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アラフォー賢者の異世界生活日記フィクション(Novel)読書感想

小説【アラフォー賢者】「アラフォー賢者の異世界生活日記 18巻」感想文・ネタバレ

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アラフォー賢者の異世界生活日記

アラフォー賢者17巻レビュー
アラフォー賢者まとめ
アラフォー賢者19巻レビュー

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  1. どんな本?
    1. ■ 作品概要
    2. ■ 主要キャラクター
    3. ■ 物語の特徴
  2. 読んだ本のタイトル
  3. あらすじ・内容
  4. 感想
  5. 考察・解説
    1. 邪神アルフィアの復活
    2. 四神教の崩壊
    3. 世界環境の再生
    4. 震災復興と救助活動
    5. 恋愛症候群の発生
  6. 登場キャラクター
    1. 転生者・地球の人物
      1. ゼロス
      2. アド
      3. 八坂学
      4. 川本龍臣
      5. 笹木大地
      6. 佐々木学
    2. ソリステア魔法王国
      1. デルサシス公爵
      2. クレストン元公爵
      3. リサ
      4. シャクティ
      5. クロイサス
      6. マカロフ
      7. ツヴェイト
      8. セレスティーナ
      9. ディーオ
      10. キャロスティー
      11. ウルナ
      12. エロムラ
      13. ミスカ
      14. アンズ
      15. ユイ
      16. かのん
      17. ウィースラー派の学生達
    3. 孤児院・教会関係
      1. ルーセリス
      2. カエデ
      3. ジョニー
      4. ラディ
      5. アンジェ
      6. カイ
    4. 傭兵・冒険者・その他市民
      1. ベラドンナ
      2. クーティー
      3. イリス(入江澄香)
      4. ジャーネ
      5. レナ
      6. 老婆
      7. 少年
      8. 迷宮調査員達
    5. ハンバ土木工業
      1. ドワーフ達
      2. ナグリ
      3. 新人職人達
    6. 獣人族
      1. ケモ・ブロス
      2. 獣人達
      3. 奥様方
    7. アルトム皇国
      1. ルセイ
      2. ラーフォン
      3. マルドゥークラハ・アルトム
    8. イサラス王国
      1. ザザ
      2. ルーイダット・ファルナンンド・イサラス王
    9. メーティス聖法神国(元含む)
      1. 生き残った怪我人や神官達
      2. フューリー・レ・レバルト
      3. アーレン・セクマ
      4. メルラーサ司祭長
      5. アダン司教
    10. 神・観測者・天使
      1. アルフィア・メーガス
      2. フレイレス
      3. アクイラータ
      4. ルシフェル
    11. 動物・魔物
      1. コッコ達
  7. 展開まとめ
    1. プロローグ 邪神降臨の影響 
    2. 第一話 復活と進撃の邪神ちゃん 
    3. 第二話 おっさんは帰路につき、世界は再生が始まる 
    4. 第三話 世界再生の余波は災害を呼ぶ 
    5. 第四話 世界再生の始まりは余波の爪痕を残す 
    6. 第五話 エロムラ、 社会的な死の危機に晒される 
    7. 第六話 おっさん、アドと共に帰宅中 
    8. 第七話 おっさん、クーティーと遭遇する 
    9. 第八話 おっさん、 恋愛症候群が発動し精神的ダメージを受ける 
    10. 第九話 中原動乱の序章の序章 
    11. 第十話 おっさん、進化の仕組みを知る 
    12. 第十一話 おっさん、神官服改造の依頼を受ける 
    13. 第十二話 おっさん、神器製作依頼も受ける 
  8. 同シリーズ
    1. アラフォー賢者の異世界生活日記シリーズ
    2. 小説
  9. その他フィクション

どんな本?

■ 作品概要

本作は、異世界に転生したアラフォーの大賢者・ゼロスが自由気ままに生きる姿を描いたファンタジー作品の第18巻である。邪神アルフィア・メーガスが四神の二柱を倒して完全復活し、管理権限を回収して世界の再生(魔力循環)を開始したことで、世界各地に地殻変動(大地震)が発生する。同時にメーティス聖法神国の中枢マハ・ルタートが壊滅し、中原は戦乱の世へと突入していく。そんな激動の世界情勢をよそに、帰途についた主人公ゼロスは、恋愛症候群によるトラブルに巻き込まれたり、邪神から無茶な神器製作を押し付けられたりと、相変わらずのマイペースな日常を送る姿が描かれている。

■ 主要キャラクター

  • ゼロス:【大賢者】の職業を持つ転生者のアラフォー。恋愛症候群の影響でルーセリスたちと濃厚なキスをしてしまい、自己嫌悪と羞恥心に悶絶する。アルフィアから瘴気を放つ呪い素材で神器を作るよう無茶振りされる。
  • アルフィア・メーガス:完全復活を果たし、世界の管理権限を取り戻した邪神(次世代の観測者)。世界のバグ修正に追われる一方、ゼロスにフライドオークをたかるなど食い意地が張ったポンコツな一面を見せる。 アド:ゼロスと同郷の転生者。極度に嫉妬深い妻ユイを恐れつつも、家族を深く愛している。
  • ルーセリス:養護院を管理する見習い神官。恋愛症候群の影響でゼロスとキスをしてしまう。四神教が邪教認定されたため、神官服の改造をゼロスに依頼する。
  • メルラーサ司祭長:サントールの街の司祭長。四神教の崩壊に動じず、真なる神(アルフィア)からの神託を受け、自らの信念に従って人々を救う道を選ぶ豪快な老女。
  • フューリー・レ・レバルト:聖天十二将の一人で、腹黒い野心家。聖都崩壊を機に自領周辺の平定に乗り出す。
  • アーレン・セクマ:聖天十二将の一人で、血に飢えた殺戮狂。混乱に乗じて楽しい戦争を引き起こそうと企む。
  • クーティー:魔導具店の元店員。地震で店が倒壊し無職となり、ゴミを漁る生活に転落するが、自己中心的な性格は変わらずゼロスに寄生しようとする。

■ 物語の特徴

本作の特徴は、世界の根幹に関わるシリアスな変革と、転生者たちのコミカルな日常の落差である。神による四神への断罪や、メーティス聖法神国の崩壊といったシビアな政治・世界情勢が動く一方で、ゼロスが恋愛症候群で奇行に走ったり、邪神が駄々をこねたりといった日常のコメディが展開される。また、魔力やダンジョン、レベルやスキルといった異世界ファンタジー特有の要素が、「事象管理システムのバグやエラー」としてメタ的に解説・修正されていくSF的な世界観設定も、他の作品と一線を画す興味深いポイントとなっている。

読んだ本のタイトル

アラフォー賢者の異世界生活日記  18
著者:寿安清 氏
イラスト:ジョンディー  氏
出版社:KADOKAWAMFブックス
発売日:2023年4月25日
ISBN:9784046824189

(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。

あらすじ・内容

四神粛清、世界は新時代へ!

四神の二柱であるアクイラータとフレイレスの前に突如現れた邪神ちゃんことアルフィア・メーガス。邪神戦争時を凌駕する能力を身に付けた彼女は、いとも簡単に二柱を倒し、管理権限を回収する。そして完全体となったアルフィアは、世界の再生を図るべく次の行動に入るのだった。
一方、ルーダ・イルルゥ平原での用事を済ませたゼロスとアドは、ケモ・ブロスと別れ帰途につくのだが、その際に巨大な地震に遭遇する。この世界では地震はとても珍しく、嫌な予感がした二人は急いでサントールの街を目指すが……。
勇者召喚により大量の魔力が失われ魔力枯渇に陥っていた世界を再生するため、魔力循環を行うアルフィア。そのため世界各地で地殻変動が発生し、同時に新たな秩序や法則がもたらされるのだった。新時代へと突入するこの世界で、はたしてゼロスはどう立ち回るのか!?

アラフォー賢者の異世界生活日記 18

感想

ケモナーのブロス君への援軍から家に帰るオッサン達だったが。

世界は邪神ちゃんことアルフィア復活におののく元妖精の4神達と彼女達を信仰して好き勝手やっていたメーティス神王国の国民達を中心に変わって行った。

多くの信者の目の前で女神達から管理権限を奪った邪神ちゃん。

それを目撃した者達は後に”四邪神の断罪”と呼ぶようになる。

反対に感涙する世界のシステム維持に忙殺されてる女神達。

そして魂となって輪廻の輪に帰れなかった勇者達の魂も浄化されて行くが、怨念が凄くてなかなか浄化出来ない状態。

それに苦労している邪神ちゃん達。

でも、世界は変わっていく。

世界樹が生成した魔力の奔流が世界中に流れ。

その余波で地震が頻発。

耐震構造なんて全くない一般の家屋の多くが倒壊して各国は大混乱に陥って行く。

そんな世界が混乱している中。

ソラステア公爵家は災害対応に奔走されていた。

デルサシス公爵は転生者のイリスの海外ドラマの知識からトリアージを採用し。

トリアージ(triage)とは、重傷度や治療緊急度に応じた「傷病者の振り分け」を意味します。 災害時においては医療スタッフや医薬品などの医療資源が限られるため、より効果的に傷病者の治療を行うために、治療や搬送の優先順位を決定するものです。

地震の後に都市部で怖いのは火事だと災害国日本出身のイリスが言い。

大きくなりそうな火事をイリスは水魔法のアイテムを使用して鎮火して行く。

そして倒壊した建物の再建は素敵なダンシングをしながら作業をするハンバ土木工業のドワーフ達が大活躍する。

救助でもその辺の騎士や兵士より迅速に行っており判断も早かった。

ただ新人の目はオーバーワークで完全に死んでいるが、、

ちなみにオッサンが彼等に見付かったら拉致されて働かされる事は必定!

公爵領に戻ったオッサンは、彼等の影に怯えることになる。

そんな混乱の中で、絶叫教会の孤児達は美術的な天井を地震を理由に破壊してしまう。

そんな中で、天井にあった箱の中に宝石があるが、、

盗品かもしれないと思い、箱が開いて散らばった宝石を全て拾い収納してからボンドで蓋を固定して、他にも指輪などが落ちていたので全てを回収。

封印した宝石は肉好きなカイがサラッと呪い付きだと言う始末。

呪いの宝石って、次の話の布石だよな、、、

学園では建物には問題は無かったが、中身では問題が多発してしまった。

薬品の入った瓶が地震により落下して割れてしまい以前オッサンが作った性転換薬が蔓延。

そのせいで、学園は阿鼻叫喚となる、、

メーティス神王国はドラゴンの襲撃で首都が壊滅。

その首都で信仰していた神を世界の神に否定され。

行政中枢と信仰が崩壊。

そこに地震が襲って来たので完全に国として終わってしまい、他の国は自国の復興で手一杯のため援助も無い状態。

そんな中で、4女神の使徒として召喚された勇者達も仲間割れを行い中原騒乱と呼ばれる発端となる内戦状態へと移行して行く。

そんな世界情勢なのに、オッサンはルーセリスとジャーニ相手に恋愛症候群を発症させて暴走。

後日、3人とも気まずい状態へとなり、孤児達が”もう、いい加減にくっついちまえよ!”と陰で言われる。

そして、一仕事終えた邪神ちゃんはオッサンの元で現状の報告する。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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アラフォー賢者17巻レビュー
アラフォー賢者まとめ
アラフォー賢者19巻レビュー

考察・解説

邪神アルフィアの復活

『アラフォー賢者の異世界生活日記 18』における「邪神アルフィアの復活」は、これまでの四神による世界管理の終焉と、次元崩壊の危機を回避するための事象管理システムの復旧、およびそれに伴う世界規模の変革と災害として描かれている。

四神の管理権限強奪と降格処分、宇宙空間のシステム同期と不眠不休のデバッグ作業、世界樹の魔力循環再開と休眠ダンジョンの強制覚醒、そしてゼロスの家でフライドオークを貪る分体のポンコツぶりにいたる全容は以下の通りである。

四神教の国家崩壊と慈悲を乞う信徒たちへの冷酷な突き放し

邪神戦争時を遥かに凌ぐ力を持って完全復活を果たしたアルフィア(次世代の観測者)は、火の女神フレイレスと水の女神アクイラータを圧倒した。

・彼女たちの胸から無造作に管理権限を奪い取り、四神を準従属神へと降格させた。

・その後、かつて自身を邪神と呼び迫害してきた四神教の神官や信徒たちが慈悲を乞うてきても、人に都合のよい神など存在しない、人間を特別優遇するつもりはない、と冷酷に突き放した。

