モブせか 8巻レビュー
モブせか まとめ
モブせか 10巻レビュー
- どんなラノベ?
- 読んだ本のタイトル
- あらすじ・内容
- 感想
- 考察・解説
- 登場キャラクター
- ホルファート王国
- リオン・フォウ・バルトファルト
- マリエ・フォウ・ラーファン
- アーロン(アーレ)
- ユリウス・ラファ・ホルファート
- カーラ・フォウ・ウェイン
- アンジェリカ・ラファ・レッドグレイブ
- オリヴィア
- ジェイク・ラファ・ホルファート
- オスカル・フィア・ホーガン
- グレッグ・フォウ・セバーグ
- クリス・フィア・アークライト
- ブラッド・フォウ・フィールド
- ジルク・フィア・マーモリア
- ルトアート
- フィンリー・フォウ・バルトファルト
- ローランド
- 淑女の森の代表
- ゾラ
- メルセ
- フレッド
- エリカ・ラファ・ホルファート
- ダニエル
- レイモンド
- マルコ
- ジェナ
- カイル
- ドロテア・フォウ・ローズブレイド
- ニックス
- ミレーヌ・ラファ・ホルファート
- バーナード
- ディアドリー・フォウ・ローズブレイド
- クラリス・フィア・アトリー
- ダン
- バルカス
- リュース
- アルゼル共和国
- ヴォルデノワ神聖魔法帝国
- ラーシェル神聖王国
- 人工知能
- その他・市民
- ホルファート王国
- 展開まとめ
- 乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 一覧
- 同著者の作品
- その他フィクション
どんなラノベ?
■ 作品概要
『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 9』は、乙女ゲームの世界にモブキャラクターとして転生した主人公が、ロストアイテムである超高性能AIとともに理不尽な世界を生き抜く異世界ファンタジーである。
第9巻では、いよいよ乙女ゲーム第3作目の舞台となる新学期に突入する。しかし、妹マリエと人工知能クレアーレの暴走により、攻略対象の男子生徒が女の子に性転換させられてしまい、序盤からゲームのシナリオが大きく崩壊してしまう。さらに、帝国から留学してきた第3作目の主人公ミアの側には、ゲームには存在しなかった謎の「守護騎士」が付き従うなど、予測不能なイレギュラーが連続する。その裏では、没落した旧貴族たちやラーシェル神聖王国の暗躍によって王都で連続殺人事件や暴動が勃発し、主人公リオンは厄介事を押し付けられながらも事態の収拾に奔走することになる。
■ 主要キャラクター
- リオン・フォウ・バルトファルト:元日本人で乙女ゲームの世界に転生した主人公。侯爵として王都の暴動鎮圧の全権を任され、見事に事態を収束させるが、その功績によって国王から更なる厄介事として「公爵」への昇格を押し付けられてしまう。
- ミア:第3作目の主人公であり、神聖魔法帝国からの留学生。活発な設定とは異なり原因不明の病を抱えており、自身の守護騎士に好意を寄せている。
- フィン・レタ・ヘリング:ミアの守護騎士であり、リオンと同じ転生者の青年。魔装のコアである「ブレイブ」を相棒に持ち、ミアの病を治す手がかりを求めて王国にやってきた。当初はリオンと敵対するが、後に和解する。
- エリカ・ラファ・ホルファート:第3作目の悪役王女。実は彼女も転生者であり、その正体はマリエの前世の娘(リオンの前世の姪)であることが判明する。
- マリエ・フォウ・ラーファン:リオンの前世の妹であり転生者。攻略対象の男子を女体化させる大失態を犯すが、前世の娘であるエリカと感動の再会を果たす。
- ゾラ一家(ゾラ、ルトアート、メルセ):没落したバルトファルト家の元正妻とその子供たち。地下組織「淑女の森」としてラーシェル神聖王国と結託し、リオンたちに復讐を企てるが、最終的にルトアートは魔装を取り込んで化け物となり、一族は凄惨な末路を辿る。
- ルクシオン / クレアーレ:リオンたちに従う旧人類の超高性能AI。新人類の遺物である「魔装」を激しく憎悪しており、ヘリングの相棒であるブレイブと激しく衝突する。
■ 物語の特徴
本作は、乙女ゲームの学園ファンタジーという世界観でありながら、宇宙戦艦やパワードスーツ(鎧)を駆使したSF的なメカアクション要素が融合している点が大きな特徴である。
第9巻の最大の魅力は、ゲームの知識が全く通用しない「未知の第3作目シナリオ」への突入である。「攻略対象の性転換」や「存在しないはずの守護騎士の登場」など、読者の予測を裏切るイレギュラーな超展開が連続する。また、強大な力を持つ「魔装」を操るヘリングとの激しい空中戦や、王都全域を巻き込んだ大規模なクーデター鎮圧劇など、緊張感のある戦闘シーンが展開される。
さらに、ただの悪役王女だと思われていたエリカの正体が「前世の娘(姪)」であったという衝撃の事実が明かされるなど、転生者同士の深く複雑な人間ドラマも掘り下げられており、シリアスとコメディが絶妙に入り混じった先の読めない群像劇として高いエンターテインメント性を持っている。
読んだ本のタイトル
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あらすじ・内容
三作目の攻略対象だった男子が女の子に!?大人気乙女ゲー風異世界ファンタジー、衝撃の最新章――開幕!
攻略対象の男の子が女の子に!?
乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 9
あの乙女ゲー三作目の時系列に突入し、
主人公と攻略対象たちをくっつけようと画策するリオン。
だがその目論見はすでにほころびを見せていた。
なんと攻略対象の一人が性転換し、女の子へと生まれ変わってしまったのだ。
しかも主人公は主人公で、ゲームには登場しなかったお付き騎士といい雰囲気という有様。
さらに王都では謎の組織の暗躍に連続殺人事件まで起き、収拾のつかない状態に。
果たしてリオンは、自分のことは棚に上げ、ゲームの正常なルートに戻すことが出来るのか!?
感想
前巻
いよいよ乙女ゲーム三作目の舞台に突入したが、初っ端から問題が連続し、大いに笑わせてもらった。何しろ、人工知能クレアーレが実験と称して攻略対象の男子生徒アーロンを女子のアーレにしてしまうのである。ゲームの前提を根底から覆す事態から物語が始まるのだから、まともにシナリオが進むはずがない。
さらに、その女子となった元攻略対象アーレと、別の攻略対象である第二王子ジェイクが、図書室での出会いイベントを経て良い雰囲気になってしまう。攻略対象同士がイベントを消化してしまう展開は、もはやシナリオ崩壊の極みである。リオンやマリエが頭を抱えるのも当然であり、この予測不能な展開こそが本作らしい面白さであった。
イレギュラーな恋愛模様は、それだけに留まらない。第二王子の側近であるオスカルは、なぜかリオンの妹フィンリーと良い感じになり、後半では傷を負った姉のジェナまでがイケメンのオスカルに強い関心を見せる。バルトファルト姉妹のたくましさと図太さが炸裂するドタバタ劇は非常に面白かった。
そして肝心のヒロインであるミアも、本来の攻略対象ではなく、自身を守るために帝国から一緒に来た守護騎士ヘリングに強い好意を寄せている。しかもヘリングもまた転生者であり、ミアを救うために行動していた。予定調和が一切通用しない混沌とした状況が、本作ならではの群像劇の魅力を最大限に引き出していたように感じる。
学園内の複雑な人間関係だけでなく、王都全域を巻き込む暴動の鎮圧劇も見応えがあった。夜遊び中に毒を飲まされた国王ローランドが、力を振り絞ってリオンに全権を与え、事態の収拾を命じる場面には緊迫感が漂っていた。リオンが仲間たちを的確に動かし、ルクシオンの力も使って王都の混乱を一気に制圧していく展開は痛快であった。
しかし、その裏でローランドが毒を飲まされた件すら利用し、面倒事をリオンに押し付けるための策を仕込んでいたというオチには思わず笑ってしまった。結果として、出世を嫌がるリオンが侯爵から公爵へと強制的に昇進させられて絶望する結末は、彼らしい哀れさとコメディのバランスが絶妙である。
一方で、ゾラ一家との決着も印象に残った。フィンリーとジェナが人質にされ、過去から続くバルトファルト家への理不尽な搾取が改めて描かれることで、リオンたち家族が背負ってきた怒りが伝わってくる。特にフィンリーが姉を傷つけられて激怒し、ゾラとメルセを徹底的に叩きのめす場面は強烈であった。普段は口の悪い妹という印象だったフィンリーの中にも、家族を思う強い感情があるのだと分かる場面だった。
そして何より心に残ったのは、終盤で明かされた衝撃の事実である。三作目の悪役王女枠であるエリカが、マリエの前世の娘であり、リオンにとっては前世の姪の転生だと判明したのである。これまで悪役王女として警戒されていたエリカが、実はマリエにとって大切な存在だったという展開には驚かされた。
この事実を知ったリオンが、今後エリカをどう扱うのかも気になるところである。エリカはただでさえ、リオンと犬猿の仲である国王ローランドの実の娘である。リオンが前世の姪としてエリカを気にかけるようになれば、ローランドとの関係がさらに面倒になるのは間違いないだろう。
乙女ゲーム三作目のシナリオは、開幕早々から崩壊し続けている。しかし、その崩壊こそが本作の面白さであり、リオンたちがどう事態をかき回していくのかが大きな見どころになっている。恋愛、陰謀、家族、そしてコメディが入り乱れた、非常に満足度の高い一冊であった。
モブせか 8巻レビュー
モブせか まとめ
モブせか 10巻レビュー
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最後までお読み頂きありがとうございます。
考察・解説
性転換とシナリオ崩壊
『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』の第3作目にあたるシナリオにおいて、本来の攻略対象である男子生徒アーロンが女子へ性転換した事件、およびそれに伴うゲームシナリオの崩壊について解説する。
新学期直前に発生した前代未聞のイレギュラーにより、前世のゲーム知識が一切通用しないカオスな状況へと突入していく全容は以下の通りである。
アーロンの性転換にいたる経緯と本人の望み
この事件は、リオンの前世の妹マリエと旧人類の人工知能クレアーレによる独断と実験によって引き起こされた。
・クレアーレが実験と称して、この世界に存在しないはずの旧人類の性転換技術(ロストテクノロジー)を行使したことが直接の原因である。
・アーロン自身も以前から本当の自分の気持ちに気付いており、冒険者時代に手に入れた宝をすべて換金して高額な代金を支払い、自ら望んで女の子になる手術を受けた。
・本人は女性になれたことに泣いて喜んでおり、男らしい男性と付き合いたいという夢を語るほど満足しており、元の性別に戻すことは不可能な状態となった。
攻略対象の脱落と予想外の恋愛関係によるシナリオの崩壊
アーロンが女子へ性転換したことにより、第3作目の本来のゲームシナリオは開始直後から大きく狂い始めることとなる。
・アーロンが女子になったことで、第3作目の主人公ミアの恋人候補(攻略対象)がゲーム開始前に1人脱落した。
・さらに、女子となりアーレと改名した彼女は、別の攻略対象であるジェイク殿下と図書室でゲーム本来の出会いイベントを発生させ、互いに惹かれ合ってしまう。
・これにより、ミアの恋人候補が一気に2人も同時に脱落するという、誰も予想できないシナリオの破綻を招いた。
連鎖するイレギュラーとリオンの絶望
シナリオの崩壊はアーレの件だけにとどまらず、他のキャラクターへも連鎖していく。
・もう一人の攻略対象であるオスカルも、本来の主人公であるミアではなく、リオンの妹フィンリーに夢中になってしまう。
・結果として、マリエとクレアーレの行動が引き金となり、主人公の恋人候補が次々と減少して正規ルートが序盤から完全に崩れ去った。
・リオンは、攻略対象を女子にするとか頭おかしいだろ、と激怒してクレアーレをゴム弾で成敗したものの、ゲーム知識が全く通用しない未知の状況に深く頭を抱えることとなった。
まとめ
第3作目シナリオの開始前に発生したアーロンの性転換事件は、マリエの金策とクレアーレの好奇心が招いた最大のイレギュラーであった。本人が望んでアーレという女子に生まれ変わったことで救われた側面はあるものの、ジェイク殿下との恋愛やオスカルの離脱も重なり、ゲーム本来の攻略ルートは完全に瓦解した。主人公ミアの恋人候補が次々と消滅していく未知のカオスを前に、前世の知識を頼りに平穏を望んでいたリオンは、再び予測不能な学園生活を強いられることとなった。
学園内の男女逆転
