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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかフィクション(Novel)読書感想

小説【ダンまち外伝】「ソード・オラトリア 7」感想・ネタバレ

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ソード・オラトリア7の表紙画像(レビュー記事導入用) ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか

ソード・オラトリア 6レビュー
ソード・オラトリア 8レビュー

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  1. 物語の概要
    1. ■ 作品概要
    2. ■ 主要キャラクター
    3. ■ 物語の特徴
  2. 書籍情報
  3. あらすじ・内容
  4. 感想
  5. 考察・解説
    1. タナトスと人造迷宮
      1. タナトスと思想、眷族への扱い
      2. 人造迷宮クノッソスの全貌
      3. 迷宮におけるタナトスと協力者たちの動き
      4. まとめ
    2. ロキ・ファミリアの敗北
      1. 迷宮の罠と分断
      2. 幹部陣の壊滅的被害
      3. 決死の合流と撤退
      4. まとめ
    3. 怪人レヴィスとの死闘
      1. 18階層および24階層での激突
      2. 人造迷宮クノッソスでの死闘
      3. 仲間の結集と反撃
      4. まとめ
    4. 呪詛と分断の罠
      1. 分断の罠:各個撃破の戦術
      2. 呪詛(カース)による弱体化と混乱
      3. まとめ
    5. 英雄を求める神々
      1. 神々が英雄を求める理由
      2. ヘルメスの暗躍と試練の創出
      3. 必要悪としての「邪神」たち
      4. まとめ
  6. 登場キャラクター
    1. ロキ・ファミリア
      1. ロキ
      2. フィン
      3. リヴェリア・リヨス・アールヴ
      4. ガレス
      5. アイズ
      6. ティオネ
      7. ティオナ
      8. レフィーヤ
      9. ベート
      10. ラウル・ノールド
      11. アキ(アナキティ)
      12. クルス
      13. リーネ
      14. アリシア
      15. エルフィ
      16. ラクタ
      17. ナルヴィ
      18. オルバ
      19. シンシア
      20. アークス
      21. ロイド
      22. クレア
      23. アンジュ
      24. リザ
      25. カロス
      26. レミリア
    2. タナトス・ファミリア / 闇派閥(イヴィルス)
      1. タナトス
      2. ヴァレッタ・グレーデ
      3. レヴィス
      4. バルカ
      5. ディックス
      6. トリス
      7. オリヴァス
      8. エニュオ
    3. ディオニュソス・ファミリア
      1. ディオニュソス
      2. フィルヴィス・シャリア
    4. ヘルメス・ファミリア
      1. ヘルメス
      2. ルルネ
      3. アスフィ・アル・アンドロメダ
    5. イシュタル・ファミリア
      1. イシュタル
      2. タンムズ
    6. ヘスティア・ファミリア
      1. ヘスティア
      2. ベル・クラネル
    7. その他の神々・キャラクター
      1. ウラノス
      2. ペニア
      3. ニョルズ
      4. アポロン
      5. ヒュアキントス
      6. フレイヤ
      7. カーリー
      8. ガネーシャ
  7. 展開まとめ
    1. プロローグ◆ Villains
    2. 一章 ◆迷宮都市の今
    3. 二章 ◆ダンジョン・トラップ
    4. 三章 ◆死の饗宴
    5. 四章 ◆剣の風になって
    6. 五章 ◆怒哭総戦
    7. エピローグ◆切望されしは
  8. ダンまち シリーズ一覧
    1. ダンジジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア
  9. ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか  一覧
    1. アストレア・レコード
  10. その他フィクション

物語の概要

■ 作品概要

本作は、大人気ライトノベル『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』の公式外伝シリーズ第7巻である。本編の裏側で活躍する迷宮都市最強の一角【ロキ・ファミリア】を主役に据え、剣姫アイズ・ヴァレンシュタインを中心とした眷族たちの戦いを描くファンタジーアクション作品である。

物語の舞台は、突如として牙を剥いた「人造迷宮クノッソス」である。港街メレンでの死闘を経て、敵対組織「闇派閥(イヴィルス)」の拠点と思われる「ダイダロス通り」の調査に乗り出したアイズたちは、迷宮都市の地下に隠された未曾有の闇へと足を踏み入れることになる。

■ 主要キャラクター

  • アイズ・ヴァレンシュタイン: 本作の主人公。ロキ・ファミリアの中核を担う第一級冒険者で、「剣姫」の二つ名を持つ。さらなる強さを渇望し、迷宮の深淵を目指す。今巻では人造迷宮の中で、己の過去に深く関わる因縁の敵と対峙することになる。
  • フィン・ディムナ: ロキ・ファミリアの団長を務める小人族(パルゥム)の冒険者。卓越した采配と「親指のうずき」による直感で仲間を導く知将である。人造迷宮の卑劣な罠により、かつてない究極の選択と窮地に追い込まれる。
  • レフィーヤ・ウィリディス: アイズを慕う若きエルフの魔導士。卓越した魔法の才能を持つが、精神的な脆さが課題であった。過酷なクノッソス攻略戦において、仲間の危機を前にして魔導士としての真の覚醒と成長を見せる。
  • ベート・ロガ: 狼人の第一級冒険者。傲慢で口が悪いが、その裏には弱者への苛立ちと、仲間を失いたくないという強い責任感が隠されている。凄惨な被害が出る戦場において、その激情を力に変えて敵を蹂躙する。
  • レヴィス: アイズたちの前に立ちはだかる赤髪の「怪人(クリーチャー)」。人造迷宮を拠点とし、圧倒的な戦闘能力でロキ・ファミリアを死地へと誘う。アイズに対して強い執着を見せる本作の強敵である。

■ 物語の特徴

本作の最大の特徴は、最強派閥である【ロキ・ファミリア】が直面する「絶望的な敗北」と「重い喪失」の描写にある。通常のダンジョンとは異なり、悪意によって設計された罠と強固なオリハルコンの扉が冒険者を分断し、これまで無敵に近い強さを誇ってきた主要メンバーたちが次々と危機に晒される展開は、読者に強烈な緊迫感を与える。

また、本編では語られなかった都市の暗部や、ダイダロス一族の迷執といった背景設定が深く掘り下げられており、本編シリーズと相互に補完し合う重厚な物語構成が大きな魅力となっている。特に今巻は、シリーズを通しても転換点となる悲劇的なイベントが含まれており、ファミリアの絆と個々の冒険者の覚悟が試される重要なエピソードである。

書籍情報

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア7
(Is It Wrong to Try to Pick Up Girls in a Dungeon? On the Side: Sword Oratoria)
著者:大森藤ノ 氏
イラスト:はいむらきよたか 氏
キャラクター原案: ヤスダスズヒト 氏
出版社:SBクリエイティブGA文庫
発売日:2016年12月15日
ISBN:978-4-7973-8934-0

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あらすじ・内容

『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』外伝、待望の第七弾!
港街(メレン)で手がかりを得た【ロキ・ファミリア】は迷宮街『ダイダロス通り』の調査を開始する。
敵の住処を突き止め、とうとう闇派閥(イヴィルス)の残党を追い詰めるアイズ達だったが――。

「人造迷宮クノッソス……始祖傑作の礎となれ」
かつてない闇の迷執が牙を剥く。
呪われた血族、勇者への因縁、姿を現す最後の邪神、そして舞い戻る赤き髪の怪人(クリーチャー)。
『悪』の巣窟が今、アイズ達に最大の危機をもたらす。

「さようなら、【ロキ・ファミリア】。良い悪夢(ユメ)を」

これは、もう一つの眷族の物語、
──【剣姫の神聖譚(ソード・オラトリア)】──

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア7

感想

最強とうたわれる【ロキ・ファミリア】がかつてないほどの窮地へと追い込まれる、非常に重厚な一冊であった 。

物語は、迷宮街であるダイダロス通りの調査から始まる 。そこから足を踏み入れることになった人造迷宮「クノッソス」での死闘は、息をつかせぬ展開の連続で、まさに絶体絶命という言葉がふさわしい 。何よりも驚かされたのは、絶対的な指揮官であるフィンが重傷を負い、戦線から離脱しかけるという事態だ 。冷静沈着な彼がボロボロになる姿には、これまでにない恐怖とハラハラする気持ちを抱かされた 。

そんな危機的状況の中で、普段は目立たないラウルが意外なほどの美味しい役どころを演じていたのが心に残っている 。自分を凡人だと卑下しながらも、極限状態で仲間を鼓舞し、必死に前を向く彼の姿には、本編の主人公とはまた違った人間臭いかっこよさがあった 。また、力強く壁を打ち破るガレスや、戦場を激しく舞うティオナとティオネのアマゾネス姉妹など、幹部たちのそれぞれの意地が話の中心に据えられていた点も、読み応えがあって面白かった 。

また、物語の裏側で「英雄」を求め、盤面を操ろうと暗躍するヘルメスの存在感も無視できない 。彼の策略がどのように戦況に影響を与えるのか、常に油断できない緊張感が漂っている 。

闇派閥の執念が牙を剥き、多くの喪失や苦い思いが描かれる過酷な巻であったが、だからこそ仲間同士の絆がより際立っていたように思う 。絶望の淵で見せる彼らの決意や人間関係の深まりこそが、本作の大きな魅力であると改めて実感させられた。読み終えたあとは、ひどい悪夢からようやく目覚めた時のような、強烈な余韻に包まれる作品であった。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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ソード・オラトリア 6レビュー
ソード・オラトリア 8レビュー

考察・解説

タナトスと人造迷宮

本記事では、タナトスの思想や眷族への扱い、そして拠点となる人造迷宮クノッソスの全貌とそこでの動きについて解説する。

タナトスと思想、眷族への扱い

タナトスは「死」を司る神であり、かつてオラリオを混乱に陥れた闇派閥(イヴィルス)の残党を率いる主神である。天界では子供たちの魂を漂白して生まれ変わらせる真面目な仕事神であったが、ダンジョンが封じられた現在の下界は「生」が溢れすぎていると考えている。そのため、モンスターが地上で暴れ回っていた「古代」の良き時代に戻すことを望み、迷宮都市オラリオの破壊を企てている。

彼が率いる眷族や同盟関係の特徴は以下の通りである。

  • 計画が成就した暁には、来世で死に別れた大切な人と一緒に転生させるという契約を眷族と結んでいる。
  • 人々が抱える死への悲しみを利用したこの約束により、眷族たちはタナトスを狂信し、自爆をも厭わない死兵として使役されている。
  • 都市の破壊者と呼ばれる謎の存在エニュオや、レヴィスら怪人たちと同盟を結んでいる。
  • タナトス自身もエニュオの正体は知らないと語っている。

人造迷宮クノッソスの全貌

人造迷宮クノッソスは、複雑怪奇な迷宮街「ダイダロス通り」の地下に広がる巨大な要塞である。これは名工ダイダロスの血族が千年来建造を続けている作品であり、現在は瞳に「D」の記号を持つバルカなどが管理している。

迷宮の構造や仕掛けは極めて悪辣である。

  • 通路の壁は超硬金属のアダマンタイト、各所を塞ぐ扉は最硬金属のオリハルコンで構築されている。
  • 異常な硬度を誇るため、第一級冒険者であっても破壊による強行突破や脱出は極めて困難である。
  • 内部には食人花や新種のモンスターが徘徊し、落とし穴や火炎石による炎流の罠などが張り巡らされている。
  • これらの扉や罠は、迷宮の奥深くにある台座の大紅玉を通じて、バルカの手によって遠隔操作される仕組みになっている。

迷宮におけるタナトスと協力者たちの動き

タナトスと闇派閥の残党は、この人造迷宮クノッソスを拠点として活動している。ロキ・ファミリアが迷宮の入り口を発見して迫った際、タナトスはバルカに対し、「資金繰りが上手くいかなくなる」「ご先祖様の迷宮が作れなくなるかもしれない」と説得し、侵入者を罠にかけるよう依頼した。

また、規格外の迷宮の建造やモンスターの密輸には莫大な資金が必要であり、タナトスたちは外部からの投資を受けていた。

  • 歓楽街を支配する女神イシュタルから多額の資金援助を受けていた。
  • ロキ・ファミリアが迷宮の罠にかけられ分断されている最中、イシュタルが突如として視察に訪れた。
  • イシュタルは投資の見返りとして、迷宮内に隠されていた精霊の分身(天の雄牛)の解放を要求した。
  • タナトスは怪人側の「まだ使うな」という制止を押し切り、圧倒的な力と雷の付与魔法を操るこの怪物を迷宮内に解き放った。

まとめ

タナトスは「死」を司る神としての使命感から、死後への救済を餌に眷族を狂信させ、堅牢な人造迷宮クノッソスを拠点として都市の破壊を企図している。怪人や名工の末裔、さらには多額の投資を行うイシュタルといった協力者たちを利用し、強大な精霊の分身を解き放つなど、オラリオに甚大な脅威をもたらしている。

ロキ・ファミリアの敗北

『ソード・オラトリア』第7巻において、都市最大派閥である【ロキ・ファミリア】は、ダイダロス通りの地下に広がる人造迷宮「クノッソス」に侵入するが、敵の周到な罠にはまり甚大な被害を出し、明確な「敗北」を喫することになる。

迷宮の罠と分断

彼らを敗北に追い込んだ最大の要因は、超硬金属アダマンタイトの壁と最硬金属オリハルコンの扉で構成された、難攻不落の人造迷宮そのものであった。迷宮の管理者であるバルカが、台座の紅玉を用いて「扉」や「落とし穴」を遠隔操作したことで、ロキ・ファミリアのパーティは完全に分断されてしまう。

幹部陣の壊滅的被害

分断された彼らは、迷宮の各所で各個撃破の危機に陥る。

  • フィン:団長であるフィンは、怪人レヴィスの急襲を受け、治癒を無効化する呪詛の込められた黒剣で斬られ、致命傷を負って戦線離脱してしまう。
  • アイズ:レヴィスと一騎打ちになるが、劇的に強化されていた彼女の前に剣を弾き飛ばされ、風の鎧ごと斬り裂かれて重傷を負わされる。
  • ベート:呪術師ディックスによる超短文詠唱「迷暴呪詛」を受け、仲間やモンスターが見境なく殺し合う狂乱の戦場に放り込まれる。
  • ティオネ、ティオナ、ガレス:ティオネは暗殺者たちから呪詛と異常魔法の集中攻撃を受け、ティオナは毒妖蛆(ポイズン・ウェルミス)の劇毒の雨を浴び、ガレスは退路を断たれた上で火炎流の罠に呑み込まれた。

決死の合流と撤退

絶体絶命の状況下、アイズが命を燃やして迷宮全体に莫大な「風」を放つ。この不自然な風の気流を道標として、散り散りになった仲間たちは合流を果たした。しかし、そこでタナトスとイシュタルの思惑により解放された規格外の怪物「精霊の分身(天の雄牛)」が立ち塞がる。
ガレス、ティオネ、ティオナが殿を務めて満身創痍でこれを撃破し、迷宮の外部からリヴェリアが救出に駆けつけたことで、ロキ・ファミリアはどうにか迷宮からの脱出に成功した。

