モブせか 2巻レビュー
モブせか まとめ
モブせか 4巻レビュー
どんなラノベ?
■ 作品概要
『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 3』は、極端な女尊男卑が敷かれた乙女ゲームの世界に「モブキャラクター」として転生した主人公が、前世のゲーム知識とチート級のアイテムを駆使して理不尽な世界に抗っていく異世界ファンタジーである。
第3巻では、主人公の所属するホルファート王国と、王国に深い恨みを持つファンオース公国との全面戦争が勃発する。公国が「魔笛」を用いて空と海の守護神と呼ばれる超大型モンスターを呼び出し、大艦隊で王都へ攻め込む絶望的な状況の中、平穏を望む主人公リオンは意に反して王国軍の総司令官に任命されてしまう。リオンは相棒の超高性能AI「ルクシオン」やパワードスーツ「アロガンツ」、そして主人公と攻略対象の愛で動く「王家の船(ヴァイス)」を投入し、激しい防衛戦を繰り広げる。激闘の末に公国軍を退けたリオンだが、その功績により「伯爵」という望まぬ高位へと昇進させられ、さらにこの世界がゲームの「続編」へ突入することを知り、次なる舞台であるアルゼル共和国への留学へと旅立つ波乱の結末が描かれている。
■ 主要キャラクター
リオン・フォウ・バルトファルト:
本作の主人公。平穏なモブ生活を望み、出世や名誉を嫌っているが、困っている人を見捨てられず厄介事に首を突っ込んではチート能力で解決してしまうため、望まぬ出世を繰り返す。本巻では総司令官として公国軍を撃破した結果、伯爵へと昇進し、アンジェリカとオリヴィアの2人と正式に婚約を果たした。
オリヴィア(リビア):
本来の乙女ゲームの主人公である平民の少女。純粋で心優しく、リオンを深く慕っている。本巻では、彼女の持つ「人の心に届く声」が、敵味方問わず戦意を強制的に喪失させる強大な精神攻撃(最終兵器)として働き、戦争を終結に導く重要な鍵となる。
アンジェリカ・ラファ・レッドグレイブ:
公爵家の令嬢であり、ゲームにおける元悪役令嬢。誇り高く真っ直ぐな性格。リオンに救われたことで彼を深く愛しており、身分の差を気にせずリビアと共にリオンへの想いを伝え、強引な手段で彼との婚約を勝ち取る。
マリエ・フォウ・ラーファン:
リオンの前世の妹であり、ゲームの知識を悪用して本来の主人公の座を奪った別転生者。偽りの聖女として祭り上げられ、自業自得な借金や攻略対象(五馬鹿)たちの養育に苦しむなど、散々な目に遭いながらもリオンに助けられる。
ルクシオン:
リオンが手に入れた旧人類の超高性能AI搭載宇宙船。常に皮肉や辛辣な言葉を口にするが、圧倒的な火力と情報処理能力でリオンを万全にサポートし、巨大モンスターや公国艦隊を相手に無双の活躍を見せる。
ヘルトルーデ:
ファンオース公国の王女。王国に対する深い復讐心を抱いており、妹のヘルトラウダと共に公国の切り札である「魔笛」を使って超大型モンスターを呼び出し、王国を滅ぼそうとするが、最終的に戦意を喪失させられ降伏する。
ユリウス・ラファ・ホルファート:
元王太子であり、マリエに惚れ込んでいる攻略対象の一人。本巻では正体を隠すために不審な「仮面の騎士」と名乗って戦場に現れるなど、間の抜けたポンコツぶりを発揮するが、仲間と共にマリエやリビアたちを守るために奮闘する。
■ 物語の特徴
本作の魅力は、乙女ゲームの世界観でありながら、巨大な飛行船同士の砲撃戦や、パワードスーツ(鎧)による激しい白兵戦、そして超大型モンスターとの死闘が展開される「SF・メカ戦記」としての面白さを持ち合わせている点である。
また、平穏な引きこもり生活を望む主人公が、権力闘争や国家の危機に巻き込まれ、意に反して総司令官や伯爵にまで出世させられていく「望まぬ成り上がり」の展開がコメディタッチで描かれている。
さらに、「愛で世界を救う」という乙女ゲーム特有の都合の良い設定が、敵味方の戦意を強制的に奪い去る「恐ろしい精神攻撃」として機能したり、愛情を数値化する理不尽なジョークグッズの装置が登場したりするなど、ゲーム的なご都合主義を皮肉を交えてメタ的に描いている点が、読者にとって非常に興味深い差別化要素となっている。
手始めにユリウス達攻略対象が、悪役令嬢アンジェリカを決闘で断罪するシーンに介入して攻略対象を全員倒してアンジェリカの勝利して後始末をレッドグレイブ家に任せたら男爵に陞爵。(1巻)
修学旅行からの帰りにファンオース公国の奇襲を受けてアンジェリカが人質に取られたが、リオンが単騎で公国軍に突撃してアンジェリカを救出し、さらにヘルトルーデ王女を人質に取り。
公国軍を撃退して子爵になり。(2巻)
読んだ本のタイトル
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あらすじ・内容
修学旅行中に起きたファンオース公国の襲撃。
それを撃退したリオンは、またしても出世してしまう。
そんなリオンの躍進に危機感を覚えた一部の貴族たちは、
公国と内通し彼を陥れようと暗躍していた。
そして遂には、でっちあげの罪状でリオンを幽閉してしまう。
それこそが公国の策略であることも知らずに……。
リオンというホルファート王国最大戦力を封じられたまま、
公国最大の一手が王都を襲う!
乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 3
前巻からのあらすじ
自身の思惑とは裏腹に陞爵してしまったリオン。
だがこの女性上位な乙女ゲー世界は変わらず、王子達との戦い、エアバイクレース、公国での戦闘で学園の不人気は不動のものとなっていた。
本来の主人公であるオリヴィア、公爵令嬢であるアンジェリカからの好意は身分違いだと気づかない振りをしつつ婚活に精を出すリオン。
でも身分に合う婚活相手は地雷原。
王都に別荘を建てろ、愛人と共にを養えと当たり前に言う御令嬢達。
現実は厳しい。
だが、いやがうえにも周辺の生徒に注目される三人の関係は、本人達の意思を別に歪に変化していく。
修学旅行の帰りに、ゲームではラスボスであったはずのファンオース公国の魔の手がホルファート王国に牙を剥く。
その牙をリオンがチートなルクシオンの力でポキッと折ってしまった。
感想
WEB版を読んでみたけど話が全然違う。
公国との全面戦争というシリーズ最大級の危機が描かれる一方で、相変わらずのコメディもしっかり詰め込まれており、とても楽しく読めた一冊だった。
まず印象に残ったのは、リオンが冤罪によって牢屋へ放り込まれる展開である。
公国艦隊を単独で撃退できるほどの戦力を持つリオンを危険視したフランプトン侯爵家は、公国と裏取引を行い、彼を排除しようと動き出す。かなり深刻な状況なのだが、その一方でリオンを助けようとするユリウスたち五人組の行動が見事なまでに空回りしていて笑ってしまった。
ユリウスはミレーヌ王妃に頼み込んで無表情でビンタされ、クリスは父親に意見して木刀で追い回される始末である。本人たちは真剣なのに結果だけ見ると完全にギャグになっている。この五人は本当に残念なのだが、なぜか憎めない。
そして今巻最大の衝撃は、やはりマリエの正体が明らかになる場面だろう。
超大型兵器を前に心が折れたマリエは、自分が本物の聖女ではないことを暴露してしまう。これまで好き放題やってきたツケが回ってきた形だが、追い詰められた彼女をリオンが回収し、互いに罵り合う中で前世の兄妹だったことが判明する展開には思わず吹き出してしまった。
これまでのマリエの言動を思い返すと納得できる部分も多く、伏線回収としても非常に面白かった。
また、今回特に笑ったのは「王家の船」の起動条件である。
まさか相思相愛判定が必要だとは思わなかった。
マリエと攻略対象たちでは数値が噛み合わず失敗し、国王ローランドとミレーヌ王妃に至っては夫婦なのに驚くほど低い数値を叩き出す。深刻な場面なのにギャグとして成立しているのが実にこの作品らしい。
そして最後に相思相愛判定を出したのがアンジェリカとリビアだったというオチには思わず笑ってしまった。
もちろん戦争パートも見応え十分だった。
リオンは友人たちを半ば脅しながら戦争へ巻き込み、寄せ集めの艦隊を率いて超大型兵器へ挑む。やり方はかなりゲスなのだが、本人もその自覚があるため妙な爽快感がある。
さらに黒騎士バンデルとの戦いや、ヘルトルーデ奪還を巡る攻防も熱く、戦争編のクライマックスとして非常に盛り上がった。
戦いが終わった後のリオンと国王ローランドの関係も相変わらず面白い。
お互い文句ばかり言っているのに妙に息が合っており、端から見ると仲の良い悪友にしか見えない。特に働きたくない国王と、面倒事に巻き込まれたくないリオンが押し付け合いをしている場面は何度読んでも笑える。
シリアスな戦争、政治的な陰謀、そして全力のコメディ。
本作はそのすべてが絶妙なバランスでまとまっており、シリーズの中でも特に満足度の高い一冊だった。次巻から舞台となるアルゼル共和国で、リオンがどのような騒動を巻き起こすのか楽しみで仕方がない。
モブせか 2巻レビュー
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考察・解説
聖女マリエの野望
『乙女ゲー世界』の舞台において、本来の主人公から様々な要素を奪い取って「聖女」の座に就いたマリエの野望と、それが崩壊していく過程について解説する。
前世で幸せになれなかった分、第二の人生くらいは好きに生きて幸せになりたいという強いエゴと身勝手な願望を抱き、他人を蹴落としてまでのし上がろうとした彼女の全容は以下の通りである。
王太子妃への執着と承認欲求
正式に聖女として認定された直後、マリエは学園での自身の扱いの変化を大いに楽しんでいた。
・かつて自分を貧乏貴族の娘と見下していた女子生徒たちが、こぞってご機嫌取りをしてくる状況に強い優越感を抱いた。
・このままのし上がってやる、と決意し、さらなる高みを目指すようになる。
・彼女の次なる野望は、恋人であるユリウスを王太子の座に復帰させ、自身がそのまま王太子妃に収まることであった。
実家の借金による野望の狂い
しかし、権力と贅沢な暮らしを夢見る彼女の野望は、思わぬ形で足元から崩れ始める。
・ろくでもない実家の家族たちが、娘が聖女になったことを悪用して莫大な借金を作った。
・その返済をすべてマリエに押し付けてきたため、華やかな生活どころか穴の空いた靴下すら買い替えられないほどの極貧・借金返済生活に転落する。
・エルフの里の遺跡探索においても、魔王討伐などではなく、ひたすら借金を返すための財宝を血眼になって探し求める守銭奴と化してしまった。
野望の完全な頓挫と偽物の露呈
マリエの偽りの野望は、ファンオース公国との全面戦争において完全に打ち砕かれる。
・神殿に祭り上げられて艦隊の先頭に立たされた彼女は、公国の切り札である超大型モンスターの圧倒的でグロテスクな姿を前に恐怖で動けなくなってしまう。
・パニックに陥ったマリエは、大衆の面前で、こんなのどうやって倒すのよ、そもそも私は本物の聖女じゃない、と泣き叫びながら暴露してしまった。
・この瞬間、彼女が築き上げようとした聖女としての名声や王太子妃への道といった野望はすべて瓦解し、偽物であることが白日の下に晒されるという自業自得な結末を迎えることになった。
まとめ
マリエの「第二の人生で幸せになる」という野望は、本来の主人公オリヴィアから地位を奪う形で一時的に達成されたものの、最終的には完全に崩壊した。実家の身勝手な借金によって極貧生活へ追い込まれたことに加え、国家間の戦争という本物の危機を前にして、彼女の覚悟のなさと偽りの地位が露呈する結果となった。大衆の前で自ら偽物であることを叫んでしまった彼女の結末は、他人の運命を歪めてまで手に入れた栄華がいかに脆く、身の丈に合わないものであったかを示す因果応報の顛末と言える。
エルフの里の秘密
『乙女ゲー世界』の第3巻で描かれた「エルフの里の秘密」と、そこで明かされたエルフという種族の衝撃的な真実について解説する。
一見すると美男美女が暮らすのどかな村であるが、その裏には冷酷な差別意識と、種族の根幹に関わるおぞましい歴史が隠されている。その全容は以下の通りである。
1. エルフの里の表向きの姿と混ざりものへの迫害
エルフの住む浮島にある里は、魔力によって美醜を判断する独自の価値観を持っている。
・エルフは通常、人間との間に子供ができないため、妊娠しない安全な愛人として貴族の女性から高値で売買される重要な収入源となっている。
・人間の男性との間にハーフエルフのカイルを儲けた母ユメリアは、エルフの奴隷としての妊娠しないという商品価値を暴落させる存在として、里全体から激しく迫害されていた。
・複数の魔力が混じったハーフエルフを生み出した彼女は混ざりものと呼ばれ、愚図やノロマと罵られながら不当に安くこき使われるという、排他的な一面が存在していた。
2. 遺跡の地下で行われていたおぞましい実験
里長が立ち入りを固く禁じていた里の遺跡の地下には、恐ろしい秘密が隠されていた。
・リオンたちが地下へ落下した先には、液体の入ったカプセルが並ぶ巨大な実験施設が存在していた。
・村長をはじめとする一部のエルフたちが白衣を着て、人工生物(化け物)を創り出す禁忌の実験を行っていた。
・彼らは、はるか昔の高度な文明時代にエルフが人間を創造した、という歪んだ選民思想を持っており、自分たちこそが上位種族であると妄信していた。
・いずれ人間から世界を取り戻し、すべての種族を従えて支配するための兵器として化け物を製造していた。
3. 旧人類の人工知能が明かしたエルフの真実
彼らの誇り高き選民思想は、遺跡で眠っていた旧人類の人工知能とルクシオンによって完全に打ち砕かれることとなる。
・人工知能が明かした真実は、エルフこそが人間(旧人類)の手によって創り出された生体兵器(人工生物)であるという、彼らの主張とは真逆のものであった。
・彼らが人間より長寿なのは、長く戦わせるためにすぐに死なれては困るから、という理由に過ぎない。
・魔法の扱いに長けているのも、兵器としてそのようにデザインされたから、であった。
・現在里に住むエルフたちは、この実験場から逃げ出し野生化した個体の子孫に過ぎなかった。
4. 秘密の結末とリオンの交渉カード
自分たちが人間によって作られた人工生物であるという真実を突きつけられた村長たちは逆上し、証拠隠滅のためにリオンたちを殺そうとした。
・しかし、リオンの銃撃とルクシオンの圧倒的な力によってあっさりと制圧され、エルフたちは拘束された。
・悪用を防ぐために遺跡の人工知能はルクシオンにデータを託して施設を自爆させ、さらにルクシオンの衛星軌道からのレーザー攻撃により遺跡は完全に消滅した。
・エルフたちはこのレーザーを魔王の怒りの光と勘違いした。
・この出来事により、リオンはエルフが実は人間によって作られた人工生物であるという最大の弱みを切り札として握ることになる。
・この秘密をばらすと脅すことで、カイルの母ユメリアを迫害された里から連れ出し、自らの実家で保護・雇用することに成功した。
