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Y.Aフィクション(Novel)八男って、それはないでしょう!読書感想

小説「八男って、それはないでしょう! 20」感想・ネタバレ

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Y.A

八男19巻レビュー
まとめ
八男21巻レビュー

Table of Contents

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  1. 物語の概要
    1. 概要
    2. ■ 主要キャラクター
  2. 書籍情報
  3. あらすじ・内容
  4. 感想
  5. 考察・解説
    1. 魔族社会との外交交渉と特使派遣に伴う展開の全貌
    2. 魔王エリザベートによる農村再生運動とジビエビジネスの全貌
    3. 上位竜の卵の発見と子竜シュークリーム誕生の全貌
    4. 巨大魔導飛行船リンガイア号の解放・返還交渉の全貌
    5. 南方諸島の探索とアキツシマ島平定の全貌
  6. 登場キャラクター
    1. バウマイスター伯爵家(当主・家族・家臣・メイド)
      1. ヴェンデリン・フォン・ベンノ・バウマイスター
      2. エリーゼ・カタリーナ・フォン・ホーエンハイム
      3. イーナ・ズザネ・ヒレンブラント
      4. ルイーゼ・ヨランデ・アウレリア・オーフェルヴェーク
      5. ヴィルマエトル・フォン・アスガハン
      6. カタリーナ・リンダ・フォン・ヴァイゲル
      7. テレーゼ・ジークリット・フォン・フィリップ
      8. カチヤ・フランク・フォン_オイレンベルク
      9. リサ・クレメンテ・ウルリーケ・エクスラー
      10. アマーリエ・フォン・マインバッハ
      11. エルヴィン・フォン・アルニム
      12. ハルカ・フォン・アルニム
      13. アンナ・フォン・アルニム
      14. ドミニク
      15. レーア
      16. アリー・アーネスト・ブリッツ
      17. フリードリヒ・フォン・ペンノ・バウマイスター
      18. レオン・フォン・アルニム
    2. ヘルムート王国(王宮・貴族・その他)
      1. 国王
      2. ユーバシャール外務卿
      3. エーリッヒ・フォン_バウマイスター
      4. クリムト・クリストフ・フォン・アームストロング
      5. ブランターク・リングスタット
      6. コムゾフルガ
      7. レオポルド・ベギム
      8. プラッテ伯爵
      9. プラッテ伯爵の御曹司
      10. アナキン
      11. ペーター・ファルコン・フォン・ブロワ
      12. アルフォンス・フォン・フィリップ
      13. ファイト・フォン・バウマイスター
      14. キャンディー
      15. ゼークト
      16. リネンハイム
    3. ゾヌターク共和国(防衛隊・政府・その他)
      1. ガトー
      2. オウテン
      3. アリーレ・モール・クリント
      4. ラムル・アートン
      5. サイラス・ヘクトル
      6. ルミ・カーチス
      7. ブラントー
      8. オットー・ハインツ
      9. ライムント
      10. レオン
      11. フランソワ
    4. 旧ゾヌターク王国
      1. エリザベート・ホワイル・ゾヌターク九百九十九世
      2. ライラ・ミール・ライラ
      3. シュークリーム
    5. 南方諸島(「ルルの島」)
      1. ネイ
      2. ルル
    6. アキツシマ島
      1. 秋津洲高臣
      2. 細川藤孝
      3. 七条兼仲
  7. 展開まとめ(タイムライン)
    1. 第一話:ゾヌターク王国復活?
    2. 第二話:カレーとキャンプ
    3. 第三話:竜と子犬
    4. 第四話:やはり魔法はあまり関係なかった
    5. 第五話:南方探索命令
    6. 第六話:南国少女と光源氏計画?
    7. 第七話:山積する問題、俺にばかり面倒が降りかかる
    8. 巻末おまけ:メイド、 魔王様とお菓子を作る
  8. 同シリーズ
    1. 八男って、それはないでしょう!シリーズ
    2. 異世界帰りのパラディンは、最強の除霊師となるシリーズ
    3. 異世界帰りの勇者は、ダンジョンが出現した現実世界で、インフルエンサーになって金を稼ぎます!シリーズ
  9. その他フィクション

物語の概要

概要

物語開始時、ヴェンデリンは魔族の空中艦隊の出現に伴い、妻子や家臣らを伴って港町サイリウスへ出陣し、待機を命じられていた。
新鮮な魚を求めて自ら魔導遊行船を浮かべて釣りを始めたことをきっかけに、海上で遭難していた魔族の青年軍属モールたち三名を救助したことで状況が変化する。
彼らから、魔族社会の深刻な少子高齢化や二大政党政治の混乱、そして調査船リンガイア拿捕の真相が判明する。 膠着する外交交渉にヴェンデリンが介入し、無人島での彼の育児や家事の日常を報じるルミの記事が魔族の国で大好評を博したことで侵略世論が崩壊する。
最終的に、正式な外交特使に任命されたヴェンデリンは魔族の国(ゾヌターク共和国)を親善訪問し、そこで生活保護を受給する十歳の魔王エリザベートと出会う。
エリザベートが「実力を伴う魔王になる」という決意を固めたところで、物語は一旦の決着を見る。

■ 主要キャラクター

ヴェンデリン・フォン・ベンノ・バウマイスター

  • 立場・所属:バウマイスター伯爵家・当主。ヘルムート王国からの正式な外交特使。
  • 主人公との関係:本作の主人公。
  • この巻での主な役割:サイリウス近海での釣りを通じて遭難した魔族の若者たちを救助し、膠着していた外交交渉を打開する。さらに魔族の国を訪問して親善活動を行う。
  • この巻で起きた重要な変化や行動:魔族の新人記者ルミ・カーチスの取材を受け入れ、家族を大切にする日常が報道されたことで、魔族社会における融和の象徴となった。

アリー・アーネスト・ブリッツ

  • 立場・所属:バウマイスター伯爵家の居候。魔族の元大学教授であり、考古学者。
  • 主人公との関係:ヴェンデリンの領地における居候。
  • この巻での主な役割:救出したモールたちがかつての自身の教え子であることを明かす。魔族社会の少子高齢化や失業問題などの国情をヴェンデリンたちに解説する。
  • この巻で起きた重要な変化や行動:魔族の国への親善訪問に同行し、防衛隊のラーゲ二級佐官らとの仲介役を務めた。

エルヴィン・フォン・アルニム

  • 立場・所属:バウマイスター伯爵家・警備隊員、当主護衛。
  • 主人公との関係:ヴェンデリンの親友であり、家臣。
  • この巻での主な役割:ヴェンデリンの護衛としてサイリウス近海の遠征や魔族の国への親善訪問に同行する。
  • この巻で起きた重要な変化や行動:アルニム騎士爵家への仕官を求めてきた父や兄たちを実力主義の条件を提示して退けた。港町サイリウスでかつての失恋相手カルラと再会し、過去のわだかまりを完全に綺麗に解消した。

アリーレ・モール・クリント

  • 立場・所属:ゾヌターク共和国・青年軍属。
  • 主人公との関係:ヴェンデリンに命を救われた遭難者であり、アーネストの元教え子。
  • この巻での主な役割:島での退屈な警備作業に耐えかね、脱走中に遭難したところを救助され、人間側に魔族社会の実情やリンガイア拿捕の真相をもたらす。
  • この巻で起きた重要な変化や行動:ヴェンデリンから直接魔法の指導を受け、サーペントを一人で撃退できるほどに成長する。将来への不安から、ヴェンデリンに「助手として雇ってほしい」と頼み込んだ。

ルミ・カーチス

  • 立場・所属:魔族の新聞社「エブリディジャーナル」の新人記者。
  • 主人公との関係:アーネストの元教え子であり、ヴェンデリンを専属取材する記者。
  • この巻での主な役割:無人島でのヴェンデリンの日常(育児や家事、料理)を取材し、魔族の国に向けて好意的な記事を発信する。
  • この巻で起きた重要な変化や行動:彼女の記事によって人間への野蛮な偏見が消失し、魔族国内の大陸解放(侵略)世論を一気に崩壊させて融和ムードを形成した。

エリザベート・ホワイル・ゾヌターク九百九十九世

  • 立場・所属:旧ゾヌターク王国の魔王。
  • 主人公との関係:ヴェンデリンを対等な「同じ志を持つ同志」と認める十歳の少女。
  • この巻での主な役割:退屈な親善訪問の合間にヴェンデリンの宿泊するホテルを訪れ、出された高級シュークリームをきっかけに親睦を深める。
  • この巻で起きた重要な変化や行動:魔族社会におけるノブレス・オブリージュの滅亡を嘆き、ただの飾りではない「実力を伴う魔王になる」という再興の強い決意を表明した。

ライラ・ミール・ライラ

  • 立場・所属:旧王国の宰相家出身。エリザベートの保護者。
  • 主人公との関係:エリザベートに同行してヴェンデリンを訪ねてきた知己。
  • この巻での主な役割:生活保護を受給するエリザベートを親身に世話し、複数のアルバイトを掛け持ちしながら彼女の活動を物心両面で支える。
  • この巻で起きた重要な変化や行動:テレーゼの気品ある立ち振る舞いから、彼女が元公爵であることを看破した。

書籍情報

八男って、それはないでしょう! 20
著者:Y.A 氏
イラスト:藤ちょこ 氏
出版社:KADOKAWAMFブックス
発売日:2019年12月25日
ISBN:9784040642703

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あらすじ・内容

――余は、魔族の王国を復活させることをここに宣言する!

突如押しかけてきた幼い魔王エリザベートの宣言に、ヴェルは困惑してしまう。下手に関わると内政干渉のリスクが高まるのだが、知ってか知らずか魔王はヴェルたちの部屋に通うようになった。以後、魔王は出されるおやつに舌鼓を打ちつつ学校の宿題に取り組んだり、芋掘りに参加したり、料理に挑戦したりと、およそ他人とは思えない程度にヴェルたちと親睦を深めていく。すべては、特にやることもなく暇であるという現実が招いた必然ともいえた。

一方、難航していたリンガイア開放交渉を大人の事情でうまく解決に導いたヴェルに、バウマイスター伯爵領南方諸島群以南の探索話が持ち上がり……。

魔族との交渉はお偉いさんに一任して、魔王との交流&南方探索開始の第二十幕!

