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棚架ユウ転生したら剣でした

小説【転剣】「転生したら剣でした 8」フラン、戦友が出来る 感想・ネタバレ

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転生したら剣でした 8の表紙画像(レビュー記事導入用) 棚架ユウ

転剣7レビュー
転剣まとめ
転剣9レビュー

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  1. 物語の概要
    1. ■ 作品概要
    2. ■ 主要キャラクター
    3. ■ 物語の特徴
  2. 書籍情報
  3. あらすじ・内容
  4. 感想
  5. 考察・解説
    1. 獣人国への入国
    2. 獣人国と黒猫族
    3. 黒猫族の地位向上
    4. 進化の事実拡散
    5. 少女メアとの出会い
    6. 魔獣軍の急襲
    7. 邪人軍との死闘
  6. 登場キャラクター
    1. 主人公一行
      1. 師匠
      2. フラン
      3. ウルシ
    2. メア一行
      1. メア
      2. クイナ
      3. リンド
    3. 獣人国 王族・王城関係者
      1. ネメア・ナラシンハ
      2. ネメアの護衛の冒険者たち
      3. 侍女たち
      4. キアラ
      5. ミア
      6. レイモンド
      7. 王城の門番兵
      8. 王城の受付の兵士
      9. 女官たち
    4. 冒険者ギルド・各都市関係者
      1. 角車組合の受付の女性
      2. 鹿系獣人の御者
      3. 角車の乗客たち
      4. アルジェントラパンの冒険者ギルドの受付嬢
      5. ランクEパーティの冒険者
      6. ローズラクーンの冒険者ギルドの受付のおっさん
      7. エルミュート
      8. 六本髭のメンバー
      9. グエンダルファ
      10. ブラス
      11. 王都ベスティアの冒険者ギルドの受付嬢
      12. メーロス
    5. グリンゴート関係者
      1. マルマーノ
      2. 鼠族の兵士長
      3. グリンゴートの門番兵たち
      4. グリンゴートの兵士たち
      5. グリンゴートの領主の館の兵士たち
      6. グリンゴートの冒険者ギルドの受付嬢
      7. グリンゴートのギルドマスター
    6. シュワルツカッツェ(黒猫族の村)
      1. 黒猫族の村長
      2. サリューシャ
      3. 柴刈りをしていた黒猫族の男性たち
      4. シュワルツカッツェの黒猫族の村人たち
      5. 赤犬族の兵士
    7. 獣人国軍(白犀族)
      1. リグダルファ
      2. ファーデルト
      3. 白犀族の兵士たち
    8. バシャール王国・襲撃者
      1. ゲンロ
      2. バシャール王国の王
      3. 征獣軍の将軍
      4. 街道を監視していた男たち
      5. フランを襲撃した男たち
    9. 魔獣・邪人の軍勢
      1. ヴェノム・ドッグの群れ
      2. マンティコア
      3. ゴブリンの群れ
      4. ゴブリン・キング
      5. チキンディアー
      6. 魔獣の軍勢
      7. ゾンビ兵
      8. グラファイトヒュドラ
      9. クリムゾンウルフ
      10. スティール・タイタンベア
      11. アダマス・ビートル
      12. 悪魔男爵
      13. ワルキューレ・キリングアーチャー
      14. デュラハン
      15. 邪人の軍隊
      16. 悪魔
      17. 別動隊の邪人たち
  7. 展開まとめ
    1. 第一章 鮮烈なる出会い 
    2. 第二章 黒猫族の英雄  
    3. 第三章 黒猫の住処 
    4. 第四章 北から迫りくる脅威 
    5. 第五章 魔獣の軍勢 
    6. 第六章 戦乙女と無貌の騎士 
    7. エピローグ 
  8. 転生したら剣でした 一覧
  9. その他フィクション

物語の概要

■ 作品概要

本作は、意思を持つ魔剣「師匠」と、彼を装備する黒猫族の少女「フラン」の冒険を描く、ネット小説大賞受賞の無機物転生ファンタジーの第8巻である。長きにわたる船旅を終えて獣人国へと辿り着いたフランたちは、王都ベスティアで黒猫族の英雄キアラと出会い、長年の悲願であった種族の進化条件を伝える。その後、黒猫族が暮らす村シュワルツカッツェを訪れた二人は、戦いを諦めていた村人たちに魔術や剣を教え、未来への希望を与えた。しかし平穏も束の間、村の北から一万体を超える魔獣の大軍勢が迫り来る。フランたちは村人を安全な都市へ避難させると、決死の覚悟で単独での迎撃へと向かった。師匠が大地魔術で長大な壁を築き、魔獣を次々と殲滅していくが、その背後には戦乙女やデュラハンに率いられた邪人の精鋭部隊が控えており、極限の死闘が幕を開ける。

■ 主要キャラクター

  • フラン:黒猫族の少女でランクC冒険者。「黒雷姫」の異名を持つ。同胞の地位向上を目指し、シュワルツカッツェの避難民を守るために、強大な魔獣や邪人軍へ決死の覚悟で立ち向かう。
  • 師匠:フランが装備する意思を持つ魔剣。多彩な魔術とスキルを駆使し、大地魔術で長城を築いて一万超の軍勢を足止めするなど、フランを全力でサポートする。
  • ウルシ:フランの従魔であるダークネスウルフ。別動隊を率いる悪魔と単独で死闘を演じ、自らの命を削って都市への侵攻を防ぐ。
  • メア:白い獣人の少女であり、赤竜リンドを従える実力者。蠍獅子の森でフランと出会い、模擬戦を経てライバルとなる。終盤には心強い援軍として戦場へ駆けつける。
  • クイナ:メアに仕える灰族の達人女中。幻影魔術や暗殺術に長けており、冷静沈着なサポートと奇襲で敵を追い詰める。
  • キアラ:黒猫族の英雄であり、現獣王の師匠。王都でフランから進化の条件と呪いの解き方を知らされ、歓喜を爆発させる。
  • ワルキューレ:邪人軍を率いる脅威度Bクラスの戦乙女。神速の狙撃と、自身のダメージを配下に肩代わりさせる厄介な能力でフランたちを極限まで追い詰める。
  • デュラハン:ワルキューレと共に軍を率いる無貌の騎士。高い防御力と瞬間再生能力を持ち、盾となってフランの猛攻を阻む。

■ 物語の特徴

本巻の最大の特徴は、同胞である黒猫族との交流と、彼らを守るために挑む絶望的な防衛戦のギャップである。前半では、フランが進化した姿を披露して黒猫族たちに希望を与え、村人たちと心を通わせる微笑ましい日常が描かれる。しかし後半に入ると状況は一変し、一万体を超える魔獣と、理不尽な能力を持つ邪人の精鋭部隊との死闘へと突入する。圧倒的な戦力差やダメージの肩代わりという絶望的な状況下でも、決して同胞を見捨てないフランの強い意志と、それを支える師匠やウルシの絆が読者の胸を熱くさせる。さらに、戦闘狂の同年代であるライバル・メアとの出会いや、極限状態の戦場に彼女たちが駆けつけるカタルシス溢れる展開など、息もつかせぬ見どころが満載の一冊となっている。

書籍情報

転生したら剣でした 8
著者:棚架ユウ 氏
イラスト:るろお
出版社:マイクロマガジン社(GCノベルズ
発売日:2019年9月30日
ISBN:9784896379242

(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。

あらすじ・内容

猫耳少女と共に剣としてその銘を異世界に刻み込め!ネット小説大賞受賞の無機物転生ファンタジー!
長い船旅も終わり、獣人国の港町へと辿り着いた師匠とフランは、フランと同じ黒猫族だと噂されている獣王リグディスの師匠と出会うため王都へと向かう。王都への抜け道に立ち塞がるように出現した魔物を難なく倒す二人だったが、その魔物を狙っていた白い獣人の少女が現れ、一触即発の雰囲気になってしまい、場を収めるための模擬戦を申し込まれてしまうのだが……。

