物語の概要
■ 作品概要
『領民0人スタートの辺境領主様 XIV(14) 次代の旗手』は、不毛の荒野を舞台に多種族との共生と国家規模の領地経営を描く、本格派の内政・開拓ファンタジーライトノベルである。 物語の世界観は、かつて過酷な大戦が繰り広げられた歴史を持ち、人間だけでなく鬼人族や森人族、獣人など多様な亜人が息づく社会である。主人公のディアスは「救国の英雄」でありながら、政治的思惑から誰もいない辺境の領主を命じられたが、誠実な人柄で多くの民を惹きつけ、領地を発展させてきた。 本作(第14巻)では、前巻の獣人国遠征で活躍したエイマや、新キャラクターである帝国海軍出身のアルハルたちがメーアバダル領へと帰還するところから動き出す。外交的な緊張が高まる中、次世代を担う若い世代の成長と、領地がさらなる最先端の防衛・技術都市へと飛躍する過渡期が描かれる。
■ 主要キャラクター
- ディアス: 本作の主人公であり、メーアバダル領の辺境領主。規格外の武力と、一切の私欲を持たない誠実さで領民を引っ張る。今巻では、留守中にサラリと強力なドラゴンを討伐していた圧倒的な実力が改めて周囲に知れ渡る一方、次世代の若者たちの成長を温かく見守る。
- アルナー: ディアスの妻であり、鬼人族の気高き女性。領主の妻として多種族が混在する村の生活を力強く支え、新住民や若者たちの良き相談相手・統率者として機能する。
- エイマ: 卓越した知略を持つ少女。前巻の獣人国遠征において少数精鋭の部隊を見事に指揮し、数々の作戦を成功させた功労者である。今巻では遠征から帰還し、次代を担う旗手として領内の内政・軍事の発展にさらに深く関わっていく。
- アルハル: 前巻の遠征中にエイマたちに救出された、帝国海軍出身の女性。優秀な軍事知識や組織運営の経験を持っており、メーアバダル領へ移住した後はその手腕を活かして領内の新たな組織・防衛体制の構築にに貢献する。
■ 物語の特徴
本作の最大の魅力は、ただのチート能力によるご都合主義的な開発ではなく、異なる文化や特技を持つ多種族が知恵を出し合い、論理的かつ段階的に領地を進化させていく「内政の圧倒的な説得力」にある。 第14巻の最大の特徴は、タイトルにある通り「次代の旗手」たちの躍動である。ディアスという絶対的な英雄の影に隠れることなく、遠征を経験して一回り大きく成長したエイマをはじめとする若い世代が、領地の未来を見据えて自発的に動き出す群像劇としての面白さが際立っている。 また、帝国海軍の知識を持つアルハルが加わったことで、これまでの農村・交易拠点という枠組みから、さらに高度な組織体系や防衛戦略を備えた「近代的な都市」へと脱皮していくプロセスが細緻に描写されており、開拓内政ものとして他作品と一線を画す深い読み応えを提供している。
書籍情報
領民0人スタートの辺境領主様 XⅣ 次代の旗手
著者:風楼 氏
イラスト:キンタ 氏
出版社:アース・スターノベル
発売日:2025年9月18日
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あらすじ・内容
祝!TVアニメ化決定!!エイマを指揮官としてディアス抜きでの獣人国での遠征を大成功させたイルク村の仲間たち。道中で出会った猫耳少女アルハルとともに帰国すると、ディアス達もフレイムドラゴン退治を成し遂げていて――エイマ達がアルハルとともに獣人国から無事帰国し、暖かく迎え入れるディアス達。留守中のフレイムドラゴン退治に活躍したバリスタや、施設の見学をしたアルハルは、ディアスに対して……!?犬人族をはじめとして子どもたちがたくさん生まれ、村内は子育てですっかりにぎやかに。サーヒィの子どものチャイがとても賢い理由が「卵の中で人の会話を聞いていたから」と聞いた領民たちの要請により、他の卵や子どもたちの前で、ディアスは過去の英雄譚を語ることに。ディアスの英雄譚は、村の子どもたちにも思わぬ影響を与え始める。セナイとアイハンは、いつかディアスが戦えなくなる日が来たとしても、自分たちが仲間たちを守れるよう、訓練を始める。一方そのころ、獣人国のエルフたちは自分たちの境遇に不満を持ち、暗躍し始める。彼らがターゲットとしたのは、セナイとアイハンで……。セナイとアイハン、そして子どもたち。メーアバダル領の未来を背負う次世代が急成長中!!
感想
イルク村という共同体がさらに成熟し、「次の世代」へと物語の軸が移り始めたことを強く感じさせる巻であった。
これまでのシリーズでは、ディアスを中心として辺境の村が発展していく姿が描かれてきたが、本巻ではセナイとアイハンをはじめとする子ども達の成長が非常に印象深い。特に森人達の侵攻を双子が迎え撃つ場面では、単なる子どもではなく、既に次代を担う存在としての格の高さが描かれていた。遠距離制圧や魔法解析を使いこなし、冷静に敵へ対処する姿には頼もしさがあり、イルク村という環境そのものが二人を特別な存在へ育てているのだと実感させられた。
一方で、森人達の動きには強い違和感も覚えた。情報不足のまま他国へ干渉しようとする姿勢は危うく、実力が中途半端に高いからこそ、自分達の優位を疑わなくなっているようにも見えた。そうした慢心が、メーアバダル領との力量差を見誤らせたのだろう。だからこそ、セナイとアイハンの対応がより際立って見えたのである。
また、本巻は戦闘だけでなく、共同体としての温かさも非常に魅力的であった。神との邂逅と神殿建立を祝う宴では、旅芸人を招いた大規模な催しが開かれ、ディアスとアルナーのダンスが披露される。辺境の小さな村だったイルク村が、多種族が笑い合う文化的な共同体へ成長していることを実感できる場面であり、読んでいて非常に幸福感があった。
獣人国の内乱への対応も、本巻の大きな見どころである。正式な出兵ができない状況で、少数精鋭による秘密遠征を行うという展開は緊張感があり、その中心をエイマが担っていた点も良かった。これまで知識役や補佐役として描かれてきたエイマが、実際に指揮官として遠征隊を率いる姿には成長を感じる。さらに、鬼人族や領兵達が彼女を支え、互いの能力を信頼して動く様子からは、イルク村の積み重ねてきた関係性の強さが伝わってきた。
その遠征の中で登場したアルハルも非常に魅力的な存在である。救出されるだけの存在ではなく、自ら戦いへ加わり、奇襲や攪乱へ協力していく姿が格好良かった。さらに帰還後には、自分の仲間や家族を呼び寄せ、イルク村へ定住する意思を示す。これは単なる移住ではなく、「この村なら共に生きていける」という信頼の証であり、イルク村が多種族共同体として確実に発展していることを象徴していた。
村の日常描写も相変わらず丁寧で、特に出産期を皆で支え合う場面が印象に残った。子育てや世話を村全体で担い、ゴブリン達まで自然に協力へ加わっている様子には、この作品ならではの温かさがある。単なる理想郷ではなく、役割分担や助け合いによって共同体が成り立っていることがしっかり描かれているため、読者としてもその暮らしへ強い実在感を抱けるのである。
そしてディアス自身もまた、本巻で成長していた。フレイムドラゴン討伐では、洞人族のバリスタや双子達の支援が大きく活躍し、ディアスは「全てを自分で抱え込まなくても良い」ということを学んでいく。仲間を信頼し、任せることもまた領主として必要なのだという変化が感じられた。
全体として本巻は、「次代」という題名通り、イルク村が未来へ進み始める転換点のような巻であった。ディアス一人が村を支える時代から、セナイやアイハン、エイマ、アルハル達がそれぞれ役割を担い、次の時代を築いていく流れがはっきり見えてくる。
戦闘、外交、共同体運営、子育て、文化交流、その全てが自然に繋がっており、多種族が共に暮らす辺境領としての魅力がますます深まっていた。今後、次世代の子ども達がどのように成長し、外の世界と向き合っていくのかが非常に楽しみになる一冊であった。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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考察・解説
獣人国の内乱
『領民0人スタートの辺境領主様』における獣人国の内乱は、メーアバダル領の秘密遠征隊による軍事工作と、大商人オクタドの経済戦略が見事に連携し、戦火が拡大する前に未然に鎮圧されたエピソードである。本稿では、獣人国の内乱の経緯とその鎮圧作戦について解説する。
内乱の背景とヤテンの失脚危機
事の発端は、獣人国の参議ヤテン・ライセイの失策にあった。
- ヤテンはディアスを三流と過小評価して獣王へ報告していたが、後にディアスがアースドラゴンを討伐し、神(大メーア)の加護まで得たことが判明すると、獣王はショックで体調を崩し、ヤテンへの不信感が高まった。
- さらにディアスと交わした約定によって国境が安定した結果、暇を持て余した兵士たちが内乱を企てるようになり、その責任までヤテンに問われることになった。
- ヤテンが失脚の危機に陥ったことで国内の均衡が崩れ、冬を前に内乱勢力が各地で食料徴発を始めるなど、事態は極めて悪化していた。
ペイジン商会の要請と羊角の結成
事態を重く見たペイジン商会から助力を求められたディアス達であるが、他国へ正規軍を出兵させるわけにはいかなかった。
- そこで秘密裏に少数精鋭の遠征隊を派遣することが決定した。
- エイマが遠征班長として大方針を決定し、モントが軍事指揮を、ゾルグが鬼人族を率いることになった。
- 彼らは人間族や鬼人族であることを隠すため、獣人風の耳付きフードと尻尾を装備して活動名「羊角」を名乗り、ゴブリン族のイービリスたちが操る船で海路から獣人国へ潜入した。
アルハルの救出と成りすましによる砦制圧
上陸直後、遠征隊は男たちに襲われていたニャーヂェン族の少女、アルハルを救出した。
- 彼女は難破して獣人国へ連れてこられ、差別対象である血無しと勘違いされて投獄されていた帝国海軍の軍人であった。
- アルハルの情報や、ペイジン家のフロッグマン達との緻密な連携により、遠征隊は物資運搬係に成りすまして内乱勢力の砦へ侵入した。
- そして誰一人負傷者を出すことなく、次々と砦を制圧・確保していった。
隠蔽魔法を駆使した大軍の攪乱と物資奪取
内乱勢力の主力である二千人の大軍に対し、遠征隊は真正面から戦うのではなく、鬼人族の隠蔽魔法を駆使した攪乱作戦を展開した。
- ゾルグ達は本来あるはずの道を林に偽装して敵軍を誤誘導し、山中で迷わせて廃村へ野営させた。
- 夜になると、隠蔽魔法を維持したまま夜警や就寝中の兵士を次々と拘束・連れ去り、膨大な物資を奪取した。
- 敵軍は集団脱走が起きたと錯覚して大混乱に陥り、自滅と撤退を余儀なくされた。
- なお、海岸へ物資を運んで撤収する際、遠征隊は飢えて盗賊に身を落としていた血無し達を見かけ、あえて彼らのために食料を残していくという温かい配慮も見せている。
オクタドの経済戦略とヤテンの恩返し
遠征隊の工作と並行して、大商人のペイジン・オクタドは私財を投じて大量の食料を民に配り、職を与えることで民心を安定させていた。
- これにより内乱勢力から徴兵されていた民衆を引き抜き、戦わずして兵力を根本から削り取ることに成功した。
- オクタドはこれらの手柄をすべてヤテンの指示として虚偽の報告を行ったため、ヤテンの評価は一転して回復し、獣王から称賛を受けることになった。
- ヤテンは、私財を投じたオクタドや、厄介な外交問題(アルハル保護)まで引き受けてくれたディアス達に深い恩義を感じた。
- そして息子であるライキリやライマルを通じて、莫大な金貨とヤテン家の家宝(対象を強化する不思議な鈴)を贈る結果となった。
まとめ
このように、獣人国の内乱は、エイマ率いる遠征隊の奇襲・撹乱作戦と、オクタドの財力を用いた引き抜き工作が見事に機能して鎮圧された。この出来事は、メーアバダル領が隣国の危機を救っただけでなく、獣人国の有力者との間に強固な繋がりを生み出し、領地に新たな家宝をもたらす結果となったのである。
フレイムドラゴン討伐
『領民0人スタートの辺境領主様』における「フレイムドラゴン討伐」は、エイマたちが獣人国へ遠征している最中に襲来した3体の巨大なドラゴンに対し、イルク村に留守番していた領民たちが総力を挙げて立ち向かった激戦のエピソードです。
ソースに基づき、討伐の経緯と激闘の詳細について解説します。
1. 3体のフレイムドラゴン襲来と迎撃の決断
エイマたちが獣人国へ秘密遠征に出ている冬の最中、北の空から3体ものフレイムドラゴンが飛来しました。ディアスはイルク村に被害を出さないため、村人だけでなくアルナーの一族の弓騎兵なども招集し、村の北東の雪原へ打って出ての総力戦を決断します。商人エリーは、この決断の裏にはディアスが幼い頃から憧れていた「竜殺しの英雄譚」を再現しようとする思いがあるのではないかと推測していました。
2. バリスタの威力と隠蔽魔法による奇襲
討伐において大きな役割を果たしたのが、洞人族が用意した強力な魔石式バリスタです。セナイとアイハンが魔力や風の流れを直感的に読んで照準の調整を補助し、空を飛ぶドラゴンに見事命中させました。これにより、1体は腹を貫かれて倒れ、もう1体は翼を貫かれて撃墜されます。
残る1体が怒り狂って襲撃してくると、ゾルグ率いる鬼人族達は隠蔽魔法で雪原に完全に紛れ込み、地吹雪を巻き起こしてドラゴンの視界を奪いながら一斉射撃を浴びせました。さらにアルナーやセナイ達が背後からの奇襲で翼の腱を切断し、ドラゴンを雪上へと墜落させます。
3. メーアワゴンの突撃と驚異の再生能力
雪上に落ちたドラゴンに対し、洞人族のナルバント達は「メーアワゴン」と呼ばれる特殊な戦闘用ソリで突撃を仕掛けます。炎を防ぐ工夫が施されたワゴンを犬人族が全力で牽引して加速させ、直前でロープを切断してワゴンだけをドラゴンの腹や脚へ激突させ、中から飛び出したナルバントとサナトが斧で攻撃しました。