八男って、それはないでしょう! 20

感想

前巻から続いているヘルムート王国と魔族の国との外交。

ところが20巻になっても、

全然進んでいない。

テラハレス諸島群では双方の外交団が話し合いを続けているものの、政治制度も価値観も違いすぎて、なかなか合意点が見つからない。

そんな中、ヴェンデリンは魔族領で幼女魔王エリザベートと交流し、拿捕されていた《リンガイア》の乗組員解放まで担当。

さらに帰国したと思ったら、今度は南方探索へ。

生活に困っている島民を移住させ、最後にはミズホ風の文化を持つ巨大な島まで発見する。

振り返ってみると、

結構活動してるな、今回。

外交そのものはほとんど進んでいないのに、ヴェンデリン個人はかなり仕事をしていた巻である。

幼女魔王様、農村再生の次はドラゴンまで手に入れる

前巻の最後に登場した魔王エリザベート。

魔王とはいっても共和国での政治的な実権はほぼなく、本人が始めた「ゾヌターク王国復活計画」も、実態は放棄された農村を無職の若者たちと再生していく活動だった。

王国復活と言いつつ、

芋を掘る。

害獣対策を覚える。

学校の宿題もする。

かなり平和な魔王である。

そんなエリザベートが、キャンプ中に古い宝箱を発見する。

中から出てきた地図を頼りに山頂を掘ると、今度は上位竜の卵が出てきた。

本来なら危険すぎる。

古代の魔族では王や有力者が上位竜を従えていたらしいが、成長した竜なんて簡単に飼える存在ではない。

だから一度は、

「飼育環境が整うまで封印しておこう」

という話になる。

それなのにエリザベートが試しに魔力を流したら、

孵化。

やっちゃった。

しかも最初に見たエリザベートを親として認識し、完全に懐いてしまう。

名前は《シュークリーム》。

上位竜なのにシュークリーム。

魔王様らしいというか何というか。

さらに街中でドラゴンを連れ歩くわけにもいかないので、動物に変身できる魔道具を使って犬の姿にすることになる。

ここまでは分かる。

問題は実験台。

ヴェンデリン。

首輪をつけられて柴犬っぽい子犬に変身。

しかもすぐには戻れない。

当然、妻たちに抱かれる。

愛でられる。

本人が何を言っても、

「ワン」

にしかならない。

何してるんだ、伯爵様。

ただ、この実験のおかげでシュークリームも普段はピンク色の子犬としてエリザベートのそばに置けるようになった。

魔王が上位竜を従える。

設定だけなら格好いい。

見た目は、

幼女+ピンク色の子犬。

随分と平和になったな。

外交が進まないので、官僚と直接話して《リンガイア》乗組員を解放する

一方、国家間の外交は相変わらず進まない。

王国と魔族では政治制度も常識も違い、魔族側も政権交代直後。

交易を始めるにしても、為替、関税、輸入量、産業保護など決めることだらけである。

そこで国王はヴェンデリンに別件を任せる。

拿捕されている《リンガイア》と乗組員の解放。

ここでヴェンデリンが狙ったのが、政治家ではなく実務を担当する官僚との直接交渉だった。

魔族の社会が現代日本に近いからこそ、

「政治家同士で話が進まないなら、実務担当者同士で詰めればいい」

という発想になる。

実際にガトー事務次官と話すと、一気に進む。

問題なのは、

誰が今回の騒ぎを起こしたのか。

《リンガイア》が拿捕された原因は、プラッテ伯爵の息子がアナキンに魔法攻撃を命令したことだった。

つまり、

バカボンが原因。

そこで大半の乗組員は解放。

実際に魔法を撃ったアナキンについては、命令に従わされた事情を考慮し、和解金を支払って処理する。

そして主犯のプラッテ伯爵の息子だけ残す。

分かりやすい。

アナキンも一億エーンを支払うことになるが、ヴェンデリンが不足分を立て替え、帰国後はバウマイスター伯爵家で働いて返済することになる。

一方のバカボンは、そのまま収監。

おおむね二十五~三十年。

模範囚なら二十年ほどで出られる可能性もある。

帰国後も完全に人生終了というわけではなく、貴族としての体面を保ちつつ、責任の軽い役職へ回される道は残る。

それでも、

一人を残して他の船員を帰す。

今回の騒動を起こした本人なのだから仕方ない。

しかもヴェンデリンはプラッテ伯爵本人に、

「あなたの息子は仲間を救うため、自ら残った立派な貴族です」

という形で説明する。

これならプラッテ伯爵も否定しづらい。

何気にエグい。

でも、かなり上手い落としどころだったと思う。

政治家同士では延々と話が進まないのに、実務担当者と話したら捕虜問題だけは片付いた。

ヴェンデリン、貴族より官僚向きなんじゃないか?

南方の島では住民を丸ごと移住。五歳の村長ルルまで保護することに

捕虜問題を片付けて領地へ戻ったヴェンデリン。

ようやく普通の領地経営に戻るのかと思ったら、今度は南方探索を命じられる。

忙しいな。

バウマイスター伯爵領の南方諸島群より、さらに南。

そこで発見したのが、大きな島だった。

だが島民たちはかなり厳しい生活を送っている。

祖先は一万年以上前に大崩壊から逃れてきた人々。

ところが島の大部分は魔物の領域となり、周囲の海にはサーペント。

漁に出れば襲われる。

農地も少ない。

人口も増えない。

完全に詰みかけている。

そこでヴェンデリン側が移住を提案すると、

即決。

それだけ困っていたということだろう。

南方諸島には開発途中の土地がある。

島民たちにはサトウキビ栽培の経験もある。

なら、無理に危険な島に住み続ける必要はない。

魔導飛行船で島民と荷物を運び、別の島へ移住させる。

これまでヴェンデリンは未開地を開拓することが多かったが、今回は、

「住みにくい土地から人を移す」

という方向なのが少し新鮮だった。

そして、この島で出会ったのが五歳くらいの少女ルル。

村長。

五歳で?

となる。

魔法使いが村を守る風習があり、ルルには中級クラスの魔力があったため、幼いのにサーペントから村を守る役目を背負わされていた。

しかも父親はサーペントに殺され、母親も病死。

そりゃヴェンデリンたちが保護するしかない。

ヴェンデリンがサーペントを倒したことで、ルルは完全に懐く。

そして、

大きくなったらヴェンデリンのお嫁さんになる。

またか。

ヴェンデリン本人は子供の言うことだと思って流しているが、周囲から見ると新しい嫁候補を連れて帰ってきたようにしか見えない。

五歳だぞ。

さすがに違う。

今回は妻ではなく、完全に保護対象である。

魔法の才能も高いため、ヴェンデリンのところで教育を受けることになる。

最後は群雄割拠の和風島。南方探索の橋頭堡まで作ることになった

島民の移住が終わり、さらに南へ。

そろそろ探索を切り上げようかというところで、

巨大な有人島を発見。

しかも建物や田畑の雰囲気が、

和風。

ミズホ公爵領に似ている。

一万年前に別れた民族の子孫らしく、島では数十もの領主が争う群雄割拠状態になっていた。

今度は戦国時代か。

ヴェンデリンたちが最初に遭遇したのが、秋津洲家と七条家の争い。

ただ、単純な領土争いではない。

水がない。

干ばつで七条領のため池が枯れ、このままでは領民が餓死する。

だから七条兼仲は、秋津洲家の水源を奪ってでも領民を助けようとしていた。

やっていることは強引だが、本人なりに領民を守ろうとしている。

悪役というほど悪い奴でもない。

結局、ヴェンデリンたちは戦争を止め、

水がないなら水を出せばいい。

となる。

地面の奥に地下水はある。

でも厚い《黒硬石》に阻まれて掘れない。

そこで、

導師が殴る。

ルイーゼが殴る。

ヴェンデリンが殴る。

土木工事なのか戦闘なのか分からない。

最終的に岩盤を破壊して地下水を噴き出させ、水不足を解決してしまう。

すると七条家が臣従。

秋津洲家まで臣従。

結果、

「この島もバウマイスター伯爵領ですよね?」

という流れになる。

ヴェンデリンとしては水不足を解決しただけなのに。

また領地が増える。

しかも今回は、小さな無人島ではない。

数十もの勢力が争っている大きな島。

南方探索を続けるなら、確かにここを橋頭堡にできる。

だがそのためには、

島を統一しないといけない。

面倒事が一気に増えた。

20巻は最初こそ魔族との外交の続きだったが、終わってみるとかなり遠くまで来た感じがする。

魔王様はドラゴンを獲得。

《リンガイア》の乗組員問題は一応解決。

南方では島民を移住させ、ルルを保護。

さらに最後は、群雄割拠する和風の巨大島にまで足を踏み入れた。

外交は進んでいない。

でもヴェンデリンは、

めちゃくちゃ動いてる。

そして最後に始まったのが、まさかの和風戦国編。

魔族との外交だけでも新展開だったのに、さらに別の新天地まで出てきた。

次はアキツシマ島統一か?

領地開発、外交、移民、そして今度は戦国大名。

バウマイスター伯爵、本当に何でもやらされるな。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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八男19巻レビュー
まとめ
八男21巻レビュー

考察・解説

魔族社会との外交交渉と特使派遣に伴う展開の全貌

テラハレス諸島群における魔族艦隊の出現と対峙から始まった事態は、遭難した魔族青年の救助やメディアを通じた世論の転換を経て、ヴェンデリン・フォン・ベンノ・バウマイスターの外交特使派遣へと大きく進展した。主要な転換点、人物関係の変化、自己認識と周囲の評価、旧王国の魔王との会見、そして巻末時点の状況について解説する。

主要な転換点

状況を大きく動かした決定的な転換点は以下の通りである。

・魔族青年軍属の救助:水中呼吸の魔法を用いて島から脱走中に遭難していたモール、ラムル、サイラスの三名を救助した。彼らを通じて魔族社会の少子高齢化や高い失業率、さらにリンガイア拿捕の原因がブラッテ御曹司の独断命令による発砲であった事実が判明し、王国側が冷静かつ現実的な交渉方針を維持する決定的な前提となった。
・日常記事の報道による世論の好転:無人島でのバカンスにおいて、育児や調理を自ら行うヴェンデリンの日常を新人記者ルミ・カーチスが取材し、魔族の新聞に好意的な記事として掲載した。これにより魔族民衆の好戦的な大陸解放論が一気に後退し、拿捕船返還への環境整備およびヴェンデリンの正式な外交特使派遣へと繋がった。
・旧王国の魔王エリザベートと宰相ライラの来訪:生活保護を受給する十歳の魔王エリザベートと、フリーターとして彼女を支える宰相ライラが滞在先のホテルを訪問した。歓待を受けたエリザベートは実力を伴う魔王になると宣言し、ヴェンデリンを同志と認識したことで、両国関係に新たな政治的火種が残された。

ヴェンデリンを中心とした人物関係の変化

魔族社会との接触を通じて、ヴェンデリンを取り巻く関係性は大きく変容した。

・モール、ラムル、サイラス:警戒すべき敵国の脱走兵という関係から、二度の隔離野営での共同生活や実戦的な魔法指導を経て信頼関係を構築した。高学歴ながら無職である彼らはヴェンデリンを深く慕い、助手としての雇用を懇願する親しい友人関係となった。
・ルミ・カーチス:独自の余暇を過ごす貴族と新人記者という関係から、相互の利益一致を理解した上で専属記者としての関係を確立した。親善訪問中も行動を共にし、気心の知れた取材パートナーとなった。