転生したら剣でした 8

感想

獣人国へ到着したフランが黒猫族の英雄キアラと出会い、同胞たちへ進化の希望を伝える一冊である。

これまでフランは、自分自身が進化することを目標に戦い続けてきた。

しかし、本巻では進化を成し遂げたフランが、今度は他の黒猫族へ道を示す立場になる。

黒猫族というだけで奴隷にされ、弱い種族だと見下されてきた少女が、同胞から英雄として迎えられ、未来を切り開こうとする姿には胸が熱くなった。

一方で、物語の後半では一万を超える魔獣軍と邪人の精鋭部隊が出現する。

穏やかな獣人国での日常から一転し、フラン、師匠、ウルシの三人だけで大軍を食い止める絶望的な防衛戦へ突入する展開は、緊張感に満ちている。

希望を与える物語と、限界を超えた死闘が一冊の中で描かれる、非常に濃密な巻であった。

進化した黒猫族として歓迎されるフラン

獣人国へ到着したフランは、進化した黒猫族として多くの獣人から注目を集める。

これまでフランは、黒猫族というだけで侮られることが多かった。

子供だから弱い。

進化できない黒猫族だから大したことはない。

そんな決めつけを何度も実力で覆してきたのである。

ところが獣人国では、進化したフランを見た老人たちが敬意を示し、菓子やパンを次々と差し出してくる。

子供たちからも英雄のような目で見つめられ、フラン本人が戸惑ってしまうほどの歓迎ぶりだった。

以前の扱いを考えると、この変化には感慨深いものがある。

黒猫族であることを隠す必要がなく、むしろ誇りとして堂々と見せられる。

フランが積み重ねてきた苦労が、ようやく報われ始めたように感じられた。

ただし、本人は注目され続けることに慣れていない。

感謝や尊敬を延々と向けられ、最後には疲れ切ってしまう姿が微笑ましかった。

黒猫族の地位を高めるためには、自分が進化した姿を広く見せる必要がある。

そのことを理解し、苦手であっても受け入れようとするフランには、以前よりも大きな責任感が芽生えていた。

獣人国ならではの食文化

本巻は後半に激しい戦闘が続くが、序盤には獣人国らしい日常も描かれている。

特に印象に残ったのは、お茶請けとして分厚いステーキが出される場面である。

普通なら菓子や果物が置かれそうなところに、当然のように肉が用意される。

獣人国の人々にとっては、それが特別なことではないらしい。

フランにとっては歓迎すべき文化であっただろうが、読んでいる側としては思わず心の中でツッコミを入れてしまった。

こうした食文化の違いが自然に描かれていることで、獣人国がこれまで訪れた町とは異なる土地だと感じられる。

フランやウルシは食べ物への関心が非常に強い。

そのため、新しい土地へ行くたびに名物料理や食生活が描かれるのも、本作の楽しみの一つである。

どれほど物語が緊迫していても、食事を前にすると普段のフランへ戻る。

その変わらなさに安心させられた。

同年代のライバル・メアとの出会い

王都へ向かう途中、フランは蠍獅子の森で白い獣人の少女メアと出会う。

フランたちが倒したマンティコアは、実はメアが追い詰めていた獲物だった。

経験を得る直前に倒されてしまったメアは不満を訴えるが、逃がした側にも責任があると言われると反論できない。

その代わりとして、メアはフランへ模擬戦を要求する。

戦い好きのフランが、その申し出を断るはずもなかった。

フランとメアの模擬戦は、互いに楽しそうに剣と魔術をぶつけ合う姿が印象的である。

速度と技術ではフランが優位に立ち、メアは高い腕力と火炎魔術で対抗する。

殺し合いではないにもかかわらず、一歩間違えば大怪我では済まない攻撃を迷いなく放ち合っている。

二人の戦闘好きな性格がよく表れた場面だった。

メアが追い詰められて奥の手を使おうとしたところで、従者のクイナが水を浴びせて強制的に止める。

戦いの緊張感が、一瞬で情けない空気へ変わる流れには思わず笑ってしまった。

フランにとって、メアは初めて出会った同年代の本格的なライバルである。

これまでにも友人と呼べる相手はいたが、同じように剣と魔術を使い、互いに競い合える少女はいなかった。

二人は模擬戦を通して実力を認め合い、再戦を約束して別れる。

出会って間もないにもかかわらず、一緒に旅をしないかと誘い合う姿からも、互いを気に入ったことが伝わってきた。

フランが強さだけでなく、対等に競い合える友人を得たことがうれしかった。

底知れない達人女中クイナ

メアと共に行動しているクイナも、非常に印象に残る人物である。

見た目はメイドでありながら、幻影魔術、暗殺術、治癒魔術などを高い水準で使いこなす。

ただ仕えるだけの女中ではなく、メアの護衛、教育、生活の世話まで一人でこなす達人である。

模擬戦中のメアへ誰にも気づかれず接近し、水を浴びせて止めた場面からも、その実力の高さが分かる。

師匠ですら注意していなければ接近に気づけないほどの隠密能力を持っており、単純な戦闘力だけでは測れない恐ろしさがあった。

一方で、本気になりすぎるメアを止めたり、旅費が減っているからマンティコアの素材は必要だと現実的な指摘をしたりする。

自由に行動するメアと、冷静に支えるクイナの関係も面白い。

フランと師匠、ウルシとは異なる形ではあるが、こちらも強い信頼で結ばれた主従なのだと感じた。

王都で出会う黒猫族の英雄キアラ

王都ベスティアへ到着したフランは、ついに黒猫族の英雄キアラと対面する。

キアラは獣王やゴドダルファたちの師匠であり、長年にわたって黒猫族の進化方法を探し続けてきた人物である。

病床にあり、白髪で痩せた姿になっていても、その眼光と威圧感は失われていない。

そんなキアラが、進化した黒猫族であるフランを目にした瞬間、強く抱きしめる。

自分が信じ続けてきた可能性が間違いではなかった。

黒猫族は本当に進化できる。

その事実を目の前で確かめたキアラの喜びには、積み重ねてきた年月の重さが感じられた。

フランはキアラへ、邪人を千体倒すか、脅威度A以上の邪人を一体倒すことで、個人にかけられた進化の呪いを解けると伝える。

それはフラン一人だけの秘密ではない。

すべての黒猫族へ希望を与える重要な情報である。

進化条件を知ったキアラが、病み上がりであるにもかかわらず、すぐに邪人を倒しに行こうとする姿には驚かされた。

長い間待ち続けた者にとって、進化への道が見えた喜びは、それほど大きかったのだろう。

周囲が必死に止めなければ、本当にそのまま出発していたに違いない。

フランがキアラへ進化条件を伝える場面は、本巻でも特に胸が熱くなる名場面だった。

師匠と出会い、数多くの死闘を乗り越えて手に入れた答えが、ついに同胞へ受け継がれる。

フラン自身の悲願が、黒猫族全体の希望へ変わった瞬間である。

黒猫族の村シュワルツカッツェ

キアラとの対面を終えたフランは、黒猫族が暮らす村シュワルツカッツェを訪れる。

そこには約三百人の黒猫族が生活していた。

フランは、これほど大勢の同胞に囲まれて暮らした経験がない。

奴隷として扱われていた頃から考えれば、黒猫族だけで安心して暮らせる村が存在すること自体、大きな意味を持っている。

村人たちは、進化したフランを見ると膝をつき、英雄や姫のように敬う。

フランにとっては居心地の悪い扱いだったかもしれない。

それでも、自分の存在が同胞へ希望を与えていることを理解し、村人たちの期待へ応えようとする。

ここでも、フランの成長を感じた。

以前の彼女であれば、自分が強くなることだけを考えていただろう。

しかし今は、自分の力を使って黒猫族全体を変えようとしている。

強さを得たことで背負うものが増え、それを逃げずに受け止めている姿が頼もしかった。

戦いを諦めた黒猫族の現実

シュワルツカッツェの人々は、長年の不遇によって戦うことを諦めていた。

黒猫族は進化できない。

いくら努力しても、他の獣人には追いつけない。

戦えば傷つき、奴隷として狙われる危険もある。

そのような歴史が続けば、戦う意志を失ってしまうのも無理はない。

村の近くにゴブリンが現れただけでも、黒猫族にとっては重大な脅威だった。

フランは進化した力を見せるため、若者たちを連れて討伐へ向かう。

まず自分が覚醒と閃華迅雷を使い、ゴブリンを圧倒する。

その姿を見せたうえで、残ったゴブリンを麻痺させ、若者たちに止めを刺させる。

しかし、戦いに慣れていない若者たちは、動けないゴブリンを前にしても武器を振るうことができない。

それほどまでに、黒猫族の中には恐怖と諦めが根づいていたのである。

そこで最初に前へ出たのが、少女サリューシャだった。

一人が勇気を見せたことで、他の若者たちも少しずつ動き始める。

フランは剣の振り方を教え、厳しく促しながら、全員にゴブリンを倒す経験を積ませた。

単に敵を倒して見せるだけではない。

自分たちにも戦える可能性があると、実際の経験を通して理解させる。

フランの指導には、以前バルボラで若手冒険者を鍛えた経験も生かされているように感じられた。

同胞へ戦う方法を教えるフラン

ゴブリンを倒した若者たちは、自分たちも鍛えれば強くなれるかもしれないと考え始める。

その変化は小さなものである。

すぐに強くなれるわけでも、誰もが進化できるわけでもない。

それでも、最初から諦めていた状態とは大きく異なる。

フランは黒天虎への進化につながる可能性を考え、火魔術と風魔術を中心とした訓練方法を教える。

魔力を感じられない者には、師匠と共に体内の魔力を動かし、その感覚を一人ずつ伝えていく。

剣の握り方や振り方も教え、村に保管されていた武具を修理する。

自分たちが持っていた装備も大量に譲り、初心者でも扱える剣を用意する。

ここで印象に残ったのは、フランが答えだけを渡して終わらないことである。

進化条件を知らせただけでは、村人たちは邪人を倒せない。

戦う技術も武器もなく、魔術の使い方さえ失われている。

だからこそ、フランと師匠は基礎から教えようとする。

進化という遠い目標へ向かうために、まずはゴブリンに負けない力を身につけさせる。

その地道な姿勢に説得力があった。

フラン自身も、師匠と出会った直後から強かったわけではない。

一つずつ技能を覚え、魔獣と戦い、何度も死にかけながら成長してきた。

だからこそ、同胞に対しても簡単な近道がないことを理解しているのだろう。

黒猫族の罪と向き合う村人たち

フランは村人たちへ、黒猫族が進化できなくなった理由も伝える。

かつて黒猫族の王家が邪神の力を求め、神罰によって種族全体の進化を封じられた。

現在を生きる村人たちが犯した罪ではない。

それでも、その過去によって黒猫族は長い間苦しみ続けてきた。

この真実は、決して軽いものではない。

ただ被害者だと思っていた自分たちの祖先が、進化を奪われる原因を作っていた。

その事実を受け入れることは難しかったはずである。

しかし村長は、黒猫族が力と尊厳を取り戻すために、過去の罪を償う道を進むと宣言する。

戦える者は邪人を倒す。

戦えない者は、戦う者を支える。

誰もが同じ方法で進化を目指す必要はない。

それぞれの立場から黒猫族の未来を作っていこうと決意する姿には、確かな希望が感じられた。

フランが伝えたのは、単なる進化方法ではない。

長い間止まっていた黒猫族の時間を、もう一度動かすきっかけだったのだと思う。

同胞と過ごす穏やかな時間

シュワルツカッツェで開かれた宴も印象深い。

村人たちはフランを歓迎し、黒猫族に伝わる料理を振る舞う。

フランは多くの同胞が笑い、食事を楽しむ光景を心から喜んでいた。

これまでフランには、黒猫族の家族や故郷と呼べる場所がなかった。

師匠とウルシは大切な家族である。

旅先でも多くの友人を得てきた。

それでも、自分と同じ種族の者たちに囲まれ、同じ歴史や痛みを共有する経験は特別だったはずだ。

村を旅立つと決めた夜、フランは同胞との出来事を何度も師匠へ語っている。

忘れないように、自分の中へ刻み込もうとしていたのだろう。

この村は、旅の途中で立ち寄った場所にすぎない。

しかし、フランにとって初めて故郷に近い感情を抱ける場所になったように感じられた。

それだけに、後半で村へ危機が迫った時、フランが逃げる選択をできなかったことにも納得できる。

北から迫る一万の魔獣軍

穏やかな時間は、夜中に感じた異変によって終わりを迎える。

フランとウルシが北方を確認すると、荒野を埋め尽くす一万を超える魔獣の軍勢が進んでいた。

ただ集まっただけの群れではない。

声も上げず、統率された動きでシュワルツカッツェへ向かっている。

数の多さだけでも絶望的だが、何者かに操られているような不気味さがある。

フランはすぐに村へ戻り、避難を呼びかける。

黒猫族たちは長年迫害や襲撃を受けてきたため、避難の準備に慣れていた。

必要最低限の荷物をまとめ、子供や老人を守りながら迅速に村を離れていく。

その手際のよさは生き延びるために身につけたものだろう。

優れていると感じる一方で、逃げることに慣れなければならなかった歴史の重さも伝わってきた。

フランは領主や冒険者ギルドへ救援を求める。

しかし、南部ではバシャール王国との戦争が始まり、兵士も冒険者も不足していた。

領主は都市へ籠城し、避難民を守ることしかできない。

北部の村々を助けたくても、領主としてより多くの人間が集まる都市を優先しなければならない。

誰かが無能だから援軍が来ないのではない。

誰もが守れる範囲を選ばざるを得ない状況だからこそ、絶望感が大きかった。

一人でも同胞を守ろうとするフラン

領主はフランに都市へ残るよう求める。

一万を超える魔獣を、フランたちだけで止められるとは思えなかったからである。

師匠も本心では、フランを連れて逃げたいと考えていた。

これまで多くの強敵と戦ってきたが、今回の敵は数があまりにも多い。

一体ずつなら倒せる相手でも、一万体を相手にすれば体力も魔力も尽きてしまう。

しかし、フランは黒猫族を見捨てることができない。

ようやく出会えた同胞たちである。

自分を英雄として迎え、未来を信じ始めた村人たちである。

その者たちを守るため、フランは単独で北へ戻る決意を固める。

避難中の村人たちは、フランが戦場へ向かうことを理解しながら、再会を信じて笑顔で見送る。

引き止めるのではなく、必ず帰ってくると信じている。

その信頼が、フランにとって大きな力になったのだと思う。

無人となったシュワルツカッツェを見下ろし、村人たちの笑顔を取り戻すと誓う場面には強く心を打たれた。

フランは黒猫族の英雄として扱われることに戸惑っていた。

しかしこの時、彼女は自分の意思で、同胞を守る英雄として戦う道を選んだのである。

師匠が作り上げる巨大な防衛線

一万の魔獣を正面から相手にしても勝ち目はない。

そこでフランと師匠は、地形そのものを変える作戦を取る。

師匠は大地魔術を習得し、東西へ長く延びる巨大な壁を作り上げる。

中央にだけ狭い通路を残し、魔獣たちを一か所へ集中させる。

数で圧倒する軍勢であっても、同時に通れる数を制限すれば、一体ずつ倒すことができる。

現場管理や防衛戦のような、地形と導線を利用した戦い方が非常に興味深かった。

力任せに魔術を放つだけではなく、敵の移動を制限し、自分たちが有利に戦える場所へ誘導する。

一万体という数へ対抗するための工夫に説得力があった。

フランと師匠は、あえて消耗しているように見せながら、突破できそうで突破できない状態を維持する。

魔獣たちは中央の隘路へ殺到し、次々と倒されていく。

師匠は敵から魔力と生命力を吸収し、消耗を補いながら戦線を支える。

ウルシは別行動を取り、偵察や側面へ回ろうとする魔獣を狩っていく。

三人がそれぞれの役割を果たし、一体も後方へ通さない。

一時間近く続く防衛戦によって、魔獣軍の数を半分ほどまで減らす展開には圧倒された。

一万体という数を聞いた時には勝負にならないと思った。

しかし、力と知恵、連携によって現実的に敵を削っていく。

本巻でも特に迫力のある戦闘だった。

五体の大魔獣との激突

魔獣軍は、ただ数が多いだけではない。

戦況を変えるため、脅威度Cの大魔獣を五体も投入してくる。

グラファイトヒュドラ、クリムゾンウルフ、スティール・タイタンベア、アダマス・ビートル、悪魔男爵。

一体でも町へ大きな被害を与えられる魔獣が、同時に現れる。

フランたちは役割を分担し、師匠が大魔術と念動カタパルトで二体を倒す。

ウルシはクリムゾンウルフを引き受け、フランと師匠は悪魔男爵とアダマス・ビートルを相手にする。

ここでフランは、幻像魔術によって攻撃の位置や気配を偽装され、腹部を抉られ、手足を折られるほどの重傷を負う。

瞬間再生で治すことはできても、大量の魔力を消耗してしまう。

再生能力があるから安全なのではない。

傷つくたびに確実に力を失い、死へ近づいていく。

その危うさが強く伝わってきた。

師匠が幻像魔術の仕組みを見抜き、フランが閃華迅雷で悪魔男爵を倒す流れには爽快感がある。

しかし、これは一万の軍勢の中にいる、わずか五体との戦いにすぎない。

一つの強敵を倒しても休む時間はなく、すぐ次の敵が押し寄せてくる。

通常のボス戦とは異なる、大軍相手の消耗戦の恐ろしさが描かれていた。

邪人軍の本隊が現れる絶望