まとめ
エルフの里の地下遺跡で明かされた真実は、自らを上位種と信じて人間を見下していたエルフの選民思想を根底から覆す残酷なものであった。彼らの長寿や高い魔法能力はすべて、旧人類によって都合よくデザインされた生体兵器としての機能に過ぎず、里のエルフたちはその生き残りに過ぎなかったのである。リオンはこの不都合な真実を外交上の最大の切り札として確保し、里からユメリアを救い出す交渉材料に利用した。美しくのどかな里の裏に隠されていた歪んだ選民思想と奴隷ビジネスの闇は、旧人類の遺産によって完全に暴かれ、リオンの優位性をさらに高める結果となった。
混ざりものの親子関係
『乙女ゲー世界』の第3巻に登場する、過酷な身分差別の中で生きてきたユメリアとカイルの親子の境遇、および彼らの間に隠された強い絆について解説する。
エルフ独自の排他的な価値観によって虐げられてきた二人の過酷な現実と、不器用ながらも互いを想い合う親子の実態は以下の通りである。
「混ざりもの」の母ユメリアとハーフエルフの差別
エルフの社会では、個人の魔力を色で判断し、複数の色が混じり合ったような魔力を持つ者を混ざりものと呼んで激しく嫌悪・差別する風習がある。
・カイルの母であるユメリアは、この混ざりものに該当するエルフであった。
・さらに彼女は、里の外で人間の男性との間にハーフエルフであるカイルを儲けてしまう。
・エルフは本来、人間との間に子供ができないため、妊娠しない安全な愛人として高値で取引されるのが里の重要な収入源であったが、妊娠の可能性があるハーフエルフの存在は奴隷としての価値を下げる原因とみなされた。
・そのため、混ざりものである上にハーフエルフの息子を持つユメリアは、里の中で愚図やノロマと罵られ、不当に安くこき使われるという極めて過酷な扱いを受けていた。
カイルの自己犠牲と冷たい態度の裏にある本音
極貧状態にあり、冬を越すことすら危ぶまれた過去において、カイルは母親に何も告げずに自ら奴隷商人に身を売り、家を出ていった。
・カイルは奴隷として働きながら、苦しい生活を送る母親のために仕送りを続けていた。
・しかし、マリエの専属使用人として里帰りしたカイルは、ユメリアに対して、仕事中ですから無理です、と他人行儀で冷たい態度を取り続ける。
・その冷淡な態度の本音は、お人好しで騙されやすく、里の者たちからどれだけ蔑まれ酷い扱いを受けても抵抗せずに笑って受け入れてしまう母親に対する、強い歯がゆさと怒りであった。
・カイルは、混ざりものと罵られ、馬鹿だからこき使われて蔑まれる。そんな状態でいつまでも笑って受け入れるから駄目なんだ、と、涙ながらに鬱憤を爆発させている。
リオンの介入と親子の救済
エルフの里における過酷な状況を見かねた主人公のリオンは、遺跡の秘密を外交カードとして利用した交渉を経て、ユメリアを里から連れ出す。
・リオンは、自らの実家であるバルトファルト家でユメリアを住み込みの使用人として保護・雇用することを決めた。
・普段はリオンのことを、学園で一番の屑野郎、と見下して憎まれ口ばかり叩くカイルであったが、リオンが母親を安全な場所に引き取ると知った時ばかりは生意気な態度を捨て去る。
・カイルは姿勢を正し、どうか母さんのことを、よろしくお願いします、とリオンに深々と頭を下げた。
・冷たく当たっていたカイルの本心は、母親の幸せと安全を誰よりも願い、自分自身を犠牲にしてでも母親を守ろうとする深い愛情に満ちたものであった。
まとめ
エルフの里に蔓延する混ざりものへの激しい身分差別と、ハーフエルフを生んだことに対する搾取の構造は、ユメリアとカイルの生活を困窮と孤立に追い込んでいた。カイルが母親に見せていた表面的な冷たさは、虐げられても笑っている母親への怒りと、彼女を救いたいという必死な想いの裏返しであり、自ら奴隷になって仕送りをするという強い自己犠牲に裏打ちされていた。リオンの介入により、ユメリアがバルトファルト家に保護され安全な雇用を得たことで、カイルは長年背負ってきた重荷から解放され、親子は不当な差別から守られる形となった。
古の魔王と勇者
『乙女ゲー世界』の第3巻におけるエルフの里のエピソードで語られる「古の魔王」と「勇者」に関する占いの内容、およびその言葉が示していた真の意味について解説する。
エルフの里で占いが得意な老婆である里長が予知した内容は、一見するとおとぎ話のようであるが、実際には世界の裏で暗躍する主人公たちの行動と関係性を正確に射抜いたものであった。その全容は以下の通りである。
古の魔王の怒りの正体
里長は、エルフの聖地とされている遺跡への立ち入りを禁じ、このままでは古の魔王の怒りに触れる、と警告し、さらに、聖女が古の魔王を連れてくる、と予知していた。
・この予知の正体は、遺跡の地下で行われていた非道な生体実験を知った旧人類の宇宙船AIであるルクシオンの行動であった。
・ルクシオンは存在してはいけない遺跡を完全に消滅させるため、衛星軌道上の本体から強力なレーザー攻撃(光の柱)を遺跡に降らせた。
・この圧倒的な破壊の光を見た村長やエルフたちは、里長が言っていた魔王の怒りとはこのことだったのかと勘違いし、恐怖して平伏することとなった。
・すなわち、エルフたちにとっての古の魔王の破壊力とは、ルクシオンによる攻撃のことであった。
古の魔王すら従える勇者に関する予知
里長は続いて、アンジェとリビアの二人を占い、貴女たちの近くには、古の魔王すら従える勇者の加護が見える、と告げた。
・さらに、二人の運命は複雑に絡み合い、本来あるべき道から大きく外れている。そして、本来背負うべき重荷を他者が代わりに背負ってくれている、とも指摘した。
・この言葉に対し、アンジェとリビアは、そんな男の子向けの物語に出てくるような凄い人は知り合いにいない、と戸惑いを見せる。
・リオン自身も、自分はただのモブだから勇者なわけがない、と全力で否定し、里長の占いは老いで的中率が下がった胡散臭いものだと呆れていた。
占いが示していた真実
しかし、物語の事実関係に照らし合わせれば、里長の占いは彼ら三人の関係性と役割を極めて正確に見抜いていた。
・エルフたちが魔王と誤認するほどの強大な力を持つルクシオンを従えている人物は、他ならぬリオンである。
・リオンは、本来ならば乙女ゲームの主人公(リビア)と悪役令嬢(アンジェ)が自力で乗り越えるべき過酷な試練や重荷をすべて代わりに引き受け、二人を危険から守っている。
・リオン本人は無自覚であり、自分はモブだ、と主張し続けているが、実態は占いの通り、二人の代わりに重荷を背負う勇者としての真の役割を果たしていた。
まとめ
エルフの里長が告げた占いは、高度なテクノロジーを持つルクシオンを魔王と恐れる現地の認識を予知したものであった。同時に、その魔王(ルクシオン)を従え、ゲームの本来のシナリオから外れたアンジェとリビアの運命を裏から支えているリオンの存在を勇者として指し示していた。リオン自身は頑なにモブを自称して占いを否定しているが、彼が二人の代わりに過酷な宿命を背負い、圧倒的な力で守護しているという歪んだ世界の真実を見事に言い当てた予言と言える。
リオンの冤罪と投獄
『乙女ゲー世界』の第3巻における「リオンの冤罪と投獄」の経緯と、その裏に隠された王宮の陰謀について解説する。
公国軍の艦隊を単機で退けて異例の出世を果たしたリオンが、その圧倒的な力を警戒する王宮の腐敗貴族によって反逆者に仕立て上げられ、投獄から救出に至るまでの全容は以下の通りである。
1. 冤罪の背景とフランプトン侯爵の陰謀
リオンが持つロストアイテムのパルトナーやアロガンツといった圧倒的な戦力は、王宮の一部貴族から激しく警戒されていた。
・王宮内で最大派閥の長となりつつあったフランプトン侯爵は、公国以上にリオンの存在を王国の脅威と見なしていた。
・侯爵は自らの権力を盤石にするため、あろうことか敵国であるファンオース公国と裏で密約を結ぶ。
・両者のリオンを排除するという利害が一致した結果、リオンを陥れるための陰謀が企てられた。
2. 偽造された証拠と地下牢への投獄
ある日、リオンの男子寮の自室が荒らされ、そこから公国と裏で繋がっていたことを示す偽の手紙が大量に発見される。
・公国と密約を交わした謀反人、反逆者というでっちあげの罪を着せられたリオンは、武装した騎士たちに捕縛された。
・無抵抗のまま殴られ、学園の生徒たちからもゴミを投げつけられるなどの手の平返しを受けながら、王宮の冷たく暗い地下牢へと投獄されてしまった。
・同時に、彼の最大の武器であるパルトナーやアロガンツも王国軍によって接収されることとなった。
3. 保護と餌としての役割
絶望的な状況に見えた投獄であったが、実はこの対応には王宮内部の防衛策としての裏が存在していた。
・リオンは王宮の一室でミレーヌ王妃とギルバート(アンジェの兄)から密かに面会を受け、真相を告げられる。
・フランプトン侯爵が権力を握るために強引に動いており、リオンはいつ暗殺されてもおかしくない非常に危険な状況にあった。
・そのため、彼をあえて地下牢に閉じ込めておくことは、リオンの安全を確保するための保護でもあった。
・また、地下牢にいるリオンをあえて餌として扱うことで、彼に接触してくる暗殺者やスパイを炙り出すという目的も兼ねていた。
4. 攻略対象たちによる救出劇と脱獄
地下牢で待機するリオンのもとに、マリエの頼みを受けたユリウスたち攻略対象の5人が次々と面会に訪れた。
・彼らは、親や実家を頼ってリオンを助けようとしたが全員見事に失敗した、という報告を順番にしていくばかりであった。
・そんな中、公国軍の大艦隊が王都へと迫る混乱に乗じて、ついにフランプトン侯爵派閥の子爵が毒入りの酒を持ってリオンを暗殺しに現れる。
・万事休すかと思われたその時、木刀を持ったクリスや銃を構えたジルクなど、攻略対象の5人が地下牢に乱入した。
・彼らは実力行使で子爵の部下や看守を制圧し、間一髪のところでリオンを救出して脱獄させることに成功した。
まとめ
リオンの冤罪と投獄は、単なるピンチではなく、腐敗した王国貴族の権力闘争と敵国との裏取引が複雑に絡み合った結果引き起こされたものであった。同時に、彼を暗殺から守るためにミレーヌ王妃たちが講じた苦肉の保護策でもあった。最終的には、普段は頼りない攻略対象の5人が公国軍来襲の混乱に乗じて実力行使でリオンを救出し、王国側の陰謀を打ち破る劇的な転機となった。ち向かう大きな契機となったのである。
公国の歴史的真実
『乙女ゲー世界』の舞台において、王妃ミレーヌから公女ヘルトルーデに提示された古い書類や歴史書によって明かされた「公国の歴史的真実」について解説する。
ファンオース公国は自らを、不当な扱いをする王国と戦った被害者、と位置づけていたが、実際の歴史は全く異なるものであった。隠蔽されていた歴史の闇と、その真実の全容は以下の通りである。
元大公家による略奪と裏切り
ファンオース公国は、元々はホルファート王国の大公家であった。
・彼らは王国と敵対する他国と内通して何度も王国へ攻め込み、領地で略奪の限りを尽くしていた。
・大公家の軍事力は強大であり、周囲に他の敵国も抱えていた王国は全力を出すことができず、長年この略奪に苦しめられていた。
フィールド家による封じ込めと独立
大公家の暴挙を防ぐため、王国は莫大な資金と資材を投じ、国境の守りとしてフィールド家(ブラッドの実家)を辺境伯として配置した。
・浮島を要塞化し、飛行船や軍事施設を揃えて大公家を押さえ込んだ。
・これにより略奪ができなくなった大公家は公国を名乗って独立したが、主な収入源を絶たれたことで疲弊していくこととなった。
人が住む浮島の破壊と賠償
疲弊した公国は戦力を再建するため、飛行船の建造に不可欠な資源である浮遊石を求め、非道な手段に出る。
・まだ人が住んでいる浮島を砲撃して破壊するという蛮行を働いた。
・この暴挙に激怒した王国と辺境伯軍によって公国軍は敗北を喫する。
・その結果、過去の略奪行為も含めた多額の賠償を約束させられることとなった。
歪められた歴史教育と復讐心
ヘルトルーデたち公国の王族は、王国が不平等な条約を結ばせ、公国領で略奪を行った、と教え込まれ、自国を被害者だと信じていた。
・しかし、公国領で王国が行ったとされる略奪は、実際にはかつて公国によって蹂躙された土地に住んでいた人々が、積年の恨みを晴らすために乗り込んで引き起こしたものであった。
・ミレーヌからこれらの真実を突きつけられたヘルトルーデは、自らが綺麗事だけを聞かされて育った傀儡であったという事実に衝撃を受け、言葉を失うこととなった。
まとめ
ファンオース公国が抱いていた王国への激しい復讐心は、自らの過去の裏切りや略奪、浮島破壊といった非道を隠蔽し、都合よく歪められた歴史教育によって生み出されたものであった。大公家時代の暴挙を封じるための王国の防衛策や、被害者たちの報復を王国の略奪とすり替えていた真実が暴かれたことで、公国の正当性は完全に失われた。美化された偽りの歴史を信じ込まされていたヘルトルーデにとって、この事実の開示は、自らが復讐の象徴として利用されていたに過ぎないという過酷な現実を突きつける結果となった。
公国軍による王都急襲
『乙女ゲー世界』の第3巻において展開される「公国軍による王都急襲」の経緯と結末について解説する。
偽の聖女マリエを擁する迎撃艦隊の壊滅から、公国軍別働隊による王都の蹂躙、そして最終決戦への移行にいたる全容は以下の通りである。
1. 迎撃艦隊の壊滅による王都の危機
フランプトン侯爵派閥と神殿の主導により、偽の聖女マリエを旗印とした200隻規模の王国艦隊が公国軍の迎撃に向かった。
・公国のヘルトラウダ第二王女が魔笛で呼び出した超大型モンスター(空の守護神)の圧倒的な力によって、王国艦隊は壊滅させられた。
・生き残ったのはわずか10隻未満であり、防衛戦力を失った王都は大混乱に陥った。
・これにより、職務を放棄して領地や安全な場所へ逃亡する貴族が続出する事態となった。
2. ゲラット伯爵率いる別働隊の王都降下と無差別襲撃
公国軍本隊の王都到達を待たず、ゲラット伯爵が率いる飛行船30隻の別働隊が王都上空に急襲を仕掛けた。
・ゲラットの真の目的は、かつての戦いで王国に奪われたヘルトルーデ第一王女と魔笛を回収することであった。
・公国軍は爆弾の投下や鎧部隊の降下を行い、避難民を乗せようとする飛行船や名門貴族の屋敷を無差別に襲撃した。
・市街地が火の海に変えられる中、クラリスやディアドリーら学園の生徒たちも、避難民の保護や屋敷の防衛を強いられることとなった。
3. リオンによる防空戦とゲラットの最期
王都の正規軍の出撃が遅れる中、臨時で総司令官に任命されたリオンは、巨大飛行船パルトナーと重装甲鎧アロガンツを駆って単機で迎撃に出る。
・パルトナーの対空弾幕で上空から投下される爆弾を防ぎつつ、アロガンツの圧倒的な性能で公国の鎧や飛行船を次々と撃破した。
・リオンはそのまま別働隊の旗艦に肉薄し、ゲラットの乗る飛行船にミサイルを撃ち込んだ。
・ゲラットは復讐を果たすことなく、その爆発の中で意識を失い敗れ去ることとなった。
4. 黒騎士バンデルによる王宮強襲と王女奪還