主人公の認識と周囲の評価

ヴェンデリンの内面的な自己認識と、周囲からの評価の間には明確な差異が存在している。

・主人公自身の認識:自らを土木魔法使いであり、妻子と穏やかに過ごすことを望む元日本人の凡人と捉えている。育児や家事は当然の行為であり、魔族社会との折衝も前世の民主主義社会の知識によるものに過ぎないと認識している。
・周囲からの評価:エルの実家は都合の良い優遇を期待し、王国のユーバシャール外務卿は頼れる反面自らの立場を脅かす存在として複雑な目を向けている。一方、魔族社会からは家族を大切にし自ら家事をこなす先進的で有能な若い貴族として、親近感と融和の象徴として絶賛されている。
・認識の差が現れた場面:釣りに没頭する姿を、本人はただ魚を食べたいだけと考えていたのに対し、周囲の西部貴族たちは利権や女性の押し付けを避けるための高度な軍事行動と解釈した。また、育児や調理を行う姿を人間側は貴族らしくないと呆れたが、魔族側は理想的な統治者の姿として新聞で大々的に報道した。

クライマックスにおける魔王エリザベートとの会見

滞在先のホテルにおいて行われた魔王との対話は、以下のように展開された。

・発生原因と当初の状況:形式的な親善訪問が続き関心が薄れていたところへ、生活保護を受給する旧ゾヌターク王国の魔王エリザベートと宰相ライラが来訪した。二人は高い魔力を持ちながらも、魔道具の発達した共和国では無価値な扱いを受けていた。
・登場人物それぞれの行動:

  • ヴェンデリン:部屋に招き入れ、高級シュークリームや森林マテ茶を振る舞い歓待した。
  • エリザベート:子供らしくシュークリームを堪能した後、王政から民主主義へ移行した国家の衰退とノブレス・オブリージュの滅亡を嘆く演説を開始した。
  • ライラ:エリザベートを世話しつつ、テレーゼが元公爵であることを見抜いた。
  • モールたち三人:生活保護受給の境遇に親近感を抱くも、大卒で無職である点をエリザベートから痛烈に批判された。
    ・危機と対応:エリザベートは新コミュニティの設立によるノブレス・オブリージュの復興を主張し、全面戦争や反逆の引き金になりかねない危険な思想を示した。これに対しヴェンデリンは、新たなコミュニティの設立は反逆の引き金になると冷静に指摘し、現状維持を望む保守的な立場を説明して穏便に制止した。
    ・決着とその直後:エリザベートはヴェンデリンを信頼できる同志と認め、実力を伴う魔王として王家再興を目指す決意を表明した。手土産を受け取った二人は満足して帰還したが、ヴェンデリンは新たな厄介事の種を実感することとなった。

巻末時点の状況と今後の課題

親善訪問を通じて戦争の危機は後退したものの、根本的な問題は依然として残されている。

・主人公の居場所と立場:ゾヌターク共和国のホテルに滞在しており、バウマイスター伯爵家当主および王国からの正式な外交特使としての立場にある。
・主要人物の動向:妻子やアマーリエは育児をしながら早期の帰領を望んでいる。モールたち三人は雇用を懇願しているが法整備の都合上保留となっており、エリザベートらは王家再興への決意を固めている。
・解決した問題:ルミの記事により人間への偏見が払拭され、魔族軍の報告も相まって大陸侵略への世論は後退し、戦争の危機は一旦回避された。
・継続している問題と今後につながる要素:テラハレス諸島での公式外交交渉は難航を続けており、拿捕されたリンガイアと乗組員の拘束も継続している。また、エリザベートの王家再興に向けた自発的行動が今後の新たな政治的火種となる可能性を残している。

まとめ

魔族社会との接触と特使派遣を巡る一連の全貌は、脱走兵の救助を通じた内部事情の把握から始まり、日常記事の報道による好戦的世論の沈静化、外交特使としての現地派遣、そして旧王国の魔王エリザベートとの会談による新たな政治的火種の発生に至るまで、その歩みを明瞭に示している。
封建制と民主主義という異なる社会構造の狭間において、家庭的な日常感覚と現実的な対話によって全面戦争を回避し、未知の異種族社会との外交基盤を築き上げた記録である。

魔王エリザベートによる農村再生運動とジビエビジネスの全貌

魔王エリザベートによる農村再生運動(新生ゾヌターク王国建国計画)は、緊迫した外交の裏で、現代地球の社会現象やビジネスモデルに酷似した展開を見せたエピソードである。放棄された過疎地でのコミュニティ形成から、芋掘り視察、害獣駆除における命の向き合い方、そしてキャラクターパッケージを活用したジビエ商品の成功に至るまでの全貌について解説する。

王国復活の看板を掲げた有機農業ビジネス

十歳の魔王エリザベートと宰相ライラは、ノブレス・オブリージュの復活を掲げてゾヌターク王国の再興を宣言した。

・社会の隙間を突いた活動:武力闘争ではなく、共和国が放棄して自然や魔物の領域に戻りつつあった土地に、無職の若者や劣悪な企業を退職した人々を集め、自給自足の農村コミュニティを立ち上げた。エリザベートが非営利活動団体の会長に、ライラが副会長兼会計に就任した。
・共和国政府による黙認:この活動によって生活保護を受給する無職者が減少し、わずかでも納税が見込めることから、政府や防衛隊も農村再生運動として静観する姿勢をとった。

芋掘り視察と安全な離乳食の作製

外交交渉の合間に、ヴェンデリンたちは休日にこの農村を訪れて交流を行った。

・自然農法へのこだわり:村では約百人の若者が農業や養鶏に従事しており、費用を抑えるため合成肥料や農薬を極力排除し、自然肥料や自作忌避剤を用いた有機無農薬栽培を実践していた。
・急速熟成と離乳食の調理:掘りたてのイモをヴェンデリンが魔法で急速熟成させ、エリーゼたちが裏ごしして赤ん坊のための安全な離乳食を作製した。村人たちも大学イモや天ぷらなどを調理し、収穫祭のような会食を楽しんだ。

「命を食べる」覚悟とヴィルマによる説得

順調に進んでいた農村再生であったが、野生動物による農作物の食害という現実的な壁に直面した。

・若者たちの葛藤:現代的な価値観を持つ魔族の若者やエリザベートは、動物を殺すことに罪悪感を抱き、罠にかかった獣を遠くへ逃がそうとするなど駆除を躊躇していた。
・ヴィルマの説得と覚悟:野生児として育ったヴィルマは、一度作物の味を覚えた獣は必ず戻ることを指摘し、自分たちの生活を守るためには命を奪う覚悟が必要であると厳しく諭した。
・解体技術の習得:ヴェンデリンたちの助言もあり、生きるために命を奪う現実を受け入れた若者たちは、害獣駆除と解体技術を学ぶ決意を固めた。

魔王印のジビエ製品化とキャラクター商法の成功

適切に処理された肉を活用し、外部へ向けた商品展開が行われた。

・食べて応援ビジネスの導入:前世の知識を持つヴェンデリンの提案により、肉を農村支援の名目で町へ向けてジビエとして販売する仕組みが構築された。燻製や缶詰、レトルト食品などの商品開発が進められた。
・キャラクターパッケージの威力:商品の包装に十歳の可愛らしい魔王エリザベートのイラストを採用したところ、若い購買層を中心に大ヒットを記録し、農村に大きな収益をもたらした。

まとめ

魔王エリザベートによる農村再生運動を巡る一連の全貌は、放棄された過疎地での自給自足コミュニティの立ち上げから始まり、有機無農薬栽培や魔法を活用した収穫の喜び、害獣被害を通じた命をいただく覚悟の獲得、そしてキャラクターイラストを活用したジビエ商品のヒットに至るまで、その歩みを明瞭に示している。
形骸化した社会保障と閉塞感に苦しむ魔族社会において、現実的な労働とビジネスの仕組みを組み合わせ、新たな自立の道を切り拓いた試みの記録である。

上位竜の卵の発見と子竜シュークリーム誕生の全貌

『八男って、それはないでしょう!』の物語において、十歳の幼き魔王エリザベートが引き起こした上位竜の孵化は、魔族の歴史や彼女の王家再興計画に深く関わる重要な出来事である。上位竜の特殊な生態から、魔族における竜と王の歴史、魔力注入による子竜の誕生、そして変装用魔道具を用いた育成の課題解決に至るまでの全貌について解説する。

上位竜の卵の発見と特殊な生態

湖畔でのキャンプ中、過去の遺物から強力な竜の卵が発見された。

・地図の発見と発掘:砂に埋もれていた千五百年前の箱から地図が発見され、その指示に従って山頂の地下約五メートルを掘削したところ、頑丈な箱に収められた大きな卵が回収された。
・上位竜の鑑定:考古学者アーネストの鑑定により、人間領における属性竜に相当する強力な上位竜の卵であることが判明した。
・魔力による孵化制御:上位竜の卵は親竜または魔力保持者から大量の魔力を注ぎ込まれない限り何百年温めても孵化しない。
・長期間の生命維持:魔力を与えられない状態であれば、卵の中で仮死・封印状態を保ち、数千年以上にわたり生存し続ける特殊な生態を持つ。

魔族の歴史における王と竜の関係

かつての魔族社会において、上位竜は支配者の権威と武力を象徴する存在であった。

・古代戦乱期の権威誇示:古代の王や長たちは、強大な権力と武力を示すため魔物領域の奥深くから上位竜の卵を奪取し、自らの膨大な魔力を注いで孵化させ、戦場で乗騎として従えていた。
・平和と財政難による衰退:平和の到来と国家財政の逼迫に伴い、孵化にかかる多大な労力や莫大な飼育費用が敬遠され、次第に従属させる文化は廃れていった。

魔力注入と子竜「シュークリーム」の誕生

殺処分や再封印の議論が進む中、エリザベートの行動が新たな生命を目覚めさせた。

・殺処分の拒否と魔力注入:危険防止のために卵の中身を抜く学術処理や再封印の議論が交わされる中、エリザベートは竜の命を奪うことに反対し、隙を見て卵に自らの魔力を注入した。
・孵化と刷り込み:元々孵化寸前であった卵は即座に割れ、ピンク色の羽毛を持つ小さな子竜が誕生した。生まれたての子竜は刷り込みにより最初に目にしたエリザベートを親と認識し、強く懐く姿を見せた。
・命名と飼育の決定:その愛らしい姿に周囲の者たちも魅了され、エリザベートは大好物にちなんで「シュークリーム」と命名し、自らの僕として育てることを決定した。