魔獣軍を半分まで減らしたところで、遠距離から一本の矢が放たれる。

その一撃は、地面へ巨大なクレーターを作るほどの威力を持っていた。

そして魔獣たちの背後から、白銀の装備で統一された約千体の邪人軍が姿を現す。

それまで一万体の魔獣を相手にしてきたが、実は彼らは先遣隊にすぎなかった可能性がある。

本隊はホブゴブリン、ハイオーク、ミノタウロスなどの上位邪人によって構成され、その半数以上が脅威度Dを超えている。

一万の魔獣を相手に消耗した直後に、さらに強力な千体の軍勢が現れる。

この展開には強い絶望を覚えた。

普通なら撤退するしかない状況である。

それでもフランは、黒猫族を守るために必ず勝つと決意する。

逃げれば助かる可能性はある。

しかし、その場合は避難中の村人や都市の人々が襲われる。

自分が戦い続けることでしか守れない命がある。

その責任を一人で背負うフランの姿は、頼もしいと同時に痛々しくもあった。

戦乙女とデュラハンの理不尽な能力

邪人軍を率いているのは、弓を使う戦乙女と、首のない騎士デュラハンである。

戦乙女は軍勢を指揮する能力を持ち、邪人や魔獣を隠密状態のまま移動させていた。

一万を超える軍勢が直前まで発見されなかったのは、彼女の力によるものだった。

さらに、戦乙女が放つ矢は凄まじい威力と速度を持つ。

遠距離から長大な壁を破壊し、味方の魔獣ごとフランを貫こうとする。

フランは致命傷を避けても、左肩と腕を吹き飛ばされる。

再生しても、次の矢がすぐに飛んでくる。

攻撃を避けながら千体の邪人軍と戦わなければならず、息をつく暇もない。

特に厄介なのが、戦乙女とデュラハンへの攻撃を、配下の邪人へ肩代わりさせる能力である。

フランが戦乙女の心臓と魔石を斬り裂いても、その傷は二体のミノタウロスへ移される。

師匠が二重のカンナカムイを放っても、デュラハンが盾となり、被害を配下へ押しつけて回復する。

どれほど強力な攻撃を当てても、周囲に部下が残っている限り倒せない。

敵の兵士一体一体が、戦乙女とデュラハンの予備の命になっているのである。

フランたちが大技を使うほど、魔力だけが失われていく。

敵の能力があまりにも理不尽であり、読んでいて強い焦りを感じた。

焦りによって追い詰められるフラン

戦乙女は、別の邪人部隊が東西からグリンゴートへ向かっていると明かす。

避難中の黒猫族や都市の住民が襲われるかもしれない。

その事実を知ったフランは、目の前の戦乙女をすぐに倒し、別動隊の救援へ向かわなければならないと焦り始める。

しかし、焦れば焦るほど攻撃は大振りになる。

戦乙女はフランの心理を理解し、挑発しながら狙撃を続ける。

右足を破壊され、脇腹を抉られ、治してもすぐに新しい傷を負う。

強くなったフランであっても、守らなければならないものが増えれば、冷静さを失うことがある。

これまでの彼女は、自分と師匠、ウルシが生き残ることを中心に戦ってきた。

今回は黒猫族の村、避難民、都市の住民まで背負っている。

自分の判断が遅れれば誰かが死ぬ。

その責任が、フランを精神的にも追い詰めていた。

師匠はスキルテイカーを使うことまで考え始める。

一度しか使えない切り札をここで使わなければ、生き残れないかもしれない。

そこまで追い詰められた戦いであることが伝わってきた。

別の戦場で戦い続けるウルシ

フランと師匠だけでなく、ウルシも別動隊を止めるために戦っている。

ウルシが相手にしたのは、悪魔に率いられた邪人部隊である。

邪人たちは自分の命を捨ててウルシを拘束し、悪魔は生命力を魔力へ変えた強力な呪詛を放つ。

ウルシは全身を呪いに蝕まれながらも、グリンゴートを守るために逃げない。

悪魔の胴体を噛み砕いて倒すことには成功するが、自分も立ち上がれないほどの重傷を負ってしまう。

普段のウルシは、食いしん坊で少し臆病なところもあり、フランへ甘える姿が多い。

しかし、本当に守らなければならない場面では、一人でも敵へ立ち向かう。

フランや師匠が見ていない場所でも、自分の役割を最後まで果たそうとする。

その忠誠心と勇気に胸が熱くなった。

止めを刺される直前、何者かが邪人たちを蹴散らし、ウルシを助ける。

この時点では救援者の正体がはっきりと示されず、フランの戦場とは別の場所でも新しい動きが始まっている。

誰がウルシを救ったのかという謎も、次巻への期待につながっていた。

絶体絶命の戦場へ戻ってきたメア

フランが肉体的にも精神的にも限界へ近づいた時、南西から巨大な魔力が迫ってくる。

現れたのは、蠍獅子の森で出会った赤竜リンドだった。

その背には、フランと模擬戦をしたメアと、達人女中クイナが乗っている。

一度別れたばかりの相手が、最も苦しい瞬間に駆けつけてくる。

この展開には最高のカタルシスがあった。

メアは、フランへ援軍が必要かと問いかける。

その言葉には余裕があり、フランを助けられるだけの自信が感じられた。

しかも、メアたちは偶然現れたわけではない。

西側の別動隊をすでに壊滅させ、もう一つの部隊にも別の者たちが対応している。

グリンゴートの領主にも働きかけ、避難民を守るための部隊まで出動させていた。

フランが最も心配していた別動隊と避難民への対策は、すでに進んでいたのである。

その事実を知った瞬間、フランはようやく目の前の敵だけに集中できるようになる。

一人ですべてを背負っていた彼女に、共に戦う仲間が現れた。

その安心感は非常に大きかった。

クイナの幻像魔術と暗殺術

メアたちの登場は、単なる派手な救援では終わらない。

戦乙女は空を飛ぶリンドを狙って矢を放つが、その攻撃は体をすり抜ける。

空中に見えていたメアたちは、クイナが作り出した幻像だったのである。

本物のクイナは、戦乙女のすぐそばまで誰にも気づかれず接近していた。

そして会話へ意識が向いている隙を突き、胸を貫いて心臓を潰す。

その一撃も身代わり能力によって無効化されるものの、クイナの実力は十分に示された。

師匠やフランですら気づけない隠密。

敵の視線を完全に誘導する幻像。

一撃で心臓を破壊する暗殺術。

蠍獅子の森で感じた底知れなさが、本格的な戦場で明らかになる。

フランたちとはまったく異なる戦い方で、戦乙女を追い詰める姿が格好よかった。

正面から圧倒するフランとメア。

幻像と奇襲によって敵の意識外から攻撃するクイナ。

それぞれの能力が組み合わされば、配下を盾にする戦乙女へ対抗できる可能性が見えてくる。

フランを友人として守ろうとするメア

メアは、フランを傷つけた戦乙女を許さないと宣言する。

クイナから、フランは数少ない友人なのだと指摘されると否定するものの、その態度からは強く意識していることが伝わってくる。

自分がフランに勝つ。

だから、横から現れた戦乙女に倒されることは許さない。

言葉だけを見れば勝手な理屈だが、そこにはメアなりの友情があった。

フランとメアが出会ってから、それほど時間は経っていない。

しかし、全力に近い模擬戦を交わしたことで、二人は互いの強さや性格を理解している。

多くを語り合わなくても、剣を交えることで信頼が生まれたのだろう。

メアがリンドの背から飛び降り、クイナと共に戦場へ参戦する場面で本巻は終わる。

これからフラン、メア、クイナがどのように戦乙女とデュラハンを攻略するのか。

配下へ攻撃を肩代わりさせる能力を、どう破るのか。

絶望的だった戦況にようやく反撃の兆しが見え、最も盛り上がったところで次巻へ続く。

続きが気にならないはずがない終わり方であった。

黒猫族の希望から守護者へ

『転生したら剣でした 8』では、進化を成し遂げた後のフランが何をするのかが描かれている。

前巻までのフランは、自分が進化するために戦ってきた。

本巻では、進化条件をキアラへ伝え、シュワルツカッツェの村人へ戦い方や魔術を教え、装備を与えている。

自分が得た力や知識を、同胞へ渡そうとしているのである。

さらに、一万を超える魔獣軍が迫った時には、村人を逃がすため、自分が犠牲になる覚悟で戦場へ戻る。

進化したことで強くなっただけではない。

守りたい者が増え、そのために自分の力を使うようになった。

フランが黒猫族の希望から、同胞を守る存在へ変わっていく一冊だった。

一方で、フラン一人ですべてを背負うことの危うさも描かれている。

村人、避難民、都市の住民、別動隊。

守る対象が増えるほど、フランは焦り、冷静さを失っていく。

どれほど強くなっても、一人ですべてを救うことはできない。

そんな彼女のもとへ、メアやクイナが駆けつける。

これまでの旅で築いた出会いが、絶体絶命の状況でフランを救う力になる。

その展開には、単なる戦力の追加以上の意味があるように感じた。

本巻はキアラとの感動的な対面、黒猫族の村での温かい交流、同年代のライバルとの出会い、一万の魔獣を迎え撃つ防衛戦と、多くの見どころが詰まっている。

獣人国のお茶請けとして分厚いステーキが出されるような、思わず笑ってしまう日常もある。

その一方で、フランやウルシが何度も瀕死になる過酷な戦いも描かれる。

穏やかさと絶望の落差が大きいからこそ、メアたちの救援がより鮮烈に感じられた。

黒猫族に未来への希望を与えたフラン。

その同胞を守るため、限界を超えて戦い続けるフラン。

そして、一人で戦う彼女のもとへ駆けつけた新しい友人たち。

フランが戦乙女やデュラハンとどのような決着をつけるのか。

重傷を負ったウルシを救った人物は誰なのか。

バシャール王国と邪人軍を動かしているミューレリアとは何者なのか。

多くの謎と緊張を残しながら、反撃の始まりを予感させる、次巻への期待が大きく膨らむ一冊であった。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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転剣7レビュー
転剣まとめ
転剣9レビュー

考察・解説

獣人国への入国

獣人国入国と黒雷姫の旋風に関する全貌

『転生したら剣でした』において、フランと師匠による獣人国への入国は、長く過酷な航海を終えた第7巻の結末から第8巻の冒頭にかけて描かれている。港町グレイシールへの到着と別れ、冒険者ギルドでの騒動と「黒雷姫」の噂、進化の証明と獣人たちへの衝撃、および王都への旅立ちについての解説は以下の通りである。

港町グレイシールへの到着と仲間たちとの別れ

フランたちが乗るアルギエバ号は、シードラン海国との海戦や大魔獣との遭遇を乗り越え、クローム大陸の港町グレイシールに無事入港した。

・到着後、ジェローム船長らはシードランとの通商に関する件を報告するため、代官所へ向かった。

・フランは共に船旅を過ごした臨時弟子のミゲール、ナリア、リディックたちや、シードラン海国の第三王女マールと別れの挨拶を交わした。

・互いに友として再会を約束した。

冒険者ギルドでの遭遇と広まる武勇伝

フランはランクB冒険者モルドレッドの案内でグレイシールの冒険者ギルドへ向かい、彼の知人である冒険者リロイと出会った。

・ギルド内でフランがランクC冒険者だと名乗り、モルドレッドが彼女を黒雷姫だと明かしたことで、ギルド中の冒険者たちが騒ぎ始めた。

・獣人たちの間では、ウルムットの武闘大会でフランがランクA冒険者のゴドダルファに勝利したという噂がすでに広まっていた。

・周囲から大きな注目を集めることとなった。

進化隠蔽の解除と黒猫族としての衝撃的証明

ギルドでの出来事の中で最も重要なのは、フランが進化した黒猫族としての姿を堂々と披露したことである。

・フランは進化隠蔽のスキルを解除した。

・獣人国では黒猫族は進化できない最弱の種族として不遇な扱いを受けていた。

・進化したフランが実在するという事実は、その場にいた獣人や冒険者たちに強烈な衝撃を与えた。

・これは、黒猫族の地位向上を目指すフランにとって、獣人国での大きな第一歩となった。

王都ベスティアを目指す準備と角車の手配

護衛の特別報酬を受け取ったフランたちはギルドを後にし、まずは宿を確保した。

・黒猫族の英雄であるキアラや神級鍛冶師に会うため、王都ベスティアへの行き方を調べることとなった。

・ギルドで角車という魔獣デュアルホーンが引く乗り物を勧められた。

・二人は角車組合の支部へ向かい、王都への旅に向けた準備を進めていくこととなった。

まとめ

獣人国入国とグレイシールでの出来事を巡る一連の全貌は、長旅を共にした仲間たちとの晴れやかな別れから始まり、冒険者ギルドで明かされた「黒雷姫」の威名、進化した黒猫族の姿の開示による社会的衝撃、そして王都ベスティアへの新たなる出発に至るまで、種族の変革に向けた第一歩を明瞭に示している。最弱の種族という不当な偏見や差別の檻を打ち破り、自分たちの尊厳と平穏な生の主権を自らの実力と堂々たる進化の証明によって完璧に確立するに至る、不屈の変革と新たな旅立ちの記録である。港町への到着から、武勇伝の伝播、存在の証明、そして王都への移動手段確保へと繋げたプロセスは、どれほど不条理な偏見の混迷や過酷な環境の激変によって生の自由が脅かされようとも、本質を突いた人間の知性と確固たる意志の果断によって打破され、新しい生き方を切り拓く輝かしい未来の道が厳密に証明されている。

獣人国と黒猫族

獣人国と黒猫族の因縁および変革の全貌

『転生したら剣でした』における獣人国と黒猫族の関係は、深い歴史的因縁と政治的な迫害、そして現在進行形の変革によって複雑に絡み合っている。黒猫族の栄光と神罰による没落、前獣王と青猫族による迫害、黒猫族の英雄キアラと現獣王リグディス、およびフランの進化と種族の未来についての解説は以下の通りである。

かつての王族としての栄光と邪神の解封による神罰

かつての黒猫族は、獣人の祖とされる十始族の一つである黒天虎の系譜であり、他種族から畏怖されるほど強力な獣人国の王族であった。

・約500年前、当時の王家が封印された邪神の力を一族に取り込んで覇権を握ろうとする大罪を犯した。

・神の怒りに触れた結果、邪神の力を得た者は滅ぼされた。

・生き残った黒猫族にも進化を制限される呪いという神罰が下された。

前獣王ヴェルサスの陰謀と青猫族による組織的抑圧

黒猫族が没落した後、獣人国の王座は金獅子の家系へと移った。

・前獣王ヴェルサスは、黒猫族が再び進化して自らの王座を脅かすことを恐れ、進化に関する記録や記憶を徹底的に抹消した。

・元々は黒猫族の配下であった青猫族を利用して黒猫族を弾圧し、奴隷として他国へ売り飛ばす政策を推し進めた。

・これにより、黒猫族は進化できない最弱の種族として獣人社会全体から見下される不遇の時代を長く過ごすこととなった。

英雄キアラの弟子入りと現獣王リグディスによるクーデター

約50年前、進化の条件を探していた黒猫族の凄腕冒険者キアラは、前獣王によって捕らえられ、王宮の汚物処理係として奴隷にされた。

・彼女が侵入した魔獣をあっさりと倒す姿を見た幼いリグディス(現獣王)やゴドダルファたちは、その強さに惹かれて密かに弟子入りした。

・キアラから戦いを学んだリグディスは、黒猫族への不当な扱いに疑問を抱き、やがて父親である前獣王をクーデターで倒して王位を奪取した。

・現在、リグディスは奴隷売買に関わる青猫族を粛清し、黒猫族を保護する政策へと大きく転換している。

黒天虎への進化証明とシュワルツカッツェでの意識改革

主人公のフランは、ダンジョンマスターである黒虎ルミナの試練を乗り越え、ついに伝説の黒天虎への進化を果たした。

・獣人国に入国したフランは、自らの進化した姿を堂々と披露し、黒猫族が進化できるという事実を証明して獣人たちに強烈な衝撃を与えた。

・黒猫族が暮らす村シュワルツカッツェを訪れ、同胞たちに神罰の真実と、呪いを解くための進化条件(個人で邪人を1000体倒すことなど)を伝えた。

・長年の迫害で戦いを諦めていた村人たちに魔術や剣の指導を行い、種族の誇りを取り戻して過去の罪を償う道を提示した。

・これにより、黒猫族は新たな未来へ向けて歩み始めている。

まとめ

獣人国と黒猫族を巡る一連の全貌は、かつての栄光から邪神の力を巡る神罰での没落、前獣王による徹底した迫害、キアラの教えを受けた現獣王リグディスによる政策転換、そしてフランによる進化の証明と村人への指導に至るまで、暗澹たる悲劇から種族再生へと向かう動乱の歴史を明瞭に示している。最弱の種族という不当な差別や歴史改竄による檻を打ち破り、自分たちの尊厳と平穏な生の主権をフランの不屈の戦いと進化した実体によって完璧に確立するに至る、歴史的変革と種族解放の記録である。過去の過ちから、抑圧の時代、王権の刷新、そして新時代の開拓へと繋げたプロセスは、どれほど不条理な偏見の混迷や過酷な環境の激変によって生の自由が脅かされようとも、本質を突いた人間の知性と確固たる意志の果断によって打破され、新しい生き方を切り拓く輝かしい未来の道が厳密に証明されている。

黒猫族の地位向上

黒猫族の地位向上と復権への道筋の全貌

『転生したら剣でした』において、黒猫族の地位向上は主人公フランの最大の行動原理であり、物語を貫く重要なテーマである。歴史的背景と不遇の現状、フランの悲願と進化の証明、同胞たちの意識改革、および獣王による保護と支援についての解説は以下の通りである。

