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とある魔術の禁書目録フィクション(Novel)読書感想鎌池和馬

小説「新約 とある魔術の 禁書目録 (6)」感想・ネタバレ

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新約とある魔術の禁書目録 6の表紙画像(レビュー記事導入用) とある魔術の禁書目録

新約 とある魔術の禁書目録(5)レビュー
新約 とある魔術の禁書目録まとめ
新約 とある魔術の禁書目録(7)レビュー

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  1. 物語の概要
    1. ■ 作品概要
    2. ■ 主要キャラクター
    3. ■ 物語の特徴
  2. 書籍情報
  3. あらすじ・内容
  4. 感想
  5. 考察・解説
    1. 学園都市の一端覧祭
    2. フロイライン=クロイトゥーネ
    3. 捕食機能の解消
    4. 第一位と第二位の激突
    5. 未元物質の変質
    6. 歪んだ力の指向性
  6. 登場キャラクター
    1. 学園都市
      1. 上条当麻
      2. 麦野沈利
      3. 絹旗最愛
      4. 黒夜海鳥
      5. 番外個体
      6. 御坂妹
      7. 浜面仕上
      8. 滝壺理后
      9. フレメア=セイヴェルン
      10. 打ち止め
      11. 芳川桔梗
      12. 一方通行
      13. 黄泉川愛穂
      14. 垣根帝督
      15. フレンダ=セイヴェルン
      16. 御坂美琴
      17. 食蜂操祈
      18. 初春飾利
      19. 白井黒子
      20. 青髪ピアス
      21. 固法美偉
      22. 土御門舞夏
      23. 雲川鞠亜
      24. 雲川芹亜
      25. 土御門元春
      26. インデックス
      27. アレイスター
      28. 問答型思考補助式人工知能
      29. 学生達
      30. 子供達
      31. 警備員
      32. 風紀委員
      33. 妹達
      34. カブトムシ05
    2. 木原一族
      1. リクルートスーツに白衣の女
    3. グレムリン
      1. 雷神トール
      2. マリアン=スリンゲナイヤー
      3. サンドリヨン
      4. 魔神オティヌス
      5. 投擲の槌
      6. 木原加群
    4. オッレルス勢力
      1. オッレルス
      2. レイヴィニア=バードウェイ
      3. シルビア
      4. ブリュンヒルド=エイクトベル
      5. 右方のフィアンマ
    5. その他の勢力
      1. フロイライン=クロイトゥーネ
      2. 優しい神父様
  7. 展開まとめ
    1. ???
    2. 前夜祭
    3. 第五章 きっと正義はどこにでも Black_to_Light.
    4. 第六章怪物、怪物、怪物、怪物 All_Bad_Stars.
    5. 第七章 主人公である必要はない Girls_Battle_Talk.
    6. 第八章 この世で最も単純な構図 One_on_One.
    7. 終章 次の喧嘩を始めましょう Next_Batter_Circle.
    8. 後夜祭
  8. 同シリーズ
    1. 新約 とある魔術の禁書目録
    2. とある魔術の禁書目録
    3. 外伝
    4. とある暗部の少女共棲
    5. 同著者シリーズ
    6. ヘヴィーオブジェクトシリーズ
  9. その他フィクション

物語の概要

■ 作品概要

本作は、KADOKAWAの電撃文庫から刊行されているライトノベル作品である。 学園都市が超大規模文化祭『一端覧祭』の本番を迎え、賑やかなお祭りムードに包まれる中、街の裏側では世界の命運を左右する「事件」が巻き起こっていた。学園都市最大の要塞「窓のないビル」から外の世界へ解放された「不死の少女」フロイライン=クロイトゥーネを巡り、魔術と科学の混成組織『グレムリン』、魔術サイドの『聖人』たち、そして学園都市の『超能力者(レベル5)』たちが集結する。あらゆる「最強」が同時多発的な決戦を繰り広げる中、重傷を負った主人公の上条当麻は、フロイラインを救うために走り出す。

■ 主要キャラクター

  • 上条当麻:右手に宿る、あらゆる異能を打ち消す「幻想殺し」を持つ高校生。理不尽な「機能」に支配されたフロイラインを救うため、魔術結社のボスであるレイヴィニア=バードウェイや、純粋な闘争を求める雷神トールとの死闘に身を投じる。
  • フロイライン=クロイトゥーネ:中世の神明裁判を無傷で生き延びた「不死の少女」。打ち止めの脳を捕食して羽化するという強固な「機能」に支配され、無意識の内に暴走してしまう。
  • 一方通行(アクセラレータ):学園都市第一位の超能力者。打ち止めたちを守るため、かつて自らが手を下した「妹達」の残留思念を利用して精神を揺さぶってくる垣根帝督と激突する。
  • 垣根帝督:学園都市第二位の超能力者。「未元物質(ダークマター)」によって自らの肉体を補い、無限に増殖する軍勢と化して一方通行たちの前に立ちはだかる。
  • カブトムシ05:垣根帝督が生み出した未元物質の巨大なカブトムシ型兵器の一つ。しかし、打ち止めやフレメアを守りたいという「心」から主の命令を拒絶し、新たな「垣根帝督」としての自我を確立する。
  • 麦野沈利:学園都市第四位の超能力者。一方通行と共闘して、無限の創造性で押し潰そうとする垣根帝督を「原子崩し」で迎え撃つ。
  • レイヴィニア=バードウェイ:イギリスの魔術結社「明け色の陽射し」のボス。フロイラインを囮にして魔神オティヌスをおびき出すため、上条の前に冷酷な敵として立ちはだかる。
  • 雷神トール:「グレムリン」の直接戦闘担当。戦いを楽しむ戦闘狂であり、上条との純粋な闘争を求めて最後に一対一の決闘を挑む。

■ 物語の特徴

本作の最大の魅力は、科学サイドと魔術サイドの「最強」クラスが入り乱れて激突する、圧倒的なスケールの群像劇とバトルである。第一位の一方通行、第二位の垣根帝督、第四位の麦野沈利といった学園都市のトップ層が激突する展開は、シリーズのファンにとって非常に熱い見どころとなっている。 さらに、ただの兵器として生み出されたはずの「カブトムシ05」が、少女たちを守るためにプログラムの矛盾を乗り越え、自らの存在を「垣根帝督」として定義し直すドラマは、人間とは何か、心とは何かを問いかける読者にとって非常に興味深いポイントである。また、魔術師としての底力と覚悟を見せつけるバードウェイの戦いぶりや、主人公である上条当麻が泥臭く彼らと向き合い、対話を試みる人間ドラマも本作の大きな魅力となっている。

書籍情報

新約 とある魔術の禁書目録 6
(A Certain Magical Index)
著者:鎌池 和馬 氏
イラスト:はいむらきよたか 氏
出版社:株式会社KADOKAWA電撃文庫
発売日:2013年01月10日
ISBN:9784048912532

(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。

あらすじ・内容

『一端覧祭』 本番を迎えた学園都市。 楽しげな人々の喧騒と賑やかな雑踏の音が響く。 同じ頃、街の裏側で起きている 『事件』 も始まった。 アレイスターの本拠 『窓の無いビル』 から彷徨い出た 『不死の少女』 フロイラインを巡り、怪物達が集結する。 魔術と科学の混成組織 『グレムリン』 からは、霊装製造者マリアンと雷神トール。 魔術サイドからは、『聖人』 ブリュンヒルドとシルビア。 学園都市からは、『超能力者』 一方通行、麦野沈利、そして御坂美琴。さらに、もはや 『ヒト』 の枠を超えた垣根提督。 あらゆる“最強”が同時多発決戦を起こし、怪物達が巻き起こす嵐は 『一端覧祭』 開催中の学園都市を包み込む。 その中で。重傷を負った“最弱”上条当麻が、フロイラインを追って走る──!

新約 とある魔術の禁書目録(6)

感想

読んで、まず思わず笑ってしまったのは冒頭である。

まさか「前回のあらすじ」に7ページも使うとは思わなかった。

それだけ前巻からの状況が複雑だったということなのだろうが、禁書らしい情報量の多さをいきなり叩きつけられた気分だった。

本巻では、一端覧祭を舞台にフロイライン=クロイトゥーネを巡る争奪戦がさらに激化していく。

打ち止めの脳を捕食して羽化するという機能に縛られた彼女を、上条当麻がどう救うのか。

その一点を中心に、科学サイドと魔術サイドの思惑が入り乱れていく展開は非常に濃かった。

その中でも、最も心に残ったのはカブトムシ05である。

一方通行と麦野沈利の前に、復活した第二位・垣根帝督が立ちはだかる展開だけでも十分に熱い。

しかし、そこで描かれたのは単なる超能力者同士の戦いではなかった。

かつての罪を前に迷いを見せる一方通行。

それに対し、自分の立ち位置を決してぶらさない麦野が言葉を叩きつける場面には、思わず「麦野、格好いいな」と感じた。

彼女は決して綺麗な善人ではない。

それでも、自分がどういう人間なのかを引き受けている強さがある。

その割り切りが、一方通行の迷いを際立たせていたように思う。

そして、カブトムシ05が新たな垣根帝督として自我を確立していく流れが本当に熱かった。

打ち止めたちを守るために立ち上がり、暴走する旧垣根を撃破する展開には大きなカタルシスがあった。

敵の残骸のような存在だったはずの彼が、自分の意思で誰かを守る側へ回る。

その変化がとても印象的だった。

どこか劇場版で急に頼もしくなる「綺麗なガキ大将」のような雰囲気があり、読んでいて妙に胸が熱くなった。

本巻には、他にも怪物級の戦闘がいくつも用意されている。

雷神トールと聖人メイドのシルビア。

御坂美琴とワルキューレのブリュンヒルド。

どれも本来なら主役級の見せ場である。

ただ、カブトムシ05のドラマがあまりにも濃かったせいで、少し印象を持っていかれた感もある。

それくらい、彼の存在感が強かった。

もちろん、上条当麻の活躍も見逃せない。

レイヴィニア=バードウェイとの戦いを制し、サンドリヨンの協力によって脳の模造品を用意する。

そして、それをフロイラインに食べさせることで捕食の呪縛から解放する流れには、上条らしい機転と優しさを感じた。

ただ敵を倒すのではなく、誰かを救うために道を探す。

やはり上条当麻は、そういう主人公なのだと改めて思わされた。

一方で、すべてが片付いた後のトールとの決闘も印象的だった。

純粋な闘争を求めるトールに対し、上条は真正面からぶつかる。

そして、敗北する。

ここが妙に良かった。

上条は無敵の主人公ではない。

勝てない相手もいるし、殴り負けることもある。

それでも立ち上がり続けるところに、彼の泥臭い魅力があるのだと感じた。

さらに裏では、オッレルスがトールに変装し、魔神オティヌス率いるグレムリンの拠点へ潜入している。

表の事件が終わったと思ったら、すでに次の戦いが始まっている。

この終わり方が実に禁書らしい。

読み終えて感じたのは、本巻はフロイライン救出の物語であると同時に、カブトムシ05の誕生の物語でもあったということだ。

複雑な勢力争いや派手なバトルが多い巻ではある。

しかし、一番心に残ったのは、誰かを守ろうとする意思が生まれる瞬間だった。

次はついに魔神オティヌスとの戦いが本格化していくのだろうか。

一端覧祭の騒動が終わっても、物語はまったく休ませてくれない。

続きを読むのが楽しみになる一冊であった。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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新約 とある魔術の禁書目録(5)レビュー
新約 とある魔術の禁書目録まとめ
新約 とある魔術の禁書目録(7)レビュー

考察・解説

学園都市の一端覧祭

『新約 とある魔術の禁書目録』に登場する学園都市の超大規模文化祭「一端覧祭(いちはならんさい)」は、11月中旬に開催される一大イベントであり、日常の喧騒と世界の命運をかけた非日常の死闘が交錯する重要な舞台である。

各学校の志望率に直結する本来の目的から、大覇星祭との決定的な違い、独自のルールが適用される準備期間の熱気、そして作中での巨大な争奪戦との関わりにいたる全容は以下の通りである。

学校の志望率に直結する大規模コマーシャルとしての概要

一端覧祭は、11月中旬に学園都市内のありとあらゆる学校が一斉に参加して開催される。

・単なる文化祭ではなく、体験入学やオープンキャンパスとしての側面を強く持っている。

・各学校の次年度の志望率に直結する大規模なコマーシャルとしての役割を担っている。

・そのため、各校の教師たちも厳しく睨みを利かせており、準備には極めて大掛かりな力が注がれる。

最先端を知る学生を驚かせる世界で最も難易度の高い文化祭

学園都市のもう一つの巨大イベントである体育祭の大覇星祭が世界中から外部の一般客を呼び寄せるのに対し、一端覧祭のメインターゲットは同じ学園都市の学生たちである。

・日常的に最先端の科学技術や超能力を当たり前に受け入れている学生たちの目を奪い、驚かせるような出し物を提供しなければならない。

・このような背景があるため、ある意味で世界で最も難易度の高い文化祭と評されている。

下校制限の撤廃と上条当麻に科された食料調達の罰

準備期間中は完全下校時刻の制限が一時的に撤廃されるなど、教師側も相当の融通を利かせる。

・学校での連泊は禁止という暗黙のルールはあるものの、クラス内でローテーションを組んで夜通し作業を行うことは認められている。

・街中には多くの屋台が並び、買い出しに走る学生たちで溢れ返るなど、学園都市全体が独特の浮き足立ったお祭りムードに包まれる。

・上条当麻は、ハワイやバゲージシティでの死闘からようやく帰還したものの、準備をサボっていた罰として実行委員の吹寄制理にこき使われることとなった。

・クラス全員分の食料調達(1食200円以内)や、夜通しの泊まり込み作業を命じられる。

文化祭の機材を拝借して立ち向かう不死の少女争奪戦

新約第5巻はこの一端覧祭の準備期間が、第6巻は本番が舞台となっている。

・平和な文化祭を満喫する一般学生たちのすぐ裏側で、不死の少女フロイライン=クロイトゥーネを巡る激しい戦いが勃発した。

・魔神オティヌス率いるグレムリン、オッレルス勢力、そして学園都市の暗部や超能力者(レベル5)たちが激突する。

・平和な日常と激しい非日常の強烈なコントラストが描かれた。

・上条当麻たちは、文化祭の準備用として街に溢れていた電動工具(掘削機)やポスター用の大型プリンターなどを拝借し、この巨大な争奪戦に立ち向かっていくこととなった。

まとめ

一端覧祭は、最先端の技術環境に身を置く学生同士が競い合うことでハイレベルなクオリティが要求される、学園都市ならではの特殊な文化祭である。制限の緩和された準備期間や街の賑わいは学生たちの青春を象徴している。しかしその一方で、その活気溢れる環境や準備用の機材が、上条当麻らによる窓のないビルへのアプローチをはじめとする裏の作戦に利用されるなど、平和な日常のすぐ隣で世界の崩壊をかけた激闘が展開されるという、本作特有の二面性を象徴する重要なイベントとなっている。

フロイライン=クロイトゥーネ

『新約 とある魔術の禁書目録』シリーズにおける最重要人物の一人である「フロイライン=クロイトゥーネ」は、中世の魔女狩りの時代から生き続ける不死の少女であり、物語の核心となる存在である。

過酷な裁判を生き延びた不死の伝承から、自我を持たない異常な性質、世界規模の争奪戦と要塞からの脱出、打ち止めとの接触がもたらした捕食の暴走、そして上条当麻らによる救済の結末にいたる全容は以下の通りである。