まとめ

なんとか生還を果たしたものの、この戦いで治療師のリーネを含む7名の死者・行方不明者を出すという、かつてない甚大な被害を受けた。
ガレスとロキは、最硬金属の扉のせいでまともに迷宮を進めなかったこと、そして多くの子供たちを死なせてしまった事実を重く受け止め、「僕等の負けじゃ」と明確な敗北を認める。
攻略には迷宮を自在に進むための「鍵」が不可欠であると痛感したロキは、一時進攻を中止して「鍵」の探索と情報収集に専念することを決め、敵対勢力に対する本格的な「戦争」を誓うのであった。

怪人レヴィスとの死闘

アイズ・ヴァレンシュタインと怪人レヴィスとの間には幾度にもわたる死闘が繰り広げられており、その戦いは回を追うごとに熾烈さを増していく。

18階層および24階層での激突

二人の因縁は、18階層「リヴィラの街」で起きた殺人事件から始まる。

  • 肉の皮で変装していたレヴィスは、アイズが放った風の魔法(エアリエル)を見て彼女を「アリア」と呼び、激しい一騎打ちを繰り広げた。
  • この時はフィンとリヴェリアの巧みな連携による介入があり、劣勢を悟ったレヴィスは湖へと飛び込んで撤退した。
  • 続く24階層の「食料庫」での再戦では、レヴィスは禍々しい赤い生体剣を使用し、交刃の中でアイズがLv.6に昇格していることを見抜く。
  • この戦いでは風を纏ったアイズが押し勝つが、レヴィスは瀕死となった同胞(白髪鬼オリヴァス)の胸から魔石を抉り取って喰らうことで自らを強化し、アイズに「50階層へ行け」と言い残して姿を消した。

人造迷宮クノッソスでの死闘

第7巻の人造迷宮クノッソスにおいて、二人の戦いはかつてないほど凄惨なものとなる。

  • 無数の魔石を喰らったレヴィスは、Lv.7を超える規格外の「強化種」へと変貌していた。
  • 彼女はまず、十字路でフィンを急襲し、不治の呪詛が込められた黒剣で小人族の勇者に致命傷を負わせ、彼を戦闘不能に追い込んだ。
  • その後、かつて「宝玉の胎児」が保管されていた不気味な実験室で、アイズと対峙する。
  • レヴィスはフィンの折れた槍の穂先をアイズの足元に投げ捨て、彼を殺したと告げることでアイズを激昂させた。
  • 怒りのままに全力の斬撃を放つアイズであったが、劇的に強化されていたレヴィスはそれを容易く弾き返した。
  • 圧倒的な力と速度の前にアイズは防御を崩され、ついには風の鎧ごと体を斬り裂かれる致命的な一撃を受けてしまう。

仲間の結集と反撃

敗北寸前に追い込まれ、心身ともに限界を迎えたアイズであったが、仲間たちを守るという強い思いから再び立ち上がる。

  • 彼女は自らの命を燃やすように莫大な「風」を迷宮全体に放ち続け、レヴィスの猛攻をひたすら防ぎながら時間を稼いだ。
  • そして、この限界を超えた「風」の嘶きを道標として、迷宮で分断されていた仲間たちがアイズのもとへ駆けつける。
  • 最初に突入したベートが風を纏った銀靴でレヴィスの剣を弾き飛ばした。
  • 続いてティオネが怒涛の連撃を見舞い、ティオナが大双刃《ウルガ》でレヴィスの右腕を切断した。
  • 最後にガレスの剛拳が炸裂して彼女を壁へと殴り飛ばした。

まとめ

直後に超硬金属の壁を破って「精霊の分身(天の雄牛)」が乱入してきたため、レヴィスは瓦礫の奥へと姿を消し、アイズたちは間一髪で窮地を脱することになる。

呪詛と分断の罠

『ソード・オラトリア』第7巻における人造迷宮「クノッソス」の探索において、【ロキ・ファミリア】をかつてない絶望的な状況に追い込んだ最大の要因が、敵の周到な「分断」と「呪詛(カース)」を組み合わせた複合的な罠である。

分断の罠:各個撃破の戦術

迷宮の管理者であるバルカは、台座にある大紅玉を通じて迷宮内の仕掛けを遠隔操作し、冒険者たちを罠にかけた。

  • 最硬金属オリハルコンの扉を不意に落下させたり、大広間の床を丸ごと開いて巨大な落とし穴を発動させたりすることで、侵入してきたロキ・ファミリアのパーティを散り散りに分断した。
  • バルカの狙いは「獲物を群れから引き離し、仕留める」という狩りの基本を実践することであった。
  • 互いを補完し合うことで真価を発揮する冒険者の強みを奪い、孤立させることで確実に葬り去ろうとしたのである。

呪詛(カース)による弱体化と混乱

分断され孤立した幹部たちに対して、敵はさらに悪辣な「呪い」を用いて各個撃破を図った。

  • フィンを襲った不治の呪詛:団長のフィンは、怪人レヴィスの急襲を受けた。彼女が使用した漆黒の長剣は呪術師によって作られた「呪道具(カースウェポン)」であり、治癒不可能となる「不治の呪い」が込められていた。この呪いにより、回復薬や治癒魔法をいくら使用しても傷が塞がらず、フィンは致命的な失血状態へと追い込まれた。
  • ティオネへの弱体化の呪詛:孤立したティオネを襲撃した闇派閥の暗殺者集団は、全員が呪いと異常魔法の使い手であった。彼らはティオネに対して「呪詛」と「異常魔法」を幾重にも重ねがけして強烈な倦怠感を付与し、彼女の能力を大幅に低下させ、武器を弾き飛ばすほどに弱体化させた。
  • ベートを狙った迷暴呪詛:ベートの前に現れた呪術師ディックスは、超短文詠唱によって「迷暴呪詛(フォベートール・ダイダロス)」という術を放った。これは対象を錯乱させ、敵味方の見境なく殺し合いをさせる狂乱の呪いであった。ベート自身は反射的に回避したものの、呪いを受けた味方の団員たちは暴走し、同士討ちの危機に陥る。ベートはこれに対処するため、あえて自らの手で味方を気絶させるという荒業を強いられた。

まとめ

人造迷宮の異常な硬度を誇る壁や扉を利用した「分断」と、個人の力を削ぎ落とし同士討ちすら誘発する「呪詛」の組み合わせは、集団戦を得意とする都市最大派閥の強みを完全に封じ込める、極めて恐ろしい罠であった。

英雄を求める神々

『ソード・オラトリア』において、「英雄を求める」というテーマは、神々の思惑や行動の根底にある重要な要素として描かれている。

神々が英雄を求める理由

神々が英雄を求める最大の理由は、下界に迫る未曾有の脅威に対抗するためである。オラリオが直面している状況は以下の通りである。

  • 未だ討伐されていない三大冒険者依頼の最後の一つ「隻眼の黒竜」が迫っている。
  • それに匹敵し得る「穢れた精霊」といった強大な厄災が存在する。
  • 現場の戦力では駒が足りず、これらの脅威に打ち勝つための決定的な「切り札」が必要不可欠であるとヘルメスは強く認識していた。

ヘルメスの暗躍と試練の創出

そのため、ヘルメスは自らが望む神意を遂げるべく裏で暗躍している。彼の行動とその真意は次のようなものである。

  • イシュタルとフレイヤの抗争を巧みに誘導し、不穏分子を排除する。
  • 過酷な状況の中で「英雄」が誕生するための試練を意図的に作り出す。
  • 燃え盛る歓楽街の戦場を見下ろし、「神も人も、そしてあんな一人の女の子だって求めている。みんなそうさ」と語り、世界が求めるものの中心には「英雄」があると断言する。
  • 闇を打ち払う白き光となり、いつか約束の時代を担う「最後の英雄」の出現を強く切望し、神託めいた言葉を残している。

必要悪としての「邪神」たち

また、こうした「英雄の創出」を目的としていた神はヘルメスだけではない。闇派閥を率いるタナトスの口からも、以下の事実が語られている。

  • かつてオラリオを混乱に陥れギルドから「邪神」と呼ばれた神々の中に、「英雄のために必要悪になろうとした神」が存在していた。
  • 彼らは単なる愉快犯や快楽主義ではない。
  • あえて圧倒的な試練と悪意を世界に与えることで、それを乗り越える真の英雄が下界の子供たちの中から生まれることを期待していた側面があった。

まとめ

このように、神々は時に冷酷な試練を与え、陰謀をめぐらせながらも、世界の危機を救う希望となる「英雄」の誕生を心から待ち望んでいるのである。

ソード・オラトリア 6レビュー
ソード・オラトリア 8レビュー

登場キャラクター

ロキ・ファミリア

ロキ

本作に登場する神であり、ロキ・ファミリアの主神。好戦的な性格を持ち、都市の平和を脅かす存在に対して強い怒りを抱いている。

・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア・主神。

・物語内での具体的な行動や成果
 ディオニュソス、ヘルメスと密会して情報を共有し、ダイダロス通りの調査を指示した。迷宮内での敗退後には、外部からリヴェリアに救出の指示を出した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 人造迷宮での被害を受け、闇派閥の残党との全面対決を決意した。

フィン

小人族の勇者であり、派閥をまとめる冷静な指揮官。類まれな判断力を持ち、団員たちから厚い信頼を寄せられている。

・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア・団長。第一級冒険者。

・物語内での具体的な行動や成果
 人造迷宮の探索を指揮したが、レヴィスの急襲を受けて致命傷を負った。倒れながらもラウルに部隊の指揮を託し、全滅の危機を回避させた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 レヴィスの呪詛を受けたことで、魔法や道具による治療が効かない状態に陥った。

リヴェリア・リヨス・アールヴ

エルフの王族であり、冷静沈着な態度で部隊を支える存在。魔法による強力な支援能力を持つ。

・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア・副団長。

・物語内での具体的な行動や成果
 人造迷宮の外部で待機し、魔法円を用いて内部の探索を行った。レフィーヤが残した杖の魔力を探知し、迷宮内に侵入して部隊の救出を果たした。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 広範囲の探知と強力な攻撃魔法により、部隊の生還に不可欠な役割を担った。

ガレス

ドワーフの大戦士であり、豪快な性格を持つ。迷宮壁を素手で破壊するほどの圧倒的な力を持つ。

・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア・首脳陣。

・物語内での具体的な行動や成果
 落とし穴に落ちた後、ティオナやティオネを率いて敵と交戦した。精霊の分身との戦闘では殿を務め、強引な接近戦で敵の撃破に貢献した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 火炎流の罠から仲間を守るなど、強靭な肉体による防御と破壊力で戦局を支えた。

アイズ

金髪金眼の少女であり、強さをひたすらに求める剣士。強力な風の付与魔法を操る。

・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア。第一級冒険者。

・物語内での具体的な行動や成果
 落とし穴から単独で脱出し、実験室でレヴィスと交戦した。窮地に陥るものの、莫大な風の魔法を放ち、分断された仲間たちを合流へと導いた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼女の放った風が迷宮の構造を無効化する道標となり、仲間を救う決定的な要因となった。

ティオネ

アマゾネスの戦士であり、フィンに対して強い好意を抱いている。短気な面があるものの、戦闘では高い実力を発揮する。

・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア。第一級冒険者。

・物語内での具体的な行動や成果
 ダイダロス通りで道標を逆利用する探索案を提示した。迷宮内では襲撃してきた暗殺者集団を単身で圧倒し、精霊の分身との戦いでも奮闘した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 スキルである憤化招乱の効果により、怒りに比例して攻撃力を飛躍的に上昇させた。

ティオナ

アマゾネスの少女であり、天真爛漫で明るい性格の持ち主。大双刃を操る力強い戦士である。

・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア。第一級冒険者。

・物語内での具体的な行動や成果
 毒妖蛆の群れから仲間を守るため、大双刃を回転させて防壁を作り上げた。精霊の分身との戦闘では、渾身の一撃で敵の下半身を切断した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 猛毒を受けながらも戦い抜くほどの頑強さを示した。

レフィーヤ

エルフの少女であり、ベルの成長に対して強い対抗心を燃やしている。魔法の扱いに長けている。

・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア・魔導士。

・物語内での具体的な行動や成果
 フィルヴィスと共に迷宮内で孤立したが、外部への出入口を発見した。氷結魔法で扉を固定した後、仲間を救うために迷宮へ戻る決断を下した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 召喚魔法によってリヴェリアの強力な魔法を使用し、道標となる杖を残して仲間の救出に貢献した。

ベート

狼人の青年であり、口が悪く好戦的な性格を持つ。高い戦闘能力で前衛を担う。

・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア。第一級冒険者。

・物語内での具体的な行動や成果
 地下水路で食人花の臭いを察知し、迷宮の入り口を発見した。ディックスの呪詛を防ぐため、あえて味方を気絶させて敵を圧倒した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 レベル6に昇格しており、単独で戦局を打開する実力を見せた。

ラウル・ノールド

ヒューマンの青年であり、凡庸ながらも責任感を持つ。偉大な先達に追いつけないと自覚しつつも足掻き続ける。

・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア・第二軍。

・物語内での具体的な行動や成果
 フィンが倒れた後、部隊の指揮を引き継いだ。魔法の粉を用いて敵をモンスターに襲わせる作戦を成功させ、ヴァレッタから鍵を奪いかけた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 極限状況でリーダーシップを発揮し、フィンから立派な冒険者であると認められた。

アキ(アナキティ)

猫人の少女であり、冷静な判断力を持つ。ラウルを精神的にも実務的にも支える役割を果たす。

・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア・第二軍。

・物語内での具体的な行動や成果
 迷宮内で敵の習性を見抜き、ラウルの作戦立案を補佐した。戦闘では暗殺者集団と交戦し、ヴァレッタへの攻撃に参加した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼女の洞察力が部隊の危機を脱する鍵となった。

クルス

犬人の青年であり、無口な性格。前衛として部隊を支える。

・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア・第二軍。

・物語内での具体的な行動や成果
 人造迷宮に侵入した際、扉の奥への偵察任務を行った。落とし穴に落ちた後は、ティオネと共に暗殺者集団と交戦した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

リーネ

ヒューマンの少女であり、治療師を務める。ベートに対して好意を抱いている。

・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア・治療師。

・物語内での具体的な行動や成果
 迷宮内で負傷した仲間を治療し、励まし続けながら撤退行動を支えた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 迷宮からの脱出中にヴァレッタの襲撃を受け、命を落とした。

アリシア

エルフの少女であり、部隊の支援活動を行う。

・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア。

・物語内での具体的な行動や成果
 リヴェリアの指示を受けて地図を用意した。迷宮の入り口が確保された後、負傷者を運び出す作業を行った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

エルフィ

少女の魔導士。後衛からの魔法攻撃を担当する。

・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア・魔導士。

・物語内での具体的な行動や成果
 毒妖蛆の群れから逃れ、ティオナの作った防壁の裏から火炎魔法を放った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ラクタ

兎人の青年であり、下位団員。

・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア・下位団員。

・物語内での具体的な行動や成果
 迷宮内でベートに随伴した。ディックスの放った呪詛の直前で、ベートによって強引に気絶させられた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ナルヴィ

