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Y.Aフィクション(Novel)八男って、それはないでしょう!読書感想

小説【八男】「八男って、それはないでしょう! 8」八男、結婚する

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Y.A

八男7巻レビュー
八男まとめ
八男9巻レビュー

Table of Contents

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  1. 物語の概要
    1. ■ 作品概要
    2. ■ 主要キャラクター
    3. ■ 物語の特徴
  2. 書籍情報
  3. あらすじ・内容
  4. 感想
  5. 考察・解説
    1. エルの失恋と回復
    2. ヴェンデリンの結婚式
    3. 妻たちの魔力上昇
    4. 義姉アマーリエとの関係
    5. 大お見合い会の開催
    6. アーカート神聖帝国訪問
    7. ニュルンベルク公爵の反乱
  6. 登場キャラクター
    1. バウマイスター伯爵家
      1. ヴェンデリン・フォン・ベンノ・バウマイスター
      2. エリーゼ・カタリーナ・フォン・ホーエンハイム
      3. カタリーナ・リンダ・フォン・ヴァイゲル
      4. ヴィルマエトル・フォン・アスガハン
      5. ルイーゼ・ヨランデ・アウレリア・オーフェルヴェーク
      6. イーナ・ズザネ・ヒレンブラント
      7. エル
      8. ローデリヒ
      9. トリスタン
      10. トーマス
      11. モーリッツ
      12. フェリクス
      13. イェフ
      14. ドミニク
      15. カスパル
      16. レーア
      17. 親戚の子供たち
      18. 料理人たち
      19. メイドたち
      20. 家臣たち
      21. 警備兵たち
    2. ヴェンデリンの親族・関係者
      1. ヴェンデリンの父
      2. ヴェンデリンの母
      3. アマーリエ・フォン・ベンノ・バウマイスター
      4. クルト
      5. カール
      6. オスカー
      7. パウル
      8. ヘルマン
      9. マルレーネ
      10. ユッタ
      11. エーリッヒ
      12. ミリヤム
      13. ヘルムート
      14. ルイーゼの父親
      15. イーナの父親
      16. ニーナ
      17. レーアの父親
    3. ブライヒレーダー辺境伯家
      1. ブライヒレーダー辺境伯
      2. ブランターク
      3. アガーテ
      4. アニータ
      5. ブリュア
    4. ブロワ辺境伯家
      1. カルラ・フォン・ブロワ
      2. ゲルト
      3. ブロワ辺境伯の正妻
      4. カルラの母親
      5. カルラの兄たち
    5. ヘルムート王国政府・中央貴族・その他
      1. ヴァルド
      2. アームストロング導師
      3. エドガー軍務卿
      4. ホーエンハイム枢機卿
      5. ルックナー財務卿
      6. ルックナー財務卿の孫娘
      7. シュルツェ伯爵
      8. ファイネン男爵
      9. ファイネン男爵の本妻
      10. ファイネン男爵の家臣
      11. ルートガー
      12. ヴィレム
      13. ハインツ
      14. 総司祭
      15. アルテリオ
      16. 商人たち
      17. 魔法使いたち
      18. 役人たち
      19. 貴族たち
      20. 護衛たち
      21. 服飾職人
    6. アーカート神聖帝国
      1. ウィルヘルム十四世
      2. ワルター大公爵
      3. マックス・エアハルト・アルミン・フォン・ニュルンベルク
      4. テレーゼ・ジークリット・フォン・フィリップ
      5. ブランデンブルク公爵
      6. バーデン公爵
      7. ホーエンツォレルン公爵
      8. マイセン公爵
      9. アーレイ・ブラットソン
      10. アインス・ジーモン・ピーチュ
      11. ツヴァイ
      12. ドライ
      13. フィーア
      14. エッボ
      15. バルトルト
      16. フィリップ伯爵
      17. テレーゼの異母兄たち
      18. 貴族議会の議員たち
      19. アーカート神聖帝国軍
      20. クーデター軍
      21. 騎士たち
      22. 兵士たち
      23. 出迎えの使用人や執事たち
  7. 展開まとめ
    1. プロローグ エル愛の日記 
    2. 第一話 大お見合い会 
    3. 第二話 結婚式の準備でマリッジブルーになりそうだ 
    4. 第三話 貴族は、結婚式も初夜も面倒だ! 
    5. 第四話 新婚生活で秘密が増える 
    6. 第五話 レジャーに出かけてみる 
    7. 第六話 親善訪問団 
    8. 第七話 フィリップ公爵家の女当主 
    9. 第八話 どこかで聞いたような眠たい政治の話 
    10. 第九話 騒がしい夜 
    11. 巻末おまけ 新人メイド教育日記 
  8. 同シリーズ
    1. 八男って、それはないでしょう!シリーズ
    2. 異世界帰りのパラディンは、最強の除霊師となるシリーズ
    3. 異世界帰りの勇者は、ダンジョンが出現した現実世界で、インフルエンサーになって金を稼ぎます!シリーズ
  9. その他フィクション

物語の概要

■ 作品概要

本作は、異世界に貧乏貴族の八男として転生した主人公・ヴェンデリンの活躍を描くファンタジー小説の第8巻である。 本巻の前半では、カルラに失恋したエルの現実逃避や家臣たちの大お見合い会、そして16歳を迎えたヴェンデリンと5人の婚約者たちとの盛大な結婚式など、賑やかな日常が描かれる。しかし後半では、隣国アーカート神聖帝国への親善訪問団として赴いた先で皇帝が急逝し、次期皇帝選挙の敗者である若き野心家・ニュルンベルク公爵がクーデターを起こすという急展開を迎える。移動や通信の魔法が阻害される絶体絶命の状況下で、ヴェンデリンたちは迫り来る追手を退けながら帝都からの脱出を図ることとなる。

■ 主要キャラクター

  • ヴェンデリン:バウマイスター伯爵。エリーゼたち5人と無事に結婚式を挙げる。親善訪問先の帝国でクーデターに巻き込まれる。
  • エルヴィン(エル):ヴェンデリンの親友であり護衛。カルラへの失恋のショックから現実逃避の妄想に陥るが、後に回復する。
  • アマーリエ:ヴェンデリンの亡き兄クルトの妻。貴族の慣習により、結婚前のヴェンデリンに女性の扱いを教える「あてがい女」となり、秘密の逢瀬を重ねる。
  • テレーゼ:アーカート神聖帝国の選帝侯の一人であるフィリップ公爵。褐色の肌を持つ女傑で、外戚の干渉を防ぐためにヴェンデリンの能力を見込み、子を成そうと熱烈なアプローチをかける。
  • ニュルンベルク公爵:帝国の若き野心家。南進論を唱えて皇帝選挙に出馬するが敗れ、直後に軍を動かしてクーデターを起こす。
  • ピーチュ四兄弟:帝国が秘蔵していた一卵性四つ子のエリート魔法使い。年下で活躍するヴェンデリンに激しい嫉妬を抱き、クーデターに乗じて襲い掛かる。

■ 物語の特徴

本巻の魅力は、前半のコミカルな日常パートと後半のシリアスなサスペンスパートが生む大きなギャップである。前半では、初夜の監視役や未亡人をあてがう慣習といった貴族社会の生々しい裏事情がユーモラスに描かれ、ヴェンデリンとの夫婦関係を通じて妻たちの魔力量が劇的に増加するという予想外の展開が物語を彩る。 一方、後半の帝国編では、国家間の通商交渉や皇帝選出の政治的駆け引き、そして突発的なクーデターによる命がけの逃走劇が展開される。特に、魔法が阻害される不利な状況下での泥臭い戦闘や、敵国の有力貴族であるテレーゼとの際どい外交的駆け引きは、本作の世界観の広がりと政治的リアリティを強く感じさせる興味深いポイントとなっている。

書籍情報

八男って、それはないでしょう! 8
著者:Y.A 氏
イラスト:藤ちょこ 氏
出版社:KADOKAWAMFブックス
発売日:2016年4月25日
ISBN:9784040681832

(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。

あらすじ・内容

祝! 結婚式五連チャン。それはめでたいでしょう!
ブロワ辺境伯家との和解金を巡る攻防を、ヘルタニア渓谷の譲渡というかたちで脱したヴェンデリン。
無事にヘルタニア渓谷を攻略するまではよかったが、そのあとのカルラの「婚約者紹介」が、カルラに恋する「騎士」エルの精神に致命的・壊滅的・圧倒的なダメージを与えた。
満身創痍のエルの精神を癒すために、効果があるとされる魔法を試みる心優しきヴェルたち。だが、エリーゼの秘魔法をもってしても、エルを癒すことは叶わなかった。
そして「カルラとの蜜月の日々」という哀しい妄想に逃走したエルが、いまだ現実世界に帰還せぬまま、「大お見合い会」が開催されることとなるのだった。
一方、ようやく婚約者五人との結婚に漕ぎ着けたヴェンデリンは、連日に渡る式の大変さに閉口。その上、隣国アーカート神聖帝国でクーデターの気配が……!?
エルの心の回復から始まる、逃走と闘争の新章開幕!

