物語の概要
■ 作品概要
魔族の襲撃で行方不明となったヴェンデリン(ヴェル)は、魂だけの姿で「あの世」へたどり着き、亡き師匠アルフレッドと再会する。物語は、この場面から始まる。現世の一日が修行場では数か月に相当するという特殊な時間の流れを利用し、ヴェルは魔族への復讐を果たすため「魂の修行」に励む。大天使ファーラの依頼を受けた彼は、最終試験として地獄を支配する四体の竜に挑み、これを討伐。その過程で、実戦に通用する極限まで高められた魔力運用と、新たな魔法を身につける。
一方、地上ではブレンメルタール内務卿が魔族のオットーらと手を組み、ヘルター元公爵を傀儡に据えたクーデターを決行する。巨大な魔道具によって広域通信は妨害され、魔力の回復も阻害されたことで、王都は機能不全に陥る。王族はやむなく脱出を余儀なくされる。
修行を終えて現世へ帰還したヴェルは、エリーゼが投降を決意しかけたその瞬間に姿を現す。圧倒的な魔力と、修行で磨き上げた緻密な戦術を駆使して反乱軍と魔族を退け、王国軍との合流を果たす。
■ 主要キャラクター
- ヴェンデリン(ヴェル):主人公。あの世で魂を鍛えたことで、肉体の制約を超えるほどの魔力量と、飛躍的に高い魔力効率を身につけた。地獄での竜討伐を経て「魔力補充」と「聖魔法」を習得し、帰還後は卓越した魔力制御を生かして、わずかな魔力で敵を無力化する戦いを得意とする。
- アルフレッド:亡きヴェルの師であり、あの世での修行を導いた人物。地獄平定の功績を神に認められ、かねて望んでいた転生を報酬として直接許された。しかし、いつか再びヴェルに魔法を教えるという約束を優先し、転生を断ってあの世に残る道を選んだ。
- ブランターク/導師:ヴェルの仲間。肉体の制約がない環境で修行を重ね、扱える魔力量を限界まで大きく伸ばした。地獄での戦いでは導師が前衛を務め、ブランタークは支援と魔力供給を担う。さらに土壇場で聖魔法による浄化も習得し、三人の連携を完成させた。
- 大天使ファーラ:あの世を管理する立場にあり、アルフレッドに好意を寄せている。巨大魔道具が世界中のマナを吸収すれば、次世代の魔法使いの力が弱まり、最悪の場合には世界そのものが崩壊しかねないと見通していた。その危機を防ぐため、地上で動く「駒」としてヴェルたちに修行の場を与えた。
- ブレンメルタール内務卿:地上で反乱を主導する人物。権力への執着から魔族と契約し、捜索隊を各地へ分散させて王都の守りを手薄にした。さらに法衣貴族を送り込む工作によって王城の占拠を主導する。最終的には魔族さえ排除し、自らが大陸を支配することを目論んでいる。
- ヘルター元公爵:反乱側が擁立した傀儡の王候補。かつてヴェルに敗れて爵位を失った恨みと、エリーゼへの執着から反乱に加わった。新王としての権限を盾にエリーゼの引き渡しを要求するが、帰還したヴェルの絶対零度の氷結魔法により、その場で処刑された。
- オットー:魔族のリーダー。王城に巨大魔道具を設置し、通信妨害や魔力阻害といった機能を利用して人間同士を争わせながら、支配・管理しようとしている。魔道具に自爆機能があることも把握しているが、自分が優位に立っていると信じ、運用を続けている。
書籍情報
八男って、それはないでしょう! 26
著者:Y.A 氏
イラスト:藤ちょこ 氏
出版社:KADOKAWA(MFブックス)
発売日:2022年08月25日
ISBN:9784046816542
(PR)よろしければ上のサイトから頂けると幸いです。
あらすじ・内容
オットーたちに倒され、行方不明になっていたヴェルは『あの世』にいた。そんな自身の状況を掴めていないヴェルの前に亡き師匠アルフレッドが現れ、オットーたちへリベンジするための修行の開始を告げる。先にあの世入りをしていた導師やブランタークは既にヴェルより数段強くなっており、当面ヴェルは彼らに追いつくことが急務となった。
Amazonより引用
この神が介入してくるほどの超法規的措置は、オットーたちが企てていることの危険性を如実に表しており、更にお気に入りであるアルフレッドの弟子や師匠、友人を救ってやろうという恩情でもあり、地上における貴重な駒にするという思惑でもあった。
そしてヴェルたちは修行の総仕上げとして、地獄を暴れまわっているという四体のドラゴンを討伐することに。そのドラゴンはヴェルたちが過去に倒したドラゴンたちであり、地獄堕ちしたことにより強力になっているらしい。はたして四人共闘による討伐の行方は……。
圧倒的な力を手にし、ヴェルは窮地に立たされている仲間や家族、王国を救うことができるのか!?
ヒーローは遅れてやってくる……? 胸熱の第二十六幕!
感想
前巻の最後、魔族十人に追われたヴェルは魔力を使い果たし、燃える森から逃げるため急流へ飛び込んだ。
そのまま意識を失い、
「さすがに死んだか?」
と思ったところで目を覚ます。
そこにいたのが、
死んだはずの師匠アルフレッド。
いや、これはもう完全にあの世だろ。
ヴェル本人もそう思うのだが、アルフレッドから返ってきた答えは、
「まだ死んでいません」
だった。肉体は現世で助けられており、魂だけが特別にあの世へ来ている状態らしい。
しかも先客として、
導師。
ブランターク。
二人もいる。
行方不明になった大魔法使い三人が、まとめてあの世で修行していた。
何だこの展開。
死んだと思ったら修行編。しかも導師とブランタークは半年以上先に鍛えていた
ヴェルの肉体は、急流の先にあるピンス村で助けられ、マーガレットという少女に看病されていた。
導師とブランタークも同じように流れ着いており、肉体そのものは無事。
さらにあの世では時間の流れが違う。
現世の一日が、修練場では一か月ほどになる。
そのため、少し先に流された導師とブランタークは、ヴェルが来た時点ですでに半年以上も修行していた。
そりゃ強くなるわ。
特に面白いのが、
導師がちゃんと座禅している。
あの導師が。
筋肉。
突撃。
魔導機動甲冑。
だいたいそういう方向の人なのに、アルフレッド師匠に言われたら大人しく瞑想している。
師匠、強いな。
この修行では肉体の制限がないため、魔力量そのものの上限を伸ばせる。
さらに、
少ない魔力で同じ威力を出す。
魔法を細かく制御する。
実戦で無駄な魔力を使わない。
という部分まで徹底的に鍛え直す。
前巻では、ヴェルたちは魔力が回復しないのに敵だけ大量の魔法を撃てるという、どうしようもない条件差で負けた。
なら次は、
魔力が少なくても勝てるようになればいい。
アルフレッド師匠、かなりスパルタである。
大天使まで出てきたと思ったら、地獄のドラゴン退治を頼まれる
そしてヴェルたちをあの世へ呼んだ張本人として登場するのが、大天使ファーラ。
ここまで来ると話の規模がおかしい。
魔族が動かしている巨大魔道具は、単に魔力回復を邪魔しているだけではなく、世界中のマナを吸い上げる危険な代物だった。
このまま使われ続ければ、今いる魔法使いだけではなく、これから生まれる子供たちの魔力にも影響する可能性がある。
神や天使は直接地上へ介入できない。
だからヴェルたちを鍛えて、
地上で何とかしてくれ。
という話になる。
その修行の卒業試験が、
地獄で暴れているドラゴン退治。
しかも相手を見ると、
アイスアーマードラゴン。
老火竜。
グレードグランド。
古代竜。
知ってる奴ばかりじゃないか。
全部ヴェルたちが現世で倒した相手である。
死んだドラゴンが地獄でさらに強くなって再登場。
再戦イベントかよ。
しかもファーラからさらっと言われる。
ここでドラゴンに殺されたら、
現世の肉体も死ぬ。
急に怖いこと言うな。
昔倒したドラゴンをもう一度倒す。今度は力任せじゃなく連携で勝つ
この地獄編は、単純な再戦ではなかったのが良かった。
霊水晶をまとった元アイスアーマードラゴンには、魔法が効きにくい。
そこで物理攻撃担当、
導師。
巨大ハンマーで殴る。
やっぱりお前か。
老火竜は溶岩で回復するため、ブランタークが自分から溶岩池へ潜って噴出口を塞ぐ。
グレードグランドは大量の岩で完全防御するので、ヴェルが液体窒素を作って隙間から流し込む。
相変わらず前世知識の使い方がおかしい。
最後の古代竜は、ブラックドラゴンとして復活。
さらに倒したと思ったら、
黒い骨竜。
二段階あるのかよ。
最終的には導師が押さえ込み、ヴェルとアルフレッドが聖魔法を撃ち続け、それまで聖魔法を使えなかったブランタークまで土壇場で《聖光》を習得する。
この四人、
普通に強すぎる。
導師の非常識さが目立たないくらい、全員おかしい。
まあ、
ヴェルも導師の弟子みたいなものだからな。
しかも地獄で散々ドラゴンを倒した結果、現世へ戻る頃には以前とは比較にならないほど強くなっている。
敵からすると最悪だろう。
倒したと思った大魔法使いたちが、
あの世で修行して強化されて帰ってくる。
そんなの聞いてないよ。
現世へ戻ったら王都が陥落。しかもヘルター元公爵がまたエリーゼを狙ってる
そして現世。
ヴェルたちが修行している間に、
王国の状況はさらに悪化していた。
ブレンメルタール内務卿が、ついに本格的に反乱を起こす。
魔族と手を組む。
不満を持つ貴族を集める。
魔道具ギルドまで引き込む。
王城の警備へ味方を潜り込ませる。
そして王都を占拠。
傀儡の新王として担ぎ出されたのが、
ヘルター元公爵。
……お前かよ。
以前ヴェルに負けて爵位を失った、あの人である。
しかも全然反省していない。
王になったら、
エリーゼを妻にする。
またそれか。
その執着のせいで、王城よりもエリーゼ確保を優先して追いかける。
もう王になる資格以前の問題だろ。
王都から脱出したエリーゼたちは、エルたちの護衛を受けながら逃げるが、魔族まで加わった追撃隊に追いつかれてしまう。
エルは父親や兄たちと戦う。
イーナやルイーゼも消耗する。
そしてエリーゼは、
自分一人が行けばみんなを助ける。
という条件を受け入れようとする。
当然、信用できない。
でも他に手がない。
そこで、
ヴェル帰還。
タイミング良すぎる。
でも、こういうのでいい。
エリーゼ救出。でも王都はまだ敵の手中。全然終わってないじゃん
帰ってきたヴェルは強かった。
まずヘルター元公爵を、
氷結。
即処理。
以前なら元王族だからと色々考えたかもしれないが、今回は国家反逆の真っ最中。
しかも自分の妻を攫おうとしている。
さすがに迷わない。
さらに魔族三人も、真正面から大技を撃ち合うのではなく、
魔晶石を取り出すための魔法の袋を狙う。
ウィンドカッターで紐を切る。
魔力補給を断つ。
連携が崩れたところを各個撃破。
あの世で鍛えた、
少ない魔力で効率よく戦う。
という成果がちゃんと出ている。
前巻で魔力差に押し切られたのとは完全に逆になった。
ただし、
これで解決。
ではない。
王族は脱出できた。
エリーゼも助かった。
ヴェルも帰ってきた。
導師とブランタークも生きている。
それでも、
王都は反乱軍が占拠中。
巨大魔道具も王城に設置済み。
魔族の本隊も残っている。
ブレンメルタール内務卿も健在。
世界規模のマナ問題も未解決。
全然終わってないじゃん。
26巻は、
前半があの世で修行。
後半が王都クーデター。
というかなり変な構成なのに、意外とつながっていた。
前巻で徹底的に負けたヴェルたちが、敗因そのものを修行で潰して帰ってくる。
そして帰還した瞬間、
家族と国が危機。
そりゃ戦うしかない。
ただ、一番気になるのはやっぱりここである。
王城は取られている。
敵には巨大魔道具がある。
内務卿も魔族もまだ残っている。
ヴェルたちは強くなった。
でも相手も国の中枢を押さえている。
これ、
本当に次巻でちゃんと収まるのか?
