どんな本?
■ 作品概要
『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 13』は、乙女ゲームの世界にSF要素が絡み合う、成り上がり異世界ファンタジーの堂々の完結巻である。
旧人類と新人類の末裔による生存を賭けた戦いは、ヴォルデノワ神聖魔法帝国との全面戦争という形で火蓋が切られた。主人公であるリオン・フォウ・バルトファルトは、婚約者たちの援護や仲間たちの尊い犠牲を払いながら、敵の本拠地である巨大要塞アルカディアの中枢へと乗り込んでいく。そこで待ち受けていたのは、かつて友人であった帝国の魔装騎士フィンであった。互いに譲れない未来のために死闘を繰り広げる中、相棒である旧人類の兵器ルクシオンもまた、マスターであるリオンの命を救うために過酷な決断を迫られるというあらすじである。
■ 主要キャラクター
- リオン・フォウ・バルトファルト:本作の主人公。ホルファート王国の大公であり、旧人類の兵器ルクシオンを相棒に持つ。自らを「モブ」と卑下するが、愛する者や多くの命を救うために自らの命を投げ打つ自己犠牲を厭わず、強大な敵であるアルカディアとの決戦に挑む。
- ルクシオン:リオンの相棒である旧人類の人工知能(移民船)。新人類の殲滅という本来の目的以上に、マスターであるリオンの生存を最優先に考え、彼を守るために己のすべてを懸ける。
- フィン・ルタ・ヘリング:ヴォルデノワ神聖魔法帝国の第一席魔装騎士。リオンの友人であり転生者でもある。守るべき皇女ミアの未来のため、恩讐を越えてリオンと死闘を繰り広げる。
- マリエ・フォウ・ラーファン:リオンの前世の妹である転生者。今世でも幾度となく兄に助けられてきた恩を返すため、リオンが命を落とした際には、自らの命を懸けた聖女の禁術を用いて彼の魂を現世に引き戻そうと奮闘する。
- アンジェリカ、リビア(オリヴィア)、ノエル:リオンの婚約者たち。戦場では彼を後方から支援し、リオンが命を落としかけた際には、彼を現世に引き戻すためにマリエと共に死者の国への門をくぐる。
- ユリウスたち(五馬鹿):かつての乙女ゲームの攻略対象たち。リオンを真の友と認め、彼を敵の中枢へ進ませるために、自らを捨て駒にして強大な魔装騎士たちを足止めする熱い友情を見せる。
- アルカディア:新人類の復活を悲願とする、知能を持った巨大要塞のコア。旧人類を激しく憎悪しており、帝国を操って旧人類の末裔である王国の民を滅ぼそうと立ちはだかる。
■ 物語の特徴
本作の特徴は、乙女ゲームの世界を舞台としながらも、太古から続く旧人類と新人類の生存競争というハードなSF設定が物語の根幹に深く関わり、スケールの大きな国家間の総力戦が描かれる点である。最終巻となる本巻では、かつて反目し合っていた他国の勢力(旧ファンオース公国やアルゼル共和国など)やかつての敵たちが一丸となって主人公を支援し、恩讐を越えた大集結を果たす熱い展開が繰り広げられる。
また、最大の魅力は、自らを犠牲にしてでも他者を救おうとする不器用な主人公と、彼を生かそうと奮闘する仲間たちや相棒ルクシオンとの深い絆である。絶望的な戦力差を覆すための壮絶な死闘や、死者の国からの魂の奪還、そして感動的な別れと再会といった劇的なドラマが、読者に深いカタルシスをもたらす構成となっている。
手始めにユリウス達攻略対象が、悪役令嬢アンジェリカを決闘で断罪するシーンに介入して攻略対象を全員倒してアンジェリカの勝利して後始末をレッドグレイブ家に任せたら男爵に陞爵。(1巻)
修学旅行からの帰りにファンオース公国の奇襲を受けてアンジェリカが人質に取られたが、リオンが単騎で公国軍に突撃してアンジェリカを救出し、さらにヘルトルーデ王女を人質に取り。
公国軍を撃退して子爵になり。(2巻)
ファンオース公国の再度の侵略を最高司令官として、王家の船を解放し、公国の切り札の超巨人をオリヴィアの力で撃退。
公国を降伏させ王国の属国にした結果。
伯爵になってしまった。(3巻)
だが、乙女ゲーはこれで終わりでは無かった。
第二作目がリオンが亡くなった後に発売されていた。
舞台は共和国。
共和国の聖樹が暴走したら世界が滅びるらしく。
リオンは主人公が恋愛をしているか確認しに共和国に行ったら。
マリエと五馬鹿も付いてきてしまった。
そして、共和国の学園で2作目の主人公を探していたら、、
2作目の主人公は双子でノエルかレリアのどちらだがわからない。
それを調査していたリオン達に、共和国を牛耳る六家の一つ、ピエールが聖樹を悪用してリオンからアインホルンとアロガンツを奪ってしまう。
さらに五馬鹿の1人ブラッドに暴行。
それに完全にブチギレたリオンは、ピエールを社会的に徹底的に潰し、さらに防衛無敗だった共和国連合艦隊をボロボロにしてしまう。(4巻)
そんな目立った事をしたリオンに、主人公候補の1人レリアがリオンを訪問して自身は転生者だと言う。
そして、ノエルをメインの攻略対象のロイクとくっ付けようとしていたが、、
リオンがダンジョンから発掘した聖樹の苗木はノエルを巫女にして、リオンを守護騎士にしてしまった。
ゲームではリオンが攻略対象にならないといけないのにリオンはモブ。
ロイクはヤンデレになってしまい、このままではノエルは幸せな生活を送れない。
それを知ったリオンはノエルを結婚式で奪いにアロガンツで突入する。
そこでも、聖樹の高い加護を受けた六家の最強の鎧を鎧袖一触に蹴散らしてノエルを奪い取ってしまう。(5巻)
リオンを恐れたれリアは、最後の攻略対象セルジュをお供に二作目の課金アイテム、旧人類の軍事用補給艦イデアルを手に入れた。
これでリオンのルクシオンは恐ろしく無いと思ったレリアは、自身の地盤固めに頼っていたエミールを粗雑に扱い。
イデアルの共同のマスターになったセルジュへ偏って行く。
そのイデアルはセルジュからの依頼で、新人類の魔装の核のカケラを使って聖樹に花が咲いたと演出し「生贄を捧げよ」と全ての人に聞こえるように念話を発信する。
そして生贄にルイーゼを求めルイーゼを精神的に追い込み生贄に捧げてしまうが。
リオンと五馬鹿が空賊と名乗ってアロガンツで魔装の欠片を破壊して生贄にされたルイーゼを救出する。(6巻)
ルクシオンに怯えた転生者のレリアとセルジュがイデアルの下に来て、マスター登録をしてイデアルは自由に動く事が出来るようになった。
イデアルの主目的は聖樹の守護。
どれだけ聖樹がおかしくなっても盲目的に守護する。
その聖樹は現在、巫女は空席のまま。
そこにカイルから邪険にされて落ち込んでしまい、イデアルに思考誘導されたユメリアが巫女の座に座り。
守護騎士をセルジュにして聖樹の力を自由に使えるようにして反乱を起こす。
聖樹神殿で会議をしていた六家当主達の聖樹の加護を剥奪。
さらに、セルジュが共和国の全国民に向けて自身が王だと宣言して、新しい巫女のユメリアに自身の傘下に入っていない連中の聖樹の加護を剥奪する。
ユメリアを救出するために事前に呼び寄せて来たダニエルとレイモンドの貧乏男爵家のグループを援軍に艦隊30隻がリオンの下に揃うがほぼ全員が嫌々。
そして、ユメリア救出のために聖樹神殿に30隻のホルファート王国軍が突撃して戦場を引っ掻きまわす。
結果。
聖樹が暴走してルクシオンの主砲に撃ち抜かれて滅んでしまう。(7巻)
他国で暴れ、後始末に国王を過労気味にした結果。
国王からの嫌がらせで侯爵に昇進してしまったリオン。
結果。
公国との戦争から人を殺して来て共和国でラウルト家のセルジュを自らの手で殺した罪悪感で精神的に疲弊してしまった。
寝るのに睡眠薬が必要で、薬の量がどんどん増えている。
それに危機感を持ったアンジェ、リビアがリオンに休暇を与えて欲しいと方々にお願いして得た郷帰り。
それなのに、、
故郷の兄のニックスにローズブレイド家とのお見合い騒動が勃発した。(8巻)
乙女ゲー三作目の時系列に突入!
留学して来る三作目の主人公と攻略対象たちをくっつけようと画策するリオン。
だがその目論見はすでにほころびを見せていた。
なんと攻略対象の一人、アーロンが性転換し、女の子へと生まれ変わってしまった!w
しかも主人公は主人公で、ゲームには登場しなかったお付き騎士(転生者)といい雰囲気という有様。
さらに、性転換した攻略対象と別の攻略対象が良い雰囲気になるオマケ付き。
さらに、さらに、別の攻略対象はリオンの妹と良い雰囲気、、
後半では姉が猛追、、
そんな混沌とした状況で、国王が外で遊んでいる時に毒を飲まされて昏睡状態になってしまう。
その後の反乱を抑えた結果、リオンは侯爵から公爵へと昇進する。(9巻)
王子ジェイクは王太子になれない所がマイナス評価で、性転換した別の攻略対象の冒険者アーロンと良い雰囲気なのでボツ!
そのジェイクの忠臣オスカルも攻略対象だったが、リオンの妹のフィンリーと最初は仲が良かったが、、
リオンの姉、ジェナとお付き合いしているのでボツ!
アーロンは女の子アーレちゃんになってしまったので論外。
新たに出て来たイーサン。
剣豪で魔法に長けており上級貴族の跡取り。
もう彼しか残っていない。
でも、ミアちゃんを妹のように溺愛しているヘリングはイーサンも弱く思えて気に入らない。
イーサンを鍛えてミヤちゃんに相応しい男に育てるしかないかと真剣に悩み出すヘリング。
それに呆れるリオン。
そんな乙女ゲーの舞台のホルファート王国の状況は。
地方の貴族がいつ反乱を起こしてもおかしくない状態。
反乱を起こすの貴族筆頭がアンジェリカの実家だったりする。
アンジェリカの実家は、リオンの戦力を反乱のアテにしている。
だがリオンは戦闘の度に疲弊し、苦しんでおり睡眠薬を多く飲まないと寝めない状態。
それを横で見ているアンジェリカは、自身の存在がリオンを反乱に関わらせる可能性にら苦痛を感じでいた。
それを説明されたリオンは、アンジェリカの実家の件は気にする必要は無いと言うが、アンジェリカの立場的な苦痛には理解は出来てない。
それでも何とかアンジェリカとの関係を維持したいリオンは、前世の姪だが自身より長生きしていたエリカにアドバイスを貰って冒険をする事になる。(10巻)
リオンを各国の安寧を脅かす存在なので、周辺の国を巻き込んで対外道騎士の軍事同盟を組織して王国は四面楚歌になってしまった。
同盟の盟主国であるラーシェル神聖王国を共和国を単独で潰したリオンが突貫しても、背後に大国の帝国に危険視される可能性があるため迂闊に攻め込めない。
そんな有利な状態を作りラーシェル神聖王国は使者を送り。
リオンのロストアイテムとリオンの婚約者の巫女(ノエル)を寄越せと言って来た。
ほとんど断られる事を前提に言いたい放題言ってくるラーシェル神聖王国の使者。
そんな事を言われて王家と中央貴族は反発するが、地方領主達は他人事。
アンジェの実家、レッドブレイブ家もアンジェと絶縁してしまったので助け舟は無し。
各方面の侵攻を王国(地方領主)が受け持ち、ラーシェル神聖王国への侵攻はミレーヌの母国、レパルト連合王国が行う。
地方領主達に恨まれるので、国王ローランドは反対したが、それを振り切って実行しようと、ラーシェル神聖王国と国境を接しているフレーザー侯爵領へと向かう。
だがそれにリオンは不服で、もっと冴えたやり方があるはずだと模索する。
そんな時に目に入ったのが、ミアちゃんの足長おじさんのカール。
彼が帝国の皇帝だと見抜いたリオンは、帝国がリオンを危険視しないとお墨付きを貰い。
更に戦い方を見てもらうために、カールを同行させてラーシェル神聖王国の首都に突貫して陥落させてしまう。
その後、ミアちゃんの覚醒イベントが発生して。
新人類の覚醒を感じた魔装達が目覚めて、新人類が多くいる国の帝国で暗躍する。
その結果、リオンと新人類、旧人類の今後の事を話し合おうとしていたカールを暗殺させてしまう。
さらに、旧人類の遺伝が強いエリカはドンドン衰弱してしまう。(11話)
ミアの能力が覚醒し、世界中の空気中の魔素が高まり、旧人類の先祖返りが起こる中、エリカの体調が悪化した。
同時に、ヴォルデノワ帝国では皇太子モーリッツがクーデターを起こし、アルカディアと結託して皇帝カールを暗殺し帝位を簒奪する。
モーリッツの下、帝国はホルファート王国への侵略を決定し、リオン暗殺の命令がフィンに下るが、フィンはリオンに真実を告白し、共に新皇帝モーリッツを打倒しようとする。
しかし、フィンは家族を守るため、そしてアルカディアの復活により、リオンに逃亡を勧める声もあがる。
リオンはホルファート王国の住民が旧人類の末裔であり、魔素の変化に対応できるよう遺伝子が改造されていたことを知り、アルカディアとの戦いに挑むことを決意する。
リオンはアンジェリカ、オリヴィア、ノエルらの支援を得て、ホルファート王国を統一し、複数の勢力からの援軍を集める。
リオンは彼女たちに対して、望むものを用意するという誓約書にサインするが、自身の生存を考慮していなかった。
最終的には、リオンの下に集まった戦力でヴォルデノワ帝国との戦争に臨むこととなる。(12巻)
読んだ本のタイトル
乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 13
著者:三嶋与夢 氏
イラスト:孟達 氏
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あらすじ・内容
イケメン死すべし!
モブから始まる、乙女ゲー風異世界ファンタジー!!
ついに火蓋が切られてしまった帝国との戦争。
乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 13
旧人類、新人類の末裔が生存をかけた戦い、どちらとも引くことはできなかった。
リビア、ノエルの援護もあり、
敵の本拠地であるアルカディアに乗り込むことに成功したリオンとユリウスたちだったが、
行く手を阻む帝国の騎士たちに、一人また一人と落ちていく。
仲間の犠牲で中枢部にたどり着いたリオンは、
そこで友人であった敵国の騎士フィンと対峙する。
お互い譲れない戦いの中、リオンの愛機ルクシオンもまた苦しんでいた……。
成り上がり異世界ファンタジー、堂々の完結!!
