小説「魔導具師ダリヤはうつむかない 2巻」感想文・ネタバレ

小説「魔導具師ダリヤはうつむかない 2巻」感想文・ネタバレ

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どんなラノベ?

魔導具師ダリヤはうつむかない ~今日から自由な職人ライフ~』は、甘岸久弥 氏によるライトノベルで、転生者である主人公ダリヤ・ロセッティが主人公。
ダリヤは魔石や魔物の素材、魔力を使った加工でアイテムを作る『魔導具師』の家に生まれ、婚約破棄されたことをきっかけに自身の商会を立ち上げ、数々の便利なアイテムを生み出して行く。

また、このシリーズはコミカライズもされており、『魔導具師ダリヤはうつむかない~Dahliya Wilts No More~』というタイトルで連載されている。
さらに、TVアニメ化も決定。
この物語は、ダリヤのものづくりと、彼女を取り巻く人々との交流を描いている。

前巻からのあらすじ

前巻

結婚後の新居での引っ越しを済ませた直後に真実の愛に目覚めた相手から婚約破棄を言い渡される。

それを淡々と処理して元の家に戻ってと、かなりハードな出だし。
そんなヒロインの前に現れる伯爵の末っ子が血塗れで現れる。

怪我をしており、モンスターの返り血で目も霞んでいるイケメンに男と偽って接するヒロイン。

それが良い出会いだったようで、ヒロインは心安らぐ友人を新たに手に入れる。

読んだ本のタイトル

魔導具師ダリヤはうつむかない  ~今日から自由な職人ライフ~ 2巻
(英語名:Dahlia in Bloom: Crafting a Fresh Start with Magical Tools
著者:甘岸久弥  氏
イラスト: 氏

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あらすじ・内容

婚約破棄されたことを機に、自分の好きなように生きると決めた、女性魔導具師のダリヤ。
気の赴くままにものづくりをするダリヤは、ある日魔物討伐部隊の騎士ヴォルフから、沼地への遠征は足元の環境が悪くて憂鬱だ、という部隊が抱える悩みを聞く。
「もしかしたら、これが効くかもしれません」「なんか、すごい形の靴下なんだけど!」
乾燥魔法を付与した五本指靴下と、風魔法を付与した中敷きをヴォルフに渡すダリヤだったが、前世の知識を活かしたそのアイテムは、魔物討伐部隊に衝撃をもたらして――!?
さらには人工の魔剣、冷蔵庫、魔物グルメなど、ダリヤのものづくりは多くの人を巻き込みつつ加速していく!
魔導具師ダリヤの、自由気ままなものづくりストーリー第二弾、開幕

魔導具師ダリヤはうつむかない ~今日から自由な職人ライフ~ 2

約束を待つ二人
ダリヤはオルディネ王国の王都にて父と共に魔導具師として働いている。彼女は氷の魔石を使用した冷蔵庫の試作に挑戦中であるが、急速冷凍機能の試作で氷が多く生成されるトラブルに直面している。一方で、友人のヴォルフとの再会を楽しみにしていたが、彼の急な遠征のため会うことができず、彼の安全を案じている。ヴォルフは王国の魔物討伐部隊の一員として活動中で、遠征先での戦闘に参加している。彼の成長と提案した作戦の成功により、部隊内での評価が高まっている。

人工魔剣制作
ダリヤとヴォルフは予定された再会の日に緑の塔で会う。ヴォルフは食料と高価なワイングラスを持参し、ダリヤとの再会を祝う。彼らは冷蔵庫の前で会話を交わし、互いの経済観念の違いを認めつつ友人としての関係を尊重し合う。料理を共に楽しんだ二人は、友情を確認しながら東酒のグラスを買いに行く約束をする。

公爵家の魔女
ヴォルフはアルテア・ガストーニと親密な関係にあり、彼女は「ガストーニの魔女」として知られている。ヴォルフは彼女と夜会後に親しい時間を共有し、アルテアはヴォルフを母ヴァネッサの代わりと見ている。彼らの関係を通じて、アルテアはヴォルフの新しい友人との楽しい関係を見ることを楽しんでいるが、同時に恋愛への可能性も考えている。

友人との夕食会
ダリヤの友人イルマとマルチェラが緑の塔を訪れ、三人で楽しい夕食会を開催する。ダリヤは化粧をしてイメージを変え、イルマもマルチェラから買ってもらった赤いワンピースを着用している。彼女たちは互いの成功と幸福を祝いながら、食事と酒を楽しむ。

黒の死神と魔物の抜け殻
ヴォルフは「死神」と称される騎士団員で、彼は他の魔人たちと異なり普通の剣と赤鎧で戦う。彼は五 本指靴下と乾燥する靴の中敷きを使用しており、同僚たちはその快適さに驚き、興味を示している。部隊内での彼の立場は、その革新的なアイデアによりさらに確固たるものとなっている。

謝罪と一角獣の角
ダリヤは商業ギルドを訪れ、保証人となってくれたガブリエラとイヴァーノに感謝を示し、彼らに小型魔導コンロを贈る。また、新作の泡ポンプボトルの試用を提案し、製造可能な工房を紹介してもらうことを希望する。イレネオからの謝罪と慰謝料の提供を受け、トビアスとの関係を断ち切ることを条件にオルランド商会との取引を続けることに同意する。

大蛙討伐とレポート
五百五十匹の大蛙の討伐が必要となり、火魔法を得意とする魔導師たちが主力として活躍する。討伐作業は疫病防止のため、炎担当の魔導師が焼き払い、土担当の魔導師が土をかぶせる作業を行う。討伐後、ヴォルフはダリヤに急ぎで五 本指靴下と乾燥中敷きの量産を依頼し、互いに支援し合う関係を維持することを確認する。