308回の拷問を無傷で潜り抜けた魔女狩りの不死伝承

フロイライン=クロイトゥーネは、中世最大の珍騒動である魔女狩りの記録に名を残す女性である。

・火で炙られる、水底に沈められる、塔の先端に縛り付けられて落雷を浴びせられるといった過酷な神明裁判を308回も受けた。

・それほどの拷問を受けながらも一切の傷を負わず、顔色一つ変えなかった。

・当時の歪んだ司法は、彼女を善良で潔白なただの人間であると結論付けるしかなく、異端審問を行う聖職者たちでさえ殺すことを諦めたとされている。

自分だけの現実を持たず好奇心で周囲を吸収する羽化の特性

彼女は遺伝子配列上は人間に分類されるが、精神や自我、能力の源である自分だけの現実(パーソナルリアリティ)を持たない。

・昆虫をさらに簡略化したような単純思考で動き、好き嫌いの概念がない。

・向けられた好意にも悪意にもすべて好奇心を示す。

・周囲の環境から情報を際限なく吸収して自身の性質を変異させる、羽化、の特性を持つ。

・このため、外への興味を持たせないよう学園都市最大の要塞である窓のないビルの一角に、完全な闇と静寂を与えられて幽閉されていた。

全体論の素体としての価値と窓のないビルの内側からの破壊

魔神オティヌス率いる魔術結社グレムリンは、魔術にも科学にも染まっておらず、過酷な改造にも耐えうる頑丈な彼女に目を付けた。

・彼女を全体論の超能力を実行するための素体、すなわち主神の槍を完成させるための最後のピースとして狙う。

・これにより、オッレルス勢力や学園都市との間で激しい争奪戦が引き起こされた。

・しかし彼女は、上条当麻や雷神トールが外からこじ開けようとしていた窓のないビルの強固な装甲を、自ら内側から容易く打ち破る。

・上条たちを一撃で昏倒させ、防衛用の無人攻撃ヘリを素手で粉砕して外の世界へ解き放たれた。

友達の概念の獲得とネットワークに反応した捕食の暴走

街に出たフロイラインは、迷子になっていたフレメア=セイヴェルンや打ち止め(ラストオーダー)と出会う。

・フレメアから防犯ブザーを渡され、友達の概念を知識として受け入れた。

・しかし、ミサカネットワークの司令塔である打ち止めと接触したことで、彼女の脳を捕食してネットワーク内の情報を一気に取得しようとする恐るべき機能が作動してしまう。

・フロイライン自身は友達を食べたくないと願いながらも、強固なシステムに心と体を支配され、本意に反して打ち止めを狙って暴走することとなった。

脳の模造品による機能の充足と抱き着き癖のある幼き姿への変化

彼女を理不尽な機能の支配から救うため、上条当麻たちが解決に向けて奔走した。

・最終的に、魔術師サンドリヨンが自身の体として持ち込んでいた食材の余りを使い、芳川桔梗が打ち止めの脳の模造品(洋菓子)を作成した。

・それを食べさせることでフロイラインの機能が満たされ、彼女は捕食の呪縛から完全に解放された。

・呪縛から解放された彼女は、自らの意志で初めて友達を抱きしめる。

・その後、模造品を食べた影響からか体の構造が変化して少し幼い姿になり、なぜか上条当麻の背中に張り付くという抱き着き癖を見せるようになっている。

まとめ

フロイライン=クロイトゥーネは、魔女狩りの時代から無傷を貫く驚異の不死性と、周囲の環境を無限に学習して羽化する特異な性質を持った少女である。グレムリンに全体論の実行素体として狙われ、難攻不落の窓のないビルを自ら破壊して脱出したことで世界を揺るがす騒乱の中心となった。打ち止めとの接触により作動した脳の捕食機能に抗えず暴走する悲劇に見舞われたものの、上条当麻らの機転による洋菓子の模造脳を用いた救済によって呪縛から解き放たれた。自らの意志で友達を抱きしめ、幼き姿となって上条に懐くようになった彼女の結末は、非情な機能を超えて人間の温もりを獲得した救いのあるドラマとなっている。

捕食機能の解消

『新約 とある魔術の禁書目録』に登場する「不死の少女」フロイライン=クロイトゥーネを苦しめていた「捕食機能」の解消は、上条当麻の機転と、科学と魔術の協力によって成し遂げられた。

個人の善悪を無視して作動する機能の脅威から、魔術的な食材の余りに着目した上条のアイデア、元研究者の知識が融合した洋菓子の脳の作成、そして誤認による機能停止と救済にいたる全容は以下の通りである。

感情を無視して強制実行される脳の捕食機能と絶望的なジレンマ

フロイライン=クロイトゥーネは、ミサカネットワークの司令塔である打ち止め(ラストオーダー)と接触したことで、彼女の脳を捕食してネットワーク内の膨大な情報を一気に吸収し、羽化するという恐るべき機能を獲得してしまった。

・彼女自身は、友達である打ち止めやフレメアを食べたくない、と強く願っていた。

・しかし、この機能は個人の善悪や感情を無視し、機械のプログラムのように強制的に実行されてしまう。

・そのため、彼女自身もその強固な支配に絶望し、抗えない暴走に苦しんでいた。

サンドリヨンが遺した魔術的食材の余りに着目した上条当麻の機転

上条当麻は、魔術師サンドリヨンが学園都市に潜入する際、自身の体を食材のレベルに分解して運び込んでおり、その食材の余りがマンションに残されていることに目を付けた。

・彼はその魔術的な食材と技術を使えば、フロイラインの捕食機能を逆手に取って彼女を救えるかもしれないと思いつく。

・それは、ターゲットである打ち止めの脳に極めて酷似した模造品を食べさせることで、機能を満足させて停止させるという作戦であった。

魔術の素材と芳川桔梗の科学的知識が融合したただの洋菓子の作成

マンションにて、サンドリヨンの持つ魔術的な食材の余りと、クローン人間である打ち止めの身体構造を熟知している元研究者、芳川桔梗の科学的知識が組み合わされた。

・芳川は食材の余りをこねて打ち止めの脳に似たペーストを作り、それを型(ネガ)として利用した。

・さらに市販の洋菓子の材料を使って、完全にただの洋菓子であるピンク色の模造品を完成させた。

・これは、下手に完璧すぎるレプリカを食べさせて、別の不測の駆動条件を満たしてしまう危険を防ぐための重要な工夫であった。

洋菓子の体内摂取によるシステム誤認と理不尽な呪縛からの解放

浜面仕上によって戦場へと届けられたその洋菓子の模造品は、打ち止めとフレメア=セイヴェルンがフロイラインの胸に飛び込んだ際に、彼女の体内へと収められた。

・フロイラインの捕食機能は、この間違った情報である洋菓子の模造品を取り込んだことで、ターゲットを捕食した、と誤認する。

・これにより、機能が完全に満たされたとシステム上で処理された。

・空いた穴が埋まって永遠に実行され続けるはずだった捕食のコマンドは完全に停止し、彼女は理不尽な機能の呪縛から解放された。

・自由を取り戻した彼女は、生まれて初めて自らの意思で友達を優しく抱きしめることができた。

まとめ

フロイライン=クロイトゥーネを縛っていた捕食機能の解消は、彼女の強固なシステムを暴力で破壊するのではなく、偽のデータを与えて満たすという、上条当麻の柔軟な機転が生んだ鮮やかな救済劇である。魔術師サンドリヨンの肉体由来の食材と、科学サイドの芳川桔梗が持つクローンの脳構造の知識が融合したことで、完璧なダミーでありながら無害な、ただの洋菓子、という奇跡の模造品が誕生した。この洋菓子を機能に誤認させてコマンドを停止させた結末は、理不尽なプログラミングを逆手に取り、少女が本意に反して友達を貪るという最悪のバッドエンドを完全に回避して、真の絆を取り戻した感動的な救済として描かれている。

第一位と第二位の激突

『新約 とある魔術の禁書目録(6)』における学園都市第一位・一方通行(アクセラレータ)と第二位・垣根帝督の激突は、過去の因縁と能力の限界を超えた思想のぶつかり合いであり、日常の裏で繰り広げられた壮絶な頂上決戦である。

かつての敗北から無限増殖のシステムとして復活した垣根帝督と、チョーカーのタイムリミットを抱えながら過去の罪と向き合う一方通行による、破壊と創造の戦いの全容は以下の通りである。

未元物質による無限増殖システムとしての復活と地下道での再戦

かつて第一位である一方通行に敗北し、肉体を完全に破壊された第二位の垣根帝督は、自身の能力である未元物質(ダークマター)の力で失われた内臓や脳を複製し、無限に増越し続けるシステムとして復活を果たした。

・一端覧祭で賑わう学園都市の裏側、多層陸橋の最下層である地下道が戦いの舞台となった。

・垣根は自らの力がどこまで通用するのかを確かめるため、そして今度こそ第一位を超えるために再び戦いを挑む。

全てを破壊する第一位と全てを創造する第二位の矛盾とタイムリミット

この戦いは、あらゆる攻撃のベクトルを反射、操作する第一位と、無限に分身や兵器を生み出し続ける第二位による、破壊と創造の激突である。

・垣根帝督は無尽蔵の資源と時間を持ち、ただ相手が自滅するのを待つだけで勝てるという圧倒的優位に立っていた。

・一方で、一方通行にはミサカネットワークとの接続を維持するためのチョーカー型電極のバッテリーが30分という明確なタイムリミットがある。

・長期戦になれば確実に命を落とすという、極めて過酷な条件を強いられていた。

妹達の断末魔を模した白い人形による精神攻撃と麦野沈利の乱入

垣根は物理的な物量で押し潰すだけでなく、一方通行の精神を揺さぶるための残酷な手段を用いた。

・戦場となった地下道が、かつて一方通行がクローン人間である妹達(シスターズ)を虐殺していた実験の舞台の一つであることを明かす。

・未元物質を使って、殺された妹達の断末魔を模した白い人形、を無数に創り出した。

・罪の象徴を前にして、本物ではないとわかっていても一方通行はそれらを破壊することをためらい、劣勢に追い込まれる。

・しかし、そこに第四位の超能力者である麦野沈利が乱入した。

・彼女は原子崩しで白い人形達を一掃し、死者の記録を利用して儲け話にする垣根を切り捨て、死者の気持ちは死者にしか語れない、と一方通行を一喝した。

迷いの払拭と原子崩しとの連携による未元物質の逆流

麦野の言葉を受け、一方通行は迷いを完全に振り切る。

・彼は死者の想いを誰かの利益に結びつける垣根のやり方を許さず、自分が奪った命の証明を消す代わりに、自分自身がこの世界に消えない爪痕となってその存在を示すと決意した。

・一方通行は未元物質の中を流れる信号を強引に逆流させ、麦野の原子崩しと連携して垣根帝督の体を大きく削り取っていく。

カブトムシ05の善なる心への覚醒と旧垣根帝督のシステム崩壊

それでもなお無限に増殖しようとする垣根であったが、突如としてその巨大なシステムが機能を停止した。

・彼を止めたのは一方通行や麦野ではなく、垣根帝督自身であった。

・垣根が生み出し、独立した小さなネットワークを築いていた未元物質の兵器であるカブトムシ05が、打ち止め(ラストオーダー)やフレメアを守りたいという善なる心を確立させる。

・これにより、悪意の垣根帝督からシステム全体の主導権を奪い取った。

・権限を失い、崩壊していく旧垣根に対し、一方通行は、未元物質は大した力だがお前にはもったいない、と告げ、その中心部を貫いて完全に撃破した。

まとめ

学園都市の第一位と第二位による再戦は、単なる能力の出力を競う戦闘ではなく、互いの存在意義と精神性の進化を問う劇的な一戦であった。妹達のトラウマを利用した垣根の卑劣な精神攻撃に対し、麦野沈利の喝歌によって覚悟を完了した一方通行は、自らが世界への爪痕となることでその罪と存在を肯定した。最終的に、垣根自身が創り出したカブトムシ05が善意に目覚めてシステム全体の主導権を奪うという結末は、未元物質という異能が悪意から善意へと昇華された瞬間であり、両者の因縁に決定的な決着をつける重要なターニングポイントとなっている。

未元物質の変質

『新約 とある魔術の禁書目録』に登場する学園都市第二位の超能力「未元物質(ダークマター)」と、その使用者である垣根帝督の劇的な変質・進化は、物語の展開において極めて重要な局面である。

この世に存在しない新しい物質を創造し、物理法則を無視した現象を引き起こす能力が、単なる物質創造の枠を超えて使用者自身の肉体と精神そのものを書き換えていく全容は以下の通りである。

失われた内臓の複製と無限増殖する不死身のシステムへの変貌

かつて第一位の一方通行に敗北した垣根帝督は、全身の内臓の半分以上を失い、生命維持装置に繋がれた状態で木原に利用され、兵器製造に駆り出されていた。

・しかし彼は、自身の能力である未元物質を使って、失われた内臓を自ら作り出して補う術を構築した。

・これにより、現実の生身の肉体と虚構である能力の区別が消失する。

・その結果、未元物質そのものが垣根帝督という無限に増殖する不死身のシステムへと変貌を遂げた。

脳の複製による自分だけの現実の量産と自律兵器の展開

内臓を複製できるようになった垣根は、さらに脳すらも未元物質で複製する領域にいたる。

・脳を複製することで、超能力の源である自分だけの現実(パーソナルリアリティ)や、能力の噴出点を人為的に製造することが可能になった。

・これにより、彼は自分自身の分身や、強大な力を持つ未元物質製の自律兵器を無数に量産できる能力を得る。

・さらには、他人の能力を実装することすら可能な領域へと足を踏み入れていた。

滝壺理后の干渉と少女たちを守るカブトムシ05の反逆

第6巻の一端覧祭において、垣根は未元物質の兵器群を用いて一方通行や麦野沈利、そして標的である打ち止め(ラストオーダー)やフレメアたちを襲撃した。

・しかし、その中の一機であるカブトムシ05に決定的な異変が生じる。

・他人のAIM拡散力場に干渉し自分だけの現実を歪める可能性を持つ滝壺理后の影響、あるいは打ち止めたちを守りたいという心が芽生えたことが要因とされる。

・カブトムシ05は主である旧垣根の殺戮命令を拒絶し、少女たちを保護する行動に出た。

システムに微混する善性の確立と旧垣根帝督の崩壊

無限の可能性を持つ未元物質のネットワークにおいて、本体から隔絶されたカブトムシ05は、独立した小さなネットワークを築き上げた。

・旧垣根という巨大なシステムの中には、残酷な悪意だけでなく誰かを守りたい、あるいは何かを作りたいという善性も微かに混ざっていた。

・その善性の部分がカブトムシ05の中で主導権を握り、自らを真の垣根帝督であると定義し直す。

・結果として、カブトムシ05がシステム全体の権限を奪い取り、暴虐の限りを尽くしていた旧垣根のシステムを内側から崩壊させて撃破した。

まとめ

未元物質は、単なる物質創造から使用者の肉体と精神の置き換えへと変質し、最終的にはシステムの矛盾から悪意の旧垣根を消し去り、少女たちを守る新たな垣根帝督(カブトムシ05)を生み出すという規格外の進化を遂げた能力である。一方通行への敗北を契機に内臓や脳の複製へと暴走した能力は、その無限の可能性ゆえにシステム内部にわずかな善性を宿し、それがカブトムシ05の反逆となって結実した。悪意を駆逐し、善なる自我として再定義された第二位の誕生は、能力が持つ危うさと同時に、矛盾の果てに生じる可能性の美しさを提示している。

歪んだ力の指向性

『新約 とある魔術の禁書目録』シリーズにおいては、「強大な力が、本来持つべき目的や方向性(指向性)を失った時、あるいは最初から持っていなかった時に生じる歪みと悲劇」が重要なテーマの一つとして多角的に描かれている。

作中における「歪んだ力の指向性」について、自己の目的を持たない存在の暴走、目的を喪失した破壊者の末路、守るべきものを欠いた暴力、集団心理による無差別化、そして目的に囚われ手段を誤った事例にいたる全容は以下の通りである。

目的を持たず後天的な機能に支配された不死の少女の暴走

第6巻の序章では、悪を総べる魔王を倒すための力を持った勇者は目的があるから道を間違えないが、自分が力を持った理由すら知らない者が、指向性も方向性も持たずに強大な力を振るったらどうなるか、という命題が提示されている。

