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フィクション(Novel)日向夏薬屋のひとりごと読書感想

小説「薬屋のひとりごと 9巻 壬氏編」甘いシーンが、、感想・ネタバレ

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薬屋のひとりごと9巻の表紙画像(レビュー記事導入用) フィクション(Novel)

薬屋 8巻レビュー
壬氏編まとめ
全巻まとめ
薬屋 10巻レビュー

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  1. どんな本?
    1. ■ 作品概要
    2. ■ 主要キャラクター
  2. 読んだ本のタイトル
  3. あらすじ・内容
  4. 感想
          1. 壬氏の焼き印を秘密裏に治療する猫猫
          2. 羅門から出された「華佗の書を探せ」という課題
          3. 鶏、豚、牛……猫猫の解剖実習が始まる
          4. 外科の勉強をしながら壬氏の治療も継続
          5. そして西都へ
          6. 羅漢、船上で虹を量産
          7. でもトラブルになると羅漢が強い
          8. そして何気に美味しい雀姐さん
          9. 壬氏と猫猫、二人きりになる
          10. いい雰囲気になったと思ったら猫パンチ
          11. 壬氏は重く、猫猫は医学へ突っ走る
          12. まとめ|重すぎる壬氏と、猫パンチする猫猫
  5. 考察
      1. ストーリー・プロットストーリー・プロット
        1. 第1幕:傷跡と決意
        2. 第2幕:羅漢邸の書庫と「華佗の書」
        3. 第3幕:西都への予兆
        4. 第4幕:禁忌の実技訓練
        5. 第5幕:遠征の準備
        6. 第6幕:出航と属国・亜南での騒動 
      2. 主要な転換点
      3. 主人公を中心とした人物関係の変化
      4. 主人公の認識と周囲の評価
      5. クライマックス:禁忌の腑分け(解剖実習)
      6. 巻末時点の状況
    1. 壬氏の負傷と治療
      1. 子の一族討伐時の顔の傷
      2. 皇籍離脱を懸けた焼き印による重度の火傷
      3. 離宮での治療と猫猫の葛藤
      4. 西都行きの船旅と継続的な治療
      5. まとめ
    2. 禁書「華佗の書」探索
      1. 探索の発端
      2. 書庫での謎解きと発見
      3. 華佗の書の真実と内容
      4. 羅門の想いと三人の決断
      5. まとめ
    3. 西都への遠征計画
      1. 遠征の背景と表向きの理由
      2. 隠された真の目的:租税の不正疑惑と羅漢の懐柔
      3. 医官の選抜と猫猫の同行
      4. 船旅による出立
      5. まとめ
    4. 医官の実技訓練
      1. 訓練の目的と動物の解体
      2. 解体を通じた実践的な学び
      3. 最終段階である人間の遺体の腑分け
      4. 猫猫の観察眼と心構え
      5. まとめ
    5. 租税不正の告発
      1. 告発の発端と隠された暗号
      2. 暗号の解読と租税の不正の判明
      3. 告発がもたらした影響と西都遠征の決断
      4. まとめ
  6. キャラクター紹介
    1. 皇族・宮廷
      1. 壬氏(華瑞月)
      2. 水蓮
      3. 高順
      4. 芙蓉
    2. 羅の一族
      1. 猫猫
      2. 漢羅門
      3. 羅半
      4. 漢羅漢
    3. 馬の一族
      1. 雀
      2. 馬良
      3. 麻美
      4. 桃美
    4. 外廷・宮廷関係者
      1. 劉医官
      2. 天祐
      3. 陸孫
      4. 玉鶯
      5. やぶ医者(虞淵)
      6. 中級医官
      7. 楊医官
      8. 芙蓉の夫
    5. 花街(緑青館)
      1. 左膳
      2. 趙迂
      3. 翠琳
      4. 白鈴
      5. 梅梅
      6. 女華
    6. 市井・その他の人物
      1. 姚
      2. 燕燕
      3. 寮の小母さん
      4. 掃除人の小母さん
      5. 椰子の実の露店の主
      6. 石鹸屋の店主
      7. 嘘つき男
  7. 備忘録
    1. 序話
  8. 薬屋のひとりごと 一覧
    1. 小説
    2. 漫画
  9. 類似作品
    1. 虚構推理
    2. 後宮の烏
    3. 准教授・高槻彰良の推察
    4. 全裸刑事チャーリー
  10. その他フィクション

どんな本?

9巻の時に累計600万部!
凄いな、、

9巻の新キャラは表紙に出て来てる高順の息子、馬閃の兄の馬良の妻の雀の2人。

馬良は超人見知りで、雀はファンタジスタ。
雀と猫猫との相性は凄く良い。
それと、雀と羅漢との絡みも面白いw
毒見になってない豪快な毒見(食べっぷり)が笑を誘う。

8巻最後に壬氏が色々と暴走して自身の身体に玉葉后の家の紋章を焼入れる暴挙に出てしまう。

コレによって壬氏はその辺の貴族の娘とは結婚出来ない身体になってしまった。

猫猫と結婚したいがために?

もうさ、、
小猫ちゃんさ、、
結婚してあげなよ。。

もれなく、厳しい侍女頭、気の強い侍女と面白い侍女。
人見知りな文官に、馬鹿力な武官とその父親が付いて来るはず。

でもそんな2人は異国の地に行くのだが、、
先々でトラブルに巻き込まれる。

最後の方は甘い雰囲気になってるはずなのに、、、、
この2人、やっぱりズレてるわ、、、
それが面白いんだけどねw

『薬屋のひとりごと』は、日向夏 氏による日本のライトノベル作品。
中世の後宮を舞台に、薬学の専門知識で事件の謎を解く少女・猫猫(マオマオ)の物語。
小説家になろうで連載されているほか、ヒーロー文庫からライトノベル版が刊行されている。
また、月刊ビッグガンガンと月刊サンデーGXでコミカライズ版が連載されており、2023年にはテレビアニメ化も決定している。

月刊サンデーGXの方が、中華の雰囲気が強く、文化の小さい部分にも気をつけているように感じている。

■ 作品概要

本作は、皇弟・壬氏が自らに「焼き印」を刻んだ直後の緊密かつ共犯者的な関係から始まる。
医官付き官女として働く猫猫は、壬氏の負傷処置を通じて自身の外科技術の不足を痛感し、養父・羅門に教えを乞う。
これに対し羅門は、実家である羅漢邸に隠した「華佗の書」を探し出すという課題を与える。
物語は、壬氏に下された西都下向命令と、羅漢邸での禁断の解剖図発見を軸に加速する。
猫猫は上級医官である劉医官の指導下で、家畜から罪人の遺体に至る「腑分け(解剖)」の実技訓練を重ね、社会的禁忌を犯す「異端」としての覚悟を固める。
西都の帳簿に潜む奇妙な不正や、随行する軍師・羅漢の存在など、不穏な予兆を孕みながら出航した一行は、中継地である属国・亜南へと寄港した。

■ 主要キャラクター

雀:  壬氏の新しい侍女。高順の長男・馬良の妻であり、諜報を司る「巳の一族」の傍系。小鳥のような軽快な挙動の裏に、高い身体能力と油断のない観察眼を隠し持つ。

猫猫:  医官付き官女。壬氏の火傷を処置する中で、切開や縫合といった外科知識の習得を決意する。周囲からは有能な医療要員と見なされるが、自身を「薬屋」と定義し続ける。

壬氏:  皇弟。自ら脇腹に焼き印を押し、皇位継承権放棄の意思を黙示する。西都の有力者・玉鶯の娘との入内問題を回避・延期するため、主上より西都への下向を命じられる。

羅門:  猫猫の養父。かつての西方留学で得た外科技術を、迫害から守るため猫猫に隠していた。課題を通じて、猫猫に社会的リスクを伴う技術習得の覚悟を問う。

羅半:  羅漢の養子。天才的な計算能力を持ち、西都から届いた暗号的メッセージを解析。公的な納税額が実際の収穫量より多いという「不自然な過剰納税」の矛盾を特定する。

姚・燕燕:  医官付き官女。羅漢邸で猫猫と共に「華佗の書」を探索する。姚は当初解剖図に戦慄するが、最終的には猫猫の覚悟を認め、自ら作成した外科知識の写本冊子を猫猫に託す。

劉医官:  上級医官。羅門の過去を知る理解者。壬氏の要請を受け、猫猫と天祐に対し、家畜や罪人の遺体を用いた極秘の外科技術訓練(腑分け)を施す。

読んだ本のタイトル

薬屋のひとりごと 9
(英語: The Apothecary Diaries、中国語: 药屋少女的呢喃)
著者: #日向夏 氏 
イラスト: #しのとうこ 氏

(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。

あらすじ・内容

シリーズ累計600万部! 待望の最新刊では二人の「その後」が明らかに! 猫猫と壬氏が船旅に?

