創約 とある魔術の禁書目録(3)
まとめ
創約 とある魔術の禁書目録(5)
物語の概要
■ 作品概要
本作は、科学と魔術が交差する世界を描くアクションファンタジー「創約」シリーズの第4巻である。
12月26日の深夜、アメリカ第二の人口密集地であるロサンゼルスにおいて、突如として全人口約3000万人が一斉に消失する未曾有の事態が発生する。
その直前には、イギリス清教と学園都市の混成部隊が巨大IT企業「R&Cオカルティクス」の本社ビルに向けて総攻撃を仕掛けていた。
R&Cオカルティクス側が窮地において発動した大規模魔術が原因と推測される中、学園都市の病院を抜け出した上条当麻はイギリス政府専用機に乗り込み、氷点下20度の極寒環境と化した無人のロサンゼルスへ降り立つ。
上条は同行したインデックスやステイル、オティヌスらと共に、消失した人々の行方と術式の謎を追う中で、ロサンゼルス唯一の生存者である少女と、その母親が直面していた過酷な運命に直面することとなる。
■ 主要キャラクター
- 上条当麻:学園都市の高校生であり、右手に「幻想殺し(イマジンブレイカー)」の能力を持つ無能力者(レベル0)である。絶望的な状況下にあっても、残された1%の生存可能性を信じ、唯一の生存者である少女とその母親を救うために奔走する。
- インデックス:イギリス清教のシスターであり、頭脳に十万三千一冊の魔道書を記憶している「魔道書図書館」である。上条をサポートし、過酷なロサンゼルスでの調査に同行する。
- オティヌス:上条の肩に居座る15センチの元・魔神である。科学と魔術を多角的に分析し、事件の裏に隠された欺瞞や敵の本当の狙いを暴き出す役割を果たす。
- ステイル=マグヌス:イギリス清教のルーン魔術師である。消失術式の解明とR&Cオカルティクスの撃滅を最優先に据え、時には冷酷な判断や戦闘をも辞さないが、インデックスに自らの過ちを記憶されることを恐れる繊細な一面も併せ持つ。
- 神裂火織:イギリス清教に所属する「聖人」の魔術師である。驚異的な戦闘能力を持つが、敵が用意した二者択一の罠(操る者と操られる者の不透明さ)を前に攻撃を躊躇し、巨大空中基地による気象攻撃と砂の魔術に巻き込まれて一時消失してしまう。
- ヘルカリア=グローサリー:ロサンゼルスで発見された唯一の生存者である10歳の銀髪褐色の少女である。ダイナーの更衣室ロッカーに隠れていた。巨大IT企業に魂を売ったとされる母親メルザベスを深く憎もうとしていたが、上条によって保護される。
- メルザベス=グローサリー:ヘルカリアの母親であり、宇宙ベンチャー企業「スペースエンゲージ社」の社長を務める天才技術者である。娘を人質に取られてやむなくR&Cオカルティクスの傘下に入っていたが、裏では巨大IT企業の物流ネットワークを破壊するためのマルウェアを作成し、最後まで抵抗を諦めていなかった。
- キトリニタス:R&Cオカルティクス本社の真の護衛を務める魔術師であり、第三工程「黄色化」を司る。球体関節人形と銀髪褐色の美女の偽装を交互に入れ替えることで上条らを翻弄するが、その正体は黄色い外套をまとった老人である。
- ロベルト=カッツェ:アメリカ合衆国の大統領である。国民の命を最優先に考え、生放送の討論会でクローン少女達(妹達)を公式に擁護し受け入れる演説を行うとともに、ホワイトハウス内で裏切り者の副大統領ダリスとショットガンを突き突き合わせる決闘を繰り広げる。
- 妹達(シスターズ):学園都市の軍用量産クローン少女達である。上条の窮地を救うため世界各地からロサンゼルスへ集結し、自らの存在(クローンの真実)を世界に向けてさらけ出すリスクを背負いながら戦い、世論を味方に変えていく。
- アレイスター=クロウリー:学園都市の旧統括理事長である。大悪魔コロンゾンが共存するローラ=スチュアートの肉体に宿り、R&Cオカルティクスの本社へ侵入して重役達をアレルギー反応等によって暗殺・壊滅させた。
- アンナ=シュプレンゲル:薔薇十字の重鎮であり、R&CオカルティクスのCEOを務める超越的な魔術師である。R&Cオカルティクス本社の壊滅をあらかじめ織り込み済みの出来事として受け止め、成功者を国家や民衆が抑圧する世界秩序の構築を目論む。
■ 物語の特徴
- 母娘の絆をめぐる「優しいシークレット」: 巨大IT企業の支配下でやむなく不審な隠し事をしていた母親メルザベスと、裏切られたと思い込んでいた娘ヘルカリア。上条が命懸けで暴いた隠し事の正体が、娘の「誕生日プレゼント」という素朴で優しい秘密であったことが明らかになり、母娘の絆が修復される過程がエモーショナルに描かれる。
- 妹達(シスターズ)の自立とクローン容認の世論形成: 上条を救うため、自らの意志で戦場に集結した妹達が、世界中へ配信される映像を恐れずに戦う。その人間性に満ちた姿と、大統領ロベルトによる不当な差別を否定する演説が化学反応を起こし、世界規模でクローン人間に対する好意的な世論(殺処分の否定)が沸き起こる。
- 科学と魔術が高度に融合した空中要塞: 全幅5000メートルに及ぶ空中式宇宙機発射台「ロジスティクスホーネット」が登場する。気圧をコントロールして竜巻や砂嵐を起こす科学の超技術が、キトリニタスによる「人間を養分として砂へ同化させる魔術(黄色化)」の範囲と威力を天災規模にまで増幅させるという、本シリーズらしいダイナミックなハイブリッド戦闘が展開される。
- ホワイトハウスにおける大統領の直接対決: ホワイトハウスのプレス室を舞台に、大統領ロベルトと、巨大IT企業と結託していた副大統領ダリスが、互いにセミオートショットガンを構えて銃撃戦(決闘)を行うなど、従来のシリーズにはないスケールのアメリカ政治アクションが楽しめる。
書籍情報
創約 とある魔術の禁書目録(4)
(A Certain Magical Index)
著者:鎌池 和馬 氏
イラスト:はいむらきよたか 氏
出版社:株式会社KADOKAWA(電撃文庫)
発売日:2021年5月8日
ISBN:9784049137309
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あらすじ・内容
母と娘の絆を取り戻すため、上条は極寒のロスをただ、走る!!
あががが……寒すぎて死んじゃうぞ、ちくしょう!
病院のベッドからどうにか抜け出した上条当麻が降り立ったのは、温暖なはずが極寒となったロサンゼルス!? ……しかも全人口消失という異様な状況で……!?
アンナ率いるR&Cオカルティクスが引き起こしたこの異常事態下で、上条とインデックスは共に事件解決に挑んでいく。
強襲する敵の魔術師を躱した先に出会ったのは、たった唯一の生存者である銀髪褐色の幼い少女、そしてその母親の『痕跡』だった――。
母と娘の想いを上条が受け継ぐとき、その『暗闇』は打ち破られる!!
感想
前巻では白井黒子が死にかけ、浜面仕上も撃たれ、学園都市全体が《ハンドカフス》によって大混乱に陥った。
そして本巻の冒頭では、御坂美琴、食蜂操祈、白井黒子がそろって病院に入院している。
ここだけを見ると、さすがに少し休憩する巻なのかと思ってしまう。
もちろん、そんなはずはなかった。
上条当麻は病院を抜け出し、そのまま海外へ。
今度の舞台は、住民3000万人が消失し、氷点下20度の極寒となったロサンゼルスである。
24日に血反吐を吐いて、26日にはLAにいる上条当麻
まず物語とは少し関係ないところで、どうしても気になった。
上条の回復速度がおかしい。
創約2巻の12月24日、上条はアンナ=シュプレンゲルとの戦いで散々な目に遭っている。
脇腹を刺され、全身を傷つけられ、さらに劇症型サンジェルマンによって体内から破壊されて大量に吐血。
25日の朝には全身包帯姿で入院していた。しかも医者から一時は「長くても二日」と言われるほどの状態だった。
ところが26日。
もう病院を抜け出している。
そして海外へ行く準備までしている。
その後は氷点下20度のロサンゼルスを走り回り、砂の魔術師と戦い、戦艦の中でも殴り合う。
いや、治りすぎでは?
幻想殺しとは別の能力として、そろそろ「超回復」を追加してもいいのではないかと思ってしまう。
ちなみに創約2巻で同じ病室にいた青髪ピアスは、加熱したマウスパッドで両手を火傷して入院していた。
彼はどうなったのだろう。
まだ普通にベッドで寝ているのだとしたら、血反吐を吐いていた男だけ先にLAへ行っていることになる。
上条当麻、やはり何かがおかしい。
3000万人が消えたロサンゼルス
そんなツッコミどころはありつつも、今回の舞台設定はかなり好きだった。
ロサンゼルスから約3000万人が消えている。
人間だけではない。
街は氷点下20度まで冷え込み、ネズミやゴキブリまで姿を消し、道路には無人の軍用車両や兵器だけが残されている。
巨大都市そのものが突然廃墟になったような光景である。
原因となっているのがR&Cオカルティクス側の魔術と、巨大空中基地《ロジスティクスホーネット》だった。
宅配ドローンなどを利用して気象へ干渉し、異常な寒暖差を作り出す。
そこへ薔薇十字系の《黄色化》を組み合わせ、人間そのものを砂へ変えてしまう。
魔術だけでも科学だけでも成立しない。
両方を組み合わせて都市一つを丸ごと異常空間へ変えているところが、創約らしいスケール感だった。
スマートウォッチから一人の少女へたどり着く
そんな絶望的な状況の中で印象に残ったのが、メルザベス=グローサリーのスマートウォッチである。
誰もいない学園都市側の基地に残されていた小さな端末。
そこに残された傷や数字を上条たちが読み解いていく。
そして「215」という数字からダウンタウンの店へたどり着き、更衣室のロッカーに隠れていた少女ヘルカリア=グローサリーを発見する。
3000万人が消えた街で見つかった、最初の生存者である。
ここは派手な能力戦とは違う面白さがあった。
上条は頭脳派主人公という印象ではないのに、こういう場面では違和感に気づき、小さな情報を繋いでいく。
しかも後にスマートウォッチやスマートフォンの情報から、ヘルカリアの母メルザベスが単純な裏切り者ではないことまで明らかになっていく。
娘の誕生日プレゼントまで残していた母親。
R&Cに夢を利用され、会社まで奪われ、それでも最後には自分が作ったものを壊してほしいと託していた。
親子の話としても印象に残った。
戦艦アイオワでの泥臭い決着
後半のキトリニタスとの戦いもよかった。
敵が使うのは、広範囲を砂へ変えていく圧倒的な魔術である。
まともに正面から戦えば危険すぎる。
だから上条は、博物館となった戦艦アイオワの内部へ戦場を移す。
狭い艦内。
排煙設備。
周囲にあるものを利用しながら砂の攻撃を封じ、少しずつキトリニタスとの距離を詰めていく。
結局、上条当麻がやることは昔から大きく変わっていない。
どれだけ敵の術式が巨大でも、どれだけ世界規模の陰謀があっても、
最後は相手のところまで走っていく。
そして右手を叩き込む。
複雑化した創約シリーズの中でも、この泥臭さだけは変わらない。
そこが読んでいて気持ちよかった。
術式の核を幻想殺しで破壊したことで《黄色化》が解除され、砂へ変えられていたロサンゼルスの人々も元へ戻る。
「消えた3000万人を本当に全員助ける」という、最初は無謀にしか思えなかった目的を達成する展開には素直に爽快感があった。
妹達が自分の意思で上条を救う
そして本巻で特に印象に残ったのが《妹達(シスターズ)》である。
彼女たちは長い間、表社会に存在を知られてはいけない存在だった。
国際的にも問題になりかねないクローン人間。
存在が世界中へ知られれば、最悪の場合、自分たちの命そのものが危険にさらされる。
それでも上条が危機に陥った時、彼女たちは自分たちの安全より上条を助けることを選ぶ。
ここはかなり感慨深かった。
かつて実験動物のように扱われ、自分の命に価値を見いだせなかった少女たちが、
今度は自分の意志で、
「この人を助けたい」
と動く。
一方通行もまた、彼女たちを暗闇から表社会へ出すために自分の過去を裁判へ持ち込んでいる。
上条に救われた少女たちが上条を救う。
そして彼女たち自身も、誰かに守られるだけの存在ではなくなっている。
この関係の変化がよかった。
読後の感想
『創約 とある魔術の禁書目録(4)』は、3000万人が消失したロサンゼルスという、とんでもない規模の事件を扱った一冊だった。
《黄色化》。
《ロジスティクスホーネット》。
R&Cオカルティクス。
メルザベスとヘルカリアの親子。
そして《妹達》の存在。
話そのものはかなり大きい。
それでも最後に残るのは、いつもの上条当麻だった。
助かる可能性が1%でもあるなら3000万人を探す。
敵扱いされている母親でも、少女が信じたいなら助けようとする。
自分が瀕死になっても走り続ける。
相変わらず無茶苦茶である。
特に今回は、12月24日に血反吐を吐いて病院送りになった人間が、12月26日には氷点下20度のLAで戦っている。
もう「不幸だー!」以前の問題ではなかろうか。
上条さん。
少しくらい入院してください。
青髪ピアスの方がよほど患者らしい生活をしている可能性がある。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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創約 とある魔術の禁書目録(3)
まとめ
創約 とある魔術の禁書目録(5)
考察・解説
ロサンゼルス全人口消失
ロサンゼルス全人口消失事件の全貌と事件の真相
