出世欲がなく自らを並の騎士あるいは凡人と評価して平穏な生活を望んでいるが、周囲の勘違いと部下の暴走が連鎖することで、彼の虚像が無限に肥大化していく構造となっている。リアムからの信頼、部下たちの深読み、過去の偶然の伝説化、そして胃痛と悲哀の連鎖についての解説は以下の通りである。

我が右腕と呼ぶ絶大な信頼と、安幸の首席卒業に伴う育成能力の誤認

リアムはクラウスを我が右腕と呼び、絶大な信頼を寄せてクラウスの能力を高く評価している。

・クラウス自身は有能な部下たちに仕事を振り分けて任せていただけだと考えているが、リアムはこれを卓越した育成能力だと誤認している。

・リアムは剣神・安士の息子である安幸の育成という重大な任務をクラウスに任せる対応をとった。

・安幸が首席で卒業すると、俺の目に狂いはなかったと成功報酬まで約束するにいたった。

・クラウスは期待されても困ると冷や汗を流すが、リアムの評価は上がる一方である。

アデルバートらの手柄献上と、謙虚な姿勢として処理される訂正のループ

クラウスの指揮下には、実力はあるが独断専行気味の若手騎士が多く集まっている。

・アデルバートをはじめとする若手騎士たちが勝手に敵要塞を攻略したりトラップを仕掛けたりする事態が発生する。

・部下たちは、これはクラウス閣下の作戦を読んだ上での行動だ、あるいは俺の手柄はクラウス閣下の手柄だ、としてすべてクラウスの功績として献上する。

・クラウス本人が、それは彼の手柄だ、と訂正しようとしても、部下や周囲にはどこまでも謙虚な姿勢だと受け取られてしまう。

・結果として、かえって評価が高まるという抜け出せないループに陥っている。

責任転嫁による神算鬼謀の伝説化と、重圧回避の拒絶が招いた忠誠心の美談

クラウスの過大評価は、過去の出来事が周囲によって歪曲されて伝わっていることにも起因している。

・以前、寡兵で覇王国に突撃して勝利した作戦は、実際にはリアムが強行したものであった。

・天城に叱られるのを恐れたリアムが咄嗟に、クラウスの発案だ、と責任を押し付けた結果、クラウスの神算鬼謀として伝説化した。

・帝国宰相からの高待遇での引き抜きを断ったことも、重圧に耐えられないから断った、というのが真相であった。

・しかし周囲には、比類なき実力と高い忠誠心を併せ持つ最高の騎士、として美談に変換されることとなった。

6万隻の総大将代理という重責と、他勢力からの殺意や同僚からの嫉妬

過大評価の結果として、クラウスは常に能力以上の重責を担わされ、精神的な苦痛を抱えることとなっている。

・常に6万隻もの大艦隊を預けられる総大将代理などの重責を担わされ、常に胃痛に苦しむこととなる。

・帝国最強の騎士として名声が轟くことで、覇王国の王太子アリューナなどの戦闘狂から首を狙われる事態が発生している。

・同じバンフィールド家のティアやマリーからは激しい嫉妬と対抗心を向けられ、命の危険に晒されている。

・本星では生まれた子供にクラウスと名付けるブームまで起きており、本人が心の中で筆頭騎士の交代を絶叫する背景となっている。

まとめ

クラウスへの過大評価を巡る一連の顛末は、真面目で部下の尻拭いをしてしまう彼の性格が、リアムや有能な部下たちの勘違いや深読みを経由することで常勝不敗の名将へと仕立て上げられ、重責による胃痛や他者からの殺意・嫉妬に晒されながらも筆頭騎士としての虚像を演じさせられ続けるという、理不尽な周囲の評価の檻に囚われながらも実存的な平穏を模索する絶妙なすれ違いの記録である。誤認の発生から、手柄の集中、伝説の捏造、そして過重な重責の付与へと繋げたプロセスは、どれほど本人の意図や能力の現実と乖離しようとも、一度形成された評価システムと周囲の妄執によって存在が規定され、逃れられぬ過大評価の道を歩まざるを得ない構造が厳密に証明されている。

後継者エドワード誕生

バンフィールド家第一子エドワード誕生の全貌と周囲の動向

『俺は星間国家の悪徳領主!』シリーズにおいて、リアムとロゼッタの間に第一子(長男)エドワードが誕生したエピソードは、バンフィールド家にとっての慶事であると同時に、リアムの複雑な内面や前世のトラウマが浮き彫りになる重要な転換点である。待望の世継ぎ誕生と領民たちの狂騒、リアムの父親としての葛藤と前世のトラウマ、ロゼッタの愛情と家臣たちのフォロー、および影の守護者とメイドロボたちの愛着についての解説は以下の通りである。

覇王国との戦争下での誕生と、子作りデモから第二子要求デモへのカオス化

エドワードの誕生は、領地の後継者問題を一挙に解決し、領内を大きな祝祭の渦に巻き込んだ。

・エドワードは覇王国との苛烈な戦争の最中に誕生し、ロゼッタと同じ金髪碧眼の特徴を受け継いでいる。

・長年バンフィールド家が抱えていた後継者不在という最大の問題が解決し、執事のブライアンは感涙して大喜びした。

・毎年恒例行事として子作りデモを行っていた領民たちは、エドワード誕生を祝うお祭り騒ぎを展開した。

・同時に、今度は第二子を求めるデモを起こし、領内はカオスな状況となった。

前世の血縁不信と子育ての習熟、および悪党としての業に対する同情と恐れ

待望の我が子の誕生に対し、リアムの内面には前世の苦い記憶と悪党としての自覚が影を落としていた。

・前世で妻に裏切られた経験を持つリアムは、最初は本当に自分の子かという疑問を抱いた。

・しかし、赤ん坊を抱き上げると前世での子育て経験から非常に手慣れた抱き方を見せ、ロゼッタを驚かせた。

・リアムが最も苦悩したのは、自分が大悪党であるという強い自覚であった。

・天城に対し、エドワードを可哀想な子供、あるいは俺の子として生まれたのが運の尽きだ、と本音を吐露した。

・大勢の命を奪い悪政を敷いてきた自分の業をこの子に背負わせてしまうことに同情し、父親として向き合う資格がないと恐れていた。

・いずれは彼を自由にし、公爵という重圧から解放して元気に育ってくれればいいと密かに願っている。

マリーとブライアンによる精神的補強と、ロゼッタによる日常的な父親像の教育

リアムの葛藤から生じた素っ気ない態度に対し、周囲の家臣や妻のロゼッタは前向きな理解を示した。

・ロゼッタは自分の子の誕生が嬉しくないのではないかという不安を抱いていた。

・マリーは、戦争中にもかかわらず危険を冒して直接顔を見に帰還したこと自体がリアム様の愛情の証である、と励ました。

・ブライアンも、幼少期に両親と過ごす時間がなかったため父親としてどう振る舞えばいいか戸惑っているだけだ、とフォローした。

・母性に目覚めたロゼッタは、忙しいリアムの代わりに毎日彼の映像をエドワードに見せて、父親の存在を教え込んでいる。

祝福の塊による案内人撃退と、量産型メイドロボ群による寝顔鑑賞の争奪

エドワードの誕生は、霊的な存在や機械仕掛けの給仕たちにも大きな影響を与えた。

・前世の飼い犬の霊は、案内人が赤ん坊に危害を加えないよう部屋の隅で見守っていた。

・赤ん坊が自分を見て笑ったことで間違いなくご主人の子だと安心し、領民たちの祝福の塊を案内人にぶつけて大ダメージを与え悪巧みを阻止した。

・リアムやロゼッタの不在時、塩見、白根、荒島といった量産型メイドロボたちがエドワードの寝顔を見ようと押し合いへし合いの争いを繰り広げた。

・統括の天城がこれを制止し、自ら寝顔を見て旦那様の幼い頃に似ていると微笑んだ後、メイドロボたちを整列させて順番に見学させた。

まとめ

第一子エドワードの誕生を巡る一連の顛末は、後継者不在の危機を脱して領内が第二子要求デモへ沸き立つ一方で、前世のトラウマや自らの業を背負わせる恐れから葛藤するリアムに対し、ロゼッタや家臣たちの温かなフォロー、さらには犬の霊による案内人の撃退やメイドロボたちの熱狂といった周囲の多層的な愛着が包み込むことで、理不尽な前世の暗い記憶や悪徳領主としての葛藤の檻を打ち破り、自分たちの尊厳と平穏な生の主権を新しい家族の絆によって完璧に確立するに至る、バンフィールド家の血脈継承と人間ドラマの深遠な記録である。世継ぎの誕生から、リアムの葛藤、周囲のフォロー、そして影の守護者の活躍へと繋げたプロセスは、どれほど不条理な過去のトラウマや過酷な環境の激変によって生の自由が脅かされようとも、本質を突いた人間の知性と確固たる連帯の愛によって打破され、新しい生き方を切り拓く輝かしい未来の道が厳密に証明されている。

ナンバーズ

バンフィールド家におけるナイトナンバーズの授与と選出理由

『俺は星間国家の悪徳領主!』シリーズにおける「ナンバーズ(ナイトナンバー)」とは、リアムが特に有能だと認めた騎士たちに与えられる特別な数字(称号)である。長らく筆頭騎士であるクラウスのみがこの数字を与えられており、他の枠は空席となって we いたが、覇王国との戦争が終結した後の論功行賞において、ついに二以降のナンバーズが発表された。各ナンバーズの顔ぶれと選出理由、および選考から漏れた者たちについての解説は以下の通りである。

筆頭騎士クラウスから暗部頭領ククリおよび若手エレンと生え抜きエマへの授与

論功行賞において発表されたナイトナンバーズの顔ぶれと、それぞれの抜擢理由は多岐にわたる。

・ナイトナンバー「一」のクラウス・セラ・モントは、バンフィールド家の筆頭騎士であり、リアムの右腕として全軍の指揮や領地の管理など重責を担う人物である。リアムから絶大な信頼を寄せられており、長らく彼一人だけがナイトナンバーを保持していた。

・ナイトナンバー「二」のククリは、バンフィールド家の暗部を取り仕切る男である。暗部の存在であるククリは暗部にそのような称号は不要と一度は辞退しようとしたが、リアムはこれを有能と認めた証だとして強制的に受け取らせた。