商業ギルドで打ち合わせ
ダリヤは商業ギルドでの手続きを進めるためヴォルフと共に訪れる。彼女はロセッティ商会の保証人としての手続きを始め、ヴォルフは「騎士団のヴォルフレード・スカルファロット」として振る舞う。ガブリエラからは泡ポンプボトルの緊急発注の話が出され、ダリヤは急ぎで生産する必要があることを知る。彼女は商業ギルドと他の商会との取引を続ける方針を固持する。

商業ギルドで迷走会議
ダリヤは服飾ギルド長や冒険者副ギルド長との会議で五 本指靴下や乾燥中敷きの導入計画を説明し、その有効性について議論する。また、グリーンスライムの量産や優先販売についても話し合われ、新しい製造方法の検討が提案される。ダリヤはギルド間の協力を促進し、新たな提案を行うことで素材管理や製造プロセスの改善に成功する。

商会員と王城への招待状
ダリヤはイヴァーノと共に王城への招待を受け、適切な服装と挨拶の準備を指示される。彼らは王城での公式な場に臨むため心の準備をし、騎士団に提供した靴下と中敷きに対する感謝の表明が目的であることを知る。ダリヤは王城での会合に緊張しながらも、騎士団からの評価を受け、水虫対策について詳しく説明する。

王城と水虫と魔導具師
ダリヤ・ロセッティは、オルディネ王国騎士団の魔物討伐部隊長グラート・バルトローネからの招待を受け、王城の豪華な応接室で行われた会議に出席する。彼女は、騎士団に提供した五 本指靴下と靴の中敷きの試用に対する感謝を受け、水虫の予防と治療について詳しい説明を行う。ダリヤの専門知識と対応は隊員たちから評価され、彼女にとっては苦労の多い会議であったが、成果を得る。

謝罪と暴露大会
王城を出た後、ダリヤはヴォルフに会い、彼は花束を持って謝罪する。二人はシュークリームを食べながら過ごし、ヴォルフはランドルフから受けた王城での礼儀に関する助言を評価し、ダリヤとの友情に感謝する。ダリヤは、ヴォルフからポーションを受け取り、感謝の言葉を述べる。その夜は、彼らの笑い声で終わる。

雨上がりの墓参り
ダリヤとヴォルフは共に墓参りに行く。王都の北東に広がる広大な墓地で、彼女は父の命日に合わせて訪れ、墓前で赤ワインを注ぎながら、最近の出来事や感じたことを父に報告する。ヴォルフも別の墓地で母に話し、二人はそれぞれの墓前で亡き家族との対話を重ね、新たな決意を固める。

父と娘の魔導具開発記録 ~防水布 ~
ダリヤは、防水効果のある布を開発するためにスライムを使った研究に没頭しており、その過程で様々なトラブルに直面する。彼女は挑戦を続け、魔導具師としての技術を磨く一方で、父カルロは彼女の健康を心配しつつも、彼女の研究を誇りに思っている。この話は、父娘の絆と共に技術開発への情熱が描かれている。

アニメ化

TVアニメ「魔導具師ダリヤはうつむかない」公式

感想

元々亡くなった父親のために作った五本指ソックス。

革のブーツのムレに悩む騎士団に所属するヴォルフに五本指ソックスと中敷きをお試しに渡したら、、

ムレたブーツを常に履き、水虫に悩む騎士団員達の心を鷲掴みにしてしまう。

作った本人は父親への嫌味とギャグで作ったつもりなのに、足🦶のムレに悩む野郎達の心を掴んで離さなくなり、あっという間に商品化から量産へ真っしぐら。

それに振り回されてしまうダリアと商人ギルドの面々。

五本指ソックスを知ると欲しがる男達には副音となるが、作る側は突然のビックウェブに右往左往。

それに乗ろうと必死に動く商人ギルドの面々。

そんな時に、ダリアが何気なく作った泡ポンプボトルも商品化してしまうダブルパンチに頭を抱えながらも乗り切ろうとする面々が頼もしい。

当事者のダリアはただ顔を引き攣らせて笑顔のままw

そこに、ダリアの幼い頃からの友達ルチアも巻き込まれてしまうが、ルチアもなかなかに強い。

それが面白い2巻。

前巻 次巻

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その他フィクション

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フィクション あいうえお順

アニメ

PV

TVアニメ「魔導具師ダリヤはうつむかない」公式
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OP

TVアニメ「魔導具師ダリヤはうつむかない」公式

ED

TVアニメ「魔導具師ダリヤはうつむかない」公式

備忘録

約束を待つ二人(漫画 3巻9話)

ダリヤはオルディネ王国の王都で、父のもとで魔導具師として活動している。彼女は氷の魔石を使った冷凍庫付き冷蔵庫の試作を進めている。その冷蔵庫には魔石をセットし、冷却機能を調整する役割がある。魔石の一つが割れる大失敗を経験し、急速冷凍機能を持たせた際には、予想外に氷が多くできてしまい、その修正に苦慮している。

また、彼女は友人のヴォルフとの再会を楽しみにしていたが、彼の急な遠征のために会えなくなったことに少し落ち込んでいる。ヴォルフは王国の騎士団に所属しており、その任務の急な変更は珍しくない。ダリヤは彼の安全と食事のことを気にかけており、再会を心待ちにしている。

ヴォルフレード・スカルファロットは、オルディネ王国の魔物討伐部隊の一員で、赤鎧を身に纏っている。本来休暇中である彼は、友人ダリヤとの予定を楽しみにしていたが、王都東の街道で小鬼が出現したとの報告を受けて出動することになる。出動先で小鬼の新しい集落を発見し、そこでの殲滅戦が避けられなくなる。戦いはヴォルフが先陣を切り、短時間で終えることができた。彼はその後も積極的に作戦を提案し、実行に移すなど、隊での役割を果たし続けている。終戦後、隊は祈りを捧げつつ、予定より早く任務を終える。彼らは野営地でワインを分け合いながら、その日の戦いを振り返る。ヴォルフの成長と彼の提案した作戦が成功したことから、彼に対する評価は隊内で高まっている。

