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棚架ユウ転生したら剣でした

小説「転生したら剣でした 17」感想・ネタバレ

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転生したら剣でした 17の表紙画像(レビュー記事導入用) 棚架ユウ

転剣16レビュー
転剣まとめ
転剣18レビュー

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物語の概要

■ 作品概要

本巻では、ウルムット武闘大会への再挑戦を軸に物語が展開する。主人公フランと師匠は、Sランク冒険者デミトリスのゴルディシア大陸派遣を懸けた「賭け」をきっかけに、優勝を目指して大会に挑む。
大会には、半蟲人の傭兵団長ナイトハルト、レイドス王国による「人魔合成実験」の産物であるシビュラ、鉄壁の防御を誇るビスコットなど、新たな強敵が参戦。戦いは、より高度な技術と戦略が求められるものへと激化していく。
一方で物語は、大会の進行と並行して暗躍する「黒猫兵団」やシャルス王国の政治的介入も描く。フランは並外れた耐久性を持つシビュラとの死闘を経て「神属性」の片鱗を覚醒させ、準決勝ではギルドマスター・ディアスとの対決に臨む。こうして、緊張感のある展開が丁寧に積み重ねられていく。

■ 主要キャラクター

  • フラン / 師匠 
    主人公。前大会で3位に入った実績を評価され、今大会では第1シード(Aシード)に選ばれる。戦闘技術を磨きながら、シビュラとの戦いを通じて「混沌の神の加護」を自ら攻撃へ転用する技術も身につける。
  • ナイトハルト 
    カマキリの頭部を持つ半蟲人(蟷螂族)で、傭兵団「触角と甲殻」の団長。ユニークスキル「韋駄天」がもたらす圧倒的な機動力を武器に、格上の相手さえ一撃で仕留める、速度に特化した戦士。
  • モルドレッド 
    ランクBの冒険者で、フランの2回戦の相手。溶鉄魔術と魔操合金球を組み合わせた巧みな戦術で戦い、フランに力任せではない戦い方の大切さを改めて気づかせる存在となる。
  • シビュラ 
    赤髪の傭兵で、レイドス王国のスパイではないかと疑われている。その正体は、特殊なアンデッドをベースに龍とスライムの因子を融合させた「人魔合成実験」の成功例。27種類もの耐性と瞬間再生能力を備え、対象を捕食して魔力を高める「悪食」の特性も持つ。
  • ディアス 
    ウルムットのギルドマスターで、準決勝ではフランと対戦する。幻像魔術を得意とし、相手のスキルを一時的に封じる「技能忘却」を戦いの要とする。

書籍情報

転生したら剣でした 17
著者:棚架ユウ 氏
イラスト:るろお
出版社:マイクロマガジン社(GCノベルズ
発売日:2024年3月29日
ISBN:9784867165546

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あらすじ・内容

猫耳少女と共に剣としてその銘を異世界に刻み込め!
ネット小説大賞受賞の無機物転生ファンタジー!
ゼロスリードの行方とSランク冒険者デミトリスのゴルディシア大陸派遣を賭けて、ウルムットにて再び武闘大会に挑むこととなったフランと師匠。
デミトリス流正統後継者や半蟲人の傭兵団団長、果てはレイドス王国のスパイ(疑惑)など新たな強敵が参戦する中、フランは順調に勝ち進んでいく。
しかし、武闘大会の裏で暗躍していた黒骸兵団の魔の手がフランたちに迫っていた――!

転生したら剣でした 17

感想

前回に続いてウルムット武闘大会。

前年は三位だったフランも、今回は第一シードの優勝候補である。

予選は免除。

一回戦のデュフォーはわずか五秒。

本戦に入るところまでは、本当にあっという間だった。

ただ、そこから先は別。

モルドレッド。

ビスコット。

シビュラ。

ディアス。

ヒルト。

強い奴しか残っていない。

魔獣との戦いではなく、人間同士だからこその読み合いや経験差もあり、単純にフランの火力が高ければ勝てるわけではないのが面白かった。

そして大会の裏では、

選手が消えている。

子供まで誘拐される。

黒骸兵団が動いている。

おい。

普通に武闘大会だけやらせてくれ。

前巻まで大事件ばかりだったのだから、今回は大会を楽しむだけでもいいだろうに。

やっぱりそうはいかなかった。

第一シードのフラン。でもモルドレッド戦ではベテランの巧さに翻弄される

最初のデュフォー戦は圧勝。

以前フランが稽古をつけた相手なのだが、本人は最初、

「……誰?」

状態。

酷いw

幻剣を見てようやく思い出すのもフランらしい。

しかし二回戦のモルドレッドから、一気に武闘大会らしくなる。

この人、やっぱり巧い。

溶鉄魔術で槍を曲げる。

鎧を変形させる。

魔操合金の球を飛ばす。

地面には罠を仕込み、最後には闘技場そのものを溶岩地帯へ変える。

フランの速度や雷鳴魔術まで研究して、

こう動いたらこうする。

という対策を何重にも用意していた。

フランは最終的に、師匠を一瞬だけ次元収納へ入れることで、まとわりついた金属球を外して逆転する。

そんな使い方ありか。

師匠を収納。

取り出す。

拘束だけ置いていく。

便利だな次元収納。

ただ、勝ったフラン本人はあまり納得していない。

最後は勝てた。

でも試合の流れそのものはモルドレッドに握られていた。

力ならフランが上でも、経験や試合運びではまだ学ぶところがある。

こういう戦いがあるから武闘大会は面白い。

強敵を倒して終わりではなく、

「今の勝ち方では駄目だった」

とフラン自身が考える。

戦闘狂だけど、ちゃんと成長してるんだよな。

シビュラが硬すぎる。お前、斬られても再生するし師匠まで食うのかよ

その後もビスコットやディアスなど強敵が続くが、特に凄かったのがシビュラ。

コルベルトとの試合でも、

殴られる。

また殴られる。

それでも平気。

最後は頭突き。

戦い方が雑!

と思ったら、

雑でも成立するくらい身体がおかしかった。

フランとの準々決勝ではさらに酷い。

斬っても耐える。

魔術も耐える。

傷もすぐ再生する。

しかも、

師匠を噛む。

ウルシまで食う。

食うな!!