『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』の学園内において、物語の進行に伴い発生した「極端な女尊男卑」から「男子優位の男女逆転」への急激な環境変化、およびそれに伴う新たな問題について解説する。
乙女ゲームの設定から始まった歪な社会構造が、王国の変革を経て逆転し、生徒たちのモラルや学園環境にどのような影響を与えているかの全容は以下の通りである。
初期の学園環境である極端な女尊男卑
リオンが入学した当初の学園は、乙女ゲームの設定が現実化していたため、女性に都合の良い歪な社会構造が形成されていた。
・男子は学園を卒業する20歳までに結婚できなければ不良物件として扱われ、出世の道を絶たれてしまうため、必死に女子の機嫌を取る必要があった。
・男子たちは結婚相手を見つけるため、ダンジョンでお金を稼いではお茶会を開いて女子に貢ぐという過酷な生活を強いられていた。
・伯爵家以下の女子たちは亜人種の奴隷を専属使用人(愛人)として侍らせ、男子を蔑視する横暴な態度が常態化していた。
・この極端な女性優遇の価値観は、領主貴族の力を削ぐことを目的に、王国が意図的に作り出した政治的な仕組みであった。
環境の変化と男女の立場の逆転
しかし、リオンの活躍や旧ファンオース公国との戦争を経たことで、学園の状況は一変することとなる。
・もともとこの世界は戦争などで男子の死亡率が高く、実際には女性のほうが余っているという人口比率であった。
・その現実が直視され始めたことや、王国の改革によって専属使用人制度が事実上廃止されたことで、従来の女性優位の価値観が崩壊した。
・これにより、男性が選ぶ立場へと立場が逆転することとなった。
・かつて男子を見下していた女子たちが、今度は態度を一変させて媚を売り、必死に男子へアピールして誘う姿が見られるようになった。
新たな問題の発生と横暴な男子生徒の増加
この男女の立場逆転は、学園に新たな問題を引き起こす結果となった。
・男性優位の社会に変化したことを盾に取り、態度を悪化させる世間知らずな男子生徒が増加した。
・新入生のマルコはその代表例であり、廊下で女子生徒を突き飛ばした挙句、女子は男子様に道を譲って当然だろう、こういう女子は躾けないと駄目、などと横柄な暴言を吐いて諍いを引き起こした。
学園の現状に対するリオンの評価
このような学園の現状を見たリオンは、現在の状況を冷静に分析している。
・以前は男子が虐げられ、今は女子が虐げられている。結果的に学園の状況は変わらないか、悪化していると言えるだろう、と評価している。
・男女の立場が逆転しただけで、生徒たちの根本的なモラルや歪な環境そのものは改善されていないことを看破し、現状を嘆いている。
まとめ
学園の環境は、極端な女尊男卑から男子優位の社会へと劇的な変化を遂げた。しかしその実態は、かつて男子を虐げていた女子が今度は男子に媚を売り、立場を得た男子が女子に対して横暴に振る舞うという、支配構造の上下が入れ替わっただけに過ぎない。制度の廃止や人口比率の露呈によって表面的な立場は逆転したものの、生徒たちの根本的なモラルや他者を蔑む姿勢は改善されておらず、リオンが指摘する通り、学園の本質的な歪みは形を変えて存続している。
魔装の脅威
『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』の作中における「魔装の脅威」について解説する。
魔装は、圧倒的な戦闘力のみならず、人間の精神と肉体を内側から侵食し、最終的に使い捨てるという凄惨な性質を持った兵器である。旧人類の人工知能たちから激しく忌むべき存在として扱われるその設定や実態の全容は以下の通りである。
魔装の基本設定と旧人類側からの憎悪
魔装は、かつて新人類(現人類)がルクシオンやイデアルといった旧人類の人工知能たちと戦うために生み出した超科学の遺物(兵器)である。
・旧人類側の人工知能からは激しい憎悪を向けられており、ルクシオンやクレアーレがその反応を感知すると、普段の冷静さを失って即座に殲滅を主張するほど危険視されている。
・本来は生体コア(制御ユニット)がその制御を補助する仕組みとなっている。
・しかし、コアを持たない破片の状態で人間に寄生すると、宿主の血肉や魔力を吸い尽くして暴走を開始する。
・最終的には宿主を異形の化け物へと変貌させて使い潰すという、極めて凶悪な性質を持つ。
精神の侵食と各キャラクターの暴走にいたる脅威
作中では、この魔装に取り込まれて理性を失い、化け物と化した人物が多数登場している。
・旧ファンオース公国の最強の騎士であった黒騎士バンデルは、魔装の右腕を取り込み、最後は完全に理性を失って王国に戦いを挑むこととなった。
・アルゼル共和国編では、聖樹の花に擬態した魔装がルイーゼを取り込み、彼女をエネルギーの電池として消費しながら、アロガンツを圧倒するほどの力を発揮した。
・リオンへの復讐心に駆られたセルジュは、イデアルの策略によって魔装の破片を自身の鎧に組み込まれた結果、肉の塊のような醜悪な化物へと成り果て、悲惨な末路を辿った。
・ホルファート王国内でも、ゾラによって無理やり魔装の破片を突き刺されたルトアートが、巨大な肉の塊の化け物に変貌して周囲を破壊し尽くす事態が発生している。
国家による兵器利用と聖騎士の真実
魔装の脅威は個人の暴走にとどまらず、国家ぐるみの非人道的な兵器利用という形でも現れている。
・ホルファート王国と敵対するラーシェル神聖王国は、自国の兵士に魔装の破片を埋め込み、聖騎士と呼ばれる強力な戦力として運用している。
・兵士たちは洗脳に近い厳しい訓練を受けて破片をコントロールするが、その実態は使い捨ての肉体改造兵に過ぎない。
・運用限界を超えると巨大な肉の塊に変貌し、周囲に無差別に魔法を放つ制御不能な化け物と化してしまう。
例外的な存在と圧倒的な戦闘力
一方で、魔装の力を理性を保ったまま完全に引き出している例外的な存在も確認されている。
・神聖魔法帝国から留学してきた守護騎士ヘリングは、ネームドと呼ばれる優秀な生体コアであるブレイブを相棒としている。
・そのため、魔装化しても暴走することなく戦うことが可能である。
・彼はアロガンツの多彩な武装を単騎でさばき切り、リオンに、黒騎士の爺さんより強い公式チート、と言わしめるほどの圧倒的な戦闘力を発揮した。
まとめ
新人類の負の遺産である魔装は、アロガンツやルクシオンといった強力なロストアイテムを持つリオンにとっても作中最大の脅威として立ち塞がる。その本質は、純粋な破壊力の高さだけでなく、寄生した人間の心身を蝕み、異形の怪物へと変え、命を吸い尽くして使い潰すという倫理的にも忌むべき性質にある。国家規模での兵器運用や生体コアによるチート級の制御能力など、形態を変えながら人々の平和を脅かす魔装は、リオンたちが世界の崩壊を阻止する上で、最も警戒し排除すべき最凶の兵器として描かれている。
王都の暴動鎮圧
『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 9』における「王都の暴動鎮圧」の経緯と、その結末について解説する。
ラーシェル神聖王国の暗躍によって引き起こされた大規模なテロに対し、リオンが不本意ながらも総司令官として指揮を執り、友人たちとともに事態を鮮やかに収束させていく全容は以下の通りである。
暴動の発生とラーシェル神聖王国の暗躍
王都での暴動は、ホルファート王国と敵対するラーシェル神聖王国の指揮官ガビノによる計画的なテロ行為であった。
・ガビノは、没落した元貴族の女性たちで構成される地下組織である淑女の森や傭兵たちを唆し、王都全域で一斉に反乱を起こさせた。
・空賊に扮したラーシェル兵を学園に降下させ、リオンの婚約者たちを人質に取ろうとするなど、王国の治安を大きく揺るがす事態にいたった。
ローランドの策謀とリオンの総司令官就任
暴動の発生と時を同じくして、国王ローランドが毒に倒れるという緊急事態が発生した。
・しかしこれは、面倒な暴動鎮圧の全責任をリオンに丸投げするため、ローランド自身が友人の宮廷医フレッドに用意させた遅効性の毒を飲んで倒れたふりをするという自作自演であった。
・死の淵にあると偽ったローランドから全指揮権を押し付けられたリオンは、不本意ながら一時的な総司令官として暴動鎮圧の陣頭指揮を執ることとなった。
ルクシオンの情報網と友人たちの適材適所の活躍
指揮を任されたリオンは、ルクシオンが王都全域に展開したドローン網を活用し、敵のアジトや動向をリアルタイムで完全に把握した。
・その圧倒的な情報収集能力をもとに、学園の友人たちを各戦線に的確に配置して攻略を進めた。
・ブラッド:飛行戦艦アインホルンなど複数隻を指揮し、上空からの部隊展開や敵への威圧を行った。
・グレッグとクリス:歩兵や鎧部隊を率いて敵の潜伏先である酒場などに突入し、立て籠もる傭兵や犯罪者たちを制圧した。
・ジルク:バーナード大臣から提供されたエアバイク部隊を指揮し、逃亡を図る淑女の森の代表たちを的確に追い詰めて一網打尽にした。
・ニックスとドロテア:王都の外では、兄のニックスが実家の飛行戦艦で逃走するガビノの艦隊を砲撃して撃破し、ドロテアとともにガビノらを捕虜にした。
家族の救出とゾラ一家との因縁の結末
暴動の最中、門限を破って王都で遊んでいたリオンの姉ジェナと妹フィンリーが、元用務員のルトアートらに捕らえられ、淑女の森のアジトへ連れ去られる事件が発生した。
・二人はアジトでリオンの実家の元正妻であるゾラと娘メルセから屈辱的な暴行を受ける。
・しかし、ルクシオンの探知によりリオンが即座に駆けつけ、ルトアートを瞬時に制圧した。
・その後、姉を傷つけられて激怒したフィンリーが、ゾラとメルセに対して容赦のない報復の暴力を振るい、長年にわたる実家の因縁に完全な決着をつけた。
鎮圧後の論功行賞とリオンへの公爵昇爵
リオンの的確な指揮と友人たちの迅速な活躍により、王都の暴動は短期間で完全に鎮圧された。
・しかし、論功行賞の場に何事もなかったかのように元気な姿で現れたローランドは、自分の睡眠時間を削らせたリオンへの復讐と嫌がらせとして、彼を公爵および三位下へと昇爵させた。
・王国の最高位クラスの貴族に祭り上げられたリオンは、平穏な隠居生活の夢を再び絶たれ、絶望して頭を抱え込む結末となった。
まとめ
王都を襲った大規模な暴動は、ルクシオンの超科学的な情報網と、リオンに率いられた友人たちの連携によって瞬く間に鎮圧された。ジェナとフィンリーを巻き込んだゾラ一家との長年の確執にも物理的な決着がついたが、事件の背後で自作自演の毒殺騒動を仕組んでいた国王ローランドの手回しにより、リオンはさらなる地位である公爵へと押し上げられる結果となった。功績を挙げるたびに出世という名の厄介事を背負わされるリオンの受難は、王都の治安回復と引き換えに、彼の望むモブとしての平穏な未来をさらに遠ざける形に終わった。
前世の家族との再会
『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 9』において、「前世の家族との再会」は、マリエとその前世の娘であるエリカ(第3作目の悪役王女)を中心に描かれ、転生者たちの複雑な関係性や転生の謎を浮き彫りにする重要なエピソードとなっている。
かつての母親と娘が時空を超えて再会を果たし、その事実が主人公リオンや人工知能ルクシオンに世界の謎を提示するにいたる全容は以下の通りである。
マリエとエリカの再会と母娘の絆
学園の廊下を共に歩いていた際、マリエは前世で自分が乙女ゲームのプレイを兄(リオン)に押し付け、その結果として兄が死亡してしまったことを深く後悔していると語った。
・その話を聞いたエリカは、マリエの仕草や兄に関するエピソードから、彼女が自分の前世の母親であると確信した。
・エリカに、母さんが元気そうで良かった、と告げられたマリエは、エリカの立ち姿に前世の娘の面影を重ね合わせ、ついに彼女の正体に気付く。
・マリエは、先に言ってよおおお、と感極まって大泣きしながらエリカにすがりつき、エリカもまた、幼子をあやすように優しく母親を抱きしめるという、温かい再会を果たした。
リオンへの報告と明かされる転生の謎
その後、マリエは学園に戻ってきたリオンを待ち構え、エリカが自分の前世の娘であったことを報告した。
・リオンは最初、マリエが酒に酔っているか頭を打ったのかと冗談めかしたが、彼女の真剣な態度から、エリカが自分にとっての前世の姪であることを理解し驚愕する。
・ここで、エリカは前世で60歳くらいまで生きており、リオンやマリエよりも何十年も後に死亡している、という事実が明かされる。
・それにもかかわらず、彼らはほぼ同年代として同じ時代に転生していた。
・この事実を知ったルクシオンは、転生において時間的な制約は存在しないのではないか、と推測し、転生の法則性に強い関心を示した。