人工魔剣制作  ~魔王の配下の短剣 ~(漫画 3巻10話)

昨日の昼過ぎ、ダリヤの元にヴォルフの使いが来て、遠征から戻ったことと休暇が取れたことを伝え、会いたいという内容の手紙を渡した。ダリヤは返信し、約束を設定した。翌日、ヴォルフは馬車で緑の塔に訪れ、大量の食料を持ってきた。これは以前大量に食べたことのお礼だと説明し、ダリヤに感謝されたが、次からは気を使わないでほしいとも言われた。彼らは冷蔵庫を見つめながら会話を交わし、食材を詰める作業を行った。ヴォルフは高価なワイングラスをプレゼントし、それがどうしても高価であることにダリヤは戸惑いを隠せなかったが、結局ヴォルフが代金を支払うことになった。お互いの経済観念の違いを認めつつ、友人としての関係を尊重する意向を示した。昼食の準備中には、ヴォルフが料理を手伝い、二人で料理を楽しんだが、ピーマンを食べるのには苦労している様子だった。ダリヤは友情を大切にし、平等な関係を望んでいることを改めて伝えた。

二階に戻り、ダリヤはグラスを準備して上機嫌である。焼きホッケを用意し、塩と酒を振って焼いた。この料理は東酒と共に楽しまれる予定だ。東酒は東の国から輸出される白く濁った米の酒で、ダリヤにとって懐かしい味わいがある。二人はホッケを食べながら、魔剣制作の第一歩を祝い乾杯する。ヴォルフは魚の骨を取るのに苦労しており、ダリヤが箸で手伝う。ヴォルフの故郷ではホッケはムニエルで調理されることが多いが、今回は焼き方で新しい組み合わせを楽しんでいる。その後、東酒から白ワインに切り替え、二人は遠征の話をしながら夜を過ごす。また、ヴォルフの遠征準備としてダリヤが靴下の試作品を提供し、五本指靴下に乾燥魔法を付与する。最後に次の休みの際に東酒のグラスを買いに行く約束をする。

公爵家の魔女(漫画 3巻11話)

黒い扇の向こうからアルテア・ガストーニの甘く柔らかな声が響く。彼女はこの国の公爵四家の中で最も力を持つガストーニ家の現当主の母である。夫を亡くしてからは息子とその叔父と共に執務の補助をしている。アルテアとヴォルフは親密であることが貴族間で知られているが、彼女は美しい容姿と権力で「ガストーニの魔女」と陰で呼ばれている。ヴォルフは今日も黒絹の服を着てアルテアの元を訪れている。彼は最近ワイバーンでの小旅行を楽しんできたと報告する。アルテアは夜会のお迎えを依頼し、ヴォルフはそれに応じる。二人は夜会後の馬車での帰り道やワインを飲むことで親しい時間を共有する。ヴォルフがアルテアとの関係で見合いや女性の接触が減ることを望んでいる一方で、アルテアは彼を母ヴァネッサの代わりと見ており、その点にヴォルフは次第に気づいていく。

アルテア・ガストーニは、息子が当主となったガストーニ家の実質的な支配者で、美しい容姿と権力を持ち合わせている。ヴォルフはアルテアと親密であり、彼が訪れるのはよくあることである。今回の訪問では、彼が大蛙退治の遠征に出ること、そして帰還後に夜会の迎えをアルテアが依頼することが話された。アルテアはヴォルフに赤い木箱に包まれた酒を贈り、彼は礼を述べてそれを受け取った。ヴォルフが女性を「友人」と呼び、そのことを喜んで話したのは初めてであり、アルテアにとっては彼が新たな関係を築いていることを意味していた。アルテアは彼女自身が引いた境界線の外に自分がいることを認識していながらも、ヴォルフが新しい友人と楽しい関係を築いているのを見るのを楽しんでいる。彼女は若い男女間の友情が恋愛に変わることの可能性を考えながら、彼の未来がどのように展開するかを興味深く見守っている。

友人との夕食会(漫画 3巻11話)

夕暮れ時、ダリヤの友人イルマとマルチェラが緑の塔を訪れ、三人で楽しいひと時を過ごすことにした。ダリヤが化粧をして変身し、イルマもマルチェラから買ってもらった赤いワンピースを着ていた。マルチェラはダリヤの変化に驚きつつも、彼女の普段の顔も美しいと褒めた。三人はダリヤの婚約破棄から商会の保証人に至るまでの支援に感謝し、その日は遠慮なく食事と酒を楽しむことにした。

ダリヤは小型魔導コンロで串揚げを提供し、食卓が和やかな雰囲気に包まれた。マルチェラは飲み物を準備し、イルマと楽しく飲み進めた。二人は家庭用にも小型魔導コンロを贈る計画を立て、ダリヤはイルマの美容室の繁栄と商会の成功を祝った。食後はダリヤが試作した泡ポンプボトルをイルマに渡し、使用感のフィードバックを求めた。

三人はお互いに大切な存在であり、イルマとマルチェラはダリヤの過去の苦労を気にかけながら、彼女が新しい友達を作ることを心から応援している。彼らは互いの成功と幸福を願いながら、夜を楽しく過ごした。

黒の死神と魔物の抜け殻(漫画 3巻12話)