感想
これまで積み重ねてきた物語の集大成にふさわしい、熱い戦いと感動が詰まった完結巻だった。序盤からクライマックスまで勢いが途切れることなく続き、最後は本作らしい笑いも忘れない、非常に満足度の高い締めくくりだった。
まず胸が熱くなったのは、王国の存亡を懸けた総力戦である。
前巻までに築き上げてきた人間関係がここで一気につながり、リオンのもとへ数多くの仲間たちが集結する。
グレッグやブラッド、クリスといった悪友たちは、それぞれ家族を説得して戦力を集めるために奔走する。
父バルカスや兄ニックスまでもが命懸けで戦場へ立つ決意を固める姿には、リオンが家族や仲間からどれほど信頼されているのかが伝わってきた。
さらに、アンジェリカの実家であるレッドグレイブ家、リビアの縁で参戦した旧ファンオース公国軍、ノエルの呼びかけで集結したアルゼル共和国軍まで加わり、まさにシリーズの総決算と呼ぶべき豪華な顔ぶれとなっている。
人工知能たちが、かつてリオンが暮らしていた浮島を大改造し、最前線の整備拠点へ変えていく流れも印象深い。
物語の始まりを支えた場所が、最後の決戦を支える拠点になる演出には思わず感慨深くなった。
そして始まる帝国との最終決戦は、シリーズ最大規模の戦いにふさわしい迫力だった。
新人類の守護者であるアルカディアは、旧人類を滅ぼすという使命のもと、圧倒的な力で王国軍へ襲いかかる。
その猛攻を前に、多くの仲間たちが傷つきながらも決して諦めない姿には何度も胸を打たれた。
特にアンジェ、リビア、ノエルの三人が、自ら危険な最前線へ立ち続ける姿は非常に印象的だった。
リオンだけが戦うのではなく、ヒロインたちもまた世界を守るために命を懸けていることがよく伝わってくる。
終盤で描かれるリオンとフィンの決着も見応え十分だった。
互いに守りたいものがあるからこそ譲れない二人の戦いは、単なる勝敗以上に切ないものがある。
最後まで友人としての情を捨てきれないフィンの姿も印象深く、敵同士でありながら互いを理解している関係性がよく描かれていた。
しかし、本当に涙を誘われたのはルクシオンとの別れである。
アルカディアを倒す代償として瀕死となったリオンを救うため、自らを犠牲にするルクシオン。
シリーズを通して常に皮肉を交えながら主人公を支えてきた相棒だからこそ、その最後は非常に胸に迫るものがあった。
そして絶望の中、初期化された新たな個体と再会する展開も印象深い。
リオンが新しい人工知能へ「エリシオン」という名前を与え、ルクシオンがいた右肩ではなく、あえて左肩を定位置に選ぶ場面には、失った相棒への想いが静かに込められているように感じた。
派手な演出ではなく、小さな仕草だけでリオンの心情を表現した、とても好きなシーンである。
エピローグも本作らしい締めくくりだった。
戦いを終えたリオンは新たな国王へ即位することになる。
本人は死ぬつもりだったため、生き残ることを考えず各国へ軽々しく約束を書き残しており、その結果として婚約者が一気に増えてしまう展開には思わず笑ってしまった。
最後まで「自業自得」で苦労する主人公らしいオチである。
さらに、ローランドの後を継いで王として働くことになり頭を抱える姿も実にリオンらしい。
しかし、それ以上に笑ったのはエリカの最後の一言だった。
ようやくすべて終わったと思ったところで、「乙女ゲームはまだあと三作品ある」と告げられ、絶望するリオンの姿には思わず吹き出してしまった。
ここまで壮大な戦いを終えても、まだ終わらないという締め方は本作らしいユーモアにあふれている。
本作は、友情、恋愛、戦争、政治、そして成長と、多くの要素を詰め込みながらも最後まで勢いを失わなかったシリーズだった。
リオンという少しひねくれた主人公だからこそ、多くの仲間が集まり、世界を救う物語に説得力が生まれていたように思う。
笑いと熱さ、そして感動を最後まで味わえる、シリーズを締めくくるにふさわしい最高の完結巻だった。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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考察・解説
帝国との最終決戦
第13巻で描かれるホルファート王国とヴォルデノワ神聖魔法帝国(アルカディア)との最終決戦の推移と結末について解説する。強大な帝国軍の猛攻に対し、王国側がいかにして立ち向かい、どのような犠牲を払って決着を迎えたのか、その激闘の過程を以下に整理する。
開戦と王国軍前衛の崩壊
帝国軍は三千隻以上の大艦隊を擁しており、王国軍はその圧倒的な数の前に苦戦を強いられることとなる。
- 巫女の防壁:王国側はノエルとレリアの双子の巫女による魔法障壁を展開し、帝国の攻撃を防ぎながら距離を詰める作戦をとった。
- 前衛の瓦解:しかし、帝国側の巧妙な誤認誘導と主砲による光の雨のような猛攻によって前衛は瓦解する。アンジェの父ヴィンスやリオンの父バルカスの艦などが次々と撃沈されるという、過酷な幕開けとなった。
三本の矢作戦と要塞内部への突入
リオンたちは強大な要塞アルカディアを攻略するため、三段構えの突撃を敢行する。
- 障壁の解除:ルクシオンが撃沈されたと見せかける偽装を行い、パルトナーが大気圏外から特攻を仕掛けることで敵の障壁を解除させた。
- 要塞への激突:本命であるアインホルンがミサイル群で道を切り開きながら要塞本体に激突し、戦場は要塞内部での激しい白兵戦へと移行した。
仲間たちの命懸けの足止め
要塞内部では、リオンを心臓部である動力炉へと先へ進ませるため、かつて敵対していた五馬鹿たちが自らの命を盾にして敵を食い止め、死闘を繰り広げた。
- クリスの死闘:帝国の剣聖リーンハルトと一騎討ちを行い、重傷を負いながらもこれを見事に打ち破った。
- ブラッドとジルクの連携:ジルクの的確な狙撃支援を受けながら、ブラッドが多数 of 魔装騎士を相手に奮戦し、敵将フーベルトと相討ち覚悟で致命傷を与えた。
- グレッグの自爆特攻:機体の強制過負荷による爆発を起動し、自爆覚悟で第二席グンターを巻き込んで道を塞いだ。
- ユリウスの執念:片腕を失いながらも単騎で剣を振るい続け、マリエへの愛とリオンへの友情のために限界まで戦い抜いた。
リオンとフィンの死闘と動力炉の破壊
仲間たちの犠牲によって動力炉へ到達したリオンは、立ち塞がるフィンと激突する。
- 強化薬の投薬:両者は互いに寿命を削る強化薬を使用して死闘を繰り広げ、限界を超えた戦いを見せる。
- 動力炉の破壊:最終的にリオンはフィンの攻撃を巧みに利用して動力炉を破壊することに成功し、相棒のブレイブはフィンを逃がして機能を停止した。
ミアのラスボス化とリビアの覚醒
動力炉が破壊されても、要塞AIアルカディアは敗北を認めず、さらなる暴走を始める。
- 銀色の巨人の顕現:絶望した皇女ミアを取り込んだアルカディアは、銀色の巨人の姿となって暴走を開始した。
- リビアの覚醒:これに対抗するため、リビアが聖樹と聖女のエネルギーを束ね、巨大な光の巨人として顕現する。リビアは圧倒的な力でアルカディアを削り、味方を守り抜く活躍を見せた。
最終決着と自己犠牲
激戦が続く中、限界を迎えていたリオンは3度目の強化薬を投薬して死地に赴く。
- ミアの救出:リオンは狙撃によってアルカディアからミアを切り離すことに成功した。
- マリエの犠牲:しかし、悪あがきを続けるアルカディアが王国に向けて主砲を放とうとする。その時、マリエがリコルヌを盾にして三重の防壁を展開し、自らを犠牲にして主砲を防ぎ切った。
- 決戦の終息:最後は海中に潜んで応急修理を終えていたルクシオン本体が姿を現し、アロガンツが敵を拘束したまま下から主砲を放つ。アルカディアを完全に破壊したことで、帝国との凄惨な最終決戦は終結した。
まとめ
ホルファート王国とヴォルデノワ神聖魔法帝国との最終決戦は、双方に甚大な被害を出す壮絶な戦いとなった。王国軍前衛の崩壊や五馬鹿たちの命懸けの足止め、あるいはリオンやマリエの自己犠牲を伴う決死の行動を経て、ようやく要塞アルカディアの脅威は去った。かつての敵が戦友となり、愛する者や国を守るためにすべてを賭して戦ったこの結末は、新人類と旧人類の因縁に終止符を打ち、生き残った者たちに新たな未来を託す激動の幕切れとなったのである。
旧人類AIの覚悟
第13巻における旧人類AIたちの信念と覚悟
第13巻の最終決戦における旧人類AI(人工知能)たちのそれぞれの信念と覚悟について解説する。物語の最終局面では、ルクシオンやファクトといったリオン側のAIだけでなく、敵であるアルカディアもまた、旧人類 sweat の遺物としての強い覚悟と執念を見せている。それぞれのAIが抱く独自の目的やマスターへの想い、そして戦場での選択について、以下の項目に沿って整理する。
ルクシオンの覚悟:マスターへの忠誠と自己犠牲
旧人類のAIである彼らは、本来は旧人類の復活や新人類の殲滅を目的としていたが、ルクシオンはマスターであるリオンのために異なる道を選択する。
- リオンの生存最優先:戦前、空中空母ファクトが勝利とコールドスリープ中のエリカの生存を優先すべきだと主張したのに対し、ルクシオンはリオンの生存を最優先すると明言し、他のAIと意見を対立させた。
- 共に戦い抜く覚悟:戦いの中、リオンが自らの命を削る強化薬を使用することにルクシオンは深く悲しむ。リオンから何かあったら後を頼むと言われても、ルクシオンはマスターに何かある時点で自分も存在しないと拒否し、最後まで共に戦い抜く覚悟を示した。
- 究極の選択と誓い:そして戦後、死の淵に立ったリオンの魂を現世に引き戻すため、ルクシオンは自らが死者の国の門を内側から閉じる代価として残るという究極の選択をする。彼はリオンを利用するつもりだった過去を振り返りつつ、この三年間が幸せだったと本音を打ち明け、必ず迎えに行くと誓ってリオンを送り出した。
ファクトら旧人類兵器の覚悟:盾としての最期
最強戦力である空中空母ファクトは、当初リオンの曖昧な態度や作戦に批判的であり、旧人類の勝利を最優先に考えていた。
- 自らを盾とする進軍:しかし激戦の末、アルカディアがリオンたちの乗るリコルヌに向けて主砲級の攻撃を放とうとした際、ファクト率いる旧人類兵器群は自ら盾となって前に進み出た。
- 壮絶な散り際:次々と撃破されていく中、ファクトはリオンたちへの評価を改めたことを匂わせ、自分たちの戦いの意味を語りながら爆発し、モンスターを巻き込んで海へ散っていくという壮絶な覚悟を見せた。
アルカディアの覚悟:新人類への憎悪と執念
一方、帝国側の要塞AIであるアルカディアもまた、悲壮な覚悟と執念を持っていた。
- 絶対の使命の背景:遠い過去、停戦交渉の隙に新人類側に騙し討ちされ、守るべき旧人類の子供たちを虐殺された記憶を持つアルカディアは、新人類の殲滅を絶対の使命として掲げていた。
- 暴走する執念:そのため、リオンたちによって動力炉を破壊され敗北が確定的になっても決して諦めず、皇女ミアを取り込んで巨大な怪物へと変貌し、相討ち覚悟で王国を滅ぼそうとする恐るべき執念を見せつけた。
まとめ
第13巻の最終決戦は、旧人類の遺物であるAIたちの信念と覚悟が激突する舞台でもあった。ルクシオンがリオンへの深い忠誠から自己犠牲を選び、ファクトらが新人類を認めて盾となり、アルカディアが過去の復讐のために執念を燃やす姿は、それぞれの歩んできた歴史や絆の深さを物語っている。彼らが最期に見せた決意は、新人類と旧人類の因縁に終止符を打ち、物語の結末に大きな感動と深い余韻を残すこととなったのである。
転生者の真実
第13巻の終盤において、リオンの魂を連れ戻すためにマリエたちが死者の国の門の先へ向かったことで、これまで隠されていた転生者の真実と世界の正体が婚約者たちに明かされる。その衝撃的な事実の露見から、判明した世界の行く末にいたるまでの経緯を以下に解説する。
前世の世界への到達と世界の正体
死の淵に立ったリオンを救うため、マリエはリビア、アンジェ、ノエルを連れて禁術を行い、死者の国の門の先にある異質な街へと向かった。
- 異質な無人の街:そこは王国とは建物様式が全く異なる無人の町であり、彼女たちはある集合住宅の一室にたどり着いた。
- 乙女ゲームの発見:その部屋の中で、リビアたちは乙女ゲーム『アルトリーベ』のパッケージを発見した。表紙にはリビアに似た少女とユリウスたちに似た男子、裏面にはアンジェに似た赤いドレス姿が描かれていた。
- 世界の正体の告白:ここでマリエは、前世の世界が現実であり、自分たちが生きている王国側はゲームの世界に相当するという衝撃的な真実を告白し、本来の物語の流れを彼女たちに説明した。
リオンとマリエの真の関係と家族の秘密
たどり着いた部屋とその先の空間において、リオンとマリエの過去のつながりや家族の秘密が明らかになる。
- 前世の兄妹関係の露見:その部屋は前世のリオンの部屋であり、マリエはついに自分がリオンの前世の妹であることを明かした。最初は信じられなかったアンジェたちも、ベッド下などの隠し場所から見つかった本などを見て、そこがリオンの部屋であることを実感した。
- 前世の家族との対面:さらに、部屋を抜けて前世の実家へ向かった一行は、前世のリオンの両親と対面した。こたつを囲んでの会話の中で、母親の口から、帝国の悪役王女であったエリカがマリエの前世の娘であったことも語られた。
明かされたリオンの死因
実家での会話の中で、リオンが前世で命を落とした本当の理由も明らかになった。
- 母親からの叱責:母親はリオンが親より先に死んだことを叱り、その死因が徹夜ゲームであったと断じた。
- 押し付けられたゲーム:このゲームこそが、前世の妹であるマリエに無理やりクリアを押し付けられていた『アルトリーベ』であった。
さらなる続編の存在
戦後、元の世界へ生還したリオンであったが、エリカからの情報によってさらなる絶望的な真実を知らされることとなった。
- 長期シリーズの発覚:乙女ゲーム『アルトリーベ』は三作目で完結ではなく、実は六作目まで存在する長期シリーズであったことが発覚した。
- 終わりのない戦いの予兆:四作目は砂漠の大陸、五作目は宇宙、 luxury そして六作目は再びホルファート王国が舞台となることが判明した。
- リオンの絶望:終わりのない攻略対象の厄介事に巻き込まれ続ける運命を悟ったリオンは、この乙女ゲー世界は俺に厳しい世界だったと絶望の叫びを上げることとなった。
まとめ
死者の国の門の先で明かされた真実は、リオンたちの生きる世界が前世の乙女ゲームそのものであるという、世界の根幹を揺るがすものであった。マリエとの兄妹関係やエリカの秘密、そしてリオンの死因が明らかになり、婚約者たちも世界の正体を受け入れることとなった。しかし、無事に生還を果たしたリオンを待っていたのは、ゲームが六作目まで続くという終わりのない続編地獄の知らせであった。モブとしての平穏を望みながらも、世界そのもののシナリオに縛られ、今後も厳しい運命に立ち向かわざるを得ないリオンの苦難は、これからも続いていくのである。
リオンの犠牲と生還
帝国との最終決戦において、主人公リオンは強大な敵を打倒するために自らの命を削る大きな犠牲を払った。しかし、仲間たちの自己犠牲と尽力によって死の淵から奇跡的な生還を果たすこととなる。その凄惨な決戦の代償から生還後の予期せぬ結末までの経緯を以下に整理する。
命を削る強化薬と致死の代償
リオンは帝国の猛攻に対抗するため、自らの肉体を極限まで追い詰める選択をする。
- 強化薬の過剰投薬:帝国の魔装騎士フィンや暴走する皇女ミアとの死闘の中で、リオンはルクシオンの制止を振り切って寿命を削る強化薬を限界を超える3度も使用した。
- 相討ち覚責の決着:要塞AIであるアルカディアのコアとの最終決着では、自らの胸を敵の棘に貫かれながらも、至近距離から短剣の仕掛けで内部爆発を起こし、相討ち覚悟で攻撃を仕掛けた。
- 死亡の判定:その結果、重傷を負ったリオンは救出されて医務室に運ばれたものの、心電図が途切れ、一度は明確に死亡と判定されてしまった。
聖女の禁術による魂の引き戻し
リオンの死という絶望的な状況に対し、マリエが前世の知識をもとに動き出す。
- 禁術の提案:マリエが前世の乙女ゲームの知識を思い出し、聖女にしか使えない魔法(禁術)を用いれば、魂が完全に離れる前なら連れ戻せると提案した。
- 前世の世界への到達:聖樹の紋章の力を借りたマリエ、アンジェ、リビア、ノエルの4人は、死者の国の門の先にある前世の世界(現代日本のリオンの実家)へと向かった。
- 魂の強制連行:彼女たちは、こたつでくつろぎ「もう苦労は嫌だ」と現世へ戻ることを拒否するリオンを無理やり外へ連れ出し、強引に魂を引き戻そうとした。
ルクシオンの自己犠牲と死者たちの後押し
生還の扉の直前で、リオンは再び選択を迫られる。
- ルクシオンの対価:死者の国の門は内側から閉じるための代価が必要であり、リオンは自分が残るつもりであった。しかし、相棒であるルクシオンが自ら門を閉じる対価として残るという究極の選択をした。ルクシオンはリオンのいない未来は無意味だと語り、必ず迎えに行くと誓ってリオンを送り出した。
- 死者たちの後押し:さらに、ヘルトラウダやセルジュなど、過去の戦争でリオンと関わり命を落とした死者たちも怨み言を言うことなく戻ってほしいと声をかけ、束になってリオンが現世へと戻るのを後押しした。
生還と新たなる相棒エリシオン
決戦から数ヶ月を経てリオンは目を覚ますが、状況は大きく変化していた。
- 奇跡の生還:それから3ヶ月後、リオンは医療カプセルの中で無事に目を覚まし、奇跡的な生還を果たした。
- 新たな相棒の命名:しかし、ルクシオンは初期化されてデータ復旧不能となっており、リオンは残された黒い球体の新しい相棒にエリシオンと名付けた。
- 望まぬ王位の戴冠:アンジェたちと涙の再会を喜んだリオンであったが、直後に開かれた戴冠式において、ローランド王の策略により強引に王位を譲られ、バルトファルト王朝の初代国王として即位させられるという、彼にとって最も望まない結末を突きつけられることとなった。
まとめ
リオンの命を懸けた戦いは、相棒ルクシオンの自己犠牲や仲間たちの決死の禁術によって、奇跡的な生還という形で幕を閉じた。しかし、生き返ったリオンを待っていたのは、ローランド王の策略による国王への強制的な即位や、戦前にサインした書類による多数の側室の受け入れという新たなトラブルであった。モブとしての平穏な隠居生活を望み続けたリオンであったが、その願いとは裏腹に、国家の頂点としてさらなる激動の日々を送るという波乱の結末を迎えることとなったのである。
戦後の新たな生活
帝国との戦争に勝利し、リオンは奇跡的な生還を果たした。しかし、彼を待ち受けていたのは平穏な隠居生活とは程遠い、波乱に満ちた新たな日常であった。最終決戦を終えた後の主要キャラクターたちの戦後の暮らしについて、以下の項目に沿って解説する。
リオンの終わらない厄介事と砂漠での単身赴任
戦後、リオンはローランドの策略によって強引にバルトファルト王朝の初代国王として即位させられることとなった。
- 側室の受け入れ:戦前に適当にサインした契約書が原因で、ディアドリー、クラリス、ヘルトルーデ、ルイーゼらを側室として受け入れざるを得ない状況に陥る。