ここで判明するシビュラの正体も強烈だった。

彼女はレイドス王国の秘密実験場で、人間を主体に龍やスライムなどの因子を組み合わせる実験によって生み出された存在だった。

これまで強すぎると思っていた理由が、

人体実験の成果物。

何とも酷い話である。

ただ、シビュラ自身は過去だけに潰されていない。

ビスコットやクリッカたちと居場所を作り、強敵との戦いを楽しんでいる。

だからフランとも妙に相性がいい。

殺し合い寸前の戦いなのに、

互いに楽しそうなんだよな。

最終的には師匠が混沌の力への対抗手段を得て、フランが天断でシビュラを倒す。

でもシビュラにはまだ切り札があったらしい。

フランとしては、

完全に勝ち切った感じがしない。

また戦うんだろうな、この二人。

ディアスからヒルトまで強者だらけ。そしてフラン、ついに最年少優勝

準決勝はディアス。

これがまた嫌らしい。

幻像魔術に技能忘却。

フランが最初から大技を使おうとしたら、覚醒そのものを消される。

そのせいで行き場を失った魔力が暴走。

初手から大惨事である。

さらに倒したと思ったディアスまで幻。

死んだふりから普通に奇襲してくる。

ギルドマスター、

性格悪い戦い方するなぁ。

褒め言葉だけど。

それでもフランは勝ち抜き、決勝はデミトリスの孫・ヒルト。

ここまで来ると小細工だけではない。

互いにボロボロになるまで真正面から戦う。

師匠なら最後の攻撃もできた。

でもフランは、

自分で決着をつける。

そして最後に使ったのが、

筋肉の予備動作も殺気もほとんどない一撃。

コルベルトが大会中に見せていた技にも通じる、いわゆる無拍子の攻撃である。

ヒルトも反応できず、

フラン優勝。

史上最年少。

前回三位。

今回は優勝。

強くなったな。

しかも単純にステータスが上がっただけではない。

モルドレッドの技術。

ビスコットの防御。

シビュラの異常な生命力。

ディアスの幻術。

コルベルトの無拍子。

大会中に色々見て、考えて、最後の一撃につなげている。

ちゃんと「武闘大会で強くなった」というのが分かる優勝だった。

優勝したと思ったら選手拉致。黒骸兵団、武闘大会を人材調達に使うな

これで終わり。

優勝おめでとう。

カレー食べよう。

……とはならない。

大会の裏で黒骸兵団が動いていた。

しかも敗退した実力者を誘拐し、アンデッド化して戦力へ変えている。

すでに二十人ほど。

武闘大会、

人材カタログじゃないんだぞ。

なお、ここはシビュラの過去の人体実験とは少し別である。シビュラは以前の「人魔合成実験」で複数の因子を組み込まれた存在。今回、大会参加者に行われているのは主に誘拐後のアンデッド化である。

さらにシャルス王国の迷惑な勧誘や町外れのアンデッド騒動まで、警備を分散させるために利用されていた。

最終目的はデミトリスとオーレル。

そのため、

ケイトリー。

ニルフェ。

二人の孫まで人質にする。

そこで動くのがシビュラたちだった。

レイドス側の人間ではある。

だが、

子供を人質にするのは許さない。

アシッドマンを斬り、ケイトリーを救出。

ビスコットたちもニルフェを助ける。

この辺でシビュラたちへの印象がかなり変わった。

レイドス王国だから全員敵、ではないんだな。

最後にはデミトリスまで動き、アル・アジフを圧倒。

さらにナイトハルトにもレイドスへ向かう事情があり、デミトリスまでそちらへ行くことになる。

……あれ?

フランが武闘大会でヒルトに勝ったら、

ゴルディシアへ来てくれる約束では?

爺さん、

約束どうした。

結局ヒルトたちが代わりに協力することになり、フランは当初の予定通りゴルディシアへ向かう。

武闘大会優勝。

黒骸兵団の陰謀。

シビュラたちの事情。

レイドス王国の内情。

かなり色々あった17巻だった。

でも最後は、

優勝祝いで好きなだけカレー。

やっぱりフランはこれでいい。

武闘大会で最年少優勝しても、

最後に欲しいものはカレー。

次はいよいよゴルディシア。

今度こそ本当にヒャッハーするのか?

最後までお読み頂きありがとうございます。

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転剣16レビュー
転剣まとめ
転剣18レビュー

考察・解説

主要な転換点

転換点名,それ以前の状況,出来事,変化,次への影響
次元収納の戦術的活用,モルドレッドの合金球による物理的拘束を受けていた。,師匠を一時的に次元収納へ出し入れし、物理法則の外側で拘束を解除。,魔操合金の支配権から逃れ、敵の計算を打破。,固定概念に囚われない戦術の獲得。
勲章提示による社会的防御,シャルス王国貴族の不当かつ強引な勧誘に晒されていた。,獣人国の「黄金獣牙勲章」を提示し、国際的な地位を明示。,「一冒険者」から「他国の重要人物」へと立場を変容。,物理的解決以外の紛争回避能力の確立。
混沌の神の加護の能動化,シビュラの多重耐性と異常再生を突破する手段が皆無であった。,「加護」の力を「混沌殺し」の特性として刃に付与。,神属性に近い特性を帯び、耐性を貫通。,シビュラへの致命傷と、神属性制御への第一歩。
技能忘却の発動,準決勝開始直後、フランが全力の「天断」による短期決戦を試みた。,ディアスが「技能忘却」によりフランの「覚醒」を抹消。,行き場を失った魔力が暴走し、フランの身体機能が自爆状態へ。,準決勝序盤における絶望的な劣勢。

主人公を中心とした人物関係の変化

武闘大会での激戦やさまざまな出来事を経て、主人公フランを取り巻く人間関係は大きく変化した。信念と実力をぶつけ合う真剣勝負を通じて、ただの知人や協力者だった相手との間にも、新たな絆やライバルとしての関係が生まれている。以下では、主要人物との関係の変化を整理する。

主人公を中心とした人物関係の変化

フランとモルドレッドの関係

もともとは、モルドレッドがフランを導くような、古くからの知り合いという関係だった。

戦術を競い合う真剣勝負を経て、二人は互いの技術と覚悟を認め合う、戦友のような信頼関係を築いた。

フランとシビュラの関係

当初のシビュラは、レイドス王国のスパイとして警戒すべき存在だった。

互いに全力を出し尽くす死闘を経て、二人は相手の異質さと強さを認め合う宿敵となった。

一方でフランには、最後まで地龍化や赤の剣の解放をしなかったシビュラに勝ちを譲られたのではないか、という複雑な思いも残っている。

フランとディアスの関係

普段のディアスは協力的な依頼主であり、フランにとっては組織を率いるギルドマスターでもあった。

しかし、過去にけじめをつけようとするディアスと、仲間を守ろうとするフランは、それぞれの信念を懸けて正面からぶつかり合うことになった。

まとめ

リングでの対決を通じてぶつかり合った覚悟と信念は、フランと周囲の実力者たちとの関係を、より深く強いものへと変えていった。それぞれが立場や過去を抱えながらも、互いの実力を認め合って生まれたこれらの関係は、これから待ち受ける過酷な戦いにも大きな影響を与えていくだろう。

主人公の認識と周囲の評価

武闘大会で数々の激戦をくぐり抜けたフランには、自分自身が感じている実力と、周囲が彼女に抱く評価との間に大きな隔たりがある。勝利に満足せず、自らの未熟さを見つめ続けるフラン。一方で周囲は、彼女の規格外の潜在能力を警戒しつつ高く評価している。以下では、その対比を整理する。

主人公(フラン)自身の認識

モルドレッド戦では自分の立ち回りの未熟さを痛感し、シビュラ戦でも、相手が地龍化をはじめとする切り札を隠していたのではないかと感じたことで、自身の力不足を強く自覚している。

勝利への純粋な執着が強く、今の自分に満足することなく、さらなる技術の向上と強さを求め続けている。

周囲からの評価

一般層からは「黒雷姫」として広く知られ、熱狂的な支持と人気を集めている。

ディアスやシビュラをはじめとする強者たちは、フランを単なる有望な冒険者とは見ていない。将来、Sランクに到達しかねない規格外の脅威として、その力を分析している。

認識の差が現れた場面

シビュラ戦の直後、フランは試合には勝利したにもかかわらず、相手がまだ余力を残していたことを見抜き、悔しさをあらわにする。この場面には、戦士としての自分を厳しく評価する彼女の姿勢がよく表れている。周囲が勝利を称賛する一方で、本人は本当の意味では勝ち切れていないことに強い不満を抱いている。