『創約 とある魔術の禁書目録(4)』の舞台となったアメリカ西海岸で発生した、科学と魔術の境界を揺るがす未曾有の大災害であるロサンゼルス全人口消失事件について、事件の発生状況と異様な街の光景、背景となった作戦、消失の魔術的正体、上条当麻による救済、および3000万人の生還と事件の結末の各点から解説する。
事件の発生状況と異様な街の光景
12月26日の深夜2時、アメリカ第二の大都市圏であるロサンゼルスにおいて、突如として全人口が一斉に行方不明になるという異常事態が発生した。
・消失した人々の中には、公式記録にある住民だけでなく、不法移民や路上生活者、観光客や一時滞在者までもがくまなく含まれていた。
・この異常事態に伴い、ロサンゼルスは通常ではあり得ない摂氏氷点下20度の猛烈な寒波に襲われ、空気中には凍った水分や砂が漂う異界と化した。
・街には、イギリス清教と学園都市の混成部隊が残していった無人の爆撃機や装甲車、ヘリコプター、軍用テントが放置され、人子一人いない静寂だけが支配していた。
・空港やダイナーなどの出入り口には、住民たちが何かを防ごうとダクトテープで徹底的に目張りを施した不気味な痕跡が残されていた。
背景:作戦「オペレーション・オーバーロードリベンジ」
この大消失の背景には、イギリス清教と学園都市がアメリカ政府から許可を得て共同で展開していた巨大IT企業「R&Cオカルティクス」本社ビルへの強襲作戦が存在する。
・混成部隊による総攻撃を受け、窮地に追い詰められたR&Cオカルティクス側が、本社ビル防衛のために大規模な反撃術式を発動した。
・その結果、軍民問わずロサンゼルス全体を巻き込む大消失が引き起こされた。
消失の魔術的正体:薔薇十字の「黄色化」
インデックスの解析や神裂火織との戦闘を通じて、この大消失はR&Cオカルティクス側の魔術師キトリニタスが司る魔術「黄色化」によるものであることが判明した。
・生きるでも死ぬでもない保存:キトリニタスの魔術は、標的に砂を被せることで、対象を殺害するのではなく、形のない養分へと変換して周囲の砂の中に染み込ませたまま保存するという性質を持っていた。これが、街から死体や血痕が一切残らずに人々が消えた消失の正体であった。
・気象操作兵器とのハイブリッド:キトリニタス自身は単体での集団戦闘には不向きであったが、スペースエンゲージ社の社長メルザベス=グローサリーが開発した全幅5000メートルを超える空中宇宙機発射台「ロジスティクスホーネット」をR&Cオカルティクスが接収し、悪用していた。大気の温度を操作して気圧や強風を自在にコントロールするこの科学兵器と「黄色化」の魔術が融合した結果、天災規模の超巨大な砂嵐が発生し、ロサンゼルス全体の3000万人を一瞬にして砂の中へ呑み込み、同化させた。
上条当麻の救済と「黄色の核」破壊
絶望的な極寒の無人街に降り立った上条当麻は、スマートウォッチの暗号を解き明かし、ダイナーの金属ロッカーに隠れていた唯一の生存者である少女ヘルカリア=グローサリーを救出した。
・上条は、ヘルカリアの母親であるメルザベス=グローサリーが、娘を人質に取られて不本意ながらロジスティクスホーネットの技術を奪われ、それでも裏では巨大IT企業の物流ネットワークを破壊するマルウェアを仕込んで最後まで抵抗し続けていた事実を暴いた。
・彼女を救うためにキトリニタスとの最終決戦に挑んだ上条は、戦艦アイオワ内での近接戦闘においてキトリニタスを追い詰めた。
・オティヌスの助言に従い、魔術のコアである黄色の核を右手の幻想殺しで完全に破壊した。
3000万人の生還と事件の結末
黄色の核が破壊されたことで、ロサンゼルスを覆っていた異常な寒波と砂の術式は一瞬にして解除された。
・街の各所に積もっていた白い砂の山から、消失していた3000万人の市民、学園都市やイギリス清教の戦闘部隊、そして上条を救うため世界中から集結して戦った妹達(シスターズ)が生きたまま次々と地上へ生還した。
・上条の肩を借りて救出されたメルザベスは、駆け寄ってきた娘のヘルカリアと泣きながら強く抱き合い、母娘の素朴な夢と絆は守られることとなった。
・上条自身は、自分が3000万人を救ったという功績を一切名乗ることもなく、不法入国で捕まる前にインデックスたちと共に静かにロサンゼルスを立ち去った。
・世界中へ配信された妹達の戦う姿は人々の心を動かし、クローン人間に対する世論を好意的なものへと劇的に変化させるという、極めて大きな社会的影響を残した。
まとめ
ロサンゼルス全人口消失事件の全貌と事件の真相を巡る一連の全貌は、3000万人規模の突発的一斉消失と極寒の環境変異から始まり、強襲作戦に対する反撃術式の発動、魔術「黄色化」と科学兵器「ロジスティクスホーネット」の融合による広域現象の露呈、上条当麻による核の破壊と市民の全面救出、そして妹達の世論変化に伴う社会への波紋に至るまで、その歩みを明瞭に示している。
大規模な魔法兵器の脅威や人間性の否定という不条理な檻を打ち破り、自分たちの尊厳と平穏な生の主権を自らの選択と確固たる意志によって完璧に確立しようとした、極限状態での救出劇と人間性の勝利の記録である。
突如たる大消失から、術式の解明、戦艦内での決戦、全人口の還流、そして世界的な意識改革へと繋がったプロセスは、どれほど不条理な事態の混迷や過酷な環境の激変によって状況が脅かされようとも、本質を突いた人間の知性と確固たる意志の果断によって打破され、新しい生き方を切り拓く輝かしい未来の道が厳密に証明されている。
巨大IT企業R&Cオカルティクス
R&Cオカルティクスの全貌と企業の真実
『とある魔術の禁書目録』シリーズの『創約』編において、科学サイドと魔術サイドの境界を崩壊させた謎の巨大IT企業「R&Cオカルティクス」について、巨大IT企業としての仮面と特異性、魔術のグローバルな拡散システム、物流インフラと気象兵器ロジスティクスホーネット、ロサンゼルス本社ビルの消失事件と崩壊、および真の運営者アンナ=シュプレンゲルの思惑の各点から解説する。
巨大IT企業としての仮面と特異性
R&Cオカルティクスは、インターネット上に出現し、全世界からアクセスを集めるモンスターサイトへと急成長を遂げた無国籍企業である。
・科学・魔術双方の死角を突く存在:本社ビルの正確な所在地は長らく不明であり、固定の国籍さえ曖昧であった。科学サイドからはただの占いサイトやオカルトグッズの通販と見なされて監視をすり抜け、伝統的な魔術サイドからは正体の見えないサイバーカルトとして有効な対策を打てないまま野放しにされていた。
・資金と情報を武器にする魔術結社:本来、魔術結社はお金や情報、科学的な事業網を嫌って遠ざける傾向があるが、R&Cオカルティクスはそれらを呪詛や召喚と同列の切り札として研究し尽くした、極めて現実的な価値観を持つ新しい魔術結社であった。協力者を買収してロンドン市場への上場を果たすなど、表のビジネスとしても巨額の資金を動かしていた。
魔術のグローバルな拡散システム
R&Cオカルティクスは、インターネットとデジタルインフラを通じて、本来秘匿されるべき魔術の秘奥を一般社会へ急速に蔓延させた。
・個人情報の搾取と心理ハッキング:最初は気になる相手との相性占いや悩み相談を装ってサービスを展開し、ユーザー本人や第三者の氏名、生年月日、具体的な悩みを無断で収集した。それらのデータや行動履歴を高度に分析することで、特定の個人にピンポイントで効く心理分析、人間性の採点、サイバーカルト化などの精神世界への干渉を容易に実行した。
・「覚悟なき魔術」によるパニック:サイト上では、3Dプリンターで簡単に出力できる霊装の図面データ、身近なハーブで合成できる魔女の薬、レクチャー動画などを惜しげもなく公開した。本来の魔術に不可欠な覚悟という過程を省いたため、手軽に力を得ようとした一般人が制御に失敗して火だるまになる事件が多発した。さらに学園都市では、超能力者が魔術を使用することで拒絶反応を起こして次々と自滅する未曾有のパニックが引き起こされた。
物流インフラと気象兵器「ロジスティクスホーネット」
企業の裏に潜む本拠地を物理的に隠蔽するため、R&Cオカルティクスは無人のグライダーや宅配ドローンを用いた非公式な輸送ラインを極めて重視していた。
・全幅5000メートルの空中要塞:その中核が、全幅5000メートルに及ぶ全翼型の空中式宇宙機発射台ロジスティクスホーネットである。世界各地の空に計12機を滞在させ、高度三万メートルの高空から搭載されたマスドライバーで子機を弾道軌道へ乗せてやり取りすることで、国籍の概念や固定施設の特定から逃れた超高速の無人物流ネットワークを構築していた。
・科学と魔術のハイブリッド:ロジスティクスホーネットには、高空で大気を急激に冷やす液体窒素や、温めるナフサをばら撒くことで、人工的に気圧の差を作り出して天候や風を操る科学技術が備わっていた。これにより、R&Cオカルティクス側の魔術師キトリニタスが司る「砂を被せた人間を形のない養分に変えて土壌へ同化・保存する魔術(黄色化)」の範囲と威力を、天災規模の巨大な砂嵐へと増幅させることが可能となった。
ロサンゼルス本社ビルの消失事件と崩壊
強襲作戦を発端とした事件と、企業の末路は以下の通りである。
・オペレーション・オーバーロードリベンジ:イギリス清教と学園都市の混成部隊は、R&Cオカルティクス本社の所在地がアメリカ西海岸のロサンゼルスにあると特定し、電撃的な強襲作戦を展開した。追い詰められたR&C側は、上記の気象操作と黄色化を組み合わせ、軍民問わずロサンゼルス全人口の3000万人を一瞬にして砂の中へ呑み込み、同化させる大消失を引き起こした。
・本社ビル重役の抹殺と企業壊滅:キトリニタスが上条当麻に敗北し、ロジスティクスホーネットも操作を拒否されたため、3000万人の市民や神裂火織は無事に砂から生還した。その直後、本社ビルに逃げ込んでいたR&Cの重役たちは、突入したアレイスター=クロウリーが放った術式によって、口を割る暇もなく重役会議室で全員暗殺・壊滅させられた。
真の運営者「アンナ=シュプレンゲル」の思惑
巨大企業へと上り詰めたR&Cオカルティクスであるが、その裏には真の意図が存在していた。
・抑圧と管理の時代への誘導:アンナの真の目的は、巨大企業が先端技術で暴走し、世界を脅かした末に崩壊する様を世界中に生中継で見せつけることにあった。これにより、人々や国家の間に突出した成功者や管理不能な先端技術への恐怖を植え付け、安全のために全てを抑圧・管理する時代を創出することが狙いであった。
・アンナ自身の渇望:アンナはかつて黄金の魔術師たちを裏から操っていたように、誰かの上に立って面倒を見るという行為に心底飽きて退屈していた。彼女は、最後まで高潔な正義の意志を捨てずに自らに立ち向かったメルザベスのような人間を屈服させ、自らを支配し、甘えさせてくれる強大な庇護者をただ求めていた。
まとめ
R&Cオカルティクスの全貌と企業の真実を巡る一連の全貌は、科学と魔術の死角を突いたモンスターサイトとしての急成長から始まり、インターネットを介した魔術の拡散とパニックの誘発、空中要塞ロジスティクスホーネットと魔術の融合による広域影響、ロサンゼルス大消失事件と重役たちの抹殺、そしてアンナ=シュプレンゲルによる社会抑圧と庇護者の追求に至るまで、その歩みを明瞭に示している。
巨大企業の暴走や先端技術の脅威という不条理な檻を打ち破り、自分たちの尊厳と平穏な生の主権を自らの選択と確固たる意志によって完璧に確立しようとした、科学と魔術の交錯が生んだ陰謀と破滅の記録である。
サイトの台頭から、個人情報の搾取、気象兵器の悪用、企業の崩壊、そして真の幕引きへと繋がったプロセスは、どれほど不条理な事態の混迷や過酷な環境の激変によって状況が脅かされようとも、本質を突いた人間の知性と確固たる意志の果断によって打破され、新しい生き方を切り拓く輝かしい未来の道が厳密に証明されている。
学園都市とイギリス清教
学園都市とイギリス清教の関係性と共闘の全貌
『とある魔術の禁書目録』シリーズにおける、科学サイドの総本山学園都市と、魔術サイドの巨大宗教組織イギリス清教の関係性について、初期の協定と対立の火種、コロンゾン襲来に伴う全面戦争と共闘、戦後処理と新たな統治者、および巨大IT企業「R&Cオカルティクス」に挑む共同作戦の各点から解説する。
初期の協定と対立の火種
学園都市は超能力開発をカリキュラムとする科学サイド最高峰の都市であり、これに対しイギリス清教は魔術サイドに属し、魔術師との戦闘を担う第零聖堂区「必要悪の教会(ネセサリウス)」などを擁している。
・元々は科学と魔術の協定を結び、水面下で技術や情報をやり取りする連携関係にあった。
・この関係が世界の勢力図を大きく塗り替える引き金となったのが、ローマ正教の修道女オルソラ=アクィナスを巡る騒動である。
・魔道書の解読能力を持つオルソラを抹殺しようとしたローマ正教に対し、イギリス清教は秘密裏に学園都市の力を借りて彼女を救出・保護した。
・この出来事がローマ正教やロシア成教を強く刺激し、後に世界を巻き込む第三次世界大戦の決定的な火種となった。
コロンゾン襲来に伴う「全面戦争」と「奇跡の共闘」
『新約』シリーズ終盤、イギリス清教の最大主教であったローラ=スチュアートの肉体を、世界を自然分解へ導こうとする大悪魔コロンゾンが乗っ取っていることが暴かれた。
・学園都市の旧統括理事長アレイスター=クロウリーは、コロンゾンを討つために学園都市を躊躇なく放棄し、イギリスへの大侵攻を開始した。
・イギリス清教側にとってはこれが科学サイドからの侵略と映ったため、一時的に両組織は全面戦争状態に陥った。