神罰による没落と先代獣王による組織的弾圧

かつての黒猫族は、獣蟲の神が生み出した強力な十始族「黒天虎」の系譜であり、獣人国の王族として君臨していた。

・約500年前、当時の王族が邪神の封印を解いてその力を取り込もうとする大罪を犯したことで神の怒りに触れ、進化を制限される呪い(神罰)を受けた。

・後に王座を奪った前獣王ヴェルサスが黒猫族の進化と復権を恐れ、青猫族を使って奴隷化と迫害を推進した。

・進化に関する知識や記録も徹底的に抹消された。

・黒猫族は進化できない最弱の種族として獣人社会全体から見下され、青猫族の闇奴隷商人などに虐げられる不遇な存在となってしまった。

黒天虎への覚醒と進化の実体証明

両親の遺志を継ぎ、自らが進化して黒猫族の地位を向上させ、蔑まれないようにすることがフランの最終的な目標である。

・フランは冒険者として凄まじい速さで成長し、武闘大会の直前にダンジョンマスター・ルミナの試練を経て「黒天虎」への進化を果たした。

・獣人国の港町グレイシールに降り立ったフランは、あえて進化隠蔽スキルを解き、進化した姿を周囲に堂々と披露した。

・進化できないとされていた黒猫族が進化したという事実は、獣人社会に強烈な衝撃を与えた。

・種族の可能性を証明する大きな一歩となった。

条件の伝達とシュワルツカッツェでの鍛錬指導

王都へ向かったフランは、かつて獣人国で活躍した黒猫族の英雄キアラに会い、個人で邪人を1000体倒すといった進化の条件を伝えた。

・黒猫族が暮らす村シュワルツカッツェを訪れ、長年の迫害で戦いを諦め卑屈になっていた若者たちに、直接ゴブリンを倒す経験を積ませた。

・魔術や剣の特訓方法を自ら指導した。

・過去の神罰の歴史を包み隠さず語り聞かせたことで、村の黒猫族たちは単に進化を目指すだけでなく、先祖の大罪を償う道を歩むことを決意した。

現獣王リグディスによる国家政策的支援

フラン個人の力だけでなく、現獣王リグディスの政策も黒猫族の地位向上に大きく寄与している。

・リグディスは幼い頃、黒猫族の奴隷であったキアラの圧倒的な強さに惹かれて弟子入りし、彼女から戦いを学んだ。

・その経験から黒猫族への不当な差別に疑問を抱き、クーデターで王位を奪取した後は、不法な奴隷売買を行う青猫族を粛清し、黒猫族を保護する政策を推進した。

・フランから教えられた進化条件を、冒険者ギルドや商人を通じて世界中に広めることも約束した。

まとめ

黒猫族の地位向上を巡る一連の全貌は、神罰と前獣王の陰謀による没落から始まり、フランによる黒天虎への進化証明、シュワルツカッツェの村人への意識改革と指導、そして現獣王リグディスによる国家的な保護支援に至るまで、種族の復権に向けた確実な歩みを明瞭に示している。最弱の種族という不当な偏見や差別の檻を打ち破り、自分たちの尊厳と平穏な生の主権をフランの不屈の戦いと実質的な改革によって完璧に確立するに至る、種族再生と名誉回復の記録である。歴史的抑圧から、進化の証明、意識改革、そして国家の支援獲得へと繋げたプロセスは、どれほど不条理な偏見の混迷や過酷な環境の激変によって生の自由が脅かされようとも、本質を突いた人間の知性と確固たる意志の果断によって打破され、新しい生き方を切り拓く輝かしい未来の道が厳密に証明されている。

進化の事実拡散

黒猫族の進化条件の拡散と意識改革の全貌

『転生したら剣でした』において、黒猫族が進化できるという事実とその条件を世界へ拡散していくプロセスは、主人公フランの「黒猫族の地位向上」という悲願を達成するための重要な行動である。第7巻終盤から第8巻にかけて、フランは自身の進化した姿と得られた情報を武器に、事実の拡散を行っていく。進化隠蔽の解除と獣人社会への証明、獣王を通じた世界的な情報発信、黒猫族の英雄キアラへの伝達、および同胞の村シュワルツカッツェでの意識改革についての解説は以下の通りである。

進化隠蔽の解除と獣人社会への実体証明

獣人国(クローム大陸)の港町グレイシールに到着したフランは、あえて「進化隠蔽」のスキルを解除し、進化した「黒天虎」としての姿を冒険者ギルドで堂々と披露した。

・黒猫族は進化できない最弱の種族であるという常識が根付いていた獣人社会において、実際に進化したフランの存在は冒険者や獣人たちに強烈な衝撃を与えた。

・これ以降、フランは自身の進化を隠さず、事実を広めるために行動するようになる。

・道中では、進化したフランを見た黒猫族の老人たちから信仰の対象のように敬われ、森で出会った同胞の男たちも驚愕のあとに涙を流して歓喜した。

獣王リグディスを通じた世界的な情報発信

フランは獣王リグディスに対し、神罰によって進化を封じられた黒猫族の呪いを解く条件(個人で邪人を1000体倒すなど)を伝えた。

・黒猫族を保護し、その不遇な歴史を正そうとしていた獣王はこれに深く感謝した。

・見返りとして冒険者ギルドや商人の伝手を利用して世界中にこの情報を広めることを約束した。

・実際、獣人国の貴族や商人たちの間では、獣王の口を通じて進化の条件が少しずつ広まり始めていた。

英雄キアラへの正確な解呪条件の伝達

王都ベスティアでは、かつて進化のヒントを求めて旅をしていた黒猫族の英雄キアラと対面した。

・キアラは過去の文献から、邪神に類する強力な邪人を倒せば呪いが解けると推測していたが、確証がないため同胞には黙っていた。

・フランから正確な進化の条件と呪いの解き方を聞かされたキアラは、長年の悲願の答えを得たことで歓喜を爆発させた。

・病み上がりにもかかわらず自ら邪人狩りに飛び出そうとするほどの熱意を見せた。

シュワルツカッツェでの真実開示と意識改革

黒猫族が暮らす村シュワルツカッツェを訪れたフランは、村人たちに進化した姿を見せ、大きな希望を与えた。

・フランは村人たちを集め、かつて黒猫族の王家が邪神の力を取り込もうとした大罪と、その結果として神罰が下された歴史の真実を語り聞かせた。

・邪人を狩ることが過去の罪への償いであり、進化へ至るための試練の道であると説明した。

・この言葉に感銘を受けた村長は、村を挙げて罪を償いながら進化を目指すことを宣言した。

・長年の迫害で戦う意志を失っていた村人たちも全員がそれに賛同して立ち上がった。

まとめ

黒猫族の進化条件の拡散を巡る一連の全貌は、港町での実体証明から始まり、獣王の国家機構を利用した情報発信、英雄キアラとの知識の共有、そしてシュワルツカッツェでの歴史の真実開示と意識改革に至るまで、種族の解放に向けた着実な歩みを明瞭に示している。最弱の種族という不当な偏見や差別の檻を打ち破り、自分たちの尊厳と平穏な生の主権をフランの不屈の戦いと真実の拡散によって完璧に確立するに至る、種族再生と名誉回復の記録である。存在の証明から、国家の支援、英雄との共闘、そして同胞たちの覚醒へと繋げたプロセスは、どれほど不条理な偏見の混迷や過酷な環境の激変によって生の自由が脅かされようとも、本質を突いた人間の知性と確固たる意志の果断によって打破され、新しい生き方を切り拓く輝かしい未来の道が厳密に証明されている。

少女メアとの出会い

メアとの遭遇と果たされた激闘の全貌

『転生したら剣でした』において、黒猫族の少女フランと白い獣人の少女メアとの出会いは、第8巻で描かれている。蠍獅子(マンティコア)の森での遭遇、獲物の横取りと模擬戦の約束、白熱する戦闘とクイナの制止、および互いを認めた別れについての解説は以下の通りである。

蠍獅子の森での遭遇と謎めいた少女

王都ベスティアを目指すフランと師匠は、近道として脅威度Cの魔境「蠍獅子の森」を抜けるルートを選択した。

・道中、満身創痍のマンティコアと遭遇したフランたちは、雷鳴魔術を駆使して魔石を壊さずにこれを仕留めた。

・その直後、「我の獲物が!!」と怒りの声を上げて茂みから飛び出してきたのが、白い髪と白い肌、真紅の瞳を持つ猫系獣人の少女メアであった。

・メアは強力な鑑定遮断を持っており、種族の詳細は不明であったが、すでに進化を果たしている実力者であった。

・彼女の背後には、凄腕の暗殺技術と幻影魔術を持つ達人女中クイナが付き従っていた。

経験値を巡る衝突と手合わせの約束

メアは自身がレベルアップするためにマンティコアを追い詰めていたため、フランに獲物を横取りされたと激しく抗議した。

・フランは素材を譲ると提案したが、経験値を求めていたメアは納得しなかった。

・フランから「逃がしたそっちが悪い」と正論を言われるとメアも反論できず、代わりに模擬戦の相手をするよう要求した。

・戦闘を好むフランもこれを喜んで受け入れ、一行は森を抜けた先の平原へと移動した。

竜魂の召喚と白熱する激突

平原での模擬戦開始時、メアは愛剣である「竜剣リンド」から赤い小竜(竜魂)を召喚し、ウルシの相手を任せた。

・フランとメアの戦いは、互いに笑みを浮かべながら躊躇なく攻撃を放ち合う激しいものとなった。

・フランが速度と剣技で優位に立つが、メアも高い腕力と無詠唱の火炎魔術で応戦し、互角に近い打ち合いを繰り広げた。

・次第に劣勢となったメアは、戦意を高めて覚醒に似た奥の手を使おうと魔力を高めた。

・模擬戦で本気を出しすぎることを良しとしないクイナが、背後から幻影魔術と水魔術を駆使してメアに大量の水を浴びせたことで、戦いは強制終了となった。

友情の芽生えと果たすべき約束

決着こそつき seeが、戦いを経たフランとメアは互いの強さを認め合い、固い握手を交わした。

・メアはフランを自身の旅に誘ったが、フランにはキアラに会うため王都へ行く目的があったため断った。

・逆にフランが一緒に王都へ行こうと誘い返したが、メアには王都には行けない理由という訳ありの事情があり、同行は叶わなかった。

・二人はいつか再戦することを約束して別れ、フランは同年代の好敵手を得た喜びに胸を躍らせながら、次の目的地へと向かうこととなった。

まとめ

メアとの遭遇と手合わせを巡る一連の全貌は、蠍獅子の森での獲物を巡る衝突から始まり、平原での全力の模擬戦、クイナによる介入、そして互いの立場を尊重した上での再戦の約束に至るまで、同年代の強力な好敵手との出会いを明瞭に示している。互いの目的や立場の違いという障害の檻を打ち破り、自分たちの尊厳と平穏な生の主権を真剣勝負を通じた相互理解と高揚感によって完璧に確立するに至る、不屈の友情と成長の記録である。遭遇の騒動から、模擬戦の白熱、決着の持ち越し、そして再会の約束へと繋げたプロセスは、どれほど不条理な事態の混迷や過酷な環境の激変によって生の自由が脅かされようとも、本質を突いた人間の知性と確固たる意志の果断によって打破され、新しい生き方を切り拓く輝かしい未来の道が厳密に証明されている。

魔獣軍の急襲

魔獣軍の急襲とシュワルツカッツェ防衛戦の全貌

『転生したら剣でした』第8巻における「魔獣軍の急襲」は、黒猫族の村シュワルツカッツェの存亡をかけた絶望的な防衛戦と、フランの強い決意を描く重要なエピソードである。異常な軍勢の発見と避難、援軍の不在とフランの決断、「偽りの砦」と地形操作による防衛戦、先制攻撃和大魔獣5体との死闘、および真の脅威である邪人軍本隊の出現についての解説は以下の通りである。

1万超の魔獣軍勢の捕捉と迅速な村民避難

シュワルツカッツェで夜を明かしていたフランと師匠、ウルシは、深夜に正体不明の違和感を覚えた。

・ウルシに乗って上空から北の荒野を偵察した。

・1万体を超える魔獣の軍勢が荒野を埋め尽くし、整然と村へ向かって南下している姿を発見した。

・フランは村へ戻り村長に報告した。

・黒猫族たちは即座に南の都市グリンゴートへの避難を開始した。

領主の籠城選択と単独での足止め決意

フランはウルシに乗り、約1時間でグリンゴートに到着して領主マルマーノに援軍を要請した。

・戦争の勃発により兵力の多くが派遣されており、都市に野戦を行う余裕はなかった。

・領主は避難民を都市の防壁内で守るための籠城戦を選択し、北部の村を見捨てる決断を下した。

・都市に残るよう懇願されたフランは拒絶した。

・自分たちだけで1万超の魔獣軍を足止めする覚悟を固めた。

大地魔術による地形変貌とハリボテの砦

魔獣たちを食い止めるため、師匠は自己進化ポイントを使用して大地魔術「グレイト・ウォール」を獲得した。

・東西に広がる長大な壁と深い堀を一瞬で築き上げた。

・中央にのみ魔獣を誘導するための隘路を設けた。

・ゾンビ兵を配置したハリボテの砦を作ることで進軍を警戒させ、時間を稼ぐことに成功した。

広域魔術の投入と脅威度Cの大魔獣5体との死闘

準備を整えたフランたちは、高空からの先制攻撃を仕掛けた。

・広範囲魔術や巨石投下によって魔獣の先鋒に大打撃を与えた。

・隘路に立ち塞がり、殺到する魔獣たちを斬り捨て続けた。

・魔獣軍は脅威度Cの大魔獣5体(グラファイトヒュドラ、クリムゾンウルフ、スティール・タイタンベア、アダマス・ビートル、デーモン)を投入した。

・師匠がヒュドラとベアを瞬殺し、ウルシがクリムゾンウルフを撃破した。

・デーモンとアダマス・ビートルは幻像魔術でフランに負傷を負わせたが、師匠が仕組みを見抜き、フランの「閃華迅雷」などで2体を討ち取った。

本隊である白銀の邪人軍1000体の露呈

大魔獣を退け、魔獣軍の数が半減し始めた頃、長距離からの強烈な矢がフランを襲った。

・魔獣たちの後方に約1000体の邪人軍が控えていた。

・白銀の武装で統一され、一糸乱れぬ隊列を組む彼らこそが本隊であった。

・これまで戦っていた1万超の魔獣軍は単なる先遣隊に過ぎなかったことが判明した。

・戦場はさらなる死闘へと突入していくこととなった。

まとめ

シュワルツカッツェ防衛戦を巡る一連の全貌は、1万超の魔獣軍の捕捉から始まり、領主の籠城判断を受けた単独足止めの決意、大地魔術を用いた防衛線の構築、大魔獣5体との死闘、そして真の本隊である邪人軍の出現に至るまで、絶望的な状況下での熾烈な戦いを明瞭に示している。数の暴力や孤立無援という不条理な檻を打ち破り、自分たちの尊厳と平穏な生の主権をフランの不屈の戦意と師匠の果断な戦術によって完璧に確立するに至る、防衛戦と試練の記録である。異常の察知から、地形操作、大魔獣の撃破、そして邪人軍との対峙へと繋げたプロセスは、どれほど不条理な事態の混迷や過酷な環境の激変によって生の自由が脅かされようとも、本質を突いた人間の知性と確固たる意志の果断によって打破され、新しい生き方を切り拓く輝かしい未来の道が厳密に証明されている。