最後までお読み頂きありがとうございます。
(PR)よろしければ上のサイトから頂けると幸いです。
考察・解説
ストーリー・プロット
主要な転換点
主要な転換点の概要
物語で起きる一連の動乱を通じて、主人公は消息不明となった後に過酷な修行を積み、古代遺物の正体を突き止め、さらに陥落の危機にある王都へと介入していく。その過程で戦況は大きく動き、物語の規模も一変した。個人の生存をかけた戦いは、やがて世界の存亡を左右する戦いへと発展する。ここでは、主人公の帰還が戦局を覆すまでの主な転換点を整理する。
転換点1:アルフレッドとの再会と魂の修行開始
- それ以前の状況
魔族に敗れ、魔力効率の差を覆す術もないまま、主人公は行方不明となっていた。 - 出来事
あの世の特殊な時間の流れを利用し、肉体の限界を超える魔力強化と反復訓練に取り組み始めた。 - 変化と次への影響
基礎能力が大きく底上げされ、魔族と互角以上に戦うための力の土台が築かれた。
転換点2:巨大魔道具の正体開示
- それ以前の状況
巨大魔道具は、単に魔力の回復を妨げる装置だと考えられていた。 - 出来事
しかしファーラから、それが世界中のマナを吸収し、文明を崩壊へ導く自爆装置であるという事実が明かされる。 - 変化と次への影響
物語の焦点は個人の生存から、世界の存亡と次世代を守るための戦いへと移っていく。
転換点3:地獄の竜討伐完了
- それ以前の状況
魔力は増大していたものの、強敵との戦いで求められる精密な制御や連携の実戦経験はまだ不足していた。 - 出来事
初陣で相対した古代竜をはじめ、四体の竜を撃破した。 - 変化と次への影響
魔力効率と戦術の精密な制御を身につけ、魔法使いとして最盛期を迎える力を確立した。こうして現世へ戻る準備が整う。
転換点4:王都占領とヴェンデリン帰還
- それ以前の状況
王国政府が主導権を握っていたが、内務卿の裏切りによって王都は占領されてしまう。 - 出来事
通信妨害によって機能不全に陥った王国へ、圧倒的な戦力となったヴェンデリンが駆けつけ、絶望的な戦況に介入した。 - 変化と次への影響
反乱勢力の武力的な優位を崩し、王国軍が反攻へ転じるための決定的な足がかりとなった。
まとめ
異界での過酷な修行と遺物に隠された真実を知ったことで、主人公はかつての自分をはるかに超える魔法使いへと成長した。内務卿の裏切りで王都が陥落し、国が最大の危機に瀕するなか、成長を遂げた主人公の帰還は戦力の均衡を根本から覆した。そして反攻作戦の行方を決める、大きな転換点となった。
主人公を中心とした人物関係の変化
主人公の成長と過酷な試練を経たことにより、周囲の重要人物たちとの関係性は新たな段階へと進展した。それぞれの人物と交わされた覚悟や決断を通じて、絆の再確認や立場の変化が生じている。各人物との関係性の変化について以下に整理する。
主人公を中心とした人間関係の変化
ヴェルとアルフレッド
- 師弟関係の再定義が行われた。
- 神から転生を許されるほどの功績を残しながらも、将来にわたってヴェルを導くため、あの世に留まることを選んだアルフレッド。そんな彼に対し、ヴェルは二人の師弟の絆が永遠であることを改めて確かめた。
ヴェルとエル
- 主従関係の深化が見られた。
- エルが父や兄を手にかけたのは、ヴェルがヘルターへの情を捨て、即時処刑を選んだ姿を目の当たりにしたことで、自らを決死の覚悟で正そうとした結果だった。
- エルは家臣としての覚悟を示し、ヴェルとの信頼関係はさらに揺るぎないものとなった。
ヴェルとヴァルド
- 信頼と責任の共有が果たされた。
- 自らの失策を認めて謝罪したヴァルドに対し、ヴェルは彼を最強の戦力として認め、共に戦うことを受け入れた。
- 単なる対等な友人関係から、王国の命運を分担して背負う強固な戦友関係へと変化した。
まとめ
師との永遠の誓い、家臣としての覚悟、そして次期国王との責任の共有を経て、主人公を取り巻く陣営の結束はかつてないほど強まった。こうして深まった関係性は、国家の危機に立ち向かうための揺るぎない基盤となっている。
主人公の認識と周囲の評価
異界での修行によって圧倒的な力を手に入れた後も、主人公ヴェンデリンが抱く自己認識と、周囲から向けられる評価には大きな隔たりがある。周囲からは国の命運を左右するほどの絶対的な強者として崇められているが、本人はあくまで平穏な暮らしを望む一個人としての感覚を失っていない。ここでは、ヴェンデリン自身の認識、周囲の評価、そしてそのズレが際立つ場面を整理する。
主人公の認識と周囲の評価
- ヴェンデリンの認識
修行を終えた後も、自分をまだ未熟だと考えている。魔力効率や技術的な精度を反省点として挙げるなど、あくまで魔法使いとして冷静かつ実務的に自分を評価している。また、一人の父親として穏やかに暮らしたいという庶民的な感覚も変わっていない。 - 周囲の評価
エリーゼを救出した際、三人の魔族をたった一人で圧倒したことで、周囲は彼を神がかり的な最強の魔法使いだと認識するようになった。王国の命運を託せる唯一の希望であり、英雄として大きな期待を寄せられている。 - 乖離が顕著な場面
エリーゼ救出直後、周囲はヴェルの桁外れの力に圧倒され、畏敬の念すら抱いている。しかし本人は、魔力効率の誤差や技術的な精度ばかりを気にして反省している。この対比によって、周囲が抱く救世主としての評価と、本人の実感とのズレが鮮明に描かれている。
まとめ
世界を救う英雄として大きな期待を集める一方で、ヴェンデリン本人は魔法の技術を磨く職人気質と、家族を大切にする一人の父親としての感覚を保ち続けている。冷静に自分を見つめる本人と、彼を過剰なまでに崇拝する周囲。この温度差こそが、圧倒的な力を持ちながらも人間らしさを失わないヴェンデリンの魅力と、特異な立場を際立たせている。
クライマックス:エリーゼ救出戦とハグレ魔族討伐
王都が占領されるという未曾有の混乱のなか、新王候補の強硬策と魔族の圧倒的な戦力により、防衛陣営は絶体絶命の危機に追い込まれた。通信と魔力が断たれた極限状態で、修行を終えて帰還した主人公が電撃的に介入したことが、戦局を一変させる決定打となる。本項では、エリーゼ救出からハグレ魔族の討伐、そして王国軍主力との合流に至るまでの戦闘経過を整理する。
- 発生原因
- 新王候補ヘルターが、正妻としてエリーゼの身柄を要求し、強行突入を命じたことが発端となった。
- 当初の状況
- 通信と魔力が妨害されるなか、護衛を務めるエルヴィンたちは極度に疲弊していた。加えて、無制限に魔力を補給できる魔族3名による連携魔法の猛攻を受け、エリーゼ側の防衛線は陥落寸前まで追い詰められていた。
- ヴェルの介入
- ヴェルは高速飛翔で突如として上空から戦場へ降り立った。そして首謀者ヘルターを、一切の躊躇なく瞬時に凍結して処刑。敵の指揮系統と戦意を根本から打ち砕いた。
- ハグレ魔族との戦闘
- あの世での修行で身につけた精密な風魔法を、実戦で応用した。牽制の隙を突き、ウィンドカッターで敵が携行していた魔晶石入りの魔法袋の紐を正確に切断。魔力の補給ルートを完全に断った。補給を絶たれて狼狽する魔族たちには、高威力の火魔法と雷撃を叩き込み、各個撃破していった。
- 決着と直後の状況
- 襲撃部隊を全滅させ、エリーゼの身柄を無事に確保した。防衛拠点の安全を確保すると、反攻作戦を展開する王国軍主力と合流するため、速やかにユーリック方面へ転進した。
まとめ
人質奪取を狙った敵の強襲に対し、主犯を私情なく即時に処刑し、的確に補給線を断って魔族を撃破するという冷徹な戦術が功を奏した。修行の成果である精密な魔力制御も遺憾なく発揮され、最悪の事態は回避された。こうして、王国軍が本格的な反攻に移るための足がかりが築かれた。
巻末時点の状況
激しい戦乱を乗り越え、主人公はついに帰還を果たした。しかし、王都はなお占領下にあり、世界規模の魔力異常も続いている。ここでは、各勢力の動き、すでに解決した課題、そして今後の行方を左右する未解決の問題を整理する。
各拠点の現状と戦力配置
- ヴェルの現在地
南方の都市ユーリックで、エリーゼをはじめとする家族と再会し、代王ヴァルド率いる王国軍の主力部隊にも合流している。 - 王都の現状
反乱勢力と魔族オットー一派に占拠されている。中庭には巨大な魔道具が設置され、復旧した通信妨害機能が今も作動し続けている。 - 王国政府の所在
王国政府は、教会本部に立てこもる一部の閣僚と、ユーリックに本営を構える代王・エドガー軍務卿ら王国軍主力に分かれている。
解決した問題
- 主人公の生還と能力向上
あの世での過酷な修行を経て、ヴェルは無事に現世へ戻った。魔族をも上回るほど、その実力を大きく伸ばしている。 - 家族の安全確保
新王候補による襲撃からエリーゼを救い出し、彼女の安全を確保した。 - 異界の混乱鎮圧
地獄の竜をはじめとする混乱の原因を討伐・鎮圧し、修行の地で課された試練を乗り越えた。
継続している問題
- 世界規模のマナ吸収
巨大魔道具は大気中のマナを吸収し続けており、魔法使いたちの魔力回復は低下したままである。 - 装置の自爆リスク
装置には、完全に暴走した場合に古代魔法文明の崩壊に匹敵する破滅を招く、自爆機能が備わっている。 - 敵勢力による王城占領
オットーら過激派の魔族と反乱勢力は、今なお王城を掌握している。
まとめ
主人公の劇的な帰還とエリーゼの救出により、絶望的だった戦況には希望が見え始めた。とはいえ、王都の中枢は依然として敵の支配下にあり、世界を滅ぼしかねない古代魔道具の脅威も消えていない。物語はここから、王国の奪還と世界の危機回避を懸けた反攻作戦へと進んでいく。
魔族の王都占拠
『八男って、それはないでしょう! 26』における魔族の王都占拠(王都クーデター事件)は、世界的なマナ枯渇や主要魔法使いの行方不明という混乱を突き、オットー率いる世界征服同盟の魔族と王国の保守派貴族が結託して引き起こした国家転覆規模の大事件である。この占拠事件の計画から実行、そしてその後の王都の現状について整理して解説する。
占拠計画の動機と方針転換
魔族の過激派グループである世界征服同盟は、ヴェンデリンを行方不明へと追い込んだことで人間側の反発を招いた。
- ヘルムート王国とアーカート神聖帝国がギガントの断裂周辺の捜索を急速に強化したため、オットーらは巨大魔道具を野外に設置できず、魔法の袋に収納して逃亡せざるを得なくなった。
- 装置を収納している間はマナの強制吸収が行われないため、指輪を介した魔力の無制限補給という優位性も失われた。
- 数で圧倒的に不利な魔族たちは、人間を手先として利用し、互いに争わせながら支配・管理する方針へと転換した。