・これにより、四神教という宗教国家を完全に崩壊へと導いた。

深層領域のプロテクト解除と勇者召喚バグの修正に伴う魂の送還作業

地上で権限を回収したアルフィアは、宇宙空間に存在する自らの本体と同期し、神域の深層領域へのアクセスを開始する。

・セフィロトシステムやクリフォトシステム、惑星環境管理用のユグドラシルのプロテクトを解除して掌握した。

・他の次元世界から手伝いに来ていた神々や天使たちと協力体制を築く。

・勇者召喚によって生じた異界の摂理、すなわちシステムに食い込んだバグの修正と、勇者たちの魂を元の世界へ送還する途方もないデバッグ作業に不眠不休で取り掛かる。

魔力の急激な流入を抑える迷宮の覚醒と震度4から5の地殻変動被害

枯渇した魔力を補填し惑星を再生させるため、アルフィアは世界樹から魔力の循環を再開させる。しかし、急激な魔力流入は異常進化種の爆発的な繁殖や地殻変動を引き起こす危険があった。

・そこで彼女は、南半球などで休眠状態にあった世界中のダンジョンコアを強制的に覚醒させた。

・余剰魔力を吸収させることで災害の規模を抑え込むという策に出る。

・この影響で世界各地に震度4〜5程度の地震が発生し、各国に多大な被害をもたらした。

・今後無数の迷宮が出現し、魔物が放出される大ダンジョン時代が到来することが示唆されている。

暴食の駄目神と蔑まれる分体の生態と呪い素材の提供による神器製作

世界の根幹に関わる壮大な作業を行う一方で、地上に切り離された分体の邪神ちゃんは、ゼロスの家に押しかけてフライドオークを際限なく貪り食うという、威厳の欠片もないポンコツぶりを見せている。

・ゼロスからは暴食の駄目神やブラックホールと蔑まれている。

・肉を対価に真面目な神官たちへ大義名分を与えるための神託を下すようパシリにされた。

・自らの身体の一部である瘴気を抜いた呪い素材を提供してゼロスに神器の製作を無茶振りする。

・神と使徒(転生者)というよりは、腐れ縁の悪友のようなコミカルな関係性が描かれている。

まとめ

邪神アルフィアの復活は、世界の管理体制の強制的な近代化と、それによって引き起こされる激動の時代への幕開けを告げるエピソードである。四神の権限を剥奪して宗教国家を瓦解させ、宇宙規模のシステム修正と魂の送還デバッグに不眠不休で挑む姿は、絶対的な観測者そのものである。しかしその一方で、魔力補填の副作用として世界中に地震と大ダンジョン時代の到来という大災害をもたらす冷徹な側面も見せる。地上に残された分体がゼロスの家でフライドオークに執着し、悪友のような関係を築くギャグ描写を含みつつも、惑星レベルの再生プロセスが容赦なく進行している現実を厳格に証明している。

四神教の崩壊

『アラフォー賢者の異世界生活日記 18』における「四神教の崩壊」は、宗教国家メーティス聖法神国の根幹であった信仰と政治体制が完全に破壊され、世界が戦乱と新たな時代へ移行する決定的な出来事として描かれている。

聖都の壊滅と隠蔽されてきた悪逆非道の暴露、真なる神による管理権限の強奪と一切の救済の拒絶、無政府状態に伴う中原の戦乱、そして生き残った善良な神官たちの新たな使命と神官服のデザイン改造にいたる全容は以下の通りである。

滅魔龍ジャバウォックの襲撃による聖都の更地化と勇者暗殺の事実拡散

神国に暗殺された元勇者たちの怨念の集合体である滅魔龍ジャバウォックの襲撃により、政治の中枢であった聖都マハ・ルタートは完全に更地と化し壊滅した。

・それと同時に、四神の命令で行われてきた勇者召喚の危険性が明らかになる。

・用済みとなった勇者を裏で暗殺してきた事実など、四神教が隠蔽してきた悪事が何らかの力によって国中に暴露、拡散された。

火と水の女神から管理権限を奪い取ったアルフィアの粛清と自業自得の断罪

ジャバウォックの襲撃後に降臨した真の神(次世代の観測者)であるアルフィア・メーガスは、火の女神フレイレスと水の女神アクイラータから管理権限を奪い取り、四神を準従属神へと降格させて粛清した。

・絶望した神官や信徒たちがアルフィアに慈悲や救いを乞うたが、彼女は、人に都合のよい神など存在しない、四神教は人間が都合よく作り出した幻想に過ぎない、と冷酷に突き放した。

・さらに、勇者召喚によって世界を滅亡寸前にまで追いやった罪は重く、自業自得であるとして一切の救済を拒絶した。

無政府状態に陥った聖法神国と指導者不在に乗じた将軍らの領土拡大闘争

信仰の対象が邪神認定されたうえに政治中枢が消滅したことで、メーティス聖法神国は事実上の無政府状態に陥った。

・利用され殺されるだけだった真実を知った生き残りの勇者たちは国に見切りをつけ、他国への亡命を決意する。

・一方、生き残った聖天十二将のフューリー・レ・レバルトやアーレン・セクマといった野心的な将軍や貴族たちが動き出す。

・指導者不在の混乱に乗じて自らの領土を拡大しようと画策し、中原一帯は血で血を洗う戦乱の世へと突入していく。

神に依存する教義の廃棄と大義名分となる神託および十字架意匠の除去

四神教が邪教と化し、多くの神官が絶望する中、メルラーサ司祭長やアダン司教など一部の真っ当な神官たちは、神に依存する四神教の教義を捨て、自らの意思で人を救済し続ける道を歩むことを決断する。

・アルフィアはその心意気を認め、魔力循環の回復に伴って世界各地に出現する迷宮から人々を保護させるため、彼らに大義名分となる神託と神具を与えることを約束した。

・また、四神教の神官服を着ているだけで不埒な者から迫害や襲撃の対象になりかねない事態となった。

・そのため、ルーセリスたちは十字架などの意匠を消すべく、ゼロスに神官服のデザイン改造を依頼することになる。

まとめ

四神教の崩壊は、欺瞞に満ちた信仰が絶対的な真実によって破綻し、国家と社会の構造が劇的に変革していく激動の結末である。ジャバウォックによる物理的な破壊と大罪の暴露、そしてアルフィアによる信仰の完全否定は、メーティス聖法神国を無政府状態の戦乱へと突き落とし、勇者や将軍たちの思惑を大きく狂わせた。しかし、この絶望的な破滅の裏で、メルラーサ司祭長らが神への依存を捨てて人を救う本来の使命に目覚め、新たな大ダンジョン時代における保護者としての道を歩み始めたことは、旧時代の不条理な信仰が真の救済へと脱皮したことを示す象徴的な転換点となっている。

世界環境の再生

『アラフォー賢者の異世界生活日記 18』における「世界環境の再生」は、完全復活を果たした次世代の観測者(邪神)アルフィア・メーガスによって実行された、勇者召喚によって枯渇した魔力の補填と生態系管理システムの復旧プロセスとして描かれている。

しかし、その強引な再生プロセスは世界規模の災害や環境の激変を引き起こすこととなった。世界樹の活性化による魔力生成、高濃度魔力による異常進化種の爆発的繁殖、大気や地殻への負荷を抑える休眠ダンジョンコアの強制覚醒、これまで地震がなかった地域での震度4から5弱の地殻変動、そして人類に恩恵と脅威をもたらす大ダンジョン時代の到来にいたる全容は以下の通りである。

世界樹の活性化による膨大な魔力生成と死滅しかけていた惑星の急速な再生

四神から管理権限を奪い、神域のシステムを掌握したアルフィアは、失われた魔力を補填して死滅しかけていた惑星を再生させるため、環境管理システムの端末である世界樹(ユグドラシル)を活性化させる。

・世界樹から膨大な魔力が生成され、地脈を通じて死滅していた海や荒涼とした大地が急速に再生を始めた。

飽和状態の魔力による巨大樹木や菌類の爆発的繁殖と生態系を破壊する異常進化種

急激な魔力流入は、生態系に深刻な歪みをもたらした。

・アルフィアが世界樹の周辺を障壁で囲み魔力を飽和状態になるまで溜め込んだ結果、巨大な樹木や菌類(キノコ)が爆発的に繁殖した。

・昼間でも光が差さず淘汰された植物が腐敗する薄気味悪い魔境と化してしまう。

・さらに、その高濃度の魔力環境下で、凶悪な異常進化種の魔物が急激に繁殖し生態系を破壊しかねない危険な事態となった。

マントル層への刺激と異常気象を防ぐ南半球のダンジョンコア再起動

増えすぎた魔力をそのまま解放すれば、地下のマントル層を刺激し、世界規模の深刻な地殻変動や異常気象を引き起こす危険があった。

・そこでアルフィアは、魔力枯渇により南半球などで休眠状態にあった世界中のダンジョンコアを強制的に覚醒させた。

・余剰な魔力を吸収させて大気や地殻への負荷を抑え込む策に出る。

・これにより、南半球を中心に多数のダンジョンコアが魔力を吸収して再起動した。

北半球への龍脈出力を30パーセントに抑制した余波と耐震設計のない家屋の倒壊

被害を最小限に抑えるため、北半球へ流れる龍脈の出力を30パーセントに抑えたものの、魔力流入の余波を完全に防ぐことはできなかった。

・結果として、ソリステア魔法王国を含む北大陸の西側地域など、これまで地震がほとんど起こらなかった地域で震度4から5弱程度の地震が頻発する。

・耐震設計の概念がない中世レベルの建築物(特に旧市街のレンガや漆喰造りの家屋)は軒並み倒壊した。

・これにより、各国に多大な死傷者と混乱をもたらした。

未知の資源や素材が得られる恩恵と魔物溢れに晒される過酷な時代の始まり

環境再生のもう一つの大きな影響として、世界中のダンジョンコアが活動を再開したことにより、今後あらゆる場所に大小さまざまな迷宮が出現し、魔物を生み出し始めることが予見されている。

・これは人類にとって、未知の資源や素材が得られる恩恵となる。

・その半面、ダンジョンから溢れ出す強大な魔物の脅威に常に晒される過酷な時代の始まりを意味している。

まとめ

アルフィアによる世界環境の再生は、惑星の死滅を回避するための絶対的な措置であると同時に、人類に対して過酷な試練を突きつける大転換劇である。世界樹の活性化と休眠ダンジョンコアの強制覚醒は、枯渇した魔力を補填し大気への負荷を抑えたものの、その副作用として西側地域における震度4から5弱の頻発や、中世建築物の倒壊という甚大な被害をもたらした。さらに、異常進化種の繁殖や各地での迷宮出現は、人類を未知の資源という恩恵とスタンピードの脅威が隣り合わせの「大ダンジョン時代」へと強制的に突入させ、世界の生存戦略が人間の都合とは無関係に進行している現実を厳密に証明している。

震災復興と救助活動

『アラフォー賢者の異世界生活日記 18』における「震災復興と救助活動」は、邪神アルフィアが世界の魔力循環を再開させた余波で発生した大規模な地殻変動(地震)への対応として描かれている。耐震設計の概念が乏しい世界での災害に対し、様々な立場の者たちがそれぞれの方法で救助と復興に尽力する姿が詳細に描写されている。

トリアージ導入による医療現場の効率化、ハンバ土木工業に所属するドワーフたちの規格外の活躍、水精の指輪を用いたアパート火災の阻止、念動手を駆使したイストール魔法学院図書館での救出劇、暴言を吐く被災者の後回し、そして領内の資金による復興費用の捻出にいたる全容は以下の通りである。

