スポンサーリンク
フィクション(Novel)日向夏薬屋のひとりごと読書感想

小説「薬屋のひとりごと 11巻 西都編」感想・ネタバレ

スポンサーリンク
薬屋のひとりごと11巻の表紙画像(レビュー記事導入用) フィクション(Novel)

薬屋 10巻レビュー
薬屋 全巻まとめ
薬屋 12巻レビュー

Table of Contents

スポンサーリンク
  1. どんな本?
    1. 概要
    2. 主要登場人物
  2. 読んだ本のタイトル
  3. あらすじ・内容
  4. 感想
  5. 考察
    1. 西都の混乱と石炭採掘の陰謀を巡る全貌
    2. 西都の蝗害対策
      1. 羅半兄による抜本的な農業指導
      2. 馬閃と里樹妃による家鴨の導入
      3. 風読みの民の祭事の復活
      4. 飛蝗襲来時の緊急対応
      5. 玉鶯による政治利用
      6. まとめ
    3. 玉鶯の政治的野心
      1. 中央への権力拡大と娘の入内計画
      2. 蝗害と暴動を利用した支持獲得
      3. 砂欧への開戦計画と利権の掌握
      4. 兄弟会議での孤立と皇弟への疑惑提示
      5. 過去の因縁と破滅的な結末
      6. まとめ
    4. 戌の一族の因縁
      1. 十七年前の粛清と滅亡
      2. 玉鶯の暴動と陸孫の保護
      3. 風読みの民との過去の関わり
      4. 過去の清算と陸孫の決意
      5. まとめ
    5. 石炭を巡る陰謀
      1. 羅半からの暗号と石炭隠蔽の過去
      2. 玉鶯の戦争計画と石炭鉱山の利権
      3. 中央政府と玉一族の政治的駆け引き
      4. まとめ
    6. 陸孫の過去と役割
      1. 出生と過酷な過去:戌の一族の生き残り
      2. 中央での経歴と西都での表向きの役割
      3. 隠された真の役割と監視
      4. 過去の清算と新たな決意
      5. まとめ
  6. キャラクター紹介
    1. 皇族・宮廷
      1. 壬氏(華瑞月)
      2. 玉葉后(玉葉)
      3. 水蓮
      4. 高順
      5. 雅琴
      6. 主上
      7. 先帝
      8. 女帝
    2. 羅の一族
      1. 猫猫
      2. 漢羅門(羅門)
      3. 羅半
      4. 漢羅漢(羅漢)
      5. 羅半兄
      6. 羅半父
      7. 羅半母
      8. 羅半祖父
    3. 馬の一族
      1. 雀(チュエ)
      2. 馬良
      3. 馬閃
      4. 桃美
    4. 外廷・宮廷・西都関係者
      1. 陸孫
      2. 玉鶯
      3. 大海
      4. 音操
      5. 天祐
      6. やぶ医者(虞淵)
      7. 劉医官
      8. 楊医官
      9. 李医官
      10. 拓跋
      11. 林大人(将棋の棋聖)
      12. 林小人
      13. 李白
      14. 玉袁
      15. 礼部の侍郎(姚の叔父)
    5. 市井・その他の人物
      1. 姚(ヨウ)
      2. 燕燕(エンエン)
      3. 玉鶯の孫娘
      4. 玉鶯の孫娘の母親
      5. 西母
    6. 集団
      1. 暴徒たち(民衆)
      2. 異国の商団(異民族の盗賊)
      3. 風読みの民(風読みの部族)
      4. 戌の一族(犬の一族)
  7. 備忘録
    1. 序話
  8. 薬屋のひとりごと 一覧
    1. 小説
    2. 漫画
  9. 類似作品
    1. 虚構推理
    2. 後宮の烏
    3. 准教授・高槻彰良の推察
    4. 全裸刑事チャーリー
  10. その他フィクション
  11. アニメ
    1. PV
      1. 二期【2025年放送決定!】
    2. OP
    3. ED

どんな本?

薬屋のひとりごと』は、日向夏 氏による日本のライトノベル作品。
中世の後宮を舞台に、薬学の専門知識で事件の謎を解く少女・猫猫(マオマオ)の物語。
小説家になろうで連載されているほか、ヒーロー文庫からライトノベル版が刊行されている。
また、月刊ビッグガンガン月刊サンデーGXでコミカライズ版が連載されており、2023年にはテレビアニメ化も決定している。

月刊サンデーGXの方が、中華の雰囲気が強く、文化の小さい部分にも気をつけているように感じている。

概要

大蝗害によって荒廃した西都において、猫猫は医官付官女として医薬品の不足や代用品の調薬に日々奔走した。その裏で、西都の仮領主である玉鶯は他国への軍事侵攻を目論み、民衆を扇動する動きを見せていた。

さらに、羅半から届いた手紙の不自然な形状をきっかけに、西都に隠蔽されていた石炭採掘を巡る巨大な陰謀が明らかとなった。過去の一族族滅の因縁や出生の秘密に翻弄される人々の中で、様々な思惑が複雑に交錯していく。

やがて玉鶯は自らの出自の秘密を隠すために乳兄弟を手にかけた。しかし、かつて暴動によって強奪した因縁の屋敷において、積年の恨みを買って命を落とす結果となった。こうして戦争の危機は回避され、生き残った陸孫が西都の復興に向けて立ち上がった。

主要登場人物

猫猫
立場・所属:宮廷医局の医官付官女
主人公との関係:本人
この巻での主な役割:天祐と共に玉鶯の孫娘の腸閉塞手術を執刀し、成功へ導いた。また、羅半からの手紙に仕込まれた「石炭さがせ」の暗号を解読した。
この巻で起きた重要な変化や行動:過酷な蝗害対策に奔走し、民衆から「毒のねえちゃん」と畏敬を込めて呼ばれるようになった。露台において壬氏の頬を叩いて活を入れ、特別な口づけを施した。
花街で育ち、薬学や毒物に並外れた好奇心を抱く少女である。西都での過密な医療業務に追われながらも、鋭敏な観察眼で幾多の謎を解き明かした。心身を摩耗させる壬氏を案じ、陰から精神的に支える存在となった。

壬氏(華瑞月)
立場・所属:茘の皇弟
主人公との関係:猫猫の主筋であり、深く関わる存在
この巻での主な役割:西都への食糧支援を中央へ迅速に要請した。隣国砂欧との開戦を煽る玉鶯に対し、毅然とした態度で反対の姿勢を貫いた。
この巻で起きた重要な変化や行動:玉葉后の所有を示す焼き印を自らの脇腹に押し当てた。皇族を離脱する覚悟を固め、猫猫へ求婚した。
類いまれな美貌を持つ若き指導者である。皇弟という重責を一身に背負い、山積する政務を処理するため、高順の長女である麻美らを新たに側近へ登用した。

玉鶯
立場・所属:西都の領主代行
主人公との関係:猫猫たちの滞在先を統括する有力者
この巻での主な役割:大蝗害に対する民衆の鬱憤を隣国砂欧への敵対心へと巧妙に誘導した。出生の秘密を突きつけてきた乳兄弟の拓跋を、口封じのために刺殺した。
この巻で起きた重要な変化や行動:17年前に暴動を扇動して奪い取った元・戌の一族の屋敷において、積年の恨みを募らせた地元農民に刺殺された。
西都を実質的に統べ、民衆の絶大な支持を集めていた有力者である。しかしその本質は他国侵攻を狙う野心家であり、権勢を拡大するためなら天災や民衆の暴動すら利用した。

陸孫
立場・所属:西都政庁の文官
主人公との関係:猫猫の実力を認める知己
この巻での主な役割:大蝗害の発生後、混乱する食糧分配を迅速に差配した。玉鶯の動向を冷徹に見定め、その暴走を阻む機を窺った。
この巻で起きた重要な変化や行動:玉鶯の死後、彼が保管していた重要な戸籍表を雀に託して処分させた。過去の因縁を清算し、西都の再建を主導する決意を固めた。
西都の政務を一手に引き受ける極めて有能な文官である。玉鶯の補佐に徹しながらも西都の未来を憂慮し、かつて族滅された「戌の一族」の血筋を引く生き残りという出自を隠し持っていた。

天祐
立場・所属:宮廷医局の下級医官
主人公との関係:猫猫の同僚医官
この巻での主な役割:玉鶯の孫娘の手術において、卓越した執刀技術を披露した。実技の腕前に関しては猫猫を凌駕する実力を見せつけた。
この巻で起きた重要な変化や行動:並外れた技量と危険な探求心を楊医官や劉医官から警戒された。事故で切断された他人の腕を解剖の勉強用として持ち帰る奇行に及んだ。
猫猫と共に働く若き下級医官である。飄々とした態度の裏に人体解剖への狂気的な執着を秘め、かつて皇子の遺体を腑分けして処刑された伝説の名医「華佗」の末裔を名乗った。

羅半兄
立場・所属:羅家所属の農業指導員
主人公との関係:猫猫の従兄
この巻での主な役割:西都の農村を巡回して甘藷の栽培法を伝授した。背丈が低く倒伏に強い特殊な小麦の種を、飢饉対策として西都へ持ち帰った。
この巻で起きた重要な変化や行動:別邸の物置で苜蓿の新芽を栽培し、不足していた栄養源を補った。猫猫と共に羅半の手紙の異変に着目し、暗号解読の糸口を掴んだ。
農耕に関する深い見識と誠実な人柄を備えた青年である。要領の良い実弟の羅半に振り回されがちであったが、猫猫や壬氏からはその確かな技術力と粘り強さを高く評価された。


立場・所属:皇弟邸の侍女兼連絡員
主人公との関係:猫猫の護衛兼連絡役
この巻での主な役割:西都に眠る石炭鉱山の重要性を猫猫へ伝達した。陸孫から依頼を受け、玉鶯の隠し持っていた戸籍表を秘密裏に処分した。
この巻で起きた重要な変化や行動:壬氏の身代わりとして馬閃を名代に仕立てる奇策を講じた。冷徹に情勢を分析し、壬氏の不利益を回避するために暗躍した。
壬氏に仕える侍女であり、馬良の妻である。軽妙な振る舞いを崩さない一方で高度な隠密能力を誇り、猫猫を「娘娘」と呼びながら情報の収集と伝達を担った。

拓跋
立場・所属:玉鶯の乳兄弟(元奴隷一族の農民)
主人公との関係:事件の鍵を握る関係者
この巻での主な役割:玉鶯の元を訪れて古い戸籍表を示し、自分たちが同一の父親を持つ実の兄弟であるという真実を突きつけた。
この巻で起きた重要な変化や行動:開戦へ傾く玉鶯に対し、民を巻き込む他国侵略を思いとどまるよう説得を試みた。しかし、出自の露見を恐れた玉鶯の手によって刺殺された。
玉鶯の乳兄弟として育ち、かつては深い情誼で結ばれていた男である。玉鶯の立場を根底から覆す血統の秘密を握り、凶行を阻止しようとした矢先に非業の死を遂げた。

