小説「魔導具師ダリヤはうつむかない 5巻」感想・ネタバレ

小説「魔導具師ダリヤはうつむかない 5巻」感想・ネタバレ

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どんなラノベ?

魔導具師ダリヤはうつむかない ~今日から自由な職人ライフ~』は、甘岸久弥 氏による ライトノベルで、転生者である主人公ダリヤ・ロセッティが主人公。
ダリヤは魔石や魔物の素材、魔力を使った加工でアイテムを作る『魔導具師』の家に生まれ、婚約破棄されたことをきっかけに自身の商会を立ち上げ、数々の便利なアイテムを生み出して行く。

また、このシリーズはコミカライズもされており、『魔導具師ダリヤはうつむかない~Dahliya Wilts No More~』というタイトルで連載されている。
さらに、TVアニメ化も決定。
この物語は、ダリヤのものづくりと、彼女を取り巻く人々との交流を描いている。

読んだ本のタイトル

#魔導具師ダリヤはうつむかない  ~今日から自由な職人ライフ~ 5
(英語名:Dahlia in Bloom: Crafting a Fresh Start with Magical Tools
著者:甘岸久弥  氏
イラスト: 氏

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あらすじ・内容

弟子入りに商会支援。“人との繋がり”がダリヤを次のステージへ!

友人、商会、騎士団。仕事を通じて“人との繋がり”を広げていく女性魔導具師のダリヤ。
彼女は、新たにオズヴァルドから魔導具師としての教えを受け、素材となるスライムの養殖場では研究主任イデアと意気投合する。そしてヴォルフの兄・グイードや彼の従者ヨナスとの出会いによって、ダリヤの縁はますます広がっていき――。
「スライムの養殖成功と、これからの魔導具開発を祈って、乾杯」
微風布や泡ポンプボトルの流行に制作の下請け拡大と、ダリヤの自由気ままな魔導具開発は、彼女の想像を超えて王都の人々の暮らしを豊かにしていて!?
魔導具師ダリヤのものづくりストーリー、成長と発展の第五弾、開幕!

魔導具師ダリヤはうつむかない ~今日から自由な職人ライフ~ 5

アニメ化

TVアニメ「魔導具師ダリヤはうつむかない」公式

前巻からのあらすじ

前巻

魔獣を討伐する部隊が野営する時に暖かい物を食べて欲しい。

そのための魔道コンロだったが、それに横槍を入れる者が現れた。

財務を取り仕切る上位貴族者が個人的な恨みがあるらしい。

そんな貴族はヒロインにも侮辱的な言葉を投げかけた。

それに奮起するヒロインとそれをバックアップする討伐隊と商会の仲間達。

そして、上位貴族達財務系の貴族達のプレゼンをする事になったが、、

それが上手く行き過ぎたw

財務系の貴族の心も救う素晴らしい結果に、、

魔道コンロの価格を抑えてコンロの裏には商会の名前を入れる。

この効果が凄過ぎた、、

感想

魔道コンロ導入で魔物がジビエ食材に見えて来た討伐隊の皆さん。
前は干し肉とワインを胃に流し込むだけだったが、今は獲物を狩って肉パーティー!

人間関係だと父親が急に亡くなって技術がまだまだ発展途上のダリアに師匠が出来た!
ただ、先生は妻を3人も娶っている豪の者でダリアが4人目かと危惧されてしまうが、、

師匠の奥さんとヴォルフと共に修行をするのでその手の心配は無かった。

でもダリアが帰った後に師匠の嫁さん達は新しい嫁さんかと聞くのが、、、

でも、師匠は馬に蹴られたくないらしいw

その馬?いやヴォルフは黒犬だよな?
そのヴォルフの兄とダリアが初めて面会。
それを評価する従者、、

弟を凄く大切な兄からしたら、なかなかの高評価。

あとはスライム養殖場を視察、、

ダリアと同種の人が仕切っているようでかなり凄い事になりそうだ。

ブラックスライムは養殖出来るのだろうか?

そして外伝でわかる。
魔力量はあまり増やさない方が良いのがこの世界の特徴らしい。

ダリアの父親は魔力が増えたせいで早死にしたようだ、、、

何とも気の毒な。。

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その他フィクション

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アニメ

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備忘録

夏祭りとクラーケンテープ

夏の夜空に月はなく、星々が埋め尽くされている。夕暮れから吹く風が昼の暑さを流し、蒸し暑さを和らげている。
『緑の塔』の屋上で、ダリヤと友人達は王城方向の空を眺めていた。
彼女は転生者であり、職業は魔導具師として生活系の魔導具を中心に作っている。
ヴォルフレード・スカルファロット、騎士団の一員であり伯爵家の四男、美青年は右隣で無言で空を見上げている。彼と友人となったのは偶然の重なりだ。
イルマ・ヌヴォラーリは友人であり、彼女の夫マルチェラと共に屋上で座っている。
オルディネ王国の夏祭りの日、ダリヤとイルマは商店街で買い物をし、夕方にヴォルフとマルチェラが合流した。
夜空には、王城主催の花火が上がり、魔導師による火魔法で魔力が示される。
夜空は赤、青、緑の光で彩られ、圧巻は真昼のように明るく光る白い光の球で、これは国王の魔法だ。王は『太陽を放てる者』と呼ばれ、その強大な魔力に国民は敬意を抱いている。