壬氏の一世一代の行動の結果、

とんでもない秘密を共有することとなってしまった猫猫。

折しも後宮は年末年始の休暇に入る時期。

実家に帰りたくない姚は、猫猫の家に泊まりたいと言い出した。

とはいえお嬢様を花街に連れていくわけにもいかず、

姚と燕燕は紹介された羅半の家に泊まることになる。

一方、口外できない怪我を負った壬氏のために、

猫猫は秘密裏に壬氏のもとに通わなくてはならなかった。

できる範囲で治療を施していくが、

医官付き官女という曖昧な立場に悩まされる。

壬氏が今後さらに怪我を負わないとも限らないが、

医官にはなれない猫猫は医術を学ぶことはできない。

そこで、羅門に医術の教えを乞おうと決めるのだが――。

(以上、Amazonより引用)
イマジカインフォス
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アニメ化のお知らせ

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感想

前巻の最後、とんでもないことをやらかした壬氏。

皇帝になるつもりはない。

その意思を皇帝と玉葉后に示すため、自らの脇腹に焼き印を押してしまった。

いや、意思表示が重い。

重すぎる。

普通なら言葉で伝えるところを、この男は自分の身体に一生残る傷を刻んでしまう。

しかもその結果、壬氏の身体は簡単に他の女性へ見せられるものではなくなった。

壬氏としては皇位を望まないという政治的な意思表示なのだろう。

しかし猫猫との関係まで考えると、

「もう他の女のところへ行く気はない」

と身体に刻み込んだようにも見えてしまう。

壬氏、お前……。

そこまでやるか?

壬氏の焼き印を秘密裏に治療する猫猫

当然ながら、焼き印を押したら終わりではない。

普通に大火傷である。

しかも壬氏の立場を考えると、誰にでも治療を頼めるわけではない。

そこで秘密裏に処置をすることになったのが猫猫だった。

しかし猫猫は薬師である。

薬の知識は豊富でも、外科医ではない。

焼けた組織を取り除き、傷を処置しながら、

「自分には技術が足りない」

という現実にぶつかる。

ここから猫猫が外科医術を学び始める流れが面白かった。

壬氏が無茶をする。

猫猫が治療する。

治療するために猫猫の医術が進歩する。

壬氏、お前が教材になってどうする。

羅門から出された「華佗の書を探せ」という課題

猫猫が外科医術を学ぼうとすると、養父の羅門はすぐには教えてくれない。

代わりに出された課題が、

「羅漢の家にある華佗の書を探せ」

というものだった。

よりによって変態軍師の家である。

猫猫としてはできれば近づきたくない。

しかし外科医術を学ぶためなので仕方がない。

そして見つかったのが、人体の内部まで詳細に記された解剖の書だった。

ここで羅門が確認したかったのは、知識だけではなかったように思う。

人の身体を切り開く。

当時の価値観では、それ自体が大きな禁忌になる。

その世界へ踏み込む覚悟が猫猫にあるのか。

その確認でもあったのだろう。

だが相手は猫猫である。

そこに大きな壁はなかった。

むしろ、

「なるほど、人間の中はこうなっているのか」

と興味のほうが勝ってしまう。

羅門からすれば、

「やっぱりこの子はそっちへ行くのか……」

という気分だったのかもしれない。

鶏、豚、牛……猫猫の解剖実習が始まる

その後、猫猫は医官たちと一緒に外科の実習を受けることになる。

最初は鶏などを使い、さらに大きな家畜へ。

身体の構造を実際に見ながら学んでいく。

当然ながら、苦手な者もいる。

血や内臓を見れば気分が悪くなる人間がいるのは普通だろう。

ところが猫猫は違う。

飄々と捌いていく。

さすが猫猫。

毒と薬に目を輝かせる女は、解剖でも強かった。

そして、その図太さと観察力を認められ、ついには罪人の遺体を使った腑分けにまで立ち会うことになる。

ここまで来ると、

「薬師だった猫猫が、別の領域へ踏み込み始めた」

という感じが強い。

猫猫自身はあくまで薬屋という意識なのだろう。

しかし周囲から見ると、明らかにできることが増えている。

壬氏の火傷がきっかけで始まった勉強が、今後かなり重要になってきそうである。

外科の勉強をしながら壬氏の治療も継続

もちろん、勉強している間にも壬氏の火傷は存在する。

猫猫は外科医術を学びながら、壬氏の傷を継続して診ていく。

この構図が何とも二人らしい。

壬氏からすれば、秘密を知られて身体まで預けられる相手が猫猫しかいない。

猫猫からすれば、

「勝手にこんな傷を作りやがって」

という気持ちがありながら、患者である以上は放っておけない。

しかも猫猫は壬氏の行動を全面的に肯定しているわけではない。

むしろ焼き印についてはかなり怒っている。

皇帝にも立場がある。

玉葉后にも事情がある。

皇子たちはまだ幼い。

壬氏が皇位継承から無理やり降りようとすれば、周囲への影響も大きい。

だから猫猫から見れば、

「自分の意思を通すために身体を傷つけるのは反則だろう」

という話になる。

それでも壬氏が長い間、自分の立場に押し潰されながら生きてきたことも猫猫は分かってしまう。

怒りたい。

でも事情も分かる。

放っておきたい。

でも治療はする。

この面倒くささこそ、猫猫と壬氏の関係なのだと思う。

そして西都へ

そんな中、壬氏に西都行きの命令が下る。

当然、猫猫もついていく。

壬氏の火傷を知っていて、継続的に治療できる人間が必要だからである。

ここまでなら分かる。

ところが同行者の中に、嫌な名前がある。

変態軍師・羅漢。

猫猫からすると、

「なんでこいつまで来るんだ」

である。

ただし軍師としての能力だけを見れば羅漢は極めて優秀だ。

西都で何か起こる可能性を考えれば、連れていく理由も分かる。

猫猫としては納得したくないだろうが。

羅漢、船上で虹を量産

ところが出発してみれば、羅漢は恐ろしい軍師ではなかった。

船酔いである。

船に揺られ、

虹を量産。

変態軍師、完全に無害化。

普段は猫猫にとって非常に面倒な存在なのに、船の上では脅威度が一気に下がる。

ここは思わず笑ってしまった。

天才軍師にも弱点はあった。

船だった。

でもトラブルになると羅漢が強い

そんな羅漢も、陸へ上がると復活する。

西都手前の港でヤブ医者がトラブルに巻き込まれたときには、羅漢が存在感を発揮する。

普段の奇行だけを見ていると忘れそうになるが、この人は本当に有能なのである。

猫猫からすれば非常に面白くない父親。

読んでいる側からすると、

「やっぱり羅漢、こういうときは頼りになるな」

となる。

しかし猫猫はガン無視。

活躍したからといって父娘関係が急に改善するわけではない。

そこはブレない。

そして何気に美味しい雀姐さん

そして今回、妙に気になったのが雀姐さんである。

何なんだ、この人。

小柄でちょこまか動き、無駄に動作が多い。

一見すると、

「その動き、本当に必要?」

と思うようなことまでしている。

なのに妙に仕事ができる。

気がつけば必要なところにいる。

壬氏の周囲には高順をはじめとして濃い人材が多いが、雀姐さんもかなり独特な立ち位置に入ってきた。

しかも馬良の妻。

高順の息子が馬良。

その妻が雀。

この一家、濃すぎる。

高順の胃が心配になる。

雀姐さんは無駄な動きをしているはずなのに、なぜかその無駄な動きまで含めて美味しい。

こういう脇役が自然に存在感を出してくるのも『薬屋のひとりごと』の面白いところだと思う。

壬氏と猫猫、二人きりになる

旅の途中でも猫猫は壬氏の治療を続ける。

傷も少しずつ良くなっていく。

外科の勉強をした成果も出ている。

そして治療が終われば、二人きり。

壬氏と猫猫である。

まあ、何も起きないわけがない。

壬氏は猫猫に甘えようとする。

猫猫も以前ほど完全拒絶という感じではなくなっている。

壬氏が自分を削りながら生きていることも理解している。

だから少しくらいなら――。

そんな雰囲気になる。

おお。

ついにこの二人も少し進展するのか?