・しかし、コロンゾンが最大主教としての権限を悪用してイギリス国内の霊装や施設を乗っ取り、世界そのものを更地へと分解し始めると状況は一変した。
・コロンゾンという人類共通の天敵を退治するため、イギリス清教と、一方通行(アクセラレータ)や上条当麻ら学園都市の能力者、さらには復活した黄金の魔術師たちまでが集結し、歴史的なオールスターの総力戦を展開した。
戦後処理と新たな統治者
コロンゾンとの死闘が終息した後、両組織は指導者の世代交代を迎え、新たな関係性を築くこととなった。
・学園都市:アレイスター=クロウリーが死亡し、第一位の超能力者である一方通行が新たな統括理事長に就任した。
・イギリス清教:最大主教が空位となって混乱した清教派を再建するため、タロットカードの化身であるダイアン=フォーチュンが自ら次の最大主教に就任することを英国女王エリザードへ提案し、戦後の復興を主導した。
・一方通行は学園都市の経営やイギリスとのパワーバランスを考慮し、泥沼の戦後賠償交渉を避けるため、互いの貸し借りを両成敗の形で帳消しにする政治的決断を下した。
巨大IT「R&Cオカルティクス」に挑む「オーバーロードリベンジ」
『創約』シリーズにおいては、デジタルインフラやインターネットを通じて世界中に魔術の秘奥を拡散する巨大IT企業「R&Cオカルティクス」という新たな脅威が台頭した。
・この事態に対し、学園都市とイギリス清教はアメリカ政府からの行動許可を取り付け、共同の強襲部隊を編成した。
・彼らは、R&Cオカルティクスのロサンゼルス本社ビルを強襲する共同作戦「オペレーション・オーバーロードリベンジ」を海岸線から展開した。
・科学と魔術が手を取り合って新たな邪悪に立ち向かう協力体制を再び構築している。
まとめ
学園都市とイギリス清教の関係性と共闘を巡る一連の全貌は、水面下の協定から始まり、オルソラ事件を機とした世界情勢の激変、コロンゾン襲来時の全面衝突と共闘、新体制下での貸し借り帳消し、そしてR&Cオカルティクスに対するオペレーション・オーバーロードリベンジでの共同戦線に至るまで、その歩みを明瞭に示している。
双方の陣営における思惑や境界線という不条理な檻を打ち破り、自分たちの尊厳と平穏な生の主権を自らの選択と確固たる意志によって完璧に確立しようとした、科学と魔術の交錯が生んだ運命共同体の記録である。
初期の協定から、世界大戦の火種、共通の天敵への合流、政治的和解、そして新たな強襲作戦へと繋がったプロセスは、どれほど不条理な事態の混迷や過酷な環境の激変によって状況が脅かされようとも、本質を突いた人間の知性と確固たる意志の果断によって打破され、新しい生き方を切り拓く輝かしい未来の道が厳密に証明されている。
メルザベス冤罪事件
メルザベス冤罪事件の全貌と無実の証明
『創約 とある魔術の禁書目録(4)』において、ロサンゼルスの全人口3000万人消失という未曾有の大災害の最中に浮上したメルザベス冤罪事件について、メルザベスにかけられた二つの容疑、冤罪を証明した3つの決定的な証拠、事件の真相と脅迫の構図、およびロジスティクスホーネットの共鳴と救済の各点から解説する。
メルザベスにかけられた二つの疑惑
事件発生当初、スペースエンゲージ社の社長である天才技術者メルザベス=グローサリーには、極めて重い容疑がかけられていた。
・ステイル=マグヌスの二重スパイ説:学園都市の基地に残された紙の資料からルーン魔術によって残留思念を読み取ったステイルは、メルザベスが自ら開発した全幅5000メートルの空中要塞ロジスティクスホーネットの気象操作技術を提供し、R&Cオカルティクスの魔術師キトリニタスによる砂の魔術「黄色化」の範囲を天災規模まで広げる手助けをしたと推測した。さらに、彼女は学園都市側に二重スパイとして潜り込み、混成部隊による強襲作戦「オペレーション・オーバーロードリベンジ」を内側から失敗に誘導したと考えた。
ロサンゼルス市民がことごとく消失する中で、彼女の10歳の娘ヘルカリアだけがダイナーのロッカーに隠れて生き残っていたことも、容疑を深める根拠となった。
・娘ヘルカリアの悪人説:娘のヘルカリア自身も、母親が莫大な報酬に目が眩んでR&Cオカルティクスに技術を明け渡し、自らに秘密を抱えていたことから、母親をロサンゼルスを破滅させた悪人であると信じ込み、激しい拒絶と怒りを募らせていた。
冤罪を証明した「3つの決定的証拠」
上条当麻とオティヌスは、ステイルの結論に同意せず、メルザベスが残したスマートウォッチの電波を手がかりに彼女の滞在先を調査し、容疑を次々と覆していった。
・徹底して富を拒絶した質素な生活:メルザベスが滞在していたホテルの部屋は、最も安い階層の極めて質素なシングルルームであった。クローゼットの衣類は安物であり、部屋には律儀に集められたスーパーの割引券が残されていた。さらに、彼女が私的に使用していた携帯端末は、R&Cオカルティクス製品ではなくライバル企業の廉価版モバイルであった。この徹底して報酬を遠ざける金銭感覚から、彼女が巨大IT企業を全く信用していなかった事実が導き出された。
・隠し事の素朴な真実:ヘルカリアが母親の悪事の証拠だと信じていた秘密の正体は、12月28日のヘルカリアの誕生日に向け、内密に注文していたザッハトルテ(チョコレートケーキ)という、娘を喜ばせるための優しい秘密であった。
・ドイツ語能力の欠如:ステイルがメッセージカードの筆跡からルーン魔術で読み取った残留思念により、メルザベスが誕生日ケーキを注文する際、ザッハトルテのドイツ語の正しい綴りすら全く理解していないことが明らかになった。R&Cオカルティクスの大規模術式「黄色化」を起動・制御するにはドイツ語の原典を正確に読み解く知識が絶対条件であったため、ドイツ語の基礎が欠落しているメルザベスが自らの意志でこの魔術に関与することは論理的に不可能であることが実証され、ステイルも彼女への疑いが完全な冤罪であることを認めた。
事件の真相:R&Cオカルティクスによる脅迫とメルザベスの抵抗
真実が照らし出されたことで、事件の裏に隠されていた凄惨な脅迫の構図が浮き彫りになった。
・娘を人質に取られた強制服従:メルザベスが夫を宇宙飛行中の事故で失いながらも、娘ヘルカリアの未来のために安全な民間宇宙旅行を実現するという誓いを立て、スペースエンゲージ社を立ち上げた天才航空工学者であることを、R&Cオカルティクスは調べ尽くしていた。彼らは娘の存在を人質として握り、従わざるを得ない状況を作ってメルザベスを傘下に収めていた。
・アンナ=シュプレンゲルの歪んだ執着:R&CオカルティクスのCEOであるアンナ=シュプレンゲルは、自らの正義を捨てずに最後の最後まで抵抗し、裏切ろうとしたメルザベスに対して強い執着を抱いていた。アンナは裏切り者であるメルザベスの尊厳を踏みにじるため、母と娘が対立するように罠を仕掛けた。3000万人消失の際、娘のヘルカリアだけを生存者として残したのも、偽者のデコイを用いてメルザベス自身の姿を社会的に貶め、母と娘を対立させた末に破滅へと追い込むための報復作戦の一環であった。
・決死の破壊プログラム作成:メルザベスはR&Cオカルティクスの支配にただ甘んじていたわけではなかった。彼女はあえてR&Cの本社ビルに潜入し、自作した赤い印の付いたUSBメモリを用いて、一二機のロジスティクスホーネットの相互認証を突破して物流網そのものを物理的に破壊するマルウェアを仕掛け、最後まで抵抗を諦めていなかった。彼女は計画が阻止された場合の保険として、USBメモリとビデオメッセージを古いトレーラーハウスに隠し、後から来た誰かへ自分たちの夢を壊してほしいと託していた。
結末:ロジスティクスホーネットの「共鳴」と救済
ロングビーチでの最終決戦において、無機物であるはずの巨大要塞ロジスティクスホーネットに決定的な局面が訪れた。
・この機体には、メルザベス自身のハンググライダーの姿勢制御や無意識の筋肉の強張りを学習させたデジタル脊髄(光ニューロコンピュータ)が組み込まれていた。
・ロジスティクスホーネットは、開発者であるメルザベスの失敗と無念に共鳴し、娘の夢を汚し家族を泣かせるキトリニタスによる攻撃用のコントロールを自らの判断で拒否した。
・この共感に支えられ、上条当麻がキトリニタスの「黄色の核」を右手の幻想殺しで完全に破壊したことで、3000万人の市民、神裂火織、そして本物のメルザベスは無事に砂から生還した。
・メルザベスは駆け寄ってきたヘルカリアと泣きながら強く抱き合い、上条が少女と交わした何も心配はいらないという約束は、最高のハッピーエンドという形で果たされることとなった。
・後日、活気を取り戻したロサンゼルスのハンバーガーショップにて、メルザベスは上条に騒動に巻き込んだことを深く謝罪し、娘の目を手で隠しながら、上条の頬にそっとキスを交わして彼女なりの最大限の感謝を伝えている。
まとめ
メルザベス冤罪事件の全貌と無実の証明を巡る一連の全貌は、3000万人消失の只中で浮上した二重スパイ容疑から始まり、質素な生活痕跡やケーキの注文、ドイツ語能力の欠如による論理的証拠に基づく無実の立証、R&Cオカルティクスによる人質脅迫とメルザベスの隠密な抵抗の露呈、そして機体のデジタル脊髄の共鳴と上条当麻の介入による母娘の救済に至るまで、その歩みを明瞭に示している。
巨大企業の脅迫や歪んだ報復という不条理な檻を打ち破り、自分たちの尊厳と平穏な生の主権を自らの選択と確固たる意志によって完璧に確立するに至る、冤罪の払拭と母娘の絆の救済の記録である。
重い疑惑の発生から、綿密な検証、真相の解明、兵器の拒絶反応、そして親子の再会へと繋がったプロセスは、どれほど不条理な事態の混迷や過酷な環境の激変によって状況が脅かされようとも、本質を突いた人間の知性と確固たる意志の果断によって打破され、新しい生き方を切り拓く輝かしい未来の道が厳密に証明されている。
妹達の参戦と露出
妹達の参戦と露出の全貌と精神的自立
『とある魔術の禁書目録』シリーズ、特に『創約』編において描かれる「妹達(シスターズ)の参戦と露出」について、肉体的な露出である病室での泡ビキニ事件、戦場への参戦と社会的露出、および容認世論の獲得と精神的自立の各点から解説する。
『創約2』における肉体的な「露出」:病室での泡ビキニ事件
クリスマス翌日の第七学区の病院において、妹達はこれまでにない極めて大胆な肉体的露出による騒動を引き起こした。
・「あわビキニ」での入浴介助:上条当麻の病室を訪れた御坂美琴とインデックスは、介護用の浴室で四人の妹達(ミサカ一〇〇三二号、一〇〇三九号、三五七七号、九〇九〇号)が、一糸まとわぬ裸の状態で上条を洗っている現場に遭遇した。
・露出のディテール:妹達は服を着ていないだけでなく、柔肌に白い泡だけを乗せて境界線を隠しただけのあわビキニ状態であり、要所に絆創膏を貼り付けているだけの極めて危うい露出度であった。彼女達はどこかかゆい所はございませんかなどと無表情に胸を張り、アピールを競い合いながら、全身傷だらけの上条を介護用お風呂に沈めていた。
・オリジナル(美琴)のパニック:美琴はクローン技術の存在がインデックスに完全にバレてしまうと顔を真っ赤にして大慌てし、とっさにインデックスの目を掌で覆って隠そうとした。しかし、完全記憶能力を持つインデックスには、妹達が口にした検体番号などを正確に記憶されてしまう。この背後には食蜂操祈の精神操作も関わっており、美琴にとっては乙女の尊厳と秘密が同時に露出するパニック空間となった。
『創約4』における戦場への「参戦」と社会的「露出」
アメリカ・ロサンゼルスでの「R&Cオカルティクス」との死闘において、妹達は上条当麻の絶体絶命の窮地を救うために自らの意志で参戦し、同時に自分たちの存在を全世界へさらけ出すという決死の社会的露出を決行した。
・ロサンゼルスへの集結(参戦):上条が、第三位・第四位を再現した多数のファイブオーバーに囲まれて射殺されそうになった瞬間、世界各地の協力機関に分散していた妹達がミサカネットワークを介して連携し、戦場へ一斉に集結した。彼女達はR&Cオカルティクスに好き勝手させることも、あなたが傷つけられることにも耐えられないと力強く戦闘参加を表明した。
・クローンという真実の露出:敵のキトリニタスは、空撮ドローンで戦場を全世界へ配信していることを盾に取り、国際法に触れるクローン人間であることが世界に配信されれば待っているのは殺処分だと妹達の社会的立場を脅し、嘲笑した。
・世界へ向けた存在の開示:しかし、妹達は一歩も退かなかった。彼女達は、自分たちの存在を隠して日陰で生き延びることよりも、目の前で戦う上条を助け、人質に取られたメルザベス母娘の冤罪を晴らすことを選択した。そして、必要ならクローンの真実そのものを世界へさらして情報操作を押し流すと宣言し、ファイブオーバー群の足止めを買って出た。
・ネットワーク並列演算による共闘:妹達は総数一万弱に及ぶミサカネットワークによる圧倒的な並列演算能力を駆使し、自らより高出力なファイブオーバーの攻撃を紙一重でかわしながら、関節やセンサーを正確に狙撃して上条の進路を切り開いた。
容認世論の獲得と精神的自立
自らの意志で誰かを救うために立ち上がった妹達の戦う姿は、ドローンを通じて世界中へリアルタイムで配信された。
・この姿に心動かされた世界中の大衆や若者達、さらにはアメリカ大統領ロベルト=カッツェによる演説が化学反応を起こし、世界規模でクローン少女達を保護し、その人間性を認めるべきだという好意的な世論が急速に形成されていった。