少女の団員。双剣を扱う。

・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア。

・物語内での具体的な行動や成果
 落とし穴に落ちた後、ガレスと共に行動した。火炎流の罠からガレスの庇護を受けて生き延びた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

オルバ

男性団員であり、サポーターを務める。

・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア・サポーター。

・物語内での具体的な行動や成果
 暗殺者集団の襲撃時、ティオネの指示を受けて魔石灯を点灯させた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

シンシア

少女の団員。

・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア。

・物語内での具体的な行動や成果
 ティオナの指示に従い、毒妖蛆の群れから退避した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

アークス

ヒューマンの団員。

・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア。

・物語内での具体的な行動や成果
 迷宮内で毒妖蛆の劇毒を受け、動けなくなった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ロイド

派閥の団員。

・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア。

・物語内での具体的な行動や成果
 人造迷宮の探索に参加したが、行方不明者あるいは死者として名が挙げられた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

クレア

派閥の団員。

・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア。

・物語内での具体的な行動や成果
 人造迷宮の探索に参加したが、行方不明者あるいは死者として名が挙げられた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

アンジュ

派閥の団員。

・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア。

・物語内での具体的な行動や成果
 人造迷宮の探索に参加したが、行方不明者あるいは死者として名が挙げられた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

リザ

派閥の団員。

・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア。

・物語内での具体的な行動や成果
 人造迷宮の探索に参加したが、行方不明者あるいは死者として名が挙げられた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

カロス

派閥の団員。

・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア。

・物語内での具体的な行動や成果
 人造迷宮の探索に参加したが、行方不明者あるいは死者として名が挙げられた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

レミリア

派閥の団員。

・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア。

・物語内での具体的な行動や成果
 人造迷宮の探索に参加したが、行方不明者あるいは死者として名が挙げられた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

タナトス・ファミリア / 闇派閥(イヴィルス)

タナトス

闇派閥の主神であり、死を司る存在。退廃的で妖艶な外見を持つが、軽薄な態度を見せることがある。

・所属組織、地位や役職
 タナトス・ファミリア・主神。

・物語内での具体的な行動や成果
 地下の石室で新たな眷族に洗礼を施した。イシュタルと密会し、精霊の分身を解放する要求を受け入れた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 来世での再会を約束することで、眷族を自爆兵として使役している。

ヴァレッタ・グレーデ

ヒューマンの女であり、過去の因縁からフィンに対して強烈な復讐心を抱く。残忍な性格の持ち主。

・所属組織、地位や役職
 闇派閥の主要幹部。レベル5。

・物語内での具体的な行動や成果
 フィンを罠にかけ、迷宮内で執拗に追撃した。ラウルたちの奇策によって鍵となる魔道具を失い、撤退中のリーネたちを奇襲した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 かつて引き起こした事件で死を偽装し、地下で生き延びていた。

レヴィス

赤髪と緑の双眼を持つ怪人の女。アイズを殺すことに強い執着を持つ。

・所属組織、地位や役職
 怪人。

・物語内での具体的な行動や成果
 人造迷宮でフィンを急襲し、重傷を負わせた。実験室でアイズを追い詰めるが、合流したロキ・ファミリアの幹部たちから反撃を受けた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 魔石を喰らうことでレベル7を超える力を得ており、高い自己再生能力を持つ。

バルカ

ヒューマンの男であり、名工ダイダロスの血を引く。迷宮の完成に執念を燃やす陰気な人物。

・所属組織、地位や役職
 人造迷宮クノッソスの管理者。

・物語内での具体的な行動や成果
 広間の床を開き、ガレス達を落とし穴へと落とした。台座を通じて迷宮の扉を遠隔操作し、冒険者を分断して追い詰めた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 扉の操作権限を有していたが、アイズの風の魔法によって制御を無効化された。

ディックス

ヒューマンの男であり、バルカの兄弟。粗暴な性格で、闘争を楽しむ傾向がある。

・所属組織、地位や役職
 呪術師。レベル5。

・物語内での具体的な行動や成果
 超短文詠唱によってベートたちに迷暴呪詛をかけ、同士討ちを狙った。肉薄してきたベートに圧倒され、迷宮の奥へ逃走した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 対象を錯乱させる特異な呪詛を使用する。

トリス

ヒューマンの男であり、狂信的な態度を見せる。

・所属組織、地位や役職
 闇派閥の残党の頭目。

・物語内での具体的な行動や成果
 ガレス達を迷路の奥へ追い込み、火炎石を用いて自爆した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

オリヴァス

「白髪鬼」と呼ばれる人物。過去の事件で重要な役割を果たした。

・所属組織、地位や役職
 闇派閥の残党。

・物語内での具体的な行動や成果
 過去の事件でヴァレッタたち幹部の死の偽装に加担したことが語られた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 直接の登場はない。

エニュオ

都市の破壊者と呼ばれる謎の存在。闇派閥を裏で操っているとされる。

・所属組織、地位や役職
 不明。

・物語内での具体的な行動や成果
 レヴィス達の計画を主導しているとされる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 タナトスですらその正体や姿を知らない。

ディオニュソス・ファミリア

ディオニュソス

ロキ、ヘルメスと同盟を結ぶ男神。ウラノスに対して強い警戒心を抱いている。

・所属組織、地位や役職
 ディオニュソス・ファミリア・主神。

・物語内での具体的な行動や成果
 密会に参加して情報を共有し、ヘルメスの動向に注意を促した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

フィルヴィス・シャリア

エルフの少女。生真面目で人見知りが激しいが、レフィーヤを強く案じている。

・所属組織、地位や役職
 ディオニュソス・ファミリア。魔法剣士。

・物語内での具体的な行動や成果
 主神の指示でロキ・ファミリアに同行し、迷宮内でレフィーヤを守りながら戦った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 過去の事件の生還者であり、仲間を見捨てることに強い抵抗感を持っている。

ヘルメス・ファミリア

ヘルメス

飄々とした態度の男神。独自の目的を持ち、事態の裏で暗躍する。

・所属組織、地位や役職
 ヘルメス・ファミリア・主神。

・物語内での具体的な行動や成果
 イシュタル・ファミリアの調査を引き受けた。歓楽街の抗争を高いところから傍観し、意味深な言葉を残した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 世界に最後の英雄を求めており、そのために事態を操作していることが示唆された。

ルルネ

犬人の少女。主神の気まぐれに振り回されている。

・所属組織、地位や役職
 ヘルメス・ファミリア。

・物語内での具体的な行動や成果
 ヘルメスの護衛として密会に同席した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

アスフィ・アル・アンドロメダ

ヘルメスの従者。主神の真意を測りかねている。

・所属組織、地位や役職
 ヘルメス・ファミリア。

・物語内での具体的な行動や成果
 歓楽街の騒乱の最中、ヘルメスの意図を問い詰めた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

イシュタル・ファミリア

イシュタル

歓楽街を支配する美の女神。嫉妬深く、フレイヤを敵視している。

・所属組織、地位や役職
 イシュタル・ファミリア・主神。

・物語内での具体的な行動や成果
 闇派閥に投資し、精霊の分身を解放させた。しかし、フレイヤ・ファミリアに本拠地を急襲され、窮地に陥った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 都市内でも屈指の大派閥を率いていたが、不意打ちにより計画を全て潰された。

タンムズ

青年の従者。

・所属組織、地位や役職
 イシュタル・ファミリア。

・物語内での具体的な行動や成果
 イシュタルの護衛として人造迷宮に同行した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ヘスティア・ファミリア

ヘスティア

炉の女神。ペニアから借金女神と評されている。

・所属組織、地位や役職
 ヘスティア・ファミリア・主神。

・物語内での具体的な行動や成果
 アポロン・ファミリアとの戦争遊戯に勝利したことが語られた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 直接の登場はない。

ベル・クラネル

白髪の少年。異例の速度で成長を遂げている。

・所属組織、地位や役職
 ヘスティア・ファミリア。

・物語内での具体的な行動や成果
 1ヶ月でレベル3に昇格し、ロキ・ファミリアの団員たちを驚愕させた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 レフィーヤの強い対抗心の対象となっている。直接の登場はない。

その他の神々・キャラクター

ウラノス

ギルドの管理機関の主神。

・所属組織、地位や役職
 ギルド。

・物語内での具体的な行動や成果
 ヘルメスと繋がっているとされ、ディオニュソスから不信感を抱かれている。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 直接の登場はない。

ペニア

貧窮を司る老婆の女神。神々からも嫌われる存在だが、独自の真理を説く。

・所属組織、地位や役職
 なし。

・物語内での具体的な行動や成果
 ダイダロス通りで信徒から金品を集め、貧民に分け与えていた。ロキの質問に対しては協力を拒否した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 迷宮街の顔役のような立場にある。

ニョルズ

漁神。

・所属組織、地位や役職
 なし。

・物語内での具体的な行動や成果
 過去に似顔絵の男と地下水路で接触した情報を提供した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 直接の登場はない。

アポロン

神の一柱。

・所属組織、地位や役職
 アポロン・ファミリア・主神。

・物語内での具体的な行動や成果
 ヘスティア・ファミリアとの戦争遊戯で敗北したことが語られた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 直接の登場はない。

ヒュアキントス

冒険者。

・所属組織、地位や役職
 アポロン・ファミリア。

・物語内での具体的な行動や成果
 第二級冒険者としてベルと戦ったことが示唆された。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 直接の登場はない。

フレイヤ

美の神。イシュタルから敵視されている。

・所属組織、地位や役職
 フレイヤ・ファミリア・主神。

・物語内での具体的な行動や成果
 過去にフィンと共に闇派閥を攻撃した。歓楽街のイシュタルの本拠地を急襲した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 直接の登場はない。

カーリー

戦神。

・所属組織、地位や役職
 カーリー・ファミリア・主神。

・物語内での具体的な行動や成果
 イシュタルの同盟相手として言及された。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 直接の登場はない。

ガネーシャ

神の一柱。

・所属組織、地位や役職
 ガネーシャ・ファミリア・主神。

・物語内での具体的な行動や成果
 過去にフィンと共に闇派閥を攻撃したことが語られた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 直接の登場はない。

ソード・オラトリア 6レビュー
ソード・オラトリア 8レビュー

展開まとめ

プロローグ◆ Villains

タナトスの眷族への儀式

地下の石室には、頭巾とローブで身を包んだ多くの者たちが集まり、秘密教団のような異様な熱気を帯びていた。中央の祭壇には、鉄と青銅の心臓、死神の鎌を思わせる黒い片翼の徽章が掲げられ、その前では高位のローブの男が新たな同胞への祝福を願っていた。そこに現れた男神タナトスは、妖艶で退廃的な姿をまとい、願いを叶えてほしいと縋るエルフの女に対し、自らの神意に殉じるなら誓いを果たすと告げた。

エルフの女が背をさらすと、タナトスは指から落とした血で神の恩恵を授け、神聖文字を刻んで新たな眷族を誕生させた。そのうえで、集まった眷族たちにも約束の日が来れば全ての願いを成就させると宣言したため、場内は熱狂に包まれた。眷族たちは歓喜し、涙を流しながら神名を叫び続け、タナトスはその様子を見下ろしながら笑みを浮かべた。

タナトスの素顔とヴァレッタとの会話

儀式を終えたタナトスは、眷族たちを残して暗い通路へ向かった。そこで待っていたのは、怪物の毛皮付きの長外套を羽織ったヒューマンの女ヴァレッタであった。彼女が神らしい振る舞いをからかうと、タナトスはたちまち威厳を崩し、軽薄で気だるい本来の様子を見せた。表向きには神として振る舞っていても、その演技は組織を保つために必要なものであり、大きくなった集団をまとめる苦労を漏らしていた。

ヴァレッタはその事情を理解しつつも、神が前面に立たなければ眷族たちを説得できないと冷静に返した。こうして両者のやり取りから、タナトスの眷族集団が熱狂だけで支えられているのではなく、神の演出と支配によって成り立っていることが明らかになった。

レヴィスの来訪とロキ・ファミリア迎撃の方針

その場に、赤髪と緑の双眸を持つ怪人レヴィスが現れた。彼女は仮面からの伝言として、まもなくロキ・ファミリアがやって来ると告げた。これに対しタナトスは、やはり来るのかと受け止めつつ、地下側の意向を尋ねた。レヴィスは、敵を住処へ誘き出して閉じ込め、アリア以外は殺せという方針を伝えた。アリアとは剣姫のことであり、レヴィス自身はそのアリアを始末すると断言した。

その言葉には強い執着と殺意がこもっており、レヴィスの存在感は以前よりも桁違いに増していた。タナトスは彼女の条件を受け入れつつ、ロキ・ファミリアがあまりにも強敵であるため協力を求めたが、レヴィスは自分たちで対処しろと突き放した。ただし、地上で動く以上、精霊たちの存在が露見する危険を指摘されると完全には拒まず、アリアを自分が仕留めることを条件に話を聞く姿勢を見せた。

ヴァレッタとタナトスの因縁の確認

レヴィスが去った後、ヴァレッタは自分は勇者を殺すと強く言い放った。彼女にもまた深い因縁があることが示され、タナトスはそれを了承した。ロキ・ファミリアへの迎撃は、単なる防衛ではなく、それぞれが抱える執着と報復の意思を伴うものとなっていた。タナトスはさらに、バルカも呼んでおくように伝え、戦いに向けて戦力を整え始めた。

暗い通路の先で作業する男

場面は、暗い通路の奥で響く金属音へと移った。そこでは、剣と杭を使う男が延々と穴を掘り続けていた。男の手は血糊に汚れ、左眼を長い前髪で隠し、右眼の下には大きな隈が浮かんでいた。肌は地上の光を忘れたように白く、その姿は人形のように生気を欠いていた。

この男は何かに取り憑かれたかのように、ただ黙々と作業を繰り返していた。その描写によって、タナトスたちが進めている計画がすでに水面下で着々と進行しており、ロキ・ファミリアを迎え撃つための準備が地下で静かに整えられていることが示された。

一章 ◆迷宮都市の今

ベルの急成長に揺れるロキ・ファミリア

迷宮都市オラリオでは、ヘスティア・ファミリアとアポロン・ファミリアによる戦争遊戯の余熱が冷めやらぬ中、新たな報せが冒険者たちを震撼させていた。ベル・クラネルがわずか一ヶ月でLv.3へ到達したという情報である。この異例の昇格は都市全体に衝撃を与え、ロキ・ファミリアの本拠でも団員たちが騒然としていた。

大食堂ではベートが情報紙を握り潰し、ティオナが興奮して内容を確かめようと迫る中、アイズやティオネ、団員たちが集まり、驚愕と関心をもってその話題を共有していた。弱小派閥による戦争遊戯での勝利という大番狂わせに加え、この急成長が重なり、ベルという存在は一躍都市の中心的話題となっていた。

幹部陣によるベルの評価と分析

ティオナは素直にベルの成長を喜び、アイズもその成果に強い関心を示していた。一方でリヴェリアは、この昇格は単なる努力だけでは説明がつかず、未知の発展アビリティやレアスキルの可能性を指摘した。フィンもまた、特別な力だけでなく実力が伴っていなければ猛牛や強敵を倒すことはできないと評価した。