王国騎士団の魔物討伐部隊には、特別な強さを持つ者が「魔人」と呼ばれている。中でも「灰の魔人」として知られる部隊長のグラート・バルトローネや、副隊長の「水の魔人」グリゼルダ・ランツァが有名である。一方で、ヴォルフレード・スカルファロットは「死神」と称され、普通の剣と赤鎧だけで戦う姿が他の魔人たちとは異なっている。彼は直接的な戦闘スタイルで知られ、初期には「死にたがり」とも言われたが、時間が経つにつれてその評価は「有能で死を見切る目を持つ」と高まっていった。

ある日、ヴォルフレードが休憩中に五本指靴下と乾燥する靴の中敷きを使用していたところ、彼の装備に興味を持つ同僚が現れた。彼らはその快適さに驚き、自身も使ってみたいと申し出た。その靴下と中敷きが水虫予防にも効果的かもしれないという話から、さらに関心が高まり、多くの同僚が試すことに興味を示した。

謝罪と一角獣の角(漫画 3巻13話)

昼前にもかかわらず、すでに暑くなっていた日に、ダリヤは商業ギルドを訪れていた。彼女は、保証人となってくれたガブリエラとイヴァーノに小型魔導コンロを贈るためであり、運送ギルドのメッツェナへはマルチェラが届けるとのことだった。ガブリエラにはアイスティーを勧められ、ダリヤはソファーに座って話を進めた。彼女は保証人への感謝の意を表し、小型魔導コンロを渡した。これにはレシピと注意事項が含まれていた。

また、ダリヤは新作の泡ポンプボトルをガブリエラに試してもらうことを提案し、これがただの機械的な装置であることを説明した。彼女はこの製品を小物工房で生産したいと考えており、ガブリエラに製作可能な工房を紹介してもらうことを希望していた。ガブリエラは工房を選ぶ際に多くの声をかけ、条件のいいところに発注することを勧めた。

その後、商業ギルドの事務員が入ってきて、オルランド商会のイレネオからの連絡があることを告げた。ダリヤはイレネオと会うことを決め、ガブリエラが同席することになった。ダリヤはイレネオとの面会前にアイスティーを飲み干し、準備を整えた。

イレネオは商業ギルドの会議室でダリヤに謝罪し、金貨を慰謝料として提供したが、ダリヤはすでに受け取っていた。イレネオは、トビアスに関する訴訟を起こさないように依頼し、円満な婚約破棄だったという噂を流すことを望んだ。一方、ダリヤはトビアスとの関係を断ち切ることを条件に受け入れ、オルランド商会との商取引を続けることに合意した。

ダリヤは、イレネオの提案に応じ、今後の取引に関しても合意した。その後、イレネオはダリヤに雌の一角獣の角を贈り、これがカルロとの約束の果たし方であることを説明した。二人は商会長としての新たな関係を確認し、会議室を去った。

廊下でガブリエラに声をかけられたダリヤは、妖精結晶の必要性について説明した。ガブリエラはダリヤがオルランド商会との取引を継続することに驚いたが、ダリヤが妖精結晶を急ぎで必要としていたため理解した。ガブリエラは、ダリヤが三年間特別な素材を優先的かつ仕入れ値で手に入れる機会を最大限に利用すれば面白いと提案した。ダリヤはこの提案に納得し、イレネオとの取引を受け入れた。

ガブリエラは、トビアスとの婚約破棄について冷静に対処したダリヤを評価し、ダリヤ自身もその時の行動を振り返った。話が終わると、ガブリエラは自分の経験を元に、悪い婚約破棄の対処法について説明したが、これは彼女の個人的な提案であることを示唆した。

大蛙討伐とレポート(漫画 3巻12話、14話)

今回の大蛙討伐は予想を超えていた。推定で五百五十匹の大蛙が確認され、昨年より一割多かった。これらの大蛙が移動して周辺地域に被害をもたらす可能性があったため、即座に全体討伐が決定された。討伐の主力として、火魔法を得意とする魔導師たちが活躍し、逃げる大蛙を追い、魔物討伐部隊が斬りつけた。疫病防止のためには、炎担当の魔導師が焼き払い、土担当の魔導師が土をかぶせた。

作業が終わると、疲労困憊した隊員たちは野営地でやっとのことで休息を取り、夕食を共にした。しかし、その直後に森大蛇が現れ、食事の準備をしていた隊員たちは即座に戦闘態勢をとった。結果的に、森大蛇も討伐され、それもまた日の仕事の一部となった。

この厳しい日々の中で、隊員たちは五本指靴下と乾燥中敷きの使用感について意見を共有し、その快適さを認めるレポートを作成していた。これらの装備品がいかに彼らの作業効率と快適性を向上させたかを記録し、改善点や希望をまとめていた。

大蛙討伐から帰ったヴォルフは、グラートから五本指靴下と乾燥中敷きのレポートを急いでダリヤに届けるよう指示され、急ぎ緑の塔へ向かった。ダリヤに会うと、状況を説明し、早期の量産を依頼した。ダリヤは既存の仕様書を使用して、すぐに製造を開始できると返答した。その後、二人は具体的な注文数や仕事の詳細について話し合い、予定数は初期に八十セット、その後三百セットを超える可能性があることが明らかになった。

ダリヤは、取引先として商業ギルドや他の商会を検討する必要があり、特定の商会とのトラブルを避けるための配慮が必要だとも述べた。ヴォルフはダリヤの負担を軽減しようとするが、ダリヤはその提案を受け入れず、商会間の取引を続ける方針を固持した。また、ヴォルフはダリヤに何か欲しいものがないか尋ねたが、ダリヤは特に必要な物がないと返答し、互いに支援し合う関係を維持した。