育成に伴う現実的課題と子犬への変身

上位竜を連れ歩くにあたり、寿命や外見に関する問題が生じた。

・極めて緩やかな成長速度:上位竜が成竜になるには約千年を要するため、平均寿命が三百年程度の魔族が生きている間は小型のマスコットサイズのまま成長しない。
・変装魔道具の活用:人目を引く竜の姿のまま街中へ連れ出すことを避けるため、ヴェンデリンが師アルフレッドの遺品である首輪型の変装魔道具を提供した。
・ピンク色の子犬への擬態:首輪を装着したことで愛らしい子犬の姿へ変身させることに成功した。ただし、ピンク色の毛並みや「ミュウミュウ」という鳴き声、犬の姿のまま空中浮遊する特徴はそのまま残された。
・装着実験における災難:首輪の実験台となったヴェンデリン自身は丸一日柴犬の姿となり、女性陣に可愛がられつつも平皿の肉を食べさせられるなど、散々な体験を味わうこととなった。

まとめ

上位竜の卵の発見と孵化を巡る一連の全貌は、数千年の時を越えて保存されていた特殊な卵の発掘から始まり、かつての王と竜の歴史的背景、エリザベートの魔力注入による子竜シュークリームの誕生、そして変装用魔道具を用いた子犬への擬態と育成環境の整備に至るまで、その歩みを明瞭に示している。
失われた古代の象徴を幼き魔王が受け継ぎ、周囲の協力を得ながら現実的な共生の道を切り拓いた記録である。

巨大魔導飛行船リンガイア号の解放・返還交渉の全貌

巨大魔導飛行船リンガイア号の解放・返還交渉は、王国と魔族の国の政治的事情や家中の思惑、そしてヴェンデリン・フォン・ベンノ・バウマイスターの現実主義的な交渉術が噛み合った外交劇である。拿捕事件の引き金となった発砲から、魔族側の内情、王国側の足かせ、実務官僚ルートを通じた極秘合意、そして美談を用いた事後処理に至るまでのプロセスについて解説する。

拿捕事件の発端と元凶となった副長の暴走

全長400メートルを誇るリンガイア号が拿捕された背景には、同船幹部による独断専行が存在していた。

・領空侵犯の警告と独断発砲:魔族の警備艦から領空侵犯の警告を受けた際、平民出身の艦長コムゾフルガの制止を無視し、空軍閥重鎮の跡取り息子であるプラッテ副長が下級魔法使いアナキンに発砲を命令した。
・拿捕の確定:先制攻撃を受けた魔族側により、リンガイア号は乗組員とともに拿捕される事態となった。

魔族側における早期返還の裏事情

拿捕した側である魔族政府にとっても、長期の拘留は利益にならない状況であった。

・莫大な収監維持費:1万人を超える乗組員を収監・維持するために膨大な予算が消費されていた。
・ドックの占有問題:魔族の技術基準では旧式艦に過ぎないリンガイア号が防衛隊のドックを長期間占有しており、魔族側にとっても早期返還が本音であった。

王国側における交渉の停滞と親バカ貴族の抵抗

王国首脳部は謝罪と費用負担による早期解決を目指したが、内部の反対勢力によって交渉が滞った。

・保身と特権の固執:プラッテ伯爵は跡取り息子の経歴に傷がつくことを恐れ、王国の謝罪拒否と息子のみの先行解放を強硬に主張し、王宮内での合意形成を阻害した。

官僚ルートを通じた極秘交渉と大人の解決策

特命大使に任命されたヴェンデリンは、表向きの政治交渉を迂回し、実務官僚との直接交渉を選択した。

・実務層との接触:魔族の若手官僚オウテンを介し、外務省のガトー事務次官と内密に面会した。
・主犯のみの収監案:プラッテ副長を主犯として魔族領の刑務所に残し、艦長や他の乗組員およびリンガイア号本体を速やかに解放する方針を提示した。これにより魔族側も世論への説明と拘留費用の削減が可能となった。
・実行犯アナキンの司法取引:命令に従っただけのアナキンに対しては、元師匠であるリサの説得により罪を認めさせ、和解金1億エーンの支払いによる執行猶予付き判決(国外追放)を取り付けた。和解金はヴェンデリンが立て替え、アナキンは借金返済のためバウマイスター伯爵家への仕官が確定した。

交渉妥結と「貴族の鑑」を用いた事後処理

実利の一致により交渉は迅速に妥結し、皮肉を交えた完璧な着地を迎えた。

・乗組員と船体の帰還:大半の乗組員はリンガイア号とともに無事王国へ帰還した。一方、主犯のプラッテ副長は25年から30年の刑期で魔族領の刑務所に収監された。
・美談の捏造による封じ込め:帰国後、ヴェンデリンはプラッテ伯爵に対し、息子は船と仲間を救うために自ら収監を選んだ「貴族の鑑」であると報告した。伯爵側は息子の不祥事化を防ぐために抗議できず、礼を述べざるを得ない状況に追い込まれた。

まとめ

リンガイア号の解放・返還交渉を巡る一連の全貌は、無謀な発砲による拿捕事件から始まり、魔族側が抱えていた維持費やドック占有の負担、王国貴族の保身による交渉の膠着、実務官僚ルートを通じた主犯分離の裏合意、そして「貴族の鑑」という美談を用いた完璧な事後処理に至るまで、その歩みを明瞭に示している。
形式的なプライドに縛られる上層部を排し、双方の実利を突いた現実的な取引によって国益と秩序を確保した外交劇の記録である。

南方諸島の探索とアキツシマ島平定の全貌

『八男って、それはないでしょう! 20』で描かれた南方諸島の探索は、魔族との外交交渉から一転し、冒険者としての本領と領主としての手腕が発揮されたダイナミックなエピソードである。未開地の境界確定を目的とした探索から、過酷な環境に置かれていた島民の救済、和風の文化を持つアキツシマ島の発見、そして圧倒的な魔法力による水不足の解決と領地平定に至るまでのプロセスについて解説する。

南方探索の開始と編成

魔族との公式交渉を王国上層部に委ねた後、南方海域の調査任務が開始された。

・探索の目的:帝国や東方での勢力拡大に対抗して王国の国力を強化すること、およびバウマイスター伯爵領の南側境界を確定させることを目的とした。
・参加メンバー:ヴェンデリン、エルヴィン、王国監査役のエーリッヒ、ブランターク、自発的に参加した導師、そして元空軍の優秀な船員たちで構成された。
・男旅の趣旨:短期間の探索予定であったため、エリーゼたち女性陣と子供たちは本拠地バウルブルクに残し、気楽な態勢で出発した。

サーペントに包囲されたルルの島の救済

探索の初期において、過酷な孤立環境に置かれていた島が発見された。

・絶望的な生存環境:一万年以上前の大崩壊の生存者を祖先に持つ集落であったが、島の大半が魔物の領域化し、近海は凶暴なサーペントの巣窟となっていた。人肉の味を覚えたサーペントの襲撃により漁ができず、深刻な飢餓に直面していた。
・幼き村長ルルの奮闘:生まれながらに高い魔力を持つ五歳の少女ルルが、感覚のみで中級魔法を放ち集落を防衛していたが、連日の戦闘により魔力は枯渇寸前であった。
・二十八匹の討伐と全員移住:ヴェンデリンと導師が激闘の末にサーペント二十八匹を討伐した。島民たちは大いに歓喜し、バウマイスター領南方諸島のサトウキビ農園および製糖工場への全員移住を即決した。

ルルの保護と屋敷での騒動

身寄りのない幼い魔法使いルルを保護したことで、本拠地では様々な騒動が巻き起こった。

・師匠の杖と求婚の誤解:ヴェンデリンが師アルフレッドの形見である練習用の杖を贈ったところ、ルルはそれを求婚の証と受け止め、将来妻になると宣言して懐いた。
・弟子たちの大騒ぎ:屋敷へ連れ帰った際、弟子の三人娘(アグネス、シンディ、ベッティ)が「男だけで出かけると幼女を連れ帰ってくる」と騒ぎ立て、エリーゼたちを笑わせる事態となった。以降、弟子たちがルルの魔法教育を担当することとなった。

カルデラの和風孤島「アキツシマ島」の発見と水脈解放

探索の最終段階において、巨大なカルデラの中に広がる特異な有人島が発見された。

・戦国乱世と水不足:一万年前にミズホ人と袂を分かった末裔たちが暮らす島であり、複数の領主(細川家や七条家など)が水利や領地を巡って争い続けていた。深刻な干ばつにより水不足は限界に達していた。
・名家当主の登場:薙刀を携えた巫女服の美少女・秋津洲高臣と、彼女を補佐する武者姿の美少女・細川藤孝が統治の復興を目指していた。
・黒硬石の粉砕と地下水脈の解放:地下水は厚さ十メートル以上の硬質な黒硬石に阻まれていた。これに対し、導師の急降下突撃、ルイーゼの全力打撃、そしてヴェンデリンの魔力を込めた拳による連続攻撃で岩盤を粉砕し、豊富な地下水を湧出させた。
・領地化と平定の決意:水を確保された七条兼仲や秋津洲高臣らはひれ伏して臣従を志願した。直轄地化して交易のみを望んだヴェンデリンであったが、導師の主張によりバウマイスター領としての早期統一を背負うこととなった。

まとめ

南方諸島の探索を巡る一連の全貌は、境界確定を目的とした気楽な男旅から始まり、サーペントに脅かされていたルルの島民の救済と製糖事業への移住、ルルの保護に伴う屋敷でのハプニング、そしてアキツシマ島における戦国乱世の構造と黒硬石粉砕による水不足の解決、家臣団の編入に伴う領地平定の受諾に至るまで、その歩みを明瞭に示している。
未開地の探索にとどまらず、過酷な環境に苦しむ人々を強大な魔力と現実的な経済政策で救済し、新たな領地と人材を組み入れて勢力を拡大した冒険と統治の記録である。

八男19巻レビュー
まとめ
八男21巻レビュー

登場キャラクター

バウマイスター伯爵家(当主・家族・家臣・メイド)

ヴェンデリン・フォン・ベンノ・バウマイスター

彼はバウマイスター伯爵家の当主である。 彼は生まれたばかりの八人の子供の父親だ。 彼は家族の安全を最優先にする立場をとっている。

・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・当主。王国特命大使。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼はガトー事務次官との裏交渉を成功させ、リンガイアの大半を解放した。彼は変装用の首輪を自ら装着し、柴犬に変身した。彼は南方探索を指揮し、アキツシマ島で七条兼仲を撃退した。彼は全魔力を拳に集めて岩盤を殴り、地下水脈を解放する功績を挙げた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼はアキツシマ島の元支配者たちから救世主として崇められ、臣従を誓われた。彼は戦乱状態のアキツシマ島を短期間で統一する役目を担うこととなった。