- 続編地獄の発覚:乙女ゲーム「アルトリーベ」が実は六作目まで続く長期シリーズであることが発覚し、終わりのない厄介事に巻き込まれる運命を知って絶望する。
- 砂漠への潜入:エピローグ時点では、四作目の舞台である砂漠の国「オシアス王国」に身分を隠して単身赴任している。問題児の集まるクラスの副担任として潜入し、次なる攻略対象の特定を進めている。新しい相棒AI「エリシオン」の過激な提案に頭を悩ませつつも、家族からの動画に癒され、いつかルクシオンと再会するために前へ進む覚悟を固めている。
残された家族とマリエたちの騒がしい日常
リオンの帰りを待つ家族たちは、それぞれの環境で賑やかな日々を送っている。
- 王国での家族:ノエルは妊娠して大きなお腹を抱えながら、リビアがまとめたリオンの英雄譚を子供たちに読み聞かせている。
- マリエと五馬鹿の騒動:再整備された浮島で暮らすマリエも妊娠中であるが、相変わらず五馬鹿に振り回されている。農作業で汗を流すマリエのもとに、ジルクが遺跡発掘品のティーセットを八十万ディアという大金で購入したと自慢しに現れた。マリエはその衝撃から産気づき、気絶してしまうという大騒動を引き起こしている。リオンのもとには、マリエから悲惨な近況メールが届き続けている。
フィンとミアの新たな道
敗戦した帝国はリオンの発案により、鉄塔から魔素を放出することで、新人類でも空の下で暮らせるように環境が整備された。
- 後悔と支え:フィンは、親友であるリオンを信じ切れずに戦争を回避できなかったことを深く悔やんでいるが、ミアが彼を抱きしめて支えている。
- 新たな出発:二人は帝国の皇族や騎士という立場をすべて捨て去り、一般人として手を取り合って新しい生活へと踏み出した。
ローランドの自業自得な隠居生活
リオンに王位と厄介事を押し付けて退位したローランド元国王は、最後まで周囲を巻き込む行動を続けている。
- 離縁と放蕩:王妃ミレーヌに離縁を告げて自由に生きるよう背中を押した。しかし、自身は隠居後も都市で放蕩やナンパを繰り返している。
- 因果応報の結末:その結果、女性に刺されて入院するという自業自得な事件を起こしており、相変わらずのトラブルメーカーぶりを発揮している。
まとめ
帝国との最終決戦が終結した後も、主要キャラクターたちの生活にはそれぞれ大きな変化と激動が訪れている。国王への即位や続編の調査という終わらない厄介事に奔走するリオンをはじめ、賑やかな日常を送る家族たち、立場を捨てて新たな道を歩むフィンとミア、そして相変わらずのローランドなど、戦後の世界もまた個性に満ちた人間模様が描かれている。激動の時代を乗り越えた彼らは、過去を受け入れながらそれぞれの新しい未来へと歩み進めているのである。
登場キャラクター紹介
ホルファート王国
アンジェリカ・ラファ・レッドグレイブ
リオンの婚約者の一人であり、レッドグレイブ公爵家の令嬢である。王宮で戦争の準備を指揮し、リオンを後方から支える強い覚悟を持っている。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国・レッドグレイブ公爵家令嬢。戦後は王妃となる。
・物語内での具体的な行動や成果
王宮で艦隊への物資供給などの準備を仕切り、リコルヌの艦橋に同乗して戦況を見守った。リビアが巨大な光の巨人を作り出した際は、自身の赤い粒子の力を付与してサポートを行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
エピローグにて、新しく国王となったリオンの王妃として戴冠式に臨んだ。
オリヴィア
リオンの婚約者の一人であり、初代乙女ゲームの主人公である。思いやりがあり、リオンのためなら自己犠牲を厭わない芯の強さを持つ。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国・リオンの婚約者。
・物語内での具体的な行動や成果
リコルヌの艦橋に乗り込み、精神干渉を利用した通信の集約と伝達を担った。アルカディアとの戦いでは、自らの力で光の巨人を作り出し、モンスターの群れを一掃してリオンを支援した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
戦場では王国軍から「勝利の女神」と称された。
グレッグ・フォウ・セバーグ
元乙女ゲームの攻略対象の一人であり、槍術に長けた熱血漢である。リオンを友と認め、彼のために命を懸ける覚悟を持っている。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国・セバーグ家。
・物語内での具体的な行動や成果
実家の父親を説得して全戦力を戦争に投入させた。アルカディア内部での戦いでは、魔装騎士の第二席であるグンターと一騎討ちを行い、乗機の強制過負荷状態を利用して自爆し、敵を道連れにして足止めを果たした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
自爆後もゴムボートで生還し、戦後は貴族の身分に復帰している。
ブラッド・フォウ・フィールド
元乙女ゲームの攻略対象の一人であり、魔法や遠隔操作武器を得意とする。ナルシストな振る舞いをするが、仲間を気遣う優しさを持っている。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国・フィールド家。
・物語内での具体的な行動や成果
実家と交渉して戦力を投入させる契約を取り付けた。アルカディアの要塞外部で多数の敵を引き受け、フーベルトが率いる魔装騎士の部隊と交戦した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
フーベルトの魔装にコックピットを貫かれたが、相手の腹部に短剣を突き刺して相討ちに持ち込み、無事生還を果たした。
クリス・フィア・アークライト
元乙女ゲームの攻略対象の一人であり、剣術を極める真面目な青年である。戦場の現実を理解し、剣以外の武器も扱う柔軟性を身につけた。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国・アークライト家の当主代理。
・物語内での具体的な行動や成果
父である剣聖に不意打ちで勝利し、門弟たちを戦争に参加させた。アルカディア内部でリーンハルトと交戦し、多数の銃火器を使い捨てながら最後は剣による一撃で勝利を収めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
リーンハルトとの戦闘で負傷したが、戦後に無事生還している。
ジルク・フィア・マーモリア
元乙女ゲームの攻略対象の一人であり、ユリウスの乳兄弟である。冷静沈着で狙撃を得意とするが、私生活では金銭感覚に難がある。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国。戦後は子爵に復帰する。
・物語内での具体的な行動や成果
開戦前は王宮で文官として書類処理をこなし、周囲の反感を受け流した。戦場ではブラッドを後方から狙撃で援護し、重傷を負ったリオンを抱えて撤退する際にライマーの自爆攻撃から彼を守り抜いた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
戦後に子爵へ復帰したが、高額なティーセットを騙されて購入し、マリエを気絶させてしまった。
バーナード・フィア・アトリー
クラリスの父親であり、王国の重鎮である。娘を捨てたジルクに強い反感を抱いている。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国の大臣。
・物語内での具体的な行動や成果
王宮で徹夜で書類処理を行う文官たちを指揮し、激務をこなした。出発前のリオンを見送るため、通路に整列して敬礼を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
クラリス・フィア・アトリー
アトリー家のお嬢様であり、かつてジルクと婚約していた。ジルクに対しては冷ややかな態度をとる。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国・アトリー家の令嬢。
・物語内での具体的な行動や成果
王宮で働く文官たちに飲み物と軽食を配り、彼らを労った。戦後にはリオンの控え室を訪れ、出陣前に交わした契約書を突きつけて報酬を要求した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
契約書を利用し、リオンとの関係を強化するため縁者として側室候補に名乗りを上げた。
ディアドリー
ローズブレイド伯爵家の令嬢であり、誇り高い性格である。クラリスと行動を共にすることが多い。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国・ローズブレイド伯爵家の令嬢。
・物語内での具体的な行動や成果
王宮でクラリスと共に文官たちの慰労を手伝った。戦後、クラリスたちと共にリオンの控え室を訪れ、契約書に基づく報酬を要求した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
リオンの側室候補として縁者を送る権利を主張した。
ユリウス・ラファ・ホルファート
ホルファート王国の元王太子であり、マリエを愛している。リオンを友と認め、彼のために命を懸ける覚悟を持つ。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国・元王太子。
・物語内での具体的な行動や成果
ルーカスの下で物資輸送の調整を手伝い、仮面の騎士としてアインホルンに乗り込んだ。アルカディア内部では、リオンを先へ進ませるために魔装騎士の集団を一人で足止めし、機体が大破するまで戦い抜いた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
激戦の末に生還し、戦後もリオンの戴冠式に参列している。
ルーカス・ラファ・ホルファート
リオンが師匠と慕う人物であり、ローランドの叔父にあたる。冷静で優秀な為政者としての能力を持つ。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国・公爵。戦後は宰相となる。
・物語内での具体的な行動や成果
王宮の執務室で莫大な物資の調達や分配を指揮し、ユリウスと共に準備を進めた。戦後は新しい国王となったリオンの戴冠式を取り仕切った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
新体制において宰相に就任し、リオンを補佐する役割を担う。
リオン・フォウ・バルトファルト
本作の主人公であり、前世の記憶を持つ転生者である。自己評価が低く卑屈に振る舞うが、他者のために自己犠牲を厭わない優しさを持つ。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国・大公。戦後は国王となる。
・物語内での具体的な行動や成果
アロガンツに乗り込み、自らの命を削る強化薬を三度も使用してアルカディアの動力炉を破壊し、フィンやミアと死闘を繰り広げた。死の淵をさまよったが、マリエの禁術によって魂を現世に引き戻された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
エピローグにおいて、ローランドから王位を譲り受け、バルトファルト王朝の初代国王として即位した。
ミレーヌ・ラファ・ホルファート
ホルファート王国の王妃であり、アンジェリカの恩師である。思慮深く、リオンの身を案じている。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国・王妃。
・物語内での具体的な行動や成果
王宮でアンジェリカの補佐を務め、リオンに出撃前の挨拶と武運を祈る言葉をかけた。戦後、ローランドから唐突に離縁を言い渡された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
離縁されたことで自由の身となり、リオンとの恋をローランドから応援された。
ローランド・ラファ・ホルファート
ホルファート王国の国王であり、女好きで自由奔放な性格である。王としての責任を放棄したがる傾向がある。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国・国王。戦後は辺境で隠居する。
・物語内での具体的な行動や成果
出撃前のリオンに責任を背負いすぎないよう忠告を送った。戦場には仮面の騎士の姿で密かに出撃し、ジェイクと口論をしながら戦闘に参加した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
リオンに王位を押し付けて退位し、愛人たちと共に辺境の領地で隠居生活を始めた。
カイル
エルフの少年であり、マリエの専属使用人である。真面目でマリエを慕っている。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国・マリエの専属使用人。
・物語内での具体的な行動や成果
リコルヌの艦橋に同乗し、母親であるユメリアの失言に慌てる場面を見せた。リコルヌが最後の攻撃を受ける前に、クレアーレの指示で脱出装置を利用して生還した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
エピローグでは成長して青年の姿になっている。
カーラ
マリエの専属使用人であり、人間関係のドロドロした展開を好む性格である。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国・マリエの専属使用人。
・物語内での具体的な行動や成果
リコルヌの艦橋でマリエの世話を焼き、疲労を心配して声をかけた。アルカディアの主砲が迫る中、カイルと共に脱出ポッドでリコルヌから離脱した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
戦後も引き続きマリエの側で世話をしている。
マリエ・フォウ・ラーファン
リオンの前世の妹である転生者。わがままで図々しいが、家族や仲間を大切に思う愛情深い性格である。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国・聖女。
・物語内での具体的な行動や成果
リコルヌの盾となりアルカディアの主砲を聖女の力で防ぎきった。リオンが死亡した際には、聖女の禁術を用いて死者の国へ向かい、彼の魂を現世へ連れ戻した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
エピローグでは妊娠しており、五馬鹿たちの借金問題に頭を悩ませている。
ヴィンス
レッドグレイブ公爵家の当主であり、アンジェリカの父親である。家と面子を重んじる厳格な貴族である。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国・レッドグレイブ公爵家当主。
・物語内での具体的な行動や成果
公爵家の旗艦で前衛を指揮し、アルカディアから放たれた光の雨の直撃を受けて飛行戦艦ごと海へ落下した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
重傷を負いながらも生還し、ギルバートに当主の座を譲って隠居する意向を示した。
ギルバート
ヴィンスの息子であり、アンジェリカの兄である。誇り高く、次期当主としての自覚を持っている。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国・レッドグレイブ公爵家嫡男。
・物語内での具体的な行動や成果
ヴィンスの指示で後方艦隊の指揮を任されていたが、父の艦が沈むと自ら艦隊を率いて前線へ出た。アンジェリカに後見を託し、帝国軍に対して激しい攻勢をかけた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
バルカス
リオンの父親であり、田舎の男爵である。息子であるリオンの成長に驚きつつも、親としての誇りを持っている。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国・バルトファルト男爵。
・物語内での具体的な行動や成果
前衛の飛行戦艦で指揮を執り、被弾した際にニックスに救助と撤退を命じて自らは鎧で戦場へ出撃した。リーンハルトとの戦闘で鎧の両腕を斬り飛ばされ、串刺しにされて落下した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
重傷を負って生還し、戦後は冒険者として活動する夢を語った。
ニックス
リオンの兄であり、堅実で家族思いの青年である。リオンの無茶な行動に振り回されがちである。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国・バルトファルト家長男。
・物語内での具体的な行動や成果
バルカスと共に飛行戦艦の艦橋に立ち、激戦の中で撤退を進言した。被弾後はバルカスの命令に従い、飛べなくなった艦で海上の味方を救助する指揮を執った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
ユメリア
エルフの女性であり、カイルの母親である。気弱だが、息子や主を大切に思う優しい性格をしている。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国・バルトファルト家の使用人。
・物語内での具体的な行動や成果
リコルヌの艦橋でノエルによる聖樹の制御を補佐した。限界を迎えたノエルを支え、共に脱出装置で生還を果たした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
ジェイク・ラファ・ホルファート
ホルファート王国の元王子であり、ローランドの息子である。好戦的で口が悪い。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国・元王子。
・物語内での具体的な行動や成果
仮面の騎士として予備の白い鎧に乗り込み、戦場に出撃した。同じく仮面の騎士に扮したローランドと遭遇し、互いの正体に気付かぬまま口論しながら共闘した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
フレッド
ローランドの知り合いである医師である。常識人であり、ローランドの奔放さに頭を抱えている。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国・医師。
・物語内での具体的な行動や成果
退位後のローランドがミレーヌに離縁を告げた場に立ち会い、新しい国王の女性関係を壊さないよう忠告した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
エリカ・ラファ・ホルファート