団員たちの間でも、かつてベルに対して悪感情を抱いていた者たちが、格上相手に渡り合った実績を前に認識を改めつつあった。ロキ・ファミリアの中でも、最速新人の存在は無視できないものとなっていた。

レフィーヤの焦燥と対抗心の覚醒

一方でレフィーヤは、この報せに強い衝撃を受けていた。自身がLv.3に至るまで二年を要したのに対し、ベルは短期間で同じ領域に到達していたためである。港街メレンから帰還した直後の出来事であり、彼女にとっては状況の変化があまりにも急激であった。

戦争遊戯の記事に掲載されたベルの似顔絵を前に、レフィーヤは悔しさと焦りを抑えきれず、ついには自らの負けを認めるかのように本音を吐露した。そのままでは追い抜かれるという危機感に駆られ、彼女は対抗意識を燃やしながら更なる成長を誓った。

その鬼気迫る様子に周囲の団員たちは距離を取り、ティオナやアイズも彼女の心情を察して静観する姿勢を取った。レフィーヤは強さを求める者としての覚悟を新たにしていた。

今後の方針と新たな調査任務

騒然とする団員たちの中で、ティオネは団長フィンに今後の方針を尋ねた。ロキ・ファミリアが港街メレンへ向かった目的は、ダンジョンの第二出入口の探索と闇派閥残党および穢れた精霊の動向を追うためであったが、その手がかりは得られていなかった。

フィンは主神ロキから近く指示が出ると見込みつつ、次の行動として「ダイダロス通り」の調査が行われる可能性を示唆した。こうして、ベルの急成長による動揺の中でも、ロキ・ファミリアは次なる脅威に備え、調査と行動を進めようとしていた。

ダイダロス通りへの疑念の集中

ロキは密会の場で、怪しい場所として残されたのがダイダロス通りのみであると断定した。ディオニュソスとヘルメスもまた、ここ三週間にわたり都市中を探らせた結果、他に有力な手がかりが見つからなかったことを報告し、同様の結論に至っていた。

ダイダロス通りは名工が造り上げた迷宮のような区域であり、地上のダンジョンとも呼ばれる特異な場所であった。その全貌はいまだ把握されておらず、さらに怪物祭が行われた都市東部に近接していることから、ダンジョン第二の出入口が隠されている可能性が高いと判断された。こうして三柱の神々は、次の調査目標をダイダロス通りに定めた。

港街で得られた新たな手がかり

ロキは港街メレンでの調査結果についても共有した。カーリー・ファミリアは事件と無関係であったが、二つの重要な情報が得られていた。一つはニョルズが取引を行った謎のヒューマンの男の存在、もう一つは食人花の運搬に関与していたイシュタル・ファミリアである。

ニョルズは地下水路でその男と接触したと証言しており、その人物は陰気で異様な雰囲気を持つ存在であった。似顔絵からも、何かに取り憑かれたような印象が読み取れ、事件の核心に関わる手がかりであると考えられた。

イシュタル・ファミリアという障害

イシュタル・ファミリアは歓楽街を支配する大派閥であり、その影響力は都市内でも極めて大きかった。戦闘娼婦をはじめとする戦力だけでなく、歓楽街に関わる多数の勢力を背後に抱えているため、迂闊に敵対すれば大規模な抗争に発展する危険があった。

さらにイシュタル自身が策略に長けていることもあり、単純な調査では済まない厄介な相手と認識されていた。ロキもその扱いに頭を悩ませており、慎重な対応が求められる状況であった。

ヘルメスの介入と独自行動

この状況に対し、ヘルメスは自らイシュタルの調査を引き受けると申し出た。すでに依頼を受けている立場を利用すれば、疑われることなく内部に入り込めると説明し、そのまま行動に移った。

護衛のルルネは不安を見せていたが、ヘルメスは軽い調子を崩さず、イシュタルたちの始末も任せろと告げて部屋を後にした。その振る舞いは軽薄さを装いながらも、何らかの確固たる意図を感じさせるものであった。

ディオニュソスの警戒と神々の思惑

ヘルメスの退室後、ディオニュソスはロキに対し彼への警戒を促した。ヘルメスは協力関係にある一方で、管理機関の主神ウラノスとも繋がっており、その行動は老神の意向に沿っている可能性があると指摘した。

さらにディオニュソスは、ウラノスが何らかの重要な情報を隠していると考えており、それが今回の事件以上に危険な動乱を引き起こす可能性を危惧していた。ヘルメスもまた独自の目的を持ち、双方の間で立ち回りながら自らの神意を遂げようとしていると見ていた。

その言葉を受けたロキは明確な返答をせず、ただ沈黙をもって受け止めた。密会の場には不穏な空気が残り、これからの動きがさらなる波乱を呼ぶことが示唆されていた。

迷宮街ダイダロス通りへの突入

ロキ・ファミリアは調査対象であるダイダロス通りへと足を踏み入れた。この区域は住宅街と称されながらも構造は極めて複雑であり、上下に入り組んだ階段や猥雑な路地が広がる「地上のダンジョン」と呼ぶべき場所であった。住民でさえ道を誤れば抜け出せなくなるほどであり、探索の困難さが初めから明白であった。

ロキはこの場所に探し求める手がかりがある可能性を示しつつ、団員たちに調査の開始を告げた。しかし有力な手がかりは似顔絵の男のみであり、聞き込みとしらみ潰しという地道な方法に頼るしかなかったため、探索は困難を極めることが予想された。

貧民街としての側面と環境の危険性

ダイダロス通りは貧民層が多く住まう地域でもあり、落ちぶれた冒険者やならず者が集まりやすい場所であった。表立った治安の悪さは見えないものの、悪事を企てるには適した環境であり、ダンジョンの出入口を隠す場所としても十分に成立し得る条件が揃っていた。

その中を進むロキ・ファミリアの面々は住民たちの注目を集め、特に第一級冒険者であるアイズたちの存在は子供たちの憧れを引き寄せていた。一方で、環境の複雑さと危険性は変わらず、慎重な行動が求められていた。

貧窮の神ペニアとの遭遇

探索の途中、広場で奇妙な光景に遭遇した。そこでは貧窮を司る女神ペニアが信徒たちから金品を集めていた。彼女は貧しさこそ魂を清めると説きながらも、自身は集めた財で生活を楽しんでおり、その言動には矛盾が見られた。

ペニアはファミリアを持たない神でありながら、この地域の貧民に金品を再分配することで支持を得ていた。そのため詐欺師として排斥されることはなく、ダイダロス通りにおける一種の顔役として存在していた。

ロキは長くこの地に居るペニアに対し、似顔絵の男について情報を求めたが、彼女は知らないと断言し、さらに協力も拒否した。結果として、有力な情報は得られず、ロキたちは自力での探索を継続することとなった。

探索方針の決定と部隊分割

ロキは探索を進めるため、広場を集合地点とし、二組に分かれて行動する方針を示した。これは港街での経験から、分散しすぎた場合の危険性を考慮したものであり、敵の潜伏を想定した慎重な判断であった。

編成はロキとリヴェリアを中心とした班と、アイズ、ティオナ、ティオネ、レフィーヤらの班に分かれ、それぞれが独立して探索を進める形となった。

道標の逆利用という探索戦術

探索方法について疑問が出る中、ティオネは独自の方針を提示した。ダイダロス通りには出口へ導く「道標」が存在するが、もし敵が潜伏しているならば、逆にその道標を偽装し、追跡者を遠ざけるように誘導している可能性があると考えた。

つまり、道標とは逆方向に進めば敵の拠点に辿り着けるという推論である。この仮説にアイズたちも納得し、実行に移すこととなった。

こうしてロキ・ファミリアは、迷宮街の複雑な構造と敵の罠を見越しながら、ダイダロス通りの深部へと探索を進めていった。

迷宮街での迷走と疲弊

アイズたちはダイダロス通りの奥深くで完全に迷い込んでいた。敵の拠点どころか脱出すらままならず、夜が訪れる頃には疲労が蓄積し、探索は行き詰まっていた。道標を無視して進んだ結果、袋小路や同じ場所の周回を繰り返す事態となり、迷宮街の複雑さが想像以上であることを思い知らされていた。

建物や通路は入り組み、上下に錯綜する構造は地図の作成すら困難にしていた。治療師のリーネでさえ途中で作図を断念するほどであり、ダイダロス通りが常識外れの構造を持つことが明確となっていた。

フィルヴィスの合流とぎこちない空気

進退に迷う中、ディオニュソス・ファミリアのフィルヴィスが現れた。彼女は主神の指示により協力に加わることを申し出る。レフィーヤは歓迎したが、フィルヴィスは他派閥との過度な親交を避ける姿勢を示し、必要以上に打ち解けることを拒んだ。

そのため一行の間には微妙な緊張感が生まれ、団員たちは彼女への接し方に戸惑った。レフィーヤは両者の間を取り持とうと奔走したが、空気は完全には和らがなかった。

一時撤退の決定と帰路への移動

議論の末、いったん集合地点へ戻ることが決まり、一行は道標に従って移動を開始した。しかし、フィルヴィスの存在が影響し、団員たちの間には気まずさが残り続けていた。アイズもまたその空気をどう扱えばよいか分からず、無力感を覚えていた。

ティオナによる空気打破と恋愛話の開始

その沈滞した空気を破ったのはティオナであった。彼女は強引に話題を振り、恋愛話を始めることで場を盛り上げようとした。突如としてフィルヴィスに想い人を尋ねたことで、彼女は激しく動揺し、これまで見せなかった反応を露わにした。

この予想外の展開に団員たちは興味を示し、次第に会話は広がっていった。レフィーヤも勢いに乗って話題に加わり、フィルヴィスをさらに動揺させる結果となった。

少女達の交流と緊張の緩和

恋愛話は次々と他の団員にも波及し、それぞれが想い人や憧れについて語り始めた。ティオネはフィンへの想いを主張し、リーネはベートへの好意を明かすなど、普段は見せない一面が露呈した。

やがて話題はアイズにも及んだが、彼女は明確な答えを持たず戸惑いを見せた。フィルヴィスも巻き込まれながら、一行は当初の緊張を忘れ、年相応の賑やかなやり取りを続けていった。

こうして探索の目的は一時的に後景へ退き、迷宮街の中で少女たちは束の間の和やかな時間を共有することとなった。

男性陣による地下水路の探索

ロキたち女性陣がダイダロス通りを探索している同じ頃、フィン、ベート、ラウル、ガレスら男性陣は都市の地下水路を調査していた。目的は、かつてニョルズが謎の男と接触した地下水路を改めて洗い直し、ダイダロス通り周辺へと調査範囲を絞ることで新たな痕跡を見つけ出すことであった。

過去にも何度か調べられた場所であり、ガレスやベートは手がかりが残っている可能性に懐疑的であった。しかしフィンは、対象が怪物や人である以上、調査のやり方を変えれば見落としていたものが見つかるかもしれないと考え、慎重に一行を進ませていた。

食人花の痕跡の発見

都市南東の地下水路を進む中で、ベートと獣人たちが異臭に反応した。その臭いは食人花のものであり、これを受けてフィンは直ちに隊列を組み直し、ベートを先頭に進路を変えた。

一行は旧式の地下水路へ入り、古い鉄扉を抜けてさらに奥へと踏み込んでいった。これまでの探索では決定打がなかっただけに、この痕跡は明らかな異変であり、団員たちは緊張を強めながら先へ進んだ。

隠し階段の発見と不審の強まり

やがて一行は、水路から外れた袋小路の先で隠し階段を発見した。床の石板には横へずらされた跡があり、普段は蓋として隠されている構造であることが見て取れた。幅も広く、食人花のような大型の存在でも通行可能な規模であった。

以前の調査では見つからなかったものが今回あっさり見つかったことに、ベートは強い不審を抱いた。フィンたちもそれを理解しつつ、罠や敵の存在を警戒しながら階段の奥へと進入した。

異質な通路と巨大な金属扉

階段の先には、地下水路とは明らかに異なる石造りの通路が続いていた。一行はなおも残る怪物の痕跡を追い、その先で巨大な金属扉に行き当たった。

その扉は三メートルを超える巨大さを誇り、傷一つない銀の光沢と紅の宝玉を備えていた。ラウルはそれを見て金属の扉だと呟き、ガレスはその材質がオリハルコンではないかと驚愕した。こうしてロキ・ファミリアの男性陣は、地下深くに隠された異常な構造物へと辿り着き、事件の核心に迫る重大な発見を果たした。

二章 ◆ダンジョン・トラップ

バルカの執着と作業の継続

地下の隧道では、土を砕き掘り進める音が響き続けていた。ヒューマンの男バルカは振り向くこともなく、ひたすら作業に没頭していた。その姿は生気に乏しく、執念のみに突き動かされているようであった。

彼は時間が足りないと語り、自らの「作品」を完成させることに強い執着を見せていた。永遠を持たない存在としての焦燥と苦悩が、彼を狂気にも似た状態へと追い込んでいた。

タナトスの介入と状況の変化

そこへタナトスが現れ、バルカに協力を求めた。ロキ・ファミリアが迫っている現状を伝え、このままでは計画や資金繰りに支障が出る可能性を示した。さらに、敵をこの場所に誘き寄せて排除する意図をほのめかした。

バルカは当初反応を示さなかったが、「迷宮」の完成が危ぶまれるという言葉を受け、ついに作業の手を止めた。彼にとって最も重要なのは先祖から受け継いだ「迷宮」の完成であり、それを脅かされることは看過できない問題であった。

罠の使用を巡る葛藤

タナトスはバルカに対し、特定の仕掛けを使うよう要請した。それはバルカたちにしか扱えないものであり、侵入者を迎え撃つための切り札であった。

しかしバルカは、自らの「作品」に傷をつけることになるとして強い抵抗を示した。それでもタナトスは、全滅すれば意味がないと説き、あくまで状況打開のために必要な措置であると主張した。

協力の承諾と不承不承の決断

最終的にバルカは、完全には納得しないまま協力を受け入れた。時が来たら呼べと告げ、再び作業へと戻った。その態度からは、計画への協力よりも自身の目的を優先する姿勢が明確であった。

タナトスはその様子を見て軽く笑い、場を後にした。こうして、ロキ・ファミリアを迎え撃つための罠が、地下で静かに準備され始めていた。

オリハルコンの門と敵拠点の確信

地下水路で発見された巨大な扉の情報は本拠へ伝えられ、ロキ・ファミリアはその調査に乗り出した。翌日、隠し通路に集結した団員たちは、三メートルを超えるオリハルコン製の門を前にし、ここが敵の拠点であると確信した。

その扉は最硬金属で造られており破壊は不可能に近く、内部に重要な何かが存在することを示唆していた。さらに通路がダイダロス通りと繋がっていることも判明し、これまでの推測が裏付けられた。

罠としての誘導と扉の開放

男性陣はこの発見について、あまりにも都合よく見つかったことから罠である可能性を指摘した。隠し階段や食人花の痕跡が意図的に残されていたこともあり、敵に誘導されたとの見方が強まる。