・この配信映像をスマホで見ていた御坂美琴と食蜂操祈は、自分たちのアイコンをさらけ出して気高く戦う妹達の姿を目の当たりにし、涙ぐみながら格好良いじゃん、あなた達と彼女達を認め、誇らしげに目を細めた。
まとめ
妹達の参戦と露出を巡る一連の全貌は、日常におけるコミカルな肉体的露出(あわビキニ事件)から始まり、ロサンゼルス決戦での自発的な戦線加入、クローンとしての真実を世界にさらけ出す社会的露出の断行、並列演算を駆使した上条当麻の援護、そして世界規模での容認世論獲得と精神的自立に至るまで、その歩みを明瞭に示している。
クローンとしての秘密や不条理な宿命という不条理な檻を打ち破り、自分たちの尊厳と平穏な生の主権を自らの選択と確固たる意志によって完璧に確立するに至る、妹達の自立と尊厳獲得の記録である。
匿名の存在から、戦場への参戦、社会的露出の覚悟、世界世論の変革、そして一人の人間としての尊厳獲得へと繋がったプロセスは、どれほど不条理な事態の混迷や過酷な環境の激変によって状況が脅かされようとも、本質を突いた人間の知性と確固たる意志の果断によって打破され、新しい生き方を切り拓く輝かしい未来の道が厳密に証明されている。
アンナとアレイスター
アンナ=シュプレンゲルとアレイスター=クロウリーの全貌と因縁
『とある魔術の禁書目録』シリーズ、特に『新約』後半から『創約』にかけての物語において、アンナ=シュプレンゲルとアレイスター=クロウリーの二人は、科学と魔術が複雑に交差する世界を裏から操ってきた、極めて深い因縁を持つ絶対的なプレイヤーである。彼らの歴史的な繋がり、互いへの評価、そして作中で繰り広げられる静かなる闘争について解説する。
因縁の原点:世界最大の魔術結社「黄金」と「シュプレンゲル書簡」
二人の因縁は、100年以上前、19世紀末のロンドンに設立された世界最大の魔術結社「黄金(ヘルメス学術会)」の創設期にまで遡る。
・存在を疑われた「始祖の令嬢」:「黄金」の創設者の一人であるウィリアム=ウィン=ウェストコットは、ドイツの古き秘密結社「薔薇十字」から英国での開拓許可を得たとされる「シュプレンゲル書簡」を提示した。この書簡の文通相手として登場したのが、ドイツ第一聖堂の主を名乗るアンナ=シュプレンゲルであった。しかし、アンナは手紙の中にしか登場せず、筆跡鑑定からもウェストコット自身による完全な捏造(贋作)が強く疑われていた。
・アレイスターによる利用:当時、若き魔術師であったアレイスターは、このシュプレンゲル書簡が贋作であるという疑惑を巧みに利用し、メイザース派とウェストコット派を対立させて「黄金」を内部から崩壊(ブライスロードの戦い)へと導いた。
・「雲」の裏にいた本物:ウェストコットの手紙が偽造であったとしても、アンナという存在そのものが架空だったわけではない。ウェストコットは本物のアンナの存在を確信していながら、他のメンバーから彼女を隠すために、わざと安易に暴かれる嘘の手紙を用意した(これを「雲」という偽装方法と呼ぶ)。つまりアレイスターにとってアンナ=シュプレンゲルは、自らの魔術の原点である「黄金」に致命的な弱点をもたらした、呪いのような名を持つ始祖の令嬢であった。
アレイスターの軌跡に対するアンナの評価
アンナは、アレイスターが「人間」として100年以上の時をかけて積み重ねてきた成果(学園都市)やその闘争を、極めて冷徹かつ一歩引いた視点から見つめている。
・学園都市への嘲笑と諦め:アンナは、アレイスターが築いた学園都市について、ソドムのような大騒ぎを見せる、まあアレイスターの造った街なら当然ではあるか、と一蹴している。また、アレイスターから全権を預かって新統括理事長となった一方通行(アクセラレータ)に対し、鉄格子越しに出餓鬼みたいに力を使い尽くした旧統括理事長からコードの束を受け取った、と告げ、アレイスターの計画(ハンドカフス)の脆弱性をあざ笑った。
・「面倒を見る側」への辟易:アンナは、かつて「黄金」の魔術師たちが起こした闘争や、彼らのような自分を裏切り、誰も正しく言葉を受け取らない者たちの面倒を裏から見続けることに心底退屈し、疲れていた。アンナの真の渇望は、世界を管理する女王として君臨することではなく、かつてのメルザベス=グローサリーのように、自分の予測を覆す高潔な善性や強い意志を持った誰かに力でねじ伏せられ、庇護され、甘えさせてもらうことであった。
『創約』における直接の激突:巨大IT「R&Cオカルティクス」を巡る攻防
『新約22』の終戦を経て、アレイスターが大悪魔コロンゾン(ローラ)の肉体を乗っ取って生存(美少女化)し、アンナが巨大IT企業「R&Cオカルティクス」のCEOとして表舞台に現れたことで、両者の直接的な闘争が勃発する。
・アレイスターからの宣戦布告:『創約4』において、アレイスターはローラ(コロンゾン)の肉体に宿った状態で、ロサンゼルスにあるR&Cオカルティクス本社ビルへ侵入した。彼は、室内にいた重役たちをアレルギー反応の術式(アナフィラキシーショック)によって容赦なく暗殺・壊滅させた。その際、アレイスターはCEOのアンナはここにいないか、と吐き捨て、ペーパーナイフを構えながら、ブライスロードで全てを終わらせた人間アレイスター=クロウリーが、結社の始祖を殺しに行くよ、と、アンナに対する明確な宣戦布告のメッセージを遺した。
・アンナの「予定調和」としての崩壊:しかし、アンナはこの本社ビルの壊滅すら完全に織り込み済みであった。R&Cオカルティクスという世界企業は、本来本拠地を必要としない無人物流網(ロジスティクスホーネット)で動いており、本社ビルは外部から撃破されたと世界に認識させるために、わざと用意した中心点(デコイ)に過ぎなかった。アンナは、巨大IT企業の暴走と崩壊の様子を世界に生中継で見せつけることで、人々が傑出した成功者や管理不能な先端技術に恐怖を抱き、自ら管理と抑圧の時代へと向かうように仕向けていた。アレイスターの奇襲すらも、アンナにとっては自身の余暇であり、世界を自分の色に上書きするためのゲームの一部に過ぎなかったのである。
「人間」アレイスターと「超越者」アンナの決定的な思想対比
二人の本質的な違いは、魔術や生に対する姿勢に現れている。
・「人間」に留まるアレイスター:アレイスターは、かつて師アラン=ベネットから人間を捨てるなよと諭された通り、どれほど異形の力を得ようとも人間の枠組みから外れることを拒んだ。彼は自身の失敗、敗北、挫折、喪失の歴史さえも、次の一手を切り開くための血肉(並列データ)へと変換し、泥臭くあがき続ける不屈の精神性(ロマン)を持っている。
・「退屈」を呪うアンナ:対照的にアンナは、超越的な存在であるシークレットチーフ(エイワス)をクレジットカードのように自由に使いこなし、生も死も、すべての因果を自らの意のままに予測・制御できてしまうがゆえに、世界そのものを小さくて退屈な一本道のゲームのように感じていた。それゆえに彼女は、自らの完璧な予測シートを容易く狂わせる上条当麻(神浄の討魔)や、金貨の呪縛を自ら捨てて立ち上がった浜面仕上という予想外の例外(ランダム性)に、強く焦がれ、執着している。
まとめ
アンナ=シュプレンゲルとアレイスター=クロウリーの全貌と因縁を巡る一連の全貌は、19世紀末の「黄金」創設期におけるシュプレンゲル書簡の疑惑から始まり、学園都市構築への冷徹な評価、R&Cオカルティクス本社ビルでの直接的な侵攻と暗殺、そして人間性に固執する人間アレイスターと退屈を呪う超越者アンナという思想的対比に至るまで、その歩みを明瞭に示している。
旧来の因縁や世界のルールという不条理な檻を打ち破り、自分たちの尊厳と平穏な生の主権を自らの選択と確固たる意志によって完璧に確立しようとした、近代魔術の始祖と破戒僧による歴史的な死闘の記録である。
偽造書簡の利用から、結社の崩壊、科学都市の建設、直接の奇襲、そして世界支配を巡る盤上の闘争へと繋がったプロセスは、どれほど不条理な事態の混迷や過酷な環境の激変によって状況が脅かされようとも、本質を突いた人間の知性と確固たる意志の果断によって打破され、新しい生き方を切り拓く輝かしい未来の道が厳密に証明されている。
創約 とある魔術の禁書目録(3)
まとめ
創約 とある魔術の禁書目録(5)
登場キャラクター
学園都市(生徒・一般市民)
上条当麻
学園都市の高校生である。右手に不思議な力を宿している。絶望的な状況でも他者を救うために奔走する人物だ。
・所属組織、地位や役職
学園都市の高校に在籍する生徒である。
無能力者(レベル0)に分類される。
・物語内での具体的な行動や成果
12月26日のロサンゼルスで少女ヘルカリアを救出した。
キトリニタスとの戦いでは、魔術の核を右手で破壊することに成功する。
この行動により、砂の中に閉じ込められていた3000万人を救い出した。
その後、窮地に陥った際にも、世界中にいる妹達に救出される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
異能を打ち消す「幻想殺し(イマジンブレイカー)」の持ち主だ。
今回の事件を経て、多くの人々からさらに厚い信頼を得ることになった。
御坂美琴
常盤台中学の2年生である。負けず嫌いで活発な性格をしている。上条当麻に対して好意を抱く。
・所属組織、地位や役職
常盤台中学の生徒に位置する。
学園都市第3位の超能力者(レベル5)である。
・物語内での具体的な行動や成果
大熱波の中、対魔術式駆動鎧(A.A.A.)を操り戦った。
ロサンゼルスの戦いでは、A.A.A.の技術を奪われてしまう。
スマートフォンを通じ、上条からの依頼でロック解除に協力した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
強力な電気を自在に操る「超電磁砲(レールガン)」の持ち主だ。
今回の事件をきっかけに、食蜂操祈とさらに共闘を深める。
食蜂操祈
常盤台中学の2年生である。学校で最大規模の派閥を率いる。上条当麻に対して想いを寄せる。
・所属組織、地位や役職
常盤台中学に在籍する。
学園都市第5位 of 超能力者(レベル5)だ。
・物語内での具体的な行動や成果
大熱波の最中、御坂美琴と協力して行動した。
ファイブオーバーと呼ばれる兵器を操作する。
ロサンゼルスの戦いをスマートフォンで見守った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
他人の精神を自在に操る「心理掌握(メンタルアウト)」の力を持つ。
美琴との間で、新たな協力関係を築く。
白井黒子
常盤台中学の1年生である。風紀委員を務めている。御坂美琴を深く慕う。
・所属組織、地位や役職
常盤台中学の生徒である。
風紀委員に所属する。
・物語内での具体的な行動や成果
暗部一掃作戦に動員された。
上条がロサンゼルスにいる際、スペースエンゲージ社の資料を転送した。
これにより、上条の調査を後方から支援する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
空間移動(テレポート)の能力(レベル4)を保有している。
風紀委員として高い実力を発揮する。
吹寄制理
上条当麻のクラスメイトである。おでこを大きく出した髪型が特徴だ。非常に活発な性格をしている。
・所属組織、地位や役職
上条と同じ高校に在籍する生徒である。
クラスの委員長を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
冬休み中に上条の着替えを運んだ。
病院を抜け出した上条を厳しく叱る。
上条の代わりに三毛猫の世話を引き受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
合理性のないルールを嫌う性格である。
姫神秋沙
上条当麻のクラスメイトである。大人しい性格をしている。長い黒髪が特徴だ。
・所属組織、地位や役職
上条と同じ高校に在籍する。
・物語内での具体的な行動や成果
冬休み中に吹寄制理と共に行動した。
病院を抜け出した上条の前に私服姿で現れる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
上条の部屋の合鍵の隠し場所を知っている。
学園都市(統括理事会・関係者)
一方通行(アクセラレータ)
学園都市の第1位である。新統括理事長に就任した。妹達を救うために自首を選択する。
・所属組織、地位や役職
学園都市の統括理事長を務める。
第1位の超能力者(レベル5)だ。
・物語内での具体的な行動や成果
暗部を一掃するハンドカフス作戦を発動した。
自ら警備員の秘匿取調室に出頭する。
イギリスとの間で、戦後処理の交渉を有利に進めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
あらゆるベクトルを自在に操る力を保有する。
新統括理事長として、街の全権を掌握した。
クリファパズル545
大悪魔コロンゾンが作り出した悪魔である。一方通行の背後に寄り添う。
・所属組織、地位や役職
一方通行の使役悪魔である。
・物語内での具体的な行動や成果
一方通行の演算に魔術の計算式をインストールした。
拘置所内の一方通行へアドバイスを伝える。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
コロンゾンによって生み出された。
一方通行の能力解放に深く干渉する。
アレイスター=クロウリー
学園都市の創設者である。大悪魔コロンゾンの肉体に宿っている。少女の姿をしている。
