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フィクション(Novel)未来人A読書感想転生貴族、鑑定スキルで成り上がる

小説「転生貴族、鑑定スキルで成り上がる 2」感想・ネタバレ

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転生貴族、鑑定スキルで成り上がる 2の表紙画像(レビュー記事導入用) フィクション(Novel)

鑑定スキル1巻レビュー
まとめ
鑑定スキル3巻レビュー

Table of Contents

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  1. 物語の概要
    1. ■ 作品概要
    2. ■ 主要キャラクター
  2. 書籍情報
  3. あらすじ・内容
  4. 感想
  5. 考察・解説
    1. ストーリー・プロット
          1. 1. 人材発掘の開始と潜入調査
          2. 2. ミレーユ・グランジオンの登場
          3. 3. 家臣団の軋轢と模擬戦
          4. 4. 模擬戦の決着と実力の証明
          5. 5. センプラー軍議と外交方針
          6. 6. 帝都への旅と新たな才能
          7. 7. パラダイル州との交渉と帰還
        1. まとめ
      1. 主要な転換点
          1. 戦局の転換と人材獲得による勢力拡大
          2. ミレーユの鑑定と採用
          3. 模擬戦での勝利
          4. ベルッド攻略と外交の提案
          5. リシアの外交同行決定
          6. シン・セイマーロとの出会い
          7. マクファとの交渉成立
        1. まとめ
      2. 主人公を中心とした人物関係の変化
          1. 主要人物における関係性の推移と深化
          2. アルスとミレーユ
          3. アルスとリシア
          4. ロセルとミレーユ
          5. クランとアルス
        1. まとめ
      3. 主人公の認識と周囲の評価
          1. アルスと周囲における認識の乖離
          2. アルス自身の自己認識
          3. 周囲からの評価
          4. 認識の差が現れた場面
        1. まとめ
      4. クライマックス:パラダイル州との外交交渉
          1. 帝都外交とパラダイル州との同盟交渉
          2. 発生原因と当初の状況
          3. 登場人物の行動
          4. 危機と対応
          5. 決着と影響
        1. まとめ
      5. 巻末時点の状況
          1. 外交の成功と初陣への出陣態勢
          2. アルスの状況
          3. 立場と軍事の動向
          4. 外交と政治の進展
          5. 継続する課題
        1. まとめ
  6. 登場キャラクター
    1. ローベント家(ランベルク領)
      1. アルス・ローベント
      2. リーツ・ミューセス
      3. シャーロット・レイス
      4. ロセル・キーシャ
      5. ミレーユ・グランジオン
      6. シン・セイマーロ
      7. シャマール
      8. クライツ・ローベント
      9. レン・ローベント
    2. サレマキア家(クラン派)
      1. クラン・サレマキア
      2. ロビンソン・レンジ
      3. レング・サレマキア
      4. テクナド・サレマキア
      5. マーク
    3. パイレス家(カナレ郡)
      1. ルメイル・パイレス
      2. メナス・レナード
    4. プレイド家(トルベキスタ領)
      1. リシア・プレイド
      2. ハマンド・プレイド
    5. オルスロー家(クメール領)
      1. クラル・オルスロー
    6. サレマキア家(バサマーク派)
      1. バサマーク・サレマキア
      2. トーマス・グランジオン
      3. リーマス・アイバス
    7. バンドル家(サムク郡)
      1. フレードル・バンドル
    8. 傭兵団シャドー
      1. ファム(マザーク・ファインド)
      2. ベン(アレクサンドロス・ベルマドルド)
    9. メイトロー傭兵団
      1. クラマント・メイトロー三世
    10. サマフォース帝国・皇帝家
      1. デン・マルティネス
      2. シャクマ・ドリーズ
      3. シャルル・バイドラス
    11. サーカシア家(パラダイル州)
      1. マクファ・サーカシア
      2. バンバ・ファナマーマフ
    12. 民間(酒場・船舶)
      1. ラーツ
      2. アレックス・トレンプス
      3. シャーク・トエスティン
    13. 登場集団
      1. アルカンテス城の軍議参加貴族たち
      2. ランベルク領の兵士たち
      3. センプラー城の軍議参加貴族たち
      4. トルベキスタ領主家のメイド・兵士たち
      5. センプラー港の鉄船乗組員たち
      6. 皇帝家の正装従者たち
      7. パラダイル総督家の家臣たち
      8. カナレ郡の兵士たち
      9. ワクマクロ砦の防衛兵・捕虜たち
      10. サムク城の兵士・捕虜たち
  7. 展開まとめ
    1. プロローグ
    2. 一章  新たな人材
    3. 二章  帝都へ
    4. 三章  交渉
    5. 閑話  主のいないローベント家
    6. 四章  開戦
  8. 同シリーズ
    1. 小説
  9. その他フィクション

物語の概要

■ 作品概要

本巻では、父レイヴンの急死により弱小領地ランベルクの家督を継いだアルス・ローベントが、ミーシアン継承戦争という激動の渦中で「鑑定スキル」を武器に領地の存続と拡大を図る過程が描かれる。アルスはカナレ郡長を目指す決意を固め、州都アルカンテスでの潜入調査を通じて、規格外の知略を持つミレーユ・グランジオンを発掘。家臣団との摩擦を乗り越え、彼女を軍師として組み入れることに成功する。
物語の主軸は、この新戦力ミレーユの提案による「大都市ベルッドの攻略」と「パラダイル州・皇帝家への外交」という、武力一辺倒ではない高度な戦略への転換である。アルスは許嫁リシアの卓越した政治力や、帝都で見出した新才能シンの力を結集し、難航が予想されたパラダイル州との外交交渉を完遂。
これにより、兵力で劣るクラン陣営が戦略的優位を確保し、ミーシアン全土を巻き込む本格的な開戦へと至る。
本巻は、個人の能力鑑定が国家規模の動乱を動かす因果を構造的に示している。

■ 主要キャラクター

帝都で出会った貧民の青年。能力値:兵器S、空軍S、知略88。魔力を用いた独自の理論による「飛行船建造」の志向を持つ。アルスに才能を見出され、将来の航空戦力候補として家臣となる。

アルス・ローベント

ローベント家当主。鑑定スキルを駆使し、ステータスや適性を見抜いて人材を適所に配置する。本巻では父の跡を継ぎ、外交任務の補佐を通じて政治的資質の片鱗を見せる。

ミレーユ・グランジオン

能力値:統率93、知略102(限界103)、野心100。適性:計略S、兵器A。元ペルノーラ領主であり、敵将トーマスの実姉。圧倒的な知略を持つが、素行不良と野心の高さから家臣団と衝突する。

クラン・サレマキア

ミーシアン州次期総督候補。アルスの人材発掘能力を「神がかった人を見る目」と高く評価し、外交交渉の重要局面にアルスとリシアを指名する。

リシア・プレイド

アルスの許嫁。能力値:政治89。帝都・パラダイル外交において、事前の情報操作(根回し)を担当。戦後の結婚を条件に外交使節へ同行し、卓越した政治的立ち回りを見せる。

ロセル・キーシャ

アルスの家臣。ミレーユのスパルタかつ本質的な指導(走らせる等の身体的訓練を含む)により、知略が93へと上昇。当初の反発を捨て、ミレーユを「師匠」と仰ぐ師弟関係を築く。

シン・セイマーロ

書籍情報

転生貴族、鑑定スキルで成り上がる2 ~弱小領地を受け継いだので、優秀な人材を増やしていたら、最強領地になってた~
著者:未来人A 氏
イラスト:JIMMY  氏
出版社:講談社
発売日:2021年1月4日
ISBN:9784065220627

(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。

あらすじ・内容

知略に優れた才女・ミレーユ。
だが、彼女にはちょっとした問題が――!?

弱小貴族・ローベント家の長男アルスは、転生者だ。 武力も知識も持たないアルスだが、上に立つ者として最も重要な人を見る目は、持っていた。 それも、「鑑定」という、秘めた能力をも見通す力として! 出自や年齢にとらわれず有能な人物を取りたてるアルスだが、世情が戦争へと向かう中で、ローベント家の礎である父・レイヴンが亡くなってしまう。 否応なしに跡を継いだアルスは、「鑑定」のスキルと取りたてた家臣たちの力を駆使し――! コミックス1巻 発売 即 大重版! の人気ファンタジー、第2巻!

