「リビルドワールド Ⅱ 〈下〉 死後報復依頼プログラム(4)」感想文・ネタバレ

「リビルドワールド Ⅱ 〈下〉 死後報復依頼プログラム(4)」感想文・ネタバレ

どんな本?

リビルドワールドは、ナフセ氏によるライトノベルで、2017年2月から日本の小説投稿サイト「カクヨム」や「小説家になろう」での連載が開始されている。
2023年7月の時点で、累計発行部数は75万部を超えている。

物語は、高度な科学文明の旧世界が滅んでから長い時間が流れた時代が舞台。
その旧世界の遺跡には現在では再現不可能な先進技術の遺物があり、これらのアイテムは高価で取引されている。
しかし、その遺跡には旧世界からの危険な自律兵器、モンスターが徘徊しており、遺物を回収しに来る者たち、ハンターと呼ばれる人々は、命をかけてこれらの遺物を求めている。

物語の中心には、クガマヤマのスラム地区で生きる若いハンター、アキラがおり。
彼は装備が不十分な中、危険な遺跡での探索を始めるが、途中で諦めかけていた時、突如として現れた美しい女性、アルファと出会う。

彼女はアキラに、彼女の目的を果たす手助けをする代わりに、一流のハンターへと育て上げるという取引を提案。
アキラは彼女の提案を受け入れ、アルファが持つ先進技術の知識やサポートを受け取りながら、数々の危険を乗り越えて成長していく。

この物語は、綾村切人による漫画版として『電撃マオウ』 (KADOKAWA) で2019年9月から連載が始まり。
そして、2023年7月にはテレビアニメ化の発表もあった。

最初にこの本と出会ったのは、Amazonの日替わりセールで1巻が販売されており興味を引かれて購入。
読んでみるとマッドマックスのような世界観での遺跡探索の物語。
設定やキャラクターたちが魅力的で面白く。
続きのこの巻も購入して読む。

KADOKAWAオフィシャルチャンネル
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読んだ本のタイトル

リビルドワールド  II〈下〉 死後報復依頼プログラム(4)
著者:#ナフセ 氏
イラスト:#わいっしゅ  氏

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あらすじ・内容

『このライトノベルがすごい!2020』(宝島社)単行本部門 新作3位!

 クズスハラ街遺跡の地下街に巣食う強敵ヤラタサソリの殲滅ミッション――クガマヤマ都市周辺のハンター達を総動員したモンスターの掃討作戦はアキラ達の活躍によって終結に向かいつつあった。
 だがそれは、これからアキラを襲う数々の困難の幕開けに過ぎなかった!
 地下街で遭遇した所属不明の遺物強奪者の策略により、アキラはレイナを人質に取られたシオリと望まぬ決闘を強いられる。
 さらに、予期せぬ状況から敵対するアキラとカツヤを見つめる“旧世界の亡霊”達。果たしてアルファの、そしてもう一人の目的とは――?
 WEB連載版より大幅加筆。書き下ろし短編「ホットサンド販売計画」も収録!!

リビルドワールドII〈下〉 死後報復依頼プログラム

前巻からのあらすじ

強くなってるようで、あくまでもアルファの補助があるから強いだけ。

先輩ハンターと共に戦闘をすると手放しで褒められるがあくまでもアルファの補助だから。

そんな先輩たちの戦闘も最前線の一流のハンターと比べるとまだまだらしい。
一流の連中ってどんだけすごいんだ?

あと、仕事を斡旋する職員はかなりの曰く付きの奴らしい。

その辺もどうなって行くのか、、

でも、本人も強くなってないと分かってるから変に飛躍しないのが救いかな?

感想

なかなかの修羅場。

単独で探査をしていたら、登録に無いハンターがいる。

そんなハンターに職質しようとしたら。
いきなり撃って来た。

相手は必殺のタイミングでアキラを撃ったのだが、アルファが強化服を動かして攻撃を逃れた。

かなり危ないタイミングだったが、何とか相手を戦闘不能にしたのだが、、

そこに、防衛基地でモメたレイナと護衛のシオリが現れた。

戦闘不能にされたハンターは、レイナに助けてくれと懇願しレイナは迂闊にもハンターに近づいてしまい。
人質にされてしまう。

人質開放のためにシオリはアキラに襲い掛かる。
アキラからしたら、勝手にクビを突っ込んで危機に陥り巻き込んで襲って来た。

アルファの全面サポートを受けてギリギリで何とかシオリを無力化したアキラだっが。
そこにレイナを人質にしていたハンターが、レイナを放置してアキラの銃を拾ってアキラを殺しに来たが、、

銃には弾丸が残っていなかった。
決定的だったのを空振りに終わったハンターは硬直してしまい、アキラに脳を撃ち抜かれて完全に死亡する。

それを見て、限界を超えシオリが含んだ加速剤の効果が切れるまで待ってたらシオリが力付きて完全に無力化。

充分に警戒して話し合いと思ったら、、

今度はカツヤが表れて事態はさらに拗れてしまう。

元々他人の話を聞かないカツヤはアキラがシオリとレイナを殺そうとしたと勝手に判断。

アキラは身を守るためにシオリとレイナを盾にして立て篭もる。
そこにユミナが交渉役としてアキラの前に両手を挙げてアキラの前に現れる。
そして、ユミナとレイナ、シオリを交代させてアキラは何とか本部に連絡して深刻な事態を報告し終わったら、、

今度は、最初に襲って来たハンターの仲間に襲われた。
相手はサイボーグ化しており、かなり大口径の武器でアキラを攻撃する。
スタンピードの時に支給されたバイクが大破。

何とか撃退したと思ったら、本部からの増援が来たのだが、、

一緒に拘束されてしまう。

そして治療を勝手にされて6000万もの治療費を請求されるが寿命が後一年しかなかったと教えられて延命する事に成功。

でも、装備は全てダメになっており再度装備を揃えるのに出費が嵩む。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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備忘録

第50話 地下街の不審者

アキラはクガマヤマ都市の長期戦略部の依頼で、クズスハラ街遺跡の地下街にてヤラタサソリの巣の除去作業に従事していた。数日間にわたり、ヤラタサソリの襲撃や他のハンターたちとの遭遇など、様々な困難に直面しながらも生き延びてきた。3日目の作業では、通信状況を改善し地形の異常に迅速に対処できる新式照明の設置が行われた。しかし、作業中に不審者に遭遇し、その対応に迫られる。不審者は故障した貸出端末を持っていないか、故障させたり意図的に停止させている可能性があり、アキラは本部の指示に従って状況の確認を行った。