・一方のリオンは、自分の前世の姪がよりによって第3作目の悪役王女として転生しているという事実に困惑し、今後の展開に頭を抱えることとなった。
まとめ
第9巻におけるマリエとエリカの再会は、前世の母娘としての深い愛情を確かめ合う感動的な場面であると同時に、物語の根幹に関わる重要な設定を提示する契機となった。リオンやマリエよりも遥か後年に亡くなったはずのエリカが同年代として現世に存在している事実は、転生に時間的な制約がないことをルクシオンに推測させ、世界のシステムに潜む謎を深めている。前世の姪が悪役王女という立場で立ち塞がる現実にリオンが頭を抱える一方で、この血縁の露呈は転生者たちの運命をさらに複雑に絡み合わせる決定的な要素となっている。
モブせか 8巻レビュー
モブせか まとめ
モブせか 10巻レビュー
登場キャラクター
ホルファート王国
リオン・フォウ・バルトファルト
元日本人で乙女ゲームの世界に転生した存在である。小心者で一般人を自称するが、高い戦闘能力と決断力を持つ。王家の者たちから厄介事を押し付けられがちである。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国の侯爵。後に公爵へ昇進する。
・物語内での具体的な行動や成果
連続殺人事件の調査中に魔装を宿した人物やヘリングと交戦した。王都での暴動発生時には指揮権を預かり、友人たちを指揮して事態を鎮圧した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
暴動鎮圧の功績により、ローランドの嫌がらせで公爵へと昇爵させられた。
マリエ・フォウ・ラーファン
リオンの前世の妹であり、転生者である。五人の貴公子の世話をしており、生活費を稼ぐために必死になっている。エリカが前世の娘であると気付き、再会を喜んだ。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国の留学生。
・物語内での具体的な行動や成果
春休み中にクレアーレと共謀し、アーロンを性転換させた。ミアやエリカと共に空賊から逃げ、ヘリングの怪我の治療を手伝った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
アーロン(アーレ)
乙女ゲー三作目の攻略対象の一人であったが、現在は女子になっている。背が高く、武術をたしなむため芯のある立ち姿をしている。ジェイクに好意を寄せている。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国の学園の二年生。
・物語内での具体的な行動や成果
図書室でジェイクと出会い、彼と親しくなった。空賊の襲撃時には、ジェイクを人質に取ろうとした兵士を体術で倒した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
春休み中にクレアーレの実験で性転換し、攻略対象から脱落した。
ユリウス・ラファ・ホルファート
ホルファート王国の元王太子である。マリエに好意を抱き、食事の用意では串焼きに執着している。弟のジェイクとは複雑な関係にある。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国の王子。学園の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
学園の入学式で在校生代表の挨拶を務めた。空賊襲撃時には拳銃を用いてマリエたちを救出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
王太子から廃嫡されており、現在は第一王位継承権を持たない。
カーラ・フォウ・ウェイン
マリエを慕う女子生徒である。マリエの側に控え、彼女をなだめたりサポートしたりする役割を持つ。
・所属組織、地位や役職
マリエに仕える使用人。学園の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
入学式の日に制服を改造した男子たちの件で怒るマリエをなだめた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
アンジェリカ・ラファ・レッドグレイブ
リオンの婚約者であり、公爵家の令嬢である。気丈な性格で、リオンを心配しつつも彼を信じて見守る。リオンの侯爵としての影響力を理解している。
・所属組織、地位や役職
レッドグレイブ公爵家の令嬢。リオンの婚約者。
・物語内での具体的な行動や成果
学園内で発生した男女の喧嘩を仲裁した。空賊の襲撃に対しては、機関銃を用いて部隊を撃退し女子生徒たちを指揮した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
オリヴィア
リオンの婚約者である。リオンが夜に出歩いていることを心配し、自分たちをもっと頼ってほしいと願っている。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国の特待生。リオンの婚約者。
・物語内での具体的な行動や成果
空賊の飛行船からの砲撃に対し、一人で学生寮全体を覆う障壁を展開し防ぎきった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
魔法の能力が成長しており、大規模な障壁を維持できるほどの魔力を持つ。
ジェイク・ラファ・ホルファート
ユリウスの異母弟であり、上昇志向が強い。自信家で生意気な態度を取るが、アーレに対しては素直な一面を見せる。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国の王子。第一王位継承権を持つ。
・物語内での具体的な行動や成果
入学式後にリオンを自分の派閥に勧誘したが断られた。空賊襲撃時にはアーレと共に男子寮を逃げ回った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
三作目の攻略対象の一人である。
オスカル・フィア・ホーガン
ジェイクの乳兄弟である。筋肉を鍛えることに熱心で、やや天然な性格をしている。フィンリーに好意を抱いている。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国の学園の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
ジェイクの命令を勘違いしてフィンリーを連れてきた。暴動の際にはリオンに同行し、ジェナとフィンリーを救出する手助けをした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
三作目の攻略対象の一人である。
グレッグ・フォウ・セバーグ
筋肉を誇示することを好む豪快な青年である。オスカルとは初対面で筋肉を見せ合う張り合いをした。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国の学園の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
空賊襲撃時にマリエたちを救出した。王都での暴動鎮圧では、歩兵部隊を率いてアジトに乗り込み傭兵たちを拘束した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
クリス・フィア・アークライト
真面目な口調で話す青年である。学園では上着を法被のように改造して着用していた。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国の学園の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
空賊襲撃時に剣を用いて敵を制圧した。王都の暴動では鎧部隊を指揮し、敵の鎧や傭兵を鎮圧した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
ブラッド・フォウ・フィールド
自信家で派手なものを好む青年である。戦場においても美しさを求める傾向がある。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国の学園の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
空賊襲撃時に土の魔法を用いて敵を拘束した。王都の暴動ではアインホルンのブリッジに座り、複数の飛行戦艦を指揮した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
ジルク・フィア・マーモリア
ユリウスの乳兄弟であり、人の心理を読むことに長けている。計算高く、恨まれやすい行動をとる。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国の学園の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
空賊襲撃時に狙撃で敵を制圧した。王都の暴動ではエアバイク部隊を指揮し、逃亡する淑女の森の代表たちを的確に追い詰めて捕縛した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
過去の行動からアトリー家の関係者や周囲の者に嫌われている。
ルトアート
ゾラの息子である。リオンに強い嫉妬心を抱いており、身の程知らずな高望みをしている。
・所属組織、地位や役職
バルトファルト家の元嫡男。学園の用務員。
・物語内での具体的な行動や成果
ジェナとフィンリーを人質に取ったが、リオンに制圧された。その後、魔装の破片を宿して化け物に変貌し暴れ回った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
リオンによって討伐され、命を落とした。
フィンリー・フォウ・バルトファルト
リオンの妹である。気が強く、行動力がある。姉のジェナを傷つけられたことで激しい怒りを見せる。
・所属組織、地位や役職
バルトファルト家の次女。学園の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
ルトアートに捕らえられたがリオンに救出された。その後、自らメルセとゾラに激しい暴力を振るって復讐を果たした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
ローランド
ホルファート王国の国王である。リオンを嫌っており、嫌がらせのために彼を出世させている。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国の国王。
・物語内での具体的な行動や成果
毒を盛られて倒れたふりをし、リオンに暴動鎮圧の全権を押し付けた。事態が収束した後、リオンを公爵へと昇進させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
リオンの活躍を利用し、彼にさらなる責任を背負わせた。
淑女の森の代表
王国で女性の地位向上や復権を企む組織の代表である。高慢な態度を取り、他人を見下している。
・所属組織、地位や役職
地下組織「淑女の森」の代表。
・物語内での具体的な行動や成果
ガビノの支援を受けて暴動を計画したが、失敗を悟ると仲間を見捨てて逃亡した。その後、ジルクの部隊に捕縛された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
ゾラ
バルカスの元正妻である。リオンへの復讐心に囚われており、自身の過ちを認めない。
・所属組織、地位や役職
淑女の森の構成員。
・物語内での具体的な行動や成果
ルトアートに魔装の破片を突き刺し、彼を化け物に変えて逃走の囮にしようとした。その後、フィンリーから激しい暴行を受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
メルセ
ゾラの娘である。没落した現状に不満を抱き、他人を攻撃することで鬱憤を晴らす。
・所属組織、地位や役職
淑女の森の構成員。
・物語内での具体的な行動や成果
フレッドを脅して毒薬を入手し、ローランドに毒を盛る計画に加担した。ジェナに暴力を振るったが、後にフィンリーから報復を受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
フレッド
王宮に仕える医師であり、ローランドの古い友人である。弱みを握られてメルセに従っていた。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国の宮廷医。