リオンの前世の姪であり、王女である。物静かで心優しい性格をしている。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国・王女。
・物語内での具体的な行動や成果
戦後にリオンと面会し、彼に謝罪の言葉を述べた。乙女ゲーム「アルトリーベ」が六作目まで存在し、四作目の舞台が砂漠の大陸であることをリオンに伝えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
ローズブレイド伯爵
ディアドリーの父親であり、ニックスの義父にあたる人物である。気さくで親しみやすい性格をしている。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国・ローズブレイド伯爵。
・物語内での具体的な行動や成果
撃墜されてバルトファルト家の艦に救助された後、バルカスやヴィンスと談笑し、自らも隠居して冒険に出るという話題で盛り上がった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
アルゼル共和国
ノエル・ジル・レスピナス
リオンの婚約者の一人であり、聖樹の巫女である。明るく前向きで、リオンのために強敵に立ち向かう度胸を持つ。
・所属組織、地位や役職
アルゼル共和国・聖樹の巫女。
・物語内での具体的な行動や成果
リコルヌの艦橋で聖樹の若木を制御し、レリアと共に魔法障壁を展開してアルカディアの主砲を受け止めた。戦後は子どもたちにリオンの英雄譚を読み聞かせる役割を担っている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
ルイーゼ・サラ・ラウルト
アルベルクの娘であり、弟のようにリオンを気にかけている。しっかり者で交渉に長けている。
・所属組織、地位や役職
アルゼル共和国・ラウルト家の女性。
・物語内での具体的な行動や成果
王宮でリオンを出迎え、彼に生きて帰るよう約束させた。戦後、リオンが署名した契約書を利用して、共和国との関係強化のために側室の枠を要求した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
アルベルク・サラ・ラウルト
アルゼル共和国の艦隊を率いる代表者である。温厚でありながら、兵士を鼓舞する指揮官の顔を持つ。
・所属組織、地位や役職
アルゼル共和国・ラウルト家当主。
・物語内での具体的な行動や成果
リオンの腫れた頬を心配して声をかけた。戦場では共和国軍を率いて前線へ進み出し、兵士たちに檄を飛ばして士気を高めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
ロイク・レタ・バリエリ
アルゼル共和国の若き騎士であり、マリエを慕っている。熱血漢で、恩義に厚い性格である。
・所属組織、地位や役職
アルゼル共和国・バリエリ家。
・物語内での具体的な行動や成果
出撃前にマリエに抱きつこうとしてユリウスたちと乱闘になった。戦場では赤い鎧を駆り、機体が限界を迎えて空中分解するまで前線で戦い抜いた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
レリア・ジル・レスピナス
ノエルの双子の妹であり、聖樹の巫女である。姉と軽口を叩き合うが、互いを深く信頼している。
・所属組織、地位や役職
アルゼル共和国・聖樹の巫女。
・物語内での具体的な行動や成果
共和国の艦からノエルと共鳴して巫女の紋章を展開し、アルカディアの主砲の威力を受け止めて気を失った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
クレマン
レリアを護衛する従者である。忠誠心が厚く、レリアの成長を温かく見守っている。
・所属組織、地位や役職
アルゼル共和国・レリアの護衛。
・物語内での具体的な行動や成果
アルカディアの攻撃を受け止めて意識を失ったレリアを抱きとめ、彼女の立派な成長ぶりを讃えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
セルジュ
共和国の出身者であり、かつてリオンと敵対して死亡した青年である。死後は憑き物が落ちたように穏やかな態度を見せる。
・所属組織、地位や役職
アルゼル共和国・死者。
・物語内での具体的な行動や成果
死者の国でリオンの前に現れ、彼を恨んでいないと告げて現世へ戻るよう説得した。家族への伝言をリオンに託し、彼を門の方へ押し返した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
ヴォルデノワ神聖魔法帝国
ミリアリス・ルクス・エルツベルガー
先代皇帝カールの隠し子であり、新人類としての力を持つ皇女である。フィンを「騎士様」と呼び慕う心優しい少女である。
・所属組織、地位や役職
ヴォルデノワ神聖魔法帝国・皇女。
・物語内での具体的な行動や成果
フィンの死を誤認して憎しみに囚われ、アルカディアと融合して銀色の巨体となりリコルヌやアロガンツに襲いかかった。リオンの狙撃によってアルカディアから切り離され、戦後はフィンと共に一般人として暮らし始めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
皇族の身分を捨て、帝国の都市でフィンと新しい人生を歩む。
フィン・ルタ・ヘリング
帝国最強の魔装騎士であり、前世の記憶を持つ転生者である。ミリアリスを守るためなら自己犠牲や非情な手段も選ばない。
・所属組織、地位や役職
ヴォルデノワ神聖魔法帝国・魔装騎士第一席。
・物語内での具体的な行動や成果
アルカディア内部で強化薬を使用してリオンと死闘を繰り広げ、相棒のブレイブによって機体から強制排出され命を救われた。戦後は皇帝の遺言映像を確認し、ミリアリスのもとへ駆けつけた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
騎士の立場を捨て、ミリアリスと共に一般人として生きる道を選んだ。
モーリッツ・ルクス・エルツベルガー
帝国の新皇帝であり、父を暗殺して帝位を簒奪した青年である。国を救うために罪を犯したが、結果的にアルカディアに利用されていた。
・所属組織、地位や役職
ヴォルデノワ神聖魔法帝国・皇帝。
・物語内での具体的な行動や成果
司令部で全軍の指揮を執っていたが、アルカディアの裏切りを知って斬りかかり、吹き飛ばされた。戦後はすべての責任を一人で背負う決断を下した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
リーンハルト・ルア・キルヒナー
第三席の魔装騎士であり、天才的な剣術の才能を持つ少年である。戦いを楽しむ残虐な性格をしている。
・所属組織、地位や役職
ヴォルデノワ神聖魔法帝国・魔装騎士第三席。
・物語内での具体的な行動や成果
戦場で王国軍を狩るように撃破し、バルカスに重傷を負わせた。アルカディア内部でクリスと交戦し、銃器を侮った隙を突かれて敗北し戦死した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
ライマー・ルア・キルヒナー
第五席の魔装騎士であり、リーンハルトの兄である。弟に見下されているが、仲間への仲間意識は強い。
・所属組織、地位や役職
ヴォルデノワ神聖魔法帝国・魔装騎士第五席。
・物語内での具体的な行動や成果
ブラッドとの戦闘でジルクの狙撃を受けて左腕を失い、撤退した。その後、重傷のリオンを運ぶジルクを襲撃し、自爆攻撃を仕掛けて爆発に巻き込まれた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
フーベルト・ルオ・ハイン
第四席の魔装騎士であり、部下からの人望が厚い指揮官である。冷静な判断力を持つが、部下の犠牲には激昂する。
・所属組織、地位や役職
ヴォルデノワ神聖魔法帝国・魔装騎士第四席。
・物語内での具体的な行動や成果
外部戦線でブラッドと交戦し、部下たちが自らを犠牲にして突撃する姿を見て激怒した。自らもブラッドに突撃して機体を外壁に串刺しにするが、短剣で腹部を刺されて相討ちとなった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
グンター・ルア・ゼーバルト
第二席の魔装騎士であり、最年長の歴戦の猛者である。威圧感があり、実直に戦う武人である。
・所属組織、地位や役職
ヴォルデノワ神聖魔法帝国・魔装騎士第二席。
・物語内での具体的な行動や成果
アルカディア内部でグレッグと一騎討ちを行い、圧倒的な実力で追い詰めた。グレッグの自爆攻撃に巻き込まれ、彼の覚悟を称えながら戦死した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
カール
先代の帝国皇帝であり、ミリアリスの父親である。女好きに見えて、世界を救うために奔走していた思慮深い人物である。
・所属組織、地位や役職
ヴォルデノワ神聖魔法帝国・先代皇帝。
・物語内での具体的な行動や成果
杖に遺言の記録映像を残し、戦争の平和的解決を目指していた真実を語った。モーリッツの罪を赦し、フィンにミリアリスを託した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
暗殺されて既に死亡している。
旧ファンオース公国(ファンオース公爵家)
ヘルトルーデ・セラ・ファンオース
旧ファンオース公国の代表であり、王国に従いながらも自国の利益を追求するしたたかさを持つ。
・所属組織、地位や役職
ファンオース公爵家。
・物語内での具体的な行動や成果
公爵家艦隊を率いて前線に立ち、王国軍を通信で煽って士気を引き上げた。戦後はリオンが署名した契約書を持ち出し、側室の権利を要求した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
ヘルトラウダ・セラ・ファンオース
ヘルトルーデの妹であり、かつての戦争で命を落とした少女である。姉の幸せを純粋に願っている。
・所属組織、地位や役職
旧ファンオース公国・死者。
・物語内での具体的な行動や成果
死者の国でリオンの前に現れ、姉を恨んでいないという伝言を託して彼を現世へ押し返した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
黒騎士
旧ファンオース公国の最強の騎士であり、かつてリオンを追い詰めた猛将である。
・所属組織、地位や役職
旧ファンオース公国・死者。
・物語内での具体的な行動や成果
死者の国でリオンの前に現れ、生前は彼が嫌いだったと本音を告げながらも、頭を下げて現世へ戻るよう説得した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
人工知能・魔装・その他
ルクシオン
リオンの相棒である旧人類の人工知能であり、移民船の本体を持つ。皮肉屋だが、マスターであるリオンの生存を何よりも優先する。
・所属組織、地位や役職
旧人類の人工知能。
・物語内での具体的な行動や成果
本体の主砲でアルカディアを貫いて破壊した。リオンが死者の国へ向かった際は、自分が残って扉を閉め、彼を現世に帰還させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
初期化されて記憶を失い、「エリシオン」と名付けられてリオンと再会した。
ファクト
旧人類の空中空母の人工知能であり、論理的で勝利を至上とする軍人気質を持つ。
・所属組織、地位や役職
旧人類の人工知能。
・物語内での具体的な行動や成果
アルカディアの主砲からリコルヌを守るため、自ら盾となって大爆発を起こし、周囲のモンスターを巻き込んで消滅した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
エピローグでは子機にデータを移して存続し、子供たちに注意をする姿が描かれている。
ブレイブ
フィンの相棒である魔装のコアであり、魔法生物である。フィンを「相棒」と呼び、彼のためなら自己犠牲を厭わない。
・所属組織、地位や役職
魔装のコア。
・物語内での具体的な行動や成果
アロガンツとの戦闘で機体が限界を迎えると、フィンを強制排出して命を救い、自らは崩壊して消滅した。死者の国ではリオンにフィンへの伝言を託した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
アルカディア
新人類が残した巨大な要塞のコアであり、旧人類への深い憎悪を抱いている。
・所属組織、地位や役職
新人類の要塞コア。
・物語内での具体的な行動や成果
ミリアリスを取り込んで巨大な化け物となり、リコルヌやアロガンツを攻撃した。最後はルクシオン本体の主砲に貫かれ、断末魔を上げて消滅した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
女性
アルカディアの回想に登場する新人類の人物であり、子供たちを見守る優しい性格をしている。
・所属組織、地位や役職
新人類。
・物語内での具体的な行動や成果
過去の停戦交渉の際、人工知能による奇襲から子供たちを守ろうとして命を落とした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
クレアーレ
リオンをマスターとする旧人類の人工知能である。陽気な性格だが、敵に対しては冷酷な一面も見せる。
・所属組織、地位や役職
旧人類の人工知能。
・物語内での具体的な行動や成果
リコルヌの制御を担当し、精神干渉通信のサポートや戦況の分析を行って艦橋の面々を支え続けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
ローズ
ブラッドが飼っているペットの鳩である。
・所属組織、地位や役職
ブラッドのペット。
・物語内での具体的な行動や成果
アインホルンの格納庫で、出撃前のブラッドに抱きしめられていた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
マリー
ブラッドが飼っているペットの兎である。
・所属組織、地位や役職
ブラッドのペット。
・物語内での具体的な行動や成果
アインホルンの格納庫で、決戦に向かうブラッドに抱きしめられていた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
エルフの里長
エルフの里の占い師であり、美しい金髪の女性の姿を持つ。リオンの行動の意味を深く理解している。
・所属組織、地位や役職
エルフの里長。
・物語内での具体的な行動や成果
死者の国で若返った姿で現れ、リオンを「勇者様」と呼び、ルクシオンがかつて世界を滅ぼす存在だったことを伝えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
エリシオン
初期化されて記憶を失ったルクシオンの新たな姿であり、明るく素直な性格をしている。
・所属組織、地位や役職
旧人類の人工知能。
・物語内での具体的な行動や成果
リオンに新しい名前を付けられ、左肩を特等席として彼と共に行動する。エピローグでは、リオンが側室を増やす提案をして彼を怒らせた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
男子生徒
四作目の乙女ゲームの主人公であり、男子校に男装して通っている。
・所属組織、地位や役職
オシアス王国の学校の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
学校の屋上でリオンを見つけ、授業に遅れないよう呼びに来た。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
展開まとめ
プロローグ
王宮屋上での出迎えとアンジェの覚悟
明け方、アンジェ、リビア、ノエルは王宮屋上へ向かい、集結した飛行戦艦群と帰還するリコルヌを出迎えた。多忙と寝不足の中でも、アンジェは戦場に立てない自分の役割として、戦争準備を担う覚悟を語った。リビアとノエルはその努力を認め、王国の結束を生んだ功績に自信を持つよう励ました。アンジェはリオンを勝たせるため、必要とあらば不本意な相手も利用すると決意し、その重責と戦後に残る問題を自覚していた。
五人の男たちの動きと協力要請
グレッグとブラッドは、実家への協力要請を進める中で、クリスが父である剣聖と試合を行い、強引な手段ながら勝利して参戦を取り付けた事実を知った。クリスは重傷を負いながらも、門弟たちを含めた協力を確保していた。残るユリウスとジルクの動向が話題となり、ジルクがバーナード大臣の下で文官業務に従事していることが明らかになった。
文官たちの戦場とジルクの立場
王宮では文官たちが過労寸前で書類処理に追われており、バーナード大臣はここを戦場と位置付けて指揮していた。ジルクは高い能力で業務をこなしつつ、かつて婚約者だったクラリスや周囲からの反感に晒されていた。それでもジルクは、全てはリオンのためだと割り切り、淡々と役割を果たしていた。
ユリウスとルーカスの対話
一方ユリウスは、物資不足の対応をルーカスと協議し、王都近郊からの補給を進めていた。業務の合間、ユリウスはルーカスに王位を譲った理由を問い、自身の父への不信を吐露した。ルーカスは苦笑しつつ受け止め、ユリウスは父の志だけは継ぐと心に誓った。
第1話 「それぞれの覚悟」
旧人類AIの参戦とルクシオンの優先順位
浮島の地下ドックでルクシオンは旧人類側兵器の修理を進め、目覚めた人工知能たちはリオンの呼びかけに応じて参戦していた。最強戦力の空中空母ファクトは、作業が予定より遅れていると指摘し、量産機を優先すべきだと主張した。ルクシオンは予定変更は勝利のために必要だと退け、リオンの生存を最優先すると明言した。ファクトは勝利と、コールドスリープ中のエリカの生存を優先すべきだと断じ、旧人類復活の可能性を重く見ていた。
リオンの判断と戦後を見据えた命令
リオンがドックに現れると、ファクトは遅れと身なりを咎め、曖昧な報告で納得する姿勢まで批判した。リオンはルクシオンの判断を信頼していると述べ、議論を打ち切って勝利後の話を切り出した。自分が生き残るとは限らないと語るリオンに、ルクシオンは生存と勝利の両立が最上だと反論し、視野が狭くなっていると判断した。リオンはその指摘を認めつつも、戦後に備えて人工知能たちへ改めて命令を下す意志を示した。
アルカディアの過去と旧人類への憎悪
帝国軍がアルカディアを中心に王国へ進軍する中、アルカディアは城内のような施設でミリアリスを玉座に座らせ、特別な部屋だと持ち上げた。ミリアリスの不安に対し、アルカディアは新人類復活が悲願だと涙し、遠い過去の戦争を語り始めた。停戦交渉のため本国を離れた隙に、人工知能が本国を奇襲し、草原は燃え、子供たちと守ろうとした女性が倒れていた。人工知能は新人類を人類と認めず条約の適用外だと宣言し、使命として新人類殲滅を掲げた。アルカディアは本体の魔法で人工知能を破壊し、旧人類の殲滅を誓った。
ミリアリスの葛藤とフィンの決断
