漫画感想(⚠️ネタバレ)【転スラ】転生したらスライムだった件(28)124話

漫画感想(⚠️ネタバレ)【転スラ】転生したらスライムだった件(28)124話

転スラ28巻漫画の表紙画像(レビュー記事導入用)

どんな本?

異世界にスライムとして転生した元サラリーマンのリムルが、仲間と共に国家「テンペスト」を築き上げ、繁栄を目指す異世界ファンタジーである。
第28巻では、急速に発展するテンペストに危機感を抱いたマリアベルが、ユウキや五大老の一人ヨハン・ロスティアと共に対テンペストの密談を開始する。
一方、地下迷宮の成功に喜ぶリムルの元に、西方諸国評議会加盟の可否を決める会議への出席要請が届く。リムルは出席を決めるが、会議は一筋縄ではいかない展開となる。

主要キャラクター

  • リムル=テンペスト:本作の主人公。前世は日本人サラリーマンの三上悟で、通り魔に刺されて死亡し、異世界でスライムに転生した。ユニークスキル「大賢者」と「捕食者」を駆使し、仲間と共にテンペストを築き上げる。
  • マリアベル:テンペストの急速な発展に危機感を抱き、ユウキやヨハン・ロスティアと共に対テンペストの密談を行う女性。
  • ユウキ:マリアベルと共にテンペストに対抗するための密談に参加する人物。
  • ヨハン・ロスティア:五大老の一人で、マリアベルの密談に参加する。

物語の特徴

本作は、異世界転生というジャンルの中でも、主人公がスライムというユニークな設定が特徴である。
リムルの持つ多彩なスキルや、仲間との絆、国家運営など、多岐にわたる要素が読者を引き込む。
また、敵対勢力との駆け引きや政治的な策略も描かれ、物語に深みを与えている。

出版情報

  • 出版社:講談社
  • 発売日:2025年1月30日
  • 特装版:『Cool Photo Collection』付き特装版も同時発売。

さらに、劇場版第2弾とTVアニメ第4期の制作も決定しており、メディア展開が活発に行われている。

読んだ本のタイトル

転生したらスライムだった件(28)
著者:川上泰樹
原作:伏瀬
キャラクター原案:みっつばー

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あらすじ・内容

急速に台頭し、今後も飛躍を続けるであろうテンペストに危機感を抱いたマリアベル。
彼女はユウキと五大老の一人ヨハン・ロスティアを招き、対テンペストを目的とした密談を始める…。
一方、地下迷宮が大ヒットでウキウキなリムルの元に、西方諸国評議会加盟の可否を決める会議への出席要請が届く。
出席を決めたリムルだが、当然会議は一筋縄ではいかず――。

転生したらスライムだった件(28)

感想

評議会の陰謀とリムルの決断

リムルは魔国連邦の評議会加盟を果たすため、イングラシア王国を訪れた。
大国の貴族たちは、魔国連邦を自国の都合の良い形で利用しようと画策し、不平等な条約を押し付けようとする。
しかし、リムルはこれに激怒し、会議場で強く反論した。
議員たちの態度には精神干渉が関与していたことが発覚し、リムルはそれを解除。
状況が明らかになると、陰謀を巡らせていた者たちは追い詰められた。

そんな中、イングラシアの王子エルリックが兵士を引き連れ会議場に乱入し、リムルを討伐しようとする。

しかし、ヒナタとシュナが圧倒的な実力差を見せつけ、敵対者を瞬時に制圧した。

その後、狙撃による暗殺未遂が発生するが、リムルの能力により未然に防がれる。

最後にはイングラシア王が登場し、陰謀を巡らせた貴族たちは処分された。
結果として、魔国連邦は正式に評議会へ加盟し、国際的な地位を確立することとなった。

陰謀と駆け引きの応酬

この巻では、評議会の舞台裏にある陰謀や権力争いが描かれていた。
魔国連邦の勢力が拡大することで、既存の権力者たちが危機感を抱き、様々な手段でリムルの行動を妨害しようとする。
これまでの戦闘主体の展開とは異なり、交渉や策略が重要な要素となっていたのが印象的であった。

リムルは知略を巡らせ、相手の意図を見抜きながらも冷静に対処する。
しかし、議員たちの不当な要求には強く反発し、机を粉砕するほどの怒りを見せた。
このシーンでは、単なる温厚な統治者ではなく、魔王としての威厳を示す場面でもあった。

キャラクターの活躍

本巻では、リムルだけでなくヒナタやシュナの活躍が光った。
特に、ヒナタがライナーを圧倒する場面は、戦闘力の次元が違うことを見せつける展開であった。

シュナもまた、扇子で聖剣を折るなど、普段の柔和な印象とは異なる一面を発揮し、驚かされた。

また、精神干渉による議員たちの操られ方を見ると、魔法の存在する世界では単純な権力争いだけでなく、意識を支配する戦術も重要になることがよくわかる。こうした陰謀と戦略が絡み合う展開は、物語に深みを与えていた。

次巻への期待

今回の巻で、魔国連邦は正式に評議会の一員となった。しかし、マリアベルを始めとする勢力がリムルをどう扱うかは、まだ決着がついていない。次巻では、彼女との対決が本格化することが予想される。