大海
立場・所属:西都港湾の統括責任者(玉袁の三男)
主人公との関係:猫猫たちの滞在先の一族
この巻での主な役割:兄弟会議の席上、玉鶯が主導する対外戦争の計画へ公然と異を唱えた。壬氏と連携することで長兄の独走を牽制した。
この巻で起きた重要な変化や行動:西都の石炭採掘を中央に伏せておく見返りとして、壬氏と水面下で取引を交わした。港の管理権と資源の利権を守るべく、強固な協力体制を結んだ。
玉袁の三男であり、玉鶯の異母弟にあたる人物である。無骨な船乗りの風格を漂わせ、長兄の好戦的な姿勢に対して一貫して反対の立場を崩さなかった。


立場・所属:宮廷医局の医官付官女
主人公との関係:猫猫の同僚
この巻での主な役割:羅半の邸の離れで猫猫と共に「華佗の書」を発見した。叔父の過去の経歴を通じて、西都に秘匿された石炭の情報を羅半へもたらした。
この巻で起きた重要な変化や行動:実家からの縁談の圧力を逃れるため、羅半の屋敷に身を寄せた。西都へ向かう猫猫を激励し、手ずから写した医学書を贈った。
首席で官女試験を突破した誇り高き少女である。毒見による重傷から順調に回復を遂げ、自らの意志で道を開くべく足掻いた。

燕燕
立場・所属:宮廷医局の医官付官女
主人公との関係:猫猫の同僚
この巻での主な役割:姚が「華佗の書」に記された解剖図に動揺した際、素早く書物を回収した。姚の料理の練習を陰ながら支えた。
この巻で起きた重要な変化や行動:猫猫と姚の結びつきに複雑な視線を向けつつ、主人の身を守るために羅半邸への滞在を後押しした。
姚への絶対の忠誠を誓う有能な官女である。主人の安全と健康管理を最重要視し、姚に接近する者に対して常に厳しい警戒の目を向け続けた。

羅半
立場・所属:宮廷戸部の文官
主人公との関係:猫猫の義兄
この巻での主な役割:西都への救援物資の調達と配分計算を滞りなく完遂した。姚からもたらされた石炭の情報を精査し、その重大性を見抜いた。
この巻で起きた重要な変化や行動:猫猫宛ての手紙に検閲を逃れる暗号を仕込んだ。用紙の比率を意図的に崩すことで、危険な情報を無事に西都へ送り届けた。
羅漢の養子であり、驚異的な計算能力を誇る文官である。都に留まりながら兵站と情報面で西都の支援を担い、猫猫へ姚たちの処遇に頭を抱える書簡を届けた。

読んだ本のタイトル

薬屋のひとりごと 11
(英語: The Apothecary Diaries、中国語: 药屋少女的呢喃)
著者: #日向夏 氏 
イラスト: #しのとうこ

Bookliveで購入

(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。

あらすじ・内容

シリーズ累計1250万部!! 謎が一気に明らかになる最新巻最速リリース。 
面白さ絶対保証。怒涛のクライマックスに刮目せよ! 

戌西州を襲った大蝗害。 
過去の蝗害を知る者は少なく、人々は混乱する。 
西都や国境近くでも、食糧の強奪や暴動が頻繁に起きていた。 
猫猫は何もできない自分を歯がゆく思いつつも、 
できる限りのことをやっていた。 
それは中央からの客人である壬氏も同様で、身の安全のためという 
名目の軟禁生活を強いられながらも、蝗害を予見していたことで、 
中央からの支援物資を早く受け取ることができた。 
だが、その手柄は壬氏ではなく 
西都の領主代行・玉鶯のものとして扱われてしまう。 
手柄の横取りに猫猫は腹を立てるが、当の壬氏はどこ吹く風で、 
皇弟という立場を最大限に利用して 
戌西州への支援要請を行う。 
また、物資が不足する中、 
猫猫にさまざまな問題が火の粉となって降りかかる。 
謎の腹痛に苦しむ玉鶯の孫娘。 
変人軍師・羅漢が連れてきた棋聖と呼ばれる老人。 
同僚の医官・天祐の奇行。 
そして、消息不明だったあの人が帰ってくる⁉ 
一方、西都では皇弟に対する不満が高まっていく。 
蝗害による飢えや病に苦しむ民衆は、 
とうとう皇族である壬氏へ怒りの矛先を向けることに。
守り支えていたはずの民衆に恨まれてしまった壬氏の決断は? 
不審な動きを続ける領主代行・玉鶯の狙いとは? 
そして、猫猫は無事、危機を脱することができるのか? 

薬屋のひとりごと 11
イマジカインフォス
イマジカインフォス

感想

蝗害が終われば少し落ち着くと思っていた。

全然そんなことはなかった。

食糧不足、治安悪化、物資不足。そして西都を仕切る玉鶯は、その混乱すら自分の権力を強めるために利用していく。

さらに出てくる石炭、17年前に滅ぼされた戌の一族、玉鶯の出生、陸孫の過去。

最後は情報量が一気に増えて、

ちょっと待て。

そういうことだったのか!?

と、ついていくので精一杯だった。

しかも玉鶯を止めたことで戦争は回避できたものの、西都の領主代行が死亡。蝗害からの復興中なのに、今度は政治の中心まで消えてしまう。

後味は悪い。

でも最悪ではない。

何より、全く予想していなかった方向へ話が転がっていくのが面白かった。

玉鶯の孫が腸閉塞。髪の色を嫌う大人の都合で子どもが病むのは気の毒すぎる

蝗害から五日。

猫猫たちは相変わらず薬を作り、怪我人や病人への対応に追われている。

そんな中で急患となったのが玉鶯の八歳の孫娘。

腹痛と嘔吐を繰り返し、猫猫と天祐が診察した結果は腸閉塞。

開腹すると出てきたのが、

干し柿などの繊維。

そして大量の髪の毛。

うわぁ……。

少女には自分の髪を抜いて食べる癖があり、そこへ干し柿まで重なって腸を塞いでしまった。手術は外科技術の高い天祐が担当し、猫猫は麻酔と補助へ回る。ここで自分より上手い相手に素直に任せる猫猫も良かった。

問題は、その少女がなぜ髪を食べていたのか。

少女の本来の髪は淡い色だった。

ところが玉鶯は異国の血を嫌い、黒髪を重視する。そのため母親は娘の髪を黒く染め続けていた。

西都なんて交易の街で異国の血が混じるのも珍しくないだろうに。

本人が望んでその髪色になったわけでもない。

それを周囲の大人が気にして、子どもへ負担をかけ続ける。

玉鶯本人の問題なのか、それを恐れて娘へ強いる母親の問題なのか。

どちらにしても孫娘が気の毒だった。

そして、この異国の血への異常なこだわりが、最後の玉鶯自身の出生へつながってくるのだから上手い。

蝗害で国が大変なのに戦争を始める気か。しかも壬氏を旗頭にするとか面倒くさい

蝗害から十日、二十日と経っても混乱は収まらない。

食糧の買い占め。

商家への襲撃。

異民族による略奪。

皇弟である壬氏へ不満をぶつける民衆まで現れる。

その一方で支援物資も少しずつ届き、羅半兄は栄養不足対策としてもやしまで作り始める。

羅の一族、

相変わらず地味に仕事してるな。

さらに猫猫には姚、燕燕、羅半から手紙が届く。

内容だけなら近況報告。

特に燕燕。

姚成分が足りないのか、相変わらず病み具合が一人だけ違うww

ところが猫猫たちは、この三通の手紙そのものがおかしいと気づく。

そこから浮かび上がったのが、

「石炭さがせ」

という暗号。

17年前まで西都の西では石炭が採掘されていた。しかし戌の一族が滅ぼされた後、その記録まで表から消えていた。

石炭?

何に使うんだ?

と思ったら、その先に玉鶯の計画がある。

隣国・砂欧へ侵攻する。

港を手に入れる。

交易と資源を押さえて、西都をさらに強くする。

しかも民衆には、

蝗害も盗賊も西から来た災厄だ。

と不満の矛先を外へ向けさせる。

さらに砂欧の巫女の騒動に関わった壬氏を旗頭に使えば大義名分まで作れる。

それに変人軍師まで付いてきたら……。

怖いわ。

あのおっさん、本物の戦争でも盤上遊戯みたいに考えかねない。

なぜ戌の一族は滅ぼされたのか。玉鶯の出生までつながるとは思わなかった

終盤で一気に明らかになるのが、17年前の戌の一族の粛清である。

ここまで何度も出てきた事件なのに、真相がなかなか見えなかった。

そして玉鶯の乳兄弟・拓跋が持ち出した古い戸籍から、玉鶯自身が玉袁の実子ではないことまで明らかになる。

さらに凄いのが玉袁。

玉袁自身には実子を作れない事情があり、妻たちが連れていた子どもを自分の子として育てていた。

つまり玉鶯だけではない。

玉袁の子どもたちは、そもそも血ではなく契約と養育によって作られた「家族」だった。

中央にいる玉袁、

色々と罪作りだな……。

しかも玉鶯は、自分が実子ではないと気づいていた。

そこへ過去の誤解や劣等感が絡む。

玉袁が戌の一族の子どもを褒めた何気ない言葉まで、玉鶯には自分の立場を奪う話に見えてしまった。戌の一族が滅ぼされた背景には、風読みの民の復讐や戸籍の抹消に加え、そんな玉鶯の誤解まで絡んでいた。

私怨まで入ってるのかよ。

そして戦争を止めようとする拓跋。

出生の秘密を突きつけられた玉鶯は、

乳兄弟を自分で殺してしまう。

ここで完全に引き返せなくなった感じがした。

陸孫、お前が戌の一族だったのか。しかも主筋の生き残りって……そういうことかよ

そして最後に全部持っていったのが陸孫。

陸孫の正体は、

滅ぼされた戌の一族。

しかも主筋につながる生き残りだった。

そういうことかよ。

一度見た顔を絶対忘れない能力。

西都へ来てからの妙な立ち位置。

玉鶯の下で働きながら、ずっと冷静に周囲を見ていた理由。

ここまで来て一気につながった。

玉鶯が家族の仇なら、

陸孫が殺すのか?

