漫画感想・ネタバレ【転スラ】転生したらスライムだった件(30) 最新刊 132話まで

漫画感想・ネタバレ【転スラ】転生したらスライムだった件(30) 最新刊 132話まで

物語の概要

ジャンル
異世界ファンタジー(転生+国家構築)である。元サラリーマンが異世界にスライムとして転生し、モンスターたちと共に国家を築き上げる物語である。
内容紹介
30巻では、リムルがユウキとマリアベルの衝突の最中に介入し、ユウキを支配する“強欲者(グリード)”というユニークスキルの呪縛から解き放とうと試みる。決戦のさなか、混沌竜(カオスドラゴン)やマリアベル、ミリムらも行動を起こし、複数の戦線と駆け引きが交錯する。テンペストや国家の存続を賭けた戦いが激化する。外部勢力からの攻勢、内部の混乱、仲間との信頼と犠牲などが絡み合う展開である。

主要キャラクター

  • リムル・テンペスト:本作の主人公。スライムとして再生した存在であり、多様な種族を率い、国家テンペストを統治・防衛する立場にある。
  • ユウキ:本巻における対峙相手であり、“強欲者(グリード)”の影響下にあるキャラクター。リムルと決着を交える相手として物語に深く関わる。
  • マリアベル:ユニークスキル「強欲者(グリード)」を所持し、物語の中で重要な役割を果たす。ユウキとの関係や支配の構図に関与する。
  • ミリム:混沌竜・カオスドラゴンとともに動く勢力。混沌側の立場から物語に介入する重要キャラクター。
  • 混沌竜(カオスドラゴン):強大な力を持つ存在。マリアベル・ミリムらと絡みつつ、テンペストを揺るがす存在となる。

物語の特徴

コミック版30巻では、複数の勢力の交錯と「ユニークスキル支配」「解放」「駆け引き」が主軸と化しており、単なる国防や戦闘よりも心理戦・技能支配というテーマが強く打ち出されている。リムルが“介入者”として複数戦線に顔を出し、同時に各勢力の思惑を読み解く構図が興味深い。ヒロイズム・犠牲・友情・裏切りが境界線を曖昧に行き交うことで、これまでの “モンスター国家を築く物語” に深みを加えている。また、前巻まで築き上げたテンペストという国家の布石が、本巻で試される場になる点が読者を引きつける要素である。

書籍情報

転生したらスライムだった件30
著者:川上泰樹
原作:伏瀬
キャラクター原案:みっつばー

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あらすじ・内容

マリアベルのユニークスキル「強欲者(グリード)」に支配されたユウキと一戦を交えているリムルは、
彼を「強欲者」から解き放つことができないかと考える。戦いが苛烈を極める中、そこに割って入ってきたのは…。
混沌竜(カオスドラゴン)のもとへ向かったミリム、姿を晦ましたマリアベル。
多面で状況が変化する中、リムルはこの窮地を突破できるのか!?

転生したらスライムだった件(30)

感想

読み終えて、まず感じたのは、物語がまた新たな段階へと進み始めたんだな、ということである。ユウキとの戦いは、ただの敵対というよりも、リムルが彼の内面に潜む「強欲者(グリード)」から彼を救いたいという願いが込められていて、その葛藤が読んでいて胸に迫るものがあった。

ロッゾの一件がひとまず落ち着いたのは良かったけれど、マリアベルとは、どうにもこう、心を通わせるような関係にはなれなかったのが少し残念である。彼女の暗躍は、物語に不穏な影を落としているけれど、ユウキの黒幕としての存在がリムルに伝わったのは、今後の展開を考えると大きな進歩だと感じた。

次巻では、ついに悪魔たちがリムルのもとに集結する。
小説版では、悪魔たちの個性が強烈すぎて、その辺りのイメージが少し薄かったので、どのように描かれるのか、とても楽しみである。新しいキャラクターの活躍も期待されるし、知りたかった繋がりが明らかになるかもしれない。

リムルの戦いは、いつも困難に満ちているけれど、その中で彼は常に成長し、周りの人々との絆を深めていく。今回の戦いでも、リムルはきっと、その持ち前の知恵と勇気で窮地を脱してくれると信じている。次巻が待ち遠しい、そんな読後感であった。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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登場キャラクター

リムル=テンペスト

魔国連邦の盟主であり、状況判断と統率で全戦線を動かす存在である。ユウキ救出とカオスドラゴン鎮圧を主導した。
・所属組織、地位や役職
 魔国連邦テンペスト・盟主。魔王。
・物語内での具体的な行動や成果
 剣技のみでユウキを制圧し、新技「暴風黒魔斬」を行使した。ミリムと連携してカオスドラゴンを無力化し、暴食之王で余剰エネルギーを吸収した。精霊竜の心核を保全し、擬似魂と結合して再生の儀を成功させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 評議会内でテンペストの影響力を拡大した。遺跡の復元と観光導線の構想を提示し、内政・技術の両面で主導権を保持した。