と思ったら。

猫パンチ。

何で?

いい雰囲気になったと思ったら猫パンチ

この二人、本当に普通の恋愛をしてくれない。

壬氏が少し甘える。

猫猫が受け入れそうになる。

ちょっと距離が縮まる。

そして猫パンチ。

なぜそうなる。

ただ、これも猫猫なりの距離感なのだと思う。

壬氏のことを嫌っているわけではない。

むしろ放っておけなくなっている。

火傷を秘密裏に治療し、そのために外科まで学び始め、西都にもついてきた。

行動だけを見ると、かなり壬氏を大切にしている。

それなのに恋愛らしい雰囲気になると途端におかしくなる。

壬氏も壬氏で、

「少しだけ補給させてくれ」

みたいなことをやり始める。

猫猫相手になると、この男も妙に子どもっぽい。

皇族としての重圧を背負い、自分の身体に焼き印まで押せる男なのに、猫猫の前ではこれである。

だからこそ二人きりの場面が面白い。

壬氏は重く、猫猫は医学へ突っ走る

9巻を読んでいて印象に残ったのは、壬氏と猫猫がそれぞれ別方向に突き抜けていくところだった。

壬氏は自分の将来を決めるため、自分自身に焼き印を押す。

猫猫はその傷を治すため、禁忌とされる外科医術へ踏み込む。

壬氏は政治的な立場から逃れようとして、自分の身体を傷つける。

猫猫はその身体を治そうとして、さらに医術の深いところへ進んでいく。

やっていることは全然違う。

でも妙なところで二人の人生がつながっている。

猫猫が外科を学び始めた直接のきっかけが壬氏の焼き印というのも、何ともこの二人らしい。

まとめ|重すぎる壬氏と、猫パンチする猫猫

『薬屋のひとりごと』9巻は、壬氏の焼き印から始まり、猫猫の外科修行、そして西都への旅へと大きく物語が動いた巻だった。

壬氏は皇帝になる意思がないことを、自分の身体に傷を刻んでまで示した。

やり方はあまりにも極端である。

猫猫が怒るのも当然だと思う。

しかし、その傷を治すために猫猫は外科医術を学び始める。

華佗の書を探し、解剖図を読み、家畜を使った実習を重ね、ついには罪人の腑分けにまで立ち会う。

猫猫の薬師としての世界が一気に広がった。

そして西都への旅では、羅漢が船酔いで虹を量産。

陸に上がれば妙に頼りになる。

猫猫はガン無視。

さらに雀姐さんまで妙に美味しい。

無駄な動きをしているように見えるのに、何だかんだで仕事ができる。

周囲の人物まで濃い。

そして最後は壬氏と猫猫。

二人きりになって、少し距離が縮まったかと思えば――。

猫パンチ。

何で猫パンチ?

でも、この二人の場合はこれくらいでいいのかもしれない。

壬氏は焼き印まで押すほど重い。

猫猫は壬氏のために外科まで勉強するくせに、恋愛になると猫パンチ。

普通に考えれば噛み合っていない。

なのに妙に噛み合っている。

そんな二人の距離感が、今回も面白かった。

小説「薬屋のひとりごと 10巻 西都編」感想・ネタバレ
薬屋 9巻レビュー西都編まとめ全巻まとめ薬屋 11巻レビューどんな本?『薬屋のひとりごと』は、日向夏 氏による日本のライトノベル作品。中世の後宮を舞台に、薬学の専門知識で事件の謎を解く少女・猫猫(マオマオ)の物語。小説家になろうで連載されて…

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薬屋 8巻レビュー
壬氏編まとめ
全巻まとめ

薬屋 10巻レビュー

考察

ストーリー・プロットストーリー・プロット

第1幕:傷跡と決意

壬氏が自ら焼き印を押し、絶望的な状況下で猫猫に救いを求める場面から始まる。猫猫は炭化した組織の除去という応急処置を施すが、専門外の外科知識の限界を痛感する。壬氏が負う「皇弟」という重圧と、今後起こりうる重傷への危惧から、猫猫は養父・羅門に外科医術の伝授を願い出る。羅門は猫猫の覚悟を問うため、かつて自らが羅漢邸に隠した「華佗の書」を見つけ出すという宿題を与える。

第2幕:羅漢邸の書庫と「華佗の書」

年末年始の休暇を利用し、猫猫は姚・燕燕と共に羅漢邸の離れに滞在する。八卦の仕掛けが施された書庫にて、猫猫は姚の知識を借りて隠し引き出しを発見し、羅門が西方で記した精密な人体解剖図(華佗の書)を入手する。同時に、かつて「華佗」と呼ばれた医官が、奇病解明のために皇子の遺体を腑分けしたことで皇族の身分を剥奪されて処刑され、記録を抹消されたという禁忌の歴史的背景を知り、知識が招く社会的迫害の重さを再認識した。

第3幕:西都への予兆

都に戻った猫猫に、壬氏の西都行きが命じられる。背景には、西都を統括する玉鶯による娘の入内問題と、それに伴う政治的駆け引きがあった。壬氏は、玉葉后の意向を汲みつつ入内を遅らせるため、大規模な遠征を決定。この際、壬氏は劉医官に対し、猫猫を医療班として随行させるための環境整備を求め、猫猫の外科修行は加速する。一方、羅半は帳簿の解析により、西都が実際の収穫量より多くの税を納めているという「不自然な過剰納税」の謎を突き止める。

第4幕:禁忌の実技訓練

劉医官の指導下で、猫猫と天祐は過酷な外科訓練を開始する。鶏や家畜の解体から始まり、最終的には死罪となった罪人の遺体を用いた「腑分け」に至る。他の見習い医官が嫌悪で脱落する中、猫猫は遺体の「黄疸」から生前の肝臓疾患を推測するなど、対象を客観的な情報の宝庫として捉える「図太さ」を発揮。社会的な禁忌を犯すリスクを飲み込み、人を救うための異端の医術を継承する覚悟を固める。

第5幕:遠征の準備

西都遠征の陣容が確定した。壬氏を中心に、軍事的要の羅漢、医療班として浅黒い上級医官や天祐、やぶ医者、そして猫猫らが名を連ね、羅半や劉医官は都に残留することとなった。猫猫は緑青館や仲間たちへの挨拶を済ませる中、姚から「写本の冊子」を託され、医術を志す者としての連帯を確認する。西都の帳簿改竄の真意や玉鶯の動向など、多くの不確定要素を孕んだまま、猫猫は「薬屋」の立場を堅持しつつ、異端の技術を携えて西へと旅立つ準備を完了させる。

第6幕:出航と属国・亜南での騒動 

猫猫は三隻の楼船のうち壬氏や髭を剃られたやぶ医者と同じ中央の船に乗り込み、海路を進んだ。船内にて猫猫は高順の妻・桃美や息子の馬良、侍女の雀らと対面しつつ、壬氏の火傷の処置を継続した。その際、壬氏は西都側からの要求をかわすため、やぶ医者を名医・羅門の身代わりとして連れてきた意図を猫猫に明かした。一行は中継地である属国・亜南に到着し、宮での宴において猫猫と雀は毒見役を務めた。翌朝、船内でやぶ医者が部屋の鍵を落とした末に誤認されてお使いに出され、行方不明になる騒動が発生したため、猫猫は李白や雀、さらに同行を主張する羅漢らと共に街へと捜索に向かった。 