故障の可能性を確認しようとした矢先、不審者が突然銃を抜いてアキラに向けて発砲した。アキラはアルファの支援によりギリギリのところで反撃し、不審者の攻撃を避けた。アルファの分析によると、不審者は対人戦に特化した装備と技術を持つ高い腕前の持ち主であった。アキラは、高性能な回復薬を使用して痛みを和らげつつ、不審者との対峙に備えた。

アキラはアルファの助けを借りて、敵を倒して生き残るための反撃を決意する。準備を整えたアキラは、不審者に対して反撃を開始する。

アキラを襲ったヤジマは、奇襲が失敗したことに驚きながらも、アキラの反応速度に疑問を抱いていた。アキラの速度は加速剤の使用や脳機能拡張の可能性をヤジマに考えさせるものだったが、ヤジマ自身も東部に出回る旧世界の遺物から作られた薬や脳改造に精通していた。ヤジマは、アキラが油断している隙に完全に不意を突いたはずだと自信を持っていたが、アキラの避け方から加速剤の使用や脳機能の拡張を疑っていた。

一方、ヤジマは地下街での遺物の奪取を計画しており、新式照明の設置による監視強化が計画に影響を与えることを懸念していた。そのため、遺物を隠していた場所から急いで遺物を持ち出すために、出入口の開通作業を進めるよう仲間に指示していた。ヤジマは貸し出し端末の機能を切っていたため、本部に自身の位置が知られないようにしていた。

交戦時、アキラはヤジマの動きに気付き、柱を破壊しようと繰り返し射撃を行っていたが、ヤジマは柱を破壊する代わりに、破片を飛ばしてアキラを攻撃しようとした。アキラは驚きつつも、状況を素早く判断し、拳銃での撃ち合いの中で銃を持ち替えて対応した。ヤジマは自分が有利だと考えていたが、アキラが意外な手段で対応することに驚かされた。

アキラとヤジマの間での銃撃戦が行われ、破片が飛び散る中で互いに撃ち合った後、場は静寂に包まれた。ヤジマはアキラの異常な反応速度と、想定外の対応に混乱しつつも、自身の計画を進めるために行動を続ける決意を固めていた。

アキラとヤジマは互いに撃ち合った後、アキラは瓦礫の陰に隠れていた。アキラがCWH対物突撃銃から手を離し、AAH突撃銃に持ち替えて銃撃する一連の動きは、アルファのサポートによるものであった。アキラはアルファに状況を尋ね、ヤジマを倒せなかったこと、相手が強装弾をほぼ無傷で耐えたことを知り、勝利の確信を問い直す。アルファは勝てると断言し、アキラは再びCWH対物突撃銃を握り締める。

一方、ヤジマは別の瓦礫の陰に隠れ、アキラの反応速度に驚きつつ、自分が虚を突いたにも関わらず、アキラが即座に対応したことに疑問を抱く。ヤジマはアキラの狙いが正確すぎることに訝しんでいたが、情報収集妨害煙幕を使用することを決断する。

アキラがヤジマの隠れている瓦礫を撃つと、ヤジマから投げられた物体が飛んでくる。アキラはそれを手榴弾と判断して撃ち落とすが、煙幕によって周囲が白い煙で覆われ、アキラの情報収集機器の精度が低下する。アキラとヤジマの銃撃戦は、煙幕の中で続き、アキラは煙幕によって視界が遮られた状態でヤジマに対抗しようとするが、情報収集機器が妨害され、照準器の映像が乱れる。

アルファは煙幕が情報収集妨害煙幕であることを説明し、それが対人戦で用意されていた可能性が高いと指摘する。アキラはモンスター相手にはうまく対処できても、人間相手には難しいと感じていた。人間が持つしぶとさや狡猾さが、人類を荒野で生き残らせていることをアキラは再認識し、人間同士の戦いの難しさを実感する。

第51話 逆転

情報収集妨害煙幕の影響でアキラはヤジマを見失い、薄れゆく白煙の中での銃撃戦が続いていた。ヤジマは自信を持ち、アキラの背後からの奇襲を計画するが、アルファの支援によりアキラはヤジマの動きを正確に捉えていた。ヤジマの攻撃を察知したアキラは、振り返らずにCWH対物突撃銃で反撃し、ヤジマの右腕を吹き飛ばす。ヤジマはその場に倒れ、アキラとアルファは彼が義体者であることを確認し、彼の攻撃能力を完全に喪失させた。アルファは、ヤジマが義体者かもしれないと気づいた理由を説明し、アキラはそれに納得する。アキラはヤジマをどうするかを考えながら、回復薬の効果を待ち、自身の体の回復を確認していた。

ヤジマは義体者であり、大部分が生体や機械部品で構成されている。片腕を失っても、その義体の性能はまだ高い。アキラに対する戦闘力は落ちているが、生きている限り警戒を解かない構えを見せる。ヤジマはアキラに近づく彼の様子を見て、演技を続けている。アキラはアルファの助けを借りてヤジマの意図を見抜き、彼の扱いを考える。

アキラがヤジマに近づくと、ヤジマは命乞いの演技をする。アキラはアルファに相談し、ヤジマの真意を探る。結果としてアキラはヤジマを生きたまま本部に連行することを決めるが、念のために残りの手足も無力化することをアルファに勧められる。しかしその前に、アキラは以前の銃撃での負傷に苦しむ。ヤジマはこの状況から脱出する方法を模索するが、アキラとシオリの注意が他に向かっている間に、レイナがヤジマに近づいてしまう。ヤジマはその機を逃さずレイナを人質に取り、アキラとシオリに動かないように警告する。先程までの怯えた表情は消え、計算高い本性を露わにする。