さらに、迷宮の活性化や、ユウキの動向も気になる要素である。国としての地位を確立した魔国連邦が、これからどのように世界と関わっていくのか、その展開に注目したい。

まとめ

本巻は、戦闘だけでなく政治的な駆け引きが中心となり、リムルの新たな側面が見られる内容であった。評議会加盟に至るまでの道のりは険しく、多くの陰謀や妨害があったが、最終的にはリムルの知略と仲間たちの活躍によって解決された。物語が進むにつれ、より複雑な展開が増えていくが、それがまた本作の魅力でもある。今後の展開にも期待が高まる一冊であった。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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備忘録

121話 評議会に向けて(小説10巻)

密談の始まり

北方の小国、シルトロッゾ王国にて、自由組合総帥・神楽坂優樹と、評議会の重鎮ヨハン・ロスティアの密談が始まった。ヨハンはロスティア王国の公爵であり、現ロスティア王の兄に当たる人物であると同時に、評議会を掌握する五大老の一人でもあった。秘密裏の会談は常にこの地で行われる。西側諸国の目を欺くには、優秀な諜報機関を擁するこの辺境の小国が最適であった。

魔王リムルへの警戒

ユウキはヨハンに対し、自身が魔王リムルに疑われていることを率直に報告した。証拠は残さぬよう細心の注意を払っていたが、それでもリムルの警戒を完全に避けることはできなかった。ヨハンは一度は言い逃れの可能性を指摘したが、ユウキはリムルを軽視することの危険性を説き、下手に刺激すれば取り返しがつかなくなると警告した。このやり取りから、ヨハンこそがユウキの上司に当たる存在であることが明らかとなった。

五大老の意向

ヨハンは、五大老が魔王リムルを障害と見なしていることを伝えた。その理由は、ユウキと魔王クレイマンが共謀した計画の失敗にあった。計画が成功していれば、評議会は帝国との交易を直接成立させることができ、ジュラの大森林も脅威とはならなかった。しかし、予想外の事態が起こり、計画は頓挫した。ユウキは不可抗力であると弁明したが、ヨハンは五大老がユウキの失敗を重く見ていることを強調した。

マリアベル・ロッゾの介入

そこへ、五大老の一員であり、計画の立案者でもあるマリアベル・ロッゾが姿を現した。彼女はヨハンを軽くあしらいながら、ユウキに対して問いを投げかけた。魔王リムルとの戦いに勝てるかと問われたユウキは、リムルのみならず、その背後に控えるヴェルドラの存在を挙げ、戦いは無謀であると断じた。これに対し、マリアベルはヴェルドラが封じられるべき存在であり、リムルがその鍵であることを語った。彼女の目的は明確であり、魔国連邦の台頭を阻止し、ロッゾ一族の覇権を確立することであった。

魔王リムルの脅威と対策

マリアベルは、魔王リムルの成長と影響力の拡大を危険視していた。リムルの政策は西側諸国との連携を強化し、評議会の支配を脅かしかねない。特に、食料供給の安定を実現することで、小国を支配する手段を封じつつあった。このため、リムルを単純に排除するのではなく、慎重に無害化する必要があると判断した。

ユニークスキル『強欲者』の活用

マリアベルは、自らのユニークスキル『強欲者』を用いた支配を試みることを決意した。このスキルには二つの方法があった。一つは相手の欲望を塗りつぶし、協力者に仕立て上げる方法。もう一つは、強引に支配し意のままに操る方法である。しかし、リムルの欲望は小さく、支配が困難であることが問題となった。それでも、成功すればヴェルドラをも意のままにできるため、彼女は慎重に策を練ることを決めた。

今後の動向と決意

マリアベルは、魔王リムルとの敵対を避けながら、まずは接触を試みる方針を固めた。ユウキの協力を得て、評議会への招待状を送ることで、リムルの出方を探る計画であった。リムルが評議会参加を望む理由を分析しつつ、マリアベルはその願いを逆手に取り、リムルを自らの支配下に置く策を模索していた。そして、最後には彼を完全に従え、ロッゾ一族の野望を成就させることを決意したのであった。

マリアベルの視線は未来へと向けられ、彼女の手には無数の駒が揃っていた。

突如始まる戦闘

赤い粒子を撒き散らし、一人の男が倒れた。驚愕する敵の仲間達をよそに、ミリムが高笑いを響かせた。残る五名も緊張し、身を寄せ合うが、それこそが致命的な判断だった。次の瞬間、俺の放った「竜巻大魔刃」が発動し、一塊となった敵を切り刻んだ。ミリムが先行し、不意打ちで敵の探索者を仕留める。その後、俺の魔法が発動するまでに彼女は素早く離脱し、敵は状況を理解する間もなく壊滅した。

敵の抵抗と圧倒的な実力差

戦況を把握した敵は激昂し、突撃を試みた。だが、俺達は彼等をはるかに凌ぐ実力を持っていた。不可視化の魔法を駆使し、敵の視認前に接近し、後衛を優先的に排除する戦法を徹底していた。怒りに燃える前衛が迫るも、ヴェルドラとラミリスが立ちはだかる。彼等は自らの役割を理解し、敵を迎え撃った。俺は後方支援に回り、戦士達の状態を解析したところ、既に彼等の体力は半分以下になっていた。後衛を失った前衛は無力であり、ヴェルドラとラミリスによって容易く討ち取られた。