ヴォルフが小型魔導コンロで串を焼き始めると、ダリヤは次回の好みの組み合わせを尋ねる。
彼は焼き鳥とエールと答え、火力が強すぎたために少々焦がしてしまうが、それも味の一部であると認識している。
夏祭りの日には、大量のエールと料理を食べ尽くし、イルマが食べ過ぎたために塔の階段を下りられなくなる。
マルチェラは彼女を抱き上げて運び、二人はそのまま帰宅する。
ダリヤとヴォルフは屋上に戻り、防水布を片付けるなどして過ごし、来年も同じ場所で飲むことを楽しみにする。
ヴォルフが遠征などで来れなくなる可能性もあるが、ダリヤは今年の夏祭りの記憶は忘れないと確信している。

魔導具師の先生

日差しのまぶしい午後、ダリヤはオズヴァルド・ゾーラの屋敷を訪れていた。
オズヴァルドは貴族であり、商会長、そして魔導具師としてのダリヤの先生でもある。
彼女と共に商会員のイヴァーノも訪れている。
屋敷は貴族街の中央区に近く、大きな白い建物と美しい庭を有している。
内装は高級品で満たされ、オズヴァルドの独立した作業場も庭に隣接している。
ダリヤは今日、オズヴァルドとイヴァーノの前で大海蛇の肺を使った実技を行う予定である。以前の天狼の腕輪制作で怪我をした経験から、イヴァーノはダリヤの安全を気に掛けている。
作業部屋は広く、高級な内装で装飾されており、大きな窓からは緑の芝生と色鮮やかな花が見える。
ダリヤはこの場所での初めての日を思い出す。

ダリヤが初めてオズヴァルドの作業場に訪れたのは、王城での遠征用コンロのプレゼンテーション前である。
彼女は緊張しながらも豪華な作業部屋に足を踏み入れ、父カルロから教えられていなかった希少素材の扱いや危険性について学ぶため、オズヴァルドの指導を受けることになった。
通常、魔導具師は外部に技術を教えないが、オズヴァルドは例外的にダリヤに教えを与えた。
彼女はサルビアの話を聞きながらリラックスし、窓から見える庭を眺めて気を紛らわせた。
オズヴァルドは彼女に「先生」と呼ばれることを新鮮に感じ、ダリヤは「模範生」としての役割を果たそうと決意する。
彼らは授業を開始し、オズヴァルドはダリヤに対し、安全管理や秘密保持の重要性について指導を行った。
また、彼はダリヤに特別な腕輪を貸し、その取扱いや将来的な自製についてのアドバイスを与えた。

ダリヤがオズヴァルドの指導を受けるようになったのは、彼女の魔力が自然と増えてきたことがきっかけである。
オズヴァルドは、魔力を安全に増やす方法として、身長が止まった後に魔力を使い切り、魔力ポーションを飲むことを提案した。
これを繰り返すことで魔力が増加するが、そのコストはかなり高額である。
また、魔力の自然な増加限界は、個人の初期魔力から最大で三つ上がる程度であり、それ以上の増加はリスクが伴うことを説明した。

オズヴァルドによれば、人間の体は魔力の「器」であり、過剰な魔力は体に負担をかける。
ダリヤの父、カルロは魔力を十二まで無謀に上げていたが、これは通常考えられる安全な範囲を超えており、彼の健康に悪影響を及ぼすリスクが高かった。
ダリヤは父が高魔力を目指した理由を理解し難いが、魔導具師としての挑戦のためであった可能性がある。

このやり取りから、ダリヤは魔力を安全に管理し、適切な方法で増やすことの重要性を学んだ。
また、彼女はオズヴァルドから魔導具作成の際の助言も受けている。
この経験は、彼女が将来的に安全かつ効果的に魔導具を製作するための重要な基礎を形成した。

ダリヤは、オズヴァルドの指導のもとで、大海蛇の肺を用いた手鏡の製作を試みるが、気泡が入ってしまい完璧ではない作品ができあがる。
彼女は技術を磨く過程にあり、その手鏡は漂流時の浮力提供や位置の知らせに利用可能な魔導具である。
また、赤と白のサルビアが咲く庭で、オズヴァルドの息子であるラウルと出会い、互いに蜜を吸う姿を共有する。
この偶然の出会いは、ラウルがダリヤにサルビアを渡すきっかけとなり、二人は親しくなる。