・ナイトナンバー「三」のエレン・セラ・タイラーは、リアムの直弟子であり、他家での修行を終えて帝国騎士資格を得たばかりの若い女騎士である。修行を終えたばかりの若手が選ばれたことで謁見の間は騒然となったが、エレン本人は落ち着いて任命を受け入れ今後の忠誠を誓った。

・ナイトナンバー「四」のエマ・ロッドマンは、バンフィールド家本星出身の生え抜きの女騎士である。目立たない存在であったがこれまでの戦いで着実に実績を積んでおり、リアムは彼女を成り上がりの成功例として示すことで他の者たちの野心を刺激しさらに働かせようという思惑から抜擢した。

性転換騒動に伴うリアムの怒りと、ティアおよびマリーの選考除外

実力や実績から言えばナンバーズに選ばれてもおかしくないティアとマリーであったが、落選という結果となった。

・彼女たちは覇王国との戦争後に性転換騒動を起こしてリアムを大いに困らせていた。

・リアムの、俺を困らせたから今回は見送る、という個人的な怒りと呆れによって除外された。

・二人は期待の眼差しで自分の名前が呼ばれるのを待っていたが、結局選ばれることはなかった。

まとめ

ナイトナンバーズの授与を巡る一連の顛末は、絶大な信頼を受けるクラウスの「一」に続き、辞退を拒絶された暗部のククリ、直弟子のエレン、そして成り上がりの象徴としての生え抜きエマが「二」から「四」へ抜擢される一方で、性転換騒動でリアムを困惑させたティアとマリーが個人的な怒りによって選考から除外されるという、功績や実力のみならず主君の意向や野心の刺激といった多層的な思惑が交錯しながら組織の階級構造が再編される記録である。筆頭騎士の固定から、暗部や若手の抜擢、そして側近の除外へと繋げたプロセスは、どれほど実力や忠誠を誇ろうとも、本質を突いた主君の絶対的な評価規律によって規定され、新しい組織の秩序が厳密に証明されている。

星間国家11巻レビュー
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登場キャラクター

バンフィールド家

リアム・セラ・バンフィールド

悪徳領主を目指して行動する公爵。合理的な判断を下し、自らの利益を優先する。 ・バンフィールド公爵家当主。 ・覇王国との戦争において防衛戦を捨てて敵地に侵攻し、総旗艦アルゴスで最前線に立った。 ・アリューナの乗機を遠隔からの斬撃で破壊した。 ・新たに子爵領を買い取り統治を開始した。 ・覇王を降伏させ、覇王国を自らに従属させた。

ロゼッタ・セレ・バンフィールド

リアムの正妻。リアムを深く慕い、彼の無事を祈って行動する。 ・バンフィールド公爵家。 ・リアム不在の間に天城の補佐を受けて政務を行った。 ・リアムとの間に第一子エドワードを出産した。 ・母親となり、リアムとの絆を深めた。

エドワード

リアムとロゼッタの間に生まれた第一子長男。ロゼッタと同じ金髪碧眼の特徴を受け継いでいる。 ・バンフィールド公爵家。 ・バンフィールド家の本星で誕生した。 ・メイドロボたちから強い関心を集めている。 ・バンフィールド家の後継者として誕生し、領民に祝われた。

天城

リアムに仕えるメイドロボ。リアムの身の回りの世話を統括し、冷静に業務を遂行する。 ・バンフィールド公爵家メイドロボ統括。 ・リアム不在時にロゼッタの政務を補佐した。 ・ロゼッタの体調不良にいち早く対応し、医師を手配した。 ・メイドロボたちを厳しく管理し、リアムから強い信頼を受け続けている。

ブライアン・ボーモント

リアムの幼少期から仕える執事。リアムに忠誠を誓い、後継者の誕生を熱望している。 ・バンフィールド公爵家執事。 ・リアムが領地を離れることを叱責した。 ・エドワードの誕生に際して号泣し、親子を撮影した。 ・世継ぎ誕生の知らせに歓喜し、リアムへの忠誠を新たにした。

セリーナ

バンフィールド家に仕える侍女長。帝国宰相からの密命を帯びており、リアムの動向を監視する。 ・バンフィールド公爵家侍女長。 ・リアムの領地拡大の情報を宰相に報告した。 ・ブライアンと共にリアムを叱責しようとしたが、追い出された。 ・侍女長としてメイドたちを指導し、屋敷の管理を徹底している。

クラウス・セラ・モント

リアムから厚い信頼を受ける筆頭騎士。生真面目で出世欲がないが、常に胃痛に悩まされている。 ・バンフィールド公爵家・筆頭騎士(ナイトナンバー1)。 ・覇王国との戦争で総司令官代理を務め、第二軍を率いて快進撃を見せた。 ・安幸を弟子として受け入れ、立派な騎士へと育て上げた。 ・部下やリアムからの過大評価がさらに高まり、帝国一の騎士として名を広めた。

ティア(クリスティアナ・セラ・ローズプレイア)

バンフィールド家に仕える元姫騎士。リアムに強い執着を持ち、海賊を憎悪している。 ・バンフィールド公爵家騎士。 ・海賊団を徹底的に殲滅した。 ・覇王国戦では敗残艦隊を再編し、敵の弱点を突いて戦局を立て直した。 ・戦争終結後、マリーと性転換を巡って口論を起こした。

マリー(マリー・セラ・マリアン)

バンフィールド家に仕える騎士。リアムを深く慕い、好戦的で感情の起伏が激しい。 ・バンフィールド公爵家騎士。 ・遊撃部隊を率いて他艦隊の救援に奔走した。 ・リアムの危機には命令を無視して救援に向かった。 ・戦争終結後、ティアとともに性転換を試みてリアムに止められた。

エレン・セラ・タイラー

リアムの直弟子である若き女騎士。修行を終え、師匠への忠誠と剣への情熱を持つ。 ・バンフィールド公爵家騎士(ナイトナンバー3)。 ・士官学校を卒業し、帝国騎士資格を得た。 ・リアムの愛刀を戦場へ届けた。 ・戦争後の論功行賞でナイトナンバーの三を与えられた。

エマ・ロッドマン

バンフィールド家の領地出身の生え抜き女騎士。素朴で緊張しやすい性格である。 ・バンフィールド公爵家騎士(ナイトナンバー4)。 ・これまでの戦いで実績を積み重ねた。 ・謁見の間に呼ばれ、緊張のあまり言葉を詰まらせた。 ・成り上がりの成功例としてナイトナンバーの四を与えられた。

クローディア・セラ・ベルトラン

ティアの副官を務める女性騎士。冷静に戦況を分析し、ティアを補佐する。 ・バンフィールド公爵家・第三軍副官。 ・ティアの指示に従い、敗軍の再編や敵の特化型機動騎士の予測を実行した。 ・アルゴスの前進を防ぐようティアを制止した。 ・第三軍においてティアの右腕として機能している。

エセル・セラ・グレンジャー

バンフィールド家に忠誠を誓うロイヤルガード。リアムを守るためなら命を投げ出す覚悟を持つ。 ・バンフィールド公爵家ロイヤルガード。 ・子爵の騎士たちを制圧した。 ・アラクネの子機を相手に奮戦し、アルゴスへ近づく敵を排除した。 ・リアムの乗艦を命懸けで守り抜いた。

チェンシー・セラ・トウレイ

戦いの中でしか生きられない好戦的な騎士。クラウスの指揮下で独立部隊を率いる。 ・バンフィールド公爵家・独立遊撃艦隊司令官。 ・独断で覇王国の要塞に攻め込み、敵を圧倒した。 ・アラクネの子機を相手にトリッキーな動きで応戦した。 ・自分の部下を殺害して統率を維持し、クラウスの地位を支持する姿勢を示した。

アデルバート・セラ・ファーニヴァル

自己評価が高く、クラウスを敬愛する若き騎士。功名心から目立つ行動を取る。 ・バンフィールド公爵家・第二軍副官。 ・クラウスの意図を先読みしたと称して、敵の重要拠点を攻撃した。 ・独断でマリーの艦隊と合流してリアムの救援に向かった。 ・無断で重要施設に罠を仕掛けた功績がクラウスの手柄として評価された。

ヘイディ

マリーの副官を務める騎士。感情的になるマリーをなだめる役割を担う。 ・バンフィールド公爵家・第四軍副官。 ・暴走するマリーをなだめ、艦隊から離反する者を把握して報告した。 ・マリーの指示で活躍した者を勧誘する準備をした。 ・マリーの右腕として部隊の統制に貢献している。

フェリックス・キーン

元帝国軍人の参謀。飄々としており、リアムの実力を高く評価している。 ・バンフィールド公爵家・第一軍参謀。 ・アラクネの行動パターンを分析して報告した。 ・リアムの出撃を止めようとし、若手部隊の成長を説いた。 ・リアムの世話役としてブリッジで冷静な意見を提供している。

コーデリア・シーガー

超弩級戦艦アルゴスの艦長。真面目だが独特の色気を持ち、艦の操縦に自信を持つ。 ・バンフィールド公爵家・アルゴス艦長。 ・アルゴスを艦列の前方へ出し、味方艦隊の盾とする作戦を実行した。 ・リアムの指示で空間魔法兵器の発射準備を整えた。 ・アルゴスの性能を熟知し、戦場での被害軽減に貢献した。

ククリ

バンフィールド家の暗部を率いる男。リアムへの忠誠心が厚く、情報収集に長ける。 ・バンフィールド公爵家暗部(ナイトナンバー2)。 ・覇王国が内乱状態にあることを報告した。 ・ティアとマリーの暴走や遺伝子窃盗の発覚などを調べ上げた。 ・暗部でありながらナイトナンバーの二を与えられた。

クナイ

ククリの部下である暗部。冷静に状況を観察し、報告を行う。 ・バンフィールド公爵家暗部。 ・エクスナー家制圧の急報をリアムに届けた。 ・メイドロボたちがエドワードを覗き込む様子に呆れていた。 ・引き続き暗部としてリアムの周辺警護や情報伝達を担っている。

塩見

量産型のメイドロボ。他のメイドロボたちと競い合うように行動する。 ・バンフィールド公爵家メイドロボ。 ・エドワードの顔を見ようとして他のメイドロボと争った。 ・天城の指示に従い、整列してエドワードを見学した。

白根

量産型のメイドロボ。エドワードへの関心が高く、他のロボを制止する。 ・バンフィールド公爵家メイドロボ。 ・エドワードを覗き込もうとして塩見を優先するよう主張した。 ・天城の命令により、一列に並んで待機した。

