物語の概要
■ 作品概要
本作は、意思を持つ魔剣「師匠」と、彼を装備する黒猫族の少女「フラン」の冒険を描く無機物転生ファンタジーの第7巻である。バルボラへ帰還した二人は、神級鍛冶師ガルスの行方を追って王都へ行くことを決意し、まずは獣人国を目指すこととなる。獣王家直轄の大型船「アルギエバ号」の護衛として乗船した彼らは、航海中に海賊船団の襲撃を退け、さらにはシードラン海国から脱獄した前王スアレスが操る水竜艦と遭遇する。スアレスを追う第三王女マールや、凄腕のランクB冒険者モルドレッドらと共闘しスアレスを捕縛するが、脅威度Aの大魔獣「ミドガルズオルム」や、脅威度Sの神獣「リヴァイアサン」といった強大なモンスターが次々と襲来し、過酷な海での死闘が繰り広げられる。
■ 主要キャラクター
- フラン:黒猫族の少女でランクC冒険者。武闘大会を経て「黒雷姫」の異名を得る。凄まじい戦闘力を誇り、本作では海賊船の撃沈や巨大魔獣相手に大立ち回りを演じる。
- 師匠:フランが装備する意思を持つ魔剣。多彩な魔術とスキルでフランを支援し、自らを巨大化させる「斬艦剣」モードで海賊船を両断する活躍を見せる。
- ウルシ:フランの従魔であるダークネスウルフ。索敵や機動力で戦闘をサポートし、海賊船や魔獣との戦いで重要な役割を果たす。
- マール:シードラン海国の第三王女であり、水竜「ウィシュカル」の主。冷徹で軍人のような口調だが、フランとは友として心を通わせる。
- ジェローム:獣人国直轄船「アルギエバ号」の船長。海の男らしい豪快な性格で、フランの実力を高く評価する。
- モルドレッド:ランクB冒険者であり、パーティ「鉄神の息吹」のリーダー。溶鉄魔術を操る実力者で、フランと共に水竜艦での作戦に参加する。
- スアレス:シードラン海国の前国王。牢獄から脱走し、水竜「ヴァルッサ」を奪って海賊行為を働いている。
- ミドガルズオルム:脅威度Aの大魔獣。かつてフランたちと因縁があり、船団を襲撃する海の厄介者である。
- リヴァイアサン:脅威度Sの神獣。ミドガルズオルムを主食とし、圧倒的な力で周囲を蹂躙する大魔獣である。
■ 物語の特徴
本巻では、大海原を舞台としたスケールの大きな海戦やモンスター討伐が最大の魅力である。通常の船上戦にとどまらず、水竜同士の衝突や、クラーケン、ミドガルズオルム、そして伝説の神獣リヴァイアサンといった強大な存在が次々と出現し、息つく暇もない緊迫した展開が続く。また、フランが同乗する若手冒険者たちを「弟子」として指導する微笑ましい一面や、マール王女との種族を超えた友情など、激しい戦闘の合間に描かれるキャラクターたちの成長や絆の描写も、読者にとって非常に興味深いポイントとなっている。
書籍情報
転生したら剣でした 7
著者:棚架ユウ 氏
イラスト:るろお 氏
出版社:マイクロマガジン社(GCノベルズ)
発売日:2019年3月29日
ISBN:9784896378634
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あらすじ・内容
猫耳少女と共に剣としてその銘を異世界に刻み込め!ネット小説大賞受賞の無機物転生ファンタジー!
獣王から話を聞き、獣人国へと向かう事に決めた師匠とフランは、 獣人国直轄の船に護衛として乗り込むことになった。 大海原で遭遇する海賊や魔獣に加え、水竜艦との戦闘で二人は シードランで出会った友人との再会を期待して航海を続ける。 期待とは裏腹に、海の厄介者との再会が待っているとも知らず――。
感想
フランと師匠が獣人国へ向けて大海原へ旅立つ一冊である。
前巻では武闘大会を通じて、フランが黒天虎への進化を果たした。今回は新たな力を得たフランが海を渡り、黒猫族のキアラや神級鍛冶師を探す新しい旅へ踏み出していく。
出航当初は、船の護衛をしながら目的地へ向かう比較的穏やかな旅になるのだと思っていた。
しかし、実際に待っていたのは海賊船、水竜艦、大量のクラーケン、ミドガルズオルム、そして神獣リヴァイアサンまで登場する、予想をはるかに超えた巨大海戦であった。
一つの危機を乗り越えたと思えば、さらに規格外の存在が現れる。
そのスケールの大きさに圧倒されながら、最後まで止めることができない一冊だった。
ガルスを追って再びバルボラへ
ウルムットを出発したフランたちは、行方が分からなくなっていた鍛冶師ガルスを捜すため、バルボラへ戻る。
その道中では、レッサー・ワイバーンに襲われていた商人たちを助けることになる。
転生したばかりの頃、師匠が苦戦していたレッサー・ワイバーンである。
それを今では、最上位雷鳴魔術によって群れごと消滅させてしまう。
地面へ巨大なクレーターを作り、素材や魔石まで残らないほどの威力を見せる姿から、師匠とフランがどれほど強くなったのかを改めて実感した。
ただし、あまりにも威力が大きく、助けた商人まで爆風と轟音に巻き込みかけてしまう。
強い魔術を覚えたからといって、どこでも気軽に使えるわけではない。
力が大きくなるほど、周囲への影響も考えなければならないという点が面白かった。
また、「黒雷姫」の名声が広く知られるようになったことで、フランへ無礼を働いた傭兵団が正体に気づいた途端、一斉に謝罪する場面には思わず笑ってしまった。
以前は見た目だけで侮られることが多かったフランが、今では名前を聞いただけで恐れられる。
成長を感じる一方で、傭兵を見ただけで皆殺しにするという物騒な噂まで広まっており、少し間違った方向に有名になっているのも本作らしいところである。
復興したバルボラで感じる温かさ
久しぶりに訪れたバルボラでは、邪人によって壊された建物が修復され、町に活気が戻っていた。
前回の事件が決して軽いものではなかったからこそ、人々が生活を取り戻している姿には安心させられた。
料理ギルドでは、フランと師匠が広めたカレーが爆発的に普及していた。
さらに、カレーヌードルのような新しい料理まで生まれている。
自分たちが伝えたレシピを、現地の料理人たちが工夫し、別の形へ発展させていることが興味深かった。
フランたちが新たにカツ丼のレシピを残す場面も楽しい。
戦闘だけでなく、料理を通じて異世界へ影響を与えていくところも、本作の魅力だと感じる。
特に心が温かくなったのは、孤児院の変化である。
以前は建物も子供たちの生活も苦しい状態だった。
しかし、アマンダの援助によって建物は整備され、子供たちも清潔な服を着て笑顔で暮らしている。
フランがアマンダへ孤児院の窮状を伝えたことで、その生活は大きく変わった。
フラン本人は大したことをしたつもりではないかもしれない。
それでも、彼女の小さな行動が誰かの生活を救っている。
強敵を倒すだけではないフランの優しさが、目に見える形で残っていたことがうれしかった。
ガルスの手紙と新たな不安
フランたちは冒険者ギルドや鍛冶ギルドで情報を集め、ガルスが大貴族から極秘の依頼を受けたことを知る。
鍛冶ギルドには、「魔剣少女フラン」が現れたら渡すようにと、ガルスから手紙が預けられていた。
しかし、フランの異名が短期間で「黒雷姫」へ変わってしまったため、本人だと気づかれなかったという展開には笑わされた。
急激に有名になったフランならではの行き違いである。
手紙によれば、ガルスは王都へ向かっており、武具のオークションに合わせて来てほしいという。
さらに、新しい鞘まで作ってくれているらしい。
すぐに再会できなかったのは残念だが、王都へ向かう目的がまた一つ増えた。
一方で、ガルスへ依頼を持ち込んだ可能性があるのが、師匠を狙っているアシュトナー侯爵家である。
ガルスほどの腕を持つ鍛冶師が簡単に殺されるとは考えにくい。
それでも、セルディオの一件や神剣を探していた事実を考えると、完全には安心できない。
獣人国への旅とは別に、師匠の正体やアシュトナー侯爵家の企みも少しずつ進んでおり、物語の裏側で大きな何かが動いているように感じられた。
若手冒険者たちの鼻を折るフラン
バルボラでは、ギルドマスターのガムドから、慢心した若手冒険者たちとの模擬戦を頼まれる。
彼らは鑑定で表示された偽の能力だけを信じ、幼い黒猫族のフランを完全に侮っていた。
しかし、始まってみれば結果は一方的である。
脚や腕を切り落とされ、魔術を同じ魔術で相殺され、複数人で挑んでも攻撃を当てることすらできない。
回復役がいるとはいえ、フランの指導はかなり容赦がない。
それでも、彼らがこのまま自分の力を過信して危険な魔境へ入れば、本当の戦いでは命を落としてしまう。
安全な場所で一度心を折られる方が、死ぬよりはよいというガムドの考えには厳しい説得力があった。
興味深いのは、この訓練が若手たちだけに向けられたものではなかったことである。
前巻のフランは大きな力を得て、ランクA冒険者にも勝利した。
しかし、アマンダには完敗している。
ガムドは若手たちの慢心を戒めながら、フランにも焦って先を急ぎすぎないよう伝えていたのだと思う。
強くなった時ほど、自分の現在地を冷静に見なければならない。
戦いの技術だけでなく、冒険者として生き残る考え方を描いた印象的な場面だった。
また、この時にフランへ敗れたミゲール、ナリア、リディックが、後にアルギエバ号の護衛として再登場する。
海賊船を一人で沈めるフランの姿を見て、三人が弟子入りを願い出る流れも面白かった。
フランが「師匠」ではなく「先生」と呼ばせるところも微笑ましい。
かつて師匠から戦い方を教わるだけだったフランが、今度は他人へ技術を伝える側になった。
この変化からも、彼女の成長が伝わってきた。
獣王家直轄船アルギエバ号で大海原へ
フランたちは獣人国へ向かうため、獣王家直轄の大型船アルギエバ号の護衛依頼を受ける。
巨大な船には魔導推進器や魔導砲、魔獣を遠ざける結界まで備えられている。
船内には倉庫や浴場もあり、フランたちが珍しそうに船内を探検する場面には、大海原へ旅立つ高揚感があった。
強力な船ではあるが、航海は完全に安全ではない。
結界で避けられない魔獣や、海賊の襲撃へ対応するため、冒険者の護衛が必要になる。
ランクB冒険者モルドレッドをはじめ、複数の冒険者が乗り合わせていることからも、海を渡ることの危険さが伝わってきた。
出航後しばらくは、釣りをしたり、大浴場へ入ったりと、穏やかな船旅が続く。
ミドガルズオルムの幼生を発見し、近くに親がいる可能性が示される場面は不穏だったものの、この時点ではまだ、大きな問題にはならないようにも思えた。
しかし、その平穏は海賊船の襲来によって終わりを迎える。
海賊船を沈めながら戦法を試す二人
最初に現れたのは、五隻の海賊船である。
フランたちはアルギエバ号へ近づかれる前に、自分たちだけで撃沈することを決める。
ここで面白かったのは、ただ海賊船を倒すのではなく、どの攻撃が船に最も有効なのかを一隻ずつ試していることだ。
最上位雷鳴魔術では威力が大きすぎる。
海中から船底を爆破する方法は、制御が難しい。
念動カタパルトは船体へ大穴を開けられるが、師匠の消耗も大きい。
最終的には、雷鳴魔術のトール・ハンマーや、巨大化した師匠による斬艦攻撃が有効だと分かる。
普通なら一隻を沈めるだけでも大変なはずである。
それを実験のように次々と撃沈していく姿には、圧倒的な強さと爽快感があった。
一方で、強力な攻撃を何にでも使えばよいわけではなく、威力や消耗、周囲への被害を比較している点も興味深い。
フランと師匠が強さだけでなく、戦い方そのものを学び続けていることが伝わってきた。
バカ王スアレスと水竜艦の襲来
次に現れたのは、十二隻もの海賊船団である。
最初は規模の大きな海賊団だと思っていた。
しかし、中央の巨大な船は、シードラン海国の国旗を掲げ、水竜に引かれている。
その艦長が、以前フランたちと敵対した前国王、スアレスであることが判明する。
まさか牢から脱獄し、水竜艦ヴァルッサを奪って海賊を率いているとは思わなかった。
王位を失っても自分こそが国王だと言い張り、周囲の人間を当然のように従わせようとする。
相変わらずのバカ王ぶりであり、再登場した瞬間からまったく成長していないことが伝わってきた。
