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フィクション(Novel)読書感想領民0人スタートの辺境領主様

小説「領民0人スタートの辺境領主様XV(15) 老王の来訪」感想・ネタバレ

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領民0人スタートの辺境領主様15の表紙画像(レビュー記事導入用) フィクション(Novel)

領民0人14巻レビュー
領民0人まとめ
領民0人16巻レビュー

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  1. 物語の概要
    1. ■ 作品概要
    2. ■ 主要キャラクター
    3. ■ 物語の特徴
  2. 書籍情報
  3. あらすじ・内容
  4. 感想
  5. 考察・解説
    1. 領地の発展と多種族共生
    2. 次世代の成長と教育
    3. ドラゴン襲来と領地防衛
    4. 旧王の亡命と統治体制
    5. 神々の加護と開拓
  6. 登場キャラクター
    1. メーアバダル領(イルク村など)
      1. ディアス
      2. アルナー
      3. クラウス
      4. カニス
      5. セナイ
      6. アイハン
      7. エイマ
      8. エリー
      9. ゾルグ
      10. モール
      11. ルフラ
      12. サーヒィ
      13. ナルバント
      14. バーナイト
      15. オーミュン
      16. サナト
      17. ヒューバート
      18. ゴルディア
      19. イーライ
      20. アイサ
      21. モント
      22. ジョー
      23. ロルカ
      24. リヤン
      25. セキ
      26. サク
      27. アオイ
      28. ダレル夫人(オリアナ)
      29. エグモルト・ダレル
      30. イービリス
      31. パトリック
      32. ポール
      33. プリモ
      34. ピエール
      35. ベン(ベンディア)
      36. フェンディア
      37. アルハル
      38. ソマギリ・ビシニア
      39. マヤ婆さん
      40. チルチ婆さん
      41. スーク婆さん
      42. ポイヨ婆さん
      43. シェフ
      44. セドリオ
      45. カーリッツ
      46. ピゲル(王 / ピゲル爺)
    2. マーハティ領
      1. エルダン
      2. パティ
      3. ネハ
      4. ジュウハ
      5. カマロッツ
      6. スーリオ
      7. ゲラント
    3. サンセリフェ王国
      1. リチャード
      2. ディアーネ
      3. ナリウス
      4. エルアー伯爵
      5. 老神官
      6. 高位神官
    4. 獣人国
      1. 獣王
      2. キコ
      3. ヤテン
      4. ペイジン
    5. 鷹人族(剣山の巣)
      1. ホーラオ
      2. ビーアンネ
      3. ヘイレセ
      4. チャイ
    6. 神・神獣・メーアなど
      1. 大メーア
      2. 小メーア(メーアモドキ)
      3. 炎の猫神
      4. フランシス
      5. フランソワ
      6. フラン
      7. フランツ
      8. マルト
      9. パルト
      10. ミルト
      11. メルト
      12. エゼルバルド
      13. ベイヤース
      14. アイーシア
      15. カーベラン
    7. 集団
      1. 婆さん魔法部隊
      2. 犬人族(マスティ氏族、シェップ氏族、センジー氏族、アイセター氏族)
      3. 洞人族
      4. ゴブリン族
      5. ニャーヂェン族
      6. 森人族の襲撃者
      7. ヤテンの息子たち
      8. 血無し達
      9. ギルド
      10. 傭兵達
      11. 盗賊達
      12. 新道派の神官達
      13. 鳩人族諜報隊
      14. 婦人会
  7. 展開まとめ
    1. マーハティ領 西部の街メラーンガルの領主屋敷の一室で――ジュウハ
    2. 広場の様子を眺めながら ディアス
    3. 昼寝用のユルトに向かって ディアス
    4. サーヒィ達の小屋の前で・
    5. 宴の場で
    6. 広場で ディアス
    7. ユルトで鎧の手入れをしながら
    8. 船の上で 王
    9. 村の南端で、出来上がりつつある犬人族の家を眺めながら ディアス
    10. ユルトに戻りながら――ディアス
    11. 工房で ディアス
    12. 関所で
    13. イルク村の広場で
    14. イルク村を歩きながら―――ディアス
    15. 荒野のトカゲ川水源で―――ディアス
    16. 特別書き下ろし。老王の来訪
  8. 同シリーズ
    1. 領民0人スタートの辺境領主様
  9. その他フィクション

物語の概要

■ 作品概要

『領民0人スタートの辺境領主様 XⅤ 老王の来訪』は、不毛の辺境領地を舞台に、多様な亜人や獣人が織りなす開拓・内政ファンタジー小説である。
本作の世界観は、人間族のほかに多種多様な亜人や獣人が息づくハイファンタジー世界である。王国内部で権力闘争や差別が渦巻く中、主人公が治めるメーアバダル領だけが種族の壁を越えた共生社会を築いている。
第15巻となる本作のあらすじは、メーアバダル領の開拓が海にまで至り、ゴブリン族や帝国から逃れてきたニャーヂェン族など新たな領民が次々と加わり、さらなる発展を遂げる過程が描かれる。一方で、王都の暗殺未遂事件を機に失踪したサンセリフェ王国の老王が「ピゲル爺」と名を変え、ディアスの元へ逃亡してくる。また、過去最大規模となるドラゴンの襲撃や新道派の神官による魔法攻撃が領地を襲うが、領民たちの見事な連携や新魔法、防衛兵器によってそれらをことごとく退け、神々からの恩恵も受けながら活気あふれる巨大な交易都市へと飛躍していく物語である。

■ 主要キャラクター

  • ディアス:メーアバダル領の領主。圧倒的な武力でドラゴンを単騎で討伐する英雄だが、性格は優しく無欲である。その温かな人柄で多くの種族を惹きつけ、彼らを家族として守り抜く。
  • アルナー:鬼人族の少女でディアスの妻。厳しくも優しく夫を支え、村のまとめ役として料理や薬草砂糖(軟膏)の研究、出産の支援など多方面で活躍する。
  • セナイ&アイハン:森人族の双子の姉妹。魔法で植物の成長を早め、農業や果樹栽培を支える。貴族としての自覚を持ち始め、新年の宴を立派に取り仕切るなど精神的な成長を見せる。
  • ピゲル爺(王):サンセリフェ王国の国王。王都での政争や重臣の死に疲れ果てて失踪し、メーアバダル領へ逃亡した。正体を隠してヤギやメーアの世話をする隠居生活を送るが、洗練された内政手腕で領法の整備なども行う。
  • エグモルト・ダレル:ダレル夫人の夫で王都の貴族。重度の研究者気質であり、荒野の魔脈の発見や、ガラス温室を用いた作物の多期作・品質改良の構想など、新たな知識と技術を村にもたらす。
  • ソマギリ・ビシニア:帝国から逃れてきたニャーヂェン族の若き族長。ディアスに深い忠誠を誓い、優れた夜目や身体能力を活かして荒野の管理や夜警、他国への情報収集を担う。
  • モント:西側関所の主で元敵将。関所を強固な砦へと改築し、獣人国からの避難民や商人を受け入れながら、巧みな防衛指揮と外交・懐柔策を担う。
  • クラウス:東側関所の主。犬人族のカニスを妻に持ち、ディアスの筆頭騎士に任命される。新道派の神官による精神を責める魔法攻撃にも決して屈せず、心の世界で反撃して打ち破るなど目覚ましい成長を遂げる。

■ 物語の特徴

本作の最大の魅力は、圧倒的な武力を持つ主人公の無双劇と、泥臭くも温かいロジカルな領地経営が絶妙なバランスで描かれている点である。
他作品との明確な差別化要素として、主人公個人の力だけで全てを解決するのではなく、犬人族の労働力、洞人族の建築・鍛冶技術、鷹人族の空からの偵察能力、森人族の魔法など、多種多様な種族がそれぞれの特性を活かし、適材適所で補い合うことで独自の経済圏と防衛力を構築していく点にある。
また、ディアスの「弱い者を守る」「無欲である」という純粋な信念が、結果的に神々(小メーアや炎の猫神など)の恩恵を引き出し、荒野に一夜で伝説の果樹(デーツ)の森を形成させるなど、彼自身の意図しないところで規格外の奇跡と飛躍的な発展がもたらされるカタルシスが、読者にとって非常に興味深いポイントとなっている。かつての敵や一国の王すらも平穏な日常の虜にしてしまう、懐の深い「家族の絆」と共生社会の描写が、本作特有の温かみを生み出している。

書籍情報

領民0人スタートの辺境領主様 XⅤ 老王の来訪
著者:風楼 氏
イラスト:キンタ  氏
出版社:アース・スターノベル
発売日:2026年4月15日

(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。

あらすじ・内容

TVアニメ2026年7月放送開始!!

皆を守るためにと自主的に訓練をするセナイとアイハンをはじめ、子どもたちの成長が著しいイルク村。森人族の襲撃者の撃退でも大いに活躍し――。

エルダンの妻が無事に出産を終え、これもイルク村の大メーア様の加護だと呟くエルダンに対し、エルダンの母ネハは、イルク村の大メーア神殿へと100人近くを引き連れての礼拝を行い――。

鷹人族の聖地にある壁画の記録と調査をすることになったエイマ達。そこにはモンスターの誕生や、この世界の秘密に迫るような内容が描かれていて――。

イルク村全域を狙った、過去最大規模のドラゴンの襲撃が発生。しかし、マヤ婆さん率いる「婆さん魔法部隊」や、東関所ではクラウス、西関所ではモント、鉱山では洞人族達が活躍し、次々にドラゴンを撃退していく。しかし、鬼人族の村では……。

さらには新たな領民としてダレル夫人の夫も加わり――とある事情により身分を隠した「ある人」までもが領民に!?

領民0人スタートの辺境領主様 XⅤ 老王の来訪

感想

読んでまず感じたのは、この作品の世界では、もはやドラゴン討伐が日常の一部になっているということである。

シリーズ序盤では圧倒的な脅威だったドラゴンも、今ではディアスや領民たちにとって「対処できる敵」へと変わってしまった。

主人公一人だけが強いのではなく、村全体の戦力が大きく底上げされていることを実感できる巻だった。

本作らしい魅力を改めて感じたのは、神々との距離の近さである。

大メーアの使いであるメーアモドキが気軽に現れて雑談を交わしたかと思えば、新たに猫の姿をした神様まで登場する。

しかも、何気なく「黒いニワトリ」を置いていくという自由奔放さには思わず笑ってしまった。

神々が特別な存在でありながら、どこか身近に感じられる世界観は本作ならではだと思う。

さらに、伝説の果実「デーツ」がもたらす恩恵も非常に興味深かった。

荒野の緑化が進み、食料事情まで改善されていく様子は、派手な戦闘とは違った開拓物語としての面白さを存分に味わわせてくれる。

ディアス自身が欲深くない人物だからこそ、多くの神々や人々に自然と手を貸してもらえるという構図も、この作品らしい温かさを感じた。

領地の発展も着実に進んでいる。

ゴブリン族や帝国から逃れてきたニャーヂェン族など、新たな住民が次々と加わり、多種族が共存する村としてさらに賑やかになっていく。

争いではなく共生によって発展していく姿は、読んでいて素直に応援したくなる。

また、双子のセナイやアイハンをはじめとした子どもたちが大きく成長していることも印象的だった。

長く続くシリーズだからこそ、世代交代の兆しが少しずつ見え始めており、村そのものが生きているような感覚を味わえる。

戦闘では、これまでで最大規模ともいえるドラゴンの群れが襲来する。

普通なら絶望的な状況だが、マヤ婆さん率いる魔法部隊と領民たちの連携は見事だった。

誰か一人が活躍するのではなく、それぞれが役割を果たしながら被害なく撃退する流れには大きな爽快感がある。

長年積み重ねてきた村づくりが、防衛力という形で実を結んだ瞬間だったように感じた。

そして、本巻最大の驚きは老王の亡命である。

王都で暗殺未遂事件に巻き込まれた老王が、「ピゲル」と名を変えて辺境へやって来るという展開には思わず驚いた。

「王様がいなくなって国は本当に大丈夫なのか」とツッコミを入れたくなるほど大胆な展開だったが、その後の内政パートが非常に面白い。

正体を隠しながらも、王として培ってきた経験を生かし、法整備や移住者の管理を次々と進めていく姿は実に頼もしい。

さらに、王都からやって来た研究者エグモルトも加わり、領地経営は新たな段階へと進んでいく。

戦闘だけでなく、政治や制度づくりまで丁寧に描かれている点も、本作の大きな魅力だと改めて感じた。

終盤では、新道派の神官による妨害も発生するが、すでに成熟したメーアバダル領にとっては大きな障害にはならなかった。

様々な種族が協力し合い、一つの共同体として成長した姿を見ると、この十五巻まで積み重ねてきた歴史の重みを実感する。

ドラゴン討伐や神々との交流といったファンタジーらしい面白さだけでなく、多種族が共に暮らし、少しずつ豊かな国へ発展していく過程を楽しめるのが、この作品最大の魅力なのだろう。