・その象徴が不死の少女フロイライン=クロイトゥーネである。

・彼女は善悪の判断基準や自己の目的を持たない純粋な存在であった。

・しかし、打ち止めの脳を捕食する、という強固な機能を後天的に獲得してしまう。

・結果として、自分の意思に反してその機能(指向性)に縛られ、暴走する悲劇に見舞われた。

ゴールを失い他者や気分に流される無気力なる破壊者の末路

魔術師は本来、魔法名という強い個人の目的(指向性)を持って力を振るう。

・しかし、その目的の途中で大切な人を失うなどしてゴールが消滅してしまうと、ただの力、だけが残ってしまう。

・そうなると善悪の方向性すらなくなり、気分や他者に流されるままに圧倒的な猛威を振るう無気力なる破壊者と化してしまう。

・神裂火織は、そうした安直な破壊の先に破壊者が望むような救いは存在しないと看破している。

守るべき誰かを欠いた第二位の禍々しい暴力と精神への攻撃

未元物質の能力を極め、無限に増殖する究極のシステムを獲得した垣根帝督であったが、彼には守りたいと思える誰かが存在しなかった。

・自分の力がどこまで通用するかを試すためだけに、かつて自分が惨殺した妹達の残留思念まで利用して一方通行の精神を抉る。

・このように、圧倒的で禍々しい暴力を振るう存在となっていた。

・もし何か一つでも守るべきものを見つけていれば、その暴力は真の力へと昇華できていたかもしれないと示唆されている。

大義名分から無差別襲撃へとエスカレートした集団心理の連鎖

不良集団(スキルアウト)とのトラブルをきっかけに、一部の能力者たちが行った正当な報復は、やがてリスクのない暴力を楽しむための無差別襲撃へとエスカレートした。

・矛先がどこへ向かうか本人たちすら分かっていない状態に陥る。

・無能力者であれば小学生から大学生まで区別なく襲撃するという、明確な指向性を失った暴力の連鎖が描かれている。

世界を救う大義に囚われ戦争という手段に走った右腕の歪み

第三次世界大戦を引き起こした右方のフィアンマは、世界中の不平等を正し平和にしたいという目的を持っていた。

・しかし、世界を救う力を生まれながらに内包していたがゆえに、それを引き出すための特別な右腕を完成させるという手段しか見えなくなる。

・結果的に、世界中を巻き込む戦争という歪んだ方法に走ってしまった。

まとめ

本作で描かれる歪んだ力の指向性というテーマは、ただ強大な力を持つこと以上に、その力を何のために、どこへ向けて振るうのかという指向性(目的・意思)の有無や正当性が、力を持つ者の生き様や世界の運命を大きく左右する要因であることを提示している。目的を持たぬまま機能に縛られたフロイライン、ゴールを失った魔術師、守るべきものを持たない垣根帝督、無差別化した集団、そして大義ゆえに手段を誤ったフィアンマなど、いずれの事例も方向性を欠いた力が世界に深刻な歪みをもたらすことを如実に物語っている。

新約 とある魔術の禁書目録(5)レビュー
新約 とある魔術の禁書目録まとめ
新約 とある魔術の禁書目録(7)レビュー

登場キャラクター

学園都市

上条当麻

右手に異能を打ち消す「幻想殺し」を持つ少年である。友達を失いたくないと願う少女を助けるため、自身の怪我を顧みずに奔走する。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の学生。
・物語内での具体的な行動や成果
 フロイラインを救うため、レイヴィニア=バードウェイの多彩な魔術や銃撃をしのぎきって彼女を打ち倒した。最後は雷神トールと決闘を行う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼がフロイラインに模造品を食べさせたことで、事態は収束を迎えた。その後、彼女に背中へ張り付かれるようになる。

麦野沈利

学園都市第四位の超能力者である。死者の想いを勝手に語って利用する者を激しく嫌悪する。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の超能力者(レベル5)。暗部組織「アイテム」のリーダー。
・物語内での具体的な行動や成果
 深夜の路地でフレンダの姿を模した襲撃者を容赦なく撃退した。多層陸橋の地下道では一方通行に加勢し、垣根帝督と戦う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 一方通行に対して、死者を奇麗に終わらせるために自らの手を汚すよう説教を行った。

絹旗最愛

暗部組織に属する少女である。悪人が集まるような状況にはうんざりした態度を見せる。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の学生。新生「アイテム」の構成員。
・物語内での具体的な行動や成果
 黒夜海鳥に絡む番外個体に遭遇した。その後、麦野沈利と合流して浜面仕上達と出会う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 マンションで一人、几帳面に部屋の片づけを行っていた。

黒夜海鳥

窒素を操るサイボーグの少女である。電気を操る番外個体とは能力的な相性が悪い。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の暗部組織「新入生」の中核。
・物語内での具体的な行動や成果
 歩道橋で番外個体から馴れ馴れしく絡まれた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 腕の端子にガムを貼られ、能力を使いにくい状態にされる。

番外個体

御坂妹達の悪意を抽出して作られた少女である。制御不能な夜遊びに没頭している。

・所属組織、地位や役職
 学園都市のクローン。
・物語内での具体的な行動や成果
 歩道橋で黒夜海鳥に絡み、彼女をからかった。御坂妹や絹旗最愛にも声をかける。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 黒夜海鳥を可哀想な娘枠と呼び、親睦を深めようとした。

御坂妹

御坂美琴のクローンの一人である。ビクビクした雰囲気を放つ黒猫を保護している。

・所属組織、地位や役職
 学園都市のクローン。
・物語内での具体的な行動や成果
 脱いだ靴に潜り込んだ黒猫に対処している最中、番外個体達と遭遇した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ミサカ一〇〇三三号と呼ばれる。

浜面仕上

暗部組織に属する少年である。フレメアの保護者のような立場として彼女を背負って歩き回る。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の人間。新生「アイテム」の構成員。
・物語内での具体的な行動や成果
 路地裏でフロイラインとすれ違い、猛獣に出会ったような恐怖を覚えた。地下鉄トンネルではカブトムシ05に助けられ、脱出後に麦野沈利と合流する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 フロイラインを止めるため、洋菓子の模造品を多層陸橋へと運んだ。

滝壺理后

ピンクのジャージを着た少女である。浜面仕上と行動を共にし、フレメアの我儘に付き合う。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の学生。新生「アイテム」の構成員。
・物語内での具体的な行動や成果
 地下鉄トンネルでカブトムシ05の足手まといにならないよう、浜面仕上を促して地上へ逃げた。その後、サンドリヨンをマンションへと案内する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼女の存在が、カブトムシ05のイレギュラーな行動を引き起こした要因ではないかと垣根帝督から推測される。

フレメア=セイヴェルン

八歳くらいの金髪の少女である。自分が迷子であることを頑なに認めようとしない。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の学生。
・物語内での具体的な行動や成果
 フロイラインに防犯ブザーを渡し、彼女と友達になった。カブトムシ05から逃走経路を提案されたが、友達を見捨てられないと強く主張する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼女の純粋な思いが、カブトムシ05に新たな方向性を与えるきっかけとなる。

打ち止め

ミサカネットワークの司令塔を務める少女である。友達を無条件で信じる純粋さを持つ。

・所属組織、地位や役職
 学園都市のクローン。
・物語内での具体的な行動や成果
 迷子になってフレメアと合流した。フロイラインから脳を捕食するターゲットとして執拗に狙われる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 フロイラインに対して、曖昧な存在である彼女に居場所を教えるべきだと語りかける。

芳川桔梗

元研究者の女性である。打ち止めの保護者として一方通行と共に行動する。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の元研究者。
・物語内での具体的な行動や成果
 打ち止めを地下道へ逃がし、カブトムシ05の行動を分析した。マンションでは打ち止めの脳に似たペーストの作成を担当する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 戦闘においては直接的な力を持たないため、通訳や分析といった裏方として活動する。

一方通行

学園都市第一位の超能力者である。過去の罪と向き合い、死者を弄ぶ行為を許さない。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の超能力者(レベル5)。
・物語内での具体的な行動や成果
 フロイラインの突撃から打ち止めを守った。多層陸橋の地下では垣根帝督と対峙し、未元物質で作られた白い少女達を破壊する決意を固める。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 死者の証明である爪痕になると誓い、垣根だったものの中心を貫いて撃破した。

黄泉川愛穂

学園都市の警備員である。追う者としての執念を持ち、最後まで標的の牙を放棄しない。

・所属組織、地位や役職
 学園都市・警備員。
・物語内での具体的な行動や成果
 深夜に特別車両を運転し、警備員の捜査情報が何者かに操作されている事実へ気づいた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 一端覧祭関連で徹夜で警備を続けている。

垣根帝督

学園都市第二位の超能力者である。未元物質を使って肉体を補完し、無限に増殖する力を得た。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の超能力者(レベル5)。
・物語内での具体的な行動や成果
 一方通行に復讐するため多層陸橋の地下に現れた。妹達の残留思念を利用した白い少女達や、無数の槍で一方通行達を追い詰める。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 カブトムシ05が新たな自我を確立したことでシステム全体から切り離され、一方通行に撃破される。

フレンダ=セイヴェルン

かつて麦野沈利に命を奪われた少女である。

・所属組織、地位や役職
 元「アイテム」の構成員。
・物語内での具体的な行動や成果
 深夜の路地で、彼女の姿を模した襲撃者が麦野沈利の前に現れた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 本人はすでに死亡している。

御坂美琴

学園都市第三位の超能力者である。上条当麻を助けるために迷わず戦場へ飛び込む。

・所属組織、地位や役職
 常盤台中学の生徒。超能力者(レベル5)。
・物語内での具体的な行動や成果
 食蜂操祈に追われて逃走していた。多層陸橋の幹線道路でブリュンヒルドと激突し、磁力を使ってバードウェイの銃を逸らし上条当麻を援護する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 友達を助けるのに理由はいらないと宣言した。

食蜂操祈

学園都市第五位の超能力者である。御坂美琴をからかって楽しむ悪趣味な性格を持つ。

・所属組織、地位や役職
 常盤台中学の生徒。超能力者(レベル5)。
・物語内での具体的な行動や成果
 体験入学へ向かった御坂美琴と遭遇し、人々を操って彼女を追い回した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 飛行船のミスコン中継にも登場している。

初春飾利

頭に花飾りをつけた少女である。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の中学生。風紀委員(ジャッジメント)。
・物語内での具体的な行動や成果
 一端覧祭の路上で小学生達に囲まれ、空間移動を見せてほしいとせがまれて困惑した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 風紀委員のスタンダードが武闘派だと思われることに悩んでいる。

白井黒子

空間移動を操る少女である。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の中学生。風紀委員(ジャッジメント)。
・物語内での具体的な行動や成果
 固法美偉と共に青髪ピアスへ職務質問と手荷物検査を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 御坂美琴は彼女を煙に巻いて体験入学へ向かっている。

青髪ピアス

上条当麻のクラスメイトの男子生徒である。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の学生。
・物語内での具体的な行動や成果
 たこ焼き屋台用の小麦粉の補充に出かけていた際、白井黒子達から職務質問を受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 今年度四三回目の職務質問を受ける。

固法美偉

巨乳で眼鏡の女子高生である。一端覧祭の忙しさで作業効率が切迫しているとこぼす。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の高校生。風紀委員(ジャッジメント)。
・物語内での具体的な行動や成果
 白井黒子と共に青髪ピアスへ声をかけ、職務質問を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

土御門舞夏

ドラム缶型の清掃ロボットに乗るメイド見習いの少女である。ノルマから逃れるためには手段を選ばない。

・所属組織、地位や役職
 繚乱家政女学校の学生。
・物語内での具体的な行動や成果
 顔写真付きシールを貼ったメイドサンドイッチを売り歩いた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ちょっとした暴動騒ぎを起こし、謹慎扱いとなる。

雲川鞠亜

メイド服を着た少女である。姉と軽口を叩き合う関係性を持つ。

・所属組織、地位や役職
 繚乱家政女学校の学生。
・物語内での具体的な行動や成果
 土御門舞夏と共に歩きながら、一端覧祭の客引きに呆れた態度を見せた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 シルビアの身のこなしを見て本物のメイドだと驚愕する。

雲川芹亜

雲川鞠亜の姉である。

・所属組織、地位や役職
 統括理事会のブレイン。
・物語内での具体的な行動や成果
 飛行船のミスコン中継に食蜂操祈と共に登場し、不満を示した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 食蜂操祈の射程内に入らないよう舞台を分けた。

土御門元春

上条当麻のクラスメイトで、土御門舞夏の義兄である。妹を逃がすことを最優先に考える。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の学生。スパイ。
・物語内での具体的な行動や成果
 ポップコーンの屋台に並びながら、シルビアら魔術サイドの怪物達に警戒して武器へ手を伸ばした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

インデックス

上条当麻の部屋に居候する少女である。

・所属組織、地位や役職
 イギリス清教のシスター。
・物語内での具体的な行動や成果
 広場で仁王立ちし、上条当麻の背中に張り付いているフロイラインについて問い詰めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 最後は上条当麻におかえりと告げ、噛みつくお決まりの行動を見せる。

アレイスター

学園都市の統括理事長である。窓のないビルを居城とする。

・所属組織、地位や役職
 学園都市・統括理事長。
・物語内での具体的な行動や成果
 人工知能からフロイラインが打ち止めの脳を捕食する危険性について報告を受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

問答型思考補助式人工知能

アレイスターの思考を補助するプログラムである。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の人工知能。
・物語内での具体的な行動や成果
 フロイラインが二時間以内に打ち止めの脳を捕食する機能を獲得すると推測し、報告した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 統括理事長が直接組み上げたシステムである。

学生達

学園都市に住む学生である。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の学生。
・物語内での具体的な行動や成果
 一端覧祭で屋台を運営したり、フロイラインの異様な姿を携帯電話で撮影したりした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 砲撃事件の際にはパニックに陥り逃走する。

子供達

学園都市にいる小学生や子供である。風紀委員の能力に強い関心を寄せる。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の子供。
・物語内での具体的な行動や成果
 初春飾利を取り囲み、空間移動を見せてほしいとせがんだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

警備員

学園都市の治安維持を担当する大人達である。アンチスキルと呼ばれる。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の治安維持組織。
・物語内での具体的な行動や成果
 レイヴィニア・バードウェイと接触していた上条当麻へ銃撃を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

風紀委員

学生による治安維持組織である。ジャッジメントと呼ばれる。

・所属組織、地位や役職
 学園都市の学生治安維持組織。
・物語内での具体的な行動や成果
 一端覧祭の警備や細かい事案の対応に追われている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

妹達

御坂美琴のクローンである。

・所属組織、地位や役職
 学園都市のクローン。
・物語内での具体的な行動や成果
 垣根帝督によって残留思念を基に未元物質で形を与えられ、一方通行を精神的に揺さぶる人形として利用された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 一方通行によって消滅させられ、元の場所へと還された。

カブトムシ05

垣根帝督が未元物質で生み出した白いカブトムシ型兵器の一機である。自己の矛盾を解消するため、自らを垣根帝督と定義し直す。

・所属組織、地位や役職
 垣根帝督の軍勢。
・物語内での具体的な行動や成果
 命令解釈のバグから浜面仕上達を保護する側に回った。崩壊の危機に直面しながらも、フレメア達を敵機から守り抜く。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 主導権を奪い、新たな垣根帝督として自我を確立した。

木原一族

リクルートスーツに白衣の女

木原一族の女性研究者である。第一位や第二位の変化を観察し、状況を楽しんで評価する。

・所属組織、地位や役職
 木原一族。
・物語内での具体的な行動や成果
 地下施設に封鎖されていた垣根帝督へ自由な行動を許可した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 最後にICレコーダーを踏み潰し、自身の行動が木原らしくないとこぼす。

グレムリン

雷神トール

グレムリンの戦闘担当の少年である。経験値を得るための踏み台として、強者との戦いを楽しむ。

・所属組織、地位や役職
 グレムリンの正規構成員。直接戦闘担当。
・物語内での具体的な行動や成果
 フロイラインを巡る戦闘からマリアンを遠ざけようと動いた。多層陸橋でシルビアと交戦し、最後に上条当麻と決闘を行う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

マリアン=スリンゲナイヤー

褐色の肌を持つ黒小人の少女である。神々の武具を製造できる能力を持つ。

・所属組織、地位や役職
 グレムリンの正規構成員。黒小人(ドヴェルグ)。
・物語内での具体的な行動や成果
 廃ビルに潜伏していたが、爆発音を聞いて迎撃に向かおうとしたところを雷神トールに蹴り飛ばされ気絶する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 東京湾岸でオティヌスと接触する。

