転生したらスライムだった件 シリーズ

三上悟は通り魔から後輩を庇って致命傷を負い、死の間際に得た「賢者」は「大賢者」へ進化する。異世界でスライムとして転生し、「捕食者」と「大賢者」に導かれ洞窟で力を磨く。暴風竜ヴェルドラを取り込み、水刃などの技を確立して地上へ出る。ゴブリンの救援要請に応じ、牙狼族を撃退し、服従させたうえで命名により仲間を進化させる。村には不殺・不和・不侮蔑の規律を敷き、ドワーフの名工カイジンらを招いてインフラ整備と街づくりを開始する。宮廷での騒動は王ガゼルの裁可で国外追放となるが、関係は断絶せず、交易の芽は残る。
一方、レオンに召喚されイフリートを宿した井沢静江は、多くの喪失を抱えつつ冒険者として歩む。やがてリムルと邂逅し、暴走したイフリートはリムルが捕食して沈静化する。静江は最期に自らを食べて欲しいと望み、リムルはその願いとレオンへの因縁を継承する。彼は静江由来の人型へ擬態する術と炎系能力を得て、魔王情報の収集を次の課題に据える。外伝ではゴブタが幸運と機転で旅を成し遂げ、成長の端緒をつかむ物語となる。
転生したらスライムだった件2

リムルの町はリグルドらの統治とドワーフの技術で発展し、本人は仮面と新装備を得て能力統合を進め、『黒炎』『多重結界』などで攻守を強化したのである。そこへ大鬼族が来訪し、誤解から交戦となるも鎮静し、紅丸・朱菜・白老・蒼影・紫苑・黒兵衛の六名を配下に迎えた。命名により彼らは鬼人へ進化し、軍事・諜報・製作の要として職掌を得るに至る。折しもジュラの大森林では二十万の豚頭族が侵攻し、湿地のリザードマンは戦士長ガビルの独断で窮地に陥った。リムルは少数精鋭で救援に向かい、紅丸・紫苑・ランガらが戦線を切り開いたが、背後では魔人ゲルミュッドの策動によりオークロードが魔王種へ変貌したのである。激闘の末、リムルは『大賢者』の最適化と自らの勘を併用して魔王ゲルドを撃破し、その罪と飢えを『暴食者』として引き受けた。戦後、各種族会議でオークの処罰を行わず相互補完の大同盟を樹立し、食糧・居住・労働を分担する体制を整えたのである。十五万への命名と配備が完了し、ハイオークや新生軍団が建設と流通を担い、町は人口一万超の安住の地へ成長した。ガビルは破門ののち配下と再起を期し、森の騒乱は終息へ向かったのである。
転生したらスライムだった件 3

魔王クレイマンが主催する会談で、ゲルミュッド失敗を口実に新勢力の探りが始まり、ミリム・カリオン・フレイが動向を注視することとなる。クレイマンは各魔王を誘導する策を温め、ジュラの大森林への不可侵撤廃が決まり、情勢は流動化したのである。
一方、森ではリムルの国造りが進展し、ドワルゴン王ガゼルの来訪と試合を経て相互承認に至り、「ジュラ・テンペスト連邦国」が成立した。技術協定や人材受け入れも進み、回復薬の量産体制が整う。そこへ魔王ミリムが来訪し、圧倒的な力を示しつつ蜂蜜を媒介に友好を結び、町の“抑止力”かつ厄介な客人となった。
人間側ではブルムンドのフューズやファルムスの伯爵が調査・利得を画策し、辺境調査団長ヨウムはリムルと協働して“オーク討伐の英雄”という物語を共有資本に変える。陰ではクレイマン配下のミュウランが偵察を続け、カリオンの三獣士フォビオは中庸道化連に唆されカリュブディスの器となるに至った。
カリュブディス襲来では、魔力妨害と超再生により長期戦へ移行するが、各部隊の連携でメガロドン群を捌き、最後はミリムが一撃で本体を沈めた。フォビオは救出され、カリオンは不可侵協定を受諾する。騒動後、テンペストはドワルゴン・ブルムンド・ユーラザニアとの友好を見込み安定化へ向かう。だが舞台裏でクレイマンとフレイの思惑は続行中であり、新たな火種が芽吹きつつあるのである。
転生したらスライムだった件 4 巻