別働隊の襲撃に紛れ、公国最強の騎士である元黒騎士バンデルが単機で王宮を強襲した。
・彼はロストアイテムである魔装の右腕を取り込んだ禍々しい鎧の姿となっており、立ちはだかる王国の近衛騎士たちを瞬く間に蹂躙した。
・バンデルは王宮内に幽閉されていたヘルトルーデと、宝物庫に保管されていた魔笛を奪還することに成功する。
・追撃に出たリオンとの決着を後に回し、彼女を公国軍の本隊へと送り届けた。
5. 最終決戦への移行
別働隊の急襲は何とか退けたものの、ヘルトルーデと魔笛を奪い返した公国軍はさらに勢いを増すこととなる。
・超大型モンスターを伴う公国軍の本隊が、王都に向けて刻一刻と迫ってきた。
・リオンたちは被害を受けた王都から、残された寄せ集めの艦隊を率いて出撃する。
・王国全体の存亡を懸けた、湖の上での最終決戦へと向かうことになった。
まとめ
公国軍による王都急襲は、王国の防衛戦力の大半が初戦で壊滅するという最悪の状況下で引き起こされた。ゲラット伯爵の無差別襲撃に対し、リオンがロストアイテムを駆使して単機で迎撃し壊滅させたものの、その裏で黒騎士バンデルの強襲を許し、ヘルトルーデ王女と魔笛の奪還を許してしまう。別働隊の脅威を退けたリオンたちであったが、王国の命運は、超大型モンスターを伴って進軍してくる公国軍本隊との、湖上における最終決戦へと委ねられることとなった。
リビアとアンジェの絆
『乙女ゲー世界』の舞台において、本来のシナリオを越えて結ばれたリビア(オリヴィア)とアンジェ(アンジェリカ)の「絆」の形成過程と、その特異な関係性について解説する。
ゲームの強制力を跳ね除け、身分差や同性という枠組みすらも超越した二人の強固な結びつきの全容は以下の通りである。
1. 主人公と悪役令嬢という本来の敵対関係からの変化
乙女ゲームの本来のシナリオにおいて、平民の特待生であるリビアは主人公、公爵令嬢であるアンジェは悪役令嬢であり、王太子ユリウスを巡って激しく敵対する恋のライバルになるはずの存在であった。
・しかし、転生者であるマリエがユリウスたち攻略対象を奪い取ったことで、アンジェは孤立して婚約破棄され、リビアも本来の居場所を失う。
・その結果、イレギュラーな存在であるリオンに助けられた二人は、本来の敵対関係から一転して、共に行動する友人同士へと変化していくこととなった。
2. 身分の壁とすれ違い
二人は友人として親しくなるが、その間には平民と公爵令嬢という巨大な身分の壁が存在していた。
・学園祭の際、リビアは敵対派閥の伯爵令嬢から、貴族に友達なんていない、あんたは二人の愛玩動物(ペット)よ、と侮辱される。
・これによりリビアは、自分はアンジェと対等な友達ではないのではないかと深く傷つく。
・アンジェもまた、自分のような立場の人間が平民であるリビアとどう接すればよいか分からず、二人の間には一時的な溝やすれ違いが生じることとなった。
3. 命懸けの危機を乗り越えた真の友情
その身分の溝を埋める決定的な転機となったのが、ファンオース公国との激しい戦争であった。
・公国の攻撃により豪華客船が傾き、アンジェが海に投げ出されそうになった絶体絶命の危機において、魔力消耗で動けないはずのリビアが決死の覚悟で彼女を助けに向かう。
・アンジェが、来るな、お前まで落ちるぞ、と怒鳴っても、リビアは涙を流しながら、友達だって言ってくれたじゃないですか、と叫び、アンジェの腕を掴み引き上げた。
・身分の差や過去のわだかまりを捨て、命懸けで互いを思いやるこの出来事を通じて、二人の絆は真の友情へと昇華された。
4. 王家の船を起動させた真実の愛
二人の絆の深さを最も象徴しているのが、王国の切り札である飛行船「王家の船(ヴァイス)」を起動させる場面である。
・この船は、真に愛し合う者同士(本来は男女)が愛情測定装置に乗り、高い数値を出すことで起動する仕組みになっていた。
・ユリウスたち五人がマリエと乗っても散々な低評価しか出ず、国王と王妃ですら低い数値しか出せない中、リビアとアンジェの二人が乗った結果、装置は、互いに120点、貴女たちは真実の愛で結ばれた関係です、という最高評価を叩き出す。
・同性同士でありながら、互いを深く思いやる真実の絆が、ゲームのシステムや古代の装置をも凌駕し、王家の船を起動させるという奇跡を起こした。
5. リオンへの想いの共有と共闘
公国との戦争後、二人は互いにリオンのことが好きだ、と告白し合う。
・本来の乙女ゲームであれば一人の男性を巡って泥沼の争いになるところであるが、アンジェは涙を流すリビアの手を握り、私とリビア以外に好きな人がいてもいい、どちらを選んでも恨みはしない、だからお前も身を引くな、と励まし合う。
・そして二人は、逃げ回るリオンを追い詰め、夕日の下で同時に、お前が好きだ、リオンさんが大好きです、と告白を行った。
まとめ
リビアとアンジェの絆は、単なる身分を超えた友情にとどまらず、ゲームの強制力すら跳ね除けて互いを真実の愛のパートナーとして認め合う、本作において最も強固で尊い関係性として描かれている。本来であれば恋敵として争うはずだった二人が、マリエの介入によるシナリオの崩壊を経て出会い、戦争という極限状態の中で命懸けの信頼を勝ち得た。同性でありながら王家の船の測定で最高評価を叩き出したその深い結びつきは、愛する男性であるリオンへの想いさえも共有し、共に支え合うという、通常の恋愛観をも超越した唯一無二の共闘関係を築き上げている。。二人はリオンを巡る恋のライバルでありながらも、互いを最高に尊重し合うパートナーであり、彼の不在時にも共に成長し合える強さを持っている。この二人の強固な連帯こそが、理不尽な世界における最大の救いとして描かれているのである。
マリエの正体と改心
『乙女ゲー世界』の第3巻において明かされたマリエの「正体」と、その後の彼女の心境の変化、および現実直視にいたる過程について解説する。
本来の主人公の立ち位置を奪って聖女に成り上がったマリエが、世界の危機や自らの限界に直面し、人間性を回復させながら過酷な現実に直面していく全容は以下の通りである。
マリエの正体であるリオンの前世の妹
マリエは、公国との戦争による混乱の中でリオンと激しい口論を展開した末に、その真の正体が発覚することとなった。
・彼女は単なる別の転生者ではなく、主人公リオンの前世の妹であった。
・前世における彼女は、海外旅行に行く間に自分がクリアできなかった乙女ゲームのプレイを兄(リオン)に強要し、結果的に彼を過労による事故死に追いやった元凶である。
・しかし彼女自身も、兄の死後に嘘が露呈して両親から実家を追い出され、不健全な男性に引っかかって暴力を振るわれるなど、非常に不幸な最期を迎えてこの世界へ転生していた。
乙女ゲー知識の欠如とシナリオ破壊の理由
マリエが強引に逆ハーレムを築こうとした背景には、前世で不幸だった分、第二の人生くらいは好きに生きて幸せになりたいという強い自己中心的な願望が存在していた。
・しかし彼女は前世でゲームを自分でクリアしておらず兄に丸投げしていたため、物語後半の動画や画像の知識しか持ち合わせていなかった。
・そのため、世界を救うためには聖女のアイテムだけでなくオリヴィア自身の持つ特別な力が必要であることや、このゲームがシリーズ化されており二作目、三作目のラスボスが控えていることを全く知らなかった。
・この知識の欠如により、世界の安全を脅かす形でシナリオを破壊してしまっていた。
偽りの聖女の露見と本音の吐露
公国との戦争において、マリエの野望は完全に崩壊を迎えることとなる。
・超大型モンスターの圧倒的な恐怖を前に心が折れた彼女は、大衆の面前で、あんなのどうやって倒すのよ、私は本物の聖女じゃない、と泣き叫び、偽物であることを自ら暴露した。
・これにより神殿や貴族から命を狙われ、地下牢に放り込まれる。
・面会に来たユリウスたち5人に対しても本性を現し、地位も名誉も財産も捨てて女が喜ぶと思っていたのか、本当にあんたたちって馬鹿、大嫌い、と罵倒して突き放した。
兄への依存と過酷な現実への直面
死の恐怖に直面したマリエは、正体が互いに判明したリオンに対して、お兄ちゃん、助けて、とすがりつく。
・彼女自身も、逆ハーレムという状況がただ大変なだけで全く嬉しくないことに気付いており、終わりにしたかった、とリオンに本音を打ち明けて反省の弁を述べた。
・敵であるヘルトルーデが自暴自棄になって死のうとした際には、綺麗事を並べるオリヴィアに激怒し、大事な人が死んだら辛い、仇討ちは間違っているから止めてなんてこの子の気持ちはどうするのか、と、前世で兄を失った後悔と悲しみを重ね合わせてヘルトルーデを庇う心境の変化を見せた。
・最終的にリオンの尽力により命は助かるが、マリエを諦めきれない5人の男性たちが押しかけてくることとなる。
・彼らが生活費を勝手に無駄遣いしてマリエの石像を作るなどのポンコツぶりを発揮したことで、彼女は完全に絶望した。
・将来無職の男性5人と彼らの生活力のなさに頭を抱えたマリエは、最終的にリオンに泣きついて生活費を無心するという、したたかで情けない元の兄妹関係へと回帰していくことになった。
まとめ
マリエの正体はリオンを前世で破滅に追いやった実の妹であり、彼女の身勝手な聖女奪取と逆ハーレム形成は、前世の不幸を取り戻そうとした暴走の結果であった。しかし、ゲームの核心的な知識を欠いていたために世界の破滅を招きかけ、戦争の恐怖によってその虚飾は完全に剥ぎ取られた。自らの偽装や本音をぶちまけたことで神殿から狙われる身となったが、リオンへの救助要請やヘルトルーデへの共感を通じて、前世の過ちを省みる人間性をのぞかせている。地位を失った5人の男性たちの扶養という因果応報の過酷な現実に直面した彼女は、再び兄に依存するという皮肉ながらも切っても切れない血縁の絆へと落ち着く結果となった。、相変わらず兄の頭を悩ませるコミカルで人間味のあるキャラクターへと変化していくのである。
王国と公国の終戦
『乙女ゲー世界』の第3巻において描かれた「王国と公国の終戦」の経緯と、その後に課された過酷な戦後処理の実態について解説する。
ファンオース公国との激しい全面戦争が、本来の主人公オリヴィアの秘められた力やリオンの戦いによって終結を迎え、国家の解体へと至る全容は以下の通りである。
1. リビアの精神攻撃による戦意喪失と降伏
王家の船ヴァイスに乗ったリビアの、これ以上戦いを見たくない、争わないでほしい、という悲痛な願いは、ヴァイスの機能によって増幅され、一種の精神攻撃として戦場全体に響き渡った。
・この力は敵味方問わず人々の心を包み込み、戦意と復讐心を強制的に奪い去る効果をもたらした。
・公国の切り札として魔笛を吹き、自身の命を代償に超大型モンスターを使使していた第二王女ヘルトラウダも、この力によって憎しみを奪われ、穏やかな表情のまま息を引き取った。
・妹の死とリビアの力に触れた第一王女ヘルトルーデは、ついに自ら降伏を宣言することとなった。
2. 黒騎士バンデルとの最終決着
ヘルトルーデが降伏を宣言したにもかかわらず、ロストアイテムである魔装の右腕に乗っ取られて暴走した元黒騎士バンデルだけは戦いを止めず、リビアたちに襲いかかった。
・そこにリオンの乗るアロガンツ(シュヴェールトと合体した形態)が駆けつけ、激しい一騎打ちを展開した。
・死闘の末にバンデルを撃破し、敗れたバンデルがヘルトルーデに看取られながら息を引き取ったことで、両国の戦闘は完全に終結した。
3. 公国の消滅と過酷な条約
終戦後、王国は公国を完全に滅ぼすのではなく、和平という形式をとった。これは王国自体が他国からも攻め込まれており、公国だけに構っている余力がなかったためである。しかし、その条件は極めて過酷なものであった。
・ファンオース公国という国家は消滅し、ファンオース公爵家として王国の傘下に下ることが決定した。
・保有できる戦力を王国に制限され、違反すれば罰金が科される。
・さらに監視役が派遣され、王国の要請があれば拒否権なしで戦力を差し出さなければならないという屈辱的な条約を結ばされた。
・王国によって生かさず殺さず、何百年も搾取され続けるという絶望的な未来がファンオース家に課せられることとなった。
4. ユリウスの介入による僅かな譲歩
当初、王宮は元王太子ユリウスをヘルトルーデに婿入りさせ、公爵家を厳しい管理下に置いて領民の反発を和らげるという統治計画を企てていた。
・しかし、マリエの頼みを受けたユリウスら5人が、公爵令嬢であるヘルトルーデを襲撃するという芝居を打つ事件を起こす。
・平和条約締結後に元王太子が公爵令嬢を襲撃したことで王宮の面子は丸つぶれとなり、ユリウスの婿入り話は白紙撤回された。
・このユリウスたちの暴走により、あまりにも酷すぎた条約の内容は、結果的にいくらか公爵家側に譲歩されることとなった。
まとめ
ホルファート王国とファンオース公国の戦争は、リビアの強大な魔力の顕現とリオンによる黒騎士バンデルの撃破によって王国の勝利で幕を閉じた。戦後、公国は解体されて王国の従属貴族である公爵家へと格下げされ、過酷な制限と搾取を伴う条約を突きつけられることとなる。王宮による執拗な政治統治計画に対し、マリエの思惑を受けたユリウスら5人が狂言襲撃事件を起こして婿入り話を破談にさせたことで、結果として公爵家側への条件が僅かに緩和されるという奇妙な政治的結末を迎えた。国となった公国には厳しい戦後処理が課され、ヘルトルーデは深い孤独の中で復興に携わることとなる。一方、英雄となったリオンは本人の隠居への願いとは裏腹に、国王ローランドの画策によって伯爵への強制的な昇進を余意なくされ、さらなる国家の重責を背負わされる。さらに、地下牢に捕らえられたマリエたちの救出に乗り出すなど、リオンは退くことのできない過酷な政治の渦中へと完全に巻き込まれていくのである。
モブせか 2巻レビュー
モブせか まとめ
モブせか 4巻レビュー
登場キャラクター
バルトファルト家
リオン・フォウ・バルトファルト
乙女ゲームの世界に転生した元日本人である。平穏な生活を望む一方で、理不尽な世界に前世の知識を利用して対抗する。アンジェリカやオリヴィアから想いを寄せられている。
・所属組織、地位や役職
バルトファルト家・三男。子爵。王国軍総司令官。のちに伯爵、三位下。
・物語内での具体的な行動や成果
公国軍との戦争で総司令官に任命され、パルトナーとアロガンツを駆使して勝利へ導いた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
公国軍を退けた功績により、国王の独断で伯爵および三位下へと昇進させられた。オリヴィアとアンジェリカの二人と正式に婚約する。
バルカス
リオンの父親である。息子を心配しつつも自立を認めており、有事の際には責任ある行動をとる。
・所属組織、地位や役職
バルトファルト家の当主。男爵。のちに六位上。
・物語内での具体的な行動や成果
王都から避難する民を自身の飛行船に乗せて脱出を支援した。リオンの要請に応じ、公国軍との戦争に参戦した。裏切り者のミオルを斬首する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