・所属組織、地位や役職
元学園都市統括理事長である。
・物語内での具体的な行動や成果
R&Cオカルティクス本社の重役たちを暗殺した。
アンナ=シュプレンゲルへ宣戦布告のメッセージを残す。
上条当麻を連れて、ロサンゼルスへの移動を手配した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
一方通行に統括理事長としての権限を譲り渡した。
すべての男女は星であるという独自の思想を持つ。
イギリス清教
インデックス
イギリス清教に所属するシスターである。いつもお腹を空かせている。上条当麻の部屋に居候している。
・所属組織、地位や役職
必要悪 of 教会(ネセサリウス)に属する。
魔道書図書館を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
大熱波の最中に上条と共に行動した。
ロサンゼルスでは、ステイルらの調査に同行する。
キトリニタスが使用する砂の魔術を解析した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
十万三千一冊の魔道書を完全記憶している。
ステイル=マグヌス
イギリス清教の魔術師である。ルーン魔術を駆使する。インデックスの安全を最優先に考える。
・所属組織、地位や役職
必要悪 of 教会(ネセサリウス)に所属する。
・物語内での具体的な行動や成果
ロサンゼルスでR&Cオカルティクス本拠地を調査した。
メルザベスが残した筆跡を魔術で解析する。
メルザベスへの疑いが冤罪であると明らかにした。
上条に、本社の凄惨な光景をインデックスに見せるなと忠告する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
強力な炎の魔術を操る実力を持つ。
神裂火織
イギリス清教の魔術師である。世界に20人以下の聖人の一人だ。生真面目な性格をしている。
・所属組織、地位や役職
必要悪 of 教会(ネセサリウス)に所属する。
天草式十字凄教の元女教皇だ。
・物語内での具体的な行動や成果
R&Cオカルティクスの調査のためロサンゼルスへ降り立つ。
キトリニタスの二者択一の罠に翻弄された。
術式に巻き込まれて一時的に消失してしまう。
上条が魔術の核を破壊したことで無事に生還した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
驚異的な物理戦闘能力を誇る。
ローラ=スチュアート(大悪魔コロンゾン)
イギリス清教の元最大主教である。中身は大悪魔コロンゾンだ。世界を更地へ分解することを目論む。
・所属組織、地位や役職
イギリス清教の元最大主教を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
アレイスターと全面戦争を展開した。
イギリス全土を乗っ取る儀式を行う。
戦いに敗れてアレイスターに宇宙へ放逐された。
その後、理想送りの世界から力技で現世へ復帰する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
コロンゾンが作り上げた仮初めの器である。
スペースエンゲージ社
ヘルカリア=グローサリー
ロサンゼルスで発見された生存者である。10歳の少女だ。母親を悪人だと誤解している。
・所属組織、地位や役職
一般の子供に位置する。
・物語内での具体的な行動や成果
ダイナーの更衣室ロッカーに隠れていた。
上条当麻に保護される。
事件後に、無事だった母親と再会を果たした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
12月28日が誕生日である。
メルザベス=グローサリー
宇宙ベンチャー企業の社長である。天才技術者だ。ヘルカリアの母親である。
・所属組織、地位や役職
スペースエンゲージ社の社長を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
娘を人質に取られてR&Cオカルティクスの傘下に入った。
裏では物流網を破壊するプログラムを作成する。
キトリニタスに利用されて砂の中に閉じ込められた。
事件後に生還し、ヘルカリアと強く抱き合う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ドイツ語の綴りすら理解していない。
その事実により、魔術への関与が冤罪だと証明された。
アメリカ合衆国政府
ロベルト=カッツェ
アメリカ合衆国の大統領である。やたらハイテンションだ。国民の安全を第一に考える。
・所属組織、地位や役職
アメリカ合衆国大統領を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
討論会でクローン少女たち(妹達)を公式に擁護した。
ホワイトハウス内で、裏切り者のダリスと銃撃戦を行う。
ロサンゼルスの生存者を救い出すことを決意した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
国民から強い人望を集めている。
ローズライン=クラックハルト
大統領補佐官である。大統領を陰で支える。冷静な判断力を備えている。
・所属組織、地位や役職
アメリカ大統領補佐官を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
ホワイトハウス内で大統領に同行した。
ダリスとの討論会に立ち会う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
大統領の行動を注意深くサポートしている。
ダリス=ヒューレイン
アメリカ合衆国の副大統領である。巨大IT企業と結託している。
・所属組織、地位や役職
アメリカ合衆国副大統領を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
大統領の責任を公の場で追及した。
ホワイトハウス内で大統領に銃を突きつける。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
一連の事件の後に、大統領と直接対決した。
R&Cオカルティクス
キトリニタス
R&Cオカルティクス本社の護衛である。第三工程「黄色化」を司る魔術師だ。
・所属組織、地位や役職
R&Cオカルティクスの護衛を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
ロサンゼルスで砂の魔術「黄色化」を発動した。
二体の偽物を用いてメルザベスを社会的に破滅させようとする。
上条当麻に「黄色の核」を破壊されて敗北した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
黄色い外套をまとった老人である。
アンナ=シュプレンゲル
R&CオカルティクスのCEOである。古き魔術結社の重鎮だ。超越的な実力を持つ。
・所属組織、地位や役職
R&Cオカルティクスの最高経営責任者を務める。
薔薇十字のドイツ第一聖堂 of 主だ。
・物語内での具体的な行動や成果
クリスマスにニコラウスの金貨を学園都市へばら撒いた。
大熱波を背景に美琴や食蜂を圧倒する。
R&Cオカルティクスの崩壊を予定調和として受け止めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
エイワスを完全に従えている。
魔術結社『薔薇十字』・超越者
アラディア
薔薇十字に属する超越者である。アンナに意見できる立場だ。
・所属組織、地位や役職
魔術結社「薔薇十字」に所属する。
・物語内での具体的な行動や成果
R&Cオカルティクス本社ビルの壊滅後にアンナと会話した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
アンナの予定調和な崩壊に立ち会っている。
その他
オティヌス
上条当麻の肩に居座る小さな存在である。かつて世界を破壊した魔神だ。上条をサポートする。
・所属組織、地位や役職
元魔神に位置する。
上条の「理解者」である。
・物語内での具体的な行動や成果
上条に付き添ってロサンゼルスへ渡った。
魔術的な視点からキトリニタスの弱点を見抜く。
右手の幻想殺しで黄色の核を破壊するよう上条へ促した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
力を失って15センチのサイズになった。
集団
妹達(シスターズ)
御坂美琴の軍用量産クローンである。ミサカネットワークを構築する。自分たちの意志で立ち上がった。
・所属組織、地位や役職
学園都市のクローンに位置する。
・物語内での具体的な行動や成果
ロサンゼルスの戦いへ自らの意志で参戦した。
上条当麻の危機に即応してファイブオーバーを足止めする。
自分たちの真実の姿を全世界へ開示した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
世界中でクローンを擁護する世論を形成させた。
イギリス清教
魔術サイドにおける巨大な宗教組織である。必要悪 of 教会などの魔術部門を抱える。
・所属組織、地位や役職
イギリス清教という組織だ。
・物語内での具体的な行動や成果
学園都市と共同でオーバーロードリベンジ作戦を展開した。
ロサンゼルスのR&Cオカルティクス本社を強襲する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ダイアン=フォーチュンが最大主教に就任した。
学園都市
東京西部に位置する科学サイドの総本山である。人口の8割が学生だ。
・所属組織、地位や役職
巨大な学術都市だ。
・物語内での具体的な行動や成果
イギリス清教と提携してオーバーロードリベンジを組織した。
ロサンゼルスに大規模な戦闘部隊を派遣する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
新統括理事長の一方通行によって暗部一掃が進められている。
重役達
R&Cオカルティクス本社の幹部たちである。会社の利益や保身を第一に考えている。
・所属組織、地位や役職
R&Cオカルティクス本社の重役を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
本社ビルが壊滅した際に逃亡や資産の確保を相談した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
アレイスターによって全員が重役会議室で暗殺された。
海兵隊
ホワイトハウスやロサンゼルスの警備を担う部隊である。
・所属組織、地位や役職
アメリカ合衆国軍に所属する。
・物語内での具体的な行動や成果
ホワイトハウスを警備するため大統領に同行した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
大統領の安全を最優先で守る。
創約 とある魔術の禁書目録(3)
まとめ
創約 とある魔術の禁書目録(5)
展開まとめ
ロサンゼルスとの通信断絶
通信設備の保守を担当するハーヴァス=スプリングは、ロサンゼルス一帯とあらゆる通信が途絶えたため、ラスベガスから深夜の現地確認へ向かっていた。回線そのものは生きているように見えたため、当初は三〇〇〇万人規模の悪ふざけや巨大IT企業による宣伝企画だと考えていた。
無人の大都市
ロサンゼルス市内へ入ったハーヴァスは、街全体が異様な静寂に包まれていることに気づいた。作業バンの窓は瞬く間に凍りつき、外気温は摂氏氷点下二〇度ほどまで低下していた。街灯や看板まで白い霜に覆われ、空気中には凍った水分らしき粒と砂が漂っていた。
凍りついた作業バン
異常な寒さに危険を感じたハーヴァスは車へ戻ろうとしたが、ドアまで凍結して開かなくなっていた。車を動かすために凍結を溶かす手段を探して周囲を見回したことで、彼はそれまで視界に入っていながら認識できていなかった異物に気づいた。
街に残された兵器
高層ビルには漆黒の爆撃機が突き刺さり、街路には武装ヘリや装甲車、軍用テントが放置されていた。それらは米軍や警察の装備とは明らかに異なっていたが、搭乗者の姿はどこにもなかった。人々だけでなく、何らかの武装勢力まで突然消えたような光景であった。
取り残された日常
完全に異常と化した街の上空では、R&Cオカルティクスの宅配ドローンだけが平然と飛び続けていた。ハーヴァスは目の前の状況を事件、事故、災害のどれとして捉えるべきかも分からなくなり、普段の習慣からスマートフォンで爆撃機を撮影しようとした。
圏外の表示
その時、ハーヴァスはスマートフォンが圏外になっていることに気づいた。通信設備を確認するためにやってきた彼自身も、外部との繋がりを完全に断たれていたのである。安全な場所から異常を眺めているつもりだった意識は崩れ、自分もすでにロサンゼルスを包む異変の内部に取り込まれていることを悟った。
迫るざわめき
無人の街には、さざ波のようなざざざという音が次第に大きく響いていた。ハーヴァスはその正体に思い至ったものの、それを理解したところで状況を打開する手段はなかった。スマートフォンに意識を奪われて無防備になった彼の周囲から、三〇〇〇万人を消失させたロサンゼルスの闇が迫り、その意識を呑み込んでいった。
序章 隙間に落ちた絵本 Magic_Side, Open.