第52話 それぞれの選択

地下街の新照明設置作業に参加していたドランカムの若手ハンターたちとレイナたちは、本部の指示で別の場所へ派遣される。カツヤは一度は断るが、レイナとシオリが若手とは見なされず、また独自に他のハンターと行動していたことから、最終的に派遣されることになる。作業中、レイナはヤジマに人質に取られる。ヤジマは自分の要求を満たすため、アキラとシオリに脅しをかける。アキラはシオリに対し、ヤジマがレイナを解放する条件を交渉するが、ヤジマはアキラを疑い、レイナの首を絞める力を強める。アキラとヤジマの間で緊張が高まり、シオリはアキラに銃を捨てるよう促すが、アキラは拒否する。ヤジマはレイナの命をアキラの選択にかけるが、アキラはヤジマの要求を受け入れない。シオリが最終的にアキラに銃口を向けると、戦闘が始まる。

CW対物突撃銃の専用弾がシオリの側をかすめるが、シオリは辛うじて躱す。アキラは強化服の出力を最大にしてシオリの攻撃を避ける。二人の戦闘は至近距離での格闘戦に移行し、両者は強化服を着用しているため、頭部に一撃を受ければ即死の可能性がある。シオリはレイナを助けるために、自分の命をかけて戦い続けている。アキラはシオリの動きに追い付こうとしながらも、アルファによるサポートを受けており、アルファは彼女が加速剤を使用している可能性を指摘している。アキラの体は回復薬の効果によって治療されているが、その効果は永続しないため、戦闘の負荷による激痛を感じている。アルファはアキラに集中するよう励まし、アキラは全力で戦い続ける決意を新たにする。レイナは人質としての立場に絶望しながらも、ヤジマへの反抗を試みるが、その抵抗は彼にとって意味のないものであり、ヤジマはアキラとシオリが互いに消耗する状況に満足している。

シオリは加速剤を使用し、アキラを殺さずに互角を装って時間を稼ぐ戦略を取っていた。彼女は高性能な強化インナーと加速剤によって、アキラと互角以上に戦うための身体能力と意識の向上を図っていた。格闘戦ではアキラを軽くあしらえる自信があったが、アキラの反撃は予想以上に速く鋭かった。シオリはヤジマを注意深く観察し機会をうかがいつつ戦うが、アキラの実力に圧倒され、ヤジマへの注意が行き届かなくなっていた。彼女はレイナを救うためにアキラを攻撃し続けていたが、アキラの強さと加速剤の効果が切れることへの焦りにより、状況は思い通りに進まず、シオリの心は絶望に近づきつつあった。

第53話 戦闘終了の経緯

カツヤはレイナたちとの連絡がつかず、不安を覚えて確認しに走り出した。一方、ヤジマはレイナを人質に取りつつ、アキラとシオリの戦闘を観察していた。ヤジマはアキラがシオリに勝利しつつあると感じ、近くに落ちているCWH対物突撃銃を手に取り、アキラに撃とうとするが、銃からは弾が発射されず、その隙にアキラに反撃された。アキラはヤジマを無力化し、シオリには銃を向けながら回復薬を服用し、体の回復を待った。シオリはレイナの安全を最優先に考えつつも、加速剤の効果が落ちており、アキラとの戦闘で消耗していた。アキラはシオリとレイナが自分を攻撃しないとは信じられず、銃を下ろすことができない状況にあった。

シオリはアキラに対して銃を下ろすよう懇願し、自らが全ての責任を負うことを申し出たが、アキラは無言で応じなかった。加速剤の効果が切れ、シオリは倒れ込み、意識がぼやけた状態になった。アキラはカツヤたちが近づいてくることを感知し、牽制射撃を行った。カツヤはレイナとシオリの安全を確認しようとしたが、アキラとの交渉は進展せず、カツヤたちは対応策を模索した。ユミナは自身の銃を捨て、無武装でアキラに近づき、交渉を試みた。アキラはユミナに対して攻撃せず、彼女の話を聞く様子を見せた。

アキラはアルファのサポートでカツヤたちの動きを視認し、ユミナの銃を捨てる行動も確認していた。ユミナはアキラに話を持ち掛け、交渉を試みる。アキラがユミナに銃を向けながらも、彼女の提案に耳を傾けた。ユミナは自身が人質になることを提案し、これによりレイナたちを安全に連れて行くことをアキラに促した。アキラはユミナを一時的に人質として扱い、カツヤたちにレイナたちを安全な場所に連れて行くように命じた。

その後、アキラはユミナの制止を振り切って本部に急ぎ、ユミナはアキラによる報告後、自身も本部に連絡を試みたが、事情を説明することはできなかった。アキラはユミナに広場に戻らないよう忠告して去り、ユミナはカツヤに無事を報告しようとした。

第54話 死後報復依頼プログラム

ヤジマを倒したアキラたちが去った後、ヤジマの仲間であるケインとネリアが現れた。ケインは大型の重装強化服を着用し、ネリアも重装強化服を装着していたが、ケインほど大型ではない。二人は地下街での戦闘要員であり、遺物を地上に運び出す任務を持っていた。ヤジマの遺体を発見した後、二人は本部にバレたと判断し、遺物を放棄して帰ることを選んだ。その際、地下街のハンターたちが現れ、ケインたちに銃を向けたが、ケインは躊躇なく反撃し、ハンターたちを殺害した。その後、ケインたちは地下街を去った。

アキラが本部に到着後、事情聴取を受けた。ヤジマとの戦闘内容と仲間がいたことを話すと、追加調査のハンターが攻撃を受けたと知らされる。アキラはその事実に動揺する。地下街での出来事を考察しながら診療所へ向かい、そこでは見知らぬ医者、ヤツバヤシに治療を受けることになる。ヤツバヤシはアキラに特殊な回復薬の使用を提案し、治療を行う。治療終了後、アキラは重傷者が多数運び込まれる現場を目の当たりにし、自分が軽傷で済んだことに安堵する。その後、強化服のエネルギーパックを交換し、本部で安静に過ごすよう指示された。

クズスハラ街遺跡外れに停車している大型輸送車両とその周囲で警戒を続ける遺物強奪犯たちは、ヤジマの死後、ケインとネリアが指揮を執っていた。車両には大量の遺物が積み込まれており、ケイン達は速やかに脱出を図ろうとしていたが、輸送車両の制御装置に問題が生じていたために出発できない状態にあった。問題の原因は、ヤジマが密かに組み込んだ死後報復依頼プログラムで、ヤジマを殺したと判断された人物が死なない限り車両が動かせないようになっていた。ネリアはプログラムの認証を騙そうと試みるが失敗し、結局はプログラムに表示されていたアキラを実際に抹殺することをケイン達に提案した。