- その足がかりとして、その足がかりとして、以前から接触していた王国の重臣を脅迫し、クーデターに加担させた。
結託した反乱勢力の打算
オットーたちに弱みを握られたブレンメルタール内務卿は、家族の安全を確保するだけでなく、自ら国を立て直して支配者になるという野望も抱き、魔族との本格的な結託を決意した。内務卿は自身の権限を利用し、現体制に不満を持つ勢力を反乱軍として取り込んでいった。
- プラッテ伯爵
現在の王国政治の主流派に対抗する大貴族であり、魔族の刑務所に収監されている息子の釈放および帰国後の重職任命を条件に加担した。 - 魔道具ギルド(シャーシェウド会長)
魔道具輸入阻止の件で国王の不興を買い、魔導ギルドへの吸収合併の危機に直面していたため、魔族からの技術供与や新政権下での優遇を約束されて参加した。 - 元貴族や没落貴族
過去の不祥事などで爵位や領地を没収されていた者や、エルの父や兄のようにクーデターに失敗して後がない者たちを、復権や領地の返還を名目に、私兵として集めた。
傀儡の新王ロマーヌス元公爵の擁立
内務卿が自ら王位に就けば地方貴族の反発を招くため、王族の血を引く傀儡の新王を擁立する方針が採られた。
- かつてエリーゼへの強引な求婚などの不祥事で爵位を没収され、教会に軟禁されていた現国王の叔父ロマーヌス・アルベルト・フォン・ヘルター(ヘルター元公爵)が擁立された。
- ロマーヌスは反省するどころか、贅沢な暮らしへの復帰と復讐を望んでいた。そのため、新王の座とエリーゼを正妻として与えるという誘いを受け入れ、王位継承に同意した。
内務卿による王都警備の骨抜き
内務卿は決起に先立ち、王国軍が巨大魔道具捜索のために各地へ分散して手薄になっている事実を指摘した。
- 王都の警備を補う名目で、普段役職を持たない法衣貴族とその家臣や使用人を臨時に動員する提案を行い、代王ヴァルドに承認させた。
- 警備に不慣れな素人が多く配置される状況を作り出し、反乱に加担する貴族の私兵や魔道具ギルドの魔法使いたちを王城内の警備に集中させた。
- これにより、有事の際に反乱軍が王城内を自由に動き回っても不審に思われない体制を整えた。
真夜中の奇襲とパワードアーマーによる脱出劇
準備を整えたオットーたち魔族と反乱軍は真夜中に一斉に行動を開始し、王城と王都の主要拠点を制圧した。
- 事前に異変を察知していたホーエンハイム枢機卿、エドガー軍務卿、アームストロング伯爵らは、クーデターの阻止は困難と判断し、王族の救出と脱出に全力を注いだ。
- エドガー軍務卿とアームストロング伯爵は、古代魔法文明時代の遺産である金属鎧パワードアーマーを装着し、代王ヴァルドの私室へ突入した。
- 身体能力を引き上げた二人は反乱兵や魔族2人を近接戦闘で退け、ヴァルドを連れてバルコニーから飛び降りて脱出した。
- 昏睡状態の国王や家族、閣僚らも近衛騎士ワーレンや聖堂騎士団の手で救出され、王都外の王国軍と合流するため離脱に成功した。
占拠後の王都の膠着状態と魔道具の再設置
クーデターにより反乱軍は王城を占拠したものの、完全な掌握には至らなかった。
- オットーたちは王城の中庭に巨大魔道具を再設置して通信妨害機能を発動し、王都周辺の通信魔法や魔道具を無力化して国内外の王国軍の連携を遮断した。
- 装置に備わる自爆機能(安全装置なしでの稼働による大規模魔力暴走リスク)を盾に、魔族側は防衛力の高さを確信していた。
- 取り逃がした閣僚、ホーエンハイム枢機卿、聖堂騎士団、魔導ギルドの魔法使いたちは教会本部に立て籠もった。反乱軍は包囲することしかできず、これを攻略できなかった。
- 新王となったヘルター元公爵がエリーゼの身柄確保に執着し、魔族3名や私兵を率いて独断で追撃を行った。
- あの世での修行から帰還したヴェンデリンとエルヴィンによって追撃部隊は全滅し、ヘルター元公爵も凍結されて無力化されたため、魔族側は貴重な戦力を失うこととなった。
まとめ
内務卿の周到な工作によって王城は瞬く間に占拠され、巨大魔道具による通信妨害が敷かれるなど、王国は前例のない危機に直面した。しかし、王族の脱出成功や教会本部での籠城、そして修行を経て帰還したヴェンデリンによる戦力撃破により、反乱勢力と魔族による完全支配の計画には、早くも綻びが見え始めている。国家中枢の奪還をめぐる戦況は、依然として予断を許さない緊張状態にある。
あの世での修行
前巻のラストで魔力を完全に使い果たし、急流に飛び込んで川底へと沈んだヴェンデリン。その生死がわからないまま迎える「あの世」での修行は、絶望的な状況を一変させる重要な展開となる。本稿では、この修行がどのような仕組みで行われ、ヴェンデリンたちをいかにして桁違いの強さへ導いたのかを、ポイントごとに解説する。
魂だけの再会とあの世の特訓システム
川で溺れ、魂が肉体から離れたヴェンデリンが目を覚ましたのは、真っ白な天国のような空間だった。そこで彼を迎えたのは、かつて魔法の基礎を教え、若くして亡くなった師匠・アルフレッドである。あの世の修練場には、次のような恵まれた修行環境が用意されていた。
- あの世の1ヵ月が現世の1日に相当する時間の歪み
現世では一週間ほどしか経過していない状況下で、あの世ではすでに半年以上が経過していた。そのため、先に遭難していたブランタークとアームストロング導師は、すでに半年以上もアルフレッドから指導を受けていた。 - 肉体の殻からの解放による限界突破
人間の魔力量には肉体による限界がある。しかし、魂だけの状態で瞑想を重ねることで、その制約を越え、魔力量を大きく伸ばせるようになった。これにより、成長限界を迎えていたブランタークも現役時代を大幅に超える魔力量を獲得した。 - 負傷することのない実戦形式の模擬戦
魂だけの存在であるため、激しい模擬戦で大きなダメージを受けても、怪我をすることなく瞬時に回復できる。この特性を生かし、手加減なしの極限的な戦闘訓練を続けることが可能だった。
当初のヴェンデリンは、すでに強化されていた導師とブランタークに圧倒されていた。しかし、真摯に瞑想を重ねるうちに、彼も急速に実力を伸ばしていく。
大天使ファーラとお供え物の効果
魂を呼び寄せた存在は、アルフレッドに好意を寄せる大天使ファーラである。彼女が規則を曲げて3人を鍛えさせた理由は、オットーたちの古代魔道具が世界中のマナを吸い上げて世界の均衡を崩す事態を阻止するためであった。この緊迫した大義名分の一方で、ヴェンデリンによる手料理の振る舞いも大きな影響を与えた。
- 魔法の袋を活用した料理の提供
あの世では本来食事は不要であるが、ヴェンデリンは自身の魔法の袋を使用できたため、現世の調味料や食材を用いて天ぷら蕎麦や焼肉、そうめんなどを調理した。 - お供え物としての神の祝福
これらの料理は、大天使ファーラやほかの天使たちにとって上質な供物として扱われた。その返礼として、3人の魔力量の上限は神の祝福によって大きく引き上げられた。 - 現世の肉体保護
魂が食事を取ることは、現世で眠り続ける3人の肉体の衰弱を防ぐ役割も果たした。そのため、目覚めた後にリハビリを行う必要もなかった。
卒業試験としての地獄の四竜戦
修行の総仕上げとして、一行は地獄で暴れる4体の強大な竜の討伐に挑む。この実戦形式の訓練を通じて、3人は技術面でも大きく成長した。
- ヴェンデリンによる魔力補充の習得
他人に魔力を譲渡する高度な技術である魔力補充を、実戦の土壇場で会得した。 - ブランタークの聖光発動
これまで使えなかった聖魔法「聖光」を、危機に陥った導師を救いたいという強い執念によって発動させ、習得した。 - 連携と魔力効率の極限化
極小の魔力で最大火力を引き出す魔力効率技術と高度な連携により、強化されていた四竜を完全に撃破して地獄の平定を達成した。
アルフレッドが交わした約束
すべての試練を終え、神から功績を認められたアルフレッドは、人間として輪廻転生することを許される。温かい家庭を築くことを望んでいた彼だったが、その権利を自らの意思で辞退した。
- 弟子との約束の優先
将来的に天寿を全うしてあの世へやってくるヴェンデリンに再び魔法を教えるという約束を果たすため、天国に留まる道を選択した。 - 100年後の再会
アルフレッドは天使としての修行を積みながら、100年後にヴェンデリンが戻ってくるのを待つことを決断した。
まとめ
絶望的な遭難から始まった一連の出来事は、師匠との再会、魔力と技術の限界突破、そして神の祝福という幾重もの恩恵をもたらした。その結果、主人公たちは別次元の実力者へと成長する。現世に戻ったヴェンデリンは、導師やブランタークから託された魔力と、高火力の雷撃、洗練された探知技術を武器に、危機に瀕する王都へと向かうことになる。
地獄の竜討伐
『八男って、それはないでしょう! 26』で描かれる地獄の竜討伐(四竜討伐)は、これまでの激闘で積み重ねてきた経験が、あの世という特殊な環境の中で結実した重要な戦闘エピソードである。大幅に強化された竜たちを相手に、4人の魔法使いは力任せではなく、的確な役割分担と知略によって死闘を切り抜けた。ここでは、その戦いの全容を整理する。
霊水晶アーマードラゴン戦と魔力補充の習得
- 敵の特徴
生前はアイスアーマードラゴンだった個体で、地獄では氷の代わりに霊水晶を頑丈な鎧としてまとっていた。聖魔法を含むあらゆる系統魔法を完全に無力化する防御力を誇る一方、物理的な衝撃には弱いという性質があった。 - 連携と戦術
物理攻撃を得意とするアームストロング導師が魔導機動甲冑をまとい、巨大なハンマーで外殻を砕く主力を担った。激しい魔力消費を補うため、ブランターク、アルフレッド、ヴェンデリンが交代で魔力を補充し、導師の魔力を常に満タンに保つ補給戦術が取られた。 - 成長要素
これまで使えなかった高度な技術である魔力補充を、ヴェンデリンはアルフレッドの指導を受けながら、実戦の土壇場で初めて成功させた。
老溶岩竜戦と危険地帯への潜行
- 敵の特徴
生前にブランタークらのパーティが討伐した老火竜である。溶岩の池に陣取り、火炎と溶岩が混ざった火炎溶岩弾を放つだけでなく、溶岩を浴びることで傷を即座に完全回復させる特性を得ていた。 - 連携と戦術
回復源である池底の溶岩噴出口を塞ぐため、魔力量の少ないブランタークが自ら志願し、魔法障壁を展開して灼熱の溶岩池へ潜行した。 - 決着の流れ
ブランタークの合図の花火を受け、ヴェンデリンとアルフレッドがブリザードで足元の溶岩を急速冷却し、回復経路と退路を断った。そこへ導師が新魔法「大氷蛇」を連続で叩き込み、全身を凍結させて撃破した。
グレードグランド戦と科学知識の応用
- 敵の特徴