読後には、この領地が今後どこまで発展していくのか、そして新たに加わった老王がどのような活躍を見せるのか、ますます続きが楽しみになった。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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領民0人14巻レビュー
領民0人まとめ
領民0人16巻レビュー

考察・解説

領地の発展と多種族共生

『領民0人スタートの辺境領主様』第15巻における「領地の発展と多種族共生」は、単なる開拓村の成長を越え、陸と海、さらには王国や帝国、獣人国といった国家の枠組みすらも超えた一大共生都市(メーアバダル領)の誕生として描かれている。

多様な種族の融和とインフラ・経済の発展の軌跡にいたる全容は以下の通りである。

新たな種族の加入と適材適所の役割分担

本巻では、帝国から逃れてきたニャーヂェン族や、海の彼方からやってきたゴブリン族(鮫人族)、獣人国で迫害されていた血無しの獣人たちが次々と新たな領民として加わる。ディアスは彼らを無条件で受け入れ、種族の特性を活かした役割を与えている。

・ニャーヂェン族:優れた夜目や身体能力を活かし、荒野の夜警、行商の護衛、そして王都や他領での情報収集を担う。
・ゴブリン族:大入江に拠点を構え、新鮮な海産物(リンゴ魚など)や南の島からの良質な木材を水路で運び込み、領の物資を劇的に豊かにしている。
・また、来客であるエルダンの母ネハが、種族ごとの味覚やタブーに配慮した料理を振る舞ったことで、アルナーたちも異なる種族が共生するための相互理解と歩み寄りの重要性を深く学んでいる。

種族の垣根を越えた新技術とインフラの発展

多様な種族の技術と知識が融合することで、領内のインフラは爆発的に進化している。

・鉄馬車と広域交易:洞人族が開発した、氷柱を積んで冷却効果を持たせる鉄馬車により、海産物や新鮮な食材を遠方の隣領へ運ぶことが可能となり、莫大な利益を生む大成功を収めた。
・ガラス温室(薬草小屋)と農業革命:王都から移住してきた研究者エグモルトの知識、洞人族のガラス製造技術、および森人族の双子(セナイとアイハン)の植物成長魔法が組み合わさる。これにより、寒冷地でありながら南方植物の栽培や、一年に複数回の収穫を可能にするガラス温室の計画が動き出している。
・ドラゴン素材の家:討伐したアースドラゴンの巨大な甲羅をそのまま屋根に利用した、犬人族のための住居も建設されるなど、魔物の素材も村の発展に無駄なく組み込まれている。

神々の恩恵と食料基盤の完全な安定

ディアスの無欲さと優しさは神々(小メーアや炎の猫神など)の恩恵を引き出し、領地の発展を後押ししている。

・ドラゴン討伐の褒美として神から授かった伝説の果樹デーツは、植えた翌日に荒野で巨大な樹へと成長し、荒野の緑化と新たな食料源をもたらした。
・また、美味で滋養に溢れる黒ニワトリ(アーチェマニ)も授かり、ガチョウや白ギーの繁殖、森の恵み、海からの魚と合わせ、孤児院の設立を計画できるほどに食料基盤は盤石なものとなった。

統治機構の整備と柔らかな外交戦術

領土の拡大に伴い、内政や外交の手法も洗練されている。

・王都から逃亡して隠居した老王ピゲル(ピゲル爺)が、移住者であるニャーヂェン族を巧みな交渉で配置し、他国との交渉や裁判にも耐えうる完璧な領法を整備した。
・また、西側関所の主モントは、市場を訪れる獣人国の子供たちに読み書きや王国の神話を無料で教える教育の場を設け、将来の有事に備えて獣人国の人々を懐柔する柔らかな外交戦術を展開している。

まとめ

第15巻におけるメーアバダル領は、ディアス個人の武力に依存したサバイバル期を完全に脱している。人間、亜人、獣人、そして元敵国の民や逃亡してきた王族までもが、互いの過去や境遇を受け入れ、それぞれの長所と知識を持ち寄って協力し合う理想的な共生社会を築き上げている。法整備や最新技術の導入も進み、かつての不毛の辺境は、国家規模の豊かさを持つ一大交易拠点へと劇的な発展を遂げている。

次世代の成長と教育

『領民0人スタートの辺境領主様』第15巻において、「次世代の成長と教育」は、開拓の安定期を迎えたメーアバダル領が未来へ向けて盤石な基盤を築くための重要なテーマとして描かれている。

子どもたちや若者の目覚ましい成長と、多様な種族が交わる独自の教育環境の全容は以下の通りである。

セナイとアイハンの自立と貴族としての自覚

ディアスの庇護下で育ってきた森人族の双子、セナイとアイハンは、いつかディアスがいなくなっても家族や領民を守れるようにと秘密裏に訓練を重ねており、森人族の襲撃も自分たちの力で圧倒するほどに成長している。

・ダレル夫人の指導のもと、新年の宴では自ら主催者として振る舞い、領民の前で立派に挨拶を遂げるなど貴族としての自覚を身につけ始めている。
・農業においても、エグモルトが提案した作物の多期作や品質改良案に対し、自身の魔法や種を見分ける力を応用できるまでに知識と技術を深めている。

種族と国境を越えた教育体制の構築

領内ではダレル夫人やエイマ、マヤ婆さん、ベン伯父さんなど多様な背景を持つ大人たちが教師役となり、子どもたちや若者に読み書きや礼儀作法、歴史、商売の知識などを教える学び舎が機能している。

・西側関所では、モントや神官たちが市場を訪れる獣人国の子どもたちに対し、無料で読み書きや計算、王国の神話を教え、食事を振る舞っている。
・これは単なる教育にとどまらず、将来の有事に備えた他国との相互理解と懐柔を目的とした、柔らかな外交戦略としての教育でもある。

英傑の血の覚醒と底知れぬ探求心

次世代の希望を象徴するのが、鷹人族の雛であるチャイやメーアの六つ子(フランなど)である。

・チャイは、卵の中にいる頃から人々の会話を聞いて学習しており、神の使者である小メーアに対しても世界の成り立ちや真理の知識を求めるほどの驚異的な知的好奇心を見せる。
・冒険心に溢れるフランとともに、彼女らには獣人に稀に現れるという英傑の血が宿っているとされ、将来この地に大きな恵みをもたらす存在になると大人たちから見守られている。

次期リーダーたちの育成と孤児院設立計画

次世代を担う若きリーダーたちの育成も進んでいる。

・鬼人族の若者ルフラは、家長としての重責から村の大人たちに自ら教えを乞い、武術だけでなく礼儀作法や商売まで幅広く吸収し、急成長を遂げている。
・鷹人族の次期長に指名されたサーヒィは、後世への教育と継承のためにエイマの協力を得て、巣の壁画と口伝の記録や編纂に取り組んでいる。
・さらに、盤石となった食料基盤を背景に、次世代を保護し育むための孤児院の建設計画も動き出しており、獣人国からの移住者である血無しの獣人たちを運営に巻き込みながら、教育と福祉の拡充が図られている。

まとめ

第15巻における次世代の成長は、ディアス個人の力に依存したサバイバルからの完全な脱却を意味している。多様な種族の知識が交わる恵まれた教育環境の中で、子どもたちや若者はそれぞれの才能を開花させており、メーアバダル領の未来を切り拓く自立した頼もしい存在へと着実に育っている。

ドラゴン襲来と領地防衛

『領民0人スタートの辺境領主様』第15巻における「ドラゴン襲来と領地防衛」は、メーアバダル領の防衛力がディアス個人の力に依存する段階から、領民全体が適材適所で連携し、自立して脅威を退ける段階へと成長したことを示す重要なエピソードである。

過去最大規模となるドラゴンの同時襲来に対し、各地で展開された防衛戦の様子とその意義の全容は以下の通りである。

マヤ婆さんの占いと婆さん魔法部隊の初陣

今回の襲来は、マヤ婆さんの占いによって事前に予知され、領内各所で迎撃準備が進められた。

・イルク村では、マヤ婆さん率いる12人の老婆たちによる婆さん魔法部隊が編成された。
・彼女たちは、洞人族やセナイたちと協力して編み出した強力な新魔法を駆使した。
・これにより、イルク村に向かってきたドラゴンたちを空中で一網打尽にし、犠牲者を出すことなく討ち取るという大金星を挙げた。

各拠点の自立した防衛戦の展開

東西の関所や鉱山では、ディアスに頼ることなく、各責任者の指揮のもとで独自の防衛戦が展開された。

・西側関所:モントの指揮のもと、篝火や音でわざと関所を目立たせてドラゴンを引き寄せ、他所への被害を防ぐ囮作戦をとった。避難民を保護しつつ、多数配置したバリスタの集中砲火でドラゴンを次々と撃ち落とし、完勝を収めている。
・東側関所:クラウスが消火に奔走する中、セナイとアイハンが指揮する改良型バリスタが的確にドラゴンを撃ち落とした。さらに、セナイたちの魔法によって森の木々が自ら枝を伸ばして関所を火球から守るという奇跡的な防御も見せた。
・鉱山:バーナイトが指揮する鉱山では、洞人族が頑丈な石造りの設備と生来の強靭な肉体を活かし、ドラゴンの火球をものともせずに戦い続けた。酒を飲んで士気を高めながら、投石機や専用の武器を駆使して時間をかけてドラゴンを殲滅した。

鬼人族の村の危機とディアスの救援

各拠点が防衛に成功する一方で、鬼人族の村だけは苦戦を強いられることとなった。

・マヤ婆さんの占いを信じない一部の者による妨害や油断から、村を覆う隠蔽魔法が一瞬途切れ、ドラゴンに位置を悟られてしまったためである。
・数え切れないほどのドラゴンが迫り、族長モールの心さえも折れかけた絶体絶命の危機に、黄金の鎧を着たディアスが駆けつけた。
・ディアスは投斧と戦斧を駆使した規格外の戦いで空中のドラゴンを次々と屠り、息を吹き返した鬼人族たちの弓矢の援護もあって、見事に脅威を退けた。

まとめ

このかつてない規模の襲撃に対し、ドラゴンたちを操っていた神と名乗る存在は、各地でドラゴンが討ち取られることに驚愕し、ディアスの姿を見て邪王が蘇ったと勘違いして自ら繋がりを絶って逃亡した。ディアスが遊撃に回り、各拠点が自らの力で拠点を守り抜いたこの戦いは、メーアバダル領がもはや辺境の開拓村ではなく、国家規模の強固な防衛体制を備えた確固たる都市へと飛躍したことを証明している。

旧王の亡命と統治体制

『領民0人スタートの辺境領主様』第15巻における「旧王の亡命と統治体制」は、国家のトップに君臨していた老王の卓越した手腕が、急速に拡大するメーアバダル領の統治基盤を盤石なものへと引き上げる過程として描かれている。

旧王の亡命にいたる過酷な経緯と、彼がメーアバダル領の法整備や危機管理において発揮した統治手腕の全容は以下の通りである。

王都での暗殺未遂と絶望からの逃亡

第一王子リチャードによる急進的な改革が進む王都において、王の暗殺未遂事件が発生した。

・王は忠臣たちに守られながら暗殺者を返り討ちにしたものの、重鎮である忠臣たちの命を徒に失うという凄惨な結果を招いてしまった。
・息子の成長を見届けようと王都からの逃亡計画を先送りにした自らの判断を深く悔いた王は、王冠や王錫など王としてのすべてを脱ぎ捨て、単身で逃亡を決意する。
・港で水や船員が不足し絶望しかけたところをゴブリン族に遭遇し、西の果てに住まうメーアバダル公、我が友の下に向かいたい、と告げた。
・これにより、彼らの手引きによって海路でメーアバダル領へと亡命を果たした。

ピゲル爺としての新たな人生と食への決意

メーアバダル領に到着した王はピゲルと名乗り、身分を隠してヤギやメーアの世話をする隠居生活を送り始める。

・彼はメーアたちが穏やかに草を食む光景を見て、生き物にとっての食の重要性を痛感した。
・国を治める上で食を疎かにしてはいけなかったと後悔するとともに、この地から未来永劫飢えを奪うために、自らの知識と経験を活かすことを固く決意している。