と思った。

だが、実際に玉鶯を刺したのは陸孫ではない。玉鶯の施しに恨みを持っていた地元の農民だった。しかも場所は、かつて戌の一族の屋敷だった公所。17年前に多くの血が流れた場所で、今度は玉鶯自身が血だまりに沈む。

因果というには出来すぎている。

陸孫は仇を直接討たなかった。

でも結果として玉鶯は死に、砂欧への戦争も止まった。

だからめでたしめでたし。

……とはならない。

領主代行が突然死亡。

蝗害からの復興はまだ途中。

食糧不足も治安問題も残っている。

結果、

壬氏と陸孫が忙殺される。

締まらないなww

あれだけ怒涛の陰謀と因縁を片付けた最後が、

仕事が増えました。

なのが妙に『薬屋のひとりごと』らしい。

それでも戦争は回避できた。

陸孫も過去に一区切りをつけ、西都は次へ進む。

これにて長かった西都編も一段落。

10巻では、

この布石、本当に全部つながるのか?

と思っていた。

11巻では予想していなかったところまで一気につながった。

うん。

面白かった。

さて、次はどんな話になるのかな。

西都から離れた猫猫たちが今度は何に巻き込まれるのか、楽しみである。

最後までお読み頂きありがとうございます。

小説「薬屋のひとりごと 12巻 西都編完結」 感想・ネタバレ
薬屋 11巻レビュー薬屋 全巻まとめ薬屋 13巻レビューどんな本?『薬屋のひとりごと』は、日向夏 氏による日本のライトノベル作品。中世の後宮を舞台に、薬学の専門知識で事件の謎を解く少女・猫猫(マオマオ)の物語。小説家になろうで連載されている…

(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。

薬屋 10巻レビュー
薬屋 全巻まとめ
薬屋 12巻レビュー

考察

西都の混乱と石炭採掘の陰謀を巡る全貌

大蝗害に見舞われた西都において、猫猫は医薬品不足に直面しながら医療支援に奔走した。
その裏では、領主代行である玉鶯による他国侵攻の謀略や、17年前に隠蔽された石炭採掘を巡る巨大な陰謀が進行していた。
ストーリープロット、主要な転換点、人物関係の推移、自己認識と周囲の評価、クライマックスの展開、そして巻末の状況に至るまでの全容について解説する。

全体のストーリープロット

西都での医療活動から始まり、詐欺師の暗躍、暗号解読、民衆の暴動、政治的駆け引き、そして玉鶯の死による因縁の清算に至るまでの物語の流れは以下の通りである。

・第1幕(孫娘の腸閉塞と天祐の執刀):玉鶯の8歳の孫娘が急変し、猫猫と天祐が往診した。
干し柿と自ら抜いて食べた毛髪による腸閉塞と看破し、猫猫は天祐に執刀を委ねて手術を成功させた。
この処置を通じ、玉鶯が異国の淡い髪色を忌避し、母親が娘の髪を染め隠していた葛藤が判明した。
・第2幕(林大人と詐欺師の騙し劇):羅漢が17年前の事件で記憶を失った元役人の林大人を連れて別邸を訪れた。
猫猫たちは林大人の呟く駒配置が西都の古地図と一致することを突き止めたが、親戚を装っていた林小人は廟に放火して資料を奪い逃走した。
・第3幕(羅半の暗号と石炭を巡る陰謀):帰還した羅半兄が飢饉対策の小麦の種やもやし栽培を導入する中、猫猫は都の羅半から届いた手紙の寸法と行間から「石炭さがせ」の暗号を解読した。
17年前の族滅事件を機に隠蔽された石炭鉱山の存在が浮上した。
・第4幕(暴動の襲来と玉鶯の作った舞台):食糧庫を襲われた民衆が別邸に押し寄せた際、玉鶯は壬氏の功績を称えて怒りを鎮めつつ、蝗害を「西から来た災厄」と呼んで民衆の敵意を隣国砂欧へ誘導した。
開戦の大義名分を整える茶番劇が仕組まれた。
・第5幕(石炭の駆け引きと兄弟の亀裂):壬氏は港を統括する玉袁の三男・大海と密会した。
17年間にわたる石炭採掘の隠蔽を中央の監査で追及すると揺さぶりをかけ、大海との裏取引を成立させて玉鶯を政治的に孤立させた。
・第6幕(血だまりの因果と拓跋の死):開戦を止めようと現れた乳兄弟の拓跋は、玉鶯が玉袁の実子ではなく異国の血を引く男の子である事実と古い戸籍表を突きつけた。
自らの地位と秘密を守るため、玉鶯は拓跋を小刀で刺殺した。
・第7幕(滅びの屋敷での最期と風の誓い):かつて暴動で奪った元・戌の一族の屋敷において、玉鶯は恨みを持つ地元農民に刺殺された。
陸孫に向けられた殺害容疑は羅漢の証言で晴らされ、雀が戸籍表を焼却処分したことで17年の因縁は清算された。陸孫が西都復興の指導者として立ち上がった。

物語を動かした主要な転換点

医療現場での決断から陰謀の解読、民衆誘導、そして予期せぬ指導者の急死に至るまでの重要局面が展開された。

・玉鶯の孫娘の腸閉塞手術:自尊心を捨てて実技に勝る天祐に執刀を委ね、確実な治療を優先した。
一族内に潜む異国人への偏見と確執が浮き彫りとなった。
・林大人の駒配置解析と廟の不審火:将棋の駒配置から古地図の暗号を導き出したものの、詐欺師に出し抜かれて放火を許し、西都に潜む諜報網への警戒を強める契機となった。
・羅半の手紙の暗号「石炭さがせ」解読:手紙の寸法が黄金比から外れている点に着目して暗号を暴き、17年間隠蔽されていた石炭採掘と対外侵略計画の存在を突き止めた。
・異民族の暴動と玉鶯の領地防衛演説:食糧庫襲撃による暴動を利用し、玉鶯が民衆の不満を巧みに砂欧への敵愾心へと転換して開戦機運を煽り立てた。
・玉鶯による乳兄弟・拓跋の殺害:出生の秘密と開戦中止を突きつけた拓跋を口封じのために刺殺し、玉鶯の破滅的な暴走が決定づけられた。
・元・戌の一族の屋敷での玉鶯刺殺:奪い取った因縁の地で玉鶯が地元農民に刺殺され、茘と砂欧の開戦危機が突如として回避された。

主人公を中心とした人物関係の推移

過酷な環境下での調査と事態の収拾を通じ、周囲の人物との関係性は深まりを見せた。

・壬氏:暗号解読により石炭隠蔽を暴いて彼の政治的取引を支援した。
終盤、手柄を譲り疲弊した彼を案じ、陰から支え続ける信頼関係を確固たるものとした。
・陸孫:農村視察や蝗害対応を共に乗り越え、冗談交じりの求婚を受け流しつつも、互いの知恵と実力を認め合う親しい協力関係を築いた。
・天祐:孫娘の手術を通じて卓越した執刀技術を認め、危険な探求心に警戒を払いつつも、医療の専門家として敬意を払う同僚関係となった。
・羅半兄:農村視察から帰還した彼を迎え、共に手紙の暗号を解読して食糧危機に立ち向かう実務的な相棒としての絆を深めた。

主人公の認識と周囲の評価

薬理の探求に没頭する自己認識と、不可欠な才覚として重用する周囲との間には明確な対比が存在した。

・主人公自身の認識:珍しい生薬や毒物に好奇心を抱く平凡な下女上がりの薬師に過ぎないと自認し、宮廷の派閥争いや権力闘争からは一貫して距離を置きたがっていた。
・周囲からの評価:壬氏や高順からは鋭い観察眼を持つ不可欠な存在として信頼され、村人からは「毒のねえちゃん」と敬意を集めた。
姚や燕燕からは頼れる友人として認められていた。
・認識の差が現れた場面:農村で生薬不足に苛まれ、羊の角を見て異様な執着を示した際、羅半兄から羽交い締めにされて制止されたが、猫猫自身はその執着が周囲に与える異様さを自覚していなかった。

クライマックスにおける因縁の清算と西都の夜明け

因縁の屋敷で突如として訪れた結末と、その後の収拾劇が描かれた。

・公所での急変:拓跋を刺殺した玉鶯は、廊下で恨みを持つ農民に刺殺され、血だまりの中で絶命した。
・容疑の晴明と証拠隠滅:現場に居合わせた陸孫に殺害の疑いが向けられたが、羅漢の公正な証言によって疑いは晴らされた。
雀が玉鶯の隠し持っていた戸籍表を暖炉で焼却処分した。
・復興への誓約:指導者を失った西都の混乱を防ぐため、壬氏の説得と風の導きを受けた陸孫が統治の引き受けを承諾した。
・日常への帰還:戦争の危機は回避され、猫猫は疲弊した壬氏に特製スープを振る舞い、互いの絆を確かめ合った。

巻末時点の状況と今後の展望

目前の軍事衝突は回避されたものの、復興と宮廷の動向には重要な課題が残された。

・解決した問題:孫娘の腸閉塞治療、林大人の安全確保、石炭隠蔽不正の特定、および玉鶯の死による砂欧開戦危機の完全な回避が達成された。
・主人公の所在と立場:西都の別邸医務室で調薬業務に戻りつつ、壬氏の専属治療担当として精神的支柱の役割を固めた。
・継続している問題と布石:蝗害による食糧不足と復興の課題は残されており、陸孫による新体制のもとで再建が進められる。玉葉后からの手紙を端緒とする宮廷の政治的介入の影が今後の重大な焦点となっている。

プロット構造の整理

全体の因果関係は以下のように整理される。

・開始地点:大蝗害下の西都における医薬品不足と調薬業務への奔走。
・発端:玉鶯の孫娘の腸閉塞手術と、一族内の偏見の露呈。
・展開:林大人の駒配置からの古地図解読と詐欺師の逃亡、および羅半の手紙からの石炭暗号解読。
・中盤の転換:食糧庫襲撃に伴う暴動と、玉鶯による砂欧開戦への民衆誘導。
・クライマックスへの導線:壬氏による大海との裏取引と玉鶯の孤立、および玉鶯による乳兄弟・拓跋の刺殺。
・クライマックス:因縁の屋敷での玉鶯刺殺、羅漢による陸孫の嫌疑晴明、雀による戸籍表の焼却処分。
・到達地点:砂欧との戦争回避、陸孫による西都統治の承諾、猫猫と壬氏の絆の深化。

まとめ

西都の混乱と石炭採掘の陰謀を巡る一連の全貌は、孫娘の開腹手術から始まり、古地図と石炭暗号の解読、暴動を利用した開戦工作、壬氏の知略による包囲網、玉鶯の凶行と因果応報の刺殺劇、そして陸孫による因縁清算と復興への誓いに至るまで、その歩みを明瞭に示している。
天災と権力者の野心が絡み合う中で、冷徹な観察眼と知恵を結集して事態を収拾へと導いた記録である。