生前から強敵だった地属性の竜である。地獄では周囲の無数の岩を念力で自在に操り、球状の防壁を作って絶対防御の態勢を整えていた。外部からの攻撃魔法はすべて岩に相殺されるため、戦いは膠着状態に陥った。 - ヴェンデリンの着想
岩の隙間を通り抜けられる極低温の物質として、ヴェンデリンは前世の科学知識をもとに、空気中の窒素を液化した液体窒素を魔法で生み出す策を考案した。 - 決着の流れ
防壁の隙間から沸点マイナス196度の液体窒素を念力で流し込み、本体に極度の凍傷と麻痺を与えて防壁を崩壊させた。無防備になったところへ、溜め時間を短縮したアイスカッタートルネードを叩き込み、勝利を収めた。
ブラックドラゴンおよび黒骨竜戦の死闘
- 敵の特徴
先に討伐された3体の竜から生まれた黒い星を吸収し、生前以上に巨大な漆黒の姿を持つブラックドラゴンとして現れた。さらに肉体が滅びると、内部から聖魔法しか通用しない黒い骨のアンデッド古代竜(黒骨竜)が現れる、二段構えの強敵だった。 - 前半戦の攻防
即座に放たれる高威力のブレスを封じるため、アルフレッドの燃焼性液体とヴェンデリンのタングステン弾投擲による精密な同時攻撃で両目を破壊した。視覚を失っても魔力の放出を感知して追尾する習性を利用し、魔力流出の多い導師を囮にしながら、残る3人が体内へ集中攻撃を仕掛けて肉体を粉砕した。 - 後半戦と聖魔法の開眼
俊敏な黒骨竜の動きを止めるため、導師は魔導機動甲冑で身を挺して拘束した。ヴェンデリンとアルフレッドの聖光だけでは削り切れず、導師が消滅寸前に追い込まれたとき、これまで聖魔法を使えなかったブランタークが執念で聖光を発動させた。3人同時の聖光照射により、黒骨竜は完全に浄化・消滅した。
まとめ
地獄の四竜討伐は、特殊な環境によって凶暴化・強化された敵に挑む、過酷な試練だった。しかし、この極限の戦いを通じて、魔法使いたちは少ない魔力で最大の威力を引き出す効率的な技術を確立し、連携体制も完成させた。ここで培われた魔力制御と数々の新魔法は、その後の現世帰還や国家中枢の奪還戦で決定的な力となる。
王都のクーデター
王都クーデター事件の全貌
『八男って、それはないでしょう! 26』で起きた王都クーデターは、世界規模のマナ枯渇という未曽有の混乱に乗じて、魔族の政治工作と人間側の大貴族・没落貴族の利害が結びついた、国家転覆級の事件である。単なる武力行使ではなく、内務卿があらかじめ進めていた警備体制の改編を利用して実行された。本稿では、その経緯と実態を整理する。
クーデターの首謀者と加担勢力の利害関係
反乱の発端は、過激派魔族である世界征服同盟のオットーらが、人間を手駒として利用する方針へ転じたことにある。彼らに弱みを握られたブレンメルタール内務卿を指揮役として、現体制に不満を抱く複数の勢力が集結した。
- 傀儡の新王ロマーヌス(ヘルター元公爵)
地方貴族の反発を抑えるための旗印として担ぎ出された王族である。かつての不行状により爵位を剥奪され、軟禁されていたが、新王への就任とエリーゼを正妻として迎えることを条件に、反乱へ加わった。 - プラッテ伯爵
主流派と対立する大貴族である。魔族の刑務所に収監された息子の釈放と、政権奪取後に息子を重職へ就けることを条件に、計画へ参加した。 - 魔道具ギルド(シャーシェウド会長)
魔道具の輸入阻止をめぐって国王の不興を買い、魔導ギルドへの吸収合併の危機に直面していた。魔族からの魔導技術の供与と、新政権下での組織的な優遇を見返りに、技術力と魔法戦力を提供した。 - 没落貴族および元貴族(エルの父や兄たちなど)
過去の罪や失脚によって領地を没収された者たちである。新政権下での復権や、爵位・領地の返還を餌に、反乱軍の私兵として動員された。
内務卿による事前の警備改編工作
クーデター成功の鍵となったのは、内務卿が事前に主導した王都警備兵の入れ替え工作だった。
- 閣議では、巨大魔道具の捜索により王国軍が王都から各地へ分散し、防衛が手薄になっていると指摘した。
- 警備の補強を名目に、普段は役職に就いていない法衣貴族の家臣や使用人を、臨時の警備兵として動員する案を提示し、代王ヴァルドの承認を取り付けた。
- 王城の警備に不慣れな者が多数配置される状況を意図的に作り出し、その隙を突いて反乱軍の私兵や魔道具ギルドの魔法使いたちを城内の要所へ潜り込ませた。
- こうして有事の際、反乱軍が城内を自由に移動しても不審に思われない体制を整えた。
真夜中の急襲と王族救出劇
準備を整えた反乱軍と魔族は、真夜中に一斉蜂起し、王城と王都の要所を奇襲して制圧した。
- 事前に異変を察知していたホーエンハイム枢機卿、エドガー軍務卿、アームストロング伯爵らは、クーデターそのものを阻止するのは困難と判断し、王族と重臣の救出に専念した。
- エドガー軍務卿とアームストロング伯爵は、古代魔法文明の遺産である漆黒の金属鎧、パワードアーマーを装着した。魔晶石の力で身体能力を高め、近接戦闘で反乱兵や魔族を退けている。
- アームストロング伯爵はヴァルド王太子を抱え、3階のバルコニーから飛び降りて強行脱出を成功させた。
- 昏睡状態にあった国王とその家族、閣僚らも、近衛騎士ワーレンや聖堂騎士団に救出され、王都外の部隊と合流するため離脱した。
クーデター後の王都における膠着状態
王城を占拠したオットーらは、中庭に巨大魔道具を再設置し、通信妨害機能を発動させた。
- 王都周辺では通信魔法や魔道具が使えなくなり、国内外の王国軍の連携は断たれた。
- 装置には、安全制御なしで起動すれば大規模な魔力暴走を招く自爆機能も備わっていた。魔族側はこれを背景に、防衛体制に自信を深めていた。
- 一方、取り逃がしたホーエンハイム枢機卿や閣僚、聖堂騎士団、魔導ギルドの魔法使いたちは教会本部に立て籠もった。反乱軍は包囲することしかできず、攻略には至らなかった。
- 新王となったヘルター元公爵はエリーゼの身柄確保に執着し、魔族3名と没落貴族の部隊を率いて、独断で追撃に出た。
- 修行から戻ったヴェンデリンとエルによって追撃部隊は全滅し、ヘルター元公爵も氷結魔法で無力化された。その結果、反乱軍は早い段階で貴重な戦力を失うことになった。
まとめ
内務卿による行政工作で王都は速やかに制圧された。しかし、王族の脱出、教会本部での籠城、さらに新王ヘルターの独断による戦力喪失によって、反乱軍の支配体制は当初から脆さを抱えていた。南方のユーリックへ脱出した代王ヴァルドのもとに、修行を終えたヴェンデリンらが合流したことで、局面は国家中枢の奪還作戦へと移っていく。
エリーゼの危機
『八男って、それはないでしょう! 26』におけるエリーゼの危機は、魔族オットーらと結託したブレンメルタール内務卿による王都占領クーデターに伴い、私利私欲と一方的な妄執の対象にされたエリーゼが、家族や家臣を守るために命を捨てる覚悟にまで追い詰められた緊迫の事件である。この危機が発生した背景、包囲された絶望的な戦況、そしてヴェンデリンの生還による劇的な救出までの過程について整理して記述する。
危機の背景:新王候補ヘルターの異常な執着
すべての発端は、内務卿らが傀儡の新王として擁立した、現国王の叔父にあたるロマーヌス(ヘルター元公爵)の強い執着であった。
- かつてエリーゼへのしつこい求婚等の不行状で爵位を剥奪され軟禁されていたヘルターは、新王の座を引き受ける条件として王になったらエリーゼを自分の正妻とすることを要求し、内務卿らもこれを承諾した。
- 内務卿らにとっては、ヴェンデリンが死亡したとみなされていたため、エリーゼをヘルターに与えることで教会の重鎮であるホーエンハイム枢機卿を懐柔および利用しやすくなるという政治的な打算も存在した。
真夜中の追撃とエルの苦闘
クーデターが発生した真夜中、エリーゼたちはホーエンハイム枢機卿から急報を受け、王都の屋敷を放棄して馬車で脱出を図った。
- 玉座への着任よりもエリーゼの身柄確保を最優先にしたヘルターは、自ら部隊を率いて執拗な追跡を開始した。
- ヘルターの護衛には、かつて没落したエルの実家の父や兄たちや、新たにオットーたちに加担した新参のハグレ魔族3名(ガイル、ドルトイ、リック)が戦闘員として同行していた。
- 王都の郊外で追いつかれた際、護衛のエルとハルカは襲いかかる父親や兄たちを実力で圧倒し、一旦は無力化に成功した。
- しかし魔族の一人が高度な治癒魔法を使い、エルの父や兄たちをその場で何度でも完全回復させて立ち上がらせたため、戦闘は泥沼の消耗戦へと突入した。
護衛陣の消耗とエリーゼの決死の覚悟
マナ枯渇による魔力回復量低下の過酷な環境下で、防衛側は徐々に追い詰められていった。
- イーナとルイーゼは魔族2名の防御に徹して相手の魔力切れを待つ持久戦法に嵌まり、魔力をほぼ空寸前まで消耗させられた。
- 護衛陣が力尽き、同行していた非戦闘員の家臣や使用人たちにも生命の危機が迫る中、敵のバルシュミーデ元男爵からエリーゼ一人がヘルター新王のもとへ来れば他の者は見逃すという条件が提示された。
- エリーゼは相手の不誠実さを見抜きつつも、仲間たちを守るため、そして全員が逃げ延びた後に自ら隙を見て自害するという覚悟を固め、ヘルターのもとへ歩みを進めた。
ヴェンデリンの降臨と電撃的な排除
エリーゼがヘルターの前で跪こうとした瞬間、あの世での修行を完了させたヴェンデリンが高速飛翔で空から降臨し、交渉役のバルシュミーデを一撃で地面に叩き伏せて倒した。
- 最愛の夫の生存と帰還を確信したエリーゼは、張り詰めていた緊張から涙を流してヴェンデリンに抱きつき、指示に従って安全な後方へと退避した。
- 国家への反逆者であるヘルター元公爵に対し、ヴェンデリンは絶対零度の氷結魔法で瞬時に凍らせて完全に沈黙させた。
- あの世で培った精密な風魔法ウィンドカッターを用い、魔族たちが魔晶石を取り出して魔力を補充しようとした隙を狙って魔法の袋の紐を切断した。
- 魔力補給手段を遮断した上で、火魔法や雷撃によって魔族3名を各個撃破した。
- エルもまた肉親の凶行を止めるため、自身のオリハルコンの剣で実の父親と兄3人を討ち、残る反乱兵たちもすべて制圧した。
救出劇の結末と合流
エリーゼを狙った別動隊を完全に撃退したヴェンデリンたちは、安全を確保した後に南方の防衛拠点である都市ユーリックへと移動した。そこで救出されていた代王ヴァルドや、エドガー軍務卿らが率いる王国軍の主力と無事に合流を果たした。
まとめ
愛する家族や家臣を守るため自らの命を差し出す覚悟を決めたエリーゼの自己犠牲と、修行を経て強大な力を手に入れたヴェンデリンによる劇的な救出劇は、物語の大きな山場となった。本事件を通じて反乱勢力の一角は瓦解し、戦況は王国軍主力と合流したヴェンデリンたちによる王都奪還作戦へと進展していくこととなる。
ヴェンデリンの生還