後方から駆けつけたディアスとクラウスも肉薄し、炎を吐かせないように腹部へ攻撃を集中させます。ディアスの戦斧とクラウスの槍が幾度もダメージを与えますが、フレイムドラゴンは凄まじい再生能力を持っており、傷が驚異的な速度で回復してしまうため、長期戦を強いられることになります。
4. 炎の中の決着と多種族の連携
戦闘が長引き、ディアスが疲労で隙を晒してしまいますが、アルナーとゾルグがあえて姿を現して囮となり、ドラゴンの注意を惹きつけました。その隙に鬼人族達が鱗に守られていない両目や口の中に矢を集中射撃し、セナイとアイハンが両翼を貫通する矢を放って機動力を完全に奪います。
そこへ3台目のメーアワゴンが激突してドラゴンが体勢を崩したところへ、ディアスが全力で突撃します。倒れたドラゴンが炎を吐き散らす中、ディアスは構わず炎の中へ飛び込み、戦斧を何度も首に叩き込んで、ついに切断・討伐することに成功しました。
ディアスは脚に火傷を負いますが、ナルバントがとっさに泥まじりの雪へ突っ込んでくれたおかげで重傷を免れ、アルナーが馬油を塗ったメーア毛で治療したことで痛みも急速に引いていきました。
まとめ
フレイムドラゴン討伐は、ディアスの圧倒的な武勇だけでなく、洞人族の兵器、セナイとアイハンの直感的な狙撃、鬼人族の魔法と弓術、犬人族の牽引力など、イルク村の多種族の強みが見事に連携した総力戦でした。この犠牲者ゼロの完全勝利により、メーアバダル領の防衛力の高さが改めて証明されることとなりました。
領民の出産
『領民0人スタートの辺境領主様』における領民の出産は、イルク村に住む多様な種族が一致団結し、新たな命を迎え入れるために総力を挙げて取り組んだ一大イベントとして描かれている。本稿では、出産に向けた準備から命をつなぐ絆までの詳細を解説する。
村を挙げた出産体制と安産絨毯の運用
冬が近づき、犬人族の女性たちやメーアの出産時期が迫ると、村では集会所を産屋として清め、村全体で役割分担を行った。
- マヤ婆さんやアルナー、セナイとアイハンが出産を直接支え、エイマやアルハルが監督役を務めた。
- 領主であるディアスとベン伯父さんは、ペイジン商会から贈られた家宝である安産絨毯(魔力を込めると傷を癒やす不思議な絨毯)を、緊急時の母子救命のために起動させる待機役を担った。
- 海から駆けつけたゴブリン族のイービリスたちも村の仕事を手伝い、栄養満点のリンゴ魚を差し入れることで出産を支援した。
出産の意味と驚異的なベビーブーム
マヤ婆さんによれば、出産とはただ子を産むだけでなく、神の世界に近い赤ん坊をこちらの世界へ引き寄せる行為であり、薬草や産湯を使ってしっかりと迎え入れる必要があるとされている。
- 1人目の出産を皮切りに7日間にわたって出産が続き、結果として犬人族の赤ん坊53人とメーアの赤ん坊12人が誕生した。
- 犬人族が同時期に出産を迎えたのは、冬の間に村全体で協力して安全に子育てを行うための、彼らの伝統的な知恵でもあった。
ダレル夫人の奮闘と産後の順調な回復
これほどの多産により、村は一時赤ん坊の世話でパニックになりかけたが、ここで大きな活躍を見せたのが貴族教育係のダレル夫人であった。
- 彼女は汚れ仕事も厭わず徹夜で赤ん坊の世話を続け、その献身的な姿勢は犬人族から多大な敬意を集めた。
- セナイたちが作ったサンジーバニーの上澄みを用いた薬湯と、安産絨毯の効果により、通常であれば発生しやすい産褥熱(さんじょくねつ)も一切起こらず、母親と赤ん坊はともに驚くほど順調な回復を見せた。
命をつなぐ家族の絆と双子の成長
特にメーアのフランソワからは珍しい六つ子が誕生し、村中が歓喜に包まれた。
- しかし小さく生まれた六つ子の世話は過酷であり、手伝っていたセナイとアイハンは育児の大変さに戸惑いを見せた。
- ディアスは二人に、誰もがかつては赤ん坊であり、誰かの世話を受けて大人になること、そしてその人と人とのつながりこそが絆であることを語り聞かせた。
- ディアスの言葉を通じて、双子は命を育むことの意味を理解し、精神的に一回り大きく成長した。
まとめ
このように、領民の出産エピソードは、イルク村の住人たちが種族の壁を越えて協力し、新たな命と家族の絆を深めていく物語の重要な転換点となっているのである。
始祖の銀
『領民0人スタートの辺境領主様』における始祖の銀は、大メーアの使い(メーアモドキ)からディアスへと下賜された、特殊な性質を持つ不思議な金属である。本稿では、始祖の銀の入手経緯や特性、そしてイルク村での画期的な活用法について解説する。
入手経緯と金属と思えない圧倒的な軽さ
始祖の銀は、ディアスたちが3体のフレイムドラゴンを犠牲者ゼロで討伐し、メーアたちを自身の領域へ無理やり取り込むことなく手厚く保護したことに対する褒美として、大メーアの使いから与えられた。
- 両腕で抱えるほどの大きな正方形の塊として雪原の地面からせり上がってきた。
- 見た目に反して空の木箱でも持ち上げているかのように驚くほど軽く、金属への認識がずれてディアスが転びそうになるほどであった。
モンスターや瘴気に反応して青く光る特性
最大の特性は、魔石やモンスター、瘴気を近づけるとふんわりとした青色の光を放つ点である。
- 対象との距離が近いほど光は強く、遠いほど弱くなるという性質を持っている。
- ナルバントは当初、この圧倒的な軽さを生かして防具への加工を考えた。
- しかし、戦闘中に防具が光ると味方の視界の邪魔になるだけでなく、モンスターから目立って集中攻撃を受けてしまう欠点があるため、防具の素材としては不向きであると判断された。
ヒューバート考案の広域監視網への転用
防具に向かない特性を逆手に取り、内政官のヒューバートはこれを領地の防衛システムに組み込むアイデアを提案した。
- 始祖の銀を小さく切り分けて棒の先端に取り付け、草原の外縁(特にモンスターの現れる北側)へ等間隔に配置する。
- モンスターが接近するとその方角の銀だけが強く光り、遠い場所の銀は弱く光るため、光の強弱の分布を見ることでどの方角からどのくらいの距離に敵がいるかを正確に予測できるようになる。
- 鷹人族の空からの偵察や、夜間の見張り台からの観測と組み合わせることで、いち早くモンスターの接近を察知する早期警戒網として機能し、野生のメーアたちの迅速な避難にも役立てられた。
アルナー考案の光る狩猟具
一方アルナーは、始祖の銀を鏃(やじり)や矢の装飾に使い、モンスターの体へ直接打ち込むという実戦的な活用法を考案した。
- これにより、撃ち込まれたモンスター自身が強い光を放つ目印となるため、暗闇の中でも敵の攻撃を回避しやすくなり、逃走した際の追跡も極めて容易になる。
- また、始祖の銀を編み込んだ投げ縄や投網の製作も洞人族と協力して進められた。
森人族の秘宝としての側面
なお、始祖の銀は物語の裏で暗躍する森人族の長にとっても特別な品であったとされている。
- かつての繁栄を取り戻そうと森人族の長が先の内乱を利用しようとした際、この秘宝である始祖の銀の装備まで持ち出していた。
- しかし何の成果も得られず、失敗に終わったことが示唆されている。
まとめ
このように、始祖の銀は防具には不向きという欠点を抱えていたが、ヒューバートの知恵による監視網の構築や、アルナーの発想による狩猟具への応用など、イルク村に集った多種族の知恵と工夫によって、領地の防衛力を底上げする極めて重要なアイテムへと生まれ変わったのである。
ニャーヂェン族
『領民0人スタートの辺境領主様』において、ニャーヂェン族は帝国に所属する猫に似た特徴を持つ獣人の一族である。高い戦闘能力と独自の価値観を持ち、物語の進行とともにディアスが治めるメーアバダル領へと深く関わっていく存在として描かれている。本稿では、ニャーヂェン族の特性や帝国における動向について解説する。
身体的特徴と驚異的な戦闘能力
ニャーヂェン族は、猫のような耳としなやかで長い尻尾を持つ獣人である。
- 非常に身軽で柔軟な身体を持ち、夜目が利き、聴覚や嗅覚にも優れ、気配を消すのが得意である。
- 特筆すべきは、その柔軟さを活かして重装備を完璧に使いこなす点である。
- 攻撃を受けた際にも衝撃を上手くいなすことができるため、人間族が重装備をするよりも数倍頑丈で、極めて生存能力の高い兵士となる。
- そのため帝国では、斥候から重騎士まで幅広く重宝されている。
家族を重んじる気風と真っ直ぐな性格
ニャーヂェン族は家族を大切にする一族である。
- 基本的には気まぐれな性格をしているが、恩人や上官といった信頼する相手に対しては、妙に素直で真っ直ぐな態度をとるという特徴がある。
- そのため、一度恩義を感じれば非常に忠実な部下として活躍する。
海産物への愛着と海軍での活動
彼らにとって海産物は欠かせない重要な食物であり、新鮮な魚を腹いっぱい食べることを何よりの喜びとしている。
- 帝国では海軍として活動する者が多く、アルハルも帝国海軍の軍人として作戦に従事している最中に難破し、獣人国へ漂着した。
- また、一族の長である若い重騎士は、豊富な海産物を得て海軍を増強するため、海に住むゴブリン族と協力関係を築こうと画策していた。
帝国からの出奔計画とディアスへの帰順
ニャーヂェン族の長である若い重騎士は、かつて皇帝と最後まで抗い続けた祖父の血と誇りを受け継いでおり、帝国の現状に不満を抱いている。
- 彼はいざという時には帝国を見限り、捕虜にも寛大なディアスの下へ一族を挙げて下る(亡命する)という計画を密かに立てていた。
- その準備として、海軍には不要なはずの老人や赤子まで含めた一族全員を、最前線の港町へと異動させていた。
- 一方、獣人国で遠征隊に救出されたアルハルも、ディアスの器の大きさやイルク村の多様性を尊重する環境に触れ、仲間をイルク村へ呼び寄せる決意を固めた。
- アルハルからの手紙が帝国の港町に届くと、一族の長は彼女の無事を喜び、ディアスの下へ向かうための行動を本格的に開始した。
まとめ
ニャーヂェン族は、猫のような愛らしい外見とは裏腹に、帝国軍を支える強力な戦闘力を持った獣人である。家族を愛し、義理堅い彼らが帝国を離れてメーアバダル領に合流することは、イルク村に新たな戦力と海軍という新しい可能性をもたらす重要なターニングポイントになり得ると言える。
メーアバダル防衛隊
『領民0人スタートの辺境領主様』に登場する「メーアバダル防衛隊」は、森人族の双子であるセナイとアイハンが、自分たちの中で密かに名乗っている自称の組織です。
ソースに基づき、メーアバダル防衛隊の結成の背景や活動内容、そして実戦での活躍について解説します。
1. 結成の背景と目的
セナイとアイハンは、ディアスやジュウハの偉大さを知るにつれ、「もしディアスが老いて戦えなくなったり、いなくなってしまったりした未来に、また戦争が起きたりドラゴンが来たりしたら、自分たちは草原を守れるのだろうか?」という強い危機感を抱くようになりました。
ディアスやジュウハのようにはなれないとしても、皆で協力すれば近づけるかもしれないと考えた二人は、大人たちに守られるだけの子供を卒業し、次世代としてメーアバダル草原を自らの力で守り抜くために「メーアバダル防衛隊」を自称し、自らを鍛え始めました。
2. 主な活動内容
防衛隊の活動は多岐にわたります。
- 連携狩りと地形把握: サーヒィ(鷹人族)が上空から獲物を探し、犬人族が追い込み、セナイとアイハンが馬上から弓で仕留めるという連携狩りを通じて、集団行動の訓練や地形の把握を行っています。
- 新種の発見: パトロール中には、ラクダに似た未知の草食動物「ビクーナ」の群れを発見し、草原の新しい仲間として受け入れています。
- 避難所の管理: 野生のメーアがモンスターから逃げ込めるように作られた「地下避難所」を定期的に見回り、掃除を行ったり、餌となる干草や岩塩を補充したりするのも防衛隊の重要な任務です。
3. 森人族侵入事件での大活躍
防衛隊の訓練の成果は、思わぬ形で発揮されることになります。
ある日、避難所の掃除と餌の補充を終えたセナイとアイハンは、遠く離れた西の関所付近で不自然な魔力操作が行われていることを察知します。それは、かつて二人を追放した同族である獣人国の「森人族」たちが、感知魔法をごまかしながら侵入してきている気配でした。
二人はすぐに愛馬のシーヤとグリに騎乗し、犬人族たちと共に迎撃に向かいます。そして、姿も見えないほどの超長距離から正確無比な矢を放って森人族たちを雪上に釘付けにし、相手が放ってきた「支配魔法」を瞬時に解析・逆転させて、逆に相手を支配してしまうという大人顔負けの実力を見せつけました。
まとめ
「メーアバダル防衛隊」は子供たちの秘密の活動として始まりましたが、その志は極めて高く、日々の地道なパトロールや鍛錬を通じて確実に実力をつけていきました。彼女たちの成長と防衛隊としての目覚ましい活躍は、メーアバダル領の未来が明るいものであることを力強く証明しています。
森人族の侵入
『領民0人スタートの辺境領主様』における森人族の侵入は、かつてセナイとアイハンを災厄の子として村から追放した同族たちが、メーアバダル領の乗っ取りを企てて侵入してきたエピソードである。本稿では、侵入の背景と迎撃の詳細について解説する。
侵入の背景と森人族の野望
事の発端は、獣人国に身を寄せていた森人族の長の野望にあった。
- かつて世界に森を広げ大繁栄していた森人族は、現在では衰退して森を守るだけで精一杯の状況であった。
- 長は再び繁栄を取り戻して世界を支配すべきだと考え、メーアバダル公爵(ディアス)の養子となったセナイとアイハンの噂を聞きつけた。