第55話 力場装甲

ヤツバヤシの治療を受けたアキラは体調が大幅に回復し、驚いていた。地下街攻略の本部では、遺物強奪犯ケインとネリアの対策に苦慮していた。本部から仮設基地への連絡が取れず、アキラに仮設基地への情報伝達任務が与えられた。任務を引き受けたアキラは帰路に着いたが、ケインの小型ミサイル攻撃を受ける。アルファの迅速な行動によりアキラは一命を取り留め、反撃の態勢を整えた。一方で、ケインとネリアはアキラの死を確認しようとしていたが、アキラが生きていることを知り、対面した状況にあった。

アキラがケインの攻撃から生き延びたのは、アルファの緻密な回避行動と強化服の支援によるものであった。ケインの小型ミサイル攻撃を回避し、バイクを盾にして大部分の直撃を避けたが、それでもアキラは大きな衝撃を受け、一時意識を失った。回復した後も、アキラの体は大きなダメージを受けていたが、ヤツバヤシから購入した回復薬の効果で痛みは和らいでいた。しかし、ケインの重装強化服が強力な力場装甲を有していることから、アキラの銃弾が直撃してもなおケインは倒せず、反撃を受ける状況になった。アキラとアルファは、生き残るための戦略を練り直し、追い詰められた状況の中で、どうにかして敵の攻撃をしのぐことを決意した。アキラはアルファのサポートと共に、絶望的な状況を生き抜くために覚悟を新たにする。

第56話 索敵手段

ヤジマの死後報復依頼プログラムにより輸送車両の移動が封じられたケイン達は、アキラを襲撃するが、彼に逃げられてしまう。ケインの重装強化服に搭載されている高性能な情報収集機器を使用して、アキラが逃げ込んだビルを発見する。アキラは C W H対物突撃銃の専用弾を使用してケインに反撃するが、ケインは力場装甲によって大きなダメージを受けず、逆にアキラが隠れているビルに対して破壊力の高い反撃を行う。ビル内でアキラはアルファの指示に従い、ケインの攻撃を避けながら反撃を試みるが、ケインとネリアはアキラの位置を高度な情報収集機器で特定し、彼を追い詰める。ネリアはクズスハラ街遺跡に関連する旧世界の技術がアキラの行動を支援している可能性を示唆する。ケインはアキラに対して大規模な攻撃を準備し、アルファはアキラに対して即座に避難するよう指示する。アキラは必死に内部へ逃げ込むが、ケインの攻撃によって爆発が発生し、アキラの姿は爆煙に包まれる。

ケインがビルに向けて発射した大量のミサイルはアキラがいる場所に命中し、大爆発を起こした。ネリアはその行動を非難し、死後報復依頼プログラムの認証が通らなくなる可能性を指摘するが、ケインはそれを一蹴する。認証が通らないことを確認し、ネリアは自ら死体の確認に向かうことを決める。ネリアは義体者であり、その美しい外見を露出させながら現場に向かう。一方、アキラはミサイルの攻撃で倒れるも意識は保っており、アルファの指示に従い回復薬を服用する。ネリアは義体に組み込まれた情報収集機器を用いてアキラの位置を特定し、彼がまだ生きていることをケインに報告する。ネリアはアキラが都市のエージェントであり、義体の出力でケインの攻撃を避けていたと推測し、殺害を決意する。通信を切った後、ネリアはアキラとアルファが2人いることを認識し、自分には関係ないとしながらナイフを抜く。

第57話 贅沢な殺し合い

ケインの攻撃から逃れ、アキラはアルファの服装が変わっていることに気づく。しかし敵の一人がビル内に入ってきたとアルファから知らされる。その敵は重装強化服を脱いでアキラのもとへと迫る。アキラは敵の強化服無しでの侵入を知り、CWH対物突撃銃の専用弾で対抗する希望を持つが、アルファは油断しないよう忠告する。ネリアは旧世界製のナイフでビルの壁を容易く斬り、アキラに迫る。アキラはネリアの攻撃を避けるが、アルファが両断されたように見える。しかし、それはアルファが映像を操作して作り出した仮想的なものであり、アキラを戦闘へと導くためのものだった。アキラはネリアとの戦いに向けて覚悟を決め、アルファのサポートを信じて立ち向かう。

ネリアはビル内を進み、アキラを狙う。彼女は特殊なブレードを使用して壁を容易く切り裂き、アキラを攻撃する。一方、アキラは反撃の機会を探りながら、ネリアの攻撃を回避し続ける。ネリアは床を切り裂き、アキラへの攻撃を試みるが、アキラはアルファのサポートでこれを回避し、反撃に転じる。しかし、互いに使用している旧世界製の武器は高価であり、その使用によって価値が下がっていく。二人は命と引き換えにその価値を消費し続ける、贅沢な殺し合いを展開している。

第58話 潮時

ケインはビルの外で警戒を続けており、ネリアとの通信を試みる。ネリアはアキラとの戦いが続いており、速やかな決着を促される。ケインはネリアの遅れに疑問を抱きつつ、周囲の霧が晴れつつあることを懸念する。一方、ネリアはアキラと互角に戦っており、その事実に驚きつつも戦闘を続行する。

ビル内での戦闘は続き、天井と床の崩壊によってアキラとネリアは瓦礫に巻き込まれる。ネリアは立ち上がり、戦闘を再開しようとするが、アキラは体がうまく動かず苦戦している。アルファのサポートが一部利用できないため、アキラの戦闘能力は激減していた。しかし、アキラはネリアの油断を突いて反撃の機会を見出し、最終的にネリアを蹴り飛ばして逆転する。

アキラはネリアを射撃で仕留めようとするが、銃の反動制御がうまくいかず、頭部には命中しない。アルファは強化服の出力低下と反動制御の問題を指摘し、より近くからの射撃を勧める。アキラは近接して再度ネリアを撃ち、戦闘を終えようとするが、状況は依然として不透明である。

ケインはビルの外での警戒を終え、霧が晴れ通信が回復したことを確認して現場を離れる決断をする。自身の重装強化服を残し、細身のサイボーグの本体として活動を開始。その間、ネリアはアキラによって致命的なダメージを受けつつも、なお生存している。アキラはネリアの頭部を狙って射撃を繰り返すが、疲労や損傷のために命中させることができず、ネリアに近づくことを躊躇している。