『八男って、それはないでしょう! 26』で描かれるヴェンデリンの生還(現世への帰還)は、あの世で過酷かつ特殊な修行を終えた主人公が、肉体面・魔力面ともに常識を大きく上回る力を得て、絶望的な状況に置かれた家族のもとへ劇的に戻る重要な転機である。ここでは、彼が生還に至るまでの経緯と、それを支えた特殊な設定について整理する。
天国での修行から現世の肉体への帰還
- あの世で卒業試験にあたる四竜討伐を成し遂げ、師匠アルフレッドと再会を約束したヴェンデリンは、魂の状態から現世の肉体へ戻る許可を得た。
- あの世の1ヵ月が現世の1日に相当する時間軸のズレが存在したため、魂の側では半年以上の猛特訓を経験していたものの、現世における行方不明期間はわずか一週間程度であった。
ピンス村での目覚めと看病
- ヴェンデリンが魂を肉体に戻し、意識を取り戻したのは、急流に流された末に漂着したピンス村だった。
- 現地では村の少女マーガレットに助けられ、意識を取り戻すまで手厚い看病を受けていた。
- 目を覚ましたヴェンデリンは、自分を助けてくれたマーガレットに感謝を伝えた。
お供え物の効果による肉体の維持
- 通常であれば一週間近く寝たきりの状態が続いた肉体は筋力低下や栄養失調を招き、長期のリハビリを要する。
- しかしヴェンデリンは、目覚めた直後から万全の体調で行動できた。
- あの世で大天使ファーラたちに手料理を振る舞ったことが供物として受け入れられ、魂が満たされた恩恵が神の加護として現世の肉体に還元された。その結果、この加護は肉体の衰弱を防ぐための安全装置として機能していた。
3人分の魔力の一本化
- 修行によって自身の限界魔力量が大幅に引き上げられていたうえ、現世でまだ目覚めていないアームストロング導師とブランタークの魔力を、自身へつなぐ技術も身につけていた。
- 世界的なマナ枯渇によって魔力の回復量が落ちている環境でありながら、ヴェンデリンは大魔法使い3人分に相当する規格外の魔力を自在に扱える状態で現世へ戻った。
高速飛翔による急行とエリーゼの救出
- 目覚めたヴェンデリンは広域探知魔法を展開し、遠く離れた王都郊外で、妻のエリーゼや家臣たちが反乱軍と魔族に追い詰められている危機を察知した。
- マーガレットに別れを告げると、莫大な魔力を解放し、超高速の飛翔魔法で戦地へ一直線に向かった。
- エリーゼが仲間を守るため、自らを犠牲にしようとしたその瞬間、ヴェンデリンは上空から介入した。圧倒的な力で敵を打ち破り、劇的な救出を果たした。
遭難による消息不明という深刻な危機から始まったこの展開は、異界での修行、供物による肉体の保全、そして3人分の魔力の統合という周到な強化を経て、主人公の鮮烈な復帰劇へとつながった。圧倒的な力を携えて現世へ舞い戻ったヴェンデリンの生還は、窮地に陥っていた防衛陣営を救い出し、反攻作戦の火ぶたを切る決定的なきっかけとなった。
登場キャラクター
あの世(霊界)および神格
アルフレッド・レインフォード
ヴェンデリンの師匠であり、かつて非業の死を遂げた天才魔法使いである。死後もあの世で魔法の修行を重ねており、生前を遥かに超える実力を身につけている。神や大天使からも高く評価されている。
・所属組織、地位や役職
故人。元ブライヒレーダー辺境伯家筆頭魔導師。
・物語内での具体的な行動や成果
あの世へやってきたヴェンデリンたちを迎え、魔力効率の改善や座禅による魔力増大の修行を指導した。地獄の四竜討伐では的確な戦術指導と高火力の魔法で討伐を牽引した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
地獄平定の功績により神から人間への転生を許されたが、将来再びヴェンデリンを指導する約束を果たすため転生を辞退し、あの世に残る道を選択した。
ブランターク・リングスタット
アルフレッドの師匠であり、ヴェンデリンの魔法の指南役を務めるベテラン魔法使いである。実戦経験が豊富で、柔軟な状況判断力を持つ。
・所属組織、地位や役職
ブライヒレーダー辺境伯家・お抱え筆頭魔法使い。
・物語内での具体的な行動や成果
あの世の修練場で肉体の殻を脱ぎ捨てて限界以上の魔力を獲得した。老溶岩竜戦では自ら灼熱の溶岩池へ潜行して噴出穴を塞ぎ、黒骨竜戦では土壇場で聖魔法「聖光」を開眼させて浄化に成功した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
現世復帰後、自らの魔力をヴェンデリンに託して王都への先行突入を支えた。
クリムト・クリストフ・フォン・アームストロング
王国最強と称される王宮筆頭魔導師であり、豪快な性格の武闘派魔法使いである。国王の親友であり、ヴェンデリンの師匠の一人でもある。
・所属組織、地位や役職
ヘルムート王国・王宮筆頭魔導師。
・物語内での具体的な行動や成果
あの世での修行により魔力量をさらに増大させ、効率的な部分展開の魔導機動甲冑を習得した。霊水晶アーマードラゴンや黒骨竜をその身を挺して拘束し、撃破の突破口を切り開いた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
現世帰還後、自身の全魔力をヴェンデリンへ補充し、妻たちの救出へ送り出した。
大天使ファーラ
神に直接仕える高位の存在であり、あの世の管理を担う美しい大天使である。アルフレッドに深い好意を寄せている。ヴェンデリンが作る現世の料理を大変気に入っている。
・所属組織、地位や役職
天界・大天使。
・物語内での具体的な行動や成果
世界の崩壊を防ぐためヴェンデリンたちの魂をあの世へ呼び寄せ、修行の場を提供した。地獄の四竜討伐を依頼し、探知役として同行した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ヴェンデリンから料理のお供えを受け、彼らの魔力上限を大幅に引き上げる神の加護をもたらした。
神様
世界と天界を統括する最高神である。直接下界に干渉できないため、大天使を通じて世界の均衡を保とうとする。
・所属組織、地位や役職
最高神。
・物語内での具体的な行動や成果
地獄を平定したアルフレッドの功績を称え、人間への輪廻転生を許可した。現世へ帰還するヴェンデリンたちからイシュルバーグ伯爵に関する記憶を消去した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
バウマイスター辺境伯家
ヴェンデリン・フォン・ベンノ・バウマイスター
本作の主人公であり、バウマイスター辺境伯家の当主である。卓越した魔法の才能を持つ一方で、平穏な暮らしと家族を最優先に考える。
・所属組織、地位や役職
バウマイスター辺境伯家・当主。
・物語内での具体的な行動や成果
あの世で魂の修行を積み、魔力補充や精密な魔力制御を習得して地獄の四竜を平定した。現世への帰還後は王都郊外へ急行し、ヘルター元公爵を凍結して排除し、新参のハグレ魔族3名を各個撃破して妻エリーゼを救出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
3人分の大魔導師の魔力を統合し、前人未到の魔力と精密技術を併せ持つ大魔法使いへと覚醒した。
エリーゼ・カタリーナ・フォン・ホーエンハイム
ヴェンデリンの正妻であり、「聖女」と称される優れた治癒魔法使いである。自己犠牲を厭わない高潔な精神を持つ。
・所属組織、地位や役職
バウマイスター辺境伯家・正妻。
・物語内での具体的な行動や成果
夫の失踪中も動揺を見せず、王都の屋敷で家政と書類仕事を統括して家を守った。クーデター発生時には仲間を救うためヘルター元公爵への投降を覚悟したが、帰還した夫に救出された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
イーナ・ズザネ・ヒレンブラント
槍術と魔法を兼備するヴェンデリンの妻である。真面目で責任感が強い。
・所属組織、地位や役職
バウマイスター辺境伯家・側室。
・物語内での具体的な行動や成果
王都でホーエンハイム枢機卿の警護を務めた。屋敷からの脱出戦では魔族2名を相手に防戦を続け、魔力を消耗しながらもエリーゼを守り抜いた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ルイーゼ・ヨランデ・アウレリア・オーフェルヴェーク
魔闘流の使い手であり、直感力と鋭い洞察力を持つヴェンデリンの妻である。
・所属組織、地位や役職
バウマイスター辺境伯家・側室。
・物語内での具体的な行動や成果
ホーエンハイム枢機卿の極秘任務を察知し、護衛役をこなした。脱出戦において格闘戦と防御で敵の侵攻を遅らせた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ヴィルマエトル・フォン・アスガハン
怪力を誇る狩人出身の妻である。
・所属組織、地位や役職
バウマイスター辺境伯家・側室。
・物語内での具体的な行動や成果
王都の屋敷に残り、エリーゼの護衛にあたった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
カタリーナ・リンダ・フォン・ヴァイゲル
風魔法の達人であり、ヴェイゲル準男爵領の領主代理を務める妻である。
・所属組織、地位や役職
バウマイスター辺境伯家・側室。ヴェイゲル準男爵領・領主代理。
・物語内での具体的な行動や成果
ギガントの断裂周辺へ派遣され、夫の捜索隊に加わった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
エルヴィン・フォン・アルニム
ヴェンデリンの親友であり、最古参の筆頭家臣である。
・所属組織、地位や役職
バウマイスター辺境伯家・筆頭家臣。
・物語内での具体的な行動や成果
クーデター発生時にエリーゼたちの護衛を務め、立ちはだかる反乱軍を迎撃した。ヴェンデリンと連携して魔族を討伐し、反乱に加担した父と兄たちを自らの剣で成敗した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
私情を断ち切って主君への絶対的な忠誠を示し、主従の絆をより強固なものにした。
ハルカ・フォン・アウババ
ミズホ公爵家の血を引く剣士であり、エルヴィンの妻である。
・所属組織、地位や役職
アルニム家・妻。
・物語内での具体的な行動や成果
王都の屋敷からの脱出戦において、刀術を駆使して反乱兵の迎撃にあたった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
アマーリエ・フォン・マインバッハ
バウマイスター辺境伯家の侍女長であり、実質的な妻のひとりである。