古いレンガ造り家屋の倒壊と負傷度に応じた紐によるトリアージの導入

ソリステア魔法王国サントールの街では、古いレンガ造りや漆喰の民家、アパートの倒壊が相次いだ。

・デルサシス公爵とクレストン元公爵はいち早く陣頭指揮を執り、騎士団による瓦礫の撤去と医療魔導士による治療を開始する。

・しかし、医療魔導士たちは大規模災害の経験がなく、重症者と軽症者を同時に対応して混乱していた。

・そこでリサとシャクティが、負傷の度合いに応じて色違いの紐(緑、黄、赤)で優先順位をつけるトリアージの手法を提案した。

・デルサシス公爵はこれを即座に採用して現場を統率し、リサたちは応援が来るまでポーションの製作に尽力した。

荷重計算技術を用いた資材分別と新人育成ブートキャンプとしての解体工事

重機のない異世界において、復興の要となったのが棟梁ナグリ率いるドワーフのハンバ土木工業である。

・彼らは高い耐火、耐震、荷重計算技術を持っていた。

・倒壊した建物の解体、再利用可能な資材の分別、被災者の救出をハイパーレスキュー並みの圧倒的な速度で行う。

・ただし、彼らの活動にはボランティアや人道支援の精神は一切なかった。

・本音は、気に入らない他業者の手抜き建築を壊す予行練習、や、使えない新人を鍛え上げるブートキャンプ(技術力の向上)、であった。

・それでも、結果的に彼らの働きは街の迅速な復興に多大な貢献を果たした。

火災旋風の阻止と水精の指輪による多連続水弾を用いた老婆の救出

地震による二次被害として、火災旋風(ファイアーストーム)の発生が危惧された。

・サントールの街に帰還した傭兵のイリス、ジャーネ、レナは、二階から出火した四階建てのアパートに駆けつける。

・イリスは牽制用の魔導具である水精の指輪を駆使した。

・魔力消費を無視した多連続の水弾で火を消し止めながら強行突入し、逃げ遅れた老婆と少年を見事に救出した。

大図書館の本棚倒壊に伴う下敷き被害と念動手を連携した人海戦術

イストール魔法学院では、大図書館の巨大な本棚が倒れ、エロムラをはじめとする多くの生徒が下敷きになる被害が出た。

・ここではツヴェイトが陣頭指揮を執り、セレスティーナやディーオ、さらに一般生徒も巻き込んで救助活動にあたった。

・生徒たちは人海戦術に加え、不可視の力場で物体を動かす無系統魔法「念動手(サイコハンド)」を連携して使用し、大量の書籍を運び出した。

・死者は出なかったものの、蔵書を元に戻す作業を含め、学院の復旧には一週間という時間と多大な労力が費やされた。

近所への往診活動と暴言を吐き続ける素行不良男の瓦礫放置

旧市街の教会でも天井が落ちるなどの被害が出たが、ルーセリスは子供たちに教会の片付けを任せ、自身は救急箱を持って近所への往診に向かった。

・その救助現場で、かつてルーセリスが成敗した、全裸で逆さ吊りにされた男、が下敷きになっているのを発見する。

・彼は親からも見放されるほどの素行不良であり、救助活動中も暴言を吐き続けていた。

・そのため、呆れたルーセリスや近所の住人たちから救助を後回しにされ、瓦礫の中でしばらく放置されるという自業自得の末路を辿った。

国からの予算割当見送りの判断と街の再建を最優先にする支援体制

領地を預かるデルサシス公爵らは、国内全土が被災しているため国からの復興予算は見込めないと判断した。

・これに伴い、領内の資金で復興費用を捻出する覚悟を決める。

・また、ドワーフたちの勝手な復興活動に私財を使させたままでは領主としての立場がなくなる。

・そのため、彼らの活動を支援する体制を整え、街の再建を最優先に進める方針を固めた。

まとめ

震災復興と救助活動は、魔力流入の副作用として生じた未曾有の災害に対し、現代地球の知識や固有の専門技術を駆使して混乱を収束させていく緊迫した過程を描いている。リサらによる現代的なトリアージの導入は、経験不足の医療現場を機能的に再建し、ハンバ土木工業のドワーフたちは営利や技術訓練という本音を抱えつつも、圧倒的な土木技術でレスキュー活動を牽引した。傭兵たちの迅速な消火活動や、魔法学院における念動手を駆使した組織的対応、そして領主による自主財源の確保にいたるまで、公的機関と民間、あるいは転生者の知恵が連動したことで、中世文明の脆弱性を克服しつつ迅速な復興を可能にしている。

恋愛症候群の発生

『アラフォー賢者の異世界生活日記』における「恋愛症候群(ラブ・シンドローム)」は、この異世界特有の生理現象であり、俗に言う人間の発情期として描かれている。

過去の勇者召喚による大気魔力濃度の変動がもたらす発生メカニズム、理性を失うことで奇行に走り正気に戻ったのち直面する社会的な死の恐怖、ツヴェイトのストーカー暴走やゼロスら三人の魔力共振キスなどの具体的な発生事例、そして男女の交わりによる対処法にいたる全容は以下の通りである。

勇者召喚魔法陣の魔力過剰消費による大気希薄化と高濃度魔力へのアレルギー反応

恋愛症候群の根本的な原因は、過去の勇者召喚にある。

・勇者召喚魔法陣が大量の魔力を消費したことで世界の大気魔力濃度が薄くなり、人々の体がその希薄な魔力環境に慣れてしまった。

・そこに初夏などの季節風によって自然界の魔力が流れ込み、一時的に魔力濃度が高まった際、体が過剰反応(一種のアレルギー反応)を起こすことで発症する。

・体内を循環する生体魔力が、自分と相性の良い異性の魔力波長に反応し、魔力を介して精神波が伝播、共振することで、半ば強制的に強烈に惹かれ合ってしまう。

・特に魔導士は魔力と精神の親和性が高いため、暴走しやすい傾向にある。

理性の枷の脱落に伴う本能解放と暴走記憶の鮮明な残存による自己嫌悪

別名、天使の悪戯、や、キューピッドの気まぐれ、とも呼ばれるこの現象は、理性の枷を外し、本能的な欲求を解放してしまう。

・重度になると自分を見失い、人目をはばからずに絶叫告白をしたり、白昼堂々濃厚なスキンシップに及んだりと、常軌を逸した奇行に走る。

・さらに、暴走中の記憶は正気に戻った後も鮮明に残る特性を持つ。

・そのため、罹患者は激しい羞恥心と自己嫌悪に苛まれ、社会的な死を迎える者が後を絶たない。

洗脳魔法との融合によるツヴェイトの暴走とルーセリスの不意のキスを起点とするゼロスの凶行

作中では、理性の強い登場人物たちであってもこの現象に抗えず、深刻な騒動を引き起こしている。

・ツヴェイト・ヴァン・ソリステアの場合:第1巻付近でルーセリスに一目惚れして発症した。折悪く、政敵であるブレマイトから洗脳魔法をかけられていたため、洗脳と恋愛症候群が混ざり合って暴走する。権力を振りかざして、俺の女になれ、と強引に迫ったり、彼女を孤立させるために養護院を分割したりと卑劣なストーカー行為に走り、最終的に完全にフラれた。

・ゼロス、ルーセリス、ジャーネの場合:第15巻以降、この三人の間でも兆候が現れ始める。互いに過剰に意識し合う中、ルーセリスの不意のキスをきっかけに魔力の共振が起こり、ゼロスの理性が吹き飛んだ。ゼロスは暴走状態のままルーセリスと濃厚なキスを交わし、さらに逃げ出したジャーネをも壁に追い詰めて口づけを奪うという凶行に及んだ。正気に戻った後、三人は激しい羞恥と罪悪感で悶え苦しむことになった。

房中術による互いの魔力循環と濃い魔力環境への肉体順応

邪神アルフィアによれば、男女が交わり(房中術)を持つことで互いの魔力を循環させ、肉体を濃い魔力環境に慣れさせることで症状は収まるとされている。

・しかし、根本的な大気魔力の変動を防ぐ手段はない。

・そのため、初夏から初秋にかけての風物詩として、人々はこの恋の病に怯えながら生活している。

まとめ

恋愛症候群は、過去の国家的な大罪である勇者召喚が遺した環境汚染とも言える魔力変動に対し、人間の肉体が過剰反応を起こしてしまう極めて不条理な奇病である。理性を完全に消失させて恥ずべき奇行を強制し、その記憶を鮮明に残すことで数々の社会的な死を生み出すこの病は、強大な賢者であるゼロスや公爵家嫡男のツヴェイトすらも例外なく修羅場へと叩き落とした。男女の交わりによる魔力循環という直接的な対処法が存在するものの、大気そのものの周期的な変化に依存するため根本的な根絶は不可能であり、世界環境の激変と人間の本能が直結した異世界ならではのシビアな生理現象として物語に強いインパクトを与えている。

アラフォー賢者17巻レビュー
アラフォー賢者まとめ
アラフォー賢者19巻レビュー

登場キャラクター

転生者・地球の人物

ゼロス

自由を好む大賢者の転生者である。アドの知人であり、周囲からは非常識な行動をとる人物として見られている。

・所属組織、地位や役職
 無職の魔導士である。
・物語内での具体的な行動や成果
 アドと共にルナ・サーク防衛戦に参戦し、魔導銃を用いてゾンビの群れを殲滅した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 デルサシス公爵とビジネス上の協力関係を築いている。

アド

イサラス王国に滞在する転生者である。極度に嫉妬深い妻のユイを恐れている。

・所属組織、地位や役職
 イサラス王国の客分である。嘱託魔導士を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
 ゼロスと共にルナ・サーク防衛戦に参戦し、魔導銃でゾンビを討伐した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 獣人族と相互不可侵の同盟を結ぶ交渉を成功させ、イサラス王国で英雄視されるようになった。

八坂学

メーティス聖法神国に召喚された勇者である。長いものに巻かれる性質を持つ。

・所属組織、地位や役職
 メーティス聖法神国の勇者である。
・物語内での具体的な行動や成果
 ルナ・サーク防衛戦でゾンビの群れに応戦した。ゼロスから勇者召喚の真実を知らされ、メーティス聖法神国への不信感を募らせた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

川本龍臣

メーティス聖法神国に召喚された勇者である。聖女リリスと恋人関係にある。

・所属組織、地位や役職
 メーティス聖法神国の勇者である。
・物語内での具体的な行動や成果
 西の大国グラナドス帝国の国境方面で任務に赴いていた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

笹木大地

メーティス聖法神国に召喚された勇者である。小心者で他者の功績を奪う傾向がある。

・所属組織、地位や役職
 メーティス聖法神国の勇者である。
・物語内での具体的な行動や成果
 佐々木学の火縄銃製作の功績を奪い、自称リーダーとして振る舞った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

佐々木学

メーティス聖法神国に召喚された勇者である。戦闘を激しく嫌がっている。

・所属組織、地位や役職
 メーティス聖法神国の勇者である。鍛冶師を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
 火縄銃の増産のため工房の管理を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 サマっちという愛称で呼ばれている。

ソリステア魔法王国

デルサシス公爵

ソリステア公爵家の現当主である。目的のためには手段を選ばない冷徹さを持つ。

・所属組織、地位や役職
 ソリステア公爵家当主である。
・物語内での具体的な行動や成果
 ゼロスに不審死の調査依頼を出し、裏から他国への政治的圧力をかけた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 王族以上の政治的影響力を持ち、他国からも警戒される存在である。

クレストン元公爵

ソリステア公爵家の前当主である。孫娘のセレスティーナを溺愛している。

・所属組織、地位や役職
 ソリステア公爵家元当主である。
・物語内での具体的な行動や成果
 ゼロスの指導で強靭な肉体を手に入れ、孫娘に近づく男性を排除しようと暗躍した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

リサ

アドと行動を共にする転生者である。

・所属組織、地位や役職
 魔導士である。
・物語内での具体的な行動や成果
 アドと共にイサラス王国に滞在し、スライストの防衛戦で魔法による支援を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

シャクティ

アドと行動を共にする転生者である。弁護士志望であったため洞察力が鋭い。

・所属組織、地位や役職
 魔導士である。
・物語内での具体的な行動や成果
 アドと共にイサラス王国に滞在し、スライストの防衛戦に参加した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

クロイサス

ソリステア公爵家の次男である。魔法研究に強い関心を持つ。

・所属組織、地位や役職
 イストール魔法学院生である。サンジェルマン派に所属する。
・物語内での具体的な行動や成果
 自室にこもり、魔法薬の調合や古代遺物の研究に没頭した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

マカロフ

クロイサスと行動を共にする学院生である。

・所属組織、地位や役職
 イストール魔法学院生である。サンジェルマン派に所属する。
・物語内での具体的な行動や成果
 クロイサスと共に魔法式や毒草の研究を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

ツヴェイト

ソリステア公爵家の長男である。真面目な性格である。

・所属組織、地位や役職
 イストール魔法学院生である。ウィースラー派に所属する。
・物語内での具体的な行動や成果
 実戦訓練に参加し、周囲の個性的な人物たちに振り回されながらも常識人として行動した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 次期公爵としての責務を負っている。

セレスティーナ

ソリステア公爵家の長女である。魔法研究と創作活動を好む。

・所属組織、地位や役職
 イストール魔法学院生である。
・物語内での具体的な行動や成果
 ゼロスから指導を受け、実戦訓練やダンジョン探索に参加した。また、男性同士の恋愛を描いた小説を執筆した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼女の著書はベストセラーとなっている。

ディーオ

ツヴェイトの友人である。セレスティーナに想いを寄せている。

・所属組織、地位や役職
 イストール魔法学院生である。
・物語内での具体的な行動や成果
 セレスティーナと親しくなる機会を伺い、実戦訓練の馬車の後を歩いて追いかけた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

キャロスティー

セレスティーナの友人である。伝説の賢者に強い憧れを持つ。

・所属組織、地位や役職
 イストール魔法学院生である。
・物語内での具体的な行動や成果
 セレスティーナ達と共に実戦訓練に参加し、イリスの実力に驚愕した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

ウルナ

魔導士サーガスの養女である。セレスティーナの友人である。

・所属組織、地位や役職
 イストール魔法学院生である。
・物語内での具体的な行動や成果
 実戦訓練で魔物の気配を察知し、ウィースラー派の男子学生を組み手で圧倒した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