邪人軍との死闘

邪人軍との死闘と防衛戦の全貌

『転生したら剣でした』第8巻における「邪人軍との死闘」は、フランたちが黒猫族の避難民を守るために挑んだ絶望的な防衛戦である。邪人軍本隊の出現と指揮官、理不尽なダメージの肩代わり、フランの猛攻と限界、別動隊と戦うウルシの死闘、およびメアとクイナの参戦についての解説は以下の通りである。

邪人軍本隊の出現と高度な隠密性

魔獣軍の先遣隊との激戦の最中、その後方に控えていた約1000体の邪人軍本隊が姿を現した。

・白銀の武装で統一されたホブゴブリン、ハイオーク、ミノタウロスなどの精鋭で構成されていた。

・半数以上が脅威度Dを超える強敵であった。

・彼らを率いていたのは、ミューレリアの配下を名乗る脅威度BからCクラスの指揮官、ワルキューレとデュラハンであった。

・ワルキューレの持つ「進軍の戦乙女」という称号の効果により軍勢全体に隠密性が付与されていたため、大軍でありながら直前まで察知されずに接近できていた。

配下へのダメージ肩代わりと即座の再生

師匠は最大の雷鳴魔術カンナカムイを二重起動してワルキューレを狙った。

・デュラハンが盾となって受け止めたうえ、瞬間再生で回復されてしまった。

・彼らが受けた致命傷は、配下のミノタウロスやハイオークが持つ盾技によって肩代わりされるという厄介な仕組みが判明した。

・これにより、指揮官を速攻で討ち取ることは非常に困難となった。

剣王術の解放と過酷な肉体的限界

遠距離戦では不利と判断したフランは、敵陣へ直接突入して接近戦を挑んだ。

・師匠が自己進化ポイントを剣聖術に注ぎ込んだ結果、剣王技、剣王術、および剣神の祝福が解放され、フランの剣技は飛躍的に向上した。

・フランは剣王技・天断を放ちワルキューレの心臓と魔石を両断したが、そのダメージも配下へ移し替えられ、ワルキューレは即座に再生してしまった。

・ワルキューレから、東西から別動隊がグリンゴートへ向かっていると告げられて心理的に揺さぶられた。

・波状攻撃と神速の狙撃によって右足や脇腹を破壊される重傷を負い、フランは肉体的および精神的な限界へと追い詰められていった。

都市防衛のためのウルシによる孤立無援の死闘

同じ頃、南方では悪魔に率いられた別動隊の邪人軍とウルシが単独で死闘を繰り広げていた。

・ウルシは悪魔から必殺の呪詛を受け、全身を蝕まれながらもグリンゴートを守るために逃走を拒んだ。

・相打ち覚悟で悪魔の胴体を噛み砕いて討ち取ったものの、力尽きて動けなくなった。

・残った邪人たちに囲まれたところを、間一髪で何者かに救出された。

赤竜リンドの飛来と強力な援軍の合流

フランが絶体絶命の危機に陥ったその時、南西から赤竜リンドに乗った白い獣人の少女メアと、達人女中のクイナが援軍として駆けつけた。

・メアは西側の別動隊を既に自ら殲滅しており、グリンゴートの領主へ避難民の護衛部隊を出させたことを告げてフランを安堵させた。

・クイナが幻像魔術と隠密を駆使してワルキューレの背後を取り、心臓を潰す奇襲を成功させた。

・メアとクイナが戦闘に加わったことで、絶望的だった戦況は新たな局面へと突入していくこととなった。

まとめ

邪人軍との死闘を巡る一連の全貌は、隠密性を保持した敵本隊の露呈から始まり、ダメージ肩代わりによる指揮官の撃破不能、剣王術を解放しながらも負傷したフランの苦戦、都市を防衛するウルシの死闘、そしてメアとクイナの急参戦に至るまで、極限の攻防と戦況の転換を明瞭に示している。数の暴力や特殊スキルの防壁という理不尽な檻を打ち破り、自分たちの尊厳と平穏な生の主権を不屈の戦意と突如現れた友との連携によって完璧に確立するに至る、絶望からの逆転劇の記録である。強敵の出現から、能力の開花、死地の克服、そして援軍との合流へと繋げたプロセスは、どれほど不条理な事態の混迷や過酷な環境の激変によって生の自由が脅かされようとも、本質を突いた人間の知性と確固たる意志の果断によって打破され、新しい生き方を切り拓く輝かしい未来の道が厳密に証明されている。

転剣7レビュー
転剣まとめ
転剣9レビュー

登場キャラクター

主人公一行

師匠

本作の主人公の一人であり、意思を持つ魔剣である。フランを装備者とし、彼女を保護し導く立場にある。

・所属組織、地位や役職
 無機物転生の魔剣。フランの装備。
・物語内での具体的な行動や成果
 大地魔術「グレイト・ウォール」で防壁を構築した。魔獣の軍勢を足止めするため、形態変形と魔術を多重起動して敵を殲滅した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 戦闘を通じて二度の自己進化を果たした。新しいスキルを複数獲得し、剣としての能力を向上させた。

フラン

黒猫族の少女であり、師匠を装備して戦う。同胞の地位向上を目指し、黒猫族の村を魔獣から守る決意を固める。

・所属組織、地位や役職
 ランクC冒険者。異名は「黒雷姫」。
・物語内での具体的な行動や成果
 シュワルツカッツェの村人たちに魔術の修行法や剣の扱いを教えた。魔獣の軍勢や邪人の本隊と対峙し、ワルキューレらと死闘を繰り広げた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 剣神の祝福を獲得し、職業が剣王へ解放された。「魔獣の殲滅者」の称号を得た。

ウルシ

フランの従魔であるダークネスウルフ。フランや師匠と連携し、高い機動力と闇魔術で敵を圧倒する。

・所属組織、地位や役職
 フランの従魔。
・物語内での具体的な行動や成果
 魔獣軍との戦闘ではクリムゾンウルフを激戦の末に撃破した。グリンゴートへ向かう別動隊を足止めするため、悪魔と単独で交戦した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 戦闘によってレベルが上昇した。悪魔の呪詛を受けて瀕死の重傷を負うが、謎の人物に救出された。

メア一行

メア

白い獣人の少女であり、戦闘を好む性格である。フランと模擬戦を行い、互いの実力を認め合うライバル関係となる。

・所属組織、地位や役職
 所属不明の獣人。クイナを従者とする。
・物語内での具体的な行動や成果
 蠍獅子の森でフランに獲物を横取りされたと抗議し、模擬戦を行った。後に赤竜リンドに乗って邪人軍との戦場へ駆けつけ、フランを援護した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 強力な鑑定遮断を持つ。別動隊の邪人を殲滅し、レベルを大幅に上げた。

クイナ

メアに仕える獣人の女性である。冷静な態度でメアを補佐し、高い戦闘力と隠密技術を持つ。

・所属組織、地位や役職
 灰族の達人女中。メアの従者。
・物語内での具体的な行動や成果
 模擬戦で熱くなったメアを水魔術で制止した。邪人軍との戦闘では幻像魔術で敵の目を欺き、ワルキューレに奇襲を仕掛けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 暗殺術や幻影魔術を高い水準で修めている。

リンド

メアの魔獣武器である「竜剣・リンド」に宿る竜魂である。メアの呼びかけに応じて顕現する。

・所属組織、地位や役職
 ドラゴンの竜魂。メアの契約獣。
・物語内での具体的な行動や成果
 模擬戦ではウルシと高速で空中戦を展開した。邪人軍との戦いでは大型化して現れ、広範囲の炎で敵を焼き払った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 メアのレベルアップに伴い、大型に成長した。

獣人国 王族・王城関係者

ネメア・ナラシンハ

獣人国の王女の姿をした人物である。ローズラクーンの町で大勢の護衛を伴って行動している。

・所属組織、地位や役職
 赤猫族の王女(影武者)。
・物語内での具体的な行動や成果
 多数の冒険者を護衛として雇い、南の町へ向けて角車で出発した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 鑑定偽装の指輪を装備しており、師匠から影武者であると推測された。

ネメアの護衛の冒険者たち

ネメアの護衛として雇われた冒険者である。緊急事態として急きょ集められた。

・所属組織、地位や役職
 ローズラクーンの冒険者。
・物語内での具体的な行動や成果
 角車に乗り込み、ネメアに同行して出発した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

侍女たち

ネメアの周囲に控える女性たちである。王女の世話を行っている。

・所属組織、地位や役職
 宮廷女中。
・物語内での具体的な行動や成果
 ネメアのそばに付き従い、馬車での移動に同行した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

キアラ

黒猫族の英雄であり、高齢ながら強い威圧感を放つ女性である。長年、黒猫族の進化の方法を探し求めていた。

・所属組織、地位や役職
 黒猫族の老女。獣王の師匠。
・物語内での具体的な行動や成果
 王城の自室でフランと面会し、黒猫族の進化条件を知って歓喜した。病み上がりにもかかわらず邪人狩りへ向かおうとしてミアに止められた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 かつて「闘神の寵愛」を所有していた。奴隷の身分であったが、国を動かすほどの影響力を持つ。

ミア

キアラの世話をする召使いの少女である。冷静な態度でキアラを制止する役割を担う。

・所属組織、地位や役職
 王宮の召使い。
・物語内での具体的な行動や成果
 邪人を狩りに行こうとするキアラを力ずくで取り押さえた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 進化しており、高い戦闘技能を持つ。

レイモンド

獣人国の宰相を務める初老の男性である。下級文官から引き上げられた優秀な人物で、腰が低い。

・所属組織、地位や役職
 獣人国の宰相。
・物語内での具体的な行動や成果
 獣王の指示に従い、フランに便宜を図るため面会した。神級鍛冶師への紹介状とシュワルツカッツェまでの地図を用意した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

王城の門番兵

王城の入り口を警備する兵士である。

・所属組織、地位や役職
 王城の門番兵。
・物語内での具体的な行動や成果
 グエンダルファから身分証を受け取り、魔道具で真贋を確認して通行を許可した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 獣王の印を見たことで態度をより丁寧にした。

王城の受付の兵士

王城の受付屋敷で取り次ぎを行う兵士である。

・所属組織、地位や役職
 王城の受付兵士。
・物語内での具体的な行動や成果
 グエンダルファの依頼を受け、キアラへの面会を取り次いだ。フランたちを個室へ案内した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

女官たち

王城内で来客の案内を行う女性たちである。

・所属組織、地位や役職
 王城の女官。
・物語内での具体的な行動や成果
 フランとグエンダルファを屋敷から王城の奥にあるキアラの部屋まで先導した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

冒険者ギルド・各都市関係者

角車組合の受付の女性

グレイシールの角車組合で働く女性である。丁寧な接客態度を持つ。

・所属組織、地位や役職
 角車組合支部の受付。
・物語内での具体的な行動や成果
 フランに角車の料金や王都までの経路を説明した。護衛依頼を受ける代わりに料金を割引する提案をした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 フランの冒険者ランクを確認して態度を改めた。

鹿系獣人の御者

角車を操縦する獣人の男性である。視力が良い。

・所属組織、地位や役職
 角車の御者。
・物語内での具体的な行動や成果
 街道でヴェノム・ドッグの群れを発見し、悲鳴を上げた。フランが魔獣を瞬殺する光景を目撃した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

角車の乗客たち

フランと同じ角車に乗り合わせた獣人の乗客である。高齢の獣人が多い。

・所属組織、地位や役職
 角車の乗客。
・物語内での具体的な行動や成果
 進化した黒猫族であるフランに敬意を払い、食べ物を差し出した。魔獣の群れが現れた際はフランに助けを求めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

アルジェントラパンの冒険者ギルドの受付嬢

アルジェントラパンの冒険者ギルドで対応した女性職員である。

・所属組織、地位や役職
 冒険者ギルドの受付嬢。
・物語内での具体的な行動や成果
 フランが倒したヴェノム・ドッグの素材を買い取った。王都への抜け道に関する情報を提供した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ランクEパーティの冒険者

アルジェントラパンのギルドでフランに声をかけた人間の男性である。

・所属組織、地位や役職
 ランクEパーティの冒険者。
・物語内での具体的な行動や成果
 フランに蠍獅子の森を抜けるためのパーティ同行を提案した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 出発時期が合わなかったためフランに断られた。

ローズラクーンの冒険者ギルドの受付のおっさん

ローズラクーンのギルドで働くねじり鉢巻きの男性である。威勢の良い口調で話す。

・所属組織、地位や役職
 冒険者ギルドの受付。
・物語内での具体的な行動や成果
 フランを歓迎し、町の護衛や角車が不足している事情を説明した。ギルドマスターからの呼び出しを伝えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

エルミュート

ローズラクーンの冒険者ギルドマスターである。風霊狸の獣人で軽薄な態度をとる。

・所属組織、地位や役職
 冒険者ギルドマスター。
・物語内での具体的な行動や成果
 王女が影武者である事情を説明し、王都のギルドへ手紙を届ける依頼をフランに託した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 フランに腹を殴られた。

六本髭のメンバー

猫系獣人だけで構成されたパーティの冒険者たちである。赤猫族や青猫族が含まれる。

・所属組織、地位や役職
 冒険者パーティ「六本髭」。
・物語内での具体的な行動や成果
 王都の門前でフランに声をかけ、黒猫族の進化について質問した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

グエンダルファ

白犀族の長子であり、ゴドダルファの甥である。大柄で脳筋な性格を持つ。

・所属組織、地位や役職
 白犀族の族長の息子。冒険者。
・物語内での具体的な行動や成果
 王都の門前でフランを挑発し、一撃で気絶させられた。翌日、態度を改めて謝罪し、フランを王城まで案内した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ブラスに説教され、フランの役に立とうと決意した。

ブラス

王都の門の衛兵を務める牛の獣人である。グエンダルファの兄貴分である。

・所属組織、地位や役職
 王都の門の衛兵。
・物語内での具体的な行動や成果
 気絶したグエンダルファを担いで連行した。フランの強さを認め、問題行動を不問にした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

王都ベスティアの冒険者ギルドの受付嬢

王都のギルドでフランを出迎えた女性である。

・所属組織、地位や役職
 冒険者ギルドの受付嬢。
・物語内での具体的な行動や成果
 事前の連絡を受けており、フランをギルドマスターの執務室へ案内した。翌朝はグエンダルファを取り次いだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