荒島

量産型のメイドロボ。抜け駆けを試みるなど活発な行動を見せる。 ・バンフィールド公爵家メイドロボ。 ・エドワードの顔を先に見ようとして他の姉妹たちに取り押さえられた。 ・天城の指導により、順番を守って行動した。

メイドロボたち

バンフィールド家に仕える量産型のメイドロボ群。感情豊かな行動を見せる。 ・バンフィールド公爵家。 ・エドワードの誕生に関心を示し、我先にとカプセルを覗き込もうとした。 ・天城の指示により統率された行動をとる。

ククリの部下たち

バンフィールド家の暗部に属する者たち。隠密行動や護衛を担う。 ・バンフィールド公爵家暗部。 ・エドワードの部屋の護衛を担当した。 ・エリオットやパトリスの身辺警護に派遣された。 ・表に出ず、リアムの指示で各所の護衛や情報収集を行っている。

ロイヤルガード

リアムに忠誠を誓う近衛部隊。エセルに率いられ、高い戦闘力を持つ。 ・バンフィールド公爵家親衛隊。 ・子爵の護衛を制圧し、覇王国の機動騎士からアルゴスを守り抜いた。 ・リアムの直属部隊として常に彼の乗艦を護衛している。

犬の霊

リアムの前世の飼い犬の霊。リアムやその家族を静かに見守り続ける。 ・所属組織なし。 ・ロゼッタとエドワードの部屋の隅で見守り、エドワードがリアムの子だと確信した。 ・案内人に領民からの祝福の塊をぶつけて撃退した。 ・役目を終えてロゼッタの部屋から去っていった。

一閃流(安士の家族・弟子)

安士

リアムの剣の師匠。一閃流を名乗るが実力には自信がなく、リアムやクラウスを恐れている。 ・一閃流。 ・安幸をクラウスに預ける際、正体がバレることを恐れて心の中で怯えていた。 ・カジノで散財した。 ・リアムの師匠として畏敬を集めるが、本人は嘘が露見することを恐れ続けている。

ニナ

安士の妻であり、安幸の母。家族を甘やかす傾向がある。 ・所属組織なし。 ・安幸が騎士になることに反対し、安士を責め立てた。 ・安幸を実家で引きこもらせようとしたが、果たせなかった。

安幸

安士とニナの息子。真面目な性格で、バンフィールド家に恩返しをしたいと考えている。 ・バンフィールド公爵家騎士。 ・クラウスの弟子となり、名門騎士学校を首席で卒業した。 ・帰省した際に家族の自堕落な様子を客観的に観察した。 ・剣才に恵まれ、文武両道の立派な騎士へと成長した。

皐月凜鳳

一閃流の剣士。好戦的で口が悪いが、リアムや一閃流への誇りを持つ。 ・バンフィールド公爵家・大佐待遇。 ・アマリリス・アインに搭乗し、覇王国の機動騎士を次々に撃破した。 ・アリューナと直接交戦し、刺し違える覚悟を見せた。 ・戦闘後、国境に残って鍛え直すことを決意した。

獅子神風華

一閃流の剣士。粗暴な言動が目立つが、兄弟子への恩義を重んじる。 ・バンフィールド公爵家・大佐待遇。 ・ツヴァイに搭乗し、覇王国の戦士ダットを撃破した。 ・アリューナと戦い、機体が限界を迎えながらも奮戦した。 ・覇王国との戦いを経て、凜鳳とともに修行を続けることを選んだ。

アルグランド帝国

バグラーダ・ノーア・アルバレイト

アルグランド帝国の現皇帝。戦争と憎悪を楽しむ冷酷な支配者。 ・アルグランド帝国皇帝。 ・バンフィールド家を弱体化させるため、援軍なしで覇王国との戦争を命じた。 ・戦争で生じた血と憎悪を喜んだ。 ・帝国の裏で暗躍し、真の敵としてリアムに警戒されている。

クレオ・ノーア・アルバレイト

アルグランド帝国の皇太子。権力を得て冷酷になり、リアムを排除しようと目論む。 ・アルグランド帝国皇太子。 ・バンフィールド家に覇王国との国境防衛を単独で押し付けた。 ・リアムの関連企業や商会に圧力をかけた。 ・リアムを裏切り敵対関係となったが、求心力を失いつつある。

ウォーレス・ノーア・アルバレイト

元皇族の青年。リアムの庇護下で軽薄に振る舞うが、時には役に立つ。 ・バンフィールド公爵家食客。 ・リアムの結婚式の準備を再開させ、式を整えたことを誇った。 ・リアムの友人として、彼のために裏で奔走している。

リシテア

クレオの姉である皇女。善良な性格で、クレオの変わり果てた姿に心を痛める。 ・アルグランド帝国皇女。 ・クレオがバンフィールド家の関連組織に圧力をかけていることをリアムに忠告した。 ・クレオの護衛を外され、宮殿内で居場所を失っている。

セシリア

クレオとリシテアの姉。エクスナー家のクルトと婚約している。 ・エクスナー男爵家婚約者。 ・クルトとともにエクスナー家へ戻ったが、クレオの罠により拘束された。 ・クレオの策略の道具として利用された。

カルヴァン

元皇太子。開拓惑星で一般人として生活し、家族との平穏な日々を受け入れている。 ・元皇族。 ・過去の権力争いから解放され、バンフィールド家の寛容な処置に感謝している。 ・グスタフにリアムを支援するよう頼んだ。 ・権力を失ったが、家族とともに穏やかな生活を送っている。

ライナス

帝国の元皇子。かつてリアムと敵対し敗北した。 ・元皇族。 ・かつて彼を支持していた軍人たちが、クレオの命令で覇王国との戦争へ派遣された。 ・既に没落しており、彼の旧派閥が戦場で使い捨ての扱いを受けている。

宰相

アルグランド帝国の宰相。帝国の安定を第一に考え、リアムの勢力拡大を警戒する。 ・アルグランド帝国宰相。 ・バンフィールド家の軍拡を反逆の意思とみなし、覇王国との戦争を命じた。 ・セリーナからリアムの戦果を聞き、警戒を強めた。 ・帝国の政治を取り仕切りながら、リアムへの監視を続けている。

グスタフ・セラ・アイゼン

カルヴァン派に属していた帝国軍の大将。軍人としての矜持を持つ。 ・アルグランド帝国軍・派遣軍大将。 ・防衛会議でリアムを挑発した。 ・カルヴァンの頼みを受け、帰還したバンフィールド家の艦隊を攻撃せず補給を提供した。 ・首都星の命令に盲従せず、独自の判断で行動した。

キャス・ハリントン

帝国軍の大将。やる気のない外見だが有能で、堅実な戦略を好む。 ・アルグランド帝国軍・派遣軍大将。 ・防衛会議で重要拠点に戦力を分散配置する防衛策を提案した。 ・リアムの攻勢宣言に対し、勝つ気があるかを確認した。 ・前回の覇王国戦の功績で大将に昇進した。

クルト

エクスナー男爵家の跡取り。真面目で正義感が強く、リアムを深く信頼している。 ・エクスナー男爵家。 ・セシリアとともに実家へ帰還したが、ビリーらの襲撃を受けて拘束された。 ・クレオの陰謀に巻き込まれ、バンフィールド家を貶めるための道具とされた。

エクスナー男爵

クルトの父親。成り上がりの貴族で、家族と領民を大切にする。 ・エクスナー男爵家当主。 ・実家を襲撃した剣鬼たちに立ち向かい、クルトに脱出を促した。 ・皇太子派の陰謀により領地を制圧され、囚われの身となった。

子爵

バンフィールド家に領地を売却した貴族。悪趣味で領民を搾取していた。 ・元子爵。 ・自領の文明レベルを制限し、莫大な借金を抱えてリアムに売りつけた。 ・リアムの武力に屈して土下座した。 ・領地と借金をリアムに押し付けられ、権力を失った。

リーリエ

リアムが遭遇した青髪の謎の女性。リアムに特別な感情を抱いている。 ・所属組織不明。 ・ヴァナディースのシステムに宿る存在として描かれ、シエルと出撃を巡って言い争った。 ・ジェミナイの花畑でリアムと再会し抱きついた。 ・シエルにクルトのコピー人格であることを明かした。

案内人

リアムを不幸に陥れようと暗躍する存在。リアムの感謝に弱く、常に裏目に出る。 ・所属組織なし。 ・エドワードに危害を加えようとしたが、犬の霊に祝福の塊をぶつけられ撃退された。 ・結婚式でも呪いをかけようとして聖なる槍に貫かれた。 ・度重なる敗北により力を失い、他の案内人に助力を求める決断をした。

覇王国

ドロス・パランディン

覇王国の覇王。筋骨隆々の大男で、強者を尊ぶバトルマニア。 ・覇王国覇王。 ・王城に降り立ったリアムに全力の一撃を放ったが、一閃で斬り裂かれて敗北を認めた。 ・リアムの子を孕みたいと要求した。 ・リアムの武力に屈し、バンフィールド家の属国として統治を続けることになった。

アリューナ・バランディン

覇王国の王太子。戦闘狂であり、リアムを倒してその遺伝子を得ようとする。 ・覇王国王太子。 ・アルグランド帝国に宣戦布告し、アラクネに乗って戦場へ出撃した。 ・遠隔からのリアムの一閃によって手足を切断され敗北した。 ・リアムに敗れ、風華によって生け捕りにされた。

イゼル

覇王国の元王太子。かつてリアムと激闘を繰り広げた。 ・覇王国(故人)。 ・過去の戦いでリアムに討ち取られたことが、アリューナの闘争心や覇王国の動向に影響を与えている。 ・戦死しており、彼の死が覇王国の内乱や宣戦布告の引き金となった。

ダット・ウィンスプ

覇王国の戦士。戦いにおいて正々堂々と名乗りを上げる。 ・覇王国軍。 ・風華を強者と認めて一騎打ちを挑んだ。 ・風華のツヴァイによって撃破された。

覇王国の戦士たち

闘争を生きがいとする覇王国の武人たち。強敵との戦いを待ち望む。 ・覇王国軍。 ・バンフィールド家の侵攻を喜んで迎え撃った。 ・リアムが先陣を切る姿に感銘を受けた。 ・バンフィールド家の武力を前に敗北を認め、降伏を受け入れた。