エロムラ

本名を榎村樹という転生者である。ツヴェイトの護衛を務めている。

・所属組織、地位や役職
 騎士である。
・物語内での具体的な行動や成果
 女性に声をかけては傭兵に反撃された。セレスティーナに顔と名前を覚えられている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 隷属の首輪を外すため、デルサシス公爵の判断を待っている。

ミスカ

セレスティーナの世話係である。冷静かつ神出鬼没なメイドである。

・所属組織、地位や役職
 メイドである。
・物語内での具体的な行動や成果
 セレスティーナに特定の書籍を勧め、クロイサスを荒縄で縛ってゼロスの元へ連行した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 かつては氷結の女王と呼ばれる実力者であった。

アンズ

転生者の少女である。ツヴェイトの部屋に居候している。

・所属組織、地位や役職
 忍者である。
・物語内での具体的な行動や成果
 ワイルド・コッコを単独で制圧し、ツヴェイトの護衛任務に就いた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

ユイ

本名を船橋唯香という転生者である。アドの妻であり、極めて嫉妬深い性格を持つ。

・所属組織、地位や役職
 アドの妻である。
・物語内での具体的な行動や成果
 ハサムの村でアドと再会した際、彼と一緒にいた女性達に嫉妬して包丁を投げつけた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 アドとの間に娘の「かのん」をもうけた。

かのん

アドとユイの間に生まれた娘である。

・所属組織、地位や役職
 アドの娘である。
・物語内での具体的な行動や成果
 特筆すべき事項はない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

ウィースラー派の学生達

ツヴェイトが所属する派閥の生徒達である。

・所属組織、地位や役職
 イストール魔法学院生である。
・物語内での具体的な行動や成果
 訓練場でウルナと組み手を行い、次々と気絶させられた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

孤児院・教会関係

ルーセリス

見習い神官である。旧市街の教会で孤児院を運営している。

・所属組織、地位や役職
 四神教の見習い神官である。
・物語内での具体的な行動や成果
 ゼロスの指導で回復魔法を使いこなし、街の怪我人の治療を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ルーフェイル族の血を引いており、神の復活を感じ取って一時的に覚醒した。

カエデ

ハイ・エルフの少女である。好戦的な性格を持つ。

・所属組織、地位や役職
 孤児院の子供である。
・物語内での具体的な行動や成果
 孤児院の子供達に剣術を教え、コッコ達と共に魔物狩りに参加した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 羅刹姫と呼ばれるようになった。

ジョニー

孤児院の少年である。リーダー格として仲間をまとめている。

・所属組織、地位や役職
 孤児院の子供である。
・物語内での具体的な行動や成果
 傭兵から情報を集め、森での狩りでは隠密行動で魔物を仕留めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

ラディ

孤児院の少年である。

・所属組織、地位や役職
 孤児院の子供である。
・物語内での具体的な行動や成果
 ジョニー達と共にゼロスの指導を受け、魔物狩りに参加した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

アンジェ

孤児院の少女である。赤毛を持つ。

・所属組織、地位や役職
 孤児院の子供である。
・物語内での具体的な行動や成果
 魔物の内部を破壊する打撃技を使用し、ロック・シェルを討伐した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 赤毛のアンジェと呼ばれるようになった。

カイ

孤児院の少年である。肉に対して強い執着を持つ。

・所属組織、地位や役職
 孤児院の子供である。
・物語内での具体的な行動や成果
 魔物狩りに参加し、肉への執念からドドン・トードを素手で倒した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

傭兵・冒険者・その他市民

ベラドンナ

魔導具店の店長である。ルシオンと交際している。

・所属組織、地位や役職
 魔導具店店長である。
・物語内での具体的な行動や成果
 問題を起こす親戚のクーティーに手を焼き、物理的な制裁を加えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

クーティー

ベラドンナの親戚である。自己中心的で反省しない性格を持つ。

・所属組織、地位や役職
 魔導具店の店員である。元傭兵である。
・物語内での具体的な行動や成果
 無銭飲食や仕事のサボりを繰り返し、ベラドンナから制裁を受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 血塗れの撲殺者と呼ばれている。

イリス(入江澄香)

転生者の少女である。大賢者に憧れている。

・所属組織、地位や役職
 傭兵である。
・物語内での具体的な行動や成果
 ゼロスに魔法や錬金術の教えを乞い、火事の現場で魔法を使って人々を救出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

ジャーネ

傭兵である。ルーセリスの幼馴染である。

・所属組織、地位や役職
 傭兵である。
・物語内での具体的な行動や成果
 ゼロスから婚約指輪を受け取り、意識しながらも関係の進展から逃げようとした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

レナ

傭兵である。重度の少年愛好家である。

・所属組織、地位や役職
 傭兵である。
・物語内での具体的な行動や成果
 男性化の魔法薬を奪ってイリスに迫り、周囲から危険視された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

老婆

アパートの火事の現場にいた高齢の女性である。

・所属組織、地位や役職
 一般市民である。
・物語内での具体的な行動や成果
 アパートの火事からイリス達に救出された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

少年

火事の現場にいた少年である。

・所属組織、地位や役職
 一般市民である。
・物語内での具体的な行動や成果
 アパートの火事からイリス達に救出された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

迷宮調査員達

イーサ・ランテの調査を行う者達である。

・所属組織、地位や役職
 ソリステア魔法王国の調査員である。
・物語内での具体的な行動や成果
 イーサ・ランテの通気口内部のルートを調べ、魔物の巣を特定した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

ハンバ土木工業

ドワーフ達

ハンバ土木工業に所属する職人達である。

・所属組織、地位や役職
 土木作業員である。
・物語内での具体的な行動や成果
 魔導式モートルキャリッジの部品製造工場などの建築作業に従事した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

ナグリ

ハンバ土木工業をまとめる棟梁である。

・所属組織、地位や役職
 ハンバ土木工業の棟梁である。
・物語内での具体的な行動や成果
 徹夜の突貫工事を終えた後、新人職人を鍛え上げた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

新人職人達

ハンバ土木工業の若い職人達である。

・所属組織、地位や役職
 土木作業員である。
・物語内での具体的な行動や成果
 過酷な労働環境の中で働き、ゼロスから栄養ドリンクを購入して体力を回復させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

獣人族

ケモ・ブロス

転生者の少年である。獣人族を深く愛している。

・所属組織、地位や役職
 獣人族の長である。
・物語内での具体的な行動や成果
 カルマール要塞の攻略を見送り、獣人族の武器修繕をゼロスとアドに依頼した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

獣人達

ブロスに従う戦士達である。

・所属組織、地位や役職
 獣人族の戦士である。
・物語内での具体的な行動や成果
 カルマール要塞でメーティス聖法神国の騎士団を襲撃し、神国への復讐を果たした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

奥様方

ブロスの妻達である。

・所属組織、地位や役職
 ブロスの妻である。
・物語内での具体的な行動や成果
 各部族からブロスに嫁ぎ、彼を圧倒するほどの愛情を注いでいる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

アルトム皇国

ルセイ

アルトム皇国の将軍である。ルーセリスの姉にあたる。

・所属組織、地位や役職
 アルトム皇国の黒天将軍である。
・物語内での具体的な行動や成果
 母の真実を探るため、ゼロスと共にソリステア魔法王国へ向かった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

ラーフォン

ルセイとルーセリスの父親である。

・所属組織、地位や役職
 アルトム皇国の政武大官長である。
・物語内での具体的な行動や成果
 過去に妻のメイアを追放したことを後悔し、ルーセリスを呼び戻すようゼロスに依頼した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

マルドゥークラハ・アルトム

アルトム皇国の国王である。

・所属組織、地位や役職
 アルトム皇国国王である。
・物語内での具体的な行動や成果
 メイアの冤罪を認め、ラーフォンに彼女の亡骸を迎えに行くよう命じた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 神の復活を察知し、使徒としての使命を自覚した。

イサラス王国

ザザ

イサラス王国の諜報員である。リサに片思いをしている。

・所属組織、地位や役職
 イサラス王国諜報部の騎士である。
・物語内での具体的な行動や成果
 アド達を獣人族の居留地へ案内し、彼らの監視役を務めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

ルーイダット・ファルナンンド・イサラス王

イサラス王国の国王である。

・所属組織、地位や役職
 イサラス王国国王である。
・物語内での具体的な行動や成果
 ソリステア魔法王国との同盟関係を強化し、メーティス聖法神国の崩壊を機に軍備を整えようとした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

メーティス聖法神国(元含む)

生き残った怪我人や神官達

四神教の信徒達である。

・所属組織、地位や役職
 四神教の信徒である。
・物語内での具体的な行動や成果
 メーティス聖法神国の崩壊や教義の矛盾を知り、今後の身の振り方に悩んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

フューリー・レ・レバルト

聖天十二将の一人である。腹黒い野心家としての顔を持つ。

・所属組織、地位や役職
 元聖天十二将である。
・物語内での具体的な行動や成果
 聖都の混乱を利用し、自領の周辺貴族を平定して勢力を拡大しようとした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

アーレン・セクマ

聖天十二将の一人である。血に飢えた危険人物である。

・所属組織、地位や役職
 元聖天十二将である。
・物語内での具体的な行動や成果
 聖都の崩壊を知り、戦場での殺戮を楽しむために無能な貴族を神輿に担ごうと画策した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

メルラーサ司祭長

サントールの教会の責任者である。豪快な性格を持つ。

・所属組織、地位や役職
 四神教の司祭長である。
・物語内での具体的な行動や成果
 神への依存を捨てるよう他の神官達を叱咤し、アルフィアからの神託を受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

アダン司教

四神教の司教である。

・所属組織、地位や役職
 四神教の司教である。
・物語内での具体的な行動や成果
 メルラーサの言葉で初心を取り戻し、四神教の教義を捨てる決断をした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 アルフィアから大義名分を与えられた。

神・観測者・天使

アルフィア・メーガス

次世代の観測者である。

・所属組織、地位や役職
 次世代の観測者である。邪神とも呼ばれる。
・物語内での具体的な行動や成果
 世界のシステムを掌握し、メルラーサ達に大義名分を与えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

フレイレス

四神の一柱である。

・所属組織、地位や役職
 四神の一柱である。
・物語内での具体的な行動や成果
 アルフィアの復活に気づかず、神殿へのドラゴンの襲撃に不満を漏らした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

アクイラータ

四神の一柱である。

・所属組織、地位や役職
 四神の一柱である。
・物語内での具体的な行動や成果
 フレイレスと共に下界の出来事を人間に対処させようとしていた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

ルシフェル

上位管理者である。

・所属組織、地位や役職
 上位管理者である。
・物語内での具体的な行動や成果
 アルフィアのシステム掌握を支援し、役に立たない下級神達を追い返した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

動物・魔物

コッコ達

ゼロスが飼育する魔物である。

・所属組織、地位や役職
 ワイルド・コッコである。
・物語内での具体的な行動や成果
 孤児院の子供達に武術を教え、イリスを組み手で圧倒した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ウーケイ、ザンケイ、センケイ、メイケイなどの個体が存在する。

アラフォー賢者17巻レビュー
アラフォー賢者まとめ
アラフォー賢者19巻レビュー

展開まとめ

プロローグ 邪神降臨の影響 

邪神の気配と使徒の目覚め

世界を震わせる神気

その日、世界はメーティス聖法神国の方角から漂う尋常ではない気配に震えた。鋭敏な者達は一斉に北の空を見つめ、家畜や野生動物も恐怖で騒ぎ始めた。カエデは本能的な絶望に耐えられず蹲ったが、コッコ達だけはなぜか闘志を燃やしていた。

ルーセリスの覚醒

ルーセリスは、流れてくる神気からアルフィアの復活を感じ取り、使徒としての本能を一時的に目覚めさせた。彼女は神気を纏い、普段とは違う慈愛に満ちた表情でカエデを抱きしめた。この覚醒は一時的なもので、ルーセリスもカエデもその時の記憶を失ったが、ルーセリスの魔力量は密かに増えていた。

アルトム皇国の歓喜

アルトム皇国では、ルーフェイル族全員がメーティス聖法神国の方角を見つめ、神の帰還に歓喜していた。ルセイも涙を流し、父ラーフォンは亡き妻メイアとこの日を迎えられなかったことを悔やんだ。皇宮でもマルドゥークラハ・アルトムが古き血の目覚めを感じ、使徒としての使命が戻ったことを悟った。

静観する皇国

アルトム皇国の者達は、目覚めた使徒の力で四神教に神罰を下せると考えた。しかしマルドゥークラハは、神がすでに現地に降臨した以上、自分達が感情のまま力を振るうべきではないと判断した。皇国はただちに調査を命じ、神の命を待つため静観する道を選んだ。