エリーゼ・カタリーナ・フォン・ホーエンハイム

彼女はヴェンデリンの正妻である。 彼女は高い治癒魔法の能力を持っている。 彼女は夫を優しく見守る関係にある。

・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・正妻。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼女は収穫したマロ芋を魔法で熟成させ、赤ん坊たちの離乳食を調理した。彼女は魔王エリザベートに包丁の使い方を指導した。彼女は魔王エリザベートに対し、ペットの竜を最後まで責任を持って飼う覚悟があるのか厳しく問い質した。彼女は保護された孤児のルルを引き取ることを承諾した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼女はルルの引き取りにおいて、身寄りのない優秀な魔法使いを保護する慈愛に満ちた役割を果たした。彼女の育児活動は魔族の国でも高く評価されている。

イーナ・ズザネ・ヒレンブラント

彼女はヴェンデリン의側室である。 彼女は槍術を得意とする女性だ。 彼女は真面目な性格を崩さない。

・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・側室。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼女は農村視察や湖畔でのキャンプに参加した。彼女は風呂上がりの子竜シュークリームの濡れた毛を乾かす仕事を引き受けた。彼女はルルを連れ帰ったヴェンデリンに当初は疑いの目を向けたが、事情を聞いて納得した。彼女は今回の南方探索には同行せず、屋敷に留まった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特に地位に変化はない。彼女は夫を深く愛する立場を維持している。

ルイーゼ・ヨランデ・アウレリア・オーフェルヴェーク

彼女はヴェンデリンの側室である。 彼女は格闘術を得意とする魔法使いだ。 彼女は活発な性格を見せている。

・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・側室。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼女は渓流釣りで真っ先に魚を釣り上げる成果を挙げた。彼女はヴェンデリンに変装用の首輪をはめ、柴犬の子犬に変身させてしまう。彼女はアキツシマ島に急遽呼び出され、全力の拳で黒硬石の岩盤を打ち砕く活躍を見せた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特に地位に変化はない。彼女の戦闘能力はアキツシマ島の平定において高く期待されている。

ヴィルマエトル・フォン・アスガハン

彼女はヴェンデリンの側室である。 彼女は高い怪力を持つ優秀な戦士だ。 彼女は常に食事を最優先する傾向がある。

・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・側室。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼女は魔王エリザベートや魔族の若者たちに対し、自分たちの生活を守るために害獣駆除を行い「命を食べる」ことへの覚悟を諭した。彼女は箱罠の設置方法や、捕らえた猪や鹿の解体・血抜きの手順を魔族たちに実演して指導した。彼女は釣った渓流魚を焼くための炭を用意した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼女は魔族の農村における狩猟とジビエの加工販売 of 基礎を築くという高い影響力を示した。今回の南方探索には同行していない。

カタリーナ・リンダ・フォン・ヴァイゲル

彼女はヴェンデリンの側室の一人である。 彼女は強力な暴風系魔法使いだ。 彼女は誇り高い性格を維持している。

・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・側室。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼女は渓流釣りで魚のポイントに詳しいと自信を述べた。彼女は湖畔で発見された古い宝箱について、開錠魔法を使用して無事に鍵を開ける役割を果たした。彼女はヴィルマの指導する害獣対策や罠の設置に協力した。今回の南方探索には不参加であった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特に地位に変化はない。彼女は夫に呆れつつも愛する立場を維持している。

テレーゼ・ジークリット・フォン・フィリップ

彼女はヴェンデリンの側室の一人である。 彼女は元フィリップ公爵の地位を持つ政治家だ。 彼女は冷静に物事を見極める立場を崩さない。

・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・側室。元フィリップ公爵。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼女は害獣の血や内臓を見て顔を青ざめさせるライラに対し、自分たちは戦場を経験しているから大丈夫だと語って作業をサポートした。彼女はルルが優れた魔力を持つため、他家に奪われないようバウマイスター伯爵家で囲って保護すべきだと夫を後押しした。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼女は親善訪問中、元公爵としての卓越した政治的見地や高い気品を発揮した。

カチヤ・フランク・フォン_オイレンベルク

彼女はヴェンデリンの側室である。 彼女はスピード重視の優秀な軽戦士だ。 彼女はサバサバとした性格をしている。

・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・側室。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼女は芋掘りの際、ヴェンデリンの掘る芋が小さいと笑いながら楽しんだ。彼女はヴィルマと協力し、魔族たちに罠の設置や害獣駆除のやり方を指導した。彼女は今回の南方探索には同行せず、留守番をこなした。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特に大きな地位の変化はない。彼女は夫や他の妻たちと良好な関係を維持している。

リサ・クレメンテ・ウルリーケ・エクスラー

彼女はヴェンデリンの側室である。 彼女は魔術の指導者としても高い能力を持つ。 彼女は夫を深く愛する立場を維持している。

・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・側室。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼女は一匹も魚が釣れないヴェンデリンに対し、釣れない呪いがかかっているのではないかとからかった。彼女はモールたち無職三人組に、魔王の農村で働くことを勧めて彼らの背中を押した。彼女は特命大使となったヴェンデリンの交渉に同行した。彼女は自分の弟子であったアナキンに対し、罪を認めて謝罪し和解案に応じるよう厳しく命じた。彼女はロイヤルスイートに滞在し、高額な魔法薬エステや高級レストランを堪能した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼女はアナキンがバウマイスター伯爵家に仕官するきっかけを作った。今回の南方探索には同行していない。

アマーリエ・フォン・マインバッハ

彼女はバウマイスター伯爵家の侍女長である。 彼女は事実上の側室の立場をとっている。 彼女は穏やかで優しい性格をしている。

・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・侍女長。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼女はマロ芋掘りの後、エリーゼたちをサポートして赤ん坊たちのための離乳食を仕上げた。彼女は南方探索に同行し、ルルの世話役を担当した。彼女は王都のキャンディーの店で、ルルのために可愛らしいワンピースや下着をがっちりコーディネートした。彼女はルルが危機を救ってくれたヴェンデリンを強く慕うのは当然だと夫に解説した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼女はルルの引き取り後にその母親代わり・教育係として高い影響力を発揮している。

エルヴィン・フォン・アルニム

彼はバウマイスター伯爵家の当主護衛である。 彼は剣術に優れた能力を持つ家臣だ。 彼はヴェンデリンの無二の親友を崩さない。

・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・警備隊員、当主護衛。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼はお魚は別に用意してあると釣れないヴェンデリンをからかった。彼は南方探索隊に同行した。彼はルルがヴェンデリンを熱烈に慕っているのをからかったため、お仕置きとして砂浜の落とし穴に落とされた。彼はルルを一度バウルブルクに連れ帰り、妻たちに紹介すべきだと助言した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼は探索において当主護衛の役割をまっとうした。特に昇進などの記述はない。

ハルカ・フォン・アルニム

彼女はエルヴィンの妻である。 彼女はミズホ公爵領の出身だ。 彼女はエルヴィンを深く愛している。

・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・家臣、エルの妻。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼女は変装用の首輪により柴犬の子犬になってしまったヴェンデリンに対し、手鏡を差し出してその姿を映してあげた。彼女は今回の南方探索には不参加であった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特に地位に変化はない。彼女は夫であるエルヴィンを支え、家庭を円満に保っている。

アンナ・フォン・アルニム

彼女はエルヴィンの妻の一人である。 彼女はまじめで優しい性格のメイドだ。 彼女はエルヴィンを深く愛している。

・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・メイド、エルの妻。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼女はプリンアラモードの果物の盛り付けや飾り付けを上達させ、素晴らしい出来栄えに仕上げてみせた。彼女は夜のお風呂で、魔王エリザベートたちと協力して少し臭いの残るシュークリーム(子犬)を丁寧に洗った。彼女は将来の美しさを心配する魔王に対し、内面を磨くことが最も大切だと語った。彼女は南方探索には同行していない。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼女はメイドとしての盛り付けなどの技術を大きく上達させた。特に爵位などの変化はない。

ドミニク

彼女はバウマイスター伯爵家のメイドである。 彼女は実直で厳しい性格をしている。 彼女はレーアを指導する立場を維持している。

・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・メイド。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼女は犬に変身したご主人様(ヴェンデリン)を面白がって抱きかかえるレーアを厳しく叱った。彼女は魔王エリザベートが洗髪を嫌がるのを解決するため、ヴェンデリンが考案して仕舞い込まれていたシャンプーハットを提案して頭に装着してあげた。彼女はシュークリーム(子竜)の隠された邪な表情に気づきつつも、詮索を避けるために黙認した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼女は魔族の国への同行においても、メイド長としてのまじめな職務を全うした。

レーア

彼女はバウマイスター伯爵家のメイドである。 彼女は少しお調子者の性格をしている。 彼女はドミニクに頭が上がらない。

・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・メイド。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼女は子犬になってしまったヴェンデリンを可愛がり、面白がっていたため、ドミニクから拳骨を落とされるお仕置きを受けた。彼女はシャンプーハットの実用的な効果に深く感心した。彼女は魔族の国で美味しいお菓子を買い食いしすぎて少し太ってしまい、ドミニクからお腹の肉を摘ままれて指摘された。彼女はシュークリームが一瞬だけ見せた邪な表情を目撃して不審に思ったが、のちにエルからその正体が竜だと聞かされて納得した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼女はお忍びの菓子作りやメイドの仕事をまっとうした。特に大きな変化は記述されていない。

アリー・アーネスト・ブリッツ

彼は魔族の優れた考古学者である。 彼はバウマイスター伯爵家の居候を務めている。 彼は他人の目をあまり気にしない性格だ。

・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・居候。元大学教授。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼はエリザベートから「なぜ分数の割り算は分母と分子をひっくり返すのか」と質問され、専門は考古学だからと回答を拒否した。彼は湖畔で見つかった古い箱を約千五百年前の貴重品用と見抜いた。彼は魔力を流すと地図が浮かび上がる羊皮紙の仕組みを解説した。彼は山頂の卵の殻を調べ、それが上位竜の卵であると見事に鑑定した。彼はルルの島にある魔物の領域の発掘調査に強い意欲を示した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼は考古学の専門家として、古い遺物の鑑定や生態の解説において高い存在感を発揮した。

フリードリヒ・フォン・ペンノ・バウマイスター

彼はヴェンデリンの長男である。 彼は優れた魔力の素養を持つ赤ん坊だ。 彼は両親や母親たちに深く愛されている。

・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・長男。赤ん坊。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼はヴェンデリンが魔法で熟成させ、エリーゼたちが裏ごしして調理したマロ芋の離乳食を、お茶を楽しみながらとても美味しそうに食べた。彼は魔王エリザベートから「国の宝」として愛らしく眺められた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特に大きな地位の変化は記述されていない。健やかに成長している。