- 彼らは、下位の者を操る支配の魔法で子供たちを傀儡にし、領地を混乱させて乗っ取るか、獣人国に領地を売り払うという目的で、120人もの武装集団を派遣した。
- 彼らは白い花びらを操って雪景色に溶け込み、アルナーが張っていた感知魔法をごまかしながら密かに侵入を開始した。
異常の察知と双子による超長距離射撃
野生メーアの避難所の掃除をしていたセナイとアイハンは、遠く離れた西側で不自然な魔力操作が行われていることにいち早く気づいた。
- 二人はすぐさま愛馬のシーヤとグリに騎乗し、犬人族たちと共に出撃した。
- セナイとアイハンは、姿も見えないほどの超長距離から正確無比な矢を放ち、侵入してきた森人族たちを次々と雪上に釘付けにしていった。
- 立ち上がれば射抜かれるという恐怖により、森人族たちは身動きが取れなくなった。
支配の魔法の解析と逆転
追い詰められた森人族たちは、姿の見えない射手が同族であると疑い、一発逆転を狙って支配の魔法を放った。
- さらに、魔法を通りやすくするためにセナイ達に向かって森を捨てた森人の子は醜いなどと暴言を吐き、精神を乱そうとした。
- しかし、ディアスたちの無償の愛を受けて育ち、強靭な心と膨大な魔力を身につけていた双子の心は全く揺るがなかった。
- セナイが矢で攻撃を封じる間に、アイハンが相手の魔法構造を完全に解析した。
- そしてアイハンは、森人族たちに向けて森を捨ててという命令を魔法でやり返した。
- 森人族にとって森を捨てることは自害以上に恐ろしいことであり、それを逆らうことも従うこともできない形で命令された彼らは、深い絶望と恐怖にパニックを起こし、涙を流して許しを乞う状態に陥った。
ディアス達の到着と事後処理
そこへ、知らせを受けたディアスや領兵、犬人族たちが到着した。
- ディアスの黄金の鎧は森人族たちの魔法の矢をすべて弾き落とし、ディアスたちは犬人族の牙や投げ斧などで弓弦を次々と切断し、あっという間に全員を完全制圧した。
- ディアスが実害が出る前に制圧したため、死罪にはしないと告げると、恐怖のどん底にいた森人族たちは安堵のあまり一斉に気絶してしまった。
- その後、彼らの不穏な動きに気づいて大慌てで駆けつけた獣人国のヤテン家兄弟(ライキリとライマル)がディアスに深く謝罪した。
- そして捕らえられた森人族たちは、獣人国へと連行され、厳重な監視の下で森の管理・育成という過酷な労役を科されることで事態は決着した。
まとめ
このように、森人族の侵入事件は、かつて迫害された過去を持つセナイとアイハンが、理不尽な悪意に屈することなく、冷静かつ圧倒的な実力で敵を制圧したエピソードである。ディアス達が到着する前に敵の心を完全に折ってしまったこの戦いは、二人がメーアバダル領を自らの力で守り抜く防衛隊として立派に成長したことを証明している。
登場キャラクター
メーアバダル領
ディアス
メーアバダル領の領主。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領主。公爵。
・物語内での具体的な行動や成果
三体のフレイムドラゴンを討伐した。大メーアの使いから始祖の銀を与えられた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
過去の戦場での活躍を子供達に語って聞かせた。
エイマ
ディアスの相談役。
・所属組織、地位や役職
イルク村の教育係。遠征隊のリーダー。
・物語内での具体的な行動や成果
獣人国での内乱鎮圧の指揮を執った。アルハルから迷彩効果の布について説明を受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
専用のドレス鎧を与えられた。
ダレル夫人
貴族の教育係。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領民。
・物語内での具体的な行動や成果
犬人族の赤ん坊達の世話を徹夜で熱心に行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
赤ん坊に好かれるディアスに対抗心を燃やしている。
ヒューバート
内政官。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の内政官。
・物語内での具体的な行動や成果
始祖の銀を領地の防衛監視網に利用する案を出した。野生メーアの保護受付を記録した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
エリー
商人組の一人。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領民。氷班のまとめ役。
・物語内での具体的な行動や成果
洞人族と共に氷ため池で氷を切り出す作業を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
ゴルディア
商人ギルドの長。
・所属組織、地位や役職
商人ギルド長。
・物語内での具体的な行動や成果
酒場を一時閉鎖し、関所の防衛や情報収集に協力した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
アイサ
ゴルディアの手伝いをする。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領民。
・物語内での具体的な行動や成果
関所の防衛を手伝った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
イーライ
ゴルディアの手伝いをする。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領民。
・物語内での具体的な行動や成果
関所の防衛を手伝った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
クラウス
東の関所を守る領兵隊長。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領兵。
・物語内での具体的な行動や成果
アルハルと模擬戦を行い、助言を与えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
昔の戦争で正規軍の槍使いを圧倒した経験がある。
カニス
クラウスの妻。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領民。
・物語内での具体的な行動や成果
アルナーに代わりイルク村の家事全般を引き受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
モント
西の関所のまとめ役。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領兵。鬼教官。
・物語内での具体的な行動や成果
遠征隊の軍事指揮を執った。関所に拘束された森人族の監視を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
アルハルが家族を呼ぼうとしていると推測した。
ジョー
領兵の一人。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領兵。
・物語内での具体的な行動や成果
ディアスの昔話に登場した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
ロルカ
領兵の一人。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領兵。
・物語内での具体的な行動や成果
ディアスの昔話に登場した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
リヤン
領兵の一人。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領兵。
・物語内での具体的な行動や成果
ディアスの昔話に登場した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
マヤ婆さん
イルク村の老人。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領民。
・物語内での具体的な行動や成果
出産の手助けを行った。関所へ魔除けをかけに向かった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
ピキア婆さん
くしゃくしゃ顔で細目の老人。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領民。
・物語内での具体的な行動や成果
織場で産着を作る作業に従事した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
ヒィア婆さん
イルク村の老人。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領民。
・物語内での具体的な行動や成果
織場のドア近くで作業し、犬人族の子供達を迎え入れた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
スーク婆さん
イルク村の老人。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領民。
・物語内での具体的な行動や成果
白ギーの世話を行い、ミルクを使った料理を作った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
婆さん達
イルク村に住む老人達。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領民。
・物語内での具体的な行動や成果
織場で産着の仕立てを行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
婦人会
女性達の集まり。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領民。
・物語内での具体的な行動や成果
産屋の設備について意見を出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
アルハルが作った料理の記録を取った。
セナイ
森人族の双子の姉。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領民。公爵令嬢。
・物語内での具体的な行動や成果
侵入してきた森人族を遠距離から弓で釘付けにした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
メーアバダル防衛隊を名乗り、狩りや見回りを行っている。
アイハン
森人族の双子。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領民。公爵令嬢。
・物語内での具体的な行動や成果
森人族が放った支配の魔法を解析し、逆に命令を下した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
メーアバダル防衛隊としてセナイと共に行動している。
ナルバント
洞人族の老人。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領民。
・物語内での具体的な行動や成果
始祖の銀の軽さを確認し、防具には不向きだと判断した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
氷ため池やバリスタの製作に携わった。
セドリオ・バー・センジー
センジー氏族の長。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領民。氏族長。
・物語内での具体的な行動や成果
一族の言い伝えを改め、メーアバダルを守ることを使命と決めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
マーフ
マスティ氏族の長。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領民。氏族長。
・物語内での具体的な行動や成果
子供達が群れを理解し成長したことを喜んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
コルム
アイセター氏族の一員。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領民。
・物語内での具体的な行動や成果
ディアスにハルジャ種への騎乗を勧めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
背後にいたアルナーに気づかず悲鳴を上げた。
カーリッツ
犬人族の若者。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領民。
・物語内での具体的な行動や成果
怪我をした野生のメーアを発見し、ディアスに報告した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
サーヒィ
鷹人族の男性。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領民。