公爵家の空

ソリステア公爵家本邸では、デルサシス公爵とクレストン元公爵が北の空を見上げていた。二人は神の復活を知っていたため慌てなかったが、遠く離れていても届く神威に圧倒されていた。デルサシスは大国の滅亡と大陸中央の戦乱を予感し、クレストンはそれを望むような彼の反応に呆れていた。

戦意を失う獣人族

アンフォラ関門で残敵掃討をしていた獣人族も、南東から漂う途方もない気配を感じ取り、戦意を一瞬で失った。ブロスは四神とは明らかに格が違う存在だと判断し、邪神の可能性に思い至った。ゼロス達が復活に関わっているのではないかという疑いにも、図らずも真相へ近づいていた。

邪神を感じるゼロス達

ゼロスとアドも、邪神の気配を感じ取っていた。ゼロスはアルフィアが完全復活したと勘違いしたが、実際には抑えていた神気が解放されただけだった。それでも波動はあまりにも大きく、ゼロスはエルフやドワーフ、特にルーフェイル族への影響を心配した。

ルーセリスへの不安

ゼロスは、ルーセリスがルーフェイル族の王族直系の血を引いていることから、神の復活によって先祖返りや覚醒が起きるのではないかと案じた。彼は、ルーセリスが人の世を離れるような事態を恐れ、動揺からか火鼠の皮衣や蓬莱の玉の枝の話まで持ち出した。アドは突然の意味不明な発言にツッコミを入れた。

第一話 復活と進撃の邪神ちゃん 

邪神の完全掌握と四神教の終焉

邪神の威圧

邪神アルフィアの顕現により、フレイレスとアクイラータは本能的な恐怖に囚われた。かつて高度文明を滅ぼし、封印するしかなかった存在が、以前を遥かに超える力を持って戻っていたのである。アルフィアは自分がこの世界の神であり、四神が世界崩壊の引き金を招いた責任を問うた。

触れてはならない一言

アクイラータは、アルフィアの姿を嘲る言葉を口にしてしまった。それはアルフィアの激情を呼び起こし、戦闘は一気に始まった。アルフィアはフレイレスを軽く弾き飛ばし、続いてアクイラータを地面へ叩き落とした。

圧倒される二柱

フレイレスとアクイラータは炎や水の攻撃で反撃したが、アルフィアは容易に無効化した。かつての邪神とは違い、今のアルフィアは力を制御して二柱を弄ぶほどの余裕を見せた。神器も失われ、残る四神が揃わない状況では、二柱に勝機はなかった。

仕組まれた罠

アルフィアは、すでにウィンディアを倒し、ガイラネスから管理権限を得ていたことを明かした。ジャバウォックはフレイレス達を引き出すための餌であり、聖域へ逃げる場合に備えた手段まで用意されていた。二柱は、現れた時点ですでに逃げ場を失っていた。

従属神への転落

フレイレスは肉弾戦で挑んだが、アルフィアは片手でいなし、最後には重力で二柱を地面へ伏せさせた。アルフィアはフレイレスとアクイラータの胸に手を突き入れ、管理権限を回収した。二柱は神ではあり続けるものの、準従属神へと落とされ、抵抗する力を失った。

管理システムの掌握

アルフィアは本体と同期し、神域へのアクセスと管理システムの掌握を開始した。セフィロトシステムとクリフォトシステムへの同期が進み、この次元世界の管理権限が書き換えられていった。地上の人々は、四神が敗北した事実だけを理解していた。

サブ制御室の混乱

世界の外側にあるサブ制御室では、ルシフェルと天使達が難航していたシステム介入に苦しんでいた。そこへアルフィアが復帰し、次々にプロテクトを解除したため、作業はようやく本格化した。天使達は、正当な管理者の介入によって修正作業が進むことに安堵した。

勇者の魂魄データ

アルフィアは、この惑星が特異点になりかけていたと判断し、まずユグドラシルシステムの正常化を優先した。勇者達の魂魄には異常排除のプログラムが刻まれており、死後も世界に留まってバグとなっていた。元の世界へ戻すには、召喚元の世界との照合や時間軸の調整が必要だった。

地上の再起動

地上のアルフィア分体は、廃墟となった聖都マハ・ルタートで再起動した。足元に倒れたフレイレスとアクイラータを蹴り飛ばし、周囲の惨状を見てもほとんど気に留めなかった。彼女にとって人の死は輪廻の一過程に過ぎず、人間の感覚とは根本的に異なっていた。

神への懺悔

生き残った神官や怪我人達は、アルフィアに慈悲を乞うた。しかしアルフィアは、人間の信仰や教義に価値を見いださず、救いを与えるつもりもないと断じた。神とは世界を管理し記録する存在であり、人間を導く役割など持たないと告げた。

罪への断罪

アルフィアは、異界の者達を無作為に召喚し、利用した末に殺してきたことこそが聖法神国の罪だと突きつけた。神の名を掲げた行いは世界を滅ぼしかけた愚行であり、救いなどあるはずがないと語った。その言葉により、メーティス聖法神国はただの犯罪者集団にまで堕ちた。

与えられない救い

人々は最後までアルフィアに縋ったが、彼女は自分達の不始末は自分達で何とかするべきだと突き放した。咎人である彼らに救いは与えられず、アルフィアは金色の翼を広げて空へ去った。この日から、四神教の崩壊が始まったのである。

第二話 おっさんは帰路につき、世界は再生が始まる 

アンフォラ関門の別れと惑星再生の始動

勝利の酒盛り

アンフォラ関門を落とした獣人族は、勝利を祝って酒盛りを開いていた。獣人達は常駐兵の弱さに物足りなさを覚え、喧嘩祭りで肉体言語を交わしていた。ゼロスとアドは、その文化に呆れながらも、止めれば自分達が狙われるため傍観していた。

別れの予定

ゼロスとアドは、獣人族での役目を終え、ソリステア魔法王国へ帰ることにした。ブロスはこれから仲間の解放へ向かい、二人は日常へ戻る予定だった。アドは妻ユイと娘を心配しており、ゼロスも危険な物を家に置いたまま長く留守にはできないと考えていた。

悪趣味な戦利品

ブロスは、隠し通路で見つけた悪趣味な美術品を土産としてゼロス達に渡そうとした。壺、絵画、裸婦像などは扱いに困る品ばかりで、ゼロスとアドは不要品を押しつけられたと察した。二人は魔導錬成で金箔や貴金属、絵の具の顔料を分離し、リサイクルできるか試した。

殲滅者の実験談

魔導錬成の作業中、ゼロス達はゲーム時代の殲滅者達による実験を振り返った。危険な魔法薬や自爆装備の検証には、捕らえたPK職が使われていた。ゼロスも対人魔法の的にしていたが、殲滅者の中ではまだ良心的な部類だった。

有能な指揮官

ゼロス、アド、ブロスは、カルマール要塞の指揮官がアンフォラ関門に残っていれば苦戦しただろうと考えた。彼は部下の犠牲を避けて撤退を選んだ有能な人物であり、アンフォラ関門の俗物的な指揮官とは対照的だった。三人は、獣人達がそれを知れば怒りかねないため、黙っておくことにした。

ブロスの夜戦

勝利後も獣人達は喧嘩祭りで騒いでいたが、ブロスには別の戦いが待っていた。奥様達は戦場の興奮から子作りへの意欲を高め、ブロスを連れていった。ゼロスとアドは助けず、家庭事情に首を突っ込むべきではないとして敬礼で見送った。

二対多数の殴り合い

ブロスを見送ったゼロスとアドにも、血の気の多い獣人達の視線が向けられた。彼らは勝負を挑む気満々で、断っても諦める様子はなかった。二人は辟易しながらも受け入れ、ほどなく二対多数の殴り合いが始まった。

世界樹の再生

アルフィアの分体は南大陸へ向かい、世界樹ユグドラシルの状況を確認した。世界樹は膨大な魔力を生成し、枯れた大地を急速に森へ変えていた。だが再生は偏っており、巨大樹、菌類、昆虫系生物が異常繁殖する不自然な魔境になりかけていた。

魔力循環の賭け

アルフィアは、魔力を一気に解放すれば地殻変動や異常気象を招く危険に気づいた。そこで休眠中のダンジョンコアに魔力を流し、吸収させることで災害を抑えようとした。南半球では多数のダンジョンコアが目覚め、特に双子のような巨大ダンジョンが大きな魔力を吸収した。

惑星再生の始まり

アルフィアは、南半球の魔力循環を維持し、北半球には抑えた出力で魔力を流すことにした。大規模災害は避けられたが、地震の少ない地域でも地殻変動が起き、人々を混乱させることになった。この日から、滅亡へ向かっていた惑星の再生が本格的に始まった。

帰路の疑惑

出立の日、ブロスはゼロス達に神のような気配の正体を尋ねた。二人は邪神復活に心当たりがあったが、獣人族に余計な不安や怒りを与えないため、とぼけることにした。ブロスは疑いつつも、実害がなければよいと受け流した。

精力剤の餞別

ゼロスとアドが去った後、ブロスは餞別の紙袋を開けた。中にはゼロス謹製の強力精力剤ファイティング・ナイトフィーバーが大量に入っていた。増え続ける奥様達との夜の戦いを思えば、それはブロスの悲惨な未来を示す品でもあった。

急ぎの帰還

ゼロスとアドは軽ワゴンで平原を爆走し、サントールへ急いだ。道中で地震を感じたゼロスは、この地域の建物に耐震性がない可能性を危惧した。二人は全速力でオーラス大河へ向かい、ゴムボートでサントールを目指すことになった。

ザザの一人旅

一方、ザザはメーティス聖法神国の調査のため、別方向から帰還していた。ゼロス達や獣人族から解放された彼は、平原で一人旅とソロキャンプを満喫していた。監視役から離れた自由を楽しむ姿から、結婚願望が本当にあるのか疑わしいほどだった。

第三話 世界再生の余波は災害を呼ぶ 

サントール地震と崩れた日常

北大陸の地震被害

世界樹から流れ出した魔力は南半球のダンジョンコアに吸収されて一時的に弱まったが、北半球にも及んだことで地殻変動を起こした。地震の少ない北大陸西側では耐震性の低い建物が倒壊し、ソリステア魔法王国でも政務や行政が混乱した。サントールの街では、ソリステア公爵家が騎士団を総動員して救助活動を始めていた。

救助現場の混乱

サントールでは古い民家やアパートの倒壊が多く、騎士団と住民達が瓦礫の撤去と生存者の救助に当たっていた。医療魔導士達は次々と運ばれる負傷者の治療に追われ、魔力枯渇で倒れる者も出ていた。リサとシャクティは、戦場のような医療現場に言葉を失いながらも、対応に加わった。

傷病者の振り分け

リサとシャクティは、軽症者と重症者を分け、治療の優先順位をつける必要があると提案した。デルサシス公爵は即座に採用し、色違いの紐と診察担当の医療魔導士を用意させた。さらに二人はポーション作りを担当し、応援の錬金術師達が到着するまで医療現場を支えることになった。

教会の片付け

旧市街の教会でも壁や天井の一部が崩れたが、ルーセリスと子供達に怪我はなかった。アンジェ、ラディ、カイ、カエデ、ジョニーは礼拝堂の片付けをしていた。天井から謎の箱や宝飾品らしき小物が落ちてきたため、子供達は不審に思いながら中身を確かめた。

黒い宝石

箱の中には禍々しい気配を放つ黒い宝石が入っていた。ジョニー達は、箱の表面の魔法陣から封印の術式だと考え、宝石を箱に戻して厳重に縛った。ほかにも高価そうな小物が見つかり、教会の建築時か修繕時に隠された盗品ではないかと疑われた。

近所への往診

ルーセリスは近所の被害を確認するため、救急箱を持って教会を出た。旧市街では平屋の被害は比較的軽かったが、二階建てに増築した建物は一階部分が潰れていた。彼女は住人達が救出作業をしている現場に向かい、怪我人の治療に当たろうとした。

助けたくない被災者

潰れた家の下敷きになっていた男は、助けに来た人々を罵り、子供より自分を優先しろと叫んでいた。彼は定職にも就かず実家から金を盗むような人物で、実の親からも見放されていた。ルーセリスも昔から彼を嫌っており、救出後に埋め直したいほど冷たい態度を見せた。

チキン野郎の過去

男はルーセリスを自分の女だと勝手に言い出したが、彼女は昔自分が彼を路地裏で殴り倒し、全裸で逆さ吊りにしたことを思い出させた。男は過去のトラウマを蘇らせ、周囲の者達も伝説の初代全裸で吊るされし者だったと盛り上がった。彼は過去の恥まで広められ、しばらく瓦礫の中で泣くことになった。