惑星アウグル

マリオン・セラ・オルグレン

惑星アウグルの代官。リアムに裏切りの罰として縛られているが、仕事はこなす。 ・オルグレン家。惑星アウグル代官。 ・リアムから贈られたミニスカートの衣装で補給艦隊を出迎えた。 ・将官たちにリアムの覇王国侵攻を伝えた。 ・代官としての役目を果たしながら、リアムへの反発心を抱き続けている。

商会・兵器工場

パトリス・ニューランズ

ニューランズ商会の大幹部。利益に敏感で、リアムを優良顧客として扱う。 ・ニューランズ商会大幹部。 ・リアムが新たな領地を獲得した際にいち早く支店開設を申し出た。 ・商会内でクレオを支持する動きがある中、リアムに情報を流して身を守った。

エリオット・クラーベ

クラーベ商会の当主。リアムを深く尊敬し、商売の機会を逃さない。 ・クラーベ商会当主。 ・クレオの圧力を受けてリアムに相談し、新たな皇太子の擁立を提案した。 ・惑星アウグルへ進出し、艦隊受け入れを支援した。 ・リアムの暗部による護衛を受け、引き続き御用商人として活動している。

トーマス

ヘンフリー商会の商人。古くからバンフィールド家と取引がある。 ・ヘンフリー商会商人。 ・エクスナー家の危機に際し、シエルにバンフィールド家の救援出撃を知らせた。 ・引き続きバンフィールド家の御用商人として物資供給を行っている。

ニアス・カーリン

第七兵器工場の技術将校。アヴィドの改修に情熱を燃やすが、性格は非常に残念。 ・第七兵器工場技術少佐。 ・アヴィドの改修を引き受け、完成まで数十年かかると告げた。 ・帝国から受注を打ち切られ、夜中にリアムへ泣きついて大量発注を取り付けた。 ・リアムの資金援助により、工場と自身の立場を救われた。

ユリーシア・モリシル

リアムの秘書官。有能だが自己評価が高く、現金な性格。 ・バンフィールド公爵家秘書官。 ・アルゴスのブリッジでリアムの補佐を務めた。 ・リアムにバッグを買ってもらい機嫌を直した。 ・第三兵器工場とのパイプ役として、リアムの無理な発注を手配した。

メイスン

第六兵器工場の営業担当。自社の利益と宣伝のために奔走する。 ・第六兵器工場営業担当。 ・帝国からの契約解除に焦り、リアムの前で土下座して大型契約を勝ち取った。 ・クルトにヴァナディースの新装備を売り込んだ。 ・リアムの庇護下に入り、兵器工場の危機を脱した。

その他集団

海賊たち

バンフィールド家を恐れる無法者たち。 ・宇宙海賊。 ・新領地の周辺に潜んでいたが、ティアの艦隊によって無慈悲に殲滅された。 ・降伏を許されず、バンフィールド軍の攻撃によって壊滅した。

脱走した艦隊

他家からバンフィールド軍に吸収された質の低い軍人たち。 ・元バンフィールド公爵家艦隊。 ・覇王国軍の規模に恐れをなして敵前逃亡を図った。 ・覇王国軍の罠にかかり、降伏を拒絶されて全滅した。

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展開まとめ

プロローグ 

安幸の弟子入りとアヴィドの改修

安幸からの陳情

リアムは安士への義理から、騎士になってパンフィールド家へ恩返しをしたいという安幸の願いを叶えようとした。しかし、安幸には一閃流を継ぐほどの剣才がないと聞いており、前線で命を落とす危険を懸念していた。天城と相談したリアムは、後方任務や指揮官として優れたクラウスに預ければ、安全を確保しながら騎士として育てられると考えた。fileciteturn0file0

クラウスへの弟子入り

リアムは安士と安幸を連れてクラウスの屋敷を訪れ、安幸を弟子に取ってほしいと頼んだ。クラウスは剣神の息子を預かる重圧に怯え、安士も自分の正体を見抜かれることを恐れて反対しようとした。しかし、安幸がクラウスのような騎士になって恩返しをしたいと強く望んだため、クラウスは試しに預かることを承諾した。

安幸の才能

数週間後、クラウスは安幸の素振りを見て、聞いていた以上の剣才と優れた精神性を備えていることに気づいた。安幸はいずれ自分を超える騎士になる可能性さえあり、クラウスは本格的に育成する決意を固めた。一方、安士は騎士にしないという約束を破ったとして妻のニナに責められたが、クラウスへの恐怖から安幸を連れ戻せなかった。

アヴィドとの別れ

リアムは、一閃を使えば自壊しかねない愛機アヴィドを改修するため、第七兵器工場のニアスに預けた。未知の技術であるマシンハートを搭載しているため、完成まで数十年を要する可能性があったが、リアムは時間も予算も惜しまないと告げた。百年以上を共にしたアヴィドが運ばれていく姿を見送り、リアムは長い別れを受け入れた。

第六兵器工場の代替機

ニアスは改修期間中の代替機を第七兵器工場で用意しようと売り込んだが、リアムは第六兵器工場へ既に依頼していた。第六兵器工場の機体にも乗ってみたいという理由を聞いたニアスは、自分の立場がなくなると嘆いて走り去った。リアムは確かな技術を持ちながら残念な性格を見せるニアスにため息をついた。

エレンの決意

安幸がクラウスの弟子になったと知ったエレンは、将来リアムの役に立つため騎士になると宣言し、成人後は他家で修行して帝国騎士資格を得たいと願い出た。リアムはエクスナー家を修行先として紹介し、その後の士官学校や大学まで支援すると約束した。弟子が自立へ進み始めたことに、リアムは喜びと寂しさを同時に感じた。

第一話 駆け抜けろ平穏な時よ! 

領地拡大と新たな統治

ブライアンの叱責

ブライアンは、妖精騒動から五十年が過ぎても仕事を減らさず、新たな領地獲得へ向かおうとするリアムを叱責した。さらに、ロゼッタとの間に跡継ぎが生まれていないことを嘆いたが、リアムは子供を急かすべきではないと反論した。そこへニューランズ商会のパトリスが現れ、新領地への支店開設を申し出た。

辺境の至宝の実態

リアムが買収予定の惑星を訪れると、そこは子爵が自慢した辺境の至宝とは程遠い状態であった。惑星の文明は蒸気機関車が走る近代水準まで後退させられ、領民たちは知識と技術を奪われていた。子爵は自らの趣味で文明を制限したうえ、複数の商会から莫大な借金を抱えていた。

惑星の買収

リアムは劣悪な領地を押し付けられたことに激怒したが、領民五億人を見捨てず、借金と現状を反映した低価格で惑星を買い取ると決めた。クラウスは、本領から入植者を募って教育し、宇宙港などの施設を整備する必要があると進言した。リアムは数年間現地に残り、クラウスとともに直接統治を進めることにした。

本星の領民たち

本星の酒場では、リアムがまた新たな惑星を得たことが話題になった。常連客は領地を離れて働き続けるリアムに不満を漏らしたが、元子爵領の民にとっては、文明の制限から救ったリアムが天から現れた救いとして感謝されていた。領民の不満は、リアムに本星へ戻ってほしいという思いの裏返しでもあった。

ティアの海賊狩り

新領地周辺では、ティアが艦隊を率いて宇宙海賊を徹底的に殲滅していた。海賊団は降伏と撤退を願い出たが、海賊を憎むティアは命乞いを聞き入れず、団長との通信後に全艦を撃破した。その直後、惑星に取り残された海賊の一部が武装決起し、リアムが自ら出撃したとの報告が届いた。

第六兵器工場の機体

リアムは第六兵器工場が製造した、赤と金で装飾された高級機動騎士に乗り、地上で海賊の残党と戦った。機体は高い出力と滑らかな機動力を備え、リアムは舞うような剣技で敵機を次々に撃破した。圧倒的な性能で戦闘を終えた後、リアムは荒らされた農地の弁償や開発計画を考え始め、自分が仕事中毒になっていることを自覚した。

第二話 再びの覇王国 

覇王国の宣戦布告

セリーナの密告

一年ぶりにリアムが帰還する屋敷で、セリーナは祝宴の準備を監督する一方、密かに宰相へ連絡していた。彼女はバンフィールド家が領地拡大を続け、短期間で新領地の統治基盤を築いたことを報告した。宰相はこれ以上の拡張を反逆の意思と見なし、獲得した領地を帝国へ献上するよう最後通告を出すと決めた。

世継ぎを巡る衝突

ブライアンはセリーナを連れてリアムの執務室を訪れ、領地を長期間空けたことと、ロゼッタとの間に世継ぎがいないことを厳しく責めた。領地拡大を問題にするつもりだったセリーナは戸惑ったが、リアムは二人をまとめて追い出した。その後、ロゼッタから子供が嫌いなのかと問われたリアムは、前世の娘を思い出して激しく動揺したため、天城は屋敷でこの話題を禁じた。

安幸の独立

騎士学校を卒業した安幸は、クラウスの帰還に合わせて実家を離れようとした。凜鳳と風華は引き留め、ニナも実家で暮らすよう勧めたが、安幸は家族の自堕落な面を冷静に見ながら、クラウスのもとへ戻ろうとしていた。安幸は文武に優れた青年へ成長していたが、安士がリアムたちを育てた偉大な剣士には見えず、家族ゆえに凄さを理解できないのかと疑問を抱いた。

クラウスへの高評価

リアムは名門騎士学校を首席で卒業した安幸の成績を示し、クラウスの育成能力を称賛した。クラウスは安幸本人の資質と努力による成果だと否定したが、リアムは彼の部下たちが次々と実績を上げていることも根拠に挙げた。クラウスは有能な者へ仕事を任せただけだと考えていたものの、リアムから成功報酬まで約束され、今後も重要人物の育成を任されることを恐れた。

アリューナの宣戦布告

覇王国では、王太子争いを制したアリューナが数十年にわたり内政を整えていた。戦いへの渇望を抑えきれなくなった彼女は、かつて敗北を喫したアルグランド帝国への宣戦布告を宣言した。狙いはパンフィールド家であり、アリューナはリアムとクラウスを強敵として求め、リアムを倒してその遺伝子を得ようとしていた。

帝国の危機

覇王国の宣戦布告を受けた帝国では、国境防衛の予算が役人や貴族の中抜きで半分も現場に届いていなかった事実が発覚した。首脳陣は覇王国に対抗できる勢力として、同じく危険視されているバンフィールド家を派遣する方針を固めた。宰相は命令に従わなければ反逆と見なし、従えば帝国への忠誠を証明させられると考えた。