ラウルは、父オズヴァルドとダリヤの間の商談や授業に参加することになり、オズヴァルドはラウルに専用の魔導書を渡す。
この魔導書は、他人が開こうとすると自動的に燃える安全機能が付いており、ラウルの学びの場として使われることになる。
二人の関係は魔導具師としての師弟関係を深めることに繋がり、ラウルは魔導具作成の技術を学ぶ機会を得る。

授業後、オズヴァルドは妻たちと共に紅茶を楽しんでいた。
その日の授業は予定より長引いており、息子のラウルも参加したため、大海蛇の説明を簡単にし、二人の実技を見ることにした。
ダリヤとラウルの試みは成功したが、ダリヤは気泡が数個入ったことを気にしていた。
一方、ラウルの成果は素晴らしく、今後の成長が期待されている。
オズヴァルドは自身の初めての大海蛇の付与を思い出し、苦労した経験を振り返るが、生徒にはこの話をする気はない。

その後、ラウルが部屋に入り、その日の行動を謝罪するが、オズヴァルドは彼を励ます。
ラウルは今後の授業にも参加したいと願い出る。
オズヴァルドはそれを許可し、彼には家にもたまに帰ってくるようにと言う。
そのやり取りの後、妻たちとの間でラウルの恋愛について話し合うが、オズヴァルドは息子が恋に苦労することを心配している。

大恩と護衛の先生

ヴォルフは剣の対人戦と護衛について学ぶための適切な教師を探していたが、適当な人物が見つからず、兄であるグイードに助けを求めることにした。
グイードに連絡すると、すぐに時間を作ってもらえたが、ヴォルフはそれに申し訳なく思った。
夕食はヴォルフが使っている屋敷で行われ、ヴォルフは兄と再会し、久しぶりに一緒に食事をすることになった。

食事中、ヴォルフは兄と護衛技術の必要性について話し、自身が魔物討伐部隊をやめる意志がないことを説明した。
グイードはヴォルフの安全を心配しながらも、彼の意志を尊重し、ヴォルフが危険な状況に再び陥らないことを願った。
また、ヴォルフはダリヤに対する感謝の気持ちを兄に伝え、彼女が大きな支援をしてくれたことを説明した。

グイードはヴォルフの願いを理解し、ヴォルフが困ったときはいつでも支援を申し出ることを約束した。
食事後、ヴォルフは兄に、もし自分が再び危険な状況に陥った場合、ロセッティ商会を守ってほしいと頼んだ。
二人はこの話で強い絆を確認し、兄弟としての関係をさらに深めることができた。

グイードはヴォルフに護衛の訓練を受けるための人選を提案するが、ヴォルフは王宮の近衛との関わりを避けることを望む。
グイードはヴォルフに自身の従者であるヨナス・グッドウィンを紹介する。
ヨナスは護衛としてのスキルが非常に高く、戦闘においては効果的な攻撃手法を持ち、敵を効率的に制圧する技術を有している。

ヨナスはヴォルフに対して直接戦闘技術を指導することになり、その訓練はかなり実践的で厳しいものである。
彼の戦い方は非常に臨機応変であり、すべてのものを武器として使用する可能性がある。
訓練を通じてヴォルフは戦闘技術を学ぶだけでなく、戦場での応用能力も養うことになる。

この訓練を受けることによってヴォルフは自己の戦闘スタイルを改善し、より強い護衛としての能力を身につける機会を得る。
訓練はヴォルフが自己の限界を試す厳しいものであり、彼の技術向上に大きく寄与する。

グイードとヴォルフの訓練が行われた。グイードは上級魔導師であり、王城の魔導部隊の中隊長である。
ヴォルフが模造剣で攻撃を試みる中、グイードは「氷盾」という魔法を使い、大量の氷を生成してヴォルフの攻撃を防ぐ。
この氷は壁のように大きく、ヴォルフはその強大な魔力に驚愕する。
しかし、グイードは汗一つかいておらず、その強さを見せつける。
訓練の後、ヴォルフは自身の未熟さを認め、強くなるためにさらに努力することを決意する。
彼は守りたい者を守れるくらい強くなりたいと考え、訓練を続ける意欲を新たにする。

スカルファロット家本邸へ戻る馬車の中で、グイードとヨナスが会話を交わす。
グイードは昼の演習で魔力を消耗し、ヨナスから魔力ポーションを勧められるが、彼は必要ないと断る。
その日、ヴォルフは別邸に泊まり、グイードは執務のために本邸へ戻る。
ヨナスはヴォルフの戦い方について、筋力と身体強化に頼りすぎており、工夫やフェイントに弱いと指摘する。また、グイードはヨナスにヴォルフの訓練を依頼し、報酬を出すことを約束する。
ヨナスは条件として治癒魔法の使える魔導師の待機とグイードの同席を要求する。
二人の会話から、ヴォルフがさらに強くなる可能性があることが示され、グイードはヨナスに対し、自身の目の色が戦いで変わったことがないと言及する。