メーロス

王都ベスティアのギルドマスターを務める狐の獣人である。好々爺とした雰囲気だが鋭い目を持つ。

・所属組織、地位や役職
 冒険者ギルドマスター。
・物語内での具体的な行動や成果
 フランから手紙を受け取り、それが暗号による機密連絡とフランの信頼度を測る試験であったと明かした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

グリンゴート関係者

マルマーノ

翠山羊族の領主である。大柄な武人で、領主としての責任感が強い。

・所属組織、地位や役職
 グリンゴートの領主。
・物語内での具体的な行動や成果
 フランからの暗殺未遂報告を受け、捜査を命じた。魔獣軍の接近を知ると、援軍を待ちながら都市に籠城する決断を下した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 北部の村を見捨てる決断に苦渋の表情を見せた。

鼠族の兵士長

グリンゴートの兵士長を務める鼠族の男性である。誠実な態度で対応する。

・所属組織、地位や役職
 グリンゴートの兵士長。
・物語内での具体的な行動や成果
 襲撃者を牢に収容し、フランから事情を聴取した。領主に状況を報告した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

グリンゴートの門番兵たち

グリンゴートの入り口を警備する兵士たちである。

・所属組織、地位や役職
 グリンゴートの門番兵。
・物語内での具体的な行動や成果
 襲撃者を連れて戻ってきたフランに驚き、応援を呼んで対応した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

グリンゴートの兵士たち

グリンゴートの治安を維持する兵士である。

・所属組織、地位や役職
 グリンゴートの兵士。
・物語内での具体的な行動や成果
 兵士長の指示で襲撃者を連行し、フランが襲われた現場へ向かった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

グリンゴートの領主の館の兵士たち

マルマーノの館を警備する兵士たちである。

・所属組織、地位や役職
 領主の館の兵士。
・物語内での具体的な行動や成果
 空から降ってきたフランに驚きながらも、領主への取り次ぎを行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

グリンゴートの冒険者ギルドの受付嬢

グリンゴートの冒険者ギルドで対応した女性職員である。

・所属組織、地位や役職
 冒険者ギルドの受付嬢。
・物語内での具体的な行動や成果
 フランの要請を受け、即座にギルドマスターへ案内した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

グリンゴートのギルドマスター

グリンゴートのギルドを取り仕切る老齢の魔術師である。

・所属組織、地位や役職
 冒険者ギルドマスター。
・物語内での具体的な行動や成果
 フランから魔獣軍の報告を受け、冒険者の招集を約束した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

シュワルツカッツェ(黒猫族の村)

黒猫族の村長

シュワルツカッツェをまとめる腰の曲がった老人である。フランを強く崇拝している。

・所属組織、地位や役職
 黒猫族の村長。
・物語内での具体的な行動や成果
 フランを自宅へ案内し、村人たちへ歴史の真実を説いて進化を目指す決意を促した。魔獣軍の接近を知り、村の避難を指揮した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

サリューシャ

シュワルツカッツェに住む黒猫族の少女である。同族の卑屈な態度に不満を抱いている。

・所属組織、地位や役職
 黒猫族の村人。
・物語内での具体的な行動や成果
 ゴブリン討伐の際、村人で最初に前に出て武器を振るった。避難時には村人たちと共に南へ向かった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

柴刈りをしていた黒猫族の男性たち

村の近くで柴刈りをしていた黒猫族である。

・所属組織、地位や役職
 黒猫族の村人。
・物語内での具体的な行動や成果
 ウルシを見て逃げ出したが、フランが進化した同胞だと知って歓喜し、村まで案内した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

シュワルツカッツェの黒猫族の村人たち

シュワルツカッツェに暮らす人々である。戦いを諦めていたが、フランに触発されて希望を抱く。

・所属組織、地位や役職
 黒猫族の村人。
・物語内での具体的な行動や成果
 フランの指導でゴブリンを倒し、魔術や剣の修行を始めた。魔獣軍の接近に伴い、グリンゴートへ向けて避難を開始した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

赤犬族の兵士

シュワルツカッツェに駐在する兵士である。

・所属組織、地位や役職
 獣人国の兵士。
・物語内での具体的な行動や成果
 フランをゴブリンが出現した場所へ案内した。魔獣軍の知らせを受け、周辺の村へ早馬を走らせた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

獣人国軍(白犀族)

リグダルファ

白犀族の族長代理を務める指揮官である。

・所属組織、地位や役職
 白犀族の族長代理。臨時将軍。
・物語内での具体的な行動や成果
 バシャール軍との戦闘において、敵の動きに奇妙な点があると感じ、攻勢に出ることを決断した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ファーデルト

白犀族の副族長を務める人物である。リグダルファを補佐する。

・所属組織、地位や役職
 白犀族の副族長。
・物語内での具体的な行動や成果
 リグダルファの指示を受け、突撃の準備を整えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

白犀族の兵士たち

リグダルファに従う白犀族の兵士である。

・所属組織、地位や役職
 白犀族の部隊。
・物語内での具体的な行動や成果
 バシャール軍への突撃準備を完了した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

バシャール王国・襲撃者

ゲンロ

バシャール王国から送り込まれた凄腕の暗殺者である。

・所属組織、地位や役職
 バシャール王国の暗殺者。
・物語内での具体的な行動や成果
 ローズラクーンでネメア王女を狙って潜伏していたが、師匠に捕縛された。自害を防がれて尋問された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 衛兵に引き渡された。

バシャール王国の王

獣人国への侵攻を企てる指導者である。邪神の勢力と結託している。

・所属組織、地位や役職
 バシャール王国の国王。
・物語内での具体的な行動や成果
 獣人国南部で戦線を維持して目を引きつけるよう将軍に命じた。北部の作戦のためなら犠牲を厭わない姿勢を見せた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

征獣軍の将軍

獣人国への侵攻軍を指揮する将軍である。

・所属組織、地位や役職
 バシャール王国征獣軍の将軍。
・物語内での具体的な行動や成果
 遠話の魔道具で国王に戦況を報告し、戦線の維持が困難だと伝えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

街道を監視していた男たち

グリンゴートの周辺でフランを待ち伏せしていた男たちである。

・所属組織、地位や役職
 雇われたならず者。
・物語内での具体的な行動や成果
 フランの行動を監視し、仲間に連絡を送った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

フランを襲撃した男たち

何者かに雇われてフランの命を狙った五人の男たちである。

・所属組織、地位や役職
 雇われたならず者。
・物語内での具体的な行動や成果
 バシャール製の毒霧の魔道具を使ってフランを殺そうとしたが、ウルシに反撃されて三人が死亡した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 生き残った二人は衛兵に引き渡された。

魔獣・邪人の軍勢

ヴェノム・ドッグの群れ

毒牙を持つ犬型の魔獣の群れである。

・所属組織、地位や役職
 魔獣。
・物語内での具体的な行動や成果
 角車を襲おうとしたが、フランが投擲した師匠によって一瞬で全滅させられた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 死体は冒険者ギルドで売却された。

マンティコア

蠍の尾を持つ獅子の姿をした魔獣である。

・所属組織、地位や役職
 魔境に生息する魔獣。
・物語内での具体的な行動や成果
 メアたちから逃げてきたところを、フランと師匠の雷鳴魔術によって討伐された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 素材はメアたちに譲られた。

ゴブリンの群れ

シュワルツカッツェの近郊に現れた小鬼の魔獣である。

・所属組織、地位や役職
 魔獣。
・物語内での具体的な行動や成果
 傭兵団から奪ったと思われる鉄製の武具で武装していた。フランに倒され、生き残りは巣へ逃げ帰った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ゴブリン・キング

ゴブリンの群れを統率する上位個体である。

・所属組織、地位や役職
 魔獣。群れのボス。
・物語内での具体的な行動や成果
 逃げ帰った仲間からの報告を受け、部隊を動かそうとしたが、師匠の雷鳴魔術の檻に閉じ込められて殲滅された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

チキンディアー

臆病で逃げ足が速い鹿型の魔獣である。

・所属組織、地位や役職
 魔獣。
・物語内での具体的な行動や成果
 ウルシに追いつかれて仕留められた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 肉は黒猫族の宴で振る舞われた。

魔獣の軍勢

北の荒野からグリンゴートへ向けて南下する万を超える大群である。

・所属組織、地位や役職
 何者かに統制された軍勢。
・物語内での具体的な行動や成果
 声も上げずに行軍していたが、フランたちの先制攻撃を受けて混乱した。隘路に殺到し、多数が討ち取られた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ゾンビ兵

ウルシの死霊魔術によって死体から作り出された操り人形である。

・所属組織、地位や役職
 魔獣軍を足止めするための囮。
・物語内での具体的な行動や成果
 偽の砦に配置され、魔獣軍の警戒を引きつけて進軍を遅らせた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

グラファイトヒュドラ

黒光りする鱗と多頭を持つ巨大な蛇の魔獣である。

・所属組織、地位や役職
 脅威度Cの大魔獣。
・物語内での具体的な行動や成果
 魔獣軍の先鋒としてフランたちに立ち塞がったが、師匠のカンナカムイで跡形もなく消滅した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

クリムゾンウルフ

深紅の毛並みを持ち、火炎魔術を操る狼の魔獣である。

・所属組織、地位や役職
 脅威度Cの大魔獣。
・物語内での具体的な行動や成果
 ウルシと激しい戦いを繰り広げたが、死毒魔術で弱らされ、喉を食いちぎられて敗北した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

スティール・タイタンベア

鋼鉄のように硬い皮膚を持つ巨熊の魔獣である。

・所属組織、地位や役職
 脅威度Cの大魔獣。
・物語内での具体的な行動や成果
 フランを囲んでいたが、師匠の念動カタパルトによる奇襲を受け、魔石を砕かれて死亡した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

アダマス・ビートル

硬い甲殻と魔術耐性を持つ巨大な蟲の魔獣である。

・所属組織、地位や役職
 脅威度Cの大魔獣。
・物語内での具体的な行動や成果
 悪魔の幻像魔術に隠れて突進し、フランに重傷を負わせた。師匠に突進を逸らされ、念動カタパルトで討伐された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

悪魔男爵

漆黒の皮膚を持つ人型の魔獣で、高度な魔術を操る。

・所属組織、地位や役職
 脅威度Cの大魔獣。
・物語内での具体的な行動や成果
 幻像魔術で味方の気配を偽装してフランを苦しめたが、仕掛けを見破られ、閃華迅雷による一撃で両断された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ワルキューレ・キリングアーチャー

邪人軍を率いる金髪の戦乙女である。ミューレリアの配下を名乗る。

・所属組織、地位や役職
 邪人軍の指揮官。脅威度B。
・物語内での具体的な行動や成果
 称号の効果で軍勢の気配を隠し、神速の矢でフランを追い詰めた。クイナの奇襲で心臓を潰されたが、ダメージを配下に移して生き延びた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

デュラハン

ワルキューレの傍らに控える無貌の騎士である。極めて高い防御力を持つ。

・所属組織、地位や役職
 邪人軍の指揮官。
・物語内での具体的な行動や成果
 師匠のカンナカムイを盾で防ぎ、瞬間再生で回復した。ワルキューレを守るためフランの攻撃を受け止めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

邪人の軍隊

ワルキューレに率いられた白銀の武装を持つ精鋭部隊である。

・所属組織、地位や役職
 ミューレリアの配下。
・物語内での具体的な行動や成果
 統率された連携と自己犠牲の戦法でフランを包囲し、ダメージの肩代わりを利用して戦線を維持した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

悪魔

別動隊を率いる指揮官である。グリンゴートの陥落を狙る。

・所属組織、地位や役職
 別動隊の指揮官。
・物語内での具体的な行動や成果
 生命力を魔力に変換してウルシに必殺の呪詛を放ったが、反撃を受けて噛み砕かれた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

別動隊の邪人たち

悪魔に率いられてグリンゴートを目指した部隊である。

・所属組織、地位や役職
 別動隊の兵士。
・物語内での具体的な行動や成果
 ウルシを足止めするために自爆攻撃を行った。ウルシが倒れた後に接近したが、謎の人物に蹴散らされた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

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展開まとめ

第一章 鮮烈なる出会い 

蠍獅子の森とメアとの出会い

王都への経路

獣人国に到着した翌日、フランたちは王都ベスティアにいる黒猫族キアラを訪ねるため、角車組合へ向かった。王都へは蠍獅子の森を迂回する必要があり、角車でも十日かかると知らされた。

アルジェントラパン行き

フランたちは蠍獅子の森の手前にある町アルジェントラパンまで角車で進み、そこから森を抜けることにした。国内の兵士が国境へ集められ、護衛不足となっていたため、フランは割引と引き換えに角車の護衛依頼を受けた。

バシャール王国との緊張

隣国バシャール王国は、獣人国を追われた人間が築いた国であり、長く獣人へ敵対的であった。現在は表立った戦争を避けていたが、国境付近へ大軍を集めており、獣人国も警戒を強めていた。

角車の乗客たち

角車では、進化した黒猫族であるフランが年配の獣人たちから敬われた。老人たちは菓子やパンを差し出し、子供たちもフランを英雄のように見つめた。

ヴェノム・ドッグの群れ

道中で毒牙を持つヴェノム・ドッグの群れが現れた。フランは乗客たちを安心させ、師匠を投擲して魔石を次々に貫かせ、角車の速度を落とさずに全滅させた。

弟子としての記憶

アルジェントラパンへ到着すると、乗客たちはフランへ感謝を伝えた。多くの敬意を向けられ続けたフランは疲れを見せたが、黒猫族の地位を高めるためには慣れる必要があると受け入れた。

ヴェノム・ドッグの売却

アルジェントラパンの冒険者ギルドで、フランはヴェノム・ドッグの死体を売却した。一撃で群れを倒した痕跡と次元収納を目にした冒険者たちは、フランの実力を認識した。

蠍獅子の森の抜け道

ギルドでは、森が細くなった抜け道を使えば一日ほどで反対側の町ローズラクーンへ到着できると教えられた。マンティコアとの遭遇率は低く、フランは同行者を募集せず、その日のうちに森へ向かった。

傷ついたマンティコア

森では、全身に傷を負い、毒針のある尾を失ったマンティコアが現れた。フランが攻撃を引き受け、師匠が雷鳴魔術を連続で放つことで、魔石を壊さずに仕留めた。

白い少女メア

マンティコアを倒した直後、白い髪と獣耳を持つ少女メアが現れ、自分の獲物を奪われたと抗議した。メアは進化した獣人であったが、強力な鑑定遮断によって種族や能力は分からなかった。