周囲からはすでに圧倒的な強者、あるいは将来の最高位戦力として恐れられている。しかしフラン本人は、自分の未熟さを強く自覚し、さらなる高みを目指す姿勢を崩さない。自分に厳しい評価を下し、それでも強さを求め続けることこそが、彼女をさらに成長させる原動力になっている。
7. クライマックス:フラン vs シビュラ
武闘大会の準々決勝で繰り広げられたフランとシビュラの戦いは、互いの常識を超える能力がぶつかり合う、極限の死闘となった。あらゆる攻撃が通じない絶望的な状況から、新たな力の覚醒によって劇的な決着へ至るまでの流れを、以下に整理する。

戦闘の推移と局面の変化

初動における攻撃の無力化
試合開始直後、フランは神速の斬撃で先手を取ろうとした。しかしシビュラは、驚異的な耐性によってあらゆる攻撃を意に介さず、正面から間合いを詰めてきた。

捕食能力の露呈と消耗戦への突入
シビュラは師匠の刃を噛み砕き、その力を直接捕食することで、自身の魔力を増大させるという異常な能力を発揮した。通常の攻防が通用しない、絶望的な消耗戦が始まった。

追いつめられるフラン陣営
物理攻撃だけでなく、あらゆる属性の魔法も無効化され、連携を試みたウルシの身体までもが食らわれるという、極限の危機に追い込まれた。

師匠の覚醒と対抗手段の獲得
窮地の中、アナウンスさんの助けを受けた師匠は、自身に宿る混沌の神の加護を自覚した。その加護を「混沌殺し」の特性へと昇華させ、刃にまとわせることで、敵の耐性を打ち破る術を手に入れた。

決着と両断の一撃
転移のフェイントを織り交ぜた渾身の一撃を放ち、神属性を帯びた「天断」によってシビュラの強固な耐性を貫き、胴体を両断した。その威力は相手の再生速度を完全に上回り、シビュラは自ら敗北を宣言するに至った。

まとめ

この一戦は、あらゆる属性攻撃や物理打撃を無力化するシビュラの捕食能力に対し、フランと師匠が秘められた加護を覚醒させ、真正面から打ち破った象徴的な戦いである。極限の状況で得た神属性の力と高度な戦術連携は、フランたちの実力をさらに一段階上へと押し上げる、決定的な契機となった。
8. 巻末時点の状況
武闘大会で幾多の激戦をくぐり抜け、物語はいよいよ大きな山場を迎えている。主人公は準々決勝を突破したものの、準決勝ではこれまでにない窮地に追い込まれている。大会の行方を左右する戦いの裏では、さまざまな陰謀も複雑に絡み合っている。ここでは、巻末時点での戦況、残された課題、そして今後の展開を左右する要素を整理する。

主人公の状況

準決勝ディアス戦の最中である。

スキル「覚醒」を封じられたことで魔力が暴走し、自爆に等しい深刻なダメージを負った。絶体絶命の状況に追い込まれている。

解決した問題

強敵シビュラとの死闘となった準々決勝を、辛くも制した。

継続している問題

武闘大会で優勝し、ゴルディシア遠征に向けたデミトリス派遣権を獲得すること。

大会の裏で暗躍を続ける「黒骸兵団」の真の目的を暴くこと。

レイドス勢力が保有する「赤の剣」をはじめとする秘宝の正体を解明すること。

今後につながる要素

ディアスが繰り出す「技能忘却」の猛威をいかにして打破するか。

魔力暴走で満身創痍となった状態から、いかに逆転勝利をつかみ取るか。

まとめ

難敵シビュラを退けたばかりの主人公は、ディアスの特異な能力によって、これまでで最大の危機に立たされている。限界に近い肉体で目の前の強敵を打ち破り、大会優勝という悲願を果たせるのか。さらに、背後で暗躍する黒骸兵団の陰謀や、レイドスの秘宝をめぐる謎も残されている。物語はますます緊迫の度を高めている。

武闘大会優勝

『転生したら剣でした 17』で描かれるフランのウルムット武闘大会優勝は、単なるトーナメント制覇ではない。これまでの旅で培ってきた戦術と仲間との絆が結実した瞬間であり、次なる舞台・ゴルディシア大陸へ進むための大きな転機でもある。ここでは、優勝の意義、死闘の結末、そしてその後に起きた劇的な変化を振り返る。

宿命と覚悟を背負ったトーナメントの死闘

前年の3位入賞という実績を買われ、第1シードに選ばれたフランは、優勝候補の本命として注目を集めつつ、順調に勝ち進んでいく。しかし、その肩には二つの重い賭けがのしかかっていた。

  • ディアスとの賭け
    準決勝で対峙したギルドマスターのディアスとは、キアラの仇・ゼロスリードをどう処遇するかを懸けて戦った。
  • デミトリスとの賭け
    優勝すれば、ベリオス王国の国際的な義務であるSランク冒険者デミトリスのゴルディシア大陸派遣を承諾させられる。国の命運さえ左右しかねない、大きな賭けだった。

こうした責任を背負いながらも、フランはモルドレッドの溶鉄の罠や、規格外の耐性を持つ怪異シビュラといった強敵を、機転と混沌の神の加護(混沌殺し)の覚醒によって次々と打ち破った。

極限状態での激突:フラン対ヒルト

準決勝で、ディアスの技能忘却による魔力暴走と猛攻を退けたフランの体には、神属性を使った反動による深い消耗が残っていた。決勝の相手であるデミトリス流正統後継者のヒルトも、左腕の再生や奥義の反動で大きな負荷を抱えている。両者とも満身創痍のまま、決勝戦の幕が上がった。

  • 絶体絶命の危機
    ヒルトが放ったデミトリス流奥義の龍がフランの腹部に直撃する。ウルシが身を挺して庇ったものの戦線離脱となり、フランも瀕死の窮地に陥った。
  • 勝利を決めた最後の一撃
    限界のなかでフランは師匠との深い一体感を得て、師匠を刀へと変形させる。予備動作も殺気も完全に消し、魔力放出の推進力だけで急加速する、無拍子の一撃を放った。その一撃で達人のヒルトを斬り伏せたことで、ヒルトの「時の揺り籠」が発動し、フランは史上最年少で武闘大会の優勝をつかみ取った。

優勝がもたらした結末と新たな旅立ち

激闘の末に幕を閉じた武闘大会は、関わった人々に大きな変化をもたらし、次の旅へと続く扉を開いた。

  • デミトリスの治療と賭けの顛末
    神属性のダメージにより瀕死状態だったフランは、実力を認めたデミトリスの神気(龍気)による治療で命を救われた。デミトリスはレイドス王国の事情を知ると、当主の座をヒルトに譲ってレイドス王国へ旅立ち、遠征協力の約束は反故となった。しかし迷惑料としての物資が託され、新当主のヒルト率いるデミトリス流高弟たちがベリオス王国への協力を申し出た。
  • ディアスの解放と栄誉の授与
    賭けに敗れたディアスは復讐心を完全に手放し、長年抱えてきた後悔から解放された。そしてフランには、金のウルムット勲章と賞金が授与される。
  • ランクA昇格への道と紹介状の獲得
    ゴルディシア大陸での戦功が、ランクA昇格への足がかりになることも示された。フランには、現地で活動するランクS冒険者イザリオへの紹介状と、希少な古酒が託される。