レオン・フォン・アルニム

彼はエルヴィンとハルカの長男である。 彼は優れた魔力の素養を持つ赤ん坊だ。 彼は両親に深く愛されている。

・所属組織、地位や役職
 アルニム家・長男。赤ん坊。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼は農村視察の収穫物であるマロ芋を熟成させ、両親(エルヴィンとハルカ)から離乳食として与えられた。彼はその離乳食を大変美味しそうに食べる元気な姿を見せた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特に大きな地位の変化は記述されていない。健康に育っている。

ヘルムート王国(王宮・貴族・その他)

国王

彼はヘルムート王国の国王である。 彼は冷静に国家を統治する立場をとっている。 彼はヴェンデリンに高い信頼を寄せている。

・所属組織、地位や役職
 ヘルムート王国・国王。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼は帰国したヴェンデリンから親善活動の成果報告を受ける役目を担った。彼は息子の経歴を守るために王宮の解放交渉を妨害するプラッテ伯爵の勝手な要求に強い反感を抱いた。彼はヴェンデリンを正式な特命大使に任命し、リンガイアと乗組員の解放を最優先で交渉するよう命じた。彼は戻ったリンガイアを今後の探索事業(移民先確保)に使う意向を示した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼は不透明な外交交渉において、焦らず長期戦で対応する現実的な統治能力を示している。

ユーバシャール外務卿

彼はヘルムート王国の外務卿を務める貴族である。 彼は魔族との交渉に四苦八苦している。 彼はヴェンデリンに頼らざるを得ない状況にある。

・所属組織、地位や役職
 ヘルムート王国・外務卿。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼は「男女平等」「特定生物の狩猟や毛皮・捕鯨の禁止」を一方的に突きつけて譲らない魔族の交渉団に強い困惑を示した。彼は焦って不平等条約を結ぶよりは停滞したまま長期戦で臨む姿勢を受け入れた。彼は特命大使に任命されたヴェンデリンに対し、通商関係以外のリンガイア解放交渉を自由にやらせる対応をとった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼の交渉力の不足は、王宮内の複数の実務貴族によるフォローシステムで補われている。

エーリッヒ・フォン_バウマイスター

彼はヘルムート王国の優秀な財務官僚である。 彼はヴェンデリンの頼れる実兄だ。 彼は冷静で論理的な思考を崩さない。

・所属組織、地位や役職
 バウマイスター分家・当主。バウマイスター伯爵領・補佐監査役。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼は魔族との交渉が長引く間に国力を蓄えるべきだと主張した。彼は王国からの依頼として、ヴェンデリンに南方諸島群のさらなる南の探索を提案した。彼は監査役として南方探索に同行した。彼はルルを他家に奪われないようバウマイスター伯爵家で保護・養育するのが最善だと判断して引き取りを承諾した。彼はサーペントの巣を警戒し、本国に中・小型魔導飛行船の追加配備を要請した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼は領地開発の監査役として、バウマイスター領の国力強化に多大な貢献を果たしている。

クリムト・クリストフ・フォン・アームストロング

彼は王宮筆頭魔導師である。 彼は驚異的な筋肉と高い魔法の実力を持っている。 彼はヴェンデリンの強力な理解者だ。

・所属組織、地位や役職
 ヘルムート王国・王宮筆頭魔導師。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼は渓流釣りに同行した。彼は魔力がありながら空を飛ぶのが心もとないアーネストやモールたち男性魔族の『飛翔』訓練を指導した。彼は自分が釣った大きなニジマスモドキをシュークリームに丸呑みされて激怒し、二匹目を狙うも結局釣れずにしょんぼりした。彼は南方探索に同行した。彼は襲いかかる無数のサーペントを、魔力を込めた拳や足の蹴りで殴り倒して退治した。彼はアキツシマ島で魔法障壁を纏って急降下し、黒硬石の岩盤に穴を開ける活躍を見せた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼は強力な物理的戦闘力と実力により、南方探索における防衛戦力として絶大な影響力を示した。

ブランターク・リングスタット

彼は経験豊富なベテラン魔法使いである。 彼はブライヒレーダー辺境伯の顧問代理を務める。 彼はヴェンデリンに実践的な助言を行う立場を崩さない。

・所属組織、地位や役職
 ブライヒレーダー辺境伯家・元顧問魔法使い。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼は渓流釣りでモールたちの飛翔を指導した。彼は釣った魚の頭と背骨を網の上で香ばしく焼き、熱々のミズホ酒を注いで『骨酒』を作って大満足で楽しんだ。彼は湖畔で発見された古い箱について、『探知』の魔法を用いて罠の有無を慎重に調査した。彼は南方探索に同行した。彼は副村長から事情を聞き、ルルに身寄りがないことや村長になった背景を調査した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼は魔法の経験と実務能力によって、探索隊の危機管理や情報収集に大きく貢献した。

コムゾフルガ

彼は巨大魔導飛行船リンガイアの艦長である。 彼は平民出身の極めて有能な操船者だ。 彼はヴェンデリンに深く感謝している。

・所属組織、地位や役職
 ヘルムート王国空軍・リンガイア艦長。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼は魔族の収監施設から解放された。彼は出航準備が整ったリンガイアの船上において、ヴェンデリンから乗組員たちに配られた大量のお土産のお菓子を受け取った。彼はバカ息子の不在やアナキンの不在の経緯を察し、深く詮索せずに速やかに出航する判断をとった。彼は他の乗組員を無事に乗せて本国へと帰還する出航を指揮した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼はプラッテ息子の暴走による拿捕事件から無事に生還し、艦長としての職務に復帰した。

レオポルド・ベギム

彼はリンガイアの副長を務める人物である。 彼は艦長をサポートするまじめな立場にある。 彼はヴェンデリンの交渉成果に感謝している。

・所属組織、地位や役職
 リンガイア乗組員・副長。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼はコムゾ艦長とともに、出航直前のリンガイアの甲板でヴェンデリンを出迎えた。彼はプラッテ伯爵の息子だけが身代わりとして刑務所に残された事情をすぐに察した。彼はこれ以上の詮索は無用であると判断し、艦長に「急ぎ出航しましょう」と進言した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特に大きな地位の変化は記述されていない。無事に帰国を果たした。

プラッテ伯爵

彼はヘルムート王国の有力な大貴族である。 彼は空軍司令官の地位を代々世襲している。 彼は溺愛する息子の保身に必死である。

・所属組織、地位や役職
 プラッテ(ブラッテ)伯爵家・当主。空軍司令官。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼は息子の厳罰とキャリア崩壊を恐れ、王政の尊厳などを言い出してリンガイアの解放交渉を妨害した。彼は王城内でヴェンデリンから「ご子息はみんなを救うために自ら身代わりになった貴族の鑑だ」と大嘘の美談を報告された。彼はその説明を否定すれば不祥事になるため、顔をひくつかせながらお礼を言う対応を強いられた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼の軍部や外務における発言力は維持されているが、息子のやらかしにより王宮内での立場は複雑なものとなっている。

プラッテ伯爵の御曹司

彼はリンガイアの元副長である。 彼は傲慢で身勝手な性格をしている。 彼は拿捕事件を引き起こした元凶だ。

・所属組織、地位や役職
 元リンガイア副長。プラッテ伯爵家・跡取り息子。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼は魔族の船に攻撃を命令した事件の主犯として、他人の解放とリンガイア返還の引き換えに、魔族の国の刑務所に25年から30年ほど収監される生贄となった。彼はヴェンデリンを前に早く助けろと喚き散らしていたが、結局収監された。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼は実刑判決を受けて長期の刑務所生活が確定した。彼が将来帰国した際の名誉や役職は、責任の極めて軽いものに限定される見込みである。

アナキン

彼はリンガイアの乗組員の一人である。 彼は初級魔法使いの実力を持っている。 彼はリサを恐れる元教え子だ。

・所属組織、地位や役職
 元リンガイア乗組員。バウマイスター伯爵家・家臣(借金返済中)。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼は収容所でリサに「失敗したら牢屋だ」と厳しく脅され、素直に罪を認める司法取引に合意した。彼は一億エーンの和解金を支払って釈放されることに同意した。彼は不足する和解金をヴェンデリンに立て替えてもらった。彼はバカ息子の父親から恨まれるのを防ぐため、バウマイスター伯爵家で働く決意をした。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼は国外追放処分を経て、借金返済のためにバウマイスター家での仕官が確定した。これにより王国内での安全な居場所を確保した。

ペーター・ファルコン・フォン・ブロワ

彼はアーカート神聖帝国の若き皇帝である。 彼は中央集権化と大規模開発を進めている。 彼はヴェンデリンの良き友人だ。

・所属組織、地位や役職
 アーカート神聖帝国・皇帝。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼は内乱後の帝国の復興を精力的に進めている。彼は帝国内での砂糖の消費量増大に伴う砂糖不足を解消するため、ヴェンデリンに対し、サトウキビの生産量をさらに増やすよう頼んだ。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼の有能な政治指導力によって帝国は急速な復興を遂げており、王国にとっても油断できないプレッシャーを与えている。

アルフォンス・フォン・フィリップ

彼は新フィリップ公爵となった貴族である。 彼はテレーゼの跡を継いで領地を治めている。 彼は帝国の皇帝であるペーターに仕える立場にある。

・所属組織、地位や役職
 フィリップ公爵家・当主。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼は砂糖不足に悩む皇帝ペーターの要請に応じ、領内でのビート(テンサイ)の栽培を急激に増やしている。ただし、この世界のビートは糖分が低いため、大量の生産に苦労している。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼の領地は帝国の復興活動において、重要な農産物の供給地としての役目を担っている。

ファイト・フォン・バウマイスター

彼はヴェンデリンの実兄である。 彼は真面目にバウマイスター領で生活している。 彼は実家の開発を進める立場にある。

・所属組織、地位や役職
 バウマイスター騎士爵家。開発責任者。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼はバウマイスター騎士爵領において、自然肥料だけを工夫して用い、マロ芋を大切に育てている。彼の肥料作りの苦労を、カチヤは「魔族の合成肥料を輸入すれば楽になるのに」と心配して引き合いに出した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特に地位の変化はない。彼は地方の開拓における農業技術の推進に貢献している。

キャンディー

彼は王都で活動する優秀な服飾職人である。 彼は強大な肉体と高いコーディネート能力を持つ。 彼はアマーリエと良好なビジネス関係を築いている。

・所属組織、地位や役職
 キャンディー仕立屋・店主。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼はアマーリエから依頼を受け、保護された少女ルルのために、非常に可愛らしい女の子用のワンピースや下着、靴などを的確に選んで着飾らせる仕事を見事にこなした。彼はヴェンデリンの背中をいつものバカ力で叩き、彼の息を止まらせそうにした。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼の手がけた服は、南方諸島に移住した女の子たちから大いに羨ましがられるほどの高い魅力を発揮した。