ケインはネリアの状況を把握し、彼女が劣勢であることを認識。ネリアの要請に応じる形で自身の重装強化服を自動運転で送り、敵の囮とする計画を伝える。ネリアはケインの提案に頼る形となるが、ケインは現場から撤退し、ネリアを助けるために自分の強化服を送るだけで、自身は逃走を選択する。

第59話 幸運、或いは不運の結末

アキラがネリアを射撃し続けるも、ネリアは生き延び、自分が殺されればケインの重装強化服が自動的に自爆し、周囲を巻き込むと警告する。アキラは警告を無視し、ネリアの首から下を破壊するが、自爆の脅威に対処するためネリアを生かす決断をする。その後、ケインの重装強化服がビルに突入し、アキラはそれを攻撃し続ける。激しい戦闘の末、アキラは機体の制御装置を損傷させ、重装強化服を動作停止させることに成功する。アキラはネリアとの戦いを終え、さらなる行動に移る。

ネリアはアキラの勝利を迎え、彼に対して余裕の笑みを浮かべる。アキラはネリアに対する自分の勝利を確信していたが、突然現れた複数の武装した人物によって状況は一変する。これらの人物はクガマヤマ都市防衛隊であり、アキラとネリアを拘束し、アキラは無力化される。アキラは自らを防衛隊に委ね、意識を失いながらも安心感を得る。一方、ケインは事前に逃亡し、仲間たちと再会する。彼らはケインの指示に従い、都市からの脱出を図る。

ネリアは都市防衛隊に拘束され、独房で取り調べを受けることになる。取り調べを行うヤナギサワは、ネリアが建国主義者の重要人物である可能性を示唆し、彼女に対する処遇が厳しくなることを暗示する。ネリアは再構築技研に送られる運命を恐れ、自らの無実を証明しようと必死になる。この一連の出来事は、アキラとネリアの運命を大きく左右し、二人の未来に対する不確実性を残すことになる。

第60話 戦歴の買取額

アキラは病室で目を覚ますが、夢の内容を思い出せない。アルファが見舞いに来ている。病院での治療費が約6000万オーラムに上る請求書を受け取り、衝撃を受ける。しかし、キバヤシという都市の職員が交渉を持ちかける。アキラが今回の戦いで得た戦歴を都市に譲ることで、その請求額を相殺し、さらに1億オーラムを手に入れることができるという。アキラは戦歴を都市に譲り、負債を清算し、大金を得ることに同意する。

この取引の背景には、都市側の遺物強奪事件への対応の不手際があった。事件を隠蔽することは不可能だが、事実を改竄して都市がエージェントを派遣し、遺物強奪犯を撃退したとすることで、都市の評価を保つ計画があった。アキラの戦歴を買い取り、彼を都市のエージェントとして扱うことで、都市の対応が有能であったという印象を与えることが目的である。アキラはその計画の一環として、高額な治療を施され、巨額の負債を背負うことになったが、最終的にはその負債を帳消しにし、さらに利益を得ることができた。

第61話 お守りの御利益

アキラは戦歴売却の取引を終え、キバヤシから今回の事情を聞き終わった。キバヤシからは、都市側の対応やアキラの戦歴に対する興味と好意を示され、アキラの行動原理や戦い方がキバヤシの好みに合っていることが語られた。アキラは自分の装備や所持品の状況についても知り、ほとんどが無くなっているか、証拠品として保管されていることを知った。キバヤシはアキラのハンター証の再発行や、使用可能な情報端末、ハンター用の服の提供を約束した。また、アキラの体がかなり悪い状態であったことや、スラム街での食事が健康に良くない可能性があることについても言及された。最終的にアキラはキバヤシからの提案を受け入れ、賃貸物件の紹介や報酬の即時支払いを追加要求として申し出た。アキラは空腹を感じながら、約束された物資が届くのを待ち続けた。

シズカは自分の店でいつも通りに店番をしており、アキラが1週間ほど店に来ていないことに気がかりに感じていた。普段より溜め息が多くなっており、その理由がアキラの不在にあることを自覚していた。アキラがヤラタサソリの巣の討伐から帰って来ないことに、シズカは心配していたが、商売人として顔馴染みのハンターの死をあまり気にしてはいけないとも考えていた。アキラが店に現れた時、シズカは普段通りの態度で迎えたが、アキラは装備一式を失ったと告げ、8000万オーラムの予算で新しい装備の購入を依頼した。シズカはアキラの依頼を受け入れ、最善の装備を選ぶために動き出した。アキラが稼いだ大金と、それに関する守秘義務の存在を知り、アキラへの関心が深まったが、細かい事情を聞き出すことは避けた。アキラはシズカの店で必要な装備品を購入し、新しい装備が届くまでハンター稼業を休業することにした。シズカはアキラの装備選びにエレナたちの意見も求めることにし、アキラの安全を願っていた。

第62話 シェリルの焦り

スラム街の徒党のボスであるシェリルは、自室で日常の仕事に追われているが、最近の態度はずっと不機嫌そうである。その理由は、アキラが拠点に顔を出していないからであり、徒党の者たちはシェリルがアキラに特別な感情を持っていることを知っている。アキラが顔を出さなくなったことで、シェリルは演技をして部下たちを騙すが、自分自身を騙すのにはもはや限界があると感じていた。シェリルはアキラが死んでしまったのではないかと懸念し、その不安を抱えていた。しかし、アキラが拠点に現れたことで、シェリルの不安は一時的に解消される。シェリルはアキラに深く依存しており、アキラがいなくなることを恐れていた。アキラとの関係を保つために、シェリルはアキラへの執着を強め、彼女自身の感情をごまかしながら接していた。また、シェリルはアキラに対して体を差し出すことで、徒党のためにアキラの後ろ盾を維持しようとするが、アキラはそのような提案を断っている。二人の間には誤解と擦れ違いがあり、シェリルはアキラに自分の存在価値を認めてもらおうと奮闘していた。最終的に、シェリルとアキラは連絡先の交換をし、シェリルはアキラの隣に座っていたが、エリオがカツラギが訪れたことを伝えるために部屋に入ってくる。