死闘を終えたフランとウルシは、宿で祝勝のカレーを味わう。さらなる高みを目指し、ゴルディシア大陸で強くなることを誓って、二人は新たな冒険へと旅立った。

強敵との死闘

『転生したら剣でした 17』のウルムット武闘大会本戦では、『転生したら剣でした 17』のウルムット武闘大会・本戦では、これまでのような力任せの戦い方は通用しない。対人戦闘における極限の技術と、選手たちが秘める切り札が激しくぶつかり合う、熾烈な死闘が繰り広げられた。本稿では、フランたちが強敵をいかに攻略し、なぜ勝利をつかめたのかを、試合ごとに詳しく解説する。

幻剣士デュフォー戦(1回戦):成長の証明

  • 敵の特性と戦術
    以前、模擬戦でフランと戦った駆け出しの幻剣士だ。今回は幻術によって自身の剣を完全に隠し、透明化。右手で斬りかかるように見せかけながら、密かに左手へ持ち替え、死角から鋭い突きを繰り出す奇襲を仕掛けてきた。
  • 勝敗の要因
    初見で見切るのは極めて困難な透明化だったが、フランは音から見えない剣の軌道と相手の動きを正確に読み取った。最小限の動きで攻撃をかわし、懐へ潜り込むと腹部へ深い一撃を叩き込む。決着までに要した時間は、わずか5秒だった。

熟練槍士モルドレッド戦(2回戦):老獪な搦め手の打破

  • 敵の特性と戦術
    槍術と溶鉄魔術を使いこなすベテラン。攻撃と同時に槍をゴムのように曲げて師匠へ巻き付かせ、穂先を針状に変形させてフランを串刺しにしようとする。また、魔法の強化薬や、魔操合金球10個を操る固有スキル「ウルカヌス・オーダー」、地面全体を溶岩へ変える「マグマ・フィールド」「ヴォルカニック・ゲイザー」を駆使し、足場と機動力を徹底的に奪う戦術を組み合わせた。
  • 危機と予定外の事態
    魔操合金球が師匠の刀身に絡みつき、意に反する動きを強いられた。さらに溶岩の罠を踏んだことで、フランの右足は炭化し、焼け爛れる。まさに絶体絶命の状況だった。
  • 勝敗の要因
    フランは、雷鳴魔術を防がれた際に金属球へ残ったわずかな魔力を、「閃華迅雷」で研ぎ澄まされた感覚によって捉えた。そこで、あえて金属球を師匠の刀身に絡ませ、一瞬だけ次元収納へしまった後、すぐに取り出すという奇策に出る。モルドレッドの魔力支配下にある合金球は収納できないため、師匠だけを収納・排出することで拘束を無効化することに成功した。隙をさらしたモルドレッドの腹部を天断で貫き、黒雷を流し込んで勝利を決めた。

人魔合成体シビュラ戦(準々決勝):無敵の耐性を穿つ「加護の能動化」

  • 敵の特性と戦術
    龍とスライムの因子を掛け合わせて生み出された合成実験体。27種類もの高位耐性に加え、瞬間再生能力を備える。さらに、噛み千切った相手の肉や刃、毒、呪詛さえも食らって魔力へ変換する「悪食」という、極めて異常な防御・再生特性を持つ。
  • 危機と予定外の事態
    通常の斬撃や魔術はもちろん、全力の天断ですら一切血を流させられなかった。逆にシビュラには師匠の刃を噛み砕かれて食われ、ウルシの鼻先も噛み千切られて魔力を吸い上げられるなど、絶望的な消耗戦を強いられた。
  • 勝敗の要因
    アナウンスさんの分析をもとに、師匠は自身の内に眠っていた混沌の神の加護を意識的に引き出した。その力を攻撃特性「混沌殺し(神属性)」へと転化し、刃に纏わせることに成功する。神属性を帯びた攻撃はシビュラの無敵の耐性を突破し、左腕を両断して再生阻害を発動させた。最後は転移と黒雷転動による連続フェイントでシビュラの頭上を取り、必殺の天断で胴体を真っ二つに両断。再生が追いつく前に、敗北を宣言させた。

ギルドマスター・ディアス戦(準決勝):老獪なる「技能忘却」との死闘

  • 敵の特性と戦術
    幻像魔術を極めた達人。指定したスキルを一時的に相手の意識から消し去るユニークスキル「技能忘却」、再生を数分間完全に妨げる短剣、感覚だけを加速させて実体との乖離を招く奇術を用いる。
  • 危機と予定外の事態
    開始直後、全力の天断で短期決戦を試みたフランに対し、ディアスは技能忘却で覚醒を強制解除した。行き場を失った莫大な魔力がフランの体内で暴走し、自爆状態となって深刻なだるさと肉体的な消耗を負う。さらに再生阻害の傷によって鼻血が止まらず、嗅覚も塞がれて幻像と実体を見分けにくくなり、極限の劣勢へと追い詰められた。
  • 勝敗の要因
    フランはモルドレッド戦で収納していた溶岩を舞台へ放出し、ディアスが距離感を狂わせるために舞台全体へ仕掛けていた大規模な幻像魔術を強制的に破壊した。その後、カンナカムイを多重起動してディアスの死んだふりを見破る。ディアスは最後の切り札として、大精霊の暴風の力を込めた精霊の玉を放つが、師匠が新スキル「精霊の手」を起動。アナウンスさんの演算補助を受けながら力の流れをディアス自身へ逆流させ、彼を完全な戦闘不能へ追い込んで勝利した。

後継者ヒルト戦(決勝):極限の神速と「無拍子」の完成

  • 敵の特性と戦術
    デミトリス流の正統な後継者。魔力放出による超高速移動「迦楼羅」、魔力で作られた不可視の腕を4本操る「阿修羅」、魔力の手で押し潰す「空握」、魔力を一点に集中させて攻撃力を爆発的に高める「夜叉」を駆使する。さらに「デミトリス流奥義・天」による限界突破を誇る。
  • 危機と予定外の事態
    ヒルトは奥義・天の過酷な反動で両目や鼻から血を流しながらも、カンナカムイの直撃を自身の右腕を盾にして耐えた。そして全身全霊の神属性掌底「デミトリス流奥義・龍」を繰り出す。ウルシは身を挺して庇ったものの全身の骨を粉砕されて戦闘不能となり、フランも内臓と骨を破壊されて吐血するなど、瀕死の窮地に陥った。
  • 勝敗の要因
    互いに一歩も動けない満身創痍の極限状態のなか、フランは師匠との深い一体感を感じ取り、師匠を刀へと形態変形させた。筋肉の予備動作や殺気を完全に消した状態で、筋力を一切使わず、魔力放出の推進力だけで突き進む一撃を放つ。これはコルベルトが開発しようとしていた「無拍子」の完成形であり、達人であるヒルトですら一切反応できないまま深く斬り伏せられた。こうしてフランは、史上最年少で武闘大会の優勝を勝ち取った。