ダリヤとヴォルフが再び一緒に料理をすることになり、ヴォルフには大根をおろす役割が与えられた。始めは手間取りながらも、次第に調理の手順に慣れていった。料理中、二人は東酒を飲みながら会話を楽しんだ。その後、ダリヤは魔導コンロを使ってナスを焼き、野菜と豚肉のしゃぶしゃぶを作った。食事中も二人は魔物討伐の話や酒の味わいについて話し合い、楽しい時間を過ごした。最後に、ダリヤが提供する料理や飲み物の好みや、食堂についての将来の可能性についても話し合われた。

商業ギルドで打ち合わせ(漫画 4巻15話)

ダリヤは朝早くから商業ギルドへ行く準備を整えた。仕様書と騎士団のレポートをまとめ、化粧をしてランプブラックのワンピースにバニラベージュの上着を羽織った。馬車にはデフォルメされた龍と剣の紋章があり、騎士団の象徴である。ヴォルフは魅力的な騎士服を着ており、その姿にダリヤは目を奪われた。ヴォルフはダリヤを商業ギルドにエスコートし、隊長が事前にアレンジをしてくれたため、待ち時間は少ないと伝えた。ダリヤとヴォルフは商業ギルドでの手続きを進め、ロセッティ商会の保証人になる手続きから始めることに決めた。また、ヴォルフは「騎士団のヴォルフレード・スカルファロット」として振る舞うと宣言し、ダリヤも商会長としての役割を演じることにした。

馬車の扉を開けた瞬間、ヴォルフは注目を集めた。黒い騎士服を着た彼は、周囲からの視線を強く感じていた。ダリヤは自分と彼との間に差があると感じていたが、自分自身を卑屈にすることなく、ヴォルフの隣で堂々と振る舞うことにした。二人は商業ギルドの黒煉瓦の建物に入ると、周囲の反応が一変し、彼に注目が集まった。イヴァーノとガブリエラに出迎えられたヴォルフとダリヤは、応接室へと案内された。そこでガブリエラは、ダリヤが開発した魔物討伐部隊用の五本指靴下と中敷きに関しての緊急発注が入ったことを話し、急いで生産する必要があることを伝えた。また、ダリヤは泡ポンプボトルも急ぎで必要とされていることを知り、どう対応するかを話し合った。二人は重なる問題に対して、なんとか解決策を見つけようと努力した。

部屋にはダリヤ、ヴォルフ、ガブリエラ、ドミニク、イヴァーノが集まっていた。五本指靴下と乾燥中敷きの導入計画書がテーブル上に置かれており、ダリヤとヴォルフから簡単な説明が行われた後、ガブリエラが泡ポンプボトルの話を加えた。その後、全員が静かになり、ガブリエラが話を進めた。彼女は、泡ポンプボトルの契約書作成、服飾ギルドとの連絡、及びドミニクとの服飾ギルド会議にヴォルフの同席を要請した。また、ドミニクはグリーンスライムの養殖を提案し、イヴァーノは商業ギルド内での先行販売を要望した。商業ギルド員もこの新製品に関心を示し、それぞれの需要が明らかになった。

打ち合わせを終えた後、ダリヤは登録魔導具の利益契約書の制作を始めた。泡ポンプボトル、五本指靴下、乾燥中敷きの仕様書を確認し、五本指靴下の改良点を追加して、利益契約書の作成に取り組んだ。ガブリエラとの間で利益率を巡って意見が衝突し、ダリヤはより低い率で多くの人が使用できるようにすることを主張した。最終的にダリヤの希望通りに決定した。その後、ギルド内で昼食をとることになり、贅沢な部屋での食事はダリヤには落ち着かない環境だったが、ヴォルフは彼女を気遣い、普段通りの態度で接するよう努めた。食事は赤熊のステーキであり、その特有の味わいに皆が静かに食事を楽しんだ。午後のスケジュールが重いことを考えると気が重くなったが、打ち上げでの酒とステーキを楽しみにすることで乗り切る気持ちを持った。

昼食後、ダリヤとガブリエラ、イヴァーノは会議室でフェルモ・ガンドルフィと会った。フェルモは液体ポンプボトルを中心に様々な容器を製作している職人である。ダリヤは彼に泡ポンプボトルの制作を依頼し、彼はそれに興味を示した。さらに、ダリヤはフェルモに髭剃りの便利さを実感してもらい、彼はその使用感に感銘を受けた。

会議中、ダリヤとフェルモは共同開発について議論し、当初は意見が対立したが、最終的には共同名義での開発を受け入れることに合意した。フェルモは新しいアイデアを提案し、ダリヤはそれに応じて試作品の改良を考える。フェルモが表明した修正点には、ボトルのサイズ変更や固定台の提案などが含まれており、これらは実用性を高めるためのものだった。

共同で改良を進めることに同意した後、フェルモはダリヤの技術力と革新的なアイデアを高く評価し、共同名義での開発を喜んで受け入れることになった。二人はこれからの新しい製品開発に向けて、相互に支援し合う関係を築くことに期待を寄せている。

商業ギルドで迷走会議(漫画 4巻16話、17話)

ダリヤは商業ギルドの豪華な会議室で、服飾ギルド長や冒険者副ギルド長などの重要なギルド関係者と面談していた。窓の外を見ながら、逃げ出したいほどの緊張を感じていた。会議では、五本指靴下や乾燥中敷きの導入計画が説明され、その有効性や魔物討伐部隊での使用感が共有された。プレゼンは非常に具体的でわかりやすく、テレビショッピングを思い起こさせるようなものだった。

会議では、五本指靴下の生産や中敷きの製造に関して、服飾ギルドや冒険者ギルドがどのように関与するかが話し合われた。特に中敷きに使用されるグリーンスライムの量産や養殖、優先販売についても議論された。五本指靴下に関しては、可能な限り早い量産体制を作ること、布を使った新しい製造方法の検討が提案された。