冒険者ギルド

風の強い晴れた日、ダリヤとイヴァーノは冒険者ギルドを訪れる。目的は二角獣の素材の受け取りであった。
冒険者ギルドに到着し、来客用の入り口から入ったダリヤはオズヴァルドとエルメリンダと偶然出会い、彼らと挨拶を交わす。
オズヴァルドはダリヤに対し、彼女が商会長および相談役に任命されたこと、及び男爵に昇進する予定であることを祝福する。
ダリヤはこの突然の事態に戸惑いつつも、彼の祝いの言葉に礼を言う。

その後、ダリヤはアウグストとの会合のために最上階に案内される。
アウグストは彼女の推薦者であり、彼に礼を述べるために訪れたのだった。
会話の中で、アウグストに微風布のマフラーを贈り、彼からはスライム養殖場の見学を提案される。
ダリヤは興味津々でその提案を受け入れる。

また、ジャン・タッソという素材管理部長との会話では、ダリヤが過去に彼と不快なやりとりをしたことが語られる。
ジャンは過去の行動を謝罪し、ダリヤも彼の家庭の問題について深く謝罪する。
ジャンは自分の家族が出て行ったことを明かし、ダリヤは彼の健康と幸福を心配する。

オズヴァルド夫妻が到着し、ダリヤがジャンに蠍酒の話を持ちかけると、オズヴァルドは喜び、二人は飲み会を計画する。
オズヴァルドはその場でジャンとの飲み会をスムーズに手配し、挨拶を交わして会場を後にする。ダリヤは彼らと一緒に馬場へ向かう。
その途中、エルメリンダがかつて上級冒険者であったことが明かされ、オズヴァルドは彼女を「美しく強い妻」として誇る。
最後に、オズヴァルドは夫婦喧嘩を避けることを秘かに語る。

スライム養殖場と蜜の酒

スライム養殖場を訪れたダリヤ、ヴォルフ、イヴァーノは、施設の詳細な見学を行った。
養殖場は王都東部の草原にあり、厳重なセキュリティのもとに運営されている。
イデアリーナ・ニコレッティという研究主任が迎え、施設内を案内した。
ブルースライムの生育状況が観察できる槽があり、スライムは人に慣れ親しみやすい性質があることが確認できた。
一方で、スライムはヴォルフやダリヤの存在を警戒しており、イデアリーナがスライムの行動を観察しながら彼らに質問を続けた。
最終的には、ダリヤとイデアリーナがスライムの飼育環境について活発に意見交換し、その場を和やかに終えた。

スライム養殖場において、グリーンスライムの槽の見学が行われた。
グリーンスライムはほとんど動かず、日光を浴びているような様子が観察された。
ダリヤは植物と類似の光合成の可能性を指摘し、イデアはそれに基づいて今後の実験を考えることにした。
その後、イエロースライムとレッドスライムの槽も観察され、レッドスライムは活動的で動物的な特徴が見られた。
最終的に、ブラックスライムの槽が紹介され、その槽は特に強固な設計がされており、スライムの攻撃によってガラスにヒビが入る事態も発生した。
また、異色スライムの交配研究が進められていることも明らかになり、新種のグレースライムが登場している。
イデアは研究に情熱を注いでおり、ダリヤはその研究を支援する意向を示した。

王都に戻ったダリヤとヴォルフは、外食の代わりに東酒を使ったチーズフォンデュを自宅で楽しむことにした。
料理をしながら、二人はスライム養殖の成功と安全を祝った。
ヴォルフは次の遠征について悩みを打ち明け、ダリヤは聞き手となることで支えると決めた。
食事中、魔導具作りでの経験や動物の扱いについて語り合い、魔導具師としての倫理を認識しつつも、素材として命を大切にすることを再認識した。
ダリヤは、父との経験から魔導具作りに対する厳しさと同時に、命を利用する重みを学んだ。
ヴォルフも魔物討伐の経験から同様の感情を共有し、二人は共存共栄を目指すと話し合った。

既婚男子の蠍酒

ジャンは夕暮れ時に馬車でエルメリンダと一緒に移動した。
エルメリンダはオズヴァルドの第三夫人であり、かつての冒険者仲間だった。
ジャンは彼女がエルメリンダであることを当初認識できず、彼女がかつての冒険者「みじん切りのエル」であることを思い出すのに時間がかかった。
エルメリンダは過去に冒険者を辞め、一時は故郷に戻ったが、オズヴァルドに拾われて再婚し、エルメリンダと名を変えた。ジャンは過去を振り返りつつ、彼女が幸せそうであることにほっとした。
彼女は自分から神殿に依頼して、過去の名前を忘れるようにしたと語った。
これにより、過去の記憶に囚われずに現在の夫との生活に集中できるようになった。

オズヴァルドの屋敷に到着したジャンは、その豪華さに驚いた。エルメリンダに案内され、小さめの客室でオズヴァルドと食事をすることになった。
食事は、冒険者時代を彷彿とさせる雉のステーキや大猪の赤ワイン煮込みなどで、懐かしさを感じさせた。エルメリンダは別室で「女子会」を行っていた。