皇帝とクレオの策謀

皇帝バグラーダとクレオは、覇王国との戦争を利用してバンフィールド家を弱体化させようとした。リアムと親しい貴族を別の国境へ送り、バンフィールド家だけを覇王国へ向かわせ、支援や報酬も与えない方針を決めた。さらに、カルヴァンやライナスを支持していた旧敵を帝国軍として同行させ、急速に拡大したバンフィールド家が内部から崩れる展開を期待した。

覇王国迎撃の勅命

首都星へ呼び出されたリアムは、クレオからバンフィールド家単独で覇王国との国境を守るよう命じられた。帝国軍も派遣されるものの、旧式装備しか持たず、リアムと敵対してきた勢力の集まりであった。物資もすべてバンフィールド家が負担する条件であり、拒めば反逆者とされるため、リアムは命令を受け入れた。しかし、皇帝の策にしては手ぬるいことを不気味に感じながら、クレオの期待以上の成果を示すと告げて執務室を後にした。

第三話 いざ覇王国へ 

覇王国との全面戦争

リシテアの忠告

クレオとの面会を終えたリアムは、宮殿の廊下でリシテアから謝罪を受けた。リシテアは権力を得たクレオが変わり、自分の忠告も届かなくなったと嘆いたうえで、クレオがバンフィールド家と関係する商会、兵器工場、ホテルにまで制裁を加えようとしていると明かした。リアムは中途半端な立場を批判しつつも、その忠告には感謝した。

エリオットとの共闘

リアムは老舗ホテルでクラーベ商会のエリオットと会い、クレオによる圧力について協議した。ニューランズ商会ではリアムを切り捨てる意見が多数を占めており、クラーベ商会も取り潰しの危機に直面していた。エリオットは新たな皇太子の擁立を提案したが、リアムは同じ争いを繰り返す気はないと退け、暗部を護衛に付けて商会を守ると約束した。

完全勝利の宣言

エリオットは覇王国との戦争で、忠誠を示す程度に戦うのか、戦力を温存して退くのかを確認した。リアムは妥協や停戦を選ばず、覇王国に完膚なきまでの勝利を収めると宣言した。エリオットも商機として物資供給に協力する姿勢を示した。

兵器工場への圧力

帝国から受注を打ち切られたニアスは、夜中にリアムを訪ねて第七兵器工場の窮状を訴えた。未払いも重なり、アヴィドの改修にも遅れが生じていたため、リアムは艦艇と機動騎士を大量発注し、継続的に支援すると決めた。第三兵器工場も帝国から圧力を受けて関係の見直しを考えていたが、リアムは割高でも購入し、帝国から逃れられない立場へ巻き込むつもりであった。

第六兵器工場の選択

第六兵器工場のメイスンも帝国との契約を失い、貴族からの苦情まで受けて助けを求めた。リアムは第七と同様に大型契約を結び、第六兵器工場を味方に引き入れた。帝国側を選びかけた第三とは異なり、早期に支援を求めた第六の判断を高く評価した。

残った協力者

ティアとマリーは、利益を優先する商人や第三兵器工場への報復を進言した。しかし、リアムは不利になれば離反者が出るのは当然だとして、即座の制裁を認めなかった。一方で、エクスナー家をはじめとする親しい貴族は協力を続けると表明しており、リアムは危機によって信用できる相手が選別されたと受け止めた。

帝国の不自然な策

リアムたちは、帝国が利益で味方を切り崩さず、露骨な圧力だけを加えていることを不審に思った。ティアは本気で弱体化を狙うなら、友好的に接して決定的な場面で裏切らせるべきだと考えた。マリーは、リアムを裏切ったクレオ自身に信用がないため、利益を提示しても味方を得られなかった可能性を指摘した。

覇王国への出陣準備

本星へ戻ったリアムは、クラウスから出陣準備が進んでいるとの報告を受けた。クラウスは惑星アウグルを拠点に防御を固め、正面衝突を避ける策を提案した。しかし、リアムは帝国を守るためではなく、自分の目的のために覇王国を叩き潰すと告げ、クラウスにも本気を出すよう命じた。

セリーナの問い

ブライアンは、クレオの裏切りと帝国の不当な命令に激怒した。セリーナは、リアムが本気で覇王国と戦う理由が帝国への忠誠心なのかを尋ねた。リアムは忠誠心に価値を認めず、死ぬまでの行動を後世が言葉にしたものに過ぎないと答えた。その言葉を聞いたセリーナは何かを決意しかけたが、ブライアンの説教に遮られた。

ロゼッタの不安

出発前夜、ロゼッタは戦争を心配してリアムを待っていた。リアムは六十万の艦隊を派遣し、第一陣として約三十万を率いると説明した。また、天城を同行させず本星に残すと告げたため、ロゼッタはリアムがそれほど危険な戦いだと判断していると誤解した。別れになるかもしれないと不安を募らせたロゼッタは、リアムに強く抱きついた。

第四話 懐かしき惑星アウグル 

覇王国迎撃とロゼッタの異変

惑星アウグルの視察

リアムは覇王国との国境防衛拠点となる惑星アウグルを訪れ、会議前にユリーシアとお忍びで宇宙港を視察した。かつて代官を務めた頃より発展した街並みを確認しながら、ユリーシアにせがまれて限定品のバッグを買い与え、土産物を見て回った。

軍紀の乱れ

宇宙港では、バンフィールド家の軍人を名乗る三人がユリーシアを誘い、断られるとリアムの名を使って威圧した。リアムは正体を明かさずに立ち去ったが、周囲にも騒ぎを起こす軍人が多いことに気づいた。急速な領地拡大で吸収した軍人たちの再教育が不十分だと判断し、不要な者を処分する必要を感じた。

防衛会議

アルゴスでは、バンフィールド家、国境の貴族、帝国軍の将官が集まり、クラウスが会議を取り仕切った。帝国が派遣した三十万の艦隊は、旧式艦と整備不足の機体ばかりであり、かつてカルヴァンやライナスを支持した者たちが中心であった。アイゼン大将はリアムを挑発したが、リアムは権力争いに敗れた者たちだと切り返した。

ハリントンの防衛策

前回の覇王国戦で協力したハリントン大将は、重要な惑星へ艦隊を分散配置し、攻撃を耐え抜く策を示した。クラウスの考えとも一致する堅実な防衛策であったが、リアムは守るだけなら正しいと認めたうえで、覇王国領へ攻め込むと宣言した。

六十万艦隊の編制

バンフィールド家だけの会議では、六十万隻の艦隊が複数の軍へ分けられた。リアムとクラウスが各六万、ティアが三万、マリーが一万を率い、残りも優秀な騎士や将軍へ任された。しかし、急速に膨張した軍には名も実績も十分でない者が多く、リアムはクラウスに並ぶ指揮官の不足を感じた。

凜鳳と風華の参戦

安士の勧めにより、凜鳳と風華も大佐待遇で戦場へ参加していた。二人は安幸や安士と離れることに不満を漏らしていたが、修行への停滞を指摘されたことで態度を改めた。リアムは戦場で自らの未熟さに気づくことを期待し、第七兵器工場が改修した専用機も用意した。

王者の檄

リアムは将兵を前に、帝国の不当な扱いへの怒りを認めながらも、背後に守るべき領民がいることを忘れるなと告げた。覇王国を強敵と認めたうえで、それ以上に厄介で強い存在はバンフィールド家自身だと鼓舞した。前回は寡兵で勝利し、今回は六十万の艦隊を率いているとして、王者として格の違いを示せと命じた。

アリューナの歓喜

覇王国では、リアムが国境へ派遣されたとの報告にアリューナと戦士たちが歓喜した。アリューナはクラウスをはじめとする強者との戦いに胸を躍らせ、覇王国の名に恥じない戦いをするよう命じた。大艦隊はバンフィールド家との決戦を求め、帝国領への進軍を開始した。

ロゼッタの体調不良

本星では、ロゼッタが天城の補佐を受けながら政務を行っていた。天城は幼い頃のリアムを支えた記憶を思い出していたが、ロゼッタの顔色の悪さに気づくのが遅れた。ロゼッタが吐き気を訴えたため、天城は直ちに医師を呼び、診察を受けさせた。

届かない連絡

医師たちの会話ではロゼッタの異変がリアムに関係していることが示され、ブライアンは不安を募らせた。天城はリアムへ連絡を試みたが、戦場の通信障害によって繋がらなかった。覇王国との戦いが既に激化していると判断した天城は、ロゼッタの命に関わる報告を一刻も早くリアムへ届けようとした。

第五話 攻撃は最大の防御なり 

覇王国領への侵攻

アルゴスでの休息

リアムは超弩級戦艦アルゴスの豪華な私室で、凜鳳と風華とともに敵地とは思えないほど優雅に過ごしていた。防衛戦を捨てて覇王国領へ侵攻したリアムは、帝国のためではなく自分の目的のために覇王国を屈服させるつもりであった。

敵艦隊の接近

覇王国の三万隻が接近したため、リアムは全軍に戦闘配置を命じた。ユリーシアは緊急報告を行ったが、リアムが天城を恋しがったことで機嫌を損ねた。凜鳳と風華は戦闘を喜び、即座にパイロットスーツへ着替えて専用機のもとへ向かった。

アインとツヴァイ

凜鳳には紺色のアマリリス・アイン、風華には橙色のツヴァイが与えられていた。両機は人工知能を搭載した禁断の機動騎士であり、一閃流の剣士に合わせてアシスト機能も外されていた。凜鳳は従順なアインと息を合わせ、風華は反抗的なツヴァイと争いながら出撃した。

風華とダットの一騎打ち

覇王国軍は数で劣りながらも正面から突撃し、風華は戦術を無視した戦い方に呆れた。覇王国の戦士ダット・ウィンスプは風華を強者と認めて名乗り、一騎打ちを挑んだ。風華も剣神安士の弟子として名乗り返し、激突の末にダットを撃破した。戦いを純粋に楽しむ覇王国の気質に、風華は次第に親近感を抱いた。

無人の帝国防衛線

帝国領へ侵攻したアリューナは、守備隊の抵抗があまりにも弱いことに困惑した。重要拠点にも十分な戦力が配置されておらず、期待していたリアムやクラウスの姿もなかった。アリューナたちは、これもクラウスの策ではないかと警戒した。

覇王国本土への奇襲

覇王国本国から、バンフィールド家の約五十万隻が領内へ侵攻し、リアムの専用機と思われる機体も確認されたとの報告が届いた。アリューナは、リアムが防衛を捨てて後方へ攻め込んだ大胆さに歓喜した。帝国侵攻を続けるよりもリアムと戦う方に価値を見いだし、全軍を引き返させた。

補給艦隊の到着

惑星アウグルには、第三、第六、第七兵器工場で製造された新型艦艇と機動騎士を積んだ補給艦隊が到着した。代官のマリオンは、半数をバンフィールド家の補充に回し、残りを国境貴族や地方軍へ配分する指示を受けた。リアムから贈られた派手な衣装を着せられながらも、マリオンは代官として職務を果たしていた。

知らされていない増援部隊

補給艦隊の将官たちは、リアムが全軍を率いて覇王国領へ侵攻した事実を知らされていなかった。ティア、マリー、クラウスを含む主力が誰も残っていないと知り、将官たちは動揺した。マリオンは、アウグルの防衛と旧式装備の帝国軍再編を手伝えというリアムの伝言を伝えたが、本人の居場所も連絡方法も不明であった。

第六話 帝国最強の騎士の名はクラウス・セラ・モント! 