ユウキ・カグラザカ

策謀家であり、強欲の力を取り込んだ統合者である。支配の偽装で敵を欺いた。
・所属組織、地位や役職
 自由組合のマスター。道化連の主。
・物語内での具体的な行動や成果
 マリアベルの「強欲者」を看破し、逆に吸収して撃破した。対能力無効や奪取能力を切り札として整理し、責任転嫁で無罪放免の体裁を整えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 “強欲”の継承者となり、世界掌握計画を継続した。東方移動を決定し、情勢操作を続行した。

カガリ

ユウキの腹心であり、冷静さと実務能力で立ち回る。救命の場面で判断を示した。
・所属組織、地位や役職
 道化連の一角。参謀役。
・物語内での具体的な行動や成果
 リムルにユウキ殺害の回避を直訴し、呼びかけで正気回復を促した。マリアベル追撃を担当した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 西側整理後もユウキの計画を補佐し、東方展開の準備を進めた。

マリアベル・ロッゾ

王族出身の策士であり、強欲の権能で他者を支配した。最終局面で力を失った。
・所属組織、地位や役職
 シルトロッゾ王国の王族。評議会勢力の支援者。
・物語内での具体的な行動や成果
 ユウキとラーマを精神干渉で操り、遺跡攻略を図った。墳墓最奥でユウキに敗北し、力を吸収された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 死亡扱いとなり、事件は「遺跡での事故」として処理された。

ミリム・ナーヴァ

竜種由来の魔王であり、かつて混沌竜を封印した当事者である。友情を軸に戦場で決断した。
・所属組織、地位や役職
 魔王。竜皇女の系譜。
・物語内での具体的な行動や成果
 「竜星拡散爆」「竜星爆炎覇」を放ち、カオスドラゴンの殻を破砕した。精霊竜の再生で命名候補「ガイア」を示し、魂の反応を引き出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ガイアの卵を託され、育成計画に参加した。帰還後はフレイの監督下に戻った。

ガイア(精霊竜)

精霊竜の魂を起点とする新生の竜である。汚染から浄化され、再誕した。
・所属組織、地位や役職
 迷宮での育成対象。ミリムの保護下。
・物語内での具体的な行動や成果
 卵から孵化し、吐息や重力操作を発現した。連携訓練で階層攻略に寄与した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 混沌竜の因子から切り離され、精霊竜として再スタートを切った。

カオスドラゴン(混沌竜)

意思を失った竜であり、世界災害級の存在である。汚染源が除去されて崩壊した。
・所属組織、地位や役職
 なし。
・物語内での具体的な行動や成果
 広域に禍を振りまいたが、リムルとミリムの連携で無力化された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 内部の精霊竜が救出され、個体としての終焉を迎えた。

ゴブタ

機動戦を得意とする前衛である。混乱下でも状況伝達を継続した。
・所属組織、地位や役職
 テンペストの戦闘員。
・物語内での具体的な行動や成果
 ラーマとの戦闘を継続し、誤解を解くための説明を試みた。リムルの介入で戦闘終結に至った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 疲労困憊ながらも任務を完遂し、現場対応力を示した。

ラーマ

精神干渉で敵対した戦士である。解除後は混乱から回復した。
・所属組織、地位や役職
 調査隊側の戦力。
・物語内での具体的な行動や成果
 マリアベルの支配で誤認報復に走ったが、リムルの解除で意識を取り戻した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 グレンダ生存の情報を得て敵対を停止した。

グレンダ

ラーマの仲間である。死亡と誤認されていた。
・所属組織、地位や役職
 テンペストの一員。
・物語内での具体的な行動や成果
 生存情報が伝達され、ラーマの敵対理由が解消された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 誤情報の修正で戦局に間接的な影響を与えた。

レオン・クロムウェル

黄金郷を統べる魔王であり、過去の少女の面影を追う。理と秩序を重んじる統治者である。
・所属組織、地位や役職
 黄金郷エルドラドの支配者。魔王。
・物語内での具体的な行動や成果
 三巨頭の取引中断を受け、情勢を査定した。帝国の動向を警戒し、偵察を指示した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 異世界の子ども達の情報に反応し、独自の探索意思を固めた。

アルロス(銀騎士卿)

レオンの腹心であり、護衛と進言を担う。
・所属組織、地位や役職
 青騎士団・幹部。レオンの相談役。
・物語内での具体的な行動や成果
 謁見での応対と安全保障の実務を引き受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 偵察派遣の運用を預かり、警戒態勢の中核を担った。

ラプラス

三巨頭の工作担当であり、軽妙な交渉で情報を渡す。
・所属組織、地位や役職
 道化連の一員。
・物語内での具体的な行動や成果
 レオンとの取引中断を交渉し、異世界の子ども達の情報を提示した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 東方移動前の“もう一仕事”に関与し、火種形成に寄与した。

ティア

三巨頭の連絡役であり、礼式に則った交渉を務める。
・所属組織、地位や役職
 道化連の一員。
・物語内での具体的な行動や成果
 取引中断の理由を説明し、名簿情報の伝達を補助した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 レオンの反応観測に貢献し、仮説の材料を提供した。