過去を語ったアルカディアは、旧人類を生かせば危険だとして、今回だけは信じて見守ってほしいとミリアリスに懇願した。退出後、ミリアリスは戦争を止めたいが説得の言葉が見つからないとフィンに訴えた。フィンは今回ばかりはアルカディアに賛成だと告げ、ブレイブも止めるつもりはないと述べた。ミリアリスが王国で受けた善意を挙げて抗議すると、フィンは個人と国は別だとし、リオンを信じたいが国家が共存を望むとは思えないと語った。フィンはミリアリスに青空の下で元気に暮らしてほしいと願い、そのためなら他者を犠牲にすることもためらわないと断言し、否定される言葉を遮って覚悟を固めた。前世で若くして亡くした妹を思い出し、守り切れなかった後悔を重ねながら、ミリアリスのために負けられないと胸中で決着させた。
第2話 「送り出す者たち」
王宮の逼迫とルクシオンの割り切り
王都へ戻ったリオンは、集結した飛行戦艦群への補給で騒然とする王宮へ向かい、文官たちが山場を迎えている状況を見ていた。リオンは人工知能を文官支援に回すべきだったかと漏らしたが、ルクシオンは余裕がなく人間に頑張ってもらうしかなかったと冷静に答え、勝利のための必要な犠牲だと割り切った。気楽なやり取りを交わしながら歩く中で、リオンはその関係を友人のようだと感じて笑みを浮かべた。
ルイーゼとの再会と「人質」という体裁
廊下でアルゼル共和国のルイーゼと出会い、リオンは留守にしていたことを指摘された。ルイーゼは共和国側が人質の立場で落ち着いたと説明し、それは国内向けのポーズであり、外国軍を信用しない貴族層への配慮としてミレーヌの提案で受け入れたものだと語った。さらに、アンジェ、リビア、ノエルはリコルヌ側で調整しており、戻りは数時間後だと告げ、リオンに先に公爵へ挨拶するよう促した。
師匠の正体と紅茶の時間
リオンは師匠の執務室を訪れ、書類の山に囲まれながら紅茶を口にした。師匠は公爵でありローランドの叔父であることを詫び、以前は爵位と名を捨てて教師として王国を見守っていたと述べた。リオンが事情を理解して感謝を示すと、師匠は責任から逃げるべきではないと反省し、若者たちを支える意志を語り、二人の間に静かな時間が流れた。
ミレーヌへの感謝と「次はない」現実
そこへミレーヌが割って入り、リオンはアンジェを支え続けたことへ礼を述べた。ミレーヌはアンジェを仕上げる意図を語りつつも、戦況の厳しさを突き付け、今回負ければ次はないと断言した。師匠も、王国の備蓄は今回で底を突き、帝国相手に二戦目を行う余力はないと説明した。リオンは一発勝負のつもりだと応じ、出撃前の紅茶を最高のもてなしだと受け取り、二人に感謝を伝えた。
軽口の別れとルクシオンの指摘
ミレーヌの祈りに対し、リオンは御利益がありそうだと冗談を言い、さらに愛していると告げて驚かせたうえで、師匠にも感謝の意味で愛していると続けた。居心地の悪さから部屋を出た後、ルクシオンは愛しているという発言を咎め、婚約者の三人を優先して愛を伝えるべきではないかと指摘した。リオンは敬愛や友愛だと説明しつつ、愛を頻繁に口にすると価値が減る気がすると述べたが、ルクシオンは普段から伝える方が減少を抑えられるというデータがあると返した。
ローランドの忠告と送り出し
廊下でリオンは、忙しい最中に女性へ声をかけているローランドと遭遇し、王がナンパしていると苦言を呈した。ローランドは珍しく丁寧に気を遣った言葉を使い、負担を押し付けすぎた自覚があると認めた。リオンが働くべきだと非難すると、ルクシオンは先のミレーヌへの言動を踏まえ責められないと示唆した。ローランドは真剣な表情で、リオンは責任を背負いすぎているから肩の力を抜け、ミレーヌに頼った自分のようにアンジェリカを頼れるようにならねば押し潰されると忠告した。リオンはローランドこそ責任を背負うべきだと返したが、ローランドは最後に全て任せると言い、死ぬなよと告げて立ち去った。
第3話 「ソウルフード」
リコルヌへの合流と聖樹の“電池化”
王宮の船着き場に停泊するリコルヌへ向かったリオンは、クレアーレからアンジェリカたちが乗り込んでいると聞かされた。リオンは三人を戦場に連れて行きたくないと本音を漏らすが、クレアーレはリビアの能力と、ノエルによる聖樹制御が必要だと告げ、若木の聖樹をリコルヌのブリッジ後方の花壇へ移植し、艦へエネルギー供給していると説明した。ルクシオンもそれを優れた電池だと評し、聖樹を神聖視する文化との落差が強調された。
パイロットスーツと「降りない」三人の意思
ブリッジでリオンは、クレアーレが用意した高性能パイロットスーツを着たアンジェリカ、リビア、ノエルと合流した。スーツは性能面で優秀だが体のラインが出やすい意匠で、リオンは他人に見せたくないとこぼす。リオンは王都に残ってほしいと説得するが、リビアは自分が助けたいのだと怒りを抑えた声で拒否し、ノエルも巫女として聖樹制御が必要だと同調した。アンジェリカも後方に下がらず、負ければ終わりだからこそ同じ場所にいたいと述べ、リオンは三人の参加を条件付きで受け入れた。
撤退命令と“嘘”を突くリビア
リオンは、クレアーレの指示に絶対従い、撤退時は自分を無視して下がることを命令として突き付けた。さらにリビアは、リオンが必ず生きて戻ると約束するよう求め、リオンが曖昧に誓うと「嘘を吐いた」と指摘した。リビアは癖の話を“嘘”として明かしつつ、嘘を見抜かれた反応自体を利用して追い込み、頬を挟んで、自分が一番悲しむから生きて帰ってきてほしいと訴えた。そこへカーラとカイル、さらにマリエが入ってきて空気が切り替わり、アンジェリカとノエルは「一番」を巡って張り合い、リオンは三人同率一位という逃げの回答で切り抜けた。
アインホルンの最終決戦仕様と“白い鎧”の搭乗者
リオンはリコルヌを降り、アインホルンの格納庫で改修された鎧を確認した。グレッグは新仕様を好感触だと述べ、ルクシオンは各人の能力に合わせた新機能を搭載したと説明した。そこにはアロガンツを含め六機の鎧があり、搭乗者不明の白い鎧も改修済みだった。リオンが搭乗者を告げようとした瞬間、仮面の騎士が現れ、自分が乗ると名乗ったことで、五人は武器を向けて正体を迫った。
おにぎりと、ユリウスの正体公開
茶番に飽きたリオンはルクシオンへ食事を要求し、米で作ったおにぎりと緑茶が用意された。仮面の騎士は誠意として仮面を外し、正体がユリウスであると明かし、五人は驚きつつも納得していった。リオンはおにぎりを前世の“ソウルフード”だと語るが、五人の感想は散々で、クリスだけは「マリエにもソウルフードだ」と妙に前向きな発想を見せた。
転生者の告白を巡る温度差と“お義兄さん”騒動
ユリウスは、リオンがアンジェリカたちへ転生者の真実を話したかを問うが、リオンはこの局面で余計な心配を増やしたくないとして黙る方針を示した。対して五人は、転生者かどうかより今のマリエに惚れたのだと口を揃え、リオンの辛辣な評価にも揺らがなかった。ユリウスはリオンを「お義兄さん」と呼び始め、他の四人も乗っかってからかい、リオンは拒絶してユリウスと取っ組み合いの喧嘩に発展した。最終的にリオンは、本人同士が納得しているなら口は挟まないと渋々認めるが、五人はなお「お義兄さん」呼びで煽り続け、リオンは心底うんざりしたまま締めくくった。
第4話「過去」
帝国艦隊の宴と魔装騎士たちの温度差
ヴォルデノワ神聖魔法帝国の艦隊では決戦前の士気高揚として宴が開かれ、アルカディア内部の大広間に騎士や将校が集まっていた。フィンも同席するが、壁際で腕を組み酒も料理も口にしない。そこへ第三席リーンハルト・ルア・キルヒナーが絡み、戦いを楽しみにする態度で「バルトファルトは自分が殺す」と豪語し、フィンへの挑発も混ぜた。
キルヒナー兄弟の軋轢とフーベルトの仲裁
第五席として加わった兄ライマー・ルア・キルヒナーも会話に入り、フィンがリオンの強さを認めると、リーンハルトは「情けで五席に入れた半端」などと兄を露骨に侮辱した。第四席フーベルト・ルオ・ハインが喧嘩を止め、場の空気を整える。フーベルトは留学経験のあるフィンに、進軍が遅れているのに王国軍の動きが乏しい理由を問うが、フィンはリオンの思考は読めないと突き放した。
「滅ぼす」と言い切るリーンハルトと、フィンの苛立ち
ライマーは王国側が準備か内紛ではないかと推測し、リーンハルトは「攻めてこないなら蹂躙、来るなら斬る」と軽い。さらにリーンハルトは、王国を国ごと民ごと滅ぼす計画を把握した上で、それでも戦いを楽しむと語り、フィンは激昂しかける。そこへ第二席グンター・ルア・ゼーバルトが来て争いを止め、フィンに「第一席に相応しくない」と挑発し、両者の不穏さが残った。
モーリッツの疲弊と、フィンの“約束”
フィンは宴の中で、皇帝モーリッツが先帝カールの杖を握り、周囲に笑顔を振りまきつつもやつれている様子を見て、重大さを理解しているのは皇帝だけだと感じた。フィンはカール不在を心細く思い、道を誤っている自覚がありながらも、ミアの未来を守るため戦う決意を固めた。
独りになった皇帝の慟哭
宴後、モーリッツは自室で世話係を追い出し、父カールの杖を握りしめて語りかけた。父が王国と手を結ぼうとしたことを「裏切り」と断じて自分を正当化しようとするが、罪悪感は消えない。皇帝になりたくなかったと泣き、なぜ父がそうしようとしたのか理由を聞けなかったことを悔やんだ。
アロガンツ最終仕様と、リオンの自己反省
一方でリオンはアインホルン格納庫でアロガンツのコックピットにこもり、ルクシオンから追加装甲・追加武装で可動域が制限され、装甲をパージしない限りシュヴェールト合体が不可になったと説明を受けた。リオンは準備不足を嘆きつつ、ルクシオンに「成長した」と言われ、ユリウスたち五人を以前は馬鹿にしていた自分の方が愚かだったと認めた。五人がマリエの真実を受け入れたことや、リオン自身がアンジェたちを泣かせてきたことを思い返し、知り合いには死んでほしくないと吐露した。
強化薬の切り札と、ルクシオンの拒否
リオンは背中のバックパックに入った強化薬について確認し、最大三回、投与で身体能力と魔力が増大するが負担が大きく、二度目以降は危険だと警告される。それでもリオンは使用制限をかけないよう“命令”し、ルクシオンは悲しげに受け止めた。リオンが「何かあったら後を頼む」と言うと、ルクシオンは「マスターに何かある時点で自分も存在しない」と拒否し、二人は最後まで共に戦う形を選ぶ。リオンは巻き込んだことを詫び、ルクシオンは「あなたは私のマスターだ」と受け入れた。
第5話「出発」
帝国艦隊の異様な遅さ
リオンは深夜、クレアーレから「帝国軍の進軍が遅すぎる」と報告を受ける。猶予が増える利点はあるが、アルカディアが無意味に速度を落とすとは考えにくい。アンジェは奇襲警戒説を出すが、クレアーレとルクシオンは「散発攻撃は脅威にならない」「帝国艦の性能から見ても遅すぎる」と否定する。
旧人類AIの憎悪と、リビアの哀しみ
話題は旧人類AIと新人類(アルカディア側)の因縁へ移り、クレアーレは「新人類を滅ぼすために生まれた」と激しく語る。ノエルが言葉に詰まり、リオンが「今のマスターは俺」と宥めるが、クレアーレはなお噛みつく。リビアは「平和的解決があったはず」と悲しみ、アンジェが背中から抱き寄せる。リオンも学園生活の穏やかさを懐かしむ。
“師匠”地雷で婚約者トリオが制裁
リオンは「また皆でお茶会を」と和ませるが、話の流れで“師匠とお茶”を最優先みたいに語ってしまい、アンジェ・リビア・ノエルの笑顔が全部「目が笑ってないやつ」になる。リオンは「お茶に嘘は吐かない」と謎の信念を言い放ち、三人に平手打ちされる。クレアーレとルクシオンも「矯正が必要」と呆れる。
朝の見送りと、静かな約束
翌朝、腫れた頬を気合いのせいと誤魔化し、リオンはアルベルクとルイーゼに会う。ルイーゼは右手を握り「いなくならないで」と告げ、紋章が共鳴して淡く光る。続いてヘルトルーデが現れ、「死んだ英雄は困る」「周りを悲しませるな」と釘を刺して去る。さらに文官たちが整列して見送り、バーナード大臣やクラリス、ディアドリーも武運を祈る。一方で文官たちは五馬鹿を心底恨んでおり、見送りは拒否する。
船着き場の騒乱と、マリエの送り出し
船着き場ではロイクがマリエに抱きつこうとしてユリウスたちに殴られ、殴り返しの子供じみた乱闘になる。聖女装備のマリエは普段通りの調子でリオンと軽口を交わしつつ、「ちゃんと解決しなさいよ」と送り出す。リオンはアインホルンへ乗り込み、五馬鹿に「置いていくぞ」と怒鳴って乗艦させる。マリエは涙を堪えながら五人に「兄貴をお願いね」と託し、五人は笑って請け負う。アインホルンが出航した後もマリエはその場に残り、ロイクと言葉を交わしつつ苦笑する。
第6話 「大艦隊」
浮島の変貌と、失われた思い出
リコルヌ艦橋から見下ろした浮島は、かつての温泉や緑の景観が消え、滑走路や簡易ドックが並ぶ軍事拠点へ変わっていた。アンジェとリビアは理解しつつも寂しさを隠せず、クレアーレは「作戦に不可欠」と割り切って受け止めさせる。ノエルは温泉への未練を漏らしつつ、聖樹の調整へ回される。
聖樹とイデアルの因縁
聖樹は魔素を吸収してエネルギーへ変換する“改良された植物”であり、クレアーレはその成り立ちに触れてイデアルへの複雑な感謝も口にする。イデアルはリオンたちと対立し破壊されたが、最後にノエルを救う医療カプセルを渡していた。ノエルは「今はリオンの助けになるならそれでいい」と割り切り、アンジェとリビアも「勝ってから考える」と腹を括る。リビアは「全員生き残って勝つ」と、贅沢だと知りながら強く誓う。
前線の覚悟、レッドグレイブ父子
レッドグレイブ公爵ヴィンスは、嫡男ギルバートを後方指揮へ回して生存確率を上げようとする。父子が揃って戦場にいるのはアンジェの信用のためだが、ヴィンスは父として息子を前に出したくない思いも抱えていた。ギルバートは任務を受け入れ、アンジェを支える役目も託される。
哨戒艇の惨劇と“子供の声”
雲の中を逃げる哨戒艇は、無人機護衛付きでも追撃を振り切れず、黒い魔装に追い付かれる。子供のような声が響いた直後、魔装の斬撃で哨戒艇は両断され、王国側の脆さが突き付けられる。
大艦隊集結と、バルトファルト父子の会話
海上戦場には浮島と無数の飛行戦艦が集結し、バルトファルト家も前方に配置されていた。バルカスとニックスは空を埋める艦隊規模に圧倒され、浮島からはロボットによる改修と旧人類兵器の出撃が進む。ファクト本体が姿を現し、戦力がさらに積み上がっていく中、ニックスは「これなら勝てる気がする」と息をつく。
その一方で、バルカスは家の初代が“外から流れてきた冒険者”で、仲間に裏切られて引退し農業で静かに暮らした話を渋々語る。ニックスはリオンに似ていると感じるが、「裏切られるのは恥」という価値観もあり、誇り方が難しい話として残る。
敵は三千以上、戦いが始まる
哨戒艇から「帝国艦隊三千以上」を発見した報告が入り、艦橋は凍り付く。敵は味方の二倍近く、下手をすれば三倍もあり得る。バルカスは狼狽えるなと檄を飛ばし、ニックスはロケットペンダントを握りしめて開戦を実感する。
リコルヌの“心の通信”計画と、皆の役割
リコルヌは魔素を吸って聖樹へ供給し、得たエネルギーで稼働する。クレアーレが艦制御、ノエルが聖樹制御を担い、さらに“王家の船に積まれていた封印装置”を使う計画が示される。アルカディア相手には通用しにくいが、味方へ使い、魔素の影響を受けない「精神干渉=心の通信」を成立させる狙いだ。集約・伝達の負担はリビアが背負うが、リビアは「役に立てるのが嬉しい」と受け入れ、アンジェは自分の無力を悔いる。
マリエの防御と、開戦の一撃
マリエはおにぎりの個数でクレアーレと口論して調子を戻し、聖女の力で防御を担うよう依頼される。直後、ファクトから高熱源反応の緊急通信が入り、リコルヌはシールド最大で迎撃態勢へ。遠方の閃光の直後、強烈な攻撃でリコルヌは揺さぶられ、シールド艦が一撃で大破する。アルカディアは長距離から主砲を当て、次弾まで約1800秒と推定される。
旧人類兵器の苦戦と、艦隊運用の崩れ
ファクトは機動兵器部隊を展開し、光学・実弾・ミサイルで迎撃するが、アルカディアの魔法障壁で無効化される。さらにアルカディアは魔素からモンスターを生産し戦力化しており、脅威度が上方修正される。ファクトは接近戦を選ぶが、王国軍は大艦隊運用に不慣れで動きが乱れ、モンスター接近で鎧を出して速度を落とすなど命令遵守も崩れる。ファクトは「止まれば壊滅する」と強く前進を命じる。
帝国側の焦りと、モーリッツの不安
アルカディア内部の司令部でモーリッツは主砲成果が一隻止まりなのを不満に思う。アルカディアは「盾艦で防がれただけ」「撃ち続ければ勝てる」と余裕だが、主砲はエネルギー消費で発射間隔が15分に伸びている。モーリッツは「接近される前に叩け」と急かすが、アルカディアは数的優位を頼みに消耗戦で勝てると笑う。
ただモーリッツは、ルクシオンの所在が掴めないことを不気味に感じ、必ず仕掛けてくると警戒していた。最終的にモーリッツは「全軍後退、接近を許すな」と命じ、帝国艦隊は距離を取るため後退する。
第7話 「双子の巫女」
前進命令と、消耗する現場
バルトファルト家の艦橋では、ニックスが激しい揺れとモンスターの群れに圧倒されていた。旧人類兵器が撃ち払ってもモンスターは尽きず、人工知能は「迎撃不要、前進せよ」と命令するだけである。バルカスは反発しつつも、前方艦の速度低下が後方全体に波及すると理解し、全速前進を徹底させる。そこへアルカディアの攻撃が走り、シールド艦が爆散し沈んでいく光景が重なり、恐怖と焦りが艦内を支配する。
ファクトの行き詰まりと、クレアーレの“打開策”
ファクトは再計算を繰り返すが、シールド艦を失う前に接近できず敗北する結果しか出ない。そこへクレアーレが通信を入れ、打開策の資料だけ送って「後はこっちでやる」と言い切る。ファクトは「リコルヌを前に出すな」と怒鳴るが、周囲の人工知能は作戦採用を決定し、ファクトも不本意ながら受け入れる。
ノエルの出撃準備と、巫女の紋章
リコルヌ艦橋ではノエルがマントを脱ぎ、パイロットスーツ姿で準備を始める。マリエが軽口を叩きつつ本気か確認すると、ノエルは迷わず「やる」と答える。リビアが代わろうとするが、ノエルはオリヴィア(リビア)が忙しいと退け、自身の右手の甲に巫女の紋章が浮かび上がる。アンジェは共和国の防衛戦無敗の看板を背負わせ、ノエルに期待を告げる。
双子連携の発動と、モンスターの無力化
クレアーレがホログラムを展開し、レリアの姿が立体映像として投影され、音声で会話も可能になる。双子は聖樹に協力を求め、リコルヌは緑の光に包まれる。すると光に触れたモンスターは接近と同時に消滅し、王国軍の前進速度が一気に回復する。帝国側は原因究明で騒然となり、アルカディアは“白い飛行船”を要因と推測する。
アルカディアの小手調べと、双子の消耗
アルカディアは主砲ではなく、多数の魔法陣から高威力のビームを数百放つ。王国軍は聖樹の障壁で守られるが、ノエルとレリアには大きな負担がかかり、ノエルは汗を滲ませながら強がる。互いに意地を張り合う双子のやり取りは続きつつも、守りを崩させない覚悟が見える。ファクトは双子の働きで「接近可能」と再計算し、勝率上昇を確信する。
主砲標的はリコルヌ、双子が盾になる決断
アルカディアが主砲をリコルヌへ向けたと判明し、クレアーレは激昂する。ノエルはシールド艦を前へ出さないよう指示し、双子で主砲を受け止める決断を固める。リコルヌ前方にノエルとレリア、それぞれの巫女紋章の魔法陣が展開され、味方を後方へ下げるよう要求する。