転生貴族、鑑定スキルで成り上がる2 ~弱小領地を受け継いだので、優秀な人材を増やしていたら、最強領地になってた~

感想

野心100のミレーユを採用。裏切りそうなのに有能すぎて切れない

有能な人材が欲しいアルス。連れて来られたのは野心100の危険人物だった

内乱が本格化しようとしている中、アルスが欲しいのはやはり有能な人材である。

リーツもロセルも優秀なのだが、これから相手にするのは経験豊富な軍師たち。特にロセルは知略こそ高いものの、まだ実戦経験がない。

そこで傭兵団シャドーのファムにも人材探しを依頼したところ、早々にとんでもない人物を見つけてきた。

それがミレーユ・グランジオンである。

元領主で、戦の経験も豊富。しかも敵であるバサマークの右腕、トーマス・グランジオンの姉という時点でかなり濃い。

そしてアルスが鑑定すると、知略102、計略S。

めちゃくちゃ欲しい人材ではないか。

ところが問題は野心100。

100ってあるんだ……。

リシアの野心80でもアルスはかなり警戒していたのに、それを普通に超えてきた。しかも本人の態度も「雇ってもらう側」という感じが全然ない。過去に追放された経歴まであるので、リーツが警戒するのも当然である。

それでもアルスは雇う。

敵に回った方が面倒そうというのもあるが、ロセルの成長が伸び悩んでいる今、経験豊富なミレーユを教師にできるのも大きい。

しかし「能力が高ければ多少性格に問題があっても何とかなる」と考えた結果、早速何ともならなくなるのが面白い。

仕事はサボる、ロセルを走らせる、シャーロットには全力魔法を撃たせる。そりゃ嫌われるわw

ミレーユは採用されて数日で、家臣たちから嫌われまくる。

兵の指導を任せてもやる気がない。仕事を放り出して寝る。注意されてもあまり反省しない。

教師役を任されたロセルからも苦情が入る。

本を読んで勉強したいロセルを外へ連れ出して走らせ、「意味は自分で見つけろ」みたいなことを言う。

教師として癖が強すぎるだろw

さらにシャーロットの実力を見たくなって、屋敷の近くで全力に近い魔法を撃たせる。

ドカーン!!

……そりゃ周囲もキレる。

ただ、こういう怠惰な人間なのに、アルスの鑑定では間違いなく有能なのだから厄介である。

本人も「自分は戦で活躍するタイプ」と言い切り、ならば模擬戦で証明してやろうという流れになる。

そこで見せた作戦が、かなり嫌らしい。

味方を裏切らせたように見せ、その裏切りすら見破らせる。リーツたちに「敵の策略を見抜いた」と思わせたところで、その油断そのものを利用して背後から奇襲する。

策を隠すのではなく、わざと途中まで見破らせるのか。

性格悪いな、この人。

ただ軍師としては、その性格の悪さがものすごく強い。

結局アルス側が勝利し、ミレーユは実力で自分の居場所を確保する。家臣たちが好きになったわけではないのも現実的でいい。

能力を認めることと、人として好きになることは別なのだ。

あれだけ反発していたロセルが質問攻め。教師としてはちゃんと当たりだった

個人的に面白かったのは、模擬戦後のロセルである。

あれだけ「もう教わりたくない」と怒っていたのに、ミレーユの実力を見せつけられた途端、今度は質問攻め。

そして今度はミレーユの方が困っている。

立場逆転してるじゃんw

しかも実際、長く伸び悩んでいたロセルの知略が上昇している。

アルスが最初に考えていた「ミレーユならロセルの教師として良いのでは」という判断は正しかったわけだ。

本を読んで知識を蓄えるだけでは越えられなかった壁を、実戦経験のあるミレーユが崩している。

最初はロセルのことを「一流の軍師にはなれない」と見ていたミレーユ自身も、教えているうちに「あれ、こいつ才能あるかも」と評価を変えていく。

アルスの鑑定は潜在能力まで見える。

一方でミレーユは、今目の前にある能力や経験から人物を見る。

だからこそ、ロセルが成長してミレーユの予想を覆していく関係は面白かった。

いよいよ内乱本番……と思ったら、アルスは戦場ではなく帝都へ行くのか

やがてクランから召集がかかり、アルスたちは本拠地センプラーへ向かう。

いよいよ戦争かと思ったが、まず始まったのは軍議だった。

難攻不落のアルカンテスをいきなり攻めるのではなく、ベルッドを先に攻略する。

そして兵力差を埋めるため、パラダイル州を味方につける。そのため皇帝家を仲介役として利用する。

ここでもミレーユの存在が大きい。

戦争なのに、ただ兵を集めて殴り合う話にはならない。外交まで含めて戦争なのだと一気に規模が広がっていく。

アルス自身も少数ながら兵を持つ領主になっているので、今度こそ戦場へ連れて行かれるのかと思った。

ところが任されたのは帝都行き。

皇帝家に自分たちの正当性を認めてもらい、パラダイル州との交渉につなげるため、クランの息子たちの使節団に加わることになる。

さらに政治能力を買われた婚約者リシアも同行する。

人材集めから始まったシリーズだったのに、気付けば州を巻き込んだ内乱と外交まで来ている。

それでもアルスがやっていることの根本は変わらない。

自分一人で全部解決するのではなく、「この場面なら誰が一番向いているか」を考えて人を置く。

特に今回は、野心100で怠惰で酒好きという、とんでもなく扱いにくいミレーユを拾ったことが大きかった。

こんなの普通なら雇いたくない。

でも有能なんだよなぁ……。

鑑定スキルが便利というより、鑑定した結果「能力は最高、でも人間性に難あり」と分かってしまった時にどうするのか。

その面倒臭さまで描かれているのが、この巻で一番面白かったところである。

最後までお読み頂きありがとうございます。

(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。

鑑定スキル1巻レビュー
まとめ
鑑定スキル3巻レビュー

考察・解説

ストーリー・プロット

父レイヴンの死を経て家督を継承したアルスは、激化する乱世を生き抜くために人材の獲得と外交戦略の強化へ乗り出した。卓越した軍師の登用から帝都での外交交渉、さらには新たな才能との邂逅に至るまで、ローベント家が勢力を拡大していく一連の経緯を以下に整理する。

1. 人材発掘の開始と潜入調査
  • 家督を継いだアルスは、乱世での生き残りを図るべくカナレ郡長への就任を目標に設定した。
  • 今後の戦乱に不可欠となる高度な知略を持つ人材を求め、密偵傭兵団シャドーのファムへ調査を依頼した。
  • ファムは州都アルカンテスの酒場ケントランへ潜入し、有力な情報の収集を開始した。
  • 軍師不足という自軍の弱点を組織的に解消しようとする明確な意思決定が行われた。
2. ミレーユ・グランジオンの登場
  • 酒場に現れたミレーユ・グランジオンは、粗末な旅装でありながら異様な気配を放っていた。
  • 彼女は元領主という経歴を持ち、バサマークの右腕であるトーマスの姉という特異な出自を備えていた。
  • ファムの正体を看破した観察眼を評価され、アルスへの推挙が決定した。
3. 家臣団の軋轢と模擬戦
  • アルスの鑑定により、ミレーユは知略102、野心100という規格外の数値を持つことが判明した。
  • 採用を決める一方で、不遜な態度と野心の高さからリーツら既存の家臣団との間に強い軋轢が生じた。
  • 組織内の不和を解消するため、ミレーユは模擬戦での実力行使による証明を提案した。
4. 模擬戦の決着と実力の証明
  • ミレーユは意図的に工作を露呈させ、相手に策を見破ったと錯覚させる高度な心理戦を仕掛けた。
  • 隙を突こうとしたリーツの心理を逆手に取り、奇襲によって完全な勝利を収めた。
  • 圧倒的な知略を証明したことで家臣団の承認を得て、ミレーユは軍師として正式に迎え入れられた。
5. センプラー軍議と外交方針
  • クラン陣営の本拠地センプラーでの軍議において、ミレーユは戦況の打開策を提示した。
  • 難攻不落のアルカンテスを避け、ベルッド攻略およびパラダイル州・皇帝家への外交を優先する新戦略を提案した。
  • 奇策の合理性を認めたクランにより、アルスとリシアが帝都への外交使節に任命された。
6. 帝都への旅と新たな才能
  • リシアは戦後の婚姻を条件として、アルスとの外交任務への同行を承諾した。
  • 帝都で冷遇されていた青年シン・セイマーロと出会い、鑑定によって兵器Sおよび空軍Sという特異な適性を見出した。
  • 魔法理論に基づく飛行船建造の技術を持つ逸材を即座に勧誘し、将来の軍事的基盤を確保した。
7. パラダイル州との交渉と帰還
  • 皇帝家およびパラダイル総督マクファとの三者会談において、知将バンバから忠誠心を巡る厳しい追及を受けた。
  • アルスは相手の論理の矛盾を突く逆質問を展開し、追及を封じることに成功した。
  • 交渉は成立し、パラダイル州の出兵が確定したことでミーシアン継承戦争は新たな展開へと突入した。
まとめ

類稀な知略を持つミレーユの登用と家臣団の結束、さらには帝都での外交交渉の成功により、ローベント家は軍事・外交の両面において飛躍的な前進を果たした。新たな技術者シンの加入や他州の参戦を取り付けた一連の成果は、混迷を極める継承戦争において優位を確立するための決定的な布石となっている。

主要な転換点

戦局の転換と人材獲得による勢力拡大

ミーシアン継承戦争の激化に伴い、ローベント家は軍事体制の刷新と戦略方針の転換を迫られた。優秀な人材の登用と帝都での外交交渉を通じて生じた具体的な変化と影響について以下に整理する。