ルチアとのやり取りからは、ダリヤとの仕事のつながりや、ルチアの家族が運営する工房の事情が明らかになった。ジャンとの交流からは、素材管理に関する課題や彼の個人的な事情が垣間見え、職務における彼の熱心さが伺えた。商業ギルド員のイヴァーノや他のギルド関係者との協議を通じて、ロセッティ商会の事業展開に関する詳細な計画が練られた。

全体として、ダリヤは商業ギルドや服飾ギルド、冒険者ギルドとの間で、素材管理、製造プロセスの改善、および製品の優先販売について複雑な調整と交渉を行った。その中で、彼女は新たな提案を行い、ギルド間の協力を促進することに成功した。

服飾ギルドと冒険者ギルドの馬車を見送った後、ダリヤとヴォルフは会議室で時間を過ごすことにした。ダリヤは、会議での自分の発言が無知による失礼につながったことに悩んでいた。ヴォルフは、彼女に貴族と話す際の注意点を教え、誤解を招く可能性のあるフレーズについて指摘した。ダリヤは、自分が意図せず使った表現が貴族にとって特定の意味を持つことを知り、驚いた。ヴォルフは、ダリヤが貴族社会での言葉遣いに慣れていないことを理解し、彼女がこれからも同様の誤解を避けるよう助言を提供した。また、彼は今後ダリヤが貴族と交流する際は同席することを約束し、適切な対応を支援することを申し出た。ダリヤはこの出来事から、自分が貴族文化に不慣れであることを痛感し、これに対する学びの重要性を再認識した。

執務室で、イヴァーノがガブリエラに対して商業ギルドを退職する意向を伝えた。イヴァーノは、商業ギルドよりもロセッティ商会の利益を優先した行動をしてしまったと認め、そのためにギルドを去る決意を示した。ガブリエラは、イヴァーノの退職を予測していたようで、彼の次のステップを支援するためのアドバイスを提供した。彼女はイヴァーノに、ダリヤが働くロセッティ商会に推薦状を持って行くことを提案し、イヴァーノがギルドを正式に退職する前には適切な引き継ぎを行うよう要求した。この場面は、イヴァーノが商人としての本能に従い、自らのキャリアパスを選択したことを示しており、ガブリエラはその選択を尊重し、彼の新たな道を支持する様子が見られる。

イヴァーノがヴォルフと一緒に廊下で会話を交わした。その場所はカルロ・ロセッティが亡くなった場所であり、イヴァーノはそこでカルロの死を目撃したと語った。イヴァーノはヴォルフにダリヤの評価を尋ね、彼が魔導具師として優れていると答えると、自身もダリヤを高く評価していることを明かした。さらに、イヴァーノは商業ギルドを辞め、ロセッティ商会に参加したいと述べ、そのためにヴォルフに推薦を求めた。ヴォルフはイヴァーノに対し、ダリヤと商会に不利益をもたらさないよう神殿での契約魔法を結ぶことを条件として出した。また、ダリヤの安全を何よりも優先するよう要求した。イヴァーノはこれらの条件を受け入れ、ヴォルフは彼を推薦することに同意した。

一角獣のペンダント

ダリヤが作業場でレインコートの布を整理し、ルチア宛に送った後、掃除をしながらイヴァーノからの商業ギルドを辞めてロセッティ商会で働きたいという申し出を思い返していた。ロセッティ商会はダリヤ一人で運営しており、商売の知識がないため、イヴァーノの提案はありがたいものだった。イヴァーノは自身の収入について保証ができないとしても、利益が出るまでは給与は不要と申し出たが、ダリヤはギルド職員時の給与と同等を保証し、利益が出れば追加で話し合うことに決めた。イヴァーノは商会員になることを決定し、ガブリエラや商業ギルドに迷惑がかからないかという心配を抱えながらも、ヴォルフとイヴァーノが仲良くなったことにも驚いていた。

兄弟と悪夢(漫画 4巻18話)

ヴォルフは久しぶりにスカルファロット家の別邸に戻り、前回来たのが一季節前であることに驚いた。別邸は名目上、彼の家であるが、彼は緑の塔での生活をより落ち着いて感じている。別邸での不意な発言がダリヤに聞かれ、恥ずかしさを感じていた。その後、謝罪の手紙を書く間もなく忙しく過ごし、翌朝、別邸に来ることになった。商会の保証人として、スカルファロット家への挨拶と報告が必要だとアドバイスされ、それに従うことを決めた。父との面会を希望し、短い返信を受け取る。別邸にて父の代わりに兄のグイードが現れ、ヴォルフは彼と話すことになる。グイードは別邸を含む一切をヴォルフの自由に使うよう提案し、必要な支援を申し出る。また、結婚の話も持ちかけられるが、ヴォルフは拒否する。話は幼い頃の悪夢へと移り、互いの苦しみを共有する。グイードはヴォルフに対して理解と支援を示し、商業関連での協力を約束する。ヴォルフはダリヤとの出会いが悪夢を止めたと気づき、それに感謝している。

天狼の腕輪(漫画 4巻19話)

昨日の夕方、ダリヤ宛にヴォルフの使いが手紙を持って来た。イヴァーノとの会話について謝罪を含んだ長文の手紙で、翌日に会いたいとのことだった。ダリヤは会うことを承諾し、今日、会うべきかと悩んでいた。自室で確認したところ、顔にはすり傷、後頭部には痛みがあった。天狼の牙で魔法付与を試みた結果、自分が壁にぶつかり気を失ったことが原因だった。ヴォルフとの会話で、自身の怪我の原因を説明し、ヴォルフは腕輪の力を試すことになった。腕輪は天狼の牙から作られたもので、魔力を込めると跳ねる性質があった。ヴォルフはこれに興味を持ち、ダリヤに正式に腕輪を売るよう頼んだ。ダリヤは腕輪の代わりにポーション二本を要求し、ヴォルフは次に来るときに持ってくると約束した。