その直後、扉は自動的に開き、内部の通路が姿を現した。フィンはその瞬間、奥へ退いた仮面の人物を視認し、敵が意図的に侵入を許したことを確信した。これは明確な誘いであり、同時に罠でもあった。

内部構造の確認と迷宮化した拠点

ベートとクルスによる偵察の結果、内部は複雑に分岐する構造となっており、迷宮のように入り組んでいることが判明した。単なる隠れ家ではなく、防衛を前提とした拠点であることが明らかとなった。

この構造は籠城戦を想定した城塞に近く、侵入者を迷わせることで戦力を分断し、迎撃する意図が読み取れた。

突入判断と危機の認識

団員たちは突入の是非について議論したが、リヴェリアは精霊の分身を召喚される危険を指摘し、時間的猶予がないことを理由に突入を支持した。敵をここで止めなければ都市に甚大な被害が及ぶため、危険を承知で踏み込む必要があった。

フィンもまた同様の結論に至りつつも、強い違和感を覚えていた。その感覚はダンジョン深層に踏み込む際と同質のものであり、未知の危険が待ち受けていることを示唆していた。

部隊編成と進攻準備

ベートは下位団員を置いていくべきだと主張したが、ティオネらは支援の必要性を挙げて反論した。最終的にフィンは前衛・後衛・治療班を含めた編成で進攻する決断を下し、自身とガレスが指揮を執ることとした。一方でリヴェリアは待機し、後方支援と情報収集を担うこととなった。

団員たちは迅速に装備を整え、突入の準備を進めていった。

フィルヴィスの決意とレフィーヤとの絆

準備の最中、フィルヴィスはレフィーヤに危険を感じていることを伝え、同行を止めようとした。しかしレフィーヤは仲間を支えるために進む決意を示し、その意志を貫いた。

それを受けてフィルヴィスも同行を決め、レフィーヤを守ると誓った。その姿は騎士のようであり、二人の間には強い信頼関係が芽生えていた。

ロキとガレスはその様子を見守りつつ、それぞれに感想を漏らした。やがてアイズも仲間たちの姿を見つめた後、敵の拠点へと視線を向け、静かに戦いへの覚悟を固めていた。

人工迷宮への突入と構造の異常性

リヴェリアを除いたロキ・ファミリアの主力は、フィルヴィスを加えた編成で扉の内部へと侵入した。先頭にガレスとティオナを据え進む通路は、すぐに複雑な迷路構造へと変化し、分岐と行き止まりを繰り返す極めて厄介な造りであった。

その構造はダイダロス通りに匹敵するほど入り組んでおり、探索は困難を極めた。通路は広く整然としている一方で、石材の劣化から長い年月の経過が感じられ、遺跡の内部に構築された迷宮であるかのような異様さを帯びていた。

無機的な迷宮がもたらす不気味さ

通路内には怪物を模した彫像や植物の彫刻が点在し、食人花の存在を連想させる意匠が施されていた。青白い魔石灯の光と反響する足音が、空間に不気味な静寂と圧迫感を生み出していた。

ダンジョンとは異なり、この迷宮には「生きている」気配がなく、ただ無機的で冷たい空気が漂っていた。その違いが一行に強い不安を与え、侵入者を精神的にも追い詰める構造となっていた。

進路誘導と突破困難な構造

探索を進める中で、一行は進路が意図的に限定されていることに気付いた。最硬金属オリハルコンの扉が行く手を遮り、進めるルートが絞られていたため、自然と特定の方向へ誘導されている状態となっていた。

さらに壁面には超硬金属アダマンタイトが使用されており、破壊による強行突破も現実的ではなかった。この迷宮は侵入も脱出も困難な構造となっており、完全に防衛を前提とした城塞であることが明らかであった。

異常な規模と敵の計画性

この迷宮を構築するためには莫大な資金と長期間の準備が必要であり、闇派閥残党が長年にわたり計画を進めていたことが示唆された。ベートはその異常性に苛立ちを見せ、フィンも敵の規格外の準備に警戒を強めた。

フィンは進路を見失わないために壁へ目印を付けるよう指示し、慎重な探索を継続させた。

アイズの違和感と迷宮の本質への疑念

進行する中で、アイズはこの迷宮に対して違和感を抱いていた。単なる拠点としては過剰な構造であり、複雑さや圧迫感の中に意図の読めない感情が宿っているように感じられた。

この迷宮が本当に敵の住処としてだけ作られたものなのか、あるいは別の目的があるのではないかという疑念が芽生えていた。

部隊分割と探索の継続

やがて丁字路に到達した一行は、探索効率と安全性を考慮し、フィンの判断で二手に分かれることとなった。右の進路にはガレスとアイズ、ティオナ、ティオネらを配置し、左の進路にはフィン、ベート、レフィーヤ、フィルヴィスを中心とした部隊が進むこととなった。

戦力バランスを考慮した編成であり、治療班も分散配置された。互いに注意を促し合いながら、二つの部隊はそれぞれの道を進み、迷宮の奥へと踏み込んでいった。

フィン班の探索と迷宮の正体への到達

フィン率いる班は階段を下りた先でも同様の迷路構造を進み続けていた。敵やモンスターの姿は見えないものの、食人花の痕跡は随所に残されており、この場所が怪物の供給経路であることは明白であった。

フィンは構造や位置関係から、この人工迷宮がダンジョンの初層付近と隣接していると推測し、迷宮そのものが第二の出入口として機能する可能性に思い至った。その規模と深度は想定を大きく超えており、中層にまで及ぶ危険性すら考えられ、彼は戦慄を覚えた。

ヴァレッタとの再会と過去の因縁

広間に到達した一行の前に現れたのは、闇派閥の幹部であったヴァレッタであった。彼女はフィンに対して強烈な憎悪と執着を露わにし、過去の抗争における恨みをぶつけた。

フィンは彼女の正体を明かし、かつて闇派閥壊滅の過程で彼女たちが死を偽装して生き延びた経緯が語られた。ヴァレッタにとってフィンは復讐の対象であり、この迷宮へ誘い込んだ目的そのものでもあった。

罠の発動と戦闘開始

ヴァレッタは魔道具を用いて最硬金属の扉を閉ざし、一行を完全に閉じ込めた。続いて左右の扉から大量の食人花が放たれ、戦闘が開始された。

フィンは敵の意図を察しつつも、退路を断たれた以上、正面突破しかないと判断し、部隊に前進を命じた。モンスターの群れが押し寄せる中、一行は統制の取れた動きで通路へと突入した。

レフィーヤとフィルヴィスの連携

殿を引き受けたレフィーヤとフィルヴィスは、巧みな連携で追撃を食い止めた。フィルヴィスの障壁魔法が敵の進行を阻み、その隙にレフィーヤが広範囲魔法で敵を一掃する戦術が機能し、後方の安全を確保した。

その働きは他の団員からも高く評価され、レフィーヤの成長が明確に示される場面となった。

新種モンスターと罠の連鎖

前方では新種のモンスターや落とし穴などの罠が次々と現れ、戦闘と回避を同時に強いられる状況となった。迷宮全体が侵入者を消耗させる構造となっており、ヴァレッタの策略が段階的に機能していた。

フィンは敵がなおも様子を窺っていると判断し、さらなる本命の罠を警戒していた。

レヴィスの急襲とフィンの敗北

その警戒の最中、怪人レヴィスが突如として襲撃を仕掛けた。圧倒的な速度と威力により、フィンは短時間で追い詰められ、致命的な一撃を受けて倒された。

指揮官であるフィンの敗北は団員たちに絶望的な衝撃を与え、部隊の崩壊を招きかねない事態となった。

撤退の決断と部隊の分断

倒れながらもフィンはラウルに指示を飛ばし、全滅を避けるため撤退を決断させた。ラウルは即座に行動し、フィンを抱えて縦穴へと飛び込み、他の団員もそれに続いた。

この決断によりフィン班は壊滅を免れたが、同時に部隊は分断される結果となった。

ベート側の孤立と撤退

一方で残されたベートたちはヴァレッタに阻まれ、最硬金属の扉によって進路を遮断された。さらにモンスターの大群に包囲され、やむなく撤退を余儀なくされた。

ベートは怒りを露わにしながらも団員を優先し、後退を選択した。

レフィーヤ達の孤立と新たな行動

殿を務めていたレフィーヤとフィルヴィスは、戦闘の混乱の中で完全に取り残されてしまった。ヴァレッタによって通路が封鎖され、フィンたちとの合流も不可能となる。

さらにレヴィスは二人を相手にせず立ち去り、圧倒的な力の差を示した。屈辱と焦燥を抱えながらも、レフィーヤは状況を受け入れ、フィルヴィスとともに脱出経路の探索へと動き出した。

こうして二人のエルフは、迷宮の中で孤立した状態から活路を見出すべく、新たな道を探し始めた。

ガレス班の違和感と大広間への到達

ガレス率いる班は迷宮を進む中で、彼の手甲に突如ひびが入る異変に見舞われた。原因不明の不穏さを覚えつつも、彼はそれを押し殺し、部隊を率いて前進を続けた。

やがて一行は広大な大広間へ到達する。構造はフィン達が遭遇したものと酷似しており、異様な造りと閉塞感が漂っていた。

バルカとの邂逅と不気味な言動

広間に現れたのは、港街で取引を行っていた人物――バルカであった。彼は自ら名乗りながらも、戦意や敵意よりも狂気じみた執着を語り続け、異様な雰囲気を漂わせていた。

アイズ達はその言動に困惑しつつも、敵であることを認識し警戒を強めた。一方でガレスは、バルカの戦闘能力の低さと状況の不自然さから、真の脅威は別にあると見抜いていた。

罠の正体の看破

ガレスは広間中央に埋め込まれた巨大な紅い宝玉に気付く。それがこれまで見てきた装置と同種であると察した瞬間、バルカの視線が宝玉に向けられたことで、罠の発動を確信した。

警告を発しようとしたが一歩遅く、バルカの操作により罠が起動した。

大規模落とし穴の発動

広間の床が突如として開き、アイズ達の足場は完全に消失した。床そのものが最硬金属の巨大な扉で構成された落とし穴であり、部隊全員が奈落へと落下する事態となった。

壁面も超硬金属で構築されていたため、投擲した道具による脱出も不可能であり、罠は完全な形で機能していた。

アイズの単独脱出

絶体絶命の状況の中、ガレスは即座に判断し、自身の武器を投擲してアイズを上方へ押し上げた。アイズもまた風の魔法を用いて加速し、閉じかけた扉の隙間を突破して脱出に成功した。

こうしてただ一人、アイズのみが落とし穴から逃れることに成功した。

バルカの逃走と孤立

脱出したアイズは即座にバルカへ迫り、扉の開放を求めた。しかしバルカは戦闘を避けて撤退を選び、通路へ逃げ込む。

その直後に最硬金属の扉が閉ざされ、追撃は阻まれた。アイズは再び大広間を見下ろすが、仲間の姿は既に奈落の底へ消えていた。

アイズの孤立と状況の悪化

結果としてガレス班は壊滅的に分断され、アイズのみが地上側に取り残される形となった。仲間の安否も不明なまま、アイズは単独で行動を余儀なくされる。

迷宮の罠はフィン班と同様に確実に機能し、【ロキ・ファミリア】は完全に分断された状態へと追い込まれた。

落下後の混乱と各班の孤立

落とし穴により迷宮の深部へと落下したガレス班は、完全に分断された状況に置かれていた。暗闇の中でティオネやティオナは呆然と状況を受け止め、仲間とはぐれた現実を認識する。

一方でガレスは即座に状況を切り替え、追う側から狩られる側へ転じたことを認め、冷静に行動を促した。周囲にはモンスターの群れが迫り、戦闘と脱出の両立を強いられる危機的状況であった。

フィン班の壊滅的損耗と撤退命令

別行動していたフィン班もまた深刻な被害を受けていた。フィンは致命傷を負い、ラウルの腕の中でかろうじて意識を保ちながら、指揮権を委ねて脱出を命じた。

その姿は団員たちに大きな動揺を与えたが、ラウルは必死に指揮を引き継ぎ、生存を最優先に行動を開始した。

ベート班とレフィーヤ達の行動

ベートは混乱する団員たちに怒声を浴びせながらも、嗅覚や聴覚を頼りに道を探し、フィン達との合流を目指した。現在地すら不明な迷宮の中で、わずかな手がかりを頼りに進むしかなかった。

同様に孤立したレフィーヤも、フィルヴィスと共に脱出経路を探りながら仲間の救援を目指した。それぞれの班が独立して行動を開始し、迷宮内での生存と再集結を図ることとなった。

バルカの計画と迷宮の正体

一方、罠を成功させたバルカは迷宮内を自由に移動しながら状況を確認していた。彼はロキ・ファミリアの分断が計画通りであることを確信し、準備が整ったと判断する。

そしてこの迷宮の正体が「人造迷宮クノッソス」であることを宣言し、ロキ・ファミリアをその礎とする意図を示した。迷宮そのものが計画の核心であり、単なる拠点ではないことが明らかとなった。

外部部隊の状況把握と危機認識

迷宮外に残ったリヴェリア達は、侵入部隊との連絡が途絶えていることから異変を確信した。時間経過と状況から、内部で罠にかかった可能性が高いと判断する。

さらに壁材を調査した結果、超硬金属に加え魔法耐性を持つ素材が混入していることが判明した。この迷宮は物理的にも魔法的にも破壊が極めて困難であり、外部からの救出がほぼ不可能であると結論付けられた。

迷宮の異常性と対応策の模索

リヴェリアはこの迷宮が常識外れの構造を持つ未曾有の存在であり、並大抵の手段では対処できないと断言した。その背後には尋常ではない執念があると推測された。

ロキは状況打開のため、リヴェリアの広域魔法を利用した探査を指示した。魔法円による探索は効率が悪いながらも、現状で可能な数少ない手段であり、迷宮内部の位置把握を試みることとなった。

こうして内部では各班が孤立したまま生存と脱出を模索し、外部では救出の手段が模索されるという、極めて厳しい状況が形成された。

三章 ◆死の饗宴

落下後の混乱と各班の孤立

落とし穴により迷宮の深部へと落下したガレス班は、完全に分断された状況に置かれていた。暗闇の中でティオネやティオナは呆然と状況を受け止め、仲間とはぐれた現実を認識する。

一方でガレスは即座に状況を切り替え、追う側から狩られる側へ転じたことを認め、冷静に行動を促した。周囲にはモンスターの群れが迫り、戦闘と脱出の両立を強いられる危機的状況であった。

フィン班の壊滅的損耗と撤退命令

別行動していたフィン班もまた深刻な被害を受けていた。フィンは致命傷を負い、ラウルの腕の中でかろうじて意識を保ちながら、指揮権を委ねて脱出を命じた。

その姿は団員たちに大きな動揺を与えたが、ラウルは必死に指揮を引き継ぎ、生存を最優先に行動を開始した。

ベート班とレフィーヤ達の行動

ベートは混乱する団員たちに怒声を浴びせながらも、嗅覚や聴覚を頼りに道を探し、フィン達との合流を目指した。現在地すら不明な迷宮の中で、わずかな手がかりを頼りに進むしかなかった。