まとめ

ウルムット武闘大会本戦におけるフランと師匠の戦いは、ウルムット武闘大会本戦におけるフランと師匠の戦いは、単なるステータス勝負にとどまらなかった。相手の搦め手や特異能力を打ち破る観察眼と、戦術的な工夫が際立つ連戦だった。次元収納を利用した拘束解除、加護の転化による耐性突破、環境破壊による幻像の無効化、そして無拍子の体現――こうした機転の集大成こそが、過酷なトーナメントを制し、優勝という栄冠をつかみ取る原動力となったのである。

黒骸兵団の襲撃

『転生したら剣でした 17』で描かれる黒骸兵団の襲撃は、ウルムット武闘大会の熱気に紛れて進められた、クランゼル王国の防衛力を根底から揺るがす大規模な国家転覆テロである。

レイドス王国による恐るべき軍事謀略、これに抗う冒険者たちの絆、そしてSランク冒険者デミトリスの圧倒的な力が交錯する、本巻最大級の事件となった。以下では、襲撃の全貌と劇的な結末を振り返る。

警備を限界まで引き剥がす多重の陽動工作

黒骸兵団の第七席、ネームドアンデッドのアシッドマンは、決行日に向けてウルムットの街を揺るがす数々の工作を周到に仕掛けていた。

  • 人為的なアンデッド大量発生と治安悪化
    街の外で意図的にアンデッドを増やし、冒険者や警備兵の主力を駆除任務へと分散させた。
  • チンピラの雇用と使者の陽動
    街中でチンピラ同士の小競り合いを起こさせ、さらにシャルス王国の使者であるエマート子爵らには興奮剤を投与して、不当な勧誘騒ぎまで引き起こした。いずれも警備兵の注意を大会から逸らし、人手不足を招くための工作だった。
  • 有力選手の誘拐とアンデッド兵士化
    大会で敗退したデュフォーやドルハンら、20人を超える冒険者を密かに拉致して死霊化し、肉壁として使う戦力を蓄えていた。

この大掛かりな準備の真の狙いは、閉会式でクランゼル王国の防衛の要であるSランク冒険者デミトリスと、獣人国の重鎮オーレルを人質により無力化し、奴隷に落とすことだった。
アッパーブの暴走と医務室のフラン急襲

決勝戦直後、ヒルトとの死闘で神属性の反動を受け、瀕死の重傷を負っていたフランを、黒骸兵団に協力するランクB冒険者アッパーブ――エイワースの元弟子――が医務室で急襲した。

アッパーブは無防備なフランを襲い、アンデッド化、あるいは奴隷化しようと企てたうえ、治療中の医師まで殺そうとする。しかし、この襲撃は彼にとって決定的な誤算となる。

フランの相棒であるウルシはすでに回復しており、たとえフランが意識を失っていても師匠は健在だった。師匠の念動による防御と、影から飛び出したウルシの急襲によって、アッパーブは瞬く間に両脚を噛み千切られ、無力化される。

その後の尋問でアッパーブは、黒骸兵団の陰謀と、ニルフェ、ケイトリーが人質として狙われている事実をすべて白状することになった。

閉会式での凶行と呪詛の罠

警備が極限まで手薄になった閉会式の会場へ、アシッドマンはケイトリーを人質にして乱入した。

  • 絶対的な盾としての呪詛
    アシッドマンは自身と人質のケイトリー、ニルフェの命を呪詛で結びつけ、自分が滅びれば少女たちも即座に死ぬという、残酷な精神的障壁を築いていた。
  • 奴隷の首輪による脅迫
    人質の命を盾に、デミトリスとオーレルへ、Sランクの自由さえ奪う特殊な奴隷の首輪を自ら嵌めるよう強要した。

孫娘たちの命を天秤にかけられたデミトリスは、王国の防衛危機を訴える貴族を殴り飛ばし、孫を救うためなら奴隷になることも辞さない覚悟を示す。黒骸兵団の勝利が決まったかに見えた、その瞬間、事態は急転直下した。
シビュラの裏切りと呪詛喰らいの奇跡

レイドス王国の増援として現れたかに見えた赤剣騎士団長シビュラは、突如としてアシッドマンを背後から斬り裂き、裏切りを宣言した。

  • 卑劣な行為への拒絶
    シビュラは、どれほど国のためであろうとも、戦う力のない子供を盾にする黒骸兵団のやり方は国の誇りを穢すものだとして、強い嫌悪を示した。
  • 悪食スキルによる呪詛の無効化
    自身の悪食特性を用い、アシッドマンが仕込んだ強固な呪詛そのものを物理的に食らい尽くすことで完全に消滅させ、命の繋がりを断ち切った。
  • 迅速な別アジトの救出
    同時に、シビュラの部下であるビスコットとクリッカは、別の場所に監禁されていたもう一人の人質ニルフェを事前に無傷で救出して連れてきていた。これにより、すべての人質は完全に解放された。
    アル・アジフの暴走とSランクデミトリスの一撃滅殺

シビュラに両断されかけたアシッドマンの身体を、その右腕から這い出た大鎌のアンデッド、アル・アジフが直接侵食して完全に乗っ取り、暴走を始める。

アル・アジフは多数のアンデッドを会場に放ち、混乱に乗じて逃亡を図った。弟の仇討ちに燃えるツェルトはデミトリス流の封印を解き、さらに白狼へ進化したオーレルも氷雪をまとって大鎌へ挑む。しかし、人外の動きを見せるアル・アジフの前に、ツェルトは左腕を失う瀕死の窮地へ追い込まれた。

そこへ、孫の無事を確認したSランク冒険者デミトリスが直接乱入する。

  • 本質を見抜く眼と圧倒的な武威
    デミトリスは、敵の本体がアシッドマンではなく大鎌そのものであると、一瞬で見抜いた。
  • ただの一撃による粉砕
    デミトリスが放った右ストレートは、アル・アジフの強力な障壁と再生力を容易く貫通し、本体である大鎌を一撃で完全に粉砕。残骸を粉塵へと変え、完全に滅殺した。

あまりに速い処理と絶対的な威力は、会場にいたすべての冒険者はもちろん、シビュラたちレイドス兵をも恐怖で戦慄させ、事件はここに幕を閉じた。

まとめ

黒骸兵団の襲撃は、レイドス王国の過激派が仕組んだ、極めて陰湿かつ周到なテロだった。しかし最終的には、子供たちを救うために国を裏切ったシビュラたちの気高さと、生ける天災とも称されるSランク冒険者デミトリスの理外の武力によって、計画は完全に粉砕される。

さらにこの事件をきっかけに、シビュラたちとデミトリスは行動を共にし、ナイトハルトも加わってレイドス王国へ向かうことになる。以後の国際情勢へとつながるこの大きな激変は、物語の歴史における最大の転換点の一つといえる。

レイドス王国の内情

『転生したら剣でした 17』で明かされたレイドス王国の実情は、これまで外の世界に伝わっていた「邪悪で冷酷な一枚岩の敵国」というイメージを根底から覆すものだった。そこには、中央統制の崩壊と深刻な内部分裂に苦しむ帝国の生々しい姿がある。本稿では、シビュラたちの対話やデミトリスへの告白から見えてくる、歪んだ国内事情を考察する。