門の前でマルチェラが赤ワインと水が張られた桶を持って立っていた。桶の中にはあさりが入っており、そのまま食べられる状態になっていた。ヴォルフが居る二階にはマルチェラを案内せず、一階の作業場にワインと桶を置いてもらった。その後、マルチェラは馬車に戻り、ダリヤは二階へ向かった。ヴォルフはダリヤと一緒にあさりを調理し、アップル・ブランデーの瓶を持ち出し、あさりの料理と合わせることを提案した。その後、二人は食事を楽しんだ。食後、ヴォルフは天狼の腕輪について話し、ダリヤはヴォルフに靴乾燥機の改造を提案した。二人は作業場で靴乾燥機を改造し、その後、再び二階に戻った。

商会員と王城への招待状(漫画 4巻20話)

商業ギルドの会議室で、ダリヤが新しく開発した靴乾燥機について説明した後、イヴァーノはその製品の量産と販売に意欲を示した。この靴乾燥機は、騎士団、運送ギルド、冒険者ギルド、靴屋、そして特定の家庭などで広く使われる可能性があると彼は指摘した。イヴァーノはまた、ダリヤにこれまでに考えている、試作している、または作りたいものを聞き、将来の販売戦略の参考にすると述べた。ダリヤは靴乾燥機の他に、小型魔導コンロの小型化、防水布の軽量化、低価格の冷蔵庫と冷凍庫の開発、そして暖房器具の改良など多くのアイデアを持っていた。また、戦闘用の腕輪も作成していたが、これはヴォルフ専用で、他の用途には使えない設計だった。イヴァーノはダリヤの新しい製品やアイデアの量産と販路の準備を全面的に支援すると約束し、彼女の商会に対する信頼を確認するために神殿契約を交わしていた。

イヴァーノとの打ち合わせ後、ダリヤは商業ギルド長代理のガブリエラに書類を渡すために執務室を訪れた。ガブリエラは書類を確認し、イヴァーノがチェックしているため問題ないと述べた。ガブリエラはダリヤに、イヴァーノが自分の能力を補完する重要な役割を持つと指摘し、ダリヤには魔導具師として自由に活動することを勧めた。また、ガブリエラは自身がギルドの利益を最優先に考えていると強調し、商会のビジネスについてイヴァーノに任せることを提案した。

ダリヤは父親の影響を受けていることが明らかであり、自分の存在が父の人生にどのような影響を与えていたかを気にかけていた。ガブリエラに父の再婚に関することを尋ねたところ、カルロには再婚する意志はなかったとの回答を得た。最後に、ダリヤはガブリエラに、自分自身が「借り」を返すと述べ、ガブリエラはその姿勢を評価した。

その直後、イヴァーノが部屋に入り、ロセッティ商会に使者が来ていることを伝えた。ダリヤは状況を把握し、ガブリエラに同席を依頼した。ガブリエラはこれを受け入れ、三人は貴族応接室へと向かった。

オルディネ王国騎士団の副隊長、グリゼルダ・ランツァが、ロセッティ商会長のダリヤに王城への招待を伝えるために来訪した。商業ギルドの副ギルド長であるガブリエラとダリヤは、グリゼルダからの書簡を受け取り、その中身を確認する。書簡には、ロセッティ商会長が王城での会合に招待されており、迅速な返答が求められた。この要請に対し、ダリヤは翌日の会合を受け入れることを決定した。

その後、ガブリエラはダリヤに対し、王城での出席に適した服装と挨拶の準備を指示する。イヴァーノは、ダリヤの荷物を運ぶ従者として同行し、五本指靴下と靴の中敷きを手土産として持参するように指示された。また、イヴァーノは商会としての貴族対応の勉強も始めることになる。ガブリエラは、ダリヤが商会長としての役割を果たすために、適切な服装と行動を指導している。

王城と水虫と魔導具師(漫画 4巻21話)

ダリヤは、イヴァーノと共に王城に向かう馬車内で緊張している様子だった。彼女は正式で緊張感のある場に相応しい装いをしており、青い髪のイヴァーノも同様にビジネスライクな服装であった。彼らは王城への入城前に、服と靴を選ぶのに時間を要し、ガブリエラと服店の店員が主に選んでいた。また、ダリヤは貴族向けのマナーを学ぶために、ガブリエラから指導を受けた。

ダリヤとイヴァーノは王城内で馬車に乗り、彼女は商会長として初めての公式な場に臨むため、心の準備をしていた。王城内部での移動後、彼女は魔物討伐部隊長に会うことが決定しており、そのための心構えもしていた。しかし、ヴォルフからの安心の言葉により、ダリヤの緊張は少し和らいだ。彼は、会合の理由は彼女が提供した靴下と中敷きに対する感謝の表明であると説明した。

ダリヤ・ロセッティは、オルディネ王国騎士団の魔物討伐部隊長グラート・バルトローネからの招待を受け、王城の豪華な応接室で行われた会議に出席した。彼女は、騎士団に提供した五本指靴下と靴の中敷きの試用に感謝された。騎士団の隊員たちは、彼女の製品に対して礼を言い、彼女はその礼に応えた。さらに、防水布の開発者であることがヴォルフによって紹介された。

また、ダリヤは水虫対策に関して詳しく説明し、その予防と治療法について隊員たちからの質問に答えた。その過程で、ダリヤは、水虫の再発を防ぐためには足元の清潔と乾燥が重要であることを強調した。この会議は、ダリヤにとっては苦労の多いものであったが、隊員たちの間では彼女の専門知識と対応が評価された。