・物語内での具体的な行動や成果
メルセに無味無臭の遅効性の毒薬を渡した。その後、ローランドの指示で倒れた彼を診察する芝居に協力した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
エリカ・ラファ・ホルファート
ミレーヌの実子であり、三作目の悪役王女である。その正体はマリエの前世の娘であり、落ち着いた振る舞いをする。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国の王女。学園の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
図書室でマリエに接触し、自身が転生者であることを明かした。その後、マリエと互いの正体を確認し合い、再会を喜び合った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
ダニエル
リオンの学園時代の友人である。男子が虐げられる風潮の変化に戸惑いを感じている。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国の男爵家の子弟。
・物語内での具体的な行動や成果
リオンの部屋を訪れ、学園内の女子の態度の変化について相談した。暴動発生時にはアインホルンに乗り込み、ブラッドの補佐をした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
レイモンド
リオンの学園時代の友人である。ダニエルと共に、学園での男女関係の修羅場に疲弊している。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国の男爵家の子弟。
・物語内での具体的な行動や成果
リオンに学園の現状を説明し、婚約破棄騒動の惨状を伝えた。暴動発生時にはダニエルと共にアインホルンに乗り込んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
マルコ
ノールズ伯爵家の五男である。傲慢で自己中心的な性格をしており、自身の身分を鼻にかけている。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国の学園の新入生。
・物語内での具体的な行動や成果
女子生徒に横柄な態度を取って突き飛ばし、喧嘩を引き起こした。リオンに仲裁され、最終的に取り巻きに諭されて謝罪した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
ジェナ
リオンの姉である。高望みをする性格で、都会での遊びを楽しむ。
・所属組織、地位や役職
バルトファルト家の長女。
・物語内での具体的な行動や成果
フィンリーを連れて王都で遊んでいた際に暴動に巻き込まれ、ルトアートに撃たれて負傷した。フィンリーをかばってメルセからの暴行に耐えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
カイル
マリエの専属使用人であるハーフエルフの少年である。
・所属組織、地位や役職
マリエの専属使用人。
・物語内での具体的な行動や成果
ジェナの荷物持ちとして王都に同行し、彼女の浮かれた態度に呆れていた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
ドロテア・フォウ・ローズブレイド
ローズブレイド伯爵家の令嬢であり、ニックスの婚約者である。気位が高く、敵対者には容赦しない冷酷さも持つ。
・所属組織、地位や役職
ローズブレイド家の令嬢。
・物語内での具体的な行動や成果
王都へ買い付けに来た際に飛行船に乗り、捕虜となったガビノを尋問した。彼が実家に喧嘩を売った者だと知り、処罰を命じた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
ニックス
リオンの兄である。真面目で責任感がある。
・所属組織、地位や役職
バルトファルト家の嫡男。
・物語内での具体的な行動や成果
王都へ向かう飛行戦艦のブリッジで指揮を執り、空賊の飛行船を砲撃して撃破した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
ミレーヌ・ラファ・ホルファート
ホルファート王国の王妃である。実質的に国を支えており、リオンの能力を高く評価している。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国の王妃。
・物語内での具体的な行動や成果
ローランドが倒れた後、リオンに暴動鎮圧の全権を委ねた。リオンが事態を的確に収拾する姿を見て、彼を不器用で可哀想な子だと評した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
バーナード
クラリスの父親である王国の大臣。リオンを支援する。
・所属組織、地位や役職
ホルファート王国の大臣。アトリー家の当主。
・物語内での具体的な行動や成果
王宮の会議でリオンに協力し、実家が管理するエアバイク部隊を提供した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
ディアドリー・フォウ・ローズブレイド
ドロテアの妹である。派手なドレスと扇子を好む。リオンに好意的である。
・所属組織、地位や役職
ローズブレイド家の令嬢。
・物語内での具体的な行動や成果
会議室でアンジェに対し、実家が捕らえたラーシェルの兵士の情報を伝えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
クラリス・フィア・アトリー
バーナードの娘である。アンジェに対して厳しい意見を述べる。
・所属組織、地位や役職
アトリー家の令嬢。
・物語内での具体的な行動や成果
王家を見限っている公爵家の動向についてアンジェに指摘し、リオンが王家にとって恐怖の存在になっていると忠告した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
ダン
エアバイク乗りであり、クラリスの取り巻きの一人である。ジルクを激しく嫌悪している。
・所属組織、地位や役職
エアバイク乗りの青年。
・物語内での具体的な行動や成果
ジルクの指揮の下、暴動を起こした者たちを拘束した。ジルクの能力は認めつつも、彼への嫌悪感は隠さなかった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
バルカス
リオンの父親である。かつてゾラに頭の上がらない生活をしていた。
・所属組織、地位や役職
バルトファルト家の当主。
・物語内での具体的な行動や成果
過去の回想で、仕送りの減少についてゾラに責められ、必死に頭を下げて謝罪していた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
リュース
リオンの母親である。
・所属組織、地位や役職
バルトファルト家の正妻。
・物語内での具体的な行動や成果
過去の回想で、ゾラからの要求に応えるために自身の服や装飾品を手放して仕送りの資金を作っていた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
アルゼル共和国
ノエル・ジル・レスピナス
聖樹の巫女であり、リオンの婚約者である。砕けた口調で話す。
・所属組織、地位や役職
アルゼル共和国の巫女。リオンの婚約者。
・物語内での具体的な行動や成果
空賊が部屋に侵入した際、巫女の紋章の力で出現した植物によって敵を自動的に退治した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
ヴォルデノワ神聖魔法帝国
フィン・レタ・ヘリング
帝国から来たミアの守護騎士であり、転生者である。魔装のコア「ブレイブ」を相棒に持つ。
・所属組織、地位や役職
ヴォルデノワ神聖魔法帝国の騎士。ミアの守護騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
魔装をまとってリオンと激しく交戦したが、後に一時休戦して和解した。ミアの病気を治すために覚醒イベントの手がかりを探していた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
ミア
帝国の留学生であり、三作目の主人公である。皇帝の隠し子であり、守護騎士のヘリングに好意を寄せている。
・所属組織、地位や役職
ヴォルデノワ神聖魔法帝国の留学生。
・物語内での具体的な行動や成果
空賊から逃走中に発作を起こして倒れた。傷ついたヘリングの魔装をかばって前に立ち、彼を守ろうとした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
原因不明の病気を患っており、激しい運動で発作を起こす。
ラーシェル神聖王国
ガビノ
ラーシェル神聖王国の人間であり、王国の転覆を狙う作戦の指揮官である。冷酷で計算高い。
・所属組織、地位や役職
ラーシェル神聖王国の指揮官。
・物語内での具体的な行動や成果
淑女の森を利用して王都で暴動を起こさせた。飛行船で学園を襲撃したが、バルトファルト家の飛行戦艦に撃破されて捕虜となった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
聖騎士の若者
ラーシェル神聖王国の聖騎士である。温厚な性格だが、魔装の破片を受け入れて戦う覚悟を持つ。
・所属組織、地位や役職
ラーシェル神聖王国の聖騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
胸に魔装の破片を刺されて魔装化し、三叉槍を用いてリオンやヘリングと交戦した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
リオンのアロガンツによって討伐された。
人工知能
クレアーレ
リオンが所有する旧人類の人工知能である。実験を好む。
・所属組織、地位や役職
リオンに仕える人工知能。
・物語内での具体的な行動や成果
春休み中にアーロンを性転換させる実験を行った。魔装のコアであるブレイブを発見し、排除しようとロボットたちを動員した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
ルクシオン
リオンの相棒である旧人類の超高性能AIである。魔装に対して強い憎悪を抱く。
・所属組織、地位や役職
リオンに仕える人工知能。
・物語内での具体的な行動や成果
王都全域のドローンを支配下に置き、暴動を鎮圧するための的確な情報と作戦を提示した。魔装化した聖騎士やルトアートの解析を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
ブレイブ
ヘリングの相棒である魔装のコアである。人工知能をひどく嫌っている。
・所属組織、地位や役職
ヘリングの相棒。魔装のコア。
・物語内での具体的な行動や成果
ヘリングと融合して鎧の姿になり、リオンと交戦した。ミアの治療のために魔素を放出して彼女を回復させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
その他・市民
指導しているベテラン職員
学園の中庭で新人職員を指導している。
・所属組織、地位や役職
学園の職員。
・物語内での具体的な行動や成果
やる気のない若い職員に対して、庭木の手入れの酷さを指摘し注意した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
酔っ払い
居酒屋の客である。
・所属組織、地位や役職
居酒屋の客。
・物語内での具体的な行動や成果
店の外で人が殺されているのを発見し、店内に駆け込んで知らせた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
倒れた貴族の男性
連続殺人事件の被害者である。
・所属組織、地位や役職
王宮で役職を得た役人。
・物語内での具体的な行動や成果
居酒屋の近くの路地で付き人と共に殺害されて倒れていた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
作中で既に死亡している。
護衛の付き人
殺害された貴族の男性の付き人である。
・所属組織、地位や役職
貴族の付き人。
・物語内での具体的な行動や成果
主である貴族と共に殺害され、路地に倒れていた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
