小説【転スラ】「転生したらスライムだった件 10巻」感想・ネタバレ

小説【転スラ】「転生したらスライムだった件 10巻」感想・ネタバレ

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どんな本?

転生したらスライムだった件”とは、伏瀬 氏による日本のライトノベルで、異世界転生とファンタジーのジャンルに属す。

主人公は、通り魔に刺されて死んだ後、スライムとして異世界に転生。
そこで様々な出会いと冒険を繰り広げながら、魔物や人間との交流を深めていく。

小説は2014年からGCノベルズから刊行されており、現在は21巻まで発売されている。

また、小説を原作とした漫画やアニメ、ゲームなどのメディアミックスも展開されており。

小説のタイトルは「転生したらスライムだった件」だが、略称として「転スラ」と呼ばれることもある。

読んだ本のタイトル

転生したらスライムだった件  10 (That Time I Got Reincarnated as a Slime)
著者:伏瀬 氏
イラスト:みっつばー 氏

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あらすじ・内容

西方協議会に潜む闇を打ち破れ!

開国際も無事に終わり、リムルが次に狙うは西方協議会への加盟。 それを切っ掛けとしたさらなる経済圏の拡大だ。 しかし西方協議会の影の支配者?強欲のスキル?を持つマリアベルは、リムルの強大な力を警戒し、手が付けられなくなる前に潰さなければならないと固く決意していた。 思惑が交差する中、リムル抹殺の策略が静かに始まる。

転生したらスライムだった件 10

前巻からのあらすじ

開国祭を開催し、出店やコンサート、技術発表会を開いて来賓をもてなす。そこは大盛況だったのだが、、

支払いをドワーフ金貨のみと経済的な嫌がらせを受けドワーフとエルフの国主に仮を作って支払い、そんな事をした商人は今後の取引は行わないと宣言して終わり。

迷宮も解放して100階でワクワクして挑戦者を待っていたヴェルドラさん待ちぼうけw 

ちなみに、表紙の子供達を祭で引率したのはヒナタ。
「オバ・・」と言って死にそうになった子供約1名w

感想

ゲーム感覚で迷宮運営を楽しむリムル達。
魔王達がアバターで暗躍w

祭りが終わり、次は西方評議会への加入を目指す。
そんなリムルに、西方評議会の陰の実力者。

グロッソのマリアベルが暗躍して来た。

リムルの経済圏拡大に反対するマリアベルはリムルの強大な力を背景にした経済圏に依存すると、リムルの言う事に逆らえなくなると警戒しており。

リムルの経済圏が強大になる前に叩き潰そうとするのだが、、
彼女はか弱い10歳児。
それで手駒にしていたユウキを利用して、リムルの暗殺計画を練るのだが、、

ユウキに裏切られて呆気なく死亡してしまう。

そんなユウキが操られていたと思い込んで、ユウキが解放されて良かったと安心したリムルだったが、、

リムルの権能のラファエルさんからユウキは操られてなちと指摘される。
それでリムルはユウキをより一層警戒感するようになる。
マリアベルは居なくなったが、彼女の後ろ盾になっていた五大老の最長老グランベル・グロッソが未来は潰えたと自棄を起こしてしまう。

こんな時に常にリムルの側に控えるディアブロは、国政を司るのに人員が足りないという事で昔の知り合い達をスカウトしに魔界へと赴いており。

そんなフリーな状態だから、リムルが色々とフリーダムにやらかす。

迷宮では冒険者達のダンジョン攻略が思った以上に進み。
リムル、ミリム、ラミリス、ヴェルドラの制作組の魔王達は、アバターを使い別の身体で迷宮を暗躍していた。

それで猛スピードで迷宮を攻略していた傭兵団達を撃破して過度な攻略を妨害する。
どうやら精霊使役者だったらしく。
リムルは精霊の居ない部屋を用意する。

ちなみに魔王達のアバターは、ラミリスは身体の大きい防御重視のリビングメイルとなり。
ミリムはハイスピードに動き回るスライム。
リムルは魔法主体のゴーストとなり、ヴェルドラはスケルトンの剣士となって迷宮で冒険者達を倒しまくる。

そんな事をしていたら、、

彼等は伝説になってしまったww

最後までお読み頂きありがとうございます。

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主要キャラクター

リムル=テンペスト

テンペストの盟主であり、作中の中心人物。温厚で理性的な判断を重視し、多くの配下に慕われる存在である。他者との信頼関係を築くことに長け、敵対者に対しても寛容な姿勢を見せる。

・ジュラ・テンペスト連邦国の盟主を務めている。
・ユーラザニアとの会談において、和解を導く立場を担った。
・魔王クレイマン討伐に向けた行動の中心となり、情報収集と対応を主導した。
・ディアブロを使者として派遣し、勢力圏の拡大と交渉を進めた。

ヴェルドラ=テンペスト

リムルと契約を結んだ暴風竜であり、自由奔放な性格の持ち主。戦闘力は極めて高く、魔王級の力を持つ。リムルに対しては深い信頼と親しみを抱いている。

・リムルとの契約により復活を遂げた。
・人型の姿を得てからは自由に行動するようになった。
・リムルの命に従い、戦力としての抑止力を担っている。
・日常生活にも干渉し、テンペストの住民との関わりを持っている。

ベニマル

テンペスト軍の筆頭将軍であり、冷静かつ的確な判断を下す軍師である。感情より理を重んじ、全体の利益を優先する傾向を持つ。

・軍の指揮を執り、クレイマン討伐戦の実行責任者を務めた。
・会議にてユウキの動向や対策について分析を行った。
・他勢力との連携を調整し、作戦の成功に寄与した。
・リムルからの信頼を背景に、軍政両面で権限を有している。

シュナ

温和で礼儀正しい性格の持ち主であり、内政面において補佐役として機能している。言動には慎みがあり、場の空気を和らげる力を持つ。

・テンペストにおける文官の役割を担っている。
・リムルの側近として、各国の使者に対応した。
・会議の場では補佐に徹し、場の進行を支えた。
・知性と信頼の象徴として、周囲から尊重されている。

シオン

リムルの護衛を務める戦士であり、直情的だが忠義に篤い性格をしている。護衛以外にも様々な実務を任される場面がある。

・テンペストの幹部としてリムルの身辺警護を担っている。
・ディアブロの報告に強い関心を示し、緊張感を見せた。
・ユウキに対して明確な警戒心を示した。
・行動的な面から、戦闘時には実働部隊としても活躍する。

ソウエイ

沈着冷静な性格であり、諜報と偵察を担当する忍者的存在である。目立たぬよう行動し、必要な情報を確実に持ち帰る能力を持つ。

・テンペストにおける諜報活動を統括している。
・会議にて情報提供を担当し、リムルを補佐した。
・外部勢力の監視や動向把握において活躍した。
・作戦における事前準備と状況確認に尽力している。

ハクロウ

武道に秀でた老剣士であり、若者たちの指導役を務める存在である。落ち着いた態度と豊富な経験から、他者に安心感を与えている。

・テンペストにおける武芸指導を担っている。
・発言は控えめであったが、作戦準備には協力していた。
・戦力としてよりは参謀的立場にある。
・指導者としての評価が高く、軍内の精神的支柱となっている。

リグルド

元はゴブリンの族長であり、テンペストの行政官を務める人物である。民を思いやる心を持ち、実務面で信頼されている。

・テンペストの運営全般を支える役職に就いている。
・国政と民政のバランスをとるため、調整役として働いた。
・会議では情報整理と伝達の役割を担っていた。
・組織の要として、地味ながら欠かせぬ存在とされている。

ガビル

かつての失敗を乗り越え、現在はテンペストに協力する戦士である。情熱的な性格を持ち、行動力に富むが、空回りする場面もある。

・竜人族の代表としてテンペストと連携している。
・クレイマン討伐戦において、戦力として参加する意志を示した。
・討議の場では発言に熱がこもっていた。
・かつての過ちから学び、現在は信頼回復に努めている。

ランガ

リムルに忠誠を誓う魔狼であり、常に傍に控える護衛役である。誠実で従順な性格を持ち、命令に対しては迅速かつ正確に応じる。

・テンペストの上位幹部に位置付けられている。
・クレイマン討伐に先立ち、ユウキに関する情報収集のために奔走した。
・会議では発言は少ないが、警戒と警護の役割を担っていた。
・行動力と忠誠心により、信頼の厚い存在とされている。

ユウキ・カグラザカ

自由組合の総帥であり、表向きは中立を装っているが、裏では様々な陰謀を画策する存在である。外見は穏やかだが、思考は冷徹で戦略的である。

・自由組合のトップとして各国に影響力を持つ。
・カザリームや中庸道化連と密接に連携し、大規模な計画を進行させた。
・子供たちの養育を通じて、後継者育成に力を入れていた。
・「東の帝国」との協力を取り付け、戦争準備を整えていた。

カザリーム

中庸道化連の主導者であり、過去に魔王だった経歴を持つ存在である。現在はユウキと結託し、復讐と支配の計画を進めている。

・中庸道化連の指導者で、ティア、フットマンらを従える。
・ユウキの参謀役として計画の実行を補佐した。
・復活したレオンへの復讐心を抱いていた。
・自らが死んだ原因を根に持ち、その仇討ちを誓っていた。

ダグリュール

「巨人族」の長であり、圧倒的な体格と力を誇る存在である。基本的には温厚だが、弟妹に対して過保護な一面を見せる。

・東の帝国との協議に参加し、戦力提供を受諾した。
・ラプラスらの助言にも耳を傾け、現状を把握していた。
・子であるゼギオンの存在を知り、感情的な反応を見せた。
・計画には距離を置きながらも、一定の協力姿勢を示していた。

グランベル・ロッゾ

ロッゾ一族の長老格であり、表向きは温厚な老貴族を演じているが、実際には暗躍を続ける謀略家である。歴史の裏で多くの事件に関与してきた。

・ロッゾ家の長として、帝国上層部に影響力を持つ。
・ユウキやカザリームと連携し、国家規模の計画を推進した。
・ユウキを後継者とし、自身の目的達成を託していた。
・「ルドラ」の信仰を語り、帝国の思想誘導にも関与していた。

ラプラス

中庸道化連に属する者であり、道化師のような態度と軽妙な口調を持つが、内心では強い知略と観察眼を有している。

・ティア、フットマンと共に活動し、ユウキに協力していた。
・ダグリュールに対して情報提供を行い、作戦の成否を見極めていた。
・カザリームに強い忠誠を示しながらも、独自の考察を行っていた。
・場の空気を読んで立ち回る柔軟さを持っていた。

ティア

中庸道化連に所属する女性であり、無邪気な性格の裏に残虐性を秘める危険人物である。感情表現が激しく、突発的な行動をとることが多い。

・カザリームの指示で行動し、ユウキの作戦に加担した。
・フットマンと共に行動することが多く、連携して任務を遂行した。
・リムルへの強い敵意を抱いていた。
・一部作戦で感情的になり、予定外の行動を起こした。