しかし、彼が率いる水竜艦は笑って済ませられる相手ではない。
水竜を覆う水の鎧と魔力障壁は、師匠の最大出力の攻撃さえ防いでしまう。
雷撃も通じず、水竜から放たれる大量の水球によってフランたちは反撃される。
周囲の海賊船は次々と沈められても、旗艦だけは簡単に突破できない。
前巻でランクA冒険者を倒したフランでさえ、水竜艦には力が通じない。
海という環境と、国家が作り上げた兵器の恐ろしさを感じさせる戦いだった。
マール王女との合流と共同作戦
水竜艦を追って現れるのが、黄色い旗を掲げた別の水竜艦である。
そこに乗っていたのは、シードラン海国の第三王女マールだった。
マールは現在の女王セリメアを支え、脱獄したスアレスを捕らえるため、国外まで追跡していた。
彼女の水竜ウィシュカルは、スアレスの水竜とは違い、高い知性と親しみやすさを感じさせる存在である。
フランがウィシュカルを褒めたことで、ウルシが対抗心を燃やす場面には思わず笑ってしまった。
巨大な水竜が登場する緊張感の中にも、フランとウルシの変わらない関係が描かれている。
マールやアルギエバ号の船長ジェローム、ランクB冒険者モルドレッドたちは、立場や所属する国を越えて共同作戦を立てる。
水竜艦の動きを封じ、フランの次元魔術を使って敵船へ直接乗り込み、スアレスを捕らえる。
船同士が大砲を撃ち合うだけではなく、巨大な水竜、魔導装置、次元魔術、冒険者による白兵戦が入り乱れる。
異世界ならではの海戦として非常に読み応えがあった。
スアレスを追い詰め、モルドレッドが溶鉄魔術で全身を拘束する場面には爽快感がある。
これで事件は解決したと思った。
しかし、本当の地獄はここから始まる。
クラーケンの群れが招く混乱
スアレスを捕縛した後、水竜を止めるよう命じるものの、彼は従わない。
追い詰められたスアレスは、水竜へ好きに暴れるよう命令してしまう。
しかも、その場所はクラーケンの生息地だった。
巨大な触手が海中から伸び、水竜へ絡みつく。
一匹だけではなく、複数のクラーケンが次々と現れ、水竜艦やアルギエバ号を巻き込んでいく。
敵の旗艦を制圧した直後に、今度は巨大魔獣の群れへ襲われる。
状況が良くなるどころか、時間が経つほど悪化していく展開には、パニックホラーのような恐ろしさがあった。
特に印象的だったのは、水竜とクラーケンのどちらを倒すべきか、単純には決められない点である。
水竜を助ければ、再びアルギエバ号を攻撃される。
しかし、水竜艦を放置すればクラーケンの被害が広がる。
敵味方の区別が崩れ、巨大魔獣同士の争いから何とか逃げなければならない。
人間同士の作戦では制御できない、自然の怪物が持つ力の恐ろしさを感じた。
再び現れたミドガルズオルム
混乱の中で海中から姿を現すのが、かつてフランたちが戦った大魔獣ミドガルズオルムである。
その巨体は、水竜ヴァルッサと複数のクラーケンをまとめて飲み込み、水竜艦の船体まで簡単にへし折ってしまう。
これまで大きな脅威として描かれてきた水竜やクラーケンが、単なる餌のように扱われる。
その時点で、ミドガルズオルムが別格の存在であることが伝わってきた。
しかも、現れた個体は以前師匠の攻撃を受けた相手であり、その魔力を記憶していた。
攻撃を受けた途端に激怒し、アルギエバ号を執拗に追い始める。
思わぬ形で因縁の相手と再戦することになり、航海は完全に逃げ場のない死闘へ変わっていく。
覚醒したフランは、閃華迅雷による神速で斬撃と黒雷を浴びせる。
さらに、巨大化した師匠を上空から振り下ろし、ミドガルズオルムの頭部を真っ二つにする。
それでも倒れない。
傷はすぐに再生し、頭部を失ってもアルギエバ号を追い続ける。
カンナカムイと黒雷招来を口内へ同時に叩き込み、上半身の大部分を吹き飛ばしても、生命力は三分の一すら減っていない。
ここまで攻撃しても倒せない相手を前にして、これまでにない絶望感を覚えた。
フランたちは以前よりはるかに強くなっている。
ランクA冒険者を倒し、海賊船を簡単に沈められるほどの力を持つ。
それでも、世界には今の二人が全力を出しても届かない存在がいる。
進化した後も、フランたちの旅が決して簡単にはならないことを思い知らされた。
神獣リヴァイアサンの圧倒的な存在感
魔力を使い果たし、逃げ切ることも難しくなった時、さらに巨大な何かが海中から接近する。
現れたのは、脅威度Sの神獣リヴァイアサンである。
ミドガルズオルムですら手に負えない大魔獣だった。
しかし、リヴァイアサンはその巨体を簡単に噛み上げ、海中へ引きずり込んでしまう。
ここまでの戦いは何だったのかと思うほど、力の次元が違う。
水竜を圧倒するミドガルズオルム。
そのミドガルズオルムを餌のように連れ去るリヴァイアサン。
巨大魔獣の力関係が段階的に示されることで、この世界の広さと恐ろしさを実感した。
恐怖を感じる場面であるはずなのに、あまりにも圧倒的な力で危機が終わったため、爽快感すらあった。
怪獣映画の最後に、さらに巨大な怪獣が現れてすべてを持っていくような衝撃である。
同時に、リヴァイアサンが師匠を見つめた場面も気になる。
師匠の中には、なぜか懐かしさに似た感情が浮かんでいた。
リヴァイアサンも師匠へ敵意を向けず、微笑んだような表情を見せて去っていく。
師匠の正体と神獣に何らかの関係があるのか。
大海戦の結末でありながら、新たな謎まで残す印象的な登場だった。
マールやモルドレッドとの共闘
本巻では、フランたちだけでなく、周囲の人物たちの活躍も印象に残った。
ランクB冒険者モルドレッドは、金属を自在に変形させる溶鉄魔術を使う。
スアレスを拘束する場面や、巨大な錨を鋼鉄の大蛇へ変えて水竜とクラーケンをまとめて足止めする場面には、ランクB冒険者としての頼もしさがあった。
フランが何でも一人で解決するのではなく、異なる能力を持つ冒険者と協力することで、巨大な危機を乗り越えていく。
その共闘感がよかった。
また、マールも守られるだけの王女ではない。
部下を傷つけ、自分を辱めると脅したヴォルーゼを氷漬けにし、最後には自ら処刑する。
姉である女王への忠誠心も強く、責任を持ってスアレスを追い続けている。
明るく親しみやすい一面と、王族として敵へ容赦しない一面を併せ持つ人物だった。
航海を通じてフランとマールが友人になり、再会を約束して別れる場面も心に残った。
フランの旅では、新しい土地へ行くたびに敵だけでなく、信頼できる相手も増えていく。
その積み重ねが、彼女の世界を少しずつ広げているように感じた。
黒猫族の進化を堂々と示すフラン
激しい海戦を乗り越えたアルギエバ号は、無事にクローム大陸の港町グレイシールへ到着する。
そこでフランは、自分がランクC冒険者の黒雷姫であることを知られる。
ゴドダルファに勝ったという噂を疑う獣人もいた。
黒猫族がランクA冒険者へ勝てるはずがない。
進化できない黒猫族が、それほど強いはずがない。
そんな疑いを向けられたフランは、言葉だけで反論するのではなく、進化隠蔽を解除する。
黒天虎へ進化した自分の姿を、その場にいる獣人たちへ堂々と示すのである。
この場面には、強く心を動かされた。
かつてフランは、黒猫族というだけで奴隷にされ、見下されていた。
自分の種族を隠さなければ危険な状況さえあった。
しかし今では、進化した黒猫族として多くの獣人の前に立ち、自分の存在そのものによって常識を覆している。
それは自分の強さを見せつけるだけではない。
黒猫族も進化できる。
黒猫族は弱いだけの種族ではない。
その事実を、フランが自ら証明しているのである。
前巻で達成した進化が、本巻では黒猫族全体の希望として外の世界へ広がり始めた。
フランの旅が、個人的な成長だけでなく、種族の未来を変えるものになっていることを感じた。
穏やかな船旅から怪獣大決戦へ
『転生したら剣でした 7』は、ガルスの行方を追う日常的な調査から始まり、バルボラでの再会、若手冒険者との模擬戦、獣人国へ向かう航海へと進んでいく。
前半にはカレーや孤児院、大浴場といった穏やかな場面も多い。
フランが弟子を持ち、誰かへ戦い方を教えるという成長も描かれる。
しかし、後半は海賊船団、水竜艦、クラーケン、ミドガルズオルム、リヴァイアサンが次々と現れる、規格外の海戦へ変わっていく。
一冊の中で、日常、料理、修行、人間関係、国家間の争い、巨大魔獣との戦闘まで味わえる。
その振れ幅の大きさが、本巻の魅力である。
特に印象に残ったのは、フランたちが強くなっても、世界にはまだ想像を超える存在がいるということだ。
海賊船なら簡単に倒せる。
水竜艦には苦戦する。
ミドガルズオルムには全力を尽くしても届かない。
そしてリヴァイアサンは、そのミドガルズオルムすら軽々と連れ去ってしまう。
強さの限界が次々と更新されることで、これからの旅への期待がさらに高まった。
無事に獣人国へ到着したフランは、進化した黒猫族として堂々と第一歩を踏み出した。
この先には、生きていることが判明したキアラとの再会や、神級鍛冶師との出会いが待っている。
師匠を見つめたリヴァイアサンの反応や、アシュトナー侯爵家に関わるガルスの依頼も気になるところである。
怪獣大決戦のような大海原での死闘を描きながら、新しい大陸で始まる冒険への期待もしっかりと残す。
フランと師匠の世界がさらに大きく広がったことを感じさせる、迫力に満ちた一冊であった。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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考察・解説
ガルスの行方
鍛冶師ガルスの行方と王都への目的の全貌
『転生したら剣でした』において、ドワーフの凄腕鍛冶師であるガルスの行方については、以下の経緯をたどって明らかになっていく。ウルムットでのすれ違いとバルボラでの捜索、ガルスが残した手紙と極秘依頼、アシュトナー侯爵家の関与、およびガルスの安全と今後の目的についての解説は以下の通りである。
ウルムットでのすれ違いとバルボラでの足取り途絶
アレッサの町でフランたちの武具を整えたガルスは、ウルムットで再会する約束をしていた。
・フランたちがウルムットに到着した際、知人の鍛冶師ゼルドから、バルボラの騒ぎ(邪人事件)を聞いて自分にも何かできるかもしれないと数日前に旅立ったと聞かされた。
・その後、バルボラに戻ったフランたちは情報屋レグスや冒険者ギルドマスターのガムドから話を聞いた。
・ガムドの武器をメンテナンスした10日前を最後に、ガルスの足取りは完全に途絶えていた。
鍛冶ギルド長に預けられた手紙と極秘依頼の存在
フランたちが鍛冶ギルド長を訪ねると、彼から魔剣少女フランが現れたら渡してほしいと預かっていたガルスの手紙を受け取った。
・手紙には、大貴族からの極秘依頼を断りきれずに受けることになり、大っぴらに連絡や居場所を明かせない状況にあることが書かれていた。
・この手紙が読まれる頃には王都にいるはずであるため、オークションに合わせて王都に来てほしいという旨が記されていた。
・新しい鞘も用意して待っていると記されていた。
アシュトナー侯爵家による連れ出しの判明
情報屋レグスの裏調査により、ガルスに極秘依頼を持ち込んだのはアシュトナー侯爵家の関係者である可能性が高いことが判明した。
・ガルスが姿を消した日、侯爵家の別邸から馬車が出ており、それに乗せられたと推測された。
・アシュトナー侯爵家は、かつてダンジョン内で師匠(魔剣)を奪おうとフランを襲った貴族セルディオの実家である。
・神剣を秘密裏に探すなど黒い噂のある一族であった。
ガルスの生存の確信と王都目指す決定
強引に連れて行かれたことで身の安全が心配されたが、ガルスは国から認められたクランゼル王国名誉鍛冶師であった。
・神級鍛冶師に最も近いとされるその腕前は万金よりも貴重である。
・危害を加えられたり口封じされたりする危険性は低く、むしろ歓待されて無事に仕事をしているだろうと結論づけられた。