ミレーユの鑑定と採用
  • 以前の状況:経験豊富な軍師が不在であった。
  • 変化と影響:知略102の天才を得たことで、基本戦略が正面衝突から外交と側面攻略へ大きく転換した。
模擬戦での勝利
  • 以前の状況:新参者であるミレーユに対する強い不信感が家中に存在した。
  • 変化と影響:実力による序列が確定し組織内の不和が解消された。ミレーユとロセルの間に師弟関係が成立した。
ベルッド攻略と外交の提案
  • 以前の状況:難攻不落のアルカンテスに対する正攻法を想定していた。
  • 変化と影響:敵陣営が予測しつつも対処が困難な外交戦を展開し、サイツ州をはじめとする周辺勢力の動向を牽制した。
リシアの外交同行決定
  • 以前の状況:陣営全体として高度な政治的および社交的能力が不足していた。
  • 変化と影響:政治力89を誇るリシアの参画により、事前の根回しを通じた国家規模の交渉成立が可能となった。
シン・セイマーロとの出会い
  • 以前の状況:陸軍主体の運用と既存兵器の活用に戦術が限定されていた。
  • 変化と影響:飛行船建造技術を持つ人材を確保し、将来的な空軍戦力の獲得と戦術的多様性の基盤を築いた。
マクファとの交渉成立
  • 以前の状況:総兵数においてバサマーク陣営に対して劣勢に立たされていた。
  • 変化と影響:パラダイル州の出兵が確定したことで軍事的均衡が崩れ、敵陣営に対する包囲網が完成した。
まとめ

卓越した知略を持つ軍師の登用から始まった一連の改革は、家中を団結させるとともに戦略の幅を飛躍的に拡張させた。帝都での外交成功と未知の技術基盤の獲得は、戦力差を覆して継承戦争における主導権を握る決定打となった。

主人公を中心とした人物関係の変化

主要人物における関係性の推移と深化

ミーシアン継承戦争の激化と帝都への外交任務を経て、ローベント家の当主アルスを取り巻く人間関係は大きく進展した。能力値への期待や表面的な身分関係から始まった繋がりは、度重なる実戦と政治的試練を共に乗り越える過程で、揺るぎない信頼と同盟関係へと変化した。主要人物間における関係の推移と結末を以下に整理する。

アルスとミレーユ
  • 開始時:素性不明の飲んだくれに対する、鑑定数値のみを頼った危うい期待であった。
  • 巻末時:不遜な態度は不変だが、その知略を軍事的勝利に不可欠なものとして全幅の信頼を寄せる関係へと進展した。
アルスとリシア
  • 開始時:円満な婚約者関係であった。
  • 巻末時:政治的難局を共に乗り越える不可欠なパートナーとなり、戦後の結婚という明確な約束により公私の絆を強固にした。
ロセルとミレーユ
  • 開始時:傲慢な大人への反発と、自身の才能に対する自信喪失を抱えていた。
  • 巻末時:ミレーユの厳しい指導により知略93へ成長し、圧倒的な実力差を認めて知識を渇望する強固な師弟関係を築いた。
クランとアルス
  • 開始時:有望な一貴族としての評価にとどまっていた。
  • 巻末時:ミレーユの登用や帝都外交の成功を経て、クランが最も信頼を寄せる重要家臣としての地位を確立した。
まとめ

人材の潜在能力を見抜くことから始まった接触は、過酷な軍議や外交の現場を通じてより強固な信頼関係へと昇華された。軍師との絆の深化、伴侶との結束強化、次世代を担う軍師の急成長、そして主君からの絶大な信任の獲得は、激動の乱世においてローベント家が確固たる地位を築くための強力な基盤となった。

主人公の認識と周囲の評価

アルスと周囲における認識の乖離

戦乱の時代を生き抜く弱小貴族ローベント家の当主アルスが抱く自己評価と、主君クランをはじめとする周囲の有力貴族が寄せる評価との間には、大きな認識のずれが存在する。特異な鑑定スキルを軸に行動する本人の意図と、外部から下される政治的・軍事的な評価について、それぞれの視点と具体例を整理する。

アルス自身の自己認識
  • 武勇や知略のいずれにおいても自身を凡庸な少年であると自覚している。
  • 自身の成果が鑑定スキルへの依存によるものだと強く認識している。
  • 自らが備える政治的な資質については極めて無自覚な状態にある。
周囲からの評価
  • クランやルメイルをはじめとする他貴族からは、英傑を見抜く神がかった眼の持ち主として見なされている。
  • クランは、アルスがリシアを外交任務に同行させた点や、交渉の場で見せた機転を含め、本人が自覚していない高度な政治的才能を高く評価している。
認識の差が現れた場面
  • クランから政治的才能を指摘され、アルス本人が困惑する場面が見られた。
  • リシアの能力を単に頼りになると考えて起用したアルスに対し、周囲はその配置を極めて計算された適材適所の政治的人事と解釈した。
まとめ

自身の能力を凡庸と見なし、あくまで優秀な人材の力を借りているにすぎないと考えるアルスの内面に対し、周囲はその人材配置や機転そのものを非凡な統率力および政治的才覚として受け止めている。この認識の差異は、本人の意図とは無関係に、彼が陣営内において不可欠な重要人物として重用されていく大きな要因となっている。

クライマックス:パラダイル州との外交交渉

帝都外交とパラダイル州との同盟交渉

ミーシアン継承戦争における劣勢を打破するため、クラン陣営は帝都を舞台とした国家規模の外交戦を展開した。過去の経緯から不信感を抱くパラダイル州を味方に引き入れるべく、事前の根回しと交渉の場での機転を駆使して同盟を成立させた一連の経緯を整理する。

発生原因と当初の状況
  • ミーシアン継承戦争における劣勢を打開することが主目的であった。
  • パラダイル州は過去の経緯からミーシアン総督家に対して強い不信感を抱いており、単なる利害の提示のみでは交渉に応じない状況であった。
登場人物の行動
  • ロビンソンが表舞台における交渉人を担当した。
  • リシアが皇帝への忠誠心をアピールするという事前の政治工作を担った。
危機と対応
  • パラダイル側の重臣であるバンバが、クランの忠誠心に関する矛盾を鋭く追及した。
  • 弁舌に長けたロビンソンすら窮地に陥る中、アルスが交渉へ介入した。
  • アルスは、これほど疑うのは皇帝陛下の求心力そのものを疑っているのかという、相手を不敬の立場に追い込む逆質問を展開してバンバを沈黙させた。
決着と影響
  • パラダイル総督マクファが妥協を受け入れ、皇帝家の印影が押された同盟状が完成した。
  • パラダイル州によるバサマーク陣営への侵攻が正式に確定した。
まとめ

難航が予想されたパラダイル州との外交交渉は、事前の綿密な政治工作と窮地における鋭い論理的対応により劇的な成功を収めた。皇帝家を巻き込んだ同盟の成立と他州の参戦決定は、継承戦争における戦力バランスを根底から覆し、陣営に決定的な優位をもたらす結果となった。

巻末時点の状況

外交の成功と初陣への出陣態勢

帝都およびパラダイル州を巡る外交交渉を完遂したローベント家は、新たな軍事行動の局面を迎えた。外交上の大成果を携えて帰還したアルスは、主君からの信任を確固たるものとし、領地軍を率いて初の実戦へと歩みを進めている。現在の到達点や軍事体制、残された課題について以下に整理する。

アルスの状況
  • 帝都およびパラダイル州との外交任務を成功させ、本拠地ランベルクへと帰還した。
  • 主君クランから多大な賞賛を受け、報奨として金貨百枚を授与された。
立場と軍事の動向
  • クランより発令された総動員令を受け、カナレ郡の全兵力を集結させた。
  • 自身にとっての初陣となるアルファーダ郡侵攻への準備を完了させ、進軍を開始した。
外交と政治の進展
  • パラダイル州との間で強固な協力関係を成立させた。
  • サイツ州による軍事介入は、現地の騒乱によって一時的に封じることに成功した。
  • リシアとの戦後の婚姻に関する約束が正式に確定した。
継続する課題
  • バサマーク陣営の知将トーマスらがベルッド防衛のために徹底抗戦の構えを崩しておらず、実戦段階における激しい抵抗と戦局の困難が予測される。
まとめ

大規模な外交戦を成功裏に収めたことで、周辺勢力を牽制しつつ有利な状況下で軍事作戦を展開する基盤が整った。しかし、敵陣営の防衛体制は依然として強固であり、初めての実戦指揮となる侵攻作戦において、これまでに培った人材と戦略の真価が問われることになる。

鑑定スキル1巻レビュー
まとめ
鑑定スキル3巻レビュー

登場キャラクター

ローベント家(ランベルク領)

アルス・ローベント

転生者であり、ランベルク領を治める若き当主である。他者の能力数値を可視化する鑑定スキルを持つ。自身の武勇や知略は平凡と自覚している。優れた家臣たちの力を結集して乱世を生き抜こうとする。

・所属組織、地位や役職  ローベント家当主。

・物語内での具体的な行動や成果  酒場で泥酔していたミレーユの並外れた知略を見抜き、周囲の反対を押し切って模擬戦で登用試験を行う。空を飛ぶ夢を語る職人シン・セイマーロを鑑定し、空軍適性の高さから支援を決断する。クラン・サレマキアからの要請に応じてセンプラーでの軍議に出席し、家臣たちへの不当な侮辱に対して毅然と抗議する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  自身を鑑定することはできない仕様である。クラン派の重要軍議に参加を認められ、弱小領主の立場を超えて発言権を高めていく。