迷宮の活性化と戦闘研究

俺達の戦法は確立されていたが、最近では挑戦者達も対策を講じ始めていた。迷宮への挑戦者が増え、マサユキ達も四十階層を突破したことで、挑戦者達の士気が高まっていた。俺達は迷宮内で戦闘研究を重ね、戦術の向上を図ると同時に、迷宮の活性化に貢献していた。マサユキの戦闘映像を公開したところ大きな反響を呼び、映像記録を活用した商業展開も視野に入れ始めた。

新たな装備の導入と戦術の進化

ヴェルドラの要望により、彼の骸骨剣士の骨格を新たな金属「神輝金鋼」で作製した。これは魔鋼に金を加えた特殊合金であり、従来の魔鋼を凌駕する強度を誇る。ヴェルドラの新たな肉体は金色の骸骨剣士となり、その圧倒的な耐久力が実証された。同様に、ミリムの戦闘スタイルは「赤い流星」と称され恐れられ、ラミリスもまた「狂気の動く重鎧」として知名度を得るに至った。俺達の存在は、迷宮の脅威として確立されつつあった。

迷宮攻略の試みと敗北

俺達は試しに迷宮攻略に挑んだが、五十階層のボス・ゴズールに敗北した。正面からの戦闘では、Aランクオーバーの相手には到底敵わなかったのである。不意打ち戦法がどれほど有効であろうとも、純粋な実力差を埋めるには至らなかった。この敗北を教訓とし、俺達はさらなる鍛錬に励むことを決意した。

緊急の来客とフレイの叱責

戦闘を終えた俺達は、執務室からの連絡を受けて戻った。そこではシュナとリグルド、そして元魔王のフレイが待っていた。フレイはミリムの不在を追及し、彼女が放棄した仕事について問い詰めた。

ミリムはうろたえ、必死に弁解したが、フレイの鋭い視線の前に成すすべもなく捕らえられた。リムル達は巧みに責任を回避し、ミリムの問題には関与しない姿勢を貫いた。

評議会からの招待と智慧之王の計算

シュナの追及から逃れる間もなく、ミョルマイルが訪れた。彼が持参したのは、西方諸国評議会からの手紙だった。内容は魔国連邦の加盟可否を問う会議への招待状であり、予想通りの展開であった。智慧之王の解析によれば、既に各国の諜報機関が報告を終え、動きがあると予測されていた。リムルは堂々と対応し、事前に察知していたかのように振る舞った。

評議会への参加と今後の展望

手紙の内容を確認し、リムル達の面子は保たれた。遊びに熱中し過ぎると問題が生じると痛感し、今後は節度を持つべきだと反省した。迷宮での戦闘研究も大切だが、政治的な動きにも注意を払わねばならない。評議会への参加が魔国連邦の未来を左右する重要な決定となるのは明白であり、今後の展開に備え、俺は慎重に策を練ることを決めた。

122話 イングラシアへ(小説10巻)

評議会の役割と構造

西方諸国評議会は、ジュラの大森林周辺の国家による集合体であり、各国の利益調整を目的としていた。主に魔物対策や災害対応を行い、各国の余剰物資の調整を担っていた。評議会の予算は加盟国の拠出金によって賄われ、負担額に応じて議員数を増やすことが可能であった。これにより、大国ほど発言力を強めることができ、小国は議員数が限られるという構造になっていた。

評議会の運営と発言権の格差

評議会の決議は多数決によって行われるが、大国が影響力を行使しやすい仕組みとなっていた。危険な魔物が発生した際、発言力の強い国が自国を優先し、優秀な冒険者を確保するのが常であった。拠出金を払えない国は評議会から脱退させられるため、小国にとっては死活問題であった。こうした状況が、大国と小国の力関係を決定づけていたのである。

魔国連邦の加盟を巡る議論

魔国連邦の開国祭の後、臨時評議会が開催された。議題は魔国連邦の評議会加盟の是非であり、議論は紛糾していた。会場には坂口日向の姿もあり、彼女は参考人として招致されていた。日向は会議の進行の遅さに辟易しながらも、議論の成り行きを見守っていた。

対立する意見と各国の立場

魔国連邦に接する国々は、魔王リムルの統治によって魔物の脅威が減少したため、彼の評議会加盟を支持していた。一方、魔国連邦と接触のない国々は、魔王の存在を警戒し、加盟に否定的であった。さらに、大国は自国の利益を最大化するため、状況を慎重に見極めていた。

評議会の決定と貴族の思惑

議論が続く中、大国の議員達は混乱を助長させ、小国の代表達の選択肢を狭めていった。結論は既に決まっており、魔国連邦の加盟は避けられない流れとなっていた。議長が投票を実施し、賛成多数で魔国連邦の加盟が正式に承認された。

帝国の動向と評議会の対応

ロスティア王国の公爵ヨハン・ロスティアが、東の帝国の軍事演習について言及すると、会場は一気に緊迫した。議員達は帝国の動向に危機感を募らせ、魔王リムルの軍事力を利用することが有益であると考え始めた。結果として、魔国連邦の加盟が評議会の総意として受け入れられた。

エルリック王子の提案

会議後、日向はイングラシア王国の第一王子エルリックに呼び止められた。彼は、次回の評議会で魔王リムルを試す計画を進めており、その際の日向の協力を求めた。しかし、日向はこの提案を即座に拒絶し、魔王リムルを怒らせることの危険性を警告した。

貴族の策謀と日向の懸念

エルリックの護衛であるライナーは、日向を見下すような態度を取り、さらに彼女を侮辱する発言を続けた。日向は冷静に対処し、西方聖教会が魔国連邦と不可侵条約を結んでいることを理由に協力を拒否した。しかし、彼等の言動から、この計画が一部の者達の独断であることを察した。