・物語内での具体的な行動や成果
巣で卵を温め、生まれたチャイを溺愛した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
セナイ達の狩りで空からの偵察役を務めた。
ビーアンネ
鷹人族の女性。サーヒィの妻。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領民。
・物語内での具体的な行動や成果
メーア布製の巣で卵を温めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
ヘイレセ
鷹人族の女性。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領民。
・物語内での具体的な行動や成果
ビーアンネらと共に出産を終え、卵の世話をした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
チャイ
サーヒィの子供。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領民。
・物語内での具体的な行動や成果
卵の中から言葉を学び、生まれた直後から会話を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
他の鷹人族が関所に住みたがっていることをディアスに伝えた。
アルハル
ニャーヂェン族の女性。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領民。セナイ達の護衛。
・物語内での具体的な行動や成果
故郷の料理である揚げ肉や包み肉スープを作った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
正式に領民として受け入れられ、家族を呼ぶ手紙を書いた。
領兵達
ディアスに従う兵士達。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の兵士。
・物語内での具体的な行動や成果
モントの指揮のもと、関所で拘束した盗賊の監視を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
ジョー隊
領兵の部隊の一つ。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の部隊。
・物語内での具体的な行動や成果
関所やイルク村の防衛を手伝った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
家宝の鈴による強化実験の対象となった。
ロルカ隊
領兵の部隊の一つ。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の部隊。
・物語内での具体的な行動や成果
関所やイルク村の防衛を手伝った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
リヤン隊
領兵の部隊の一つ。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の部隊。
・物語内での具体的な行動や成果
モントとともに関所の守りを担当した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
洞人族
北の山に住む種族。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領民。
・物語内での具体的な行動や成果
氷ため池や保管庫、バリスタなどの設備を作った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
犬人族
嗅覚に優れる種族。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領民。
・物語内での具体的な行動や成果
多数の赤ん坊を出産し、ダレル夫人に世話を受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
子供達が遊びを通じて高度な連携を身につけた。
鷹人族
空を飛ぶ種族。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領民。
・物語内での具体的な行動や成果
空から手紙を落とす形で帝国への配達を引き受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
新たに20人が移住を希望し、関所に住み始めた。
センジー氏族
寒さを苦手とする犬人族の氏族。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領民。犬人族。
・物語内での具体的な行動や成果
冬の雪原で見回りを行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
シェップ氏族
犬人族の氏族。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領民。犬人族。
・物語内での具体的な行動や成果
野生のメーア達の毛刈り受付や案内を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
マスティ氏族
犬人族の氏族。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領民。犬人族。
・物語内での具体的な行動や成果
野生のメーアの受付周辺で警備を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
保護した白狼に干し肉を差し出した。
アイセター氏族
犬人族の氏族。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領民。犬人族。
・物語内での具体的な行動や成果
アルナー達とともに馬の手入れを行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
犬人族の子供達
セナイ達の友人。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領民。
・物語内での具体的な行動や成果
セナイ達と連携して狩りを行い、仕留めた獲物を運んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
遊びを通して強い絆と連携力を身につけた。
神殿
ベン
ディアスの伯父。
・所属組織、地位や役職
大メーア神殿の神官。
・物語内での具体的な行動や成果
出産の際、ディアスと共に安産絨毯の待機役を担った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
フェンディア
神殿の女神官。
・所属組織、地位や役職
神殿の所属。
・物語内での具体的な行動や成果
赤ん坊の世話の指揮を執った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ディアスに子供達へ戦争の英雄譚を語るよう提案した。
パトリック
神殿を守る神官兵。
・所属組織、地位や役職
神殿の神官兵。
・物語内での具体的な行動や成果
子育ての経験を活かし、赤ん坊の世話に張り切った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
森人族に対する事前の防衛対策を進言した。
オリアナ
神殿の教育係。
・所属組織、地位や役職
神殿の所属。
・物語内での具体的な行動や成果
セナイ達に勉強を教えたと言及された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
神官兵
神殿に仕える兵士達。
・所属組織、地位や役職
神殿の神官兵。
・物語内での具体的な行動や成果
過去に孤児を育てた経験を持つ者が多い。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
鬼人族
アルナー
ディアスの婚約者。
・所属組織、地位や役職
鬼人族。
・物語内での具体的な行動や成果
セナイ達の狩りを見守った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
始祖の銀を矢の装飾に使う実用的なアイデアを提案した。
ゾルグ
鬼人族の戦士。アルナーの兄。
・所属組織、地位や役職
鬼人族。
・物語内での具体的な行動や成果
遠征隊に参加した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
一人前になるための狩りの風習について語った。
鬼人族
アルナーの一族。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の領民。
・物語内での具体的な行動や成果
獣人国遠征で隠蔽魔法を使用し、敵を撹乱した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
白狼の保護に賛同し、世話を手伝った。
ゴブリン族(鮫人族)
イービリス
ゴブリン族の勇者。
・所属組織、地位や役職
ゴブリン族の代表。
・物語内での具体的な行動や成果
出産祝いとして新鮮なリンゴ魚を村に届けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
大入江を安住の地として利用している。
ゴブリン族
海で暮らす種族。
・所属組織、地位や役職
海に住む種族。
・物語内での具体的な行動や成果
大入江で休息し、イルク村から送られた木材で家を作った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
村の出産の手伝いや物資の運搬で協力した。
ペイジン商会
ペイジン・オクタド
商会の長。
・所属組織、地位や役職
ペイジン商会の長。
・物語内での具体的な行動や成果
私財を投じて獣人国の内乱を未然に防いだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
内乱鎮圧の手柄をヤテンに譲った。
ペイジン・ド
オクタドの息子。
・所属組織、地位や役職
ペイジン商会の商人。
・物語内での具体的な行動や成果
獣人国からの賠償品や絵画をディアスに届けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ディアスの誠実な人柄についてライキリに忠告した。
セキ
氷班のメンバー。
・所属組織、地位や役職
ペイジン商会。
・物語内での具体的な行動や成果
エリー達とともに氷ため池で氷の切り出しを行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
サク
氷班のメンバー。
・所属組織、地位や役職
ペイジン商会。
・物語内での具体的な行動や成果
エリー達とともに氷ため池で氷の切り出しを行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
アオイ
氷班のメンバー。
・所属組織、地位や役職
ペイジン商会。
・物語内での具体的な行動や成果
エリー達とともに氷ため池で氷の切り出しを行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
マーハティ領
エルダン
マーハティ領の領主。
・所属組織、地位や役職
マーハティ公爵。
・物語内での具体的な行動や成果
神殿建立を祝い、旅芸人を手配した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
妻が無事に嫡男を出産し、領を挙げて祝った。
ジュウハ
マーハティ領の兵学者。
・所属組織、地位や役職
マーハティ領の所属。
・物語内での具体的な行動や成果
昔の戦争で補給線を整備し、敵指揮官を策に嵌めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
敵の物資を売りさばいて大金を稼いだ。
ゲラント
エルダンに仕える鳩人族。
・所属組織、地位や役職
マーハティ領の使者。
・物語内での具体的な行動や成果
嫡男誕生の報せを伝えるため、イルク村の隣まで飛んできた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
エルダンの妻
エルダンの配偶者。
・所属組織、地位や役職
マーハティ領の所属。
・物語内での具体的な行動や成果
無事に男児を出産した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
神殿の加護によるものとして周囲から祝福された。
獣人国
獣王
獣人国の王。
・所属組織、地位や役職
獣人国の王。
・物語内での具体的な行動や成果
内乱を鎮圧したという報告を受け、ヤテンを称賛した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
ヤテン・ライセイ
獣王参議。
・所属組織、地位や役職
獣人国の参議。
・物語内での具体的な行動や成果
オクタドに手柄を譲られ、息子達に家宝を届けるよう命じた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
失脚の危機にあったが、評価が一転して回復した。