フットマン

ティアと同様に中庸道化連に所属する男性であり、粗暴で単純な言動が目立つが、戦闘力に優れた存在である。喜怒哀楽が極端に表出する。

・ティアとペアで行動し、破壊工作に従事していた。
・カザリームの命令には忠実に従っていた。
・敵に対して容赦のない攻撃性を示した。
・作戦遂行中に感情的な発言が多く、注意を受ける場面もあった。

ヒナタ・サカグチ

神聖法皇国ルベリオスの聖騎士団長であり、強い責任感と統率力を持つ女性。かつてリムルと敵対していたが、後に誤解を解き協調へと転じた。現在はルミナスの信頼を得て、行動を共にしている。

・神聖法皇国ルベリオスの聖騎士団長を務める。
・リムルとの誤解を解いた後、連携関係を構築した。
・クロエの時間移動に関連する出来事に関わり、記憶の混濁に苦しんでいる。

ミリム・ナーヴァ

竜魔人にして魔王の一人であり、非常に高い戦闘能力を持つ。感情豊かで自由奔放な性格だが、一定の理性も持ち合わせる。

・魔王の一人として、他の魔王との会議に参加している。
・クレイマン死後の均衡に関心を持っている。
・リムルに対して友好的な姿勢を保っている。

ヴェルグリンド

紅蓮の竜帝と呼ばれる竜種の一柱であり、ヴェルザードの姉。正義感が強く、弟ヴェルドラを案じて世界情勢に介入する。

・紅蓮の竜帝として活動している。
・ルミナスやフェンから事情を聞き、判断を下した。
・ヴェルドラの行動を懸念し、ルミナスに警告を発した。

ルミナス・バレンタイン

魔王の一人であり、神聖法皇国ルベリオスの最高権力者。冷静で計算高い性格を持ち、政治と宗教の両面を支配している。

・魔王にして、神聖法皇国ルベリオスの支配者である。
・クロエの正体と力を認識し、保護と利用を図っている。
・ヴェルグリンドに対して外交的対応を行った。

クロエ・オベール

時間を操る能力を持ち、過去と未来を行き来する存在。リムルの教え子の一人であり、ヒナタとも深い関係を持つ。

・元はリムルの生徒であり、時間を超えて行動する存在である。
・ヒナタの肉体を一時的に器として利用していた。
・ルミナスによって保護され、調整を受けている。

展開まとめ

序章  動き出す者達

ユウキの危機感と道化達の対応

神楽坂優樹は、テンペスト開国祭を視察した後、自身の計画の見直しを検討していた。彼は魔王リムルの力を目の当たりにし、その用心深さと容赦のなさを再認識していた。部下のカガリやラプラス達も、リムルが敵に回った場合のリスクを理解しており、無謀な行動は避けるべきとの認識で一致していた。実際にユウキは、ヒナタに情報を流したことで疑いを持たれ、関係者が集められた場に招かれたことから、自身の関与が露呈している可能性を懸念していた。

対リムル戦略の再検討

カガリはリムルの本質的な危険性を察しており、慎重に対応すべきとの姿勢を貫いた。ユウキもまた、直接的な対立を避け、証拠がない限りは友好関係を維持する方針に切り替えた。暴風竜ヴェルドラの存在も含め、戦力差を鑑みれば無理な賭けはすべきではないと道化達は理解していた。彼らは過去の教訓から、冷静な判断を下すことの重要性を認識していた。

精霊と子供達の動向に対する疑念

ユウキは保護していた子供達をリムルに奪われたことを問題視していた。リムルが精霊による魔素量の中和を目的としていたことを口にしたことで、ユウキは何らかの意図があるのではないかと警戒を強めた。また、レオンが不完全召喚による異世界の子供達を集めている事実から、彼の目的が単なる戦力補強ではない可能性にも言及した。

道化達への任務と警戒の強化

ユウキはラプラス達に、ダムラダの任務を引き継ぐよう命じ、魔王レオンとの商談を担当させた。同時に、慎重な行動を要請し、感情に流されぬよう警告を与えた。道化達もそれに応え、冷静さと成長を示した。特定機密商品とは、召喚に失敗した異世界の子供達のことであり、彼らの存在が様々な勢力の計画に関わっていた。

古代遺跡アムリタの秘密とカガリの提案

カガリが担当する遺跡調査は、実は自身の過去に深く関係していた。古代遺跡アムリタは、魔王カザリーム時代に建設された都市であり、高度な防衛機構を備えていた。ミリムによって滅ぼされた耳長族の生き残りとして、彼女はアムリタにエルフの技術を集約させていた。リムルをこの遺跡に誘導し、試すことも可能と提案したが、ミリムが同行する可能性を考慮し、ユウキはそれを否定した。

最終的な方針と各自の行動計画

ユウキはカガリにリムルの戦闘能力の把握を依頼し、正体を明かさぬよう注意を促した。自身は東側での活動拠点の拡張を目論み、あらゆる事態に備えていた。仲間達もそれぞれの任務に向けて動き出し、リムルやレオンを相手に静かに策を巡らせることとなった。こうして、闇に潜む勢力は新たな局面へと歩を進めたのである。

第一章  順調な迷宮運営

開国祭の余韻と各国要人の帰国

テンペスト開国祭が成功裏に終わり、各国の来賓は帰国の途に就いた。ドワーフ王ガゼルは自国での技術研究班の設立を約束し、サリオン天帝エルメシアはテンペスト内に旅館を購入し転移魔法陣を設置することで定期訪問の意志を示した。魔王ルミナスは空間移動で即座に帰還し、今後の楽団交流については追って連絡すると述べていた。

ヒナタの協力と子供達の教育体制

ヒナタはテンペストに滞在し、子供達の教育と戦闘訓練を引き受けた。これはリムルにとって非常に助けとなった。ユウキへの疑念がある以上、子供達をイングラシア王国に戻す判断は避けられた。既に転校手続きも済ませられており、ヒナタの協力は理想的な形となった。子供達も彼女に懐いており、教育環境として申し分なかった。

地下迷宮の試験開放と冒険者の失態

迷宮の試験開放初日から、挑戦者達の未熟さが露呈した。一階層には罠も強敵もおらず、比較的安全な設計であったにも関わらず、攻略は極めて遅延していた。二階層に到達する者は皆無で、宝箱に殺到して罠や魔物に倒れる者が続出した。特に、装備や食料を軽視する傾向が顕著で、単独行動する冒険者も見られた。結果、ほとんどの挑戦者が迷宮から撤退することとなった。

緊急会議と運営方針の再検討

現状を打開すべく、リムルはヴェルドラ、ラミリス、ミョルマイル、マサユキを招集して緊急会議を開催した。ミョルマイルは、熟練者の参戦を見越して時期尚早な介入を控えるべきと提案し、将来的な展望のために腰を据えた運営を推奨した。また、ソーカやソウエイによる宣伝活動の成果もあり、迷宮の噂は広く拡散していた。

訓練場設置とチュートリアル導入の決定

マサユキの提案により、迷宮の入口に体験型の訓練場とチュートリアルミッションを導入することが決定された。これは冒険者に基礎知識を習得させ、無謀な挑戦を減らす意図があった。また、迷宮内の休憩所不足やトイレ問題も指摘され、階層ごとに休憩施設を設置する案も採用された。

記録地点アイテムと商業展開の拡充

マサユキの提案により、使い捨て記録地点アイテム「事象の記録玉」の導入が決定され、宿屋と食堂を備えた休憩所を九十五階層に設置する構想も進められた。さらに、階段ごとの扉による休憩エリア設置や、商業利用を前提とした価格設定なども検討され、迷宮運営は段階的に改善される方向で一致した。

運営体制の再構築と展望

今回の会議を通じて、迷宮運営の改善点が明確となり、各種施策が次々と決定された。冒険者の質の向上を目指し、訓練機能とサポート体制の強化が図られたことで、迷宮攻略への期待と戦略的計画が本格的に始動したのである。

訓練階層と難易度の調整

迷宮の一階層は訓練用施設として整備され、冒険者に最低限の知識と戦闘訓練の場を提供する設計となった。死亡体験は即時復活によって安全に体験可能とされ、子供向けにも配慮が施された。また、新兵訓練の場や集団戦闘訓練のための広場も併設された。二階層以降が本番とされ、四階層までの難易度は低めに設定された。再調整により、各階層の魔物のランクや罠の内容が見直され、攻略のペース向上が期待された。

適切なテストプレイの重要性

初期のテストでは、シオン配下の精鋭“紫克衆”が参加し、彼らが四十階層まで難なく攻略してしまったため、迷宮の難易度が過小評価された。この誤認を反省し、今後はテスター選定の重要性が強調された。

褒賞制度と宣伝戦略

ミョルマイルの提案により、貴族向けに五十階層突破者に金貨百枚を報酬とする褒賞制度が導入された。各階層ごとに段階的な褒賞が設けられ、十階層では金貨三枚、二十階層では金貨五枚、三十階層では金貨十枚、四十階層では金貨二十枚が与えられる仕組みであった。これにより、競争心を煽りつつ、報酬の濫用は防がれた。

宣伝戦略の拡大と最下層褒賞案

さらにミョルマイルは、最下層である百階層の突破者には星金貨百枚の褒賞を与えるという大胆な提案を行った。これは実質的には達成不可能であり、名目上の撒き餌として機能することで、貴族達の参戦を促す狙いがあった。加えて、ヴェルドラを最下層の支配者として名乗らせ、挑戦者の抑制にも繋げる策が講じられた。

マサユキの葛藤と今後の課題

マサユキはゴズールとの戦闘を避けられず、苦悩を抱えていた。リムルはそれを理解し、今後の対応を模索することを決めた。マサユキの名声は国の戦略にも直結しているため、彼の敗北は避けなければならなかった。

迷宮の反応と挑戦者の行動

改装された迷宮には多くの挑戦者が集まり、希少級武具を求めて挑戦を繰り返した。バッソン一行が得た希少級武器の影響で、迷宮の評価は急上昇した。希少級の定義や武具の生成過程も明らかになり、性能の個体差があることがクロベエの技術によって証明された。

攻略の活性化とズル対策

挑戦者の増加と共に地図売買が横行し、それを阻止するために迷宮構造の変遷が導入された。定期的な内部構造の変化により、地図の価値を失わせ、挑戦者には自力での地図作成が求められるようになった。

自由組合冒険者の参戦と高度な戦略

後発の自由組合所属冒険者達は精霊交信を利用し、最短ルートで攻略を進めた。彼らは役割分担された高度なパーティ構成で、十階層を突破する実力を持っていた。特に精霊使役者の存在が迷宮攻略に大きく寄与した。

挑戦者達の活気と情報戦

挑戦者の数は日々増加し、町も大いに活性化した。地図売買が制限された後は、攻略情報の売買が行われるようになり、挑戦者同士での情報共有が進んだ。精鋭パーティ“緑乱”の登場により、迷宮の人気と実力者の参戦は一層進んだのである。