日向の憂慮と今後の展開

日向は評議会での出来事を振り返り、貴族達の策略に辟易しながらも、魔王リムルを試そうとする動きに懸念を抱いた。エルリック達の策が本格的な計画の一部である可能性も捨てきれず、今後の動向に注意を払う必要があると考えた。そして、二度と貴族の策謀に巻き込まれないよう、関わりを避ける決意を固めたのだった。

イングラシア王国への訪問

評議会からの招待を受け、リムルはイングラシア王国を訪れた。宿は最高級のものであり、久しぶりの王都見学を楽しむ予定であった。同行したのはベニマルとシュナであり、ソウエイは先に現地で待機していた。護衛としてのベニマル、情報収集を続けるソウエイとともに、リムルは慎重に行動していた。

幹部たちの動向

リムルの不在中、各幹部もそれぞれの役割を果たしていた。ゴブタはミリムの指導を受け続け、ランガが彼を助けに行くことが多くなっていた。ゲルドはミリムの新王都建設を指揮し、ディアブロは部下集めのため放浪中であった。ハクロウはモミジとともに長鼻族の里へ向かい、ガビルは飛竜衆の強化を目的に飛空龍の生息地を訪れていた。こうした状況の中、リムルたちは三人で王都を訪れることになった。

王都の服飾店巡り

リムルたちはまず服飾店を訪れた。イングラシア王国の王都には、ガラス張りのショーウインドーに最新の衣服が並べられ、多くの人々がそれを眺めていた。リムルの国でもこの技術を取り入れ、すでに実用化していた。シュナは王都の衣服に感銘を受け、より優れた服を作る決意を新たにした。

リムルは同行者たちに新しい服を買い与えることを決めた。ベニマルとソウエイはジャケットとシャツ、シュナは白のスカーチョとアイスブルーのニットベストを選び、リムルは彼女の装いを称賛した。さらに、シオンへの土産としてオールインワンを選び、彼女にも似合うと確信していた。

喫茶店での情報収集

服を新調した後、リムルたちは吉田が経営していた喫茶店を訪れた。現在は弟子が引き継ぎ、繁盛していた。リムルたちはここでヒナタと落ち合い、翌日の評議会について話を聞く予定であった。その間、ソウエイから西方諸国の情報を得た。

開国祭の評判は上々であり、王侯貴族から庶民に至るまで話題になっていた。また、地下迷宮の攻略を目的とする冒険者チームの結成が増加し、各国で関心が高まっていた。この流れを受け、リムルはさらに挑戦者の増加を見込んでいた。

商人とミューゼ公爵の関係

商人たちの身辺調査の結果、大きな問題は見つからなかった。ただし、各国の役人を通じて商業許可を取得しており、それがミューゼ公爵へと繋がっていた。これにより、ミューゼが商人たちを操っていた可能性が高まった。

ミューゼの監視を続けるべきと判断したリムルに、ソウエイが衝撃的な報告をした。ミューゼは遠距離からの攻撃によって殺害されていたのである。ソウエイですら気配を察知できず、攻撃が行われた瞬間にようやく音を聞いたのみであった。これにより、敵の存在が極めて危険であることが判明した。

狙撃の可能性とヒナタの登場

リムルはこの攻撃が魔法でも投擲でもなく、狙撃によるものではないかと推測した。銃の存在がこの世界では知られていないため、同行者たちは困惑していた。そこへヒナタが突然現れ、「ユウキが拳銃を持っていた」と告げた。

不意を突かれたリムルは驚き、ベニマルやソウエイはそれを楽しんでいた。シュナが二人をたしなめるも、リムルは内心で智慧之王が事前に警告してくれなかったことを嘆いた。しかし、それは悪意のない行動だったため、警告の対象にはならなかったのである。

こうして、リムルはヒナタと対面し、翌日の会議に向けた情報収集を本格的に始めることになった。

ヒナタとの再会と昼食

ヒナタが合流した後、リムルたちは昼食を楽しんだ。銀貨一枚で豪華な料理を味わい、コーヒーを注文した際に、リムルはヒナタからコーヒーの飲み方について指摘を受けた。リムルは自分の服装が子供っぽいと感じ、ヒナタの凛とした聖騎士の姿に対し、自らの未熟さを痛感した。

ミューゼ公爵の死と銃の存在

ミューゼ公爵の殺害方法について議論が行われ、リムルは拳銃やライフルの可能性を示唆した。ベニマル、ソウエイ、シュナはそれぞれの視点で銃の脅威について考え、シュナは銃の製造に興味を示した。リムルは銃の危険性を認識し、安易な普及を避けるべきと判断した。

会議への警戒と対策

リムルは会議中の暗殺や陰謀の可能性を智慧之王から指摘され、ソウエイに警戒を強化するよう指示した。ヒナタはリムルに対し、会議中に挑発に乗らないよう助言し、冷静な対応を促した。

評議会加盟と質疑応答の準備

ヒナタは前回の会議で魔国連邦の評議会加盟が承認され、正式決定にはリムルへの質疑応答が必要であると説明した。リムルは状況を理解し、ヒナタの警告に従い、慎重に会議に臨む決意を固めた。