オズヴァルドとの食事中、ジャンはクラーケンの討伐方法について話し、その話題は興味深く受け入れられた。
その後、オズヴァルドはジャンを書斎に招き、蠍酒を振る舞った。ジャンは自身の家庭の問題を打ち明け、オズヴァルドも過去の苦い経験を語った。

ジャンは、妻が実家に帰ってしまったことで悩んでおり、オズヴァルドは自身の失敗を反省しつつ、ジャンに具体的な改善策を提案した。
二人は深夜まで語り合い、オズヴァルドはジャンに対して、直接妻の元へ行き話すことを勧めた。

暗い話の後、ジャンは話題を変えようとし、オズヴァルドと恋愛話を交わす。
オズヴァルドは多くの恋愛経験を持つが、幸せとは程遠い経験も多かった。
初恋の失恋を皮切りに、様々な目の色を持つ女性との関係で苦しむ。
青い目の元妻とは、見合いで結ばれたが失敗に終わり、その後心が落ち着くのは緑の目の女性だと感じるに至る。

ジャンも前妻との関係について語る。彼女とは共に冒険者として過ごし、情熱的な関係だったが、長期出張中に別れる。
ジャンは家庭を守ることに努めたが、妻にはその想いが伝わらず、孤独を感じていたことが原因であった。

二人は酒を飲みながら深い話を続け、ジャンは自分の失敗を認め、妻の実家へ行って話をすることを決意する。
また、オズヴァルドは見た目の自信や営業用の笑顔の重要性について語り、その経験と苦労から得た教訓をジャンに伝える。
朝焼けが始まる頃、二人は再び会うことを約束し、オズヴァルドはジャンを「先生」と呼ぶことを許す。

手紙の山と商会員

ダリヤは商業ギルド内のロセッティ商会で、様々な手紙の束を目の前にしていた。
これらの手紙はお祝いや挨拶、商会取引の打診、食事会やお見合いの誘いが含まれている。
特にお見合いの誘いは、ダリヤが婚約破棄から三か月経ったことが知れ渡り、まとめて届いたものである。
しかし、ダリヤはお見合いに興味がなく、その多くを断る方針である。
また、ジルド・ディールス侯爵からの手紙もあり、彼はダリヤに対して何か借りがあると感じており、困ったときの貴族後見人になることを申し出ていた。
この申し出にダリヤは困惑しつつも、ジルドの意向を尊重することにする。

一方で、イヴァーノはダリヤに対して、防水布とドライヤー、コンロの開発に専念するよう提案し、開発費を無制限に使っても良いと告げる。
実際、商会は新たな製品である泡ポンプボトルや靴乾燥機が市場で大成功を収め、非常に多くの利益を上げていた。
これにより、ダリヤはさらなる新規開発に資金を投じる自信を持つようになる。

ロセッティ商会の会長であるダリヤとイヴァーノは、商会の財務について議論を行っていた。
彼らはダリヤの個人口座と商会の口座を分けることを検討しており、イヴァーノは公証人に定期的に帳簿を監査してもらうことを提案していた。
また、防水布の発注が急増しており、その対応についても話し合われていた。
イヴァーノは、防水布を仕上げることができる魔導具師を探していたが、適任者が見つかりにくい状況であった。

イヴァーノはダリヤの商会に対する思いやりと尊敬を持っており、彼女が以前の婚約破棄のトラウマを引きずっていないか心配していた。
ダリヤは、過去のことは乗り越えていると説明し、現在は仕事と友情に充実感を感じていると強調した。
彼女はイヴァーノを商会の「半身」と称賛し、彼の尽力を高く評価していた。
また、イヴァーノの給与の見直しも約束され、彼の家庭も支えられることになった。
二人は仕事に対する熱意と互いへの信頼を確認し合いながら、今後の計画について話し合っていた。

森大蛇の不運

草原で「棘草魔」と呼ばれる魔物の討伐作戦が行われていた。
この魔物は動いて人を襲わないものの、道を誤った旅人などが巻き込まれることがある。
今年の討伐は昨年に比べて容易であり、風魔法で騎士の速度を上げ、効率的に刈り取る作戦が採用された。
討伐にはヴォルフとその部隊が参加し、その迅速な動きと大鎌の扱いにより、棘草魔の討伐が迅速に進められた。

討伐の後、棘草魔の一部が病気治療の薬に使われることや、森からの他の魔物の侵入を防ぐ役割もあるため、完全な絶滅は避けられていた。
また、討伐現場から少し離れたキャンプ地では、隊員たちが夕食の準備を始め、日常の交流が続いていた。
その中で、ヴォルフが自身のタレに漬けた肉を食べ、そのタレを周囲にもわずかに分ける一幕もあった。