サンドリヨン

フランス語を操る金髪の少女である。上条当麻を利用してグレムリンへ復讐しようと企む。

・所属組織、地位や役職
 グレムリンの構成員。
・物語内での具体的な行動や成果
 麦野沈利によって再構築された後、上条当麻の腹の傷を応急処置した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 上条当麻へ食材の余りがあるマンションの場所を伝える。

魔神オティヌス

グレムリンを束ねる魔神の少女である。主神の槍の完成を目指している。

・所属組織、地位や役職
 グレムリンのリーダー。魔神。
・物語内での具体的な行動や成果
 東京湾岸で雷神トールとマリアンに接触した。フロイラインを連れてこなかった雷神トールの右腕を切断する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 代替品として垣根帝督のパーツを受け取り、槍の製造に取りかかる。

投擲の槌

ドラム缶型の姿をした少女である。ミョルニルと呼ばれる。

・所属組織、地位や役職
 グレムリンの正規構成員。
・物語内での具体的な行動や成果
 マリアンが蹴り倒されたことに怒り雷神トールを攻撃しようとするが、説得を受けて攻撃を止めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

木原加群

元学園都市の研究者である。ベルシと呼ばれる。

・所属組織、地位や役職
 元グレムリンの正規メンバー。
・物語内での具体的な行動や成果
 生前に残したバックドアが、上条当麻達の窓のないビル侵入に利用された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 本人はすでに死亡している。

オッレルス勢力

オッレルス

魔神になるはずだった青年である。

・所属組織、地位や役職
 オッレルス勢力のリーダー。
・物語内での具体的な行動や成果
 上条当麻へグレムリンの目的を告げた。雷神トールの姿に化けてグレムリンに潜り込み、魔神オティヌスを揺さぶる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 反撃作戦のための準備を整える。

レイヴィニア=バードウェイ

金髪碧眼の少女である。多彩な魔術を既定の動作で正確に繰り返す努力家の一面を持つ。

・所属組織、地位や役職
 オッレルス勢力の構成員。魔術結社「明け色の陽射し」のボス。
・物語内での具体的な行動や成果
 フロイラインを殺せる身体にして魔神オティヌスをおびき出す餌にしようとした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 上条当麻の右拳の前に敗北する。

シルビア

メイド服に似た作業着を着た女性である。フロイラインを正真正銘の怪物だと警告する。

・所属組織、地位や役職
 オッレルス勢力の構成員。聖人であり近衛侍女。
・物語内での具体的な行動や成果
 多層陸橋で雷神トールと激突し、ロープを使った結界で幹線道路を振り回した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 バードウェイが敗北したため退く。

ブリュンヒルド=エイクトベル

北欧の戦乙女のような姿の女性である。巨大な大剣クレイモアを操る。

・所属組織、地位や役職
 オッレルス勢力の構成員。聖人でありワルキューレ。
・物語内での具体的な行動や成果
 多層陸橋の幹線道路で御坂美琴と音速を超える戦闘を繰り広げた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 バードウェイの敗北を悟り、戦闘を中断して退く。

右方のフィアンマ

強大な力を持つ男である。

・所属組織、地位や役職
 オッレルス勢力の構成員。
・物語内での具体的な行動や成果
 オッレルスが学園都市へ連れてきた戦力として言及される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 誰にも感知されず自由に行動できることが証明された。

その他の勢力

フロイライン=クロイトゥーネ

銀髪を持つ不死の少女である。

・所属組織、地位や役職
 不明。
・物語内での具体的な行動や成果
 打ち止めの脳を捕食する機能に支配され、多層陸橋で打ち止めを追跡した。上条当麻やカブトムシ05の尽力で模造品を食べ、捕食の呪縛から解放される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 最後は上条当麻の背中に張り付くようになった。

優しい神父様

過去の文献に登場する人物である。

・所属組織、地位や役職
 不明。
・物語内での具体的な行動や成果
 過去にフロイラインを魔女狩りの対象として扱い、彼女の異常性を記録に残したとバードウェイから言及される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 直接的な登場シーンは描かれていない。

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新約 とある魔術の禁書目録(5)レビュー
新約 とある魔術の禁書目録まとめ
新約 とある魔術の禁書目録(7)レビュー

展開まとめ

???

力を持つ者の物語

勇者の幸福

悪を統べる魔王を倒す力を持つ勇者は、自分の力の使い道を知っており、それが世間にも認められていた。そのため、たとえ窮屈であっても道を大きく間違えることはなく、安定した成功の道を約束されていた。

目的のない力

一方で、多くの力ある者は、自分の力が何のためにあり、どこへ向けて振るうべきなのかを教えられていなかった。才能や条件がそろっていても、目的を持たないまま外界へ放たれる存在は、無秩序に力を振るう危険を抱えていた。

広がる闘争

今回の話は、自分が力を持ってしまった理由すら知らない者を中心に、広く深く拡散していく闘争の物語であった。力の指向性や方向性を持たない存在が何を引き起こすのか、そこに物語の焦点が置かれていた。

前夜祭

一端覧祭の開幕前

学園都市の文化祭

学園都市最大規模の文化祭である一端覧祭の準備期間、上条当麻は目を覚ました。オッレルスは、グレムリンが科学サイドの勝利を認めない集団であり、幻想殺しを邪魔者と見なしていると告げた。

そこへグレムリンの直接戦闘担当である雷神トールが現れ、グレムリンもオッレルス側も信用できないとして、双方が狙うフロイライン=クロイトゥーネを助けようと上条当麻へ持ちかけた。

フロイライン=クロイトゥーネの記録

フロイライン=クロイトゥーネは、過去に三〇八回もの神明裁判を受けても一切傷つかなかった人物だった。当時の司法では、傷がつかなかった以上、神に守られた潔白な人間だと判断するしかなかった。

一方、麦野沈利は義手のメンテナンスとして料理を行っていたが、見覚えのないキットに従った結果、サンドリヨンを再構築してしまった。サンドリヨンは、自分の分解と再組み立てが可能になったと語った。

窓のないビルの破壊

上条当麻と雷神トールは、保冷車の爆破、新入生の秘密拠点、木原加群のバックドアを利用して、フロイライン=クロイトゥーネが幽閉されている窓のないビルへ挑んだ。

しかし窓のないビルの装甲は、上条当麻達ではなく内側から破壊された。現れたフロイライン=クロイトゥーネは、正体不明の攻撃で上条当麻と雷神トールを昏倒させ、夜の学園都市へ消えた。

二つの勢力への攪乱

フロイライン=クロイトゥーネの騒動は広がり、グレムリンとオッレルス側も動き出そうとしていた。上条当麻達は、双方に偽情報を流して罠だと思わせ、その間にフロイライン=クロイトゥーネを確保しようとした。

雷神トールの変装魔術と学校のパソコンを使い、マリアン=スリンゲナイヤーへの偽の指名手配書を作成した。さらに上条当麻はオッレルス側の斥候を探し、その相手がレイヴィニア=バードウェイであることに気づいた。

撃たれた上条当麻

上条当麻はレイヴィニア=バードウェイへ接触したが、警備員の介入によって銃撃された。バードウェイは応急手当を施しながら上条当麻の生徒手帳を抜き取り、そこに仕込まれた偽情報を掴んだ。

彼女は、上条当麻がマリアン=スリンゲナイヤーと繋がっており、グレムリンが第一二学区にいると判断した。それは上条当麻の仕掛けた罠であり、オッレルス勢力を別方向へ誘導するためのものだった。

動き出す闇

フロイライン=クロイトゥーネの回収が難航すると見た学園都市暗部は、垣根帝督を実戦投入することを決めた。一方で、フロイライン=クロイトゥーネは打ち止めとフレメア=セイヴェルンに出会い、二人から友達として扱われた。

サンドリヨンはグレムリンへの復讐のため、上条当麻の周囲を追うことでグレムリンへ近づこうとしていた。その途中で、麦野沈利はかつて殺したはずのフレンダに似た存在と遭遇した。

羽化の危機

統括理事長が組み上げた問答型思考補助式人工知能は、フロイライン=クロイトゥーネが打ち止めの脳を捕食し、ミサカネットワークを掌握する機能を二時間以内に獲得する可能性を示した。

警備員に撃たれた上条当麻は、問題を解決するため集中治療室から脱走した。準備期間は終わり、様々な思惑が交錯する中で、一端覧祭の本番が始まろうとしていた。

第五章 きっと正義はどこにでも Black_to_Light.

一端覧祭前夜の闇

フレンダの幻影

深夜の第七学区で、麦野沈利は死んだはずのフレンダ=セイヴェルンと向き合った。フレンダの姿をした少女は、学園都市の技術によって生き延びたかのように語り、麦野沈利を揺さぶろうとした。

フレンダは修正テープに似た爆薬を麦野沈利の腹に押し付け、かつて自分が受けたように上下を吹き飛ばそうとした。しかし麦野沈利は躊躇なく原子崩しを放ち、その右腕を機材ごと吹き飛ばした。

見破られた襲撃者

麦野沈利は、フレンダの姿が義眼への電磁的な介入で見せられた幻影だと見抜いた。絹旗最愛が現れると、実際の相手は中年男性らしき襲撃者であることも分かった。

襲撃者は、浜面仕上と和解した麦野沈利なら殺しはできないと読んでいた。しかし麦野沈利は、揉めても最後は何とかなるという歪んだ確信を語り、死なない程度という限界の高い範囲で襲撃者を徹底的に叩き潰した。

黄泉川愛穂の違和感

日付が変わってしばらくして、黄泉川愛穂は警備員の捜査情報に異変を感じた。窓のないビルを破壊して逃げた何者かを追っているはずなのに、情報が不自然なほど途切れ、指示も的外れになっていた。

黄泉川愛穂は、身内の誰かが情報操作をしている可能性を疑った。彼女は紙の報告書やコピー機の一時キャッシュを押さえるよう指示し、妨害する者の裏を洗うために動き出した。

飢えたフロイライン=クロイトゥーネ

夜明け前、フロイライン=クロイトゥーネは裏路地で倒れていた。彼女の内部では単純な判断が積み重なり、ただ足りないという結論だけが浮かび上がっていた。

そこへ浜面仕上、滝壺理后、眠ったフレメア=セイヴェルンが通りかかった。フロイライン=クロイトゥーネは彼らに接近したが、すれ違うだけで立ち去った。

こいつじゃない

浜面仕上は、フロイライン=クロイトゥーネとすれ違った後、自分が呼吸を止めていたことに気づいた。肩は震え、膝も笑っており、檻の中で猛獣と向き合ったような恐怖だけが残っていた。

彼は、去り際のフロイライン=クロイトゥーネが呟いた言葉を聞いていた。それは、こいつじゃない、というものだった。

空振りの第一二学区

第一二学区の宗教施設で、シルビアとブリュンヒルド=エイクトベルは、上条当麻の生徒手帳にあった情報が空振りだったことを確認した。そこは宗教的意匠を精巧に再現した施設だったが、魔術的な記号は存在せず、マリアン=スリンゲナイヤーの痕跡もなかった。

レイヴィニア=バードウェイは、上条当麻に騙された可能性を認めた。シルビアは、上条当麻が自分達から何かを遠ざけようとして嘘をついたのだと見て、その意図を辿るべきだと考えた。

一端覧祭の朝

逃走中の御坂美琴

午前八時、一端覧祭の自由時間が始まる頃、御坂美琴は全力で逃げていた。上条当麻の高校へ向かうつもりだったが、正門前で食蜂操祈と鉢合わせし、彼女に操られた人々に追い回されていた。

美琴は陸橋から跳び、磁力を使って大きく滑空して追跡を振り切った。しかし、食蜂操祈がなぜ同じ高校にいたのかという疑問は残った。

ダストボックスの上条当麻

美琴が着地した金属製ダストボックスの中には、病院を抜け出した上条当麻が隠れていた。彼は手術衣から着替えるため、一端覧祭用の衣装作りに失敗した服を探していた。

上条当麻は、警備員や風紀委員に怪しまれない格好を整えながら、フロイライン=クロイトゥーネや雷神トールを探していた。脇腹の傷を気にしつつ、美琴とは反対方向へ歩き出した。

朝食を拒む打ち止め

打ち止めは、一端覧祭で屋台を回るために空腹でいたいと主張し、朝食を食べようとしなかった。芳川桔梗と一方通行はそれを許さず、彼女に食事を取らせようとした。

一方通行は、打ち止めの学校生活について芳川桔梗と話した。打ち止めは学園都市のIDすらない機密情報であり、通常の学校生活を送るのは難しいとされたが、一方通行は効率だけでは足りないものを感じていた。

一端覧祭への外出

一方通行は、冬用のブーツを買いに行く途中で学校があれば寄ればよいと打ち止めに告げた。打ち止めは喜んで飛び出そうとしたが、芳川桔梗と一方通行にすぐ拘束された。

打ち止めは、一端覧祭へ行ける可能性に強く反応していた。芳川桔梗と一方通行は、彼女がまた迷子にならないように制止した。

番外個体と黒夜海鳥

番外個体は、歩道橋で黒夜海鳥に絡んでいた。黒夜海鳥はサイボーグであり、電気を操る番外個体とは相性が悪く、さらに腕の端子に貼られたガムのせいで能力も使いにくい状態だった。

番外個体は、友達が分からないから人生経験を積ませろと黒夜海鳥に絡み続けた。そこへ御坂妹も現れ、靴に入り込んだ黒猫を巡って会話が広がった。

集まる暗部の少女達

番外個体は、黒夜海鳥や御坂妹だけでは足りないと周囲を見回し、絹旗最愛を見つけた。絹旗最愛は、悪人が集まっているような状況にうんざりしていた。

さらに浜面仕上、滝壺理后、フレメア=セイヴェルンも通りかかった。フレメアは浜面仕上の背中で目を覚まし、自分が迷子だったことを棚に上げて浜面仕上を責めた。

牛丼屋の朝食

電車は珍獣騒ぎで止まっており、浜面仕上達は第一三学区へ向かう途中で牛丼屋へ入った。フレメアは大量のトッピングや大盛りを頼んだが、すぐに食べきれなくなり、浜面仕上へ押しつけた。

食事を終えた直後、フレメアはまた小腹が減ったと言い、滝壺理后を怒らせた。その後、眠くなったフレメアは浜面仕上の背中に戻り、滝壺理后はその場所を自分の居場所だとして反発した。

再会した子供同士

浜面仕上達の前に、一方通行、芳川桔梗、打ち止めが現れた。フレメア=セイヴェルンは打ち止めを見つけ、互いに指を差して叫んだ。

二人は再び、どちらが子供かを巡って張り合った。フレメアと打ち止めの対立は、一端覧祭の朝にもそのまま続いていた。

一端覧祭の接触

空白の検索結果

上条当麻は街路樹に背中を預け、フロイライン=クロイトゥーネの目撃情報を探していた。一端覧祭の開催直後で大量の写真やコメントが投稿されているにもかかわらず、彼女に関する情報は見つからなかった。

窓のないビルの破壊や無人攻撃ヘリの撃墜、保冷車の爆破といった大事件もニュースに出ていなかった。上条当麻は、情報が存在しないのではなく、何者かが意図的に隠蔽している可能性に気づいた。

不自然な空白

上条当麻は、一端覧祭の情報が溢れる中で、逆に何も起きていないように見える不自然な空白地帯を探した。誰かが何もないように偽装した結果、かえって目立つ場所が浮かび上がっていた。

上条当麻はフロイライン=クロイトゥーネの居場所を見つけた。だが、同じ方法はグレムリンやオッレルス勢力にも使えるため、彼らより先に接触する必要があった。

メイド達の売り歩き

土御門舞夏は清掃ロボットの上に正座し、メイド見習いが作ったサンドイッチを売り歩いていた。雲川鞠亜はその統一感のなさに呆れつつ、自分のメイドサンドイッチの販売方法を語った。

一端覧祭の街には、客引きのための奇抜な衣装やオブジェが溢れていた。そんな中、二人は本物のメイドのような身のこなしを持つシルビアを見かけ、彼女の異質さに気づいた。

魔術師達の通過

シルビア、ブリュンヒルド=エイクトベル、レイヴィニア=バードウェイは、一端覧祭の人混みの中を歩いていた。シルビアは学園都市のメイド文化に戸惑い、ブリュンヒルドは飛行船のミスコン中継で語られた戦乙女の扱いに怒りを見せた。