ゼークト

彼は冒険者予備校の教官を務める魔法使いである。 彼は厳しく教え子を指導する立場にあった。 彼はエルの過去の修業時代の教官だ。

・所属組織、地位や役職
 冒険者予備校・教官。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼は今回の20巻での直接の登場はしていない。彼は、エルが「魔王の小学校の先生(フランソワ先生)は、ゼークト先生みたいな厳しいのとは違うのか?」と引き合いに出して、過去の厳しい授業を思い出す役割を果たした。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特に大きな地位の変化は記述されていない。彼の指導スタイルはエルに深い記憶を残している。

リネンハイム

彼はヘルムート王国の不動産ビジネスに詳しい人物である。 彼は土地の取引などにおいて高い実務能力を持つ。

・所属組織、地位や役職
 王国関係者。不動産に詳しい人物。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼は20巻での直接の登場はない。彼は、ヴェンデリンが高級ホテルで巨額のチップ(数百万エーン)を出す不動産王の噂を聞いた際、「リネンハイムのもっと凄いバージョンか」と連想される役割を果たした。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特に大きな地位の変化は記述されていない。

ゾヌターク共和国(防衛隊・政府・その他)

ガトー

彼はゾヌターク共和国の外務省事務次官である。 彼は極めて優秀な実務官僚だ。 彼は政治家の無能さに頭を悩ませている。

・所属組織、地位や役職
 ゾヌターク共和国外務省・事務次官。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼はヴェンデリンから持ちかけられた秘密交渉(政治家を介さない本音の取引)を受け入れた。彼は拘留費用の削減や、防衛隊のドックの占有解消という利点から、リンガイアの早期返還の手続きを実に見事に指揮した。彼はアナキンの和解金の支払いについても交渉をまとめあげた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼は実務のトップとして、難航していた外交問題(リンガイア事件)を一瞬で解決へと導く多大な影響力を発揮した。

オウテン

彼はゾヌターク共和国の外務省に属する若い官僚である。 彼はまじめに業務をこなす優秀な人物だ。 彼は出世を意識して必死に働いている。

・所属組織、地位や役職
 ゾヌターク共和国外務省・官僚。監視兼世話役。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼はヴェンデリンから渡された委任状に顔色を変え、ガトー事務次官への極秘裏の取り次ぎを即座にこなした。彼はヴェンデリンとリサの監視・世話役として同行した。彼はヴェンデリンから出された高額な宝石の換金を必死でこなし、高級ホテルでの彼らの散財をまじめに報告する役割を果たした。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼は上司であるガトーから失脚させられないよう必死に働き、無事にリンガイア解放手続きを完了させた。

アリーレ・モール・クリント

彼はゾヌターク共和国の青年軍属である。 彼は大学を卒業したものの定職を得ていない。 彼はアーネストの不肖の元教え子だ。

・所属組織、地位や役職
 ゾヌターク共和国・青年軍属。のちに魔王の農村の従業員。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼はヴェンデリンたちから日当と一時金を受け取ったものの、短期雇用の終了に伴って再び無職になる未来に絶望した。彼はリサの勧めを受け、魔王エリザベートが推進する「農村再生運動」の従業員として応募し、ライラのもとへ喜んで駆け出した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼は実家の賃貸ぐらしや親の視線から逃れ、再生中の農村で自給自足の職を得て新たな生活への第一歩を掴んだ。

ラムル・アートン

彼はゾヌターク共和国の青年軍属である。 彼は大学を出たものの定職に就けない状態にある。 彼はモールの心強い親友だ。

・所属組織、地位や役職
 ゾヌターク共和国・青年軍属。のちに農村の従業員。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼はカレーにジャガイモを入れるべきだと主張し、ヴェンデリンと激しいカレーの具材論争を繰り広げた。彼はヴェンデリンから受け取った報酬を手に、モールやサイラスとともに、ライラの非営利団体(再生農村)へ応募して活動することを決意した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼は不遇な無職生活にピリオドを打ち、魔王を神輿とした自給自足のコミュニティで働く仕事を得た。

サイラス・ヘクトル

彼はゾヌターク共和国の青年軍属である。 彼は高学歴ながら職のない不遇な若者だ。 彼はモールらと行動を共にしている。

・所属組織、地位や役職
 ゾヌターク共和国・青年軍属。のちに農村の従業員。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼はカレー粉を炒めると香辛料の香りが飛んでしまう点を突いてヴェンデリンを驚かせた。彼は短期契約 of 終了後、リサの助言に従って魔王エリザベートが代表を務める農村再生団体へ応募し、ライラのもとへ雇用を求めて駆け出した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼は再び無職に戻る悲劇を回避し、魔王印のジビエ製品開発などを手伝う従業員の立場を手に入れた。

ルミ・カーチス

彼女は魔族の新聞社に所属する記者である。 彼女はアーネストの不肖の元教え子だ。 彼女は独自の取材活動に情熱を注いでいる。

・所属組織、地位や役職
 エブリディジャーナル新聞社・記者。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼女はヴェンデリンたちが農村を視察した様子や古い宝箱を見つけたキャンプの出来事を、生活面の「農村再生運動」としてまとめ、朝刊に掲載した。彼女は渓流釣りに同行し、お風呂上がりに男連中と合流して、温めたミズホ酒の骨酒を「五臓六腑に染みわたる」とオッサン風に豪快に楽しんでストレスを解消した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼女の記事によって魔王の活動が広く民衆に認知され、政府を刺激しない形での穏健な農村再生として報道される役割を果たした。

ブラントー

彼はゾヌターク共和国の野党議員である。 彼は国権党の重鎮を務めている。 彼は冷静に政情を把握する立場を崩さない。

・所属組織、地位や役職
 ゾヌターク共和国・国権党重鎮、野党議員。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼は民権党政権の未熟さによる外交の停滞を危惧した。彼は『世界征服同盟』のオットー・ハインツから「魔王とヴェンデリンを暗殺して戦争を誘発する」という狂気的なクーデター計画の陳情を受けた。彼はこれを「荒唐無稽でアホな戯言」と冷淡に退け、即座に防衛隊へ通報してテロの発生を未然に防止した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼は将来的に魔王エリザベートの農村再生運動が成功した際、彼女を自党の選挙の美しき広告塔(候補者)に据えるという現実的な政治的野心を抱いている。

オットー・ハインツ

彼は泡沫政治団体を率いる男である。 彼は非常に神経質そうな性格をしている。 彼は人間を征服して搾取すべきだという思想を持つ。

・所属組織、地位や役職
 泡沫政治団体『世界征服同盟』党首。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼は「人間を支配すれば魔族の少子化や無職の問題はすべて解決する」という極端な戯言を主張した。彼は与野党に陳情を無視されたため、組織の知名度を上げる目的で「魔王エリザベートとヴェンデリンを暗殺するテロ」を計画した。彼は十名に満たない同志たちを集めて攻撃魔法の鍛錬をまじめに続けた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼はブラントーによって防衛隊へ通報されたため、監視対象に置かれている。彼の暗殺計画は今後の新たな治安上の不確定要素となっている。

ライムント

彼は世界征服同盟の副党首である。 彼はオットーを強く支持している。 彼は無職ゆえに社会に強い不満を抱く。

・所属組織、地位や役職
 『世界征服同盟』・副党首。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼はオットーの陳情が与野党に完全に無視された事実を受け、無能な重鎮政治家たちに強い恨みを抱いた。彼は大資本による搾取や、行き過ぎた老人優遇による少子化で国が滅びつつある現状を憂い、魔法の復権こそが魔族の生存を救うと信じて活動を続けた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特に地位の変化はない。彼はオットーとともに、攻撃魔法を練習する十名程度の構成員を率いて体制批判を行っている。

レオン

彼は世界征服同盟の精鋭メンバーである。 彼は魔法使いとしての高い素養を持つ。

・所属組織、地位や役職
 『世界征服同盟』・構成員。魔法使い。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼はオットーの指導のもと、日々攻撃魔法の厳しい訓練に取り組んだ。彼はオットーから「大分魔法の威力が上がった」と活動を褒められ、人間を支配して貴族となる強大な魔法使いを目指して鍛錬に没頭した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特に大きな地位の変化はない。彼は暗殺計画を実行するための主力戦力として訓練をこなしている。

フランソワ

彼女は魔族の小学校の教師である。 彼女は生徒を優しく指導する役割を担う。 彼女は魔王エリザベートの最初の師だ。

・所属組織、地位や役職
 ゾヌターク共和国・小学校教師。担任教諭。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼女は両親のいない魔王エリザベートを親身に気遣い、見守ってきた。彼女はエリザベートが提出した農村の視察や渓流釣りの記録を「よく学んでいる」と高く評価した。彼女は他校の先生とすでに結婚を済ませている。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼女は魔王にとっての信頼できる優しい指導者であり、彼女の精神的成長に高い好影響を与えている。

旧ゾヌターク王国

エリザベート・ホワイル・ゾヌターク九百九十九世

彼女は旧ゾヌターク王国の可憐な魔王である。 彼女は十歳の無邪気な少女だ。 彼女は生活保護を受給する境遇にある。

・所属組織、地位や役職
 旧ゾヌターク王国・魔王。非営利農村再生団体・会長。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼女は魔族の衰退を憂いて王国の復活を宣言した。彼女は放棄地を再生する非営利団体の会長に就任し、宿戦の割り算に苦労しつつも、芋掘りを手伝った。彼女は害獣駆除の必要性と「命を食べる」ことの重さを受け入れた。彼女は自分の顔写真イラストをパッケージに使った「魔王印のジビエ製品」を売り出し、出荷即完売の大ヒットを収めた。彼女は山頂で上位竜の卵を発見し、魔力を注いで孵化させ、子竜を「シュークリーム」と命名してお風呂で自ら洗った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼女はシュークリーム(子竜)を首輪でピンクの子犬に変装させ、学校へ自己学習ノートを提出するなど、王家再興への確実な一歩を進めた。

ライラ・ミール・ライラ

彼女は旧王国の名門宰相家の出身である。 彼女は美しく知的な女性だ。 彼女はエリザベートを親身に支えている。

・所属組織、地位や役職
 旧ゾヌターク王国・宰相。農村再生団体・副会長兼会計役。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼女はこれまで掛け持ちしていたアルバイトを辞め、非営利の農村再生団体の副会長兼会計役に就任した。彼女は魔王の割り算の質問に対し、「学校の先生に聞くべきだ」と上手く話題をすり替えた。彼女は廃村に「道の市」を設置する計画を立案した。彼女はキャンプで、カレーのためにジャガイモの面取りをこなす対応を見せた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼女は魔王の強力な補佐役として、非営利団体を実質的に切り盛りする多大な影響力を全うしている。