フットマン

三巨頭の随員であり、情報読み上げを担当した。
・所属組織、地位や役職
 道化連の一員。
・物語内での具体的な行動や成果
 子ども達の氏名を列挙し、レオンの関心点を引き出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 交渉現場での補佐に徹し、情報操作の一端を支えた。

ルミナス/バレンタイン

神聖勢力と魔王権威の結節点と推測される存在である。
・所属組織、地位や役職
 神聖連邦ルベリオスの最高指導者(推理に基づく)。
・物語内での具体的な行動や成果
 血影狂乱の神聖魔法使用や評議会連携の状況証拠から関与が示唆された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 神と魔王の二面性が論点となり、西側政治の要として扱われた。

グランベル・ロッゾ

評議会の重鎮であり、事件後は沈黙を保った。
・所属組織、地位や役職
 五大老。七曜の老師の統括。
・物語内での具体的な行動や成果
 後始末の交渉に関与しつつ、公には動かなかった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 西側均衡の裏面で影響を及ぼし、情勢安定に間接的に作用した。

ディアブロ

原初の黒であり、主への忠誠を行動で示す悪魔である。
・所属組織、地位や役職
 テンペスト側の近侍。
・物語内での具体的な行動や成果
 精神世界で雑兵悪魔を排除し、原初同士の接触に臨んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 名持ちとしての自称を明確化し、原初の黄と再会した。

原初の黄(ジョーヌ)

原初級の悪魔であり、ディアブロと対になる古参である。
・所属組織、地位や役職
 冥界の強者。
・物語内での具体的な行動や成果
 ディアブロに応対し、名持ちの呼称で関係性を再確認した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 原初同士の動向が今後の布石となった。

展開まとめ

第129話 屈辱の幕引き

ユウキの異変と戦闘開始
遺跡内部で、マリアベルの精神干渉を受けたユウキがリムルに襲いかかった。カガリや調査隊はその変化に戸惑いながらも、操られている可能性を悟る。リムルは彼を救うため、致命打を避けつつ戦う決意を固めた。

能力殺封と剣技戦の応酬
ユウキは「能力殺封」によりスキルと魔法を無効化していたが、武器による攻撃は通用することが判明した。リムルは純粋な剣技で応じ、攻防の中でユウキの盲点を突く。互いに高速の斬撃を繰り出し、ユウキが優勢に見えたが、リムルは冷静に行動を予測して隙を作り出した。

暴風黒魔斬の発動と決着
リムルは魔法と剣を融合させた新技「暴風黒魔斬」を放ち、ユウキに深い傷を負わせた。この技はヴェルドラの暴風系魔法を応用したもので、相手の生命力を蝕む効果を持つ。ユウキは特異体質によって崩壊を免れたが、致命的な損傷を受けて膝をついた。リムルはマリアベルの支配を断ち切るため、意識を失わせようと剣を構える。

カガリの訴えと仲間の声
カガリがユウキのもとへ駆け寄り、「ユウキ様を殺すのはお待ちください!」と叫ぶ。調査隊も声を合わせ、彼を信じ続ける意志を示した。リムルは刃を返して殺傷を避け、仲間たちの呼びかけを見守る。その声がユウキの心に届き、苦悶の末に黒い霧のような精神干渉が解け、殺意が消えた。

ユウキの正気回復と謝意
意識を取り戻したユウキは表情を和らげ、静かにリムルへ感謝を述べた。「迷惑をかけたみたいで、助かりました」との言葉に、リムルは「無事で何よりだ」と応じる。殺さずに救えたことに安堵し、場の緊張は完全に解けた。

ゴブタとラーマの戦闘終結
場面は変わり、別の戦場でゴブタとラーマが激しく戦っていた。ラーマはマリアベルの精神干渉を受け、仲間グレンダの仇討ちと誤信してリムル側に敵対していた。リムルは介入し、「智慧之王(ラファエル)」の助力で精神干渉を解除する。ラーマは意識を取り戻し、グレンダが生存していることを知らされて動揺する。ゴブタは疲労困憊の中、「説明したのに聞いてくれなかったっす」と嘆きつつも、戦いを終えた。

戦況整理と次の行動
ユウキが正気を取り戻し、ラーマも救出されたことで、残る脅威はマリアベルとカオスドラゴンのみとなった。リムルは仲間たちに指示を出す。ユウキとカガリにはマリアベルの追跡を、シオンとゴブタには隊員とダークエルフたちの護衛を命じ、自らはミリムの援護に向かうことを決定した。シオンは悔しさを滲ませつつも任務を受け入れ、リムルの指示の下で全体が再び動き出した。

それぞれの再出発
ユウキは「屈辱は倍返しだ」と語り、カガリとともにマリアベルの逃走経路を追う。リムルは彼らの背を見送りつつ、カオスドラゴンの暴走を止めるべく行動を開始した。こうして、遺跡内の戦闘は終結し、戦いの舞台は次なる決戦へと移っていった。