他国との交渉や裁判を見据えた領法の整備

ピゲルは到着直後、内政官ヒューバートの仕事の未熟さを指摘し、自らの手で完璧な形の領法を書き上げた。

・奴隷制の禁止などを単に文章にするだけでなく、他国や他領と揉めた際の話し合いや裁判において、解釈の違いや誤解が生じないよう、意図が明確に伝わる洗練された文章へと昇華させた。
・これにより、メーアバダル領は対外的な交渉にも耐えうる強固な法基盤を得ることとなった。

移住者の管理と巧みな人心掌握

帝国から大挙して移住してきたニャーヂェン族への対応でも、ピゲルの手腕が発揮された。

・大量の移住者をそのまま受け入れれば、揉め事や反乱、乗っ取りの危険があると考えたピゲルは、若き族長ソマギリと面会する。
・そして巧みな交渉術で彼を丸め込み、女性や子供だけをイルク村に保護する(実質的な人質とする)条件を提示した。
・一方で、男たちを各地の関所や荒野に分散させて無償で働かせ、忠誠を示させるという条件を飲ませることに成功した。

まとめ

かつての国王の亡命は、結果としてメーアバダル領に国家運営のトップレベルの法整備と危機管理手法をもたらした。ピゲル爺の洗練された内政手腕と人心掌握術により、急成長する多種族の共生都市は、国家規模の強固な統治体制を備えるにいたったのである。

神々の加護と開拓

『領民0人スタートの辺境領主様』第15巻において、「神々の加護と開拓」は、不毛な辺境の地を国家規模の豊かさを持つ都市へと飛躍させる、最大の原動力として描かれている。

ディアスの無欲さが神々の恩恵を引き出し、領民の努力と結びつくことで、規格外の開拓と防衛網の構築が成し遂げられた全容は以下の通りである。

無欲な領主が引き出した神々の恩恵

過去最大規模のドラゴン襲撃を退けた褒美として、ディアスの前に神の使者である小メーアや炎の猫神が姿を現した。

・使者から何を望むか問われたディアスであったが、金銀財宝や強力な武器を求めることはなかった。
・白い草やチャイのための木の実、そして皆で育てられるニワトリといった、日常を豊かにするささやかな品々を望んだ。
・この無欲さに呆れつつも感心した神々は彼を試した上で、小川の恵みや伝説の果実デーツ、そして滋養に優れた黒ニワトリ(アーチェマニ)などを授けた。
・さらに、いざという時に一度だけ助ける、という約定まで交わすにいたった。

伝説の果実デーツによる荒野の緑化

神の使者から託された革袋に入っていたデーツは、乾燥や暑さ、塩害に強い伝説の植物であり、荒野開拓のために与えられたものだと判明する。

・鷹人族の協力により、荒野のトカゲ川水源、岩塩鉱床、大入江付近の3箇所に植えられたデーツは、神の奇跡によって一晩で巨木へと成長し、大量の実をつけた。
・これにより、不毛な荒野に旅の食料補給拠点が生まれ、動物が戻るきっかけとなる緑化の足がかりが築かれた。
・さらに、栄養価の高いデーツを煮込んで作ったデーツソースは村で大人気となり、人々の活力を支えている。

魔穴の発見と巨大な防衛魔法の構築

王都から移住してきた研究者エグモルトにより、荒野のトカゲ川水源が単なる泉ではなく、上質な魔力が溢れ出る魔穴であり、地下には強力な魔脈が流れていることが発見される。

・エグモルトは、水源池を作り出したのは神々だと言われた方が納得出来る、と評し、この魔脈の力を利用して、荒野から草原までをすっぽりと包み込む巨大な半透明の防衛魔法の壁を構築した。
・この防衛魔法はマヤ婆さんの調整によって安定化し、後に王都からやってきた新道派の神官による精神攻撃魔法を防いだ。
・それだけでなく、その魔力を魔脈へと飲み込んで無力化するという絶大な防衛効果を発揮した。

黒ニワトリと食料基盤の完全安定

炎の猫神から授かった約200羽の黒ニワトリは、病気での全滅を防ぐためにイルク村や東西の関所、神殿へ分散して飼育されることとなった。

・美味しい卵や肉をもたらすこの神のニワトリに加え、増殖した白い草、ゴブリン族が海から運ぶ大量の魚、そして畑の豊作が合わさることで、メーアバダル領の食料基盤は完全に安定した。
・こうした神々の加護による圧倒的な豊かさを背景に、余裕がある者は弱っている者に手を差し伸べるべき、という領民たちの賛同が寄せられた。
・その結果、戦災孤児や獣人国で迫害された子どもたちを受け入れるための孤児院の設立計画が本格的に動き出している。

まとめ

第15巻における神々の加護は、単に便利な道具を与えられるだけでなく、ディアスの純粋な人柄に応える形で授けられている。そして、それらの加護が鷹人族の飛行能力、森人族の魔法、洞人族の建築技術といった多種族の知恵と労働力によって最大限に活用されることで、不毛な辺境は神々に見守られた豊かで強固な共生都市へと劇的な発展を遂げている。

領民0人14巻レビュー
領民0人まとめ
領民0人16巻レビュー

登場キャラクター

メーアバダル領(イルク村など)

ディアス

辺境の草原を治める領主である。妻のアルナーや領民たちとともにイルク村の発展に力を注いでいる。無欲で温かな性格であり、多様な種族を保護している。
・所属組織、地位や役職
 メーアバダル領・領主。公爵。
・物語内での具体的な行動や成果
 ドラゴンの大群が襲来した際、領内を遊撃して各地の防衛を支えた。鬼人族の村が危機に陥った時には黄金の鎧を着て駆けつけ、ドラゴンを次々と討ち取った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 神の使者から伝説の果実デーツや黒ニワトリを与えられるなど、神々から加護を受けている。

アルナー

鬼人族の少女であり、ディアスの妻である。村のまとめ役として家事や料理を取り仕切っている。
・所属組織、地位や役職
 メーアバダル領・領主夫人。
・物語内での具体的な行動や成果
 マヤ婆さんから出産の知識を学び、後世に残すための記録を始めた。ディアスのためにドラゴン素材を使った特製の大弓を作った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 デーツの栄養価に着目し、デーツソースを開発して領民の食生活を豊かにした。領地の帳簿管理にも興味を示している。

クラウス

犬人族のカニスを妻に持つ青年である。東側関所を任されている。
・所属組織、地位や役職
 東側関所の主。筆頭騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
 新道派の老神官による精神魔法を受けた際、自ら魔法の世界に入り込んで老神官を殴り倒し、魔法を解除させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 新年の宴の席でディアスからメーアバダル領の筆頭騎士に任命された。

カニス

クラウスの妻である。
・所属組織、地位や役職
 犬人族。東側関所の料理の仕切り役。
・物語内での具体的な行動や成果
 東側関所で隣領風の香辛料を活かした料理を提供している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 夫のクラウスとともに食事をする様子が描かれている。

セナイ

森人族の双子の姉である。ディアスやアルナーに保護されて育った。
・所属組織、地位や役職
 メーアバダル領の領民。
・物語内での具体的な行動や成果
 新年の宴をアイハンとともに主催し、立派な挨拶を行った。東側関所ではバリスタを指揮してドラゴンを迎撃した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ダレル夫人から貴族としての教育を受け、自立した存在として成長している。

アイハン

森人族の双子の妹である。セナイとともに行動している。
・所属組織、地位や役職
 メーアバダル領の領民。
・物語内での具体的な行動や成果
 獣人国の森人族からの襲撃を受けた際、弓と魔法で応戦した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 セナイとともに果樹畑や薬草小屋での栽培にも関わっている。

エイマ

大耳跳び鼠人族の女性である。イルク村で記録や教育を担当している。
・所属組織、地位や役職
 イルク村の教育係、記録係。
・物語内での具体的な行動や成果
 鷹人族の剣山の巣へ赴き、壁画と口伝の記録と編纂を行った。ディアスがデーツをそのまま食べようとした際には激しく怒って止めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 様々な知識を持ち、エグモルトの作物改良案などを記録している。

エリー

ディアスのかつての育て子である。イルク村の交渉役を務めている。
・所属組織、地位や役職
 商人ギルド所属。イルク村の交渉役。
・物語内での具体的な行動や成果
 氷を積んだ鉄馬車を用いて隣領へ行商へ行き、新鮮な食材を売買して大成功を収めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 獣人国との外交役に任命される方針となり、男物の正装を作られることになった。

ゾルグ

アルナーの兄である鬼人族の青年である。族長候補として活動している。
・所属組織、地位や役職
 鬼人族の族長候補。
・物語内での具体的な行動や成果
 ドラゴンの襲撃時には遊撃隊として戦った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 村の防衛での活躍により、族長への就任が確実なものとなった。

モール

鬼人族の村の族長である。老齢の男性である。
・所属組織、地位や役職
 鬼人族の族長。
・物語内での具体的な行動や成果
 ドラゴンの襲撃により隠蔽魔法が破られた際、自ら弓を引いてドラゴンを討ち取った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 村を捨てて逃げる決断を迫られ心が折れかけたが、ディアスの救援により村を守り抜いた。

ルフラ

アルナーとゾルグの末弟である。鬼人族の次代の家長を目指している。
・所属組織、地位や役職
 鬼人族の若者。
・物語内での具体的な行動や成果
 イルク村へ通い、ディアスから鍛錬を受けたり様々な知識を学んだりした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 心身ともに成長し、礼儀作法や商売の知識も身につけた。

サーヒィ

狩りが得意な鷹人族の青年である。イルク村の近くに住んでいる。
・所属組織、地位や役職
 鷹人族の長候補。
・物語内での具体的な行動や成果
 雛達に鷹人族の誇りである翼を大切にするよう教えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 剣山の巣の長ホーラオから次代の長に指名された。

ナルバント

鍛冶を得意とする洞人族の老人である。
・所属組織、地位や役職
 洞人族の長。
・物語内での具体的な行動や成果
 工房で武具や建材などの製作を指揮している。クラウスやアルハルの鎧の製作に取り掛かった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 若い洞人族から結婚の許可を求められ、ディアスに相談すると答えた。

バーナイト

鉱山を任された洞人族の若者である。
・所属組織、地位や役職
 鉱山の防衛指揮官。
・物語内での具体的な行動や成果
 ドラゴン襲来時に鉱山の防衛を指揮し、時間をかけてドラゴンを殲滅した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

オーミュン

洞人族の女性である。
・所属組織、地位や役職
 洞人族の職人。
・物語内での具体的な行動や成果
 アルハルのためにニャーヂェン族らしい鎧を考案すると提案した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

サナト

洞人族の男性である。
・所属組織、地位や役職
 洞人族の建築職人。
・物語内での具体的な行動や成果
 迎賓館側の領主屋敷や第二神殿の縄張り作りを進めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 第二神殿に小メーアの像を作ることになった。

ヒューバート

元宮仕えの内政官である。ディアスに仕えている。
・所属組織、地位や役職
 メーアバダル領の内政官。
・物語内での具体的な行動や成果
 亡命してきたピゲルから仕事の未熟さを指摘され、彼とともに領法の整備やニャーヂェン族の受け入れ対応を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ピゲルの圧倒的な内政手腕に振り回されながらも学んでいる。

ゴルディア

商人ギルドの長であり、ディアスの古くからの友人である。
・所属組織、地位や役職
 商人ギルドの長。
・物語内での具体的な行動や成果
 イルク村の防衛指揮をアルナーとともに担当した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ルフラに商売の知識や交渉方法を教えた。

イーライ

商人組の一人である。
・所属組織、地位や役職
 ギルド所属。
・物語内での具体的な行動や成果
 隣領からの金銀流出を懸念するジュウハの話を聞き、新たな商売の計画に賛同した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

アイサ

村の住人である。
・所属組織、地位や役職
 イルク村の住人。ギルド関係者。
・物語内での具体的な行動や成果
 アルナー達とともに出産の記録作りを手伝った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

モント

西側関所の主である。元帝国軍の敵将であった。
・所属組織、地位や役職
 西側関所の主。教官。
・物語内での具体的な行動や成果
 ドラゴン襲来時には関所を目立たせて囮となり、バリスタの集中砲火で被害を出さずに撃退した。獣人国の子供達に授業を行い、懐柔策を展開している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ピゲルの助言を受け入れ、獣人国の女性と対話するようになった。