八男って、それはないでしょう! 8

感想

本巻は、前半の賑やかな結婚騒動と、後半の命懸けの逃走劇との落差が非常に大きい一冊である。

エルの悲惨な失恋、大規模なお見合い会、ヴェンデリンと五人の妻の結婚式、新婚生活といった明るい話が続く。

ところが、親善訪問団としてアーカート神聖帝国を訪れてから、物語の空気は一変する。

皇帝の崩御。

新皇帝を決める選挙。

そして、選挙に敗れたニュルンベルク公爵によるクーデター。

少し前まで結婚式や海水浴を楽しんでいたヴェンデリンたちが、異国の政治争いに巻き込まれ、命を狙われることになる。

日常から戦乱へ切り替わる展開に驚かされると同時に、ここから長い帝国編が始まるのだと感じた。

妄想の新婚生活を送るエル

本巻の冒頭で最も印象に残ったのは、失恋したエルの姿である。

前巻でエルは、ブロワ辺境伯家の娘カルラに一目惚れした。

護衛として行動を共にし、弓の稽古をしたり、町を歩いたり、戦場で世話を焼いてもらったりする。

エルは、その一つひとつをカルラからの好意だと受け取っていた。

カルラがブロワ辺境伯家の籍から抜けようとしたのも、自分と結婚するためだと思い込む。

しかし、その恋は成就しなかった。

プロローグでは、カルラがエルに結婚を申し込み、二人が相思相愛になる場面が描かれる。

最初に読んだ時には、前巻から続いていたエルの恋が本当に実ったのかと思った。

ところが、それは現実ではない。

失恋の衝撃に耐えられなくなったエルが、日記の中で作り上げた理想の物語だったのである。

エルの中では、カルラとの結婚が決まり、二人は幸せな新婚生活を送っている。

現実ではカルラを失っているのに、本人だけが幸せそうに妻や子どもの話を続ける。

あまりにも痛々しく、笑ってよいのか迷うほど悲惨だった。

どんな治療でも戻ってこないエル

ヴェンデリンたちは、エルを現実へ戻そうとする。

エリーゼが精神を高揚させる治癒魔法を使っても、エルは妄想の中でカルラとの生活を続ける。

逆に不安や望郷の念を抱かせる魔法を使っても、カルラの待つ家へ帰りたいと言い出すだけだった。

どちらの魔法も、エルの妄想新婚生活を補強する結果になってしまう。

精神が自分を守るために、失恋そのものを受け入れない状態になっていたのだと思う。

現実を見れば傷つく。

だから、カルラと結婚できた世界へ逃げ込む。

仕事を命じれば普通にこなせるのに、仕事が終わると再び妄想へ戻ってしまうのも不気味だった。

本人にとっては幸せなのかもしれない。

しかし、周囲から見れば明らかに普通ではない。

失恋したエルを心配しながらも、どう扱えばよいのか分からず困惑するヴェンデリンたちの反応が面白かった。

大お見合い会でも失敗する荒療治

最後の手段として、エルはバウマイスター伯爵家とブライヒレーダー辺境伯家が合同で開催する大お見合い会へ参加させられる。

多くの若い女性に囲まれれば、現実へ戻るのではないか。

そのような期待があった。

エルは陪臣騎士として待遇もよく、ヴェンデリンの親友であり重臣でもある。

結婚相手としての人気は高く、多くの女性が集まってくる。

ところが、好きな食べ物を聞かれても、趣味を聞かれても、エルはカルラの話しかしない。

女性たちは最初、カルラを妹だと勘違いしていた。

しかし、何を見ても「カルラと来たい」と繰り返すエルに違和感を覚え、次第に離れていく。

ついには、誰もエルへ話しかけなくなってしまう。

他の参加者たちは次々と結婚相手を決めている。

長年独身だったブランタークまで結婚相手を見つける。

それなのに、目玉だったはずのエルだけが一人取り残される。

あまりにも気の毒だが、ここまで徹底して失敗すると笑うしかなかった。

しかも、大お見合い会が終了してから三日後、エルは突然正気へ戻る。

本人には見合い会へ参加した記憶がなく、もう一度開催してほしいとヴェンデリンへ頼む。

しかし、他の参加者たちはすでに相手を決めている。

最高の機会を妄想の中で完全に逃してしまったエルは、本当に間が悪い男だと感じた。

独身貴族だったブランタークの結婚

大お見合い会では、ブランタークも主君の命令で結婚相手を探すことになる。

本人は長年、自由な独身生活を楽しんできた。

仕事が終われば酒を飲み、歓楽街へ遊びに行き、誰にも生活を干渉されない。

しかし、彼には多額の財産がある。

跡継ぎを作らないまま亡くなれば、その遺産を巡って大騒動が起きる可能性が高い。

そのためブライヒレーダー辺境伯から、結婚して子どもを作るよう命令される。

本人の恋愛感情より、家や財産をどう残すかが優先される。

いかにも貴族社会らしい結婚だった。

ブランタークは嫌がりながらも、最終的にはアガーテという女性を妻に迎える。

年齢差はかなり大きいが、以前に会ったことのある少女が成長し、自分の妻になるという巡り合わせも興味深かった。

結婚後のブランタークが以前より身なりに気を使い、香水まで使っているところには思わず笑ってしまった。

独身生活を失った代わりに、本人にも少しずつ変化が起きているように見えた。

ヴェンデリンと五人の妻の結婚式

大お見合い会の後、ヴェンデリンも十六歳の誕生日に結婚式を迎える。

妻となるのは、エリーゼ、カタリーナ、ヴィルマ、ルイーゼ、イーナの五人である。

一度に五人との結婚式というだけでも大変そうだが、相手の身分によってベールの長さや装飾まで変えなければならない。

正妻であるエリーゼが最も豪華でなければならない。

次が貴族であるカタリーナ。

その後にヴィルマ、ルイーゼ、イーナと続く。

順番や装飾を少し間違えるだけで、貴族社会では問題になる。

誰がどの工房へ仕事を依頼するのかまで、領地や人間関係に影響する。

結婚式が個人のお祝いではなく、政治や経済を含む公式行事になっている点が興味深かった。

ヴェンデリンは瞬間移動が使えるため、王都やブライヒブルク、実家を何度も往復させられる。

便利な能力があるから仕事が減るのではない。

便利だからこそ、それを前提に無理な予定を組まれる。

領地開発でも結婚式でも、ヴェンデリンの能力が本人を忙しくしている点は相変わらずだった。

改めて感じるエリーゼの存在感

結婚式を読んでいて改めて感じたのは、エリーゼがかなり早い段階からヴェンデリンを支えてきたことである。

エリーゼと出会ってから、すでに四年近い時間が流れている。

ヴェンデリンがまだ大貴族になる前からそばにいて、危険な冒険や貴族同士の争いにも付き合ってきた。

婚約者が増えても正妻として彼女たちをまとめ、貴族社会の知識が不足しているヴェンデリンを支えている。

海水浴の場面でも、ヴェンデリンはエリーゼの存在へ改めて感謝していた。

戦闘で派手に活躍する人物ではない。

それでも、ヴェンデリンが貴族として生活できているのは、エリーゼが細かな部分を支えているからだと感じる。

結婚式で最初に入場し、正式な正妻となる姿には、ここまで積み重ねてきた時間の重さがあった。

新婚生活から帝国への親善訪問へ

結婚後は、新婚生活や海水浴など比較的平和な時間が続く。

妻たちの魔力量が増加するという新たな秘密も判明するが、全体としては賑やかな日常である。

その平穏な空気が変わるのは、ヴェンデリンたちがアーカート神聖帝国への親善訪問団へ選ばれてからだった。

ヴェンデリンはカタリーナ、導師、ブランタークたちと共に、帝国の首都バルデッシュを訪れる。

表向きは友好のための訪問である。

しかし、互いの産業や技術、魔法使いの実力を確認し、相手国を牽制する政治的な意味も持っている。

新婚旅行のような気分で始まった旅だったが、帝国の選帝侯テレーゼとの出会いによって、早くも騒がしくなっていく。

ヴェンデリンへ迫るテレーゼ

テレーゼは二十歳の女性でありながら、フィリップ公爵家の当主を務めている。

幼い頃から領地を治めてきたため、政治家としての能力も高い。

彼女はヴェンデリンを気に入り、露骨に距離を縮めてくる。

ヴェンデリンと結婚するつもりはない。

正式な夫を迎えれば、夫の実家が公爵家の政治へ口を出す危険があるからである。

その代わり、ヴェンデリンとの間に優秀な子どもを作りたいと提案する。

相続権を求めず、週に一度会うだけでよい。

ヴェンデリンにとって都合がよさそうな条件を並べながら、逃げ道を塞いでいく。

エリーゼたちが警戒するのも当然だった。

特にエリーゼとテレーゼが、ヴェンデリンを挟んで張り合う場面が面白い。

普段は穏やかなエリーゼも、夫を奪われそうになると一歩も引かない。

正妻としての強さが感じられた。

皇帝の崩御と選挙

親善訪問の途中、帝国皇帝ウィルヘルム十四世が突然崩御する。

通商交渉は中断され、帝国は次の皇帝を決める選挙へ入る。

本来なら帰国するはずだったヴェンデリンたちも、外交団として葬儀や皇帝選挙を見届けなければならなくなる。

候補者の中で危険な存在として描かれるのが、若いニュルンベルク公爵マックスである。

彼はヘルムート王国の急速な発展を帝国への脅威として演説する。

ヴェンデリンによる竜退治。

南部未開地の開発。

魔導飛行船の増加。

ヘルタニア渓谷の解放。

これまでヴェンデリンが築いてきた功績が、隣国から見れば脅威になる。

自国では英雄でも、他国では危険人物として扱われる可能性がある。

その視点が興味深かった。

ニュルンベルク公爵は過激な軍人に見えるが、自分の領地では雇用や治安を改善し、領民から支持されている。

単純な暴君ではなく、政治力と人望を持つ人物だからこそ恐ろしい。

選挙に負けても動じないニュルンベルク公爵

皇帝選挙では、皇家のワルター大公爵が勝利し、アーカート十七世として即位する。

ニュルンベルク公爵は敗北するが、悔しがる様子を見せない。

すぐに新皇帝へ忠誠を誓い、表面上は選挙結果を受け入れる。

その落ち着きが、逆に不気味だった。

これほどの野心と支持を持つ人物が、簡単に諦めるとは思えない。

ヴェンデリンも違和感を抱いていたが、その予感は帰国前夜に現実となる。

皇宮と迎賓館が兵士に包囲され、ニュルンベルク公爵によるクーデターが始まる。

瞬間移動や飛翔、通信の魔法は古代の魔道具によって封じられている。

これまで危機が起きても瞬間移動で逃げられたヴェンデリンが、その切り札を失う。

敵国の首都で、周囲は反乱軍だらけ。

一気に緊張感が高まる展開だった。

敵として現れるピーチュ四兄弟

逃走するヴェンデリンたちの前に立ちはだかるのが、ピーチュ四兄弟である。

四人は一卵性の四つ子であり、それぞれ火、水、土、風の魔法を得意としている。

色分けされた服装や名前からは、まるで一人足りない戦隊ヒーローのような印象を受けた。

魔法披露会では、帝国を代表する若い魔法使いとして注目されていた。

しかし、彼らは年下でありながら数々の功績を持つヴェンデリンへ強い嫉妬を抱いている。

さらに、テレーゼの婿となって権力を得ようとする野心も持っていた。

クーデターではニュルンベルク公爵側へ寝返り、帝国筆頭魔導師ブラットソンを不意打ちで殺害する。

そのうえヴェンデリンを殺し、妻たちを辱めると宣言する。

登場時から態度は大きかったが、ここまで下衆な人物たちだとは思わなかった。

大口を叩いたわりに弱すぎる四兄弟

ピーチュ四兄弟は、自分たちを帝国最強の若手魔法使いだと思っている。

ヴェンデリンよりも優れていると主張し、彼を倒せると本気で信じていた。

ところが、実戦が始まるとあっけなく敗北する。

ツヴァイは導師に殴り倒される。

ドライはルイーゼに魔法障壁と両手を砕かれる。

フィーアは怒りに燃えるブランタークの一撃で倒される。

最後に残ったアインスは恐怖で失禁しながら火球を放つが、ヴェンデリンに魔法障壁ごと焼き尽くされる。

実戦経験の差が、あまりにも大きかった。

四兄弟は安全な環境で大切に育てられ、危険な任務を避けてきた。

一方のヴェンデリンたちは、竜や古代ゴーレム、大軍を相手に何度も命を懸けている。

魔力量や技術だけでは、実戦の強さは決まらない。

自分たちの力を過信し、裏切りによって地位を得ようとした四兄弟の末路は、自業自得だった。

戦隊ヒーローのような見た目で登場しながら、中身は嫉妬深く卑怯で、最後はあっけなく全滅する。

強烈ではあるが、何のために登場したのかと突っ込みたくなる悪役だった。

平穏な日常から命懸けの逃走へ

クーデターから逃れるため、ヴェンデリンたちはテレーゼと合流し、帝都を脱出する。

迎賓館から下水道を通り、駅馬車を奪い、追跡を防ぐために馬車や馬小屋まで焼き払う。

検問の兵士も容赦なく倒す。

本巻前半の結婚式や海水浴とは、まるで別作品のような緊張感である。

これまでのヴェンデリンは、圧倒的な魔力で問題を解決することが多かった。

しかし帝国では、瞬間移動や通信を封じられ、敵の情報も分からない。

自分たちがどこまで逃げれば安全なのかも不明である。

しかも、テレーゼをフィリップ公爵領まで送り届ければ、今度はクーデター鎮圧の戦力として利用される可能性もある。

助けた相手が味方であっても、政治的には油断できない。

ヴェンデリンたちは、帝国から半独立状態にあるミズホ伯国を目指す。

ここで物語は終わり、本格的な帝国内乱は次巻へ持ち越される。

明るい日常があるからこそ際立つ帝国編

『八男って、それはないでしょう! 8』は、一冊の中で雰囲気が大きく変化する巻だった。

前半では、エルの失恋、見合い会、ブランタークの結婚、ヴェンデリンと五人の妻の結婚式が描かれる。

エルの妄想は痛々しいが、全体としては笑える日常劇である。

結婚後には海水浴まであり、しばらくは平和な領地生活が続くように見えた。

しかし後半では、皇帝が亡くなり、皇帝選挙が始まり、クーデターが発生する。

敵国の首都で移動魔法を封じられ、ヴェンデリンたちは殺される前に敵を倒しながら逃げなければならない。

この落差が、本巻最大の魅力だと感じた。

ヴェンデリンはようやく五人の妻と結婚し、領地も発展している。

本来なら、新婚生活を楽しんでもよい時期である。

それなのに、親善訪問へ出かけただけで帝国の内乱へ巻き込まれてしまう。

地位が上がり、名前が知られるほど、大きな争いから逃げられなくなっているように見える。

ピーチュ四兄弟は倒したものの、真の敵であるニュルンベルク公爵はまだ健在である。

彼は帝国軍部から強い支持を得ており、自領を豊かにする能力も持っている。

単純に力で倒せば終わる相手ではないだろう。

ヴェンデリンたちが無事にミズホ伯国へ逃げ込めるのか。

テレーゼと共にフィリップ公爵領へ向かうのか。

クーデターによって帝国がどのように変わっていくのか。

平穏な新婚生活から一転し、長く険しい帝国編の始まりを告げる第8巻だった。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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八男7巻レビュー
八男まとめ
八男9巻レビュー

考察・解説

エルの失恋と回復

エルの失恋とエア新婚生活騒動の全貌

『八男って、それはないでしょう! 8』において、カルラへの淡い初恋を打ち砕かれたエルヴィンの失恋から現実逃避、そして回復に至るまでの一連の騒動について、あまりにも残酷な失恋とエア新婚生活への逃避、エリーゼの精神魔法による治療の失敗、大お見合い会での荒療治とその失敗、および突然の回復と高望みな決意の各点から解説する。

あまりにも残酷な失恋とエア新婚生活への逃避

ブロワ辺境伯家の籍を抜けて自由になったカルラがバウルブルクを訪ねてきた。

・結婚しますと告げる彼女に対し、エルはついに自分との恋が成就したと思い込み歓喜の絶頂に達した。

・カルラが紹介した結婚相手は、王都に戻ってから出会ったというエルにそっくりな年下の男性であった。

・圧倒的な失恋のショックを受けたエルの精神は自己防衛のために現実を拒絶し、カルラと結婚して幸せな新婚生活を送っているという妄想の世界へと逃避した。

・脳内のカルラと会話し周囲の人間とまともにコミュニケーションが取れなくなったが、なぜか仕事だけはテキパキとこなす不気味な状態に陥った。

エリーゼの精神魔法による治療の失敗

エルの状態を見かねたヴェンデリンたちは、教会有数の治癒魔法の使い手であるエリーゼに頼り、精神に作用する魔法での治療を試みた。

・落ち込んだ心を高揚させる魔法や、逆に兵士に望郷や不安を抱かせて戦意を削ぐための教会の秘魔法などをかけた。

・エルは早く屋敷に戻ってカルラが作る夕食を食べようなどと口にするだけであり、強固な妄想の世界から彼を引き戻すことはできなかった。

大お見合い会での荒療治とその失敗

魔法が効かないのであれば物理的な現実を見せれば正気に戻るかもしれないと考え、ヴェンデリンたちはバウマイスター伯爵家とブライヒレーダー辺境伯家合同の大お見合い会にエルを強制参加させた。

・優良物件であるエルには十代の美しい女性たちが多数群がった。

・エルは趣味や好きな食べ物を聞かれるたびにカルラと狩猟に行くことやカルラの作った料理と答え続けた。

・女性たちは最初カルラをエルの妹だと勘違いしていたが、次第にエルの異常さに気づき最終的には誰一人として彼に話しかけなくなった。

・荒療治も完全に失敗に終わった。

突然の回復と高望みな決意

大お見合い会の終了から3日後、エルの精神は突然自然に現実世界へと帰還した。

・彼は妄想に浸っていた数日間の記憶を完全に失っており、自分が大お見合い会に参加して数多のチャンスを逃したことすら覚えていなかった。

・すでに他の参加者たちが相手を決めてしまった後だと知らされたエルは、失恋の傷を癒すためにカルラよりも綺麗で頭がよくて料理や裁縫も上手な女性と結婚してやると絶叫し、新たな高望みの決意を固めた。

・その後、哀れに思ったヴェンデリンから、口は悪いが優秀な新人メイドのレーアを候補として紹介された。

まとめ

エルの失恋とエア新婚生活騒動を巡る一連の全貌は、あまりにも過酷な失恋の現実から始まり、哀しい妄想世界への逃避と仕事の奇妙な完遂、精神魔法や大お見合い会による治療の不首尾、そして記憶の欠損を伴う自然回復と強がり混じりの新たな決意に至るまで、その歩みを明瞭に示している。大きな精神的打撃や現実の残酷さという不条理な檻を打ち破り、自分たちの尊厳と平穏な生の主権を自らの選択と確固たる意志によって完璧に確立するに至る、青年の挫折とたくましい自己回復の記録である。衝撃の事実から、妄想への逃避、周囲の苦心、自力での生還、そして次の目標設定へと繋がったプロセスは、どれほど不条理な事態の混迷や過酷な環境の激変によって状況が脅かされようとも、本質を突いた人間の知性と確固たる意志の果断によって打破され、新しい生き方を切り拓く輝かしい未来の道が厳密に証明されている。