カツラギが予告なしにシェリルの拠点を訪れ、アキラと話をする。カツラギはアキラが拠点にあまり顔を出していないことを知り、アキラとの関係を探りに来た。アキラとの関係が終わった場合、カツラギはシェリルとの投資を回収しようと考えていた。アキラはカツラギの商売から装備を新調する計画がないことを明かし、遺物収集の依頼は終わったと説明する。アキラは装備が届くまでハンター稼業を休業中であり、遺物収集はもう少し待ってほしいとカツラギに伝える。カツラギはアキラが他の店で装備を購入することに不満を示すが、アキラは高性能の回復薬を1000万オーラムで購入することに合意する。カツラギは回復薬の提供として、予定の数量より1箱少なかったため、100万オーラムの回復薬を3箱追加してお詫びする。アキラは購入した回復薬の一部をシェリルに渡すが、その行為はシェリルにとって重く感じられ、返せない恩がさらに増えたと感じさせる。シェリルはアキラに対して十分な見返りを提供することの難しさに焦りを感じていた。

第63話 善行の下請け

アキラから高価な回復薬を受け取ったシェリルは、アキラに対して返礼ができることがないか真剣に尋ねる。シェリルの中には、アキラに何らかの形で見返りを提供しなければならないという強迫観念があり、その焦りが行動を突き動かしていた。アキラに特に要望はないと言われると、シェリルはさらに必死に何でもいいから要望を出してほしいと頼む。結局、アキラはスラム街の子供たちに食事や教育を提供することをシェリルに頼む。この要望はシェリルにとって予想外であり、実行が困難であることを意味する。しかし、シェリルはアキラの要望を実行することで、アキラに対する十分な見返りができると考え、確固たる決意を持って受け入れる。アキラはこの行為を自己の不運を少しでも改善するためのものと考えており、名前を伏せて行うようにシェリルに頼む。アキラとアルファの間でこの話がされる中、アキラが以前にシェリルを助けることを約束したことが言及されるが、その行動の真の動機や将来的な結果に対する懸念も浮かび上がる。

アキラがシェリルの部屋に招かれ、最終的に二人で共同浴室を利用することになった。シェリルはアキラへの感謝を示し、何か彼に対する見返りを提供したいと強く望んでいたが、アキラから具体的な要求はなかった。アキラが宿を探す必要があることに気付くと、シェリルは彼を自室に泊めることを提案し、アキラはそれを受け入れる。共同浴室でリラックスする時間はアキラにとって精神的な癒しとなり、シェリルはアキラが自身の体に特に関心を示さないことから、少し落胆する。しかしながら、アキラの安全とプライバシーのために見張りが配置され、二人の間にはある程度の信頼が築かれる。シェリルは自身の考えを反省し、アキラに対して直接的なアプローチの危険性を再認識する。そして、今後も慎重に二人の関係を築いていくことを心に決める。

第64話 大切な日、通過点の日

シェリルとアキラが共同浴室を使った後、シェリルはアキラを自室まで誘導する。シェリルはアキラの手を引いて進み、途中でアキラに羨ましそうな視線が集まることに気付く。アキラはそれに気付いて周囲を見渡すが、視線の主たちはすぐに退散する。部屋に戻ったアキラは眠気に負けかけ、シェリルの提案で彼女のベッドを共有することになる。アキラは服を脱ぎ、肌着のままベッドに入る。シェリルはアキラが眠りにつくのを確認してから、仕事を続ける。仕事を終えた後、シェリルはアキラに静かに抱き付いて、幸せに眠りにつく。

翌朝、アキラは見慣れない場所で目を覚まし、隣で寝ているシェリルを見て、彼女の非常に無防備な行動に内心で呆れる。アキラが衣服を着ている間、アルファはアキラがシェリルに対して異性としての興味をほとんど示していないことを指摘する。シェリルはアキラが起きた後も眠っており、目を覚ますと彼がいないことに少し落胆する。アキラはスラム街の食事事情を考慮して、シェリルの朝食の提案を断り、拠点の外までの見送りを提案されると、シェリルがまだ下着姿であることを指摘する。シェリルはそれに気付いて慌てて服を着る。

アキラはシェリルの拠点を後にし、キバヤシから紹介された不動産業者の事務所に向かう。希望する物件について相談した後、荒野側にある一戸建てを紹介される。この家は広い浴室や車庫、装備品や予備の弾薬を置くスペースなど、アキラの要望を満たしていた。家賃は月50万オーラムで、ハンターランク30以上の者にしか紹介しないが、キバヤシの仲介で特別に紹介された。アキラは物件を即決し、その場で家賃を支払い、鍵を受け取る。

新しい家に入ったアキラは、新生活の準備を進める。翌日からアルファによる特殊な訓練が始まり、アキラは自分の体感時間を自在に操作する技術を学ぶ。訓練は困難で、アキラは多くの試練を乗り越えなければならなかった。しかし、訓練を通じてアキラは成長し、アルファの支援を得ながら新たな技術を身につけていく。

アキラが新しい家での生活を始めるにあたり、アルファは引き続き支援し、アキラの成長を促す。アキラは、スラム街の路上で生活していた頃から大きく成長し、自分だけの家に住むまでになったことを感慨深く思う。アルファへの感謝を述べると共に、これからも共に歩んでいくことを誓う。

第65話 何も無かったことの確認

アキラが家を借りてから5日が経過し、体感時間操作の訓練に成果は見られなかった。ある日、アルファがアキラに向けたシオリからの依頼があると告げる。依頼内容は食事をしながら話をすることで、報酬は食事代を支払うというものだった。アキラはシオリの真意が気になり、依頼を受けることに決めた。

指定されたレストランは、クガマビルの上層階にある高級店「シュテリアーナ」だった。店での対応に慣れていないアキラだが、シオリとの会話を通じて、過去の確執をどう扱うかが主題となる。シオリは過去の行動を謝罪し、レイナへの責任を自分に求めるよう懇願する。アキラは、地下街での戦歴がキバヤシとの取引により書き換えられたこと、自身にはシオリたちへの恨みや行動を取る意思がないことを説明する。

アキラとシオリの間で、過去の件は「何も無かったこと」として扱うことで合意が成立する。アキラはレストランのメニューから料理を選び、高級な味わいに感動しながら食事を楽しむ。シオリはアキラの戦歴や対応について、さらなる調査や対策が必要か考えるが、アキラにはその様子は伝わっていなかった。