ジョー

領兵の一人である。
・所属組織、地位や役職
 関所で働く領兵。
・物語内での具体的な行動や成果
 鬼人族の女性と結婚し、ハルジャ種を与えられている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 追々騎士に任命される予定である。

ロルカ

領兵の一人である。
・所属組織、地位や役職
 関所で働く領兵。
・物語内での具体的な行動や成果
 記載なし。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 追々騎士に任命される予定である。

リヤン

領兵の一人である。
・所属組織、地位や役職
 関所で働く領兵。
・物語内での具体的な行動や成果
 記載なし。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 追々騎士に任命される予定である。

セキ

獣人国から移住した「血無し」の三兄弟の長男である。
・所属組織、地位や役職
 行商団の一員。
・物語内での具体的な行動や成果
 行商を通じて獣人国の情報を収集し、ディアスに報告した。神から贈られた宝箱の中身を数えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 新たにやってきた血無し達のまとめ役となる予定である。

サク

セキの弟である。
・所属組織、地位や役職
 行商団の一員。
・物語内での具体的な行動や成果
 宝箱の金貨の数を数える作業を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

アオイ

セキの弟である。
・所属組織、地位や役職
 行商団の一員。
・物語内での具体的な行動や成果
 宝箱の金貨の数を数える作業を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

ダレル夫人(オリアナ)

王都から来た女性である。ディアス達の教育係を務めている。
・所属組織、地位や役職
 イルク村の教育係。
・物語内での具体的な行動や成果
 セナイとアイハンに新年の宴を取り仕切らせ、貴族としての自覚を促した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 夫であるエグモルトがメーアバダル領に移住してきた。

エグモルト・ダレル

ダレル夫人の夫である。王都の貴族であり研究者である。
・所属組織、地位や役職
 王都の貴族。研究者。
・物語内での具体的な行動や成果
 荒野の水源が魔穴であることを発見し、魔脈を利用した防衛魔法を展開した。ガラス小屋を用いた作物の多期作を提案した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 家督を息子に譲り、メーアバダル領へ移住した。

イービリス

ゴブリン族のリーダーである。
・所属組織、地位や役職
 ゴブリン族のリーダー。
・物語内での具体的な行動や成果
 海で集めた真珠をディアスに献上した。仲間のゴブリン族を領民として受け入れてもらうようディアスに頼んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 大入江の拠点を中心に木材や海産物の輸送を行っている。

パトリック

新道派に反発してイルク村へ来た神官兵の一人である。
・所属組織、地位や役職
 大メーア神殿の神官。
・物語内での具体的な行動や成果
 西側関所で獣人国の子供達に読み書きや神話を教える授業を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 第二神殿ができた際には神殿長になる可能性があると噂されている。

ポール

神官兵の一人である。
・所属組織、地位や役職
 大メーア神殿の神官。
・物語内での具体的な行動や成果
 巡礼者を迎えるための準備を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

プリモ

神官兵の一人である。
・所属組織、地位や役職
 大メーア神殿の神官。
・物語内での具体的な行動や成果
 巡礼者を迎えるための準備を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

ピエール

神官兵の一人である。
・所属組織、地位や役職
 大メーア神殿の神官。
・物語内での具体的な行動や成果
 ネハが100人規模で巡礼に来ると聞いた際、宿営地の用意など受け入れの覚悟を決めた。養蜂の準備のため森へ通っている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

ベン(ベンディア)

ディアスの伯父である。旧道派の神官である。
・所属組織、地位や役職
 大メーア神殿の神官。
・物語内での具体的な行動や成果
 ネハの礼拝を受け入れ、神殿で祈りの場を提供した。小メーアの出現に関する公式記録の作成に頭を悩ませた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 かつて聖地に至ったと目されており、王都の新道派から警戒されている。

フェンディア

神官の一人である。
・所属組織、地位や役職
 大メーア神殿の神官。
・物語内での具体的な行動や成果
 巡礼者を歓迎するための衣服や靴の準備を進めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

アルハル

帝国から来たニャーヂェン族の少女である。
・所属組織、地位や役職
 メーアバダル領の騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
 セナイ達を護衛し、新年の宴の裏方として奔走した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 セナイとアイハンの提案により、ディアスから騎士に任命された。

ソマギリ・ビシニア

ニャーヂェン族の若き族長である。
・所属組織、地位や役職
 ニャーヂェン族の族長。
・物語内での具体的な行動や成果
 ディアスに忠誠を誓い、帝国の機密情報を提供しようとした。荒野の夜警を担当している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ピゲルに丸め込まれて分散居住の条件を受け入れた。

マヤ婆さん

ディアスに保護された老婆の一人である。魔法や占いに長けている。
・所属組織、地位や役職
 イルク村の住人。婆さん魔法部隊の指揮役。
・物語内での具体的な行動や成果
 占いによってドラゴンの襲撃を予知した。老婆たちを率いて迎撃魔法を使い、イルク村の防衛を成功させた。エグモルトの防衛魔法の調整を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 夫婦メーアの難産を独自の知識で助け、アルナーにその知識を継承し始めた。

チルチ婆さん

老婆の一人である。
・所属組織、地位や役職
 イルク村の住人。
・物語内での具体的な行動や成果
 ガチョウが美味しく育った理由を、丁寧な世話のおかげだと周囲に説いた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

スーク婆さん

老婆の一人である。
・所属組織、地位や役職
 イルク村の住人。
・物語内での具体的な行動や成果
 毎朝犬人族達とともに白ギーのミルク搾りを行っている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

ポイヨ婆さん

老婆の一人である。肉料理や解体を得意としている。
・所属組織、地位や役職
 イルク村の住人。
・物語内での具体的な行動や成果
 神様から贈られた黒ニワトリの解体方法をアルナーたちに教えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

シェフ

犬人族の氏族長である。
・所属組織、地位や役職
 シェップ氏族の氏族長。
・物語内での具体的な行動や成果
 記載なし。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

セドリオ

犬人族の氏族長である。
・所属組織、地位や役職
 センジー氏族の氏族長。
・物語内での具体的な行動や成果
 自分たちが活躍できる荒野の開発が進んでいることを喜んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

カーリッツ

犬人族の一人である。
・所属組織、地位や役職
 犬人族。
・物語内での具体的な行動や成果
 メーアモドキが現れた際、頼まれてチャイを抱きかかえて運んできた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

ピゲル(王 / ピゲル爺)

サンセリフェ王国の老王である。王都を脱出し、身分を隠してメーアバダル領へ亡命した。
・所属組織、地位や役職
 元サンセリフェ王国国王。メーアバダル領の隠居老人。
・物語内での具体的な行動や成果
 メーアバダル領の領法を洗練された文章で書き上げ、ニャーヂェン族の移住者を分散させるよう巧みに交渉した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 国家のトップとしての手腕を発揮しつつも、表舞台からは身を引き家畜の世話をして過ごしている。

マーハティ領

エルダン

マーハティ領の領主であり、象人族の青年である。ディアスの友人である。
・所属組織、地位や役職
 マーハティ領の領主。
・物語内での具体的な行動や成果
 健康な子どもが生まれたことを大メーアの加護と感謝し、母ネハの巡礼を後押しした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ジュウハとともに王を目指す計画を進めている。

パティ

エルダンの妻である。
・所属組織、地位や役職
 マーハティ領の領主夫人。
・物語内での具体的な行動や成果
 エルダンとの間に健康な子どもを出産した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

ネハ

エルダンの母である。
・所属組織、地位や役職
 マーハティ領の元領主夫人。
・物語内での具体的な行動や成果
 孫の誕生を感謝するため、大勢の従者を連れて大メーア神殿へ巡礼を行った。新年の宴で料理を振る舞い、茶会を開いて隣領との交易の基盤を作った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 自身の古い金の指輪をディアスに贈った。

ジュウハ

ディアスの元戦友であり、現在はエルダンの腹心である。
・所属組織、地位や役職
 マーハティ領の重臣。
・物語内での具体的な行動や成果
 凡人でも回せる内政の仕組みを作り上げ、エルダンを王にする計画を進めている。過去の反乱の裏に神の力を得た元貴族がいると推理した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

カマロッツ

エルダンの部下である。
・所属組織、地位や役職
 マーハティ領の家臣。
・物語内での具体的な行動や成果
 ジュウハの執務室を訪れ、後任の育成や今後の方針について語り合った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

スーリオ

獅子人族の青年である。
・所属組織、地位や役職
 マーハティ領の家臣。
・物語内での具体的な行動や成果
 エルダンの名代として大量の謝礼の品をメーアバダル領へ運んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 巡礼者達の護衛と監督役を任されている。

ゲラント

鳩人族の男性である。
・所属組織、地位や役職
 マーハティ領の伝令役。
・物語内での具体的な行動や成果
 ネハの巡礼の先触れとしてイルク村を訪れ、ディアスに事情を説明した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

サンセリフェ王国

リチャード

サンセリフェ王国の第一王子である。急進的な改革を進めている。
・所属組織、地位や役職
 サンセリフェ王国・王太子。
・物語内での具体的な行動や成果
 王の失踪とドラゴン襲来の混乱の中で立太子を強行し、王太子となった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 神殿の勢力拡大を警戒し、ディアーネの登用や帝国人材の活用を計画している。

ディアーネ

サンセリフェ王国の第三王女である。神殿に幽閉されていた。
・所属組織、地位や役職
 サンセリフェ王国・第三王女。
・物語内での具体的な行動や成果
 傭兵崩れの盗賊に神殿が襲撃された際、自ら指揮を執って防衛し、反撃して盗賊の拠点を殲滅した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 その将才がリチャードに評価され、陣営に引き入れられる可能性が浮上した。

ナリウス

ギルド所属の人間であり、リチャードの側に仕えている。
・所属組織、地位や役職
 リチャードの部下。
・物語内での具体的な行動や成果
 ディアーネの活躍やエルアー伯爵の動きをリチャードに報告し、味方を増やす策を提案した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 リチャードから相応の立場と報酬を約束された。

エルアー伯爵

王都の貴族である。
・所属組織、地位や役職
 サンセリフェ王国の貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
 メーアバダル領へ向かうダレルにバナーを贈り、旅の便宜を図った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 王都でメーアバダル領のために情報収集や根回しを行っており、ディアスの名代となる予定である。

老神官

新道派の神官である。
・所属組織、地位や役職
 中央神殿の神官。
・物語内での具体的な行動や成果
 東側関所で金の無心を断られ、精神魔法で攻撃したが、クラウスに反撃されて敗北した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 魔法の世界でディアスに追い詰められ、神々の怒りを買って連座で消滅した。

高位神官

新道派の神官である。
・所属組織、地位や役職
 とある神殿の高位神官。
・物語内での具体的な行動や成果
 派遣した老神官達の失踪を受け、ベンディアが聖地へ至ったと確信し、メーアバダルの勢力拡大に危機感を抱いた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

獣人国

獣王

獣人国の国王であり、獅子人族である。
・所属組織、地位や役職
 獣人国・国王。
・物語内での具体的な行動や成果
 ディアスの内政手腕を高く評価し、彼が獣人であれば自国に迎え入れたかったと語った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

キコ

獣人国の重鎮であり、狐人族である。セキ達の母親である。
・所属組織、地位や役職
 獣人国の参議。
・物語内での具体的な行動や成果
 ディアスが王国を離れることはないと獣王へ報告した。血無し達の移住を支援し、謝礼の品をディアスへ贈った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 メーアバダル領の鉱山開発に投資し成功したことで、国内での発言力を高めた。

ヤテン

獣人国の参議である。
・所属組織、地位や役職
 獣王参議。
・物語内での具体的な行動や成果
 息子達が捕らえた森人族を引き取った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ディアスを侮っていた批判と鉱山投資の成功が入り混じり、微妙な立場にいる。

ペイジン

ペイジン商会の商人である。
・所属組織、地位や役職
 ペイジン商会。
・物語内での具体的な行動や成果
 ニャーヂェン族による情報収集活動に協力することに同意した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

鷹人族(剣山の巣)

ホーラオ

鷹人族の剣山の巣の長である。
・所属組織、地位や役職
 剣山の巣の長。
・物語内での具体的な行動や成果
 サーヒィの功績を認め、彼を次代の長に指名した。エイマ達の壁画調査を歓迎した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

ビーアンネ

鷹人族の女性である。
・所属組織、地位や役職
 鷹人族。
・物語内での具体的な行動や成果
 サーヒィがエイマ達を運ぶ際、念のため護衛として同行した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