ヴェンデリンの結婚式

ヴェンデリンの結婚式と新婚生活の全貌

『八男って、それはないでしょう! 8』において描かれるヴェンデリンの結婚式について、過酷な結婚準備とマリッジブルー、国家規模の超豪華な式典、披露宴における利権争いと押し売り、初夜の慣習と精力回復魔法、ならびに妻たちの肉食化と魔力の増大の各点から解説する。

過酷な結婚準備とマリッジブルー

ブロワ辺境伯家との紛争が終結し、バウルブルクに領主館と巨大な教会が完成したことで、16歳になったヴェンデリンはついに5人の婚約者であるエリーゼ、カタリーナ、ヴィルマ、イーナ、ルイーゼと結婚式を挙げることとなった。

・花嫁のベールを作る際、正妻であるエリーゼを筆頭に厳格な身分の序列に合わせてベールの長さや刺繍の豪華さを調整しなければならなかった。

・特定の大工房だけを贔屓しないよう各領地の工房に仕事を分散させるなど、貴族特有の複雑なしがらみへの配慮が求められた。

・自身の結婚式を前に、兄たちが迎える側室との結婚式への強制参加を命じられた。

・瞬間移動で王都や実家を飛び回る送迎役を負わされ、式の前から疲労困憊することとなった。

国家規模の超豪華な式典

バウルブルクの教会で行われた結婚式には、将来を見据えた王太子ヴァルド殿下をはじめ、ホーエンハイム枢機卿、エドガー軍務卿、ブライヒレーダー辺境伯など、国家の最高幹部たちがこぞって出席した。

・式の司式はカソリック教会のトップである総司祭自らが執り行うという、新興の伯爵家としては破格の待遇であった。

・祭壇前ではそれぞれの父親に手を引かれた5人の花嫁が並び、総司祭が5人のフルネームを一息で読み上げて誓いを交わす光景が展開された。

・式後のブーケトスでは、未婚の貴族令嬢たちに代わって彼女たちのメイドが激しくブーケを奪い合った。

披露宴における利権争いと押し売り

教会での厳かな式から一転して、領主館での披露パーティーはヴェンデリンにとって苦痛の場となった。

・未開地開発とヘルタニア渓谷の鉱山という莫大な利権を手にしたバウマイスター伯爵家に取り入るため、多くの貴族や商人が側室や妾として自分の娘を強引に紹介してきた。

・身内の仕官や投資話を次々と持ちかけてくる参列者に対し、ヴェンデリンと妻たちは息つく暇もなく挨拶と対応に追われた。

初夜の慣習と精力回復魔法

貴族の結婚では夫婦関係が成立したことを確認する慣習が存在し、エリーゼの幼馴染で新婚のメイドであるドミニクが5日間連続で寝室の外で聞き耳を立てる監視役を務めた。

・5人の妻を連続で相手にするという過酷な初夜を乗り切るため、ヴェンデリンはかつて師匠アルフレッドから手渡されていた魔法書を開封した。

・そこに記されていた水系統の大人魔法である精力回復を習得したことで、無事に5人との初夜を果たすことができた。

妻たちの肉食化と魔力の増大

初夜の翌朝、ヴェンデリンと関係を持った妻たち全員の魔力量が劇的に増大していることが判明した。

・元々わずかでも魔法の素養を持つ女性がヴェンデリンと交わると、魔力が増幅されるという特異な副次効果が存在した。

・これを知った妻たちはさらなる魔力向上と子作りを目指して極めて積極的になり、毎夜激しい争奪戦が繰り広げられることとなった。

・エリーゼがスケジュールを管理し、ヴェンデリンの精力回復魔法と妻たちの治癒魔法を駆使しながらの凄まじい新婚生活が始まった。

・秘密が外部に漏れれば魔力向上を狙う女性魔法使いや娘を差し出す貴族が殺到する危険があるため、極秘事項として隠蔽されることとなった。

・この新婚生活の裏で、ヴェンデリンは亡き兄クルトの未亡人アマーリエとのあてがい女としての密会も継続し、貴族当主としての重圧や複雑な日々を送ることとなった。

まとめ

ヴェンデリンの結婚式と新婚生活を巡る一連の全貌は、貴族社会特有の厳格な序列と事前準備の辛苦から始まり、国家幹部が集結した前代未聞の式典、利権を狙う貴族たちの押し売り、秘伝の魔法を導入した初夜、そして交わりによる魔力増幅効果の発覚と過酷な新婚生活に至るまで、その歩みを明瞭に示している。貴族制度の重圧や世俗的な利害関係という不条理な檻を打ち破り、自分たちの尊厳と平穏な生の主権を自らの選択と確固たる意志によって完璧に確立するに至る、規格外の財力と能力がもたらす変革の記録である。過酷な調整から、国家規模の式、利権への対応、魔法の習得、そして新たな家庭生活の構築へと繋がったプロセスは、どれほど不条理な事態の混迷や過酷な環境の激変によって状況が脅かされようとも、本質を突いた人間の知性と確固たる意志の果断によって打破され、新しい生き方を切り拓く輝かしい未来の道が厳密に証明されている。

妻たちの魔力上昇

ヴェンデリンの妻たちの魔力上昇と新婚生活の全貌

『八男って、それはないでしょう! 8』において、ヴェンデリンと結婚した5人の妻たちの「魔力上昇」について、魔力上昇の発覚と原因、各妻の劇的な変化、妻たちの肉食化と過酷な新婚生活、および徹底された秘密保持の各点から解説する。

魔力上昇の発覚と原因

ヴェンデリンと妻たちが初夜を迎えた翌朝、正妻であるエリーゼの魔力量が、成長限界を迎えていたはずなのに劇的に上昇していることにブランタークたちが気づいた。

・その後、イーナ、ルイーゼ、ヴィルマ、カタリーナの4人についても同様に魔力が増大していることが判明した。

・ブランタークと導師の推論によれば、微量でも魔法使いの素養がある女性がヴェンデリンと肉体関係を持つと、魔力が増幅されるという特殊な効果が存在することが判明した。

・魔法の素養がまったくなかったあてがい女のアマーリエには魔力の変化がなかったため、この効果は元々魔法の素養を持っている女性にのみ現れると結論付けられた。

各妻の劇的な変化

一ヶ月の間に、妻たちの魔力は目覚ましい成長を遂げた。

・エリーゼ:魔力が上級の真ん中程度にまで上昇し、使える魔法の種類は増えなかったものの、使用回数と威力が大幅に増加した。

・ヴィルマ:魔力が中級程度にまで上昇し、自身の無属性の適性を活かした身体能力強化と武器付与の魔法を習得した。

・ルイーゼ:魔力量がブランタークとほぼ同等にまで増大した。

・カタリーナ:元から高かった魔力がさらに増大し、少し前の導師に匹敵するほどの魔力量に達した。

・イーナ:最も劇的な変化を遂げ、魔力が中級レベルにまで上昇した。これにより身体能力強化に加え、自らの適性である火と風を槍に纏わせる火炎槍や風斬槍という属性槍術を新たに習得し、岩を溶かし斬り裂くほどの高火力を手に入れた。

妻たちの肉食化と過酷な新婚生活

魔力が増えるという事実を知った妻たちは、子作りという本来の目的に加えて、さらなる魔力向上を目指してヴェンデリンに対し非常に積極的になった。

・連夜の激しい争奪戦となるのを防ぐため、エリーゼがヴェンデリンの体調を考慮して夜のスケジュールを徹底管理することとなった。

・ヴェンデリン自身も、師匠から受け継いだ袋とじの魔法書で習得した水系統の精力回復魔法と、妻たちの治癒魔法を駆使することで、過酷な妻強化月間を乗り切った。

徹底された秘密保持

この特殊な能力の存在は、非常に厄介な火種となるため極秘事項とされた。

・もし外部に漏れれば、魔力向上を狙う女性魔法使いが殺到し、また貴族たちが魔力向上や責任追及を口実に娘を無理やり差し出してくる危険性が高かったためである。

・表向きは器合わせによる原因不明の成長ということにして隠蔽された。

・この事実を知るのは国王、導師、ブライヒレーダー辺境伯、ブランタークといったごく一部の首脳陣のみに留められた。

まとめ

ヴェンデリンの妻たちの魔力上昇と新婚生活を巡る一連の全貌は、初夜の翌朝に発覚した異常な魔力増大から始まり、各妻たちの適性に応じた驚異的な戦力強化、さらなる向上を目指す妻たちの積極化と過酷な夜の管理体制、そして貴族社会の混乱を防ぐための徹底した秘密保持に至るまで、その歩みを明瞭に示している。限界や固定観念という不条理な檻を打ち破り、自分たちの尊厳と平穏な生の主権を自らの選択と確固たる意志によって完璧に確立するに至る、規格外の能力増幅と新たな戦力獲得の記録である。発覚から、能力の開花、新婚生活の変容、管理の徹底、そして国家最高幹部による隠蔽へと繋がったプロセスは、どれほど不条理な事態の混迷や過酷な環境の激変によって状況が脅かされようとも、本質を突いた人間の知性と確固たる意志の果断によって打破され、新しい生き方を切り拓く輝かしい未来の道が厳密に証明されている。

義姉アマーリエとの関係

ヴェンデリンと義姉アマーリエの関係変遷の全貌

『八男って、それはないでしょう!』における主人公ヴェンデリンと義姉アマーリエの関係について、実家時代における唯一の理解者、クルトの自滅とアマーリエ一家の庇護、あてがい女としての密会、および結婚後も続く秘密の関係の各点から解説する。

実家時代における唯一の理解者

アマーリエは、長兄クルトの妻としてマインバッハ家から嫁いできた女性である。

・実家時代、孤立しがちであったヴェンデリンにとって、彼女は漢字交じりの手紙を読める数少ない家族であり、比較的良好な関係を築いていた。

・ヴェンデリンは狩猟で得た獲物を父に渡し、アマーリエが実家へ手紙を出すための費用をこっそり援助しており、アマーリエも彼の気遣いに感謝していた。

・早くからヴェンデリンの非凡な才能を見抜き、姑のヨハンナに対して彼を領地開発に登用すべきだと進言したこともあったが、御家騒動を恐れるヨハンナに却下された。

クルトの自滅とアマーリエ一家の庇護

成長したヴェンデリンが独立して大貴族へと成り上がると、それに激しく嫉妬したクルトは、ルックナー会計監査長の策略に乗せられてヴェンデリンの暗殺を企て、結果的に自滅した。

・アマーリエと二人の息子であるカールとオスカーは、暗殺未遂犯の妻と子という厳しい立場に追い込まれた。

・ヴェンデリンは彼らを庇護下に置き、甥たちが成人した暁には新しく開発する領地を分与するという破格の約束を交わした。

あてがい女としての密会

ヴェンデリンがエリーゼたち5人の婚約者との結婚を控えた頃、父アルトゥルと兄パウルから、貴族の跡取りに結婚前に女性の扱いを教える慣習としてあてがい女が用意された。

・その相手に選ばれたのが未亡人となったアマーリエであった。

・アマーリエは、子供たちへの領地分与の約束が将来反故にされないための保証を得るという打算に加え、クルトに女として顧みられなくなっていた自分が、再び女として求められる喜びもあり、この期間限定の関係を受け入れた。

・ヴェンデリンも、人目を避けた小屋を豪勢に改装し、彼女との逢瀬を重ねるようになった。

結婚後も続く秘密の関係

本来あてがい女との関係は結婚と同時に終わるものであるが、ヴェンデリンの強い希望により、結婚後も週に一度のペースで密会が継続されることとなった。

・年上のアマーリエは、貴族社会の重圧や妻たちに対する愚痴を気兼ねなくこぼせる癒やしの存在となっていた。

・エリーゼたち妻はヴェンデリンと肉体関係を持つことで魔力量が劇的に上昇する副作用が現れ、さらなる魔力向上を目指して肉食化してヴェンデリンを疲弊させた。

・元々魔法の素養が全くないアマーリエには魔力の変化が起きなかったため、そうした魔力に関する煩わしさがない点も、ヴェンデリンが彼女との関係に安らぎを覚える一因となっていた。

まとめ

ヴェンデリンと義姉アマーリエの関係変遷を巡る一連の全貌は、実家時代における秘めた理解と協力から始まり、夫の自滅に伴う庇護関係への移行、貴族の慣習を通じた密会の開始、そして結婚後も続く精神的安息と秘密の関係に至るまで、その歩みを明瞭に示している。家門の波乱や複雑な身分関係という不条理な檻を打ち破り、自分たちの尊厳と平穏な生の主権を自らの選択と確固たる意志によって完璧に確立するに至る、現実的利害と個人的癒やしが結びついた深い絆の記録である。冷遇された実家での交流から、自滅後の救済、密会関係の承諾、そして重圧を支える心の拠点への結実へと繋がったプロセスは、どれほど不条理な事態の混迷や過酷な環境の激変によって状況が脅かされようとも、本質を突いた人間の知性と確固たる意志の果断によって打破され、新しい生き方を切り拓く輝かしい未来の道が厳密に証明されている。

大お見合い会の開催

大お見合い会の開催と成果の全貌

『八男って、それはないでしょう! 8』において開催された「大お見合い会」について、開催の経緯と目的、会場の様子と画期的なアイデア、家臣・関係者たちの悲喜こもごも、およびエルの治療結果と脅威の成立率の各点から解説する。

開催の経緯と目的

発端は、カルラに失恋したエルがエア新婚生活の妄想に逃避してしまい、エリーゼの精神魔法でも治療できなかったことにあった。

・ヴェンデリンたちは荒療治として、現実の魅力的な女性たちに会わせることでエルを正気に戻そうと考えた。

・ブライヒレーダー辺境伯領でも開発特需によって職を得た若者たちの縁談斡旋が急増し、辺境伯がその対応で過労気味になっていた。

・両家の独身者を集めた合同の大規模お見合い会として開催されることとなった。

会場の様子と画期的なアイデア

会場は、完成間近のバウマイスター伯爵家領主館の広大な中庭が使われ、野外パーティー形式で行われた。

・参加者は若い男女が中心であったが、離縁されたり未亡人になったりした女性の救済も兼ねていたため、20代後半から30代前半の女性も参加していた。

・数十名の顔と名前を覚えるのは困難であるため、ヴェンデリンのアイデアで参加者の胸に名前を書いた名札を着けさせるシステムが導入された。

・ヴェンデリン自身はこれ以上妻を増やしたくないため、主催者としての開催の挨拶を行うのみに留めた。

家臣・関係者たちの悲喜こもごも

お見合い会では、各キャラクターの思惑や立場が浮き彫りとなった。

・ブランターク:死後の莫大な遺産を巡るトラブルを危惧したブライヒレーダー辺境伯から絶対に相手を見つけろと厳命されて強制参加した。資産家で凄腕の魔法使いであり、孤児出身のため親族問題がないという優良物件であったため、少し年上の女性たちから大人気となり群がられた。