マリアベルの動揺と墳墓の異変
マリアベルは墳墓の最奥に辿り着いたが、そこには報告と異なり何も存在しなかった。棺も装飾もなく、ただ空虚な空間が広がっていたのである。
混乱しながら状況を確認する彼女の前に、ユウキとカガリが姿を現した。二人は落ち着き払った様子で、リムルとの戦闘が終わったことを告げる。カガリは冷ややかに微笑み、ユウキは軽口を交えながら「本気でぶつかったが勝てなかった」と語った。マリアベルは裏切りを悟り、言葉を失った。

偽装された忠誠と暴露
マリアベルはユウキの言葉を信じられず、「私の『強欲者』の支配を破ったというの!?」と動揺を隠せなかった。
ユウキは「気になるかい?」と嘲り、憐れむような笑みを浮かべて告げた。「君に支配されたふりをしていただけだよ」。その瞬間、彼の体を黒い霧が包み、マリアベルの信念が崩壊する。ユウキは芝居を演じ続け、彼女の信頼を欺いていたのである。

強欲の対立と力の差
マリアベルは必死に否定し、自らの力こそ欲望を極めた者の頂点だと叫んだ。しかしユウキは冷淡に「君の欲望は大きかったが、僕の“強欲”はそれ以上だ」と返す。
彼の「この世界は僕の箱庭だ」という言葉に、マリアベルは恐怖を覚えた。彼女の力が理不尽なほどに通じない現実は、まさに絶対的な支配を示すものであった。

マリアベルの反撃と敗北
マリアベルは魂の力を全開にし、渾身の「強欲の波動」を放つ。だが、ユウキには一切通じず、黒い霧に掻き消された。
次の瞬間、ユウキの手刀が彼女の胸を貫き、強欲の力が流出して彼に吸収された。血を吐きながら崩れ落ちるマリアベルは、奪われる感覚に愕然としながら「そんなことが……できるはずが……」と呟いた。
ユウキは「正解」とだけ告げ、静かに笑った。

強欲の継承と死の宣告
ユウキは「もし君が十年早くこの世界に生まれていたら、支配者になっていたかもしれない」と淡々と語る。その言葉には皮肉も憐憫もなかった。
マリアベルは怒りと悔しさを滲ませて睨み続けたが、やがて光を失った瞳が虚空を映した。彼女の魂は静かに消滅し、墳墓の空間には沈黙が訪れた。

終焉とユウキの独白
マリアベルの亡骸を抱いたユウキは、「君の欲望は僕が引き受ける」と呟き、穏やかな微笑みを浮かべた。カガリは黙して見守り、彼の冷酷な決意を理解していた。
外では雪のような光粒が舞い、マリアベルの生涯を象徴するかのように儚く散った。こうして「強欲のマリアベル」はその短い生涯を閉じ、ユウキが新たな“強欲”の継承者となったのである。

第130話 最後に笑う者

竜皇女の誕生と竜種の始原
この世に四体しか存在しない竜種。その最初の一体が地上に降り、人間の娘との間に子を成した。こうして生まれたのが「竜皇女」である。竜種はその力の大半を娘に譲り渡し、残る力を結晶化して自らの分身たる小竜を生み出した。
竜皇女は両親を知らぬまま育ったが、父の遺した小竜とともに穏やかな日々を過ごし、姉弟のように寄り添いながら成長していった。

竜皇女の悲劇と憤怒
永遠に続くかに思えた幸福な時間は突如として崩壊した。竜皇女の力を求めた魔法大国が侵攻し、支配を目的に小竜を殺害したのである。
この出来事は竜皇女の心を打ち砕き、悲嘆と怒りが爆発した。父から受け継いだ力を解放した竜皇女は、侵略軍を殲滅し、さらに怒りのままに国土を焦土へと変えた。それでもなお、その激情は止むことはなかった。

竜皇女の魔王化と奇跡
竜皇女の力はもはや人の域を超えており、数万の命を犠牲にして「魔王」へと覚醒した。だが、その代償として彼女の理性は崩壊し、狂気に囚われる。
精霊女王と一柱の魔王の協力によりようやく正気を取り戻した時、かつて栄華を誇った魔法大国は廃墟と化していた。
その瞬間、奇跡が起こった。死んだはずの小竜が竜皇女の覚醒に呼応し、死してなお変化を遂げようとしていたのである。

小竜の変異と混沌竜の誕生
竜皇女は歓喜の涙を流したが、その奇跡は残酷な形で歪められた。魂を失った小竜は、意思のない禍々しい竜――「混沌竜」へと変貌していた。
それは怨嗟か、友を悲しませた怒りか、あるいは純粋な破壊の衝動か。混沌竜は理を失い、世界を蹂躙するかのように暴走した。その姿は、友を喪った竜皇女自身の怒りの具現のようでもあった。