・ガルスの無事を確信したフランと師匠は、彼と再会するため、そしてオークションに参加するために王都を目指すこととなった。
・現在は王都へ向かう過程で獣人国を目指し、そのための船旅を続けている。
まとめ
鍛冶師ガルスの行方を巡る一連の全貌は、ウルムットでのすれ違いから始まり、バルボラでの足取りの調査、鍛冶ギルド長経由で受け取った手紙、アシュトナー侯爵家の裏での関与、そしてガルスの無事の確信と王都への目的地設定に至るまで、次の旅路へと繋がるプロセスを明瞭に示している。
大貴族の暗躍や失踪の危機という不条理な檻を打ち破り、自分たちの尊厳と平穏な生の主権を情報収集と仲間を信じる固い意志によって完璧に確立するに至る、追跡と再会への旅路の記録である。
不自然な疾走から、残された手がかり、陰謀の解明、そして新たな旅立ちへと繋げたプロセスは、どれほど不条理な事態の混迷や過酷な環境の激変によって生の自由が脅かされようとも、本質を突いた人間の知性と確固たる意志の果断によって打破され、新しい生き方を切り拓く輝かしい未来の道が厳密に証明されている。
若手冒険者の教育
若手冒険者の教育と育成システムに関する全貌
『転生したら剣でした』において、若手冒険者の教育や育成は、ギルドの取り組みや先輩冒険者たちの支援によってさまざまな形で行われている。ギルドによる指導と慢心の戒め、育成を目的とした冒険者パーティ、アマンダによる基礎教育と壁としての役割、およびフランによる臨時弟子の指導についての解説は以下の通りである。
教官による鍛錬とギルドマスターによる慢心の戒め
冒険者ギルドアレッサ支部を中心に、若手の育成と指導が組織的に行われている。
・教官ドナドロンドは、現役を続ければランクBになれた実力者であるが、後進の指導に努めたいという理由で教官の道を選んだ。アレッサのランクBやCの冒険者の半分以上が彼の教え子であるとされている。
・アレッサのギルドマスターであるガムドは、実力をつけて天狗になっている若手冒険者たち(ミゲール、リディック、ナリアらを含む9人)に現実の厳しさを教えるため、フランに模擬戦を依頼した。
・自分のような圧倒的な大人が相手では負けても悔しがらない若手たちに対し、年下のフランに完敗させることで慢心を戒め、危険なダンジョン深層へ無謀に挑むのを止めさせた。
新人育成を目的とした支援パーティの存在
ダンジョン都市ウルムットには、新人冒険者の育成を主な目的とするパーティが存在する。
・ランクDパーティ「雛鳥の止まり木」(リーダー:レスト)はその代表例であり、ランクEやFの下級冒険者をパーティに加え、依頼達成などを支援している。
・現在ランクDになった冒険者の中にも彼らに助けられた者が多く、育成パーティはギルド内でも一目置かれる存在となっている。
アマンダによる孤児保護と若手の導き手としての役割
ランクA冒険者のアマンダは、アレッサなどで長年孤児院を運営し、子供たちを保護および教育している。
・彼女の鍛錬を受けた子供たちは冒険者としての基礎がしっかりと身についており、将来大成する可能性が高いと評価されている。
・アマンダ自身もフランに対し、あえて超えるべき高い壁として立ちはだかって模擬戦を行ったり、戦技や魔術の知識を教えたりして、若く才能ある冒険者を導いている。
船上におけるフランの個別的指導
フラン自身も、獣人国へ向かう船の上で、模擬戦で自分に敗れたミゲール、リディック、ナリアの3人組から弟子入りを志願され、船に乗っている間だけという条件で指導を引き受けた。
・フランは彼らに先生と呼ばせ、準備体操としてのストレッチから始まり、素振りや模擬戦を通じて実践的な指導を行った。
・大剣使いのミゲールには大振りを抑えることを指導した。
・槍使いのリディックには動きを予測されないよう変化をつけることを指導した。
・弓使いのナリアには接近戦に備えて短刀での受けや回避を教えるなど、それぞれの弱点に合わせた的確な指導を見せた。
まとめ
若手冒険者の教育と育成を巡る一連の全貌は、ギルド教官による徹底した指導や慢心を抑える模範戦から始まり、育成専門パーティの支援、アマンダによる孤児院での基礎鍛錬、そしてフランによる実用的な個別指導に至るまで、後進の生存率を高める多様な取り組みを明瞭に示している。
未熟さや慢心という死に直結する危険の檻を打ち破り、自分たちの尊厳と平穏な生の主権を先達の厳しい指導と不屈の学習意欲によって完璧に確立するに至る、育成と成長の記録である。
ギルドの指導構造から、専門パーティの活躍、アマンダの導き、そしてフランの指導実践へと繋げたプロセスは、どれほど不条理な事態の混迷や過酷な環境の激変によって生の自由が脅かされようとも、本質を突いた人間の知性と確固たる意志の果断によって打破され、新しい生き方を切り拓く輝かしい未来の道が厳密に証明されている。
獣人国への航海
バルボラから獣人国への航海と激闘の全貌
『転生したら剣でした』において、バルボラから獣人国(クローム大陸)への航海は、第7巻で描かれる非常にスリリングでスケールの大きなエピソードである。行方不明の神級鍛冶師ガルスや、黒猫族の先達であるキアラに会うため、そして獣王の思惑を確かめるために海を渡るフランと師匠の旅路は、以下のような劇的な展開を辿った。
獣王家直轄船アルギエバ号への乗船
フランと師匠は獣人国へ向かうため、バルボラの港で船を探した。
・獣王家の紋章を掲げる大型船アルギエバ号を見つけ、ジェローム船長の実力を見抜く目に留まり、護衛として乗船することとなった。
・護衛にはフランのほか、ランクB冒険者モルドレッド率いる「鉄神の息吹」や、フランに敗れて弟子入りを志願した「水晶の守り」など複数のパーティが参加し、賑やかな船出となった。
海賊船団との交戦と圧倒的な撃滅戦
航海中、アルギエバ号は12隻もの海賊船団に襲撃された。
・フランと師匠は船への被害を避けるため、ウルシに乗って単独で上空から迎撃に出た。
・師匠は魔術「トール・ハンマー」や「エカトケラウノス」で船を沈める実験を行った。
・形態変形で自身を10メートル以上に巨大化させる斬艦剣モードとなり、フランの抜刀術で海賊船を真っ二つに両断して次々と撃沈し、周囲を驚嘆させた。
前王スアレスの奪還艦と第三王女マールの共闘
海賊の黒幕は、シードラン海国を脱獄した前王スアレスであった。
・スアレスは脅威度Bの水竜が牽引する水竜艦ヴァルッサを奪って海賊行為を働いていた。
・水竜艦の防御力に手を焼くフランたちであったが、そこにスアレスを追ってきたシードラン海国の第三王女マールが、水竜艦ウィシュカルを率いて合流した。
・フランの時空魔術「ディメンジョン・ゲート」を使ってモルドレッドら精鋭を敵艦の甲板へ送り込む奇襲作戦が実行され、乱戦の末にスアレスの捕縛に成功した。
巨大魔獣の連続襲来と神獣リヴァイアサンの出現
スアレスを捕縛した直後、海戦の騒ぎに引き寄せられたクラーケンの群れが水竜に襲いかかった。
・以前フランたちが遭遇して逃げ帰った因縁の相手であり、脅威度Aの大魔獣ミドガルズオルムが海中から出現した。
・ミドガルズオルムは水竜とクラーケンをまとめて飲み込んで水竜艦ヴァルッサを粉砕した。
・アルギエバ号に標的を定めたミドガルズオルムに対し、フランと師匠は死力を尽くし、最大威力の魔術「カンナカムイ」と「黒雷招来」の同時攻撃を口の中に叩き込んだ。
・頭部を吹き飛ばしても大魔獣は再生を始め、倒しきることができなかった。
・絶体絶命の危機に陥ったその時、脅威度Sの神獣リヴァイアサンが突如として姿を現した。
・リヴァイアサンは巨大なミドガルズオルムを軽々と海中へ引きずり込み、事態は嘘のように収束した。
・その際、師匠はリヴァイアサンから向けられた視線に、説明しがたい懐かしさのような不思議な感情を抱いた。
獣人国への到着と黒天虎の披露
怒涛の航海を乗り越え、アルギエバ号は無事にクローム大陸の港町グレイシールに到着した。
・マールや臨時弟子たちと別れを告げたフランは、報酬を受け取るために冒険者ギルドへ向かった。
・フランは「進化隠蔽」のスキルを解除し、自らが「黒天虎」へと進化した姿を多くの獣人や冒険者たちの前で堂々と披露した。
・進化できないとされていた黒猫族が実際に進化したという事実は、彼らに強烈な衝撃を与えた。
・フランたちは獣人国での新たな旅の第一歩を力強く踏み出した。
まとめ
バルボラから獣人国への航海を巡る一連の全貌は、アルギエバ号の護衛着任から始まり、海賊船団の迎撃、マール王女との共闘による前王捕縛、大魔獣や神獣リヴァイアサンとの遭遇、そしてグレイシール到着後の黒天虎の披露に至るまで、壮大な海上戦と歴史的瞬間の到来を明瞭に示している。
過酷な海難や太古の魔獣という巨大な脅威の檻を打ち破り、自分たちの尊厳と平穏な生の主権を圧倒的な戦闘力と仲間との連携によって完璧に確立するに至る、不屈の航海と種族証明の記録である。
船出の決断から、海賊の退治、共闘の成功、神獣の介入、そして進化の開示へと繋げたプロセスは、どれほど不条理な事態の混迷や過酷な環境の激変によって生の自由が脅かされようとも、本質を突いた人間の知性と確固たる意志の果断によって打破され、新しい生き方を切り拓く輝かしい未来の道が厳密に証明されている。
水竜艦との海戦
水竜艦ヴァルッサとの海戦と大激戦の全貌
『転生したら剣でした』第7巻において、フランたちが乗るアルギエバ号とシードラン海国の水竜艦との海戦は、複数の勢力や巨大魔獣が入り乱れる大激戦となった。水竜艦ヴァルッサの出現と圧倒的な防御力、第三王女マールとの合流と強襲作戦、白兵戦によるスアレスの捕縛と水竜の暴走、およびクラーケンと大魔獣の襲来による決着についての解説は以下の通りである。
前国王スアレスの旗艦と強固な魔力障壁
バルボラを目指すアルギエバ号は、航海中に海賊船団の襲撃を受けた。
・海賊を率いていたのは、シードラン海国を脱獄した前国王スアレスであった。
・彼が操る旗艦は脅威度Bの水竜ヴァルッサが牽引する水竜艦であった。
・フランと師匠は空から奇襲を仕掛け、最大威力の念動カタパルトを放った。
・水竜は自身を覆う水の膜や魔力障壁に加え、船内の魔導装置ドラゴン・エンハンサーから魔力供給を受けており、全く致命傷を与えることができなかった。
マール王女との協力と時空魔術による甲板突入
フランたちが取り巻きの小型艦を沈めると、スアレスのヴァルッサは魔力で船体を覆い、潜水して逃走を図った。
・スアレスを追跡してきたシードラン海国第三王女マールが乗る水竜艦ウィシュカルが合流した。
・マールの提案により、ウィシュカルの対水竜艦用魔道具でヴァルッサの動きを封じた隙に、白兵戦に持ち込む共同作戦が立案された。
・フランは時空魔術ディメンジョン・ゲートを使用し、ランクB冒険者のモルドレッドら精鋭たちを一瞬で敵艦の甲板へ送り込むことに成功した。
モルドレッドによる捕縛とスアレスの狂気
敵艦に突入したフランやモルドレッドたちは、混乱する海賊たちを次々と制圧していった。
・船の奥へと進んだモルドレッドはスアレスと対峙した。
・得意の溶鉄魔術で相手の戦斧を金属の拘束具に変形させてスアレスを捕縛した。
・自暴自棄になったスアレスは水竜ヴァルッサに対して「好きに暴れろ」と命令を下した。
・ウィシュカルの拘束を解かれた水竜が暴れ出してしまう事態を引き起こした。
クラーケンの群れとミドガルズオルムによる破壊
ヴァルッサが逃げ込んでいたのは、クラーケンの巣と呼ばれる危険海域であった。
・暴れる水竜に多数のクラーケンが絡みつき、乱戦状態となった。
・アルギエバ号を逃がすため、モルドレッドは溶鉄魔術で船の巨大な錨を鋼鉄の大蛇に変形させ、水竜とクラーケンをまとめて縛り上げて動きを封じた。
・その騒ぎに引き寄せられた脅威度Aの大魔獣ミドガルズオルムが海中から出現した。
・ミドガルズオルムは水竜とクラーケンをまとめて飲み込み、その巨体で水竜艦ヴァルッサの船体を真っ二つに破壊した。
・スアレスの捕縛には成功したものの、水竜艦ヴァルッサは沈没し、フランたちはさらなる死地へ投げ込まれることとなった。
まとめ