公国軍との戦争に参加した功績で、六位上への昇進が決定した。正妻のゾラを見限り、離縁を突きつけた。
ゾラ
バルカスの正妻である。自己中心的な考えを持ち、血の繋がらないリオンたちを見下している。
・所属組織、地位や役職
バルトファルト家の正妻。
・物語内での具体的な行動や成果
戦争時にバルカスの飛行船へ乗せて逃げるよう要求した。バルカスに対して暴言を吐き、自分たちの安全のみを主張した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
バルカスから見限られ、実家に戻ることになった。しかし実家も戦争時の対応により取り潰しが決定している。
ルトアート
ゾラが愛した別の男性との間に生まれた子供である。傲慢な性格で、田舎領主のバルカスを嫌悪している。
・所属組織、地位や役職
バルトファルト家の長男。のちに平民。
・物語内での具体的な行動や成果
バルカスから戦争への参加を命じられるも、命令を拒否して逃亡しようとした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
敵前逃亡により騎士の称号を剥奪され、実質的に平民の扱いとなった。
ニックス
リオンの次兄である。弟を気遣う優しさを持ち、家族を支える役割を担う。
・所属組織、地位や役職
バルトファルト家・次男。のちに跡取り(長男)。
・物語内での具体的な行動や成果
公国との戦争時にバルカスの飛行船へ同乗した。バルカスから家と家族を守るよう指示を受ける。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ルトアートが追放されたため、長男へ昇格して男爵家の跡取りとなった。
ジェナ
リオンの姉である。現実を直視せず、都会での生活や高位貴族との結婚を夢見ている。
・所属組織、地位や役職
バルトファルト家・次女。のちに長女。
・物語内での具体的な行動や成果
ユメリアから掃除を教わるも、不満を漏らして途中で放棄した。リオンに良い結婚相手を紹介するよう頼み込んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
専属使用人制度の廃止や実家の事情により、母親から厳しく花嫁修業を強いられている。
コリン
リオンの弟である。無邪気で兄を慕っている。
・所属組織、地位や役職
バルトファルト家・四男。
・物語内での具体的な行動や成果
リオンの婚約式に参加し、彼の衣装を見て感心した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化は記載されていない。
お袋
リオンの母親である。バルカスを支え、子供たちの将来を案じている。
・所属組織、地位や役職
バルトファルト家。バルカスの妻。
・物語内での具体的な行動や成果
バルカスの服装を整え、送り出した。ジェナに花嫁修業として家事を厳しく指導している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
リオンの婚約式で彼に良いお嫁さんが来たと涙を流して喜んだ。
レッドグレイブ家
アンジェリカ・ラファ・レッドグレイブ
公爵令嬢である。誇り高く、リオンを深く愛している。オリヴィアとは身分を超えた友情で結ばれている。
・所属組織、地位や役職
レッドグレイブ公爵家令嬢。学園の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
投獄されたリオンを助けるためにマリエへ土下座をした。オリヴィアと共に王家の船ヴァイスを起動させ、リオンへ想いを告げた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ユリウスとの婚約破棄を経て、リオンと正式に婚約を果たした。
ヴィンス・ラファ・レッドグレイブ
アンジェリカの父親である。冷徹な政治判断を下すが、娘を気遣う一面も持ち合わせている。
・所属組織、地位や役職
レッドグレイブ公爵家当主。公爵。
・物語内での具体的な行動や成果
王宮でリオンの保護や根回しを行った。土下座により家名に傷をつけたアンジェリカに対し、リオンとの結婚を提案した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
フランプトン侯爵の失脚により、再び王宮での権力を掌握する。
ギルバート・フォウ・レッドグレイブ
アンジェリカの兄である。父親とともに公爵家を支え、実務をこなしている。
・所属組織、地位や役職
レッドグレイブ公爵家の跡取り。
・物語内での具体的な行動や成果
地下牢にいるリオンへ王宮の状況を説明した。父親の指示で領地に戻り、戦争の準備を進めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化は記載されていない。
ホルファート王国(王家・貴族・学園関係者)
オリヴィア
乙女ゲームの本来の主人公である。心優しく、リオンを深く慕っている。アンジェリカとは深い絆を築いている。
・所属組織、地位や役職
学園の特待生。平民。
・物語内での具体的な行動や成果
リオンを助けるためにマリエへ土下座をした。ヴァイスに乗って精神攻撃を発動し、公国軍の戦意を喪失させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
アンジェリカと共にリオンと婚約した。
マリエ・フォウ・ラーファン
リオンの前世の妹である。自己中心的な性格だが、家族や身内の危機には感情を露わにする。
・所属組織、地位や役職
子爵家の娘。学園の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
オリヴィアから聖女の地位を奪い、偽の聖女として公国との戦争へ参加した。自身の正体がリオンの妹であることを明かした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
偽聖女であることが露見して神殿から処刑されそうになるが、リオンの尽力で浮島へ移住することになる。
ユリウス・ラファ・ホルファート
元王太子である。マリエを愛しており、彼女のためには手段を選ばない。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国の元王太子。
・物語内での具体的な行動や成果
仮面の騎士として素性を隠し、公国との戦争に参加した。マリエのためにリオンが献上した浮島の物資を売り払い、彼女の石像を作った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
公国との戦争後、王位継承権を完全に剥奪されてただの王子となった。
ローランド・ラファ・ホルファート
ホルファート王国の国王である。好色な性格をしており、リオンを嫌って嫌がらせをする。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国・国王。
・物語内での具体的な行動や成果
リオンを総司令官に任命した。リオンへの嫌がらせとして、彼の意思を無視して伯爵および三位下へ昇進させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化は記載されていない。
ミレーヌ
ホルファート王国の王妃である。知的で優しく、リオンを信頼し支援している。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国・王妃。
・物語内での具体的な行動や成果
リオンを王宮で保護し、彼が総司令官になるための根回しを行った。ヘルトルーデに対して公国の歴史的真実を突きつけた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化は記載されていない。
カーラ・フォウ・ウェイン
準男爵家の娘である。臆病だがマリエに救われたことで彼女を慕うようになる。
・所属組織、地位や役職
学園の生徒。準男爵家の娘。
・物語内での具体的な行動や成果
学園でいじめられていたところをマリエに助けられた。処刑されそうになったマリエの側を離れず支え続けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
マリエや他の仲間たちと共に浮島へ移住した。
クリス・フィア・アークライト
剣聖の息子である。マリエに惚れ込んでいる攻略対象の一人。
・所属組織、地位や役職
伯爵家の元嫡男。
・物語内での具体的な行動や成果
地下牢にいるリオンを救出するために戦った。公国との戦争に参加してマリエの護衛を務めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
マリエと共に浮島へ移住し、自給自足の生活を送ることになる。
ジルク・フィア・マーモリア
ユリウスの乳兄弟である。攻略対象の一人。
・所属組織、地位や役職
子爵家の元跡取り。
・物語内での具体的な行動や成果
地下牢にいるリオンの元へ赴き、実力行使で彼を救出した。公国との戦争に参加し戦った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
マリエと共に浮島へ移住した。
グレッグ・フォウ・セバーグ
実践主義の伯爵家元跡取りである。攻略対象の一人。
・所属組織、地位や役職
伯爵家の元跡取り。
・物語内での具体的な行動や成果
地下牢にいるリオンを助け出した。戦争に参加してマリエを守る盾として活躍した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
マリエと共に浮島へ移住した。
ブラッド・フォウ・フィールド
辺境伯家の元跡取りである。攻略対象の一人。
・所属組織、地位や役職
辺境伯家の元跡取り。
・物語内での具体的な行動や成果
地下牢からリオンを救出する手助けを行った。公国との戦争でマリエを護衛した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
マリエと共に浮島へ移住した。
レイモンド・フォウ・アーキン
リオンの友人である。冷静な判断力を持つ。
・所属組織、地位や役職
学園の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
公国との戦争前に逃亡を考えていたが、リオンから飛行船の整備条件を提示され、やむを得ず戦争に協力した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化は記載されていない。
ダニエル・フォウ・ダーランド
リオンの友人である。日和見主義な面を持つ。
・所属組織、地位や役職
学園の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
公国軍の侵攻に対し逃亡を主張したが、リオンの説得と脅しにより王国側で参戦した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化は記載されていない。
バーナード・フィア・アトリー
クラリスの父親である。実務能力に長けた大臣。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国・大臣。伯爵。
・物語内での具体的な行動や成果
公国との戦争において王国の軍備や被害状況を報告した。リオンの伯爵昇進について伝達を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化は記載されていない。
クラリス・フィア・アトリー
伯爵令嬢である。王都襲撃時に避難民の保護に努める責任感を持っている。
・所属組織、地位や役職
学園の先輩。伯爵令嬢。
・物語内での具体的な行動や成果
公国軍の襲撃時に避難民を飛行船に乗せて脱出を指揮した。リオンに婿入りや独立を勧めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化は記載されていない。
マルコム・フォウ・フランプトン
権力欲が強く、大のためには小を切り捨てる冷酷な思想を持つ。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国・侯爵。最大派閥の長。
・物語内での具体的な行動や成果
公国と裏で結託してリオンを罠にはめ、彼を投獄させた。リオンの策略により反逆罪の証拠を突きつけられた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
反逆罪で逮捕され、失脚した。
ディアドリー・フォウ・ローズブレイド
伯爵令嬢である。気丈で誇り高い性格をしている。
・所属組織、地位や役職
学園の先輩。伯爵令嬢。
・物語内での具体的な行動や成果
公国軍が屋敷を襲撃した際、避難民の脱出を優先して自身は最後まで残ろうとした。リオンにローズブレイド家の分家当主になるよう提案した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化は記載されていない。
師匠
リオンのマナーの師匠である。紳士的で、騎士としての独自の信念を持つ。
・所属組織、地位や役職
学園の教師。騎士。のちに学園長。
・物語内での具体的な行動や成果
投獄されたリオンに茶を差し入れ、王妃を頼るよう助言した。ヘルトルーデとミレーヌの対談に同席し、彼女たちを護衛した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
学園長に就任することが決定した。
ファンオース公国
ヘルトルーデ・セラ・ファンオース
ファンオース公国の第一王女である。王国に対する深い復讐心を抱くが、情に厚い面もある。
・所属組織、地位や役職
ファンオース公国・第一王女。のちに公爵代理。
・物語内での具体的な行動や成果
フランプトン侯爵と裏取引を行い、魔装の右腕を本国へ送った。妹の死後、自暴自棄になって大地の守護神を呼び出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
敗戦後、公国が消滅したためファンオース公爵家の公爵代理として王国の監視下に置かれる。
ヘルトラウダ・セラ・ファンオース
ファンオース公国の第二王女である。公国の未来のために自らを犠牲にする覚悟を持つ。
・所属組織、地位や役職
ファンオース公国・第二王女。
・物語内での具体的な行動や成果
自身の命を代償に魔笛を吹き、空と海の守護神を呼び出した。リビアの精神攻撃により戦意を喪失し、穏やかに息を引き取った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
魔笛を使用した対価により死亡した。