ヘイレセ

鷹人族の女性である。
・所属組織、地位や役職
 鷹人族。
・物語内での具体的な行動や成果
 フラフラと歩き回る雛達の列を整え、雛が初めて「でぃあ」と言葉を発したことを喜んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

チャイ

サーヒィの子である鷹人族の雛である。
・所属組織、地位や役職
 鷹人族の雛。
・物語内での具体的な行動や成果
 剣山の巣へ向かい、壁画を見学した。メーアモドキに対し、世界の成り立ちに関する知識を求めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 卵の中にいる時から会話を聞いており、大人と神学の議論ができるほど賢い。

神・神獣・メーアなど

大メーア

メーアバダル領の信仰の対象である。
・所属組織、地位や役職
 神。
・物語内での具体的な行動や成果
 エルダンの子どもが健康に生まれたことや、イルク村の発展をもたらしたとして感謝されている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

小メーア(メーアモドキ)

大メーアの使いである。
・所属組織、地位や役職
 神の使者。
・物語内での具体的な行動や成果
 第二神殿の建設予定地に顔だけを出して現れた。ドラゴン討伐の褒美としてデーツや小川の恵みを与えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ディアス達から「小メーア」と呼ばれるようになった。

炎の猫神

獣人国の神と思われる存在である。
・所属組織、地位や役職
 神。
・物語内での具体的な行動や成果
 西側関所に現れ、ドラゴン討伐の褒美として宝箱を提示したが、ディアスがニワトリを選んだため黒ニワトリを与えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 困った時に一度だけ助けるという約定をディアスと交わした。

フランシス

イルク村のメーアの長である。
・所属組織、地位や役職
 メーアの長。
・物語内での具体的な行動や成果
 妻子を捨てようとした野生の父メーアの尻尾を噛んで引きずり、説教をした。スーリオのための割符作りに協力した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

フランソワ

フランシスの妻である。
・所属組織、地位や役職
 メーア。
・物語内での具体的な行動や成果
 冒険心旺盛で毛繕いをしないフランを怒る姿が見られる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

フラン

フランシスとフランソワの六つ子の一人である。
・所属組織、地位や役職
 子メーア。
・物語内での具体的な行動や成果
 冒険心にあふれ、チャイを背に乗せて剣山の巣へ壁画調査に向かった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 獣人に稀に現れる英傑の血が覚醒しているとネハに評された。

フランツ

六つ子の一人である。
・所属組織、地位や役職
 子メーア。
・物語内での具体的な行動や成果
 執事に憧れ、ディアスの手紙書きの道具を運んで手伝った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

マルト

野生の母メーアである。
・所属組織、地位や役職
 メーア。
・物語内での具体的な行動や成果
 難産の末に双子を出産し、その後ディアスに頼んで子ども達とともに領民となった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

パルト

野生の父メーアである。
・所属組織、地位や役職
 メーア。
・物語内での具体的な行動や成果
 家族を捨てようとしたがフランシスに敗れ、ディアスの説得を受けて領民となった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 逃げ隠れの才能を活かし、イルク村の避難所作りに貢献している。

ミルト

パルトとマルトの双子の一人である。
・所属組織、地位や役職
 子メーア。
・物語内での具体的な行動や成果
 マヤ婆さんの荒っぽい処置と安産絨毯のおかげで無事に誕生した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

メルト

パルトとマルトの双子の一人である。
・所属組織、地位や役職
 子メーア。
・物語内での具体的な行動や成果
 マヤ婆さんの荒っぽい処置と安産絨毯のおかげで無事に誕生した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

エゼルバルド

メーアの一人である。
・所属組織、地位や役職
 メーア。
・物語内での具体的な行動や成果
 傷ついた心を癒やすため、ピゲルに自分の子メーアの世話を手伝わせた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

ベイヤース

ディアスの愛馬である。
・所属組織、地位や役職
 軍馬。
・物語内での具体的な行動や成果
 ドラゴン襲来時にディアスを乗せて領内を駆け回った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

アイーシア

エイマの愛馬である。
・所属組織、地位や役職
 馬。
・物語内での具体的な行動や成果
 絶対に人を乗せない性格だが、ピゲルが跨った際には抵抗せず素直に歩き出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

カーベラン

アルナーの愛馬である。
・所属組織、地位や役職
 馬。
・物語内での具体的な行動や成果
 記載なし。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

集団

婆さん魔法部隊

イルク村の老婆たちで結成された部隊である。
・所属組織、地位や役職
 イルク村の防衛部隊。
・物語内での具体的な行動や成果
 マヤ婆さんの指揮のもと、新魔法でイルク村に襲来したドラゴンを一網打尽にした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 被害を出さずにドラゴンを撃退する成果を挙げた。

犬人族(マスティ氏族、シェップ氏族、センジー氏族、アイセター氏族)

イルク村や関所、荒野で働く獣人の一族である。
・所属組織、地位や役職
 メーアバダル領の領民。
・物語内での具体的な行動や成果
 荒野での石拾いや家畜の世話、関所での防衛などに従事している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ドラゴン素材を使った専用の家が建設されている。

洞人族

イルク村の工房や鉱山で働く種族である。
・所属組織、地位や役職
 メーアバダル領の領民。
・物語内での具体的な行動や成果
 鉱山でドラゴンの襲撃を耐え抜き殲滅した。鉄馬車やガラス小屋など様々な設備を作り上げている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

ゴブリン族

海で暮らす種族である。
・所属組織、地位や役職
 メーアバダル領の領民。
・物語内での具体的な行動や成果
 南方から大量の木材や海産物をイルク村に運び込んでいる。亡命してきたピゲルを海路でメーアバダル領へ送り届けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 大入江に拠点を構え、交易の要となっている。

ニャーヂェン族

帝国から移住してきた獣人の部族である。
・所属組織、地位や役職
 メーアバダル領の領民。
・物語内での具体的な行動や成果
 夜警や行商の護衛、王都への情報収集などの任務に就いている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ピゲルの交渉により、各関所や荒野に分散して配置された。

森人族の襲撃者

獣人国の森人族である。
・所属組織、地位や役職
 獣人国の住人。
・物語内での具体的な行動や成果
 セナイとアイハンを狙ってイルク村を襲撃したが、撃退された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ヤテンの息子たちに引き渡された。

ヤテンの息子たち

獣人国のヤテンの息子たちである。
・所属組織、地位や役職
 獣人国。
・物語内での具体的な行動や成果
 捕らえた森人族の襲撃者を引き取った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

血無し達

獣人国で迫害されている獣人の特徴を持たない者たちである。
・所属組織、地位や役職
 メーアバダル領の領民。
・物語内での具体的な行動や成果
 キコの手配で移住してきて、行商の手伝いや孤児院の運営補助に関わることになった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

ギルド

商人達の集まりである。
・所属組織、地位や役職
 平民のギルド。
・物語内での具体的な行動や成果
 リチャードの改革を手足となって支えてきたが、神殿の台頭により関係が悪化しつつある。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

傭兵達

戦で雇われる兵士たちである。
・所属組織、地位や役職
 傭兵。
・物語内での具体的な行動や成果
 エグモルトがメーアバダル領へ移住する際、護衛として雇われた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 メーアバダル領のバナーを見て態度を改めた。

盗賊達

傭兵崩れの集団である。
・所属組織、地位や役職
 盗賊。
・物語内での具体的な行動や成果
 ディアーネが幽閉されていた神殿を襲撃したが、返り討ちに遭い拠点を殲滅された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

新道派の神官達

中央神殿の勢力である。
・所属組織、地位や役職
 サンセリフェ王国・神殿。
・物語内での具体的な行動や成果
 王都で立太子を支持して影響力を強めたが、東側関所を襲撃した一団は返り討ちに遭い消滅した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 儀式の失敗が相次ぎ、民衆が離れ始めている。

鳩人族諜報隊

マーハティ領の諜報部隊である。
・所属組織、地位や役職
 マーハティ領の部隊。
・物語内での具体的な行動や成果
 ジュウハの指示により、失踪した情報屋や元貴族の行方を探り始めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

婦人会

イルク村の女性たちの集まりである。
・所属組織、地位や役職
 イルク村の組織。
・物語内での具体的な行動や成果
 竈場で料理を作り、ネハが来た際にも料理作りに協力した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記載なし。

領民0人14巻レビュー
領民0人まとめ
領民0人16巻レビュー

展開まとめ

エイマのレポート

アルハルの帰国と領民加入

アルハルはエイマ達と共に獣人国から帰国し、イルク村の新たな領民となった。さらに犬人族や鷹人族の出産が相次ぎ、村は多くの子ども達で賑やかになっていった。

チャイの賢さとディアスの武勇伝

サーヒィの子であるチャイは、生まれて間もなく驚くほどの賢さを見せた。その理由が卵の中で人々の会話を聞いていたためだと分かると、領民達は他の卵や子ども達のために、ディアスへ過去の武勇伝を語るよう頼んだ。

双子を狙う森人族

獣人国の森人族は、セナイとアイハンを狙ってイルク村へ侵入した。二人は鍛えてきた弓と魔法で応戦し、森人族達を圧倒したが、距離を詰められて攻撃を受けそうになったところを、駆けつけたディアスによって救われた。

セナイとアイハンの成長

セナイとアイハンは、いつかディアスがいなくなっても家族や領民を守れるよう、秘密裏に訓練を重ねていた。初めて出会った頃から大きく成長した二人の姿は、エイマに深い感慨を抱かせるものだった。

森人族騒動の決着

捕らえられた森人族達は、獣人国から来たヤテンの息子達へ引き渡された。こうして騒動は大きな被害を出すことなく収束し、メーアバダル領では次世代の子ども達が確かに育っていることが示されたのであった。

マーハティ領 西部の街メラーンガルの領主屋敷の一室で――ジュウハ

ジュウハの継承準備

ジュウハは新たに設けられた執務室で、部下達が作成した書類の確認役を務めていた。仕事を終えた後、訪ねてきたカマロッツから今後の方針を問われると、自分だけが扱える仕組みでは長続きしないため、凡人でも運用できる行政体制を築いているのだと語った。

ディアスとの出会い

ジュウハはかつて、自分以外の誰もが愚かに見えていたと過去を振り返った。しかしディアスと出会い、その善良さと人を見る力に触れたことで考え方が変わり、人に任せられる仕組みを作ることこそ未来へ繋がる道だと考えるようになった。

未来を見据える酒席

ジュウハはエルダンを王へ導く考えに変わりはないと語りつつも、その先の世代まで続く国家を目指して制度を整えていると明かした。その後はカマロッツと酒を酌み交わしながら、王国の未来やエルダンの治世について夜更けまで語り合った。

エルダンの子の誕生

一方、領主屋敷では誕生したばかりのエルダンの子を囲み、エルダンとパティ、母ネハが穏やかな時間を過ごしていた。赤子が健康に生まれたことを喜んだネハは涙を流し、エルダンは病を抱えて生まれた自分とは違い、元気な子を授かった幸せを語って母を慰めた。

大メーアへの感謝

エルダン達は、我が子が健康に生まれたのは大メーアの加護とサンジーバニーの薬効によるものだと深く感謝した。ネハはその恩に報いるため、全力で感謝の礼拝と巡礼を行うことを固く決意し、その思いが後に大きな騒動へと繋がっていくのであった。

広場の様子を眺めながら ディアス

ネハの来訪とメーア一家

巡礼の準備

春の訪れが近づく中、イルク村では神殿を預かるフェンディア達が巡礼者を迎える準備を進めていた。ディアスは神殿が巡礼者へ衣服や食事、宿を提供する重要な役割を担うことをアルナーへ説明し、さらに養蜂や蜜蠟作りも神殿の活動に欠かせないものであると知る。

ネハ来訪の知らせ

そこへゲラントが訪れ、エルダンの子が無事に生まれたことへの感謝として、ネハが大勢の供を伴い大メーア神殿へ巡礼に訪れると伝えた。神官達は百人を超える来訪者にも対応すると決意し、村でも受け入れの準備が進められた。

夫婦メーアの出産

知らせを受けた直後、夫婦メーアの出産が始まったことが判明した。ディアスやアルナー、マヤ婆さん達の協力により難産を乗り越え、双子の女の子が無事に誕生した。今回の経験を通じて、アルナーはマヤ婆さんの知識を後世へ残す必要性を強く感じ、出産に関する技術を書き残す取り組みを始めた。