西都の蝗害対策

二度目の西都(戌西州)遠征において実施された蝗害(こうがい・飛蝗の大量発生)対策の全容について、事前予防から緊急時の対応、そして政治的な利用までを解説する。

羅半兄による抜本的な農業指導

蝗害から農作物を守り、その後の飢饉を防ぐため、壬氏(ジンシ)は農業の専門家である羅半兄(ラハンあに)に過酷な任務を命じた。

・わずか2ヶ月の間に戌西州の全農村地区を回り、秋耕(あきがえし)を教え、その後、甘藷(さつまいも)の栽培を開始させた
・秋耕は、地中に産み付けられた飛蝗の卵を掘り起こして死滅させるために不可欠な作業であった

・羅半兄は自ら畑の土の状態を確認し、麦踏みの重要性を農民たちに力説するなど、実践的な指導に奔走した
・栄養不足対策として、苜蓿(うまごやし)のもやしを育てるなどの工夫も実施された

馬閃と里樹妃による家鴨の導入

自然の力を用いた害虫駆除策として、家鴨(舒鳧・じょふ)の導入が行われた。

・馬閃(バセン)は壬氏からの密命を受け、紅梅館にて元妃の里樹(リーシュ)から家鴨の孵化や飼育方法を学んだ
・育てられた家鴨は農村に配布され、飛蝗などの害虫を食べる益鳥として蝗害対策に貢献した
・家鴨による駆除は農薬を使わない持続的な手段として機能した

風読みの民の祭事の復活

農村視察中、猫猫(マオマオ)たちは念真(ネンシン)という老人から、かつてこの地で行われていた風読みの民の祭事の話を聞く。

・猫猫たちは、この祭事が単なる信仰ではなく、実は秋耕や害虫駆除のための重要な農業の知恵であったことを見抜いた
・この祭事を現代の村で再現することで、村人たちに農業と害虫駆除の重要性を再認識させることに成功した

飛蝗襲来時の緊急対応

事前の対策を進める中、ついに飛蝗の大群が農村に襲来した。この絶望的な状況下で、同行者たちの決死の対応が村を救うこととなった。

・陸孫(リクソン)の機転:飛蝗が接近する中、村人たちに相場の倍の価格で麦を買い取るという金銭的な報酬を提示し、虫に食い尽くされる前に猛スピードで麦の収穫を終わらせた
・猫猫の殺虫剤と天の恵み:襲撃の最中、空から大量の雹(ひょう)が降り、急激な冷え込みによって飛蝗の動きが鈍化した

・猫猫は不眠不休で強力な虫殺しの薬(殺虫剤)を作り続け、この機に乗じて飛蝗を徹底的に駆除した
・この功績により、彼女は村人から毒のねえちゃんと畏敬を込めて呼ばれるようになった

玉鶯による政治利用

一方、西都の街では蝗害への恐怖が広がり、食糧不足から暴動が発生する事態となった。西都の仮の領主である玉鶯(ギョクオウ)は、この状況を以下のように利用した。

・不足する食糧を周辺の町へ送り込み、炊き出しを行うなど地元密着型の対応で民衆の支持を集めた
・祭祀の日に焼き印を入れた芋を配るなどして、自らの人気と正当性を高めた
・蝗害の原因を西から来た災厄として他国や異民族のせいにし、民衆の怒りの矛先を戦争へと向けるための大義名分にすり替えた
・壬氏はこうした玉鶯の動きを警戒しつつも、複雑な政治状況の中で苦悩することとなった

まとめ

二度目の西都遠征における蝗害対策は、羅半兄や猫猫らによる科学的・実践的なアプローチと、玉鶯による政治的な民衆扇動という二面性を持って展開された。事前予防としての秋耕や家鴨の導入、緊急時の殺虫剤製造と早期収穫、そしてそれらを自らの野心のために利用する権力者の思惑が交錯し、西都の地は未曾有の危機と動乱の渦中に置かれることになったのである。

玉鶯の政治的野心

西都の仮の領主である玉鶯(ギョクオウ)の政治的野心と、その野心がもたらした一連の行動や結末について解説する。

中央への権力拡大と娘の入内計画

玉袁(ギョクエン)の長男である玉鶯は、西都を発展させようとする強い野心と気概を持つ人物である。彼の野心は西都のみにとどまらず、中央の権力構造への介入も視野に入れていた。

・皇后となった異母妹である玉葉后(ギョクヨウコウ)の地位を利用し、自身の娘を後宮に入内させようと目論んでいた
・その娘は玉葉后と同じ赤い髪と緑色の目を持っており、その希少な容姿と現在の権力を政治的に利用しようとする意図があった
・壬氏(ジンシ)が二度目の西都遠征に赴いた背景の一つにも、娘を皇室に入れようとする玉鶯の政治的な思惑が絡んでいた

蝗害と暴動を利用した支持獲得

西都周辺が未曾有の蝗害(飛蝗の大量発生)と食糧不足に見舞われ、異民族の襲撃や民衆の暴動が発生した際、玉鶯は巧みな政治的手腕を見せた。

・暴動を起こした民衆に対し、玉鶯は壬氏の功績を称えつつも事態の責任を自らが負う姿勢を示した
・実際には壬氏が主導した治療や支援の功績を、自らの手柄として横取りする形で民衆の心を掴んだ
・祭祀の場で民衆に配る芋に自らの焼き印を入れるなど、徹底して自己の存在感をアピールし、支持を高める工夫を行っていた

砂欧への開戦計画と利権の掌握

玉鶯の最大の野心は、隣国である砂欧(シャオウ)との戦争を引き起こすことであった。彼は国内の不満を外に向けるため、意図的な情報操作を行った。

・蝗害の原因を西から来た災厄として他国へ転嫁し、民衆の怒りの矛先を砂欧へと向けさせた
・戦争の真の目的は、砂欧の港の管理権掌握と、戌西州の西端にある石炭鉱山の利権を利用することであった
・過去の砂欧の巫女にまつわる事件を大義名分とし、蝗害で職を失った難民を戦争の駒として利用する非情な計画を立てていた

兄弟会議での孤立と皇弟への疑惑提示

この身勝手な戦争計画は、三男の大海(ターハイ)をはじめとする他の兄弟たちから強い反対を受けた。兄弟たちが戦争を解決策とは考えていない現状に直面した玉鶯は、さらに過激な手段に出る。

・自らの意見を押し通し、一族の忠誠心を試すために衝撃的な発言を行った
・皇弟である壬氏は実は今上皇帝の子ではないかという疑惑を会議の場で持ち出し、一族内に大きな不安と困惑を広げた
・この発言は、中央の権力基盤を揺るがしかねない極めて危険な挑発であった

過去の因縁と破滅的な結末

玉鶯の苛烈な野心の裏には、自身の出生にまつわる秘密や過去の因縁が存在していた。しかし、その野望が叶うことはなかった。

・乳兄弟であった拓跋(タクバツ)から、自分たちが同じ父親を持つ兄弟であるという事実を突きつけられた
・身分を揺るがす事実に直面してもなお戦争への道を諦めず、証拠を隠蔽するために拓跋を殺害した
・最終的に、かつて自身が暴動を引き起こして滅ぼそうとした戌の一族の元屋敷において、地元の農民によって刺殺された
・刺殺した農民は、玉鶯による実質的な高利貸しのような施しによって恨みを募らせていた者であった

まとめ

自らの野心のために他者を犠牲にし、情報を操作して民衆を扇動し続けた玉鶯は、その因果応報とも言える形で唐突な最期を迎えることとなった。一国の領主としての器を持ちながらも、私欲と過去の呪縛に囚われた彼の行動は、西都に大きな混乱をもたらした末に自らの破滅を招いたのである。

戌の一族の因縁

戌(イヌ)の一族にまつわる因縁と、それに翻弄された人々の歴史について解説する。物語の背景に深く関わるこの一族の軌跡は、西都の過去と現在を繋ぐ重要な鍵となっている。

十七年前の粛清と滅亡

女帝の代であった十七年前、西の地である戌西州を治めていた戌の一族は、謀反の疑いをかけられて粛清され、部族として滅亡に追いやられた。

・粛清のきっかけは、羊皮紙の紙紐を用いた巧妙な暗号による密告であったとされる
・一族の滅亡に伴い、戌西州の西端で行われていた石炭採掘の記録も歴史から姿を消し、隠蔽されることとなった
・かつて西都の役人であった林大人もこの事件に巻き込まれて多くを失い、記憶障害を抱えることとなった

玉鶯の暴動と陸孫の保護

戌の一族滅亡の裏には、西都の有力者である玉袁(ギョクエン)の長男、玉鶯(ギョクオウ)の暗躍が存在していた。

・戌の一族を恨んでいた玉鶯は、暴動を引き起こして彼らを滅ぼそうと画策した
・父である玉袁は戌の一族を守ろうとし、一族の生き残りである少年の陸孫(リクソン)を連れて中央(都)へと向かい、名誉を守るための抗議行動を計画した
・結果として一族は滅亡し玉袁が西都を治めることになったが、生き延びた陸孫は一族の使命を背負って中央で育つこととなった

風読みの民との過去の関わり

さらに時代を遡る五十年前、ある盗賊部族が祭祀を司る風読みの民を滅ぼし、その報いで大規模な蝗害(飛蝗の襲来)に遭う事件が発生した。

・当時、戌の一族は生き残った盗賊たちを農奴として使役し、風読みの民が行っていた祭事を不完全な形で代行させていた
・この祭事は、実際には害虫駆除や土壌改良を行うための農業の知恵であった
・猫猫の推測によれば、戌の一族は風読みの民の生き残りが持つ鳥を操る技術を密かに保護し、諜報活動に利用していた可能性が高い

過去の清算と陸孫の決意

二度目の西都遠征の際、玉鶯は自身の出生の秘密や野心から暴走し、他国との戦争を引き起こそうとしたが、最終的に農民に刺されて命を落とした。

・玉鶯が息絶えた場所は、奇しくも十七年前に彼自身が暴動を引き起こして奪い取った元・戌の一族の屋敷(公所)であった
・因果応報とも言える結末を見届けた陸孫は、玉鶯の裏工作の証拠を処分して義理を果たした
・陸孫は自身の凄惨な過去や一族の因縁を背負いながらも、玉袁との約束を果たし、西都の再建のために働き続けるという強い決意を固めた