バンデル・ヒム・ゼンデン
公国最強の元黒騎士である。主君への強い忠誠心と王国への深い憎悪を持つ。
・所属組織、地位や役職
ファンオース公国・元黒騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
魔装の右腕を取り込んで王宮を強襲し、ヘルトルーデを奪還した。ヴァイスを破壊し、アロガンツと死闘を繰り広げた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
アロガンツとの一騎打ちに敗れ、ヘルトルーデに看取られながら戦死した。
ゲラット
公国の伯爵である。リオンへの復讐心に燃えるが、臆病な一面を持つ。
・所属組織、地位や役職
ファンオース公国・伯爵。
・物語内での具体的な行動や成果
魔笛の回収を目的に別働隊を率いて王都を急襲した。アロガンツのミサイル攻撃を受けて撃墜された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
アロガンツに旗艦を撃沈され、敗北した。
エルフの里・亜人
カイル
ハーフエルフの美少年である。口が悪く計算高いが、母親思いである。
・所属組織、地位や役職
マリエの専属使用人。奴隷。
・物語内での具体的な行動や成果
エルフの里を案内し、母親であるユメリアに冷たい態度をとるが、のちにリオンへ母の保護を懇願した。マリエの借金生活を支えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
マリエと共に浮島へ移住した。
ユメリア
カイルの母親である。気弱で自己評価が低いが、心優しいエルフ。
・所属組織、地位や役職
バルトファルト家の住み込み使用人。
・物語内での具体的な行動や成果
エルフの里で混ざりものとして迫害されていた。リオンに保護され、バルトファルト家で働き始めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
エルフの里を出て、バルトファルト家の使用人となった。
村長
エルフの村の代表である。選民思想を持ち、人間を見下している。
・所属組織、地位や役職
エルフの里の村長。
・物語内での具体的な行動や成果
遺跡の地下で人間を支配するための人工生物を製造していた。リオンたちを証拠隠滅のために殺そうとした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
リオンに敗北して拘束され、遺跡も破壊された。
里長
占いが得意なエルフの老婆である。
・所属組織、地位や役職
エルフの里の里長。
・物語内での具体的な行動や成果
リオンたちが遺跡に入ることを許可した。リオンやマリエたちの未来を占った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化は記載されていない。
ミオル
猫耳を持つ亜人の男性である。主人であるジェナやリオンを激しく嫌悪している。
・所属組織、地位や役職
ジェナの専属使用人。奴隷。
・物語内での具体的な行動や成果
リオンを罠にはめるため、彼の部屋に公国と内通する偽の証拠を仕込んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
裏切りが発覚し、バルカスによって斬首された。
人工知能
ルクシオン
リオンの相棒である旧人類の人工知能。常に冷静で皮肉屋だが、リオンを的確にサポートする。
・所属組織、地位や役職
宇宙戦艦の中枢人工知能。
・物語内での具体的な行動や成果
パルトナーを操り超大型モンスターと戦った。リオンの婚約を強引に進める手助けをした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化は記載されていない。
クレアーレ
遺跡で眠っていた旧人類の人工知能。女性的な口調で、ルクシオンより自由な性格をしている。
・所属組織、地位や役職
王家の船ヴァイスの制御人工知能。
・物語内での具体的な行動や成果
ヴァイスの制御を担当し、リビアやアンジェをサポートした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
遺跡からルクシオンにデータを引き継ぎ、ヴァイスの人工知能として再稼働した。
遺跡の人工知能
エルフの里の地下遺跡を管理する旧人類の人工知能。使命に忠実である。
・所属組織、地位や役職
遺跡の管理AI。のちのクレアーレ。
・物語内での具体的な行動や成果
エルフが人工生物であるという真実を明かした。ルクシオンにデータを託して施設を自爆させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
クレアーレとして新たなボディを得た。
前世の人物
兄
マリエの前世の兄(現在のリオン)である。口は悪いが妹思いだった。
・所属組織、地位や役職
マリエの前世の兄。
・物語内での具体的な行動や成果
妹にゲームのクリアを押し付けられ、過労で事故死した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
死亡後、リオンとして転生した。
妹
リオンの前世の妹(現在のマリエ)である。わがままで兄を利用していた。
・所属組織、地位や役職
リオンの前世の妹。
・物語内での具体的な行動や成果
兄にゲームを押し付けて海外旅行へ行った。兄の死後、家を追い出され不幸な最期を遂げた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
死亡後、マリエとして転生した。
モブせか 2巻レビュー
モブせか まとめ
モブせか 4巻レビュー
展開まとめ
プロローグ
リオン・フォウ・バルトファルトは、内気で真面目な青年であり、前世でプレイしていた乙女ゲームの世界に転生してしまった平凡な男子学生である。彼は出世して子爵になり、高い地位を持つことになったが、乙女ゲーム世界の愛の力の強さに悩んでいる。また、彼の人工知能を搭載した宇宙船の相棒、ルクシオンは冷たくあしらうが、彼の側に置いている。学園で彼が地位を得ると、以前は見向きもされなかった女子たちから大量の手紙が届くようになり、その変貌にリオンは引いている。さらに、結婚を前提とした手紙の内容は彼の財産や地位を狙うもので、女子の利己的な態度に落胆している。彼は忙しい日々を送っており、転生者疑惑のあるマリエが聖女として認定されたことにも対策を考えなければならない状況だ。
カーラ・フォウ・ウェインは、準男爵家出身で、ホルファート王国の騎士家に属している女子である。彼女の寄親であったオフリー伯爵家が空賊との関係で取り潰され、当主や跡取りは処刑されたため、カーラは学園で裏切り者扱いを受けている。彼女は学園での見せしめのように孤立しており、周囲からの非難も受けている。そんな中、聖女として認定されたマリエが登場し、マリエはカーラに友情を申し出る。この申し出に周囲は驚くが、マリエはカーラを受け入れ、いじめることをやめるように呼びかける。一方で、マリエ自身は内心ではリオンに対する復讐を考えており、彼女自身も聖女としての地位を利用している。
リビアとリオンが学園の廊下を歩いていた。リビアは明るい茶髪をボブカットにしており、彼女は教科書やノートを抱えていた。二人は授業の度に教室を移動することについて話しており、リビアはリオンが疲れていないか心配している。リオンは、ファンオース公国の軍を退けたことで英雄とされており、望まない出世を困っている。リビアは彼が英雄であると述べ、リオンは来年を期待しつつ、周囲の女子に手の平を返されることに悩んでいる。そのため、彼はお茶会でリビアやアンジェと過ごすことを好んでいる。しかし、リビアはクラリス先輩やディアドリー先輩もお茶に誘っていることに気づいている。
「逃げましたね」【モブせか2 第1話】
その後、二人は掲示板の前で人だかりができているのを見つける。掲示板にはアルゼル共和国への留学プログラムの募集ポスターが掲示されているが、実際に人が集まっていたのは、マリエのために設立される親衛隊の募集に関するものだった。親衛隊は特別な措置として、神殿騎士からではなく正式な騎士から選ばれ、親衛隊に入隊した者には騎士の称号が与えられ、婚活に疲れた貴族にとっても有利な条件が提示されていた。
リビアはアンジェが近づいてくるのを見て、リオンはアンジェから自分がマリエの聖女親衛隊に内定したことを告げられ驚く。
第 01話「エルフの里」
王宮の会議室で、重臣や関係者たちが集まり、聖女親衛隊について議論していた。参加者たちは、神殿が聖女親衛隊の予算を王宮に要求することに不満を表明している。特に問題とされているのは、マリエが聖女になり、名門貴族の跡取りたちを籠絡していることだ。神殿側は、マリエと恋仲のユリウスを王太子に復帰させ、権力を握ろうとしているとみなされている。会議には公爵であるヴィンスも出席しており、ユリウスの失脚後、影響力が縮小していたが、会議の流れを見守っていた。ヴィンスと話していた宮廷貴族のバーナードは、今回の決定に賛成していたが、ヴィンスは自らが反対することで決定が覆るわけではないと述べていた。
フランプトン侯爵は会議を主導しており、聖女親衛隊の隊長にリオン・フォウ・バルトファルト子爵を任命することを発表した。これには周囲から不満の声が上がるが、フランプトン侯爵はリオンの資質を試金石としてロストアイテムを保有する資格を見ることを提案した。ヴィンスはこれに反論し、ロストアイテムを独占するつもりではないと述べるが、フランプトン侯爵派閥の意見で会議はまとめられた。フランプトン侯爵はヴィンスに対して挑発的な態度をとり、ヴィンスはこれを受け入れる形で会議は終了した。ヴィンスはこれからの行動について静かに思案するのだった。
飛行船パルトナーの甲板で、リオンはマリエとその取り巻きたちを眺めていた。リオンはマリエの親衛隊隊長として命令に従うことに虫唾が走るほど不満を感じている。リオンが船を出したのは、マリエの提案による冒険の旅に参加するためである。リオンはマリエを見るたびに、前世の妹や今世の姉妹を思い出し、不快感を募らせる。また、マリエの専属使用人であるカイルとも不仲である。カイルはリオンを嫌っており、リオンはカイルに対して怒りを感じている。一方、リビアとアンジェリカは純粋に遺跡を楽しみにしており、リオンは二人が興味を示したためにマリエの提案を受け入れた。船にはヘルトルーデもおり、彼女はリオンにとって厄介な存在である。リオンはヘルトルーデとの過去の因縁に苦しんでいる。船はエルフたちが住む浮島に到着し、上陸準備が始まる。
エルフの浮島に上陸した際、女子が指示を出し男子が荷物を運んでいた。現地では専属使用人が奴隷として扱われるが、同時に愛人でもあるため、男子は彼らをこき使うことを避けていた。リオンはグレッグに絡まれながらも、周囲で働くヘルトルーデさんの存在を意識していた。ヘルトルーデさんは王国の状況に対し、自国の公国とは違うと述べ、リオンに亡命を提案する。一方、マリエは金銭的な問題に直面しており、グレッグから支援を約束される。
マリエとの会話の最中、ヘルトルーデさんも参加し、マリエの金銭への執着を批判する。その後、カイルの故郷が浮島であることが判明し、カイルは不機嫌な様子を見せる。カイルは村の案内を務めながらも、母親と冷たく接する。村長への挨拶を終えると、カイルの母親であるユメリアさんが登場し、彼女との関係について触れる。リビアはカイルの態度に心配し、ユメリアさんに対する配慮を示すが、カイルは自分の母親に対しても距離を置く姿勢を見せていた。
村長の屋敷にて、里の遺跡を訪れたいというリオンの要望に対し、村長は許可を出すことが難しいと応じた。理由は、遺跡が神聖な場所とされ、村長を含む複数の村長が反対しているからである。特に、占いが得意な老婆である里長が反対すると予想された。議論が続く中、里長が突然村を訪れ、遺跡への入場を認める決定を下した。これは里長が遺跡に関連する「古の魔王」について予知していたためである。里長の予知には、聖女が関与しているとも言われ、周囲は動揺していたが、里長の指示に従う形で決着した。この展開にリオンとルクシオンは遺跡への許可が下りたことに安堵し、これにより問題なく遺跡探索が可能となった。
許可を得た一行は遺跡に入ったが、そこには期待した財宝などは一切見つからず、皆が落胆していた。リビアは遺跡の細部に興奮していたが、それが単なるカードの読み取り装置であることをルクシオンは指摘した。一方、マリエは財宝が見つからずに絶望しており、ジルクは彼女をなだめようとしていた。ヘルトルーデも冒険に期待していたが、その期待が裏切られたことに落胆していた。遺跡の入り口で待機していた村長は一行の動向を冷ややかに見守っていたが、結局遺跡からは何も得られず、訪問は無駄に終わったようだった。
遺跡の入り口にいたアンジェ、ジルク、グレッグは、リオンがマリエと二人きりになっていることに不安を感じていた。特にリオンがマリエに近付く様子を見せていたことから、彼らはリオンが何か問題を起こすのではないかと心配していた。リビアもリオンがライフルを持って遺跡に入ったことに気付き、さらに心配が増した。このため、ジルクとグレッグはリオンとマリエのもとへ急いで遺跡に入った。アンジェとリビアも彼らを追いかけた。
一方、マリエは夢から目覚め、周囲が銃声で騒がしくなっていることに気付いた。地下に落ちた後、リオンは未確認生物と戦っていた。マリエが起き上がることができずにいると、リオンとルクシオンは彼女に冷たく接し、自分で治療するよう促した。周囲で戦闘が続いている中で、マリエは自分の置かれた状況に苛立ちを感じていた。
第 02話「遺跡の秘密」
アンジェたちは遺跡の奥に落ちた穴を見つけ、その奥から発砲音が聞こえてきていた。ジルクはすぐに降りる準備を始め、グレッグは先に降りることを決めた。リビアも下に行こうとしたが、アンジェに止められる。その後、怒った村長が現れ、穴がある状況を説明し、村長自身が降りることを宣言した。
一方、地下では、リオンとマリエが通路を歩いていた。リオンはマリエに怪我を治すよう促し、マリエは自分の幸せを求めるためにリビアから全てを奪ったことを正当化していた。その中、ルクシオンは、この施設がエルフによる人間の創造場であるとの情報を持っており、エルフたちはそれを否定していた。しかし、別の人工知能がこれを確認し、エルフが人工的に作られた生物であると明かした。
その後、村長が登場し、リオンたちを始末するよう命じたが、ルクシオンが介入し、リオンは村長を攻撃して彼を制圧した。エルフたちは最終的に降伏し、リオンは彼らを拘束するよう指示した。マリエはリオンに従うことを約束した。
エルフたちが拘束された後、人工知能は施設が自爆する必要があると宣言した。その施設は新人類に対抗するための研究施設として設立されていたが、その目的が果たせない今、残す方が危険であると説明された。人工知能は自らのデータをルクシオンに渡し、その後自爆の準備に入る。