ライキリ
ヤテンの長男。
・所属組織、地位や役職
獣人国の貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
森人族の暴走を止めるため関所へ急行した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ディアスに家宝の鈴を贈り、メーアバダル領の善意に触れて感動した。
ライマル
ヤテンの次男。
・所属組織、地位や役職
獣人国の貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
兄のライキリとともに関所へ向かい、謝罪した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
メーアバダル神殿の加護を獣人国で広めると申し出た。
ヤテン家三男
ヤテンの三男。
・所属組織、地位や役職
獣人国の貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
森人族が森から消えていることに気づき、兄の下へ走った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
隣国で問題が起きることを危惧した。
森人族の長
森人族を率いる人物。
・所属組織、地位や役職
森人族の長。
・物語内での具体的な行動や成果
一族の繁栄を取り戻すため、セナイ達を支配しようと目論んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
メーアバダル領の乗っ取りを計画した。
森人族
獣人国に身を寄せていた種族。
・所属組織、地位や役職
森人族。
・物語内での具体的な行動や成果
セナイ達に支配の魔法をかけたが、逆に命令を下され拘束された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
獣人国の森を育てる労役を科された。
傭兵集団
獣人国で集められた集団。
・所属組織、地位や役職
獣人国の傭兵。
・物語内での具体的な行動や成果
森人族の動きを止めるためにヤテン達によって動かされた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
サンセリフェ王国
国王
サンセリフェ王国の王。
・所属組織、地位や役職
王国の国王。
・物語内での具体的な行動や成果
昔話において、新兵千人をディアスの軍へ送った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
大剣使い
新兵を率いる指揮官の一人。
・所属組織、地位や役職
王国軍の正規兵。
・物語内での具体的な行動や成果
ディアスに力比べを挑んだが、手が痺れて敗北した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
敗北後に態度を改めた。
細剣使い
新兵を率いる指揮官の一人。
・所属組織、地位や役職
王国軍の正規兵。
・物語内での具体的な行動や成果
ジュウハに知恵比べを挑んだが、知識不足を指摘され論破された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
敗北後に態度を改めた。
槍使い
新兵を率いる指揮官の一人。
・所属組織、地位や役職
王国軍の正規兵。
・物語内での具体的な行動や成果
クラウスに戦いを挑んで敗北し、謝罪した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
敗北後に態度を改めた。
帝国
帝国軍指揮官
帝国軍を率いた人物。
・所属組織、地位や役職
帝国軍の指揮官。
・物語内での具体的な行動や成果
ディアスを包囲しようとしたが、煙と炎の策に嵌まり大敗した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ディアスに一撃で吹き飛ばされ、逃走した。
ニャーヂェン族の族長
ニャーヂェン族の長。
・所属組織、地位や役職
帝国の獣人。族長。
・物語内での具体的な行動や成果
アルハルからの手紙を受け取り、移住の準備を本格化させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
ニャーヂェン族
猫に似た特徴を持つ獣人。
・所属組織、地位や役職
帝国の獣人。
・物語内での具体的な行動や成果
身軽で柔軟な体を持ち、戦闘に長けていると言及された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
アルハルの誘いでメーアバダル領への移住が決まった。
その他・モンスター
大メーアの使い
メーアに似た存在。
・所属組織、地位や役職
不明。
・物語内での具体的な行動や成果
ディアスに褒美として始祖の銀を与えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
巨大トカゲ
荒野に川を作った存在。
・所属組織、地位や役職
不明。
・物語内での具体的な行動や成果
セナイ達の前に現れ、森を作るように伝えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
ベイヤース
ディアスの愛馬。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の動物。
・物語内での具体的な行動や成果
馬の群れを率いて警戒し、セナイ達を矢から守るため前脚を振り上げた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
カーベラン
アルナーの愛馬。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の動物。
・物語内での具体的な行動や成果
アルナーを乗せて雪原を歩いた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
シーヤ
セナイの愛馬。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の動物。
・物語内での具体的な行動や成果
セナイを乗せて森人族の迎撃に向かった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
グリ
アイハンの愛馬。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の動物。
・物語内での具体的な行動や成果
アイハンを乗せて森人族の迎撃に向かった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
メーア達
羊に似た動物。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の動物。
・物語内での具体的な行動や成果
十二頭の子供を出産し、セナイ達の回避訓練の相手となった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
野生のメーア達
メーアバダル領外にいるメーア。
・所属組織、地位や役職
野生の動物。
・物語内での具体的な行動や成果
フレイムドラゴンに追われてイルク村に避難し、毛を刈らせて滞在費を払った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
白狼に助けられ、避難所に逃げ込んだ個体もいる。
ハルジャ種
大型の馬。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の動物。
・物語内での具体的な行動や成果
ベイヤースの群れとは別に独自の群れを作って過ごしている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
白ギー
家畜の一種。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の動物。
・物語内での具体的な行動や成果
三頭が妊娠し、春にはミルクを出す予定となっている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
黒ギー
肉用の家畜。
・所属組織、地位や役職
メーアバダル領の動物。
・物語内での具体的な行動や成果
セナイ達の狩りの標的となり、仕留められた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
ビクーナ
ラクダに似た草食動物。
・所属組織、地位や役職
野生の動物。
・物語内での具体的な行動や成果
草原に現れ、メーアバダル領の新しい仲間として受け入れられた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
フレイムドラゴン
炎を吐くモンスター。
・所属組織、地位や役職
モンスター。
・物語内での具体的な行動や成果
三体同時に襲来したが、ディアス達によって討伐された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
狼達
野生の狼。
・所属組織、地位や役職
野生の動物。
・物語内での具体的な行動や成果
フレイムドラゴンに追われて草原に逃げてきた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
白狼
白い毛の狼。
・所属組織、地位や役職
野生の動物。
・物語内での具体的な行動や成果
妊娠した状態で保護され、避難所で出産して姿を消した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
野生のメーアを小人のモンスターから助けた。
コウモリ型モンスター
空を飛ぶモンスター。
・所属組織、地位や役職
モンスター。
・物語内での具体的な行動や成果
ビクーナを襲おうとしたが、セナイ達の弓で撃ち落とされた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
緑色の小人型モンスター
小人の姿をしたモンスター。
・所属組織、地位や役職
モンスター。
・物語内での具体的な行動や成果
野生のメーアを襲撃していたが、狼達に倒された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
その後、徹底的な捜索と殲滅が行われた。
鱗トカゲ
硬い鱗を持つモンスター。
・所属組織、地位や役職
モンスター。
・物語内での具体的な行動や成果
セナイ達の狩りの標的となり、目と口を射抜かれて討伐された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特に変化はない。
展開まとめ
エイマのレポート
祝いの宴とディアス達のダンス
ディアスの神との邂逅と神殿建立を祝うため、エルダン達の計らいによって、オクタドや旅芸人達を招いた盛大な宴が開かれた。
宴では旅芸人達による芸が披露され、さらにディアスとアルナーによるダンスまで行われることとなった。二人の姿は宴を大いに盛り上げ、イルク村は祝福と歓声に包まれていた。
獣人国の内乱と遠征隊の結成
その後ディアスは、ペイジンからの手紙によって、獣人国でヤテンの失脚をきっかけに内乱が起きつつあることを知る。
助力を求められたものの、隣国へ正式に出兵することは出来なかったため、領民達との議論や助言を重ねた末、秘密裏に少数精鋭の遠征隊を送り込むこととなった。
遠征隊はエイマを中心に編成され、モント率いる領兵達や、ゾルグ率いる鬼人族達が加わっていた。
ナルバント達はエイマ専用のドレス鎧まで用意しており、エイマは戸惑いながらも遠征隊の指揮を担うことになるのだった。
アルハルの救出と内乱軍への奇襲
獣人国へ到着した遠征隊は、早々に男達に襲われていたニャーヂェン族の少女アルハルを救出した。
アルハルはそのまま遠征隊へ協力することとなり、一行は内乱勢力の砦を次々と奇襲によって攻略していく。
さらに隠蔽魔法を駆使することで内乱軍を大きく撹乱し、戦況を混乱させながら内乱鎮圧へ貢献していった。
イルク村でのフレイムドラゴン討伐
遠征隊が獣人国で活動している間、イルク村でも新たな脅威が現れていた。
ディアス達は三体ものフレイムドラゴンと戦うこととなったが、領民達と協力しながらこれを討伐することに成功した。
ディアスは、自ら全てを抱え込むだけではなく、信頼する仲間達へ任せることの大切さも学んでいくのだった。
鉱山近くの街道脇で ディアス
フレイムドラゴン討伐後の評価
エイマ達の遠征中に行われたフレイムドラゴン討伐では、洞人族が用意したバリスタが大きな活躍を見せていた。
その中でも特に注目されたのは、セナイとアイハンの働きだった。二人は弓矢による援護だけでなく、洞人族達が苦手としていたバリスタの照準調整まで担当し、空を飛ぶフレイムドラゴンへ見事に命中させていた。
アルナーやゾルグですら、弓矢とバリスタを同じ感覚で扱うことは出来ないと語っており、セナイ達の才能の特異さが改めて浮き彫りとなっていた。
アルハルによるセナイ達の分析
その才能について説明したのは、新たに領民となったアルハルだった。
アルハルは、セナイとアイハンが複数の師から学び、それを自分達なりに解釈して成長してきた結果だと分析した。さらに二人は、風や魔力の流れを目で見て感じ取り、直感的に狩りや戦闘を行っていることも明かした。