・ローデリヒ:有望な筆頭家臣であるが、ルックナー財務卿が8歳の孫娘を送り込み、彼女がローデリヒの隣を陣取ったため、他の女性が誰も近づけない状態となった。

・ヴェンデリンの兄たち:エーリッヒ、パウル、ヘルムートの三人も側室候補を探すために強制参加した。都会派のエーリッヒは女性たちを魅了していたが、パウルとヘルムートは女性に囲まれて慌てていた。

エルの治療結果と脅威の成立率

肝心のエルは多くの若い美女に囲まれたものの、趣味や好きな食べ物を聞かれるたびにカルラと答え続けた。

・最初はカルラを妹だと勘違いした女性たちに町へ連れ出されたものの、次第にエルの異常さに気づかれ、最終的には誰一人として彼に話しかけなくなった。

・荒療治は完全に失敗に終わった。

・エル以外の参加者たちは、相手が決まるとその日のうちに同棲を始めたり翌日には結婚式の日取りを決めたりするなど、驚異的な速さで決断した。

・独身者たちはほぼ全員が結婚相手を決めるという大成功を収めた。

・お見合い会から3日経ってエルは突然正気に戻ったが、お見合い会に参加していた期間の記憶を完全に失っていた。

・相手のいない彼は、カルラよりも綺麗で頭がよくて料理や裁縫も上手な女性と結婚してやると絶叫し、カタリーナから呆れられることとなった。

まとめ

大お見合い会の開催と成果を巡る一連の全貌は、エルの精神的不調と領内の縁談需要への対応から始まり、名札システムを導入した効率的な交流の場作り、参加した家臣や貴族たちの様々な思惑と賑わい、エルの奇行による治療失敗と他参加者の驚異的な成婚率、そしてエルの記憶喪失を伴う正気への復帰に至るまで、その歩みを明瞭に示している。個人の失恋や行政上の負担という不条理な檻を打ち破り、自分たちの尊厳と平穏な生の主権を自らの選択と確固たる意志によって完璧に確立するに至る、内政的課題の解決と出会いの機会創出の記録である。課題の発覚から、企画の実行、会場の熱狂、エルの孤立、そして領民全体の成婚へと繋がったプロセスは、どれほど不条理な事態の混迷や過酷な環境の激変によって状況が脅かされようとも、本質を突いた人間の知性と確固たる意志の果断によって打破され、新しい生き方を切り拓く輝かしい未来の道が厳密に証明されている。

アーカート神聖帝国訪問

アーカート神聖帝国訪問とクーデター勃発の全貌

『八男って、それはないでしょう! 8』における「アーカート神聖帝国訪問」について、親善訪問団の目的と背景、帝都での外交戦とテレーゼの誘惑、皇帝崩御と皇帝選挙、およびクーデターの勃発と脱出劇の各点から解説する。

親善訪問団の目的と背景

ヘルムート王国とアーカート神聖帝国は、200年以上の停戦状態を維持しており、10年ごとに互いに親善訪問団を派遣するしきたりが存在していた。

・表向きは友好維持や通商条約の改定、技術交流を目的としているが、実態はお互いの優れた産品や魔法使いの実力を見せつけ、相手国を牽制する軍事的圧力の場でもあった。

・王国からは、アームストロング導師、ブランターク、カタリーナ、そして二匹の竜を討伐した英雄であるヴェンデリンなど、トップクラスの魔法使いたちが指名された。

・ヴェンデリンは、エルと5人の妻たちを伴い、新婚旅行も兼ねて帝都バルデッシュへと赴いた。

帝都での外交戦とテレーゼの誘惑

帝都に到着したヴェンデリンたち魔法使い一行の歓待責任者として現れたのは、帝国の選帝侯の一人であるフィリップ公爵テレーゼであった。

・20歳の若き女傑である彼女は、将来的な両国の不戦条約や通商拡大を見据え、友好の象徴としてヴェンデリンを自身の内縁の夫にしようと露骨な誘惑を仕掛けてきた。

・これに対し、正妻のエリーゼたちが激しく反発し、水面下で激しい攻防が繰り広げられた。

・両国の魔法使いによる実力披露会が開催され、王国側が圧倒的な威力を示す中、帝国側からはピーチュ四兄弟と呼ばれる一卵性の四つ子が登場した。

・彼らは帝国で保護・育成されてきた秘蔵っ子であり、12歳から実戦で活躍してきたヴェンデリンに対し、強烈な嫉妬と対抗心を燃やしていた。

皇帝崩御と皇帝選挙

訪問団が通商交渉などを進めていた矢先、ウィルヘルム十四世が急逝するという前代未聞の事態が発生した。

・帝都は喪に服し、訪問団は足止めを食らうこととなった。

・ヴェンデリンたちは外交団として次期皇帝選挙を傍聴するが、そこで皇家出身の穏健派ワルター大公爵に対抗し、若き野心家マックス・エアハルト・アルミン・フォン・ニュルンベルク公爵が台頭した。

・ニュルンベルク公爵は演説でヴェンデリンの功績を直接挙げ、ヘルムート王国脅威論を煽って帝国の軍備増強と南進を強く訴えた。

・最終的に選挙は大公爵が制しアーカート十七世として即位するが、ニュルンベルク公爵が肉薄する支持を集めた事実は、王国側に強い警戒感を抱かせた。

クーデターの勃発と脱出劇

皇帝選挙に敗れたニュルンベルク公爵は、その結果を不服とし、新皇帝即位直後にクーデターを決行した。

・帝都の重要拠点は制圧され、ヴェンデリンたちが滞在する迎賓館もクーデター軍によって包囲された。

・ニュルンベルク公爵が用意した古代の魔道具によって、広範囲にわたり瞬間移動や飛翔、通信魔法が封じられていたため、ヴェンデリンたちは得意の魔法で帰国することが不可能となった。

・迎賓館には、帝国の恩人である前筆頭魔導師ブラットソンを暗殺して寝返ったピーチュ四兄弟がヴェンデリンの命を狙って襲撃してきたが、ヴェンデリン、導師、ブランターク、ルイーゼらによって容赦なく返り討ちにされ全滅した。

・孤立無援となったヴェンデリンたちは、同じく命を狙われていたテレーゼの案内で下水道から脱出した。

・魔法による移動が封じられた絶体絶命の状況下、追っ手を焼き払いながら、帝国から半独立した自治領でありクーデター軍も手を出しにくいミズホ伯国を経由して、安全な北方のフィリップ公爵領を目指す過酷な逃避行が幕を開けることとなった。

まとめ

アーカート神聖帝国訪問とクーデター勃発を巡る一連の全貌は、新婚旅行を兼ねた外交訪問から始まり、水面下で繰り広げられた政治的誘惑と実力牽制、皇帝急逝に伴う選挙での強硬派の台頭、そして電撃的なクーデターと魔法封じによる退路遮断、それに続く下水道からの決死の脱出劇に至るまで、その歩みを明瞭に示している。他国の政変や古代魔道具の脅威という不条理な檻を打ち破り、自分たちの尊厳と平穏な生の主権を自らの選択と確固たる意志によって完璧に確立するに至る、生存をかけた決死の判断と連携の記録である。平和的外交から、政変の勃発、襲撃の撃滅、迂回ルートの選択、そして北方への移動へと繋がったプロセスは、どれほど不条理な事態の混迷や過酷な環境の激変によって状況が脅かされようとも、本質を突いた人間の知性と確固たる意志の果断によって打破され、新しい生き方を切り拓く輝かしい未来の道が厳密に証明されている。

ニュルンベルク公爵の反乱

ニュルンベルク公爵の反乱と帝都脱出の全貌

『八男って、それはないでしょう! 8』において、隣国アーカート神聖帝国で勃発したニュルンベルク公爵の反乱について、クーデター勃発の背景とニュルンベルク公爵の野望、古代の魔道具による魔法・通信の封殺、ピーチュ四兄弟の裏切りと恩師暗殺、迎賓館の襲撃とヴェンデリンたちの脱出、およびピーチュ四兄弟の全滅とミズホ伯国への逃避行の各点から解説する。

クーデター勃発の背景とニュルンベルク公爵の野望

アーカート神聖帝国において、ウィルヘルム十四世の崩御に伴い次期皇帝選挙が実施された。

・若き野心家であるニュルンベルク公爵マックスは、強硬な南進論とヘルムート王国脅威論を掲げて出馬し、軍部や不満を持つ層の支持を集めて善戦したが、決選投票で穏健派のワルター大公爵に敗れた。

・ニュルンベルク公爵はこの結果に服さず、新皇帝アーカート十七世の即位式典直後に大規模なクーデターを決行した。

・彼の真の狙いは、選帝侯などの権力を潰して皇帝に権力を集中させ、強大な軍事力で南進を行うための中央集権国家を打ち立てることにあった。

古代の魔道具による魔法・通信の封殺

クーデターを成功させるため、ニュルンベルク公爵は周到な準備を行っていた。

・古代の魔道具を使用し、帝都バルデッシュの広範囲において瞬間移動や飛翔といった移動系の魔法、および魔導携帯通信機を含む通信系の魔法を完全に阻害した。

・即位式典のため帝都には多くの貴族の当主が集まっており、帝都から逃げることも領地へ連絡することもできず孤立した。

・ニュルンベルク公爵はトップ不在で機能不全に陥った各地を、一気に平定する狙いを持っていた。

ピーチュ四兄弟の裏切りと恩師暗殺

クーデター軍は皇宮や帝都の重要拠点を次々と制圧していった。

・帝国の筆頭魔導師であるアーレイ・ブラットソンが暗殺された。

・実行犯は、帝国が秘蔵っ子として育てていたピーチュ四兄弟であった。

・四兄弟の長男アインスは、ニュルンベルク公爵から新たな筆頭魔導師の地位を約束され、クーデター軍に加担していた。

・恩師であるブラットソンを油断させて騙し討ちにし、ヴェンデリンたちの前でその首を放り投げて自らの裏切りを誇示する暴挙に出た。

迎賓館の襲撃とヴェンデリンたちの脱出

ニュルンベルク公爵の牙は、他国であるヘルムート王国の親善訪問団にも向けられた。

・将来戦争になった際に最大の脅威となるヴェンデリンやアームストロング導師などの強力な魔法使いたちを殺害または捕縛し、クーデター政権の交渉カードにするためであった。

・数千の兵士に包囲され、得意の移動魔法も封じられたヴェンデリンたちは絶体絶命の窮地に立たされた。

・彼らは雷撃魔法や魔闘流、物理攻撃などを駆使して強行突破を図り、迎賓館の裏庭で同じく命を狙われていた選帝侯テレーゼたちと合流した。

・テレーゼの案内で下水道を通って帝都からの脱出を試みた。

ピーチュ四兄弟の全滅とミズホ伯国への逃避行

下水道を抜けた駅馬車の停留所では、ピーチュ四兄弟とクーデター軍が待ち構えていた。

・恩師を殺し、ヴェンデリンたちを侮辱する四兄弟に対し、ヴェンデリンたちは一切の容赦なく戦いを挑んだ。

・導師、ルイーゼ、ブランターク、カタリーナらの圧倒的な戦闘力により四兄弟は次々と討ち取られ、最後に残ったアインスもヴェンデリンの魔法によって障壁ごと焼き尽くされ全滅した。

・追手を防ぐために停留所の馬小屋を焼き払い駅馬車を奪取したヴェンデリン一行は、テレーゼを伴い、ニュルンベルク公爵軍の追撃を避けるため、帝国から半独立した自治領であるミズホ伯国を経由して、安全な北方のフィリップ公爵領を目指す過酷な逃避行を開始することとなった。

まとめ

ニュルンベルク公爵の反乱と帝都脱出を巡る一連の全貌は、選挙敗北を発端とした国家クーデターの開戦から始まり、古代魔道具による通信・移動手段の完全遮断、内通者による重臣の暗殺と混乱、包囲された迎賓館からの突入と下水道脱出、そして裏切り者の完全打倒とミズホ伯国経由の北上決行に至るまで、その歩みを明瞭に示している。大規模な陰謀や不条理な包囲網という不条理な檻を打ち破り、自分たちの尊厳と平穏な生の主権を自らの選択と確固たる意志によって完璧に確立するに至る、危機的状況における果断な武力行使と生存戦略の記録である。政変の勃発から、機能不全の誘発、刺客の撃滅、退路の開拓、そして北方防衛線への到達へと繋がったプロセスは、どれほど不条理な事態の混迷や過酷な環境の激変によって状況が脅かされようとも、本質を突いた人間の知性と確固たる意志の果断によって打破され、新しい生き方を切り拓く輝かしい未来の道が厳密に証明されている。

八男7巻レビュー
八男まとめ
八男9巻レビュー

登場キャラクター

バウマイスター伯爵家

ヴェンデリン・フォン・ベンノ・バウマイスター

本作の主人公である。バウマイスター伯爵家の当主を務める。前世の知識を持つ。
・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・当主。
・物語内での具体的な行動や成果
 エリーゼたちと結婚式を挙げた。アマーリエとの関係を秘密裏に続けた。親善訪問団としてアーカート神聖帝国を訪れ、クーデターに巻き込まれて逃走した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

エリーゼ・カタリーナ・フォン・ホーエンハイム

ヴェンデリンの正妻である。教会で有数の治癒魔法使いとされる。
・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・正妻。
・物語内での具体的な行動や成果
 ヴェンデリンと結婚し、魔力が増加した。アーカート神聖帝国ではテレーゼの誘惑からヴェンデリンを守った。逃走時には治癒魔法で味方を支援した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