・所属組織、地位や役職
バウマイスター辺境伯家・侍女長。実質的な側室。
・物語内での具体的な行動や成果
本領のパウルブルクに残り、子供たちや留守を預かる妻たちの面倒を見ながら屋敷を統括した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
テレーゼ・フォン・フィリップ
前フィリップ公爵であり、高い政治的見識を持つ妻である。
・所属組織、地位や役職
バウマイスター辺境伯家・側室(前フィリップ公爵)。
・物語内での具体的な行動や成果
捜索隊を率いてギガントの断裂周辺を探索した。現世で目覚めたヴェンデリンと魔導携帯通信機で連絡を取り、王都の通信途絶とクーデターの発生を伝えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
アグネス・フュルスト
平民出身の魔法使いであり、ヴェンデリンの弟子兼妻である。
・所属組織、地位や役職
バウマイスター辺境伯家・側室。
・物語内での具体的な行動や成果
テレーゼらとともに北方での捜索活動に参加した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
シンディ
アグネスの親友であり、商家の娘らしい感覚を持つ妻である。
・所属組織、地位や役職
バウマイスター辺境伯家・側室。
・物語内での具体的な行動や成果
北方の捜索隊に加わり、ヴェンデリンの行方を追った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ベッティ
料理人の兄を持つ魔法使いの妻である。
・所属組織、地位や役職
バウマイスター辺境伯家・側室。
・物語内での具体的な行動や成果
捜索隊の一員として北方領域の探索に従事した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
フィリーネ・フォン・ブライヒレーダー
ブライヒレーダー辺境伯の娘であり、素朴な生活を好む妻である。
・所属組織、地位や役職
バウマイスター辺境伯家・側室。
・物語内での具体的な行動や成果
本領に残り、幼い子供たちの世話や留守番を担当した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
フジコ
アキツシマ島出身の幼い魔法使いである。
・所属組織、地位や役職
バウマイスター辺境伯家・将来の妻候補。
・物語内での具体的な行動や成果
本領パウルブルクの防衛と開発を支えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ルル
フジコと仲の良い幼い魔法使いである。
・所属組織、地位や役職
バウマイスター辺境伯家・将来の妻候補。
・物語内での具体的な行動や成果
フジコとともに本領に留まり、領内の治安維持に協力した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
リョウコ
アキツシマ島の前領主であり、現在はヴェンデリンの妻である。
・所属組織、地位や役職
バウマイスター辺境伯家・側室。
・物語内での具体的な行動や成果
アキツシマ島に留まり、同地の統治と開発を維持した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ユキ
アキツシマ島の元代官であり、教養と知略に優れた妻である。
・所属組織、地位や役職
バウマイスター辺境伯家・側室。
・物語内での具体的な行動や成果
リョウコを支えてアキツシマ島の管理にあたった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ユイ
アキツシマ島出身の武士である。
・所属組織、地位や役職
バウマイスター辺境伯家・家臣。
・物語内での具体的な行動や成果
アキツシマ島の警備と維持に努めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ライラ・ミール・ライラ
魔族の商人であり、魔王の側近を務める女性である。
・所属組織、地位や役職
魔法使い派遣社・社長。
・物語内での具体的な行動や成果
ハグレ魔族をまとめ上げ、ブライヒレーダー辺境伯領やバウマイスター辺境伯領の開発を支援した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
フリードリヒ・フォン・ベンノ・バウマイスター
ヴェンデリンとエリーゼの間に生まれた長男である。
・所属組織、地位や役職
バウマイスター辺境伯家・嫡男。
・物語内での具体的な行動や成果
本領の屋敷で無事に育てられている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ヘルムート・フォン・ベンノ・バウマイスター
ヴェンデリンの実兄であり、バウマイスター準男爵家の当主である。
・所属組織、地位や役職
バウマイスター準男爵家・当主。
・物語内での具体的な行動や成果
エドガー軍務卿の命を受け、管理する森の捜索を実施した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ローデリヒ
バウマイスター辺境伯領の家政を一手に担う家令である。
・所属組織、地位や役職
バウマイスター辺境伯家・家政顧問。
・物語内での具体的な行動や成果
当主不在の間も本領の運営を滞りなく進めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ドーソン
ヘルムート準男爵家に仕える家宰である。
・所属組織、地位や役職
バウマイスター準男爵家・家宰。
・物語内での具体的な行動や成果
主君ヘルムートとともに森の捜索にあたった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ヘルムート王国(王宮・地方)
ヘルムート王国の国王
ヘルムート王国の現国王である。
・所属組織、地位や役職
ヘルムート王国・国王。
・物語内での具体的な行動や成果
王城の謁見の間で負傷し、昏睡状態のまま救出された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
エドガー軍務卿らによって王都を脱出し、保護された。
ヴァルド・フォン・ヘルムート
王国の次期国王たる王太子であり、代王を務める青年である。
・所属組織、地位や役職
ヘルムート王国・王太子。代王。
・物語内での具体的な行動や成果
クーデターの発生に伴いエドガー軍務卿らに救出されて王都を脱出した。南方の都市ユーリックでヴェンデリンと再会し、自らの失策を謝罪して王都奪還を決意した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ヴェンデリンと強固な共闘体制を結び直した。
エドガー軍務卿
軍務閥を統括する重臣である。
・所属組織、地位や役職
ヘルムート王国・軍務卿(侯爵)。
・物語内での具体的な行動や成果
秘蔵の古代遺産パワードアーマーを装着して王城へ突入し、反乱軍を蹴散らしてヴァルド代王を救出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ユーリックに本営を置き、王都奪還に向けた軍勢を再編した。
アームストロング伯爵
導師の実兄であり、軍系貴族の重鎮である。
・所属組織、地位や役職
ヘルムート王国・貴族(伯爵)。
・物語内での具体的な行動や成果
パワードアーマーを身に纏い、エドガー軍務卿とともにヴァルド代王を抱えて王城から強行脱出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ホーエンハイム枢機卿
教会勢力を率いる最高幹部であり、エリーゼの祖父である。
・所属組織、地位や役職
教会・枢機卿(子爵)。
・物語内での具体的な行動や成果
反乱の兆候を察知してエドガー軍務卿らと連携し、教会本部に立て籠もって頑強に抵抗した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
教会本部を死守し、反乱軍の完全掌握を阻んだ。
ワーレン
近衛騎士隊の中隊長を務める武人である。
・所属組織、地位や役職
ヘルムート王国・近衛騎士隊中隊長。
・物語内での具体的な行動や成果
昏睡状態の国王とその家族を護衛し、王都からの脱出を完遂した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ベッケンバウアー
魔導技術の研究者である。
・所属組織、地位や役職
魔導ギルド・幹部。
・物語内での具体的な行動や成果
北方での捜索活動を継続し、ヴェンデリンの生存を信じて捜索に尽力した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
キンブリー
「爆炎」の二つ名を持つ上級魔法使いである。
・所属組織、地位や役職
冒険者。
・物語内での具体的な行動や成果
ベッケンバウアーとともにギガントの断裂南方の捜索活動に従事した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
マーガレット
ピンス村に住む心優しい少女である。
・所属組織、地位や役職
ピンス村・住民。
・物語内での具体的な行動や成果
河岸に流れ着いたヴェンデリンたちを救護し、意識が戻るまで看病した。祖父の知人が残した魔晶石をヴェンデリンに譲り渡した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
クーデター反乱軍(ブレンメルタール一派)
ブレンメルタール内務卿
内務閥を束ねる大貴族であり、クーデターの主謀者である。
・所属組織、地位や役職
ヘルムート王国・内務卿(侯爵)。反乱軍首謀者。
・物語内での具体的な行動や成果
魔族オットーらと手を組み、警備体制を改編して王城占拠を主導した。自邸の建設予定地に巨大魔道具を匿った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
反乱政権において宰相を自称し、王都の完全掌握を画策した。
プラッテ伯爵
空軍閥の重鎮であり、反乱に加担した貴族である。
・所属組織、地位や役職
ヘルムート王国・貴族(伯爵)。
・物語内での具体的な行動や成果
収監されている息子の釈放と将来の地位を条件に私兵を率いてクーデターに参加した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