異世界に来た聖騎士ヒナタ・サカグチの冷徹な過去と復讐心が示され、彼女の暗躍が動き出すところから始まるのである。
一方リムルは、ユーラザニアと交易を開くべく使節を派遣し、来訪した三獣士との試し合いを経て相互理解を得る。宴と物資交換で実利の糸口を掴み、技術研修や治安協力も進展するのである。
続いてドワルゴンに国賓として招かれ、ガゼル王と会談・友好宣言を締結する。回復薬や通行制度を軸に経済圏を結び、国際的信用を高めたのである。
ブルムンドでは男爵と条約を結び、相互安全保障と関税運用を整える。冒険者資格も整え、流通と人的往来の回路を拡張したのである。
リムルは夢に導かれイングラシアへ赴き、自由組合総帥ユウキと会見する。Sクラスの教導官となり、召喚児らを救う方策を求めて「精霊の棲家」に挑むのである。
迷宮では魔王ラミリスの協力を得て上位精霊の力を分与し、特にクロエには時を越えた存在が宿って危機を回避する。守護者創造の対価も果たし、子供たちの崩壊を先送りすることに成功したのである。
帰路、結界により転移を封じられ、仲間と隔絶されたリムルの前に西方聖教会最強のヒナタが現れる。魔物封殺の結界下での死闘が不可避となり、新たな脅威の幕が上がるのである。
転生したらスライムだった件 5 巻

魔王ミリムが獣王国ユーラザニアへ一方的に宣戦し、当日カリオンを圧倒、都市を竜星爆炎覇で消し飛ばす。背後ではフレイが奇襲で介入し、獣人国は滅亡に至るのである。
他方、クレイマン配下のミュウランはテンペスト潜入を継続し、命令で広域対魔法結界を発動。これに呼応してファルムス王国と西方聖教会が先遣隊を送り込み、街は通信断絶と結界重畳の中で攪乱され、多数の住民が斃れた。リムルは外でヒナタと交戦して撤退を選ぶが、帰還後にシオンらの死を知り、真なる魔王への進化を決意する。
リムルは軍勢二万を新術式“神之怒(メギド)”で殲滅し、悪魔ディアブロを召喚。進化の眠りの間に『智慧之王』と『暴食之王』が成立し、配下への祝福を伴う“収穫祭”で百余名の完全蘇生を成し遂げた。さらにヴェルドラを解放して抑止力を得、配下再編と外交・軍事の体制を整える。標的はクレイマンである。
終盤、クレイマンは計画破綻に苛立ちながらも、操るミリムと教会・各国の対立を利用して覚醒を目論む。暗躍の糸はなお続き、次なる決戦の幕が上がるのである。
転生したらスライムだった件 6巻

ラプラスは西方聖教会潜入で吸血鬼魔王ヴァレンタインの存在を察知し、法皇と同一である可能性をカザリームと特定した。少年はこの情報を切り札として教会切り崩しへ軸足を移し、クレイマンには当面の自重を命じたが、当人は覚醒狙いの大量虐殺策に固執したのである。抑止と撹乱のため「魔王達の宴(ワルプルギス)」開催が仕掛けられ、同時にテンペストでは人魔会談が開かれ、ドワルゴンとサリオンが国交を明言、ブルムンドも同盟線に加わった。リムルはファルムス処理を内乱誘導とヨウム擁立で図り、対教会は静観と情報戦で応じる構えとなる。
一方クレイマンは三万を以てユーラザニア侵攻を開始するが、リムルは軍団転送で避難と戦力展開を同時達成し、ベニマルを総大将として誘引殲滅戦に移行した。アルビスは空間制圧で本陣を麻痺させ、ヤムザのカリュブディス化はベニマルの黒炎獄で瞬焼された。別働のシュナは霧の結界を解析し、ワイトキング・アダルマンを“浄化の反転”で下して拠点機構を無力化、降将を取り込むことに成功する。
新月の宴では、クレイマンが詭弁でリムルを糾弾するも、映像証拠で論破され決闘に雪崩れ込む。ミリム“支配”は虚偽であり、ヴェルドラが時間を稼ぐ間に戦況は整った。九頭獣は解呪で幼狐に戻り、ベレッタも参陣して前線が安定する。最終的にシオンが“喜狂の道化”と化したクレイマンを粉砕し、フレイと生還したカリオンの証言で真相が確定したのである。こうして連合は対教会を睨みつつ対クレイマン戦を完勝で終え、次の局面へ歩を進めた。
転生したらスライムだった件 7巻