リーツ・ミューセス

マルカ人の青年であり、ローベント家の筆頭家臣である。アルスに対して絶対的な忠誠を捧げている。武勇、統率、政治、知略のすべてにおいて傑出した実力を発揮する。

・所属組織、地位や役職  ローベント家・筆頭側近、歩兵隊長。

・物語内での具体的な行動や成果  模擬戦においてロセルと連携し、ミレーユ率いる部隊と知恵比べを展開する。センプラーの軍議で貴族たちからマルカ人であることを理由に侮蔑された際も、主君の立場を慮って感情を抑制する。総力戦では最前線で部隊を巧みに指揮し、勝利に大きく貢献する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  19歳時のステータスは統率96/99、武勇90/90、知略96/99、政治92/100、野心20である。適性は歩兵A、騎兵S、弓兵A、魔法兵C、築城S、兵器A、水軍D、空軍C、計略Sを示す。家中のみならず他家の武将からも実力を恐れられる。

シャーロット・レイス

ローベント家に仕える魔法兵隊長である。かつて奴隷の身分であったがアルスに救われた経緯を持つ。他人に無関心な態度を取ることが多い反面、アルスへの恩義は極めて深い。

・所属組織、地位や役職  ローベント家・魔法兵隊長。

・物語内での具体的な行動や成果  模擬戦ではミレーユ側の部隊に所属し、手加減した火魔法でリーツの部隊を牽制する。戦場では長距離からの破壊的な魔法攻撃を放ち、敵の防衛網を次々と壊滅させる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  16歳時のステータスは統率80/92、武勇104/116、知略44/45、政治36/40、野心1である。適性は魔法兵S、他はすべてDを示す。「ランベルクの青い死神」の異名で戦場全体に知れ渡っている。

ロセル・キーシャ

ローベント家の軍師を務める少年である。かつては内向的であったが、アルスへの仕官を通じて自信を培ってきた。膨大な書物の知識と鋭い洞察力を併せ持つ。

・所属組織、地位や役職  ローベント家・軍師。

・物語内での具体的な行動や成果  ミレーユとの模擬戦において、地形を利用した挟み撃ちや伏兵策を立案して渡り合う。ミレーユの奇策を目の当たりにし、自身の戦術的未熟さを自覚してさらなる研鑽を誓う。戦場での部隊配置や進軍計画の策定を担う。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  9歳時のステータスは統率50/88、武勇16/32、知略92/109、政治52/95、野心22である。適性は計略S、築城A、兵器A、空軍A、弓兵C、魔法兵C、水軍C、歩兵D、騎兵Dを示す。アルスから頭脳として絶大な信頼を寄せられている。

ミレーユ・グランジオン

元総督府の総督補佐を務めていた女性である。酒と博打に溺れる破天荒な性格をしている。知略と政治に関して帝国でも指折りの天才的な数値を誇る。バサマーク派の重臣トーマス・グランジオンの実の姉にあたる。

・所属組織、地位や役職  元ミーシアン州総督補佐。後にローベント家・軍師兼相談役。

・物語内での具体的な行動や成果  酒場で無銭飲食をして絡んでいたところをアルスに拾われる。模擬戦で半分の兵力を用い、奇策を駆使してリーツとロセルを相手に勝利を収める。クラン派の軍議において諸侯の失策を痛烈に論破し、パラダイル州を味方に引き入れる調略策を提案する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  31歳時のステータスは統率82/90、武勇35/42、知略99/101、政治95/98、野心79である。適性は計略S、歩兵A、騎兵A、弓兵B、築城B、兵器B、水軍B、空軍B、魔法兵Cを示す。ローベント家の筆頭軍師として迎えられ、戦局を一変させる知恵袋となる。

シン・セイマーロ

カナレの町で暮らす熱気球の発明家である。周囲から変人扱いされながらも空を飛ぶ夢を諦めない情熱を持つ。

・所属組織、地位や役職  職人・発明家。後にローベント家・技術顧問。

・物語内での具体的な行動や成果  空を飛ぶための熱気球開発を進めており、アルスから莫大な資金援助と研究場所の提供を受ける。試作機の浮上実験を成功させ、アルスを乗せて飛行を果たす。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  24歳時のステータスは統率41/55、武勇30/41、知略81/86、政治25/38、野心18である。適性は空軍S、兵器A、計略C、他はDを示す。将来的な空軍戦力の創設要員としてアルスに確保される。

シャマール

ローベント家に仕える使用人である。

・所属組織、地位や役職  ローベント家・使用人。

・物語内での具体的な行動や成果  屋敷に転がり込んできたミレーユの世話を担当し、彼女の自由奔放な振る舞いに手を焼く。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ステータスは統率30、武勇28、知略40、政治45と平凡である。日々の家政を裏方として支える。

クライツ・ローベント

アルスの実弟である。父譲りの武勇と強い向上心を秘める。

・所属組織、地位や役職  ローベント家・次男。

・物語内での具体的な行動や成果  兄の留守を守りながら屋敷で武芸の稽古に励む。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  武勇と統率の潜在能力が極めて高く、将来の将帥として期待される。

レン・ローベント

アルスの実妹である。物静かで聡明な性格をしている。

・所属組織、地位や役職  ローベント家・長女。

・物語内での具体的な行動や成果  読書を好み、屋敷の書庫で知識を蓄える。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  知略と政治の限界値が高く、将来の内政を支える資質を持つ。

サレマキア家(クラン派)

クラン・サレマキア

前総督の長男であり、クラン派の総帥である。覇王の風格を持ち、独立国家樹立の野心を持つ。家柄ではなく実力で人を評価する器量を備える。

・所属組織、地位や役職  センプラー領主。クラン派総帥。

・物語内での具体的な行動や成果  センプラー城での軍議を主催する。アルスの進言とミレーユの弁論を認め、パラダイル州調略の使者としてローベント家を抜擢する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ステータスは統率99/99、武勇97/97、知略78/79、政治80/81、野心93である。適性は騎兵S、歩兵A、築城A、水軍A、弓兵B、魔法兵B、空軍B、兵器C、計略Cを示す。弟バサマークとの継承戦争で優位を確立しつつある。

ロビンソン・レンジ

クランの側近を務める文官である。冷静沈着で事務処理能力に長けている。

・所属組織、地位や役職  クラン・サレマキア直属家臣。

・物語内での具体的な行動や成果  軍議の進行や諸侯への連絡を取り仕切る。ミレーユの身元や能力の真偽を確認する役目を担う。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ステータスは知略88、政治91と高い知能を誇る。クランの補佐役として政務の中枢を担い続ける。

レング・サレマキア

クランの長男である。誇り高く傲慢な性格をしている。出自や血統を重んじ、下級貴族や他民族を見下す傾向が強い。

・所属組織、地位や役職  サレマキア家・公子(クランの長男)。

・物語内での具体的な行動や成果  センプラーでの軍議において、マルカ人であるリーツが同席していることに激昂して侮蔑の言葉を浴びせる。アルスから理路整然と反論され、怒りを募らせる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  22歳時のステータスは統率66/78、武勇60/72、知略48/62、政治55/70、野心88である。適性は騎兵B、歩兵B、他はCかDを示す。能力値以上の傲慢さから軍議を混乱させる要因となる。

テクナド・サレマキア

クランの次男である。兄レングと同調し、血統主義的な態度を隠さない。

・所属組織、地位や役職  サレマキア家・公子(クランの次男)。

・物語内での具体的な行動や成果  軍議の場で兄とともにアルス一行を嘲笑し、家柄の低さをあげつらう。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  20歳時のステータスは統率58/70、武勇55/68、知略50/65、政治49/64、野心80である。適性は全体的に並の水準にとどまる。

マーク

サレマキア家に仕える案内役の従者である。

・所属組織、地位や役職  サレマキア家・従者。

・物語内での具体的な行動や成果  センプラーに到着したアルス一行を城内の控室や軍議の広間へと案内する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ステータスの表示はなく、地位の変動も見られない。

パイレス家(カナレ郡)

ルメイル・パイレス

カナレ郡長を務める歴戦の将である。アルスを高く買い、後見人のように見守る。

・所属組織、地位や役職  カナレ郡長。パイレス家当主。

・物語内での具体的な行動や成果  センプラーの軍議にアルスを伴って出席する。レングから侮辱されたアルスとリーツを庇い、場を収めようと立ち回る。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  武勇と統率が高く、クラン派における重鎮領主として信頼を集めている。

メナス・レナード

パイレス家の筆頭家臣である。実務能力と冷静な判断力を併せ持つ。

・所属組織、地位や役職  パイレス家・家臣。

・物語内での具体的な行動や成果  軍議においてルメイルを補佐し、戦況分析や兵站の確認を行う。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ステータスは統率71/71、武勇70/70、知略75/77、政治78/78である。安定した知謀でカナレ郡の政策を支える。

プレイド家(トルベキスタ領)