水竜艦ヴァルッサとの海戦を巡る一連の全貌は、強固な防壁を持つ敵艦との遭遇から始まり、マール王女との強襲作戦、白兵戦による敵首魁の捕縛、そしてクラーケンや大魔獣ミドガルズオルムの襲来による壊滅に至るまで、極限状態における激闘の歩みを明瞭に示している。
敵側の卑劣な工作や巨大魔獣の乱入という不条理な檻を打ち破り、自分たちの尊厳と平穏な生の主権を鋭い戦術判断と果断な攻撃によって完璧に確立するに至る、洋上決戦の記録である。
強敵との対峙から、連携作戦の実行、首魁の拘束、そして大魔獣による最終的破滅へと繋げたプロセスは、どれほど不条理な事態の混迷や過酷な環境の激変によって生の自由が脅かされようとも、本質を突いた人間の知性と確固たる意志の果断によって打破され、新しい生き方を切り拓く輝かしい未来の道が厳密に証明されている。
大魔獣との遭遇
大魔獣ミドガルズオルムとの死闘と神獣遭遇の全貌
『転生したら剣でした』において、フランと師匠は航海の途中で「生きた天災」とも呼ばれる大魔獣「ミドガルズオルム」と2度にわたって遭遇し、死闘を繰り広げる。初遭遇における一寸法師作戦、クラーケンの巣での再遭遇と大激戦、および脅威度Sの神獣リヴァイアサンの出現についての解説は以下の通りである。
初遭遇における絶望的な生命力と一寸法師作戦
フランと師匠がダーズからバルボラへ向かう客船に乗っていた際、最初の遭遇が発生した。
・ミドガルズオルムは脅威度Aに指定される超大型の海蛇であり、複数の心臓を持ち無限に成長すると言われる存在である。
・フランと師匠は船を守るため、ミドガルズオルムに正面から戦いを挑んだ。
・師匠は魔力を過剰に込めた念動カタパルトで頭部に大穴を開けたが、異常な生命力と再生力の前には致命傷にならなかった。
・即死効果を持つ魔剣デスゲイズを使用しても、複数の心臓を持つミドガルズオルムを殺しきることはできなかった。
・万策尽きた師匠は、自らミドガルズオルムの口の中へ飛び込む一寸法師作戦を決行した。
・強力な消化液で耐久値を削られながらも、次元収納に保管していた巨石を体内に大量放出して魔獣の動きを鈍らせ、船を逃がすことに成功した。
再遭遇における全力を挙げた激戦と再生能力
2度目の遭遇は、バルボラから獣人国へ向かうアルギエバ号の航海中に発生した。
・シードラン海国の前王スアレスが操る水竜艦と交戦し、多数のクラーケンが入り乱れる海域に再びミドガルズオルムが出現した。
・ミドガルズオルムは水竜とクラーケンをまとめて飲み込み、巨大な水竜艦を真っ二つに破壊した。
・ミドガルズオルムはアルギエバ号を標的に定め、かつて腹の中で巨岩を出された因縁の相手である師匠の攻撃を覚えており激怒した。
・フランは覚醒と閃華迅雷を発動して全力を解放し、巨大化した師匠(斬艦剣モード)を用いた天空斬艦抜刀術で頭部を斬り裂いたが、すぐに再生が始まった。
・大きく開かれた口へ、雷鳴魔術の頂点カンナカムイとフランの黒雷招来を同時に叩き込み上半身の大部分を吹き飛ばしたが、生命力の3分の1も削り切れない耐久力を見せつけられた。
神獣リヴァイアサンの飛来と絶体絶命の収束
魔力を使い果たしたフランを守るため、師匠が単独で最後の特攻を仕掛けようとした際、超高速で規格外の存在が接近した。
・現れたのは、全長1000メートルを超える脅威度Sの神獣リヴァイアサンであった。
・リヴァイアサンはミドガルズオルムを主食としており、大魔獣を軽々と噛み上げて海中へと引きずり込んでいった。
・リヴァイアサンの視線を受けた師匠は、恐怖ではなく不思議な懐かしさや寂寥感を感じ取った。
・リヴァイアサンは師匠たちに敵意を向けることなく姿を消し、絶体絶命の危機は収束を迎えた。
まとめ
大魔獣ミドガルズオルムとの死闘を巡る一連の全貌は、初遭遇時の命がけの一寸法師作戦から始まり、再遭遇時の全力を挙げた激闘と圧倒的な再生力の痛感、そして神獣リヴァイアサンの出現による劇的な収束に至るまで、世界の広大さと抗いがたい脅威のスケールを明瞭に示している。
天災級の魔獣や世界の頂点に立つ存在という絶対的な壁の檻を打ち破り、自分たちの尊厳と平穏な生の主権を全力を尽くした戦いと不屈の意志によって完璧に確立するに至る、極限の死闘と新たな世界の提示の記録である。
初遭遇の危機から、再戦での全力行使、神獣の介入、そして更なる高みへの自覚へと繋げたプロセスは、どれほど不条理な事態の混迷や過酷な環境の激変によって生の自由『転生したら剣でした』において、主人公のフランと師匠は航海の途中で「生きた天災」と称される大魔獣「ミドガルズオルム」と2度にわたって遭遇し、死闘を繰り広げる。これらの遭遇は、二人の著しい成長を描くと同時に、作中における世界の脅威のスケール感を際立たせる重要なエピソードである。
初遭遇:バルボラへの航海と一寸法師作戦
ダーズからバルボラへ向かう客船の航行中、最初の遭遇が発生する。ミドガルズオルムの主な特徴と初戦の経緯は以下の通りである。
- 魔獣の特徴:脅威度Aに指定される超大型の海蛇。複数の心臓を持ち、無限に成長するとも言われる海の厄介者である。
- 師匠たちの攻撃:過剰な魔力を込めた念動カタパルトで頭部に大穴を開け、即死効果を持つ魔剣デスゲイズを使用するが、異常な再生力と複数の心臓により決定打とならない。
- 一寸法師作戦の決行:万策尽きた師匠は自ら魔獣の口内へ侵入する。強力な消化液で耐久値を削られながらも、次元収納に保管していた巨石を体内に大量放出し、動きを鈍らせて船を逃がすことに成功する。
再遭遇:クラーケンの巣での大激戦
2度目の遭遇は、バルボラから獣人国へ向かうアルギエバ号の航海中に起こる。激戦の様子は以下の通りである。
- 出現の状況:シードラン海国の前王が操る水竜艦や多数のクラーケンが入り乱れる海域に現れ、水竜やクラーケンを飲み込み、巨大な水竜艦を真っ二つに破壊する。
- 因縁の再戦:ミドガルズオルムは単細胞でありながら、かつて腹の中で巨石を出された師匠の攻撃を覚えており、激怒して攻撃を仕掛けてくる。
- 全力による攻撃:フランは覚醒と閃華迅雷を発動し、斬艦剣モードとなった師匠での天空斬艦抜刀術により頭部を二つに裂くが、即座に再生される。
- 大魔法の連撃:雷鳴魔術の頂点カンナカムイとフランの黒雷招来を同時に叩き込み、上半身の大部分を吹き飛ばすが、生命力の3分の1も削り切れない絶望的な耐久力を見せる。
脅威度S・神獣リヴァイアサンの出現
魔力を使い果たしたフランを守るため、師匠が単独で特攻を試みた局面で事態は急変する。
- 神獣の降臨:全長1000メートルを超える脅威度Sの神獣リヴァイアサンが超高速で接近する。
- 決着:ミドガルズオルムを主食とするリヴァイアサンは、大魔獣を軽々と噛み上げて海中へと引きずり込んでいく。
- 師匠の違和感:リヴァイアサンの視線を受けた師匠は、恐怖ではなく言葉にできない不思議な懐かしさや寂寥感を抱く。リヴァイアサンは敵意を示さずに姿を消し、危機は収束する。
まとめ
ミドガルズオルムとの死闘および神獣リヴァイアサンとの遭遇は、フランと師匠がいかに実力を向上させようとも、世界にはまだ到底及ばない規格外の存在が控えていることを痛感させる出来事である。この圧倒的な世界観の広がりこそが、本作の大きな魅力の一つとなっている。
登場キャラクター
主人公一行
師匠
本作の主人公の一人であり、意思を持つ魔剣である。フランを装備者とし、彼女を保護し導く立場にある。
・所属組織、地位や役職
無機物転生の魔剣。フランの装備。
・物語内での具体的な行動や成果
カンナカムイなどの雷鳴魔術や念動カタパルトを駆使し、戦闘でフランを支援する。巨大化する斬艦剣モードで海賊船を両断するなどの活躍を見せる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
料理ギルドでフランとの連名によりシルバーランクに昇格する。リヴァイアサンに遭遇した際、不思議な感情を抱く。
フラン
黒猫族の少女であり、師匠を装備して戦う。戦闘を好み、同胞の地位向上を目指している。
・所属組織、地位や役職
ランクC冒険者。異名は黒雷姫。
・物語内での具体的な行動や成果
ガムドからの依頼で若手冒険者たちと模擬戦を行い、彼らを圧倒する。獣王家直轄船アルギエバ号の護衛を務め、海賊船団やスアレス一派と交戦する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
料理ギルドでシルバーランクに昇格する。獣人国到着後、進化隠蔽のスキルを解除し、進化した姿を公にする。
ウルシ
フランの従魔であるダークネスウルフ。フランや師匠の指示に従い、移動や戦闘のサポートを担う。
・所属組織、地位や役職
フランの従魔。
・物語内での具体的な行動や成果
若手冒険者たちとの模擬戦で圧倒的な力を見せ、彼らの逃走を阻止する。海賊との海戦では空を駆け、フランの足場として立ち回る。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ユニーク個体であり、実戦経験を経て脅威度Bに迫るほど成長している。
バルボラの町・冒険者ギルド関係者
レッサー・ワイバーンに追われていた商人たち
バルボラへ向かう街道で魔獣に襲われ、絶望していた一般の商人である。
・所属組織、地位や役職
一般の商人。
・物語内での具体的な行動や成果
フランたちに救出され、命の代価として五万ゴルドの報酬を支払う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
料理ギルドの受付の女性
料理ギルドの窓口を担当しており、フランたちの功績を高く評価している。
・所属組織、地位や役職
料理ギルドの受付。
・物語内での具体的な行動や成果
フランたちにシルバーランクへの昇格を伝え、新しいギルドカードを交付する。カツ丼のレシピを受理する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
イオ
アマンダが運営する孤児院で子供たちの世話をしている女性である。料理の腕前が高い。
・所属組織、地位や役職
孤児院の世話役兼料理人。
・物語内での具体的な行動や成果
フランが残したカレーのレシピを活用し、子供たちに食事を提供する。孤児院の環境改善のきっかけを作ったフランに感謝を伝える。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
限られた材料でフランが満足するほどのカレーを作り上げる腕前を持つ。
孤児院の子供たち
アマンダに保護され、イオの世話を受けている子供たちである。フランやウルシを慕っている。
・所属組織、地位や役職
孤児院の保護児童。
・物語内での具体的な行動や成果
フランたちが訪れると喜んで出迎える。フランとウルシがカレーを大量に食べたため、翌日の食事が減ってしまい悲哀の表情を浮かべる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
以前の貧しい生活から一転し、健康で笑顔の絶えない生活を送っている。
竜膳屋の女性店員
竜膳屋で働く店員であり、フェルムスの不在時に店を回している。
・所属組織、地位や役職
竜膳屋の店員。
・物語内での具体的な行動や成果
フランが提示した最重要顧客用優待券に驚愕し、慌てて最高級のワインを店長の蔵から持ち出そうとする。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
竜膳屋のシェフの青年
フェルムスの弟子であり、店長不在時に料理を任されている真面目な料理人である。
・所属組織、地位や役職
竜膳屋の料理人。フェルムスの弟子。
・物語内での具体的な行動や成果
フランに料理の感想を求め、的確な指摘をメモに取る。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
フランからの大量のダメ出しを受け、黄昏れてしまう。
冒険者ギルドの受付嬢