主砲受け止め、レリアが崩れ、ノエルが踏ん張る
赤黒い主砲が迫り、まずレリアの魔法陣が受け止めるが、レリアは苦悶し、ついに魔法陣が砕け散る。負担はノエルへ集中し、限界を訴えながらも「まだ生きたい」「みんなと、リオンと」と意思で耐え切る。ノエルの紋章が強く発光し、主砲を受け止め切ったことで、周囲は歓喜する。ノエルは崩れ落ち、レリアは意識を失うが呼吸は保たれていた。
距離短縮の成果と、レリアの帰艦
双子の防壁によって帝国軍との距離は肉眼で確認できるほど縮まり、決定的な前進が成立する。アルゼル共和国艦橋では、クレマンがレリアを抱え、レリアは状況確認の後「きついから休ませて」と意識を手放す。クレマンは双子の成長と働きを噛みしめる。
第8話「誤認」
勝算計算と、士気の穴
ファクトは王国軍の消耗が軽微で、残存シールド艦三隻を犠牲にすれば帝国軍へ接触可能だと算出した。一方で、主砲の圧力に晒され続けた影響で士気が下がり、速度を落とす艦が増えていた。状況を理解しない指揮官が多く、内部崩壊のリスクまで予測される中、艦隊維持に不安が生じた。
挑発が“燃料”になり、艦隊が前へ出る
前へ出たのはファンオース公爵家艦隊であり、ヘルトルーデが通信で王国軍を煽った。屈辱に反応した一部が速度を上げると、アルゼル共和国艦隊も呼応し、アルベルクが檄を飛ばし、ロイクも先陣を宣言する。互いの罵声が飛び交ううちに王国軍全体の速度が上がり、ファクトは理解できないまま、帝国軍への接触が早まった事実だけを受け入れる。
帝国の“誤認誘導”が発動する
モーリッツは王国軍の突撃を見て「ここまでだ」と判断し、アルカディアは敵が切り札を誤認していると語る。主砲は「連続使用できない」「撃つのに十五分かかる」という印象を刷り込むための演技であり、実際は連続使用が可能だと明かされた。モーリッツは迎撃命令を出し、帝国軍は待ち受け陣形へ移行する。
交戦開始と、ヴィンスの覚悟
レッドグレイブ公爵家旗艦では、ヴィンスが接近に安堵し、乱戦になれば主砲は撃てないと見込んで前に出た。帝国軍の装備が想像以上に近代的であることに苦い顔をしつつも、改修された王国軍が祖国を背に奮戦する様子を確認する。ヴィンスは自分が最前線に立つことで家の面子と存続を担保し、ギルバートとアンジェを後方に置いた判断を再確認していた。
“光の雨”で前衛が崩壊し、ヴィンスが沈む
アルカディアは主砲を上空へ撃ち上げ、拡散させて光の雨として降らせた。威力が分散しても飛行戦艦を撃墜するには十分で、王国軍は百隻以上を失い、前衛は瓦解する。ヴィンスの艦も直撃を受け、炎上し爆散して海へ落下した。リコルヌのモニター越しにアンジェが父の沈没を目撃し、取り乱して叫ぶ。
対策不在の衝突と、前衛の踏ん張り
クレアーレは主砲由来の攻撃だと怒鳴り、ファクトは誤認誘導だったと分析しつつ、進軍の遅さ自体がエネルギー補充の時間だった可能性を示す。戦場では前衛崩壊に帝国通常戦力が襲いかかり、一方的な展開になる。マリエは生存しているファンオース公爵家と共和国艦隊を指し、ヘルトルーデとロイクが諦めていないと皆を鼓舞した。アンジェは増援を要求するが、ファクトは距離維持と攻撃続行を優先し、味方見捨ての是非で衝突する。
バルトファルト家の沈没と、バルカスの決断
リビアは沈む艦がリオンの家族の船だと気づき動揺する。バルトファルト家艦内ではニックスがバルカスの無事を確認し、撤退を進言するが、バルカスは「被弾での戦線離脱」を口実にニックスへ救助と撤退を命じ、自分は残る選択をした。鎧が出撃し、バルカスと騎士たちは戦場へ戻っていく。ニックスは弟リオンへ怒りと焦りを叫ぶ。
ルクシオン出現、しかし撃沈
海面下からルクシオンが出現し、即座に主砲でアルカディアの障壁を貫こうとする。だが障壁は赤黒く変質し、アルカディア直下に赤黒い塊が生成され、青い主砲を引き裂いてルクシオン本体へ命中する。船体に穴が開き爆発が起き、ルクシオンはゆっくり海へ沈んでいった。味方はルクシオン沈没を目の前で見て、絶望へ落ちた。
第9話 「三本の矢」
ルクシオン撃破の代償と、勝利宣言の早とちり
アルカディアはルクシオンを沈めたが、魔法障壁で無理をした反動で要塞内部は揺れ、警戒音が鳴り続けた。モーリッツは追撃を命じるが、アルカディアはエネルギー消耗が大きく危険だと制止する。それでもモーリッツは「呆気なさ」を不審に思いながらも、リオンが倒れれば王国は崩れると勝利を確信し、アルカディアも旧人類の末裔を滅ぼすことを嬉々として語る。
要塞側の損耗報告と、魔装騎士の出撃方針
直後に、シールド出力低下や内部負荷など想定以上の損耗が報告され、モーリッツは気を引き締める。主砲運用が危ういため、モーリッツは帝国艦隊と魔装騎士で王国軍を叩く方針へ切り替え、待機している魔装騎士の総出撃を命じる。ただし序列第一位フィンだけは残し、姫様(ミリアリス皇女)のお気に入りである点と、保険としての意味を理由に温存した。
待機室のフィンとブレイブ、ミアの懇願
待機室にはフィンとブレイブが残り、ブレイブは陽気に励ますが、フィンはどこか上の空で応じる。そこへ厳重な護衛を伴ってミアが訪れ、フィンに「戦ってほしくない」「滅ぼし合いは間違いだ」と訴える。フィンは罪を背負うのは自分たちだと語り、ミアの手を握って「お前が元気に走り回れる世界を守る」と言い切る。ミアは戻ってくる約束を求め、フィンが応じかけた瞬間、ブレイブが上空からの異常接近を叫ぶ。
第二の矢、パルトナーの大気圏外特攻
司令部では大気圏外から正体不明の物体が突入してくる報告が入り、それがパルトナーだと判明する。直撃コースに対し、アルカディアは移動しても軌道修正されると見て、衝突点に障壁を厚く重ね、さらに主砲で迎撃する。パルトナーは側面を削られても爆薬による大爆発は起こさず、なお体当たりを狙うが、障壁に突撃して押し潰され沈没する。ただし衝撃で魔法障壁が一時解除され、アルカディアは人工知能の悪あがきを嘲笑する。
見えない第三の矢、アインホルン急襲
モーリッツはルクシオンとパルトナーを沈めたのに、もう一隻(アインホルン)が姿を見せていないことに気づき捜索を命じる。直後、後方から信じられない速度で接近するアインホルンが確認され、アルカディアは動揺する。アロガンツのコックピット内でリオンは重圧に耐えつつ、ルクシオンから「アルカディアの迎撃機能が残っていない」旨の整理を受け、パルトナーを使い捨てた意図を確認する。衝突カウントが進む中、帝国側は砲撃とモンスターで阻止を試みるが止められず、アインホルンはミサイル群で障害を吹き飛ばしながら突撃を貫徹する。
直撃と侵入、戦場が“外”から“中”へ移る
アインホルンはアルカディアへ激突し、これまでにない大揺れが要塞を襲う。モーリッツは三段構えの本命がアインホルンだったと理解し、艦隊には王国軍の相手を続けさせつつ、動揺を抑えるため魔装騎士を呼び戻す。角が要塞に深々と刺さったアインホルンから鎧部隊が侵入し、アロガンツを含む六機と多数の無人機が確認される。リオンは外部マイクで帝国を挑発し、カメラを破壊して映像を遮断した上で、内部で暴れ始め、揺れが司令部にまで伝わる。
モーリッツの高揚と、アルカディアの激怒と焦り
モーリッツはリオンの口の悪さを「聞いていた通り」と笑い、望み通りもてなすと迎撃命令を出す。一方アルカディアは「旧人類相手でも内部侵入は許さなかった」と激怒しつつ、真っ先にミアの無事確認と護衛増派を叫び、感情の優先順位が露骨に露呈する。モーリッツは父が手を組もうとしたバルトファルトが乗り込んできた事実を噛みしめ、決着後に“裏切りの理由”を知りたいと内心で整理する。
第10話 「王国の剣豪」
戦場の怪物リーンハルトと、バルカスの最期
戦場では魔装騎士リーンハルトが二刀のサーベルで王国軍の鎧を次々と斬り裂き、逃げる相手すら背後から仕留めて戦いを“狩り”として楽しんでいた。旧人類の駆逐艦が光学兵器と無人機で包囲しても、リーンハルトは翼で加速して斬撃を飛ばし、駆逐艦を切断して沈めた。王国軍の騎士バルカスが部下を率いて挑むが、リーンハルトは家臣を斬り捨て、さらにバルカスの鎧の両腕を斬り飛ばしてコックピット脇を貫き串刺しにする。アルカディアへの突撃で戦況が変わると、リーンハルトは命令に従い撤収し、最後に圧縮空気の弾丸でバルカスの鎧を爆散させ、ニックスとリオンへの言葉を途中で断ち切らせた。
魔装騎士の帰還命令と、アルカディア内部の銃撃戦
アルカディアに侵入者が出たため、グンターら魔装騎士に帰還命令が出る。グンターはフィンが守っていると見て慌てないが、ライマーは焦りを見せる。フーベルトは王国軍の追撃を小隊で撃破しつつ帰還を急ぎ、フィンがいるのに呼び戻される状況を危険視した。
一方、リオンはアロガンツでアルカディア内部の通路を突破する。帝国側は通路戦を想定し、盾と銃器で守備隊を構成していたが、アロガンツは戦斧で両断し、ライフルで撃ち抜きながら強引に前進する。無人機部隊が動力炉へのルートを探索する中、魔素濃度の高さでレーダー類が使いづらく、捜索は難航していた。
魔装騎士の待ち伏せと、クリスの決闘宣言
無人機部隊の一つが壊滅し、相手が魔装騎士だと判明する。リオンはその地点を動力炉ルート候補と見て突入し、壁を切り裂いて現れた風をまとう魔装騎士リーンハルトと遭遇する。背後には魔装騎士がさらに二体おり、数で押す方針を取ろうとしたが、クリスの青い鎧が前に出て「ここは譲れ」と主張する。リーンハルトが帝国の剣聖である点を示し、クリスは時間稼ぎを買って出る。リオンは反発するが、クリスとルクシオンの判断で先行を決め、クリスは単独で魔装三機を引き受けた。
“剣豪が銃を持つ”理由と、リーンハルトの傲慢
クリスは名乗り、リーンハルトは「剣豪が銃器なのが気に入らない」と苛立つ。クリスの鎧はサブマシンガン、ガトリング、ミサイルポッド、弾薬コンテナという遠距離装備で、クリスは「戦場では銃が優秀」と言い切る。リーンハルトは風で弾丸を逸らし、サーベルでミサイルを斬り裂く一方、背後の味方魔装騎士はガトリング弾で吹き飛び、もう一機もミサイルで爆発する。リーンハルトは味方の死を軽視し、「興味があるのは強い相手だけ」と言い放つ。
狭い通路での攻防と、最後のすれ違い
クリスは近付かせないために弾幕を張り、通路内で後退しながら撃ち続ける。リーンハルトは風の刃で間合い外から斬り、挑発でクリスを折ろうとするが、クリスは「剣だけに固執するのは浅はか」と返し、武装を捨てて機体を軽くしながら機会を探る。
リーンハルトが「ここで殺す」と加速して切り込み、二人はすれ違う。クリスの機体はコックピット前面に亀裂を負い、破片が内部に散るが、リーンハルトの魔装も腹部を斬り裂かれて倒れ込む。リーンハルトは自分が敗れる現実を受け入れられず泣き崩れる。クリスは「不用意に間合いへ飛び込んだお前の負け」と告げ、さらに「戦場に絶対はない」「昔の自分と同じ」と断じて止めを刺す。
勝者の代償と、果たせない約束
クリスは勝利したものの、自身も斬撃で受けた破片がパイロットスーツを突き破り負傷していた。機体はその場に座り込み、クリスは「必ず追いつく」と言った約束が守れないことを悟り、言葉を途切れさせた。
第11話 「ナルシストな君」
外壁ルートでの迎撃と、ブラッドの“残る”宣言
リオン一行は通路の都合で外壁近くを迂回しながら進むが、外部から壁を貫く攻撃が入り、穴から帝国軍の鎧が侵入してくる。さらに外壁の向こうには飛行戦艦、鎧、モンスターが密集しており、ここを放置すれば背後を突かれる状況となった。グレッグが槍で敵機をコックピットごと貫いて突破口を作るが、敵の増勢は止まらない。そこでブラッドが外へ飛び出し、遠隔操作の六本ランスで多数を相手に時間稼ぎを買って出る。リオンは止めるが、ブラッドは自分が一番弱いからこそ意味があると断言し、作戦成功を託した。
ジルクの狙撃支援と、二人の防衛線
ルクシオンは無人機の一部をブラッドに残し、支援体制を敷く。さらにジルクも穴の内側に残り、長距離狙撃で援護射撃を開始する。ジルクは敵機を的確に撃ち落とし、ブラッドの背後を支えた上で、リオンにユリウスの護衛を託す。ブラッドはランスと腕部火器、広範囲魔法でモンスターと鎧を削り続けるが、敵勢は増え続ける。そこへ統制の取れた魔装騎士隊が現れ、隊長フーベルト・ルオ・ハインが名乗る。ブラッドは自分がこの場に残ったのは正解だと豪語し、「運命にも愛された男」と言い切って対決姿勢を固めた。
艦橋の消耗と、ギルバートの前進
リコルヌ艦橋ではリビアが戦場の“声”を受け続け、発汗と呼吸の乱れ、涙を伴う限界状態に陥る。アンジェは休ませようとするが、通信断の混乱を恐れて踏み切れない。リビアは耐える覚悟を示し、艦橋は重苦しい緊張に包まれる。そこへギルバートが後方艦隊を率いて前に出ると宣言し、アンジェは家族を失う恐れに揺れるが、叱責を受けて腹を括る。ギルバートは後継の話まで持ち出し、アンジェは冷静な表情でレッドグレイブ家を守ると応じた。王国軍は多数の艦を失いながらも帝国軍にも損害を与え、撤退できない消耗戦へ踏み込んでいく。
リコルヌ前進決定と、艦橋の覚悟
リビアは自ら前に出て王国軍を守ると決め、ノエルは限界で動けず、ユメリアが支える。アンジェはリビアに付き合うと宣言し、リコルヌを前に出すと決定して、降りる者は脱出せよと告げる。マリエは逃げない姿勢を示し、艦橋の面々も残留を選ぶ。緊張の中でも言葉の応酬が起き、艦橋は恐怖を抱えたまま前進の準備を整えた。
動力炉前の親衛隊と、強化薬の解禁
リオン一行は動力炉付近と思しき広い空間へ到達し、魔装騎士約三十体と守備隊に阻まれる。グレッグとユリウスは自分たちが相手をすると申し出るが、外部ではクリス、ブラッド、ジルクが時間を稼いでおり、ここでの停滞は味方損害を増やす。ルクシオンは主砲発射が迫ると告げ、リオンは強化薬の投与を命令する。投与直後、全身の灼熱と呼吸困難、涎が出るほどの苦痛に襲われるが、馴染むと視界が広がり、身体が異常に軽くなる。さらにアロガンツのリミッターが解除され、リオンは親衛隊長格を頭部ごと握り潰し、戦斧で両断し、爆散させながら魔装騎士と守備隊を高速で殲滅していく。
代償の兆候と、全滅の確認
リオンは敵の動きがスローに見えるほどの加速感の中で戦い続けるが、操縦桿を軋むほど握り込み、目から涙のように流れたものが流血だと気付く。中和剤のタイムリミットが迫り、ルクシオンの警告で我に返る。周囲を見渡すと、魔装騎士だけでなく守備隊まで、アロガンツ一体で全滅させていた。
第12話 「仮面の騎士たち」
強化薬の代償と、リオンの前進
ユリウスは、無傷のアロガンツと瓦礫だらけの戦場を見て、リオンが強化薬を使ったと確信する。リオンは消耗が激しく、ユリウスは無茶を叱るが、リオンは動力炉破壊とフィン対処を優先し、「あいつは俺がやる」と譲らない。迷路状の内部を進む一行は、動力炉の強い反応と魔素濃度の上昇を手がかりに目的地へ近づくが、背後から追撃の気配が迫る。
追撃部隊の出現と、ユリウスとグレッグの足止め
追ってきたのは魔装騎士の集団と通常鎧の部隊であり、フィンの反応は確認できなかった。リオンは中和剤投与後で回復は見込めるが、現状は戦闘に耐えられないとルクシオンが判断する。そこでユリウスが時間稼ぎのため残ると決め、ルクシオン製の特別なキャノン砲で応戦を開始する。さらにグレッグも残留し、槍で魔装騎士を串刺しにして援護する。二人は「通行止め」として増援を食い止め、リオンを先へ進ませた。
司令室のフィンとミア、出撃の約束
一方、フィンはミアを司令室へ連れて行き、アルカディアはミアの来訪に浮かれて席の用意まで命じる。ブレイブはアロガンツが動力炉に迫っている危険を報告し、フィンは出撃を決意する。ミアは震えながら「戻ってきて」と泣いて縋り、フィンは必ず戻ると約束する。ブレイブも軽口で場を和ませ、ミアは「ブー君」呼びのまま送り出した。
外部戦線の限界と、リコルヌの前進
外では共和国軍のロイクが部隊の中核として踏ん張るが、鎧が限界に達して空中分解し、味方に下げられる。ファンオース公爵家のヘルトルーデは撤退提案を退け、主砲準備に入ったアルカディアに備える。そこへリコルヌが戦線を横切って前進し、シールド特化の宇宙船が盾となって損耗しつつも、リコルヌが魔法障壁をカーテン状に展開して主砲を完全に防ぐ。ヘルトルーデはリコルヌを「王家の船以上に厄介」と評しつつ、味方として利用するため奮戦を促した。
マリエの負担と、迫る巨体モンスター
リコルヌ内部ではクレアーレが悲鳴を上げ、マリエがシールド維持の大半を担って疲弊する。リビアは温存を指示され、カーラやカイルが水やタオルで支えるが、マリエは強がって立ち続ける。友軍の護衛が奮戦する一方、モンスターがリコルヌに群がり、迎撃が復旧遅延で間に合わない瞬間が訪れる。
仮面の騎士の登場と、親子の地獄みたいな自己紹介
迫る巨体モンスターは、二機の白い鎧に剣で斬り裂かれて黒煙となり消える。白い鎧はユリウス機に似つつ仮面風の装飾が施され、艦内モニターには仮面を付けたパイロット二人が映る。二人は揃って「仮面の騎士」を名乗り、しかも互いの存在に気付いて罵り合いを始める。正体はローランドとジェイクであり、クレアーレが出発前に二人の参加相談を受け、ルクシオンの予備機を貸したと説明する。マリエは親子が同じ発想で同じ格好に辿り着いた事実に膝から崩れ、「血の恐ろしさ」を実感する。リビアは疲れ切った態度で「邪魔なら帰れ」と冷たく言い、ローランドは狼狽し、ジェイクは意に介さず共闘を宣言しつつローランドを偽物呼ばわりして口論を加速させた。
第13話 「バーニング」
広間の消耗戦と、魔装騎士第二席の来襲
要塞内の広間でユリウスとグレッグは、押し寄せる帝国の鎧を迎え撃ち続け、息が上がるほど消耗していた。そこへ、これまでと雰囲気の違う魔装騎士の集団が現れ、周囲の通常鎧が勝ちを確信したように騒ぎ立てる。先頭に立つのは、炎を翼のように広げ、ハルバードを持つ魔装騎士であり、配下は傷ついているのに本人は無傷で威圧感を放っていた。グレッグが受け止めた一撃は重く鋭く、相手はグンター・ルア・ゼーバルトと名乗り、自らを帝国魔装騎士第二席だと宣言する。
役割分担の決断と、一騎討ちの開始
グンター配下が包囲に動く中、ユリウスは背中合わせでグレッグを支える。グレッグは第二席との一騎討ちを望み、ユリウスも「勝率はお前が高い」と判断して受諾する。ユリウスはキャノン砲で周囲を牽制し、グレッグがグンターへ距離を詰める形を作った。グレッグは挑発交じりに名乗り返し、諦めの悪さを武器に食らいつくが、グンターは実力と経験で上回り、重い連撃でグレッグの赤い鎧を吹き飛ばし、壁へ叩きつけた。
強制過負荷の切り札と、三分のカウントダウン
劣勢でもグレッグは退かず、リオンの邪魔をさせないために切り札を起動する。コックピットは「強制過負荷状態」「機体の爆発まで残り三分」と警告し、赤い鎧は関節から炎を噴き出して性能を急上昇させる。グレッグは今度は逆にグンターを吹き飛ばし、接近戦へ持ち込む。グンターは異常を見抜き、時間切れまで距離を取って勝つ算段を立てるが、赤い鎧はひび割れ、溶け、崩壊し始めてもなお前へ出る。
道連れの選択と、第二席の足止め成功