迷宮運営会議の再開と関係者紹介

迷宮構造変遷から十日後、現状の確認と今後の改善点を話し合うため、関係者らが再び集まった。ヴェルドラはマサユキを高く評価し、ラミリスは自らの創造物を褒められたことで彼を舎弟に迎えようとしたが、マサユキはすでにリムルに協力を約束していたことを理由に断った。ミョルマイルはマサユキを擁護し、会話は和やかな雰囲気で進行した。マサユキはラミリスやヴェルドラがただの仲間ではなく、それぞれが魔王や天災級の存在であることを初めて知り、動揺を隠せなかった。

迷宮運営の成果と販売戦略の報告

ミョルマイルから提出された報告書により、迷宮の運営状況が良好であることが明らかとなった。入場料や関連アイテムの販売が順調で、特に「復活の腕輪」の売上が好調であった。また「帰還の呼子笛」や「事象の記録玉」など、目的別に価格設定されたアイテム群が存在し、ユーザーのニーズに応じた販売戦略が取られていた。冒険者カードを用いた入場管理や体調管理機能も導入されており、運用の効率化が進んでいた。

精霊使役者への対策と倫理的配慮

ラミリスが提案した『精霊交信』への妨害案について、リムルは公正性を重視し却下した。しかしヴェルドラが「精霊のいない区域を作る」案を出したことで、実質的な対抗策が成立した。これにより、ゲームバランスの維持と正攻法への対策を両立させる方向性が確認された。

魔物ドロップの導入と経済的配慮

マサユキの提案により、魔物が回復薬などをドロップする仕組みの導入が議題に上がった。回復薬の価格が高額であるため、低ランク冒険者には手が届きにくい現状を踏まえた意見であった。ラミリスの魔法により、魔物にアイテムを飲み込ませてドロップさせるという案が実現可能と判断され、支援策として有効であると認められた。

未鑑定アイテムの導入によるゲーム性の強化

マサユキが続けて提案した「未鑑定アイテム」案も採用された。使用前に鑑定が必要な装備や薬品を導入し、ゴミ同然の品が実は高価なアイテムである可能性を持たせることで、挑戦者のモチベーション向上を図る。これにより「帰還の呼子笛」の需要増や、再入場頻度の向上による入場料収入の増加も見込まれた。

国家制度と迷宮運営の連動性

リムルは、今後の国家運営において福祉制度や国民区分の整備が必要であると認識した。移民政策と税制の整合性を考慮しつつ、住民登録制度の導入や国家への帰属意識を持たない者への対応について、制度設計の重要性が指摘された。

会議の結論と今後の方針

各提案は一部を除き即時採用され、迷宮の次回アップデートとして準備が進められることとなった。未鑑定アイテムや魔物ドロップなど、挑戦者の体験向上と収益強化を両立する施策が採択され、会議は成果と期待に満ちた形で締めくくられた。

執務報告と紅茶の進歩

リムルは夜の執務室で、ミョルマイルからの報告書を受け取り、シオンとディアブロと共に確認を行った。シオンが自ら淹れた紅茶は驚くほど上達しており、ディアブロの協力によって味見も成されていた。かつては危険な料理しか作れなかったシオンの成長は、周囲にも感慨深さを与えていた。

部下への褒美と業務配分

リムルは各部下に応じた褒美を与えており、ハクロウには休暇、ガビルには研究所、ゴブタには特別会員証が与えられた。一方でディアブロにはまだ何も授与されていなかったため、褒美についての提案を募ったところ、ディアブロは自らの代行者となる部下の配属を希望した。

ディアブロの願いと部下の勧誘計画

ディアブロは、雑務を代行させるために信頼できる部下を自ら勧誘しようとしていた。リムルは悪魔族であろう新たな部下たちに依代となる肉体を提供することを了承した。肉体の供給には特別な条件はなく、ラミリスからも精霊のために依頼されていたこともあり、一括して対応することとなった。

部下の規模と懸念の払拭

ディアブロは数百体、多くても千体未満の悪魔族を勧誘する意向を示し、リムルはその規模に驚愕したものの、本人の自信と能力を信頼して了承した。ディアブロは金銭的報酬を求めず、忠誠心の高さと能力への確信を持っていた。リムルは褒美として千体分の依代の提供を約束し、ディアブロの旅立ちを見送った。

旅立ちと今後の秘書体制

ディアブロは感極まった様子で出発の挨拶を述べ、シオンに背を押されてその場を離れた。リムルは一抹の不安を抱えつつも、シュナの存在を頼りに業務の継続に自信を持ち、ディアブロの無事を願って見送った。

第二章  賑やかな日々

三十階層の突破とマサユキの名声

マサユキ一行が迷宮三十階層を突破し、その成功はあらかじめ仕組まれたものであったが、ユニークスキル『英雄覇道』の効果により、周囲には英雄的な活躍として受け止められた。これにより、宿屋や酒場では歓声が上がり、マサユキの名声と人気は爆発的に高まった。記念セールを行う商人も現れ、町はますます賑わいを見せた。

攻略の実態と戦術の効果

三十階層の敵は強力なBランク級魔物で構成されていたが、マサユキ一行は苦戦することなく突破に成功した。これは、魔銀製の全身鎧をジンライに装備させたことで注意を引きつける戦術が奏功し、他の仲間の魔法攻撃との連携が効果的であったためである。マサユキ自身が立っているだけで仲間を強化する補正をもたらしていた点も重要であった。

オーガシリーズ装備とその魅力

三十階層のボス部屋には、希少級装備「オーガシリーズ」がランダムで入手できる仕掛けが用意されていた。武器・防具ともに部位がランダムで排出され、出現率も約二%と極めて低かったが、セットを揃えると対魔法効果『魔力妨害』が発動する仕様となっていた。この特性は次のボス戦にも有効であり、挑戦者達の射幸心を大いに煽った。

アイテムドロップと迷宮挑戦者の変化

魔物がアイテムをドロップする仕様が導入され、戦利品や宝箱による報酬が大幅に充実した。これにより、以前は消極的だった者たちも積極的に魔物を狩るようになり、素材や装備品の売買で市場も活気づいた。魔物部屋の設置により、効率的にドロップアイテムを持たせる仕組みも構築された。

宿屋の設置と利便性の向上

九十五階層をはじめ、各階層手前に宿屋が設けられたことで、冒険者の休憩や宿泊が可能となった。銀貨三枚での利用は割高ではあったが、安全な寝床や風呂、洗濯といったサービスは高い評価を受けた。これにより、装備の持ち運びや食糧の携行の負担が減り、挑戦者の行動の自由度が増した。

トイレ事情と冒険者の悩み

迷宮内のトイレ環境は深刻であり、排泄のために仲間に見張られながら行動せねばならない状況があった。生活魔法によってある程度の管理は可能であったが、限界があるため、多くの者が宿屋のトイレを利用するようになった。迷宮構造の変遷や戦闘によるストレスを軽減する役割として、宿屋の存在は非常に重要であった。

収益状況と無賃労働の問題

ミョルマイルによれば、迷宮の運営は投資利益率十%を記録し、順調であった。必要経費を差し引いても黒字であり、実際の利益率はさらに高かった。住民は無賃で働いていたが、衣食住の保証がなされており、本人たちの不満は少なかった。王であるリムルは、将来的な還元を視野に入れていた。

報酬と個人の意識の違い

ラミリスやヴェルドラといった関係者には、きちんと報酬が支払われることが確認された。ラミリスは自身の「時代の到来」を喜び、ヴェルドラも働くことの意義と金銭の価値を口にした。リムルは経験から学ぶことの大切さを重視し、彼等の行動を温かく見守った。

町の活況と経済発展の兆し

迷宮の存在により、町には商人や挑戦者が集まり、貿易の中継地としても機能し始めていた。リグルドや自由組合も対応に追われ、商店開設の問い合わせも増加した。リムルの意図通り、迷宮を起点とした経済循環が生まれ、人々の信用を得つつあった。

国家の信頼構築と今後の展望

商品・宿泊・武具といったサービスが多くの者に受け入れられ、国内の産業は発展を見せていた。口コミにより評判が広まり、他国との取引にも好影響が期待された。最終的にリムルは、信用を軸とした国家経営を志し、国民すべてに生きがいと職を与える体制を目指していたのである。

百階層の開発施設とリムルの研究開始

迷宮運営が安定したことで、リムルは自身の開発時間を確保し、地下百階層に新たな開発施設を設置した。この空間にはガビルやラミリスの研究拠点もあり、防衛面と機密保持の両面で最適な場所であった。リムルはここで大量生産可能な依代の製造を目指し、自らの構想を実現するために準備を進めた。

研究に没頭するリムルと周囲の心配

数日間、リムルは外部との接触を絶ち、開発に没頭していた。智慧之王の指摘により食事も忘れていたことを思い出し、施設を出ると、心配していたシュナとシオンに出迎えられた。彼女らに謝罪し、今後は日々顔を見せると約束した。

迷宮攻略の急展開とチーム緑乱の戦術

ミョルマイルからの報告により、マサユキに続く三十階層突破者が現れたと判明した。そのチームは「緑の使徒」と名乗る傭兵団で、迷宮規定すれすれの手法で急速に階層を突破していた。彼らは事象の記録玉を用いて攻略地点を固定し、迷宮外で再編成して百名の部隊を形成、連続して三十階層のボスに挑み突破を果たした。

傭兵団の正体と戦力分析

傭兵団の紋章から、資金提供はイングラシア王国の関与が推測された。智慧之王の『解析鑑定』により、リーダーはAランクオーバーの実力者であり、その他もAランク級であることが明らかになった。これは現行の迷宮防衛には想定外の脅威であり、ヴェルドラやラミリスの設置した罠さえ突破される事態となった。

ヒナタの参戦と急激な進行

聖騎士団の訓練中、ヒナタが参戦し、迷宮六十階層以降を驚異的な速さで攻略した。彼女は九十五階層まで一日で到達し、ベレッタやクマラの配下をも退けた。ヴェルドラとの最終戦でも僅かにダメージを与えたが、最終的には敗北した。この戦いにより、複数の階層ボスが現在機能停止状態となっている。

階層守護者の喪失と戦力再編の必要性

ヒナタに敗れたことで、ゼギオンは蛹化、アピトは訓練中、クマラは魔素の分散により弱体化し、六十から九十階層のボスが不在となった。ラミリスの傑作である聖霊の守護巨像も復活せず、アイテム扱いで魂が存在しないことが原因と推測された。再建には時間と新たな対策が求められている。

今後への対応と状況整理

迷宮の中核となる階層が一時的に無防備となり、リムルは新たな対処を迫られる状況に陥った。ミョルマイルとマサユキも現状に驚き、ヴェルドラとラミリスはやや誇らしげに状況を報告したが、事態の深刻さをリムルは認識していた。事実上、迷宮防衛の再構築が急務となったのである。