バルボラの冒険者ギルドで働く受付嬢。フランの異名を知り、丁寧な対応を見せる。
・所属組織、地位や役職
冒険者ギルドの受付嬢。
・物語内での具体的な行動や成果
人探しをするフランに対し、情報屋のレグスを紹介する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
レグス
バルボラで都市内の仕事を主とする中年の斥候系冒険者。情報屋として活動する。
・所属組織、地位や役職
ランク不明の冒険者。情報屋。
・物語内での具体的な行動や成果
フランからの依頼でガルスの行方を調査する。アシュトナー侯爵家がガルスの失踪に関与している可能性を報告する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
黒雷姫と顔見知りになることに価値を見出し、最初の情報料を辞退する。
ガムド
バルボラ冒険者ギルドのギルドマスターであり、豪快な性格の元高ランク冒険者である。
・所属組織、地位や役職
冒険者ギルドマスター。元ランクA冒険者。
・物語内での具体的な行動や成果
若手冒険者たちの慢心を戒めるため、フランに模擬戦を依頼する。自身は防具を着て審判役を務める。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ベス
元ランクB冒険者の主婦。治癒魔術に長けている。
・所属組織、地位や役職
元ランクB冒険者。救護班。
・物語内での具体的な行動や成果
模擬戦でフランに負傷させられた若手冒険者たちにグレーター・ヒールを施す。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
鍛冶師ギルド
鍛冶ギルドの受付のドワーフ
鍛冶ギルドの受付を担当するマッチョなドワーフ。無愛想だが酒に弱い。
・所属組織、地位や役職
鍛冶ギルドの受付。
・物語内での具体的な行動や成果
最初はフランをあしらおうとするが、手土産の酒を見て態度を変え、ギルド長のもとへ案内する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
鍛冶ギルド長
鍛冶ギルドを取り仕切るドワーフ。義理堅く、酒を好む。
・所属組織、地位や役職
鍛冶ギルド長。
・物語内での具体的な行動や成果
フランにガルスが極秘依頼を受けている事情を説明する。ガルスから預かっていた手紙をフランへ引き渡す。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ディムル傭兵団
ヴァスク
ディムル傭兵団に所属する無礼な男。分隊長の息子である。
・所属組織、地位や役職
ディムル傭兵団の傭兵。分隊長の息子。
・物語内での具体的な行動や成果
フランを不審者扱いして尋問しようとし、父親に殴り倒される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
分隊長
ディムル傭兵団の後詰を率いる壮年の男。相手の実力を察知する能力を持つ。
・所属組織、地位や役職
ディムル傭兵団の分隊長。
・物語内での具体的な行動や成果
フランの放つ闘気を感じ取り、息子のヴァスクを殴りつけてフランに謝罪する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ディムル傭兵団の傭兵たち
街道を塞いでいた武装集団。黒雷姫の噂に怯えている。
・所属組織、地位や役職
ディムル傭兵団の団員。
・物語内での具体的な行動や成果
分隊長の命令に従い、フランに対して一斉に跪いて頭を下げる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
若手冒険者たち(バルボラ)
デュフォー
若手冒険者の一人。幻剣士のスキルを持つが、慢心している。
・所属組織、地位や役職
冒険者。
・物語内での具体的な行動や成果
フランとの模擬戦で先手を譲ろうとし、一撃で右脚を切断されて敗北する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ラシッド
槍使いの若手冒険者。
・所属組織、地位や役職
冒険者。
・物語内での具体的な行動や成果
デュフォーの敗北後に模擬戦に出るが、瞬時に右腕を切り飛ばされて敗れる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ナリア
弓使いの若手冒険者。女性。
・所属組織、地位や役職
ランクEパーティ「水晶の守り」のメンバー。
・物語内での具体的な行動や成果
模擬戦でフランに右腕を切り飛ばされて敗北する。後にフランへ弟子入りし、短刀での受けや回避の指導を受ける。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
フランの臨時弟子となる。
ミゲール
大剣使いの巨漢の若手冒険者。
・所属組織、地位や役職
ランクEパーティ「水晶の守り」のメンバー。
・物語内での具体的な行動や成果
模擬戦でフランに正面から受け止められ、雷鳴魔術を伴う蹴りで敗北する。後にフランへ弟子入りし、踏み込みや大振りを抑える指導を受ける。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
フランの臨時弟子となる。
ワンダ
火炎魔術を使う若手冒険者。自信家である。
・所属組織、地位や役職
冒険者。
・物語内での具体的な行動や成果
三対一の模擬戦でフランに高威力の魔術を放つが、同じ魔術で相殺されて戦意を喪失する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
レッド
盾士の若手冒険者。鑑定スキルに依存している。
・所属組織、地位や役職
冒険者。
・物語内での具体的な行動や成果
偽装されたフランのステータスを見て油断し、実際の強さを目の当たりにして呆然とする。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
リディック
槍使いの若手冒険者。真面目な性格である。
・所属組織、地位や役職
ランクEパーティ「水晶の守り」のメンバー。
・物語内での具体的な行動や成果
模擬戦で敗北後、フランへ弟子入りを志願する。攻撃に変化をつけるよう指導を受ける。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
フランの臨時弟子となる。
若手冒険者たち
ガムドが目をかけている冒険者たち。実力をつけて天狗になっていた。
・所属組織、地位や役職
冒険者たち。
・物語内での具体的な行動や成果
フランとウルシとの模擬戦を通じて実力差を思い知り、慢心を打ち砕かれる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
獣王家直轄船アルギエバ号
ジェローム
獣王家直轄船アルギエバ号の船長。人族であり、海の男らしい豪快な性格を持つ。
・所属組織、地位や役職
アルギエバ号船長。
・物語内での具体的な行動や成果
フランの実力を見抜いて護衛として雇う。シードラン海国のマール王女と交渉し、共同作戦へ参加することを決断する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
港湾局の役人
港での出航手続きを行う役人。
・所属組織、地位や役職
港湾局の役人。
・物語内での具体的な行動や成果
アルギエバ号の出航前にジェロームと打ち合わせを行う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
パフェト
アルギエバ号の副船長。山羊の獣人であり、非戦闘員で事務や交渉に長ける。
・所属組織、地位や役職
アルギエバ号副船長。
・物語内での具体的な行動や成果
フランに護衛のパーティ構成を説明する。マールとの会談ではジェロームを補佐して交渉を行う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
フランの入浴後に大浴場を利用し、喜ぶ。
アルギエバ号の船員たち
アルギエバ号を動かす乗組員たち。規律正しく、血の気は多いが海賊とは一線を画す。
・所属組織、地位や役職
アルギエバ号の船員。
・物語内での具体的な行動や成果
海賊船や巨大魔獣との遭遇時に船を操り、フランや冒険者たちの戦いを支援する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
護衛冒険者
モルドレッド
冷静で経験豊富な冒険者。溶鉄魔術を操り、実力主義を重んじる。
・所属組織、地位や役職
ランクB冒険者。ランクCパーティ「鉄神の息吹」リーダー。
・物語内での具体的な行動や成果
アルギエバ号側の戦闘指揮を執る。水竜艦へ乗り込み、溶鉄魔術でスアレスを捕縛する。狂人ヴァーゼスとの死闘を制する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
スルニン
モルドレッドの部下の小柄な男。リーダーを慕っている。
・所属組織、地位や役職
ランクCパーティ「鉄神の息吹」メンバー。
・物語内での具体的な行動や成果
フランの挨拶の仕方に不満を抱いて抗議するが、モルドレッドに制止される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
鉄神の息吹のメンバーたち
モルドレッドを強く信頼する体育会系の冒険者たち。
・所属組織、地位や役職
ランクCパーティ「鉄神の息吹」メンバー。
・物語内での具体的な行動や成果
リーダーの言葉に従ってフランに土下座で謝罪する。水竜艦への突入作戦に参加する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
蛇獣人の三兄弟
顔や腕に緑の鱗がある蛇獣人。双剣を扱う。
・所属組織、地位や役職
ランクDパーティ「赤の大地」メンバー。
・物語内での具体的な行動や成果
里帰りのため護衛依頼を受ける。追加報酬に喜んで水竜艦への突入作戦に参加する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
シードラン海国
ミリアム
シードラン海国の王女であり、水竜艦アキュースの主。フランとは友好的な関係にある。
・所属組織、地位や役職
シードラン海国将軍・王女。
・物語内での具体的な行動や成果
スアレスの脱獄と水竜奪取の報を受け、対処のために港へ急行する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
作中ではバルボラでの出来事ではなく、シードラン側の動向として語られる。
カーラ
ミリアムの副官を務める女性。
・所属組織、地位や役職
シードラン海国の軍人。
・物語内での具体的な行動や成果
ミリアムにスアレスの脱獄と目撃情報を報告する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
シードラン海国の兵士たち
シードラン海国に仕える軍人たち。マールへの忠誠心が高い。
・所属組織、地位や役職
シードラン海国の兵士。
・物語内での具体的な行動や成果
水竜艦ウィシュカルでマールに従い、脱獄したスアレスを追跡する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
マール・アマレロ・シードラン
シードラン海国の第三王女。冷徹で軍人のような口調だが、姉たちを敬愛している。
・所属組織、地位や役職
シードラン海国第三王女。水竜艦ウィシュカルの主。
・物語内での具体的な行動や成果
スアレスを追跡してアルギエバ号と接触し、ジェロームと交渉して共同作戦を展開する。ウィシュカルに潜入したヴォルーゼを氷魔術で処刑する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