反乱軍の一翼を担った。
シャーシェウド
魔道具ギルドの会長である。
・所属組織、地位や役職
魔道具ギルド・会長。
・物語内での具体的な行動や成果
組織の保全と魔導技術の供与を見返りに、ギルドの魔法使いたちを反乱軍へ提供した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ロマーヌス・アルベルト・フォン・ヘルター
反乱軍が傀儡の新王として担ぎ上げた元王族である。
・所属組織、地位や役職
元ヘルター公爵。傀儡新王候補。
・物語内での具体的な行動や成果
エリーゼへの執着から私兵とハグレ魔族を率いて追撃を仕掛けた。帰還したヴェンデリンの絶対零度魔法によって凍結された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
解凍後に生還し、反乱軍の形式的な新王として利用され続けた。
バルシュミーデ元男爵
ヘルター元公爵の側近を務める元貴族である。
・所属組織、地位や役職
元貴族(男爵)。反乱軍幹部。
・物語内での具体的な行動や成果
エリーゼに対してヘルターへの降伏を迫ったが、突入してきたヴェンデリンに叩き伏せられた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
エンデルス
ヘルター元公爵に従う元騎士である。
・所属組織、地位や役職
元騎士。反乱軍兵士。
・物語内での具体的な行動や成果
教会から連れ出され、ヘルターの部隊に加わった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ヘプケン
ヘルター元公爵の配下である元騎士である。
・所属組織、地位や役職
元騎士。反乱軍兵士。
・物語内での具体的な行動や成果
反乱の実行部隊として行動した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
アルニム元騎士爵
エルの実父であり、過去のクーデター失敗で改易された元領主である。
・所属組織、地位や役職
旧アルニム騎士爵家・元当主。
・物語内での具体的な行動や成果
復権を求めてヘルターの部隊に加わり、脱出するエリーゼたちを襲撃した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
反乱の現場において、息子エルヴィンによって討ち取られた。
エルの兄たち
エルの実兄たちである。
・所属組織、地位や役職
旧アルニム騎士爵家・元跡取りら。
・物語内での具体的な行動や成果
父とともに反乱軍へ参加し、エルに襲いかかった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
エルヴィンの剣によって成敗された。
世界征服同盟(魔族)
オットー・ハインツ
過激派組織「世界征服同盟」の党首である。
・所属組織、地位や役職
世界征服同盟・党首。
・物語内での具体的な行動や成果
巨大魔道具を王城中庭に再設置して通信妨害を発動させ、王城を占拠した。内務卿を利用して人間同士を統制させようとした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
王城を本拠地として確保し、世界の支配を目論んでいる。
カイツェル
オットーの右腕を務める幹部魔族である。
・所属組織、地位や役職
世界征服同盟・幹部。
・物語内での具体的な行動や成果
王城の制圧部隊を指揮し、オットーへ戦況を報告した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
リライ
世界征服同盟の団員である。
・所属組織、地位や役職
世界征服同盟・団員。
・物語内での具体的な行動や成果
王城内での戦闘において、パワードアーマーを装着した大男たちに敗北した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ミハエル
世界征服同盟の団員である。
・所属組織、地位や役職
世界征服同盟・団員。
・物語内での具体的な行動や成果
王城突入戦において迎撃され、行動不能にされた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ガイル・ハーケン
世界征服同盟に新たに加わったハグレ魔族である。
・所属組織、地位や役職
ハグレ魔族。反乱軍戦闘員。
・物語内での具体的な行動や成果
ヘルター元公爵に従ってエリーゼ追撃戦に参加した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
帰還したヴェンデリンによって倒された。
ドルトイ・マーズ
オットー一派に合流したハグレ魔族である。
・所属組織、地位や役職
ハグレ魔族。反乱軍戦闘員。
・物語内での具体的な行動や成果
魔法袋の紐を切断されて補給を絶たれ、エルとヴェンデリンの連携攻撃により討たれた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
戦死した。
リック・シャーザ
世界征服同盟に加担したハグレ魔族である。
・所属組織、地位や役職
ハグレ魔族。反乱軍戦闘員。
・物語内での具体的な行動や成果
魔晶石で魔力を補充しようとしたが、ヴェンデリンの魔力刃によって魔法障壁ごと貫かれた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
討伐された。
エリザベート・ホワイル・ゾヌターク九百九十九世
ゾヌターク共和国の魔王である。
・所属組織、地位や役職
ゾヌターク共和国・魔王。魔法使い派遣社・会長。
・物語内での具体的な行動や成果
ハグレ魔族たちをまとめ、人間社会での平和的な就労を推進した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
その他(歴史上の人物)
イシュルバーグ伯爵
古代魔法文明時代の大天才魔導研究者である。
・所属組織、地位や役職
古代魔法文明・魔導研究者(伯爵)。
・物語内での具体的な行動や成果
別世界への移転装置を開発し、暴走によって古代文明を崩壊させた元凶とされる。竜の魂に黒い星を仕込んでいた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
一万年以上経過した現在も死者としてあの世に現れず、神や大天使すら行方を把握できていない。
登場集団
暗黒烏
地獄に落ちた鳥類や飛翔生物が変化した黒い怪鳥の群れである。
・所属組織、地位や役職
地獄の亡者。
・物語内での具体的な行動や成果
上空からヴェンデリンたちに大群で襲いかかったが、効率化された魔法で殲滅された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
倒された後は魔力を失って大人しくなった。
暗黒人
地獄に落ちた人間や猿などの魂が黒い影の姿となった存在である。
・所属組織、地位や役職
地獄の亡者。
・物語内での具体的な行動や成果
四竜の暴走に影響されて凶暴化し、魔法を用いて襲撃したが鎮圧された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
一部の者は浄化されて輪廻転生へ戻った。
暗黒獣
地獄に落ちた四足の獣や魔物が変化した黒い獣の群れである。
・所属組織、地位や役職
地獄の亡者。
・物語内での具体的な行動や成果
集団でヴェンデリンたちを取り囲んで攻撃したが、ことごとく撃破された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
聖堂騎士団
教会本部を守護する直属の騎士部隊である。
・所属組織、地位や役職
教会・防衛部隊。
・物語内での具体的な行動や成果
クーデター発生時に教会本部に立て籠もり、反乱軍の攻撃から拠点を死守した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
冒険者有志
王国軍の要請を受けて巨大魔道具の探索に協力した冒険者たちである。
・所属組織、地位や役職
冒険者ギルド所属部隊。
・物語内での具体的な行動や成果
魔力不足のなか、各地で徒歩による探索活動を継続した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
近衛騎士隊
国王の身辺警護を司る精鋭騎士たちである。
・所属組織、地位や役職
ヘルムート王国・近衛軍。
・物語内での具体的な行動や成果
ワーレンの指揮下で昏睡した国王を護衛し、王都からの脱出を成功させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
魔道具ギルド
魔道具の製造と技術を管理する職人組織である。
・所属組織、地位や役職
職人ギルド。
・物語内での具体的な行動や成果
会長の指示により組織の魔法使いたちをクーデター部隊として提供した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
反乱軍へ加担した。
魔導ギルド
魔導技術の研究を行う学術機関である。
・所属組織、地位や役職
魔導研究機関。
・物語内での具体的な行動や成果
所属する魔法使いたちが教会本部に立て籠もり、反乱軍への抵抗を続けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ハグレ魔族
ゾヌターク共和国から密入国して人間領で働く魔族たちである。
・所属組織、地位や役職
魔族労働者層。
・物語内での具体的な行動や成果
大半は魔王の派遣社のもとで平和的な開発に従事し、一部の急進派のみがオットー側へ合流した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
没落貴族部隊(反乱軍私兵)
失脚や改易によって領地を失い、復権を狙って反乱に加わった元貴族やその私兵たちである。
・所属組織、地位や役職
反乱軍・私兵部隊。
・物語内での具体的な行動や成果
王城の警備兵を装って侵入し、エリーゼの追撃にも加わったが、迎撃されて鎮圧された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
追撃隊は全滅した。
(PR)よろしければ上のサイト
展開まとめ
プロローグ たくらむ魔族たち
世界征服同盟の方針転換