報酬目的の侵入と情報収集活動

迷宮を利用した経済活動が進むなか、迷宮の構造や仕掛けに関する情報が外部に漏洩する可能性が出ていた。リムルは、迷宮運営における無賃労働の仕組みを揶揄しつつも、ラミリスの意志によって純粋に奉仕している状況を確認した。一方で、イングラシア王国に属する情報収集部隊「緑の使徒」は迷宮の実地調査を進め、報酬を得ながら内部の構造を解析していた。

情報の漏洩とリムルの懸念

ヒナタに随行した聖騎士団は、意図せず迷宮の階層情報を持ち帰った可能性が高く、彼女の独断行動によって迷宮の脅威度が広く知られる事態となった。リムルは、攻略者の記録映像やリムル自身の調査により、ヒナタの戦術や力の一端を知ることとなり、その強さを再評価せざるを得なかった。

ディアブロの報告と新たな計画

ディアブロはクロエと共にリムルの元を訪れ、ヒナタの行動の真意について語った。彼は、ヒナタがリムルを裏切ったわけではなく、あくまでも力による真意の確認だったと推測した。そして、今後の展望として、ヒナタの真意を確認するために交渉の場を設ける必要があると進言した。

迷宮防衛の見直しと新戦力の導入

迷宮の中核を守る存在であるゼギオンが蛹化し、戦線を離脱したことで、リムルは新たな階層守護者の補充を検討する必要に迫られた。カリュブディスの復活や、ディアブロの提案した「原初の悪魔」など、さまざまな案が浮上したが、リムルは慎重な対応を重視し、軽率な投入は避けた。

地下百階層の整備と未来への布石

地下百階層の空間は、防衛力と研究の両立を目的として強化された。ここに依代の量産設備や防御機構が組み込まれ、ラミリスやヴェルドラの協力のもと、より安全で高度な研究拠点が築かれた。リムルはこの場所を、将来的な緊急事態に対応できる要塞としての役割も持たせようと考えていた。

迷宮の成長と国家としての方向性

迷宮都市は挑戦者の流入により繁栄を見せており、経済活動の中心として機能し始めていた。その一方で、国家の安全保障や情報管理といった課題も浮上していた。リムルは、国家の信用を基盤とした経済構造と、迷宮の存在による軍事的牽制力を併せ持つバランスを模索しながら、統治者としての責任を自覚しつつあった。

玉座の間の整備とアダルマンの準備状況
リムルは約束の時間に集まり、ラミリスが昨晩中にアダルマンの玉座の間を完成させたことを確認した。アダルマンには防衛役を任せつつ、勝敗よりも情報収集と戦況解析を重視する意図があった。

ミリムの怒りと戦闘成果の報告
会議中、ミリムがゴブタを引き連れて乱入し、自身のドラゴン達が敗れたことを怒りつつも、ゴブタの訓練成果を称賛した。ゴブタとランガは激しい特訓を経て成長し、ゴブタは感覚を磨く訓練の末に『賢者』スキルを獲得していた。

新アイテム“擬似魂”と“魔精核”の発表
リムルは三人に“擬似魂”と黒い“魔精核”を配布し、魂の器を模した“擬似魂”に“憑依”呪文を唱えることで魔物の身体を擬似的に得る仕組みを紹介した。これは挑戦者退治に向けた新たな防衛策であった。

“憑依”による身体変化と体感
一斉に“憑依”を行った結果、リムル含む四人は幽霊・骸骨剣士・粘性体・動く鎧といった魔物の身体を得た。視覚範囲が狭まるものの、動きの予測が容易な状態となり、互いに新たな身体の操作感覚を確認した。

仮魔体による侵入者排除の構想
リムルは仮魔体を用いて迷宮の侵入者(かつて“挑戦者”と呼ばれた者達)を駆逐する計画を説明した。これにより、侵入者視点で迷宮の欠陥や改善点を把握しつつ、迷宮主自ら謎解きと防衛の両立を目指す意図があった。

装備調達と工房訪問の準備
仮魔体のままでは戦力不足と判断し、復活腕輪装備のうえクロベエの工房へ武具の製造依頼に向かうことになった。同行者の装備要否も確認され、皆で工房へ訪問することが決まった。

クロベエ工房の様子とリムルの姿勢
クロベエ工房には弟子達が増えており、リムル来訪に緊張していたが、彼は肩の力を抜くよう声がけを行った。工房を訪問する際の礼節と距離感に配慮しつつ、今後も気軽に訪れる意向が示された。

人気投票とアイドル的立場の発覚
訪問の際、弟子達が緊張していた真の理由が、魔国連邦内の人気投票でリムルが三大アイドルの一人に選ばれていたためであることが判明した。シュナ・シオン・リムルの三名が人気上位であった。

ガルム工房での装備相談
クロベエの私室でリムル達は仮魔体用の装備要望を伝え、ガルム工房へ移動した。ガルムは初め驚いたものの、仮魔体の実例を見て要望を快諾し、数日で人間には扱えない特異な武具を製作することを約束した。

仮魔体訓練と罠対応
装備完成待ち期間、リムル達は仮魔体に慣れるため、迷宮上層階や初心者パーティとの模擬戦を繰り返した。罠に嵌る失敗もあったが、「思念伝達」による連携指示で戦闘力を急速に向上させていた。

チーム“緑乱”の進行と問題点の改善
チーム〝緑乱〟が四十階層を突破した報告を受け、ヴェルドラはボスの回復手段の欠如を指摘した。トレイニーの妹達による連戦時の回復支援が新たに導入され、対策が一歩進展していた。

打倒“緑乱”への決意と装備完成
迫る四十九階層攻略に対し、リムル達は在り合わせの装備でも挑む意向を固め、シオンの連絡でクロベエ・ガルム製作の装備完成を知った。各自に特質級の仮魔体専用武具が渡され、幽霊、骸骨剣士、粘性体、重鎧といった姿で改装された。

仮魔体の役割分担と職業設定
リムルの幽霊は魔導師志向、ヴェルドラの骸骨剣士は重戦士・魔法戦士志向、ミリムの粘性体は速度特化の暗殺者、ラミリスの重鎧は攻撃特化の凶戦士として役割分担が明確化された。

四十九階層での迎撃作戦
準備を整え出陣したリムル達は、思念伝達・神聖魔法・罠の活用によってチーム〝緑乱〟を非正面戦で全滅させた。スライム罠で武装を破壊し、分断・不意打ち・囮戦術を組み合わせた総力戦により、攻略速度を大幅に遅滞させた。

脱出と成果の余韻
敗北したチーム〝緑乱〟のリーダーが退避を決断し、本国からの呼び出しを理由に撤退した。リムル達は侵入者に対する防衛改善の必要性を再認識し、戦略と連携の有効性を確認しつつ、成功の余韻に浸ったのである。

幕間  マリアベル

前世での支配と転生の背景
マリアベルは転生者であり、前世では欧州の支配者として金融を操り、戦争すらも道具と見なしていた。人々の不幸の上に栄華を築いた彼女は、疑問を持つことなく幸福に生を全うし、今世では小国シルトロッゾの姫として生まれた。西方諸国評議会を統括するロッゾ一族の一員として、彼女は再び支配者の道を歩み始めた。

ロッゾ一族とグランベルとの関係
ロッゾ一族の首領であり評議会五大老の最長老グランベル・ロッゾは、直系の姫であるマリアベルに対しても通常は会見を許さなかった。しかし、マリアベルの記憶と意志は、グランベルさえも無視できないものであり、三歳にして二人は邂逅を果たした。

貨幣経済と金融操作の知識
マリアベルは前世での知識をもとに、貨幣経済の仕組みや銀行制度、紙幣流通とその限界、そして戦争を利用した負債処理の仕組みを熟知していた。その知見を活かして市場を操作し、国家間の経済格差すら利用して世界規模の経済支配を行っていた。

ユニークスキル『強欲者』と支配の才
彼女が得たユニークスキル『強欲者』は、大罪系の特殊な能力であり、他人の欲望を視認し、それを刺激して支配する力であった。マリアベルはこの力を用いて身近な人々を意のままに操り、周囲を自らの配下に取り込んでいった。

この世界への適応と野望の展望
マリアベルはこの世界が前世よりも文明水準が低く、統一通貨が存在することに着目し、それを支配に利用できると見抜いた。彼女は自らの地位を確かなものとすべく慎重に行動し、世界を再び支配する決意を固めていた。

グランベルとの同盟と教導
三歳での初対面において、マリアベルは『強欲者』の能力を正直に語り、グランベルに対して協力を申し出た。互いに秘密を開示し合った結果、両者は深い信頼関係を築き、グランベルはマリアベルを後継者として育て始めた。

知識継承と権力の獲得
グランベルはマリアベルにロッゾ一族の支配構造、協力者の存在、さらには神ルミナスの正体や『七曜の老師』としての自身の裏の顔までを伝えた。マリアベルはそれらの知識を吸収し、十歳にしてグランベルに次ぐ地位にまで上り詰めた。

対リムルへの動き出し
十分な知識と権限を得たマリアベルは、ユニークスキル『強欲者』の力を駆使して、リムルとの対立に向けて動き出した。彼女の行動は、ロッゾ一族の未来を賭けた戦略の一環であった。

第三章  評議会

会談の場と出席者
北方の小国シルトロッゾ王国で、自由組合総帥の神楽坂優樹と評議会五大老の一人ヨハン・ロスティアが会談を行っていた。シルト対外情報局によって厳重に保護されたこの地は、西側諸国の目を惑わす秘密会談の場として選ばれていた。

自由組合と評議会の関係
自由組合は評議会から資金提供を受け、その見返りとして仕事を請け負っていた。評議会が上位にあり、優樹はヨハンの協力を得て組織を発展させていたものの、魔王リムルへの疑念を招いたことで関係に亀裂が入っていた。

過去の共謀と計画の頓挫
優樹はかつて魔王クレイマンと共謀し、東の商人を介さず帝国との交易を目論んだ。しかし、ヴェルドラの不可視な介入により計画は頓挫し、評議会の怒りを買う事態となった。ヨハンはその責任を優樹に問いただした。

マリアベルの割り込みと提案
会談の中にマリアベル・ロッゾが突然登場し、優樹に三度にわたって「魔王リムルには勝てない」という見解を引き出した。マリアベルはリムルを封じる鍵がヴェルドラであることを改めて確認し、リムル排除の必要性を強調して話を進めた。

評議会への加盟構想と経済支配の狙い
マリアベルは西方諸国評議会における独自通貨体制の構築を目指し、国力ごとに為替操作による経済支配を企図していた。その下地は整っていたが、魔国連邦の台頭が計画を狂わせる要因となった。

リムルとの協調排除方針
優樹はリムルとの敵対を避ける基本方針を示し、先遣としてカガリを遺跡案内に派遣する意向を示した。マリアベルはその動きを利用しつつ、評議会加盟を持ちかけ、リムルを懐柔し支配下に置く方策を模索していた。