フランと友として心を通わせる。
バイク
ミリアムの元副官であり、現在はウィシュカルに乗り込む誠実な軍人。
・所属組織、地位や役職
シードラン海国の軍人。ウィシュカルの補佐役。
・物語内での具体的な行動や成果
フランと再会し、スアレスの脱獄と現在の状況を説明する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
スアレス一派・海賊
槍使いの幹部
スアレスに従う元海賊団の幹部。
・所属組織、地位や役職
スアレス一派の幹部。
・物語内での具体的な行動や成果
フランの強襲を受けて生き残り、尋問に対してスアレスの情報を白状する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
魔術師の幹部
スアレスに従う元海賊団の幹部。小柄な魔術師。
・所属組織、地位や役職
スアレス一派の幹部。
・物語内での具体的な行動や成果
フランの尋問に答え、不要と判断されて海へ蹴り落とされる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
スアレス・アズール・シードラン
シードラン海国の前王。わがままで自尊心が高く、現実を見ようとしない。
・所属組織、地位や役職
元シードラン海国国王。水竜ヴァルッサの主。
・物語内での具体的な行動や成果
脱獄して海賊行為を働き、アルギエバ号を襲撃する。モルドレッドに捕縛された後も命令を撤回せず、水竜を暴れさせる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
マールへ引き渡され、罪人として船倉へ収容される。
ヴァーゼス
戦闘狂ヴァルーザの弟子。殺人を好む狂人であり、死霊魔術とトリッキーな剣術を操る。
・所属組織、地位や役職
スアレスの部下。
・物語内での具体的な行動や成果
一般兵士に偽装し、隙を突いてモルドレッドの部下を刺す。その後、モルドレッドと一騎打ちを行う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
モルドレッドの溶鉄魔術によって体内を蹂躙され、敗北する。
ゾンビ・ソルジャーの群れ
ヴァーゼスの死霊魔術によって召喚されたアンデッド。
・所属組織、地位や役職
ヴァーゼスの召喚物。
・物語内での具体的な行動や成果
ヴァーゼスの指示でモルドレッドに突撃するが、金属の繭に阻まれて機能停止する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
海賊たち
この海域を根城にし、スアレスの軍門に降った荒くれ者たち。
・所属組織、地位や役職
スアレス一派の戦闘員。
・物語内での具体的な行動や成果
アルギエバ号を襲撃するが、フランや魔術の攻撃を受けて艦隊ごと壊滅する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ヴォルーゼ
ヴァーゼスの弟であり、近接戦闘に特化した強者。
・所属組織、地位や役職
スアレスの部下。
・物語内での具体的な行動や成果
ウィシュカルへ潜入してマールを狙うが、返り討ちに遭う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
マールの氷魔術によって両腕と下半身を凍らされ、首を切り裂かれて処刑される。
獣人国(グレイシール)
リロイ
グレイシールで活動する冒険者。地図いらずの記憶力を持ち、モルドレッドの助っ人を務める。
・所属組織、地位や役職
ランクD冒険者。
・物語内での具体的な行動や成果
冒険者ギルドでモルドレッドに声をかけ、フランが黒雷姫であると知って驚愕する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
グレイシールの冒険者たち
港町のギルドに集う獣人の冒険者たち。黒雷姫の噂に興味津々である。
・所属組織、地位や役職
冒険者たち。
・物語内での具体的な行動や成果
フランの正体を知って騒ぎ立て、ゴドダルファ戦の真偽について議論を交わす。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
進化した黒猫族の姿を目の当たりにし、衝撃を受ける。
魔獣・水竜
レッサー・ワイバーンの群れ
街道で商人を襲っていた野生の下級魔獣。
・所属組織、地位や役職
野生の魔獣。
・物語内での具体的な行動や成果
フランとウルシの気配を感じて遠巻きに睨むが、師匠のカンナカムイで跡形もなく消滅する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ミドガルズオルム
脅威度Aに指定される巨大な海蛇の大魔獣。非常に高い生命力と再生力を持つ。
・所属組織、地位や役職
野生の大魔獣。
・物語内での具体的な行動や成果
水竜とクラーケンを飲み込み、アルギエバ号に標的を定める。フランと師匠の最大魔法を受けても再生を始める。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
突如出現したリヴァイアサンに噛み付かれ、海中へと連れ去られる。
水竜ヴァルッサ
スアレスと契約している水竜。かつて師匠に傷つけられた恨みを覚えている。
・所属組織、地位や役職
脅威度Bの大魔獣。スアレスの契約獣。
・物語内での具体的な行動や成果
高い防御力で師匠の攻撃を防ぎ、水球や水圧ブレスで反撃する。クラーケンに絡みつかれて暴れる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ミドガルズオルムにクラーケンごと飲み込まれる。
水竜ウィシュカル
マールと契約している紫紺の水竜。高い知性を持ち、主への親愛を示す。
・所属組織、地位や役職
脅威度Bの大魔獣。マールの契約獣。
・物語内での具体的な行動や成果
フランに鼻面を撫でられて大人しくする。クラーケンに絡まれるが、自力で噛み千切って反撃する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
クラーケン
脅威度Cの巨大なタコに似た魔獣。好戦的で群れて行動する。
・所属組織、地位や役職
野生の魔獣。
・物語内での具体的な行動や成果
縄張りに侵入した水竜ウィシュカルとヴァルッサに絡みつき、海戦の混乱を広げる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
リヴァイアサンが現れると、気配を消して逃げ出す。
リヴァイアサン
脅威度Sに指定される規格外の神獣。ミドガルズオルムを主食とする。
・所属組織、地位や役職
野生の神獣。
・物語内での具体的な行動や成果
ミドガルズオルムに噛みつき、そのまま海中へ引きずり込む。師匠に対して意味深な視線を送る。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
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展開まとめ
第一章 ガルスの行方
バルボラへの帰還とガルスの手紙
水竜艦を狙う脱獄
シードラン海国では、重罪人スアレスが殺人犯の兄弟らと脱獄し、軍港へ侵入していた。水竜ヴァルッサとの契約が残るスアレスは、療養中の水竜と船体を奪って逃亡しようとしており、ミリアムたちは軍港へ急行した。
レッサー・ワイバーンの群れ
ウルムットを出たフランたちは、バルボラへ向かう街道でレッサー・ワイバーンに追われる商人を発見した。フランは素材を受け取る条件で救援を引き受け、商人たちを安全な場所まで退避させた。
カンナカムイの威力
師匠は平地での性能を確かめるため、最上位雷鳴魔術カンナカムイを放った。ワイバーンの群れは素材や魔石ごと消滅し、地面には硝子化した巨大なクレーターが残った。爆風と轟音で商人まで傷つけかけたため、師匠は市街地や味方の近くでは使えない危険な魔術だと理解した。
救助の報酬
フランは巻き込みかけたことを考慮し、商人たちが持っていた五万ゴルドを報酬として受け取った。商人たちは予想より安い金額で済んだことに安堵し、フランへ感謝した。
黒雷姫への恐怖
街道ではディムル傭兵団がフランを呼び止め、団員ヴァスクが無礼な尋問を始めた。分隊長は相手が黒雷姫だと気づくと、息子を殴り倒して謝罪し、全員へ跪くよう命じた。フランは敵対する意思がないと判断し、そのまま立ち去った。
復興したバルボラ
フランたちは一か月ぶりにバルボラへ戻った。邪人によって破壊された建物の多くは修復され、町は以前の姿を取り戻していた。フランは知人への挨拶と、行方の分からないガルスの捜索を始めた。
料理ギルドの昇格
料理ギルドでは、カレーを広めた経済的、文化的功績によって、フランと師匠のランクがシルバーへ昇格した。活動が途絶えると降格する可能性があると聞いた二人は、新たにカツ丼のレシピを提出した。
蘇った孤児院
フランが孤児院を訪れると、建物や庭は美しく整備され、子供たちの服や暮らしも改善されていた。イオは、フランがアマンダへ窮状を伝えてくれたことと、カレーのレシピを残したことに感謝した。翌日のカレーの日には、フランとウルシも食事へ招かれた。
広がったカレー料理
町にはカレーを応用した料理が増えており、フランたちはカレーヌードルの屋台を発見した。伸びにくい麺を使った新しい料理を味わい、カレーが料理人たちの工夫によって発展していることを喜んだ。
情報屋レグス
冒険者ギルドでガルスを探していると伝えると、都市の情報に詳しい冒険者レグスを紹介された。ガルスは十日前までバルボラにいたが、その後の足取りは不明であった。レグスは裏側を調べ、フランは冒険者ギルドと鍛冶ギルドから表立って情報を集めることになった。
ガムドの証言
ギルドマスターのガムドも、十日前に武器の整備をガルスへ依頼していたが、その後の居場所は知らなかった。さらに、黒雷姫は傭兵を嫌い、敵対した傭兵団を皆殺しにするという噂が広まっていると明かした。フランは傭兵そのものを憎んではおらず、敵なら倒すだけだと答えた。
模擬戦の依頼
ガムドは、自分が育てている若い冒険者たちへ格上の実力を教えるため、フランに模擬戦を頼んだ。フランは相手への興味もあり、翌朝に彼らと戦うことを引き受けた。
竜膳屋の酒
鍛冶ギルドへの手土産を求め、フランはフェルムスの竜膳屋へ立ち寄った。店長不在のため弟子の料理を味わい、優待券を利用して店で扱う上質なワインを購入した。フランは弟子の料理を率直に評価し、多くの改善点を伝えた。
鍛冶ギルドの機密
鍛冶ギルドでは当初相手にされなかったが、酒を手土産として示すとギルド長との面会が認められた。ギルド長は、ガルスが大貴族から断れない極秘依頼を受け、現在は連絡を絶っていると明かした。
魔剣少女宛ての手紙
ガルスは魔剣少女フランが現れた時に渡すよう、鍛冶ギルド長へ手紙を預けていた。しかし異名が黒雷姫へ変わったため、これまで本人だと気づかれていなかった。
王都での再会
手紙には、ガルスが極秘依頼のため所在を明かせず、現在は王都にいるはずだと記されていた。武具オークションに合わせて王都へ来るよう求め、新しい鞘も用意すると約束していた。フランたちはガルスとの再会が先延ばしになったものの、王都へ向かう目的が一つ増えた。
第二章 鼻をへし折るということ
ガルスの依頼主と獣人国行きの船
アシュトナー侯爵家の関与
フランは情報屋レグスから、ガルスへ極秘依頼を持ち込んだのがアシュトナー侯爵家の関係者だったと聞いた。ガルスが姿を消した日に侯爵家の別邸から馬車が出ており、彼が乗せられていた可能性が高かった。
ガルスの安全
ガルスは王国から名誉鍛冶師として認められ、神級鍛冶師に最も近い腕を持っていたため、侯爵家が危害を加える可能性は低かった。フランたちは王都のオークションまで待ち、ガルス本人から事情を聞くことにした。