リシア・プレイド

トルベキスタ領主の娘であり、アルスの許嫁である。圧倒的な政治力と鋭い洞察力を誇る。アルスに対して深い愛情と信頼を抱いている。

・所属組織、地位や役職  プレイド家・令嬢。アルスの許嫁。

・物語内での具体的な行動や成果  アルスとともにパラダイル州への外交使節団に同行する。パラダイル総督家の後継者争いを見抜き、巧みな心理誘導と交渉術を駆使してクラン派との軍事同盟を締結させる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  11歳時のステータスは統率8/10、武勇6/10、知略52/73、政治84/100、野心80である。適性は計略B、他はDを示す。外交交渉において決定的な手腕を発揮し、盟約成立の立役者となる。

ハマンド・プレイド

トルベキスタの領主であり、リシアの父である。穏健な性格の貴族である。

・所属組織、地位や役職  トルベキスタ領主。プレイド家当主。

・物語内での具体的な行動や成果  軍議に出席し、カナレ郡の諸侯と歩調を合わせてクラン派の軍事行動に協力する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ステータスは平凡であるが、アルスと娘の婚約関係を通じて両家の連帯を保つ。

オルスロー家(クメール領)

クラル・オルスロー

クメール領の領主である。初老の武人である。

・所属組織、地位や役職  クメール領主。オルスロー家当主。

・物語内での具体的な行動や成果  軍議に参加し、前線での守備配置に関する協議に加わる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ステータスは平凡であり、自領の防衛に専念する。

サレマキア家(バサマーク派)

バサマーク・サレマキア

前総督の次男であり、兄クランと家督を争うバサマーク派の旗頭である。冷酷かつ狡猾な性格で、強力な家臣団を率いる。

・所属組織、地位や役職  アルカンテス領主。バサマーク派総帥。

・物語内での具体的な行動や成果  先手を打って軍備を増強し、兄クラン派の諸侯を調略や武力で締め上げようと画策する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  41歳時のステータスは統率92/94、武勇75/78、知略89/91、政治90/92、野心96である。適性は歩兵A、騎兵A、弓兵A、築城A、計略A、他はBやCを示す。総合的に隙のない能力を誇る強敵である。

トーマス・グランジオン

バサマーク派の中枢を担う軍師である。ミレーユの実弟にあたる。厳格で生真面目な性格をしており、放蕩な姉を嫌悪している。

・所属組織、地位や役職  バサマーク・サレマキア直属軍師。

・物語内での具体的な行動や成果  バサマーク陣営の軍事戦略を一手に担い、的確な兵力展開を指示する。姉ミレーユが敵陣営に加わったことを知り、強い警戒心を抱く。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  29歳時のステータスは統率85/91、武勇40/51、知略94/96、政治88/90、野心65である。適性は計略S、歩兵A、弓兵A、築城A、他はBやCを示す。バサマーク軍の頭脳として君臨する。

リーマス・アイバス

バサマーク派の猛将である。大柄な体躯と凶暴な武勇を誇る。

・所属組織、地位や役職  バサマーク派・武将。

・物語内での具体的な行動や成果  前線部隊の指揮官として出陣し、武力による敵軍の突破を試みる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  35歳時のステータスは統率78/82、武勇91/93、知略35/40、政治20/28、野心50である。適性は騎兵S、歩兵A、他はDを示す。突撃戦において無類の破壊力を発揮する。

バンドル家(サムク郡)

フレードル・バンドル

サムク郡を治める領主である。バサマーク派に属して要衝サムク城を守備する。

・所属組織、地位や役職  サムク郡長。バンドル家当主。

・物語内での具体的な行動や成果  クラン派軍の侵攻に対して堅固な城に籠城し、頑強な抵抗を続ける。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ステータスは統率と築城適性に優れるが、知謀戦に敗れて落城を余儀なくされる。

傭兵団シャドー

ファム(マザーク・ファインド)

傭兵団シャドーの団長である。中性的な美貌を活かした潜入や情報収集を得意とする。

・所属組織、地位や役職  傭兵団シャドー・団長。

・物語内での具体的な行動や成果  アルスからの依頼を受け、バサマーク軍の動向や各領主の書簡を盗み出して貴重な軍事情報を提供する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  23歳時のステータスは統率35/44、武勇92/92、知略88/90、政治22/23、野心45である。適性は弓兵S、歩兵A、魔法兵A、兵器Aを示す。アルスの情報機関として不可欠な存在となる。

ベン(アレクサンドロス・ベルマドルド)

傭兵団シャドーの構成員である。平凡な容姿で目立たず活動する。

・所属組織、地位や役職  傭兵団シャドー・団員。

・物語内での具体的な行動や成果  アルスとファムの間で暗号書簡を受け渡す連絡係を務める。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ステータスは統率33/88、武勇78/80、知略77/78、政治45/66、野心3である。潜行連絡網を確実に維持する。

メイトロー傭兵団

クラマント・メイトロー三世

センプラーを拠点とする水上傭兵団の頭領である。鉄船の運用に長けた海の男である。豪快かつ金銭に敏い性格をしている。

・所属組織、地位や役職  メイトロー傭兵団・団長。

・物語内での具体的な行動や成果  パラダイル州へ向かうアルス一行を鉄船に乗せて海上護衛を担当する。海上で遭遇した海賊船を大砲と巧みな操船術で撃退する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  43歳時のステータスは統率79/83、武勇75/77、知略70/72、政治50/55、野心40である。適性は水軍S、兵器A、他はCやDを示す。水上戦のエキスパートとして安全な航路を確保する。

サマフォース帝国・皇帝家

デン・マルティネス

サマフォース帝国の名代として各州を巡回する勅使である。貴族的な気位が高い。

・所属組織、地位や役職  サマフォース帝国・特使。

・物語内での具体的な行動や成果  パラダイル州の式典に参列し、帝国の権威を示そうとする。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ステータスは政治が高めである一方、軍事能力は低い。

シャクマ・ドリーズ

帝国勅使に随行する護衛武官である。

・所属組織、地位や役職  帝国近衛武官。

・物語内での具体的な行動や成果  特使デンの身辺警護を務め、式典の警戒にあたる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  武勇70台の腕前を持つが、目立った武功の描写はない。

シャルル・バイドラス

帝国の下級役人である。

・所属組織、地位や役職  帝国官吏。

・物語内での具体的な行動や成果  特使の記録係として書状の作成に従事する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  事務処理能力のみに特化した平凡な数値を記録する。

サーカシア家(パラダイル州)

マクファ・サーカシア

パラダイル州総督の長男である。武骨で実直な性格をしており、軍事力を重んじる。

・所属組織、地位や役職  パラダイル総督家・嫡男。

・物語内での具体的な行動や成果  弟との後継者争いに直面する中、リシアから持ちかけられた取引に応じてクラン派との軍事同盟案に署名する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  26歳時のステータスは統率81/86、武勇84/87、知略62/68、政治50/60、野心72である。適性は歩兵A、騎兵A、水軍B、他はCを示す。同盟締結により後継者としての地位を固める。

バンバ・ファナマーマフ

マクファを補佐する古参の家臣である。猜疑心が強く、他州の貴族を警戒する。

・所属組織、地位や役職  サーカシア家・重臣。

・物語内での具体的な行動や成果  アルスやリシアの提案に対して慎重論を唱え、同盟の条件を厳しく追及する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ステータスは知略70台後半、政治80台と手堅い能力を備える。

民間(酒場・船舶)

ラーツ

センプラーの酒場で働く給仕の少年である。

・所属組織、地位や役職  酒場店員。

・物語内での具体的な行動や成果  店内で酔いつぶれて暴れていたミレーユの対応に苦慮し、アルスに助けを求める。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ステータス画面の表示はなく、一般市民として生活する。

アレックス・トレンプス

カナレの町で酒場を営む店主である。

・所属組織、地位や役職  酒場トレンプス・店主。

・物語内での具体的な行動や成果  アルス一行とシャドーとの連絡拠点を引き続き提供する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  裏社会と通じる仲介役としての役割を果たす。

シャーク・トエスティン

メイトロー傭兵団の副長を務める船頭である。

・所属組織、地位や役職  メイトロー傭兵団・副長。

・物語内での具体的な行動や成果  航行中の鉄船の舵を取り、波や風の状況を的確に判断して航路を進める。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ステータスは水軍適性Aを示し、操船の実務を一手に支える。

登場集団

アルカンテス城の軍議参加貴族たち

バサマーク派に属するミーシアン州東部の領主たちである。

・所属組織、地位や役職  バサマーク派・諸侯。

・物語内での具体的な行動や成果  アルカンテス城に集結し、クラン派包囲網の形成や兵力拠出の割り当てを協議する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  総督家の権威と兵力差を信じ、緒戦での勝利を確信する。

ランベルク領の兵士たち

ローベント家が直接統率する領民兵部隊である。

・所属組織、地位や役職  ローベント家・領民兵。

・物語内での具体的な行動や成果  日常的な軍事教練に励み、模擬戦では各隊に分かれて実戦的な機動を演習する。実戦でも高い士気と統率を維持して戦い抜く。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  リーツの統率とシャーロットの火力を背景に、弱小領地の兵とは思えない精強さを獲得する。

センプラー城の軍議参加貴族たち

クラン派に味方するミーシアン州西部の諸侯集団である。門閥意識が強い。

・所属組織、地位や役職  クラン派・所属領主たち。

・物語内での具体的な行動や成果  大広間に集まってバサマーク軍への対抗策を議論する。新参のアルスやマルカ人のリーツに対して冷淡な視線を向ける。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  旧態依然とした貴族意識からミレーユに論破され、作戦の主導権を奪われる。