まとめ

戌の一族にまつわる因縁は、十七年前の粛清から現代の権力闘争に至るまで、西都の歴史に深く刻まれている。玉鶯の死によって一つの時代が終わりを告げたが、生き残った陸孫が一族の意志を継ぎ、西都の平和と活気を取り戻すために尽力する姿は、過去の悲劇を乗り越え未来へと繋ぐ希望となっているのである。

石炭を巡る陰謀

西都(戌西州)における石炭を巡る隠蔽と、それが絡んだ玉鶯(ギョクオウ)の戦争計画などの陰謀について解説する。石炭という資源は、西都の発展を支える動力源であると同時に、中央への隠蔽や他国への侵略の火種となるなど、政治的思惑が複雑に絡み合う巨大な陰謀の中心となっていた。

羅半からの暗号と石炭隠蔽の過去

都にいる羅半(ラハン)から、西都にいる羅半兄宛てに送られた手紙が事態を動かすきっかけとなった。その手紙の寸法がいつもの黄金比ではないことに気づいた猫猫(マオマオ)たちは、そこに隠された「石炭さがせ」というメッセージを発見する。

・戌西州では過去に石炭が採掘されていたが、十七年前の戌(イヌ)の一族の粛清を機にその記録が消失していた
・中央政府に対して石炭の採掘が長年隠蔽されていたことが推測される
・西都では実際に石炭が燃料として利用されていたが、その供給は有力者である玉袁(ギョクエン)と深く関わっていた

玉鶯の戦争計画と石炭鉱山の利権

玉袁の長男で仮の領主である玉鶯は、隣国である砂欧(シャオウ)に対して戦争を仕掛ける計画を企てていた。彼は蝗害(こうがい)で職を失った人々を兵として利用し、異民族による暴動を利用して民衆の敵意を砂欧へと向けさせた。

・戦争の真の目的は、単なる領土拡大ではなく砂欧の港を掌握することであった
・隠蔽されている石炭鉱山は戌西州の西端、つまり砂欧に面した場所に位置している
・採掘された石炭を砂欧側から掘り出して輸送・利用するためには、その港の管理権が不可欠であった

中央政府と玉一族の政治的駆け引き

この事態を受け、壬氏(ジンシ)は石炭の価値を再確認し、中央と西都の間での隠蔽問題や、港の管理権を交渉材料とした監査の影響について検討を開始した。

・玉袁の三男である大海(ターハイ)などは壬氏に協力的な姿勢を見せた
・しかし彼らも西都の利益を守るため、石炭利用の秘密をこれ官に知られないための方策を模索していた
・中央政府の介入を最小限に抑えつつ、資源の利権を維持しようとする地方勢力の思惑が浮き彫りとなった

まとめ

石炭という資源を巡る一連の動きは、西都の自立を支える経済的基盤であるとともに、それが国家を揺るがす軍事行動や他国との紛争を招く危険性を孕んでいることを示している。玉鶯の死後も、この資源を誰がどのように管理し、中央政府とどのような関係を築くのかが、今後の西都の安定を左右する極めて重要な課題となるのである。

陸孫の過去と役割

陸孫(リクソン)の過酷な過去、西都における表向きの活躍、そしてその裏に隠された真の役割と結末について解説する。

出生と過酷な過去:戌の一族の生き残り

陸孫は、かつて西の地を守る使命を受けていた戌(イヌ)の一族の出身である。本来は商人としての道を歩むことを考えていたが、17年前に一族を揺るがす悲劇に見舞われた。

・西都の有力者である玉袁(ギョクエン)の長男、玉鶯(ギョクオウ)が戌の一族を恨み、暴動を引き起こして彼らを滅ぼした
・家族と一族を失った陸孫であったが、玉袁は一族を守ろうとしており、彼を中央(都)へと連れて行った
・陸孫は自らと一族の運命を背負い、中央で新たな人生を歩み始めることになった

中央での経歴と西都での表向きの役割

中央に渡った陸孫は、変人軍師(羅漢)の下で働いていた時期があり、彼の特異な性格や無茶な要求にも対応できる高い実務能力を身につけていた。その後、二度目の西都遠征において文官として現地へ派遣される。

・表向きは西都の仮の領主である玉鶯から命じられる膨大な陳情や書類処理に従事していた
・蝗害(飛蝗の大量発生)の危機が迫る農村部では、麦を相場の倍の価格で買い取るという報酬を提示して村人を動かした
・飛蝗に食い尽くされる前に収穫を終わらせるという機転を見せ、被害を最小限に食い止める大きな功績を挙げた

隠された真の役割と監視

陸孫が西都に派遣された真の目的は、単なる文官としての業務にとどまらなかった。彼は複雑な情勢の中で特別な役割を担っていた。

・玉袁からの要請を受け、野心を暴走させる玉鶯の監視役として西都に留まる決意をしていた
・玉袁の娘である玉葉后(ギョクヨウコウ)とも深い関わりを持っており、彼女から御心のままにという言葉を受け取っていた
・一族を滅ぼした仇とも言える玉鶯の下で働きながら、復讐心に囚われることなく西都の未来を見据えていた

過去の清算と新たな決意

17年前に暴動が起きた場所において、玉鶯は農民によって刺殺されるという因果応報の最期を遂げた。この混乱の最中、陸孫は自らの過去に区切りをつけることとなる。

・玉鶯に盗まれていた重要な戸籍を雀(チュエ)に依頼して処分し、一族の因縁を清算した
・自らに向けられた疑いも、かつての上司である羅漢の証言によって晴らすことができた
・玉鶯の死後、西都の新たな統治者として推挙されるが、当初は燃え尽き症候群のような状態に陥り難色を示していた
・自然の中で風と鳥の声を聞くうちに、再び西都のために働くべきだという思いを新たにした

まとめ

最終的に陸孫は、戌の一族の血を引きながらも、過去の呪縛ではなく自らの意志で道を切り拓くことを選んだ。西都に活気が戻り人々が笑って行き交う日まで、西都の統治という困難な仕事を続ける決意を固めたのである。彼の歩みは、悲劇を乗り越えた新たな守護者の誕生を象徴している。

薬屋 10巻レビュー
薬屋 全巻まとめ
薬屋 12巻レビュー

キャラクター紹介

皇族・宮廷

壬氏(華瑞月)

美しい容姿を持つ宮廷の若き指導者である。 彼は、大蝗害によって荒廃した西都の食糧支援を中央に要請した。 砂欧との開戦を企む玉鶯に対して、非常に慎重な姿勢を貫く。

・所属組織、地位や役職  茘の宮廷に所属し、皇弟の地位にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  西都への遠征に猫猫を同行させるため、医官の増員を劉医官に依頼する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  船旅でやぶ医者を羅門の身代わりに立てる囮計画を裏で実行した。

玉葉后(玉葉)

皇帝の后であり、西都出身の有力者の娘である。 彼女は常に笑顔を絶やさず、政治的な影響力を冷静に行使した。 自身の一族の動向を注視し、西都の安定を願っている。

・所属組織、地位や役職  茘の後宮に所属し、皇后の地位にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  姪の雅琴を都に迎え入れ、西都の現状を正確に把握する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  西都での大蝗害の発生を受け、壬氏に激励の手紙を送った。

水蓮

皇弟である壬氏の乳母として、彼の生活を長年担当する。 彼女は、多忙を極める壬氏の体調をいつも深く案じた。 彼の健康を第一に考え、梨を剥いて提供する。

・所属組織、地位や役職  皇弟の邸に所属し、侍女頭兼乳母の地位にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  多忙な壬氏に果物を提供して癒やしを与える。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  壬氏に対し、後悔のない人生を歩むように優しく助言した。

高順

壬氏を長年にわたり陰から支える、忠実な宦官である。 彼は、生真面目で実直な性格をしていた。 今回の西都遠征でも、壬氏の身辺警護を厳重に担当する。

・所属組織、地位や役職  皇弟の邸に所属し、副官の地位にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  羅漢が連れてきた棋聖や林小人の不審な行動を警戒する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  息子の妻である雀の奔放な言動には、いつも頭を悩ませていた。

雅琴

玉葉后の姪にあたる、西都出身のうら若い少女である。 彼女は、叔母である玉葉后を深く慕っていた。 西都の治安悪化を心配し、都へと送られてくる。

・所属組織、地位や役職  玉葉后の親族であり、お妃候補の立場にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  玉葉后の茶会に参加し、穏やかな時間を過ごす。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  玉袁や玉葉后から、後宮に入内しないよう指示された。

主上

茘の国を治める、絶対的な権力を持つ皇帝である。 彼は、東宮たちの身の安全を常に最優先に考えていた。 かつて女帝と共に、西都の戌の一族への粛清を命じる。

・所属組織、地位や役職  茘の宮廷に所属し、皇帝の地位にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  17年前に、皇族を騙る逆賊を討てとの勅命を下す。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  壬氏の働きを正当に評価し、西都の再建を静かに見守っていた。

先帝

今の主上の前に、茘の国を治めていた先代の君主である。 彼は、女帝の強い影響力の下で政治を行っていた。 崩御する前に、西都への対処を色々と検討する。

・所属組織、地位や役職  茘の宮廷に所属し、先代皇帝の地位にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  女帝の傀儡政治の下で、自身の意志を示せない時期を過ごす。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  彼が崩御したことで、現在の主上への代替わりが正式に行われた。

女帝

かつて茘の宮廷において、凄絶な権力を握っていた前皇太后である。 彼女は、一族の謀反を厳しく警戒していた。 17年前に、戌の一族の族滅を命じる。

・所属組織、地位や役職  茘の宮廷に所属し、前皇太后の地位にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  戌の一族が帝の血を引く男児を擁しているというでっち上げを信じる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  石炭採掘の権利を西都に黙認する代わりに、一族の粛清を命じた。

羅の一族

猫猫

花街で育った、薬学と毒に対する強い好奇心を持つ少女である。 彼女は、優れた観察眼で様々な事件の謎を解き明かした。 壬氏の側近として、西都の多くの問題に対処する。

・所属組織、地位や役職  宮廷の医局に所属し、医官付官女の立場にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  天祐と協力し、玉鶯の孫娘の腸閉塞の手術を成功させる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  羅半からの不自然な手紙から、石炭を捜す暗号を読み解いた。

漢羅門(羅門)

猫猫の養父であり、優れた医術と深い知恵を持つ老宦官である。 彼は、温和で他者への深い同情心を抱いていた。 現在は、宮廷の医局で医官として活動する。

・所属組織、地位や役職  宮廷の医局に所属し、上級医官の地位にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  やぶ医者に自身の身代わりを頼み、自身は後宮に隠れ潜む。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  過去の留学中に石炭を扱い、その毒性と薬効を猫猫に教えた。