クレイマン戦後、道化連は敗北と喪失を受け入れ、魔王勢への拙速な敵対を避けて時機を待つ策へ転じた。リムルは八星魔王として宴に参じ、交流と情報収集を進めつつ、帰国後は国力誇示と外交通商を加速させる。並行してディアブロがファルムス王国を心理と制度の両面から掌握し、賠償と王位交代を梃子に内紛を誘導、ヨウム擁立の地ならしを整えた。テンペストでは捕虜処理・街道整備・対魔結界や自動発動機の導入が進展し、祭による開国アピールが決定した。
一方ルベリオス側では、聖人ヒナタが秩序維持のため不介入を選ぶも、七曜の老師ら旧勢力が謀略を巡らす。ヒナタは単騎で和解を模索する過程でリムルと再会、互角の一騎討ちを経て決着寸前に外乱が介入する。七曜が大規模殲滅を企図するが、ディアブロとリムルが阻止し、神として君臨する魔王ルミナスが真姿を示して事態を収束させ、ヒナタも救済された。
最終的にテンペストとルベリオスは不可侵を締結し、誤解は解消へ向かう。ヨウムの即位も確定し、西側国際秩序は再編段階へ入ったのである。
転生したらスライムだった件 8巻

ダムラダとグランベルは画策の失敗を総括し、前者は三巨頭総帥ユウキの下で対リムル正面衝突を回避する方針を確認する。奴隷商会潰しや重要商品の継続取引など、利得重視の再編である。
一方、ルミナスの正体露見後、テンペストは聖騎士団を入浴と饗応で迎え、ヒナタの謝罪を受け入れて不可侵と国交樹立に至る。七曜粛清と黒幕の残存を共有しつつ、百年計画の交流と技術協力、武具解析が進む。
各国へ招待状が届き、ガゼルは協調を選び、サリオンも外遊を決定。商人ミョルマイルは財務・商務・広報の要職として臣従し、開国祭と武闘大会、円形闘技場構想が始動する。
並行してラミリスの地下迷宮計画が発足し、ヴェルドラが魔素炉兼最下層王として参画、百階規模の訓練・観光複合施設が成立する。ミリムも竜捕獲で地形効果層を補強し、蘇生・帰還アイテム販売を含む経済循環が設計される。
謁見では諸種族が恭順し、ダグリュールの息子たちが“修行入り”となる。テングとの通行協定やモミジを巡る婚姻話は保留で関係は改善する。終盤の総括会議で開国祭の全容と迷宮ボス配備が確定し、勇者マサユキの奴隷商会壊滅と“討伐”噂への警戒を残して、祭の幕開けを迎えるのである。
転生したらスライムだった件 9巻