総じて、この日の討伐は成功し、隊員たちは互いの技術と助け合いを認め合いながら、親睦を深めていた。

隊員たちが草原で騒ぎながら肉を焼き、分配を巡ってもめていた。
そんな彼らを見て壮年の騎士が苦笑し、仲間が子供のようだと評したが、グラートはそれを問題視せず、戦うときは戦い、楽しむときは楽しむことが大切だと話す。
その後、グラートは銀の水筒から琥珀色の蒸留酒を注ぎ、壮年の騎士と共に遠征中に亡くなった仲間を悼んだ。
隊員たちが森大蛇の肉を焼く中、グラートは蒸留酒と肉を楽しみながら、友と魔物の命の上に生きることを肯定する。
隊長としての責任を感じつつも、彼らの生活に寄り添う姿勢を見せる。

友の兄とお茶会

ヴォルフの兄、グイード・スカルファロットに招かれたダリヤは、豪華なスカルファロット家の別邸を訪れる。
グイードとの対話では、彼がダリヤに対して、将来ヴォルフとの関係を解消する際の条件を尋ねる。
ダリヤは、ヴォルフとの友情が本物であることを強調し、金銭的な報酬は求めないと答える。
グイードはダリヤの誠実さを評価し、その姿勢を称賛する。
二人の会話は和やかに進み、スカルファロット家の料理人が作ったケーキと緑茶を楽しむ中で、ダリヤの好みを知り尽くしたグイードの準備に感心する。
グイードはダリヤに対する初めての誤解を解き、二人はより良い関係を築くための話し合いを行う。

ヴォルフの兄、グイード・スカルファロットは、ヴォルフの保証人を担うダリヤ・ロセッティの人物を確かめるため、彼女を別途招待し個別に話を聞いていた。
彼がダリヤに対して提出した質問は、もしヴォルフとの関係を解消するよう求められた場合に必要な金額を尋ねるものであった。
この質問に対し、ダリヤはいかなる報酬も求めず、ヴォルフとの友情を重視する姿勢を示した。
グイードはダリヤの答えに納得し、彼女の誠実さを評価する。
その後、ヴォルフが加わり、グイードはヴォルフに対してもダリヤの態度を説明し、彼女が本物の友人であることを確認した。

ヴォルフがダリヤを屋敷の離れに招待し、小型魔導コンロを使用して食事をする計画を立てていた。
ダリヤはメイドから誤解されることを避けつつ、ヴォルフと食事の準備を手伝う。
しかし、ダリヤはその場で料理することによる部屋の匂いが気になり、庭で食事をすることを提案する。
グイードも参加し、「立食パーティ」と称して外での食事を楽しむことになる。
グイードは、ヴォルフと共に楽しむことで久しぶりに活気づくが、ヴォルフの従者であるヨナスは、他の食事と違い東酒と干物で自身の味覚が満足することに驚く。
最後に、ヨナスは自身の味覚の違いを他人に説明し、その食事に満足を示す。

ヨナスがダリヤと会話を交わしている間に、彼の魔物的な特徴について話が及び、ダリヤに自身の右腕を見せる。
ダリヤはヨナスの腕に興味を示し、彼のウロコと自分の腕輪の赤い石を比較する。
グイードはヨナスの行動に寛容で、ヨナスの提案にも同意している。
ヨナスは自身のウロコをダリヤに提供し、彼女がそれを受け取る姿に心配するが、ダリヤは恐怖を示さず、むしろヨナスの怪我を気遣う。
この交流を通じて、ヨナスはダリヤの優しさに感心し、彼女の庶民的ながらも率直な振る舞いを認める。
最終的には、グイードとヨナスはダリヤを信頼できる人物と評価し、彼女に対する支援を決定する。

幕間商会員と次期侯爵による茶会の二次会

イヴァーノ・メルカダンテは、豪華な部屋でスパークリングワインを飲みながら待っていた。
彼は急ぎで王城に呼ばれており、用件は魔導部隊への防水布などの魔導具の帳簿確認であったが、実際はグイード・スカルファロットによる招待だった。
イヴァーノは食事をしながら、グイードとの会話で、ダリヤが安全であることを確認し、ビジネスと個人的な話題を交わす。
グイードは彼に情報の提供を申し出る一方で、ダリヤやロセッティ商会への支援を約束する。
イヴァーノはグイードの支援に感謝するが、自身の立場や家族の安全について懸念を持つ。
最後に、グイードはイヴァーノにダリヤとヴォルフを裏切らないことを誓わせ、イヴァーノは商人としての誇りを持って応じる。