ユニークスキル『強欲者』と支配の戦術
マリアベルはユニークスキル『強欲者』により、人の欲望を刺激・注入して他者を支配する能力を有しており、リムルにもその適用を試みようとしていた。支配には時間と相手の欲望の大きさが影響し、慎重な準備と接近が必要とされていた。

手紙による懐柔への動き
マリアベルはヨハンにリムル宛の手紙を作成させ、評議会加入の誘いを介して接触機会を得ようと企図した。ヨハンと優樹は退室し、マリアベルは自身の思惑に満ちた思案を一人続けた。

挑戦者への奇襲と撃退

リムルと仲間たちは地下迷宮三十八階層で挑戦者のパーティと交戦した。まずミリムが先行して偵察役を不意打ちし、続けてリムルが範囲魔法「竜巻大魔刃」で集団を攻撃した。この戦術により後衛と支援職を一掃し、前衛の突撃はヴェルドラとラミリスが正面から受け止めた。解析魔法で敵の残り体力を把握したリムルは状況に応じた支援を行い、戦闘は圧勝に終わった。彼らはこの勝利を通じて、迷宮内での実戦研究を重ねていた。

迷宮活性化と映像活用

マサユキたちが四十階層を突破したことで迷宮の活性化が進み、戦闘記録の映像公開が話題となった。映像は町中でも高い関心を集め、商業的価値も見出された。リムルとミョルマイルは放映権や肖像権の管理を通じて収益化を企図した。また、映像の影響により挑戦者たちの意欲が高まり、迷宮内はより活発になった。

外見強化と悪名の拡大

リムルたちは自身の外見や戦闘スタイルにも変化を加え、恐れられる存在となった。ヴェルドラは神輝金鋼製の黄金骸骨剣士となり、ラミリスは紫の陽炎を纏う重鎧姿で「狂気の動く重鎧」として知られるようになった。ミリムは速度特化型の戦闘形態で「赤い流星」と呼ばれ、三人と共に「死を齎す迷宮の意思」として恐怖の対象となっていた。

戦術研究と敗北の教訓

一度だけ自ら迷宮を攻略しようとしたが、五十階層のボス・ゴズールに敗北したことで実力不足を痛感した。この経験から、今後も不意打ちを主軸とした戦術と鍛錬の継続が必要と判断された。リムルたちは日々の戦闘を通じて新たな魔法やスキルに触れ、智慧之王の解析により情報を蓄積していた。

フレイの来訪とミリムの捕縛

戦闘後、緊急連絡を受けたリムルたちは執務室に戻り、元魔王フレイの来訪を受けた。ミリムは与えられた仕事を放棄して迷宮で遊んでいたことが発覚し、フレイに詰め寄られた末に捕縛された。リムルたちは連携して無関係を装い、難を逃れた。

評議会からの招待と智慧之王の導き

その後、ミョルマイルが評議会からの正式な招待状を届けに現れた。評議会は魔国連邦の加盟可否を議題に挙げる予定であり、リムルは智慧之王の助言に従って堂々と対応した。チーム“緑乱”の動向が調査目的だったことも智慧之王からの解析で判明し、全てが予定通りだったように装ってシュナを納得させた。

教訓と今後への姿勢

危機を乗り越えたリムルは、智慧之王の正確な分析に感謝しつつ、遊びと勉強の区別を強く意識するようになった。度を越えた遊びは誤解を招くことから、今後は節度を守って活動することを心に誓ったのであった。

評議会の組織と運営の実態
西方諸国評議会はジュラの大森林周辺国家の集合体であり、各国議員がイングラシア王国で月例会議を開催した。国家の運営とは別に、人類全体の利益である魔物対策や災害対応の調整を目的とした組織であった。小国も平等に扱われ、加盟国の拠出金に応じ議員数が変動する制度が設けられていた。多数決で支援規模や援軍派遣などを決定し、負担遅延は脱退要因となった。

ファルムス王国の滅亡と魔国連邦の加盟議論
ファルムス王国の滅亡は評議会に衝撃を与え、新興のファルメナス王国および台頭する魔国連邦の対応が課題化した。臨時議会では魔国連邦の加盟可否が主要議題となり、議論は紛糾した。魔王リムルを知るヒナタが参考人招致されたが、評議会の混乱ぶりに辟易した。

各国の立場と議論の対立構造
魔国連邦接面国は魔物被害の抑制を受け入れ、歓迎姿勢を示した。一方、内陸国や聖騎士団に依存する国々は対応を迷い、反対勢力も激しかった。大国は利益への貢献と東方帝国の脅威を捉え、魔国連邦承認へ誘導する動きを見せた。情報の不均衡により小国議員は翻弄され、議論は罵倒と駆け引きに終始した。

東方帝国の動向と承認への流れ
議会内に東方帝国が軍事演習を活発化させたとの情報が流れ、ヨハンとギャバン両議員が連携し、帝国の脅威を強調した。これにより魔国連邦加盟承認への同調圧力が高まり、投票は賛成多数で可決された。招待状の差し出しとリムルの参加意思確認が決議された。

ヒナタの対応と貴族からの試験要求
会議後、王子エルリックと騎士団総団長ライナーがヒナタに護衛依頼を持ち掛けた。相互不可侵条約を理由に依頼を拒絶し、魔王リムルへの忠告を述べて立ち去った。貴族の無礼な傲慢さに苦慮しつつも、外交問題を回避する形で退席した。

教訓と今後への決意
ヒナタは評議会の茶番と情報操作を冷静に見抜き、貴族との関与を避ける姿勢を堅持した。魔王リムルとの不可侵条件と信頼関係に基づき、過大な介入や誤解を生む行動を戒めた。次回以降も油断なき状況分析と関係整理の必要性を痛感し、内心で警戒を強めていた。

評議会招待と随伴者の構成
リムルは評議会からの招待を受け、イングラシア王国に滞在していた。最高級の宿屋が用意され、護衛はベニマル、情報担当はソウエイが務めた。部下たちはそれぞれ任務へ向かい、同行は少人数で済ませた。

王都の散策と衣服購入
リムルはベニマル、シュナ、ソウエイと共に王都の服飾店を訪れた。ガラス製ショーウインドーが並ぶ高級店で、各自が服を選び、リムルは感謝を込めて購入した。選定後は寸法合わせを行い、即座に着替えた。

喫茶店での打ち合わせ
昼食を兼ねた打ち合わせの場として、旧知の喫茶店でヒナタと合流した。料飲を楽しみつつ、ソウエイから開国祭の評判と迷宮挑戦者増加の報告がなされた。また、商人とミューゼ公爵の関係調査では、後者の暗殺事案が判明した。

暗殺事件と銃器概念
ソウエイはミューゼ公爵が遠距離からの不明攻撃で死亡したと報告し、護衛としての無念を伝えた。銃器という異世界の武器概念が登場し、リムルは「狙撃」の可能性を示唆し、能力による軽微な検知不能を説明した。

警戒体制と銃器研究の留意
銃器の潜在的脅威とリムルの身分への影響を考慮し、会議中の警戒態勢が強化された。ソウエイとシュナは銃器研究の極秘扱いを決定し、量産には慎重な態度を示した。

会議本題と呼び出し理由の確認
ヒナタとの対話にて、リムル招待の理由が評議会の質疑応答及び加盟承認の最終確認であると判明した。ヒナタは、会議中にリムルを怒らせる質問が出る可能性を指摘し、警戒を促した。

帝国の脅威評価と戦略的考察
帝国が西方へ侵攻を計画する場合の経路分析が示され、ジュラ大森林経由が唯一現実的なルートとされ、リムル領とヴェルドラの存在が帝国の動きを抑制したと結論づけられた。

情報操作の警戒と外交的対応
ヒナタとソウエイは、評議会加盟を取り巻く大国の思惑や影の勢力介入を警戒しつつ、リムルに利用されないよう注意を促した。利用される側から影響力を持つ戦略転換の可能性も示唆された。

次回への備えと結論
ヒナタはリムルを守る立場から、警戒と信頼のバランスを述べ、情報操作に屈しないよう念押しした。リムルらは、警備と情報分析を徹底しつつ、会議当日に備えることとなった。

会議当日の衣装と心構え
リムルはベニマル、ソウエイ、シュナと共に会議に出席し、全員が武装を『胃袋』に収納して礼服を着用していた。ヒナタからの情報に心の不安はなく、評議会加盟が人と魔の共存への一歩になると認識していた。

参加議員との場馴れした交流
近隣国の議員達は丁寧に接して親しみを示したが、後から来た大国の代表らは傲慢に小国側を追い払い、上下関係を露骨に表していた。リムルは柔軟な対応で場を治めつつ、相手の尊大な提案を曖昧にかわして切り抜けた。

会場内の配置と会議の進行
リムルは議長席前の要所に座し、背後に護衛が控える配置で会議が始まった。議題は、魔国連邦加盟への条件――国際法遵守、経済圏開放、軍事協力――と設定され、リムル側は智慧之王による詳細な準備を経て臨んでいた。

経済協力に関する懸念
技術の流出防止と優先納入要求への対応が議論された。各国からは魔導列車や武具の供給を求める提案が相次ぎ、リムルは調整の余地と取引順序の重要性を主張したが、大半は表面的な対応に留まった。

軍事協力の提案と防衛構想
ジュラの大森林の魔物対策を魔国連邦側が担う案は、評議会側にも受け入れられやすい内容であった。各国は自国の安全確保から軍事協力を望んでいたが、リムル側も合理的な提案を準備して応じた。

条件書案の検討と提案
最後に提示された三大条件について、リムルは智慧之王の支援で全文精査し、疑問点と代替案を文書化した。提出された提案書により議長は驚愕しつつも、検討時間を要望する形で会議は一時休止した。

机破壊と怒りの沈黙
ヒナタに冷たい視線を向けられる中、リムルは衝動のまま会議室の机を蹴り壊し、そのまま椅子にふんぞり返って議員達を睥睨した。三時間の昼休みを経て再開された会議で、議員達が提出してきた要望書は、魔導列車の敷設費負担や武具提供、迷宮運営への介入、年貢徴収や議員選定条件など、不平等かつ理不尽な条項に満ちていた。これを見た瞬間、リムルは怒りを爆発させ、議員達に改めて問い質した。

威圧と反応の変化
リムルは毅然と、自国の立場と理想を述べつつ、要望内容が到底受け入れ難い旨を示した。議員達は自らの過ちを認めようと必死に言い訳を試みたものの、王と国家元首を敬わぬ態度に威圧され、動揺と脂汗を浮かべた。議員の呼称や傲慢な姿勢に対し、リムルは国家としての誇りを護る姿勢を強調し、その場の支配を強く示した。