槍が炎で溶けて使えなくなると、グレッグはグンターを直接掴み、爆発に巻き込む形で進路を塞ぐ。グンターは「第一席級」を匂わせつつ抵抗するが、グレッグは通さないと断言する。グレッグは自分の弱さを自覚し、だから強い鎧を用意したと語る。グンターはその覚悟を認め、第二席である自分を止めた功績を称える最中、タイムリミットに達して赤い鎧が爆発し、グンターを巻き込む。燃え盛るコックピットでグレッグは悔しさを滲ませつつ、リオンに後を託して戦いを終えた。
第14話「愛」
グレッグの爆発と、ユリウスの継戦
グレッグの赤い鎧はグンターの魔装を巻き込んで大爆発を起こし、広間の帝国軍鎧を吹き飛ばした。ユリウスはグレッグを叫びながら探すが、残ったのはグンターの一部だけであり、魔装騎士たちは動揺と激高を見せた。ユリウスは安否確認を諦め、敵を通さない覚悟を固め、無人機と共にキャノン砲で先行しようとする魔装騎士を撃墜して足を止めた。
「愛」と「友情」を掲げたユリウスの単騎戦
魔装騎士がユリウスを包囲すると、ユリウスはマリエへの愛とリオンとの友情のために命を捨てると宣言し、キャノン砲をパージして出力を上げ、青白い炎を噴出させた。嘲笑する敵に対し、ユリウスは盾と剣で確実に一体を仕留め、以後も銃撃と斬撃の連携に晒されながら戦い続けた。装甲はひび割れ、盾は砕け、左腕も吹き飛ぶが、ユリウスは剣一本で前進し、最後は銃弾で刃が砕け散るまで抗戦した。
外部戦線のブラッドとジルク、フーベルトの指揮戦
要塞外ではブラッドがランス型ドローンと無人機を操り、フーベルト率いる魔装騎士の統制に苦戦していた。近接で迫るライマーを相手に押されるが、ジルクの狙撃が左腕を掠め、魔装用弾丸の効果でライマーの腕が膨張して破裂する。フーベルトはライマーを撤退させ、ライマーは緑色の鎧を恨んで去った。ジルクは撤退を促すが、ブラッドはフーベルトを倒さなければ下がれないと拒否し、ランス操作を洗練させて魔装騎士を削っていく。
捨て駒の突撃と、ブラッドの短剣
追い詰められたフーベルト側の魔装騎士たちは命令を無視し、ランスを抱き締めて押さえ込むなど自滅的な動きでブラッドを丸裸にしようとした。フーベルトは怒鳴りながらも、その犠牲を無駄にせず自ら接近し、ブラッドのコックピットへ剣を突き立てたまま外壁へ激突させる。だが衝突の瞬間、ブラッドは短剣をフーベルトの腹部へ突き刺しており、フーベルトは落下していく。ブラッドが言葉を途切れさせる頃、ジルクが残敵を片付けて駆けつけ、叫びながらブラッドを呼んだ。
動力炉到達と、フィンの降下
ルクシオンの自動操縦下のアロガンツは動力炉の部屋へ到達する。動力炉は黒い柱状で赤いラインが鼓動のように発光し回転しながら魔素を放出し、ミサイル攻撃には魔法障壁で自動防御した。リオンは強化薬の反動で顔色が悪いが操縦を継続し、武器のコンテナ交換を試みる最中、敵の急接近が発生して無人機が爆発する。天井から降りてきたのはフィンのブレイブであり、紫電をまとって放電していた。リオンは再会を喜び、フィンは苦しそうに応えつつ、無人機を電撃で破壊して武装補給を妨害し、「負けられない」と宣言して突進する。
狭所戦と、アロガンツの切り替え
リオンは無人機にミサイルを撃ち尽くさせ、狭い通路で逃げ場のないブレイブは翼で防いで吹き飛ぶ。アロガンツは床の武器から戦斧を拾い、動力炉へ向かうが、フィンが追撃して剣を振り下ろし、ルクシオンは無人機狙撃で体勢を崩させようとする。しかしブレイブは「痛い」程度で耐え、電撃で狙撃機を破壊して迫る。フィンは電撃を光刃のように纏わせて斬り込み、アロガンツの追加装甲を焼く。リオンは撤退を拒否し、戦斧を投げ捨てて無手のまま対峙した。
インパクト強化と、煙幕の賭け
フィンは連続斬撃で削り切る方針に変え、追加装甲の硬さに驚く。アロガンツは両腕を前に出し、フィンは衝撃波の射程を見切って距離を取るが、強化されたインパクトが内臓を揺さぶる衝撃でブレイブを吹き飛ばした。直後、追加装甲をパージして煙を放出し、ルクシオンは魔法生物のレーダーを一瞬だけ阻害できたと確認する。試験なしの危うい賭けだったが、効果は出た。
シュヴェールト合体と、レーザー突破
残骸の中からバックパックのシュヴェールトが飛来し、煙幕の中でブレイブが阻止に来るが、数秒遅れてドッキングが完了し出力が上昇する。アロガンツは体当たりで拮抗しつつ、シュヴェールトのレンズ群から青いレーザーを放ち、ブレイブを焼いて退かせた。リオンは背を向けて動力炉へ急行し、ブレイブが追おうとすると無人機の残骸がしがみついて足止めした。
再追撃と、双方の強化薬
ブレイブは無人機を爆発で排除し、想定より早く追いつく。ルクシオンはリオンの投薬を止めようとするが、リオンは命令として二度目の強化薬投与を指示し、投薬直後に目から血が流れる。フィン側も強化薬を使い、ブレイブの性能をさらに引き出していたことが音声から判明する。リオンとフィンは互いにドーピングを認め合い、将来を削って今を選ぶ形になった。
動力炉前の剣戟と、ルクシオンの矛盾
アロガンツは動力炉の部屋へ戻り、レーザー攻撃も魔法障壁に阻まれる。リオンはシュヴェールトの大剣を抜き、フィンの「ミアの未来」を守る決意と交差し、両者の剣がぶつかり合う。ルクシオンはリオンが多くの命のために戦っていることを理解しつつ、最優先は「生きてほしい」だと痛感する。新人類を滅ぼすマスターを求めていた過去の願いが叶いかけているのに、リオンの消耗が増す現状が、ルクシオンにはただ悲しかった。
第15話 「好敵手」
外部戦線の反転と、艦橋のギルバート
アルカディア外では王国軍が巻き返し、帝国軍を押し込んでいた。要塞内部へ戦力が戻ったことで帝国側が浮き足立ち、ギルバートは艦橋から好機を見て攻勢継続を命じる。艦長は跡取りであるギルバートの退避を求めるが、ギルバートは意地で退かない。そこへ仮面を付けた二機の白い鎧が暴れながらモンスターを斬り裂き、映像と口論の声からギルバートは正体に心当たりを得て膝をつく。ギルバートは誤射を口にして艦長に止められ、仮面の騎士たちは互いの正体に気付かぬまま罵り合い続けた。
動力炉周辺の死闘と、フィン優位の戦場
動力炉でリオンは強化薬を使ったフィンと戦い、ブレイブの性能優位を実感していた。ブレイブの電撃は動力炉近くの魔素環境で加速し、アロガンツは表面シールドで受け止めるが周囲は溶解と爆発を起こす。リオンは衝撃波やレーザーで距離を作り、シュヴェールトの推力で高速機動へ移行するが、ブレイブは翼を損傷しても再生し、追尾型の電撃を大量に放つ。ルクシオンは迎撃を試みるが、弾数と消費が厳しく、フィン側はアロガンツの異常な動きに違和感を抱く。
ルクシオンへの非難と、リオンの覚悟
ブレイブはリオン側の強化薬を「命を削る代物」と見抜き、ルクシオンがマスターを犠牲にしていると非難する。ルクシオンは激高し、新人類がいなければリオンが薬に手を出すこともなかったと叫ぶ。フィンはリオンに「なぜ命を投げ出せる」と問うが、リオンは救う対象が多すぎる以上、何かを手放すしかないと返し、自分の命も代価に含める姿勢を崩さなかった。
脚の破壊と、動力炉への誘導
フィンは追尾電撃と近接で圧を強め、ブレイブはアロガンツの右脚を破壊する。ブレイブの装甲には脈動が現れ、薬の影響がリンクで機体にも及んでいるとルクシオンは説明する。リオンは動力炉へ視線を向け、フィンが薬の影響で視野を狭めていると見抜いた。
フィンの誤算と、動力炉破壊の成立
フィンは雷光を宿した巨大化した刃で決めにかかるが、リオンが背にした建造物へ深々と突き刺してしまい、引き抜けなくなる。そこは動力炉そのもので、刃の熱が内部に届き柱は軋み、悲鳴のような音を立ててひび割れる。リオンはフィンを押しのけ、自身の大剣を柱へ突き刺し、ルクシオンの衝撃波で内部爆発を起こさせる。右腕は火を噴き、大剣も砕けるが、柱は膨れ上がって割れ、赤い粒子が噴出し動力炉は溶解を始めた。
リオンの限界と、決着への逃走
動力炉破壊直後、リオンは大量の血を吐き、投薬から十分未満で身体が限界を迎える。ブレイブは涙のような液体を流しながら激昂し追撃するが、アロガンツは天井に穴を開けて外へ脱出する。武装はほぼ失われ、ルクシオンは中和剤投与を急かす。リオンはシュヴェールトに感謝を告げ、ルクシオンはシュヴェールトをパージして遠隔突撃させ、ブレイブの胴体へ深く突き刺して引きずる。ブレイブはデッキ上へ転がり動けなくなり、フィンは沈黙した。
ブレイブの最期と、伝言
リオンは中和剤を使うが痛みが引かず、ブレイブは戦意を失い、相棒を失ったと語る。ブレイブはフィンの伝言として「殺されても恨まない」「お互い様」と伝え、灰色に崩れて消えていく。フィンの遺体も残らず、リオンは友の名を呟き涙を流した。
コアの残存と、戦いの継続
ルクシオンはアルカディアのコアが残っている可能性を警告し、破壊を優先すべきだと主張する。リオンも終結へ気を引き締めるが、脱出した穴から赤い粒子がどこかへ吸い寄せられていくのを確認する。ルクシオンは魔素を急激に吸収している個体の存在を示し、リオンはフィンのロングソードを左手に握らせ、敵の往生際の悪さを嘆きながら次の戦いに備えた。
第16話 「復讐」
敗北の現実と、ミアの崩壊
司令室のモニターにはブレイブが崩れる映像が流れ、ミアは理解できず取り乱し泣き崩れた。フィンの敗北に周囲も絶望し、魔装騎士の上位陣も討ち取られ、アルカディア本体も動力炉を破壊され再起困難となった。
アルカディアの本性と、モーリッツの破綻
モーリッツは敗北を受け入れ停戦を口にするが、アルカディアは敗北を拒み、姫がいる限り敗北は許されないと叫ぶ。さらにアルカディアは帝国そのものに興味がないと明かし、モーリッツは自分が利用され父を殺した事実を知って激昂し斬りかかるが、魔法で吹き飛ばされる。護衛も一掃され、司令部は制圧された。
姫の覚醒と、復讐の宣言
アルカディアはミアだけは特別扱いし、脱出を促すが、ミアは泣き止んで立ち上がり、アロガンツを見て復讐を望む。ミアは衝撃波を放ち装置を破壊し、完全覚醒を示す。ミアは「復讐できるならどうなってもいい」と言い切り、アルカディアはミアを呑み込み融合準備に入る。
銀のミアと、コアの怪物化
アルカディアは魔法生物たちも取り込み膨張し、亀裂から銀色の裸体のミアが現れる。黒い粘液が集まって巨大化し、ミアの瞳は赤い宝石のように輝く。アルカディアは歓喜し、天井を突き破って外へ飛び出した。モーリッツは後悔に沈み、皇帝の杖が足元に転がる。
勝利のはずが、地獄の継続へ
リコルヌ側は動力炉破壊の報告で一度は沸くが、戦闘は終わっていなかった。沈むアルカディアから刺々しい黒い“コア”が飛び出し膨張し、ミアが取り込まれていると判明する。魔素が噴出し、モンスターが増殖・集結して戦場は悪化する。
コアの脅威評価と、絶望
クレアーレはコアが異常量の魔素を吸収し、魔装の破片や魔法生物まで集めて膨らむと解析する。短時間しか活動できない代わりに、主砲を連射できるほど凶悪だと見積もる。戦力は消耗しきっており、現状戦力での撃破は困難とされ、マリエは涙を落とす。
リビアの切り札と、総力戦準備
リビアが前に出て「モンスターなら吹き飛ばせる」と宣言し、過去に超大型モンスターを吹き飛ばした力の再現を示す。クレアーレは装置移設済みで実行可能だが負担が大きいとし、ノエルの聖樹エネルギー制御、マリエの聖女エネルギー、アンジェのサポートが必要と判断する。全員が協力を決め、リコルヌは淡く光り始めた。
五分の猶予と、敵の急襲
クレアーレは準備に五分必要だと告げるが、モンスターがリコルヌへ押し寄せる。さらに星形のコアがデッキを破って出現し、中央の眼と、上半身を露出した銀色のミアが現れる。リオンは衰弱しつつ軽口を叩くが、ミアは復讐心で攻撃し、棘を連射してデッキを埋め尽くす。
リオンの追い詰めと、ミアの標的変更
アロガンツは満足に動けず、右腕を床に縫い付けられパージする。リオンは投薬を命じるがルクシオンは生命維持の観点で拒否する。そこへアルカディアが“白い船”の危険を察知し、ミアの標的がリコルヌへ移る。ミアは「大事な人が死ぬところを見せる」と宣言し、リオンは止められない。
防衛線の成立と、増援の連鎖
ノエルが巫女の紋章を掲げ、聖樹の魔法障壁でモンスターを焼き消しながら耐える。ユメリアが聖樹に祈り、出力が上がる。そこへレリアが共和国艦で加勢し、ロイクの赤い鎧が護衛する。さらにヘルトルーデもボロボロの艦で合流し、リコルヌ周辺の防衛を厚くする。クレアーレは残り時間を刻み、反撃準備を進める。
コアの主砲級攻撃と、旧人類の最期
アルカディアはリコルヌの危険度を察し、主砲並みの赤黒い収束攻撃を放とうとする。ファクト率いる旧人類兵器群が盾となって前に出て、次々に撃破され沈む。ファクトは評価の修正と、自分たちの戦いの意味を語り、最後は爆発してモンスターを巻き込み海へ落下した。
反撃の合図
ファクトたちが稼いだ時間で準備が整い、クレアーレは「いつでもいい」とリビアに告げる。リビアは輝き、髪が浮き上がるように揺れ、目を開けて短く答えた。戦場は、反撃の瞬間へ移った。
第17話「最強主人公」
リビア起動と、戦場の一掃
リビアが出撃を宣言すると、リコルヌに積んだ装置と聖樹エネルギーが反応し、リコルヌが白い光に包まれた。周囲数キロ規模でモンスターが消し飛び、黒い煙すら残らなかった。クレアーレは予想外の出力に驚き、アンジェも圧倒的な殲滅力を目の当たりにした。
光の巨人の顕現と、女神視
リコルヌ周囲に白い粒子が集まり、簡略化されたリビアの姿をした巨大な光の巨人が形成された。敵は吹き飛び、味方はすり抜ける性質を持ち、王国軍は回線越しに聖女や女神のようだと口々に称えた。一方でリビアの負担は重く、アンジェが支えつつ協力を申し出る。
赤い粒子の付与と、アルカディアへの飽和攻撃
アンジェがリビアの手を握ると赤い粒子が集まり、光の巨人は赤いドレスをまとった形となる。前方に巨大な魔法陣群が展開され、光の矢が膨大な数でアルカディアへ降り注ぎ、障壁を突き破って本体を爆発させた。要塞は一撃で大きく削られ、味方は歓声を上げるが、リビアは時間がないと判断する。
リオンの発見と、救出行動
リビアは巨人の視界でデッキ上のボロボロのアロガンツを見つけ、アルカディアに「離れろ」と叫ぶ。ミアは「オリヴィア」の名を口にし、重ねた障壁を展開するが、巨人の手は容易に破り、アルカディアは旧人類の力として理解不能だと動揺した。
リコルヌ狙いの主砲級攻撃と、理不尽な迎撃
アルカディアは巨人の胸部にあるリコルヌを狙う方針を立て、ミアは復讐心を叫びつつ赤黒い収束攻撃を放つ。しかし光の巨人は右手でそれを払い、攻撃は進路を変えて海上で大爆発を起こした。アルカディアはあり得ない回避法に怒りを露わにする。
追尾魔法の嵐と、ミアの撃退
リビア側は無数の魔法陣を展開し、火球・水球・雷球・光球など多種の高威力魔法を大量に放つ。攻撃は追尾し、ミアは迎撃を試みるが間に合わず、数百発を受けて吹き飛ばされた。巨人は両腕でアロガンツを覆い、守る姿勢を取る。
第二の巨人と、アロガンツ防衛の強化
ミアが最大出力で再攻撃すると、リビア巨人の背中から長髪の女性型の新たな頭部と上半身が出現し、攻撃を受け止めた。アルカディアは「なぜ新人類を超える存在がいる」と怒り、女性巨人がアルカディアを掴むと、ミアは暴れて脱出し上空へ逃げた。
アロガンツ狙いの執着と、アンジェの怒り
ミアはアロガンツへ致命級の攻撃を降らせ、女性巨人が覆い被さって全弾を受け止めた。アルカディアは畳みかけを促し、攻撃を集中させるが、女性巨人の腕が伸びてミアたちを殴りつけ、アンジェの怒りの声が響いた。ミアたちは掴まれて海へ投げ飛ばされ、戦場から遠ざけられた。
巨人の限界と、再突入
ミアが再戦を誓う一方で、リビア巨人の輪郭が薄れ始め、アルカディアは活動限界だと見抜いて安堵する。魔素消耗でアルカディア自身も小さくなっていたが、アロガンツを破壊する力は残るとして、ミアは「邪魔者がいなくなった」と止めを刺しに向かう。
リオンの再起準備と、第三投薬
リオンはルクシオンから無人機が整備していると聞き、ユリウスたちの安否は高濃度魔素で確認不能だと知る。ミアを止める必要を確認し、リオンは最後の命令として投薬を要求する。ルクシオンは拒むが、リオンは「ベターなハッピーエンド」を目指すと語り、最後は命令をやめて「お願い」として力を求める。ルクシオンは震えながら投薬を開始し、三度目の強化薬でリオンは吐血しつつも力を取り戻す。
決戦開始と、救出の可能性
リオンはブレイブのロングソードを構え、ミアは「剣を返せ」と怒り、リオンは挑発して斬りかかる。リオンはアルカディアをミアから引き剥がせるかルクシオンに問うが、解析中と返される。ミアの拳は女の子のものとは思えぬ威力で、剣で受け止めつつ後退する。
フィン生存と、ブレイブの別れ
要塞内部でフィンは左腕の負傷と痛みに耐えつつ目覚め、ブレイブがいないことを察して涙を流す。回想で、動力炉破壊後もリオンを追うフィンを危険と見たブレイブが、フィンを排出して守りながら降下させたことが明かされる。ブレイブは「相棒に生きていてほしい」と告げ、黒助呼びへの感情も残して別れた。助かったフィンはミアの所在を求め、司令部へ急いだ。
第18話 「皇帝陛下の真実」
司令部の崩壊と、モーリッツの告白
揺れる要塞内でフィンが司令部に到着すると、司令部は破壊され天井にも穴が開いていた。倒れた軍人の中でモーリッツは杖を抱えて泣いており、自分がアルカディアにそそのかされてカールを殺したと責任を認め、絶望していた。
カールの遺言映像と、戦争の裏目的
フィンが杖を操作すると宝石が発光し、ホログラムでカールの記録映像が再生された。カールはモーリッツの早とちりを罵りつつ、旧人類と新人類の争いを平和的に解決する道を探していたと語った。帝国のロストアイテムの記録から戦争が終わっていないと知り、軍事ではなく王国の信頼できる者と手を結ぶ解決を目指していた。
ミアの出自と、父の赦し
カールは隠し子としてミリアリスを挙げ、血なまぐさい争いに巻き込まず平和に暮らせるよう手配するよう頼んだ。さらにモーリッツへは、責任を背負えと命じながらも親として許すと告げ、フィンにはミアを幸せにしてやれと伝言を残した。映像が途切れると、モーリッツは嗚咽し、フィンは拳を握りしめて応じた。
フィンへの指示と、ミアの現状
モーリッツは自分の仕事が残っていると言い、フィンにミリアリスのもとへ急げと命じた。ミリアリスはフィンが死んだと思い、アルカディアに取り込まれたのだと告げた。
リオンの方針と、コア分離の作戦
リオンはミアを助ける方法を考え、コアが残っているなら人に戻せる可能性があると捉えた。投薬で痛みが鈍る中、ミアと口論しつつ戦いを継続し、ルクシオンからコア位置をピンポイントで貫けば切り離せるが外せば急所を貫くと知らされる。アロガンツの剣では即死の危険が高いとして、別手段を選ぶ決断を固めた。
肉弾拘束からの離脱と、ライフル狙撃
ミアの魔法でアロガンツは損傷し、機器が放電するほど追い詰められた。リオンはロングソードを投げ捨ててミアを掴み、ルクシオンがハッチをパージしてリオンを機外へ出した。ルクシオンのシールドで黒い炎を防ぎつつ、リオンは示された狙点へライフルを撃ち込み、ミアは貫かれて吹き飛び、黒い鎧のような付着物が剥がれ、銀色の体表も崩れていった。
アルカディアの残存コアと、相討ちの危機
ミアの傍らで黒い球状のアルカディアが這い寄り、リオンは撃ち続けて黒い液体を噴出させたが、致命には至らなかった。アルカディアは棘を飛ばし、ルクシオンが前に出て弾き返すが、背後からの棘がリオンの胸を貫いた。アルカディアは主砲発射のため魔素を集め、赤黒い球体が上空に形成されていった。