カタリーナ・リンダ・フォン・ヴァイゲル

ヴェンデリンの妻の一人である。没落貴族出身で名誉付きの爵位を持つ。
・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・妻。
・物語内での具体的な行動や成果
 ヴェンデリンと結婚し、魔力量が増大した。親善訪問団の一員として帝国を訪れた。クーデター軍を竜巻の魔法で撃退した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ヴィルマエトル・フォン・アスガハン

ヴェンデリンの妻の一人である。エドガー軍務卿の養女にあたる。
・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・妻。
・物語内での具体的な行動や成果
 結婚を機に魔力が増加して身体能力強化などが使えるようになった。海で大量の魚介類を獲った。クーデター時にはテレーゼを部屋の外へ運び出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ルイーゼ・ヨランデ・アウレリア・オーフェルヴェーク

ヴェンデリンの妻の一人である。魔闘流の使い手である。
・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・妻。
・物語内での具体的な行動や成果
 ヴェンデリンと結婚し、魔力が増加した。クーデター時には魔闘流を用いてクーデター軍のドライを倒した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

イーナ・ズザネ・ヒレンブラント

ヴェンデリンの妻の一人である。槍術を得意とする。
・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・妻。
・物語内での具体的な行動や成果
 結婚によって魔力が増加し、火炎槍や風斬槍などの魔法を習得した。クーデター時には武器を振るって敵兵を倒した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

エル

ヴェンデリンの親友である。彼の護衛を務める。
・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・陪臣騎士、護衛。
・物語内での具体的な行動や成果
 カルラに失恋して幻想の世界に逃避したが、後に正気に戻った。帝国で導師に日焼け止めを塗る役目を命じられた。クーデターからの逃走時には剣で敵兵を倒した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ローデリヒ

バウマイスター伯爵家の代官である。領地開発や実務を取り仕切る。
・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・代官。
・物語内での具体的な行動や成果
 大お見合い会を準備し、ルックナー財務卿の孫娘を隣に置いて参加した。ヴェンデリンの結婚式や親善訪問団の準備を管理した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

トリスタン

エドガー軍務卿の息子である。バウマイスター伯爵家に仕えている。
・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・家臣。
・物語内での具体的な行動や成果
 大お見合い会に参加した。エルに軍隊指揮の講義を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

トーマス

旧ブロワ組の出身である。バウマイスター伯爵家に仕官した。
・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・家臣。
・物語内での具体的な行動や成果
 大お見合い会に参加した。一人の女性と親しくなった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

モーリッツ

ヴィルマの兄である。ヘルタニア渓谷の防衛に携わる。
・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・家臣。
・物語内での具体的な行動や成果
 大お見合い会に参加した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

フェリクス

アームストロング伯爵の三男である。ヘルタニア渓谷の開発に関わる。
・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・家臣。
・物語内での具体的な行動や成果
 大お見合い会に参加した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

イェフ

ブリュアの次男である。紋章官を務める。
・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・紋章官。
・物語内での具体的な行動や成果
 ヴェンデリンに貴族への挨拶の順番などを指導した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ドミニク

エリーゼの幼馴染である。メイドとして働いている。
・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・メイド。
・物語内での具体的な行動や成果
 カスパルと結婚した。五夜続けて初夜の監視役を務めた。レーアの指導を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 三日間の特別休養と特別ボーナスを支給された。

カスパル

ホーエンハイム子爵家の庭師の次男である。
・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・庭師。
・物語内での具体的な行動や成果
 ドミニクと結婚した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

レーア

ドミニクの従妹である。新人メイドとして雇われた。
・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・新人メイド。
・物語内での具体的な行動や成果
 ベッドメイキングや菓子作りなどを習った。口が軽いためドミニクから何度も拳骨を落とされた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

親戚の子供たち

エリーゼの縁戚の子供たちである。
・所属組織、地位や役職
 ホーエンハイム家関連。
・物語内での具体的な行動や成果
 結婚式でエリーゼの長いベールの端を持った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

料理人たち

バウマイスター伯爵家で働く料理人たちである。
・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・料理人。
・物語内での具体的な行動や成果
 ソース焼きそばなどの材料を準備した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

メイドたち

バウマイスター伯爵家で働くメイドたちである。
・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・メイド。
・物語内での具体的な行動や成果
 結婚式でブーケを奪い合った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

家臣たち

バウマイスター伯爵家に仕える家臣たちである。
・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・家臣。
・物語内での具体的な行動や成果
 結婚式に向けて領主館の飾りつけや招待客の応対を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

警備兵たち

バウマイスター伯爵領を守る警備兵たちである。
・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・警備兵。
・物語内での具体的な行動や成果
 大お見合い会などに参加した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ヴェンデリンの親族・関係者

ヴェンデリンの父

ヴェンデリンの父親である。前当主として隠居している。
・所属組織、地位や役職
 バウマイスター騎士爵家・前当主。
・物語内での具体的な行動や成果
 クルトの未亡人であるアマーリエをヴェンデリンの「あてがい女」として手配した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ヴェンデリンの母

ヴェンデリンの母親である。
・所属組織、地位や役職
 バウマイスター騎士爵家。
・物語内での具体的な行動や成果
 本文内に具体的な行動の記載はない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

アマーリエ・フォン・ベンノ・バウマイスター

亡きクルトの妻である。息子たちの将来を案じている。
・所属組織、地位や役職
 バウマイスター騎士爵家。
・物語内での具体的な行動や成果
 ヴェンデリンのあてがい女となった。彼が結婚した後も密会を続けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

クルト

ヴェンデリンの亡き兄である。
・所属組織、地位や役職
 バウマイスター騎士爵家・元長男。
・物語内での具体的な行動や成果
 弟を暗殺しようとして自滅した過去が言及された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

カール

クルトとアマーリエの長男である。
・所属組織、地位や役職
 アマーリエの長男。
・物語内での具体的な行動や成果
 成人後に領地を分与される予定であることが言及された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

オスカー

クルトとアマーリエの次男である。
・所属組織、地位や役職
 アマーリエの次男。
・物語内での具体的な行動や成果
 将来は従士長として分家を創設する予定であることが言及された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

パウル

ヴェンデリンの兄である。領主として働いている。
・所属組織、地位や役職
 騎士爵家・領主。
・物語内での具体的な行動や成果
 ヴェンデリンに小屋を密会場所として貸し出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ヘルマン

ヴェンデリンの兄である。バウマイスター騎士爵領を治めている。
・所属組織、地位や役職
 バウマイスター騎士爵家・領主。
・物語内での具体的な行動や成果
 ファイネン男爵の庶子ユッタを側室として迎えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

マルレーネ

ヘルマンの妻である。三番目の子供を妊娠している。
・所属組織、地位や役職
 バウマイスター騎士爵家。
・物語内での具体的な行動や成果
 ユッタの結婚式で料理の配膳や来客への対応に当たった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ユッタ

ファイネン男爵の庶子である。
・所属組織、地位や役職
 バウマイスター騎士爵家・側室。
・物語内での具体的な行動や成果
 ヘルマンの側室として迎えられ、結婚式を挙げた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

エーリッヒ

ヴェンデリンの兄である。王都に在住している。
・所属組織、地位や役職
 王都在住の役人。
・物語内での具体的な行動や成果
 大お見合い会で多くの女性に囲まれた。側室との結婚式を挙げた。ヴェンデリンにアマーリエとの関係について助言した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ミリヤム

エーリッヒの妻である。
・所属組織、地位や役職
 エーリッヒの妻。
・物語内での具体的な行動や成果
 本文内に具体的な行動の記載はない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ヘルムート

ヴェンデリンの兄である。王都に在住している。
・所属組織、地位や役職
 王都在住。
・物語内での具体的な行動や成果
 大お見合い会に参加した。側室との結婚式を挙げた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ルイーゼの父親

ルイーゼの父親である。
・所属組織、地位や役職
 陪臣家。
・物語内での具体的な行動や成果
 結婚式でルイーゼに付き添って入場した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

イーナの父親

イーナの父親である。
・所属組織、地位や役職
 陪臣家。
・物語内での具体的な行動や成果
 結婚式でイーナに付き添って入場した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ニーナ

エリーゼの母親である。
・所属組織、地位や役職
 ホーエンハイム子爵家。
・物語内での具体的な行動や成果
 結婚式で使うベールの作製を指揮した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

レーアの父親

レーアの父親である。ドミニクの叔父にあたる。
・所属組織、地位や役職
 レーアの父。
・物語内での具体的な行動や成果
 レーアに働きに出るよう促した。ドミニクの推薦を許可した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ブライヒレーダー辺境伯家

ブライヒレーダー辺境伯

南部を統括する大貴族である。
・所属組織、地位や役職
 ブライヒレーダー辺境伯家・当主。
・物語内での具体的な行動や成果
 遺産相続の問題を避けるためブランタークに結婚を命じた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ブランターク

ヴェンデリンの魔法の師匠である。元独身貴族であった。
・所属組織、地位や役職
 ブライヒレーダー辺境伯家・お抱え魔法使い。
・物語内での具体的な行動や成果
 主君の命によりアガーテと結婚した。親善訪問団の一員として帝国を訪れた。クーデターからの逃走時にフィーアを倒した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

アガーテ

ブランタークの妻である。小さな騎士爵家の長女にあたる。
・所属組織、地位や役職
 ブライヒレーダー辺境伯家。
・物語内での具体的な行動や成果
 本文内に具体的な行動の記載はない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

アニータ

ブライヒレーダー辺境伯の叔母である。
・所属組織、地位や役職
 ブライヒレーダー辺境伯家。
・物語内での具体的な行動や成果
 結婚式のブーケトスでブーケを受け取ったメイドに褒美を与えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ブリュア

ブライヒレーダー辺境伯家の紋章官である。イェフの父親にあたる。
・所属組織、地位や役職
 ブライヒレーダー辺境伯家・紋章官。
・物語内での具体的な行動や成果
 本文内に具体的な行動の記載はない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ブロワ辺境伯家

カルラ・フォン・ブロワ

ゲルトの姪である。エルの想い人である。
・所属組織、地位や役職
 元ブロワ辺境伯家。
・物語内での具体的な行動や成果
 ブロワ辺境伯家の籍を抜けた。エルと結婚の約束をした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ブロワ家の籍から抜けた。

ゲルト

新しいブロワ辺境伯である。
・所属組織、地位や役職
 ブロワ辺境伯家・当主。
・物語内での具体的な行動や成果
 本文内に具体的な行動の記載はない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ブロワ辺境伯の正妻

先代の正妻である。
・所属組織、地位や役職
 ブロワ辺境伯家。
・物語内での具体的な行動や成果
 紛争中に亡くなったことが言及された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 死亡した。

カルラの母親

貧乏騎士の娘である。
・所属組織、地位や役職
 ベンカー家。
・物語内での具体的な行動や成果
 本文内に具体的な行動の記載はない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

カルラの兄たち

・所属組織、地位や役職
 ブロワ辺境伯家。
・物語内での具体的な行動や成果
 本文内に具体的な行動の記載はない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ヘルムート王国政府・中央貴族・その他

ヴァルド

ヘルムート王国の王太子である。
・所属組織、地位や役職
 ヘルムート王国・王太子。
・物語内での具体的な行動や成果
 ヴェンデリンの結婚式に出席した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

アームストロング導師

王宮筆頭魔導師である。凄まじい戦闘力を持つ。
・所属組織、地位や役職
 ヘルムート王国・王宮筆頭魔導師。
・物語内での具体的な行動や成果
 親善訪問団の一員として帝国を訪れた。クーデターからの逃走時にツヴァイを倒した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

エドガー軍務卿

ヴィルマの養父である。軍務を司る。
・所属組織、地位や役職
 ヘルムート王国・軍務卿。
・物語内での具体的な行動や成果
 ベールの作製に関わった。ヘルマンの側室の結婚式に出席した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ホーエンハイム枢機卿

エリーゼの祖父である。教会の有力者である。
・所属組織、地位や役職
 ヘルムート王国・枢機卿。
・物語内での具体的な行動や成果
 ヴェンデリンの結婚式に出席した。ベールの作製に関わった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ルックナー財務卿

財務を司る貴族である。
・所属組織、地位や役職
 ヘルムート王国・財務卿。
・物語内での具体的な行動や成果
 ローデリヒの隣に孫娘を配置したことが言及された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ルックナー財務卿の孫娘

ローデリヒの婚約者である。
・所属組織、地位や役職
 ルックナー家。
・物語内での具体的な行動や成果
 大お見合い会でローデリヒの隣に座った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

シュルツェ伯爵

親善訪問団の団長を務める文官である。
・所属組織、地位や役職
 ヘルムート王国・親善訪問団団長。
・物語内での具体的な行動や成果
 帝国との通商交渉や技術交流などを担当した。皇帝崩御の対応に追われた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ファイネン男爵

ユッタの父親である。恐妻家とされる。
・所属組織、地位や役職
 ヘルムート王国・男爵。
・物語内での具体的な行動や成果
 妻を恐れてユッタの結婚式に出席しなかった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ファイネン男爵の本妻

伯爵家出身である。気位が高いとされる。
・所属組織、地位や役職
 ファイネン男爵家・本妻。
・物語内での具体的な行動や成果
 本文内に具体的な行動の記載はない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ファイネン男爵の家臣

ファイネン男爵家に仕える者である。
・所属組織、地位や役職
 ファイネン男爵家・家臣。
・物語内での具体的な行動や成果
 男爵の代理としてユッタの結婚式に出席した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ルートガー

ミリヤムの父である。エーリッヒの義父にあたる。
・所属組織、地位や役職
 不明。
・物語内での具体的な行動や成果
 エーリッヒにあてがい女を用意したことが言及された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ヴィレム

ヘルムートの義父にあたる。
・所属組織、地位や役職
 不明。
・物語内での具体的な行動や成果
 ヘルムートにあてがい女を用意したことが言及された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ハインツ

ヴァイゲル家の元家臣である。
・所属組織、地位や役職
 ヴァイゲル家・家臣。
・物語内での具体的な行動や成果
 結婚式の打ち合わせに参加した。式でカタリーナに付き添った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

総司祭

カソリック教会の最高位である。
・所属組織、地位や役職
 教会・総司祭。
・物語内での具体的な行動や成果
 ヴェンデリンの結婚式を取り仕切った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

アルテリオ

バウマイスター伯爵家の御用商人である。
・所属組織、地位や役職
 バウマイスター伯爵家・御用商人。
・物語内での具体的な行動や成果
 結婚式に手伝いの人員を出した。自身も式に出席した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