精神干渉の解除
議員達の動揺が深刻となる中、智慧之王の解析によって、要望書作成の背後には精神干渉があったと判断され、解除の意思表示により全員が正気を取り戻した。解除後、議会内では条件提示がそもそも議題に上がっていなかったとの驚きが起こり、ライナーと名乗る大男らが乱入する策謀が露呈したことで、会議は更なる混沌へと移行した。
国会議員の中には真相を理解し、評価の公平性を訴える者も現れたが、エルリック王子を中心とした勢力との対立は深まり、場内は緊張の極みに至った。それでもヒナタの冷静な仲裁や節度を保つ場面も見られ、事態は一触即発の状況で継続した。

決起と投票の提案
エルリック王子が場の膠着を断ち切り、議員らに魔王リムルを討伐する勇者となるか否かを問う投票を呼びかけた。賛同者を立たせるも、多数の議員は起立に及ばず、王子は早々に可決宣言を行ったものの、実際は過半数に遠く及ばなかった。

賄賂帳簿の提示と形勢逆転
智慧之王の記録によって、内通議員の賄賂帳簿が証拠として出現すると、議場の雰囲気が一変し、公正な判断を下した多数の議員はリムル支持に転じ、巻き返しが図られた。

ライナーとギャバンの暴挙
王子派のライナーとガイが議場を武装占拠し、支配の宝珠を振りかざして暴走を始めるも、ヒナタとシュナが決然と対峙。ヒナタがライナーを圧倒的速さで投げ飛ばし、シュナがガイの剣を粉砕、Aランク冒険者ガイを神聖魔法『霊子崩壊』で制圧した。

評議会の主導回復と会議続行
議員らは再び冷静さを取り戻し、エルリックら王子派の暴挙が評議会の意思ではないことが明確となった。多数議員の支持によってリムル側の地位が確固たるものとなり、暴力沙汰も収拾の方向へ進んだ。

暗殺未遂と能力介入
会議中、赤毛の女による拳銃狙撃が発生。術者は『空間連結』によって二キロ離れた会場内部に凶弾を誘導したが、智慧之王の提案によって究極能力『暴食之王』が起動され、魔力感知と瞬間移動によって弾丸を無力化。リムルは手で弾丸を掴み、エルリック王子は暗殺未遂から救われた。これにより、会議は一時中断を余儀なくされた。

暗殺未遂の検分とエルリックの処遇
議会内の混乱が収束する中、警備隊長や〝緑の使徒〟の団長、レスター議長、ヒナタらが協力し、狙撃事件の検分が行われた。狙撃の目的は魔王リムルを陥れるため、エルリック王子の命を狙うことで疑惑を向けさせることにあったと推測された。ヒナタの説明により、議員達もその意図を理解し、リムルへの疑念は払拭された。エルリックは自身の軽率な行動を悔い、警備隊の保護下に置かれた。

ギャバンの責任追及と証言の拒否
エルリックは事件を主導したギャバン伯爵に責任を問う発言を行い、ギャバンはそれを否定して言い逃れを図った。しかし、議員達や証人らがその主張を否定し、ギャバンの関与は明白となった。ギャバンは証拠の欠如を理由に抵抗を試みたが、確たる証言と証人によって追い詰められていった。

イングラシア国王の登場と和解
イングラシア国王エーギルが登場し、自らリムルに謝罪と感謝の意を表した。リムルは国王の誠意を受け入れ、議会騒動に関して和解が成立した。エーギルは息子エルリックの再教育を明言し、事件の収拾を宣言した。さらにギャバン伯爵に対し、魔法審問官による裁きを下すことを命じ、証拠の有無に関係なく厳正に対処する姿勢を示した。

ギャバンらの拘束と王国の示威
ギャバンに続き、ライナーとガイも拘束され、魔法審問官によって抵抗を封じられた。この審問官達は圧倒的な実力を誇り、王国が持つ戦力の一端を誇示する存在であった。これによりイングラシア王国は、魔王相手であっても軽んじられぬ強国であることを印象づけた。

議会再開と提案事項の可決
昼休憩を挟み再開された議会では、議員達が疲労と緊張から抵抗する気力を失い、重要議案が満場一致で可決された。魔国連邦の国家承認、評議会参加、軍権の委譲という三大項目が正式に決定され、リムルの提案が全て受け入れられる形で議会は幕を閉じた。

力の示威と政治的成果
今回の議会騒動では、リムル自身は武力に訴えず、ヒナタとシュナの活躍によって問題が解決された。その一方で、リムルはエルリックを救った立場として周囲に寛容さを示し、魔王としての存在価値と影響力を強く印象づけた。最終的に、魔王に対する武力行使の無意味さが広く認識される結果となり、評議会は波乱を経て終結した。

第四章  黒幕の正体

グレンダの能力と過去の敗北

グレンダ・アトリーは、召喚時から手にしている愛銃とユニークスキル『狙撃者』を駆使し、無敗を誇っていた。『狙撃者』は『魔力感知』『予測演算』『空間操作』の三つの権能から構成され、特に空間操作は視界内すべてを射程に変える強力な能力であった。しかし、過去にディアブロとの遭遇によって、初めて自身の力が通じない相手が存在することを知り、危険を察知して退却した経験を持つ。

王子暗殺の失敗とソウエイの登場

今回、グレンダは魔力感知の限界距離から王子の暗殺を試みたが、発射した弾丸は何者かの干渉により突如消滅し、失敗に終わった。背後にはリムルの側近であるソウエイが控えており、任務の失敗に焦ったグレンダは逃亡よりも戦闘を選択した。

ソウエイとの戦闘と魔力弾による逆転

グレンダは通常弾と魔力弾を交ぜて戦術を展開し、ナイフに魔力を纏わせた近接戦に移行した。ソウエイの癖を見抜きつつ、油断を誘って魔力弾を命中させることに成功し、右肩に大ダメージを与えた。続けてユニークスキルを駆使して五発の魔力弾を四方から同時に叩き込み、ソウエイの肉体を完全に粉砕したと確信した。

分身体による逆転と敗北の予兆

グレンダは勝利を確信したが、それは分身体の撃破に過ぎなかった。実体を持つ複数の分身体によって包囲されたことに気づき、もはや逃亡不可能な状況に陥る。ソウエイの能力『分身体』の存在により、グレンダの絶望的な戦いが始まった。

作戦会議とギャバンの失脚

場面は変わり、マリアベル、ユウキ、ヨハンの三者が会談していた。マリアベルは、今回の暗殺失敗も織り込み済みであり、ギャバンの失脚も想定通りであったと語る。ギャバンは魔法審問官の情報を得るための捨て駒とされ、マリアベルはその情報を『強欲者』の権能で入手していた。

魔法審問官とリムルの脅威評価

マリアベルは、魔法審問官の力は強いものの魔王リムルには通じないと断言した。その理由として、リムルの経済力と武力、さらにはルール形成能力により西側諸国が次第に支配されると予見していた。これにより、魔王との共存や協力は成り立たないと結論付けていた。

リムル封殺作戦とアレの使用

マリアベルは、ユウキに命じて「アレ」と呼ばれる危険な兵器を使用する計画を立案する。「アレ」はかつて魔王クレイマンが所有していたもので、現在はミリムのものとされる。マリアベルは、ミリムの怒りが自分たちに向かないような筋書きを用意し、リムルとミリムを同時に陥れる計画を展開した。

ユウキの懸念と従属

ユウキはヴェルドラの暴走を危惧するも、マリアベルに一蹴される。彼女は、リムルが滅びればルミナスが対処するため、世界が混乱しても構わないとの姿勢を見せる。最終的にユウキもマリアベルの案に同意し、詳細な作戦立案に入った。

ヨハンの無力と絶望

ヨハンは一連の会話を傍観するのみであり、マリアベルに対して反論も提案もできないまま置き去りにされた。作戦が進行する中、ヨハンができることは成功を祈ることだけであった。こうして魔人たちは、リムルの封殺を目的に暗躍を開始したのである。

喫茶店での待機と会議の反省

長い会議を終えたリムルたちは喫茶店で休憩していた。空間移動で帰還することもできたが、ソウエイが犯人を確保中であるため待機を選んだ。会議ではイングラシア王国の王子エルリックや、彼に協力した高位貴族ギャバンと支持する議員たちの策略が明らかとなり、失敗に終わった。ギャバンは魔法審問官に連行され、議員たちもリムルの提供した証拠によって本国で追及されることとなった。リムルは帳簿の内容を基に、貴族的思考で無礼を働いた者たちへの報復を決意していた。

仲間たちの反応と裏話

会話では、ヒナタとシュナが無礼な議員に対して毅然とした対応を見せたことが話題に上がる。ベニマルは会議中に激怒し過ぎて判断力を失い、シュナが動かなければ全員を焼き払うところだったと告白。リムルはその発言に危機感を覚えた。やがてソウエイが犯人確保を報告し、相手は正体不明ながらリムルを「悪魔野郎の主」と呼んでいたことが語られた。これはディアブロに関係するものであり、彼の基準の異常さが改めて浮き彫りとなる。

尋問対象の正体と能力

確保されたのは美貌の女性暗殺者で、ソウエイは完璧に相手の手の内を暴き、リムルのスパイ映画やゲーム談義が参考になったと報告した。相手はグレンダと名乗り、ヒナタの元部下で元〝三武仙〟の一人であると判明した。グレンダは特殊な能力を持ち、魔力により武器を現実化する力を持っていた。その性質から異世界人であることも明らかとなった。

尋問開始と情報の引き出し

応接室にて尋問が始まり、ヒナタが冷徹に詰問するもグレンダは「ノーコメント」で応じる。しかし、リムルの推理と智慧之王の支援により、〝欲望〟に染まった魂を利用する能力者が黒幕にいること、そして開国祭のガイや一部の商人がその影響下にあったことから、術者が近くにいたと推定される。リムルは「マリアベル・ロッゾ」という名を提示し、グレンダの動揺を誘った。

黒幕の正体と驚愕の事実

ヒナタはマリアベルの背後に、ロッゾ一族の始祖で元勇者グランベルがいると断言した。グランベルは〝七曜〟の長であり、現在も生きている可能性が高いと推察された。グレンダは情報を漏らしていないにもかかわらず、リムルとヒナタの会話から全てを読み取られ、絶望を露わにする。

召喚者の術式とグレンダの恐怖

グレンダは、召喚者は術式によって魂を縛られ、裏切りが判明すれば魂ごと砕かれてしまうと明かす。そのため裏切りは選択の余地がなかったという。ヒナタはその事情を理解しつつも冷たく接したが、死者蘇生では救えないと知っていたため、怒りは和らぎつつあった。

術式の解除とグレンダの救済

リムルが智慧之王の助力により術式の解除を可能とし、グレンダの魂の呪縛を解いた。これにより、グレンダは命を救われる可能性を得たのだった。

グレンダの呪言解除と許可された自由

リムルはグレンダの支配術式を解除したことを伝え、敵対しない限り自由に生きることを許可した。ヒナタも同様に処分を見送る意向を示したが、西方聖教会が彼女を許さないことも警告した。リムルたちはグレンダがすでに支配から解放された以上、再び敵対する可能性は低いと判断していた。