同様に孤立したレフィーヤも、フィルヴィスと共に脱出経路を探りながら仲間の救援を目指した。それぞれの班が独立して行動を開始し、迷宮内での生存と再集結を図ることとなった。

バルカの計画と迷宮の正体

一方、罠を成功させたバルカは迷宮内を自由に移動しながら状況を確認していた。彼はロキ・ファミリアの分断が計画通りであることを確信し、準備が整ったと判断する。

そしてこの迷宮の正体が「人造迷宮クノッソス」であることを宣言し、ロキ・ファミリアをその礎とする意図を示した。迷宮そのものが計画の核心であり、単なる拠点ではないことが明らかとなった。

外部部隊の状況把握と危機認識

迷宮外に残ったリヴェリア達は、侵入部隊との連絡が途絶えていることから異変を確信した。時間経過と状況から、内部で罠にかかった可能性が高いと判断する。

さらに壁材を調査した結果、超硬金属に加え魔法耐性を持つ素材が混入していることが判明した。この迷宮は物理的にも魔法的にも破壊が極めて困難であり、外部からの救出がほぼ不可能であると結論付けられた。

迷宮の異常性と対応策の模索

リヴェリアはこの迷宮が常識外れの構造を持つ未曾有の存在であり、並大抵の手段では対処できないと断言した。その背後には尋常ではない執念があると推測された。

ロキは状況打開のため、リヴェリアの広域魔法を利用した探査を指示した。魔法円による探索は効率が悪いながらも、現状で可能な数少ない手段であり、迷宮内部の位置把握を試みることとなった。

こうして内部では各班が孤立したまま生存と脱出を模索し、外部では救出の手段が模索されるという、極めて厳しい状況が形成された。

タナトスとバルカの合流と迷宮の中枢

迷宮の奥深くにある拠点で、バルカはタナトスと合流した。バルカはロキ・ファミリアを迷宮の八階層へ落としたことを報告し、タナトスはそれに満足を示した。

その場は闇派閥の拠点として改修された空間であり、多数の構成員が出入りしていた。魔石灯を排した暗い環境は、神の嗜好を反映したものであり、迷宮の中心に近い重要拠点であった。

迷宮制御装置と監視機構

バルカは蔦に覆われた台座の前に立ち、迷宮の制御装置を操作し始めた。台座には紅い宝玉が組み込まれており、迷宮内の扉と連動する中枢装置であった。

その装置には迷宮内部の様子が映し出されており、各所に仕込まれた花のような装置を通じて侵入者の動向が監視されていた。この技術は本来の迷宮には存在せず、怪人たちによってもたらされたものであった。

ディックスの登場と兄弟の対立

そこへディックスが現れ、バルカに接触した。両者は血縁関係にありながらも互いに強い嫌悪を抱いており、言葉を交わす中でその対立が明確に示された。

ディックスは粗暴な態度を崩さず、迷宮の騒ぎに不満を示したが、バルカはロキ・ファミリアが侵入したことを伝え、状況の深刻さを説明した。

侵入者の排除と利害の一致

バルカは、罠を逃れた侵入者が迷宮内を動き回っていることを指摘し、これを排除する必要性を説いた。モンスターや怪人に任せる案もあったが、指揮系統が乱れている現状では確実性に欠けると判断された。

さらに迷宮の存在が暴かれれば、モンスターの密輸やディックスの行動にも支障が出るため、両者の利害は一致した。これによりディックスは協力を承諾した。

ロキ・ファミリア狩りの開始

ディックスは武器庫から新たな槍を選び取り、戦闘の準備を整えた。その槍は異様な形状と色を持ち、呪いを思わせる不気味な武器であった。

準備を終えたディックスは、迷宮の地の利を活かし、侵入者を狩ることを宣言した。こうして闇派閥側も積極的な迎撃に動き出し、ロキ・ファミリアに対する本格的な殲滅行動が開始された。

フィンの致命傷と呪詛の発覚

落下後の迷宮内で、ラウル達は重傷を負ったフィンの治療を試みたが、回復薬は一切効果を示さなかった。傷口からの出血は止まらず、命は急速に削られていった。

その原因はレヴィスの武器に込められた呪詛であり、治療を拒絶する不治の呪いであった。解呪手段を持たないラウル達は、迷宮からの脱出を最優先とするしかなく、極限の判断を迫られる状況に追い込まれた。

追撃の恐怖と撤退の決断

そこへヴァレッタ率いる敵の追撃が迫り、ラウルはやむなく仲間を率いて撤退を決断した。戦力差と状況の不利を理解しながらも、逃げる以外の選択肢は存在しなかった。

一方でティオネ達の側でも、迷宮の罠によりさらに分断が進行し、仲間同士の連携は完全に崩壊していった。

ティオネの孤立と暗殺者の襲撃

ティオネは仲間と引き離された直後、闇派閥とは異なる装束の暗殺者集団に襲撃された。彼らは呪詛と異常魔法を重ね掛けし、対象の能力を削ぐ戦術を取っていた。

数の暴力と呪いの連携によってティオネは徐々に追い詰められ、武器を弾き飛ばされるまでに弱体化していった。

ティオナの逃走と毒妖蛆の群れ

別行動となったティオナは、仲間を守りながら迷宮を移動するも、新たな脅威に直面した。劇毒を持つモンスター、ポイズン・ウェルミスの大群が天井から降り注ぎ、逃走を余儀なくされた。

毒に侵された団員を抱えながらの撤退は困難を極め、さらに扉による封鎖で退路を断たれ、絶望的な状況へと追い込まれていった。

ガレス隊への爆炎罠

ガレス率いる一隊もまた、モンスターと闇派閥の残党による攻撃を受けながら迷宮を進んでいた。敵は自爆を厭わない狂信的な戦術を用い、さらに通路そのものに仕掛けられた火炎石の連鎖爆発を誘発させた。

逃走する彼らの背後から爆炎が迫り、最終的には扉によって退路を封鎖され、炎の奔流に呑み込まれる結果となった。

ディックスの介入と呪詛の暴走

一方、ベート達の前にはディックスが姿を現した。彼は超短文詠唱による呪詛を発動し、周囲の者すべてを錯乱状態に陥れた。

仲間もモンスターも区別なく暴走し、互いに攻撃し合う地獄の光景が生まれた。ベートは辛うじて回避したものの、仲間達は制御不能な狂乱に巻き込まれていった。

迷宮の本質と絶望的状況の確立

こうして迷宮内では、分断・呪詛・毒・爆炎といった複合的な罠が次々と発動し、ロキ・ファミリアは完全に各個撃破の状況へと追い込まれた。

人造迷宮クノッソスは単なる拠点ではなく、侵入者を確実に殺すために設計された殺戮装置であり、その真価が露わになったのである。

人造迷宮クノッソスの正体

バルカは台座を見下ろしながら、人造迷宮クノッソスの成り立ちを語った。それは始祖である名工が残した設計図をもとに、血族が千年にわたり完成を目指してきた「作品」であった。

単なる拠点ではなく、混沌の美を追求した最高傑作として構築された迷宮であり、闇派閥との契約によって改造が施された結果、より悪意に満ちた構造へと変貌していた。

迷宮制御装置と支配権

台座に備えられた紅玉は迷宮中の扉を遠隔操作する装置であり、瞳に「D」の刻印を持つ血族のみが扱えるものであった。

バルカがそれを操作することで、ティオナ達の退路は封鎖され、毒妖蛆による攻撃へと追い込まれた。迷宮は単なる構造物ではなく、侵入者を自在に追い詰める殺戮機構として機能していた。

分断戦術と狩りの構造

バルカは迷宮の本質を「狩り」に例えた。仲間同士の連携を断ち切り、孤立させた上で各個撃破することこそが、この迷宮の基本戦術であった。

暗殺者、モンスター、闇派閥の残党が連携し、散り散りとなったロキ・ファミリアを追い詰めていく。仲間との協力を前提とする冒険者は、単独では本来の力を発揮できず、その弱点が徹底的に突かれていた。

ロキ・ファミリアの劣勢

台座に映し出される各地の戦況では、フィン、ティオネ、ティオナ、ガレス、ベートらがそれぞれ孤立し、追い詰められていた。

人造迷宮の脅威はダンジョン深層に匹敵し、通常の攻略手段では突破不可能であることが明白となる。鍵を持たない侵入者にとって、この迷宮は攻略不能の領域であった。

絶望の宣告と残された希望

バルカはロキ・ファミリアの敗北を確信し、迷宮攻略は不可能であると断じた。

その上で、なお動き続ける存在として、フィルヴィスとレフィーヤのエルフ組、そして単独で行動するアイズに視線を向けた。完全に追い詰められた状況の中で、わずかな例外だけが残されていた。

レフィーヤとフィルヴィスの進路選択

迷宮内を彷徨うレフィーヤとフィルヴィスは、脱出か救援かの選択を迫られていた。フィルヴィスは外へ出てリヴェリア達に救援を求めるべきだと提案し、それが最も合理的な判断であると説いた。

レフィーヤも理屈では理解しながらも、落下した仲間達の安否を思い、決断できずにいた。

仮面の怪人との遭遇と尾行

その最中、二人は仮面の怪人を発見する。気配を殺してやり過ごした後、慎重に後を追跡した結果、迷宮外へ繋がる出入口を発見することに成功した。

さらにその場では、仮面の怪人とローブ姿の人物が接触しており、その中に神の気配を持つ存在が含まれていることも確認された。敵の動きと迷宮の構造を知る重要な手がかりであった。

脱出口の確保と魔法による固定

出入口を確認したフィルヴィスは脱出を促すが、レフィーヤは行動を起こす。召喚魔法を用いて氷結攻撃を放ち、扉と周辺を凍結させることで、一定時間出入口を開放状態に維持する処置を施した。

これにより外部との連絡路を確保しつつ、再び迷宮内部へ戻る準備が整えられた。

レフィーヤの決意

レフィーヤはフィルヴィスに外へ出て救援を呼ぶよう求め、自身は迷宮へ引き返す意思を示した。仲間を見捨てたくないという強い想いからの決断であった。

合理性を欠く危険な選択であることを自覚しながらも、仲間を優先する意思は揺らがなかった。

フィルヴィスの葛藤と選択

フィルヴィスは強く反対したが、レフィーヤの覚悟を前にしてその決意を理解する。過去に仲間を見捨てた経験を持つ彼女にとって、その言葉は自身の傷を抉るものであった。

最終的にフィルヴィスは、レフィーヤを一人にすることを拒み、共に迷宮へ戻ることを選択した。

再突入と希望の託し

レフィーヤは外部への手がかりとして杖の魔宝石を残し、リヴェリア達が気付くことを願って迷宮へ再突入した。

こうして二人のエルフは、救援を待つのではなく、自ら仲間のもとへ向かう道を選び、再び危険な迷宮の奥へと踏み込んでいった。

アイズの単独探索と迷宮の異様さ

アイズは罠に落ちた仲間たちの行方と救出の手がかりを求め、一人で人造迷宮を駆けていた。進むほどに迷宮の広大さと複雑さは常軌を逸しており、敵勢力を見誤っていたかもしれないという思いを強めていった。闇派閥の残党は単なる格下ではなく、この迷宮そのものを武器として用いる底知れぬ存在であった。

バルカの行方を追うため、アイズは扉を開閉できる「鍵」の存在を推測しつつ、遭遇するモンスターを斬り伏せながら探索を続けた。しかし人の気配が途絶えた階層に差しかかった時、アイズは下へ続く階段ではなく、血が訴えるような感覚に導かれて一つの横道へ進んだ。

実験室の発見と宝玉の胎児の痕跡

通路の先にあったのは、これまでの迷宮風景とは異なる、実験室を思わせる広間であった。床には管が這い回り、大型フラスコが七つ設置されていたが、その全てが破壊され、中身も失われていた。残された緑色の液体と異臭、そしてアイズの血が感じ取った反応から、ここが「宝玉の胎児」を保存、生育していた施設であることが明らかとなった。

アイズは、かつて迷宮深層で戦った「精霊の分身」の種が、すでに地上へ七体分も運び込まれていた可能性に気付き、戦慄した。この迷宮が単なる隠れ家ではなく、より大きな災厄の準備段階にあることを理解したのである。

レヴィスとの再会と敵の目的

そこへ現れたのは、赤髪の怪人レヴィスであった。彼女はアイズがこの場所へ導かれることを予測していたかのように待ち構えており、再戦への強い執着を露わにした。アイズは宝玉の行方を問いただしたが、レヴィスは迷宮のどこかに隠されているとだけ告げ、探せるものなら探してみろと挑発した。

その言葉から、レヴィスにはアイズをこの場で足止めし、他の行動を許さない明確な意図があることが示された。アイズもまた、彼女を倒さなければ先へ進めないと悟った。

フィンの敗北の告知

だが、アイズの心を最も激しく揺さぶったのは、レヴィスの剣に付着した血の意味であった。問いただしたアイズに対し、レヴィスはその血がフィンを斬ったものだと明かし、止めこそ刺していないが、今頃は闇派閥の手で葬られているはずだと告げた。さらに彼女は、柄を断たれたフィンの槍の穂先を投げ捨て、その言葉が事実であることを突きつけた。

フィンが敗れたという現実を拒絶しようとするアイズであったが、眼前の証拠はあまりにも重かった。仲間たちの危機と喪失の可能性が、アイズの感情を一気に限界まで押し上げた。

激昂したアイズと圧倒的なレヴィス

怒りに駆られたアイズは、初手から全力の斬撃でレヴィスに斬りかかった。しかしその一撃は容易く受け止められ、続く攻撃もことごとく捌かれた。以前の戦いとは比較にならないほど、レヴィスの力も速度も増しており、アイズはその異常な強化に戦慄した。

レヴィスは当初用いていた呪いの剣を捨て、改めて別の長剣を抜いた。そしてアイズに風を使えと促し、自らも本気で打ち倒すつもりであることを示した。アイズは即座に風の付与魔法を発動し応戦したが、それでもレヴィスの猛攻は止まらなかった。

アイズの敗勢

風を纏ったアイズに対しても、レヴィスはなお優位を保った。仲間の死に動揺していることを見抜かれ、その隙を徹底的に突かれる。ついには剣を弾かれ、防御を崩されたところへ渾身の袈裟斬りを叩き込まれた。風の鎧ごと断ち割られたアイズは、胸当てを裂かれ、大量の血を散らしながら決定的な一撃を受けた。

こうしてアイズは、仲間を救うために単独で辿り着いた実験室において、強化されたレヴィスの圧倒的な力の前に追い詰められていった。

四章 ◆剣の風になって

バルカによる戦況の監視

薄闇の中、台座の水膜に映し出される戦況を見下ろしながら、バルカは無感動に状況を分析していた。アイズはレヴィスに追い詰められ、他の【ロキ・ファミリア】の団員達も迷宮各所で窮地に陥っており、勝敗は時間の問題であると判断していた。