主要な転換点

  • 転換点1:壬氏への外科処置(猫猫による腐敗組織の除去)
  • それ以前:壬氏が自ら焼き印を押し、傷口が化膿の危険にある絶望的状況。
  • 変化と影響:猫猫が自身の力量不足を痛感。禁忌とされる外科医術を学ぶため、羅門に教えを乞う直接の動機となる。
  • 転換点2:「華佗の書」の発見
  • それ以前:外科知識は「不浄・異端」として羅門により遠ざけられていた。
  • 変化と影響:人体の内部構造を視覚的に理解する。同時に、皇族の遺体損壊による歴史抹消(族滅)という歴史的文脈を知り、知識の危険性を再認識する。
  • 転換点3:壬氏への西都下向命令
  • それ以前:都での官女生活の継続。
  • 変化と影響:物語の舞台が西都へとシフト。政治的駆け引き(入内問題)の回避と、大規模な医療体制の構築が必須となる。
  • 転換点4:西都の帳簿改竄の特定(羅半による解析)
  • それ以前:西都の状況は不透明。
  • 変化と影響:実際の収穫量より多く税を払っている「不自然な過剰納税」が発覚。西都側の意図(密告の背景)が不明瞭な謎として浮上する。

主人公を中心とした人物関係の変化

  • 猫猫 ⇔ 壬氏:  火傷の処置を通じ、秘密の共有者としての信頼関係が深化。西都への同行にあたり、壬氏が強引に環境を整える一方で、猫猫もそれを受け入れる。
  • 猫猫 ⇔ 姚・燕燕:  羅漢邸での共同探索を経て結束が強まる。特に姚が自らの努力と猫猫の資質を認め、写本の冊子を託したことで、禁忌の知識を共有する仲間としての関係が確立。
  • 猫猫 ⇔ 劉医官:  公式な官女と上級医官の関係を超え、秘匿された技術を継承する師弟関係が発生。劉医官は猫猫の精神的図太さと技術的適性を高く評価する。

主人公の認識と周囲の評価

  • 主人公自身の認識:  自身を「薬屋」と定義しつつ、眼前の命を救うためには「異端の術(外科)」の習得が不可避であると自覚。社会的リスクを負うことへの覚悟を持つ。
  • 周囲からの評価:  壬氏は医療面で全幅の信頼を置く。劉医官は、猫猫が死体損壊への忌避感を超えて観察に徹する姿勢を「図太く、見習い以上の能力を持つ」と評する。
  • 認識の差が現れた場面:  壬氏が用意した離宮での処置。猫猫を「外科もこなす医療要員」として期待する壬氏・劉医官側に対し、猫猫は「あくまで不測の事態に備える薬屋」というスタンスを崩さない。

クライマックス:禁忌の腑分け(解剖実習)

  • 発生原因:  西都遠征に向け、戦傷や急患に対応できる高度な医療人員の確保が急務となったため。
  • プロセス:  鶏や家畜を用いた臓器摘出・縫合訓練から始まり、最終的に死罪となった罪人の遺体解剖へと移行。
  • 具体的な行動:  劉医官の執刀のもと、猫猫と天祐が立ち会う。猫猫は遺体の「黄疸」から生前の肝臓疾患を推測するなど、遺体を「感情」ではなく「客観的な情報の宝庫」として観察する。
  • 心理的・社会的影響:  遺体損壊を極度に忌避する他の医官が脱落する中、猫猫は「魔女の術」と称されるリスクを飲み込み、医療発展のために必要な技術を冷静に吸収する。

巻末時点の状況

  • 継続している問題・謎:  西都の不自然な過剰納税(帳簿改竄)の意図、玉鶯の真意、羅漢の同行による不確定要素。
  • 主人公の現在地:  属国・亜南の港および市街地。
  • 立場・任務:  西都遠征部隊の非公式な医療要員。医官の枠外での随行。
  • 解決した問題:  壬氏の火傷の安定、遠征要員の確定、羅門による「華佗の書」の解説を通じた覚悟の確認。

壬氏の負傷と治療

壬氏の負傷と猫猫(マオマオ)による治療のエピソードについて解説する。壬氏の負傷は彼の強い覚悟や無謀な行動から生じており、猫猫がその治療に深く関わることで、彼女自身の成長や二人の関係性の変化に繋がっている。

子の一族討伐時の顔の傷

子(シ)の一族が企てた謀反を鎮圧するため、壬氏は自ら砦への奇襲部隊を率いて前線に出た。その戦闘の最中、壬氏は顔に深い傷を負ってしまった。
・砦の制圧後に目覚めた猫猫は、さらしを巻かれた壬氏の顔の傷と、その雑な処置を見て不満を覚えた
・彼女は自ら前線に出て傷を負った壬氏の無謀さを叱責しつつも、手当てにあたることになった

皇籍離脱を懸けた焼き印による重度の火傷

物語において最も重大な負傷は、壬氏が自らの意志で負った脇腹の重度な火傷である。
・深夜、主上(皇帝)と玉葉后がいる密室において、壬氏は彼らの目の前で自らの脇腹に焼き印を押した
・これは自身が皇族を離れて人として生きる決意と、玉葉后に対して決して逆らわないという証明を示すための衝撃的な行動であった

離宮での治療と猫猫の葛藤

この出来事の直後から、猫猫は壬氏の火傷の治療にあたることになった。
・猫猫は宮廷外の離宮に呼ばれ、侍女の雀(チュエ)から提供された氷を使いながら、痛みに耐える壬氏の傷口の処置を行った
・この重度な火傷を前にして、猫猫は自らの外科処置の技術に自信のなさを痛感した
・これが大きな転機となり、彼女は己の医療技術を向上させるため、養父である羅門(ルォメン)に教えを請い、医学書である華佗の書を探し求めることになった

西都行きの船旅と継続的な治療

その後、壬氏は再び西都へ赴くことになり、猫猫も医官の一員としてその旅に同行することが決まった。
・西都へ向かう長期間の船旅の中で、猫猫は引き続き壬氏の傷の治療を担当するため、彼の部屋で共に過ごすことになった
・この船内での継続的な治療と共同生活を通じて、二人の距離はさらに縮まった
・宮廷の複雑な事情と思惑が交差する中で、彼らの関係性は新たな段階へと進んでいくことになった

まとめ

このように、壬氏の負傷とそれを巡る猫猫の献身的な治療は、単なる医療行為にとどまらない。それは壬氏の覚悟を裏付ける証左であり、猫猫がより高度な医術を志す契機となったのである。二人の絆はこれらの困難を通じて、より強固なものへと変化していった。

禁書「華佗の書」探索

禁書「華佗の書(かだのしょ)」探索の経緯、その正体、そして隠された真実について解説する。

探索の発端

猫猫(マオマオ)は養父である羅門(ルォメン)から、変人軍師(羅漢)の邸宅にある書庫から華佗の書を探し出すという課題を与えられた。

・羅門は猫猫一人ではこの書を理解しきれないと考え、姚(ヤオ)や燕燕(エンエン)を含めた三人での協力を促している
・彼女たちは羅門の真意を汲み取り、共に対象の書を捜索することとなった

書庫での謎解きと発見

三人は書庫内の膨大な蔵書を調査したが、直接的な手がかりは見つからなかった。そこで彼女たちは、通常の書籍ではない可能性を考慮して探索範囲を広げている。

・姚が本棚を倒した裏から番号の振られた特殊な本を発見した
・本の末尾に描かれた太極図と、壁に刻まれた八卦の模様の関連性に気づく
・姚の発見をきっかけに壁に隠された引き出しを特定し、欠けていた重要な巻を掘り当てた

華佗の書の真実と内容

発見された書は羊皮紙で作られ、主に西方の言語で記されていた。その正体は、羅門が西方へ留学していた時代に作成された精密な人体の解剖図である。

・当時は腑分け(解剖)が禁じられており、社会的な倫理観から受け入れられない内容であった
・医療の進歩に不可欠な知識でありながら、公にすることが許されない禁書として扱われている
・羅門はこの異端の知識を保持していたために、過去に自らを犠牲にする事態を招いていた

羅門の想いと三人の決断

羅門は三人に華佗の書の真実と過去の経緯を語り、その知識に向き合うかどうかの決断を姚や燕燕に委ねた。

・羅門は禁断の知識が持つ重みを説き、彼女たちの意志を尊重している
・猫猫はすでに自分自身の進むべき道が決まっていることを再確認した
・姚や燕燕がそれぞれの道を選ぶ過程に対し、猫猫は過度な介入をしない姿勢を見せている