作中で既に死亡している。
お嬢様言葉の女子生徒
プライドが高く、理不尽な男子の態度に反発する。
・所属組織、地位や役職
学園の新入生。子爵家の令嬢。
・物語内での具体的な行動や成果
マルコに突き飛ばされた友人を庇い、彼と口論になった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
友人らしい女子
お嬢様言葉の女子生徒の友人である。
・所属組織、地位や役職
学園の新入生。
・物語内での具体的な行動や成果
マルコに突き飛ばされてかすり傷を負い、騒ぎを収めようとおどおどしていた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
艦長
バルトファルト家の飛行戦艦の艦長である。
・所属組織、地位や役職
バルトファルト家の飛行戦艦の艦長。
・物語内での具体的な行動や成果
ニックスの指揮下で船員に砲撃の指示を出し、空賊の飛行船を撃破した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
ゾラの専属使用人を務めるエルフ
ゾラ一家に仕える使用人である。
・所属組織、地位や役職
ゾラの専属使用人。
・物語内での具体的な行動や成果
過去の回想で、ルトアートとメルセにお菓子を提供しつつ、フィンリーを見下して笑っていた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化は描写されていない。
モブせか 8巻レビュー
モブせか まとめ
モブせか 10巻レビュー
展開まとめ
プロローグ
攻略対象の男子が女子になってしまった
アーロンの性転換
新学期前日、リオンは男子寮の自室で、乙女ゲーム三作目の攻略対象であるアーロンが女子になった事実を知った。原因は、春休み中に調査を任せていたマリエとクレアーレであり、クレアーレが実験と称して科学の力でアーロンを性転換させていた。リオンとルクシオンは、攻略対象が恋人候補から脱落したことと、この世界に存在しない技術を使ったことを問題視した。
共犯の口止め料
クレアーレは、性転換技術を一度きりのロストアイテムだと説明したため問題は抑えたと主張した。しかし、事前報告をしなかった理由を問われると、マリエに責任を押しつけようとした。マリエは反発し、クレアーレがアーロンから高額な代金を受け取り、自分もその五割を受け取ったことを明かした。生活費に困っていたマリエは、自分の取り分を得る代わりにクレアーレをフォローする約束をしていた。
春休みの学園
春休み中の学園は静かで、マリエはクレアーレと共に廊下を歩いていた。掲示板にはリオンの手配書が貼られており、ラーシェル神聖王国がリオンに五百万ディア相当の懸賞金をかけていた。マリエはリオンが犯罪者になったと慌てたが、クレアーレは敵国にとって脅威になった証だと説明した。男子生徒たちもそれを好意的に受け止めており、マリエは王国の価値観に呆れていた。
覚悟を決めたアーロン
そこへ、中性的な美形の男子生徒が現れた。彼は以前からクレアーレと話を進めており、冒険者時代の財産を換金して性転換の代金を用意していた。クレアーレは、彼がリビアに手を出そうとした人物であるため、リオンから何をしてもいいと言われていると説明した。男子生徒は自分の本当の気持ちに気づき、女性になりたいと強く望んでいた。
金に揺れたマリエ
マリエはリオンに確認すべきだと止めようとしたが、クレアーレは通信が不調で連絡が取れないと告げた。さらにクレアーレは、指示に従えば代金の分け前を渡すと持ちかけた。生活費に困っていたマリエは取り分を要求し、最終的に半分を受け取る条件でクレアーレに協力した。マリエがその男子生徒の名前を聞いて叫んだのは、術後三日経ってからだった。
リオンへの懸賞金
話を聞いたリオンは、まず自分が指名手配された理由を確認した。ルクシオンは、ラーシェル神聖王国が共和国でのクーデターを支援していたこと、さらにリオンがその企みを阻止し、艦隊の旗艦を奪って司令官を捕虜にしたことを説明した。リオンは穏便に済ませたつもりだったが、ラーシェル側にとっては屈辱的な敗北であり、恨まれて当然の状況だった。
学園内の魔装
その直後、ルクシオンとクレアーレは学園内に配置していたドローンとのリンクが切断されたことに気づいた。最後に確認されたのは魔装の反応であり、学園内に新人類側の兵器が入り込んでいると判明した。クレアーレは、これまでのような破片ではなく、生体コアを持つ本物の魔装だと見ていた。ルクシオンも敵のランクは高いと判断し、リオンに単独行動を控えるよう警告した。
前世の課金アイテム
リオンは、前世で乙女ゲーム一作目を攻略するため、ルクシオンと共に刺々しい黒い魔装を課金アイテムとして手に入れたことを思い出した。マリエはそのデザインに興味がなかったと懐かしみ、ルクシオンとクレアーレは新人類の遺物である魔装を選んだリオンの判断を非難した。もしその魔装がルクシオンと同じようにこの世界に存在するなら、学園に潜む魔装は極めて厄介な存在になるとリオンは考えた。
第01話 「第二王子」
入学式当日
挨拶を押しつけられたユリウス
入学式当日、リオンは自室で制服に着替えながら、在校生代表の挨拶をユリウスに丸投げしていた。ユリウスは急な依頼に不満を漏らしたが、リオンは自分より位が上で挨拶にも慣れているユリウスに任せる方が効率的だと考えていた。ユリウスは春休み中に五馬鹿が学園に損害を出した件を持ち出され、言い返せなかった。
串焼きに魅入られた王子
ユリウスは入学式に屋台を用意することをまだ諦めておらず、串焼きをマリエと同じくらい愛していると語った。リオンとルクシオンは、かつて王太子として期待されたユリウスの変化に呆れたが、ユリウス自身はマリエと串焼きという大切な存在を得たことに満足していた。
校則違反の三人
マリエはカーラと講堂へ向かいながら、ブラッド、グレッグ、クリスが制服を無断改造したため、自分まで叱られたことに腹を立てていた。三人はそれぞれ派手な装飾、露出の多い改造、法被のような上着にしており、新学期初日から呼び出しを受けていた。マリエは自分が保護者ではないと不満を漏らし、カーラがなだめていた。
荒れた中庭と変わった学園
マリエとカーラは、中庭で若い職員がベテラン職員に叱られている場面を目にした。若い職員はやる気がなく、庭木の手入れもひどかったため、マリエは同情できなかった。留学先で庭の手入れの大変さを知っていたマリエとカーラは、学園の人手不足を感じた。さらに男子生徒が女子に横柄に振る舞う様子を見て、マリエは以前の学園とは大きく変わったと感じていた。
ジェイク殿下の存在
入学式後、アンジェはリオンがユリウスに挨拶を譲ったことを叱った。学園がユリウスを避けた理由は、腹違いの弟であるジェイク殿下との後継者争いに触れたくなかったためだった。アンジェは、ジェイクが王位継承権第一位の問題児であり、今後リオンに近付く者が増えるため、下手な約束をしないよう警告した。さらに、アンジェは自分の実家であるレッドグレイブ家にも警戒するよう告げ、バルトファルト侯爵家の利益を最優先すると宣言した。
裏庭の串焼き
午後、リオンはマリエたちと共に学生寮の裏庭にいた。ユリウスは炉で串焼きを焼き、ジルク、グレッグ、クリス、ブラッドもそれぞれ癖の強い様子で食事をしていた。ユリウスは若鶏に名前を付けてから食材にした話をし、マリエたちは食べづらさに引いていた。そこへジェイク殿下が乳兄弟のオスカルを連れて現れた。
ジェイクの勧誘
ジェイクはユリウスを女如きで廃嫡された兄と侮り、リオンに自己紹介した。ジェイクは自分の派閥に入り後ろ盾になれば、さらに出世させると持ちかけた。しかし、リオンは出世したくなかったため即座に断った。ジェイクは理解できず、オスカルにリオンを連れて行かせようとした。
筋肉自慢の対決
オスカルがリオンに掴みかかろうとすると、グレッグが止めに入った。しかし、グレッグは格闘ではなく筋肉を見せるポーズを取り、オスカルも背中の筋肉を見せて応じた。その結果、オスカルはジェイクに背を向け、グレッグと共にジェイクを睨む形になった。ジェイクは孤立したような状況に怯え、オスカルに命令を忘れるなと怒鳴った。
銀髪の男子生徒
騒ぎの後、リオンは学園側に報告することにした。マリエが串焼きの串をゴミ箱に投げ入れて喜んでいると、リオンは視線を感じた。校舎から見慣れない褐色肌で銀髪の男子生徒がこちらを見ており、リオンに気付くと去っていった。リオンはその男子生徒のことが妙に気になっていた。
謹慎室のジェイク
ジェイクは謹慎室に入れられ、自分だけが厳しく扱われたことに腹を立てていた。教師たちは、王家の後継者争いを学園に持ち込んだことを問題視していた。ジェイクは諦めず、オスカルにバルトファルトを呼ぶよう命じたが、オスカルは同じ一年生のフィンリーを連れてきた。ジェイクはリオンを呼べと言ったのだと怒鳴ったが、オスカルはさらに好みの話だと勘違いし、ジェイクは説教を始めた末に教員から叱られてしまった。
第02話 「イレギュラー」
入学式の終わった夜
大衆居酒屋の密談
入学式の夜、リオンは学園で話しにくい情報を整理するため、ルクシオンとマリエを連れて大衆居酒屋の個室に来ていた。マリエは大量の料理を注文して食事に夢中になっていたが、リオンはルクシオンとクレアーレが集めた写真を並べ、乙女ゲーム三作目の重要人物と怪しい人物について確認を始めた。魔装の妨害により調査能力は落ちていたが、それでも必要な情報はある程度そろっていた。
留学生ミア
マリエは、攻略対象五人と共に、三作目の中心人物と思われる少女を写真から特定した。その少女はヴォルデノワ神聖魔法帝国から来た留学生ミアで、上級クラスに配置されていた。マリエは帝国から本当に留学してきたことに驚いたが、設定としてはシナリオ通りだと判断した。
守護騎士フィン
ルクシオンは、ミアの側に守護騎士と呼ばれる存在がいることを告げた。マリエはその制度を知らず困惑したが、リオンは写真の男が昼間に自分たちを見ていた褐色肌で銀髪の男子生徒だと気づいた。彼の名はフィン・レタ・ヘリングであり、帝国では騎士を示すミドルネームを持っていた。ゲームに登場しない彼がミアの側にいて、リオンたちを警戒していることから、リオンは転生者か無関係の騎士かを疑った。
路地裏の殺人事件
店の外が騒がしくなり、リオンはルクシオンを連れて様子を見に出た。路地には貴族らしき男性と護衛が倒れており、争った形跡もほとんどないまま殺されていた。死体に慣れてしまった自分に嫌な感覚を覚えながら現場を見ていると、フード付きのローブをまとったローランドが現れた。
連続する役人殺し
ローランドは、殺された男が王宮でそれなりの地位にいる役人であり、公国との戦争後に出世した下級貴族の一人だとリオンに明かした。さらに、同じように頭角を現した役人が狙われる事件はこれで五件目だと語った。ローランドはマリエとの密会をからかいながら去り際に、悪役王女であるエリカには絶対に関わるなと念を押した。
王都全域の妨害
ルクシオンは、魔装による妨害が学園内だけでなく王都全域に及んでいると説明した。敵はリオンたちの居場所を特定できていないため、広範囲に妨害をかけているようだった。さらに、殺人事件にも魔装らしき反応が関わっていると判明した。現場には私服姿のフィンもおり、リオンは彼への警戒を強め、ルクシオンに徹底的な監視を命じた。
淑女の森とガビノ
王都の古い建物の地下では、ラーシェル神聖王国から派遣されたガビノが、淑女の森の幹部たちと接触していた。淑女の森はかつて女尊男卑の王国で権勢を振るった女性たちの組織であり、今は落ちぶれて地下で活動していた。ガビノは酒や菓子、ドレスを贈り、王妃ミレーヌとリオンを倒せば復権できると煽った。彼はラーシェルのために彼女たちを利用し、魔装騎士を切り札として王国に被害を出させるつもりだった。
追い詰められたゾラ
淑女の森には、バルカスに離縁されて行き場を失ったゾラもいた。ゾラは幹部たちから使用人のように扱われ、リオンをまともに育てなかったと責められていた。彼女は追い出されれば生きていけないため耐えていたが、息子のルトアートが学園に潜り込み、メルセも標的と接触していると報告した。ゾラは自分が落ちぶれた原因をリオンに押しつけ、バルトファルト家への復讐心を燃やしていた。
偽名のローランド
深夜、ローランドは雰囲気の良いバーで、リオンの名を偽名として使いながらメルセという若い女性と酒を飲んでいた。メルセはローランドの接近をかわしながら相手をしていたが、実際には弱みを握ったフレッドを使い、ローランドとの時間を切り上げさせていた。ローランドは正体を見抜かれていることにも気づかず、フレッドに遊びが過ぎると注意されても、さらに別の女性を狙って次の店へ向かった。
第03話 「逆転」
またぁ?