封印と伝承の成立
恐怖に逃げ惑う人々の中で、ただ一人、竜皇女だけが理解した。――「友はもう、この世にはいない」と。
彼女は涙を堪え、自らの手で混沌竜を封印した。それが、魔王となった竜皇女の最初の偉業である。
この出来事は、のちに「魔導王朝サリオン」に伝わる古き伝承となり、世界が若かった時代の物語として語り継がれることとなった。

混沌竜の本質とドラゴンの起源
物語は現代に戻り、ヴェルドラが語る。「混沌竜とは元は精霊竜――エレメンタルドラゴンである」と。
その死によって竜の因子が世界中に散り、以降、魔素溜まりから誕生する魔物の中には下位龍族が含まれるようになった。
つまり、混沌竜こそがドラゴンの始祖にして原初の存在であり、すべての竜族の源流であると示唆された。

ミリムの悲痛な叫び
ヴェルドラの説明を聞いたミリムは、静かに、しかし確信をもって言った。
「アレは……アレはワタシの友達なのだ」と。
彼女にとって混沌竜は過去に封じた“友”の再来であり、その存在は怒りでも恐怖でもなく、深い哀しみを呼び覚ましていたのである。

カオスドラゴンの正体の発見
リムルはミリムの援護に駆けつけ、眼下に巨大なカオスドラゴンを確認した。智之王の分析により、その内部に「精霊竜の魂」が存在し、汚染によって混沌竜へと変化したことが判明した。かつて個体名エレノの名で知られた存在であり、魂はまだ穢れきっていないと推定された。リムルはミリムに核を攻撃で残すよう指示し、共闘の準備を整えた。

作戦開始と竜星拡散爆
リムルは智慧之王と連携し、ミリムに全力魔力の放出を指示した。ミリムは「竜星拡散爆」を放ち、圧倒的な光とともにカオスドラゴンを包み込んだ。暴風大妖渦の戦いと同様の戦法であり、リムルは精神体の奥にある「心核」を浄化すべく、智之王の解析に基づき行動した。

黒い邪気の消失と決戦
カオスドラゴンを包む黒い邪気がマリアベルの強欲によるものであると判明し、ユウキがその本体を撃破したことで障壁が弱まった。リムルはこの好機を逃さず、ミリムにさらなる出力上昇を命じ、彼女は「竜星爆炎覇」を発動した。膨大なエネルギーの激突により、カオスドラゴンは崩壊の兆候を見せた。

暴食之王による吸収
リムルは暴走しかけたエネルギーを制御するため、「暴食之王ベルゼビュート」を発動した。圧縮された魔素をすべて吸収し、爆発を未然に防いだ。これによりカオスドラゴンは完全に鎮静化し、戦闘は終息を迎えた。

精霊竜ガイアの再生
崩壊後、リムルは破損した心核を「擬似魂」と結合させ、再生の儀を試みた。初めは反応がなかったが、ミリムがかつてその存在を「ガイア」と呼ぼうとしていたことを明かすと、魂が反応を示した。リムルはその擬似魂を魔精核で包み、「魔魂核」として封印。やがてそれは卵の形を成し、ミリムの手に託された。

戦いの終結と友情の再確認
リムルは「成功した」と告げ、ガイアの復活が時間の問題であると説明した。ミリムは涙ながらに感謝を述べ、再会を誓った。こうしてカオスドラゴンとの戦いは終結し、リムルとミリムは仲間たちのもとへ帰還した。

ミリムの感謝と帰還の決定
ガイア(卵)を得たミリムはリムルに抱きついて礼を述べ、皆が心配しているため拠点へ戻る方針を共有した。リムルは智之王に確認しつつ、状況整理に入ったのである。

ユウキとカガリの総括:罪の付け替えと力の出所
場面は数日後、ユウキとカガリの会談に移った。ユウキはマリアベルの行動に全責任を負わせ、自身は“無罪放免”の形に収めたと説明した。彼は対能力無効化や「強欲者」による力の奪取について、知られても対策されにくい切り札であると整理し、当面は静観しつつも機を窺うと述べた。

神ルミナス=魔王バレンタインという推理
ユウキは、血影狂乱が神聖魔法を使用していた事実や評議会と西方聖教会の結節から、グランベル・ロッゾ(七曜の老師)と神ルミナスの関与を示唆した。さらに、ラプラスが戦った“魔王バレンタイン”の背後に神ルミナスがいると結論付け、マリアベルが強引な策を採ったのは“神の庇護”を前提に損得を天秤にかけていたためだと推測した。両名は拠点を東へ移し、世界掌握の計画を継続することで一致した。

遺跡復元計画と勢力地図の変化
リムル側では、最下層が埋没した遺跡を自軍で復元し、将来的に博物館化・魔導列車の観光導線整備までを構想した。政治面では、評議会の弱体化と西方聖教会の台頭の中、テンペストが最大派閥となり、自由組合の支援およびヒナタの同調で西側への影響力を拡大させた。