まとめ

華佗の書の探索は単なる探し物ではなく、医学の光と影、そしてそれに向き合う者たちの覚悟を問う出来事であった。三人はそれぞれの立場で禁断の知識と対峙し、自らの未来を選択していくことになるのである。

西都への遠征計画

壬氏(ジンシ)たちによる二度目の西都への遠征計画の背景、目的、および出立の経緯について解説する。

遠征の背景と表向きの理由

この西都行は、西都の仮の領主である玉鶯(ギョクオウ)からの要請によって計画された。

・主上(皇帝)と玉葉后からも推奨されている訪問である
・その裏には、玉鶯が自身の娘を皇室に入れようとする野心を抱いているという政治的な思惑が絡んでいる
・壬氏の西都滞在は少なくとも3ヶ月に及ぶと予測されている

隠された真の目的:租税の不正疑惑と羅漢の懐柔

壬氏が西都へ向かう強い動機となったのは、彼の元に届いた羊皮紙の紙紐による密告であった。

・羅半の調査により、紙紐の数字が西都の小麦収穫量に関する帳簿改竄(租税の不正)を示唆していることが判明した
・租税不正とその背後にある意図を解明することが、今回の遠征の主要な目的の一つである
・同行者の一人である変人軍師(漢太尉・羅漢)を懐柔し、手なずけることも壬氏の重要な意図に含まれている

医官の選抜と猫猫の同行

遠征にあたり、劉医官によって西都へ赴く医官の選抜が行われた。

・見習い医官の天祐や後宮のやぶ医者とともに、猫猫(マオマオ)も選抜された
・猫猫の同行は壬氏の強い要望によるものであり、道中における彼の火傷の治療も担当する
・変人軍師の娘である猫猫を同行させることで、無意識のうちに軍師に影響を与え、彼を懐柔するという政治的な意図も含まれている

船旅による出立

急な通知から5日後、猫猫たちは姚や燕燕に見送られ、海路で西都へと出発した。

・数百人が乗り込める大規模な船3隻が用意され、壬氏を乗せた船を中心に進んでいく
・船内では、猫猫が壬氏の傷の治療を通じて彼との距離を縮めつつ、侍女の雀(チュエ)たちと交流を深めている
・西都到着後は、玉葉后の父である玉袁の別荘を拠点として活動することが決まっている

まとめ

租税不正の解明や玉鶯との対峙など、多くの不確実性と危険をはらんだこの遠征は、二度目の西都で猫猫や壬氏たちにどのような試練が待ち受けているのか分からないまま、船を進めていくことになるのである。

医官の実技訓練

猫猫(マオマオ)ら見習い医官が受けた医官の実技訓練の目的と内容、そして最終段階である腑分け(解剖)のエピソードについて解説する。

訓練の目的と動物の解体

医官としての基礎技術を身につけるための実技訓練は、生きた動物を扱うことから始まる。その過程と目的は以下の通りである。

・痛みで暴れる人間に冷静に対処するための準備として位置づけられている
・生きた鶏の解体から始まり、鶏を絞める勇気や内臓を取り出す器用さが求められる
・対象は豚や牛へと段階的に進むが、その過酷さゆえに参加人数は次第に減少していく

解体を通じた実践的な学び

解体された動物は最終的に食用となるため、血抜きや内臓の取り扱いに細心の注意を払う必要がある。

・指導にあたる劉医官のもとで、動物から得られる薬用部位の品定めも行われる
・猫猫は内臓を薬の材料にする作業や肉の処理をこなし、外科技術と薬用材料の知識を深めた
・見習い医官の天祐(テンユウ)は研修の経験が豊富であり、最初から高い技術を持っていたため、猫猫は彼に対して悔しさを感じていた

最終段階である人間の遺体の腑分け

動物の訓練を経て、見習い医官たちは死罪となった罪人の遺体が安置されている場所へと案内される。

・人間の遺体の解剖である腑分けの訓練は、技術を深めるための高度で過酷なものである
・実技に強い天祐を除き、多くの見習い医官は極度の緊張に包まれていた
・解剖は劉医官自らの手で行われ、見学する医官たちは記録を禁じられ、全工程を直接目に焼き付けるよう厳しく求められた

猫猫の観察眼と心構え

猫猫にとって遺体安置所を訪れるのは、かつて死んだふりをした翠苓(スイレイ)の遺体を確認した時に続いて二度目であった。

・初めて人間の解体を目の当たりにしたが、絞首刑になった遺体を前にしても冷静に受け止めていた
・解剖の過程で遺体の肝臓に疾患があったことを的確に見抜き、劉医官から及第点を与えられた

・この経験を通じて、将来自分が腑分けを執刀する可能性について深く考え、そのための準備と心構えを固めていった

まとめ

このように、見習い医官の実技訓練は動物の解体から人間の腑分けへと進む非常に厳しいものである。猫猫は冷静な観察眼と専門知識を活かしてこの過酷な訓練を乗り越え、医官としての資質をさらに高めることとなったのである。

租税不正の告発

西都で起きた租税不正の告発の経緯とその影響について解説する。

告発の発端と隠された暗号

壬氏のもとに届いた西方の様式である羊皮紙の文が、一連の騒動の始まりであった。

・表向きの内容は後宮に娘を入れる案件に関するものであった
・壬氏はその羊皮紙を綴じている紙紐が一枚の長い紙でできていることに気づいた
・紐を解くと、そこには不自然な数字の羅列が記されていた
・高順は、過去に似た手法が戌の一族の滅亡につながった経緯を思い出し、警戒を強めた

暗号の解読と租税の不正の判明

壬氏は数字の扱いに長けている羅半に調査を依頼した。その結果、以下の事実が明らかになった。

・紙紐に記された数字は、西都で集められた作物にかかる租税の記録であった
・内容は小麦の収穫量に関する帳簿の改竄、すなわち租税の不正を告発するものであった

告発がもたらした影響と西都遠征の決断

この巧妙な告発によって重大な疑惑が浮上したことで、壬氏とその周囲は不正の実態と背後の意図を解明するために動き出した。

・この出来事が決定的な契機となり、壬氏は自ら西都へ向かう必要性を強く認識した
・多くの危険をはらんだ二度目の西都への遠征準備が本格的に開始されることとなった

まとめ

このように、一枚の紙紐に隠された暗号は、国家の根幹を揺るがす不正を暴くきっかけとなった。この告発は壬氏に新たな任務を課し、物語を西都という次の舞台へと進める重要な役割を果たしたのである。

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キャラクター紹介

皇族・宮廷

壬氏(華瑞月)

美しい容姿を持つ宮廷の若き指導者である。 自らの脇腹に玉葉后の所有を示す焼き印を押し当てた。 皇族を離脱する覚悟を示し、猫猫に求婚する。

・所属組織、地位や役職  茘の宮廷。皇弟(華瑞月)。

・物語内での具体的な行動や成果  西都への遠征に猫猫を同行させるために医官の増員を劉医官に依頼した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  船旅でやぶ医者を羅門の身代わりに立てる囮計画を裏で実行する。

水蓮

皇弟である壬氏の乳母として、彼の生活を長年担当した。 温和な人柄だが、周囲に対して極めて強い発言権を維持している。 離宮において、壬氏や高順を連れて猫猫の手当てを待った。

・所属組織、地位や役職  皇弟の邸。侍女頭兼乳母。

・物語内での具体的な行動や成果  旅の手土産として、猫猫のために美味しそうな焼き菓子を包んで渡す。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  宮廷の奥深くで、壬氏の個人的な秘密を厳重に守り抜いた。

高順

壬氏を長年にわたり陰から支える、忠実な宦官である。 西部の穀倉地帯への遠征に護衛として同行した。 西都からの暗号である租税の改竄を羅半に調査させる。

・所属組織、地位や役職  皇弟の邸。副官。

・物語内での具体的な行動や成果  離宮において、壬氏の身辺警護を厳重に担当した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  妻である桃美の強気な態度には頭が上がらないらしい。

芙蓉

かつて後宮で夢遊病の騒ぎを起こした、美しい元妃であった。 猫猫の機転によって、後宮から救い出されて武官へと下賜される。 懐妊した身で、夫と共に里帰りの挨拶に訪れた。