ディアスの直感的な戦い方や、アルナーの弓術指導など、多種族が共に暮らすイルク村の環境そのものが、二人を特別な存在へ育てていたのである。
バリスタ試射と村の発展
その後、一行は整備されたバリスタの試射を見学した。
洞人族達が準備を整え、セナイとアイハンが照準を指示し、放たれた巨大な矢は遠方の木箱を粉砕した。改良によって威力を増したバリスタの性能に、歓声が上がっていた。
村へ戻る途中には、二軒目となる産屋の建設現場も見えていた。そこには鷹人族用の部屋や、安全な出産のための設備など、多種族が暮らすイルク村らしい工夫が施されていた。
アルハルの変化とモントの推測
イルク村で暮らすうちに、アルハルは村の生活や将来について深く関心を抱くようになっていた。
その様子を見たモントは、アルハルが帝国へ帰るのではなく、家族を呼び寄せてイルク村へ定住しようとしているのではないかと推測していた。
ディアスは半信半疑だったが、アルハルは既にセナイ達や村人達と強い絆を築き始めていた。
野生メーア達の保護
フレイムドラゴン出現によって追われた野生メーア達も、次々とイルク村へ避難してきていた。
避難してきたメーアは二十頭に達したが、事前に保護体制が整えられていたため、大きな混乱は起きなかった。角には色分けされたリボンが結ばれ、宿泊や食事の対価として毛を提供する仕組みも運用されていた。
酒場や神殿は暖かく安心できる場所として人気を集め、村はさらに賑やかになっていくのだった。
大メーアの使いと始祖の銀
そんな中、かつて現れた大メーアの使いが再び姿を現した。
使いは、ディアス達がメーア達を保護していることや、神殿を建立したことを高く評価し、褒美として「始祖の銀」を与えた。
始祖の銀は非常に軽く、さらにモンスターや瘴気へ反応して光を放つ特殊な金属だった。ナルバントは防具や腕輪への加工を提案し、ヒューバートはそれを草原全体へ配置することで、モンスター接近を探知する監視網として利用する案を提示した。
アルハルの決断
始祖の銀の活用法や、村の未来について語り合う中で、アルハルはディアスへ問いかけた。
イルク村をどうしたいのか、何を目指しているのかを尋ねられたディアスは、今の穏やかな暮らしこそ自分の望んでいたものであり、この自然な発展の流れを大切にしたいと語った。
その答えを聞いたアルハルは、ついに決意を固める。
アルハルは、自分の仲間達を帝国から呼び寄せ、ニャーヂェン族もイルク村で共に暮らすと宣言した。突然の申し出にディアスは言葉を失うが、アルハルは照れくさそうに笑いながら感謝の言葉を口にするのだった。
織場で マヤ婆さん達
織場と婆さん達の仕事
新たに作られた織場では、マヤ達婆さん衆が産着作りに励んでいた。
高床式の建物には織り機が並び、洞人族が用意した多種多様な針を使いながら、次々と産着が仕立てられていた。婆さん達は、生まれてくる子供達のことを思い浮かべながら仕事に励み、犬人族の赤子達が見せに来てくれることを大きな喜びとしていた。
そこへ去年生まれた犬人族の子供達が遊びに来ると、婆さん達は作業の手を止めて子供達を撫でたり、砂糖パンを分け与えたりしながら、穏やかな時間を楽しんでいた。
セナイ達の薬湯
その後、セナイとアイハンが薬湯を持って織場へやって来た。
二人が淹れる薬湯は婆さん達にとってすっかり馴染みの味となっており、それを飲むと体の奥から力が湧いてくるのだった。薬湯のおかげで婆さん達の作業はさらに活気づき、織場には軽快な織り機の音が響き渡っていた。
サーヒィと卵達
鳥小屋では、サーヒィが久しぶりに自分の巣へ戻っていた。
アルナーが用意したメーア布製の巣は、卵を安全かつ暖かく守るために工夫されており、サーヒィはそこに収められた卵達を大切そうに温めていた。卵から伝わる小さな鼓動を感じながら、どんな子供達が生まれてくるのかと胸を高鳴らせていたのである。
その中でビーアンネは、帝国のニャーヂェン族へ手紙を届ける任務について問いかけたが、サーヒィは獣人国遠征で十分な稼ぎを得たことや、卵達の世話を優先したいことを理由に、今回は他者へ譲るつもりだと答えていた。
大入江で暮らすゴブリン達
荒野南の大入江では、ゴブリン達が穏やかな生活を送っていた。
イービリスが人間族と約定を交わしたことで、ゴブリン達は自由に陸地を利用出来るようになり、冬の荒海に疲れた者達が次々と大入江へ集まってきていた。陸上での暮らしは新鮮であり、揺れない眠りや安全な子育てを大きな幸福として受け止めていた。
さらにイルク村からはユルト用の布や木材、食料などが川を通じて届けられており、ゴブリン達はそれらを大切に受け取りながら、新たな生活基盤を築こうとしていた。樽の中に詰められた陸上の料理や飲み物は、彼らにとって大きな楽しみとなっていた。
セドリオ達の決意
雪原では、センジー氏族長セドリオが仲間達と共に見回りを行っていた。
フレイムドラゴンに追われた狼達が現れたことで警戒を強めていたが、その最中、セドリオは今の幸福な暮らしについて語り始めた。食料や家が十分にあり、不安なく子供達を迎えられる現在の生活は、これ以上ない幸福だと実感していたのである。
そしてセドリオは、かつて一族が追い求めていた「正しい人」を探す言い伝えを見直すべきではないかと語った。これからはディアス達と共にメーアバダルを守り、この地の幸福を未来へ繋げていくことこそ、一族の新たな使命であると決意していた。仲間達もまたその考えに同意し、新たな時代を生きる覚悟を固めるのだった。
放牧地に向かいながら ディアス
アルハルへの手紙と始祖の銀の活用
アルハルの件では、まずニャーヂェン族へ連絡を取るため、鷹人族に手紙の運搬を依頼することになった。
しかし帝国との直接接触は国際問題になりかねないため、鷹人族は空から手紙を落とすだけに制限されることとなり、アルハルは同じ内容の手紙を何通も用意して、拾われる確率を上げようとしていた。
また始祖の銀については、ヒューバートの案を基に、銀を取り付けた棒を各地へ立ててモンスターの接近を感知する仕組みが整えられようとしていた。さらにアルナーは、始祖の銀を鏃や装飾へ用いた矢や投網などを提案し、鬼人族の女性達も積極的に協力していた。
馬達と鬼人族の世話
数日後、ディアスは鬼人族の女性達の様子を見るため放牧地へ向かった。
そこではベイヤース率いる馬の群れと、ハルジャ種の群れがそれぞれ秩序を保ちながら暮らしており、アルナー達は熱心に馬の手入れを行っていた。鬼人族にとって馬は家族であり財産でもあるため、たてがみや尻尾に至るまで丁寧に世話していたのである。
さらにアルナー達は馬具なしで馬を乗りこなしており、その技量にコルムも感嘆していた。しかしコルムが軽口としてアルナーとの関係を茶化したことで、アルナーに聞かれてしまい、ディアスはベイヤースと共にその場を離れるのだった。
白ギーと出産への備え
アルナーとの遠駆けの途中、ディアス達は白ギーの群れを見かけた。
三頭の白ギーが妊娠しており、春には新たな命と大量のミルクが期待されていた。スーク婆さんの料理や村人達の健康を支える存在として、白ギーは既に欠かせない存在となっていたのである。
また犬人族やメーア達の出産予定も多く、アルナーはこの冬に多くの赤子が生まれるだろうと語っていた。パトリック達神官兵にも豊富な子育て経験があることが判明し、村では出産への備えが着々と進められていた。
妊娠した白狼との遭遇
そんな中、ディアス達の前へ一頭の白狼が現れた。
狼は妊娠しており、弱った様子を見せていたため、ディアスとアルナーは対応を相談した。狼は害獣でありながら草原に必要な存在でもあり、最終的には鉱山近くへ避難所を作り、そこで出産まで世話をすることが決まった。
マスティ氏族達は最初こそ不安を見せたものの、ディアスが狼を優遇する訳ではないと説明すると安心し、干し肉を差し出していた。狼もまた警戒しながらそれを口にしていた。
白狼の保護と出産
洞人族達によって地下室形式の避難所が作られ、白狼はそこで暮らし始めた。
ディアスやアルナー、鬼人族達は餌や温水を用意しながら、必要以上には干渉しない形で見守っていた。ゾルグ達鬼人族は、狼の誇り高い在り方に特別な感情を抱いており、その保護にも積極的だった。
その後、白狼は四頭の子供を無事に出産し、やがて子狼達と共に姿を消していった。村人達はその後の行方を気にしつつも、出産期を迎えた村の対応に追われ、自然と白狼の話題は減っていった。
野生のメーアと白狼の恩返し
しばらく後、怪我を負った野生のメーアが避難所へ駆け込んできた。
ディアスは安産絨毯で治療を行い、その後カーリッツが事情を聞き出したところ、メーアは緑色の小人型モンスターに襲われていたこと、そこへ白狼と群れの狼達が現れて小人達を倒し、自分を避難所へ追い立てるように誘導してくれたことが判明した。
鬼人族達は狼の恩返しだと感動していたが、犬人族達は偶然だろうと主張していた。それでも結果としてメーアが助かったことに変わりはなく、以後も危機に陥った野生のメーア達が次々と避難所へ導かれるようになったことで、村人達はこの現象を「白狼の恩返し」と呼ぶようになっていった。
さらにこれを契機として、小人型モンスターの徹底捜索と殲滅が進められ、鷹人族や犬人族の見回りも強化された結果、メーアバダル草原は安全な土地として整備されていくのだった。
村の南で
出産準備と役割分担
白狼騒動の最中、イルク村では出産の時期が近づき、出産予定の者達が産屋へ移動し始めていた。
今年は人数も多く、長期間にわたって出産が続くだろうと予想されたため、村では事前に入念な準備と人員配置が進められた。マヤ婆さんやアルナー、セナイ、アイハン達が出産を支え、エイマやアルハルが監督役となり、ディアスとベン伯父さんは安産絨毯を担当することになった。
さらにクラウス達が防衛と見回りを担い、モント達が関所を守り、ダレル夫人やフェンディア、鬼人族の女性達が赤ん坊の世話役を務めるなど、村全体で出産へ備える体制が整えられていた。
イービリス達の援軍と氷の活用
そんな中、イービリス率いるゴブリン達が三十人ほどに増えた状態でイルク村へやってきた。
彼らは出産を助けるため、新鮮な魚を大量に運んできており、氷と海水を利用して鮮度を保つ方法を披露した。村では既に氷ため池や地下保管庫が整備されており、その氷が魚の輸送に役立っていた。
イービリスが持ち込んだ大きな魚に対し、ディアスはその黄色い模様から「リンゴ魚」と名付けた。ゴブリン達はそれを祝いの品として贈り、イルク村の出産を支援することとなった。
野生のメーアへの配慮
イービリス達を案内していたディアスは、群れで寄り添うメーア達について説明した。
その中心には以前保護した野生のメーアがおり、メーア達には辛い目に遭った仲間を悲しませてはいけないという掟が存在していた。傷付いた仲間へ寄り添うことで群れの絆を深めるという習慣を知り、イービリスも感心していた。
連続する出産
その直後、犬人族達が駆け込んできて、出産が始まったことをディアスへ知らせた。
ディアスは産屋で安産絨毯を担当し、何か異変が起きた際に備える役目を担った。すると一人目の出産を皮切りに、次々と出産が始まり、七日間にわたって出産が続くこととなった。
イービリス達はその間も村の仕事を積極的に手伝い、更に多くのリンゴ魚を運び込んで支援を続けてくれた。ディアス達はその厚意に深く感謝し、いつか恩返しをしようと決意するのだった。
赤ん坊達の誕生とダレル夫人の奮闘
七日後、予定されていた出産は全て無事に終わった。
犬人族の赤ん坊が五十三人、メーアの赤ん坊が十二人誕生し、メーアの子供達はすぐに元気に動き回るようになった。一方で犬人族の出産では安産絨毯を必要とする場面もあり、一部の母親達は静養が必要となったため、赤ん坊の世話は村全体で行われることとなった。
その中でも特に活躍したのがダレル夫人だった。彼女は汚れ仕事も厭わず、夜通し赤ん坊の世話を続け、犬人族達から大きな敬意を集めていった。フェンディア達と共に懸命に働いた結果、村は大きな混乱もなく出産期を乗り切ることが出来たのである。
アルハルの鍛錬と王国軍への認識
出産騒動が落ち着き始めた頃、アルハルはクラウスと模擬戦を行っていた。
身体能力ではアルハルも優れていたが、戦闘経験の差は大きく、クラウスは雑談しながらでもアルハルの攻撃を受け流していた。しかしディアスの助言を受けたアルハルは全力で突撃を仕掛け、ついにクラウスへ一撃を与えることに成功した。
アルハルは王国軍の強さへ驚き、自分達ニャーヂェン族も油断出来ないと痛感していた。また食料事情についてもディアスへ問いかけ、他所と支え合う関係こそが平穏を生むのだという考えを聞かされ、深く考え込むこととなった。
ヤテンの決断
同じ頃、獣人国ではヤテンが息子達へ密命を下していた。
オクタドが内乱鎮圧へ尽力した功績を全てヤテンへ譲ったことで、ヤテンは獣王から高い評価を受けていた。しかしその裏で、ディアス達が外交問題を引き受けてくれたことも理解しており、大きな借りを感じていた。
そのためヤテンは息子達へ、オクタドへ礼金と家宝を届けるよう命じた。外交問題を処理してくれたディアスへの恩義もあり、今後の関係維持のためにも最大限の誠意を示そうとしていたのである。
ニャーヂェン族への手紙
その頃、帝国の港町ではアルハルの手紙がニャーヂェン族へ届けられていた。
族長は手紙を読んで驚愕し、即座に使者を賓客として迎える準備を命じた。そしてアルハルの無事を家族へ知らせるよう指示し、本格的に動き始める決意を固めていた。
ダレル夫人の新たな決意
イルク村では、出産騒動が落ち着きを取り戻し始めていた。
そんな中、赤ん坊達がディアスの服へ爪を立てて張り付き、まるで飾りのようになっている光景を見たダレル夫人は、自分ももっと赤ん坊達に懐かれたいと強く思うようになる。