商人たち

ヴェンデリンと取引を望む商人たちである。
・所属組織、地位や役職
 商人。
・物語内での具体的な行動や成果
 結婚式に出席した。ヴェンデリンに娘を紹介した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

魔法使いたち

親善訪問団に参加した魔法使いたちである。
・所属組織、地位や役職
 親善訪問団。
・物語内での具体的な行動や成果
 魔法の披露会で実力を示した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

役人たち

親善訪問団に参加した役人たちである。
・所属組織、地位や役職
 親善訪問団。
・物語内での具体的な行動や成果
 帝国との通商交渉などを行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

貴族たち

親善訪問団に参加した貴族たちである。
・所属組織、地位や役職
 親善訪問団。
・物語内での具体的な行動や成果
 結婚式に出席した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

護衛たち

各貴族や要人を守る者たちである。
・所属組織、地位や役職
 護衛。
・物語内での具体的な行動や成果
 本文内に具体的な行動の記載はない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

服飾職人

王都で服を作る職人である。
・所属組織、地位や役職
 服飾職人。
・物語内での具体的な行動や成果
 ヴェンデリンが注文した水着を作製した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

アーカート神聖帝国

ウィルヘルム十四世

アーカート神聖帝国の皇帝である。
・所属組織、地位や役職
 アーカート神聖帝国・皇帝。
・物語内での具体的な行動や成果
 魔法の披露会や晩餐会に出席した。執務中に倒れて崩御した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 崩御した。

ワルター大公爵

中央の皇家出身の候補者である。
・所属組織、地位や役職
 アーカート神聖帝国・大公爵。
・物語内での具体的な行動や成果
 皇帝選挙に立候補した。決選投票で皇帝に選出された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 次期皇帝アーカート十七世に選出された。

マックス・エアハルト・アルミン・フォン・ニュルンベルク

南進論を唱える若き野望家である。
・所属組織、地位や役職
 アーカート神聖帝国・公爵。
・物語内での具体的な行動や成果
 皇帝選挙に立候補して敗れた。その後クーデターを起こした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

テレーゼ・ジークリット・フォン・フィリップ

フィリップ公爵家の当主である。女性の選帝侯を務める。
・所属組織、地位や役職
 アーカート神聖帝国・公爵。
・物語内での具体的な行動や成果
 魔法使いの歓待責任者を務めた。ヴェンデリンを誘惑した。クーデターから逃走し、ヴェンデリンたちと共にミズホ伯国へ向かった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ブランデンブルク公爵

皇帝候補者の一人である。
・所属組織、地位や役職
 アーカート神聖帝国・公爵。
・物語内での具体的な行動や成果
 皇帝選挙に立候補したが落選した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

バーデン公爵

皇帝候補者の一人である。
・所属組織、地位や役職
 アーカート神聖帝国・公爵。
・物語内での具体的な行動や成果
 皇帝選挙に立候補したが落選した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ホーエンツォレルン公爵

アーカート神聖帝国の選帝侯である。
・所属組織、地位や役職
 アーカート神聖帝国・公爵。
・物語内での具体的な行動や成果
 立候補せずに見学席にいた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

マイセン公爵

アーカート神聖帝国の選帝侯である。
・所属組織、地位や役職
 アーカート神聖帝国・公爵。
・物語内での具体的な行動や成果
 立候補せずに見学席にいた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

アーレイ・ブラットソン

帝国の筆頭魔導師である。
・所属組織、地位や役職
 アーカート神聖帝国・筆頭魔導師。
・物語内での具体的な行動や成果
 親善訪問団の出迎えや世話を行った。ピーチュ四兄弟に暗殺された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 死亡した。

アインス・ジーモン・ピーチュ

ピーチュ四兄弟の長男である。火の系統魔法を得意とする。
・所属組織、地位や役職
 アーカート神聖帝国・魔法使い。
・物語内での具体的な行動や成果
 クーデターに加担してブラットソンを暗殺した。ヴェンデリンたちを襲撃したが、ヴェンデリンの火球によって倒された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 死亡した。

ツヴァイ

ピーチュ四兄弟の次男である。水の系統魔法を得意とする。
・所属組織、地位や役職
 アーカート神聖帝国・魔法使い。
・物語内での具体的な行動や成果
 クーデターに加担した。導師に殴り倒された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 死亡または意識不明となった。

ドライ

ピーチュ四兄弟の三男である。土の系統魔法を得意とする。
・所属組織、地位や役職
 アーカート神聖帝国・魔法使い。
・物語内での具体的な行動や成果
 クーデターに加担した。ルイーゼの攻撃で致命傷を負った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 死亡または意識不明となった。

フィーア

ピーチュ四兄弟の四男である。風の系統魔法を得意とする。
・所属組織、地位や役職
 アーカート神聖帝国・魔法使い。
・物語内での具体的な行動や成果
 クーデターに加担した。ブランタークに斬り倒された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 死亡または意識不明となった。

エッボ

テレーゼに仕える家臣である。
・所属組織、地位や役職
 フィリップ公爵家・家臣。
・物語内での具体的な行動や成果
 馬車の御者を務めた。ヴェンデリンの行動を非難したため馬車から突き落とされた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

バルトルト

テレーゼに仕える家臣である。
・所属組織、地位や役職
 フィリップ公爵家・家臣。
・物語内での具体的な行動や成果
 エッボの代わりに御者を務めるようテレーゼから命じられそうになった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

フィリップ伯爵

フィリップ公爵家の祖先である。
・所属組織、地位や役職
 フィリップ家。
・物語内での具体的な行動や成果
 北方の異民族国家を制圧した経緯が言及された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

テレーゼの異母兄たち

テレーゼの兄にあたる人物である。
・所属組織、地位や役職
 フィリップ公爵家。
・物語内での具体的な行動や成果
 テレーゼの婿取りを妨害していることが言及された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

貴族議会の議員たち

アーカート神聖帝国の議会に所属する議員たちである。
・所属組織、地位や役職
 アーカート神聖帝国・議員。
・物語内での具体的な行動や成果
 皇帝選挙で投票を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

アーカート神聖帝国軍

アーカート神聖帝国の正規軍である。
・所属組織、地位や役職
 アーカート神聖帝国・軍。
・物語内での具体的な行動や成果
 本文内に具体的な行動の記載はない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

クーデター軍

ニュルンベルク公爵に従う軍勢である。
・所属組織、地位や役職
 クーデター軍。
・物語内での具体的な行動や成果
 帝都の重要拠点を制圧した。ヴェンデリンたちを襲撃した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

騎士たち

クーデターに加担する騎士たちである。
・所属組織、地位や役職
 クーデター軍。
・物語内での具体的な行動や成果
 ヴェンデリンたちを襲撃した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

兵士たち

クーデターに加担する兵士たちである。
・所属組織、地位や役職
 クーデター軍。
・物語内での具体的な行動や成果
 ヴェンデリンたちを襲撃した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

出迎えの使用人や執事たち

迎賓館で働く者たちである。
・所属組織、地位や役職
 アーカート神聖帝国・迎賓館。
・物語内での具体的な行動や成果
 迎賓館でヴェンデリンたちを各部屋へ案内した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

八男7巻レビュー
八男まとめ
八男9巻レビュー

展開まとめ

プロローグ エル愛の日記 

カルラとの出会い

ブロワ辺境伯家との紛争が始まる中、エルは単身で交渉に訪れたカルラに一目惚れした。彼女の護衛兼監視役を引き受け、身近で話す機会を得た。

カルラは大貴族の娘らしい尊大さを持たず、認知されるまでは貧しいベンカー家で暮らしていた。境遇や好みが似ていたため二人は打ち解け、エルは彼女との出会いを運命だと感じた。

身分差への不安

エルはカルラとの会話や散歩を楽しみながらも、辺境伯家の娘と陪臣騎士という身分差に悩んだ。しかしカルラがブロワ家から離れ、元の生活へ戻りたいと望んでいることを知った。

ヴェンデリンは紛争への参戦によって状況を変えられる可能性を示し、エルは勝利に貢献してカルラとの未来を掴もうと決意した。

従軍生活と親交

カルラはバウマイスター伯爵軍に同行し、料理や洗濯を手伝った。エルは彼女から世話を焼かれるたびに夫婦のような生活を思い描き、弓の稽古を通じても親交を深めた。

エルは一騎打ちや軍の指揮で功績を挙げ、カルラに良いところを見せようと奮闘した。カルラも彼の働きを褒め、戦場では不安を抱きながらもエルを頼りにしていた。

夜襲と護衛の決意

ブロワ辺境伯軍が一万人で夜襲を仕掛けた際、エルはヴェンデリンとカルラを逃がす覚悟を固めた。広域エリアスタンによって敵軍は制圧され、危機は回避された。

エルは安堵するカルラを見て、彼女を守り続けたいという思いをさらに強めた。

ヘルタニア渓谷での奮闘

ヘルタニア渓谷の攻略では、エルはオリハルコン製の剣で岩のゴーレムを次々と斬り倒した。後方で見守るカルラから水や布巾を渡され、汗まで拭いてもらったことで、彼女も自分に好意を持っていると確信した。

カルラが第三の後継者を擁立してブロワ家から除籍されようとしたことも、エルは自分との結婚を望んでいるためだと受け止めた。

カルラの自由

ヴェンデリンたちの働きによってゲルトが新たなブロワ辺境伯となり、カルラは正式にブロワ家の籍を抜けた。彼女は王都のベンカー家へ戻り、政略結婚の駒となる立場から解放された。

その後、カルラがバウルブルクを訪れると知ったエルは、自分との将来を告げるために来るのだと期待した。

初恋の成就

バウルブルクへ到着したカルラは、結婚するために来たと告げた。相手の特徴を尋ねたエルに対し、カルラは目の前にいるエルこそ結婚相手であり、そのためにブロワ家の籍を抜いたと明かした。

エルは喜んで求婚を受け入れ、カルラも彼への思いを伝えた。二人は互いを呼び捨てや夫婦の呼び方で呼び合い、結婚に向けてヴェンデリンへ相談することを決めた。

第一話 大お見合い会 

エルの日記帳

大お見合い会当日の朝、イーナは廊下で拾ったエルの日記帳を持参した。そこにはカルラとの結婚が成就し、夫婦として暮らしているという妄想が記されていた。失恋から三日が過ぎても、エルは現実に戻らず、幻想の新婚生活を続けていた。

精神魔法による治療

エリーゼは、落ち込んだ者の心を高揚させる治癒魔法をエルに試した。しかしエルはカルラとの食事や子供について語り続け、効果は見られなかった。

続いて、望郷や不安を抱かせて心を落ち着かせる教会の秘魔法も使用したが、エルはカルラの待つ家へ帰りたいと口にしただけであった。これ以上強く作用させるのは危険なため、治療は断念された。

大お見合い会の開催

ヴェンデリンたちは、実際の女性たちに会わせればエルが正気に戻る可能性があると考え、彼を大お見合い会へ参加させた。会はバウマイスター伯爵家とブライヒレーダー辺境伯家の合同で開かれ、独身者だけでなく、側室や後添えを求める男女も集まった。

主催者であるヴェンデリンは短い挨拶で開会を宣言した。会場では家柄や地位に応じた縁談が進み、参加者たちは早くも結婚を前提に相手を探していた。

参加者たちの縁談

ローデリヒの傍には、婚約者であるルックナー財務卿の幼い孫娘が付き添い、他の女性が近づけない状態となっていた。モーリッツやフェリクスには紹介状を持つ貴族の娘たちが集まり、トーマスも早々に一人の女性と親しくなった。

結婚を拒んでいたブランタークも、主君の命令によって参加していた。彼の資産や地位に加え、年上の女性を好むという情報から、婚期を逃しかけた女性たちが多数集まった。ヴェンデリンの兄たちも、家の義務として側室候補を探していた。

噛み合わない会話

エルは多くの若い女性に囲まれたが、好きな料理や趣味を尋ねられるたびにカルラの名を出した。女性たちは当初、カルラを妹だと誤解し、エルを町へ連れ出した。

しかしエルは何を見てもカルラと一緒に行きたいと答え続けた。自分たちが眼中にないと気づいた女性たちは次第に離れ、最後には誰もエルへ話しかけなくなった。大お見合い会による荒療治も失敗に終わった。

高い婚姻成立率

会場では次々と縁談が成立し、相手と町へ出かけたり、すぐに共同生活を始めたりする者も現れた。翌日には式の日取りを相談する組もおり、ブランタークを含め、エル以外の独身者たちはほぼ全員が相手を決めた。

ヴェンデリンはエルに無理な縁談を押しつけることを避け、時間を置くことにした。大お見合い会によって家臣団の独身率は大幅に下がったが、エルだけは取り残された。

突然の回復

大お見合い会の終了から三日後、エルは突然正気に戻った。幻想に浸っていた期間の記憶はほとんどなく、自分が見合い会へ参加したことも覚えていなかった。

エルは見合い会をもう一度開くようヴェンデリンに頼んだが、既に他の参加者たちは相手を決めていたため拒否された。失恋を癒す相手は自力で探すよう言われたエルは、カルラよりも美しく賢く、料理や裁縫も得意な女性と結婚すると叫んだ。カタリーナは、その高望みでは独身期間が長引くと冷静に指摘した。

第二話 結婚式の準備でマリッジブルーになりそうだ 

結婚式までの過密日程

大お見合い会の数日後、ローデリヒは一か月後の結婚式までの予定をヴェンデリンへ示した。瞬間移動がなければ不可能な日程であったが、国王やホーエンハイム枢機卿は横槍を避けるため、誕生日に合わせた挙式を急いでいた。

ヴェンデリンは結婚準備のため、王都、ブライヒブルク、バウルブルクを頻繁に往復することになった。

花嫁たちのベール

花嫁のベールは身分に応じて長さや装飾を変える必要があり、エリーゼを筆頭に、カタリーナ、ヴィルマ、イーナ、ルイーゼの順で格差を設けることになった。順序を誤れば貴族社会で問題になるため、各家の関係者が細部まで調整した。

イーナとルイーゼはブライヒレーダー辺境伯領の工房、カタリーナはヴァイゲル領の工房へ依頼した。エリーゼとヴィルマのベールは王都で比較しながら作られ、式後には衣類や装飾品へ再利用することも花嫁の評価に繋がると説明された。

瞬間移動による送迎

結婚式を控えたヴェンデリンには、兄たちが迎える側室との結婚式への出席も求められた。瞬間移動が使えるため、遠方を理由に欠席できず、両親や婚約者たちまで各地へ送り届ける役目を負った。

便利な魔法を前提に予定が組まれた結果、ヴェンデリンは移動と式典への出席に追われ、次第に疲労を見せるようになった。

ヘルマンの側室

ヴェンデリンは両親やヴィルマを連れ、ヘルマンが迎える側室ユッタの結婚式へ出席した。ユッタはファイネン男爵の庶子であり、男爵は本妻を恐れて式に出られず、家臣を代理に送っていた。

ユッタは実家へ引き取られても本妻との関係に苦しむ可能性があったため、バウマイスター騎士爵領で側室となることが本人にとっても安全な道であった。

変化した騎士爵領

式では、領地で増産された蜂蜜酒や熊肉、蜂蜜の菓子が振る舞われた。かつては貧しさから作れなかった蜂蜜のタルトも復活し、商人から材料を仕入れられるほど領地の経済は開かれていた。

妊娠中のマルレーネも来客対応を続け、領地の発展と家族の増加を明るく受け止めていた。

商人たちの娘

結婚式に集まった商人たちは、今後の取引を望みながら自分の娘をヴェンデリンへ紹介した。ヴェンデリンは各地で貴族や商人から娘を勧められ続け、結婚を目前にしても新たな縁談への働きかけから逃れられなかった。

移動と挨拶に追われた一週間を終えても、結婚式まではまだ三週間残っていた。ヴェンデリンはエドガー軍務卿から式には良いこともあると励まされ、残る過密日程をこなしていった。

第三話 貴族は、結婚式も初夜も面倒だ! 