智之王との対話:ユウキ疑惑の確定と自己省察
智之王は「ユウキは自らの意思で行動している」と疑惑確定を通告し、これまで黙っていたのは“行動原理が単純で利用可能だったため”かつリムルに心労をかけたくなかったためと説明した。リムルは自らの甘さ(マリアベルを殺せなかった逡巡)を認め、今後は偽りなく報告を受け自分の意思で決断すると誓った。

次なる火種
締めくくりに、ローブの一行が謁見先として「魔王レオン・クロムウェル」の名を告げて登場し、物語は新たな局面への移行を示した。ミリムはガイアの卵を温めながら見守る構図で、余波編が収束した。

第131話 黄金郷の魔王

失われた幸福の記憶
黄金の庭園に咲く花々の中で、一人の少女が笑顔を見せていた。彼女の名はクロエ・オベール。少年――かつてのレオン・クロムウェルは、その笑顔を静かに見守り、永遠に色褪せない記憶として胸に刻んでいた。今の彼は、その失われた幸福を取り戻すためだけに生きていた。

黄金郷エルドラドの謁見
レオンの支配する黄金郷エルドラドの謁見の間に、ラプラス、ティア、フットマンの三名が現れた。彼らは「特定機密商品」の取引中断を報告し、西側での召喚活動を停止する旨を伝える。西方ではテンペストの影響が強まり、リムルが召喚を禁じたことで活動継続が困難となったためである。ラプラスたちは拠点を東の帝国へ移す方針を説明した。

レオンの威圧とラプラスの報告
レオンは取引中断の理由を問う。ティアは丁寧に応じるが、ラプラスが口を挟んだことで、彼の無遠慮な発言がレオンの怒気を買う。魔王レオンは冷徹な視線でラプラスを圧し、「なぜ口が軽いのか」と詰問した。ラプラスは弁明するが、レオンは「利を重んじる商人が戦争を軽々しく語るものではない」と断じ、ユウキが背後で何かを隠しているのではと疑念を抱いた。

取引の意図とユウキの策略
ラプラスはユウキの指示どおり、レオンの興味を引く情報を最後に提示する。彼は「あの井沢静江が保護した五名の異世界の子供たち」がまだ存命であると報告した。男子三名、女子二名で、所在はテンペストであると明かされる。レオンは即座に反応し、その中に探し求めてきた“少女”の名があるかを問いただした。

異世界の子供たちの名
フットマンが代わって、五名の名を口にした。
ケン・ミザル、リョウゼキ、ゲイル・ギーブス、アリスン、クロベ・ホエール。
この“クロベ”という名に、レオンは鋭く反応する。「クロエではなく、本当にクロベなのか」と確認するが、ティアは「異世界人の名は正確に再現できない」と弁解し、頭を下げた。レオンは一瞬考え込みながらも、「情報提供の礼」として今回の取引を不問とした。

去り際の余韻
ラプラスたちは金銭の受領を済ませ、謁見の間を退出した。残されたレオンは一人、静かに息をつく。彼の脳裏には再びクロエの笑顔が浮かび上がる。少女を取り戻すための希望が、微かに蘇った瞬間であった。

レオンの判断と懸念
ラプラス達が去った後、レオンは彼らを「放置」とし、むしろ彼らが漏らした“東の帝国の開戦準備”という情報を重視。世界大戦に巻き込まれるのを避けるため、警戒態勢の強化を命じる。大量の死は厄介な悪魔(この地に眠る「原初の黄」など)を顕現させかねないとも分析。

魔国連邦への偵察
レオンは配下アルロスに「青騎士団」から数名を派遣し、魔国連邦周辺を探らせる方針を示す。表向きは安全保障だが、内心は“子ども達”の情報に反応している。

レオンの“至上目的”
レオンが探し続けるのは、自分の幼馴染であり守るべき少女「クロエ・オベール」。写真(絵姿)を見つめながら「君は一体どこにいるんだ」と独白し、情報が罠でも無視できないと決意を固める。

三巨頭サイドの報告会
ミーシャの館で、ユウキ・カガリ・ラプラスらが合流。レオンとの取引中断交渉は想定通りに完了。ユウキは、レオンが集める“不完全召喚の子ども達”の目的を見極めるため、リムルに保護されている五人の情報をあえて提示したと説明。

“名前”への反応から見えた仮説
ティアが「レオンが“クロベ・ホエール”という名前だけ聞き返した」点を共有。ユウキとカガリはそこに強い違和感を覚え、「レオンの本当の狙いはクロエでは?」という可能性に到達。確証はないが、もし動いたら“戦力増強以外の目的”が確定的になると結論づける。

方針整理
可能性は低いが、もし当たりならレオンと別勢力をぶつける材料になり得る、と利得計算。期待し過ぎず静観しつつ、東へ移る前にもう一仕事――ユウキがグランベル・ロッゾと進めていた“後始末の交渉”内容を皆に説明していく、という流れで章が締まる。場面の合間には、ミリムが“卵(ガイアの新しい器)”を愛おしそうに抱える近況も描写。