ディアスへ対抗心にも似た闘志を燃やしたダレル夫人は、更に犬人族達や赤ん坊達に好かれるため、一層世話へ励んでいくのだった。
集会所で ディアス
産後の報告と森人族への警戒
犬人族の赤ん坊達が成長し、村中を駆け回るようになった頃、イルク村では出産時の特別体制を元へ戻すための話し合いが行われた。
ダレル夫人は、母親達も赤ん坊達も順調に回復しており、産褥熱も一切起きていないと報告した。安産絨毯やサンジーバニーの薬湯が大きな効果を発揮し、母親達の体力回復も非常に早かったのである。ディアスはその功績を称え、セナイ達へ改めて礼を伝えることを決めた。
続いてクラウスは、関所勤務の者達へ定期的にイルク村へ戻る機会を与えて欲しいと提案した。更に、最近森人族が関所付近をうろついていることを報告し、セナイ達へ接触してくる可能性について警戒を促した。
セナイ達を守る決意
森人族への対応について議論が進む中、パトリックはセナイとアイハンが既に王国公爵家の令嬢という重要な立場にあることを指摘した。
そのため森人族が血縁や同族を理由に利用しようとしたり、脅迫や身柄要求をしてくる危険性があると語り、事前に方針を決めておくべきだと進言した。
それに対しディアスは、セナイ達を害そうとする相手には容赦せず、力尽くで排除すると断言した。戦争での経験から、そうした相手へ譲歩しても良い結果にはならないと理解していたのである。
更にマヤ婆さんやアルナーも、防御や探知の備えを進めると申し出て、森人族への警戒体制を整え始めた。
セナイ達の意思
その話し合いの最中、集会所へセナイとアイハン、そしてエイマが現れた。
盗み聞きしてしまったと謝りながらも、セナイ達は森人族への遠慮は不要だと明言した。彼女達にとって森人族は、自分達や家族を追放した存在であり、特別な情を抱いてはいなかったのである。
アルナーやセドリオが家族を傷付ける相手は容赦なく排除すべきだと語ると、セナイ達は嬉しそうに笑い、アルナーへ抱きつきながら甘えるのだった。
アルハルから見た双子の令嬢
アルハルから見たセナイとアイハンは、常識外れな公爵令嬢だった。
2人は贅沢を好まず、毎朝家事を手伝い、その後も勉強や鍛錬へ打ち込んでいた。戦闘訓練ではメーア達の高速突撃を軽やかに回避し、その弓術は鬼人族ですら並べない程の腕前だった。
それでも彼女達は満足しておらず、ディアスを超えることを目標として努力を続けていた。長子として家族や未来の弟妹達を守る責務を感じているからである。アルハルは、そんな2人が将来どんな存在になるのか想像もつかず、驚きながら見守っていた。
森人族の野望
一方その頃、森人族の長は一族の未来について思案していた。
かつて森人族は、世界へ森を広げ他種族を助けるという使命を担い、大陸でも繁栄していた。しかし時代が進む中でその力は衰退し、今では森を守るだけで精一杯となっていた。
長は再び繁栄を取り戻し、森人族こそが世界を支配すべきだと考えていた。そんな中、人間族の公爵家へ森人族の双子が迎えられたという噂を耳にし、彼女達を利用できないかと考え始める。まずは偵察を送り、情報収集を進めようとしていた。
トカゲの神の再訪
鍛錬を終えたセナイとアイハンが雪の中で休んでいた時、以前荒野で川を作った巨大なトカゲが再び姿を現した。
トカゲは、荒野へ森を作るという使命を忘れていないか確認しに来たのだと語った。そしてセナイ達を「正しい森の娘」と呼び、人々を守る彼女達へ期待していると告げる。
更に同族へ会ったなら「正道へ戻れ」と伝えて欲しいとも語り、それだけ言い残して雪の下へ消えていった。突然の出来事にアルハルは混乱しきっていたが、セナイとアイハンは森作りを許されたことを喜び、どんな森にするか楽しそうに話し始めるのだった。
広場で鍛錬をしながら――ディアス
新たな領民達
冬が深まり寒さが厳しくなる頃、イルク村では新たな領民が次々と加わった。
まず正式に領民となったのはアルハルだった。彼女はセナイとアイハンの護衛役を務めることとなり、身軽さと柔軟さを活かし、女性しか入れない場所での護衛を任されるようになった。既に双子との仲は非常に良く、帝国仕込みの貴族作法にも通じていたため、将来的な公爵令嬢護衛としても十分期待されていた。
更に鷹人族の男女五人も領民となった。彼らは各地へ手紙を届ける仕事を通じ、外の世界を知る楽しさに目覚めていたのである。静かな巣での暮らしよりも、様々な経験を積めるイルク村での生活を望んだのだった。
チャイの誕生
続いて話題となったのは、サーヒィの子であるチャイの誕生だった。
本来なら春から初夏に孵化するはずだった卵が早く孵り、チャイだけが先に生まれることになった。サーヒィは溺愛とも言える勢いでチャイを可愛がり、村中へ見せて回っていた。
チャイは生まれた直後から驚く程賢く、翌日には言葉を話し始め、大人と会話出来る程に成長していた。卵の中で周囲の会話を聞き続けて学習していたらしく、その知性にディアスも驚かされる。
更にチャイは、他の鷹人族が西の関所に住みたがっていることまで伝え、ディアスへきちんと相談するよう求められると、礼儀正しく承諾するのだった。
英雄譚のお話会
フェンディアは、卵の状態でも子供達が学べるならば、ディアスの戦争体験を語って聞かせて欲しいと提案した。
最初ディアスは戦争の話を聞かせることへ戸惑ったが、ビーアンネ達母親陣はむしろ大賛成し、勇気ある子に育つに違いないと喜んだ。その結果、子供達へ向けた大規模なお話会が開かれることとなる。
広場には毛皮や椅子、止まり木まで用意され、犬人族、鷹人族、メーア達まで集まり、盛大な会場が作られた。そこでディアスは、黄金低地の戦い後に行われた「丘陵地帯の逆転劇」を語り始める。
ジュウハの補給戦略
黄金低地の戦い後、ディアス達は前線へ急がず、ジュウハの指示でゆっくり進軍していた。
ジュウハは進軍路に小型保管庫と陣地を次々と築き、補給線を整備していく。農民出身の兵士達へ食料生産や陣地守備を任せることで、疲弊した者達を無理に前線へ送らないよう配慮していたのである。
その結果、ディアス達は食料不足に悩まされることなく、十分な休養と補給を維持しながら進軍を続けることが出来ていた。
新兵千人の合流
そんな中、王国軍から新兵千人が送り込まれることになった。
三人の指揮官格は平民出身のディアス達を見下していたが、ジュウハは不満があるなら実力で示せと挑発する。大剣使いはディアス、細剣使いはジュウハ、槍使いはクラウスへ挑み、それぞれ完敗した。
敗北後、新兵達は態度を改め、ディアス達へ敬意を示すようになった。以降、ディアス達は新兵の再訓練と連携強化へ力を注ぐこととなる。
帝国軍指揮官の苦悩
一方帝国軍では、ディアスを孤立させて包囲殲滅する作戦が進行していた。
しかしジュウハは、ディアスだけを後方へ移動させ、新兵の訓練を担当させる一方で、偵察兵の捕縛や偽情報の流布を徹底した。帝国軍はディアスの居場所も意図も掴めず、指揮官は疑心暗鬼へ陥っていく。
偵察兵からも「ディアスは帝都へ向かった」「負傷した」「奇襲準備中」など情報が錯綜し、帝国軍内部では不安と恐怖が拡大していった。
ディアス不在の恐怖
帝国軍指揮官は、ディアスが後方で数万規模の新兵を鍛えているという情報を掴み、それを真実だと判断した。
その結果、王国軍の本隊を包囲しつつ、西側からも急襲軍を回り込ませる大規模作戦を実行する。しかしジュウハはその動きすら見越しており、ぬかるみや木材、縄張りなどで騎兵隊を混乱させ、少数精鋭の奇襲で急襲軍を壊滅させた。
帝国軍指揮官は怒りと焦りから総攻撃を決断するが、その時点で既にジュウハの策へ完全に嵌められていた。
煙と炎の逆転劇
ディアス達は丘陵地帯へ大量の木材を積み上げ、それへ火を放って巨大な炎と煙の壁を作り出した。
煙によって北軍・南軍・東軍は分断され、互いの連携が取れなくなる。その混乱の中、ディアス本人が煙の中から姿を現し、帝国兵達へ襲いかかった。
長期間に渡って積み重ねられていた「ディアスへの恐怖」は限界へ達しており、兵士達は指揮官の制止も聞かず逃走を始める。指揮官自身もディアスへ突撃するが、一撃で吹き飛ばされ敗北した。
その後ディアスは南軍、北軍を次々と崩壊させ、二万五千の帝国軍を壊滅へ追い込む。こうして二千余りの兵しか持たない王国軍による、大逆転劇が完成したのだった。
子供達の憧れ
話を聞き終えた犬人族の子供達は興奮し、もっと続きを聞かせて欲しいとディアスへ詰め寄った。
煙の中でも戦いたい、自分達も強くなりたいと目を輝かせる子供達を見て、ディアスは苦笑しながら頭を撫でてやるのだった。
草原で ディアス
戦術遊びの流行
ディアスの昔話は子供達に大きな影響を与えた。
しかし子供達が憧れたのは戦争そのものではなく、作戦や連携、駆け引きだった。賢い子が作戦を立て、仲間を動かし、相手もまた作戦を考えて対抗するという遊びが広まっていく。
ディアス達は、その遊びが成り立つよう細かなルールを整備した。帽子や背中の毛玉へ触れたら攻撃成功、雪の障害物を使った奇襲を可能にし、終わった後は皆で片付けや食事を行うよう決めたのである。
その結果、子供達の間には単なる友達以上の強い信頼関係が芽生えた。犬人族達は家事や毛繕いですら連携を取るようになり、大人達はそれを「群れを理解した立派な成長」だと喜ぶのだった。
セナイ達の狩りの進化
子供達の変化は、セナイとアイハンの狩りにも大きな影響を与えた。
ディアスが同行して確認すると、2人の狩りは以前とは別物になっていた。軍馬へ縄梯子を取り付け、犬人族の子供達がそこへぶら下がりながら移動するという独特な形を取っていたのである。
サーヒィが空から獲物を探し、犬人族達が追い込み、セナイとアイハンが馬上から弓で仕留める。子供達は言葉を交わさず、視線や動きだけで完璧な連携を成立させていた。
黒ギー五頭を短時間で仕留めたその連携を見て、ディアスは自分達でもここまで上手くやれるか分からないと驚かされる。狩りを終えた子供達へ、ディアスは惜しみなく賞賛の言葉をかけるのだった。
メーアバダル防衛隊の決意
セナイとアイハンが連携狩りを始めた理由には、別の目的があった。
それはメーアバダル草原を守ることだった。ドラゴンや侵入者、戦争から草原を守るため、自分達も強くならなければならないと考えていたのである。
ディアスやジュウハのようにはなれない。だが、皆で協力すれば近づけるかもしれない。そんな思いから、狩りを通じて地形把握や集団行動を鍛え始めた。
またクラウスやモント、洞人族達も、それぞれ未来の脅威へ備えて関所強化や兵器開発を進めていた。セナイ達は、その姿を見聞きする中で、自分達も草原を守る側へ成長しなければならないと強く決意していた。
ビクーナとの遭遇
ある日、セナイ達は草原で見慣れない動物と遭遇した。
ラクダやラマに似た細長い体型をした草食動物であり、エイマはそれを「ビクーナ」だと説明する。仲間意識が強く、家畜化出来ない生き物らしかった。
セナイ達は、危険な存在ではないと判断し、ビクーナ達を草原の新しい仲間として歓迎した。そして増えたら肉や毛皮を利用しようと笑い合うのだった。
草原の生態変化
後日、ディアスもアルナーと共にビクーナの確認へ向かった。
その途中でアルナーは、狐や小動物、虫なども増えていると語る。白い草やモンスター減少の影響で、草原全体の生態系が豊かになっているらしかった。
ビクーナ達は警戒心が強かったが、群れで草を食みながら穏やかに暮らしていた。ディアス達は、その姿を遠くから静かに見守る。
空からの襲撃と双子の弓
しかしその最中、コウモリ型モンスターの群れがビクーナ達を襲撃しようと現れる。
ディアスとアルナーが迎撃準備を整える中、空へ向かって放たれた二本の矢がモンスターを撃ち落とした。その矢を放ったのは、駆けつけたセナイとアイハンだった。
2人は安全距離を維持したまま次々に矢を放ち、モンスターを空から叩き落としていく。最後には群れの長格まで、時間差を計算した同時命中の連射で撃墜した。
その神業じみた弓技を見て、アルナーは鬼人族最強の弓使いでも不可能だと断言する。ディアス達は落下したモンスターへ止めを刺しながら、双子の成長へ強い驚きを覚えるのだった。
獣人国での不穏な動き
一方その頃、獣人国では別の問題が動き始めていた。
ヤテン家の兄弟は、父ライセイの命令で家宝をオクタドへ届けに向かっていた。しかし弟は、監視対象だった森人達の大半が森から消えていることに気付く。
森人達は以前から何かを企んでいたらしく、ライセイの監視が緩んだ隙に動き出していた。そしてその行動先が隣国、つまりディアスのいる土地である可能性が高かった。
もしディアスへ危害を加えるような事態になれば、国家間問題へ発展しかねない。そう判断した弟は、全力で街道を駆け抜け、兄の待つオクタドの屋敷へ向かうのだった。
避難所で セナイとアイハン
メーア避難所の管理
メーアバダル草原では、野生のメーアのために二つの取り組みが行われていた。
一つは冬の宿としてユルトを貸し出し、体毛を対価として受け取る制度であり、もう一つはモンスター襲撃時に避難できる地下避難所の整備だった。宿は多くのメーアに利用されていた一方、避難所はモンスター被害が減ったことで利用機会が少なくなっていた。
セナイとアイハンは防衛隊として避難所の見回りや掃除、餌の補充を担当していた。避難所には時折、利用したメーアがお礼として体毛を残していくこともあり、2人はその度に嬉しそうな表情を見せていた。
魔力の異変と侵入者の察知
避難所の掃除を終えた直後、セナイ達は魔力の流れに違和感を覚えた。
誰かが感知魔法をごまかそうとしており、西の関所近辺で不自然な魔力操作が行われていると察知したのである。2人は即座にシーヤとグリへ騎乗し、犬人族達と共に行動を開始した。
途中の休憩所で予備の矢筒や装備を回収し、犬人族達も簡易装備を整える。そしてディアスとモントへ報せを送った上で、侵入者の元へ慎重に接近していった。