十六歳の誕生日と結婚式

ブロワ辺境伯家との紛争終結から一か月半後、十六歳となったヴェンデリンは完成した領主館と教会で結婚式を迎えた。バウルブルクには王太子や総司祭をはじめ多くの要人が集まり、町でも領民たちに酒や肉が振る舞われ、祝祭の賑わいが広がっていた。

五人の花嫁

総司祭が式を執り行い、エリーゼ、カタリーナ、ヴィルマ、ルイーゼ、イーナが父親や代理人に付き添われて入場した。ヴェンデリンと五人は愛を誓い、口づけと指輪の交換を経て正式な夫婦となった。

式後には五つのブーケが投げられ、未婚女性に代わって参加したメイドたちが激しく奪い合った。その一つはブライヒレーダー辺境伯の叔母アニータのもとへ渡った。

披露宴の疲労

披露宴では、ヴェンデリンたちは決められた順番で多くの貴族へ挨拶を続けた。未開地とヘルタニア渓谷の利権を狙う者たちは、結婚式当日にも六人目以降の妻として娘を勧めてきたため、全員が疲労困憊となった。

初夜の慣習

貴族の結婚では夫婦関係が成立したことを確認する慣習があり、既婚の侍女ドミニクが五夜続けて監視役を務めることになった。ヴェンデリンは師匠から残された本の袋とじを開き、消耗した体力を戻す水系統の精力回復魔法を習得した。

アマーリエとの密会

ヴェンデリンは結婚前、父とパウルから、跡継ぎが夫婦関係で失敗しないための慣習として、未亡人をあてがう話を持ちかけられていた。その相手は、亡きクルトの妻アマーリエであった。

アマーリエは息子たちの将来を保証してもらうため、ヴェンデリンは経験を得るために関係を受け入れた。二人は人目を避けた小屋で密会を重ね、ヴェンデリンは家具や浴室を整え、王都へ買い物にも連れ出した。

アマーリエは、夫クルトが生前に愛人を囲っていたことを明かし、自分を女として大切に扱うヴェンデリンとの時間に安らぎを得ていた。一方で関係は結婚までと決め、息子たちと実家を支える人生へ戻る覚悟も固めていた。

エリーゼとの夫婦生活

初夜を迎えたエリーゼは、アマーリエとの関係を察しながらも、今は自分だけを見てほしいと求めた。ヴェンデリンはその思いに応え、二人は出会いから約四年を経て正式な夫婦となった。

続く四日間、ヴェンデリンはカタリーナ、ヴィルマ、ルイーゼ、イーナとも夫婦としての時間を過ごした。精力回復魔法や彼女たち自身の治癒能力によって夜は長引き、監視を続けたドミニクは疲れ果てた。

ドミニクへの報酬

五日間の役目を終えたドミニクは、寝室の後始末と夜勤の負担からメイドの増員を求めた。ヴェンデリンは彼女の働きに報いるため、三日間の特別休暇と特別賞与を与え、ローデリヒへ増員を申し入れた。

第四話 新婚生活で秘密が増える 

続いていた密会

結婚から一か月後も、ヴェンデリンは週に一度アマーリエとの密会を続けていた。五人の妻との生活に追われる中、年上で気兼ねなく話せる彼女との時間は、愚痴をこぼして息を抜ける貴重な場となっていた。

アマーリエも期間限定の関係だと理解しながら、ヴェンデリンが望む限り応じるつもりであった。二人の関係は妻たちにも気づかれていたが、表立って問題にはされなかった。

エリーゼの魔力上昇

初夜の翌朝、ブランタークたちはエリーゼの魔力量が増えていることに気づいた。長く成長が止まっていた彼女の魔力が再び上昇したため、ヴェンデリンとの夫婦関係が原因ではないかと推測された。

その後、カタリーナ、ヴィルマ、ルイーゼ、イーナにも同じ変化が起こった。アマーリエには変化がなかったため、元々わずかでも魔法の素養を持つ女性に限って魔力が増える可能性が高いと考えられた。

妻たちの競争

魔力が増えると知った妻たちは、夫婦生活へ積極的になった。エリーゼはヴェンデリンの体調を考慮しながら夜の予定を組み、五人は新婚生活と魔力の成長を両立させた。

一か月後、エリーゼは上級中位、ヴィルマとイーナは中級程度まで魔力を増やした。ルイーゼとカタリーナも大幅に魔力量を伸ばしたが、新しく使える魔法の種類は本人の適性に左右された。

新たな戦闘能力

ヴィルマは身体能力強化と武器付与を習得し、これまでの怪力をさらに高めた。ルイーゼは使える魔法こそ増えなかったが、魔力量ではブランタークに並んだ。

イーナは身体能力強化に加え、槍へ火や風を纏わせる火炎槍と風斬槍を習得した。岩を溶かし斬り裂く威力に喜び、武器を純ミスリル製へ替えることになった。

秘匿すべき能力

導師とブランタークは、魔法の素養を持つ女性がヴェンデリンと関係を結ぶと、魔力量が増える可能性が高いと分析した。ただし増加量や使える魔法は本人の才能によって異なり、成長にも限界があると見られた。

この事実が漏れれば、女性魔法使いや魔法を望む者が殺到し、貴族が娘を差し出して責任を迫る危険もあった。国王、導師、ブライヒレーダー辺境伯、ブランタークら少数だけが事情を共有し、表向きは器合わせによる原因不明の成長として扱うことになった。

将来への懸念

妻たちとの間に生まれる子供が高い魔力を持つ可能性も浮上した。事実が明らかになれば、ヴェンデリンへの縁談や政治的な干渉がさらに増える恐れがあった。

重荷となる秘密を抱えたヴェンデリンは、当面の悩みを忘れるため、再びアマーリエとの時間に安らぎを求めた。

第五話 レジャーに出かけてみる 

子供への不安

結婚から一か月半後、イーナは魔力の急増が妊娠に影響する可能性を心配した。ヴェンデリンは成長が止まった以上は問題ないと考え、子供は焦らず待てばよいと安心させた。イーナはアマーリエとの関係にも気づいていたが、独身である彼女との逢瀬を黙認していた。

新人メイドのレーア

朝風呂を終えた二人は、ドミニクが従妹の新人メイド、レーアへ仕事を教える様子を目撃した。レーアは手際がよい一方で口が軽く、ヴェンデリンの夫婦生活や側室の可能性について余計な発言を繰り返し、そのたびにドミニクから拳骨を受けていた。

ドミニクは、ヴェンデリンの噂が広まれば新たな縁談が押し寄せ、正妻であるエリーゼの立場を損なうと説明した。レーアは叱られながらも、仕事自体は素早くこなしていた。

プライベートビーチ

完全休養日となったヴェンデリンは、エリーゼたちと導師を領地南端の海岸へ連れていった。そこはヴェンデリンが私有地と定めた砂浜であり、一行は海水浴と野外料理を楽しむことになった。

妻たちは従来の肌を覆う水着を用意していたが、ヴェンデリンは自らデザインしたビキニやワンピース型の水着へ着替えさせた。導師も極端に布の少ない水着を選び、鍛え上げた肉体を誇示した。

日焼け止めの身代わり

導師から日焼け止めを塗るよう頼まれたヴェンデリンは、研修中のエルを瞬間移動で連れてきた。そして当主命令として、導師の全身へ日焼け止めを塗る役目を押しつけた。

エルが嫌々ながら役目を果たす間、ヴェンデリンは妻たちと日焼け止めを塗り合った。役目を終えたエルはすぐに研修場所へ戻され、理不尽な扱いに強く抗議した。

海での遊び

ヴェンデリンは泳げないエリーゼにバタ足から教え、イーナとルイーゼにはクロールや平泳ぎを伝えた。二人はすぐに習得したが、カタリーナは手足の動きを合わせるのに苦労した。

導師はバタフライだけを豪快に覚え、巨大な水飛沫を上げながら泳いだ。ヴィルマは遊びより漁を優先し、素潜りで大量の魚介類を集めた。

海辺の昼食

昼食には肉、魚介、野菜のバーベキューが用意され、ヴェンデリンが作った醤油、味噌、塩のタレが好評を得た。さらにソース焼きそばと海鮮塩焼きそばを作ると、妻たちも気に入り、ヴィルマと導師は大量に焼いて食べ尽くした。

食後、一行は砂浜で昼寝をした。ヴェンデリンは、貴族社会の知識に長け、妻たちからも信頼されるエリーゼの存在に改めて感謝した。

夕暮れの砂浜

夕方、一行は赤く染まった海を眺め、久しぶりの休暇を満喫した。食事の片づけを任されていたレーアは、珍しい海の幸を食べすぎて動けなくなっていたため、ヴェンデリンから胃薬を与えられた。

エルへの紹介

屋敷へ戻ると、エルは軍隊指揮を学ぶための資料を読んでいた。ヴェンデリンは日焼け止めの件への埋め合わせとしてレーアを紹介し、試しに誘ってみるよう勧めた。

エルはレーアがドミニクに叱られている姿を知っていたため戸惑ったが、完全には否定しなかった。ヴェンデリンはドミニクにも二人を引き合わせる考えを伝え、将来の選択肢として見守ることにした。

第六話 親善訪問団 

親善訪問団への参加

結婚から約二か月後、ヴェンデリンとカタリーナは、十年ごとにアーカート神聖帝国へ派遣される親善訪問団へ参加するよう命じられた。この訪問は友好維持だけでなく、産品や技術、魔法使いの実力を示して相手国を牽制する政治行事でもあった。

導師とブランタークも魔法使いとして選ばれ、ヴェンデリンはエルと五人の妻だけを随行させることにした。新婚旅行も兼ねた一行は、留守中の領地運営をローデリヒに任せ、準備を整えた。

帝都バルデッシュ

一行は大型魔導飛行船で帝都バルデッシュへ到着した。多くの小国を統合して成立した帝国の首都には、さまざまな文化様式の建物が混在していた。

港では帝国筆頭魔導師ブラットソンが魔法使いたちを出迎えた。彼はヴェンデリンの妻たちの魔力量が大幅に増えていることに気づいたが、ヴェンデリンは器合わせの結果だとは明かさず、曖昧に誤魔化した。

テレーゼとの出会い

訪問団の歓待責任者として現れたのは、選帝侯の一人であるフィリップ公爵テレーゼであった。褐色の肌を持つ二十歳の女性当主で、十歳の時から公爵家を継いでいた。

テレーゼはヴェンデリンの考え方を気に入り、同じ馬車に乗り込んだうえ、名前で呼ぶよう求めた。昼食会でもヴェンデリンを隣席に置き、導師やブランタークとは十年前の思い出を語り合った。

消えた下着

食事中、テレーゼは沿岸視察の船上で下着が突然消えた過去を話した。それは以前、召喚魔法の実験でヴェンデリンのもとへ現れた紫色の下着であった。

事情を知るヴェンデリンたちは平静を装ったが、魔導ギルド関係者の動揺によって疑いを持たれた可能性が生じた。部屋へ戻ったヴェンデリン、ブランターク、イーナ、ルイーゼは、証拠を隠して最後まで知らぬふりを通すと決めた。

観光への同行

午後、ヴェンデリンは妻たちと市内観光へ出かけようとしたが、町歩きを望んだテレーゼと護衛役の導師が同行した。テレーゼはヴェンデリンの腕に絡みつき、対抗したエリーゼも反対側から腕を組んだ。

二人は互いに呼び方まで競い始め、エリーゼはヴェンデリンをあなたと呼ぶようになった。他の妻たちやエル、ブランタークは争いを避け、食事や観光を優先した。

下着店での駆け引き

テレーゼは消えた下着の補充を理由に、高級な下着店へ一行を案内した。そこで以前の下着に似た紫色の品を選び、ヴェンデリンの反応を探った。

ヴェンデリンは冷静を装ったが、エリーゼも下着の試着を持ち出して対抗した。テレーゼとエリーゼの張り合いは続き、ヴェンデリンは二人に振り回されたまま、初日の観光を終えた。

夜の訪問

夜、テレーゼは酒瓶を持ってヴェンデリンの部屋を訪れた。彼女は領地特産の酒を飲みながら、魔法や領地経営について語り、ヴェンデリンの細かな技術と統治能力を高く評価した。

やがてテレーゼは、自身が褐色の肌を持つために公爵家を継いだことを明かした。白い肌の異母兄たちでは地元民族の支持を得られず、彼女が血統と領地の事情によって当主に選ばれたのである。