エルフ達の所在不明と誤算

しかしバルカにとって唯一の懸念は、レフィーヤとフィルヴィスの所在が掴めないことであった。迷宮内に仕掛けられた監視の「目」はあるものの、二人はその死角を巧みに移動しており、正確な位置を把握できていなかった。そのため、罠や扉の操作による確実な仕留めが行えない状況にあった。

魔法による監視網の破壊

さらにエルフ達はモンスターとの戦闘の中で放つ魔法によって、迷宮内の彫像や装飾に仕込まれた監視の「目」を次々と破壊していた。特にレフィーヤの強力な魔法は広範囲に及び、通路内の細工を一掃するほどであり、結果としてバルカの監視網を断続的に遮断していた。

不鮮明な行動と違和感

断片的に映る情報から、エルフ達は一度上層へ移動した後、再び別階層へ現れていることが確認されたが、その動きには一貫性がなく、目的が読み取れなかった。バルカはその不可解な行動に違和感を覚えつつ、彼女達の進路を推測しようとした。

新たな気付き

やがてバルカは、エルフ達の進行方向が特定の領域へ向かっている可能性に思い至る。その先に何があるのかを意識し、戦況の推移に新たな警戒を抱き始めていた。

バルカによる優勢判断と新たな懸念

台座の水膜に映る戦況を見下ろしながら、バルカはアイズがレヴィスに追い詰められたことを確認し、【ロキ・ファミリア】の敗北は時間の問題であると判断していた。しかし同時に、レフィーヤとフィルヴィスの所在が把握できていないことを問題視していた。二人は迷宮内の監視の「目」の死角を移動し続けており、罠の発動も的確に行えない状況にあった。

レフィーヤ達の進行と壁画の発見

一方、レフィーヤとフィルヴィスは戦闘を繰り返しながら迷宮を進み、やがて遺跡のような回廊に辿り着いた。そこには各地から集められたと思われる壁画が並び、怪物から逃げ惑う人々の姿が描かれていた。その中で、巨大な竜と六人の乙女を描いた壁画に目を留めたレフィーヤは、その意味を探ろうとした。

タナトスの出現と正体の開示

その場に現れたのは、闇派閥の主神であるタナトスであった。彼は自らが残党を集め、勢力を再編し、都市破壊の計画に加担していることをあっさりと認めた。一方で、黒幕と目されていた「エニュオ」については正体すら知らず、存在そのものが曖昧であることを示した。

さらにタナトスは、壁画に描かれた竜「ニーズホッグ」と「闇と絶望」の象徴について語り、現在の計画が都市崩壊と混乱の拡大を狙うものであることを示唆した。

死神タナトスの思想

問い詰めるレフィーヤに対し、タナトスは自らの本質を語った。彼は「死」を司る神であり、かつては魂の循環を管理する役割を担っていたが、現在の世界は「生」が溢れすぎていると考えていた。ゆえに、死を増やすことで世界の均衡を取り戻そうとしていたのである。

彼の思想は善悪ではなく、摂理としての「死」の拡張に基づくものであり、レフィーヤ達に強い恐怖と嫌悪を抱かせた。

死兵を生む契約の正体

さらにタナトスは、闇派閥の残党が死を恐れず自爆すら行う理由を明かした。彼は眷族一人一人と契約を結び、計画が成功した暁には、死後に大切な者と共に転生させると約束していたのである。この「来世」の保証が、彼らを死兵へと変えていた。

レフィーヤはその非道さを糾弾したが、タナトスはそれが彼ら自身の選択であるとし、むしろ下界の人々の「可能性」に期待していると語った。

レフィーヤ達の離脱

やがてタナトスの眷族が到着し、レフィーヤ達は多勢に囲まれる危機に陥った。しかしフィルヴィスが閃光魔法で敵の視界を奪い、その隙にレフィーヤとともに広間からの脱出に成功した。

タナトスの余裕と戦況の確認

逃走する二人を見送りながらも、タナトスは動じることなく現状を確認した。バルカの罠により【ロキ・ファミリア】の主力は迷宮深部に閉じ込められており、壊滅は時間の問題であると報告を受ける。

その報告を聞いたタナトスは勝利を確信し、迷宮という絶対的な優位の中で戦況を楽観視していた。

新たな存在の接近

しかしその直後、タナトスの背後から声がかけられる。彼は振り返り、その人物の存在に気付くことで、事態が新たな局面へと移行しようとしていた。

ラウル隊の窮地と逃走

瀕死のフィンを抱えたラウル達は、モンスターと闇派閥の追撃に挟まれながら迷宮内を逃走していた。進路は次第に制限され、敵は彼らを奥へ追い込みながら消耗させる意図を見せていた。疲労と絶望が広がる中、パーティは崩壊寸前に陥っていた。

フィンの叱咤とラウルの覚醒

その時、意識の薄いフィンがラウルの名を呼び、微かな叱咤を送った。その一言によりラウルは立ち直り、リーダーとしての責任を自覚した。動揺しながらも声を張り上げることで、逆に仲間達の冷静さを取り戻させ、パーティは士気を回復した。

打開策の模索と敵の弱点の看破

ラウル達は短時間で打開策を議論し、敵がモンスターに襲われない理由に気付いた。闇派閥の者達は特定の結晶を持つことで新種のモンスターから攻撃されない状態にあった。一方でモンスター側には攻撃対象を変える条件が存在する可能性があり、それを利用する策が考案された。

囮作戦と怪物進呈

ラウル達はフィンを囮として置き去りにし、敵を誘い込む作戦を決行した。さらに仲間達が各方面からモンスターを引き連れて戻り、「魔法の粉」によって敵へ攻撃を集中させる状況を作り出した。これにより敵陣は混乱に陥り、暗殺者達はモンスターの群れに飲み込まれていった。

鍵の破壊と脱出成功

混戦の中でアキとラウルは連携し、ヴァレッタに一撃を与えた。その際に落ちた「鍵」はモンスターに踏み砕かれ、迷宮の制御手段を一つ失わせることに成功した。目的を果たしたラウル達は即座に撤退し、敵の追撃を振り切った。

再び訪れる絶望と突破

しかし脱出の途中、バルカの操作によって食人花の群れが行く手を阻んだ。再び絶望に包まれる中、ラウルは単身で敵に突撃し、自ら道を切り開こうとした。重傷を負いながらも戦い続ける姿は、第一級冒険者達の背中を追うものであった。

ラウルの覚悟と成長

自分が彼らのようにはなれないと理解しながらも、それでも追い続けることを選んだラウルは、仲間のために戦い抜いた。その姿に仲間達も奮い立ち、パーティは一丸となって突破を図った。

その背を見たフィンは、ラウルが既に立派な冒険者であると認め、かすかに笑みを浮かべた。

ティオナの防戦と仲間の連携

毒妖蛆の一斉射撃により窮地に陥った一行を守るため、ティオナは大双刃を高速で回転させて毒液を弾き、防壁として機能させた。その間に後衛の魔導士達が詠唱を完成させ、火炎魔法によって敵を一掃した。しかしティオナの手は劇毒に侵され、深刻なダメージを負っていた。それでも彼女は弱音を見せず、仲間に協力を求めて士気を立て直し、突破を図った。

ティオネの激昂と圧倒的制圧

一方でティオネは、暗殺者達の攻撃に激昂し、スキルによって増幅された力で敵を圧倒した。呪詛や異常魔法の影響をものともせず、拳と蹴りによる暴力的な攻撃で暗殺者達を次々と戦闘不能に追い込んだ。その圧倒的な戦闘力は味方すら畏怖させるほどであったが、同時に仲間の士気を強引に引き上げる役割も果たしていた。

ガレスの防御と強引な突破

ガレスは火炎流の罠から仲間を守るため、自らを盾として前に立ち、全ての攻撃を受け止めた。さらに再度の罠に対しては、迷宮壁を直接破壊するという荒業で突破口を作り出した。超硬金属で構成された壁を拳で打ち砕くという離れ業により、一行は間一髪で生存し、新たな通路へ脱出することに成功した。

ベートの決断と味方の制圧

ベートはディックスの呪詛によって混乱した仲間達を救うため、敵味方を問わず叩き伏せる強硬手段を選択した。錯乱状態の団員を無力化しつつモンスターも排除し、強引に戦場を制圧したうえでディックスへ接近した。この行動は冷酷であったが、呪詛の影響を断ち切る最も確実な方法であった。

ベートとディックスの激突

ベートは至近距離まで一気に踏み込み、ディックスの呪詛発動を封じたうえで圧倒的な速度と力で攻撃を叩き込んだ。ディックスは一方的に打ちのめされ、死の恐怖に追い詰められた末、「扉」を落下させて辛うじて逃走に成功した。しかしベートはその障壁すら力ずくで押し上げるという異常な力を見せ、最後まで追撃を試みた。

戦況の継続と各隊の生存戦

各所で分断された【ロキ・ファミリア】は、それぞれが極限状態の中で生存と合流を目指して戦い続けていた。ティオナの統率、ティオネの暴力的突破、ガレスの防御と破壊、ベートの冷酷な判断といった異なる戦い方が、それぞれの戦線で活路を切り開いていた。

アイズの敗勢とレヴィスの圧倒

レヴィスの猛攻を受けたアイズは大きく吹き飛ばされ、満身創痍の状態に追い込まれていた。防具は破損し、体は血に染まり、戦闘継続も困難なほど消耗していた。一方のレヴィスは自らの再生能力によって傷を癒し、余裕を保ったままアイズを追い詰めていた。両者の力の差は明確であり、アイズは死に直面する状況に置かれていた。

絶望の中での意志の再起

倒れ伏したアイズは、意識が途切れかけながらも立ち上がろうとした。救いは来ないという現実を理解しつつも、仲間の存在を思い出したことで再び立ち上がる決意を固める。これまでの人生で救いを得られなかった彼女にとって、今の支えは仲間との絆であった。強さのみを追い求めてきたアイズは、仲間を守るという意志を新たな動機として戦意を取り戻した。

風の覚醒と新たな戦術

アイズは限界に達した肉体を無理やり動かし、三度にわたり風の力を呼び覚ました。これまでの付与魔法の域を超えた暴風を発生させ、自身を中心とした風の砦を形成した。その風は広間全体を覆う規模に達し、レヴィスの接近を阻害する役割を果たした。アイズは攻撃ではなく防御と時間稼ぎに徹し、迷宮そのものを揺るがす規模の風を維持し続けた。

耐久戦への移行

レヴィスは苛立ちながらも突破を試みたが、風によって接近を妨げられ決定打を与えられずにいた。アイズは重傷を負いながらも風を維持し続け、ひたすら時間を稼ぐ戦術に徹した。これはレヴィスを倒すためではなく、状況を変えるための布石であり、自身の命を削る覚悟の上での行動であった。

限界と決着寸前の状況

やがてレヴィスの一撃が風を突破し、アイズは再び地に膝をついた。風も消失し、完全に動きを封じられる寸前にまで追い込まれる。レヴィスは勝利を確信し、止めを刺そうとしたその瞬間、突如として別の存在の足音が広間に響いたことで、戦況は新たな局面へと移行しようとしていた。

風による導きと士気の回復

迷宮内で疲弊しきっていたティオナ達は、逃げ場もなく絶望に沈みかけていた。しかしその時、迷宮には存在し得ないはずの風が吹き込み始めた。澄んだ気流は迷宮の淀んだ空気とは異なり、明確な意志を持つかのように彼女達を包み込んだ。その風の正体がアイズの魔法であると気付いたティオナは、仲間達に呼びかけ、再び前進する決意を取り戻した。

風を道標とした再集結

同様の風は各所に散らばっていた団員達にも届き、ティオネやガレス達もそれがアイズの発した導きであると理解した。迷宮内に自然の風が存在しない以上、その流れは明確な道標となり、全員が同一の方向へと進む根拠となった。これにより分断されていた【ロキ・ファミリア】は再び合流へ向かい、崩壊しかけていた戦線が再構築されていった。

バルカの想定崩壊

迷宮の管理者であるバルカは、この風によって状況が覆される事態に動揺した。迷宮は本来「扉」によって侵入者を分断・誘導する構造であったが、風はその制御を無効化し、正規ルートへと導く役割を果たしてしまった。さらに団員達は迅速な判断と行動で「扉」の封鎖すら突破し、バルカの制御は完全に後手へと回った。

仲間の合流と反撃開始

風に導かれたベートを皮切りに、ティオネ、ティオナ、ガレスらが次々とアイズのもとへ到達した。レヴィスに追い詰められていたアイズは仲間と再会し、戦況は一転する。ベートの突撃で均衡が崩れ、ティオネとティオナの連携攻撃、さらにガレスの一撃によってレヴィスは大きく吹き飛ばされた。

総力戦への移行

合流した団員達は即座に負傷者の治療と状況共有を行い、戦闘態勢を再構築した。しかしレヴィスは再生能力によって復帰し、依然として圧倒的な脅威として立ちはだかった。消耗した状態のまま迎える戦闘は極めて不利であり、緊張が再び高まることとなった。

新たな脅威の出現

その最中、迷宮の壁が突如破壊され、巨大な存在が姿を現した。超硬金属の壁を突き破って現れたその怪物は、かつて戦った「精霊の分身」であり、圧倒的な規模と異形の姿で一行の前に立ちはだかった。これにより戦いはさらに過酷な局面へと突入した。

五章 ◆怒哭総戦

イシュタルの来訪と闇派閥との関係

【ロキ・ファミリア】が再集結する前、迷宮内の回廊においてタナトスは美神イシュタルと遭遇した。イシュタルは闇派閥の残党と繋がりを持ち、人造迷宮建造のための資金提供者であった。迷宮建設に必要な莫大な資材と資金は、港街での密輸などと並び、彼女の出資によって支えられていたのである。

「天の雄牛」への興味と要求

イシュタルは見返りとして、闇派閥が保有する強大な存在「天の雄牛」の力を確認することを要求した。彼女は今後、美神フレイヤを討つための戦いを見据え、その戦力としての価値を見極めようとしていた。偶然迷宮に侵入している【ロキ・ファミリア】を仮想敵と見なし、実戦試験の対象とする意図もあった。

タナトスの逡巡と屈服

タナトスは「鍵」を持たない【ロキ・ファミリア】が既に追い詰められている状況を理由に、追加戦力の投入に難色を示した。しかし、イシュタルの長年にわたる巨額の投資と圧力を前に、最終的には要求を受け入れざるを得なかった。

怪物解放の決定

闇派閥側からは「まだ使うな」とされていた切り札であったが、タナトスは出資者への配慮と自身の興味から、その封印を解く決断を下した。彼は都市を破壊し得る力を持つ存在の真価を自らの目で確かめたいという欲求も抱いていた。

鎖から解き放たれた脅威

こうして「天の雄牛」は拘束から解放され、人造迷宮内へと放たれることとなった。この決定により、既に極限状態に追い込まれていた【ロキ・ファミリア】は、さらに規格外の脅威に直面する運命となった。

レヴィスの離脱と異変の察知

瓦礫により進路を断たれたレヴィスは、タナトス達が新たな「怪物」を解き放ったことを察知し、苛立ちを募らせた。アイズが放った風の影響で制御が効かなくなっている可能性を考え、状況確認のためその場を離脱した。