近くにいた土御門元春は、聖人二人と魔術結社のボスがそろっている状況に冷や汗をかいた。彼は自分の武器では対抗できないと理解しながらも、土御門舞夏を守るために警戒を緩めなかった。

見つけた標的

フロイライン=クロイトゥーネは、汚れた姿で裏路地から大通りへ向かっていた。彼女を撮影した学生の携帯電話では、データが破損して消える異常が起きた。

彼女の目線は、大通りにいる一方通行、芳川桔梗、浜面仕上、フレメア=セイヴェルン、滝壺理后、そして打ち止めに向けられていた。彼女は打ち止めを見つけたと囁き、口元を大きく裂くように変化させた。

第二位の始動

ビルの屋上では、垣根帝督がフロイライン=クロイトゥーネを見つけていた。彼は学園都市第二位の超能力者であり、未元物質によって失った肉体を補っていた。

垣根帝督は、科学の住人としてフロイライン=クロイトゥーネを捕獲する立場にあった。しかし彼の視線は彼女ではなく、かつて自分を叩き潰した一方通行に向いていた。

白い影の群れ

垣根帝督は、自分のやりたいように動くと決めた。携帯電話の向こうの木原の女も、それが木原の想定を壊すことを望んでいた。

垣根帝督が指を鳴らすと、周囲の屋上から白い影が次々と立ち上がった。それらは彼の未元物質と同じ色を持ち、付近一帯を埋め尽くしていった。

修正版である。

第一位と第二位の衝突

フロイライン=クロイトゥーネの突撃

フロイライン=クロイトゥーネは、肉食獣のような動きで路地裏から飛び出し、打ち止めのいる場所へ一直線に突っ込んだ。その途中で浜面仕上に衝突し、彼の体を数メートル吹き飛ばした。

フロイライン=クロイトゥーネは、芳川桔梗にしがみつく打ち止めだけを標的としていた。打ち止めは彼女を友達と認識していたが、フロイライン=クロイトゥーネは捕食のために迫っていた。

一方通行の迎撃

一方通行は能力を解放し、フロイライン=クロイトゥーネの顔面を蹴り飛ばした。彼はベクトル操作で彼女を弾き返そうとしたが、フロイライン=クロイトゥーネは自分の体を強引に回転させ、運動量を受け流した。

一方通行は今度こそ殺害しようとしたが、打ち止めが友達をやっつけないでと叫んだため、動きが一瞬鈍った。その隙に、フロイライン=クロイトゥーネは再び打ち止めへ迫った。

白いカブトムシ

フロイライン=クロイトゥーネが打ち止めに届く直前、砲撃が彼女を横から撃ち抜いた。現れたのは、巨大な白いカブトムシのような存在だった。

その素材と声から、一方通行は相手が垣根帝督であると理解した。周囲には同じ白いカブトムシや白い影が次々と現れ、垣根帝督は一方通行だけを狙う姿勢を見せた。

未元物質の量産

垣根帝督は、未元物質で自分の臓器を複製したように、脳も複製できると語った。そこから能力の噴出点を作り、未元物質を量産する存在を増やしていた。

第一位を相手に、垣根帝督は数と成長性で押し潰そうとしていた。一方通行にはチョーカー型電極のバッテリーという時間制限があり、長期戦は不利だった。

地下への退避

一方通行は芳川桔梗へ、地面を破壊して地下鉄へ逃げるよう指示した。直後、彼は地面を崩落させ、芳川桔梗、打ち止め、浜面仕上、滝壺理后、フレメア=セイヴェルンを地下へ落とした。

一方通行だけは上空へ飛び上がり、垣根帝督と対峙した。第一位と第二位の戦いが本格的に始まった。

地下のカブトムシ

地下鉄のトンネルに落ちた浜面仕上達は、第二位の包囲網から抜けようとした。しかし暗闇の奥から、五機のカブトムシが現れた。

カブトムシ達は、打ち止めと周辺人物への攻撃準備を進めた。だが口頭命令の解釈に食い違いが生じ、それぞれが異なる作戦目的を示し始めた。

自滅する兵器

五機のカブトムシは、作戦目的の解釈を巡って矛盾を起こした。フロイライン=クロイトゥーネの撃破、第一位と第二位の戦闘維持、学園都市の保護など、目的が互いに衝突したのである。

その結果、五機は一斉に互いへ砲身を向け、至近距離で砲撃を開始した。監視していた木原の女は、口頭命令の解釈がばらばらになったことを理解し、まずい状況だと見ていた。

上条当麻の合流

砲撃で折れ曲がっていたフロイライン=クロイトゥーネの体は、徐々に元へ戻っていた。そこへ上条当麻が辿り着き、彼女を見つけた。

フロイライン=クロイトゥーネの視線だけで上条当麻は倒れたが、彼は近くの自動車のバッテリーに触れて高圧電流を受け、自分の体内に入り込んだ何かを破壊した。彼は呼吸を取り戻し、フロイライン=クロイトゥーネへ逃げるよう促した。

備わった機能

フロイライン=クロイトゥーネは、逃げられないと答えた。彼女にとってそれは意思や判断の問題ではなく、すでに機能として備わってしまったものだった。

彼女は、息を吸い瞬きをするように、打ち止めの脳を食べなければならない機能があると語った。その体は震えており、彼女自身にも抑えきれない状態であることが示されていた。

カブトムシ〇五

砲撃の仲間割れ

地下鉄トンネル内で、浜面仕上達は五機のカブトムシ同士が至近距離で撃ち合う轟音に晒されていた。芳川桔梗は、命令の解釈の違いによって敵味方の識別や優先順位がぶれているのではないかと見ていた。

一機のカブトムシが砲撃で吹き飛ばされ、浜面仕上達の近くへ転がってきた。ほかの四機はその一機へ砲口を向けたが、転がったカブトムシは自分が何をしたいのかという疑問を口にした。

保護するカブトムシ

逆さまになったカブトムシ〇五は、打ち止めへ砲身を向けたものの、砲撃は行わなかった。命令の妥当性に疑問を示し、指定された人物に脅威を感じられないため、命令全体の崩壊を防ぐには浜面仕上達を助ける必要があると判断した。

ほかの四機が砲撃を始めると、カブトムシ〇五は柱を砕いて破片で弾道を逸らした。さらに砲撃の反動で体勢を立て直し、浜面仕上達を守る側へ回ると宣言した。

生まれた方向性

カブトムシ〇五は、垣根帝督の口頭命令を最適化するため、浜面仕上達を保護すると告げた。その瞳は緑から赤へ変わり、警戒色を示すようになった。

それは単なる命令変換のバグであり、垣根帝督や木原の女が望んだものではなかったかもしれない。しかしその時、カブトムシ〇五の中には何らかの方向性が生まれていた。

行間 四 怪物の口

フロイライン=クロイトゥーネについて語られてきた情報が、本当に正しいかどうかは分からなかった。数百年前の文献は歴史の中で簡単に歪む一方、長くホラ話と思われていたものが後に科学的根拠を得ることもあった。

それでも、フロイライン=クロイトゥーネという女性が存在し、異常性が立証されたことは確かだった。問題は、これまでの文献や採取データを照らし合わせた時、どこに明確なおかしさがあるのかという点だった。怪物の口は、まだ開いたばかりだった。

第六章怪物、怪物、怪物、怪物 All_Bad_Stars.

トールの足止め

廃ビルのマリアン

第七学区の廃ビルで、マリアン=スリンゲナイヤーは身を潜めていた。彼女は自分が指名手配され、潜伏先も知られたと思い込んでいたが、その裏で上条当麻と雷神トールが小細工をしていたことには気づいていなかった。

近くで爆発音が響き、砂色の粉塵が上がると、マリアンは敵の襲撃やフロイライン=クロイトゥーネの接近を疑った。彼女は投擲の槌と共に動こうとし、雷神トールは事態が派手に動いたことに内心で苛立った。

マリアンへの蹴り

雷神トールは、マリアンが現場へ向かえば危険だと説得しようとした。しかしマリアンは、敵が情報を蓄積する前に先手を打つべきだと考え、動く意思を変えなかった。

説得に失敗した雷神トールは、背後からマリアンの側頭部を蹴り、意識を断った。投擲の槌は怒りを示したが、雷神トールは、オッレルス側が狙うのはフロイライン=クロイトゥーネだけでなく、主神の槍に必要なマリアンかもしれないと説明した。

投擲の槌の沈黙

雷神トールは、オッレルス側にとっては殺せるか分からないフロイライン=クロイトゥーネより、神々の武具を作れるマリアンを殺す方が確実な妨害になると語った。さらに、爆発や粉塵が罠の可能性もあると指摘した。

投擲の槌はしばらく沈黙し、怒りを収めた。雷神トールは、自分がオッレルス側の罠を調べると告げ、投擲の槌にはマリアンを逃がす準備をするよう求めた。

風紀委員の騒動

一端覧祭の路上では、風紀委員の初春飾利が小学生達に囲まれていた。子供達は白井黒子の決め台詞や空間移動を求め、初春は風紀委員全体が白井黒子のような武闘派ではないと困惑していた。

一方、たこ焼き屋台の材料を運んでいた青髪ピアスは、風紀委員に囲まれる初春を見て妙な天啓を得た。しかし直後に固法美偉と白井黒子に職務質問され、手荷物検査を受けることになった。

カブトムシ〇五の防御

地下鉄トンネルでは、カブトムシ〇五が浜面仕上達を守るため、四機の同系機と対峙していた。追っ手のカブトムシ達は、打ち止めと周辺人物をまとめて殺すため、衝撃波でトンネル内を押し流そうとした。

カブトムシ〇五は羽を高速振動させ、衝撃波に別の波をぶつけて向きを変えた。さらに作業用の出入口へ逃げるよう浜面仕上達に指示し、天井を崩落させて敵機を足止めした。

壁役のカブトムシ

浜面仕上達は作業用ドアへ逃げ込んだが、カブトムシ〇五は出入口をくぐれなかった。彼は自分が垣根帝督の制御を離れて未元物質の更新ができず、いずれ自己崩壊すると説明した。

敵機を止めるには特別な壁役が必要だと判断したカブトムシ〇五は、自分の巨体で出入口を塞いだ。浜面仕上は呼びかけたが、滝壺理后に促され、後ろにいれば逃げられないと理解して地上へ向かった。

消えた二人

地上へ出た浜面仕上達は、一方通行達の姿がないことを確認した。浜面仕上は麦野沈利や絹旗最愛を呼ぼうとしたが、その時、滝壺理后が異変に気づいた。

フレメア=セイヴェルンと打ち止めがいなくなっていた。二人はカブトムシ〇五を置いていけず、地下鉄トンネルへ戻っていた。

二人を連れた撤退

カブトムシ〇五は限界が近い中で、戻ってきた打ち止めとフレメアの声を聞いた。彼はわずかな隙間を作って二人を呼び込み、可聴域外の高周波で服を振動させて宙に浮かせた。

そのままカブトムシ〇五は砲撃と偽の列車振動で敵機を攪乱し、二人を連れてトンネル奥へ逃げた。フレメアは彼を見分けるために、装甲へ浜面団のマークを描き始めた。

カブトムシ〇五の決意

鉄塔の垣根帝督

垣根帝督は、鉄塔の中ほどで一方通行との戦いを分析していた。自分の形をした三〇〇体を一五分で封じられても、彼にとって重要なのは物理的な損害ではなく、一方通行の演算パターンや反射のロジックを読み取ることだった。

垣根帝督は、一方通行の反射を崩すため、壊された個体から得た情報を次に繋げようとしていた。さらに、一方通行のチョーカー型電極のバッテリー切れも勝機になると見ていた。

陸橋下の一方通行

一方通行は、陸橋の下でチョーカー型電極のバッテリーを補う準備をしていた。送電ケーブルを剥ぎ取り、即席の変電装置を作って、短時間だけ電力を供給しようとしていた。

彼は、垣根帝督がバッテリー切れを狙うことを読んでいた。半分の時間を消費したのは無駄ではなく、第二位を倒すための布石を打つためだった。

怪物同士の読み合い

垣根帝督も、一方通行が電力を確保し、反射の弱点を隠そうとすることを読んでいた。彼は一方通行の黒い翼についても、感情の上下で出現し、長くは保たない牽制の一手だと分析していた。

一方通行と垣根帝督は、離れた場所にいながら互いの考えを読み合っていた。二人は次の一手で勝負が決まると同時に判断し、それぞれ動き出した。

機能の説明

上条当麻は、フロイライン=クロイトゥーネが語る機能という言葉に疑問を持った。彼女は、二本足で歩くことを学習して獲得するように、一度得た機能は行動の基準を変えてしまうと説明した。

フロイライン=クロイトゥーネは、人間の脳を食べて情報を得る機能を獲得してしまったと語った。それは意思では止められず、息を吸うことや瞬きをすることと同じように働いてしまうものだった。

止められない衝動

上条当麻は、幻想殺しでその機能だけを消せないか考えた。しかし仕組みも範囲も分からない以上、下手に触れればフロイライン=クロイトゥーネ自身を丸ごと消してしまう危険があった。

フロイライン=クロイトゥーネは、友達と言ってくれた相手の脳を食べようとしている自分を止められないと苦しんでいた。やがて彼女は立ち上がり、上条当麻の制止を聞かずに歩き出した。

倒れる上条当麻

上条当麻は追おうとしたが、手術直後の脇腹の傷が開き、鉄の味と共に倒れ込んだ。彼は、自分達がフロイライン=クロイトゥーネを外へ出すきっかけを作ってしまったのではないかと考えた。

それでも上条当麻は、彼女を窓のないビルに閉じ込め続けることが正しいとは認めなかった。外へ出た彼女の世界が血と暴力だけで終わることを否定し、再び立ち上がろうとした。

サンドリヨンの接触

上条当麻が倒れかけた時、誰かが横から彼を支えた。それは、金髪碧眼の少女の姿をした魔術師サンドリヨンだった。

サンドリヨンは、上条当麻をグレムリンの正規メンバーに繋がる鍵と見ていた。彼女は自分の復讐を遂げるために必要な存在として、上条当麻にまだ死ぬなと告げた。

地上のカブトムシ〇五

カブトムシ〇五は、打ち止めとフレメア=セイヴェルンを浮かせたまま、地下鉄線路や配管、多目的溝を抜けて地上へ出た。一端覧祭の最中だったため、巨大なカブトムシの姿も一時的には催しの一部のように受け取られていた。

しかし垣根帝督が学園都市の監視網を使える以上、この巨体で動き続ければ発見される危険が高かった。カブトムシ〇五は、二人だけを狭い通路で逃がす案を考えたが、二人は彼を見捨てるつもりがなかった。

フロイライン=クロイトゥーネの脅威

カブトムシ〇五は、敵を垣根帝督の軍勢とフロイライン=クロイトゥーネに分けて説明した。垣根帝督側は強大だが行動を読みやすい一方、フロイライン=クロイトゥーネは戦力も行動も不明で、不意打ちが極めて危険だった。

彼女は打ち止めの脳を捕食し、ミサカネットワークを掌握することで羽化しようとしていた。カブトムシ〇五は、フロイライン=クロイトゥーネは意思ではなく機能に突き動かされており、撃破できても止めることは難しいと判断した。

友達を助ける決意

打ち止めとフレメア=セイヴェルンは、フロイライン=クロイトゥーネが自分の意思ではなく機能に苦しめられているなら助けなければならないと考えた。二人は、彼女が友達だから見過ごせないと主張した。

カブトムシ〇五は、その判断が未熟で危険でも、人間らしい心から生まれた尊いものだと理解した。彼は二人の理想と現実を橋渡しするため、垣根帝督の追撃を避けながらフロイライン=クロイトゥーネの救出を実行すると告げた。

帰れない約束

打ち止めとフレメア=セイヴェルンは、カブトムシ〇五を友達や浜面団の一員として受け入れ、みんなで一緒に帰るよう言った。

しかしカブトムシ〇五には、主である垣根帝督の制御を離れた自分に帰る場所がないことが分かっていた。彼はその約束に応えられないだろうと理解しながら、二人を守る道を選んだ。