本城正幸ことマサユキが異世界に召喚され、「英雄覇道」によって言語習得とカリスマを得て“勇者”として担ぎ上げられる。ユウキの依頼で奴隷商会を壊滅させた過程が誤解を生み、魔王リムル討伐の噂が拡散する。各国要人が集う開国祭前夜、ブルムンド王やガゼル、エルメシアらと応対が続き、歌劇や饗応は外交舞台となった。深夜には「四天王」構想や武闘大会の枠組みが固まり、金貨不足という攪乱策にはガゼルとサリオンの支援で対処する。
武闘大会はゴズール対メズールで熱戦の幕を開け、マサユキは消耗した相手との再戦を迷宮に譲る。準決勝でゴブタが獅子覆面(カリオン)を策で場外へ誘い、決勝はマサユキの自宣敗北によりゴブタ優勝となる。ゴブタは四天王に列し、ミリムの苛烈な鍛錬行きが決定した。
リムルはマサユキと和解し、迷宮広報の協力を取り付ける。迷宮お披露目では復活の腕輪の実演と各隊の攻略配信が成功し、観光と訓練の基盤が整う。祭り後、商人団の揺さぶりは山積みの正貨で無力化され、物流網構想や聖騎士団の迷宮修行が合意となった。東の商人とユウキへの警戒が強まり、策を外したミューゼの失敗を受け、評議会側は強欲のマリアベルを前面に出す段へ移行するのである。
転生したらスライムだった件 10巻

ユウキは開国祭を受けて対リムル方針を再検討し、道化達と共に正面対立を避ける策へ舵を切った。精霊と子供達の扱い、古代遺跡アムリタの動向を踏まえ、監視と浸透を優先したのである。
一方テンペストでは迷宮運営を本格化し、訓練場やチュートリアル、褒賞制度と商業導線を整備した。マサユキの名声が呼び水となり挑戦者は急増し、地図対策やアイテムドロップ導入で循環が回り始めた。
だが聖騎士ヒナタの急進撃で中核守護が損耗し、リムルは仮魔体部隊で迎撃を学習する。四十九階層では分断・罠・思念連携で精鋭“緑乱”を撃退した。
評議会では加盟審議が陰謀と狙撃で混乱するも、ヒナタとシュナの制圧、証拠提示、国王の謝罪で収束し、魔国連邦承認が可決となる。暗殺者グレンダは確保・解呪され、ソウエイ配下として転じた。
黒幕は強欲者マリアベルと祖父グランベルであり、ユウキはその支配下にあった。リムルは誘い出し作戦で遺跡調査に臨み、混沌竜の陽動と機構起動の中、マリアベル・ユウキらと決戦へ進む。
ユウキは精神干渉から解放され、マリアベルは暴走の果てに敗北。計画は頓挫したが、力学はなお残り、次局面への火種が撒かれたのである。
転生したらスライムだった件 11巻

魔王レオンが失われた少女クロエを探し続ける執念を軸に、西方から東方へ広がる政戦両面のうねりを描く物語である。レオンは召喚を重ねるも成果薄く、道化連の撤退通告と「クロベ・ホエール」の名に動揺し、戦雲と原初級悪魔の覚醒を警戒して方針を見直す。対するリムル陣営は、孔空き武器と魔玉、神話級金属の直刀、精霊魔導核と魔導列車など技術革新を積み上げつつ、迷宮で竜ガイアを育成し、国家制度を三権分立へ整備する。ディアブロは冥界から上位悪魔を勧誘し、テスタロッサ・ウルティマ・カレラを中枢に据えた「黒色軍団」を編成した。やがてルベリオスの音楽祭で、勇者グランベルが蜂起し、異世界人の群れと刺客ラズルが戦場を撹乱する。ディアブロは原初の青レインを制し、テスタロッサは評議会を救って発言力を確立するが、ユウキは聖櫃を破り“勇者であって勇者でない”クロノアを解き放つ。時間停止すら裂く刃が会場を薙ぎ、ルミナスは色欲之王へ覚醒、レオンはクロエの影に心を乱す。陰謀はレオン・リムル・ルミナス・ギィを同盤に載せ、均衡は音もなく崩れ始めた。世界は新たな秩序決戦の入口に立ったのである。
転生したらスライムだった件 12巻