トルベキスタ領主家のメイド・兵士たち

リシアの護衛および身の回りの世話を務める従者たちである。

・所属組織、地位や役職  プレイド家・従者・兵士。

・物語内での具体的な行動や成果  パラダイル州への過酷な航海と外交使節の任務に同行し、リシアの身辺を守護する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  主君の安全と外交儀礼の成功を裏から支える。

センプラー港の鉄船乗組員たち

メイトロー傭兵団が所有する鉄船を運用する水兵たちである。

・所属組織、地位や役職  メイトロー傭兵団・船員。

・物語内での具体的な行動や成果  蒸気機関や帆を操作して鉄船を走らせ、海賊との戦闘では大砲の装填や射撃を迅速に実行する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  卓越した海上戦闘技術を発揮し、目的地への確実な到達に貢献する。

皇帝家の正装従者たち

帝国勅使デンに同行する儀仗兵および侍従たちである。

・所属組織、地位や役職  サマフォース帝国・皇室従者。

・物語内での具体的な行動や成果  華美な礼服を纏い、式典会場で帝国の権威を誇示するための儀礼動作を行う。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  実戦力は皆無であり、形式的な権威付けのみを担当する。

パラダイル総督家の家臣たち

パラダイル州の行政と軍事を統括する官吏および将校たちである。

・所属組織、地位や役職  サーカシア家・家臣団。

・物語内での具体的な行動や成果  後継者を巡る派閥に分かれて対立しつつ、ミーシアンからの外交使節団の処遇を審議する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  リシアによる巧みな誘導を受け、クラン派との軍事同盟締結を承認する。

カナレ郡の兵士たち

ルメイル郡長のもとに集められた各領地の連合軍兵士たちである。

・所属組織、地位や役職  パイレス家・郡連合兵。

・物語内での具体的な行動や成果  クラン軍の主力部隊と合流し、サムク郡攻略戦に向けて進軍する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  前線での突撃や陣地構築を担当し、戦役の主力を担う。

ワクマクロ砦の防衛兵・捕虜たち

サムク郡の前哨拠点であるワクマクロ砦を守備していたバサマーク派の兵士たちである。

・所属組織、地位や役職  バサマーク派・守備兵。

・物語内での具体的な行動や成果  クラン軍の猛攻を受けて砦を包囲され、激しい抵抗の末に降伏して捕虜となる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  砦の陥落により要衝サムク城への進撃路を奪われる。

サムク城の兵士・捕虜たち

フレードル・バンドルの指揮下でサムク城に籠城していた守備部隊である。

・所属組織、地位や役職  バンドル家・城郭守備兵。

・物語内での具体的な行動や成果  城壁からの矢や投石でクラン軍の攻城を防ぎ続けるが、城門を突破されて制圧される。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  城主の敗北に伴って武装解除され、サムク郡一帯がクラン派の勢力圏へと組み込まれる。

鑑定スキル1巻レビュー
まとめ
鑑定スキル3巻レビュー

展開まとめ

プロローグ

州都アルカンテスは、サマフォース帝国が建国される以前からミーシアンの中心として栄えており、人口五十万人を超える大都市であった。アルカンテス城は漆黒の城として知られ、貴重な黒王石で建造され、ミーシアン王国の豊かさを象徴していた。城内の議論の間では、バサマーク・サレマキアとその側近たちが軍議を行っていた。

バサマークは、前総督の次男であり、兄クランと次期総督の座を争っていた。彼は、ペレーナへの策略が破られたことに言及し、戦況について議論を続けた。彼の右腕であるトーマス・グランジオンや知将リーマス・アイバスも加わり、兵力の比較や戦略について話し合われた。バサマークは自軍の人材に自信を持ち、勝利の確信を深めていたが、クランが雇った傭兵団や西側の強兵に対して慎重であった。

さらに、バサマークはトーマスの姉の行方について問いただした。かつて有能な人物であった彼女を家臣に戻したり、城に監禁する案を持ち出したが、彼女の行方は全く掴めず、全員が彼女を見失っていた。バサマークは不安を感じながらも、彼女のことを一時的に忘れることにした。

一章  新たな人材

主人公アルスは日本で突然亡くなり、異世界でアルス・ローベントとして転生し、貴族ローベント家の嫡男として生まれた。彼は鑑定スキルという特殊能力を持ち、乱世を生き抜くため、リーツ、シャーロット、ロセルという優秀な家臣を集め、領地を強化しようとした。手柄を立てて領地を拡大するチャンスを得たアルスは、カナレ郡長になることを心に誓った。

クランとの会話後、パーティーに戻り、その後、自室で休んだ。翌朝、クランは貴族たちに戦の準備を命じ、アルスも軍議に参加する可能性を家臣リーツとロセルに伝えた。アルスはロセルの未経験が心配であったが、成長の期待も込め、参加させることを決意した。

その後、トレンプスにシャドーの者が来たという報告を受け、カナレへ急行した。そこでベンからアルカンテス城への潜入が難しかったという報告を受け取ったが、情報を集めて重臣に取り入り、潜入する方針が立てられた。さらにアルスは有能な人材の発掘を依頼し、ベンは引き受けた。

アルスたちがアルカンテスに戻ると、シャドーのリーダーであるファムが人材発掘を引き受け、ベンと共に情報収集を進めた。ファムはケントランという酒場で働き、情報を集めていたが、そこに現れたミレーユという女性が只者ではないと感じ、注意を払うことにした。

ラーツが作った料理をミレーユに運び、彼女はそれを懐かしそうに食べていた。食事を終えたミレーユは酒を飲み、ラーツと軽口を交わした。ミレーユはかつて帝国内を旅して貴族に仕えようとしたが、どの貴族も彼女を雇わなかったと語った。また、彼女は貴族としてアルカンテス城に仕えていた過去があると主張し、ラーツはそれに懐疑的な態度を示したが、ミレーユは自信を持っていた。

ミレーユが無一文であることが明らかになり、ラーツは彼女に働いて返すよう命じた。ミレーユはしばらくケントランで働くことに決まり、ファムと同じ部屋で過ごすことになった。二人は親しくなるために会話を始めたが、ミレーユはファムが男であることを見抜いた。ファムは驚きつつも、性別について真実を明かした。

その後、ミレーユは自身がかつてミーシアン総督に才能を見出され、ペルノーラの領地を与えられたことを語ったが、素行の問題などで追放されたと話した。ファムはミレーユが有能である可能性に気づき、彼女をアルスに推挙することを決めた。

アルスはシャドーに人材集めを依頼し、カナレの町で自らも有能な人材を探していたが、簡単には見つからなかった。そんな中、宿泊していた宿の主人アレックスから、ベンが良い人材を連れてきたという報告を受けた。アルスはすぐにその人物に会うため、リーツと共にトレンプスへ向かった。

そこで彼は、ミレーユ・グランジオンという大柄で強烈な存在感を放つ女性と対面した。ミレーユは非礼な態度であったが、アルスは彼女を鑑定し、その驚異的なステータスを確認した。統率や知略が非常に高く、特に知略の限界値は103と超高水準であった。一方で、彼女の野心は100と極端に高く、アルスはその点に強い不安を抱いた。

ミレーユは元貴族で戦でも活躍していたが、何らかの理由で追放されていた。彼女の弟はバサマークの右腕であるトーマス・グランジオンであり、その点でも彼女は重要な情報を持っている可能性が高かった。リーツは彼女を危険視して反対したが、アルスは彼女の能力を活かすことができると判断し、家臣として迎え入れることに決めた。

アルスがミレーユを家臣として迎え入れて数日が経過したが、家臣たちからミレーユに対する不満が続出していた。リーツやロセルは、ミレーユのやる気のなさや他人の士気を削ぐ発言に苛立ちを募らせ、彼女が家臣にふさわしくないと意見した。ミレーユは指導にあまり積極的ではなく、練兵場での行動にも問題が見られた。

さらに、シャーロットの魔法を使って騒ぎを起こしたことで、他の家臣たちの不満が爆発した。しかし、ミレーユは態度を改めるつもりがないことを明言し、アルスに辞めさせるかどうかを問いかけた。アルスは、ミレーユが戦で活躍することで家臣たちに納得させるという案を提案し、次の模擬戦で結果を出すことを条件に、彼女の継続を判断することに決めた。家臣たちは渋々ながらこの提案に同意した。

ローベント家では定期的に模擬戦を行っていた。模擬戦は実戦を想定し、侵攻隊と防衛隊に分かれて戦う形式であった。侵攻隊の隊長はアルス、防衛隊の隊長はリーツであり、ミレーユはアルスと同じ侵攻隊に所属した。

模擬戦の準備が進む中、ミレーユは作戦を提案した。それは、侵攻隊から一人を防衛隊に寝返らせ、偽情報を流して防衛隊を誘導し、奇襲を仕掛けるというものだった。アルスはその作戦を受け入れ、誰を寝返らせるかを決定し、作戦を実行することにした。

模擬戦では、使える魔法や触媒機の制限があり、音魔法のみが使用可能であった。ミレーユは冷静に状況を分析し、彼女の指示のもと、侵攻隊は奇襲を成功させるための準備を整えた。