食後の再確認
リオンが事件現場から店に戻ると、マリエは料理をほとんど食べ尽くしていた。リオンは外の騒ぎの詳細を後回しにし、乙女ゲーム三作目の内容を再確認した。マリエは三作目を中盤までしか遊んでおらず、攻略サイトで大まかな流れを見ただけだったため、知識は曖昧だった。
悪役王女エリカ
マリエは、三作目が帝国から来た留学生ミアを中心に、王国の学園で攻略対象たちと関わる話だったと説明した。序盤では悪役王女エリカがミアに意地悪をする流れであり、エリカは表向きは温和に振る舞うが、裏では酷いことも平気で行う性格だった。リオンは悪役令嬢から悪役王女になったようだと受け止めた。
変化したシナリオ
三作目では一年生の頃に公国との戦争イベントの裏話があり、二年生になると敗戦国の姫ヘルトラウダが留学してくる流れだった。しかし、こちらの世界では公国の切り札はすでに倒され、ヘルトラウダも戦争時に命を落としていたため、シナリオは大きく変化していた。マリエは、ミアが二年生の中盤で帝国に呼び戻され、皇女として認められる展開も語った。
終盤の戦争イベント
中盤以降には、エリカがヘルトルーデを侮辱し、それに激怒したヘルトラウダが公国の艦隊を動かして戦争になる流れがあった。空と海から化け物が現れ、ミアたちはジェイクたちの力を借りて海のラスボスを倒し、空の方は聖女オリヴィアが倒す予定だった。その後、エリカの悪事が暴露され、悲惨な末路を迎える話だった。
存在しない守護騎士
リオンは、守護騎士フィン・レタ・ヘリングがゲームに登場していたのかをマリエに確認した。マリエは守護騎士という存在自体を知らず、隠しキャラでもないはずだと答えた。リオンは、ミアの側にいるはずのないフィンについて慎重に調べる必要があると考えた。
ミアとフィン
入学式の翌日、ミアは慣れない王国の学園で緊張していた。教室では留学生のミアに声をかける者は少なかったが、守護騎士フィンは女子生徒たちから好意的な視線を集めていた。フィンはミアを姫様と呼んでからかい、ミアは恐縮しながらも嬉しさを感じていた。
フィンの視線
教室では、オスカルがフィンリーをリオンと間違えて呼び出したことを謝罪していた。ミアはリオンの噂を帝国でも聞いていたが、外道騎士の二つ名を正しく覚えていなかった。やがてフィンは第一王女エリカを見つめ、ミアは自分の騎士が他の女性を気にしているように感じた。エリカがミアに微笑む一方で、フィンは笑みを消して無表情になっていた。
友人たちの相談
放課後、リオンは学生寮の自室にダニエルとレイモンドを招いた。二人はリオンが侯爵になったことで距離を置くべきか迷っていたが、リオンが以前と変わらない態度を見せたため安心した。相談内容は、女子からの誘いが増えすぎて困っているというものだった。
婚約破棄の修羅場
ダニエルとレイモンドによると、リオンが留学していた一年の間、学園では婚約破棄が相次ぎ、男女関係の修羅場が毎日のように起きていた。男子優位に変わったことで女子が必死に媚びるようになったが、二人は一年生の頃の自分たちを見るようで気が重くなっていた。一方、ミリーとジェシカは婚約者に大切にされ続けており、婚約破棄されることはなかった。
共和国での青春自慢
リオンは、共和国の学院では普通に振る舞うだけで紳士扱いされたと自慢した。ダニエルとレイモンドは、自分たちが学園で苦労していた間にリオンが海外で楽しく過ごしていたことに怒り、リオンに飛びかかった。男三人で騒いでいると、ノエルが部屋に現れ、学園内で起きた男女の喧嘩の仲裁にリオンを連れ出した。
男女逆転の喧嘩
現場では、新入生の男子マルコが女子生徒の友人を突き飛ばし、女子は怒っていた。マルコは男子に道を譲るのが当然だと主張し、女子を見下す態度を取っていた。アンジェも仲裁していたが、マルコは聞き入れていなかった。リオンはマルコの言動に呆れ、悪いのはマルコだとして謝罪を命じた。
侯爵への畏怖
マルコは伯爵家の五男である自分が謝ることに反発したが、リオン相手に逆らったことを取り巻きに止められた。周囲の生徒たちは、侯爵であるリオンに喧嘩を売ったマルコの方が終わったと囁いていた。マルコは命を取られると怯え、金を用意するとまで言い出した。リオンは自分への過剰な畏怖に気味の悪さを覚えた。
強すぎる影響力
その後、アンジェはリオンの部屋を訪れ、彼が思う以上に王国で強い影響力を持っていると説明した。リオンは自分を偽物の英雄だと考えていたが、侯爵であり国の英雄である彼の言葉は、生徒たちに大きな影響を与えるものだった。アンジェは、男女の立場が逆転しただけで、学園の問題はむしろ悪化していると見ていた。
退学させられる権限
ルクシオンは、リオンが望めば子爵家出身の女子生徒を退学にできたのかとアンジェに尋ねた。アンジェは正規の手続きでは無理でも、今のリオンがそれらしい証拠を作って迫れば可能だと答えた。リオンは学園長の信頼を悪用することは絶対に無理だと即答した。アンジェはその反応に複雑な安堵を見せ、ルクシオンは女心を学ぶべきだとリオンをからかった。
第04話 「調査」
新入生も学園での生活に慣れた頃
港に来たフィンリー
新入生が学園生活に慣れた頃、フィンリーは休日に浮島の港へ来ていた。姉のジェナから王都に向かうため出迎えるよう手紙が届いたためだった。休日を潰されることに不満を抱きながらも、フィンリーは実家を思い出す機会が増えており、ジェナに会えることを少し楽しみにしていた。
王都に来たジェナたち
ジェナはカイルを連れて飛行船から降り、さらにニックスとドロテアも買い付けのため同行していた。専属使用人を連れ歩くジェナは周囲の視線を集めていたが、本人は気にしていなかった。ジェナは学園のお茶会やリオンの口うるささについてフィンリーと話し、ニックスはリオンが騒ぎを起こしていないかを心配した。
フィンリーの気になる男子
フィンリーは、リオンの妹という立場のおかげで比較的平穏に過ごせている一方、リオンに取り入ろうとする者たちが自分に近付いてくることに不満を抱いていた。ニックスが気になる男子の有無を尋ねると、フィンリーはオスカルを思い浮かべた。彼女はオスカルを友達のような存在だと答えた。
図書室の調査
休日の学園で、マリエはクレアーレと共に図書室へ忍び込んでいた。リオンたちは学園外で連続殺人事件を調べていたため、マリエはミアとエリカの調査を任されていた。マリエは守護騎士フィンには近付くなと念を押されており、主人公と悪役王女を探ろうとしていた。
ジェイクとアーレの出会い
図書室でマリエは、ジェイクとアーロン改めアーレが同じ本を取ろうとして手が触れ合う場面を目撃した。二人のやり取りは、マリエが覚えていたジェイクと主人公の遭遇イベントに非常に近かった。ジェイクはアーレを気に入り、親しく呼ぶよう求めたため、マリエは攻略対象同士でイベントが消化されたことに混乱した。
エリカとの接触
混乱するマリエに声をかけたのは、調査対象である悪役王女エリカだった。エリカは温和そうな様子でマリエを心配し、図書室では静かにした方がいいと告げた。マリエは自分を知られていることに焦ったが、エリカは王女として聖女マリエを知っており、リオンとも関係があるため当然だった。
異母兄妹の距離感
そこへジェイクとアーレもやって来た。マリエはゲームではジェイクとエリカの仲が悪かったことを思い出し、二人が出会うことに嫌な予感を覚えた。しかし、実際の二人はジェイクがエリカを少し苦手にしている程度で、強い警戒心は見られなかった。マリエは自分の知る展開との違いにさらに混乱した。
七件目の殺人事件
夜の王都で、リオンはルクシオンと共に連続殺人事件を追っていた。現場にはまた出世した役人が殺されており、事件は七件目になっていた。ルクシオンは魔装を使った痕跡を確認し、リオンは出世した役人ばかりが狙われていることに不審を抱いた。
守護騎士への疑念
事件現場を離れようとしたリオンは、帝国の守護騎士フィン・レタ・ヘリングと遭遇した。フィンは観光だと説明したが、事件現場で二度も出会うことは怪しすぎた。さらにルクシオンはフィンからわずかな魔装の反応を感じ取り、彼が危険な存在であると警告した。リオンは証拠がないため敵対を避けつつ、アンジェたちに夜間の外出を控えさせるよう指示した。
納屋のメルセとルトアート
深夜の学園では、メルセが納屋に侵入し、職員として潜り込んでいた弟ルトアートと接触した。ルトアートは慣れない仕事に不満を抱き、リオンに嫉妬していたが、メルセは弟がリオンやニックスに勝てる器ではないと見ていた。二人はラーシェル神聖王国の支援を受け、元の生活を取り戻すため、女子をさらう計画を進めていた。
攻略対象同士の脱落
リオンはマリエから、ジェイクとアーレが遭遇イベントを起こしたことを聞き、頭を抱えた。アーレが女子になったことで攻略対象から外れたうえ、ジェイクまでアーレに関心を向けたため、ミアの恋人候補が二人脱落した形になった。ルクシオンはミアと攻略対象を取り持つ案を出したが、リオンは共和国での失敗を思い出し、無理な介入を避けることにした。
魔装への対処
リオンは七件目の事件と魔装の関与についてマリエたちに共有した。マリエはリオンの外出を心配したが、リオンはあえて姿を見せて動いていると説明した。クレアーレは学園内の警備を担当し、魔装はルクシオンが対処することになった。ルクシオンは新人類の遺物を消滅させる気であり、頼もしい一方で危うさも見せていた。
フィンリーのお茶会
五月のお茶会では、男女を問わず招待できる形式に変わっていた。リオンはフィンリーのお茶会に口を出し、紅茶も菓子も組み合わせも駄目だと厳しく叱った。フィンリーはうんざりしながらやり直しに向かい、その場には自然な顔でオスカルも同席していた。
オスカルの関心
リオンがオスカルにジェイクの側にいなくていいのか尋ねると、オスカルはジェイクがアーレとの時間を大切にしたいのだと答えた。さらにオスカル自身はフィンリーと親しくしており、友人止まりで残念だと語った。リオンはオスカルがミアに興味を持っていないことを知り、攻略対象がまた一人ミアから離れつつある状況に困惑した。
残り二人の恋人候補
リオンがオスカルの件をマリエたちに報告すると、マリエとクレアーレは今度はリオンの責任だと責めた。クレアーレはオスカルがリオンとの縁を狙ってフィンリーに近付いた可能性を考えたが、マリエはオスカルにそこまでの計算はないと否定した。結果として、攻略対象五人のうち三人がミアの恋人候補から外れかけており、リオンたちはさらに頭を抱えることになった。
第05話 「ラーシェル神聖王国」
人気のない路地裏
毒を渡したフレッド
フレッドは人気のない路地裏でメルセと会い、怯えながら約束の荷物を渡した。中身は遅効性で無味無臭の毒であり、メルセはローランドを倒した後にフレッドが時間を稼いで混乱させるよう命じた。フレッドは企みを問いただしたが、メルセは王国が本来の姿を取り戻す日が近いとだけ告げ、ローランドの待つ店へ向かった。
毒を飲まされたローランド
メルセはローランドと酒場で会い、相変わらずリオンの偽名を使う彼をあしらっていた。ローランドは別れ際にキスを迫ったが、メルセは今度の楽しみにするとかわして去った。その後、メルセは淑女の森の地下アジトでガビノに毒を仕込んだことを報告し、ガビノから褒められて気分を良くした。
ガビノの本命
ガビノは淑女の森の女性たちを励まし、王国が数日中に昔の姿へ戻ると信じ込ませた。分厚い扉の向こうでは、また一人の男性が魔装の調整に使われていた。アジトを出たガビノは部下に、淑女の森の作戦が成功するとは考えておらず、彼女たちを使い潰すつもりだと明かした。毒も本命ではなく、ローランドを倒して混乱を作るための手段だった。
倒れたローランド
翌朝、王宮ではミレーヌとローランドが食事をしていた。ミレーヌは夜遊びを続けるローランドに嫌みを言ったが、普段と違って反応が薄いことに違和感を覚えた。やがてローランドは青白い顔で倒れ、ミレーヌは宮廷医フレッドを呼ばせた。ローランドは自分が倒れたことを秘密にし、何かあればリオンを頼るよう伝えようとして咳き込んだ。
図書室のリオンとリビア
学園ではお茶会の準備が進む中、リオンはリビアと図書室でヴォルデノワ神聖魔法帝国について調べていた。帝国とラーシェル神聖王国には古くから深い繋がりがあり、帝国から皇族に特別な鎧が贈られたことも判明した。リオンは、ラーシェルと関係を持つ帝国も警戒すべき相手だと考えた。
リビアの不満
リビアは、リオンが毎晩のように外出していることを知っており、危険なことをしているのではないかと問い詰めた。リオンは連続殺人事件を追っていると明かしたが、リビアはそれはリオンの仕事ではないと心配した。リオンは危険な場所に婚約者たちを出したくなかったが、リビアは自分たちをもっと頼ってほしいと訴えた。
婚約者たちの相談
夜、ノエルはアンジェの部屋を訪れ、リオンが隠れて動いている件について相談を受けた。リオンが殺人犯を追っていることに、アンジェ、リビア、ノエルはそれぞれ不安を抱いていた。さらにノエルとリビアは、学園内に恋人同士を睨む怪しい職員がいると話した。アンジェは自分だけ睨まれた覚えがないことに少し不満を見せた。
転生者エリカ
夜の中庭で、マリエはエリカと話をする約束をしていた。マリエが相談を切り出そうとした直後、エリカはマリエが転生者ではないかと尋ねた。エリカ自身も前世の記憶を持っており、エリカ・ラファ・ホルファートに憑依した存在だった。去年まで病弱で自由に動けなかったため、聖女マリエやリオンの話を聞いていても動けなかったと説明した。
病弱になったミア
マリエが三作目の情報をエリカに尋ねようとしたところ、ミアが騎士様を捜しながら倒れ込んだ。マリエは治療魔法を使ったが、どこが悪いのか分からず、治療した手応えもなかった。それでもミアの症状は和らいだ。ミアは去年から急に体調を崩すようになり、フィンが用意する特別な薬を飲んでいると話した。マリエは、病弱設定がエリカからミアに移っているような違和感を抱いた。
魔装を宿した犯人
夜の王都で、リオンはルクシオンの誘導に従い、新たな事件現場に到着した。そこには役人と護衛の死体があり、犯人と思われる男は魔装の破片を体に取り込んでいた。男はリオンを敵だと呟くだけでまともに会話できず、リオンは拳銃で男を撃ち倒した。ルクシオンは、一般人が魔装を宿して長期間動くことは不可能であり、裏に知識を持つ黒幕がいると判断した。
ヘリングと黒助
事件現場に現れたヘリングは、リオンに何が目的だと問いかけた。直後、ヘリングの背後から黒い球体が現れ、ルクシオンに電撃を放った。その黒い球体は完全な魔装のコアであり、黒助と呼ばれていた。ルクシオンと黒助は旧人類と新人類の兵器として互いを激しく憎み、ヘリングは黒助をまとって悪魔のような姿になった。
アロガンツとブレイブ
リオンはルクシオンの案内で逃げながらアロガンツと合流した。ヘリングの魔装は銃弾を弾き、アロガンツの装甲すら削るほど強力だった。ルクシオンは、その魔装が過去の戦争で旧人類に大損害を与えたネームドのブレイブだと照合した。王都上空で戦闘が始まり、リオンは王都を巻き込まないよう重火器の使用を拒みながら応戦した。
ラーシェルの襲撃作戦
ガビノは王都の倉庫街で、空賊に扮したラーシェル神聖王国の兵士たちを集めていた。王都で不満を持つ者たちが騒ぎを起こす隙に、リオンの婚約者を確保する作戦だった。特にノエルは人質以外にも使い道があるとされていた。ガビノは、ラーシェルに屈辱を与えたリオンへの報復として、王都に大きな被害を出すつもりだった。
学園への空賊襲撃
王都上空の戦いを見ていたマリエは、ミアが騎士様とブー君が戦っていると呟いたことで、ヘリングが関わっていると気づいた。直後、学園上空に空賊旗を掲げた飛行船が現れ、統率された兵士たちがロープで降下した。マリエはエリカとミアを連れて逃げ出した。
女子寮の迎撃
空賊に扮した兵士たちは女子寮に侵入したが、アンジェは機関銃とロボットを使って迎撃した。非殺傷弾で兵士たちを制圧し、女子生徒たちに拘束させた。アンジェは、襲撃がリオンの予想通りだったのかと呆れつつも、準備を整えていた彼に感心した。
聖樹に守られたノエル
ノエルの部屋にも空賊たちが侵入したが、巫女の紋章の力によって植物が現れ、空賊たちを自動的に拘束した。ノエルは何もしていなかったが、聖樹の若木が彼女を守るために力を行使していた。部屋は大きく壊れ、クレアーレは修繕費をリオンに押しつければよいと告げた。
マリエたちの危機
マリエはエリカとミアを連れて逃げていたが、ミアの体調が悪化して動けなくなった。そこへ作業着姿のルトアートが現れ、エリカを交渉材料にすると告げた。空賊たちにも囲まれ、マリエたちは追い詰められたが、ユリウスたち五人が駆けつけて空賊を制圧した。マリエは間に合ったことに安堵した。
砲撃を防ぐリビア
ガビノは婚約者たちの確保が難しいと判断し、飛行船から学生寮へ砲撃を命じた。しかし、学生寮の屋上に立つリビアが巨大なドーム状の障壁を展開し、砲撃をすべて防いだ。以前はすぐに魔力を使い果たしていたリビアだったが、今は余裕を持って耐えていた。リビアはリオンの力になれると確信し、障壁をさらに広げて襲撃を阻んだ。
第06話 「最強の騎士」
こいつもチートかよ!