ダリヤ・ロセッティは、王城での初めての会合に参加したが、ヴォルフによって緊張が途中で飛んでしまったため、言葉も態度も取り繕えなかった。グラート隊長によってヴォルフが叱られたことで、その後の会合は落ち着いて進んだ。しかし、ダリヤには心理的なダメージが大きく、王城への再訪を望まないほどであった。会合を終えての退室時、ダリヤはヴォルフではなく、ランドルフ・グッドウィンにエスコートされた。彼からは王城での慣習についてのアドバイスを受け、ダリヤはそれをありがたく思った。二人は互いに感謝の言葉を交わし、ダリヤはランドルフのエスコートで馬車から降り、王城を後にした。

グラートがヴォルフに対して厳しい視線を向けた後、ヴォルフは反省していることを表明した。グラートはヴォルフの発言が適切でなかったと指摘し、ヴォルフ自身も認めている。騎士たちはこの問題について深く反省するよう求められ、特にヴォルフには将来の取引に影響が出ないようにロセッティ商会長に謝罪することが勧められた。アルフィオはヴォルフに、花屋や菓子店での贈り物のアドバイスを与え、その日の仕事を早めに終えさせた。部屋を出る際には、ヴォルフの行動に対して皆が一種の同情を感じていた。グラートは最後にヴォルフに対する幸運を祈りつつ、話を終えた。

謝罪と暴露大会(漫画 4巻22話)

王城を出た後、ダリヤはイヴァーノとガブリエラに王城での経験を報告した。その話を聞いた二人は微妙な反応を示した。帰宅して間もなく、ヴォルフが訪れ、憔悴しきった様子で花束を持って謝罪した。ダリヤはヴォルフの謝罪を受け入れ、共にシュークリームを食べながら過ごした。ヴォルフとの会話から、ダリヤはランドルフという騎士から王城での礼儀について助言を受けたことを明かし、その対応に感謝の意を表した。ヴォルフはランドルフの行動を評価し、ダリヤとの友情に感謝の気持ちを述べた。

ヴォルフはポーションを三本持参し、ダリヤに渡した。ダリヤは最初は疑問に思いながらも、最終的には念のために持っておくべきだと納得し、感謝の言葉を述べた。二人は夕食として焼き肉とワインを共にし、食後には極寒温度に冷やした白ワインを試す。このワインは非常に冷えており、味わい深い体験をもたらした。飲み終えた後、ヴォルフは自分の過去について暴露し、ダリヤも自分の悩みを打ち明けた。ダリヤが魔剣の開発を頑張ることを約束し、二人は互いに支え合うことを確認した。夜は彼らの笑い声で終わった。

雨上がりの墓参り(漫画 4巻23話)

王都の北東に広がる広大な墓地は、貴族も庶民も葬られる場所で、神殿が管理しているが信者である必要はなく、庶民の墓地はほぼ無料である。ダリヤは雨上がりの滑りやすい石畳を歩き、ヴォルフが花束以外の荷物を持っていた。二人は父の命日と母の命日が近いため共に墓参りに行くことになったが、入り口で道が貴族と庶民に分かれており、ダリヤは庶民エリアへ、ヴォルフは貴族エリアへ向かった。庶民の習慣では、恋人や婚約者でなければ相手の家の墓参りには行かないため、ヴォルフの提案が誤解を招く恐れがあったが、ダリヤはそれを理解していた。二人は待ち合わせを約束して別々の道を行った。

スカルファロット伯爵家の墓は貴族エリアの端にあり、元々子爵家だったため大きくないが、庶民エリアと比べると広い。ヴォルフは墓前に花束を置き、白ワインを注いだ後、盗聴防止の魔導具を起動させ、母に話しかけた。今まで墓に声をかけたことがなかったが、今日は話したい気持ちがあった。彼は過去に自分だけが悲しむと思い込み、人と距離を置いていたが、もう子供のように逃げるのをやめると決意した。昨夜、ダリヤが見せた脆さから彼女を守りたいと思い、そのために強くなることを願っている。彼はかつて母に「どんな騎士になりたいか」と尋ねられた際の答えとして、「守りたい者を守れる者」を目指すと述べた。母が使っていた剣は修復されていたが、包んだまま墓に捧げ持ち、母が死後守護を与えるという言い伝えにちなみ、自分ではなくダリヤに守護を願った。

雨に洗われた円柱の墓石が光っており、ダリヤは灰色の墓石が並ぶ一角に足を止めた。その中には祖父母と父が眠る小さな墓がある。王都では火葬が主で、灰は墓石の下に戻される。ダリヤは神官から受け取った父の灰を墓下にまいた。日々は慌ただしく、婚約破棄や新しい友人、商会の立ち上げに追われていた。赤ワインをグラスに注ぎ、父に話しかけながら、ロセッティ商会や王城への初納品のことを報告した。父が亡くなってからの自分の変化を振り返り、父の後ろを歩くのではなく、自分で道を選び進むことの重要性を認識した。ダリヤは魔導具師として父を超えることを目指し、それを支える友達がいることで自信を持っている。

番外編  父と娘の魔導具開発記録 ~防水布 ~
(アニメ2話 カルロさーーーん!( ;∀;))

TVアニメ「魔導具師ダリヤはうつむかない」公式

カルロは作業場で寝ている娘のダリヤを見つけた。彼女は防水効果のある布を開発するためにスライムを使った研究に没頭しており、その過程で多くのトラブルに見舞われている。スライムを粉にする作業での健康被害や、材料の入手困難など、挑戦は続いている。しかし、ダリヤは研究をあきらめず、魔導具師として新しいことに挑戦し続けている。カルロはそんな彼女の姿を誇りに思いつつも、彼女が過剰な研究に夢中になり過ぎていることを心配している。彼は娘を守るため、そして彼女の未来のために何かできることを探しているが、基本的には彼女が自分の道を見つけて進むことを望んでいる。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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