異世界に召喚された神楽坂優樹が「創造者」と「強欲者」を得て世界改変を志す一方、魔王リムル陣営が帝国侵攻に備えて体制を整える過程を描く群像劇である。ユウキは呪術王を屈服させ配下化するも、魔王ギィに完敗し交渉へ転じ、最終的に見逃しを得て野望を温存した。その後『強欲之王』へ進化し、帝国では混成軍団長としてクーデターを企図するに至る。対するリムルは、ルミナス・レオンと会談し未来戦争の知見を共有、原初の悪魔らを配下運用しつつ「恐怖ではなく経済による支配」を掲げ、西側統治と防衛を制度化した。軍は右翼=常備軍と左翼=配備軍に再編、教育・入国管理・交通網・魔導列車を整備し、地下迷宮を多機能要塞として都市丸ごと避難可能な盾とした。帝国は皇帝ルドラの下、機甲・魔獣・混成の三軍百余万を糾合し迷宮攻略を競争命令とする。ガドラは内通して戦争回避を模索するが暗殺未遂に遭う。迷宮ではアダルマンが『聖魔反転』で異世界人三名を圧倒し七十階層守護へ昇格、監視魔法『神之瞳』と連動した管制体制が完成した。こうして両陣営は、情報・経済・軍備を絡めた総力戦の開幕へ静かに歩を進めるのである。
転生したらスライムだった件 13巻

帝国侵攻をめぐる魔国連邦と東の帝国の総力戦の勃発と決着までを描く戦記である。序盤、暗殺未遂に揺れる老魔導士ガドラはユウキとリムル双方へ報を入れる決断をし、帝国側の不穏を示す起点となるのだ。テンペスト側は管制室で全戦域を統制し、テスタロッサを使者兼切札として前面に出しつつ、迷宮誘導と分断殲滅の作戦を敷くのである。帝国は機甲軍の戦車・飛空戦力で威圧するが、ゴブタとランガの同一化、ガビルの竜戦士化、ウルティマの急襲で空を、ハクロウ隊が補給を、テスタロッサが「死の祝福」で司令中枢を、それぞれ粉砕したのだ。以後、主力七十万は迷宮に雪崩れ込み、十傑による各階層戦で五十三万超が壊滅するに至る。中核ではゼギオンが近衛精鋭すら圧倒し、迷宮制圧は破綻したのである。地上では幹部出撃が許可され、カレラの「重力崩壊」、ゲルドの堅陣、シオン親衛とモミジの大術で残敵を掃討したのだ。総大将カリギュリオは覚醒し聖人級へ至るも、技量未熟のままディアブロに討たれ、帝国機甲軍は潰走する。かくしてテンペストは被害を抑えつつ大勝し、次段の政戦へ布石を打ったのである。
転生したらスライムだった件 14巻

帝国は百万近い遠征軍の壊滅を未だ知らず、道化連はユウキの主導で情勢再評価を迫られる。ダムラダの真意を巡る駆け引きの末、彼らは帝都クーデター路線を選択するのである。テンペスト側では祝勝会が開かれ、リムルは得た魂で幹部の覚醒を断行し、ベニマルらを「守征王」「天龍王」等へ進化させ、悪魔三人に王号を与える。ゼギオン・アピトら迷宮勢も強化され、十二守護王体制が整うのだ。同時にガビル隊や捕虜帝国将らの処遇が進み、和平と抑止を見据えた布石が打たれる。魔王ギィ来訪で情報と利害が交錯し、ヴェルグリンド=帝国“元帥”説や魂供給による覚醒支援が明らかとなる。帝国側では近藤がミーシャを粛清し、道化連の幹部を拘束。ダムラダは操りを受けるもユウキに解かれ、そこへルドラとヴェルグリンドが臨場して圧を示す。前線ではヴェルグリンドが混成軍を蹂躙し、ガゼルが出陣。リムルはユウキと連携して帝都へ向かうが、宮中で罠に遭い、ルドラと対峙するに至った。終盤、ヴェルドラ対ヴェルグリンドの激闘は近藤の亜光速弾で局面が転び、ルドラが支配の完成を宣言。リムルは敗北と絆断絶の痛みを噛み締め、帝国への反攻を誓うのであった。
転生したらスライムだった件 15巻