魔物図鑑と人工魔剣制作五回目 ~破壊の魔剣 ~

ダリヤは馬車の中で水色のハンカチに赤いウロコを広げていた。
ヨナスから受け取ったこれらのウロコは、独特なグラデーションを持ち、魔力を帯びていた。彼女はヨナスに感謝の気持ちを伝えるべきか悩んでおり、彼の痛みを気にかけていた。
ヴォルフはダリヤに対し、小型魔導コンロと干物を贈る計画を立てていたが、ダリヤはさらに適切なお礼を考えていた。
また、彼女はウロコをオズヴァルドに鑑定してもらうことを考えており、ヴォルフに了承を求めた。
その後、ヴォルフは彼の隊が森大蛇の心臓を入手し、それが加工されていることをダリヤに告げた。彼らは心臓の代償としてタレを支払うことにした。
森大蛇の干物の話も出たが、ヴォルフはそれが自身に合わなかったと語り、ダリヤには提供しないことに決めた。
最後にダリヤとヴォルフは本屋へ行き、彼らは互いの趣味に合った本を探しながら時間を過ごした。

部屋には魔導具と魔導書による魔力が流れていた。
部屋の奥にあるガラスケースの中には、様々な色の革で装飾された辞書や図鑑が置かれている。
中には金銀の装飾や色石がはめ込まれたものもあり、見た目が芸術的である。
特に、黒地に金文字と金の刺繍が施された隣国の魔物図鑑にヴォルフとダリヤは注目していた。
その図鑑は精密なカラーイラストで、隣国の牧畜の国としての性格が表れていた。
ヴォルフは魔物図鑑を購入し、参考資料として遠征に持っていくことに決めた。
彼は図鑑を塔に置くことを提案し、ダリヤもそれに同意した。
その後、二人は本を大切に塔に置き、共に読むことを楽しみにしている。

ヴォルフはクラーケンの干物をポケットから取り出し、熱せられた剣で試し焼きする。
この剣は遠征用コンロの代わりにも使えるよう設計されている。
二人はこの魔剣の有効性を試すが、剣の熱が不安定であるため、ダリヤはやや戸惑っている。
ヴォルフは作業用手袋をして長剣を組み立て、鍔から水が出るのを確認する。
彼は剣を振って試し、速度が出ることを感じる。
しかし、剣を机に置いたときに微妙な振動があり、剣が自壊してしまう。
魔封銀が剥がれ、剣は完全に分解される。
ダリヤは魔封銀の使用に問題がなかったか疑問に思うが、計算上の問題はなかった。
結局、剣は「破壊の魔剣」と名付けられ、二人はその名前の浪漫について意見が分かれる。

幕間 商会員による下請け依頼

イヴァーノがオルランド商会に訪れた際、以前活気のあった商会は人通りが少なくなっていた。
彼はトビアスの母と再会し、彼女の老け込んだ様子に驚く。
イヴァーノ自身も見た目が大きく変わっており、その変化には妻と娘たちの支持があった。
商談を理由に商会を訪れたイヴァーノは、トビアスの母と共に応接室へ案内される。
彼がロセッティ商会から来たのは、魔導具の発注が急増しており、その背景には遠征用コンロの話が広まっていることがあった。
イヴァーノは遠征用コンロの宣伝としての効果を計算しており、ダリヤは彼がそのことについて深く話していないと誤解している。
商談では、トビアスの母が過去の行動を悔いて謝罪し、イヴァーノにロセッティ商会への謝罪を伝えるよう頼む。
イレネオは母の異変に気づき、彼女の安全を確保するために急いで行動を起こす。
イヴァーノは一人残され、状況を静かに反芻する。

イレネオが戻ってきて、謝罪と感謝の意を表した後、イヴァーノは商談の準備を始めるが、イレネオはそれを止め、従業員を引き抜くことを提案する。
イヴァーノはオルランド商会が人員削減を予定していることを聞き出し、それを商機として活用する計画を明かす。
イレネオは会社を守るためにイヴァーノの提案に同意し、自由と部下の保護を望むイヴァーノはオルランド商会との業務提携を提案する。
また、ダリヤやロセッティ商会に不利益をもたらさないという条件での契約を要求し、イレネオに返答期限を設ける。
最終的にイレネオはこの提案を受け入れ、イヴァーノを「イヴァーノ」と呼ぶことを承諾する。
このやり取りを通じて、イヴァーノは自分が祖父や父とは異なる商人であることを自覚し、その事実を受け入れる。

届け物と大先生の教え

ダリヤは、ロセッティ商会の部屋が手狭になりつつあるため、書類ケースの置き場所に困っている。
商業ギルドからのサポート人員のおかげでなんとか運営しているが、イヴァーノは人員増加を遅らせたいと考え、信頼できる商会員を慎重に選びたいとダリヤに告げる。
そのため、商業ギルドのサポートを引き続き利用することにする。
また、ヴォルフが遠征が多いため、グイードが「貴族後見人」としての役割を果たすことになる。
一方、ジルドからの感謝の品として、森大蛇の素材などが届けられる。
この状況でダリヤは、書類整理と商会運営の負担に直面しているが、ジルドの助けに感謝している。
商会では、さらに多くのサポートが必要とされており、そのための準備と調整が行われている。