魔狼の平原の再調査
アシュトナー侯爵家は魔狼の平原へ騎士を送り込んでいたが、枯渇の森で壊滅していた。その後も冒険者へ再調査を依頼しており、師匠が発見された場所に何らかの目的を持っている可能性が残った。
若手冒険者の慢心
ガムドは才能のある九人の若手冒険者を鍛えるため、フランとの模擬戦を用意した。彼らは鑑定で偽装されたフランの能力を信じ、幼い少女だと侮っていた。
瞬時の敗北
フランは最初のデュフォーの脚を斬り落とし、続く冒険者たちも腕の切断や打撃によって次々と倒した。若手たちはフランの速さや力、鑑定に表示されない雷鳴魔術を目の当たりにし、ようやく実力差を理解した。
黒雷姫の正体
ガムドはフランが武闘大会でランクA冒険者を倒した黒雷姫だと明かした。さらに、情報収集を怠り、鑑定結果だけを信じ、相手を見極めようとしなかった若手たちの慢心を厳しく叱った。
三人組との連戦
二周目では、三人一組でフランへ挑む形式となった。冒険者たちは連携や幻惑、弓、魔術を駆使したが、フランには攻撃を当てられず、反撃が許可されると瞬時に倒された。
魔術師ワンダの挫折
火炎術師ワンダは仲間に守られながら高威力の魔術を放った。しかしフランは同じ魔術を同じ威力でぶつけて相殺し、続く攻撃もすべて打ち消した。技量の差を見せつけられたワンダは戦意を失った。
九人同時の敗北
若手全員が同時に挑んでも、フランを捉えることはできなかった。フランは攻撃を避け続けた後、威力を抑えた広範囲魔術で全員を一瞬のうちに倒した。
水晶の檻への憧れ
若手たちは魔境・水晶の檻の深層へ入り、希少な鉱石を得ようとしていた。中層で何度か狩りに成功したことで、危険な魔獣からも逃げられると過信していたのである。
ウルシとの鬼ごっこ
ガムドは若手たちに現実を理解させるため、ウルシから五人以上が逃げ切れれば深層行きを認めると告げた。彼らはウルシを脅威度Cのダークネスウルフだと思い、半数なら逃げ切れると考えた。
圧倒的な追跡
ウルシは咆哮で若手たちを竦ませ、転移と暗黒魔術で進路を塞いだ。冒険者たちは囮や連携を使ったが、ウルシの速度、防御力、再生力に通じず、追いつかれてから短時間で全滅した。
ガムドの忠告
若手たちは魔獣から逃げることさえできない現実を知り、深層へ入れば死亡する可能性を理解した。ガムドの訓練は彼らだけでなくフランにも向けられており、慢心せず、焦らず成長するよう伝えるものであった。
港での船探し
模擬戦を終えたフランたちは、獣人国へ向かう船を探した。港ではカレーを使った新しい料理を買い食いしながら、船の規模や乗組員の様子を確認した。
合わない航路
黒雷姫の名を知る商人から高額報酬で護衛を求められたが、目的地がレッディナ大陸だったため断った。シードラン海国の混乱により、クローム大陸へ向かう船は減少していた。
獣王家直轄船
フランたちは獣人国の王冠付き紋章を掲げた大型船を発見した。規律ある船員が乗る外洋船であり、獣王家の直轄船であることから、求めていた条件を満たしていた。
船長ジェローム
船長ジェロームはフランを黒雷姫と知っており、その実力を見抜いて護衛を依頼した。獣王の名入り身分証も確認し、フランを獣人国まで乗せることを了承した。
護衛依頼の受諾
正式な契約を結ぶため、ジェロームは冒険者ギルドへ護衛依頼を出した。フランはその場で依頼を受け、三日後に獣人国へ向けて出航することになった。
第三章 大海原へ
アルギエバ号での航海
孤児院のカレー
フランとウルシは孤児院でイオのカレーを何度もおかわりし、鍋を空にするほど食べた。身近な材料だけで師匠のカレーに並ぶ味を生み出したイオの腕前に、師匠は感心した。
取り戻された笑顔
食後、イオはフランがアマンダへ窮状を伝えたことで、孤児院に安心した暮らしと子供たちの笑顔が戻ったと感謝した。フランは照れながらも、孤児たちとイオが心から楽しそうに暮らす姿を喜んだ。
出航までの休息
フランたちは出航までの三日間を穏やかに過ごし、再び孤児院を訪れて小麦粉や砂糖、香辛料を置いてきた。先日の食事への感謝を、相手へ負担を感じさせない形で返したのである。
アルギエバ号への乗船
出航の日、フランは獣王家直轄船アルギエバ号へ乗り込んだ。船長ジェロームと挨拶を交わし、副船長パフェトから他の護衛冒険者や船内の説明を受けた。
護衛冒険者との顔合わせ
護衛には、ランクB冒険者モルドレッドが率いる鉄神の息吹、蛇獣人三兄弟の赤の大地、模擬戦でフランに敗れた水晶の守りが参加していた。モルドレッドは武闘大会でフランの実力を知っており、無礼を働いた仲間に代わって頭を下げた。
遊撃役のフラン
モルドレッドはフランへ全体指揮を譲ろうとしたが、フランは指揮を断り、自由に動ける遊撃役を選んだ。緊急時にはモルドレッドの指示に従うことで合意し、護衛同士の役割が定まった。
船室への高揚
フランに与えられた個室は狭いながらも清潔で、ベッドや机、丸窓が備えられていた。フランと師匠は船らしい雰囲気を気に入り、出航まで部屋でくつろいだ。
護衛契約の確認
護衛中に倒した魔獣の素材と魔石は船の所有となり、戦果に応じて報酬が加算される契約であった。個人同士の争いを避けるため、基本的には護衛全体の成果として評価されることになった。
アルギエバ号の出航
昼食後、船体の振動に気づいたフランたちが甲板へ出ると、アルギエバ号は既に港を離れていた。帆を張る前から魔導推進器によって加速し、獣人国への航海が始まった。
大型船の装備
アルギエバ号には魔導推進器、大型魔獣から船を隠す結界、中小型魔獣を遠ざける装置、八門の魔導砲が備えられていた。ただし結界は完全ではなく、魔獣や海賊との戦闘では冒険者の力が必要であった。
船内の探検
フランたちは倉庫や魔導砲室、船底の推進装置を見学した。推進装置は水を吸い込み、船体後方へ噴射することで巨大な船を動かしており、噴射方向を変えることで方向転換も可能であった。
クラーケンの巣
アルギエバ号は、クラーケンの縄張りの外縁を通る航路を進んだ。クラーケンの生息域には他の魔獣が寄りつかず、船の結界もクラーケン対策に特化していたため、正しく進めば比較的安全な航路であった。
魔海の大魔獣
ジェロームは、北方の魔海にはリヴァイアサンをはじめとする巨大魔獣が生息していると語った。リヴァイアサンはミドガルズオルムを主食とし、かつて一国を津波で滅ぼしたと伝えられていた。
健康的な船旅
航海中、フランたちは規則正しく食事を取り、甲板で体を動かしながら穏やかに過ごした。食料は魔道具によって保存され、船上でも新鮮な野菜を含む十分な食事が提供された。
ミドガルズオルムの幼生
漁で引き上げられた魚介の中から、フランはミドガルズオルムの幼生を発見した。幼生は互いの尾へ噛みついて数珠状につながり、やがて同化して巨大な一体へ成長する生態を持っていた。
親個体への警戒
幼生が数か月程度の大きさだったため、ジェロームは近海に親のミドガルズオルムがいる可能性を警戒した。ただし、襲撃された場合には匂いを付けた囮の樽を使って逃げる対策が用意されていた。
船上の大浴場
魚の仕分けで手が汚れたフランは入浴を望み、船内に大浴場があると知った。フランと師匠は魔術で湯を張り、ウルシと共に広い風呂を満喫した。
毎日の入浴
フランの後に入浴したモルドレッドとパフェトも風呂を気に入り、翌日以降も湯を張ってほしいと頼んだ。フランたちは航海中、毎日大浴場を利用することになった。
第四章 襲撃と撃退と襲撃
海賊船団との戦闘と水竜艦の出現
穏やかな船旅
フランは甲板で釣り糸を垂らし、菓子を食べながら海を眺めて過ごした。護衛中でありながら、周囲を警戒しつつ優雅な船旅を楽しんでいた。
海賊船の接近
警鐘によって五隻の海賊船が接近していると判明した。快速艇は衝角を使って船体へ穴を開け、内部の通路から戦闘員を送り込む構造であったため、ジェロームは接近前に沈める方針を示した。
フランの単独出撃
フランはアルギエバ号への被害を避けるため、自ら海賊船を沈めると申し出た。モルドレッドもその実力を認め、フランは巨大化したウルシに乗って海賊船団の上空へ向かった。
雷鳴魔術の実験
師匠は船への有効な攻撃方法を確かめるため、五隻を異なる方法で沈めることにした。エカトケラウノスは一隻を跡形もなく粉砕し、威力が過剰であると分かった。
トール・ハンマー
フランが放ったトール・ハンマーは海賊船を中央から二つに割り、確実に沈没させた。師匠は破壊力と消耗の釣り合いがよく、船への攻撃に適した魔術だと判断した。
船底への爆破
師匠は海中から火炎魔術を爆発させ、船底を破壊する方法を試した。沈没させることには成功したが、制御が難しく時間もかかったため、実戦では効率が悪いと分かった。
念動カタパルト
師匠は属性剣や風魔術を重ねた最大出力の念動カタパルトで海賊船を貫通した。船体へ大穴を開けられたものの、師匠自身の耐久力と魔力を大きく消耗するため、常用には向かなかった。
斬艦剣
フランは形態変形で師匠の刀身を巨大化させ、空気抜刀術によって最後の海賊船を一刀で両断した。二人は、少数の船にはトール・ハンマー、多数の船には巨大化した師匠を使う戦法が有効だと確認した。
黒雷姫への称賛
五隻を無傷で撃沈したフランは、ジェロームや船員たちから熱烈に称賛された。モルドレッドも、ランクCとは思えない戦闘力だと呆れながら評価した。
三人の弟子入り
ミゲール、リディック、ナリアはフランの戦いを見て、強くなるため弟子にしてほしいと願い出た。フランは航海中だけという条件で受け入れ、師匠ではなく先生と呼ばせることにした。
フラン先生の指導
フランは三人へ素振りや近接戦闘の必要性を教えた。弓使いのナリアには短刀を渡し、接近された際の防御や牽制に使うよう指導した。
基礎訓練
翌日から、フランはストレッチ、素振り、模擬戦を組み合わせた訓練を始めた。ミゲールには大振りを抑えること、リディックには攻撃へ変化を加えること、ナリアには短刀による受けと回避を教えた。
新たな海賊艦隊
再び警鐘が鳴り、同じ海賊旗を掲げた十二隻の艦隊が接近した。中央には大型艦があり、ジェロームは船の動きに違和感を覚えた。
シードランの水竜艦
大型艦はシードラン海国の旗を掲げ、水竜に牽引されていた。青い旗から、革命で捕らえられた前王スアレスの水竜艦である可能性が浮かんだ。
水竜艦の脅威
水竜艦は普通の戦艦百隻に匹敵するとされ、船だけを沈めれば解放された水竜が暴走する危険があった。フランたちは水竜を先に倒す方針を選び、念動カタパルトによる急所攻撃を試みた。
水の鎧
師匠の最大出力の攻撃は、水竜を覆う水の膜と魔力障壁に阻まれ、僅かな傷しか与えられなかった。接触状態で雷撃を浴びせても効果はなく、水竜は大量の水球を操って反撃した。
船からの魔力供給
フランは、水竜が攻撃を受けた際に船から大量の魔力を供給されていることに気づいた。水竜艦に搭載された魔導装置が、防御力を強化していると考えられた。
小型艦の壊滅
水竜を倒せないと判断したフランたちは、船体を盾にしながら周囲の小型艦を攻撃した。巨大化した師匠とトール・ハンマーを使い、情報収集用の一隻を残して艦隊を沈めた。
海賊幹部の尋問
フランは残した船へ乗り込み、海賊たちを制圧して幹部を尋問した。水竜艦の艦長は銀髪と赤銅色の肌を持つ大男で、スアレスと呼ばれていることが判明した。
前王スアレス
スアレスはシードランの前国王であり、師匠が以前傷つけた水竜を再び従えていた。水竜が師匠へ激怒していたのは、過去の攻撃と魔力を記憶していたためであった。
乗り込み作戦
水竜艦を操るスアレスを捕らえるか、強化装置を破壊する必要があると判断された。フランはディメンジョン・ゲートでモルドレッドたちを敵船の甲板へ送り込む作戦を提案した。
黄色い水竜艦
作戦を実行する直前、南方から黄色い旗を掲げた新たな水竜艦が現れた。海賊旗はなく、青旗の水竜艦とは敵対している様子であった。
潜水する青旗艦
青旗の水竜艦は船全体を魔力で覆い、海中へ潜って離脱を始めた。アルギエバ号は二隻の水竜艦から距離を取り、状況を見極めることになった。