潰れた魔導具店

地震の被害は中央通りにも及び、ベラドンナの魔導具店も一階部分が完全に潰れた。彼女は古い建物だったこともあり、閉店を受け入れた。大事な物はマジックバッグに保管していたため無事であり、建物以外の損害は少なかった。

クーティーの失職

クーティーは店の倒壊を嘲ったが、ベラドンナに蹴り飛ばされ、さらに閉店によって自分も無職になると知らされた。彼女には退職金も帰る場所もなく、食堂へのツケも拒まれていた。ベラドンナは今後面倒を見る気はないと告げ、クーティーを置いて去った。

解き放たれた猛獣

ベラドンナは田舎に帰ると言ったが、実際には恋人の家へ身を寄せ、その後結婚生活に入ることになった。一方、保護者を失ったクーティーは無職となり、街に悪質な猛獣のように解き放たれた。以後、彼女による迷惑な被害は増えていくことになった。

第四話 世界再生の始まりは余波の爪痕を残す 

サントール震災復興と学院の混乱

ハンバ土木工業の救助

地震後の復興は重機のない世界では難しく、土木魔法を使える魔導士も経験不足で救助には向かなかった。そんな中、ナグリ率いるハンバ土木工業は統率された動きで倒壊建物を解体し、資材を分別しながら被災者を次々に救出した。彼らに人道支援の意識は薄く、新人教育の一環という認識だったが、結果として多くの人々を助けていた。

ドワーフの建築技術

ナグリ達は、倒壊した建物の脆さに呆れていた。ドワーフの建築技術は中世水準に落ちた世界の中でも突出しており、耐火、耐震、荷重計算、基礎工事などを経験と直感で高度に扱っていた。彼らは最高の仕事をすることだけを重視し、被災地でも職人としての技を発揮していた。

帰還した三人

護衛依頼を終えたイリス、ジャーネ、レナは、サントールの街が被災地と化しているのを目にした。イリスは日本出身で地震に慣れていたため落ち着いていたが、ジャーネとレナにとって長く続く揺れは初めての恐怖だった。二人は、イリスの平然とした態度と故郷の耐震建築の話に驚いた。

火災への危機感

イリスは、地震そのものより火災や火災旋風といった二次被害が危険だと説明した。街では実際に火災が発生しており、放置すれば被害が拡大する恐れがあった。三人は煙の上がる方へ向かい、倒壊を免れた四階建てのアパートで救助活動に入った。

水精の指輪

アパートでは二階から火が出て三階に燃え移り、子供と老婆が取り残されていた。イリスは水精の指輪を使い、周囲の魔力で水弾を連射して火を消しながら突入した。三人は老婆と少年を救出し、イリスは再発火を防ぐため建物を水浸しにして鎮火した。

救助後の逃走

救出された人々から拍手と感謝の声が上がったが、イリスとジャーネは照れくささからすぐに次の現場へ向かった。レナは助けた少年を物欲しそうに見ていたが、二人に引きずられて現場を離れた。イリスは、自分も目立たないながら十分にチートな存在だと今さら気づいた。

学院都市の被害

地震はイストール魔法学院にも及んだが、ドワーフ建築が多いため建物自体の被害は少なかった。しかし内部では本棚が倒れ、薬品棚が崩れ、修練場では生徒が転倒するなど混乱が起きた。研究棟では薬品の反応によって奇妙なガスが発生し、学生達に思わぬ被害が出ていた。

性別変換薬の惨事

マカロフは、性別変換薬を浴びたサマールや周囲の学生達が奇妙な変化を起こしたとクロイサスに報告した。クロイサスは心配よりも薬品反応のプロセスに興味を示し、被害者にレポートを書かせたいと考えた。マカロフは、危険物の原液を別保管にしておいてよかったと改めて実感した。

クロイサスの無自覚

クロイサスは、自分の研究姿勢が周囲に迷惑をかけている自覚が薄かった。マカロフは、彼が謝罪しても研究上の反省ばかりで、騒ぎを起こさないという根本を無視していると指摘した。クロイサスは納得せず、結局片付け作業中にも文献に夢中になり、途中で作業を放棄した。

大図書館の救出

大図書館では本棚が倒れ、生徒達が大量の書籍と棚の間に挟まれていた。ツヴェイトは陣頭指揮を執り、セレスティーナや生徒達と救助作業を進めた。ディーオ、キャロスティー、ウルナ達も助っ人を集め、作業効率は大きく上がった。

一週間の復旧作業

大図書館の救助活動は二日かかり、死者は出なかったものの骨折などの怪我人が出た。その後、生徒達は棚から移した大量の書籍を元に戻す作業まで任され、一週間を費やすことになった。学院は講師も学生も疲労で倒れ、機能回復に時間を要した。

公爵家の復興方針

地震発生から一日後、デルサシス公爵とクレストン元公爵は被害報告を確認していた。国内全土に影響が出ているため国からの復興予算は期待できず、領内で費用を捻出する必要があった。二人は、まず自国の復興を優先する方針を固めた。

職人達への支援

デルサシスは、ドワーフ達が新人教育の名目で勝手に復興を進めるだろうと見ていた。だが彼らの私財で復興されれば領主の立場がなくなるため、支援体制を整えて体裁を保つ必要があった。クレストンは新人職人達の地獄の日々に同情したが、領地復興のために黙認するしかなかった。

第五話 エロムラ、 社会的な死の危機に晒される 

聖都の絶望と学院都市の余波

聖都の懺悔

神の降臨から二日後、聖都マハ・ルタートでは生き残った者達が絶望に沈んでいた。ジャバウォックのスキルによって四神教の罪は国中に広まり、メーティス聖法神国は世界を破滅へ導いた邪教国家と化していた。信徒達は許しを求めたが、真の神に見限られた現実の前で何もできなかった。

地下水路からの帰還

八坂学、川本龍臣、笹木大地は、地下水路を彷徨った末に地上へ戻った。三人は聖都の中心部が空爆後のように更地となっている光景を見て驚いた。龍臣と学は、元勇者達のドラゴンだけでここまで破壊したとは考えにくく、四神や邪神が関わった可能性を疑った。

佐々木学との再会

三人は生産職の勇者である佐々木学と再会し、地上で起きた出来事を聞いた。ジャバウォックは法皇達を神殿ごと消し飛ばし、その後に現れた二柱の女神と戦って敗れたが、さらに邪神が顕現して二神を一方的に蹂躙したという。生産職の勇者達は地下作業場にいたため無事であり、龍臣達は安堵した。

亡命の決意

メーティス聖法神国が事実上崩壊したことで、勇者達はこの国に留まる理由を失った。龍臣と学は、四神教の後ろ盾を失った国が内乱や侵略に巻き込まれ、自分達も利用される危険があると考えた。大地はこれまでの横暴な振る舞いから民衆に恨まれている可能性があり、勇者達はソリステア魔法王国への亡命を決めた。

賛同者達

亡命の提案には、生産職の勇者全員と一部の聖騎士、神官達が賛同した。さらに腐の伝道師である転生者が率いる創作活動者達も加わった。彼らは夜逃げに近い形で、この崩壊した国から離れる準備を進めることになった。

本に埋もれたエロムラ

一方、エロムラは地震発生時に大図書館で下敷きになっていた。彼は読書目的ではなく、性に関する本を読もうとしていた最中に本棚の下に埋もれ、気絶したまま一日が過ぎていた。救助の声を聞いて安心したが、身動きできない状態で腹痛に襲われ、新たな危機に直面した。

茶色い悪魔

救助作業は本棚の重さと本の量に阻まれ、すぐには進まなかった。エロムラは迫る便意に耐えながら助けを求めたが、ツヴェイト達は安全のため作業を急げなかった。限界寸前となったエロムラは、戦闘スキルを使って本棚を強引に持ち上げ、救助作業を一気に進めた。

疑惑の書籍

本棚を戻した直後、エロムラは腹痛に耐えきれずトイレへ駆け込んだ。彼は辛うじて社会的な死を回避したが、ツヴェイトはエロムラが埋まっていた場所に怪しげな書籍が落ちているのを見つけた。実際には本を取り違えただけだったが、しばらくツヴェイトから奇妙な目で見られることになった。

時計塔の二人

余震が続く中、ミスカとアンズは時計塔から学院の被害を確認していた。建物自体の損傷は少なかったが、内部の片付けには時間がかかる見込みだった。ミスカは、国内全域の被害に加え、メーティス聖法神国の混乱が戦争を誘発する可能性を懸念していた。

戦争の予感

アンズは、イサラス王国がこの機に攻め込む可能性を指摘した。ミスカもそれを認め、中原で戦争が頻発し、ソリステア魔法王国にも飛び火する恐れがあると見ていた。だが震災対応で人員が不足しており、国境へ十分な部隊を送る余裕はなかった。

魔導銃と大砲の設計図

アンズは、クロイサスの部屋で魔導銃と大砲の設計図を見つけたと報告した。ミスカは、軍事機密である設計図が学院に持ち出されていることに頭を痛め、ただちに回収を命じた。クロイサスの記憶を消す案まで出たが、まずは設計図の確保を優先することになった。

不穏な先行き

ミスカは、震災、隣国情勢、同盟国の動き、魔導銃の量産化が複雑に絡み、今後の展開を不安視していた。魔導銃はまだ弓の代替品程度と見られていたが、運用次第では大きな意味を持つ可能性があった。彼女達は知らなかったが、すでに超常的な存在の動きも世界の裏で進んでいた。

第六話 おっさん、アドと共に帰宅中 

聖法神国の諜報とオーラス大河の帰路

ザザの潜入

ザザはアンフォラ関門を抜け、メーティス聖法神国の街に入った。街は地震で大きな被害を受け、家屋は崩れ、遺体や嘆く家族が路上に並んでいた。ザザは、この国を攻め取る好機だと考えつつも、復興費用や民の統治を考えれば、迂闊に攻め込めばイサラス王国まで潰れかねないと判断した。

諜報拠点探し

ザザは、敵国内に潜伏するイサラス王国の諜報員達の拠点を探した。店、農家、廃墟、無宿人への偽装など、拠点には複数のパターンがあったが、彼は街の規模や状況から仲間の潜伏先を推測した。やがて橋の下に暗号の印を見つけ、嫌な予感どおり同僚達と合流した。

橋の下の同僚達

ザザの同僚達は、無宿人の姿で潜伏していた。あまりに酷い合言葉を交わしたことで同僚だと確認できたが、彼らは任務のために不潔な格好を続けており、心身ともに疲弊していた。ザザは彼らから、四神教の悪事の暴露、勇者達の復讐、真の神の降臨によってメーティス聖法神国が事実上崩壊したと聞かされた。

本国への報告

ザザ達は、マハ・ルタートの確認後に撤退し、傭兵を装って街道沿いの都市を探りながら本国へ戻ることにした。ザザは、あの時感じた強大な気配の正体を王に伝えるべき重要案件だと考えた。彼らは各地の情勢を調べながら、イサラス王国へ帰還することになった。

流されるゴムボート

一方、ゼロスとアドはオーラス大河をゴムボートで下っていた。二日間の爆走で疲れ果てていた二人は、ボート上で一日半も眠り込み、目覚めた時にはかなり下流へ流されていた。しかも男二人で抱き合った状態だったため、アドは強い精神的ダメージを受けていた。

河下りの難所

ゼロス達はサントールの街を急いで目指したが、渓谷の連続カーブではウォータージェット推進を使えず、流れに任せるしかなかった。岩壁にぶつかりそうになりながらオールで回避し、さらに水面に突き出た岩が並ぶ難所へ入った。二人は、行きにこの場所をどう突破したのか思い出せず、不安を抱えたまま河を下った。

神域の修復作業

神域では、アルフィアと天使達、助っ人の下級神達が異界の理に侵食されたシステム修復に追われていた。召喚された勇者達の魂は回収できても、世界の根幹に食い込んだ異界の事象概念は完全には取り除けなかった。特に似た性質を持つ世界から来た魂の残留プログラムは、この世界のシステムに深く結合していた。

定着したゲーム的事象

この世界には、レベル、スキル、職業、称号、進化といったゲームのような概念がすでに定着していた。アルフィアは完全除去には多くの生命を滅ぼし歴史を書き換える必要があるため、受け入れた上で新たな世界へ作り替える方が建設的だと考えた。魂の進化を促すという本来の役割から見ても、その仕組みには利用価値があった。

ルシフェルの趣味

修復作業の中で、アルフィアはルシフェルと彼女の主が、世界の創造主に近い思想を持っていると感じた。何気ない冗談から、ルシフェルが同人誌即売会の常連であることが発覚した。創造主、観測者、そして関係者達に受け継がれる萌えへの業の深さに、アルフィアは趣味もほどほどにするよう言うしかなかった。