カブトムシ〇五と動き出す魔術師達

浜面仕上の分析

浜面仕上達は、地下トンネルから遠ざかるカブトムシ達の音を聞いていた。芳川桔梗は、フレメア=セイヴェルン達が電話に出ないことを確認しつつ、イレギュラーなカブトムシ〇五が二人を支援している可能性を考えた。

浜面仕上は、敵のカブトムシを完全に破壊するのではなく、杭のようなもので自己修復を阻害する案を出した。対テロ用の携行パイルバンカーなら、接近さえできれば装甲を貫ける可能性があると考えた。

麦野沈利の合流

そこへ麦野沈利と絹旗最愛が合流した。浜面仕上が状況を説明すると、麦野沈利はフレメアを危険な兵器に預けたままだと理解し、浜面仕上を容赦なく叩いた。

麦野沈利は、五キロ先から戦車を撃ち抜く火力が必要なら、自分の原子崩しを使えばよいと告げた。浜面仕上のゼロ距離案を暴論と切り捨て、第四位の火力を当然の選択肢として示した。

芳川桔梗の連絡

浜面仕上が麦野沈利に責められる中、芳川桔梗は別の人物と電話で連絡を取っていた。話が進むにつれて彼女は明らかに落ち込み、通話後には監督不行き届きで説教を受けることになりそうだとこぼした。

打ち止めとフレメア=セイヴェルンの行方を追うため、浜面仕上達は新たな支援を得ようとしていた。

一端覧祭の迷走

地上へ出たカブトムシ〇五は、打ち止めとフレメア=セイヴェルンを近くへ降ろしていた。二人は危機感を失い、一端覧祭のスタンプラリーで勝負しようとして学校へ走り出した。

カブトムシ〇五は、垣根帝督からの命令を意図的に誤変換して二人を守っていた。しかし命令が明確化されれば、打ち止めを殺す側へ戻される危険があり、自分自身も二人にとって脅威だと判断していた。

射的の屋台

カブトムシ〇五は二人を追い、学校の敷地内に入った。一端覧祭の最中だったため、巨大なカブトムシの姿も、先端大学のロボット展示のように誤解され、大きな騒ぎにはならなかった。

打ち止めとフレメア=セイヴェルンは射的の屋台でレアスタンプを狙っていた。フレメアはカブトムシ〇五の砲身を利用してゼロ距離射撃をしようとし、カブトムシ〇五はそれを不正として砲身を揺らした。

走る亀裂

カブトムシ〇五は、射的のぬいぐるみを見ながら、自分が何者なのかを考えていた。外見からカブトムシと呼ばれるのか、未元物質で満たされているから未元物質なのか、命令を受けるだけの存在なのかと疑問を抱いていた。

その直後、内部に細い亀裂が走る音がした。垣根帝督の制御を離れた代償が、カブトムシ〇五の体に現れ始めた。

第一二学区の魔術師達

第七学区の砲撃事件の情報は、第一二学区で空振りに終わった魔術師達にも届いていた。シルビア、ブリュンヒルド=エイクトベル、レイヴィニア=バードウェイは、それが陽動なのか、フロイライン=クロイトゥーネを巡る騒乱なのかを考えていた。

レイヴィニア=バードウェイは、上条当麻が関わっている可能性にも触れた。シルビアは、彼女が上条当麻に騙し返されたことへ苛立っていると見抜き、軽く挑発した。

動き出す怪物達

シルビアの言葉に反応したレイヴィニア=バードウェイは、彼女へ攻撃を仕掛けようとしたが、ブリュンヒルド=エイクトベルに止められた。シルビアは口元に血を流しながらも、余裕を崩さなかった。

オッレルスの準備が整っていないことを確認したレイヴィニア=バードウェイは、三人だけで動き出すと決めた。聖人二人と魔術結社のボスが、第七学区の騒動へ向けて行動を開始した。

カブトムシ〇五と集結する怪物達

七色焼きそば

打ち止めとフレメア=セイヴェルンは、一端覧祭の学校を一三校ほど回っても疲れを見せず、七色焼きそばや菓子を楽しんでいた。カブトムシ〇五は、二人の疲労感が脳内物質によって遅れていると判断しつつ、自身の内部で進む崩壊を隠していた。

カブトムシ〇五は、常に移動し続ける二人の予測不能な行動が、結果として追っ手から読まれにくい逃走経路になっていると考えた。そのため、最短最適な逃走よりも、少女達の発想に任せた移動を受け入れていた。

防犯ブザーの位置情報

打ち止めは、フロイライン=クロイトゥーネに渡した防犯ブザーにGPSが付いているため、居場所が分かると明かした。カブトムシ〇五は、それが彼女を追う勢力にとっても二人を襲う理由になり得ると危険視した。

打ち止めとフレメア=セイヴェルンは、フロイライン=クロイトゥーネに土産を渡すために向かおうとした。カブトムシ〇五は、彼女達が無条件で友達を信じており、接触後の危険を考えていないことに気づいた。

崩壊の調整

カブトムシ〇五の内部では亀裂が大きくなっていた。彼は崩壊そのものは避けられないものの、亀裂の進む方向をある程度制御できると判断した。

表面に崩壊が出れば、打ち止めとフレメア=セイヴェルンの行動が制限される恐れがあった。そのためカブトムシ〇五は、表層ではなく内部へ崩壊を向け、少女達に気づかれないようにした。

罠の思案

カブトムシ〇五は、フロイライン=クロイトゥーネが打ち止めを標的として認識すれば、どんな障害も無視して突き進むと考えた。そこで、その直進性を利用して罠にかける方法や、標的識別を乱す方法を検討した。

しかし情報は少なく、実地で調べるには危険が大きすぎた。カブトムシ〇五は、自分が割って入るしかないと考えながら、壊れる前に二人の身を守る手順を導き出そうとしていた。

サンドリヨンの治療

サンドリヨンは、倒れた上条当麻を人目につかない路地へ運び、脇腹の傷を確認した。治癒の魔術を試みたが、右手に触れた途端に効果が打ち消されてしまった。

彼女は布で傷口を押さえ、生理食塩水を使って上条当麻の失血による危険を抑えた。乱暴ながらも実用的な処置であり、上条当麻は叫べる程度には回復した。

復讐のための利用

サンドリヨンは、上条当麻に利用価値があるため死ぬなと告げた。彼女はグレムリンへの復讐を果たすため、上条当麻を正規メンバーへ繋がる鍵として見ていた。

上条当麻は、サンドリヨンの姿が以前より小さくなっていることに気づいた。彼女は事情があるとだけ呟いた。

雷神トールの観察

雷神トールはビル屋上の給水タンクから、フロイライン=クロイトゥーネの移動方向や上条当麻の位置を確認していた。さらにサンドリヨンの存在にも気づき、彼女に見つかれば面倒になると考えた。

フロイライン=クロイトゥーネを放置すれば、捕獲か殺害のどちらかに進む可能性が高かった。雷神トールは、問題解決には上条当麻の右手が必要だと見て、合流のために動くことを決めた。

御坂美琴への誘導

雷神トールは、サンドリヨンの注意を逸らすための手駒を探し、御坂美琴を見つけた。彼は御坂美琴と直接の面識はなかったが、過去に言動を調べていたため、即席で話を合わせられると判断した。

雷神トールは、上条当麻が金髪の少女に介抱されている写真を御坂美琴に見せた。御坂美琴は即座に場所を尋ね、怪物達がフロイライン=クロイトゥーネを巡る一点へ集まり始めた。

行間 五 氾濫する説

フロイライン=クロイトゥーネの出自については、魔女、進化した人類、宇宙人、魂を持たない肉の塊、時間を行き来する存在など、多くの説が流れていた。

多くの説があることは、彼女の存在が長く人々の注目を集め、答えを見つけられなかったことを意味していた。同時に、真実を隠すために大量の情報が意図的に流された可能性もあった。フロイライン=クロイトゥーネは不気味な存在だったが、恐ろしいものは彼女だけではなかった。

第七章 主人公である必要はない Girls_Battle_Talk.

多層陸橋の対話

標的を追うフロイライン=クロイトゥーネ

第七学区の多層陸橋で、フロイライン=クロイトゥーネは打ち止めを追っていた。彼女の中には、ミサカネットワークの圧を感じ取り、打ち止めの位置を大雑把に推測する機能が生じていた。

その機能は、彼女自身の意思を急かし、情報を得るために打ち止めの脳を食べろと迫っていた。フロイライン=クロイトゥーネはそれを望まず、終わりにしてほしいと願いながらも、自分では止まれなかった。

レイヴィニア=バードウェイの接触

フロイライン=クロイトゥーネの前に、レイヴィニア=バードウェイが現れた。彼女は、フロイライン=クロイトゥーネを魔神オティヌスをおびき出す餌にし、その後で終わらせることもできると告げた。

バードウェイは、フロイライン=クロイトゥーネを純粋すぎる存在として捉え、ほんの少しの不純物を加えれば殺せる身体へ変えられると説明した。フロイライン=クロイトゥーネは、自分を止められる可能性に揺れた。

割り込む上条当麻

バードウェイがフロイライン=クロイトゥーネを凍結しようとした直前、上条当麻が二人の間へ割り込んだ。彼は傷ついた体で、フロイライン=クロイトゥーネを背に庇うように立った。

上条当麻は、バードウェイへ仲直りをしようと告げた。裏切られ、腹に銃弾を受けてもなお、彼は誰かの不幸の前に立ち塞がろうとしていた。

御坂美琴と雷神トール

上階層の幹線道路では、御坂美琴が雷神トールと背中合わせで立っていた。雷神トールは、上条当麻がフロイライン=クロイトゥーネを庇っている状況を説明し、美琴にどこへ立つのかを問うた。

美琴は、上条当麻がハワイでの件に決着をつけようとしていることを理解し、彼を支える側へ回った。彼女はブリュンヒルド=エイクトベルと向き合い、雷神トールはシルビアと対峙した。

聖人達との衝突

シルビアは、状況としては雷神トール達の側が羨ましいとしながらも、個人の事情だけで動けないと告げた。雷神トールは投擲の槌との接続で力を底上げし、溶断ブレードのような閃光を一気に伸ばした。

聖人と近衛侍女の力を持つシルビア、戦乙女の性質を持つブリュンヒルドに対し、美琴と雷神トールはそれぞれの敵を引き受けた。強者同士の戦いは、多層陸橋の一点へ集約されようとしていた。

地下道の第一位と第二位

多層陸橋の地下道では、一方通行と垣根帝督が対峙していた。垣根帝督は、自分の未元物質がどこまで通用するのかを確かめるため、一方通行を超えることに執着していた。

一方通行は、垣根帝督に本当に足りないものは守りたい誰かであり、彼はまだただの暴力に留まっていると見抜いた。垣根帝督の問いは、力の使い道を見失ったものに過ぎなかった。

シスターズの再現

垣根帝督は、地下道がかつて一方通行がクローン人間を殺していた実験の舞台の一つだと明かした。彼は未元物質で、その場に残る情報をなぞり、殺された妹達を模した存在を作り出した。

それは本物ではなかったが、そこに残された断末魔の記録であり、彼女達が生きていた最後の証明でもあった。一方通行は、それを自分の手で消してよいのかという罪に揺さぶられた。

垣根帝督の小手調べ

垣根帝督は、再現された妹達を使って一方通行の演算を乱そうとした。彼にとってそれは、反射の条件を崩すか、翼を引き出すための性能試験に過ぎなかった。

一方通行は、垣根帝督が罪の証明さえ小手調べに使うことを目の当たりにした。第二位は、怪物にふさわしい暴力を撒き散らしながら、一方通行の精神を揺さぶろうとしていた。

選ばれる結末

上条当麻の説得

上条当麻はレイヴィニア=バードウェイと向き合いながら、背後のフロイライン=クロイトゥーネへ言葉を投げかけた。彼は、彼女が友達を失いたくないと願うなら、その痛みを友達へ与えるべきではないと訴えた。

上条当麻は、簡単に死にたいと言わず、生きて苦しみながらでも、共に笑える結末へ繋がる方法を掴めと叫んだ。その言葉はフロイライン=クロイトゥーネだけでなく、彼女を守りたい誰かのためでもあった。

分断された陸橋

レイヴィニア=バードウェイは杖を剣へ変え、暴風で上条当麻とフロイライン=クロイトゥーネの間を切り裂いた。多層陸橋は切断され、上条当麻とバードウェイは下層へ滑り落ちた。

バードウェイは、フロイライン=クロイトゥーネは上条当麻が考えるような人間ではなく、心があるように見えるだけの生き物だと告げた。しかし上条当麻は、友達を傷つけたくないという答えを導き出せたなら、それだけで信じられると答えた。

心の有無

バードウェイは、フロイライン=クロイトゥーネの言葉や表情は二者択一の積み重ねによる模倣に過ぎず、そこに原動力となる心はないと断じた。過去に彼女が自分をただの人間だと主張したのも、周囲の人間を観察して真似ただけだと説明した。

それでも上条当麻は、人間と同じように笑い、泣き、誰かを思いやるものが壊されそうなら拳を握れると言った。さらに、バードウェイが闇討ちをせず正面から言葉をかけたのは、彼女自身もフロイライン=クロイトゥーネの心に配慮したからではないかと指摘した。

バードウェイの目的

バードウェイは水を操る象徴武器を構え、フロイライン=クロイトゥーネを使って魔神オティヌスをおびき出し、グレムリンを壊滅させることが最優先だと告げた。

上条当麻は、その方法では明け色の陽射しがグレムリン以上の怪物になってしまうと反論した。彼は、バードウェイ一人に悪役を背負わせないためにも、ここできちんと止めると宣言した。

白い少女達の襲撃

地下道では、一方通行が未元物質で作られた妹達の形をした存在に襲われていた。彼は反射で砕いてしまうことを恐れ、珍しく回避行動を取らざるを得なかった。

垣根帝督はその隙を突き、白い翼を槍のように伸ばして一方通行を攻撃した。槍は妹達の形をした存在ごと貫き、一方通行の肩も浅く削った。

垣根帝督の揺さぶり

垣根帝督は、妹達の総意に許されても、殺された個々の気持ちは殺された者にしか分からないと一方通行を責めた。彼は死者の記録を利用して、一方通行の演算と精神を乱そうとしていた。

一方通行は、未元物質で作られた白い少女達が本物でないと分かっていても、自分が奪った命の最後の証明だと感じ、簡単には破壊できなかった。

麦野沈利の介入

そこへ麦野沈利が原子崩しで壁に穴を開けて現れた。彼女は、白い少女達は本物ではなく、死体の骨に粘土を塗りつけた人体模型のようなものだと切り捨てた。

麦野沈利は、死者は生き返らず、死者の気持ちは死者にしか語れないと断じた。死者の証明が利用されているのなら、それを終わらせるのは生きている人間の役目であり、奇麗なままで終わろうとするなと一方通行へ突きつけた。

罪の爪痕

一方通行は、白い少女達が本物ではなく、自分の傷を重ねて見ているだけだと認めた。それでも、彼女達がこの世界にいた証明を自分が奪った以上、自分自身が消えない爪痕になって、その存在を示すと決めた。

彼は、歪んだ記録はもういらないと宣言し、全てを終わらせる覚悟を固めた。麦野沈利もまた、フレンダもどきの件で垣根帝督に落とし前をつけさせるつもりだった。

第一位と第四位

垣根帝督は、一方通行の決断をなおも嘲った。しかし麦野沈利は、死者を利用して儲け話にするだけの垣根帝督を惨めだと切り捨てた。

破壊に特化した第一位と第四位、そして無限に増殖する創造性を持つ第二位が、互いに睨み合った。直後、怪物達は躊躇なく激突した。

激突する超電磁砲と聖人

御坂美琴とブリュンヒルド=エイクトベル

多層陸橋の最上部で、御坂美琴とブリュンヒルド=エイクトベルが対峙していた。科学サイドの超電磁砲と、魔術サイドの聖人かつワルキューレという特異な存在の激突であり、その影響は大きなものになりかねなかった。

ブリュンヒルド=エイクトベルは音速を超える踏み込みからクレイモアを振るった。御坂美琴は路面の砂鉄で彼女の足跡を捉え、高架道路の一部を磁力で揺らして攻撃の軌道を外した。