難航する婿選び

テレーゼは結婚と出産を望んでいたが、異母兄たちの妨害や外戚の介入を避ける必要があり、婿選びが進んでいなかった。帝国では女性当主が結婚せず、優れた男性から密かに子を得る例もあると説明した。

そしてテレーゼは、貧乏騎士の八男から伯爵へ成り上がったヴェンデリンを、子の父親に相応しいと告げた。相続権などは求めず、望むなら自分を抱いてよいと誘いを残し、部屋を去った。

突然の申し出に絶句したヴェンデリンは、帰国まで続くであろう苦労を思い浮かべながら、そのまま眠りに落ちた。

第七話 フィリップ公爵家の女当主 

魔法披露会

親善訪問団到着の翌日、両国の魔法使いたちは皇帝も観覧するコロシアムで得意魔法を披露した。導師は巨大な岩を火柱で溶かし、ヴェンデリンは旋風で岩を一センチ角に切断した。ブランタークは加熱と冷却で岩を粉砕し、カタリーナは竜巻で岩を砂になるまで切り刻み、ヘルムート王国の魔法使いたちは高い実力を示した。

ピーチュ四兄弟

帝国側では筆頭魔導師ブラットソンをはじめ、多くの実力者が魔法を披露した。中でも一卵性の四つ子であるピーチュ四兄弟は、火、水、土、風の異なる系統魔法を使い、帝国を代表する若い魔法使いとして観客を沸かせた。

四兄弟は幼い頃から帝国に保護され、危険な実戦を避けながら鍛えられていた。そのため、十二歳から竜退治などの功績を重ねたヴェンデリンに強い対抗心を抱いていた。

皇帝との歓談

夜の晩餐会で、ヴェンデリンはウィルヘルム十四世から生い立ちや竜退治について尋ねられた。皇帝は親しげに話し、テレーゼがヴェンデリンを気に入っていることにも触れた。

その後、ピーチュ四兄弟がヴェンデリンに接近し、自分たちなら竜退治や軍勢の制圧も可能だと実力を誇示した。ヴェンデリンは彼らの長話を適当に受け流したが、四兄弟は近いうちに自分たちがヴェンデリンを上回ると宣言した。

四兄弟の嫉妬

テレーゼは、四兄弟が自分の婿候補になることを狙っていると明かした。彼らは家の後ろ盾が弱く、外戚の介入を防ぎたいフィリップ公爵家にとって条件は悪くなかったが、テレーゼ自身は露骨な野心を嫌っていた。

さらに四兄弟は、年下のヴェンデリンが先に大きな功績を挙げ、テレーゼからも好意を向けられていることに焦りを感じていた。慎重に育成された結果、実力に見合う実績を残せていないことも、彼らの対抗心を強めていた。

テレーゼの誘惑

晩餐会後、テレーゼは再びヴェンデリンの部屋を訪れ、薄い寝間着姿で子を成すよう露骨に誘った。ヴェンデリンは立場上の問題を理由に拒もうとしたが、テレーゼの色香に抗い切れなくなりかけた。

そこへエリーゼたち五人が乗り込み、夫を奪おうとするテレーゼを強く非難した。エリーゼは今後ヴェンデリンの夜に空きはないと宣言してテレーゼを追い出し、妻全員で同じ部屋に泊まることを決めた。

内縁関係の提案

翌朝、テレーゼは前夜の失敗を気にする様子もなく、正式な婿を迎えるとその実家がフィリップ公爵家の利権や役職に介入する危険があると説明した。そのため、ヴェンデリンとは結婚せず、秘密の内縁関係を結んで子を得たいと改めて提案した。

子供はテレーゼの子として育て、バウマイスター伯爵家の相続権も求めず、週に一度会うだけでよいという条件であった。エリーゼたちは即答できず、最終的には両国の君主の許可が必要だと返した。テレーゼは許可が得られれば受け入れるとの言質を取ったと判断し、満足して立ち去った。

交易拡大と婚姻問題

親善訪問団の会議で、ヴェンデリンは帝国側の魔法使いに関する報告を担当した。その後、シュルツェ伯爵から、両国間で不戦条約や通商拡大、他国貴族同士の婚姻解禁が水面下で検討されていると知らされた。

テレーゼはその動きを見越し、ヴェンデリンとの内縁関係を友好の象徴として認めさせようとしていた。エリーゼが国王の許可を条件にしたことも、彼女の計算どおりであったと判明した。

皇帝崩御

会議の最中、ウィルヘルム十四世が執務中に倒れ、治療の甲斐なく崩御したとの報告が届いた。通商交渉は承認者を失って中断し、新皇帝の選出や即位式への対応が必要となった。

親善訪問団の滞在延長も避けられなくなり、ヴェンデリンたちは予想外の政変に巻き込まれることとなった。

第八話 どこかで聞いたような眠たい政治の話 

帝都の喪と足止め

ウィルヘルム十四世の崩御により帝都全体が喪に服し、商店や劇場、飲食店などが葬儀終了まで休業した。ヴェンデリンたちは迎賓館で退屈な日々を送り、テレーゼが葬儀準備に追われて姿を見せないことを、エリーゼたちは安堵していた。

皇帝選挙への参加

ヴェンデリンや導師たちは皇帝の本葬儀に出席し、その後は外交団として皇帝選挙の傍聴や即位式への参加を命じられた。葬儀と候補者たちの長い演説は眠気を誘い、導師は目を開けたまま居眠りしていたが、エリーゼだけは眠気を覚ます聖治癒魔法を使って真面目に記録を取っていた。

ニュルンベルク公爵の情報

テレーゼは、候補者の一人である二十二歳のニュルンベルク公爵マックスが、南征を主張する国粋主義者であると説明した。ただし、その主張は軍部の支持や予算を得るためのブラフである可能性もあり、皇帝になっても直ちに戦争を始めるとは限らないと見ていた。

テレーゼの再訪

葬儀準備を終えたテレーゼは再びヴェンデリンの部屋を訪れ、世話になった皇帝の死を嘆いた。ヴェンデリンが慰めると、テレーゼは陛下を安心させるためにも自分との間に子を作るよう迫った。

そこへエリーゼたちが色違いの薄い寝間着姿で現れ、夫婦の時間を優先すると宣言した。ヴィルマがテレーゼを部屋の外へ運び出し、エリーゼたちは貴族間の対立ではなく女同士の争いとして彼女を排除すると決めた。

皇家の候補者

中央皇家から立候補したワルター大公爵は、先代皇帝の政策を踏襲する穏健な方針を示した。皇家は帝国の官僚機構と直轄地を支えているため、他家出身の皇帝もその協力なしには統治できず、候補者たちの政策に大きな差が生まれにくい事情が明らかになった。

ヘルムート王国脅威論

最後に登壇したニュルンベルク公爵は、ヘルムート王国の急速な成長が帝国の重大な脅威であると訴えた。ヴェンデリンによる古代竜討伐、パルケニア草原や南部未開地の開発、大型魔導飛行船の増加、ヘルタニア渓谷の解放を挙げ、将来の北征に備えて帝国軍を量と質の両面で強化すべきだと主張した。

演説は軍部や現状に不満を抱く議員たちの支持を集めた。ヴェンデリンは、その優れた扇動力と頭の回転に危険な印象を抱き、今後も注意すべき人物だと感じた。

ニュルンベルク領の善政

テレーゼによると、ニュルンベルク公爵は過激な発言とは裏腹に、自領では財政を崩す軍拡を行っていなかった。軍の訓練に魔物狩りや街道整備、開墾を組み込み、失業者を軍属として雇うことで治安と雇用を改善していた。

領民からの人気も高く、諸侯軍は帝国随一の精強さを誇っていた。ただし、現状を大きく変える必要を感じていない議員が多いため、皇帝選挙では皇家の大公爵が有利と予想されていた。

皇帝選挙の賭け

皇帝選挙は帝国公認の賭けの対象にもなっており、導師は一番人気の大公爵に賭けていた。賭けの収益は皇帝の葬儀費用などに充てられ、娯楽施設が営業を自粛する期間の代替娯楽にもなっていた。

新皇帝の決定

最初の投票では大公爵が首位となったものの過半数に届かず、ニュルンベルク公爵が予想を上回る二位につけた。候補者が脱落するたびに票を伸ばし、二回目には大公爵に迫る勢力となった。

最終投票では大公爵が二百六十七票、ニュルンベルク公爵が二百三十三票を獲得し、大公爵の当選が決まった。結果は事前の予想どおりであったが、若いニュルンベルク公爵が強い支持を得た事実は、ヘルムート王国側に大きな警戒を抱かせた。

第九話 騒がしい夜 

新皇帝への違和感

アーカート十七世の即位式が行われる中、ヴェンデリンは敗北したニュルンベルク公爵が悔しさを見せず、新皇帝へ忠誠を誓う姿に不審を抱いた。帰国前日まで大きな異変はなかったが、帝国滞在最後の夜、皇宮と迎賓館を多数の兵士が包囲した。

ニュルンベルク公爵のクーデター

ヴェンデリンたちは、皇帝選挙に敗れたニュルンベルク公爵によるクーデターだと判断した。迎賓館へ突入した兵士たちは彼らの身柄を狙っており、シュルツェ伯爵ら他の訪問団員も捕らえられた可能性が高かった。

脱出のため瞬間移動を試みたヴェンデリンは激しい頭痛に襲われ、移動魔法が封じられていることに気づいた。飛翔や通信の魔法も使えず、攻撃魔法だけは発動したため、広範囲で特定系統の魔法を妨害する古代の魔道具が使われていると推測された。

迎賓館からの脱出

導師とブランタークは、生存を最優先にして立ちはだかる兵士を排除するよう全員に命じた。ヴェンデリンたちは雷撃や武器を使って敵兵を倒し、援軍が続く迎賓館から裏口を目指した。

エリーゼたちも捕らえられれば何をされるかわからないと覚悟を決め、容赦なく戦った。敵はヴェンデリンと導師を重要目標として狙っていたが、一行は戦闘を長引かせず、市街地への逃走を優先した。

テレーゼとの合流

裏庭では、テレーゼと家臣たちが多数の兵士に包囲されていた。ヴェンデリンが敵兵を雷撃で倒し、エリーゼが負傷した家臣を治療したことで、テレーゼたちは窮地を脱した。

テレーゼは通信不能を利用した奇襲によって帝都の重要拠点が制圧されたと判断し、自領へ続く北方街道を使う脱出を提案した。南方にはニュルンベルク公爵領があるため危険だとして、一行を下水道から駅馬車の停留所へ案内した。

ピーチュ四兄弟の裏切り

下水道を抜けた先では、ピーチュ四兄弟と多数の兵士が待ち構えていた。長男アインスは、ニュルンベルク公爵から筆頭魔導師の地位を約束されてクーデターに加担し、兄弟でブラットソンを不意打ちして殺したと明かした。

ブラットソンの首を見せられたブランタークは激怒したが、ヴェンデリンの言葉で冷静さを取り戻した。四兄弟はヴェンデリンを殺し、妻たちを辱めると嘲笑したため、一行は彼らを生かす理由はないと判断した。

ピーチュ四兄弟の最期

導師はツヴァイを一撃で殴り倒し、ルイーゼはドライの魔法障壁と両手を砕いて致命傷を与えた。カタリーナは兵士たちを竜巻で巻き上げ、ブランタークは全魔力を込めた一撃でフィーアを斬り倒した。

一人残ったアインスは恐怖で失禁しながら火球を放ったが、ヴェンデリンは水魔法で相殺した。さらに巨大な火球で魔法障壁ごと焼き払い、兄弟や兵士の死体も残らないほど焼却した。

駅馬車の確保

一行は大型馬車を確保し、追跡手段を奪うため、ヴェンデリンは停留所の馬車と馬小屋を焼いた。しかし、テレーゼの家臣エッボは帝国の資産を破壊したとしてヴェンデリンを非難した。

命を救われながら状況を理解しない態度に激怒したヴェンデリンは、エッボを馬車から突き落とし、テレーゼたちにも別行動を求めた。フィリップ公爵領へ同行すれば、クーデター鎮圧の戦力として利用される危険があると考えたためである。

テレーゼの決断

テレーゼは、非常時に帝国の資産を惜しむエッボを叱責し、今は生きて自領へ戻ることが最優先だと諭した。さらに、自分たちだけでは既に殺されており、ヴェンデリンたちは恩人であると認め、領地までの同行を頭を下げて頼んだ。

ヴェンデリンは、逃走の妨げになるものは帝国の資産でも破壊すると確認し、テレーゼもそれを了承した。テレーゼは報酬の前払いとして突然ヴェンデリンに口づけし、驚く一行をよそに出発を命じた。

ミズホ伯国への逃走

街道の検問では、ヴェンデリンが火柱で兵士たちを焼き尽くし、追跡を防ぐため生存者を残さなかった。馬車はニュルンベルク公爵領を避け、帝国から半独立した自治領であるミズホ伯国へ向かった。

ミズホ伯国は独自の文化を持ち、過去に帝国の侵攻を退けたことで上級伯爵の爵位と自治を認められていた。ニュルンベルク公爵も直ちには手を出しにくいと判断され、一行はそこで休息してからフィリップ公爵領を目指すことになった。

巻末おまけ 新人メイド教育日記 

レーアの就職先

成人を控えたレーアは嫁入り修行のため働くよう父に促され、売れ残った菓子を食べられるという理由でケーキ屋を希望した。そこへバウマイスター伯爵家で働く従姉のドミニクが訪れ、信用できるメイドを求めるエリーゼの依頼に応じてレーアを推薦した。

バウマイスター伯爵家のメイド

バウマイスター伯爵家は急速に大貴族へ成長したため、当主一家の私生活に関わる信用できる使用人が不足していた。レーアはドミニクと働けることや結婚相手との出会いを期待して採用を喜び、叔父も厳しく指導するようドミニクに頼んだ。

果物とハチミツのタルト

奉公を始めたレーアは、ドミニクの指導で来客用の果物とハチミツのタルトを作った。手先が器用で菓子作りの筋はよかったが、余りを食べることや料理の腕でヴェンデリンに見初められることばかり考えたため、ドミニクから何度も拳骨を受けた。

終わらないメイド教育

レーアは拳骨を受けるたびに昔の記憶が消えると訴えながら、内容を正確に覚えていた。仕事への素質は十分にあったものの、余計な発言と野心は変わらず、ドミニクは教育にまだ時間がかかると痛感した。

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