羅半

羅漢の養子であり、極めて高い実務能力を持つ文官である。 彼は、数字に強く常に損得勘定を優先して行動した。 猫猫とは、いとこ(親戚)の関係に当たる。

・所属組織、地位や役職  宮廷の戸部に所属し、文官の地位にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  姚と燕燕の宿泊を許可し、西都の石炭の採掘情報を引き出す。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  西都へ救援物資を手配し、同時に猫猫へ暗号の手紙を送った。

漢羅漢(羅漢)

軍部を統率する太尉であり、奇行の多さから変人軍師と呼ばれる。 彼は、他人の顔が将棋の駒や碁石に見える顔盲の症状を持っていた。 娘の猫猫を気遣い、西都への同行を決定する。

・所属組織、地位や役職  茘の軍部に所属し、太尉の地位にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  碁大会で出会った林大人を、西都の別邸へと連れていく。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  陸孫に向けられた殺人の疑いを、公正な証言によって晴らした。

羅半兄

羅半の実の兄であり、本名を俊杰という地方の青年である。 彼は、農業に対して並外れた情熱と知識を持っていた。 飢饉を救うため、特別な小麦の種を抱えて帰還する。

・所属組織、地位や役職  西都の開拓地で活動し、農業指導員の立場にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  背の低い収量の多い小麦や、苜蓿のもやしの栽培に成功する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  地図の作成や作物の選定を行い、壬氏から高く評価された。

羅半父

羅漢の実の兄であり、羅一族の変わり者の一人である。 彼は、農業の研究に没頭していつもさつまいもを育てていた。 一族の中では、比較的穏やかで常識的な気質を持つ。

・所属組織、地位や役職  羅家の一員であり、地方の小地主の立場にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  さつまいも(甘藷)の優れた栽培方法を羅半兄に伝授する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  今回の大蝗害においても、自身が育てた大量の芋で西都を救った。

羅半母

羅半と羅半兄の実母である、非常に気立ての良い女性である。 彼女は、実家において風変わりな一族の男性たちを支えた。 日常の家事を完璧に切り盛りする主婦である。

・所属組織、地位や役職  羅家を陰から支え、主婦の立場にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  田舎での不便な生活に、少し愚痴をこぼす。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  今回の芋の販売益により、一族が莫大な資産を得たことを喜んだ。

羅半祖父

羅半たちの祖父であり、羅門の実の兄に当たる人物である。 彼は、実家においてのんびりと隠居生活を送っていた。 高齢ではあるが、その頭脳は非常に明晰である。

・所属組織、地位や役職  羅家の長老であり、隠居の立場にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  羅門の若い頃の出来事や、一族の古い歴史を語る。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  羅半母らと共に、田舎暮らしへの不満を漏らしながら生活していた。

馬の一族

雀(チュエ)

壬氏に仕える侍女であり、馬良の妻である女性である。 彼女は、明るく飄々とした性格をしていた。 隠密能力に長けており、猫猫を「ムスメさん」と呼ぶ。

・所属組織、地位や役職  皇弟の邸に所属し、専属侍女の地位にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  玉鶯が盗み持っていた重要な戸籍表を、陸孫に代わって処分する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  石炭採掘の事実や、17年前の戌の一族の族滅の因縁を暴いた。

馬良

高順の息子であり、馬閃の年子の兄に当たる青年である。 彼は、極度の対人恐怖症で人混みを激しく嫌っていた。 帳の奥に身を隠しながら、書類仕事を黙々とこなす。

・所属組織、地位や役職  宮廷の文書管理部門に所属し、進士の立場にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  林大人が残した将棋の駒の配置から、17年前の地図の場所を解析する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  弟の馬閃が預かる家鴨の世話を、陰から手伝っていた。

馬閃

高順の息子であり、生真面目で融通が利かない武官である。 彼は、女性に対して極めて奥手な性格をしていた。 皇弟の代理として、様々な公務を手際よくこなす。

・所属組織、地位や役職  宮廷の衛兵隊に所属し、護衛武官の地位にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  壬氏の代わりに診療所を訪問し、患者たちへ労いの言葉を掛ける。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  紅梅館で里樹妃から家鴨の孵化方法を学び、親密さを深めていた。

桃美

高順の妻であり、麻美や馬良たちの母である隻眼の女性である。 彼女は、非常に気が強く実直な気質を備えていた。 壬氏の西都遠征に同行し、厳しい態度で息子たちを叱る。

・所属組織、地位や役職  皇弟の邸に所属し、侍女の地位にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  壬氏の手柄を玉鶯に横取りされた不満を、馬閃と共に話し合う。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  高順の妻として、宮廷内での信頼関係を確固たるものにしていた。

外廷・宮廷・西都関係者

陸孫

西都で実務を担う、非常に優秀な文官である。 彼は、かつて戌の一族の主上筋の生き残りとして過酷な過去を抱えていた。 玉鶯の補佐を務めながら、西都の未来を深く案じている。

・所属組織、地位や役職  西都の政庁に所属し、補佐の文官の立場にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  暴走する玉鶯の監視役を務め、最終的に一族の因縁を清算する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  玉鶯の死後、西都の新たな統治を引き受ける決意を固めた。

玉鶯

西都を実質的に統治する、非常に野心的な有力者である。 彼は、民衆からの人気が高く他国への軍事侵攻を目論んでいた。 壬氏や羅漢を自らの計画に利用しようと画策する。

・所属組織、地位や役職  西都の政庁に所属し、領主代行の地位にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  自身の出生の秘密を隠蔽するため、乳兄弟の拓跋を殺害する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  かつて自分が暴動で奪った屋敷において、地元の農民に刺殺された。

大海

西都の有力者である玉袁の三男で、港を仕切る男性である。 彼は、玉鶯の好戦的な姿勢に対して否定的な立場を取っていた。 兄弟会議において、玉鶯の戦争の提案に強く反対する。

・所属組織、地位や役職  西都の港湾管理部門を統括し、管理者の地位にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  壬氏に協力し、西都の石炭の秘密を中央から守る約束を交わす。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  長兄である玉鶯を孤立させ、西都の平和維持のために動いた。

音操

変人軍師である羅漢を実務面で支える、優秀な武官である。 彼は、羅漢の度重なる奇行にいつも振り回されていた。 羅漢が引き起こす様々な問題の処理を完璧にこなす。

・所属組織、地位や役職  茘の軍部に所属し、羅漢の副官の地位にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  林大人の過去や、17年前の戌の一族の族滅事件の経緯を語る。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  今回の西都への遠征においても、羅漢の身の回りの世話をこなしていた。

天祐

猫猫と共に宮廷の医局で働く、非常に優秀な若き医官である。 彼は、天真爛漫な性格だが医療や人体解剖に強い執着を持っていた。 罪人の腑分けや、切断された腕の観察に興奮する。

・所属組織、地位や役職  宮廷の医局に所属し、下級医官の立場にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  猫猫と協力し、玉鶯の孫娘の腸閉塞の手術を成功させる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  猟師の生まれであり、名医「華佗」の子孫を自称していた。

やぶ医者(虞淵)

かつて後宮の医療を任されていた、極めて気の弱い宦官である。 彼は、自身のことを「可愛いおじさん」枠と呼んでいた。 今回の西都の船旅では、羅門の影武者(囮)に仕立て上げられる。

・所属組織、地位や役職  宮廷の医局に所属し、上級医官の地位にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  羅半兄の持ってきたもやしの栄養価を認め、炊き出しを提案する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  西都での治安悪化を恐れ、猫猫が用意した荷車に乗って移動した。

劉医官

宮廷の医局に勤務する、経験豊富なベテランの医官である。 彼は、天祐の持つ非凡な才能と危険性を見抜いていた。 彼を猟師の生活から医局へと引き入れて教育を施す。

・所属組織、地位や役職  宮廷の医局に所属し、上級医官の地位にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  天祐の猟奇的な解剖への執着を、正しい医療技術へと導く。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  今回の西都の遠征にあたり、優秀な医官の派遣を統率した。

楊医官

宮廷の医局に所属する、西都出身の上級医官である。 彼は、破落戸にも動じない強い精神力を備えていた。 猫猫やおやじの調薬技術を高く評価している。

・所属組織、地位や役職  宮廷の医局に所属し、上級医官の地位にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  西都の簡易診療所において、多くの患者の治療を指揮する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  自分が玉鶯の親族ではないことを、患者に対して謙遜して話した。

李医官

宮廷の医局に所属する、非常に生真面目な中堅の医官である。 彼は、天祐が勝手に持ち帰った人間の腕を見て激怒した。 規則を重んじ、天祐の奇行を厳しく監視する立場にある。

・所属組織、地位や役職  宮廷の医局に所属し、中級医官の地位にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  天祐に人間の腕を速やかに埋めるように強く指示する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  西都の診療所において、連日の過酷な労働に身をやつしていた。

拓跋

玉鶯の乳兄弟であり、かつて一族のために尽力した男性である。 彼は、玉鶯の母親の奴隷時代の秘密を握る存在であった。 玉鶯に対し、無益な戦争を止めるよう強く訴える。

・所属組織、地位や役職  西都の有力者の邸に仕え、乳兄弟の立場にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  玉鶯が玉袁の本当の実子ではない事実を、古い戸籍表で突きつける。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  出生の秘密の隠蔽を企てた玉鶯によって、冷酷に殺害された。

林大人(将棋の棋聖)

17年前の戌の一族の族滅事件に関わった、元役人の老人である。 彼は、かつて西都の歴史書の編纂を任されていた。 現在は記憶を失い、時折過去を思い出す状態にある。

・所属組織、地位や役職  西都の元役人であり、歴史編纂の立場にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  呟いた将棋の駒の配置から、17年前の地図の秘密を猫猫に示す。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  変人軍師である羅漢との真剣な対局を楽しみにしていた。

林小人

林大人の介護人を騙り、不敵な計画を企てていた詐欺師である。 彼は、林大人が隠した古い棋譜の捜索を装っていた。 羅漢の懐に入り込み、重要書類の盗み出しを狙う。

・所属組織、地位や役職  特定の組織に属さず、詐欺師の立場にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  西の廟に不審火を起こし、古い地図の資料を盗んで逃亡する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  彼の身元偽装は、最初から羅漢によって看破されていた。

李白

若くして頭角を現している、非常に気前の良い屈強な武官である。 彼は、西都の別邸において、壬氏の身辺警護を厳重に行った。 暴動の発生に際し、松明を用意して不測の事態に備える。

・所属組織、地位や役職  宮廷の軍部に所属し、武官の地位にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  民衆が別邸に押し寄せてきた際、壬氏の護衛として身構える。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  今回の大蝗害を政治的に利用する玉鶯の態度に、強い違和感を抱いていた。