メーア一家の定住

出産後、母メーアは子供達と共に領民となることを望んだ。ディアスは家族が離れ離れにならないよう父メーアとの話し合いを提案し、フランシスの協力もあって父メーアも領民となる決断を下した。父パルト、母マルト、娘のミルトとメルトと名付けられた一家は村へ迎え入れられ、パルトは避難所づくりで優れた才能を発揮して村に貢献していった。

ネハの礼拝

翌日、ネハは大勢の従者を率いてイルク村へ到着し、何よりも先に大メーア神殿で礼拝を行った。孫が健康に生まれたことへの深い感謝を神々へ捧げた後、神殿の発展のために多くの支援を約束し、さらに自身の大切な指輪をディアスへ託した。ディアスはその価値が分からず戸惑いながらも、一度預かることにした。

竈場の交流

歓迎の宴ではネハも料理作りに加わり、種族ごとに好みや食文化へ配慮した味付けを行った。その姿勢にアルハルやアルナー、婦人会の面々は感銘を受け、相手を理解し歩み寄ることの大切さを料理を通じて学んだ。

神殿への期待

宴の後、ネハは王都で新道派の影響力が強まり、政治利用まで行われている現状をアルナーへ語った。その一方で、大メーア神殿こそが新たな信仰の拠点となる可能性を期待していると打ち明ける。アルナーはその話をベン達へ伝え、神殿に仕える者達はより一層使命感を強めることになった。

昼寝用のユルトに向かって ディアス

子供達の成長とネハの茶会

子供達の大移動

冬に生まれた子メーア達や犬人族の子供達は元気いっぱいに成長し、大人達は柵を使った追いかけっこで目的地へ誘導していた。転んだ子供をネハが優しく慰める姿を見たディアスは、子供達の存在こそ村の未来そのものだと改めて実感した。

巡礼者のまとめ役

ネハは、修行を終えたスーリオと神官を目指すグリンを今後の巡礼者達のまとめ役として送り出したいと相談した。ディアスは快く受け入れ、関所を通るための割符を新たに作ることを決める。フランシスの鼻紋と蹄の模様を利用した偽造できない割符が完成し、両領の交流を支える仕組みが整えられた。

英傑の血

成長したフランとチャイの姿を見たネハは、彼らに獣人へ稀に現れる「英傑の血」が宿っていると語った。真なる覇者の側でこそ覚醒する力であり、将来大きな活躍をする存在になると期待を寄せる。しかしディアスは王になることなど望まず、子供達には自由に冒険しながら幸せに育ってほしいと願った。

雛達の初めての言葉

鷹人族の雛達は次々と言葉を覚え始めたが、その最初の言葉は父サーヒィではなく「でぃあ」、つまりディアスだった。落ち込むサーヒィをディアスは励まし、子供達への愛情は必ず伝わると背中を押した。サーヒィも改めて父親として努力を続ける決意を固めた。

茶会の提案

帰郷を前にしたネハは、ジュウハから託された依頼として茶と砂糖菓子を村人へ振る舞いたいと申し出る。将来、メーア布だけを輸出し続ければ隣領から金銀が流出するため、茶や砂糖を名産品として定着させ、継続的な交易を築くことが目的だった。ディアスは利益よりも良好な関係を重視しつつ、その考えを受け入れた。

春風の茶会

アルナーや村人達の協力で開かれた茶会は、子供達をはじめ多くの領民が茶や菓子を楽しみ、大成功に終わった。春風に包まれた賑やかな時間の中で、ネハは子供達から感謝の言葉を受けながら満面の笑みで隣領へ帰っていった。

サーヒィ達の小屋の前で・

鷹人族の誇り

春が近づく中、サーヒィは雛達へ、どれほど喧嘩をしても翼だけは傷つけてはならないと教えた。翼は鷹人族の誇りであり、失えば空を飛ぶことも狩りをすることもできなくなるためである。ディアスは安産絨毯があれば翼も治せることを思い出したが、鷹人族の誇りを尊重し、その場では話を遮らなかった。

サーヒィへの後継指名

そこへ剣山の巣の長ホーラオが訪れ、サーヒィを次代の長に指名すると告げた。サーヒィの働きによって鷹人族の暮らしが豊かになり、多くの雛が生まれた功績を評価したためであり、人間と協力するという古い約定を果たす人物としても適任だと認められた。突然の大役にサーヒィは驚きのあまり気絶してしまった。

剣山の巣の壁画

長候補となったサーヒィは口伝を覚える苦労を漏らし、エイマは記録としてまとめることを提案した。その結果、エイマはチャイやフランとともに剣山の巣を訪れ、古い壁画と口伝の調査を始める。最初の壁画には瘴気を集積する塔が描かれ、人間がモンスターを生み出し、それに対抗するため神々が鷹人族を生み出したという伝承を聞き、エイマは歴史観を揺るがされるほどの衝撃を受けた。

約定の整理

イルク村へ戻ったエイマは、口伝には神々との約定と人間との約定が混在しており、整理と編纂が必要だと頭を悩ませた。ディアスは神話に詳しいベンへ相談するよう勧め、エイマは新年祭まで調査を続けることを決めた。一方、剣山を訪れたフランは自身の冒険譚を宴で披露するため、熱心に語りの練習を重ねていた。

ゴブリン族の移住

新年祭を前に海からイービリスが仲間達と訪れ、イルク村への移住を希望するゴブリン族を受け入れてほしいと申し出た。冒険譚に憧れる者や陸での生活を望む者などが移住を希望しており、受け入れてくれるならリンゴ魚を定期的に安価で届けると約束する。ディアスはその申し出を歓迎し、多種族が共に暮らす村がさらに発展していくこととなった。

宴の場で

新年の宴と双子の門出

新年の宴は、セナイとアイハンが主役となって執り行われた。ダレル夫人は、二人に貴族としての責任と自覚を身につけさせるため、自ら宴を取り仕切らせることを提案する。幼いながらも十分な学びと経験を積んできた二人は、堂々とした挨拶で領民を迎え、成長した姿を見せた。ディアスは頼もしさと同時に、子ども達が大人へ近づいていることへ寂しさも覚えた。

来年への備え

宴の準備の中で、ダレル夫人は免税期間終了後に本格的な貴族社会との関わりが始まり、来年以降はさらに忙しくなると語った。エリーもまた、その前に資金を蓄えるため、ゴブリン族との交易を活用した新たな商売を計画していることを明かす。ディアスは無理をしないことを条件に、その挑戦を認めた。

祝福に包まれた新年

宴ではメーア達の歌声が響き渡り、野生のメーアまでもが祝いに加わった。料理の中心となったガチョウはセナイとアイハンが自ら切り分け、領民へ振る舞う。貴族の儀礼としての意味を持ちながらも、イルク村らしい温かな雰囲気の中で新年の宴は大いに盛り上がった。

クラウスとアルハルの叙任

宴の最中、ディアスはクラウスをメーアバダル領の筆頭騎士へ任命した。突然の叙任にクラウスは感激し、忠誠を誓う。さらにセナイとアイハンの提案を受け、アルハルも騎士へ任命された。本人は驚きながらも受け入れ、領民達は二人の新たな門出を盛大に祝福した。

王都の不穏な情勢

一方王都では、リチャードが国民から即位を強く望まれる一方で、神殿や貴族との複雑な力関係に苦慮していた。改革を進めるには味方が足りないと悩む中、ナリウスはディアーネの登用や元帝国人材の積極採用を提案する。リチャードはその意見を受け入れ、人材確保と改革を進める決意を新たにした。

広場で ディアス

春の発展と新たな歩み

新年の宴を終えたイルク村では、家畜への世話がさらに丁寧になり、その成果として家畜たちの働きぶりも向上した。荒野では新たな水源や草木が育ち始め、ゴブリン族との交流や物流の発展も期待されるようになる。セナイとアイハンは苗木の管理や貴族としての学びを両立し、自立した姿を見せ始めた。

騎士としての新たな装い

正式に騎士となったクラウスとアルハルは、それぞれに相応しい鎧を仕立ててもらうことになった。ダレル夫人から礼儀作法や騎士の心得も学び始め、二人は新たな立場にふさわしい成長を目指して歩み始める。

アルナーの贈り物

アルナーはディアスのためにドラゴン素材を用いた特製の大弓を贈った。一緒に狩りへ出たいという思いが込められた贈り物であり、アルナーは弓の扱い方を丁寧に教える。ディアスもその気持ちを喜び、新たな武器の習得に励むこととなった。

ルフラの決意

鬼人族の若者ルフラは、鬼人族の未来を背負う家長として、ドラゴンにも対抗できる新たな力を見つけたいと考え、ディアスのもとを訪れた。鍛錬だけでなく様々な知識を学ぼうとする真剣な姿勢に、村の大人たちは惜しみなく助言を与え、それぞれの知識や経験を伝えていく。

学びが生んだ好循環

ルフラはイルク村へ何度も通い、武術だけでなく礼儀作法や商売、知識など幅広く学ぶようになった。その向上心は子どもたちにも刺激を与え、村全体の学習意欲を高める好循環を生み出していく。アルナーも厳しく接しながら弟を支え続け、ルフラは着実に成長を遂げていった。

ディアーネの快進撃

一方、王都から遠く離れた地では、第三王女ディアーネが荒くれ者たちを率いて盗賊討伐を進めていた。ディアスのような大出世を夢見せる言葉で兵たちを奮い立たせ、その勢いのまま盗賊の砦を攻略する。王女らしからぬ豪快な振る舞いによって、多くの者をまとめ上げる姿が描かれた。

不吉な知らせ

ルフラが鬼人族の村へ戻り始め、イルク村の日常が落ち着きを取り戻した頃、深刻な表情を浮かべたマヤ婆さんがディアスのもとを訪れる。占いによって新たな異変を察知した様子を見せ、次なる出来事の訪れを予感させる形で物語は締めくくられた。

ユルトで鎧の手入れをしながら

ドラゴン襲来への備え

マヤ婆さんの占いを受け、イルク村や両関所、鉱山ではドラゴン襲来への準備が進められた。ディアスは各地の守りには不安がないと考えつつも、鬼人族の村だけは占いを信じない者も多く、十分に備えられていないことを心配していた。自身は領内を巡回して危機に駆け付ける役目を担い、イルク村ではアルナーやマヤ婆さん率いる魔法部隊が防衛を担当することになった。

ドラゴンたちの焦り

ドラゴンたちは南方攻略が思うように進まず、情報収集に向かった個体まで失ったことで焦りを募らせていた。神の指示に従って各地へ戦力を分散させたものの、一部のドラゴンは命令を無視して中央へ向かい、マヤたちが完成させた魔法によってあっさり撃ち落とされてしまった。

魔法部隊の初陣

マヤ婆さん率いる魔法部隊は、洞人族や村人たちと協力して生み出した新たな魔法でドラゴンを撃退した。占いによる予測と強力な魔法を組み合わせた迎撃は成功し、マヤは占いによって各地の無事も確認して皆を安心させた。

神の誤算

ドラゴンたちを見守る神は、各地で次々とドラゴンが討たれていく様子に驚愕した。ようやくアースドラゴン越しに黄金の鎧をまとったディアスの姿を目にすると、かつての邪王が蘇ったと誤認し、今回の作戦失敗を悟ってドラゴンたちとの繋がりを断った。

東側関所の防衛

東側関所では、セナイとアイハンの指揮するバリスタがドラゴンを迎撃し、クラウスたちは火災の消火に奔走した。さらにセナイたちの魔法によって木々が関所を守り、フレイムドラゴンの攻撃も防ぎ切ったことで、防衛は成功を収めた。

西側関所の迎撃

モントは関所を目立たせてドラゴンを引き寄せ、集中砲火で迎え撃つ作戦を取った。避難民の保護も怠らず、遠距離から攻撃するフレイムドラゴンにも冷静に対処し、人的被害を出すことなく撃退に成功した。

鉱山の奮戦

鉱山では洞人族が激しい攻撃を受けながらも怯まず応戦した。頑丈な設備と強靭な肉体を活かして戦い続け、酒で士気を高めながらドラゴンたちを時間をかけて殲滅した。

鬼人族の危機

鬼人族の村では占いを信じなかった者たちの妨害も重なり、隠蔽魔法が乱れて村の位置をドラゴンに知られてしまった。族長モールも村を捨てる決断を下せず追い詰められるが、その危機にディアスとゾルグが駆け付ける。ディアスは圧倒的な戦いぶりでドラゴンを次々と討ち取り、鬼人族の村を救った。