森人族達の侵入計画
侵入していたのは獣人国の森人族達だった。
彼らは森人族の子供達を支配魔法で操り、メーアバダル領へ混乱を起こそうとしていた。領主の養子となった子供を利用すれば、領地の支配すら可能かもしれないと考えていたのである。
彼らは白い花びらを利用して雪景色へ溶け込み、感知魔法を回避しながら進軍していた。しかしその動きは既にセナイ達へ察知されていた。
双子による遠距離制圧
森人族達へ向け、セナイとアイハンは超長距離から矢を放ち始めた。
矢は正確無比で、姿も見えない距離から森人族達の動きを封じ込めていく。矢はあえて命中させず、立ち上がれば射抜くという形で相手を雪上へ伏せさせ続けた。
森人族達は射手が森人族ではないかと疑い、支配魔法を放った。しかしその魔法は逆流し、一部の森人族達が逆に支配され、謝罪の言葉しか口に出来なくなる。相手が自分達より遥か上位の存在だと誤認した森人族達は、強い恐怖を抱き始めるのだった。
セナイとアイハンの魔法解析
一方セナイとアイハンは、森人族達の支配魔法を解析していた。
セナイが射撃を継続し、アイハンが魔法構造を読み解いていく。相手の攻撃を避けながら円を描くように移動し、街道や避難所へ近付けさせないよう配慮までしていた。
森人族達は遠距離魔法や矢で反撃を試みたが、2人は魔力操作で全ての攻撃を逸らしてしまう。だが迎撃へ集中し過ぎたことで、愛馬への指示が疎かになり、敵の接近を許してしまった。
ディアスの救援
そこへ黄金の鎧を纏ったディアスが駆けつけた。
ベイヤースに跨ったディアスの鎧は強く輝き、その加護によって飛来した矢を全て弾き飛ばす。セナイとアイハンの無事を確認したディアスは安堵の笑みを浮かべ、そのまま領兵や犬人族達と共に侵入者制圧へ突入した。
弓が通用しない上、ディアス達は弓兵対策にも慣れていた。投げ斧や投げナイフ、犬人族達の牙によって弓弦を次々切断され、森人族達は短時間で無力化されていった。
支配魔法の逆転
拘束後も森人族達は、セナイ達へ支配魔法をかけ続けていた。
彼らは暴言や侮辱によって精神を乱し、魔法を通そうとしていたが、セナイ達の心は揺るがなかった。むしろ解析が進み、ついにアイハンは支配魔法を完全に理解する。
そしてアイハンは、森人族達へ向けて「森を捨てて」という命令を返した。
その命令は森人族にとって死以上に恐ろしいものだった。森へ帰ることも、帰らないことも「森を捨てる」結果へ繋がってしまうため、森人族達は絶望と恐怖に沈み込む。許しを請う以外に道がないと悟りながらも、どう償えば良いのか分からず、精神的に追い詰められていった。
ディアスの裁き
全ての侵入者を捕縛した後、ディアスはセナイ達へ処遇について説明した。
罪を犯した者を裁くのは領主である自分の役目だと語り、必要であれば死罪も自ら執行する覚悟があると伝える。しかし今回については、実害が出る前に制圧したため、そこまで重い罰にはならないと説明した。
その言葉を聞いた森人族達は、何故か強い安堵を示し、一斉に気絶してしまうのだった。
ヤテン家兄弟の来訪
その後、ヤテン家の兄弟ライキリとライマルが現れた。
彼らは盗賊達の暴走を止めるため駆けつけたのであり、ディアスへ深く謝罪する。同時に、ライセイから託された家宝を献上し、盗賊達については獣人国側で厳重処罰すると説明した。
ディアスは処刑するつもりはないと告げ、賠償や今後の処遇をペイジン商会へ任せる形で決着を受け入れる。そしてライキリ達へ関所での歓待を提案し、両者は穏やかな形で和解するのだった。
新たな家宝
歓待の準備が進む中、ディアスは献上された家宝を確認した。
それは金色の棒に鈴がいくつも吊り下げられた、不思議な楽器のような品だった。手にした瞬間、ディアスはいつもの違和感を覚え、エイマへ小声で相談する。
エイマは人目の多い場所では使わないよう注意し、後でイルク村へ戻ってから力を確かめようと提案する。ディアスは頷き、皆と共に西の関所へ向かうのだった。
関所で
関所での歓待
関所へ到着すると、モント率いる犬人族達が盗賊達の監視を担当することになった。
盗賊達は中央広場へ集められ、歩廊からも監視されながら、獣人国から迎えが来るまで拘束されたまま管理されることになった。最低限の食事や焚き火は用意されたが、それ以上の待遇は与えられず、モント達は一切の油断なく見張りを続けていた。
一方で、ヤテン家兄弟とその護衛達には最大級の歓待が用意された。関所内でもっとも良い部屋が与えられ、イルク村から呼び寄せた料理人による豪華な食事や土産まで準備されていた。
盗賊達の役割
食事の席で、ディアスは盗賊達へ任されている仕事についてライキリへ問いかけた。
ライキリは、彼らが森の管理を担っており、短期間で良質な森を育てられる特別な存在であると説明する。獣人国では木材需要が非常に高く、彼らがいなければ森が消滅してしまうほど重要な役目なのだという。
その説明を受け、ディアスは獣人国側にも事情があることを理解した。そしてセナイとアイハンも、盗賊達へ仕事に励むよう命令すると口にする。2人は既に支配魔法を通して彼らへ命令を下せる立場になっており、ライキリ達はその事実を察しながらも、穏やかな態度を崩さなかった。
エルダン家嫡男誕生の報せ
歓談の最中、センジー氏族の若者が駆け込んできて、エルダンの妻が無事に男児を出産したと知らせた。
エルダン家に後継者が誕生したという報せに、ディアスやアルナーは大いに喜ぶ。ライキリ達もまた、マーハティ公家に嫡男が生まれたことを祝い、大メーア神殿の加護が広く知られるだろうと語った。
その流れから、ライキリ達はメーアバダル領と神殿を獣人国で広く喧伝し、交流価値のある家を優先的に招く役目を引き受けたいと申し出る。ディアスはアルナーとエイマの同意を確認した上で、その提案を受け入れるのだった。
ライキリ達が見たメーアバダル領
関所での日々は、ライキリ達にとって驚きの連続だった。
冬にもかかわらず豪勢な料理が惜しみなく振る舞われ、香辛料すら日用品のように扱われていた。さらにディアス自ら狩りへ赴き、巨大な獣やモンスターを正面から討ち倒す姿を目の当たりにしたライキリ達は、その強さへ圧倒される。
それ以上に衝撃的だったのは、ディアスが獣人達を分け隔てなく家族同然に扱っていることだった。犬人族や鼠人族、魚人族や鳥人族まで対等に接し、敵国出身の者にすら善意を向けていたのである。
ライキリ達は、その善意に裏があるのではと疑った。しかしペイジン・ドから、ディアスは善意には善意を返し、悪意には悪意を返す鏡のような人物であり、嘘は見抜かれると忠告される。実際に誠実な態度を取ると、周囲の対応がさらに柔らかく変化していき、ライキリ達はこの地を「悪意のない世界」のように感じ始めるのだった。
獣人国からの賠償品
後日、ペイジン・ドが大量の贈り物を持参した。
食料や酒、調味料、布、紙、金貨、美術品など膨大な品々が並び、中には「空の英雄」という題のディアスの絵画まで含まれていた。そこには黄金の鎧を纏ったディアスがドラゴンを素手で絞め上げる姿が描かれていた。
ディアスはペイジン達から贈り物を受け取ることへ迷いを見せたが、ペイジン・ドはこれは獣人国からの正式な賠償であり、必要経費でもあると説明する。その誠実な態度を受け、ディアスは感謝の言葉と共に受け取るのだった。
アルハルの潜入確認
その後、盗賊達は大人しく獣人国へ帰還した。
だが本当に適切に処罰されているか確認するため、アルハルは密かに彼らの後を追って獣人国へ潜入していた。ペイジン・ドもその必要性を認めており、獣人国側で使える宿や休憩所の情報まで提供していた。
数日後、アルハルは無事に帰還し、盗賊達が本当に森で働かされていることを報告する。そしてディアスへ、鈴による強化を解除して欲しいと頼んだ。
鈴の力の判明
ディアス達は、献上された鈴の力についても研究を進めていた。
その鈴は、指定した人物の身体能力を大幅に強化する力を持っていた。鈴の音が聞こえる範囲であれば多数へ同時に効果を及ぼすことができ、犬人族のように耳が良い者ほど遠距離でも恩恵を受けられる。
だが強化には反動も存在した。解除した瞬間に極度の疲労や筋肉痛が襲い、場合によっては数日動けなくなることもある。そのためディアスは、扱いには十分注意が必要だと考えるのだった。
新たな鷹人族達の移住
アルハルがセナイ達に連れられて関所へ入ると、今度は鷹人族の雛チャイがディアスへ報告を行った。
チャイによれば、この地へ住みたがる鷹人族が増えており、既に巣作りまで始まっているという。安全に子育てが出来る土地としてメーアバダル領は評判になっていたのである。
その直後、20人もの鷹人族達が一斉に姿を現し、領民として受け入れて欲しいと頭を下げる。ディアスはそれを歓迎し、モント達と協力して関所を守って欲しいと頼んだ。こうしてメーアバダル領には、新たに20人の領民が加わることになった。
書き下ろし 次代の旗手
岩陰に隠れて、セナイ達を見守りながら――ディアス
北の山での初狩り
ゾルグが昔は狩りの成果によって一人前として認められていたと語ったことで、セナイとアイハンは強く反応した。
二人はこれまでにも狩りへ参加していたが、大人達の助けを借りていた以上、それだけでは一人前とは言えないと考えていた。そして自分達だけで狩りを成功させたいと願い、狩りへ行きたいと声を上げる。
アルナーやゾルグ、エイマやアルハルも、セナイ達なら無謀な真似はしないと判断し、最終的に狩りは許可されることになった。
ディアスとアルハルの尾行
だがディアスは完全に安心していた訳ではなく、北の山へ向かうセナイ達を密かに尾行することにした。
アルハルも同じ理由で同行しており、ディアスへ特製の迷彩布を被せながら、セナイ達は耳も目も非常に良いため、尾行には細心の注意が必要だと忠告する。
ディアスは完全武装のまま岩陰へ隠れながら進み、アルハルの指示に従って慎重に後を追っていった。
セナイ達の見事な狩り
セナイとアイハンは、成人前のマスティ氏族の子供達を偵察役として連れ、山中を進んでいた。
やがてトカゲ型のモンスターを発見すると、二人は即座に弓を構える。放たれた矢は一瞬で敵の目と口を射抜き、鱗を避けて急所だけを狙う見事な連携でモンスターを討伐した。
その後も次々と現れるモンスターを危なげなく倒し続け、ディアスは二人の成長ぶりへ深く驚かされることになった。
犬人族の子供達との連携
問題となったのは、倒したモンスターの死体をどう運ぶかだった。
するとマスティ氏族の子供が遠吠えを上げ、それに応えるように、セナイ達の友人である犬人族の子供達が集まってくる。彼らは持参したロープでモンスターを縛り上げ、運搬を手伝い始めた。
その間、セナイとアイハンは弓を構え続け、仲間達を守るため周囲を警戒し続ける。二人は最後まで気を抜かず、村が見える場所へ戻るまで警戒態勢を維持していた。
一人前としての帰還
イルク村が見えた頃、ようやくセナイ達は緊張を解き、満面の笑みで喜びを爆発させた。
二人はこれで一人前になれたと喜び、犬人族の子供達と共に歌いながら村へ帰還する。村人達もその姿を見て笑顔で迎え、一団は誇らしげな行進を続けた。
その様子を地面に伏せながら見守っていたディアスへ、いつの間にか近付いていたアルナーが、最初から尾行は気付かれていたのではないかと声をかける。ディアスは少し気まずさを覚えながらも、立派に帰還したセナイ達の姿を誇らしく見つめるのだった。
特別書き下ろし。アルハルの料理
アルハルの故郷料理
ある日の昼前、アルハルはニャーヂェン族に伝わる故郷料理を披露することになった。
きっかけはディアスが故郷の料理を食べてみたいと口にしたことであり、異国の料理へ興味を持った村人達も竈場へ集まり、いつも以上の賑わいとなっていた。
アルハルは、故郷では肉料理や小麦粉料理が多く食べられていたと説明し、その中でも特に好きだった揚げ肉と包み肉スープを作ることにした。
揚げ肉と包み肉スープ
揚げ肉は、黒ギー肉を鉄のハンマーで薄く叩き伸ばし、卵と小麦粉をまとわせて油で揚げる料理だった。
揚げ終えた後は塩と果汁をかけて食べるらしく、アルハルは手際よく調理を進めていく。
一方の包み肉スープは、細かく刻んだ肉と野菜を混ぜ合わせ、それを薄いパン生地で包み、スープで煮込む料理だった。食べる際には包みを切り開き、中から溢れる肉汁とスープを合わせて楽しむものだと説明される。
さらにアルハルは、故郷では芋料理や麦酒に合う料理も多かったと語り、酒を飲まない者でも楽しめる料理文化であったことを話すのだった。
皆での調理と食事準備
アルナーやセナイ達、婦人会の面々は、アルハルの調理法を熱心に記録していた。
そして記録が終わると、今度は村人達自身も調理へ加わり、広場での食事会に向けて大量の料理作りが始まる。ディアスも邪魔にならないよう場を離れ、食器や机の準備へ回った。
準備が整うと、出来立ての料理が次々と広場へ運ばれ、村人達は温かいうちに食べ始めることになった。
故郷料理への感動
ディアスはまず揚げ肉を口にし、その美味しさへ驚かされる。
衣はサクサクに揚がり、肉の旨味が増しており、果汁のおかげで油の重さも感じさせなかった。
包み肉スープもまた格別であり、中に閉じ込められた熱い肉汁とスープの旨味が一気に広がり、熱さを気にしながらも食べる手を止められなくなる。パンをスープへ浸して食べる味も絶品だった。
そんなディアスの様子を見ていたアルハルは、自慢げに口角を上げ、満足そうな笑みを浮かべるのだった。
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領民0人スタートの辺境領主様















その他フィクション

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