故障した船外機

ゼロス達のゴムボートは、岩場に船外機をぶつけたことで推進力が不安定になっていた。二人は急ぎたい気持ちを抱えながらも、安全運転で川を下るしかなかった。ゼロスは釣りをしながら気を紛らわせ、アーマーフィッシュを釣り上げても食べられないとして逃がした。

転生者の正体

アドは自分達が化け物の部類に入るのかと疑問を抱き、ゼロスは膨大な魔力を持つ自分達が生物の枠を超えていると考えた。二人は、魔力の源が魂にあるなら自分達は邪神に近く、アルフィアが呼んだ使徒という言葉にもつながると話した。転生者は人間ではなく、人に近い何かである可能性が示された。

寿命への不安

ゼロス達は、膨大な魔力を持つ自分達が長命種なのか短命種なのか分からないと話した。長命なら家族を先に見送ることになり、短命なら肉体が魔力に耐えられず早く劣化する可能性もあった。アドはユイや娘より長生きする未来を嫌がり、ゼロスは重すぎるユイの愛を茶化した。

ユイの独占欲

ゼロスは、ユイがアドに強く執着する理由を、アドが学生時代に無自覚にモテていたからではないかと推測した。アドは女子達の視線にまったく気づいておらず、ユイが危機感から外堀を埋めた可能性が浮かび上がった。ゼロスは、アドの鈍感さがユイの暗黒面を育てたと考え、嫉妬混じりに皮肉を言った。

川底の頭蓋骨

会話の途中、ゼロスは人間の頭蓋骨を釣り上げた。普通なら事件として扱うところだが、彼は何事もなかったように捨てた。オーラス大河の底には、盗賊や裏社会の人間など、闇に消えた真実が沈んでいるようだった。

焦る帰路

アドはユイと娘を心配し、ゼロスもルーセリス達の安否を気にしていた。だが船外機が故障しているため、二人は川の流れに身を任せるしかなかった。焦りを抱えながらも、二人は気を紛らわせるために意味のない会話を繰り返した。

第七話 おっさん、クーティーと遭遇する 

サントール帰還とイサラス王国の好機

深夜の船着き場

ゼロスとアドは、長旅で疲れ切った状態でサントールの船着き場に辿り着いた。波止場には地震で崩れた建物があり、古い木造土壁の家屋ほど被害が大きかった。一方で、解体された建材は異常なほど整然と分別されており、ゼロスはドワーフ達の仕事だと察した。

踊る土木作業員

ゼロスとアドは、船着き場で夜間作業をするハンバ土木工業のドワーフ達に遭遇した。彼らは指を鳴らし、踊りながら一糸乱れぬ動きで作業していた。ゼロスは過去に受けた職人魂の洗礼に引きずられかけたが、アドに促されて安否確認を優先し、その場を離れた。

裏通りの不審者

二人は旧市街へ向かう途中、裏通りで生ゴミを漁るメイド服の女を見つけた。それは、魔導具店の元店員クーティーだった。ゼロスは彼女の厄介さを理解しており、目を合わせれば友人扱いされて付きまとわれると判断し、アドとともに気づかれないよう逃げようとした。

クーティーの捕捉

ゼロス達が強い嫌悪を向けたことで、クーティーはそれを好意と勘違いして反応した。彼女は二人を見つけると、食事、住まい、小遣いを要求しながら追いかけてきた。ゼロスとアドは、その図々しさと異臭に呆れながらも全力で逃げた。

生ゴミの追跡者

クーティーは走りながら飛び散る生ゴミを食べつつ、二人にたかろうと追跡を続けた。彼女は自分を絶世の美女だと思い込み、二人が逃げる理由すら都合よく解釈していた。ゼロスとアドは、彼女の自己中心性と迷惑さを改めて思い知らされた。

閃光による離脱

追いつかれそうになったゼロスとアドは、同時にフラッシュの魔法を放った。直視したクーティーは目を眩ませて転げ回り、二人はその隙に屋根を伝って遠回りで逃げた。ゼロスは、家の方角を知られれば執念深く探されると警戒し、わずかな手がかりすら残さないようにした。

ゼロスの帰宅

二人は一時間ほど遠回りをして、ようやくゼロスの家へ帰り着いた。深夜だったためアドはソリステア公爵家の別邸へ戻れず、ゼロスの家に一泊した。翌朝、アドは全速力で妻ユイと娘のもとへ向かった。

イサラス王の視察

イサラス王国では、ルーイダット王が魔導式モートルキャリッジの部品製造工場を視察していた。そこへ、メーティス聖法神国の聖都マハ・ルタートがドラゴンに襲撃され、国の中枢を失ったという報告が届いた。集権国家である聖法神国にとって、それは国内混乱の拡大を意味していた。

早すぎる好機

ルーイダット王は、聖法神国の崩壊を好機と見ながらも、軍備と兵站が整っていないため即時侵攻は危険だと判断した。ソリステア魔法王国から保存食は届いていたが、全軍を長期維持できる量ではなかった。拙速に攻めれば、かえって敵の結束を招く恐れがあった。

聖天十二将の行方

王は、混乱した聖法神国で聖天十二将がどう動くかを問題視した。特に高潔で人望の厚いガルドア将軍については、イサラス王国へ引き入れる可能性を考えた。一方、野心家で血連同盟との関係が噂されるアーレン・セクマ将軍は危険人物と見なされた。

戦乱の暗雲

イサラス王国は、ガルドア将軍との接触と侵攻準備を進めつつ、同盟国との情報共有を急ぐことになった。大国メーティス聖法神国の崩壊は、周辺国に大きな影響を及ぼし始めていた。中原の混乱がどこまで広がるのかは、まだ誰にも分からなかった。

第八話 おっさん、 恋愛症候群が発動し精神的ダメージを受ける 

帰還後の教会と恋愛症候群

教会裏の廃材

ゼロスは早朝、ルーセリスに帰還を伝えるため教会を訪れた。教会裏には地震で出た廃材が積まれており、礼拝堂の天井や一部の壁が崩れていた。ラディは、ルーセリスや子供達に怪我はなかったと伝え、ゼロスは安堵した。

押し出された二人

ラディは、ゼロスが帰ってきたことを大声でルーセリスとジャーネに伝えた。子供達に押し出されるように、二人は裏口から出てきた。ゼロスは昨夜帰っていたが、疲れて戻ったルーセリスを休ませるため声を掛けなかったと説明した。

ルーセリスの決断

ゼロスが冗談めかして濃厚なキスを話題にすると、ルーセリスはそれを受け入れる姿勢を見せた。彼女は、ジャーネがいつまでも逃げていては関係が進まないと考え、ゼロスとの関係を前に進めようとした。ジャーネはその強引さに戸惑い、育ての親であるメルラーサ司祭長の影を感じた。

ルーセリスの口づけ

ジャーネの不用意な言葉をきっかけに、ルーセリスは自らゼロスに抱きつき、口づけをした。最初は可愛らしいものだったが、魔力の共振によって恋愛症候群が引き起こされ、ゼロスの理性も揺らいだ。二人は次第に濃厚なキスを交わし、ジャーネは赤面しながらその光景を見つめるしかなかった。

精神波の共振

恋愛症候群は、男女間の魔力に含まれる精神波が共振することで起こるものだった。ルーセリスは天使の力に目覚めたことで魔力量が増え、使徒であるゼロスの魔力に引きずられた。ジャーネは魔力の保有量と排出量が低いため同じようには暴走しなかったが、影響を受ける危険は感じていた。

ジャーネの番

ルーセリスとのキスを終えたゼロスは、まだ恋愛症候群の影響下にあり、次はジャーネの番だと迫った。ルーセリスは婚姻届まで持ち出し、いずれ提出するつもりだと告げた。退路を断たれ始めたジャーネは危険を感じ、逃げ出した。

追い詰められたジャーネ

ゼロスは異常なテンションでジャーネを追い、彼女も次第に精神波の同調に引き込まれていった。理性では危険だと分かっていながら、本能が逃げる選択を拒み、ジャーネはついにゼロスに捕まった。二人はルーセリスが見守る中で濃厚な口づけを交わした。

正気に戻った三人

精神波の共振がズレたことで、ゼロス、ルーセリス、ジャーネは正気に戻った。三人は自分達の大胆な行動を思い出し、激しい羞恥心と自己嫌悪に襲われた。ゼロスは、二人に惹かれていることは認めながらも、それが本当の愛なのか本能的な欲望なのか分からず苦悩した。

アドの報告

一方、ソリステア公爵家別邸に戻ったアドは、妻子のもとへ行く前にクレストンへ報告した。アンフォラ関門の陥落やメーティス聖法神国の崩壊について話すと、クレストンは中原が戦乱の世になると見ていた。イサラス王国はすぐには動かず、調略を進めるだろうと予測した。

妻子との再会

報告を終えたアドは、ユイとかのんのいるサロンへ向かった。二人とシャクティは無事で、地震後にはボランティア活動もしていた。アドは彼女達の無事に安心し、同時にハンバ土木工業の異様な復興作業を思い出して複雑な表情を浮かべた。

畑の苦悶

正気に戻ったゼロスは、恋愛症候群の影響で自分が取った行動を思い出し、羞恥と罪悪感で畑の中心で悶えていた。彼は、本能に支配される危険を実感し、三十人以上の妻達と向き合うブロスの苦悩を初めて理解した。教会の子供達は、一部始終を見て、もういい加減にくっつけばいいと呆れていた。

第九話 中原動乱の序章の序章 

元聖法神国の分裂と学院訓練場の日常

崩れた信仰国家

聖都マハ・ルタートを失った元メーティス聖法神国では、各領地の貴族達に立て直しが委ねられた。しかし貴族達は文官任せで領地を治めていたため、復興は進まなかった。さらに四神教の権威も失墜し、信仰によって国をまとめることは不可能になっていた。

フューリーの誘導

元聖天十二将のフューリー・レ・レバルトは、文官達を前に今の混乱を好機と捉えていた。彼は神官達の時代が終わり、新しい国が必要だと語った。文官達はその言葉から、彼に従えば地位を得られるという意図を読み取り、フューリーに仕えることを決めた。

新たな平定方針

フューリーは、自領の混乱を一年以内に収める方針を示した。彼はまず周辺貴族の領地を平定し、必要なら攻め滅ぼすつもりだった。ただし国を興すとは宣言せず、あくまでも自領の民を守るという姿勢を強調した。

血に飢えたアーレン

西方国境付近の第八十六号砦では、アーレン・セクマが捕らえた盗賊達を拷問部屋で嬲り殺していた。彼は血を見ることに快楽を覚える異常者であり、率いる騎士団も処刑部隊として恐れられていた。アーレンは戦場で合法的に殺戮衝動を解放したいと願っていた。

聖都壊滅の報告

アーレンは、聖都マハ・ルタートがドラゴンの襲撃で壊滅したという報告を受けた。国の中枢が失われたことで、自分の行動を咎める者がいなくなったと気づく。だが、フューリーに隙を見せる危険を警戒し、無能な貴族を神輿として担ぎ上げる方針を考えた。

戦場への欲望

アーレンは王になる気はなく、自分の望む戦争を起こせる相手に売り込むことだけを考えていた。彼はフューリーが英雄願望を持つ腹黒い野心家だと見抜いており、先を越されないよう使えそうな貴族の選定を部下に命じた。その後、拷問部屋を魔法で綺麗に片付けた。

学院に届いた崩壊の報せ

地震から六日後、イストール魔法学院にもメーティス聖法神国崩壊の報せが新聞で届いた。セレスティーナとキャロスティーは、国が滅んだ後に有力貴族達が内乱を起こす可能性を話し合った。勇者を利用し裏で殺してきた四神教の悪事が知られた以上、勇者に頼ることもできなくなっていた。

戦火の波及

キャロスティーは、寝返った貴族を罪人として引き渡せと要求されれば、戦争がソリステア魔法王国側にも飛び火する恐れがあると考えた。そこへツヴェイトが現れ、デルサシス公爵達はすでに裏で貴族との接触を進めているだろうと語った。三人は、公爵の裏方としての手腕と自由人ぶりについて話した。

ウルナの組み手

訓練場では、ウルナがウィースラー派の男子学生達を相手に組み手をしていた。彼女は一対多数でも圧倒的な技量を見せ、男子達を次々に吹き飛ばした。デートを餌にされた男子達は奮起したが、実力差は埋まらず返り討ちに遭った。

淑女達の拒否

ツヴェイトは、セレスティーナ達にも自分の身を守る訓練が必要だと考えた。しかしセレスティーナとキャロスティーは、男十人を返り討ちにするような実戦訓練には及び腰だった。乙女心と武の向上心は折り合わず、訓練場では気絶した男子達が担架で医務室へ運ばれていった。