深夜の病室
深夜二時、白井黒子は入院中の病室で御坂美琴の寝込みを襲おうとしたが、美琴はすでにベッドを抜け出しており、黒子を背後から制止した。美琴は黒子の異様な騒ぎ方から食蜂操祈の心理操作を疑ったものの、食蜂のベッドにも丸めた毛布しか残されておらず、彼女も密かに病室を抜け出していた。
食蜂操祈の目的地
食蜂はベビードールにカーディガンを羽織った姿で非常階段を上り、同じ病院に入院している上条当麻のもとへ向かった。アンナ=シュプレンゲルとの戦いで傷つきながら大勢を守った上条には、それに見合う幸せが与えられるべきだと考え、台無しになったクリスマスをやり直そうとしていた。
空になった上条のベッド
食蜂は周囲の患者の認識を操作することも辞さず上条の病室へ忍び込んだが、彼のベッドにも丸めた毛布しかなかった。上条が密かに病院を抜け出したと悟った食蜂は、二六日になっても休まず何かへ首を突っ込む彼らしさに頭を抱えた。
吹寄と姫神の届け物
上条は包帯やガーゼをつけたまま病院近くの公園へ出ており、呼び出していた吹寄制理と姫神秋沙から着替えなどを受け取った。二人には三毛猫の世話まで頼んでおり、上条は紙袋の中から、外国語の音声や文章を日本語へ翻訳できるペン型端末トランスペンを真っ先に確認した。
海外への準備
姫神から海外へ行くのかと尋ねられた上条は、詳しい事情までは知らないと答えかけた。トランスペンは高価な装置ではなかったが、上条は今後も使う機会があると考えて以前から用意していたのである。
ユニオンジャックの輸送機
その時、公園へティルトローター式の輸送機が降下してきた。学園都市製の機体には急遽ユニオンジャックが掲げられており、上条を迎えに来た英国側の機体であることが示されていた。事情を知らない吹寄と姫神を前に、上条は今回もまた不幸な話になるのだろうと肩を落としていた。
第一章 ロサンゼルス全人口、 消失 26_the_West_Coast_Warfare.
政府専用機での作戦会議
上条当麻は英国政府専用機スカイバス550の会議室でステイル=マグヌスから説明を受けた。ロサンゼルスでは二〇〇〇万から三〇〇〇万人規模の人々が一斉に消失しており、その直前にはイギリス清教と学園都市の混成部隊がR&Cオカルティクス本社へ総攻撃を仕掛けていた。R&C側が追い詰められた末に大規模な魔術を使った可能性が高く、住民が生存している保証もなかった。
一%の生存可能性
ステイル達の目的はR&Cオカルティクスの撃滅と消失術式の解明であり、ロサンゼルス市民の救出は本来の任務から外れていた。しかしステイルは上条が独自に生存者を捜すことまでは妨害しないと告げた。上条は状況が九九%絶望的でも残る一%を拾うと決めた。
R&Cオカルティクスの力
神裂火織は、R&Cオカルティクスが魔術だけでなく資金や情報、巨大ITとしての事業網まで切り札として扱う異質な魔術結社だと説明した。ネット通販やドローン配送を利用して本拠地を隠していたが、通信や金融情報を逆に辿ることでロサンゼルスの本社ビルが特定された。彼らが大規模な消失を起こしてまで守ろうとしたのは、こうした資金や情報を生み出す基盤である可能性があった。
無人のロサンゼルス
専用機は無人となったロサンゼルス国際空港へ着陸し、上条、インデックス、ステイル、神裂の四人を降ろした後、脱出手段を確保するため再び空へ戻った。街は氷点下二〇度の異常寒波に包まれ、人間だけでなくネズミやゴキブリまで姿を消していた。空港の出入口にはダクトテープによる不自然な目張りが施されていたが、施錠そのものはされていなかった。
消失術式への疑問
上条は、記録にも残らない人間まで含めて三〇〇〇万人全員を狙って消すのは不自然だと考えた。インデックスとオティヌスは、個別に連れ去ったのではなく、一定範囲を無差別に呑み込む術式だった可能性を示した。また死体すら残らないことから、R&C側がわざわざ人体を処理したのではなく、そもそも消失そのものが術式の性質だった可能性も浮かんだ。さらに術式が一度限りではなく、今も継続中である危険も否定できなかった。
野戦基地の痕跡
四人はロサンゼルスに設置されていたイギリス清教と学園都市の野戦中継基地を調べた。内部には学園都市製の兵器や機材が残され、Five_OverのRAIL_GUN、MELT_DOWNER、さらにACCELERATORと記されたコンテナまで存在した。オティヌスは、魔術とITの双方を扱うR&Cなら学園都市側の無人兵器を乗っ取った可能性もあると指摘した。
メルザベスのスマートウォッチ
基地の金庫から、上条はメルザベス=グローサリーという名が表示されたスマートウォッチを発見した。本体となるスマートフォンはなく、単独ではまともに機能しない品だったため、わざわざ金庫へ隔離されたこと自体が重要な意味を持つと考えられた。さらに裏面には傷で注意、砂という警告が残されていた。
砂の狙撃
基地を調べていた四人は、高層ビル屋上から超高圧の砂を刃のように飛ばす魔術攻撃を受けた。神裂は鞘とワイヤーで攻撃を防いだが、周囲の建物は切断され、屋内プールの水が大量に流出した。四人は近くの建物へ逃げ込み、神裂が水を細かく切り分けて凍結を早めたことで濁流をしのいだ。上条はスマートウォッチの警告があったため、初見の攻撃を砂だと見抜けたのである。
隠された数字
スマートウォッチには文字盤やバンドの傷、色、穴などにも意味がある可能性があった。インデックスとオティヌスは、追い詰められた状況で残すメッセージなら複雑な暗号ではなく、日常の景色に紛れる単純な形になると考えた。上条はバンドの穴の数や傷から二、一、五という数字とダウンタウンを連想し、それを番地ではないかと推測した。
地下鉄での移動
四人は狙撃と寒波を避けるため地下鉄へ入り、線路を歩いてダウンタウンを目指した。途中、自動点検へ切り替わった無人の点検車両が突進してきたが、ステイルが炎の魔術で排除した。やがて大量の砂がトンネルを塞いでいたため、非常口から再び地上へ出ることになった。
二一五番地のダイナー
スマートウォッチから導いた場所へ向かうと、そこにはチープパーティという個人経営のダイナーがあった。店内は暖房や照明、厨房設備まで動いたままで、料理は黒焦げになっていた。誰かが突然その場から消えた痕跡が色濃く残されていた。
唯一の生存者
上条達が店の裏手を調べると、更衣室の金属ロッカーから物音がした。上条が扉を開けると、そこには涙目でうずくまる一〇歳ほどの銀髪褐色の少女が隠れていた。スマートウォッチに残された二一五という手掛かりが導いた先で、四人はロサンゼルス消失後初めての生存者を発見した。
行間 一
R&Cオカルティクスの魔術攻撃
インデックスは、ロサンゼルス三〇〇〇万人の消失がR&Cオカルティクスによる大規模な魔術攻撃だったと考えていた。実際に鉄筋コンクリートを切断するほどの砂の魔術を使う狙撃手が確認されていたが、インデックスにも具体的な術式は完全には解析できていなかった。ステイルはさらに、R&Cオカルティクス本社には砂の魔術師以外にも多数の術者が配置され、別の魔術が大量消失を引き起こした可能性を挙げていた。
学園都市側への疑惑
オティヌスは別の可能性として、学園都市側が市街地で未知の化学兵器を使用し、遺体を回収して痕跡を消したという仮説を立てていた。また、世界的巨大ITであるR&Cオカルティクスが学園都市の無人兵器や軍用データリンクを乗っ取り、混成部隊を壊滅させた可能性も考えていた。この二つは同時に成立する可能性も残されていた。
目張りの意味
上条当麻は、ロサンゼルス各所のドアや窓に施されたダクトテープの目張りについて、砂の魔術を防ぐためだったと推測していた。一方で、氷点下二〇度の寒さから暖房を逃がさないための防寒対策だった可能性も考えた。前者には実際の砂による攻撃という根拠があったが、神裂火織が学園都市側基地で血痕を確認できなかった事実とは直接結びついていなかった。
集団自殺の可能性
オティヌスは防寒対策という上条の仮説から、密閉された室内で暖房を使い続けた結果、一酸化炭素中毒によってロサンゼルス市民が集団で死亡した可能性まで挙げていた。ただし、この仮説では三〇〇〇万人もの遺体が消失した理由までは説明できていなかった。
第二章 疑わしきは一人きり Los_Angeles.