大豚牧場と大猪

東街道は王都へ向かう重要な交通路であり、馬車での移動が一般的である。
この道は、土魔法で固められた平坦で水はけの良い路面を持ち、大型馬車がすれ違える広さがある。
ダリヤは魔物討伐部隊の賓客用の馬車に乗り、その快適さに驚いている。
馬車内部は上品な白い調度と灰色のビロード張りの椅子で統一されている。

今回の移動は、ヴォルフの提案で、新人の乗馬訓練が終わったことを祝って、東街道沿いの養豚牧場へ燻しベーコンを受け取りに行くという名目の下、ピクニックが計画された。ダリヤはこの誘いを快く受け入れ、カジュアルながらも適切な服装で参加する。
同行するのは魔物討伐部隊の隊長グラート、高位の神官、そして王城の財務部長ジルドファン・ディールスなど、様々な重要人物である。

牧場では、魔物討伐部隊を含む一行が暖かく迎えられ、豊かな牧草地で育った大豚の雌がのんびりと過ごしている様子が紹介される。
昼食はバイキング形式で行われ、様々な地元の食材が提供される。
特に燻しベーコンは参加者から高い評価を受けている。
楽しい雰囲気の中で、ダリヤは隣席の神官とともに地ビールや地元の野菜ピクルスを楽しむ。

昼食会のにぎわいに誘われる形で、大豚が柵の近くに寄ってきた。
その時、大猪が柵に体当たりし、木の割れる音を立てた。
ダリヤはその場面に遭遇し、困惑する。大豚の雌たちは独自の声で応援を始めたが、牧場主の説得により、その声はやがて小さくなった。
しかし、彼女たちの目は引き続き大猪に向けられていた。
大猪の柵破りは成功し、彼女たちは大猪に向かって走り出した。
このとき、グラートと隊員たちは、緊急の訓練として新人に対処を任せ、大猪と対峙させた。

グラートは新人たちに指示を出し、大猪に対抗するために魔法の詠唱を行ったドリノが、大猪の鼻先に水の粒を当てて動きを止めさせた。
この間に他の隊員たちは新人を助け出し、その後、ランドルフが盾で大猪を阻止しようと試みた。
結局、ヴォルフが大猪を討ち取ることに成功した。

その後、グラートは牧場主と交渉し、大猪の肉を購入する代わりに追加で獲得した猪を牧場に贈ることを提案し、牧場主を説得した。
この出来事は魔物討伐部隊にとっては、ただの昼食会が緊急の訓練となり、新人たちにとって重要な経験となった。

牧場主との会話から、大猪や猪が牧場に頻繁に現れることが語られた。
大猪は雌を求めて季節を問わず訪れるが、対策として眠り薬を含む餌を使ったり、黒唐辛子の液を柵に撒いたりする方法が試されているが、これらの対策にも弱点がある。
特に黒唐辛子は猪には有効だが、匂いが薄れると効果がなくなる。
そこで、猪が近づいた際に黒唐辛子水を自動で噴霧する装置の提案がされ、実際にその試作が行われた。
この新しいシステムには引き込み式の柵も組み込まれており、猪を誘導しやすくするための工夫が施されている。
また、ランドルフは自身の経験から、国境地帯で用いられるさまざまな罠について説明し、牧場の防衛に役立てようとした。
この話は、牧場での猪対策に新たなアイデアをもたらし、実用的な解決策へとつながっていく。

番外編  父と娘の魔導具開発記録 ~魔導ランタンの飾り部分 ~

カルロと彼の娘ダリヤが魔力を用いて金属板に赤鬼葉の薬液を均一に広げる作業を行っている。
カルロは熟練しているが、ダリヤはまだうまくいかず、不満を感じている。
赤鬼葉の薬液は鮮やかな赤色で、耐久性を上げる塗料としても使用されるが、魔導具師にはあまり人気がない。
この素材は細かな魔力制御が求められ、少しの緩みでも色が流れやすいため、技術が必要である。
カルロは娘に対して、魔力量よりも魔力制御の重要性を教え、彼女の努力を評価する。
また、カルロ自身が若い頃に魔導具研究会で魔力制御を学び、魔導具師としての技術を磨いた経験を持つ。
彼は魔力が少ないものの、繊細な魔力制御により優れた魔導具師となった。

カルロは真夜中の作業場で、新たな弟子トビアスの加入を一人酒で祝っている。
彼はこの日、帰宅後に娘ダリヤにトビアスを「お前の兄弟子だ」と紹介した。
ダリヤは一瞬不満そうな表情を見せたが、その反応にカルロは安堵する。
彼は娘の競争心が魔導具師としての意地を表していると感じ、娘とトビアスの魔力が互いに助け合いながら輝くことを願っている。
カルロ自身も二人の成長に負けないよう、更なる技術研鑽を心に誓っている。
彼の目標設定は非常に高く、その厳しさは永遠に続く修業の道となっている。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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