帝国の脅威と防衛戦略

リムルとソウエイは東の帝国の動向について議論し、ジュラの大森林がヴェルドラによって守られているため、帝国の侵攻は現実的でないと判断した。ヒナタもまた帝国の脅威を軽視せず、ドワーフ王国の構造も含めた調査を引き受けた。

評議会と他国の思惑

ヒナタは、評議会加盟によって他国が魔国連邦を利用しようとしていると警告した。リムルはその意図を逆手に取り、魔国連邦の影響力を強化する機会と捉えた。ヒナタもまたリムルの策を黙認し、共に行動する意志を示した。

ヒナタの警告と別れ

ヒナタは最後にリムルへ、評議会内に策謀を巡らす者がいることを警告した。リムルは平和主義者として冷静に対応することを約束し、ヒナタと別れた。

123話 混沌の評議会(小説10巻)

会議への準備

リムルはベニマル、ソウエイ、シュナと共に会議の開催場所へ向かった。全員がスーツに身を包み、武器は『胃袋』に収めていた。事前にヒナタから情報を得ていたため、不安はなかった。評議会への加盟が問題なく進めば、リムルの理想とする「人魔共栄圏」に一歩近づくことになると考えていた。人間の強欲さや排他性を理解しつつ、過剰な期待をせず慎重に交渉を進めるつもりであった。

歓迎の言葉と貴族たちの横槍

会場に到着すると、リムルは開国祭に参加した議員たちから友好的な挨拶を受けた。彼らは魔国連邦との関係を築きたいと考えており、リムルも愛想よく応じた。しかし、その雰囲気を壊すように、大国の議員たちが割って入り、先ほどの議員たちを追い払った。彼らは傲慢な態度でリムルに接し、魔導列車や武器の提供を要求した。特にラキア公国の代表は、賄賂をほのめかしつつ、ミョルマイルの交渉態度に不満を述べた。リムルは冷静に対応し、「善処する」と答えてその場を切り抜けた。

会議の開始と提案される条件

会場内に入ると、リムルたちは議長席の位置に案内され、会議が始まった。議題は魔国連邦の評議会加盟についてであり、以下の三つの条件が提示された。
1. 国際法の遵守
2. 経済圏の開放
3. 軍事力の提供


国際法の遵守に関しては問題なかったが、経済圏の開放では技術の流出や魔導列車の敷設順序を巡る争いが懸念された。各国の代表が自国への優先導入を求め、議場は騒然とした。議長が制止しなければ、会議はまともに進まなかったかもしれない。

軍事力の提供と利用される側の戦略

軍事力の提供について、リムルはヒナタの忠告を踏まえて再検討した。評議会の目的は、魔国連邦をジュラの大森林の防衛勢力として利用することであった。しかし、リムルもまた、これを利用する考えを持っていた。各国が防衛費を支払うことで、魔国連邦は西側諸国への影響力を強めることができる。この提案が受け入れられれば、魔国連邦は経済的にも軍事的にも優位に立つことが可能となる。

条件への修正案と議長の動揺

議長が加盟条件を読み上げた後、リムルは疑問点と代案をまとめた書面を提出した。ベニマルが議長へ届けると、その内容を見た議長は驚愕した。リムルの智慧之王が全ての条件を詳細に分析し、誤魔化しが効かない形で修正案を提示していたのである。

リムルは「協議には応じるが、条件が受け入れられなければ加盟は見送る」と冷静に告げた。議長は即答できず、検討の時間を求めた。リムルは皮肉にも、こちらには時間を与えなかった議長の態度に苦笑しつつ、その要求を受け入れることにした。

会議中の激昂

会議が再開すると、議員たちはリムルが提出した修正案に対し、「要望書」と称する新たな文書を提示した。議長の疲れ切った表情から察するに、彼の意向ではなさそうだったが、その内容は到底受け入れられるものではなかった。

「魔導列車」の建設費の全額負担、高品質の武具の提供、迷宮の運営への評議会の関与、さらには毎年の税の支払いと、議員の選出を人間のみに限定するという条件まで含まれていた。これらの理不尽な要求を目にした瞬間、リムルの怒りは頂点に達した。机を蹴り飛ばし、粉砕することでその怒りを表したのである。

議員たちへの追及

リムルは静かな声で議員たちを睥睨し、問いただした。「俺を舐めているのか?」と。その問いかけに、議員たちは脂汗をかきながら沈黙した。

リムルは、自分が評議会に加盟を求めたのは、人類との共存を目指すためであり、利用されるためではないと明言した。もし彼らがその意図を理解しないのならば、加盟を取り下げるつもりであると告げると、議場は静寂に包まれた。

議員たちは慌てふためきながら、「そんなつもりではなかった」と弁解を始めた。しかし、その言い訳は薄っぺらく、リムルの怒りを鎮めるには至らなかった。

精神干渉の発覚

議員たちの異様な態度に違和感を覚えたリムルだったが、智慧之王からの報告により、彼らが精神干渉の影響を受けていた可能性が浮上した。リムルは即座に解除を決断し、その瞬間、議場の空気が一変した。

「何だこれは!? こんな条件、議会で話し合った覚えはない!」
「誰だ、勝手に要望書を作成したのは!?」

正気を取り戻した議員たちが口々に叫び、一部の者を非難し始めた。しかし、冷静な表情を浮かべる者もおり、彼らがまだ何か策を残していることは明白だった。

不穏な動きと兵士の乱入

リムルは違和感を覚え、会議室奥の扉へと視線を向けた。そこには、何人かの議員が注目しているのが見えた。耳を澄ますと、廊下から複数の足音が聞こえてくる。《事前に計画された動き》だと智慧之王は告げた。