追い詰められたアロガンツ
リオンはアロガンツでヘリングの魔装と戦いながら、黒騎士以上に厄介な相手だと痛感していた。強化されたアロガンツでも本物の魔装には苦戦し、ミサイルや各種武装は次々に失われた。残る武装がブレードだけになる中、リオンは近接戦闘を避けたいと思いながらも、ヘリングの追撃を受け続けていた。
最後のインパクト
ルクシオンは本体の使用を求めたが、リオンは王都への被害を避けるため拒んだ。リオンはアロガンツをヘリングへ突撃させ、ブレードを囮にして拳を叩き込んだ。アロガンツの右拳から放たれた衝撃波は魔装の内部へ届き、ヘリングを大きく吹き飛ばした。しかし魔装は形を保ったまま落下し、リオンは仕留めきれなかったことに焦った。
学園襲撃の知らせ
リオンが追撃しようとした時、学園方面でリビアの障壁が展開されているのを見つけた。ルクシオンは王都各地で暴動が起き、学園にも空賊らしき集団が乗り込んでいると報告した。ヘリングも学園の異変に気づき、ミアを助けるために向かおうとした。リオンは一時休戦を提案し、互いに助けたい相手がいるため、ヘリングもそれを受け入れた。
聖騎士の出撃
飛行船では、ガビノがリビアの障壁を前に冷や汗をかいていた。外道騎士と未確認機が接近していると知らされたガビノは、砲撃を続けさせながら魔装騎士を出すことを決めた。ラーシェル神聖王国の聖騎士と呼ばれる若者は、魔装の破片を胸に突き刺され、死を覚悟した使い捨ての魔装騎士となって出撃した。
落下したヘリング
学園へ向かうヘリングは、リオンの攻撃による傷で体が限界に近づいていた。リビアの障壁を突破できずに迷っていると、ラーシェルの聖騎士が現れて障壁を貫いた。聖騎士はヘリングを偽者の魔装使いと見なし、その魔装の破片を奪おうとした。ヘリングとブレイブは応戦しようとしたが、そこへアロガンツが現れ、聖騎士へ攻撃を加えた。
リオンの到着
リビアは障壁を破られたところで、シュヴェールトを背負ったアロガンツの姿を見上げた。リオンが来てくれたことに安堵しながらも、また助けられたことに悔しさも覚えた。リオンは学園に到着すると、魔装が二体に増えている状況を確認し、槍を持つ聖騎士の魔装を倒すことを優先した。
ミアの守護騎士
ミアはヘリングの魔装を見つけると、制止を振り切って駆け寄り、傷ついた守護騎士に抱きついた。ヘリングは危険だから下がるよう言ったが、ミアは側にいると約束したと泣いて訴えた。ヘリングはブレイブに魔装を解除させ、血を流した姿でミアを安心させた。マリエはヘリングを支えながら、彼が本当に悪人なのか疑問を抱いた。
連続殺人への疑惑
マリエはヘリングに、王国で何をしようとしているのかを小声で問いただした。連続殺人事件に関わっているのではないかと疑うマリエに、ヘリングは自分は調査していただけだと答えた。直後、ミアが倒れ、ブレイブが魔素を放出して症状を和らげた。その様子を見たマリエは、ヘリングたちが悪党には見えないと感じた。
クレアーレの暴走寸前
アンジェたちが合流すると、クレアーレはブレイブを見て絶叫し、ロボットたちに武器を向けさせた。マリエは戦わなくていいと止めようとしたが、クレアーレはマリエが騙されていると判断し、ブレイブも人工知能への敵意をむき出しにした。アンジェがクレアーレを機関銃の銃床で叩いて止め、王宮へ急ぐべきだと場を収めた。
消えたフィンリー
アンジェはクレアーレに学生の無事を確認させたが、クレアーレはフィンリーが見つからないと告げた。学園では襲撃の混乱が続いており、フィンリーの所在不明が新たな問題として浮上した。上空では、リオンがアロガンツで聖騎士の魔装と戦いながら、学園から敵を引き離していた。
聖騎士の魔装
リオンはシュヴェールトの追尾レーザーで聖騎士の魔装を攻撃しながら、ヘリングほどの脅威ではないと判断した。ルクシオンの解析でも、敵はコアを持つ完全な魔装ではなく、魔装の破片を埋め込んだ人間だった。王都への被害が出ない場所まで誘導したリオンは、全力のホーミングレーザーで魔装を追い詰めた。
弱い魔装の末路
ルクシオンは聖騎士の魔装をこれまでで一番弱い魔装だと挑発し、相手は精神を不安定にして化け物のように膨れ上がった。リオンは大剣を魔装へ突き刺し、アロガンツのインパクトを叩き込んだ。魔装は空中で弾け飛び、リオンはルクシオンが音声を切ったことを咎めたが、それが自分への気遣いだったと察して、すぐに学園へ戻ることにした。
第07話 「蠢く者たち」
一人の空賊に扮した兵士
男子寮の逃走兵
空賊に扮したラーシェル兵は、男子寮で足止め役を命じられていたが、王国の男子生徒たちの強さに怯えて逃げ回っていた。ダニエルやレイモンドを含む男子生徒たちは武器を手に空賊を追っており、領主貴族にとって空賊は許せない存在だった。兵士は味方の飛行船が撤退しているのを見て、任務を放棄して逃げようとしていた。
アーレの撃退
逃げる兵士は、男子寮にいたジェイクとアーレを見つけ、アーレを人質にしようとした。しかし、アーレは素早く射線を外れて接近し、ライフルを叩き落として兵士をかかと落としで倒した。ジェイクはアーレの強さに驚きながらも可愛いと褒め、二人は照れながら王宮へ向かおうとした。そこへオスカルが現れ、フィンリーの行方を尋ねた。
王宮への到着
リオンはヘリングと互いに疑い合いながら、五馬鹿たちと共に王宮へ向かっていた。ヘリングはリオンを連続殺人の犯人だと疑い、リオンもヘリングを怪しいと見ていたが、互いに誤解があったことが明らかになった。ルクシオンとブレイブは互いを睨み合いながらも、王宮のローランドの寝室前へたどり着いた。
毒に倒れたローランド
ローランドは寝室で青白い顔をして倒れており、数日前に毒を盛られていた。宮廷医フレッドが薬を飲ませていたが、ローランドは弱った声でリオンを呼び、全ての指揮権を一時的に預けると命じた。リオンはユリウスに任せるべきだと考えたが、ローランドはユリウスでは命令に従わない者が出ると判断し、嫌いながらもリオンの力を認めて頼った。
王都の暴動
ミレーヌは、王都各地で元貴族たちが一斉に暴動を起こしていると説明した。規模の小さい組織が同時に動き出したため対処が追いつかず、ラーシェル神聖王国が裏で動いている可能性が高かった。ローズブレイド家の調査により、学園を襲撃した飛行船についても情報が集まっており、ディアドリーはニックスが逃げた飛行船に対処していると告げた。
逃げられなかったガビノ
ガビノは学園襲撃後、飛行船で逃走していたが、バルトファルト家の飛行戦艦に追いつかれていた。彼は兵士たちには突撃を命じながら、自分だけ小型艇で脱出しようとした。しかし、ニックスが指揮する飛行戦艦の砲撃によって空賊船は撃破され、ガビノたちは逃げる間もなく拘束された。
ドロテアの処分
捕らえられたガビノは、ラーシェル神聖王国の者として捕虜待遇を求めようとした。しかし、ドロテアは彼らを空賊として扱い、ラーシェルの兵士などここにはいないと切り捨てた。ガビノは王都の裏切り者たちの情報を差し出して命乞いをしたが、ドロテアはそれに価値を見出さず、ローズブレイド家に喧嘩を売った者として連行させた。
解かれたジャミング
リオンはヘリングに、ルクシオンの妨害をしていたのがブレイブか確認した。ブレイブはルクシオンを信用せずジャミング解除を拒んだが、リオンはルクシオンに帝国の留学生とブレイブを攻撃しないよう命令した。ヘリングもブレイブを説得し、王都を守るためにジャミングを解除させた。これによりルクシオンは王都中のドローンとのリンクを回復した。
王都の制圧計画
会議室に入ったリオンは、ルクシオンのリアルタイム情報を使って敵のアジトや動きを示した。ミレーヌたちはその情報量に驚きながらも、リオンの許可を得て軍の再配置を進めた。敵の数が多いため、リオンは学園の友人たちや五馬鹿を戦力として使うことを決めた。
五馬鹿の配置
リオンはブラッドをアインホルンの指揮に置き、グレッグとクリスを敵のアジト制圧に回すことにした。ユリウスは自分も役に立ちたいと訴えたが、リオンは王子を戦場に出せないとして拒んだ。ジルクについてはエアバイク部隊の指揮を任せることになり、バーナード大臣がアトリー家の人脈を使って協力を申し出た。
動かないレッドグレイブ家
リオンはアンジェにレッドグレイブ家の協力を求めたが、アンジェは父と兄が王都を離れており、自分の命令では軍を動かせないと謝罪した。普段ならどちらかが王都にいるはずであり、リオンは違和感を覚えたが、周囲の様子から追及を避けた。ミレーヌはリオン自身の出撃も止め、彼を王宮に留めた。
アインホルンのブラッド
アインホルンでは、ブラッドが司令官として飛行戦艦四隻を指揮していた。任務は部隊や物資の運搬、敵アジトの制圧支援、王都上空での威圧だった。ブラッドは王都全体がリオンの支配下に置かれていることを感じ取り、レッドグレイブ家などの貴族が静観している状況から、今後リオンを中心に王国が荒れると見ていた。
アジト制圧のグレッグとクリス
グレッグは兵士たちと共に酒場へ突入し、敵前逃亡で貴族の地位を失った一家を拘束した。その一家は酒場と宿屋を使い、傭兵や犯罪者を王都に招き入れて暴動の戦力にしていた。外ではクリスが鎧部隊を率いて傭兵や犯罪者を鎮圧しており、二人は次のアジトへ向かうことになった。
淑女の森の逃亡
淑女の森の代表や幹部たちは、王国が各地の仲間のアジトを次々に襲撃していると知り、荷物を抱えて逃げ出した。代表は、外に出ていたゾラたちを見捨て、捕まってしまえばいいと切り捨てた。しかし、逃げた先にはジルク率いるエアバイク部隊が待ち構えており、彼女たちは包囲された。
ジルクの包囲網
代表はジルクに見逃してほしいと懇願したが、ジルクは犯罪者を庇えば自分も犯罪者になるとして逮捕を命じた。エアバイク乗りたちはジルクを嫌っていたが、バーナードやリオンの頼みで仕方なく従っていた。ジルクは相手の逃げ道や心理を的確に読んでおり、性格の悪さを利用するように淑女の森を追い詰めていた。
第08話 「バルトファルト姉妹」
各地で暴動が起きる王都
門限破りの姉妹
王都各地で暴動が起きる中、フィンリーはジェナと共に逃げ回っていた。フィンリーが学園にいなかったのは、ジェナに誘われて王都で遊び、門限を破っていたためだった。二人は学園にも異変が起きていることに気づきながら、どこへ避難すべきか分からず、路地で身を隠した。
ルトアートの襲撃