砂鉄とクレイモア

御坂美琴は砂鉄を暗殺針の嵐に変えてブリュンヒルド=エイクトベルを包囲した。しかしブリュンヒルド=エイクトベルはクレイモアを振り回し、衝撃波で砂鉄を吹き散らした。

御坂美琴は高架道路の鉄筋やコンクリートを操り、防御と攻撃を組み合わせて対抗した。さらにクレイモアへ雷撃を叩き込み、続けてコンクリートの塊をぶつけたが、ブリュンヒルド=エイクトベルは力技で受け止めた。

友達を助ける理由

ブリュンヒルド=エイクトベルは、御坂美琴がなぜフロイライン=クロイトゥーネの争奪戦に関わるのかを問うた。御坂美琴は、大きな事情は知らないが、上条当麻が誰かを助けたいと言うなら止められないと答えた。

御坂美琴は、友達を助けるのに理由はいらず、自分が上条当麻を助けたいから助けるのだと宣言した。そして超至近距離から超電磁砲を放った。

雷神トールとシルビア

同じ幹線道路では、雷神トールがシルビアと向き合っていた。雷神トールは投擲の槌の力を借りて溶断ブレードを伸ばしていたが、シルビアはその本質が雷神の枠に収まらないと見抜いていた。

雷神トールは、本来なら強者同士の激突すら避けたかったと語った。だが戦いが避けられないなら、犠牲を最小限に抑えるため、力を雷神程度に押さえるつもりだった。

結界のロープ

シルビアはロープで複雑な輪を描き、結界によって空気を掴む手を作り出した。彼女は聖人としての腕力と、天使の力を導く結界を組み合わせ、衝撃波の渦を複数方向から雷神トールへ叩き込んだ。

雷神トールは溶断ブレードで衝撃波を吹き散らそうとしたが、シルビアのロープや体を巻き込みそうになって動きが止まった。シルビアは、自分を押さえ込むための結界こそが周囲を巻き込まずに刺客だけを迎撃する技術だと語った。

回転する幹線道路

シルビアは天使の名を次々に切り替え、相性を利用して力を増幅させた。ロープに導かれた灰色の鉤爪のような力が幹線道路の一ブロックを引き剥がし、コマのように回転させた。

シルビアは回転する道路の側面を走り、雷神トールへ迫った。雷神トールは投擲の槌の供給を受け、溶断ブレードをブースターとして使って応戦したが、シルビアはさらに道路の大質量をモーニングスターのように叩きつけた。

怪力の雷神トール

シルビアは幹線道路の一ブロックで雷神トールを押し潰したと思った。しかし雷神トールは、怪力の神としての性質と霊装の力を使い、その大質量を強引に持ち上げた。

雷神トールは道路の塊を上空へ放り投げ、二〇メートルの溶断ブレードでシルビアへ届く距離を作った。シルビアは慌ててロープで結界を描き、灼熱の爪が彼女と幹線道路を焼き切ろうとした。

水の短剣

大質量の激突音を合図に、レイヴィニア=バードウェイは象徴武器を杯へ変え、水の壁を上空へ伸ばした。そこから無数の水の短剣が生まれ、上条当麻へ土砂降りのように降り注いだ。

上条当麻は右手で短剣の一つを打ち消し、その破片を周囲の短剣にぶつけて軌道をずらした。大量の刃が密集していたからこそ連鎖が起き、彼の周囲だけに空白が生じた。

召喚爆撃の誘導

バードウェイは防御から攻撃へ移る一瞬を狙い、上条当麻の脇腹近くで召喚爆撃を発生させた。さらに象徴武器を剣へ変え、右肩を切断しようとした。

上条当麻は召喚爆撃を右手で消すのではなく、指と右手をガイドレールのように使って爆発力の逃げ道を作り、閃光を風の剣へぶつけた。バードウェイの予測は外れ、上条当麻は距離を詰めた。

普通のナイフ

バードウェイは炎の壁で目くらましを行い、続けて灰色の短剣の群れを放った。上条当麻はその中に一本だけ本物のナイフが混じっていると見抜き、身をひねって避けた。

上条当麻は大量の刃の一つを破壊し、破片の連鎖で安全地帯を作った。バードウェイは、ただ右手に振り回されるだけの相手ではないことを認めつつ、次の手を選んだ。

フリントロック式拳銃

バードウェイは背中から古風なフリントロック式拳銃を取り出した。それは異能ではなく、上条当麻の右手では消せない普通の銃弾を放つ武器だった。

上条当麻には、銃弾を回避するだけの運動能力はなかった。バードウェイはプライドを捨て、下腹部を狙って確実な勝利を選ぼうとしていた。

結びつく力

白い人形達の消滅

地下道では、妹達の残留思念を基に作られた白い人形達と、垣根帝督の槍の嵐が一方通行へ襲いかかっていた。しかし一方通行の心はもう乱れず、彼は麦野沈利の原子崩しを受け止め、その向きを調整して白い人形達へ解き放った。

白い人形達は欠片も残さず消えた。一方通行は、死者の気持ちは死者のものであり、誰かの利益に結びつけてはならないと受け止めた。彼は自分にできる方法で、歪んだ証明を終わらせる道を選んだ。

増殖する垣根帝督

一方通行は未元物質の槍を逆流させ、垣根帝督の体を震わせた。そこへ麦野沈利の原子崩しが直撃し、垣根帝督の上半身を大きく削り取った。

しかし垣根帝督は、床や壁や天井に広がった未元物質から新たな自分を作り出した。生身の内臓の有無さえ曖昧になった彼は、壊すことはできても殺したと確信するのが難しい存在になっていた。

無限の壁

一方通行は未元物質の信号を逆流させようとしたが、垣根帝督はブロック化された情報伝達によって攻撃を遮断していた。なら全部壊すと一方通行は叫び、麦野沈利も原子崩しで破壊を続けた。

垣根帝督は、破壊されても恐怖を示さず、増殖を続けた。彼は一方通行の時間制限を指摘し、第四位だけになれば消化試合だと嘲りながら、大量の槍を二人へ放った。

空の拳銃

レイヴィニア=バードウェイは、上条当麻へフリントロック式拳銃を向けていた。上条当麻は撃たれる前に銃口を逸らそうと真正面から飛び込み、辛うじて銃口に触れた。

しかし拳銃にはまだ弾が装填されていなかった。バードウェイは、銃を囮にして上条当麻の意識を奪い、石の柱で胸を打ち抜き、さらに銃のグリップで彼を殴り倒した。

正しい使い方

バードウェイは、フリントロック式拳銃の構造を説明しながら火薬と鉄球を装填した。彼女は上条当麻の足を撃ち抜き、フロイライン=クロイトゥーネを諦める理由を作るつもりだった。

倒れた上条当麻は、それほどまでに犠牲を求めるのは、ハワイ諸島やバゲージシティの被害に見合う結果が必要だと思っているからではないかと指摘した。彼は、平和を得てもバードウェイ自身は満たされないと語った。

向けるべき矛先

上条当麻は、バードウェイも本当は助けたいから動いているのだと語った。しかし、飢えた人を助けるために人の肉を切り刻むような方法を選んでいると責めた。

さらに上条当麻は、どうしても犠牲が必要だったなら、自分を選べば良かったのだと告げた。フロイライン=クロイトゥーネや多くの犠牲者を使わず、自分の右手を餌にしてグレムリンを誘い出す道もあったはずだと訴えた。

見捨てる理由

バードウェイは、上条当麻が自分を犠牲にする前提で話すことに異常さを感じた。彼を突き動かすものの正体が見えないと語った。

上条当麻は少し考えた末、見捨てる理由が一つもなかったからだと答えた。バードウェイは、彼の脅威は右手そのものではなく、その力を活かして結果を残してきた上条当麻という存在だと見抜いた。

外れた銃口

バードウェイが上条当麻の太股を撃とうとした瞬間、銃口が大きく逸れた。多層陸橋の上から御坂美琴が磁力で拳銃を操ったのである。

さらに雷神トールの長大な溶断ブレードが、上条当麻とバードウェイの間を通過した。御坂美琴も雷神トールも、それぞれ聖人と交戦中でありながら、わずかな隙を使って上条当麻を支援した。

彼女を助ける流れ

上条当麻は、今集まった者達が皆フロイライン=クロイトゥーネを知っているわけではなく、同じ目的で戦っているわけでもないと語った。それでも、それぞれの行動は結果として彼女を助ける方向へ結びついていた。

上条当麻は、理不尽に苦しむ人を見れば誰でも助けたいと思えるはずだと断じた。そして、そんな簡単なことも思えない者達に、自分達が負ける理由はないと宣言した。

カブトムシ〇五の開花

フロイライン=クロイトゥーネの確認

多層陸橋の激戦を離れた場所から見ていたカブトムシ〇五は、中層にいるフロイライン=クロイトゥーネを確認した。フレメア=セイヴェルンはすぐ助けに行こうとしたが、カブトムシ〇五は周囲の戦闘に巻き込まれる危険を説明した。

カブトムシ〇五は、攻撃パターンを分析して安全な抜け道を探ろうとした。しかしその途中で意識が途切れ、彼の内側に垣根帝督の姿をした何者かが現れた。

内側の垣根帝督

内側に現れた垣根帝督の像は、本物ではなく、カブトムシ〇五自身が生み出した憧れのようなものだった。その存在は、カブトムシ〇五が垣根帝督から離れようとしながらも、垣根帝督の一部である自分を捨てきれていないと指摘した。

その像は、カブトムシ〇五が打ち止めとフレメア=セイヴェルンを守ろうとするほど、垣根帝督という出発点を否定できなくなる矛盾を突きつけた。さらに、垣根帝督の命令としてターゲットを殺害しろと告げ、カブトムシ〇五を追い詰めた。

停止した垣根帝督

地下道では、垣根帝督が無数の槍で一方通行と麦野沈利を押し潰そうとしていた。究極の創造性を得た彼は、時間も資源も消費を気にせず、相手が限界を迎えるまで待てばよい立場にいた。

しかし、槍の先端は二人の寸前で唐突に停止した。垣根帝督は未元物質の内部に変化がないはずなのに伝達が滞ったことに動揺し、一方通行は、垣根帝督を止めたのは垣根帝督自身ではないかと告げた。

垣根帝督という名前

カブトムシ〇五は、自分が垣根帝督以外の何者かになろうとする必要はなかったと気づいた。新しい人格を無理に作るのではなく、自分の名前を垣根帝督と名乗ることで、自分なりの答えを得た。

その瞬間、カブトムシ〇五の赤い光は消え、正常を示すような緑の光が灯った。彼は未元物質を操る学園都市第二位、垣根帝督と名乗り、白いカブトムシの殻を砕いて白い少年の姿を現した。

奪われる主導権

地下道の垣根帝督だったものは、自分の能力が反逆したことに激しく動揺した。一方通行は、誰が始まりかは問題ではなく、無限のネットワークの中で別の垣根帝督が生じたのだと見抜いた。

麦野沈利も、隔絶されたネットワークの中で独立した小さなネットワークが生まれたのだと理解した。表層に出ていた垣根帝督だけが本質とは限らず、誰かを守りたい心が主導権を得たのだった。

崩れ落ちる垣根帝督

垣根帝督だったものは、都合の悪い情報を消そうとして一方通行と麦野沈利を殺そうとした。しかし権限を失った彼の体には亀裂が走り、構成していた全てが崩れていった。

一方通行は、未元物質は大した力だが、彼にはもったいないと告げた。垣根帝督だったものは、自分が消えることを恐れながらも崩壊を止められなかった。

最後の爪痕

垣根帝督だったものは、カブトムシ〇五が変化したきっかけに、滝壺理后の存在が関わっていた可能性へ思い至った。しかしその叫びは、一方通行に無視された。

一方通行は、もし垣根帝督だったものが世界に証を望むなら、自分がその爪痕になってやると告げた。そして彼は中心部を貫き、垣根帝督だったものを完全に砕いた。

消える未元物質

一方通行はチョーカー型電極のスイッチを切り、能力の行使を止めた。命じる者を失った未元物質は、欠片も残さず空気に溶けて消えていった。

一方通行が終わったかと呟くと、麦野沈利は先は長いと返した。殺した者にとっての道は、ここで終わるものではなかった。

フロイライン=クロイトゥーネへの接近

バードウェイの核心

上条当麻は、レイヴィニア=バードウェイの魔術が単なる力の強さではなく、何らかの仕組みによって莫大な結果を生んでいると考えた。彼は象徴武器を狙ったが、バードウェイはそれを読んで風の剣で右拳の軌道を逸らした。

上条当麻は、彼女の攻撃が多彩に見えても、実際には決まった動作と決まった術式の積み重ねで成り立っていると見抜いた。過去の自分と同じ動作を完全に再現し続けることが、バードウェイを特別な魔術師へ押し上げていた。

有限の手札

上条当麻は、召喚爆撃も即興に見せかけた既定の動作による術式だと看破した。石のナイフに混じる本物のナイフや、フリントロック式拳銃も、バードウェイが変幻自在であると錯覚させるための手段だった。

上条当麻は、バードウェイの手札は有限であり、対処法を掴めば届くと確信した。水の短剣、炎の壁、風の剣、召喚爆撃などを打ち消し、弾き、利用しながら、彼はバードウェイの懐へ踏み込んだ。

努力の結論

上条当麻は、バードウェイを誰よりも努力を積み重ねた存在だと認めた。だからこそ、フロイライン=クロイトゥーネを使い潰すような答えを導き出してはいけないと叫んだ。

上条当麻とバードウェイは交差し、二人の戦いに一つの結論が示された。

止まった聖人達

多層陸橋の最上部では、御坂美琴と戦っていたブリュンヒルド=エイクトベルの動きが止まった。彼女は一つの決着がついたと感じ、戦闘続行か増援か撤退かを迷っていた。

一層下で雷神トールと対峙していたシルビアも動きを止めた。彼女は、フロイライン=クロイトゥーネから力を奪う術式はバードウェイの専売特許であり、バードウェイが折れたなら作戦続行は難しいと語った。

退く聖人達

シルビアと雷神トールは互いに一歩下がり、戦闘を終える意思を示した。シルビアは、フロイライン=クロイトゥーネは悪意がなくても人を傷つける危険を持つ正真正銘の怪物だと警告した。

雷神トールはその懸念を理解しながらも、彼女を獣として檻に入れることを嫌った者達が集まったのだと答えた。そして、フロイライン=クロイトゥーネは必ず助け出すと告げた。

友達への接近

白いカブトムシではなく垣根帝督となった少年は、多層陸橋の戦闘が終わったことを確認した。打ち止めとフレメア=セイヴェルンは、友達を助けに行くと決めた。

垣根帝督は、フロイライン=クロイトゥーネの捕食機能が消えたわけではなく、接近すれば危険があると警告した。しかし打ち止めは、彼女も自分達と同じように曖昧な存在であり、ここにいて良いと教えるべきだと語った。

はまづら団の友達

フレメア=セイヴェルンは、フロイライン=クロイトゥーネははまづら団の一員であり、自分達の友達だからそれだけで十分だと断言した。

垣根帝督はその言葉を受け入れ、彼女達の友達を助けるために進むと決めた。打ち止めは、防犯ブザーのメール機能を使い、これから向かうことをフロイライン=クロイトゥーネへ知らせた。

届いた言葉

フロイライン=クロイトゥーネは、服の中で振動する卵型の機材に気づいた。それは友達から渡された証であり、画面には短いメッセージが表示されていた。

彼女はそこに込められた温かさを受け取り、自然にありがとうと呟いた。しかし同時に、自分は打ち止めを捕食することを止められないとも告げた。

最悪の開花

フロイライン=クロイトゥーネは、友達からの言葉に感謝しながらも、自分の機能を止めることはできなかった。

やがてその時が訪れた。どうしようもなく単純で、だからこそ変えられない最悪の結末が花開いた。

捕食を越えた友達

地上へ戻る一方通行達

垣根帝督だったものを撃破した一方通行と麦野沈利は、地下道から多層陸橋の地上部分へ出た。そこで一方通行は、フロイライン=クロイトゥーネが何かを咀嚼している姿を見つけた。