「なるほど、俺を挑発し暴れさせ、それを理由に取り押さえるつもりだったのか?」

そう気付いた瞬間、扉が勢いよく開かれ、十数名の兵士と、一人の大男が会議場へと踏み込んできた。

無礼な挑発者の登場

会議場の扉が開くと、大柄な男が堂々と踏み込んできた。彼はリムルを一瞥し、「お前が魔王を名乗る馬鹿か」と嘲笑した。その態度は明らかに挑発的で、礼節を欠いたものであった。

リムルは冷静に対応し、念のために相手の意図を確認したが、大男は「間違いねーな」と断言。議員たちも驚愕し、ベニマルとソウエイは怒りを抑えきれずにいた。

大男はさらに「お前を痛めつけ、この宝珠を使えば魔物どもを支配できる」と宣言し、手にしていたのはかつてミリムが操られたふりをした「支配の宝珠」だった。しかし、智慧之王の解析により、それがリムルには効果を及ぼさないことが判明した。

議長と議員たちの混乱

事態を察した議長は慌てて「これは評議会の意思ではない」と主張し、ヒナタに確認を求めた。その言葉に動揺した議員たちの中から、「イングラシア王国の兵士が関与しているのでは?」という声が上がり、事態が一気に混乱した。

ヒナタは冷静に前へと進み、大男を「ライナー」と呼んで問い詰めた。すると、イングラシア王国の議員であるギャバンが二階席から笑いながら「この兵士たちは私が呼んだ」と明言し、事態がイングラシア王国の一部勢力による謀略であることが明らかになった。

ロスティア王国のヨハン議員をはじめとする評議会の他の議員たちは、ギャバンの暴挙に強く反発。賛同する者もいたが、反対する者たちの声も大きくなり、会議は完全に混乱状態となった。

王子エルリックの登場

さらに事態は悪化した。会議場の扉が再び開き、金髪の男が堂々と入ってきた。彼の登場に議員たちはざわめき、ヒナタが「エルリック王子」と呼ぶことで、その男がイングラシア王国の王子であることが判明した。

エルリックは、リムルを恐れずに討ち取るべきだと主張し、「ライナーは我が国最強の騎士であり、彼が魔王を討伐し支配すれば、評議会も我が国の影響下に置かれる」と豪語した。その言葉に、一部の議員たちが賛同を示したが、多くは驚愕し、抗議の声を上げた。

ヒナタは「この暴挙は、西方聖教会をも敵に回すことになる」と警告したが、エルリックは「黙って見学してくれるなら、君の身の安全は保障する」と不遜な態度を崩さなかった。

さらなる陰謀と戦力の投入

エルリックはさらに手を打っていた。指を鳴らすと、扉が開き、黒ずくめの男、緑のローブを纏った人物、そして「緑乱」のメンバーが現れた。

黒ずくめの男は、かつて樹妖精のデルタに首を刎ねられた冒険者ガイだった。そして、緑のローブを纏った男は「緑の使徒」の団長であり、傭兵団の指揮官だった。エルリックは誇らしげに「君たちよりも強者はいくらでもいる」と告げ、魔王リムルを討伐するための戦力を揃えたことを誇示した。

ライナーは「魔王を支配した後で好きに騒げばいい」と嘲笑し、戦闘の準備を整えていた。しかし、これを傍観するつもりのない者もいた。

ヒナタの怒りと評議会の反発

この暴挙に対し、ヒナタは「私は評議会に請われた第三者であり、この場の公平性を見守る立場にある」と毅然とした態度を示した。さらに、複数の議員たちも「イングラシア王国の横暴を許してはならない」と激怒し、会議場は騒然となった。

議長も「公平性がなければ、評議会の存在意義がない」と声を張り上げたが、ライナーは既に勝利を確信し、高笑いを上げていた。しかし、リムルが冷静に状況を見守る中、最も怒りを抑えているように見えたヒナタの内には、今にも爆発しそうな怒りが渦巻いていた。

この時点で、リムルは確信していた。
「ライナー……お前は、死んだな」

124話 混沌の評議会 2(小説10巻)

エルリックの演説と投票の提案

エルリックは片手を上げ、場を制した。ギャバンが彼の隣に立ち、「静粛に!」と声を張り上げる。エルリックは満足げに頷き、周囲を見回してから告げた。「今ここで、その意思を示せ。魔王を討伐するか、人類の敵対者となるか、決めるのだ」と。

彼の言動はまるで舞台上の役者のようであり、リムルは呆れた様子で「今更投票で決めるのか」と問いかけた。エルリックは当然のように頷き、「多数決で民主的に決めるのだ」と強調する。しかし、その態度には不自然な確信があった。

リムルが疑念を抱く中、智慧之王が「多数の議員が買収されている」と推測を提示する。リムルもその可能性を認め、事態を静観した。

賛成票の獲得と智慧之王の策略

エルリックは高らかに投票を開始し、「魔王を討伐し、支配することに賛成する者は起立せよ!」と叫んだ。すると、何名かの議員が不敵な笑みを浮かべながら立ち上がった。リムルは呆れつつも、既に対策を講じていた。