一方、マリエはそこに存在する財宝に飛びつくが、その財宝はこの世界では価値がないことが明かされる。施設が自爆し、遺跡は破壊される。
「報いは受けてもらいます!」【モブせか2 第2話】
その後、エルフの村に戻った一行は、村人たちが魔王に許しを請う様子を目にする。里長は捕らえられたエルフたちの扱いについて話をしたいと述べ、リオンたちが里長の屋敷に招かれる。カイルはこの状況を馬鹿にしているが、表情をすぐに戻す。ジルクとグレッグは回収した鎧のパーツを運び、エルフたちはその光景を恨みつつも、俺たちがエルフたちの扱いをどうするかについて話し合うことになった。
里長の屋敷で、リビアが「混ざりもの」について尋ねる。エルフたちは個人の魔力を色で判断し、異なる色が混じる魔力を持つ者を「混ざりもの」と呼び、嫌悪する。カイルの母、ユメリアは一時期里を離れ、人間の男性との間にカイルを産んだため、カイルはハーフエルフとされ、エルフ社会での立場は微妙である。ハーフエルフの存在は、エルフが高値で奴隷として売られる一因であるが、子供を産む可能性があると知れば、女性たちが購入をためらうかもしれない。これにより、カイルは里で厄介者視されているが、リビアは放っておけないと心配する。その後、里長はマリエの将来について過酷な選択を迫られることを占い、マリエは結果に納得がいかず、やり直しを要求する。エルフたちの説明によれば、マリエたちは自分たちの状況を改善するために他のエルフたちに協力を求めるが、その過程で自分たちの問題に深く首を突っ込むべきではないとも指摘される。
「お年寄りは大事にしないと、めっですよ!」【モブせか2 第3話】
第 03話「因縁」
エルフの浮島を離れる際、リオンとユメリアは飛行船の甲板で会話を交わす。ユメリアはエルフ社会で差別される「混ざりもの」として扱われ、またハーフエルフの息子カイルを持つことでさらに複雑な立場にあった。エルフたちの生理的嫌悪感を変えることができないため、リオンはユメリアを連れ出すことを最善の解決策と考える。飛行船でのカイルの激しい抗議にもかかわらず、ユメリアはリオンの助けに感謝し、カイルはその事実を受け入れられずに悲しむ。この一連の出来事は、ユメリアがエルフ社会で受けていた扱いや、カイルが母親を支えるために奴隷として売られた背景を明らかにする。
リオンは船内の通路でカイルを見つけ、彼に声をかける。カイルは当初リオンを不信に思っているが、リオンは彼の母、ユメリアさんを住み込み使用人として雇う計画を説明する。リオンの父は純情であり、ユメリアさんに不適切な行動はしないだろうと説明する。さらに、リオンはユメリアさんをエルフたちへの切り札として利用し、彼女に何かあればエルフたちの秘密を暴露すると脅しをかける戦略を明かす。カイルは最終的にリオンに感謝の意を示し、母の世話を託す。また、リオンはカイルに彼の主人が頻繁に変わる理由について尋ね、カイルはそれが自身の利益のためであることをほのめかす。
リオンは学園に戻り、すぐに王宮へ報告するために準備を進める。王宮での報告後、彼は女性たちとの長時間にわたるお茶会に出席する。その後、王妃ミレーヌと再会し、彼女との会話を楽しむ。ミレーヌはリオンに、学園にいるヘルトルーデ公国の王女について心配していることを話す。また、ミレーヌはリオンの出世を支持したことも明かすが、リオンは出世を望んでいないと感じている。彼は王妃との会話を楽しみ、彼女を尊敬していることが伺える。
リオンが王宮に行っている間、彼の専属使用人たちが彼の部屋に侵入し、何らかの荷物を置いた。使用人たちにはリオンに対する悪感情があり、彼を陥れる目的で行動していた。翌日、リオンはお茶会を開催していたが、その場には複数の問題を抱えた女性が参加しており、宮廷の政治的な問題について議論が交わされた。その中で、リオンに対する社会的な危険が浮かび上がり、彼の持つ地位や財産に対する他の貴族たちの敵意が明らかになった。また、女子寮ではヘルトルーデがアンジェに対して厳しい言葉を交わし、王国に対する復讐心を露わにした。この会話から、アンジェがヘルトルーデの監視役としての立場が実際は敵対関係にあることが判明し、彼女は騎士たちに拘束されることになる。この出来事は、深い陰謀と個々のキャラクターの動機が複雑に絡み合った状況を示している。
リオンの自室が荒らされ、彼が公国と繋がっていたとする証拠がでっちあげられていた。身に覚えのない手紙が大量に発見され、彼は騎士たちに逮捕される。その際、無抵抗ながらも暴行を受ける。学園内での評判も一変し、学生や専属使用人たちから侮辱を受けるなど、リオンは社会的に追い込まれた状況に置かれていた。彼は冤罪を晴らすために抵抗するが、周囲の態度は冷たく、彼の孤立は深まる一方だった。この事態はリオンにとって最悪の展開であり、彼は最終的に牢屋に投獄されることになる。
第 04話「裏側」
ヘルトルーデとフランプトン侯爵は、ホルファート王国の宝物庫を訪れる。彼らの目的は、王国の貴重な品々が保存されている場所だった。ヘルトルーデは、特に古代の鎧の腕に興味を示し、これを譲ってもらうことを侯爵に提案する。侯爵は彼女の提案に対して躊躇するが、彼女は宝物庫に新しく飾られた他の貴重品を指摘しながら交渉を進める。最終的に、ヘルトルーデは自分たちに協力を求める侯爵との取引を承諾する。侯爵は公国との友好と領地の割譲を提案し、これを受け入れると、ヘルトルーデはこの成功に安堵する。彼らの会話からは、ヘルトルーデが鎧の右腕を実用品としてではなく、収集品として興味を持っていたことが示されている。
ホルファート王国の地下牢に収監されたリオンは、ユリウス殿下と対面する。ユリウスはリオンが王国を裏切ったと非難するが、リオンは冤罪だと主張し、自分が裏切るならもっと巧妙に行うと返す。その後、ユリウスはリオンに向けて王国の政治状況が不安定であることを説明し、自分たちがリオンを利用しようとしていることを伝える。
次に現れるのはヘルトルーデで、彼女はリオンにファンオース公国への参加を提案し、彼が望む平穏な生活を提供すると言う。しかし、リオンは彼女の提案を拒否し、ヘルトルーデが信用できないと感じている。このやりとりから、リオンがヘルトルーデの提案を誠実ではないと判断する様子が窺える。リオンは自身がヘルトルーデや王国貴族に利用されていることを理解しているが、それに屈することなく自己の信念を保持している。
最終的に、ユリウスはリオンを解放できないと告げ、リオンは再び孤独に地下牢での時間を過ごすことになる。その間に、リオンは政治的な駆け引きや自分の立場について深く考える。
リオンは王宮でギルバートとミレーヌと対面し、自分の逮捕が政治的な派閥争いによるものであることを知る。特にフランプトン侯爵がリオンを脅威と見なしており、彼の持つロストアイテムと公国の利害が一致していることが明かされる。リオンの急速な出世に嫉妬する貴族たちと、彼を警戒する侯爵は、公国と共謀してリオンを罠に嵌めたのである。ミレーヌはリオンが王宮内で保護されることが彼の安全のためであると説明し、現状では彼を地下牢に留めることが最善の策だと語る。ギルバートはフランプトン侯爵が権力を握るために動き出したことを示唆し、王宮内での不安定な雰囲気と可能性のある内乱を懸念する。リオンはこの情報を受けて、自身がいかに王国の政治的な駒として利用されているかを痛感する。
ヴィンスは娘のアンジェが怒りに震えて部屋を飛び出したことを、小さな溜息をついて見守る。アンジェの感情的な性格に心配する一方で、ギルバートとの間でアンジェの将来とリオンの逮捕に関連する現状を議論する。リオンが地下牢にいる間に、彼に接触しようとした者たちがいたことが判明し、その中にはリオンの所有するパルトナーを動かそうとする者もいたが、成功していない。ヴィンスは王宮内の派閥争いと神殿の動きについても触れ、内乱の可能性を指摘する。ヴィンスは王宮で起こるかもしれない事件に備え、ギルバートには領地に戻って戦の準備をするよう命じる。
一方、学園ではアンジェがリビアと再会し、リオンの逮捕状況を共有する。アンジェはリオンの逮捕が公国と関連した者たちによるものであることを説明し、リオンを助けるために何か行動を起こすべきか悩む。彼女は、ミレーヌが動けるならすでに行動を起こしているはずだと推測し、王宮内の権力争いが激化する中で内戦が起こる可能性についても話す。アンジェとリビアはリオンを助けるために何ができるかを模索し、必死の思いでそれぞれの行動を決める。
学園で起こった出来事において、マリエは自らの取り巻きたちによってアンジェとリビアを土下座させる状況に対して後悔し、恐怖を感じていた。彼女はリオンを助ける方法がないにもかかわらず、土下座を要求し、実際にアンジェとリビアが従ったことに驚愕していた。取り巻きたちが事態をエスカレートさせ、アンジェとリビアを一層辱めようとする中、ユリウス、ブラッド、ジルク、クリス、グレッグという五人が介入し、彼女たちを許すべきだと主張する。彼らはリオンを助けるべきだとも言及し、マリエは五人に対してリオンの助命を懇願する。
一方、アンジェとリビアは土下座の行為によって周囲からの冷たい視線と嘲笑を受けていたが、アンジェはリオンを助けるために自らの誇りを捨てた行為に対して、達成感を覚えていた。しかし、彼女は自分が家名に泥を塗ったと感じ、その代償としてリオンが助けられればそれで良いと自己犠牲的な考えを抱いていた。
この一連の出来事は、マリエが取り巻きに囲まれながら自己中心的な態度を見直す契機となり、アンジェとリビアは困難な状況を共に乗り越える強い絆を示していた。
第 05話「偽りの聖女」
地下牢にいるリオンは、これまで訪れた客人たちを思い返していた。彼らはロクでもない連中で、金を払うからとパルトナーの操作方法を教えるよう要求したり、脅しをかけたりしていた。パルトナーとアロガンツは接収されたが、操作方法がわからず、動かないため困っているようだ。リオンは、ルクシオンと共に、王国の滅亡や支配層の殲滅を提案されるが、それを拒否する。彼は、王国を見限る理由がなく、民が困ることを懸念している。彼が王国を守りたいわけではなく、単に民を困らせたくないからだと語る。
最後の訪問者として、ユリウスが地下牢に現れるが、リオンは彼が何も言う前に失敗を察知し、彼に帰るように命じる。ユリウスは、リオンを助けようと母親であるミレーヌに依頼したが、拒否され平手打ちを受けたと語る。彼はその経緯について語り、リオンに理解を求めるが、リオンはユリウスの不器用さを嘲笑う。ユリウスが去った後、ルクシオンは彼らの動機に疑問を投げかける。
その後、会議室でフランプトン侯爵派閥が集まり、公国軍の動きに対する策略を話し合う。侯爵は公国軍による攻撃を許容し、聖女の力を利用して神殿側との関係を築く計画を立てる。同時に、王国のための「必要な犠牲」として領主たちの犠牲を認め、その地位を固めようとする。
地下牢では、リオンのもとへ幾人かの貴族が訪れ、彼を説得しようと試みるが全て失敗に終わる。しかし、ジルクとクリスを始めとする何人かの貴族が武装してリオンの救出に現れる。彼らは看守を拘束し、リオンを地下牢から解放する。地上への脱出途中、グレッグとブラッドも合流し、ユリウスが待つ場所へと向かう。
四人に案内されたリオンは中庭に到着する。そこでユリウスは、中庭に王族しか知らない秘密の抜け穴があると説明し、リオンはその無神経さを非難する。その時、中庭は光に照らされ、武装した騎士たちが近づいてくる。騎士たちはリオンを助けに来たと主張するが、リオンは信じるか迷う。その中、ユリウスの父、ローランド国王が現れ、リオンたちに武器を下ろすよう命じる。国王は状況を把握しており、リオンの安全を保障し、急を要する状況を示唆する。
その後、リオンは重鎮たちが集まる会議室へと案内される。会議室には国王、王妃、およびヴィンスを含むリオンを支援していた人々がいる。会議では、公国の軍隊が王国に上陸し、大きな損害を与えていることが報告される。ヴィンスは、敵が使用している魔笛が公国にもう一つあると説明し、第二王女ヘルトラウダがそれを扱っていると述べる。国境での軍事的な問題も指摘され、王国内部での対応が難しい状況であることが明らかになる。
マリエは神殿の要請に応じ、聖女としての力を発揮し、艦隊を守る大きなシールドを展開する。彼女の力により、周囲の士気が高まり、公国の艦隊を押し返すことに成功する。しかし、マリエは戦況の恐怖を感じつつも、自身の力に安堵していた。
公国側は王国の艦隊を観察している中、ヘルトラウダは戦場状況を確認し、魔笛を用いて戦いに臨む。魔笛の音色により、異様に巨大なモンスターが現れ、王国の艦隊に対して圧倒的な力を示す。このモンスターの出現により、王国の艦隊は混乱し、多くの飛行船が破壊される。
一方、マリエは戦場で自分の力を疑い、周囲の支持に応えられずに絶望する。彼女は、自身が本物の聖女ではないと感じながら、巨大なモンスターの前で無力であると自覚する。その結果、王国の艦隊は敗退し、生き残る飛行船はわずかとなる。
王宮では、この惨事の報告を受けて、重鎮たちは対策を協議する。リオンは、自分とロストアイテムを用いてもこのモンスターを倒せるかどうか自信がなく、王家の船の使用と、マリエや他の五人の力が必要であると訴える。しかし、王家の船を動かすには特定の条件が必要であり、現状ではそれが満たされていない。さらに、マリエは神殿によって処刑される運命にあると報告される。
リオンは王国の騎士として、会議室から退席させられた後、別室で待機命令を受ける。彼とルクシオンはマリエの処刑について話し合い、現状についての評価を交わす。マリエが聖女として認められながらも偽物であると自白したため、処刑が決定されている。
リオンは王国に対する忠誠心を問われ、王国のために戦うかどうか自問自答する。彼はルクシオンに現在の危機的状況を打開できるかどうかを尋ね、ルクシオンは勝利の可能性について否定的な見解を示す。リオンは、大地を沈ませずに超大型モンスターを倒すための戦力が足りないことを悟る。
師匠が現れ、リオンにお茶を差し出し、彼の悩みを聞く。師匠は王国に留まり、戦う決意を固めているが、リオンは逃げるべきか戦うべきかで悩む。最終的にリオンは、王国のために戦う決意を固め、王妃に支持を求めるために行動を起こすことを決断する。彼は、自身の騎士道として民を守ることを選び、逃げることを選ばない。
第 06話「絆」
リオンはミレーヌ様と会い、指揮権を求めるが、ミレーヌ様は彼の実績の不足を指摘し、支持は得られないと忠告する。リオンは王家の船を動かすためにマリエの生存が必要であることを強調し、王家の船とマリエを用いて戦う計画を説明する。ミレーヌ様は難色を示すが、最終的にはリオンの提案に同意し、根回しを進めることを約束する。
リオンは友人たちを集め、彼らが所有する飛行船が自分の実家でしか整備できないことを説明し、協力を要請する。当初は協力を拒否する友人たちもいたが、リオンの説得により次第に考えを改める。彼らは最終的にリオンに従うことを決意し、リオンの指導のもと戦うことを選択する。