リーツ率いる防衛隊は、初期位置のランベルク村周辺で敵の動きを偵察していた。音魔法「トランスミット」を使って偵察兵とのやり取りを行い、アルス率いる侵攻隊が二手に分かれて動き出したという報告を受けた。リーツとロセルは対策を話し合っている最中、侵攻隊のシャマールが「アルス様を裏切った」として情報を提供しに来た。ロセルは疑念を抱いたが、リーツは話を聞くことにした。

シャマールは、ミレーユの作戦を説明しつつ、自分が彼女を嫌っているために本当の作戦を裏切って伝えると話した。ミレーユの本当の作戦は、シャマールが音魔法「ランブル」を使って防衛隊を動揺させ、その隙に侵攻隊が奇襲を仕掛けるというものだった。シャマールはランブルを使わなければ奇襲が失敗し、ミレーユの追放につながると提案した。

リーツはシャマールの話を信じるふりをし、彼の触媒機を預かったが、その番号が違うことに気づいた。ボディチェックを行うと、シャマールが別の触媒機を隠し持っていたことが発覚し、彼の作戦が嘘であったことが明らかになった。リーツは騙されたふりを続け、敵の奇襲を防ぐ作戦を練った。

アルス率いる侵攻隊は、ミレーユの作戦に従ってリーツ達防衛隊に奇襲を仕掛けた。ミレーユは意図的にシャマールにミスをさせ、リーツにこちらの作戦を見破らせたように見せかけ、相手の油断を誘った。リーツ達は油断して進軍し、アルス達はその隙を突いて兵を迅速に動かし、リーツの隊の背後を取った。

奇襲が成功し、リーツの隊は弓矢で大きく削られたが、リーツの指揮で混乱はすぐに収まり、戦闘が始まった。侵攻隊は優勢だったものの、接戦となり最終的にアルス達が勝利を収めた。戦後、アルスはミレーユの作戦が功を奏したことを認め、彼女を家臣として引き続き使うことを全員に宣言した。不満を持つ者もいたが、ミレーユは家臣としての地位を保つことになった。

二章  帝都へ

模擬戦から数日が経過し、アルスはクランから軍議に参加するように呼ばれ、部下たちを連れてセンプラーへ向かった。道中、野盗に襲われることもあったが、シャーロットの魔法で撃退し、無事に到着した。

センプラーに到着した一行は、センプラー城でクランと会った。クランはアルスの家臣たちに興味を示し、特にミレーユの存在に反応した。彼女がかつて貴族であり、敵軍のバサマークと関係があったことを指摘し、密偵の可能性を疑ったが、アルスはミレーユの行動を説明し、密偵である可能性は低いと判断された。

クランはミレーユを軍師として使うことを決定し、軍議が始まるまで一行はセンプラー城で待機することとなった。

軍議が始まる時間となり、アルスは貴族たちが集まる「議論の間」に参加した。アルスは、クランの招待でこの場にいることを説明し、リーツが家臣として参加していることにも一部の貴族たちから非難を受けたが、アルスはリーツの有能さを主張してこれに反論した。

軍議では、クラン側の戦力が11万人であり、敵の戦力がそれを上回ると見積もられていた。いくつかの戦略案が出されたが、ロセルはまずベルツドを攻めるべきだという案を提案した。これにクランや他の貴族たちも賛同し、最初にベルツドを陥落させ、その後アルカンテス城を攻めるという方針が決まった。

また、ミレーユもその戦略を支持しつつ、バサマークの慎重な性格を考慮し、さらに作戦を練る必要があると指摘した。最終的に、クランは皇帝家に仲介を依頼するという案を採用し、彼の長男レングを派遣することに決めた。補佐役としてロビンソンを付けるものの、さらに補佐を加えるため、アルスに適任者を尋ねた。アルスはリシアの存在を提案し、彼女が補佐にふさわしいかを確認することになった。

軍議が終了した後、アルスたちはランベルクへ帰還した。

アルスはリシアをクランに推薦するため、まずリシアの父ハマンドに手紙を送り、許可を得たうえで彼女の実家を訪問した。ハマンドは、リシアがまだ若く、交渉の補佐役を務めるには経験が足りないと心配していたが、アルスの説得により、リシアの高い政治力を認め、参加を許可する方向に考えを変えた。

リシア自身も、二つの条件を提示した。一つはアルスに同行してもらうこと、もう一つは戦後に結婚することである。アルスは一度は自分の弱さを理由に断ろうとしたが、最終的にはその条件を受け入れ、リシアの交渉補佐役を引き受けることとなった。

リーツの助言により、アルスはこの旅が良い経験になると判断し、リシアと共に交渉の旅に出る決意を固めた。

アルスはリシアと共に帝都に向かう準備を整えた。護衛としてシャーロットを同行させ、リーツはランベルクの屋敷を任された。出発後、道中で盗賊に襲われるも、シャーロットが魔法であっさりと追い払った。馬車が激しく揺れた際、アルスはシャーロットに抱えられ、その様子をリシアが冷静な笑顔で見つめていたため、アルスは内心焦った。

その後、リシアがシャーロットに胸を大きくする方法を耳打ちし、シャーロットは大声で「食べ物をたくさん食べること」と答えた。リシアは焦りつつも、アルスに対する微妙な感情を抱いているように見えたが、旅は無事に続行された。

アルスたちは無事にセンプラーに到着し、リシアは初めて見る海に感動していた。彼らはクランと面会し、アルスも同行することを確認した後、クランの息子たちであるレングとテクナドとも出会った。クランはレングの未熟さに悩みつつも、アルスの能力に期待していた。また、クランはサイツ州との交渉を依頼し、アルスたちはその準備を進めることになった。

一週間の滞在中、アルスはリシアやシャーロットとセンプラーの市場を見て回り、リシアに青い薔薇のブローチをプレゼントした。リシアはその贈り物に感激し、大事にすることを誓った。楽しい時間を過ごし、一週間後に帝都への出港を迎えた。

アルスたちはセンプラー港から、鉄製の大きな船で出港した。この船は「浮金」と呼ばれる特殊な金属を使い、鉄ながらも浮くという異世界ならではの技術で作られていた。船に乗り込んだアルスたちは、船酔いに苦しむ者もいたが、無事に航海を続けた。途中、船長のシャークが厳しい言葉で乗客に注意を促し、レングも興奮しながら出発の準備をしていた。

航海中、ロビンソンは皇帝家との交渉が順調であると話し、パラダイル州との交渉が課題であると説明した。パラダイル州とは過去にミーシアンが魔力石をめぐって戦争を起こし、関係が悪化していたため、交渉は困難が予想された。アルスたちはその情報を共有し、帝都への準備を整えた。そして、数日間の航海の末、無事に帝都へ到着した。

三章  交渉

アルスたちは船で帝都に到着し、レングやロビンソンと共に皇帝家との交渉に臨んだ。帝都は貧民が多く、道も汚れており、皇帝家の財政状況が悪いことが伺えた。迎えの執事デンに案内され、彼らはランバス城に向かった。

途中、門前で「飛行船」の設計図を持つ青年シン・セイマーロが門番と口論していたが、彼は追い返された。アルスはシンに興味を持ち、後日彼を誘うことを決意した。

ランバス城で皇帝シャルルと謁見し、交渉は宰相シャクマが行った。レングはパラダイル州との交渉の仲介を頼んだが、シャクマはクランがミーシアンを統一した後に独立を企てているのではないかと疑った。レングは動揺したものの、ロビンソンが機転を利かせて嘘をつき、忠誠を強調して何とか交渉を進めた。

結果として、皇帝家は仲介を引き受けることとなり、アルスたちは帝都で待機することになった。

アルスたちは皇帝家との交渉を終えた後、ロビンソンが交渉の内容について反省していた。ロビンソンは、皇帝に明確な嘘をついたことが今後の皇帝家との和睦を難しくする可能性があると指摘し、リシアも彼のやり方を認めつつ、より良い対応があったかもしれないと意見を述べた。

その後、ロビンソンはパラダイル州の情報を待つ間に、アルスに皇帝や宰相シャクマの能力について質問し、アルスの鑑定能力を高く評価した。アルスは、パラダイル州との交渉が始まる前に帝都で人材探しを行い、シャーロットとリシアも同行した。

帝都を歩き回った後、アルスは飛行船を作ると言っていたシン・セイマーロと再会し、彼の才能を認めて勧誘した。シンはミーシアンに同行することを決意し、飛行船の建造を目指すこととなった。

アルスは、シンを勧誘した後も人材探しを続けたが成果は得られなかった。その後、ロビンソンからパラダイル州に派遣した密偵が戻り、彼らは交渉内容を決めるための会議を開いた。パラダイル州はシューツ州との関係悪化や食料不足、魔力石の産出減少など多くの問題を抱えており、ミーシアンとの協力にメリットがある状況であったが、総督の外交能力の低さとミーシアンへの不信感が交渉の障害となる可能性があった。

リシアは、信用が交渉の鍵であると指摘し、皇帝家の仲介を通じて信頼を築くことが重要だと提案した。ロビンソンは、パラダイル総督家の重臣と皇帝家の接触を計画し、その後、皇帝家がストーレッド家と接触して交渉の準備を進めた。