王の逃亡

その頃、王都では王の暗殺未遂事件が発生し、多くの忠臣が命を落とした。王は逃亡を決意して王都を離れ、西の果てにいる友人ディアスを頼るため港へ向かう。そこで出会ったゴブリンたちはディアスの友である王を快く迎え入れ、自ら船を曳いてメーアバダル公領へ送り届けることを約束し、王は新たな旅へと出発した。

船の上で 王

王の船旅

ゴブリンとの航海

王はゴブリンたちに船を曳いてもらいながら西へ向かった。風に左右されない航海や、新鮮な魚介類と野菜が尽きることなく供給される暮らしに驚き、特にメーアバダル産のニンジンの美味しさに感心した。

木材輸送の話

航海中、大量の木材を運ぶ巨大な筏を目にした王は、その木材がメーアバダルへ送られるものであると知った。島の森林を伐採しすぎる危険性を助言すると、ゴブリンたちはその知識に感謝し、今後の伐採に活かすことを約束した。

ドラゴン素材の建築計画

後から到着したゴブリンの若者は、メーアバダル草原がドラゴンの襲撃をほとんど被害なく退けたことを報告した。さらに、余ったドラゴン素材を活用するため、アースドラゴンの甲羅を屋根にした住居や、竈場へのドラゴン素材利用が始まると聞いた王は、その発想に大笑いし、船上は賑やかな空気に包まれた。

大入江との遭遇

船はやがて巨大な入江へ到着した。そこで王は、メーアバダルを目指すニャーヂェン族の大船団と遭遇する。彼らがディアスに忠義を示すため移住してきたことを察した王は、先を譲ってその船団を見送った。

ピゲルとしての新たな人生

王は「ピゲル」と名乗り、新たな人生を歩む決意を固めていた。ヤギ飼いをしながら他の仕事にも携わろうと考え、ディアスの下で始まる新たな生活と未知の景色に胸を躍らせながら、メーアバダルへの船旅を続けるのであった。

村の南端で、出来上がりつつある犬人族の家を眺めながら ディアス

ドラゴン素材の犬人族の家

犬人族の新しい家の建設が進み、アースドラゴンの甲羅を屋根にした建物が氏族ごとに造られていった。甲羅にはディアスが討伐時に開けた矢の跡やひびが意図的に残され、勇敢な戦いの証として大切に扱われていた。さらに壁画には戦いの記録が描かれ、犬人族らしい文化が形となっていった。

鬼人族の村の安定

ルフラは鬼人族の村の近況を報告し、ゾルグの族長就任が正式に決まり、反対派も大人しくなったと語った。ドラゴン素材の獲得によって村の発展にも期待が高まり、鷹人族にも悲願だったドラゴン討伐の記念として素材が分け与えられることになった。

ニャーヂェン族の移住

海からアルハルの一族を含むニャーヂェン族が大挙して到着し、イルク村への移住を希望した。ディアスは歓迎の意を示し、住居や食料の準備を指示する一方、対応はヒューバートとアルハルに任せた。

ピゲル爺の手腕

王であることを隠したピゲル爺は、到着直後から領法の整備やニャーヂェン族の受け入れ体制を見直し、統治の基盤を整えた。新たな領法を完成させるだけでなく、移住者を各地へ分散配置し、忠誠を示しながら領地に馴染ませる仕組みを作り上げ、その手腕にヒューバートも圧倒された。

アルナーとの交流

事情を知らないアルナーはピゲル爺を普通の老人として扱い、髭を剃り、薬湯を飲ませ、生活の世話を焼いた。ディアスとヒューバートは正体を明かせないまま、その光景を複雑な思いで見守ることになった。

ニャーヂェン族の忠誠

族長ソマギリは正式にディアスへ忠誠を誓い、帝国の機密情報や軍事情報の提供まで申し出た。しかしディアスは故郷を裏切る必要はないと断り、人と争うよりモンスターへの備えを優先すべきだと語った。その言葉にソマギリは深く感銘を受けた。

新たな役割

話し合いの結果、ニャーヂェン族は行商の護衛や情報収集、入江や港の管理など、それぞれの能力を活かせる役割を任されることになった。ソマギリも責任ある仕事を与えられ、期待に応えようと意欲を燃やした。

ピゲル爺の日常

役目を終えたピゲル爺は表立った政治から距離を置き、家畜の世話を担当するようになった。子メーアの世話を通じて心を癒やされ、時折チャイやエイマと神学を語り合う穏やかな日々を送り、ヒューバートもようやく安心できるようになった。

さらに賑わうイルク村

ディアスは発展した村を眺めながら満足感を覚えるが、白ギーの出産とメーアモドキの使者来訪という新たな報告を同時に受け、まずは出産の手助けへ向かうことを決めた。

王都の新たな動き

王都では王の失踪後もリチャードが改革を進めていた。そんなある夜、かつてディアスに敗れた若英部隊の男が神具と思われる宝剣を携えて現れ、自らの力を示しながらリチャードへ協力を申し出るのだった。

ユルトに戻りながら――ディアス

白ギーの出産

白ギーの出産は無事に終わり、ディアスは身支度を整えて神殿へ向かった。神の使者となったメーアモドキに会うためであり、神殿ではソマギリやスーリオ達が使者へ深く礼を尽くしていた。

ドラゴン討伐の褒美

メーアモドキは大量のドラゴン討伐と神殿建立を称え、望む褒美を尋ねた。ディアスは白い草とチャイのための木の実を願い、欲深く振る舞わない姿勢に周囲は驚く。使者は白い草、小川の恵み、木の実に加え、小さな革袋を授けて姿を消した。

伝説のデーツ

革袋の中身は伝説の果実デーツであり、ディアスが食べようとしたところをエイマが必死に止めた。デーツは栽培のために託された特別な果実であり、荒野の開拓に欠かせない貴重な贈り物だと説明され、入江や岩塩鉱床、水源付近へ植えられることになった。

一夜で育った果樹

植えた翌日にはデーツの樹が巨大に育ち、実まで付けていることが判明した。荒野の各地に新たな緑が生まれ、白い草と合わせて荒野の景色は大きく変わる。ディアスとエイマは伝説の果実の力に驚きながら実を試食し、乾燥させることでさらに甘くなることを知った。

ソマギリの確信

夜警に就いていたソマギリは、デーツの奇跡を目の当たりにして自らの移住の判断が正しかったと確信した。神々の加護と厚遇を受けるメーアバダルは将来大きく発展すると考え、忠誠を尽くせば一族も歴史に名を残せると希望を抱くようになった。

神々と帝国への推測

ソマギリと従者は、帝国皇帝もかつて神々の加護を受けていた可能性や、大陸統一を目指した理由について語り合った。神々の目的はモンスター討伐にあり、その寵愛を得るために皇帝が行動していたのではないかと推測しながらも、これからはメーアバダルこそが新たな中心地になると考え、夜警の任務を真面目に果たし続けるのだった。

工房で ディアス

デーツの活用

デーツは渋みが強いためすぐに食べられることはなかったが、アルナーは栄養価に着目して研究を続けた。煮込むことで渋みを抑えられることを見つけ、仲間達と協力してデーツソースを完成させる。その味は領民に好評となり、デーツ畑の整備や警備への意欲も大きく高まった。

木材と村づくり

ゴブリン達は南方から大量の木材を運び続け、大入江やイルク村の建築が進んだ。セナイとアイハンは寒冷地の木材ほど年輪が詰まり丈夫であることを説明し、用途に応じた使い分けを提案する。ディアスは木材が十分に確保できるようになったことで、将来的な孤児院の建設も考え始めた。

孤児院の計画

代表者達との話し合いでは、余裕のある者が困っている者を助けるべきだという考えから孤児院建設に賛同が集まった。ただし食料生産量や受け入れ人数を正確に把握した上で計画を立てるべきとの意見が出され、ディアス自身が各地の食料事情を調査することになった。

イルク村の食料調査

ディアスはエイマとピゲルを伴い、イルク村の生産状況を確認した。ガチョウや家畜、畑、果樹、狩猟、ゴブリンから仕入れる魚など、多様な食料供給が安定していることを確認し、今後も継続して領内の状況を把握する必要性を実感した。

東側関所の発展

東側関所では森の整備が進み、果樹畑や養蜂、キノコ栽培が拡大していた。クラウスは防衛設備も強化しており、森の資源と狩猟を組み合わせた豊かな食料供給体制が築かれていた。ディアスは関所で働く犬人族の報告を受けながら、その発展ぶりを確認した。

クラウスとピゲルの対話

クラウスは正体を知るピゲルを自宅へ招き、なぜディアスを王都から遠ざけたのかを尋ねた。ピゲルは、王都ではディアスが権力者の道具となり望まぬ王位へ押し上げられる危険があったため、自らの望む生き方を選べる辺境へ送り出したのだと語り、その判断が最善だったと説明した。

西側関所の市場

西側関所では畑や市場がさらに発展し、多くの獣人国の商人や住民が訪れていた。モントは子ども達へ読み書きや神話を教える場を設け、王国文化への理解を広げながら獣人国との関係強化を進めていた。ディアスは市場を視察しながら食料流通を確認し、エイマは商人達との会話から新たな情報を集めていく。そんな中、一人の獣人の女性が慌てた様子でモントのもとへ駆け出し、ディアスはその様子を不思議そうに見守るのだった。

関所で

外交の相談

ディアスはモントを慕う獣人の女性を見て誤解するが、セキから彼女は恩返しのために手伝いへ来ているだけだと聞かされる。さらに外交役について相談すると、セキは獣人同士では礼儀や身分の違いが交渉を複雑にするため、人間であるエリーやダレル夫人が適任だと助言した。また獣人国の情勢や、血無し達が近く移住してくる予定も報告された。

モントへの助言

モントは感謝を示そうとする獣人の女性への対応に悩んでいた。そこへピゲルが現れ、相手を理解するだけでなく自分の考えも伝えることが外交には必要だと助言し、農地や家畜、防疫対策についても改善案を示す。モントは助言を受け入れ、自らの考えを女性へ語り始めた。

炎の神との出会い

関所内で猫のような姿をした神と出会ったディアスは、望むものを問われても平和な暮らし以外は求めないと答えた。神は翌日に贈り物を届けると約束し、その場を去った。

神の試練と贈り物

翌朝、部屋には巨大な宝箱が置かれており、中には莫大な財宝や不思議な弓が収められていた。再び現れた神は何を最も望むかを問い、ディアスは財宝や武器ではなく皆で育てられるニワトリを選ぶ。神は試していたことを明かし、財宝と武器を消し去る代わりに大量の黒いニワトリと、一度だけ力を貸すという約束を残して去っていった。

黒ニワトリの飼育

神から授かった約二百羽の黒ニワトリは、病気による全滅を避けるためイルク村や東西の関所、神殿へ分散して飼育することになった。領民達は新たな食料の到来を喜び、増殖に向けた準備を進めた。

血無し達の移住

キコの部下に率いられた血無し達が子供達と共に到着し、ディアスは受け入れを決める。孤児は建設予定の孤児院や神殿で保護し、家族がいる子供は家族が面倒を見る方針を示した。移住者達は謝礼として品々や目録を贈り、神から授かった黒ニワトリの存在を知ると大きな衝撃を受けるのだった。

イルク村の広場で

黒ニワトリの定着

神から授かった黒ニワトリは西側関所やイルク村、東側関所、神殿へ分けられ、それぞれで飼育が始まった。血無し達もセキ達の部下や孤児院の運営補助として受け入れられ、新たな暮らしを始めることになった。

神の贈り物の価値

イルク村へ戻ったディアスは、アルナー達が黒ニワトリの扱いや調理法を学んでいる姿を見る。神から財宝や武器ではなくニワトリを選んだ理由を語ると、ダレル夫人は高級なニワトリや卵は非常に価値が高いと説明し、一同は神の贈り物の大きさを改めて実感した。

王都の変化

王都ではリチャードが王太子として実権を握り、神殿と協力して治安改善や税負担の軽減を進めたことで、市民の暮らしは以前より安定していた。一方でリチャードは神殿の勢力が予想以上に強まったことを苦々しく思い、機会を待ちながら力を蓄えていた。

女優の暗躍

ディアスを父と慕う大女優は、王都でディアスの名声を高めるため活動を続けていた。神殿の勢力拡大には警戒を示しつつも、演劇や芸術を利用して世論を動かそうと考え、協力者となり得る貴族との接触も決めた。