ヴェルグリンドが単騎でテンペストを急襲し、ヴェルドラが迎撃に出る。竜姉弟は空で激突し、ヴェルグリンドは並列存在と重力崩壊を振るうが、ヴェルドラも究明之王を得て互角へ持ち込む。地上ではドワルゴン連合にリムルの援軍が到着し、悪魔三人娘らが時間を稼ぐ一方、帝国側は近藤や四騎士を軸に反撃する。近藤はガゼルを圧倒し、各戦域で激戦が続く。やがて近藤の神滅弾でヴェルドラが支配され、リムルは怒りのまま封鎖空間を突破して出現、智慧之王を「シエル」として覚醒させ総力戦に移行する。リムルはヴェルドラを捕食して心核を救出し、自らは竜魔粘性星神体へ進化、ヴェルグリンドを圧倒する。並行してガドラの転生、ガビルの心理之王獲得、ベニマルの陽炎之王覚醒、カレラと近藤の死闘と契約、ウルティマによるダムラダ継承など勢力図が塗り替わる。終盤、ヴェルグリンドはミカエル=ルドラの支配下と判明し、シエルの改変で炎神之王を得て解放される。フェルドウェイが撤退を選び、戦は小康へ。ヴェルグリンドは世界を巡りルドラの魂片を追うに至る。
転生したらスライムだった件 16巻

異界では妖魔族・蟲魔族・幻獣族が拮抗し、最古の意志体フェルドウェイは創造神不在後、ヴェルダナーヴァ復活を至上命題と定める。彼は『正義之王』=ミカエルと結託し、ルドラを器として運用、最終的な解放を狙う計画であった。脅威となる魔王リムルと勇者候補マサユキの排除が作戦の骨子である。
テンペスト不在を突き、配下ザラリオと堕天のディーノらが迷宮急襲、標的はマサユキである。ラミリス陣営はトレイニー、竜王、ゲルド、クマラらが応戦し、ディーノはベレッタ・アピトを追い詰めるも、幽幻王ゼギオンの介入で頓挫する。並行してコルヌがマサユキを狙うが、マサユキは『英雄覇道』を深化させ『英雄之王』へ覚醒するに至る。そこへ時空を越えたヴェルグリンドが現れ、マサユキをルドラの再来と認めて介入、コルヌを排し戦線は沈静化した。
帰還したリムルは一連を総括し、幹部面談でベレッタ・ゲルド・ランガ・クマラらを強化、勢力の底上げを断行する。続く三国会談では、帝国の新皇帝をマサユキとし、魔国連邦・ドワルゴンと同盟を締結、賠償は保留とする政治決着に到達した。脅威ミカエル=ルドラと妖魔王フェルドウェイへの警戒継続が確認事項である。
終章では始原期のギィ・クリムゾンの来歴が語られ、ヴェルザードとの死闘、勇者ルドラとの因縁と「配下のみで覇を競う」約定が明かされる。長き勝負の帰結は天魔大戦の幕開けへ連なるのである。
転生したらスライムだった件 17巻

経済・異世界戦記・政局・悪魔譚・回想が交錯する群像劇である。
第一章は商人ミョルマイルの視点で、リムルと天帝エルメシアらの密約「三賢酔」を梃子に「四ヶ国通商連盟」を拡張し、租界構想と物流網で覇権を狙う過程を描く。裏社会の大物を取り込みつつ規律を刷新し、穏健統治へ転換したことが肝である。
第二章は灼熱竜ヴェルグリンドが各世界でルドラの魂片を集め、戦乱世界に介入して五カ国首脳会談を強行成立させ、妖魔の拠点を奇襲して爆弾計画を潰す。仙華ら人類戦力を鍛え上げ、侵略の主軸を粉砕して一時平和へ導いたといえる。
第三章は帝国将カリギュリオの更生譚で、テスタロッサと協働して治安と貴族統治を整理し、マサユキの即位を支える。個人的には過去の誤解を解き元妻と和解し、内政の安定化に資することになる。
第四章はレインが悪魔史を語り、ギィへの忠誠と原初勢力の力学、そしてリムル勢の脅威を認めて自らも進化する。勢力図の現在地を示す章だ。
第五章はベスターの悔悟と再出発で、リムル配下での実務とガゼル王への報告の葛藤を経て、責の配分と現実的運用に落とす。以上、経済・外交・軍政・冥界の各レイヤーが収束し、次局面への布石が整った物語である。