アイズ達とレフィーヤ達の合流

一方、レフィーヤとフィルヴィスは轟音を頼りに進み、アイズ達と合流した。しかしその直後、広間には未踏破領域で遭遇したものと酷似した「精霊の分身」が現れた。圧倒的な質量と力を持つその怪物は、超硬金属の壁すら容易く破壊し、【ロキ・ファミリア】に絶望的な脅威として立ちはだかった。

圧倒的戦力差と混乱

怪物の単純な突進は回避すら困難であり、まともな戦闘は不可能であると判断された。団員達は逃走か戦闘かの判断に迷い、状況は混乱を極めた。さらに迷宮内で出口も不明な中、退路すら確保されていないという致命的な問題も浮き彫りとなった。

レフィーヤによる突破口の提示

その中でレフィーヤが出口の位置を発見していたことを告げ、脱出の道筋が示された。これにより撤退の選択肢が現実的となり、団員達の士気はわずかに持ち直した。

フィンの決断とガレスの殿志願

最終的な判断を迫られたフィンは、撤退を決断した。その際、ガレスが自ら殿を務めることを申し出る。これを受け、フィンは彼に後衛を託した。

撤退開始と残留組の決意

ラウルの号令により、レフィーヤを先頭に団員達は脱出へと動き出した。一方でティオナとティオネはガレスに続いて戦場に残り、ベートとアイズはフィンの意向を受けて撤退組の護衛に回った。

仲間に託された戦線

殿を務めるガレス達に戦局を委ね、アイズは断腸の思いで撤退を選択した。仲間の生存を優先するための苦渋の決断であり、戦いはそれぞれの役割に分かれて継続されることとなった。

殿部隊の戦闘開始

撤退する仲間を見送った後、ガレス、ティオナ、ティオネの三名は大広間に残り、「精霊の分身」と対峙した。負傷や消耗を抱えた状態であったが、三人は足止めを最優先とし、巨大な敵に立ち向かった。

基本戦術による対抗

三人は巨大な敵に対する定石として脚部の破壊を狙った。ティオネは拘束魔法を発動し、「精霊の分身」の脚を一時的に停止させることに成功した。その隙を突き、ガレスとティオナが集中攻撃を仕掛け、巨体に確かな損傷を与えた。

圧倒的防御力と反撃

しかし敵の体皮は超硬金属にも匹敵する強度を持ち、攻撃は武器の方が先に損傷するほどであった。さらに拘束は短時間で解除され、「精霊の分身」は暴れ回ることで広範囲に破壊と衝撃を撒き散らし、三人を圧倒した。

執念による攻勢の継続

それでも三人は攻撃の手を緩めず、連携して脚部を徹底的に攻め続けた。ティオネは遠心力と技能を乗せた渾身の一撃で敵の動きを鈍らせ、ティオナとガレスも続けて打撃を重ねた。やがて「精霊の分身」は膝を折り、崩れかけた。

決着寸前の反転

三方向から同時に魔石を狙う攻撃が放たれ、勝機が訪れたかに見えた。しかし「精霊の分身」は瞬時に付与魔法を発動し、全身に雷の鎧を纏った。

雷撃による形勢逆転

発動された雷撃は全方位に放射され、三人は直撃を受けて吹き飛ばされた。さらに敵は自己再生で体勢を立て直し、追撃として雷を纏った踏みつけを放つ。

大広間の崩壊と劣勢の確定

雷撃と衝撃は大広間全体を破壊し、迷宮構造に甚大な損傷を与えた。ガレス達は直撃を受け、戦況は一気に劣勢へと傾いた。巨大な怪物はなおも余力を残し、三人に対し圧倒的な優位を保ち続けた。

イシュタルの歓喜と怪物への陶酔

台座に映し出された大破壊の光景を目の当たりにしたイシュタルは、「精霊の分身」の圧倒的な力に歓喜した。雷の付与魔法によって極限まで引き上げられた攻防一体の能力を称賛し、その存在を「天の雄牛」として絶対的な戦力と認識した。さらに、この力があればフレイヤの派閥すら打倒可能であると確信し、勝利を確信して狂喜した。

タナトスの興味と過去への執着

その様子を見ていたタナトスもまた、怪物の力に強い興味を示した。五年前の都市抗争における敗北を思い出し、この戦力があれば結果は違っていたと考え、その存在の危険性と魅力に笑みを浮かべた。

迷宮崩壊とバルカの暴走

一方で、「精霊の分身」による破壊は人造迷宮そのものにも及び、バルカが暴走状態に陥ったことが報告された。迷宮の損壊と制御不能な状況により、【剣姫】の取り逃がしの危険が生じていた。

タナトスの放置と状況悪化

しかしタナトスはこの報告を意図的に無視し、事態の収拾よりも怪物の力の観察を優先した。迷宮の崩壊や計画の破綻の可能性を顧みることなく、ただ「精霊の分身」の暴威を楽しむ姿勢を貫いた。

制御不能へと向かう戦局

その結果、迷宮内では計画の統制が失われつつあり、敵味方を問わず混乱が拡大していった。強大すぎる戦力の投入は、闇派閥側にとっても制御不能な状況を招き、戦局は予測不能な段階へと進行していった。

ティオネの決死の足止め

瓦礫に満ちた大広間で、「精霊の分身」はアイズ達を追って動き出したが、その足をティオネが阻んだ。満身創痍の体で光の鞭を放ち、怪物に絡みつかせて進行を食い止めようとしたが、圧倒的な力の前に叩きつけられ、瀕死の状態に追い込まれた。それでもなお、ティオネはフィンを守るために立ち上がり、執念で鞭を繋ぎ止め続けた。

ガレスの参戦と拘束戦への転換

そこへガレスが現れ、ティオネとともに光の鞭を掴み、「精霊の分身」の首を締め上げた。怪物の上半身という弱点に集中して力を加え、呼吸と発声を封じる形で戦局を変えた。圧倒的な怪力で引き寄せ続けることで、怪物を強引に拘束し、純粋な力比べへと引きずり込んだ。

狂気と執念による極限の攻防

ティオネとガレスは限界を超えた状態で戦い続けた。理性を失いかけながらも、フィンを守るという執念のみで行動し、怪物の抵抗を押し切った。「精霊の分身」は理解できぬまま追い詰められ、首を締め上げられて死の淵へと追い込まれていった。

ティオナの参戦と決定打

そこへティオナが合流し、最大強化された状態で突撃した。怪物の下半身に対して渾身の一撃を叩き込み、超硬の肉体を切断することで機動力を奪った。巨体は崩れ落ち、完全に形勢は逆転した。

ガレスによる止めと勝利

最後はガレスが跳躍し、無防備となった上半身の魔石を破壊した。「精霊の分身」は爆散し、灰となって消滅した。死闘の末、三人は勝利を掴み取った。

満身創痍の撤退

戦闘後、三人はいずれも戦闘不能寸前であった。ガレスはティオネとティオナを担ぎ、脱出を優先して撤退を開始した。誰一人として無傷ではなかったが、それでも生存を果たし、辛うじて迷宮からの離脱を目指す状況となった。

撤退戦の激化と限界の接近

脱出を図る本隊は、モンスターや刺客による連続した襲撃を受け続け、著しく消耗していた。レフィーヤの先導で出口を目指すも、負傷者が増え、隊列は限界に近づいていた。敵は「扉」を用いた妨害を行わず、代わりに直接の追撃に注力しており、迷宮側の統制が乱れている様子が見て取れた。

食人花の奇襲と絶体絶命

進行中、不意に「扉」が開き、罠として配置されていた食人花の群れが襲来した。回避も防御も間に合わず、パーティは壊滅の危機に陥るが、その瞬間、強力な氷結魔法によって敵は一掃された。

リヴェリアの救援と脱出路の確保

救援に現れたのはリヴェリアであった。レフィーヤが残した杖の魔力を手がかりに位置を特定し、迷宮内部へ侵入していた。リヴェリアは魔法によって通路を制圧しつつ、外部の団員と連携して負傷者の回収と脱出を開始させた。

救出隊の編成と再突入の決断

アイズやベート、ラウルらは応急処置を終えると、未帰還のガレス達を救出するため再び迷宮へ向かう決断を下した。一方で、精神力を消耗しきったレフィーヤはリヴェリアの指示により離脱を命じられ、フィルヴィスとともに地上へ退くこととなった。

迷宮からの脱出と甚大な被害

レフィーヤ達は辛うじて出口に到達し、迷宮から脱出した。しかしその代償は大きく、多くの団員が重傷を負い、命を落とした者も出ていた。怒号と悲嘆が飛び交う中、【ロキ・ファミリア】は深刻な損害を抱えたまま地上へ帰還することとなった。

ヴァレッタの執念と追跡

ヴァレッタは迷宮内を単独で徘徊し、逃した【ロキ・ファミリア】への執着と怒りを募らせていた。血に染まった姿のまま、なおも獲物を追い続け、フィンを取り逃がしたことへの苛立ちを抑えきれずにいた。

瀕死の部隊との遭遇

やがてヴァレッタは、重傷者を抱えながら撤退を続ける一団を発見した。片腕を失った者や重度の火傷を負った者など、満身創痍の状態で辛うじて生き延びている彼らは、治療師リーネの支えによって進み続けていた。仲間を励ましながら必死に救おうとする姿は、命の輝きを帯びていた。

歪んだ歓喜と襲撃の決意

その光景を目にしたヴァレッタは、救おうとする意志の強さにこそ歪んだ歓喜を覚えた。美しく必死に生きようとする存在を踏みにじることに価値を見出し、静かに接近していった。

奇襲の発動

血に濡れた外套の中から呪いの短剣を取り出したヴァレッタは、何食わぬ様子で一団の前に姿を現した。問いかける間もなく、殺意を込めた刃を振り上げ、無防備な彼らに対して奇襲を仕掛けた。

戦闘後の被害と喪失

迷宮からの撤退後、【ロキ・ファミリア】は甚大な損害を被っていた。死者は複数に及び、行方不明者を含めるとさらに数が増える結果となった。特に治療師リーネの名もその中に含まれており、仲間達の喪失は深刻であった。

ガレスとロキの対話

戦いを終えた後、ガレスはロキのもとを訪れた。ガレスは自らの責任として仲間の死を詫びたが、ロキはそれに対して明確な叱責を与えることはなかった。代わりに、失われた存在への複雑な感情を語り、仲間達との日常がもう戻らないことへの寂しさを滲ませた。

敗北の認識と迷宮の脅威

今回の戦いについて、ガレスとロキは明確に敗北であると認識していた。人造迷宮は最硬金属の扉によって進行が阻まれ、通常の攻略手段では突破不可能であることが判明した。攻略には「鍵」となる存在が必要不可欠であり、現状では打開策が存在しない状況であった。

再戦への準備

ロキは進攻を一時中止し、今後は情報収集と「鍵」の探索を優先する方針を示した。敵と繋がる可能性のある場所や人物を徹底的に洗い出し、次の戦いに備える必要があると判断したのである。

戦争への決意

最後にロキは迷宮街を見据え、再戦を誓った。今回の敗北を踏まえ、次は単なる探索ではなく本格的な戦争になると断言し、闇派閥との全面対決への決意を固めた。

エピローグ◆切望されしは

敗走と密やかな帰還

【ロキ・ファミリア】は人造迷宮から撤退したが、その戦闘は地上の者達に知られることはなかった。地下に隠された迷宮での敗北は表に出ることなく、彼らは静かに都市へと戻ることとなった。だがその代償は大きく、多くの犠牲と損害を抱えての帰還であった。

仲間の埋葬と悲嘆

回収された仲間の遺体は「冒険者墓地」に埋葬された。先達の墓標の隣に新たな名が刻まれ、団員達は涙を流してその死を悼んだ。初めて仲間の死に直面した者も多く、それぞれが深い悲しみと傷を抱えることとなった。同時に、迷宮に潜む敵への怒りを強くし、雪辱を誓う気持ちが芽生えていた。

敗北後の静寂と再起の兆し

敗走の影響は内部に軋轢を生みつつも、やがて【ロキ・ファミリア】は日常へと戻っていった。だがその裏では、迷宮攻略に必要な「鍵」の探索が進められ、再戦への準備が着実に進行していた。

歓楽街の異変

敗走から三日後の夜、ロキは歓楽街の異変に気付いた。都市南東から立ち上る炎と騒乱は明らかに異常であり、ただの事故ではない戦の気配を孕んでいた。

フレイヤの侵攻とイシュタルの窮地

歓楽街を襲撃していたのは【フレイヤ・ファミリア】であった。イシュタル側が準備していた計画は、予告もなく開始された侵攻によって全て崩壊した。援軍の手配も迷宮への退避も間に合わず、完全に不意を突かれた形で追い詰められていった。

女神同士の衝突と戦火の拡大

フレイヤは冷然とした意志のもと、歓楽街を制圧すべく進軍を続けた。圧倒的な戦力差の前にイシュタルは窮地に立たされ、都市の一角は戦場と化した。この衝突は偶然ではなく、何者かの思惑によって導かれたものだと示唆される中、ロキはその裏に潜む存在を思い浮かべていた。

歓楽街の蹂躙と炎上

歓楽街は戦火に包まれ、悲鳴と絶叫が響き渡る中、アマゾネス達が次々と倒れていった。都市南東区画に広がる歓楽街は、戦乙女の紋章を掲げた冒険者達によって瞬く間に制圧され、姦淫の都は炎に呑まれていった。

ヘルメスの暗躍と意図

その光景を見下ろしていたヘルメスは、背後のアスフィの問いに明確な答えを示さなかった。だが彼は、イシュタルの暴走が都市の崩壊に繋がると判断し、ロキ達の捜査を利用しつつ彼女を排除へと導いていた。中立派閥としての立場や、イシュタルのフレイヤへの敵意、さらにはフレイヤの持つ「宝物」すら利用し、全てを計算の上で動かしていたのである。

神々の望むもの

アスフィの問いに対し、ヘルメスは曖昧に笑いながらも本質を語った。神も人も、そして一人の少女でさえ、何かを求めているとし、その中心にあるのは「英雄」であると断言した。

迫る脅威と不足する戦力

未だ討たれていない三大冒険者依頼の一つである隻眼の黒竜、そしてそれに匹敵し得る「穢れた精霊」の存在が明らかとなり、都市には新たな危機が迫っていた。ダンジョンという根源的脅威とは別に、地上にも破滅の兆しが広がっていたのである。

英雄を求める世界

ヘルメスは、現状では戦力が足りず、決定的な切り札が必要であると認識していた。燃え盛る歓楽街に都市中の視線が集まり、迷宮街の闇の住人達や塔に立つ者達もまた、その戦場を見つめていた。

闇を払う光、選ばれし者を導く鐘、そして未来を担う存在――それら全てを指し示すように、ヘルメスは世界が求める「最後の英雄」の出現を示唆し、自らの思惑とともに神託めいた言葉を残したのであった。

ソード・オラトリア 6レビュー
ソード・オラトリア 8レビュー

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