第66話 本来の実力

アキラがシュテリアーナでの食事を楽しんでいると、シオリから雑談を交えた情報収集の試みがあった。アキラは一人でハンター稼業を続けていると答え、現在のところ仲間を募集する予定はないと述べた。シオリはドランカムが若手ハンターの育成に力を入れていること、装備品の貸し出しを含む支援を行っていることを説明した。話はドランカム内の人間関係や、特にカツヤの人気についてへと移り、シオリは彼の周囲で起こる問題について愚痴る。

食事を終え、アキラはシオリに感謝を表しながら現実に戻された。アキラは外でレストランを振り返り、高額な食事代に圧倒されながらも、いつかそういった場所に自費で来られるようになりたいと考える。アルファはアキラに対し、それくらい稼げるようになることを期待している。

シオリは店の前でアキラと別れた後、同僚に連絡を取る。通話内容からは、レイナがアキラのことを心配していること、カツヤや地下街での話題が出たことが明らかになる。シオリは地下街での話題を避けるようにとの指示を再確認し、不満を抱えながら通話を終了する。

クガマヤマ都市の中位区画にあるマンションの一室で、カナエはシオリと通話を終えた後、レイナのもとへ戻る。カナエはレイナの純粋な戦闘要員として赴任しており、強化繊維で作られたメイド服を着ている。レイナは、シオリの要望でドランカムの寮ではなく、別の部屋を借りており、現在はハンター稼業を休業中だ。カナエはレイナを安心させるが、同時にハンター稼業の危険性をも示唆する。

カナエはレイナにシオリが無事であることを伝えるも、以前はレイナを不安にさせるようなことを言っていた。レイナは、シオリの安否を心配しながらも、カナエの話を半ば冗談と捉えていた。

シオリはアキラとの会話で、アキラが怒っていないことを確認し、レイナに対してアキラと地下街の件について話すことを禁じる。レイナはそれを受け入れ、感謝と謝罪はシオリが代わりに行ったことを知る。カナエは冗談交じりにアキラに対するわだかまりの解消を提案するが、レイナとシオリから反対される。

カナエはアキラの実力に興味を持っているが、シオリとレイナの態度からアキラを警戒していることを感じ取る。カナエはレイナの護衛として自分の役割を認識しているが、シオリと異なり、雇い主への忠誠心はビジネスライクである。カナエはアキラに対するシオリの態度から、彼女がアキラを強く警戒している可能性を推察し、それを期待するような笑顔を浮かべる。

ドランカムの施設にて、カツヤが地下街の件について「何も無かった」という調査結果に納得がいかず、ミズハに強く抗議している。ミズハは深く謝罪するが、ドランカムの公式見解は変わらないと伝える。カツヤはやむなくその決定を受け入れる。その後、カツヤとユミナはこの結果を受け止め、カツヤはユミナの安全を最優先に考え、これ以上の騒ぎを避ける決意をする。ユミナはカツヤの無事を優先し、地下街の件でドランカムが「何も無かった」とした理由を自分なりに納得している。

一方、アキラはシュテリアーナでの食事を思い出し、また行きたいと考えている。アルファとの会話の中で、サイボーグの食事について話が及び、アキラはサイボーグの食事の概念を理解する。その夜、アキラは戦闘の夢を見るが、実際はアルファのサポートによって生き延びていることに感謝している。翌日、アキラとアルファは体感時間操作の訓練を続け、アキラは一定の進歩を見せるが、その過程で大きな疲労を感じている。

アルファはアキラの進歩を認めつつも、計画の修正が必要であることを感じている。アキラはアルファのサポートを失うことを危惧しながらも、アルファに依頼を完遂する意志を新たにする。アルファはアキラの努力を評価し、アキラが依頼を完遂するまでサポートを続けることを改めて確認している。

第67話 失望

アキラはスラム街を通り、シェリルの拠点に顔を出す。バイクを失い、新しい装備もまだ届いていないため、荒野に出ることができず、シェリルに顔を見せることで日々の訓練と勉強からの息抜きを図る。スラム街の光景を懐かしむアキラに、アルファは油断しないよう警告する。アキラは成長した自信を持ち、以前とは違うことをアルファに伝える。

アキラが過去にハンターオフィスの買取所で遺物を売り、その際に得た300オーラムをきっかけに、強盗に襲われる事件があった。ダルベという少年をリーダーとする五人組に襲われるが、アキラはアルファの助けを借りて彼らを殺害し、自身も重傷を負う。アルファの指示に従い、アキラは怪我の治療を行い、痛みに耐えながら安全な場所に移動し、眠りにつく。

翌朝、アキラは驚くほど爽快に目覚め、体に残った弾丸を取り除いた後、配給所へ急ぐ。ギリギリで配給に間に合い、安堵する。

かつて自分が弱かった頃、命を賭けて得たものを守り抜いた経験が、アキラにとって重要な成長の節目であった。その選択と経験が現在の自分を形作っている。一方で、スラム街で生きる少女ルシアは、自分の才能を頼りに盗みを重ねて生計を立てていたが、ある日アキラから財布を盗む。しかし、アキラに気付かれ追い詰められる。アキラはかつての自分を超えたと自負していたが、財布を盗まれたことで、自身の成長と強さに疑問を持ち始める。ルシアへの追跡はアキラにとって、失われたものを取り戻すための行動だが、結果的にルシアを殺すことはできず、自己の弱さを再認識する。スラム街での生活はルシアにとっても、アキラにとっても、容易ではないことが明らかになる。

ルシアはアキラに追われ、必死に逃げ続けていた。追い詰められる中で、財布に発信器が付いていると疑い、財布を投げ捨てるが、アキラは財布を回収し、中身が抜き取られていることに気づく。ルシアを殺すことは手段であったが、財布の回収に失敗し、自身の弱さを再認識する。追い続けるアキラは、最終的に銃を仕舞い、追跡を続ける。ルシアは闇雲に逃げ、下位区画の通りに出て、偶然にも若手のハンターにぶつかる。そのハンターに助けを求めることで、追跡からの一時的な逃れを図る。この一連の出来事は、アキラとルシアの間で起きた追跡と逃走のドラマであり、アキラの自己認識とルシアの生存戦略を浮き彫りにする。