国王崩御と中央統制の弱体化

レイドス王国の混乱の根源は、国王の崩御に起因する。

  • 形骸化した通達
    王を失ったことで、王家や宰相を中心とする中央の権力と統制力は著しく低下した。本来であれば中央は、国内情勢が落ち着くまで周辺国への軍事行動や侵略を控えるよう通達していた。しかし、その命令は地方の権力者たちに完全に無視されている。
  • 監視機能の麻痺
    地方の動きを抑えるために査察や監視を担う中央の人員は、公爵たちに買収されるか、あるいは始末されてしまっている。その結果、中央は各地で進む危険な暴走を、まともに把握することすらできない。

東西南北の公爵による領土的野心と暴走

中央の支配力が形骸化したレイドス王国は、東西南北の公爵たちがそれぞれ独自に兵を動かし、侵略を企てる無法状態に陥っている。

  • 南征公と東征公による他国襲撃
    とりわけ南部と東部の公爵は、強い領土的野心を抱いている。ウルムットの武闘大会閉会式を襲撃した黒骸兵団によるテロも、国を挙げた正式な軍事作戦ではない。他国の重要人物をアンデッドの戦力として手中に収めるため、南征公たちが独断で仕掛けた暴走だった。

非人道的な実験施設と赤の騎士団の因縁

人魔合成実験をはじめとする狂気的な超人生産計画も、レイドス王国の闇の側面であり、地方公爵たちの勢力と深く結びついている。

  • 南征公と赤の騎士団の対立
    シビュラたちが所属する赤の騎士団は、かつて国内から冒険者が姿を消した際に設立された、魔獣討伐を専門とする特殊な騎士団である。彼らには国内を自由に動き回れる無制限の行動権が与えられ、命令を下せるのは王か宰相のみという特権を持っていた。
  • 実験施設を巡る遺志
    先代の赤剣騎士団長であり、シビュラたちの義父でもあるアポロニアスは、非人道的な人体実験を行う施設を自らの意思で次々に壊滅させた。これらの施設を裏で実質的に支援・運営していたのが南征公だったため、南征公の派閥と、アポロニアスの遺志を継ぐシビュラたち赤の騎士団は、以前から決定的に対立している。

迫り来る内乱の足音とシビュラたちの覚悟

シビュラ、ビスコット、クリッカといった赤剣の団員たちは、非人道的な実験施設からアポロニアスに保護された実験体の生存者である。

  • 国を変えようとする決意
    公爵たちの暴走を放置し、周辺国への侵略や全面戦争へ突き進めば、レイドス王国そのものが破滅に向かう――シビュラたちはそう危惧していた。だからこそ彼らは、公爵たちの活動を抑えるためなら国内で激しい内乱が起きることすら辞さないという覚悟で行動している。
  • 誇りと反発の表れ
    閉会式でシビュラが、子どもを人質に取るような黒骸兵団の卑劣なやり方は国の誇りを穢すとして、同胞であるアシッドマンを斬り捨てた。その行動もまた、彼女自身の誇りとレイドスの闇に対する強い反発の表れだった。

まとめ

これまで強大な敵国として描かれてきたレイドス王国は、野心に駆られる公爵たちと、誇りを胸に国を救おうとする赤の騎士団が、内乱の火種を抱えながらせめぎ合う、自壊寸前の帝国だった。こうした歪んだ内情に興味を抱き、自らの目でレイドス王国を確かめるために同行を決めたSランク冒険者デミトリスの存在は、今後の帝国の運命、そしてクランゼル王国との国際関係を大きく左右する決定的な要因となるだろう。

ゴルディシアへの旅立ち

ウルムット武闘大会での苛烈な死闘を乗り越え、フランと師匠は次なる舞台・ゴルディシア大陸へ旅立つ決意を固める。この旅立ちは、これまでの旅で育んできた絆と成長が結実した、まさに新たな出発点である。ここでは、旅立ちに至る経緯と、フランの背中を押した約束や切り札を整理する。

賭けの反故とヒルト新当主による約束の肩代わり

この遠征の発端は、ベリオス王国からのゴルディシアにおける抗魔との戦いへの協力要請を、Sランク冒険者デミトリスに引き受けさせるための賭けだった。フランは激闘の末にヒルトを破って優勝し、見事に賭けを制する。

  • デミトリスの離脱
    デミトリスは、レイドスの密偵であるシビュラたちの生き様に強く惹かれ、当主の座を半ば強引にヒルトへ託すと、自らはレイドス王国へ旅立ってしまう。
  • ヒルトによる肩代わり
    新たに当主となったヒルトは、デミトリスが反故にした約束の埋め合わせをするとして、自身とデミトリス流の高弟たちをベリオス王国に協力させ、ゴルディシア派遣へ加わることを正式に引き受けた。これにより、ベリオス王国が負っていた国際的な責務は、別の形で確実に果たされることになった。

ディアスから託された最強の切り札と100万ゴルドの古酒

武闘大会での騒動によって傷ついたギルドの評判を取り戻すため、ギルドマスターのディアスは、ゴルディシアでもウルムットの名を掲げて活動してほしいとフランに頼む。その見返りとして、破格の紹介状と贈り物を彼女に託した。

  • Sランク冒険者イザリオへの紹介状
    神剣イグニスを持ち、「炎剣」「紅蓮剣」の異名で知られる、世界最強級の冒険者の一人。Sランクの中では唯一の常識人であり優等生枠とも評され、ディアスとも親しい。彼とのつながりは、過酷なゴルディシアで活動するうえで大きな助けとなる。
  • 300年物のエルフの古酒
    火山活動で滅んだ都市の遺跡から発見され、市場に流せば100万ゴルドは下らないとされる秘蔵の古酒。現地のドワーフのギルドマスターへの手土産として渡すよう促された。気難しいドワーフを惹きつけるための実効的な切り札となる。

ディアスは、ゴルディシアで過酷な戦いを乗り越えて功績を挙げることが、フランの目標であるAランク冒険者への昇格に直結する大きな実績になると伝え、彼女の旅立ちを後押しした。

少女ケイトリーとの未来の約束

出発を目前に控えたある日、宿で救出されたオーレルの孫娘ケイトリーがフランを訪ねてくる。

  • 感謝と約束
    ケイトリーは、自分を救うために尽力してくれたフランへ、心からの感謝を伝える。フランはそんな彼女の頭を優しく撫で、「一人前の冒険者になったら一緒に冒険しよう」と温かな約束を交わした。
  • 精神的成長への影響
    この言葉はケイトリーに「強くなりたい」という決意を芽生えさせると同時に、フランにとっても、頼れる先輩であり続けなければならないという自覚をもたらした。冒険者としての彼女の精神的な成長を促す出来事でもあった。