玉袁

西都の全域をかつて統治していた、非常に大きな影響力を持つ領主である。 彼は、一族の将来を考え、数々の優秀な女性を妻に迎えていた。 17年前に、生き残りの陸孫を保護して中央へ送る。

・所属組織、地位や役職  西都の政庁を統括し、領主の地位にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  陸孫に対し、西都の未来の発展を託すための契約を交わす。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  自身が子を作れない体質であることを、陸孫に静かに明かした。

礼部の侍郎(姚の叔父)

礼部で二番目に偉い高官であり、姚の叔父に当たる男性である。 彼は、かつて西都で石炭採掘について秘密裏に調べていた。 祭事を取り仕切るため、西都を訪れて壬氏と会談する。

・所属組織、地位や役職  茘の宮廷に所属し、礼部の侍郎の地位にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  姚が寝静まった後に、西都 of 石炭の真実について独り言を漏らす。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  この石炭の採掘隠蔽の事実が、姚から羅半を経て猫猫に伝わった。

市井・その他の人物

姚(ヨウ)

最優秀の成績で官女試験に合格した、プライドの高い官女である。 彼女は、叔父の結婚の圧力を避けるため、羅半の邸に滞在した。 羅半の離れにおいて、猫猫と共に人体解剖図の学習を深める。

・所属組織、地位や役職  宮廷の医局に所属し、医官付官女の立場にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  叔父から聞いた「石炭」の不審な話を、お茶の席で羅半に打ち明ける。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  自作の写本を猫猫に手渡し、彼女の西都での活躍を応援した。

燕燕(エンエン)

姚に絶対的な忠誠を誓う、非常に有能で気が利く官女である。 彼女は、羅半の離れで姚の好物を作り、羅半を胃袋で掴んでいた。 姚に近づく天祐に対して、極めて冷ややかな態度を示す。

・所属組織、地位や役職  宮廷の医局に所属し、医官付官女の立場にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  姚が「華佗の書」の解剖図にショックを受けた際、本を預かる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  姚の健康と安全を守るため、日々の料理や家事に全力を尽くした。

玉鶯の孫娘

西都の領主代行である玉鶯の、まだ8歳になる幼い孫娘である。 彼女は、極度の心的負荷から、食事をとらなくなっていた。 腹痛と嘔吐を繰り返し、深刻な腸閉塞を引き起こす。

・所属組織、地位や役職  西都の領主の親族であり、令嬢の立場にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  自ら引き抜いた大量の毛髪と、干し柿の繊維を胃に詰まらせる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  猫猫と天祐の手術によって救われ、術後は順調に快復した。

玉鶯の孫娘の母親

玉鶯の娘であり、我が子の命を誰よりも深く案じる母親である。 彼女は、最初は娘の腹を切り開く手術に強く反対した。 しかし、猫猫たちの真剣な説得を受け、執刀を承諾する。

・所属組織、地位や役職  西都の領主の親族であり、当主の娘の立場にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  孫の淡い髪(異国の血)を、父親の玉鶯から隠すために染め続ける。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  大蝗害で染め粉が切れたことで、髪色の違いが露呈した事実を嘆いた。

西母

玉袁の最初の妻であり、かつて一族の命運を共にした女性である。 彼女は、非常に賢く、玉袁の商売を強力に支えていた。 元々は異国の部族の奴隷として、辛い日々を過ごす。

・所属組織、地位や役職  西都の有力者の家に嫁ぎ、正妻の立場にあった。

・物語内での具体的な行動や成果  玉鶯を身ごもりながらも、玉袁からの求婚を最初は断る。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  最終的に玉袁と結婚し、玉鶯を彼の実子として育てることに合意した。

集団

暴徒たち(民衆)

大蝗害による飢えや、病気の流行によって暴徒化した民衆である。 彼らは、食糧庫を襲撃し、別邸に詰めかけて皇弟を呼べと騒いだ。 玉鶯の巧みな言葉に扇動され、砂欧への敵意を激しく募らせる。

・所属組織、地位や役職  西都に居住し、飢えた一般の民衆の集まりであった。

・物語内での具体的な行動や成果  炊き出しの芋や、追加の物資を求めて大広間に集まる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  戦争を支持する大きな流れを形成し、治安の急激な悪化を招いた。

異国の商団(異民族の盗賊)

大蝗害をきっかけにして、西都の周辺で略奪を行う盗賊の一団である。 彼らは、国境近くの食糧庫を襲い、多くの物資を強奪した。 玉鶯によって、今回の大蝗害をもたらした諸悪の根源とみなされる。

・所属組織、地位や役職  国境の周辺に潜伏し、略賊を働く武装集団であった。

・物語内での具体的な行動や成果  戌西州の西側を中心に、小規模な襲撃事件を頻繁に起こす。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  砂欧との関係悪化や、民衆の怒りを煽るための大義名分として利用された。

風読みの民(風読みの部族)

五十年前、ある盗賊部族によって滅ぼされたとされる祭祀の一族である。 彼らは、かつて高度な鳥を操る技術(伝書鳩)を保持していた。 地中を耕す祭事を代行し、蝗害を未然に防ぐ知恵を持つ。

・所属組織、地位や役職  戌西州の各地に散らばり、祭祀を司る部族であった。

・物語内での具体的な行動や成果  生き残りである人々が、戌西州の西端の炭鉱で過酷な労働を強いられる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  その末裔である庫魯木の生存が確認され、面梟の調教を続けていた。

戌の一族(犬の一族)

17年前に、謀反の疑いをかけられて粛清された西都の元守護一族である。 彼らは、優れた石炭採掘の技術を、歴史の影に隠蔽していた。 表向きは皇族を名乗る逆賊として、非情な討伐を受ける。

・所属組織、地位や役職  戌西州を代々支配していた、元守護部族であった。

・物語内での具体的な行動や成果  玉鶯が引き起こした暴動により、一族のほぼ全員が凄惨に殺害される。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  生き残りである陸孫が、一族の因縁を清算して西都の再建に立ち上がった。

薬屋 10巻レビュー
薬屋 全巻まとめ
薬屋 12巻レビュー

備忘録

序話

西都への願い

少年は母から、乾いた貧しい土地でも人々が強く生きる姿の素晴らしさを教えられた。鳥を操りながら広い世界を見る母は、少年にもいつか同じことができるようになると語り、父を目標に街を守り育てるよう願った。少年は母の優しさと父の強さを受け継ぎ、不作や外敵に負けない豊かな西都を作ろうと望んだ。

一 話 乾燥 果実

玉鶯の食糧支援

蝗害から五日が過ぎ、猫猫は医務室で薬作りを続けていた。飛蝗はほぼ駆除されたものの、人々の不安から治安は不安定になっていた。玉鶯は不足する食糧を西都や周辺の町へ送り、炊き出しを行っており、猫猫はその政治的な手腕を評価した。

少女の腸閉塞

玉鶯の孫娘が腹痛と嘔吐を繰り返して重篤となり、猫猫と天祐は手術を行った。原因は干し柿と飲み込んだ髪が腸に詰まったことであり、二人は異物を取り除いて少女を救った。母親が娘の異国の血を隠すため髪を染め続けていた事情も明らかになった。

二話 軍師 襲来

変人軍師の来訪

手術を終えた猫猫は夜遅く壬氏の別邸へ呼ばれ、玉鶯の孫娘について報告した。その後、馬閃が変人軍師の到着を知らせ、猫猫は親しげに近づく羅漢から距離を取った。

林大人との対局

変人軍師は、西都に将棋の名手が滞在していると説明し、本物かどうか確かめるため対局したいと求めた。壬氏は渋りながらも翌日の対局を許可した。

三話 林 大人

老いた将棋の名手

猫猫は変人軍師と林大人の将棋対局を見学した。林大人はかつて西都で名を知られた役人だったが、十七年前の戌の一族の事件で多くを失い、現在は記憶にも障害を抱えていた。

将棋盤に残された地図

林大人が口にした駒の配置を調べた結果、それが十七年前の西都の地図と対応している可能性が浮かんだ。介護役の林小人は古い地図を探しに行き、猫猫たちは配置が示す場所の意味を調べることになった。

四話 林小人

偽りの親族

林小人について調べるうち、彼が林大人の親族ではなく、林大人を利用して変人軍師へ接近しようとした詐欺師だったと判明した。変人軍師は早くから相手を怪しんでいたものの、猫猫たちは完全に騙されていた。

残された謎

林小人が探していた古い文書の目的や、焼失した廟との関係は不明のままだった。林大人は本当の親族に引き取られ、猫猫たちは自分たちの失態を壬氏に謝罪した。

五話兄帰る

蝗害の第二波

二度目の飛蝗が襲来したが、被害は大きくならず別邸も守られた。しかし食糧不足、不審火、略奪、医者不足などによって西都の状況は悪化していった。

羅半兄の小麦

そこへ羅半兄がぼろぼろの姿で戻り、背が低く実を落としにくい小麦の種を持ち帰った。猫猫は将来の収穫を考えて行動した羅半兄を迎え、ご馳走を用意しようとした。

六話都より

中央の支援

都では羅半が西都への支援物資の配分に追われていた。蝗害の深刻さを受け、必要な物資の確保と輸送を進めていた。

姚と燕燕の訪問

羅半のもとへ姚と燕燕が現れ、西都について情報を求めた。姚は叔父に関する話から西都の石炭採掘について触れ、その情報は羅半に新たな着想を与えた。羅半は二人を泊めることになった。

七話届いた文

苜蓿のもやし

西都では盗賊が増える一方、中央から支援物資が届き始めた。しかし栄養不足による病が増えており、羅半兄は苜蓿のもやしを育て、新たな栄養源として利用しようとしていた。

羅半からの手紙

猫猫は薬不足のため代用品を使いながら診療を続けた。羅半から届いた文には、都にいる姚と燕燕への対応に困っている様子が記されていたが、猫猫には何もできなかった。

八話 届かない文

陸孫の苦悩

陸孫は蝗害の被害報告や食糧支援の要請を処理し、限られた物資をどこへ回すべきか判断していた。羅半から返事が届かないことを気にしつつ、猫猫とは距離を置くべきだと考えていた。