ヘルカリアの目覚め
朝七時になってもロサンゼルスは氷点下二〇度のままであり、上条当麻たちはダイナーを仮拠点としていた。唯一の生存者ヘルカリア=グローサリーは上条に懐き、母親と同じグローサリー姓を持っていた。上条は学園都市の基地で見つけたスマートウォッチの持ち主メルザベス=グローサリーが、ヘルカリアの母親ではないかと考えた。
母親への手がかり
上条はヘルカリアに朝食を作りながら会話を重ねた。ヘルカリアは母親が自分に合わせて家具の高さまで調整してくれると話し、十二月二十八日が自分の誕生日であることも明かした。上条はメルザベスが娘を大切にしていた母親だと感じ、ロサンゼルスで起きたことを尋ねた。ヘルカリアは、母親が学園都市側と協力しており、R&Cオカルティクスとは本来違う立場だったと語り始めた。
神裂火織の消失
その途中、外を調査していたステイル=マグヌスが戻り、神裂火織がR&Cオカルティクスとの戦闘中に消失したと告げた。神裂と敵の魔術師は高速で戦い、爆発と粉塵の中へ消えた後、双方とも姿を消していた。ステイルは敵が単独ではなく気象そのものを利用しており、科学技術によって魔術を増幅していると推測した。
黄色化と三〇〇〇万人の消失
神裂は戦闘中、砂の魔術が薔薇十字由来の黄色化に関係すると見抜いていた。敵は砂を浴びせた人間を殺すのではなく、形のない養分へ変換して砂へ溶け込ませていたのである。ロサンゼルス三〇〇〇万人の消失も同じ仕組みであり、生存者も死体も残らなかったのは、人々が砂の中へ保存されていたためだった。
ロジスティクスホーネット
神裂は砂を避けて上空へ逃れたが、R&Cオカルティクスは巨大空中基地ロジスティクスホーネットを利用して気象を操っていた。大量の宅配ドローンから液体窒素を散布し、気圧差によって巨大な竜巻を発生させ、砂を成層圏まで巻き上げたため、神裂は逃げ切れず呑み込まれた。消失直前、神裂は機体にスペースエンゲージ社の名を確認していた。
メルザベスへの疑惑
ステイルは、スペースエンゲージ社社長のメルザベスがR&Cオカルティクスの支援を受け、ロジスティクスホーネットを開発した人物だと突き止めた。さらに彼女が学園都市側へ協力していた理由を、巨大ITの内通者を装った二重スパイだったためだと疑った。ヘルカリアは母親がそんな人物ではないと訴えたが、上条が即座に反論できなかったことで傷つき、ダイナーから逃げ出した。
上条とオティヌスの決意
オティヌスは、ヘルカリアを傷つけたのはステイルの言葉より、信頼していた上条が迷ったことだと指摘した。そのうえで、メルザベスが本当に悪人だった場合でもどうするのかと問いかけた。上条は、たとえメルザベスが黒幕でも助け出し、娘の前で向き合わせると答えた。オティヌスはその決意を認め、スマートウォッチからメルザベス自身の真実を探ることを提案した。
メルザベスのホテル
スマートウォッチの近距離通信を利用すると、上条たちはメルザベスのスマートフォンが近くのホテルにあると突き止めた。部屋は最も安い階層の質素なシングルルームで、衣類や日用品も贅沢とは無縁だった。R&Cオカルティクスから巨額の支援を受ける成功者とは思えない生活ぶりから、上条とオティヌスは、メルザベスが巨大ITとの関係や得た富を喜んでいなかったと考えた。
母親を信じる言葉
上条はユニオン駅でヘルカリアを見つけた。ヘルカリアは、母親がロジスティクスホーネットやシークレットに関わり、ロサンゼルスを壊した悪人だったと自分に言い聞かせていた。しかし上条は、ロジスティクスホーネットは娘の結婚式を宇宙で開くという夢から生まれたものであり、メルザベスがR&Cオカルティクスを信頼していた証拠はないと反論した。さらに、巨大ITがヘルカリアを人質同然に利用したため、母親は従わざるを得なかった可能性を示した。
誕生日の秘密
スマートフォンに残された二十八日の予定と、ヘルカリアの誕生日が同じ日だと気づいた上条は、ユニオン駅の荷物預かり所を探した。そこにはヘルカリアへの誕生日プレゼントが隠され、カードには彼女を祝う言葉が記されていた。ヘルカリアは母親を疑ったことを泣いて悔やみ、上条は、メルザベスが秘密を抱えていても誰かを傷つけるためではなかったと伝えた。
ステイルとの決裂
そこへステイルが現れ、神裂まで消失した以上、黒幕側の身内である可能性があるヘルカリアを引き渡すよう要求した。上条は拒否し、メルザベスを必ず助けると約束した。ステイルはルーンのカードを展開したが、それを囮にして学園都市製の無人兵器を操り、上条へ銃撃を浴びせた。上条は服の中に紙束を仕込んでいたため即死を免れ、エスカレーターを転落しながら逃れた。
反撃への出発
ステイルに殺されたと思わせることができた上条は、むしろ敵から隠れて行動する好機だと捉えた。ヘルカリアはステイル側に残ったものの、インデックスがいるため危害は加えられないと考え、上条はメルザベスを捜すことを優先した。オティヌスも協力を約束し、二人は母娘を救うため、R&Cオカルティクスとその魔術に対する反撃を始めた。
行間 二
メルザベス犯人説
ステイルは、学園都市の基地に残された資料とルーン魔術で読み取った残留思念から、メルザベス=グローサリーがR&Cオカルティクスに協力した犯人だと考えた。彼女はスペースエンゲージ社の技術を提供し、ロジスティクスホーネットによる気象操作で砂の魔術を増幅させ、さらに学園都市側には二重スパイとして潜り込んだと推測された。この場合、オーバーロードリベンジの失敗や神裂火織の撃破にも関与していたことになるが、上条当麻とオティヌスは大半を否定しつつ、一部にはまだ決定的な反証がないとして調査を続けていた。
ヘルカリアの疑念
ヘルカリアは、母メルザベスが金に目を奪われ、R&Cオカルティクスへ技術を明け渡して悠々自適に暮らしていた悪人だと考えていた。さらに、自分にシークレットと呼ばれる秘密を隠していたことも悪事の証拠だと受け取っていた。しかし上条とオティヌスは、ホテルでの質素な生活やR&Cオカルティクス製品を避けた様子から、メルザベスが報酬や巨大ITとの関係を喜んでいなかったと判断し、この見方を否定した。
メルザベス善人説
上条とオティヌスは、メルザベスが娘を人質同然に利用され、やむなくR&Cオカルティクス傘下に入ったと考えた。彼女はその後も罪悪感を抱き、報酬を遠ざけながら質素に暮らし、最終的には学園都市とイギリス清教の混成部隊へ協力して巨大ITに背いた可能性が高かった。一方で、本人の意思とは無関係に何らかの方法で操られ、一連の凶行へ関与させられた可能性も残されていた。
母娘を利用した報復
真の敵はR&Cオカルティクスとアンナ=シュプレンゲルであり、裏切ったメルザベスへの報復として、母娘を対立させようとしていた可能性が考えられた。三〇〇〇万人の消失からヘルカリアだけを意図的に除外したのも、後にメルザベス自身の手で娘を傷つけさせるためだった可能性があった。上条はその状況でも、ヘルカリアだけでなくメルザベスも救うべき存在だと断言した。
誕生日のシークレット
メルザベスがヘルカリアに隠していたシークレットの一つは、悪事とは無関係な誕生日プレゼントだった。物的証拠によって、母親の不審な行動が娘を傷つけるための秘密ではなかったことが明らかになった。上条は、誰でも嘘や隠し事はするものの、メルザベスは人を傷つけたり陥れたりするために秘密を抱える人間ではないとヘルカリアに示した。
第三章 反撃開始 Boy_not_ =DARK
病室の三人
深夜の病院では、御坂美琴と食蜂操祈がテレビのお笑い番組を巡って騒ぎ、そこへ白井黒子も加わっていた。食蜂は一方通行の裁判を美琴が傍聴しないことを意外に思ったが、美琴は自分が気を揉んでも判決は変わらず、結果はいずれ速報で届くと考えていた。やがて美琴のスマートフォンに着信が入った。
美琴への国際電話
ロサンゼルスにいた上条当麻は、メルザベス=グローサリーの行方を追う手掛かりを得るため、彼女のスマートフォンのロック解除を美琴に頼った。しかし通信越しではデータを壊す危険があり、美琴も慎重になった。そこへ黒子がメルザベスの名を知っていると口を挟み、スペースエンゲージ社がR&Cオカルティクス傘下へ入る前に投資対象として調査していたことを明かした。上条は黒子から、同社の初期施設に関する資料を送ってもらった。
大統領の決意
ホワイトハウスでは、ロベルト=カッツェ大統領がロサンゼルス三〇〇〇万人の消失について報告を受けていた。米軍は国内への先制攻撃に使えず、消失の原因も特定されていないため、政府は容易に軍を動かせない状況だった。それでもロベルトは政治的責任より住民の生死を優先し、可能なら全員を生存者として救い出すことこそ重要だと断言した。さらに、オーバーロードリベンジを直接知るイギリス清教との接触を求めた。
ロングビーチへの道
黒子の資料からスペースエンゲージ社の初期拠点がロングビーチにあると分かり、上条とオティヌスは電動のスティックボードで現地へ向かった。途中、空を飛ぶ巨大なロジスティクスホーネットを目撃し、それが高空へ物資を射出して大気を冷却・加熱し、気象を操作する仕組みを改めて確認した。上条は三〇〇〇万人を砂へ取り込んだ黄色化の魔術を右手で消すことも考えたが、安全に人間へ戻せる保証がないため、術者を倒して方法を聞き出す方針を選んだ。
一方通行の裁判
学園都市では、一方通行の裁判が進んでいた。本人はクローン少女達を世間へ認めさせるため、自らの罪を公にして有罪判決を望んでいたが、弁護側だけでなく検察側までクローン実験そのものを否定しようとしていた。そこへダイアン=フォーチュンがクリファパズル545を介して接触し、オーバーロードリベンジの現状と、浜面仕上が死亡すればイギリスとの全面対立も辞さないという自らの立場を告げた。そのうえで、一万弱のクローン少女達に正式な居場所を与え、社会から認めさせることを一方通行へ提案した。
インデックスの拒絶
ステイルは気絶したヘルカリアを銃砲店へ運び、彼女から強制的に情報を引き出そうと考えた。人の体にルーンを刻み、嘘や秘密を暴く方法まで検討したが、インデックスはそれを見抜いて止めた。ヘルカリアが無実かどうかに関係なく、人を守るはずのイギリス清教が魔術で少女を傷つけるのは間違いだと主張し、上条が助けた相手なら自分も守るとステイルに告げた。
スペースエンゲージ社の原点
ロングビーチへ到着した上条達は、豪華な研究施設ではなく、ヨットハーバーに残された古いトレーラーハウスを発見した。内部にはロジスティクスホーネットの模型や大量の技術資料が残されており、オティヌスはメルザベスが巨大機体へ人間の反射や皮膚感覚を模した制御技術を組み込んでいたことを見抜いた。さらに家族写真から、メルザベスの夫が宇宙飛行中の事故で死亡していたことが判明した。彼女が民間宇宙旅行を目指した背景には、夫と果たせなかった夢を受け継ぎ、娘ヘルカリアの未来には安全な宇宙旅行を実現したいという願いがあった。
メルザベスの遺言
トレーラーハウスから赤い印の付いたUSBメモリと動画が見つかった。映像のメルザベスは、R&Cオカルティクスの支援がやがて侵略と支配へ変わり、自分の会社を奪われたことを告白した。USBには一二機のロジスティクスホーネットの相互認証へ侵入し、物流網そのものを破壊するプログラムが保存されていた。メルザベスは自らR&Cオカルティクス内部へ入り込んで破壊を試み、失敗した場合に備えて、後から訪れた誰かへ自分達の夢を壊してほしいと託していた。上条は、彼女の夢が悪用され、本人に破壊を願わせるまで追い詰めたアンナ=シュプレンゲルへ強い怒りを向けた。
アンナの執着
オティヌスは、アンナがメルザベスに黄色化を施した理由を、裏切った彼女を再び自分へ従わせるためだと推測した。大勢の従順な部下の中で最後まで善意を捨てず、自らの正義を貫いたメルザベスだけがアンナの思い通りにならなかったため、かえって強く執着されたという見方だった。上条はメルザベスの遺した破壊プログラムを受け取り、彼女の夢をこれ以上汚させないためロジスティクスホーネットを止める決意を固めた。
ヨットハーバーの魔術師
直後、トレーラーハウスが砂の魔術で吹き飛ばされた。上条は幻想殺しで砂を払いながら外へ逃れ、砂煙の向こうに二つの人影を確認した。一方は犬のように四つん這いになった女性型の球体関節人形で、もう一方はリードを握りながら引きずられるメルザベス本人だった。しかしどちらが術者で、どちらが操られているのかは判別できなかった。神裂火織が攻撃をためらって敗れた理由も、この主従関係を見抜けなかったためだと分かり、上条は倒すべき相手を選べないまま戦いに臨むことになった。
大統領への追及
一方、ホワイトハウスではロベルトが野党党首とのオンライン討論会に臨んでいた。野党は、外国部隊へ国内戦闘を許可した責任や、学園都市でクローン実験が行われていた疑惑を利用して大統領を追及した。ロベルト側は、魔術という異常な脅威を公の場で説明できないうえ、R&Cオカルティクスが政治家へ資金や情報を通じて影響を及ぼしている可能性も抱えていた。ローズラインは討論の流れから巨大ITと結びつく政治家を見極めようとしながら、大統領が不用意な発言をしないことを警戒していた。
ステイルの再検証
ステイル=マグヌスは、ヘルカリアを強引に尋問すればインデックスの記憶に残るため手を出せずにいた。そこでヘルカリアの誕生日プレゼントに添えられたカードへルーン魔術を使い、筆跡に残る残留思念を読み取った。そこから聞こえたメルザベスの声は、娘の誕生日ケーキを注文する普通の母親そのものであり、ドイツ語の基礎すら身につけていないことも判明した。ドイツ語原典の理解が必須となる黄色化の魔術に彼女が関与することは不可能だと悟り、ステイルはメルザベスへの疑いが完全な冤罪だったと認めた。
二人の偽メルザベス
上条当麻は、リードで結ばれた銀髪の美女と球体関節人形のどちらが本物のメルザベスなのか迷っていた。しかしアンナ=シュプレンゲルの悪意を考え抜いた末、選択肢そのものが罠であり、双方とも偽物だと見抜いた。本物のメルザベスは三〇〇〇万人と同じく砂の中に閉じ込められ、二体は彼女の姿と尊厳を利用して犯罪を押しつけるための存在だった。二体はそれを認め、役割を入れ替えながら、全世界へ配信される映像によってメルザベスを社会的に破滅させようとしていた。
ファイブオーバーの包囲
偽者達は、第三位と第四位の能力を再現した多数のファイブオーバーを周囲に展開し、上条を射殺しようとした。オティヌスは電子機器へ大規模なノイズを浴びせるよう指示し、上条は災害放送用スピーカーの設備を狙った。しかし幻想殺しでは金属柱を物理的に破壊できず、偽者達は勝利を確信した。
妹達の参戦
その瞬間、災害放送設備の太い柱が折れ、大電力の放電によってファイブオーバー群が停止した。攻撃したのは、世界各地から集まった妹達だった。彼女達はイギリス政府からの情報と現地で得た情報を基に上条の危機へ駆けつけ、R&Cオカルティクスに好き勝手させることにも、上条が傷つけられることにも耐えられないとして戦闘参加を表明した。
クローン少女達の宣言
キトリニタスは、妹達の姿が世界へ配信されれば国際法に触れるクローンの存在そのものが問題になると嘲った。しかし妹達は一歩も退かず、同じ姿をした大勢の少女達が次々と集結した。彼女達は、自分達の存在を隠すよりもメルザベスの冤罪を晴らすことを選び、必要ならクローンの真実そのものを世界へさらしてR&Cオカルティクスの情報操作を押し流すと宣言した。さらにファイブオーバー群を自分達が引き受け、上条には本物のメルザベスを救い出すよう託した。
ロベルトの支持
妹達の行動を知ったロベルト=カッツェ大統領は、その存在を世界へさらす一方通行の賭けを評価した。討論会では、自らが不法移民から大統領へ上り詰めた経験を挙げ、生まれや人種、宗教、学歴などで人を否定しない合衆国なら、ロサンゼルスを救うため命懸けで立ち上がったクローン少女達も受け入れるべきだと公言した。
ダリスの露見
副大統領ダリス=ヒューレインがメルザベスの名を口にしたことで、ロベルトは異変を察した。討論会参加者は携帯端末を預けており、その場で最新情報を得ることはできないはずだったためである。ロベルトは長い演説を囮にして情報漏洩者をあぶり出しており、ダリスがR&Cオカルティクス側から情報を得ていた可能性を突きつけた。両者は同時に隠し持っていたショットガンを抜き、大統領官邸で互いの急所を狙い合った。
行間 三
真犯人としてのR&Cオカルティクス
上条当麻は、飼い犬役と飼い主役を入れ替える球体関節人形と銀髪褐色の美女は、どちらもR&Cオカルティクスが用意した偽者であり、本物のメルザベス=グローサリーは三〇〇〇万人と同じく砂の中に閉じ込められていると考えた。これにより、メルザベスは一連の事件に関与していない完全な冤罪であり、R&Cオカルティクスは彼女に罪を重ねて社会的な居場所を奪い、アンナ=シュプレンゲルに従うしかない状況へ追い込もうとしていたと結論づけられた。
抵抗を続けたメルザベス
メルザベスは、自ら開発したロジスティクスホーネットの悪用を嫌い、従順を装ってR&Cオカルティクス本社へ潜入し、自作のマルウェアで物流ネットワークを破壊しようとしていた。その計画は阻止されたものの、最後まで抵抗を諦めなかった姿勢がアンナの興味を引いた可能性があった。さらにステイル=マグヌスがメルザベスには黄色化の魔術に必要なドイツ語能力がないことを確認し、上条の仮説を補強した。
黒幕の露見と救出への道
オティヌス、妹達、ロベルト=カッツェらもメルザベスの無実を支持し、魔術師キトリニタスや副大統領ダリス=ヒューレインなどR&Cオカルティクス側の人物も明らかになっていった。真犯人の構図が固まったことで、残る目的は敵を倒してメルザベスを救い出し、上条がヘルカリアと交わした約束を果たすこととなった。
第四章 二者択一の外側 Duel_Against_R・C・O (for_Save_Mother).