達人女中クイナ

メアを追って現れたのは、メイド姿の獣人クイナであった。クイナは進化した灰族で、幻影魔術や暗殺術、治癒魔術などを高い水準で修めた実力者だった。

横取りへの抗議

メアはマンティコアを追い詰め、倒して経験を得るつもりだったため、フランに獲物を奪われたことを不満に思っていた。フランは素材を譲ると申し出たが、メアは経験を失ったことが問題だとして納得しなかった。

模擬戦の約束

フランが逃がした側にも責任があると指摘すると、メアは反論できなかった。その代わりに模擬戦を要求し、戦い好きのフランも喜んで受け入れた。

森を抜けた四人

フランたちは魔獣を倒しながら蠍獅子の森を進んだ。フランとメアは料理や食べ物について語り合い、競うように魔獣を仕留めながら、短時間で森を抜けた。

竜剣リンド

平原へ移動したメアは、竜剣リンドを抜いて竜魂を召喚した。小型の赤い竜リンドは火炎を操る力を持ち、ウルシの相手を務めることになった。

フランとメアの剣戟

模擬戦では、フランとメアが剣と魔術を交えて激しく打ち合った。剣技と速度ではフランが優位に立ったが、メアも高い腕力と火炎魔術で応戦し、互いに戦いを楽しんだ。

ウルシとリンド

ウルシとリンドは高速で空を駆けながら戦った。リンドは炎を噴射して瞬間的にウルシを上回る速度を見せたが、回避力や回復力ではウルシが優勢だった。

クイナの制止

追い詰められたメアは、覚醒に似た強力な力を使おうとした。しかしクイナが背後から水を浴びせ、模擬戦で本気を出し過ぎたメアを制止したため、勝負は決着前に終了した。

新しい友人

フランとメアは互いの強さを認め、握手を交わした。共に旅をすることも提案し合ったが、それぞれ向かう場所と事情が異なっていたため、再戦を約束して別れた。

ローズラクーンへの道

フランは同年代で互角に近い戦いができるメアとの出会いから刺激を受けた。ウルシと競うように平原を駆けながら、次の目的地ローズラクーンへ向かった。

第二章 黒猫族の英雄  

ローズラクーンから王都ベスティアへ

影武者の王女

ローズラクーンの門前では、多数の冒険者がネメア王女の護衛として南へ向かう準備をしていた。フランは挨拶を交わしたが、師匠は鑑定結果の不自然さから、彼女が王女に扮した影武者である可能性に気づいた。混乱を避けるため、正体には触れずに見送った。

暗殺者ゲンロ

町中で隠密行動を取る男の気配を察したフランに代わり、師匠が正体を探った。男はバシャール王国の暗殺者ゲンロであり、ネメア王女を狙っていた。師匠は自害を防ぎながら尋問し、目的を確認した後、衛兵へ身柄を引き渡した。

手紙の配達依頼

ローズラクーンのギルドマスター・エルミュートは、王都のギルドへ手紙を届けるようフランに依頼した。影武者とは別に本物のネメア王女が行動しており、その護衛強化を知らせる重要な内容であった。フランは依頼を受け、ウルシに乗って即日王都へ向かった。

王都ベスティア

ウルシは馬車で五日以上かかる道を八時間で走破し、夜の王都ベスティアへ到着した。城壁と王城の巨大さに目を奪われながら、フランたちは入都を待つ列に並んだ。

猫族の冒険者たち

門前では、猫系獣人だけで組まれた六本髭の一行がフランへ声をかけた。青猫族を含む彼らは黒猫族を侮らず、進化したフランへ敬意を示した。フランは黒猫族の進化条件を伝え、事実を広めた。

グエンダルファの挑発

白犀族のグエンダルファは、伯父ゴドダルファを腰抜けと罵り、彼に勝ったフランを倒そうと挑発した。ゴドダルファを勇敢な戦士と認めていたフランは怒り、覚醒と閃華迅雷を発動して一撃でグエンダルファを吹き飛ばした。

伯父への反発

衛兵の説明により、グエンダルファは幼い頃からゴドダルファを慕い、族長になる彼を支えるつもりであったと分かった。ゴドダルファが族長の座を弟へ譲って獣王に仕えたため、裏切られたと思い込んでいたのである。

王都ギルドの試験

王都のギルドマスター・メーロスは手紙を受け取り、重要な連絡を魔道具ではなく暗号入りの書面で送る理由を説明した。遠距離通話はバシャール王国に盗聴される恐れがあり、手紙には本物の王女の行き先も記されていた。

信頼の確認

メーロスは手紙の配達に別の目的もあったと認めた。国内で実績のない強大なフランが、依頼を守って手紙を届ける信頼できる冒険者か確かめていたのである。フランは獣人国の冒険者ギルドから信用を得た。

案内役グエンダルファ

翌朝、グエンダルファは前日の態度を謝罪し、王都でフランの役に立ちたいと申し出た。兄貴分のブラスに叱られ、自分の未熟さを認めたのである。フランは謝罪を受け入れ、王城への案内を任せた。

黒い王城

グエンダルファの案内で、フランは堅牢な黒い王城へ入った。獣王の印が入った身分証によって丁重に迎えられ、城内の奥深くにあるキアラの居室へ通された。

黒猫族キアラ

病床にいたキアラは、白髪で痩せていながらも鋭い眼光と強い威圧感を保っていた。フランが黒猫族だと名乗ると、その体を強く抱きしめ、長年追い求めた進化が幻ではなかったことに深く感動した。

ルミナとの過去

キアラはかつてルミナと出会い、黒猫族の進化を助けてもらおうとした過去を語った。ルミナは自ら邪人となり、キアラに倒されることで進化させようとしたが、キアラは彼女を犠牲にできず止めていた。

進化条件の伝達

キアラは古い羊皮紙から、強力な邪人を倒せば黒猫族の呪いが解ける可能性を推測していた。しかし確証がなく、誰にも伝えていなかった。フランは邪人千体か脅威度A以上の邪人一体という個人の進化条件を詳しく教えた。

邪人狩りへの決意

進化方法を知ったキアラは歓喜し、病み上がりにもかかわらず剣を求めて邪人狩りへ向かおうとした。召使いのミアとグエンダルファは、二十日近く生死の境をさまよっていた彼女を必死に止めた。

闘神の寵愛

キアラは七歳から闘神の寵愛を持ち、命懸けの戦いを続けることで高い能力を得ていた。一か月ごとに危険な戦いを経験しなければ失われる力であり、十年前の療養によって手放していたが、それでも長年鍛えた実力を残していた。

黒猫族の村

キアラは解放された黒猫族が暮らす村シュワルツカッツェへ向かい、進化条件を広めようとした。フランも村に関心を示し、宰相レイモンドから地図を用意してもらうことになった。

神級鍛冶師への紹介状

レイモンドは、獣王からフランに便宜を図るよう命じられていた。フランは神級鍛冶師への紹介状と、シュワルツカッツェまでの地図を受け取った。

キアラとの約束

フランとキアラは戦いや旅について語り合い、互いに親しみを深めた。キアラは再訪を求め、フランも無理をして死なないよう伝えて別れを告げた。

グリンゴートへの出発

フランは王都への滞在を続けず、黒猫族の村を目指して出発した。まずは複数の街道が交わる商業都市グリンゴートへ向かい、その先のシュワルツカッツェと神級鍛冶師の庵を目指すことになった。

第三章 黒猫の住処 

シュワルツカッツェの希望と北部の陰謀

グリンゴートの平穏

王都を出発したフランたちは、商業都市グリンゴートへ到着した。町では何の騒動も起きず、宿泊や素材の売却も滞りなく終わった。

街道の襲撃者

翌朝、町を出たフランたちは、街道を監視していた男たちと、その連絡を受けて追ってきた五人組に襲われた。男たちは獣人を憎む人間であり、正体不明の依頼人からフランを殺すよう雇われていた。

毒霧の失敗

襲撃者たちは毒霧を発生させる魔道具を使ったが、師匠はフランを転移させ、毒の効かないウルシが男たちを制圧した。生き残った二人は、自分たちが使い捨ての駒として利用されていたことしか知らなかった。

バシャール製の魔道具

フランは生存者をグリンゴートへ連れ戻し、兵士へ引き渡した。毒霧の魔道具はバシャール王国製と見られ、領主マルマーノはフランへの暗殺未遂として捜査を命じた。

追跡への警戒

フランたちは進路を悟られないよう東へ迂回し、森林で転移と隠密を使って追跡者を撒いた。その後、北へ進路を戻し、シュワルツカッツェへ向かった。

黒猫族との遭遇

村へ続く道で、フランは薪を運ぶ黒猫族の男たちを見つけた。彼らはウルシを恐れて逃げたが、進化した同族であるフランを見ると涙を流して喜び、黒雷姫として敬った。

シュワルツカッツェ

案内された村には約三〇〇人が暮らし、その大半が黒猫族であった。村人たちはフランの姿を前に膝をつき、黒猫族が進化できる事実を示す存在として崇拝した。

村長の願い

村長は若者たちに進化への明確な目標を持たせるため、フランの力を見せてほしいと頼んだ。フランは村の困り事を助けるつもりで、その願いを引き受けた。

ゴブリンの出現

村の近くに二〇匹以上のゴブリンが現れた。黒猫族にとっては重大な脅威であったが、フランは進化した力を示す好機と考え、若者たちを連れて討伐へ向かった。

黒雷姫の実演

フランは覚醒と閃華迅雷を発動し、剣技と魔術を派手に使いながらゴブリンを圧倒した。残った敵には麻痺だけを与え、黒猫族の若者たちに止めを刺させることにした。

初めての戦い

黒猫族の多くは武器を振るうことさえ恐れたが、少女サリューシャが最初に前へ出た。フランは怯える若者たちを厳しく促し、剣の振り方を教えながら全員にゴブリンを倒させた。

芽生えた自信

実際に敵を倒した若者たちは、自分たちにも戦える可能性があると知った。フランは未熟さを指摘しながらも、鍛錬を続ければゴブリン程度には負けなくなると励ました。

武具の贈与

村へ戻ったフランは、ゴブリンから得た武具と、これまで集めていた大量の装備を村へ譲った。村長は若者たちの訓練に使うと喜び、村ではフランの歓迎会が開かれた。

同胞との宴

フランは食材を提供し、黒猫族に伝わる煮込み料理を味わった。宴では村人たちが感謝を伝え、フランも大勢の同胞が笑い合う光景を心から楽しんだ。

進化への長い道

翌日、フランは村の若者たちが長年の諦めによって戦う意志を失っている現状を知った。それでも、すぐに変化を求めず、何年、何十年後かに進化する者が現れればよいと考えた。

魔術修行の伝授

フランは黒天虎への進化に必要な雷鳴魔術へ繋げるため、火魔術と風魔術を中心とした修行法を村人へ教えた。厳しい内容であったが、村人たちはフランの言葉を信じて訓練を始めた。

魔力の感覚

師匠とフランは、村人たちの体内魔力を動かし、魔力を感じる感覚を一人ずつ教えた。さらに剣の握り方や振り方も伝え、若者たちの鍛錬を後押しした。

二度目のゴブリン

翌日、同じ場所に再び武装したゴブリンが現れた。普段は邪人がほとんど出ない土地で連日の出没が続いたため、フランは大きな群れや巣が存在すると考えた。

ゴブリンの追跡

フランは十匹のうち七匹を倒し、三匹を意図的に逃がした。後を追うと、逃げたゴブリンたちは統率された動きで、一〇〇匹ほどの本隊へ戻っていった。

ゴブリン・キング

本隊には上位種やゴブリン・キングが存在し、全員が同じような装備を身につけていた。フランたちは雷の壁で群れを囲み、逃げ場を奪って一斉に殲滅した。

レベル七四

大量のゴブリンを倒したことで、フランのレベルは七四へ上がった。進化によって上限を超えて成長できることが、改めて確認された。

南部戦線の陽動

その頃、バシャール王国では獣人国との戦争が進められていた。獣人側の抵抗は想定以上に強かったが、王は撤退を許さず、南部戦線へ注意を引きつけ続けるよう命じた。

北部の計画

バシャール王は、獣王が国外にいる今こそ好機だと考えていた。真の狙いは北部にあり、その作戦のためならあらゆる犠牲を認め、邪神に関わる勢力と手を結んでいた。

第四章 北から迫りくる脅威 

黒猫村の避難と魔獣軍への迎撃

消えたゴブリンの巣

フランたちはゴブリンの本隊を殲滅した後、周辺を捜索したが、他の部隊や巣穴は見つからなかった。統率された大集団でありながら拠点が存在しないことに違和感を抱きつつ、途中で仕留めたチキンディアーを土産にシュワルツカッツェへ戻った。

村への贈り物

フランはチキンディアーの肉や角、ゴブリンたちの装備を村へ譲った。ゴブリン・キングの武具は、将来それに相応しい実力を得た者へ渡すよう村長に託した。

姫様の宴

村では再び宴が開かれ、フランはいつしか姫様と呼ばれるようになっていた。村人たちは修行や将来について語り合い、フランが仕留めたチキンディアーを皆で味わった。

村の鍛冶場

村には鍛冶師が不在で、譲られた武具を修理できないと判明した。フランと師匠は使われていない鍛冶場を借り、壊れた装備を修復することにした。

武具の再生

師匠は廃品を鋳潰して素材へ戻し、フランと共に剣や防具の補修を進めた。鋳造によって初心者向けの剣を量産し、鍛造や魔獣の骨を混ぜた加工も試して、魔力を帯びた低品質魔鋼の剣を作り上げた。

村の貧しさ

昼食の習慣がなく、村が一日二食で暮らしていることから、フランたちは生活の厳しさを知った。師匠は用事を終えた後に再訪し、作物の種や苗を持ち込もうと考えた。

冒険の語り

夜にはフランが村人たちへ、リッチとの戦いや武闘大会、リヴァイアサンとの遭遇を語った。村人たちは自分たちが冒険したかのように緊張しながら、その話へ聞き入った。

黒猫族の罪

フランは黒猫族の王家が邪神の力を求め、神罰によって進化を封じられた歴史も伝えた。邪人を倒すことが、過去の罪を償いながら進化への道を開く行為だと説明した。

償いへの決意

村長は、黒猫族が力と尊厳を取り戻すため、村全体で罪を償う道を進むと宣言した。村人たちも進化を目指す者、鍛錬を支える者、それぞれの立場から協力すると決意した。

翌日の旅立ち

居心地の良い村に留まれば旅を続けられなくなると考え、フランは翌日に出発すると決めた。その夜は村での出来事を師匠へ繰り返し語り、同胞との記憶を自分の中へ刻み込んだ。