グレンダの雇用願いと待遇の実情

グレンダは突如としてリムルに雇用を願い出た。汚れ仕事でも何でも引き受けると主張し、金銭報酬がなくとも構わないと述べた。ルベリオスにおいても現物支給であり、金銭による報酬はなかったとのこと。これにより、リムルは自国の制度の未整備に悩む必要はないと安心した。

ソウエイの特務機関構想とグレンダの配属

リムルはグレンダの扱いをソウエイに一任し、特務機関の設立を承認した。ソウエイはグレンダをソーカ以上の戦力と評価し、自身の直属部隊としての運用を企図した。グレンダはそれにやや不満を漏らしたが、採用は正式に決定された。

食事を交えた情報聴取と評議会の構造解明

グレンダは夕食後、自身の知る限りの情報を提供した。評議会は五大老によって運営され、その筆頭がグランベル、主犯のギャバンやロスティア王国のヨハンも含まれていた。五大老内部には意図的に対立を仕掛け、組織の活性化を図る方針があったとされる。ヨハンは親和的に振る舞いながら、内側から情報を探る役目を担っていたことも判明した。

西側諸国の支配構造とロッゾ一族の影

五大老の残りはシードル辺境伯とドラン将王国の国王であり、グランベルの政治的野心が伺えた。リムルの経済進出が評議会に敵意を招いたことも仲間から指摘され、本人は無自覚だったが結果的には経済支配を志向していたことになる。皆は今後の対応について警戒を強め、グレンダの協力により敵の輪郭を明確に掴んでいった。

ユウキの支配とロッゾ一族の関与

グレンダは、自由組合総帥ユウキがマリアベルに支配されていると明かした。これは重要な情報であり、ヒナタやシュナを含め全員が驚愕した。ユウキが意図せず情報を漏らしていた可能性が浮上し、状況の根本的見直しが必要とされた。

ロッゾ一族との正面対決への警戒と作戦転換

ユウキが操られているとすれば、リムルの意図に反して敵対行動を取る可能性がある。ロッゾ一族が責任を回避し、自由組合との関係を崩す狙いも含まれていた。リムルは遺跡調査の中止を否定し、あえて予定通り実行することで敵を誘い出す構えを取ると決断した。

護衛体制の構築と各自の任務

調査にはミリムとシオン、ゴブタ、ランガを同行させ、町の警備はベニマルらが担当する。また、ソウエイは各国の動向、特に五大老の監視を行うこととなった。結界強化や警戒態勢も進められ、万全の備えで臨む体制が整えられた。

ヒナタへの情報共有と別れ

リムルはユウキの疑念やラプラスの動向も含めてヒナタに伝達し、彼女もまたルミナスへの報告を誓った。冷静ながらもヒナタなりの気遣いに触れ、リムルは多少の温もりを感じる場面もあった。そして、ついに行動方針が固まり、決行日を迎える準備が整ったのである。

グレンダの釈放と予期せぬ雇用希望

術式の解除により支配から解放されたグレンダに対し、リムルは敵対しない限り自由を認めた。ヒナタも同調し、西方聖教会が許さないことを告げた上で見逃す姿勢を示した。グレンダは突如として雇用を願い出たが、リムルは給料制度の整っていない自国の事情を説明した。

無給体制への理解と雇用承認

グレンダは無給にも慣れていると明かし、ルベリオスにおける近衛師団の待遇も同様だったと語った。ヒナタも同様に現物支給であり、現金報酬はなかったことが判明し、リムルは自国制度に対する不安を和らげた。グレンダは職を失った元三武仙として行き場を失っていたが、真剣に雇用を望み、ソウエイの特務機関所属という形で雇用が決定された。

スペシャルメニューを通じた庶民感覚の共有

食堂での夕食中、グレンダはスペシャルメニューの美味しさに感動し、功労ポイント重視の新たな生き方を決意した。幹部たちも普段からその料理を楽しんでおり、グレンダも含めて笑いのある穏やかな空気の中で情報聴取へと移った。

評議会の構造と五大老の正体

グレンダの証言により、評議会が五大老によって掌握されており、その筆頭がグランベルであることが明らかとなった。他の四人には、主犯格のギャバン、公然とリムルを擁護していたヨハン、シードル辺境伯、ドラン国王が含まれていた。ヨハンも五大老の一人であり、対立を演出することで組織を活性化させるマリアベルの方針が浮き彫りとなった。

リムルの無自覚な経済拡張と周囲の誤解

リムルが敵視された理由を問いかけると、仲間たちは彼の行動が経済支配を狙ったものに見えていたと明かした。ディアブロもその意図を共有していたことが判明し、リムルは自覚のなさに驚いた。だが、将来的な衝突は避けられなかったとして、敵勢力に対する調査と対応方針を確認し合った。

ユウキの支配と新たな脅威の浮上

ヒナタとの情報共有の最中、グレンダからユウキがマリアベルに完全に支配されているという衝撃的な事実が語られた。彼は五大老ヨハンと繋がっており、リムルの秘密を無自覚に漏洩した可能性が浮上した。この情報により、状況の根本的な見直しが迫られた。

マリアベルの策略と遺跡調査の活用案

ユウキが支配されている事実は、ロッゾ一族がリムルたちとの対立を自由組合に転嫁する危険性を示していた。万全の警戒体制にもかかわらず、敵の仕掛けを未然に防ぐには限界があり、リムルは智慧之王の提案により、敢えて遺跡調査を継続し敵を誘い出す作戦を採用した。

警備体制と各人の役割分担

ミリムとシオン、ゴブタ、ランガを同行者とし、リムルは遺跡調査に臨むことを決定。ベニマル、ソウエイ、シュナらはそれぞれの分野で警備・監視・結界強化などの役割を担うこととなった。万一の際にはヴェルドラへの支援要請も視野に入れていた。

ヒナタとの別れと今後の決意

ヒナタはルミナスへの報告を行うため帰還し、リムルに警戒を怠らないよう忠告した。冗談交じりのやり取りの後、遺跡調査と敵への対応に向けての準備が本格化することとなった。方向性は定まり、次の行動への体制が整えられたのである。

第五章  強欲の罠

幹部会議とグレンダの紹介

幹部を集めた会議では、グレンダを新たな仲間として紹介し、信用の獲得が今後の課題とされた。カイジンとクロベエにはグレンダの拳銃を検分させ、弾薬の補充体制も整備された。拳銃の量産については未定ながら、将来的には要人への限定配布も検討されていた。

新型拳銃の開発と試用

拳銃の試作品はカイジンとドルドによって製作された。魔力による小爆発で発射する仕組みであり、薬莢不要のシステムが採用された。魔鋼製による高耐久性と、魔銀製弾による魔力の変動効果により、特質級に匹敵する威力を持つ武器に仕上がっていた。使用には適性が求められ、採用は限定的とされた。

仲間たちとの装備準備と旅立ち

調査服を新調し、各自が準備を整えた。ゴブタには拳銃が与えられ、ランガには代わりにマフラーが贈られた。シオンは安全性を理由にお洒落用の服を却下され、戦闘用スーツに着替えた。ミリムも新しい探検服を身にまとい、意気揚々と出発した。

自由組合本部での合流と調査団の紹介

イングラシア王国首都の自由組合本部でカガリと合流し、彼女の指導による精鋭調査団と対面した。調査団は重装備かつ高度な訓練を受けており、調査任務への強い覚悟が示された。

転移門による高速移動と隊員たちの驚愕

馬車移動の提案を受けたが、リムルは空間支配によってジスターヴへ瞬間移動を実施した。この突如の展開により、調査団は準備の無意味さに戸惑いを見せたが、リムルの能力に驚嘆しつつ現実を受け入れた。

ジスターヴ到着とダークエルフたちの歓迎

傀儡国ジスターヴに到着した一行は、黒妖耳長族の丁重な出迎えを受けた。長老の案内により、大部屋へ移動し荷物を整理した後、城内の案内を受けることとなった。調査団は急速な展開に混乱しつつも状況を理解し始めた。

遺跡内部の探索と古代魔法の存在

城の内部に存在する遺跡の入口へと向かい、そこがダークエルフたちの居住区として利用されていることが判明した。魔法によって照明が維持されており、古代の技術がそのまま機能している点に調査団は興奮した。

封印扉の発見と解析開始

最下層への扉には高度な魔法術式が施されており、防衛機構が作動する危険性が指摘された。クレイマンがどのように扉を開いていたのかが疑問視されたが、術式の解析によって扉の仕組みが解明されつつあった。

リムルによる解析と教育的助言

リムルは自ら解析に挑み、扉の解除方法を発見した。その手順を調査団に共有し、術式の読み解き方を分かりやすく説明したことで、隊員たちの理解が深まり活気づいた。

解析の実演と隊員の成長

リムルの助言に基づいてミリムが扉の開封に成功し、他の隊員も次々と成果を上げていった。カガリの一言がきっかけとなり、リムルは詳細な解析法を説明したことで隊員の意識向上に貢献した。

探索の中断と翌日への備え

夕方となり、長老の案内によりその日の探索を終了することとなった。一行は夕食を取るために活動を終え、翌日の本格的な調査に備えることとした。

中層部の探索開始と構造の確認

翌朝、カガリ女史の手で扉が開かれ、一行は中層部への探索を開始した。天井が低く通路が狭いこの空間は、迷路のような構造をしており、罠の存在も懸念された。先頭はリムルとミリムが務め、他の隊員はそれに続いた。壁には美しい壁画が描かれており、ミリムにとっては懐かしさを感じさせるものであった。罠の発動もなく、探索は順調に進行した。

弁当による昼食と安全への配慮

昼休憩では、リムルが用意していた弁当が配られた。魔法で保温された食事とスープに、隊員たちは舌鼓を打った。また、火気使用の危険を避けるため、あらかじめ弁当を用意していたリムルの配慮も伝えられた。更に、トイレ休憩のために『転移門』が設置され、環境への冒涜を避けるような配慮も示された。

精霊交信と情報共有の試行

探索効率向上のため、リムルは『精霊交信』の活用を提案し、呪術師の隊員が実行に志願した。その結果、風の精霊との交信に成功し、迷路の道筋を把握することができた。続いて、幻覚魔法による図の記録と共有も行われ、隊員の協力によって正確な地図が作成された。これにより、今後の調査効率が大幅に向上した。

慎重な警戒と探索体制の維持

翌日、リムルたちは最下層扉の前から活動を開始し、ミリムやゴブタは見回り隊に加わった。リムルは隊員との質疑応答や解析鑑定を通じて警戒を続け、怪しい者はいないことを確認した。隊員の忠誠も自然なものであり、支配や洗脳の痕跡はなかった。