リオンが指揮権を得ようとミレーヌ様に交渉している間、リビアとアンジェは、ルクシオンを通じてリオンの計画を知る。アンジェは、王国の軍事力が低下していることを指摘し、リオンが総司令官としての役割を果たす予定であることを疑問視する。領主たちが協力を拒んでいる背景には、王国の軍事力に依存しているだけであり、その力が弱まれば平気で裏切るという現実がある。
アンジェはリオンを信じ、彼に協力を決意し、リビアもアンジェに同行することを決める。二人はルクシオンの案内で王宮へ向かう。
一方、王都近くの浮島でリオンは家族と再会する。兄のニックスや姉のジェナと合流し、家族とともに戦争に向けた準備を始める。しかし、親父はリオンに過去の問題行動を非難し、彼が状況を説明するまで怒りを隠さない。それにもかかわらず、家族はリオンの計画に協力することを決める。
最終的に、リオンと家族は、戦争における彼らの役割を確認し、一緒に戦う準備を進める。親父はリオンが自立して行動することを受け入れ、彼に自由に行動する許可を与える。
王宮に戻ったリオンは、バーナードから報告を受ける。飛行船の数は五十隻程度であり、リオンはその中にパルトナーも含まれている二十四隻を確保していることを説明する。リオンは、超大型の存在を除いて公国軍には勝てると確信しており、超大型を消滅させるためには聖女とリビアの力が必要であることを指摘する。
その後、リオンはマリエたちが待つ控え室に案内される。マリエは情緒不安定であり、リオンと交わる言葉も辛辣である。彼女の状態は疲労によるものだが、彼女はリオンとの会話で感情的になり、過去に重ねた兄の死を悼むような発言をする。マリエは疲れ切って眠りにつくが、彼女が見ている夢は過去の辛い記憶についてである。
最終的に、リオンとマリエはお互いに前世での兄妹であることを思い出し、お互いを認識する。過去に互いに影響を与え合っていたことが明らかになり、現在の状況と深いつながりを持っていることが示される。彼らは過去の確執を乗り越え、共に現在の危機をどう乗り越えるかを考えなければならない状況にある。
第 07話「運命」
リオンと前世の妹であるマリエは、宮殿の控え室で再会し、彼らの過去の関係と現在の状況について話し合う。マリエは過去の記憶に苦しみ、自分の子供を彼らの両親に預けたことを認める。リオンはそれを評価し、子供が両親に育てられることを肯定的に捉える。また、マリエは以前の恋人に暴力を振るわれた後に現世に来たことを明かす。
リオンは、マリエにリビアへの協力を求めるが、彼女は化け物と戦うことを拒否し、戦争に参加しないと主張する。その後、マリエは逃走し、リビアが彼女を追い詰める。リビアは、マリエからリオンを「返して」という要求に直面し、マリエはリオンを「自分のものではない」と認める。
最後に、カイルとカーラがマリエを助けるために現れ、彼らはマリエを室内に連れ戻す。この一連の出来事を通じて、リビアとアンジェはそれぞれリオンへの感情を確認し合い、リビアは再びリオンへの愛を確認しようとする決意を固める。アンジェはリビアを励まし、リオンへの愛を表明する。
リビアとアンジェが行方不明であることを知りながら、バルトファルト子爵は謁見の間で臨機応変に対応する。貴族や騎士たちの多くが逃げ出し、残った者たちは王国の危機的状況に立ち向かう決意を表す。この中で、バルトファルト子爵は総司令官に任命され、公国との決戦を宣言する。
バルトファルト子爵に対する反逆罪の非難があがり、フランプトン侯爵が公国との交渉を提案する。しかし、ミレーヌ様がこれを一蹴し、子爵が公国と裏で繋がり、王国を裏切ったことを証明する立体映像をルクシオンが映し出す。これにより、侯爵たちは逮捕され、バルトファルト子爵は彼らの誤算と罪を指摘する。
フランプトン侯爵が子爵に対し激しく抵抗し、自己正当化を試みるが、バルトファルト子爵は彼の反論を一蹴し、侯爵たちが国を危機に陥れた責任を取るよう求める。最終的に、バルトファルト子爵は自分の命令に従うよう貴族や軍人たちに呼びかけ、公国との戦いに臨むことを宣言する。
集会後、バルトファルト子爵はルクシオンと対話していた。自身の役割に疑問を感じつつ、彼は国の人々の避難計画を立てていた。ルクシオンはその作業を助け、同時に公国軍の進行状況を監視していた。また、ルクシオンはバルトファルト子爵が侯爵に危険視されていたことを述べ、彼の状況判断を称賛している。バルトファルト子爵は自己反省も交えつつ、彼らが直面している困難に対処していく。
王宮の地下にある格納庫で白く美しい飛行船が見つかり、その前に陛下とミレーヌ様を含む多くの関係者が集まった。この船は愛情に反応し、真に愛し合う者同士が船を操る資格があるとされていた。ミレーヌ様と陛下は愛情を測定する装置に乗り、予想外の低いスコアが出てしまう。さらに、ユリウス殿下やその他の若者たちも装置に挑戦したが、予想外の結果に終わった。最終的にリビアとアンジェが装置に乗り、完璧なスコアを出して互いの愛を確認し合った。この出来事は関係者に多くの驚きと動揺をもたらし、予想外の発展を見せた。
第 08話「出陣」
王宮の屋上で夜明けを迎える主人公が、避難が続く王都を見下ろしていた。冷たい空気の中、飛行船が低空で避難を続け、通信状況が悪化していることから、パルトナーとの連絡が取りづらくなっていた。超大型の接近に伴い、公国の動向が不明である。ルクシオンは、主人公のサポートを最小限に抑えることを懸念し、確認していた。愛の力で戦うことを信じる主人公だが、ルクシオンは愛が本当に有効か疑問を投げかけている。愛を確認したリビアとアンジェを避ける理由は、戦ぉうとする覚悟のためだと主人公は説明する。
王宮の一室では、ミレーヌとヘルトルーデが対峙していた。ミレーヌは戦争の停止を求めるが、ヘルトルーデは公国が長い間耐えてきたこと、そして魔笛が公国の守護神を呼び出す力を持つことを説明し、もはや手遅れであると断言する。その後、ミレーヌは公国が行った歴史的な蛮行についての文書をヘルトルーデに示し、公国が独立のために不当な扱いに耐えたという彼女の認識を否定する。師匠がサイレンが鳴ると、敵の接近を示すために席を立つ。
空の戦いでは、主人公がアロガンツを操縦して公国の飛行船と戦う。通信が悪化し、飛行船が爆弾を投下するという緊急の状況に対応している。主人公は自分の意志で戦いを選んでおり、不本意ながらも公国をより嫌悪していることを口にする。飛行船が撃ち落とされる中、彼は敵に立ち向かう決意を固めていた。
王都上空が戦場となり、ユリウスはジルクと共に戦況に対処しようとするが、母であるミレーヌから戦うことを強く禁じられる。ミレーヌはユリウスに戦場から離れるよう命じ、王宮が保有していた鎧や飛行船がないため戦力として動けないことを説明する。一方、アンジェとリビアは王宮内でリオンの安全を心配しながら行動を起こす。王宮内は大混乱の中、ユリウスは戦うことを諦め、アンジェたちは安全な場所への避難を優先する。
同時に、ゲラットは公国軍の飛行船で王都に奇襲をかけるが、アロガンツの出撃により狼狽える。ゲラットはヘルトルーデではなく、魔笛の回収を最優先するために自ら前線に出るが、リオンのアロガンツによる迎撃に遭い、撤退を余儀なくされる。アロガンツは飛行船を撃ち、ゲラットは敗北を認めざるを得ない状況に陥る。
王都の避難場所では、クラリスが避難民を飛行船に乗せて脱出を手伝っていた。しかし、公国軍の攻撃が激しく、鎧による襲撃もあり、クラリスたちは危機に瀕していた。敵の鎧がクラリスに迫ったが、アロガンツが現れ、彼女を救出し、敵鎧を撃破した。その戦いの様子を見て、クラリスはリオンの覚悟を感じ、心配していた。
一方、ローズブレイド家では、ディアドリーが避難民と共に屋敷にいた。公国軍が屋敷に攻撃を仕掛ける中、ディアドリーは護衛の鎧たちに守られていたが、敵の一騎が彼女に銃口を向ける。しかし、その騎士は上空から撃たれ、ディアドリーは無事だった。彼女はリオンを悔しがるが、同時に彼の安全を願っていた。
また、ルクシオンは海の守護神と戦っていた。その巨大なモンスターに対し、ルクシオンはレーザーで攻撃し、モンスターを一時的に退けたが、敵は再生し続けていた。ルクシオンはリオンのために、シュヴェールトの改修を開始し、リオンの生存確率を上げるために努力していた。
第 09話「魔人」
公国軍本隊と天の守護者と共にいるヘルトラウダの前に、元黒騎士であるバンデルが現れた。バンデルは魔装の右腕を持ち、その力を利用して戦いたいと願い出たが、ヘルトラウダは彼に救出部隊には参加せずに本隊を支えるよう命じた。魔装の右腕は多くの犠牲を出してようやく使えるようになった代物で、バンデルだけがそれを利用できる状態だった。
バンデルはヘルトラウダの許可を得て、単身で出撃することになり、飛行船を使わずに自身の鎧だけで戦場へ向かうことを決めた。その後、王宮で姫様を救出するために、自らの魔装の力を使いながら敵を倒して進んだ。彼は敵の攻撃を物ともせず、王国の騎士たちを容易く倒しながら、ヘルトルーデが捕らわれている場所へと辿り着いた。
ヘルトルーデを発見したバンデルは、彼女を連れて安全な場所へ逃げるために王宮から飛び出した。その途中、彼は多くの敵を撃破し、リオンとの決着を後に延ばしながら、ヘルトルーデを無事に本隊に送り届けた。その行動は、彼が持つ魔装の右腕とともに、畏怖と悔しさを感じさせるものだった。
ヘルトルーデが奪われ、その事実に加え、見覚えのある黒い鎧が現れたことが気になっている。王都の空には数多くの飛行船が浮かび、友人たちが加勢に駆けつけていた。リオンが突如として司令官となり、家族からはその突然の変化に対する驚きや心配の声が上がる。リオンは、勝てない戦いはしないと言い、ヴァイスという白い飛行船を切り札として用意していた。彼の家族はリオンがアンジェリカとオリヴィアを戦場に出すことに疑問を呈し、彼女たちの安全を最優先に考えるようリオンに忠告していた。
その中で、マリエが戦場に出ることになり、リオンは彼女をバリアとして利用する考えを示した。その後、ユリウスが仮面の騎士として現れ、自分が参戦したいと申し出るが、リオンは彼の正体をすぐに見抜き、その場にいる他の人々は彼の正体に気づかなかった。ユリウスは、リオンが指示する最前線に位置するヴァイスに乗ることになり、リビアやアンジェと共に敵から最も狙われる場所で戦うことを決意する。
ヴァイスの艦橋にて、リビアとアンジェはルクシオン似の使い魔「クレアーレ」に遭遇する。クレアーレは新たな飛行船の制御を担当しており、乗組員としてはリビアとアンジェのみである。クレアーレはルクシオンと異なり、女性的な声質で話し、飛行船を自動で操縦していることを説明する。
リオンとの通信を試みる二人は、リオンが仮面を着けた男に画面を遮られる状況に遭遇する。仮面の男は退かされ、リオンと直接話すチャンスを得るが、その通信もグレッグと他の仲間たちによって中断される。最終的に通信は途切れてしまい、リオンとの大切な話は持ち越しとなる。
クレアーレからは、リビアとアンジェが戦争の前線に立つことになると説明される。公国との決戦が大きな湖の上で行われる予定であることも共有され、二人はその決戦に備えて心の準備を進める。
第 10話「リビアの力」
ヘルトラウダの私室では、救出されたヘルトルーデが悩んでいる。ヘルトラウダは妹に重い役割を押し付けたと感じており、代わりに自らが魔笛を使って守護神を呼び出そうと提案するが、ヘルトルーデは拒否する。ヘルトラウダは王国に対する行動が正しいかどうか確信が持てないが、公国の野望を遂げるためには必要なことと割り切っている。二人の親は既に亡く、後継者としての重責が彼女たちに託されている。
一方で、アロガンツを操るリオンは戦場で超大型のモンスターと戦っている。超大型は数回攻撃を受けつつも復活し、リオンは連続して攻撃を加えることで動きを封じようとする。公国軍の鎧や飛行船との戦いも激しくなり、パルトナーが敵の攻撃を受けつつも抵抗を続けている。リオンは戦場での自身の立ち位置と使命について深く考えながら、同時に戦いを進めている。
ヴァイスの艦橋で、アンジェとリビアが戦争の激しさに直面している。リビアは戦う理由を理解できず苦しんでおり、アンジェも答えに困っている。突如、クレアーレがリビアとアンジェに何かを行うよう促し、不機嫌なマリエもそれに加わる。そこで大きなモンスターが襲来するが、クレアーレの操作で破壊される。その後、アンジェとリビアは平和への願いを祈り、周囲に感動的な影響を与える。
一方で、パルトナー艦に乗るリオンは、モンスターと公国軍と戦い、リビアの声が戦場に響き渡り、敵の戦意を喪失させる。この声は公国軍にも届き、ヘルトラウダとヘルトルーデがその影響を受ける。ヘルトラウダはリビアの声によって平和への思いを強くされ、自身の復讐心が消えてゆくのを感じる。最終的に、ヘルトラウダは静かに息を引き取る。
この状況の中、バンデルはヘルトルーデに最後の命令を求め、彼女の意志を受けて戦いを継続する決意を固める。バンデルは、ヴァイスに向けて最後の攻撃を仕掛けようとするが、その前に彼の力が尽きる兆しが見える。
放心状態にあった主人公は、ルクシオンの抜け殻から精神汚染を指摘され、戦いに対する意欲を失いかけていた。しかし、敵機がヴァイスに接近するのを目撃し、突撃されると、爆発が起きて危機意識が戻る。リビアの精神攻撃による幸福感と恐怖が混じった状態に悩まされつつ、戦闘への意欲が戻りつつあった。
その後、アロガンツを操って戦闘に復帰する一方で、ルクシオンは超大型の消失を確認し、リオンの安全を最優先に考えていた。海水に沈めることで船体を冷却し、通信状況が改善されるのを待つ。
同時に、バンデルはヴァイスを攻撃していた。彼は、王宮から奪ったヘルトルーデと魔笛、そして強化された魔装の力を使い、艦内を破壊しながら進んでいった。彼の目的は、王国に対する復讐と公国の名誉のために戦いを続けることであった。バンデルは、ヴァイスに突撃し、リビアたちを脅威にさらしたが、アロガンツが彼の攻撃を阻止しようとする。
最終的に、バンデルは敵であるアロガンツと対峙し、戦闘が再開される。彼は、アロガンツに対しても強力な魔装の力を見せつけ、リビアたちが乗るヴァイスが沈む危機に瀕する。しかし、アロガンツはリビアたちを守るために盾となり、戦いを続ける決意を固める。
ヘルトルーデは床に寝かせたラウダを見ながら謝罪し、泣いていた。彼女のもとに重鎮が近付き、ラウダを蹴ろうとしたため、ヘルトルーデが庇い受けた。重鎮はヘルトルーデの家族が戦争に反対したため殺されたこと、そして彼女たちが利用されていたことを告げる。ヘルトルーデは怒りを感じつつも、彼の暴言を受け、飛行船が揺れた際に転がってきた魔笛を吹き、周囲にモンスターを出現させた。これにより、男はモンスターに殺される。その後、ヘルトルーデは甲板に出て、戦闘が再開されている中で、魔笛を吹いて大地の守護神を呼び出し、戦いに狂っていく。
第 11話「愛の力」