第68話 臨戦手前

カツヤたちは下位区画を見て回っていたが、メイド服を着たカナエとシオリの存在が注目を集めていた。カナエのメイド服は高性能な防護服であり、彼女は着替えるつもりがないことを明かす。レイナも強化服を着用していたが、カナエとシオリは自分たちの服装を変える予定はないと主張する。その後、カツヤはレイナにチームからの離脱について話し、レイナが地下街での出来事によってチームを離れることに決めたことを明らかにする。レイナは自分がチームにとって負担になっていると感じており、カツヤは彼女の決断を尊重するが、内心ではレイナがチームに留まることを望んでいた。

その後、ルシアがアキラに追われてカツヤたちのところに逃げ込む。カツヤはルシアを助けようとするが、シオリはカツヤたちに介入しないよう告げ、レイナと一緒にその場を離れることを選ぶ。アキラはルシアへの攻撃を躊躇うことなく続け、その場は緊張状態に包まれる。アルファはアキラに冷静に戦うよう促し、カツヤたちはアキラとの直接対決を控える。この一連の出来事は、各キャラクターの価値観、過去の出来事への反応、そして彼らが直面する複雑な感情を浮き彫りにする。

ユミナはアキラの方を説得しようと決心するが、アキラが強い殺気を放ち交渉の余地を投げ捨てたように見えたため、説得に自信がなかった。それでもアキラは「俺はそいつに用がある。渡してもらえないか?」と要求を告げ、交渉の余地があるかもしれないとユミナは感じる。しかし、ルシアが震えるとカツヤが保護の意識を強め、アキラに対する敵愾心が高まる。アキラは「俺の財布を盗んだからだ」と主張するが、ルシアは「突然怖い顔で追いかけてきた」と否定する。

アキラに証拠を求められたとき、彼は証拠がないことを認める。ユミナはアキラに誤解や勘違いの可能性を問うが、アキラは具体的な根拠を示せず、ユミナはアキラに譲歩を求める。「確かに何も説明できないのに、黙って信じてもらうのは難しい」とアルファがアキラに助言し、アキラは引き下がることを決める。しかし、カツヤがアキラを挑発するような発言をし、アキラの殺気が再び強まる。ユミナは介入しようとするが、アキラの態度は再び敵対的になり、緊張状態が高まる。

第69話 世界の見方

アキラは自分に向けられる他者の判断を「お前が悪い」と認識していた。スラム街での経験から、証拠が無い場合や状況が不明な場合でも、問題があれば常に自分のせいにされることを学んだ。その結果、他者を信じず、孤立して生きることを選んだ。カツヤの一言が、アキラの緩んだ心に刺さり、過去に自分が力尽くで学んだ「盗まれるのが悪い」という思想を思い出させた。アキラは再び殺意を抱き、敵を皆殺しにしようと決意するが、ユミナの介入によってその殺意は和らぎ、最終的には引き下がることを選択する。

アキラはユミナとアイリの期待とは異なる反応に戸惑い、カツヤの言葉によって再び激しい感情に駆られるが、ユミナがカツヤを殴り飛ばしたことで状況は一変する。アキラの殺気は消え、敵意も和らぎ、最終的には引き下がる決断をする。この一連の出来事から、アキラは「俺は悪くない」という新たな概念に到達するが、心の奥底には依然として「お前が悪い」という思想が根強く残っていた。

その後、アキラはシェリルの徒党の拠点に向かい、ルシアと再び出会う。ルシアがアキラから逃れようとするも、アキラは追いつき、押し倒して捕まえる。この行動は、アキラにとって何らかの意味を持っていたが、ルシアにとっては絶望的な瞬間であった。

アキラは、失われた10万オーラムを取り戻し、上機嫌であった。シェリルは、アキラから盗んだ金を持ってきた者を徒党に加えたことで大失態を犯したと感じていた。アキラはルシアの処遇について悩んだ末、殺したくないものの彼女たちを無罪放免にすることも避けたいと考え、最終的にシェリルに対処を委ねることを決定した。シェリルは、アキラの金を盗んだルシアたちをどう扱うかについて慎重に考えなければならず、厄介な状況に置かれた。

一方で、アキラは訓練と勉強の日々を送り、体感時間操作の訓練を順調に進めていた。アルファの指導のもと、厳しい訓練を通じて成長していた。シズカから新装備が届き、アキラはハンターとしての活動を再開する準備を整えた。

アルファと他の少女との対話では、アキラともう一人の個体間の干渉の限界と予期せぬ事態への対処がテーマとなっている。両者の個体が衝突しそうになったが、それを避けるための努力が行われていることが示された。アルファはアキラの強さと成長について考え、必要に応じて対処する方法を思案する。

閑 話 ホットサンド販売計画

シェリルは、以前アキラが支払った和解金100万オーラムを、アキラに返すのをやめ、そのお金を種銭にすることを決める。商売を通じて金を増やす方法を探し、ホットサンド販売の計画を立てる。カツラギに協力を求め、彼の移動店舗で商売をすることで、計画に具体性を持たせる。シェリルは、徒党内に箝口令を敷き、計画に参加していない者からは詳細を隠す。参加者はシェリルの指示に従って様々な準備を進めるが、計画の全貌は知らされていない。

シェリルはカツラギの伝を頼って業務用食材の卸業者と会い、ホットサンド販売に必要な食材を選定する。カツラギと業者はシェリルがスラム街の子供であることを完全に隠していることに驚くが、彼女の計画と行動力を認め、協力することを決める。シェリルの計画は順調に進んでおり、アキラに恩返しするため、また彼女が徒党のボスとして自立して行動できることを示している。

食材業者との取引後、シェリルはホットサンド販売計画をエリオたちに説明し、実行に移す。計画には徒党の存亡がかかっており、シェリルは失敗に対する厳しい覚悟を示す。作業は厳格な手順で進められ、エリオたちは食べたくても購入しなければならないとされる。仮設基地周辺での販売開始後、初日は売れ残りがあるものの、徐々に売り上げを伸ばし、最終的には黒字を維持できるようになる。シェリルはアキラに渡す金額を計算し、150万オーラム渡せると喜ぶが、アキラへの感謝と想像上の交流に没頭しすぎる。アリシアはシェリルの独り言を聞いてしまい、不穏な雰囲気を感じて退室する。その後、アキラとの実際のやり取りを通じて、150万オーラムが大きな意味を持たないことを知るシェリルは動揺する。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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