・所属組織、地位や役職  茘の後宮の元妃。武官の妻。

・物語内での具体的な行動や成果  故郷である亜南国に一時的に戻る挨拶のために壬氏の部屋を訪問する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  夫からとても優しく気遣われ、幸せそうな様子を見せた。

羅の一族

猫猫

花街で育った、薬学と毒に対する強い好奇心を持つ少女である。 壬氏の脇腹の火傷を手厚く手当した。 羅半の離れで「華佗の書」を解き明かして見つけ出す。

・所属組織、地位や役職  市井の薬屋。のちに宮廷の医局で勤務する医官付官女。

・物語内での具体的な行動や成果  医局で罪人の腑分けの実技研修を受け、及第点を得た。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  露台で壬氏の頬を叩き、活を入れるために口づけを施す。

漢羅門

猫猫の養父であり、優れた医術と深い知恵を持つ老宦官であった。 猫猫に対し、自らの経験に基づく薬草の調合法について指導する。 猫猫に「華佗の書」の探索という宿題を課した。

・所属組織、地位や役職  宮廷の医局。上級医官。

・物語内での具体的な行動や成果  西都へは体力と足の悪さから同行を拒否する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  都で雲隠れをするため、一時的に後宮に入った。

羅半

羅漢の養子であり、極めて高い実務能力を持つ文官である。 家の離れを姚と燕燕に貸し、宿代代わりに燕燕の美味しい料理を堪能した。 壬氏の依頼で、西都からの暗号を解読する。

・所属組織、地位や役職  宮廷の戸部。文官。

・物語内での具体的な行動や成果  租税の改竄について、小麦の収穫量だけが他の年と異なる点を見つけた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  羅一族の実質的な差配役として、高い事務能力を発揮する。

漢羅漢

軍部を統率する太尉であり、奇行の多さから変人軍師と呼ばれた。 実の娘である猫猫に対して、異様なまでの執着を示す。 西都への同行を、自らの希望で決定した。

・所属組織、地位や役職  茘の軍部。太尉。

・物語内での具体的な行動や成果  亜南国の宴において、猫猫に料理をたくさん毒見させようと手を振る。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  やぶ医者の小火事件に割り込み、嘘つき男を鋭く見抜いた。

馬の一族

雀

馬良の妻であり、小柄でちょこまか動く、独特な足音が鳴る女性である。 猫猫の毒見の仕事の手配を、手際よく担当した。 手品のような動きで、干し椎茸を猫猫にちらつかせる。

・所属組織、地位や役職  皇弟の邸。侍女。

・物語内での具体的な行動や成果  やぶ医者の小火事件では、説得用の火種や揚げかすの調達で猫猫を助けた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  義母である桃美の目が届かない場所で、楽しそうにさぼる。

馬良

高順 of 息子であり、馬閃の年子の兄に当たる青年であった。 極度の人間嫌いであり、人前に出ることを極端に嫌っている。 帳の奥に隠れて、詰碁を黙々と指した。

・所属組織、地位や役職  宮廷の文書管理。進士。

・物語内での具体的な行動や成果  租税の改竄について、小麦の収穫量だけが他の年と異なる点を見つける。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  妻である雀の対応には、完全に圧倒されているらしい状態だった。

麻美

高順の長女であり、二児 of 母でもある目つきの鋭い美女である。 人見知りの馬良を補佐し、壬氏の仕事を驚異的な速度で処理した。 陸孫の経歴について、文通などで詳細に調査する。

・所属組織、地位や役職  皇弟の邸. 実務の補佐官。

・物語内での具体的な行動や成果  壬氏の安全を心配し、西都行きの計画に強い不安を示した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  有能な仕事ぶりから、水蓮に後継者として絶賛されている。

桃美

高順の妻であり、麻美や馬良たちの母である隻眼の女性であった。 右目が白濁して失明している事実を、猫猫に優しく明かしている。 壬氏の船旅に同行し、猫猫を試すような視線を送った。

・所属組織、地位や役職  皇弟の邸。侍女。

・物語内での具体的な行動や成果  馬良の性格の難しさを理解し、息子の様子を陰から見守る。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  高順との間には、夫婦の強い信頼関係が確立されていた。

外廷・宮廷関係者

劉医官

宮廷の医局に勤務する、経験豊富なベテランの医官である。 猫猫に大根おろしを用いた白衣の血の染み抜きを命じた。 猫猫や見習い医官たちに、罪人の腑分けを指導する。

・所属組織、地位や役職  宮廷の医局。上級医官。

・物語内での具体的な行動や成果  西都への同行を希望した猫猫の実力を認め、最終的に許可した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  不真面目な見習い医官たちに対して、厳しい態度で臨む。

天祐

宮廷の医局で働く、非常に器用で少しお調子者の若い医官であった。 実技研修が三回目であるため、家畜の解体なども手際よく行っている。 西都への同行に、唯一みずから立候補した。

・所属組織、地位や役職  宮廷の医局。下級医官。

・物語内での具体的な行動や成果  燕燕に対して、おしゃべりな態度で何度も話しかける。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  精神的な感情 of 振れ幅が小さく、腑分けの際も冷静さを保った。

陸孫

西都の政庁で働く、非常に有能な文官である。 西都の仮の主である玉鶯の補佐を担当した。 羅半からの食糧供給の資料を、箱に入れて受け取る。

・所属組織、地位や役職  西都の政庁。補佐の文官。

・物語内での具体的な行動や成果  玉鶯が武官たちと角力を取る姿を見つめ、自分は脇役に過ぎないと自覚した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  人の顔を忘れない特技を持ち、かつて羅漢の副官を務めている。

玉鶯

西都を実質的に統括する、武将のような体格の男性であった。 娘を皇室に入れる計画を、水面下で進めている。 陸孫に、羅漢が西都に来ることを告げた。

・所属組織、地位や役職  西都の仮の領主。

・物語内での具体的な行動や成果  壬氏と羅漢を、西都への遠征として正式に招待する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  部下たちと親しく角力を取り、領民から高い人気を誇った。

やぶ医者(虞淵)

かつて後宮の医療を任されていた、気の弱い宦官である。 髭を剃るように言われ、つるんとした顔になった。 船旅に同行し、羅門の身代わりに仕立て上げられる。

・所属組織、地位や役職  宮廷の医局。上級医官。

・物語内での具体的な行動や成果  厠に鍵を落として慌てていた際、掃除人の小母さんに石鹸のお使いを頼まれた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  亜南国の小火事件で犯人と誤解されたが、猫猫の機転に救われる。

中級医官

宮廷の医局に所属する、生真面目で理屈っぽい医官であった。 猫猫が腑分けの実技に参加することに対し、劉医官に強く抗議している。 西都への遠征が、左遷にあたるのではないかと劉医官に質問した。

・所属組織、地位や役職  宮廷の医局。中級医官。

・物語内での具体的な行動や成果  女を医官と同じように扱うことへの不満を、はっきりと口にする。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  官女を長旅に連れて行くことへの懸念を、最後まで主張した。

楊医官

宮廷の医局に所属する、浅黒い肌をした上級医官である。 旅の間は、自らが医官チームの指揮を執ると猫猫に伝えた。 西都での医療活動において、頼れるリーダーとして活躍する。

・所属組織、地位や役職  宮廷の医局。上級医官。

・物語内での具体的な行動や成果  各船に配置する医官の役割分担を、手際よく指示した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  西都出身の可能性があり、現地の事情にも明るいらしい。

芙蓉の夫

茘の軍部に所属する、非常に実直な武官であった。 かつて、みずからの武勲の褒美として芙蓉妃の下賜を勝ち取っている。 懐妊した芙蓉を優しく支え、里帰りの挨拶に同行した。

・所属組織、地位や役職  茘の軍部。武官。

・物語内での具体的な行動や成果  芙蓉を故郷である亜南国へと連れ帰り、彼女の出産を支える覚悟を示す。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  夫婦の仲は極めて睦まじく、周囲からも温かく見守られていた。

花街(緑青館)

左膳

猫猫の優秀な弟子であり、緑青館 of 薬屋で働く実直な青年である。 猫猫の遠出に際し、店舗の店番を頼まれて激しく狼狽した。 猫猫の不在時に、薬屋を一人で切り盛りする。