オットーたちは、王国と帝国の捜索強化によって巨大魔道具を設置し続けられなくなり、指輪から膨大な魔力を引き出す優位を失っていた。そこでハグレ魔族ではなく人間を戦力として利用し、人間同士を争わせながら支配する方針へ切り替えた。
ブレンメルタール内務卿の反乱計画
オットーは、王城襲撃とヴェンデリンへの情報漏洩に協力したブレンメルタール内務卿を脅し、王都内部からの占領に利用しようとした。内務卿もヴァルドへの不満を募らせ、自分こそ王国を立て直すべきだと考え、魔族を一時的に利用するつもりで反乱への参加を決めた。
プラッテ伯爵や現政権に不満を持つ貴族、魔道具ギルドなどを取り込み、傀儡の新王としてヘルター元公爵を擁立する構想を立てた。
ヘルター元公爵の擁立
軟禁されていたヘルター元公爵は反省しておらず、ヴェンデリンへの復讐と旧生活への復帰を望んでいた。ブレンメルタール内務卿から王位を持ちかけられると容易に信じ、さらにエリーゼを正妻にすることを要求した。
内務卿はその要求も利用価値があると考えて受け入れ、王国奪取の準備を本格化させた。
第一話 アルフレッドとの再会
白い空間のヴェンデリン
河で意識を失ったヴェンデリンは、魂だけの状態で白い空間に目覚め、アルフレッドと再会した。肉体はまだ生きていると知らされ、フリードリヒたちの父親として戻らなければならないと安堵した。
アルフレッドは、十名の魔族に再び勝つためには、同じ不利な状況でも戦えるほど強くなる必要があると告げた。
あの世の修練場
ヴェンデリンは草原のような修練場で、すでに修行していた導師とブランタークに再会した。二人も河流域の村人に救われ、肉体は眠り続けていた。
この場所では現世の一日が約一ヵ月に相当し、魂だけの状態なら肉体の限界を超えて魔力量を伸ばせた。ヴェンデリンは魔力量と魔力効率を高めるため、二人と共に座禅と瞑想を始めた。
王都でのバウマイスター辺境伯家
現世では、ヴェンデリンの生存を信じるエリーゼたちが王都の屋敷を守っていた。失踪から数日しか経っていないのに再婚話まで持ち込まれたが、エリーゼは応じなかった。
また、ヴェンデリンの単独移動を魔族が正確に把握していたことから、王国上層部に情報を流した裏切り者がいる可能性も疑われた。妻たちは屋敷の防衛と捜索に分かれ、ヴェンデリンが背負っていた大量の仕事を分担した。
第二話 大天使ファーラ登場
魂だけの本格修行
ヴェンデリンは先に修行していた導師とブランタークに模擬戦で完敗し、自分との実力差を思い知らされた。アルフレッドは焦らず、魔力量と魔力効率を高める反復修行を続けるよう命じた。
魂だけの状態では傷ついても元に戻るため、ヴェンデリンは実戦形式の訓練も繰り返した。
大天使ファーラ
ヴェンデリンたちをあの世へ呼んだのは、大天使ファーラであった。ファーラは、下界で稼働する巨大魔道具が世界に深刻な悪影響を与えるため、三人を特別に鍛えさせていると説明した。
巨大魔道具はイシュルバーグ伯爵が作った異世界移転装置で、世界中のマナを吸収して膨大な魔力を蓄える仕組みだった。稼働を続ければ魔法使いの回復力だけでなく、生物の成長や将来の限界魔力量にも悪影響が及ぶとされた。
巨大魔道具破壊の使命
神や天使は下界へ直接介入できないため、ヴェンデリン、導師、ブランタークに巨大魔道具の封印または破壊を託した。ヴェンデリンは家族の未来を守るため、現世への帰還を急がず、魔族に勝てる力を身につけるまで修行を続けることにした。
第三話 あの世で修行するって、そんな漫画あったな
あの世での修行生活
ヴェンデリンは修行の合間に焼き肉などを振る舞い、アルフレッドたちと休息を取った。魂だけの状態でも魔法の袋から食材を取り出せ、食べた分は現世の肉体維持にも役立っていた。
アルフレッドは死後も長期間修行を続けており、強くなった導師とブランタークでも歯が立たないほどの実力を持っていた。
王都占拠への準備
現世では、ヴァルドが巨大魔道具捜索を王国全土へ広げ、王都の兵力が薄くなっていた。その死角を利用し、オットーたちはブレンメルタール内務卿、プラッテ伯爵、シャーシェウド会長らと王城占拠の準備を進めていた。
ヘルター元公爵を新王に立て、反乱参加者には領地や役職、技術供与などを約束して勢力を拡大していた。
地獄での卒業試験
あの世で三ヵ月の修行を終えたヴェンデリンは、実戦形式の修行へ移った。そこへファーラから、老火竜、骨竜、グレードグランド、アイスアーマードラゴンが地獄で凶暴化しているため鎮めてほしいと依頼された。
四体には何者かの細工が施されており、死後も陰気を吸収して強化されていた。ヴェンデリン、導師、ブランターク、アルフレッドは地獄での実戦を修行の仕上げとすることになった。
第四話 地獄道中
地獄の住民との戦闘
地獄では暗黒烏、暗黒人、暗黒獣が凶暴化しており、ヴェンデリンたちは魔力効率を意識しながら次々と鎮めた。倒した者の一部は復活して大人しくなり、一部は輪廻転生へ戻った。
敵を倒した跡には正体不明の黒い星が残り、ヴェンデリンたちは回収を続けた。
ファーラへの供え物
休息中、ヴェンデリンはフグ料理を作り、ファーラも食事を楽しんだ。その食事が供え物として扱われたことで、ヴェンデリン、導師、ブランタークの最大魔力量が増加した。
霊水晶アーマードラゴン
霊水晶が大量に存在する地域で、一行は地獄のアイスアーマードラゴンと遭遇した。竜は霊水晶を鎧として纏い、周囲の霊水晶を食べて防御力を高めていた。
ファーラは、この竜に敗れれば魂だけのヴェンデリンたちも本当に死ぬと警告した。
第五話 霊水晶アーマードラゴン
物理攻撃による攻略
霊水晶は魔法には強かったが、物理的な衝撃には弱かった。そこで導師が魔導機動甲冑と巨大ハンマーでアーマーを破壊し、残る三人が魔力を補充しながら支援した。
ヴェンデリンも実戦の中で魔力補充を習得し、導師を回復させた。導師は再び猛攻を加え、霊水晶アーマードラゴンを撃破した。
老溶岩竜
続いて一行は溶岩池を棲み処とする老火竜と遭遇した。竜は溶岩に浸かることで傷を回復したため、ブランタークが池底の噴出口を塞ぎ、ヴェンデリン、アルフレッド、導師が周囲ごと凍結させた。
逃げ道と回復手段を失った老溶岩竜は倒され、再び黒い星が残された。
第六話 サイコキネシスグレードグランド、ブラックドラゴン、黒骨竜、連戦
グレードグランドの念力防御
三体目のグレードグランドは、無数の岩を念力で操り、あらゆる魔法を防いでいた。ヴェンデリンは岩の隙間から液体窒素を流し込み、本体を極低温で攻撃して集中力を奪った。
岩の防御が崩れたところへアイスカッタートルネードを放ち、グレードグランドを撃破した。
ブラックドラゴン
回収していた黒い星が最後の古代竜へ集まり、生前の肉体を取り戻した巨大なブラックドラゴンが出現した。明確な弱点がなく、強力な黒いブレスまで放つため、四人は回避を中心に消耗戦を展開した。
両目と翼を破壊し、岩棘や近接攻撃で損傷を重ねた末、ブラックドラゴンは力尽きた。
黒い骨竜
しかしブラックドラゴンの背中から黒い骨竜が現れ、通常の攻撃魔法を完全に無効化した。聖魔法だけが有効だと判明し、導師が押さえ込む間にヴェンデリンとアルフレッドが聖光を浴びせた。
最後にはブランタークもその場で聖光を習得し、三人の聖魔法によって黒い骨竜を完全に消滅させた。これにより地獄で暴れていた四体の竜はすべて倒された。
第七話 現世への帰還と、マーガレットという少女
天国での最後の強化
地獄から戻ったヴェンデリンたちは、天使たちへ大量の料理を供えた。その御利益によって三人の魔力量はさらに増加し、現世へ戻る準備が整った。
アルフレッドには輪廻転生の機会が与えられたが、将来もう一度ヴェンデリンを教える約束を守るため、天国に残って修行を続ける道を選んだ。
ピンス村での目覚め
ヴェンデリンはピンス村で目覚め、マーガレットという少女に一週間看病されていたことを知った。導師とブランタークも同じ村で救助され、二週間眠っていた。
王都との通信が途絶えていると知った三人は、魔族と王国貴族の裏切り者が王都占領を狙っている可能性を考えた。導師とブランタークは自分たちの魔力をヴェンデリンへ預け、彼を単独で王都へ向かわせた。
王都クーデター
王都では、ブレンメルタール内務卿が警備要員として反乱側の貴族や私兵を王城周辺へ配置していた。オットーたちも加わり、真夜中に王城と王都主要部を占拠した。
しかし陛下とヴァルド、その家族は、エドガー軍務卿やアームストロング伯爵らに救出されて王都を脱出した。反乱側は王城を確保したものの、王家の拘束には失敗した。
第八話 狙われたエリーゼ
エリーゼへの追撃
エリーゼたちは王都から脱出したが、ヘルター元公爵と三人のハグレ魔族に追いつかれた。ヘルター元公爵は新王となった自分の妻になるよう要求したが、エリーゼはヴェンデリンの妻であるとして拒絶した。
同行者を救うため、エリーゼは自分一人が残る覚悟を決めた。
ヴェンデリンの帰還
エリーゼがヘルター元公爵の前へ出た瞬間、ヴェンデリンが帰還した。エリーゼは夫の生還を喜び、ヴェンデリンの指示で仲間たちと退避した。
ヴェンデリンはヘルター元公爵を氷結させ、エルも父と兄たちを含む反乱参加者を自ら討った。
三人のハグレ魔族との決着
ヴェンデリンはあの世での修行によって強化された魔力効率と戦闘技術を用い、三人の魔族の連携を崩した。魔法の袋を狙って補給手段を断ち、一人ずつ確実に撃破した。
戦闘後、ヴェンデリンとエルはユーリックへ向かい、陛下やヴァルドたちと合流した。ヴァルドは自らの判断を謝罪し、王都と王城を必ず奪還すると決意した。
エピローグ 夜が明けて
ヘルター元公爵の生存
完全に凍結されたはずのヘルター元公爵は解凍後に生き返り、反乱側は予定どおり新王として利用することにした。一方、教会本部には反乱に加わらなかった大貴族や騎士、魔法使いたちが籠城し、反乱側も容易には攻め落とせなかった。
巨大魔道具の自爆機能
王城には巨大魔道具が設置され、通信妨害とマナ吸収が続けられていた。さらに技術者たちは、セキュリティキーなしで移転機能を作動させれば、蓄積した魔力が暴走して古代魔法文明崩壊時と同規模の大爆発を起こす自爆機能があることを発見した。
オットーはそれを利用するつもりはなく、巨大魔道具と指輪の力がある限り自分たちは負けないと確信していた。ヴェンデリンが生還したことを知っても、次こそ殺し、王国、帝国、ゾヌターク共和国まで征服するつもりでいた。
同シリーズ
八男って、それはないでしょう!シリーズ































異世界帰りのパラディンは、最強の除霊師となるシリーズ

異世界帰りの勇者は、ダンジョンが出現した現実世界で、インフルエンサーになって金を稼ぎます!シリーズ

その他フィクション

Share this content:


コメント