ソウエイの調査により、各国の財政状況や議員の動向が明らかになっていた。そして智慧之王は、買収された議員たちの裏帳簿を入手していたのだ。リムルが『胃袋』からそれを取り出すと、不正の証拠が詰まった帳簿が姿を現した。

しかし、智慧之王は「証拠を出すまでもなく、主の勝利は確定している」と告げる。その理由はすぐに明らかになった。

投票の結果とエルリックの失態

エルリックは立ち上がった議員たちの数を確認せず、「決は出た!」と勝利宣言をした。しかし、実際に起立したのは全体の三分の一以下であり、過半数には遠く及ばなかった。

リムルの静かな指摘により、エルリックは自らの失態に気づく。彼に追従していた議員たちも、自分たちが少数派であることを知ると動揺し始めた。結果として、魔王討伐に反対する者の方が圧倒的多数を占めていたのだ。

さらに、精神干渉を解除された議員の多くが冷静さを取り戻し、賄賂によって動かされていた者たちの中にも、己の誤りを悟る者が現れた。

評議会の反発とギャバンの動揺

ヒナタは「過半数が貴方の意見に反対している。公平な立場から、この投票は否決されたと宣言する」と冷静に告げた。そして、「評議会にて査問会議が開かれるだろう」と付け加える。

エルリックは「こんな馬鹿な話があるか!」と叫び、支持者たちを睨みつける。しかし、もはや形勢は逆転していた。「道化か」と呟いたリムルに、ヒナタが続く。「余りにも滑稽だったものだから」と皮肉を込めて告げた。

さらに、議長がギャバンの発言を遮り、「支援を打ち切る」との発言に注目する。

これは明らかな買収行為であり、リムルはすぐに資料を確認し、その証拠を提示した。「各国への支援の見返りが、この企みだったのか」と指摘すると、ギャバンは激しく動揺し、「何故貴様がその情報を持っているのだ!」と叫んだ。

エルリック陣営の崩壊

議会の流れは完全にリムル側に傾いた。議員たちはエルリックを非難し、ギャバンも追い詰められる。さらに、〝緑の使徒〟の団長は冷淡に「言わんこっちゃない。自ら危険に飛び込む馬鹿の面倒など見切れぬ」と言い放ち、エルリックに見切りをつけた。

これにより、エルリックの計画は完全に崩壊した。

しかし、敗北を認められない者が、まだこの場に残っていたのであった。

ライナーの暴走と兵士の封鎖

エルリックの敗北が確定したにもかかわらず、ライナーは「この俺が魔王を倒せば問題は解決する」と叫び、最後の賭けに出た。ギャバンやエルリックも、それにすがるように「ライナー卿こそが切り札だ」と口にする。

ライナーはリムルを見下し、「靴を舐めれば許してやる」と嘲笑したが、リムルはそれを静かに聞き流す。ライナーの背後ではガイが兵士に指示を出し、扉を固めて逃げ道を塞いだ。さらに、周囲の上位冒険者たちも武器を構え、戦闘態勢に入る。

議長は「この場で武器を取るとは何事か!」と叫んだが、兵士たちは二階席でも出入りを制限し、議員たちを封じ込めた。完全に包囲される状況となる中、リムルよりも先にヒナタが動いた。「この暴挙、立会人として見過ごせない」と告げながらライナーに微笑む。その表情は冷徹で、怒りに満ちていた。

ヒナタとライナーの対決

ヒナタは、「リムル、こっちは私が受け持つわ」と静かに宣言した。ライナーは「イングラシア王国最強の俺が、貴様の化けの皮を剥いでやる!」と豪語するが、その実力はリムルの評価では「本物を知らない者」だった。確かに強いが、魔物との戦場を経験していないため、脅威にはならない。

ガイもまた、「俺に魔王の相手を譲れ」と意気込み、聖剣を握りしめていた。しかし、その聖剣はリムルにとって特質級の代物とは言えず、ガイの力も脅威とは程遠い。そんな相手に時間を割くのは面倒だと感じていたが、ここでシュナが前に出た。

「リムル様に対する無礼が過ぎる」と静かに告げ、ガイに歩み寄る。ベニマルは一歩前に出ようとしたが、完全に出遅れた形となり、リムルと目が合って気まずそうにしていた。

ガイは「魔王リムルよ、そんな貧弱な女の陰に隠れて恥ずかしくないのか?」と嘲笑したが、シュナは冷静に「私だけで十分」と言い放つ。そのままガイとの戦いに突入した。

ヒナタとシュナの圧倒的な勝利

戦いは一瞬で決着した。

ヒナタは、動きにくい正装のままライナーに迫り、あっという間に懐へと潜り込む。そして、そのまま肩を掴んでライナーを投げ飛ばした。ライナーは対応すらできず、地面に叩きつけられた。

シュナもまた、ガイの聖剣の一撃を扇子の一閃で粉砕し、「アナタは楽には殺しませんよ?」と余裕の笑みを浮かべる。ガイは激昂しながらも、完全にシュナに翻弄されていた。

シュナは「万物よ尽きよ、〝霊子崩壊〟」と唱え、神聖系最強魔法を発動。ガイは悲鳴を上げたが、奇跡的に生き延びた。しかし鎧は完全に消滅し、腰を抜かして涙を流す姿となる。


エルリックと支持者たちの絶望

戦闘が終わり、リムルは起立していた議員たちを見渡す。その中心にはエルリックがいた。リムルは彼に向かって「お前はどうする?」と問いかけた。エルリックは返答に窮し、周囲の支持者たちも「い、いや、それは……」と狼狽する。