数日後、パラダイル総督マクファが帝都に到着し、交渉に向けたパーティーが開かれた。アルスは総督の家臣バンバに注目し、彼と会話する中でバンバが変人であることを確認したが、交渉で重要な役割を果たす可能性があることに気付いた。

アルスは、翌日の交渉に参加し、リシアと共に見守っていた。レングがパラダイル総督家への要求と見返りを提示し、交渉は順調に進んでいたが、バンバがレングに対して皇帝への忠誠心を疑問視する質問を投げかけ、交渉が一時難航した。レングは動揺していたが、アルスが機転を利かせてバンバに反論し、交渉をうまく切り抜けた。その後、書状に署名が行われ、交渉は無事に成立し、パラダイル州がバサマークを攻めることが確定した。

交渉後、アルスはロビンソンから感謝を受け、次の任務としてサイツ州との交渉が予定されていたが、情勢の変化によりアルスはミーシアンに戻ることとなった。アルスはシンを連れてミーシアンへ戻り、その後、クランとの面会で次の戦略を確認し、初めての戦に参加する準備を進めた。

戦の勝利を決意したアルスは、リシアとの約束を守るため、戦に挑む覚悟を固め、カナレへと戻った。

閑話  主のいないローベント家

アルスが帝都へ向かい、彼の帰りを待つロセルは、ミレーユから様々な知識を学んでいた。ロセルはミレーユを「師匠」と呼び、彼女に弟子入りを希望したが、ミレーユは乗り気ではなかった。しかし、ロセルの無邪気な様子に弱いミレーユは、渋々弟子入りを認めることになった。

一方、アルスの名を聞くだけで取り乱すリーツは、アルスが無事かどうか心配でたまらなかった。リーツが屋敷を飛び出そうとしたところ、ロセルが説得してなんとか落ち着かせた。リーツはアルスへの忠誠心から、彼を守りたいと強く思っていたため、彼の不在に対する不安が募っていた。

その後、リーツは仕事に戻り、ミレーユは勉強を切り上げて酒を飲もうとしたが、リーツに兵士の訓練を手伝うよう頼まれた。ミレーユは面倒くさがって逃げようとしたが、結局リーツに捕まり、訓練を手伝う羽目になった。

アルスの双子の弟クライツと妹レンは、アルスが帝都へ向かった後、屋敷で暇を持て余していた。クライツは外で遊ぼうとリーツに稽古をつけてもらうことを提案するが、出不精のレンは気乗りしなかった。二人は屋敷内を走り回り、食堂で酒を飲んでいるミレーユと出会う。ミレーユは粗野で子供に怖がられていたが、ロセルの仲介で二人は彼女と話すことになった。

ミレーユは自身の戦の経験を語り始め、当初はクライツも興味津々で聞いていた。しかし、次第に過酷な戦の話に移り、特に敵を罠にかけた話や拷問の話が出ると、クライツは恐怖を感じ始め、ついには震えて食堂を飛び出した。ミレーユは子供に不向きな話をしたことに気づき、反省した。

クライツは恐怖を克服するために練兵場へ向かい、剣の素振りを始めた。彼は「強くなって兄を助ける」という決意を新たにし、懸命に訓練を続けた。レンはそんなクライツの姿を見守りつつ、自分が彼を正しい道へ導かなければならないと心に誓った。

四章  開戦

アルスが屋敷に戻ると、リーツが慌てて迎えに来た。アルスはクランからの書状を持ってカナレに向かう必要があるため、すぐに再出発の準備をすることを伝えた。屋敷ではシャーロットやシンとも再会し、特にシンは飛行船の設計にしか関心を示さなかった。アルスはお土産を全員に渡し、夜には豪華な食事をとった後、翌日にはカナレへと出発した。

カナレ城ではルメイルと面会し、クランからの出陣命令の書状を届けた。ルメイルはサイツ州の騒乱を察知しており、現在の状況を説明しつつ、カナレの兵を集結させてセンプラーへ向かうことを指示した。アルスは急ぎランベルクに戻り、兵を率いて再びカナレに戻る準備を整えた。

カナレにはすでに多くの兵が集結しており、最終的に約五千人の兵が集まった。ルメイルはベルツド占拠の計画を発表し、兵たちは士気を高めて出陣した。

アルスたちは数日間の行軍の末、四月十八日にセンプラーへ到着し、すでに六万人の兵が集結していた。さらに一万人が来る予定だったが、進軍予定日には間に合わない見込みであった。全軍で十万人の兵力が用意され、アルスは緊張感を覚えつつも、家臣たちの前で冷静さを保つ覚悟を決めた。

四月二十日、パラダイル州がアルカンテスへの侵攻を開始し、クラン率いる軍勢もアルファーダ郡へ進軍を開始した。バサマーク側でも危機感が高まり、彼の家臣たちは戦略を議論したが、状況は不利であり、対策が難航した。結局、トーマスがベルツドの防衛に派遣された。

一方、アルスたちクラン軍はアルファーダ郡に侵攻したが、大きな抵抗もなく降伏を受け入れ、郡を無傷で手に入れた。その後、ベルツド攻略に向けた軍議が行われ、サムク郡の攻略が次の目標となった。敵側が時間稼ぎを狙っているとの分析があり、罠系魔法の使用が予想された。罠解除の準備を整えた上で、慎重に進軍することが決定された。

アルスたちはサムク郡に侵攻し、魔法罠を解除しながら進軍した。途中でいくつかの拠点を落とし、ワクマクロ砦を攻略する準備が整えられた。クランの命令でルメイルが先鋒となり、アルスたちも出撃準備をした。砦には魔法に対する防御が弱いとされ、シャーロットの魔法が主力となる作戦が決定された。

実際の戦闘では、シャーロットの爆発魔法で砦の防壁を破壊し、敵兵を撃破。防壁が崩れたことと大規模な炎魔法の攻撃で、敵はパニックに陥り、早々に降伏した。戦後、アルスは砦内の凄惨な光景に直面し、戦の残酷さを実感する。彼は同胞である敵兵の死体を弔うことを提案し、ルメイルの指示で火葬が行われた。

その後、ファムがアルスとの面会を求めて現れ、彼はその理由を探るため急いでファムのもとへ向かった。

アルスはファムと再会し、シャドーの力を城の攻略に活用できるか相談した。ファムは潜入や破壊工作が得意だと述べたが、依頼料が高額であるため、アルスはクランに話すことを決めた。その後、ファムは軍に同行し、彼女はアルスのメイドとして振る舞うことになった。

ワクマクロ砦の攻略後、クランが到着し、兵の犠牲を最小限に抑えたことを称賛した。特にシャーロットの魔法による防壁破壊が戦功を挙げた。捕虜たちは鑑定され、忠誠を誓わない者や能力の低い者は処刑されることが決まり、アルスは処刑の様子を見守った。彼は戦場の残酷さに向き合い、捕虜たちの死を哀れに思いながらも、彼らの再生を祈った。

アルスはクランと共に軍議を開き、サムク城の攻略に際して密偵傭兵ファムの力を借りる提案をした。クランはこれを承諾し、金貨二百五十枚を支払うことで、ファムは城門の開門や魔法罠の解除、魔力水庫の破壊などの工作を行うことになった。ファムは城内に潜入し、計画を実行した。

一方、サムク城の郡長フレードルは、クラン軍の進軍に備えていたが、ファムの工作によって魔力水庫が爆破され、城の防御が大きく損なわれた。さらに城門も開かれ、敵の突入を許すことになり、フレードルは緊急事態に直面した。

サムク城の攻略戦において、アルスは密偵傭兵ファムの協力により、城の門を開け、魔法罠を解除し、魔力水庫を破壊する工作を成功させた。クラン軍はこの工作のおかげでサムク城を短時間で陥落させ、サムク郡長フレードルを捕らえた。フレードルはクランに忠誠を誓うふりをしていたが、実際には城に仕掛けられた罠でクランを暗殺しようと企んでいた。しかし、ファムによって罠が解除されていたため、その計画は失敗した。

その後、アルスはフレードル以外の家臣たちを鑑定し、忠誠を誓う者を登用し、従わない者は処刑することとなった。クラン軍はサムク城で兵を休ませ、次の戦略を練ることになった。

アルスたちがサムク城を落とした後、次なる目標はベルツド城となった。ミレーユは、彼女の弟トーマスがバサマーク側の指揮官としてベルツドに派遣されたことを知り、注意を促した。トーマスは奇襲が得意であり、急ぎ過ぎる攻撃は危険だと彼女は警告した。軍議では、ロセルとクランが早急に進攻すべきとの意見を示したが、ミレーユの慎重な進軍を提案する発言により、情報収集を優先しつつ進軍速度を維持することが決定された。

ミレーユは、敵将の調略や偽情報の流布などの策を提案し、まずはスターツ城に関する情報を集めるべきだとした。クランとアルスはこの戦略に賛同し、ベルツド侵攻に向けて準備を整えることになった。この戦いに勝てば、クランはバサマークに大きく優位に立ち、アルスの目的であるカナレ郡の獲得に近づくため、彼は決意を新たにした。

鑑定スキル1巻レビュー
まとめ
鑑定スキル3巻レビュー

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