戦利品の発見と罠の作動

ミリムたちが多数の魔素に馴染んだ武具を持ち帰り、それらは罠の発動により現れた魔人形が所持していたものであった。隊員たちの証言により、罠は意図的ではなく、生体認識によって作動したものであると判明した。この階層が墳墓への防衛機構として設計されていた可能性が高く、さらなる慎重な探索が求められた。

防衛機構の発動と警報

突然、強大なエネルギー反応が発生し、遺跡の警報が鳴り響いた。『アムリタへの侵入者を排除せよ』との機械音声が繰り返され、事態が緊迫化した。リムルはこの警報が人為的なものであり、敵が遺跡に侵入してきた結果だと推測した。扉近くにいたカガリ女史への疑念も浮かんだが、彼女が関与している証拠はなかった。

敵襲への備えと迎撃の決意

リムルは侵入者が自分を狙った組織であると断定し、これを迎撃する覚悟を固めた。隊員たちを守ることを誓い、信頼を得た上で、智慧之王の指示に基づき迎撃体制に移行した。すべては想定内であり、準備も整っていたため、迅速かつ冷静に行動が開始された。

混沌竜の出現とミリムの離脱

二度目の揺れが発生し、リムルは外部に異常な存在を感知した。それは腐敗した皮膚を持ち、膨大な妖気を纏った竜であり、ヴェルドラを凌ぐ力を有していた。ミリムはそれを見て即座に反応し、急用を理由に転移して去った。竜はミリムがかつて封印した混沌竜であり、マリアベルによって操られている可能性が高かった。

ゴーレムとの交戦と最下層への退避

混乱の中、統制されたゴーレムが襲撃を開始し、リムルたちは応戦した。シオンは天井に武器をぶつけて動きを制限されたが、致命傷には至らなかった。リムルは扉の封印を解除し、隊員たちは速やかに最下層へ退避した。そこは墳墓とは思えぬほど明るく、草原が広がる異様な空間であった。

戦況の安定と隊員の信頼

広い空間で自由に動けるようになったシオンは、ゴーレムを次々に粉砕した。リムルはマリアベルの策略の深さに警戒を強めつつ、隊員たちを安心させる言葉を投げかけた。ミリムがいる限り、カオスドラゴンに対抗できるとの確信があった。

正義と対立の議論

リムルはカガリ女史の問いに応じ、自らの戦いが正当防衛であることを語った。経済戦争を通じた併呑より、武力対決の方が決着がつきやすいとも述べた。一方で、敵対者にもそれなりの正義があると認めつつも、自らの理念を貫く姿勢を見せた。

マリアベルとの思想の衝突

マリアベルが姿を現し、支配か被支配かの二択をリムルに迫った。彼女は貧富の格差を自然と捉えるが、リムルは人の可能性と平等な機会の尊重を説いた。両者の価値観は完全に対立し、戦いによってしか決着がつかないことが明らかとなった。

敵陣の布陣と戦闘開始

マリアベルの呼びかけで戦闘が始まり、ガイ、ユウキ、騎士服の男が敵として登場した。シオンはユウキと、ゴブタとランガは騎士服の男と対峙した。ゴブタは『魔狼合一』により強化され、戦況に対応できる戦力となった。

リムルの本気と決戦への突入

リムルは制限を解除して本気の戦闘体勢に入り、ガイを一撃で消滅させた。そしてマリアベルに向かって、自らの力と覚悟を示した。彼はマリアベルを完全な敵と認識し、倒すべき対象として戦いを開始したのである。

リムルの力に対するマリアベルの動揺

マリアベルは、リムルの圧倒的な実力に恐怖を覚えていた。彼女が全力で強化したガイでさえ、一撃で葬られた現実が、その力の差を物語っていた。これにより、マリアベルは最終手段である『聖浄化結界』を発動させたが、リムルの周到な対策によって即座に解除された。

戦況の崩壊と反転

リムルの策により、マリアベルの計画は逆に利用されていた。部下を潜伏させていたマリアベルの企みは全て看破され、状況は急速に不利へと傾いた。味方のユウキやラーマも相手を倒しきれず、マリアベルは自身の魂を燃焼させて限界を超える決断をした。

マリアベルとの激突と『強欲者』の発動

マリアベルは全力でリムルに挑んだが、その攻撃はリムルに一切通じなかった。彼女のスキル『強欲者』は生への渇望を反転させる強力な能力であったが、リムルは『解析』によりこの能力の無効化に成功し、優位を確保した。

マリアベルの本質とリムルの寛容

マリアベルの強さは確かであり、リムルはその戦闘力と支配力を評価していた。しかし、彼女の行動原理が許容できないものであったため、リムルはその力を無効化しつつ降伏を促した。だが、マリアベルは屈せず、なおも攻撃を続けた。

ユウキとの決戦と能力の衝突

マリアベルのスキル譲渡により、ユウキの戦闘力が飛躍的に上昇し、シオンをも圧倒する戦力となった。リムルは彼との戦闘に移行し、その超特異体質『能力殺封』によって、通常のスキルや魔法が通用しない事実に直面した。

剣技による突破と戦況の打開

リムルは魔法に依存せず、剣技を用いた物理戦でユウキと対峙した。互いに高い身体能力と武器技術を発揮しつつも、リムルはユウキの盲点である武器非適用を突き、特製の技『暴風黒魔斬』でダメージを与えることに成功した。

精神干渉の解除とユウキの復帰

トドメを刺そうとしたその瞬間、カガリ女史と調査隊の隊員たちの必死の呼びかけにより、ユウキの精神が反応を見せた。彼らの信頼の声が、マリアベルの精神干渉を打ち破り、ユウキを正気に戻すという奇跡を引き起こした。

予想外の展開と戦闘の転機

ユウキの変化に、リムルは驚きを隠せなかった。殺意が消えたことを確認し、戦闘の終結が見えたことで、マリアベルへの対応に焦点を移すこととなった。こうして、予期せぬかたちでユウキの奪還が成功したのである。

ユウキの帰還と反省

ユウキは正気を取り戻し、リムルに詫びを入れた。リムルはその真意を見抜き、戦いの後に話し合うことを約束した。ユウキはマリアベルの支配から解放されてなお、共闘を選び、改めて信頼を寄せる姿勢を示した。

マリアベルの最終覚醒と黒の魔剣の召喚

マリアベルは絶望の中、最期の力で『黒の魔剣』を召喚した。その存在は悪意の象徴であり、神器級の力を持つ危険な武器であった。彼女は魂を代償として力を得る「深淵融合(アビス・インテグレーション)」を行い、暴走状態に陥った。

ミリムの帰還とリムルとの共闘

ミリムが再び戦場に現れ、リムルとの連携を開始した。ミリムはマリアベルの暴走を止めるために加勢し、二人の強者が力を合わせて黒の魔剣を相手に戦うこととなった。ミリムの陽気さと実力により、戦場の空気は一転した。

最終戦闘とマリアベルの敗北

リムルとミリムの連携攻撃により、暴走したマリアベルは追い詰められていった。最終的に、ミリムが黒の魔剣を粉砕し、暴走の源を断つことでマリアベルの敗北が決定した。魂を代償にした力は自壊し、彼女は意識を失った。

戦後の総括とリムルの判断

戦闘が終結し、リムルは仲間の無事と成果を確認した。ユウキの処遇については、今後の話し合いに委ねるとし、ミリムとともに帰還の準備を整えた。遺跡調査の成果として、多くの貴重な情報と戦利品が得られたことも確認された。

カガリ女史の提案と未来への布石

カガリ女史は、ユウキの行動を今後の社会改革の糧にすべきだと提案した。また、黒の魔剣の存在とその記録を封印し、後世に残すべき危険として管理していく方針が確認された。マリアベルの最期の記録も含め、リムルたちは歴史を見据えた判断を下した。

終章  最後に笑う者

ユウキとカガリの共謀と成果

ユウキはマリアベルの力を奪取し、カガリの支援のもと計画を遂行した。リムルとの戦いの最中、カガリはユウキの能力を秘匿しつつ、部下たちの目を誤魔化していた。マリアベルから得た「強欲者」の力はユウキにとって狙い通りであり、結果的に計画は成功した。カガリはその無茶さに不満を述べつつも、成果には納得していた。

墳墓破壊の隠蔽とカガリの未練

ユウキはリムルに、マリアベルが自爆したと説明し、事実を隠すために動力炉の残骸を偽装した。実際には準備された魔力爆弾による爆破であった。カガリは墳墓の喪失に未練を抱いていたが、ユウキは予定通りと気に留めなかった。

〈神聖魔法〉の使用とグランベルの正体の推測

マリアベルが仕掛けた「血影狂乱」が〈神聖魔法〉を用いたことで、評議会と西方聖教会の繋がりが浮上した。ユウキはこの事実から、マリアベルの祖父グランベル・ロッゾの正体が「七曜の老師」であるとの見立てを示し、カガリもそれに同意した。

魔王ヴァレンタインの真実と神ルミナスの関与

ユウキはマリアベルが大胆な手を打てた背景に、「神ルミナス」の存在があると推測した。カオスドラゴンやヴェルドラ、ミリムの怒りを招く可能性にもかかわらず、マリアベルが行動を起こしたのは、安全な後ろ盾があったからである。ユウキは魔王ヴァレンタインの正体が神ルミナスであると確信し、カガリもこれに納得した。

東方への活動拠点移動と野望の宣言

ユウキは活動拠点を東に移すと宣言し、世界征服という野望を再び掲げた。カガリも協力を約束し、共に笑い合いながら未来を語り合った。

リムルの帰還と遺跡再建計画

リムルは遺跡の最下層が埋没しているのを確認し、マリアベルの自爆というユウキの説明を受けた。遺跡の再建を決意し、将来的に博物館として活用する計画を立てた。まずは復旧作業に専念することとなった。

評議会の再編と魔国連邦の台頭

評議会では議員の更迭が相次ぎ、勢力が衰退した。その中でユウキ率いる自由組合が魔国連邦への支援を表明し、リムルの勢力が最大派閥となった。ヒナタもこれに同調し、西側諸国への影響力を高めた。

智慧之王の沈黙とリムルの自省

智慧之王はユウキの裏切りを認識していたが、利用可能との判断で黙っていた。リムルはマリアベルを殺せなかった自身の甘さを悔やみ、智慧之王への信頼と感謝を抱いた。そして今後はすべてを受け止め、自身の意志で決断すると誓った。

新たな決意と共に進む未来

リムルはユウキの野望を打ち砕くことを誓い、仲間と智慧之王の存在を支えに歩んでいく決意を新たにした。その時、智慧之王が微かに笑った気がしたのである。

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転生したらスライムだった件 18巻
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転生したらスライムだった件 19巻
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転生したらスライムだった件 10th ANNIVERSARY BOOK

漫画版

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転生したらスライムだった件 22巻
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フィクション(novel)あいうえお順

コミックス(外伝含む)

転生したらスライムだった件(月刊少年シリウス)

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転スラ日記 転生したらスライムだった件(月刊少年シリウス)

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劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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