マリアベルの処理と西側の安定

マリアベルの事件は、シルトロッゾ王国と協議のうえ「遺跡での事故」として処理された。王国側も事を荒立てたくない意向であり、王族間の不祥事として表沙汰にはならなかった。両親の無関心ぶりを目の当たりにしたリムルは、マリアベルが前世の知識にすがった事情に一定の理解を示しつつも、それを惜しむのみであった。
五大老の一人グランベル・ロッゾは沈黙を保ち、テンペストは結果的に評議会内の最大勢力へと成長した。裏事情も掌握し、西側諸国の均衡は安定に向かっていたのである。

評議会代表選出の課題

平穏な日々の中、リムルは評議会へ誰を派遣するかを議題とした。ベニマル、ソウエイ、ゲルドはいずれも職務上の理由で辞退し、リムルは次点候補を探した。ガビルはワイバーン部隊の訓練に専念しており、他の長老陣も国政維持のため外せなかった。唯一名乗りを上げたシオンは気性の激しさを理由に却下された。
過去の料理騒動を引き合いに出され、本人は不満を漏らすも、議員としての適性は認められなかった。最終的にディアブロが最有力候補とされるが、当人不在のため決定は保留となった。

クロベエの発明と魔法武器の革新

クロベエは新たな武器「孔空き剣」を完成させ、リムルに披露した。この剣は刀身の孔に「精霊属性核(魔玉)」を嵌め込むことで属性を付与できる構造を持つ。単一属性なら安定し、複数属性を混ぜると未知の変化を起こす危険性があった。
リムルはこの技術を迷宮で実験的に運用し、安全な組み合わせを蓄積する方針を採用した。魔玉は使い切りで再充填可能。将来的には軍の正式装備として導入される見通しであった。

リムルの刀の変化

リムルは自らの黒刀の異変をクロベエに相談した。魔力を流すと刀身が虹色に輝き、未知の金属へと進化していたのである。解析の結果、それは伝説上の金属「ヒヒイロカネ」であり、永久不変・自己修復・反射遮断の特性を持つことが判明した。
クロベエは驚愕しつつも、その完成度を称えた。この刀はリムル以外の魔力では反応せず、神話級に至る潜在性を秘めた唯一無二の存在であると評価された。

神話級への到達と職人の誇り

クロベエはこの刀を伝説級上位に分類し、鍛錬次第では神話級に達する可能性を示唆した。リムルはその言葉に満足し、刀を最高傑作と認めた。クロベエの技術と信頼の結晶であり、芸術品の域に達したその刀は、今後さらなる進化を遂げるであろうと予感させた。

ミリムの報告と新たな兆し

静かな日常の中、ミリムが勢いよく執務室に駆け込み、「もう生まれそうなのだ!」と報告した。抱えた卵が鼓動を発し、ガイアの復活を示す光を放ち始める。テンペストに再び新しい時代の幕開けが訪れようとしていた。

第132話 視察と研究成果

ガイアの誕生
ミリムとリムルは孵化を待っていた卵が動き出すのを確認し、緊張の中で見守った。やがて殻が割れ、かつての混沌竜ガイアが小さな竜の姿で誕生した。ミリムは涙ぐみながらガイアを抱きしめ、再会を喜んだ。リムルはその光景を静かに見守り、ガイア誕生を感慨深く受け止めた。

感謝と再出発の決意
ガイアの無事な孵化により、ミリムは安堵の表情を見せた。リムルはミリムの願いを叶えることで、恩返しができたと感じていた。ミリムはガイアを抱きしめ、「これで一緒に冒険に行ける」と意気込んだ。リムルはフレイの許可を気にかけたが、ミリムは「心配ない」と答えた。

ガイア育成計画の始動
リムルはミリムの提案を受け、ガイアの訓練には迷宮が最適と判断した。ヴェルドラとラミリスも加わり、リムル、ミリム、ヴェルドラ、ラミリス、ガイアの五人でパーティを組み、育成計画を開始した。仮想体を用いて迷宮に入り、実戦形式での修行を行うこととなった。

ガイアの初戦闘と成長
迷宮内でガイアは圧倒的な潜在能力を示し、瘴気を帯びた「瘴気呪怨吐息」や重力操作などを自在に操った。戦闘経験を重ねるごとに動きが洗練され、ミリムやリムルとの連携も向上した。ブラッドボアとの戦闘では、重力操作で敵の突進を止め、ミリムの一撃で仕留めるという連携を成功させた。

チームの進化と成果
リムルたちは連携を磨きつつ、四十九階層を制覇し、前回苦戦した五十階層のボス・ゴズールを撃破した。戦闘を通してガイアは著しく成長し、リムルたちはその成果に満足した。全員が高揚した雰囲気の中、ミリムははしゃぎながら勝利を喜んだ。

フレイの帰還と叱責
帰還後、ミリムを待っていたのはフレイであった。彼女は微笑を浮かべながらも怒りを滲ませ、約束を破って無断で出かけたミリムを叱責した。ミリムは必死に弁明したが、正論を述べるフレイに言い負かされ、最終的に連行された。リムルはその様子を見送り、ガイアを一時的に預かることを決めた。