シュークリーム

彼はエリザベートに従う上位竜である。 彼はピンク色の濡れた羽毛を持つ子竜だ。 彼はエリザベートを親と認識している。

・所属組織、地位や役職
 上位竜(火属性)。魔王エリザベートの僕(ペット)。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼は孵化した瞬間にエリザベートを親と思い、嬉しそうに顔を舐め回した。彼は釣れた魚や導師が釣った50センチの大物ニジマスモドキを丸呑みにした。彼はヴェンデリンの首輪型の魔道具により、ピンク色でミュウミュウ鳴く「可愛い子犬」に変身した。彼はヴェンデリンの厳しい実演特訓を受け、お手、おかわり、お座り、伏せ、不用意に空を飛ばない所作をすぐにマスターした。彼は夜のお風呂で、魔王やメイドたちからシャンプーされて綺麗に洗われた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼は魔王の僕兼ペットとしての地位を周囲から完全に認められた。成竜になるまで千年の歳月が必要である。

南方諸島(「ルルの島」)

ネイ

彼は大崩壊の生き残りが住む島の副村長である。 彼は村人の生活を守るまじめな老人だ。 彼はルルを親身に心配する立場にある。

・所属組織、地位や役職
 ルルの島・副村長。のちに南方サトウキビ農村・村長。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼は初めて見る魔導飛行船とヴェンデリンたちを恐れずに歓迎した。彼は一万年前に大陸を逃れて以来、島が魔物に侵食され、サーペントに包囲されて餓死や食害に苦しんできた過酷な歴史を説明した。彼はバウマイスター領への全員移住の提案を即座に受け入れ、孤児であるルルの養育をヴェンデリンに懇願して頼み込んだ。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼はサトウキビ農園へと住民たち全員を無事移住させ、移住後は実務を担う村長として領民たちの新しい豊かな生活を支えている。

ルル

彼女は魔物の大島に隠れ住んでいた前村長である。 彼女は五歳の可憐な孤児だ。 彼女は生まれながらに魔力を持つ天才的な素質を秘めている。

・所属組織、地位や役職
 前ルルの島・村長。バウマイスター伯爵家・保護魔法使い。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼女は父親をサーペントに、母親を病で失い、幼くして村全体の安全を背負わされてきた。彼女は杖も持たず感覚だけでサーペントを撃退する魔法(中級相当)を放っていた。彼女は自分を救い、師匠アルフレッドの練習用の杖をくれたヴェンデリンを「お婿様」と呼んで熱烈に懐いた。彼女はバウマイスター伯爵家で保護され、アグネスたちから小石を浮かせる魔力制御の訓練を、アマーリエから簡単な漢字を学び始めた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼女は未完の大器としてバウマイスター家で手厚く保護され、魔法使いとしての高い成長を期待されている。

アキツシマ島

秋津洲高臣

彼女はアキツシマ島の由緒ある元支配者である。 彼女は黒髪をなびかせた薙刀を持つ巫女服の美少女だ(お涼)。 彼女は治癒魔法の名手である。

・所属組織、地位や役職
 秋津洲家・当主。お涼。バウマイスター伯爵家・家臣(予定)。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼女は長い干ばつによる水不足のため、七条家と一触即発の戦の手前まで対立していた。彼女は自分に治癒魔法しか使えず、領地を支配する野心も能力もないことをまじめに告白した。彼女は地下水脈が解放されたのを見て、分裂するこの島を救ったヴェンデリンこそが「新しい主様(救世主)」であると涙ながらに宣言した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼女は領民五百人ほどの最弱勢力であったが、七条家とともに最初にヴェンデリンへの臣従を誓い、バウマイスター派の最も強力な権威の足がかりを形成した。

細川藤孝

彼女は秋津洲家に仕える優秀な副将である。 彼女は黒のショートカットがよく似合う武者美少女だ。 彼女はお涼(秋津洲高臣)を献身的に支える関係にある。

・所属組織、地位や役職
 秋津洲家・副将。実務最高責任者。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼女は頼りないお涼を副将として熱心に支え、実務を完全に切り盛りしてきた。彼女は突然現れた外の世界の大国(ヘルムート王国)の存在や、自分たちより遥かに高い技術を誇るミズホ人の発展ぶりに驚愕した。彼女は水不足をめぐる争いを解決したバウマイスター伯爵の圧倒的な実力に驚きを隠せなかった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特に地位の変化はない。彼女は実質的な家臣団のまとめ役として、バウマイスター家への服属と島の統一に向けて強力なサポートを全うする体制をとった。

七条兼仲

彼はアキツシマ島の一大領主である。 彼は巨漢を誇る中級魔法使いの猛将だ。 彼は領民を飢餓から救うことに全力を尽くす。

・所属組織、地位や役職
 七条家・当主。バウマイスター伯爵家・家臣(予定)。

・物語内での具体的な行動や成果
 彼は干ばつによる飢餓から領民を救うため、自ら進んで泥をかぶる悪役となり、秋津洲家の水源を奪う決戦に臨んだ。彼はヴェンデリンに掴みかかろうとして電撃を浴び、蹴りを入れて魔法障壁で足を折る自滅で降伏した。彼は導師に乱暴に治療された。彼はヴェンデリンが黒硬石の岩盤を殴り砕いて地下水を噴出させたことに涙を流してひれ伏し、臣従を誓った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼は降伏後、家臣一同とともにヴェンデリンに従うことを誓い、アキツシマ島におけるバウマイスター家の最も強力な武闘派の家臣としての地位を確立した。

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八男19巻レビュー
まとめ
八男21巻レビュー

展開まとめ(タイムライン)

第一話:ゾヌターク王国復活?

魔王が将来を見据えて農村再生による建国活動を開始し、ヴェンデリンたちが農作業や害獣対策を支援する。自給自足を目指す若者たちと共に食害の現実に直面し、命の恵みに感謝するジビエ製品化へと繋げていく

  • 【魔王による王国復活宣言】 / 【農村再生による建国計画】
  • 【魔王の日常と宿題】 / 【農村への視察】
  • 【芋掘りと自然農法】 / 【赤ん坊たちの離乳食】
  • 【村の教育と医療】 / 【害獣による農作物被害】
  • 【農村を守る覚悟】 / 【ヴィルマによる狩猟指導】
  • 【命を食べるということ】 / 【ジビエの商品化】
  • 【魔王印のジビエ製品】

第二話:カレーとキャンプ

農村視察を終えた一行は湖畔でキャンプを行い、料理や釣りを通じて魔王との親交を深めていく。湖岸で発見した古い箱の地図を手がかりに山頂を探索し、封印されていた上位竜の卵の保護と孵化に立ち会う

  • 【湖畔でのカレー作り】 / 【カレーのジャガイモ論争】
  • 【魔王のオムツ替え】 / 【渓流での釣り】
  • 【一匹も釣れないヴェンデリン】 / 【渓流魚の炭火焼き】
  • 【湖岸で見つかった古い箱】 / 【山頂に埋められた卵】
  • 【古代魔族と竜】 / 【竜を飼う覚悟】
  • 【孵化した子竜】 / 【シュークリームという名の僕竜】

第三話:竜と子犬

孵化した子竜を町中で飼育するため、魔道具を用いて子犬へと変身させる訓練と対策が進められる。ヴェンデリンたちも巻き込まれながら滞在日程を終え、魔王が新たな日常へ戻る中で王国への帰路につく

  • 【シュークリームの食欲】 / 【子竜を隠す方法】
  • 【子犬になったヴェンデリン】 / 【犬に変身したシュークリーム】
  • 【犬としての訓練】 / 【犬としての一日】
  • 【農村再生の記事】 / 【モールたちの新たな進路】
  • 【ゾヌターク共和国からの帰還】 / 【学校に戻ったエリザベート】

第四話:やはり魔法はあまり関係なかった

停滞する対魔族外交の裏で過激派の暗殺計画が浮上する中、特命大使となったヴェンデリンが実務交渉に乗り出す。官僚との裏交渉や迅速な司法取引を成立させ、拿捕されていた艦艇と大半の乗組員の解放を果たす

  • 【停滞する対人外交】 / 【世界征服同盟のオットー】
  • 【魔王とヴェンデリンの暗殺計画】 / 【帰国後の報告】
  • 【リンガイア解放の障害】 / 【特命大使への任命】
  • 【ガトー事務次官との秘密交渉】 / 【アナキンとの和解】
  • 【ロイヤルスイートでの滞在】 / 【リンガイアの解放】

第五話:南方探索命令

解放交渉の事後処理を終えたヴェンデリンは、複雑化する外交から離れて自領の開発へと専念する。国家間の思惑や国力増強を見据え、王国からの依頼を受けて領地境界の確定を兼ねた南方探索隊を編成する

  • 【プラッテ伯爵への報告】 / 【貴族の体面と長期収監】
  • 【魔族との長期交渉】 / 【領地への帰還】
  • 【ホールミア辺境伯の負担】 / 【停滞する交易交渉】
  • 【王国の国力強化】 / 【南方諸島群の先へ】

第六話:南国少女と光源氏計画?

南方探索隊は大島を発見し、サーペントの脅威に晒され孤立していた古代移民の子孫たちと出会う。幼くして村を守ってきた魔法使いの少女ルルを救出し、島民の安全な移住と彼女の保護・育成を引き受ける

  • 【南方探索隊の出航】 / 【ジャングルに覆われた大島】
  • 【島からの移住希望】 / 【幼い村長ルル】
  • 【二十八匹のサーペント討伐】 / 【住民たちの移住準備】
  • 【ルルの境遇】 / 【ルルの引き取り】
  • 【ルルへの魔法教育】 / 【父親のようなヴェンデリン】

第七話:山積する問題、俺にばかり面倒が降りかかる

ルルを引き取ったことで周囲の誤解を受けつつも、探索隊はさらに南下して戦乱のアキツシマ島を発見する。水不足を巡る領主間の武力衝突に介入したヴェンデリンは、強固な岩盤を砕いて地下水を噴出させ統一への道を背負う

  • 【ルルへの杖の贈り物】 / 【ルルの引き取りと周囲の誤解】
  • 【移住完了とルルの教育】 / 【南方での巨大島発見】
  • 【アキツシマ島の戦乱】 / 【水源を巡る対立】
  • 【七条兼仲の敗北】 / 【分裂したアキツシマ島】
  • 【黒硬石に閉ざされた地下水】 / 【地下水の噴出】
  • 【アキツシマ島統一への流れ】

巻末おまけ:メイド、 魔王様とお菓子を作る

魔族の国に同行したメイドたちが魔王のために手作り菓子を振る舞い、子竜の入浴や世話を通じて親睦を深める。魔王の成長への思いや工夫された道具に触れつつ、可愛らしい僕竜の隠された一面と正体を知る

【シュークリームの素顔】

【子犬になったヴェンデリン】 / 【魔王へのプリンアラモード】

【ピンク色の子犬シュークリーム】 / 【シュークリームの入浴】

【魔王の成長への関心】 / 【シャンプーハット】

八男19巻レビュー
まとめ
八男21巻レビュー

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