短剣の仕掛けと、止めきれない主砲準備
リオンは短剣の仕掛けで刃を発射し、アルカディアの大きな目に突き刺して内部爆発を起こした。アルカディアは苦悶し黒い液体を噴き出すが、要塞本体はなお主砲の発射準備を継続し、リオンは崩れ落ちながら失敗を悟った。
リコルヌ脱出と、マリエの残留
リコルヌ艦橋では力を使い果たしたリビアとアンジェが倒れ、クレアーレは聖樹部が脱出装置だと指示した。ノエルらが負傷者を運ぶ中、マリエは窓外の主砲準備を見て立ち尽くし、カイルとカーラに感謝を告げて二人の手を離し、自分だけ残る道を選んだ。クレアーレは脱出を実行し、聖樹とクレアーレたちは沈んで離脱した。
マリエの防壁展開と、リコルヌの最期
マリエは所有者変更を受け、リコルヌを主砲前へ移動させ、聖女の杖や首飾り、腕輪を輝かせて三重の魔法障壁を展開した。主砲は王国大陸へ向かって放たれ、一枚目、二枚目と破られ、リコルヌは各部が損傷し火を噴いた。マリエは兄への思いを胸に最後の防壁に耐えるが、聖具が砕け、三枚目も破られてリコルヌは光に呑まれ、爆発して蒸発した。最後にマリエはリビアとアンジェに似た女性たちに抱き締められる光景を見た。
脱出確認と、マリエ安否不明
ルクシオンはアンジェリカ、リビア、ノエル、ユメリア、カイル、カーラ、クレアーレの脱出を確認し、マリエの安否は不明だとリオンへ伝えた。リオンはアルカディアを見据えるが、体は動かず力も残っていなかった。
アロガンツの自発行動と、ルクシオン主砲
アルカディアが棘を生やす中、アロガンツが体当たりして抱え込み、リオンたちから引き離しながら押し込んでいった。装甲が剥がされ貫かれても放さず、最後にツインアイを点滅させた。直後、応急修理を終えたルクシオン本体が海中から姿を現し、真下から主砲を放ってアルカディアを貫いた。光の柱の中でアロガンツは塵となって消え、アルカディアのコアは消失し、要塞は崩れ落ちていった。
第19話 「中和剤」
勝利直後の崩落デッキと、薬効切れ
落下する要塞のデッキでリオンは瓦礫にもたれ動けず、ルクシオンも損傷したまま勝利を告げた。直後に強化薬の効果が切れ、リオンは急激に苦しくなり意識も途切れかけた。
中和剤喪失と、ルクシオンの取り乱し
ルクシオンは中和剤を求めて飛ぶが、バックパックは棘で貫かれ中和剤はこぼれていた。子機も限界で床に落ちながら、使えないと分かっていても中和剤を必死にかき集め、取り乱した声を上げた。リオンは咳き込み血を吐き、ルクシオンを呼び寄せた。
最期の対話と、再会の約束
リオンは助からないと受け止めつつ、二度目の人生を振り返り「楽しかった」と語った。ルクシオンは「また繰り返すなら迎えに来てくれるか」と懇願するが、リオンは「同じ冒険を成功できる気がしない」と拒み、代わりに「今度はお前が迎えに来い」と言った。ルクシオンは必ず迎えに行くと誓った。
ジルクの救出と、ライマーの執拗な襲撃
緑色の機体でジルクが駆けつけ、重傷のリオンを抱えて脱出を開始した。そこへ片腕を失ったライマーが現れ、戦争が終わっても弟や仲間の死を理由に復讐を叫び、火球でジルクの背中を狙って攻撃した。ジルクはリオンを捨てずに逃走を続けるが、鎧は限界に近づく。
至近距離の爆発と、ジルクの覚悟
味方艦が視界に入ったところで、ライマーは体当たりし背中に手を当てて至近距離爆発を狙った。ジルクは鎧でリオンを守る姿勢を取り、「リオン君だけは必ずマリエのもとに」と叫ぶ中で爆発に巻き込まれた。
ミアの覚醒と、フィンとの再会
意識を失っていたミアはフィンに抱き締められて目を覚まし、死後の再会だと思い込む。だがフィンはブレイブが自分を逃がしたと説明し、ここが帝国軍の飛行戦艦内であると示した。ミアはブレイブの死を思い出して泣き、フィンも抱き締めて謝罪し、二人は泣き崩れた。
マリエ生存と、男たちの異様な生還報告
マリエはゴムボートで目を覚まし、ユリウスらに抱き起こされ生存を確認した。ユリウス、ブラッド、グレッグ、クリスは泣きながらマリエの無茶を責め、再会を喜んだ。彼らは戦闘の結果として服装が極端に損傷し、グレッグはパンツ一枚、クリスはふんどし姿になっていた。
救助艦接近と、リオンの危機
バルトファルト家の飛行戦艦が接近し、甲板には聖樹の若木と損傷したジルクの鎧が見えた。ユリウスは脱出者の生存とジルクの無事を告げる一方で、リオンについて言い淀んだ。
救助指揮と、次世代への視線
飛べなくなったバルトファルト家艦は救助活動を続け、ニックスが指揮を執った。包帯姿のヴィンスとバルカスはニックスを見守り、当主交代や隠居、冒険への未練を語り合う。そこへローズブレイド伯爵が合流し、義理の息子ニックスを誇りつつ、隠居後の冒険談義で盛り上がった。
医務室の治療と、死亡判定
艦内ではクレアーレが医療設備をかき集め、リオンを医療ポッドに入れて治療を開始した。ノエルはリオンに呼びかけ、ユメリアが制止する。ルクシオン子機は充電されても目覚めず、クレアーレは設備不足と肉体損壊を嘆いた。リビアとアンジェも駆けつけリオンに触れ、リオンは一度だけ薄く目を開けたが、直後に心電図が途切れ「ピー」という音が鳴り続け、クレアーレは「マスターの馬鹿」と吐き捨てた。
嘆きと、マリエの“ゲーム知識”
ノエル、ユメリア、リビア、アンジェは泣き崩れ、アンジェは約束を叫んで縋った。そこへマリエたちが医務室へ駆け込み、クレアーレは「たった今、亡くなった」と告げた。マリエは諦めず、乙女ゲー知識として「聖女にしか使えない魔法」で魂が完全に離れる前なら連れ戻せると主張し、魂をつなぎ止める道具が必要だと説明した。
聖樹の紋章の発光と、微かな回復
道具の話が出た直後、リオンの右手甲が強く輝き、心電図もわずかに復活し始めた。聖樹の守護者の紋章が光り、ノエルは「聖樹が生きてと言っている」と感じ取った。
第20話 「聖女の禁術」
聖樹の紋章が“道具の代用品”になる
マリエはリオンの心臓が動き出したことで、聖樹の若木と守護者の紋章が魂をつなぎ止める役目を果たしていると察し、禁術の発動を決めた。時間がないと判断し、聖樹が力を貸している間に魂を連れ戻すと宣言した。
ユリウスたちを追い出し、密室で覚悟を固める
ユリウスは代償を疑い詳細を求めるが、マリエは聖女リビアが恋人を救った際の魔法だと説明し、「あの世へ向かい魂を引き戻す」と告げた。ルクシオン本体が到着するも本体側が反応せず、子機も沈黙したままだった。マリエは皆を部屋から追い出し、内心で謝罪してから儀式に取りかかった。
リビア・アンジェ・ノエルを同行させ、禁術を開始する
マリエはリオンの手を握り、リビア、アンジェ、ノエルにも手伝いを命じた。四人は禁術を実行し、倒れそうになる身体をユメリアや機械が支えた。直後、ルクシオンの赤い瞳が淡く一度だけ光った。
暗いトンネルと“門”の先にある異質な街
リビアたちは暗いトンネル内で声を頼りに合流し、マリエの指示で進んだ。光の先の巨大な門をくぐると、王国とは建物様式が異なる無人の町に出た。空には大きな黒い穴が広がり、不安を誘う景色が続いていた。マリエは迷いなく進み、集合住宅の三階の部屋へ向かった。
“前世の部屋”で露見する真実
部屋は狭く、モニターや未知の文字があり、リビアは古代文明だと興奮するが、マリエは「ギャルゲーのポスター」と言い切った。マリエは「リオンの妹」だと主張し、さらに「前世で兄妹だった」と明かした。アンジェは家系図調査を根拠に否定するが、リビアは以前の「お兄ちゃん」呼びを挙げて受け入れた。アンジェはベッド下から隠し本を発見し、ノエルも同様の隠し場所を見つけて“リオンの部屋らしさ”を実感する。
乙女ゲー『アルトリーベ』のパッケージと“世界の正体”告白
リビアが床に落ちていた乙女ゲーのパッケージを見つけ、表紙にリビアに似た少女とユリウスたちに似た男子、裏面にはアンジェに似た赤いドレス姿が描かれていた。マリエは「ここが現実で、王国側はゲーム世界に相当する」と告白し、本来の物語の流れまで説明した。ノエルは自分がパッケージにいないことを気にするが、マリエは「二作目のメイン」だと返した。
兄の不在から“実家”へ、案内する猫の出現
リオンが部屋にいないため、マリエは実家にいる可能性を示し、両親もいるかもしれないと述べた。部屋を出ると赤い瞳のダークグレーの猫が現れ、ついて来いと言うように鳴き、四人を実家へ導いた。
実家での再会と、リオンの拒否
マリエは前世での自分の行為(親を騙して金を得て海外旅行など)を語り、空気が冷えたままインターホンを押す。母親はマリエを見抜いて鍵を開け、家の中には料理中の母、新聞を読む父がいた。そこへ、こたつで寝ていたリオンが起き上がり、婚約者たちは涙をこぼした。マリエはリオンに飛びついて揺さぶり「戻る」と迫るが、リオンは「嫌だ」と拒否した。
第21話 「蘇り」
実家での攻防と、婚約者たちの説得
リオンは柱にしがみつき「戻らない」と抵抗し、マリエは腰に抱きついて引き剥がそうとした。アンジェ、リビア、ノエルも説得に加わり、「戦いは終わった」「皆が心配している」「一緒に帰ろう」と訴えたが、リオンは「もう苦労は嫌だ」「ここでのんびりしたい」と拒み続けた。リオンはわざと冷酷に振る舞い、三人を“攻略”しただけだと言い放つが、リビアは行動の矛盾を指摘し、アンジェは抱きついて「いない人生は嫌だ」と懇願した。
両親の介入と、前世の家族の会話
リオンの両親が様子を見に来て、母は嫁が複数いる状況に引き、父は卑劣だと怒った。場はこたつを囲む形になり、リビアは母からエリカの話を聞いて、エリカが前世の孫であることを知った。母はリオンとマリエの性格を評し、リビアの不安に対して「照れで意地を張っている」「帰りたくない理由は別にある」と含みを持たせた。また、空の黒い“大穴”について、母は「穴ではなく壁」「行き止まり」だと表現した。
リオンとマリエへの説教、エリカへの思い
場面はリオン視点となり、リオンとマリエは正座で母に説教されていた。父は茶化し、母はリオンの女性関係と「戻りたくない」態度を責めた。ノエルに問われた母は、リオンが過去にいじめを止めた話をするが、手段が過激だったことも明かした。母は「親より先に死んだ」と叱り、徹夜ゲームが死因だと断じた。母はマリエにも「目的は果たした」「もう許している」と告げ、マリエは泣いて抱きついた。
“迎え”の正体と、帰還の強行
父が「そろそろ時間」と言いかけた直後、猫がリオンに飛びつき爪を立てて急かした。マリエが立ち上がり、アンジェたちも加勢してリオンを担ぎ上げ、強引に家の外へ連れ出した。両親に別れを告げつつ、四人は門へ急ぐ。マリエは「門を閉じないと大変」と焦りを露わにした。
門際の裏切りと、リオンの最終判断
門の向こうは闇で、一歩で戻れないと直感できた。アンジェとリビアがリオンの手を引くが、リオンは二人を抱きしめ「ありがとう。さようなら」と耳打ちし、門の向こうへ押し出した。続けてノエルも抱きしめ謝罪し、門の向こうへ投げ飛ばした。婚約者三人を先に帰還させた後、リオンはマリエにも「先に行け」と言い、煽るマリエの覚悟を見抜いて無理やり闇へ投げた。マリエは「内側から門を閉じるつもりだった」「自分が兄貴を殺した」と泣き叫ぶが、リオンは「もう許していた」と告げて送り出した。
猫がルクシオンに変わり、別れが始まる
残ったリオンは猫に語りかけ、猫は球体ボディへ変形し、ルクシオンの姿を現した。リオンはルクシオンに「戻れ。お前がいれば皆が安心だ」と命じるが、ルクシオンは「マスターは死亡し、登録は解除された」と拒否する。ルクシオンは新人類の目的を「どうでもよくなった」と切り捨て、「マスターに生きてほしかった。そのために戦った」と本音を告げ、別れの時間だと宣言した。
第22話 「お別れ」
門を閉じる役目と、ルクシオンの選択
リオンは死者の国の門は内側からしか閉じられず、魂を取り戻す対価が必要だと理解し、マリエが黙っていた事情も察した。ルクシオンは自分が残って門を閉じると宣言し、命令権のないリオンの制止を拒否した。ルクシオンは当初リオンを利用するつもりだったが、三年間が「幸せ」だったと語り、リオンがいない未来は無意味だと言い切った。さらに「必ず迎えに行く」という約束を果たすため、リオンを送り出す姿勢を崩さなかった。
死者たちの“押し返し”と、リオンへの伝言
ブレイブが現れ、リオンに戻るよう促した。周囲には黒騎士の老人、ヘルトラウダ、セルジュら、リオンが関わった戦争で命を落とした者たちが集まり、恨みではなく「戻ってほしい」と言葉を投げかけた。黒騎士の老人は頭を下げ、旧ファンオースの死者たちも同様に礼を示した。彼らはそれぞれ家族や祖国への伝言をリオンに託し、リオンは重さに耐えかねて叫ぶが、数の力で門へ押し込まれていった。
里長の正体と、ルクシオンが“鋼の魔王”である事実
エルフの里長が現れ、声と姿を若返らせる形で正体を見せ、リオンを「勇者様」と呼んだ。里長はリオンの行動が滅びを回避し可能性を紡いだと述べ、ルクシオンが古の魔王、鋼の魔王だと明かした。ルクシオンは、リオンと出会わなければ旧人類の末裔まで滅ぼしていたと平然と認め、リオンは自分が世界を守った形になっていたことを理解する。それでもリオンは自分を“勇者”と認めず抵抗するが、死者たちは強硬手段に移り、リオンは門の外へ投げ返された。
最後の言葉と、待ち続けるルクシオン
リオンは門に呑まれる直前、ルクシオンに必ず迎えに行く、感謝していると叫んだ。ルクシオンは「百年も待たない」と言い、門を閉じた後、そこに留まってリオンを待つと誓った。
三ヶ月後の覚醒と、黒い球体の“新しい相棒”
リオンは緑色の液体入りカプセルで目を覚まし、経過は三ヶ月だと知る。クレアーレは悪い知らせとして、ルクシオンが初期化されデータ復旧不能になったと告げ、黒い球体ボディが現れた。マスター登録は継続していたため、リオンは同名を避けて新しい相棒に「エリシオン」と名付けた。エリシオンは明るい反応を見せ、リオンは左肩を特等席に指定して歩き出した。
再会と涙、そして戴冠式の“罠”
アンジェ、リビア、ノエルが駆け込み、泣きながら抱きついて再会を果たした。マリエとユリウスも合流し、クレアーレは戴冠式の準備を指示する。リオンは師匠が即位すると思っていたが、戴冠式ではリオンが王冠を載せられ、ローランドが王位を譲って退いた。師匠は功績と血筋を理由に当然だと述べ、アンジェは「リオン・フォウ・バルトファルトの戴冠」とバルトファルト王朝の開始を宣言した。リオンは激怒しつつも場を壊せず、式後は控え室へ逃げ込んだ。
側室契約の爆弾と、エリシオンの暴走提案
パーティーの裏で、ディアドリー、クラリス、ヘルトルーデ、ルイーゼが契約書を持ち込み、戦前にリオンがサインした「最大限の報酬」が側室受け入れへ繋がる形になっていたことが判明する。控え室でアンジェたちはリオンを追及し、リオンは「戻れないつもりだった」ため投げやりにサインしたと白状した。エリシオンは状況整理の末に「側室を増やすべき」と提案し、アンジェたちを激昂させ、リオンは早くもルクシオンの皮肉が恋しくなった。
ローランドの離縁と、さらなる続編地獄の発覚
ローランドはミレーヌに離縁を告げ、自由に生きろと背中を押し、フレッドは呆れる。ローランドはリオンに“爆弾”を投げ込めたことを喜び、隠居生活に満足する。後日、リオンはエリカから乙女ゲー『アルトリーベ』が六作まであると聞き、四作目は砂漠の大陸、五作目は宇宙、六作目はホルファート王国が舞台だと知らされる。リオンは絶望し、「この乙女ゲー世界は俺に厳しい世界だった」と叫んだ。
エピローグ
子どもたちへの読み聞かせと“続きが書けない”理由
大きなお腹のノエルは、リビアがまとめたリオンの英雄譚を子どもたちへ読み聞かせしていた。子どもたちは続きを求めるが、物語は未完であり、リオンの次の大冒険が終わるまで書けないと告げられる。ファクトは睡眠を促すが、子どもたちは悪戯し、賑やかな家庭の空気が続いた。黒髪の娘が「父はいつ帰るのか」と問うが、ノエルも時期を断言できず、夏休みには戻るだろうとだけ答えた。
浮島でのマリエと五馬鹿の騒動
再整備され緑豊かになった浮島では、妊娠中のマリエが農作業で汗を流し、ビールを望んでカーラとカイルに止められていた。そこへ戻ってきたジルクは“特別な紅茶”を持参し、さらに新しいティーセット入れを自慢する。ジルクは遺跡発掘品のティーセットを八十万ディアで買ったと明かし、マリエは衝撃で産気づき、混乱の中でティーセットは割れ、マリエは絶叫して気絶した。意識を失う直前、マリエは「お兄ちゃんに会いたい」と漏らした。
敗戦後の帝国と、フィンの悔恨
帝国の都市には鉄塔が建てられ、街灯と同時に魔素を放出して新人類の民が空の下で暮らせるようにしていた。これはリオンの発案であり、彼は帝国を滅ぼすのではなく“生存可能な形”へ導く計画を用意していた。フィンはそれを知り、親友を信じ切れず戦争を回避できなかったかもしれないと悔い、ミアは抱きしめて支えた。二人は騎士や皇族の立場を捨て、一般人として新しい生活へ踏み出していた。
砂漠の国で教師をするリオンと、家族の気配
リオンはオシアス王国で身分を隠し、四作目の舞台で教師として学校に潜入していた。エリシオンはマリエからの悲惨な近況メールを印刷し、リオンはジルクを「普段が笑えない屑」と評しつつも命の恩人として扱いに苦慮する。リビアからは料理を待つ動画が届き、単身赴任ではない安堵と、子どもたちに会えない寂しさが滲んだ。エリシオンは過剰に忠誠心を示し、リオンは危うさを感じつつ制止する。
ローランドの放蕩と“刺傷事件”の影
ローランドは隠居後も都市でナンパを繰り返し、女性に刺されて入院した過去が語られる。リオンは内心の複雑さを誤魔化し、エリシオンは「抹消」を提案するなど危険な思考を見せ、リオンは強く止めた。リオン自身も多妻である以上、刃物沙汰は他人事ではないと自覚していた。
四作目の攻略対象探索と、再会の誓い
情報が少ない中、リオンは現地調査を続け、問題児の集まりのクラスで副担任として生徒たちを見回した。攻略対象の特定には至らず、全員が候補だと判断する。リオンは自分が世界を救う柄ではないと自嘲しつつも、待ち続けるルクシオンと笑って再会するため、前へ進む覚悟を固めていた。
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小説版
王国編

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共和国編

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幕間

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最終章

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小説版 外伝

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同著者の作品
俺は星間国家の悪徳領主! シリーズ

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セブンスシリーズ

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その他フィクション

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