迷宮における新たな存在
ガイアは迷宮での修行を続けるため、リムルの管理下に残された。リムルは自らの仮想体を設定し、ガイアと共に行動させることで自動的に鍛錬が進むようにした。やがて、迷宮を巡回する五体の存在――リムル、ミリム、ヴェルドラ、ラミリス、ガイア――は、冒険者たちの間で“ユニークボス”と恐れられるようになったのである。

国政と法整備の急務
リムルは内政・裁判制度・外交の要職が未整備である問題を認識。現場を回しながら適任者の登用を急ぐことを決め、まずは視察へ出る。

ユーラザニア跡地の新王都計画を視察
ゲルドが指揮する新王都建設は基礎工事が完了。四方向の鉄路計画も同時進行で、ドワルゴン・イングラシア方面は敷設が順調、ユーラザニア方面は拡幅と資材搬送の調整中、サリオン方面は伐採からの難工事で猪人族が主力に。

ゲルドの人心掌握と和解
かつての配下や住民の不満を丁寧に聞き取り、リムルの方針と自らの経験を語って歩み寄りに成功。今では協力的な空気が醸成されている。

鉄道建設の方針と決断
魔導列車の軍事転用や線路破壊の懸念も出るが、「守るべきは施設より人材。壊されても作り直す」を合言葉に、開発優先で突き進む方針に統一。帝国が動けば短期決戦で対処する覚悟を共有。

ファルメナス視察とヨウム周り
ヨウム(と実務を回すミュウラン)が先行して測量・人員集めを完了。現地でリムルが図面の最終チェックと再測量指示。ミュウランの懐妊が判明し場がほっこり。騎士団はラーゼンの辣腕で安定、国内世論操作も功を奏し、魔物への偏見は薄れつつある。

迷宮の研究都市と共同体制
迷宮95階層に各国の研究者が集結(ドワルゴンの錬金職人、サリオンの魔導研究者、ルベリオスの吸血鬼研究者)。技術の相互開示を徹底した結果、ヴェルドラ(首領ポジ)&ラミリス(マスコット)を頂点に“研究結社”めいた一体感が生まれる。研究者には転移・通信付きの改良「復活の腕輪」を支給し、機密と安全を厳重管理。

試作の核心—魔導×物理のすり合わせ
小型ジオラマで動力・環境試験を進めながら、〈元素魔法〉と〈精霊魔法〉の法則差異を整理。炎の精霊を“核”に据え、刻印魔法で制御することで、魔素→熱・電気などに変換できる本格的な「精霊魔導核」の実装に成功。

魔導列車零号、公開
黒光りの魔鋼製機関車「魔導列車零号」をお披露目。動力は精霊魔導核+蒸気タービン、発電も可能で客車・寝台・食堂車の計画まで視野に。今後は耐久試験と細部調整へ。

研究者慰労と乾杯へ
完成祝いの懇親会をリムル持ちで開催決定。吸血鬼研究者も酒席にノリノリ。ラミリスは未成年につき、ベレッタらによりきっちり飲酒ストップ。

精神世界の描写
舞台は「精神世界」であった。そこは冥界、あるいは地獄とも呼ばれる悪魔たちの世界であり、荒廃した大地には無数の悪魔が蠢いていた。久方ぶりに訪れたディアブロは、辺りに雑魚悪魔が大量発生していることに気付き、嘲るように微笑んだ。

雑魚悪魔との遭遇
その言葉を聞き咎めた一体の悪魔が、ディアブロに喧嘩を売るように近づいた。「見ねぇ顔だな、テメェ」と挑発するが、ディアブロは一瞥しただけでその存在を吹き飛ばした。まさに鎧袖一触の一撃であり、周囲の悪魔たちは恐怖に凍り付いた。ディアブロは「雑魚を集めても仕方ありません」と呟き、関心を示すこともなかった。

馴染みへの言及
ディアブロは、真に会うべき相手が別にいることを理解していた。「早く馴染みに会いに行かねば。あの者たちならリムル様もきっとご満足くださる事でしょう」と独白し、目的地へと歩を進めた。その言葉には、主リムルへの忠誠と確信が滲んでいた。

原初の黄との再会
やがて、ディアブロの前に一人の悪魔が姿を現した。彼女は険しい笑みを浮かべ、「何をしに来たのさ、原初の黒!」と問いかけた。ディアブロは落ち着いた態度で応じ、「クフフフ、今の私はディアブロです」と名乗った。その答えに、相手は興味深げに「へぇ、君が名前を得るなんてね」と微笑む。

名を持つ者たちの呼応
ディアブロは静かに頷き、「ええ、ですので今後は名前で呼ぶように――原初の黄」と告げた。その言葉に応えるように、彼女は自らを「原初の黄(ジョーヌ)」と名乗り、二人の“原初”の悪魔が再び相まみえたのである。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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