第二軍の快進撃と本星からの帰還要請

クラウスの胃痛

クラウス率いる第二軍は、覇王国の惑星を制圧した直後も敵地で包囲される危険に晒されていた。ようやく休めると思った矢先、チェンシーが三千隻の独立遊撃艦隊を率いて敵要塞へ独断で攻め込んだとの報告が届いた。要塞は五千隻を運用する規模であったため、クラウスは被害を抑えるべく援軍を送った。

アデルバートの独断

続いてアデルバートも敵の重要拠点を発見し、クラウスの意図を先読みした作戦だと称して戦闘を始めた。実際には自身の名声を高めるための独断専行であったが、第二軍最強を示すと兵たちを鼓舞して突撃した。問題の多い部下たちが次々と戦線を広げたため、クラウスは胃痛に耐えながら各地へ援軍を差し向けた。

チェンシーの要塞攻略

チェンシーはエリキウスを操り、戦闘を好む部下たちとともに要塞内部の覇王国軍を圧倒した。敵味方を問わず動けなくなった者へ容赦なく止めを刺す部隊であったが、チェンシーの命令には従っていた。敵を殲滅すると、事後処理をクラウスの援軍へ押し付け、次の獲物を探そうとした。

クラウスへの執着

部下の一人が、クラウスを排除してチェンシーが上に立つべきだと進言した。チェンシーは即座にその部下を殺害し、自分が自由に戦える地位と面倒な仕事を引き受けてくれるクラウスを気に入っていると明かした。ティアやマリーが筆頭騎士になれば自分たちを排除すると理解しており、クラウスの地位を守るためにも武勲を稼がせようと考えた。

第二軍の戦果

チェンシーやアデルバートたちが勝手に進撃した結果、第二軍は覇王国の拠点を次々と陥落させ、第一軍を上回る戦果を挙げた。報告を受けたリアムは、クラウスの成果に敗北を認めるほど感嘆した。家臣の功績も最終的には自分の手柄になると考え、第二軍を素直に称賛した。

第三軍と第四軍

ティア率いる第三軍も重要拠点を攻略していたが、伝令が第二軍より戦力が少ないと不満を口にしたため、リアムは自分の決定に文句があるのかと威圧した。一方で成果は認め、損害を補充すると約束した。マリー率いる第四軍は目立つ攻略成果こそなかったが、他艦隊の救援という役割を果たしていたため、リアムはその働きを高く評価した。

第五軍以降の失態

第五軍以降の艦隊は十分な訓練と最新装備を与えられながら、目立った成果を挙げられず、全滅した部隊も存在した。リアムは経験不足が原因だと判断し、旗艦を失った残存艦隊をティアに再編させた。挽回の機会を与える一方、待遇に見合う結果を出せなければ厳しく処分する姿勢を示した。

覇王国軍の集結

アルゴスへ戻ったリアムは、参謀フェリックスから覇王国が約三十万隻を集結させているとの報告を受けた。さらに、帝国領へ侵攻していた覇王国本隊も引き返しており、バンフィールド家を包囲する動きを見せていた。リアムは各軍を集結させ、敵を正面から叩く方針を固めた。

本星からの伝言

フェリックスは、ブライアンをはじめ屋敷の責任者たちから、可能ならば本星へ戻ってほしいとの伝言が届いていると報告した。戦争中に帰還を求めたブライアンを処罰しようとしたリアムだったが、天城も連名していると知って考えを改めた。事情は不明なままであったが、まず迫る覇王国艦隊を退けなければ帰還できないと判断した。

本星への懸念

アルゴス艦長コーデリアからも、本星で緊急性の高い問題が相次いでいると伝えられた。リアムは目の前の敵への対応を優先すると命じたものの、覇王国領の奥深くまで侵攻した判断をわずかに後悔した。

第七話 競争 

第二軍の快進撃と軍内の選別

敗軍の再編

覇王国の巨大要塞を占領したティアは、敗北して集まってきた味方艦隊を厳しく見下していた。十分な待遇と装備を与えられながら、格上の敵を前に逃げ回った者が多く、宇宙海賊との戦いしか経験していない軍の脆さが露呈していた。リアムから再編の機会を与えられた者たちについて、ティアは次の失敗を許さないつもりであった。

本星出身者の活躍

一方、戦場で成果を挙げた者の多くは、リアムの統治下で育った本星出身者であった。ティアは彼らの情報を記録し、自軍へ引き抜くようクローディアに命じた。クラウスとの武功差を埋め、再び筆頭騎士の座へ返り咲くため、有能な部下を集めようとしたのである。

マリーの激怒

遊撃を担当するマリーは、戦力で劣る敵に敗れた味方艦隊を救援し、その司令官たちを激しく叱責した。調査すると、他家から吸収した部隊の多くが訓練を怠り、最新装備を扱い切れていなかった。マリーは味方の救援に追われて戦果を挙げられないことに苛立ちながらも、自軍を強化するため、活躍した者を引き抜くようヘイディに命じた。

クラウスへの称賛

第二軍へ戻った伝令は、リアムがクラウスの働きを高く評価していたと報告した。クラウスは若手や部下たちの功績も伝えたか確認したが、周囲はすべて彼の采配による成果だと称賛した。帝国最強の騎士やリアムの右腕と呼ばれ、宰相の勧誘を忠義から断ったという噂まで広まっていた。

膨らむ虚像

クラウスが過大評価だと否定するほど、部下たちはその謙虚さまで美徳として持ち上げた。本星ではクラウスの名を子供に付ける者も増えていると聞かされ、本人だけが重圧に苦しんでいた。筆頭騎士の地位を誰かに譲りたいと願った直後、リアムから緊急通信が入った。

第八話 強者の資格 

覇王国軍との決戦準備

英雄たちへの期待

アリューナはパンフィールド家に敗れた兵を救助し、敵の情報を集めた。リアムとクラウスだけでなく、マリーとクリスティアナも活躍していると知ると、過去の英雄と同じ名を持つ二人の戦闘記録を確認した。本人たちが伝説の騎士であるかは問わず、強者である事実を喜び、戦場で相まみえることを望んだ。

クラウスへの総指揮

リアムは全軍の指揮を巡って争うティアとマリーを退け、クラウスを総司令官に指名した。自身は自由に動こうとしたが、三人はリアムの死がバンフィールド家の敗北と断絶につながるとして強く反対した。降格を示唆されても地位を捨てる覚悟を見せたため、リアムは処分を撤回したものの、後方に留まる要求には従わなかった。

第三軍の苦戦

ティアは敗残艦隊を吸収して十万隻を超える戦力を得たが、覇王国への恐怖から動けない艦隊が全軍の足を引っ張っていた。敵三十五万隻を早急に崩さなければ、帰還するアリューナ本隊との挟撃を受ける危険があったため、ティアは焦りながら攻勢を続けた。

凜鳳と風華の突撃

凜鳳と風華はアマリリスを駆り、敵陣へ直接斬り込んだ。凜鳳は戦艦を内部から破壊し、風華は二刀で機動騎士を次々に撃破した。二人の突出した戦闘力によって覇王国軍の陣形が乱れ、第三軍への圧力が弱まった。

臆病者の前線配置

ティアは動揺する敗残艦隊を立て直し、逃亡を防ぐため臆病な部隊を前方へ配置した。新領地から吸収した私設軍の多くがバンフィールド家の流儀に馴染まず、自己流を貫いて戦列を乱していると見切ったのである。

クラウスとマリーの挟撃

マリーは戦況の変化を捉えて敵艦隊へ突撃し、クラウスもその動きに合わせて挟撃を開始した。リアムの本隊も呼応したため、勝敗が一気に決する流れが生まれた。出遅れたティアは攻撃から味方の支援へ方針を変え、全軍の勝利を確実にする役目へ回った。

第九話 帝国一のヤベェ奴らとヤベェ星間国家 

覇王国包囲網からの撤退

四十万隻の残存艦隊

パンフィールド家は覇王国軍三十五万隻を撃破したが、五十万隻近い艦隊は四十万隻未満まで減少していた。物資の規格が異なる敵地では補給も難しく、将兵の疲労も限界に近づいていた。クラウスは少なくとも三百万隻と予想されるアリューナ本隊を前に、残存戦力で脱出できるか思案していた。

分散する覇王国軍

索敵艦から、覇王国軍が数十万隻単位に分かれて周囲へ展開しているとの報告が届いた。クラウスは敵の狙いを警戒しながらリアムへ情報を送った。部下たちは、かつて寡兵で覇王国軍を破ったクラウスが今回も動じていないと称賛したが、本人は不安を隠して平静を装っているだけであった。

侵攻作戦の終了

敵の包囲網を確認したリアムは、定めていた時間が尽きたため覇王国の首都星攻略を断念した。負傷兵を休ませ、態勢を立て直すため帝国領へ帰還すると決めたが、敵の隙間を抜けるのではなく、正面の艦隊を突破する方針を選んだ。