第五章 水竜艦
黄旗の水竜艦とスアレス捕縛作戦
黄旗の水竜艦
フランたちは、アルギエバ号へ友好的な信号を送った黄旗の水竜艦を確認するため、ウルシに乗って接近した。甲板にはシードラン海国の兵士がおり、かつてミリアムの副官だったバイクの姿もあったため、正式な追討部隊であると判明した。
スアレスの脱獄
バイクは、前国王スアレスが半月前に支持者の手引きで脱獄し、水竜艦ヴァルッサを奪ったと説明した。革命後の混乱や、女王セリメアへの反発を抱く旧勢力が逃亡を支援していたのである。
第三王女マール
黄旗の水竜艦ウィシュカルを率いていたのは、セリメアとミリアムの妹である第三王女マールであった。マールは姉へ強い忠誠を抱き、スアレスを捕らえるため国外まで追跡していた。
水竜ウィシュカル
マールは契約した水竜ウィシュカルをフランへ紹介した。ウィシュカルは高い知性とマールへの親愛を示し、フランもその姿を気に入った。ウルシは水竜を褒めるフランへ対抗し、自分も格好よいと懸命にアピールした。
両船の会談
マールはアルギエバ号の責任者との会談を求めた。フランが両船の間を往復して仲介し、アルギエバ号とウィシュカルは接近した。水竜が海流を操ったことで、二隻は衝突せず安全に接舷した。
マールとジェローム
マールとジェロームは互いの気質を気に入り、すぐに意気投合した。マールはヴァルッサを封じた後、フランやモルドレッドたちが乗り込み、スアレスを捕縛する共同作戦を提案した。
通商交渉の提案
ジェロームは護衛冒険者を契約外の戦いへ参加させる危険を懸念した。マールは協力の見返りとして、シードラン海国と獣人国の正式な通商協議を開き、大臣級以上を参加させると約束した。
共同作戦への参加
ジェロームはフランとモルドレッドへ頭を下げ、協力を求めた。フランはヴァルッサへの敗北をそのままにしたくないと承諾し、モルドレッドたちも参加を決めた。下位の冒険者たちも追加報酬やフランへの信頼から作戦へ加わった。
クラーケンの巣への追跡
ウィシュカルはアルギエバ号を牽引し、クラーケンが群生する海域へ進んだ。スアレスはヴァルッサを休ませるためクラーケンの巣へ逃げ込んでいたが、ウィシュカルの速度によって追いつかれた。
水竜艦の拘束
マールたちは対水竜艦用の魔道具を使い、ヴァルッサの動きを封じた。拘束は長く続かず、周囲にはクラーケンの危険もあったため、フランたちは速やかにスアレスを捕らえる必要があった。
次元門の奇襲
フランはディメンジョン・ゲートをヴァルッサの甲板へ開いた。モルドレッドを先頭に冒険者たちが敵の背後へ突入し、待ち構えていた兵士たちを混乱させた。フランも続いて海賊たちを次々と切り倒した。
指令室への手掛かり
フランは敵の指揮官を捕らえ、痛めつけながらスアレスの居場所を聞き出した。指令室にいると判明すると、フランとウルシは二手に分かれて船内を捜索した。
スアレスの捕縛
フランが倉庫へ踏み込むと、モルドレッドとスアレスが対峙していた。スアレスは部下を狙って隙を作ろうとしたが、モルドレッドは溶鉄魔術で戦斧を変形させ、鋼の拘束具として全身へ巻き付けて捕らえた。
前王の妄執
捕縛されたスアレスは、自分こそが現在もシードランの王であると主張し、フランたちへ臣下になるよう命じた。フランとモルドレッドはその妄言を取り合わず、水竜を止めるよう要求した。
水竜への命令
スアレスは威圧や拷問にも抵抗したが、フランが傷を治しては再び痛めつけると、ついにヴァルッサへ抵抗をやめさせる命令を唱え始めた。
ヴァーゼスの奇襲
命令の途中、倒れていた兵士に化けていたヴァーゼスがモルドレッドの部下を刺した。ヴァーゼスはフランがかつて倒した戦士ヴァルーザの弟子であり、実力を隠して潜伏していた。
狂人ヴァーゼス
ヴァーゼスは殺人と苦痛を楽しみ、死霊魔術でゾンビ兵を呼び出した。さらに弟ヴォルーゼがウィシュカルへ向かったと明かし、フランとモルドレッドを分断しようとした。
モルドレッドの残留
モルドレッドは傷つけられた部下のため、ヴァーゼスとの戦いを引き受けた。フランはマールたちを守るため、ウルシと共にウィシュカルへ戻ることにした。
溶鉄魔術の反撃
ヴァーゼスの奇剣は溶鉄魔術を弾いたが、モルドレッドは金属の繭で攻撃を防いだ。さらに金属糸を暴れさせる術でヴァーゼスとゾンビ兵の体内を貫き、瀕死へ追い込んだ。
氷漬けのヴォルーゼ
フランがウィシュカルへ戻ると、戦闘はすでに終わっていた。ヴォルーゼはマールの部下を傷つけ、彼女を辱めると脅していたが、下半身と両腕を氷漬けにされ、身動きできない状態となっていた。
マールの制裁
マールは命乞いをするヴォルーゼを冷たく嘲り、最後には首を切り裂いて処刑した。ヴォルーゼほどの強者を無傷で倒したことで、マールが高度な魔術を操る実力者であると明らかになった。
作戦の進展
フランはスアレスが捕らえられ、モルドレッドが残る敵と戦っていると報告した。マールは負傷者の救護を終えており、フランへヴァルッサへ戻って最終的な状況を確認するよう頼んだ。
第六章獣たち
クラーケンの襲撃とリヴァイアサン
ウィシュカルの異変
フランがヴァルッサへ戻ろうとした直前、水竜艦ウィシュカルが激しく揺れた。海中では二匹のクラーケンが水竜ウィシュカルへ絡みつき、その巨体を締め上げていた。
クラーケンへの攻撃
師匠は海中へ飛び込み、念動カタパルトでクラーケンを攻撃した。しかし柔軟な皮膚と筋肉に威力を吸収され、体内へ食い込んだところで火炎魔術を放った。
ウィシュカルの反撃
拘束から解放されたウィシュカルは、クラーケンを噛み千切って倒した。だが、ウィシュカルが自由になったことでヴァルッサへの拘束も解け、水竜ヴァルッサは再び暴れ始めた。
ドラゴン・エンハンサー
マールはフランに、水竜を強化する魔導装置ドラゴン・エンハンサーの破壊を頼んだ。ヴァルッサはアルギエバ号を攻撃し、ブレスでマストを折ったため、フランたちは急いで水竜艦へ戻った。
ウルシの陽動
ウルシはヴァルッサの水圧ブレスを避けながら暗黒魔術で挑発し、その注意を引きつけた。その隙にフランと師匠は甲板へ転移し、モルドレッドたちと合流した。
スアレスの命令
モルドレッドはスアレスへ水竜を鎮めるよう命じたが、スアレスは逆に好きに暴れろと命令していた。痛めつけられても撤回しなかったため、フランはドラゴン・エンハンサーを探すことにした。
隠された魔導装置
フランは船内の隠し部屋へ入り、巨大な水晶と骨の台座、金属部品で構成されたドラゴン・エンハンサーを発見した。装置をすぐに破壊せず、再び戻れるよう準備しようとした。
ヴァルッサへの襲撃
その時、複数のクラーケンがヴァルッサにも絡みついた。フランたちは水竜とクラーケンが争っている間に撤退する方針を決め、冒険者たちをディメンジョン・ゲートでアルギエバ号へ戻した。
鋼鉄の大蛇
モルドレッドは高価な魔法薬で魔力を増幅し、二本の巨大な錨を金属の大蛇へ変えた。大蛇はヴァルッサとクラーケンをまとめて拘束し、アルギエバ号が逃げる時間を作った。
ミドガルズオルムの襲来
脱出中、ミドガルズオルムが海中から現れ、水竜とクラーケンをまとめて飲み込んだ。その巨体はヴァルッサの船体をへし折り、水竜艦を破壊した。
囮の失敗
ミドガルズオルムは次にアルギエバ号を狙った。フランたちは好物の匂いを放つ薬品の樽を海へ投げたが効果はなく、魔術で攻撃しても進路を変えられなかった。
因縁の個体
師匠の念動カタパルトを受けたミドガルズオルムは激怒した。フランは、以前戦った個体が師匠の攻撃を覚えていたのだと気づき、再び因縁の相手と戦うことになった。
黒雷の連撃
覚醒して閃華迅雷を発動したフランは、空中を高速で駆けながらミドガルズオルムへ斬撃と黒雷を浴びせた。頭部を大きく損傷させたが、生命力はほとんど減らず、傷も再生し始めた。
天空斬艦抜刀術
フランは巨大化した師匠を使い、上空から一気に斬り下ろした。ミドガルズオルムの頭部は真っ二つになったが、それでも致命傷にはならず、すぐに傷が閉じ始めた。
白雷と黒雷
ミドガルズオルムが再びアルギエバ号を追うと、フランたちは開いた口へカンナカムイと黒雷招来を同時に叩き込んだ。大爆発によって上半身の大部分を吹き飛ばしたが、それでも生命力の三分の一も失っていなかった。
動き続ける大魔獣
頭部を失った状態でも、ミドガルズオルムはアルギエバ号を追い続けた。魔力を使い果たしたフランに代わり、師匠は残る力で再び攻撃しようとした。
リヴァイアサンの出現
その時、圧倒的な存在感を持つ巨大な魔獣が高速で接近した。現れたのは脅威度Sの神獣リヴァイアサンであり、ミドガルズオルムを噛み上げて海中へ引きずり込んだ。
師匠への視線
リヴァイアサンは師匠を見つめ、師匠の内には懐かしさに似た説明し難い感情が湧いた。リヴァイアサンは攻撃せず、微笑んだような表情を残してミドガルズオルムと共に姿を消した。
クラーケンの消失
リヴァイアサンが去ると、周囲のクラーケンも姿を消した。アルギエバ号とウィシュカルは危険な海域から離脱し、モルドレッドは大魔獣との連続遭遇に疲れ果てていた。
スアレスの引き渡し
フランは捕らえたスアレスをウィシュカルへ運んだ。騒ぎ続けるスアレスを黙らせながらマールへ引き渡し、マールは罪人として船倉へ収容するよう命じた。
マールとの別れ
マールはヴァルッサを失ったものの、スアレスを捕縛できたことを喜び、フランの働きに感謝した。消耗しきったフランを気遣い、休むよう促した。
フランの眠り
アルギエバ号へ戻ったフランは、モルドレッドたちに見守られながら自室へ向かった。ベッドへ倒れ込むとすぐに眠り、師匠は背中から離れて静かに休ませた。
エピローグ
グレイシールへの到着
クローム大陸への入港
リヴァイアサンとの遭遇から二日後、アルギエバ号はクローム大陸の港町グレイシールへ無事に到着した。ジェロームたちは船を停泊させ、副船長はシードラン海国との通商に関する話を伝えるため、代官所へ使者を向かわせた。
護衛依頼の完了
護衛冒険者たちは特別報酬を受け取り、船を下りた。フランも凶悪な魔獣との戦闘を評価され、一〇万ゴルドほどの追加報酬を得た。
臨時弟子との別れ
ミゲール、ナリア、リディックは、航海中の指導に感謝し、次に会う時までに成長すると誓った。フランは初めて三人の名前を呼び、弟子として覚えていたことを示して再会を約束した。
マールとの友情
マールは、自らの協力要請によってフランたちを危険へ巻き込んだことを詫びた。フランは無事に獣人国へ着けたことがすべてだと答え、シードラン海国での再会を約束した。二人は友として笑顔を交わし、マールは敬礼して去った。
モルドレッドの案内
フランはモルドレッドに案内され、報酬を受け取るためグレイシールの冒険者ギルドへ向かった。港町のギルドは船の護衛依頼を扱うため規模が大きく、多くの冒険者が集まっていた。
冒険者リロイ
ギルドでは、モルドレッドと親しいランクD冒険者リロイが声をかけた。リロイは土地勘と記憶力に優れ、モルドレッドが助っ人として頼るほど信頼されている冒険者であった。
黒雷姫の名声
フランがランクC冒険者と名乗ると、リロイは年齢に対する昇格の早さに驚いた。モルドレッドが黒雷姫であることを明かすと、リロイだけでなくギルド中の冒険者たちが騒ぎ始めた。
ゴドダルファ戦の噂
獣人の冒険者たちは、フランがランクA冒険者ゴドダルファに勝ったという噂について語り合った。勝ちを譲られたと疑う者もいたが、ゴドダルファが本気の大会で手を抜くはずがないと反論する者も多かった。
黒猫族の進化
フランは進化隠蔽を解除し、黒猫族が進化できる事実を自ら示した。獣王から進化条件が伝えられ始める中、実際に進化したフランの存在は冒険者たちへ強い衝撃を与えた。
獣人国での第一歩
報酬を受け取ったフランは、多くの視線を集めながらギルドを後にした。まずは宿を確保し、王都への行き方を調べることにした。
転生したら剣でした 一覧




















その他フィクション

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