獣王国跡で天空城を監督する三妖帥オベーラがミリムに臣従し、敵陣に留まる密偵として〝滅界竜〟監視を請け負う序章で幕を開ける。第一章では八星魔王会談が開かれ、天使系・悪魔系の究極能力体系と「天使長の支配」の脅威が共有され、天使系を持つレオンは監視対象となる。各領域への転移網整備、援軍派遣計画が決まり、狙いがヴェルダナーヴァ復活よりも「竜の因子」にある可能性が示される。幕間でレオンは天帝エルメシアに協力を要請する。第二章では五か月の猶予にリムルが各国と連携を強化し、迷宮修行や都市整備、評議会・帝国協調を進めるが、平穏の終わりを示す報が届く。第三章は異界〝天星宮〟での受肉儀式で、カガリらが熾天使を宿す〝妖天〟となり、フェルドウェイ/ミカエル陣営の侵攻方針が固まる展開である。第四章、黄金郷エルドラドが奇襲され、外ではギィ対ヴェルザード、上空はディアブロ対ザラリオ、城内はヴェガらが暴れる。カガリは離反を図るも支配に絡め取られ、師シルビアの介入とラプラスの『支配之王』奪取で一時局面が動くが、切り札ジャヒルが顕現し戦況は逆転する。終章でユウキ一行は時間稼ぎを試みつつ散華の覚悟を固め、救援を待つも破滅的攻撃が落ちるに至る。
転生したらスライムだった件 19巻

創造神復活を至上とするミカエルが配下オベーラの離反を知り、逆賊討伐に乗り出す導入で始まる。異界前線で両軍が激突し、忠誠供与者不在で「王宮城塞」が弱体化したミカエルは被弾するも、灼滅の反撃で戦線を荒らすに至る。
一方、極寒の黄金郷ではギィ対ヴェルザード、上空でディアブロ対ザラリオが並行し、リムルはフェルドウェイと拮抗しつつ各戦場を観測する。ベニマル対ジャヒルは劣勢、ランガはヴェガを退け、クマラはオルリアを屠る。ソウエイは奇襲でアリオスを仕留めるに至った。フェルドウェイは撤退を選択し、魔王側は辛くも持ち直す。
幕間で天界は再編され、「三星帥」にフェンらが就任し、対ミリム圏・対迷宮の総攻勢が決定される。地上では世界会議が開幕するが、ゼラヌス軍侵攻とイングラシア地下施設の闇が露見する。ダグリュールは弟フェンと対峙の末に和解し、巨人軍を糾合するに至る。
王都ではヒナタがライナーと一騎打ち、ヴェガの邪龍獣が戦況を攪乱する。マサユキに宿ったルドラが顕現し、フェルドウェイを剣技で撃破する。モスは本気を解放して前線を支え、ヒナタは新たな勇者資格を得る。
リムルはミカエルの時間停止に対し、クロエの介入とシエルの「緊急対応」で停止世界を突破する。最終的に『虚空之神』でミカエルを消滅させ、天使系情報を掌中に収める。終章では万超の魂を喰らったイヴァラージェが「憎しみ」を得て邪神へと進化し、次なる災厄の胎動を示して締めくくられる。
転生したらスライムだった件 20巻