・所属組織、地位や役職  緑青館の薬屋。薬師の見習い。

・物語内での具体的な行動や成果  猫猫から渡された、克用の連絡先が記された紙を大事に受け取った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  周囲の心配をよそに、日々の調薬の腕を順調に向上させている。

趙迂

猫猫の実家である薬屋に居候している、元気な少年であった。 猫猫の旅立ちを寂しがり、生意気な口調で彼女をからかっている。 不自由な足を抱えながらも、元気に花街を走り回った。

・所属組織、地位や役職  猫猫の実家。居候の少年。

・物語内での具体的な行動や成果  猫猫が旅立つ際、大声でばーかと叫びながら走り去る。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  翠琳を引き連れて、花街の子供たちの中で元気に過ごしていた。

翠琳

緑青館の周辺で暮らす、少し生意気で可愛らしい少女である。 趙迂の後ろをいつも追いかけ、彼の行動によく同調した。 趙迂の良き遊び相手として、常に寄り添う。

・所属組織、地位や役職  緑青館の周辺。子供。

・物語内での具体的な行動や成果  猫猫が旅立つ際、趙迂と一緒にべぇと舌を出して走り去った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  姉が緑青館で初舞台を踏んだことを、誇らしく思っているらしい。

白鈴

緑青館の三姫と称される、妖艶で人気が高い最上級 of 妓女であった。 猫猫の旅立ちを寂しがり、彼女を強く抱きしめて別れを惜しんでいる。 猫猫に、西都での日焼け対策について優しく助言した。

・所属組織、地位や役職  緑青館。最上級の妓女。

・物語内での具体的な行動や成果  猫猫に対し、土産として高価な龍涎香をねだる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  高官たちからの人気を、現在も不動のまま維持していた。

梅梅

緑青館の三姫と称される、教養に溢れた心優しい妓女である。 猫猫の肌荒れを心配し、自身が使っている良質な軟膏を手渡した。 高官たちの身の振り方を、極めて冷静に観察する。

・所属組織、地位や役職  緑青館。最上級の妓女。

・物語内での具体的な行動や成果  猫猫に危害を加える者がいれば、変人軍師が容赦しない事実を指摘した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  身請けを控えつつも、妹のような猫猫の身を案じ続けている。

女華

緑青館の三姫と称される、男嫌いで気が強い妓女であった。 お偉いさんたちの都合で猫猫が連れ回される事実に、強い不満を示している。 茘の宮廷のやり方に対し、辛辣な言葉を容赦なく投げかけた。

・所属組織、地位や役職  緑青館。最上級 of 妓女。

・物語内での具体的な行動や成果  自らの大層な源氏名の由来を、誇らしげに周囲に語る。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  男を嫌う冷徹な態度を崩さず、独自の強さを持って生き抜いた。

市井・その他の人物

姚

最優秀の成績で官女試験に合格した、プライドの高い少女である。 叔父からの結婚の圧力を避けるため、休みの間、羅半の家に泊まった。 羅半の離れで猫猫と共に「華佗の書」を探し、人体解剖図にショックを受ける。

・所属組織、地位や役職  宮廷の医局。医官付官女。

・物語内での具体的な行動や成果  みずからも腑分けの実技を受けるため、厨房で包丁の扱いを猛練習した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  自作の写本を猫猫に渡し、ツンデレな態度で彼女の旅路を応援する。

燕燕

姚に絶対的な忠誠を誓う、非常に気の利く有能な官女であった。 羅半の家で姚の好物の料理を作り、羅半を胃袋でしっかりと掴む。 姚が「華佗の書」の解剖図にショックを受けたのを見て、猫猫から本を預かった。

・所属組織、地位や役職  宮廷の医局。医官付官女。

・物語内での具体的な行動や成果  姚の料理の練習を見守り、彼女が怪我をしないように細かく指導する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  猫猫と姚の仲睦まじい様子を、複雑な感情で見守り続けていた。

寮の小母さん

猫猫たちが暮らす宮廷の宿舎を取り仕切る、実直な小母さんである。 朝早くに羅門が訪ねてきた事実を、寝起きの猫猫に大声で伝えた。 猫猫の長期遠征の知らせを聞き、部屋の掃除を手配する。

・所属組織、地位や役職  宮廷の女子宿舎。管理人。

・物語内での具体的な行動や成果  宿舎にやってきた不審な訪問者を、厳しく制限した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  宿舎の秩序を維持するため、毎日の管理業務を徹底している。

掃除人の小母さん

亜南国の船内において、せっせと掃除に励む中年の女性であった。 汚れが落ちない竈の周囲を、一生懸命に磨き上げている。 鍵を落としてぼんやりしていたやぶ医者を、手伝いと間違えて石鹸のお使いにやった。

・所属組織、地位や役職  亜南国の船内。清掃員。

・物語内での具体的な行動や成果  お使いに頼んだやぶ医者が帰ってこないことに、激しく不満を漏らす。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  船員の身内として、船内の雑務や清掃を実直にこなしていた。

椰子の実の露店の主

亜南国の商業地区で、椰子の実を売る実直な小父さんである。 購入してくれた客に対し、非常に親切に道を教えた。 茘人が人々を莫迦にして喧嘩が起きた事実を、猫猫に優しく伝える。

・所属組織、地位や役職  亜南国の市場。露店主。

・物語内での具体的な行動や成果  喉を渇かせた猫猫たちに、冷たい椰子の実と果肉を丁寧に提供した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  地元での商売に誇りを持ち、他国の客とも親しく接する。

石鹸屋の店主

亜南国の露店において、白い固形石鹸を売る頑固な商人であった。 買い占めを警戒し、最初は茘人への販売を露骨に拒否している。 仕入れ値が上がった理由が、材料の油の火事であることを教えた。

・所属組織、地位や役職  亜南国の市場。石鹸販売店主。

・物語内での具体的な行動や成果  お使いに来たやぶ医者が、奥の職人のもとへ行った事実を猫猫に伝える。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  地元の生活を守るため、安易な転売や買い占めを強く憎んでいた。

嘘つき男

亜南国の石鹸工場で働く、少しだらしない石鹸職人である。 油を扱う現場で、隠れて密かに煙草を吸っていた。 変人軍師に嘘を見抜かれ、懐から煙草が見つかって職人たちにどやされる。

・所属組織、地位や役職  亜南国の石鹸工場。職人。

・物語内での具体的な行動や成果  ポイ捨てした煙草の火種が、砂欧や廃油の揚げかすに引火して小火を引き起こした。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  自らの過失を認め、他の職人たちから厳しく責任を追及される。

薬屋 8巻レビュー
壬氏編まとめ
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薬屋 10巻レビュー

備忘録

序話

壬氏の火傷

猫猫は壬氏に抱えられて隣室へ移り、自ら脇腹に負わせた重度の火傷を診ることになった。壬氏が夜伽について含みのある言葉を口にすると、猫猫はその横暴さを非難したが、最終的には傷の処置を手伝う意思を示した。

一話 姚の頼み

年末の大掃除

猫猫は疲労を抱えながら医務室の大掃除に参加し、壬氏の火傷の処置について考えていた。

姚の避難先

姚は叔父からの結婚話を避けるため、休暇中に猫猫の家で学びたいと頼んだ。しかし猫猫は花街の治安を理由に断り、代わりに羅半の家へ泊まることになった。

二話 離宮

壬氏の治療

猫猫は宮廷外の離宮へ呼ばれ、壬氏、水蓮、高順と再会した。雀に氷を用意してもらい、壬氏の火傷を冷やしながら必要な処置を施した。

外科技術への決意

処置に自信が持てなかった猫猫は、養父の羅門から改めて外科技術を学ぶことを決めた。治療後、壬氏に同じ無茶を繰り返さないよう釘を刺して離宮を去った。

三話 華佗の書 前編

羅門からの宿題

猫猫は羅門とともに変人軍師の屋敷へ向かい、羅半に迎えられた。羅門は猫猫、姚、燕燕に、書庫の中から華佗の書を探し出す課題を与えた。

書庫の探索

三人は大量の書物を調べたが、それらしい本は見つからなかった。羅門は猫猫一人では答えにたどり着けないと告げ、華佗の書が通常の本とは異なる形で存在する可能性を示した。