アリューナ本隊への突撃

覇王国軍の中には少数の艦隊も存在したが、リアムはそれらを伏兵へ誘導する罠と見抜いた。代わりに、総旗艦を含む六十万隻の本隊を突破口に選んだ。周囲の艦隊がパンフィールド家を追い立て、最終的にアリューナ本隊へ導く構えであるなら、最初から本命を叩くべきだと判断したのである。

妹弟子への先陣

リアムは凜鳳と風華に先陣を任せた。ユリーシアは二人を死地へ送る命令だと懸念したが、リアムは一閃流と、それを受け継いだ妹弟子たちの力を信じていた。二人の突破力で敵陣を切り開き、艦隊全体の帰路を確保しようとした。

風華の恩返し

出撃準備を進める凜鳳と風華は、アリューナがリアムの遺伝子を求めているとの噂を話題にした。風華は敵国の王太子がリアムを狙っていることを不快に感じ、これまで世話になった兄弟子への恩返しとして、敵をすべて斬り伏せると決意した。ツヴァイの抵抗を押さえ込み、自ら操縦の主導権を握って出撃に備えた。

第十話 脱走 

脱走艦隊の壊滅

アリューナの歓喜

アリューナは、包囲網の中で最も強大な本隊へ正面から向かってくるバンフィールド家を称賛した。少数艦隊を囮にした罠を避け、六十万隻の精鋭を狙ったリアムの決断に武人としての喜びを覚え、全軍も決戦への期待を高めた。

決戦前の離反

戦闘開始を目前にして、他家から吸収された艦隊を中心に脱走が始まった。マリーは味方の動揺を防ぐため脱走艦の撃墜を命じたが、命令に従ったのは古くからの艦隊だけであり、離反は急速に広がった。ティアとマリーの艦隊から多くの艦艇が抜け、バンフィールド家の急拡大による統制不足が表面化した。

リアムの静観

マリーは離反者を皆殺しにしようとしたが、リアムは弾薬を浪費する価値もないとして放置を命じた。十万隻近くが離反しても、リアムは目の前の覇王国軍との戦闘を優先した。その冷徹な態度に、マリーは離反者の末路まで見越しているかのような恐ろしさを感じた。

残った艦隊

ユリーシアは艦隊が崩壊すると考えたが、古くからリアムに仕える軍人たちは動揺していなかった。リアムに故郷を救われた者たちも、恩を裏切れば故郷へ戻れないとして戦列に残った。離反は約十万隻で止まり、残る三十万隻は再び陣形を整えた。

リアムへの信頼

元帝国軍人のフェリックスは、リアムが初陣以来、常に圧倒的な敵を破ってきたため、古参兵たちは今回も勝利を信じているとユリーシアへ説明した。新領地の出身者にもリアムへの支持は広がっており、軍は大きく削られながらも完全な崩壊を免れた。

ティアの驚愕

ティアも艦隊が戦闘前に崩れると覚悟していたが、三十万隻が踏みとどまったことに驚いた。リアムだけを逃がすために命令を破って殿を務めるつもりであったが、その必要はなくなった。勝機が残ったと判断し、目前の覇王国軍との決戦に集中した。

脱走者の思惑

離反者たちは即席艦隊を組み、覇王国の薄い包囲部分を突破して傭兵や宇宙海賊として生きるつもりであった。指揮官はリアムを突撃しか知らない未熟者と嘲り、少数の敵艦隊を狙えば容易に逃げられると考えた。

少数艦隊の罠

脱走艦隊が一万隻の覇王国軍へ突撃すると、両側から数万隻の伏兵が短距離ワープで現れた。少数艦隊はリアムが見抜いた通りの罠であり、脱走者たちは三方向から包囲された。

拒絶された降伏

脱走者たちは降伏と機密情報の提供を申し出たが、覇王国軍は不利になっただけで主君を捨てた行為を恥と断じた。アリューナとの決戦を汚した臆病者として降伏を拒絶され、脱走艦隊はその場で殲滅された。

第十一話 激突 

アルゴスの突撃と覇王国本隊との激突

正面からの突撃陣形

バンフィールド家と覇王国は、双方とも円錐状の突撃陣形を組んで正面から接近した。リアムは有効射程へ入るまで攻撃を禁じ、覇王国も同様に砲撃を控えたため、両軍は至近距離で一斉射撃を開始した。

アルゴスの防壁

覇王国の艦艇は帝国軍の現行艦を容易に撃破する高性能を備えており、数で劣るバンフィールド家の損害が増えていった。リアムはアルゴスを守るシールド艦を脆い艦艇の防御へ回し、コーデリアはアルゴス自体を艦列前方へ進めて味方の盾にした。

空間魔法の砲撃

リアムはアルゴスの切り札である空間魔法兵器を使用した。アルゴスの砲撃は敵艦隊内部に展開された魔法陣から放たれ、予想外の方向から攻撃を受けた覇王国軍では一時的に同士討ちが発生した。しかし、アリューナは映像から攻撃の仕組みを見抜き、情報を共有して混乱を収めた。

超至近距離戦

両軍の突撃陣形は崩れないまま接触し、敵味方が入り乱れる超至近距離戦へ移った。アリューナはバンフィールド家の精強さを認めながらも、六十万隻対三十万隻という戦力差から覇王国の勝利を確信した。

先陣を切るアルゴス

覇王国軍は、敵前衛へ進出した超弩級戦艦がリアムの乗るアルゴスだと知って驚愕した。アルゴスは凜鳳と風華の機動騎士を従え、敵艦を破壊しながら艦隊の先頭を進んでいた。総大将自らが先陣を切る姿に覇王国の戦士たちは感銘を受け、アリューナはリアムこそ自分の子の父親に相応しいと歓喜した。

アリューナの出撃

アリューナはリアムへ最大限の礼儀を示すため、自ら専用機アラクネで出撃すると決めた。周囲の猛者や参謀たちも同行を申し出て、リアムとの直接対決へ向けて準備を始めた。

ティアとマリーの救援

リアムが敵陣深くへ進んだと知ったティアは動揺し、ヴァールをアルゴスの盾にしようとした。しかし、密集した艦列を乱す危険があったため、より小回りの利くマリーの艦隊へ救援を要請した。マリーも敵味方の間を縫ってアルゴスへ向かい、普段対立する二人はリアムを守るため協力した。

クラウスの備え

クラウスはリアムが前へ出ると予測し、あらかじめ自艦をアルゴスの近くへ配置していた。さらにシールド艦を先行させ、自らの艦を盾にしてでもリアムを守るよう命じた。アデルバートも独断でマリーの艦隊に合流して救援へ向かい、クラウスはその働きを喜びながらも、功績として持ち上げられることに再び胃を痛めた。

第十二話 アラクネ 

アラクネとの決戦と覇王国からの撤退

凜鳳と風華の激戦

凜鳳と風華は、敵味方が入り乱れる超至近距離戦で覇王国の機動騎士と戦艦を次々に撃破した。凜鳳はアインで一閃を放ち、周囲の敵をまとめて斬り裂いたが、機体には大きな負担がかかった。風華も損傷したツヴァイで凜鳳を救援し、二人は口論しながらアルゴスを守り続けた。

アリューナの子機

二人の前に現れた異形の機動騎士には、アリューナの複製体が乗っていた。倒しても同じ気配を持つ機体が次々に現れ、戦場全体では百機以上が確認された。親機アラクネはアリューナの知識と経験を再現した生体パーツを子機へ乗せ、敗北の経験を共有することで成長し続けていた。

若手部隊の奮戦

アラクネの子機は各地で猛威を振るったが、バンフィールド家の若手や特殊部隊も次第に対応した。フェリックスは、軍が百五十年近くかけて育てた人材の力を示し、リアム自身が出撃せずとも子機を撃破できると主張した。リアムは出撃準備だけを命じ、家臣たちの戦いを見守った。

アラクネ対策

ティアは、アリューナ本人は経験を急速に積む一方、量産される子機の性能は大きく変化しないと見抜いた。敵の構造と戦闘記録を共有し、子機の撃破に特化した装備と部隊を投入した。クラウスも遠距離戦に適したラクーン部隊を送り込み、戦場全体でアラクネへの反撃が始まった。

各地の強者たち

チェンシーは部下の犠牲を顧みず子機を次々に破壊し、マリーもテウメッサで敵を迎撃した。マリーは独自改造機で参戦した若い騎士を戦力として認め、戦果次第では処罰を免じると約束した。ロイヤルガードのエセルもアルゴスへ近づく敵を排除し、リアムの乗艦を守った。

親機への突撃

凜鳳と風華は、子機を生み出す親機を破壊すれば戦況を変えられると考え、敵陣の奥へ向かった。二人は巨大なアラクネを発見し、子機を製造する腹部を斬り裂いた。アリューナは既に子機の役割は終わったとして、身軽になった親機で二人との直接戦闘を続けた。

一閃流の窮地

アリューナは子機から得た経験によって一閃の予兆を見抜き、凜鳳と風華の攻撃を回避するようになった。損傷したアインとツヴァイは限界に近づき、二人は刺し違える覚悟で最後の一閃を放とうとした。アリューナも勝負を受ける構えを見せた。

リアムの遠隔斬撃

決着寸前、リアムの声とともにアリューナの機体の脚部が斬り裂かれた。アルゴスのブリッジにいたリアムは、離れた場所にいる敵を自らの間合いとして刀で斬っていた。アリューナが回避しても手足を次々に切断され、親機は戦闘不能となって味方に回収された。

覇王国領からの帰還

リアムは凜鳳と風華の回収を命じ、自ら敵の相手を引き受けながらアルゴスを突破口とした。覇王国を完全に倒せなかったことを不満に思いつつも、重要拠点と本隊に大打撃を与え、国境への圧力を軽減する目的は達成していた。バンフィールド艦隊は大きな損害を受けながらも包囲を突破し、国境へ帰還した。

第十三話 向き合えないもの 

覇王国戦後と若君の誕生

妹弟子への労い

帰還したアインとツヴァイは大破していたが、リアムはアリューナと戦い抜いた凜鳳と風華を責めなかった。二人が刺し違えてでも勝とうとした気概を認め、次は自分たちだけで倒すという決意も受け入れた。

グスタフの支援

先行して惑星アウグルへ戻ったクラウスは、旧カルヴァン派を中心とする帝国派遣軍の襲撃を警戒した。しかし、グスタフは疲弊したバンフィールド家を攻撃せず、補給と整備を申し出た。首都星に従っても使い捨てにされると考えたことに加え、カルヴァンからリアムを助けてほしいと頼まれていたためであった。