フランの原動力としてのカレー天国

重い因縁や国際情勢が絡む旅であっても、フランとウルシを最後に突き動かすのは、やはりおいしい食べ物だった。

  • 祝勝のカレー
    優勝祝いとして師匠が用意した豪華なカレー天国に大いに感動したフランは、来年も優勝して再びそれを味わうために、もっと強くなると決意する。そしてまずは、ゴルディシアで修行すると宣言した。
  • 揺るぎない意志
    どれほど過酷な運命や強敵が立ちはだかろうとも、カレーのためなら試練を乗り越えられる。そんな揺るぎない意志を胸に、フランは静かに微笑む黒猫族のルミナに見守られながら、旅立ちの準備を整えた。

まとめ

ゴルディシアへの旅立ちは、ヒルトやデミトリス流の協力、Sランク冒険者イザリオへの紹介、後輩ケイトリーとの未来の約束、そしてカレーへの尽きない情熱といった、数々の絆と原動力に支えられている。多くの支えと確かな目的を胸に、フランと師匠は次なる過酷な大地へと歩みを進めていく。

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展開まとめ

プロローグ

本選の組み合わせ
武闘大会本選の組み合わせが発表され、前年三位のフランは第一シードとなった。順当に勝ち進めばディアスやヒルトーリア、フェルムスらとの対戦が見込まれ、同じ山にはモルドレッドやビスコット、シビュラも名を連ねていた。フランは強敵との戦いを期待しながら本選を待った。
ナイトハルトとの出会い
フランはトーナメント表の前で、半蟲人だけの傭兵団「触角と甲殻」を率いるナイトハルトと出会った。ナイトハルトは王都で仲間たちがフランに助けられた礼を伝え、大会への出場は半蟲人の仲間を集めるためでもあると明かした。互いに黒猫族と半蟲人の情報を広めることを約束した後、ナイトハルトはフランの周囲を嗅ぎ回っている不審者がいると忠告した。

第一章 大会本選開始

デュフォーとの初戦
本選初戦でフランは、以前指導した幻剣士デュフォーと対戦した。デュフォーは幻で剣を隠し、持ち手まで入れ替えて奇襲したが、フランは音から本物の攻撃を見抜いた。懐へ潜り込んで拳を叩き込み、開始五秒で勝利した。
モルドレッドとナリア
フランがかつて指導したナリアは、弓だけでなく短剣も鍛え、モルドレッドの懐へ飛び込むまで成長していた。しかしモルドレッドは溶鉄魔術で短剣を溶かし、槍の石突きでナリアを倒した。フランは敗れたナリアのもとを訪れ、良い戦いだったと声をかけた。ナリアも敗北を受け止め、再び鍛え直す決意を固めた。
シャルス王国の勧誘
フランはシャルス王国のエマート子爵から、騎士に取り立てるという一方的な勧誘を受けた。冒険者や獣人を侮辱されたフランが怒気を向けると、エマートは恐怖で動けなくなった。後から現れたチャート伯爵が謝罪し、フランは獣人国から授かった黄金獣牙勲章を示して追及を打ち切った。その後、シャルス王国の使者が他の有力選手にも同様の迷惑な勧誘を繰り返していることが分かった。
ビスコットの堅守
ビスコットはデミトリス流のツェルトと対戦した。俊敏なツェルトに攻め込まれながらも、ビスコットは巨大な盾で攻撃を受け、拳へ逆に衝撃を返して消耗させた。最後にはツェルトの感覚を狂わせて必殺の一撃を逸らし、シールドバッシュで逆転勝利した。フランはビスコットの防御力と戦術を強敵として認識した。
モルドレッドとの再戦
二回戦でフランはモルドレッドと戦った。モルドレッドは溶鉄魔術で槍や鎧を自在に変形させ、強化薬と術装を使って複数の金属球を操り、舞台全体を溶岩へ変えてフランを追い詰めた。フランは雷鳴魔術の残留魔力から金属球を察知し、師匠を一瞬だけ次元収納へ入れることで絡みついた金属を外した。最後はモルドレッドの腹を貫いて勝利したが、戦いの主導権を握られ続けたことを悔やみ、自身の未熟さを認めた。

第二章 順当と波乱

シビュラとコルベルト
シビュラはコルベルトと対戦した。コルベルトは技巧で攻撃を捌いて反撃したが、シビュラは異常な耐久力と戦闘中に相手へ適応する勘を見せた。コルベルトは魔力放出で予備動作を消した高速の一撃を成功させたものの、シビュラは念動で場外負けを防ぎ、最後は頭突きでコルベルトを倒した。コルベルトは敗れながらも、デミトリス流を失った後に編み出した新たな戦法を完成させる意志を失わなかった。
ヒルトたちの実力
ヒルトは圧倒的な力で初戦を終え、ラデュルは複数属性の魔術を巧みに組み合わせて勝利した。エルザやシャルロッテ、ナイトハルト、フェルムスもそれぞれの特徴を生かして勝ち上がった。フランは大会に集まった強者たちを見ながら、優勝まで容易ではないことを喜んだ。
ビスコットとの対決
フランはビスコットと対戦し、自分の力だけで盾士との戦いを経験しようとした。フランの速度と斬撃はビスコットを何度も深く傷つけたが、彼は高い再生力と忍耐で戦い続けた。さらに感覚だけを加速させる能力でフランの動作感覚を狂わせ、攻撃を読みやすくした。しかしフランは以前の試合で見たビスコットの攻撃を利用して対応し、経験を生かして勝利した。

第三章 強者たちと激闘

フランとシビュラ
準々決勝でフランはシビュラと激突した。シビュラは多数の高位耐性、瞬間再生、苦痛への強さを組み合わせ、通常の斬撃や魔術だけでなく天断にも耐えた。さらに師匠やウルシの肉まで噛み千切って食らい、自身の力へ変えた。アナウンスさんの分析からシビュラが混沌の力を持つと分かり、師匠は混沌への対抗力を得た。そこからフランは再生できない傷を増やし、最後は天断でシビュラを深く両断して勝利した。
シビュラの過去
シビュラは人と龍とスライムの因子を持つ特殊な存在として生み出され、幼少期には獣同然に生きていた。赤剣騎士団団長アポロニアスに拾われてシビュラと名付けられ、ビスコットやクリッカらと家族のような関係を築いていた。フランとの敗北を悔しがりながらも、再戦への意欲を失ってはいなかった。
ディアスとアッパーブ
アッパーブは猛毒を使ってディアスを倒したように見せたが、相手にしていたのは幻像だった。ディアスは毒煙や思考誘導さえ利用して密かに背後へ回り、一撃でアッパーブを倒した。フランは改めてディアスの幻像魔術と経験の恐ろしさを知った。
ヒルトとクリッカ
ヒルトはクリッカの戦法を研究し、大量の魔力を目眩ましとして利用した。自身の気による攻撃を隠して連撃を浴びせ、クリッカを圧倒して勝利した。単純な力量だけではなく、直前の戦いから学び対策する能力も見せた。
ナイトハルトとフェルムス
ナイトハルトとフェルムスは互いの高度な技術をぶつけ合った。フェルムスは目に見えない糸によって相手を拘束しようとしたが、ナイトハルトは速度と感覚、蟲人としての能力を駆使して突破した。激戦の末にナイトハルトが勝利し、準決勝へ進んだ。