獣王の評価

獣王はキコからの報告を読み、ディアスの統治能力や誠実さを高く評価した。獣人であれば自国へ迎え入れたかったと惜しみつつも、キコはディアスは草原と領民を愛しており、王国を離れることはないと断言した。

薬草小屋の完成

ディアスは完成した薬草小屋を見学し、薬草栽培用のガラス温室や保存設備、各地の知識を集めた薬の研究が始まっていることを知る。アルナー達は新たな薬の開発にも取り組み、学び舎と連携した研究体制を整えようとしていた。

研究者の移住

ダレル夫人は夫が家督を息子へ譲り、メーアバダルへ移住する決意を伝える。ディアスは学び舎で知識の整理や研究を任せたいと依頼し、夫人も快く引き受けた。研究者である夫は期待を胸に旅立ち、メーアバダルへの船旅へと向かった。

イルク村を歩きながら―――ディアス

小メーアの記録と東側関所の来訪者

領主屋敷の建設

ディアスはアルナーと共に薬草小屋を後にし、建設中のイルク村の領主屋敷を見に向かった。そこは資料倉庫として使う実用重視の建物であり、二階建てにすることで洞人族の技術力を示す意図もあった。屋根付近には鷹人族用の出入り口らしき仕掛けも作られており、地下室も備えられる予定だった。

草原に集まる野生メーア

迎賓館側へ向かう途中、ディアス達は草原一面に集まる野生メーア達を目にした。安全に食事と子育てができる場所として、多くの子持ちメーアがイルク村周辺へ集まっていたのである。犬人族達は鼻紋の記録を見ながら個体確認や毛刈り、手入れを行い、メーア達も砂糖や岩塩を求めて進んで取引に応じていた。

迎賓館側の領主屋敷と第二神殿

迎賓館のさらに東では、外見重視の領主屋敷と第二神殿、そして防衛用の砦の準備が進められていた。サナトは、信頼できない巡礼者や客人を奥地まで入れず、この場所で迎えるための施設だと説明した。第二神殿には色付きガラスを使った天窓を作り、大メーア像を神々しく見せる構想もあった。

小メーアの顕現

ディアスがメーアモドキも祀ってほしいと頼むと、地面からメーアモドキの顔だけが現れ、像を作るだけで十分だが呼び方は工夫してほしいと告げた。

その後、ディアス達は彼女を「小メーア」と呼ぶことに決め、現れた場所を第二神殿の記念地点とすることにした。像については、大木に木の実のように小メーアが生る案も出たが、最終的には実をつけたブドウの大木に寄り添う小メーア像に落ち着いた。

手紙と首飾りの仕事

視察を終えたディアスは、領民の証となる首飾り作りや手紙の返事に取りかかった。手紙は貴族社会では重要な社交手段であり、ピゲル爺からは情勢を読み取る道具でもあると教えられていた。ディアスはエルダンやエルアー伯爵からの手紙を確認し、返事を書く準備を進めた。

六つ子達の手伝い

手紙を書こうとしたディアスのもとへ、メーアの六つ子達が必要な道具を運んできた。六つ子達はディアスの仕事を手伝うことに熱心で、特にフランツは執事に憧れているようだった。ディアスは道具を受け取り、一人ずつ撫でて感謝を伝えた。

王都への情報網

サーヒィが多くの手紙を届けたことで、ディアスはエルアー伯爵を正式な名代にすることを考え始めた。そのためには、ニャーヂェン族による王都での情報収集拠点作りが重要になると判断する。ソマギリ達は王都周辺の情報を集め、エルアー伯爵を支えつつ監視する役割を担おうとしていた。

ニャーヂェン族の役割

ディアスはソマギリとチャイに、王都での活動を正式に頼むことにした。ソマギリはそれを栄誉ある仕事として受け入れ、ニャーヂェン族全体で励むと答えた。ディアスは十分な報酬を用意するつもりだったが、ソマギリ達はすでに得ている報酬を多く領へ納めており、その律儀さにディアスは改めて感心した。

ピゲルの決意

草原でメーア達の食事を眺めていたピゲルは、食こそ生き物全てに共通する根幹であると実感した。王としての過去を振り返り、自分はもっと国民の食に向き合うべきだったのではないかと後悔する。しかしメーアに慰められたことで、この地から飢えをなくすため、自らの知識と経験を活かそうと決意した。

洞人族の結婚相談

イルク村の工房では、ナルバント達がニャーヂェン族のための武具作りに励んでいた。そんな中、若い洞人族が結婚の許可を求める。洞人族の結婚には大量の食事や鉱石、鋼を用いる重要な儀式が必要であるため、ナルバントはディアスへ相談し、許可が得られれば結婚を認めると答えた。

新道派の来訪

東側関所では、モントがクラウスと情報交換をしていた。そこへ、豪華な神官服を着た老人達が近づいてくる。クラウスによれば、彼らは王都から来た中央神殿の新道派であり、エルダンに寄進を断られた後、メーアバダル領へ金の無心に来ていた者達だった。ディアスの両親を殺した新道派であると知れれば大きな騒動になるため、モントは対応に頭を悩ませるのだった。

公式記録への苦悩

神殿では、ベンディアとフェンディアが小メーア出現の記録に頭を悩ませていた。顔だけを出して雑談に割り込んできたという出来事を、神殿の公式記録としてどう書けばよいのか分からなかったのである。二人は嘘を書けず、かといってありのままでは後世の混乱を招くと悩み続け、最終的にディアスに報告書を書かせ、それを公式記録にする方針へ逃げることになるのだった。

荒野のトカゲ川水源で―――ディアス

荒野の船着き場と研究者の到着

荒野の水源近くには護岸や船着き場、取引所や休憩所が整えられ、以前とは比べものにならないほど賑やかな場所になっていた。そこでは血無し達がゴブリン族との取引を通じて商売を学び、犬人族達も石拾いや品質確認などで働いていた。ディアス達はそこで、ダレル夫人の夫であるエグモルトの到着を待っていた。

濡れたエグモルト

船で現れたエグモルトは、王都の貴族とは思えないほど自由な姿で、全身を濡らしたまま船首に立っていた。彼はゴブリン達に守られながら水中調査をしていたらしく、海の世界と未知の生物に強く感動していた。名乗りも礼も忘れて研究への熱意を語り始めたため、ダレル夫人は容赦なく平手打ちをして礼儀を正させた。

魔脈と防衛魔法

エグモルトは、荒野の水源が魔力の噴出孔である魔穴だと見抜き、そこから流れる水には上質な魔力が溶け込んでいると説明した。さらに魔脈を利用すれば、悪意ある魔法を防ぐ壁やモンスター避けの防衛魔法を作れる可能性があると語った。そして実際に魔法を発動させ、荒野から草原までを包む半透明の巨大な壁を作り出すが、成功を喜んだ直後にダレル夫人から再び叱責を受けるのだった。

東側関所の新道派

一方その頃、東側関所ではクラウスとモントが、金の無心に来た新道派の神官達へ対応していた。クラウスは門を開けず、歩廊の上から帰れと告げるだけで取り合わなかった。怒った老神官は精神を責める魔法を放つが、草原側から広がった防衛魔法と洞人族のお守りによって、クラウス達は守られた。

クラウスの反撃

クラウスはディアスがかつて同じような魔法を打ち破った話を思い出し、自らお守りを外して魔法の世界へ踏み込んだ。そこで術者を探し当て、拳で何度も殴りつけて精神的に追い詰め、魔法を解除させた。老神官は恐怖しながらも切り札の契約魔法を使おうとするが、その魔力は魔脈に飲み込まれ、思わぬ形でディアスのいる水源へ流れていった。

ディアスの介入

魔脈を通じて現れた魔法の光を見たディアスは、周囲を守るため自ら魔法へ触れた。魔法の世界に入り込んだディアスは、老神官へ容赦なく拳を叩き込み続ける。疲労のない精神世界で手加減もなく放たれる拳は、老神官にとって悪夢そのものだった。追い詰められた老神官が攻撃魔法を放とうとした瞬間、世界は黒く染まり、ディアスの姿は消えた。

神罰と消失

黒い世界では、神々の力を使って尊き存在を害そうとした老神官へ、何者かが激しい怒りを向けた。その存在は犬人族達を正しい使命を守る子らとして優しく送り返す一方、老神官には契約違反と死罪を宣告した。老神官達は現実世界でも地面に飲まれるように消え、クラウスとモントは未知の逃亡魔法だと解釈した。

ベンディアの哀れみ

神殿の自室にいたベンディアは、滅んだものへ固執し続ける存在に哀れみを抱いていた。重い気分になっていたところへ、シェップ氏族の若者が窓に肉球と鼻を押し付けて現れる。ベンディアはその姿に笑い、以後、神殿の窓に犬人族の肉球や鼻の跡がつく光景は、日常の一部となっていった。

エグモルトの研究方針

騒動後、エグモルトはマヤ婆さんの調整によって防衛魔法が安定したことを知り、薬草小屋へ案内される。彼は神具や神の力のような再現できないものには興味を示さず、誰でも使えて暮らしを豊かにする研究こそ価値があると語った。薬草小屋やガラス温室を見ると強い関心を示し、荒野にも同じ施設を作って南方植物を育てたいと提案した。

作物改良の構想

エグモルトは、優れた作物の種を選び、異なる気候の温室を使って一年に複数回収穫することで、作物の品質を短期間で高められると説明した。セナイとアイハンは良い種を見分けられ、魔法で成長を早めることもできると語り、彼の案がさらに効率化できることが分かった。エグモルトは複雑な感情を抱きつつも、結果が人々を助けるなら良いと受け入れるのだった。

新道派の焦り

とある神殿では、高位神官が派遣した老神官達の失踪を知り、ベンディアが聖地へ至り神々の加護を得たのだと確信していた。さらにメーアバダル領が海産物や塩作り、荒野開拓まで成功させている事実から、神々の叡智と神具が関わっていると考える。新道派にとって西から大きな波が来ると恐れ、何らかの対策を打たなければならないと苦悩するのだった。

ジュウハの推理

マーハティ領の食事会では、ジュウハが突然、過去の反乱騒ぎの裏に神の力を得た元貴族がいたのではないかと気付いた。ディアスに潰された過去を持つその人物が、聖地で悪神の力を得て、ジュウハやディアスを害そうとしている可能性を語る。エルダンはその可能性を重く見て、諜報隊を動かし、その元貴族の行方を探らせることにした。

鉄馬車と真珠

イルク村では、エリーの行商団が鉄馬車の試験運用から帰還した。冷却用の氷を積んだ鉄馬車は、魚や肉、野菜を新鮮なまま隣領へ運ぶことに成功し、特にリンゴ魚は高値で売れた。一方、ゴブリン達は大入江で真珠を見つけたと報告し、革袋いっぱいの真珠を持ち帰った。そこへ外交官としての正装や儀礼剣の話まで持ち上がり、エリーは自分が外交役にされていることを知って混乱するのだった。

特別書き下ろし。老王の来訪

草原の夕暮れと新たなメーア

ピゲルの思索

ピゲルはヤギとメーア達、護衛の犬人族を連れて草原に出て、岩に腰を下ろしながら空や太陽を眺めていた。静かな草原の中で思索を深めるが、老いによる曇りや過去への後悔を覚え、ため息をついた。

メーアの叱咤

野生のメーアは、後悔に沈むピゲルへ声をかけた。ピゲルは、老いを受け入れ、後悔を若者に伝えるべきだという意味を読み取り、この地には知恵を伝える相手がいると考えた。しかしメーアは、考え込むよりブラッシングをしろと促し、ピゲルはその言葉に従った。

眠るメーアと犬人族

ピゲルがメーアを丁寧にブラッシングすると、メーアは満足して眠ってしまった。続いて他のメーア達や護衛の犬人族、さらにヤギまでがブラッシングを求め、ピゲルは全員に応じた。その結果、周囲には眠るメーアと犬人族、ヤギが横たわる不思議な光景が広がった。

紛れ込んだ二人

帰ろうとしたピゲルは、メーアの数が来た時より二人増えていることに気付いた。印のないその二人は、本当の野生のメーアだった。ピゲルが一緒に村へ来るかと尋ねると、二人ははにかみながら頷いた。

イルク村への帰還

ピゲルは二人に、まず数日滞在してから今後を決めればよいと告げ、皆を起こしてイルク村へ戻った。村に着くとメーア達をそれぞれの場所へ案内し、新たなメーアの事情を説明するため、ディアスのユルトへ向かった。

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