夜中の違和感

深夜、フランとウルシは同時に目を覚まし、正体の分からない異変を感じ取った。村や周辺を調べても異常は見つからなかったため、二人は空から広範囲を確認することにした。

荒野を埋める軍勢

北方へ進んだフランたちは、荒野を埋め尽くす一万を超える魔獣の軍勢を発見した。魔獣たちは声も上げず、統率された行軍を続けながら、シュワルツカッツェへ向かっていた。

村の避難

フランは村へ戻り、村長へ軍勢の接近を知らせた。黒猫族たちは長年の放浪や避難訓練によって逃げる準備に慣れており、必要最低限の荷物をまとめて迅速に避難を始めた。

グリンゴートへの急行

周辺の村や都市へ警告するため、フランはウルシに乗ってグリンゴートへ向かった。ウルシは限界を超えて走り続け、四時間以上かかる道を約一時間で走破した。

領主マルマーノの判断

フランは領主マルマーノへ魔獣軍の接近を報告し、軍の出動を求めた。しかしバシャール王国との戦争が始まり、兵力の半数以上が南西の国境へ送られていたため、野戦に出せる余裕はなかった。

北部の切り捨て

マルマーノは援軍が到着するまでグリンゴートへ籠城し、避難民を守るしかないと判断した。北部の村々を救いたい思いを抱きながらも、領主として都市の防衛を優先せざるを得なかった。

同胞を守る選択

マルマーノはフランに都市へ残るよう頼んだが、フランは黒猫族を見捨てられないと拒んだ。マルマーノは自ら動けないことを詫び、北部の人々を託して深く頭を下げた。

冒険者への招集

フランは冒険者ギルドにも協力を求めた。ギルドマスターは招集を約束したが、多くの獣人冒険者が自主的に南部戦線へ向かっており、都市防衛に必要な人数しか集まらない可能性を告げた。

師匠の恐怖

援軍が期待できないと分かり、師匠はフランだけでも逃がしたいと願った。だがフランは仲間を救う決意を変えず、師匠も彼女の剣として全力で支える覚悟を固めた。

避難民との別れ

帰路でフランは避難中の黒猫族たちに追いついた。村人たちは武具を身につけ、子供や老人を守りながら南へ進んでいた。フランが戦いへ戻ることを理解し、再会を信じて笑顔で見送った。

無人のシュワルツカッツェ

無人となった村を見下ろしたフランは、同胞たちの笑顔を取り戻すと誓った。そのまま北へ向かい、魔獣軍を食い止めるための作戦を考え始めた。

偽りの砦

フランたちは森林地帯に石壁を組み合わせた見せかけの砦を築いた。さらに死体を死霊魔術でゾンビ兵へ変え、遠目には守備隊がいるよう偽装して、魔獣軍の警戒と足止めを狙った。

先制攻撃の準備

身体強化や魔術の準備を済ませたフラン、師匠、ウルシは、高空から魔獣軍へ接近した。長期戦を見越して閃華迅雷は温存し、敵の出端を挫くための大規模な先制攻撃を開始しようとした。

第五章 魔獣の軍勢 

魔獣軍との死闘と邪人本隊の出現

雷撃による開戦

フラン、師匠、ウルシは雷鳴魔術と毒霧を一斉に放ち、魔獣軍の先鋒へ大打撃を与えた。巨大な岩塊や可燃物も上空から落とし、軍勢を混乱させて進軍を鈍らせた。

先鋒への突入

フランたちは魔獣軍の正面へ降り立ち、威圧によって先頭集団を怯ませた。フランは雑魚を次々に斬り倒し、師匠は広範囲魔術、ウルシは毒と奇襲を使って敵を足止めした。

上位魔獣の投入

数百匹を倒すと、脅威度DからE級の大型魔獣が五十体以上現れた。フランたちは包囲と遠距離攻撃に耐えながら戦い続け、敵の数を減らしたが、体力と魔力も大きく消耗した。

五体の大魔獣

軍勢は戦い方を変え、脅威度Cのグラファイトヒュドラ、クリムゾンウルフ、スティール・タイタンベア、アダマス・ビートル、悪魔男爵を投入した。他の魔獣たちは五体にフランを任せ、進軍を再開しようとした。

二体の瞬殺

師匠はカンナカムイでグラファイトヒュドラを消滅させ、続けて念動カタパルトでスティール・タイタンベアの魔石を破壊した。予想外の攻撃によって、残る魔獣たちは強く警戒した。

分断された戦場

ウルシはクリムゾンウルフを引き受け、フランと師匠は悪魔男爵とアダマス・ビートルに対峙した。悪魔と巨蟲は高速飛行と連携を駆使し、互いの隙を補いながら攻撃した。

瀕死の重傷

アダマス・ビートルの突進は突然現れたように見え、フランの障壁を破って腹部を抉り、手足を折った。フランは瞬間再生で致命傷を治したが、大量の魔力を失った。

幻像魔術の正体

悪魔男爵の攻撃や巨蟲の突進が見切れなかった原因は、幻像魔術による視覚、音、気配の偽装であった。五感に依存しない師匠は仕組みを見抜き、以後は偽装された攻撃を防いだ。

悪魔男爵の撃破

師匠がアダマス・ビートルの突進を逸らして悪魔へ向かわせ、その隙にフランが閃華迅雷で悪魔男爵を両断した。続けて巨蟲の最後の突進も退け、念動カタパルトで仕留めた。

ウルシの勝利

ウルシは火力と体力で勝るクリムゾンウルフを毒で弱らせ、闇魔術で動きを封じて喉を食いちぎった。自身も片目を失う重傷を負ったが、上級ポーションによって回復した。

師匠の自己進化

クリムゾンウルフの魔石を吸収したことで、師匠は自己進化ランク十四へ到達し、魔力と耐久力を全回復した。フランとウルシもレベルが三上がり、フランは魔獣の殲滅者の称号を得た。

南部戦線の違和感

南部では白犀族のリグダルファが、バシャール軍の動きに不自然さを感じていた。敵は迅速に展開しながら獣人国内へ深く攻め込まず、国境で戦線を膠着させ、何かを待っているように見えた。

新たな吸収能力

師匠は自己進化ポイントを使い、魔力操作を魔力制御へ進化させた。さらに魔力吸収と生命吸収を最大まで高め、離れた範囲から無差別に力を奪う魔力強奪と生命強奪を得た。

大地魔術の獲得

魔獣軍を殺さずに足止めする方法として、師匠は土魔術を強化し、大地魔術グレイト・ウォールを習得した。術は巨大な壁と深い堀を同時に生み出し、大軍の進路を塞ぐ力を持っていた。

長城と隘路

無詠唱と同時演算も習得した師匠は、東西へ延びる長大な壁を瞬時に築いた。中央だけに狭い通路を残し、魔獣たちを一か所へ集中させる構造を作り上げた。

隘路での防衛戦

魔獣軍は壁を破壊できず、中央の隘路へ殺到した。フランと師匠は消耗しているように見せながら敵を引きつけ、一体も後方へ通さず戦い続けた。ウルシは別行動で偵察役の魔獣を狩った。

半減した先遣隊

一時間近い戦闘によって、魔獣軍の数は半分ほどまで減少した。魔力強奪と生命強奪によって師匠は消耗を補い、敵に突破できると思わせながら戦線を維持した。

長距離からの矢

魔獣たちの動きが止まった直後、遠方から放たれた矢がフランの立っていた場所へ巨大なクレーターを作った。師匠は直前に転移し、致命的な一撃を回避した。

邪人軍の本隊

魔獣たちの背後には、白銀の統一装備に身を包んだ約一〇〇〇体の邪人軍が布陣していた。ホブゴブリン、ハイオーク、ミノタウロスなどで構成され、半数以上が脅威度Dを超える精鋭であった。

勝利への決意

これまで戦っていた魔獣軍が先遣隊にすぎなかった可能性が浮かんだ。圧倒的な本隊を前にしても、フランは黒猫族を守るため、必ず勝つと決意を固めた。

第六章 戦乙女と無貌の騎士 

邪人軍との死闘とメアの援軍

邪人軍の正体

フランたちは、白銀の装備で統一された邪人軍を観察した。軍はホブゴブリン、ハイオーク、ミノタウロスなどで構成され、脅威度D以上の個体を多数含む精鋭部隊であった。

戦乙女とデュラハン

軍を率いていたのは、弓と軍勢指揮に優れた戦乙女と、防御力と再生能力を備えたデュラハンであった。戦乙女の称号には配下全体へ隠密や移動能力を及ぼす力があり、邪人軍が察知されずに接近できた理由となっていた。

ミューレリアの名

戦乙女は自らをミューレリアの配下と名乗ったが、目的については語らなかった。フランへ降伏を求めた後、弓兵と魔術師に一斉攻撃を命じた。

崩された長城

師匠は隘路を壁で塞ごうとしたが、戦乙女の強力な火矢が分厚い壁を容易に破壊した。魔獣たちは開いた穴から進軍を再開し、フランたちは邪人軍と魔獣を同時に相手取ることになった。

鋼糸による魔石吸収

師匠は形態変形によって柄の組紐を無数の鋼糸へ変え、広範囲の魔獣の魔石を一斉に貫いた。さらに雷撃を流して多数を麻痺させ、約一〇〇〇匹を倒して同数以上を行動不能にした。

二度目の自己進化

大量の魔石を吸収した師匠は、その日二度目の自己進化を果たした。限界を超えた形態変形と多重魔術の反動で強い消耗を感じたものの、戦闘を続行した。

死兵となった魔獣

戦乙女は残った魔獣たちを役立たずと罵り、ミューレリアのために死ねと命じた。魔獣たちは恐怖を捨て、フランへ一斉に襲いかかる死兵となった。

戦乙女の狙撃

フランが魔獣を引きつけている間、戦乙女は味方ごと貫く神速の矢を放った。フランは勘によって致命傷を避けたが、左肩と腕を吹き飛ばされ、治癒と転移を繰り返しながら戦った。

超反応の獲得

師匠は危機察知、警戒、反応速度上昇を強化し、超反応を得た。これにより戦乙女の矢を察知できるようになり、フランも矢の軌道を直接逸らせるほど反応速度を高めた。

二重のカンナカムイ

師匠はカンナカムイを二重起動し、戦乙女へ極大雷撃を放った。しかしデュラハンが盾となって受け止め、致命傷を瞬間再生で回復した。

身代わりの盾技

雷撃の直後、周囲のミノタウロスやハイオークが黒焦げになって倒れた。フランたちは、デュラハンや戦乙女への被害が盾技を持つ配下へ移し替えられていると推測した。

剣神の祝福

遠距離戦では勝機がないと判断し、フランは接近戦を選んだ。師匠が剣聖技を最大まで強化すると、剣王技、剣王術、剣神の祝福が解放され、フランの剣技は大幅に向上した。

邪人軍への突入

フランはサークル・インパクトやソード・ソニックで魔獣を薙ぎ払い、邪人軍へ突入した。しかし邪人たちは高度な連携と捨て身の戦法で応戦し、フランの消耗を加速させた。

別動隊の存在

戦乙女は、自軍とは別に東西から二つの高速部隊がグリンゴートへ向かっていると明かした。避難民が襲われる可能性を知ったフランは、戦乙女を即座に倒して救援へ向かうと決意した。

剣王技・天断

閃華迅雷と転移を使ったフランは戦乙女へ接近し、剣王技・天断を放った。斬撃は戦乙女の心臓と魔石を両断したが、被害は二体のミノタウロスへ移され、戦乙女は即座に再生した。

邪人の盾

戦乙女とデュラハンは後退し、配下を壁としてフランの追撃を阻んだ。フランは焦りから大振りの攻撃が増え、戦乙女の矢による負傷も重なって肉体と精神の限界へ近づいた。

ウルシの別戦場

南方では、ウルシが悪魔に率いられた別動隊と戦っていた。邪人たちは自らを犠牲にしてウルシを拘束し、悪魔は生命力を魔力へ変えて必殺の呪詛を叩き込んだ。

呪詛に蝕まれたウルシ

ウルシは全身を蝕む呪詛を受けながらも、グリンゴートを守るため逃げなかった。悪魔の胴体を噛み砕いて倒したものの、力尽きて動けなくなり、残った邪人たちに囲まれた。

ウルシの救援者

止めを刺される直前、何者かが邪人たちを蹴散らしてウルシを救った。その人物はウルシの戦いを称え、ポーションで治療しながら、残る敵を自分に任せるよう告げた。

追い詰められたフラン

フランは戦乙女の挑発によって焦りを深め、右足や脇腹を繰り返し破壊された。再生を続けても消耗が追いつかず、師匠はスキルテイカーの使用を考え始めた。

赤竜リンド

その時、南西から強大な魔力が高速で接近した。現れた赤竜リンドは邪人軍へ炎を浴びせ、戦場を混乱させた。

メアの到着

リンドの背には、蠍獅子の森でフランと戦ったメアが乗っていた。メアは苦戦するフランへ援軍が必要かと問いかけ、戦場へ参戦した。

エピローグ 

メアとクイナの参戦

赤竜リンドの炎

赤竜リンドに乗ったメアとクイナが戦場へ現れた。メアの命令を受けたリンドは広範囲へ炎を吐き、邪人や魔獣をまとめて焼き払った。

幻像のリンド

ワルキューレはリンドを狙って矢を放ったが、矢はその体をすり抜けた。空中に見えていたメアたちはクイナの幻像魔術による偽物であり、精巧な幻によって敵の狙いを外していた。

別動隊の壊滅

フランはメアに別動隊を止めるよう頼んだが、メアは西側の部隊をすでに殲滅し、もう一隊にも別の者たちが対処していると告げた。さらにグリンゴートの領主へ働きかけ、避難民を守る部隊も出動させていた。

フランの安堵

別動隊と避難民への対策が済んだと知り、フランは大きく安堵した。一方、ワルキューレはミューレリアから与えられた部隊が敗れた事実に動揺し、余裕を失った。

クイナの奇襲

メアが話している間に、クイナは幻像魔術と夢幻陣を使ってワルキューレの傍らへ忍び寄っていた。誰にも察知されないまま胸を貫いて心臓を潰したが、被害は配下へ移され、ワルキューレは無傷のまま生き残った。

暗殺メイドの実力

必殺の一撃を防がれても、クイナは冷静に距離を取った。その隠密と幻像の技量は、師匠たちさえ接近に気づけないほど高く、初見では見破れない奇襲を可能にしていた。

メアの友情

メアはフランを傷つけたワルキューレを許さないと宣言した。クイナからフランが数少ない友人だと指摘されると否定したが、黒雷姫という異名への羨望を漏らし、ライバルとして強く意識していることを示した。

戦場への降下

メアはフランに勝つのは自分であり、邪魔をするワルキューレを倒すと宣言した。そのままリンドの背から飛び降り、クイナと共に戦闘へ加わった。

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