第四章 頂への戦い

フランとディアス
準決勝でフランはディアスと対戦した。開始直後に天断を放ったが、ディアスは技能忘却で覚醒を解除させ、フランの魔力を暴走させた。さらに幻像魔術、再生を妨げる武器、感覚を狂わせる戦術によってフランを追い詰めた。フランはモルドレッド戦で回収した溶岩まで利用してディアスを足止めし、カンナカムイを叩き込んだ。
ディアスの最後の罠
倒れたディアスは幻像であり、本体は死んだふりを利用してフランへ奇襲した。さらに大精霊の力を込めた精霊の玉を切り札として使ったが、師匠は精霊の手でその力へ干渉し、威力の大半をディアス自身へ向けた。ディアスは重傷を負い、今度こそ時の揺り籠が発動したことでフランの勝利が確定した。
ディアスとの決着
戦いの後、ディアスはゼロスリードを巡るフランとの賭けに敗れたことを受け入れた。長年キアラへの思いに囚われていたディアスは、フランに勝ってくれてありがとうと頭を下げ、復讐への執着から解放された。フランもディアスが穏やかに笑ったことを喜んだ。
ヒルトとナイトハルト
もう一つの準決勝では、ヒルトとナイトハルトが超高速の攻防を繰り広げた。ナイトハルトは蟲化によってフランでも追い切れない速度へ達し、ヒルトの左腕を切り落とした。一方のヒルトもデミトリス流の奥義を使って食らいつき、温存していた回生のペンダントで腕を再生した。最後はナイトハルトの鎌を両手で拘束し、頭突きで頭部を砕いて辛勝した。
決勝への鍛錬
フランは決勝前にアンデッドを相手に戦い、肉体操作法と新たに得た力を実戦で確かめた。マミーキングを相手に師匠やウルシの助力を抑えながら戦い続け、ヒルトとの決戦へ向けて自身の技術を磨いた。

第五章 決勝戦

フランとヒルト
決勝ではフランとヒルトが最初から全力で激突した。ヒルトはナイトハルト戦の消耗を残していたが、デミトリス流の技と魔力の腕を駆使してフラン、師匠、ウルシの連携へ対応した。フランたちも変形させた飾り紐や魔術、ウルシの奇襲を組み合わせてヒルトを追い詰めたが、ヒルトは奥義・天を使って身体能力を引き上げ、重傷を負いながら戦い続けた。
最後の一撃
フランとヒルトは互いに限界を迎え、満足に動けない状態となった。師匠なら攻撃できたが、フランは自分の力で決着をつけることを選んだ。最後にフランは筋肉の予備動作や殺気をほぼ消した一撃を放ち、達人であるヒルトさえ反応できないまま斬り伏せた。時の揺り籠が発動し、フランは史上最年少で武闘大会優勝を果たした。
デミトリスの治療
決勝でフラン自身も瀕死となったが、デミトリスが神属性を含んだ気を使って治療した。デミトリスは孫を倒したフランへ敵意を向けることなく、その強さを認めて回復を助けた。
アッパーブの襲撃と黒骸兵団
治療中のフランをアッパーブが襲い、弱った彼女を攫おうとした。しかし師匠とウルシによって制圧され、アッパーブはレイドス王国の黒骸兵団に協力していたことを白状した。黒骸兵団は大会参加者を誘拐してアンデッド化し、すでに二十人ほどを戦力に変えていた。町外れのアンデッド騒ぎやシャルス王国の迷惑な使者も警備を分散させるため利用されており、本命はデミトリスとオーレルの確保であった。
ケイトリーとニルフェの誘拐
黒骸兵団はデミトリスとオーレルを屈服させるため、それぞれの孫であるニルフェとケイトリーを人質にしていた。フランたちは二人を捜したが、黒骸兵団はすでに閉会式の会場へ乗り込み、人質を利用してデミトリスとオーレルに奴隷の首輪を嵌めさせようとしていた。

第六章 それぞれの事情

シビュラの反逆
黒骸兵団のアシッドマンがケイトリーを人質に取り、アル・アジフを従えてデミトリスたちを脅した。そこへ現れたシビュラは黒骸兵団側についたように見えたが、突然アシッドマンを斬り、ケイトリーを救った。さらにビスコットとクリッカもニルフェを救出して現れた。シビュラは赤剣騎士団団長であることを明かしながらも、子供を利用する黒骸兵団のやり方には従わなかった。
黒骸兵団との戦い
追い詰められたアシッドマンはアル・アジフに継ぎ接ぎのアンデッドを召喚させ、会場は乱戦となった。アル・アジフはアシッドマンの肉体を侵食して完全に乗っ取り、ツェルトとオーレルを追い詰めた。二人は重傷を負いながら抵抗したが、最後はデミトリスが介入した。デミトリスはアル・アジフの本体が大鎌であることを見抜き、圧倒的な一撃で破壊した。
ナイトハルトの目的
シビュラたちを拘束しようとする中、ナイトハルトが現れ、追跡していたディアスを倒してシビュラ側についた。ナイトハルトはレイドスとの戦いで「触角と甲殻」の仲間を多数失ったが、死んだと思っていた者たちがレイドス国内で生き、奴隷にされている者もいると知っていた。仲間を救出するため、自由にレイドス国内へ入れるシビュラたちを必要としていたのであった。
デミトリスの決断
デミトリスはシビュラと戦い、その実力を圧倒しながらも、彼女からレイドス王国の内情を聞いた。国王の死後、中央の力が弱まり、各地の公爵が独自に動いていることを知ると、デミトリスは自分の目でレイドス王国を確かめたいと考えた。シビュラに同行を求め、ニルフェも連れてナイトハルトたちとレイドスへ向かうことを決めた。
デミトリスとの賭けの代償
フランは、自分がヒルトに勝ったためデミトリスはベリオス王国の依頼を受ける約束だったと指摘した。しかしデミトリスはレイドス行きを優先し、代わりに報酬を渡して去った。一方、当主の証を渡されていたヒルトはデミトリス流の新当主となり、約束を反故にされたフランへの埋め合わせとして、自分たちがベリオス王国に協力すると申し出た。
優勝報酬とゴルディシア
騒動後、フランは正式に武闘大会優勝の勲章と賞金を受け取った。今後についてディアスと話し、レイドスとの戦争へ積極的に加わるのではなく、当初の予定通りゴルディシア大陸へ向かうことを選んだ。ディアスはゴルディシアでの活動がランクA昇格にもつながると説明し、ランクS冒険者イザリオへの手紙と、現地のギルドマスターへの贈り物となる希少な古酒をフランに託した。

エピローグ

優勝祝いのカレー
宿へ戻ったフランとウルシは、優勝祝いとして好きなだけカレーを食べることを許された。フランはカレーを堪能しながら、翌年も優勝して再び同じ祝いを味わうと決意し、そのためにもゴルディシアでさらに強くなると意気込んだ。
ケイトリーとの約束
フランのもとへルミナやオーレル、ケイトリーが訪れた。ケイトリーは自分を救おうと動いてくれたフランへ感謝したが、フランは実際に救ったのはシビュラだと答えた。冒険者を目指し続けるケイトリーを励まし、一人前になった時には一緒に冒険しようと約束した。フランはケイトリーの成長を信じながら、次の目的地であるゴルディシア大陸へ向かうことになった。

転剣16レビュー
転剣まとめ
転剣18レビュー

シリーズ 一覧

その他フィクション

フィクション(novel)あいうえお順

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