四話 華佗の書 中編

欠けた一冊

昼食後、猫猫は本棚から一冊だけ本が抜けていることに気づいた。羅半は知らないと答えたものの、離れそのものに何らかの仕掛けがある可能性を示唆した。

隠された仕掛け

猫猫たちは本だけでなく天井や壁にも目を向け、華佗の書につながる手掛かりを探し続けた。

五話 華佗の書 後編

八卦の仕掛け

姚が本棚を倒したことで、隠されていた『一─2─Ⅰ』が見つかった。猫猫たちは本の末尾にある太極図と壁の八卦を手掛かりに調べ、隠し引き出しから『一─2─Ⅱ』を発見した。

禁じられた解剖書

羊皮紙で作られたその本には、西方の文字と精密な人体解剖図が記されていた。それは羅門が留学時代にまとめた記録であり、医術の発展には役立つ一方、一般には受け入れられない内容を持つ華佗の書だった。

六話 西都への誘い

再び西都へ

猫猫が壬氏の離宮を訪れると、西都への再訪について話が進められていた。玉鶯からの要請に加え、皇帝と玉葉后も訪問を勧めており、玉鶯の娘を皇室へ入れようとする思惑も関係していた。

同行の決意

西都滞在は少なくとも三か月に及ぶ見込みだった。猫猫は壬氏の治療を続ける必要もあり、西都へ同行することを決めた。

七話 禁忌

華佗の書の過去

羅門は姚や燕燕に、華佗の書が留学中にまとめた人体解剖の記録であることを説明した。腑分けが禁忌とされた歴史と、それによって医術の発展が妨げられてきた経緯も語った。

それぞれの道

羅半は、人にはそれぞれ適した道があり、合わない道を無理に選ぶ必要はないと話した。羅門は華佗の書を持ち帰り、姚と燕燕自身に今後の選択を委ねた。猫猫も自分の進む道はすでに決まっていた。

八話 秘密の教室

医局の秘密

休暇を終えた猫猫は医局へ戻り、溜まった洗濯物を処理していた。その最中、壬氏が訪れ、劉医官と見習い医官や医官付き官女について話し合った。

西都同行の許可

壬氏は薬師としての技術を理由に猫猫を西都へ連れて行きたいと求めた。劉医官は渋りながらも了承し、猫猫もその話を聞いて西都行きの準備へ入った。

九話 告発

羊皮紙の密告

壬氏は西方様式の羊皮紙で届いた文を受け取った。玉葉后の姪を後宮へ入れる話が書かれていたが、紙紐を解くと、その裏に謎の数字が並んでいることに気づいた。

戌の一族の記憶

高順は、過去にも似た密告によって戌の一族が滅ぼされたことを思い出した。壬氏は数字の意味を解く必要を感じ、西都についてさらに調べることにした。

十話 実技訓練

鶏の解体

猫猫を含む見習い医官たちは、生きた鶏を捕らえて絞め、解体する訓練を受けた。暴れる生き物を扱いながら、医官に必要な手技を身につけることが目的だった。

家畜から学ぶ技術

訓練は鶏から豚、牛へと進み、参加者は次第に減っていった。猫猫は天祐に負けまいと取り組み、解剖だけでなく内臓の薬用利用についても知識を深めた。

十一話 腑分け

人間の解剖

猫猫たちは死罪となった罪人の遺体が置かれた場所へ案内され、劉医官による腑分けを見学した。猫猫にとってその場所は、かつて翠苓の遺体を確認した時以来だった。

肝臓の異常

記録を取らず目で覚えるよう命じられる中、猫猫は遺体の肝臓に異常があると見抜き、劉医官から及第点を得た。自分自身が将来腑分けを行う可能性も受け入れ始めた。

十二話 数字の秘密

馬良と雀

壬氏は馬良から、雀との結婚が政略結婚であり、夫婦で顔を合わせる機会も少ないことを聞いた。

改竄された租税記録

羅半の調査によって、謎の数字は西都の作物にかかる租税記録だと判明した。特に小麦の収穫量に不自然な改竄があり、壬氏は西都で何かが起きていると考え、訪問の必要性を強めた。

十三話 玉鶯という男

西都を担う玉鶯

陸孫は玉鶯のもとで大量の陳情や書類を処理していた。玉鶯には西都を発展させようとする意欲があったが、その野心には危うさも感じられた。

羅半からの資料

陸孫は羅半から食糧供給に関する資料を受け取り、必要としていた情報を得た。玉鶯が武官たちと交わりながら西都をまとめる姿を見て、陸孫は彼がこの土地に必要な人物だと認めた。

十四話 選抜

西都行きの医官

初めて自ら人間の遺体を解体した猫猫は、その後、天祐とともに上級医官たちの集まりへ呼ばれた。そこでは西都へ派遣する医官の選抜が行われていた。

五日後の出発

猫猫自身も同行者に決まっており、その選抜には変人軍師も関与していた。単なる左遷ではない重要な任務だと分かり、五日後の出発に向けて休暇が与えられた。

十五話 旅の準備

花街への挨拶

猫猫は西都行きに備えて買い出しをし、緑青館の人々へ遠出することを知らせた。白鈴から日焼け対策の軟膏を受け取り、姫たちから旅の無事を願われた。

姚からの教本

左膳にも留守を頼んだ後、猫猫は姚と燕燕に会った。姚から医術の教本を贈られた猫猫は強く喜び、二人の見送りを受けながら旅立ちに備えた。

十六話 船旅

西都への出航

猫猫は姚と燕燕に見送られ、天祐ややぶ医者らとともに船へ乗った。壬氏を乗せた船を中心に三隻で西都を目指し、猫猫は船旅の間も壬氏の傷を治療する役目を負った。

変人軍師への餌

壬氏が猫猫を同行させた理由の一つには、変人軍師を懐柔するための存在として利用する思惑があった。猫猫はその扱いに複雑な感情を持ちながら、船内で医務の仕事を続けた。

十七話 雀

船上の医務室

航海が進むにつれ船酔いの患者が増え、猫猫は治療に追われた。やぶ医者も問診や薬の配布を担当し、後宮にいた頃より生き生きと働いていた。

毒見役の依頼

雀が猫猫のもとを訪れ、その夜の会食で毒見をしてほしいと頼んだ。猫猫は引き受け、雀から宴での動き方を教えられた。

十八話 亜南の宴

亜南式の宴

亜南では暖かな屋外で、太鼓や笛が鳴る中、大皿料理を囲む宴が開かれた。猫猫と雀は壬氏らの料理を毒見しながら、異国の宴を体験した。

外交の席

宴は壬氏にとって外交の場でもあり、変人軍師も参加していた。猫猫は毒見をこなしながら参加者たちを観察し、仕事を終えた後は雀とともに料理を楽しんだ。

十九話 消えたやぶ医者

石鹸工房の火事

亜南に着いた翌日、やぶ医者が姿を消した。猫猫、李白、雀が探したところ、石鹸を買いに行った先で火事の犯人と疑われていることが分かった。

自然発火の証明

猫猫たちは揚げかすが自然発火することを説明し、やぶ医者が火をつけたわけではないと証明した。実際には別の職人の煙草が火事につながっており、やぶ医者は解放された。

二十話 壁凸

芙蓉との再会

猫猫は壬氏のもとで、かつて後宮を離れた芙蓉とその夫に再会した。懐妊を報告する二人が幸せそうに暮らしていることを知り、安堵した。

壬氏への一喝

二人きりになると、猫猫は壬氏に全てを救うことはできないと告げ、権力者としてもっと堂々と振る舞うよう求めた。最後には壬氏の頬を叩いて活を入れ、その立場と責任を改めて意識させた。

終話

西都を目前にした船

西都へ近づくにつれて商船の姿が増え、猫猫は医務室で薬の在庫を確認していた。やぶ医者と雀も船内で過ごし、雀は連絡係として動きながら医務室へ頻繁に顔を出していた。

二度目の西都

猫猫たちは到着後、玉袁の別荘を拠点として他の医官たちと合流する予定だった。雀は西都でも人々が嘘をつくと忠告し、今回の件について黙っていると約束した。猫猫は先に何が待つか分からないまま、二度目の西都へ向かっていた。

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