路地に現れたルトアートは、拳銃を向けて二人を脅した。フィンリーがルトアートには侯爵など無理だと口にしたため、ルトアートは激怒してジェナの右太ももを撃った。ジェナは強がったが出血は多く、ルトアートは二人をリオンへの人質にするため連れ去った。
淑女の森の隠れ家
フィンリーとジェナは、淑女の森の隠れ家で拘束されていた。そこにはゾラ、メルセ、ルトアートがおり、彼らはエリカやアンジェたちを捕らえられなかったことに苛立っていた。ルトアートは逃げる途中でフィンリーたちを見つけたと言い訳し、ゾラとメルセは期待外れの人質に不満をぶつけた。
踏みにじられた姉妹
メルセはフィンリーを踏みつけ、自分たちが平民扱いされている不満をぶつけた。ジェナはフィンリーを守るため覆いかぶさったが、今度はメルセに蹴られ続けた。フィンリーは、リオンなら自分たちを見捨てるかもしれないと考えながらも、ゾラ一家への怒りを膨らませていた。
幼い日の屈辱
フィンリーは、幼い頃にゾラ一家がバルトファルト家に仕送りを要求し、災害で困窮していた両親を責め立てた記憶を思い出した。ゾラたちはバルトファルト家の苦しみを顧みず、メルセやルトアートも貧しいフィンリーを見下していた。フィンリーは、ゾラ一家の贅沢のために自分たちが苦しんできたことを改めて思い出し、憎悪を募らせた。
リオンとオスカルの突入
アジトの扉が蹴破られ、オスカルとリオンが突入した。リオンはルトアートの右腕を撃ち抜き、さらに銃床で殴り倒したうえで、ジェナとフィンリーの状態を見て激怒し、容赦なくルトアートを叩きのめした。ルクシオンはフィンリーの手錠を外し、ジェナの救助に回った。
ゾラ一家への断罪
メルセとゾラは、革命が成功しているはずだと強がったが、リオンは暴動がすでに鎮圧されたことを告げた。リオンは、ゾラたちが落ちぶれたのは自業自得であり、男女ではなく屑は屑なのだと言い切った。二人は自分たちの正しさを主張したが、リオンは他人を尊重できない者が尊重されるはずがないと切り捨てた。
フィンリーの報復
リオンは女性には手を出せないとしてゾラとメルセを捕らえようとしたが、フィンリーはジェナを痛めつけた相手を許せず激怒した。フィンリーはメルセの髪を掴んで床に何度も叩きつけ、続けてゾラにも跳び蹴りや関節技を浴びせた。リオンやオスカルはその容赦のなさに引き、ルクシオンはフィンリーがリオンに似ていると見ていた。
ジェナとオスカル
ルクシオンの処置でジェナは目を覚まし、自分を抱えていたオスカルにすぐ関心を向けた。オスカルはフィンリーを守ったジェナを立派だと褒めたが、ジェナは婚約者や好きな相手がいるかを尋ねた。オスカルがいないと答えると、ジェナは弱々しいふりをして抱きつき、ルクシオンは女の敵は女だと再認識した。
第09話 「ゾラ一家の結末」
散々暴れ回ったフィンリー
魔装の破片
フィンリーがゾラとメルセを叩きのめした直後、ルクシオンはゾラが魔装の破片を握っていることに気づいた。ゾラは近付いてきたルトアートの首筋に破片を突き刺し、息子を自分が逃げるための時間稼ぎにしようとした。ルトアートは母と姉に見捨てられ、魔装に侵食されながら異形へと変貌した。
化け物になったルトアート
ルトアートはゾラとメルセに襲いかかり、リオンたちはフィンリー、ジェナ、オスカルと共に地上へ逃げた。建物を壊して現れたルトアートは肉の塊のような姿となり、リオンの地位も財産も力も自分のものだと執着をむき出しにした。リオンはアンジェたちまで奪うような言葉に怒り、ライフルを撃ち尽くしてルトアートを倒した。
消滅した魔装
ルトアートは黒い液体を流して動かなくなり、残った魔装の破片はルクシオン本体のレーザーで消滅させられた。ルクシオンは、魔装の強さは破片の大きさだけでなく使用者の能力にも左右されると説明した。リオンは、大きな力に手を出した代償について考えかけたが、自分には似合わない話だとして深く考えなかった。
元気なローランド
論功行賞の場で、毒に倒れていたはずのローランドが元気な姿を見せた。リオンは騙されたと怒ったが、ローランドは毒を盛られたことも体調不良も本当だったとしながら、リオンに面倒事を片付けさせたことを楽しんでいた。さらにローランドは、今回の功績によりリオンを公爵に陞爵させると宣言した。
一千万ディアの懸賞金
ローランドは、ラーシェル神聖王国が聖騎士を倒されたことでリオンへの懸賞金を一千万ディア相当に引き上げたと告げた。リオンは公爵への陞爵と懸賞金の増額に最悪だと嘆き、ローランドを敵だと断じた。ローランドはその反応を楽しみ、リオンをさらに追い詰めたことに満足していた。
公爵になったリオン
控え室でリオンは、公爵になったことでレッドグレイブ家やファンオース家と並ぶ立場になったと知り、頭を抱えた。アンジェは、ホルファート王国に仕える領主貴族の公爵家は三家しかないと説明した。リオンは頑張ったのにさらに出世させられたと嘆き、ルクシオンはローランドの最後の頼みだと思って全力を出したのが原因だと指摘した。
ローランドの悪巧み
ローランドは自室でフレッドと酒を飲み、今回の騒動を利用したことを明かしていた。フレッドが調合した毒はローランドの指示でメルセに渡され、ローランドは自ら毒を飲んでリオンを動かした。ローランドは計画の第一段階が成功したと語り、今後もリオンに働いてもらうつもりで悪巧みを続けていた。
マリエとエリカ
学園の廊下では、マリエがクレアーレとエリカと共に歩いていた。マリエはリオンが出世を嫌がることを理解できないとこぼし、クレアーレは二人が似た者同士だと楽しんでいた。エリカがリオンについて尋ねると、マリエは優しいが甘く、暴走すると手が付けられない兄だと語った。
前世の後悔
マリエは、自分が前世で乙女ゲーム一作目をリオンに押しつけたため、彼が徹夜続きで階段から落ちて死んだと話した。口では馬鹿兄貴と呼びながらも、その表情には後悔がにじんでいた。エリカは、マリエがずっと兄を死なせた原因を作ったと悔やんでいたことを見抜き、二人は仲の良い兄妹に見えると告げた。
前世の娘
エリカは、マリエの怒り方を見て相変わらずだと言い、母さんが元気そうで良かったと告げた。マリエはそこで、エリカが前世の自分の娘であることに気づいた。エリカは、聖女マリエやリオンの話を聞いた時から母ではないかと感じ、実際に会って仕草を見て確信したと語った。マリエは泣きながらエリカに抱きつき、エリカは母を優しく抱きしめた。
エピローグ
王都にある酒場
酒場の話し合い
リオンは王都の酒場でヘリングと向き合い、互いの疑念を解くために話し合った。ルクシオンとブレイブは今にも攻撃しそうなほど敵意を向け合っていたが、リオンとヘリングはまず入学式当日に互いを警戒していた理由を確認した。ヘリングは、乙女ゲームに存在しない外道騎士リオンと偽者の聖女マリエを知り、二人を危険視していたのである。
転生者ヘリング
ヘリングも転生者であり、前世で妹が乙女ゲーム三作目を遊ぶ様子を見て内容を知っていた。彼の目的はミアを守ることであり、帝国の守護騎士として自ら志願して王国へ来ていた。リオンは、本来ゲームにいなかった守護騎士の存在を怪しんでいたが、ヘリングからすれば本来存在しないリオンたちこそ警戒すべき相手だった。
ミアの病と覚醒イベント
ヘリングは、ミアが去年から原因不明の呼吸困難を起こすようになり、魔力を与えると症状が和らぐものの根本的な治療には至っていないと説明した。王国にはミアの能力が覚醒する重要なイベントがあり、王都のダンジョン内の遺跡に触れることで治療の手がかりになるかもしれなかった。リオンはそのイベントを知らず、ヘリングはミアを救うために王国で情報を集めていた。
相棒同士の敵意
ルクシオンとブレイブは、旧人類と新人類の兵器として互いを激しく憎んでいた。ルクシオンはブレイブを殲滅したがり、ブレイブもルクシオンを最悪の兵器と呼んで警戒した。しかし、ミアを救いたいという目的が明確になったため、リオンとヘリングは争う理由がないと判断した。リオンはミアの診察や遺跡の件に協力してもよいと申し出た。
外道騎士の噂
ヘリングは、帝国で伝わっていたリオンの噂を確かめた。リオンが王子を決闘で叩きのめした話や、共和国の六代貴族と衝突した話は誇張ではなく、むしろ事実に近かった。ヘリングは噂より酷いと引き、ブレイブも警戒を強めた。ルクシオンはさらにリオンの酷さを語ろうとしたため、リオンに止められた。
門限後の帰還
リオンが学園へ戻ると、マリエが待ち構えていた。マリエは門限を過ぎたことや酒場にいたことを責めたが、リオンは酒は飲んでいないと返した。そこでマリエは、エリカが前世の自分の娘だったと真剣に打ち明けた。リオンとルクシオンは最初こそ混乱や冗談として受け取ったが、マリエの様子から本気の話だと理解した。
前世の姪エリカ
マリエによれば、エリカは前世で六十歳頃まで生きた娘であり、リオンにとっては前世の姪だった。リオンは、自分たちより何十年も後に亡くなったはずの人物が、二年後の世代として転生していることに混乱した。しかしルクシオンは、リオンとマリエが同級生として転生している時点で、転生に時間的な制約はないのだろうと整理した。リオンは、姪が悪役王女になっている事実に頭を悩ませた。
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小説版
王国編

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共和国編

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幕間

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最終章

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小説版 外伝

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同著者の作品
俺は星間国家の悪徳領主! シリーズ

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セブンスシリーズ

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その他フィクション

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