マリオンとユリーシア

アウグルでは、派手な衣装を着たマリオンがリアムを迎えた。しかし、リアムは会議を優先して足を止めず、面会の調整をユリーシアへ任せた。残されたマリオンとユリーシアは、互いにリアムから女性として相手にされていない点を皮肉り合った。

艦隊の甚大な損害

戦後会議では、バンフィールド家の艦隊が半数を失い、残存艦にも大規模な整備が必要だと報告された。覇王国にも大打撃を与えたため大局的には痛み分けであったが、軍の再編には長い時間が必要となった。リアムは急激な軍拡による統制不足も原因だとして、ティアやマリーを責めなかった。

軍の再編

リアムは艦艇と機動騎士を追加発注し、装備更新も進めると決めた。再編をクラウスとティアに任せ、自身はマリーを伴って本星へ戻ることにした。凜鳳と風華はアリューナとの敗北を受け、国境に残って鍛え直すことを望み、代わりの機体を求めた。

妹弟子たちの成長

リアムは、戦場で自らを鍛えると決めた凜鳳と風華の変化を喜んだ。マリーは既に独立してもよい実力だと指摘したが、リアムは自分が二人を甘やかしていた可能性を認めた。

ロゼッタとの再会

本星へ戻ったリアムとマリーは、ロゼッタのいる病院へ向かった。泣き崩れるブライアンを見たマリーは、ロゼッタに深刻な事態が起きたと思い込み、平静なリアムを責めた。しかし、ロゼッタ本人は元気な姿で現れ、部屋からは赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。

若君の誕生

ロゼッタは生まれた子を抱き、リアムへ渡した。リアムは前世の裏切りを思い出して自分の子であることを疑いかけたが、赤ん坊を自然に抱き上げた。前世で子を育てた経験が残っていたため、ロゼッタから抱き方を褒められた。

父親への恐れ

リアムはロゼッタと赤ん坊をマリーへ任せ、天城と部屋を出た。天城にだけ、自分のような悪党を父に持つ子は不幸だと打ち明けた。責任と義務は果たすと述べたが、過去の行いを背負う自分には父親らしく振る舞う資格がないと考えていた。

ロゼッタの不安

素っ気ないリアムの態度に、ロゼッタは子の誕生を喜んでいないのではないかと不安を抱いた。マリーは戦争中に直接帰還したこと自体が、リアムの情の表れだと説明した。ブライアンも、幼少期に両親との時間を持てなかったリアムは、父親としてどう振る舞えばよいか戸惑っているだけだと語った。

犬の霊の見守り

部屋の隅では犬の霊がロゼッタと赤ん坊を守っていた。案内人が二人を利用してリアムを傷つけることを防ぎ、無事を確認すると赤ん坊へ近づいた。赤ん坊が笑顔を見せると、犬の霊はリアムの子であると確信し、役目を終えて部屋を去った。

第十四話 再び覇王国へ 

第二次侵攻と覇王の降伏

首都星の警戒

宰相はセリーナから、バンフィールド家が覇王国へ侵攻して艦隊の半数を失ったと聞いた。帝国は自領を傷つけずに覇王国とバンフィールド家の双方を消耗させる結果を得たが、セリーナは中核人材が健在であり、再編後はすぐに勢力を回復すると警告した。

アウグルでの再編

惑星アウグルでは、クラウスが艦隊の再編を予定以上の速度で進めていた。リアムが代官時代から開発し、御用商人との関係も築いていたため、必要な物資を確保できたのである。クラウスたちは、リアムが将来の戦争まで予測して準備していたのではないかと考えた。

統率を取り戻した軍

ティアは、脱走者や未熟な部隊が減ったことで艦隊の統率が改善したとクラウスへ語った。前回の侵攻中に隠しゲートや再侵攻の準備も進めており、再編後なら覇王国に勝てると確信していた。アデルバートも独断で重要施設へ罠を仕掛けており、その功績までクラウスの手柄として広まった。

六十万隻の増援

リアムは一年をかけて本星で財政と軍を立て直し、新たに六十万隻の艦隊を編制した。クラーベ商会もアウグルへ進出し、艦隊受け入れの準備を支援した。リアムはロゼッタや若君との時間をほとんど持たず、再び覇王国との戦争を終わらせるため出陣した。

首都星への進撃

国境では別の帝国軍百万隻が侵攻を始め、アリューナたちは帝国本隊の攻撃だと判断した。しかし、前線を突破して首都星へ直進した艦艇には、すべてバンフィールド家の家紋があった。前回の侵攻で用意した隠しゲートと罠を利用し、リアムは通常の攻略手順を無視して首都星へ迫った。

風華とアリューナの再戦

首都星前の戦いで、凜鳳と風華は再びアリューナと対峙した。風華は修行によってツヴァイを完全に従え、冷静さを保ちながらアリューナと一騎打ちを行った。凜鳳が護衛を引き受けたことで勝負に集中し、風華はアリューナの手足を斬り落として生け捕りにした。

覇王の抵抗

アリューナが捕らえられると覇王国艦隊は武装解除したが、首都星の覇王は敗北を認めなかった。リアムはこれ以上の流血を避けるとして、自ら地上へ向かうことを決めた。若君の誕生を理由に穏便な解決を望むと説明し、クラウスの了承を得た。

覇王との一騎打ち

リアムはグリフィンで王城へ降り、覇王ドロス・パランディンと直接対峙した。ドロスは戦艦を破壊するほどの拳を放ったが、リアムは一閃で攻撃を斬り裂いた。敗北を認めたドロスは、勝者であるリアムに従うと宣言した。

覇王国の存続

リアムは帝国から国境防衛しか命じられていないため、覇王国を滅ぼすつもりはないと告げた。いずれ自分のために働かせるとして、国の統治をドロスへ預けた。ドロスもリアムが強者である限り従うと約束し、覇王国は存続することになった。

覇王の要求

ドロスは降伏の条件としてリアムの子を望んだ。リアムはアリューナとの子を求めていると思ったが、ドロス自身がリアムの子を産むつもりだと告げられ、激しく動揺した。覇王国の者たちはその申し出を祝福し、リアムだけが強い恐怖を抱いた。

ティアとマリーの性転換騒動

帰還したリアムは、ティアとマリーが男性への性転換を巡って争っていると知らされた。女性として求められていないと誤解した二人は、騎士として価値を高めようとしていたのである。リアムは今の姿のまま仕えるよう求め、以前の発言を謝罪した。

リアムの逃走

ティアとマリーはリアムが自分たちを女性として意識したと気づき、再び激しく迫った。覇王との一件で疲れ切っていたリアムは二人から逃げ出し、後始末をクラウスへ任せた。最後まで頼りになったのは、騒動を冷静に収めるクラウスであった。

第十五話 覇王国との戦いの代償 

エドワード誕生後の騒動と新たな戦力

第二子を求めるデモ

領地へ戻ったリアムは、惑星各地で起きた大規模なデモに激怒した。しかし、その多くは戦争への抗議ではなく、第一子エドワードの誕生を祝う祭りと第二子を求める運動であった。ユリーシアを大切にするよう訴える一派まで現れ、本人も喜んで演説へ向かった。

案内人への祝福

首都星でエドワード誕生を知った案内人は、リアムを苦しめる機会を逃したと悔しがった。そこへ犬の霊が領民たちの祝福を運び、案内人へぶつけた。祝福に焼かれて帽子だけの姿となった案内人は、何者かが自分を妨害していると悟り、首都星に蓄積した負の感情を利用して復活すると誓った。

戦功者への褒賞

リアムは覇王国戦で活躍した者たちを謁見の間へ集め、昇進、一時金、戦死者遺族への保障を約束した。敵前逃亡した者たちを切り捨てる一方、軍の中から有能な者が現れたことを戦争の成果として評価した。

ナイトナンバー二

リアムは暗部を率いるククリへナイトナンバー二を与えた。騎士ではない自分には不要だと辞退しようとしたククリに対し、リアムは有能と認めた証として受け取るよう命じた。

ナイトナンバー三

修行を終えて戻ったエレン・セラ・タイラーには、ナイトナンバー三が与えられた。成長したエレンは落ち着いて任命を受け、リアムの期待に応えるため今後も励むと誓った。

ナイトナンバー四

本星出身の女騎士エマ・ロッドマンは、ナイトナンバー四に選ばれた。長年の戦いで実績を積み、生え抜きの騎士が成り上がれることを示す存在として抜擢された。緊張で言葉を詰まらせながらも、エマは任命を受け入れた。

エドワードとの再会

一年ぶりにエドワードと過ごしたリアムは、成長した我が子を抱き上げた。ロゼッタは毎日リアムの映像を見せ、父親の存在を教えていたと語った。リアムはエドワードが将来背負う運命を思い、公爵家のことを告げずに今は元気に育つよう願った。

案内人への感謝

リアムは自らの悪行がエドワードへ引き継がれないよう願いながら、いつも以上に案内人へ感謝した。その頃、案内人はリアムから届く感謝に苦しんでいたが、リアムは悲鳴を照れ隠しだと受け取った。

バグラーダの計画

宮殿では、バグラーダが覇王国戦で生まれた大量の血と憎悪を喜んでいた。クレオや帝国の勝敗には関心がなく、戦争によって何らかの目的が満たされることを望んでいた。リアムの活躍によって計画が早まったと語り、今後も利用するつもりであった。

特別編 赤ん坊 

エドワードを見守るメイドロボたち

エドワードの警護

リアムとロゼッタが公務で不在の間、エドワードは医療関係者や騎士、暗部に守られた部屋で眠っていた。赤ん坊に最適な環境が整えられたカプセルの周囲には、メイドロボたちが集まっていた。

メイドロボたちの争い

塩見、白根、荒島をはじめとするメイドロボたちは、エドワードを間近で見ようとして互いを押し退け合った。暗部のクナイは、その騒ぎを止めることもできず、呆れながら見守っていた。

天城の微笑み

天城はメイドロボたちの間を抜けてカプセルを開き、眠るエドワードの頬を優しく突いた。幼い頃のリアムに似ていると感じた天城は、はっきりと微笑みを浮かべた。

順番待ちの列

天城が一人ずつ順番に見るよう命じると、メイドロボたちは即座に整列した。統率されたままエドワードの寝顔を覗き込む姿を見て、クナイは理解できずに首を傾げた。

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