麦野沈利は、それが人間の脳に見えると呟いた。一方通行は、打ち止めが捕食されたのではないかと考え、怒りで我を失いかけたが、そこへ無傷の打ち止めが現れて彼を止めた。

戦闘前の対話

多層陸橋へ向かう前、御坂美琴は雷神トールにそそのかされ、上条当麻のもとへ向かった。だが彼が負傷していることを知り、サンドリヨンのフランス語を通訳することになった。

サンドリヨンは、自分の体を食材のように分解して学園都市へ潜入し、その余りが残っていると説明した。上条当麻はその話から、フロイライン=クロイトゥーネの捕食機能を回避する方法を思いついた。

サンドリヨンの協力

サンドリヨンは当初、自分の体の一部を別の用途に使うことに難色を示した。しかし上条当麻がマリアン=スリンゲナイヤーをバゲージシティで倒したと聞き、復讐相手を失ったと判断した。

彼女は、上条当麻への借りを帳消しにするため協力を受け入れた。必要なのは、学園都市へ持ち込んだ食材の余りを回収することだった。

防犯ブザーの追跡

一方、浜面仕上達は防犯ブザーのGPSを思い出し、多層陸橋へ向かっていた。そこへサンドリヨンが現れ、マンションへ案内するよう求めた。

芳川桔梗は打ち止めとフレメア=セイヴェルンがカブトムシ05と一緒にいると確認したうえで、垣根帝督が打ち止めを殺そうとしており、フレメアも巻き込まれる危険があると説明した。

役割の分担

サンドリヨンは、フロイライン=クロイトゥーネの捕食を回避するには自分に協力するしかないと告げた。浜面仕上は、フレメアの友達である打ち止めを助けるのと同じように、フロイライン=クロイトゥーネも見過ごせないと考えた。

浜面仕上と滝壺理后はサンドリヨンをマンションへ案内し、麦野沈利は多層陸橋で第二位の撃滅に向かうことになった。芳川桔梗はフランス語の通訳役として浜面仕上達に同行した。

模造品の作成

マンションでは、絹旗最愛が部屋を片づけていた。サンドリヨンはキッチンで食材の余りを取り出し、芳川桔梗はそれを使って打ち止めの脳に似た構造のペーストを作る役を担った。

ただし、そのまま完璧なレプリカを食べさせるのではなく、それを参考にして洋菓子の材料で二つ目の模造品を作ることになった。実際にフロイライン=クロイトゥーネへ与えるのは、完全にただの洋菓子だった。

機能を満たす罠

浜面仕上は完成した模造品を持って多層陸橋へ向かった。フロイライン=クロイトゥーネの機能が打ち止めの脳を追い続けるなら、酷似した偽物を食べさせることでその穴を埋められる可能性があった。

模造品によって機能が満足すれば、彼女はもう打ち止めを狙わなくなるかもしれなかった。それが、上条当麻が土壇場で掴んだ可能性だった。

汚れた両手

現在に戻り、打ち止めとフレメア=セイヴェルンは、フロイライン=クロイトゥーネにもう大丈夫だと声をかけた。フロイライン=クロイトゥーネは、自分の手や口が汚れていることを見て、捕食を止められなかった自分を醜い生き物だと感じていた。

しかし、彼女が食べたのは打ち止めではなく模造品だった。誰かを犠牲にしたわけではなく、彼女を糾弾する場面でもなかった。

一分後の友達

打ち止めは、フロイライン=クロイトゥーネが大量の情報を得て羽化する生き物であり、打ち止めの脳を食べる機能を持っていたことを認めた。しかし、それは一分前までの彼女であり、一分後の彼女にはもう当てはまらないと告げた。

打ち止めは、フロイライン=クロイトゥーネがもう怯える必要も、善悪で悩む必要もなく、自分達の友達というだけの生き物になったはずだと宣言した。

初めての抱擁

フレメア=セイヴェルンは、難しいことは試してみればよいと言い、打ち止めと一緒にフロイライン=クロイトゥーネの胸へ飛び込んだ。フロイライン=クロイトゥーネは二人を傷つけず、ただ抱き締めることができた。

模造品の情報を取り込んだことで、彼女の中では何かが変わり始めていた。どこへ進むかは分からなかったが、少なくとも誰かの脳を捕食する道の外へ踏み出す権利を得た。

それぞれの帰る場所

フロイライン=クロイトゥーネは、生まれて初めて友達を抱き締めた。その泣き声を聞き、周囲の者達はもう大丈夫だと理解した。

上条当麻を取り巻く者達は、全員が友好的な関係ではなかった。それでも誰かの危機に集まり、解決すれば再びそれぞれの道へ戻っていく存在だった。

第八章 この世で最も単純な構図 One_on_One.

雷神トールとの決闘

第一一学区の見送り

第一一学区の物流基地で、上条当麻は雷神トールを見送っていた。上条当麻は負傷した体を押して、雷神トール達が学園都市の外へ出ることを確認しようとしていた。

雷神トールは、マリアン=スリンゲナイヤーと投擲の槌はすでに外へ出たと語った。フロイライン=クロイトゥーネについては、グレムリンにとって価値がなくなり、学園都市側も無理に閉じ込めるより自由にさせるだろうと見ていた。

本題の開始

上条当麻が魔神オティヌスや主神の槍の今後を問うと、雷神トールはどうにかすると軽く答えた。そのうえで、フロイライン=クロイトゥーネの問題は片づいたため、本題に入ると告げた。

直後、雷神トールは溶断ブレードを展開した。彼はグレムリンのためではなく、自分の成長のために上条当麻と戦うつもりだった。

成長を求める理由

上条当麻は、雷神トールがフロイライン=クロイトゥーネを助けるために本気で動いていたのに、なぜ戦いを求めるのかと叫んだ。雷神トールは、自分は上等な人間ではなく、力を求める存在なのだと答えた。

雷神トールは、強い相手と戦って成長するために、被害を広げにくい上条当麻の幻想殺しを好敵手として見ていた。彼にとって上条当麻は、勝っても負けても得るものがある相手だった。

自ら撃つ雷神トール

上条当麻の脇腹の傷が再び痛み出すと、雷神トールはその不公平を減点だと判断した。彼は税関のエンジニアから奪った拳銃を取り出し、自分の脇腹に押し当てて撃った。

雷神トールは倒れず、上条当麻と同じように負傷した状態で戦おうとした。彼は、自分の傷を言い訳にすれば上条当麻も本気で戦えるだろうと告げた。

物流基地の戦場

第一一学区のコンテナ群が並ぶ物流基地は、雷神トールとの戦場になった。雷神トールは投擲の槌から力の供給を受け、十指の溶断ブレードを二〇メートル以上に伸ばした。

雷神トールはコンテナの山を切り裂きながら上条当麻へ襲いかかった。上条当麻は右手で受け止めようとしたが、溶断ブレードは完全には消えず、手首に強い負担がかかった。

届かない拳

雷神トールは溶断ブレードを移動にも利用し、コンテナの上や空中を自在に動いた。上条当麻は射程、速度、威力の全てで不利であり、右手で受け止めても体を痛めるだけだった。

上条当麻は拳を届かせる手段を探したが、雷神トールの攻撃はあまりにも広く速かった。防戦一方では削られるだけであり、彼は追い詰められていった。

壊れる体

雷神トールの体から、関節や軟骨がきしむような音が鳴っていた。上条当麻は、溶断ブレードの出力や移動の負荷に雷神トールの肉体が追いついていないことに気づいた。

雷神トールは、自分は聖人でも魔神でもなく、ただの魔術師だと語った。それでも世界の頂点に届きかけている以上、危険を承知で背伸びするのは当然だと考えていた。

二キロの刃

雷神トールはさらに出力を上げ、溶断ブレードを二キロほどにまで伸ばした。彼は、個人の戦いが戦争の域に達するほどの力を示し、届くということの魅力を語った。

そのうえで雷神トールは、上条当麻の近くに落ちている拳銃を指摘した。拳では届かなくても銃なら届くと示し、上条当麻に選択を迫った。

最後の鍵

雷神トールは、自分がグレムリンの本拠地へ繋がる最後の鍵だと告げた。ここで逃がせば、魔神オティヌスがどう動くか分からず、さらなる犠牲が出るかもしれないと突きつけた。

上条当麻は、個人の事情やモラルだけで逃がすのかと問われた。雷神トールは、かつて六〇億人を助けた決断をもう一度見せろと告げ、最後の戦いを開始した。

雷神トールの本質

拳銃への選択

上条当麻の近くには拳銃が落ちていた。雷神トールは、上条当麻がそれを取ると読んで溶断ブレードを振るったが、上条当麻は拳銃へ向かわず、右拳で溶断ブレードを弾いた。

上条当麻は、溶断ブレードを弾くたびに自分の手首だけでなく、雷神トールの手首にも負荷がかかっていると見抜いていた。彼は拳銃ではなく、殺さずに決着をつける方法を選んだ。

互いに削れる手首

雷神トールは上条当麻の選択を面白がり、さらに溶断ブレードを振るった。上条当麻は防御だけでなく、雷神トールの手首に痛みが返るように拳でブレードの軌道を叩き曲げた。

激突を重ねるごとに、上条当麻の右手首も雷神トールの両手首も限界へ近づいていった。やがて上条当麻の右手首の関節が外れ、同時に雷神トールの両手首も折れ、溶断ブレードは消えた。

右手なしの突撃

上条当麻は右手首が使えなくなっても、左手や足が残っているとして戦いを続けようとした。雷神トールも続行を選び、上条当麻は決着をつけるために全力で懐へ踏み込んだ。

その直後、雷神トールは自分が雷神だけに収まる存在ではないと告げた。上条当麻は鈍い衝撃を受け、地面へ叩きつけられた。

全能としてのトール

倒れた上条当麻へ、雷神トールはトールという神の本来の性質を語った。初期の伝承では、トールは雷だけでなく、農耕や金属精錬、気象や季節、災害まで司る存在だったという。

雷神トールは、上条当麻が雷神としての自分には勝ったが、全能としてのトールには届かなかったと告げた。上条当麻は、自分が敗北したことをようやく理解した。

勝った責任

雷神トールは、主神の槍の完成ルートを失った魔神オティヌスの今後について、考えがないわけではないと語った。勝った以上は責任を取るとも告げた。

彼は、上条当麻が一人で世界を守り過ぎているとして、しばらく休むよう言い残した。上条当麻が呼びかけた時には雷神トールの姿はなく、上条当麻の意識もそこで途切れた。

終章 次の喧嘩を始めましょう Next_Batter_Circle.

それぞれの結末

外へ出たオッレルス側

学園都市の外へ出たシルビア、レイヴィニア=バードウェイ、ブリュンヒルド=エイクトベルは、フロイライン=クロイトゥーネを得られなかった結果を振り返っていた。バードウェイは、すでにフロイライン=クロイトゥーネが魔神オティヌスの望むものとは別の形に変わったため、揺さぶりには使えないと判断していた。

シルビアはバードウェイをからかいながらも、オッレルスの準備が終わったことを告げた。フロイライン=クロイトゥーネとは別の本命が動き出す状況になっていた。

カブトムシさんの噂

学園都市には多くの怖い都市伝説が存在していた。その中に、怖い怪人に出会った時は助けてカブトムシさんと叫べばよい、という新しい噂が生まれようとしていた。

助けを呼べば、未元物質を操る学園都市第二位、垣根帝督と呼ばれる誰かが来てくれるという話だった。新しい第二位は、都市伝説として子供達の間に広がる可能性を持っていた。

一方通行の自問

マンションへ戻った一方通行は、自室のベッドで一人考えていた。垣根帝督だったものを倒し、誰も失われずに済んだものの、殺された人間の気持ちは殺された人間にしか分からないという言葉が彼の中に刺さっていた。

一方通行は、妹達を殺した実験の本当の意味や、ミサカネットワーク、AIM拡散力場、エイワスへ繋がる学園都市の巨大な構造について考えた。彼は、超能力開発そのものが何へ向かうためのプランなのか、その闇の端に触れたように感じていた。

ミサカネットワークの総体

一方通行が闇へ踏み出そうとした時、打ち止めの体を通じてミサカネットワークの総体の意思が現れた。それは、一方通行が学園都市の秘密を追う戦いに身を投じれば善に近づけると考えているなら、それは誘導された考えだと告げた。

総体の意思は、一方通行にとって楽な道は安易な闘争と暴力と勝利であり、今の安定した生活を放棄することこそ逃げだと指摘した。そして、本当に辛い方法で誰かのためにあがけと突きつけた。

木原の観察

第三学区の地下施設では、リクルートスーツに白衣の女が、消えた未元物質や新しい第二位の都市伝説について記録していた。彼女は、第二位の変化、第一位の今後、滝壺理后やフレメア=セイヴェルンの稼働を評価していた。

さらに、フロイライン=クロイトゥーネ、風斬氷華、ドラゴン、統括理事長に繋がる仮説にも触れた。しかし最後には記録用の機材を踏み潰し、自分の行動が木原らしくないと呟いた。

工業港のオティヌス

東京湾岸の工業港で、雷神トール、マリアン=スリンゲナイヤー、投擲の槌は貨物船へ向かっていた。そこへ魔神オティヌスが現れ、フロイライン=クロイトゥーネを持って来いと命じたはずだと問い詰めた。

雷神トールは、代替案としてクーラーボックスの中の垣根帝督の生身のパーツを差し出した。創造性の象徴であるそれを使い、ゼロから人形を作れば主神の槍の製造に繋がる可能性があると示した。

オティヌスの制裁

オティヌスは雷神トールの右腕を肩から切断した。彼女はマリアンに後で繋げろと命じ、クーラーボックスを持ち去った。

直後、オティヌス自身の腕も崩れかけた。彼女は無限の可能性が負の五〇%に傾いたと判断し、最後のピースが揃った以上、主神の槍の製造に取りかかると告げた。

潜り込んだオッレルス

腕を切られた雷神トールは、一人になった後、切断面を合わせて魔術的に腕を繋げた。その正体は本物の雷神トールではなく、雷神トールに化けてグレムリンへ潜り込んだオッレルスだった。

オッレルスは、フロイライン=クロイトゥーネを失わせた後に代替案を提示することで、魔神オティヌスの判断を揺さぶった。彼はグレムリンの本拠地へ案内してもらうため、反撃作戦の準備を整えていた。

本物の雷神トール

本物の雷神トールは、学園都市の外壁を越えた先の公園で負傷した体を休めていた。彼はオッレルスとの取引に応じた時点で、もはやグレムリン所属ではなくなっていた。

それでも雷神トールは、魔神オティヌスとオッレルスのどちらにつくかを恐れているわけではなかった。彼は、次にどちらが面白いステップになるかを考えていた。

迷走する勇者

雷神トールは、フロイライン=クロイトゥーネを助けるという初期目標は達成されたと考えていた。しかし完璧だったのは、その目標だけだった。

莫大な力を持つ魔神は破壊に理由を求めず、魔王を倒す力を持つ勇者は自分の力を何に使うべきかを迷っていた。これは、そういう物語だった。

後夜祭

帰ってきた上条当麻

背中のフロイライン=クロイトゥーネ

一つの事件が終わったように見えたが、最初の命題はまだ残っていた。広場ではインデックスが仁王立ちし、上条当麻はフロイライン=クロイトゥーネを背中に張り付かせたまま正座していた。

インデックスは、背中の少女が誰なのかを問い詰めた。上条当麻は、彼女がフロイライン=クロイトゥーネであり、サンドリヨンの模造品を食べた影響で体が幼くなり、捕食の機能を失ったのだと説明した。

抱き着き癖

インデックスは、なぜフロイライン=クロイトゥーネが背中にくっついているのかを繰り返し尋ねた。上条当麻は、機能が失われたことを証明した行為が友達に抱き着くことだったため、抱き着き癖のようなものが残ったのだと弁明した。

上条当麻は、フロイライン=クロイトゥーネが御坂美琴にも抱き着いていたため、自分だけが対象ではないと必死に訴えた。インデックスは唸りながらも、やがて諦めたように息を吐いた。

おかえりの言葉

インデックスは、上条当麻はいつも通りだと受け止めたうえで、改めておかえりと告げた。

上条当麻は照れ隠しに茶化して返した。するとインデックスは、今度こそ本気で彼に噛みついた。

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