第十話 おっさん、進化の仕組みを知る 

四神教崩壊後の問いと神官服の問題

微妙な距離感

ルーセリスとジャーネのキスを奪って以降、ゼロス達三人の距離感は気まずいものになっていた。会話はできるものの妙に挙動不審になり、周囲から見れば焦れったい関係であった。そんな中、メーティス聖法神国崩壊の報せが新聞に載り、ゼロスとルーセリスはそれぞれ驚いていた。

肉を食べる駄目神

ゼロスはアルフィアに管理権限の掌握について尋ねたが、アルフィアはフライドオークを食べることに夢中だった。ゼロスが皿を没収すると、アルフィアは神としての威厳を捨てて肉を求めた。ゼロスは彼女を駄目神扱いしながらも、世界の修復状況を聞き出した。

世界修復の難航

アルフィアは次元崩壊を防いだが、勇者召喚によって異界の摂理がこの世界の管理システムに食い込み、復旧作業が難航していると説明した。勇者の魂の回収、召喚元世界の特定、不要な摂理の削除と必要部分の調整が同時に進められていた。ゼロスは、それをコンピューターウイルスに侵食されたOSの修復のようなものだと理解した。

進化制限の異常

この世界は本来、レベルやスキルのあるゲームのような世界ではなかったが、すでにその仕組みが定着していた。アルフィアは、生物の進化制限が壊れており、魔力濃度の問題を放置すれば多くの種が絶滅しかねなかったと語った。進化には自然界の魔力が必要であり、魔力不足のまま体内魔力だけで進化しようとすれば破裂する危険があった。

全ダンジョンコアの覚醒

世界樹の負担を軽減するため、アルフィアは惑星上の全ダンジョンコアを覚醒させることにした。ゼロスは、各地にダンジョンが出現し、魔物が人類を脅かす危険を問題視した。アルフィアは、兵器の再現は禁止できると説明したが、ファーフラン大深緑地帯の危険な魔物は人類を滅ぼしかねないため殺処分の対象だと語った。

使徒と帰還

アルフィアは、ゼロス達転生者が使徒として生物の枠を外れた存在であると告げた。ただし、この世界の外に出れば普通の人であり、死亡や寿命の後には地球へ帰れるとも話した。ゼロスはその善意を胡散臭く感じつつも、自分達の魂がこの世界に残る危険性を考えていた。

恋愛症候群の正体

ゼロスは恋愛症候群について尋ねた。アルフィアは、それが病気ではなく、大気魔力の濃度変化に体が過剰反応し、相性のよい者同士の精神波が魔力で伝播することで起きる現象だと説明した。男女が一線を越えると発症しにくくなるのは、交わりによって魔力循環が起き、肉体が濃い魔力に慣れるからだった。

配下を欲しがる神

アルフィアはゼロスとルーセリスの子孫に強い関心を示した。ゼロスは、彼女が使徒の因子とルーフェイル族の因子を組み合わせ、天使や従属神に近い存在を生み出そうとしていると見抜いた。アルフィアは配下が欲しいと駄々をこね、ゼロスは彼女を神ではなく我儘な子供のように見て呆れた。

四神教への無関心

一方、教会ではルーセリス達が新聞を読み、メーティス聖法神国と四神教の崩壊について話していた。ルーセリスはもともと四神教の教義に興味がなく、治癒系の神聖魔法を学べた時点で目的は果たしていた。彼女は神官服にも執着していなかったが、私服を一着も持っていないことが明らかになった。

神官服の危険

イリス達は、四神教が邪教扱いされる以上、神官服のままではルーセリスが危険だと心配した。女性神官は恨みや悪意の対象になりかねず、犯罪者に狙われる可能性もあった。イリスはその危険を妙に生き生きと語り、周囲からむっつりだと思われた。

服を買えない理由

ルーセリスは、教会の収入を個人の服代に使うことはできないと話した。さらに、魔法薬の素材を自腹で購入していたため、私服を買う余裕がなかったことも判明した。ジャーネ、イリス、レナは、なぜ相談しなかったのかとルーセリスを叱り、ゼロスにも責任があると判断した。

ゼロスの家への突撃

イリス達は、ゼロスに神官服のデザインを改良してもらえばよいと考えた。四神教の神官服だと分からない見た目に変えれば、安全性を高められるからである。こうしてルーセリスは、三人に半ば強引に連れられ、ゼロスの家へ向かうことになった。

第十一話 おっさん、神官服改造の依頼を受ける 

神官服改造と新たな門出

終わらない供物

ゼロスは圧力釜でフライドオークを作りながら、際限なく食べ続けるアルフィアの相手に飽き始めていた。アルフィアは食べた物を即座にエネルギーへ変換できるため満腹にならず、食事は本人が飽きるまで終わらなかった。ゼロスは対価なしに食事を与え続ける気はないと告げ、アルフィアは以前の身体の素材から瘴気を抜くことを条件に食事を求めた。

ルーセリス達の来訪

ゼロスの家に、イリス、ルーセリス、ジャーネ、レナが訪れた。ルーセリスとジャーネは以前のキスの影響でゼロスを妙に意識しており、ゼロスも再び恋愛症候群が発動しないか気にしていた。イリス達は、四神教の神官服が危険になったため、ルーセリスの服を別デザインに改造してほしいと頼んだ。

神官服の紋章

ゼロスは神官服の改造自体は可能だが、服飾デザインには自信がないと答えた。四神教の十字架を別の象徴に変える必要があり、医療系ならユニコーンやフェニックスが一般的だと考えたが、ありきたりな案は避けたがった。ルーセリスだけが衣装を変えれば、他の神官達から独断専行や裏切りと見られる可能性も浮上した。

大義名分の必要

ルーセリス達は、神官服を変えるなら他の神官達にも納得させる大義名分が必要だと気づいた。イリスはアルフィアを利用すればよいと考えたが、アルフィアは宗教など人間が勝手に作ったものだとして関与を拒んだ。ゼロスは、神官達が今後の世界で人々を助けるために必要だと説き、食事を対価にアルフィアを動かそうとした。

働かされる駄女神

アルフィアは、自分の本体が神域で世界修復に追われている以上、分体まで働く必要はないと抵抗した。ゼロスは、食事を求めるなら対価を払うべきだと容赦なく告げた。最終的にアルフィアはフライドオークに負け、四神教の神官達へ行動指針を与えるため、転移してどこかへ向かった。

揚げたての誘惑

アルフィアが去った後、ゼロスは圧力釜からフライドオークを取り出した。香辛料と香草の風味が染み込んだ肉に、ルーセリス達は思わず反応した。ゼロスは彼女達にも分けながら、これから各地にダンジョンが出現し、稼ぎやすくなる一方で魔物の脅威も増すと説明した。

女神の意匠

ゼロスは、十字架の代わりにアルフィアを模した女神の紋章を神官服へ入れる案を考えた。十二の翼を持つ意匠は神官服に合いそうだったが、本人の許可や刺繍の手間、改宗先の扱いなどが問題となった。ルーセリスは、そもそもメルラーサ司祭長の許可を取らずに改造してよいのかと不安を示した。

創世神教の話

ゼロスは、改宗先として創世神教に近い形になるかもしれないと考えた。創世神教は神道に近く、神に頼るのではなく敬うだけの信仰で、神官は医療や魔法薬の精製、浄化や奉仕活動をしていたようだった。ルーセリスは、ミサがない点に強い魅力を感じ、改宗に前向きな様子を見せた。

新たな宗教の不確かさ

創世神教は魂の昇華を目的とし、輪廻転生を通じて魂を鍛える考え方を持っていた。だが四神教の台頭によって関連書籍は焚書され、現在の詳細は分からなかった。ゼロスは、四神教の神官達が創世神教に鞍替えするのか、新たな宗教を興すのかは分からないと考えていた。

司祭達の迷い

アルフィアはサントール上空へ転移し、四神教の派遣司教や司祭達が集まる建物を見下ろした。彼らは勇者召喚、勇者抹殺、聖都崩壊という四神教の罪を知り、今後どう償うべきか悩んでいた。神官達は四神教を名乗るだけで石を投げられかねない状況に、深く沈んでいた。

メルラーサの叱咤

メルラーサ司祭長は、神にこだわる神官達を叱りつけた。彼女は、神に頼るのではなく、自分達の善性を貫き、人を救うために何ができるかを考えるべきだと語った。アダン司教はその言葉で初心を思い出し、自分達が本来は神に頼るためではなく、人が正しく生きる道標となるために行動していたことを認めた。

四神教からの離脱

アダン司教は、四神教の教義を捨て、人に尽くし道徳を説く存在になると宣言した。他の神官達もその決意に賛同した。新たな門出を迎えようとした瞬間、部屋は世界から隔絶されたように静止し、神官達は強大な存在の気配に圧倒された。

十二翼の少女

司祭達の前に、銀色の角と十二の翼を持つ少女が現れた。アルフィアは、四神の信徒にしてはまともであり、国の行く末を案じて正そうとした心意気は褒めると告げた。身動きも声も出せない神官達に向かい、彼女は大義名分を与えてやると告げた。

第十二話 おっさん、神器製作依頼も受ける 

神託の大義名分と迷宮再編

神前のメルラーサ

アルフィアの出現に神官達は畏怖で硬直したが、メルラーサ司祭長だけは酒を飲みながら平然と応じた。アルフィアは人間への慈悲ではなく、今後の混乱に備えた打算として神官達に道を示すと語った。メルラーサは神を傍観者と見なしつつも、何をさせるつもりなのか問いただした。

迷宮時代の神託

アルフィアは、戦争に加えて各地に迷宮が出現すると告げた。魔力回復に伴う再生の影響であり、魔物にも魂がある以上、神が一方的に滅ぼすことはできないという立場だった。彼女は神託として、人間達が自分で備え、できるだけ種を守るように動けと伝えた。

証としての神具

メルラーサは、神託だけでは誰も信じず、貴族達も協力しないと指摘した。アルフィアは神具を創れば証になるが、その場で創造すれば大陸が消し飛ぶと答えた。代わりに、後日触媒へ神気を封じた神具を与えるという聖約を結び、準備のために姿を消した。

神気の余韻

アルフィアが去ると、停止していた世界は元に戻った。神官達は短時間であっても神気に晒されたことで憔悴し、意識を失う者までいた。アダン司教は、あの重圧の中で神と語ったメルラーサこそ司教にふさわしいと感じたが、彼女は酒が飲めなくなるとして笑い飛ばした。

戻ってきた駄女神

アルフィアがゼロスの家に戻ると、ルーセリス達はフライドオークを食べていた。アルフィアは自分の供物を他人が食べたと怒ったが、ゼロスに肉を投げられると犬のように飛びついた。ゼロスは威厳のない彼女を暴食魔神扱いし、神として信用していないことを隠さなかった。

神具の役割

アルフィアは、真面目な神官達に人類保護の大義名分を与えるため、神具を渡すことにしたと説明した。四神教が邪教となった以上、真の神から許された証明が必要だった。彼女は神官達を完全には信用していないが、迷宮出現による被害を抑えるため、治癒術を使える人材を活用するつもりだった。

邪神素材の浄化

神具の器はゼロスが作り、アルフィアが微量の神気を注ぐことになった。素材には、ゼロスがかつて得たアルフィアの旧肉体由来の邪神素材が使われることになった。アルフィアはゼロスのインベントリーに干渉して素材を浄化し、ゼロスは危険物を作れると嬉々としてやる気を見せた。

危険物への暴走

ゼロスは、神具に強力な効果と致命的な代償を与え、禍々しい見た目の危険物にしようとした。アルフィアは普通の回復補助や障壁補助でよいと必死に止めたが、ゼロスは強力な道具には乱用防止の代償が必要だと理屈をつけた。最終的に、まずはまともな杖を作ることになり、余り素材で危険物を作る許可も出た。

廃坑ダンジョンの再起動

アーハンの廃坑ダンジョンでは、ダンジョンコアが他のコアとリンクし、惑星規模のネットワークが構築され始めていた。システムチェックにより、文明遺物を再現していたエラーが修正され、各迷宮のコンセプトや階層、フィールドの再編が進められた。迷宮は実験場、修練場、養殖場、魂の浄化装置として再定義されていた。

異常進化種の管理

迷宮内の生物は地上生物よりも強く、外へ放てば生態系を破壊しかねなかった。各ダンジョンコアはフィールドの交換や魔力濃度の低下によって退化を促し、異常進化種を監視・淘汰する方針を取った。限界を超えた場合には強制排除され、最後の手段として勇者召喚にあたる抗体プログラムが発動する仕組みだった。

調査員の排除

廃坑ダンジョンの五階層では、傭兵ギルドの調査員達が変化した森のフィールドを調査していた。彼らの多くは宝を期待して危機感を持っていなかったが、ダンジョンコアはフィールド差し替え作業の支障になると判断した。魔物が差し向けられ、調査員達は一部を除いて地上へ戻れず、後に廃坑ダンジョンは完全封鎖されることになった。

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