ロングビーチの決戦
ロサンゼルスのロングビーチでは、妹達が遠隔操作されたファイブオーバー群と戦う一方、上条当麻はキトリニタスと対峙していた。キトリニタスは球体関節人形と銀髪褐色の美女を交互に飼い主役と飼い犬役へ切り替え、砂を高速射出して攻撃した。上条はオティヌスの助言を受け、砂に包まれなければ黄色化による消失を避けられると理解し、風上を取りながら接近した。
変化する砂の攻撃
上条は幻想殺しでキトリニタスを殴ろうとしたが、砂を柱状に固めたサンドバッグで衝撃を逃がされた。さらにキトリニタスは砂を鋭い透明な刃や巨大な砂岩へ変え、周囲のヨットやクルーザーごと上条を攻撃した。上条は太腿や背中を負傷しながらも、妹達の善意を信じて背中を預け、自分はキトリニタスとの戦いに集中した。
妹達とファイブオーバー
妹達はミサカネットワークによる演算と連携を駆使し、自分達より高出力なファイブオーバーの攻撃をかわしながら関節やセンサーを正確に狙撃した。さらに第一位を模したFive Over OSが現れたが、妹達は本物の一方通行なら上条の邪魔をしないと断じ、戦闘を継続した。世界各地では彼女達が自らの意思で人々を救おうとする姿が注目され、クローンを単なる違法な存在として扱うことへの反発が広がっていった。御坂美琴と食蜂操祈も、その姿を見て格好良いと認めた。
ロジスティクスホーネットの大砂嵐
オティヌスは砂の性質を逆用する方法を探したが、キトリニタスはロジスティクスホーネットを動かし、ナフサや液体窒素による気圧操作でロサンゼルス全域を覆う巨大な砂嵐を発生させた。上条は妹達にも退避を促し、自身は博物館となった戦艦アイオワへ逃げ込んだ。しかしキトリニタスも装甲の弱い部分を破壊して艦内へ侵入し、追撃を続けた。
オティヌスの見抜いた弱点
キトリニタスは三〇〇〇万人を殺してしまえばよいと上条を揺さぶったが、オティヌスはその発言自体が救出可能性を隠すためのブラフだと見抜いた。キトリニタスは殺害を選ばなかったのではなく、黄色化によって人間を砂へ取り込む消失しか行えなかったのである。三〇〇〇万人も妹達も死んでおらず、キトリニタスを倒せば救い出せる可能性が残っていた。
ステイルの援護
ロジスティクスホーネットによる二度目の巨大砂嵐は、到達前に崩壊した。ステイル=マグヌスが大量のルーンカードを用意し、魔女狩りの王を生み出すほどの莫大な炎で寒暖差を乱し、ロジスティクスホーネットの気象操作を崩したためであった。ステイルはヘルカリアを疑っていた自分の過ちを認め、神裂火織が残した情報を生かして援護へ回った。
戦艦アイオワの近接戦
外部からの気象支援を失ったキトリニタスに対し、上条は戦艦内部の狭い空間を利用した。火災報知機を作動させて排煙設備に漂う砂を吸わせ、遠距離から砂を運ぶ戦術を封じたのである。これによって接近戦へ持ち込み、幻想殺しでサンドバッグを破壊しながらキトリニタスを追い詰めた。
ロベルトとダリスの決闘
ホワイトハウスでは、ロベルト=カッツェと副大統領ダリス=ヒューレインがショットガンで決闘を続けていた。ダリスは移民系企業が先端技術を独占し、アメリカ社会を支配することへの恐怖からR&Cオカルティクスに協力していたと明かした。ロベルトは、自由と夢を守るには他人の成功を妨げるのではなく自分自身が競争すべきだと否定した。戦いの末にダリスの体は砂となって消え、彼がワシントンにいる本体ではなかったことが判明した。
メルザベスの意志
キトリニタスはロジスティクスホーネットをステイルへ墜落させようとしたが、機体は命令を拒否した。ロジスティクスホーネットにはメルザベス=グローサリーの技術と神経データが組み込まれており、彼女がR&Cオカルティクスに抵抗して失敗した意志まで学習していたのである。上条とオティヌスは、娘との夢のために作られた機体が自らの判断で悪用を拒んだのだと理解した。
キトリニタスの正体
上条は美女と人形を繋ぐリードを踏みつけ、入れ替わりを封じたうえで球体関節人形を殴り飛ばした。人形の外殻が崩れると、中から現れたのは黄色い外套をまとった老人であり、自らを第三工程の黄色化を支配する魔術師キトリニタスと名乗った。オティヌスは、黄色化とは四工程の三つ目に過ぎず、アンナから与えられた名そのものが彼の限界を示していたと指摘した。さらに美女の偽装も破壊され、その内部から黄色化の核となる黒い雛鳥状の霊装が現れた。
三〇〇〇万人の帰還
オティヌスに促された上条が黄色の核を幻想殺しで破壊すると、異常な寒波と砂の術式は解除された。ロサンゼルス各地の砂から、市民や学園都市の人員、妹達、神裂らが生きたまま次々と戻ってきた。上条は救出されたメルザベスに肩を貸し、通りの向こうから駆けてきたヘルカリアとの再会を見届けた。母娘は泣きながら抱き合い、上条が交わした約束は果たされた。
静かな立ち去り
事件が終わると、上条は三〇〇〇万人を救った功績を名乗ることなくその場を離れた。困った時に誰かを助けることに貸し借きを持ち込む必要はなく、それが当たり前の世界の方が幸せだと考えたためである。インデックスはそんな上条に寄り添い、二人は帰国を考えながらロサンゼルスの街を後にしようとした。
終章 その『人間』 は帰還せり Science_Side, Interrupt.
妹達を巡る世論の変化
ロサンゼルスで戦った妹達の姿は世界へ広まり、クローン人間への世論は好意的な方向へ傾いていた。彼女達が人間と同じ心を持つ存在だと受け止められ始めたことで、殺処分の可能性は遠のいた。一方、学園都市では一方通行の裁判が再開され、妹達の人間性が認められたからこそ、一万人以上を殺した彼の罪はより重く問われることになった。一方通行自身はそれを望んでおり、裁判長による判決を静かに受け入れようとしていた。
ロベルトとダリスのその後
ロジスティクスホーネット全一二機の無力化が確認され、ロベルト=カッツェはホワイトハウスで報告を受けた。副大統領ダリス=ヒューレインを失ったと思っていたロベルトだったが、実際にはダリス本人がロサンゼルスで逮捕されていたことが判明した。ローズラインは一連の騒動の後始末に追われながらロベルトを叱責したが、二人は互いに支え合ってきた関係を改めて意識した。しかし親密な空気は、ロベルトの知人を名乗る女性の来訪によって即座に崩れた。
ロサンゼルスの祝勝
活気を取り戻したロサンゼルスでは、人々が日常を取り戻すように街へ繰り出していた。上条当麻、インデックス、オティヌスはハンバーガーショップで妹達に囲まれ、上条は功労者として抱きつかれたり頭を撫でるよう求められたりしていた。妹達はもはや人目を避けず、自分達の存在を堂々とさらしていた。
メルザベスとヘルカリア
対面には再会を果たしたメルザベス=グローサリーとヘルカリアが座っていた。ヘルカリアは母親の膝の上で食事を楽しみ、メルザベスは上条に騒動へ巻き込んだことを謝罪した。上条が礼など必要ないと考える中、メルザベスは娘の目を隠して上条の頬へ口づけし、自分なりの感謝を示した。
ステイルからの連絡
和やかな時間の最中、ステイル=マグヌスから上条へ電話が入った。R&Cオカルティクス本社へ突入したステイルは、防衛戦が終わったにもかかわらず、重鎮達がすでに血の海に沈んでいると告げた。さらに、その惨状を完全記憶能力を持つインデックスには絶対に見せるなと頼み、彼女が永遠に記憶してしまうほどの地獄が本社内部に広がっていることを示した。
R&Cオカルティクス重役会議室
キトリニタスが倒され、三〇〇〇万人が解放された頃、R&Cオカルティクス本社の重役達は逃亡や資産の確保を相談していた。そこへベージュ色の修道服を着た女性が現れ、改造したヤドリバエやアレルギー反応を利用して重役達を次々と無力化していった。彼女は学園都市の暗部技術を幅広く扱い、重役達に反撃する余地を与えなかった。
アレイスター=クロウリー
女性の正体はアレイスター=クロウリーであり、その身にはローラ=スチュアート、すなわち大悪魔コロンゾンも共存していた。同行する人語を話すゴールデンレトリバーと軽口を交わしながら、アレイスターはR&Cオカルティクスの重役達を処理した。しかしCEOのアンナ=シュプレンゲルは本社におらず、アレイスターは彼女へ届く形で痕跡を残すことを決めた。そしてブライスロードで全てを終わらせた人間として、結社の始祖を殺しに行くと宣言した。
捨て駒だったR&Cオカルティクス
別の場所にいたアンナ=シュプレンゲルは、R&Cオカルティクス本社の壊滅を予定通りの出来事として受け止めていた。巨大ITは本来なら明確な本拠地を必要としない組織であり、本社ビルは外部から撃破されたと認識させるため、あえて作られた中心点だった。アンナは巨大企業の暴走と崩壊を世界へ見せつけることで、成功者や突出した存在を国家や民衆が恐れ、管理と抑圧へ向かう社会を生み出そうとしていた。
アンナとアラディア
アンナはR&Cオカルティクスにも薔薇十字にも執着しておらず、誰かの上に立って面倒を見ること自体に疲れていた。次は自分が誰かに庇護され、甘え、わがままを受け止めてもらう立場を望んでいたのである。彼女はメルザベスの頭脳と善性には興味を抱いていたが、すでに次の相手へ意識を向けていた。そばには魔女の神アラディアがおり、さらにアリスの存在も語られた。アンナ自身もまた実像の定まらない神秘的な存在として、次の動きを始めようとしていた。
創約 とある魔術の禁書目録(3)
まとめ
創約 とある魔術の禁書目録(5)
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外伝


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