ルドラに敗れたフェルドウェイが天星宮へ退避し、ミカエルの死を悟って孤独と怒りを抱えつつも、王として再起を誓う場面で幕を開ける。彼はヴェガの進言を受け入れ、本来の力を解放して体制を立て直すのである。
旧ユーラザニアでは、エスプリとフォビオが反射・分裂能力を持つピリオドに苦戦するが、悪魔契約と増援で活路を開く。フレイやガビルも各個撃破に成功し、皇妃たるピリオドはカレラと近藤の「神滅弾」で討たれる。ゼラヌスは撤退し、ミリムはヴェルザードとの決戦に備え“竜皇女”として覚醒する。
フェルドウェイは戦略を改め、狙いをヴェルドラの“竜の因子”へ絞る。ルベリオス側では迎撃準備が進み、同時に不毛の大地の長壁ではダグリュール軍とアダルマンらが激突する。禁術と大魔法が飛び交うも巨人軍は健在で、ダグリュールが戦場を支配するが、ヴェルドラの介入で最悪は回避された。
一方リムルは、ミリム暴走とサリオン急襲に対処すべく動き、ベニマルらを分派。サリオンではシルビア・カガリ・ティアらの連携とベニマルの采配でジャヒルを退け、ザラリオは共闘へ傾く。エルメシアはザラリオと和平を結び、対フェルドウェイ戦線を強化するに至る。
終盤、リムルはミリムを不毛の地へ誘導するが、フェルドウェイが再び支配を強行し、「時空跳激震覇」でリムルを異域へ転移させる。総力戦は次段の決着へ雪崩れ込む構図である。
転生したらスライムだった件 21巻

魔物の国はリムル消失の報を受け騒然となり、幹部らは依存を戒めつつ自立して任務を分担する決意を固めたのである。ゼギオンは迷宮守護、テスタロッサは救出行、ディアブロは防衛強化に就いた。
時を止めた世界ではヴェルドラがダグリュールに挑み、シオンは自己最適化を重ね「暴虐之王」へ進化した。封印解除や援軍参戦を経て、最終的にヴェルドラの権能が砂漠を緑へ変え、ダグリュールは封印となる。
幕間ではゼラヌスが『生命之王』で眷属の力を回収し超越へ至る描写が挟まる。
迷宮攻略ではフェルドウェイ配下のディーノ隊とヴェガが侵蝕を試みるが、ベニマル側は罠で掌握していた。ディーノは苛烈な制裁を受けつつ改心の兆しを見せ、シュナは権能『導之巫女』へ覚醒する。
やがてゼギオンが出撃し、ヴェガを圧倒。侵入したゼラヌスも新技「崩羽」で鎮圧されたが、ヴェガは死骸を喰らいしぶとく延命した。
決戦ではディアブロが暴走強化したヴェガを退け、ディーノは神霊武装で邪龍獣を斬破する。最終的に舞衣の『星界之王』がヴェガを時空の狭間へ放逐し、国境を越えた協力体制が固まったのである。
一方、果ての世界へ飛ばされたリムルはシエルと共に舞衣の系譜を解析して「時空間跳躍」を完成。無時間領域で準備を尽くし、過去へ戻ってフェルドウェイの連鎖を断つ覚悟を定めた。
転生したらスライムだった件 22巻

滅界竜イヴァラージェが七色の繭から進化し、捨てられた記憶への憎悪を初感情として世界滅亡を志すに至る。母体の悪意を受け継いだ従僕カケアシ・ハバタキ・スイームを名付け進化させ、天星宮を抜け基軸世界へ侵攻を開始したのである。対する各陣営は混戦へ。氷雪の結界下ではギィとヴェルザードが拮抗し、テスタロッサは究極能力「白き清浄なる世界」を軸に立ち回ってトワイライト・バレンタインを看破し、策で封殺した。神樹方面ではミリム暴走に対し、勇者クロエが時空の権能で時間稼ぎを選択し、ヴェルドラを指揮して増幅を抑制する。別戦場ではユウキが復帰し、ジャヒルを撃滅。ディアブロは虚無と再生を併せ呑む戦術でフェルドウェイを圧倒し、逃走へ追い込んだ。臨界の瞬間、リムルが帰還して竜星爆炎覇を無害化し、ミリムの支配も解いた。各国・魔族・聖騎士は天通閣を囲む結界戦と四方の迎撃網を整え、総力決戦の体制に入る。やがて戦場に援軍としてベニマル軍が到着し形勢は揺れ動くが、イヴァラージェは「人の姿」を望み更なる変貌を開始。従僕にも波及する進化の気配を撒き散らしつつ、自ら地上に降り立ち、終末の本番を告げたのである。
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