玉鶯への願い

民衆から支持される玉鶯の姿を見ながら、陸孫は蝗害後の社会が大きく動き始めていると感じた。それでも心の底では、玉鶯が良い領主であってほしいと願っていた。

九話 会合

砂欧との戦争案

行動を制限されていた壬氏は、中央へ食糧支援を求めながら西都の対応にあたった。玉鶯は武官の提供を求め、その名分として砂欧との戦争を提案した。

壬氏の拒絶

壬氏は戦争によって生じる弊害を指摘し、慎重な姿勢を崩さなかった。羅漢も戦には興味を示さず退出し、玉鶯の提案は進展しなかった。

十話 黄金比

農地の再建計画

羅半兄は蝗害時に作った地図をもとに、土地ごとに適した作物や種子の配置を考えていた。猫猫は疲れながら働く羅半兄の功績を壬氏に認めてもらいたいと考えた。

石炭さがせ

猫猫と羅半兄は羅半から届いた文の紙が、普段使う黄金比の寸法と違うことに気づいた。そこから仕掛けを読み解き、石炭さがせという隠された文を発見したため、猫猫は報告することにした。

十一話 炭鉱

消された石炭の記録

雀は猫猫に、戌西州ではかつて石炭が採掘されていたものの、十七年前の戌の一族の粛清以降、記録が見当たらなくなっていると説明した。

港と戦争

玉鶯が砂欧との戦争を望む背景には、砂欧の港と国境付近にある石炭鉱山が関係している可能性があった。蝗害で困窮した民を兵として利用することも考えられたが、猫猫は壬氏なら利益だけを理由に戦争を選ばないだろうと考え、わずかに安心した。

十二話 親子喧嘩

壬氏の評判

馬閃は、西都で壬氏の功績まで玉鶯のものとして語られていることに不満をぶつけた。壬氏自身は、自分が直接姿を見せれば別の問題が生じると考え、表立って動くことを避けていた。

馬閃の代理

雀は壬氏が働いていることを民に示すため、馬閃を代理として表に出す案を提案した。馬閃は戸惑いながらも、その役目を引き受けることになった。

十三話 慰問

診療所への訪問

猫猫は診療所で治療と薬の調合を続け、馬閃は壬氏の代理として患者たちを慰問した。楊医官や天祐も加わり、多くの患者を診療した。

壬氏の功績

楊医官との会話で、壬氏の支援によって診療所が運営されているにもかかわらず、功績が玉鶯のものとして伝わっていることが問題となった。楊医官は壬氏の指示による活動だと正しく伝える必要性を理解した。

十四話 天祐

持ち帰った腕

診療後、天祐の布包みから人間の切断された腕が転がり出た。事故で失われた腕を持ち主から譲り受け、勉強のために持ち帰ったものだった。

華佗の子孫

楊医官は猫猫に、天祐が猟師の家に生まれ、華佗の子孫を名乗って医官を志した経緯を語った。才能を持つ一方で危うい性質もあり、猫猫は天祐と自分自身のあり方について考えた。

西都の偏見

帰路で猫猫は子どもから泥団子を投げられた。猫猫は蝗害の原因を外から来た者に求める人々の誤解や偏見を感じ取った。

十五話 暴動

食糧庫への襲撃

物資不足が続く中、西の砦から異民族が食糧庫を襲ったという知らせが届いた。民衆は暴動を起こし、皇弟を出せと叫んだ。

玉鶯の扇動

玉鶯は民衆の前に出て壬氏の功績を称え、自ら責任を負う姿勢を見せた。その一方で蝗害を西から来た災厄と位置づけ、異民族や砂欧へ民衆の怒りを向けた。猫猫と雀は、その先に大きな計画があると察した。

十六話玉袁の子どもたち

玉鶯への対抗策

壬氏は玉鶯の策略にはまったことに苦悩し、高順や馬閃たちと対応を話し合った。石炭の採掘と隠蔽、港の管理権などが政治的な交渉材料として浮かび上がった。

玉袁の兄弟たち

玉鶯の弟である大海は壬氏に協力的であり、石炭利用の秘密が中央に知られることを避けながら西都を守る方法を探っていた。猫猫と雀は玉袁の子どもたちを巡る政治的な駆け引きを見守った。

十七話祭祀の陰に

西都の祭祀

壬氏による祭祀が中央広場で行われることになり、李白たちは警備を整えた。猫猫たちは別邸から祭祀を見守り、玉鶯の動向にも警戒した。

配られる芋

祭祀の日には追加の物資として芋が民衆へ配られ、玉鶯への支持を高める材料となった。猫猫は不安を抱きながらも、何事も起きないことを願った。

十八話 兄弟会議

戦争への反対

玉袁の八人の息子たちは西都の将来について話し合った。玉鶯は戦争による利益を訴えたが、大海をはじめ多くの兄弟は反対し、戦争を困窮から抜け出す手段とは考えなかった。

皇弟の出生

玉鶯は壬氏が今上の子ではないかという疑惑を持ち出した。その発言に兄弟たちは動揺し、玉鶯の主張への賛同は広がらなかった。結論が出ないまま会議は終わった。

十九話風は泣く 前編

拓跋の戸籍

玉鶯のもとへ乳兄弟の拓跋が現れ、戸籍を示した。それによって二人が同じ父を持つ兄弟であることが明らかになり、玉鶯の出生への認識が揺らいだ。

拓跋の死

拓跋は戦争をやめるよう説得したが、玉鶯は決意を変えなかった。やがて玉鶯は拓跋を殺害し、その事実を隠そうとした。そこへ陸孫が現れ、玉鶯の運命は大きく動いた。

二十話風は泣く 後編

戌の一族の滅亡

陸孫は戌の一族の一員として、西の地を守る使命を背負って育った。十七年前、玉鶯が戌の一族への反感から暴動を引き起こす一方、玉袁は一族を守ろうとし、陸孫を中央へ送り出した。

玉袁との約束

戌の一族は最終的に滅び、西都は玉袁が治めることになった。陸孫は一族の血と過去を背負いながら、玉袁との約束を胸に自らの道を歩み始めた。

二十一話 軍師の采配

玉鶯の死

陸孫は、かつて戌の一族の屋敷だった場所で玉鶯が刺されて死亡した事実を受け止めていた。十七年前の暴動と同じ場所での死に、過去との因縁を感じた。

消された戸籍

羅漢の証言によって陸孫への疑いは晴れた。その後、侍女姿の雀から、玉鶯が林小人を殺した際に戸籍を奪っていたことを知らされた。陸孫は関係者への義理を果たすため、その戸籍を処分するよう雀に頼んだ。

二十二話 皇弟の愚痴

玉鶯亡き後

猫猫は雀から、玉鶯が金を求めた農民に殺されたと聞いた。玉鶯の施しは実質的に貸付に近く、それが事件につながったとされたが、猫猫は完全には信じていなかった。

西都を治める者

玉鶯亡き後の統治者として陸孫が候補となったが、本人は中央からの委託に過ぎないとして拒んだ。壬氏が引き受けるよう求めても、陸孫は壬氏自身が担うべきだと返した。疲れた壬氏に猫猫は食事を出し、壬氏は礼を言っておかわりを求めた。

終話

玉鶯の監視役

陸孫は玉袁に呼ばれて西都へ戻り、玉鶯を監視する役目を引き受けていた。玉袁の末子である葉は後に玉葉后となり、御心のままにという言葉を陸孫へ伝えていた。

西都に残る決意

役目を果たした後、陸孫は気力を失い、自分自身を卑怯で汚い人間だと感じながら静かに過ごしていた。それでも風や鳥の声を感じる中で、西都に人々の笑顔と活気が戻るまで働き続けようと決意した。

薬屋 10巻レビュー
薬屋 全巻まとめ
薬屋 12巻レビュー

薬屋のひとりごと 一覧

小説

薬屋のひとりごと1巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと(The Apothecary Diaries)」の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと2巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと 2巻(The Apothecary Diaries)」の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと3巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと 3巻」の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと4巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと 4巻 」の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと5巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと 5巻」の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと6巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと 6巻 」の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと7巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと 7巻」の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと8巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと 8巻 」の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと9巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと 9巻 」の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと10巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと 10巻 」の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと11巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと 11巻」の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと12巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと 12巻 」の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと13巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと 13巻 」の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと14巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと 14巻の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと15巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと 15巻の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと 16巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと 16巻の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。

漫画

薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~ 1巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~(1巻)の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~ 2巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~(2巻)の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~ 3巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~(3巻)の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~ 4巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと ~猫猫の後宮謎解き手帳~(4)の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~ 5巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~(5巻)の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~ 6巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~(6巻)の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~ 7巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~(7巻)の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~ 8巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~(8巻)の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~ 9巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~(9巻)の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~ 10巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~(10巻)の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~ 11巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~(11巻)の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~ 12巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~(12巻)の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~ 13巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~(13巻)の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~ 14巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~(14巻)の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~ 15巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと ~猫猫の後宮謎解き手帳~ 15巻の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~ 16巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと ~猫猫の後宮謎解き手帳~ 16巻の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~ 17巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと ~猫猫の後宮謎解き手帳~ 17巻の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~ 18巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと ~猫猫の後宮謎解き手帳~ 18巻の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~ 19巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと ~猫猫の後宮謎解き手帳~ 19巻の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~ 20巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと ~猫猫の後宮謎解き手帳~ 20巻の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~ 21巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
薬屋のひとりごと ~猫猫の後宮謎解き手帳~ 21巻の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。

類似作品

虚構推理

お薦め度:★★★★☆

afea601d9f1243d263ec66438959acb1 小説感想(⚠️ネタバレあり)「薬屋のひとりごと 11巻 西都編」
虚構推理短編集 岩永琴子の密室

後宮の烏

お薦め度:★★★★★

3f2dbdcfa71477001cc771df27b4b7e7 小説感想(⚠️ネタバレあり)「薬屋のひとりごと 11巻 西都編」
後宮の烏

准教授・高槻彰良の推察

お薦め度:★★★★☆

53cd6423f4720a7e2b438c4e6dee21d9 小説感想(⚠️ネタバレあり)「薬屋のひとりごと 11巻 西都編」
准教授・高槻彰良の推察

全裸刑事チャーリー

お薦め度:★★★★★

d327725f6c73b0e45b4563ec75a7eb2f 小説感想(⚠️ネタバレあり)「薬屋のひとりごと 11巻 西都編」
全裸刑事チャーリー

その他フィクション

e9ca32232aa7c4eb96b8bd1ff309e79e 小説感想(⚠️ネタバレあり)「薬屋のひとりごと 11巻 西都編」
フィクション(novel)あいうえお順

アニメ

PV

TOHO animation チャンネル
TOHO animation チャンネル
TOHO animation チャンネル
TOHO animation チャンネル

二期【2025年放送決定!】

TOHO animation チャンネル
TOHO animation チャンネル

OP

TOHO animation チャンネル
TOHO animation チャンネル
TOHO animation チャンネル
TOHO animation チャンネル

ED

TOHO animation チャンネル
TOHO animation チャンネル
TOHO animation チャンネル
TOHO animation チャンネル

Share this content:

コメント

タイトルとURLをコピーしました