ソウエイが『粘鋼糸』で動きを封じ、議員たちは慈悲を乞うしかない状況となった。もはや反抗の余地はなく、完全な敗北が確定した。

暗殺者の狙撃

その時、リムルは強烈な殺意を感知する。二キロも離れた場所から、赤毛の女性が拳銃を構えていた。

拳銃の有効射程は六十メートル。しかし、赤毛の女は『空間連結』というスキルを使い、弾丸を瞬時にエルリックの至近距離へと転送した。

狙撃の瞬間、リムルは『暴食之王』を起動し、時空を超えて弾丸を捕食した。結果、エルリックは無傷で済んだが、周囲は何が起きたのか理解できていなかった。

警報が鳴り響き、会議は一時中断された。暗殺未遂によって、事態は新たな局面を迎えることになったのである。

犯人の追跡と状況検分

リムルがソウエイに犯人の確保を命じると、すでに『分身体』が向かっているとの報告があった。その間、議場では状況の検分が進められていた。

警備隊の隊長、〝緑の使徒〟の団長、レスター議長、そしてヒナタが議論を交わし、狙撃の目的について推測した。標的はエルリックであり、犯人の狙いは魔王リムルに疑いをかけ、魔国連邦の評議会参加を阻止することだったと結論づけられた。

エルリックは自身の命が狙われ続けることを恐れたが、リムルは「すでに犯行の目的は阻止された」と説明し、これ以上の暗殺は考えにくいと説いた。しかし、エルリック自身は王子としての立場を気にし、まだ利用価値があると主張した。

リムルは、今回の失策によってエルリックの王位継承の可能性はほぼ消えたと見ていた。成功していれば話は別だったが、失敗した今、イングラシア王国が彼を王にするとは考えにくかった。

エルリックの諦観とギャバンへの糾弾

エルリックは自らの敗北を悟り、「騙された自分が愚かだった」と認め、計画を持ちかけたギャバンに責任を取るよう求めた。警備隊の指示に従い、大人しく身を引いたエルリックに対し、ギャバンはなおも逃れようと画策する。

リムルが「何を企んでいたのか」と問うと、ギャバンは「何の話かわからない」としらを切った。しかし、ヨハン議員が証人となり、多くの議員もギャバンの関与を認める。

ギャバンは「王子殿下の計画に従っただけ」と弁明し、逆にエルリックが「計画を持ちかけたのは貴様だ!」と反論するが、ギャバンは証拠を要求し、責任逃れを図った。

ギャバンが貴族らしい狡猾さを見せる中、事態は予想外の方向へ動いた。

イングラシア国王エーギルの登場

突然、扉が開かれ、近習が「エーギル陛下の御成りである!」と高らかに宣言した。国王の到来により、場の空気が一変する。

国王の姿に、議員たちは即座に頭を垂れた。リムルも思わず従いそうになったが、シュナとベニマルの制止により踏みとどまった。

エーギル国王は、拘束された議員たちを一瞥し、興味なさそうにリムルへと視線を向けた。彼は整った金髪とカイゼル髭をたくわえた美中年であった。

「余の息子が迷惑をかけたようだな」と国王が言うと、リムルは「誤解は解けた」と冷静に応じた。国王は王としてではなく、一人の父として謝罪し、頭を下げた。

これにより、リムルは事態を収め、イングラシアとの関係を悪化させることなく終息へと導いた。

ギャバンの処遇と魔法審問官の介入

国王は「許すとも。だが、次はない」とリムルに告げ、今後の関係を築く意思を示した。これにより、魔国連邦とイングラシア王国の間に一定の理解が生まれた。

そして、国王はギャバンに向き直り、「証拠がどうとか言っていたな。甘く考えたか?」と問い詰めた。ギャバンが必死に言い逃れようとするも、国王は「魔法審問官を呼んである」と静かに宣告する。

これにより、ギャバンは「お、お許しを! すべて話します!」と取り乱し、国王に許しを請うが、無情にも「連れて行け」と命じられた。騎士たちがギャバンを拘束し、彼の逃げ場は完全になくなった。

さらに、ライナーやガイも魔法審問官によって拘束された。魔王を侮った彼らの末路は、騎士たちによって連行されるという無様なものであった。

評議会の決定と魔国連邦の承認

国王が去った後、昼休憩を挟んで議会が再開された。しかし、午前中の混乱が影響し、議員たちの士気は著しく低下していた。

結果として、リムルが提出した議案は満場一致で可決された。
• 魔国連邦を国家として承認する
• 魔国連邦を評議会に正式参加させる
• 魔国連邦に評議会の軍権を委譲する


これにより、魔国連邦は正式に国際的な地位を確立し、評議会においても強い発言力を持つこととなった。

リムルは「古狸のような議員たちとの駆け引きは疲れる」と感じ、今後の交渉は智慧之王に任せると決めた。

議会の終了と魔王の威光

今回の件は、腕力による制圧で決着したが、リムル自身が手を下したわけではなかった。

ヒナタとシュナが動いたことで、リムルはむしろ「寛大な魔王」としての立場を確立し、評議会内での評価を高めることとなった。そして、武力による制圧が無意味であることを、すべての者が理解する結果となった。

こうして、波乱に満ちた評議会は幕を下ろし、リムルたちは会場を後にした。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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