ヴァイスが沈んだ後、リビアたちは小型の飛行船に脱出し、安全を確保した。アンジェは憔悴したリビアを支え、戦闘が再開される中で超大型が敵味方問わず攻撃を開始する状況に陥った。パルトナーが沈められ、戦いの潮目は厳しくなった。そんな中、マリエは魔笛を使う提案をするが、その所有者が不明であるため、彼らはその所有者を探しに行くことに決めた。リビアはこの戦いを終わらせなければならないと強く感じている。
マリエは、戦争や仇討ちが間違っているとされることに苛立っていた。彼女はヘルトルーデを擁護しており、自身が同じような悲しみを経験したことから、ヘルトルーデの行動を理解していた。アンジェは、これ以上の戦いで無駄に人が死ぬことに反対し、周囲の戦況を示して、戦いを止めるよう説得していた。公国軍が白旗を揚げ、戦闘の終結が近づいている中、マリエは自分たちの行動に意味があるのか自問していた。リビアがヘルトルーデに戦争を止めるよう訴え、ヘルトルーデが反応しない中、彼女は最終的に自暴自棄になりながらも、魔笛を吹くことを選んだ。その結果、周囲で戦闘が止まり、公国は降伏を決意した。しかし、戦闘の中断中に黒騎士が現れ、さらなる混乱が起こった。リビアが黒騎士を止めようとしたが、彼は攻撃を続け、緊迫した状況の中で、アロガンツが介入し、黒騎士との戦いが始まった。最終的に黒騎士はアロガンツによって倒され、戦闘は終結した。
アロガンツが湖に浮かび、ルクシオンと共に空を見上げるシーンから始まる。主人公は、今回の戦いの方法について自問自答しており、自身の選択が最善だったか疑問に思っている。ルクシオンは、もし本体を大地の裏側でなくこの側で使用していれば、多くの死を避けられたかもしれないと指摘するが、そのリスクを考慮すると現在の方法が比較的良かったと主張する。しかし、主人公は多くの命が失われたことに対して責任を感じ、その重荷に苛まれている。ルクシオンは主人公の行動が多くの人命を救ったことを強調し、疲弊した王国と公国に戦争の継続が困難になったため、平和な未来が望めると励ます。この会話は、主人公が過去の戦いやその結果に苦悩しながらも、前を向こうとする様子を描いている。
第 12話「残酷な真実」
戦争の始まりは大公家の反乱であった。飛行船が存在し、攻撃側が有利であるとされる戦争の世界で、防衛側の王国は苦戦を強いられていた。王国は過去に大公家に苦しめられた経験から、同様の事態を恐れ、男爵家以上の貴族が戦力を増やし他家を攻める古い方法を抑制した。安価で飛行船を増やすことが可能で、戦力を整えれば男爵でも王国を脅かすことができた。しかし、王国はこれを防ぐため、新たな価値観を植え付け、特に貴族の女性を優遇する政策を採った。これにより、男性が戦争で減少する中、結婚可能な女性が増え、女性が社会的に優遇される状況が生まれた。
王国は学園を設立し、領主たちに王都の国力を示し、共通の価値観を持たせる教育を施した。これにより、若い領主たちの間で王国への挑戦が減少し、女性の社会的地位が強化される副作用が発生した。王国はこの状況を放置し、王都に財が集まるよう操作した。その結果、貴族の力が削がれ、女性たちが増長する状況が発生した。王国の目的は、貴族ではなく平民に教育を施し、将来的には貴族を減らすことにあった。この政治体制の変更は、何百年もの計画の一環であり、王国は長期的な政策を進めていたのだった。
地下牢に六人の若者が閉じ込められていた。マリエ、ユリウス、ジルク、ブラッド、グレッグ、クリスは処遇が決まるのを静かに待っていた。マリエは泣きながら謝罪し、ユリウスは彼女を慰めた。ジルクは戦場に出られなかったユリウスに同情し、ブラッドとグレッグは仮面の騎士の助けを思い出していた。クリスはその鎧の騎士が誰だったのかが最後まで分からなかったことを語った。一方、リオンとヘルトルーデが地下牢に現れ、リオンはマリエたちの行動に頭を痛めた。彼は彼らの罪状を問いただし、ユリウスは何の恥じることもないと返答したが、リオンは条約締結後の出来事によって王宮が恥をかいたと責めた。ヘルトルーデはユリウスの行動が彼女のためだったことを認め、彼女の結婚問題が解決されたために感謝していた。リオンは、六人の行動により生じた外交的な問題を解決しようとし、最終的にミレーヌの依頼も受けて彼らを助けることを約束した。
リオンとルクシオンが部屋で対話していた。リオンは王宮との取り決めにより隠居を許され、新しい自由な生活を始めることを楽しみにしていた。彼は自由を得たことで、冒険の旅に出ることを計画しているが、ルクシオンは彼が何もできないと指摘する。一方で、リビアはリオンに貴族を辞めることを問い詰め、リオンは自身にとってそれが適切だと答える。しかし、リビアはアンジェがリオンのためにマリエに土下座して問題が起こっていることを明かす。その後、アンジェはヴィンスに呼び出され、公爵令嬢が土下座したことによる家名の汚損を問われ、厳しい処遇を受けることになる。
アンジェは父親との対話でリオンとの結婚を提案されるが、リオンは領地を献上し、ほぼ何もない状態で隠居を望むと述べる。リビアとの会話で、リオンはリビアとアンジェが自分のために土下座をしたことを知らされ、それが彼らに問題を引き起こしていることに気付く。最終的にリオンは自分の選択と結果を受け入れ、新しい平穏な生活を望むことを決意する。
第 13話「ゲームクリア」
マリエは地下牢から客室に移され、彼女はその状況に不満を持っていた。兄であるリオンは彼女を助けたが、マリエは都会で生活を望んでおり、リオンの整備した田舎の領地に文句を言う。二人は前世の関係や互いの非を責め合うが、最終的にはルクシオンが介入し、前世の両親の苦労を指摘する。リオンとマリエは前世での行動を反省し、現世での行動についても考え直すことになる。
リオンはマリエとの会話を通じて、彼女が逆ハーレムを終えたいと考えていることを知り、兄として彼女の苦労に同情する。しかし、彼は自分がこの世界で十分に頑張ったと感じ、これ以上の関与を避ける決意を固める。二人はそれぞれの道を歩むことになり、リオンはマリエに頑張るよう励ますが、彼女は自身の状況に驚きと困惑を隠せないでいた。
数日後、王都の墓地で戦没者を弔う式典が行われていた。リオンは、ミレーヌと馬車内で会話を交わしていた。ミレーヌはリオンが周囲に笑顔を見せつつも問題を一人で抱え込んでいることを指摘し、彼の解任と報酬の件を確認していた。表向き、リオンは王国から莫大な報酬を受け取るが、実際には王国に多くを提供している。また、彼は階位の降格を望んでおり、将来的には単なる騎士になることを計画していた。
家族が騒がしく、戦争で昇進した父親や戸惑う兄の様子が描かれる。また、敵前逃亡で騎士の称号を剥奪されたルトアートや、防衛戦で貴族の娘であるゾラが家族に捨てられるといった様々な人物の運命が語られた。
謁見の間での出来事では、リオンが伯爵および三位下の階位に陞爵されるが、これに困惑し反発する。しかし、彼の昇進に反対する者はおらず、彼は国王ローランドによって計画的に昇進させられたことに気づく。家族もこの突然の昇進に戸惑いながら、どう接すれば良いかを話し合っていた。最終的にリオンは宮廷貴族になることを拒否し、大臣クラスの責任を負うことができないと感じていた。夕飯までに家に帰ることを母親に告げられるシーンで終わる。
王宮の廊下でアンジェがリオンに駆け寄り、謁見の間での昇進について尋ねた。リオンは、自分の昇進が国王ローランドの独断だったことを認める。さらに、アンジェはリオンに婿入りや独立を提案し、王国の貴族が減少しているため、独立するチャンスであると話す。クラリスとディアドリーはリオンにそれぞれ異なる進路を勧め、三人が議論を繰り広げる。
その後、リビアがドレスのスカートを踏みつけて転倒し、リオンが手を差し伸べるシーンに移る。同時に、ローランド国王が登場し、リビアに声をかけるが、ミレーヌが介入し、ローランドを連れ去る。リオンはリビアにドレスが似合っていると褒め、リビアはリオンに真剣な関係を求めるが、リオンはそれを断る。最終的に、リビアはリオンを振り向かせると決意を新たにする。
エピローグ
春休みを利用して実家に帰省した主人公は、工場で見かけた新しい飛行船「アインホルン」について語る。この飛行船はホルファート王国の代表としての条件を満たすために特別に装飾されたものである。主人公はこれから留学するために新しい飛行船を用意していたが、彼がその飛行船の存在やその他の情報を知ることはなかった。工場では、ロボットが主に作業をしており、人間は雑用を担当している。パートナーのAI、クレアーレは王都に残り、彼の他のAIパートナーは修理中である。
また、主人公は妹のマリエから、彼らが登場するゲームがシリーズ化されていることを聞かされる。このシリーズの三作目では、新たなキャラクターやストーリーラインが追加されており、前作のキャラクターたちも引き続き登場する。しかしながら、マリエは、このゲームの知識を持つことで主人公に対して一定の優位性を持っていると主張し、生活費としての仕送りを要求してくる。
最後に、主人公が留学する前に家族が組んでいる婚約式に参加することが明らかにされる。これは主人公の兄が主催者であり、結婚に向けた準備が進められている。
部屋を出て階段を降りると、ジェナが家事の指導を受けていた。しかし、彼女は不満そうに掃除を放棄し、再び学園に戻って跡継ぎと結婚することを考えている。彼女は主人公に、自分に男性を紹介するように頼むが、主人公はその提案を馬鹿にし、ジェナが女性たちからは選ばれないだろうと言う。ジェナが使用人に問題を起こした過去があり、その際に主人公が金銭で解決したこともあり、彼はその事実を持ち出してジェナに現実を直視するよう迫る。その後、ジェナは婚活が難しい現状を理解せず、過去に戻れば解決すると考え、家事を放棄して逃げ出す。
その夜、主人公はAIのルクシオンと会話を交わし、未決の恋愛問題について思いを馳せる。彼は自身の感情が定まらず、恋愛に責任を持つことを恐れている。翌日、婚約式に参加する主人公は、自身が主役であることを知らされず、突然の事態に動揺する。彼の父とヴィンスは、これを機に彼の恋愛を早急に決めようと計画しており、二人の女性、リビアとアンジェが待っている。主人公は彼女たちと結婚することに対して葛藤を抱えつつ、彼女たちの愛情に感動しながらもその場を受け入れる。
ルクシオンとクレアーレによって婚約を手助けされた主人公は、突然の婚約に戸惑いながらも、婚活からの解放には喜びを感じている。しかし、彼が留学するという現実に直面し、結婚後すぐに単身赴任するような気分を味わっている。リビアとアンジェが寝間着姿で現れ、夜遅くに話をしようとするが、主人公は内心を戸惑いながらも二人の誘いを受け入れる。翌日、多くの友人たちに見送られながら留学の旅に出る主人公は、感情を抑えつつ出航する。
一方で、リビアとアンジェは留学する主人公を支える決意を新たにし、それぞれの学問を深めることで彼の役に立とうとしている。彼女たちは主人公の帰りを待ちつつ、彼が頼りにする存在になることを目指して勉強に励んでいる。
アインホルンの自室にて、主人公がベッドに横になりながら留学先の外国への不満を漏らしていた。主人公は外国に興味がなく、自分が他人の恋愛を見守る役目を負うことに対して不満を感じている。部屋には不自然に大きな箱があり、王宮から送られてきた贈答品であるという。箱を開けると、マリエが現れた。彼女は兄からの仕送りを使い切ってしまったことを告げる。この後、浮島での生活が始まるが、そこではマリエたちが金銭感覚に乏しく、彼らがリオンの送った物資を売り払ってしまう問題が発生する。
さらに、マリエは王宮に呼び出されて説教を受け、その結果、外国で勉強するよう命じられる。主人公もこの状況に巻き込まれることになり、彼らの面倒を見ることに不満を抱く。その他にも、様々な人物から手紙が届き、彼らの未来に対する期待や責任感が伝えられているが、主人公は自分が期待されているほどの人物ではないと感じている。最終的には、アルゼル共和国への留学に向かうが、その先の展開に対しても楽観的ではない。
番外編「ルーデとラウダ」
ファンオース公爵領の墓地にて、ヘルトルーデが亡き妹ヘルトラウダの新しい墓に花束を置いていた。ヘルトルーデは王女から公爵令嬢になり、公爵代理として忙しく、これまで墓参りができなかった。彼女は自分が生き残るべきでないと感じながら、涙を流していた。墓地には、かつてラウダを世話した侍女たちや護衛の騎士たちがおり、彼らは今はヘルトルーデの世話をしている。彼女は一人ぼっちになったことを嘆き、自分が生き残ったことに対する罪悪感を抱いていた。
ヘルトルーデは、王国への宣戦布告前の記憶を振り返りながら、自分と妹の関係を思い出していた。彼女は自分が守護神を呼び出す役目を志願していたが、結局は妹が犠牲になった。墓の前で涙するヘルトルーデを、周囲の人々は静かに見守っていた。しかし、王国から派遣された男が彼女に政務への復帰を促し、周囲の者たちが彼女を庇った。男はファンオース家に対する不満を露にし、ヘルトルーデを冷たく扱った。彼女は涙を拭い、男の言葉に屈せずに馬車へ戻ることを選んだ。このやりとりから、王国の人々と公爵家との間には依然として緊張があることが示されている。
ヘルトルーデが馬車に乗り、過去の冒険を思い出す中で、彼女はリオンとの関係を考え、もし運命を変えられたらと妄想する。しかし、現実に戻り、自分がしっかりしなければならないと自らを奮い立たせている。彼女は故人たちに心の中で話しかけながら、自分の役割を全うしようと決意を新たにしている。
モブせか 2巻レビュー
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モブせか 4巻レビュー
乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 一覧
王国編

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共和国編

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幕間

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最終章

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小説版 外伝

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同著者の作品
俺は星間国家の悪徳領主! シリーズ

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セブンスシリーズ

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その他フィクション

アニメ
OP
ED
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